先週、偶然か、何かの意図があるのか、NHkで、病院の危機に関連する数本の番組が放映されました。
共通するのは、危機的な病院の現状でした。
それぞれの病院の問題点は、違うところも共通するところもありました。
(6割が精神科でほかに認知症や依存症を扱う。400床のベット)
〇2023年 入院患者が、同室の患者を殺した。これを隠ぺいした院長と医師が逮捕!
(アルコール依存症の患者が、「誰かを殺せば、拘束されない」という理由で、隣の70
代の患者の顔等を歯ブラシで刺した事件)この病院は、日常的に拘束してた。
〇はじめ死因は肺炎!これを書いたのは、入院(認知症)している高齢の医者!!
この医師は、200人以上死亡診断書を書いている!!!
〇この事件では、介護記録の改ざん、隠ぺい。
〇医師が13名いるはずなのに実際は6名!!
〇年一回の審査は、事前通知制。
〇匿名でインタビューに応じた関係者「公益通報」をしたが、県「問題確認できず」
〇八戸市医師会長「この病院は必要。たらいまわしされる精神科患者の最後の砦」
②追い詰められた病院でー医療限界社会ー(Nスぺ ドギュメント)
A島根県 江津総合病院(年4.5万人診療、19科、240床、365日・24時間対応)
〇医師の劣化・・・複数の医師がミス・トラブルを多く起こす
→院長「前からこういう医師がいたが、数があり対応できた。今は余力なし」
〇常勤医師が28人から20年で12人(2024年)に。非常勤に頼るがそれは費用がかさむ
〇76歳まで救急対応してた医師「失敗が多くなった。看護師に指摘されて事なきを得」
〇夜勤からそのまま日中勤務の医師「もう限界。救急車の空耳が聞こえる」
〇2024年一挙に15名の看護師が退職
〇対策・・・ベット数を減らす。診療科を減らす。チーム制(主治医以外も面倒を見
る)。事務員も簡単なカルテを書く!皮膚科医師にも救急担当してもら
う!
総合医療科の医師を採用(救急にも対応してもらう)規模を縮小する撤
退戦。
B別な大きな病院の話(100名以上の医師数の病院。名前は不出。)
〇全国の病院の収支(69%が赤字、31%が黒字)!!
〇この病院の赤字対策
*計画的退院(慢性期の患者は診療報酬が低い故)
*救急患者を集める(診療報酬高い。無理といっても受け入れる。その結果待ち時間が長くなる!!!)応
*手術数を増やす
〇この病院の看護師の話(匿名で応取材)「廊下にも患者。患者は人でなく物」
〇猪口という全国病院会(?)会長の話
保健医療はこのままではもたない。
まっとうな治療をまじめにやったら利益を出すのは難しい。
③「断らない病院のリアル」(ETV特集)
〇神戸市立医療センター中央市民病院の現実を、院長や救急部長・外科部長・医師・看護師がリアルに語る内容。
〇同病院は、365日24時間対応の3次救急病院(重症患者対応)年間3万人診療。
〇国の診療体制等の評価で、11年連続全国1位
〇2024年11月34億の赤字
その原因 「医師の働き方改革」対応のため医師を60人増員
コロナ禍で重病者を受け入れ→他の患者を診れない。手術の激減
コロナ後も患者が前のように戻らない
〇神野一平医師(2年の研修を終え、救急科在勤1年目)
*命の危険な患者や原因を特定できない患者に対ししばしば先輩医師の指導を仰ぐ
*救急夜勤終了後2時間カルテ記入(20時間働き続け)→労働時間オーバー故
「なぜいるのかといわれそうでビクビク」「残業部分を自己研鑽時間としている」
*「自己否定感、不安感」に悩まされる
〇院長の話
*ブラックな職場だ。自己犠牲で成り立っている。経営と医療従事者の健康・生活と患者の命、何とかして成り立たせたいが、限界を感じる。
