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495 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:03:59.12 ID:SG.vAtoo: 【紀元２７０年冬　晋首都　洛陽　陳寿の家】

～前回のお話の数日後～

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　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
496 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:04:48.74 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　, -=―＝―- ､ _
　　　　　　　〃⌒>'´　　／　　　丶`ﾆ=‐'
　　　　　 ./ ,′// , ´ / 　j　}　ヽ　＼
　　　　　 /　l　 | i　l　/ ／// ,ｲﾊヽ　ヽ
　　　ノ,ｲ八　l ﾚ_j/∠∠/／/∠Ll　}ﾍ
　　　　＜ノ .∧ ｌ　ﾑrt=k｀　　ｨ=､ﾙﾚ′j
　　　　 / イ　Vﾍ.　ヽVr!　　　jr/ﾑｲ{
　　　　　´　W^{ゝﾍ　ﾊ.ヽヽ　_ '　/〈ﾘヽ
　　　　　　　　 j八 }ヽﾍ､　 j`＜ミ＼　　　　　　　今回からは北伐の後半戦、
　　　　　　　　　　ﾘ朽＼!｀{7|:::::::::＞ﾐ;>,　　　　　　司馬懿と諸葛亮の激突が話の中心となる。
　　　　　　　　　　ノ＼- 厶］::::::::f }::/:/
　　　　　　　r=＜　　　Ｖ三|:::::::::| |/:/　　　　　　話に入る前に今までの状況を整理しておこう
　　　　　　 /‐-､＼　　 ∨ﾒ､::::ノ　V､
　　　.　　 /_j 　 , X ＼　ヽ {´　　　/
　　　　　　〈　　´ 　＼＼　 >ﾍ､___,ｲヽ
　　　　　　　`､　　　ヽ＼.>j　　　　ﾊ│
　　　　　　　　{　　　　 ∨　｀ヽ､_,/∧|
　　　　　　　　lヽ　　勹'´　　　 //　l !
　　　　　　　　|∧　〃　　　　／Y｣_│',
　　　　　　 }　＼　　　　／}＜ﾑ>∧.ﾍ
　　　　　　　　 {　　ヽ､___/　l丁{{ |}}　〉ﾊ
497 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:05:35.81 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　_,..:.:-:.:―:-:....､
　　　　,.r:':.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::｀丶､
　　　　／:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、
　　 /:.:.:.:/:.:.:.:,r:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト:.:.:.:.:.＼
　　　/:.:.:.:.!:.:.:./:.:/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:!:.ヽ:.ヽ:.:.;ヽ
　　 /:.:.:.:.:l:.:.:/:./l:.:／/:,:イ:.:/l:.:.:.:ハ:.jl:.:.:i:.:l:.､ヽ
　 /:.:.:.:.:.:l:.:.:l:/:.ﾚ＿/'´/シ　!:.ﾂ′.V ';.:.l.:.!:.:l:.:',
　/:.ィ:.:.:.:.:i:.:.:':.:.:.:!＿_｀｀`￢ ' ´　 ,　--l:.､/:/:l:.:l
　´　l;';.:.:.:.',:.:.:.:.<7:::::::｀ヽ　　　　　＿　レ/:':ノ!/　　 .これまで諸葛亮の北伐は、合計三度行われた。
　　　 ';l:.:f ';.:.:.:.:.l::::::::r'′　　　 r'::::::lヽ// '´/'
　　　　 Vヽ ',:.:.:.:lー- '　　　　　l::::::ﾒ /:;'　　　　　　第一次北伐…隴西三郡の占拠に成功するも、街亭で馬謖が敗北。
　　　　　ヾl､',:.:.:.!　　　　　　　｀ ´ /::/　　　　　　 .第二次北伐…陳倉攻防戦、武都・陰平二郡を占領。
　　　　　　　 ';ﾊ:.:ト,、　　-　　　ノ;.:.;'　　　　　　　.第三次北伐…魏延が羌中に出兵、陽谿で郭淮を撃破。
　　　　　　　　　>:〈/丶､ _　-v' ´V l:,'
　　　　　　　／　ヾ、　 _ヽヽ､　　　l;'　　　　　　　　なお、第二次北伐では二回に渡って軍事行動が行われたが、
　　　　　　イヽ　　　ヽ'´　｀',　｀l:ヽ、　　　　　　　　諸葛亮がこの二度の出兵の戦功で丞相に復職した点を鑑み、
　　　　　 l:.:.ヽ＼　　 _ヽ＿__',　リr ´_二ュ _　　　　ここではまとめて扱っている
　　　　　,':.:.:.:.:ヽ .Y´,........---..ﾐ二y::´::::::::::::::;'
　　　 ,':.:.:.:.:.:.:.〉Y::::::::::::::::::::::;':::::::;'::::::::::::r ､'
　　　 /:.:.:.:.:.:.:.l:.;'-､::::::::::::::::::;'::::::;':::::::::::::/　 7
　　　 /:.:.:.:.:.:／Y　〈::::::::::::::::::;'::::::;'::::::::::::ヽ.._ノ!
　　 l:.:.r:.:.:.:.:.:.:.l　 f:::::::::::::::::;'::::::;':::::::::::::::::;':.:.:.!
498 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:06:22.77 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　 /7
　　　　　　　　　 //
　　　　　　　　　　　 //
　　　　＿＿　　 //
.　　　／ノ　ヽ＼ .//
. 　／　（●）（●〉/
　　l　　（__人_,//l　　　　　　　この蜀軍の北伐に対抗して、
.　　|　　　｀⌒// ﾉ　　　　　　 .魏の曹真が蜀討伐の軍を起こしましたが、
　　 l 　　　 // ./　　　　　　　大雨に祟られ失敗に終わっています。
.　　ヽ r-‐''7/）/
　　　/　と'_{'´ヽ　　　　　　　　これに関しては前回述べました
　　 /　 _.､__〉　ﾄ,
　　 {　､＿_}　 |.i
　　ヽ　_,.ﾌ　　.|.|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_　　　　━┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼　　 ┏┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　＼　　 ,＿＼.　・
　　　こうやって見てると、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　（●）゛（●）＼
　　　街亭以外の戦いだと案外蜀軍の方が押してるお。　　　　　　　　 .|　 ∪　　（__人__）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
　　　個々の戦闘なら蜀軍の方が優勢な気がするような？　　　　　　　.(　＼　／＿ノ　|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／＿＿＿／
500 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:07:53.69 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　（⊃￣￣＼
　　　　　（⊃　　 _ノ　　＼
　　　　（⊃　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　局地戦が多かったのも原因でしょうね。
　　　　　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　 .
　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　ただ、魏の側からすれば、そのような戦況では困るんですよ。
　　　　 |　　　　　　　 } ＼　　　　　　　　　蜀軍が勢いづいて何度も侵入して来るわけですから。
　　　　／ヽ　　　　　　 }　　＼
　　　／　　ヽ､＿＿__ノ　　　）　　　　　　　しかも、戦場となる雍州の刺史郭淮のみでは対応しきれず、
　／　　　　　　　　.　　|　＿／　　　　　　　どうも蜀軍に翻弄されている感が否めません。
　|　　　　　　　　／￣￣（＿)　　　　　　
　＼　　　＼　／|　ＪＪＪ　（　　　　　　　　　 .この状況をどうにかして打開する必要がありました
　　　＼　　／　　／⊂＿）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　ヽ､_ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（● ）（● ）　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼
　　　　そこで病欠の曹真に代えて、司馬懿投入なのかお？　　　　　　　　 .| 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ　 L　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 /
501 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:08:35.11 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年春　魏首都　洛陽】

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　　 .∥　　　　　　　　　　　　　　　　 Λ　　 /| |n_n_n　　　　　∧　　n_n_n_n_| .::|⌒| :|へ
　　 .∧　　　　　　　　　　　　　 i.　 | i'´￣`ｉ∨　 . ::|ニニニニニニ|...　　　　∨　 .| :|￣|
　　∧ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　 Λ　| |'´.:∧| |　 . . ::|　ﾛ　ﾛ　ﾛ　ﾛ .|::: .　　　.:.:|_n_n_n_n_n
　 ΔVΔ　　　　　　　　　　　　 | :|ﾍ| |　/ n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n　. :::|　　　　　..:|
　 ||:||:||:||　　　　　　　　　　　　n_n_n_n_n_n_n_n_|::.: .　　　　　　　　　　　. :.:::|_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
＿||:||:||:||　　　　　　　　　　　　|::.:. .　　　　　　 |::.:.n.　　　n　　　　n　　　.n.:.:::|　　　　　　　／￣
　 |=＝=ト、　　│　　　　　　　|:: . . `＝f==f===|::.:. .. i | i　　　　　　　　 . :.:::|　　n　　 ,∠＿＿＿
＼＼|＿|　＼n_∥_ｎ_ｎ　　　　|:: []＿＿|＿|＿_.|::.:. .. l!ﾍl!　　｢| 　｢|　　　＿＿__|＿＿＿_.|] [] [] [] [
]士ェェェェェ|　∥::ﾛ:ﾛ|＿__、 |::.|X⌒X⌒X⌒X|::::.::. |曰||　 .|.|'⌒|.|　　/_n＿n＿n＿.n , .|========
　| /Λ /Λ:| ／/＼ :::|─‐ﾍ.∧二二二二二二二二|TT|　 :|:| 　 |:| 　.| :|ﾛ|: |ﾛ|: |ﾛ|: ／　|工工工工
　| || ||. || ||::| _./＿_.,>:| ﾟ_ﾟ::ﾟ::|　|_l]_l]_l]_l]_l]_l]_l]_l]_l]_l.|.|_l.|-──────────|ェェェェェェェェ
　| ||_||. ||_||::|　| ｢| ｢|| .∠∧┴/_n＿n＿n＿n＿n＿n__/　l]　l]　l]　l]　l]　l]　l]　l]　ｌ]|┴r┴r┴r┴r
]士ェェェェェ] | ｌ｣ｌ｣|ヘ、| |:::::| ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　/_n＿n＿n＿n＿n＿n_/￣￣￣￣￣￣￣￣
　| ∠二二ヽl=|====|￣|::| |:::::| ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　| ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ /_n＿n＿n＿n＿n＿
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┬┬┬| :|┬┬┬┬| :l┬┬┬┬.| :l┬┬┬┬| :l┬┬┬┬.| :l┬┬┬┬| :l┬┬┬┬.| :|┬┬┬┬‐
∧∧/`| ::|ﾍ/∨∨ﾍ| ::|ﾍ/'∨∨ﾍ| ::|ﾍ/∨∨ﾍ| ::|ﾍ/'∨∨ﾍ| ::|ﾍ/∨∨ﾍ| ::|ﾍ/'∨∨ﾍ| ::|ﾍ/∨∨ﾍ|
./⌒ヽ :| ::| 〃⌒ヽ　| ::| ,〃⌒ヽ　| ::| 〃⌒ヽ　| ::| ,〃⌒ヽ　| ::| 〃⌒ヽ　| ::| ,〃⌒ヽ　| ::| 〃⌒ヽ　|
二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二
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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　ええ、話は司馬懿が洛陽に戻った所から始まります
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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502 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:09:55.07 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　 >!　　　　　 l:::::シ´　_,. -‐ ''"￣｀｀ヽ、
　　　　　　　　／;'　　　　　...!::::::ヽ、´　　,　　　　　ヽ　｀ヽ、
　　　　　　　く::::::! .　　　　.:::|____r' /　／　／　　　ﾊィ⌒ヾ、
　　　　　　　　>::! :　　　　::::l::::::l / ///､,ｨ' /!　　 /､,,:;!i　　ヽ
　　　　　　　　ヽi :　　　　::::ﾚ'ヽ/　l/_L/,_ﾄ/ !　,ｲ l　　l:l:　　 ,｀､‐-､
　　　　　　　　　l :　　　　::::l l 〉'　　 '｀７-ヽ.｀iＸ　!|　 / , ;i.　 i:.. l::::::::>
　　　　　　　　　| :　　　　 ::l (　　　｀ヾ;シ^'　　　__,ノ_ノ/::! , l::::レ'´　　　そんなわけで悪いけど、
　　　　　　　　　l :.:　　　　:::し,　　　　　　　　　 ´ｨ=z､_7／//:::/!　　　　　あなたに西に行ってもらうことにしたの。
　　　　　　　　　l: ::　　　　::::::!i　　　　　　　　　､ゞ-',.゛イ〃:／::l　　　　
　　　　　　　　　! :::.　　　　::::| ヽ、　　　 _ ...._ ´　　/　 i :l ::!￣´　　　　　曹真と同様に雍州と涼州の軍権を与えるわ
　　　　　　　　/ l ::　　　　.::::|　　＼　　　｀ｰ '　 , ｲ　　| .| :|
　　　　　　　/　/ :　　　　::::::|　　　＼　　　 ,. イ::::|　　 l .l ::!
　　　　　　/　 / .:　　　　:::「丁!‐‐‐「!￣￣｀!::::::l:::i:::..:　 l .l ::l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　/　.:/　:::　　　　:::|　l l　　 l l　　_,,,_l:::::::リ::: 　 /　i:::l　　　　　　　　　　　　　　　_ 二二二　_　｀　　、
　　　　/ ..:::/　 ::　　____,;;ｼ'_//,___　l_l／　............´　／　 /::::l　　　　　　　　　　　／　...::.::.::{以}〉::.::.::.::.:..丶　＼
　　　/ .:::∠,-r--r-|----ｧﾊ r-､｀ヾ　.:'　　 .............／／ヽ::::i、　　　　　　　 /／..::.::　　-――-　　::.::.:..＼　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.::.::.::／　　　　　　　　　＼::.::...＼　ヽ
魏　皇帝　曹叡（字：元仲）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.::.:／　　　　　　　　　　　＼::.::.::ﾍ　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.::./　　　 |　　　　　 l 　 |　ヽ::.::.:ｌ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '|.::/　　 |　 | | l　　 | |　　| ｌ　|　　ﾄ::.::|　ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / |/ｌ　 | ∥　| |｜ |　|| | l　l| |　|ｌ |　ハr‐く |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 | |　 |_｣Ｌ _| |∥ |　|! | |イl 厂||_| .'　 |::.::.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ | |　 |ﾉ_ヽ_l_｀ハ l　l　jﾉ斗≠Tド/ 　 |::./.::}
　　　　仰せのままに……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ /|_|｜リバ扞㍉ヽ　　ヾ辷ソ / /　|/.::/|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/ 　く::{_|　ヽ、ゞ= '　　　　　￣　/ /　〈::/　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 /　/　/　ﾉ⌒ヽヾミ　　　　丶　　　　彡ｲ　　 / l　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　/　　Ｖ＾　{｀ト＼　　ヽニ '´ 　イ/　　/ｌ　ｌ　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 /　/　/　　,　ｊ/ 二ヽ￤ l＞　、 __,　 ´　 ;′　,　|　|　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　/　　/　v -― ヽｌ　ｌ　＿〕_r‐z -‐ l　　厶┴く　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　 /　/　/　　/　　{／￣　}| ┌‐〉::.::. |_/.::.::.::.l　 .' .::.::.::.::.ヽ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　ｲ　/ 　 /　　/ヽ_}｢　 ∥∧〈::.::.::/　|::.::./ |　ｌ::.::.::.::.::.::.::.＼l
魏　大将軍　司馬懿（字：仲達）
503 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:12:05.16 ID:SG.vAtoo: 【紀元２２０年代前半　魏首都　洛陽】

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　　　　 r-‐'´　　　　　　　＼
　　　　 |　 |ヽrl l　、　、　ヽ、ヽ
　　　　 |　 | 　 | !ヽヽ　ヾヽ　l 　 l
　　　　ト-|---ヾヽヾｰ‐ｌ┼ |　　|　　　　　　　　　私だって立派な宮殿建てたいわよ……
　　　　 | ≡≡≡ 　≡≡≡　|　　|
　　　 | 　|　　　　　　 | ｜　|　　　　　　　　でも、天下統一の方が先でしょう？
.　　　　| 　{　　　 __　　　　 |　|.　　|
　　　　| 　 |`ｰ-.,二｀ ,, -‐'::!　|　　|
　　　　|　ﾉ　 ∨ヾ厂ヾ=ｼ::l　|ヽ　　l
　　　 |　/　　 {::::V7Tﾚ'::::/ /::::ﾄ/＼|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／..::.:.ヾごソ.::.::.::.::.::.｀:..､
　　　　|/　　　〉::::|'ブ::::::/ノ´_:::}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　^⌒＾⌒＾⌒⌒^丶､:::.::..＼
　　　　　　　／ヾ´ｌ/`>ベｲ＼ー}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　 /　　　　　　　＼::.::.:.ヽ
　　　　　　 >'　 | `＾´ ｌ　　ヽ　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　　′　　〃　l　　　　|＼::.::.l_
　　　　　　｀ヽ,ﾑL＿__|!__ヽ　Y′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　 |　 |　　　〃|　 |　 |　　　　／ｨ[}ぃ
　　　　　　　　|　,ｲ　/　　｀ｰ┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′　　ｌ |　｜　／　 |　 |　 |　/　〈:{_ﾉ八ﾉﾉ
　　　　　　　　`′ｰ′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 | |ヽ |　￤　　|　 |/_」/|　　ヾｲ|:トrく l
魏　皇帝　曹丕（字：子桓）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | | |ｌ　 |⊥ミﾒ､ |　 /ﾉィ厶斗┤ 　 / | |:|　ヾ:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |lﾉ八　lヾﾍリ＼/　ﾍリ丿.′　'　 | |:|　　}::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:ﾄﾍ｀ {　￣　　　　￣ /　／　　| |:|　く/ |
　　　（鄴の宮殿群の方が都らしいのもおかしな話よねぇ）　　　　　ﾚ　 |＼ヽ_ 　ヽ　　　 ∠／|　　 || ﾚ　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　ト　　__　　　　　　／|　　 |l　　　　 | 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿　　＼__ 　 | 　 |　／／ )､_　　＜＿j　　　ﾘ＼　　　｜　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ーｚ三≧三≧| 　 |_{　　 '´ / 〉介ト-､.′　 ∧＿＞―＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ご三三三三三| 　 |::|　　　　/_ﾉ:| |:|｀/　　 / /.::厶-―　､

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　皇帝としての曹叡は、その治世を通して宮殿の造営に傾倒していた。
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　魏の建国当初、国都洛陽は董卓の乱のダメージからは復興していたが、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.皇帝の住むべき宮殿は、建始殿と呼ばれる宮殿しか再建されておらず、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.皇帝が政務や祭祀を行うには手狭に過ぎた。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.先代の曹丕は宮殿造営を考えていたらしいが、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .漢の文帝マニアだった彼の事、造営規模も無理をしない範囲だったようだ
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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504 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:13:01.35 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　 ___＿　　　　ﾉiヽ、 _.............._　　ﾉiヽ、　　　_＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　＼i:i:i:i:i:i:i:i:i{i:i:iイ⌒ヽ:.:.:.:.:.⌒ヽくi:i:i:i:ｉヽ､、∠i:i:i/
　　　　　　　　　　　　　ハi:i:i:i:iヾiУ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼i:i:i:i:i/i:i:i:i:i/
　　　　　　　　　　　　　　　　l:.:.:ヾi:i:i:i:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨i:i:i:i:i:i:∧
　　　　　　　　　　　　　　　　 l:∠i:i:i:i:/:.:.:.:/:.:/:/.:.:/ヾ;'ﾍ:.ﾍヽヽ:.:. ∨i:i:iУ:.:}
　　　　　　　　　　　　　　　＜i:i:i:i:i:i:i:i:.ｉ:.ｉ:.i:.:/:/ﾊ:/　　　 i:.!|:.ｌ.:|:.!:.:i:.}i:i:i:i:i:i:＼
　　　　　　　　　　　　　 l:｀>i:i:i:从:|:.|十ト､!:i　　　　!:ム斗:ｔ:.:!/i:i:i:i:i:i:才
　　　　　　　　　　　　　　 l:.:lヾi/:.:〉ﾍﾘ!ｨｆ升ハ　　 /ﾑｨﾈﾉﾉノ小:i:i:イ:!
　　　　　　　　　　　　　　　 l:.:l :.:.::::{｀ヾ込り　　　 /込りﾉ'ｉ/ﾊ:::|:::.:.: |:!
　　　　　　　　　　　　　　ﾊ:.:.:.::::ハ_,ﾍ　　　　　 .　　　　イんﾉ::|:::.:.: |i
　　　　　　　　　　　　　　　 /.:/:.::::/ ::::::i|:ﾍ.　　、__'＿,　　 /:イ:|::::!:::.:.:.|!　　　　皇帝が住むんだから、
　　　　　　　　　　　　 /:./:::__〈::::::::::i|::::::ヽ、　 -　　 ,.ｲ:::i::ｉ::|::::!:::.:.:.|　　　　立派な宮殿を造営しないとね
　　　　　　　　　　　　　／:.:/::/: : :｀ヽ;::｀ヽイ: :.＞ __ ＜ﾉ!ｲ: :ト:┴:.､:::.:.ﾊ
　　　　　　　　　　／イ:ノ::/: : :ｉ: : : :',::::: ', ヽ、: : : : : :ノ:ﾍ:.ﾉ : : : i ∨:.∧
　　　　　　　　　　｀ヽ.ﾉハ: : : : :l: : : :.}:::.:.::}: :u :￣￣u : :.ﾉ:j: : : :/: :.i::::i.:.:ﾄ､
　　　　　　　　　　　　ノ:/: : j: : ｉ : l: : : :,':::.:::ﾊ: :__:_:「i:_:__: :ｲ:.ﾉ: ://: : : l::::!:. !｀ヽ.
　　　　　　　／:/j: : : : : :l: /: : :/:::.::/: :i 'ー、, --':.//: ://: :i: : :l::::!:.:l 　ﾉ〉
　　　　　　　　　／ : /:/: : : : : :./: : :/:::.::/ : : l: : : :| |: : : 〈〈: : {｛: : ｌ : : l::::!:.:ｌイ´
　　　　　　／: : :./!｛ : : : : : ｲ: : :/:::.::/ : : : l: : : :ｌ l: : :(:_:)） : V: /:.: : :l::::!:.:l:j
　　　　／: : : : /: ｀ヾ!: :／:::l: : :i:::.:::.': : : : ﾉ: : : :L!: : : : : : : :ﾉ/ : : : : l::::!:.:l
r.､..___..イ: : : : : :/: : :ノ:.!´::::::::::j.: :.l:::.::i: : : :/: : :/::: : : : : : : : :/i:′: : : : :l::::!:.:'、
し／: : : : :.:.:.:.:.:.:r＜:::::::::::::::_:ノ: : :ハ::ヽ : :ｉ :／::: : : : : : : : :/:::l: : : : /: : l::ハ:.:ヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .ところが曹叡は宮殿造営を積極的に推し進めた。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.彼はこの時期から洛陽・許昌を中心として、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.数多くの宮殿の造営に手を付け始める。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.まるで宮殿造営こそが己のライフワークと言わんばかりであり、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .宮殿造営のため、次第に民を酷使するようになっていく
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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505 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:14:55.03 ID:SG.vAtoo: 　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　
　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　もっとも、これがひどくなるのは五丈原の戦い以降なので
　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　ここではこれ以上詳細にはふれない。
　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　　　　
　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　ただ、この頃から宮殿造営が行われるようになったのを
　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　　　　　. 頭の片隅に留めておいてほしい
　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ
　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l
　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　蜀と呉と戦争やってるのに宮殿造営とかアホかと。　　　　　　　　　　　　　／　⌒　　⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　（ー）　（ー）／^ヽ
　　　　前回話に出た行幸みたいに皇帝の威信示したいんだろうけど　　　　　.|　　　（__人__）（　/　　〉|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ ⌒´　　〈／ ⌒^ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ―――――――― ＼ _ _ ＿）

　　　／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　（ー）（ー）
.　　|　　　　（__人__）
　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　曹丕と曹叡は似た部分もありますが、
　　.ｌ^l^lｎ　　　　　}　　　　　　　　　　　　　　 .この点に限れば正反対ですね。
.　　ヽ　 L　　　　}
　　　ゝ　ﾉ　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　曲がりなりにも乱世を見て育った曹丕と、
　　／　/　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　宮殿の奥深くで育てられた曹叡では、
　／　 /　　　　　＼　　　　　　　　　　　　.　考え方に違いが出ても無理はないかと
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ
506 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:15:24.59 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年春　魏首都　洛陽】

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へへへへへへへへへへへへへへﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍ　　 |
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507 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:16:13.47 ID:SG.vAtoo: 　|::| /:/l::ハ::. 　　 |　|.|　　 |l　 |　　 |　　　|　 |　 |　　　 ',　　ﾍ
　|::ｌ'::/ |::|_ノ::〉　 / |　| | 　 | |　|l　　 |　　　|　 |　 |　ｌ　　 |　　ハ
. /√l　ﾄr-イ　　 |-ト､|｜　|　l　|ｌ　　｜　　 |　 |　 |　|　　 | 　 |　l
/:/　l　|::|　 |　　｜＼|｀＼ト､|　| |　　|　　/; / |　/l　|　　 | 　 |　|
:/　 |　|::l 　 l　　 |气ｆ＞＜ヽ|、＼　,　l　 ///　|./ ﾉ / 　 /　 .ハ |
　　 |　|::|　　ヽ　 |　ﾞ{　ｌ!　}｀ヾﾐ　　∨／/厶-―<./ 　 / 　 /　| |
　　 |　|::|　　　ﾄ､ｌ　ヾｰ＜　　　　　　　　斗=ミ､_/　／}　 / 　 |ﾉ
　　 |　|::|　　 |　＼　　　　　　　　　　 _（リﾉ ''/／ /ﾉ／　　　　　ｲ　　　　宮殿造営など初耳なのですが……
　　｜ヾ　　 |　　　　　　　　　　　　　　　｀￢ /　／イ|　　　　／:/
　　！　　　 |＼　　　　　　　　　　　/　　　∠ イ　　Ｌ|　　／. :/
　　 |　　　　 |　＼　　　　　　―-;　　　　／　 |　　ィ　　／. : :/
.　　　ｌ　　　　ト､　　＼　　　　　　　　＜　　 |／/　／. : : :/ -―ｧ
　　　｜　　　|::::::｀::ー- ＞　 _　　イ　　　｜　　｜: : : : : ＿　-―＜＿
.＿＿∧　　 |::::::::／二二[]二.ヽ　|　　　ｲ　　 |: : : : : : : : : : : : : : : :
――{ｰﾍ　　 |::／／::::::/::ハ:::|＼＼　／. :|　　　ﾄ､: : : : : : : : : : : : :ー-
::::::::::.ヽ〉∧　 |::＼ヽ:／::ｲ　 |::|__/:厶-―‐|　　 |::..＼: : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＿　　 ┌Ｏ┐　　＿　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 -‐　"´　　　　ヽ､＼／ ,.　´　　　｀　‐-　､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　　 ,..　-─　‐-　､＿,.　-─--　､_　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣|_,.　-─r‐ ￢　￣￣/7￢r-　､　｀|´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |　lヽ/| ﾊ.ｨ　　/､/ ノ |　l　/｀|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | l 　 |‐l,ﾆ云´､＼ノ　斗ﾆ..ｰﾉ/　l |
　　　　　最近の陛下の口癖ですよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　!　 |/ ﾄｨ;cｊ　　　　　{;ｨc:ﾘﾏｲ / l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　{l　 l　ｰﾞ‐''　　　　　 ''ﾞｰ'' / /　l　l
　　　　　蜀と呉があるにも関わらず、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　ヽ!ﾄヽ::.::.　　　 '　　　::.::/ｲ　　l　 l
　　　　　巨大な宮殿を造営したい、と。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　 lヽﾍ､　　　 _ __　　　,.ｲ　　 l 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　..::|:.:.:.l:.:丶､　　　　, ィ:´:.l:. 　　l　　 l
　　　　　おや、あれは……？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　 . ::.:l:.:.:.:|_:_:_|　｀ｰ　´　|_:_:l:.　　ﾊ　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　.:.:.:.|:.:／ rノ　　　　　　ﾏl |:.　　 l:.:',　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　＿､ - "　　 |: . 　　＿　　　l|:　　　lヽ､､　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //´ ＼＼　　　　 ∨´ -─-｀ヽ/　　　 l　／｀ヽ､ヽ
508 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:16:57.02 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰY{薔〉t―- ｀　　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,＿:::::::::::::《≦ノ　､::::::::＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ 　￣゛／｀ｰ-、:::::｀::: ､:::::＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　／　／　　　　|　ト、:::::＼:::::ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　/ 　 /　　　　　|　　　ヽ＼:::＼::ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ii　　ハ　　　　 /　　　　　｜　｜　冫＼::ヽ:|　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ヾヽ__| ｜　 i 　、　　　　　　　 |　 i　　　＞t＜二ト､
　　　これは常林様。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞＼ト::Ⅵ | 　　| 　 l　　／　　/ 　 /！｜／ﾂﾞ/不　＼＼〉〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―‐≠＝::::ヽ::::::::!ﾊ　ﾊﾄ､ |　　く　　／　／／｜＼ﾄ､1|::|ヽ＼｀_／
　　　ご無沙汰しておりますわ。　　　　　　　　　　　　.二＞:::::::::::::::::::::L∧ ヽヽト､ヽl|　／　／／ /　,| 　｀ー|::|　ヽ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　二ニ:::::::::::::::::::::::::::::;;|ﾄ　＼从ｼ|/　　ニ／ﾞ／＜､｀　 i 　|::|　　ヽ　
　　　ご健勝なようでなにより……　　　　　　　　　　-=≦::::::::::::::::::::::::::<::|ヽ　ヽ　　　 ´､（!l ﾄ＜　 /　　/ 　 !::!i　　ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　二＞:::::::::::::::::::::::::::::::＼.ヽ〈　　　　　｀´　　／　／　　ヾヽ　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣ミﾂﾞ:::::::::::::::::::／i　ト＼ｰ､_　　　／　／､　　　　!ヽヽ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::／√￣／　 |　|　|::ヽ　　　ｰ― ムノ/　　　/∧ヽ〉＿_.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　,　 ´ ＜::::|　|　|::::::｀―t‐＜:―,´＼/　　　/ー-一:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿／:::::.:::|　|　|:::::／ﾂハヽヽ:::ヽ、/　　 /Yｰ―――
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::; --------------､`'-､:::!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::; -＜　／＼ヽヽ　　　　　　｀`''‐ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::＿r‐く＼／ヽ＼ヽ__ヽ___ヽ　　　　　＼
::::::::::::::::::::::::::::::::ﾚ‐､＼ヽ∧　,.-＼ヽヽﾐﾚ'´　ヾ　　＼＼
:::::::::::::::::::::::::/|'´　　＼V ∧ヽ　　（･ヽ| ﾘ　　　!ヽ　　＼ヽ
::::::::::::::::::::::::| |　　　　ミ V　ﾊ.!-‐‐''"´/.| |　|　　|　!､　　ヽ
:::::::::::::::::::::r‐rL...,　　　　ヽ　 !　　／　||　|　　|　| ﾄ､
::::::::::::::r‐┘|L..-r‐‐　　　 `ー─''´　　 ||　|　　| | r'ニニﾆ　　　　　　　　仲達か。久しいな
､:::::::::::::l二,｀l|　r',.ｨ, !ﾉ　　　　　　　r─‐|　 | 　 | | |:::::::::::::::
　`ヽ､::::::::ト'ﾍｰﾄ　7 ヽ､　　　　　　 |　（_! 　|　　| | |:::::::::::::::
　　　　i:::::|　| ヽ!　　　　　　,.=`　　ヽ　j 　 | 　 | | |:::::::::::::::
　　　　|::::|　 |　 l　　　　　'´　､　　　　V 　 |　　| | |:::::::::::::::
　　　　|::::|　 |　　ヽ　　　　　　　　　　 |　　|　　| | /:::::::::::::::
　　　 .j:::::|　 |　　　ﾞヽ､　　　　　　　　| 　 |　　| l/::::::::::::; -
　　　/:::::::|　 |　　　　　| ｀ヽ､　　　　　|　/　　/ /::::::::／

魏　文官　常林
509 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:18:00.77 ID:SG.vAtoo: 　　　　　小ヽ　　　　 ′　|　　　　　　 |　　　| 　　 |ヽ::ﾉ:::|
　　　　//|:| 〉〉　　|　 |　　|.l 　　　　 |　　　|　　　 |　￣|:|
　　　.//厶'イ | 　 |　 |　　| |　　　　　　|　　　|　　　 |　　 |:||
　　 //' |:|　　 | 　 |　 |　　|｜　　　　 |　　　|　 ,　/|　　 |:| !
　 .//　 |:|　　 |、　|　ヽ　 |ハ　　　　|/| 　 / ! / /　|　　 |:| |
　// |　:|:|　　｜ヽ l＼ l＼ヽヾ　　 /　|　/　｣'_/　　|　　 |:|｜　　　　　　積もる話もございますが、
　/　|　 |:|　　丁￣ヽ　＼≧ ＼＼ /　 | ｨ≦/／￣ /　　ｌ|::|　l　　　　　　所用にて急ぎますゆえ、これにて失礼を……
　　｜　|:|ﾍ.　　ヾ＝干‐ ミﾒ、　　　　才　 T ア/　　ハ:〉　l
.　　l 　 |:|　丶　ヽ斗- ┴　　　　　　　 ┴一＜/ 　／　|　　 |　　　　　ご無礼の段、なにとぞお許しください
　　|　　ﾚ'　|　＼　＼　　　　　　　　　　　　　 /　／　　｜　　 l
.　 l　　　　 |　　　ト､＼　　　　　 l　　　　 ∠ イ　　 ∧　　　l
　/　　　 / l　　 | ト￣　　　 ―ｰ一　　　／　 |　　　 ′ヽ
/　　　　/ 　 l　　 | |　｀　、　　　　　　 ´　　 ;　　　/
　　　　/　　　'. 　 V　　　r┴＞　-　＜Ｌ.__　　 /　　 /　　　　　　　. 　　　＼ｰ-　 ,,/ 　　＼ﾆ　　　　　　ヽ
.　　　/　　　ヽ　　ヽ r::'::::／ｲ:ハ:ﾄ.＼::::::::> /　　 /　　　　　　　 .　　　　　＼ヽ　 " -.,　　　Y三ﾆ　　　　　=- ハ
　　/　　　　　　＼　ヽ:::〈:〈:::::|:|　|:|::::〉:〉:::.∨　　/　　　　　　　　　　　　　　 x‐>辷, ‐-=＼　＼三三ﾆ　　ﾆ三ﾊ
――--　、　　　　＼　ヽ::ヾニﾉ　ヾニｲ::::::/　／＼　　_　　-――.　　　　　　 .ｨ/:/／ｨﾃ,ヌz.::ヽ､　　" ‐　,,_三　三／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,: _,;ノ / //cﾒzk::.:. .::7ｰ- x　,_　iﾆ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//:/∧ 　 'ﾃゞ+=ﾁ::..:,.::/N::.:iﾊ:i::::: y"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　//:/.:ﾑ:i.,_／　　,／vｿ/:// .!://1!ﾊi/
　　　　　うむ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ'´ 　 × ´_,,／∠:ム ''- ‐← -〈く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　／ｉ「 O ｒ,, ニニ ,,_ ￣￣　 "　ﾐY
　　　　　西へ行くと聞いたが息災でな　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　／i＞"　　　　　＼三ﾆ　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 / z.::∠_　　　　　　　　＼三ﾆ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i＞＝ヽ＼　　　　　　　 iﾐx.ﾆ〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　ﾊ,　',　　　　　　　　ﾊ　＼'' ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 /!　　　　 ',　',＿_　　　　　　Li　　ﾊﾆ　 ',

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　彼の名を常林という。
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　司隷河内郡の温の出身で司馬懿と同郷、その父司馬防と仲が良かった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.司馬懿は故郷の有徳の先輩であるとして、常に彼に拝礼し、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　彼より上の地位になっても、その態度を改めなかった。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .一方の常林もそれをそのまま受けていた
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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510 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:19:14.18 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　／, -‐ -　　　｀´　　 , -‐- 丶
　　　　　　　　　　《´　　, , - -ミ≧__≦, - .、　　｀`)
　　　　　　　　　　　　｀┤─ ‐';´:.:.,:.:.:.::.:.:/:7‐-ミ`ト'´
　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.／/ノ/::／'7／ﾐ:.:.:.:`|
　　　　　　　　　　　／/:.:.:./,yt=k　　　f''示,|:.:.::.:.|
　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:/'! ゞrｿ′　　ゞr'ﾉl:.:.:.:.:|　　　　常林殿……
　　　　　　　　　＿ノ:.:.:.:./ミl　　　　 '　　　/:.:.::.:.|
　　　　　　　　　／/:.:／:.:.:/> 　　　‐‐　　/:.:.:.:/:|　　　　彼は魏の柱石の一人、
　　　　　　　　／:.:/／:.:.:.:/:.://｀l ‐ ._ ,　 7 :.:.:/:.:.|　　　　あのような拝礼をさせるのは如何なものでしょう？
　　　　　　／:.:.:.／:.:.:.:.:/:.:./:/_ ,!　　　 /:.:.:./:.:.:.|
　　　　　／:／/:.:.:.:.:.::.:/_,..-‐　',　　　 /:.:.:./｀- ､l
　　　／／　 /:.::.:., ‐ '≦ =、,　ヽ=＝/:.:.:.:ﾉ,, -‐ ''≧-、
　　／'´　　　/:.::./　　　　｀- ､_ 　＼/:.:.／_,､- ''"　　λ
　　　　　　　／:.::| ヽ　 ',　　　　ｰ　/／!‐7: ／　　　 /　l
　　　　　／:.:.:.:.:.|　＼/　　　　　 '（○）:／　　　 | / 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　｀ ‐- .._/　　　　　　　　ヽ.:.　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　｀ヽ､　　　　　　　 ',::::.　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >､＼＿_＿＿_丶、　　　　ヽ. ::....　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／::>ー‐ｧ‐ｧ_‐― > 、　　　＼::::::..... 　　　
　　　あいつは自分から長幼の序を大切にして、　　　　　　　　　　　　/ ／:::::／／　 } ／:／ >､　　　＼::::::::......　.::.
　　　若い連中の手本になるつもりなんだろう？　　　　　　　　　　　／|/ ::::::/／/ 　 7､／／／|｀丶、　　　`ｰ- .._::..:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::_ノ　/ 　 / 心y':／　/:::::::::::｀ー- ... _　　｀ヽ
　　　あいつが高位でもあたしの恐れる事じゃないし、　　　　／:::::／:｢￣　　 |＿,ｨﾍ{ じ|/ゝ／:::::::/ ::::::::::::::::::: ｀丶、　
　　　あの拝礼はあたしにどうこうできるものじゃないよ　　 /／ :/:::::::ヽ.　　　　 / 　｀¨´／::::::::::/::::::::/:::::::::::::::/::::: ｀ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ///: / ::::::::::: ｉ　　　 . '　　／::::::/ :::/::::::::/:::::::::::::::/::::::::::|:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　///:::/_:: -一'´| ￣／　　／:::::::::/:::::/::::::::/::::::::::::: / ::::::: /:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　/ l/／´　　　　　}／＿_..∠-―一¨￣￣￣￣￣￣￣¨ｰ-'.._/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／l　|　　 ┌――― '~￣￣￣￣￣￣¨ｰ- .._

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　この常林の態度を嗜める人もいたが、彼はこのように言っている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.権力者や身分の高い者に遠慮しない彼の姿勢がうかがわれる
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
511 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:20:00.04 ID:SG.vAtoo: 　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　この逸話から分かる事はもうひとつある。
　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　
　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　　　それは司馬懿という人物が、
　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　非常に礼を重んじる人だった点である
　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　　
　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　　
　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／─　　 ─　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（●）　（●）　　　＼
　　　なんか司馬懿というと、どことなく不遜なイメージがあるお　　　　　　 .|　　（__人__）　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　 '､＿＼　／　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |＿＿＼　 “　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＼_／
　　　　／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼　　（ ;;;;(
　　　|　　　（ ─）（─　　) ;;;;)　　　　　誰が見ても不遜に見える人物だったら、
　　　|　　　　（__人__）　/;;／　　　　　才があってもここまで出世できませんよ。
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　l;;,´
　　　 |　　　　　∩ ノ)━・'　　　　　　　荀彧、崔琰、楊俊……、当時の錚々たる名士たちは、
　　／　　　　／＿ノ´　　　　　　　　　その才能のみで司馬懿を高く評価したわけではありません。
　 (.　＼／　.／　 │
　　＼　 “　／_＿_|　 |　　　　　　　　　人材に要求される才能と徳目、彼はそれを満たしていました
.　　　＼／＿＿＿ /
512 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:21:29.35 ID:SG.vAtoo: 【ある日の司馬家の光景】

　　　　　　　_,..--------､_ 　　　
　　　　　　r| |　　　　　 |　/ヽ,
　　　　　　| l l　,.へ　　|　|| iユ
　　　　　　|j_l∠へ-ﾞ-⊥」_/ﾞT´
　　　　　　|_,.. -:;;:-- ､...__n｀y
　　　　　 ⊥＿、　__,,,,,,,,.ﾘト|　　　　　　　　　　　　仲達、お茶を持ってきなさい
　　　　　　代０7　ﾍ０フ .||,ﾍ　
　　　　　 !　 |__　 ,￣　.||_ｿ　
　　　　　　 | ｲ　　　ヾ　,ﾘ,へ、　
　　　　　　人|. ⌒ ｀ﾘ_〃ﾞ (９入＿
　　　_,..-=|| ,.｀'ｰ|l|ｰ＜//／￣人９､＞-､_
　／(９ト-||（'-ジ'ﾘト=-ｿ__ゞ´/ﾆ､９ﾄ９Yﾞ/６＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..:::´::￣::ﾞ::`:::、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{::,/´ l丁Ｔ｀' :;:＼
司馬懿の父　司馬防　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊi ｌｲN ｌ､ｲｌ| iヾ:::}ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| lｋ_ィヽﾚ仁ﾘｌ .|ｄｂl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|､ﾄ○ 　 ◯/ l　ｌ∧| !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||从.┌-､∠ / . ｌ）ﾄ､ｌ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ,ｲゝニイｲ／　 | !
　　　　　　　　　　　はい、お父様　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <､ラY´:文:､バ, T≫ﾞｉ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦〈:::{:::i;:〈:::::::〉}≠ＺＺ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦j|:::ｌ〉:::;ﾍ::iＮﾊ≧ッ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ:_:lＸK:::ﾊ:::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜::::ｿ,lX〈::kﾐ}:::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ト,r'Ｘ>!^^´::::::::::|￣

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　元々司馬家は代々郡太守を輩出する一方で、
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .諸生（儒生、儒を学ぶ学生）の家柄でもあり、
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　そのなかでも司馬懿の父司馬防は礼に厳格な人物でした。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　子供たちは成人しても司馬防の命令がない限りは決して彼の下に進まず、
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .彼の質問と関係ない事は一言も発しなかったと言います。
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .それが有名な司馬防の子の八人兄弟、通称八達です
　　　|　　　　 |
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513 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:23:02.33 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年春　魏首都　洛陽】

　　　　　　　／r'^　_rﾍ-ﾍ/＾ヽr宀､
　　　　　　　 /!７ト､7′ 〃　　　ｌヽヽ
　　　、　　　　/ l//L｣| ∧ｌ |　! |l　｜　!　ヽ
　　 |:l　　　 / 〃 ||丁l トH､lV| |l　 /l　 } l　|
　　ヾヽ　 / 〃　|l　| ｌ抔卞｀ヽ{　/-ト/ //ﾘ
　＼　ヽ:∨　|」 /ｌ|　ｌﾄヽ￣　　ﾚ'戎ｼ' ／ ′
⌒ヽ!ヽ._j＼＼ / 八　|ヽ　　　__ ' ∠r1=彳　　　　　.　　　さて、と。
::..::..::..::..::..｀::..::ヽ/　ﾊヽ‐ >､　 ,. イ|　}::..｀ヽ、
::..::..::..::. ／⌒ヽ､ヽjノヽ.∨r 芥､/:./ /::..::..::.､＼　　　　　　いつ蜀軍が攻めて来てもいいように、
::..::..::.::./:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ⌒Tlヽ｝l,ハ/-/ 〈::..::..::.｀ヾ＼ヽ　　　　　準備を整えないといけないわねぇ。
::..::..／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨_　||　ヽ:ﾚ':.:ヽ::..::..::.くヽ.j
::.r'´.:.:.:..::.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨_ ||ｰrﾍ.:.:、:.:.＼ヽヽ:〉　　　　　　.あら州泰？　どうかしたの？
仆､ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨_l〉 ri心:.:',:.:.:.:.:ヽ｝
′　＼_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ∨_　ゞ=仆ヽ.:.:_ノ
　,　　　〉个､:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.∨_　ｌ　 }〉:.}'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／ `ｰ '　　　　ヽ　ヽ
　|　　く_/^ﾄ､>:.∧:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨_ﾘ　〈|:.ハ　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　ヽヽ ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 /　 /　/　　/　　　　　l　l　　lヽ　.ト､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　./　//　 //∧ l　　 l　ﾄ､ｌ　ｌ. ヽ l、＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l /!　:ｌ l 　 l┼ﾄ､l ﾄ. 　 _レｌ┼l l　ｌﾄゝ　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚｌ　 l l 　:flr＿＿＼ .ｌイ＿＿l.l:　l.l.l　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　l.l:.ｌ　ﾊ '　∪　　 V　　∪ '小 l ﾘ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　l l∧.l ﾊ｀ ´ 　 ,　　｀ ´ﾊﾑﾚl∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V ∨.v ｌﾄ､　　ｒ__ｧ　　/./ 　l　l
　　　あ、大将軍、実は身内に不幸がありまして……　　　　　　　　　　　 / / 人|.ｌ:＞.､　 . ィ/ﾚ'＼　ｌ　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/_/_∧　` _>ミ.Τ.彡くｌ.　　∧l　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　.〉l /:::::::::|.:.|:::::::::ﾊ j〈　 l￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 /　　l_／ V.:.:.:.:.:.>t<.:.:.:.:.:.V　＼l　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　ﾚ　rﾄ､:.:.:.:.ﾄ-ｲ.:.:.:.:.:.ﾍ_　V　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 /　ｌｌ.:.:.:＼.:l: : l:.:／.:.:.:.ｌｌ＝l　　　　＼
魏　文官　州泰

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　そのような環境で育った司馬懿という人は、
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　意外に孝とか忠という言葉に弱い一面も持っていたりします。
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .これから紹介する逸話も、そのひとつでしょう
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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514 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:24:17.28 ID:SG.vAtoo: V　　／=='': : : : : : : : : : :.l: :l:.: : : : : : :..:. : |　l　: : : : : : : : : : :
ｨ| ／=ｲ: l : : │ : : : : !: : :l :.l..:: : : : : : : : : |　|　 : : : : : : : : :
,ｲ! ﾄヽ.:.:|: : : :|..: : : : :|　: :ト.ヽ : : : : : : : : .∧!ヽ:ヽ. : : : : : :l : :
::|　|::ヽ V : : :│　 : : :l､ : :l　＼i : : : : : : :. l__lj__j　ﾊ　: : : /l　　　　　　なるほど、ご両親とお爺様を立て続けに……
::|　|: ::j　ヽ: :.:l＼＿:_:j__ヽl..__　＼　: : : :ィ　ﾘ　Y: .ﾍ : : ,
::|　／　／＼ゝ´ ＼: :l　ｰ＼　　＼ : :/　　　 l :/|　 /　　　　　　　それは大変ねぇ。
::| 　　／: :.|　＼!　　ゝ＼　ヽ　　ゝ/ ___,.ィ /:/　! /　　　　　　　　
:: : 丁| : : :.ヽ. 　　 ___＿_｀., 　　　　　｀￣´ /　 ..ｲｲ　　　　　　　　あなたの席は空けておいてあげるから、
::.: : |│､　 : :＼　´´ ￣ ´　　　　　　　　/／..: : :|　　　　　　　　　郷里に帰って喪に服しなさい
:: : : ゝ＼:ゝ､. . :＼　　　　　　　 /　　イ　..: : : |
::ヽ: : : ＼＼l `ー‐` 　　　　　　_　　　ｲ　 .: : : : |
:: : ＼: : : ＼＼　　　　　￣　　　／│　: : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／--　` `' 　　／　＼.　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／ `ｰ '　　　　ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　ヽヽ ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 /　 /　/　　/　　　　　l　l　　lヽ　.ト､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　./　//　 //∧ l　　 l　ﾄ､ｌ　ｌ. ヽ l、＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l /!　:ｌ l 　 l┼ﾄ､l ﾄ. 　 _レｌ┼l l　ｌﾄゝ　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚｌ　 l l 　:flrｲ為lヽ＼ .ｌイ為ﾄl.l:　l.l.l　／
　　　　お言葉はありがたいんですが……　　　　　　　　　　　　　　　　　l　l.l:.ｌ　ﾊ ' k::rj　　 V　k::rj '小 l ﾘ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　l l∧.l ﾊ｀ ´ 　 ,　　｀ ´ﾊﾑﾚl∨
　　　　服喪の期間は合わせて九年になりますよ？　　　　　　　　　　　　V ∨.v ｌﾄ､　　ｰ　　/./ 　l　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / / 人|.ｌ:＞.､　 . ィ/ﾚ'＼　ｌ　l
　　　　本当にいいんですか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /_/_∧　` _>ミ.Τ.彡くｌ.　　∧l　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　.〉l /:::::::::|.:.|:::::::::ﾊ j〈　 l￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 /　　l_／ V.:.:.:.:.:.>t<.:.:.:.:.:.V　＼l　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　ﾚ　rﾄ､:.:.:.:.ﾄ-ｲ.:.:.:.:.:.ﾍ_　V　　ﾄ､

