290 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:31:43 ID:vnpDHUHn [3/27]
1215
「 お前、おれの子分にしてやろうかお? 」
┏
そんな言葉で始まった、俺と、ヘンリーの付き合い。
┛
.
291 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:32:14 ID:vnpDHUHn [4/27]
1216
┏
ともだちってものを信じられなくて、
親分と子分、という関係しか作ろうとしなかった、
┛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「 だから、おれはともだちなんて信じない。 」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏
俺の――――、『親分』。
┛
292 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:32:43 ID:vnpDHUHn [5/27]
1217
.
293 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:33:07 ID:vnpDHUHn [6/27]
1218
┌────────────────┐
│ ずいぶん偉くなったもんだお、トム。...│
└────────────────┘
┌─────────────────────┐
│あんなに、カエル一匹におっかながってたくせに。...│
└─────────────────────┘
.
294 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:33:59 ID:vnpDHUHn [7/27]
1219
/ >`´ `´ ヽ´ ヽ´ヽ'´ヽ .l ヽ、__ヽ
/, .彳 ν ヾヽl、 \`
'./ /- 、 __ ι__ ,-、 ゝ
/ .フ ___`ー、 . i i , ‐. ´___: : : :.l ヽ
!'l l < o `ヾ ヾ': ヾ/ o >:l .ト!
. l l と`ー' つ'´ .l .l:ヾ、τ二二つ: :.l i l へ…ヘンリーさま!
l_i l `ー'´ l .l: : : . : : : : l lリ
i´._l l υ ,: :Y丶: : : . . : : : : l l=、
l .{: l l : : : !: : ヽ: : : . : : : : : l l .} l ヘンリー殿下!
l {: l l ι _____: : : : : : : : :l l .} l
ヽヽ_l.l / \: : : : : :.l.l_/./
ヽ__ゞ / ,-―――-、 .ヽ: : : :〃__/
l .i、 `‐' : : : : `‐': : : / . l
. l l:.ヽ : : ---: : : : : : : : /l .l
l .l : :ヽ : : : : : : : : : : : /:.l . l
,、 l . l : : ヽ : : : : : :/: :l l ,、
/:.i\ .l .l:. : : :ヽ : : : :./: : : :l .l /i:.\
/:.:.:.:.!:.:.:`ヽ、l l: . : : : :\ . : :/: : : : : :.l l,‐'´:.:.:.!:.:.:.:\
/:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.ll : : . : : : : :\__/: : : : : /: : ll:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.\
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:/! : : . : : : : : : : : : : : : :./: : : l\:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:./ : : : ι : : : : : : : : : : :/: : : :.l: : ヽ:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.
.
295 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:34:42 ID:vnpDHUHn [8/27]
1220
_____
/ \
/ \ 久しぶりだ、トム。
/ ‐-、 ,.-‐ \
/ ., ーヽ ,'. ー-、 \ そう、俺だお。
/ ( ● l l ● ) \
| `ー ノ ヽ.ー ' |
| "⌒(____人____)⌒゙ | ―――通して、くれるおね?
. \ |,/⌒'⌒ヽ| /
\ l j /
/ `ー--‐''´ 〈
┏
―――「その日」。俺たちは、ラインハット城に、乗り込んだ。
┛
296 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:35:32 ID:vnpDHUHn [9/27]
1221
┏
ヘンリーが、「俺が先頭に立ち、城に乗り込むお」と作戦ともいえないものをいったとき。
┛
_,,.、、、、、.,,_
/.:::::::::::::::::::..`ヽ、
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::. '、
| :::::::::::::::::::::::::::::::::,ヘ{ツ
| ::::::::::::::::::::::::,ィゥ ノ j 「 死にたいのか? 」
|::::::::::::::::::::::( |.! ;{
.|::::::::::::::::::rリ`l,〉 j}゙
}:::::::::::::::ノ゙ l /. ┏
,xァ''ー'゙'` '、 / 戦いにそれなりに通じ、
/ ー`¨`''''ー-- 、」゙'′_
''^ーァ 、_____  ̄ / 詭道にも通じた仲間たちは、正々堂々と挑むべきじゃない、
`>'、, '''"´ ̄ ̄_二ヽ、
/ / ヽ 「それなり」の準備をし、こちらも相手にどう出られても
,' , / ゙、
l / __ ! 対応できるようにすべきだ、と主張した。
l, l く,_ 、 | ┛
, ヘ ̄ ̄` 、_
/ ´ ̄  ̄ ̄`ヽヾ` 、
/ '´ \ヽ}
/ ∨ト、 「 その策には賛成できません! 」
/ / / ! ヽ、 YV
f / / / ィ / ハ / | 、 | } !) 「 相手がどう出てくるか予想できない以上、考えられる術は打たないと! 」
l〃/| 〃 {l | ! '. ! 、ヽ l ! Y{
|{ l ト lL /|!ト、l ヽ{\ ヽ厶イ l }) 「 下手するとラインハット国そのものが相手になるかもしれないんですよ! 」
iハ∧ハNr升≧ォ|ノ ヽヘ ,ィ≦圷! |イ
\从{{ ト辷'i ト辷i }}| Y
l| ∧ `ー゚ `ー' ハ |
l| ノハ """ ' """/:!ll / ┏
仆 ヽ、 fこ) /::、| N、 スミスやドラきちたち、いわばはぐれモンスターばかりじゃない、
l| l|::::`ゝ、 _,. ヘ-、:::! 仆::〉
lト、 j|__//}  ̄ ,ノ ' | li/ 過去数百の魔物を統率してきたというピエールも。
_ハil|-ァ' { _ <´ |/、':、
/ / |/,ィ-く , イ `ー- 、 まったく同じ、というわけじゃないけども、
/ / /:::L_}::\ / }\
/ { l,イ:::::::/ j::::::::\ / / l 似たような提案をした。
┛
297 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:37:01 ID:vnpDHUHn [10/27]
1222
┏
だけど、ヘンリーは仲間たちの提案に、頷こうとはしなかった。
┛
/.: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/: : : \
/: : : : \ 「 すまない、スミス、ピエール。 」
/: : : : : : \
/ : : : : : : : .. \ 「 戦術に照らし合わせて、これは最悪の方法だとは判っているお。 」
|: : : : : : ,,,,ノ⌒" '' ``⌒\,,, l
|: : : ::;; ( (・) ) ノヽ ( (・) );;::: | 「 だけど、それでも俺は正面から堂々と打って出たいんだお 」
|: : : : : ´"''" "''"´ l
. \ : : : : . .( j ) / 「 許してほしい…そして、ついてきてほしいんだお 」
\: : :: : >ー-‐'=ー-ー< /
/ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ\
: : : : : : : : :``ー- -‐'"´ \
: : : : . : : . : : . \
┏
ヘンリーは我が儘を言っている自分を、理解して。
それでもなお、正面から、城門から、行くと決めていたんだった。
┛
.
