2272 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/18(土) 20:08:55 ID:IH1WYTsI0 [3/10]
-- ―-- .. _
> ´ / ヽ
/ ' r o ) ',
/ ー- ⌒ヽ ',
/ / o ) } i
' ゝ / _ ノ | (今日の昼食は和食だったお。
i 人 .イ | | | ノ
| `¨i! | | | |_ノ く ソバというらしいお。味がするのかしないのか分からんお)
', i! | | | | ` <
( > .. |! | | | | <
( >< >.', V ',ハ 、
` < >--、>..', ハ.. ___r-、 ', ヽ
./ う> > ´ (  ̄ ー――' \
/ / ´ 7 '
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
食堂で少し早めの昼食を済ませ、なのはから伝えられたランクマッチのことを
机に伏しながら考えていた。
まだ昼時というには早い時間だからか、人の入りもまばらだ。
券売機のスクリーンにPDAを翳して支払いを済ませ、
カウンターの受け取り口から食事の載ったトレーを受け取った。
湯気の立つスープ、この場合はつゆというらしい。
それに輪切りにされた白ネギや、魚のすり身が入った麺料理だった。
とにかくそれを腹に収めて、一息ついてから思案していた。
ランクマッチは明日に行われる。本来ならもっと余裕のあるスケジューリングなのだ
とはいうが、今回は先方の予定により、急遽明日ということになった。
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2273 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/18(土) 20:09:09 ID:IH1WYTsI0 [4/10]
_ -――――- _ __
∠ ` 、_}_
/ 、 ` 、⌒ヽ
/ / \ ', /
/ / ' | '/\
' ′ / | | 、ノ}
l{ / { /{ { | | | ̄ア}ノ\
八 | ', l 、 { l 、 | |/ ハ___ノ
\|', ∧| | \_{\|\\| | / /⌒}
| ∨ャ竿ミ 斗竿ミ| |/ /__ ノ 起きるがよい。
| ∧ Lソ Lソ | |ヽ/⌒\
| ハ | |ノi:i:i:i:i:i:i:\ もう十時半だ、過ぎたるは及ばざるがごとし。
l 込、 ' | |\i:i:i:i:i:i:i:i:i:',
| | \ r_、 ,| |、i:i\i:i:i:i:i:i:i:} まずは顔を洗ってくることだ。
| | 、 イl| '{i\i:i:)_i:i:/
人 | l` ‐ ´ l| /i:V⌒i: ̄{
、| f≧======≦_| ,'⌒i{i:i:i:i:i厂
_-=ニニ=- __ノvニニニOニニニ=|/二⌒⌒^
_-=ニニニ/ニニ\ニOニニニニニノニニニニ≧ァ≦⌒\
_-==ニニ {ニニニニニ/\ニニニニニニニニニニニ/ニニニニニ',
_-=ニニニニ〉二二ニ\/二二二ニニニニニ/ニニニニニニニ',
_-=ニニニ/ニニニニニ/二二二ニニニニニニ/ニニニニニニニニ',
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
自分のような不摂生の化身のような男が、なぜきちんと起きて食堂まで
来ているのかというと、アルトリアが正午前に起こしに来たからだ。
インターホンを聞いて飛び起き、ろくに身支度もしないまま出迎えると、
アルトリアは軽く眉を上げながら洗顔を促してきた。
どうやら、前日の作戦の後、このコロニーにネクストごと留まっているらしい。
「特に差し迫って戻る理由もなくてな。こうして滞在させてもらっている」
「身体の方は大丈夫なんですかお」
「ああ、問題ない。私のことはいい、まずはあなた自身のことを済ませるのだ。
他人のことはそれからでいい」
そういうと、アルトリアはその場を後にしてしまった。
表情こそ硬かったが、至極落ち着いた様子だった。
彼女がそういうなら、きっとそうなのだろう。
なんとなくではあるが、真っ直ぐな人だな、とは感じていた。
誤魔化したり、嘘を吐くような人ではない気がする。
しかし、表情や態度こそ静謐で分かりづらいものの、
やっていることとしては世話焼き以外の何物でもない。
嬉しくは思うが、不思議に感じるところが大きく、それを覆ってしまっていた。
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2274 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/18(土) 20:11:42 ID:IH1WYTsI0 [5/10]
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-――- - 、:\
. /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、:.:.:\ .ヘ:ヽ
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:\:.:.:\ ヽ
|:|:.\:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.|:.:.:.:l:.:ハ:.:ヽ:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:\:.:丶
.i:|:.ヽ:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:| ヽ:.:i:.:.i:.:.:|:\:.:.:.:.:.:ヘヽ:.ヽ
. |:.:|:.:.ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:._7t:.-十:i i:.i|´丁`i:.:.|:.ヽ:.:.:.:ヘ丶:.i
l:.ヽ:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:匕:チ |:.≠.l/ ||,イう。,/:.!:|:.:.:ヽ:.:.:.:i ヽ
ヽ:.ヽ:.|:.:.:.:.:.メ´:||:.yヒて个/ / .{::::j."i/|:|:.:.:.|.i:.:.:.:|
ヽ:./=ヽ:.|:.:.:i:.:i,イ7::::::゚::| b:y /:.l/:|i:.:.i .|:.:.:| ま、いい経験になるんじゃないかな。
ゝ .个:.::.:ヽ|ヽ らツ少  ̄ |:.:i:.|||:.:| |:.:|
\ .|:.:.:|\\. ゝ¨ 、 . |:.:.|:.| |:.| |:| 相手は正真正銘、戦いの玄人。
ヽ:.:.:| イ|:.:|:ヘ/ |
ヽ:.ヽ. ` ´ /:.:.|:/:.:.ヘ 高いAMS適性で持ち上げられたぽっと出の天才とは格が違う。
丶:.丶> 、 イ、:.:.:/:.:ヽ:.ヘ
\ミ ` ≧´ !\:.:.:.:.丶:ヘ 私も戦場で会ったことがあるけど、いい兵士だよ、彼は。
,>.|ヽ >< / .i:`>x.ヽ:ヘ
,、r´:/ | >‐、´ / |::::::::::::::::::::`ヽ 、
. ,、r´:::::::/ |/>-<\ . / |::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ 、
,、r´::::::::::::/ ./└t┘ ヽ./ .ト、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
/::::::::::::::::::/ /|./ Ⅹ.ヽ ヽ >┘ \::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::|
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
昨夜、なのはから電話でランクマッチの通達があった後、
簡単な相手の説明を受けた。
ブライドルランク10、ストレイト・クーガー。
かつて反体制勢力に所属していた過去を持つもランク10を保持する異色のリンクス。
最速と名高いネクスト、シュクヴァールは任務によって武装数が違うらしい。
ブレード一本のみの時もあれば、様々な武装を携えていることもあるようだ。
戦績は凄まじく、これまでの戦績を見ると、多くのネクストが彼の駆るシュクヴァールに
撃破されてきた記録が残っていた。
ネクスト戦役以降、ここまでリンクスの絶対数が減少したのは、
彼の存在が少なからず影響している。
事実、記録の中でも多いときは四十人近いリンクスがいたわけだが、
テロリスト自体のストレイト・クーガーに十五人以上撃破されていた。
玄人などという言葉だけでは済まない。
ともすればなのはにすら匹敵しうるかもしれない。
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2275 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/18(土) 20:11:57 ID:IH1WYTsI0 [6/10]
_,. -r‐、
,∠ ― ,rヽ)ノ ‐ 、
/ 7 ‐-,. ( )'ノ 、
. i ; ,‐!ノ'ノ `/ ,. -
. ' :,_/〉-,ノ ./ /" ヽ
. r/_.'-‐' \ .' / / ! 、
`! !. 、,.ヽ! _.//' ,. ィ i ! }
', ! /、ノ| .た!ヽヽ/ ノ' ;.ノ
、 、 ,ヘヽ.l l l ´ ,/,イ/
V/>/∧ l !l. {.' .l
. _l'/////∧l l| 、 ,.ゝ l 戻ってきたか。
,ィニ二二ニ_<,.――--<! l.|
/二二二二/::::::::::::::::::::::::::::>、i| 「ま、また立って待ってたんですかお?」
_,./>''" -=/::::::::::::__:::::::::::::::::/}
― /ニi.lニニニニ{::::::-::: ̄::::::::::::::::ヽ::::::// む……良くなかったか。すまんな。
::::::i=ニ!.!二二ニ/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::; '
:::::l=ニl l二二/:::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::;:〉
::::lニニl lニニ〈::::::::;:ィ二ニ=_、,、::;:::::::jム
::::!ニニ!.l-=二';:::://:::::::::::;::ニ//ヽ::::/ヽ!ム
::::!/ ,イニ=-__ヽ/:::;ィ////////\ニl.!ニ!