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　当時、司馬懿の部下だった州泰が、父と母、祖父を相次いで失いました。
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　通常親を亡くした場合、服喪の期間は三年、
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　この州泰の場合は彼以外に服喪を行える者がいなかったのか、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　合計九年の服喪を行わざるを得なくなります。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　司馬懿はこれを聞き、自身の属官の席を欠員のままにして彼を送り出し、
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .喪があけるのを待つ事にしました
　　　|　　　　 |
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515 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:28:47.75 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　/::.::.　-―……───-　､::.::.::.＼::.::.::.:ヽ
　　　　　　　／　　　/　　　　　　　　　　　＼::.::.::.ヽ:.::.::.::ﾄ
　　　　　　　　 , '　　　　 /　　　　　　　|　　 |　　ｌヽ::.::.::.l::.::.:ハ
　　　　　 /　　　　 ,′　　　　　　/　　 /| 　 |　　 >斗-く　 |
　　　　　　　.′　ｉ　 |　 |　　　　　　 /　　 / ,′　|　／ｲ仆{ヽ＼ｌ
　　　　　　 | |　｜　|　 |　 l 　　 //　　 ,　/　　/く::<_/:/ハ＼_〉〉　　　　　　勿論よ。
　　　　　　 | |　｜　|、 |　 |　　 // 　／ /　／ |　＼_/|:| 　ト-'　ｌ
　　　　　　 |/ﾍヽ　!ヽｌ⊥lﾍ／/　／-‐/＿￢ﾘ　 /　|:| 　 |::|　　ｌ　　　　　貴方は今までよく働いてくれたわ。
　　　　　　　 | l＼ﾄｰｷ .ﾐ ∨／才弋_ツ／　′ /　 :|:|｜ |::|　　ｌ　　　　
　　　　　　　 | |　ヽ _ゝ'　　　　〝￣ '" /　 /　　/ | ￤|::|　　　l　　　　そのかわり、きちんと喪に服しなさいな。
　　　　　　　　　｜ﾞ、ﾍ　〈　　　　　　　　　/　／　 /ヽ|　ｌヾ| 　　　ｌ　　　.長い目で見れば、
　　　　　　　　　 | 　＼丶　　 ,.＿　　　 /／′　 /｜　　ｌ　　　　　　　それが貴方のためになるわよ？
　　　　　 |l／/|　　 |＼＼　　ｰ　　　　／,./ 　 ,ｲ　ｌ　　　ｌ　　　　　
　　　　ﾄ､ﾍ∨ ｜　｜　｀　＼　　 _　＜／　／::|　　ｌ　　　ｌ　　ﾉ|
　、　 ∠＼＼＼ｌ　　l　　　　　ﾌ爪＼／　／l::.::.:| 　　ｌ　ｲ　／::/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.: {　　　／　￣￣￣￣｀丶＼　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞⌒'＜{: : : : : : : : : : : : : :二ﾍ＜＿＿}＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ /.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:ﾍ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／/.:.:.:.:./.:.:.: /|.:.＼／＼l＼:丶、.:.:ヽ｢￣ﾞ|‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´　,'.:.:.:.:. |.:.:.:./厶.: ヽ＼ｲ乏ﾄ＼.:l＼.:.:l＞┴-=
　　　　　ありがとうございます！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:.:|.:.:.:l/r≧＼∨　V;;ﾘ　ヽVノ八　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.､　　　 l.:.:.:{.:.:.l:.:.:.| ﾍ:::ﾊ　＼　　´ 　　 }:}ヽ_:ﾄヽ
　　　　　きっとやり遂げます！！　　　　　　　　　　　　　　　　r'´:::>ﾍ-､　　ヽ.:.ヽ.:ヽ :{＼ゞ''　' _ -┐　　イ二ﾆ圦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ:::::::::::: `^}　　　＼|＼:ヾ:.: ヽ、　ヽ _ﾉz≦´￣　　　＼
　　　　　それでは！！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　-=≠＝=z:::/　　　　　　　＼＞‐-'＞'´￣　　｀＼ー―＜￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　　　　　 Y　　　　　　　 _rｧｰ＜r-､　　　　　　ヽ　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/{{V>　/.二二二| 　　　　　 /　{ {　 └┘　　　　　　　}　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　V　 //::::::::::::::::::＼　　　　　　l　　ヽヽ　　　　　　　　　　{￣￣￣

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　こうして州泰は、九年間の喪に服するため荊州へ帰郷します
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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516 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:30:28.67 ID:SG.vAtoo: 　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　なんという話の分かる上官……
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　.つーか、九年の服喪なんて本当にできるのかお？
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　_ノ　,ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　＼　　　|　　　　（__人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .＼　　.|　　　　　｀ ⌒ﾉ
　　　　それは先の話になるのでここではふれません。　　　　　　　　　　　　.　＼　ヽ　　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .＼_,ゝ　　　　ノ
　　　　ただ、成功すれば「あの人は親孝行だ」と評判になり、　　　　　　　　　　／, r､　　　　く
　　　　名声を得る事ができます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　〈　＼　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　ヽ､ .ヽ　＼ i..｜
　　　　どこかの饅頭みたいに、喪中におかしな行動をとれば、　　　　　　　　　　て_）　　＼ﾉ
　　　　当然世間の非難を浴びますが……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
517 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:31:11.96 ID:SG.vAtoo: 　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　─　　 ─　＼
　／ -=・=- 　　-=・=-　＼　　　　　　　……あれは仕方なかったんだお
　 |　　　（__人__）　　U 　|
　＼　　　｀ ⌒´ 　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -=―＝―- ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃⌒>'´　　／　　　丶`ﾆ=‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ ,′// , ´ / 　j　}　ヽ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　l　 | i　l　/ ／// ,ｲﾊヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ,ｲ八　l ﾚ_j/∠∠/／/∠Ll　}ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ノ .∧ ｌ　ﾑrt=k｀　　ｨ=､ﾙﾚ′j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / イ　Vﾍ.　ヽVr!　　　jr/ﾑｲ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　W^{ゝﾍ　ﾊ.ヽヽ　_ '　/〈ﾘヽ
　　　ここまで紹介した逸話からは、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j八 }ヽﾍ､　 j`＜ミ＼
　　　司馬懿が礼を重んじる人だったのが分かる。　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ朽＼!｀{7|:::::::::＞ﾐ;>,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ＼- 厶］::::::::f }::/:/
　　　最後にもうひとつ逸話を紹介して本題に移るが、　　　　　　　　　　　r=＜　　　Ｖ三|:::::::::| |/:/
　　　最後の逸話のテーマは……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /‐-､＼　　 ∨ﾒ､::::ノ　V､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 /_j 　 , X ＼　ヽ {´　　　/
　　　当時の魏の朝廷において、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　´ 　＼＼　 >ﾍ､___,ｲヽ
　　　司馬懿がどう思われていたかについてだ　　　　　　　　　　　　　　　`､　　　ヽ＼.>j　　　　ﾊ│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　 ∨　｀ヽ､_,/∧|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lヽ　　勹'´　　　 //　l !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|∧　〃　　　　／Y｣_│',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　＼　　　　／}＜ﾑ>∧.ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　ヽ､___/　l丁{{ |}}　〉ﾊ
518 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/07(日) 22:33:35.99 ID:egG/oLMo: 曹操の「葬儀が終わったらさっさと任地に戻れ」って遺言が異彩を放つなあ
519 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:33:47.78 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３０年頃　魏首都　洛陽】

―　呉質さんに聞いてみました　―

　　　　　__ｒ‐￢ｰ､
　　　／　　　　　　　ヽ、
　　/　／　　,ｨ　　　　ヽ
　〃 /　　／ l　}　 l 、　}　　　　　　　　　　仲達をどう思うかですって？　そうねぇ……
　 {　l_　ナ-､ l　|　 } }　 }
　 l　{_ﾚ' ○　ヽ{ ‐トl、/　　　　　　　　　忠節で英知があって、なおかつ公正な奴だと思うわ。
　ヽ　l　　　　　 ○/ノ　＿　　　　　　　 .間違いなく国家を支える臣ね！
　　ﾚｖヽ　｢ｱ　 ,ｲ r､／_　7
　　　 /ｰ､` ´-イﾚﾘ　〉 / ／　　　　　　　彼に比べたら陳羣なんてのんびりしすぎてるわ！
　　 /⌒ヽ＼_/ﾊヽ、｢￣二l　　　　　　　　そもそも大臣の才なんて持ってないし、
　　{ ‐-､｢`ー'　　ﾍl －-┤　　　　　　　 .重職にいるくせに自分で事に当たろうとしないしね！！
　　l-－､}　　　/　〉!ー-┤
　　|　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉、　ー―　― ' "￣　　　―－　-　、_　　　　.
魏　文官　呉質　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,!_::丶-....、＿　　　　　　　　　　　　　　　｀ー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／:7ｦ＜:::::::::::::＞―--　、　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　 /:././:/:/./ / 7 ＜::::::::::::＞..、￣　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ .杉|/V / / / . ／|＞i＜::::::::::::＞..、　　　　　　　　
　　呉質殿……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'.:./ｲ.∧|:/ / /:×ヽ l:.:.ﾘ　 |:＞＜::::::::::::＞..、　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !/|:.:} :ﾚ / / ／"ラミ:|ﾚ l:.　l　　l　.ﾘlr＜::::::::::::＞.、／
　　新しい拷問器具を試したいので　　　　　　　　　　　　　　　y,. '"　　　　γrfij ﾄ,ヒ ∧　/ ./ .|!　 .:ir＜:::::::::/　　
　　司空府まで御同道願います　　　　　　　　　　　　　　　.　　ハ　　　　　、辷_メ'" V ! ∨ /　ﾘ　　::l　　＞t'　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　l:.:.∨i: 　 /i　 .ﾘ:.: 　　 V　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　　　　　　　　/　//.|:　/丿 ./　::.　　　V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　￣　　　　　./　∧こ| /ｲ　./ 　 :.:.　　　 V　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　　　　　./　,.'/:/:.:|/.,　 /.:.: 　:.:.:.　　　V　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ ....　_ ＿ ... /／ /:/:.:.,. '　 /:.:.:.: 　:.:.:.:. 　　 V　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　 : : :/i　　./ ／,. ' /:.:..:.:.:. 　:.:.:.:.:　　　 V
魏　司空　陳羣

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　司馬懿と同じく曹丕の側近だった呉質は、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.このように司馬懿を評している。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　しかし、当時の人々は呉質の発言が事実に即していないと思っていた
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
521 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/07(日) 22:35:32.97 ID:JnOsWhY0: 呉質の発言なら信用できないと思っても仕方ないな
520 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:35:14.74 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　/　　　／/￣!＼/ﾊ　　ト､＼　 /　ヽ　　　　　ちょっ！？　今のはインタビューに答えただけ……>>
　　　　　　　｛　　／イ|　　|ミﾐ{刈　ｌ　|　|`ー＼＼　ハ
　　　　　　　　　V／'´/　|　　|´　　 |　ｌ　|　{　l　　|::...V. ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　問答無用です>>
　　　　　　　〃/ ｌ | l l| _l i|､　　 r　i￢ｊ､､ l 　 l＼／
　　　　　　　 //l 　 l | ｌｨ| ｌ|_i　　　ｊﾉﾉ,.ニ､_ヽヽ　|lﾐ､＼
　　　　　　 {ﾝ!|:､　ｌ」ﾘ zﾔﾍ　　　　/{ノ_ぶﾆﾊ　ｊ:|ﾘ＞ﾐゝ
　　　　　　　 ∠{い　Vﾉ{7ｰ'ﾞｊ　　　　　ﾋ__,ｼﾉ` l|⌒|戈ゝ
　　　　　　　　厶Z|⌒| ゝ "´　　　　　　　 |　ﾄ､
　　　　　　　　　ﾚ|＿|!　　　　　｀　　　　　　 i'⌒|::ヽ　　　　　　　今日も皆さん元気ですね
　　　　　　　　　　　ｊ　 |ﾍ　　　ｰ'　一　　　 /ｉ　 :|‐-`,
　　　　　　　　　　　ｉ　 |ｰ＼　　　　　　　　／| ｉ　 :|/＼|
　　　　　　　　　　　ｉ　 |_::::V｀丶､　　　..　´ 　:| !　 :|
　　　　　　　　　　ｊ　.:| ＼| r┴､__]´￣￣￣´ﾞ|　 .:|
　　　　　　　　 i　.::| 　 __|　　|l |　　　　　　ｊ　　:|
　　　　　　　　　　i　.:::|__/ ＼_　|l 」　　_　-/´i　　.:|ヘ__
　　　　　　　　　ｊ　 ::/ /￣￣〃O :Y´　　l　 ! 　 :ｌ|
　　　　　　_ ..　=i　 :/ / 　_＿,ゞ;;;;;ノ,＿　│_ｉ　　.:!|
　　　　 /´　　 !　.:辷|￣　／::::::::ﾍ:::::::￣二{ 　 .::i:|

魏　文官　陳矯　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　魏の朝廷に陳矯という人がいた。
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　彼は元々広陵郡の太守陳登の部下で、その死後曹操に招聘されている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.誠実で率直な人柄で政治手腕にも優れ、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　曹操、曹丕の両人に高い評価を受けた能吏だった。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .ある日、曹叡は陳矯に向かって、このような質問をした
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
522 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:37:59.09 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　 r‐‐ ､　　 .　 -‐‐ - ､　　　　　　 /.７ ,. 、
　　　　　　　　　　　　ヽ　　> ´　　　｀　「￣.｀Y ⌒ヽ　￣ <／
　　　　　　　　　　　　　＞////^ﾍ　ヽ　乂.___〈　　 i　　 {二二}
　　　　　　　　　　　　く_　从il.|　　ｌ_!_! ﾊ＜　　i.　　　|
　　　　　　　/´〉　　　く__/kﾊ!　　ﾚﾚr==ﾚく_ノ　　 .i
　　　　 /⌒　/　　　　/ /　|___,　　　　b:::ﾊ彡-､　　　!
.　　　〈　∩. }　　　／ /　c'っ　r‐‐ｬ　 cっそ/　　　| 、　　　　　　　さっき呉質がこんな事言ってたけど、
　　　　弋{　ﾉ　／.　/　　　＼　､__ﾉ　ィ^-ｧ　　　ﾉハ　　　　　　　司馬懿の忠義・公正ぶりは、
　　　　 r==='ﾍ //　/　　 _ __ _ ＞r‐‐_r-7'´__　 _／　　＼　　　　　国家を担う臣と思っていいのよね？
　　　　 |　　　 i （　（__,. -' r‐‐'‐/７ー/ /　/　｀ヽ　　　　　ヽ、
　　　　 i　　　　ーｧ　　　に二ｨ7二.ゝ.ヽ/　　　ヽ　　　　　　!
.　　　　＼　　　 /　　　　 i/ / /i　 |r-' ノ　　　　　ヽ　　　　ノ
　　　　　　＼__　__ ,. ァ'´/ / o .|　 |ﾚ'´　ト、　　　　ヽ　（
　　　　　　　　　　r'　.ノ / /　o　!　 i　　　 /ヽ.__ _　　　ｌ　　ﾄ
　　　　　　　　　　ﾚ'´ノレ'　 o　＼/　　く　　　　　　　,'　　}
　　　　　　　　　　　/　　/7　o　　 {二r‐ '水　　　 ,. -'　/iノ
　　　　　　　　　レﾊ/　　∧　　　 /　〃　ｧ～'　ハ/ /
　　　　　　　　　　/　　/　i　　　ゝ.__ ＞'　　 V　レ'
　　　　　　　　　　　　/＼/ 　 |__ __　__＿_i
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　.|　　　　　　　　　　 |　/´ /　l | |＞ﾐハ　ヽ､　ヽ　ヽ　ヽ　　ヽー---ｧ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V 　 ,'　 l |! |　　　ヽ,.ゝ‐‐ ヽ　ヽ､　ヽ　　ヽ＜´　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 l 　 l∧ヽ　　　´ヽヽヽ　l　 | ヽ　l　　l　ヽ＼ │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　 |　l レ"ヽヽ　　　､´､k‐ｧｩ､､,_」　l__ｊ　　|　ﾄ」　ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//!　　 |　| | 　 -､´　　　 ´'｛ィｯﾘﾉ｀＼__ﾘl__∧┘＼､ヽ､
　　　　どうでしょう？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!ｌ│　ヽ|　|.ﾉ,.ｨﾃぅ､　　　　　ゞｰ'' ´　　 |:.:.:.:.:|､ヽ　　ヽ;:::ヾ:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|!　!　　レﾞﾊ〈 {ｨツ　　　　　　　　 |:.:.:.:.:| ヽ |､　　', ＼::::::
　　　　確かに朝廷では期待を集めていますが、　　　　｀　ヽ／`∨:l　 ´　､　　　　　　　 |´￣ﾞ|) ﾊｊ＼ヽ |　　＼
　　　　国家を担う臣かと言われると、　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:|　　　　　　__,.　　　　　 |　　レﾉト､ヽｊﾉ　　　
　　　　まだ分かりません　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |_人　　　｀　　　　　　　　　 l　　　ﾄ＼ﾉ　　　　　　　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ l　|＼　　　　　　　　　 |　　　|＼´　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　| 　＼　　　　　　　　,. ｲ　　 |:::::::>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　 |　　　　ヽ　　 ,. ‐".: .|　　　ﾊ／､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　l　　　　　￣|: : ..　　l　　　 ;!　」アヽ､
523 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:38:59.37 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　
　　　　これが当時の魏の人から見た司馬懿評である。　　　　　　　　　　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　
　　　　朝廷での人望はあるが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　
　　　　国家を担える人かどうかは分からない、といった感じだろうか？　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　結局晋王朝ができたんだから、
.　 |　　　　　　　 }　　ミ　　　　　　　　ﾋﾟｺｯ　　　　　　　司馬懿が国家を担う臣じゃないのは明ら……、ｲﾃｯ！
.　ヽ　　　　　　 }　ミ　／＼　　,☆＿＿__　　　　　　　　
　　ヽ　　　　　ノ　　　　＼　＼／　　　　＼　　　　　　 .　まだ結論を出すのは早すぎますよ。
　　　/　　　く　　＼.　　／＼／　─　　 ─　＼　　　　　　だいたい当時の人は結末を知らないわけですから。
　　　|　　　　　`ー一⌒)　／　（×）　（●）　＼　　　　
　　 |　　　　i´￣￣￣＼ |　　　（__人__）　　　 |　　　　歴史を追う場合は、
　　　　　　　　　　　　　　　＼＿　　｀ ⌒´　　　／　　　　過去から現在へ向かって眺めるべきでしょう
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　＼
524 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:40:21.40 ID:SG.vAtoo: 　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　　　陳矯の発言から察するに、
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　　.当時の司馬懿は、まだ「曹丕の寵臣」の印象が強かった気がします。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　.　　ここまでの彼の出世ぶりは、本人の能力以上に曹丕の引きが強く、
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　曹操以来の叩き上げの人士から見れば、
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼　　　　　　「うまいことやりやがって」と思われていたかもしれません。
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼　　　　
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼　　　言わば、当時の司馬懿は地位と実績が釣り合っていないんです
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　ヽ､_ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（● ）（● ）　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼
　　　呉との戦と孟達討伐の功でもう大将軍になってるし……　　　　　　　　　 | 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ　 L　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 /
525 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:41:12.83 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,, -‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/'　　　ヽ
　　　　　　／￣￣＼　　　　 ./　　　　　 i
　　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼　　 /　　　 ...........i
　　　　　|　（●）（●）　|　　/　　 ..:::::::::::::::|
　　　　　|　　（__人__）　 | 　/　　..::::::::::::::::::l
　　　　　.|　　｀ ⌒´　　.} ./　　..::::::::::::::::::::!
　　　　　 |　　　　　　　 }/　　.::::::::::::::::::::/　　　　　　　だからこそ……
　　　　　ヽ　　　　　　 ./　　 .:::::::::::::::::::/
　　　　　　.ヽ　　　　. .／　　.:::::::::::::::::::/　　　.　　　　　これから始まる諸葛亮との戦いは、
　　 ,. ‐'"´　 `'‐,r''"~　　　.:::::::::::::::::／　　　　　　　　　司馬懿の真の実力を試す絶好の機会となります
..:.／,. -‐‐- ､　l′　　　 ..:::::::::::::／|
:,'　　　　　　／　　　　　 !.:::::::／:i..:..l
r　　　､　 / 　　　　　　 !:::::::::::　i..:..i
l　　.......`:i　　　 i 　　　　 !::::::::::　ﾞ､:.i
!　 ::::::::::/　　　　i　　　　　　 i::::::::::　ヽ:i
.!　::::::::/　　　　　i　　　　　 .....i:::::::::::　ヽ
.ヽ ::::::|　　`､　　 `､　 .....::::::::::::l:::::::::::: 　`,
/ ＼:::l.　　 `､　　　ヽ::::::::::::::::::::l::::::::::: 　/'''ー─----､
　　　`ヽ　　 `､　　.::::＼:::::::::::::::|:::::::::　/,,　　　,. ‐;''
526 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:42:24.73 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年２月　魏　雍州　祁山】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _∠^ヽ､　　　 _／;:;:;:;ヽ-､
　　　　　　　 _,､_　　　　　　　　　　 _,／:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ="´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、_
　　　　 _,-＜;;;;;¨｀~＼._　　　　　 ,-､.,ｨ　　　　　;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、
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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.二月、諸葛亮率いる蜀軍が、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.魏軍の部隊が駐屯する祁山を包囲したとの一報が入った
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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528 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:45:31.71 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　×街亭
　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧
　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧　　　　○略陽　∧∧∧
　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【略陽郡】∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
【西平郡】　　　　　　││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
　　　　　　　　　　　　││○狄道　　　　　　　　　　　　【南安郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　▲鳥鼠山_____　　　　○豲道　　　　　　　∧∧∧∧　　　　陳倉
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　　　　　　______ ＼___________________________________　∧∧∧∧　 ○
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　　　　　　　○.＼__________________________________　＼______________________________________
　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　陽谿　　　　襄武　　　　　　　　○　　　　○　　＼_______________________________________
_____________________　　　　　＼＼　　×　【隴西郡】　　　　　　　　冀　　　上邽　　　
_____________________~＼_______／.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【天水郡】∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧
　　　　○　　　　~＼________／　　　　　∧∧∧∧∧∧∧　　祁山∧∧∧∧∧∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧　箕谷
　　　洮陽　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　▲ 　　　∧∧∧∧∧∧　×　∧∧∧　　∧∧　　　　
　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　／／　　∧∧　　　散関　∧∧∧∧∧　×∧∧
　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　∧∧∧∧∧　　　　　　|　|　　　　下弁　　　　　∧∧∧∧∧∧斜谷　∧
　　____________________________________________　　　　　　　　　∧∧∧∧／／　　　　○　∧○　　　∧∧∧∧　　　　　∧∧
　　____________________________________________＼　　∧∧∧∧∧∧　　 |　|【武都郡】　　　河地　　∧∧∧∧（褒斜道）∧∧
　　　　　○　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　|　| ○武都　　∧∧（故道）∧∧∧　　　　∧∧∧
　　　　沓中　　　∧∧∧∧∧∧∧　　　＼＼　∧∧∧∧∧　　＼＼　　∧∧　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　∧∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　..＼＼　　　　　　　∧∧　　∧漢城∧　　∧∧　　
　　　　　　　　　【陰平郡】　　　　　○陰平　　＼＼　　　　　　　　　.　|　￣￣＼　.∧∧∧×　　 ◎_____________________
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___________|　|___　　∧∧∧∧　~~￣￣＼＼　　　陽平関　______________________

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　祁山は隴西地方を一望できる場所にある。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.諸葛亮は第一次北伐でも祁山を狙っており、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.その際は不意討ちもあって、祁山は容易に蜀軍の手に落ちている。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.しかし、魏側も同地の重要性を理解しており、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .街亭以後は重要拠点として防備を強化していた
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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529 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:47:31.21 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _∠^ヽ､　　　 _／;:;:;:;ヽ-､
　　　　　　　 _,､_　　　　　　　　　　 _,／:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ="´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、_
　　　　 _,-＜;;;;;¨｀~＼._　　　　　 ,-､.,ｨ　　　　　;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : :/:: : : : : : : : : :: : : :l: : :ハ: : : : ヽ: : : : : : :.:l!　　 !}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.'.:. : : ,' : : : : :,／: : : : : : : l: :.:/:: :: : : : :.:!: : : : : : :|:　　 !}　　　　ｨ'"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' .:./: : l: : : :. / : : : : : : : : ｲ: :∧:.ヾ／: : ''! : : : : : :|. 　　!}　　イ:! ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: :' : : :.l: : : :.' : : : :/: :,／　'::/　 ,イ!＼: :.:.l: : : : : : :!　　!} ／: : : | :::: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　|:.l!: : : :l: : :. ! : : :/::ﾚ' 　　j/ ,／, =ヽ=､-､l: : : : : : !l /　!}:..! : : : :.| :::: ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:ﾊ: : : :l: : : | ､_::／　　　ﾅ "　　!っ::::r ! ' i: : : : : :'｡ =　!}:.:!: : : : :|.／::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l!　' . ::∧:.:.:|/_´.二_　／　　　ゝ.｀´ノ　ﾉ/: : : / lj ヽ. !}.:.| : : :／::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ: : ＼l!`　 f't:l　　　　　　￣　 /ｨ : : , ′　　 !}: :!,:／:::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V!: :!: ﾊ　　ゝ'　　　　　　　　　　/, イ　　　　_/,.ィ:::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＼ﾄゝ　　　ヽ　　_　　　　　　'　　f!　ィ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾊハ　　　　V　ヽ　　　　,.. ' ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧:::ヾゝ､　　　ゝ_ノ　　／:::::::::__::::::__:::::::_:::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/_ﾊ:::::::L.　 `　､　　 ..／::::::::::'´::::::::::::::::::::::: `ー-- ＜

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　このように回を重ねれば重ねるほど、北伐は困難になっていた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.つくづく街亭の失策が悔やまれる
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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530 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:48:23.62 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　北地郡】

　　　　　　　　　　　　　　　_,　---　､
　　　　　　　　　　　 _ ／　　　　　　　　`ヽ、
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　｀ヽ、
　　　　　　　／　/　 /　　　　　 /　　　　　　　　＼
.　　　　　　 /　 /　　|/　　 |　　/　　　　　ｉ　　　　　',
　　　　　　 |　 /　　｣|_　/　|　 /| ﾊ　 |　ｉ |　　 |　　ｉ|
　　　　　　 |　 |　　　|　＞く|　|　|| |　/|　|レｒ‐　|　　||
　　　　　　 |　 |　　　| ＞ﾃ‐ミﾄ､_| | /,.ｨ/　乂　 |　 /ﾘ
　　　　　　 |　 |　　　| ` {ﾊｒｲ}　　 |/´ﾃ代}∨ィ/　/　　　　　　　せっかくだし、
　　　　　　 |　 |　　　|　　´￣　　　　弋ｒﾘ　从イ　　　　　　　　顔見せに来てあげたわ。
　　　　　　/　 |　　　ﾊ　　　　　　 `　　　　 |　 ∧　　　　
　　　　／　　 |　　　ﾊ　　　{ｔｰ- ,x 　　　ﾊ　ｉ　＼　　　　　　　別に進物いっぱいもらったからとか、
　　／　/　／|　　　　ｉ＼　　￣　　　, ィ´　　 |　　＼　　　　　.そういうわけじゃないから変な勘違いはしないように
　／　／　 /　 |　　　　　ｉ|｀　､ _　ｒ '　/　　　　|　　　　＼
/　／　　 /　 /:ﾍ　ｉ　　　＼___　　|ーｲ　　　ｉ　　　　　 ',　　　来月になったら幽州へ行く用事あるし
／　　　 _|＿/::::::| ｒ┐　　　 ∨ﾊ / /Ｖ|　　　　　', 　＼　　 |
　　　　/::::ｒく:::::/＾{　|＾ｖ　　　 `く√ヘ,_|　　　　　＼　＼　|
　　　 /::::_｣ｪＶ　 /　|　|ﾍ＿_____,}Ｖく／＼　　　　　＼　＼
￣￣/¨´:/-/　 /　 |　|　|　　　厂∀‐- ､_＼　　　　　_＞く＼
￣.√:::::〈 '´　　　　/　|　{　　 ./::::::∧::::::::::::::` ト､,ｒ＜_｣　|ヘ　}>┐
　 /:::::::::∧　 '　　　　　　|　／::::::::/　|:::::::::::::::::|　/√ _,ﾉ､ | ├くｉ /
　 |::::::::::::/＼　　　　　／／:::::::::::/|| ∧::::::::::::::|　| ｉ　ｲ　Ｖし{_/リ

鮮卑　大人　軻比能

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .しかし、諸葛亮は何もしなかったわけではない。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.彼は祁山を包囲すると、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.鮮卑の大人軻比能に使者を送り出兵を要請している。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.この軻比能、諸葛亮の要請に応じ、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .一応は長安北方の北地郡に姿を見せたのだが……
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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531 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:49:46.08 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年４月　魏　幽州　薊】

　　　　　　 /　　　　/　　　　＼ヽ　　ヽ　ヽ
　　　　 //　 /　∧　　　 :.　＼＼　 :.',:.. ',
　　　　//　: {　/:.ﾊ　:l:.　ﾄ;.: |l_ﾊ_:| 　 :.:l:.:. l
　　　　　ｌﾊ　从丁≧ｭ､}:.: 厶斗矛廾　 :.|:.:. ｌ
　　　　　ﾚ' ヽ:|:.:} ,仟:r'} j／　之:ﾝﾞ　| 　 .:.|:.:. ｌ
　　　　　　　ﾄ-ゝゞ'´ ' ＿_　　　 | 　 .:.|:.:　',　　　　　　　　　　　王雄！
　　　　　　　 / | ∧　　 f'ーヽ　　 ! 　 .:.ﾄ､　＼
　　　　　/　.|　ヽ　ヽ　_,ﾉ　　イ　　 .:.|:.}:. 　　＼　　　　.　　　　約束どおり名馬を献上しに来たわよ！！
　　　　／　 |　　 :.:＞、_,. ＜ |/　　　.:.|:.:',:.:.　　　＼
　　　／　.:.:.:ノ　,z=＝|テ廾ァ､／　　.:.:.:/＼＼:.:.:.:.:.　｀￣｀ｰ- ､
　　／.:.:.:.:.／　〃.:.:／{＝／／＼.:.:.:.:／:::::::｀ヽ＼:.:.:.:.:.:.:. 　　　　ヽ
　 / .:.:.:.:／　 //{／!::::::レ'／　.:.:.:＼/::::::::､:::::::::}:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:. 　　　〉
　〈　 :.:〈　　 /∧|::::::ヽ:::::〈　　　:.:.:.:./＼:::::::::＼:::ｌ.:.:.:.:.　　　　　　　　　　　　　／彡三ミヽ川//∠三＼＼
　＼人.　 /7ﾞ　＼::::::::::::ヽ　　　:.:.＼::ヾ!:::::::::::ヾ､__:.:.　　　　　　　　　　　 ///　　　 __`-‐ "　　　ヽ_ヽ:.:.〉
　　　/::::::ヽ//　　　＼:::::::::::＼　　 :.:.:ヽ;||:::::::＼::::::::}:.:　　　　　　　　　　　　'彡{　　　 -､｀´__　　　　{＼|./
　　{::::rｰ// .:.　　　 ∧:::::::::::::〉 :.: 　:.:.l:||::::::::::::＼:::l:.:　　　　　　　　　　　 ,ﾚ／〉　　　 ,.ｨ ,´　　　　ﾉ＼{{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ｲｲ_ｒ‐≦三く}_{≧＝=‐.､ヽヽ〉、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ十{ ´‐^ﾆ｀ｿ｀｛´=^'ﾆヽﾄ､ﾄ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{∧l　ゝ＿_ ｲ　 l＼　　/｀iｿ^l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ八　　〃(,、 ,､) ヽ￣　 'ﾑ |
　　　　ん？　ああ、そこへ置いてけ。　　　　　　　　　　　＿_　　　　　　ヽl ヽ　 l　＿＿　 l　　 /ﾚン
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽｒ｀､､　　　　　ゝ　　ｨﾀﾞ二二ﾞヽ　　'´厂　　／ニニ二二ｱ
　　　　つーか、ツンデレだかなんだか知らんが、　　　　　VV　｀　ニニニﾆﾄｙ'／　　　　　　ｲニニﾆ／　　　／／
　　　　あんま調子乗んなよ？　　　　　　　　　　　　　　　　 VV　　　　　 .へK.へ.　　　　　　／　ﾚヽ　　　　 , ,　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　VV　　　 /　　＼　｀ ――‐ ´　／　　＼ /　　//
　　　　てめぇの行動は全部筒抜けだぞ　　　　　　　　　／￣ VV　　Ｖ　　　　＼　　　　　 ´　　　　 /　Ｖ/⌒ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‐／　　　　 VV　∧ 　　　　＼　／　　　　 / 　 //　　　　Ｙ⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＼　丶　　　　 , ﾞ´　　　　　　／　,　,　　　　　　|
魏　幽州刺史　王雄

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　彼は翌月になると幽州の役所に出向き、名馬を献上していたりする。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.本気で蜀に協力するつもりなどなく、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　魏と正面切って戦う意志もなかったらしい
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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532 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:50:31.21 ID:SG.vAtoo: 　　　　＿＿＿
　　／　　　　＼　　　　　　＿＿＿
　／ﾉし　 u;　　＼　　　;／(＞)＾　ヽ＼;
　 |　⌒ 　　　　　　 )　;／　(＿　（＜）＼;
　 | 　　、　　　　　 );/　　 /rｪヾ__）⌒:::　ヾ;　　　　よりによって鮮卑族誘い込むとか、
　 |　　＾　　　　　　| i　　｀⌒´-'´　　u;　　ﾉ;;　　　曲がりなりにも漢の丞相が何考えてんだ！！
　 |　　　　　　　　|　＼ヽ　、　 ,　　　　／;
　 |　　;j 　　　　　|／＼-^^ｎ ∠　　ヾ、　　　　　　　こ、こっちが知りたいお……
　＼　　　　　　／ ! 、　/￣~ﾉ　＿＿/　i;
　／　　　　　⌒ヽヽ二)　 /（⌒　　　ノ
　/　　　　　　　r、＼ / 　./　￣￣￣/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=ﾆｧ: : : : : :／: : : :/: /: : : : :､: : : :｀ヽ: : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,: : : :〃: :/: : /: │: : : : :lヽ: : : : ﾊ: : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 / / : : //: :/: : /: : │: : : : ::|: :!: : : : i|: : l: : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ｲ : : : l |: :│: :j : : ∧: : : : :l: :|＼: : ｉ|: :│: : : :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/ |: : : :| ｌ: :∧: :ﾊ: : l　 '.: : : :ﾊ j　ヽｉ|: :│: : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ││: : ｌ|│ﾅ下/-ヽ |　ヾ: :/_ﾑ'― 弋|: :│: : ! j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j. │: : |i　V ,ｨテ圷､ヽ　 ∨ ｨチ示k　l: : ﾄ: : Ⅳ
　　　同じ頃、かねてより病床にあった曹真が逝去した　　　　　　　ヽ: : | 　ﾊ` Vf:::::i}　　　　 Vf:::::i} Y|: : ﾑ N
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ |ﾍ i l　ゝー'　　　　　 `ー''　ﾊ!: :,) }i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀l: :ヽﾑ　　　　 ' 　　　　 /:/: :ﾙｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　 ', : : |ﾍ､　　　　 ‐ 　　　ｨ' /: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: :ｌヽ＞,､　　　　　イ/７: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼!　Ｖ厶|＞ｰ＜ﾚ_'/ /／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '´/ノ　　　 L､／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-' 　 |　___.＿　　　|　`ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..-‐'´　　　 |´　　＿｀ｰ<|　　　｀ｰ､_
533 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:52:13.02 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年３月　魏首都　洛陽】

　　 /　/　　　　　　i　 l　　　i　　　',　　　　　　　　　ヽ　　 i
　　 ,'　,'　　　　　　 l　 l　l i　l ',.　　　',　　　　ヽ　　　　　'.,　 l
　　.i　ｌ　　　,'　　　 l　 l　l .l　l', ', 　　 ',　　　　 ',　　　　　',　l
　　l　l　　　.i　　　　l　 l　l li　l ', ',ヽ　　 ',　　　　',　｀‐､　　', l
　　l　li 　　l　l　　_l_',__ｌ__l l', .lヽ',_',_ヽ＿.',ヽ＿__ ',　　　｀‐､ｲ　　　　　　……陛下、父上が亡くなった
　　l　l ',.　　l　ｌ　　ｌ　', li l', l ', l　ヽ､　＼ ', ヽ　', .','´｀ヽ＿/;' ヽ
　　 ', l. ',　　l　l　　l, r‐ｰ､.',.ｌ ', l　 , r‐ー- ､　ヽ ',. ', ヽ l　/ﾉ　　',
　　　',ｌ　',　　l　l 　ﾄ ';::しｨ ', ヽ､　　l:::::（_,.ｲヽ　l',iリlｿ　l,プli 　　',
　　　　',　'.,　 li ﾄ､　l', ';::::::l　　　　　 l:::::::::::;!- ､ l　　l_ノ　　ｌi',　　 '.,
　　　　　 /ヽ　l',! ヽli （　）'　.......:::::::....L::::::（.＿ﾉ.l　　l__　　　 ll', 　
　　　　　/　　ヽ ', /'.,　ﾄ､:::,-'´￣｀ ‐.､::￣ O::／l　　l/l 　　　ll',
　　　　 /　　　　 /　○l　/ ￣￣ヽーく　 , -'´o l　　lハ-ｰ　
　　　　/　　　　 /　　l　l/　￣￣｀‐､　＼＿ o｡ l　 l　ﾉ　
　　　 /　　　　 / ／/「/　　｀ ‐､｀ ‐┘ 　＼ lヽ l ノ　　　　　＿＿＿∠　　／　　　　　　＿　＜:::::::::::_::l　　　 :.::::〉／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::::::::::::_:::ヽ'　　　　　　 ´　　｀　､ﾄ::::::/:j::k　　　 v'
魏　曹真の子　曹爽　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ＼:::::::::/'´ / 　　　　　　　　ヽ7:::::::::i　　　　ﾄ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞:/// i /jﾐ､　 ,　ｉ　　i i i　 l　 /:::::::::/ﾄ　　　 i::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::i i ｌ　|ｉ |トヾ〃ハi　　| i iﾊﾄ､ﾊ￣}ｉ::/　 i　　 i'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　｀ト::::i | |il |ｉ ||　　　　 ||ﾊ i| i i|　| ﾊi|　　 |　　 |　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ∨ | |il |ｉ ||　　　　 |l　l ｌﾊ｜ l|　}|フ彡｝　　|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　i　|小 |i |i　　　　┼‐リ‐}ﾉ‐┼　　彡ﾍ. 　 |　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　i　　 ∧>‐''"　　　　　＿＿,,.　　　 i　i　　|　　 |
　　　最近、一族の人間が立て続けに死んでるわね　　　　　.|　i 　 / ∧､__,,.　　　　　　　　　　　　/　i　　|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ｉ　/ / ハ　　　　　　　　　　　　 ,トイi　　|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　i / /　　　､　　'　　　　　　　u　 / |　i l 　 l　 i　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|〃　　　 i 　｀　 .　　 ⊃ 　　／　.|　i l 　 |　 i　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|′　　　 | 　　 i　｀　　 __　　 ´　　 L i | 　 |　 i　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ 　　 | 　　 | 　 ┌L ___　　-─┘　| 　 |　 |　l

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　大司馬曹真の死……
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.先年の曹休に続く皇族の重鎮の死は、魏にとって重大な損失となった
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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534 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:53:55.51 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　,.r/´_￣｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　,,.-''"＞－/´　｀ヽ‐､/7ヽ
　　　　　　　　　　　　 N´　フ'` ‐-‐''"´｀`ヽﾄ､ヽ　〉
　　　　　　　　　　　　ヽ>'　,　 ,　 /l　!　　ヽ `ヾ!/r､／!
　　　　　　　　　　　　,./　 /　/ｌ /　ｌ/l　/l　　ヽ、∨///　
　　　　　　　　　　／/　　l /!‐=ヽ　 l/__l　 ! 　 i7//ｼ___
　　　　　　　　　　 `７　/　,'!liゝｒミ、　 ___｀ﾒ　 ,'/ﾆイ／‐ｧ
　　　　　　　　　　　,' /,'　//`!`'ｰ'　　　'T７ヽ　∧‐＜ﾏ￣
　　　　　　　　　　 !/-!　/彡 >､　､'__　｀7/´ /ｌヽヽ--`、　　　　　　　先に死んだ曹遵と朱讚の息子たちに、
　　　　　　　　　∠/＝! /　〃〉､/>, - ‐/' ／∠｀( ヽ　｀''- ,,_　　　　　私の領地を分けて与えたいのですが……
　　　　　,,.-''"´　　　!/彡/oヽ/〉ｲｌｌ／／/o__o｀!フ　ヽ、　　｀'' - 、　.
　　　／　　-''"´ 　 /／＞"(/ Ｙ／ '/=ｧ‐‐-､､/_｛　! 　ヽヽ　　　　　彼らは親を亡くし困窮している様子、
　　／　／／__ ____,,..-‐‐-.､,...‐'''""￣｀)!　　:::l／　 !　　ヽヽ　　　　.生活の足しにしてもらえれば……
　/　／／　>/´　(:::::::::::::::::::::::::::::::;;-''":::|｀ヽ__:::! 　　 !　　ヽ　ヽ　　　
　/ ./ ／／< / ／ヾ::::-::;;;::::::::;;:-''::::::;;-''´ ヽ、｀ヽ、　 i 　　　 ',　ヽ　
,' / / /　∠-‐'''"￣｀ヽ:::::｀Ｙ:::::::;;-'' /　　　　_｀_''_‐ 、 ! 　　 ! !　 ',　
!/ /,,.-'';;;;｀ゝヽ、　　｀ヽ､ヽ;;;l;;;／／　 ,,. ｚニ --ヽ-ヽ＞、　　ｉ i　　! ',

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　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　. 曹真は偏屈な者ばかりの曹一族において、例外的な人格者だった。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.彼には曹遵と朱讚という同郷の友人がおり、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.一緒に曹操に仕えていたが、二人は若死にしてしまう。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.そこで曹真は二人を悼み、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .自分の領邑を割いて二人の息子たちに与えてほしいと願い出た
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
535 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:54:48.40 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_　 ,. - ､／|
　　　　　　　　　　　　　　　　,、 __,. -ﾊi:i:i:ｉY三ミ､＼|
　　　　　　　　　　　　　　 /／/::::: -ミi:i:i:iﾊ:::ヾﾐ:::::
　　　　　　　　　　　＿∠ア::::r'´:::::::ﾍ＼ヽYi:i:＼:::::::
　　　　　　　　　　＼i:i/::/:::|iヽ:ヽ::::::!::::',:ヽVi:i:i/ﾍ::
　　　　　　　　　　　　 /::::l::ｌ::|'´ヽ:l:',::从Njﾊﾘヽ/::|:::!
　　　　　　　　 ∩.　l:::l::l::ｌ::ﾄ､　ﾘｌﾊ 'ｫf乏i>　ﾐ:::|:::l
　　　　　　　　 | |　 l::ヽ从lミ　　　ゞ'′　{ﾚ:|::::!　　昔、叔向は孤児を養育して、
　　　　　　　　 | |　ヽN:::l:::ヽ⌒ｊ　　　　　　/ｌ:/:::::　　. 晏嬰は昔からの約束を忘れなかったけど、
　　　　　　 _r 7 ﾊ.＼　　 |::l::::j::ﾊ　ｔ.:::ﾌ　　ｲ:l/:/:/:　　曹真は彼らと同じ仁愛と誠実さを持ってるわね。
　　　　　〈〈ヽ弋ｉ　｝　 |ﾉ::〃:::l＞...、_ ／__l/:/:/l::　　　
　　　　　　 V Y　　/ 　 /:://,. ┴‐- |｀¨´:／:/:/:ﾉ::
　　　　　　 {、l__,. ｲ　 /::/／: / : : o : :／:／:/':,. -　　　君子たる者は他人の美徳を完成させるのも役目のひとつ！
　　　　　　ｌ: : : : :ｌ、　l:::l/: :,ｨｉ: <＼／:::/::::/::/: : :
　　　　　 l : : : : : | 　∨／: : ／イl::/:/::::/l::.{､ : :　　　よって、曹真の申し出を許可します！！
　　　　　ｌ: /: :/:,i:| 彡/､_:_:_〈／ : Vｌ:::l:::::{{､ヽ)): :
　　　　　　 V: : : /l V: :ﾊ::::::::::::｀ヽ､: :j/ﾉ:::::)ﾊ斤三=
　　　　　 l: : :/i:l: :〉､{i{ヽ:::::::::::::::::: ('〈::,.ｲﾑｲﾆ三三
　　　　　 l: : {i:i:l: i} : :Y:::::￣｀丶､:::::::ヾﾆｱ ´::/ l:::l
　　　　　　 l: : Vj' /: : /l::: : : : : : : : ￣..:::::::::／ :::ﾄ､l
　　　　　　　V{: : :/ ／,r{､: : : : : : : : ...:::::: イｌ:::ｌ::ﾉ::::)
　　　　　　　ヽ_:_／　ﾊヽﾐ､: : : : : :- ''´,.ｲ| :l,. -‐─

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　この曹真の行いを、曹叡は詔勅において賞賛している。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.曹遵と朱讚の子は百戸を与えられ、関内侯に取り立てられた
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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536 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:56:19.48 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　＿＿＿_／　　 _ノ　　＼
　　　／　　　 |　　　（ ○）（○）
　／　　_ノ　　 |　　　　（__人__）　　　　ちなみに、叔向と晏嬰は春秋時代の晋と斉の賢相ですね。
／　　（●）　　|　　　　（　　ヨﾉ　
|　　　　（__人__,|　　　ﾉ　　厂}　　　　　彼らにも面白いエピソードが……、ｳｸﾞｯ！！
＼　　　　｀ ⌒´.ヽ　／　／　 }　　　
　/ 　　　 ―――' 　_／　　ノ　　　　　　　　 .杜預さんに春秋ネタ喋らせると
　|　　　 ―――┬ ´ 　　i;;三三ラ　　　　　　１スレ埋まっちまうから黙らせとくお
　|　　　　　　　 |　　　　 ,i;j：|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　　　良い判断……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　
　　　　　曹真は配下の将兵にも寛大であり、　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　
　　　　　軍内での褒賞が不足した場合などには、　　　　　　　　　　　　　　　　　`ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　
　　　　　自腹を切って褒賞を与えていたりする。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　　故に配下の将兵の人気も高かった　　　　　　　　　　　　　　　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |
537 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:57:48.75 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年頃　魏　雍州　長安】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ" 　"''"　 "ﾞ"　　ﾞ"/::ヽ＿＿＿＿ヽﾞ"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ" ﾞ" 　" 　ﾞ"''　ﾞ" |ヽ/::　　　　　　ヽﾞ''"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ" 　ﾞ'"　 "ﾞ" 　ﾞ"　.|:: |::: 　　　　　　　 | ﾞ　"　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ"　ﾞ　ﾞ"　　ﾞ"''　 |:: l:　　　　　　　.. | 　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ" 　ﾞ"　　　"ﾞ"　ﾞ"|: :|:　　　　　　　 .|　　''ﾞ"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ" 　ﾞ" 　ﾞ""'"Wv,＿|:: l　　　　　　　　.|､wW"ﾞ"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ" ﾞ"''"　 ".wWWlヽ::'ヽ|:::::_::＿＿＿___:.|::＼W/　ﾞ"ﾞ''"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"'' ﾞ"''"ﾞ"　　V/Wヽ`―――――――――lV/W　 "'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ""'　ﾞ"''"　 "ﾞ"WW''―――――――wwww' 　ﾞ"ﾞ''"

　 |＼＿／￣￣＼_／| 　　　　　
　　＼＿|　▼　▼ |_／　　　　　
　　　　＼　皿／　　　　　　よし！　碑文の内容はこんな感じか
　　　　　（　∪ ∪　　　　　　　　
　　　　と＿_）__）　　　　　　　 .

