やらない夫は弱虫のようです 第十七話
454
┏
おとこのひとのしせんが、おれをつかまえる。
┛
┏
たぶん、このひといがいだったら、おれはいやなきもちになるんだろうな、っておもった。
┛
┏
だけど、ふしぎとおれはぜんぜんいやなきもちにならなかったんだ。
┛
,
64 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:20:03 ID:GyRWrSt1 [3/26]
455
イ`ヘ
/: :| ヽ
/ : :/ ヽ ___ _,,,:. .-: :´彡フ
_ノ\_∠: : : : : : : : :`: :-: :,:_:/彡 /
( : : : : : : : : : : : : : : `ゝ /
・ r::/: /: : | : : : : : : : : ::\ / ┏
//: /: : : |: : | |: : |: _: : : :ヽ プックルも、なにかをかんじたみたいだった。
・ {/ 7|`\/i: /|:|/|´: : : : :|ヽ
〉 ,‐-‐、`|7 || |_::|,_|: : :|:::|: | はなをぴくぴくさせて、そのおとこのひとのにおいを
・ / r:oヽ` /.:oヽヽ: :|: | :| かいで――――
{ {o:::::::} {:::::0 }/: :|N
? | ヾ:::ソ ヾ:::ソ /|: : | ぐるぅ。って、おれと、おとこのひとをみて、へんな
ヽ::::ー-.. ..ー-::: ヽ::| こえをあげた。
-tヽ/´|`::::::::::; ::::::::::: /: i ┛
::∧: : :|: |J ⊂つ /::i: |
. \ヾ: |::|` -,, ___ _ ,, - ´|: : :|:::|
ヽ: |::|\  ̄/ /| |: : :|: |
65 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:20:27 ID:GyRWrSt1 [4/26]
456
┏
あさぐろくて、おっきいからだ。
┛
┏
なんだろう、どっかでみたことあるような、そんなきがするんだけど。
┛
 ̄ ̄ 、
´ \
. / \
/ ヽ
i 丶
素敵な宝石みたいだね。 l /  ̄ 丶
| __ ヽ 丶
ちょっと見せてくれないか。 ヽ/ i イ`丶 l 丶
ヽ ヽ ゝ _ ',
丶i イ`丶 l `ヽ ヽ
ゝ , ヽ _ 丿 \‐、-..、
ヽ ゝ ノ , ‐ ´ ソ:.:.:.:\
ヽ ´ ' /:.:.:.:.:.:/\
\ / /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ヽ、
\ / /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
ヽ / /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
ヽ __ ィ /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
66 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:20:44 ID:GyRWrSt1 [5/26]
457
, ノ 、 、
┏ . l(● ●)|
え?っておれはおもった。 . | (_人_) |
┛ . ヽ ノ
/ ヽ
┏ || ||
このほうせきは、ビアンカとおれだけの . (| |)
ひみつにしたかったんだ。 .し J
┛
+
/ ̄\
* | | +
\_/
*
┏
みせたら、きっときかれる。どこでひろったのか、って。
┛
┏
そしたら、いわなきゃいけなくなるかもしれない。
レヌールじょうのこと。おうさまとおうひさまのこと。
┛
┏
ビアンカと、おれだけのひみつがまもれなくなっちゃう。
┛
67 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:21:10 ID:GyRWrSt1 [6/26]
458
 ̄ ̄ 、
´ \
. / \
/ ヽ
だめかい? i 丶
l /  ̄ 丶
┏ | __ _ ヽ 丶
おとこのひとはもういちど、 ヽ/ i イ::::ヽ l 丶
おれにきいた。 ヽ ヽ ゝ_ゞ::ノ ' ',
┛ 丶i イ`丶 l `ヽ ヽ
ゝ , ヽ _ 丿 \‐、-..、
ヽ ゝ ノ , ‐ ´ ソ:.:.:.:\
ヽ ´ ' /:.:.:.:.:.:/\
┏ \ / /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ヽ、
なんだろう、どうしておれ、 \ / /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
いやだ、ってすぐいえないんだろう。 ヽ / /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
┛ ヽ __ ィ /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
, ノ 、 、
l(● ●)| ・・・どうぞ。
| (_人_) | ┏
ヽ ノ なんかていこうできなくて、おれはほうせきをわたした。