::::l'/ニニニニ</////////>!/∧=!l=l
:::::マニ二二ニニ!>_、///////>,/`マ
:::::::マニ二二二ニム<///////>'"////\、
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
食堂を後にして自室へと戻ると、ドアの前で、いつかのようにアルトリアが立っていた。
壁に背を預けることすらせず、直立不動で微動だにしていなかった。
たまに通りすがる職員が怯えた視線を向けても意に介していない。
慌てて駆け寄ると、アルトリアはようやく動いた。
長い間眠っていた機械が軋みを上げて震える様に似ている。
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2276 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/18(土) 20:12:22 ID:IH1WYTsI0 [7/10]
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \ 今、アルトリアさんのPDAにルームキーの認証コードを送っておきましたお。
/(―) (― ) \
|. (_人_) u | 「なぜだ?」
\ `⌒ ´ ,/
/ ヽ なぜって、立って待ってられたら心配しますお。アルトリアさんなら悪いことなんてしないだろうし、
. / l ,/ / i
(_) (__ ノ l これからは部屋で待っていてくださいお。触られて困るものもないし。
/ i \ } >
/ i .| / レヘ、
, ヽ i .| |、 / } ノ
i .l i .ハ. ∧.i .| l / |' ゙;
| .| i .| /! }/ }ハ .|,ノ / ./"
| .i .| ト 1. ,ム斗:r7 } | / ./:.:.:.:.:ヽ
. i l .| 「\ .ハ/ Vツ ':/ .| / /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ ……ああ、そういうことか。では、有難く受け取ろう。
. 八ハ ト |'芯\{ ´ ハ | ハ /:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/
. { `:.ハ .ト.}7 }/| .j y:.:.:.|:.:.:.:.:.:./ 不思議なものだな、こういうやり取りは。
| ヾ. :,ヽ / } j ∩こ)゙,:-イ~
l |\ _ -,ァ イ .,v⌒/: :ヽ:.:.} _____,,
. l .|. 、 ´ /ノ-マ`/: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
丶 i `ー ' >r"f ゙/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
丶 , ⊂゙_/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : :
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端末を操作して、登録されていたアルトリアの端末に部屋の解除キーを送りつけた。
会いに来てくれるのは嬉しいが、こうして毎回部屋の前で立っていられては、
こっちも気が気でない。それなら、せめて部屋の中で座っていてほしい。
アルトリアは端末を取り出して画面を確認すると、ふっと顔を綻ばせた。
ほんの一瞬ではあったが、確かに目を細め、唇を緩めていた。
普段、冷たく沈んだ灰色の表情を変えないだけに、時折見せる微かな笑顔は、
とても得難く儚いものに見えた。
彼女は、どういった時、笑えるのだろうか。
ふと考えることもあるが、その答えを出すには、自分は彼女を知らなさすぎた。
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2277 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/18(土) 20:13:23 ID:IH1WYTsI0 [8/10]
-== x--,_
, ´ ヽ\ト,
, \ 、\y
,' ', , 、 .}フ
, ハ ', j ヽ }フ
.; ! | ', ヽ、xー ナ、 ` ∨)
,.i .ト、 ' , 》チテ弌八 乂
} 人 从≧ … 乂jノ<;;;| \ { ほう、あの男とのランクマッチが組まれたのか。
.|ノ .} "叭) ´ /;;;;| ヽ
. ′ | ∧´ ' 〉;;;,リ } ならば、シミュレーションでもしたらどうだ?
. ノ ノ》x:. ´` /^:ネ !!|j ,'
/¨, ===ヽ< (\);;;;;;=¨”;;;;;|{ ノ 少しでも善戦する努力は必要だ。ランクマッチは勝敗もそうだが、
./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,\\\r--===ノ .ノz
. ´ /;,;,;,;,;,;,;,;/\;,;,;ヽ ̄|  ̄ |l 戦闘の流れでも評価は左右される。負けるにしても、負け方がある。
/;,;,;,;,;,;,;,;,;,l l;,;,,\,;,} .| 《 : ヘ==´`ヽ
};,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;l l;,;,;,;,;,;,;,ヽノ、,-= ⌒ ヽ,l;,;,;,;,;,;,;,;,;} 無様に負けて老人たちから顰蹙を買わぬようにな。
/;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,,ソ,,,;,;,;,;,;,;,;/P´ : \;,;,;,;,;,;|
. ____
'" U `丶、
/ \ \
. / `¨″ `'ー'" ̄` 勝てないのは確定なんですかお。
{ 三三 三三 }
. '. J / 「ああ。絶対とは言えんが、まず負けるだろう」
\ u ゙'ー'^'ー'゙ /
`¨7  ̄ ‘,
/ ‘,
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ストレイト・クーガーとのランクマッチの件を話すと、
アルトリアは逡巡する間も挟まずに、自分の敗北を予見していた。
アルトリアの確信が籠った言い方に、多少なりとも思うところはあった。
自分とて、今まで自分なりに様々な戦いを経験してきた。
なのはに仕込まれているというのもあるし、元々荒事の心得もないわけではない。
マーシフルだって、かつてなのはが乗った名機だ。
幾ら中身が格下げされたとしても、機体性能は変わらない。
ルルーシュがある程度デチューンしたと言っていたが、
それでも新型パーツにも負けない高性能を誇るハイエンド機だ。
それでも勝ちの目が一切ないというのは、どうもこう、納得がいかない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2278 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/18(土) 20:13:38 ID:IH1WYTsI0 [9/10]
__ __
__,.r'' _≧´--`≦`ヽ
ノ> ´ ` <}
/ / .、 ヽ
__.. -‐ / / i i ヽ ,
 ̄ 7 / ,: ハ. | ヽ \!