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.曹真の任地だった雍州の官民は、彼の遺徳を偲び石碑を建立した
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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538 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 22:59:24.67 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
ﾄ､　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　 ,:ｲ　　　　　
|　＼_＿＿/　　＿＿＿　,,),,) ＿＿＿　ヽ＿／　|
|　　　　 ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/　　　ヾ::::::::::/　　|　　　/　　　　　曹真将軍って、戦は強いし人格者だし立派な人でしたね
＼　....::::;;;;ジ:::::::　ヾ;;;;;/　　　　ヾ;;;;;/　　 |;;::. シ
　￣￣￣|:::::::::::::::::　　i￣i￣i￣i　　　　　|￣　　　　　　　
　　　　　ヽ:::::::::::::::::::￣￣￣￣￣　　　ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´￣　　　￣｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　そうだな。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　　 /　　　　　　　　　　＼　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　l　　　!　　,ｨ ,ｲ !　　ﾄ､　ヽ　ヽ　　　＼
　　　我々にできるのは将軍の事績を後世に伝えるぐらいだ。　　　　　　l　　|_／//　| ﾄ､.　|　＼ﾄ　、!　ﾊ ,　!
　　　ところで碑文の内容は……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 !　 _ﾚﾆﾒ<__　!!　ヽ !　　 }l ヽ_｣_!　| ﾘ＼!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ﾍ　　 F＝＝ﾐ.| ／ },, ＝ﾆ二＜ !　!
　　　ふむ。　……蜀賊諸葛亮……、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 〈　 i　　l::::::::::::::::}　　 fセﾌｱ/｢,ﾘ　!
　　　立化柔嘉　百姓恃戴、若卬陽春……　　　　　　　　　　　　　　　|　ゝ i　　l::::::::::／　　　ﾏzｸ　 /ｿ !　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 r=ﾆi_　｢￣　　 '　　　　 /'　　ヽ　　ヽ
　　　曹真将軍の功績と人柄を表しているわけか　　　　　　　　　　　.|　l　　　　┐!　 ‐　-　　　∠ ＿＿.　＼　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ﾑ⊥ _.　　| |　ヽ　　　ィ´　　　　｢|　　＼　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒ ー　､　ー-| |=＼＼t_iｲ!､　　　　　　| |ヽ、　＼　ヽ
魏　文官　桓範

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .この石碑は『曹真残碑』と呼ばれている。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.当時、このように優れた故人を顕彰し、石碑を建てる行為が流行していた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　以前、豫州刺史の賈逵が死んだ際、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.彼を敬慕する官吏と人民が石碑と祠を建てたのが良い例だろう
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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539 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:00:24.51 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　ﾉＬ＿＿＿_
　　　　　　　⌒　＼　／＼
　　　　　　／　（○）　（○）＼　　　　　　　　　.ちょっと待てお！
　　　　／　　　（__人__）　　＼
　　　 |　　　　　|::::::|　　　　　|　　　　　　　蜀賊諸葛亮とは失礼な！！！
　　　　＼　　　 l;;;;;;l　　　／l!| !
　　　　／　　　　　`ｰ'　　　＼ |i　　　　　　　丞相を逆賊扱いするのは許せんお！！
　　　／　　　　　　　　　　ヽ !l　ヽi
　　（　　丶- 、　　　　　　しＥ　|そ　　ドンッ！！
　　　　`ー､＿ﾉ　　　 ∑　l､Ｅﾉ　<
　　　　　　　　　　　　　　　ﾚY^Ｖ^ヽｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ:.:.:.:/-|/|∧:;､:.:.〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ:.:./ ● 　　く!:,:.:..、
　　　　あなたは勘違いをしている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:.:.l　　　　●/:./￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　vﾍ　 - 　ノ:./
　　　　確かに諸葛亮は蜀の英雄。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,-+　匸ﾍ/V
　　　　しかし、魏側からすれば逆賊の首魁にすぎない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　,《　ﾋ⌒j　》、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::＼ l　/∥::l
　　　　ましてや蜀軍の北伐で真っ先に迷惑を被るのは雍州の人々　　　　　　　　　　　 |:::::::ﾄ,Ｖイ:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::l介l:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::::::|人|:::::::l
541 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/07(日) 23:02:16.47 ID:A7tP4Aoo: 書道の資料集に載ってる「大将軍曹真残碑」のことかな？
この碑には情けないようなエピソードがあっt（以下自粛）
540 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:01:07.33 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　 ....:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀.:.:.:...
　　　　　　　　　 ....:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀
　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.｀:.､:.:.:.｀:､
　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:. :ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.ヽ
.　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:ﾊ: :ﾊ:.:.:.',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:ﾍ
　　　　　　　／:.:.:.:..:.ｉ:.:∧:.:.ヽ:.､:. :∨:.ｉ:.:.:.ｉ:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :ﾊ:.:.:.:.＼
.　　　　　 /:./:.:.:.:.:.:.∨:.:.＼:.ﾍﾊ:.､ﾊ:.:|:.:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : :ｉ:.:∨:{｀ヽ
　　　　　 /.:ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.､:.｀: ｉ l!:ﾄ:ｉ :ｌ:.:.:.|:.:.:.:ｌ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :!:.: :',:ﾍ
　　　　 ./ '　ｌ:.ｉ:.:.:.:.:ﾍ:.:.:.＼｀ーlハ! ｌ:.:!:.:.:.ｌ.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.: ｉﾊ｀ヽ
　　　　/　　 |:.l:.!:.:.:ｉハー一ィr示㍉:ﾊ:.:/.:.:.γ､:.:.:.:.:.: : :/.:. :ｉ.ﾄ､:.
　　　　　 !;ﾍﾄ､:.ﾊ:.:ヽ　〃八ぅ::} }'ｉ:.:/:.:.: :' ぅ}:.:.:.:.:.:,:./.:.ｉ :ﾊ|　｀ヽ
.　　　　　　 {　 !/.:ｲーﾊｉ　　ゞ'　/;ｲ:./:. :'.:ソ.:.:∧/.:.／}:′!
　　　　　　 / '　!: :! ﾉ　　　　　/' /ｲ:.:.:.ﾊ.:.:.:.:.ｉ :/}.:'　　　　　　　　国が分かれるというのは、そういう事でもある
　　　　　／´　 ; :/　｀ヽ _　__　　　 !:. :'　ｌ:.ｉ:.:.:!/
.　　　　　／　　　/: '　　　　ヽ　　　 !.ｲ　ﾊ:ｌ:.ﾊ!
　　　　　　　　 /:'　　　　 /ｧ‐ ´ ! /' ﾊ＿!:'＿
　　　　　　　　　　　　／´　　　ｌ.'　.:´: : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　／ : : : : : : : :.:.人　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　 x―.／: : : : : : : : : : : .:.:.:.≧x....＿...x≦: : :｀: .､
　　　　　　　　　　 /:.:／: :＿.: :　- ― -　､―: : : ´: : : ＿＿: : : : :.＼
　　　　　　　　　　　　 /／.　 ´　　　　　　ﾊ￣￣￣　　　　　￣￣
　　　　　　　　　　 /'／　　　..:.／　　　　:. 　ﾊ
　　　　　　　　　／/　　　　　:.′　　　　　:.　.: }

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 _ノ ''　'ー　＼
　　　……もうひとつの、立化柔嘉　百姓恃戴　若卬陽春ってのは？　　　　　／　　（●）　（●）　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　（__人__）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　｀ ⌒´　　　／
542 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:02:17.23 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　,i' ,;:;:;:;　 ,:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_
　　　　　　　　　　　　 ,! ,:;:;:;:;:;_,; - ‐'"~ヽ.ヽヽ､＼ ` - ､　　　　　　　　ﾞi
　　　　　　　　　　　　,! ,:r''"!.　 !|| .|ﾞi |　|　ト､ヽ `､　＼　` ､_　.{〕　　　ﾞi
.　　　　　　　　　　　ﾚ'/ ,i' .l!　 !|.| | ﾞi　|　,|　ヽヽ `､　＼　ヽi ヽ､　　　　ﾞi
　　　　　　　　　　　/ / ,l! .l!ヽ .l!| ｿ.　ﾞi|　/-‐''ヽ. 　.} }　　`i　'i　| ヽ.　　　ﾞi
　　　　　　　　　　,ｲ　　,l! .l!　ヽ|｀　 _,-ﾞi,/_,. -=-ヾ. .| .!　　 |　 |　|　|　　　　ﾞi　　　〈〕
　.　　　　　　　　/ |　　l!| l!　　　　　　フ"　　　　 V　 |　　 | 　|　|　|　　 ,彡|
　　　　　　　　　|　| 　 l! !|'"´ﾞ` _　　　　　　　, ー ‐-, ,! 　 i 　 |　|　|　　彡|　　　　 _,,＜ﾌ
　　　　　　　　　!.　ﾄ､ l!　l|ﾌ￣`　　　　　／,; =≡='z'| 　.i' 　 !　i'. |　　 .／＼_,, -'"　　ヾ
　　　　　　　　　|.　| .|`　| ﾞi　＿　　　　‐-,;/ 　　　　.| 　i' 　 |　i' .!　／　 .／l ! ヽ＼　ヽ＼
　　 ,　　　　　　|　.| ﾞ!.　|,','ﾞi'" _,,_`　　　　　　　 //　 ,!　i' 　 |　i'|〈-'"　 .／＼ﾞl !ヽ　ヾ　ヽ　ヾ
　／|　　　　　　ﾄ . l! !.　| ,'､_,/"`ヾ;　　　　　　　　　　j .,i' 　 / .,!l!|:|` ､／＼　＼ﾞl !ヾ＼　＼　＼
　|／／}　　　　　| `l l!ヽ.|/,' ﾞi.// ノ　　　　　　　　　　ﾚ'/　/　/〃/l!|ヾ＼　ヽ　　ﾞl !＼ヾ　　＼
.　／,／　　　　　ﾞi .｀.|! `|// ﾞi　ヽ､　　　　_,.　　　　　/／　./ j||/ﾐ.l!|ヾ | ヾ　＼ヾﾞl !　ヾ　ヽ＼
　|／／ヽ､ ┌;　　ﾞi.　 |!　|,'/,',j　　　 -‐__´　　　　　　' ./　/　|/|,l!| l!| ヾ|　| ＼.ヾ　ﾞl !＼＼ヾ
　　<／>　> | |　　ﾞi.　|ﾞi　|!|,'/＼　　　　　　　　　　　　/／　　|l!|,l!| ,l!| ヾ　|　| ヾ＼
　　　く／　 L!　　ﾞ､ | ﾞi .|!|ヽ .i! ` - _　　　　　　 _,;-"　　　　j,|
.　　　　　　　{_}　　　　`　ヽ!l!|ヽ iヾj|　|!｀ ‐ ...__, イ<,,;/　 _,,;-'"
.　　　　　　　　　　　　　　ﾉ/,'ｼ　｀ jl |!| ||i|// _,.}lv!!<-‐'",,;;;;;;;;;
..　　　　　　　　　　　　　/.'//　//,',l　|! | ! ／ｴ,ｲ~|i `.､;;;;;;;;;;; -
.　　　　　　　　　　　　/, // , / ,' ,l　|!/. <.ｲ// } ;;!| 　 >''"~
..　　　　　　　　　　　//　/,.'/ ,'　,! |!//l!. `､/　}_;;!.し"

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　『立化柔嘉　百姓恃戴　若卬陽春』
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　化を立てること柔嘉にして、百姓の恃戴すること、陽春を卬ぐが若し
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.人を穏やかに善へと教化する事に優れ、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　人々が曹真を頼み戴く事、陽春を仰ぐ如し、というような意味合いである。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .曹真という人は、それほど人々に慕われていた
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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543 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:04:14.02 ID:SG.vAtoo: ―　こんな話を聞いたのですが？　―

　　/ | l | l　!　　/ !ｌ !　 | i! 　 !! !',　 ',　　
＿/　l | | ! .|　 /ｌ| !! |　 | ll 　ｌ| | i 　 !
- '￣ヾ　`　レ'　ij lｊ ,!＿!_ll_　 !! i! !　 l
---､　　　　　　　　'´ 　｀ヾ /　il! ｉ　 |
示iミ、　　　　　　　;;ﾆﾆミ　 l　 ii |　　 !
:::７　　　　　　　 ´ｆで_|　ﾁ/　,'　ｉ　　 |　　　　　　　　　はい？
='-　　　　　 ,　　､!:::::ﾉ,. '/7 ,'　 ! 　　!　
　　　　　　　ｉ　　　￣｀ //./il　 l　　 ll　　　　　　　　　.私が呉質殿の邸で暴れた？
　　　　　　　　　　　 ///　!!　ｌ　　 l '、
ヽ、　　｀''ー‐'' ｃ°,.イイｌ　 !i　l　　 l　ヽ、　　　　　　.そのような事実は一切ありませんわ
　　`::.､　｀¨´,. -＜ｌ|　! ! !l　 !.ｉ l　　 !ヽ　　ヽ、
____　 ∧`爪ヽi　　 l、 ! ! !l　i　!i 　 ,'　　ヽ、　ヽ、
　　∨ !ｉ´!ヽヽヽ/　∧r''"´￣i l!　 ,'　ヽ、　ヽ.　　ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ=ー――- .,_
　 ./　,' ! .!ヽヽ　ヽ　i:::ヾ/777　　　　　　ヽ　　',　ヽ.　ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　丶.
　/　/ /　i　} } 　 } ﾉ:;r' 　_ノ　　　　　　　　　 !　　!　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 /￣　　　　　、　　　　　＼
ヽヽ_______///ヽ__/／'´￣　　　　　　　　　　　,'　　,'　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　/　i 　ﾊ　　　ヽ、　　　　　ヽ
｀ヾ! 　　 | | |／　//　　　　　　　　　（∴::)　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　　　　　　　|　i　 / iヽ　　　　|　　|　　　Tゝ
　　＞'' ´￣￣__｀ヽ　　　　　／彡ﾂ彡ﾂ彡ﾊﾊ＿__ 　　　　,'　　　　嘘つき……　　　　　L　i ハメ´＼　｀T丶Li　|　ゝ
／　　　　　 __　У　　　　.｛~~~~~~~~~~~~~~｝　　　｀ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i ━━　　｀' ━━　YVi｀
　　　　　　　___У 　　 ,. -''"´!;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,!｀`''-､　　ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　（ j　　　　　　　　　　 /ソ
　　　＿__＿_ノ　　　（　　（　.!;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;;,;,;,;,;!　）　）｀ヽ､__)　　　　　　　　　　　　　　　　　7ヽ　　～～　　　人
　／´　　し'　　　　　　` = ､ _＿＿＿＿＿＿_,,. =＜＿ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　レ' ｀ー┬┬一7´‐ゝゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣ヽヽヽ--'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/=ii |　」iiヽ、

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .そんな一見聖人君子のような曹真にも変わった逸話がある。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.彼は日頃から太っていたのを気にしており、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.呉質の邸で催された宴席で、呉質お抱えの役者に自身の体系を揶揄され、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　これに激怒、呉質と喧嘩になった事があった。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .誰にでもコンプレックスのひとつやふたつはあるのだろう
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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553 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/07(日) 23:21:54.77 ID:egG/oLMo: >>543
鏡を見ては叩き割ったって人もいますしねえ＞コンプレックス
544 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:05:24.29 ID:SG.vAtoo: 　　　　＿__/_:_:.:.:.:.:.∠_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_:_:_:.:.:.:＞- ､/:.:.:.:.:.＼＿__
　　　ヽ::::::::::､_::＞:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:<´::::::::､:::):.:.:.:.:.:.:ヽ::::/
　　　　＼::::::::/.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼::::::::Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨
　　　　　＞'　.:.:.:.:.:.:.:.:.y､:.∧:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:`ーｧ:.:.:.:.:.:.:.:.:.: }
.　　　　/::,':. .:.:.:.:.://:./ｰv-､! :.:.:|:.:.:.| :.:.:.:.:|∨|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ﾄ､
　　　　 /::::|:.| :.|:.:.//:./:|　　　|;ｲ:.:}:.:.:||:.:.:.:|/::::::| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:::>　　　.曹真は忠義を踏み行い、、
　　　￣ｫ_|:.∧:.|从:{ﾄ|　　　ﾘ }:/|:./ }:.;ノ}::::::::| .: :|:.:.:.i:.:.:f'´　　　　太祖と文帝の建国の大業を助けたわ。
　　　　 |:.:乂､{:.|ﾃ示ﾐ､　　/,ｨ/ﾃホ≧, /ｲ:::::|　. |:.:.:.|:.:.:|
　　　　 |:.:.|:.ヽﾍ{､代::{ 　　　ﾄ､爿 //　',刃 :.:.:|:.:.:.|:.:.:|　　　　　内に対しては皇族としての寵遇を鼻にかけず、
　　　　 |:.:.|:.:.|:Ⅵ　￣　　　　　￣´　　　冫ﾉ/:. |:.:.:.|.:.:l|　　　　　外に対しては寒門出身の士人に
　　　　 |.:.:|:.:.|:.:∧　　〈　　　　　　　　,､_／:.:l:.: |:.:.:.|:.:.ﾘ　　　　　思いあがった態度をとらなかった。
　　　　 |:.:.}:.:.|:.:|:.:丶　　r‐ ､　　　　　ｲ:.l:l:.:.:.:.!:.:.|:.:.:.|:.:.|
　　　　 |:.:j:.:.:|:.:|:.:.:.:.:＼　｀　　　＜ |_:|:|:.:.:/:.:.:|:.:.:.|:.:.|　　　　　よく最高の地位を維持して
　　　　 |:/ :.:.|:.:|:.:.:.:.:.:.:.:＞ｪ-‐ ´＿__ノ　}|:.:/:.:.:.:|:.:.:.|:.::|､　　　　努力と謙虚さを人生の規範にしていたと
　　　　 /:.:.:.:.|:.:|:.:.:.:.:.:.:.|⌒YYｬ'´　　　　 {:./:.:.:.:/:.:.:.}:.:.|:ﾊ　　　　言っていいでしょうね。
.　　　　 / : :.:.:.|:.:|:.:_＞‐ '　/__} }　　　　 /:.:.／:.:.:.:/:.:.|:.:.l　　　
　　　　 /:.:.;イ⌒ﾏ//　／¨(衣{´＼　　　 ,.':.／:.:.:.:.:./:.:./:.:.:|　　　その功績を称えて、
　　　 ,.':.:.:/　　 / { ゞ-' ,イ´￣| ＼＼_ ノ／:.:.:.:./iノ:.:./'⌒ヽ　　　.曹真の息子たちを列侯に取り立てるわ
　　 /:.:.:/　 j　ﾚ　＼／, ′ 　|　|´＼_/:/:.:.:.:.:.:/:.:.:.／　　　 ',
.　　/:.:.:/　　|　}　　/　 ′　　｜ |　　 {/:.:.:.:.:.:/:.／/　　　　　'
　　(:.:.:/　　｜/　 /　∧　　　,ｲ　!　　 V:.:.:.:.:.(:/　/　　　　　{
.　　 ∨　　ﾚ'　 /　/　ヽ／　!　| 　　):.:.:.:.:.:)､ /　　　　　 !

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　後に曹叡は曹真の功績を思い起こし、詔勅でこのように記している。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.これにより、父の爵位を継いだ曹爽を除く五人の息子が
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　列侯に取り立てられた
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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545 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/07(日) 23:06:46.95 ID:yizrQk2o: 魏にこれだけ有能な人材が揃っていたのが、曹操と劉備の差なのかねえ
546 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:08:18.23 ID:SG.vAtoo: 　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ_＼　　　　　　　　　だけど、曹真自体は立派な人でも、
　　　／（　●）（　●）＼　　　　　　　息子の曹爽はどうしようもないバカ殿だって聞いたことがあるお
　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　　　　
　 |　　　　　（　（　　　　　 |　　　　　（あの石碑の『蜀賊諸葛亮』の文言は今度長安行った時に削ってやるお！）
　＼　　　　 `ー'　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃､＼　　　　　　　 :.　　＿＿..　-　_´ :. :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′.:　ー---　: 　　　 :.　　 .　￣￣ :.　　:. :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:　:　　 i　:　　:　　　　　:. :.　 :. ､　　:. :.　　}∧ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　 :　 .: l　{　 _|、　　 :　 :. _､ -:　._　 :. :　 :ﾊ:ﾄ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j　 {　 :i l_ ｨ ´:.「ヽ　　|ｌ　:.､:.　}ｌﾊ `　 !|　ハ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / i　:. 　:.|ハ|ヽﾘ_　ヽ　{ヽﾄ､}ヾｿ＿Ⅵ　|ｌ /　ﾄ､＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／!　 :. :.∧ ｨr'笊ﾄ､　＼　　ｲr'/;仆j:|∨ﾚ　i |　`
　　曹爽の出来について、今論評するのは差し控える。　　　／　｜i　ヽ､:ゝ{c//j　　　　 ∨//ｿ//:/: i.:从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ､　:　＼`:,,, ′　　　　 `,,,´/　/ :i |ﾊ{
　　ただ、はっきりしている事がひとつある　　　　　　　　　　　　　 |ｌヽ| :.` .＼　　　　 ′　　　 / :/ﾊﾊ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j:､:.　＼　　　 ‘｀　　ｨ7/ リ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾄ､＞ :. _　　_. :イ:/}/､:{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾﾘヽN　　　　 K j/　`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `,.ィ´ﾉ　　　;'　∨＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ _／ : /'　_　　 { ＿ﾞ}: : ｀ : . ._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, :-ｒ＜: : : : : : :{　 _ 二 ..__//:j: : : : : : : ＞- ､
547 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:09:33.05 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年３月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　　 ,　 -── -　 .､
　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　 , ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　/::::::::::::::;ｲ:li::::';:::::::::::l:::::::::::::::::::',
　　　　　　 ,'::::::i::::::::/l::l ';:::',ヽ:::::::l::::::::ｌ::::::::::i
　　　　　 i:::::::l::i::::;'　ｌ:ｌヽ:'; __＼l::::::::ｌ::::::::::l
　　　　　　l:i::::::l:::l:::i 　 ';! 'Tてｲ l:::i:::::ﾄ､:::::::l
　　　 , ' ´ ; ｀ヽl:::lｲ l 　　 l:::::::」 l:::ｌ:::::ｌ）::::::l　　　　兄弟揃って列侯とは名誉な話ですね。お兄様
　　　(　　　':;　　)::ｌl::」　　Ζｚ　l::l::::」ノl:::::::l
　　　ヽ､　　　ノｰl::',　　　　　　ﾉｲ:イ:::::::l:::::::l
　　　　　｀ ‐ '´ 「￣￣￣l＿ ,　イ:::::l:::::::::ｌ::::::l
　　　　　　　　　l　　　ｒ､l::::l　　 , !-＝-､:l::::::l
　　　　　　「ﾐ.l　「￣￣｀ヽｒく　　＿ ';:ｌ:::::l
　　　　　　「',!　ヽ､　　　　il　＼ , -──┴i　　　　　　　　　　　　 ,､-'"´￣￣｀ ‐ ､
　　　　　　　　入｀ｰ--｀ヽ､__/　　ヽ＼:::::::::::::::::::l　　　　　　　　　_,､-''´ 　　　　　　　＼
　　　　　　／　｀i‐-l:::::l/l::/　　　 ',　｀‐ ､:::::::::::l　　　　　　-‐''´プ　　 ,'　　、　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　,'　 i　/ i　i',　', 　　　　 ',
魏　曹爽の弟　曹羲　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'.l　l ,' .l ,ｲl ﾄ,　',　 ', 　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i l　l i　ﾄ､! l l ヽ',ヽ､l',i',　ヽ　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',ヽ.',　「lヽ !',! '"「｀ヽﾄ! ',-､　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀` ､!L:!　｀　 l::::::l｀l　!､l　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ﾄ､`　　,,,,￣　l　l-'　',　 !
　　　　　うむ。確かにそうなのだが……　　　　　　　　　　　　　　　 l l　＼ __　　_,ｨ' ノ', ',　ヽ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l !　　/￣｀` ‐く　 ', ',　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',!　,' 　　　　ヽ　',　　ヽ.',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　 l　　　　', ', 　　､',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l 　　.l　　　ﾉ入ヽ　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l 　　l　　　 /　ヽ＼ヽ　＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.それは、彼が多くの人々の人望を集めた曹真の跡継ぎという点である
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
548 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:10:58.25 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／ノ　　＼＼
　　　　　／　（●）　(●）＼
　　　　／　∪　（__人__）　　＼
　　　　|　　　　　｀ ⌒´　　　　|　　　　　　　　　　それはそれとして、今回は前置きが長すぎるお。
　　　　＼　/⌒)⌒)⌒)　　／/⌒)⌒)⌒)
　　　　ノ　　|　/　/　/　　　(⌒) ./　/　/　　　　 .Ｔ●Ｓのボクシング中継じゃないんだし、
　／´　　　 |　:::::::::::(⌒)　　ゝ　　::::::::::/　　　　　そろそろ肝心の北伐の話題を……
　|　　　　ｌ　 |　　　　　ノ　　/　　）　　/
　ヽ　　　ヽ_ヽ　　　 /' 　　/　　　／
　　ヽ＿＿　　　／　　 /　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=ﾆｧ: : : : : :／: : : :/: /: : : : :､: : : :｀ヽ: : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,: : : :〃: :/: : /: │: : : : :lヽ: : : : ﾊ: : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 / / : : //: :/: : /: : │: : : : ::|: :!: : : : i|: : l: : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ｲ : : : l |: :│: :j : : ∧: : : : :l: :|＼: : ｉ|: :│: : : :.＼
　　　心配無用……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/ |: : : :| ｌ: :∧: :ﾊ: : l　 '.: : : :ﾊ j　ヽｉ|: :│: : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ││: : ｌ|│ﾅ下/-ヽ |　ヾ: :/_ﾑ'― 弋|: :│: : ! j
　　　ここからは司馬懿と諸葛亮の激突にふれる。　　　　　　j. │: : |i　V ,ｨテ圷､ヽ　 ∨ ｨチ示k　l: : ﾄ: : Ⅳ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: : | 　ﾊ` Vf:::::i}　　　　 Vf:::::i} Y|: : ﾑ N
　　　ところで司馬懿と諸葛亮と言えば、　　　　　　　　　　　　　　ヽ |ﾍ i l　ゝー'　　　　　 `ー''　ﾊ!: :,) }i|
　　　いかにも宿命のライバルのように見られている。　　　　　　　｀l: :ヽﾑ　　　　 ' 　　　　 /:/: :ﾙｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　', : : |ﾍ､　　　　 ‐ 　　　ｨ' /: :/
　　　しかし、彼らの対決はたったの二度、　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: :ｌヽ＞,､　　　　　イ/７: :/
　　　この第四次北伐と次の第五次北伐のみ……　　　　　　　　　　　　＼!　Ｖ厶|＞ｰ＜ﾚ_'/ /／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '´/ノ　　　 L､／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-' 　 |　___.＿　　　|　`ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..-‐'´　　　 |´　　＿｀ｰ<|　　　｀ｰ､_
549 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:13:49.41 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　　＼
　　　　／　　─　　 ─＼
　　　／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　 |　　　　（__人__）　　 |　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿__　
　　　＼　　　　｀ ⌒´　　,／　　.| |　　　　　　　　　　　　　|　　「やる夫が演義を書くようです」を見ると、
　　　ノ　　　　　　　　　　　＼　　.| |　　　　　　　　　　　　　|　　当然のように第一次北伐から対決してるけど……
.　／´　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　　　　　　　　　　|
　|　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　　　　　　　　　　|　　これがウソなのは陳寿でも知ってるお
　ヽ　　　 -一ー_~､⌒)^),-､　　　 .|_|_＿＿＿＿_＿＿＿＿_|
　　ヽ＿＿＿＿,ノγ⌒ヽ)ニニニニ　　＿|_|＿_|＿

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　ｒ .‐. ―. .､ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ-‐ . . . -､_／. . .｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=＝'´.: . . . . . . . .´. .｀ . . .: .: .:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .ヽ.:ヽ .: ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　// .: .: .: // l. .ｌ. .l . :l .:ヽヽ.: ﾍ .:i .: !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //.!ｉ .: .: /l |　|. .ﾄ､ﾄ､丶.: .:ヽｉ: .:| :l .: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ｌ　||.: .:彳卞､从ヽ＼＼ヽ、!i.: :| :i .: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾄｉ.: .ﾄ;ｒｧx､ヽ｀､ｰ七Tぇ､从ﾘ/.:.:从
　　　　ここで問題にするのは、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|l Ⅵ}ｉ`j:::ﾘ　　　rｾﾇﾆx､ﾊ.://.:..:仆ﾍ
　　　　彼らがお互いをどう見ていたかという点　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:i,,,ｰ'　　　ｉ !:::::y'///`Y//l|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:ﾄ､　 '　　,,, `ｰ' /// ノ//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼＿／＼__ |ﾉ　＼｀　　　ィr//､｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⊂ﾆ￢｀ヽ __ゝヽ､.　　｀_フこブ//.. ..ヾ､ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_メｆ‐ ,r‐ｰ､ー‐､_/〆⌒ヽ.. .. .. .. .. .. ..|:ｌ..｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　ﾞＹ.:.:.:.:.:.:.}　　／´￣｀Ｙﾊ .. .. .. .. .. ..j:ﾙ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／　　　（.:.:.:.:.:.:.:i ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:! l:l .. .. .. .. ..ノ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ＼　　　　 |.:.:.:.:.:.:j/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| l:|.. .. .. ..／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ヽ＼　　 !.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.／.:.| l:|＿_／イ　　／〉
550 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:14:46.91 ID:SG.vAtoo: 　 .　- ―― r― -　、
'´　　　　　 _ﾉXXXXX｀丶､
　　　　　（XXXXXXXXXX｀丶、
　　　　　 /XXXXXXXXXXXXX＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ / 　　　　 |　　　　 |　　　|　　{::{ 　ﾉ::;ハ　
　　　　 r'XXXXXXXXXXXXX ＞く　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　　　　　　 |　l　　 | ﾊ　 | }　　ヾニｨf′｜
　＿＿{ XXXXXXXXXX厂￣　;　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　'　　　　　　　 |　| !　 j/イ　川　　　　 |:| 　 |　
:'´/::/:/XXXXXXXﾝ'´￣, .:.' , ' / 　ハ　　　　　　　　　　　　　　　 /　　｜　　　　　　　|　| |／}　_Ｌ.// |　　　 |:| 　 |　
::/::/::{XXXXXX７´:／／:.:／.;.:' /　′ i　　　　　　　　　　　　　　　　 '　　　 |｜　　　　 / | /ｲ／ィﾞ´〃　｜　　　/|:|　　|　
;'::/::/XXXXXXﾉ.:'´／:.:／:／:.:/::/ ;:　｜　　　　　　　　　　　　　　　ｌ｜　　 |｜ヽ　　 / 〃 / ｲ_ソ彡'′ |　　 ,　l::| 　 |　
:/: /XXXXXX〈､／:.:／／.:.:／: /:./: / l　　　　　　　　　　　　　　　　 | | 　　ｌヽ＼　 {　　　　　　　　　　 ,　　 /|　ﾚ' 　 |
:: /XXXXXXX}/ ｀ﾝ＜.:.::／.: :./:./／ :,′　　　　　　　　　　　　　　　 |｜ヽ　　ﾄ､　＞≧　　　　　　　　 /　／　|　　　 |
:/〉XXXー＝彳ﾏミx＜＞:.:.:; ':.〃:/ /　　　　　　　　　　　　　　　　｜ヽ　＼＼ヾﾍ_ｿ ,　　　　　　 /／　　｜　　　 |
::;'XXXXXXXﾉ　 x廴癶＾／::メ/ / /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼|＼＞|　　＼　　　　ｨ　　　　 |　　　　|
/XXXXXXXl 　　｀ﾞ　／　,ｨx'彡ｼ′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:| 八　　{ ヽ　　　　∠　ィ´　　　　　　|　　　　|l＼
XXXXXXX八　　　　　　　{7ﾞ!　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　|:|　　＼　＼＼＿　　　　　　　　　　 |　　　　ハ　
XXXXXX丿　　　　　　 ,.ｨ:|::|　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: : : .ー- ﾚ　　 | ｀ー┬‐＜　　　　　　　ｌ　　　厶┴
XXXXXX)　　　｀ｰ, イ:/::ｌ::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: : : : : .｀ー-|　　　｜　/　｀　ｧｰ--‐く -‐7　　　/.:::::::::::
XXXxx个、　　 . イX//::.:　　　　　　　　　　　　　　　　 ―――‐ ｀ー- ､: : : : :|　　　｜./ 　　 / /　/:｢｣:.ヽ′ 　 /.:::::::::::::
XXXXXl::l::.:ｌ＞くXXX《:|::.:　　　　　　　　　　　　　　　　　: : : : : : : : : : : : : : : : : :|　　　｜ヽ　　 / /　/:/ 小/　　　/.::::::::::::::::
XXXXXl⊥/XXXX_X_ｘ〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　二二ニ=ｰ: : : : : : : : : :|　　　 |＿_＼/ ´　/:/ /:|/　　　 '.:::::::::::::::ｨ
XXXX》《ﾆ!} XXX∧::.::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣:: : : : : : : : : : : : : :／| 　　 |:::::..＼＼ /:厶ｲ:/　　／..::::::::::::::ｨア.

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.まず、彼らには面識がない。これが曹操と劉備とは決定的に違う
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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551 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:18:33.84 ID:SG.vAtoo: 【紀元２２０年代　魏首都　洛陽】

　　　//　　″　/ 　　　／＼　　　　　 ,　　ﾍ
　　/ 　〃　//　　／／　　　＼　　　　ﾍ ',　　〉
　 ∧　〃　　 '　　　／　　　　　　ヽ　　　j∧',　ﾊ
　　 | ｛{　　　{　 /(　　　　　　　 __｣ﾄ､　　 }｝ }
　　八,ﾊ　　　Ｖ/｢¨''_ｰ- ､　　　 '´__　jﾉ__Vﾘ〃j/
　　　ヽｉ＼ﾊrく(.｢{て孔`　　　　　圷アﾘ )> jノ |
　　　 j　 )ﾍ　弋_,, り　　　　　　ゞ _,ﾉ　 / 　 |
　　　　ｉ　　 ' 　　　　　　　 {　　　　　 ′ 　|　　　　　黄権殿、孔明は元気にやっていますか？
　　　　八｛　ﾍ　　　　　　 ′　　　　/　, 　ﾘ
　　　　从　 } ＼　　　 -‐-　　　　ｲ　/　∧
　　　　　　 '.　j　,r个､　　　　　　, ィ　ﾚ'い/
　　　　　 ∨ 《丿 }　｀　 ._,.　' |　}〉　　jﾉ
　　　　　　　　,. :‐'´丿　　　　　ﾄ､｀丶、
　　　　　 . イ::.::.::.::.'.　　　　　　 /.::.::.::.:`:...、　　　　 :::::::　　　　　 /　 /　　　　｜｜　　　ヽ　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::　　|　　/|　/!　　　 |　!　|　　　 | 　　　!
魏　文官　徐庶　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::　 | ｜　/ |｜|　/ 　　| ﾊ｜ﾊ　　 |　　 |、 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::｜| ﾊ ,斗十ト| ∥ 　斗|〒'ト|､| 　｜　　| | |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::|::: ｜|ィﾍ　|　V　V | |　/ ﾚﾞ |/∨｜!　｜　　| | |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::|::: ｜V　∨　＿　　ﾚ| / 　＿_ 　 | |　/ 　|　| | |
　　　　あら？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┤::: |　| 　 _z＝=ｭ　ﾚ　　ｚ＝=ｭ､ﾉ/ / 　 |　| |/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜ :: ＼!　"　　　　　　　　　 |/ /　　ﾊ / ヽ
　　　　諸葛亮のお知り合い？　　　　　　　　　　　　｜:: 　 |　　　　　　　　　〉　　　　ﾚ :: 　 / | |　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`! |::::　|　　　　 r----┐　　　　｜:: 　 |　| |　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜|::: | |、　　　　{　　　　l　　　　, 少:::::　|　ﾚ|　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ﾚ! : | ﾚ㌧、　　　､＿＿ﾉ　, ィ´　| |:: 　 l 　 |　｜{⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜|:::::N/ _|:::＞:､..__　ｰ _,　'´　 !　｜|:: 　 |　 /　__⊥、}⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜| :: |／､|:::::::::::::::::::￣├､　｜　V|:::::::/　/／　`ブ/　 /ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜＼::!　　＼::::::::::::::: 　 |l　＼　l　　 |:: / | /　　/´じ/､ /　/
魏　文官　黄権

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .ただ、魏には諸葛亮と交友のあった者が意外と多い。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.例えば、魏の御史中丞の徐庶や涼州刺史の孟建といった人々は、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.諸葛亮の荊州時代の学友だったりする。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　そして、かつて夷陵の戦いで魏に投降した黄権がいた
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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552 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:19:35.11 ID:SG.vAtoo: 　　　　 ,.．-──一-´. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼ : : : : : ヽ
　　　 ,.'.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : : '．: : : : : !
　　　/.: : : : : : : /. : : /.: : :/. : : : :/.:/_|_､_.: :l.: : : : : : : |: :＼: :｜
　　 |: : : : :／.:/.: : : :|: : :/ : : :/ ,ﾚ |´ﾉ　',.: :|: : : : |.: : :|: : : |＼|
　　 l: : :／. : /.: : : : :!:_:厶.: :/|/ l: :lｨｆ,≧| /|: : : : l'¨ヽ|: : : |
　　 |／. : : : |: : : :| ,ｲ ∧: :/　　 ∨　に |ﾊ.|: : : : |　　}: : : |　　　　　 ,.-､
　　 /. : : : : :｜ : : |' :ﾚ,.-∨､　　　　　 `ー'ｲ: : : :｜　/. : :｜　　　　　 /　｜
　 /. : :／.: : :|∧: :|: :l.{ ト'::::,ﾊ　　　　　　 |: : : : :|／ :/!: /　　　　 / 　 /
　/. :／ / . : : : : ヽ|: :|　ヾｰク　,　　　　　 /.: : : :｜: :/ |/　　　　　 / 　 /
/／ | :/.: : : : : : : : : :.,ﾍ　　　丶 ,．-<　/:/. : : :├く.　　　　　　　/　 ,､'__
'´ 　 | :| : : : : : : : : : /｀¨ヽ.　　　´＼　 ∨:/ : /|.: :|: : ヽ＿＿＿__/ _,ノ　}　｀)　　　　　　　　　　　,､-rッニ二^' -、
　　 | :|'．.: : : : : : : :|　＿_｀_ｰ;.----｀７:/ : :/ |: /¨ｉ : :|　　　　,.'ｒ'´　 ,ノ　/｀ヽ,. 、　　　　　　,ﾍ/ ∠-ー喜　ヽﾆヽ
　　ヽ| ヽ. : : : : : : i'´　　　　{-､　　 /:/.: : :l　|/ !！: :| 　　 ,′　　/|　 l　　/　 !　　　　　　７＾｀´　　　　　｀ヽl､' .'､
　　　　　＼ : : : : |　　　　　| /＼j　|/|: : : :|　　ﾉ ∧: !　　　|.　　　ヽ､._l　 f{_／　　　　　　天　l　　ﾘ　　　,　 {>､<}ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ、lﾊﾉ l__,.ノｲ/i　l ,)ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　トｧ=､　　　 '　l .ｲ l! l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　ヽっ､__ ＝､ /／ l!　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　ッ^ヽ.｀.′r／ｌ　.l!　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　/::::::}::7ﾊ>:7r:::'ァ、　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　ーr'ｭ::l:::::::l:::トヽ{'＾　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ィ-'"´::ﾕ/ﾄ､::::l::ヽ_)、ｲﾊl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::／:::イ::个､ヽ::＼::::＼'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/-‐／:::::/:::(_ﾉ::L_)ト::::ヽ:::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠_:::::ｨ:::::::イハ:::ヽ:::::::l.-‐‐-｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､へl-‐-､／＼l

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　黄権は司馬懿とも付き合いがあったようで、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.彼の前でよく諸葛亮を称賛していたと伝えられている。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　司馬懿は諸葛亮の人物像をおおまかには把握していた可能性がある
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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554 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:22:39.54 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　祁山】

　　　　/ノ´: /: : : : : : : : : : : : : :ｉ: : : ::ｉ: ::ヽ: : : : : :＼　　　＼
　　　/": : :/: : : : : : : : : : : : : : ::|: : :|: |: : : ヽ: : : : : : :ヽ　／
　　/: : : ::/: : : : : : : : : : : : :／:/}: : ｉ: :|: : : : :ヽ: : : : : : :Ｖ
　 /: : : : :|: : : : : : : ／: ::／:: / /: :/: / ヽ: : : : }: : : : : : :ｌ
｀.{: : : : : :|: : : : : : : : ::／./／ /:／/:/-―--:､; |: : : : : : :|
　|: : : :{: : |: : : :,斗ｧ''フ"　／"　 //　　　　＼ヽ|: : ｉ : : ::|
　|:ｉ: : :ｉ: : :ｌｒ彡"´　　　　"　　　/　　　　　　　　}: :ﾉ : : ::|
　ｌ: ｉ: : { : : ｌ |　　　　 __,..　　　 /　　''ェ;_＿_,ｪ; /: : : : /∧　　　　　.むぅ、相手の情報が少なすぎますね。
.　 ',ヽ: : : : ヽｌ ,ｒ＝=＝"　　　　　　　　￣￣ ./: : : :ノ/　ｌ　　　　　蜀にいると中原のナマの情報が手に入りにくいです。
　　＼＼: : : ＼　　　　　　　　!　　　　　　 /, ｒ '´　}: : :ヽｌ　　　　　
　　 |: : : {　`ー　＞　　　　　　　　　　　　　　/{ ＊ }: :　ヽｌ　　　　.とはいえ、孟達を葬り去った手際の良さ、
　　 |:/: : {　__ ｉ/ ヽ　　　　　　　　　　　　.／: {　　 }:_:: : : : ｌ　　　 .当然要警戒なのですが……
.　 //: : : :{　 "ｉヽ { :ヽ､　　　　⌒　　　／:__ : {　／　ﾉ: : : : :.'.,
　ｌ/: : : : : :}　ｒ－┘､: ::ｒ`ｖｒ‐　-　 ´|: : : | _｣_{./　 ./: : : : : : : '.,
　/: : : : : : : {　｀ヽ、　ヽ.Ｌ._ヽ.　　　　レ'Ｖ＿＿ヽ/: : : : : : : : : :'.,
/: : : : : : : : ｒト＊|ヽ／ノヽ.'､　／　{ （＿__　　〕ｒ､＿: : : : : : : '.,
: : : : : : : : :∧.ｌ.｝　 }〔　´　／ヽG＝ニ:|（　　　　./ｒ'/ｒく: : : : : : : : :',
: : : : : : : ::/　)|.ﾄ}　 }ヽ　　　へ）|ノ＼.{ |/ｰｉ　　/`./ (　ヽ: : : : : : : : ',
: : : : : : : /　 .)|.｢.） .} ∧　　　　）７ .ヽ |　　　 { フ　 |　ヽ: : : : : : : :

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.対する諸葛亮の場合、
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .司馬懿の情報をどこまで持っていたかはよく分からない。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.そもそも司馬懿が魏で頭角を現すのは赤壁以降である。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.敵勢力の新進気鋭の人材の情報が蜀にいる彼の下に伝わるのは、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　黄権のような降伏者がいない限り考えにくい。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .せいぜい、孟達を斬った将という印象しかなかったのではないだろうか？
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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558 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/07(日) 23:26:19.43 ID:1VsJS5so: 中原を取った曹操と、蜀に引きこもった劉備では人材の多さで差が出るのは当然か
555 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:24:06.43 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　, -=―＝―- ､ _
　　　　　　　〃⌒>'´　　／　　　丶`ﾆ=‐'
　　　　　 ./ ,′// , ´ / 　j　}　ヽ　＼
　　　　　 /　l　 | i　l　/ ／// ,ｲﾊヽ　ヽ
　　　ノ,ｲ八　l ﾚ_j/∠∠/／/∠Ll　}ﾍ
　　　　＜ノ .∧ ｌ　ﾑrt=k｀　　ｨ=､ﾙﾚ′j
　　　　 / イ　Vﾍ.　ヽVr!　　　jr/ﾑｲ{
　　　　　´　W^{ゝﾍ　ﾊ.ヽヽ　_ '　/〈ﾘヽ
　　　　　　　　 j八 }ヽﾍ､　 j`＜ミ＼　　　　　　　　　また、両者に共通しているのは、
　　　　　　　　　　ﾘ朽＼!｀{7|:::::::::＞ﾐ;>,　　　　　　　　彼らが根っからの将軍ではない点。
　　　　　　　　　　ノ＼- 厶］::::::::f }::/:/
　　　　　　　r=＜　　　Ｖ三|:::::::::| |/:/　　　　　　　　そんな彼らの初対決は、
　　　　　　 /‐-､＼　　 ∨ﾒ､::::ノ　V､　　　　　　　　 .互いに様子見から始まる慎重なものにならざるを得なかった
　　　.　　 /_j 　 , X ＼　ヽ {´　　　/　　　　　　　　　
　　　　　　〈　　´ 　＼＼　 >ﾍ､___,ｲヽ
　　　　　　　`､　　　ヽ＼.>j　　　　ﾊ│
　　　　　　　　{　　　　 ∨　｀ヽ､_,/∧|
　　　　　　　　lヽ　　勹'´　　　 //　l !
　　　　　　　　|∧　〃　　　　／Y｣_│',
　　　　　　 }　＼　　　　／}＜ﾑ>∧.ﾍ
　　　　　　　　 {　　ヽ､___/　l丁{{ |}}　〉ﾊ
556 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:25:22.24 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年３月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　∠ 弋ゞ匕ノﾆ丶＼　＼
　　　＜ =＝＝＝＝=廴＼Ｌ＼　ヽ
　　　　く〆／　〃ハヽ＼廴＼Ｌヽハ
　　　／／/／〃//　ｲｉ　ｉ＼廴ヽ〕ｌ斗- 、
　　　〃　 /　／／／川 jハi >' ニ Y く⌒ヽ
　　　| ｉｉ i ィｉイ　!i 　 /川/-､ｉ〈〈　| j | ﾄ二ｲ
　　　| ｉｉｉ从ﾊ　!ｉ　/ ﾑ≦ミﾒ､トニｲ| ｉ＼く
　　　ｌｉｉ iﾍ{≠ﾐﾒ V 　弋_沙ﾘ /／ｊ.| i 　ヽ＼
　　ヽヽﾉハ　ゞ'　　　￣´ /／　//￤　「　} }＼
　　　 |＼{　ﾍ　ヽ　　　　／／／ｲ　;　　i 〈ノ　　丶、　　　　　　　　　　　　　　 ,　´
　　　ｌ　ｉヽ　＼　ー '　　く∠イ⌒/　　ｉ　　＼　　　　ー-　　.,,＿＿＿＿,,..　イﾉ
　　人ｉ　　＿__｀　､_　＜ // /！ /　　　 i　　　＼　　　　　　　　　　　　　／／
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　ドドドドドドドドドドドド！　　　　
　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　＿∧ ∧(oﾉﾍ.　　　　　　　　　　　　　　　　　∧(oﾉﾍ
　　　　　　　　　（＿・ |(▼皿▼) )＼　　　　　＿∧ ∧(oﾉﾍ|./（▼皿▼)）
　　＿∧ .∧(oﾉﾍ　　 |＼Ю__∧　∧(oﾉﾍ.　　（＿・ |（▼皿▼）＼⊂)_|√ヽ
　　（＿・|/（▼皿▼<＼　（　（＿・|▼皿▼)］＼　 |＼Ю ⊂)_|√ヽ~∪　）^)ﾉ　(´⌒(´⌒;;
　　　　 |＼Ю ⊂)_ √ヽ| || 　　|＼ Ю ⊂) |√ヽ , （　￣ ~∪　）^)ﾉ( | （ |(´⌒(´⌒;;
　　　　（　￣ ~∪　）^)ﾉ '~ ~,　（　￣ ~∪　）^) ﾉ　 || || ~( | (´⌒(´⌒'~　(´´
　　　　　||｀ || ( | （ |(´⌒(´ 　　 ||｀ || ( | （ | 　(´⌒(´⌒;;
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::|　　i　 i　　 i　　　　　　ﾊ　 i　i /i 　 i　　　i::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::i　　ヽ　ヽ　 .i i　　　　 i　　リ人7、i　ｲ　　　ﾊ::::::::::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::＼　　ゝ、>=ﾚヽ　　　　i　/ｨﾁ心ハレﾉ　　　人::::::::::::::ﾉ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::＞、　ﾊｲ佇心ヽ　ﾉﾚ　弋少　 /　／/ｿ .〉:::::::::;/　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::{ 人＼トﾊ弋少ヽｲ　　　, , , , , / イ　/ 　 /::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::::ﾍ/ ヽ　　｀＼, , , ,　`　　　　　／イ |ノ　　 /／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::ﾍ　＼i｀ー＜　　　- -　　　＜人ヽー‐‐--､-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼|　　　i　〟─‐ ＞ - ｨ　　〃　　/　　／　Y{

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　三月、蜀軍の侵入に対するため、司馬懿が西に向かう。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.副将格として車騎将軍の張郃もこれに従軍している。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　彼らは長安に到着し、雍州刺史の郭淮と合流した
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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557 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:25:50.39 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　長安】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.;'"~⌒'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ⌒ヾ`'"~
　　　　　　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ _,.,_,人⌒`'"~　　　　　　　(⌒'"~
　　　　　　　　　　　　　::::／|`⌒',=-　　　,_ _,. .､-ー'"~⌒ヽ⌒';ζ　　　　　　~"`'ー- 'ﾍ.,_,.ソ^ヽ.,ヾ､.,__ソ^`
　　　　　　　　　　　￣￣|　:|`'"~　　　　　　 ~"'^(.,_,.ノ'"~`ヾ.,_ソ'
　　　　　　　　　　　: : : : |　:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　: : : : |　:|n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n
　　　　　　　　　　　: : : : | n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n
　　　　　　　　　　　: : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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　　　　　　　　　　　￣￣.:￣7||'＿＿＿_||,||..ﾉ囮￣￣品品7.|;;;;|　　　|;;;|;;|.|￣￣￣"|￣| ﾉ皿皿￣￣卅
　　　　　　　　　　　￣7. :―. :￣7. :―. :￣./＿＿＿＿＿/. :￣7. :―. :￣7.￣￣￣7￣ /＿＿＿＿＿/
　　　　　　　　　　　￣￣￣￣／＼-. :／￣￣￣￣￣／]￣7. :―. :￣7. :―. :￣7. :―. :￣／￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　￣￣￣￣＼／| -[|三三三三三|]／| :―. :￣7. :―. :￣7. :―. :￣7. :-|二二二二二
559 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:26:48.04 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.－-　､
　　　　　　　　　　　　　　／　　 , '　, =ﾆ二｀丶
　　　　　　　　__ 　〃　　 ,':／::.::.::.::.::.::.::.::.:.＼
　　　　　,.. -=ﾆ二::_:::ヽ.{i 　 ,. ┴ ‐‐- 　､..:.::.::.::.::.::.:＼
　　　　　　　　　,. ‐‐｀"':｀:´.:_::.::.::.::.::.::.::.::.__:.:ヽ､::.::.::.::.:ヽ
　　　　　　　／::.::, -‐,. -::.::.|:::｀::.::.::.::..::.:´::.:＼:::ヽ､::.::.::.::ヽ
　　　　　　, '::.::,ィ::.::.:/:.::.::.::.::|::.::.::.::.::..､::､､:､::.:､:､ﾉトヽ､:.::.:ヽ
　　　　　 /::／/::.::/:|:.::.:|::.:|:i::l::.|::.::ヽ.:::i､::||ヽ::.:＼:ｱ:＼i.::.::.::',　　　　　　　.お初にお目にかかります。
　　　　 /:/　 i::.:://|::|::.{::.:ｌ::l:ヽ:l::.::.::ヽ:.|｀ﾘミ:!.ヽ:ヽ:V/::＼:.::.:',
　　　〃　 {::.::l:l:.:ｌ.:.|‐ﾄ-:ﾄ..',_:ﾄﾄ､::.::|斗七弌l:ﾄ:::i:V;,::.::.:＼::.::',　　　　　当地雍州の刺史、郭淮と申します。
　　　 i'　　 l:.::|::|::.:l:.:lヾ弋'''ぅｰヽヽ::代､_,ﾟ// !ﾄi､l;;;;;;;;;,::.::.::ヽ:.::',
　　　　　　　　l:::|小::.:Nヽi 辷ﾆ- 　ヾl ｰ一'　/!k'ｿヽ;;;;;;;;,::.::.::ヽ::',　　.　　以後お見知りおきを
　　　　　　　　ヽ|l:l ヽ:ﾄ､i:lヾ､　　　 i　　　　　/'|:ﾄ､､　＼;;;;;;,:.::.::.:ヽ:',
　　　　　　　ヽ',　ヽ !ヽ＼　　　一　　 , '　||　ﾞi､　＼;;;;;;,::.::.:ヽ',
　　　　　　　　　　　　　ヽヾ.!i　､_　　　 ,ィ　　,ﾙ　 |:| 　　＼;;;;,::.::.:ヾ,
　　　　　　 ,　 ‐-　、　　,.="弋 ||`ー ´ .| 　 __　　 "　　　　＼;:.::.::.:ヾ
　　　　　／　　　　　｀' ⊥..＿　||"￣"''┤　 ||｀i　　　　　　ヽ;,.::.::.:.ヽ
　　　／　　　　　　　､ |　　　｀＼　　「￣||│ ＿　　　　　　ヽ::.::.::.:|

