979 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:47:06 ID:zGS2QmqE0 [2/23] ┌──────────────────┐ │ .│ │ 第二十一話『奪われし者の慟哭』 .│ │ .│ └──────────────────┘
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980 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:47:17 ID:zGS2QmqE0 [3/23] ゙'-,;;;;;~゙''''ー、, `'∴;;,..-'''" i-V;;;;;;;;;|, l;;;;;;| /゙Y'";;;;;; \;;;;;;;;;;;;;;;\ `゛ i--.... ..、 ゙l、;;;;;;;;;;; ! l;;;;;.! ./ ;;;;;;;;;;;;;;;;: : t 、\;;;;;;;;リi,;;; ! .ト、 _..-''゙ ゙゙̄'''-、L;;;;;;;;;;`''-..、 `''、;;;;;;ヽ, l;;;;;;;.l/;;;;;;;;;;;;;;;;;;; .ヽ\.ヽ;;;;;;゙V;;;} ,!.l ./ ;;;;;;;;;.,..-‐'''''''''''ー 、;;;;;;;;;;;;;`'x .v、`ぃ;;;;ヽ, . l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;n. .ヽ;;゙'' l'、;;;;;;;;.l /;;;.! ./;;;;;;; / ,..-‐''ッ ,,、`'./ ;;;;;;;;;;ヽ, ゙'.l' li.;;;;;;;\,, .ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.l, !、 .ヽ;;;;;゙!コ;;;,iジ;;;;│ ,!;;;;;;/_, .! ー゛ .lヽ l;;;;;;;;;;;;;;;;.! l;;";;;;;;;;;;;;;\ ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;" ;;.l. .li.l;;;;;;″;;;;;;;;;;;;;l. !;;;;;;;;;;/, ┐ 、 .i、.iii ゙' ! |;;;;;;;;;;;;;;; l .!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\、 ヽ,;;;;;;;;;;;;;;;;;: ;;;;.l l;;;;;;;;;;;;...-、、;;;; l .|;;;;;;;;;;'!゙;./ . |ハ、,_.x、 .|;;;;;;;;;;;;;;;;│ .!;;;;;__;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`'-、,,`''-_;;;;;;; ;;;;; ! .l;;;;;;;;;'~゙゙゙>⊥;.! .し;;;;;;;;;./ ,i";;;;;;;;;;` ! l;;;;;;;;;;;;;;;;;;} !;;;; ! .!;;;;__,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ゝ、,゙''-. ;;;;;; ! .!;;;;;,./ '´ `''i;;;} .!;;;;;;;;.! /;ヾヘ;i、;;; l ./ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;! !;;;; l !;;;;`'''√''''ー、、;;;;;;;;;;;;;~″ ;;;;;;; ! .,!;/゛ ,、 i、.!;;l゙ _,,!;;;;;;;;;;;| .l゙;;;;;;;;;;;;;;;.│ ,!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;│ !;;;;/.,/;;;;;;;;;;;;\_ `''-、;;;;;;;; ;;;;;;;;;! .!;;;|、 〃 |}.!;;゙''i .!;;;;;;;;;;;;;;;;凵;;;;;;;;;;;;;;;;;; | |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ /;;;/ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ̄ヽ ゙'、;;;: ;;;;;;;;;! .|;;; ! ‐r .!;;;;;.! !;;;;;;;;;;;;;;;;!.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.! _.!、;;;;;;;;;;;;;;;;./ /;;;.ゞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ `‐ ;;;;;;;;| l;;;; ! !'~''"| .!;;;;;;;! .|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.l, リ、'│;;;;;; / ./丶;;;;;;;;;;;;;;;;;_,,.........、;;;;;;;;;;;;;;`'、 ;;;;;;;l゙ l゙;;;;;;.! |";' l !;;;;;;;!、ヽ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;xv、 _;ヽ.l}、ヽ;;./ ,,/;;;;;;;;;;;;;;,,./ ゛ ,/゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ;;;;;/ .!;;;;;;;;;ヽ,|、;;;;| l゙;;;;;;_,,..ゞ''i;;;;;;;;;;;;;;;;;;_;_.;;;;;;;;`'' |>,゙l|/;; `゛ ./゙;;;;;;;;;;; / ┴¬'ー-、;;;;;;;;;;o ィ″ ;;;/ /;;;;;__;;;;;;;゙!ミ;;;;,゙,.l;;,゙,, -'''゙゙゙";;;;;;;;;;;゙゙ー ,_`゙''ー、.;;゙ '.l'''''゙ ./;,、;;;;;;;;'リ′ __,,,,ゝ;;;;;;;.\. ;/ / ;;;;;`l.フr;;;;;;;;;;;;;_,,..―'''''''''''''ー ..,,;;;;;;;;;;;;;;;`''-、 ゙く;;ヽ .!'",/;;;; / _,, -‐'''゙´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ".,./ ;;;;;;;;;;;!゙;;;;;;;;,,./ ´ ,i'、 .,,、 `'''、.;;;;;;;;;;;;;;;゙'、 .l;;; l / ;;;;;;.l ,/゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,r" ./゙ン′ ヽヽ `ぃ;;;゙ミi.;;;; l .!;;;.! l;;;;;;;;;;;.! ./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,..-''''゙゙゙ ̄ ゙゙̄''- ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i"_, !