やらない夫は弱虫のようです 第七十四話 ｢ずっと一緒に｣
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俺が目を覚まして間もなく―――
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＿＿＿＿
／＾ ⌒ ＼
（へ） （へ ） ＼ やっぱり何か考えてやがったな。
/⌒（__人＿）⌒:::::: ＼
| ヽvwwﾉ | まぁいいお。せっかくの新婚旅行だ、思う存分楽しめお。
＼ ｀'ー' ／
┏
俺がヘンリーの誘いを断り、城を出ることを告げると。
ヘンリーとマリアは、快くそれに応じてくれた。
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, ´ ... -――--...､｀ .､
. ／ /´.. - ―― --､ﾍ. ヽ
. / /´ | i :.ﾊ ',
. ,' | ! | | i| .:.:| :.
i i:.: ∧,-‐' ￣ ｀ヽ! : :! .!
|: |/´ ノ ゝ ｀ヽ| ! |ヘ. またいつでも遊びに来ておくれ。
. .へ..|i ! |: ｜.| | >
. く || : ｜ _＿､ ,＿ |; | ﾉ ! ／
｀ ー|l_i N ,〃⌒ ´￣｀ﾒイﾊ､ i´ 昨日は本当に楽しかった。ヘンリーがあれだけ機嫌が良いのも、
| {｀ﾄ! ::::::::::: ' ::::::::: / ノ |
|:.:.ヽ、_ ､__ ... __, ,'イ∧.| 久しぶりに見られたしの。
|:.:.:.:i {ﾍ ／ .!:.:.:.:|
|:.:.:.ﾊ__∨｀ト... ..イ:::.}___|:.:.:.:.!
|:.:.:.ハ ∨.:.:） ｀ _ .{ !::.,' ,'.:.:.:.:|
/へ￣｀i {7´,.く｀ｰ'｡∨｀7 /￣￣ﾄ､
. / ヽ ! /´三ﾐ､===彡三∨ ,' ヽ
{ ∨!| i´川ﾒﾒﾒ７ / / !
| |.:i.! ﾉ:ﾒﾒﾒﾒﾒﾒ{ .! ./ ｜.
143 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:06:07 ID:aVeal+g/ [3/97]
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／.::::{:::::::::i:::::／/.:::::/.:::::／.::::／.:::::::::::::::>、
／.::::::::::{:::::,ﾆ／:::/.:::::/.::／.::::／.::::::::::::::／}:::.＼
. ／.::::::::::::::/.::/i/.:::::::{:::::/L/.::::／／.:::::::::／.:/ﾆ､::￣｀ヽ
二ﾆ=≠､::::::::::::::::/.::::{/.::::::::∧/ﾆ=ミく／.:::::/ /∧//.:::::::}:::::::::::|
. ＼::::::::/.:::::/.::::::::/ｘ≦芋ミﾒ､ヽX/ // ヾ彡:::/.:::::ﾊ:::|
＼,'.:::::/.::::::::/ んし:::oﾊ》::Ｖ｀'l/ ｀７.:::::/.:::::|
;::::::/.::::::::/ ヾ 'ﾟ´ ′ __ ／.::／.::::::::|
i::::;::::::::::/ :::. _,ﾆヽY／／.::::/.::::::| こちらこそ、お世話になりました。
|:::i::::::::∧ ´ :::. ,ｨて.;心く／.::::／.::/.:::|
/ /.:::l::::::/ 丶 ::. ヾr／｣ﾘ'.::::::イ::::／}:::::|
. / ,／i::::::ｌ:::::; ´ ／ ／.::::／.:::::｢/ /-‐'
／. : :|::::::l:::::i .イ{＼__ _イ.::::／.::::::::/::i みなさんも、お元気で。
__ ..イ| : : : :从:::l:::::| /∧::::/::::::::::::::::::::／:::::::::::/.::::|
7 : |:|: : : : : ∧:ｌ::::|,/ : : ∨.::::::::::::::::／::::::: :::/.::::::i|
ｉ: :.:|:l: : : : :/__ヽ::八: : :/∧::::::::::／::::::::: :::/:::::::::八
|: :.:|:l: : : :/二二}:::::',.://:/ 》:／.::::::::::::::::::/::::::::::::::::
/ : //: : :/ /.::::::i,'/:/ /'〈::::::::::::::::. /:::::::::::::::.
. / : //: : :/ /イ::::Ⅳ/ / }::::::::::::::::::::/::::::::::::::}
/ : //: :／ ／ ｊ:::::l:, ／ {::::::::::::::::::/.:::::::::::::/:
＞-＝ミ＿_,∠.._／}:::::リ ＼::::::::::/.::::::::::::│
, -‐'. : : : ／￣二¨¨￣￣＼=‐く::::::/｡ｏ.::::／
. /. : : : : ／_ ､＿ ` ＜二､ ＼‐'
_{ : : : ／ ´ ＼＿ ＼ｰ 、＼ ー`
ヽ: : 二フ＾ヽ. _〉 ヽ ＼ ー'
￣ ー'
.
144 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:06:59 ID:aVeal+g/ [4/97]
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／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （⌒ ）（⌒）
| （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 楽しませてもらいますとも。
| }
ヽ ﾍミ|
／,` 、` -`,--` , ヘンリー、マリア。親父の墓のこと…悪いけどこれからも頼む。
＿＿,---/;;;;;` `-,-/ニﾆ |
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,＞、 /::l,_l･ ,く、__ 俺たちもまた、必ず来るから。
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::＜:::::::ヽ``l::::| |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::＼|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/' `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
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別れの際、俺はもう一度ヘンリーに親父の墓について頼んだ。
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∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
／⌒ ⌒＼ | |
／（ ●） （●）＼ ! ! 任せとけお。
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l
| |r┬-| | ／
＼ ｀ ー'´ ／／ パパスの魂の平安は俺が責任もって守ってやるお！
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
.
147 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:08:03 ID:aVeal+g/ [5/97]
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┏
墓といっても、何か碑がそこにあるわけでもない。
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ゞ:ヾゞ゛;ヾ;ゞ ,',;:ゞヾゞ;ゞヾ.: ヾ:ヾゞヾ., .ゞヾゞ;ゞ ヾ;ゞゞ;ゞ ` ``
,,ゞ.ヾ＼＼ ゞヾ:ゞヾ ﾉﾉ ゞヾ . ゞヾ ゞヾ .ゞ;ゞヾ;ゞゞ;ゞ ヾ;ゞゞ;ゞ `
ゞヾ ,,.ゞヾ::ゞヾゞ:ヾ ゞ:.y.ﾉヾゞ..ヾ .ゞ,'ヾ ゞヾゞ ;ゞヽ,.ゞ:,,ヾゞヾ;ゞゞ;ゞゞヾゞ; ┏
ゞヾゞ;ゞゞヾゞ;ゞiiiiii;;;;::::: ｲ.ヾゞ, .,; ゞヾゞ___// ;ゞ ゞヾゞ;ゞ ヾ;ゞゞ;ゞ ` ただひたすらに美しい花が咲く木が、
ゞヾ ゞ;ゞ iiiiii;;;;;::::: :)_/ヽ,.ゞ:,,ヾゞヾゞ__;::/ ゞヾゞ;ゞヾ;ゞゞ;ゞ
ゞヾゞ;ゞ iiiiii;;;;::::: :|;:/ ヾ;ゞゞ;ゞ ヾゞ , ` 「そこ」にあるだけ。
ヾ;ゞゞヾ;ゞゞ |iiiiii;;;;::: : |:/ ヾゞ ` ┛
ヾ |iiiii;;;;;::::: ::| ` ` `
` |iiiiiiii;;;;;;::: :| ` ` ` ` ,
` ,|i;iiiiiii;;;;;;::: :| ` ` ` ` ` `
` |ii,iiiiiii;;;;;;::: ::| ` ,
,|iiii;iiii;;;;:;_ _: :| ` ` `, ┏
` |iiiiiii;;;;;;((,,,)::.::| ` ` , 「墓」と呼ばれ、ここに誰かが眠っているとは、
` |iiiiiiii;;ii;;;;;;~~~:|` `
, |iiiiii;iii;;;;i;;:: :: ::| ` ` , 俺たち以外は知るはずもない場所。
` |iii;;iiiii;::;:;;;;::: :::| ` ┛
,,.,.. ,..M|M|iMiiii;;ii:i;;:;i:i;;:;ﾍヘ ,.,.. ,...... ,....～,,,.,..,,,.,.. ,.. ,.. ,,.,..,.,.. ,.... ,,,.. ,.... ,,,.,..
__＿＿＿__
┏
でも、それでいいと思った。
もともと、目立つことをそれほど好まなかった親父だし―――
┛
.
149 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:09:17 ID:aVeal+g/ [6/97]
2629
､, _ /｀､ ┏
|:ヽ､ｰ-.,_ ＿./:∧:ﾍ 魔物とはいえ小さかったあの当時のプックルが、
l:: ヽ_-‐'"::::::|:::,. ﾍ:::ﾍ
ﾍ_／::::: : :..:::へ!､､_l:::::l＼ ここにと決めて埋めてくれた場所だ。
. ／/:::::::i:::..:::i:::::::::::::＼l::::}:::ﾍ ＿_ ┛
/ i::/::::-‐-|:::l:ﾊ:-‐-ﾍ:::ﾍ:::::::ﾍ _,-‐'"-‐''´￣二≡
!´lｲ/i´Xｰ´ヽy' 7'ﾍ'ヽ{:::::::::ﾍ ／:::::::::::::: : : : : ／
! lﾙ l::::} ! l::::::}/::::i::::::::へ ./::::::::::::::::::: : : : : :l
{､`ｰ' :::::: ｰ '///!:::::::::::::ﾍ l::::::::::::::::::::::: : : : | ┏
｀丶,ｰ-‐', -‐ｲ//;;l:::::::::::::::i:ﾍ .l:::::::::::::::::::::::::: : : | きっと親父もそれを喜んでいるだろう。
ヽ／ﾍ／/ l/ へ::::::::i::::i::ﾊ::y::::::::::::::::::::::::::: : : :/
__／ ,l ﾍ┤|/＼ ｿr‐､i::ﾊ:ﾊ/::::::::::::::::::::::::: : : / ずっと長いこと眠っている場所を動かしたりするのは、
(__X_／.l {__}! X､Χ:ﾊA/::!:::::::::::::::::::::::: : ／
}ｰ--‐t´ く>::::Vv:::::::::::::::::::::::::: : __,-' さすがに気が引けた。
_,,,_／`￣二-X〆〉_>-.,,,_＿＿_,,,,-‐'" ┛
＼_ﾍX.__.／ヽ,_＿>-､ﾍ
" ｀´
.
150 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:10:05 ID:aVeal+g/ [7/97]
2630
,.ﾍ-v
_ｘ＜_,、（
_ -:―一:'´ : : ／:ド7
｝￣＾Z=:ー―-‐'´: : : : : : : : : : : : -＜ ;:!│
'. え=-､: : : : : : : -‐: : : : : : : : : : : : ＼;.ｉ: |
. ﾏ ;. ;＞'´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヾ:ﾄ､
∨';／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼: : : :V:ヽ
∨ / : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : '.
ﾊ/: : : : : : ,': : : : : : : : : : : : : :ヽ : : l : : : :'; |
. | l.: : : : : : :l: : : : :/ : : : j: : : : : :}: : :.|: : : : :l l ……。
| l:/|: : : : : |: { / :{: : {: :ハ: }: :j小 ｌ: |: : : : :|│
l.:|:l |: : : : : |: l {_从: :ﾊ:{ j仏斗≦k |: : : : :|:！
. |: l ! | : : : : :Vﾚぅﾃ≧ｰ ´込zｿｲｉ: : : : :|: :| ご飯と酒、美味しかったでありんす。
l: :ﾚ: | : : : : :.|ﾍ 込zｿ ::::.::: ﾘ : : : :.|:八
. l: : : :│ : : : : |、 :::::::.: :j /: : : : : 厂了ヽ
|: : : : :|.: : : : :.:|丶 - ‐ ,.': : : : : :∧／:::ハ
| : : : : l : : : : : 〈::::介:､_ ´ ／/: : : : :/::::}:::::::::::::|
. |: : : : :∧ : : : : : Ⅵ｢/∧＞ -＜／: : : : :/::::: ::::::::::::: |
. |: : : : :.:い : : : : : :Ⅵ| Ｌ、 _ /: : : : /::::::/:::::::::::!:::| ┏
|: : : : :.〈∧:ｌ: : : : : |》| l ヽ_ '´__/: : : : /:::／:::::::::::::i::::| 俺とビアンカが別れの挨拶をした後。
|: : : : : :{::::|:l: : : : :ｌ:|ヾ{{=气==''/: : : :.:,'〃:::::::::::::::::::i ::| ┛
. | : : : : : l::::ﾚ!: : : : l/ 弋不勺 l: : : !: :|:{／:::::::::::/￣￣
. | : : : : :│::::|: : : : :|::::::〃廿＾ヽ| : : | : |ﾉ:::::::::::／
┏
俺の後ろにいたプックルが、コソリとヘンリーに向けて言った。
┛
.
151 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:11:13 ID:aVeal+g/ [8/97]
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＿＿＿
／ ⌒ ⌒＼
／ （○） （○） ＼ そ、そうかお。それは良かったお。
／ ///（__人__）/// ＼
| u. `Y⌒y'´ |
＼ ゛ー ′ ,／ プックル、その―――
/ ー‐ ィ
┏
嬉しそうにそれに応じるヘンリーと対照的に、
┛
／￣￣＼
/ ヽ､_ ＼
. （ （● ） |
プックル…。 . （人__） |
|⌒´ |
. | |
. ヽ /
ヽ /
.> く
| |
| |
┏
ヘンリーに対するプックルの態度は、微妙にヘンリーを拒否していた。
┛
卜､ ／i＾｝
ﾄ､_＞､ ＿＿＿＿ ／ / {/
Vi＼ >'´: : : : : : : : : : : `＜ / {V
V} >'.:. : ／ : : : : : : : ＼: : :`く {V
∨.:. : :/: : :/ : : : : : : : : ヽ: : :∨
,':.:.:.: /:. : /:/ : : ｌ: : : | : : : : : ヾ＼
|:.:.:.: :|l: :/|: { : : j:|:. : :|: : ｌ: | : :小⌒
|:.:.:.: :|ｌ:/＜ﾊ: : ハ: :/|: /|: |:.: : リ 礼を言ったのはあくまでご飯と酒についてでありんす。
/|:.:.:.: :|ﾚ‐ｚ必Ⅵ j斗ｚ孑∨:.: :│
,': |.:.:/ﾞ)ｌヾ弋rｿ :! 弋rｿｲl:.: : :│
. l.:.:∨ （ | ￣ ′ ￣´ |:（ヽ八 ぬし本人に対してではない。
. _j／ ￣¨ﾆﾏ⌒¨¨⌒rV-┴-ゝ ヾヽ _
__／│ _ﾄ､`ー─‐一'才7 `く ＼＿
_｢￣ {__＿＿／|- 个 ､__, イヽ∧ │ |‐-- 、
-一''´ | ∨ |:.:.:. ト､ _ /.:.:.`‐ｧ┬‐-/ │
＼ ／l |:.:.:.:.l==┐ ｒ=≦《|.:.:.: :/ L∠._ /
_＿＞ｰ'´ 厶 ∧:.:.:.ﾄ､ └=' │.:.:.,' / `ー'^ー-､
二ﾆ -――ｧ￢./.:.:.:| ∧:.:.| ＼ |.:.: :| ∨ー─＜_ ＼
. /.:/.:,'.:.:.:.:.| / l:.:.| |.:.: :| | ＼ ＼ー─ --
.
152 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:12:25 ID:aVeal+g/ [9/97]
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ラインハットについてから、ずっとヘンリーを避けていたプックルだった。
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＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼ そ、そうかお。
／::u::⌒（__人__）⌒:::::＼
| |r┬-| | それでも良かったお。喜んでもらえて。
＼ `ー'´ ／
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城にいる間も、俺がヘンリーといる間は俺のそばにすら来なかった。
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ﾄﾍｨ、
|ヽ ｀丶 、
| ＼ ,: 丶
| ＼ ,: ヽ
,. l ー――ヽ ;. ヽ
､――――-- ,. ´:. :. :., ;. ;. ;. ;. ;. ;. :. . ヽ ､
´ヽ、,: ,: ,: ,: ,:,. ´:. :. :. :. : ヽ、 :. :. ヽ :. .. ヽ
丶｀ ーｩ' ;. ;. :. :. :. :. ; :. .ヽ :. :. ヽ :. .. ヽ
丶 ,.' ;. ;. ;. ;. ;. :. :. | ;. ;.|| :. :. :.ヽ ., ヽ
-.,._,:ノ, ;., ;. ;. ;. ;. ;. :.l :. | :', :. ||、:. :. .. ヽ ', ヽ
〉;. ,' ;. .; ;. ; l :. || :. | | |:.|| : ||| :. :. . | ', .. l
,' ;. | ;. ;.| ;. ; || ; | | :.Ｙ/ :.| | :.||l :. :. : | :. ', :. |
|ll ;.| ;. ; || ;. ;.|| ; | |:// :.. | |:|| | :. :. :. | ;. | :. | ……ぶっちゃけて言わせてもらうと。
|,'| ;.| ;. l || ;. ;.| | ; | ﾒ lL:.├ ll|:.| :. :. :. | ;. | ;. |
|| | ;.| ;. |.| ､.:.| | ; |ﾉ'´ヾ ｖ´ ||~| :. :. :. | ;. | ;.. |
|| l ;.| ;. |- '´ ､l ｖ' _,.+|=.| :. :. :. | ;. |;. ;. |
∥ ll ;.l ;､l ＿ 彳 ゝ _| :. ;. :. | ;. |;. ;. |
∥ | l ;.ヾ ､-‐＝=ﾍ || | :. ;. : l|.', :.|;. ;.. ',
｜ | |l ;. |ヾ' ゝｃノ ∥ ｜ :. ;. ;.ll|:. ', |;. ;. ',
|| l :.| ;;ヽ l ∥ | :. ;. ; ll|:. ＿l;. ';. ',
|| |:.| ;; ;;', 丶 ∥ | :. ;. ;.'''／ | ;. ' , ＼
|| |:| ;; ;l; ゝ -‐| ,l :. ;.. / ゝ ;. ' ＼
|| |:| ;; ;l;;| | :.｀ ‐-,. .||_ イ || :. ;. / ｀‐- 、 ＼
|| || ;; ;l | | , '￣ ､__ || Ｙ| :. | l ',. ヽヽ
.
153 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:13:49 ID:aVeal+g/ [10/97]
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＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼ ―――わっちはぬしのことが嫌いだったし、
| （__人__） |
＼ ｀⌒´ ,／ 許せてないでありんす。
／ ー‐ ＼
｜ | |l ;. |ヾ' ∥ ｜ :. ;. ;.ll|:. ', |;. ;. ',
|| l :.| ;;ヽ l ∥ | :. ;. ; ll|:. ＿l;. ';. ', 何故か判らんとは言わせん、
|| |:.| ;; ;;', 丶 ∥ | :. ;. ;.'''／ | ;. ' , ＼
|| |:| ;; ;l; ゝ -‐| ,l :. ;.. / ゝ ;. ' ＼
|| |:| ;; ;l;;| | :.｀ ‐-,. .||_ イ || :. ;. / ｀‐- 、 ＼ ぬしはわっちから大事なものを奪った。
|| || ;; ;l | | , '￣ ､__ || Ｙ| :. | l ',. ヽヽ
息子のリュカがなんと言おうと、思おうと。
ぬしはパパスの父さまの死の原因の一つでありんすから。
.
154 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:15:14 ID:aVeal+g/ [11/97]
2634
＿＿＿_
／ ＼ 確かに…、その通り。
／ ＼
／ _ノ ヽ､_ ＼
| （ ●） （● ） | 原因の一つ、というより俺は原因そのものだお。
＼ （__人__） ／
γ⌒ ｀ ⌒´ ⌒＼
/ （＿__ _＿） ＼
（＿＿＿_ ヽ γ' ＿＿＿）
┏
ヘンリーの口調と顔色が変わる。
┛
,ィ ＼
／ , ´ ＼
／ ,ィ 、 ﾍ
ノ / ＿＿ ﾍ ﾍ
/ ィ´ ,, ｰ= ´ ￣ ￣ ≧ｰ ミ. ﾍ、 ﾍ 大好きじゃったのに。幸せじゃったのに。
/ レ ´ ,＞ｰ ´ ￣￣￣￣ ｰ =＜ ミ| ﾍ
V | ィ ´ l! ｀＞｝ 〉 ぬしのせいで、わっちは全部失ってしまった。
＼ 「 : : ,ハ | ノ
＼| i ! l! ! | | ﾉ ! ! ; :! | ／
| ; ',i ⅣﾍXj l V! l! }' ! ﾙ! ﾒ }/l ,′ l!
| i ﾊﾍ!ﾆ==ｰ千l!'ヽ /7ﾆ==ｰ＜ } | l
j ', } ｨ'弋ﾆｸ_｀ ´弋ﾆり_^ |: | ', 十年以上、わっちがどれだけ淋しくて、辛かったか。
,′| .ハ ^￣ ￣ ^ 八 L ',
ﾑｰ | 人 ! 人 l ｀ヽ、
/三三| ＼ , ｲ |三三ﾍ
/三三=ﾍ r ＝ 二二 ^⌒^ 二 ＝＋ |:三三ﾆﾍ ぬしには判るまい？ だってぬしのそばには、
,′三三ﾆ:ﾍ | l! l ￣￣￣ l ! l! | ﾒ三三三llﾍ
,′三三:r ＝'| l ! l! l : l i :| /三三三三∧ リュカがいつもいたんだから。
,三三三=トー L ＿＿! ! i ＿.j ,′三三三三∧
从三=/ィ´ ￣ ｛////////777777//////l｝ ,′三三三三ﾆ∧
┏
我慢していたのか、プックルは一度言いだすと止まらなくなっていた。
┛
.
155 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:16:40 ID:aVeal+g/ [12/97]
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＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ― ー ＼ ………。
| （●） （●） |
. ＼ （__人__） ／
. ノ ｀ ⌒´ ＼
／´ ヽ
┏
昔、ヘンリーと最初に友達になろう、と言ったのはプックルだった。
プックルはそれくらい、優しいやつだ。
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￣二＝-=、 ヽ-=.,,,_
',｀ ､ ヽ ''-,.,_
',,.=‐ミ ﾍ ,' ,ﾐ
_,. ' ﾍ_ニ-'"
_ニ -‐= ' |
/ / | | 偶然リュカと会うまで、わっちは本当に淋しかった…
/ / | / /| | | | | |
/ | || /| / .| .|| | / /l /| |
| ∥ | | / | / | | ﾚｿ| / ﾚ | / わっちはガンドフという子に会うまで、ひとりでありんした。
| | |_ﾚ‐'´ﾘ ｿ,.イ7 ｿ ｿ
|'´~_,. -‐'l" lﾋﾉ/ |
| く （ﾟ_ ;:ﾉ ', / |
| ／ ｜
| ,.. ／ /
| ｀ ‐ __'´／| /
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だけど、それでも。
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156 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:17:46 ID:aVeal+g/ [13/97]
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￣二＝-=、 ヽ-=.,,,_
',｀ ､ ヽ ''-,.,_
',,.=‐ミ ﾍ ,' ,ﾐ
_,. ' ﾍ_ニ-'"
_ニ -‐= ' |
/ / | |
/ / | / /| | | | | | 十年以上、訳も判らず。
/ | || /| / .| .|| | / /l /| |
| ∥ | | / | / | | ﾚｿ| / ﾚ | /
| | |_ﾚ‐'´ﾘ ｿ ｿ ｿ ずっと、ひとりでありんしたよ。
|':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
| ::::::::::::::::::::::: , / |
| ／ ｜
| ,.. ／ /
| ｀ ‐ __'´／| /
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プックルが辛い十年を過ごしていたのは―――
それ自体が、間違いのない事実だったから…。
┛
.
157 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:19:12 ID:aVeal+g/ [14/97]
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/: : : : : : : : /: : : : : : : : /: ::;: . | i : :. : : : : : :. : : : :. :ヽ
,: : : : : : : : :/: : : : : : : : / .::/ :;: :!:|: ::: : .:: : . . :} : :: : :::. ぃ
′: : : : : : :,': : : : : : : : ,'i.:::〃/i::∧! :ｉ:: .::::: : : /: :::i. ..::ｉ:. ｉ ',
ｉ / : : : : : : i: : : : : : : : :i |i/7ｲ‐|;'-!ｉ ｉ|:.:::i:: .: :,'ｉ:: :::;|:.::::j::: ｉ: i
ｌ/: : : : : : : :l: : : : : : : : :l _j,」込_j_ 从｢|ﾊ:l::i: / |: .:/j:.:::;'::::. !|:|
; : : : : : : : :｜: : : : : : : :lﾍ{んｎ.い`ヾﾄ､ jﾘﾙ′!::/ ,':::/::::: ;' |:| 不幸自慢をする気はないから、
/: : : : : : : : :/!: :: : : : : : :| ﾏ辷ン ,.斗￢:;ｲ::::// l:l
/ :／: : : :/ :/:::|: ::: : : : :.:｜ `冖 /ﾁjｽy'＾/／/ ﾘ これ以上は言わぬが。
/ ; ' .: : : ; '.::/:::::::!: ::. : : : :. ｌ {ｔン〃::::::: l ′ /
/.:/ .::::: ／.:::/::::::::::|: :::. : : : :｜ 〉＾/:::::::::: :! /
/ :/ .::::∠ -‐ '"¨´￣| : ::. : : :::..ｌ._ '´ /:::::::::::: :!
/ ::;' - '´:.:.:.:.:.:.:.:.:.;. :'´_;.! ::::. : : ::.:l_:｀丶､ ￣ ｀ ／:!:::::::::!: :i
{／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;. ':; '´::._.!: : :::. . .:::::l｀丶､:::＼ ／ .!::i::::::::::!: :!
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／:／::,. '´:..:', : ::::. : ::::::i丶､::＼:::ヽ ｜l::::::::::ｉ: :l
!:.:.:.:.;.:.:.'／:／::.／:..:..:..:..:..ヽ : ::::. : ::::i:..:..:＼::ヽ:::::＼!:!:::.... :l: :|
／|:.／:／:／::.／:..:..:..:..:..;..-－＼ ::::. : :::!:::::::::::ヽ::::＼::〉:::::::::::!: l
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158 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:20:02 ID:aVeal+g/ [15/97]
2638
この十年、わっちはぬしが嫌いでありんしたよ。
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/ ヽ､_ .＼
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l,,,,（● ＜ . （人__） |
| （__人） 幸せな生活を、時間を。 r‐-､ . |
ヽ ノ （三）） . |
/／^) ﾄ､ そして大切な人たちを。 > ﾉ /
Ｌ ／. V / / ヽ、 . /
| ｌ | / / ⌒ヾ .〈
（＿_Ｌ ） （＿__ゝ､ ＼／. ）
. |＼ ,.1
. | ＼_／...|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
わっちから全部を奪った、ぬしが、の。
.