298 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:39:14 ID:vnpDHUHn [11/27]
1223
┏
俺が以前来た時のラインハットと、現在のラインハットは、何もかもが違いすぎていた。
┛
_::.;;;|_;:.._|__:._|____|_.| i ..| ┏
;::_|___|√__:.:|:..__|__,;;'~ | 〉 あれだけ賑やかで活気あふれていた城下町は、
__|:::.__|__;:._|__;::|'___ i '~ヽ/ ̄`::.
::._|__|_|;:;:::|_|__:|___,;' | ::. 昼から職もなく、食べるものすらなく立ち尽くす人、
__|_::._.,|__::..|∧,,,,,∧〃 ,,/ :..
_|__|;;;;;;;;;;;;;;;;|__彡o-o・,,ミ〃 i | :. .. 春を売る女性、力なくうずくまる子供。
;._::.,|___|__と「;;<w[と).|i .| :.. ┛
 ̄ ̄|_|___|__/;;y;;;;;;ゞ\ | ::...:
ted!..|;;.__;;;|_::._|〆ノ `J\r' ̄| ::.:
o`》:::|_|;;;::::._:|__|\ \| ̄㌧ | :.
ル。:::|_:.__::|__|\ \| ̄ ㌧ : :. | :..
__|_|__|\ \| ̄ .:: .. | ::..
_|__:;;;|\ \| ̄ ..: :.. .::. :. .| :.
;;;,,,,_;|\ \| ̄'' 目 λλ ;;. | :. ::.
' \| ̄ ;;./ ヽ_( 'ー`)y-~ : . | ∧∧ ┏
∩∩  ̄ ̄'''' |~|ノ( ヘヘ) ̄ ̄ ̄''\,~-∩゙*,) ―――本当にここが、あのラインハットの城下町なのか?
;;;'д),, ;; |__,,| 。 ゛ ,,\(_ソと)
っっミ ::. ( , ノ ::. 疑いたくなるような光景が広がっていた。
;;,_)旦 l⌒i⌒l .レ`J.、 ┛
,,,,,,,,,,,ミ @ ⌒'⌒ \
.
299 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:40:32 ID:vnpDHUHn [12/27]
1224
____
/ \ ┏
/ ─ \ 城下町に入り、静かに観察するみたいに
' (●) \
(l、__) | 町を見渡していたヘンリーは、表情を俺たちに見せなかった。
⌒´ / ┛
`l \
l \
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「 ………俺が、いなくても。
この国が平和だったら、デールが幸せだったら。
俺は……未練なく、この国を見捨てられたのに。 」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
____
/ \ ┏
. / \ 俺にしか聞こえないくらいの、小さな声で。
. / ― ー \
| (●) (●) | ヘンリーは、そう言ったんだった。
. \ (__人__) /
. ノ ` ⌒´ \ ┛
/´ ヽ
300 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:42:12 ID:vnpDHUHn [13/27]
1225
____
/ \
/ ― ヽ 「 何なんだお、この国のありさまは。 」
/ ( ●) '、
| (__ノ_) 「 これじゃあ国が発展しない。―――上が腐っている、いい証拠だお。 」
\ `_⌒
/ \ 「 ……ああ、きっと。滅ぼしたいんだおね。この国を、内側から。 」
┏
ヘンリーの目は、十代の男の、いつものおちゃらけた奴の目じゃ、なくなっていた。
真剣に、国を憂う―――王子の、目になっていった。
┛
/ ̄ ̄ ̄ \ 「 デールはまだ、十三になるかならないかだお。 」
/ . \
/ _ ノ ヽ、_ \ 「 いくらあいつが阿呆じゃなくても、幾らでも説き伏せることはできる。 」
.| (ー) (ー) . |
\ (__人__) . / 「 ……この国は今、どうやら腐りきっているようだお…。だけど。 」
/ `⌒´ ヽ
ヽ、二⌒) (⌒ニノ 「 ―――リュカ。悪い。俺は今から、すごく勝手なことをいうお。 」
.
301 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:43:30 ID:vnpDHUHn [14/27]
1226
┏
そしてヘンリーは言ったんだ。
┛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「 それでも俺は、ラインハットの国民を、ラインハットを信じたいんだお。 」
「 我が儘だということは判っている。―――だけど、俺を正面から、行かせてほしい 」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏
そう―――強い決意を秘めた声で。
┛
.
302 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:44:46 ID:vnpDHUHn [15/27]
1227
┏
まず最初にヘンリーに会った兵士トムは、ヘンリーの姿を見るなり
涙を流し、嬉しそうに笑った。
┛
,r l l ___ ヽ _, -‐ ´
/ ,l l  ̄ ` ‐- 、 ヽ、 /
l r´l l 、 `ヽ l /
l .l .l ,ヽ `ヽ、 l / _________
l ´l .l l ヽ、 ,-、 ヽ, .l / , - ‐ ´ ` ‐- 、
l l l ヽ、ヽ`ヽ `´ __ヽ ' / ,r´ ,__` ヘンリー殿下!
.l l l l ヽ、`ヽ__ ,‐-´,r´ , , 〈 ○ ___,r´,r´
l `l l l ヘ`  ̄__´ノ l .l ヽ、_ __ ,r´ , r,r´ /
l l l l l ` ̄ l l ヽヽ ニ_= ´- ‐ ´ l / ああ、まだ神はラインハットを
l ヽ l l し´ .l l `‐- ‐-- ´l ,r´ / 見捨てていなかった…!!
