80 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:06:54 ID:tsLXWIDE [7/39]
1848






　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　／　_ノ　 ⌒ ＼
　　　　　　　　　　　　|　（ ●）　（●） |　　　　　　　　　　　　（（フローラ…も？））
　　　　　　 　 　 　 .　|　　 （__人__）　 |
　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　｀ ⌒´　　|
　　　　　　　　　　　.　 |　　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　.　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　　 ,､ヽ　　　　　ノ-､
　　　　　　　　　　　／;;;i/　　　　　　'､!＼　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　 _,､-／;;;;;;;;|　i　 　 　　i　 i;;;;;ﾞ､-､_　　　　　　　　　　　　　　　　正直、その彼の言葉は。
　　　　,-‐'''";;;;;く;;;;;;;;;;;;;!､_｀ヽ　 ､-'_／!;;;;;;ヽ;;;;;｀'';;ｰ;;-,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　.　　　!;;;|;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;|'ｰニ_ー_ニﾞ／.|;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;!
　　　　|;;;;;i;;;;;;;;;;;;／´;;;;;;|　　 　 　 　 　 |;;;＼;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;|
　.　　 |;;;;;;;ﾞi;;;;;;;;;'､;;;;;;;;;;;;!─┐　　┌─.|;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;/;;;;;;;;i
　　　/;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;ﾞ､;;;;;;;;;!　　l　　　l　 　l;;;;;;;;;;/;;;;;;ﾉ;;;;;;;;;;|

.

81 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:07:25 ID:tsLXWIDE [8/39]
1849









　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺の、予想するところからは、完璧に外れていた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛









.

82 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:10:06 ID:tsLXWIDE [9/39]
1850




　　―――ｺﾞﾎﾝッ。





　　　　　　_ ＿ ＿ ,.r' "´二`ヽ＿ _ _
　　　　 / /.:.:::::::::::::j.:.:,,,_　　_,,,,!:::::::.:.:.`ヽ
　　　　i　i.:.:.::::::::::::::h::.示ゞ 示''!::::::::::::::::::i
　　　　|　|.:.:::::::::::::::ゝ',｀ ´;;,ﾉ~ｲ::::::::::::::::::::|　　　　　　　すまないな、リュカよ。
　　　　|　| .:.:.:.:.:::::::::〕 ;. -ｰ- ﾉ::::::::::::::::::::::|
　　　　|　| _ ＿ , ｲ^!｀`ｰ- ＜ﾄ､:::::::::::::::::::|　　　　　　　客人たる君に、騒がしい思いをさせたな。
　　　　,.ｲ　　　 /　ﾄ､ヽ ーイ}　ﾞ､￣｀`ヽ:!
　　　/　 ',　　 /　　!`ー一 '´i 　 !　　　 i|
　　　i　 　 ヽ ,.::フ　 |　　　　　ﾄ､/　　/　!
　　　|　　　　ﾘ　i.　　|　　　 　 |　〉　 / 　 !.　　　　　　　
　　　ｋ´￣`r‐-､|　　|　　　 　 |,/　 /　　 |　　　　　　　
　　　ヾ　　　ゝ彡ヽ _」,　-─-rr'⌒ヽ　　 |
　　　　i　　　　`y'"´　　 　 　 | !　 ノ　　 |　　　　　　　　
　　　　!　　.:.:.:/　　　　　　　 ﾚ'¨´　　　 |　　　　　　　　
　　　　ﾄ､.:.::::/　　　　＿ , ィ´　　　　 ／




　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　いきなり現れた彼に、やはりルドマンは、少なくとも表面的には動揺を見せず。

　　　　　　　　　　　　　　　俺にこの彼の紹介を始めた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛




　　　　　　　　　　　　　 ,．-'"´￣￣｀`ー ､
　　　　　　　　　　　　,r'´　　　　　　 　 　　 ｀`ヽ､
　　　　　　　　　　　/　　　　 ,r'´　　　　 ￣｀`ー ｀ヽ､
　　　　　　　　　　/　　　　 'ﾞ 　 　 　 　 　 　 　 　 　　ヽ
　　　　　　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　　　　　　,' 　　　　　　'ﾞ ,､､,　 `丶､　　　　　　　　|
　　　　　　　　 ,!　　　　　　　,ｨ;:;:;:;:;ヽ､　　　ヽ　 ,,､ '"´　!
　　　　　　　　 ! ,r'⌒ヽj　　｀`二ﾆヾ､;:;''ｰ,　　　 ,,､､;;:;;ヾ! 　 　 　 　 　 　 このいきなり許可もなく現れた無礼者は、
　　　　　　　　 lｲｲ ヽ '　　ヾ､ヽマﾆｰ';ー'ﾞｲ 　 ,ｲ;:､-‐-ｲ
　　　　　　　　 .!　　Y｀　 ,' 　　　　,　'"´'.:::;ﾞ　 j,!ｶｯ-､ ｲ　　　　 　 　 　 　 アンディ･インガルスという、
　　　　　　　　　'､ ヾ!､　 ;　　　　　　　　.:::::;　　!　｀`　 |　　　　　　　　　　 私の友、家具職人プリーの後継ぎだ。
　　　　　　　　　 V､　 　｀､　　　　　　 ,ｨ:::;;;　　l　　　　!
　　　　　　　　　　j　　|　　!　 　 ,r　　　`ー=-'ﾞ､ 　　 /　　　　　　　　　　　プリーは世界一の家具職人と私が認めている、
　　　　　　　　　 ,!　 !　!　　　　;ﾞ　､_ ＿＿__ ,,　　;　ｲ　　　　　　　　　　　　腕と人格を持ち合わせている素晴らしい人間だ。
　　　　　　　 ,r'´」　　!　!　　　　　　｀`ー---'　 r'　/
　　　　　　／j　ヾ!､　｀i ｀､　　　　　ヽ､＿__,　　　,/
　　＿__／　〈　　　 ｀`'ｰ-､ゝ､　　　　　　　　　／i､　
　　_ ／　　　i　 ､　　　　　　　｀`ｰ､　　　　_ ノ　,」/ヽ
　　/　　　　　!　　｀`ヽ､　　　　　　　￣￣─''"´　　/､
　　　　　　　　ﾄ､　　　　￣｀`ｰ ､＿　　　　　　　 ,イヽ ｀`''ｰ ､
　　　　　　　　|　ヽ　　　　　　　　　 ￣￣￣ 　　　　/　 　 　 ＼ー- ､

.



83 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/06/30(水) 23:12:36 ID:BCf2dZzI [1/2]

大人の対応、なんというルドマン…



84 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:12:37 ID:tsLXWIDE [10/39]
1851







　　　　　　　　　　　 ,,;:-ー'''''''''''''''''ー-､,,_
　　　　　　　　　 ,r''"　::....　_,,,,　　 ,,,,,,,,＿ ﾞ'''-､
　　　　　　　　,r'　　　　 ,,:r'"::　　　　　 　 ﾞﾞ'''ｰミヽ､
　　　　　　　,;f　　　　　''　　:　　　　　　　　　　　 `ﾞ'ヽ.
　　　　　　 ,i'　　　　　　　　;_　　__　　　　　　　　　 　 ﾞi;
　　　　　　,l　　　　　　　,r:'"　　　 ﾞ -:;,,_　　　　　　__　ﾞl
　　　　　 .l　　_,,,　,:　　　,;r''"~~`''-:;,_　 `'' i　,,:r'''"　　 {
　　　　　 { ,,r",,_ﾞV;　　 '''""""ﾞ'''-::,,.`''ｰｯ ,:　, ,:-ー'''':､,}　　　　　　　　アンディの話は常々、プリーから聞いている。
　　　　　 |,l' '~　ﾞl　 ,, ﾞ'''-;_ﾞ''ﾏｦ二ﾝ`''''''"ｲ",,ｨﾋ三'"ﾞヽﾂ'
　　　　　 |.|:'　'f"!　,ll　　 `　￣-ｰ´''",:"ﾞl!　ﾞl｢ｾ;~ﾞｪ　i"　　　　　　　　 自慢の息子、跡取りだとな。
　　　　　 ﾞlﾞl､ ヾ､　.ll　　　　　　　　　.:::::::!.　:ll:　￣~　}
　　　　　　ﾞl ﾞ>,_　,　ﾞli､　　　　　　_,,,:ｨ::::::i' '　l!　　 　 }　　　 　 　 　 　 彩色師として、この世に二つとない、美しい色を作る。
　　　　　　 ﾞｧ'"`'"|　 :l　　 ,;ｨ''　　　''ー==ﾐ-:';_　　 ;ｲ　　　　　　　　　 まだ二十歳と年若いが、職人として名を馳せるように
　　　　　　 ;l 　 i　:|　::|　　 ;' ﾋー--::,,,__;;;;＿　　　',/　　　　 　 　 　 　 なってきている。
　　　　 ,:r-;|　　ﾞi　ﾞl　:::　　　　~`'ー-====ｪｱ,f",, ;l
　　　 ,rl|　ヽ､　　|　 ﾞヽ:　　　　　 `ﾐｮｮｮｮｮ=-　　 ,ﾉ
　　　 r'^　　　`''-ﾐ,,,_　ﾞヽ.　　　　　　　　　　 ,;ri{_　　　　　　　　　　　　だが…、
　　　 ﾞi　　､,,,,_　　　 `''ｰ-ﾐ=::,,,_　　　　　 ,,;r'" ﾄ,,`ヽ.
　　　　ﾞl;　　 　`''-::,,_　　　　　　~ﾞ''''''''''''ﾆ"-ー'"　 ,r'_
　　　 .　ﾞlﾐ:､,,_　　　　`''ー-ﾆ,,,_　　　　　　　　　,,:r'{:､ `''
　　　　　 ﾞヽ＼`''-､＿　　　　　~`'''ー──''"　　　 ,ﾉ






　　　　　　　　　　　　_,,,..-.ｰ.─.-.-....､._
　　　　　　　二ヽ,,..::"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:..､
　　　　　／::::::::｀`:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::ヽ
　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::::ヾ:::::＼:::::::::',　　　　　　　　　　約束もなく家に入り、断りもなく部屋に押し入るあたり、
　　　/:::::::::::::::i:::::i!::::::::::::::::ヾ:::::,,∠,､ _:::::＼::::＼:::::',
　　　i::::::::::::::::!:::::i i:::::::::l::::::::イ＼＼＼:::::::::＼:::＼::',　　　　　　 　 　 腕はともかく人格が秀でているとは言い難い男のようだ。
　　　l:::::::i::::::::!::::i,,ゞ;::::::::i:::::::::l　 >≧r､＼::::::ヾ＼_::＞
　　　ｌ::::::i!:::i::::l;/i ._,,＼::::!､::::::l 　 辻ヾ〉　＼:::ヾ）::::＞
　　　i:::::ﾊ::::|::::l:::i〈｀（ﾍ＼! ＼:', 　 ゞ-′　　ラ∨/"´
　　　 l:::i　l:::|::::lヾ､ 弋i;） ヽ　 ＼ 　 　u　┌::ソﾉ
　　　 ∨　l::::l::::l:::＼　" 　　　　　　　　　　ﾍ::::/
　　　　 　 ＼|＼!＼　　′　　　　　　 　 　∨
　　　　　　　　ヾ ヾ　､　　　　‐-　　　　,　　　ゝ､
　　　　　　　　　 　 　 ｀　 ､　　　　　 , ′　 ／ 　＼＿
　　　　　　　　　　　　　　　　｀ ｰ　＜　 ／´ 　　　／:::::￣｀ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ´∧_∧　　　　／::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　:::::´￣／ /〈::ヾ∧ 　　 /:::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　:::::::／　 / ﾉ::::〈　ヽ 　/::::::::::::::::::::

.

85 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:13:51 ID:tsLXWIDE [11/39]
1852





　　　　＿　 ,.:'´:.:.:.:.::.:.:.:.:ヽ
　　　／　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､‐＝ﾐ.､
　　　i　　　/i:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉ:.:ヽ:.:.:.:.:＼
　　　　　.,:.;:':.:.:.:.:.:.ﾂ:.:.:.:.:ii:.:.:.:.:.:.:.:丶,　　　　　　　　　　　　お父さま、申し訳ありません。
　　　　　i:ﾊ:.i:.ゝ''ﾍ:.:.:.:.:.:.i!:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:ヽ,
　　　　　Vﾊ＼:.:.:.:';:.:.:.:.:.:｀ﾞ.:ヽ､:.:.:.:.:ﾊVト,
　　　　　　　ﾞ＼`'ｰ､i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_:.ｰ､ﾘ ﾘ::ヽ　　　　　 　 　 ―――シスターをお送りした後、私が家に戻ろうとしたとき、
　　　　　　　　　　　,{:i.:.i､:ト､:.:＿:.:ヽヽﾘﾉ ヽ::i　　　　　　　　たまたま近くに、アンディがいたのです。
　　　　　　　　　　　乂ﾙﾞ乂ﾞ'ゝ　　　／　　 .;:!
　　　　　　　　　　　　／ー‐..､― '　　　 　 ii
　　　　　　　　　　　　.i::::::::::::::::::ヽ　　　　 　 ii　　　　　　　　私、懐かしくて。つい、声をかけて…。
　　　　　　　　　　　　.i::::::::::::::::::::::ゝ,　　 　 /i
　　　　　　　　　　　　.i丶::::::::::::::::i::::::｀'::ｰ:..i:ﾊ
　　　　　　　　　　　　i　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::i::::i
　　　　　　　　　　　_/　 　 　 .}:::::::::::::::::::::::i:::::}




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　応接間のドアの前で、フローラがへたり込むように座った。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

86 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:15:11 ID:tsLXWIDE [12/39]
1853





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.　=＝= 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ´　　　　　｀ヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　＿. ,､　 ,.､/＿ 　 　 　 　 　 ',',
　　　　　　　　　　　　　_/:...:/:.:.｀´:.:.:ヽ:.:.:.ヾ´.ﾍ　 　　　ｌ!
　　　　　　　　　　　,.　´/:...:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ:.:.: ヽ:.: ヽ　　　i!
　　　　　　　　　／:.:.:./: .:./:.:.:.:.:ｌ:.:.:.....:.:.ヽ:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽ. 　′
　　　　　　　　./:.:.:.:.:/:.:f:.:i:.:. ｆ : |:.:ｌ:.:.:...!:.:.i:.:.!:.:∧:.:.:.ヽ
　　　　　　　　/:.:.:.:.:/: .:.!:.:|:.:. l:.:.iｌ:.:ｌ:.:.:. |:.:.lｌ:.:.i:.:.∧:.:.:.:ﾍ
　　　　　　　,|＿,.:,/:.:.:.:i:.:.|: .:.l:.:.i.ｌ:.|:.:.:. |:.:.||:. !:.!:.:ﾊ:...:.:.:ﾊ
　　　　　　　lニニ|:! :.:.;i,斗-ft‐l-!:|:.:.:. !ｨｾT:ト､!:.ﾊ:. !:.:.:ﾊ
　　　　　　　　!ヽゝ|:l :.ｌ:.|ｔ,斗‐!-､ヾ,!:.: / 斗‐!､i:i!:.: |:.:|:.:l.:.:|
　　　　　　　　!:.:.:.,.|:ｌ:. !:|/f.fi｀i 　 　i／.　ｆfi｀! } .|: !:|:.:|:.:i!: }　　　　　「 アンディ！？　アンディよね！ 」
　　　　　　　　|:.i.:!.从:.:ｌ:|.弋¨ﾉ　 　 　 　 辷/　/.//:./,;ｲ!/
　　　　　　　/:.|:.ﾄ、 ヾﾘ ////　 　 　 ,　　 　 /ｨ'/:i∧:.:l.′　　　　　「 私よ、フローラよ！　ついこの前、帰ってきて…」
　　　　　　 /:.:.|:.ｌ:.:.T‐ 、　　　 　 ＿_´　　 　 ﾚ':..ｲ:.:ﾍ:.i、
　　　　　 ./:.ｉ:.:l:.:l:l:.:.i:.:li:＼ 　 　 ゝ　′ 　 , 'i:.!:.:.:.:.!:.:.ﾍ:ヽ
　　　　　/:i:.i:.:.|:.:l:l:.: i:.:li: .:|` ､　　　 　 , イ:.:.!:.ｌ.i、:...:i :.:i:.:｀、
　　　　　|/i:.!:.!|:.:l:ﾄ、.i:.i!:. |　　｀　‐ イ:.|:. |:.:.:!:..!:.ヽ:...:i:.:.ﾄ、:}
　　　　　i' .!:i:.lヾ:.!ｌ:.ヽヾi.ヽ　　 　 　 ト.k :|:.:.:i:..}:.:.∧:.:i:.:|　ｿ
　　　　　　　!:i::|-ﾍi´￣ヽ', ＼　　　 　 ＼!ヽ:.;i:ﾘ!:.:.:.:iﾍi:.:!
　　　　　　　>'ヽ　　　　　　　 ＼_　　　　|　　｀ゞ、:.:|　i/
　　　　　　厶;;;;;;ヽ　　　 　 　 　 ヾ 、 √|　　　　 !'〈
　　　　　　,＼;;;;; ∧　　　　　　　　ヽ　　,i 　 　 　 i;;;＼
　　　　　/　　＼;;;;∧.　　　　　r- ､ ｀、/　 　 　 　∨;;;;!
　　　　/　.／ 　＼;;;;ヽ､_ ＿__|: : : :｀乂　 ,.---、　∨i:!