159 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:21:21 ID:aVeal+g/ [16/97]
2639
＿ __ _
_,､-ｰ''´:._,､-:ｰ｀､-､,
／:.:.:,､-'´:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ:.:.:＞'"｀:.､
,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;':.:.:.:.:/::.i/:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
∧∨:./:.:.:./:.:.:;':.:.:.:.:∧ﾍ／i:.:.i.:.:.:.i:.:.:.ヽ
∧:.|!:.:.!:.:.:.:.!:.:.:.!:.:.:.:.:!´｀'"´｀i:.:.l:.:.:.:l:.:.:.:';'.,
｝:.::.|i:.:.|:.:.:丁≧|trｭi:| |:.:ﾘ:.:.:.|:.:i:.:.!:.i
{:.:.:.:|:|:.:|:.:.:|:.i:.:.!i:.:.ﾊ/j i≦了7./:.:.i:.:!
lﾍ／ヘﾊ､:|≦斤乍 /廴ﾚﾘﾉ//:ﾊリ
,'i:.ﾍ（|:.:.:.:.:.:| `弋少 升仆ﾍ/:/.:ﾉ
,':i:.:.:.:ｌ|:|:.:.:.:.:| ゞ少 /ソノ プックル…。
,':.:|:.:.:.:l!:l:.:.:.:.:.ｌ ′ /:.ｌ::|
/:.:.:!:.:.:.:.!:l!:.:.:.:!:!､ /:.:.|ｌ:l
/:.:./|:.:.:.:.:!:.i!ﾍ:.|i| ＼ ＜:.:.//:|
/:.:/:.:|:.:.:.:.:.:.:i:.:.ﾍ ` ｰ ＜|:.ﾘ:|:.:.://i:.|
＜￣｀ヾﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ ﾄ､ヽ∨|:.//:.:!.:|
/´ ヽ : : ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ､_,､-"¨'ｰﾍ_i:.|/':.:.:.:.':|_
/ i、: : ::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼_,､-"ﾞｰ､,∨:.:.:.:.:.:.:.!i｀ﾄ、
ｲ ! ',: : :::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : : :i:.:.:.:.:.:.:.:.:|: i ﾍ
/ i i ',: : ::::ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : :|::.:.:.:.:.:.:.:.|:.i ヽ
┏
ビアンカがプックルの頭をなでると、
プックルは嬉しそうに頭をこすりつけ、ビアンカに甘える。
┛
// ／´: : : : : : : : : : : : ｀ヽ{
ｲ:|／: : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
':.|/:. : : :/. . . . . . . . . . . . . . . ヽ
i:.:.| . . : : |:.:. :/:i: :|: : : |: : : : : : : : : :' リュカから話も聞いておるし、
l....|:. : : : :|:.: /:/|:. !:. : :}: :./:|:|:.|: :. : :.',
{:.:.|:. : : : :|:./ｲﾆ|从:.:./|:,ｲ:/卞|:|!: /ハ 全部が全部ぬしが悪いと思ってはおらん。
':.:.|:. : : : |/ｨﾃOﾄヽV ﾘﾙﾃﾇ､}ﾙ///
|:.:|:. : : : |!弋z;ｿ ﾋz:;ﾀ'|://ﾉ
|:.:|:.:. : : :|/// ､ ￣´ |: :! ―――だけど、だから。わっちはぬしに会いたくなかった。
}:.:|:.:. : : :| / ∧|
ﾉ:_:＞-‐┴―‐､v――y-―'ー'‐-- ､
- _ __ -ｧ――／￣ ＜_入´ ￣￣´｀スＴ:＞‐ `ｰ ､r――､---=＝⌒ヽ
￣￣￣ ┌'──/ ＼ヽ ＞ -ｧ ´:.:.|:.|:.:＼=‐ ヽ─‐ﾞー┐ 丶
｢￣￣}＿ _ｨ､ ＼ノ´ ∧ｰ--!:.|: : :く_,. イ }￣￣|´ ハ
＝|===={ /￣´|:.ゝ-:':ﾄ､ { i! |:.|: : : :ト､彡⌒ー┬‐´l==＝|＝ ノ
| | ,' /:.:/:. :∧_ー､ ＿i!_,／|:.|: : : ∨ ／ ! } ＿／
｀ヽ. ＝|====| / ,:.:.:{: : /ミヾ二､ _,ｨi!,／ﾍ:.ヽ: : :∨／ 〉 |=＝/￣／
` ｰ―┴､＿ソ ;:.:.:;: : { ヾ＼V ／i! ',:.:.ヽ:.:.:V _ -‐´￣ゝ‐‐‐´￣
＼ |:.:.:|: : | ＼>∧ i! ハ:.:.:}: : |‐´
.
160 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:22:50 ID:aVeal+g/ [17/97]
2640
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●） ―――嫌いだから…かお？
／ （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ |
. ＼ ／
. ノ ＼
／´ ヽ
/ 冫' ヽ
/ , '' _,,. z ‐ - 、 ﾍ
/ /-＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞-- = ,,,,_ ﾍ
/ /:.:.:.:.:.:＞= 77''= ｭ,,_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀''ﾍ
,' , /:.:.＞ '´ﾊ: :ﾄ,l: : i:/ l: :｀}'{= ‐- = ;,;:ﾍ
{ ,' /＜:.ﾊ: :}:l_,,W,,ﾘl:l''iヽ}i: :i八: ﾄ; : : : :}｀lﾍ それもあるでありんすが…、
/ ,.' ,' ﾞ＜、_ﾊ:,'ﾚ{`:::::::uヽヽﾙ'ﾘ j:,',,}l: : : :ﾊ:}:.ﾘ
{ ,' i ノ:.:.:.ヽl 弋z.ツ ﾞ ' 斗ﾍﾘ: : :.ﾉ i!/
| ,' { ／:.:.:.:.:.ノ:l ￣｀ 弋ﾘ/ﾚ':ﾘ'':.:.,'/
/ |':.:.:.:.:.／l: :.l ヽ｀ ﾊ: ,':.:.:.:.:〉 ぬしに会うと、責めたくなる。
/ .|:.:.:／: : l: :.l ＿ ' ﾉ: ﾘ:.:.:.:.:|'
/ ',:.:{:.:ﾍ: :l: :仆、 ｀‐- ' ／: ノ:.:.:.:ヽ|
{ ﾍ:.l:.:.:.ﾍ.l: :l ヘ、 ／:,, ィ´__; -r ' 返せと。パパスの父さまを、あの時を
l z_ ゝ-、:.:ヽl l＞イ-彡 ''´ {
ヽ、 ヽ｀'' 、 .ハ:.:.:ﾊ. ／:.:.y '´_ - '''_ - ' 、 返せと！
r'⌒｀ ‐ ‐- 、｀ 、 .}:.:.:.:ﾍ,/:.:.:.:/ , y - '' ヽ
/ ‐ - ＞-+‐‐‐‐‐‐-t_'' ﾊ
. ,' ,, 'r':{:.:.:.:.|L..::::::::::::::||:::｀＞ ,, ﾊ
l , ' ,|:.ゝ、:.|L====;;;::j.|:::::::::::::} l
| レ'´￣l￣￣ ''''''i' ｀ = -' |
| ,, '' ,' |:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ', '' ,, |
| ,' |:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ', |
.
161 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:23:53 ID:aVeal+g/ [18/97]
2641
＿＿＿_
,. - ´ ｀ ‐- _
／ .: .: .: .: .: .: .: .: .. .｀ ､
／ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:丶
／ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: ',
/ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .l
,' .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:| そんな無茶なことを言いたくなるでありんす。
| .. .. .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:|
| .: .: .: .: .. .: .: .: .: .; .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .|
| . : .: .: .: .: .: .: .: .: .: '; .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:| 理屈と感情は別物であろ？
', : :: .: .: .: .: .: .: .: .: _;,.= ':, .: .: .: .: .: .: .: .:.: |
| : :: .: .: .:,.:,, -ｧく/フミﾐ×v'丶.: .: .: .: .: .: .: .:|
| : :: ,. -.ｧ'/ヽ'､/ /､ヽ､ヽｖ__,.=-‐'ム.: .; .: .: .: .: .: ', だからわっちは…会いたくなかったんじゃ。
| ,.不〈 ､' /､丶,.> '- ' ￣ _ノ | ヽ ト､、.: .: .: .: ヽ
l~| .ト-､,.＞ ' ´ ｫｧｨ'" | Vヽヽ .: .: .: .: ＼
|_|__ﾚ'､､_＿,.ｯ | |｀ ー‐ヵ.: .: .: .: .＼
ﾚ'´|| """" | | | /.: .: .: .: ,.=ｧ,） そんなことをしても、
￣.||| ＼ '､ || ﾄ .| /.: .: .: .:／＝'"
|| | _ -- || .| ', ﾚl.: .: .:／ リュカが困るだけだと判っておるし…。
弋ヽ ￣ ‐- ,. イ|| ﾄ､ Ｙ__| .: :／
｀ ‐- ＿ || | | ｲ.ﾉ､､ | ／
／￣￣＼
／ _ノ ⌒ ＼ 一番大好きなリュカが、
| （ ●） （●） |
. | （__人__） | ぬしのことを「そう」思っておるなら。
| ｀ ⌒´ |
. | }
. ヽ } わっちは、認めるしかない。
,､ヽ ノ-､
／;;;i/ '､!＼
_,､-／;;;;;;;;| i i i;;;;;ﾞ､-､_
,-‐'''";;;;;く;;;;;;;;;;;;;!､_｀ヽ ､-'_／!;;;;;;ヽ;;;;;｀'';;ｰ;;-,
. !;;;|;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;|'ｰニ_ー_ニﾞ／.|;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;!
|;;;;;i;;;;;;;;;;;;／´;;;;;;| |;;;＼;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;|
. |;;;;;;;ﾞi;;;;;;;;;'､;;;;;;;;;;;;!─┐ ┌─.|;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;/;;;;;;;;i
/;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;ﾞ､;;;;;;;;;! l l l;;;;;;;;;;/;;;;;;ﾉ;;;;;;;;;;|
.
162 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:25:24 ID:aVeal+g/ [19/97]
2642
偶然とはいえ、わっちはまた出会えた。
／￣￣ ＼
, ノ ､ 、 _ノ ｀⌒ ＼
. l（＞ ●）| （●).（● ) |
. | (_人_) | （__人___） |
. ヽ （V） リュカに。 , =二ニﾆヽ､ |
/ ,た） / 二 ヽ､V ﾄ､_____
|| 「 / -､ }、j´ /:::ﾉ::::::::.｀' ｰ- 、
. （| | / /{_/_､____,. "／::::::::::::::::::::::.. ヽ
.し Ｊ _/＿__ ノ:::::「､::::::::::／ :::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
_/ ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '
l :::::::::::::ヽ〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::|
,' .::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::|
.
163 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:26:34 ID:aVeal+g/ [20/97]
2643
,..........................
,..-‐ヽ'":::::::::::::::::::::::::::::::`::.､
／:::::::::/',/;;;|::::::::､:::::::::::::::::::::::::＼
/ / / / / .∧､v´'ﾊ | ﾊ | | /::::::::::::7 !:::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::ﾍ
|/l | _|_ .| | | | | .| .| .L /::::::::::::7 |::::::::::::::',:::::ﾍ:::::::::::::::::::ﾊ
| | 「｀≧ﾄ、 /,/,斗≧､_ | | .| /:::::::::==- j:===､:::::j:::::::i::::::::::::::::::::::',
ﾍ=-r'ｰr 〉'⌒ヽ ´' ､ｨ=ﾐ､,_ ,ｲ / |_ 7:::::::::::::::::i| /:::::ノj:::::/:::::::j:::::::::::::::::::::::i
. | |〃 l:| 〃 ﾊ 「'‐-､._/ | ｀ ヾ`-'j:::iｨﾊ =孑ｪ'j::::::::7:::::::::::::::::::::::j
. | l l:l ,ﾘ. |:| ,ﾘ.| / ビアンカに。 /:ﾊ iｶ! iｹu::ﾀ:::::::/-､:::::::::::::::::::|
| l ﾞ'‐‐'" ゞ､__彡' | ハ￢ 7:::::::i ¨, `‐‐´:::::/ヾ j::::::::::::::::::::!
| .l XXX XXX/ / ﾉ i i::从 /::::/_, -'::::::::::::::::::::::!
| ヽ、 ﾟ / /イ ヾ､:::ヽ ./::::/.i::::::::::::::::::::::::::::::j
| ｀l‐-=､,____________,../ / | 7:i::::ヽ __ ィ i〃 i:::::::::::::::::::::::::::::::|
| | | | / | ｀'ｰ‐'" ./ / | 7,'ﾔ:::i',:::::ﾍ |:::::::::::::::::::::::::::::::|
| | | ﾞ|ﾍ ＼ ,./ ハ | i:i, ﾍ:::',',-'"j , -'¨ﾉ,::::::::::::::::::::::j
,-/ヽ:::::ノ .／ , -'" ./:/＼::::::::::::::::::!
.7.i// , -'==,-'" ,,:==/:/,----､::::::::::::!
i ﾉ/／,__,-'" ,=≠'´, -/:/ ＼:::::!
,７,/´/／ ,=='", -'" .／ ´/ .ヽ:!
.／ // ／='"´,-'"´ ／／ / .＼
/ i/ , -'"＿ 〃´ .i ヽ、
i ヾ // .i ﾍ
ﾔ /:/ .i ,...､ ﾍ
ﾍ ',:', / ./::::::::`ヽ､ ﾍ
.
164 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:27:27 ID:aVeal+g/ [21/97]
2644
l: :l: : : : : lﾍ i /l: : : : :.{: : l
l: :ll: : : : : l:ヘ、 ＿ ／:.:l: : : : :l: : :.l
l: : l: : : : : l:.:.:.:＞ 、 ／.:.:.:.:l: : : : l: : : :l
. l: : :}: : : : : l:.:.:.:.:.:.:}＞ 、_ . イ{:.:.:.:.:.:.l: : : : l:.:.:.:. :l もう会えはしないけど―――
l: : : :l l:.:.:_＞´ ＜、:.l l:.:.:.:.: :l
. l: : : :_,l: : : : :lﾞ´ ｀'l: : : : l:.:.:.:.:.: :l
l, -''´ {: : : : :lﾞ'''''' - 、 ,, --- 'l: : : : l''-＜、:.l
. / ∨: : : l ｀ ´ l: : : :ｿ ヽl
{ ∨: :.ﾊ ﾘl: : :,' }l
l ', ∨: :lﾍ ,'l: : :,' l:l
ゞ:ヾゞ゛;ヾ;ゞ ,',;:ゞヾゞ;ゞヾ.: ヾ:ヾゞヾ., .ゞヾゞ;ゞ ヾ;ゞゞ;ゞ ` ``
,,ゞ.ヾ＼＼ ゞヾ:ゞヾ ﾉﾉ ゞヾ . ゞヾ ゞヾ .ゞ;ゞヾ;ゞゞ;ゞ ヾ;ゞゞ;ゞ `
ゞヾ ,,.ゞヾ::ゞヾゞ:ヾ ゞ:.y.ﾉヾゞ..ヾ .ゞ,'ヾ ゞヾゞ ;ゞヽ,.ゞ:,,ヾゞヾ;ゞゞ;ゞゞヾゞ;
ゞヾゞ;ゞゞヾゞ;ゞiiiiii;;;;::::: ｲ.ヾゞ, .,; ゞヾゞ___// ;ゞ ゞヾゞ;ゞ ヾ;ゞゞ;ゞ `
ゞヾ ゞ;ゞ iiiiii;;;;;::::: :)_/ヽ,.ゞ:,,ヾゞヾゞ__;::/ ゞヾゞ;ゞヾ;ゞゞ;ゞ
ゞヾゞ;ゞ iiiiii;;;;::::: :|;:/ ヾ;ゞゞ;ゞ ヾゞ , `
ヾ;ゞゞヾ;ゞゞ |iiiiii;;;;::: : |:/ ヾゞ `
ヾ |iiiii;;;;;::::: ::| ` ` `
` |iiiiiiii;;;;;;::: :| ` ` ` ` , パパスの父さまにも―――
` ,|i;iiiiiii;;;;;;::: :| ` ` ` ` ` `
` |ii,iiiiiii;;;;;;::: ::| ` , 顔を見せることができたから…
,|iiii;iiii;;;;:;_ _: :| ` ` `,
` |iiiiiii;;;;;;((,,,)::.::| ` ` ,
` |iiiiiiii;;ii;;;;;;~~~:|` `
, |iiiiii;iii;;;;i;;:: :: ::| ` ` ,
` |iii;;iiiii;::;:;;;;::: :::| `
,,.,.. ,..M|M|iMiiii;;ii:i;;:;i:i;;:;ﾍヘ ,.,.. ,...... ,....～,,,.,..,,,.,.. ,.. ,.. ,,.,..,.,.. ,.... ,,,.. ,.... ,,,.,..
__＿＿＿__
.
165 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:28:36 ID:aVeal+g/ [22/97]
2645
ﾄ､
ﾐ､ヽ
ﾐ ﾞ､.:ヽ､ ﾄ､
ﾐ ﾞ､:.:.:ヽ､ ハヽ
, .⊥､､j.:.:.:.:.:.:ヽ _ / !,,.',
､ __,. .:.'´: : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..: :｀`y′ :!:.:.',
｀ﾌ. : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣`ヽ:〃 . : :!.:.:.:',
/:/.:/./.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ.:ﾞ､ : : /.:.:.:.:ﾄ､
/:/.:/./.:/ .:.:.:l: :|:|.:.:.|:|:.:.|:.:.:.i::.:.ﾞ､: :/.:.:.:.::.:!: ',
{.:.l:.:l.:.l.:.l.:.:/.l.ll: :|:|.:.:.|:|:.:.|.:.:.:|:.:.|.:.V.:.:.:.:.:. : : :i
| :| :| :|:.:ﾄ､l/l:ll: :|:|.:.:.|:|:.:.|.:.:.:|:.:.|.:.:.!.:.:.:.:.:.:.: : :| わっちは今、それだけですごく幸せでありんす。
{: | :| :|:.:|ﾐヽ.ﾘﾄ､|T:.:T1:.Tヽ.:!.:.:l.:.:.!.:.:.:.:.:.:.: : :|
ヽ| :| :|TVﾊ _,ﾆNヽ|VV:.:.:l.:.:.!.:.:.:.:.:.:.: : :|
ﾄ:ﾄ ﾄ:1 り ｲ行〒ﾃﾐヽ:./.:/l:.:.:i.:.:.:.:l.:.:.|
｀ヽl.l:i' 'ﾉ _⊥辷ｿノ/:/::/.:.l.:.:.l.:.:.:.:l.:.:.l だから、次にパパスの父さまの墓参りに来た時は…、
/. .ﾊ ヽ ' ' ' ' /./::/.:.:.:l.:.:.l.:.:.:.:l.:.:.|l
/. /.:∧ ﾏﾆﾌ /:/::/.:.:/ |.:.:.!.:.i.:.|.:.:.|:l
,′.:./ ﾊ､ , .ｲ/::/.:.:/ .|.:.:.!.:.l.:.|.:.:.|.:! また美味しいご飯と、酒をくりゃれ。
,′.:./ ,'.:.:.:.｀7:.:"´.:／.:./.／ |.:.:.!.:.l.:.|.:.:l|.:l
i .:.〃 i .:.:.:./.:.:.:.／:／￣￣`ヽ |.:.:.!.:.l.:.|.:.:l|.:.!
l .:|.:| |.:.:.:/.:.／.:／ ﾄ､:.!.:.l.:.|.:.:l|.:.l
彡彡ミミミﾐヽ､.|.:./／／/ l いl.:.|.:.:l|.:.:!
┏
プックルはそう言うと、やっと笑顔を見せた。
┛
＿＿＿
／ ⌒ ⌒＼ _＿
／ （⌒） （⌒） ＼〈〈〈 ヽ
／ ///（__人__）/// 〈⊃ } お、おう！
| u. `Y⌒y'´ | |
＼ ﾞー ′ ,/ / あれくらいでよければ、いくらだって食わしてやるお！
/⌒ヽ ー‐ ｨ /
/ rｰ'ゝ /
/,ﾉヾ ,> ／
| ヽ〆 |
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166 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:29:49 ID:aVeal+g/ [23/97]
2646
／..:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:／..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:メ、;ﾐ
. /.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:/.: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ:.:.'/
/.:.:.:.:.::{:.:.:.:.:.:.:.::/.:.:ｌ.:.:.:.:.:.:.:.:: ﾄ､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.
.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.: .:.:/'|:.:.:.:{:.:.:.:::! :.:.:.::}:.:.:.:.:.:.:.:.:':.:.}
|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:{:::{ |:.:.::ﾊ:.:.::::! !:.::: ﾊ:.::.:.:.:.:.:.:.:}.:} やっぱり食いもんばかりはのう！
|:.:.:.:.:.:.:::|:.:.:.:.:.::从厂!:.:ﾇ::ト､:::| i:::/jﾉ:.:}:.:.:.:.: ;ﾊ:ﾄ､
. j:.:.:.:.:.:.::::|:.:.:.:.:.:|K利｢うﾄ､jﾊ}リ j厶}-从:.:.:.:/ ﾘ ヽ
i:.:.:.:.:.:.:::::|:.:.:.:.:.:|`弋::ﾀｿ ,. __,, /ﾉｿｲ 〃 そうそう、マリアが呑ませてくれた
,! - ミ:::::|.:i.:.:.:.:| ⌒ヾ::.:.:.:/／ -／,｀丶、
/ ヽ|.:i.:.:.:.:| 〉 /.:.:.:/ j/ .とニ二.__＼ えーと…、何とか３世とかいう酒は
/ |.:i.:.:.:.:ﾄ､ ｢ ｰ‐ｧ . ｲ.::/.::. ﾉ;し′ ` ー- ｀ヽ 本当に美味しかった！
,′ |.:i.:.:.:.:| ＼ ` =' イ:厶|:/ .:.:ト . ;: ;.:.:ｉ}｀ヽ丿 } ,
. ′ │i.:.:.:.:|. ` r " |:::.:.:/.:.:.:.:l l ;: :;.:.j.:ｉ:ﾄ､ } ′
{ |.:i.:.:.:.:| / !:::.:.:.:.:.:.:.:| │ ;.:. ;:.::!:ｉ:} ＼ } ああいうのを、また呑ませてくりゃれ。
| j|.:i.:.:.:.:ﾄ､ { ／ i::: i.:.:.:.:.:.:| │ ;.:. ;:.::!:i::} `} |
| ||.:i.:.:.:.:| ＼ i:::.:i.:.:.:.:.:.:| ！ ,:;.:. ;.:::!::!:} | |
| ||.:i.:.:.:.:| i:::.:i.:.:.:.:.:.:| ！ ;:;.:. ;.:::!::i::}. | | おう、まかせるお！＞
＿＿＿_ ＿＿__
／／,;'::;;;;;:､＼ ／ ＼
／／,ｨ':::::;;;;;;;;;;;;;､＼ ／ .＼ ─ ─
／／,ｨ';;;;;;;;;;;餡;:::::;;;;;;､＼ ／ （:::::）＿（:::::） ＼ ○ ○
| | ｲ;;;;;;:::::;;;;子;;;;;;;;;;;;;;;;} | | （::::::::::::） | （__人__） って今、酒の名前何て言った？
＼＼ `;;;;;;;;;;;;;;;;;::::;;;;;ｲ ／ ＼ |::::::::::| ,／ ﾄｪｪｪｲ
ノ ノ ｲ;;;;;::::;;;;;;;;;;;;;;;'､ ＼ ノ ｀ー'´ ＼ ､ｪェ/
／´ ヽ
| ｌ ＼
ヽ -一''''''"~~｀`'ー--､ -一'''''''ー-､.
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
┌─────────────────────┐
│ ※マリアはヘンリー秘蔵の酒を主にプックルと │
│ │
│ ビアンカに飲ませてました。. │
└─────────────────────┘
.
167 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:30:49 ID:aVeal+g/ [24/97]
2647
＿-─_- 、 ちょちょ、マリア？＞
／／ ＿＿＿vヘ
/ i' '´ i i ｉ V' ﾍ-‐勹
| ｉ/i l l l v小￣ ほらリュカたち。
| i! l l ＿Ｌ -≦ i! |_ﾊ
仁二| l斗‐＜ =＝ j从 }｝__
!| lﾍ z≠ ﾑｨ'７⌒丶､ 早く出発せぬと、あっという間に夕方、夜になるぞ！
. j从乂ヽ _ /| | | ｀丶､
/ r＜ ￣|＼_＿'´_ ィ | | |＿ 〉
/ l/ ＼| | ｰ＿ 二｢｀|只 ￣〉 /
/ / , ｢｀|￣ | ﾄ､ ヽ. / , ′ せっかくの特別の数日じゃ、楽しまんとな！
. / / /-| ﾄ､ | |'^ヽ ∨ / ＿_
/ / /丶| l ＼_,ﾆ-‐'j乂 V 'ｰ￢二￣ /￣
. / / / 从ﾊ、 ＼ / / / ＿ 二７
/ / / /＼ ＼ / 〈 ＼/￣ ＿/
┏
固まるヘンリーと、急かすマリアと。
┛
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
. | u （__人__） お、おう。
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ } じゃあ、またな。ヘンリー、マリア。
ヽ ノ
.> く 皆にもよろしく。
| |
| |
┏
俺はキメラの翼を一枚、とりだした。
┛
.
168 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:32:04 ID:aVeal+g/ [25/97]
2648
＼ / ,ｲ
＼ 丶 i. | / ./,／/, ／
＼ ヽ i. .| / _,／／ﾞ/, ／ ―――あ、ちょっと待て！
＼ ヽ i | / _,／‐'´_／´ﾉ
＼ _,／‐'ﾞﾂ‐'" _,／
_,／‐'´／/ _,-‐''"/ -‐ リュカ！
ー ,.- 、 ,.-='.‐'シ''´,.イ'ﾞ´_,.-ｯ´
_＿ ⌒ｌ| _／ '´,.-チ-‐'´,/‐'"_,.ｲ´ --
二 ,/,／|-‐''´,.-ぐ_,.-‐ｯ-‐''´,/ ＝ 二
￣ ,.,=､'ﾞ/ （ﾞｰ''"´_,.ｲ'´_,-'ﾞ‐ｫ‐''ﾞ´ ￣
-‐ （(___),!、 ﾞi二二,ﾞﾂ"ﾞ,,.-'ﾞ´ ‐-
／ ゞ´三ミ､'ー―‐'ﾞ｀´
｛|ｌ!i○jｌ|;l｝ ヽ ＼
／ ゞﾐ三彡' 丶 ＼
／ / / | i, 丶 ＼
／ / / | i, 丶 ＼
┏
俺がキメラの翼を作動させた直後、ヘンリーが叫んだ。
┛
|l!1!｜!l !｜!l｜!l!
|l!1!｜!ｌ ﾌﾞﾝｯ…ッ。 !1!｜!l｜!l!
|l!1!｜!l i| |l!1!｜!l｜!l! お前に言わなきゃいけないことが
|l!1!｜!l | （（待てねーよ）） l| |l!1!｜!l｜!l!
|l!1!｜!l | ／￣￣＼ l| |l!1!｜!l｜!l! あったんだお！ リュカ！
|l!1!｜!l |! ／ _ノ ヽ､_ ＼ .l| |l!1!｜!l｜!l!
|l!1!｜!l |! . | （ ●）（● ） | || |l!1!｜!l｜!l!
|l!1!｜!l |! . | （__人__） u│ || |l!1!｜!l｜!l!
|l!1!｜!l |!, | ｀⌒ ´ | .|| |l!1!｜!l｜!l!
|l!1!｜!l |!i . | | i i.|| |l!1!｜!l｜!l! 俺な！
|l!1!｜!l |!l . ヽ / l l:|| |l!1!｜!l｜!l!
|l!1!｜!l |!l ヽ / l l:|| |l!1!｜!l｜!l!
|l!1!｜!l |!l > く l l:|| |l!1!｜!l｜!l!
|l!1!｜!l |!|. | | l|.i .l:|| |l!1!｜!l｜!l!
|l!1!｜!l |!|. | | l|l| il:|| |l!1!｜!l｜!l!
|l!1!｜!l |!|l
.
169 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:34:23 ID:aVeal+g/ [26/97]
2649
┏
魔法力が俺たちの体を転送させようかとする最中。
┛
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
／⌒ ⌒＼ | | 俺な！
／（ ＞） （＜）＼ ! !
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l
| |r┬-| | ／ 父親になるんだおーっ！！
＼ ｀ ー'´ ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
┏
ヘンリーは大きな声で、叫ぶように言った。
┛
.