魏　雍州刺史　郭淮
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . i:|//i::i　》　　/|　li　　!ﾒ　l　　 l　　　!　i　 |　　　', 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〆i !:Ｌ〃　　i　', | !　 | l　ﾄ, 　 !　　/　 l 　!　i　　} 　　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 // / |:|'" i　　斗弋Ｔ､‐- ', | ヽ　!　 /i　/! /!　!　　l.　 } |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　i　|:l　　',　 i弋ゝ‐-Ｙ=､丶｀ ',.|　/_.!ﾑ､/_l /　　/　ﾊ !
　　こうして会って話すのは初めてよねぇ？　　　　　　　 |　!:l 　 ∧. !　ﾋ_q ）＿ヽ　　ﾚ' 　ﾚ' 7　ﾒ　　.ｲ　/　l !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　 l　|:|.　　,ﾍﾍ　　　　　　　 ,r‐‐tｧ/　／|　,/ 　ﾚ
　　先帝相手でも物怖じしなかった貴方を　　　　　　　　 l　l｣　　 i　ヽゝ:::::::::::..　　　　　　ゞﾟノ/／ﾉ　|,ｲ
　　手こずらせている蜀軍について、　　　　　　　　　　　 !　　　　ﾄ､　　　　　　　　　　 !　.:::::..´ソ" 　 l:｣　　　,-'´
　　話を聞きましょうか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　|. 丶　　　　　､_ ,､_ ´　　／',　 ,　　　／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　',　　　ﾄ､　ゝ .　　　　 ‐/ ﾌ_,, ｨ ´　　!,〃 ,..-'´:∠＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 ',　　　|::::｀:‐-.､｀＞ . _ / /l´　ﾞ!i　　　lｲ/:::::::::::::-= 二､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_＿_ﾍ　　 !::::::;ｨ;=＝,‐､ ;_/ /　!　　!| 　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::ｆf《ﾍ　 i::≪::::::〃!,ｨ´｀‐-ヾ､l_／_il　　 l､::::::::::::::::::::::::::::::::
560 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:27:46.25 ID:SG.vAtoo: /:::::::／／::::::://ミｌ―/:::::/:ｌ:::::::/:::::/:::::::/::::/ｌ:::::::::ｌ::ｌ:ｌ::::ヽ::ヽ:::ヽ
:::／／::::::::::://ｌｌ:::::t_/::::/:::ｌ::::::/::::/:::::::/:::::/::ｌ::::::::ｌ::ｌ:::ｌ::::::ｌ::::ｌ::::::ｌ
:::＼ヽ::::::::://::ｌｌ::::::::ｌ::::/::::ｌ:::::/:::/ｌ::::::/ｌ:::/ l::l::::::::ｌｌ:ｌ:::ｌ::::::ｌ::::ｌ::::::ｌ
::::::::＼＼//:::ｌｌ:ヽ:::::ｌ:::ｌ::::::ｌ:::::ｌ:/ /::/-ｌ:/-_ｌ/ｌ:::::/ｌ/┐ｌ::::ｌ:::/::::::ｌ　　　　
::::::::::::::＼/::::ｌｌ:::::ヽ:ｌ::ｌ::::::ｌ:ｌ::::ｌ<￣＞＝ﾐ　　ｌ::::/ l:j ｌ .ｌ:::ｌ:::ｌ::::::::ｌ
:::::::::::::::::::::::::ｌ　ｌ::::::入ｌ"ｌ:::ｌ::ヽｌ　ヽｌ:::::c/　 /::/　ヽﾉ/::ｌ/ｌ::/ｌ:::::ｌ　　　　　 ……以上が蜀軍についての情報です。
::::::::::::::::::::::::ｌ　ｌ::::/　ヽｌ:::ｌ:::::::ｌ　　ゝ-´　 //　ヽ　ｌ:::::ｌ/ｌ/ ｌ::::ｌ　　　　
::::::::::::::::::::::::ｌ__ｌ:/　　　ヽｌヽ::::ヽ　　　　　　　　　　/ｌ::::ｌ　　ｌ:::/　　　　　　情報から察するに蜀軍は祁山を攻略し、
:::::::::::::::::::::::::::::/　 _ ‐'"~´｀l ､::ヽ、　　　　　-　／ｌ. ｌ::::ｌ　　l/　　　　　　　その後上邽方面に向かうと思われます
::::::::::::::::::, -‐―／　　　　 _ﾄ、::ヽヽ　　　／／ｌ　ｌ::ｌ
:::::::::::::／　　 <´　　　　／;;ヽ__ヽ:ｌ＿ , ┐´::ｌ´ 　ｌ､ｌ/
::::::::::/　　　　　＼　／:::::。;;;;;;ｌ　ｌ;;;;;;;;;;;;;ｌ::::ｌ　　/ ヽ- 、　, ― - 、
::::::/　　　　　　　 >/:::::::::ヽ;;;;;;ｌ. /;;;;;;;;ｌ;;;/::::ｌ　／　　　／　　　　　ヽ
／　　　　　　／ｌ::::::::::::ヽ;;;;ｌ /;;;;;;;;;／::／　　　　／　　　　　　　　＼
　　　　　　　　ｌ　　ｌ:::::::::::::ヽ;;ｌｌ;;;;;／::／　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -'´￣｀⌒ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r〃　／　､　 rﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:〈　（　　j　　ヾ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::::{ヽ､Vヽ j人ノｲ jﾉ:::｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨'}､ゝ 0　　 0 ﾉ人:ノ
　　　上邽のあたりは麦の産地でしたね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ人"　ｰ　 "ｲ j{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /〃　/ｱ丈入　八＿_,
　　　やっぱり蜀軍は兵糧に不安を抱えているわけですか　　　　　　　　　　（八　7~Ｖ∨~､）ヽヽｰ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　 ∀　　∨jノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　〈　　人.　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ヽ／川＼ノ│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　ﾘﾘ　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ー‐-rｧtｧｰ一
魏　車騎将軍　張郃
561 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:28:39.88 ID:SG.vAtoo: 　　　　　小ヽ　　　　 ′　|　　　　　　 |　　　| 　　 |ヽ::ﾉ:::|
　　　　//|:| 〉〉　　|　 |　　|.l 　　　　 |　　　|　　　 |　￣|:|
　　　.//厶'イ | 　 |　 |　　| |　　　　　　|　　　|　　　 |　　 |:||
　　 //' |:|　　 | 　 |　 |　　|｜　　　　 |　　　|　 ,　/|　　 |:| !
　 .//　 |:|　　 |、　|　ヽ　 |ハ　　　　|/| 　 / ! / /　|　　 |:| |
　// |　:|:|　　｜ヽ l＼ l＼ヽヾ　　 /　|　/　｣'_/　　|　　 |:|｜
　/　|　 |:|　　丁￣ヽ　＼≧ ＼＼ /　 | ｨ≦/／￣ /　　ｌ|::|　l
　　｜　|:|ﾍ.　　ヾ＝干‐ ミﾒ、　　　　才　 T ア/　　ハ:〉　l　　　　　　　張郃将軍のお考えは？
.　　l 　 |:|　丶　ヽ斗- ┴　　　　　　　 ┴一＜/ 　／　|　　 |
　　|　　ﾚ'　|　＼　＼　　　　　　　　　　　　　 /　／　　｜　　 l
.　 l　　　　 |　　　ト､＼　　　　　 l　　　　 ∠ イ　　 ∧　　　l
　/　　　 / l　　 | ト￣　　　 ―ｰ一　　　／　 |　　　 ′ヽ
/　　　　/ 　 l　　 | |　｀　、　　　　　　 ´　　 ;　　　/
　　　　/　　　'. 　 V　　　r┴＞　-　＜Ｌ.__　　 /　　 /　　　　　　　　　　　　　　 ,.　-‐　¨￣￣￣｀　ｰ-　、
.　　　/　　　ヽ　　ヽ r::'::::／ｲ:ハ:ﾄ.＼::::::::> /　　 /　　　　　　　　 .　　　　／＿　　　　　　　　　　　＼
　　/　　　　　　＼　ヽ:::〈:〈:::::|:|　|:|::::〉:〉:::.∨　　/　　　　　　　　　　　　　／´　　　　　／　　　　　＼＼　｀ヽ,
――--　、　　　　＼　ヽ::ヾニﾉ　ヾニｲ::::::/　／＼　　_　　-――　　　 /　　／／　./　／　　 |　　ヽ　'v-､　'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ　〃　 {　　｜〃　　 j　|　|　　ｉ　ﾍ:.:.ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| .//　　ﾑ---l､|　　 /　,|　|　　 |　　 !.:.:.:ﾊ
　　　　蜀軍の欠点が兵糧にあるのは明らか……　　　　　　　　　　|/.:{ 　 ´{ ー-ヽ|　/ /／ナｲ､　 /　　 |:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:l＼　廴＿_∨ｲ´ 　　 |/}Ｘ　　 j:.:.:.:.:j
　　　　まずは全軍を前軍と後軍に分け、　　　.　　　　　　　　　　　　 ∨＼下、´￣｀　　　＝=､　}　　　/:.:.:.:/
　　　　後軍を雍と郿に駐屯させて背後を固め、　　　　　　　　　 .　　　　ヾミ≧　　　'　　　＿,／　　 /:.:.:.:/
　　　　残る前軍で祁山に向かい蜀軍と対峙するのです。　　　　　　　　　ﾊ　＼　　｀￣　 _≧- ／ｲ/:.:,.イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　＼ド＞ . ＿　..＞イ　|イ／　 |
　　　　こちらが各地の守備を固めれば、　　　　　　　　　　　　　 .　　　ｆ　　　〃／|　　 __,／ ∨ｲ|｜　 |
　　　　向こうは音を上げて撤退するでしょう　　　　　　　　　　　　　　　ﾙ┬一Ｔ´ ＞＜´　　／￣＞､｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 :|　　／.:.;小:.:.:＼ /　　／　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 /　　 |　　＼/:.:|:ﾊ:.／/ 　 /　　　　　 }＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.この戦における張郃は、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.戦の経験が少ない司馬懿に数々の助言を行っている
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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562 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:29:35.88 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　 __,、__,､__,､ｨ‐r=;､
　　　　　　　　　　　　,　 __f〆.::::::::::::::::::いゞｿﾒ､
　　　　　　　　　　／ _ｆ〆.::::::::::::::::::::::::::ゞ＝'´:..＼
　　　　　　　／　_f7.::::::::::〆^ー'^ー'⌒'⌒'⌒ｰヘ、
　　　　　　 'ｨ=={f7==､〆　 '　　　/　　　　　　ヽ　＼
.　　　　　　 /〈:{_ ィ|:ﾄ､ヾヽ　　 |　　　|　　　　　｜　　' 　ヽ
　　　　　 /　　7:/ |:ﾄ::ｰ':/　 /|　|　　|　|　　　 |　　 l 　　ヽ,
　　　　 /　　/:/　|:| 丁　 /　l　l　　|　l　　　　 |　　 | 　　 l
　　　　 /　　/:/　 |:|　|　　|ト､ l　'、｜ヽ　　ｌ　　｜　　 |
.　　　 / 　 /:/ |　 |:|　|　　ﾄ､_｀ﾄ､＼ヽ　ﾞ,　　 /　 / /　　　|
　　　 / 　〈:::{　|　 |:|　|　　|弋＞ミﾒ､＼　|　 /　 / /　/　,　/
.　　 / 　　ヾ｜　ﾚ　|ヽ　l　ﾐヽゞ'ノ'ヾ　 | / ∠ 厶/　/ /　　ご意見はごもっともですわ。
　　/　　　　　　|　　　 | 　＼　　　　　　斗.,ﾃﾐ､/ ／〈
／ﾄ､　　ｲ　 /|　　　 |　　　　　　　　 `ｰ'イ／イ　|:|　　　確かに兵を割き、
　ヾ:.、ｌ::{　/ / l 　　ﾄ　　　　　、　　　'　　 / ／|:l　 |:|　　　前軍のみで蜀軍に当たる事が可能なら、
＼ﾄ､}:ヽ|::::∨/ ｜　　 |　＼　　　　｀`;'　　　／　| 　｀　|:|　　　将軍の仰るとおりでしょう。
::::::::::::::::::::::::〈　　l　　 |＿__＼　　　　＜|　　 |　　　｀　　　　　
::::::＿＿＿_:::＼　∧　　|::::;;==≧ｰ＜　　｜　 ,'　　　　　　　　.ですが、それができずに前軍と後軍が分断された場合、
／,　――― 、く::::::〉、　l｛:{.::.::/;小｀l:l　　 |　 /　　　　　　　　 .項羽の大軍が英布に敗れたのと同じ結果になるかと？
／.::.::.::.::.::.::.::.::＼＼｀＼ lヾ＝'ｲ |:ﾄ=''　　/l　/　　　　　　　　　
::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＼ l:::.｀ヽ､ー'|:| |:|＼___/ l /　　　　　　　　　　　　
.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::|::.::.::.:..＼ﾉ:|⌒Y＾y'ヽく:.＼
二.,,＿　―-　::.::.::.::.:|::.::.::.::.::.:..＼　 | く({廻}>::.:.＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　ところが司馬懿、この張郃の助言を撥ね付けるのが常だった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.また、この彼の発言を見るに、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　兵力にそれほど余裕がなかったと思われる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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563 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:32:17.10 ID:SG.vAtoo: 　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　　＼
　／　　─　　 ─＼　　　　　　なんか少し前の馬謖と王平を思い出したお。
／　　‐=・=‐　‐=・= ＼
|　　　　（__人__）　　 |　　　　ベテランの意見は聞いといた方がいいんじゃないのかお？
＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: .,: : : i: : : : : : : : : : : : : ,､:: : : : : : : : :.: |: : : ::::::::::::::::::|::::::::/::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : ,|: : /: : : : ∧: : : : : . :: ::|ヽ: : : : : : . .::.| : : :::::::::::::::::::|:::: /::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／|::/: : : ―ト-､:ヽ: :.:: : : | 斗―‐―-:::.i::::::::::::::::::::::::::|:::/:::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : :.:|::::::.::|　ﾚ'　＼ :::::i　 __ ＼ヽ､:::::|: ::::::::::::::::::: : |/::::::::::::::::::::::::
　　　それには一理あるが、　　　　　　　　　　　　　　 .ﾚ::::: |: :::ﾍ:i ｨ=ミ､. 　＼|　-‐≦＝=ﾐ､|: ::::::::::::::::::://::::::::::::::::::::::::::::
　　　司馬懿と馬謖では役者が違う。　　　　　　　　　 |: : :::| : : :ヽ`ﾄ':::}　　　　　イﾟ'::.:::::i} 》 i:: :::::::::::::::://iヽ::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: :::∧: ::: :ヽ代ｿ　　　　　マヽ‐ｿ/　|:: :::::::::::::::/:|〉｝:::::::::::::::::/|::::
　　　それと彼は彼なりに　　　　　　　　　　　　　　　　 |: :/　ヽ:::i:::::i　 ,　　　　　　　｀¨´ 　　i::::::::::::::::/: / /::::::::::::::::/　ﾚ
　　　プランを持っていたように思える。　　　　　　　　.|:/　　 |::|:::从ヽ　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::/イ::::::::::∧/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　i: | :::∧　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::::::::::|::::::::::::/
　　　彼がこの戦で取り続ける　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚヽ::::::ヽ　｀`　　　　　　　　/::::::::::::::/::/:::::::::/
　　　一見意味不明な行動も　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ::::::::i＼　　　　　　　　　ｲ /:::::::://ﾚヽ:::/｀ヽ
　　　そのプランが念頭にあっての事だろう　　　　　　　　　　　　ヽ:: |　ヽ　_ 　　　＜　ﾚ'|::::::/|/　i ∧'／:∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ|　　　　　／ヽ　　　　|:::/ /　　／:::::::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿イ　　.∧　　　i/　　／::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ´/　　　 /　／ .〉　　ノ　.／:::::::::::::::::::::::::::::::＼
564 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:33:21.38 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　長安】

　.ﾚﾆｲ.|,lﾄ､ |､　 |!、　|　　 ,/! ,ｨ　　 !|
. /ﾉ　ﾊ!十寸ﾆﾏT ＼|　　 /+/-!_j　　,ｨ!
//!　　 ! _ﾞ__ヽ--ヽ　 !　,／ﾅ'´ ﾚ1 ／/
/ |ヽ　ﾍ. 弋歹ヽ　 j／　弋歹/´7　　　 ,.、
　 ! |.＼　ヾ￣´　　　　　｀￣ﾗ　ｨ!　　 ./ .}　　　　　　　郭淮、まずは貴方に四千の精鋭を付けるから、
　八!　 i＼_＼　　　　 ′ _,∠_,ィ１l 　 ./ ./　　　　　　　それを率いて上邽に急ぎなさい。
- ､|.|　ﾚヘゝ、　ーｧ　／　　l　!l　 / ./＿,.--ｰ
:::::::|.|　 |:::::::＼ﾞ＞　__ ,イ　l　　 |,. ‐::/ ,ｲ､::::_::_::_::　　　　私と張郃将軍は準備が整い次第、祁山へ向かうわ
:::::: ',!　 |::::::::::/＾「介､　 !　.!　　ｌ__:::/ノ / ｀ヽ::::::::
､:::::∧　.!:::::::/:::::ﾚ l|:､〉-'＾::|　　|::::〃 ./､У./＼::
::ヽ:::/＼∨ヽ!::_::|　lY:::i}ﾄ､:::!　,/:::У　'　Y_/ / ﾉ!
:::::∨:::::i＼ヽﾄ:::/!　ヾ､!>‐ｌ| /!::::::|　　　ｰ'ｰﾝ′
:::::::ﾍ:::::ﾚ´ヾ└V!　　ヽ　//! |:::::::}　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ／　　 /: : : : ／/ : : l l､: l: : : :ヽ: : : : : :丶: :,.-く　 r_〉 __: :ヽ: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/　　　 /: : :,.ｨ : : l: : : :l､:lヽ:斗-‐ l : : ＼: : :弋　　l-' : l-.､丶: :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: :／/ : : : l: : : l,ｫﾃ7フ､: : l ヽ: : lヽ : : ヽノ: : : :l､､＼＼:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: /　/: : : : : l: : :ｌ迎i　　 l: : l: :lヽ: :l 丶: : :ヽ: : : :l ヽヽ:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l /　 l: : : : ｒ'　ヽ: l　　　　 l: :l: : :l ヽ l: : ヽ : ヽ : :/､ : l l: : :
　　　　　　　　はっ！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l'　　 l: : : : :〉_　ヽl　　　　　l:ハ : ﾚ',l: l: : : ヽ : l／　丶:ヽヽ:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : : l: ヽ｀ヽ　　　 /: : ﾊ: l ヽl:l : : : : l: :l　　　＼:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: : ｌ l: : ｌ　　　　　 /,. -┴_. ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ l: :l　　＿_　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ l　ｌ:　〉_ .. -‐ 'ﾞ ,.l　「　　　　　　 l: l '´　　　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽl　l: :l｀`'' ‐- ､l: :l　l　　　　　　　／ l:l　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:l l : l'´,　l: :l l　l　　　　 ,. ｧ'′　ﾘ　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／l: l'´　l: :l　 l　l　,. -'´ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　<l: ! 　 !: ｌ／／　　　 /

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .話を続ける。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.司馬懿は郭淮・費曜・戴良らに四千の精鋭を与え、上邽に急行させた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.魏軍にとっても上邽で産出される麦は重要であり、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　これを蜀軍から守るのは当然と言える。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .そして、自身は張郃と共に、郭淮らを追うように祁山救援に赴く
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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565 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:34:10.96 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　×街亭
　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧
　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧　　　　○略陽　∧∧∧
　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【略陽郡】∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
【西平郡】　　　　　　││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
　　　　　　　　　　　　││○狄道　　　　　　　　　　　　【南安郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　▲鳥鼠山_____　　　　○豲道　　　　　　　∧∧∧∧　　　　陳倉
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　　　　　　______ ＼___________________________________　∧∧∧∧　 ○
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　　　　　　　○.＼__________________________________　＼______________________________________
　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　陽谿　　　　襄武　　　　　　　　○　　　　●　　＼_______________________________________
_____________________　　　　　＼＼　　×　【隴西郡】　　　　　　　　冀　　　上邽　　　
_____________________~＼_______／.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【天水郡】∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧
　　　　○　　　　~＼________／　　　　　∧∧∧∧∧∧∧　　祁山∧∧∧∧∧∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧　箕谷
　　　洮陽　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　▲ 　　　∧∧∧∧∧∧　×　∧∧∧　　∧∧　　　　
　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　／／　　∧∧　　　散関　∧∧∧∧∧　×∧∧
　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　∧∧∧∧∧　　　　　　|　|　　　　下弁　　　　　∧∧∧∧∧∧斜谷　∧
　　____________________________________________　　　　　　　　　∧∧∧∧／／　　　　○　∧○　　　∧∧∧∧　　　　　∧∧
　　____________________________________________＼　　∧∧∧∧∧∧　　 |　|【武都郡】　　　河地　　∧∧∧∧（褒斜道）∧∧
　　　　　○　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　|　| ○武都　　∧∧（故道）∧∧∧　　　　∧∧∧
　　　　沓中　　　∧∧∧∧∧∧∧　　　＼＼　∧∧∧∧∧　　＼＼　　∧∧　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　∧∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　..＼＼　　　　　　　∧∧　　∧漢城∧　　∧∧　　
　　　　　　　　　【陰平郡】　　　　　○陰平　　＼＼　　　　　　　　　.　|　￣￣＼　.∧∧∧×　　 ◎_____________________
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___________|　|___　　∧∧∧∧　~~￣￣＼＼　　　陽平関　______________________

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.さて、この地図を見れば分かるように、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.長安方面から祁山へ向かうには上邽付近を通過する必要がある
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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566 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:36:37.71 ID:SG.vAtoo: .　　/　/ /　　　　　　 l　　ヽ　　　＼　＼　＼　　　＼　＼
　 /　/ / 　　　　　 l 　　ヽ　　　　＼　＼　_　 +-ヽ　　ヽ　ヽ
. /　/　l　　　　　ｌ　ヽ　　　＼　＼　　ｘ　´ヽヽ＼ヽヽ l､　＼
/　//　|　　　ｌ　　 !　　l､ﾄ、　＼､　く　ヽ＼､ヽﾄ、ヽ l　 l　ｌ＼　ヽ
_ //　　|　　　　 l　　 L -┼､＼　　＼｀‐-ミx〉　_｣,. -ヽ＼　 !！ヽミ､
∠l　　 |　　　 _+ 「,　! l ！　＼　｀ｰ-ヘ　 /　,ﾆ,.-‐':ヽヽ　ｌ＼ ! l　ヽlヽ
/ :l　l 　 |　　　 l l　l　l　V _　　　　　　　　　ｸf;::::::;:::::.::l　| ! 　 ! ｌトヾ
_ｨ |　l　　l　　　 l l　ﾊ/　＿_｀　　　　　　　　　　つ.:.:::::.::j　| | 　 l！l
　/l　|　　ﾄ　ｌヽｌﾊ/ ,rﾆ-－:::::ミ､　　　　　　ヾ_　- ′ｌ l　　.! ﾄN　　　ここで何かおかしいと思わないだろうか？
../ |　ﾊi　ﾊ　l　 V/〈〈ら::::':::::.::l　　　　　　　　　　　 //!　　ﾄ、|
/　| / lｌ　 | ヽ l　ﾄヽ. ゛う:.:.:.:.:::j　　　　　　　　　 //ｌl　　 ! l |　　　郭淮らはたったの四千しかいない。
.　 l/　ﾘ　 |　f､ヽ　＼ヽ. ヽ-‐´　　　　　 ′　　　　　　 /j　　ﾊ N
　　　　l∧ﾘ, 〉ヽヽ　　＼＼　　　　　　　　　　 _　　　／//　 / ,ﾘ ′　　すぐ近くでは諸葛亮の軍勢が
　　　　　　 V ヽヽ＼　　＼ﾐ､、　　　　　 ´　　　　／　/l l　/　　　　　　祁山を包囲しているにも関わらず……
　　　　　　　　ヽlヽヽ、　＼`　､ _　　　　　　　イ　/i ////
　　　　　　　　　　　ヽ:､＼　　＼ﾄ＼｢￢‐--‐ '´　l l/　ﾘ/ﾂ′
　　　　　　　　＿＿　ヽ　｀へ　＼､-j　　　　　　 l ＼
　　　　／l　 l::::l　　ヽ￣￣｀丶ミヽ　　　　　 l､　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／─　　 ─　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（●）　（●）　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　（__人__）　　　　　 |
　　　うーん。祁山包囲してる蜀軍は数万はいるはずなのに、　　　　　　　　＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <
　　　上邽の麦を守りに行く郭淮たちは四千しか……　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　 '､＿＼　／　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |＿＿＼　 “　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＼_／
567 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:37:09.64 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　 _＿＿＿
　　　　　／　　　　　＼
　　　　／　　　;　　 _ノ′
　　　/　　　　　∪　:::（●　　　　　　　……少なすぎね？
　　　|　　　　　　　　"｀(__）
　　　＼、　　　　　　 /´ヽ　　　　　これじゃあ攻めてくれって言ってるだけのような？
　　　　　)　　　　　　ィ（"_ノ
　　　 / /⌒ヽ　　　ヽ）　|　　　　ひょっとして、これは釣りなのかお？
　　　 i l　　　|　　　　|　　|
　　　 | |　　 |　　　　|-‐'
　　　 |.|　　 |　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　
　　　断定はできないが、その可能性が高い　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |
568 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:38:31.88 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　祁山】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _∠^ヽ､　　　 _／;:;:;:;ヽ-､
　　　　　　　 _,､_　　　　　　　　　　 _,／:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ="´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、_
　　　　 _,-＜;;;;;¨｀~＼._　　　　　 ,-､.,ｨ　　　　　;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.司馬懿にしてみれば、郭淮を上邽に駐屯させ、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.それによって諸葛亮がどう動くのかを見極めるつもりだったのだろう。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　.とにかく、第四次北伐の序盤戦は上邽の麦を巡る攻防となる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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569 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:39:37.53 ID:SG.vAtoo: ―　蜀軍陣営　―

　　　　　　　　　∠ -―‐--- ､＼＼
　　　　　　　／　/ ／　 ,　　　｀ヽヽ＼
　　　　　　　// , / /　／/ /,ｲ　　 Vﾊ　ヽ
　　　　　　 // // / //　/ //｜｜l　ｌ！　＼
　　　　　　{ﾉl ｌ| ｢Ｚﾒ/l// /ム⊥｜|　| |　　／
　　　　　　　l l |l 〈f沁 {/ / ｨ汽く l| j ,ﾘ } rく
　　　　　　　Ｎ八〉｀ﾞ′,　　｛ﾞりﾉ//〃/ｲ　 |
　　　　　　　　 jﾍ、　 _　　　" 彡'／/　|l　 |　　　　　　　　　　　郭淮が上邽に？
　　　　　　　　 / / 丶、｀　　, ィ7´ rク　l 　 |
　　　　　　　厶ｲ __｣二兀／/-|-/厂ヽ、　｜
　　　　　　　/　/ ｌ { ´´rｸ〈｜　/´　　　〉　｜
　　　　　/　/ /八　　｝| ∨　ﾉ! 　　 /!　　､
　　　　　 /　/イ {几こﾌｌ｣__j 　）｝　　ハ　　ヽ
　　　　／ﾚﾉ //　　　r1ｰ┤　l|_｝　　　ヽ　　＼
　　 | /「 }　/ 　　 / |｢ / 　 |_｝　　　　〉　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′/: : :|: /: /-/:十-､:/: : : :/:-┼: |、　ゝ : ヽ: : i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: :ｉ: : : :| :| / /|: /!: : /: :／/: : /|: /　ヽ　ﾐ : : |: : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: :|: :i : | :|:|斗≠=ミ/／　/: :斗=≠ミ.　　ミ＼|: : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: :|: :i : |八Ｙ´ んｉr个　 /:／´　んr心{　 }ヽ∨: : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│ |: :i :∧ハ　弋てｿ　／　　弋てソ　ﾙ∨: : : !
　　　ええ、向こうも上邽にある麦を　　　　　　　　　　　　　∨|: :i∧小　　ー　　 ′　　　　ー　　（'^ﾊ: : : : |
　　　確保したいんじゃないでしょうか？　　　　　　　　　　　ヽ| 八（∧ゝ""　　　　　　　　　　　""ﾉ⌒)ﾉ : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: ｉ :＼.ﾍ、　　　　　 -､　　　　　　＾´／: : : :i: |
　　　みすみす麦を奪われるのを　　　　　　　　　　　　　　　　|: i: : /:￣＼_　　　 ‘ｰ'　　　／i⌒´ｉ : : : : !│
　　　黙って眺めるのはどうかと思うんですが……　　　　　　|: i: :,': : ｉ : :（＼　　　　　　. ィ : : ｉ: : : ! : /: :.i八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,: :|: |: :.:.ｉ : :.iヽ　ヽ＞‐　 ´　ト、: |: : i: ∨: : /:iハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / :ﾉ:│: :.|: : :| ∧　Y_　　r‐､ノ　＼{: : |.:/{: : :{ノ/　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／ｉ八: : {ヽ／　｝　ト､／ヽﾉ　　　〉､∧八 : :∨
蜀　文官　楊儀
570 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:40:22.93 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　／／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ヽ丶
　　　　　　　　/　/:.:.:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ}! ヽ
　　　　　　　 /　/:.:,i:./:.:./:,i:.:.:l:.:.:.:.jヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'ll 　丶
　　　　　　　＼l:.:.:.l:,ｨ:.:.l:.:,!:.:.:ll:.:.:/ 丶:.ﾄ.:.l:.､:.:.:lに ,ノ
　　　　　　　 l:.:.:.llﾊ､_l/ l:.:/l:.:/ -‐'i´l !:l:.:i:.:.:l l￣|
　　　　　　　　 l:i:.:.:l',-三､l:.ﾘl:./　,r,＝'､ﾐ,l:.l:.:l:! l:.:.:l
　　　　　/　　　Nﾄ:.:.仏:::ﾟヽY,l/　 ' ぅ;:;ﾟ;:l ｿｨ':/} ,!:.:.:l
　　　　 /__､　　!:ゝヾi丶- '　　,　　丶- ' '´/ｲ　ﾉ:.:.:.l,
　　　　　｀　ﾑ,_〉｀ﾄ(二)　　　　　 (二)/'´　f:.:.:.:.:.:',
　　　　　/ 　 />-{　　}ヽ、　 ⌒　　, ィ"{　　 }ｧ^):.:.:.',　　　　うちの状況を考えれば、
　　　　　|　　f':`うl　〈　_,.≧‐ - ‐≦、　）　　lぅ::｀ヽ:.:',　　　.上邽の麦はノドから手が出るほどほしいのですが……
　　　　 /　 /）:::::{l　　lr'r''"´,ｨ介>､`ヾヽ〉　　lﾌ::::::ｲ:.:.:',
　　　 l l　//:::::::::'i 　ﾄぃｨ'ｼｸ/l l丶ﾐ' ,ﾉ{　　ﾉ::::::::::ヽ:.:.:',　
　　　　ノ/ｸ::::::::::::l　　ﾞi`"　,l 巾 l　`"　〉　ヽ::::::::::::ヽ:.:.:',
　　　　　/ｲ::::::::::::::ゝ　ﾉ　　,! l)l(l l　　　「　ﾉ::::::::::::::::ヽ:.:.',
　　　　 /'::::::::::::::::::{　　ヽ　,l ,l(ll)l, l　　　{　ヽ::::::::::::::::::ヽ:.:.':,
　　 ∧:ヽ:::::::::::::ﾄ.　　 !　l ,l ljil l l　　〉　 ,l::::ﾐミ:::::::::::ヽ:.:.':,
　　　 /:.ヽ:::`ｰ-::::j|}　　ヽ/ l l()l l l　　（　　 }:::::::::::::::,イｼ:〉:.:.',
　　 /:.:.:.:ゞ―--rlｲ　　　K_//{l} l_,〉　 !　　,ﾊ::::::::::::::::::／:.:.:.:丶
　　 /:.:.:.:/l{l:::::::::lヾL..,＿,」r-'| }l{ l L,.､_,}　　 l'｀l`ー-r''":.:.:.:.:.:.:.:ヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .諸葛亮の北伐における最大の問題点は兵站、食糧問題である。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.これまでの北伐では、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.兵糧面の問題で軍事行動が制約されがちだった。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.第二次北伐で陳倉を攻めきれなかったのも、それによる影響が大きい
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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571 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:41:26.05 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年３月　蜀首都　成都】

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　　　　　　　　　　 /　　　　 r　　　　　　　　　　ﾍヽ
　　　　　　　 ,'　　　　　ﾉ￣￣￣￣￣￣￣￣l〈
　　　　　　　　　　|　　　　　|　　　　　　　　　　　 |│
　　　　　　　　　　|　　　　　|　　　　　　　　　　＿ﾄ,L_
　　　　　　　　　　|　　　-=┴:┬: ｧ : :7T:7下:/｢:､ : !＼　　　　　　お前が前線に送る食糧食べちゃったんだろうって？
　　　　　　　　　　|ﾉ　　厶イ:/! /-孑'´|/　|/二jﾊ:ﾘ│
.　　　　　　　　 /　　　　　l: j,斗ﾃ圷　　　弋iﾅ小/ ,|　　　　　　　.いくらＡＡの元ネタが腹ペコキャラだからって、
　　　　　　　　　 |　　　　　|Vﾍ弋)ﾝ　　　　｀´ i:|∨|　　　　　　　そんな馬鹿な話あるわけないじゃない。
　　　　　　　 j/　　　 ,'|　''　　　　　 '　　 '': |: ' |
　　　　　　　 /　　　　 /.:|丶、　 f^ーァ' 　ｲ: :|: : |　　- 3　　　そもそも、成都から漢中までの行程は
　　　　　　　　/　　　　 /|: :|（ヽl＞　`_ｰ_.　イ:!:| : |: ハ　　　　　　 .山道が多くて大変だけど、なんとかなってるしね。
　　　　　 /　　　　 /-|: :|（>､｀ー‐┴'　∧L| : !/: : '.　　　　　　
. 　　　　 /　　　　 ∧. |: :l　＼　　　ﾉ/　｝ |: :|ヽ: : :i　　　　　　まあ、毎年出兵してるから、ガタは出始めてるけど
　　　　 /　　　　 / ハ.|: :ﾄ.、　＼ｰ‐　/　,/　|: :| ∧: :|
.　　　　,′ 　　 /　　 |: :l　＼　＼/　 /　 i|: :l/　'; :|　　　　　　　　　./ﾞ）
.　＼ __　|　　　　/ 　　ｌ|: :|　　＼／＼/　　|ｉ /l 　 |│　　　　　　　　/　'ｰ--っ_
　　 }`ﾄ､|,　　　/　　　　ｌ|: :|　　　〈=-O-〉　 |: | |.　│| 　　　　 __xく　　-‐=彡'
　＼ | l|　＼　 |　　　　||: :|　　　 /＼__∧　　|: | |. 　Ⅳ　　　　／＼　ｌ|　　'´￣
　　 | ｌ|　　 |＼j　　　　 ||: :|　　 ./ 　 ∧　l 　 |: | |　八　　　 /＼　│ ﾚ'
　　 | ｌ|　　 |　 }ヽ　　 ||: :|　　/ 　 /　|　| 　 |: |ﾉ　　 }　　 / 　 |　 |　|

蜀　文官　蒋琬

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　ただし、成都で留守を預かる蒋琬は満足いく程度には兵糧を輸送している。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.別に彼は兵糧輸送をさぼっていたわけではなく、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.常に兵糧と兵員を前線に供給しており、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　その手腕は諸葛亮にも高く評価されている。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .それでは何がいけなかったのか？
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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572 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:42:33.39 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年３月　蜀　益州　秦嶺山脈】

　ﾉ
::ヽ
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::::::）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r/　　''ヽ,,,,　　　　　　　　　　　　　　,,,,　　　　　　　　_　,,, ,
:ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|li　　/ii　　ゝ,　　　　,,　　　　　　 ,,＿　,,, ;;,, ''　　'' ,,| ~ゝ, , ,,,　,,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //ll　　　　　　|;,, ,,ノl⌒￣'' '⌒ゝ_ノ|　l￣ヽ　　　　　 |;;/ 　,,,, ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,|r　　　　/i　　/⌒　|　　ヽ　　　ll| /　l　/ii| ,, ,, 　 ,,　||⌒/　''ゝ,,, ,, ,,,,
　　 , ＿,,,, ,,,,, ,,,＿　,,　　　　　　　　 || ll |　　　　ﾉ/　　 /ii　　ll > 　,　lﾉ　　　　|　　　　　 ~|ll l 　　|ii￣l⌒￣
　⌒~　　　　　　　 ~/;ヽ＿,,,,ﾉ/⌒⌒//　/　ll|　　　|ll　　l 　ﾉii　/　/ii　l　 /　 |ノ　,, ,　　,　 r)ﾉ　　ヽ　/ii
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　　　　　　,, ,,　　ヽノ　　　　,,,　　,, ,　　　　'ヽ'''i /^/　 ii　 /ii　　|ll 　　|＿iiノ　,,,, ,,　,, ,　|ll　　　　　　ゝ
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　　　　"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ/　,　　　/ii i
　""　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,　,,,　,　　　　　　　,,　　,,,,,　　　　　,,　　　,,, ヽ_ | ii　 ii
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣＼|_ノ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.問題は、益州と雍州の間に横たわる秦嶺山脈の存在である。
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.この秦嶺山脈を越える漢中～隴西間の道筋はどの経路を用いても、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.兵士たちにとっては山あり谷あり桟道ありの難所だった。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　その難所を牛馬に兵糧を引かせた輜重隊が通過する場合、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.道中で小回りの効かない輜重隊が谷底に落ちるなどして、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .せっかく用意した兵糧が失われるケースが多かったと思われる
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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573 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:43:28.78 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年３月　蜀　益州　漢城】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　カ
　　　　カ　タ　　　　カタ　　　　　i~"レ、　　タ　,-=ﾆ二ﾞミ
　　　　　　　　　　　　,／￣￣｀ヽi ﾚ＜-、_、／　　　　　＼
　　カ　　　　　彡_,／"　　　　　　　　　　 / /　　　　カ　　　ヽ、
　　タ　　 ,.y-'"　　　　　　　　　　　　　|　.|　　　　　　タ　　ヽ
.　　　　　　 }　　　丿　　 i　　　ﾍ　　　　}　.Ｖ /,A　　　　　　　　i
　　　　　　l|〉　 ,　 }ﾍ　　　|　　　} ＼　　＼_こﾝ>,｝　　　　　　　 |
　　　　カ　/,　i !　iﾞヽ}　　 i　　　{,／ﾍ、　　,　.//∧}　ﾍ　　　　　 i
　　　　タ ∥i　|ﾍ .トt,ヽ}、　{　 {=-tﾃ={　　{　 i∥ﾍi }　 i　　　　　　i
――--=__ﾘ_l_ } } .i　iヾ,,＼　{　i彳"i,　〉 /i　　|/卅i|　 .|　　　　　　|　　わざわざ漢中まで引っ張り出されたのに、
ー----,.__　　 .]　}ﾄ,弋;;!.|　＼ {弋;;ﾘ_,彡ﾚﾉ　　ﾚ6"' i　 .|　h　　　　 .i　　なんでやる事が兵糧輸送の監督なのよ～！
　　　　　 ,　ヽﾍゝiミ　　　　　｀　　　　 "/　／"'＼i|　　|　; ;;　　　　 |
　　　　　/　　 ,　.{ ヽ、　｀　　　__,、　　ノ／　　　　i|　　|　;; ;　　　　　i　こんなの楊儀か費禕で充分でしょうが！！
　　　　 /　　　|　ﾍ、.へ、ー''ニ=+ゝ／/" .{　_　李〉　　 i!　　　　　　　.i
　　　　 {　 __　 |　 i|＼ヽ-｀ゝ--'"~;;　<、 /i|L-ノ~｀"i　　|　　　　　　　i
__　　　 i|　__　　|　 i|　｀./ゝ〈｀^'-　>_,__＼_i__.}＿, ∥　ﾉ　;; ; ; ;　　　|
　||　　　ii　＿　 i|　 |__)∩　　／ )´ /￣i-<__　＼∥;; 　　;; ;　　　　|
ﾟ　||　　　 ii　__　 |　｜ i,u )　（_／i　/（ .（　ヽ_ﾍ　 )　;　;;　　　　　　i
＿＿＿＿＿＿＿＿　￣＿＿＿｀´＿｀ヽｙ丿／

蜀　驃騎将軍　李厳

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　当然、これを問題視した諸葛亮は兵糧輸送の対策を講じている。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.まず、漢城に李厳を置き、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.漢中から前線までの兵糧輸送を監督させる事で問題の解決を試みた。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.李厳の能力を買っていたからこそ、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .最重要箇所の兵糧輸送を任せたのだろう
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
574 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:44:42.03 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　 ∩＿
　　　　　　　　　　　　　　〈〈〈　ヽ
　　　　　　＿＿＿_　　　〈⊃　　}
　　　　／⌒　　⌒＼　　 |　　 |
　　　／（ ●）　（●）＼　 !　　 !　　　　　後、この時の北伐で、
　／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼|　　 l　　　　　丞相が『木牛』を発明して兵糧輸送のコストダウンを考えたんだお！
　 |　　　　　|r┬-| 　　　 | 　／
　＼　　　｀ー'´ 　　／／
　　/　＿＿　　　　　　　/
　　(＿＿＿）　　　　　　/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ヽ､_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人__）　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　　　　　　 |
　　　　　木牛？　話には聞きますがどのような物なんですか？　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⊂ ヽ∩　　　く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | '､＿＼　／　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 |_＼　 “　.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､＿_＼_／
575 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:45:19.49 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　それがよく分からないんだお。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　ヽ､_ ＼　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（● ）（● ）　＼　　
　　　　　はっきり分かっているのは、木牛が牛のような外見をしてて、　　　　　　　／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼
　　　　　それのおかげで兵糧輸送の人手が少なくすんだぐらいで……　　　　　 .| 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ　 L　　　　　U　／
　　　　　作り方が残ってないから再現も難しいみたいだし……　　　　　　　　　　　　　ゝ　ﾉ　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 /

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　u.　　（__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　それは残念ですね。
.　 |　　　　　　　 }
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　 .兵糧輸送の手間が軽減できたというのは興味深いんですが……
　　ヽ　　　　　ノ
　　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　　 l ＼　巛ー─;＼
　　　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l
586 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/07(日) 23:58:33.87 ID:FT1hMQMo: >>575
実は猫車程度のものだったりしない？
このころには普通に普及しちゃってて、まさかそれが新兵器だなんて夢にも思わなかったとか
576 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:47:24.26 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　祁山】

　　　　　　　　／／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ヽ丶
　　　　　　　　/　/:.:.:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ}! ヽ
　　　　　　　 /　/:.:,i:./:.:./:,i:.:.:l:.:.:.:.jヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'ll 　丶
　　　　　　　＼l:.:.:.l:,ｨ:.:.l:.:,!:.:.:ll:.:.:/ 丶:.ﾄ.:.l:.､:.:.:lに ,ノ
　　　　　　　 l:.:.:.llﾊ､_l/ l:.:/l:.:/ -‐'i´l !:l:.:i:.:.:l l￣|
　　　　　　　　 l:i:.:.:l',-三､l:.ﾘl:./　,r,＝'､ﾐ,l:.l:.:l:! l:.:.:l
　　　　　/　　　Nﾄ:.:.仏:::ﾟヽY,l/　 ' ぅ;:;ﾟ;:l ｿｨ':/} ,!:.:.:l　　　　　 .蒋琬も李厳もよくやってはいますが、
　　　　 /__､　　!:ゝヾi丶- '　　,　　丶- ' '´/ｲ　ﾉ:.:.:.l,　　　　　それでも長期戦になると一抹の不安があるのです。
　　　　　｀　ﾑ,_〉｀ﾄ(二)　　　　　 (二)/'´　f:.:.:.:.:.:',
　　　　　/ 　 />-{　　}ヽ、　 ⌒　　, ィ"{　　 }ｧ^):.:.:.',　　　　上邽を攻めて麦を収穫できれば、
　　　　　|　　f':`うl　〈　_,.≧‐ - ‐≦、　）　　lぅ::｀ヽ:.:',　　　　当分兵糧の心配をしなくても……
　　　　 /　 /）:::::{l　　lr'r''"´,ｨ介>､`ヾヽ〉　　lﾌ::::::ｲ:.:.:',　
　　　 l l　//:::::::::'i 　ﾄぃｨ'ｼｸ/l l丶ﾐ' ,ﾉ{　　ﾉ::::::::::ヽ:.:.:',　　　敵の兵糧補給もできなくなりますし……
　　　　ノ/ｸ::::::::::::l　　ﾞi`"　,l 巾 l　`"　〉　ヽ::::::::::::ヽ:.:.:',
　　　　　/ｲ::::::::::::::ゝ　ﾉ　　,! l)l(l l　　　「　ﾉ::::::::::::::::ヽ:.:.',
　　　　 /'::::::::::::::::::{　　ヽ　,l ,l(ll)l, l　　　{　ヽ::::::::::::::::::ヽ:.:.':,
　　 ∧:ヽ:::::::::::::ﾄ.　　 !　l ,l ljil l l　　〉　 ,l::::ﾐミ:::::::::::ヽ:.:.':,
　　　 /:.ヽ:::`ｰ-::::j|}　　ヽ/ l l()l l l　　（　　 }:::::::::::::::,イｼ:〉:.:.',
　　 /:.:.:.:ゞ―--rlｲ　　　K_//{l} l_,〉　 !　　,ﾊ::::::::::::::::::／:.:.:.:丶
　　 /:.:.:.:/l{l:::::::::lヾL..,＿,」r-'| }l{ l L,.､_,}　　 l'｀l`ー-r''":.:.:.:.:.:.:.:ヽ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .この第四次北伐において、
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　諸葛亮は兵糧輸送の問題に関して、打つべき手は打っていた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　しかし、滞りなく兵糧輸送を行えるとは限らない。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.そうなると、祁山に程近い上邽の麦は魅力的に見えてくる
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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577 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:48:36.25 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　 , ‐_二........_ヽ､｀丶､
　　　　　　　　　　　／"´　 .i.}　　､ヽ＼　i ＞
　 ,、　　　　　　　　　　　　/　/　 .//:ﾄ､／ } .ヽ V'、
　ヽ＼_,.､　　　　　　 / . .{ ..:ノｲｲiｲ7下i : .:} {　',
　ｒく V´ ｿVヽ､　　　　 i:{ : :{弋ﾘ ,　　ゝ'/ｲ.::/i i　 ',　　　　　　　楊儀！
　ゝマ__ﾉ〃､‐､丶､　　 , -`ゝ::ヽ　　ｒ‐ ､　ﾉｨｨ_i .i 　 ',
　　 ⌒ヽ､:　:　.　.｀}1水)　　i｀`､　ゝ._ﾉ　ｒ'1 「.{::.　 ',　　　　　　全軍を上邽を攻める部隊と、
　　　　　｀丶､　: i:i ∨: .　 }＋i てiー＜ L_i ,　i:､::.　',　　　　　このまま祁山を包囲する隊に二分するのです！
　　　　　　　　 /￣i:i　ヽ: : : ｊ.＋i: :〈V´ｒｯ水ヽ+ {::::､::..::',
　　　　　　 /　: :i:i　　{｀ゝ} ,　{　人_ノi:i ﾄﾄ;ﾍ {､:::::_ｒュ、　　　上邽攻めは孔明みずから向かいますよ！！
　　　　　 /　: : i:L_: . V ﾉ＋ｨiT: : 〈i　i::i i{ ii ﾍﾍﾍ>ヽ ∧　　　
　　　　　　 └ ､: : ￣}L / ｊ＋{::',',: : 〈i　!:i iﾍi:i 〈ﾍ VWV::::',
　　　　　　　ヽ: : :ヽ::}　}　　{::::',',: 〈L」:|_l 〉ﾘ_」i i }｀T {::::::',
　　　　　　　ヽ: : V　.:}＋ {:::::ゝ: :⌒⌒代彳}+i:}　 . {::､:::',
　　　　　　　　 ∧_/ .::::L....」::く: : : : : : : ﾚﾍi: L」:､　ﾊ:::＼'､
　　　　　　　　　 //　.:::::::::::::::::／＿＿: : : :｀ﾞ": :ヽ i:i`": ヽ:::::`ヽ､
　　　　　　　 //　.:::::::::::::／￣　　　/:,､: : ｒ､: :_ {､!i:　: 〈:::::::::::::
　　　　　　　　 , ' 　.::::::::::::／　　　　　/:/　',: :{　}: { ､､ヽ:　:ｊ:::::::::::::
　　　　　　／'´.::::::::::::／　　　　　 ,/:/　　L:」　L:　　　　　　　　　　　　　／ : : : : : ／: : : : : : : /{: : : : : ､〉: ｀丶、
　　　　_..- ´　.::::::::::::／　　　　　　 /:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : :/: : : :///: : :/: : :/:ハ:.: : : :.:ﾄz: : : : :＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / : : く＼ :///: : :/: : :/:/ : : :../: :.:| ヾ: : 丶: :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′: /: :＼/ : ! : :/: : :/:/: : : ∨: :|: |　ﾐ: : i:| ﾄ､|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : :/: : | : |: ｉ│: | : -‐/|～': 八: :L:j、ﾐ:::..ﾘ| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: :厶:.: :| : |: ｉ│/| /∨八: : //: :/|/ ∨: :/:,'| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : |/: /:| : |: i八:r斤┬=ミ∨/／ r=zｧi: /j/ j/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j: :/イ八: ｉＮ　弋(ソ　　　　　　ﾋｿ ,ﾙ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′: : :＼ヽ{　　　　　　　　　　　　 {
　　　　　　　丞相みずからですか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : : : :ｰzﾍ　　　　　　　　　　 ′　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:/: : : : : : : :/　　　　　　　　　　人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠　/: /: : : : /:/　　　丶　　　 ⌒＾／:ﾄ :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : }: /: :/{ | ＼　　　　＞　　..＿／乂ﾉ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厶∨|/|／八|　　￣二=く : /}: /: /|: :j＼＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／二ﾆ=-　、　　　　 ∨ j人:/│/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　_,,二二 _ 　＼　　 ∧　　　 j/
578 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:50:19.50 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　 ,　二¨-―-- ､｀丶、
　　　　　　　　　　　／＿ ..-――-.. ､十ヽ＼
　　　　　　　　　　　　/／::.::,:.:.:./::/::.::.l::.::｀ヽ、＼ヽ
　　　　　　　　〃::/:::/:.:.:/::/::.:/::|::.:､:.::.::ヽﾊ｀、
　　　　　　　　　　　l::.:::l:: ,':l:::/::/::.:/::;小:::ｌ::ﾄ､::.:Ｖｌ　ヽ
　　　　　　　　　　 {::.:::|:::ｌ::|::l::/::.:/::/:/:_j⊥ｌ::ヽ:！}　　＼
.　　　　　　　　　　ﾊ::.::l:::|┼く:／::/ /'´ﾉヽ:∨::.:l |　　／
　　　　　　　　　〈　l::.:|:::l::|∠、ノ　　 , =≡V::.::/｜／
　　　　　　　　　　ヽﾍ::ヽ::Ｖ⌒ﾞ　 ,　　　"ﾞ / :::,'　 l〔　　　　　　　郭淮の撃破、上邽の麦の収穫、
　　　　　　　　　　　/rヘ::＼゛゛　rーﾍ　彡: /　 /:::Y⌒i　　　　敵の援軍への対応……
　　　　　　　　　　 l冫/ }｀ヽﾐヽ、ヽ､ノ, イ:｀7十/::.::.:l　｜　　　 .やらなければいけない事がいっぱいですぅ！
　　　　　　　　　　 /／ /:::_rﾍ_｀二√ ＿_〉/　　ﾚヘ::}　 |
　　　　　　　 //　 ,'／夕r=＝､∨---/､/　f==ﾐﾌ　厂ト､　. いわば我が軍の死命を制する作戦、
.　　　　　　　　／/　〃r７,ｲ|　　 >ﾄﾏ￣〉 7ヽ厶ィ {ヽ｣__/ / 〉 .それなら、孔明が指揮を執った方が確実ですよ
　　　　 ,　-‐'7／　／:.rｸ/ {ﾆ=彳/ ﾊ ∨,　　/￣:{八_‐-┴勹
　　　／　　 /　　/: :/７/　／,ｲ/ /　/､/_　/: : : :|:厶｀＾´ 人
　　ヽ冫< /　　 {: : :Y〈__ /／〃 ,'　/ 7ヽ ,仆､: : :|| : :｀¨¨´: :冫、
　　　　＼/　　　rヘ :｀ヾ//__/> /／V／ /｣ハ: : l|: :丶: : : ,': ヽヽ
　　　　　　 /::/^ヽ_/厶＞rく/ ／l丶/ﾊ/;'/｀ヽj| : : ｀､ /: : : :} ﾄ､
　　　　　　　　/::.:|／{/　　 Y^厶-z＿ノ;';';';'∧::.::.:＼: : : : : : : : j ﾊ:ヽ
　　　　　／/:::,': :〃　　　 {Ｖ　｀ｰ＜;';';';'/::.:ヽ::.::.:::ヽ、: : : : : {〈　｀､ヽ
　　　　　〃:::,':::/: :/乃ﾍ、（{人　、｀丶､)';'ﾍ::.::.::.:､::.､.::.::＼: : : rﾍヽ　ｌ:::|
　　　　 /::.::.:':: l: :/r':〈;';';';'＞ﾐＶ｀丶＞ｰ';';';'ハ::.::.::｀.::ヽ::.::.::ヽ_/　 l:｢　|:::|
.　　　 l::.::.::l::.::|: l_｣ : :ﾊ;';';';';入;';';';';';';'_;'_;'_;'_;'_〉::.::.::.ヽ::｀､::.::.:｀､　 l:|　 }:::}