　　　　　　　　　／: : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　/: : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
　　　　　＿__/: : : : ／: : ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾊ
　　　　　｀ゝ: : : :／: : :, ': : : : : /: : : : : ; : : : : : : : :: : : : : :ﾊ.
　　　　＜: : : ／: : : :/ : : : : : /: : : :／/: : : : : : : :/ : : : : : ::.
　　　　. ∠／: : : ;ｨ/: : : : ／/: : :／::/: : : : : : : :/: : : : : : : ::　　　　　　　　　　「 ………。 」
　　　　　　￣ヾ: {l/: : : ／　/: ;／~"7: : : : : : :／l: : : : : : : : l
　　　　　　　　 .V: : ／i! 　/;イ7≠x/: : : ;: :／～|: : : : :.,ﾊ: :!
　　　　　　　　 /;／ゝ　　　弋ｘﾙ:': :／;／ﾃｪ　　l: : : : /　}/
　　　　　　　　　ﾚ' 　　　　　　/;:／　　　ﾑｿ"　/i!:,ｨ: :/
　　　　　　　　 ./　　　　　　　　　　　　　　　/　ﾚ .l:/
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　’　／
　　　　　　 ノゝ 　　　　　＼　　￣　 　'
　　　　x＜＞　＼　　　　　　/　ｰ ´
　　　　　　　 ｀ヾ　ヽ　　　ﾍ ヽ,_
.

87 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:16:35 ID:tsLXWIDE [13/39]
1854





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, .r ' ´:/ゝ‐-: : ｀: ': :‐: ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : ／: :.l: : :ヽ: : : : : : : : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　／: : ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　ｲ: : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : :l: : :.l: : : : : : : : : :',: : : :',: : : : : : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　　　　,': : : : : : : : : l: : : i: : : : : : : : : : :l.､: : ',: : : : : : : : : : :.:',
　　　　　　　　　　　　|: : : : : : : : : :i: : :.:ﾊ:_: : : : : : : :.¨l¨¨'ト､: : : :',: : : : : : : }　　　　　　　「 …どうしたの？」
　　　　　　　　　　　　|: : : : : : i: : : ﾊ,.ィ'¨´､: : :',: : : :',:.i　',:./ ｀ﾄ: : :i: :',: :.:.l: :.|
　　　　　　　　　　　　|: : l: : : :.l: :..イ '､: ',　 ヽ: :.',: : : i/＿'__.　 ',: :.i: : :i: : |.V　　　　　　　　「 人違いじゃないわ…よね？ 」
　　　　　　　　　　　　|: : :l: : : :l: : :|　　_,..､､　 ヽ ',: : /.''f:示::ヽ､i: :i: : :.i: /
　　　　　　　　　　　　|: : :|: : : :ﾄ: : i ィ示:ﾊ　　 　i:.:./　 |r':;;;::::} i:./.V /l/
　　　　　　　　　　 　 .|: : i: '､: : ','.〃fr' ;;;::ﾍ　 　 i:/　　 !:::;;:::ｿ '.f 〉|/
　　　　　　 　 　 　 　 |: /: : :.'､:.:ﾍ'' 弋:::;;;::ﾑ　　　 　 　 ゞ‐ ' 　 i ./:|
　　　　　　　　　　　　 |/: : : l´¨ ､ゝ　 ＼少'　　　　､　　　　　　i.ｲi: |
　　 　 　 　 　 　 　 　 |: :i: : :ﾍ ﾉ.i＼｀' ､　　　　　　　　　　　　 /: :.:V
　　　　　　　　　　　　/: :i: : : : ゝ.､_. ヽ　 　 　 　 　 -‐　　 　.ｲ: : :.:｀|
　　　　　　　　　　　./: :.i: :.i: : : : : :l: :l: :.>　 _.　　 　 　 　 ／: l: : : : i:.i
　　　　　　　　　　　,': : :i: :.i: : : : : : i: :i: : : :.ﾍ.ヽ,‐　　　.イ |: : :.l: : : :.i: l
　　　　　　　　　　　i: : :.i: : i: : : : : : : : : : : :.r |ﾊ ヽ　 ._r-, .|-､: l: : : : i: l
　　　 　 　 　 　 　 .|: : :i: :.:i: : : : : : : :, - '´　Y　ﾍ ヽ/　>l_.ゝl.｀'- ､:_:.i: |






　　　　　　　　　　　 -─ ､　 ,　-──- ､
　　　　　　　　　　　, - ─｀＜::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::｀- ､
　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　/:.:.:.:.:.::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　 /: : : : : : ::::i: ::::ﾊ:: :::::::: : :::ﾄ:::::::: : i: : :::::::::::ヽ
　　　　　　/: : /: /: ::::::|::::/　V::ﾄ::::::: :::| ＼::: :V: : :::::::::::|
　　　　　　|: :/: /: :/:::::|∠─ V| ヾ:::::::|￣ V:::::i:::::::::::::::::}　　　　　　　　　　　　「 いや…、俺だよ、フローラ。 」
　　　　　　ﾚ.|:.::::|:::i:::::/:/　　.､ﾊi　＼:::ﾚｨ--V::ﾄ::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　.|::::::|:::l::/|::ﾚｲ飛ゝ　　　ヾ| 'ｊ及ｧVﾊ::::::::::::::::ﾊ　　　　　　　　　　　「 実は君の父のルドマンに、用があって
　 　 　 　 　 |::::::|:::K .V 辻 tｊ}　　　　　 弋 ｿ ' ﾊ::::::::::::ﾄ;;ゝ　　　　　　　　　　　　来たんだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　」
　　　　　　　 |::::∧:r-､　ゞ- '´　　　　　　 ￣　i .ﾋ V:ﾊ::::i::＞
　　　　　　　 |::/　|:|ﾚヽ　　　　　　i 　　　　　　レｲ/'ﾘ::::::＞
　　　　　　　 ヾ.　 | ヽ∧　　　　　＿　　　　　r‐ム::ﾊ／
　　　　　　　　　　 V:::/ ヽ､　　　　　　　　 ／'´
　　　　　　　　　　　ヾi　 　}＞　　　　　, イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　| ｀ - ´_ -┴┐
　　　　　　　　　　　　　　　 r‐'V/￣　　　　/::＼
　　　　　　　　　　　　　　　/ /:::::入 　 　 ./::::::::::|""＼
　　　　　　　　　　　　 ／:/ /:::::::::::∧　　/::::::::::::|::::::::::::" - ､
　　　　　　　　　　 ／/:::::|V∧::::::/　 ＼/::::::::::::::|::::::::::::::::::::::

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88 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:17:46 ID:tsLXWIDE [14/39]
1855





　　　　　　　　　　　 , - ― - ､
.　　　　　 　 　 　 ／　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ＿ 〉＿
　　　　　　　　　　　,...:≦´:.:.／:.V-､＞.､
　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:..:.:.:.ヽ＼:ヽ
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ∧
.　　　　 　 　 /:./:.::.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:!
.　　　　　 　 ,':.:.i:.:i:.:.:|:.:/|:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.||
.　　 　 　 　 |:.:.:|: |:.: ァ≦:|:.:.:|: ＞之|:.:|:.:|:.:.:.|!
　　　　　　　V:.|:.:Ⅵ :f示jヽ:.|//rzx､:/:./:.| /|　　　　　　　　「 え？　お父さまに？」
　　　　　　　　　〉:.:.ﾋ!弋リ　ヾ　 !rtﾘ i:/:./.:.∧
　　　　　　　　/:.:.:.:八.　 　;　 　 ｰﾞ /／:.:.:.:.:.:i　　　　　　　　「でも今は、お客さまのお相手を…」
　　　　　　　　,::.:.:.:.i:.:.:.＼.　‐　　 イ:.:.|:.:.:|:.:.:.:.:!
　　　　　　 　 |:.:.＞''"´　|｀.ｰ チzx `' ＜:|:.:.:.:.:|
　　　　　　　／:| 　 　 .∧､ ,仁｀　}.　　./:入:./
　　　　　　 /!::::::|　　 　 .∧ .Y　 .人　 /::/ ∧
.　　　　　　|. V::::i　　 ,ィ=x∧{_／ .∧./:/　　 |
　　　 　 　 |.　V:.i ィﾁ{: : : : :Y 　 　 ∧/　　　|





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―――私、今はお客さまがいるから、って止めたんです。





　　　　　　　　　　　　　　　_.._　｀`､,.､-::─::-..、
　　　　　　　　　　　　　／:::::::::｀:く:ﾉ:::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::ｲ::::::::::: 丶::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　/::::: /:::::::::::::/ l::::::: !:::::::|＼::::::::::::::::: l
　　　　　　　　　　i::::: /:::::::::::::/一V:::::| :::: |ーヽ:::::::::::::::!
　　　　　　　　　　|:: /:::::: /::: |ィ云∨ |V::::| ィﾃﾍヽ::::::::!イ　　　　　　　　　「 構わない、それなら待たせてもらう。」
　　　　　　　　　　|:/ |::: /::ﾊ::| 迂:ﾘ V|　ヾ! 迂:ﾘハ::ﾄ::::::＞
　　　　　　　　　　|′|::/|:::|ﾈﾍ ｀ｰ´　ヽ　　 ｀ｰ´　ﾊ!ﾉﾘ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　i/　V､_ﾍ 　 　 　 !　　　　　ﾑﾘ′　　　　　　　　　　「 俺には、ルドマンに会う理由があるんだ 」
　　　　　　　　　　　　′　　　 ヽ、　　- -　　　, ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ヽ　　　　イ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　,.ｲ 　 ｀　´　 ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　,.イ:!　 ＼　　 ／　 ヽ..､、
　　　　　　　　　　　,...::::´/::::::l　　 /;⌒;ﾍ　 　 j:::::ﾍ:｀:::....、
　　　　　　　　,...::::´::::::::::/:::::::::l､　∧;;;;;;;;;∧　/:l:::::::: ﾍ:::::::::::｀:::....、
　　　　　　,ィ:::::::::::::::::::::/::::::::::/!∨　∨;;;/　∨ l::::::::::::ﾍ:::::::::::::::::::::`::..､





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だけど…そのまま入るアンディを止めることができなくて…。

.

89 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:18:51 ID:tsLXWIDE [15/39]
1856





　　　　　　　　　　　　　　　,．---- ､,,
　　　　　　　　　　　　,r'"´ー‐-､　　 ＼
　　　　　　　　　　　/　　　　　　　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　娘よ、お前が自分を責めることはない。部屋に入っておいで。
　　　　　　　　　　　j　　　　　　　　　　　　!
　　　　　　　　　　　rｰz､　,'､__,,,､､､｀,　　_,j
　　　　　　　　　　　};tｧｦ　ゞrtｧ‐-''ﾞ　　ﾚ^!　　　　　　　　　　　　だが…、アンディよ。
　　　　　　　　　　〈｀`´j　　　　　　ヽ　ｲ !
　　　　　　　　　　　i　 ,!__ ,;､　　　 ノ､_ソ　　　　　　　　　　　　　アンディ･インガルスよ。
　　　　　　　　　　　| / ｰ-､_, !　 /　/^i
　　　　　　　　　　　ﾄ､ ｀`''　 ′ ' ,ｲ　 ﾄ､
　　　　　　　　　　／.:.!ゝ---‐''''"´　_／〈:.＼
　　　　　　_,､-‐'7:::::::::ﾄ､ ｀二ﾆﾆ二´　 ,ｲl::::.:.＼､､_　　　　　　　　　　　　┏
　,,､-‐''"´.:.::::::/:::::::::::|　＼_ ＿＿ ,．'´ /!.:::::::::::ヽ::.:.｀`''ｰ- ､　　　　　　　　　改めて、ルドマンはアンディを見る。
　.:.:.:.::::::::::::::::::/:::::::::::::::!　　　　　＿ _／　!:::::::::::::::l::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　.:.::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::ﾄ､　　　　　　　　 l:::::::::::／:::::::::::::::::::::
　.:.::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::|　＼　 　　　　 / |:::::／::::::::::::::::::::::::::
　:::::::::::::::::::::::::::::「´::::::::::!　　 ヽ 　　　 /　l:::::｀i::::::::::::::::::::::::::::






　　　　　　　　　　　　　￣ヽ､
　　　　　　　　　　_　,-─ ､,〉ゝ－-::...　、
　　　　　　　　,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`＼_
　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
　　　　　, ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　/:::.／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　私は今すぐ人を呼び、お前を追い出してもいい。
　　　,/:::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ｌ
　　　 l::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ　　　　　　　　　　ここは私の家だし、私にはその正当な権利がある。
　　　|/|:::::::::::::/::::::::::::::::: ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　|::::::::::::::::::::::::_:::/　ｌ:::::::::::::::::::|＼:::::::::::::::::::::::::::ｌ:::::::::|
　　　　|:::::::::::::::::::::::::/≧､ ｌ::::::::::::::::::| 　＼斗::::::::::::::::ｌ:::::::::　　　　　　　　　　だが、私は娘に対する愛をもって、おまえに問うことにしよう。
　　　　|:::::::::|:::::::::/l::/ｲ⌒ﾞ`ﾒ::::::|＼::ｌィ千代`:::::|:::::::::ｌ:::::l〉ﾘ
　　　　|::::::::/|:: /　ﾘ弋､ _ﾉｌ　ヽ|　 ヽﾚ; __ｿ ｌ j|人:::::::ｌ:::::|
.　　　　|::::/　|:::fzlｌ　＾ー‐'´　　　　　＾　‐-'´　jｌノ:::::l::l::て
　　　　　|/　　ヽ.:::|ﾍ　　　　　　　　　　　　u　/ィく"j ﾒ_／　　　　　　　　　　おまえはいったい、誰の招待を受け、
　　　　　　　　　ゝ;八　　　　　　;　　　　　　/ｲ
　　　　　　　　　　　x > ､　　　 ―　　　　ｲゝ:::｀＞-､　　　　　　　　　　　　　もしくは約束を取り付け、この家に入ったのだ？
　　　　　　　　　〆::::;//ﾊ`　、　　　　 く´/　 ｌ）:::}:::::::::::::::` ､
　　　　　　　　／/::::://　　＼ 　｀‘´　　 /　 /::::7::::::::::::::::::::ﾊ::l
　　　　　　　ﾉ::::/::::::《〈 ヽ／ﾍヽ 　　　／　 /::::/::::::::::::::::::::::/::::l

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90 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/06/30(水) 23:19:22 ID:uErPdqof [1/4]

アンディ情熱的だな



91 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:20:41 ID:tsLXWIDE [16/39]
1857




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　答えないアンディに、ルドマンはさらに続けた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛




　　　　　　　　,． '"´　￣￣｀`ヽ､
　　　　　　,r'´　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　.　 /　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　|　　　　　　　　　　　 　 　 |
　　　　　!　　　　　　　　　　　　　 j .〉　　　　　　　　　 　　　　　　あいにくと非才なるこの私は、
　　　　───- ､　　　　　　　　,ｲ^ﾘ　　　　　　　 　 　 　　　　　アンディという男をこの家に呼んだという記憶がないのだ。
　　　　─‐- ､　.:.::ヽ　　　　　　〈.1（ ）
　　　　　　　.:::i　.:.:.:.:i　　　 　 　 ヽU,!
　　　　　　 .:.:.::|　.:.:::::!　　　　 /　 !　|　　　　　　　　　　　　　　　　さて、アンディよ。もう一度聞こう。
　　　　　　 .:::::::|　.:.::::|　　　 ノ　　i
　　　　　　.:.:::::::|　.:.::::|　　　　　　 | 〈
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::|二二二'ﾆﾆ|:ノ　　　　　　　　　　　　　　　　『おまえはいったい、誰の招待を受け、
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::|　　　　｀¨`ヽ
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::|　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　 もしくは約束をとりつけ、この家に入ったのだ？』
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::| _ _＿＿ ＿ , イ＞ ､ _ ＿＿＿＿
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::|　　　　-ー''¨´￣　　　　　　　　　　｀¨`ヽ､




