3月7日。Zepp Hanedaにて開催された『IDOLY PRIDE Zepp Haneda LIVE moon lily』昼夜公演に参戦して来た。本稿はそのLIVEの参戦レポになる。

2月の大阪(戦…ぢゃなくて……会場は Zepp Osaka Bayside)において、サニーピースとTRINITYAiLEによるLIVEが開催された。ちなみに、大阪でのLIVEに月のテンペストは参戦していない。サニピと月ストのどちらかがいない形態のLIVEは二年前のアイプラZepp Tour以来のものになる。しかも、他のグループとのツーマンLIVEはアイプラLIVEでは初めての挑戦になる。
そして…大阪公演にあたって避けてはいけない話をしておく。
Zepp Osaka Bayside LIVE sunny wings
— IDOLY PRIDE アイドリープライド(アイプラ) | ゲーム好評配信中 (@idolypride) 2026年2月21日
出演見合わせのお知らせ
この度、川咲さくら役の菅野真衣が体調不良により、
本公演への出演を見送らせていただくこととなりました。
皆様にご心配とご迷惑をおかけいたしますこと、お詫び申し上げます。
詳細はこちらhttps://t.co/ulCJsQdRVq#アイプラ
LIVE前日。川咲さくら役の菅野真衣さんが体調不良により、LIVEの出演を見送られたの事。よって、サニピは四人でステージに立つ事になった。
自分はこの大阪公演には参戦していない者なので、この報についてどうこう言える身ではない。とは言え、参戦された方は残念だっただろうし、何よりも…無念に思っていたのはこのLIVEに向けて準備や研鑽を重ねてこられた菅野さん自身が一番悔しくて残念だっただろうから。
そんなこんなで迎えた大阪のLIVE。所感をいろいろ見たら多くの人が素晴らしく楽しかったという声に溢れていた。大阪の地と刻に参戦された多くの人の魂を興奮と感動で揺り動かせたのは、サニピとトリエルのパフォーマンスが凄かった事の証明だった。
サニピとトリエルは素晴らしいLIVEを魅せ付けたという。今度は月のテンペストとLizNoirがHanedaの地と刻で徹底的に魅せ付ける番。
コレは、今回のLIVEの出演者が決まった段階から結構多くの人が言及されていたが……大阪でのサニピとトリエル、Hanedaでの月ストとリズノワという組み合わせは、メインストーリー・星見編(&TVアニメ版)で描かれた『NEXT VENUSグランプリ』の準決勝で戦った組み合わせと一緒というのがまた実にエモーショナル……
『BIG4』同士の戦い、あの刻(NEXT VENUS グランプリ)の再戦、変化と再生を果たした者達による戦い、更には、キャスト側の縁の繋がりと、ステージでしか交わせない想いとPRIDEの激突……etc
まあ、そんな数多の要素が幾重に重なったLIVEがただの『良いLIVE』で終わるワケがない。今からここに書き殴っていくのは、そんなLIVEに参戦したおっさんの記憶である。
※ここからLIVEレポ的なヤツになりますが……出涸らしの記憶から引っ張り出して書き殴っておりますので、抜け落ちや色々違った部分が多々出て来る為、話半分で読まれると幸いであり全て個人の所感なので温かく受け止めていただければ幸いであります。
1.情熱だけで生きてみろ/LizNoir
開演を告げるOverture的なやつが流れてからの……
『全てをぶつけるよ!!!!』
“彼女”=神崎莉央の高らかな宣言を聴覚で認識できた瞬間、自分の中にある何かが外れる音がして自然と『うおおおおぉぉぉぉッ!!!!』って吠えてた。
リズノワさんがこのLIVEへの参戦が決まった時、どの楽曲が一番聴きたいかを挙げるならこの楽曲が筆頭に挙がった。それがいきなり初手で叶ったんだそりゃ吠えるしかないだろうって。
そして、コイツはLizNoirからの宣戦布告であり挑戦状だ。
こっちはそっちが一番待ち望んでる楽曲を初手で持って来てやったんだ。そっちはリズノワの覚悟に応えられるのか?みたいなニュアンスなのかもしれない。
我々観客がLIVE参戦で最も望んでいることは聴きたい楽曲が披露される事。それは順番が早ければ早いほどいい。更に言えば、リズノワさんがアイプラLIVEに参戦されるのは約二年ぶりで、しかもフルメンバーがきっちり揃っている。もう、一分の隙なんてモノなんかない。こんなの直に体験したら鳥肌が治まらねぇし魂が滾ってしょうがなかったんだ。
待ち望んでいた人達と、披露の刻と機が揃った。でも、肝心なのはパフォーマンスにちゃんと血が流れて我々の魂をもっと滾らせられるか?それが出来なきゃ全ての意味が無くなってこのLIVEは死ぬ。
でもまあ……んな杞憂は歌い出した瞬間に跡形もなく爆散した。そりゃそうか……リズノワの中の人達はもう百戦錬磨で数多の修羅場を戦い抜いて来た人達。だからこそ今もなお最前線で戦えているのだ。
この楽曲のキモになっているのは、自身を抑圧する数多のモノを解放して我儘に突き進むことだと思っている。言うなれば、莉央と戸松さん、葵と高垣さん、愛と寿さん、こころと豊崎さんによる究極の自己解放を謳う楽曲なのだ。言ってしまえばコレはLizNoirの新しい『アンセム』。
当然ながら、我儘に振舞うのがテーマにあるがそれぞれが好き勝手にやってしまうとこのアクトにきっちりと血は流れない。調和という名目ではあるけれど……四人はパフォーマンスで殴り合う。私は限界超えて突っ走る。ついて来るかどうかは任せるが…そもそも私の本気について来れるの?みたいな感じか。
でも、んなことされて大人しくする人達でもないでしょうwwwwあ?やってやるよ!ってその挑発に応える。ぢゃなきゃあの熱狂と興奮にはならないワケで。
リズノワさんからすれば、約二年ぶりになるフルメンバーでのアイプラLIVE参戦。何回かLIVEで観られた方もいるでしょうし今回初めて現地で観られる方もいる。特に、初めてLizNoirの生のパフォーマンスを観て想像していたよりも低い評価を受ける事があってはならないワケで…これがLizNoirのLIVEなんだ!!!!ってのを徹底的に魅せつけなきゃいけない。
それが出来たかどうかは……開幕の『全てをぶつけるよ!!!!』の口上へのレスポンスで証明された。こちらが求める想いで投げたボールを、リズノワさんはもの凄い剛速球で返したwwwwあとは、互いの熱をぶつけ合う戦いだ。
言わずもがな……最高のオープニングアクトだった。
2.Jumping! All right?/LizNoir
現時点でのLizNoir最新楽曲。この楽曲も今回のLIVEで披露されるだろうと予想していた。
それでも…やっぱり予想が当たるのは嬉しいものだ。しかし、初披露の楽曲を開幕から連続して繋いでくるのはなかなか攻めてる構成だなと。
この楽曲はラテン(ブラジルのサンバ的)のエッセンスを感じさせるダンスチューン。歌詞に「どうなっちゃうんだ 情緒だいじょうぶ?」ってあるんだけど、オープニングアクトでんなモノは根こそぎ持っていかれましたので……もう、考えずにただ楽しみ尽くすだけになってしまったのだwwww
楽曲のテイストやテンポはいわゆる盛り上がる系統のモノだが、リズノワ楽曲の王道からはちょいと外れたいい意味で『LizNoirらしくない』楽曲。いきなり披露して劇的な盛り上がりになる楽曲ってのは限られる。昼夜二回でいきなり進化を求められるのは酷なのかもしれない。
LizNoirらしさに囚われない自由さと、滾る情熱との共存がこの楽曲の真髄になっている。
ステージで実際に歌い踊る四人と、その傍らに寄り添う四人の魂は誰よりも自由でいて滾る情熱を解き放っていた。別の意味でこの楽曲もまた自己解放の系譜にある楽曲なのだろう。
この楽曲は今回そこまで進化出来たとまでいかなかったが、未来の刻でもっと変化する可能性は存分に備わっている。それでもきっちり盛り上がるパフォーマンスに仕上げていったのは流石だと唸って膝叩くしかなかった。おそらく、次の機会で披露の刻には「Ta-ta-ra ta-ta-ra…」の箇所でシンガロングして更に盛り上がれる進化を遂げてるのかもしれない。っていうか俺は歌いたいwwww
3.(昼)最高優美ロンリネス/LizNoir
MCにて、これから披露するのは四人では初めて披露する楽曲だと。んなのあったっけ?といろいろ脳ミソの記憶を漁ってようやく気付いた。 あぁそうだった……と、この楽曲の事を言われて思い出すという俺の残念仕様の記憶wwww
披露そのものも、2023年2月開催のアイプラLIVE“未来”以来。あの刻では、サプライズジャックで披露して、フルメンバーではなかったが(戸松さん、寿さん、豊崎さん)LizNoirここに在り!!!という強さを存分に魅せ付けられたと記憶している。
いつか未来の刻で四人が完全に揃った『最高優美ロンリネス』を聴きたいと願ってようやくその刻が訪れたんだ……これが滾られずにいられるかと。
もう十分過ぎる程に熱せられたZepp Hanedaの地の利もあったが、楽曲のチカラ、リズノワさんのチカラ、披露を待ち望んでいた観客の熱狂がバフとしてリズノワさんに宿った。こんな状況の会場がどうなったか…あとはもう分かるな?