ヽ `l .l .l .l l l / /
ヽ、l l .l l し´ / /
>l l l l / /
/ lヽ/l l l / /__ノ
,r´ l l l .l / /´
_, -‐‐y l .ll ,r l l / /___, r ´
,r´/ l l l ヽ、 ヽ l l ,r´ /l/´/、
r´ / .l .l l ` - 、 l .l´ 、 / ' /`ll
/ l l .l ` ‐-、__,l _____ ____,r´ / / lヽ、
/ l l .l  ̄ ̄ / / .l `ヽ
.
303 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:46:23 ID:vnpDHUHn [16/27]
1228
____
/ \
/ ─ ─\ 簡単にでいい、この城の状況を教えてくれお。
/ (●) (●) \
| (__人__) | 国王デールは何をしてるんだお?
\ ` ⌒´ ,/
ノ ー‐ \ 城下の街は、酷いありさまだったおが。
┏
ヘンリーの問いに、
兵士トムは素直に現況を語りだす。
┛
/__ 〉、__ \//////////ヽl l .l ヾ、
/,.-、〉./ i `ヽ、 \// //////ヾヾ ヾ``
//__././ 丶 \ l /////////`/、!
/ l . /./ \ o ', . ! /,.-‐―--.、//l `
/ l l./ ` ー '_, '____ ` l
/ l ゝl' ´ .! 、. o `ヽ、./ はい、この城…国は、現在本当に酷いものです。
/ ゝ‐l ! ヾヽ_,..‐'/
,..-‐/ / . l ! / あなたさまが誘拐されたということが発覚し、
/:.:.:l/ ./ .l ! / その後、ベルギース陛下が亡くなられてから…
‐-、______/:.:.:.:.:.l/ l ,--― 、 ´ "´ ./
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.l l `ー、_ `ー、 / デール陛下が即位されてから、
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l ', `ー、_ > / この国は変わりました。
:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:,、:.:.:.:.:.:.:l ', `ヽ、_ `' ./
:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:ヽ:.:.:.:.:l ', ` ./、
:.:.:.:.:.:/:/:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.l\ . ', /:.:.:.:ヽ
:.:.:.:./'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽl\.\ . ', /:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
:.:.:.:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.___l \`ー、_ .', /∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:l `ー、_`ー、_ `´ l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
304 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:47:30 ID:vnpDHUHn [17/27]
1229
_ト、,.-''Z.-‐ぇ.-‐ぇ__
≧ "z
/ ,.ィ/l/l/!'´Z `、 確かにデール陛下は年若く、
''イ/||||||_l..l +|Z `、 どなたかの助けは必要でした。
/-、 u ,..-''" ___ l i
|―-、 '"´ 。 ノ ! i"ヽ | ですが、それでもあんまりな日々が始まったのです。
|`ーu゚'〉 '" `ー‐ ''" | lこl|.|
|.u / U u !|.こi.!| 科せられる重税、一切の意見の統制、権力の横行…
! (__ -丶 _ U |!.ン !\
', iニニニ"´-―ヽ ./ヽ. | \ 少しでも皇太后に異議を唱えたと判断されたものは殺され、
ヽ'ー┴――‐'゙/:::::: ヽ | |"'''- あるいは投獄、流刑にされました。
ヽ  ̄ /:::::::: ヽ| |
,.-''"/\__/::::::::: / |
,..-'" / / |::::::: / |
,/ / |: /`丶、 |
|0| `丶、_|
┏
吐き出すのすら恐ろしい、という表情でトムは言う。
俺たちがさらわれた後のラインハットも…、本当にひどいことになっていたようだ。
┛
>
、|\|ヽ!\ト、|\ト、ゝ 皇太后にうまく取り入ったもののみが登用され、
N ||l|||l|l | ヽ 前王の重臣だった方は放逐、追放されました。
| ――- 、 u ,.. -‐|
| | =。== 、 /=。=| 欲得ずくの駆け引きばかり行われている昨今…
| ! `ー‐ '´ \ー‐'|
|.! U ┌ __ \| デール陛下は…今は…流され過ごされて
|! r‐-- .....__ー' おられるようです。
\  ̄ ̄ ̄ ̄´/
. \ J  ̄ / 最近は政治らしい政治も行われず、
\ / 皇太后は奥の院にて遊びに興じるばかりで…。
` ´
305 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:48:40 ID:vnpDHUHn [18/27]
1230
____
/ \
/ \ ((あの、阿呆))
/ \
| \ ,_ | そうか…で、下の者たちは?
/ u ∩ノ ⊃―)/
( \ / _ノ | | 庶民はかなり無気力になっている。
.\ “ /__| | この城に仕える者たちは、やはり駆け引きの毎日なのかお?
\ /___ /
, -z ,
/l/` `>
< ̄ `ゝ
∠_ , , ゝ 残念ながら、重臣と呼ばれる方たちは。
∠ i/l/'〃" ^ ` 彡 7
ノ从/' u , -'" ゞ i しかし…、我らはそうではありません。
/ ν / _,. - ミ rー、 | ヽ
,ー- 、 ' r '" 。 ノ i ト-、| |
〈r─ー。〉u ゙ -ー'"u i |ニ|| | 何か言えば家族にも累が及ぶかもしれないので、
ヽー- / u μ i Lノi i 誰も何も言えないだけなのです。
ヽt/ -、 _ j u| jノ i
'-─ =-ー ' --ヽ |jヽ 王家に対する不満や不信は、渦巻いています。
ヽ「- ---j / \ |
ヽL=-ー '' ̄/ V
\ =υ/ υ / |
, - \ / | |
,-r/ / | u lj | |
/ // / 〈 i | |
306 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:49:52 ID:vnpDHUHn [19/27]
1231
/ ̄ ̄ ̄\
/ _, 、_ \ そうか…では、民は王家に不信を抱いている、と。
/ (●) (●) \
| (__人__) | しかし罰を恐れて逆らえない、と。そういう認識で、いいんだおね?