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 明らかにルドマンは機嫌を損ねている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ┛




　　　　　　　　　　 /::::::::::::/::::::::::::/:::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::',:::',
　　　　　　　　　　/:::::::::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::!::::i
　　　　　　　　　,'::::::::::::/::::::::::::: /::::::::::／::::::::::::|:::::::::::::i:::::::::i::::l
　　　　　　　　　l:::::::::::/:::i::::::::: /;:;:;::／|::::::::|::::::::|:::::::::::::l:::::::::l::::l
　　　　　　　　　i:::::::::/:::/::::::丁:::／　　i::::::::l:::: ∧;:;:;:::::::|!:::::::|'ﾘ
　　　　　　　_ノ::::┌i:::/:::::://／　ノ　 i::::::::i::::ﾒ　i:::::::::::::i:!::::::!　　　　　　　……申し訳ありません。
　　　　　　　＞:::::｛ ﾚ' |:::::7ﾚ′ 　　/:::／|:/　＼.l::::::::::ハ:::::!
　　　　　　_,＞::::::::i ヘ|:::/　ゞ＝'"/／　 ′ゞ='"l::l:::/　 ∨　　　　　　　無断でこの家に入ったことは、お詫びします。
　　　　　　　￣｀￣｀＼:|:/ 　u　 ′　　　､ 　　∧!/
　　　　　　　　　　　　 ＼|＼ 　 　 　　＿　 　 /　 ′
　　　　　　　　　　　　　_{i　　　　 　 ´　　　／
　　　　　　　　　　　　//　｀＼　 ＞　_　イ
　　　　　　　　　_,､-;'´;;;i　　　　 `ｰ ､, _ﾉ iヽ、
　　　　　_,､-;;"´;;;;;;;;/;;;;;l　　　　　　／ﾍ　l;;;;;ﾍｰ,,､
_,､-;ｰ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;ヽ　　　 ／::::::::∨;;;;;;;;ﾍ;;;;;｀';;;;;;;､_

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93 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:22:35 ID:tsLXWIDE [17/39]
1858




/:.:.:.:.: 　 :i:.::　:.:.:.:.:/i:　:.:.i:.:.:.　:.:i.　　　i:.:　::i:.:　 i:.:　 ｀;::.　 ｀,
i.::.:i:.:.:.　:.:i:.:.:. :.:.::./ .i:.:. :.:.i:.:.:.:. :.:i:.　　 :.i:.:. :i:.:.::.　i.:.:　 i:.:.:.: .｀,
i:.:.i:.:.:.: .:.:.i:.:.:.:.:.:.:.i　 i:.:.:.:.:i i:.:.:.:.:.:i:.:. :　:.:i:.: :i:.:.:.::　i:.:.:　 ﾍ:.::. ｀,
:.:.i:.:.:.:. :.:.:i.:.:.:.:.:.:i　　 i.:.:.::i ヽ:　　:i:.:.::: :.:.i:.:.:ﾊ:.:.::　:i:.:.:.　|. i:.:.　|
:.:.i.:.:.:.:.:.:::ﾊ.:.:.:.::|　　___i;;_,:ｒ-‐く´.:.:i::..:. :.:.i､_i__|:.:.:　:i:.:.:　|.　i:.: .i　　　　　　お父さま、そんな怖い声をお出しにならないで。
.:.:i.:.:.:.:.:.:.i　レ‐:ヒ二-‐弋;‐i-､＼:.i　:__,/;;/~^|:.:. :.:i:.:.:.. i.　 |:../
i:.:〉;: i.:.:::|　 i;;;;ｒ|==テ孑ﾍヾ'､.　　＼;;〉=ﾆテVi:.:. :.i.i:.:.: i　　|:/
:i:.iﾍ:.:i:.:.::i. ´~V;|ﾄｿ::ｒ~ｿ　　 ｀''､.　　|:.{/:::i:ｿ i i:.:.:/ i:.:../　　　　　　　　　　アンディと私は幼馴染ではありませんか。
:.:}i. {ヽ:i:.:.:i　　ｒ:iﾄ辷-'ﾟﾞ　　　　　　/';ｒ辷;;´: /／ ./:./
:.:ハヾヽ:i:.:.i　 ;;.｀ヽ　　　　　　　　　;　　 .; .'/　 /／
:/:.:.｀:.:｀^:ト､ヽ､　　　　　　　　　　　 :>　／｀,
;.:.:.:.:.:.:.::.:.:|　＼　　　　　　　-‐'　　　 ／　i:　i
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　 ｀　､_　　　　　　 ,　イ.:.::i　 .i　:i
.:.:.:.:.:.::,ｒ'´|　　　　 　｀ ' .､_,, ｒ'´:::i:.:.::i:.:.:.:i　 ii　:|
.:.:.::.:/　　＼　　　　　　 .ハ.＼:.:.:.i:.:.:.:i:.:.:.i　 | i　i
:.／.　　　　 ＼　　　　　＼_i.　 ＼_i:.:i:.:.:.:.i　.| |　|




　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　アンディの後ろから申し訳なさそうに、フローラが部屋に入ってくる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛




　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　ノ　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　| 　（●）（●） |
　　　　　　　　　　　　　|　　（__人__） ｜　　　　　　　　　　　　　（（幼馴染…））
　　　　　　　　　　　　　|　　 ｀ ⌒´ 　 |
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　__,, -ヽ　　　　　ノ　-､
　　　　　　　　　/⌒ヽ　 |　＼＞くﾍl　ヽ　＼ .
　　　　　　　　　{:::　　 l　 ＼　ヽ };;{ | 　 | i　 }
　　　　　　　　　{:::::..　〈;;,, 　ヽ　V;;;}ﾉ　　l彡 ヽ
　　　　 _,,.-‐''" |::::::::　 ヽ--､ ＼ >--'⌒ヽ::.　 }
　　　　 ||　|_,,.ィ'|::::.....　　 }_,,.-‐''"~ヽ_,,.-し'::　　）_,
　　　　 ||　|　||　!::　　　/　　　 　 .::ﾉ::::::::::.　　ノ
　　　　 ||　|　|| _ヽ,,　.;:::　　 _,,.-‐''"ー''--''￣
　　　　_,,. -‐''"　　｀ｰ---''"

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94 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:24:32 ID:tsLXWIDE [18/39]
1859





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌ｧ'　￣　 ｀ヽ／￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rf７´/ ,　　　　,　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈Ｙヽｌ　l　/ / / | l l　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｺｿｯ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 く{＼|　|ナメノ　|_,L|　l|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　リュカ、一体話はどうなったのでしょうか？　　　　　　　　 　 〈Yﾆ|　|仞}ヾ　 rｧﾗﾚノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 }ﾊ._|　|｀ ´ 　 └', l!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　/|　|、 　 ‐　ノ ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈__〈/|　| `ーr ´　| ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /__/ ヽ|￣`yﾍ、 ﾚﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ー-､／｢ﾉ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈_,/バヽﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/_/　｝_〉




　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　ピエールが話を中断されたままであることに、俺に小声で聞いてきた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛





　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　/ﾉ　 ヽ､_　　＼　　　　　　ﾋｿ
　　　　 . （ ●）（ ●）　　 |　　　　　　　　俺もよく判らない。とりあえず、ルドマンの様子を見よう。
　　　　　 |（人__） 　 　 　 |
　　　　　　| ⌒ ´　　　 　 |
　　　　 .　 |　　　 　　　　|　　　　　　　　（（そうか…、二人は、幼馴染なのか）)
　　　　 .　 ヽ　　　　　　/
　　　　　　　ヽ　　　　 /
　　　　　　　 .>　　　 く
　　　　　　　 |　　　　 |
　　　　　　　 |　　　　 |


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95 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:26:23 ID:tsLXWIDE [19/39]
1860





　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　そんな俺たちを気にすることなく、アンディは非礼を詫びた後、続けた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┛




　　　　　　　　　　 /::::::::::::/::::::::::::/:::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::',:::',
　　　　　　　　　 /:::::::::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::!::::i
　　　　　　　　　,'::::::::::::/::::::::::::: /::::::::::／::::::::::::|:::::::::::::i:::::::::i::::l
　　　　　　　　 l:::::::::::/:::i::＿:: /:::::::／|::::::::|::::::::|:::::::::::::l:::::::::l::::l
　　　　　　　　 i:::::::::/:::/::::::/＞､/ 　i:::::::::l:::::∠⌒:::::::::|!:::::::|'ﾘ　　　　　　　不埒な覗き魔などになる気はありませんでした。
　　　　　　　_ノ::::┌i:::/::::::/斤心ヘ i:::::::::i::::ﾒ≦i::::::::::::i:!::::::!
　　　　　　　＞:::::｛ ﾚ' |:::::7ﾚ升::｝　/:::／|:/辻:｝l::::::::::ハ:::::!　　　　　　　　フローラにもちゃんと約束をとり、挨拶をさせて
　　　　　　_,＞::::::::i ヘ|:::/　ゞ‐"　/／　 ′ゞ‐' l:::l:::/　 ∨　　　　　　　　 頂く気ではいました。
　　　　　　 ￣｀￣｀＼:|:/ 　 　 　 ′　　　､ 　　∧!/
　　　　　　　　　　　　 ＼|＼　　　　　＿ 　 　 /　 ′
　　　　　　　　　　　　　_{i　　　　 　´ 　 ｀　／　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 しかし…、フローラに婿を取ると聞いて、
　　　　　　　　　　　　//　｀＼　 ＞　_　イ　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 矢も盾もたまらずに、この家に来てしまったのです。
　　　　　　　　 _,､-;'´;;;i　　　　 `ｰ ､, _ﾉ iヽ、
　　　　 _,､-;;"´;;;;;;;;/;;;;;l　　　　　　／ﾍ　l;;;;;ﾍｰ,,､
_,､-;ｰ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;ヽ　　　 ／::::::::∨;;;;;;;;ﾍ;;;;;｀';;;;;;;､_




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フローラに、…婿？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
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96 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:28:19 ID:tsLXWIDE [20/39]
1861




.　　　　 　 /　　　　　　　,ィ:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:＼
　　　　　　i.　 　 　 　 ／:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.ヽ
　　　　　　i 　 　 　 ,.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:':,
　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.i:.:.:.:. ﾊ:.:.:.:.:.:.:.ﾊ:.:.:.:ﾊ
.　　　　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:i､:.:.:.:.i:.:.:.:. ﾊ:.:.:i彡ｼ:.,
.　　 　 　 　 　 ,:.:.:.:.:.:.i:.:.:i:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.i:.:.:i ヽ:.:.:i:.:.:.:.:.:i:.:.i:.:.:i:.:.:,
　　　　　　　　i:.:.:.i:.:.:.i:.:.:i:.:.:.:.ﾊ:.:.i:.:.:.:.i___;;.斗:セチ´:i:.:.:.:.:.:iVi:.:.:.:';:. i　　　　　　　婿？　お父さま、それは本当ですの？
　　　　　　　　ｉ:.:.:.i:.:.:.i:.:.:.i:.:.__,.斗:i:.:.:.:.i.:.:./,ｨ示テぇ､ i:.:.:.:ﾘ､i:.:.:.:.:.;:.:.i
　　　　　　　　i:.:.:.i:.:.:.V:.:.V:. ｨf示､:.:.:.:.i:/　　Vr';;:::ﾘ　i: :/.ハ:.:.:.:.:.:;:ﾘ
　　　　　　　　　V:.:i.V:.:.i､:.:.ヽ:. V;沁＼::i　　　乂;;:ﾂ　 ｉ／ノ/.:.:.:.:.:ﾊ
　　　　　　　　　＼ｉ ヽ:.ﾍ＼ﾊ　乂ﾂ 　 　 　 /////// ,r-':.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　ヽ'､　ト 　 　 ,　 　 　 　 　 　 /:.:.';.';:.:.:.:.:';:.:.:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　|:.: ､ 　 　 - ‐　　　　 ／|:.:.:.:';:';:.:.:.:.:';:.:.:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　|:.i:.i:＞.､　　　　　 , イ　 i:.:.:.:.:';:.';:.:.:.:.:';:.:.:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　|:.i:.i:.:.:.:.:.:.＞..,　＜　　　弋 ､:.:.';:.:';:.:.:.:.:';:.:.:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　|:.i:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　/　 ヽ.､:.';:.:.:.:.:.i:.:.:.:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　|:.i:.:i:.:.:.:.:.:／ノ　　　 　 ／　 　 　 ｀ '　､:.i:.:.:.i:.i
　　　　　　　　　　　　　　 　 Ⅵ:.:i:,　'´ /--,　 ,--／　　　　　　,ｨ:'´⌒ヽ:.i:ﾘ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　 /　　　　／　　　　　　 ,.'´:::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ/ 　 　 .|　　 .／　　　　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アンディの言葉に、フローラはとっさに頬を赤らめる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
.

97 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:30:49 ID:tsLXWIDE [21/39]
1862





　　　　　　　　,． '"´　￣￣｀`ヽ､
　　　　　　,r'´　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　.　 /　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　|　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　もし仮に、フローラに婿を取るとして、
　　　　　!　　　　　　　　　　　　　 j .〉
　　　　───- ､　　　　　　　　,ｲ^ﾘ
　　　　─‐- ､　.:.::ヽ　　　　　　〈.1（ ）　　　　　　　　　　　　お前に何の関係があるというのだ？
　　　　　　　.:::i　.:.:.:.:i　　　 　 　 ヽU,!
　　　　　　.:.:.::|　.:.:::::!　　　　 /　 !　|
　　　　　　.:::::::|　.:.::::|　　　 ノ　　i
　　　　　　.:.:::::::|　.:.::::|　　　　　　 | 〈　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::|二二二'ﾆﾆ|:ノ　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::|　　　　｀¨`ヽ　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::|　　　　　　　 ＼
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::| _ _＿＿ ＿ , イ＞ ､ _ ＿＿＿＿
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::|　　　　-ー''¨´￣　　　　　　　　　　｀¨`ヽ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　否定も肯定もしないルドマンに、アンディはさらに続ける。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛




　::::::／::::::::::::/／::::::::::::::／／::::::／::::／:::::i:::::::::i::::::::::::::::l:::::::::::|
　／::::::::::::::::/::::::::::::::::／´:::::::::／::／::::::::::::l:::::::::l:::::::::::::::::!::::::::::l
　::::::::/´i::／::::::::::::／::::::,,,､,／:::::::＼,,∧:::::l::::::::,':::::::::::::::: ﾉ:::::::::;!
　:::::/ ::::!/::／/:::::::::／ 　/::::::::::／´ ∨/::::i:::::/::::::::::::::::/i:::::::::/
　:::::｀::::::／ ./::::::／ 　　/::::／,"￣ゞ"ﾒ:::::::!::/::::::::::::::::/　ｌ:::::/
　:::／／ 　/::／ 　　　/／　　　 /;）/:::ﾍ::／::::::ﾊ::::::/ 　 ｌ:::/　　　　　　　関係はあります。
　/／'., ' , ∨　　　　 / 　 　 　､/ｿ/:::::／）ﾉ:::/ /::::/ 　　i:/
　/ 　　ゝ 　　 　　　　 　 　 　 　 /::／i //:::/ /:／　　　/　　　　　　　　俺は。フローラが修道院に送られた日、決心したんです。
　　　　　　ﾍ　　　　　　　　 　 　／´ 　 ',/／／´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､
　　　　　　　　　　　　　　　__　　　　　　_ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　…俺は―――
　、　　　　　　　　　　　　ヽ、_ゝ 　／ ´
　;;',　　　／｀　､ 　　　　　　　　,　′
　;;;;',　／ 　 　　｀`　､ 　 ,　"
　;;;;;ヾi　　　　 　 　 　 `´
　;;;;;＼＼
　;;;;;;;;;;;＼＼
　;;;;;;;;;;;;;;∧　＼

.

