
2023年 173分 中国
監督:グオ・ファン
出演:ウー・ジン、 アンディ・ラウ
壮大な中国SF映画。 ★★
なんとも大げさなタイトルだが、原作は劉慈欣による「さまよえる地球」(未読)。彼は話題のSF小説「三体」の作者でもある。
知らなかったのだが、今作は中国で大ヒットした「流転の地球」のシリーズ第2作とのこと。
しかし物語的には今作が前日譚である。
太陽が100年後には老化によって膨張し、地球は呑みこまれる、そして300年後には太陽系そのものが消滅するという予測が立てられた。
これは大変だ、何とかしなければ・・・。
そこで地球連合政府は、地球に1万基のロケットエンジンを据え付けて太陽系から離脱するという(奇想天外な)プロジェクト「移山計画」を始める。
これがこのシリーズの根幹になっている。
映像は惜しみなく撮影費用をかけただけあってさすがに素晴らしいもの。
宇宙ステーションが浮かび、なんと地球からそこへ行くための宇宙エレベーターまであるのだ。
それに乗り込んで宇宙ステーションへ行く様子もリアリティを持たせている。
宇宙ロケットが線路の上を走るイメージで、対G用の宇宙服を着てがっしりと固定された状態でエレベーターに乗るのだ。なるほど。
映画は、宇宙へ旅立つ飛行士カップルの物語、事故死した幼い娘をAI技術で蘇らせようとする科学者(アンディ・ラウ)の物語、そして他国との主導権争いをしている中国大使の物語、の3つからなる。
これらは群像劇のように描かれていて、それぞれの登場人物は交わることなしに映画は進んでいく。
それにしても、長い!(3時間近いのだよ)
さっきも言ったように映像は好い。しかし、どうも緊張感に乏しいのだ。
そりゃ、宇宙エレベーターの崩壊や、核兵器による月の爆破、海中のインターネット拠点の復旧などと、事件は次々に起こる。
でも、なんかダレるんだよなあ。どうして?
主人公たちが生きる時代もかなり飛び飛びになる。
いきなり年月を経た容姿で主人公たちがあらわれる。駆け出しだった政府の事務職員はやがて立派な政府中枢人物になっていたりする。
壮大な物語ではあるのだが、どうも緊張感が続かないのだ。
大きな不満も。
地球自体が宇宙を流転する間は人々は地球の地下都市で暮らしていくことになっている。
しかしその地下都市の建設状態やそ都市の様子がまったく描かれていなかった。
さらに、肝心の地球を流転させている1万基のロケットエンジンの設置過程やその映像もまったく出てこなかった。
少しはそんなものも見せてほしかったぞ。
物語としてはアンディ・ラウの物語が一番好かった。今はモニターの中でだけ生きていて同じ台詞で語りかけてくる娘がなんとも愛らしい。
この物語だけで密度を上げてひとつの映画とすればかなりのものになったのではないだろうか。
(ネタバレ)
亡くなったラウがデジタル生命体となって幼い娘と再会する場面は好かったな。
中国では大ヒットしたとのこと。
だが、個人的には本作よりはクリストファー・ノーラン監督「インターステラー」の方が上だったな。