
生きているうちには様々な選択を重ねていきますが、選択によって、自分がどれか一つだけを手にすることになる場合、選ぼうかと思っている対象の「スペック」を確認するのは、それ自体はよくある手順です。
そのような「一つだけを手にする」選択の例としては、人生では結婚が一番わかりやすいかもしれませんが、実際には、個々のスペックがどれほど良くても、あるいはスペックが如何に満遍なく満たされていても「その選択はとらない」ということも、普通にあります。
考えさせられるエピソードを見かけました。長いですが全文引用します。
先週、ある男性会員が退会した。 退会理由を聞くと、こう言われました。
もう婚活、諦めます。 女性は結局、金しか見てないんですね。
38歳、年収800万円、大手IT企業勤務。 1年半の活動で、お見合い8回。交際に発展したのは0回。
彼は最後にこう言いました。
俺、何が悪かったんですか?年収800万あって、 大手企業で真面目に働いてちゃんと女性を養える能力がある。
それなのに誰も選んでくれない。女性って、結局スペック見るんでしょ?
俺のスペックで選ばれないって、もう婚活市場が終わってるんですよ。
彼のお見合い記録を見返しました。
そして、ある女性に連絡を取りました。
年収400万円、32歳、事務職の女性。彼とお見合いをして、お断りした方。
「なぜ彼をお断りしたんですか?」
彼女は少し間をおいて、答えました。
「スペックは良かったんです。 年収も、企業名も、申し分ない」
「でも、会って5分で分かりました」「この人、私を『人』として見てない」
彼女は続けました。
「お見合いが始まって、 彼が最初に聞いたのは、『結婚したら仕事どうするつもり?』でした」
「私が『続けたいと思ってます』 って答えたら、
『俺、800万稼いでるから、 別に働かなくても大丈夫』って」
『子ども産んだら、 母親が家にいた方がいいと思うし』
「まだ会って30分ですよ? 私の名前もちゃんと覚えてないのに、もう『子ども産んだら』の話」
「正直怖かったです」
僕は聞きました。
「他には?」
彼女は少し悲しそうに答えました。
「私の仕事の話をした時、『事務職って、そんなに大変じゃないでしょ?』って言われました」
「年収を聞かれて『400万くらいです』
って答えたら
『じゃあ俺が倍稼いでるから、君は家事をメインでやってもらえるよね?』」
「私、まだ『結婚してください』なんて言われてないのに、もう家事分担の話されて…」
「しかも『俺が倍稼いでるから』って、完全に上下関係じゃないですか」
「私、彼の『家政婦候補』として面接されてる気分でした」
僕は彼女に最後の質問をしました。
「彼は年収800万で専業主婦でも養えるって言ってくれてますよね?それは魅力的じゃなかったんですか?」
彼女は即答しました。
「全然魅力的じゃないです」
「だって、彼が求めてるのは、『家事育児をやってくれる人』であって『私』じゃないから」
「私じゃなくても、若くて、家事ができて、専業主婦希望の女性なら誰でもいいんだなって伝わってきました」
「私は『妻』じゃなく、『機能』として見られてたんです」
「年収800万で養ってもらえても、それって結婚じゃなくて、『雇用契約』ですよね」
その後、彼女はこう続けました。
「実は、同じ時期に年収500万円の男性ともお見合いしました」
「その人は、 私の仕事の話を興味深そうに聞いてくれて、『事務職って大変そうですね。細かい気配りとか、すごいと思います』って言ってくれました」
「結婚後の仕事についても、『続けたいなら、一緒に協力しましょう』」
「年収は300万円差がありました。でも、私はこの人と結婚したいと思いました」
「だって、この人は 『私』を見てくれたから」
僕は彼に、この話を伝えました。
彼は激怒。
「は?俺より300万も低い男が選ばれるって、 結局女は金じゃないってこと?」
「じゃあ最初から年収条件出すなよ!」
