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技術発表スライドシェアの功罪

 適当に考えていることを書く記事。ソフトウェア開発技術者のコミュニティではスライドシェアという文化がたぶんあるのだけれども、危うさがあるということについて。登壇、発表は見るのもやるのも楽しいけれど、知識のアーカイブとしてはどうなんだろうね、といった話。

スライドシェア文化について

 ソフトウェア開発技術者のコミュニティには、スライドシェアの文化*1がある。具体的には勉強会やイベント登壇の発表資料をプレゼンテーションツールで作成して、発表したあとにスライド共有サービスやコミュニティのウェブサイトなどに掲載するもの。スライドが共有されるので発表を見た人はメモ取りで慌てることなく発表を聞くことに集中できるし、発表を見れなかった人もスライドを見て雰囲気を楽しむことができる。

 記憶の限りだと、翔泳社デベロッパーズサミット(デブサミ)の2006年くらいからはSlideshareというサービスを使った資料の共有が始まっていた。このイベントは平日開催だったので参加できない自分は職場でスライドだけを見ていたものだ。クラウドサービス登場以前の時代だったため、インターネットで情報を共有するのには金も手間もかかる時代に、無料でスライド共有可能なサービスが出てきたので、これは大変に流行ったと記憶している。

 そしてこの文化は現在も(たぶん)引き継がれていて、常に大量の良質な発表が繰り返され、スライドが共有され続けている。
 だけれども、それはどんどんと埋もれてしまっているように思うのだ。

埋もれるスライド、残るブログ

 なんでそんなことを考えたのかというと、某SNSでこんな言及をいただいたからだ :-)

アジャイル系の昔の本とか海外の本の書評を探すと、大体勘と経験と読経というブログが出てくる。何者なんだこの方は
https://agnozingdays.hatenablog.com/

 これに対してはこんな感じで返信した

 思い返すと10年ほど前から事情によりコミュニティ活動が出来なくなって、情報発信の場を私はBlogに移したんですよね。当時の技術情報の主流な共有方法はスライド共有でした。そして年月が経って、スライド情報は今では検索に引っかかりにくく、ブログ記事の方は表示されやすいという背景がありそうだなぁと思ったりしました。

そういう意味では現在もスライドや動画共有だけの情報発信は、アーカイブとしてのファインダビリティの課題があるのかもしれない。まあ技術が解決してくれるのかもしれないけれど。

 わたし自身の実感としても、それぞれの記事を書くタイミングでは周囲に流れてくるたくさんのスライドや講演資料のほうの情報量が(質量ともに)多いと思う。しかし時がたってみるとそういった情報は散逸してしまい、アクセスしにくくなってしまうものだ*2。その点ブログは情報記録(記憶)としては有利ではある。このブログはわたしの外部記憶装置のつもりで書いているということがあるが、自分自身で検索することも多い*3

 とはいえ、ブログを書くのはそれなりに骨が折れるというのも事実だ。また、そもそも個人で情報発信すること自体のハードルが高いという意見もある。

 また、そもそも勉強会の発表と資料共有だけなら見つかりにくいから有識者の突っ込みを受けにくいので気楽なんだ、という気持ちもあるのかもしれない。それでも(諸事情により勉強会に参加しにくい)読者としては、あなたの発表の文章版をブログで読みたい*4。これは率直な個人の気持ちである。まあAIですぐになんとかなりそうな気もするのだけど。

この本だいすき

*1:適当に作った呼び方。より適切な言い方があるのかもしれないが、残念ながら知らない

*2:最近だと、にし先生の各種散逸した情報を有志でとりまとめた「にしさんの教え: 日本のテストコミュニティを作った男」のことが思い起こされる。本の感想:https://agnozingdays.hatenablog.com/entry/2024/11/24/170000

*3:一番多いのは「この本読んだっけ」で、次は「この問題は過去に整理したような気がする」だ

*4:別の見方としてインターネット世代間のジェネレーションギャップという説もある:https://agnozingdays.hatenablog.com/entry/2021/12/17/092354




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