三年前の“未来”でのパフォーマンスは当然ながら比較にならなかった。その答えは一目瞭然だ。誰かがいないのと全員きっちり揃ったのでは話が全然違うのだ。
こちらを完全に捻じ伏せて魅せ付ける圧倒的なエモーショナルの暴力に抗える術を我々は持ち合わせていなくて…そんな時はもう思考は意味を持たない。ただその熱気に身体と魂を委ねて楽しむしかない。まあ、元々はそうなる為にLIVEに参戦しているのだから。
リズノワさんが、我々の声をもっと聴かせてと本気の手を差し伸べる。我々がその想いに応えるのは一つの行為しかない。本気の声で応えて差し伸べられた手を繋ぎに行く事。互いの想いと魂がぶつかり合い会場の雰囲気はより激しい熱へ昇華していく。
3.(夜)Shock out Dance!!/LizNoir
この楽曲も約三年ぶり(2023年7月開催のVENUS PARTY The First DAY1)の披露か。
リズノワにとって原初の楽曲でありアイコンソング。
LIVE開催前、多くのリズノワ楽曲を披露するという報がどこかから流れているのを知って、この楽曲を披露しないという選択はないだろうという全く根拠の無い確信を抱いてこのLIVEへ馳せ参じた。で、それが叶ったんだ。当然ながら燃え滾らないワケがないのだ。
まあ、分かっちゃいたけど本当にこの人達はやってくることがエグイwwww
と、久々の『Shock out Dance!!』披露に心ときめきつつ(大丈夫かコイツ……)もどこか戦々恐々してる奇妙な面持ちでこのアクトに臨む。
自分が、完全体・LizNoirによる『Shock out Dance!!』を直に体感するのは今回で三度目。どのアクトも、ただ強かったし格好良かったとしか言えない……段違いの説得力で魂を鷲掴みされて握り潰された。言うなれば彼女達の掌でいい様に転がされてしまうのだ。
観客ってのは演者の思い通りにはならない。テメエが言うなと思われるだろうが、どこかひん曲がってる性根持ちがあの場に多く集まってるんだww真っ直ぐ観るワケでもない。でも、彼女達はそんなの知ったこっちゃないと言わんばかりに、リズノワの生き様を観ろというメッセージをパフォーマンスへ込める。
会場と観客の熱気は凄まじいモノになったし、彼女達のパフォーマンスも同様に圧倒される凄みがあった。
それでも、四人は満足は出来ないのだと。彼女達の勝利条件はZepp Hanedaの観客全員を徹底的にきっちりと魅了させて打ちのめす事と、過去のリズノワと戦って超える事。そして…共(競)演する月ストやこの場にはいないサニピやトリエルが魅せた大阪のLIVEの評価……
オープニングからきっちりと魅せ付けて数多の要素を捻じ伏せる。その役割をリズノワ原初の楽曲でありアイコンソングであるこの楽曲に魂を預けたと勝手に思ってしまったのだ。そしてこの言葉が自然と出てしまう……
やっぱり、この四人は本当に強い人達だな……と。
4.君の残り香/月のテンペスト
ここからは月ストのターン。にしてもだ……まさかこの楽曲を月ストゾーンの初手に持って来るとは思わんかった。
勝手な持論だが、LIVEのセットリストのどこかに思いっきりテイストを変えられる落差の激しい楽曲を差し込むことで、よりLIVEへの没入感が増幅して魂が浸っていける。
月ストの中の子達=DayRe:が魅せなきゃならないのは、IDOLY PRIDEというコンテンツの中心をサニピと共に担ってここまで戦って守り抜いて成長した証をリズノワに伝える事。
それはどれだけの言葉を尽くしても届くモノじゃない。いや、無いのだ。
ここから魅せるパフォーマンスに想いと魂とPRIDEを懸けられるか?彼女達五人に出来るのはコレしかない。もちろん、観客にも。
月ストに掛かるプレッシャーはそりゃハンパなモノではない。そのプレッシャーを感じて本来のパフォーマンスを出せるのは至難の業でおそらく慣れる事はないのでしょう。しかもLIVE初披露の楽曲を持って来る。
でも、この五人ならこちらの想像を超えて魅せ付けられる。そして、リズノワさんや観客は渾身のパフォーマンスをぶつけられる最高の存在でもある。
リズノワさんの持ち込んだ楽曲はどれも激熱なテイストの楽曲だったが、この楽曲は真逆を往くテイストで夏の終わりを惜しむセンチメンタルな心情を謳う楽曲。月ストにも激熱仕様の変態楽曲はあるんだが、コレを持って来たところに月ストの譲れない意地があると思えるのだ。
で、肝心のアクトだが……演者が出せるキュートさとセンチメンタル感ってのはおそらく人それぞれに違うモノだと思う。寄せられるかもしれないが絶対に同じテイストは出せない。
橘さん、夏目さん、宮沢さん、相川さん、日向さんにしか出せない五人五様のキュート&センチメンタル感が見事に折り重なって絶妙なハーモニーを響かせる。それがまた心地良かったのよね。前述したけど、リズノワさんの激熱な楽曲の次だから余計に沁みたのだ。
LIVEで勝敗云々をつけるのはナンセンスではあるが…月ストはこの賭けに勝ったと言っても過言じゃないパフォーマンスだったのではないだろうか。
5.(昼)恋と花火/月のテンペスト
『夏の残り香』とは違って、コレはどこかで披露されるんじゃないかって予想していた。
ただ…夏曲の系譜で繋ぐのは予想しておらんかったがwwwやるにしてももうちょい後のLIVEかなと思っていたり。
この楽曲はLIVEの早い時間帯でやる事は多いので意外性ってのはそこまで無いが、明らかにリズノワさんとはあえて逆のテイストの楽曲で攻めてきている。ちなみにこの楽曲もセンチメンタル感が存分に体験できる変態楽曲。
盛り上がれるポイントはいくつかあるけど、実際の所この楽曲はじっくり腰を据えて彼女達の舞い踊る姿や情感込められた歌声に耳を傾けてそのテイストに浸る。って言うかね……ステージの彼女達に視覚が武力介入されて魅入っちゃうのよ。
今回のLIVEの戦装束(衣裳と言いなさいよ…)は黒と月ストのグループカラーの青を基調にしたなんか羽根を模した飾り付けが施されたものになってて…彼女達のダンスとの相性が実にマッチされてて本当に綺麗だったんだわ……(まあ、何かいろんなパーツやらで重たくないのかと思ったのは秘密)
この楽曲と月ストとの関わりは長く深いモノ。LIVEの披露回数も上位に入る。なんだったらアイプラ以外のイベントで披露した事もある(日々荘3号館)。それだけの経験は彼女達の自信になってパフォーマンスに宿っている。そして、この楽曲をLIVEで聴く際に毎度楽しみにしているのが落ちサビ(だと思う…)。
初めてゆれてゆれて触れる恋
胸の高鳴り抑えきれなそう
弾けてきらりきらり夜空に咲き誇る花のように…
―月のテンペスト『恋と花火』より引用
ここを歌う宮沢さんと日向さんの情念と切なさが共存する歌声が堪らなく痺れる。
本当にこのパートは魅入られて聴き惚れる事しかできなくなってしまうのだ……
5.(夜)裏と表/月のテンペスト
まさか、ここの楽曲を変えて来るとは思わんかった……リズノワさんも二曲目は昼と変えて来なかったので、月ストもその流れに沿うのかな~とのほほんと『恋と花火』に備えて待ってたら……この楽曲のスリリングなジングルが流れたからめっちゃ慌てたwwww
だが、そうは言ってられない。この楽曲が来てしまったらこちらも肚括って戦わなきゃいけない。コレは、月ストの叩き上げの魂でもって歌われる『戦いの謳』であり『アンセム』だから。じゃないと彼女達の気迫に呑み込まれてしまう。その領域までこの楽曲を進化させたのは紛れもなく彼女達の功績だ。
このアクトを評するに相応しい言葉じゃないのは承知している。でも、こういう表現しか自分は出来ないので使わせてもらうが……このアクトで月ストから発せられたのは『殺気』染みた気迫だった。観客を捻じ伏せようとしていたのは間違いなくあったのだろう。メンバーそれぞれが限界を超えようとされてるってのもある。そうじゃないとあのパフォーマンスにはならないと思う。
どう表現して良いのか分からんが、とにかく尖っていて鋭くて荒々しかった。その要素はこれまででも感じるモノはあったんだけど…今回は段違いに感じられた。そこまでなってしまったのは、リズノワさんとのツーマンLIVEという特殊な状況が影響しているのだろう。
特殊な状況、ある意味極限状態に放り込まれたと言っても過言じゃない。
その状況に抗って、偽り無い想いと魂を表現するには理屈じゃ説明できない『何か』が楽曲へ新しい血を流すに至った。そして、五人は楽曲を通じて想いと魂を共有したのかもしれない。
LIVEは生き物なんて言われたりするが、楽曲もまた生き物なのだと改めて思い知らされた様に思える。もちろん、この楽曲のチカラを最大に引き出しているのは月ストの五人。
『裏と表』のアクトが毎回熱狂で彩られるのは、彼女達の剥き出しの感情に我々があてられる感情の伝染なのだろう。コレは音源のみを聴いただけじゃ絶対に体験できないモノなのだ。
6.月ノヒカリ/月のテンペスト
今回みたいにLIVEの序盤で披露される事もあるが、やっぱりこの楽曲は後半のクライマックスで聴きたいってのがある。でも、いきなりオープニングアクトで披露して欲しいという願望もあったりするwww
昼夜共に披露されたが、印象深かったのは夜公演の方だった。もちろん、昼公演の方も良かったが、今回は夜公演の『月ノヒカリ』に軍配を上げる。その理由は前に披露された楽曲にある。
コレは個人の完全な好みの問題ってのもあるが、激しいテイストの楽曲の後にこの楽曲のような聴かせる系統の楽曲はあからさまな落差が生まれる。そいつは大きければ大きいほど深く意識へと突き刺さっていく。
柔和でいて優しい。コレは現世という縛りから解放された様な軽やかさから来るのか?