「俺は誠実に『養える』って言ったのに、それが『上下関係』って、意味わかんないんですけど」
「女性は『安定』を求めてるんでしょ?俺はそれを提供してるのに、何が不満なんですか?」
「これだから今の女性は理解できないんですよ」
僕は答えました。
「あなたは『安定』を提供しようとした。でも、女性が求めてたのは『尊重』だった」
「年収800万円は、確かに魅力的です。でも、それだけじゃ人は選ばれない」
相手を『人』として見る。
それができない限り、 年収がいくらあっても、 誰もあなたを選びません。
先週、ある男性会員が退会した。
— ほそゆう|結婚相談所ウェルスマ (@hosoyu_konkatu) 2026年1月9日
退会理由を聞くと、こう言われました。
もう婚活、諦めます。
女性は結局、金しか見てないんですね。
38歳、年収800万円、大手IT企業勤務。
1年半の活動で、お見合い8回。
交際に発展したのは0回。
彼は最後にこう言いました。
俺、何が悪かったんですか?…
実は人間は誰もが「腑に落ちる」ところまで自分の考えないし「軸」を整理出来さえすれば、ちゃんと後悔のない、あるいは後悔の少ないものを選ぶことができるのです。
しかし、その自分が最も大切にしたい「軸」がわかっていないままだと、一部のスペックだけで思わず勢いで選んだり、あるいは充分に検討したつもりでポイントを外してしまったり、結局は「こんなはずではなかった」と後悔することが、これまた普通にあります。
広義の買い物という選択の中では、住宅と、薪ストーブが、この種の後悔することの多い最たるものだと思うのですが、この記事では、そのような選択ミスが実際に生じ易いだろう例として、一つの動画を具体的な題材として説明を試みたいと思います。
そもそも、このような記事を書こうと思ったのは、私もこの動画をたまたま見て、実に考えさせられたからです。ご覧になったことなければ、一度ご覧になってみて下さい。
いかがでしたか?薪ストーブを実際に暮らしに取り入れている人でもなければ、非常に良さそうな薪ストーブに思えたのではないでしょうか。
これから具体的な解説をしていきますが、その前に少し「立場の違い」について。まず、この動画を出された「かわはらさん」はネットで薪ストーブの情報発信をなさっている方としては非常に有名です。私などかわはらさんに比べたら誠にちっぽけな、取るに足らない存在です。
そもそも商売のスタイルが違っていまして、かわはらさんは薪ストーブとしては幅広い機種を取り扱って手広く展開しています。一方私は事実上モキ製作所という単一のメーカーの薪ストーブ、その中でも1機種に絞ったカスタムメイド的改良版をメインに商売を展開しております。
これは実は「薪ストーブとは?」という問いへの答えが、そもそも違うためです。結果として、実在する機種についての取り上げ方も当然違ってきます。また商売上の都合ももちろんあります。
その結果、かわはらさんの発信には、私も実際に非常に良い(正しい)発信だと賛同することもあるし、私なら決してそのようには発信しないなと思うこともあります。逆に私に対しても、他の同業の方から見れば同じような評価か、あるいは全部間違っているくらいな評も頂くだろうと思います。
なお、私の「薪ストーブとは?」という問いへの答えは、例えばこちらの記事に書きました。
この記事に関して、実際に私からご購入頂いた薪ストーブで暮らしていらっしゃる「あらさん」というユーザーさんから、次のようなコメントを頂戴いたしましたm(__)m 以下、一部抜粋です。
ところで、我が家のモキの薪ストーブ(廃盤のMD80Ⅱ)も、本体の大きさと薪の入る長さのバランスが絶妙でとても使いやすいので、大満足です。
我が家の場合もご近所に薪ストーブがある事が、かなり知られていますので、時折、適した長さに切って縛った状態で薪棚に入れていって下さる方がいますが、体感的にかなり長くても、基本的に薪ストーブに入るので、とても助かっています。
