戦後生まれの私は、こう思っていた。米国は、日本の民主主義の先生で、世界の民主主義の旗手で、世界のリーダーだと。
だから、トランプ政権の米国ファースト政策、特に高関税政策、ICCへの圧迫、国際協調否定、移民圧迫、学問への圧迫は、例外的な出来事で、トランプ時代が終われば、元に戻ると。
しかし、朝日新聞8月19日の特集によると、そうではないらしい。
約100年前に、「米国第一」を掲げて、米国史上最大の差をつけて大統領になった人がいる。ハーデイング大統領(共和党)。前大統領のウイルソン(民主党)は、第一次大戦後、戦争を防止すべく、国際連盟を提唱したが、ハーディングと議会は、連盟に参加しなかった。
同新聞は、米国の伝統を孤立主義とみる。
その例:
〇独立戦争(1775年~1783年)で、フランスに応援してもらったけれど、ナポレオン戦争(1793年~)には、中立。
〇1823年 「モンロー宣言」(米大陸と欧州は相互不干渉)
〇1920年からハーデイング・クーリッジ・フーバー大統領時代
国際主義への反発・反エリート主義・移民排斥
〇1930年スムート・ホーリー法
高関税政策→英仏のブロック経済→日独伊の侵略政策
例外 国際協調路線:
〇1913年ウイルソン大統領(国際的責任、民主主義に基づいた国際秩序を提唱)
〇1945年以降
国連主導
GATT(自由貿易のための多国間協定)・IMF体制(国際通貨協力)
そして、まとめとして、
ジョージタウン大カプチャン教授の「米国にとって、戦後80年世界に関与してきたことが例外だった。トランプは米国の伝統へ戻った」
という言葉を紹介している。
この見方が当たっているかどうかは、わからない。なぜなら戦後80年の長さというのも伝統と言えるのではないか、と思うから。一方これは希望的観測かもしれぬとも思う。
8月22日の朝日は、「戦後の自由貿易体制も、米国の保護主義台頭に度々さらされてきた。代表的なのは、日米貿易摩擦(繊維・自動車・半導体等)である。しかし、自由貿易体制の最低限は守った」といっている。一方トランプ関税は、自由貿易体制の一線を越えてるともいう。
今後の日本の指針として、寺沢達也氏の言葉を紹介している。
寺沢「米国の自由貿易のリーダーシップは完全に終わりと考えたほうが良い。しかし、米国は最大の輸入国とはいえ、世界の14%でしかない。8割を超える他の国々が戦前のような貿易戦争に陥らずに、国際秩序を守っていくこと」
なるほどねえ。米国の存在は大きいといっても14%でしかないんだから、他国同士で自由貿易を進めていけば、米国も「国際秩序のある自由貿易のほうが良い」となるかもね。