
2021年 ガーナ 84分
監督:セバスチャン・スタイン
B級を極めたブラックコメディ。 ★★☆
まあ、ある意味ですごい映画を観てしまった。
第二次世界大戦後に、ヒトラーと東條英機が潜水艦に乗ってガーナに亡命し生き延びていたという設定である。
そして彼らは現地人を洗脳し、ガーナアーリア人を育成して再び世界征服を目論んでいたのだ。
これだけでも相当に無茶苦茶な映画である。
しかし、この映画のすごいところはその無茶苦茶ぶりが徹底しているところである。
二人が何を画策したかというと、なんと村での武術大会なのだ。
なんだ、そりゃ。それで世界征服できるのか?
ヒトラーは相変わらず弁舌は健在。住民を鼓舞して心酔させてしまう。
演じているのは監督自身。どうやら俳優を雇うお金をけちったらしい(汗)。
そして東條英機はというと、なぜか空手の達人なのである。
演じているのは監督の友だちの何でも屋の人とのこと。ちゃんとした俳優じゃないんかい。やっぱりお金をけちっている?(経費を切り詰めている、とも言う)
逆にいえば、それだけの工夫をしてでもこの映画を撮りたかったのだという熱意の表れでもある。
ヒトラーの腹心の部下であるヘルマン・ゲーリングも一緒に逃げのびてきていたのだが、彼も空手の達人である。
そしてキャストに白人が足りなかったとのことで、演じているのは黒人である。ううむ、アーリア純血政策はなんだったんだ?
さて、恋人のエヴァをヒトラーにたぶらかされてしまった村のカンフー青年のアデー。
エヴァを取り戻そうと、彼も武術大会に出る事にする。
しかし今の腕ではとても勝ち進めないぞ。
という事で彼は3人の名人、達人に教えを請う。なんや、ベスト・キッドの青年版かいな。
そしてその習得する秘術というのが、ジャッキー・チェンの蛇拳や酔拳のパクリなのだ。
臆面もなくようやるな。
しかしこれもなりふりかまわずにでもこの映画を撮りたかったのだという熱意の表れなのだよ。
温かい目で見てあげよう。
その武術大会。まあ、しょぼい。
村の公民館のような所に垂れ幕をはっている。そこには漢字で”生死”と書いてあったりする。
掲げられた旗は大きな日章旗の日輪の部分にハーケンクロスが描かれたもの。なるほど、これは考えたね。
あ、書くのを忘れていたが、登場人物たちはみんな妙な関西弁である。
私は吹き替え版で見たのだが、字幕も関西弁だったようだ。なんだ、そりゃ(感心しています)。
武術大会のアクションはしかし本格的だった。ここだけバシッとしている。
ただし情け容赦のない殺し合いである。
眼球突きをすれば眼窩からは血の雨が吹き出る。グロイよ。
あれよあれよと呆気にとられて見終えた。
ここまで徹底していると潔いな。
そして驚くべきことに、当初は限定配信で始まったこの映画はネットで話題になり、劇場公開を果たしたとのこと。
さらに、(あまりの人気かどうかは知らないが)なんと続編も作られてしまったようだ。
本当かよ。
なんでも続編にはヒトラーのロボットが登場するらしい。
またやってくれていそうだな。観る?