また、奥行のある縦型(?)のモキ製作所薪ストーブの利点は天板の有効なスペースの広さではないかと思います。
デッドスペースになりがちか最奥部に煙突が配置されるので、手前の天板全てが鍋やヤカンを置くのに適したスペースとなり、暖房器具としてだけでなく、大屋さんのブログタイトルでもある『薪ストーブ調理』に最も適した形状だと思います。
これは暖かさの確保の目的だけでない、大きな利点だといつも思います。
それもこれも、モキ製作所の方々の誠実なお仕事のお陰だなぁと思います。何年経っても我が家の宝物、冬の頼もしい相棒、遊び相手です。
すなわち私は薪ストーブとは冬の暮らしに欠かせない相棒(実用品)であるという立場で商売を展開しており、実際、今やユーザーさんには「冷蔵庫・洗濯機・薪ストーブ、そういう位置付けです」と説明しておりますし、ありがたいことに私のユーザーさんは所謂「薪ストーブライフ」の側面も楽しみつつ、まさにそのように(薪ストーブを日々の暮らしに欠かせない実用品として位置付けて)暮らして頂いているわけですが……
普通は、薪ストーブをめぐっての考え方が全くというほど違います。具体的には次ような「プロの意見」が、実際のところ間違いなく普通です。一般社団法人「日本暖炉薪ストーブ協会」お墨付きであります。
「現代生活で暖房を薪ストーブだけに頼るのは無理があります。日中、奥さんや小さな子どもが家にいる家庭でも、薪ストーブを使いこなせるのがお父さんだけではどうしようもありません。薪ストーブは趣味的な道具です。楽しむ気持ちを忘れないように余裕を持って使ってください」
かわはらさんの立場は、この日本暖炉薪ストーブ協会さんお墨付き記事まではいかないけど、私ともだいぶ違うなと私は勝手に思っておりますが、いずれにせよ、発信者による、そのような「立場の違い」があるということを、まず頭において頂きながら、選択の目的で、この動画からどんな情報が読み解けるかを考えて頂ければと願うわけです。
前置きが随分長くなりました。動画では製品の素晴らしさとして、次のようなことが述べられていたかと思います。
- 1560年創業の鋳造会社が技術の粋を集めて造った薪ストーブ
- 日本製らしい細部まで行き届いた目盛りやデザイン装飾、地元のブナ材の採用
- 排ガス処理の触媒が高温になるのを利用したグリドル、触媒交換作業も容易
- それぞれの脚に高さを調整できるアジャスト機能、円盤の脚の安定性と床保護も
- 扉のヒンジ軸に非常に太いものを採用するなど細部に壊れない丈夫さへの配慮
- 生産性よりも延性と靭性、耐腐食性を優先したダクタイル鋳鉄の釣鐘一体構造
- 他社に比べ非常に手間とコストがかかるベルキャスト燃焼炉のための設備や職人
- 普通の上下挟み込み構造ではなく一体型モノコック構造なので耐久性が高い
- 炎のストレスがかからない外装は細かい装飾に適した普通鋳鉄を使用
- 外装デザインは遠赤外線の放射に配慮、機種によっては右左の開きを選択可
- 専用五徳が引っかけて簡単に使える構造で機種によっては高さも2段階調整可
- 鋳物のストーブなのに気密性が高くエアコントロールがシビアに細かく効く
- 開発コンセプトを針葉樹の有効活用とし強度とゆっくり燃やせるシステム実現
- 一次吸気で最低吸気を保ち背面と上面を通りエアカーテンになる二次吸気で制御
- ヨーロッパで排ガス規制をクリア、非常に高額になるのに高い支持を得ている
- 国産ストーブの中でヨーロッパにも輸出が出来てている唯一の存在
- マイナスドライバー1本で簡単にメンテナンスでき煙突からの煤も刷毛で処理可能
- 炉内に貯める適切な灰の量を迷わないよう底面に埋め込まれたワッフル型パーツ
- 全て灰を取り除くメンテナンスも容易にするワッフル型パーツの取外し自在設計
- 焚き付けの際に前面扉から煙が逆流する場合のサイドローディング扉が活用可能
- 炉内に熾火がたっぷり出来たら各種の美味しい調理を大いに楽しむことが出来る