/ ., / ,: i ', i! \. \
, i , /!.ハ. | ', !、 、 ', ,
i , j/ /ーi'- ', ! ヽ { ヽ ヽ ', ',
レ' / /r=芋ミヾ `ィr弍=ァヽ :, i
/ ' ∧ ゙ ゞソ ゙ " ゞン " ハヾミー- .._
/ ハ._, , ム/::::i `丁
/ ィ {ヽ:::ハ ハ:::::::! . ', 決意とは時間を経れば鈍るもの。
〃 i : | ヾ彡:.、 - - .イ}}:::/ | .ト、 ヽ
/ | i | /::::::::::::> <::::::::::::} !/ ヽ 、 疾く行うに越したことはない。
__ ', ! | {:::::::::::::::ハ、>.=.< _ハ::::::/ / \
/::::ヽ::::`:::::ヾト、!ー--.=彡{::::::::::::::::::::::::::}ー-..__ 相手を見繕って研鑽に励むことだ。
,:::::::::::::',:::::::::::::::::::::::::::::::::ムハ::::::::::::::::::::::ノ',::::::::::::゙:.ー- .._
.i::::::::::::::::,:::::::::::::;:::::::::::::::ム' >ー==<. マ、::::::::::::::::::::::`:ー- .._ いなければ、私が相手でも構わんが?
,::::::::::::::::::',:::::::::::i::::::::::::ム' / ヽ. マ、:::::::::/:::::::::::::::::::::::ヽ
r''::、::::::::::::::::::',:::::::::|:::::::ノ=.く \ _}:::::::::i::::::/:::::::::::::::::i かつては私も軽量機乗りだった。教えられなくもない。
/::::::::::ヽ::::::::::::::';::::::j:::/::::::::::::、 , .イヽ:\:::/:::::::::::::::::::::::|
:::::::::::::::::::::::ー:::::::::';:::::/::/:::::::::::::::',. , /:::::::::',:::::',:::::::::::::::::::::::::::i
::::::::::::::::::::::::::::::::>:::,::::;'::::::::::弐;:::', ;: /:::r'乙:::::'::::::',:::::::::/::::::::::;
:::::::::::::::::::::> ´ i::::i:::::::::::::::刈:::',. i: /夊_ノ:::::::::::::!::::::;:::::::::::::::::::::::;
:::::::::::::>" ';:::';:::::::::::::::::::::::ヽ:/::::::::::::::::::::::::::;::::::/:::::::::::::::::::::::{
::::>" ';:::ヾ:::::::::::::::::::::ハ::、:::::::::::::::::::::::/::::;' '::::::::::::::::::::::〉
〈:::ミ=-:::::::::´::/ ';:::≧=-:::::::::/:::r' ';::::::::::::::::::i
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
確かに、訓練は大事だ。シミュレーションであれば仮想空間で、
限りなく現実に近い戦闘を行うことはできる。
戦闘の訓練を戦闘を以て行うのだ、無駄にはならない。
しかし、相手はどうしようか?
下↓3
1.なのはに頼もう。教えを乞うなら彼女が一番だ
2.はやてに頼もう。きっと優しく丁寧に教えてくれる
3.アルトリアに頼んでみよう。前回の約束の件もある
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2279 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2020/04/18(土) 20:19:58 ID:QQ0rWBAA0 [2/3]
アルトリア推しで3
2280 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2020/04/18(土) 20:21:26 ID:6461oMRA0
2
2281 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2020/04/18(土) 20:21:41 ID:YnEEQBVQ0 [1/2]
1
2282 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/18(土) 20:27:36 ID:IH1WYTsI0 [10/10]
おっけいおっけい、なのはさんね。
では、今回の投下はここまでだ。熱は下がったが頭が痛いのは相変わらずでね……。
ああ、そうそう、今の今まで好感度の表示を忘れていた。申し訳ない。
現状、結構みんなバランスよく選んでたからね、以下の通りだ。
好感度表
なのは Lv3(今回の安価で+1)
はやて Lv3
アルトリア Lv4
アルトリアに関しては前回食事に誘ったのが高得点だったね。
登場時期が遅かったため、少々好感度の上がり方は大きめにしていた。チョロいと言ってはいけないぞ。
それじゃ、シーユーアゲイン。
次回は、そうだね、明日の午後八時からとしよう。どうせ働けもしなけりゃやることもないんだ。
2283 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2020/04/18(土) 20:38:19 ID:QQ0rWBAA0 [3/3]
乙です!
2284 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2020/04/18(土) 20:59:03 ID:zoKHSvhw0
お疲れさまでしたー
2285 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2020/04/18(土) 21:03:49 ID:YnEEQBVQ0 [2/2]
乙
2288 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 20:10:31 ID:ysr9aob20 [3/16]
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ そういうことなら、なのはさんに連絡してみますお。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / ありがとうございました、アルトリアさん。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
それなら、なのはに頼むとしよう。
元々自分の教官はなのはであるわけだし、マーシフルの元パイロットでもある。
自分のことも、マーシフルのことも、一番分かっているはずだ。
アルトリアに軽くお辞儀をして、早速シミュレーションルームに向かうことにした。
同じ基地で生活しているのだから、現地集合でいいだろう。
それを見たアルトリアは、「礼には及ばん」と小さく頷くと、踵を返してしまった。
編み込まれた後ろ髪から垂れる黒いリボンが揺れていた。
「どこに行くんですかお?」
「ノルドルムまで戻る。これ以上の用事もないし、あなたも忙しくなるだろう」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2289 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 20:13:21 ID:ysr9aob20 [4/16]
-―f=ミ、
´ ― 、f辷彡'  ̄
/ ‐ャ- 、 f辷彡' ` 、
′ ハ f辷_彡^ー ァ \
| / ,f辷__彡 / // \
∨ ,f辷__彡く / / 丶
rtf辷__彡' i \ / // i ‘,
`Yヘ 、 -、| `ハ / / イ i
|,ハ 〉い | 圻ミ、\ / イ i .i| ああ、時にヤルオ。
‘, ハ 〈 r( | 弋rハ ノ イ ,′ハ:リ
∨ 、 ハ ヽ.:| i 厶イ ノ' 「なんですかお?」
∨//vヘ{介f:::| i| fケ |
|///////ハ:| i| 〈 .i| 以前、あなたが私に――
_ 」/」/」/」」/ハ| i| ‐ 、 イ l|
/ >‐……―< |i 从
′ /:::::::::::::::::::::::::::::::>... i| |
」 斗 ―-ァ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ !
/ i \ } >
/ i .| / レヘ、
, ヽ i .| |、 / } ノ
i .l i .ハ. ∧.i .| l / |' ゙;
| .| i .| /! }/ }ハ .|,ノ / ./"
| .i .| ト 1. ,ム斗:r7 } | / ./:.:.:.:.:ヽ あ……いや……些末事だ、忘れろ。
. i l .| 「\ .ハ/ Vツ ':/ .| / /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ ト |'芯\{ ´ ハ | ハ /:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/ 息災でな。
. { `:.ハ .ト.}7 }/| .j y:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
| ヾ. :,ヽ / } j ∩こ)゙,:-イ~
l |\ _ -, イ .,v⌒/: :ヽ:.:.} _____,,
. l .|. 、 ´ /ノ-マ`/: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
丶 i `ー ' >r"f ゙/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
丶 , ⊂゙_/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : :
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
すると、アルトリアはおずおずと振り返ったかと思うと、
伏し目がちになりながら黄金色の瞳で見つめてきた。
初めて見る表情だった。覇気が抜け、いつもの鋭さも縮こまってしまっている。
躊躇っているかのようだ。よく見てみると、両手を前で組んでいるようにも映る。
だが、それも数秒のことだった。
途中で言い淀んでしまい、結局アルトリアは最後まで言わず、
そのまま去って行ってしまった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2290 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 20:14:44 ID:ysr9aob20 [5/16]
____
/ \
/ ─ ─\ あ゛。そういや前に、『また会ったときに誘ってくれ』って言われてたお。
/ (○) (○) \
| u. (__人__) | 怒ってはなさそうだけど……その内に埋め合わせするべきだな。
/ |!!il|!|!l| /
|ェェェェ|
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アルトリアを見送り、シミュレーションルームへ向かう途中で、
前回アルトリアが部屋に訪れた際に話した内容を思い出した。
そういえば、あの時は食事に誘って断られたが、
また会えたら誘ってくれと言われていたのだった。
さしもの自分であっても、それが失礼に当たることくらいは分かる。
約束というほどのものでもないかもしれないが、彼女はしっかりと覚えていたのだ。
次に会った時は、しっかりと誘おう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2291 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 20:15:02 ID:ysr9aob20 [6/16]
┌──────┐
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│ :: │
└─┘
┌┐
└┘
□
・
2292 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 20:26:28 ID:ysr9aob20 [7/16]
_. _
\\__// __ ___. く ̄| __
\ / /⌒ヽ. | | | | | | /⌒ヽ ( 、-_ヽ /三ヽ
| | ( ○ ) | |_| | | | ( ○ ). __ヽヽ、 ( 、―┘
| |. ヽ___ノ ヽ.__|. [_] ヽ___ノ ヽ二ノ ヽ二7 o o o
 ̄
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
ヽ、 / えーっと、これで百敗行きましたかお?
\ /
ノ _.ノ
( .(
)ノ
((
ノ
/ ̄ ̄\/ ̄\
/ ̄ ̄ ̄`. \ \
/ 、 、
/ i l
_/ 、 ,イ /
( )_/______ノ__ノ
_
__⌒>:.ミー‐、 __
⌒>―:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:....、 _
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.く⌒:.:.:.ミ 、
/:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.ヽ
///:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ.:.:.:.:.:.:.:.ハ
. /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:イ:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.|:./ |:.:/ l:.:.:.|:.|:.:.:|:.l:.:|:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
,:.:/:.:.:.:.:j:.:.|:-|‐十十ト |/ |十|十‐|-、:|:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
|イ:.:./:.:.:|:.:.|:.ハ| V 八 |ハノ 八ハノ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
|:.:.l|:.:.:ハ:.:.:.-r竓芹坏 竓芹抃-|ノ:./.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
|:.:.||:.:.:| |:.:.:[ 辷zリ _辷zツ /:/:./:リ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. | 君って意外とガッツはあるよねー。
ヽ八:. | |:.:.八 , /:/:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
ヽ|八:.:.:.ゝ ` /ノ:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | 「は、ってなんですかお……」
_ \:.:ト ー一 /:.:/イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
/ニニ=- __ V\:> イ /:.:./ l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | そのまんまの意味ー。褒めてるんだよー?
,イニ7 ー=ニニ= 厂/  ̄ 7‐≦zノ/:.:./ .| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
/}}:ニ7 \ 辷7 〈 /天ヽ /:ノ | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
′ノ'ニ7 〉 / ヽ//Y] ∨ 〕ニ、 .| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
レノニ7 ∧ \ ./| 〈_// / |-ニニミx__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
/ニ7 /∧ /. |―-.、∧__| -ニニニヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:|
. /ニフ /::::::::. \ |ニニ/ \ /ニ=i:.:.:.:.:.:.:.: |
/ ̄ ./:::::/辷、 \:|ニ=/ / / ニ|:.:.:.:.:.:.:.:.|
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
いつものように三ケタの大台に乗るまで負け続け、
シミュレーターの中でぐったりと四肢を投げ出していると、
なのはの朗らかな声が聞こえてきた。
相変らずの強さだ。百戦もやれば疲弊の色も見えそうなものなのに、
なのはは依然としてけろっとした様子である。
何度繰り返しても、操縦の精度が落ちているようには感じられない。
結局、今回のシミュレーションでも一発当てることすら敵わなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2293 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 20:42:20 ID:ysr9aob20 [8/16]
_______________
γ ////////////////////////////////`Y
|///////////////////////////////////|
|/////////////_______////////|
|//////////./ \ /////|
|///////// u "⌒``::::::::::::::::::'´⌒゙ \///|
|/////..゙/ .:::::/ o ヽ ::::::::::::::: / o ヽ::::\/| なんで今の避けられるんですかおーーーーっ!?
':,.//// ; ::ヽ 丿 ヽ 丿::: \
_>/| ∪ ''"´'( j )'"´'' :| アバーーーーッ!
.. γ//////.| `ー-‐'′`ー-‐′ ; |
|///////.| u | / U /
|////////\ ; |⌒ヾ`/ /| ピーピーピーボボボボ
|/////////\ ∪ `ー一′ ィ´.//|
|////////// ー‐ \//|
. |//////γ⌒ヽ \|
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, -‐…‐-=-...ゝ/:./__´_
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.:__:.:.:.:\
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽヽ:.\
//:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.l:.:|:.ヽヽヽヽ:.:ヽ\:.:.ヽ\ヽ
i./:.:.:.:.:.l:.:|:.:||:./|:.ハ:.:i、i、i:.:i:.:l:.i:.:.i:.:.:.:i |:.i
||:.|:.:|:./圦斥=≦ .|≧云トl:.:|:.|:|:.:.|丶:| .|
ヘ|:.|:.:|:.|/r爪:个 .´{:::。:メ,|/:.|:.:|:.:| .i:.:|
ヽヽ:.ヽゝう:::::} b_::7〃l/:./|:.:| |/ 君の先生だからに決まってるでしょー。
小、ミゝ…´ `¨‐‐//;,l/|:.|/:|/
|:.:ゝ ` //:.|:.:.:|/::.| はい、百一敗目。泣きの一戦、もっかいやる?
|:.:.|ヽ、 -‐‐ ,∠:.:.|:.:.::|:.:.:|
|:.:|. |> 、 _ イ |:.:|:.:.:.:.!:.:.|
|:.|/|――, ― |、 |/:.:.:.:.:|:.:.:!