170 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:35:43 ID:aVeal+g/ [27/97]
2650
.,:へ,..__
.,..:.:ｰ:.:.´:.:.:.:.:.＼＞＜:ヽ
／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ;.:.ヽ:＼
ノ:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:::.:ﾍ:./:.:.:ヽ:.:.ヽ:.ヽ
/ﾍ:∨.:.:. i.:.:.i:.:.:i:.:.:/:/ヾ∧:.:.:.:.i:.:i:.:i:.:.',
iﾍ:.:.:!: |:.:.|:.:.|i:.:.|i:.:.|/ |:.i:.: |:.:|:.:|.:.:|
｛ヾヽ|:.:|:.:.|:.:.|i:.:.|i:.:.|! j/l:.:.|i:.|:.:|:.:.i
i＼＼ﾊ:.:,ﾄ:.:|廾匕彡 X卞ﾄｿソｿﾉ
i|:.:.ﾍr!:.ヽj丁イ升;j 升ﾇ ハj
l:.|:.:.{;ﾍi:.:.:.:| 込ｿ ヒﾀ ﾑ:.ｿ
l:.:|:.:.:.ヽl :.:.:|//// ､ ,':.::/
l:.:.!:.:.:.:.:.ﾘ:.: |､ ム:/
l:.:.:|:.:.:.:.:.:|iﾍ:!:j＞ ∠/:.ｲ
l:.:.:.|:.:.:.:.:.:|／y｀ ＞ ,イヽ:./／:l
,':.:.:.:|:.:.:.:.:.:|::::::|＿ _ヽ!:::::!.:.:.:.:.:i、 （（えっ？）） ／￣￣ ＼
ム＜:i.:.:.:.:.:,':::::::| ＞＜ |:::::∨:.:.:.:l;＞､ _,ノ ヽ､,_ ＼
/ﾍ:::|i:!:.:/:.:;':::::::::!´.:.:.:.:.:.:.:.:｀!:::::::∨:.:.::ﾘ::::;ﾍ （●）（● ） |
/ ∨!:./:.:.;':::::::::::l二ニニ二l::::::::::∨:.:.:',リ ﾍ （__人___） |
'､｀⌒ ´ u |
| |
ヽ 、 ｲ
ｨヽ-ー ≦ノ7
_, ､ -― ''"....:::::::::::::::::::::::::::ﾄ、
/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::........--、
丿.:::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r::::: {
r :::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀,::::i
/.:::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',::i
/.:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V
.
171 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:36:38 ID:aVeal+g/ [28/97]
2651
. ｳﾞｳﾞｯ… | u.（__人__） .| （（ちょっ、と待て））
r､ | ｀ ⌒´ ||!
,.く＼＼r､ ヽ ﾉ
＼||!||!||!ヽ} ヽ / 今、お前―――
rヽ ` ヽ ||!||! ｧ'´ヽ
└'｀{ . ＼.| / i
ヽ､._ ヽ､_,r' .|
｀||!||! ／' ||! ｳﾞッ―…
｀'ｰ'´
┏
俺が聞き返そうとする間もなく。
┛
（（どうして、そういうことを―――））
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
またな、リュカ！ ／⌒ ⌒＼ | |
／（ ＞） （＜）＼ ! !
今度お前が戻ってくる時は――― ／ //⌒（__人__）⌒//＼| l
| |r┬-| | ／
＼ ｀ ー'´ ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
.
172 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:37:17 ID:aVeal+g/ [29/97]
2652
（（どうしてそういうことは最初に言わねぇんだ！！））
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
。o（゜＞） （＜゜)o 。 ―――次会うときは！
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |r┬-| | て
＼ `ー'´ ／( ｀´) そ 親子で出迎えてやるおー！！
／ ＼ﾉ ﾉミ
|＼ ＼ ＼____ノ
.
173 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/15(水) 22:37:30 ID:yqCXbfTh [2/3]
ヘンリーもげ・・なくていいや
174 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:38:03 ID:aVeal+g/ [30/97]
2653
,i′ ./ / // / / / ｌ / .l .! │ | .l l ! ｌ ! ｌ .ｌ . ! ｌ ヽ .ヽ
../ / ./ // ./ / / ｌ ! ! l .! l .| │ .ｌ .ｌ .ｌ. ..ｌ .ｌ . ｌ ｌ, ヽ .ヽ
ﾞ ,i′ / // / / / / / l l | lﾞ │ ! l ! .ｌ .ヽ ｌ ｌ, ｌ ...ｌ .ヽ .ヽ
/ ./ .// / / ./ / / .l | │| .! .! │ .｝ .../ "、.ｌ. ! . ｌ ...ｌ ヽ .ヽ
/ / .// / ./ / ./ / l !.l .lﾞ ! .| l ! ｰ,ｨゞ ， .ｌ .ｌ ..ｌ. ｌ ｌ ヽ
,i′ / ./." ./ ./ .lﾞ / lﾞ l !.l !│ | │ .l .〃ンll│ ｌ .ｌ .ｌ .ｌ ｌ .ヽ
/ ./ ./ / .! .l lﾞ │.! l │ r|ﾝ'ﾞ./ ｌ .ｌ .ｌ .ｌ .ｌ ..ｌ
.ﾞ.ｌ-、 / ./ "./ ,,"， .ｌ .ｌ .ｌ .ｌ, . ｌ ..ｌ,
ヽヽ、 ,,, ｌ ｌ ｌ ｌ . ! .′ ｌ .ｌ.
ヽ.ﾞ'l､ .ﾞ.ｌ-、 （（どうして最後の最後で慌てて言うんだ馬鹿野郎！！）） .! ｌ .ｌ. ..ｌ,
ﾞ'x. ヽ ヽ ヽ＼ " ｌ .ｌ .ｌ, .ｌ.
､ .ヽ .ヽ ヽ ヽ.ヽ l′ti | l .| .″ ./ ./ ′ ` .ゝ
..ヽ. ＼ ヽ.ヽ ヽ .ヽ. .| .|.l ! l .| ./ / .,, _..y='"
｀'､ .ヽ ヽﾞ> .ヽ .ヽ | ."l | : l .lﾞ ， / . ,ﾉ´..／i!,､ ,..-'彡'´
ヽ ヽ .ヽ ｌ'､ ヽ .从 .l、lﾞ l .lﾞ│ .i/ . / ヾ " ー．_,,､ ._.. -'" ／
.＼ ＼ .ヽ . __./ ヽ ヽ''ﾞ′ .l .lﾞi,! l !│ .,iﾞゞ , ‐''" .''"゛ .／゛ .,,, ‐''"゛
.ﾞ'､ `x、 lﾞ .ｌ, .'k │ .｢ l .,! ',i， / ／ / .-'" ._,,_ii
. ､, .＼ ﾞ'!i、 │ .ｌ .ｌ, | 、 _ ,i"" ./ ._,,、._.. － ._,i|ゝ ._,,.. -ﾆﾆ!￣゛
.｀''''ﾞNi､ ｌ‐..＼ ｌ, . ｌ, .| .! .,. 、 .ll′/ /／´ ‘゛ ｀゛ ﾞﾞﾞ'ｰ''''''''ﾞ,ﾞン-'''" ｰ'"
｀''ｰ ,,, ｀''‐ ﾞヽ. .＼ .ｌ ｌ ′.'" ｀ﾞﾞ' / _iyrｉj⊇ _,,,.. -‐''二二-―
. ,,. .. --'┴． v-ﾐi､ ｀''‐｀‐ ｌ lﾞ .,..;;彡'ﾂ _.. -''ﾞ´ ;;ﾆﾆ―'''''"´
｀、 ＼. ..｀''-,,,,,,,,,,..､ ″ ‘ . ／ . ~.／ ,,-'"ﾞ.,,, ｰ'"ﾆ....､〟 .''￢､
ｰ ..,,,ﾞﾞ'''ｰ ､″ ゛ .゛ ／ ,..;;彡‐''" .'!―＜ﾞﾞ￣￣￣￣
｀ﾞ＞-'''' .,..-'" ､ ／ ｀ ｀''ｰ..、
xrﾆ./ ''" ﾞｱ'"＿＿ `ｰ ,,+ ..． : ー‐ー.---.＿＿＿＿＿＿____;;＜,ﾞ_、
.
175 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:39:11 ID:aVeal+g/ [31/97]
2654
┏
キメラの翼はちょうど良いタイミングで俺たちを転送させ―――
┛
_______
／ ヽ
,ﾍ__／ ヽ
__,/ ｀ ＜ u }ヽ
／---‐――--.､ゝ＼ _／ ‐￢ （（ちっくしょー…））
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／⌒ヽ.´_／ .」-‐＞ヽ
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ ／´ ｀ヽ / ´ l
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ ／ ヽ ヽ. , , .!
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／ ./ ＿ __ヽ-､ l｀ / / /!
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l ＿十''''''''"" ＼ . ,' l !
┏
落ち着いた時には既に。
┛
.
176 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:39:58 ID:aVeal+g/ [32/97]
2655
,;-、 ,;-、 ,;-、 , ー､ ;-、 ,;-、
l'i;;l l'i;;ｌ l'i;;l i!;l⌒i| l'i;;l l'i;;l __ ┏
/l三三三三三三三三三三三三l`ー'" ;;| 俺たちの視界にすぐ収まる位置に。
//i ;'i/ ;i/ i/: ''i/ "| ┛
//;:!'' [l] ;iコ'; ';[l] ;: :;'';'|
//'' | ;' ; :i! | ,,;=‐=,,.
`i'' | : ';:;; i!; | |∩;:;:;|
|;' |;':;' [l] ; [l]; [l] | ,|:! i ':;:;|
|; | : | i'''"￣~`'i
|; |;' ' | |':;'[];:;[]' ;|..
,＿,| |:__: ＿＿; [l]; [l] [l] | ! ;:|.. . ┏
|: ;／| ;: ;:;| ; l !':;'[] []';::| 懐かしい姿のままの、
|:; '／:;'' | | | ._!' |
|: ／: '| 'i,__;:;_ _|;:|; ;[];:;[]';::| レヌール城が目の前に存在していたんだった。
,.,;:;､, |／:; ;;;.'|:;''; ';:'| '||;:|;` ';;| ┛
；;:;: ； '､; :`;';___,.,._ ;
.
177 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:40:36 ID:aVeal+g/ [33/97]
2656
.
178 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:41:30 ID:aVeal+g/ [34/97]
2657
__ ,.. -‐..:/.::::::`丶､
,.:/.:::::.｀丶､/.::::::::::::::::::.丶、
／.:::::::::::::::::ｒ:::::ﾍ:::::::::::::::::::::::::.ヽ
_/.::::::::::::::::::::::::!ミＹ∧:::::::::::.ヽ:::::::::::::.
. /ﾉ.:::::::::::::::::::::::::|:::::}:::::ﾍ::::::::::::::':::::::::::::::.
i':::::::::::::|::::::::::::::::｢｀`^´´ﾊ:::|::::::::}:::}::::::::}::.
i|:::::::::::::|:::{:::{::::::::. !::|｣::Ｌｊ::｣_::|从ﾘ
i|:::::::ｉ:::::|i::',:::X::::::'ﾆヽ Ｌ｢ｰ'ﾆ、＾丁｢:｢
八::::::ｉ:::::|Lｌ／ ヽ_::ゝ 爪「心, ;:::|::{ 着いたみたいね。
|ヽﾊ;::_V ＿ Vｒ:::ｊ l::::|::::.
|:::::|:::::::::', ｘ=≡｀ 、 ￣ l::::|:::::.
|:::::|::::::::::::. u 从:!:::::::. ―――ねぇ直前の、ヘンリーさんの言葉、聞こえた？
|:::::|:::i::::::込、 _ ｲ.:::::}ハハ
|:::::|八:::::::::::{＞ . ／ト从:::从::',::::.
|:::::|:::::.ヽ:::::八:::／}≧=‐ |:::::}／.:::i:::',:::::.
|::::｣::::::::::.ヽ:;ハ! / |::::::/.::::::トミ:::::::.、
/7´|::/.:::::::::::::://‐-､ -‐/ｌ:::/.:::::::::| //｀ヽﾊ
. // |;'.:::::::::::::://ﾆ二ｱヽ、 //.:/.::::::::::::!'/ /⌒ヽ
／￣￣＼
／ ＼
|::::::: : |
. |::::::::::::: u | ―――ああ、聞こえた。
|::::::::::::: |
. |::::::::::::::: }
. ヽ＿＿__ } 「父親になる」って…言ってた。
r'ﾆﾆヽ._＼. ﾉ
r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._
／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞
. /: : : : : : : : / : : : ヽ＼ あと…、
| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l
|:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l
. |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l
.
179 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:42:42 ID:aVeal+g/ [35/97]
2658
┏
飛び立つ寸前に、ヘンリーは俺たちに叫んだ。
┛
／￣￣＼
／ __,ノ ヽ､_
｜ (● ) (● )
｜ /// （___人__)i 次会うときは、親子で出迎える…だってさ。
| ｀ ⌒´ ﾉ
| |
_} ｜
/ ヽヽ.、 ___ ,_ ノ
＜ヽ ＼＿´_ノﾄ､
, . ＜ ハ 伐;;;;;;;ﾄ, }｀、
／ ∨´゛〉;;;〈 ﾊ{ ＞.､_
r ＼ r;;;;;;i ヽ
┏
にゃろう。
なんでそんな大事なことを、ギリギリの最後になって言うんだあいつは。
┛
.
180 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:43:50 ID:aVeal+g/ [36/97]
2659
/:i:.:.:.:.:|:.:.:.i:.:.:.| }:.:!:.:.:l ｌ:.:.:.|:.:.:.:.|:.:.:i:.:.:ハ
|:.:!:.:|:.:.|__:,|;.V:! i:.:l:.:.::ｌ斗:十:.:.:.|:.:.ｌ|:.:.:.:.:}
|:.:!:.:|:.:.ﾄ:.:｀!＞!､ ム匕千ﾐｘﾉｲ:.:.:!:.:.ﾘ:.:.:.:/!
ヾﾄ;:∨∨V ィ＝ミ､ﾉ :ノｰ:.':ト;/:.:| どうりでマリア、お酒を飲まなかったわけだわ。
∨Vﾍ ,ｨ＝ミ u |:.:.:.:.:.:.:|/:.:.:.|
＼!:.ﾍ , ///// |:.:.:.:.:.j:.l :.:.:.:ﾄ、
|:.:..ﾍ//// ` ハ:.:.:./:.!.:.:.:.:|:ﾍ …赤ちゃんができてたならね。
|:.:|:ハ 丶 .ｲ:./:.:./:./:.:.:.:.:i:.:∧
|!:.!:.:.:.:.:..､ ／ﾉｲ :./:./.:.:.:.:.: ﾄ;.:.∧
|リ!､:.:.:.:.i!:.:.＞.. _ .イ !:/:./:.:.:.:.:.:.:.i: ヾ:.∧
┏
ヘンリーが「今一番幸せだ」と昨日言ったのも、
そういうことだったのか。
┛
━┓
┏┛
/ ＿ ,＼ . ・
/ l ,. ´ ｀ 、 ', ヽ
l l ／ ／ll l￣ ﾊ ﾄ ､ ｀ 、 ', 丶
l l ／l ll l l .l l l l l｀l 、｀､. l 赤ちゃん？ 子供のことでありんすか？
l l／l l l Lll l L l Ll ニll.l l ｀､ﾍ l
l 彳l lr .ｆ 丶 ｆ ヽ ﾚ l l ＼ l
l 〈 ', l` 弋丿 弋 ﾉ l : l 〉l へー。マリアが。
l lヽ .,l.l〃 l ""'l / ／: l
l ﾚ '´うl ｲ く Y l
l Kl ´ l||ヽ r‐- イ||| / ＞ ', …なんで、二人は照れてるんでありんす？
ﾉ l l|||||| l _ l|||||| / ', ',
〈 l l l .l -‐ ´ ノ
.
181 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:45:10 ID:aVeal+g/ [37/97]
2660
_ . -─‐_‐_‐_ｧ ━┓
. ´ . '´ ／ ┏┛
_ .． イ ,.ィ:::;; / . ・
. ´ .ィ'´ ￣￣￣ ヽ
∠.............___ ／ / , ＼
/ / / 〃 `ー─一 ｧ
.′ / /イ!i! /i! ! ヽ. ／ つがいになったのなら子を成すのは
/ / /ﾚ |i!| / | i V
.′ / .′ / /, _ﾆ!ﾊﾒ､ ｲ / 〃,′ ! 当然のことでありんしょ？
′ / ! i! !ィrぅf癶X!j/j///i! !
′ / j! ! i! ゝV '´メi| !
/ ′ / i! i i! .'ｧﾃX/j/ ! ′
. ′ / i! i i! :::: !ぅ’ /／j/ﾚ′ それが自然であり、流れでありんす。
/／ j/ .′ i! ｜i ´ ｲ′
/ / / /i! :! | | ´ .ｲ .′
′ .′ .′〃ｲ :|｜! .イ: | |
′ / / /∠_ヽ＿::|｜!` ｰ ´|::::::|:: | |
/ / / ｀ヽ! |::::::|:: | |
′ .′ / ／ ' |::::::|:: | | ┏
.′ ! / / .′ ! !:::::: ｜ 不思議そうにプックルは俺とビアンカを
′ ,/ ｲ | |:::: : |
′ / /! | | |::::|: | 同時に見渡した。
/ ′ /::|｜ ! ｜ |::::|: | ┛
＿ __ _
_,､-ｰ''´:._,､-:ｰ｀､-､,
／:.:.:,､-'´:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ:.:.:＞'"｀:.､
,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;':.:.:.:.:/::.i/:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
∧∨:./:.:.:./:.:.:;':.:.:.:.:∧ﾍ／i:.:.i.:.:.:.i:.:.:.ヽ
∧:.|!:.:.!:.:.:.:.!:.:.:.!:.:.:.:.:!´｀'"´｀i:.:.l:.:.:.:l:.:.:.:';'.,
｝:.::.|i:.:.|:.:.:.:.|i≦廴ﾘi:| |:.:ﾘ:.:.:.|:.:i:.:.!:.i
{:.:.:.:|:|:.:|:.:.:升i:.:.!i:.:.ﾊj 辻≧:/:./:.:.i:.:!
lﾍ／ヘﾊ､:|≦斤乍 /廴ﾚﾘﾉ//:ﾊリ
,'i:.ﾍ（|:.:.:.:.:.:| `弋少 升仆ﾍ/:/.:ﾉ それはまあ…そうなんだけどね。
,':i:.:.:.:ｌ|:|:.:.:.:.:|/////// ゞ少 /ソノ
,':.:|:.:.:.:l!:l:.:.:.:.:.l ′ /:.l: |
/:.:.:!:.:.:.:.!:l!:.:.:.:!:!､ /:.:.|i.:|
/:.:./|:.:.:.:.:!:.i!ﾍ:.|i| ＼ ＜:.:.//:|
/:.:/:.:|:.:.:.:.:.:.:i:.:.ﾍ ` ｰ ＜|:.ﾘ:|:.:.://i:.|
＜￣｀ヾﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ ﾄ､ヽ∨|:.//:.:!.:|
/´ ヽ : : ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ､_,､-"¨'ｰﾍ_i:.|/':.:.:.:.':|_
/ i、: : ::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼_,､-"ﾞｰ､,∨:.:.:.:.:.:.:.!i｀ﾄ、
.
182 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:46:37 ID:aVeal+g/ [38/97]
2661
／￣￣＼
／ ＼
| :|
| .:|
| u .::|
| ...::::| （（やっぱそこらへん猫だな））
ヽ .......:::::/
ヽ.......:::::::::::/
_, - ''"￣ ￣` ｰ､ （（ドライというかなんというか））
ヽ＿..:::-=―--:..、＞
_＞'"::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
斤ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶､
.く:::::::::: 丶:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::i
.〉:::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/;::::::::',
i:::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/´::::::::/
!::::::::::::::::〉 '::::::::::::::::::::::::::::::::::::;'／::::::::!
く:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::;i'::::::::::::::|
!::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!l:::::::::::::::〉 ┏
〈::::::::::::::;'::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｲ:|::::::::::::::! つがい…というか夫婦になったなら、確かに。
/::::::::::::::!/::::::::::::::::::::::::::＼:;'〈::':::::::::::::::',
ヽ::::::::::::/:::;:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.ヽ::::::::::::::ﾉ 子供ができて家族という形態をなすのは当然のことだ。
i､:::::ノ／::::::::::::::::::::::::::::::::､/ ｀ ｰ-イ ┛
| ヽィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
┏
当然のことでは、……あるんだけど。
┛
___
,..イ,ｒ / ＿_
／ ／ }/__,イr'"´}
,. ´/ /‐''"' {"､ ｉ}
／ ' / ヾ}
/ / / ,/ | | } ,ハ
. / / ,′ ,' / |l| | | l| | ||
,′! ′ f' /! _|｣ | L｣_| ｌ!
| | l7テ_｣ﾉノ}ﾉ _｣|! /′ ビアンカとリュカにも遠からぬうちに子ができるでありんしょ？
| | lr升(｀` ﾊ)ﾉイ
,'│ |ヾｚｸ ﾏ { ',
/ ,ﾊ. | ｘｘ ー 丿 ヽ
. / / ム, ', -='''"""''''ヽｎ ヽ
/r'": :'． ヾｰ ､ |ﾉ`!、 '．
／/: : : : :ヽ ヽ_......___ し'ノ': ,'．
. rく__: : : : : :.＼ ＼-‐く ':,
′ ｀ヽ : : : : :＼ ヾつ、 , ,',',',':,
.
183 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:47:58 ID:aVeal+g/ [39/97]
2662
,.r:.:―: . 、
/:ヽ. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.:..、
/:.:.:.:.＼/:.:ﾍ:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.｀ヽ、__
／:.:.:.:./ヽ:.:.:∧i:.|i:.:. : |:.:.: i:.:.:.:.:.＼:.:ヽ.
／:.:.:/:.:./:.:.:.ゞﾉム! !l:.:.:. |:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ､ :ﾍ.
／:.:. /: |:.:/:.／ l:.|:!:.:乂:. : |:.|:.:!:.:.:.:i:.:!.:.:∧
/:/:.:.:/:.:.:|/:./ イﾊ才癶廴ﾉ j:.:|:.:.:.:|:.:l廴:_ﾍ
i:/i:.:./!:.:.:.|:./≠、 ｲ云冬イﾘハ:.|:.:.:.:|:.:l:.:.:.:.:.:ﾄ,
|ﾊ|:.:.!:|:.:.:.|:j ,ｨ;ミ {r'刋 ｿ ｲj_:.:ﾉ:.:.:.j!:.:!孑彡ｲ えっ？
∨ |:.:.:.|ﾘｲ刈ｊ 厶斗′ l:.:.ムイｲ:ﾉ:.:.:.:.::/i
|:.:.:从}ゞソ ///// !:.:.:.:.:.:.:.:ﾚ＾ヾ／:.:|
ヾj.:.:.:i ` j /.:.:.:.:.:.:l⌒}｝:.:|:.:| えー…そ、そうかもね。
|:.i八 っ //:.:.:.:.:.:.:,廴ノ:.: i!:.|
|.:|:.:.:ヽr 、 イ:/:.:/:.:.:.:/'´:.:.:.:.:/∨
|:.|:.:.:.: | i /:.:/:.:.:.:/:.:.:.:.:.: /:.:∧
ﾘハ:.:.:j j 、_＿ ノｲ/:.:.:.:/:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.∧
从:.:.,' !:.:.:./:.| ∠:._:／:.:.:.:.:.:. /: :＼:.:.∧
//:.:∨ ｜ /／! ／:.:.:.:.:.:.:.:.:/／ :二二≧.、
//:.:У ‐┴┴ﾚｰ...、 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./: :／ ｀Y ┏
,ｲ:i:. / ヽ ノ /ｰ､::／:.:.:.:.:.:.:.:. : ／:／ ｜ でも俺もビアンカも、あまりに唐突に
,ｲ:ハ:/ 、￣〉／/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ／:／ !
. / |_|_:/ ｀ヾ′:/:.:.:.:.:.:.:.:.:／:／／ ハ 決まってしまった結婚というか。
ノｰ／７ 斤‐′:/:.:.:.:.:.:.:.:.:/: :/.:'′ / ﾊ ┛
. /´ イ ｛:{ ﾉ: : : : /:.:.:.:.:.:.:.:. /: :/.: / j
┏
式まで挙げて、祝いまでもらったのに。
それでもなお、なんとなしに実感が薄いままでいて…。
┛
.
184 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:49:05 ID:aVeal+g/ [40/97]
2663
／: : : : : :.／:.:.:.:.:.:._ = - = :.:.:.:.:.:ヽ: : : : ＼
′: : : : ;／:.:.:.:＞ ´ ｀ヽ:.:.:.＼ : : : ヽ
/: : : : : :ノ:.:.:.:.／ ,ﾊ ＼:.:.:＼: : :.ﾍ
/: : : : ,.ｨ:.:.:.:., ´ ,ｨ i | V 、、 ＼:.:.:.:ゝ、ﾍ
′: : :/:.,:′/ ﾑL{ | ', l!Lﾑ ＼:.:.:.:.:.ﾊ
′: :,ｲ:./:.:.:/ i / ! V!、{ !,ｲ ﾊ! l! V !心、:.:|
|: : : :!:.;':.:.:/ ﾚ!/ 、! ヽ! ﾘ_lﾉｨ ハ /l! ! }三心_}
|:.:.:.:.|:.l:.:.:/ !ﾐｨ ＝ ﾐ、 ｲ"⌒ヽｲ/ |ﾘﾙ!三三}
!: : :ﾍ:!:.,′ !:::::::::: i :::::::::::::' !三三ソ´ 子供が産まれたら、わっちが遊んでやる
l: : : ﾊ:.{ l ' ﾊ !三／
!: : : :Vﾍ、 ', r──── ! !ノ でありんす！
}: : : : :V:.:ヽ i V / 八 ト、
ﾉ: : : : : :〉:.:.l ﾍ ヽ ソ ／ |三ゝ,
{ : : : : : :/:.:.:.L ﾍ ／ ﾘ彡ィ!
ゝ、: : : :{三三三三ニニニ＝＝＝＝＝＝ー 三三ソ′ うふふ、今からそれが楽しみー。
｀￣}ﾍ三三三三三三三三三三三三三三三=ﾒ
ノ : : :｀ ー ＝＝ 三三三三三三≡ ＜: : :}
（: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ノ
≧ー:-: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_: ;イﾍー 、 ころころ転がしてやるんじゃー♪
,. .´: : : : : : : : : : : : : : : : :ー: :- ＿: : : : :_: -: : : : : : : : : : :ヽ
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :(⌒)ー:L!: : : : : : : : : : : : : : : :ﾊ
,′ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ノ: : : /ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : :}
{ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :／: : : :/: : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : :|
.
185 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/15(水) 22:49:22 ID:4RrCK4Wf [2/2]
２８２８ｗ
186 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:50:13 ID:aVeal+g/ [41/97]
2664
／´￣￣ ￣￣｀＼.
／: : : : ＼
/: : : : : '.,
|: : : : :|
| : :u : : : : : ., :|
|:: : : :＿ ノ゛,, ;、､､ '"ヽ_ :| そりゃ何とも心強いことで…。
|::::;;;（ ●） ﾉヽ （ ー ） ;;:::|
|: : : ´"''", "''"´ :l
',: : . . （ j ） ./ そんときになったら、…頼むわ。
＿／二Ｌ___: :.｀ｰ-‐´｀ｰ-‐′ /ハｰ､＿_
／: : r':| r'￣二ﾕ ./ : ',: :: :: :＼＿_
: : : : | .| | / ) ｀) ./| : :.ﾍ: :: :: :: :: :: :＼＿_
: : : : |.ﾉ. ﾉ / ⌒ヽ＿ ／. |: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ
: :: :: :＼ ヽ- ´ .|: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ ┏
: :: :: : l: ｀ー┬-､ ト､. /: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ 夫婦になった実感すら薄いというのに、
: : ┐|: :: :: :: :＼） ７ ./iii入／|: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
: : イ .|__/ ,へ/⌒＼ ./iiii〈 /! : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :! 子供？ 俺とビアンカの？
イノ : : / /: :: :＼＿ ￣＼ii｝ |: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :| ┛
（（どーせ今日はプックルがくっついてくるしなぁ…））
┏
―――そんな未来、まだ俺には想像もできない。
┛
（（つーか、判って言ってんのかこいつは？））
.