そう錯覚させてしまう説得力を五人の歌声とダンスから感じられた。もう、この楽曲自体に彼女達は身体と魂を委ねて同化の域まで到達した。それは誰にでも出来ることじゃない。それぞれが誰よりも楽曲に向き合って来た刻の流れがあったから。
そして、現実のキャストとキャラクターとの対話もそこへ繋がっていく。コレが無いとあのパフォーマンスにならないのだ。もちろん、ステージに琴乃達の姿は見えないし、ステージ背面にあるスクリーンにも映っていない。
それでも…あの刻のステージには琴乃達の想いと魂が傍らに寄り添っていたのだろうか?そいつを確かめる術は無いし、オマエの錯覚と言われても返す言葉はない。でも、自分はどうしても感じてしまうのだ……
橘美來と長瀬琴乃…夏目ここなと伊吹渚…宮沢小春と白石沙季…相川奏多と成宮すず…日向もかと早坂芽衣。キャストの方もキャラクターの方もここまで駆けて来た軌跡は真っ暗闇の中もがいて抗ってきた。必死に積み重ねてきた刻。どんなに辛くても止めなかった刻は絶対に自分を裏切らない……意地、生き様、PRIDEがステージに在った。
どうしてなの 暗闇でも 光を求めてしまう
諦めたくないから 彷徨ってしまう
でも 本当は輝いてた 自分で瞳を閉じていた
(初めから)
隣の 君が 信じてくれた
君の 優しさ 触れたから
輝ける笑顔になる
―月のテンペスト『月ノヒカリ』より引用
今回のLIVEで特に突き刺さって来たのが、各々がソロを歌い継いでいくCメロから琴乃のソロへ至るパートだった。力強く、でもどこか優し気で温かみを感じさせる歌声。
どうしてそう感じられたのか?コレは個人の勝手な解釈になるが……彼女達…すなわち、キャスト側の月ストとキャラ側の月ストが、お互いに寄り添ってここまで戦えて来れた事への感謝を歌声に乗せたのかなと思えるのだ。ポジティブな感情、ネガティブな感情の全てを解放して歌って舞い踊る。
月のテンペストにしか謳えない月のテンペストだけの謳である事を徹底的に思い知らされた…その領域まで『月ノヒカリ』という楽曲を昇華させた自信とPRIDEがパフォーマンスに乗り移ったのだと。
7.星の海の記憶/長瀬琴乃×神崎莉央
今回のLIVEの出演陣を見て、この楽曲は披露されるだろうという淡い予想はしていた。
そう、心の準備はして臨んだが……実際にイントロ流れた瞬間もうダメだった……身体中の力が抜けて膝から崩れ落ちそうになってしまった。だが、柵前に陣を構えて必死に柵をつかんだので何とか持ちこたえられた。
それはさて置き……琴乃(橘さん)と莉央(戸松さん)によるこのカバーを聴くのは2022年のアイプラLIVE“約束”以来か。ステージに登場された橘さんと戸松さんはあの刻と同じで下手側に橘さんがいて、上手側に戸松さんが立っている。そして…ステージのド真ん中もあの刻と一緒で広大なスペースが生まれていた。(著者のポジションからは、お二人の詳細な立ち位置まで判別出来なかったので違う可能性は大……)
あえてド真ん中を空ける。コレは長瀬麻奈と神田沙也加さんを慮って空けられたと言っても過言ではないだろう。
客席に灯る心の光(サイリウムの事ね…)は、琴乃の青と莉央の紫に加えて…麻奈のピンクの光が灯っている。もう、コレだけでも情緒が揺さぶられていたのだが……
ふとステージを観ると、橘さんと戸松さんを照らしている照明も、琴乃の青と莉央の紫に加えて麻奈のピンクの光が灯っていたんだ……ここまで拘ってくれるのかと思い、涙腺はもう完全に決壊していた。ちなみにコレは後日知ったが、月ストのアクトの後と7曲目のアクトとして披露されたのも“約束”と同じだった事を知って更にこのアクトの重みが増した。
話を戻して……長瀬麻奈に関わる楽曲がLIVEで披露されるといつも想像してしまう。
麻奈がLIVEを観に降りて来ているのでは?と。そして、何ならステージに降りていて琴乃と莉央と一緒に歌っているんじゃないかと。
あくまでも、コレは個人の単なる妄想でしかない…ただ、それでも信じたいのだ。最愛の妹である琴乃と永遠のライバルの莉央が自分の楽曲を謳うこの機と刻に降りてこないワケは無いんじゃないかって……
様々な困難と苦悩を乗り越えた『今』の長瀬琴乃と神崎莉央が、麻奈への感謝の念と今の刻の自分達を見て欲しいという純然な願いをもって謳う……まさにエモーショナルの極致というところか。正直、このアクトはいろんな感情が湧き上がってまともにステージは観てない……
琴乃と莉央、橘さんと戸松さんが『今』持っている全てを解放し、全身全霊懸けて麻奈の楽曲を謳う。それは本当に力強い歌声だった。でも、力任せじゃない。傍らにそっと寄り添っていく様な慈しみも感じられた。何より圧巻だったのは二人…いや、もう四人の歌声の芯にあったのは、境界を超えて響かせようとするチカラが漲っていたと思えてならないのだ。
コレは非常におこがましい話だが言わせて欲しい……長瀬琴乃さん、神崎莉央さん、橘美來さん、戸松遥さん。貴女達の歌声は長瀬麻奈さんと神田沙也加さんに届いていたと思います…きっと。
8.(昼)風になっていく/白石沙季
ここからはソロ楽曲ゾーンへ突入。先陣を務めるのは白石沙季役・宮沢小春さん。
フルサイズを聴くのは二年ぶりか。あれから刻が経ち、ソロ楽曲の数も多くなって来て披露される機会はなかなか訪れないのは寂しいモノだが、こうして今回のLIVEで聴けたのは本当に嬉しかったのよね。
しかも、ちょいと前にこの楽曲についての怪文書をBlogに書き殴って世に解き放ってしまったので……楽曲の解像度が以前よりもグッと(当社比)増した状態で披露される。まあ、期待はしてしまうのだ。
宮沢さん曰く、この楽曲は沙季がこれまでとこれからのことを前向きに考えて決起する決意の謳。そして、沙季と宮沢さんによる対話の謳でもある。
そういう要素のある楽曲だからなのか…ステージに立っている宮沢さんからどう例えたら良いのか分からない気みたいなモノが漲っていた。風向きが変わった…そんな感じか。おそらく、彼女達(宮沢さんと沙季)は完全に自分達の領域に入り込んでいたのだろう。
歌い出した瞬間、彼女達が巻き起こす『風』に包み込まれて呑み込まれた。そうだった……この楽曲は音源とLIVEで印象がガラッと変化してくるのだと。幻想的な曲調と繊細で儚げな歌声がこの楽曲の真骨頂だが、LIVEの時は抑えきれない情念を叩きつける様な歌い方になっているように感じられる。そうなっていく事は、もう宮沢さんにもコントロールできない要素なんだろうな。
それは、上手くてキレイに歌おうとしたものじゃない。飾りっ気のないありのままの姿と声で歌い上げていた様に自分は感じられた。目の前で本気で頑張って戦っている者を直に観たら刺激を受ける。そして情熱は伝播していくモノ。彼女達の直向きで純然な伝えたい想いは心に響く。
でも、沙季のソロ楽曲はそれが良いのだ。自我を抑え込んで生きて来た子が本能を解き放って謳う楽曲がきっちり隙間の無い枠に収まるワケがない。彼女達の起こす気流は嵐となってZepp Hanedaの空間に吹き荒んでいく。
歌い終えて佇む宮沢さんを観て、どう説明していいかは分からないが…何だか清々しい気分になっていた。
8.(夜)欲しいよ/伊吹渚
こちらもフルサイズで聴くのは二年ぶり。この楽曲はスローテンポのラブバラード。
なんだけど……いつからかは分からんが、自分はLIVE限定だがこの楽曲のイントロ聴いた瞬間に身構える習性が付いてしまった。
そうなった最大の要因は、夏目ここなさんの存在。
あくまでも自分の勝手なインプレッションだが、夏目さんは『魅せ方』と『見られ方』を徹底的に追及し準備して、それを彼女の表現のロジックとして携えて見る人の魂を撃ち落していく。おそらく、コレに抗えて落されなかった人はこのZepp Hanedaには一人もいなかっただろうwwww
スローバラードという特性と彼女の柔和な歌声によって、観客は盛り上がっていくよりも夏目さんと渚のパフォーマンスに注目が集まって没入していた。聴く事に集中出来る楽曲のジャンルとテイスト在りきではあるのだけれど…それをLIVEでもっと引き出していくのはステージに立って歌う者だ。
