やらない夫は弱虫のようです 第十六話
431
<<サンタローズ村>>
ザッ…
ザッ…
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',:::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: l. ',::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
',:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l ',:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:. l
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ザッ. l::::::l:::::::.:./:.:.:.:.:| !::::::::::::::.:/
l::::::l:::::::/:.:.:.:.:.:|. /::::::::::::::./
l:::: |::::/:.:.:.:.:.:.:.| /:::::::::::::::.:l
l:::::|:/:.:.:.:.:.:.:.:.:l ∧:::::::::::::::.:〉
|::: l':.:.:.:.:.:.:.:.:. ! {i ー ⌒i´
l::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ', ヾ、 !
/::ヽ:―‐:.、:.:.:.:.:.:〉 l! ヽ
〈:::::, ― 、:::.:.:.:.:! l{ }
V  ̄ ヽ ヾ 、_ ノ
´ | ` ー ´
/ ‐'}
{ ` ー―――‐ ´ ‐'
ー――――― ´
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32 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:01:40 ID:ss6TP+XX [23/46]
432
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
―――すいません、……あの、ここは、何という村ですか?
r‐┐ _
/\ | | /O \
\ \ |_| |. ° |
<\ \/ \_,/
\> |
サンタローズですよ。 / ̄ ̄ ̄ ̄ \ ミナレナイカオノヒトネ
/ \
. / ヽ
/ / \ |
| ● ● |
ヽ ⊂⊃ 、_,、_, ⊂⊃ /
/⌒ヽ_\ ゝ._) / /⌒i
\ /:::::/;l三三三三三三三l / ./
. /:::::/ |_ ___ ヘ、__/
. `ヽ< | | | | ヾ:::彡'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
,
33 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:02:07 ID:ss6TP+XX [24/46]
433
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ラインハットのお城に行くには、どうしたらよいのですか?
_
/O \
|. ° |
\_,/
/
ラインハット?ずうっと北よ。 . / ̄ ̄ ̄ ̄ \
. / \
まだずいぶん歩かなきゃいけないですよ。 / \ ヽ
お宿をとるなら、あちらですから。 . / ● |
| 、_,、_, ⊂⊃ |
ヽ {_ノ /
\ /
(`ヽ l三三三三三三三l
ヽ、/ ___ ヽ
――――ありがとう、ご親切に。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
,
34 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:02:22 ID:ss6TP+XX [25/46]
434
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ザッ…ッ…
_
/O \
|. ° |
\_,/
|
/ ̄ ̄ ̄ ̄ \
/ \
………。 . / ヽ
/ ノ `ヽ |
| ● ● |
ヽ ⊂⊃ 、_,、_, ⊂⊃ /
\_ /⌒l /
l/ /三三三三三l.
/ | l ___ ヽ.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
,
35 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:02:47 ID:ss6TP+XX [26/46]
435
,
36 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:03:14 ID:ss6TP+XX [27/46]
436
┏
とうさんは、サンタローズにかえってきてから、なんだかいえにずっといるようになった。
┛
__
/ \ ┏
/ \ しらべものがあるとかいって、
. | \ ずっとへやからでてこないときもある。
. |~ ヽ ┛
\(●_) |
ヽ___) /
/ ((┃)) ヽ´ ノ | ┏
....... / /(⌒)ニニン | ときにはサンチョまでいっしょになって、
/ / / / | なにかしんけんにそうだんしてる。
... /  ̄ ̄(⌒二 ,.ノ| | ┛
┏
しょうじき、おれはつまんない。ん、だけど。
┛
37 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:03:34 ID:ss6TP+XX [28/46]
437
┏
どんなにいそがしくても、1にちに1じかんくらいは、
とうさんはおれにつきあってくれた。
` ┛
\ ,,_人、ノヽ __
)ヽ ( /── \
- < >─ / ⌒ ⌒ \
スカッ ) て | (●) (●) | ほれ、ほれ!
/^⌒`Y´^\ | (__人__) |
| `⌒´ | 、ハ, どっからでもかかってこい!
| | ^ < て
,,、-------、 { } ./'Y''~ヾ
/ ___,ソ_入 ノ/ ⌒`'`──,――;;ヽ、
ヽ、____ _____,___,ソ ―――なんだなんだ、この程度か?
// / ヽ / // / // 父さんが教えた事を、もう忘れたのか?
// / / / // / /
/ /⌒ ヽ / / / /
/ ヽ /
/ /i /
,,-‐< / ヽ,__/ ノ
(, __ _ノ / /
// / / / '
/ / / 、 ノヾ '
,、 / / / / )ヽ/ ヽ、ノ|ノ´
キ人_,/ / Y `r r'
) て / ソ ) (スカッ!