ヾ 〟 _.`マ ヽ; l. };;;/│;;;,! .l;;;;;;;;ノ / ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ iー ,,. ;;;;;;;,iリ;;;;;;;;,l/゙;i|八〟 .,..,ii''7ニ'>i、 _,r、/;;;l/ / . !;./ l;;;;;/ ./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ ., ┐ `'、;;゙'、 '.!;/./;;;;;;;;;";;;;;;;;;;;;l .,i'゙‐';~丶;`;;;/ /丶;;;;;;;;;;;lr‐'ジ .l; ! .!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ ./;;;/ .ヽ;/ . ゙",!;;;;;;;;;/'l,;;;;;;;;;;,! /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ !;;;;;;;;;;;;;;;;;,/ .‘゛ !;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ '、_./ .. .!;;;;;;;;;;;! . l;;;;;;;;;l ,!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ./ ;;;;;;;;;. / l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!'゙! ,゙ 、,, r‐''''~ ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 想像してみろ。 お前の大切なものを奪った者たちが、お前の人生の全てを踏み躙った人間が、 のうのうと社会に出て、地位を得て、家庭を築くその様を。 お前の幸せを奪った者どもが、幸せになる様を。 天罰を与える神などこの世にはいない。 奴らはこれから幸せな人生を送り、安寧の内に終わりを迎えるだろう。 その者たちが血を繋いでいき、お前の血が途絶える。 おかしいと思わないか? そんなことは許されないと思わないか? ならば我が手を取れ。 今度はお前が奪う番だ。 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 981 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:47:32 ID:zGS2QmqE0 [4/23] ┌──────┐ │::::::::::::::::::::::::::::::::│ │::::::::::::::::::::::::::::::::│ │::::::::::::::::::::::::::::::::│ │::::::::::::::::::::::::::::::::│ └──────┘ ┌───┐ │::::::::::::::::│ │::::::::::::::::│ └───┘ ┌─┐ │ :: │ └─┘ ┌┐ └┘ □ ・ 982 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:47:45 ID:zGS2QmqE0 [5/23] /: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ', /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : ! |: : |: : : : : |: / \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:| |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V < : _: : : / 〈 ○ |/ .レ ○ } |:./ヽ: : | <:: |. 小{ _,,.. - 、-.,_ レ{: :.|ヽ:| 頼む! 助けてくれ! 厶ヘ ハ 、 {ハ/ V \_! u ' ! ヽ マ¨`ー―ァ / ___,r| \ ` ー‐ ´ / /:/::::| \ ヽ _ ィ´ /::::::/::::::| \ ´ ∧>、 /:::::::::::/::::::::| \ / !\::`ー- 、 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 今回の依頼人は随分と若かった。 伊藤誠。年齢は19歳。市内の靴の工場で働く作業員だそうだ。 来週には妊娠させた女性との結婚が控えているらしい。 「命を狙われてるんなら警察に行ってくれよ。それとも何か、 警察の世話になるのはまずいのか?」 事務所に駆け込んできた伊藤誠を冷たくあしらおうとした喜留夫であったが、 彼が説明してきた状況を聞いて、考えを変えた。 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 983 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:47:57 ID:zGS2QmqE0 [6/23] ..-‐ ¨ ≧ァオ¨_ミ:x.__ ,ィニjァ='ィ ⌒´辷彡ス `Y r:ヘ.Yツ / / i l i ヽ ` ヾ) i | トi ,ィ/ ′ i l l l | | l .ハ (( | ! | jヘトN i | | ィ7从┼l‐-i! }` !リ レ′ l Vアフ彡ィ/ j」⊥j、! イ ハ、 聞いてて気分が悪くなってきたわ。 / 八 くヾrjYtリ ´ヒ:z:ノ;7 / Y ヽi / / ヽ卜辷r" : "" { ! ハ ト-ミ: ____ ここで消し炭にしていい? √ァ’ / トミ Ⅵ( ‐.‐ 人ヾ { , マ≧ レ==ミ`ヽ /〃 /イ ャ‐ミxヾ:`へ、_ ..√てハ>"{ ヽノノ ヽ\ 「まあ待て」 人{/ / } }rリ) r' `’ ) _/ `ヽУく )/ .-一=彡 ハ /r‐ " ,ィ Yヽ辷彡= _厂Y `う レ/ \ ー=彡 ィ´  ̄ /ヾく | =彡 リ_ / > < 1| {:_ /イ\ 丶 / / /\-ィ 「ぇ≧z\_/ィミУ { 〃´ /ヽ \ / 〃 ′ Y | " ヾ ̄  ̄ /_ }.:′ / } ヽ .ィ i { Lk、 ! ¨_ノ /=ミ 〉/⌒ヾ ハ / { ヾ:、 r'¨ ` rァヘ:、 ヽ しぅ〃 : ヾ ∧ }l / く 八 ヽ/ /ソi } ` :.、 } ソイ} } i 〃 / ハ ヽ r='=<r彡八V_ ==≧<ア/ ¨{/ ト、 v/イ 八 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 最近、この男の知り合いで不審死が相次いでいるのだという。 それがどうも高校生の頃つるんでいた連中らしく、その中でも とある事件に関わった者だけが死んでいるらしいのだ。 その事件というのが、強姦である。 高校生時代、いじめていた女子高生にパシリ、暴力、犯罪の強要、 その他諸々の一通りのいじめを行い、飽きが来たので性的暴力に及び それを録画したところ、いじめられていた女子高生が自殺してしまったと いうものだ。 結局高校側はいじめを認めず、事件はなあなあにされて幕を閉じたらしい。 その時の実行犯が、伊藤誠達だというのだ。 