このアクトの真髄にあるのは、ステージの夏目さんを介して渚が歌ってる姿をイメージして浸るのか?逆に、渚じゃなくて夏目さんの姿だけと歌声を視覚と聴覚に焼き付けて堪能するのか?もちろん、コレに正解は存在しない。ただ一つ言えるのならば……彼女達(夏目さんと渚)はどのアプローチでも観客を確実に落とすロジック(=孔明の罠www)をこのアクトに仕込んでいるのだ。
とは言え、彼女に落とされていくのは決してネガティブなインプレッションにはならない。何故なら、夏目さんは誰も置き去りにしないで皆を楽しませようとする意志をパフォーマンスへ込めていたのではないかと。何だったら、観客全員と目を合わせて一緒に楽しもうとしていたかもしれない。
渚は他者の想いを慮って寄り添える人。夏目さんも「人と触れ合ったり繋がったりするのは大好き」と言う。彼女達の皆と繋がりたいという心遣いがこのアクトに宿って、得も言われぬ心地良い没入感に至れたと感じたのだ。
9.(昼)星屑カンパネラ/成宮すず
イントロが流れて、相川奏多さんが登場して来てひときわ大きな歓声が上がった。
おそらく、この楽曲が披露されるのを期待して待っていたんだろうな……もちろん、自分のその中の一人だ。
この楽曲の披露を待ち望んでいたって事は、相川さんのパフォーマンスへの期待値のハードルはより高いモノになっていく。 過去のLIVEで観た人もそう思っていただろうし、特に今回初めてこのアクトを観る人はもっと高い期待値のハードルを上げられていた事だろう。すずのイメージカラーになる黄色で照らされた数多の光はその期待の表れか?
黄色の光に照らされて歌い踊る相川さんは実に強かった。彼女の個のチカラはその眩しい光に全く引けを取っていなくて、何にも縛られず、ごく自然にステージで躍動されていた。さりげなくこなしていく様に相川さんの凄みがある。
すずの目の前には、今もなお全力で駆けている麻奈の背中が見えるのだろう。いつになるかは分からないが……きっと麻奈に並び立てる刻が来る事を信じてすずは謳うのだと。相川さんの身体と歌声を介して、すずは麻奈に純然な想い、感謝の念、祈り、未来への決意……もちろん他にも伝えたい事があってそれらを全部パフォーマンスへ乗っけて解き放った。
ステージに立っていたのは紛れもなく相川さんただ独り。でも、彼女は独りじゃなかった。相川さんの傍らには…すずの想いと魂とPRIDEがそこに在った。もちろん、すずの姿も映像もないが、共に歌っている事を思わせる説得力を相川さんはこのアクトで実践された。
毎回思い知らされる。「いやもう、本当に凄ぇわこの子……」と感嘆の言葉が漏れ出てしまうのだ。燦然と輝いて照らす黄色の光に負けない“Fantasista”(多芸多才)としての存在感によって、驚きと興奮で観客を魅了していったのだ。
9.(夜)♡♡心底かわいい♡♡/赤崎こころ
今回のLIVEにおける最大のラプライズにして最高のジョーカー(切り札)となった赤崎こころのソロ楽曲が奇襲をかける。夜公演は絶対何かを仕掛けてくるだろうな~と思っておったら本当にやりやがったwwww
サプライズと称したように、この楽曲は今回のLIVEが初お披露目。当然、一度聴いただけで楽曲の全貌なんて分かるワケがないのでメチャクチャ曖昧な記憶でこのアクトの所感は綴らせていただく。
まあ、ここまでのレポも怪しさ大爆発ではあるのだがww気にしないでこのまま進める。
『かわいい』と銘打たれたようにこの楽曲のキモになっているのは、こころのキュートさ、あざとさ、トリッキーさを遺憾なく発揮してこちらの魂を鷲掴みして魅了していく楽曲。ちなみに、現在の刻でハッキリ憶えてるのはこの要素しかないwwww
完全初披露というサプライズ、待望していたこころのソロ楽曲、LIVE映えするアッパーソング…そして、このアクトに血を流すこころと豊崎さん。これだけの要素が隙間なく埋められたんだ。そりゃ客席は盛り上がる事しかできない。まさに最高の『切り札』。
アイプラLIVEの歴史を紐解いていくと、これまで何度もサプライズをぶち込んで来た歴史があった。正確にカウントしたワケじゃないが…おそらく一番多く関わっているのが赤崎こころだと思う。こころはストーリ上でもいろいろ動かしやすいという特性を担ったキャラって事がLIVEにおけるサプライズ枠に当てはめやすいということなんだろうなと勝手に納得している。
そんなこんなで……こころと豊崎さんによる大胆なパフォーマンスと、繊細に構築された表現のロジックによる奇襲でもって魂が鷲掴みされた我々に抵抗する術は何もないww
今回は、いや、『も』だな……完全にこころと豊崎さんの掌の中でいい様に転がされてしまった。そのうち音源がリリースされるでしょうからじっくり聴き込んで、今度披露される際にはきっちりと受け止めようと思う。とは言うものの……また魂を鷲掴みされて負けるんだろうなとは思うww
10.(昼)Slurp It Up/小美山愛
二年前に披露された時も盛り上がったが、今回はそれ以上(当社比)の盛り上がり方だったなと。コレにはいろんな要素があって……前回とのハコ(戦場=会場)の違いによる音の響き方、待ち望んでいて披露してくれるのでは?という待望と期待感、ステージで魅せる寿さん&愛によるパフォーマンス……etcこれらが繋がっていって、あの楽しさと興奮に至ったのだ。
言わずもがな、我々観客もめっちゃ楽しかったんだが、何よりもステージで歌って踊っていた寿さんと愛が誰よりも一番楽しんでパフォーマンスされていたと思う。
楽曲の構成が楽しい方向へ振り切っていても、実際に歌う人がちゃんと楽しんで歌わなかったら聴く人の感覚を揺さぶる事は出来ない。それは一方通行では成り立たないのである。演者の楽しいパッションと、それを観て受け止めた観客の楽しいパッションが交差して会場全体が熱狂して盛り上がりの限界突破へ至る。
愛にとって『アイドル』とこの楽曲のメインテーマになっている『ラーメン』(テーマにして良いのかは分からん…)は、人を笑顔に出来るものだと信じて疑わない。彼女は思い込んだらただ真っ直ぐに突き進む意志の強さを持っている。それはもう怖いぐらいに純粋で彼女の生き様とPRIDEに直結していく。
以前にも書いたが、人の『大好き』や『楽しい』感情に触れられるのは本当に尊くて素敵なモノだ。
ステージでそれを偽り無く魅せ付けていく寿さんと愛の『大好き』と『楽しい』を存分に体感出来たこのアクトをまた観られて本当に良かったなと改めて感じられた。
10.(夜)スフォルツァート/井川葵
この楽曲…いや、血の流れる魂の絶唱を浴びるのも二年ぶりか……
なんて感慨に浸っていたら…高垣さんの歌い出しで完全に魂が掴まれて揺さぶられた。
葵の激情と高垣さんの絶唱がこちらの血を滾らせて熱狂しているんだけれど、同時に、彼女達の凄みに圧倒されて鳥肌が治まらない相反する要素でエモーショナルの暴力をノーガードで浴びせられていた……
ゲームのスキルで例えるなら、SPスキル『血の流れる魂の絶唱・極』というところか。もちろんLvは最大。んなモノで殴られたらまあ無事じゃすまねぇなってwwww
背筋に走ったゾクって来た寒気、まさに身体が『戦慄』していたのだろう。愛のソロ楽曲の時にも触れたが、今回はハコ(戦場=会場)の規模と自分が聴いた時とステージの距離が違うので、高垣さんの歌声が発する音の波でぶん殴られた衝撃とダメージがあの刻以上だった。
あくまで私見の域だが、二年前に観たパフォーマンスは全く比較にならないほどの強さだった。最高を更新する。なおかつ、期待のその上を往く事。言葉にすれば簡単だが実践するのは本当に困難な事だが…高垣さんの絶唱はそんな事はお構いなしと言わんばかりの気迫と強さが漲っていた。
二年前に観た人はもちろんだが、何よりも今回初めてこのアクトを観た人も余す所なく圧倒して魅せ付ける。徹底的に打ちのめされたが…逆にここまで打ちのめされて清々しい気分も感じていた。改めて、高垣彩陽さんの個のチカラの凄さと強さを思い知らされた。
11.(昼)ひと夏の永遠/早坂芽衣
一つ前に披露された愛のソロ楽曲『Slurp It Up』で完全に温まった楽しい雰囲気から、しっとりと沁み入る様に聴かせていくこの楽曲でどうやって観客を感動と感嘆の念を抱かせるか?