スカッ!/´⌒Y,. (__ __/ , '´⌒`Y´⌒` 、
\ / // /
//
38 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:03:59 ID:ss6TP+XX [29/46]
438
.ノ 、 、
> <) l
ひぃ、ひぃ。 (人__);|
ヽ ノ
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、.\
| (●)(●) |
| (__人/,〉.|
{ ´フ´ ./._ } いいか、リュカ。
ヽ ./,二ニソ} おまえは父さんの動きばっかり見てるが、
_ヽ/ ,-― 、}ノ それは父さんだって同じなんだ。
/:;:{' ノーヘJ:;:;ヽ
/:;:;:;:;:;| _,イ{:;::;:;:;:;l:;:;} 同じことをしてたら、素早いものが勝つ。
/:;:;:;:;:;:;:;:;:\_/:;:;:;::;:;i:;/\ 先手を打てるほうが勝つ。
{:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;:;:;〈:;:;:;:;:\
ヘ:;:;:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:\:;/ヘ、 当然だろう?
 ̄ ̄7:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l;:;::;ゝ、`ーj
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l:;:;:;:;:;:\~
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|ヾ:;:;:;/
39 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:04:20 ID:ss6TP+XX [30/46]
439
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ いいか、たいていの相手にはつけこむ隙があるものなんだ。
| ( ●)(●)
| (__人__) たとえばおまえは今、小さいだろ。
| |r┬| .} それは、お前が相手の懐に潜り込みやすい、ってことでもある。
| | | | }
,..-'ヽ `ニニ } 父さんができないことも、お前にはできたりすることもあるんだ。
./::"::::`ヽ、.,__ __ノ ゙
/::i::::::::::::"'弋'!ー',イ>|'_ノ´`ー -,,_ _ お前の銅の剣は、戦えない奴にやった覚えはないぞ!
. }:::゙|::::::::::::::::::::~゙:_戈;f" 、 イ/ `i
/:::::::!;:::::::::::::::::::/',r.テ \xー.ォ、__ノ
::::::::::::ヾ!:::::::::::::l .l r' ` 、_冫y"
:::::::::::::::::\o:::::l .ト、 ヽ,_ノ"ー'
:::::::::::::::::{::::{\代 l>ー、,_ノ
┏
とうさんは、あいかわらずとっくんのときはめちゃくちゃきびしい。
┛
┏
いまだって、とうさんはきのえだで、
おれはとうさんからもらったどうのけんで、 .ノ 、 、
とっくんをしているんだ。 う、うん。 一 ●);l
┛ (人__) |
ヽ ノ
40 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:04:40 ID:ss6TP+XX [31/46]
440
/,〉
/,/
∠ニー-' /
`〉Y>、\
〈__/⌒l,ソ ┏
./, ,/ とうさんから、もらっただいじなどうのつるぎ。
.// / ┛
// /
// / ┏
// / アルカパからサンタローズにかえるときに、
.. // / ついうっかり、とうさんにかえすのをわすれてた。
.. // / ┛
.// /
レ'´
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
. | ( ●)(● ) | 「リュカ、父さんの銅の剣を知らないか?」
. | (__人__) │
| `⌒ ´ | 「って…どうしてお前が持ってるんだ。」
. | |
. ヽ / ┏
ヽ / とうさんはすぐにきづいて、こわいかおになる。
> < ┛
| |
| |
41 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:05:07 ID:ss6TP+XX [32/46]
441
.ノ 、 、
「ごめんなさい!」 ≡ ≡);l
「とうさんが、そのう。さむそうにしてたから!」 (人__) |
ヽ ノ
「だから、…まきをこれでつくれないかなって!」
┏
ほんとのことははなせないし、でも、うそもとうさんにいいたくないし。
おれは、こまってそんなことをいったとおもう。 ┛
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 「ふむ、薪を、な。」
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | } 「じゃあ、リュカ。この枝を、その剣で切ってみろ。」
. ヽ }
ヽ ノ
.> <
| |
| |
┏
とうさんは、おれにひろってきたえだをおれにさしだした。
┛
42 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:05:39 ID:ss6TP+XX [33/46]
442
┏
えいやっ! …っておれは、おもいっきりえだにきりつけた。
┛
┏
けっこう、えだはすっぱりときれた。
┛
/ ̄ ̄\
./ _ノ \ 「……。」
| ( ●)(●)
. | (__人__) 「―――よし、これだけ使えるのなら、
| ` ⌒´ノ もう持っていてもいいだろう。」
. | }
. ヽ } 「ただし、毎日ちゃんと研ぐこと。
ヽ ノ 冗談でも人に向けないこと。
.> <
| | うっかりけがをしないように、気をつけるんだぞ。」
| |
┏
そしたらとうさんは、このどうのつるぎをおれにくれるっていったんだ!