187 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:51:39 ID:aVeal+g/ [42/97]
2665
／￣￣＼
／ ＼
. | |
. | u │
| | （（でもプックルと一緒なら、警戒はされないだろうし））
. | |
. ヽ /
ヽ / ―――じゃ、行こうぜ。二人とも。
> く
| |
| |
┏
俺が親になるとか。
┛
＿
＿＿／: : : ﾍ─- ､＿
,-二-─: z: : : : : ｌ: ／: : : ヽ｀ヽ.
／: : : ／: : : ／ｌ: ,、: : : : : : ﾍ: : :ヽ
/: /: ／: : : : /｀ヾ∠:ｌ : : ｌ: ｌ: : : ｌ: : : ﾍ
∨ｌ//: : : 斗､ ｌ : : ｌ: ｌ: : : : ｌ: : : ﾊ
l: ｌ: /´ｌ ｀ /-l､:/: :l: : : : ｌ: :ノ: :ｌ',
/: ヽ､ｌ乍ﾊ ｀/ヾヽ/: :/ : ｌ: : : /: i
l ｲ: : :i bｿ 伝斥 ｌ／ : /: : : : ／ ええ。
l l: : : l ′ b沁ｿ ,':イ/-､: ／:ｌ
ｌ ｌ : : ヽ ､ __ /: : /ゞﾂ: : : :ｌ:ｌ
ﾊ: : ｌ: :＼ /: : /: : :/: : ｌ: :ｌﾍ 懐かしいわね。
/ ｌ: :ﾊ: : : : ｰ┬─ イ: , -´ : /: : : :ｌ: :ｌ: :ヽ
ｌ ｌ: :{ ヽ: : : :, - ´: : : : : : : ／: : : : :ｌ : ｌ: : : ＼
ｌ ゝ, : ´ ィ￣￣ヽ── ': : : : : ｌ : : ｌ : ｌ: : : : : ヽ
ヽ／ : : ﾊ ﾍ l: : : : : : : :ｌ: : : ｌ: : ｌ: : : : : : ﾍ
／: : :／ｌ l ｌ : : : : : : ｌ : : : ｌ: : :ｌ: : : : : : ﾍ
/: : : : / ｌ ｌｌ: : : : : : : :ｌ: : : : ',: : :',: : : : ',ヽi ┏
. /: : : : / ! ＼ｌ: :ｌ: : : : : : :ｌ: : : : :',: : :＼ : : :', ヽ まだ俺自身が、息子の気分から
/ ｌ : : : /ｌ ｌ 〉: ｌ : : : : : : ', : : : :',: : : : ＼: :ｌ
. { ', : : / ｌ ｌ /ｌ : ｌ: : : : : : : :',: : : : ヽ: : : : :＼ 抜けないって言うのに。
ｌ ｌ＼ｌ. ｌ ｌ ｌ : ｌ : : : : : : : ヽ: : : : :＼: : : : :＼ ┛
.
188 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:53:06 ID:aVeal+g/ [43/97]
2666
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●） ）
. | （__ﾉ､_） ビアンカと別れて、大して経たないうちにサンタローズも離れてしまったから…。
| ｀ ⌒ﾉ
. | }
. ヽ } 実際の、「本当の」レヌール城は初めて見るんだけど。
ヽ ノ
.> く
| |
| |
┏
とりあえず、今はそれを考えるのはやめよう。
┛
┏
起こってもいない未来を考えても、仕方がない。
┛
.
189 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:53:49 ID:aVeal+g/ [44/97]
2667
,;-、 ,;-、 ,;-、 , ー､ ;-、 ,;-、
l'i;;l l'i;;ｌ l'i;;l i!;l⌒i| l'i;;l l'i;;l __
/l三三三三三三三三三三三三l`ー'" ;;|
//i ;'i/ ;i/ i/: ''i/ "| なんか目線が違うせいかなんて言うか…
//;:!'' [l] ;iコ'; ';[l] ;: :;'';'|
//'' | ;' ; :i! | ,,;=‐=,,.
`i'' | : ';:;; i!; | |∩;:;:;|
|;' |;':;' [l] ; [l]; [l] | ,|:! i ':;:;| 昔はもっと妙な…っていうか、変な感じがしてたけど。
|; | : | i'''"￣~`'i
|; |;' ' | |':;'[];:;[]' ;|..
,＿,| |:__: ＿＿; [l]; [l] [l] | ! ;:|.. .
|: ;／| ;: ;:;| ; l !':;'[] []';::|
|:; '／:;'' | | | ._!' |
|: ／: '| 'i,__;:;_ _|;:|; ;[];:;[]';::|
,.,;:;､, |／:; ;;;.'|:;''; ';:'| '||;:|;` ';;|
；;:;: ； '､; :`;';___,.,._ ;
┏
静かに、レヌール城はそこに在った。
┛
.
190 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:54:36 ID:aVeal+g/ [45/97]
2668
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）） 記憶違いかって気がするくらいだな。
. | （__ﾉ_）
| ｀⌒ﾉ
. | } まるでそんな風に見えないだろ。
. ヽ }
ヽ ノ
.> く
| |
| |
┏
以前のレヌール城の外観は、それなりに覚えている。
夜だってことも確かにあっただろうけど――――
┛
__
__＿＿／.::::.｀ヽ、
..-‐ｧ≠‐-ミ::::{:::/.:::::::::::.｀`ー-=ミ
／.::::::/.::::::::::::::::｀＼{:::::::::::::.＼:::::::::::::::.`丶、
/.:::::::::/.::::::::::::::::::::::::::.＼ﾄ､::::::::::.＼::::::::.､::::::::.ヽ
_/.:::::::::/.:::::::::::/.::::::::::〃ミﾒ/ヘ、::::::::.＼:::::.＼:::::ﾊ
〈:::::::::::::'::::ｉ:::::::::{:::::::::::::|::｢｀｀′ ヽ､:::::::::.ヽ､::::ﾙ′
{::＼::::::i:::::|:::::::::{:::{:::::::_|::| /-}‐ヽ:::::::ｉ} }/ そりゃそうよ。
∧:::::.＼i:::::|:::::::::{::::X:::_｣ﾆゝ , ｘ=ミ}:i:::::ﾘ,
{:::.＼::::::',::::l::::::::::Ｖ:X,≧ゝ 爪,ｉ{刈:::/∧
. ヽ::::::.＼:.ヽ:::.＼/:ｨ:爪_ｊ｀ ﾋ::ﾘ ル'.::::::::. リュカと前この城に来たときはお化けだとか
}＼:::::::Y|:::ｰ-ゝｊ{:::し:ｒﾍ ､｀ﾟ＾ |:!:::::::::::.
. }::::::`ト:{ﾍ::::::::::::. ｀ヾｒジ , 从::::::::i } なんだとかで全然雰囲気は違ったけど…、
/|:::l::八:.ヽ._､::::::::::.､ ー ´ ｲ:':ハ::::八
/.::|:::ｌ:::::::.＼:::::.＼::::::.＼ 〃:l:/}::::}∧:. ヽ
/ .:::|:::l:::::::::::::.＼:::::.＼::::::.＼. ＿_ ｲ'.::::|' 川ｊ' !::. もともとは本当に立派な、自慢のお城だったもの。
／ .::::::|:::l::::::::::::::::::..＼::::..`=‐-=ミ_」:_彡'.:::::ﾉｲ::从 |:::i
／..:::::::::::::|:::l::::::::::::::|::::::::::.ヽ::::::,二ﾆ=-‐‐=ミく ﾉ::/ } 川
／..:::::::::::::/.::川::::::::::::::|:::::::::::::::|::::|/: :/ ヽ::..ｰ-=彡'ﾉ
┏
あのとき感じた、おどろおどろしいような雰囲気が、
今目前にある城からは一切感じられなかった。
┛
.
191 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:55:53 ID:aVeal+g/ [46/97]
2669
＿ __ _
_,､-ｰ''´:._,､-:ｰ｀､-､,
／:.:.:,､-'´:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ:.:.:＞'"｀:.､
,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;':.:.:.:.:/::.i/:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
∧∨:./:.:.:./:.:.:;':.:.:.:.:∧ﾍ／i:.:.i.:.:.:.i:.:.:.ヽ
∧:.|!:.:.!:.:.:.:.!:.:.:.!:.:.:.:.:!´｀'"´｀i:.:.l:.:.:.:l:.:.:.:';'.,
｝:.::.|i:.:.|:.:.:.:.|i≦廴ﾘi:| |:.:ﾘ:.:.:.|:.:i:.:.!:.i
{:.:.:.:|:|:.:|:.:.:升i:.:.!i:.:.ﾊj 辻≧:/:./:.:.i:.:!
lﾍ／ヘﾊ､:|≦斤乍 /廴ﾚﾘﾉ//:ﾊリ 多分前も話したと思うけど…、
,'i:.ﾍ（|:.:.:.:.:.:| `弋少 升仆ﾍ/:/.:ﾉ
,':i:.:.:.:ｌ|:|:.:.:.:.:| ゞ少 /ソノ
,':.:|:.:.:.:l!:l:.:.:.:.:.l __ ′ /:.l: | お化けなんて話が出る前は、家族でお城の近くまで
/:.:.:!:.:.:.:.!:l!:.:.:.:!:!､ ヽ ノ /:.:.|i.:|
/:.:./|:.:.:.:.:!:.i!ﾍ:.|i| ＼ ＜:.:.//:| 遊びに来たものだったわ。
/:.:/:.:|:.:.:.:.:.:.:i:.:.ﾍ ` ｰ ＜|:.ﾘ:|:.:.://i:.|
＜￣｀ヾﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ ﾄ､ヽ∨|:.//:.:!.:|
/´ ヽ : : ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ､_,､-"¨'ｰﾍ_i:.|/':.:.:.:.':|_ 父さんも母さんも、とてもこのお城を誇りにしてた。
/ i、: : ::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼_,､-"ﾞｰ､,∨:.:.:.:.:.:.:.!i｀ﾄ、
ｲ ! ',: : :::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : : :i:.:.:.:.:.:.:.:.:|: i ﾍ
/ i i ',: : ::::ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : :|::.:.:.:.:.:.:.:.|:.i ヽ
.
192 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:56:49 ID:aVeal+g/ [47/97]
2670
l＿＿l＿＿ｌ_|:::::|_|:::::|__ﾄｌ|＿|ﾚ|'‐┬‐'―,. -ｒｰｒ- 、‐'ｰ┬ｰﾄｌ|＿|ﾚ|__|:::::|_|:::::|_ｌ＿＿l＿＿l
＿l＿＿l_____|:::::|_|:::::|__ﾄｌ|＿|ﾚ|―'―／＞┴┴＜＼＿'＿ﾄｌ|＿|ﾚ|__|:::::|_|:::::|_____l＿＿l＿ ああ、覚えてるよ。
l＿＿l＿＿ｌ_|:::::|_|:::::|__ﾄｌ|＿|ﾚ|>､ｰ/У | ∨ﾞ,ｰｧくﾄｌ|＿|ﾚ|__|:::::|_|:::::|_ｌ＿＿l＿＿l
＿l＿＿l_____|:::::|_|:::::|__ﾄｌ|＿|ﾚ|〕｣__l｣ |c＿c_|_c＿c| l｣__｢〔ﾄｌ|＿|ﾚ|__|:::::|_|:::::|_____l＿＿l＿
l ＿l＿＿ｌ_|:::::|_|:::::|__ﾄｌ|＿|ﾚ|_l｣__l｣ | | | l｣__l｣_ﾄｌ|＿|ﾚ|__|:::::|_|:::::|_ｌ＿＿l＿＿l 確か言ってたな。
l＿＿l_____l＿|_l＿|__ﾄｌ|＿|ﾚ|_l｣__l｣ |[二二|二二]| l｣__l｣_ﾄｌ|＿|ﾚ|__l＿|_l＿|_____l＿＿l＿
l＿＿l＿＿l＿＿l＿＿ﾄｌ|＿|ﾚ|_l｣__l｣ |c＿c_|_c＿c| l｣__l｣_ﾄｌ|＿|ﾚ|＿＿l＿＿l＿＿l＿＿l
＿l＿＿l＿＿l＿＿l＿ﾄｌ|＿|ﾚ|_l｣__l｣ | | | l｣__l｣_ﾄｌ|＿|ﾚ|＿l＿＿l＿＿l＿＿l＿ 「古の伝統、堅牢」だって。
l＿＿l＿＿l＿＿l＿＿ﾄｌ|＿|ﾚ|_l｣__l｣_|_＿＿|_＿＿|_l｣__l｣_ﾄｌ|＿|ﾚ|＿＿l＿＿l＿＿l＿＿l
＿l＿＿l＿＿l＿＿l＿ﾄｌ|＿|ﾚ|_l｣__l｣￣￣￣￣￣￣l｣__l｣_ﾄｌ|＿|ﾚ|＿l＿＿l＿＿l＿＿l＿
l＿＿l＿＿l＿＿l＿＿ﾄｌ|＿|ﾚ|_| | | |_ﾄｌ|＿|ﾚ|＿＿l＿＿l＿＿l＿＿l
＿l＿＿l＿＿l＿＿l＿ﾄｌ|＿|ﾚ|_| | | |_ﾄｌ|＿|ﾚ|＿l＿＿l＿＿l＿＿l＿ ――確かに、そんな感じだな。
ﾄｌ|＿|ﾚ|_|─ｒ|丁￣￣厂￣厂|ｒ―|_ﾄｌ|＿|ﾚ|
ﾄｌ|＿|ﾚ|_|ｒ─|￣厂丁￣厂￣|─ｒ|_ﾄｌ|＿|ﾚ|
',ｌ|___jﾚﾍ|─ｒ|￣厂￣丁丁￣|ｒ―|,ﾊl|＿|ﾚ'
|ｒ─|￣￣厂￣厂￣|─ｒ|
└―'￣￣￣￣￣￣''ー┘
ｷﾞｨｯ…
／￣￣＼ ｳｺﾞｲﾀ
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） 前はこっからは入れなかったけど…、
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ
. | } あ、やっぱりあれか。魔法かなんかで閉じてたんだな。
. ヽ }
ヽ ノ ｍm
/ ￣￣￣ つﾉ
| |￣￣￣
.
193 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:58:09 ID:aVeal+g/ [48/97]
2671
くくレヌール城内>>
┏
拍子抜けするほどあっさりと開いた扉から、
,
/ Y 俺たち三人は城内に入る。
ノ∧{ ノﾑ ┛
.: :/ ﾐﾊー-- . ._ _. -彡'//
/: :/,／￣: : : : : : : ｀:＜ /:/
_/: :/: : :／: : : : : : : : : : : :｀〈
/ /. . ./, : : : : : : : ､. . . . . ヽ
'. .:/: : : :l:{:.:/|{: :|!:.:.:/!: : l!: : : : :ﾊ
i: :.i: : : : :|:乂｣ﾑ从:./ }: :ｲ|!: } |:i: }!
i:.:.!: : :!: :|ﾄｨrﾃﾐ､ヽ{ /ノｨ从// }/
i:.:|: : :|: :.ik 辷ｿ {Ｊﾘ〉/イ ほこり臭い以外は、特に妙なにおいはせんでありんすね。
i:.:|: : :i: : i ｀´ ヽ｀¨´ﾑ: }
i:.:|: : :i: : i ′ 八:.!
_}:ﾊ: : ヽ: :ト． ´｀ .,イ: : :/
(三ﾆヽ: : ､:.∧ ｀ ｧ:イ:.:/. .:./ 昔、リュカとビアンカがここにきてくれたんでありんすか？
_入＼三ヽ:丶: ＼ {_/:.:/: : ｲ
/三三＼＼三ﾆ=-/)ｱX⌒Y/ﾉ-､
／三三三ﾆ≧､二>/ /ハｿ ヽ三ﾐ､
,'三三三三三三三/ / /三三ﾊ
仁三三三三三三ﾆ| ノ ﾏ三三ﾆ!
,三三三三三三三//^ヽ､/ム ∧三三i|
}三三三三三三∨/ ハ__,∧ ∧ ﾏ三三!
/三三三三三三i/ ′／ }:/ ∧》∧ X三ﾆ)
＿ __ _
_,､-ｰ''´:._,､-:ｰ｀､-､,
／:.:.:,､-'´:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ:.:.:＞'"｀:.､
,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;':.:.:.:.:/::.i/:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
∧∨:./:.:.:./:.:.:;':.:.:.:.:∧ﾍ／i:.:.i.:.:.:.i:.:.:.ヽ
∧:.|!:.:.!:.:.:.:.!:.:.:.!:.:.:.:.:!´｀'"´｀i:.:.l:.:.:.:l:.:.:.:';'.,
｝:.::.|i:.:.|:.:.:.:.|i≦廴ﾘi:| |:.:ﾘ:.:.:.|:.:i:.:.!:.i
{:.:.:.:|:|:.:|:.:.:升i:.:.!i:.:.ﾊj 辻≧:/:./:.:.i:.:!
lﾍ／ヘﾊ､:| ,rt≡=､ /廴ﾚﾘﾉ//:ﾊリ
,'i:.ﾍ（|:.:.:.:.:.:| ィ＝ミﾍ/:/.:ﾉ そうよぉ。
,':i:.:.:.:ｌ|:|:.:.:.:.:| /ソノ
,':.:|:.:.:.:l!:l:.:.:.:.:.l ′ /:.l: |
/:.:.:!:.:.:.:.!:l!:.:.:.:!:!､ ｀ ｰ /:.:.|i.:| 真夜中に、ふたりでね。
/:.:./|:.:.:.:.:!:.i!ﾍ:.|i| ＼ ＜:.:.//:|
/:.:/:.:|:.:.:.:.:.:.:i:.:.ﾍ ` ｰ ＜|:.ﾘ:|:.:.://i:.|
＜￣｀ヾﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ ﾄ､ヽ∨|:.//:.:!.:|
/´ ヽ : : ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ､_,､-"¨'ｰﾍ_i:.|/':.:.:.:.':|_
/ i、: : ::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼_,､-"ﾞｰ､,∨:.:.:.:.:.:.:.!i｀ﾄ、
ｲ ! ',: : :::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : : :i:.:.:.:.:.:.:.:.:|: i ﾍ
/ i i ',: : ::::ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : :|::.:.:.:.:.:.:.:.|:.i ヽ
.
194 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 22:59:28 ID:aVeal+g/ [49/97]
2672
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （⌒ ）（⌒） 明かりなんかなくてな、ほんとに
| （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 真っ暗闇なんだわ。
| }
ヽ ﾍミ|
／,` 、` -`,--` ,
＿＿,---/;;;;;` `-,-/ニﾆ | ビアンカのメラでたいまつがわりを
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,＞、 /::l,_l･ ,く、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::＜:::::::ヽ``l::::| |`l,::::ヽ つくったりしてな。
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::＼|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/' `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
_ , -､- ､_--‐,_‐ ､
t`ｰ;-､_ _ノ:::::::::＼ﾆ三ハ､:..:＼
ﾏr､: : :｀＞:'"´￣￣＼/:､い＼:..:.丶
ぃ >:'´: : : : : : : : : : /:,r＾';:∨,ﾍ:..:..:..｀ヽ
／／: : : : : : : : : : : : : ｀ヽ. i:: V/∧:..:..{::.｝
__ ,ﾍ/ , ': : !: : : : : :i : : : : : : ヽ.l:: :ﾏv∧::.::V }_
_／:.:.｀//: :/ : , i i : : : !:!: : : :ﾄ､: : : :ｉ: : }:}//}／ ' L、 わっちがいれば
,__‐'´:.:.:.:.:.:,' ': :〃:.ｲ:;': ,ｌ: : : .i |. . . '.i. i. . . . !. . {.ﾆ7___ '/
/／:.ヽ:.:.:.:.:::i ｉ: ::!ｉ|: ﾄ/ｲハ: : ﾘ!:!:.:;ｲ::川: : : :.:i: :::r'´:.:.:.:.ヽ./ 暗闇でも関係ないでありんすけど。
,. .:'´:.:.:.:.:.::l.::::::;.ｲﾊ.:j从ｆトミ{ {､厶ﾑ/-}::ﾘ:ji: : : :::|: /:.:.:.:.:.:.:.:::}
,. .:'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:::;_j／ Ⅵ｀ヽﾍﾞ_ﾏﾘ ﾘ ｧ示=‐く/｣: : : !:r'; -― ､:.::;ﾊ
. ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::／ !::.|: :i ＾¨ﾉ ､ ﾏ沙'ﾉﾏ : : ,'::i〉:.:.:.:.:.:.:.:V:..:', 人間て、不便じゃの。
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::∠ー-く^ヽ-‐/::.:!: : ､ ヽ ＾￣´ /: :: /_/:.:.:.:.:.:.:.:/ｲ:..:..}
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::／:.､｀ヽ三ヘ:.ヽ{:::.::.',: : :＼ヽｰ-, /: ;イ´/:.:.:.:.:.:.:.:.;':::::::_ノ
ヽ､:.:.:.:.-:一:'´:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾏ三∧:.i｀ヽ､ヽ: ::::{::ヽご -‐/: :{/,.V:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ{｀¨｢
｀ ‐ ::_:.:.:.:.:.:.:.:::.:.:.:.V_/_ﾊ !:..:..:..｀ヾ､::V::r' } __厶-‐`:/;:.:.:.:.:.:.:.:.:.ji::..:.ヽ
丁:ー- :__ヽV-/ﾊ:.､:..:..:,ﾍ:_いｖ' ／:;. -―‐7:ｉ:::.:.:.:.:.:.:.:.ハ:..:..:.i
l:::::::::|:::::::::￣∨/ム:..:..:.{:/:〃_＝=く:＿::..:..:i::::::::.:.:.:.:.:.: /v,'l:..:..:|
!::::::::ｉ|:::::::::ｉ:::::::ﾏﾆ7i＼:￢_{辷':::.:::.: ﾘ:::.::}:../i|:::::::::.:.::／:/}/l:..:..l
.
195 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:00:26 ID:aVeal+g/ [50/97]
2673
／￣￣ ＼
⌒ ｀⌒ ＼
( ●) ( ー) ； | 確かにお前は夜目も利くし、においにも敏感だしな。
（__人___） |
'､ |
,,. -ｰ| |ヽ__＿
/ .::::>-、_ ___ /ｨ::::::::::::..｀' ｰ-、 …っつーか、誰を助けにこの城に来たって話だよ、プックル。
l :::::/／／／ ,ヽ__,. ":::/::::::::::::::::::::::.. ヽ
」 :::/ 代_|二::::／ :::::::::::::::::::::::::::::::..＼
l ::::/__ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::: i
L√:::::＞､＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l :::::::::::::::::: | お前の助けを得られる状況じゃないだろ。
ﾊ::::::::::::::::v":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::: |
ﾊ::::::::::::::::: 〉ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::／::||
ﾊ:::::::::::::::::: i／＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::;| ::::::::::::::::::: ﾉ::| あっ、そうか＞
.
196 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:01:30 ID:aVeal+g/ [51/97]
2674
. ,..........,..､___
,-'":::::::::／::::::＼::::-.､
,-'::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::／::＼
／::::::::::,'::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::＼
/::::::::::,':::i:::::::::::7::::i::::::::i::::::::|ﾍ::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::i::::i:::::::::::i::i',:i:::≡＝､:! ',::::::::::::::::::ﾍ
〃:::::::::::::i::::i:::::::::::|',i ',iﾍ::::|ﾍ::|i ≡､:::::::::::::iヾ､
/:::i:::::::::::::::i::::',::::i:',:〃ﾃ示iヾ ヾ' |i:::::::::::::::::i ﾍ 確かにね。
/:::::::',:::::::i｀'､:::::::::::::ヾ弋_::ﾋ' ｹi､::::j::::::::::i
〃7:::::::i:ﾍ:::i .i:::::::::::::', ,,,,¨` .ﾋﾉi::::7/i:/i:j 戦闘能力ばかりじゃなくて、
／ ./:::::::::i:::ヽヽ､ i:::::::::::iヾ, `''''!::/ ′'
≠ .／::::::::::::i:::',::＼ヽ:::::::::::', 、__ 从', プックルってかなりいろんなことに
／/ ∠:::::::::::::::::i:::::ﾍ:::::::i:i::::::::::i, .ｲ:::::::', 秀でてるわよねぇ。
/::i／:::::::::::::::::::::::ﾍ:::::::::::::',:iﾍ::::::',＞ イ:::i.i::::',:::i
i／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::ヾ:ﾍ:::::', /:`::‐´::::',:7 i:7i i:i
〃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.／￣ ヾ'ﾍ':::::::::::::::::::ﾍ ﾘ ﾘ 人間なんて弱いものだわ。
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〃: : : :／ ,--ﾍヽ::-､_:::::::＼
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : :／ ／ ',:::::＼:::::i､:::::＞､
y':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : / ／ ',::::::::::＼i ＼:::::::＞､
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : / / .iﾍ::',:::::::ﾍ ＼::::::::::＼
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : / / i.',:i::i',:::::i::i .＼::::::::::ﾍ ┏
〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : 7 / i: :',ﾘ:.',::,'ﾘ .ﾍ::::::i',::', プックルがいるせいか、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : .7 / 7ﾍ.:.iﾍ::ﾚ, ',::i::i ',:i
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::7: : : :.7./ .7 ﾍ:ﾍ:',', i:i.ﾘ .ﾘ もしくはそのおかげか。
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j: : : :// / ﾍﾍ.ﾊ ﾘ ┛
.
197 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:02:46 ID:aVeal+g/ [52/97]
2675
fﾐ.､
ﾐ;;､:＼
ﾐ:＼ };; ';.: ヽ
ﾐヽ: :｀ ､ , -‐─L;;_ ';: : ヽ､
';. ヽ／´: : : : : : : ､: : ヽ: :ヽ｀ ､
ゝ´: : : : : : : : : : : ヽ: : ヽ: : : :ヽ
//: : /: : :ﾊ: : l: : : l:ﾊ : : :ヽ: : : ﾊ うふふ、ビアンカにそう言ってもらえると嬉しいでありんす。
/ｲ: ://: :/ }:i: l: : :i:l: :}: : : ﾊ: : : : i
|:l{: l:{:l从i jﾊﾉjﾊi从:} : : : !:!: : : : !
i!li::从lrぅ示 ´f示ﾃｧ: : : |:|: : : : l おなかさえ減ってなければ、あんなワルガキ。二人とはいえ
j!|ﾘ: :ﾊ込ｿ 弋zｿ|:: : : |:|: : : : :! 捕まる訳はなかったんでありんすが…、
l: : : :ﾊ 〈 /////i: : : :j:|: : : : ::|
|: : : :l人 ﾏ￣ﾉ j: :,´⌒ヽ: : : ::l
l: : : :||: :l＞､｀ ｲ: : i , -┴─､! あの時は確か、数日何も食べてなかったから。
|: : : :|: : |: : :｀ﾆ彡/: : 」'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:!
l: : : :l: : :|:, ‐7´-/: : : |:.:.:.r‐──〈::i
l: : : :|: : :f 〃 /: : : ｲ,'"´ /:::|
|: : : :|r‐'´ｱ｀/: : : /´| /:{::::!