,、r´:|:::| ヘ /><l l ヽ|`ヽ:.:.:|:.:.|
,、r::´::::::::::::::| ヘ、/ 只ヽ| ヽ:::::::`ヽ:.!
,、r::´:::::::::::::::::::::::::::| .ヘ /||ヽ | ヽ:::::::::::::::::`ヽ
|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::r L__lヽ‐‐‐yヽ/ `ヽ、:::::::/|
|:::::::::\:::::::,、r ´ / ヘ:::::::::| `< `ヽ/::::|
|rヽヽ:::::/ .< 丶:| ./ |::::|}
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
最後の泣きの一戦と頼み込んで、再戦したが結果は同じだった。
どう動いても、こともなげに避けられ、気付いた時にはブレードで滅多切りに
されたりライフルで蜂の巣にされていた。
流石に限界だ。もう一時間以上、シミュレーターに繋がれているのだ。
たたでさえ負担が大きいうえに、相手はなのはだ、辛くもなる。
自分のAMS適性ではここらが潮時というものである。
頭を鈍器で思い切り殴りつけられたかのようだ。
耳鳴りが止まらない。視界が揺れて崩れ落ちそうだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2294 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 20:52:07 ID:ysr9aob20 [9/16]
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:/\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
. ,イ:.:.:.:.-.:.: ̄ ̄:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\/:.:./ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
/:.//:.:.:.:.:.:./:.|:.:.:.|:.:|:.:.:.:.: i:.:.ヽ:.:.:.ヽ、:.:.:.:.:.:.ヘ:/ : |:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
// /:.:.:.:.:.:.:./:.:. : |:.:.: !:.{!ヽ:.:.:ヽゝ‐廾:.-- 、:.:.:.:.:‘,/ |:.i:.:.:.:.:.:.:.:.: |
/ /:.:.:.:.:./i:.:/:.:.:|:.:.A-|ヽ:ヽ:.:.:ヘ>斥≠、ヽ:.:.:.:.:.i:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.: |
i:.:.:.:.://:.|:.:!:.:.:.:.y´|。≠、ヽ\:.ヘ んてメ.\:.:.:.:.:. |:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.: |
∨:.:/ i:.:.i:.{!:.:.:.:.|〃んう \.う__/} ,イ|:l:.:.: : l\:/|:.:.:.:.:.:.:. : |
. 人,′!:.:.:リ!:.:.!:.:.i `.うツ}, ゝ-┴ }:l.:./:/ /:. |:.:.:.:.:.:.:. : | だって、私は何年もマーシフルに乗ってたわけだし、
',:.:.:. ト:.:ヽ:.ヘ. ゝ¨, / /:. |/!:.:.:|::.:.:.:.:.:.: : |
. 丶:.:.i \:>、ヘ /}:.: : ! |: : |:.:.:.:.:.:.:. : | 君を一から育てた教官でもあるんだよ?
\| /l:人\ マ ̄ノ !:.:./ |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |
|:.|{:. : r . イ |:.,' |: : |:.:.:.:.:.:.:. : | 癖っていうのかな、そういうのが分かるの。
. リヽ:.: | . < /イ . |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |
\{  ̄| / ∧ヘ |: : |:.:.:.:.:.:.:. : |
\ r/{ , < / ヽL;; |:.:.:.:.:.:.:. : |
,、//-<、 ./ ./:::::::::`ヽ:、:.:.: |
,、r ´/ />= /´ \ / /::::::::::::::::::::::::`ヽ、
_,x ≦:::::::::::/ />≠< > /ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
. /::|::::::::::::/ / // \\ |: / \::::::::::::::::::::::::::::::::/\
|::::|::::::/ > ´ヽ ´ `´ヽ -< ヽ::::::::::::::::::::::::::/::::::::|
____
/ \
/ \
/ ─ ─ \
| (●) (●) |
\ (__人__) /
ヽ、  ̄ / 癖、ですかお?
\ /
ノ _.ノ 「そうそう。君はネクスト戦ではライフルを牽制程度にしか考えてないから、
( .(
)ノ ロックオン任せにして乱射してるだけ。だから私には当たらない。
((
ノ 接近戦も反応は悪くないけど、狙いがあからさま。
/ ̄ ̄\/ ̄\
/ ̄ ̄ ̄`. \ \ .あとゴリ押ししすぎ。火力があるから、機があれば逆転できるなんて甘いよ」
/ 、 、
/ i l うっ。
_/ 、 ,イ /
( )_/______ノ__ノ
2295 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 20:56:07 ID:ysr9aob20 [10/16]
, ----- 、
, -‐‐‐ 、, <´ ̄ ̄:.`:.ヽく:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、
/--=:.ァ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、\:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. i
//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽ:.:.ヽ:.:|',:.:.:.:.:.:.:.:.: |
/:.:.:.:.:.:.:l:.:.|:.|:.|:!:.:.:.:ヽ:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:ヽ|:.i:.:.:.:.:.:.: : |
,':.:.:.:/:.:|:|:.:.|:.|:.|:.',:.:.:.:',ヽ斗---i、:.:i:./:}:.:.:.:.:.:.:.:|
i:.:.:/:.:. |:.:',:.:ゝ--\:.:.| ,示气、.|:.:.}:l_||:.:.:.:.:.:.: |
.',:.:i.{:.:.:|:.:.ヽ:〃沁、 ヾ、. {:::::Ⅳ|:./:|ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.|
',:.| ',:.:.|\:ヽ`.',:::j .ゞソ 〃:|/:.:.:.:.:.:.:.:.: | 戦いでモノを言うのは訓練の量と機体性能だけじゃない。
. リ ヽ| ヽヽ._ゞ′, /|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
| |:.:ト、 _ /:.:/|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : | 理解度だよ。地形、戦略、敵戦力、味方戦力、その他諸々のね。
|ヽヽ> _ ∠ //| .!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
r‐‐`ヽ-./|ヽ / /.| 、:.:.:.:.:.:.:.: : | いきなり知らないネクストに乗り換えて、君はいきなり戦える?