98 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:32:25 ID:tsLXWIDE [22/39]
1863





:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾄ、:::::l
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::! ';:::::i
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::／ヘ|::::::::::::::::::::::::::!　';:::l
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ |:::::／／IIj:|:::::::::::::::::ﾄ::::/ 　 !:!　　　　　　　　いつか、きっと彼女が帰ってくるまでに。
::::::::::{:/:::::::::/::::::/　　 !::/ ヽ　|;iｊ |::::/ﾚ:::::/ |/ 　 　ﾘ
:::::::::::i:::::::::/ |:::/　　　i/ 　 　ヽ7 |:∧　|:/　′　　　　　　　　 　 　 立派な一人前の男になって、彼女を迎えに行こうと。
:::::::::::::::::::/　|/　　　　　　　　　　ﾞ　 ヽｿ
:::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　　　　　　＼
:::::::∧:::/　｀ｰ　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　 　 　 　 　 　 そう、俺は決めていたんです。
:::::/　∨　　　　　　　 　　　 ( ￣ 7 /
／ﾍ　　　　　　　　　　 　　　 ￣ , '
＼　 ＼　　　　　 ＿　 　 　 　 /
　＼　 ＼　　　 /　　｀　ー - ′
　　　＼ 　＼__ /
　　　　　￣＼ ＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 　 ／:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､ヽ:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 　 　 ,.ｲ:.:.／:.:.,.ｲ:.:.:.:.:.:.;ｨ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ヽ:ヽ:.'.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:./:.:.:.:./:.:.ｨ:.:./:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:ヽヽ:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　/:.:/:.:.:.:.:/:.:./:.:./:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:;.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:.'､:',:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:.:/l:.:.:.:.:,':.:.:,':.:./.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:: ﾊ:.:.:l:.:.:.:.:i:.:.:.:',:.i:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 |/..l:.:.:.:.:l:.:.:.l:_,,斗t'':.:.:.:.:,.:.:.:､_:.:./ .l:.:.l:.:.:.:.:.i:.:.:.:.i:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　|:./:.:.|:.:.:.|:./__.ii:.:.:.:.ｲ:／ /｀ﾒ.､,.l:.ｲ:.:.:.:.:.:l:.:.::.|:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V:.:.:.l:.:.:.l.ｲf示ﾄ:.:.:ﾚ'´ .ノｲ,__　l:｀ﾄl:.:.:.::.:.ll:.:.:.l:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ア、アンディ？　　　　　　　　V: l:ﾄv:l　lr'::::| ',::l 　 　 .f爪心､, l:.:.:.:./:l:.:/:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 　 　 '､:V::::l　ﾋ_:ｿ　　　　　 lr'::::::ﾘ.''/:.:.:.:ﾉv:/l::N
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lゝl:.:l///　　 　 　 　 ゞ_:シ ./:.:／ゝl/:.:l: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　え？　あなた…。　　　　　　　,'/:.:.:.ﾍ　　 ´　　　　　　////イ r‐_ｲl:.:.::.:.:'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:＼　 ´｀　　　　　　ｲ｀¨:.´:.:.:.:l:.:.:.:.:.:'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 　 　 /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.,.>.､　　 ,.　 ＜:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:',:.:.:.::.:.'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:::l:.:.:.:.:.:.:.:／ .i　 ｀.´　 　.i ｀'､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.::.:.:.',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l...l:.:.:.:.:／　 　.i　 　 　 　 ﾍ　＼:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:i
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99 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:34:00 ID:tsLXWIDE [23/39]
1864






　　　　　　　　　　/::::::::::::/::::::::::::/:::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::',:::',
　　　　　　　　　　/:::::::::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::!::::i
　　　　　　　　　,'::::::::::::/::::::::::::: /::::::::::／::::::::::::|:::::::::::::i:::::::::i::::l
　　　　　　　　　l:::::::::::/:::i::＿:: /:::::::／|::::::::|::::::::|:::::::::::::l:::::::::l::::l
　　　　　　　　　i:::::::::/:::/::::::/＞､/ 　i:::::::::l:::::∠⌒:::::::::|!:::::::|'ﾘ　　　　　 俺は未だ、何の力も持たない男です。
　　　　　　　_ノ::::┌i:::/::::::/斤心ヘ i:::::::::i::::ﾒ≦i::::::::::::i:!::::::!
　　　　　　　＞:::::｛ ﾚ' |:::::7ﾚ升::｝　/:::／|:/辻:｝l::::::::::ハ:::::!　　　　　　　 けれど、フローラが他の男のものになろうとするのを、
　　　　　　_,＞::::::::i ヘ|:::/　ゞ‐"　/／　 ′ゞ‐' l:::l:::/　 ∨　　　　 　　　黙って見過ごすことなどできないのです！
　　　　　　￣｀￣｀＼:|:/ 　 　 　 ′　　　､ 　　∧!/
　　　　　　　　　 　 　 ＼|＼　　　　　＿ 　 　 /　 ′
　　　　　　　　　　　　　_{i　　　　 　´ 　 ｀　／
　　　　　　　　　　　　//　｀＼　 ＞　_　イ
　　　　　　　　　_,､-;'´;;;i　　　　 `ｰ ､, _ﾉ iヽ、
　　　　　_,､-;;"´;;;;;;;;/;;;;;l　　　　　　／ﾍ　l;;;;;ﾍｰ,,､
_,､-;ｰ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;ヽ　　　 ／::::::::∨;;;;;;;;ﾍ;;;;;｀';;;;;;;､_




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アンディはルドマンに屈することなく、言い切った。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛





　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　|　 （●）（●）　|
　　 .　　　　　　　　　　　　 |　u.（__人__）　.|　　　　　　　　（（ちょっと…待て））
　　　　　　　　　 r､ 　　 　　|　　 ｀ ⌒´ 　.|
　　　　　　　　,.く＼＼r､　　 ヽ　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　＼＼＼ヽ}　　　ヽ　　　 　/
　　　　　　　　　rヽ ` 　 ヽ　　/　　　ｧ'´ヽ
　　　　　　　　 └'｀{　 . 　 ＼.|　　　/　 　i
　　　　　　　　　　　ヽ､._　　　ヽ､_,r'　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ､　　　／' 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'ｰ'´




　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺は言葉にこそ出さなかったが、一言言いたい気分でいっぱいだった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
.



100 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/06/30(水) 23:35:18 ID:uErPdqof [3/4]

やだこの誠かっこいいw



101 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:36:05 ID:tsLXWIDE [24/39]
1865




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}}
　　　　　　　　　　　　　　　　_.. - ― ‐ ､_　,〃
　　　　　　　　　　　　 /XZ´　　　　 ,　 　 ￣ ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 /'Y´￣　　　 /　　 /ハ. ＼ヽ
　　　　　　　　　　　/Yト､._　二ﾆ./　 /./ }　|lヽ　l ヽ
　　　 　 　 　 　 　 ﾊlN＼　｀ヽ　/　/ /_/__,ハ |! ﾄ､ 〉　　　　　　　　リュカ…？
　　　 　 　 　 　 　 ﾄv'{ ヽ.ヽ. ,ry′/ｲt￢=､｀'| || |.j/
　　　　　　　　　 　 ﾄ:仆､.＼ ｌ /　　,'　ヽ{;::|　jｲ '´
　　　　　　　　　 __,.｣⊥l　 　 Y　 ./{ u　 ｀′　 >　　　　　　┏
　　　　　　 r 'ニ-‐'´ｨ个 ､　 {/　/!|　　　　 -､/　　　　　　　　　ピエールも「それ」を察したのか、
＿_.. -－ ''}　　 ／ / .|　 ｀>|{　/ |l　　 　 　 /
__.. -－ '' ´｀y''´,r'⌒ '' ‐-'/ |:! {,__|!＿ト―‐.'　　　　　　　　　　不安げに俺の顔を見た。
　　　＿　 ／,／::::::::::::.:.:.:.:.:｀ヽl√￣｀l 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛






　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　 ／　　　　 _ノ＼
　　　　　　　　　 |　　　 　；　（●）　　　　　　　　　　(（まさか…なぁ？）)
　　　　　　　 .　　|　　　　　　 （___ﾉ）
　　　　　　　　　　|　　　　　　　 ´ﾉ
　　　　　　　 .　　 |　　　　　　 　 }
　　　　　　　 .　 　ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ




　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　しかし俺には、まだ何も言えない。

　　　　　　　　　　　　　　　だって俺は、―――天空の盾についてのみの用件で、この家に来たはずだったから。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

.

102 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:37:20 ID:tsLXWIDE [25/39]
1866




　　　　　　　　　　　　　　　,．---- ､,,
　　　　　　　　　　　　,r'"´ー‐-､　　 ＼
　　　　　　　　　　　/　　　　　　　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　j　　　　　　　　　　　　!
　　　　　　　　　　　rｰz､　,'､__,,,､､､｀,　　_,j　　　　　　　　　　　　　アンディ。…アンディ・インガルスよ。
　　　　　　　　　　　};tｧｦ　ゞrtｧ‐-''ﾞ　　ﾚ^!
　　　　　　　　　　〈｀`´j　　　　　　ヽ　ｲ !
　　　　　　　　　　　i　 ,!__ ,;､　　　 ノ､_ソ　　　　　　　　　　　　　　―――お前はいま、強い決意とやらを述べたが。
　　　　　　　　　　　| / ｰ-､_, !　 /　/^i
　　　　　　　　　　　ﾄ､ ｀`''　 ′ ' ,ｲ　 ﾄ､
　　　　　　　　　　／.:.!ゝ---‐''''"´　_／〈:.＼
　　　　　　_,､-‐'7:::::::::ﾄ､ ｀二ﾆﾆ二´　 ,ｲl::::.:.＼､､_　　　　　　　　　　　┏
　,,､-‐''"´.:.::::::/:::::::::::|　＼_ ＿＿ ,．'´ /!.:::::::::::ヽ::.:.｀`''ｰ- ､　　　　　　　 ルドマンはアンディの言葉をひとしきり
　.:.:.:.::::::::::::::::::/:::::::::::::::!　　　　　＿ _／　!:::::::::::::::l::::::::::::::::::::
　.:.::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::ﾄ､　　　　　　　　 l:::::::::::／:::::::::::::::::::::　　　　　　　 聞き終わると、苦み走った表情を浮かべた。
　.:.::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::|　＼　 　　　　 / |:::::／::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　:::::::::::::::::::::::::::::「´::::::::::!　　 ヽ 　　　 /　l:::::｀i::::::::::::::::::::::::::::






　　　　　　　　,． '"´　￣￣｀`ヽ､
　　　　　　,r'´　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　.　 /　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　|　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　決意というものはな、それだけでは何ら意味をなさんのだよ。
　　　　　!　　　　　　　　　　　　　 j .〉
　　　　───- ､　　　　　　　　,ｲ^ﾘ
　　　　─‐- ､　.:.::ヽ　　　　　　〈.1（ ）　　　　　　　　　　　　　　強い意志などだれでも持てる。
　　　　　　　.:::i　.:.:.:.:i　　　 　 　 ヽU,!
　　　　　　 .:.:.::|　.:.:::::!　　　　 /　 !　|
　　　　　　 .:::::::|　.:.::::|　　　 ノ　　i　　　　　　　　　　　　　　　　肝心なのは実行力だ。決意したことを成し遂げられる、力だ。
　　　　　　.:.:::::::|　.:.::::|　　　　　　 | 〈
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::|二二二'ﾆﾆ|:ノ
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::|　　　　｀¨`ヽ
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::|　　　　　　　 ＼
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::| _ _＿＿ ＿ , イ＞ ､ _ ＿＿＿＿
　　　　　　:.:.::::::|　.:.::::|　　　　-ー''¨´￣　　　　　　　　　　｀¨`ヽ､

104 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:38:36 ID:tsLXWIDE [26/39]
1867






　―――見るがいい。



　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　ﾊﾟｻｯ
　　　 　 　 　 　 /￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　 /　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　 　 ＼
　　　　　　　　/　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　＼
　　　　　　　/　　　 　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 　 ＼
　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣




　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そしてルドマンは、一枚の古ぼけた紙を取り出す。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その紙は、ここら周辺の、地図だった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛




　　　　 　 　 　 　 　 ,.r' "´二`ヽ
　　　　　　　 　 　 　 j.:.:,,,_　　_,,,,!
　　　　　　　　　　　　:h::.示ゞ 示''　　　　　　　　　　　　ここが、サラボナ。我が町だ。
　　　　　　　　　　　　ゝ',｀ ´;;,ﾉ~ｲ
　　　　　　　　　　　　〕 ;. -ｰ- ﾉ:　　　　　　　　　　　　　判るな。で…ここから、南東に行ったところに。
　　　　　　　_ ＿ , ｲ^!｀`ｰ- ＜ﾄ､
　　　　　,.ｲ　　　 /　ﾄ､ヽ ーイ}　ﾞ､￣｀`ヽ:
　　　　/　 ',　　 /　　!`ー一 '´i 　 !　　　 i|
　　　　i　 　 ヽ ,.::フ　 |　　　　　ﾄ､/　　/　!
　　　　|　　　　ﾘ　i.　　|　　　 　 |　〉　 / 　 !.
　　　　ｋ´￣`r‐-､|　　|　　　 　 |,/　 /　　 |

.

105 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:39:56 ID:tsLXWIDE [27/39]
1868






　　　　　　　　　　　　　　　これがみえるな。ここにあるのが、通称「死の火山」と呼ばれる火山だ。






;.;;;;;;;;;..;;;;;;;;;;..;;;;;;;;.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;._./ ﾞ_.. -'′ .-、　　｀￣￢―ｰー-..、　　　;;;;;;;　　 　 　 ｌ,,、
;;;;;;;;;;;;,､_;;;;;;.,∠＿＿―-'゛｀ﾞ'''ﾞﾞ';;ii..r''''''"´　　　　　　｀'‐　　　　　　　　　　 ￣￣´ﾞﾞ'''ｰ　,,.　　　　｀''､
＿-‐´　　´　　　　　 _.. -‐'''''"´　　　　　　 　 　 　 　 ハ、　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀'-､,　　　ヽ、
　　　　　　 ._,,.. -'''″　　　　　　　　　/ 　.、 ,　 　　　 ﾞ>.゛　　 ......;;;....;;;;;;;;;..ｌ,　　　　　 .-、　　.｀'''ー .ｉ＿
　　._.. -‐'"　　　　　　　　　　　　　　ｌ│;;;;;.! .ゝ　　　　　　　　　　　　　 ;.;;;;;;＼　　　　　 .＼　　　　 .＼. ｀'-,,,
'''"゛　　　　　　　　　　｀ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ.ｌ、　　 .″ヽ,;;　l.　　　　　　.．　　　 '､　　　 　...;.;;;;＼　　　　　 .゛　　　　　 ｀'-、 .｀ﾞ"'ｰ-
　　　　　,,　 　 　 　 　 　 ;;;i′　　　　　 　.;;ゝ　　　　 ./ 　　 '､　 ヽ 　 　 　 　 ;.; ＼ 　　　　　　　　　　　　｀''-、ﾞヘ．
　　　 ／ 　 ,i′、　　 　.;;./ 　　　　　　　　 　　　　　 / .....;;　 .′　ヽ　 　 　 　 　 ;.;ヽ,
;.　.／　　 : ′　　　　　;./　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾞ .;;;;;;;;;:　 　　 　　　,..,　 　 　 　 ﾞ′　　　　 .､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;:;;;;;;;　　　 .、　　 ;;.ｌ　　　　　　　　　　　 　;;;ﾞ''-、　　　 ､.
　　 ....,lﾞ　　　　　　　 　 　 　 　 　 !　　　　　　　　　　　 　;.;;;:　　　 ＼　 ;:　l　　　　　　　'-.　　　　 ..､;;;;;ﾞ'-､,　　 ﾞヘ
　...;;../ 　 :　　　　　/ 　　　　　 .../　　　　　　 / 　　　　　 　　 .．　　./　 .;　l, 　 　 　 　 　 ヽ￢　.　 ＼;;;;;.;.;;ﾞ''‐
..;;;;../　　　 .ｌ　　　./ 　　　　 　.│　　　　 : ,ﾉﾞ;;;;;　 　 　 　 　 ／　　 ゛　 |.;;;;;.! ｀　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼;;;;;;;;;;;.;..
;;;;;;;　　　i　　ｌ　　″　　　　　;;;./　　　　　/ ;;;;;;;;;　　　　.,i'　 /　　　　　　l.;;;;;;　　　　　;.;ﾞ'-、　　　　　　　　 ﾞ'∴;;:　、
;;;;;;;:　　 .|　　ゝ　　 　 　 　 ;;;;;;゛　　　　 .ﾞ;;;;;;;;;;;;;;:　　　/ 　 /　　　　　　 l;;;;;;〟　　　　 ...;.;;; ＼ 　　　 : .,,、　 : ﾞ'‐　 ｀
;;;;;　　　/　　　　　　 ,..-'ﾞ;;;;;;..　　._..-''' ...;;;;;;;;;;;;;;;;:　 ／　　./　　　　　　 .,!;;;;;│　　　　　　　;;;;;;;｀'‐.　　　 ..｀''- ,,、






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 二つある指輪のうち、「炎の指輪」は、ここに隠された。



.

106 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:44:16 ID:tsLXWIDE [28/39]
1869





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　炎の指輪は、死の火山の奥深く、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　溶岩が流れ熱風渦巻く危険な洞窟の中に。


　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＋
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ◇　＋
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　 ((　))
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　　　　　￣
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人知れず、待っているだろう。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　英雄を。勇者を。予言者の希望を託すにたる、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　たった一人の、真の男をな。

　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　……アンディ･インガルスよ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 おまえは、自分が。

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 その英雄。その男だと、思っているのか？


.