┏
雰囲気はとても普通というか、いつも通りというか…。
┛
＿ __ _
_,､-ｰ''´:._,､-:ｰ｀､-､,
／:.:.:,､-'´:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ:.:.:＞'"｀:.､
,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;':.:.:.:.:/::.i/:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
∧∨:./:.:.:./:.:.:;':.:.:.:.:∧ﾍ／i:.:.i.:.:.:.i:.:.:.ヽ
∧:.|!:.:.!:.:.:.:.!:.:.:.!:.:.:.:.:!´｀'"´｀i:.:.l:.:.:.:l:.:.:.:';'.,
｝:.::.|i:.:.|:.:.:丁≧|trｭi:| |:.:ﾘ:.:.:.|:.:i:.:.!:.i
{:.:.:.:|:|:.:|:.:.:|:.i:.:.!i:.:.ﾊ/j i≦了7./:.:.i:.:!
lﾍ／ヘﾊ､:|≦斤乍 /廴ﾚﾘﾉ//:ﾊリ そういえばあいつら、魚でプックルを捕まえたとか…
,'i:.ﾍ（|:.:.:.:.:.:| `弋少 升仆ﾍ/:/.:ﾉ
,':i:.:.:.:ｌ|:|:.:.:.:.:| ゞ少 /ソノ そんなこと言ってたわね。
,':.:|:.:.:.:l!:l:.:.:.:.:.ｌ ′ /:.ｌ::|
/:.:.:!:.:.:.:.!:l!:.:.:.:!:!､ ´ ` /:.:.|ｌ:l
/:.:./|:.:.:.:.:!:.i!ﾍ:.|i| ＼ ＜:.:.//:|
/:.:/:.:|:.:.:.:.:.:.:i:.:.ﾍ ` ｰ ＜|:.ﾘ:|:.:.://i:.|
＜￣｀ヾﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ ﾄ､ヽ∨|:.//:.:!.:|
/´ ヽ : : ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ､_,､-"¨'ｰﾍ_i:.|/':.:.:.:.':|_
/ i、: : ::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼_,､-"ﾞｰ､,∨:.:.:.:.:.:.:.!i｀ﾄ、
ｲ ! ',: : :::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : : :i:.:.:.:.:.:.:.:.:|: i ﾍ
/ i i ',: : ::::ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : :|::.:.:.:.:.:.:.:.|:.i ヽ
.
198 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:04:39 ID:aVeal+g/ [53/97]
2676
／￣￣＼
／ _ノ ＼ だよなぁ。
| （ ●）（●）
. | u. （__人__） お前昔から賢かったしそれなりに力もあったし…、
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ } 腹でも減ってないと、お前が捕まる理由が普通に判らん。
ヽ ノ
i⌒＼ ,__(‐- ､
l ＼ 巛ー─;＼
| ｀ヽ-‐ーく＿）
. | l
┏
それ自体は、ありがたいような気もするが…、
┛
､i､_ ､!､
`i.ヽ,｀ヽ､ |.,ﾍ＼
.| ; ﾍ: : ｀ヽ＿_j .; ﾍ: :ヽ
.|; ,,>':'´: : : : : | ; ﾍ: : :ヽヽ､
,!"´: : : : : : : : : ヽ､. ﾍ: : : : ヽヽ､ まったく不覚でありんした。
.／: : : : :/: : : : : : : : : :＼ ﾍ: : : : : i: :ヽ
/::/: : : ,〃: : : : : : : :ヽ: : : :ヽi : : : : : : : :ヽ
./i :{ : : :/ll.|: :i : : : :| : : :l : : : : : i : : : : : : : : i お腹がすいて…、人間の集落に近寄っちゃいけない、
〃: i ､: ﾊ:ハ: i､: : : l: : : :|: : : : : : i : : : : : : : : i
i! ! : !ヽ!! ! ｀-ヽ从A , : ||: : : : : : :i : : : : : : : :| というのはそれなりに聞いてはいたんでありんすが…。
.ヽλヽ ､ ｀!ﾙ'| : : : : : : :|: : : : : : : :|
}'}‐=i .j,,,___,，｀ j : : : : i : : :| : : : : : : l
j::| く ￣´ | : : : : l : : | : : : : : :/ 落とし穴に網まで仕掛けられとるとは。
i:::! ｀,._ |: : : : :l : : |: : : : : :/
i::::::｀i､＼7￢フ |: : : : l : :/: : :/ : /
i::::::::|;;;ヽ､ __,,,.-‐￢ : : : /: :/:/ : i : /
!:::::::|;;;;;l;;;;;;;;;} / : : : /: イ: :| : i :/|
/｀ヽ､i;;;;l;;;;;;;;;;}.ﾉ : : ／_'＿l : :l__L/_|
'-､ ヽ;l;;;;;;/ : ／ ￣＿__￣｀`丶､｀`‐､
/ ｀ヽ､ } {／ _,-‐'" ＿_￣`ヽ､ ｀＼ !､
./ .丶__i j/ / ／´ ￣￣｀`ヽ､ `､ ┏
| { ||￣｀ll-i '" ｀ヽ､ ,} なんだか、普通すぎてほかの仲間も
| ｀7}ｰi--|!_! l ｀
| ／i i ﾊ l | 近くにいるような気さえする。
| / i l l .| .| | ┛
.
199 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:05:29 ID:aVeal+g/ [54/97]
2677
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ 一）（●）
| （__人__） （（スラリンも言ってた、｢魔物のルート」ってやつか））
| ｀⌒´ﾉ
| ,.く))／´二⊃
ヽ / ／ '‐､ﾆ⊃ …道具使われると、確かにな。
ヽ､ｌ ´ヽ〉
''"::l:::::::/ __人〉 悪知恵というか、状況が悪かったっていうか…。
:::::::::|_/ヽ. /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|
∧
/ l ､xﾍ ､
' | Y＾ヽ:＼
／ | ､＿ _ﾊ ∨:ヽ
. ／ ; ミ z-｀ :_ ｰｧ :´ : ' :⌒ : V : ﾞ ､
／ , ＼く ＞:': : : : :l､ : : : : :｀ヽ: : :,
／ / У: / ,: : l : l ﾊ: | ､: |: : : : : :.
. ／ / 〃: :l: :il: : |: :lⅥ イ__:|: : :､ ､: ﾍ そういう知恵は、人間ならでは
' ′ {{ : :i| 八: :| `ﾋrfてV´Ⅵ ∧ V: }
. / . lⅣ人' x示 ﾞ¨´ |:i: :.∧ V . かもしれんの。
//l /l ′ ヽ_込ゞ'’ , |:i : : : :', ': :，
/: | ' :| l /j ≦´_` ,._-=v' |:i : : : : :, ';.:l
: : | ; : | ∧ l , ': :} ｀ヽ' ´ |:ｉ: : : : : :, l.:|
: : ||l !: :|∧ ｌ: :∨:! ／ : : :ヽ ､ ‐-ヽ ／ | ｉ : : : : :| |ﾉ 悔しくて、悲しくて、お腹も減って。
: : ||:i l: : l!: :', |.: : : :| ／ : : : : : :弋＿∨ ﾍ ､」:.!∨: : :.ｌ l ＿＿,. 、
: : |!:ｌ |: : : : :.'.l: : : : ! ／ : : : : : : :〃_)ヽ｀ヽヽ ／イ ｀|:.iﾐ∨: : | |ヽ` v｀Y
: : |: :', ',: : : : : :l: : : : , , ': : : : : : : : : :.ﾄ､_ ノ .ﾉハ |:.l＼ヽ: :| | }:.:.:､ｿ あのままだとわっちは、確実に
: : :`: ､: ヽ: : : : ヽ : : : , / : : : : : : : : : : 人 _ イ/:.´:.}.◯ ／リ､ヾ> ｀l | λ､:.:j
: : : : : :` : :＼ : : : : : : :∨ : : : : : : : : : : ∧:ﾍ -‐f.:.:.:.:.:| r'／.:.:.:.:＼＼jﾉ（ ）;､ 人間嫌いになっておった。
: : : : : : : : : : : : : : : : : /: :/ : : : : : : : : : : : ＼｀ ´.:／:└く.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:ヽ ｀ fｲﾊ 〉
: : : : : : : : : : : : : : : : /: :/l : : : : : : : : : ／ : : :`＜´.:.:.:.:.:.{`.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:ﾊ !Lﾘ:.:,
.
200 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:06:46 ID:aVeal+g/ [55/97]
2678
,イ :::《:ﾍ/:|:::::::::|:: ..::::/:: |:::::: i::|.／|:::. ＼
/ ..:| :::::ｆ::/::|::::|i::i|::::::: |i::: |i:::::: |.::|-､:::::|:::: i, ＼
／..／ﾍ:::::Y:::::|::::|ﾍﾄ:::::::::| |:::||:::: i|:::| ￣'|::|:: ､ |:: ヽ
／／::::i:::>‐‐|::::::＼|-|=i≡|ﾐ|三|ミ | |::| |::|i:: |: |:... i
／'／..:::::::|:/ 仁|:::::: i::: ::|,=テ=-ヾ:!＼:| ヾ _|:ﾊ:: |:::|::::|i: |
,イ´／ ..:::::::::::|ヽ ヽ|:::::: |:::: i｀!f;;r｀}ヾﾐ ｀ =≡i|ﾐ|::: |i: |i:::| |::| ―――そうよね。
ィ＝￣...::／ ..::::::::／ﾍ:::＼_l::::::..ﾊ:::: {!=ン ,ﾃ卞ｔ ヾﾘ＿| !:||:::| |::|
-￣, ..::::／ ..:::::::::／::::／ヽ:::::|::::::::.∧:: t fゞkﾘﾐ ,／::::/;:;ﾘ|_:| t;!
::::/ ..::::／ ..::::::::／::／三≧ユ＝- ､::..ﾍ_| ｊ ｀=´／｀::T |/ 訳も判らず捕まって、好き放題
/ ..::::／ ..::::::::::/::∠／.:_イ￣ ーﾐヽ:::ヽ ｲ::::: ::|
::::/ ..:::::::::::/ﾝ／.:／´ / ヽ::ヽ _,.イ::::i|::: ::| | いじめられたりなんかしたら。
::::/ ....::::::::::::::/／.:／ ／ ､j-':::::::::::::l:::| |:: |i !
/ ..:::::::::::::::::/.:.／ ／ [ }::::::::: ::::::: |!,! |: |ヾ|
:::::::::::::::::/／ / | /::::::::::: ::|::: | |:＿!
:::::::::::::::／｀ | | ,ｲ::::::::::: |::: | ｀ 嫌いになって当然だし…、無理もないわ。
::::::::::／ | i Y: :|:::::::|::: |::: |
::::／ | | |: :|:::i |::. |: |
/ | ,| | /.:: :|:::ﾄ:: ﾄ､ ﾍ | ┏
| | |´.:.:.: :t::| i:: iﾍ ﾍ でも…、それでいいのかもしれない。
V /.:.:.:.:.:.: :l:::| i:. i ヽ Ｙ ┛
| ,!.:.:.:.:.:.:.:.: :|::| t: | ﾍ 'i
┏
俺とビアンカにとっては…。
┛
.
201 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:07:56 ID:aVeal+g/ [56/97]
2679
／￣￣ ＼
_ノ ｀⌒ ＼
（●).（● ) | （（謁見の間は何処だったかな…））
（__人___） |
, =二ニﾆヽ､ |
/ 二 ヽ､V ﾄ､_____
/ -､ }、j´ /:::ﾉ::::::::.｀' ｰ- 、 ビアンカの言うとおりだ。
/ /{_/_､____,. "／::::::::::::::::::::::.. ヽ
_/＿__ ノ:::::「､::::::::::／ :::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
_/ ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. ' 人間でも信じられないくらい性悪なやつもいるし…、
l :::::::::::::ヽ〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::|
,' .::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::| 魔物だって凄いやつはいる。
,' .::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||
├､,､__
| ', ',｀,
｜ ', ', ', （（ああ、そうだこの壁。覚えてるぞ））
l ', ', ',
{｀ヽ ｝ ', ', ',
',´ ヽ / ｝ （（確か階段を使ってたな））
', ヽ､_/ /
ヽ /
`, ,'
ゝ ,' ―――例えばこの城にいた魔物の｢親分ゴースト｣だって…、
ヽ 〈
', ＼ 今の俺からすると、悪い奴だった…とは言い切れないし。
', ＼
│､ ヽ
│
│
│
.
202 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:09:54 ID:aVeal+g/ [57/97]
2680
/ / 〃/ ｲ f`｀ヾｰ "´´ | | ｌ | │ !
ヽ| l | | !| :| | | | ｌ | │ ! !
ヽ| l | | !| :| | | | ｌ | │ ! |
ヽ| l | | ! | |_ ､__| | :j ! | | |i| |
!∧ ｌ ｌ _jzﾑ≦た!ﾆf'" ヾにj≧kﾑj､| j ﾘ| |
ｌｉ '､ ! ヽ'" | j ＼ l { / / /丁7 / / | |
|: ﾊ ヽ＿_ﾄ､ｨ''チ示ｱミｰ ﾌｲ''テ圷､/ :/ ,' / j/ …そうだったかしら？
|: { l`､＿,,ﾑく{ｲ f::::｀ｲ} { f:::::`ｲﾊ>┬='＿/ノ
ｌ ヽl ! V^tzc' V^tzｃ' /!¨´ 「
| l l l ゝ=='- ゝ=='´ / i | あの魔物がいたせいで、王さまと王妃さまは
| | | |! ! / ! |
| | | ｉ ﾊ、 ' / i. | 眠りにつけず苦しんでたのよ？
| | | i !ゝ､ cっ ,. ｲ i |
| | | l ', ｉ> ､ , ｨ＜1/ / ｉ|
| | | ∧. ∨ i|. ＞ ､ __,. ＜ l // / ｉ|
| |i ヽ ヽ Ｖi| | {/ / 八
┏
俺が、魔物に対して好かれるというか…スミス曰く妙？な人間のせいか、
┛
＿＿＿__
. ／ ＼
i ヽ
.,-' ,‐ｉ" _ノ ヽ､_ i ま、な。
./ //´l （ー） （ー） i
.l '-;;;;l （__人___） i 確かにそれはそうなんだけど。
l │;;;;｜,,'｀⌒ ´ i
l ＼⊥ ,i
/ / ｉヽ, / ―――んー。なんていうか…、
.,､ ｉ .' ／,‐'.l＼ ／l )),
.l ＼ .ｉ､ ム ｀‐､_｀￣￣´-‐'´ .ヽ
.l ｀‐-'ｉ _.-ヽ .,-､ｉ ｉ,‐､ . / .｀‐､_
.l .ｉ l l l l l / ｀‐､_
.l .l .l/ ヽ ,' .l/ , , ｀‐､_ ┏
/l .l /‐-l . .,.' .,' ,-‐｀ｉ 魔物という存在に、｢悪｣とみなすことが
. ｉ.,' .l ､ l;;;;;;;;l ' , ' ,.' .,.' .ｉ
. / .l ､ l;;;;;;;;l , .' ｉ ,.' ｉ 不思議とできないでいる。
┛
.
203 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:11:05 ID:aVeal+g/ [58/97]
2681
／￣￣＼
／ _ノ ヽ､.＼
| （●）（●） .| 王さまたちにとっては、確かに魔物たちは…なんだけど。
! （__人__） |
, っ ｀⌒´ |
/ ミ） / あの親分ゴーストは、どうやら王さまの存在に気づいてなかったみたいだし…。
./ ノゝ /
i ﾚ'´ ヽ
| |／| | |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
） . .:.／.:.::::／ ＼ ＼.:.::| |::::::人
. （ . . .:.:.:::::::/ / ヽ 入| |／ヽ ｀ヽ
＼.:.:.:.::::/ / ′ l | l ｢:::| |:::::::ﾉ !
Y.:.:.′ ,′! l | | }ﾉ..:.| |:::::ﾉ |
. ゝ┤ | |｜ l | l （. .:://.::∧ |
l !| _|＿Lｊ､ l ｜ _／|_/ l | ）//.::/ ｌ | 「 ……あなたたちが何を言っているのか、
|八 l l l{＼|｀ヾﾄ､l､／￣l/｀刈Y北Ｌ.,′ | | 私には判らないのだわ。 」
｜ ヽヽl ´=='' ==''＾ } | ﾋｼ''′ | |
. ' l / ∧ ' ｲ｜Y´ ｜ |
｜ j l |｜丶 ‐ イ｀ヽl l | |
. /| {｜ ! | ヽ ｀ ｒz=.､´ ﾉ / lト､ ｜ | 「 魔物が空き城に住んではいけないという
//ｊ／. :| ! |＼ l､{{ｒ勿}}〃 //| jj:::::＼ | | 決まりでもあるの？ 」
. /.／. .:.::::| { ｀ﾞＴﾞ´ // l|从::::::::::ヽ.! |
ｒ‐=ﾆ´.:::ヽー=≧ト:.ｒ‐⊂ニニﾆ⊃x/ /ｊ/:::}::::::::::::::ヽ. |
＼::::::::::::::ゝ---/´ ミ}厂厂厂厂ｊｒ―‐ヘ/.:::j:::＼::::::＼_ｊ
＼::::::::::::::::::/ ア{ i/ i/ i/ i/jゞ､ヽ｀ヽ＼{:::::::::＼::::::::｀ヽ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
―――それに、彼女は魔物なりに…、その…、
.
204 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:12:22 ID:aVeal+g/ [59/97]
2682
自分の仲間を守ろうとしていたし。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
つ:::::::::::::::::rー-'三三_ -―――‐-- ､)::::::::＼ ＿
(:::::::::::::::::::::::) 三= '´／ ､ (_:::::::::::::丶く::::::`ー､
`ｰ,:::::::: __ノ ／ / / ＼ ＼ ム::::::::::: |企;:::::::::::}___
r’:::: / { |! | |! |!ﾊノ :::::::::|三|:::::::::::::::乂{
｀ｧ: :′ / / ! |! |! |! |! |｀ｰ, : :::|三|:::::::::::::::} '.
ヽ.′ / / |! |! |! |! }! | Ｙ:::::::::|三|:::::::::::::/ {
. | | |! |! |! i} } |! /_!_| ゝｧ : :|三|::::::::_;ﾉ| '. 「 私も親分ゴーストといわれる身。
. | | |!| |!､ {! |! // /}//孑' /ｲ (_ : :r'--{:::::::) | ｜
. { | | { 卞ﾄ､ハ!_ //ノノィ≦ケテ| (:::::〈ん)､) 〉´ | | 親分は手下を守らなきゃいけないのだわ。」
ヽﾄ､ {ﾍ､从ィ升=ﾐノ´ /弋じ:::}｜ 〉 : ゝﾆン | ｜
ヽ乂ﾍ!ゞ､rゝ':{｀ 宀'´ | ∨/／ | |
} |ﾍ ^¨´ ､ | {ノ´ | | 「 手下たちのため、安住の地を求めるのは
川 | 丶 r‐､ ノ } ! | |
//} ! ＿≧-..､ ｀´ ,∠⌒＜}/ 八ﾍ | | おかしいことなのかしら？ 」
// j /':.:.:.:. .:.:.:/>=(:.:.:.:.:.:. / /＞ヽヽ | |
ノ ,' / /:.:.:.:.:.:....:.:__}ｲ夊)=-:.:.: / /:./::::::ﾍ∧ | ｜
／／ / /＞ｧー:. :.:.:.:｀¨)´:.:.:.:.:.／-ー＝二二〕＼ | ｜
〈≦__,/_/ーｬ(:.:.:.:. :.: ／＼:.:.:.:《__∠⌒ー-､::::::::::::::ヽ | ｜
／￣ _＿_..==':::＼_:-＜: : : : :＼: :.:ノ:::二＞ _＞::::::::::::{､ |
. 〈__∠二=､::::::::::::::::::::}: : : : : : : : : :{´::::::::￣ﾐ＜::::::::::::::::::::::::＼ ｜
__ノ／ｲ:::::::::::::::／: /: ∧: : : : : {::::::::::::::::://:::＼::::::::::::::::::::::＼{ー― ､
,ｨ≦:::｀ミヽ::::::::::::／: : /: :/: :{: :|: : : ﾊ､_:_:_／':::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::ノ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
―――考えてみると、誰かをその為に傷つけていたってわけでも…、
.
205 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:13:41 ID:aVeal+g/ [60/97]
2683
「￣￣￣￣￣|
| _＿_＿__ |
| | | | ―――でも、王さまたちがそれで苦しんでいた、
| | | |
| | | | ってのも確かなのよ。
,__|＿|__＿___,|＿|＿,
/i==============il:.:',
./f───────┴i:.:', 覚えてるでしょ？ リュカ。
./ﾄ────────┴i:.',
/. | . . ... .....:..:.:.:.::.::.:::.:::|;::::',
./[￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣]:',
./ | . . : : : : : :.:.:.:.::.::::::::::::::;|;;:::',
/|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|', ┏
./ | . . ..: .::.: :::::::::: ::::::::::::::::::;::;:;;;;;;|i;;;', 立場が変われば見方も変わる。
/.ｉ‐┴――――――――――'―‐┴‐ :', ┛
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） 確かになぁ。そうなんだよな。
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ
. | } 別に俺は｢親分ゴースト｣の味方をするわけじゃないんだ…、だけどな。
. ヽ }
ヽ ノ
.> く 俺も今まで生きてきて…、いろんなやつらを見てきて…。
| |
| |
┏
見方が変われば、感じ方だって変わるだろう。
┛
.
206 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:14:42 ID:aVeal+g/ [61/97]
2684
／￣￣￣＼
／ ＼
./ ヽ
.l l
l l 魔物だからどうだ、人だからどうだ…、って考えができないんだ。
.l l
ヽ l
ヽ l 魔物だろうが人だろうが、それぞれにそれなりに考えて生きてるだろ？
.) __,,..／
（（ ／＝＝=､_〈
／ ＼
／ ヽ 人間を襲うから魔物が悪なのか？
.ｉ ､ . l
.l ｉ l l
l .l l l でもそれを言ったら、プックルを騙して捕まえたあいつらはどうなんだ？
l l . l l
l l . l l ―――みたいに。無駄に考えちまう。
l .l ､ .ヽ
ヽ .l ヽ ヽ
ヾ､_＿ _＿＿ヽ＿, ')
l_￣_￣￣__ __ .ヽ_ノ
l l l l l
.
207 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:15:53 ID:aVeal+g/ [62/97]
2685
＿＿＿＿
￣ ｀ ヽ、.＿＿＿_
｀ヽ、 )
｀ヽー‐､―- ､＿ ﾎﾟﾝｯ
＼ ｀ヽ , '⌒ヽ
＿＿ ー―=ﾆ二′.,,,＿＿ ー l
￣￣￣￣ヽ、 ヽ ヽ、 ￣｀ー―-､｀ヽ ヽ､_ ノ
`ー‐l ｀ヽ- ､ | ヽ
.／ ヽ ￣｀ヽ―――' ヽ
.ﾉ ヽ ｀ヽ､ ヽ
.ノ .＼ lr――--- ､＿＿ ｀ヽ ヽ
ヽく ／.''´ ヽ、 l ￣ ｀ ー ヽ ―――プックルや仲間たちだって、
ヽ .ノ _,..-‐'''´｀ヽ、 l ヽ｀`'ｰ-..,,_ ヽ ､
ヽ / ／´ / ヽ ヽ, | `､ヽ､ ヽ 俺たち以外はみんな魔物だけど。
ヽ／ | ./ ＼ l | ､ .| ､｀ヽ ヽ
/{ .i | .| i .i V l| | .| .| |ヽヽ､_ ヽ
./.{ .i | .| | .| .i .| ヽ、- '|.|ヽ | .| .| |.i .| ＼ ヽ でも…プックル以外は、みんな最初は
| ヽヽ.| λ.| .i i | |.λ iヽ-' | | |.i | |.| | ＼ / 敵だったし…。
{ ヽヽ.{.|.|.| .| | | | ハ | ﾊ | |.|.|:| .| |: | .ノ
.{ ヽヽ{.|.| .ﾊ L､ | | | i .λ .i H .} A| |:| | .|: | _.-'´
ヽ .ヽヽ{|l H | .ハ,､.i､ヽヽ､.ﾊ.i ﾊ| .|!i!iﾉ.|| |:|: .λ.|:. |_,-''´
ヽ ヽ ヽ {､Wヽヽ!ヽ! .w' |ﾊﾉ>!-＿___'＾.|:|: ハ |::. |
ヽ/ .}.}､ヽ､_,.-＝=ミ ´'´￣￣´"|:|:: Aヽ.{ヽ.{ ｷｬｯ♪ でも、今は大事な仲間だし。
:. 〉 ヽ|ヽヽ /// /// |:|:: |::ヽ: ヽ､ヽ
..:: ::| .i! ヽヽ .j : ||::: |::::::ヽ､ヽｰ‐=.､
.::: ::| _j .ヽヽ､ ` ||::: .|::::::::::::::ｰ-‐￢'ヽ
:::: ::ヽ-‐'´ ヽ ヽ. ､―￢ワ .／|:::: |:::::::::: ::::::::::::ヽ
:::: :::::::::: .｀..､ ｀ｰ_''´ ,.-''´ .||::: |::: :::::::ヽ
::::: ｀`-.,_,..-'´ノ ／||::: | :::::::}
::::::: >,-､／ ／ ||:::: | ::::::::|
208 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:17:12 ID:aVeal+g/ [63/97]
2686
,. -: ‐: .、:-: :- : ,.-.、
,ィ: : : : : : :ヽ: : : : /: : : ヽ
/: : : : : : : : : : :_: : :_: : : : : : :ヽ
./: : : : : ; : ,': : : ハ: :ﾊ: : : :i: : : : ヽ
,': : : : : :,': :i: : : :l￣ﾞ" l: : : :i: : : : : ヽ 判るような、判らないような…。
,: : : :i: : :i : i: : : :i , .l_:_: : i: : : : : :ﾑ
l: i: : i: : :i;_:-i:‐:=l´ .l:i:｀:ー: i: i: i : ﾑ
lﾐi: : :i: i:.iヾ:ﾊ : : ｌ ｊ:|:./i/}_:i/: :i: : }:l 結局リュカは、何が言いたいの？
ｌゞヾ:{: i:.{イ云心ヾ /,ｨ云ﾊ〃: /:/iｊ.i|
.ｌ: ヾ:ヾ:.ヾ 乂:::ﾂ 之::ﾂ/;イ:./.i/ﾉ
.ｌ: : :i: : : :l ＼ , ｌ: :/|
j: : : i: : : :ﾄ、 ./ : : l
.ｌ:ﾑ : i: : : :|个ｭ.. ‐ - .,.イ : : : :l
,イ ﾏ: i: : : ﾄ::_:ノ＞ - イ i : i: : : : l
,′ j: ヾ: : :ヽ ゞ.i:/ : /i: :l_
,l ,: : :/ヾヾ ` - .、 _/|:,イj:／ ｀ヽ
┏
俺がこんな風に考えるのは、やっぱり母さんの｢血｣のせいなんだろうか。
┛
_ ＿ _
´ 丶
／ 丶
/ 丶
/ ｜
/ |
/ /
/ /
! /
|￣￣ ‐ '─ !_ / んー、つまり…。
|::::::::::::::::::::::::::::::｀‐ _ ／
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀‐､_ ／
_ -‐'￣｀‐- ､＿::::::::::::::::::::::::::::｀‐ く
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀‐-､_:::::::::::::::::::::::::::> ビアンカも前言ってたろ。
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_:::::::::::::::／
l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀‐､／
!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ ‐-､ ｢人だから、魔物だから｣という考え方はしない。
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ってさ。
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｒ‐‐::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
|:::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::{:::::::::::-‐‐‐:::::::::::::::::::::::::/
ｌ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
.
209 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:18:46 ID:aVeal+g/ [64/97]
2687
／￣￣＼
／ _ノ ヽ
| （ ●） | 俺が言いたいのも、そういうことだよ。
| （__人）
| ⌒ﾉ
ﾝ ノ プックルが人間が嫌いになってたかもしれない、みたいにさ。
／⌒ヽ､ _ノ
/ ﾉ ＼__ィ ´
/ / '|. ―――どっちかが｢絶対的に悪い｣、っつーのは、ないな、ってな。
（ y |.