\ ` ⌒´ /
┏
ヘンリーはそこで、ようやく自分の真の意図をトムに話した。
トムは嬉しそうにヘンリーの前に立ち、志をともにする決心をした。
┛
307 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:50:51 ID:vnpDHUHn [20/27]
1232
____
/, ‐ 、_ ,-ヽ、
/ /_ u ¨ \
i.〈 ''-ニ''_┐ ,r_'ニフ
. ln.|. ==ミ" .==:| 何、ヘンリー殿下が!?
. |{f|| `ー゚ ├゚‐' :
、.__, -─-r|ヾ| v r_ |_、 ! それは、本当なのか!? ―――本当なのか!?
ヽ、__,.イ「| .∧ r‐---‐,/
_,.イ| |:l |/ ヽ ` ̄ ̄ ハ
-‐''": | l:| |:| l ヽ u  ̄ /|:|「`''ー-
: : : : :.| |:| |:|. i `ー‐┬1 |:||: : : : :
: : : : : ! l:l l:l.∧ /|j:| |:|l: : : : :
: : : : : :l l:l l/:::::ヽ. /:::|リ//l: : : : :
: : : : : : i.ヾ/:::::::::::::\./:::::::| // : : : : :
: : : : : : :.Vヽ::::::::::::::::∧::::::::レ': : : : : : :
: : : : : : : :|:ニ\::::::::/|oト::::/|: : : : : : : :
┏
トムが立ち上がると、他の兵士たちにも一気にその空気は伝わった。
トムが属する部隊の、ほとんどの兵隊が、ヘンリーを選んだんだ。
┛
、、v、
r――--Σ:::::::::::::::N、
_ | ir―――Ζ;::::::::::::::)
,..、 r――' `' '===、 ̄ Ζ::::::::::::ミ
待った… / \ゝ、_ '´ ) Z::::::::::::::ミ
/ \ ヽ_, じ~=='" ミ::::::::::::::N
本当に待った…! ( ' , \ ( / ̄ ̄::::::::::::N
\ ' , \ `i ,/<) ,)::::::::::::::ノ
今こそ、俺たちの立ち上がる時…! \ ' , ´ ,,..イ(つ-'" '::::::::::/
\ _,,. - ''"´ /::`'''''´:::::::::::/
7 イ:::::::::::::::::::N´
〈 ,. . :'"´!:::i::::::::::::::ヾ
i ,. '": : : :,.r''ヘ;|i:::::::::::::::i
/': : : :,.: :'" :|: : : : i::i!::::::::::i
/: : / : : : : |: : : : :ヽ\ヽ::ヽ
i/: : ;.: :'"´ ̄`゙ ヽ、: : : ヾYヽ
/: : :/: : : : : : : : : : : :\: : : :ヽ
┏
そしてそれが、ほかの部隊にさえ広がっていくのにも、
大した時間は必要なかった。
┛
308 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:54:53 ID:vnpDHUHn [21/27]
1233
┏
大勢の兵士に囲まれ、その場で突入隊が編成され。
┛
__
_..,.,.,.、、、,.,.,_ _,/´ ̄`ヽ、
,.:.´:.:.:.:,:.:.:.:.:.ヾ:.:/`:.、 )
,:´:.:,:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:;.:.:.:.:.:`:.,
,':.:.:./:.:/:.:.:.:.:.:.:;i:.:.:.:.li:.';.:.:.;.:.:.'.,
,':.:.:.:,!:.:.!i:.:.:.:.:.:,','!:.:.:.:.|!:.:',:.:.i:.:',:.',
!:.:.l:.i:.:.il:.:.:.:.///|:.:.:./ l:.:i!:.:.!i:.:.i.:! ヘンリーさんは…愛されていたんですね。
l.:.:!:.l:.:.|レ'/i/i/:|// |:.l!:./!:.:liノ
'i;:i;;|:.:.>≧trミイ'i/ i/メノソノ
(`|:.:ヾ辻.j ヽ イj夕゙ソ:.:|
ゞ|:.:.i|´ ̄ 弋ゾ/:.:.i! ┏
/∧|!:.i| ' /l|:.:.i:! 警戒心を解くことなく、
//:.::.i:|!:l|\ ´ ̄ / |!.:i:!
/∨.:ノ',|!:|!ー 、` - :iヽ、 l!.:!i ピエールが一言いう。
,,、、,,..__,、-ー"i;;;;;',;|!',:::::::::>v′::iヘ.|!/_ ┛
;';;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;l;;;;;;;';:!::',::::::/i;:;:;:ヘ;:::!;:;:;i/;!`"゙l:i;;;ヘ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) そう…だな。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | } ┏
. ヽ } でも、俺は思った。
ヽ ノ
.> < 誰もが、待っていたんだろう、と。
| | ┛
| |
309 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:55:37 ID:vnpDHUHn [22/27]
1234
┏
それが「誰が」かは判らない。それが「いつか」も判らない。
┛
/:::::::: __ -:::::::::::::::::し':::::::::
〃:::::::::∠-‐::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 皇太后が奥の院に引きこもっているなら、
バサッ _,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ちょうどいい。
/,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
l /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
∨:::::::::::::::::_,,-─"<ー -、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
〉-‐"" ̄ `ヽ  ̄''ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::: …さて、行くかお。
/ } \ 丶::::::::::::::::::::::::::::::::::
〈 /ヽ }`ヽ ヽ 丶::::::::ト、::::::::::::::
 ̄ 〉 i (ゞ j ヽ:::::-、ヽ:::::::、
/ ,-‐"ヽ ヽ  ̄ `ヽ::::i  ̄
〈 〈 \ \ ヽi
フ__j /__j
┏
だけど…皆、待っていたんだ。このような状況が、来るのを。
自分たちを動かし、救い、守ってくれる。そんな存在が…現れるのを。
┛
.
