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「サヨナライツカ」 (2009年) 死ぬときに思い出すのは愛したこと、それとも愛されたこと?

2009年 韓国 134分 
監督:イ・ジェハン
出演:中山美穂、 西島秀俊、 石田ゆり子

大人の恋物語。 ★★★☆

 

不慮の死となってしまった中山美穂のお別れ会が先日あったとのこと。
そこで、彼女の映画で一番好きな本作を再見した。
原作は「冷静と情熱のあいだ」の辻仁成
ああ、そうか、中山美穂は彼の奥さんだったんだ。

 

なんとも甘い、甘すぎるようなラブ・ストーリーである。
バンコクに赴任してきたビジネスマンの豊(西島秀俊)は、豪華なホテルを住まいとして気ままに暮らす沓子(中山美穂)と出会う。
豊には日本に残してきた婚約者の光子(石田ゆり子)がいたのだが、沓子の奔放な誘惑にすぐに負けてしまう。

 

沓子が長期滞在していたオリエンタル・ホテルというのは実在するホテルで、世界的にも評価の高い高級ホテルとのこと。
そんな場所を舞台にすることによって、日本でだったらそれぞれに絡みつくようなしがらみを捨てての男女関係が展開される。

 

男は有能な会社員で、女は(なぜか)ものすごく裕福。
互いに社会的には何も煩うものもない立場での、3ヶ月の期限付きの一時だけの恋人関係。
男は待っている婚約者の元へ帰ることが決まっている。男も女もそのことを承知の上での恋人関係。
それゆえに激しく求め合うものもあったのだろう。

 

そして、この作品がただ甘いだけで終わらなかったのは、恋人関係が終わった25年後の物語をつなげたところ。
そうなのだ、豊が25年後に訪れたバンコクの思い出のホテルで沓子は一途に再会の日を待っていたのだ。
一時の遊び心だったと思えていた踏子の気持ちが、それほど一途な強いものになっていたとは・・・。
この展開にはやられた。
前半の甘すぎるような愛欲の日々が一気に浄化される。

 

展開としてはベタと言ってしまえばそれまでなのだが、屈託のなかった若い日々の過去の回想が入る作りには、私はめっぽう弱いのだ。
かっての日々の情熱的な恋心と、老いを迎えた今になっても残っている深い思慕の気持ちが対比されて、じーんとしてくる。
中山美穂にしても西島秀俊にしても、25年後の老け顔にはいささか無理があったが・・・。)

 

しかし、しかしである、これはあまりにもリアリティには欠ける展開である。
別れた女がひっそりと25年も異国の地で待っていてくれるなんて、そんな事は普通はあり得ない。
だからこれは、(身勝手な)男の夢物語なのである。

 

考えてもみてほしい。皆が振り向くような美女が初対面だった男の部屋にいきなりやってきて、いきなり下着まで脱ぎ捨てて誘惑してくるか?
婚約者がいると知りながら、夢のような日々を共に過ごしてくれるか?
そう、これは(身勝手な)男の夢物語なのである。いいなあ。

 

不満を一つ。
タイトルにもなっている「サヨナライツカ」だが、これは踏子ではなく、豊の妻の光子の言葉であった。
あくまでも物語のヒロインは踏子にしぼって、光子はその陰の存在にとどめてほしかった。

 

映画の最後に、豊は幻となった踏子に「愛している」と告げる。
幻の踏子は「その一言を言うのにずいぶん長い年月が要ったのね」と答える。
しかし25年前、豊に別れを告げてニューヨークに旅立とうとした踏子を見送りに行った空港に思いがけず光子が現れたとき、豊は光子の肩を抱き「愛してる」とつぶやくのだが、あれは去って行く踏子の後ろ姿に向かって言っていたのではなかったか。

 

客観的な完成度としてはそれほど高いものではないと思える。
しかし個人的には惹かれた作品だった。

 

私は身勝手な男目線で作品を観た。で、ひどく気持ちを揺さぶられたのだ。
同じこの作品を女性の、踏子目線、あるいは光子目線で観たとき、感想はどのようなものになるのだろうか。
おそらくかなり辛辣なものになるのではないだろうか(汗)。

 




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