|:::::::::::<´ .| /.| / .ヽ::::`::ヽ 、:.|
_|:::::,-- >.‐Ⅳ/.Ⅸ| >`::::::::::::::::::`ヽ 「無理ですお」
{ |:::/ | |`:ヽ/ ヽ- `ヽ、:::::::::::__./
_ .{ |::/! | |::::/ / .| /l::::〃 } そういうこと。自分の癖、機体の癖、敵の癖、
| |> 、7/ i! .|:/ >´ |/ .|::{{ ,'
.|.| ./ .ヽ|/ == .| |::` - ′ それらを理解していればいるほど、戦場で思うように動ける。
|.| .{ 0ゝ |/ |::/:. |
r、r、 ', . / |/ .|/: . | 私も自分と君の癖を熟知してるから、色々読めるってわけ。
ゝ` ̄ヽヽ、__ .i ./ / /:.: . |
} /` ヾ- __ ゚{- 、 ____ / / ,′:.:.:|
ヽ、 ,′ // ` ヽ-- __ rニニ-- /:.:.:.:.: |
.{ヽヽi i.i ヽ\ /:.:.:.:.:.: |
.rヽ-└t- _.|_| ヽ /:.:.:.:.:.:.:. |
.ト、`_コ/_| |‐‐ ̄-ニニ--- 、 /:.:.:.:.:.:.:.:. |
`ヽT/ ` ヽ---┘--_| |--- `ヒ:.:.:.:.:.:.:.:. : |
/、 /::| . ` |:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
2296 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 21:05:52 ID:ysr9aob20 [11/16]
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-――- - 、:\
. /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、:.:.:\ .ヘ:ヽ
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:\:.:.:\ ヽ
|:|:.\:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.|:.:.:.:l:.:ハ:.:ヽ:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:\:.:丶
.i:|:.ヽ:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:| ヽ:.:i:.:.i:.:.:|:\:.:.:.:.:.:ヘヽ:.ヽ
. |:.:|:.:.ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:._7t:.-十:i i:.i|´丁`i:.:.|:.ヽ:.:.:.:ヘ丶:.i
l:.ヽ:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:匕:チ |:.≠.l/ ||,イう。,/:.!:|:.:.:ヽ:.:.:.:i ヽ
ヽ:.ヽ:.|:.:.:.:.:.メ´:||:.yヒて个/ / .{::::j."i/|:|:.:.:.|.i:.:.:.:|
ヽ:./=ヽ:.|:.:.:i:.:i,イ7::::::゚::| b:y /:.l/:|i:.:.i .|:.:.:| 炒め物をするにしたって、自分の家のコンロじゃなくて、
ゝ .个:.::.:ヽ|ヽ らツ少  ̄ |:.:i:.|||:.:| |:.:|
\ .|:.:.:|\\. ゝ¨ 、 . |:.:.|:.| |:.| |:| ちゃんとした調理場のコンロでやると焦がしたりしない?
ヽ:.:.:| イ|:.:|:ヘ/ |
ヽ:.ヽ. ` ´ /:.:.|:/:.:.ヘ でも、何度か試せば、ある程度は上手くいくようになるでしょ。
丶:.丶> 、 イ、:.:.:/:.:ヽ:.ヘ
\ミ ` ≧´ !\:.:.:.:.丶:ヘ その慣れを少しでも早く深めるために、観察して、理解するの。
,>.|ヽ >< / .i:`>x.ヽ:ヘ
,、r´:/ | >‐、´ / |::::::::::::::::::::`ヽ 、 音と勢いが違うな、火力が強いんだなって。
. ,、r´:::::::/ |/>-<\ . / |::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ 、
,、r´::::::::::::/ ./└t┘ ヽ./ .ト、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
/::::::::::::::::::/ /|./ Ⅹ.ヽ ヽ >┘ \::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::|
_____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・
.| ( ●) ⌒) | 「ごめん、私の感覚で言っても分かりにくいよね」
.| (__ノ ̄ /
.| /
\_ _ノ\
/´ |
. | / |
2297 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 21:11:00 ID:ysr9aob20 [12/16]
, --- 、
_____ /:.:.:.:.,:イ´`‐‐‐===―
, :.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.,ゝ´:.:.:--<´ヽ
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、
/:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、
./:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、:.:.:.ヘ
./--:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヽ:.:ヘ
.,':.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:./:.:.:∧:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ ヽ:ヘ
iヽ:. /:.:.:.:.:.:. : |:.:.:.:. /|:.:./ |:.:.:.|:.:.:.:.:|:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:i ヾ、
|ヽ: |:.:.:.:.:.:.|:._⊥___/ .| / .|:.:.,'⊥__:||:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.}
',ヽ:.|:.:.:.:‐卞:.ム∠..`|/ .|:.7´_ :|.リヽ:.:. !:. |:.:.:.:iヽ:.:.: | よく観察して、試して、慣れて見極めろってこと。
',:.:.|:.!:.:.:. |.≠::てうミ/ |/ イてうヽ、|:.:.:.イ:.:.!:.:.: ,' |ヽ:. |
∨|:|:.:.:.:〃ら::::::::} / b:::刈 〃:.:イ:|:.:イ:.: /:.:| .}:.| 自分の特性、機体の特性、思考のパターン、傾向、
{.|:|ヽ:.ヽ`.辷z.ノ. 辷丿 ././:|:.|/:.}:./:.:. | .|/
|ヽヽ:.ヽ , .//:.:.!/:.: |/|:.:.: | / 弱点や強み。どれくらいの距離でブーストして、
!:.:.:.:\\ /:.:.:i:.:.:.:/:.:|:.:.: |
.',:.:.:.:!ヽ、 r -, .イ:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:|:.:.: | どれくらいの間合いならブレードが当たるのか。
i:.:.:.| ト / . i:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.|:.:.: |
!:.: | .| > .イ_ .|:./:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: | どんな相手には強く出られるのか、
ヽ:|/ヽ __ `´ ._/| .},':.:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |
/ ヘ `ヽ -- ´ i!ヽ、./:.:.:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: | どんな敵が苦手で、どう対処すればいいのか。
,、r::´::/ ヘ / ヽ .| ヽ`ヽ、:.:.:.:.:.: |:.:.: |
,、r::::´::::::::::::/ ヘ / ヽ <.ヽ ./| \::::`:ヽ、: |:.:.: |
. ____
/ \
/ \
. / /) ノ´ \_ \ ……確かに、やる夫もがむしゃらに戦ってきた感じはしますお。
| / ,イ (ー) (ー) u|
l / 二) (__人__) / マーシフルは性能が高い分、何とかなってきたけど。
. | 二ノ ` ⌒´ \
/\ ヽ ヽ
2298 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 21:21:46 ID:ysr9aob20 [13/16]
_
/: : :`ヽ ___ __
/: : : : : : : \, ´: : : : : : : : : : :‐-、 ,ィ彡'´
. /:/⌒\ : : /: : : : : : : : : : : : : : : : :Y:ノ__
′: : : : : : 〉'ミz: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ
i: : : : : : : / z‐- : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :‘,
|: : : : : : :′:.: : : :.‐-/: : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : :|
|: : : : : : i: : i: \: : : |: : /: : : / : /: : /| : : : ,: : :|: |ヽ: :|
|: : : : : : i: : i: : : ヽ:.:.|: /|: : : :|: :/卞/、|,ィ|: / : /|: | ∨
|: : : : : : :∨:、: : : : : {vヘ!: : : :!v {チ抃.` レ'|: / .レ'
|: : : : : : :八: :\: : : ヽ ,'\: ハ 弋ツ / |/ 君に足りないのは経験と理解だよ。私の方から見た記録データを
|: : : : : : :| \: : ヽ: : : |: : |\|. {