107 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:45:23 ID:tsLXWIDE [29/39]
1870






　　　:::::::∧:::/　｀ｰ　　　　　　　　　　　　　／
　　　:::::/　∨　　　　　　　 　　　∠二 7 /　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　／ﾍ　　　　　　　　　　 　 　 　　 , '　　　　―――。　　　　　　　　アンディはルドマンの問いに口を一瞬、
　　　＼　 ＼　　　　　 ＿　 　 　 　 /
　　　　 ＼　 ＼　　　 /　　｀　ー - ′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　開いたが。
　　　　　　＼ 　＼__ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　　　　￣＼ ＼








　　:::::::∧:::/　｀ｰ　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　:::::/　∨　　　　　　　 　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何も言えなかったのか、
　　／ﾍ　　　　　　　　　　 　 　 　　｀, '　　　　……。
　　＼　 ＼　　　　　 ＿　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 すぐに閉ざした。
　　 　 ＼　 ＼　　　 /　　｀　ー - ′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　 ＼ 　＼__ /
　　　　　　　￣＼ ＼


109 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:46:23 ID:tsLXWIDE [30/39]
1871





　　　　　　_ ＿ ＿ ,.r' "´二`ヽ＿ _ _
　　　　/ /.:.:::::::::::::j.:.:,,,_　　_,,,,!:::::::.:.:.`ヽ
　　　　i　i.:.:.::::::::::::::h::.示ゞ 示''!::::::::::::::::::i
　　　　|　|.:.:::::::::::::::ゝ',｀ ´;;,ﾉ~ｲ::::::::::::::::::::|　　　　　　　 私は欲深い男だ。
　　　　|　| .:.:.:.:.:::::::::〕 ;. -ｰ- ﾉ::::::::::::::::::::::|
　　　　|　| _ ＿ , ｲ^!｀`ｰ- ＜ﾄ､:::::::::::::::::::|　　　　　　　何にでも最高のものを求む。
　　　　,.ｲ　　　 /　ﾄ､ヽ ーイ}　ﾞ､￣｀`ヽ:!　　　　 　 　 そして大抵なものならば手に入れられる、力も持っているつもりだ。
　　　/　 ',　　 /　　!`ー一 '´i 　 !　　　 i|
　　　i　 　 ヽ ,.::フ　 |　　　　　ﾄ､/　　/　!
　　　|　　　　ﾘ　i.　　|　　　 　 |　〉　 / 　 !.　　　　　　　―――それは娘に対しても例外ではない。
　　　ｋ´￣`r‐-､|　　|　　　 　 |,/　 /　　 |
　　　ヾ　　　ゝ彡ヽ _」,　-─-rr'⌒ヽ　　 |
　　　　i　　　　`y'"´　　 　 　 | !　 ノ　　 |
　　　　!　　.:.:.:/　　　　　　　 ﾚ'¨´　　　 |
　　　　ﾄ､.:.::::/　　　　＿ , ィ´　　　　 ／





　.:/i:.:.:/:.:.:/:.:.:.:/:.::./:.:. /:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:i:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.:.:. ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.i
　　,':.:/:.:.:/:.:.:.:/:.:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.: ﾊ:.:.:.lヽ:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.:,:ｨ彡',
　i　:./:.:.:/:.:.:.:,':.:.:.:i:.:.:i:.:.:.:.:.:.:./:____/_.i:.:.:i　 '､:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:i,:.:.',彡'":.:.:.:',
　　i:.:.:.:.i:.:.:.:.:i:.:.:.:-i‐i:.:.:.:.:.:.:7´:.:.:/　.i｀`' ‐.､i:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:i:.',:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:',　　　　　　　　　　　当然の親心だろう？
　　i:.:.:./i:.:.:.:.:i:.:.:.:./i:.i:.:.:.:.:.:/:.:.:., ' ＿i::/　　　i:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:i:.:.i:.i:.:.::.:.:.:.:.:.:.',　　　　　　　　　　アンディ・インガルス。
　　i:.:.,'　i:.:.:.:.:i:.:.:.i /fヽ,:.:.:/:.:／　"fﾃ:::: ヽ､　 i:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:i:.:.:V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'､
　　i:.:i　 i:.:.:.:.:i:.:.:.:.i |: ::|:./／　　　 i r::;;;:::::}ヽ i:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.r､:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'､　　　　　　　　　この世で一番愛する娘だ、
　　'､i　 '､:.:.:i i:.:.:. i ir':lヽ'　　　　　iﾉ:::::::::ﾘ　.,':.:.:.:./l:.:.:.:.: /､.V:.:.:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'､
　　　　　 '､:.i ヽ:.:.:i ﾋﾘ　　　　　　 ゞ-‐'"　 /:.:.／　i:.:.:/ }　ﾉ:.:.:.:'､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',　　　　　　　 その娘を、より良い、
　　　　　　ヽi　ヽ:.i ,　　　　 　 　 　 　 　 /／　　/／-'／:.:.:.:.:.:.:.'､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ　　　　　　　　できれば最高の男に。
　　　 　 　 　 　 　 ',｀　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｲ--':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ
　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　‐　　　　　　　 　 　 ／|:.:.:.::i:.:.:.:.:.::.:.:.:.:..:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　 　 イ 　 i:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'､:.:.:.:.:.:.::i:.:}　　　　　　 嫁がせてやりたい、そう思うのは。
　　 　 　 　 　 　 　 　 i:.:.:＼　　　　,　 ＜　　　　V:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:ヽ:.:.:.:.:i:.:.i
　　 　 　 　 　 　 　 　 i:.:.i:.:.:.:`':.:爪 　 　 　 　 　 ,､-‐‐- ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.i:.:/　　　　　　―――妙な事だと、お前は言うのか？
　　　　　　　　 　 　 　 i:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.∧　 　 　 ,　'´　　　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::..:.:.:i:.::/i/
　　　　　　　　 　 　 　 ',:.i:.:.:.:.:.:.:.:.／i.　　／　 　 　 　 　 　 ヽ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
　　　　　　　　　　　　　 '､i:.:.:.:.:.:/ /._| ／ 　 　 　 　 　 　 　 　 `　､:.:.:.:.:.:.:./
　　　　　　　　　　　　　　＼, -'. /ｲ／　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ､:.:/
　　　　　　　　　　　　　,　'´ 　 /／　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼

110 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:47:28 ID:tsLXWIDE [31/39]
1872





　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　　　　|　　　 （ ●）（●）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　；　 （__人__）　　　　　　　　　　　　　　今、ここにいる男、リュカ君は、
　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　　｢預かり手｣の二人の予言の通り、
　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　　天空の剣を携えて…このサラボナの地にやってきた。
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､.,＿＿ __ノ
　　　　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　　　　　　 　 　 私はあの｢預かり手」の二人を信じている。
　　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　　　あの二人が予言したことを信じている。
　　　. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||::::: /::::::::i:::|
　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　―――つまり…。






　　　　　　　　,　　.::.　　　.:.:::
　　　　　　　,′.:.:.:.:　　 .:.::.　　　　　　　　　　　　　 　 　`､
　　　　　　 ,j .:.:.::::.:.:.　 .:.:::,r'"¨　 ｀`　　　　　　 　 　 　 　|
　　　　　　 i .:.::.::::.:.:.:　 .:.:: , ,､､､､,,,,　　　　　　　　　　　　 !
　　　　　　.|　, ｰ ､.:,j. 　 /,　-ー- ミヽ､　　 ,'`　'"´￣_,,,.〈
　　　　　 .:j / ,ｪ､ l/　　'ﾞ　-_‐ー-ヾミﾐ彡ｿﾉ　　ｿ≦三ミｿ
　　　　.:.:.::| i　 ハ:::.:i　¨`, ^ヽ旡こﾆﾝ,':.:"彳　,ｲｲ≦⌒'ｿ
　　　.:.::::::::| |　 い.::::|　　　　　　''¨"´　.::::;'.　 1タこヽ /　　　　　　　　　　私は彼を、予言の通りの勇者だと、
　　.:.:.::::::::::| ﾞ, 　ﾄ､::.:|i 　　　　　　　　.:.::::;;　　 |`　-‐'^!　　　　　　　　　　信じているというわけだ。
　　.:.:.:::::::::::l　>､.:::ﾉ::ヾ　　　　　　　 .:.:::::;;　 = i　　　　|
　　::::::::::::::::::V^ｰ ｲ:1::.:ﾞ,　　 ,r'"　　 ,.イ.:;;j　　j　　　　!
　　.:.:.::::::::::::::i:;;:;:;;;!::j!:::.:i!　 /　､　　　　｀¨` ｰ' ′ 　,ｲ
　　.:.:.::::::::::_ﾉj;;:;:;::i:::',::.::.|　　　　｀` ー-__､＿,　j 　 ,/
　　.:.:.:.::」´ ヽl;;;:;:;;:i::.:`､:.!　　　　　 ､,,,,,_ ＿,　 /　 /
　　.::／,ﾍ　　 `ヽ､j:::.:.:.ヽ　　　　　　　　　　　　 ,ｲ
　　´　〈:::.:＼　　　｀`ｰ- ､ゝ､　　　　　　　　　,.ｲ〈
　 　 　 ヽ::::.:..＼　　　　　 ｀¨` ー------ ＜　ﾚ^ヽ,,
　　　　　　＼::.:.:.＼　　　　　　　　　　　　　　i　|　　　＼

.

111 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:48:34 ID:tsLXWIDE [32/39]
1873




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺が、伝説の勇者だと信じている、と？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛




　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　|　　； （ 一）（●）　　　　　　　 （（さっきはあんなに疑ってかかるような言い方をしたくせに））
　　　　　　　|　　　　 （__人__）
　　　　　　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ　　　　　　　　（（俺という人間を見ていたのか？自分と接して、俺がどうするかを）)
　　　　　　　 |　　　,.く))／´二⊃
　　　　　　　 ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　　　　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
　　　　　''"::l:::::::/　　　 __人〉
　　　　　:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　　　　　:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
　　　　　:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
　　　　　／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|




　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　ルドマンの恐るべき考えの深さと、単純ではない駆け引きのやりとりに気づいて。

　　　　　　　　　　　　　　　　俺は正直、ぞっとした。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛


.


112 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/06/30(水) 23:49:36 ID:xKPvMJwt [2/2]

勇者……ではないんだよな、残念ながら



113 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/06/30(水) 23:49:46 ID:uErPdqof [4/4]

冷静に考えると娘を勇者（かも知れない）男の嫁に出したら
娘もモンスターに狙われるかもしれないけどな、最高の男ってのも厄介なものだw



114 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/06/30(水) 23:50:21 ID:USa1Zf5r

ルドマンさんかっこいいわー



117 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/06/30(水) 23:52:16 ID:D5Scf4jp [3/3]

>>112
リュカは原作的にモンスターですら見惚れられる神々しいイケメンオーラを放ってる男だからな…
そう思われても仕方ない。



115 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:50:33 ID:tsLXWIDE [33/39]
1874





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして俺は、なんとなくだが思い当たる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ルドマンは、信じたうえで尚、保険をかけようとしたのか？　と。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛


　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



　　　　　　　　　　　　, -──‐‐- ､
　　　　　　　　　　,r'´　　　　　　 _ _｀`ヽ､
　　　　　　　　　/　　　 , '´　　 　　　｀ヽ､＼
　　　.　　 　 　 /　　　　　　 _ _　　　 　 　　 ｀､
　　　　　　　　l　　 　 　 ,,,,､＿_｀ヽ,　 　　,､-　i
　　　　　　　　,! 　　　　　,r-ー-､｀ヽ,　　,,　-‐ |
　　　　　　　　! /,ｨヽ! 　　"´￣｀ヾヽ､　　,r‐-､,!　　　　　　「 所有自体は全くの一般人たるものでもできる。
　　　　　　　　|,!　i/ 　　　　セﾆiｯ｀ゝ'´ ,ｨﾆ｀ヾ,!　　 　 　　　私のような、な。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　」
　　　　　　　　!　 ｶ 　! 　　　　' ´　.:;　 ﾞiﾇｲ'´ﾞ|
　　　　　　　　ヽ ｀ゝ ヽ　 　 　 　 .:::; 　ﾞl　　 ,!　　　 　 　　「 私は大金を出してその「盾」を手に入れた。
　　　　　　　　　i　　i　 ;　　, 　 　´ゝ-r､」　 /　　 　 　 　 　手に入れること自体は、「やりようによって」…誰にでもできるだろう。」
　　　　　　　　_」　　 l　　　'　ｰr＝＝=､,　　!
　　　　　　,f´ヽl　 i＼　　　　 ､｀`ー'"´ ' ./
　　　　　／/　　｀`ヽ､ ＼　　　　￣｀　　 /､
　　　,ｨ'´　 i　　　　　　　 ｀ゝ､_　　　　_,ｲ ﾚヽ
　　　/ 　　 ＼ 　　｀丶､　　　　 ￣￣　‐'´ ,.ｲ- ､
　　　　　　　　＼　　　｀`丶､　 　 　 　　 　 j　　＼‐- ､_



　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あんなことを言って。俺が勇者たる実力があるのか、どうかを。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛


.

116 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:51:51 ID:tsLXWIDE [34/39]
1875





　　　　　　　／￣＼　　　_ ＿_
　　　　　　　　　　　_ Ｖ´　　　　　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　／　　　　ヽ. ＼　　　　＼
　　　　　　　　/ /　／/ / /|　　ｌ　　　　　ヾ7ヽ、
　　　　　　　　ﾚ{　/ l｜ ! l ｌ|　　|＿　　　ヽ ｝Y７、
　　　　　　　　　V { 「Tナトt|　　|__ _￣　 ｰ ｝ソヽ
　　　　　　　　　_ノ｀ ﾌﾊTヽ | 　 |ｰ- ニ ＝ ｝人ﾉ
　　　　　　　　　ヽ　　￣ ´u|　　|へー‐= -ﾉﾝY　　　　　　　　　 リュカ？　一体話は、どのように進んでいるのですか？
　　　　　　　　　　}ヽ　 　 　 |　　|ｿﾉﾆ二ンｰト'
　　　　　　　　　　!　　　　　｜　 |´-ニ ベｰ'_　　　　　　　　　　　私たちは「盾」についてこの家に来たはずです、なのに。
　　　　　　　　　　｀ｰ┬┐　 |!　 |ﾆ´不ヽ、＼＼＿__
　　　　　　　　　　　　ﾚ上.ニ|ﾄ､ |イ´ |_ ＼＼ ＼＿ﾌ＿ _＿_ ,
　　　　　　　　　　　　　7/　 ﾘ　ｿ L_　 ￣ ＼＼_／ー-- ―┴ｧ
　　　　　　　　　　　/￣｀ ￢　 ｌL　 ￣}_　　　｀ ー― ‐ -- ―'
　　　　　　　　　 r〈_ ＜フ/　　｀う)　　 L_
　　　　　　　　／ 　 ￣TY　　　　ヾ､　　 ヽ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ピエールが現状に戸惑いながら、俺に言う。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺だって、判るもんか。―――だけど…
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛




　　　　　　　　　　　　　＿__
　　　　　　　　　　　／　　　＼
　　　　　　　　　　 /　　　　　　ヽ
　　.　　　　　　　 ｜　　 　 　 　 i
　　　　　　　　　　｜　　　　； 　i　　　　　　　　　　　（（なんか…この流れは。））
　　　　　　　　　　　|　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　|　　　　　　 |　　　　　　　　　　　（（ひょっとして？））
　　　　　　　　　　　j＿＿ 　 　ﾉ
　　　　　　　　 ,.-√::::::::::....ミく
　　　　　　　　/ .::7￣￣. : : .:.:.ヽ
　　　　　　　/ .:::/.:.:.: : : : : : : :.:.::..＼
　　　　　　,' .::::/.:.: : : : : : :.／ ⌒ 、ヽ
　　　　　　i .::.::.::.:. : : : : :　.:.:.:.:.:::::...ヽ:.',、
　　　　　　 i ::::.::.::.::.:.: : :/ .:.:.:.:.:.:.:.::::::: }::',　　　　　　　　　　┏
　　　　　　 i ::::::.::.::.:.:.:.:/ .:.:.:.:.::::::::::::: ,.::: i　　　　　　　　　　　　これだと。俺が…まるで…。
　　　　　　 ', :::::::::::::::く .::::::::::::::::／:::〈:::: |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　　　V:::::::::::/ .:::::::::::::／::: /:::::::: l
　　.　　　　　∨:::::/ .::::::::::::::::::::: /::::::::::: i

.