このように動画の主旨として、スペックの素晴らしさが縷々述べられていたことはお判り頂けるかと存じます。普通の人なら、これで「きっと素晴らしい薪ストーブに違いない」と思われるのではないでしょうか。
なお私は薪ストーブ屋のプロの端くれですので、実はスペック自体にも若干の疑問はあります(結果的には後述する立ち上げ方に関する制約がマッチして、問題にならないと思います)。それを説明し始めると、すごく長くなってしまうので、もしリクエストのコメントでも頂ければ、そちらでご説明しますm(__)m
しかし、この動画からはスペックの「向こう側」にある部分、すなわち「では、この薪ストーブを導入した冬の暮らしというのは、実際問題、どんな感じになるのか??」ということは、スペックの素晴らしさに比べると、あまり伝わってきません。
それでも率直に「さすがかわはらさん」と感心するのは、ちゃんと「実際の暮らしがどうなるか、ある程度読める情報」も動画に入れ込んでいらっしゃるのです。ここから2分30秒ほどの部分。
youtu.be ここで、小さな炎からゆっくり火を育てていく必要がある(いきなり大きな炎で立ち上げようとすると酸欠になる)という説明がされています。理由として「本体の気密性」を挙げていらっしゃいますが……あえて、この理由部分だけツッコミますと、サイドローディング扉が閉まっていない(隙間を作ってある)状態で、本体の気密性も何もあったものではないと私は思います。
理由はともかく、一つ言えることは、普段の暮らしにおける感覚として、この薪ストーブは非常に慎重に立ち上げてあげなければならない、具体的にもう少し言いますと、その注意をしっかり守らないと立ち上げ時に室内が煙でモウモウになるリスクが高いことを、この動画は示していると私は解釈しております。
その点に関して、では「冬の暮らしの相棒」すなわち冷蔵庫や洗濯機に並ぶ実用品として位置付けられているMD70Kissではどうなのか?というのは、例えばこのように、実際の私の暮らしを、ひたすらアケスケにしただけの、何の工夫もない動画(ホントすみません)を公開しております。実際の立ち上げの様子を中心にご覧ください。なんなら2倍速とかで再生して頂けると時短になるし、むっちゃ笑えます(笑)
youtu.be あと一つ、かわはらさんの動画では、慎重に立ち上げる必要がある理由として、本体の気密性以外に、煙突のドラフト効果が発揮されにくい設置環境である(平屋で煙突が高くなく分岐もしている)ことを挙げています。これは薪ストーブ屋的には、薪ストーブの機種(大括りにはメーカー)ごとに異なる「煙突に要求されるスペック」の問題であると表現することが出来ます。
その点に関しては、私が毎日の暮らしで用いている薪ストーブは横引き1.8メートルに対して横引きからの立ち上がりは3.2メートルという設置状況です。こちらの初期の記事で表明しております。
この薪ストーブの機種によって異なる「煙突に要求されるスペック」は、MD70Kissをはじめ、モキ製作所の薪ストーブでは「煙突に要求されるスペック」が低くくて済むという特性がありますので、実務上は大きな強みになります。例えばこちらの動画のように、まず薪ストーブの設置可否に関する対応幅を拡げます。
youtu.be そして設置の可否の問題に留まらず、「煙突に要求されるスペック」こそ、実は、普段の暮らしにおける当該薪ストーブの立ち上げの容易さ(順調な立ち上げのために必要な気遣いの程度)を決定付ける要素であると読み替えることが出来るのです。
さらに薪ストーブのある暮らしの実際としては「煙突に要求されるスペック」は、立ち上げのみならず、巡行運転の場面においても、いかに低出力でも安定して運転することを容易にさせるか?という使い勝手問題にも直結します。