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.諸葛亮はみずから上邽へ向かう事を決断した
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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579 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:51:04.98 ID:SG.vAtoo: 　　　　／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　（ ●）（●
　　　|　　　　（__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　.何故、総大将の諸葛亮自身が出撃したんでしょうか？
　　　 |　　　 ∩ ノ ⊃
　　／　　 .／　＿ノ　　　　　　　今の話に出た理由があるにしても、
　 (.　＼／　.／_ノ │　　　　　　.魏延や王平のような将軍に任せてもよさそうですが……
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　＼／＿＿＿ /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_ノ　ヽ_＼
　　　街亭の一件のようなのを防ぎたかったんじゃないのかお？　　　　　　　　　／（ ●）　（ ●）＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼
　　　前線で勝手な判断されるぐらいなら自分が指揮を執るとか……　　　　　|　　　　　　￣　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　／
580 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:51:30.54 ID:SG.vAtoo: 　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　
　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　
　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　ひょっとしたら諸葛亮は、
　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　　配下の将軍たちの能力をあまり評価していなかったのかもしれない
　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　
　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　　
　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　　
　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　_ノ　ヽ､_.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　（●）　（●）＼
　　　　　　　　　　　　ほう？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　（__人__）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　＼　／＿ノ　|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.＼　“　　／＿＿|　 |
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581 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:52:34.42 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-─ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／ ∟ /
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／
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　　　　　　 ,. -- ､　　 f＞:´_:_:_/´､ ―-､｀丶、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／
.　　　　／　　　　＼f/:／´　　　＼::.. ＼　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／
　　　／　　　　　　 f/:/　/ /_/＼､　ヽ::::.. l　 .l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／
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　　!　　　i　　:::::::::r=/_}}. |､|/ｋ::::l　　　'k:::l ::::　｜.　　　　　　　　　　　　　／／／
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　　|　　 j　　::::::::::::::::||:::　!､　　 {　　ﾘ　 ,ﾊ:::::::::::::|　　　　　　 ,r'`!　{__j`ーノ
　 /　　 /　　 :::::|:::::::::||:::　ﾍ!`　､｀ー' .イ:　',::::::::::::::,. --､　　 _T .､ィ|ゝゝ-)l /
／　　 /　　　::::_|:_:_:_:|ヽ::::.. ヽｰ-､_Ｔ´　 !:::. ﾍ.⌒／　　　｀TY´　ヽ〈〈_ゝ-'ﾞ´ l/
.　　 / 　　／　　　￣ﾊ::::!､ |､:_:_n:_}＜ヽ::::.. ヽ　　　／|〈　　　 ,.　'´
　　 /　　_／-―　　　〉l/ | |　ﾉHヽ、L_ヽ:|ヽ|　　　　 | j　,.　 '´
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./|　 {｀丶､__　　　＼ |/_j::::....:::::::::::::::.......',:. 　 .........　',::::::::::::::|::|
　l　/｀ヽ.__丶._　　　 j'´::',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}:::l::::::::,|::|
ヽ!/　　　　＞､}--‐ 'ヽ.__ヽ､::::::::::::::::::,__､:::::::::::::::::::,.ｲ::/!:::::/j;/
. /　　　／　　　　　　　ヽ::::::l` ｰ一'´|　 l`ーr一'´ /'　j／
〈　　　ヽ.　　　　　　　　_|:::::!: : : : Ｏヽ,.ｲＯ::!‐┐
　ヽ.　　　ヽ　　　　　　::ノ::::::l : : : Ｏｨ´ヽＯ/::::/

劉備軍　将軍　関羽（字：雲長）

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　そもそも諸葛亮の天下三分の破綻を招いたのは、
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .樊城包囲戦における関羽の暴走がきっかけだった。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　しかも彼は、劉備軍が漢中制圧で力を使い果たした時点で出兵を強行し、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.樊城攻略に失敗したばかりか、荊州をも失い敗死してしまった。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.これにより、荊州から中原を牽制し、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .関中へ進撃する天下三分本来のプランが実行不可能になった
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
582 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:54:05.18 ID:SG.vAtoo: 　　　　　 // . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :､: : : : :　　＼
.　　　　〃 : : :　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :､: : : : : : : : : : : : : : : :＼､: : : : :　＼
　　　　/{　　　: : : : :ｲ: : : : : : : : : : : : : : : :､ : : : : : : ＼: : : : ＼: : : : : : ヽ: : ヾー､: : ､　＼
　　　.′VL _　ﾉV{｛ : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、: :､: : : :＼_; : : :ヽ、: : : : : ヽ、:ヽ.　＼: ヾー＼
　　　　　　_ ..二、 vﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼: ＼: : /ｲー‐､: :＼: : : : : : ＼: ＼　＼＼
　　　 i　∧{ 　　ヽ{: : : ＼: : : : ､: : : : : : : : : : : : ＼: :VハF汽くヾｰvヽ: : : : : : :＼: :ヽ　＞‐ミ、
　　　 |　　　: : : 　 : ヽ､、: : ヽ: : : ＼ : : ､: : ＼ : : : : :ヽ}{:::o{rﾍ　　∨ }:ヘ: : : : : : : :vﾍlヘ　　　＼
　　　｜　　　　 : : : :ヽヽ、: ＼ : : :＼: :ヽ : : ＼ : : : : ヽｰ':::ﾉ　}　 V＼: :ヽ: : : : : : V に)＼　　　ヽ
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　　　ｖﾍ　 : : 　{　: : : : :ヽ: : ヽ〃:{::o廴_}}｀　　　　　　　　　　　 }　　　　｀ /´＼: : : : ヽ＞─-､　 }
　　　　{{　ヽ　: : :ﾍ　: : : : : :＼: :＼:ﾞー':::::ﾘ　,　　　　　ヽ　　　　　　ハ　　　 ′　　＼ : : :ﾍ　　　ヽ|
　　　　ヽ　＼ : :fﾍ　: : : : : : :ヾー＼=彡'／　　　　　　′__　　　∧ﾍﾍ　　　{　　　　 >､ : :} 　　　＼
　　　　　　　　　＼{ {ﾍ.　 : : : : : : ヾー　 ´　　　　　 ,　´　　　 /　 vﾍﾍ. 　 |　　　　 {{　ヽﾉ　　　　　　ヽ
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蜀　将軍　馬謖

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.また、第一次北伐でも街亭の一戦を馬謖に一任したが、
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .馬謖の経験不足と判断ミスで敗北を喫している。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.そのために天水・南安・安定の三郡の放棄を余儀なくされた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　これに関してはどう考えても諸葛亮の人選ミスだが、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.このように重要な局面で前線を預けた将軍が失敗を繰り返せば、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .配下に作戦を委任する事に関して、誰であろうと不安に思うだろう
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
583 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:55:18.41 ID:SG.vAtoo: 　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ー）（ー）
.　|　　　　（__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　確かに部下が何度も失敗を繰り返せば、
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l　　　 .次第に疑心暗鬼になって、
.　ヽ　　　　　 |　　ﾉ　　　　.自分の手でやった方が早いと思うようになるかもしれません
　　ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　　しかも、諸葛亮は有能な働き者であり、　　　　　　　　　　　　　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　
　　　　　何もかも自分でやりたがる所があった。　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　
　　　　　そういう彼の特質も影響しているのかもしれない　　　　　　　　　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |
584 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:56:55.59 ID:SG.vAtoo: 　　　／￣￣￣＼
　　／　　　　　　　＼
　/　　　 ─　　　─　ヽ　　　　　　　　でも、祁山を攻略する方が先のような気もするお。
　|　　　（●）　（●）　|
　＼　　∩（__人/777／　　　　　　　　二兎追う者は一兎をも得ずなんて言うし……
　／　　（丶＿//// ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　／: : : : : : : : : : 　　　　　ー- ､｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ': : : : : : : :- ､　　 . . ｀丶、｀丶、｀丶ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : :　　　 . : ヽ: : :｀ヽ、: : ヽ.: : ＼.　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ' : : : : 　ヽ、:､: : : : :ヽ｀丶､＼: : :ヽ.＼｀、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::: : : : {　 ',: : {ヽ､ヽ､::::::. :＼-ヽ=､: : :.';. }.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;.:.:.: : :　ヽ: : ヽﾍ　-＼｀ｰ- ､}　_}_ {ヽ: :}/､
　　　　　少々話が脱線した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:.:.:. : 　 : : l＼／＼　　　　　　ｲﾃ"ﾜ; :}/:.: : ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　!: :　 . : : : :.V ヽx=＝ミ　　　　ﾏ_:j　V:::...: : ＼ヽ
　　　　　とにかく、諸葛亮率いる蜀軍は上邽へ向かった　　　　　' 　 : :: : : : :ヽ《ﾏんﾊ,　　　丶　　 ;＼::::::: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　ヽ:＼:.:.:.:.:.:.. : ＼ゝ '’　　　　,､　　八ヽ｀丶､|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }.:.:.:.ヽ､:.:.:.:.: : :｀丶､＿　　 '　　 ′　　ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 !ﾄ､ :.:::::{丶､:.:_:_: : : :＼　　　 ,.'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 '|　ヽ{＼｀ー‐‐ <｀丶: :ヽ -‐ ヽ./￣￣:~｀／￣二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　ヽ|｀丶､|＼　｀ヽ　　 /:. :. :. :. :. //:. :/;';';'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ヽ　　　 ,':. :. :. :::. :.,':,' :. /;';';';'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.::/｝　／_; :. :. :. :. :.:j:j: :. ;';';';';';'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l :.;/￣￣＿___. :. :.:::i::i :. i;';';';';';';
585 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:57:46.43 ID:SG.vAtoo: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　上邽】

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　　　　　　　　　　　　　　　　(､ ;;.,.;: ";: ,-'　　　　　　　_ ， ,,... ..._　　　　　.:;,,　:::.,,-'ﾞﾟ~^´
　　　　　　　　　　　　　　　　　"`~｀'ー~　　　　_ ,... - ' "^　　　　^`- ......,,　　'`~"
　　　　　　　　　　_　　　　　_ ..... ...,,　､.､､,　; '"＾　　　　　　　...:.:.:...:.:;;;;:;:　::..　.　:::::::: ...: ...　．.., ､､ ; :;;;'' "`~
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.諸葛亮率いる蜀軍は、上邽で郭淮の魏軍と激突した
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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587 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:58:36.19 ID:SG.vAtoo: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　─＝､─-=ﾆL｣_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／二ﾆ=‐-=ﾆ、＼　　　　,＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ムｲ／　 .}、　　ヽ. ヽ　ｧ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　 /　　ﾉ,ﾄ､　,ｨ　,ハ. ∨ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(＼　＿_　　　　　　　　　　 ∧　 ;'　　,ノｌﾉj,ｨ込ｧ｀!　,),　V　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . ,f＼孑=ｧ),__　　　　　　　　 |　!　ｉ,ｧ示. ﾉ'ﾉゞr'ﾘﾘ　 !　|　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈ヾ､ム,. 》 :|| ＼　　　　　　　 |!､ﾄ､ﾄ弋ﾘ　､　　　 l　 ,ﾉ※
　　数ではこちらが優勢！　　　　　　　　　 . `ｰ'─(,ﾑｲ'　　＼　　　 ,.　-'‐ ＼＼　　ｱ｀ヽ　_ﾑｲi　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　｀　 7マ'７　　| ヽ.≧　ゝ._ﾉ　,: ｨ´|.※ |
　　一気に押し切るのですぅ！！！　　　　　　　　　　｀　 , 　　　 i ,ハ}　　　|.※ | ＞ｘ､. イ　 ! i|. 　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀7ぇｘl/　　,　　 !　　i　　《 ,≫vﾍ.)､i),　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　/　　 |＿　ｉ.※ i.　　《|{,／/iﾍ.∨), ∨　　 ,r- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　/　　　 !　)`i　　 !,　　《!_／i |《ﾍ.∨), ∨　,Xﾍ. }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　ム.＿.　　!/　.|.※ |ﾍ.　《　　ｉ | 《.ﾍ.∨ﾍ,.ﾏ^ヽヽﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘ーｘ, 　　 i　！　 |. 　 |　',.　《. 　! i　《. | |　ﾒ.}i;ｘr≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　ヽ.　| 　 |.※ |　 ∨《　Lｉ　《 L!　:|. |　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.　　∨ 　 |. 　 |　〈　》～～～''～　|　i　　 !
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:::＼ヽ::::::::://::ｌｌ::::::::ｌ::::/::::ｌ:::::/:::/ｌ::::::/ｌ:::/ l::l::::::::ｌｌ:ｌ:::ｌ::::::ｌ::::ｌ::::::ｌ
::::::::＼＼//:::ｌｌ:ヽ:::::ｌ:::ｌ::::::ｌ:::::ｌ:/ /::/-ｌ:/-_ｌ/ｌ:::::/ｌ/┐ｌ::::ｌ:::/::::::ｌ
::::::::::::::＼/::::ｌｌ:::::ヽ:ｌ::ｌ::::::ｌ:ｌ::::ｌ<￣＞＝ﾐ　　ｌ::::/ l:j ｌ .ｌ:::ｌ:::ｌ::::::::ｌ
:::::::::::::::::::::::::ｌ　ｌ::::::入ｌ"ｌ:::ｌ::ヽｌ　ヽｌ:::::c/　 /::/　ヽﾉ/::ｌ/ｌ::/ｌ:::::ｌ　　　　　ここを失うわけにはいかないが、
::::::::::::::::::::::::ｌ　ｌ::::/　ヽｌ:::ｌ:::::::ｌ　　ゝ-´　 //　ヽ　ｌ:::::ｌ/ｌ/ ｌ::::ｌ　　　.　　如何せん兵が少なすぎる。
::::::::::::::::::::::::ｌ__ｌ:/　　　ヽｌヽ::::ヽ　　　　　　　　　　/ｌ::::ｌ　　ｌ:::/
:::::::::::::::::::::::::::::/　 _ ‐'"~´｀l ､::ヽ、　　　　　-　／ｌ. ｌ::::ｌ　　l/　　　　　　.やむを得ないか
::::::::::::::::::, -‐―／　　　　 _ﾄ、::ヽヽ　　　／／ｌ　ｌ::ｌ
:::::::::::::／　　 <´　　　　／;;ヽ__ヽ:ｌ＿ , ┐´::ｌ´ 　ｌ､ｌ/
::::::::::/　　　　　＼　／:::::。;;;;;;ｌ　ｌ;;;;;;;;;;;;;ｌ::::ｌ　　/ ヽ- 、　, ― - 、
::::::/　　　　　　　 >/:::::::::ヽ;;;;;;ｌ. /;;;;;;;;ｌ;;;/::::ｌ　／　　　／　　　　　ヽ
／　　　　　　／ｌ::::::::::::ヽ;;;;ｌ /;;;;;;;;;／::／　　　　／　　　　　　　　＼
　　　　　　　　ｌ　　ｌ:::::::::::::ヽ;;ｌｌ;;;;;／::／　　　　／　　　　　　　　　　　＼
588 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/07(日) 23:59:53.52 ID:SG.vAtoo: ―　数時間後　―

--- ──ｧ- ､
　　　／:.:.／::＞､
　　　/:.:.:.:/::／_ノヾ　　　　　　　　　　　　　無事緒戦に勝ったのですぅ。
, 　 /:.:.:.:/''´　　0′',
:＼{|:.:.:.:.ｉ}　　　　　　ﾚ＾)　　　　　　　　　　本当、戦闘になれば負けないのですが……
::l:::{|:.:.:.:.|}　　　　　〔
::l:::{|:.:.:.:.|}　　　　　人_）　＼ -､　　　　　　.ところで姜維はいますか？
::l:::{|:.:.:.:八　　　／　　　　（__丿

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r‐- ､「￣￣￣｀丶､　　　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　＼　　　　　　　｀丶､ __/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　｀ `丶､　　　　　　__/　　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ,.　.-‐ ──‐- ､￣￣￣　　￣　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ.:/.:/.:/.:.:i.:.:i.:l.:.:.:.:.:｀丶､　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃.:/.:/.:/.:.: l.:.:l.:l.:.:.:i.:.:ヽ.::ヽ｀丶､_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃: /:./.:/: /.:ﾊ.:l.:ﾄ､.: |.:.:.:.:i.:.:.:i::.:. :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lハ:{.:..V´十7メ､N　ヽ|._|.:.:|.:.: |.:.:.:.:|
　　　　　　はい。何か御用でしょうか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧.:i.:|,rﾃﾃヽヽ|　　´ヽ|｀ﾒ､./.:.:.:..:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i.:.:Ⅵ.i 弋｡ﾂ　　　〒:.ﾃﾒ:/: : : 〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|∧.:.:ﾊ　　　 ,　　　ﾋｿﾉ: : : ::/|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rｲこ7 こV;: ﾍ　　､ _,　　　　〃: : :/ ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /. : : `ヽ j{ﾘ　＼_ ＿_ _,. イ〃l: :/ ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /. : : : : : :) f ｝　＼_　　_ ノ⌒ヽ: l/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/. : : : : : : :) fj ｝ﾆﾆ=介=ﾆヽ　　ノ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : : : : : : : :( fj }　/:.ｲﾄ､｀ヽヽ　 )YY.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : : : : :. Vj｛//l:l j!ヽﾆﾆノ　ﾉﾉfj. : : :i
蜀　将軍　姜維（字：伯約）

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.結果から言えば、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.上邽での戦闘は数で優勢と考えられる蜀軍の勝利に終わった。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　ここで麦を収穫してしまえば当初の目的を達成できたのだが……
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
589 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:02:48.07 ID:UUbtGF6o: 　　　/": : :/: : : : : : : : : : : : : : ::|: : :|: |: : : ヽ: : : : : : :ヽ　／
　　/: : : ::/: : : : : : : : : : : : :／:/}: : ｉ: :|: : : : :ヽ: : : : : : :Ｖ
　 /: : : : :|: : : : : : : ／: ::／:: / /: :/: / ヽ: : : : }: : : : : : :ｌ
｀.{: : : : : :|: : : : : : : : ::／./／ /:／/:/-―--:､; |: : : : : : :|
　|: : : :{: : |: : : :,斗ｧ''フ"　／"　 //　　　　＼ヽ|: : ｉ : : ::|　　　さっそくここの麦を収穫したいのですが、
　|:ｉ: : :ｉ: : :ｌｒ彡"´　　　　"　　　/　　　　　　　　}: :ﾉ : : ::|　　　いつ敵の襲来があるやもしれず、
　ｌ: ｉ: : { : : ｌ |　　　　 __,..　　　 /　　''ェ;_＿_,ｪ; /: : : : /∧　　　.収穫の邪魔をされないよう守備を固めたいのです。
.　 ',ヽ: : : : ヽｌ ,ｒ＝=＝"　　　　　　　　￣￣ ./: : : :ノ/　ｌ　　　.
　　＼＼: : : ＼　　　　　　　　!　　　　　　 /, ｒ '´　}: : :ヽｌ　　　このあたりは貴方の地元……
　　 |: : : {　`ー　＞　　　　　　　　　　　　　　/{ ＊ }: :　ヽｌ　　手頃な要害でもあれば教えてほしいのですよ
　　 |:/: : {　__ ｉ/ ヽ　　　　　　　　　　　　.／: {　　 }:_:: : : : ｌ　　
.　 //: : : :{　 "ｉヽ { :ヽ､　　　　⌒　　　／:__ : {　／　ﾉ: : : : :.'.,　
　ｌ/: : : : : :}　ｒ－┘､: ::ｒ`ｖｒ‐　-　 ´|: : : | _｣_{./　 ./: : : : : : : '.,
　/: : : : : : : {　｀ヽ、　ヽ.Ｌ._ヽ.　　　　レ'Ｖ＿＿ヽ/: : : : : : : : : :'.,　　　　　　　　　 /￣￣￣￣ヽ
/: : : : : : : : ｒト＊|ヽ／ノヽ.'､　／　{ （＿__　　〕ｒ､＿: : : : : : : '.　　　　　　　　　Ｎ_＿＿＿＿_И
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 rヘ二二二二／｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　/　／,　　　　　、　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′/　/ ,′l |　　ﾄ､　!　　j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　′/ /7メ |　　ﾚ仁|　/｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | l|　{　ｌ/-=ﾐﾍ.　|/:::｢ﾚ'　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨丶〈::.::.::}　ヽlヾﾂ厶ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀、ﾄ､ヾﾞﾞ´　 _ ,　 ,ｲ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽj　＼＞r-r＜}/／　＿
　　　　　　　　　　それならお任せください。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿／: : |介ﾍ: :￣厂「rﾍﾚ‐-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞､: : :.:L_ﾆ_〉_:_厶┴し'/¨７ }
　　　　　　　　　　隴西の地理には自信がありますので　　　　　　　　　　.　　 rく　　/７￢^X　ﾊ　〉 ≠ ー'／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈＼>'´/:｀ヽ/ ｌﾚ': :∨ /∨￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　V_:_:_:_ﾉ_:_:_:/ / /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /￣7　｢　｢ / /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厶__/　　l　 |/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |=≠　　 Y弍/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └′　　　｀┘
590 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:04:41.52 ID:UUbtGF6o: 　　　　ｒ '´￣￣￣￣｀¨i
　　　　|_,　-――― -　Ｌ.
　　ｒ'´　　　　　　　　　　 /
　　ヽ._,　-――――‐ -'､
　　　/　/ ＼＼　＼＼　',
　　イ / ＞ヽ｀＜ヽ＼l　l
　　　ｲ|　　、＿　　　| トﾚ'´{ｰ､＿./￣l　　　　よーし！　頑張るぞ！！！
　　　 |l＞､＼__）　ィ/}　＿｣　|　||_ﾌノ
　　　と.」_|{　{_｣}＿}　|　　 }ｰ'￣´
　　　　　　　＼ヽ.｣.＿ﾉ＿／
　　　　　　　／￣ｌ凶/　　＼- ､
　　　_　　ﾊ　　　-ｚ. ＿_ .ノ} 　ヽ
　　/　ヽzく.厶＿／　　　　＼＿.ﾉ
　　＼　　｝
　　　￣' ┘

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .諸葛亮は慎重だった。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.彼は上邽周辺の麦を収穫する間に魏軍に襲撃される危険を考慮し、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.自軍の守備を固めてから麦の収穫を行おうとした。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.成果を確実にしてから次に進む、彼らしい話ではある
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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591 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:05:35.98 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　隃麋】

　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　×街亭
　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧
　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧　　　　○略陽　∧∧∧
　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【略陽郡】∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
【西平郡】　　　　　　││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
　　　　　　　　　　　　││○狄道　　　　　　　　　　　　【南安郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●隃麋　　　
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　▲鳥鼠山_____　　　　○豲道　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　　　　　　______ ＼___________________________________　∧∧∧∧　　　○陳倉
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　　　　　　　○.＼__________________________________　＼______________________________________
　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　陽谿　　　　襄武　　　　　　冀○　　　　 ○　　＼_______________________________________
_____________________　　　　　＼＼　　×　【隴西郡】　　　　　　　　　　　　　上邽　　　
_____________________~＼_______／.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【天水郡】∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧
　　　　○　　　　~＼________／　　　　　∧∧∧∧∧∧∧　　祁山∧∧∧∧∧∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧　箕谷
　　　洮陽　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　▲ 　　　∧∧∧∧∧∧　×　∧∧∧　　∧∧　　　　
　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　／／　　∧∧　　　散関　∧∧∧∧∧　×∧∧
　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　∧∧∧∧∧　　　　　　|　|　　　　下弁　　　　　∧∧∧∧∧∧斜谷　∧
　　____________________________________________　　　　　　　　　∧∧∧∧／／　　　　○　∧○　　　∧∧∧∧　　　　　∧∧
　　____________________________________________＼　　∧∧∧∧∧∧　　 |　|【武都郡】　　　河地　　∧∧∧∧（褒斜道）∧∧
　　　　　○　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　|　| ○武都　　∧∧（故道）∧∧∧　　　　∧∧∧
　　　　沓中　　　∧∧∧∧∧∧∧　　　＼＼　∧∧∧∧∧　　＼＼　　∧∧　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　∧∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　..＼＼　　　　　　　∧∧　　∧漢城∧　　∧∧　　
　　　　　　　　　【陰平郡】　　　　　○陰平　　＼＼　　　　　　　　　.　|　￣￣＼　.∧∧∧×　　 ◎_____________________
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___________|　|___　　∧∧∧∧　~~￣￣＼＼　　　陽平関　______________________

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.一方、司馬懿は上邽から四日ほどの行程にある、後方の隃麋にいた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.どうもここで、郭淮らが敗北した事を知ったらしい
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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592 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:06:21.40 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　　兵を増員するゆえ、上邽の麦の監視を続けよと陛下は仰せです
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿＿__
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 　　　　　　　　　　　　　 ,ィr'´~三:::ぐ匂〉｀~`::､
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 　　　　　　　　　　　／'::::::ィ,.ィ＝:::`ｰ彡'::=ミ:::`ｰｔ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｒ'::://:::xｧｰ’　　　　　　　｀´`ｰｔｧﾏ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 /〈:::/′ｧ'　　　　　 :i　　　　　　　`圦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′{::j,':rﾒ　　/　,　　 ;|!:　　 i　　ヾ　　ヽ　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 :.ィミY:ｲｨx　 |!__j　　ハ:. 　 i! !　j　}i　:.　 Vヽ.　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　くく⌒〉{:( }:}　 |!　i「Тiト:|　　/大:ﾌｲ/　} 　 }ﾆi:!　　 /ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧:}ノｲi:ｙ:ｲ　.:ﾄ､,ﾊ_ﾊﾄ､!　,ｲ,ｨ,.ｲﾚｧ'　/;ｲ,ﾊ!ｺ:ﾉ、／三}イ,
　　　そうでしょうねぇ……　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ﾌ/ ﾉ;ィi　ヽ.:代:::':ﾂ`ｊハﾉﾚ'ﾋ:'::ｿ/ ,ｲ〃1}jXヽ _三=彡三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≧x 　 _ .．才ﾆ彡' // 八　　ト｀￣　　　、｀￣'イ彡!　ヾ:､｀ ¨三｀ヾ!
　　　郭淮からも知らせが来たし、　　　　　　.三=＜.ィ ´＞ｘ.　　{:i /　ヽ　ヽ　　､ _ ，　ノ!: |: 　{_,､イ三三三三三
　　　そろそろ動きましょうか？　　　　　　　　三三三三三三≧:ヾ:､　/ハ　 `::≧ｭ:._ .．イ:::八ヽ　i: : ￣￣｀Y三三三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三三三三三三＞':::ヾ!::`ｰvi　　∨￣/:≦`ｧ7:::::::ヾ､　Ⅵ: : : : : :|三:イｨ{三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三三三ｒ＝=彡': : : : : : :::::::∧　ヾ､/八ヾ､{/`ｬ:::::::jﾊ　ヾ､: : : : :.ﾐく辷彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三三=/: : : { く: : : : : : : ::::::::::::. 　 !彡!`　`ﾆヾﾐ}､:::::::::ヽﾊ　ヽ: : : : 辷彡く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三三:{: : : : ﾊ:. : : : : : :.::::::::::::: :}　 | rt|==zｱ{ﾆ7〉）: ､: /　} 　i::::::::::.: : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≧-=ｧ::r=:::} j: : : : : : : : ::::ィ::::::!　 !^1j　ｒｋヲ｝'r'ｿ: : Yﾐｰﾍ.　!::ヽ､: :_:_:_:_: :
593 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:08:38.89 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年３月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　　　＿　　　＿＿　 /::::|
　　　　　　　　ｨ=､----v'::::;⊥--ﾍ:::::::::::ヾ／;＞―‐､
　　　　　　　/　:}｀￣:＞ '´　　　メ |:::::＼::|＾￣⌒ヽ .:.ヽ
.　　　　　　/　　ﾄ､／／　　 '´　　＼__:::::| :.　　.　　 ::|
.　　　　｜　　i/ ./ .//　,､}r、　　　 /:∧::..　 :.　　 ::|
.　　　　　　|　　/ ./ :/.;'　ﾄﾍi'ﾍ　 :|　.|. ＼::ﾍ:::.　::.　　 :|
　　　　　ヽ. | .:| |:| :|:|　!　　 .|:| :|　||　|:.|::::| ::. ::::　　.:|
　　　　　　　 | |　| |:| :||!:.:|.　　 |:| :|:.小::j!:ﾊ;ﾊ :: :.:::.i.　.:|
　　　　　　　　| ヽ:|ﾊﾊ:||＼!　 ,_jﾊィ升:jﾒﾊ/Yﾞ| :: :::::'.　 |
.　　　　　　 |　｀ヽli. '＝-　　　┴`-'　/j/ﾊ| ::: ::' :　:|
.　　　　　　　 |!:　|　:|:!.　　 ,　　　　u　,ﾆ.ｲ i:| :::.,'　: .:|　　　　　／〉
　　　　　　　　ﾊ:　|　/i:＼.　ｬｰ-、　 / |::ﾉ.:.ﾘ:::/　.:.::/　　　 /./7　　　　蜀軍を退けたかったら、
　　　　　　 / :|　ﾚｧ:､＿＞､ー ',. イ　,ﾉ7!_;j／.　.::::i|　　　　/-'./―;、　 .上邽の麦を刈り取っちゃえばいいですって？
.　　　　　 /　ﾚ'　{　　　　ハ｢　 ,／　／ ..:　.:::::/|　　　 |　〈:r! ﾉ,ﾊ
　　　　　 / ／　　〈　　　 !　￣　　／　.: 　 .::::/: | 　　 _|.　 } ^ドr'　　それが簡単にできれば苦労しないわ！
　　　　　／　　　.::｜ ..:::　 o:i^!..　　,.ｲ　.:　　＿_;人_:|　　 _ﾉ `ー-::イ
　　　　_,/　　　 :. :.|..::　 <ヽﾉ/ o￣　|　:　 /　　 ____〉　厂L ＿_ _,人　　とにかく何があっても、
.　　／　　　　 ;､_/　　　 //ヽﾆ> 　 |...:　｜ .／　　｝　|　:|　　　〉　〉　 .上邽の麦は絶対に失うわけにはいかないの！
　　＼　　　　 __/::/ 　　 ://　　　 __r' . :_丿/　　　　{　 |　:|　　:/　 /
　　　|ヽー '´　{./　　　 :`′　　 /:r一'´　 /　　　　ヽ,j　｜　.'　 /
　　　|　:.　　　.:.:.{:...　. . .:.　:　　　ヽ{ 　　く　　　　 /　 :|　　 /
　　　ヽ :.:.:.:.　　　ヽ:.:.:.:.:.:.. ::　　　　　　　 :.:.:ﾚ1:　:.　　 /　　　　　 |
　　　　＼　　　　　|.:.:.:.:.:.. :.:.　　　　 . : :.:i:::::;ﾊ: :.:.　 /　　　　　　|
　　　　　 |:ヽ.　　　 |　 .:.:.:.. :.:.:.:.:. . . .:.:.:.:.:.:i,:ｲ:::::i:.:.:.:./　　　　　　/

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.この頃、洛陽の曹叡から司馬懿の下に続々と援軍が派遣されている。
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.また、これより少し前の洛陽の朝廷では、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.上邽の麦を刈り取って蜀軍の食糧補給の道を絶てという意見があったが、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.曹叡はこれを却下し、使者を派遣して上邽の麦を監視させている。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.魏側でも上邽の麦に関心を払っていたのが分かるが、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .この事例からひとつの仮説が浮かび上がる
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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595 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:13:57.07 ID:UUbtGF6o: 　　　　　＿＿＿∠　　／　　　　　　＿　＜:::::::::::_::l　　　 :.::::〉
　　　　＼:::::::::::::_:::ヽ'　　　　　　 ´　　｀　､ﾄ::::::/:j::k　　　 v'
　　　　　　＼:::::::::/'´ / 　　　　　　　　ヽ7:::::::::i　　　　ﾄ.
　　　　　　　　＞:/// i /jﾐ､　 ,　ｉ　　i i i　 l　 /:::::::::/ﾄ　　　 i::〉
　　　　　　／::::::i i ｌ　|ｉ |トヾ〃ハi　　| i iﾊﾄ､ﾊ￣}ｉ::/　 i　　 i'
.　　　　　　｀ト::::i | |il |ｉ ||　　　　 ||ﾊ i| i i|　| ﾊi|　　 |　　 |　　 i
　　　　　　　 | ∨ | |il |ｉ ||　　　　 |l　l ｌﾊ｜ l|　}|フ彡｝　　|　　 |　　　はぁ……
　　　　　　　　|　i　|小 |i |i　　　　┼‐リ‐}ﾉ‐┼　　彡ﾍ. 　 |　　 |
　　　　　　　　|　i　　 ∧>‐''"　　　　　＿＿,,.　　　 i　i　　|　　 |　　　去年の漢中遠征で使い過ぎたのよねぇ。
　　　　　　　　|　i 　 / ∧､__,,.　　　　　　　　　　　　/　i　　|　　 |
　　　　　　　　|　ｉ　/ / ハ　　　　　　　　　　　　 ,トイi　　|　　 |　　　食糧……
　　　　　　　　|　i / /　　　､　　'　　　　　　　u　 / |　i l 　 l　 i　i
　　　　　　　　|〃　　　 i 　｀　 .　　 ⊃ 　　／　.|　i l 　 |　 i　i
　　　　　　　　|′　　　 | 　　 i　｀　　 __　　 ´　　 L i | 　 |　 i　l
　　　　　　　 /　/ 　　 | 　　 | 　 ┌L ___　　-─┘　| 　 |　 |　l　　　　　　　.／ ./　　　　　　　　.r:_ _　　　　　ヽ
.　　　　　 /　/　＿　」＿＿」＿..ﾉ//Тｉ　　　　　　 /| 　 |　　　:. 　　　　　 /　 /　　　　.|　 |　　/ : :ヽ　　　　　.ヽ
　　　　　 {　 |　´　　 l::::::::://　　 //　 | |　　　　　 //:| 　 l　.　　　　　　イ　./　　　　 .|　ハ　 | ゛~ヘ　 i　　　ヽヽ
　　　　ﾉ　 j/ 　　 |:::::::::{ Ｌ　ノノ/77ヾ、　　　 //::::l　　　　　　　　　 /　|　/ /　　　　|　|__|_ .|　　　.|　|　　　 .|ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 .|　| :|.　　　　.イ|　.|. |　　　ﾌメ|　　　　ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 .ヽ.| :| : :　　 .ハ|　ヽ|　　　ﾚ　|　　.|:　| ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　ヽ| :| : : .　　|_　 __,　　　　_　 |　　 |: : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 :Yﾊ: : : :　　ヽ=＝"　　　==ｨ／:　.|: /
　　　　去年の秋の収穫を漢中遠征に回した以上、　　　　　　　　　　|　　 : :ﾚ|: : : : : ト＼　　　　　　イ: : : /:/
　　　　今蜀軍と交戦するための兵糧を充足させるには、　　　　　　 |　　 : : ハ: |: : : |　＼.　「フ　　/ﾊ: : /ｲ
　　　　春の麦の収穫を待たないといけません。　　　　　　　　　　　　|　　 : : : : Nﾊ: : ﾊ.　、　　　／: | |: /./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 : : : : : :|. ﾄ: H._　゛ﾄ.イ/ｲk:| |/
　　　　それと戦を続けるなら、上邽の麦は絶対に必要です。　　　　.|　　 : : : : : :|. ハ| 　ヽ-√///.|.||/
　　　　いちいち洛陽から運ばせていては、　　　　　　　　　　　　　　　|　　 : - -ーイヾヽ_ /: ｲ.V///i N
　　　　前線で兵糧不足に陥る恐れがありますから　.　　　　　　　　　|　/　　　ヽ　ヽヽ_V./ｲ　|　　 | ト-- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | .|　　　　　ヽ　＼Ｖ　ヽ|　　 | |　.|　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| .|　　　　　ヽ　　＼_　 .|　　.| |　 |.　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　経理担当→　| .|　　　　　　|　.|　　ヽ　|　　ﾉ |　 | |　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| .|　　　　　＼| /　　　 .Ｖ　 /　ヽ　＼　ヽ

魏　文官　司馬孚（字：叔達）
596 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:14:34.34 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　　私の仮説……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　
　　　　食糧問題に苦しんでいたのは　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　　
　　　　魏軍も同じだったのではないだろうか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　
　　　　度重なる戦いで疲弊しつつあったのは蜀ばかりでなく、　　　　　　　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　　　
　　　　魏、特に戦場となった雍州・涼州方面はそれが顕著だっただろう　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 | 　　

　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　／　⌒　　⌒＼　　　　　＿＿＿_
　　　　　　|::::::（●）（●）｜　　　／　　　　＼
.　　　　　　|:::::::::::（__人__）｜　／　 ⌒　　⌒　＼　　　　じゃあ、上邽の麦を確保した方が俄然有利になるのかお？
　　　　　　 |::::::::::::::｀ ⌒´ ｜／　（●）　（●）　＼
.　　　　　　 |::::::::::::::　　　　} |　　　（__人__）　　　　|
.　　　　　　ヽ:::::::::::::: 　　 }　＼　　　｀ ⌒´　　　 _／　　　　　　　そういうことになりますね
　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　|　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　/ヽ三＼´　　　 |　|　　　　　　　 | 　|
-―――――|:::::::::::::::: ＼-―┴┴―――――┴┴――
597 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:15:10.69 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　隃麋】

　　　　　　　　　　　_.. -─── r────　､
　　　　　　　　,．'´　　　　　　　　　　　　　　`
　　　　　　　／　　　　　　　 '　　　　　　　　＼　　＼
　　　　　　.'　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　ヽ　　 ',
　　　　　　| 　　 | 　　　　 |　　　　　　　　　　 v　　|
　　　　　　| 　　 |　　|　　　 | 　　　　ヽ　　　　ヽ. |
　　　　　ｲ　　　 |　　| _ノ　││ ヽ _| _ 　＼　　　 1::ヽ
　　　ｲ │　　 / イ´|＼　ハ|　ヽ　＼. ｀　 l　　　│:::::ヽ　　　　　　　あぅ……
　　　/::|::::| 　　|　 |　|= ､＼|　＼| ゝ=.!＼　 | 　　 |::::::::::::＼
　　 ':::: |::::|　　 | 〃V_ノ:|ﾞ　＼　7_ノ::::ハヽ | 　　 | :::::::::::|::::＼　　　　やっぱり郭淮に預けた兵が少なすぎたのでは？
　　 |::::::::＞.　　 V|!iT::::ﾊ|　　　　|::::::::r|　i! ゝ　　/_::_:::::::'::::::::::ヽ
　　 |::::::/　|＼ﾄ､|　(__)ノ　　　　 iゝﾉﾉ　iﾋ / , 　/　　 V:::::::::::::::::::! 　 .蜀軍に上邽の麦を奪われたら、
　　ヽ/ 　 | 　 `|///　　　　　　` 　/// /ｲ　 / 　　　| ＼:::::::::::/　　.今度は僕たちが兵糧に困るのですよ？
.　　　　 │　　ゝ　　　　　　　　　　　／イ　　　 |　　):::／
　　　　　ﾉ　　　､ `　. ｰr‐､- ‐ ､　　 .． '´　　　　　 |　 ,／
　　　　　/　　　　　）　`│├┬─ イ､　　|　　　　　│
　　　 /　　　　／　　　││i:|　　　//L..__| 　|　　　　ヽ
. 　　 /　　　/ 　　 ,. イ　　⌒ヽ　//　　　|　ﾄ .　　　　　　　　　|　　　|　　　　　　 | |　　 |l　　 |　〈::〈　　l |::|l:::|ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′,　　|　　 |　　　　　　　 | |　　ﾊ　　|l　　ヽ::＼｣ﾉ::ﾊ::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　″　 |　　　|　　　　　　 ,　|　_厶∟ ハｌ　　｀ｰ-イ |::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜||　　ヽ　　ヽ　　　　　 / イ /´　 |/　 |｜　　　 ;　|/:∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜|| 　　＼　＿＼　　　 /　厶斗＝､￢ｱ|｜　　　/ /::/　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ハ　ヽ　<´＼,,.二ヽ､／　　〃弋ソﾑ ″ ﾚ　　　/ /::/　　|
　　　ご心配なく……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　＼＼ヽ＜ { り}｀　　　　　　￣　　　/　　／ /::/!　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉、＞ー　｀¨´　　 ,　　　　　／　ィ´　〈::::{ |
　　　敵の諸葛亮は思慮深い反面、　　　　　　　　　>、　　　 /:/ ト、　＼　　　丶　　 _,.　　　￣　｜　　｀´｜　　／
　　　決断力に乏しい様子。　　　　　　　　　　　　　　＼＼ー=〈:/､_|　｀　-　＞　　ー‐ '´　　　　　／ |　　　　ハ　/.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :..:..:..:..:..:..:..:..:..:.|　　　　|＞　、　　　　　　　／＿_|　　　　,′∨..:{/
　　　必ずや自軍の守りを固めて安泰にし、　　　　:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..l　　　 |　　 l｀　　、 ___,...:.'::.::.::.::.::.:|　　　 ∧　/..:./.::
　　　それから麦を刈り取るでしょう　　　　　　　　　 :::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::|　　　｜＿ |　　 j　ィ1く＼::.::.::.::.::ｌ　　　/　∨..:.厶-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.l　　　 l:::.:::.:ヽ／／ /::ﾊ::ヽ＼::.::.,′　 ∧／￣ -―‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::.:::.:::.:::.:::.:: , ―ﾍ　　　ｌｰ―く:::〈rイ:::/ |::|:::::〉:〉/　　 /／／..::.::.::.::.::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::.:::.:::.:::.::／..::.::.::.:ヽ　　' ::.::/ハ::Ｖ:::/.　|::|::/:// 　／／..::.::.::.::.::.::.::
598 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:16:00.20 ID:UUbtGF6o: 　　　　　 /　　　　|　　　　　　　　 }､　ﾊ　 |　　　　　　　 |
　　　 /　　　ハ　　 :!＼　　　　ｰーミA､∧　　　　　　 |
　　 r‐v 　　 |　　　＼斗　ヽ.　　　 .'　/　 j/｀ !　　　/　　　ト..､
　/:::::::|　　　ヽ　　／＼ ≦　＼　　 /／ｲ孑示､|　　/　　　:!:::::::＼
{::::::::::|　　　　　｀ー‐ ≦孑k　　}　／　ん''　∧!　ｲ　　　　 |::::::::::::::ヽ　 .そうは言いますが、
∨:::::::ヽ、　　　 ∨ ん　ﾊ　 }´　　　弋　ｲり从v　　　 ∧::::::::::::::::}　上邽まで三、四日はかかりますよ！？
　 ∨::::::::::|｀¨ 　ーム弋込り　　　　　　｀ｰ= ′ /　　　　ィ'　|:::::::::::::/
　 ∨::::::::'. 　　　ヽ　ゞ ´ 　　 '　　　　　　　／　　／ /　/:::::::::::.'　　　僕たちが上邽に到着するまでに
　　 ∨:::::∧　　　　　＼　　　　　r‐ ﾍ　　　 ≦ _　ィ ´　/　/::::::::.ィ　　　麦を刈り取られたら、
　　　∨:/　ヽ｀ト､　　　≧　　　ｰ‐′ 　　　／.' 　 /　/:::／　 !　　　 .それこそ終わりなのです！
　　　ヽ　　 }＼人￣}ゝ、　　　　　　　　　　ィ　/　／　/／　　　|
　　　　　 /　　 '.　 !　　　＞　 ,_　.　´ 　 _トム´　　　　　　 |
　　　　　　　/／｀Y　ヽ |　　　 / ∧　　　　／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
　　　　　　〃　／ヽ　ヾ　／ / /'　　／／/⌒ヽ.　ヽ.　 |　　／　　ヽ＼
　　　　　　/　　　 ./⌒Y Y　　 l　l 　／／　/⌒ヽ　｀　　 .| ／　　　　　'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,＿:::::::::::::《≦ノ　､::::::::＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ 　￣゛／｀ｰ-、:::::｀::: ､:::::＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　／　／　　　　|　ト、:::::＼:::::ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　/ 　 /　　　　　|　　　ヽ＼:::＼::ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ii　　ハ　　　　 /　　　　　｜　｜　冫＼::ヽ:|　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ヾヽ__| ｜　 i 　、　　　　　　　 |　 i　　　＞t＜二ト､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞＼ト::Ⅵ | 　　| 　 l　　／　　/ 　 /！｜／ﾂﾞ/不　＼＼〉〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―‐≠＝::::ヽ::::::::!ﾊ　ﾊﾄ､ |　　く　　／　／／｜＼ﾄ､1|::|ヽ＼｀_／
　　それなら二日あれば余裕ですわ。　　　　　　.二＞:::::::::::::::::::::L∧ ヽヽト､ヽl|　／　／／ /　,| 　｀ー|::|　ヽ　＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　二ニ:::::::::::::::::::::::::::::;;|ﾄ　＼从ｼ|/　　ニ／ﾞ／＜､｀　 i 　|::|　　ヽ　 i、＼
　　胡遵はいるかしら？　　　　　　　　　　　　　　-=≦::::::::::::::::::::::::::<::|ヽ　ヽ　　　 ´､（!l ﾄ＜　 /　　/ 　 !::!i　　ヽ　ヽ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　二＞:::::::::::::::::::::::::::::::＼.ヽ〈　　　　　｀´　　／　／　　ヾヽ　　　ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣ミﾂﾞ:::::::::::::::::::／i　ト＼ｰ､_　　　／　／､　　　　!ヽヽ　　　ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::／√￣／　 |　|　|::ヽ　　　ｰ― ムノ/　　　/∧ヽ〉＿_.＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　,　 ´ ＜::::|　|　|::::::｀―t‐＜:―,´＼/　　　/ー-一::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿／:::::.:::|　|　|:::::／ﾂハヽヽ:::ヽ、/　　 /Yｰ―――‐-　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　＼.::.:::.::::.∧ ｀｜〔::/ｲゝト|::ヽヽ:::∨　　/;ﾂ　　-―――-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽネ＞::::::::::::∧ヽVｰ―ﾂ |└辻:::::/　　／Y　　.::.:::.:::.:::.:::.:::.::
599 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:17:28.35 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　 ,.　-‐-　､r'´ ￣　~Ｚ.__
　　　　　　 ∠　　　　　　　　 ´　　 ,.＞
　 .　　　　／　　　　　　　　　　　　　￣｀＞
　　　　 /　　　　　　　　　　 ,、　　　　　｀＼
　 .　　　 !　　　　　　　　 /　＼　　　＼. トゝ
　　　　│　　　　　 ,　,.ｲ /､._,　ヽ |ゝ､　Ｎ
　 .　　　 |　　　　　 /ﾚ'　ﾚ＼,/　　/V '´ l＼!　　　　　　ははっ！！
　　　　 |.　r;=､ .ノ＝a＝== ,,　,/a==＝!
　　　　　|　|.ト､| | 　` ｰ--‐ "　＼ｰｧ"!　　　　　　　　ここに控えております
　　　　　|　l ヒ |:|.　　　　　r __ 　＼l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿__
　　　　 |　 `ｰ 1|、ヾﾆ二二二二フ 7　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,　´　￣　　　　｀　、
　　　　ﾉ　　　　 | ＼　　＿＿_　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｘ=くrュrュrュrュrｭ、__　　　　＼
　 .　　 / 　 ,ﾍ、　ﾄ､　＼　￣￣　/l　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈{ｔゾ}〉::]≡≡≡ ミX<マ}___ 　＼＼
　　　/　 ./＼.ヽ.　ヽヽ､　＼　　 , ' ,'　　　　　　　　　　　　　　　　厶ゞ匕宍宍宍宍込メヾX<マ}__ 　＼ヽ
　　 ,' , ./　　＼ヽ、ヽ　＼./`ｉイ　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　/_乃「　丨ﾄ　 l　ト､｀守メヾX<ﾏ｝＿＿、,
　 . /l/l/　　　　 |＼＼ヽ　ヽ. Wﾚ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //｢ｌ　|　|　|　ｌｌ　|、＼｀守ﾒヾXく＜二):） '.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌｊ「　｜ |　| ｌ |　|　l　| ヽ、ヽ｀／ｲ|ﾄ｀ﾆニ〔　丶
魏　将軍　胡遵　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丨　　|　|　| | |　|　|　ｲ |ﾍ.　ｌ〈〈_ﾉ:|ﾍヽヽ_〕|、　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　i　 !　|　| | ﾄ､.ｌ／ﾍj ハ|　ｌ｀T〔_.//ｌ:ト-く＼　＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ｌ　 |　|　| | ／X〆气y ! l　|　.ト-ｲ　|:|ヽ. ＼　＼　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l　i　l　|　| ﾄﾉｊ八ヾ／　| |l| |　| /∧ ｌ:ｌ　ヽ　ヾ:.、＼
　　　　　これから昼夜兼行で上邽に向かうわよぉ？　　　　　　l ｌ　ｌ　ｌ　| 八＼　｀　　 .ｊハ !ヽｌ'∧ ヽ＼、ヽ.　}::}＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉＼ヽ　ｌ伝ミ　　　　／::〉|　|:|　ヽヽ. ヾ:.､くl/ i　＼
　　　　　貴方、このあたりの出身よねぇ？　　　　　　　　　　 _ノ小＼ヽ.{ﾍヾ〉　　　　/:::::/ | l　!:!',　＼_ヽ_〉:〉ｌ　|　∠
　　　　　先陣に同道して道案内しなさい。　　　　　　　　　 ..::／　|ｌ　ﾄ|:|＼ .|ヽ｀　､_／:::／　! ! .ｌ｣/＼_／〈/:| |　|く三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::/　　　∨ |:|　 }ﾉ _ ＼ ,ﾉ::::::/　　jﾉ｢rｧ,〉.:::./.::.::.::.:::j￤ |::..＼
　　　　　それと張郃将軍、　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ{　　／　jﾉ　　/　}　/:::::::/、＿／ｲ:|/:.::.:/.::.::.::.::.:/,/　|::.::.
　　　　　兵には極力装備を軽装にするよう　　　　　　　　　　〃　 /「　 ,/　/／:::::: ｲ｜ | ゞ=ﾉﾉ.::.::/.::.::.::.::,/　ｲl |::.::.::
　　　　　指示をお願い致しますわ　　　　　　　　　　　　　　　 /:|　　|::l ／／::　￢ﾉ ,厶⊥∠ｲ⌒厶-‐　イ,／.::川::.::.::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒.　　∨　´￣__　イ／ｨｰT「.::／ ,´ r一 '::.::.::.::.::///.::.::.::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__/　　￣｀ヽ,/〈〈::.::.:ﾉ／　,ｲ｣　ヾ:::.::.::.::.::.:/'/.::.::.::.::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　| r‐､￣｀ヽ |::.:.ヾ二/／rt_rt_rt_rヽ::.::.::.::./ /.::.::.::.::.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｣ｰ/ ,｛_j⌒Ｙlﾉ.::.::.:／' / ｆ:〈匀ｊ｝::|　 | ｆト､::/ /ニ{_}ニ
600 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:18:10.75 ID:UUbtGF6o: 　　∠二__　　~`　　　　　　　　　　　""'ｰ､
　　　, - ~　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　, '　 , ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 / ／, '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`,
　 i/　/　　　　　　　 /|　　　　　　　　　　　'i
　　　,'　,　　 /:i　/:i　|:::|　|',　　　　　　　　　 |
　　　i /i　/' /::::| |::::i |::uヽi::`,`ヽ　　　　　　　|　　　　　　　　　　昼夜兼行で上邽に……！？
　　　i/ i/ i /ｰ-ﾋ--`|u|--ｴ--ｰ＼　 ___　　　|
　　　　 i　i/|二ﾆ=ﾆ~　二=ﾆニﾆ,:::| |─i`.　　＼　　　　　　　　これで間に合わなかったら……
　　　　　　 .,|ヽ＿ﾟ_./:::::"ヽ_ﾟ＿, ｲ/:|.|─| |　|`┬ｰ-
　　　　　　/ |　==:/:::u:::　 u　~／':::|.|ﾆﾉﾉ　|　 |ｰ--　　　　　　責任重大……！！！
　__;;-ｰ''"~~.λu:/:::::::_::i　　／'::::u::|.|ｰ'　 /　　|
　__;;-ｰ''"~'/| .| (_,-　　u　　　::u:::::/|　　　||　　 |　　　
　　　　　　|　!i .|　<__　__-ｰ''ｰ:-:::/::|　　　|.|　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. 　---- 　､
　　　　　 .|　　| .|x--二__＿__:::::/:::::|　　./ .|　　 .|　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　` ｰ- ､
　　　　　 |　　 |/~ﾆ二＼＼　'i/:::::　|　　|　 |　　 .|　　　　　　　　　　　　　'　　／　　　　　＼　　＼
　　　　　.|　 ,r┴'---,￣＼',　 |::u　|　　|.　 |　　　|　　　　　　　　　　　　　/　　　' 　/　　　　 |　　V　　r
　　　　　|　<／￣￣＼こつ　　i　 /　 .,|　 .|　　　 | 　　　　　　　　　　　 /:::| 　　'　l　|!　　　　| 　　v　 l:::::ヽ
　　　　　!-ｰC'￣￣`こつ　　　 | / /!/,／＼　　 .| 　　　　　　　　　 |:::::| | 　| .ﾊ　! 　 i　 .∧.　　│　!::::: |
　　　　　　　 |￣￣ヽ、　　　　　 | / /| -　　　 `　, |　　　　　　　　　 |:::::| | 　|/-|‐|‐.　i 　| ‐|-ﾊ　|　 |:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::: | |.　ﾚ　V- ヽl　 | -V　|/　 .'::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝﾚヽ　l.ｨ ==､　＼| r==､ﾚ　/:::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:丶_ゝ::::: 　　, 　　::::::j!イ:イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ::|ハ.　　 _i_ヽフ　人レヽ
　　　　　ここから巻き返そうと思えば、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::/::::::!＞'rー､ヽ.イ:::::::＼:: ＼
　　　　　それぐらいしか方法はありませんね。　　　　　　　　　　　　／ _-_/ :::ｨ' | 　(二´､　 V= -､__＼:: ＼　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ V　 /,イ　　|＼ ─ < 　/|　　.／⌒ヽ::: ＼　_　＿／./
　　　　　こういう無茶もひさしぶりなのですよ　　　　　　　　　 r "´ :::::: |　// │ 　.|: : :ヽ「__／:..i　 /　　　ハゝ＿＿＿　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ　 / :::::::: |/ (-､ |　　ﾊ: : : : |: : : : :|r-―- ､.∧::＼　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/　 /| :::::::::くゝ-`=＼/: : : : : : ヽ: : :.:|---ｫ : :.＼ ::::: ＼　　jヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　' :/　 /　l :::::::::::j二}:{二}/: : : : :＼: : : ＼:|￣:~: :.く V ＼ :::: i 　 l　 '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /! 　 !　 | ::::::::: | : : : : / : :l : : : : : : : : :／! : : : : : / ::::| :::| ::l　　!　 |
601 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:19:27.82 ID:UUbtGF6o: ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
　　　　　　　　　　　　　　　　　,rt､　　　　 ,-‐､　　　　　　　　　　　　　| ,rt､　　　　　ヾミ　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　ハハ彡　/ト'ヾヽ　　　l=j, (,、　　　　　　　　i`i`彡0ｆト'ヾヽ　　　　　ヽﾐ彡/ 　　　　　
　　　　　　　　／､ゝX 　彡ゝoノ　ハハ/ソ/⌒ゝ　　　　　　./　ゝ彡ゝoノ　　　　　　　 /|　　iヽ　　　　
　　　　　　　　(　'　Y''''ノ＼　彡　／､ゝx彡ヾ > ）､__ノ彡ﾐ=　| 、ノ　彡くﾐヽノﾐ= 　　　 o,| 　 ||ol.　　　　
　　　　　　　　　`‐'￣＼　ヽノ　(　'　Y''ノ彡く/彡'　　＼　　　`‐' ヽ____/ゞ | ヽ　　　　　 /〈|`‐'　|〉　　　　　
''''''''"""""￣￣￣　　　〉____,／ | `‐'ヽ　ヽノ |/／　|　　　|　　　　　|川ﾘｰ'　　|　　　　 / c|､____, |っ
""""￣￣　　　　　　　|ﾘjilji 　丶ゝヽ〉____,／ゝヽｰ'　　 /　　　　　|　y　ノヽ　|　　　　　　| 川ﾘl |
-‐　_,,.　．-‐　　　　　　ゝ　　　　　`''' 川ﾘ|　　`'''　,'ヽ　丿　　／＼// //　　ヾ|　　　　　　ヽ |ｰ| /　
　-‐ _,,.　．-‐　　,-‐'''"　ゝ　　ノ-ー'7ゝ　ゝ　　ゝ'　ヽ　ヽ　　ヽｿゝ/ //　　　/ゝ　　　　　ﾉゝﾉゞ　
　_,,. 　　　　　　|　-ー　/　彡　　／　　/　／　.　..　ヽ〉　　ノｿヽ/ゝ　　　　　.　　.　　　/ゝ　/ゝ　
　　　　-‐'''""-‐'''ヽヽヽ/ ／ .:-‐' /　／/ ／　　　.　　//　／ゝ /ゝ　　　／／　　　　　　　　　　　　
　　　　,,,-‐'''""　　_,..:-/／,..:-‐'"/／　/／_,..:'_,..:'　　/ゝ／　 < <　　　　　　　／　　　　　　/　　　　
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-‐'''""_,..:-‐'"_,..:-‐'" 　　　　　　　　 /ゝ　　　　　　／　　　　　　　／　／　／　　　//　/　//　/　　
_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:''　　　_,..:'　　／　　　／　　／／　　／　／　　　　/　　/　　/　/　　
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───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.司馬懿は増強された魏軍主力部隊を率い、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.兵の装備を軽装にした上で、昼に夜をついで上邽に向かった。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　彼が得意とする急行軍である
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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602 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 00:20:24.54 ID:8qODQawo: また昼夜兼行かよｗｗｗｗ
603 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:20:27.24 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／ノ　ヽ､_＼　　　　r ⌒j
　　　　　　／（ ○）}liil{（○）＼　　/ 　 /
　　　　／　　　（__人__）　　＼/ 　 / 　　／　）
　　　　|　　　　　|i|||||||i|　　　/　　/　／　／　　　　　　　　ちょっ！？
　　　　＼　　　|ｪｪｪｪ.| 　　 /　　'` ´ 　／
　　　　　　r´　　(⌒'ー―- イ′　　　　　´廴　　　　　　　　　魏軍が来る前に麦収穫しねーと！！！
　　　　　/　　　＞、　　　　　ヽ　　　　 _　￣￣￣)
　　　　/　　　　　　 -､　　　　 } 　　　　(　￣¨´
　　　/　　　　　　　　　ヽ._　　　　　　　__　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　｀　　　--‐'´　｀ﾞ' 、_.)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　
　　　　これは一種の賭けだったが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　
　　　　司馬懿は無事上邽に到着してしまう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　
　　　　一方の諸葛亮はといえば……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |
604 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:21:38.41 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　上邽】