彼らはその後普通に社会に出たり、大学に通っていたのだが、 突如として相次いで死んでいき、一人だけ一命をとりとめた者が、 化け物がいじめられていた女子高生の名を呟きながら襲ってきた、と 言っていたようだ。 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 984 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:48:18 ID:zGS2QmqE0 [7/23] ____ / \ / \ / (ー) (ー)\ | (トェェェェェェェェイ) | \ \ェェェェェ// ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 恐らく、そのいじめられていた女子高生の近縁の者の仕業だろう。 復讐だ。 「ちくしょう、なんだってんだよなあ。あいつが勝手に死んだのに、 誰かが俺のせいにして、化け物を仕向けてきてるなんてよ」 伊藤誠がそう口にした時、自分の中で何かが切れる音がした。 気が付いた時には伊藤誠の襟首を掴んでいた。 「勝手に死んだ? 寝惚けたこと言うんじゃねえ。 死にたい奴なんていうのはな、この世のどこにもいやしねえ。 自殺する奴ってのは、死ぬしかなかったんだよ。生きられなくて、どうしようもなくて、 死ぬしかなかった人間なんだ。死にたくて死んだ奴なんているもんか。 誰だって死にたくなんかねえ。お前らが、死ぬしか選択肢がなくなるまで 追い詰めたんだ。生きるって選択肢を、未来を奪ったんだ」 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 985 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:48:29 ID:zGS2QmqE0 [8/23] ____ / \ / \ / (●) \ ……まあいい。 | (トェェェェェェェェ \ \ェェェェ , どうせその化け物を倒して死体を上げてこいってんだろ。二百万で受けよう。 / < ,. -‐ `ヽ、 ___ //´ f^jr= K. / / , __,{くリニリ_ノ . / / , イ {{" レ'T,ハ / / / / i i l ヽ. ' j i l } ' ,' , ,' / |i l i l l ヽ. i i //l l l l l i il ! l l , l ,.斗l‐l‐‐l、 i l l l //l l l lリ | l斗l-ト、メ. li l、l_l__l__Ni l l l j// l l l リ ちょっと、まさか受ける気? | i l l⊥ムヽlヽト ィ弋ッツフl l l j/,ィヽ. l l l | 乂Nメ'::::;; ::} ヽ ` ̄´ l/!〃 rチ}l l l | 「考えがある。まあ任せとけ。」 ヾr‐ '´, /' _,.イ lV ! ! '、 , ヘl__ll__//l lハ \ ^^ / __V//,i| l 小. |iヽ、 _,. ' _,rく| ∨/Nハ lハ |l ! l`Tl | >v'てノ { ! / ∧| ト┼l--ヽ. |小l _,レ l斗} 八_ jイてlハ/| l い \ _,斗j 「 l l//_{ / L_l/´l l ヽ.ヽ / i j ,ム斗r{ V{_〉〉/ト{ , 'い ヽ \ { .//'Zて`ソ小r┘_// l/ ヽヽ r‐トr‐/ん'て } i { ┤l7/{__ノヽ、_ ヽ\ / 986 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:48:44 ID:zGS2QmqE0 [9/23] ┌──────┐ │::::::::::::::::::::::::::::::::│ │::::::::::::::::::::::::::::::::│ │::::::::::::::::::::::::::::::::│ │::::::::::::::::::::::::::::::::│ └──────┘ ┌───┐ │::::::::::::::::│ │::::::::::::::::│ └───┘ ┌─┐ │ :: │ └─┘ ┌┐ └┘ □ ・ 987 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:49:02 ID:zGS2QmqE0 [10/23] r─┬vイ彡'´  ̄`  ̄ ≧、_イ ミi |{ 人/ レイ彡Yユ ヾフ , ィイ > ト、- フ /ノ ハ / ) レ i / ハ ト≦ニ''` i ハ i 廴/ / i il / .ハ i )ノ il / ヘ / / イ /i il il il i ハ il i / ./ ∧ i ./ /i i i .il. il il il il/ V il il .:/ ./ ハ l / イ il il il. il il il il .V il il .イ イ i i i | i .|ィ il ilハ il il il il_ _i il ソ i .i il .il | | | ハ .il il -ナ ハ il ハil ノ _.l 升 il l .l / . il | | レ人 .il ilr─v彡ミV.i ハ/ ゞ7行≦、./| .| il .| 私は嫌よ。あんなクズのために命を張って戦うなんて。 | i i il iト- 、ニヾ Y Y:::....::タ.イ il .| il .ヘ | ヽ { rK炉y } ノ ゞ=ij / 人 .| i iム | ハ ハ ゞッミ≧/イ 、 / /il il .| i ', 人 i \ ゝテ' ´ イ イ .il il .| il ハ ヽ / / ハ ー - ,_| | .il il ト ゝ il イ i ) { / / イ ./ >、 | イ/イ 人升フ⌒ヽ ,' | 、 _', / ./ / il / 人 > _ ィ }// il Ⅶ / il ハ . / ./ / イi イ /  ̄|| | ̄ゝイ / r=-''ハ 人 | 、 _ ヽ '´ / ノ / ilイ / { ̄_.ノ ./ / イ | il . \ / / / il /  ̄\ i / ハ ( ⌒ヽ フ入 i | ヽ _ _ヽ . / / / ./ / )| { { } | |-─Y . ヽ _ _ \ ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 「僕もやだ」 「俺もごめんだね」 「我も反対だな」 「私、あの人嫌い」 伊藤誠が帰った後、談話室の隣で控えてきた仲魔たちが一斉に出てきて、 今回の依頼の受託に猛反対してきた。 「なに、俺だってまともにやる気はないさ。 被害者の子の親あたりに簀巻きにして突き出してやるよ。 報酬だけは頂いていくがね」 「あら、あくどい」 「生き物には権利ってもんがある。ひどいことをされりゃ怒る権利がある。 でもな、そういう権利を自分から放棄した奴もいる。 何をされても文句を言えないような奴もいる。ああいうのだ」 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 988 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:49:20 ID:zGS2QmqE0 [11/23] /: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ', /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : ! |: : |: : : : : |: / \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:| |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V < : _: : : / 〈 {} |/ .