310 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:56:50 ID:vnpDHUHn [23/27]
1235
┏
兵士たちに案内され、城の奥に入る中。
ヘンリーは皇太后のいるエリアにはすぐに行かなかった。
いつの間にか、どこから話を聞いたのか、人があつまる。
┛
ざわざわ。
∧,,∧ .∧,,∧
∧∧(`・ω・´)(`・ω・´)∧∧ ヘンリー様だ…
(`・ω・´).∧∧) (∧∧(`・ω・´) ∧,,∧ .∧,,∧
| U (`・ω・´)(´・ω・`) ∧∧(`・ω・´)(`・ω・´)∧∧
ヘンリーさま? u-u (l ) ( ノ (`・ω・´) .∧∧) (∧∧(`・ω・´)
`∧,,∧ .∧,,∧ | U (`・ω・´)(´・ω・`) と ノ
∧∧(`・ω・´)(`・ω・´)∧∧u (l ) ( ノ u-u
(´・ω・`).∧∧) (∧∧(´・ω・`) `u-u' `u-u'
| U (´・ω・`)(`・ω・´) と ノ
u-u (l ) ( ノ u-u
`u-u' `u-u' ざわざわ。
┏
その集まった人たちを、ヘンリーは広場にまとめた。
いきなり、何の前触れもなく現れたこの国の第一王子に、
現状を理解できない者、驚きを隠せない者、不安げな者。
かなりの大勢の者たちが、ヘンリーの言葉を待った。
┛
.
311 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:57:54 ID:vnpDHUHn [24/27]
1236
____
/ \
‐ ─ \ トム。俺の権限で今すぐ、牢獄の囚人はすべて解き放つお。
( ( ●) \
(人__) | 逆らうやつは一時的に囚人と入れ替えろお。
`⌒´ /
`l \
l \
┏
広場に集まった人たちの前に立つ前に、
コソリとヘンリーは隣に立っていたトムに指示を出した。
┛
____
/ \
/ ― ‐ そしてもし………が、いたら、連れてきてくれ。
/ ( ●) )
| (__ノ、_) お前たちは知らないかもしれないが、必ずいるはずだお。
\ `_⌒
/ \
はっ? ……了解しました!>
.
312 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 21:59:03 ID:vnpDHUHn [25/27]
1237
┏
トムがヘンリーの命令を実行するためにその場から離れると、
ヘンリーはバッと広場にいた全員の前に自分の姿を晒した。
┛
_____ _
/`ヽ /..:..:..:..:..:..:..:..:.\ /:..:.ヽ /´ ̄:ヽ
/::..:.:..:..ヽ l:.:.:::/ ̄ ̄ ̄\..:..:..::..:..:..:./:..:..:..:..:..:..:.i
く:..:..::l:..:..:....:. / / \ , ,, / \ヽ.:..:../:..:..:..:..:..:..:..:..:..l 久しぶりだお、みんな。
\:.:l:..:..:..:..:..:/ (●) (●) \.:/:..:..:..:..:..:..:..:..:..::.::.:ヽ、
ヽl:..:..:..:.:.:.| (__人__) |、:..:..:.i:..:..:..:._: - ¨ ̄ さて、帰ってきたなりだが、聞きたいことがある。
l:..:i,,:..:...:.\ `⌒´ /::.::V:..:..:../
V..''.:..;..:.ノ_三ニ‐'゛ー ′ -‐ヾ:..}}:.ァ',ィ ―――この国の現状は、いったい何なんだお?
\::.!( , ' )ノ-:':/
`ヾ:.`;ー‐‐‐'゛ '---ー;'"ィ_ー'
| |:_:>
┏
ヘンリーに集中するものすごい数の視線。
期待、困惑、恐れ。
さまざまな視線を一気に受け、それに負けることなく、ヘンリーは話し始める。
┛
313 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:00:28 ID:vnpDHUHn [26/27]
1238
┏
シン、と辺りが静かになる。
誰も何も言わない。ヘンリーは苦々しげに、それらを見渡した。
┛
/ ̄ ̄ \
. / \
. / _ ノ .ヽ、_ \
| (ー) ( ●) | 何も言えないおか。
. \ (__人__) /
. , '´7::::|.7 「i .}::::ヾー、 当然だおね。皇太后に支配されている今のラインハットでは。
|ヽ:::::|∧|/| .| ! |∧|:::::::|ヽ
|:::i::::::::lニト i | |.,|ニl:::::::::i:::::|
/::ハ:::::::lニ|::\/:|ニl:::::::::|::::ヽ 城に入る前に、俺は町を見てきた。
〉:::::|::::::lニ|::::::||:::::|ニl:::::::::|::/::|
. i::::::::!::::::::::|::::::||::::::ヽ_::::::::!::::::::| 力なくうずくまっている子供。
|::::::::r::::::lニ|::::::||:::::::::\::::_}:::::::::〉 痩せ細り死ぬのを待つばかりの老人。
〈::::::::|:::::::::::|::::::||::::::::::::::Y |ソ::::::::| こんな昼間っから春を売っている女…。
|:/:|::::::::::/===l=====::l_人:::/
|i::::,-、:::::/::::::::::|:i::::::::::::::::|:::::::|/ なのに贅沢極まりないこの城の中。
\|_/ヽ/::::::::::::i_:::::::::::::::::|〉.イ
. ハ::::::::::::::::::/、::::::::::::::::i´|/
. i::::::::::::::::! !:::::::::::::::|
|::::::::::::::|. i::::::::::::::| ―――いつから、この国はこんなに腐ってしまったんだお?
. i:::::::::::::i i::::::::::::|
|::::::::::::〉. {::::::::::::|
|::::::::::::| |:::::::::::|
|::::::::::::| . |:::::::::::|
|:::::::::::::| |:::::::::::::}
|____| |___|
, -'´::::::::::}. {:::::::::ヽ-、_
4 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:03:46 ID:vnpDHUHn [3/19]
1239
___
/ \
/ \ , , /\ 前国王の望んでいた国は、こんな状態じゃなかったはずだお。
/ (●) (●) \ nn
| (__人__) | i i.i 親父は平和を愛していた。それは皆も承知のはずだろう!
\ |r┬-| ,/、-─,‐─‐/ ヽ-、 何故、この国は腐ったんだお!?
. /⌒, `ー'´ ___; _、r イフ'
/ ,)、_, -、_ ,/ ̄  ̄
(_____´r' 〉 l
. | ` ̄~ |
┏
ヘンリーは、やっぱり、うまれもっての王子だったんだ。
国を憂い、国民を守らずにいられない。
自身が望まなくても、自然と上に、前に立ち上がれるような。
┛
____
/ \
/ ヽ、 _ノ \
/ (●) (●) \ こんな国、放っておけばいつか必ず滅びるお。
| (__人__) | /)/)/)
\ ⌒´ / 「//// お前らはいいのか? この国が亡くなっても?