日向もかと早坂芽衣に課せられたミッションは過酷と言っても過言じゃない。だが、俺は知っている。このアクトで魅せる日向もかと早坂芽衣の懐の深さと顕現力を……
その理由を説明しろと言われましても、このアクト限定で日向さんが発するこの妙な表現力は説明が出来ない。あえて挙げるのなら…芽衣のソロ楽曲だから、よりその世界に日向さんが入れ込んでしまうからなのか?その明確な答えは永遠に出て来ないのかもしれない……
LIVEの場と刻ってのは理屈で説明出来ない謎のチカラが作用して、演者はもちろん観客の方も妙な感覚へ誘われる事がある。前にこの楽曲が披露された時もその領域へ陥ったが今回もしっかりと陥ってしまったのだ。おそらくコレは今後もそうなるのだろうなと。
日向さん=芽衣の純真無垢な歌声が、田舎の夏模様の領域を創造していくトリガーになっていて…我々は見事にその領域へ誘われてアクトによりいっそう魂が惹き込まれる。日向さんと芽衣はアクトを通じてこう我々に対して訴えて来たと思える。
『こっちの領域においでよ♪絶対楽しいから♪♪』と……
そんな純然な想いをもって繋がろうとして差し出された手を払い除けるなんてできやしない。
この楽曲はラブソングのカテゴリーに入る。芽衣の恋愛観を謳った楽曲だが、彼女の大切な人を想う謳という解釈も(強引なのは否めないが…)成り立つのではないだろうか?
その大切な人の括りに我々観客も一緒に入れてくれるのか……彼女の慈しみを感じさせる優しくて温かみある歌声が沁み渡って安らいでいったのだ。
11.(夜)未来模様/長瀬琴乃
デュエット&ソロ楽曲コーナーの大トリになる長瀬琴乃のソロ楽曲。
単純なコーナーの締めだけでも大役だが、前のアクトである『スフォルツァート』の後ってのがこれまたエグい配置だ……
だが、琴乃と橘さんに退くという逃げ道はない。運営は、琴乃と橘さんならここまで繋いで来たキャストとキャラクター全員の想いをちゃんと背負って見事に締めてくれると信じて彼女達に託したのだ。
さて、この『未来模様』という楽曲は、まあ、身も蓋も無い言い方だが…決して明るいテイストじゃなくて翳りのある楽曲。言ってしまうと琴乃のその時の心情によってこの楽曲の貌が変化していく。
暗い雰囲気に魂が支配されてれば暗い楽曲になるし、何か強固な意志と決意をもって謳えば力強い楽曲になる。まあ、彼女達の面倒くさい部分(申し訳ない……)がそっくりそのままダイレクトに反映される楽曲でもある。
結論から言ってしまうと、今回のアクトは暗さもなく、かと言って力強さへ振り切ったものでもなかったし、暗さと力強さのメリハリをバランスよく利かせた感じでもなかった。琴乃と橘さんの歌声には感情がとにかく爆発した強さがあって、それが彼女達の歌声の真骨頂になっている。ただ、このアクトはその強さの方向が違った。
明確な答えは分からないが……一番腑に落ちたインプレッションは凄く優しくて柔らかい歌声だったなと感じられたんだ。なんと言うか、今の刻を生きている琴乃と橘さんから、過去に苦悩して悩みまくって抗いながら戦って来た琴乃と橘さんへ向けた『労い』の意味が込められたんじゃないかなと。
過去の刻の琴乃と橘さんと、今の刻の琴乃と橘さんの想いと魂が境界を超えて繋がった。そこに彼女達の迷いは一切無い歌声に昇華していた。魂の交流を経て過去の戦いを労い感謝してお礼を伝えた。コレはここから未来へ向かう為にしなくちゃいけなかった“儀式”だったのだろう。
そこには誰も介入の出来ない彼女達だけの領域だった。『今』の琴乃と橘さんの優しくて柔らかい歌声に照らされながら、我々はその儀式に魅入って聴き惚れることしか出来なかったのだ。
このアクトを見事に全うして、ステージで佇む橘さんにスポットライトが照らされていたのが凄く印象深かった。自分のいる位置から彼女の表情は見えなかったので、コレは完全な妄想の域でしかないが……きっと全てを出し尽くしてやり切った充実感と、達成感のあるめっちゃ素敵な笑顔になっていたんじゃないかなと勝手に思っている。
12.(昼)セカイは夢を燃やしたがる/LizNoir
イントロが聴こえた瞬間…『うあああああああぁぁぁッ!』って頭抱えて吠えてしまった。この楽曲もまた今回のLIVEで披露されるのを待ち望んでいた楽曲。なおかつ自分がLizNoir楽曲で好きな楽曲の上位にランクインしている楽曲。それが披露されたんだ……こんなに嬉しいことはない。
この楽曲を聴くと、リズノワに愛とこころが加入し、新生・LizNoirに生まれ変わってアメリカへ武者修行に出て苦闘していた頃の四人を思い起こさせる。当時の彼女達は、言うなれば何もない荒野に放り込まれたようなものだった。
どこへ向かって進めばいいのか?そもそもその軌跡はリズノワにとって正解なのかも分からない。だが、踏み出さなきゃ前には進めない。
噛み合わない四人の想い、互いに欠けているモノ、置き去りにしてしまった情熱と空回りする情熱、まだ目覚めていない未知の可能性…何一つままならないセカイで彼女達は試しながら戦う。
勝ちたいのは誰だ?数多いる他のアイドルなのか?過去の彼女ら自身と魂の奥に潜む弱い心か?そう…四人は自分達を取り巻く全てに対して戦って勝ちたい。形振り構わず生きたい!!!!という執念が四人の歌声に宿って血が流れる。四人の勝ちたい気持ちは本物なのだ。
この楽曲はリズノワ楽曲の中で、最もテンポがスローな楽曲。
じっくりと腰を据えて聴き入る楽曲ではあるが……胸の奥から何か熱く滾るモノを感じさせる。A~Bメロの粛々した『静』の要素から、サビで感情が爆ぜていく『動』の要素への転換のギャップが本当に堪らなくて痺れる。
失敗したっていい。無様でもいい。僕たちは挑戦者だ。
―番外編・LizNoir1章29話『後輩の想い』より引用
葵の言ったこの言葉に本曲の真髄があった。当時の莉央と葵は勝つ事だけに囚われてしまい情熱を置き去りにしてしまった。圧倒的な技術があってもそこに熱=血が流れていなかったら観る人の魂は揺さぶれない。よく巧い(上手い)けど何か響かないって感じるのはその影響なんだろう。
もちろん、技術が高いに越した事はない。だが、この楽曲においては形振り構わない泥臭い想いを駄々洩れさせて謳うのがより響いてくる気がする。LizNoirの魂の再生となる『生命の謳』としての説得力を持たせるには偽りの無い生々しさが最も必要だったのだ。
12.(夜)星のように夜を照らせ/LizNoir
前回(二年前)に披露された時は、クッソ暑(熱)かった灼熱の横浜の地。ちなみにこの楽曲はざっくり言うと冬の楽曲。(詳細まで書くとクソ長いので…)三月とは言え、夜はまだ冷え込むしこの日の夜も冷え込んでいたので、季節的には丁度良いところか。こういう要素もLIVEの演出に彩りを添えていく。
