今日この日を、いずれ若人に話すのだろう。
あの日はちょうど雪の日で、
高市さんが急に解散したもんだから選挙に行ったんだ、
寒くてたまらんかったわ、クソムカつく、と。
『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』が終わった。それ即ち、1975年から続いたスーパー戦隊シリーズ、50年の歴史が終わった事を意味する。
「一旦」という言葉は使わない。公式もそう仄めかしているし、テレビ朝日も復活に対して好意的で、であればと各メディアでも「一旦休止」という表現を使ってはいるが。
「終了」は紛れもない「終了」だ。「一旦」の優しさに甘えているに過ぎない。「一旦」であってほしいと願うワガママに過ぎない。事実としてスーパー戦隊シリーズは「終わった」。
新たなシリーズは始まる。嫌悪感も高揚感もなく、驚く程にフラットなテンションでいる。話が面白ければ良し、つまらなければカス。いつものスタンスを崩していない。
だからこそなのかもしれない。「スーパー戦隊」がない世界で、私はどう生きればいいのか、何も知らない。だから変えられないだけなのかもしれない。
そんな諸々の不安は置いといて、『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』は本当に、本当に楽しかった。
ゴジュウジャーの面々のみならず、ユニバース戦士として彼らの前に立ちはだかるキャラクター達のなんと個性的だったことか。それらが抱える物語性が変身(エンゲージ)する戦隊のテーマにも沿った上で、ゴジュウジャー達の物語性やパーソナリティーと共鳴し合うように面白くなっていく様。
本人キャストの客演という爆裂切り札は『ゴーカイジャー』で使ってしまったのに、また似たようなことしてどうすんの?という放送開始前の不安は「あぁぁぁぁッ!!!『ディケイド』ね〜!!!!了解了解〜〜ッ!!!これはこれでおんもしれェんだよねぇ〜!!!!」で一瞬のうちに払拭された。
それでいてゴジュウジャー達が指輪争奪戦のライバルでありながら、日々のナンバーワンバトルをワチャワチャ楽しんでいく様。
結局最終回でも「『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』の終わりはこれしかねェだろ」と言わんばかりに子供じみた競争で誰がナンバーワンになるかというのを楽しむ結末を迎えたところからも、「ありふれた日常の尊さ」に気づかせてくれる作品だったように思う。
まずもってレッドがそういう日常から切り離されて生きることを余儀なくされた人間だった。そんなはぐれものの奇妙な1年間を追いかけて、これまでのレッドがそうであったように、自然と彼を、遠野吠を愛する人々が集まった。
「指輪争奪戦をやり直す」。勝者となった吠の願いは、戦闘狂だからとか、願いが決まりきらなくて保留したいからとかではないことくらい簡単に分かる。
あいつらに会いたい。
持ってはいけなかった喜怒哀楽、色んな感情を思いっきり出したい。
そんな未知の体験に連れて行ってくれる人生を生きたい。
そう、我々が『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』で遠野吠の目を通して観てきたものは、彼自身には驚きの連続で、楽しくて、ワクワクする、明日は何が起こるのか、自分は何を思うのか……そんなキラキラした「非日常」だったのだろう。
それを「日常」と呼んで生きる我々には、まぁ刺さる。悲しまないように、ムカつかないように、過度に喜んだり楽しまないように、意図してないものに巻き込まれないように自分の気持ちを抑えて生きる「日常」は、何故わざわざそれを望んで選んでいきているのかと疑問に思うくらい窮屈だ。
そうやって押し込められた自己の中でも、人は願いを抱かずにはいられない。だから抗う。もがいて手を伸ばす。自分を押し潰そうとする「日常」の枠組みから、本能的に。そしてそれはほんの少しでいい。
他の誰かが同じように伸ばした手が触れたら、そして互いが互いを引っ張り出したら、それはもう非日常だ。正しくスーパー戦隊シリーズでやる意義のあるテーマだったと思う。
そしてまぁ、一連の不倫→未成年飲酒→降板からの「代役:志田こはく」の奇跡のリカバリー→ビビるくらい合成丸分かり、という、東映と我々ファンの関係性を象徴するかのようなハプニングについても、言わずにおくのもかえって気持ち悪いので言うことにする。
何事も起こってなければ「スーパー戦隊シリーズ終了」だけのショックで済んでいた(たまったもんじゃないけどね!!!)。報道が重なってしまったが故にあらぬ推測も立ったが、時が経ったらまた会ってみたいな、それまでどうか悪い大人に捕まらないで、と思える女優さんだ。
SNSが発達していたら『バイオマン』の時もこんな風になっていたのだろうか……そんなスーパー戦隊シリーズの歴史の追体験をさせてくれた(せんでもいい、てかせん方が50倍いい)1ヶ月あまりは、辛かったが楽しかった。
あんなにニュースになって、イチから説明せずとも今の特撮について自分がどう思っているか話すことなんか、これまで一度もなかった。
人に特撮の話ができる。この非日常。結局のところ私はこれが欲しくてずーっと飽きずに特撮を観続けているし、スーパー戦隊シリーズを制覇して、感想を記事にまとめたのだな、としみじみ思う。
書きながら整理がついた。私はもう自分を疑ったりしない。終わったとか正直どうでもいい。私がスーパー戦隊シリーズを心の底から愛している、その本当だけは隠せないし、続いていくのだから。
特撮の話を、ヒーローの話をこれからもずーっと続ける。この非日常が日常になるまで、何年も、何十年も。
……そういえば、観測している範囲で言っている人間がいないので言っておく。
『ティガ』で生まれ、『クウガ』で育つ。
マウントとりたいワケじゃない。
全ては皆と、アツい話をするために。
私立アメコミ高校、ワキリント。
私が特撮オタク、ナンバーワンだ。
スーパー戦隊シリーズに最大級の愛と敬意を込めて!
