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世界を見る目を鍛えること────富永京子『なぜ社会は変わるのか』感想

なぜ社会は変わるのか はじめての社会運動論 (講談社現代新書)

 富永京子『なぜ社会は変わるのか はじめての社会運動論』を読んだので感想。今年はなぜだか講談社現代新書から好著が多く出ている気がしますね。

 本書は、社会学という学問が、どのように社会運動を分析してきたかの枠組み、すなわち社会運動論の入門書。1960年ごろから2000年ごろまでのおよそ40年間で、どのような理論的枠組みが出現してきたかをたどってゆく、いわば学説史というか、研究史の整理のような内容。いい意味で結構ストイックで、こういう骨のある本が講談社現代新書というレーベルから出たのは意外の感もあった。

 「集合行動論」や「資源動員論」、「政治過程論」などの考え方を、それが唱えられた年代順にたどりながら、その理論でいくとわたしたちの知る現代の社会運動はどのように理解されるか、という実例まで示してくれている。そのことを通して、「社会運動」としてとらえることのできる現象がかなり広範にわたること、そうした行動の蓄積が確かに社会のありようを変えてきたのだということを論じていて、単に理論の紹介にとどまらず、わたくしたちの生きる生活世界との接点が確保されていて、理論をてこに現実を変えていけるのだという気概を感じさせるところがいいなと思う。社会を変えるには、世界を見る目を鍛えることから始めるのだ、ということを言外に言われているような気もした。

 わたくし個人としては、大学院の時分に構築主義をかじったこともあって、フレーム分析の考え方がかなりしっくりなじむ感じがした。あるフレームを設定してのクレーム申し立てを社会運動の根っことして考えてみるならば、社会運動の種はそこかしこに転がっているはずで、自身の抱える問題をよりひろい関心を集めるものにするためにはどのようなフレームが考えられるか、ということは、たとえばSNSで独り言をするにあたっても頭の片隅に入れておいてもいいようなきがする。

 そういうわけで、勉強になるし、勇気づけられる、素敵な入門書だと思います。

 

 

 




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