*他医療機関との連携・集約化。AIによる能率向上(空きベットの瞬時確認等)
〇8件の医療機関に断られた患者を救急科が受け入れ→外科が対応できない→15時間待機
〇診療方針について、救急部長と外科部長の激論
〇診療部長の話・述懐(当直医にコーヒーを出しながらたわいない話をする人)
*新任の人達へ「皆さん、大変な仕事に付きご苦労さん。楽しいふりをしましょう。そのうち騙されます。楽しいと。」
*「かつて私の指導してた研修医が(多分)自殺しました。いっぱいいっぱいは分かってました。葬式に行くとき何も感じませんでした。でもその母親を見た途端、涙が止まらなくなりました。つまり普段我々は感情を押し殺して生きている。彼の死は一瞬たりとも忘れたことはありません。この仕事は恐ろしい仕事です」
④都市部での休院・廃院・縮小(クローズアップ現代)
〇吉祥寺南病院の廃院
*原因 赤字が出ていた。築40年の老朽化建物の建築費が出ない(60億)
〇河北総合病院の縮小(小児科廃止)
*軽症のの救急患者の受け入れ(もうけが少ない)
*高齢入院者の長期化→介護施設があかないため病院に置くしかない
〇帝京大千葉総合病院の移転
*千葉大の先生の提案→小さな規模の病院の誘致・回復期の患者で儲ける
〇泉佐野市の例
*公立病院と民間病院の統合で新病院→相互補完
〇専門家の提案
役割分担と集約化、そのためのデータ分析が重要。
視聴した感想を述べます。
〇この4本の番組は、主に病院側から。患者側の視点からも欲しい。
〇病院のことなんて考えたことなかったけど、少し実態がわかってよかった。いずれ
世話になるだろうけど、私のかかる病院は大丈夫だろうか。
〇みちのく病院なんてあっちゃいけない病院だ。でも必要という。闇は深いなあ。
〇経営面から、救急患者を大いに受け入れるという病院と忌避する病院があるのはなぜか。重症と軽症患者の違いによるのか?’重症はもうかる、軽症はもうからない?)
〇江津総合病院や神戸市立市民総合病院の姿勢はいいなあ。まずいところも隠ぺいするところなく公開している。立派と思う。
神戸総合病院の院長の言葉:(取材者に対して)「従軍記者になってありのままを見てください」ほんと、救急は戦場のようなところだ。
〇赤字の病院が7割とは驚いた。名目GDPで50兆円にせまる医療業界があんなに赤字が多いとは驚いた。廃院・休院・診療科の縮小・医師の多忙等、われらは今後適正な医療を受けられるのか心配になった。
〇救急対応の病院に勤務する医師や看護師の過酷な労働は深刻だ。働き方改革がなお過酷な勤務、病院の赤字を増やしている。悪循環になっているように見える。
〇ほんとに、地域での病院の役割分担と集約化がぜひ必要と思った。また撤退戦と言った医師がいたが、全くその通りと思う。撤退戦を破局なしに穏やかにどううまくやっていくか、これが日本の多くの分野での考えるべきことだろうと強く思った。
〇この4つの番組は、大規模病院の危機的状況について紹介してたけれど、個人病院は様子が違うと思う。
小学校から大学までの同級生の経営する医院(内科)は、はたから見て楽だと思う。勤務は、月から金の9時~18時で、12時から13時30分まで昼休みがある。金ももうかるみたいだ。海辺に大きな別荘を持っている。私がかかっている眼科医と歯科医も、勤務は同様である。大病院の勤務医とあまりに違う。
大病院の7割が赤字になる理由の一つは、収入である診療報酬が上がらないことである。厳しい健康保険財政を考えるとやむを得ないと思う。
そこを考えると、自営の開業医師へのお金を、救急対応の病院や勤務医に回す手立てはないかな。・・・こりゃ、同級生に怒られるな(笑)