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おかーちゃん(義母)のひと言に感動するハナシ〈mata.〉

先日、施設にいるおかーちゃん(義母)を、昼食に連れ出しました。

おかーちゃんが施設に入ったのはコロナの頃で、故に自由に外出も外泊も出来ず、コロナが収まっても施設としては慎重にならざるを得ず、しばらくは禁止されていたのですが、少し前に「もう大丈夫ですよ」とお達しがあり、長女である嫁さんが、「おかーちゃんを連れ出したい!」(決して「逃がす」とかじゃない)と言い出して、昼食会の開催となりました。

といっても、会場は施設から信号ひとつ渡ってすぐの普通の喫茶店であり、食事も普通のランチであり、参加者も自分と嫁さんと義妹(おかーちゃんの次女)だけで、つまり普通の昼ゴハンなのですが、おかーちゃんにとっては数年ぶりの娑婆の空気であり、数年ぶりの施設以外での食事で、数年ぶりに家族で過ごす団らんの時間です。

 

で、おかーちゃんはカレーライスを選び、それが運ばれるまで親子が会話を楽しんでいる間に、自分は店員さんにビールを注文しました。

おかーちゃんはお酒が好きで、自分と義弟(次女の旦那さん)と3人で飲むのが楽しみで、家族が揃ったときは飲んで騒いで笑っていましたが、さすがに施設では飲むことが出来ず、いつしか本人も「もういらんわ」と言うようになりました。

それは変わらず、注文したビールが運ばれてきて、グラスを渡しても「いらんいらん」と言っていたのですが、「とりあえず」とグラスを置き、「ちょっとだけ」とビールを注いだら、手を伸ばしてぐいっと飲み干して「苦いわ」と顔をしかめ、おかわりを要求してきました。

それだけでも昔を思い出して感動するのですが、さらに感動するひと言を放ってきます。

「長生きしてたら、こんなところで美味しいもん食べて、ビールも飲めるんやな~」

自分たちにとっては、普通の喫茶店であり、普通の昼ゴハンであり、普通のビールであり、普通の家族の団らんですが、ずっと施設にいるおかーちゃんにとっては全て特別で、長生きしたからこそ得られたモノということなのでしょう。

そのひと言に、喫茶店のリサーチや予約に奔走した嫁さんも、遠方から電車を乗り継いでやって来た義妹も、そして義理の息子である自分も感動しました。

 

ただ、まだ時間もあったので、隣りの公園でも散歩しようかと車椅子を押すと、おかーちゃんは「もうええ、早く部屋に帰らせてくれ」と言い出し、さっきまでの感動はどこへやら・・・

 

というわけで、次はどこへ連れ出そうか?楽しみです。

 

でわ、股!!




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