＼ ＼ |
＼ｨﾝ､＿＿)、
.| ij ,ﾉ
┏
差別や区別するという心がなかったという、母さんの…。
┛
＿ __ _
_,､-ｰ''´:._,､-:ｰ｀､-､,
／:.:.:,､-'´:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ:.:.:＞'"｀:.､
,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;':.:.:.:.:/::.i/:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
∧∨:./:.:.:./:.:.:;':.:.:.:.:∧ﾍ／i:.:.i.:.:.:.i:.:.:.ヽ
∧:.|!:.:.!:.:.:.:.!:.:.:.!:.:.:.:.:!´｀'"´｀i:.:.l:.:.:.:l:.:.:.:';'.,
｝:.::.|i:.:.|:.:.:丁≧|trｭi:| |:.:ﾘ:.:.:.|:.:i:.:.!:.i
{:.:.:.:|:|:.:|:.:.:|:.i:.:.!i:.:.ﾊ/j i≦了7./:.:.i:.:!
lﾍ／ヘﾊ､:|≦斤乍 /廴ﾚﾘﾉ//:ﾊリ うん…。
,'i:.ﾍ（|:.:.:.:.:.:| `弋少 升仆ﾍ/:/.:ﾉ
,':i:.:.:.:ｌ|:|:.:.:.:.:| ゞ少 /ソノ
,':.:|:.:.:.:l!:l:.:.:.:.:.ｌ ′ /:.ｌ::| プックルはあの時、何も悪いことしてなかったんだし…。
/:.:.:!:.:.:.:.!:l!:.:.:.:!:!､ ´ /:.:.|ｌ:l
/:.:./|:.:.:.:.:!:.i!ﾍ:.|i| ＼ ＜:.:.//:|
/:.:/:.:|:.:.:.:.:.:.:i:.:.ﾍ ` ｰ ＜|:.ﾘ:|:.:.://i:.| 仲間のみんなだって…。
＜￣｀ヾﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ ﾄ､ヽ∨|:.//:.:!.:|
/´ ヽ : : ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ､_,､-"¨'ｰﾍ_i:.|/':.:.:.:.':|_
/ i、: : ::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼_,､-"ﾞｰ､,∨:.:.:.:.:.:.:.!i｀ﾄ、
ｲ ! ',: : :::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : : :i:.:.:.:.:.:.:.:.:|: i ﾍ
/ i i ',: : ::::ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : :|::.:.:.:.:.:.:.:.|:.i ヽ
.
210 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:19:43 ID:aVeal+g/ [65/97]
2688
くく謁見の間>>
::::| . | ＼: : : : :＼ ＼／ ／: : : : : :.／ .|:|
::::| ｜ .| |: ＼: : :／∨ /:＼ : : : ／ |:| ―――お、謁見の間だ。
::::| ∧ :| |::|:... ∨ | |: : : ＼/ |:|
::::|─ | :| ‐──┘ └─‐. | | |: : : : : | ───┘
::::| |_:| | | |: : : : : |
::::|￣ | :| ￣￣￣| ｢:|￣ | |_ |: : : : : | ￣￣￣｢|
::::| | :| | |::| |-‐'''"| |ﾞ :‐-.::;| |:|
::::| | :| | |::| | | |: : : : : | |:|
::::| | :| | |::| | | |: : : : : | |:|
::::| | :ﾄ､ | | | |: : : : |:
::::| | :ﾄ､＼ | |: : :
::::| | :|∨:|| | |: :
::::| | :|│:|| |
::::| | :|｜〔三三三〕
::::| | :|└──＜| |
::::| 〔三三三三三三〕
￣厂￣￣￣￣￣￣￣￣厂￣￣￣￣￣￣｢|
￣￣￣￣厂￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣厂￣￣￣￣￣￣￣￣￣
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（● （（なんも変わってないなぁ）)
| （__人__）
. | ﾉ
| ∩ ノ ⊃ 誰もいないな。…当たり前だけど。
／ .／ ＿ノ
(. ＼ ／ .／_ノ │
＼ “ ／_＿_| |
. ＼／ ＿＿＿ /
.
211 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:20:42 ID:aVeal+g/ [66/97]
2689
...:::´＞-‐=＝ミ::::::::｀:....、
〃.::／..::::::::::::／.::.｀ヽ＞‐-ミ
〃{::::/.::::::::::::::::/.:::::::::.∨.::::::::::::::.＼_
{::::i::/:/.::::/.::::/:::::::; ﾍ:::}:::イ:::::::::::::::ハ
〈:::::/::'.::::/.::::/.::::〃 ｀`'^i::::::::|:::::|:::::::.
《:∨{::｣:::::|i_::｣::-{={、 |:::::八:八:::::::
/∧∨八｢＾,二二`ヾ /.::ｲ:::/.:::::}::::i|
. //.::::Ｙ^!::::|Yん笏＾｀ '⌒ﾒイ.:::::/.:/ﾘ 懐かしいわね、うわー、多分何も変わってないわ。
//.::::::人ｊ:::::| ,ﾋ::ｒ/ ,_‐ く::::/.://
. //.:::::::::::从::::| ￣ , ⌒｀ヽ .ｲУ彡'
//.::::::::ｉ:::::::::ヽ:|、 ｒ‐‐ 、 /.:::/´ そうそう、この部屋に、「親分ゴースト」がいたのよね。
. //.::::::::/|:::::::::::::ゝ＼ _, ｖ'ｉＹ .ｨ:::::/|
//.:::::::://|::::::::::::::i У/// ,斗:≦彡ｲ::::| 人形みたいに可愛らしいくせに、あたしたちを手下に
,. -‐ｒ‐.ｒ‐x|::::::::::::::|,／／ " .ｲ i:川::::::::::l:::i:| 食べさせようとして…！
. /^ヽ: l:::::!: : |::::::::::／ ´ ∠!ﾆ,ﾍﾊ::|::::::::::!:从
. ! ヽ:::::!: : |::::／ ニ.イ{ ヽ＼:::::::::::::{::iト.、
/| ヽ:::::!: :.／ ー'-‐ｒ‐- ` ＜:::∨/∧
:::| 〉;::ｒ/ ,ィ:｢￣￣ ￣｀ヽ ヽ / {
┏
ビアンカが懐かしさに声を上げる。
┛
卜､ ／i＾｝
ﾄ､_＞､ ＿＿＿＿ ／ / {/
Vi＼ >'´: : : : : : : : : : : `＜ / {V
V} >'.:. : ／ : : : : : : : ＼: : :`く {V
∨.:. : :/: : :/ : : : : : : : : ヽ: : :∨
,':.:.:.: /:. : /:/ : : ｌ: : : | : : : : : ヾ＼
|:.:.:.: :|l: :/|: { : : j:|:. : :|: : ｌ: | : :小⌒
|:.:.:.: :|ｌ:/＜ﾊ: : ハ: :/|: /|: |:.: : リ 手下に！？
/|:.:.:.: :|ﾚ‐ｚ必Ⅵ j斗ｚ孑∨:.: :│
,': |.:.:/ﾞ)ｌヾ弋rｿ :! 弋rｿｲl:.: : :│
. l.:.:∨ （ | u ′ ￣´ |:（ヽ八 リュ、リュカたちは大丈夫だったのかや！？
. _j／ ￣¨ﾆﾏ⌒¨¨⌒rV-┴-ゝ ヾヽ _
__／│ _ﾄ､`ー─‐一'才7 `く ＼＿
_｢￣ {__＿＿／|- 个 ､__, イヽ∧ │ |‐-- 、
-一''´ | ∨ |:.:.:. ト､ _ /.:.:.`‐ｧ┬‐-/ │ ＼
＼ ／l |:.:.:.:.l==┐ ｒ=≦《|.:.:.: :/ L∠._ / ＼
_＿＞ｰ'´ 厶 ∧:.:.:.ﾄ､ └=' │.:.:.,' / `ー'^ー-､ ヽ
二ﾆ -――ｧ￢./.:.:.:| ∧:.:.| ＼ |.:.: :| ∨ー─＜_ ＼ 〉
. /.:/.:,'.:.:.:.:.| / l:.:.| |.:.: :| | ＼ ＼ー─ ---一'´
.
212 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:21:36 ID:aVeal+g/ [67/97]
2690
／￣￣＼
／ _ノ ⌒ ＼
| （ ●） （ー） | 運がよかったのもあるけど、大丈夫だったよ。
. | （__人__） |
| ｀ ⌒´ |
. | } 丁度その手下もかなりの空腹だったらしくてな。
. ヽ }
,､ヽ ノ-､
／;;;i/ '､!＼ 麺棒振りかざして暴れるビアンカにビビって、逃げたりしてた。
_,､-／;;;;;;;;| i i i;;;;;ﾞ､-､_
,-‐'''";;;;;く;;;;;;;;;;;;;!､_｀ヽ ､-'_／!;;;;;;ヽ;;;;;｀'';;ｰ;;-,
. !;;;|;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;|'ｰニ_ー_ニﾞ／.|;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;!
|;;;;;i;;;;;;;;;;;;／´;;;;;;| |;;;＼;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;|
. |;;;;;;;ﾞi;;;;;;;;;'､;;;;;;;;;;;;!─┐ ┌─.|;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;/;;;;;;;;i
/;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;ﾞ､;;;;;;;;;! l l l;;;;;;;;;;/;;;;;;ﾉ;;;;;;;;;;|
┏
人が長く出入りしてないせいか、まるで時間がほとんど経っていないように
感じる、城の雰囲気に――――
┛
ｲ｀ﾍ
/: :| ヽ
/ : :/ ヽ ＿＿＿ _,,,:. .-: :´彡ﾌ
_ノ＼＿∠: : : : : : : : :｀: :-: :,:_:／彡 /
( : : : : : : : : : : : : : : ｀ゝ /
マ r::/: /: : | : : : : : : : : ::＼ /
//: /: : : |: : | |: : |: _: : : :ヽ ﾒﾝﾎﾞｳｯ!?
ジ {/ 7|｀＼/i: /|:|／|´: : : : :|ヽ
〉 ,‐-‐､｀|7 || |_::|,_|: : :|:::|: | マジです＞
で ／ r:oヽ` /.:oヽヽ: :|: | :|
{ {o:::::::} {:::::0 }/: :|N
っ | ヾ:::ソ ヾ:::ｿ /|: : |
！？ ヽ::::ー-.. ／ヽ ..ー-::: ヽ::| r--ッ
-tヽ／´|｀::::::::::;／ `､ ::::::::::: /: i } ＞
::∧: : :|: |J ＼ ／ ／::i: | /＿ゝ
. ＼ヾ: |::|｀ - ,, ___｀-´_ ,, - ´|: : :|:::|
ヽ: |::|＼ ￣/ /| |: : :|: |
.
213 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:23:23 ID:aVeal+g/ [68/97]
2691
＿＿／ ヽ―― x '＼
__/ ＼／ ￣ヽ
/ , / ,' ! ヽ ﾊ__
/ / | | | /ヽ , ﾍ. ! ! ﾍ
| | | | | |,,, ､,, ､,,,| | | i ﾊ し、仕方ないじゃない。
,'| | | | | | | | | | i| |
. | ! ! ∧_! -i! ! ! ｣_ / / i |
| ヽ i| !tﾆﾑヱ}｣ ﾑ旡ﾆzx_/ ｨ ! あの時は溺れそうだったし魔物も近くにいたし
| ﾍ_ﾊ__| ━━, ━━'￢' |___/j/
| （ i | |;;;;;;| |;;;;;;| | | | 必死だったのよ！
| /│ | ',;;;ﾉ ',;;;ﾉ ! ! |
| | i! | u ＿_ | | !
│ | ! |ヽ ｀ー' , ｲ !! | それにしても、麺棒にお鍋の蓋でお化け退治に来た
| | │ ! > ､ , く │ || !
| | ヽ |-‐ri| ＞‐＜ |ー- | ﾘ │ 当時のあたしって、勇気あると思うわ―…今さらだけど。
. │ | | ヘ| |ﾉ { ﾑ‐'´ !
| | | | | ｀i | |
,r‐┴.| | ! !, -―― --､| | |t ､
/ ∨ ヾ| | | |ｲニニニﾆミ| | | | ﾍ
| ∨ | ! ! ﾍ ﾉ ! | | |
┏
俺たちの記憶もまた、まるで昨日のことかのように新鮮に蘇っていた。
┛
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（●
. | （__人__） …子供だったしね。
|, ｀ ⌒´ﾉ
│ ｝
ヽ､ ｿ ぶっちゃけ、そこまでリアルに魔物とかと戦うイメージ、
ｲ斗┴r┐｀ .;
／￣`ーゞ､ / |__ 〈ー─r､ なかったような気がするし。
/ ＼ ∨＼ |,ベ._ / |
｛ . : : : . ヽ＞ｰ＼[￣{ 〉＼|､_
| ｀丶}＼ __＼_]~∨'＼｀ヽ
:| ._ ＼_}/r‐-}＼ ﾞ,`''く l ﾞ,
ﾄ､: :./ ／￣｀` ぐ└f'二）::{ ', | !,ゞ┐
`､∨ ´ ,.､-''"~￣}_｛‐''く:::{_ ', _|_|_,rｰ'､_
}｛ ／ _､-'''"~￣{_＼;;;;;ｊ;＞＜;:::::＼:::ﾍ}＼
}∨: ／ _､-''ﾞ~￣￣ ＼::::},之_ ヽ
〉∨ ／ ,.､イ;;ノ_ ｀ヽ}
{: ＼,/＼ -‐ '" ／｀￣ :.:｝
.
214 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:24:38 ID:aVeal+g/ [69/97]
2692
＿
＿＿／: : : ﾍ─- ､＿
,-二-─: z: : : : : ｌ: ／: : : ヽ｀ヽ.
／: : : ／: : : ／ｌ: ,、: : : : : : ﾍ: : :ヽ
/: /: ／: : : : /｀ヾ∠:ｌ : : ｌ: ｌ: : : ｌ: : : ﾍ
∨ｌ//: : : 斗､ ｌ : : ｌ: ｌ: : : : ｌ: : : ﾊ
l: ｌ: /´ｌ ｀ /-l､:/: :l: : : : ｌ: :ノ: :ｌ',
/: ヽ､ｌ乍ﾊ ｀/ヾヽ/: :/ : ｌ: : : /: i ―――そうね。
l ｲ: : :i bｿ 伝斥 ｌ／ : /: : : : ／
l l: : : l ′ b沁ｿ ,':イ/-､: ／:ｌ
ｌ ｌ : : ヽ ､ __ /: : /ゞﾂ: : : :ｌ:ｌ 確かにあたしたち、魔物と戦うつもりなんか、
ﾊ: : ｌ: :＼ /: : /: : :/: : ｌ: :ｌﾍ
/ ｌ: :ﾊ: : : : ｰ┬─ イ: , -´ : /: : : :ｌ: :ｌ: :ヽ ほとんど無かったような気がするわ。
ｌ ｌ: :{ ヽ: : : :, - ´: : : : : : : ／: : : : :ｌ : ｌ: : : ＼
ｌ ゝ, : ´ ィ￣￣ヽ── ': : : : : ｌ : : ｌ : ｌ: : : : : ヽ
ヽ／ : : ﾊ ﾍ l: : : : : : : :ｌ: : : ｌ: : ｌ: : : : : : ﾍ
／: : :／ｌ l ｌ : : : : : : ｌ : : : ｌ: : :ｌ: : : : : : ﾍ ただ、プックル、あなたを助けたくてね。
/: : : : / ｌ ｌｌ: : : : : : : :ｌ: : : : ',: : :',: : : : ',ヽi
. /: : : : / ! ＼ｌ: :ｌ: : : : : : :ｌ: : : : :',: : :＼ : : :', ヽ
/ ｌ : : : /ｌ ｌ 〉: ｌ : : : : : : ', : : : :',: : : : ＼: :ｌ
. { ', : : / ｌ ｌ /ｌ : ｌ: : : : : : : :',: : : : ヽ: : : : :＼
ｌ ｌ＼ｌ. ｌ ｌ ｌ : ｌ : : : : : : : ヽ: : : : :＼: : : : :＼
┏
今にして思えば、本当に子供っぽい「冒険」。
┛
.
215 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:25:43 ID:aVeal+g/ [70/97]
2693
、 .ノ
● ●） l
（人__） | ┏
ヽ ノ + 成功することしか頭になくて。
G ￣⊃Ⅱ三三＞ ┛
/ 〈￣
/ / ＼ ＼
(__/ ヽ_,）
_,.-‐' ´___￣￣ ｀ﾞ ''‐-､
,.‐-, '´ ｀ヽ／ ｀ヽ'｀'ヽ、__ ＼
／ ,、 ｀ ´ ﾍ ヽ
/ / / /｀ '-| l l ', .ﾊ
/ l l l |l | | l l l
| | | | |l | __ l l |_, -彡
┏ | l ｀l'‐ﾄ、 ,ﾘｨヒT´＿| l |_,／ }
失敗したらどうなるかなんて、考えもしなかった。 ｀‐r-ﾞ-r-ｨヾ､ ｨヽﾊヽL_l__| | ,.く|
┛ | | '{うﾊl ら'::ﾊ' | 'Tヽ´／ .l|
| ,| | ﾏ:ﾘ 辷'ｿ | | l l l|
| |. l ' | l ｲ l l|
| | ヽ、 ´ ´ __,l | .| l |
| | | ｀ﾞフ､'''"´ ,' l、| l |
| | l / , ﾘ __,. -ｲ ,' ﾍ l |
.
216 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:26:48 ID:aVeal+g/ [71/97]
2694
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （⌒ ）（⌒）
| （__人__） だな。
| ｀ ⌒´ﾉ
| }
ヽ ﾍミ| 結果うまくいって、お前も助け出せたけど。
／,` 、` -`,--` ,
＿＿,---/;;;;;` `-,-/ニﾆ |
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,＞、 /::l,_l･ ,く、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::＜:::::::ヽ``l::::| |`l,::::ヽ まさかな、十年以上経った今も。
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::＼|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l この城で、こんな風に話せているなんて…な。
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/' `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
┏
それなりに、危険だったはずなのに。
―――本当に、「冒険」としかいいようがないんだ。
┛
.
217 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:27:38 ID:aVeal+g/ [72/97]
2695
┏
子供っぽくて、何の計画性もなく。
┛
|,ヾ ／ﾞ}i
| | 'y'彡｀`‐t ／/ }}
,. '´￣｀ヽ ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゝゝ
/ ﾉ Y.:/.:/.:.:ｌ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:ヽ,
| ~ l/.:.:l.:.:.:ｌ / ﾊ ｌ l..:.:.:ゝ.:.:.:ヽ
ヽ. ﾉｌ.:.:.:レＡ.-ﾙ' |ﾄ､ﾄ､]].:.:.:ヽ.:.:.:i 「 るるぅ♪ 」
`ｰ-r‐ｌ＾>|.:.:.:ﾄ､l V ヽNヽ.:.:.:ﾄ.:.:.:l
|7'´ ,ﾊ. ﾚ＝=､ ｒ==､|.:.:.:.:l）.:.:l ／⌒ゞ))
/ 丿ゞ ,'⊂⊃ ┌─‐ｬ ⊂⊃.:.:ｌ ,ﾊｋ ｧ/ハ
＼ ゝ ||.:.:|ゝ､ ｊ、 ｊ _ ィ.:.:.:.:,ﾊｲ. Y ＼ll
ヽ ||.:.:|/Yﾚ'＼｀／フ 〉 ,.ﾍ ノ lヽ ＼
ヽ||.:.:|ｌ ∨｡∨ '´ヽﾚ'ﾊ.|ヽ .: ヽl:ヽ ﾍ
||.:.:|! ヽﾚ ｿ .: .:´V.: .: .: .: .: |
┏
行き当たりばったりで…、でも、だからこそ。
┛
.
218 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:28:20 ID:aVeal+g/ [73/97]
2696
／￣￣￣＼
／ ＼
./ ヽ
.l l
l l
.l l ほんと、こういうのって…、
ヽ l
ヽ l
.) __,,..／ なんか、凄いよな。
／＝＝=､_〈
／ ＼
／ ヽ
.ｉ ､ . l
.l ｉ l l
l .l l l
l l . l l
l l . l l ┏
l .l ､ .ヽ かなりの年月を経た今ですら、
ヽ .l ヽ ヽ
ヾ､_＿ _＿＿ヽ＿, ') 鮮明に残って離れないんじゃないかと…。
l_￣_￣￣__ __ .ヽ_ノ ┛
l l l l l
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219 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:29:20 ID:aVeal+g/ [74/97]
2697
|. ヽ､: : : : : _,､-‐'"´￣: : : : : ￣`ｰ-,,ｨ" | l!
. |! .ゝ'"´: : : : : : : : : : : : : : : :_,,ｨ'" | |!
`! ,ｨ'´／ : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ､ |!ﾉ!ﾉ|!
ゝ´: /: : : / : : : : : : : : : : : : : : : .i: : : :`､ |: : : :|! ｽﾘｽﾘ
／:/: :./: : :./ : : : : : : : : : : : : : : : : :.|!: : : : :`ヽ | : : :.|!､
/:./{: : ./: : ./: : : :.ﾊ : i: : : : : :: |: : :: : :.|: : : : :: : :`､ | : : : |!:.'､
// /: :.l!: : :.l!: : l!:..|!.|: :.|: : : : : :/: : :: :|: :| : :.|: : : : : :`､ |!: : : : |!: :'､
. // |: : :.|: : :.|!: :.|: / |: :|: : : : :./: : : : .| : :|: : .|! : : : : : :`i: : : : : |: : '､
l/ |: : :.|: : /!: : |:ﾘ |: :|: : : : /!: : :: : |!: : |: : :.|: : : : : : : :|: : : : :: : : :', わっちは…最初から、判ってたでありんすよ？
| |: :.|:.|ﾊ|! |从!:ﾘ |: |: : : .//: : ／: : : :.| : : :|: : : :: : : :|:|: : : : : : : :.|
` |从!| |!`_| ﾘij |:/: : :/ /: :/: /: : : /!: : : .|: : : : : : :.|:.| : : : : : : :.l
. | : : : :|ﾄﾐｮｭ､ /ﾚﾚ´‐/／ﾚ´!/: :/!/!: : : | : : : : : : |: | : : :../ : |!|
| : : : :.|弋Pﾘ ｨｭ､__ .ﾚ´ / |: : : |! : : : : : : |: |: : :./: : /!:|! リュカと、ビアンカに初めて会った、あの時から。
|: : : : :l `ｰ"/ lﾄ:::又ﾃｭｬ､ ./ : :.:|! : : : : : : :|:.|!: :./ : :/ |!:|!
|: : : : :l .ノ 弋ひ::ｼ 〃`/: : :.|! : : : : : :./:/: :/ : :./:l .|:.:|!
. _|! : : : l ヽ //////// /: : : :|! : : :/: : /:./:./: : :./!: ゝ､ |: |!
.,ｨ'´ `､: :.:∧ /:/ : :./ : : ./: : /:./:./ : : /!:l: : : :ゝ|:.l!
. l!.............'､ : : ∧ ヽｰ--- /:/: : :/ : : :./ : :/:./:./ : :_,,-‐'´￣￣｀`
|!................'､: : : ∧. /:/: : :/: : : :/ : :/:/_,,-‐'´..............................
|....................ﾍ : : : :.､ _,/:/ /: / : : :/_,､-‐'´............................................
. |!.....................∧ : : : :.ｰ ‐ ..T .´./:/ 7 :/:,,ｨ'´´............................................................
|..........................ﾍ : : : : : : : .:.| .//_,,ｨ ''´..........................................................................
.
220 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:30:33 ID:aVeal+g/ [75/97]
2698
┏
プックルは、俺の足に頭をこすりつけ、言った。
┛
/ .:.:/ ..:.／ . '´;: :'´ : : : : : : : ' i :i :: : : i l. . . . . ｉ ', ::. : : ｉ : : : !: :l､',
./ .:.:,':. .:.:. ' ／::,.イ::: : : : : . . . . : : ! |ｌ｜: : : ｌ: |ｉ: : :. : | ｉ:i::. : :!ｌ :: : ; !: !ｌ:i
′ .:.:.:.i:.:.:.:./／: ／: :l:::: : : : : : : : : : : ｌ ｉ|:',:!::. ::: |ｉ:l i: :::: : ! |:l::.:: j | :: / 川 !|
.:.:.:.:.:!:.:.:/´::／: : : ::!::: : : : : : : : : : : lｉ:l l:.ぃ::.:ﾄ:.!l:| l:.:::: i:l !ﾘｲ厶ル'ﾙ'ｉ ﾘ ﾘ
..:.:.:.:.:.:|:.:/:／: : : : : ::|::: : : : : : : : : : : :!l:レ!:トv厂_j｢ |ハ从 j ｧ_,,_ /::| ﾉｲ /
:.:.:.:.:.:.:.V:': : : : : : : :i::!::: : : : : : : : : : : |＾l ,,孑ァｷ㍉｀ /(｣`j7:!:l ′
:.:.:.:.:.:.:.:l: : : : : : : : :i::|::: : : : : : : : : : : |_,〃 たｰ'} ｉりﾉ ,′:| きっとリュカとビアンカとは、
:.:.:.:.:.:.:.:!: : : : : : : :.:!::l::: : : : : : : : : : : | ﾍ.いｰ'グ ｌー' i: :i :!
:.:.:.:.:___l: : : : : : : : :!:::!::: : : : : : : : : l: :! `￢冖 丶 |: :! ! これからもずっと一緒にいられるって。
｀￣ ｜: : : : : : :.:ｉ:::ｉ|:::: :.: : : : : : : !: ! ::::::::::::::: / j: :i l
ｌ : : ｉ: : : : .:i::::i:l:::: ::: : : : : : : i :| ´,.': : !:l
. | : : l: : : :.:::::::::::l::::: ｉ:. : : : : : :l: |、 ｀ 一 ／: : : !:|
l : : :: : : :.::::::::;':::|::::.:!:. : : : : : :l: ! 丶 .ｲ:: : : : :ｉ ! わっちが大きくなっても、ずっと、
. ｉ: : ::: : : :.:::;:::::::::::ｌ:::::|::: : : : : : :! ｌ ｀丶､ ,ｲ :|::: : : : :!:!
i: : ::: : : :.::;'::::/:::::::ｌ:::.l :: : : : : : :!:| l｀;: ｰ:'＾|::::!::. . : ｉ:i ずっと離れずに。
, : ::::: : : ::::::::/:::::::; '|::::l:::. . : : ::.ｉ:l !;:;:.::.::.::l::::ｌ::: : : : !l
: ::::::: :.: ::::::〃::／:;:;:ｌ::::i:::: : : . . l.|＼ ぃ::.::.::.;!:::!::: : : :i:ﾄ､
,′'::::: .: :::::/;'／:;:;:;:;:;:;|::::!::::. : : : ::.!|;:;:;:＼ __ }|::.::./:|:::!:: : : :ｉ:|::.:ヽ
./: /::::: .:: .::::／､:;:;:;:;:;:;:;:;:!:::i:::::. : : : ::ｉ|;::.::.::.::＼｀ :!::/: /!::i::: : : : l::.::.::.',
ずっと…、一緒にいられるって…、判ってたでありんす！
.
221 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:31:49 ID:aVeal+g/ [76/97]
2699
..... -‐……‐- .....
,.....:／.::￣｀ヽ‐-ミ＿__:::::::.｀ヽ
__ ／.:::/.::::::::::::::.＼::::::::::::::::::..＼／.::ヽ
/.:::::.｀ヽｉ::|:::::::::::::::::::::::.＼:::::::::::::::::::.＼/.:∧
/.::::::::::::::::Y!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::∧
/.:::::::::::/.::/.:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::::::.丶:::::::|i:::::}
／.:::::::::::/.::/.::::::∧:::::::::::ヽ:::::.ヽ::::::}i:::::::::::}:::::八V
;:::::::::::::::::::::〃｀`丶ﾊ:::::::::::::!:ﾊ::::|';::::ﾘ;::::::::八/.:::∧ …ずっと一緒、か。
i:::;::::l::::::::l:::::l l::::;:::::::l=┤:トＶ厶イﾉ.:::::ヽ-､::.
l/|::::l::::::::l:::::|, -‐=､厶ｲl::::::厂ｊ:;;ｊ二. _lイ:::::::::::::l }::::.
