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「女性が子育て奴隷になることを拒否して、自分の幸福を追求し始めた」

近頃、刺激的な本を読みました。

内田樹編「人口減少社会の未来学」という本です。

この本は、2018年の本でして、人口減少について、

池田清彦生物学者)、井上智洋(経済学者)、内田樹(思想家)、小田島隆(コラムニスト)、姜尚中政治学者)、隈研吾(建築家)高橋博之(「東北食べる」編集長)、平川克美(実業家・文筆家)、平田オリザ(劇作家・演出家)、ブレデイ・みかこ(保育士・コラムニスト)、藻谷浩介(地域エコノミスト)という人たちの

20P~30Pくらいの小論・エッセイ(?)を集めたもので

 

「半分くらいは理解できたかな」という読後感想です。

 

でも、へえー、と思うことも随分ありましたので、備忘のため、テキトーに書いておきます。なお本の順とは不同です。

 

テキトーですので、私の理解は怪しげで、要点をとらえているかどうかについても、全く自信ありません。興味があれば各人でお読み下さい。

 

尚、これからの人には、少子化問題は、大切と思うので、読んでみて、気になった人の本をさらに読んで、自分の考えを持ったらいいと思います。

 

このブログの題名は、池田清彦の文章でして、

人口減少の原因を、題名のように言った後、こういいます。私は笑いつつ、なるほどと思いました。

「グローバル・キャピタリズムとその走狗である政治権力が、いくら子育ては素晴らしいという幻想を押し付けようとしても、金銭的にも時間的にも余裕がないほとんどの女性は、易々とだまされなかったわけだ」(グローバル・キャピタリズムとは、国際資本主義=世界中を支配している資本主義という意味かな、走狗は、「つかいっぱ」です)

 

「縮小社会は楽しくなんかない」(ブレデイみかこ)

英国に住んでいる私は、このところすさまじい緊縮財政を経験した。借金財政から逃れるためだ。一方これは社会保障を縮小することでもあり、弱者に打撃が大きかった。

その怒りの爆発が、英国のEU離脱だった。

欧州ではいろいろ違いがあるが総じて人口減少がみられる。この縮小社会に異を唱えるのは、「新左派」「反緊縮派」とよばれる人たちだ。

1930年代、世界恐慌下、ドイツは財政緊縮で対応しようとし、ナチスを生み出した。米国は、ニューデイルで雇用を創出した。

私は、縮小社会をあきらめることなく、経済成長を目指すべきと思う。日本も同様。

トマ・ピケテイ「経済成長してない国は借金を返せない」

 

日本の人口減少の実相と、その先の希望(藻谷浩介)

①世の中の空気(≒常識(多分))は、現実と違う。数字で考えよう

②東京都だけが人口増(数字の事実あり)故、都会と地方の格差がまずいという空気であるが、それは違う。

③東京の人口増は、75歳以上の増加で、64歳以下の人口は減少(数字の事実あり)

④東京の2010年~2015年の生産年齢人口(15~64歳)は、8万人減

⑤この根本原因は、高度成長期、膨大な団塊世代が東京に流入したことだ

少子高齢化の傾向は、世界の趨勢である。

⑦移民を入れれば子供が増えると考えるのは間違い(移民も先住民同様、少産)

⑧次世代生産力(親世代人数と乳幼児世代の人数比)で見ると、一番高いのが沖縄県(93%)、東京都は55%、全国平均は、68%。東京はブラックホールだ。

⑨次世代再生産のためには、子を持ちたい人が持ちたいだけ持てる社会にすることが大事だ。それは、生活費が安く相互扶助の気風が残る地方(これは、西高東低の傾向あり)に、子供を持ちたい一部の若者を戻すことだ。

 

若い女性に好まれない自治体は滅びる(平田オリザ

現在(2018年)待機児童の問題がクローズアップされているが、それは都市部の少数の問題だ。中心の問題は、子供が欲しい多くの地方の自治体にある。出生率が極端に低い東京の改善は見込みがないからである。

地方の自治体の課題は、非婚化・晩婚化である。若者の人口が増え、彼らが結婚してくれれば子供は増える。

結局女性に好まれる自治体を作るのが、本筋である。

女性に好まれるためには、

〇18歳の時点で、自分の進みたい道を選び取れる能力がつく教育・地域社会

〇町ぐるみで子育てを応援していこうという雰囲気醸成

子育て中や失業中・生活保護世帯の人が、コンサートに来れるような雰囲気醸成

〇子育て中のお母さんが、短時間でも副業ができるような環境づくり

〇教育水準と医療の充実、文化という居場所が必要

 