┛
43 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:06:01 ID:ss6TP+XX [34/46]
443
/ ̄ ̄\ いいか、リュカ。
/ _ノ \
| ( ●)(●) 戦ってのは力だ、数だ。
| (__人__) だがもしそれが同じなら、勝利するのは知恵であり、冷静さを持てる方だ。
| ノ
| ∩ノ ⊃ } いつだって考えろ。
/ヽ / _ノ } 考えることだけは、放棄するな。
( ヽ / / ノ そうすれば状況は、お前に味方してくれる。
ヽ “ /_| |
\__/__ / …今日は、ここまでだ。父さんは先に家に戻るぞ。
ノ ー 、
はーい…。 ● ×);l
(人__) |
,, | / ,, / ヽ ノ
/∧'──くハ
'´: : : : : : : : :\
: : /、,/l:∧、,从: がうぅう?
: :.N○/ ○Y:.|
: :.| '' △ ''ノ: :!
: 个ー─<|: : | ┏
: :.|/ ト、ヽ:.| とうさんがいえにかえっていくと、
プックルがあわててかけよってくる。
┛
44 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:06:23 ID:ss6TP+XX [35/46]
444
.ノ 、 、
プックル、しんぱいしてくれてるの? ● <) l
だいじょうぶ、おれはこれくらいじゃ (人__) u|
へこたれないよ。 ヽ ノ
……でも、きょうもつかれたあ…。
┏
サンタローズにかえってきてから、プックルはいちばんのともだち。
┛
、, _ /`、
|:ヽ、ー-.,_ _./:∧:ヘ グルルルル♪ ┏
l:: ヽ_-‐'"::::::|:::,. ヘ:::ヘ いつだってこいつはおれのそばにいてくれる。
ヘ_/::::: : :..:::へ!、、_l:::::l\ ┛
. //:::::::i:::..:::i:::::::::::::\l::::}:::ヘ __
/ i::/::::-‐-|:::l:ハ:-‐-ヘ:::ヘ:::::::ヘ _,-‐'"-‐''´ ̄二≡ ┏
!´lイ/i´Xー´ヽy' 7'ヘ'ヽ{:::::::::ヘ /:::::::::::::: : : : : / ここんとこずっとさむいけど、こいつにくるまってねると、
! lル l::::} ! l::::::}/::::i::::::::へ ./::::::::::::::::::: : : : : :l ほんとにあったかいんだ。
{、`ー' :::::: ー '///!:::::::::::::ヘ l::::::::::::::::::::::: : : : | ┛
`丶,ー-‐', -‐イ//;;l:::::::::::::::i:ヘ .l:::::::::::::::::::::::::: : : |
ヽ/ヘ// l/ へ::::::::i::::i::ハ::y::::::::::::::::::::::::::: : : :/ ┏
__/ ,l ヘ┤|/\ ソr‐、i::ハ:ハ/::::::::::::::::::::::::: : : / おりこうで、おれのことばもわかってるみたい。
(__X_/.l {__}! X、Χ:ハA/::!:::::::::::::::::::::::: : / まってて、っていうとかならずおとなしくまっててくれる。
}ー--‐t´ <>::::Vv:::::::::::::::::::::::::: : __,-'
_,,,_/` ̄二-X〆〉_>-.,,,____,,,,-‐'" ……そのわりにいたずらっこで、よくサンチョがこまってるけど。
\_ヘX.__./ヽ,__>-、ヘ ┛
" `´
45 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:06:41 ID:ss6TP+XX [36/46]
445
┏
プックルと、ちょっとあそんでからいえにかえろっか、ていって。
┛
┏
1じかん…くらいかな? もっとかも。
ふたりであそんで、ゆうやけがみえはじめたころ。
┛ _
/O \
| ° |
\_/
/
/ ̄ ̄ ̄ ̄ \
あら、リュカ。 / \
そんな薄着で、寒くないの? / ⌒ ⌒ ヽ
/ ● ● |
| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |
ヽ /
/⌒ヽ_\ / /⌒i
┏ \ /:::::/;l三三三三三三三l / ./
シスター . /:::::/ |_ ___ ヘ、__/
┛ `ヽ< | | | | ヾ:::彡'
┏
きょうかいでおつとめをしている、シスターがおれたちにはなしかけてきた。
┛
46 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:06:59 ID:ss6TP+XX [37/46]
446
.ノ 、 、
へいきです、シスター。 ヘ) ヘ) .l
こいつといると、あったかいの! (人__) |
ヽ ノ
/L..____ /i
ノイ , ヽ ヾ!