人::.､:::八:::{X´,ﾆ=ミ ￣ 〃し.:::ﾊＹﾞ|::::::::::::::|,/.::::::. いい言葉ね。
ヽヽ:::::.ヽ^'〈ﾍJ::ﾊ Ｖ::ツ ;:::::::::::::::|:::::::::::::.
｀7::"￣ﾊ Ｖツ , , /.::::::::::::リ::::::::::::::',
,'.::::::://∧ , , 、 /.:::::::::::::::|::::::::::::::::::;
,:::::::::/.::::l:込、 ｰ ′ /.:::::::::::::::八:::::::::::::::::i
ｲ:::::::/|:::::ﾉ.:::::/＞ . _ イ::/.::::::::／.::::::::/.::::::::::| ―――ねぇリュカ、お墓に行きましょう。
／.::l:::::/:::l／.::／ -┐ /〕 !/.:::::／.:::::::::::/l:::::::::::::|
／.::::::::|::/:=-‐=＝´ |／ ｒ／.:::::'::::::::::::::::/:::l:::::::::::::|
〃￣￣人｢ -‐ ´ ／.::::::::::::::::::::::／{:::::l:::::::::::::|
┏
ビアンカは少し嬉しそうに微笑む。
┛
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
. | （__人__） 墓…、
| ｀ ⌒´ﾉ
| }
_.／:l ヽ } ああ、そうだな。
‐''"´:/::::::|_ ヽ＿ _＿ノ::、
::::::::: !::::::::l′ ＼ ,ｲ＼
::::::::::l::::::::::l /:｀:::ｌ:::::＼
::::::::::|:::::::::::＼ /:::::::::::l:::::::::＼
::::::::::|::::::／＼ヽ l::ヘ::::::::l::::::::::::ﾊ ┏
::::::::::l／:::::::::::o:ト .｣::-:::::＼::!::::::/::::l 俺に向けて。プックルに向けて。
:::::::::::::::::::::::::::::: l`ｰ'l:::::::::::::::::`::/::::::::l ┛
.
222 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:32:58 ID:aVeal+g/ [77/97]
2700
/ ＿ ,＼
/ l ,. ´ ｀ 、 ', ヽ
l l ／ ／ll l￣ ﾊ ﾄ ､ ｀ 、 ', 丶
l l ／l ll l l .l l l l l｀l 、｀､. l
l l／l l l Lll l L l Ll ニll.l l ｀､ﾍ l お墓って、この城にあるのかや？
l 彳l lr .ｆ 丶 ｆ ヽ ﾚ l l ＼ l
l 〈 ', l` 弋丿 弋 ﾉ l : l 〉l
l lヽ .,l.l〃 l ""'l / ／: l
l ﾚ '´うl ｲ く Y l
l Kl ´ l||ヽ r‐- イ||| / ＞ ',
ﾉ l l|||||| l _ l|||||| / ', ',
〈 l l l .l -‐ ´ ノ
┏
ビアンカが言った墓に眠っているのは、
「ずっと一緒」という言葉の意味を、たぶん誰よりも体現している、
┛
＿ __ _
_,､-ｰ''´:._,､-:ｰ｀､-､,
／:.:.:,､-'´:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ:.:.:＞'"｀:.､
,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;':.:.:.:.:/::.i/:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
∧∨:./:.:.:./:.:.:;':.:.:.:.:∧ﾍ／i:.:.i.:.:.:.i:.:.:.ヽ
∧:.|!:.:.!:.:.:.:.!:.:.:.!:.:.:.:.:!´｀'"´｀i:.:.l:.:.:.:l:.:.:.:';'.,
｝:.::.|i:.:.|:.:.:.:.|i≦廴ﾘi:| |:.:ﾘ:.:.:.|:.:i:.:.!:.i
{:.:.:.:|:|:.:|:.:.:升i:.:.!i:.:.ﾊj 辻≧:/:./:.:.i:.:! ええ。
lﾍ／ヘﾊ､:| ,rt≡=､ /廴ﾚﾘﾉ//:ﾊリ
,'i:.ﾍ（|:.:.:.:.:.:| ィ＝ミﾍ/:/.:ﾉ
,':i:.:.:.:ｌ|:|:.:.:.:.:| /ソノ この城の昔の王さまと王妃さまのものよ。
,':.:|:.:.:.:l!:l:.:.:.:.:.l ′ /:.l: |
/:.:.:!:.:.:.:.!:l!:.:.:.:!:!､ ｀ ｰ /:.:.|i.:|
/:.:./|:.:.:.:.:!:.i!ﾍ:.|i| ＼ ＜:.:.//:|
/:.:/:.:|:.:.:.:.:.:.:i:.:.ﾍ ` ｰ ＜|:.ﾘ:|:.:.://i:.|
＜￣｀ヾﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ ﾄ､ヽ∨|:.//:.:!.:| ┏
/´ ヽ : : ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ､_,､-"¨'ｰﾍ_i:.|/':.:.:.:.':|_ レヌール城の王、エリックと。
/ i、: : ::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼_,､-"ﾞｰ､,∨:.:.:.:.:.:.:.!i｀ﾄ、
ｲ ! ',: : :::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : : :i:.:.:.:.:.:.:.:.:|: i ﾍ その妻、王妃ソフィアのふたり。
/ i i ',: : ::::ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : :|::.:.:.:.:.:.:.:.|:.i ヽ ┛
.
223 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:34:04 ID:aVeal+g/ [78/97]
2701
／.::::／.::::::::::::::::::::｀ヽ:::::＞‐-ミ
/.::::／.::::::::::::::/.::::::::::/::∨.:::::::::::::.＼
. ,:〈::::/.:::::::::::::::::/.::::::::::∧∨:ハ::ｉ:::::::::::::.ヽ
. ∧::∨〃.::::::::::::'::::::::::::/｀`ヾ'＜|::ｌ::::::::::}i:::ハ
〈::::::::!|::ｌ:::::{::::::::_{::｣:|Ｌ/ |::l:::::::::八:::::::.
〈::::::::l:|::|::::｣≠-ｒ{‐‐l: ﾄ､ ,::｣|::::::/.::/.::::::|
ｉ:';:::::」{::|:::::|::{ ｘ≦=ミ 7ﾌＴヽ:':::/.:::::;リ 凄いひとたちなのよ。
|:.∨ lヽl‐-l:〃ん.::ｉ| ｀ ｧミ刈∨.::::/
|::::.ヽ|:::::::::::::i 込ｒﾘ ん.:;ﾘ 》厶イ
.:|:::::::::|:::::::::::::| , , , ﾋｒｼ' ｰ=彡' お互いを、本当に心の底から思いあって…。
,:::|:::::::::l::::ｌ::::::::| , , /.::::::|
. /.:::|::::::::八:ｌ:::::N ､ ｀ ´ ,.:::::::::l:|
/.:::/|::::::::::::::ヽト{ 丶. イ:ｌ:::::::川
. /.:::/_:|::::::::::.ヽ:::|::::. ｀ ｒ=≦:::ﾊ|::l::::/:::::|
ｘく￣ヽ:八::::::::::::::.＼:::..、 _ト､ ∨.:::Ｎ:/.:::::::|
' ＼: : :ヽヽ:::::::::::::::.＼::､__／, ==＼';:::ｊイ::::::::ｉ:|__
. ヽ: : :＼ヽ:::::::::::::::.＼ ／／⌒ヽ刈ﾉ ::::::::|:|: :ト､
.
224 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:34:45 ID:aVeal+g/ [79/97]
2702
/／ }:.l:ヽrヽl:.l:.ヽ:ヽ ヽ, ,}＼ ヽ
／´ .':.ﾊ.:.{=l:.'.:.ヽ:.',-＼ ｛_￣￣￣ヽ ',
/:/ }:.:|ＦT〕､:.＼ ヽ￣ヽ l
// /|:.:l|{≡}|ヽ-､＼ ､＿_ _ / .| | ',
/´ l:.|}:|f i:|. ＼ ___ ¨ヽ { l ', 「 私たちは、「死」などという別れすら超えた、
/´l:ﾊヽヽ､ ＼ ¨ ｀才:.ﾊ
ﾉ _}:.:|＼＼ ＼ , ' ´/:.:./ /,ヽ 永遠の愛で結ばれている。 」
}二二匁≡⊃＞＜ｦ‐≠ｫ{! ./´ ＼
/:∧: : / /: : ￣７ /￣￣l ヽ ＿〉_＿＿
/: ∨: :/ /: : : : :/ /-､〈〉/ __|＿＿＿＿
＿＿＿＿＿ ／ 《〈〉》 l { : : : : { {＾}} }{}ヽ＿ |＿＿＿＿＿
: : : : : : : : : : : : :.≧≦ / /: : : : : | |: :巛r: : : 卜-'|: : : : : : : : : :
―――死さえ、二人を分かつことはできなかったの。
,.' ,' ', ; - ' ; ､ ;'､ .;′ ､_ _,'_,:' ,:' ,:' ,' ' ,
,.' , ' ; ,' ;_,.',' ;丶 _ ｰ.,:';´ ,. ':、',.,:' ' ｀;.、
,. ' ´ ,'.' ; .; ; '｀.;､ ‐ ｀ , ' .; ,' ｀;` , ' ,丶
,. ' .,:' ; ,'_; _,'_, ' ｀ 、 _,.. ‐;_', ; ､ ; ' ':, ' .,
,:' , ' ,. ';'´ - ´ ´ ;' , ':,- 、 ; ', ', ', 「 私たちは、共に眠れれば
, ,' , , ', ;' ' 、 :, '_、､ ',. ' , ' ,',、 ',':, ; ,'
':, ,' ' ' ,. '´ ', ` ､ .._ _ _ ,. ‐ ', ' ` ､ :'. ',. ',':,' ,. ', ' , ,' ,' それでよかった――― 」
;.' , ' ,' ., ' ' , ｀ .._ ｀丶 '´ , ' ' ' ', ;. ', ':, ',、' , ;
,:' ,' ' ' ' , ‐ .._ ,. ' ' ;. ; ;. , ', ,' 丶` '、
. , ' ; ;. ; ';' ., ,. ´｀ 、 ,' ,' ,.' ; ;. ; , ' `:, ',
, ' ', ; ; ; ; ; ' :., , ',' ',:.､_,.';:,' , ' . ; , ' ´ ',.',
, ' ,.' :, ':,' ; ; ; :; ' -;' ,' ', :, ,' ,'; ;. :. ; ,' ; ;
. , ' , ' ' , ; ; ; ; :; :; ,' ',.:, ;. ;.; :; ';.; ; ;.'
' , ' '; ; ; ; :; :;.′ ,' ', ',:, ', ;ヽ,' .'; ; , '
225 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:35:55 ID:aVeal+g/ [80/97]
2703
（（死、さえ…か））
┏
そう、ビアンカの言うとおり。
┛
/::ヽ＿＿＿ ヽ /::ヽ＿＿＿＿ ヽ
|ヽ/:: ヽ |ヽ/:: ヽ
|:: |::: :;:;:;:;:;:;:; | |:: |::: :;:;:;:;:;:;:;:;:; |
|:: l: :;:;:;:;:;:;:;:;:; | |:: l: :;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |
|: :|: | |: :|: |
＿ |: :l . |､ _ |:: l |､
lヽ::'ヽ|:::::_::＿＿＿___:.|::＼ lヽ::'ヽ|:::::_::＿＿＿__:.|::＼
" ヽ`―――――――――l ヽ`―――――――――l
''―――――――――ﾞ" ''―――――――――ﾞ"
┏
生きている間はもとより、死んだ後ですら二人は離れなかった。
―――たぶん、お互いを強く思うがために。
┛
＿ __ _
_,､-ｰ''´:._,､-:ｰ｀､-､,
／:.:.:,､-'´:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ:.:.:＞'"｀:.､
,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;':.:.:.:.:/::.i/:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
∧∨:./:.:.:./:.:.:;':.:.:.:.:∧ﾍ／i:.:.i.:.:.:.i:.:.:.ヽ
∧:.|!:.:.!:.:.:.:.!:.:.:.!:.:.:.:.:!´｀'"´｀i:.:.l:.:.:.:l:.:.:.:';'.,
｝:.::.|i:.:.|:.:.:.:.|i≦廴ﾘi:| |:.:ﾘ:.:.:.|:.:i:.:.!:.i
{:.:.:.:|:|:.:|:.:.:升i:.:.!i:.:.ﾊj 辻≧:/:./:.:.i:.:!
lﾍ／ヘﾊ､:|≦斤乍 /廴ﾚﾘﾉ//:ﾊリ ああ、やっぱり何も変わってない…。
,'i:.ﾍ（|:.:.:.:.:.:| `弋少 升仆ﾍ/:/.:ﾉ
,':i:.:.:.:ｌ|:|:.:.:.:.:| ゞ少 /ソノ
,':.:|:.:.:.:l!:l:.:.:.:.:.l ′ /:.l: |
/:.:.:!:.:.:.:.!:l!:.:.:.:!:!､ ｀ ｰ /:.:.|i.:| 王さまたち、きっと二人で安らかに、
/:.:./|:.:.:.:.:!:.i!ﾍ:.|i| ＼ ＜:.:.//:|
/:.:/:.:|:.:.:.:.:.:.:i:.:.ﾍ ` ｰ ＜|:.ﾘ:|:.:.://i:.| 眠り続けているのね。
＜￣｀ヾﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ ﾄ､ヽ∨|:.//:.:!.:|
/´ ヽ : : ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ､_,､-"¨'ｰﾍ_i:.|/':.:.:.:.':|_
/ i、: : ::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼_,､-"ﾞｰ､,∨:.:.:.:.:.:.:.!i｀ﾄ、
ｲ ! ',: : :::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : : :i:.:.:.:.:.:.:.:.:|: i ﾍ
/ i i ',: : ::::ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : :|::.:.:.:.:.:.:.:.|:.i ヽ
.
226 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:36:54 ID:aVeal+g/ [81/97]
2704
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●） ） ―――そうだろうな。
. | （__ﾉ､_）
| ｀ ⌒ﾉ
. | } （（そういうのって、あるんだな。
. ヽ }
ヽ ノ 俺も、きっとこの二人を見なかったら信じられなかったろうけど…））
.> く
| |
| |
┏
今回、俺がこの城に来たのは二人の共通の思い出の
場所だった、それだけだったけど…
┛
__＿ , _
. : ´ ＼￣｀／ ＼-- 、
／ ﾍ / ｰ 、ヽ
/ , , ＼ヽ
| / / /ヾ,ハ, ヽ!
| | | ! !|ﾞﾐﾊvｒ'i| | |! ヽ. | ＼ お墓に書き込んである文字からして、
| | ! | ! i| |'゛｀ ´"'i| i| | i! ! | | | ﾄ＼
| | | _ﾊ|」Lﾊj ｊ!ハLﾊ」 | | | | ヽヽ きっと王妃さまが先に亡くなったのね。
| | |!,ｚ斗枡≧ 辻升≧ﾄx! | | | `ヾ、
| | |i | ﾘ_j―ﾘ ﾘ―j !ハ.| lハ |
| ﾍハ≦示子ミ ｨ;示子≧! ｲ | !
| | | _込ｃ} .込cｼ_ | ﾄ. | |
| | | , | |ﾉ.| |
| | | | | | |
.
227 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:37:44 ID:aVeal+g/ [82/97]
2705
_,.-￢‐-.__
,ｲヽ､_/´, ,.,,.,￣L
r'ｨﾍ ,-!し{,ｲ〃,./ l
/ ,. ﾊ L| | Tｧ^り川 王さまが亡くなった後、二人は出会えたんでしょうけど…。
／／ム',.ィ f| ｀ （ｲﾉﾜ
,.-'´／ , _,.〈| ﾄ､_.ン｀¨´
,.-'´ , '/ /'＾ヽ. ', Lヽ_ | でも…王妃さまを先に失った王さまは…、
／ {. ﾊ l、 ', １',￢. |
／ ／ ヽ! ト- ﾆ､ ヽ. l | ｀ｰ''フ
. / ,. ／ ／ ／ ｀ヽ､l lﾝ‐ ' どんな気持ちでそれからの一生を送ったのかしらね。
. ,′/／ ,／ ,／､ __.ヽﾚ ヽ
| .／ ／ ／ / __ ＿'ｭ ｨ.､ヽ ヽ
l/ ／ ／ｒ' ,ゝ´ ／/ { ﾄ、 __ ヽ
/ ／ ,ｒ' ﾉ| ﾉ ｰ ニ=ヽﾆｨ´ ｀l
' { ,ハ | Y´ ',ヽ､_,-ﾍ.._、
┏
今、この城に来れたのは…、本当に良かったのかも、
なんて思ったりしていた。
┛
.
228 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:38:49 ID:aVeal+g/ [83/97]
2706
/::ヽ＿＿＿ ヽ
|ヽ/:: ヽ
|:: |::: :;:;:;:;:;:;:; |
|:: l: :;:;:;:;:;:;:;:;:; |
|: :|: |
＿ |: :l . |､
lヽ::'ヽ|:::::_::＿＿＿___:.|::＼
ヽ`―――――――――l
''―――――――――
┏
王妃の墓には、ひとこと。
『ソフィアへ。永遠の愛を。』と、刻まれている。
┛
＿__
／ ＼
/ ヽ
. ｜ i
｜ i ―――…。
| |
| |
j＿＿ ﾉ
,.-√::::::::::....ミく
/ .::7￣￣. : : .:.:.ヽ
/ .:::/.:.:.: : : : : : : :.:.::..＼
,' .::::/.:.: : : : : : :.／ ⌒ 、ヽ
i .::.::.::.:. : : : : : .:.:.:.:.:::::...ヽ:.',、
i ::::.::.::.::.:.: : :/ .:.:.:.:.:.:.:.::::::: }::', ┏
i ::::::.::.::.:.:.:.:/ .:.:.:.:.::::::::::::: ,.::: i どんな言葉の羅列より、
', :::::::::::::::く .::::::::::::::::／:::〈:::: |
V:::::::::::/ .:::::::::::::／::: /:::::::: l きっと深く、王の感情を込めた言葉なのだろう。
. ∨:::::/ .::::::::::::::::::::: /::::::::::: i ┛
}:::/ .:::::::: {::::::::: /::::::::::::::: |
.
229 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:39:48 ID:aVeal+g/ [84/97]
2707
_,.-￢‐-.__
,ｲヽ､_/´, ,.,,.,￣L
r'ｨﾍ ,-!し{,ｲ〃,./ l
/ ,. ﾊ L| | Tｧ^り川
／／ム',.ィ f| ｀ （ｲﾉﾜ あたしだったらきっと…、
,.-'´／ , _,.〈| ﾄ､_.ン｀¨´
,.-'´ , '/ /'＾ヽ. ', Lヽ_ |
／ {. ﾊ l、 ', １',￢. | 生きていたくなくなるかもしれないな…
／ ／ ヽ! ト- ﾆ､ ヽ. l | ｀ｰ''フ
. / ,. ／ ／ ／ ｀ヽ､l lﾝ‐ '
. ,′/／ ,／ ,／､ __.ヽﾚ ヽ
┏
ビアンカはそんな王妃の墓を、じっと強く、見つめていた。
┛
__＿ , _
. : ´ ＼￣｀／ ＼-- 、
／ ﾍ / ｰ 、ヽ
/ , , ＼ヽ
| / / /ヾ,ハ, ヽ!
| | | ! !|ﾞﾐﾊvｒ'i| | |! ヽ. | ＼ 大切なひとがそばにいなくて、
| | ! | ! i| |'゛｀ ´"'i| i| | i! ! | | | ﾄ＼
| | | _ﾊ|」Lﾊj ｊ!ハLﾊ」 | | | | ヽヽ
| | |!,ｚ斗枡≧ 辻升≧ﾄx! | | | `ヾ、 生きている以上、会えないんだとしたら…。
| | |i | ﾘ_j―ﾘ ﾘ―j !ハ.| lハ |
| ﾍハ≦示子ミ ｨ;示子≧! ｲ | !
| | | _込ｃ} .込cｼ_ | ﾄ. | |
| | |"///' , '///" | |ﾉ.| |
| | | | | | |
.
230 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:40:51 ID:aVeal+g/ [85/97]
2708
／￣￣＼
／ ＼
|::::::: : |
. |::::::::::::: | ビアンカ？ 何を言って―――
|::::::::::::: u |
. |::::::::::::::: }
. ヽ＿＿__ }
r'ﾆﾆヽ._＼. ﾉ..
r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._
／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞
. /: : : : : : : : / : : : ヽ＼
| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. ┏
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 妙なことを言うビアンカ。
|:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_ ┛
. |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : :
┏
そのまま彼女は、俺にそっと近寄り。
┛
l:.:|:.:.:.ヽl :.:.:| ､ ,':.::/
l:.:.!:.:.:.:.:.ﾘ:.: |､ - ‐ ム:/
l:.:.:|:.:.:.:.:.:|iﾍ:!:j＞ ∠/:.ｲ あたしはきっと、王さまみたいに
l:.:.:.|:.:.:.:.:.:|／y｀ ＞ ,イヽ:./／:l
,':.:.:.:|:.:.:.:.:.:|::::::|＿ _ヽ!:::::!.:.:.:.:.:i、 強くはなれないから…、
ム＜:i.:.:.:.:.:,':::::::| ＞＜ |:::::∨:.:.:.:l;＞､
/ﾍ:::|i:!:.:/:.:;':::::::::!´.:.:.:.:.:.:.:.:｀!:::::::∨:.:.::ﾘ::::;ﾍ
/ ∨!:./:.:.;':::::::::::l二ニニ二l::::::::::∨:.:.:',リ ﾍ リュカ。
/ ﾘ:.i:.:.:.l:::::::::::::l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:::::::::::::∨:.:.,ｿ ﾍ _.ノヾ
/ |:.l:.:.::l::::::::::::::l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:::::::::::::: ｲ:.:.:.:i ﾍ ムj、 .
,.' ヾ.、|:.l:.:.:ﾊ:::::::::::::l:.:.:.:.:.:.:.:.:.l::::::::::::/∧:.:.:ｌ ' , ／ {人
., ' ヾj:.!:.:ﾄ∧:::::::::::l:.:.「幵j:.:l:::::::::://:/'|:.:.j ヽ、 ノ ヾ:ヽ
, ' ｊト;.:.|ﾍ::ヽ:::::::::l:.ﾉﾉ.亅;':::::::://:/ ﾚｲ ゝ´ `ｰ
, ' ／',ヽﾍ:::＼＼:::::l:.:.:.:.:./::::／´:/ /＼ ／/ ノ
ム__ /|:.:.:.', ヽ;:::＼＼:l:.:.:.:j:／:.:.:イ /:j ヽ ／
／⌒｀ヽ /!:|:.:.:./ ＼:.＼ヽ:.:.ム:.／/ イ:.i:ｌ ＼ ／
., ＜ ／ !:!:. 〈 ヽヽ;.:.ヽ:/:／ ヽ|:| ＼ ／
.
231 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:42:00 ID:aVeal+g/ [86/97]
2709
＿
／-/,-､
/ / ｰｲ
だから…、お願い。 ,ｲ / /
/.l . / ./
,ｲ .ｌ |. l
l .|.｜ | l ,ｨ=､
l .ｌリ .ﾉ ', /`-ｲ
ｌ i / . l
| `シ /
', /
, /
i、 / 無理かもしれないけど…。
/ ／
/ .／
.／ /´
.／ ./
／ ./
／ ./
┏
俺の胸にそっと手を置いて。
┛
__
__＿＿／.::::.｀ヽ、
..-‐ｧ≠‐-ミ::::{:::/.:::::::::::.｀`ー-=ミ
／.::::::/.::::::::::::::::｀＼{:::::::::::::.＼:::::::::::::::.`丶、
/.:::::::::/.::::::::::::::::::::::::::.＼ﾄ､::::::::::.＼::::::::.､::::::::.ヽ
_/.:::::::::/.:::::::::::/.::::::::::〃ミﾒ/ヘ、::::::::.＼:::::.＼:::::ﾊ
〈:::::::::::::'::::ｉ:::::::::{:::::::::::::|::｢｀｀′ ヽ､:::::::::.ヽ､::::ﾙ′
{::＼::::::i:::::|:::::::::{:::{:::::::_|::| /-}‐ヽ:::::::ｉ} }/
∧:::::.＼i:::::|:::::::::{::::X:::_｣ﾆゝ , ｘ=ミ}:i:::::ﾘ, 一分、一秒でいいから。
{:::.＼::::::',::::l::::::::::Ｖ:X,≧ゝ 爪,ｉ{刈:::/∧
. ヽ::::::.＼:.ヽ:::.＼/:ｨ:爪_ｊ｀ ﾋ::ﾘ ル'.::::::::.
}＼:::::::Y|:::ｰ-ゝｊ{:::し:ｒﾍ ､｀ﾟ＾ |:!:::::::::::. あたしより先に、死んじゃ…嫌だからね。
. }::::::`ト:{ﾍ::::::::::::. ｀ヾｒジ 从::::::::i }
/|:::l::八:.ヽ._､::::::::::.､ ー ｲ:':ハ::::八
/.::|:::ｌ:::::::.＼:::::.＼::::::.＼ 〃:l:/}::::}∧:. ヽ
/ .:::|:::l:::::::::::::.＼:::::.＼::::::.＼. ＿_ ｲ'.::::|' 川ｊ' !::. ┏
／ .::::::|:::l::::::::::::::::::..＼::::..`=‐-=ミ_」:_彡'.:::::ﾉｲ::从 |:::i 小さく、そう言った。
／..:::::::::::::|:::l::::::::::::::|::::::::::.ヽ::::::,二ﾆ=-‐‐=ミく ﾉ::/ } 川 ┛
／..:::::::::::::/.::川::::::::::::::|:::::::::::::::|::::|/: :/ ヽ::..ｰ-=彡'ﾉ
.
232 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:43:16 ID:aVeal+g/ [87/97]
2710
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（● …それは俺に、ビアンカ。
| （__人__）
. | ﾉ
| ∩ ノ ⊃ 君をみとれ、って言ってるのか？
／ .／ ＿ノ
(. ＼ ／ .／_ノ │
＼ “ ／_＿_| |
. ＼／ ＿＿＿ /
/l
＿∧‐⌒'ｙ'::::l-- ､
, ┴／ ﾄ,ｌ::::::/:;;l:::｀￣ヽ＼
/:::::::::::::::ｌ;;;;;Ｖ;;;;;;l:::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::ト､＿ノ|:::::::::::::::::::::::::ｈ
/:::::,'::::r､::::| l|::::::::,ィ::::::::// ）
'ｌ:ｌ::::ｌ::::|｀下ﾕ ﾋ二ﾞノﾘ::::::ﾚ',ﾉ
ヾ从 ∧ｨｔ'九 |ﾗ斤ｭl::::::::／ｌ
そ、そういうことを言ってるんじゃなくて！ l.:::::}┴''´ ////// /::::ｊユ:::ヽ
|:::::::ｌ ｒ-ー､ ,':::::/´ｌ:::::::::ｌ
ヽ:::::::ヽ､ ヽ＿ﾉ .イ:::::/:::::|:::::::::ヽ
/|::::::::::::::￣ｌ 了´ ｌ_,ｨ':::::::ｊ:::::＼:::＼
／ l:::::::::::,|::::::::ヒ-､_/ |:::::/＼::::::＼:::＼
/ ,:'::::::::.ｆ┤:::::l''⌒ｿ(~Ｖ:::,' ／,rゝ:::::::ヽ:::ヽ
/ /::::::::ノ |:::::::j {二￣ ＼ﾉ／ ＼:::::＼::ｌ
l ,'::::::::〈 /|:::iﾘ ｀て´ ,／,メ＿ ヽ:::::::リ
ｊ .l::::::::/ ,' ヾ 从 /｀￣''才´ ／｀ヽ l:::::::::l
/ |:::::::/ l ヽヽﾚl／／ ｀Ｙ ＼ |:::::::::|
/ l ｌj/ ヽ ゝI∠. ＼ |:::::::::|
｀lヽ 〈 (,ィ,｢|ヽ-） {＼ ｊ:::::::::|
l::l＼／/￣// ｌ ｌ￣￣｀ｰく:::::｀ー- '':::/:::ﾘ
ヾ:ヽ// // | | / ＼::::::::,ｲ ,ｨ::::/
（/ ｌ ｌ | | ,' ヽ::/:://ｌノ
.