〔__≧<__〕 ┛
| |
| |
.し J
68 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:21:32 ID:GyRWrSt1 [7/26]
459
 ̄ ̄ 、
´ \
. / \
素晴らしい。この世に二つとない宝だね。 / ヽ
i 丶
l /  ̄ 丶
| __ ヽ 丶
ヽ/ i イ`丶 l 丶
ヽ ヽ ゝ _ ',
丶i イ`丶 l `ヽ ヽ
ゝ , ヽ _ 丿 \‐、-..、
ヽ ゝ ノ , ‐ ´ ソ:.:.:.:\
┏ ヽ ´ ' /:.:.:.:.:.:/\
おとこのひとはおれからほうせきをうけとると、 \ / /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ヽ、
くるりと、ほうせきをまわした。 \ / /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
┛ ヽ / /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
ヽ __ ィ /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
ο O / 。
ピカッ! ヽ。 O / ο
ο ヽ 。 // O_, 。
iヽ:''"゙゙'':.,/
-―==ニ二 ;: :; 二ニ=―‐‐
。 'O :、,. ..,::'、‐- 。
O //`v:: 、j 。 O_,
//。 | ヽ
/ ο O
/
, ,.ノ 、アッ! ┏
l (> < まぶしくて、おれはいっしゅんだけ、めをとじちゃってしまった。
| (__人) ┛
ヽ ノ
ハ ヽ
l l ll
( | |)
し .J
69 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:21:54 ID:GyRWrSt1 [8/26]
460
―――ありがとう。大事なものを。……さぁ、もうしまいなさい。
+
/ ̄\
* | | +
\_/
*
┏
おとこのひとはそういって、おれにほうせきをかえしてくれた。
┛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ヽ
ヘヽ \
/ / ヽ ′ | i
| `ヽ´ ` ヽ レ'、 |; ', ポン…
│ l l、 | | } |`{ ',
! i l | l. | | ヘ ',
| |. l │ |. i l ` ー'
.!、 | | | |. i l ┏
.|. l | | | l そして、おれのあたまをやさしくなでてくれたんだ。
., --´ ! l `--´ ┛
`--´
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
l (__人 ___ ) }
ねぇ、坊や。 | `、_____ノ |
| |
いいかい。 丶 ⌒ /、
ヽ ノ.│
/√ヽ──-´ / ノ \
70 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:22:12 ID:GyRWrSt1 [9/26]
461
l (__人 ___ ) }
どんな辛いことがあっても、 | `ー――‐ ' |
負けちゃだめだよ。 | ⌒ j
丶 /、
くじけちゃ、だめだ。 ヽ ノ.│
/√ヽ──-´ / ノ \
……がんばれよ。
┏
おとこのひとは、ゆっくりとしずかにおれにいった。
┛
┏
? ふしぎなことをいうひとだな。なんでそんなこと、
あったばかりのおれにいうんだろう。
┛
, ノ 、 、
l(● ●)| おれはそうかんたんにはまけないよ。
| (_人_) |
ヽ ノn でも、どうしてそんなこというの?
/ ,た) あなたはだれ?
|| 「
(| |
.し J
71 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:22:38 ID:GyRWrSt1 [10/26]
462
┏
おとこのひとは、なにもこたえてくれなかった。
┛
┏
そんで、しずかにほほえんだかとおもうと、
┛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
l / .! ヽ l
それじゃあ、 l ヽ__/ \__/. l
. l ` ⌒ ´ l
坊や。さよなら。 .l l
l l
. l l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏
おとこのひとは、くるりとからだをひるがえして、
―――そんで、あっというまにきえてしまったんだ。
┛
, ,ノ 、
l (● ● えっ! まって!
| (__人)
ヽ ノ ねぇ、ちょっとまってよ!
,イ ⊂ 二〕
/ /
(J /ヽ \
Lノ \__)
72 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:22:52 ID:GyRWrSt1 [11/26]
463
┏
おれはおっかけた。
┛
┏
こいしにつまづいても、くさのねをかきわけても、でも、おいつけなかった。
┛
Z^ヾ、 Zヾ
N ヽヘ ん'い
|:j rヘ : \ ____ _/ :ハ;、i ガルゥ・・・!