|: : : : : i :| \:.:., -‐|: : | 〉 君のシミュレーターに送っておくから、リプレイしてみなさい。
|: : : : : i :| ./ ヘ : | ‐-/
|: : : : : i :| .r―──‐ 、| \ _/:| 自分がどんな動きをしているのか、自分で観察して、改良するの。
|: : : : : i :| ./ \__|ハ/__
| : : : :, -─' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::::::::::::::::::::::::`>x 途中から酷かったよ? あれじゃ戦ってるんじゃなくて、暴れてるだけだよ。
|: i : t' :::::::::: ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, -‐:::::::::::::i
|: i : |:::::::::::::,':::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ::: i:::::::::::::::::::: |
|: i : |::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨| :::::::::::::::::: |
|: i : |::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヘ|::::::::::::::::Y⌒Y
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そう言って送られてきたリプレイデータをシミュレーターで再生する。
そこにはなのはの機体の視点から見た、マーシフルの姿が映っていた。
連続QBを連発しながらライフルを乱射し、出鱈目に斬りかかってきたところを
するりと回避し、すれ違いざまにブレードの一撃を見舞っている。
それに焦ってアサルトアーマーを起動しようとして、展開された装甲に
ライフル弾を撃ちこまれて撃墜されていった。
確かに無軌道で考えなしの戦い方に見える。
さながらなのはは熟練の闘牛士のようだ。冷静に最低限の動きで攻撃を捌き、
的確に隙や弱点を狙って反撃を加えている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2299 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 21:33:49 ID:ysr9aob20 [14/16]
,――==―
, -‐…‐-=-...ゝ/:./__´_
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.:__:.:.:.:\
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽヽ:.\
//:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.l:.:|:.ヽヽヽヽ:.:ヽ\:.:.ヽ\ヽ
i./:.:.:.:.:.l:.:|:.:||:./|:.ハ:.:i、i、i:.:i:.:l:.i:.:.i:.:.:.:i |:.i
||:.|:.:|:./圦斥=≦ .|≧云トl:.:|:.|:|:.:.|丶:| .|
ヘ|:.|:.:|:.|/r爪:个 .´{:::。:メ,|/:.|:.:|:.:| .i:.:|
ヽヽ:.ヽゝう:::::} b_::7〃l/:./|:.:| |/ 戦場で火事場の馬鹿力なんて当てにしちゃだめだよ。
小、ミゝ…´ `¨‐‐//;,l/|:.|/:|/
|:.:ゝ ` //:.|:.:.:|/::.| 最後に立っているのは幸運な兵士か、冷静な兵士か、その両方か。
|:.:.|ヽ、 -‐‐ ,∠:.:.|:.:.::|:.:.:|
|:.:|. |> 、 _ イ |:.:|:.:.:.:.!:.:.| 幸運ばかり当てにするようなら、それは良い兵士とは言えない。
|:.|/|――, ― |、 |/:.:.:.:.:|:.:.:!
,、r´:|:::| ヘ /><l l ヽ|`ヽ:.:.:|:.:.| 冷静さで最大限の幸運を引き寄せるのが一流。
,、r::´::::::::::::::| ヘ、/ 只ヽ| ヽ:::::::`ヽ:.!
,、r::´:::::::::::::::::::::::::::| .ヘ /||ヽ | ヽ:::::::::::::::::`ヽ いい? 戦闘っていうのは御するものなの。
|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::r L__lヽ‐‐‐yヽ/ `ヽ、:::::::/|
|:::::::::\:::::::,、r ´ / ヘ:::::::::| `< `ヽ/::::|
|rヽヽ:::::/ .< 丶:| ./ |::::|}
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
自分を知り、敵を知れ。それ以上のアドバンテージなどない。
なのはは粛々と授業を続け、時折確認を挟みながら、知見を述べた。
そのなのはを見ていれば、少しは伝わってくる。
彼女は戦いの際、冷静だった。時に機械的なまでに。
攻める時も守る時も落ち着いていて、一手一手が余裕と確信に満ちていた。
きっとシミュレーター内の彼女は眉一つ動かしていなかっただろう。
「ぱっと見、興奮してるように見えるリンクスだっているよ。
その実、腹の中は冷え切ったりしてるものなの。熟練のリンクスなら猶更。
感情を殺せとまで言わないよ、勝つための思考を絶やしちゃだめってこと。
思考停止した兵士なんて、リンクスだろうがカモだから」
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2301 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 21:47:49 ID:ysr9aob20 [16/16]
/:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.l:.:.:.:.||:.:ハ:.ヽ:.:.:.ヽ、,-:.┼--___:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:/:.:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
|:.:/.,':.:.:.:.:.:.:/:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| |:.:lヽ:.\:.:´\ヽ≧云、:.:.|`:.:.:.:.:.:|^、/:.!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
|/ |:.:.:.:.:.〃:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:|≦卞|`ヽ ヽヽヽ 〃て::、 弋o|:.:.:.:.:.:.|´ ヽ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
| |:.:.:.:.:.:||:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:イ |≠云う丶 \ {:::::::ヽ-} 〃:.:/:./| ./:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
{:.:.:.:.:.|{:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:メ ん:::::::} つ -:少 イ:.:/|:/:.:|/:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
.∨:.:.:|.∨:.:.:i:.:.ヽ:.:.:.:.` つ-´j ‐`‐‐┴/:.///:.:.:|:.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
∨:.:| .∨:.:ヽ、:.\:.:.\.ゝ´ ///〃:.:.:.:|:.:.:.:..!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:!
ヽ:.| ヽ:.ヽヽ、:.`ヽ__ヽ_ ′ //,イ:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:| はい、お疲れ様。
ヽ| ヽヽ \:.:.|:ヘ ‐ ‐ ´ / ,':.:.:./l.,':.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
ヽ .\ マ:|:.:.ヽ、 / ,':.:/:|/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:| ……んー、労いが毎回缶コーヒーっていうのも
|∧:.:.:.:.|`> .、 イ // /ヽ、:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|
|| ヽ:.:.:.| ._`T´ _ -/ ./ .|\_:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:| 味気ないね。何か欲しいのないの?
| \:.| ,、r ´/ヽv<´ / |:::::::::: ̄`― 、:.:!
,、r -ヽ:/ ,'/l./ .ヽ / .|:::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ 、
,、r::"´:::::::::::::::/ / ヽy‐ 7´ヽ / |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ 、
,'|:::::::::::::::::::::::/ ./ l≠´.| >´ .|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,::---‐ヽ
| |::::::|_-- < / ./ / ヽ | ./ ト- 、_::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::/
|:::|:::::| \イ ニ .y | ,.><´ >-<__/:::::::::::::::::::::::/
/´,':::::/ ≠<´ |´::::::::ヽ / `` 、 Eニニコ ./ |::::::::::::::::::::::::|
/ //::./ ヽ .|::::::::::::/ / ./ |::::::::::::::::::::::::|
,. '"´ ̄ `、
/ ヽ
/ ノ, (○) Y
i (○) 、__ ) ヽ
| '、__/ !
| /
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| _,,.. -‐'"´
| , .'"´
i .!