この楽曲は、ハード&スタイリッシュ感揃いのリズノワ楽曲の系譜から一線を画している。幻想的でありつつ、聴き心地の良いポップ感と、ワチャワチャする様を模したダンスがいい意味でリズノワらしくないものを演出している。
言ってしまえば、昼公演から夜公演で披露したここまでのリズノワ楽曲で体験出来なかったこのワチャワチャと和んでしまう世界観は異質のギャップが生まれる。感じるギャップの差がデカければデカいほどそのアクトに落とされていく。
そして、この楽曲は境界を超えて繋がる楽曲。今回のLIVEは境界を超えて繋がる要素を持たせた楽曲をいくつかセットリストに散りばめている。コラボの相手になる雪ミクは視認出来るがリズノワのメンバーらと生きてる世界にはどうしても越えられない境界がある。もちろん、このステージに雪ミクは見えない。
リズノワ単体の楽曲として楽しむのも当然有りだし、ミクパートを担当されてる豊崎さんを介して雪ミクの存在をイメージして楽しむのも有りだ。どの解釈でもいい表現の余白を堪能出来るアクトではないだろうか。
でも……ステージという場では、双方の境界が歌のチカラによってそれ(境界)が曖昧になって想いと魂が繋がる奇跡が発現する。特に、この楽曲の幻想的なテイストが思いっきり影響しているので、なおの事沁み渡っていったのだ。
13.(昼)Deytime Moon/月のテンペスト
この楽曲も、月ストと共に駆けて来た軌跡は長い。原初の楽曲『月下儚美』とは全くテイストが違うが前述した歴史の長さがあって、やっぱりこの楽曲がLIVEで聴けるのは嬉しいし安心感も与えてくれる。 変態的なテイストの変化球攻めもそれはそれで良いものではあるが……やっぱり定番楽曲の披露という安心感も、LIVEを心底楽しませる為に欠かせない事だと思う。
初めてこの楽曲をLIVEで聴いたのは…2022年の2月に開催された『VENUS STAGE 2022 “奇跡”』。自分は夜の部のみに参戦して聴いた。当時は、コロナ過真っただ中でLIVEの開催は出来たが、厳しい制限が課せられて観客は声を上げる事が出来なかった頃だ。
で、あれから刻が経って……いくつかのLIVEでこの楽曲の披露を重ねていって、劇的ではないが徐々に成長していった。もちろんその成長の要になっていたのは月ストの五人の成長が一番大きい。そこに、観客の楽しんでいる声援が加わっていって、この楽曲がもともと持っていたポップな爽快感がより際立っていったと思う。
その爽快感に身を委ねて、ステージで躍動されてる月ストに見惚れて…歌声に聴き入ってしっかりとアクトを堪能して盛り上がる。それが実に心地の良いもので魂が浸れていくのだ。
13.(夜)クリスマスには君と/月のテンペスト
突如鳴り響く鐘の音。ちなみにコレはJapanの寺の鐘ぢゃなくて、教会や大聖堂の鐘。
この楽曲の音源にそんなモノは仕込まれていないので、LIVE仕様にカスタマイズされた特別仕様だ。
自分がLIVEで聴くのは、LIVEで初披露されたアイプラLIVE“未来”以来。
楽曲タイトルに『クリスマス』と銘打たれておるのでクリスマスソングである。そして、クリスマス当日(12/25)は長瀬琴乃のBirthdayを祝う楽曲という解釈も可能なダブルミーニングの『祝福の謳』。
このアクトの前が冬をイメージさせるリズノワさんの『星のように夜を照らせ』だったので、冬の一大イベントになるクリスマスソングで繋いているところに用兵の妙を感じさせる。その前に誰と戦ってんだ?ってツッコミは無視するwww
季節のイベントだったり、誰か…この楽曲の場合は琴乃のBirthdayを祝福する謳だからか、五人の歌声が慈しみに溢れて柔和で温かみのあるものになっていた。過去に聴いた時よりもそれはより深くなっていて魂へすんなりと沁み渡っていく。
琴乃への祝福だけに焦点を当てて解釈すると…メインストーリーで琴乃が一時期脱退して離れ離れになって戻って来た刻の流れがこのアクトへ宿っていたのかなと。
離れ離れになった刻があったから……これまで傍に在った当たり前が貴重で尊いものになった。冒頭でも触れたが、前に聴いた三年の刻の経過によって、当然五人の成長はあるんだけど、彼女達の表現力によって楽曲が進化と深化を遂げていた。
14.Toki Meki Chocolate/月のテンペスト
はい。このLIVEだけじゃなくて、月スト最大の問題楽曲の披露。
いや…コレはもう大問題ってLEVELぢゃない。事件と称してもおかしくない月スト楽曲にとってのエポックメイキングな楽曲。それがLIVEで披露されるんだ…と身構えてしまう。
この楽曲はバレンタインがテーマになっている楽曲。バレンタイン楽曲に多く感じられるのはチョコレートの様に甘いテイストのキュートさがチャームポイントになっている楽曲が多い。この楽曲もその例に倣ってキュート方向へ振り切っている。
しかし…この楽曲はその振り切れ方が尋常じゃない。言葉を選ばず言ってしまうととにかくあざとい。あざとさが天元突破しちゃっておる危険な楽曲なのだ。更に言うと、サビの中毒性が実にヤバい。脳ミソでリフレインする事がかなりあるwwww
そのあざとさにブースト点火させているのが…センターに座した渚と夏目さん。
そもそも、この楽曲自体が甘々でいてキュートな方向へ振り切っているんだけれどwwセンターに渚と夏目さんを据えた事によって完全に隙間なくハマってしまった。コレはもう、人が摂取していい甘味のキャパを完全に超えててしかも激甘ときてる。ライブで聴くとあざとさしかない。いくらなんでも化けすぎだろwwww
なおかつ…このアクトのとんでもねぇところは、ゲームに収録されてる360°LIVEや3DLIVEのショート尺じゃない。フル尺での披露ってところなのよ……言うなれば、人が摂取していい甘味のキャパを超えてるのに追い打ちをかけるが如き甘味が増し増しで追加されるのだwww
コレを最前ブロックや近い距離で観れた人で無事だった人はおるのだろうか?という全く要らぬ心配をしてしまう程に、五人のキュートで(いい意味の)あざとさがステージから放り込まれていた。
これまでの月ストにはここまで振り切れたスイート&キュートな楽曲が無くて、この楽曲が初めてというのもあるから余計に撃ち抜かれたんだろうな……この甘味、人にとってはまだ早すぎたのだと思い知らされたのだwww
15.Darkness sympathizer/LizNoir
数多あるアイプラ楽曲の中で、LIVE限定だがイントロ聴いた瞬間に変な笑いが込み上げる楽曲が存在する。この楽曲はその中でも筆頭格に当たる。
ちなみに、この変な笑いってのは可笑しいから笑っているのでなく、なんかもうどうにでもなれっていうニュアンスの笑いだ。この楽曲自体が変態楽曲として振り切れてしまえるから。
