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読書感想:熱学思想の史的展開 第3部

一度返したけど、また図書館で借りた。

第3部 熱量学と熱量保存則

ラプラスピエール=シモン・ラプラス)登場。

だがその前に、クロフォードの動物熱理論というのがある。これは、恒温動物の体温維持のための熱の発生が呼吸によるものであるという考えである。つまり、呼吸が燃焼であるという考えだ。

しかし、クロフォードは《比熱変化パラダイム》であったので、《比熱・潜熱パラダイム》のラボアジェは基本的には呼吸が燃焼であることに同意しながらも、細かい点で反論して行くことになる。その際に共同研究をしたのがラプラスである。

ラプラスラプラシアンラプラス変換などに名を残す有名な数学者であり、またSFファンには「ラプラスの悪魔」の概念の提唱者として知られる。

ラプラスニュートンの斥力理論に捕らわれていたので、熱素説から熱現象の解明に向かうことになる。

熱素説は熱素という物質が熱を担っているので、物質量の保存から熱量保存という考えになる。しかし、一定の温度に保ったまま加熱すると気体が膨張するという現象の説明のために、ラプラスラボアジェは潜熱の概念を拡張して、この時に加えられた熱は潜熱化すると考えた。

気体の熱膨張はその種類に寄らないということが知られ(理想気体からのズレは小さいため)、また気球で使う高度計などの需要から気体の研究が熱の研究の中心になる。そうすると、水銀温度計が液体の膨張を利用していることなどから、温度計の示す値とは何かということが問題になってくる。

そんな中で、ラプラスの下で実験を重ねたゲイリュサックは気体の反応はその体積が簡単な整数比になる場合に完全に反応するという「気体反応容積の法則」を発見する。

同じ頃やはり気体の熱膨張を測定していたドルトンは、《比熱変化パラダイム》に基づいて、水銀温度計の目盛りが正確ではないと考えた。普遍的な温度を考え、液体はその凝固点からの温度差の2乗に比例して膨張するという理論を作った。

気体の断熱膨張について《比熱変化パラダイム》と《比熱・潜熱パラダイム》の対立から多くの実験がなされた。フランス学士院はこの対立に決着を着けるため懸賞論文を募集する。この懸賞に応募したのはドラローシュベラールの共同論文、そしてクレメンとドゾルムの共同論文の二つだけであった。そこで測定された気体の比熱もまた比熱が気体毎に異なるという点も二つの論文はほぼ同じであったが、学士院はドラローシュとベラールの共同論文を採択した。そちらが学界正統派の《比熱・潜熱パラダイム》に基づいて現象を説明していたからである。

ラプラスは熱素説《比熱・潜熱パラダイム》を前提として解析的熱量学を発達させる。なにしろラプラスは数学を操ることが得意なのである。なのでこの第3部から数式がちょっとムズカシイ。

熱素説による熱量保存法則は、現代の熱力学の第一法則と矛盾する。けれども、ラプラスの解析的熱量学は成功する。実験結果においては計算のズレが2次の項から表れるからであった。(誤差は小さかった)

第3部の最後の章は「熱運動論」は何故に非力であったのかという事が書かれている。ラムフォードは砲身の中ぐりで熱が発生することから熱運動論を唱えて、砲身の中ぐりを水中で行なうことによって発生する熱量を計測した。

これはジュールの実験に先行する同様の実験と現代では解釈されることが多いが、そうではないと著者は言っている。ラムフォードの熱運動論は極めて素朴なもので、既に理論的な系統があり実験による裏付けもそれなりにあった熱素説を覆す力はなかったのである。

 

 




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