こんにちは、娘に「ディズニーランドで行きたいって言ってたのシンデレラだっけ?」と聞いたところ、「いや、えーっと、毒りんご!」と回答したので白雪姫だと分かったのですが、もうちょっと他に単語はなかったのかとツッコんだ木村です。
2026年3月24日に東京ビッグサイトで開催されたMicrosoft AI Tour in Tokyoに参加してきましたので、印象に残ったセッションの概要を共有したいと思います。 今回は弊社から多数のメンバーが参加していますので、きっと各セッションの詳細はメンバーから共有されると思いますが、私の視点で特に印象に残った内容をピックアップしてお伝えできればと思います。
会場ではビジネスやコミュニティでお世話になっている方々とも再会し、AIを軸にした最新動向について多くの刺激を受ける1日となりました。
キーノート:日本の AI フロンティアを切り開く (Frontier Transformation)
キーノートを聴いて最も印象に残ったのは、「AIで何ができるか」ではなく「ビジネス課題をどう解決するか」という、徹底した課題起点のアプローチです。
特に以下の視点は、今後のシステム設計において不可欠だと感じました。
- プロンプト単発ではなくワークフロー設計: 「魔法のプロンプト」を探すのではなく、仕事の流れ全体にAIをどう組み込むか。
- 現場のエキスパートに「道具」を: AIを特別なものにせず、現場が使いこなせる道具として届けることでイノベーションを広げる。
- Intelligence と Trust: 組織独自のインテリジェンスを構築する前提には、強固な信頼(セキュリティ・ガバナンス)が必須である。
現場のエキスパートにAIという「道具」を届けることでイノベーションを広げるという考え方は、これまでのIT活用の歴史とも重なり、非常に納得感がありました。
また、Copilot StudioやMicrosoft Foundryを中心に、業務データを活用するエージェントを構築する全体像も整理されており、
- Work IQ(業務データ)
- Foundry IQ(ナレッジベース)
- Fabric IQ(データ基盤)
といった形で役割分担されたデータをエージェントが活用する構成が分かりやすく紹介されていました。
昨年秋に開催されたMicrosoft Igniteで発表されたIQシリーズ、これまで説明を読んでもピンときていなかったのですが、今回の説明とデモを見てようやくイメージがつかめたように感じます。
特にFabric IQに関しては、データにセマンティクス(意味付け)を付与することでAIの回答精度が向上するという説明が非常に腹落ちする内容でした。単にデータを蓄積するだけではなく、「意味を持ったデータ基盤」を構築する重要性を改めて認識しました。
「レイクハウスの生データにはセマンティクス(意味付け)が乗っていないのでそのまま使っても回答精度が落ちる。そこに意味付けを行うことで、初めてCopilot StudioやFoundryから使える高品質な回答に繋がる」という説明は、非常に納得感がありました。

ワークショップ:AI Toolkit と Model Context Protocol (MCP) を使ったエージェント開発プロトタイピング (Prototype agents with the AI toolkit and Model Context Protocol)
このワークショップでは、AI ToolkitとModel Context Protocol (MCP) を利用したエージェント開発のプロトタイピングを体験しました。
MCPは、エージェントが外部のツールやデータソースにアクセスするための共通インターフェースとして機能し、AIアプリケーションの拡張性を高める仕組みとして注目されています。
ワークショップではVisual Studio CodeとAI Toolkit、Microsoft Foundry を利用してエージェントを構築していきます。今回は時間の都合もあり最後まで完走できなかったのが少し悔しかったです。
ワークショップの内容は以下に公開されていますので、皆様も是非チャレンジしてみてください。
私もあらためてチャレンジしてみたいと思います。
ワークショップ:Fabric、Databricks、Microsoft Foundry によるデータ基盤のモダナイゼーション (Modernize your data estate with Fabric, Databricks, and Microsoft Foundry)
こちらのワークショップでは、Microsoft Fabric、Databricks、Microsoft Foundryを組み合わせたデータ基盤のモダナイゼーションについて紹介されました。

Microsoft Fabricは実際に触る機会があまりなかったため、今回のワークショップは非常に参考になりました。
Microsoft Fabricでは、CSVなどの生データを取り込む際のETL処理なども非常に簡単に定義できるようになっており、ワークショップの中でも実際にRDBのテーブルとしてデータが見えるようにし、それにセマンティクスを付与するという作業までは行うことが出来ました。
残念ながら完走はできなかったのですが、Fabricの基本概念やデータの操作を体験できたので、今後の活用に向けて非常に有意義な内容でした。
以下にワークショップの内容が公開されていますので、こちらもぜひチャレンジしてみてください。
クロージングキーノート: AIと共創するエンジニアの未来
クロージングでは、AIの役割が以下の3つの形態に整理されていたのが印象的でした。
- アシスタント
- チームメイト
- 自律的に動くエージェント
いずれの場合でも中心にいるのは開発者であり、エンジニアが主役として価値を発揮する時代になった、という力強いメッセージがありました。
また、AIを道具として使うだけではなく、AIと協創するエンジニアの未来においては、顧客の欲しいものを特定して言語化できる人が強くなり、ロールの垣根がなくなるだろうという展望も示されていました。
エンジニアが単なる実装者ではなく、ビジネスを加速させる主役として期待されていることを強く再確認できました。
そして、最後にMicrosoft Build 2026の告知も行われました。Buildのテーマも「AIと共創するエンジニアの未来」となっていました。

アフターパーティ
イベント終了後のアフターパーティでは、多くの参加者と交流することができました。
LT(ライトニングトーク)の枠が用意されていたのですが、最後まで枠が埋まらなさそうだったため、昨年12月の登壇内容をベースに急遽発表させていただきました。私が発表した資料は以下になります。
こうした場でのアウトプットは、ネットワーキングにもつながる貴重な機会です。実際に発表をきっかけに声をかけていただく場面もあり、改めてアウトプットの重要性を実感しました。
今後もこうした機会には積極的にチャレンジしていきたいと思います。

まとめ
今回のイベントを通じて強く感じたのは、AI活用において重要なのは単発のツール利用ではなく、
- 業務プロセス全体の設計
- 意味付けされたデータ基盤
- エージェントによる自動化
といった要素を組み合わせた「システムとしてのAI活用」であるという点です。
AIは単なる効率化ツールではなく、組織の知識や強みを拡張する基盤になりつつあります。
今後もこうした技術動向をキャッチアップしながら、実際のシステム設計や開発プロセスにどう組み込んでいくかを継続的に検証していきたいと思います。
皆様のお役に立てば幸いです。
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