人口減少がもたらすモラル大転換の時代(平川克美

①人口減少問題は、損得勘定で扱うのは間違い

②人口減少は、経済事象ではなく、資本主義の発展段階で必然的に起きる現象

③人口減少は、経済に重大な影響をもたらすが、経済政策で人口をコントロールはできない。一方通行の現象である。

④日本の1995年以降をデフレと考える人が多いが、本質は、文明史的な定常化である

⑤経済現象は短期的な問題だが、人口減少は、長期的な文明発展の社会構造の変化だ。

少子化の原因が女性が子供を産まなくなっているという言説は、不正確

この30年、有配偶者出生率はむしろ増加(具体的数値あり)

少子化の直接的原因は、晩婚化である。晩婚化の主因は、権威主義的大家族から核家族化へという変化で、それは市場化と密接に関係している

⑨市場化は、お金さえあれば家族に頼らずとも生きていける時代になったということ

⑩市場化とは、無縁化ということで、人々は家族などの有縁の共同体から逃走している

それは、どうしようもない趨勢なのである。

⑪ゆえに、少子化対策は、結婚してなくとも、子供が産める環境を作り出すこと

⑫フランス・スエーデンでは、婚外子率が5割を超えている。日本は、2.3%、韓国は

1.9%である。

婚外子率の高い国は、法律婚に基づかない家族の権利を認めている。

⑭戦後日本は、高度成長・安定成長・バブル経済を経て、経済大国となったが、それは

貨幣信仰の世界であった。

貨幣経済のモラルは、私有制と等価交換性である。

⑯私有制と等価交換性モラルの結果、富の偏在(偏り)・社会の分断・個人の孤立化を生んだのであるから、富を遍在(皆に行き渡るさせ、社会を包摂し、人々を結びつけるベクトルを作る必要がある

⑰、⑯のためには、貨幣経済以前のモデルを参考に作る必要がある。それは、全体給付(獲物を皆で分ける)、他者のものは自分のものという意識である。

⑱現代でも⑰の意識は残っている。親子・兄弟の関係、強い仲間意識の共同体なのである。バレンタインデーの贈り物、病気見舞いの半返し等。

⑲、⑱の本質はつながりである。(もらったものを返さないとは、つながりがあること)

⑳、人口減少社会のデザインは、無縁の世界に有縁の場を設営していくことである。

 

頭脳資本主義の到来(井上智洋)

①経済に大きな打撃を与えるのは、日本の場合少子高齢化よりも知力の衰退にある。

②歴史を振り返ると、多くの産業に巨大な影響を与える汎用目的技術(GPD)が世の中を動かしてきた。第一次産業革命の蒸気機関第二次産業革命の内燃機関・モーター、第三次産業革命のコンピューター・インターネット、第四次産業革命の汎用AI・ビックデータ・IOT・ロボットなどである。

第三次産業革命は、一次・二次と違い、労働者すべてを豊かにはせず、富の増大と偏在をもたらす。

④2030年頃に始まる第4次産業革命は、その後の20年前後に大きな社会変革をもたらす。

⑤世界の次の覇権国家は、汎用AIを使った生産活動に成功した国である

⑥第一次から第三次までの産業革命は、機械と労働という入力の生産構造であったが、

第四次産業革命の入力は、AIとロボットであり、これは、経済成長率が年々増加するという予測が成り立つ。

また、第4次産業革命は、汎用AIを導入した国とそうでない国の格差を極端化する。

⑦日本は、第一次・第二次産業革命で上昇機運の国々の一つになれた。しかし、第三次産業革命で後れを取っており、第四次産業革命では、さらに後れを取る可能性が高い。

⑧第4次産業革命は、知力が大きな価値を持つ頭脳資本主義といえる

⑨日本は、頭脳で価値を生むことに時間・労力・お金を投下できていない。

学術論文数で世界ランクをどんどん下げているのがその証左である

⑩一日の時間は、有価値労働時間・無価値労働時間・余暇時間に分けられるが、日本は、無価値労働時間が異常に長い。

⑪無価値労働の短縮の工夫、基礎研究への投資増大が必要。

 

ホモサピエンス史から考える人口動態と種の保存戦略(池田清彦

少子高齢化問題というが、50年から100年というスパンで見れば、高齢化は問題でない。高齢者は死ぬから。少子化と人口減少が問題だ

②最古のホモサピエンス(現生人類、約30万年前出現)~1万年前は、現生人類も、他の野生動物同様、キャリングキャパセテイ(環境収容力)が人口を決定していた。

③初期ホモサピエンスは、現代人のDNAの多様性から考えて、せいぜい5万人程度と推定される。そのうちの数千人から1万人がアフリカを出て、全世界に拡散し、今や60億人、その繁殖力はすさまじい。