ぐ^⌒>=ミ´: : : :": : :`<ヘ∧N: :|
∠/ : : ヘ: : : : : : : : : : : `ヽ. j: :|
/ /: : /: /: : : /: : : : ^\: : :∨: :| ┏
/ //: : ∧/: : : :ハ : : \/:ヽ : ',: :ハ おれよりずっとあしのはやいプックルが
/:イ: |: : :|:/|\: / : :_/|ヽ: :|: : :l: : l おっかけても、やっぱりだめだった。
. /´ !: :l: : l代ラ心 ヽ:ィ勺千下 : | : :| ┛
|: :|: : |l∧ト::イ| |ト::::イr'|ノ゙: | : :|
|: :l: :小 弋少 :. ゞ=‐'/: : ;リ : :|
|: :|: : 八"" r‐― V)"/: : /: : ;.;'
Ⅵ : : : |>ーゝ _____,.イ⌒^`ーi : :八
ヽ{: : !: /: : /IW ,(|_;i_;|_j__j: : : : \
, 人: ∨: :/{_幺幺 廴二二ノ: : : : : : ヽ
㍉㍍≒==く: : ヾ:{__;'ノ∠ムム>‐弋 : : : : : : j: : : : '.
㍉㍍≒/竺≧=巛_>''7 | >、!: : : ハ: : : } ┏
レ'´|/く二>{__,|x-</}: / } /∨ きづいたら、みうしなったみたいで。
/;∠.___ノレ<〕__'´ ´ もうしわけなさそうに、プルプルしっぽを
__厂X/XX{ ) ヾ! \ \ヘヘヘ、_ ふってた。
{{Zんヘ/XXXXじ |! `くxべべイ } ┛
_∧/ん<Xx厶 |! r' ̄〈ヽ_!〈
\ L 辷ヒ二二/ |! _/\「 r┘ーヽ`} ノ}
`ヘ_`¬ヘxヘxヘxヘル^ xヘ厂: :=-: :(◯)'′
~^∀ヘxヘxヘxヘ/∀ー=-一'^ ̄´ ̄
73 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:23:10 ID:GyRWrSt1 [12/26]
464
, ノ 、 、
……へんなの。. l(● ●)|
. | (_人_) |
かえろっか、プックル。 ヽ ノ
おなかすいたよ。 / ヽ
|| ||
. (| |)
.し J
┏
シスターがいってた、あのおとこのひとは、それきりどっかに
いってしまったらしい。
┛
,. . ´: ̄ ,二丶、
_/: : : : : :ノィ: : : : :ヽ
,.イ/: : : : : : :'ー┴< : : ハ
`7/ : /:!|ハ: :|: |:ヽ、 : : : : !
|:l l l_l_レ{ ヽト士十!: : : : | ぐるぅうう。
从トト{≧= == |: | : :|
|八 _ __ ..イ:j : : :|
|:|: :`.了ー':.:.:.ソ/: : :|!|
从: ト: |:{:.:.:|:./イ{: : /リ
ヽ,rLjー!_{ーヘく/___
く´:::`’::::`’::::::::`フ: : `ヽ
`ー‐ ¨¨`ー<__Zィー′
┏
しばらく、あのおとこのひとのうわさでサンタローズむらはもりあがった
らしいけど。
┛
┏
でも、そんなうわさも、あっというまにきえてしまっていた。
┛
74 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:23:29 ID:GyRWrSt1 [13/26]
465
.
75 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:23:47 ID:GyRWrSt1 [14/26]
466
<<パパスとリュカの家>>
_____
/:::::::::::::::::::::::::::.\
|.::/⌒Y⌒ヽ:::::::::::.|
| ⌒ ⌒ i:::::::| 勘弁してくださいって感じですよ、
|(●) (● );〈::::::| 聞いてくださいよパパスさん!