. / !/ !イi」」、i ハ がうーっ。
(i_i从´> <小!
(⌒゙|⊂⊃マフ ノY^)
. /マ´Y{ i` <|!|Y
ili∧/ `ヽ`X´ jij/ _
/O \
|. ° |
\_,/
まぁ、ずいぶんおっきな猫ねぇ。 |
よくリュカになついてるわね。 / ̄ ̄ ̄ ̄ \
/ \
. / ヽ
…まさか。 / ノ `ヽ |
| ● ● |
┏ ヽ ⊂⊃ 、_,、_, ⊂⊃ /
いいかけて、シスターはとめた。 \_ /⌒l /
┛ l/ /三三三三三l.
/ | l ___ ヽ.
47 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:07:24 ID:ss6TP+XX [38/46]
447
.ノ 、 、
● ●) l
なんですか? (人__) |
ヽ ノ
_
/O \
|. ° |
\_,/ いえね、最近村に奇妙なことが起きてるの。
\
/ ̄ ̄ ̄ ̄\ お酒のかめと水のかめが入れ替わってたり、
/ \ 教会でもクッキーが百個もなくなってたり・・・。
/ ヽ
|. ヽ、 ノ |
| u ● ● | まさか…ね?
ヽ ⊂⊃ 、_,、_, ⊂⊃/
ヽ ./
|三三三三三三三|
/ ___ ヽ
48 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:07:39 ID:ss6TP+XX [39/46]
448
,、 、 ξ
/∧,,_/ハ、 ノ ぐるーっ。
/<:'´: : :`^:\
〃: : :、,/∧、,}:_:ハ ┏
{{:|: iノ○ ○ い、_ シスターのことばがわかったのか、プックルは
. ノ:.|:八" ^ "人: \:::: しんがいだ! とばかしにうなった。
//|八_>、 ̄:::::`'ー'⌒:::: ┛
/:::::::::::`'ー':::::::::::::::::::::::::::::
_
/O \
|. ° |
\_,/
|
あら、ごめんなさい。そんな顔しないで! / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
ただね、猫さんはいたずら好きだし、 / \
それだけ大きかったらクッキーもあれくらい / u ヽ
ペロッて平らげてしまうかもな、って思った | __ノ ヽ、_ |
だけなの! | ● ● U .|
ヽ ⊂⊃ 、_,、_, ⊂⊃ /
おお、神よお許しくださいませ! \ └┘ /
聖職にあずかるものが、罪のないものを :;l三三三三三三三l
疑うようなことを言ってしまいました! | __ __ |
| |:::::::::| |::::::::::| |
49 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:08:16 ID:ss6TP+XX [40/46]
449
┏
たしかにプックルはいたずらっこだし、くいしんぼうだけど。
┛
, ,.ノ 、 うーん。でも、プックルはたいていおれのそばにいるし、
l (● ● めいわくはかけてないとおもうんだけど。
| (__人)
ヽ ノ あ、そうだシスター。こいつにシスターのもってるかご、
もたせましょうか? こいつ、ちょっとくらいおもくても
へいきではこぶよ。こうみえて、けっこうやくにたつんだよ!
┏
ともだちはまもってあげなきゃ。おれがそういうと、
シスターはなっとくしたみたいにうなずいた。
┛
_
/O \
|. ° |
\_,/
ありがとう、でもいいのよ。 /
これっぽっちしか入ってないから。 . / ̄ ̄ ̄ ̄ \
. / \
あんまり寒くて野菜が、育たないのよ。 / \ ヽ
木の実もならなくてね。 . / ● |
| 、_,、_, ⊂⊃ |
ヽ /
…早く、春になればいいのだけどね。 \ /
(`ヽ l三三三三三三三l
ヽ、/ ___ ヽ
50 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:08:54 ID:ss6TP+XX [41/46]
450
┏
シスターはかごをおいて、しもやけになったてにはぁ、っていきをふきかけた。
┛
_
/O \
|. ° |
\_,/
そうそう、さっきね、 |
みたことのない男の人が / ̄ ̄ ̄ ̄ \
村に来てたのよ。 / \
. / ヽ
何か探してるみたいだったわ。 / \ / |
| ● ● |
こわーい、人さらいかもしれないから ヽ ⊂⊃ 、_,、_, ⊂⊃ /
十分気をつけるのよ。 /⌒ヽ_\ |::::::| /⌒i
\ /:::::/;l三三l;;;;;;l三三三l/ ./
それじゃね、リュカ。 . /:::::/ |_ `ー__ ヘ、__/
. `ヽ< | | | | ヾ:::彡'
Σ , ,ノ 、 ヒトサライッテ!