その理由を逆説的にざっくり言えば、薪ストーブの出力として強く焚けば焚くほど「煙突に要求されるスペック」に関する問題を補うことが出来る(排ガスの温度が高温であるほど必要なドラフトは出やすい)一方、逆もまた真で、例えば「煙突に要求されるスペック」が高い薪ストーブで低出力運転をする場合、薪の補充のために扉を開けると煙の一部が室内に逆流するリスクが生じやすくなります。
なお参考までに、昨今の高気密住宅では「煙突に要求されるスペック」が薪ストーブ設置の可否そのものを決定付ける要素としてさらに大きく影響します。外気導入はその影響緩和、すなわち「煙突に要求されるスペック」の限界を補う対処法として理解することが肝要です。
この記事はじめ、薪ストーブ界隈イチ、オタッキーなシリーズ記事がありまして、もしも全部お読みになりたいなら(奇特な方だと思います(笑))、こちらから。
話が逸れましたm(__)m ともかく以上のことから、かわはらさんが動画で紹介している薪ストーブは、立ち上げの場面を極力少なくする「連続運転状態」で、なおかつ一定量(例えば1時間に2キロとか)以上の薪を消費しながら暮らすという状況を望むなら「合理性が高い」ということになります。どんな薪ストーブでも「本体の持つ特性の総和として合理的な運用方法」が存在するのです。
ちなみにその場合、例えば週末だけ薪ストーブを運用することとして、土曜日の朝立ち上げて(立ち上げで巡行運転に至るまでの「焚き付け」のために消費される薪の量を1回あたり15キロと想定)、日曜日の夜まで連続運転することを想定すると、1シーズン(控えめに20回(40日間)ほど運転するだけとして)の薪の所要量は1820キロ、薪棚に積んだの薪の見掛け比重0.6とすれば2.6立米という計算になります。
この「1シーズンあたりの薪の所要量」という数値で比較すれば、暖房は薪ストーブだけで毎日を暮らすという運用を前提としているMD70Kissにおいて、断熱等級はスッカスカの「2」相当、その代わり全館暖房などではなく天井高さ2.5mの21畳のリビングダイニングキッチンひと部屋ですが、薪ストーブだけを主暖房としてエアコンなどを一切使わず、焚き付け含めて見掛け比重0.5の計算で1.7立米(出張等で居ないことが多かったので100日間稼働、実測840キロで、平均では1日あたり8.4キロ)などという実測データがあります。
あえて薪の想定所要量について数字にしましたが、比較対象として、かわはらさん紹介動画の薪ストーブと「暮らしの実用品」としてのMD70Kissでは、立ち上げの際に必要な配慮と、それに伴ってストレスなく運用できる方法として連続運転か間欠運転かの違いが出てきますから、結果的に1シーズンあたりの薪の所要量が、これほど大きく違って来るということになります。
このような「1シーズンで薪が実際どのくらい必要になるか?」を具体的に試算した情報は、実際の暮らしにおいては重要になりますが、かわはらさんの動画に限らず、薪ストーブ屋さんの出している動画で触れられることは、まずありません。
もちろん、立ち上げに非常に慎重さが要求される薪ストーブということで、平日も含めた連続運転(ずっと焚きっぱなし)が可能であれば、そりゃ贅沢で快適な暮らしには違いありません。しかしそのようなケースで聞く話としては1シーズンの薪の消費量16立米とかになるそうです。
本当に、それだけの薪を集めてまで「薪ストーブで暮らしたいか?」と聞かれれば、私なら「嫌です、無理です。人生を過ごす上で私が利用可能なリソースは限られていて、薪ストーブだけが人生ではありませんから」と即答します。私は他にやりたいことが多すぎて、年間2立米程度の薪を準備するだけでもヒーヒー言ってますから……orz
すなわち『冬は毎日「炎のある暮らし」を楽しみながら、暖房も調理も、出来ればそれだけで賄いたいけど、それはあくまでも普段のストレスない立ち上がりと、必要な薪の量(及び種類)の調達が私の人生のリソースに照らして可能な場合に限る』というのが私の軸です。あなたさまは如何でしょうか?薪ストーブを求めるあなたさま自身の軸。