゙、 ゙、
\ ヽ
ヽ !
ノ/
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シミュレーターから出てきて崩れ落ちると、すぐそこにあるベンダーから
買ってくれたのか、いつもの甘い缶コーヒーを差し出された。
汗一つ浮かべていないなのはは、穏やかに微笑んでいた。
膝を曲げてしゃがみながら、床に倒れ込む自分の顔を小首を傾げて覗き込んでいる。
なんだか、久しぶりになのはの顔を近くで見たような気がした。
化粧は薄く、口紅も控えめなものを引いているが、
鼻筋が通っていて全体的に整っていた。
くっきりした二重瞼に長い睫毛が丸い目の輪郭を際立たせており、
綺麗というよりは可愛らしい印象を受ける。
なんて言ったら、マセたこと言わない、と叱られそうだから黙っているが。
下↓3
1.これで十分です
2.今度、どこかに連れて行ってほしいです
3.その他(内容を自由に書いてください)
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2302 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2020/04/19(日) 21:58:01 ID:cp8.0ygI0
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2303 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2020/04/19(日) 22:00:06 ID:.ZUogMM20
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2304 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2020/04/19(日) 23:18:32 ID:1uuOgCGE0
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2305 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 23:36:06 ID:2akV5CWs0 [1/4]
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| ⌒(__人__)⌒ | それなら、今度どこかに連れて行ってほしいですお。
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:、_ ) ( ̄ _丿
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∧ | |__/ / ヨッコイショ
. `ーヽ _ | | _/
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!:.:/|:./|:.:.:.:.i:.:.〃 .ん::´:::::j .` 〃 ,.廴 .|:./|ヽ:.:.:.:l:.:.i:.:}|:.:.:.:.i i:.:.|
y .|:.i.|:.:.:.:.|:.:|ヽ. f::::f ス::/ / 〃r--、彳 .|:.:\/l:.:.|、:|:.:.:.:.:.| .|:.:.!
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ヽヽ ゝ:.:.:{',:.| ` ̄. i!::f_/::/.以:.:.:/}:.:}:/:.:!i:.:.:.:.:.:! .|/ はいはい、今度どこかね。
ヽ/ヽ:.:.:i .\ .l ヽ__シ ´7:.:/:.:.:〃:.:./:|:.:.:.:.:,'|/
i:.:.:.\\ / //:.:.:./|:.:.:.,':.:|:.:.:.:/ ! それくらいなら……ん?
.{:.:.:.:.:|.、\ .r ‐ 、 //:.|:.:.:.:.:!:.:.:/:.:.|:.:.:/:.:|
i:.:.:.:.:| ヘ ` -′ /:.:.|:.:.:.:.,':.:/:.:.:.:|:./:.:. |
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深く考えもせずに言った要求だった。
ただ、この前はやてにプールへ連れて行ってもらった時が楽しかったから、
また似たような経験ができたら、と思ったのだ。
なのはは一度快諾したかのように腕を組みながら頷いたが、
その後硬直した。
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2306 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 23:43:12 ID:2akV5CWs0 [2/4]
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∨|:|:.:.:.:〃ら::::::::} / b:::刈 〃:.:イ:|:.:イ:.: /:.:| .}:.|
{.|:|ヽ:.ヽ`.辷z.ノ. 辷丿 ././:|:.|/:.}:./:.:. | .|/ どこか……どこかね、うん。
|ヽヽ:.ヽ , .//:.:.!/:.: |/|:.:.: | /
!:.:.:.:\\ u. /:.:.:i:.:.:.:/:.:|:.:.: | 君のランクマッチが終わる頃には考えとくよ。
.',:.:.:.:!ヽ、 r -, .イ:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:|:.:.: |
i:.:.:.| ト / . i:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.|:.:.: | 私もそうそう遊びに行ったりしないからなぁ。
!:.: | .| > .イ_ .|:./:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |
ヽ:|/ヽ __ `´ ._/| .},':.:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |
/ ヘ `ヽ -- ´ i!ヽ、./:.:.:.:.:.:.:.:.: : |:.:.: |
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l:.:.l l:.:.:.l:.:.:{ ,斧ミx`:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.: i:.:./l:.l:.:./:.:.:.:.:/
i:.:l l:.:.ヽ:マヽ マ:: ',ヽ:.}:.:.:.:.:.}:.:./:./:.|:.: /:.:.:.:.:/
l:.:l ヽ:.{::!ヾ、 乂リ }:!:.:.:.:.: !/ミ}/_:.|:./:.:.:.:.:/ あー、大丈夫大丈夫、ちゃんと考えとくから。
Ⅳ {:./  ̄ }:!:.:.:.:.: l l.l./:.:.:.:.:/:|
|:.:ヘ , 〃}|:.:.:.:l il |:.:.:,′: | ほら、今日はもうおしまいにしよ?
|:. : l\ ̄ /、 /:.:./ //|:.:.{:.:. : |
マ:.:.l __ヽ-,r´ヽ:.:/-‐ ´/ !:.:.!:.:.:.:.:l お夕飯食べて、シャワー浴びて歯磨いて寝なさい。
ゝ:.{::::::: ///}/ / 人:.l:.:.:.:.:.l
/::::ヽ::/ //>〃 / /:::::‘,:.:.:. l
l::::r== /// l/ L__/:::::::::::::::ヽ:::::‘,
, l::::ll /ヽ/,イ´ < \:::::::::::::::::‘,::',
/ li /::/ ≧´ /::-―:: ̄:‘,:.ヽ
〃 | 〃 ≧ ´ l li /:::::::::::::::::::::::::::}:.:.:.‘,
/ l イ li /::::::::::::::::::::::::::::::::}:.:.:.:.
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予想外だったのは、はやてほどなのははそういった場所に縁が薄いことだった。
休みの日に遊び呆けるような人ではないとは思っていたが、
あの表情を見るに、一切心当たりがないといった様子だ。
彼女は休日、どのように過ごしているのだろうか。
思えば、彼女の大まかな趣味趣向や好みなどを、欠片も知らなかった。
見せられたこともない気がする。そもそもあるのだろうか。
それを誤魔化すように、なのははばつが悪そうに苦笑しながら立ち上がると、
両手をぱんと合わせて訓練の終了を告げた。
確かに胃袋の中の残量にも余裕がない。
難しいことは、食事を済ませてからでいいだろう。
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2307 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 23:43:33 ID:2akV5CWs0 [3/4]
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2308 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/04/19(日) 23:45:52 ID:2akV5CWs0 [4/4]
今回の投下はここまでとしよう。次回は明日の午後八時からだ。連日投下というのも新鮮だね。
それじゃ、シーユーアゲイン。
次のアルトリアとの安価の際はアナウンスするから、ちゃんと埋め合わせするんだよ。
女性との約束は口約束であっても覚えておくものだぞ、やる夫君。
2309 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2020/04/20(月) 09:13:27 ID:TI6en/uQ0
乙でした
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