γ⌒ ⌒ ̄ ̄' ̄´ (___
i j ___、__,ノ--ー' 「大ラインハット」と呼ばれ、世界に冠するこの国が
ヽ、 l /′ 自分たちの預かり知らぬところで腐らされ、消されたとしても、
/つゝ、,,! } お前たちは平気だというのか?
6 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:05:14 ID:vnpDHUHn [4/19]
1240
┏
ヘンリーは声を張り上げ、訴えた。
┛
____
,. -'"´ `¨ー 、
/ ヽ ヽ、
聞け! ,,.-'" ,,.-'"` ヽ、
/ 、__,,.-='、':'" ヽ、
昨日までのラインハットはもう過去のことと思え! i へ___, " ゙.゙、;;;;::',ノ ヽ
./ i ゙:;;;;;,:〉 `''''''" ヽ
/ . ゙ー-''" ヽ i
確かにラインハットには乱を恐れぬ歴史がある、 / i 人 ノ l
だがもう俺はまっぴらだ! ,' ' ,_,,ノ `─-‐' ヽ /
i `、 _y──‐ l /
親が子を、兄が弟を、隣人が隣人を、疑いあい ', i_/ / _ ' /
騙し合うなどと、うんざりなんだ! ヽ、  ̄ ̄ /
ヽ、_ /
`¨i ヽ
/ ヽ
/ ヽ
.
7 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:07:10 ID:vnpDHUHn [5/19]
1241
┏
ざわっ、と一瞬辺りがざわめき、また静かになる。
┛
__
__ - ´´ ̄ `¨ ‐ 、
, -'"´: 丿 ヽ
/. : : : : _/ 、 丶
,,.'. : : : : / /::::::ヽ l ヽ、 難しいということは判る、だが、
/. : : : : : { {:::::::::ノ ! ヽ
/. : : : : : 丶 ` ´ ノ ヽ これまでのいさかいは今を境に忘れ去れ!
/. : : : : : `ー‐ ´ / ヽ 過ぎし恩讐は水に流せ!
./. : : : : : !、 人ノ
/. : : : : : `i` ニ二-- i
/. : : : : : `´ l
,'. : : : : : : / ――――我らはみな、ラインハット、
i : : : : : : : /
i : : : : : : : / 同じ国に生きる、仲間ではないか!
', : : : : : : : /
', : : : : : : : /
ヽ、: : : : : : . /
ヽ、:_: : : : . /
`¨i : : : : : ヽ
┏
その瞬間、その場にいた全員の雰囲気が変わった。
誰もがきっと、待ち望んでいた言葉を―――きっと、ヘンリーは言ったんだった。
┛
8 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:08:22 ID:vnpDHUHn [6/19]
1242
* + 巛 ヽ
〒 ! + 。 + 。 * 。
+ 。 | | ヘンリー殿下…
* + / / + 。 + 。 + *
∧_∧ / / ヘンリー殿下!!
(´∀` / / + ./ 》〉 。 + 。 * 。
,- f | | ∧_∧
/ ュヘ | * ヽ ヽ ´∀`)_ 。 。
〈_} ) | ヽ _ヽ 〉 ヘンリー殿下、ばんざい!
/ ! + 。 .| ({__〉 + ○ノ
./ ,ヘ | | | <ヽ |
ガタン ||| j / | | ||| ||| .| ,ヘ \ || |||ガタン i!i/, |i!ii ガタン ラインハットに栄光あれ!
―――――――――――――――――――――――――――
┏
一気にその場は大いに盛り上がる。
ヘンリーの言葉によって、場内の士気は恐ろしいほどに盛り上げられた。
┛
,.===、
〃 \ __ __
,. -l|┴┴-゙ニこ.ヽ___
,. -― `ヽ \_
/ ヽ \ ト、
/ / , i. i \!
/ / l. i. | l:.:.i |_ _, ハ_,ハ
| /! | | |! | i |:.:! |ー-ニ{iヘi| す、凄い。
l/ | | | | lハ ト. | |::! ├ニ三K/
ヽ | |iトTト | | |__ |! |:| lニ彡;ハ! ここにいる全員が、ヘンリーさんの仲間に…。
卜トl ト!j! \| '≧ニl‐-|、 ,'iイイハ
| | ゞ┘ トi::;j|,> ムイ/⌒
| ト、//, └-' / /) }ハ
| |/ヽ 、 // / /ニイ:::|
| リ __ \__ . -‐/ /::::| |::::|
ヽ! |/弋ー-/ / /|:::::| |::::| ┏
У  ̄¨`i |/ / l.|:::::| |::::| 呆気にとられたようにピエールが
_,ィrrx‐ri、 |'´// ヽ:::|  ̄
r '´ ヽ\X入> ̄\,r‐┤ ´ ヽ! そのさまを見て言う。
/ヽ \,>'´\. ヽ上¬ i ┛
|. \ o/ i / |
9 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:09:29 ID:vnpDHUHn [7/19]
1243
__ \ / __
/ \>-―-</ ヽ あいつ、ただのおちゃらけた奴じゃなかったんだにゃー。
| (・)(・) u |
⌒ ⌒ l |`v―v´| l ⌒ ⌒ すげぇにゃ。
_ヽ`――´ノ _
\Y  ̄|| ̄ Y/
゙====
┏
結構長いこと一緒にいた俺たちでも、
┛
/ヽ、
_;' `、
_,.‐'" `‐、.
へぇ、王子さまってのも γ ● ● * ~ヽ
嘘じゃなかったんだな! ヽ ヽ_‐----‐_ク ノ
`‐、., __________,,.‐'´
,, - ―- 、
,. '" _,,. -…; ヽ
(i'"((´ __ 〈 }
|__ r=_ニニ`ヽfハ }
ヾ|! ┴' }|トi } あいつ、こうなることを計算してたのか?
|! ,,_ {' }
「´r__ァ ./ 彡ハ
ヽ ‐' / "'ヽ
ヽ__,.. ' / ヽ
/⌒`  ̄ ` ヽ\_
/ i ヽ \
,' } i ヽ
{ j l } ┏
i ヽ j ノ | } l 見たことのないヘンリーのその一面に面食らった。
ト、 } / / l | .| ┛
! ヽ | ノ j ' |
{ | } | l |
ヽ | i | \ l /|
{ | l | | / |
.