(⌒(__人__)⌒:::: @)
| |r┬-| | 今日はデーケンの爺さんの揉め事
\ `ー'´ / なんですがね…
,-- ゝーー ___/ /ゝ--、
イ / |.!、 _____ / ノ | できてもいないシチューを食べたっていって嫁さんが
| i |,/(__)ヽ/ | 怒るってあそこの爺さんが怒ってですね…
| | | ハ / <
┏
とうさんがただでさえいそがしいっていうのに、
そんちょうがまいにちのようにやってくる。
┛
_____
/.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.| …ってなわけなんですよパパスさん。
|::::::::/ ノ ― |
|:::::::〉 ( ●) (●)| 鍵がかかってる酒場の椅子が逆三角形につんであったり、
(@ ::::⌒(__人__)⌒) 鳥でもなければ登れないはずの教会の尖塔に、神父さんの
| |r┬-| | 真新しいステテコが翻ってたりする有様。
\ `ー'´ /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ i もう村では、「物忘れの風」でも吹いたんじゃないかって
| \/゙(__)\,| i | もちきりなんですよ。参ってしまいます。
> ヽ. ハ | ||
76 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:24:01 ID:GyRWrSt1 [15/26]
467
/ ̄ ̄\ フム・・・
/ _ノ \ ┏
| ( ●)(●) どうやらむらではまえシスターもいってた「きみょうなこと」が
| (__人__) たてつづけにおきてるらしい。
| ノ ┛
| ∩ノ ⊃ }
/ヽ / _ノ } ┏
( ヽ / / ノ こまったことがあると、まずそんちょうさんがとうさんにいってくる。
ヽ “ /_| | ほんとにこまったもんだった。
\__/__ / ┛
-‐一……ー- 、
, '´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::, -‐ァ:::, -―ァ:::::, -、::::::', 旦那さまにだって、ご自身のご用事があるっていうのに、
/イ/-、∠/-― 、`ヽ:i }::::::| そうでなくても働きすぎでらっしゃるというのに!
/イT o} y T o ̄} l」 |::::::|
l r′  ̄ ; 、ー' :::::|
r┴―――一'′ ヽ :::::| まぁ、皆さんが頼りにしてくださるような、そんな立派な
| \| 旦那さまだから、仕方ないっちゃ仕方ないんですけどね。
| }
| /′
ヽ_____ '´ / ┏
/`ー――――一'´ / サンチョもプリプリにおこりながら、ぐちをいう。
/ /⌒ヽ. / ただでさえいそがしいサンチョは、なんかさらにいそがしそうだった。
┛
77 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:24:18 ID:GyRWrSt1 [16/26]
468
, ,.ノ 、
l (● ●
| (__人)
ヽ ノ サンチョ、おれもなんかてつだうよ。
ハ ヽ
l l ll
( | |)
し .J
┏
あんまりいそがしそうなんで、おれもなんかできることないかしら。
そうおもって、サンチョにきいてみた。
┛
-‐一……ー- 、
, '´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::, -‐ァ:::, -―ァ:::::, -、::::::',
ほんとですか。 /イ/-、∠/-― 、`ヽ:i }::::::|
/イT o} y T o ̄} l」 |::::::|
じゃ、すみませんけど、ひとっぱしり l r′  ̄ * 、ー' :::::|
テーミスの酒場に行って、氷砂糖と r┴―――一'′ ヽ :::::|
ショウガ酒がないか余ってないか、 | \|
聞いてきてくれませんか? | }
| /′
もう1年分も使っちまって、うちのは ヽ_____ '´ /
すっかりからっけつなんです。 /`ー――――一'´ /
/ /⌒ヽ. /
78 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:24:33 ID:GyRWrSt1 [17/26]
469
.ノ 、 、
わかったよ。 ヘ) ヘ) .l
もしあったら、プックルに (人__) |
せおわせてくるね! ヽ ノ
-‐一……ー- 、
, '´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::, -‐ァ:::, -―ァ:::::, -、::::::',
/イ/-、∠/-― 、`ヽ:i }::::::| そりゃぁ助かります。
/イT o} y T o ̄} l」 |::::::|
l r′  ̄ * 、ー' :::::| お代はあとで、あたしがします。
r┴―――一'′ ヽ :::::| テーミスによろしく言ってください。
| \|
| } お願いしますよ、ぼっちゃん!
| /′
ヽ_____ '´ /
/`ー――――一'´ /
/ /⌒ヽ. /
79 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:24:48 ID:GyRWrSt1 [18/26]
470
<<テーミスの酒場>>
.ノ 、 、
● ●) l
すいませーん。 (人__) |
テーミスさん、いますかぁ? /^) .ノ
ヽ ヽ
| | |
ゝl lし'
`(_ノ
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈● ノ\ /\ ●〉 ほいほーい。
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
) Y ( おっ、これはこれは、かわいらしいお客さんだ。
/γ⌒ ⌒ヽ\ ようこそ当店へ。おはじめてですね。
/ | | ヽ
| ヽ__人__ノ | なんですか、ミルクでも出しましょうか?