119 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:54:00 ID:tsLXWIDE [36/39]
1876




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ルドマンは、さらに続けた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┛




　　　　　　　　　　　　,．-'"´￣￣｀`ー ､
　　　　　　　　　　　,r'´　　　　　　 　 　　 ｀`ヽ､
　　　　　　　　　　/　　　　 ,r'´　　　　 ￣｀`ー ｀ヽ､
　　　　　　　　　/　　　　 'ﾞ 　 　 　 　 　 　 　 　 　　ヽ
　　　　　　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　　　　　,' 　　　　　　'ﾞ ,､､,　 `丶､　　　　　　　　|
　　　　　　　,!　　　　　　　,ｨ;:;:;:;:;ヽ､　　　ヽ　 ,,､ '"´　!
　　　　　　　! ,r'⌒ヽj　　｀`二ﾆヾ､;:;''ｰ,　　　 ,,､､;;:;;ヾ!
　　　　　　　lｲｲ ヽ '　　ヾ､ヽマﾆｰ';ー'ﾞｲ 　 ,ｲ;:､-‐-ｲ　　　　　　　　私が無遠慮に見つめても一切動揺しない胆力、
　　　　　　　.!　　Y｀　 ,' 　　　　,　'"´'.:::;ﾞ　 j,!ｶｯ-､ ｲ
　　　　　　　　'､ ヾ!､　 ;　　　　　　　　.:::::;　　!　｀`　 |　　　　　　　　鍛え抜かれたといっていい無駄のない動きと肉体。
　　　　　 　 　 V､　 　｀､　　　　　　 ,ｨ:::;;;　　l　　　　!
　　　　　　　　　j　　|　　!　 　 ,r　　　`ー=-'ﾞ､ 　　 /　　　　 　 　 　 そして何より彼の腰に吊るされた至宝。
　　　　　　　　,!　 !　!　　　　;ﾞ　､_ ＿＿__ ,,　　;　ｲ
　　　　　　,r'´」　　!　!　　　　　　｀`ー---'　 r'　/
　　　　　／j　ヾ!､　｀i ｀､　　　　　ヽ､＿__,　　　,/
　＿__／　〈　　　 ｀`'ｰ-､ゝ､　　　　　　　　　／i､
　_ ／　　　i　 ､　　　　　　　｀`ｰ､　　　　_ ノ　,」/ヽ
　/　　　　　!　　｀`ヽ､　　　　　　　￣￣─''"´　　/､
　　　　　　　ﾄ､　　　　￣｀`ｰ ､＿　　　　　　　 ,イヽ ｀`''ｰ ､
　　　　　　　|　ヽ　　　　　　　　　 ￣￣￣ 　　　　/　 　 　 ＼ー- ､






　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　　　　|　　； （ ●）（●）
　　　　.　　　　　　　　　|　　　　 （__人__）　　　　　　　（（…やっぱり…「そういうこと」なのか？））
　　　　　　　　　　　　　 |　 　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　.　　　　　　　　　 |　　　　　　 　 }
　　　　.　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 私は彼を勇者だと信じている。
　　　　　　　　　　　　_,／(　｀'　､ _ﾞT　　　　　　　 　 　　　　　　　　　　フローラを嫁とすべきな、この世で最高の男だと。
　　　　　　　　　　　ノ.ヽ｀ヽ.　ヽ｀ヽﾑ　｀
　　　　　　_..　-‐ ´ 　ヽ　　 ＼　　l;;::ヽ
　　　/´　　　　　　　　 ヽ　　　ハ/｀ｧﾍヽ
　　　. : .　　　　　　　　　｀ ー/ 　 ヽ|:. ﾍ ＼､_
　　　, : : . ＼　　　　　　　 ヽ　　　　ヽ:::. ' ＜. ヽ
　　　l: : : : .　ヽ: .　　　　　　 ヽ　　　 ﾍ:::. l　^l　|
　　　!: : 　　　 ヽ: : : : 　　　 　 ヽ　　　ﾍ:: l　 .! .|
　　　´: : :　　 　 ': : :　　　　　 　 ＼　　 ﾍ:l　 |　|

.



120 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/06/30(水) 23:54:48 ID:BCf2dZzI [2/2]

ロックオンされたな



121 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:55:38 ID:tsLXWIDE [37/39]
1877





　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　そして…、半ば俺を無視して（ルドマンはそうは思っていないようだが）、

　　　　　　　　　　　　　　　　　ルドマンの本意が語られる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛




　　　　　　 .　　　　 　 　 ／　　／／　　／|
　　　　　　　　　　　　　　|≡≡|__|≡≡|彡|＿＿＿＿
　　　　　　　　／￣／／.|≡≡|__|≡≡|／　／／　／|
　　　　　　　 |≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|　　　　　　　　　フローラを嫁とすれば、
　　　　　　　 |≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|　　　　　　　　　我が家の莫大なる財産と名誉を継ぐこととなる。
　　　　　　　 |≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
　　　　　　　 |≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|／




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 やっぱり…そういうことか。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 俺を、この家の婿にと。ルドマンは、そう言っているのか！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　 　　　　／fﾞﾍt､｀-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､;;;､＼　　 　　　　　　　　　　　　＼〉　　　　　／f~´　 iﾞ;;'､';;t､｀'‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　ｰ ゝ 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼(z､　　　｀｀ﾂr;;';;ゞz;;｀'‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,. 　 ---───‐‐‐┐　　　　　　　　　　　　　｀'‐､ゞ､_　'´　`ﾞﾞ　ゞﾈ'ﾞ‐ヾミｰ ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼´､｀ﾞ`ゞヾミ''ゞ~＾`ｊi:|　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ'-､ゞ ､　　　　　_,ノ;／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`-- ─ｰ‐‐─‐--=!　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀ﾞ''-､ゞrt.;.ォ／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､／
　　　　　　　　　　　　　　　　　/{
　　　　　　　　　　　　　　　　/ 代　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　　 　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　《ﾐ ､ ﾊ　　　　しかし…、予言の勇者にはそれでも不足かもしれない。　　 　　　　　　／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:i;　}　　　心惹かれるどなたかが、すでにおられるかもしれない。　　　　　 　 , ‐'ﾞ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ソ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　_,.. ‐´fじ''´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ_,. -''´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_ ノ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼

.

122 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:57:39 ID:tsLXWIDE [38/39]
1878




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ちくしょう、このタヌキおやじ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛




　　　　　　　　　　　 ,．-'"´￣￣｀`ー ､
　　　　　　　　　 ,r'´　　　　　　 　 　　 ｀`ヽ､
　　　　　　　　 /　　　　 ,r'´　　　　 ￣｀`ー ｀ヽ､
　　　　　　　　/　　　　 'ﾞ 　 　 　 　 　 　 　 　 　　ヽ
　　　　　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　
　　　　　　　,' 　　　　　　'ﾞ ,､､,　 `丶､　　　　　　　　|　
　　　　　　,!　　　　　　　,ｨ;:;:;:;:;ヽ､　　　ヽ　 ,,､ '"´　!　
　　　　　　! ,r'⌒ヽj　　｀`二ﾆヾ､;:;''ｰ,　　　 ,,､､;;:;;ヾ!　
　　　　　　lｲｲ ヽ '　　ヾ､ヽマﾆｰ';ー'ﾞｲ 　 ,ｲ;:､-‐-ｲ　
　　　　　　.!　　Y｀　 ,' 　　　　,　'"´'.:::;ﾞ　 j,!ｶｯ-､ ｲ　　　　　　　　だから、今は言うつもりはなかったが、言おう。
　　　　　　　'､ ヾ!､　 ;　　　　　　　　.:::::;　　!　｀`　 |
　　　　　　　V､　 　｀､　　　　　　 ,ｨ:::;;;　　l　　　　!
　　　　　　　　j　　|　　!　 　 ,r　　　`ー=-'ﾞ､ 　　 /　　　　　　　　娘をめとり、我が家の婿になる者には。
　　　　　　　,!　 !　!　　　　;ﾞ　､_ ＿＿__ ,,　　;　ｲ　
　　　　　,r'´」　　!　!　　　　　　｀`ー---'　 r'　/　
　　　　／j　ヾ!､　｀i ｀､　　　　　ヽ､＿__,　　　,/　　　　　　　　　　この世の二人といない娘に、
＿__／　〈　　　 ｀`'ｰ-､ゝ､　　　　　　　　　／i､　　　　　　　　　　この世で二つとない持参金を、…つけるとな。
_ ／　　　i　 ､　　　　　　　｀`ｰ､　　　　_ ノ　,」/ヽ
/　　　　　!　　｀`ヽ､　　　　　　　￣￣─''"´　　/､
　　　　　　ﾄ､　　　　￣｀`ｰ ､＿　　　　　　　 ,イヽ ｀`''ｰ ､
　　　　　　|　ヽ　　　　　　　　　 ￣￣￣ 　　　　/　 　 　 ＼ー- ､





　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　何が言うつもりはなかった、だ。

　　　　　　　　　　　　　最初からこういう流れに持っていくつもりじゃだったんじゃないか、とすら今は思える。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

.

123 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/06/30(水) 23:59:11 ID:tsLXWIDE [39/39]
1879





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　世界一の大富豪というのも頷ける。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それは、金を持っている、というだけじゃない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛




　　　　　,　　.::.　　　.:.:::
　　　　　,′.:.:.:.:　　 .:.::.　　　　　　　　　　　　　 　 　`､
　　　　,j .:.:.::::.:.:.　 .:.:::,r'"¨　 ｀`　　　　　　 　 　 　 　|
　　　　i .:.::.::::.:.:.:　 .:.:: , ,､､､､,,,,　　　　　　　　　　　　 !
　　　　.|　, ｰ ､.:,j. 　 /,　-ー- ミヽ､　　 ,'`　'"´￣_,,,.〈
　　　.:j / ,ｪ､ l/　　'ﾞ　-_‐ー-ヾミﾐ彡ｿﾉ　　ｿ≦三ミｿ
　　.:.:.::| i　 ハ:::.:i　¨`, ^ヽ旡こﾆﾝ,':.:"彳　,ｲｲ≦⌒'ｿ　　　　　　持参金とは、もちろん、我が家の家宝、
　.:.::::::::| |　 い.::::|　　　　　　''¨"´　.::::;'.　 1タこヽ /
.:.:.::::::::::| ﾞ, 　ﾄ､::.:|i 　　　　　　　　.:.::::;;　　 |`　-‐'^!　　　　　　　「天空の盾」だ。
.:.:.:::::::::::l　>､.:::ﾉ::ヾ　　　　　　　 .:.:::::;;　 = i　　　　|
::::::::::::::::::V^ｰ ｲ:1::.:ﾞ,　　 ,r'"　　 ,.イ.:;;j　　j　　　　!
.:.:.::::::::::::::i:;;:;:;;;!::j!:::.:i!　 /　､　　　　｀¨` ｰ' ′ 　,ｲ　　　 　　　　私はこの家宝を、婿以外に譲る気は一切ない。
.:.:.::::::::::_ﾉj;;:;:;::i:::',::.::.|　　　　｀` ー-__､＿,　j 　 ,/
.:.:.:.::」´ ヽl;;;:;:;;:i::.:`､:.!　　　　　 ､,,,,,_ ＿,　 /　 /
.::／,ﾍ　　 `ヽ､j:::.:.:.ヽ　　　　　　　　　　　　 ,ｲ
´　〈:::.:＼　　　｀`ｰ- ､ゝ､　　　　　　　　　,.ｲ〈
　　ヽ::::.:..＼　　　　　 ｀¨` ー------ ＜　ﾚ^ヽ,,　　　　　　　　　―――さて、アンディよ。ここまで聞いて、判るか？
　　　　＼::.:.:.＼　　　　　　　　　　　　　　i　|　　　＼






　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　このルドマンという男は、カボチの村長とは違った意味で、相当に賢い。

　　　　　　　　　　　　　　　　（俺が勇者であるという間違いはそもそもあるにしても）

　　　　　　　　　　　　　　　　気づいたら、俺の逃げ道を塞いでしまっている…完全に！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

.

124 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:00:58 ID:+iD6jdzx [1/19]
1780




　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　勇者ならば天空の盾を欲しがる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　自分はその盾を持っている。そして娘の婿も探している。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛


　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




　　　:::::::∧:::/　｀ｰ　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　お前は私の求める婿としての素質を備えているのか？
　　　:::::/　∨　　　　　　　u　　　∠二 7 /　　……。
　　　／ﾍ　　　　　　　　　　 　 　 　　 , '　　　　　　　　　　　　　　　―――と、いうことがな。
　　　＼　 ＼　　　　　 ＿　 　 　 　 /
　　　　 ＼　 ＼　　　 /　　｀　ー - ′
　　　　　　＼ 　＼__ /
　　　　　　　　￣＼ ＼




　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　まるで商売の取引のように。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　こちらの欲を駆り立て、どちらも損をしないように…仕向けやがった！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
.

125 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:02:39 ID:+iD6jdzx [2/19]
1781





　　　　　　　　　　　　　￣ヽ､
　　　　　　　　　　_　,-─ ､,〉ゝ－-::...　、
　　　　　　　,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`＼_
　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
　　　　　, ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　/:::.／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　,/:::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ｌ
　　　l::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ　　　　　　　　　　　…ルドマン。
　　　|/|:::::::::::::/::::::::::::::::: ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　|::::::::::::::::::::::::_:::/　ｌ:::::::::::::::::::|＼:::::::::::::::::::::::::::ｌ:::::::::|
　　　　|:::::::::::::::::::::::::/≧､ ｌ::::::::::::::::::| 　＼斗::::::::::::::::ｌ:::::::::ｌ
　　　　|:::::::::|:::::::::/l::/ｲ⌒ﾞ`ﾒ::::::|＼::ｌィ千代`:::::|:::::::::ｌ:::::l〉ﾘ
　　　　|::::::::/|:: /　ﾘ弋､ _ﾉｌ　ヽ|　 ヽﾚ; __ｿ ｌ j|人:::::::ｌ:::::|
.　　　　|::::/　|:::fzlｌ　＾ー‐'´　　　　　＾　‐-'´　jｌノ:::::l::l::て　　　　　　　　　┏
　　　　|/　　ヽ.:::|ﾍ　　　　　　　　　　　　　　/ィく"j ﾒ_／　　　　　　　　　　　しばらく言葉を失っていたアンディが、
　　　　　　　　　ゝ;八　　　　　　;　　　　　　/ｲ
　　　　　　　　　　　x > ､　　　 --　　　　ｲゝ:::｀＞-､　　　　　　　　　　　　　やがて、ゆっくりと口を開いた。
　　　　　　　　　〆::::;//ﾊ`　、　　　　 く´/　 ｌ）:::}:::::::::::::::` ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　　　／/::::://　　＼ 　｀‘´　　 /　 /::::7::::::::::::::::::::ﾊ::l
　　　　　　ﾉ::::/::::::《〈 ヽ／ﾍヽ 　　　／　 /::::/::::::::::::::::::::::/::::l
.