レ {} } |:./ヽ: : | <:: |. 小{ _,,.. - 、-.,_ レ{: :.|ヽ:| 厶ヘ ハ 、 {ハ/ V おっ、護衛についてくれんのか? \_! ' ! ヽ 'ー―-- / 「ああ、あんたの周りを張ってりゃ、その化け物も出てくんだろ」 ___,r| \ / /:/::::| \ ヽ _ ィ´ /::::::/::::::| \ ´ ∧>、 /:::::::::::/::::::::| \ / !\::`ー- 、 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 早速、伊藤誠に渡された住所に向かう。 築五十年はくだらない、古くて小さなアパートだった。 インターホンを押すと、若くて可愛らしい顔をした女性が出てきた。 同い年の婚約者だろう。 中に迎え入れられ、伊藤誠と対談する。 「とりあえず、その高校まで一緒に行ってくれないか?」 「なんでだよ」 「化け物を誘い出すためだ。あんたには傷一つさせやしない」 「まじかよ……まあ、指示には従うって言ったしなあ…… しゃあねえ、報酬分の働きはしてくれよ?」 その金にしても、婚約者の親から借りた金だというのだからしょうもないものだが。 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 989 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:49:35 ID:zGS2QmqE0 [12/23] . ,′.:::::::;;;;!' i i l!| ハ_ i__ i ゚. ‘,:::;;;;;;;;;;;;; | i! .:::::::;;;;;,′ /!i ルィ´! ゚.` 、 l i``ヽ. ! i i ゚:::;;;;;;;;;;;;;;┃ ┃::::::;;;;;;;! ,' , i jィ´!,'ハ .! ヽ.、 ヾト.、 `ト、! l .!:;;;;;;;;;;;;;;┃ ┃:::::;;;;;;;l i ! ,l' !i .!{ ゚. ! ヾ.、 ! ヾ、 l! iヽi i |:;;;;;;;;;;;;;;┃ ┃:::::;;;;;;;! ! レ i !l l !-‐マ、 ヾ、 -‐l―ヾ、 i! ! lト、l ,!:;;;;;;;;;;;;;┃ ┃:::::;;;;;;;! ! | ! l!彡==ミ、 ヽ\ ,テ==ミ、ハ! リ ,゙゚/|:;;;;;;;;;;;;;┃ 喜留夫。 ┃::::;;;;;;;;l l i ゙、 !,ィ/ ,イ⌒ヽ ` `ヽ! f⌒ヽ. ヾ:、! , ,' .|:;;;;;;;;;;;;;┃ ┃:::;;;;;;;;ハ ! ! 〈;;{ {_:::o。::l! l!::o:::::゙, };;〉,'i ,l:;;;;;;;;;;;;;| 「なんだ?」 ┃:::;;;;;;;;::゚. 、ヾ ミト` マ:::::゚::c r'::::゚::c' イ'〃,' /j:;;;;;;;;;;;;;八 | :::;;;;;;;;::;;;i. .、 ヾトヽ `ー″ `ー ″/イ'i/ 〃|:;;;;;;;;;;;;;;;;ム なんか、もやもやする…… ノ.:::;;;;;;;;::;;;;!ト. i、ヾ\ , イ,' 〃 {il!.!:;;;;;;;;;;;;;;;;;ム イ.::::;;;;;;;;:::;;;;;!jム iヾ、\ミ . _ .′リ {! lハ !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ム :::::::;;;;;;;::::;;;;/∧ヾト、ヽトヽ >. .. . .イ |l! l! 〃ヾ};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ム ::::::;;;;;;;:::;;;;,':::;;;;ヾ|!ヾ. l!i`\ ゙> . エ . <´ |l! |! ll/;;;‘,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ム ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 陽が沈んだばかりの夜、彼の出身校に向かう。 伊藤誠の周囲を自分と仲魔たちで固め、歩いていた。 車で向かったのでは迎撃の際に不意を突かれる可能性が高いからだ。 とは言っても、復讐の代行人である悪魔を倒す以上のことはする気はない。 名前や当時の連絡網などは聞き出してある。 事が済んだら、適当に縛り上げて親に突き出してやるつもりだった。 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 990 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:49:46 ID:zGS2QmqE0 [13/23] ∧ /// ィ、////////ヽ\ヽ | ///// 7辷、_j辷、 }` ー 、 ///ー‐ ///\////_/ /{ ∨| ///// / {ト、辷、 ー辷、 | .///////。'///// ̄イ{'//八 l|///// /:::ノ |:::\ \¨ 辷、辷、 //////。 '//////////|//〇ヽ l|//////::::\‘,*`¨¨¨¨¨ 7::::: _////_/////////{//{/∧__r―l| ////// _\) ガ /ヽ::: {ー‐ ´/}/\//////,'//|:|///ハ///} /////:::. | \* チ /∧ V/ |/////'////ー‐ _, '../ {!|/,'//∧_ノ ////:::::::\| 川`¨¨ ////ゝ\ }////'//////.//// |}/|///////// / ト、 \|l| ガ /////// . {///{'///////// /´ |/////////{::::.. *:: ー}ll チ ./ / '///// Ⅵ/}////.//// , _,//////////| .::\}\ l! ./ / '////// }/|/////// / //////`¨¨¨¨/! | ̄ \ヾ l!../ / '//////// ∨ <///-_ノ' /{////////,>'´/八 :!: ::`:ー || |l/ l l l|//////// ´ ̄}///////`ヽ//// ' _=== _V: : : : |l_ |{ l l l{//////// j/´///lllll}///}l|// < |::. ̄ 、 Ⅶ!{ l l l|//////// /// 〃//∨///|lレ'´//厂 ̄`::::. \ ___j l| \ \////// . ///jノ////j}/_ <l{´\_{ :::::::::::/ヾ /\\\ `'<__/ ///'/////人'´////厂>: :::::::::|\ lll} ./\\\\ ` . //////., </l}/>xll{| |` ; :::::::::j ` ||| ./\\\\\\ 、 、\ . .////, <///// ̄しⅥ !)