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「花とアリス」 (2004年)

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2004年 日本 130分
監督:岩井俊二
出演:蒼井優、 鈴木杏

ガールズ青春もの。 ★★★

学園ものというのは、なんだか青臭くて好きではないのだが (じゃあ、なんで観るんだ?)、これはすんなりと楽しめた。

積極的なアリス(蒼井優)と、引っ込み思案のハナ(鈴木杏)。二人は同じバレー教室に通う親友。
中学卒業を控えたハナはふと見かけた宮本君に片思い。ストーカーのようにこっそりと写真を撮りまくる。
やがて二人は宮本君と同じ高校へ進学する。

この映画、どこか飄々とした雰囲気が漂っている。
宮本君はなぜか落語研究会に入っていて、「寿限無」を覚えようと必死になっている。
でも彼の落語は少しも面白くなさそうだし、彼自身もあまり楽しそうではない。
なんだ、これは?

そんな彼が転倒して意識が混濁したことを利用して、ハナは自分が彼の恋人だったと嘘をつく。
宮本君は記憶喪失になっていて私のことを忘れているのよ、私はあなたの恋人だったのよ。
へえ、そうだったのか・・・、おとなしく真面目な宮本君である(苦笑)。
記憶喪失だといわれてすぐに納得してしまうのもどうかとは思うが・・・。

こうしたフツーではない設定を無条件に受け入れたところでこの映画の物語は成り立っている。
みんな飄々としているのだ。
だから観る方も飄々としていなければならない。そうすれば、居心地の良さのようなものになってくる。

アリスは父母が離婚していて、父親とはたまに会う。
その父親とのやりとりがなかなかに好い。高校入学のお祝いにと、父は万年筆をくれる。
実生活であまり使うことのない万年筆だが、だから贈り物には好いのだという父の説明になんとなく納得。
それに父が手品で使ったトランプの逸話も好かった。

まだ20歳前だった蒼井優が自然な演技で好い。と言っても、映画では中3から高1の役なのだが。
ゲームに勝ったアリスが宮本君に、ハナと別れてくれ、と命令する場面がある。これ、たぶん、本気。
そのすぐ後で、ウソ、ウソ、と笑いながら言う。これ、嘘の気持ち。
少女心は切ないなあ(笑)。

ハナが宮本君との仲に右往左往しているあいだに、アリスはタレントにスカウトされる。
終盤近くで、オーディションを受けるアリスが紙コップをトゥシューズ代わりにしてバレーを踊る場面がある。
ここは一つのクライマックスのようなところ。蒼井優の可憐さとその奥に隠された意地をを見直してしまう。
紙コップであんなに上手くいくはずはないのだがそれでよいのだ。

ガールズものとしては先日「下妻物語」を観た。
あれは突きぬけていて好かったが、この映画はぬるさが妙に心地よいです。



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