\ `ー'´ /
┏
酒場店主・
テーミス
┛
80 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:25:03 ID:GyRWrSt1 [19/26]
471
.ノ 、 、
いいえ、ごめんなさい。 ● ●) l
おれは、おつかいできたんです。 (人__)*|
m ヽ ノ
うちのサンチョが、こおりざとうと {rク ̄ ヽ
ショウガざけ、あまってませんか、って。  ̄| | |
ゝl lし'
`(_ノ
┏
おとなみたいにさかばでグラスをかたむける!
かっこよくて、おれはうなずきたかったけど。
┛
┏
でもサンチョがいえでいそがしそうにしてるのを
おもいだして、おれはくびをふった。
┛
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈⌒ ノ\ /\ ⌒〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ ああ、いいですよ。
) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\ 氷砂糖は、ここにあります。ショウガ酒も確か奥に
/ | | ヽ 飲みごろがあったはずだ。蔵から出してきましょう。
| ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ / ここで待ってて下さいな。
81 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:25:42 ID:GyRWrSt1 [20/26]
472
┏
そういってテーミスさんはおくのさかぐらにはいっていった。
┛
| _____ |
| |.::..:..:..::::..:..::.:..| |
| |.::..:..:..::::..:..::.:..| |ヽ ┏
| |.::..:..:..::::..:..::.:..| | ヽ はじめてはいるさかばはなんだか
| |.::..:..:..::::..:..::.:..| |\ \ うすぐらくて、まだあかるいじかんのせいか
| |.::..:..:..::::..:..::.:..| |.::..:\ \ だれもいなくて―――
| |.::..:..:..::::..:..::.:..| |.::..:..:..:\ \. ┛
 ̄ ̄ \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .\
____\____________________\.
────|_____________________|
.::..:..:..::::..:..::.:..| ___ ___ ___ |
.::..:..:..::::..:..::.:..| └┬┬┘ └┬┬┘ └┬┬┘ . |
.::..:..:..::::..:..::.:  ̄ ̄ └┘ ̄ ̄ ̄ └┘ ̄ ̄ ̄ └┘ ̄ ̄
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、 ニョロー
/ /" `ヽ ヽ \
//, '/ ヽハ 、 ヽ ┏
〃 {_{ノ `ヽリ| l │ i| …と、おもったら、いた。
レ!小l● ● 从 |、i| ┛
ヽ|l ||、_,、_ || |ノ│
/⌒ヽ__|ヘ || ゝ._) ||j /⌒i ! ┏
\ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│ すみっこですわりこんで、なんだか
. /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ | みょうなこだった。
`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' | ┛
82 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:26:00 ID:GyRWrSt1 [21/26]
473
ダレカキヅイテ
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、 ップー
/ /" `ヽ ヽ \
//, '/ ヽハ 、 ヽ
〃 {_{ノ `ヽリ| l │ i| ┏
レ!小l● ● 从 |、i| なにやってんだろ、あのこ。
ヽ|l ||、_,、_ || |ノ│ こんなひるまっから、このさかばで。
/⌒ヽ__|ヘ || ゝ._) ||j /⌒i ! ┛
\ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│
. /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
.ノ 、 、
● ●) l
…ねぇ、そこでなにをしてるの? (人__) |
(^ヽ ノ
\ .ヽ
┏ | | |
ふときになって、こえをかけると。 ゝl し'
┛ `(_ノ
83 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:26:17 ID:GyRWrSt1 [22/26]
474
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
┏━━━━┓ / /" `ヽ ヽ \ ┏┓┏━━━┓
┗━━━┓┃ //, '/ u. ヽハ 、 ヽ ┃┃┃┏━┓┃
┏┳┛┃┏┳┳┓┏━━〃 {_{\ / リ| l │ i| ━━━━━┓┃┃┗┛┏┛┃
┃┣━┛┃┃┃┃┃ レ!小l● u. ● 从 |、i| ┃┃┃ ┃┏┛
┏┛┃ ┗┻┫┃┗━━ ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ|━━━━━┛┗┛ ┗┛
┃┏┛ ┏┛┃ ./⌒ヽ__|ヘ.u ゝ._) u. j /⌒i ! ┏┓ ┏┓
┗┛ ┗━┛ \ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│ ┗┛ ┗┛
/:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
┏
いきなりそのこえはおっきなこえをあげて、おれをみたんだ!