で、大阪のLIVEからHanedaのLIVE共通で設けられた各グループのバレンタイン楽曲披露のトリを飾る形になる。披露されるのは確実視され、身構えて臨んでもこの変な笑いはどうしても出てしまう。もう、自分の身体と魂はそういう反応する様に出来てしまったのだ。
フロアの熱の湧き方はそりゃ凄かった。月ストのバレンタイン楽曲とのテイストの差があからさまに違うってのもあるし、何よりも完全体・LizNoirが謳うんだからね……しかもZeppという地形効果付きだ。そりゃ変な笑いが出るのはどうしようもない。理性で抑え込めるワケがないのだ。
この楽曲の真骨頂になるズシッとした重さのある低音域の響きと、狂おしさを感じさせるギターリフ。そこに、戸松さん、高垣さん、寿さんのパワフルでエネルギッシュな歌声でもって主導していって、随所に差し込まれる豊崎さんのキュート&スイートさのある歌声が効いてそのギャップによって楽曲にまた深みが生まれる。
ハコ(会場)の地形効果の話をしたが、ここで聴く『Darkness sympathizer』は本当にとんでもなくて、メロディと四人の歌声の音圧で殴られたと言っても過言じゃなかったんだ。明らかに過去の『Darkness sympathizer』をあっさり超えてて、興奮と戦慄で震えと鳥肌が治まらなかった。
しかも、リズノワさんの衣裳も黒を基調にしたもので、この楽曲の持ついい意味のダークさを助長していてよりアクトに酔いしれて燃え滾れた要因になった。
四人が歌い終わって湧いて来た感情は、完全に圧倒された敗北感でこれまた変な笑いが込み上げていたのだった……完敗でございます。
16.(昼)18.(夜)The Last Chance/LizNoir
ここからは昼夜で順番が入れ替わっている。本来なら分けて書くべきだが、そんな気力と体力がもう自分には残ってないのでwwwこの終盤ゾーンはまとめて書く事で勘弁願いたい。
先程からもうクドい様だが、この楽曲もみんな待っていたんだろうな。
自分の全く信用のおけない記憶が確かなら……リズノワさんが四人揃った完全体のLIVEでこの楽曲を披露したのは初めてのはず。それも影響していてフロアの興奮と熱狂はより高まっていく。
LIVE終盤に入っても、全く勢いが衰えないリズノワさんの火力。
いや、もっと勢いが増していたか。フロアの観客も、四人の燃え盛る炎と熱に当てられて燃え滾っていた。
あとはもう互いの熱がどこまで上がってHIGHの領域に至れるのか?あるいは、どちらかがオーバーヒートし燃え尽きてただの灰になるのか?互いに一歩も退かない意地と意地のぶつかり合いの戦いがあの場で繰り広げられた。
で、LIVEも終盤になると観客は、もう感情がどうにかなっちゃっていてまともな状態じゃない。理性と自律のストッパーが効かないか、全く意味の無いモノになってしまっている状態か。そんな状態異常の時に感情を激しく揺さぶられる楽曲を突っ込まれたら…ねぇwwww
歌詞に「燃え上がるよ」とか「そこに行きたいよ」ってフレーズが示す様に、この楽曲は行きつく所までとにかく突っ走るってのがキモになっている。
もう走り出してしまったら止まる事は許されない。リズノワさんから始めたこのいかれた(言葉選べ…)競い合いを挑まれた我々はいともたやすく乗っかってしまう。しょうがねぇよ……それが観客が抗う事の出来ない『性』なのよね。
しかもだ。四人揃った完全体の本曲初披露でその熱狂へ乗っからないワケがないんだ。
正直、このアクトの記憶はほぼ残っていなくて刻が経った今でも思い出せないwwwおそらくHIGHの限界を超えてオーバーヒートし、記憶が逝ってしまったのだと思えてならないのだ。
17.(昼)19(夜)GIRI-GIRI borderless world/LizNoir
今回のLIVEでのリズノワさんのLAST SONG。コレを最後に持って来るかと…
本当にエモーショナルで感慨に浸ると同時にまた別のスイッチが入って燃え滾っていた。
この楽曲がエモーショナルの極致に至るのは、LizNoirの軌跡において分水嶺(ターニングポイント)の位置にある楽曲だと自分は勝手に捉えている。
で、どの時間軸でLizNoirとこのアクトを観てどういう解釈に落ち着くのか?愛とこころがまだ加入する前か?四人体制になって謳うまでの話を思い返すか?『BIG4』へ昇格した今のリズノワとして謳っている姿か?
自分の解釈としては、冒頭の四方山話で(…ここから約20000字程遡って下さいwww)同じく『BIG4』の座にいる月ストとあの刻(NEXT VENUSグランプリ)の再戦という戦いとしてこのアクトを捉えてみた。あくまでもコレは個人の勝手な妄想だが……
あの刻のリズノワを超える事、月ストに打ち勝つ事、憧れるだけじゃなくて莉央と葵に並び立って共に謳える喜びに溢れる愛とこころ……様々な因縁が絡み合っていってこの楽曲にまた違う血が流れる。あの刻(二年前のLIVEでの披露)とは熱が全然違っていた。
LizNoirがここまで紡いできた物語、それに応えて引き出された楽曲のチカラ、配置された楽曲の順番、LIVEのクライマックスという刻がもたらす会場の熱気と興奮。
ここまで揃っていてこの楽曲を謳うリズノワさんが弱いワケがなかった。この楽曲も、感情のリミッターを解放してすべてをぶつけていく楽曲。ステージの四人は剥き出しの爆ぜる感情のまま歌い上げて舞う。フロアの観客も燃え滾る情熱をもって声援を送る。まさに命の音を互いに燃やす激熱な戦いがそこにはあったのだ。
この命の音を極限まで燃やした戦いの結末がどうなったのかは分からん。
決着が付いたかどうかはもう関係ないのかもしれない。全てをぶつけ合った事に意味があったのだと。
18.(昼)16.(夜)最愛よ君に届け/月のテンペスト
悲壮感がありつつも……どこか勇ましさも感じられるイントロでこちらの魂にもきっちり火が点く。戦おうとする意欲を湧きたたせていくところに、月ストの『アンセム』であり『戦いの謳』である事を改めて実感させる。
この楽曲のキモになっているのは、渚と夏目さん、すずと相川さんがとにかく頑張って意地とPRIDEを貫き通してソロパートを歌う事。自分はLIVEで聴く際はこの箇所に注目してアクトを観る。そうなっていったのは初めて現地で聴いた時の凄まじさに魂をもっていかれたから。
そう。魂を鷲掴みされてしまったんだ。
ただ、沙季と宮沢さん、芽衣と日向さん、琴乃と橘さん。言い方が悪いが…彼女達を添え物的な視点では決して観てないし歌声を聴いていない。彼女達の想いと意地とPRIDEがちゃんと感じられるから渚とずすのソロでの絶唱がより際立って魂を撃ち抜いていくのだ。
曲が進行するにつれて、楽曲そのもののテンションと五人のテンションが徐々に昂る。自分もアクトを堪能しながら徐々に彼女達の全身全霊を受け止めてテンションを昂らせて間奏が明けるその刻を待ち侘びる……
どれ程の愛があれば
夢を手に入れられるの
誰が決めるの分からないでしょ?