l (○ ○)
| (__人).|
ヽ ノ
,イ ⊂ 二〕 はぁい、もうすぐかえります。
/ | じゃあね、シスター。
(J く/ /
`ー'\__)
51 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:09:15 ID:ss6TP+XX [42/46]
451
┏
ひとさらいかぁ。シスターもおっかないこというなぁ。
┛
┏
シスターとわかれたあと、おれはこしのポーチをごそごそってした。
┛
+ ほらみて、プックル!
/ ̄\ すごいだろ、レヌールのおうさまにもらったんだ!
* | | +
\_/ おれだってすてたもんじゃないんだぜ!
*
┏
それは、レヌールのおうさまにもらったきれいな、きんいろのほうせき。
┛
┏
おれは、よわむしだけど。これをもらえるくらい、がんばったことがあるんだぜ!
┛
52 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:09:26 ID:ss6TP+XX [43/46]
452
┏
――――おれがすこしだけプックルにみせたきんいろのほうせきを、しまおうとしたとき。
┛
―――こんにちは。
、
- .ノ 、 、
┏ ′ ● ●) l
きいたことのない、こえのおとこのひとが (人__) |
おれにはなしかけてきた。 /^) .ノ
┛ ヽ ヽ
| | |
┏ ゝl lし'
おれはおもわずみあげて、びっくり `(_ノ
しちゃったんだ。
┛
53 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:09:36 ID:ss6TP+XX [44/46]
453
 ̄ ̄ 、
´ \
. / \
/ ヽ
i 丶
元気な坊や、 l /  ̄ 丶
| __ ヽ 丶
―――後ろに持ってるのは、なんだい? ヽ/ i イ`丶 l 丶
ヽ ヽ ゝ _ ',
丶i イ`丶 l `ヽ ヽ
ゝ , ヽ _ 丿 \‐、-..、
ヽ ゝ ノ , ‐ ´ ソ:.:.:.:\
┏ ヽ ´ ' /:.:.:.:.:.:/\
むらで、はじめてみるおとこのひと。 \ / /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ヽ、
┛ \ / /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
ヽ / /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
┏ ヽ __ ィ /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
シスターのいってたひとだって、
おれにはわかった。
┛
┏
そのおとこのひとは、やさしそうで、…なんだか。
┛
┏
よくわかんないけど、とてもシスターがいってるみたいな。
┛
┏
ひとさらいになんか、とてもみえなかったんだ。
┛
54 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:10:54 ID:ss6TP+XX [45/46]
今回は以上です。
はい、あの青年です。
55 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/04/25(日) 21:11:23 ID:hHePlDYV [3/4]
うわあ、パパスそっくり(棒読み)
56 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/04/25(日) 21:21:51 ID:hHePlDYV [4/4]
おっと忘れてた
乙
57 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/04/25(日) 21:26:47 ID:+f8J6tVa
乙でした。
ついに「青年」が登場しましたね。
彼についての感想は自粛しますw。
で、やっぱりちゅるオプさんがあのシスターだったのですね。
この人って妙に可愛いんですよね。
堅苦しい定型的な挨拶をした次の瞬間に「わーい、パパスさんが帰ってきた!うれしいー」ですもんねw。
愛らしい外見のちゅるオプさんの配役に大満足です。
リュカとプックルも随分仲良くなったようで、とても幸せな時間ですね。
二人とも可愛いです。
次回も楽しみにしています。
58 名前:名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日:10/04/25(日) 21:39:53 ID:hHTr+aiR
乙。いやーよのなかにはおなじかおのひとが3にんいるっていうからねー。
59 名前:ヽ(;´Д`)ノ ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日:10/04/25(日) 21:49:30 ID:ss6TP+XX [46/46]
あはは…ははは。
手抜きとかじゃないんですよー、配役決まった時点でこうなるのは仕方ないんですよー。
あっ、石投げないで―。
ある意味この回とさらにこれからのくるであろうあの回だけは一番怖いですw
小説にも書いてあるあるし!「そっくり」だって!
管理人※遂にこの時が……
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