126 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:03:40 ID:+iD6jdzx [3/19]
1782





　　　　　　　　　　 /::::::::::::/::::::::::::/:::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::',:::',
　　　　　　　　　 /:::::::::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::!::::i
　　　　　　　　 ,'::::::::::::/::::::::::::: /::::::::::／::::::::::::|:::::::::::::i:::::::::i::::l
　　　　　　　　 l:::::::::::/:::i::::::::: /＿::／|::::::::|::::::::|:::::::::::::l:::::::::l::::l
　　　　　　　　i:::::::::/:::/::::::丁:::／￣i::::::::l:::ｰ∧一:::::::|!:::::::|'ﾘ
　　　　　　　_ノ::::┌i:::/:::::://／　 　 i::::::::i::::ﾒ　i:::::::::::::i:!::::::!
　　　　　　　＞:::::｛ ﾚ' |:::::7ﾚ′ 　　/:::／|:/　　.l::::::::::ハ:::::!
　　　　　　_,＞::::::::i ヘ|:::/　ゞ＝'"/／　 ′ゞ='"l::l:::/　 ∨　　　　　　　 俺は、フローラを他の男のものにしたくないといいました。
　　　　　　￣｀￣｀＼:|:/ 　 　 　 ′　　　､ 　　∧!/　　　　　　　　　　　 その言葉は、今も俺の中で真実です。
　　　　　　　　　　　　 ＼|＼ 　 　 　　＿　 　 /　 ′
　　　　　　　　　　　　　_{i　　　　 　 ´　　　／
　　　　　　　　　　　　//　｀＼　 ＞　_　イ
　　　　　　　　 _,､-;'´;;;i　　　　 `ｰ ､, _ﾉ iヽ、
　　　　 _,､-;;"´;;;;;;;;/;;;;;l　　　　　　／ﾍ　l;;;;;ﾍｰ,,､
_,､-;ｰ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;ヽ　　　 ／::::::::∨;;;;;;;;ﾍ;;;;;｀';;;;;;;､_





　　　　　　　/:.:.:/:/:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:. /l:.:.:i:.:.:i::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.',:.:.:.:.:.:.:ヽ＼:.:.:ﾊ
　　　　　　 ,'ﾐﾐ'.:./:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:/ l:.:._i_,,,､i_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:i:.:.:'､:.:.:.:.ヽ ヽ:.:ﾊ
　　　　　　,':.:.,':.:i:.:.:.:/:.:.:.:i:.:.:.:,､ィ'i":i ',:.:.:.i｀`:.:.:.:.:..:.:.i:.:.:.i:.:.:.:',:.:.:.:.ﾊ　 `:.:',
　　　　　　i:.:.i:.:.i:.:.:.:i:.:.:.:.::i:.:.´i　　i:.:.i ヽ:.:.ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:iｰ:､i:.:.:.:.:.i:.:.:.:.::',　　',:}
　　　　　　i:.:.i:.:.:',:.:.:i:.:.:.:.:ﾊ:. ,ｨ＝≡ヽ　ヽ:.:.'､:.:.:.:.:.ﾘ.i:.:ﾊ:.:.:.:.:i:.:.:.::.:.l　　 ,'
　　　　　 i:.:/:.:.:.:}:.:i:.:.:.:.:l　 "代r':::::ﾘ｀ 　ヽ:.:i:.:.:.:,､=､/l:l:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:i
.　　　　　 i:/:.:.:.:.l ＼:.:.:.:i.　　ﾏ::::::c/ 　 　 　 l:./fr':ﾊ　i:.:.:.:.ﾊ:.:.:.:.:ﾘ
.　　 　 　 i:.:.:.:.:.:.ゝゝ＼ i　　 弋_シ　　　　　　　|:::::ﾘ /:.:.:./ i:.:.:.:/
　　　　　i:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ＿.`　::::::::::::::::::::::　　　 　 ､ﾋ:ｼ /:.:／　i:.／
.　　　 　 i:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.',　　　　 　 　 　 　 　 ､　:::::/／　　 ´　　　　　　　　　　ずっとずっと、彼女が帰ってくるのを待っていた。
　　　　　i:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:l`､　 　 　 　 　‐ 　 　 　 /:.|　　　　　　　　　　　　　　 一人前の男になって、彼女を迎えに行ける日を。
　　　　　i:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.|　 ヽ 　 　 　 　　　 　 イ:.:.:l
.　　　　 i:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:. |.　　　`　､ 　 　 　 ＜:.:.:.:.:.:.:.l
.　 　 　 i:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:/.¨ﾉ　　　　　　l:.‐:.´:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:i
　　　　 i:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.ノ　ヽ　　　　　　 lヽ､:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.::i
　　　　 V:.:.:.:,､‐'"　　　 ヽ　 　 　 　 ヽ.＼:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:i
　　　　　V"　　　　　　　 ＼　　　　　 '､　`'‐ ､:.:.:.:.:/

.

127 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:05:37 ID:+iD6jdzx [4/19]
1783





　　　　　　　　　　　　　　　　確かに俺には、そこにいる男のような戦士ではない。

　　　　　　　　　　　　　　　　絵筆に慣れたこの指は、やいばの技には向きはしません。



　　　　　　　　　　/::::::/ /::::::::/::::::::::::::::::/:::::::::::/::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::ｌ:::::::ｌ:::::::::::::::::::::::',:::',:ｌ
　　　　　　　　　　,':::::/ /:::::::::,'::::::::::::::::::/:::::::／ｌ::::::::: /:::::::::::::::::::::::::::::: /:::::::,'::::::::::::::::::::::::::::::',ｌ
　　　　　　　　　　ｌ:::/ .,｀:::::::::ｌ::::::::::::::::: ｲ:::::::/＿ｌ:::::::ｌ::::::::::::::::::::::::::::::::}::::::: /:::::::::::}:::::::::::::::::::::ｌｌ
　　　　　　　　　　ｌ/　,'::::::::::::ｌ:::::::::::::::斗‐¨/　 .ｌ￣T''':::::::::::/:::::::::::::/,'::::: /ｌ:::::::::::ｌ::::::::::::::::::::::ｌｌ
　　　　　　　　　　　　ｌ::::::::::,rｌ:::::::::::::/ .ｌ::::ｌ,､zx､ｌ:::::ｌ:::::::::::::/::::::::::メ,/:::::/ ｌ:::::::::/:::::::::::::::::::::::ｌｌ
　　　　　　　　　　　　ｌ:::::::/:,､ｌ:::::::::::ｌ,､r,ィ示:ｪゞ::::::ｌ:::::::::: /::::::::／::/｀メ､,.ｌ::::::::ｲ:::::::::::::ｌ:::::::::::,'
　　　　　　　　　　　　',:::::,':,'　ｌ:::::::::彳,'f.f｡::::::i.l　'､:',::::::::ｌ:::／　／く　　 ,'ヽ,/:::::ｌ:::::::::::::ｌ:::::::::,'
　　　　　　　　　　　　}::::ｌ:,' / ',::::::::ｌ　 l.ｌ::::::: i.i　　＼::::::ｌ　　／´,.:‐:`､,､'::／'､ ｌ:::::::::::/:ｌ::::::,'
　　　　　　　　　　　 /〉:::ｌ',　 〈 '､:::ｌ 　.i.l::::::.リ　　　　'､::ｌ　　　//::::::o､ヽく　　,':::::::::/::::ｌ::::/ｌ　　　　アンディ…。
　　　　　　　　　　　/:::::ｌゝ:'､　 ｀ｌ'､ｌ　　ゝ--' 　 　 　 　`　　 //:::::::::// .ﾊ　,'::::::::/::::::ｌ::/:,'
　　　　　　　　　　/:::::/:::::::::::'､　ｌ//////　 　 　 　 　 　 　 {.i::::::::://　 ｀'./:::::::/ 'ヽ／ｌ::ｌ
　　　　　　　　　 ,':::::::ｌ:::::::, r ' ゝ',　　　　　　　　　　　　　　 ｀ゝ- '´　　.／::,:r' {　r,'::::::ｌ:ｌ
　　　　　　　　　,'::::::::ｌ,､f´　　　 ∧ 　 　 　 　 　 '　　　　　　/////　'‐イｌ　.} 　/:::::::::l:ｌ
　　　　　　　　　,ｌr '´: : ｌ　 　 　 ｌ.　ﾄ　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｲ' ﾆr'　,ノ,::::ｌ:::::ｌ:ｌ
　　　　　　　,r'´: : : : : :ｌ　　　　.,'　 　 ＼　　　　´｀　　　　　　　　 ∠ ,､-‐ ' ´　　ヽ,::::ｌ::ｌ
　　　　　 ,r'´: : : : : : :::ｌ　　 　 .,' 　 　 　.', ､　　　　　 　 　 　 イ　　　　　.',: : : : : : ::ヽｌ::ｌ
　　　　／ ', : : : : : : : :ｌ　　　　,'　　　　　 ',　＞　.__　　 ＜　ｌ　　　　　　 　 ',: : : : : : : :',､ｌ
　　 ／　　 ',: : : : : : : ｌ　　 　 ,' 　 　 　 　 ',　　　　　　　　　ｌ　 　 　 　 　 　 ',: : : : : : :..:ｌ ',
　／　　　　 ',: : : : : : ｌ　　 　.,'　 　 　 　 　 '､　　　 　 　 　 ｌ　　　 　 　 　 　 ｌ: : : : : : : ::ｌ .',
/　　 　 　 　 ',: : : : : ｌ　　　 ,'　　 　 　 　 　 ゝ‐-､　　 ,r '´ｌ　　　　　　　　　 ｌ: : : : : : : ::ｌ　ｌ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だけど…、それでも！
.

128 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:07:02 ID:+iD6jdzx [5/19]
1784






　　　　　　　　　　/::::::::::::/::::::::::::/:::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::',:::',
　　　　　　　　　/:::::::::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::!::::i
　　　　　　　　,'::::::::::::/::::::::::::: /::::::::::／::::::::::::|:::::::::::::i:::::::::i::::l
　　　　　　　　l:::::::::::/:::i::::::::: /＿::／|::::::::|::::::::|:::::::::::::l:::::::::l::::l
　　　　　　　　i:::::::::/:::/::::::丁:::／￣i::::::::l:::ｰ∧一:::::::|!:::::::|'ﾘ　　　　　　　戦いもしないうちから、負けるつもりはありません。
　　　　　　　_ノ::::┌i:::/::::::/斤心ヘ i:::::::::i::::ﾒ≦i::::::::::::i:!::::::!
　　　　　　　＞:::::｛ ﾚ' |:::::7ﾚ升::｝　/:::／|:/辻:｝l::::::::::ハ:::::!　　　　　　　 俺は財産や名誉なんかには興味はない。
　　　　　　_,＞::::::::i ヘ|:::/　ゞ‐"　/／　 ′ゞ‐' l:::l:::/　 ∨　　　　　　　　英雄になろうとも思わない。
　　　　　　￣｀￣｀＼:|:/ 　 　 　 ′　　　､ 　　∧!/
　　　　　　　　　　　　＼|＼　　　　　 　 　 　 /　 ′　　　　　　　　　　　　―――けれど、せめて。
　　　　　　　　　　　　　_{i　　　　 　｀ ￣´　／
　　　　　　　　　　　　//　｀＼　 ＞　_　イ　　　　　　　　　　　　　　　　　　この心の証を、判ってもらうために…、
　　　　　　　　_,､-;'´;;;i　　　　 `ｰ ､, _ﾉ iヽ、
　　　　_,､-;;"´;;;;;;;;/;;;;;l　　　　　　／ﾍ　l;;;;;ﾍｰ,,､
_,､-;ｰ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;ヽ　　　 ／::::::::∨;;;;;;;;ﾍ;;;;;｀';;;;;;;､_　　　　　　　　　　指輪を探してまいりましょう。





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アンディはそう、言った。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛


　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　自分にとって―――何の、成果があるかも、判らないもののために。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
.
130 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:09:24 ID:+iD6jdzx [6/19]
1785





　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　／　_ノ　 ⌒ ＼
　　　　　　　　　　　　|　（ ●）　（●） |　　　　　　　　　　　　（（…アンディ…））
　　　　　　　　　　　.　|　　 （__人__）　 |
　　　　　　　　　　　　 |　　　｀ ⌒´　　|
　　　　　　　　　　　.　 |　　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　.　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　　　,､ヽ　　　　　ノ-､
　　　　　　　　　　　／;;;i/　　　　　　'､!＼
　　　　　　　　_,､-／;;;;;;;;|　i　 　 　　i　 i;;;;;ﾞ､-､_　　　　　　　　　　　　┏
　　　　 ,-‐'''";;;;;く;;;;;;;;;;;;;!､_｀ヽ　 ､-'_／!;;;;;;ヽ;;;;;｀'';;ｰ;;-,　　　　　　　　　　強い、と。俺は感じた。
　.　　　!;;;|;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;|'ｰニ_ー_ニﾞ／.|;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;!
　　　　|;;;;;i;;;;;;;;;;;;／´;;;;;;|　　 　 　 　 　 |;;;＼;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;|　　　　　　　　　　アンディは、強い男だ。
　.　　 |;;;;;;;ﾞi;;;;;;;;;'､;;;;;;;;;;;;!─┐　　┌─.|;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;/;;;;;;;;i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　/;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;ﾞ､;;;;;;;;;!　　l　　　l　 　l;;;;;;;;;;/;;;;;;ﾉ;;;;;;;;;;|





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　肉体が、とか力が、とか。そういうことではない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　心が、精神が。俺の最初の印象よりも、ずっと。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ずっと強い―――そう、感じたのだ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┛
.

131 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:10:40 ID:+iD6jdzx [7/19]
1786





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　戦いの現実を知らない、無謀とも言えるだろう。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　剣を取ったことがないからこその、無茶だとも言えるだろう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛




　　　　　　　　　　　　　　⌒ヽ､
　　　　　　　　　　　_　,-─ ､,〉ゝ－-::...　、
　　　　　　　　,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`＼_
　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
　　　　　　, ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　/::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　,/:::. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　 l:::./.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　 |/|:::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　　|:::::::::::::::::::::::::::::/　ｌ:::::::::::::::::::|＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　　　　　では、失礼します。
　　　　　|::::::::::::::::::::::ゝ/L　 ｌ:::::::::::::::::| 　 ＼斗‐:::::::::::::::::::::|
　　　　　|:::::::::::::::::::/l /　　`ﾒ::::::|＼::::ｌィ´　　＼:::::::::::::l:::|
　　　　　|::::::::/|::::/　ﾘ　　,__､ ヽｌ　 ＼ｌ;,__　　　|ｌ |人::::::::|∨
　.　　　　|::::/　|:::fzlｌ　＾`=＝'´　　　　 ＾===‐'´ｌjｌノ::::::::/
　　　　　|/　　ヽ::::|ﾍ　　　　　　　　　　　　　　/ィく"l/　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　ゝ;八　　　　　　;　　　　　　 /ｲ　　　　　　　　　　　　　 しかし、アンディは強い。
　　　　　　　　　　　　x > ､　　　 ─　 　　　ｲゝ:::｀＞-､
　　　　　　　　　　〆::::;//ﾊ`　、　　　　 く´/　 ｌ）:::}:::::::::::::::` ､　　　　　 その思いは、ずっとずっと、真剣で―――…。
　　　　　　　　／/::::://　　＼ 　｀‘´　　 /　 /::::7::::::::::::::::::::ﾊ::ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　　　ﾉ::::/::::::《〈 ヽ／ﾍヽ 　 　 ／　 /::::/::::::::::::::::::::::/::::l

.

132 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:12:01 ID:+iD6jdzx [8/19]
1787





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　自分の目的である「天空の盾」を手に入れるために、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛




　　　　　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　　　　 ／　　　　 　 　 ＼
　　　　　　　 ./　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　 .l　　　　　　　　　　　l
　　　　　　　　l　　　　　　 　 　 　 l　　　　　　　　（（………。））
　　　　　　　　.l　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　 .)　　　　 __,,..／
　　　　　　　　　／＝＝=､_〈
　　　　　　　 ／　　　　　　　＼
　　　　　　／　　　　　 　 　 　 ヽ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺がルドマンが求める勇者ではないということ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛


　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　まず言うべきである真実を言えない、俺と…どちらが強いか、なんて。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そんなこと―――聞くまでも…ないことだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛


134 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:13:28 ID:+iD6jdzx [9/19]
1788