　　　　　　　　　　　　　　　　　､､,......,_．,.,,,...　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,,.;-;;¨`'ｰ‐-.,..
　　　　　　　　　　　　　　　　(､ ;;.,.;: ";: ,-'　　　　　　　_ ， ,,... ..._　　　　　.:;,,　:::.,,-'ﾞﾟ~^´
　　　　　　　　　　　　　　　　　"`~｀'ー~　　　　_ ,... - ' "^　　　　^`- ......,,　　'`~"
　　　　　　　　　　_　　　　　_ ..... ...,,　､.､､,　; '"＾　　　　　　　...:.:.:...:.:;;;;:;:　::..　.　:::::::: ...: ...　．.., ､､ ; :;;;'' "`~
　　　　　　　　　　 '"'ヽ'''~'ﾞ　::::::::::::::::::::::::　　　　　　:::::.:.:.:..:.:.:..:.::.:.:.:...:..　　 _,,,,... ､､ -‐‐''''"
　　　　　　　　　;;:::::::;;:;;::;:;:;;::;;::;:;:;:;:;:;:;:;::.:.:....　　　　　　　　　　　　　　　　'"^　　　　　　 :::....:,::'':':.:.:.':::::....:...:..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒;ソ⌒;;;;'''）ヽ）;;;;;;;,,,,,,）ソ''⌒;;）⌒;ソ⌒;;;;!"'''）ヽ）;;;;;ｿ;;,,,,,┣¨┣¨┣¨┣¨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒;;;;!"'''）ヽ）;;;;;ｿ;;,,,,,,）ソ;ソ⌒)(⌒;;ヽ;;;;;'''）ヽ）;;;;;;;,,,,,,）ソ '';｀)
　　　　　　　　　"`''''''ｰ――----------　，..................,,,,,,,,,,,,,.,__　　　 __,.,,,,,,,,,,,,,,,,....................，---------‐―'''''''`"
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　　　　　　　　　　. . .　 :. . . .. .　 .: . :　. :. . :. . :. : . . :. . ..: .　 . 　i..i ::.:: .:　: :　:: : : :: 　: :: :　 : :: . :. :. .: :.:.　 :. :..: 　:. . ;:
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∩＿＿＿∩
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ノ　　　　　ヽ　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　●　　　● |　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　( _●_)　ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　彡､　　　|∪|　　､｀＼　　　　敵影発見クマー！！　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　/　＿＿　ヽノ　/´>　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　(＿＿＿）　　　/　(_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　 /
　　　　　∩＿＿＿ ∩　　　　|　　／＼　＼
　　　　/ 　　　　　ヽ |　　　　|　/　　　 )　 )
　　　　| ●　　　●　丶　　　∪　　　（　＼
　　　ミ　(_●_ )　　　　|　　　　　　　　＼＿)
　　／´､　　|∪|　　　､彡
　 (　<｀丶　ヽノ　＿＿＼　　　　　丞相に報告クマー！！！
　　＼_)　丶　　（＿＿＿)
　　　　　　丶　　　　　|
　　　　　　／　／＼　　|
　　　　　 ( 　( 　　　丶 |
　　　　／　）　　　∪
　　　　(＿／
605 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:23:37.75 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∩＿＿＿ ∩　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　　　　　ヽ |　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ●　　　●　丶　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ　(_●_ )　　　　|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´､　　|∪|　　　､彡
　　　　　　丞相！　魏軍が押し寄せてきたクマー！！　　　　　　　　　　　　(　<｀丶　ヽノ　＿＿＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_)　丶　　（＿＿＿)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／＼　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ( 　( 　　　丶 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　）　　　∪
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(＿／
　　　　　　　　／　　　　〃　　／　　　／　　　　ｌ l　＼
　　　　　　　／　　　　ｊｊ　　　／　　　／　　　　ﾉ　 | li　　ヽ
　　　　　／　-- 、　　　 {{　※/　　　　,'　　／　／／ｊ川
　　　　　＜￣￣/＼　　 {{　　 ′　￣7 ＜　／／　〃ハ　　 |
　　　　　　　｀ /　　＼ {{　　 |　　　斗=≠へ／　　/ /∧l　　　 !　　　　　
　　　　　　　 / 　　 /　{{　※|　　ヾ了::::卞ﾐヾﾒ,.　 //　｣ｌ_　　 ;
　　　　　　 ./　　　 ! 　 {{ 　ﾍ　　　 | しｸj　　　　　/ ｨ≦ﾊ　　′　　　　なっ！！？
　　　　　　〈　　　　 |　　 {{　　ﾄ　　　ヾーく　　　　　　fﾈ〉 /　/
　　｢￣￣￣￣　　‐-　 _　{{ ※ }}ヽ　　 { 　　　　　　ヽ'/'/ ／　　　　　　とりあえず守備を固めて、
　　ト　　＿＿＿_　　　　 ‐＜ }}　＼　＼　　　　_　'　イ jﾉ　　　　　　　様子見するのですよ！！
　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....　　　　｀　、｀　＼／}/　　ｲﾉ
　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....　＼　　　ｰ'　／〃
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　　　　〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀Y
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.どうも彼らは、麦の収穫に取りかかっていなかったらしい
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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606 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:24:04.87 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:.::!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:.:.:',
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/|:.|:.:.:.:.:.:.ｌ:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::／イ/ /:/:./ﾄ､:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:!|:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:.:!:.!:.:.:.:.:.:.l:｀l丶､:.:.:.:.:.:／／., ' ./:/:./ !ｌヽ:.:.:.:ヽ:_..- ':.:!:.:l:.:.:.:.:.l:.!:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:.:.!:.!:.:.:.:.',:.',:.!:.:.:.:.:＞'＜、／　//,:./　 !ｌ　_＞＜＼:.:.:.l:./:.:.:.:.://:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:.:.:',:',:.:.:.:.ヽV｀ヾ〒_＝=ミー７///　ーrィ=＝〒ア､/:':.:.:.:..://:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-､,.ﾍヽ:.:.:.:ヽヽヾ､_ｰ'_ノ／'´〃　　　弋_ｰ'.ノ '　 /:.:.:.:.:.//､:.:r‐‐　
　　（まさか、これほど早く来るとは……　　　　　　　　ヽ.-l　＼:.:.:＼､　　　　　／´　　　　ヽ　　／':.:.:.／/ ,.-Ｊ　　　
　　　　　まんまと乗せられたかもしれないです）　　　.／　.!　　ヽ､:.ヽヽ､　　　　　　i　　　　 ‐,.'ィ":.／　 !/　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　 ,!　　　l l｀ヾ.＝-　　　 _._　_._　　　-‐"‐／ｌ !　　 l ）　　／〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　） .!　へ!　　//　　｀丶､　　　 ...　　　　 ,.　'´ 　 l !　　!<　,　　く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_￣l 　 l !　　　　｀丶､　　　_..　'"　　　　 !l 　 !　 / -,.､ノ:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ-､　',　!　 !l　　　　／::,二｀"´二､:＼　　　 ,ｲｌ　 l　 '　 /: : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: :!: :}　l　 !　!l 　　／::／／/:｢ﾄ､＼＼::＼　 / l.!　l　　　〉: : : :

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　 l／:／￣￣／＞.ｨ::r～1:::|ｰ'^⌒＾⌒＾⌒＾⌒＾ｰ､::.::.::.::.:
／::／ヽ　　／ｲ:／ /|└‐┘ﾉ　　　　　　　　　　　　｀ｰ､::.
‐ﾍⅥ|　|／ ./::/ //　￣￣´/　　 /　　　　　　　　　　＼
　　Ⅵ　|　 /::/ / '　′｜|　|　　　|　　　　　ヽ　ヽ　ヽ
　　　　 |／::/ .'　|　| 　 |｜ |　　　|　|　　　　 |　｜　 |　l
__　　　<::／∨　 |　| 　 |丁ト、　|　|　　　　 |　∥　 |　|
三＞'　ﾆﾆ、ヽ　 |　| 　 | |　＼＼　ﾄ､　　　｜ハ　 |　|
二　イ::.::.::.::＼＼|　'、　|弋了ｆぅﾐﾒ＼ｌ＼　　仁　T 7ヽ′　　　　　　　（なんとか間に合ったみたいねぇ。
::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.＼＼＼＼ ` ｰ＜　　　ヽｲfﾃｧ/／ｲ　　　　　　　　　　　　　さあ、ここからどう動くのかしら？）
二丶::.::.::.::.::.::.::.::.:ヽﾍ　＼＼　　　　　 |　}/｀＾ニ厶イ
::.::.＼＼::.::.::.::.::.::.::.::.::ﾄ､ヽ｀一　　　 ′　＿/__／　／
::.::.::.::.＼＼::.::.::.::.::.::.::|∧　ｌ　|　ヽ==‐　　　＞ ――＜＼
::.::.::.::.::.::.＼}::.::.::.::.::.::.|::.:|　 |　ト､　　　_　　´::.::.::.::.::.::.::.::.::.::
ニ、 ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:ﾉヽ|　 |　|::.::.:7''´::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.
::.::.:＼::.::.::ニ ==-::.〔　　|　 |　|::.::.ハ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.
607 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:24:40.77 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　, イ　／￣￣`ヽ,　　ﾄ､
　　　　　　　　i　!-/　　　　　ﾍ.-ﾉ　i
　　　　　　　　ヾ＿l 〉__ j　j __〈 l＿ジ
　　　　　　　　＿　| `-",':: `-" |
　　　　／´　　　ﾄ　　＿　　ｲ
　　　　 /'　　　　　|ヽ　`竺"　/|　　　　　　　　　　　　　　　　大将軍！！
　　　　,ﾞ　／ )　ﾉ　 `ー^ー"　`ヽ、
　　　　|／_／　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　 .敵は討って出る気配はなく、
　　　 /／二二二7　　　　　__　　　　ヽ　　　　　　　　　　守備を固めているようです！！！
　　　/'´r　-―一ｧ"i　　　'"´　　　　.-‐ 　＼
　　 / // 　广¨´ 　/'　　　　　　/´￣｀ヽ ⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／|　　　／ｌ
　　ﾉ ' /　ノ　　　:::/　　　　　　/ 　　　ヽ　　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;;;;ﾉ　　／;;;;ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;;;;;;;;｀＞／;;;;;;;｀＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｒ＝=ﾐヽ;;;;;;｀ｌ;;;;;;;;;;;;;;;;;;ィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､v　´／´＜　　　　　　　　　　　〈（(（ﾉﾘi卯;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ーﾍゞ､､,,　､ヽ､￣ーﾆ　　　　　　从ｰﾟ ,l〈l||;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;ヾ￣｀＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ::／`不ヾ　:.:.`＼　＼､　　　＿　<,卯i<　>／;;;;;;;;;;;;;,へ,〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ:.:.rj:.:|:ﾄ`:.:.:.:.:.:.:.　`ヾ　 `＜=-==ノﾉV_/ /､ヽ'＾Y＾Y
　　あらぁ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:.:.:.:.`|Yヾ:.:.:.:.:.:.:.　 .:.:`ﾊ-ﾆく＿,／了,,,./ ﾞi､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'r=＝k=＝ｧ--―:=＝― ￣　ヾノ,ｨx＼　､ヽ.
　　ずいぶんと慎重ねぇ……？　　　　　　　　　　　　 ,ﾊ_'`,ｲ,／　ゞ:.:.:.:.:.:.〉:..:.　　　 /`T:ｫヽﾙ†ヽヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 ,／　 .r⌒`ー--､:.-:.:　.:. /　 |:::|　　(_/　// `ヽ
　　本当にいいのかしらぁ？　　　　　　　　　　　　　`ｰ´　　　.|: ﾊー:.＿.:_:.　):./. ゝ､./:/　,. -ﾆ:/　}:.:.:　ヾ､　　　　　- ― -　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__|: {-ゞ:::::::::::.:.:.:.:.:.:.　／:/￣￣　　.:.／　　　ﾄ､ー　''￣　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::;--}: i:::::::::::::::､:::::::::.:.:.rz:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ :.:.:.　　 !　ヽ::＿:.:.:.:.＿-―
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　／／　ゝ､`ｰ､￣　`ー　＿＿::::::::::::::::::::Y:　:　　　/　　　　　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　　　　 v::ﾉ　　　　　　　　{:::::::::::／￣ﾍ:.:　　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r´／　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ:::::::i　　　 `ｰ:.:._:. ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　.〉:::::>　　　　　 /:.:/
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608 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:25:33.66 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　＿　　　　,､-‐'' "ﾆ=_-
　　　　　 -=ﾆ.._　　＼／　　　　　　　＼
　　　　　　 ,､- '´　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　／　　　　　　　　　　　　　　 l
　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
.　　/　ｨ　　　　 /| ∧ i､　lヽ　　　　　 |
　 /／/　　　　〈 .ﾚ　ヽｌ > ´　　　　　　　　|
　　 /　／/　/＼＼　 iｌ´ ,､へN＼　　　 |
　　ﾚ　/ /| /|＝=`｡! 　´==＝｡‐ﾗ | |⌒ｉ　 |
.　　　　ﾚ　ﾚ　lゝ -／　　ゝ -‐ ´　| |う |　 |　　　　　　どういうことでしょうか？
.　　　　　　　　|／　　　　　　　／ | |ｦﾉ　 .|
　　　　　　　 ( __　　 - `　--‐'´ |j |.|"　　　|
.　　　　　　　 l ---------一　／|　　　　|
　　　　　　　　　ｌ　　≡≡　　／　 l　　∧　',
　　　　　　　　　|l　　　　　／　　ｨ　 /"´ヽヽ
　　　　　　　　　| ',　　　 .ｲ　　／ｌ　/　,.､-ヽヽ
　　　　　　　　 │ ヽ_／ │／　　ﾘ/／　　　ヽ.ヽ
.　　　　　　　　ﾘﾘ　　　／　　　 l/　　　　　　ヽヽ　　　　. /　/　 /::/　　/　　ヽ　　　　 }　　　　　　l　　　　|　 i　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜./　 /: 1　　 L 　　　｀ヽ　　 |　　　　 l　　　ｉ　ｌ　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 /:/ .!　　｢ "　｀ﾐ､　　＼ i　　　　 / 　　 /　/ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　/ﾂ　ﾄ､　 !　　　　　ヾ　　　　l　　　　 / 　　 /　/　　 .i
　　　私たちは通常の倍の速さで　　　　　　　　　　　　　./　　 ,　　} ヽ　i　　　　　　　　 l　　.--　、_.／　/　　　 l
　　　行軍して来たから疲れているわ。　　　　　　　　　ヽ　　{　 / l　＼ヽ　　　　　　 j ／_　　´ 　ヽ /　/　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 l　}ヽ｀　ヽ〉　　　　　　　　　　　｀ヽ　ー ´　/　　/
　　　相手が兵法を知っていれば、　　　　　　　　　　　　ｉ　　i　l　　　　　　　　　_　　　ヽ　　　　　ソ　_. /　　/
　　　ここで襲いかかって来るはずなのよぉ。　　　　　　.il　　 !. l　　ヽ　　　　ｿ｀}ｨ.､　'　　　　　／7 ´　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .}　　/　ト...　　＼ﾄ､　　 ⊥ﾍﾘ　　　　　_　ｲ.／　　／
　　　ところが諸葛亮は攻撃して来ない……　　　　　　.ﾊ　　　l::::::::｀:ｰ.､{_ ヽf　.イ　}--　ｧ　/ｿl_入ｨ　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　リ{　　 .l:::::::::::::　´　 _二ヽ}　 ! ´ f　ｲ .,！ .l　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ !　　.{:::::::／　 f　}　 l /　〃　ﾘ / / .}　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　l　　 l:::/　　" - １　} 　/　 / ´ ./　.i　　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｌ　} 　／　　　　　 /　　　　　　／　 /　　ヽ
609 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:26:02.23 ID:UUbtGF6o: 　　　て /　　／　ｲ　　｜　　 ||　　　　　　 |　 |　|　||　　弋__＼　　ヽて...、|｜
　　　ノ/　／∠⌒|　　 |　　 ||　　　　　　 |　 |　|　||　　　| | |）＼　　|　）|｜
　｛_　|　/ (ヽノ　 |　　　| ｌ　　||　　　　　 |　 |　|　||　　 | | トﾍ,　ヽ　| 〔_｜|
ヽ ___〕ﾚんノ　　　 |　　　|｜　 |l 　　　　 |　 '　|　||　　 | | |　く__,ハ｜　| | |
／＜√￣　　　　｜ヽ￢ト､ｌ|　　　　 ,　/　 |　||　　 | |｜　〔__｜| r┘|｜
::::::::::::〉|　 |　　　 | -＼-ハ　＼　　　 / /　__,ハl|__＿/｜l r―‐く |｜＞┴‐┐
|ヽ::::〈/|　｜　　　 |㌻7卞ﾐﾒヽ　ｌl　　　/イ　　/＿_|＿/　j/　| ｢￣ヾﾄ{} イ「￣〕|
＼ ∨/　　|　　　|、ヽ | {:::::::;ｌﾟﾄ＼ヾ　/ /　,,斗f千Ｔ卞く厶　| |　　　小､| |　//　　　上邽の麦も無事のようだし、
:::::ﾄイl |　　|　　　| ＼ゞ辷彡,.　　＼/ 　〝　|｡l::::::::} |! 〃┼ﾍヽ-'／ﾄ､ー'／|　　　　これなら与しやすいわぁん。
:::::Ｌヾ_|　　 l　　 |　| ＼￣´　　　　　　　　弋ー‐グ　/ ,,″　￣//| |　￣　 |
::::::: 丁|　　 |　　｜ﾄ、　　　　　　　　　　￣"~｀/ 〃　　　//l | |　　　　|　　　　とりあえず私たちも、
::::::::::|_｣l　　 |　　 | ∧＼　　　　　 l　　　　　　　　 /／/　,　〈/｜| Ｌ　-―　　　　近くの要害に布陣しましょうか
::::::::::::||:|　　　|　　 '　∧　　　　､　＿＿　　　　／　 /　/　　/｜ |_|
::::::::::::||:l 　　 |ﾍ　　 |ヽ＼　　　　ヾ、_／　　　　　　　ｲ　/　　 ′ｌ /
::::::::::::||/|　　　|∧　　ｌ　＼＼　　　　　　　　　　／ // /　　 /　, /
::::::::::::/　|　　　|　ヽ　　、　　＞,、　　　　　　 ´ ／/ /　　/　//
:::::::::/　　ｌ　　｜　＼ヽ　／　|　｀＜〔＿＿／／´ /　 / 〃∧　 !
/}∨　　　 | 　｜　　＼ /　　｜　　　　　　　／　　/　 / 〃/ ハ　i　　／
　/　　　　｜　 | 　　　 / 　　 |　　　　 /ヽ　　　 /　 /　″' /　|　i　/
610 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 00:26:32.35 ID:XdQraP.o: これほど奇襲を成功させ続けてきた軍将もそうはいないだろうなー
611 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:27:07.09 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ
　　　　　　　　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　　　　　　　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j
　　　　　　　　　　　　　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ
　　　　　　　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　王沈『魏書』の記述によれば、
　　　　　　　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　司馬懿軍は上邽の麦を頼みとして、
　　　　　　　　　　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_　　　　　　軍の食糧を確保したらしい。
　　　　　　　　　　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ
　　　　　　　　　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l　　　　　この記述を信じるなら、
　　　　　　　　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |　　　　　諸葛亮は上邽の麦の奪取に失敗した事になる
　　　　　　　　　　　　ハ　　ヾヽ　　l　　ｌ　 //　l　l
　　　　　　　　　 |　ﾍ　 l　ヾ＼ヽm/ ,／　V　:|
　　　　　　　　　　ﾉ　　＼|　　`ﾄ,＼V／| 　 │ ､|
　　　　　　　　　　 {/￣＞‐ｧ､　 j__≧i≦ !,ｨ彡三>ヽ
　　　　　　　　　　　j　 /{　`ﾍ三三三ミ=彡＜＿/　 }
　　　　　　　　　　　{　　＞ー‐'"ト-- (＾ｰ'⌒　〉　__ﾉ
　　　　　　　　　　　`ｰ‐ｲ　　　 |　{ {　{T'┬='ｰく |
　　　　　　　　　　 | |　　　 ∨　〉〉〈(　j　　　 }|
　　　　　　　　　　Ｋ_／x'⌒{＼'-' ‐}>└r‐xﾍ}|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　─　　 ─＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　（●）　（●）　＼
　　　　でも、蜀軍が麦を刈り取ったなんて話もあるみたいだお　　　　　　.|　　　　（__人__）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　|＼　／／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　/⌒ﾉ　＼／（）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　/　/ |　メ　モ　 .|
612 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:28:46.69 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　, -=―＝―- ､ _
　　　　　　　〃⌒>'´　　／　　　丶`ﾆ=‐'
　　　　　 ./ ,′// , ´ / 　j　}　ヽ　＼
　　　　　 /　l　 | i　l　/ ／// ,ｲﾊヽ　ヽ
　　　ノ,ｲ八　l ﾚ_j/∠∠/／/∠Ll　}ﾍ
　　　　＜ノ .∧ ｌ　ﾑrt=k｀　　ｨ=､ﾙﾚ′j
　　　　 / イ　Vﾍ.　ヽVr!　　　jr/ﾑｲ{
　　　　　´　W^{ゝﾍ　ﾊ.ヽヽ　_ '　/〈ﾘヽ　　　　　　　確かに陳寿の言うように、
　　　　　　　　 j八 }ヽﾍ､　 j`＜ミ＼　　　　　　　「蜀軍が上邽の麦を刈り取った」という話もあるが、
　　　　　　　　　　ﾘ朽＼!｀{7|:::::::::＞ﾐ;>,　　　　　　それは考えにくい。
　　　　　　　　　　ノ＼- 厶］::::::::f }::/:/　　　　　　
　　　　　　　r=＜　　　Ｖ三|:::::::::| |/:/　　　　　　　.仮に蜀軍が上邽で麦を収穫したとしよう。
　　　　　　 /‐-､＼　　 ∨ﾒ､::::ノ　V､　　　　　　　
　　　.　　 /_j 　 , X ＼　ヽ {´　　　/　　　　　　　 .この後、蜀軍は祁山へ向けて撤退するが、
　　　　　　〈　　´ 　＼＼　 >ﾍ､___,ｲヽ　　　　　　　彼らが麦を抱えた輜重を従えた状態で魏軍の追撃をかわし、
　　　　　　　`､　　　ヽ＼.>j　　　　ﾊ│　　　　　　果たして無事に撤退できるだろうか？
　　　　　　　　{　　　　 ∨　｀ヽ､_,/∧|
　　　　　　　　lヽ　　勹'´　　　 //　l !　　　　　　 .私見になってしまうが、そのあたりに疑問がある
　　　　　　　　|∧　〃　　　　／Y｣_│',
　　　　　　 }　＼　　　　／}＜ﾑ>∧.ﾍ
　　　　　　　　 {　　ヽ､___/　l丁{{ |}}　〉ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ノ　　ヽ /＼'ｰ､　　　　　　　,, ..,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　（ ●）（ /　　.＼` ､　　 .　／／ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|　　（__人/　　　　＼ヽ､,.／／　../
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　｀ /　　　　　　　｀`７７　　/
　　この上邽での攻防自体、詳細な記録が少ないんですよね　　　　　ヽ　　 /　　　　　　　 / /　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.. /　　　　　　ｆヽ、/ / , -,./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/./　　　　r-､ヽ　∨,ノ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|. ＼　　　〈＼.＼,〉　｀,　ｆ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　.　＼　　(ヽヽ｀..　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　.＼　＼　　　　　ﾉ
613 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:29:51.05 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　上邽】

　　　　　　　　 ,　 -‐―‐ ､
　　　　　　／,　　-―‐-､＼
　　　　　／／ ,. 　-――‐＼＼
　　　　／／／::::::::::::::}､ヽ :::: ヽ._>
　　　　／ _」　/:::::::::::＿:/　ヽ}＿__｣＿,　　　　　どうやら攻撃して来る気配はなさそうですね。
　　 ∠＿_｀ﾄ辻:::::::'´_／　　ﾉ◯' ！　　　　　　
　　　　 / ::| |l{￣￣‐◯　　　　　　}i　　　　　　　かといって、
　　　 / ::: | |lﾄ､　　　　　￣Z　/l|　　　　　　麦を奪おうとすれば攻撃して来るのでしょうが……
　　　 /:::::::::| |l|__ヽ、　　　 ´ ／| ｌ|　　　　　　
　　 / :::::::::,ｉ |l|　<ｌ｀ー―一 '＾!､| ｌ|　　　　　　.どっちみち兵数では劣っていますし、軽々しく動けないのです
　　/ ::::::／ ! ll|　<| 　|￣ >ロ<_}|>| ｌ|
　 / :::／　 | |l|　<|　　￣ ,ｲﾄ､　|>| ｌ|＼

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　＼;;ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　/ /　 ',　　　　　Vﾊヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' /　l　l　i　　ｌ　 l　 }　　Vﾊ.',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　l /　/! ﾊ八　 j / ! /　j　 |;;;| l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ!　ｌ{ V__ヽ＼/ﾘ _j/ ﾚ' 　 l;＼|
　　　　　　急行軍で兵の装備置いて来ちゃったし、　　　　　　　　　　　　　ﾊ　! }´　｀　　　´　｀/ｲ　 j;;;;;;;＼
　　　　　　それが揃うまでは守りを固めるのみよぉん。　　　　　　　　　　 ./;;ヽVゝ"／>　　""　　　/ー‐- ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./;;／＼jl/ｯ'≧r‐‐ｧ＜/／―――‐｀―ｧ
　　　　　　戦場で飲むヤクルトも意外といけるわぁん　　　　　　　　　　　　　rr也丁孑ヽ∠_ 　'´ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏj_」厶＞（´　　>､　 !＼_;;;;＞'´＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/　　　　　 `t''´＼＼ |_　＼　ﾄ　 i_ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠ ;;_{　二二ﾆ　 r'ヘ　＼ﾕ　＼ V　ヽj　｀¨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　__ゝkv＼　 l　 ,v厂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f′￣￣　　〃　＾＼|ゝ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　_,ゝｰ一'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ一 ''"

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .この後しばらくの間、両軍は上邽において対峙を続けている。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.蜀軍は兵数で劣っていたためか軽率には動けず、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.魏軍は近くの要害に陣を構え、態勢を整えていたと思われる。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.両者ともまずは様子をうかがっていたのだろう
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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614 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:30:48.28 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　鹵城】
　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　×街亭
　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧
　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧　　　　○略陽　∧∧∧
　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【略陽郡】∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
【西平郡】　　　　　　││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
　　　　　　　　　　　　││○狄道　　　　　　　　　　　　【南安郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○隃麋　　　
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　▲鳥鼠山_____　　　　○豲道　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　　　　　　______ ＼___________________________________　∧∧∧∧　　　○陳倉
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　　　　　　　○.＼__________________________________　＼______________________________________
　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　陽谿　　　　襄武　　　　　　冀○　　　　 ○　　＼_______________________________________
_____________________　　　　　＼＼　　×　【隴西郡】　　　　　　　　　　　　　上邽　　　
_____________________~＼_______／.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　鹵城●【天水郡】∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧
　　　　○　　　　~＼________／　　　　　∧∧∧∧∧∧∧　　祁山∧∧∧∧∧∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧　箕谷
　　　洮陽　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　▲ 　　　∧∧∧∧∧∧　×　∧∧∧　　∧∧　　　　
　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　／／　　∧∧　　　散関　∧∧∧∧∧　×∧∧
　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　∧∧∧∧∧　　　　　　|　|　　　　下弁　　　　　∧∧∧∧∧∧斜谷　∧
　　____________________________________________　　　　　　　　　∧∧∧∧／／　　　　○　∧○　　　∧∧∧∧　　　　　∧∧
　　____________________________________________＼　　∧∧∧∧∧∧　　 |　|【武都郡】　　　河地　　∧∧∧∧（褒斜道）∧∧
　　　　　○　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　|　| ○武都　　∧∧（故道）∧∧∧　　　　∧∧∧
　　　　沓中　　　∧∧∧∧∧∧∧　　　＼＼　∧∧∧∧∧　　＼＼　　∧∧　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　∧∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　..＼＼　　　　　　　∧∧　　∧漢城∧　　∧∧　　
　　　　　　　　　【陰平郡】　　　　　○陰平　　＼＼　　　　　　　　　.　|　￣￣＼　.∧∧∧×　　 ◎_____________________
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___________|　|___　　∧∧∧∧　~~￣￣＼＼　　　陽平関　______________________

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .先に動いたのは諸葛亮だった。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.彼はこのままでは埒が明かないと考えたのか、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.上邽から鹵城まで撤退し、一旦同地に駐屯して防御を固めた。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.これを知った司馬懿も、蜀軍を追って鹵城に進む
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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615 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:31:53.27 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　鹵城】

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　しかし、司馬懿は蜀軍を追って鹵城まで来たが決戦を挑まなかった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.そのため、両軍は小競り合いこそあったものの、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　結果として、上邽での両軍の睨み合いが鹵城でも繰り返される
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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616 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:33:34.07 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　　 _＿＿＿＿
　　　　　　　 ┌＜二三三三三≧
　　　　　　　　 ∨三三三三三三７
　　　　　　　　　　 ∨‐' ´￣￣二二ﾕ＿
　　　　　　　r=＝ﾆ二ニ三三三三三二≧
　　　　　｀ヽ三斗‐〒::￣｀::.:‐＜三／
.　　　　　　　 /::.::/::;:: |l::.::.ヽ.::.::.ヽ::.::ヽ
　　　　　　　　ｌ::.::;':://:八::ﾄ､::＼::.::.}::.::.|
　　　　　　　 |::.::ﾚ':∠ -ﾍ:ヽ｀≦ニ|::.::.|　　　　　上邽に来た時みたいに、
　　　　　　　 ∨::.l:代j歹　＼它ﾌj::.}:/　　　　　一気に攻めて来ると思ったら、
　　　　　　　　　}:l::.|:ゝ　　　　　　 /:/:,′　　　　また向こうの動きが止まってしまっています。
　　　　　　　 /人:ドヽ､_　r￢　彡l::ﾘ
　　　　　　　　′　｀ヽ _r┴ﾐ_T´ﾚ' |/　　　　　　. いったいどうなっているんでしょう？
　　　　　　　　　 rt＜　　／ﾆ7弌ｰ､
　　　　　　　　　/ :.｀ヾ､く〈 //|ﾄ､〉〉ﾊ
　　　　　　　 /:.:/:.:.:.{ }　ヽ/| |}{∨ |l:|
.　　　　　　 /:.:/:.:.:.:.:.{ }　　 | |}{| L |}ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　､__ー────t-_- ､__
　　　　　　 /:.:/:.:.:.:.:.:.:.{ 〉　 | lXﾄ〉|}:.:.＼　　　　　　　　　　　　　　,　':.:.:.:.:.:＼　　　　´ li ヽ　 f 「｀ｰ､
　　　　　　く:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.; 匕ZュＨXkzz|}〒´　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　　　　　ヾヽ　＼
　　　　　｀７ー―r勹::..::..::..: }X{｀:〈　|　　　　　　　　　　　　, イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　　　　　　l }　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:..:.:.:ヽ　_ヽl!/_　 l }　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.,ｨ :..|:.:.|:.|:.:/／ヽ:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:＼. l!ヽ　 l }　　　ゝ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'::// :.:.|::.:|:.ﾚ:/__　　ヽl:.:.:.:.: .:.:.::.: l　　　 l }　　　__　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:.| {:.:.:.:|､:.l/ｨ´￣ ´　 lﾄ,:.:./ :.:.:.:..:.!,　　　l }　　　　_　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶! ヽ :.|乂./　__　　　ヽV:.:.:.:.:.:.::/i　　　l } 　　√ .:.:￣￣｀ヽ
　　　　試しに挑発させてみても、　　　　　　　　　　　　　　　　へ!i.ソ　,,== ゝ　　 /:.:.:.:.:.::./ f! / 　 l }__ノ : .:.:.:.:|　　_＿＿!
　　　　まるで応じて来ないのですよ。　　　　　　　　　　　　　　 r　　　　　　/ｲ:.:.:.:.:./ =　.=　　l }ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.|!／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶　 _　　　　 '/:.:.:. _イ　/ i! ヽ　/ノ:.::.:.:.:.::.:.:.:|
　　　　どうもやりにくい相手ですね　　　　　　　　　　　　　　　　　＼｀｀　 _,ノ-‐ ' ノ /　　　　/ ）.: .l:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.　　　　　　　/ 　　　 / ):.:.:.: |:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ｀ー─┐ 　'!l!/_　　 / ﾌ:.:.:.:.: | :.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/i!ヽ　ﾉ　 rーイ/ ヾ　 / 7:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 ___,イr==､/　　　/フ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
617 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:34:53.60 ID:UUbtGF6o: ―　魏軍陣営　―