//:::r ´ ||/\\\\\\\\\\ ー‐ ´  ̄ ̄ `ij ┃くー :::::| ll\ /_\\\\\\\\\\ ル ・ ∴.l| ∨:/ヾl{ // { l`¨ヽ\\\\\\\\ ロ . < ::|\ jl|./ ! !∧ ト、\\\\\\\\ ロ ・ ヾ:| ´//ヽ | |{ ヽ | \\\\\\\\ ロ。。 V///{ ∨//八 ヾ. ヽ\\\\\\ 【邪鬼??? Lv60】 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 閑静な住宅街を歩いていると、前方から巨大な影が見えた。 あらかじめ拳銃に取り付けておいたフラッシュライトでそれを照らすと、 闇に溶け込むかのような漆黒の鎧を身に纏った巨漢がそこにいた。 刺々しい鎧は生物のように胎動しており、手には身の丈を超えるほど、 恐らく二メートルはくだらない大剣を持っていた。 「ひっ……本当に出やがった!」 「後ろに向かって走れ! こいつは俺らがなんとかする!」 COMPのデビルアナライズを起動するが、ライブラリにない悪魔だった。 レベルから見て高位の悪魔だが、対処できないほどではない。 ヴリトラとヨシツネを前衛に、自分とセラフを中央からの援護、 メイヴとパイモンを補助に回す態勢を取る。 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 991 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:49:57 ID:zGS2QmqE0 [14/23] _...... --―:::;^;;、,,,,,,,,,,,,..,,,,、 !l /;| __.,.イ::::: : : : : . .._...^~゙ ̄ ̄ ̄~`r‐-、 .|;;l, \ /l l.;;;/::::;;/:::::::::::: ,.. ''"゛::::::: : ::::::: ::::::~ヽ;~ヽ、、 !;;:| iヽ / .! /::;;!:::;/:::::_/´ :::::::::: :: ::: :: : :::::: :::::::::ヽ;;;;:;;`>、_ .ノ;;;:! J ゙゛ .!ノ/ /:::::;;lノ-‐" ._,, -‐''''''''''''''~ ..,,,_:::: ::::::::\;;:;;;!``ヽ,/;;;;::| _ノ ,,ゝ /,ー;;;;'ヽ~ ̄ ̄;;;;:;;:;:_,.. ;;;;-ー''''''''`'''ー-,,,_゙゙'''―->;l::;;;:;:/;;;;;::::} ゝ .!_____ヽ;;二,/;;;:;;; -ー''''";;;;;_;;_;:__: :: :::: ::;:;;;;_,,`=-‐/;;;:;ゝ;;/;;;;;;:::::| "~'j l". !'、;:;;;-=≡,,二三三ミ三三≡===" --'"=- __l;;;:;:/;;;/;;;;;;:::::::lヽ `l/'!/ .l;;;\ヽ:;;;;:; ̄;;;:;:;''ー- .,,__'"'" ゙゙̄~`''''''''''""゛;; ;;;;:;;;;:;;(;;;;;;(;;;/;;;;;;;;;:::::::!;l お…………おおおおお………… ,! l;;;;;;ヽ,\.;;、;;:;:;;.、;:;;;;;;:;;;;:;:; ̄;;'''''―--- ,,,,,,,,__ ヽ;;;(ノ;;;;;;;;::::::::::!;;| ! 、;;;;;)/::::::l\ |;;:ヽ、:: /;;;;:;;;;:;ー、:;;;;;:;;;;:;:;:;:;;;;;:;;;;:`''ヽ,,,_.. . .. ..:: :::::::!/ あの男の……あの男の匂いがする……! ノ;;|\|;;;;;、:::::i'ヽ゛ヽノ::`v":: :::\ .i::\:::;:;:;;;;;;:;;;:,:;;;:;:;:;;;:;;;:`゙'''--─―-`ゝ /;;;;;lヽ!;;;;;;;|::: :` _::__;;;;;_ _ `'':: ::::ヽ、: ::: ::/:::::;:;;:'"/::;:;::'"/::;:;::'"/;;/ `ヽ;!ヽ!;;;;;;|::: {;;r-─- 、,,`,,,_;;;;:: :::: :::\ /::: :::\/:: ::\/ ::::\//( ヽ、;;;;;;;;;l::::;{";:` ̄ ̄~;;;'";;;;;;: : :::: ::::::::::: ::: ::::::: :::::/ ;;;l:::l;;;',;;;;;:;l;;:::::| ヽ/V l;;";;゙ ̄ ̄ ̄´;;;;;::: ::: ::/\:::: ::/ヽ::::/ ;;;;;|;:;:|;;;ヽ;;;:|;;::,,r` ,,゙i::" :: :: .;;;;:: ,、: :::: /;;;ヽ\/゙.|;;;\::/l\::ノ\::/iヽ .ノV^V;;ヽ;; .... . ,、::::: ::/\:::ノ|;\ノ;;:;:;;;;;\,`;;:..;;;:;:ヽ ´;;:;;:ヽ };;:;.:: : :| /ノヽ;;;:;:;;;ノ ヽ/l;;\ノ;;: ;;:;;;:...`;:;;;:;:;:;:;;;;;:;:;...ヽ..,,,,,,,;;;:;;:__..,,,ヽ;;:;:;::.ヽ,,_. /;;_;;;:;ノ;ヽ、;;;;;/;;::..ヽ;;;;;::;:;:.._`;;:;;;:;:;... -―''''";;::;:;;:;;:;;:;;::;:;;;;;:;;;;;;:;:;:;;:;;:;;:;;;;;;:;/'''''`'" (r,';;;;;:;彡 ヽ `''ー--、r─-‐''"´: :;;:;;:;;;:;;;;;;;:;;;;;;:;;:;:;:;;;;:;;;:;;:;;;;;;;;;:;:;;;;;;:;;:;:;:;;;;;;;:;:;:;;;;;;;;;:;;/ 三彡i"~;;::;;:;:;:;:: : : ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ すると、なぜか悪魔は前衛のヨシツネたちを無視して跳躍し、 喜留夫目がけて斬りかかってきた。 振り下ろされた鉄塊を横っ飛びで交わす。 地面が揺れ、抉られ、消し飛んだ。まともに受けていれば即死は免れない。 「おい! 話は通じるのか!」 「あああ…………お前も、お前も、お前も! 全員殺す! 皆殺す! お前たちが娘を殺したように、私がお前たちを殺す!」 「娘……!?」 そこで、喜留夫の予想は想定していた中でも最悪のものに行きついた。 化生だ。恐らく父親が、強い怒りや恨みから悪魔に目をつけられ、 融合させられたものだ。それなら、ライブラリに登録されてないのも頷ける。 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 992 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:52:25 ID:zGS2QmqE0 [15/23] ト / ̄\ /|:./\:./:.| ∨ //} \____ / |/ `Ⅵ |-- 、 \/____,/ 〉  ̄ ̄\_ \__ | ___ r- ' 乂///\ _〉 / / ' | \ ヽ、 { ´ `\ ヽ/////  ̄/ / {l\ / \\_ \ : / __/:///〉-- '\ / \ \ { \',i:\\__| l,ィオ{::::::::::/// \ _,/ \_ _\_\ \:i:i、 l l{ソ 〉::::/// /\_\ } \ { /\\ ____ \_〉/ /::}/:,::::l/∧ _,/ \_} |l__\ ∨  ̄\ / ̄ ̄____{////乂人::::::ノ:::///:.