先日、『ガールズフィスト!!!!GT』の新曲「FLY'T HIGH!!!!」が配信形態にてリリースされた。
本曲が初解禁されたのは、昨年末に開催されたガールズフィストのLIVE『ガールズフィスト!!!!GT ワンマンLive Vol.2-FLY'T HIGH!!!!-』。
しかし、現地でいきなり解禁されて楽曲の全容を理解する脳ミソ(特に歌詞)は残念ながら持っておらん為……フル尺の音源のリリースを渇望して来たワケだ。
で、それがようやく叶って本曲の完全体が世に解き放たれた。
現地で聴くのも良いが、腰を据えて音源と歌詞に向き合う事で楽曲が持っている表情がクリアになっていく。(様な気がする……)本稿ではこの「FLY'T HIGH!!!!」と向き合って感じられたインプレッションをこれからグダグダと書き殴っていこうと思う。
それと、解釈につきましては個人の思考や所感から導き出した一つの考えになっています。当然ながらここから書いたモノが絶対に正しいとは言えませんので、あくまでも個人の所感や考察の一つとして捉えていただけたらと嬉しく思います。
FLY'T HIGH!!!!/ガールズフィスト!!!!GT

まず楽曲の雰囲気だが、ワーナーへ移籍してからGF楽曲の新機軸になっていると自分が勝手に思っているラウドロック調の楽曲だと感じた。
で、ラウドロックとは何ぞや?って話だが……コレについての明確な定義や決まった正解ってのが存在してないらしく、なおかつ触れていくと解説だけで一記事分(しかも結構な長文……)のボリュームになるのでもの凄くざっくり言うと、アグレッシブで激熱な曲調とメロディの強さに引けを取らない力強い歌詞でもって構成された楽曲の総評と言えば良いのだろうか。
ちなみにLIVEで本曲を聴いた際のファーストインプレッションは、新体制(レーベル移籍)してからのガールズフィスト楽曲の核だと思える『生々しい激情』と『格好良さ』に振り切っていて、浅見さんのボーカルでぶち抜いていく楽曲だと感じられた。高く飛ぶ、もしくは成功をおさめるの意味をもつ本曲は、新しいガールズフィストの物語を告げる楽曲であると同時に、未来の飛躍を誓う『アンセム』になり得る楽曲だと。
そして、改めて音源をじっくりと聴き歌詞と向き合って、冒頭の(しょうもない……)四方山話で触れた楽曲が持つ表情が分かった様な気がする。
歌詞が紡ぐ本曲の世界観は、ある少女(英詞部分をざっくり翻訳すると彼女という訳が出てくるので)が内に秘めてる理想の姿に変わりたいという欲求やシンプルに憧憬を抱く存在への想い。だが、この少女は一歩踏み出す勇気が絞り出せない側の子。この子は所謂『いい子』を演じていると言っても良いのだろう。
Aメロ部分は全部英語の詞で綴られて、メロディも荒れ狂うかのようなイントロとは一変して、淡々とした落ち着いた感じになり、浅見さんのボーカルもアンニュイな感じで歌われている。イントロとの落差が実に見事で楽曲の雰囲気へ没入させてくれる。
Bメロ(サビ前か?)でまた楽曲のギアが一段上がる様な感じで、飛び立とうとするチカラをグッと溜め込んで飛躍の刻と機を待ってる雰囲気を醸し出していて、サビへの期待感と高揚感が高まっていく。
そして、サビ。演奏、浅見さんの歌声、歌詞の力強さが一気に解き放たれる。特に歌詞の強さが際立っているのだ。変わりたい願望を抱きつつも……『我』を殺して生きてきた少女。そんな彼女を見かねて、もう一人の少女は一刻も早く『我』を解放して未知の軌跡に駆け出したかった。
立ち上がって進めないのなら、手を取り背中を押す。ただ、サビで爆ぜる演奏と浅見さんのボーカルの暴力性はそんな優しいモノぢゃない。むしろ、強引に手を引っ張って背中を蹴り飛ばす様なニュアンスを感じさせる。
サビの詞は、○○殺しという非常に苛烈なワードが用いられている。1番では『憧れ殺し』、2番では『自分殺し』。コレが意味していると思われるのが、前述で触れた少女の憧れの存在でもあるし、変わろうとする意志を推し込んで来たネガティブな心情ではないかと。それは本当の姿じゃない。
『いい子』の少女が変わろうと出来なかったのはいろいろな要因があったのだろう。その結果、彼女は向き合って戦う事から逃げた。その戦いに勝つ事は出来ないが負けはしない。少女の処世術とも言える。
挑まない、闘わない者のカレンダーに何時かという日はない。ただ日々を過ごしているだけじゃ本当の意味で変革の刻と機は訪れない。彼女が真に叶えたいのは変わりたい(=勝ちたい)という願いだ。どこの馬の骨に言われて嗤われても構わない。もう一人の自分との魂と対話出来て、本当に変われる覚悟を決めて肚括った。
そして、ここまで敢えて触れて来なかったが、本曲の作詞を手掛けられたのは白瀬双葉役でドラムを担当されている内山つかささん。コレは完全な私見と妄想の域という事を予め言っておくが……彼女が詞を綴った事に別の意味が付和された。より生々しくなったと言うべきか。
その生々しさとは、やっぱり『ガールズフィスト』のこれまでの軌跡と変わっていきたいという覚悟ではないだろうか。このコンテンツとバンドの軌跡は苦難の連続と言っても過言じゃなかった。内山さんはそれとずっと寄り添いながらこれまで戦ってこられた。
詞の中の少女が戦う選択の理由の一つに、変わろうとして戦ったが虚しく敗れてしまい戦わない決断をした。おそらくGFもそういう決断をしたかもしれない。この少女はGFの姿とも言えなくもない。内山さんは彼女に自分達を照らし合わせた様に思えてならないのだ。だからこそ……本曲の歌詞は異常なまでに強い。
内山さんは結成してから今日へ至る長い間『ガールズフィスト』に参加して来たからこそ、書ける詞があるし、書きたい詞があったのだろう。
曲調、演奏、歌詞。どれも本曲の強さを担っている重要なモノ。この『アンセム』である本曲を活かすも殺すも、ボーカルの浅見春那にかかっているのは言うまでも無い。
しかし、そこは『貌』で歌えるボーカリスト・浅見春那の真骨頂。特に、サビでの爆ぜる激情が乗っかった歌声は本当にこちらの魂を滾らせてもらえる。浅見さんのこの歌声が乗っかる事で本曲にちゃんと血が流れてGFが遥か高みへ飛び立つ為の新しい『アンセム』として成立しているのだと思う。