　　　　　　　　　＿　　　　　＿
　　　　　　　　_,. -‐-｀'　｀`'‐､,.‐'"´,. =ﾆ｀
　　　　　　　　,.‐'"´　　　　　　　　　　　__｀ヽ
　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　｀`''‐､
.　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　`''‐､
　　　　 i　　　　　　　 ,　/i　、　　　ヽ‐-ヽ
.　　　　 !　　　　　　　/| /| /　! .!ヽ..ﾄ､　　､.ヽ
　　　　　|　　　　　　 /''l/､l/_,　l/ _,.ゝ' ゝ、 iヽ!
　　　　 |　　　　　ノ`''‐ ､._/ 　 /_, ‐'´　!.＼!　　　　　　大将軍、また蜀軍からの挑発です……！！
　　　　　!　　,.-､ r' ＝｡=== _　 ,=｡==＝,!
　　　　 / 　 { ‐､!|　 ` ｰ-‐' ''　＼--‐' !　　　　　　　　　奴ら「司馬懿は臆病者」だの「水銀燈はジャング」
.　　　 /　　 !( r||.　　　　 r __　＼'/|　　　　　　　　　「水銀燈はへタレ」だとか散々罵詈雑言を吐いて……
　　　/.　 ,、　ﾞｰ'|!、　　,..-‐───; 7ﾞ│
　／_,.／ l　　 │＼　`ｰ-----‐'´/!＼i
　￣　.!　　1　　ｌ　　ヽ、　ｰ一 ./ |　 |`'‐､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿＿__
　　　 |　　 i、　 l.　　　ヽ､　　 /　|　 .|　　 `'‐､　　　　　　　　　　　　 ,ィr'´~三:::ぐ匂〉｀~`::､
.　　　|　　　ヽ　　i　　　　ヽ､.ｲ　│　 |　　　　　　　　　　　　　　　　／'::::::ィ,.ィ＝:::`ｰ彡'::=ミ:::`ｰｔ
.　　 |　　　　|ヽ　 !.　　　　　　 | !　 ! 　 .|　　　　　　　　　　　　　〃´:／イ::::::xｧｬ;ｧｬ:;ｧｘｧﾐｘ::::ヾ:､1_
　　　|　　　 |. ヽ. i、　　　　 | W1　　│　　　　　　　　　　　　　 /ｒ'::://:::xｧｰ’　　　　　　　｀´`ｰｔｧﾏ
　　 |　　,. ‐'´＼|ヽi.ヽ､　　　　ﾉ|／`‐､　 !　　　　 .　　　　　　　　 /〈:::/′ｧ'　　　　　 :i　　　　　　　`圦
　　 !.‐'´　　　 | 　　 `'ｰ-‐'　.| 　　＼!　　　　　　　　　　　　　 ,′{::j,':rﾒ　　/　,　　 ;|!:　　 i　　ヾ　　ヽ　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　 :.ィミY:ｲｨx　 |!__j　　ハ:. 　 i! !　j　}i　:.　 Vヽ.　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　くく⌒〉{:( }:}　 |!　i「Тiト:|　　/大:ﾌｲ/　} 　 }ﾆi:!　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧:}ノｲi:ｙ:ｲ　.:ﾄ､,ﾊ_ﾊﾄ､!　,ｲ,ｨ,.ｲﾚｧ'　/;ｲ,ﾊ!ｺ:ﾉ、／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ﾌ/ ﾉ;ィi　ヽ.:代:::':ﾂ`ｊハﾉﾚ'ﾋ:'::ｿ/ ,ｲ〃1}jXヽ _三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧x 　 _ .．才ﾆ彡' // 八　　ト｀￣　　　、｀￣'イ彡!　ヾ:､｀ ¨三
　　　捨て置きなさい。　　　　　　　　　　　　　　　三=＜.ィ ´＞ｘ.　　{:i /　ヽ　ヽ　　､ _ ，　ノ!: |: 　{_,､イ三三三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三三三三三三≧:ヾ:､　/ハ　 `::≧ｭ:._ .．イ:::八ヽ　i: : ￣￣｀Y三
　　　相手が戦いたがっている時に戦う　　　　三三三三三三＞':::ヾ!::`ｰvi　　∨￣/:≦`ｧ7:::::::ヾ､　Ⅵ: : : : : :|三
　　　お馬鹿さんはいないわよぉ？　　　　　　　.三三三ｒ＝=彡': : : : : : :::::::∧　ヾ､/八ヾ､{/`ｬ:::::::jﾊ　ヾ､: : : : :.ﾐく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三三=/: : : { く: : : : : : : ::::::::::::. 　 !彡!`　`ﾆヾﾐ}､:::::::::ヽﾊ　ヽ: : : : 辷
　　　ちょっと陣内でも散歩して来るわ　　　　　三三:{: : : : ﾊ:. : : : : : :.::::::::::::: :}　 | rt|==zｱ{ﾆ7〉）: ､: /　} 　i::::::::::.: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧-=ｧ::r=:::} j: : : : : : : : ::::ィ::::::!　 !^1j　ｒｋヲ｝'r'ｿ: : Yﾐｰﾍ.　!::ヽ､: :_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:{{｀ヾ:､j: : : : : : : : :::;ｲ:::::::: !　,Ⅸｧ､ `~¨´ rｿ: : : :|　`ｲヾﾉ｀ヾ厂{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=彡ﾚイ介:､:::: : : : : :ノヾ:::::: | /: : : ヾﾏx _rｿ__,．、{　〃ハ!ｒ=Z￣
618 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:35:48.23 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　 __,,.＞　　,　｀Y´ 　､　｀`ヽ、
　　　　 ,ｨ'´　　　 ;'´( 　　　　　 )ヽ　　ヽ
　　　∠二ィ : .　　`､　>　___,,,..ノ丿　　　 .ﾍ
　　　　／: : ; . 　　｀´　`ｰ--‐''´　　　 . : : |
　　　 ∠:／,:ｨ: : : ,:ｨ: . ／|　ﾄ､　　　 . : : : |
　　　　 /／/.: :, く/／　＼!_,>　　　. : : : : :|
　　　　 '´ /:,:イ`>､＼　 _,／／＼ . : : : : : |　　　　　　　　　　……だとさ
　　　　 |/　.kー-｡､〉　>-‐'ー｡､ |.:|‐-､: : !
　　　　　　　　 |`ｰ:／'´　 `ｰ-‐'´　| !か.|: /
　　　　　　 |／　__‐､　　　　u　lﾉい/:〈
　　　　　　　　 `iｰ＿＿＿＿__　　,'/じ:' : :ヽ
　　　　　　　　　 l `ｰ―‐---‐' 　'/: : : : : : :.ヽ
　　　　　　　 '､　ー　　／/: : : :∧: : : :ヽ
　　　　　　　　　　∧. 　　／,.r': : : :,/⌒'ヽ: : : l　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐- ､
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　　　　　　　　　　|: : /｣:／　/: :,:ｲ　　　　　＼　　　　　　　　　　　　 /:.:.://`:.､ヽl:.)_'´-┴-....._
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　　　　　　　　　'´ 　 |iﾟ:l ＼'´ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.::l::l l;;;;; ｧ爪l:ヽ/:.:.:.:.,-:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:.:l:.:.:l:.:! ﾚ' / l:,-.ｿ:l:.l:.:/､/,.イ:./:.,ｲ:.:.:.:.:l:i.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:.:l.:l:.l:.:l_l／　 l.f il:.l.:l:/,ｫ._X/:/:./ l:.:.:.l:.l:ll　l
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !l:l:.l:／ ,ｲ　 ,-/　 |l:.l:.:l　｀／　伐:l/:l:.l ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:.!l:/　 /:l 　_lヽ､丶 l:.l:.:l　　 __　ﾞ/,.ﾊ/:.N
　　　　　　　　　　　…………　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:.l/　_/,　'´ﾊ　　｀ｰl:l l:.ﾄ､_,. ﾞイﾉ　　l:.:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:/／:::l　〈 l　`ｰy--l:l ヽl.‐-､ l'　　 l:l
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-<〈:::::::::::::::, - ''丶_l　l.>.､￣ヽｰ　　ｌｌ:l:::::::::::::::ヽ､.:.:.:.:.:ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ丿￣￣ ,.─‐‐､／::::ｌl:｀: ､ヽ __ - '´l:l::::::::::::::::/ 　｀ヽ:.:.:.ヽ
619 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:36:22.58 ID:UUbtGF6o: " ￣　'''' '-　ｧ- ― ''''　￣ "''､‐"~　　"ﾄィ '' "ﾞ　　 '' "'ｰﾞ"''ィ' "￣'　　"―''''""ﾞﾞ￣''ｰ'､　,,　、"､-'"
　"　''　、　/　''　"""　''　""　'、""　''ｒ '"ヾ　'　""　''　"ｒ ´　'　""　''　""　'　"　'　"〟ヾ　　 "ﾞ　"　;
　"　'''　　""　"　　ﾞ　"ﾞ　"ﾞ　"　"　''　""　'　''　"　　"ﾞ''　"　　"ﾞ''　"　　"ﾞ''　"　　"ﾞ　"''　"　,,　　､
''　" _ｒ､　"_ 　ﾞ''　"　　"ﾞ　;_;　'　､　"　_ ''　"''　" 　"　''　"　　"ﾞ　''　"　　"ﾞ　''　"　"　''　〟,,　;　;"ﾞ"
/"''ｰ､―;;'"､"､ _ｧ―､;;";;、　"'''､,,､―~;;"'';;,ｧ―､;'''"'"'';;　--､＿,―;;"'''-､'";;;､ｨﾆ　;￣｀ｧ―､;;"'';;､-ﾆ
　,―､"￣ヾ";;"､､-<￣｀,―_￣;;"''､､｀-ﾆ＿;;";;､― ｌ;;";"";;,､　　;;"、ｌ―‐i　　ｌ￣￣ｌ￣F―＿,,,, ､､､､ -
,／￣/ヽ　;;;"ミ ;;"／￣ｌヽ　―' ､_,／　　;;､ヾ''";;､／￣丶;;"''<<子曰、默而識之、學而不厭、誨人不倦、何有於我哉
ｌ￣､,,ィ''i"i''=;;_ ／＿＿__ｌ_ヽ;;" ;／　　　　　　ヽ　　　　　＼　 ; ,,　　､　;; ,､ィ'"''‐- ､　;;　"　"　#　;;、　:
,,､ｨ'"ｌｌｌ,,ィ''"　 "'- ,, ;;""､;; ''　"ﾞ;,、＿;_;　;;　 " ;;";; ;;"、＿_＼ ;;
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　ｉ:/ i:ｨ::ヽ　　 |　l　i　! |　　ｉ　 i　ｉ　! l　､　ヽ
　l:l_/!:レ'::〉 / | .li　l　! |　　| 　 l　|　! |　 |　ﾊ
./:/ｉﾄｒ‐i´　.!‐トl､! l　! |　　|　 /　|　! |　 |　 | |
::/ .ｌ |:|　!　 .l≡＞≧l＼　ｌ .//　ﾚ//　./　.ﾊ.!　　　あらぁ？
　　| |:|　ヽ　|ﾔ''{ fﾝ}ヾﾐ　∨/ム一〈/　/　/　l|
　　| |:|　　|ヾ､　`'~　　　　ィtfｿ7／,}／　 " ,ｨ　　子曰く、黙して之を記し、学びて厭わず、人を教えて倦まず……
　　| ヾ　 |　　　　　　　　　 `~ / ／ｨ|　　／/　　
　　.!　　 i＼　　　　　 __ ´　　<"ｲ　 l」／.:::/.　　　『論語』の一節ねぇ。
　　 !　　 .ﾄ､.,へ　　　‘‐ ´　イ　i ／/／.::.::./,─ｧ　戦場で勉強熱心なのは結構だけど、誰がやってるのかしら？
　　 .l　　 l::::::::二_＞ -､.＜　,|　 !: : : : -- ―<＿　　
ニﾆiハ　 |::／／７只ﾄ､＼／:l　 .ﾄ､: : : : : : : : :‐-　ちょっと覗いてみましょうか？
:::::::::ヾ∧ |::＼｀´,ｲ　|:L/厶ー:|　 .!:::＼ : : : : : : : :
:::::::::::::＼ﾍ/　 ¨ i:!　￣ .}:::::::::|　 .!:::::::::ヽ : : : : : :
620 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:37:25.98 ID:UUbtGF6o: 　|＿
　|==ﾐ､
　|ﾉ）)）〉
　| -ﾟﾉlノ＼
　⊂) l|Vヽ!　ｺｿｰﾘ
　|x lヽ
　|∪†|
　　　　　　　＿, -‐-､＿__
　　　　　／　　｀　　｀　_　）
　　　/￣　　_,,ﾆ=‐─'´ｰ''',､
　　　ゝ-┬l;;;　　　　　　　　ヽ
　　　　l// |;;　　　　　　　　　_l
　　　　l　,./;; 　 (ﾆ＝､　　, ,=ﾆ
　　　/イr'ヽ;　　ｰ=o､',　', ro'l　　　　　　　　……以上で本日の講義は終了です。
　　　ﾉ/ l l､!l　　　｀'''''　　ヽ｀´!
　　. ﾚ　〉､｀ヽ　　　ノｰ-‐'　l　　　　　　　　続きは後日、また将軍の時間の空いた日にでも
　　　　 lゝﾉ''l　　　　,ｲﾒ三ヾ､!
　　　　 /､ l　ヽ　　〃 ,,, ﾘ,,/l!
　　　, -l:::ヽヽ､ヽ､,l!___l;;;;;;;;;lヽ､
　　´ 　 l::::::ヽ　ヽ｀ｰ─ヽ;;;;;;l::l ｀''ｰ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.............,,,_
　　　　ヽ::::::::ヽ　ヽ＿／ヽ;;l::lヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.- ''"...... _　　ー;;;"..ヽ.、
　　　　　ヽ:::::::::::ヽヽ__/'´;;;;l!:/　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,　'"´ー、　　　ヽ.、　＼"'';;;-,,,,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／.,: l　　　　＼::.＼ヽ::＼　ヽ;;;;;;;;;;;;＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//./:i | :.　　 ::., ヽ;::.ヽ;＼:.ヽ:.　ヽ;;;;;;;;;;;;;;i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/i., :i :::|:l .::i　　　:'; ,:l:- i‐';-i-::L:..　l;;;;;;;;;;;;;l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;|: .::| :::l::'; _!_　　 ::i; |.';:!＿!:|ヽ:i::::. /;;;;;;;;;;;;;!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;';;;l.l ::l: ::ﾚ';ﾞ;ヽヽ.、::::|/Zﾞilllliiiliヽl::::: i;;;;;;;;;;／、
　　　　今日も勉強になったのですよ。　　　　　　　　　　　　. i;;;;;|.|, :|::. :! ﾞ,zrs、ヽｿ　　ﾞii|!!!;|!. l::/ !;;;;／:::..ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ;;l !',.ヽ:::ヽ'!.ﾞ;||i,　　　　 ' ‐ ' //:／'ﾞ:ヽ:::::::..＼
　　　　やっぱり『論語』は勉強になりますね。　　　　　　　　　　ﾞ!;ヾlヽ＼:::', '‐ﾞ '　　　　　　　 ' ´lヽ:::::::＼:::::::.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ;'ヽ ::ヽ::ﾞ':i 　　 -- '　　　 , 　!;:::::＼::::ヽ:::::::::＼
　　　　おや？　そこにいるのは大将軍では？　　　　　　　　　　　　l :::l:::!: ヽ.、　　　　　／ ,. -''i: ::::::::ヽ:::::ヽ:::::::::''-..、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.l ::::!:::! :l::::::"': ‐- r.'ﾞ .／　　ヽ::;;_::::::::::''-::;;::'':::-:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '; ::';::ヽヽ::::::;;ヽ'/'／　　／,.-,... ニヽ;::::.. ::＼::.. :::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ ::ヽ;:r‐'/　 / '　　／ ./／　　　ヽ'i;:::::::.　＼::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;//　.l　／　　／　.i//　　　　　 ,!/::ヽ::::...　ヽ
621 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:39:05.85 ID:UUbtGF6o: ｜./　 /: 1　　 L 　　　｀ヽ　　 |　　　　 l　　　ｉ　ｌ　 l
　/　 /:/ .!　　｢ "　｀ﾐ､　　＼ i　　　　 / 　　 /　/ 　 |
　!　/ﾂ　ﾄ､　 !　　　　　ヾ　　　　l　　　　 / 　　 /　/　　 .i
./　　 ,　　} ヽ　i　　　　　　　　 l　　.--　、_.／　/　　　 l　　　.これは失礼致しました。
ヽ　　{　 / l　＼ヽ　　　　　　 j ／_　　´ 　ヽ /　/　　/　　　
　/　 l　}ヽ｀　ヽ〉　　　　　　　　　　　｀ヽ　ー ´　/　　/　　　　近くを通りかかったら、
. ｉ　　i　l　　　　　　　　　_　　　ヽ　　　　　ソ　_. /　　/　　　　. 懐かしい響きが聞こえたもので、
.il　　 !. l　　ヽ　　　　ｿ｀}ｨ.､　'　　　　　／7 ´　　／　　　　　講義を拝聴させてもらいましたわ。
.}　　/　ト...　　＼ﾄ､　　 ⊥ﾍﾘ　　　　　_　ｲ.／　　／　　　　　　 .
.ﾊ　　　l::::::::｀:ｰ.､{_ ヽf　.イ　}--　ｧ　/ｿl_入ｨ　／　　　　　　　　　どうやら将軍は儒に関心がおありのご様子……
リ{　　 .l:::::::::::::　´　 _二ヽ}　 ! ´ f　ｲ .,！ .l　´
ヽ !　　.{:::::::／　 f　}　 l /　〃　ﾘ / / .}　 i
､　l　　 l:::/　　" - １　} 　/　 / ´ ./　.i　　!　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　-‐　¨￣￣￣｀　ｰ-　、
.ｌ　} 　／　　　　　 /　　　　　　／　 /　　ヽ　　　　　　　　　　.　　　　／＿　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´　　　　　／　　　　　＼＼　｀ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　／／　./　／　　 |　　ヽ　'v-､　'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ　〃　 {　　｜〃　　 j　|　|　　ｉ　ﾍ:.:.ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| .//　　ﾑ---l､|　　 /　,|　|　　 |　　 !.:.:.:ﾊ
　　恥ずかしい所を見られてしまいましたね。　　　　　　　　　　 |/.:{ 　 ´{ ー-ヽ|　/ /／ナｲ､　 /　　 |:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:l＼　廴＿_∨ｲ´ 　　 |/}Ｘ　　 j:.:.:.:.:j
　　一軍の将とはいえ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨＼下、´￣｀　　　＝=､　}　　　/:.:.:.:/
　　武勇ばかりでは世間から軽く見られるので、　　　　　　　.　　　　ヾミ≧　　　'　　　＿,／　　 /:.:.:.:/
　　暇を見ては学者を招いて講義を受けているのですよ。　　　　　　　ﾊ　＼　　｀￣　 _≧- ／ｲ/:.:,.イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　＼ド＞ . ＿　..＞イ　|イ／　 |
　　あまり暇ができず、勉強できないのが悩みですが……　.　　　ｆ　　　〃／|　　 __,／ ∨ｲ|｜　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾙ┬一Ｔ´ ＞＜´　　／￣＞､｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 :|　　／.:.;小:.:.:＼ /　　／　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 /　　 |　　＼/:.:|:ﾊ:.／/ 　 /　　　　　 }＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .張郃という人は儒学に関心が強かったのか、
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.儒学の士を可愛がっていたと伝えられている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.そのためか、彼は同郷の卑湛という者を
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　儒に詳しく品行方正であるとして、曹叡に推挙していたりする
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
622 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:40:12.43 ID:UUbtGF6o: 　　　　〃:.:.:._:._:У-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼三三三}三!:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ三ソ
　　　 /＞三ア:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼三以三|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|爪
　ィ升三三/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｨﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨三三{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|三》　　　　.昔、後漢の祭遵は将軍になると、
　＼三三ﾏ:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:|＞ﾍ:.:ヽ:.:.:､:.:.ﾑ三三允:.:.:.:.:.:.:.:.:|夕　　　　　五経大夫の設置を上奏して、
　　　｀}＞/:.:.:.|:.:.:|:.:|:.:.:{　　ヽ:.}:.:.:ﾊ:.ﾙ:.:.∧ｿﾆ|:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　軍中でも学生たちと雅楽を演奏したり、
　　　ｿ三!:.:.:.:|:.:.:{:.:.､:.:.',　　　}ﾊ:/_}:升ﾉj　ﾚ}ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　投壺で遊んだりしていたそうよ。
　　　/三｛:.:.:.:.|:.:.:ヽ: ﾄ､:.{　　ﾉﾉ　ｿ / __,,/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　　
　　 ←┬ハ:.:.:ヽ:.:从乂卞ﾐ､　　　 ≠"￣　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{　/⌒　　 .今張郃将軍は外に軍隊を指揮して、
　　　 |:.:.:.:.＼:.:＼ﾑﾁ夭;爿　　　　　　　 ||:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨ 　 |　　　内に朝廷に心を配っていてくれている。
　　　 |:.:. .: :.:|＼∧､　ゞ= ’　　､　　　　　ﾘ|:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.f　　ﾉ　　
　　　 |:.:. :.:.:.|:.:.:.|:.:.ヾ､　　　　 _　ノ　　∧|:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/　　.'　　　そんな将軍の気持ちに応えて卑湛を博士にするわ！
　　　　ﾉ:.:.:.:.:/|:.:.:.|:.:.:.:|:.＞..　　　　　 , '　 |:.:.!:.:.:.:.:.:ノ　　/'⌒ヽ＿
　　／:.:.:.:.:.// :.:.:|:.:.:.:|:.:|:.:.:.|夂r‐---≦===|:.:j:.:.:.:／　､ノ　　 } 　ヽ
　／:.:.:.:.:.／〃:.:.:.:|:.:.:.:|:.:|:.:.:.|:厶｀￣￣　　ノ:/＞'　＿　　/　　 ;　　 , ＼
／:.:.:.:.:.／　弋＞＝ﾆﾆ)'ー┴ﾍ}　 (￣￣￣￣　　　　　＼/　　 ,′　j　　｝
.:.:.:.:.／　　 /´|　　　　　　　　　　 /)`ー‐ｧ‐＝ー‐、　　　/　　 /　　,′　!
:.:.／　　 /　 !　　　　　　＿__o//_o_／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.)ｰ-､ヽ＿_ノ　　ノ　ノ
:/　　　　 ,　　{　　∨　　　ゝ―ｧ r‐／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　｀　､_二ﾆ=<__.イ
/　　　　　|　｜　 /　　　　 // 〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　　　　　　　　 |

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .張郃の推挙を受けた曹叡は、詔勅でこのように記し、卑湛を博士とした。
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.このように曹叡は張郃を非常に信頼していたようで、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.張郃が出陣する際に宴席を設けて送り出したり、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　彼を護衛するために近衛兵を付けたりしている。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .かつての張遼と同じく、彼が魏を代表する将軍だったのが分かる
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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623 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:44:08.45 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　鹵城】

　　　　イ.:〆.::〆　　　　　｀　、　　＼
　　　／I7.:〃.::/」　　　　　　＼＼　＼
　　 /　I7.:〃.::/｣　　＼　　　　　l　ヽ　ヽ
　 /　 {{l:::|l|::::ｌ}}　　 l |　＼　　　　 i　　 l　ﾊ　　 _,,.
　 ′　{{|:::|l|::::|}}　|　 | ﾄ､／｀　､　 |　　|　　|　／ｲ
　|　　 {{|:::|l|::::|}}　|　 |　X＼　'､＼人 _|_　　|/i|ｌ|ｌ|　　　　　　.恥ずかしいなどととんでもありませんわ。
　|　　 {{|:::|l|::::|}}　、 ∨ヽ _,,;;;;;彡,,　　　　i　 |i|ｌ|ｌ|l|
,　/　 {{|:::|l|::::|}}　　＼ヽ　´´￣　　　　 ! lli　|l|ｌ|ｌ|lﾚ{　　　　　学問を志すのは何も悪い話ではありません。
/ ,　小:.ぃ::.ﾏ} ＿　＼＼,"""　　　- ´i　|ｌ|ｌ |ｌ|ｌ|ｌ|ｌ|l
/ /　/ ｌ　＞=rｆ<⌒ヾ　　＼　　　　　 ;　|l|l| |ｌ|ｌ|ｌ|ｌ　　　　　私もいささか儒を学んだ身、
/　　 | {:{___ﾉハﾄ =='＼ー一　　　 . イ l|l|ｌ|!|ｌ|ｌ|ｌ|ｌ|　　　　　何か疑問に思われた事があれば、
/　/ 　 | `￢1|　 |:|＼＼＼　ー　〔_　　|　|ｌ|l|||ｌ|ｌ|ｌ|ｌ|　　　　　喜んでうかがいましょう
. / 　丿　ﾉ:|　 |:|　ヽ　＼＼ -r=く}＼ﾑイ￣￣ヽ
≧==三≧ト．,,_ ｀′　 }　 } ＼＼_ﾉハ、`￢-､::::::::::::::＼
三三三三三三≧ｭｘ..ﾉ__厶 ―- ＼::::冫　　　＼:::::::::::::::＼
三三三三三三三三二ﾆ7.:::::::::::::::::.＼´　　＿,rv＼::::::::::::::::i
三三三三三三三三ニ７.::::::::::::::::::::::::::.＼‐く＼ﾉj｛迄}＼::::::::::ト

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　/　: :!　 . i: : : ::::i: :.:i: : : : : : : : :i: : :.!: : :.!: : : : :.i: .　　: :.!;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/!　 : |. : : :!: : : ::::!: :.i: : : : :/: : :.:!: :./:: : :j::. : : : :i: : : . .　ｉ;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,';;!　i : !: : : :!: : : ::::i: : !: : :.:,' : : :.:.|: /::. : /!:::. : : : !:. : : : : :i;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i;;;!　i : :.: : : :ヽ:. : :::ﾄ.::ﾄ.: :.:i: : : : :.i/ ｊ.j: / ｉ::j:: : :./:::. : : : : :!;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;;;!　| : :＼:. : : !>' ＜⌒､: j: : :./:/ //⌒＞ﾉ: ノ:::: : : : : : :!;;;;;;;
　　　それは願ってもない話なのです！　　　　　　　　　 |;;;i　ｊ :i: : : ヽ::.:.ヽｘ,==ｒミ＼ .::ﾙ' 　ｒ==ｒミ/／|.:::/:::.:. : :./;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　 !;;;ヽハ: : : :::ヽ.,.ｲゝｲil::|　ヾ!　　　|ゝｲil:::| ﾚﾉ.:/::::.: : :./:!;;;;;;;;;;
　　　司馬家は諸生の家と聞いていますし、　　　　　　　　;;;;;;;>、ヽ:.:.:.:.:.＼ゞﾟｰ''ﾉ　　　　　　ゞﾟｰ'':ｿ /／:::. : :／!.:|;;;;;;;;;;
　　　ぜひお願いしたいのですよ！！　　　　　　　　　　　ヾ;;;ｊ　＼ :｀￢‐-　￣｀　　,　　　　 ´￣　／::. : :／: .ｲﾉ;;;;;／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ!　　ヽ:: : :＼　'' ''　　ｒ―‐ ､　'' '''／:: ::...ィ::::／iイ;;;／::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //.:i.:::::::..､　　　ヽ..___ﾉ　　´￣了::::　/::::::|::!´::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　ｉ iﾊ:|.:.:::::::/:＞....　　　　　 . ..イ　!::: : /､::::::|::i:::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　ｉｉ: ﾊ :.::::i:::::::i::i::::＞--ｒ　　　　　|ｲ::/: : ＼j:::!::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　ｉｉ: : :〉:::::!‐ｧ': : /: : : : ヽ　　　ノｉﾘ/: : : : /`ｰ‐-... __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　ｉｉ: :/　ヽ|/: : : :! : : : : : : Ｖ´ : : : : : : : : /:::::::. : : : :ﾉ
624 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:44:41.63 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. -──-- ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-__ r-､-.　　　ト--.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　' ｲ　　＼＼＼　＼::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ｲ | 　　　ヽﾊ. ＼　　ヽ:::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　' |│､|　　ｫ什十ﾄ! |　ﾚ::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /li! |　vl-ﾄゝ､,. j/z!‐j/､ﾚｲr::::::::::ｲ
　　　ただ、そのためには蜀軍を退けなくては……　　　　　(:::|l ヾヽj =,､ l./　ﾍﾊt!　 j {:::／..ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V|ゝ＼ﾊ 7rj　　　｀　"/ イ ::::::::::: ＼
　　　せっかくなので、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚゝ＼lヾ!"　' 　 ,　　　ｲイ＼ ::::::::::: ＼
　　　この場を借りて策を申し上げたいのですが……　　　　　　 |l !:::ゝ.　｀　　／　|::::::::::＼: :::::::::::::`. ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |i :::::::::|｀..ｰ─r'　／＼::____:＼:::::::::::ヾ:::`..､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ ::::::::ゝ::__,:イ／　,.イ ,. ---､ヾヽ:::::::::::`:::::::＼
　　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:,.ｲ´|　／　／ / /　　　 |ﾄ､::::＼:::::::::::＼:::`i、
　　　　 ∠ﾆ-‐Ｏ‐- ､｀ヽ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_/ノ! ／　／　　ﾚ'　　　　 /:::::＼.:::: i､:::::::::::: 'i::::ヽ.
　　　 ∠ - ┬ ￢- ､::.:＼｀､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/_/ ／　／　　「_￣_:.`ｰく::＼::::::::ﾞl.,::::ﾊ ::::: 　|!::　 !
　　 _//, / /　,'　 ,　｀ヽ､:∨ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈 ,! ,'　　/　　　｢:.~: : :~: rィ'ヽ::::＼::: i::.　|ヽ:::　 |!::　 |
　〈// l l　|　,′/l　 / ,　＼} ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ.:ﾚ　　/　　　,.ｲ: : : : : : ∧ :::::l::::::::ﾞ!::|: 　|　|::　 |!::　 !
　 /∧ ｌＴト|￤ / |__/_厶イ/lﾄ､|
　{ハヽrﾒ::ﾐ、/ 厶=≠} /〈/|lV|
　　 }＼_〉-′　ﾍ:_::/ / 〃 l|｜＿_ノ
　ｰ=ハ { >‐､ｰ-　 ∠ィ／ l　l| ∨::.:＜＿＿
.　 / /　ｌ^7く＞r＜｀＜　|｜ l|　ﾄ､::＼::.r'⌒
　/ /　 l|/::.／l\/{:.::.::_:}｜ｌ　 |　 |＼}￣⌒ヽ　　　　　　　　　　　　……拝聴致しましょう
　| l|　 , ﾄy┼┴‐'::.:/　 /｜　l　 |
　|/| /|（｣／:rxーrr'＞〈　,′∧｜
　　Lﾚ'::.::ヽ/Xﾍ::∨::｀ヽ＞∠　}ﾉ
.　 /::./:/::/_ _ _ _〉:＼::.::∨::.::｀ヽ
　/／|X:∧ハﾊﾊﾊ::.::.×::ﾚ'⌒ヽ:〉
　　　|::./　|::.::|　 |::.:ﾄ､::.::/
　　　∨　 |::./ 　 !::.|　∨
　　　　　ﾚ′　 L/
625 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:45:51.72 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　　　　-―-=――-
　　　　　　　　　　　'"　　　　　　　　　　｀丶、
　　　　　　　 _∠　-‐　　／　　　　　　　　　　ヽ、
　　　　　／　　　　　 '　　　　　　、　＼　　　　ヽ
.　　　　 /　／　／　〃　　　　　　 j　 } ヽ`く＾ヽ、ハ
　　　　/　ｲ　 {　　｛{　　/　　 j　/　,'　　}　ヽ:::::＼}　　　　敵、蜀軍は我が軍を迎撃しようと遠征していますが、
　　　　{! /::{　人　　从〃　　 /,ｲ　/　　　　　l:::::::::ﾍ　　　　こちらは戦いに挑まれても乗って応じていません。
　　　　∨::小　　｛`＜⌒{{　／￣jノﾄ､　 /　　 } ::::::::::}　　　
.　　　　 {:::::ﾊヽ､_＞二八_（　　_　厶j＼　　ｌ::::::::::,'　　　 .そこで蜀軍は、こちらに戦う意志がないと判断し、
　　　　 ∨八.　＼'¨￣`　　　　＝=ﾐ　ﾉ　,　 /:::::::::/　　　　.長期の計画を立てて隴西を制圧しようと考えるでしょう。
　　　　　　　　＼こミ　　 '　　　　　／／　/::::::／
　　　　　　人.　ゝ　　 ` ｰ　　彡=-─厶／|　　　　　　.ただ、僕たちがここまで来た以上、
　　　　　　　 /　/＼ぐ＞､＿　　　イ_}｝ /　/　│　　　　　 .祁山の味方の気持ちも自然に団結するはず……
　　　　　　　〃 /　　　{／〈|　　__／　∨／{ 　l.{　　　　　　.祁山は簡単には陥落しないでしょう
　　　　　　　{ｆ斗―-イ　　_>＜´　　　∠`ーｚ-八　　　　　 .
　　　　　　／　{ 　　,レ'´ _爪＼　／　／　　ヽ＼
.　　　　　/　　｜　　〉／ﾉ |/／ / 　／　　　　 |　ヽ　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠ﾆ-‐Ｏ‐- ､｀ヽ､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠ - ┬ ￢- ､::.:＼｀､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _//, / /　,'　 ,　｀ヽ､:∨ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈// l l　|　,′/l　 / ,　＼} ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /∧ ｌＴト|￤ / |__/_厶イ/lﾄ､|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ハヽrﾒ::ﾐ、/ 厶=≠} /〈/|lV|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }＼_〉-′　ﾍ:_::/ / 〃 l|｜＿_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=ハ { >‐､ｰ-　 ∠ィ／ l　l| ∨::.:＜＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 / /　ｌ^7く＞r＜｀＜　|｜ l|　ﾄ､::＼::.r'⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　 l|/::.／l\/{:.::.::_:}｜ｌ　 |　 |＼}￣⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l|　 , ﾄy┼┴‐'::.:/　 /｜　l　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/| /|（｣／:rxーrr'＞〈　,′∧｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Lﾚ'::.::ヽ/Xﾍ::∨::｀ヽ＞∠　}ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 /::./:/::/_ _ _ _〉:＼::.::∨::.::｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／|X:∧ハﾊﾊﾊ::.::.×::ﾚ'⌒ヽ:〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::./　|::.::|　 |::.:ﾄ､::.::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨　 |::./ 　 !::.|　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ′　 L/
626 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:47:10.83 ID:UUbtGF6o: ',　　　　 _..lゝ-―- ..ト_､　　　ヽ　　　　　l　　　/　　　,'
　ヽ. 　　　￣l￣ヾ二_‐l‐-¨ﾆ､='　ﾄ､　　　l 　　/l.　　/ 　l
　　＼　　　　 l , z==≧､l二_‐　ヽ. l　! 　 `=lニ≠/=､ ./ 　 l
　　　ヽ､　　/Vｨ　）:::::ヽ｀ヾ　　V　l}　　ム≦/　 ,ｨ′　/
　　　　　 l` V ﾄ:才::::::lヾ} 　　　　,ｨﾉ　,ｨ{._ノV ﾊ´ ,'　　/
', 　　　　l 　 l´ {:::::::ﾉ. ,' 　　　　 /　／,'ィ::::lイ l l /　 , ' 　　　この際鹵城に駐留し、兵を分けて奇襲部隊を編成し、
ヽ. 　　　　ﾍ　ゝ､￣ _ノ　　　　 ' ´　 .l {::::ﾉ,' 〃/ ／　　　　.敵の背後を突く姿勢を示すべきだと思うのです。
ヽヽ　　　ﾍ　　￣　　　　　　　　　　ゝﾆノ　ｲ7 ,　　　　　　
　　`　` ､　　ヾ、　　　　　　　　　　 l 　　　　　 /／　　, イ　　.前進しながら敵に圧力をかけられない今の状況は、
　　　　ﾍ`ｰ---`　　　　　　　＿_ ′　 _... - '´ _.. イ:::::::!　　　民心を失う恐れがあります。
ヽ.　　　　ﾍ. 　　　　　　　　　￣´　　　｀フ￣ l 　 l::::::ﾉ　　　
　ヽ　　　ﾄ､!　丶、　　　　　　　　　 ,,　ィ´　',　/　　レ′　　現在、蜀軍は兵糧が乏しいはず、
/　 ∧　　!　　　　丶､　　　　　 , ィ ´}　　　　}∨　　　　　　　そうすれば蜀軍は勝手に立ち去るのでは？
ﾆ／　',　/　　　　　　　｀7 ‐- ´　/　 l　　　 /
､ `丶､ﾚ′　　　　　　　/　　　.／　　! 　　/
　 `丶､ `ｰ- ､　　　 / 　　／　　　　|　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠ﾆ-‐Ｏ‐- ､｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠ - ┬ ￢- ､::.:＼｀､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _//, / /　,'　 ,　｀ヽ､:∨ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈// l l　|　,′/l　 / ,　＼} ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /∧ ｌＴト|￤ / |__/_厶イ/lﾄ､|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ハヽrﾒ::ﾐ、/ 厶=≠} /〈/|lV|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }＼_〉-′　ﾍ:_::/ / 〃 l|｜＿_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=ハ { >‐､ｰ-　 ∠ィ／ l　l| ∨::.:＜＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　ｌ^7く＞r＜｀＜　|｜ l|　ﾄ､::＼::.r'⌒
　　　失礼ながら、それでは根本的な解決になっておりません　　　　　 / /　 l|/::.／l\/{:.::.::_:}｜ｌ　 |　 |＼}￣⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l|　 , ﾄy┼┴‐'::.:/　 /｜　l　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/| /|（｣／:rxーrr'＞〈　,′∧｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Lﾚ'::.::ヽ/Xﾍ::∨::｀ヽ＞∠　}ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 /::./:/::/_ _ _ _〉:＼::.::∨::.::｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／|X:∧ハﾊﾊﾊ::.::.×::ﾚ'⌒ヽ:〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::./　|::.::|　 |::.:ﾄ､::.::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨　 |::./ 　 !::.|　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ′　 L/
627 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:48:07.53 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　　　　-―-=――-
　　　　　　　　　　　'"　　　　　　　　　　｀丶、　　　　　.━┓
　　　　　　　 _∠　-‐　　／　　　　　　　　　　ヽ、　　　 ┏┛
　　　　　／　　　　　 '　　　　　　、　＼　　　　ヽ　　・　
.　　　　 /　／　／　〃　　　　　　 j　 } ヽ`く＾ヽ、ハ
　　　　/　ｲ　 {　　｛{　　/　　 j　/　,'　　}　ヽ:::::＼}
　　　　{! /::{　人　　从〃　　 /,ｲ　/　　　　　l:::::::::ﾍ
　　　　∨::小　　｛`＜⌒{{　／￣jノﾄ､　 /　　 } ::::::::::}
.　　　　 {:::::ﾊヽ､_＞二八_（　　_　厶j＼　　ｌ::::::::::,'　　　　　　　　どういうことなのですか？
　　　　 ∨八.　＼'¨￣`　　　　＝=ﾐ　ﾉ　,　 /:::::::::/
　　　　　　　　＼こミ　　 '　　　　　／／　/::::::／
　　　　　　人.　ゝ　　 ` ｰ　　彡=-─厶／|
　　　　　　　 /　/＼ぐ＞､＿　　　イ_}｝ /　/　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿＿＿_
　　　　　　　〃 /　　　{／〈|　　__／　∨／{ 　l.{　　　　　　　　　　　　　　　　 ,∠,ｨｧｯy,､_,､_,､_,辷z,_
　　　　　　　{ｆ斗―-イ　　_>＜´　　　∠`ーｚ-八　　　　　　　　　　　　　　 ,∠r=《_亥ｿ======‐-ﾐ､. ＼
　　　　　　／　{ 　　,レ'´ _爪＼　／　／　　ヽ＼　　　　　　　　　　　　　 ∠,r辷二二二二二辷辷ﾐ＼ﾍ,　__
.　　　　　/　　｜　　〉／ﾉ |/／ / 　／　　　　 |　ヽ　　　　　　　　　__　 /／,_,rﾍr'＾'‐'＾'‐'＾'‐'＾'‐ﾍ,-､＼＼V》〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈《V rf￣　l　　　 |　　　　　 'v＼≫=≪
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≫ﾄ|　:ｌ　　|　　　 !　　　　　 l:| 〈《仆,》.〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　〈《//|　:| 　　|　　ｌ　 l　　ｌ　　 ,ｲ:|　 Ⅵｿ|:|ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ'l:|　:| 　　'.　　ヽ, ＼　人　 /ﾞﾘ|　　ﾄ､|:|. ﾍ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从　)､　,》＼　　》､人, 孑ヤT丁　ﾄ､|:ﾄ､. ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　　　　　 /　人　 )､jト--＼《　　 .,ｨﾔ_気チ　《　|｣　＼.),
　　　何事にも機というものがあります。　　　　　　　　　　　　　　　 /　/:ｌ人八ﾁﾔ_気　　　 ` '宀'ﾞ7　 / |!　　＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈 .〃 |　 |ｈ､》,` 宀'´　､　　　 ∠_,.ｲ　.ﾄ､　　　＼
　　　今はまだ、その機が来ておりません。　　　＼　　　　　　《/　/| 　| 「ｈ､ス　　__,x-､イ　／〔ﾘ　ｌ　＼　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.｀ﾐ=､＿＿_,/　/ j| 　| : l从　|`'ﾉ x,ヽヽ.ﾄイ　￣］　人　,＞'´:::
　　　そうとだけ申し上げておきましょう　　　　　　　＿,＞　　　　　￣￣从人　气┴个7　　 .,r仍.　/　/￣￣＼:::::: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,二ﾆ＝-　　: ::::::::::::／＼__ ＞-/　　 / ｢》〉/　/: : : : : : : ＼::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　 ,.　-‐　: ::::::／: : : : : : : /⌒ﾞV⌒ﾞ〉｣《//　/: : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,.＞　　 : : : ::::::)': : : : : : : : :厶　　　 |┐_/ イ: : : : : : : : : : : : :
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628 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:49:16.42 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　鹵城】

―　蜀軍陣営　―

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -- ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.イ=冖￢､.｀＞.､ _
　　　　　　　　　　　　　　／‐.:.".:＾:ヽ､ .* ｀ヽ､　＞､._
　　　　　　　　　　　　　　ｒ':／.:.: -.:.:.:.:.:.::｀:ヽ　＼　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 /:/ .::イ.:.:.:.: .:.:.:.:.::::/.:＼.＊ヽ　　　　｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　ｲ/;／／.:／.:.:イ:／:::::.:.:ヽ.　ヽ
　　　　　　　　　　　　　 !l {/.ｨ_.:／.::／.:,./.:.:.::::::::.:.:ﾍ　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　{ i､l:l'y戈.,ィ'.;. イ.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.: .i ※}
　　　　　　　　　　　　　{ | ::|弋ソレ'ヽ､_i＿;;.:.:.:人.:.:.:|　 i
　　　　　　　　　　　　／,i .::|."", 　　 i（('ｰ,､ﾚ.:.:.:.:.:.:j　./_, .-┬''"´　うぬぬ……
　　　　　　　　　　／x ﾘ .:::ﾍ.　　　　ゞイ .V.:.:.:.:./*ｒ".:::::::.:.i
　　　　　　　　　／　 ./ ;ィ" ヽ'ヽ　　 ""　,.ｲ' /.:.:/　 !.:.::::::::l.:.!　　　魏軍を挑発してもさっぱり応じて来ねぇですし、
　　　　　　　／ ※　,ｲ;/　_,ｒ''_.|｀ "フ'':::´:::.:.ｲ.:.:./　 {.:.:ﾍ:::::::ﾘ　　　手持ちの兵糧も残り少なくなってきましたし、
　　　　　　,イ　 .,..イ,／(ミヽ.'./^７,ｲ.:／::.:.:/.:.:..:/＊ j.:ヽ.:ヽ.:/　　　　そろそろ祁山の味方と合流しますかね？
　　　　 ,イ※ ／:::,r;ニ三＝,ｲ,「"/.:/::::::,:.'.:.: ／　　 }ヽ.::＼/
　　　 /　　 /.:::::ｒ"(　｀フ"´ /　,/.:/::: ｲ:.:.:.:ｒ'　※ ./｀Z,,:::,i　　　　　 .全軍合流した上で仕切り直しですね
　　ｒ' ※ ,ｲ:i::::「(´ ／ｨ! ヽｲ' ／::;i:::/.:.:.:,イ.　　　/`ヽ、i,/
　　.i 　 /::::::::i:（(　　ｒヽ` /./'7:::.: !:.:.::イ／.　　 /::::::::::iY:ﾐ
　　{.§ !::i::::::::〈(、 ,∧ヽ ,/ /::::.:'::::/.イ　※　,ノ::::::::::::::l:ヽヽ
__,,,{　　 }:::i:::::;;< 7.,ｨ',(二`　i::::::;.イ.　　 ._,. イ:::::::::::::::::::|､.:.:ﾐ
: : :〉.§ }::::;;/. `y.:::::ﾄ-.､｀ .!''"　※　,.イ::「;;;7:::::::::::::::::/.:.:.:.:ﾐ
: ; ;〉.　　}'´_,,,.../,:::::::l'ｰ　〈ヾ､,ｒ;;;;"´;;;;"´;;;;ﾍ::::::::::::::::{＼.:.:.:.ヽ
´　{　§ 〉"　ｲ::i／ﾍ　　　ヽ.ヾ､-―－-､;;;;;;＼::::::::::|::.:.:ヽ.:<'
　弋　　i　,/r '´ i´　へ　　,ﾉ .j　ゝ:::::::::::::::i;;;;;;;∧::::::i＼:::::::::{
629 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:50:03.57 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　祁山】

　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　×街亭
　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧
　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧　　　　○略陽　∧∧∧
　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【略陽郡】∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
【西平郡】　　　　　　││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
　　　　　　　　　　　　││○狄道　　　　　　　　　　　　【南安郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　○隃麋　　　
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　▲鳥鼠山_____　　　　○豲道　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　　　　　　______ ＼___________________________________　∧∧∧∧　　○陳倉
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　　　　　　　○.＼__________________________________　＼______________________________________
　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　陽谿　　　　襄武　　　　　　冀○　　　　 ○　　＼_______________________________________
_____________________　　　　　＼＼　　×　【隴西郡】　　　　　　　　　　　　　上邽　　　
_____________________~＼_______／.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　鹵城○【天水郡】∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧
　　　　○　　　　~＼________／　　　　　∧∧∧∧∧∧∧　　祁山∧∧∧∧∧∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧　箕谷
　　　洮陽　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　▲ 　　　∧∧∧∧∧∧　×　∧∧∧　　∧∧　　　　
　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　／／　　∧∧　　　散関　∧∧∧∧∧　×∧∧
　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　∧∧∧∧∧　　　　　　|　|　　　　下弁　　　　　∧∧∧∧∧∧斜谷　∧
　　____________________________________________　　　　　　　　　∧∧∧∧／／　　　　○　∧○　　　∧∧∧∧　　　　　∧∧
　　____________________________________________＼　　∧∧∧∧∧∧　　 |　|【武都郡】　　　河地　　∧∧∧∧（褒斜道）∧∧
　　　　　○　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　|　| ○武都　　∧∧（故道）∧∧∧　　　　∧∧∧
　　　　沓中　　　∧∧∧∧∧∧∧　　　＼＼　∧∧∧∧∧　　＼＼　　∧∧　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　∧∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　..＼＼　　　　　　　∧∧　　∧漢城∧　　∧∧　　
　　　　　　　　　【陰平郡】　　　　　○陰平　　＼＼　　　　　　　　　.　|　￣￣＼　.∧∧∧×　　 ◎_____________________
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___________|　|___　　∧∧∧∧　~~￣￣＼＼　　　陽平関　______________________

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.結局、鹵城でも大した戦にならず、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.諸葛亮は兵をまとめて祁山まで退いた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　当然、司馬懿も蜀軍を追尾し、祁山に向かって進軍する
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
630 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:50:37.70 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　祁山】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _∠^ヽ､　　　 _／;:;:;:;ヽ-､
　　　　　　　 _,､_　　　　　　　　　　 _,／:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ="´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、_
　　　　 _,-＜;;;;;¨｀~＼._　　　　　 ,-､.,ｨ　　　　　;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.祁山では未だ蜀軍による包囲が続いていた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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631 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:51:22.15 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　祁山】

　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿
　　　　　　　　　　　　　　 -‐'´　　　　＼
　　　　　　　　　　 /／{　ﾄ､　ヽ　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 //厶{　 | ﾑ、｝
　　　　　　　　　　　 / { ｧぇ＼ﾚ心∨　　　{
　　　　　　　　　　　八:ｉ{ ﾋﾘ　　ﾋ.ｿ/　/、八　　　　　　　お帰りなさいませ丞相。
　　　　　　　／: : （ ''　､　, ''／　/_人　丶、
　　　　　　　　 / : : :／＞　ｎ／　／ー:､: ＼　＼　　　お茶でも如何でしょうか？
　　　　　　 |: : :く＿弋＾⌒ヽ/》/　::::::}＼: : : : : :|
　　　　　　 | : 乂＿_人＿_,ﾉ´r‐く:::::::{: :j＼: : :八
.　　　　　　　　 ∨￣＼￣／（￣└く⌒::::｝ﾉ　｝:/　ﾉ
　　　　　　　　　　／￣ : : 〉::::::::::::＼ノ＼_ノ´ ∠　
　　　　　　　　　　　｛／{ : : : ｛::::::::l::::丶/::／＼　　　
　　　　　　　　　　　　　ヽ人/{＼∧＿:／　}／　　　　　　　　　　　　　　　／ .,※,...-―:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::ｰ-.､　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼/＿/＿仁　　　　　　　　　　　　　　　　／　 /,.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:＼※ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　｛　 /　　イ￣}::}　　　　　　　　　　　　　　　＼／:.:.:.::/:.:.:.::.:.:.:.:.:.:!:.!:.:.:.:.:.＼::.:.:.:..:ヽ　',
　　　　　　　　　　　　　　　　＼{＿__..ィ⌒{J　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:../.;ｲ.:ﾄ､.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,':.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.,:ｲ:/ ;:/　ヽ.:..:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.'※.
蜀　文官　費禕　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:／.// //　　＼:.:.:.:.|:.:.:.:..:.:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.!:.:.:.:.:.|;∠..－'" 〃゛` ―--＼:.!:.:..:.:.::,' }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!ﾊ:.:.:.:.:.!　　 _,,　 /　　､_　　　 /:.:.:./:/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i! ＼:.:.:＼`＝''"　　　`ー＝''ｲ/:.ｨ／/:.:.
　　　　いつもながら、費禕は本当に働き者ですねぇ。　　　　　　　　　　　　}ヾ､_＼　　　'　　　　　／／´　/:.:.:.
　　　　どうしてこれで人気が出ないのか……？　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､※,.＞-―…―--＜7´※　/:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:.r(´.._'' ¨´￣￣｀¨r-┴ ､　 /ユｭ_:.:.
　　　　ところで孔明たちの後を追って来た　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.{ 〉ーｭ__...::::::::::.r―_`ヽ〈　/／　{ｊ:.:.
　　　　ストーカーどもの様子はどうですか？　　　　　　　　　　　.　　　　　/:.:/{Y´,.-<:::::::::::::::`ー､`　ﾉｭ!_ｊ⌒ｰﾘ:.:.
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 /:.:.:.|　{~`＾ｰｾ┘!｝{} !㍉x-イ　} ,'　　｜:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　.　　　/:.:.::.,'　 !　　 !　 | ｝{} !　i!　　　ﾄ、　　｜:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　/:.:..:./　　!　　　　,' ｝{} ！ |　　　| ヽ　　 !:.:.
632 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:52:14.00 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　　　　　　　｀丶
　　　　　　　　　／　/ 　　　　　＼.　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　│　{　　　＼　　　ヽ　　　　＼
　　　　　　　　 /　,　　/| 　、　　　　　　　　',　　　　　ヽ
.　　　　　　　　 ,′ 　 /　| 　 |＼　　　ヽ　　　|
　　　　　　　　　　 /　 |　_j　　|　ヽ　　|-、　 |　　　　　　 i
　　　　　　　　　|　l　　l'´八　 |　　　　　 |⌒.　 |　　　　　　 |
　　　　　　　　　|　l　　|⌒ _＼|　　　　＼|　 ',　j 　'　 |　　　│　　　その件でしたら、物見から連絡がありまして……
　　　　　　　　　i 八　 |xぅ心.　　　　　ｨｱi心 ∨ / 　 |
　　　　　　　 ',　∧ |{{ ﾄ/ﾊ. 　　　ﾄ//ﾊ.}}∨　　 |　　　/　　　　司馬懿軍は付近の山に登って塹壕を掘り、
　　　　　　　 ∨ ヽﾊ　V:ｿ　　　　　込:.ソ　,′　　ﾄ. 　 ,′　　　そのままそこに留まっているとの事でした。
.　　　　　　　　　 /　　　　､､　　 ,　　　　､､､ ,′　　 jﾉ　｛　　　　　
.　　　　　　　ｉ　　　　}　　　　　　　　 /　　　八　　　　　　 .祁山に友軍がいるにも関わらず、
.　　　　　　　 |　　　人　　　ー '　　　 /　　　　　＼|　　　　 .何を考えているのでしょう？
.　　　　　　　 |　　 / 　＞　　　　　　イ′　　/ 人　　＼　　　
.　　　　　　　 |　　　　 ∧　 /＞r　´　/ 　　/ /　＼　　　＼　　
　　　　　　　　　人　│　/　}／::/　〉／/　　　/ /＼　　｝　　　　＼
.　　　　　　〈　ﾉ　{／＾こ'＜ﾌ／∧ {　　 / /:::::::::> 人　　　　　ヽ
　　　　　　　　人　／ rｚ‐'⌒ｰﾍ_　}ハ{.　　／:::::／／::::::::::ー:-...､
　　　　　　 {:::::∨_／=======ヘ＞‐ﾍ　/:::::／／::::::::::::::::::::::::::::::} 　}
　　　　　　 |::::::;｢└-､　　　　　　ヽｰ　∨:／／ :::::::::::::::::::::::::::::::::;′ﾉ
　　　　　　 |:::/入　　ヽ　　　　 .::::}‐　 ∨ ｲ:::::::/:::::::::::::::::::::::::: /／
　　　　　　_|厶'　|::::..　,′　　　.::::厶　　 ∨|:::::::{:::::::::::::::::::::::::::::｢
　　　　　　／/::∧　ゝ:::ノ　　　　.::::人-　　　}::＼::ﾊ::::::::::::::::::::::::::∧
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　.
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.諸葛亮を追って来た司馬懿は、鹵城に布陣した時と同じ行動を採った
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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633 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:52:50.46 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年３月　魏　雍州　祁山】

―　魏軍陣営　―

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,z=＝＝＝=z､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／'´　_, -――- ､＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　／　/ l　　　ｌ＼ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌj_/l　|　l　l! /　　/　ｌヽ|
　　　　　いつ蜀軍の攻撃があってもいいように、　　　　　　　　　　　　　　　　くノ! | |　l ＼ ! l　　/　ｲ　l|
　　　　　堅固な陣地を構築しなさぁい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｌ:'┘ＮT ,ﾍX　ノ _メl /ｲ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　|　トｰ┘　　ｲ 'ﾉﾁ / |
　　　　　さすがに三度目になれば慣れたでしょうけど　　　　　　　　　　　　　/ 　 !　l、　　＿'　｀ / /　l, ィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/　　:!　ｌ|＼　｀ ´ 　ｲ' /　/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　＿_l　Ｖ　{＞＜}__/「Y/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/／　　＼|ー‐ 八ｰ/r:| /￣ヽ
::::::::::::::::::::::::::／:::://:::::　＼::::::::::::＼＼l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／! //　　　　　､　{j￢￢￢{j〈ヽ　　|ﾄ、
:::::::::::::::::::／＼::://　:::　　　＼「＼__ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／ l　 : :/　 : :}:　{j┌{こ}┐{jﾄ､└ｿﾉ卜、
　／）／:::::::::::::＼　＼:::　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾊ　　l: : /　. : /　　{jL/ ヽ｣（＿Y´￣｣: :.',
｜ﾚ::::::::＿＿＿＿＿.」lllll　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/ | ヽ　l: / . : :/　　　└'ｰ'ｰ'ｰ＼＿ｒ'ノ|　:.ヽ
｜::::::::::　＼￣￣￣「　三/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　 , ィ､. : : /　　　. : :: :::::::::::::::::::|ヽ┘ l　: : l
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｜:::::::U　　　　ｖ　　　　　:::::::::::::::=＼
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｜:::::::::::::::　　　　　　　　:::::::::::::（::::＿::::　）　　　　　　　　　　　　　　　またですか……？
:::＼:::::ｖ::::::　　＿＿＿＿＿＿＿＿ゝ
｜::::＼:::::::::　　　　　　　　　　　（
:｜:::::::::＼:::::::　　　　　　　　＿/
::｜::::::::::::::＼:::::::　　　　　　（
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:::::｜:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::　　　｜
::::::｜::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::＿ノ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .第四次北伐における司馬懿は、
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　各地で要害を頼みとして布陣を行っている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.また、祁山で友軍が包囲されているにも関わらず、兵を動かさなかった。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.この司馬懿の不気味な沈黙は、五月に入るまで続く
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
634 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:53:37.07 ID:UUbtGF6o: 　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　─　　 ─　＼　　　　　　いったい司馬懿はどういうつもりだお？
　／ -=・=- 　　-=・=-　＼
　 |　　　（__人__）　　U 　|　　　　味方救援せずにそのまま様子見とか……
　＼　　　｀ ⌒´ 　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ヽ､_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人__）　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　　　　　　 |
　　　　　（ここで教えてやってもいいんだが、それじゃつまらん）　　　　　　　　　　　{　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⊂ ヽ∩　　　く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | '､＿＼　／　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 |_＼　 “　.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､＿_＼_／
　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　ただし、司馬懿は自軍の方針を
　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　部下にいちいち説明するしたりはしなかった。
　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　
　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　　　　 .何も事情を知らない者から見れば、
　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　 . 一貫して蜀軍との交戦を避ける司馬懿は、
　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　　　　　　ただの臆病者にしか見えなかっただろう
　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　　　　　　
　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　　
　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |
635 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:54:14.59 ID:UUbtGF6o: 　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ_＼
　　　／（　●）（　●）＼　　　　　　　　そりゃそうだお。
　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　 |　　　　　（　（　　　　　 |　　　　　　上邽からずっと追撃してるのに、一度もまともに戦ってないんだし
　＼　　　　 `ー'　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:､:.:.:.:.:.:.:ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:./.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.ヽ:.､:.:.:.ヽ:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,:.:.:.:/:./:.:.:.:.:.:./:.:.!:.:.:.!:.:.:.l:.:.l:.ヽヽ:.:.:.:.:ヽ:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　//:.:.:.,':./:.:.:.:.:.:./:.:. /:.:.:.:|:.:.:.|:.:.|:.:.l:.:.!:.:.､:ヽ:.ﾄ. ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 /｣:|:.:.:.|:.|:.:.:.:.:,.ｲ:.:./|:.:.:.:,!:.:. /:.:.l:.:.:|:.:.|:.:.:!:.:.l:.:.! １
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ'´|:.|:.:.:l:.:|:.-rｰｧｘ...」:_:.ノ!:.:.ハ:.Ａｫ-:!:.:.:.|:.:}:.:.|　!
　　　魏の将兵も陳寿と同じ考えだったのだろう。　　　　　　　　　|:.|:.:.:|:.l:|V|;ｫf＝=レ ´ﾙ'　 /ｨ-ﾍ|:./:.:.,!:./|:./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 1l､:.l:.ﾊl:.:.|｀ {ﾟ: ::|　　　　　 {ﾟ: ::ﾙ',!:.:.ｨ:/ ,ﾘ
　　　五月になると、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ ',:.ﾄl､!:.:.|　ﾞ-┘　　　、　｀ｰ' /:イ,ｼ　/
　　　魏軍の将兵の間で司馬懿への不満が高まった　　　　　　　　ヽヽヽ:.l､　　　　　_ _　　　　/:.:.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　lハ:lヽ､　　　　　　　,.-1:./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽN |｀ ‐ ､__,. ィw　 '/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'^,!　　　　｢ヽ､'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.-'　　|　　　　　ヽl　ヽ､.._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. r　´　　　　 |　　　_...._　　|　　　l. ｀ヽ.._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r{. l. |　　　　　 |-‐ ´ _...._｀ -|　　　|　　 l. ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　ヽヽヽ　　　　　 |-‐ ´ ,.- ､｀ｰ|　　　|　　 | l ヽ
636 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:54:51.01 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年５月　魏　雍州　祁山】