∨ ̄} ∧ ̄ ̄ ̄\〉 ´/ ̄ _____|///// | /:¨:::::///:.:.:.:∨_/\___/ 〉 ´/ ̄____\//// |/ ̄ ̄{:.:.:.:/ \_ /: 、 ´ ̄  ̄ |、_/ |:i:i:| `¨¨¨7/\: :\_/: : : : :. \ |:i:i:| ////∧: : : : : : : : : | \ Ⅵ:{ ,': : : : : __\__,: : : : } r{\_ ̄:´: :_,./ヽ:::::Y:/ ̄ ̄〉 |:ト、: : :ヽイ / ̄ / ___ _______乂_」:__: ノ--- ┴───‐┴- 、 \ \__////////////|:i:i:i:i:i:},. -―――――< ̄ ̄\ \ ̄\______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ´、__________,/ _\________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ \________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ \ ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ ヴリトラとヨシツネが斬りかかるが、押し切れずに弾き返される。 怨念によって強化されているのか、レベル以上の強さを持っていた。 「セラフはそのまま待機! 攻撃が来たら受け止めろ! パイモンは補助、 メイヴは魔法で援護!」 銃を構えながら指示を出す。この距離でセラフが攻撃を仕掛けたら、 ヨシツネとヴリトラを巻き込んでしまう。ここは後衛の防御に回すのが正解だ。 引き金を引き、発砲する。 狙いは足の関節だ。装甲が集中している胸や頭に撃っても効果が薄いと踏んでの 射撃だった。だが、それすらも弾かれた。ただの弾丸ではない、呪術師が 払魔の呪文を刻んだ特別製の弾丸であるにもかかわらず、だ。 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 993 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:52:39 ID:zGS2QmqE0 [16/23] xィ≦ニニ> ハ /| ./| 、 ≦ニニ> ト、_l v ∨ ∨|ハ从从 <ニニニ> ト、__,..:〉 / }ィ_<ニニニ> ト、〉 Ⅳ /イ }> ____ > _ -==ミ l|. ヽ く ./ / ヽ /⌒イ ヽ ___ト从ィ .vト′.__ __ ./ l ,..-彡ミ`ヽ 、__>= }从ヘ ノ< .У____>.、 / ,ィハ ィ{ ' ._ヽ〉 ,ィヽミ‐ ィ , l /}ヽ〉 .トУx<二三三三二>>.、 〃//} ,..:≦二_人__,>〉, .//,/=彡イ,ィl /ヽ />‐≠'´  ̄ `ヽ¨<二ニ.\>ミ、 ///// 許せとは言わねえ。 ≦二二> /ハ{l/ィ弋tッメイ/ 从ノ.'-‐'´ ::::::::::::::::::∨ `ヽ二ニ\トz彡彡'′ ≦二二> ,ィT7 .7¨¨¨¨¨¨¨´................ ..:::::::::::::/ .∨////\ 恨んでくれ……! ./.l ; ; ハ/ ., .イ、 ∨/////,\_ .__ 〈 | ';..::';..:/冫___∠二ニ......_____,...:<////>、 ∨/////// 〃::::::::.ヽ`弋__Zミト‐'‐'〈///∧.{'/ 〃}!.ヽ ∨///////////>x、._\'////;′ /.:::::::::::::::::.\ /⌒ヽ\'//,У / / ヽ \'<'//////\//∧∨//////ノ ./.:::::::::::::::::::::::ハ_ /l / ,' l .Yィ≧,' .,.′// .丶 >ミ>r=≠ミ≧zzz>'′ :::::::::::::::::::::::::_:〉l 乂 .l.弋.}>'´././ く_....ィ / ̄ >< ̄ .ハ ><彡イ .イ >< .人./ ./ ,.. /ハ .ヽ, ><:::::::::>..、:::::::∧> ∨ ハ._/ ./ ./.::::∧ ィハ<彡'⌒ \、::::::::..>、::/ ヽ.l彡l ヘー<__,∠......:<.∨.:::∧//< ̄ ̄ ._\::::::::::::::.\ ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ メイヴの電撃が命中し、パイモンの補助がかかり加速したヨシツネとヴリトラが 高速で斬撃を叩き込む。 次第に悪魔の動きが鈍り始めていた。 ダメージはあるようだ。だが、それを認識していないらしく、狂気じみた 唸り声を上げながら大剣を振り回し、ヨシツネを弾き飛ばした。 「ヴリトラ、一旦離れろ! セラフ、一発叩き込め!」 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 994 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:52:53 ID:zGS2QmqE0 [17/23] ///// , .-: :‐:-: :-.<//∧ / / ////,l/ , <: : : : : : :ト、: :i: : : V/,'∧ / / __ {////|, /: i : | : : : : : : l-‐Ⅵー: :l:V//∧ 〈 厶≦ > V///K :l : : | ∧ハ : : : i:だ二Ⅵ、 l: V'/rヾ、 \/ ヽ > ⌒ < V//,l : l: ,ィ!:たニⅣ /´不:艾:トリ: :|'/,| },\/ / / ) ごめんなさい……。 V/ハ: : l:ヽK艾ヌ`∨ ゙う_ソ ´l : |'/,| l/// / / / V/ハ: : l:《.ヾぅ゜}, 、 l: : |'/,| V/ レ / __ ト/∧: :ゞミ `¨´ , 、 ノ: : j// `´ _ ノ И//Ⅵ: : ヽ `´ イr-- ′‐- 、 ハヽ |////}:ヾ辷ー≧: :r - イ///:`:ーr x ヽ ./'}l > __, < |////|: : :ⅥV: : >ー巛‐''´l :/ :// ,ヽ- ノ //ト、 ,'////,l: : : :V:レチ }l} l: l|: :| /{ l、 ///{∧ミ _ 彡 //////|: : : : }八ヽ , r:王:ミ|: |l: :|'//∧辷 イ///{/∧ ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ セラフの手に炎が宿る。燃え盛るそれを投げつけ、地面に着くと、 巨大な火柱となって悪魔を飲み込んだ。 「おお……おおおおおおお!!!!」 悪魔が叫ぶ。その声は獣の慟哭のようにも、子を奪われた親の嘆きにも聞こえた。 「すまん……俺たちには……こうすることしかできない……」 セラフの炎によってついに倒れた悪魔の死体を確認しようと、フラッシュライトを 当てる。 そこには、どこにでもいるような、普通の中年男性の死体があるだけだった。 