　　　　　　/　　 　 　 ,..:.':.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:､:.:.ヽ
.　　　　　/　　　 .,..:':.:.:.,､ -:':.´:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:,:'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽヽ:.:ヽ
　　　　 '　　　／:.,　 ,´'´:.:／:.:.::::::.:.:.:.:.,:':.::.:/:.:.:.:.:.i:.::.::.:.:.:.:.:.:ヽ:ヽ:.ヽ
　　　　　　　/:.／,.:':.:.:.,:.':.:.:.:.:.:.::.:.:/:.:/:.:.:. /:.:.:.:..:.:.i:.:i:.:',:.:.:.',:.:.:.'､:ヽ:.'､
　　　　 　 /..'　/:.:.:.:,:':.:.:.:.:./:.:.:.: /:.:.,':.:.:.:,':.:.:.:.:.:.:.,':.:i:.:.:i:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.'､ﾊ
　　　　　　,''　 ,.':.:.:./:.:.:.:.:.:/:.:.:.:/:.:. /i:.:.:.,':.:.:.:.:.:.:.:,:.:,'i:.:.:i､:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.ﾊ:.i
　　　　　　'　 .,:.:.:.:/:.:.::.:.:.,':.:.:.:.:,:.:.:,' .i:.:.:i:.:.::.:.:.:.:/:, ' i:.:.,'　;:.:.:.i:.:.:..:.:.:.:.: |　　　　　　　アンディ！　待って、アンディ！
.　　　　　　　 i:. /,:.:.:.:.:.:.,'.:.:.:.:,:'.:.:;　, 斗‐:.:.:.:.,:':メ.､廴' 　 ,:.:/､:.:.:.:.:.:.i:.:|
　　　　　　　　i:,' .!:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.孑チ´　 ､i:.:.:.:.,' '´　 /:ﾉ ｀`トx､, i:.:.:.:.:.:i:.:|　　　　　　　無茶をしないで！
　　　　　　　　i'　i:.:.:.:.:.从:.:.:.ｉ .,ィチ示ゝ:.: ,' 　 ／ｨ示ミぇ､;'　i:.:.:.:.:.,' ﾘ
　　　　　　　　 '　V:.:.:.:,'.i:.:.: :iｲん';;;:::ﾊ ﾞヽi　 '´ 　 ん';;;:::ﾊヽ i:.:,':.:.,':ﾘ|　　　　　　　　あなたは戦士じゃないのよ、死んでしまうわ！
　　　　　　　　　　V:.:. ハ:. ﾊ. ､:::;;;;;::ﾘ　　　　　　 i::::;;;;;:::ｿ　,':.,':.:ｲ:.,:.:|
　　　　　　　 　 　 ヽ:.:i. / ､:.ヽと少‐'　　　　　　　ゞ之つ ./: ／_i:.:',:.|
　　　　　　　　　　　,:.ヽ:ヽ､ﾊヽ ､　　　　 　 ,　　　　　 　 , 'ｲノ／:.:.:, |　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　,:,':.:,':.:.:.:.: ､　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /ー',:.:.:.:.:.: |　　　　　　　　　フローラがアンディに駆け寄って
　　　　　 　 　 　 　 ,':.:./:.:.::.:.::.:.:＼　　　　´-｀　　　　 ／:.:.:.:.:.',:.:..:.:.:.i
　　　　　　　　　　/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞､　　　　　　　 ＜:.:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.:,:ﾊ　　　　　　　　　それを止めようとするが、
.　　　　　　 　 　 ,':/,':.:.:..:.:.:/:.:.:.:.:.:..:.:.:|.｀　　__　　 ´|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.';:.:.:.i:.:i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
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　　　　　　　　　　　　 ,r'´:::::::::::::::::::::::`.､,,r=-
　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::;;::''::::::::::::::::¨ヽ
　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::;r";;r';;;;r':;;;i;;;::;i;:::::i
　　　　　　　　　＜:::;:::::;;;;;/;;;/;;;;;;;/;;;;/l;;;;;;;l;;:;;::!
　　　　　　　　　Σ;;;;;;;;;;;/;r'i;;;;;;r'i;;;/_''ﾄ;;/;;!;;i;;;l
　　　　　　　　　　 `､;;;;;;´V;;;/　 ﾚf/! ﾚi;;;;!;;!ﾚ′
　　　　　　　　　　　　!;;;;_;;l;/!　　　 ｀　l_ﾚ!/
　　　　　　　　　　　_r＜　　 ヽ　 　 - ／ '′
　　　　　　　　　/:::`ヽ､`ヽ､ i´` ､／　　　　　　　　　　　　　　 ┏　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　f:¨::ヽ::::::::`..､ `7､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アンディは何も言わず、　
　　　　　　　　/::::::::::::`:､:::::::::〈:.:.:i
　　　　　　　　i:::;;::--::;;:::::`ｰ-､;ﾄ､:l　　　　　　　　　　　　　　　　　 立ち去ってしまった。　　　
　　　　　　　/;''::::::::::::::`､::::::::/:::::i.:l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┛
　　　　　　　i:/::::::::::::::::::::::i::::/:::::::::!:l
　　　　　.　 i:i:::::::::::::::::::::::::l;;;:ヽ::::::::l.:!
　　　　　　l:::!:::::::::::::::::::;;;;;;!:::::ヽ:::::::!l
　　　　　　!;;;!::::::::::::::::::;;;r'i;:::::::ヽ:::::`!
.

135 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:14:45 ID:+iD6jdzx [10/19]
1789




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これは―――…俺も。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛

　　　　　　　ｶﾞﾀﾝ



　　　　　　　　　|　 　 （__人__） |
　　　　　　　　　| 　 　 ｀ ⌒´　|
　　　　　　　　　 |　　　　　　　|
　　　　　　　　　　ヽ 　 　　　/　　　　　　　　　　…では、俺も向かうことにします。
　　　　　　　　　 _,,ゝ　　　 (,_
　　　　　　　　/´　 `ー-一´｀ヽ　　　　　　　　　死の火山に。
　　　　　　　 /　　､　　　　　 ,　|
　　　　　　　/ 　 ﾉ　 　 　 　 |　 l
　　　　　　 （ 　y'l　　　　　　 l_　|　　　　　　　　行くぞ、ピエール。
　　　　　　　ヽ　ヽ.　 　 　 　 |'　}
　　　　　　　　＼ｿ｀ー─‐一ヾ/
　　　　　　　　　 |　　　 ij　　ﾉ
　　　　　　　　　　|　　　|. 　 |
　　　　　　　　　　|　 　 | 　 l　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　i'　　,}　 ,ﾉ　　　　　　　　　　 真剣に立ち向かわなければならない。
　　　　　　　　　　 l　　 |　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　　　　　　 |,＿､|,/
　　　　　　　　　　（ﾞ　　）)


.

136 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:15:45 ID:+iD6jdzx [11/19]
1790





.　　　　　　 /:::/::::::/::::::::::::::/::::::::／ l::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ
.　　　　　　,'::/:::::::/::::::::::::::/::::::,.'　　 i::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.　　　　 　 i:/:::::::/:::::::斗/l--/---‐‐iオ''::::i:::::::::::::::::::::: ハ::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　i,'::::::::,'::::::::::/　.i:::,'　　　　 i::::::::::i::::::::::::::`ト/,　 V::::::::i::::::::::::::i:::::::::::::::i
.　　　　　 ,':::::::::i:::::::::/,ィチ了万尓､　V:::::i::::::::::::/:::,.'.　｀ヽ i:::::::/:::::::::::::i:::i::::::::::::|
　　　　　i::i:::::/i:::::::,'ゞf ヽ:;;;;;;;;;:::i　　　 V:i::::::::::/　ｨぇ.､.　 i::へi:::::::::::::/::::i:::::::::::|　　　　　　　どうかお願いです、リュカさん。
.　　　 　 i:::i::::fヽ:::: i 　 V::;;;;;;;;;:::i　 　 　 /::::::／　 ん';;;;｀ヽ, 　 iヽ:::::::,'::::::ii::::::::::i
　　　　　i::::V:i }.ヽ:::i. 　 乂_:z少　　　　　　　　　 /::;;;;;;;;;;:::::ﾊ　i::::::::,ｲ::::::ﾊ::::::::/　　　　　　　あのひとを止めてください。
.　 　 　 i:::::::ﾄ',.　ﾊヽ　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:::::;;;;;;::::::ｿゞ､:::::::/::i:::::/ |:::::/
　　　　i:::::::::'､　i　i　　　　　　　　　　　 , 　 　 　( ｀ヾ)'" 　 /::／:::::i:::/　i:::/
. 　 　 /:::::::::::::::ヽヽi　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /.イ /:::::// 　/"
. 　 　 :::::::::::::::::::::::`ﾊ　　　　　　　　 -ニ､　　　　　　　　　/ 〉　/::::::::|　　　　　　　　┏
　　　:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '-' ／:::i::::::|　　　　　　　　　　　フローラの隣を通りかかる時、
　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.ｲ-‐:´::::::::i::::::|
　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i.＼　　　　　　　　　,.　 ﾁ::::::::::::::::::::::::i:::::|　　　　　　　　　　　　彼女はすがるような目で俺を見た。
　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　`　､_ ,　 ‐ '. ´ i::::::i:::i::::::::::::::::::::i:::::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　 i::::::i:::::i::::::::::::::::::::i::::::::|


.

137 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:16:17 ID:+iD6jdzx [12/19]
1791





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. ‐―――――‐ - ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .',
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　l
　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l　　　　　　＼　　 　 　 　 ﾉ　 　 　 　 l　　　　　　　　　　いいえ、止めません。
　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　ゞ.._,,　ー "　　　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l.　　　　｀ー-‐'　 ."　｀ー-‐'　 　 　 .l
　　　　　　　　　　　　　　　 　 l　　 　 　 /　　　 .!　　　 ヽ　　 　 　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l.　　　　 ヽ＿_／ ＼＿_/　　　 　 .l
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 !　　　　 〈　　　　　　　 〉　　　 　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　／!.　 　 　 ｀ｰ―――　' 　 　 　　i,'ヽ　　　　　　　　　　 ┏
　　　　　　　　　　　　　　　 ／{　|ヽ 　　　　　―-― 　 　 　 　 /|　/ ＼　　　　　　　　　　　だけど…俺は。
　　　　　　　　　　　　　　／　 ∨|　ヽ　　　　　　　　　　　　　／ |V 　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　　　　　　　　 ／ ヽ　　＼　　｀ 、　　　　　　　　 ,ン´　　/´　 　／ ＼
　　　　　　　　　　　／＼ 　 ＼　　＼　　｀―-----― ´　　　／　 　＿　／　＼
　　　　　　　　 　 ,"ヽ　 . ＼　　ヽ　　｀ ー──------─一' ／　　　　　　　　　ヽ
　 　　 　 　　　 /　 　 ＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿

.

138 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:17:53 ID:+iD6jdzx [13/19]
1792






　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　あの、タヌキおやじの言う通り動くような気がしてシャクではあった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛


　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＋
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ◇　＋
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　((　))
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣





　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　でも、俺には「天空の盾」が必要で、それを得るためには、二つの指輪が必要だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それに…。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
.

140 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:20:26 ID:+iD6jdzx [15/19]
1793





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,- 、_
　　　　　　　　　　　　　　　　,...--─- 、　　　　　　　 　　 ( ,´ヽヽ_　ヽ、　,-┐
　　　　　　　　　　　　　　／　　 :::::::::::::::ヽ、　　　　　　　 くヽヽ .ヽ ヽ　ヽ.（ .ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /　　　 　∠ :::::::::::ヽ　　 　　　　 ヽ ヽヽ　 ヽゝ　ヽ、 l
　　　　　　　　　　　　　l　　 　 ／;;）） ::::::::::::丶 　　　　　,-ゝ、ヽゝ 、　　　　 l　　　　　　　　　　正々堂々、勝負しますよ。
　　　　　　　　　　　　　l　　　 ヽ｀´　 ヽ ::::::::::丶　　　 　 ヽ ヽゝ 、　ヽ　　 　 l　 ,-、
　　　　　　　　　　　　　　ﾋヾ)　 ,　 　_,ノ　::::::::::::丶　　 　 　 ヽ、_　　　 　 , -─´ 　 丶
　　　　　　　　　　　　　　ヾ , 　ゝ‐ ´　...::::::::::::::::::｀　　　　　　　　ヽ、　.／　　　　　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　｀ｌ.　/　　　:::::::::::::::::::;;::::l .,、__　　　　 　 　 >´　　　　, -‐ ´:;:;l
　　　　　　　　　　　　　　　ヾ　　　　 :::::::::::::::;;;;:::::l〈.ｌl　｀ヽ　　　　　く　 , -‐ ´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ .／l ., ﾍ :::::;;;;;;;;::::丶ll l Ⅱｌ　　　　 　 >´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 l´ ヾ.、;;;;;;;;:::::::::〉,!ゝ‐‐ゝ─ ´￣　ヽ、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　　　　　　　　　　　　　　〈　 　 l, -,.l.〉.、;;;;:::::::::l∧:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　　　　　　　　　　　　　　　丶 ‐´O lゞヽ ヽ::::::::::l　 ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　　　　　　　　　　　　　　,_´-:;:;:;:;:;:;:;lヽ　 ｀ ヽ、 l / .丶;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　　　　　　　　　,、_ - ´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l　ヽ、 ─- l/ / .丶:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:丶;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;l






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺は、あのアンディにも、誠実に向き合いたい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　強く、潔癖なまでにフローラを愛しているだろう彼に。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛


　　　　　　　　　　　　　　　┏
　　　　　　　　　　　　　　　　　俺は―――、死の火山に向かうことを、そう思うことで。自分に納得を、させた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
.

141 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:21:09 ID:+iD6jdzx [16/19]
┌──────┐
│ サラボナ編 　│
└──────┘


　　主人公 　 　 　 　 　 　 　 　 リュカ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 やらない夫（２ちゃんねる）

　　主人公の友達 　 　 　 　 　 プックル（キラーパンサー）.　　　　　 　 　 ホロ (狼と香辛料）

　　ドラキー　　　　　 .　 　 　 　 ドラきち　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ドラゴンクエスト

　　スライム　　　　　　　　 　 　 スラリン　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 同上

　　腐った死体.　　　 　 　 　 　 スミス　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　阿部さん（くそみそテクニック）

　　スライムナイト　　　　　　 　 ピエール　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 セイバー（Fate/stay night）

　　ビックアイ　　　　　　　　　　 ガンドフ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 もっさりさん（２ちゃんねる）

　　魔法使い　 　 　 　 　 　 　　マーリン　　　　　 　 　 　 　 　　　　　　　　ヤン・ウェンリー（銀河英雄伝説）




　　彩色師 　 　 　 　 　 　 　 　 アンデイ・インガルス　　　 　 　 　 　 　 　 伊藤誠（School Days）.

　　ルドマンの娘.　　 　 　 　 　 フローラ・ルドマン　　　　　　　　　　　　　　西園寺世界（School Days）

　　大富豪 　 　 　 　 　 　 　 　 ロベルト・ルドマン　　　　　　　　　 　 　 　 アドリアン・ルビンスキー（銀河英雄伝説）

　　指輪の預かり手.　　　 　 　 レイラ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 巻町操（るろうに剣心）

　　　　　同上.　　　　 　 　 　 　 オルト　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 四乃森蒼紫（るろうに剣心）



【登場順】



144 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/07/01(木) 00:22:42 ID:cPJycPX/

乙でした
アンディが良い男で誠生きろ



145 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/07/01(木) 00:23:07 ID:Mc74qfyf [1/2]

乙でした
なんかかっこいい男×3状態ですな



148 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/07/01(木) 00:24:59 ID:icoQmQmZ [1/2]

乙
次は死の火山か、ちょっとレベル低めだと全滅しかけて、爆弾岩に悩まされた思い出があるw



149 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/07/01(木) 00:27:53 ID:+CwTStvL [1/2]

乙ペロペロ

アンディが入った誠がこれ以上ないほどに綺麗だ…

あとルドマンって強かな印象があるけど物凄い子供っぽい所があるからそこをいつか見せて欲しいな…



150 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:34:26 ID:+iD6jdzx [18/19]

早速の乙ありがとうございます。
こんな遅いのに見てくれてありがとう。


かなり原作に忠実な回ですが、やはり配役のキャラに
ひっぱられまくってます。アンディも、ルドマンも。


特にルドマン。ルビンスキーのキャラに引っ張られすぎです。
常に何かしらたくらんでるというイメージが。



151 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/01(木) 00:36:10 ID:+iD6jdzx [19/19]

いや…誠は…ひっぱられてないか。
アンディのイメージにひっぱられてるほうですね。

前言撤回です。（早い）



152 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/07/01(木) 00:40:33 ID:icoQmQmZ [2/2]

誠はアンディの補正がかかって、ルドマンはルビンスキーの補正がかかっている感じ
このルドマンが奥さんとラブラブで元情熱的な冒険家だとしたら、それはそれで驚きw



153 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/07/01(木) 00:41:33 ID:mp5x0sVj

勇者ってこの世界だとそんなにステータスなのかね？
５やったのが昔過ぎて詳細までは覚えてないけど、
ゲーム中にはほとんど話題にされてなかったと思うんだけど。

とりあえずこれ嫁決定だろ、、、やる夫系で普通にフローラ選ばれてるの見たこと無いけど。
それにしても婿選びレースより説得力あるな。



154 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/07/01(木) 00:44:47 ID:MZmRnZLT [2/2]

少なくとも世界の各地で伝説が残ってたり、伝説の装備が残って祀られる程度にはステータスだな



161 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/03(土) 06:11:28 ID:ETvKAV4h [1/64]

か…書きだめ終了しましたが…、どうしよう、主人公がほぼ出てこない。
一人称視点の話で（最近よく崩すけど）、独白が一切ない話ってそれアリなのか。

サラボナキャラがメイン（というかそれしか出てこない）の話です。
どうしよう、書き直したほうがいいのか、このままで投下したほうがいいのか…



162 名前：名前なんて無いだろ常識的に考えて[sage] 投稿日：10/07/03(土) 06:40:51 ID:VEtyqILj [1/7]

そういう回があってもいいと思う
サラボナのイベント後はずっと主人公のターンって感じだろうし
（それでも別キャラにスポットライトがあたることはあるだろうけど）



163 名前： ◆VeXhfoQdhw [] 投稿日：10/07/03(土) 07:52:34 ID:ETvKAV4h [2/64]

ありがとう。

ではいったん寝て、昼起きたら投下に参ります。
※主人公はほぼ出てこない回です！この回に限っては主人公は…アンディかな？

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