読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第81回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。
さて、今回読む本は「エンジニアリング統括責任者の手引き ―組織を成功に導く技術リーダーシップ」だ。ちょっと長いので前回は12章まで、後半である今回で残り全部を読む方針だった。というわけで後半も読み終わったので感想をまとめよう。
エンジニアリング統括責任者に就任する予定はまったくないし興味もないんだけれど、エンジニアリング組織を統括するようなテーマは割と身近で、興味深く読んだ。
「エンジニアリング統括責任者の手引き」とは
「エレガントパズル エンジニアのマネジメントという難問にあなたはどう立ち向かうのか」「スタッフエンジニア マネジメントを超えるリーダーシップ」の著者であるWill Larsonさんが書いた三冊目の本「The Engineering Executive’s Primer」の翻訳である。詳しい話は前回の記事に書いているので興味があればどうぞ。
最後まで読んだ感想
前半の感想でわたしはこう書いていた。
全般的には非常に面白く読んでいるが、「自分には関係なさそうな章」「日本企業向きではない章」なども存在するのでなかなか難しい本というのが第一印象である。ただ、あまり興が乗らないテーマの章であってもエンジニアリングに関する事例や著者の気づきなどにハッとさせられることが多いので、良い読書体験ではある。
結局、最後までこの印象は変わることがなかった。というか「大変よく練られ整理された上質のCTOブログを読んだ」という感じである。参考になることも多いし、「うーん、これは興味深いけどいらないや」という情報も多い。ただ、著者が突き当たった問題に自分が幸運にも突き当たっていないだけかもしれないので、いつかこの本を思い出して読み返すことになるかもしれないとは思う。そういう点では、けっこうメモは取った。
さて今回読んだ13章以降の簡単なメモをここにまた書いておこう
- 13章 CEO、統括責任者陣、エンジニアリング組織との協働:マネジャーとして周囲とどのように信頼関係を構築するか。ここは学びが深い
- 14章 エンジニアリング組織の幹部層を団結させる:組織運営という点でこの項目も興味深い
- 「あなたのチームは、機能してますか?」が紹介されているが未読だった。この本で紹介されている『直属の部下ではなく、同格の同僚こそが「第一のチーム」であるという考え方』が本章のテーマである。うげぇ、その通りだよ
- 15章 ネットワークの構築:業界内の頼りになる人脈作りについて。自分はあまり悩みはないのだけれども、この章は皆に強くお勧めしたい
- 16章 同格の統括責任者のオンボーディング:新任の統括責任者をサポートする話。あまりこの発想がなく、よい刺激をうける章である
- 17章 検証を伴う信頼:CTOはコードを書くなという話の再解釈。マネジメントに注力し「チームを信頼せよ」とよく言われるが、著者は「検証を伴う信頼」という考え方を提唱している。これは良い話
- 18章 基準の調整:求めるレベルと、燃え尽きるような働きかたの話
- 19章 エンジニアリングプロセスの進め方:ある意味ではこの章こそが「エンジニアリング統括」のメイントピックのような気もする。いくつかのパターンが提示されており、ちょっと時間をかけて考えたい内容
- 20章 採用:効果的なプロセス構築について
- 21章 エンジニアリング組織でのオンボーディング:けっこう注目している領域なので興味深く拝読。オンボーディングへの投資は費用対効果が高いはずなのに、二の次にされがちというのはマジでその通りだと思う
- 22章 パフォーマンスと報酬:まあ、ここはお国柄の違いがあるという印象
- 23章 企業文化診断データの活用:使い方に悩んでいたので助かる。まじで人事の人もこの章を読んでくれ!
- 24章 エンジニアリング統括責任者のポジションを離れる:そもそもポジションにないので何とも
- 25章 結び:『ソフトウェア業界はまだ黎明期だ。これまでにわかるようになったことよりも、学ぶべきことの方がはるかに多く残されている』残念ながらその通りなんだよなぁ・・・
本書の参考文献について読んでみる
著者の前著である「エレガントパズル エンジニアのマネジメントという難問にあなたはどう立ち向かうのか」の参考文献リストはとても良かった印象がある。感動したのでインスパイアしたブログ記事を書いてしまったくらいだ
というわけで本書の付録にある「追加のリソース」も興味深く読んでいる。
- 入門書
- だいたい読んでた。未読なのはこのあたりだけど、あまり食指は動かない
- ドラッカー名著集1 経営者の条件
- はじめの一歩を踏み出そう: 成功する人たちの起業術
- ハーバード流マネジメント講座 90日で成果を出すリーダー
- 価値あるものを作る
- これもだいたい読んでいた。EMPOWERED 普通のチームが並外れた製品を生み出すプロダクトリーダーシップ は未読だけど、製品開発に関わる時に読むかという感じ
- チームを率いる
- 両方とも未読なので、ちょっとこの分野に弱みがあるのかも
- あなたのチームは、機能してますか?
- 激烈な会話: 逃げずに話せば事態はよくなる!(この本は初めて知った。入手難しそうだけどタイトルは気になる)
- ミーティングを運営する
- これも未読。表紙がすごいんですけど(好み)。決める会議 (フェニックスシリーズ No. 96)
訳者やレビュアーの皆様のブログ
snoozer05.hatenablog.jp
△訳者の島田さんのブログ。おおむね、訳者あとがきと一緒だった。
tech.andpad.co.jp
△こちらはレビューされた柴田さんという方のブログ。レビューで盛り上がった話なども紹介されていて興味深い。私も非常に興味深いと思った14章が推されている。
というわけで本書の読書は終わり。さて次は何を読みますかね。
現在気になっている本は以下の通り。