10 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:10:24 ID:vnpDHUHn [8/19]
1244
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
. | ( ●)(● ) | いや、違うよスミス。
. | (__人__) │
| `⌒ ´ | あいつはそんな計算ができるやつじゃない。
. | |
. ヽ /
ヽ /
> <
| |
| |
┏
俺にも見せたことのない、ヘンリーの王子としての一面。
―――でも、俺は気づいた。…ほんとは、判ってたんだ。
┛
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) あいつは今、思っていること、信じていることしか
. | (__人__) 話してないよ。
| ` ⌒´ノ
. | } 計算とかじゃなく。―――あいつは、信じていたんだよ。
. ヽ }
ヽ ノ
.> <
| |
| |
.
11 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/06/03(木) 22:10:51 ID:zSNgn6bu [1/4]
良い男じゃないか!
12 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:11:18 ID:vnpDHUHn [9/19]
1245
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●) )
. | (__ノ、_) ((ヘンリー…))
| ` ⌒ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
.> <
| |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「 それでも俺は、ラインハットの国民を、ラインハットを信じたいんだお。 」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏
自分を、助けなかった国…なのに。
┛
13 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:12:19 ID:vnpDHUHn [10/19]
1246
_______
_,./ ヽ
/ ─、,,_ _ヽ、-ー 、
〉 `Y(,_ ) )
(´ ─、,,_ 入_____ク
} \_/ / ___
{ ─、,_ ! 、! / \
ヽ ヽ/ /(/ \ , , /\ さあ! 我もと思うものは続け!
ヽ ¬─-ー" / ノ (●) (●) \
ゝ、_ _L / ヽ (__人__) | 今まで王家に裏切られ続けただろう、だが!
`゛ー< / ヽ |r┬-| ,/
∨ ヘ `ー'´ r'.二ヽ、 このヘンリーが、その不信を打ち払うお!
∨ i^Y゙ r─ ゝ、
ヽ ヽ._H゙ f゙ニ、|
\ \`7ー┘!
ヽ 「:ト イ
┏
ほんの数か月前までは、話題にすることさえ避けていたはずのラインハット。
それを救うために、立ち上がろうとするヘンリーに…
┛
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●) ) ((お前は…ほんとに、凄い奴だよ))
. | (__ノ、_)
| ` ⌒ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
.> < ┏
| | 俺は、改めて尊敬の念を抱いた。
| | ┛
14 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:13:30 ID:vnpDHUHn [11/19]
1247
_─-ゝ‐ 、, -‐z...__
. -‐゙ ` ´ ´ ~`ゝ
. ≦ ヽ
. イイ/lイ/|/|/イ/Vv,ィ, i 殿下。
/´ 〃 |
/ ̄`'‐、 , ‐''"´ ̄ | | 仰せの通り、囚人を解放してまいりました。
. !==。=、 _ =。=== .|.r‐、.!
l.` ‐-/ ゙ ー--‐ ' .|.!‐、}|
l / __ , |lヽ,/| 殆どの者が衰弱しているので、医官にただいま見せています。
i ゙ー____, |!ン .ト、
. ヽ __ /ヽ | ヽ
_, ‐''7ヽ  ̄ / ヽ.| .|`'‐、._ 後、この者が…殿下に協力したいと。
'"// ./ .\ / 〉 | |
// / | lヽ./ /l | |
'/ / _,| ト、 ,イ│ │ |
┏
場を離れていたトムが戻ってくる。
トムは二人、誰かを連れてきていた。
┛
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \
(○)(○ ) |
ド… . (__人__) u .|
. ヽ`⌒ ´ |
{ /
lヽ、 ,ィ'.) ./
j .}ン// ヽ
ノ '"´  ̄〉 |
. { 勹.. |
ヽ 、__,,ノ . |
┏
そのうちの一人に、俺は目を奪われた。
┛
.
15 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:14:43 ID:vnpDHUHn [12/19]
1248
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ○)(○)
. | U (__人__) ドゾフ!
| |r┬-|
. | ι `ー'´} ドゾフだな! どうして!
. ヽ u }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)、
┏
トムが連れてきたのは、十年前に別れたきりの元船乗り、
ドゾフだったんだ。
┛
`ヽミメ、 . -‐,=‐
. . .-‐‐ミ i! Y i! 厶イ__
∠..., =‐- i! i! i! i! <´
.ィ´ i! i! i! i! i! i! i! ヽ
. , ′i! i! i! i! i! i! i! i! i!.!
リュカ…か? /イ i! i! i!ィ i! i./::、 i! ト、 i! i! !
/i!.//i!./::iメi/:::::::,メ、「ヽト、 i! i!j
ああ、やっぱりリュカなんだな! /イ i!/! /==。=、:::::.=。===:i!,...i! |
j/ j/ i::`:‐:/:::::::: ー一.:´:|ir, }.|
i:::::/.::::::、 .::::::|Lンii|
i: `I三三三! ;.::::ハ.i! j;\
、 ー ..:::::/; ヽ:{;;;;;;;ト、__
. -=''7ヘ.....:.:::::/;;; ' j;;;;;;;j;;;;;;;
-‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' /;;;;;;;;|;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::' /;;;;;;;;;;;!;;;;;;
┏
ドゾフは俺たちが王子誘拐犯だと主張した王妃に対して、
異議を唱えた―――それだけで、十年も牢獄に閉じ込められていたんだった。
┛
.
16 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:15:41 ID:vnpDHUHn [13/19]
1249
__
.,/,-、 \
/ ノ:/ ノfヽ.. \
| /:/ /...| | | 俺のせいで!? 十年も!?
l レ ./..ノ .,''´} i
l ' ´ .〃 / | ―――すまない! すまない、ドゾフ…!
ヽ. . 〈 .ノ
\.,_ ._ノ /
/ / ヽ
./ / |
i ./ . |
┏
俺を信じてくれていた、それだけで。
父さんを信じてくれていた、それだけの理由で!!