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 995 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:53:04 ID:zGS2QmqE0 [18/23] ///// , .-: :‐:-: :-.<//∧ / / ////,l/ , <: : : : : : :ト、: :i: : : V/,'∧ / / __ {////|, /: i : | : : : : : : l-‐Ⅵー: :l:V//∧ 〈 厶≦ > V///K :l : : | ∧ハ : : : i:だ二Ⅵ、 l: V'/rヾ、 \/ ヽ > ⌒ < V//,l : l: ,ィ!:たニⅣ /´不:艾:トリ: :|'/,| },\/ / / ) ごめんなさい……。 V/ハ: : l:ヽK艾ヌ`∨ ゙う_ソ ´l : |'/,| l/// / / / V/ハ: : l:《.ヾぅ゜}, 、 l: : |'/,| V/ レ / __ ト/∧: :ゞミ `¨´ , 、 ノ: : j// `´ _ ノ И//Ⅵ: : ヽ `´ イr-- ′‐- 、 ハヽ |////}:ヾ辷ー≧: :r - イ///:`:ーr x ヽ ./'}l > __, < |////|: : :ⅥV: : >ー巛‐''´l :/ :// ,ヽ- ノ //ト、 ,'////,l: : : :V:レチ }l} l: l|: :| /{ l、 ///{∧ミ _ 彡 //////|: : : : }八ヽ , r:王:ミ|: |l: :|'//∧辷 イ///{/∧ ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ セラフの手に炎が宿る。燃え盛るそれを投げつけ、地面に着くと、 巨大な火柱となって悪魔を飲み込んだ。 「おお……おおおおおおお!!!!」 悪魔が叫ぶ。その声は獣の慟哭のようにも、子を奪われた親の嘆きにも聞こえた。 「すまん……俺たちには……こうすることしかできない……」 セラフの炎によってついに倒れた悪魔の死体を確認しようと、フラッシュライトを 当てる。 そこには、どこにでもいるような、普通の中年男性の死体があるだけだった。 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 996 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:53:15 ID:zGS2QmqE0 [19/23] ┌──────┐ │::::::::::::::::::::::::::::::::│ │::::::::::::::::::::::::::::::::│ │::::::::::::::::::::::::::::::::│ │::::::::::::::::::::::::::::::::│ └──────┘ ┌───┐ │::::::::::::::::│ │::::::::::::::::│ └───┘ ┌─┐ │ :: │ └─┘ ┌┐ └┘ □ ・ 997 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:53:30 ID:zGS2QmqE0 [20/23] _,,,..-.ー.─.-.-....、._ 二ヽ,,..::"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`:..、 /::::::::``:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::ヽ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::::ヾ:::::\:::::::::', /:::::::::::::::i:::::i!::::::::::::::::ヾ:::::,,∠,、_:::::\::::\:::::', i::::::::::::::::!:::::i i:::::::::l::::::::イ\\\:::::::::\:::\::', l:::::::i::::::::!::::i,,ゞ;::::::::i:::::::::l >≧r、\::::::ヾ\_::> 『みなさん、お集まりいただいてありがとうございます!』 l::::::i!:::i::::l;/i ._,,\::::!、::::::l 辻ヾ〉 \:::ヾ)::::> i:::::ハ::::|::::l:::i〈`(ヘ\! \:', ゞ-′ ラ∨/"´ l:::i l:::|::::lヾ、 弋i;) ヽ \ ┌::ソノ ∨ l::::l::::l:::\ " ヘ::::/ \|\!\ ′ ∨ ヾ ヾ 、 ー ´ , ゝ、 ` 、 , ′ / \_ ` ー < /´ /::::: ̄`ー- _ノ´∧_∧ /:::::::::::::::::::::: :::::´ ̄/ /〈::ヾ∧ /::::::::::::::::::::: :::::::/ / ノ::::〈 ヽ /:::::::::::::::::::: ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 結婚式は洋式だった。 式に招かれた喜留夫たちは、似合わない正装を身に纏い、着席していた。 訂正すると、メイヴとセラフのドレスはとても似合っていた。 挨拶から始まり、新郎新婦の馴れ初めをイメージビデオにしたものを流す。 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 998 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:53:45 ID:zGS2QmqE0 [21/23] i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i{i:i7⌒iV: : : : : : : : : : : : : : : :ミ*、 i:i:i:i:i:i:i:i:/^7i:Vi:i:iv: : : : : : : : : : : : : : : : : : :>x i:i:i:i:i:/: : : }i{i:i}i:i:i:i}./: : : : : : :": : : : : : : : : : : ㍉ i:i:/: : : :.../i:ivi:i:i/: : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : : : : : /i:i:i}iV'′: : : : :./: : : : : : : : : : : : : : : : : : V : : : : : : /i:i:i:ノ'′: : : : :/: : : : : :./: : : : : : : : : : : :::v : : : : : /i:i/: : : : : : .: : : : : : :../: : : : : : :>: : : : : : : .} : : : : /i:〃: : : : : :.〃: : : : : / . :::/: : :ィ: : : : : : : : / : : :{i/: イ: : : : //: : : : /㍉、/: : , ' }: : : : : : : ,: : :..:../〃:,′: : //: :トzzzx / ヽ.. '′ ,: : : : :.:..:./ :..:.:./ノV,′: :.