それは自分で決めて
―月のテンペスト『最愛よ君に届け』より引用
渚と夏目さんのソロは、以前に同じ会場(Zepp Haneda)で聴いた時とはハッキリ言って比較にならなかったし、昨年の夏のLIVE 『star tomorrow涼夏祭』よりも感情が爆ぜて歌声の圧が強烈だった。まさしく血の流れる魂の絶唱の域まで昇華していた。琴乃を超えてみせると豪語した強さが彼女達の歌声に宿っていた。
一方で、すずと相川さんのソロは、夏目さんとは真逆で優しさにあふれてて温かみを感じさせる。渚の激情とすずの慈愛というギャップが生み出す落差がたまらない。今回もしっかり魂を掴まれて見事に落とされたのだ。
19.(昼)17.(夜)月下儚美/月のテンペスト
月ストのLAST SONG。最後の最後に切ってくる最高の戦友にしてアイコンソング。
何度も言うが、やっぱり月ストの参戦するLIVEでコレを聴けるのは安心させてくれるのだ。
五人の成長の証、ここまでコンテンツを守って来た意地と自負を魅せ付ける事。その役目を、原初の楽曲であり、戦友の域まで進化を遂げたこのアイコンソングに託してステージで戦う。
そんなステージ上の彼女達は、勝手知ったるもので互いの動き方やポイントごとでの感情の込め方、いい意味での力の抜け感、これまでにこの楽曲と共に戦って培って来たモノを惜しげもなくパフォーマンスへ乗っけて躍動していった。コレは、それだけの刻を費やしてこの楽曲と彼女達は戦って磨き上げて来た賜物。
ステージの上の振る舞いと楽曲には生き様が宿るなんて言われる。そこに偽りのモノは一切通用しなくて全てが曝け出されていく。五人はいろいろな場での戦いでそれを感じて自分達のチカラへ変えていったのだ。
この楽曲がLIVEで謳われると、より情念が溢れ出た歌声になっている。(特に際立つのが宮沢さん)コレはネガティブな評価じゃない。むしろ好意的に捉えていて、アクトに宿る熱を確かに感じられるのがたまらないのだ。
滾る情熱を素直にぶつけて、洗練されたパフォーマンスで魅了する。
パフォーマンスの質は刻の経過によって進化と深化を遂げている。でも、その芯にある彼女達の意地、覚悟、決意、未来への誓い、貫き通すPRIDEは変わらずにあるのかなって思えてならない。
それは誰にでも出来る事じゃない。キャラクターの月ストとキャストの月スト、『月下儚美』という楽曲が繋がって来たから成し得た。もう切っても切れない縁になったと言っても過言じゃない絆があるのだ。
20.(昼)それを人は“青春”と呼んだ/月のテンペスト・LizNoir
記憶の糸を辿っていくと、この楽曲をLIVEで聴いたのが三年前の夏の幕張のLIVEの時だそうな。ちなみにその時はワンコーラスのみで終わったが。
もう、LIVEから時間が随分と経ってしまっているので……誰がどのパートを歌ってたかなんてのは記憶にないwwwおそらく、琴乃と莉央は従来通りのパートを歌ったとは思う。
月ストとリズノワは互いの意地とPRIDEを全てぶつけてこのLIVEを戦った。
作中のライブバトルとは違って、この魂が踊る戦いの明確な勝敗のジャッジは下らない。月ストのメンバーとリズノワのメンバーの歌声は、余す所無く出し尽くせて心の底からこのLIVEを楽しんだのだろうと。ステージから響いてくる歌声の晴れやかさはその証明なんだろうな。
互いの健闘を称えて、未来での心躍る再戦を誓い合う。みんなの歌声からはそんなニュアンスも感じられて清々しい気持ちになっていく。
そして…この楽曲の最重要箇所=キモである「伝えさせて この歌に込めて」を謳う琴乃のソロ。琴乃と橘さんはちゃんと魂込めてしっかりと歌い上げてた。感情が爆発して歌に乗せる彼女達の真骨頂が遺憾なく発揮された。彼女達の想いとPRIDEは境界超えてちゃんと届いたんじゃないだろうか。
まあ、お琴さん(琴乃)が誰に謳ったのかを聞くのは野暮って事で……
20.(夜)Shine Purity~輝きの純度~/月のテンペスト・LizNoir
イントロ聴いた瞬間に開いた口が塞がらなかった…アンコールでも爆弾仕込みやがるのかこの運営は?!こんなの読めませんがなwwww
とまあ、それはさて置いて…『IDOLY PRIDE』全体通じて本当の原初…いや始祖になる楽曲。しかも、月ストとリズノワによる組み合わせで謳われるのが本当にエモーショナルな衝動を激しく揺さぶっていく。
TVアニメ版の3話。まだ月ストとサニピが結成する前の頃で、星見プロにカチコミやって来たLizNoir(当時は二人体制の頃)が月スト(芽衣はまだ星見に加入前)と初めて会ってこの楽曲で共にレッスンして、当たり前だが天と地ほどの差を見せ付けられて月ストは打ちのめされた。
あれから刻が経ち何やかんやあって…月ストもリズノワもいろんな変化があって今に至っている。そんな彼女達がこの楽曲を共に謳う機会が来たという事実に感情が追いついて来ない。
参戦レポとしては完全にOUTなんだけど…ちゃんとこのアクトを受け止めて解釈出来ていない。ただ、心ここに在らずという心情で聴き入ってしまったんだ。
名義上は星見の10人による楽曲だが、リズノワさんが加わって歌ってもちゃんと形になっていた。(形になるのは当たり前だが…)それは、月ストはもちろん、リズノワにとっても原点に魂が還れる楽曲になっているのかなと。
受け止められる懐がデカくて深い。だからこそコンテンツの始祖の楽曲という解釈へ繋がっていったのかと勝手に思ってしまった。
21.(昼)MELODIES/月のテンペスト・LizNoir
昼公演のLAST SONG。にしてもだ…この形での披露は完全に予想外だわwww最後の最後までこちらの意表を突こうとする気概にはある意味感服させられる。
この楽曲は、月ストとサニピの心情のすれ違いに悩みつつ…それでも手を取り合おうと動く事がテーマの一つとして掲げられている。
心情のすれ違いとそれでも繋がろうと手を差し伸べる事は、月ストだけじゃなくリズノワの物語でも描かれていたモノ。リズノワにも心情のすれ違いが幾度もあって、手を取り合おうとしていく物語が描かれていた。そして、月ストとリズノワの間にもある。
正規のバージョンでも感じられるが、即席のバージョンでも彼女達の歌声からは力強くポジティブな感情と、優しさに満ち溢れた暖かみと未来の希望を照らす光を感じさせる。コレをちゃんと成立させてしまえるのは実に見事だなと唸ってしまう。
楽曲の在り方はこの形じゃなきゃダメだってのは聴く側の単なるエゴにしか過ぎない。
本来の在り方ってのは、何物にも囚われない懐の広さと深さによる自由なモノなのだと思い知らされた。
月ストとリズノワという新しい組み合わせによって新しい見方が出来たのは本当に素晴らしい体験だった。
21.(夜)ありがとう to You/月のテンペスト・LizNoir
大阪公演もLAST SONGはこの楽曲だったそうな。
この楽曲のテーマは実にシンプル。タイトル通り全てに対して『ありがとう』という感謝の念をパフォーマンスに込めて解き放つ。
サニピとトリエルが大阪の地から境界を超えて繋いで来た想いのバトンを、月ストとリズノワがHanedaの地で受け取ってゴールへ駆けていく。
この楽曲は、月スト・サニピ・トリエル・リズノワ・スリクスのメンバー全員(20人)で謳われる楽曲。Hanedaのステージに立って謳っているのは、月ストの五人とリズノワの四人だけれど…気持ちの乗り方が何か違っていた様に思う。
その何かって何なのよ?って話になるが、その『何か』の明確な正体は分からないし、受け取った人それぞれに違ったモノなのだろう。『力』かもしれないし、『勇気』だったり『希望』かもしれない。はたまた『未来』かもしれない。
自分のいた場所からは、ステージの彼女達の表情は明確に見えなかったが、きっといい笑顔して謳っていたんだろなって。顔で歌うって言葉があるが、笑顔で謳えば弾んでる様な小気味良くて楽し気なものになるのだろう。彼女達の歌声はそんな感じが漲っていた。そして…この楽曲の最重要箇所に差し掛かって待ち侘びる。そう、ラスサビ前のあの箇所だ。
『感謝の気持ち 伝われ~ッ!!!!!!!!!』
一瞬伴奏が止んた無音の会場に響く琴乃と橘さんの清廉な声。
勝手な意見だが、この日のメンバーでこのパートを託せるのは、琴乃と橘さん以外にあり得なかったと断言してもいい。
また妄想の域だが…彼女達はきっと川咲さくらと菅野真衣の想いと魂も背負っていたのかなって思えてならなかった。そう錯覚してしまう程に、彼女達の声には力が漲り澄み切っていて本当に綺麗だった。
月ストもリズノワも全てを出し尽くしてぶつけ合った。互いの健闘に感謝してその想いを謳に乗せて伝えていく。我々はフィナーレ感満載な楽曲のテイストにただ身と魂を委ねて酔いしれて聴き惚れる。
そして……ただ願うんだ。未来の刻のアイプラLIVEで20人全員揃って歌う感謝の謳が聴ける最高の刻と場が来る事を信じているって。
後書き
LIVEが無事終演して外に出ると、もう三月ではあるが寒風が吹いて冷えこんでいた。
その寒風に身を委ねて、興奮で温まった脳ミソと身体をクールダウンして余韻に浸っていろいろ思い返していた。こういう感覚に陥るLIVEは本当に極上のLIVEだったという証なのだ。
今回の『Zepp Haneda LIVE moon lily』の主軸に掲げられたテーマは、『全てを解放してぶつける』事だった様に思える。
月のテンペストとLizNoirの想いと魂、譲れない意地、PRIDE、生き様をパフォーマンスに乗せてぶつけ合った。そのせめぎ合いが、月ストにしか出来ないLIVE、リズノワにしか出来ないLIVEへ昇華して会場の熱狂と興奮になっていたのだ。本当に凄い人達だと改めて思い知らされた。
そんなLIVEを魅せ付けられて、こちらも燃え滾らないワケにはいかなかった。ガッツリ楽しみ尽くせて、全身全霊懸けてはしゃげた極上の刻と場になった。まあ、それと……このとんでもねぇLIVEレポをどうやって書きゃいいんだ?!と頭抱えて本気で悩んでいたがwww
で、こうして書き上げたら、当Blog最長文字数の怪文書が出来上がってしまった……(ここまでで約27400字www)でも、自分がこの『Zepp Haneda LIVE moon lily』で感じられたインプレッションは全て出し尽くせたと思っております。いや、本当にとんでもねぇコンテンツに魂を掴まれたなと思う。
最後になりますが…ここまでこのクッソ長い参戦レポを読んで下さった皆様。本当にありがとうございます。