以上、長い考察にお付き合い下さって、ありがとうございますm(__)m
最後に、もう一度、冒頭の「結婚におけるスペック」問題を振り返ってみて頂きたいのですが、スペックとしては申し分なくても候補から除外されたのは、これは女性側が賢くて
自分が何を最も求めているか?という軸を、ちゃんと掴んでいた
このことに尽きます。
もしも、男性が期待したように、女性側が結婚に生活の安定(生活保障)を軸として求めていれば、候補から早々に除外されることはなかったでしょう。しかし女性側が人生を共に過ごすパートナーとしての存在に求めていたのは「私という人間」を尊重してくれるという軸でした。
冒頭に引用したこの話ですが、本質的には、男性の考えが正しい、間違っているの話ではないのです。エピソードに登場した女性側の「求めるもの」に合っていなかっただけの話です。薪ストーブも同じです。「自分が求めるもの」に、そもそも合致しているかを、感受性と想像力を駆使して自らに問い直すことが、何よりも大切だということです。
スペックの比較評価などは「自分が求めるもの」に合致していることが確かである候補が複数ある場合に、初めて意味を持つようになるということです。
すなわち何事でも、重要な選択をする時は「そもそも何を最も求めているのか(第一目的)」を、まずよくよく考える必要があって、それがふんわりでも一致しそうな対象群を選択し、対象それぞれがスペックしか表明していない場合も、スペックの総和や合理性バランスの結果として、第一目的とどれほど合致しているかを見極めるべきです。
もしも、その第一目的への合致度が本当に同程度であれば、第二目的への合致度などを評価していって、スペック比較は本当に最後に、参考や想定外の欠点を見落としていないかの確認程度に行うことが良いと思います。くれぐれも、個々のスペックに最初から捉われてしまうことのないようにすることが肝要です。
ちなみに私が薪ストーブを通してご提供したいのは、冬の毎日を炎と共に、暖房も調理も基本的に薪ストーブによって暮らすという現代生活です。現代生活では普段のスピードに加え、焚き付けを含めた薪の1シーズン消費量が少ないことも大事です。くどいですが、薪や焚き付けの準備って本当に手間ないしコストがかかりますから……
そして、そもそも薪ストーブを設置したとしても、家の躯体の性能(火災や雨漏りがないことは勿論、地震や台風にも強いこと、更には気密断熱等々の要素)が可能な限り保全されることが何より大切です。よって、私は、この目的に特化(最適化)した薪ストーブの設置販売を行っており、そのような立場から情報を発信しております。
冒頭写真は、そんな薪ストーブで実際に暮らしている私の日常の一コマです。
モキ製作所の優れた薪ストーブをベースにしたMD70Kiss、こういう最高気温10℃に満たない冬日こそ真価を発揮してくれる。僅かな燃料、今日は樹の皮を少しづつくべて暮らしていて、こんな炎でも、鍋はグラグラ言ってしまうので網を敷いて穏やかな加熱だけにして……ボーっとした暖かさは暗がりが似合う。 pic.twitter.com/iSUplPE3Oy
— 大屋@薪ストーブ事業 (@aiken_makiss) 2026年1月27日
繰り返しになりますが、兎にも角にも動画などの情報を参照して何かの選択を行おうとする場合、少なくとも念頭に置いておいて頂きたいのは、そもそも商売のスタイル(主目的とも言えます)、商売の都合が異なる人間が、それぞれの立場から発信しているという事実です。
何事においても「腑に落ちる」ところまで自分の考えを整理するのは、それ自体非常に難しいです。よって「そもそも求めるものは何か」という問い直しも充分に行う機会として、動画などを視聴されることが肝要と思います。実物を確認する場面においても同じです。
長い文章に最後までお付き合いくださいまして、誠にありがとうございました。それでは、また。