
2005年 104分 韓国
監督:イ・ミョンセ
出演:ハ・ジウォン、 カン・ドンウォン
ソード・アクションもの。 ★★
舞台は朝鮮王朝時代の韓国。
物語は、贋金を追う女性刑事ナムスン(ハ・ジウォン)と、悪組織のために働いている刺客”悲しい目の男”(カン・ドンウォン)が禁断の恋に落ちる、というもの。
原作は韓国の人気漫画で、「チェオクの剣」というタイトルでTVドラマ化もされている(なんと、私は観ていたのだ!)。
朝鮮王朝時代。この時代、贋金が大量に出回り、捕盗庁の刑事たちは市場での潜入捜査を続けていた。
女刑事ナムスンは、広場で剣舞を披露している鬼の仮面をつけた”悲しい目の男”に目を留める。
偽金用の鋳型をめぐって二人は剣を交える。
画面は大変に美しい。
幾枚もの色とりどりに薄布が視界を遮ったり、雪が舞い散るモノクロの風景がひろがったり。
そのなかで華麗極まりないソード・アクションがくり広げられる。
この監督、美に凝っているな。美しい画面のためなら物語なんか棄てるぞ・・・といっては言い過ぎだろうが、そんな感じさえある。
ヒロインのハ・ジウォンは整った顔立ちなのだが、しきりに変顔をする。
剣の腕が立ち、男勝りの性格ということを強調したかったのだろうか。
それにしてもあの口を歪めたり、妙に睨みつけたりする変顔は、彼女の魅力を半減させていた。
片やイケメンぶりが売りであろう”悲しい目の男”の方だが、こちらはあくまでも冷静無表情。
カン・ドンウォンについてはまったく知らなかったのだが、他の映画ではどんな雰囲気なのだろう?
あまりにも冷静で盛り上がりに欠けるなあ。
そうなのだ、盛り上がらないのである。
美を狙った映像であることは一目瞭然なのだが、あまりにもそちらに力点が置かれていて、映画全体のまとまりがなくなっていた。
チャン・イーモウ風の映像美を作り上げようとしていたのだろうか。
我が国の映画でいえば、鈴木清順の大正ロマン三部作風にしたかったのだろうか。
偽金事件の黒幕などはもうありきたりの展開だった。
ナムスンと“悲しい目の男”は許されない恋に落ちていくという設定(のよう)なのだが、そこも説得力には欠けていた。
群舞のような大人数での殺陣シーンがあって物語は終わっていく。
そのあとに、おまけのように、ナムスンと悲しい目の男の対決シーンが幻想のように再現される。
監督はもうこの映像を撮りたくてこの映画を作ったのではないだろうか。
映像にこだわりすぎて、肝心の映画としての魅力がなくなっていた。残念。
しかし韓国ではこの映画はいくつかの賞もとったようだ。
この監督が他にはどんな映画を撮っているのか、気になってしまう。
(追記)
検索してみたらTVドラマ「チェオクの剣」のヒロインも、この映画と同じハ・ジウォンだった。
ドラマはこの映画の2年前。あれを観ていたときはヒロインは格好いいなあと思って観ていたのだから、やはりあの変顔が駄目だったのだろうなあ。