//: : :{i´/iィ斧x. v /: : : : :..:./: :,: : : : : : ://: : : : /: : : :{i/f7しヘ/^vヽ ∨: : :. :.:.:./: :/}: : : : : : :.:i: : :..:./.イ : : ` 乂.ツ′ } /:イ: : : : .イ==ミ: : 喜留夫、言われた通りすり替えといたよ! : : : : :..{: : :./: ノ: : : : { ”''¬ イ i/: : :/:/ 冫: : : : : :..{: :./: /: : : :.:.N /:.: ィf斧7ミ、./: :/ : : : : :..{ : { /: : : : :...{ / /fツi/ .'′:./: : : : : :..{ : v{: : : : : :..{ ,.ヘ { ”ー /: :..::/: : : : : : :..{..V xくx≦“イi:i:i:i:i:i:..、 .′.=彡: : :/: /: : : : : :::{ ̄ / / Vi:i:i:i:i:i:i冫 /:.イ: }: /: : : : : : :..{\′ ∠: : {_.‘''ー= .イ: : :}:/: ′: : : : : : : : : : \ x< ト、 ___ ... 匕:...}:...:.:}/:}: : : : : : : : : : : : : :..\__` ” //{ /}...:.:.}: /: :..:}: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 三“≧x.. .{,′v: :}: : : : :...}: : : ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ スクリーンに映し出されたのは、イメージビデオなどではない。 喜留夫達が仕込んでおいた、伊藤誠たちによる女性への凌辱だった。 血と痣にまみれた裸の女性に、同じく裸の伊藤誠が下卑た笑いを浮かべながら 圧し掛かっている姿がありありと映し出されている。 裏ビデオとして東京の歌舞伎町で出回っていたビデオを見つけ出し、 イメージビデオとすり替えておいたのだ。 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 999 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:54:11 ID:zGS2QmqE0 [22/23] r─┬vイ彡'´  ̄`  ̄ ≧、_イ ミi |{ 人/ レイ彡Yユ ヾフ , ィイ > ト、- フ /ノ ハ / ) レ i / ハ ト≦ニ''` i ハ i 廴/ / i il / .ハ i )ノ il / ヘ / / イ /i il il il i ハ il i / ./ ∧ i ./ /i i i .il. il il il il/ V il il .:/ ./ ハ l / イ il il il. il il il il .V il il .イ イ i i i | i .|ィ il ilハ il il il il_ _i il ソ i .i il .il | | | ハ .il il -ナ ハ il ハil ノ _.l 升 il l .l / . il | 自業自得、ね。 | レ人 .il ilr─v彡ミV.i ハ/ ゞ7行≦、./| .| il .| | i i il iト- 、ニヾ Y Y:::....::タ.イ il .| il .ヘ | ヽ { rK炉y } ノ ゞ=ij / 人 .| i iム | ハ ハ ゞッミ≧/イ 、 / /il il .| i ', 人 i \ ゝテ' ´ イ イ .il il .| il ハ ヽ / / ハ ー - ,_| | .il il ト ゝ il イ i ) { / / イ ./ >、 | イ/イ 人升フ⌒ヽ ,' | 、 _', / ./ / il / 人 > _ ィ }// il Ⅶ / il ハ . / ./ / イi イ /  ̄|| | ̄ゝイ / r=-''ハ 人 | 、 _ ヽ '´ / ノ / ilイ / { ̄_.ノ ./ / イ | il . \ / / / il /  ̄\ i / ハ ( ⌒ヽ フ入 i | ヽ _ _ヽ . / / / ./ / )| { { } | |-─Y . ヽ _ _ \ ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 式場は大混乱に陥った。 恐らく、結婚の話も破綻になるだろう。この後ビデオを警察に届ければ、 伊藤誠も今までどおりの生活は送れまい。塀の中で臭い飯を食ってもらおう。 「誰もが誰かを傷つけながら生きている。誰も傷つけずに生きられる人間なんて この世にはいやしねえ。けどな、あいつらはやりすぎたんだ。 大抵、そういう奴らは何の罰も受けずに幸せになる。 だからよ、こいつくらいは地獄に叩き落としといてやらねえとな」 これで少しは、あの父親も浮かばれるだろうか。 やりきれない思いを残したまま、喜留夫達は混沌とする式場を後にした。 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 1000 名前: ◆x0SRSoJXe. [] 投稿日:2018/10/16(火) 22:54:27 ID:zGS2QmqE0 [23/23] :::::::::::::::f _.. =====へ:::::::::::::::::::: | \::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::::| > ´ ,..........、 V`ヾ x::::::::| \::::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::::| / ,イ圭圭ヨ V::::::`ヾア| ヽ::::::::::::::::::::::: :::::::::::::::| 〃 弋圭圭ヲ V:::::::::::::| V::::::::::::::::::: :::::::::::::::| / ヽ:::::::::::! V:::::::::::::::::: :::::::::::::::| r -ヘ:::::::| V::::::::::::::: :::::::::::::::| 〈 >へr、 V:::| V:::::::::::: ::::::::::::::::! _>< ヘ:∧ V:::::::::: ::::::::::::::::| と二つー--=< .{ヽヽ V:::::::: :::::::::::::::::! | | ', '. }:::::::: :::::::::::::::::| | | } } |:::::::: ::::::::::::::::::! :| | | | |:::::::: 、::::::::::::::::| :| | | | |:::::::: . \:::::::::::! | | | | |:::::::: ~また次回~ 1001 名前:名無し-Red-市民-2 [sage] 投稿日:2018/10/17(水) 08:11:52 ID:UXv/jsfs0 次も楽しみにしてます 1002 名前:名無し-Red-市民-2 [sage] 投稿日:2018/10/17(水) 14:16:06 ID:rDBRaxR20 乙でした。 まあ、そうなるな……
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