┛
, ,ノ 、 て
l (○ ○) そ えっ、なに!?
| (__人).|
ヽ ノ なんでおどろくの!?
,イ ⊂ 二〕
/ |
(J く/ /
`ー'\__)
84 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:26:40 ID:GyRWrSt1 [23/26]
475
, '´ ̄ ̄` ー-、
/ 〃" `ヽ、 \
/ / ハ/ \ハヘ あぁ、びっくりしたねよ!
|i │ l |リ⌒ ⌒}_}ハ
|i | 从 ● ● l小N ひょっとして、あなたにはあたしが見えるかのよ?
|i (|ミ ⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ ミ
| i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒)
| ヽ ヽx>、 __, イl |::::ヽ/.
| ∧ 人l||l,三|:::::/l| |l||l 从
| l ( ⌒ ):::V::/ | ( ⌒ )
┏
ねこみたいにみえるそのこは、みうみうとまるく
きこえるこえでおれにきいてきた。
┛
.ノ 、 、
みえるよ。 ● ●) l
きみ、ふしぎなこときくね。 (人__) |
ヽ ノ
きみは、だれなの? / ヽ
(| |_)
| |
し .J
85 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:27:06 ID:GyRWrSt1 [24/26]
476
____
' ´ ``
/ /" ゜\. \
/./ハ/ ヽハ ヽ はろりん。
|/ リ'´ `ヽリ |
|.レ从● ●从. | あたしは妖精のベラ!
|(|⊂⊃ 、_,、_, ⊂⊃|)| ポワンさまのお使いのよ。
┏ /⌒ヽ| | ヘ !_.ノ ノ | |
妖精・ \ /:::::| l > .____. < .l | | 人間に、助けを求めに来たのだわさ。
ベラ ./:::::/| | ヾ:::|三|:::〃 | |ヽl
┛ `ヽ< | | ヾ:::l:::l:::〃 .| |::::::>
┏
ようせい!? おれはすぐにことばをだせなかった。
┛
┏
ネコみたいなかおで、ネコみたくはなすそのこは、
まったくのんきに、おれにそういったんだ。
┛
86 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/26(月) 02:28:38 ID:GyRWrSt1 [25/26]
今回は以上!
久しぶりにほぼオリジナルなしの回でした。
>>61
ドラクエ5は名作ですよ! ぜひ一度プレイしてみてくださいな!
87 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/04/26(月) 02:36:26 ID:qf5vO63L
おつ~
きめぇ夫がダンディって面白い配役だw
88 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/04/26(月) 03:03:58 ID:+/MijZNn
乙~
89 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/04/26(月) 05:05:08 ID:hNXW0UCr
乙でした!
「青年」の登場と、その台詞で目から汁が。
原作を2周目プレイしてて全ての意味を理解してボロッボロ泣いたシーンだからなあ。
あの時は堀井の旦那の構成力に完敗でしたわ。
90 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/04/26(月) 17:10:25 ID:9mVHDZDc
乙
91 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/04/26(月) 21:06:20 ID:Y8XM62LD
みょ、妙な口調だなベラ。
いわゆる鶴屋語とも全く違うし小説版でこんなキャラなんだろうか?
92 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [sage] 投稿日:10/04/26(月) 22:22:27 ID:GyRWrSt1 [26/26]
眠いんだか眠くないんだかよくわからない…。
乙ありがとうございます。◆VeXhfoQdhwです。
配役(モブ)は基本かなり簡単wに決めてますが、主役クラスが頭を悩ませます。
私、最近のアニメとか漫画とかあまり知らないんですよ。御三家とかは
ほかの作者さんの作品でよく見てますが…さてどうしようか考え中。
未だAAが決まってるキャラと決まってないキャラがいるんすよね。
>「青年」の台詞
超・ネタばれになるので細かいことは言えませんが、確かに、どれだけの気持ちを込めて
言ったのか……と考えると、かえってここら辺はいじれませんでした。苦悩の末の台詞です。
>ベラの台詞
はい、小説版ではなぜかそう喋りますw かえってオリジナル入れにくいww
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