┛
┏
ドゾフの十年に、俺は何て言ったらいいのか判らず、
謝るしかできなかった。
┛
`ヽミメ、 . -‐,=‐
. . .-‐‐ミ i! Y i! 厶イ__
∠..., =‐- i! i! i! i! <´
.ィ´ i! i! i! i! i! i! i! ヽ
くくっ。 . , ′i! i! i! i! i! i! i! i! i!.!
/イ i! i! i!ィ i! i./::、 i! ト、 i! i! !
やはりそうだったか。 /i!.//i!./::iメi/:::::::,メ、「ヽト、 i! i!j
/イ i!/! /==。=、:::::.=。===:i!,...i! |
俺は信じていたんだぜ、 j/ j/ i::`:‐:/:::::::: ー一.:´:|ir, }.|
リュカ。 i:::::/.::::::、 .::::::|Lンii|
i: `‐――一'.;.::::ハ.i! j;\
お前やパパスの旦那が、 、 ー ..:::::/; ヽ:{;;;;;;;ト、__
そんな事するわけないってな。 . -=''7ヘ.....:.:::::/;;; ' j;;;;;;;j;;;;;;;
-‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' /;;;;;;;;|;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::' /;;;;;;;;;;;!;;;;;;
┏
何のことはない、という顔をするドゾフ。
本当に…本当に申し訳なくて。俺は、やっぱり何も言えなかった。
┛
.
17 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:17:02 ID:vnpDHUHn [14/19]
1250
┏
俺とドゾフが十年ぶりの再会を遂げたとき、
同時に、ヘンリーもまた再会を遂げていた。
┛
____
/ \
/ \ やっぱり…いたか。
/ \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
┏
兵士トムが連れてきた、もう一人の人間。
ヘンリーと、十年ぶりに会う、……その人間は。
┛
.
18 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/06/03(木) 22:18:01 ID:zSNgn6bu [2/4]
ドゾフ生きてた! やった!
19 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:18:39 ID:vnpDHUHn [15/19]
1251
| (__人__) | 誰ですか?
\ ` ⌒´ /
/ / 私を、何処に連れて行こうというのですか?
\ (__ノ
┏
そこにいたのは、憔悴しきった一人の女だった。
┛
__
..:...::./:..:..:..::\.::..:..:..::::..:..::.:..:...::..::..:..:..::::...:.....
.::./.:..:.._ ノ::::..:..\.:..:...::.:..:..::::....:::..:..::::..:.:..:.... ┏
:..|:::.... ( ○)(○).::..:..:..:..::::..:..::.:..:...::...::::..:.:..:.... 俺は言葉を失った。
.: |:::.... u (__人__).::..:..:..:………。..:.::..:.:..:.... ┛
::. |::u:. (.::..:..:..::::..:...:..::::::::..:..::.:...:..::::..:..::.::..:....
.::. |:::.....u ` ⌒´ノ.::..:...:..::::..:..::.:...:..::::..:...:.... ┏
::..:.ヽ:::..... }.::..:..:..:..::::..:..::..::::..:..::.:..:...::..:.... なぜなら、その女性は―――
.::..:...ヽ::..... ノ ┛
::..:..:..:/::.. く
.::..:..: |::... \
::..:..:..:|:::..... |ヽ、二⌒)、
20 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:19:28 ID:vnpDHUHn [16/19]
1252
γ:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
γ:::::::::人::::人::人::::人::::::::ヽ いいえ、私はどうなってもいい…でも、お願いです。
(:::::::::/ ノ \ \:::::::)
\:/ (○) (○) \ノ デールだけは…デールだけは!
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/ /
\ (__ノ
┏
目が見えていないのか、すぐ側にいる俺たちに「誰」と聞くその女は。
俺たちを奴隷に落とした張本人―――皇太后、ペシュマレンドラだったんだ。
┛
.
21 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:20:17 ID:vnpDHUHn [17/19]
今回はこれでおしまいです。
もうカッコいいヘンリー(やる夫)がむずがゆいったら。
22 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/06/03(木) 22:21:55 ID:tnIv8WX7
乙ですー
面白かったよー
23 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/06/03(木) 22:24:37 ID:SygoZmSi
乙でした。
やる夫かっこよすぎwww
24 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/06/03(木) 22:25:05 ID:zSNgn6bu [3/4]
おつおつ
良い盛り上がりだった
25 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/06/03(木) 22:28:27 ID:oo3ac0au [2/2]
乙
この段階でよく予想つくよな
俺なら気付かんと思う、牢に皇后が居るの
26 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/06/03(木) 22:28:37 ID:K+C+PMfe [2/2]
乙
原作は少数精鋭で特攻だったもんな
27 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/06/03(木) 22:30:19 ID:zSNgn6bu [4/4]
>>25
10年魔物の支配下で奴隷やってたから、連中のドSな部分を知り尽くしてるんだよ多分。
一思いにやっちまうより生き地獄ってやつを味わって貰った方が良いから。
S的に考えて
28 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/06/03(木) 22:40:42 ID:w45OnflT
乙
ヘンリーかっこいいな。
29 名前: ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/06/03(木) 22:41:58 ID:vnpDHUHn [18/19]
乙ありがとうございます。うは、うれしい。
原作(小説)だと何故か思いっきり省略されているところなので、
ちょっと悩みましたが楽しんでいただけてうれしいです。
でも、ヘンリーの「聞け!」から始まる部分は小説から頂いてます。
王子という立場を嫌いつつも、逃げようとしないヘンリーパネェ。
>>牢屋に皇后がいたのに気づいた
27さんが言われる通りです。次回でヘンリーに語らせます。
10年、この話では簡単すぎるほどに流してますが、やっぱり彼らも
それなりの地獄を見てきている…ので。
30 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/06/03(木) 22:42:28 ID:JkJDmL3V
乙
すげえ面白かった
32 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/06/04(金) 00:02:38 ID:NhS4Pfvv
乙したー
33 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/06/04(金) 02:26:16 ID:Zt7KR/8E
乙でした!
ゾクゾクしっぱなしでスミス肌がとまらねえぜ。
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