233 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:44:29 ID:aVeal+g/ [88/97]
2711
…もういいわよ、バカ。
┏
俺が判っていないと思ったのか、
ビアンカは拗ねたように顔をそむける。
┛
l ｀ヽ ヽ ｸｽ…
ゝ , ヽ _ 丿 ＼‐､-..､
ヽ ゝ ﾉ , ‐ ´ ソ:.:.:.:＼
―――それじゃあ、頑張って長生きすることにするよ。 ヽ ´ ' /:.:.:.:.:.:／＼
＼ / ／:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.ヽ､
奥さん。 ＼ / ／:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
ヽ ／ /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
ヽ _＿ ィ /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
┏
いつもは「お姉さん」ぶるくせに…
┛
.
234 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:45:29 ID:aVeal+g/ [89/97]
2712
＼!:.ﾍ , ///// |:.:.:.:.:.j:.l :.:.:.:ﾄ、
|:.:..ﾍ//// ` ハ:.:.:./:.!.:.:.:.:|:ﾍ …。
|:.:|:ハ ‐ .ｲ:./:.:./:./:.:.:.:.:i:.:∧
|!:.!:.:.:.:.:..､ ／ﾉｲ :./:./.:.:.:.:.: ﾄ;.:.∧ そう、ね。長生きしてね。
|リ!､:.:.:.:.i!:.:.＞.. _ .イ !:/:./:.:.:.:.:.:.:.i: ヾ:.∧
┏
プイと背けたままの彼女が、なんだか可愛くて。
┛
.
235 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:47:13 ID:aVeal+g/ [90/97]
2713
/::ヽ＿＿＿ ヽ
|ヽ/:: ヽ ┏
|:: |::: :;:;:;:;:;:;:; | 「死」という、おそらく最大の別れすら乗り越え、
|:: l: :;:;:;:;:;:;:;:;:; |
|: :|: | 今もきっと二人で眠り続けているだろう王と王妃。
＿ |: :l . |､ ┛
lヽ::'ヽ|:::::_::＿＿＿___:.|::＼
" ヽ`―――――――――l
''―――――――――ﾞ"
┏
それほどに愛しているひとに、先立たれてしまった王の気持ち…。
┛
.
236 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:48:00 ID:aVeal+g/ [91/97]
2714
. -‐.:.:￣￣￣＞x.
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
/.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:! 「 あっぱれな戦果だった。 」
ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:∠|..:.:'.:./ .:::／ !.:! ..:|.:.:|
|, .:.:| .:.l/ｒｆｭ心|::/.:／r―┤l ..::ﾄ..:|
ﾉ|l.:∧ .:l上ﾚt癶:{:/ ィｆj升V.:.:∧ ヽ 「 勇敢な子どもたちよ。 」
|l.:.｀ヽ.:.', { ｀¨¨７.:.:./
|ｲ/.:.::ド ､ ′ , ′:/
从/ﾄ'､ > ｀ ￣ イ:.:／
／ ヽ辷 ≧-＜リﾊ{
. , -―――‐〈｀Y ﾍ // /// {__ __
／ ﾅ K // // {ﾄ､ ｀丶
. ／ '´ | | | | ｀ ヽ
┏
判る、と。軽く肯定していいくらいの、気持ちではきっとない。
┛
.
237 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:49:06 ID:aVeal+g/ [92/97]
2715
┏
結婚したとはいえ、ビアンカと再会して大した時間もたっていない俺に。
┛
ﾊ / /
┏ V /
何が言える？ ７ /
/ {
判るというんだ。 / !
┛ / ', ｷｭ…
ヽ ! !
ヽ ! |
v | | ! |
{ ! ! ! ／⌒ヽ |
ヽ/ ! | / ﾊ ! ┏
{ { ! { ヽ ヽ ! 俺には何も言えやしない。
ヽヽ ヽ ヽ、 ＼ ヽﾉ_
｀ヽ ', ', ヽ ＼ ｀ヽ ……だけど――――
｀ー! ヽ ＼ ｀￣￣｀y ┛
ヽ ﾄ､ ｀ー＜￣
ヽノヽ ヽ, ＿＿_ヽ
｀ー――'
／ ./:::::::::i:::ヽヽ､ i:::::::::::iヾ ::/ ′'
≠ .／::::::::::::i:::',::＼ヽ:::::::::::',/// 从',
／/ ∠:::::::::::::::::i:::::ﾍ:::::::i:i::::::::::i, っ ｲ:::::::', …っ。
/::i／:::::::::::::::::::::::ﾍ:::::::::::::',:iﾍ::::::',＞ イ:::i.i::::',:::i
i／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::ヾ:ﾍ:::::', /:`::‐´::::',:7 i:7i i:i
〃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.／￣ ヾ'ﾍ':::::::::::::::::::ﾍ ﾘ ﾘ
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〃: : : :／ ,--ﾍヽ::-､_:::::::＼
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : :／ ／ ',:::::＼:::::i､:::::＞､
y':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : / ／ ',::::::::::＼i ＼:::::::＞､
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : / / .iﾍ::',:::::::ﾍ ＼::::::::::＼
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : / / i.',:i::i',:::::i::i .＼::::::::::ﾍ
〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : 7 / i: :',ﾘ:.',::,'ﾘ .ﾍ::::::i',::',
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : .7 / 7ﾍ.:.iﾍ::ﾚ, ',::i::i ',:i
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::7: : : :.7./ .7 ﾍ:ﾍ:',', i:i.ﾘ .ﾘ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j: : : :// / ﾍﾍ.ﾊ ﾘ
.
238 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:50:21 ID:aVeal+g/ [93/97]
2716
,.-‐-､,. --―,ｧ '"｀)
／ ｀''ｯ‐'" ,. ゛
,./ ,rく｀.／ ／
／ | j′∨ /ヽ
―――ビアンカ。 ,.ィ゛ │ ,ﾉr"｀ヽ ,/ ｀､
／ | ,i´'ｰ'゛λ､ `ぐ、 ｀､
君も知ってると思うけど、 r'゛ _ﾉＬ.ノ / ヽ、 ヾ:、 ｀、
ﾞァ'ﾌ i′ ′ 'ﾞﾄ､ ｀＞‐-､!
j′ j′ヽ、／ '´.ノ !
| | ／ ／ i.
| し'′ ,/ i.
| '′ / i
│ / ﾞ、 俺は、強くない。
/ ハ ヽ
_, - '゛ , ′ ヽ、 ｀、
_,. -‐'"´ _／ヽ、 丶 弱い人間だよ。
_,.. -‐ ''" _,.-'" ｀ヽ、 ｀ ､
,. ‐'" ヽ ｀ヽ、
／ ヽ、 丶､
_,. - '" ＼ ｀丶、
_,. ‐'" ＼ ｀ヽ､
_,. ‐'" ＼
_,. ‐'" ＼
_,. - " ヽ
.
239 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/15(水) 23:52:21 ID:hfxpO/x0 [1/2]
ああ、ニヤニヤが止まらない
240 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:53:05 ID:aVeal+g/ [94/97]
2717
┏
―――それでも…俺は。
┛
―――だから…、俺も王さまみたいに…
,!'´:.;,;.:.:.:.:.:.:.l;,;.''':.:,;,;,'''':,;,: ''';,／ __`_､ _, - .,,_____/ , ' !
!;,:.;,;.:.:,;,;,:.:.:.:.:¨''ｰ-----＜ﾆ¨ _____,,,,¨ﾆ!;,;.:.:.:.:.:.:.:.￣￣¨''''''‐-ヽ
/;,;,:,;,:.:.;,;,:.:.:.:,;,;,;,: `:､;,;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. `ヽ､:.:.:.:.;,;,l
!;,;,;,;,;,;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,;,;.:. `:､;,;,;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:¨:.''':.: -:.:,;,;,:.:.:.`ヽ;,;,;!
l,;,;,;,;,;,;,;,;,;,:.:.:,;,;,;,;,;,;,:.;,;,: `:､;,;,;,;,:.:.:.:.:,;,:.:.:.:.:.:.:.;,;,;,;,;,;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:,;,;l
¨''7-;,_;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;;,;,;,; `:､;,;,;,;,;.:.:.;,;,;,;,;,:.:.:.:.:.:.:.;,;,;,;,;,;,;,:.:.:.:,;,;,;,i
/: : : : ﾌ''‐-;,;,__;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;`;,;,;,;,;.:.:,;,;,;,;,;,;,;,:.:.:.:.:,;,;,;,;,;,;,;,;ri;,;,;!
/ : : ／ ; ￣¨'''フ--;,;,;,__;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;／ !;,;l
,r‐'´: ／ ; ,r''''´ _,,/ ￣¨¨;'''‐--;,;,__;,;,／ !,;;!
___,, -‐'''''’;, ;,;,/ / ／ ', ' , ﾚ′
-‐'''¨¨:.:`､: : : : : : : : l ,r''′ ／ ; ' , /
_;,;.:-:.:'':.¨:`、: : : : : : :l .／ ／ ; ／
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`､: '; : : : :l ｰ'′ ／ ; ／ 強くいられる自信は、
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、:' :,: : ヽ _____,,,,, -i‐‐''´ ; _,,-'"
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、: : ': : : : : : : : / ; ,／ ないな。
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／`、: : : : : : : : /′ ; _,,-"
:.:.:.:.:.:.:.:,;,;,／:.;,;,;,`、: : : : : ／ i'''′
.:.:.:,;,;,;,／:.;,;,;,;,;,;,;,;`、: : :／ `ヽ、 ,,r┘
;,;,;,;／:.:.;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,`ｖ'´: : : /´ ` 、 / ┏
／:.:.:,;,;,;,;.:,;,;,;,;,;,;,;,;／: : : : /: : : : : ＼ / ′ 王の気持ちが判る、と。
:.:.;,;,;,:.:,;,;,;,;.:.;,;,;,／: : : : : : :!: : : : : : : : ＼ /′
,;.:.:.;,;,;,:.:.;,;,;,;／: : : : : : : : : !: : : : : : : :`ｰ-`ｰ／ 強がりを言いたい。
;,;,:.:.:.;,;,;,;,／: : : : : : : : : : : :! : : : : : : : : : : /´ ┛
.
241 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:55:38 ID:aVeal+g/ [95/97]
2718
┏
王と王妃のような、「永遠」という言葉すら相応しい二人の気持ちを。
┛
＿＿＿
-´ ヽ
_.. ./..＿ ＼
___ _,,-''´ _,トｰﾍ ;;;;;;;|
／¨,,`_ヾ _ｰT `''ヽ ;; ',|
/ /_,,,,,_ `､ > /￣ i}、;;;;;;;|
/ '´_,,,,,,,_`ｰi'’;/ i:.!:i:./:.: i ;;;;;;|
/ ´,r‐‐--'''’ﾐ/ ｲ:/l:.!l:l./:.!川;;;;;;;,| ―――でも、努力する。
__,/ ／个三彡ソ{ i ｲ/ﾘ示i `l/./ﾚ'’ ,;;;;/
,r-､ f¨＜レ'´ ﾚｒjﾙﾘ! !' / ,;;;/
_,r'’ ヾf¨ヾ'´ ィ / ,ゝ /// > _/
/ ,r'''''''‐-,,,/ ／ｊハ i / .,'l なるべく、君より長生きするように。
,!'´:.;,;.:.:.:.:.:.:.l ／ __`_､| ,ﾄ- .,,_____/ , ..' !
!;,:.;,;.:.:,;,;,:.:.:.:.:¨''ｰ-----＜ﾆ¨ _____,,,,¨ﾆ!;,;.:.:.:.:.:.:.:.￣￣¨''''''‐-ヽ
/;,;,:,;,:.:.;,;,:.:.:.:,;,;,;,: `:､;,;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. `ヽ､:.:.:.:.;,;,l
!;,;,;,;,;,;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,;,;.:. `:､;,;,;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:¨:.''':.: -:.:,;,;,:.:.:.`ヽ;,;,;!
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¨''7-;,_;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;;,;,;,; `:､;,;,;,;,;.:.:.;,;,;,;,;,:.:.:.:.:.:.:.;,;,;,;,;,;,;,:.:.:.:,;,;,;,i
/: : : : ﾌ''‐-;,;,__;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;`;,;,;,;,;.:.:,;,;,;,;,;,;,;,:.:.:.:.:,;,;,;,;,;,;,;,;ri;,;,;!
/ : : ／ ; ￣¨'''フ--;,;,;, __;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;l ┏
,r‐'´: ／ ; ,r''''´ _,,/ ￣¨¨;'''‐--;,;,__;,;,,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;! 判るなんて言うのは、
___,, -‐'''''’;, ;,;,/ / ／,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;, ﾚ′
-‐'''¨¨:.:`､: : : : : : : : l ,r''′ ／,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,/ おこがましいだろう。だけど…。
_;,;.:-:.:'':.¨:`、: : : : : : :l .／ ／,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;／ ┛
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`､: '; : : : :l ｰ'′ ／,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;／
.
242 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:56:42 ID:aVeal+g/ [96/97]
2719
┏
それでも、俺は言いたいんだ。
┛
ずっと一緒に…、いられるように。
┏
エリック王の気持ちが、俺には判る。と…。
┛
.
243 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/15(水) 23:57:25 ID:aVeal+g/ [97/97]
今回は以上です。２時間近くかかるとは！
次の話からは小説に戻ります。長かったよ！
244 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/15(水) 23:59:05 ID:hfxpO/x0 [2/2]
乙です！
やらない夫が本当いい男、朝倉さんが本当可愛い
246 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/15(水) 23:59:49 ID:COKHhVY2
乙カレー
ニヤニヤが止まらんのぅ
247 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/16(木) 00:00:17 ID:ji7RF1ZO
乙っした！
ホント２８２８が止まらないぜｗｗｗｗｗ
248 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/16(木) 00:00:42 ID:dfkDBjyf [1/2]
┌───────┐
│ テルパドール編.│
└───────┘
主人公 リュカ やらない夫（２ちゃんねる）
主人公の妻 ビアンカ 朝倉涼子（涼宮ハルヒの憂鬱）
主人公の友達 プックル（キラーパンサー）. ホロ (狼と香辛料）
ドラキー ドラきち ドラゴンクエスト
スライム スラリン 同上
腐った死体. スミス 阿部さん（くそみそテクニック）
スライムナイト. ピエール セイバー（Fate/stay night）
ビックアイ ガンドフ もっさりさん（２ちゃんねる）
魔法使い マーリン ヤン・ウェンリー（銀河英雄伝説）
爆弾岩 ロッキー ドラゴンクエスト
主人公の親分 ヘンリー やる夫（２ちゃんねる）
ヘンリーの妻. マリア ナギ（かんなぎ）
レヌール城の王 エリック ルルーシュ・ランペルージ（コードギアス）
エリックの妻 ソフィア ナナリー・ランペルージ（コードギアス）
.
250 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/16(木) 00:02:07 ID:OGVIEA39
乙でした
ゲレゲレはやっぱり割り切れない感情がヘンリーにあるよな
251 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/16(木) 00:07:25 ID:yMefFzSc
乙
なんという2828
252 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/16(木) 00:14:52 ID:FaHxkgQS
乙でした
2828
サンチョとゲレゲレだけは仕方ないって思っちゃうなぁ……
253 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/16(木) 00:15:24 ID:XUNPQq3B
乙でした
>>1ﾏｼﾞﾌﾟﾘﾃｨ
254 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/16(木) 00:47:19 ID:dfkDBjyf [2/2]
作者です、乙ありがとうです。
回想がチョコチョコ入るテルパドール編の今回の話なので、その度に確認に
｢レヌール編」を見に行って昔の自分のヘタレっぷりにマジ泣きしそうになっております。
そう思えるってことは、少しは進化してるのかなっ？(自信はない)
>>リア充
( ﾟДﾟ)
(ﾟДﾟ )
(ﾟДﾟ)＜初めて言われた！
>>やらない夫
あー、主人公が褒められたの、青年編に入ってからは初めてかも（？）しれません！
純情で一途ですから、書いてて(作者が)こっぱずかしくなりますが…思いが通じる前は相当にｇｄｇｄでも、
思いが通じるとそれなりに、強くなれるのかも。しれません。
>>朝倉さん
ありがとうですー。｢普段はしっかり・強気でいて、しかし(特定の誰かには)従順」という、作者が大好きなパターンの
子になってしまっていますｗ
>>ゲレゲレ
あぁんｗ 二人してｗ
…そうなんすよ、大好きな主人公と、訳が判らないうちに離されずっと一人ぼっち。サンタローズにも帰れず、
目の前にいたのは同じく大好きだった主人公の父親の遺体だけ…と、プックルもそれなりに辛い思いをしてきています。
その分、今はかなりの甘えん坊になっちゃってるんですね。
ＤＳのドラクエでは、サンチョの複雑な思いにうなずいていました。やっぱり、納得しがたいものがありますよ。
例え主人公が許したとしても。
>>2828
ありがとうございます！ さて、次の2828は…次回は小説につながりますので、それをお待ちくださいませ♪
新婚旅行、こんなに長くなるとは、思わなんだです。
>>マジプリティ
(*・∀・)
255 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/16(木) 04:26:02 ID:02/iz9Jw
乙んこでした～。
夫婦間の細やかな機微というか、丁寧な感情の描写が本当に凄いね。
しっとりと進んでくのがとてもとてもよい感じです。
次回ものんびり楽しみに待たせていただきますわのだ。
256 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/16(木) 04:51:41 ID:r/SK4F47
乙乙ー
ビアンカの結婚、妊娠の時期と作者さんの現況・・・
まさかここのプリティ作者さん、実体験を元に書いてるんじゃあ？
257 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/16(木) 20:51:07 ID:shrPX276
乙、軽妙な掛け合いがほんと楽しいｗｗｗ
258 名前： ◆2tc1ROhHlU [sage] 投稿日：10/09/17(金) 21:48:17 ID:yigJgC9l [1/2]
くく次回ウソ？予告>>>
／:.:./ﾚ 7／{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼_
/:.:.:.:./ 〃/:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.∨~＾＾´＼-:.:.:.:.∑
___, ノイ:.:.:/イ／V:.:./:.:.:|:.:.:.:|ﾊ:.:| V≠=寸
/:.:.:.:.:./:.:.:.:.|:./lV:.::|､:.:.:| ｌ:| ＿___ W::::/
/::ｨ:.:.:.:.l:.:.:孑|::|廾|:代､:.::| '~|´_- ｀ |::::|
／´ /:.:.:.:.|:.:.:.|! |/_ 二ﾍ! ヽ::| ´ｲ升ﾃ=､ z. |::/‐､ お嬢さま、ゆうべはおたのしみでしたか？
|ﾊ::|:.:|/l::| 〃{ﾋっ┘ `＾─'′ .|'f;＾:. !
l !:N:|ｲ¨| | l:::ﾉｊ:/
｀| l{{く∧ { ､ |＾;:./
＼ {:〉'´ ＼ ＿＿＿､ ｊ_／
_／ {:.. 弋云￣ 二ノ /!
／´｀ー-くﾞマゝく_∨￣_￣ ,.'::ト､_
/ ー-､／X｀ｰ/ ／/::|::::::::ヽ
/´ ヽ _ くジ′∨｀ ーzァ7ﾌ／ ::|!::::: :::',
./ _､_ ＼ 〉 ﾑ:.. .{!::: .:'､
/ __犬_ } / }＼__〉 / V '､
_/ 〈＿__ノノ /|:.: / | /!. ＼_
,,.､ -‐ ''"´/ :.:.:}:.:.:..／!.:|::.: ,′ / /:::|::.. ヽ｀丶､
´ ノ ..:.:ノｰ彳 :.:ト:|::.:. 〈／￣/ /::::::|:::::... ＼ ｀丶､
＿ __ _
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｝:.::.|i:.:.|:.:.:.:.|i≦廴ﾘi:| |:.:ﾘ:.:.:.|:.:i:.:.!:.i
{:.:.:.:|:|:.:|:.:.:升i:.:.!i:.:.ﾊj 辻≧:/:./:.:.i:.:!
lﾍ／ヘﾊ､:| ,rt≡=､ /廴ﾚﾘﾉ//:ﾊリ えーと…。
,'i:.ﾍ（|:.:.:.:.:.:| ィ＝ミﾍ/:/.:ﾉ
,':i:.:.:.:ｌ|:|:.:.:.:.:| u /////////// /ソノ
,':.:|:.:.:.:l!:l:.:.:.:.:.l ′ /:.l: |
/:.:.:!:.:.:.:.!:l!:.:.:.:!:!､ /:.:.|i.:|
/:.:./|:.:.:.:.:!:.i!ﾍ:.|i| ＼ ＜:.:.//:|
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＜￣｀ヾﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ ﾄ､ヽ∨|:.//:.:!.:|
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ｲ ! ',: : :::ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : : :i:.:.:.:.:.:.:.:.:|: i ﾍ ＜＜投下日はまだ未定だよ！＞＞
/ i i ',: : ::::ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ: : : : : :|::.:.:.:.:.:.:.:.|:.i ヽ
.
259 名前： ◆2tc1ROhHlU [sage] 投稿日：10/09/17(金) 21:48:52 ID:yigJgC9l [2/2]
というわけで作者です。
まだ次回の話は深く考えてないので、↑のウソ？予告はあまり気にしないでくださいねｗ
引き続き乙ありがとうございます。
>>255
ありがとうございます！ そう言っていただけるとほんとに嬉しいです。
これからも「おとな」としての主人公の話が進められていくので、これからも見ていってくださいね。
最近、どこまで表現していいのか考え中です。ほら、これからの展開が展開ですので…ｗ
>>256
いやいやいや（ｒｙ
「噛ませろー」
「ぎゃー。いい加減俺も噛むぞこら」
「赤子がいる私を噛むですって！？」
「二人身になったら覚えてろよ」
という愉快な会話をしている私の実体験の訳ないじゃないですかｗ
>>257
ありがとうございます。会話やモノローグは結構ぎりぎりまで考えては悶絶してますｗ
（その割に変換ミスが…汗） 私、かなり話下手なので、表現がうまくいっているか、いつも不安で不安で…。
「その表現おかしい」とか後ろから突っ込み入る時もありますしｗ
260 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/17(金) 22:13:02 ID:wfjzpyN/
>という愉快な会話
何やってんですかいｗｗ
楽しそうでなによりだｗｗｗ 旦那はガンバレｗｗｗ
261 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/17(金) 23:56:57 ID:OqwMMSoL
ロザリー、わたしはリア充を滅ぼす事に決めたよ…
262 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/18(土) 01:24:50 ID:cLnzGZFR
>>261
お前ロザリー殺されなかったら十分リア充じゃねぇか魔界のプリンスw
263 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/18(土) 04:50:05 ID:a3wga97l
>どこまで表現していいのか
ど こ ま で で も！
と言うのは流石に冗談だけど、>>1が思うこの作品の「雰囲気」を壊さない範疇であれば
それこそどこまででも表現していいんじゃねーかとは割と本気で思うます。
264 名前： ◆2tc1ROhHlU [sage] 投稿日：10/09/19(日) 22:30:24 ID:8MDlqpK3 [1/2]
そろそろつわりが落ち着く頃…らしい？のですが楽だったりしんどかったりを繰り返してたりする作者です。
昨日も少し買い物に出かけたんだけど2時間持たなかった。どれだけ体力ないって話ですよ。
八つ当たり上等な旦那に感謝の日々。
>>何やってんだ
私どもの会話は2…、3…、6… 8割くらいがこんな会話です(ｷﾘｯ
>>魔界のプリンス
( ﾟдﾟ ) …リア充？
( ﾟдﾟ ) 二回目だ！
確かにピサロは、ロザリーのことがなければ…十分リア充かも。しかしＤＱ４も悲しい話ですよな、
基本的に。
>>ど こ ま で で も！
感謝ｗ。
雰囲気を壊す気はさすがにないのでｗ、やれるところまでやろうかと思います。
次回からは、｢大人なドラクエ5になっていく」…かな？と。えへ。
266 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/20(月) 10:26:20 ID:wxepjvVv
>>1はドジッ娘でもあったのか
267 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/20(月) 23:48:50 ID:/PinZZEJ
う～ん、面白い！
268 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/22(水) 03:36:43 ID:9usdKgEw
冷静に考えるとこいつら、王家の墓前で何してんだｗｗ
269 名前： ◆2tc1ROhHlU [sage] 投稿日：10/09/23(木) 00:24:03 ID:/hfe2KRo
今晩は、作者です。今日明日と書きだめしたい気でいっぱいなんですが
うまくいくかしらと妄想中です。
>>266
え、えーと、私は｢娘｣とか言われるような年では…ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ
でもドジなのは認めますです。もっと構成＆校正力を！と
_,,. -─- .＝= -,..-‐､ 投下が終わるたびに思い…あまり成長せずorz
. _,厶-ク ＼v｀ヽ＼´- ヽ
／ / ,ハ ﾊ ﾊ } >>267
. / /ｲ /ヽﾍ/r､_},ﾊ // ヽ ありがとうございます！ 皆様にそう言っていただけるたびに
{ｲ /!仏ﾑﾍ/ u. ｀ｿｲ ﾘi // | 力になります。最近投下が遅くなっていますが、また見てくださいね。
Vi ﾊ ─ ─．^ヾｲ}.ﾘ| |
ﾊ/||ミ彡》､_,､_, /// / |ﾉ| .| | >>268
＼ﾄゞﾐゞ ヽ._） / | ｝.| | …あ、あれ以上はさすがにしていませんよｗ？
| |＞ ｧr‐七⌒ | |リ | |
| |/ {メ^く_/ | |ヽ | | ｢誰より愛しい王妃を失い、残された王はどうなったか｣というビアンカの
| ﾄ /:∧∨ 〉.| ﾄ | | 問い。6歳の時と違い、それが理解できる(ようになってきた)主人公。
昔のこともあり、ふと主人公の気持ちも盛り上がった…って、
そんな感じです。
確かにバチあたりかもｗ！
.
270 名前： ◆2tc1ROhHlU [sage] 投稿日：10/09/24(金) 15:59:55 ID:Bw0BZTaS
くく進捗報告>>
こんちは、作者です。昨日、思いのほか進みまして…、現在８割ほど仕上がりました。
なもので、体調にもよりますが土日のどちらかには投下ができそうな感じです。
はっきり分かりましたら、また参ります。よろしくですー。
271 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/24(金) 17:40:02 ID:xR5dh5tT
把握
無理をなさらないでくださいね
272 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/09/24(金) 19:41:33 ID:StYxXZZd
了解ー
しかしペース早いけど楽しんで書けてるなら大丈夫なのかなあ。
俺を含めてここの住人は心配性というか過保護な気もするが、
のんびりまったり、心身に程良いペースで進めておじゃれ。
273 名前： ◆2tc1ROhHlU [] 投稿日：10/09/25(土) 17:20:23 ID:Z7T3aKBP [1/18]
>>271-272
ありがとうございます。体が楽になるのが多くなってきたせいか、一気に書き上げました。
動かないでいるのが一番楽なので、ＰＣの前にいることが結果多くなっていますｗ
ちゃんと寝ていますし、無理はしないようにしてますから…。お気づかい、感謝です。
目下の目標は腹に乗ろうとする猫をいかに防ぐか、ですｗ
管理人※タイトル見てすぐに脳内再生かかった曲を貼っておきます。
これも肉親の結婚式のために作られた曲だって聞いたことあるような気がしました。
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