④DNA分析で見ると、ホモサピエンスは、先住のネアンデルタール人やデ二ソワ人と交雑した。ホモサピエンスは、性的パートナー選びは、いい加減。今生き延びているのは、ホモサピエンスの女とネアンデルタール人の男の子孫。ホモサピエンスの男とネアンデルタール人の女の子孫は絶滅。ホモサピエンスの純血種も絶滅した。

ホモサピエンスが、アフリカを出た理由は、環境収容力に対して人口密度が大きくなったのが主因だろうが、ストレスもあったのではないか。トノサマバッタ等と同じように。約7年前認知革命が起き、狩りの技術が向上したが、環境収容力には限りがあり、一部は、新天地を求めて旅立った。8から7万年前東南アジア、3から2.5万年前アジア中央部、南アメリカには1.2万年前。

⑥およそ1万年前、ホモサピエンスは、人口増に対して2つの選択をした。人口を増やさないで、狩猟生活(豪州のアボリジニ等)をするか農耕生活をするかである。

⑦農耕は狩猟と違い高度な技術が不要のため人口を多く扶養できる。つまり人口増→食糧増産→さらなる人口増→さらなる食糧増産・・・というサイクルが生じる。ホモサピエンスは、ここで環境収容力に制限されるという野生動物の域を脱した。

⑧農耕革命は、次のような変化をもたらす。

〇相手と親密な関係を保てるダンバー数(150名前後)を超える故、集団維持のため、指導者が出現、ルールを記するため文字が発明される→思想・宗教・科学の基礎

〇余剰生産物が出現するが、平等には分配されず、指導層が独占→税の出現

〇本格的な戦争の激増・・戦争は指導者層の都合で行われ、一般人は自分のあずかり知らぬところで、戦争は起こり、いきなり兵士として駆り出される

一般人は、狩猟時代よりおおむね悲惨な生活

⑨その後、貨幣・世界宗教・極端な階級社会・帝国・グローバルキャピタリズムが出現するが、これは700万年の人類史ではわずか0.057%であり、ホモサピエンス出現後でもわずか1.3%にしか過ぎない。ここから考えると未来の社会は、現在と全く違うと考える方が合理的だ

⑩18世紀後半からの産業革命は、貨幣経済・資本主義の発達・富の格差を生じる。資本家は、富を最大限にするため、政治を利用するが、国民国家ができ、多少とも民衆の意思が尊重されるようになると、資本は、国家のくびきから逃れようとする。それがグローバル・キャピタリズムである

⑪一方グローバルキャピタリズムの時代、人類史にはなかった出来事も起きている。少子化である。環境収容力を増やしても人口が増えないという人類史上初めての事態である

⑫人口減少の世界トップを走る日本は、人がいなくなるというあほを言う人がいるが、ある程度減少すれば、定常状態になって安定するに決まっている。現生人類は、アフリカを出立した1万人の子孫であり、DNAは、99.9%同じでクローンに近い。日本人という生物種がいるわけではなく、日本列島に住み日本語をしゃべっていれば出自はどうであれ、日本人なのだ

⑬資源量が同じであれば、人口が少なければ一人が利用できる資源量が増えるので、少子化は、幸福に資するのは間違いない

⑭2200年~2300年ごろには、世界人口は、50億人くらいで定常化する

⑮定常化の前に先進国の人口減少・途上国の人口増という移行期がある。この時途上国の労働力移入が起きるが、それは全体の労働賃金の低下をもたらす。

⑯この時、農村に住んで作った作物は売らずに、自分で食べるという人が多くなれば、ダンバー数(150人名前後)の集落ができるかもしれない。それは、各人自由勝手に生活していても、秩序が保てる集団である。

⑰、⑭の定常化社会はどんな様子か。AIやロボットが労働を担うことになり失業者が増える。一方企業は低コストで製品がつくれるが、買ってくれる人がいないと困る。そこで登場するのが、ベーシックインカム(BI)制度である。低コストで製品を作る企業の収益の8割をBIの原資にすればいいだろう。しかし、これには何らかの規制が必要だろう。

国民のかなりの部分が農業をして、食糧は大方自給自足、それ以外はBIで賄う。こうなると環境収容力がほぼ一定、人口もほぼ一定という生物種としては、最適な社会となる。

核戦争や巨大隕石の衝突ということが起こらなければ、人類はしばらく生き延びるだろう。

 

以上6名の文章をまとめてみましたが、これで図書館から借りてる期限が尽きました。

内田樹隈研吾高橋博之・小田嶋隆姜尚中各氏も結構面白いことを言っているので、興味ある人は、図書館で借りて読んでみてください。

あー。くたびれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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