―　魏軍陣営　―

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧
　　　 , '￣￣￣￣ﾞヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧ ヽ
,イ　/　　　　　　　　ヽ　　ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　 /　 ',　',
i ヽ─､　　　　　　　　　|ー'　i　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 !　!
ヾ＿,,;;;》　〉　ヾj　j/　〈;;＿ノ　　　　　　　　　　　　 /　　　││
　　 l 　　ヾﾆｱ　 fﾆｱl 　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　 |　|　　　　　ここまで来て一戦も交えないとか、
　　 i　　〈　　　　　　　i 　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　　|　.!　　　　大将軍は●玉ついてんのか！！
　　 |　　　　ﾄｪｪｪｪｲ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　}　　　 ,'　,'
　　.|　　　＼｀ﾆﾆ´／　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 /　/　　　　　いっそのこと宮刑にしてやろうぜ！！
　　| 　　　ヽー '＿　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　/　/　　
　,-ー､　　　　ヽ;;;;;;;;;;;｀ー-､　　　　　　　　　　　 /　　　　/　/
　;;;;;;;;;;＼ー､　,-i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ.. 　　. 　　　　　　 /　　　　/　/　　　
　;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　　 i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　　　　　　 /　　　　/　/　　　　
　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　　ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;丶__　　　　　 /　　　　/　/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　 ,:ｲ
　　　　　まったくだぜ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　＼_＿＿/　　＿＿＿　,,),,) ＿＿＿　ヽ＿／　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/　　　ヾ::::::::::/　　|　　　/
　　　　　蜀軍なんか蹴散らしてやるのにさ！！　　　　　　　　＼　....::::;;;;ジ:::::::　ヾ;;;;;/　　　　ヾ;;;;;/　　 |;;::. シ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣|:::::::::::::::::　　i￣i￣i￣i　　　　　|￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::￣￣￣￣￣　　　ノ
637 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:56:09.49 ID:UUbtGF6o: /:::::::／／::::::://ミｌ―/:::::/:ｌ:::::::/:::::/:::::::/:::: /ｌ:::::::::ｌ::ｌ:ｌ::::ヽ::ヽ:::ヽ
:::／／::::::::::://ｌｌ:::::t_/::::/:::ｌ::::::/::::/:::::::/::::: /::ｌ::::::::ｌ::ｌ:::ｌ::::::ｌ::::ｌ::::::ｌ
:::＼ヽ::::::::://::ｌｌ::::::::ｌ::::/::::ｌ:::::/:::/ｌ::::::/ｌ:::/ l::l::::::::ｌｌ:ｌ:::ｌ::::::ｌ::::ｌ::::::ｌ
::::::::＼＼//:::ｌｌ:ヽ:::::ｌ:::ｌ::::::ｌ:::::ｌ:/ /::/-ｌ:/-_ｌ/ｌ:::::/ｌ/┐ｌ::::ｌ:::/::::::ｌ
::::::::::::::＼/::::ｌｌ:::::ヽ:ｌ::ｌ::::::ｌ:ｌ::::ｌ<￣＞＝ﾐ　　ｌ::::/ l:j ｌ .ｌ:::ｌ:::ｌ::::::::ｌ　　　　　兵士たちも不満を持っているようだな。
:::::::::::::::::::::::::ｌ　ｌ::::::入ｌ"ｌ:::ｌ::ヽｌ　ヽｌ:::::c/　 /::/　ヽﾉ/::ｌ/ｌ::/ｌ:::::ｌ
::::::::::::::::::::::::ｌ　ｌ::::/　ヽｌ:::ｌ:::::::ｌ　　ゝ-´　 //　ヽ　ｌ:::::ｌ/ｌ/ ｌ::::ｌ　　　　　.当然と言えば当然だが……
::::::::::::::::::::::::ｌ__ｌ:/　　　ヽｌヽ::::ヽ　　　　　　　　　　/ｌ::::ｌ　　ｌ:::/
:::::::::::::::::::::::::::::/　 _ ‐'"~´｀l ､::ヽ、　　　　　-　／ｌ. ｌ::::ｌ　　l/　
::::::::::::::::::, -‐―／　　　　 _ﾄ、::ヽヽ　　　／／ｌ　ｌ::ｌ
:::::::::::::／　　 <´　　　　／;;ヽ__ヽ:ｌ＿ , ┐´::ｌ´ 　ｌ､ｌ/　　　　　　　　　　　　　　 .∠-‐', ‐'´　　　　　　　,,
::::::::::/　　　　　＼　／:::::。;;;;;;ｌ　ｌ;;;;;;;;;;;;;ｌ::::ｌ　　/ ヽ- 、　, ― - 、　　　　　　　　.／_,,　　　　　／ .／::|
::::::/　　　　　　　 >/:::::::::ヽ;;;;;;ｌ. /;;;;;;;;ｌ;;;/::::ｌ　／　　　／　　　　　ヽ　　　　　　 .／‐'' / 　　／/／　u ::|　 |　iﾍ
／　　　　　　／ｌ::::::::::::ヽ;;;;ｌ /;;;;;;;;;／::／　　　　／　　　　　　　　＼　　　　　　 ./／　／　/　　　 _, -| |´| |‐'＼
　　　　　　　　ｌ　　ｌ:::::::::::::ヽ;;ｌｌ;;;;;／::／　　　　／　　　　　　　　　　　＼　　　　　／/／、　　_, -‐'´　 , -|'´:::|::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　＼　＼_, -‐'´　　:::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ __=====＝＝＝:::::::::::|　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ''' !　　　　 , ‐'´:::::::::::::|　|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::　　　-‐ '´　:::::::v::::::::::|...|/
　　　　　　正直な話……！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／:::::::::::v　　　　　　 :::::::::::::::::::| .||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　／:::::::::::::::　　　U　　　　U:::::::::::::::::| |
　　　　　　もう抑えきれない所まで来ている……！　　　　　　　　　　　　　　　 <＿_ 　 ,,,, ｀)　　　　　　 :::::::::::::::::::| `-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　__,ノ　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::|
　　　　　　これ以上はまずい……！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー､──────::::::::::::::::::/|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　::::::::::::::::::/: |
　　　　　　明日の軍議で大将軍に開戦を進言しよう……！！　　　　　　　　　　　　　　　ー─,　　　 :::::::::::::::::/:　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 U::::::::::::／::　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　　　:::::::::::／:::　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　　　:::::::::／:::::　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　::::::／|:::::　　 ,, /
638 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:56:45.58 ID:UUbtGF6o: ―　翌日　―

　　　　　　／:::;:zｭzｭzｭzｭzx:::＼
　　　　　 /::zﾀ´　　　　　´ﾇｬ:l
　　　　　 l_] l　 |　ﾄ､　 |　l　ｒ‐|ー､
　　　　く小| |',　!'､ |　＼!,　! └丈オ
　　　　厶! 乂f;iヽ　l 　f;ｉヽ| l.../ |ﾔｌ　　　 _,　---- ｲ
　　　　　　八　| |:l｜　　l:j　ｌ|/.....　 | |　　／:::::::::::::::ｆイ
_,　-― ､　父,|　l ´　､　　　ｲ|....l.... ﾍ　／::::::::::::＿::ゝ　　　　　えっ？
ｧ:::::::::::::::::丶　! ...ﾄ､　ｎ‐' 　イ|....ｌ.l..|.. ＼/::::::::::::::::､:::＞
´イ:::, -ｬ::::::::/　....ﾊ..l...j |::X::::::::!....|￣'､......＼:l::::::ヽ::j　　　　　　　　蜀軍に決戦を挑んで祁山を救え？
　ﾚ　 /ノ::::/　..|..l:::|../ へ:ﾄJV|...l.l:::::::::ヽ....､..＼ｰ-ゝ
　　　´し/ ......l|..|:::!.|_,､_丿　 l...l.|:::::::::::ｽ.......... l　　　　　　　　　　.気持ちは分からないではないけど、
　　　_／.. ｲ...l:|..l/'/_,､_〉zｭz外.|丶::／l...|....l... |　　　　　　　　　　.まだ早すぎるわねねぇ
　　　￣´　　!..|ﾊ.!/､_　ｦ::::::::::::::!::::::l..| ﾚ´l...|∨
　　　　　　V:／　　Ｙ:::::::::::::l::::::::::|ﾉ　　レ
　　　　　　　〈:::!　　／::::::::::::::;|:::::::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : ,. - ´ ／: : : : :/: : l: : : : : : : : : : : ＼ : : : : : : _l_　} -. ､: : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ／　　 /: : : : ／/ : : l l､: l: : : :ヽ: : : : : :丶: :,.-く　 r_〉 __: :ヽ: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/　　　 /: : :,.ｨ : : l: : : :l､:lヽ:斗-‐ l : : ＼: : :弋　　l-' : l-.､丶: :＼: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: :／/ : : : l: : : l,ｫﾃ7フ､: : l ヽ: : lヽ : : ヽノ: : : :l､､＼＼: :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: /　/: : : : : l: : :ｌ迎i　　 l: : l: :lヽ: :l 丶: : :ヽ: : : :l ヽヽ:＼＼_
　　　そうは仰いますが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l /　 l: : : : ｒ'　ヽ: l　　　　 l: :l: : :l ヽ l: : ヽ : ヽ : :/､ : l l: : :＼_/
　　　我々はここまで一度も蜀軍と戦っておりません。　　l'　　 l: : : : :〉_　ヽl　　　　　l:ハ : ﾚ',l: l: : : ヽ : l／　丶:ヽヽ: : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.l: : : l: ヽ｀ヽ　　　 /: : ﾊ: l ヽl:l : : : : l: :l　　　＼:＼＼
　　　このまま祁山の味方を救わず、　　　　　　　　　　　　　　　l: : ｌ l: : ｌ　　　　　 /,. -┴_. ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ l: :l　　＿_　＼:＼
　　　蜀軍と刃を交えぬとなれば、　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ l　ｌ:　〉_ .. -‐ 'ﾞ ,.l　「　　　　　　 l: l '´　　　丶　＼
　　　我々は天下の物笑いとなりましょう。　　　　　　　　　　　　　ヽl　l: :l｀`'' ‐- ､l: :l　l　　　　　　　／ l:l　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:l l : l'´,　l: :l l　l　　　　 ,. ｧ'′　ﾘ　　　　　　　　
　　　ご決断の程を！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／l: l'´　l: :l　 l　l　,. -'´ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　<l: ! 　 !: ｌ／／　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼l:l　　 l < <　　　　 /
639 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 00:57:44.79 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　／:::;:zｭzｭzｭzｭzx:::＼
　　　　　 /::zﾀ´　　　　　´ﾇｬ:l
　　　　　 l_] l　 |　ﾄ､　 |　l　ｒ‐|ー､
　　　　く小| |',　!'､ |　＼!,　! └丈オ
　　　　厶! 乂f;iヽ　l 　f;ｉヽ| l.../ |ﾔｌ　　　 _,　---- ｲ
　　　　　　八　| |:l｜　　l:j　ｌ|/.....　 | |　　／:::::::::::::::ｆイ　　　天下の物笑いねぇ……
_,　-― ､　父,|　l ´　､　　　ｲ|....l.... ﾍ　／::::::::::::＿::ゝ
ｧ:::::::::::::::::丶　! ...ﾄ､　ｎ‐' 　イ|....ｌ.l..|.. ＼/::::::::::::::::､:::＞　　　　無闇に正々堂々と戦ってこちらが壊滅したら、
´イ:::, -ｬ::::::::/　....ﾊ..l...j |::X::::::::!....|￣'､......＼:l::::::ヽ::j　　　　　　それこそ天下の物笑いのような気がするけど？
　ﾚ　 /ノ::::/　..|..l:::|../ へ:ﾄJV|...l.l:::::::::ヽ....､..＼ｰ-ゝ　　　　　 .兵は詭道なりって言葉は知ってるはずよね？
　　　´し/ ......l|..|:::!.|_,､_丿　 l...l.|:::::::::::ｽ.......... l
　　　_／.. ｲ...l:|..l/'/_,､_〉zｭz外.|丶::／l...|....l... |　　　　　　　　.貴方、そんなんだから脳筋なんて言われるのよぉ？
　　　￣´　　!..|ﾊ.!/､_　ｦ::::::::::::::!::::::l..| ﾚ´l...|∨
　　　　　　V:／　　Ｙ:::::::::::::l::::::::::|ﾉ　　レ
　　　　　　　〈:::!　　／::::::::::::::;|:::::::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　て ./:.:.//:.:.:.:.:/:.:.:.:/:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:',:.:ヾヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　て　..:.:.://:.:.:.:.:/:.:.:.:/:.:.:./:.: /:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:l:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.:!ﾍ:.:ヾヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　 l: / .:.:.:.:.:/:.:.:.:/:.:.:./:.:/:.:ﾊ:.:.:.:.:.:|:.: !ヽ:.:.:.ヽ:.:.:ヽ:.:.i:.:.こｿ:.:.:.:} }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 j/　{:.:.:.:/:.:.:.:/:.:.:.:.l:.:ﾊ:.:.| l:.:.:.:.:.:|:.:.|､:.:＼:.:.',:.:.:|:.:.:|こｿl:.:.:.://
　　　　わ、私が脳筋かはさておき！！　　　　　　　　　　　 |:.:./|:.:.:.:.|:.:.:.:_ﾊ」⊥～V:.:.: ﾊ: |_ヽ斗ヽ:|:.: !:.:.:|ソ| |:.:.//|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:. ! |:.:.:.:.{:.:.:´」⊥」_ﾘ　.V:.:.:| ﾍ! _」⊥ﾆ:|:.:.|:.:.:|:.: | ﾚﾞ./:.:|
　　　　将兵は大将軍の態度に　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:l　!:.:.:.:ﾍ:.:.:{{　{lc:::jﾟ}ヽﾍ :.|　　ｲc:::jﾟ}｀}}:|:.:.:|ヽ:| ／ :.:.|
　　　　疑念を抱いております！！　　　　　　　　　　　　　　 |:.:!　l:.:.:.:.:ﾊ:.:.ﾊ弋こｿ　 .ﾍ:l　　弋こｿ　.!:|:.:.:|ノ:| | .:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Vxく.l:.:.:.:ﾊ:ヽ:ﾄヽ　　　　　｀　　　　　　 /|:.:/:.:.:| | .:.:.:.:.:|
　　　　このままでは士気に関わります！！！　　　　　　　　　　.ﾍ :.:| ﾍ:.八　　　　　　l　　　　　　/.: |/:.:.:.:.| | .:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　 .ﾍ:.|　!:.:l　＼　　　f￣ j　　／/.:.:./.:.:.:.:.:.| | .:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ!　|:.:!.__　ヽ　　─.'　イ ./:.:.:.ハ:.:.:.:.:.| | .:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.|| .ﾄ‐-|　｀ー　'´ .|-/:.:ｲ｀i　|:.:.:.:.:|_| .:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.|| .| 　ﾄ---. ,----|/:.:ｲ.| │.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　- ‐ーーー‐- 、　ハ!ﾍﾍﾉ　　　　　　ﾊ´//.　| ,　- ‐ーーー‐-
640 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:03:10.79 ID:UUbtGF6o: 　/" ./::::;/:::::::::::Y:::::i:::::::、::::ヽ､::::＼ヽ､_:::::, -.､::ヽ=＝―-､_
　　 Y::::〃::::i:::::::|:::/|::::/ ＼::::ヽ＼;ﾒi 　 7::i"i i:::＼＿;;:::-= ヽ
　　 i::::/i:::::::|:::::/|::/|::/　　ヾ､;＼//",- |:::|ﾆi.|::::::＼;;_;;;;;;;;;::::-:＼
　　.|::/ |::::/|:::::ﾄﾞ!/､|;!　　　　／/／/　i:::|ﾉ,!:::::i:::::::::::::::::::::;;::::- "
　　i/　 |::/ |::::ﾍ.!-‐i|､＼､　､／／ﾟノ　　 !|ノ:::::::ト-― ''"i": : : : : :
.　　!　　|:!　.i:::!､＼＼_ ﾟ＞,　!~"'''"　　　　|!:::::::::::|　　　　 |: : : : : : 　　　　　大将軍は……！
　　　　 !|　　i:|iﾞヽ＼　　 | !　　　　　　　| |:::::::::::|　　　　 .|: : : : : :
　　　　　 ! 　 .!|! : ヾ＼　 | !　　　　　 ! |:::::::::::|　　　　　|; ; : : : :　　　　　蜀を……！
　　　　　　　　　〉、: :ﾞi＼　| !　　　 _, -､./ |:::::::::::|　　　　　.|: : 〉, ､
　　　　　　　　 /: :＼ |　＼L／=＝-ー'/　i:::::::::::!　　　　　 |: : : : : 　　　　　虎の如く恐れていらっしゃる……！！
　　　　　　　ノ: : : : : :!　 |::＼　=＝　 /　.i::i::i::::;!　　　　　 .|: : : : :
　　　　　　.（: : : : : : : :ﾞ''..-!;:::::i＼　　/､､,/:;!::i|::;!　　　　　　|: : : : : 　　　　　ここは一戦交えるべき……！！！
　　　　　　ノ､: : : : : : :／.i::|::/,ﾍ､ﾞ.-":::::://!::i|::;!ﾞ､.　　　　　.!: : : : :
　　　, -^"!､_ﾞ'' -― ''"　/ !:;/!: i|:＼:::::/' .//|:;!　＞-､,,,..ノ: : : : : :
　　　ヽ　_　　"フ"　　　　 /＼!: i|:::::＼:::::/　! ヽ､ !(⌒ ､ヽ: : ; : : : :
　　　ﾞ''-/　/'"　　　　　　　ヽ: :i|:::::::: ソ､.,　　.|i ヾ､　））i"　＼:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::;:zｭzｭzｭzｭzx:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::zﾀ´　　　　　´ﾇｬ:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l_] l　 |　ﾄ､　 |　l　ｒ‐|ー､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く小| |',　!'､ |　＼!,　! └丈オ
　　　胡遵、戦機をうかがうのは大切よ？　　　　　　　　　　　　　　　　厶! 乂f;iヽ　l 　f;ｉヽ| l.../ |ﾔｌ　　　 _,　---- ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八　| |:l｜　　l:j　ｌ|/.....　 | |　　／:::::::::::::::ｆイ
　　　機を見極めてこそ戦に勝てるというのが、　　　　　　　　_,　-― ､　父,|　l ´　､　　　ｲ|....l.... ﾍ　／::::::::::::＿::ゝ　
　　　どうして分からないのかしら？　　　　　　　　　　　　　　　ｧ:::::::::::::::::丶　! ...ﾄ､　ｎ‐' 　イ|....ｌ.l..|.. ＼/::::::::::::::::､:::＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´イ:::, -ｬ::::::::/　....ﾊ..l...j |::X::::::::!....|￣'､......＼:l::::::ヽ::j　　　
　　　そんなんだからギャンブルでもなかなか勝てずに、　　　　ﾚ.　 /ノ::::/　..|..l:::|../ へ:ﾄJV|...l.l:::::::::ヽ....､..＼ｰ-ゝ
　　　コミックス何巻分も戦う事になるのよぉん？　　　　　　　　　　　´し/ ......l|..|:::!.|_,､_丿　 l...l.|:::::::::::ｽ.......... l　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／.. ｲ...l:|..l/'/_,､_〉zｭz外.|丶::／l...|....l... |　　　　　　
　　　そもそもギャンブルに人生賭けてる時点で終わってるけど　　　　　　.!..|ﾊ.!/､_　ｦ::::::::::::::!::::::l..| ﾚ´l...|∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V:／　　Ｙ:::::::::::::l::::::::::|ﾉ　　レ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈:::!　　／::::::::::::::;|:::::::::{
642 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 01:04:32.62 ID:8qODQawo: ヒドイ言われようｗｗｗｗｗｗ
641 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:03:47.78 ID:UUbtGF6o: 　　　 /:::/／:::! /-=､　,//　u　/ _,,.-ゝ. 「ヽ　l　　　　! , l
　　 /::_;イ-‐=ﾚ'＝＝ミ"　　　'∠-=＝ヽl＝ヽlヽ　ﾚ'ﾚV
　／::::::::..、　ｏ　　　,≡:::::::〈､　　ｏ　　 ,　　:|│ ﾘ　'
　::::::::::::::::: ` ｰ--‐ '´三 :::::::::ヽ`::ｰ-‐:'.´　　 |│ l
　:::::::::::::::　　　　ニニ　 ::::::::::::::ヽ:::::::::　U　　|│ !　　　　　　　　　　　　　　　　…………！！
　:::::::::::::::U　￣￣　　　U::::::::::::::::ヽ:::　u　　 |│ .l
　::::::::::::::::　　　U　　 r‐:::::::::::::::::::::ヽ.　　　 Lﾉ　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　-―-、__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,イ　/　 ,　ヽ　`ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ {　 {　 lヽ　}　 i　 !_
　　　大将軍、差し出がましいかもしれませんが、　　　　　　　　　　　　 /{　i N＼ﾘｰソヽｌﾊi;;;ヽ
　　　やはり一度戦って見た方が良いと思うのですよ？　　　　　　　　　|;ヽﾙ-‐　 ‐‐-　ｿ　}ｌ;;;;;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .{;;;;| {　　＿,　"∠ノ |;;;/
　　　ここの将兵は曹真将軍や僕のやり方に慣れてて、　　　　　　　　ヾﾊゝ､＿ , イルﾉi.イ
　　　大将軍の用兵には馴染んでいませんし……　　　　　　　　　　　　　　ﾉ､_l/ノ ! ／>､│/ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ,イ　i／／　_ｲ /　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｊ r /　/ /　　/　Y　八
643 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:05:17.09 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　／:::;:zｭzｭzｭzｭzx:::＼
　　　　　 /::zﾀ´　　　　　´ﾇｬ:l
　　　　　 l_] l　 |　ﾄ､　 |　l　ｒ‐|ー､
　　　　く小| |',　!'､ |　＼!,　! └丈オ
　　　　厶! 乂f;iヽ　l 　f;ｉヽ| l.../ |ﾔｌ　　　 _,　---- ｲ
　　　　　　八　| |:l｜　　l:j　ｌ|/.....　 | |　　／:::::::::::::::ｆイ
_,　-― ､　父,|　l ´　､　　　ｲ|....l.... ﾍ　／::::::::::::＿::ゝ
ｧ:::::::::::::::::丶　! ...ﾄ､　ｎ‐' 　イ|....ｌ.l..|.. ＼/::::::::::::::::､:::＞　　　　　　　（……言われてみればそうよねぇ）
´イ:::, -ｬ::::::::/　....ﾊ..l...j |::X::::::::!....|￣'､......＼:l::::::ヽ::j　　　
　ﾚ　 /ノ::::/　..|..l:::|../ へ:ﾄJV|...l.l:::::::::ヽ....､..＼ｰ-ゝ
　　　´し/ ......l|..|:::!.|_,､_丿　 l...l.|:::::::::::ｽ.......... l　
　　　_／.. ｲ...l:|..l/'/_,､_〉zｭz外.|丶::／l...|....l... |
　　　￣´　　!..|ﾊ.!/､_　ｦ::::::::::::::!::::::l..| ﾚ´l...|∨
　　　　　　V:／　　Ｙ:::::::::::::l::::::::::|ﾉ　　レ
　　　　　　　〈:::!　　／::::::::::::::;|:::::::::{　　　　　　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　魏軍では、蜀軍と戦うべしという意見が勢いを増し、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.積極攻勢に出るべきと主張する者が続出していた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　司馬懿は最初こそ部下の主張に否定的だったのだが……
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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644 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:06:48.07 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　／:::;:zｭzｭzｭzｭzx:::＼
　　　　　 /::zﾀ´　　　　　´ﾇｬ:l
　　　　　 l_] l　 |　ﾄ､　 |　l　ｒ‐|ー､
　　　　く小| |',　!'､ |　＼!,　! └丈オ
　　　　厶! 乂f;iヽ　l 　f;ｉヽ| l.../ |ﾔｌ　　　 _,　---- ｲ
　　　　　　八　| |:l｜　　l:j　ｌ|/.....　 | |　　／:::::::::::::::ｆイ
_,　-― ､　父,|　l ´　､　　　ｲ|....l.... ﾍ　／::::::::::::＿::ゝ
ｧ:::::::::::::::::丶　! ...ﾄ､　ｎ‐' 　イ|....ｌ.l..|.. ＼/::::::::::::::::､:::＞　　（蜀軍の真の実力を見る良い機会かも……
´イ:::, -ｬ::::::::/　....ﾊ..l...j |::X::::::::!....|￣'､......＼:l::::::ヽ::j　　　　　　　　　　　　　　　　部下に寝首掻かれるのも嫌だし）
　ﾚ　 /ノ::::/　..|..l:::|../ へ:ﾄJV|...l.l:::::::::ヽ....､..＼ｰ-ゝ
　　　´し/ ......l|..|:::!.|_,､_丿　 l...l.|:::::::::::ｽ.......... l　　　　　　（その結果、ヤクルトが飲めなくなるのは辛いもの……）
　　　_／.. ｲ...l:|..l/'/_,､_〉zｭz外.|丶::／l...|....l... |
　　　￣´　　!..|ﾊ.!/､_　ｦ::::::::::::::!::::::l..| ﾚ´l...|∨
　　　　　　V:／　　Ｙ:::::::::::::l::::::::::|ﾉ　　レ
　　　　　　　〈:::!　　／::::::::::::::;|:::::::::{

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　結局、攻勢に出る事を決断した。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.おそらく彼の本意ではなかっただろう
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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645 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:08:03.49 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　／:::;:zｭzｭzｭzｭzx:::＼
　　　　　 /::zﾀ´　　　　　´ﾇｬ:l
　　　　　 l_] l　 |　ﾄ､　 |　l　ｒ‐|ー､
　　　　く小| |',　!'､ |　＼!,　! └丈オ
　　　　厶! 乂f;iヽ　l 　f;ｉヽ| l.../ |ﾔｌ　　　 _,　---- ｲ　　　　.ふふふ……
　　　　　　八　| |:l｜　　l:j　ｌ|/.....　 | |　　／:::::::::::::::ｆイ
_,　-― ､　父,|　l ´　､　　　ｲ|....l.... ﾍ　／::::::::::::＿::ゝ　　　　　貴方たちの熱意に負けたわぁん。
ｧ:::::::::::::::::丶　! ...ﾄ､　ｎ‐' 　イ|....ｌ.l..|.. ＼/::::::::::::::::､:::＞　（
´イ:::, -ｬ::::::::/　....ﾊ..l...j |::X::::::::!....|￣'､......＼:l::::::ヽ::j　　　　　　　　蜀軍に明朝決戦する意志のある事、
　ﾚ　 /ノ::::/　..|..l:::|../ へ:ﾄJV|...l.l:::::::::ヽ....､..＼ｰ-ゝ　　　　　　　 .申し伝えておきなさい。
　　　´し/ ......l|..|:::!.|_,､_丿　 l...l.|:::::::::::ｽ.......... l　
　　　_／.. ｲ...l:|..l/'/_,､_〉zｭz外.|丶::／l...|....l... |　　　　　　　　　　.間違いなく、向こうも応じてくれるでしょう
　　　￣´　　!..|ﾊ.!/､_　ｦ::::::::::::::!::::::l..| ﾚ´l...|∨
　　　　　　V:／　　Ｙ:::::::::::::l::::::::::|ﾉ　　レ
　　　　　　　〈:::!　　／::::::::::::::;|:::::::::{

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : ,. - ´ ／: : : : :/: : l: : : : : : : : : : : ＼ : : : : : : _l_　} -. ､: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ／　　 /: : : : ／/ : : l l､: l: : : :ヽ: : : : : :丶: :,.-く　 r_〉 __: :ヽ: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/　　　 /: : :,.ｨ : : l: : : :l､:lヽ:斗-‐ l : : ＼: : :弋　　l-' : l-.､丶: :＼:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: :／/ : : : l: : : l,ｫﾃ7フ､: : l ヽ: : lヽ : : ヽノ: : : :l､､＼＼: :
　　　　　承知しました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: /　/: : : : : l: : :ｌ迎i　　 l: : l: :lヽ: :l 丶: : :ヽ: : : :l ヽヽ:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l /　 l: : : : ｒ'　ヽ: l　　　　 l: :l: : :l ヽ l: : ヽ : ヽ : :/､ : l l: : :＼
　　　　　ただちに！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l'　　 l: : : : :〉_　ヽl　　　　　l:ハ : ﾚ',l: l: : : ヽ : l／　丶:ヽヽ: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : : l: ヽ｀ヽ　　　 /: : ﾊ: l ヽl:l : : : : l: :l　　　＼:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: : ｌ l: : ｌ　　　　　 /,. -┴_. ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ l: :l　　＿_　＼:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ l　ｌ:　〉_ .. -‐ 'ﾞ ,.l　「　　　　　　 l: l '´　　　丶　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽl　l: :l｀`'' ‐- ､l: :l　l　　　　　　　／ l:l　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:l l : l'´,　l: :l l　l　　　　 ,. ｧ'′　ﾘ　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／l: l'´　l: :l　 l　l　,. -'´ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　<l: ! 　 !: ｌ／／　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼l:l　　 l < <　　　　 /
646 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:09:18.38 ID:UUbtGF6o: 【紀元２３１年５月　魏　雍州　祁山】

―　蜀軍陣営　―

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　　　　　　　　明朝、決戦に応じると大将軍は申しております
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　! ,/::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/:::: /::|::::::::::::::＼::::::::ヽ　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //::::::::::::::::::/:::::::::::／:::::::::::::,ｨ::::: /!::∧:::::::::::::::::ヽ:::::::::V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　fl::::::::::::::://::::::::／:::::::::::::／/::::///　＼:::::::::::::::!::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j !::::::::::::::ﾘ::__∠:ー::ナ' ´ /::／//` ー-ゝ､_::::!::::|::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ !::::::::::::::|::::/::_;∠´__-. ノ／ // 　 -＿_ヽ＼:ﾄ:::!::::::::::::j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　!:::::::::::::l!/ヾ. {.,ィ:::rィ"´ 　〃　 'イ j;;;r f''ッヽ!:ﾉ:::::::::ｲ:!
　　　ようやくその気になったのですか？　　　　　　　　　　ﾉ! ヾ､:!::::::::ヽ　　ゞ_`.ノ　　／　　　　ゝゞク　　　ﾚ:::::::;;∧:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧!　　ゞ､:::::::ﾄ､. 　　　　　　　　　　　　￣　　／:::::イ/ ::!::|
　　　いいかげん待ちくたびれたのですぅ　　　　　　　　 /:::/! 　　）:ゝ､:;;＼　　　　　　` 　　　　　　／:::／/　/) ::!::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::∧! ※ !!::::: |:~!＼　　　ヽ三.ヲ　　　　フ´!!　j　/) :::::l:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. /::::::/:/ゞ　　!!::::. |:::|::: へ　　　　　　　　 ,.イ|:::::::|| ※ !j:|:::::::l:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::/::/:::: |!　|ヽ:::::|:::l::j::: ノ´`r ､. ＿　ィ=ヽ::|::|::::::|!　ﾉﾉ::|:::::::|:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::/:::/:::::::::ゞ!　|:::::ﾚ::ﾒ／　 j､　　　　ノ　＼|::::::|! 　 !l::::|:::::::|:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::/:::/:::::::::::::_j_. ,Vf`／　　　__＼　.／_　　　　ゝjl　ヾ!:::|:::::::|:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::/::::/::::::::: /三!　|／　　　／:::::::::::~~:::::::::ヽ　　　　ﾉﾉ　/`ヽ|::::: |:::|

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　.
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　 .
/!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.こうして、司馬懿と諸葛亮……
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　 .
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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647 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:10:40.57 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _∠^ヽ､　　　 _／;:;:;:;ヽ-､
　　　　　　　 _,､_　　　　　　　　　　 _,／:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ="´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、_
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　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
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648 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:13:02.17 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　／　　　　〃　　／　　　／　　　　ｌ l　＼
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　　｢￣￣￣￣　　‐-　 _　{{ ※ }}ヽ　　 { 　　　　　　ヽ'/'/ ／
　　ト　　＿＿＿_　　　　 ‐＜ }}　＼　＼　　　　_　'　イ jﾉ
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/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　.……直接対決の幕が開けようとしていた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　.
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　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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649 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:14:12.48 ID:UUbtGF6o: 【第十九回中編に続く】

新規CAST

～魏～

●常林（じょうりん）　フォルテ・シュトーレン（ギャラクシーエンジェル）
●陳矯（ちんきょう）　水無灯里（ＡＲＩＡ）
●王雄（おうゆう）　松平片栗粉（銀魂）
●桓範（かんはん）　チンク（魔法少女リリカルなのはStrikerS）
●曹羲（そうぎ）　鷺ノ宮伊澄（ハヤテのごとく！）
●胡遵（こじゅん）　伊藤開司（カイジ）
650 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 01:14:29.90 ID:XdQraP.o: 乙ー
651 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:14:53.47 ID:UUbtGF6o: 【幕間～「やる夫が正史を書くようです」反省会会場】

　　　　　　　　　 ,-､　　　＿＿
　　　　　　　　 !|｀ヾ.､,.ｨ ,.´ｰ-､ :: ::｀ヽ、
　　　　　　　　　　':、 >く::丶､ :: ::」WL,､_ｒvﾄ､
　　　　　　　　　ﾞx/::/ﾞ＼、:: ::>ｆｰ-.,-､_ﾆ 'ｰ,
　　　　　　　　 i:ﾒ/　　　｀ヽ.>)ｒ‐ｯ薔}::ij∠
　　　　　　　　ﾚ'､＿　　 __,-ﾞi_｀'Tfｲ 7＜
　　　　　　　　 l:i ,ｨｰ､　　ｲ;ﾟヾ,ﾚi:H:ir‐'ﾘ　　　　　　　お兄様！
　　　　　　　　 /ﾝ,辷ﾘ　　弋り' /ｿ !ﾄi::/
　　　　　　　　　　// ,.i""　', -､ "" / _,=ﾐ,く　　　　　　　　いくらなんでも今回はやりすぎかしら！！
　　　　　　　　　ﾚ　}ﾐゝ　 ∨_ﾉ　_"-ｆ―ﾐ､}
　　　　　　　　　　ﾉﾆﾌ＞---ｲﾄ　ﾉミニi＾ヽ　　　　　　前回から三週間も間があるし、
　　　　　__ｒ､　　ヾフィ',ｨliiﾄ-､: ! そ=､ノ　　i　　　　　　 400kbも引っ張った挙句に山場は次回に持ち越しとか……
　　　　 jニ　i､ｰ､__,/「〈 //!| ﾄ､ﾌj ｀＞- ,＿　!　　　　　　今回の第四次北伐の内容も作者の妄想が入りすぎよ！！
　　　　{ ‐-,ｙ〕 /　｀ l _ト」|^li∨ｲ <_ ＿_｀　｀）
.　　　　', ﾆﾝ´| i)　 ,. ┴､‐'ヽ,―'―'､/ ,.-ｲ｀く
　　　　 (ヽ￣｀ﾄﾄ　{　　 l i｀{､ぅ　　￣ /l ! i､_〉
　　　　｀!l 　 iY/ハ　 _ノ{,ﾉK　　 _　　 | l ｌ |
　　　　　｀｀　' ' "　｀￣´　´' ´￣ '. 　ｌ ^ ＾
652 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:15:41.77 ID:UUbtGF6o: 　／／　　 /::／　 /::::::/　i! |　 |　 /i　,ｲ　 i　 |　!　 i　　　i　| | 　 i　|　 i 　 !
イ／　　　 /'´　　　|::／　 l! |　 |　ﾊ　i !　 l!　ﾊ l!　 !　　 ! 川　　|　!　 !　 i! 　 .′
イ　　　　　　／　　 /! ｲｉ人　 |　lﾊ　 !　ｉ | li　 :　　 ,′}i !　ｲ .ｲ　 !　.ｲ　/
.　　　　　　　／　　　 / i!ﾊ　!　ト-トミLi__ﾊ l ﾊ i　 : 　 / /!/!! /|/ | /_L.斗 /
. 　　　　／　／　　 /　i′! |　ﾄ､ | ヾ{__ヾ!≧トix　i!　/ /〃,L斗≦/　i /i:|/:!
　　　　／　／　　イ　 ,ｲi∧| 小.z斗≦芋ミ:ｘ卞ヾi∨ {/ｆﾁｒﾚくyr/xう}く.ｲ′! ,　　……批判は甘んじて受けるわ。
.　　／　／　　／ /　 / |/　〉:∧ヾ::{　rt'::::;ﾊ`､ヾⅥ　//!ヾｖ{　{´ (　才｀7ヾｿ/
　／　／　　／　 /　 / ∧ /::/ ∧　　弋x._rｿ_ 　 }ﾊ/}′`:､:ヾ:､廴_ソ彡'.:.:.'ィ　　　今回の幕間は第四次北伐の前半戦、
イ　／　　／　　 /　 / / .У:/ /::∧　　｀￣　　　　　　　　ヾ:ﾐ辷}￣フ:／イ7　　 .上邽の戦いについて、
_彡　　／　　　 /　 / / 〃::/ /::/::圦　　　　　　　　　　　　　　` ーｧｆイ .::::::j′　　作者の思った事を述べていきましょう
.　　／　　　 /　 / / 　/:/ /::/:::::::/|＼　　　　　　 j}　　　 ,ィ.;:イ_ノ:）:::::,′ /
　／　　　　 /　 / /　 /:/ /::// ::/　!:三ヽ.　　　　　__　__　〔《〈_　 .ｲ::::::::/　 /::
彡'　　　　 /　 /:′　,':/ /::// ::/　 .}｀ヾヽ.＞．　　　ｰ　　　｀＞ミ辷彡ﾁ≠==
　　　　　 /　 /　　　;ｲ　.:://::::/　才::::::∧ ヽ}三≧x. ___ .．_彡ﾁ" /::::::厶、/:::::
.　　　　 /　 /　　〃　.://::::/ 　ヾ:::::::::∧　　　　｀ヾ::ィ:´　　　 /::::::::::::://::::::::
653 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:16:19.00 ID:UUbtGF6o: 　　　＿
　　, ':::::::::ヽ、
　/:::, --､:::::ヽ
. ｌ::::::ヽ　ﾉ:::ﾉ
　ﾞｰ´ /:::::く
　　　ヾ;;;;ｼ_
　　　　　　ｌ:::::ヽ　,,=＝､
　　　　　　｀ｰ´　|ｌ
　　　　　　　　　　ヽ-‐ ´　｀ヽ､
　　　　　　　　　 / 入　　｀,'´⌒ヾ､
　　　　　　 i´ /　ヽ、　!,‐-､/´⌒i
　　　　　　　　（,○　　｀ヽ-ﾚ､ゝ'ﾄ::ヽﾉ　　　　　そもそも、何故こんな話になっているのかしら？
　　　　　　　（　　　　　○ ﾉｴﾆ'ﾅ'´
　　　　　　　(⌒)ヾｌ二二i‐--,ｰﾉ〃、　　　　　普通、上邽の戦いでは、
　　　　　　　ﾊ´ ヽｒ'：ヾi　-=ﾞﾗ､,∠　　　　　　「諸葛亮が上邽の麦を刈り取った」と言われているのに……
　　　　　 !　｀Vﾝ:､ノ　､　　ヽｯ,ｺ
　　　　　　　｀´／ｦ´｀､7　|　　　ヽ″
　　　　　　　　　!´　､　ヽ.|　　　ノ
　　　　　　　　　｀ｒ-ｒゝｔｰ┼ｒく´
　　　　　　　　　ヽﾌ　ヽフ｀´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒy‐／-―　　　　　二ｰ､　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ゝ/　　 /!､　　　　　　｀ヾ〈.Ｙ7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦／{　　l, ﾅﾒ、＼ ∧__l!　　　　ｉ‐'≧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　７ｨﾍl!　!∨＼　　ｽ__レ1ヽi　 .↑ｒ､「
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｨ .ｉ　 Y ､＿__,ヽ./ｆ‐ﾗ＾ヾ/ｲj/ 1ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / / 　 !　 .}　￣´＿ヾｒヽソ〈l!　 .|＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ /　　 j　/（　　　 i 　 T｀￣ヾy.!　 .l!　.＼＼
　　まずは『三国志』の本文の　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　{　　 / /　＞ｒｰ､`ー’ 　／　ｌ/） i　　〉　〉
　　第四次北伐に関する記述を見ていきましょう　　　　　　　　　〉〉　./ /　,．-､>i　｀Ｙ´7Z_　　 /_ﾑ |　　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　./　＜ヽ⌒!　ｨi薔ﾄ.　ｲヽｒｆ‐〈　.}!.　〈　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ /　./　　l７´　 .Z　ゞオ _ソ　l! ゝﾉイ.|　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　{　.′　〈　　<.| ￣)ﾌ⌒7＼＿___ラ’ !　　　 }　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .〉〉 .{ 　　ﾋｆ´ノ　ｒ‐Lｒj _ ヽ　　　　　　|　　 /　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　 ∨Ｎ/￣У￣　　ﾉく 'ｰﾍ＿　　　./　　 /　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　{　{　　　／　 ./　/ / .人　､　ﾊ　ヽ　/　　　{　 {
654 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:18:21.75 ID:UUbtGF6o: 【魏書　明帝紀】

●（太和五年）三月、大司馬の曹真が死去した。

●諸葛亮が天水に侵攻したため、大将軍の司馬宣王（司馬懿）に詔勅を下して、これに当たらせた。

【蜀書　後主伝】

●（建興九年）春二月、諸葛亮は再び軍を出して祁山を包囲し、初めて木牛によって輸送を行った。

●魏の司馬懿と張郃は祁山を救援した。

●夏六月、諸葛亮は食糧が尽きて軍を撤退させた。

【蜀書　諸葛亮伝】

●（建興）九年、諸葛亮はまたしても祁山に出撃し、木牛を使って輸送を行ったが、食糧が尽きて撤退した。
655 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:19:38.09 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　/}
　　　　　_ !l　,.- 、
　　／／||￣｀ヽ⌒',
　　/ /　　ﾍ入ヽ　 ∨
　　!｜　 //ー,　＼, }　　　　　　　あら？
　　l　　.//　○　 ○{
　　＼(⌒ﾘ" 　△"ﾉ　　　　　　　上邽の戦いの事が書いてない。
　　　 {こ.ﾌ＞､ｰ,.イ
　　　〈二}/　 ∞Y_〉　　　　　　　どうなっているのかしら？
　　　 └　〉　ﾊ〈┘
　　　　 / 　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣＞二ツ　　　　￣￣｀ｰ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／´ /　　￣｀　　--── ､ {ﾂ／二ﾆ=ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　 / 　　 /　　　ヽ　　　　　｀く二ﾆ=ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　　 /　 l/＼|　　　　||　　|　　　 |｀ヽ＼
　　　残念ながら『三国志』本文中には、　　　　　　　　　　　／／.　　　 /| 　 | 　 |＼/ 　 ||　　| | 　 | |　　', ヽ
　　　このぐらいしか記述がない。　　　　　　　　　　　　　　 /　く　　__　　ｌ |　||十ト､|＼.!/L ___!/　.l | !　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣￣｀ヽ　>　ゞ＼く戈ﾃﾐ､|/メ-≠/ﾐ////　　　　 )　〉
　　　これだけでは上邽で何があったかは分からない。　　　　　／／　 //　人| ゞｰ'ﾞ |/　ゝ伐ｿj/ｲ/|　　　／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／.　　/─- ､∧　　　' 　　｀￣∧/ｌ. !　／／
　　　ちなみに上邽の戦いの記述は、　　　　　　　　　　　　　／／　　　 /|＼:.＿_r=≧ ､ -　,. イ´ |　 ! |　〈く
　　　『諸葛亮伝』注『漢晋春秋』に記されている　　　　　　〈く´　　　 //|: : }: : : ＼} ノ´二／〈＿_ｌ_,⊥L__ ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼ -=/厶ｌ: : {_-ー｢:}　/´: :}／: : : ─-- ､／}. ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　/ / ヾ: : : :〉: : :ヽ!./〉／: :｀ヽ: : : : :.／　/　　>　〉
656 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:20:11.26 ID:UUbtGF6o: 【蜀書　諸葛亮伝　注　漢晋春秋】

●（祁山にいた）諸葛亮は兵を駐留部隊と攻撃部隊に分け、みずからは司馬宣王を待ち受けるため上邽に向かう。

●郭淮らは諸葛亮迎え撃ったが、諸葛亮はこれを撃破し、ついでにその地の麦を大いに刈り取った。

●その後、司馬宣王と上邽の東で遭遇したが、（司馬宣王）が軍兵を引っ込め、要害に立てこもったため、
　戦いを交える事ができず、諸葛亮は引き上げた。

●司馬宣王は諸葛亮の後を追い、鹵城まで来た。
657 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:21:18.56 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　-――-　、
　　　　　　, ヽ　　＼　＼　ヽ
　　　　 /　/ﾍ　､　, _‐_-､, -_-､
　　　　　,.　/ 　ﾍ　 { l　, ｒｰ┐、!}
　　　　　|　l´｀　　＼く人_人　>
　　　　　l　l　　　　　＼ | |ｌ |／!
　　　　 {!｜Ｏ　　Ｏ lL!L!.ノ}　　　　　　　三国志の第四次北伐の紹介でよく見る内容ね。
　　　　　 Yヽ"　､＿　 " .ノ{＿.｣
　　　　　｢二} r― ､/￣｣ー{＿}　　　　　　　素直にこれを本編で書けば良かったんじゃないかしら？
　　　　　〔二!└‐ ｲl￣　l　 {._｣
　　　　　,ｨ／｀i　{._/_|＿.ﾉｒ－､}ト、
　　　　//!_　,ｲ　 /　|　　　Ｌ　 Y}ﾊ
　　　{ ∟ｲ｣}　　ﾊ　　　匕ﾉ_丿
　　　　廴＿ノ'　　/　l　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　---　､/^ﾊ＿_
　　　　　／　／　 !　　　　　　 >　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､　 ,　-‐ｧ´　　　　_ 二V∠ -＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿く｀ﾚ-　　　　￣￣＼´〈ﾄー-、-＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ァ‐ィ^ｰ/　　　 l　　　 l 　ヽ| |　＼ｰ- _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　′ l　　　 !　|　　l　　ﾄj　　　｀ト-二 ‐ 、
　　　ところがこんな記述を見つけたのよ。　　　　　　　　　　　　　　 ´　　|　　l　　 |__ |　 !　| |｜|　| 　: 　　|、　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　‐ﾄ､_ l{⌒j}.: | l |_L.L!|: |　　:　　ﾄヽ　　　＞＞
　　　『明帝紀』注『魏書』の記事、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 !:ﾄ､｀ 7ド､∠lAAA|ﾊﾘ　U　　　|ヽヽ／／
　　　これが今回の内容を狂わせたのだけど……　　　　　　　　　　　　 |!| l.士l土メ､|ﾊ{ }ﾏ{ﾘｨjﾘj|′　　ヽ |／,､く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l小|小=＝｀ヽヽｰ'‐メ小　　　　 / ／　ヽヽ
　　　なお、この『魏書』は魏の文官王沈の手による史書で、　　　　　　　　|.バ´　〈　　　￣イﾄ.| l　|:.　 / ハ|　＿l |
　　　『三国志』の一次史料となった可能性が高い代物……　　　.　　　　　!　.:ヽ、　-_‐　　_/l　|ｨ! l　l 　 {_‐ 二二二_ー、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ,､_ﾉ_ﾉ＞　＿ j |!|　|ﾉヽヽヽ:.　　　　ヽ　 || ＞＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　/　{_: : : ￣ヽてｿｧj´ ヽヽｲ＼ヽ:...　　　ヽ／／
658 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:22:47.89 ID:UUbtGF6o: 【魏書　明帝紀　注　王沈『魏書』】

●(諸葛亮が出陣した時)ある者は、上邽付近の麦を刈り取って敵の食糧補給の道を絶ってしまおうと考えたが、
　明帝はその意見に従わなかった。

●次々と軍兵を派遣して司馬宣王の軍を増員し、また、使者に命じて麦を監視させた。

●司馬宣王は諸葛亮と対峙するに際して、この麦を頼みにして、軍隊の食糧を確保したのである。
659 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:24:51.76 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　ノ　ヽー- ､
　　　　　　　 ,　'´　ヾ　　ヽ　 , '-
　　　　　　　／　　　　入...　　|　　` ´ ヽ
　　　　　　 '::.　　　／　　＼:::::. ヒｨ秘)､./
　　　　　/::: 　 l／ - ─ '　　`'ヽ＼ __ン
　　　　　 i:::: 　 /　　　○　　　　　＼ヽヾ|
　　　　　 Y⌒V　　　　　　　　　 ○　 | /　　　　『漢晋春秋』と書いてある事が正反対ね。
　　　　　 { ノ　　　　　　　　 '　　　 j/
　　　　　r　ｰノ　　　,. - ､ _ 　　　ﾉ　　　　　.こっちには魏軍が上邽の麦を得たように書いてあるけれど、
　　　　/　　 _ﾉゝ、　　　　　⌒_, ヘ　　　　　　誰がこんな矛盾した注釈をつけたのかしら？
　　　　!∠´　　　　ﾄ｀_二_ 二.イ::::::::　|
　　　 iヽ::::＼　　ﾉ{::::,ィ:::j::ヽ　｀＞-<　　　　　無責任にも程があるわ
　　　　ゝ_ ` ´　　 | |` |:::! !::|`|　{:::::::.ノ
　　　　　∧ 　　| |.　`´ `´│　フ´
　　　　　 /　|"　　| ＼　　　イ　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ _
　　　　 /　　|:　　|　　 ` '´ │ "|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ヽ._ v､,､,､　　　　　　　 ,､r､　　_
　　　　'　　　|:　　 |　　　　　 |　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_ ＼　l:::V::.j _ ＿＿＿　 j::::::| ／Ll
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ >─ _`,. -_ゝ-' 　　　　　　 ` v_!／_∠_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'￣r / / -,　　　　　　　　　　r_‐､ヽ‐‐＜＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　　j 　' , '´ 　Ｕ　　　　　　　　_ _ゝ　＼￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ _,　イ　　|　　　　　　　　　　　　ー､　　| ｀＼＼
　　『三国志』に注釈をつけたのは裴松之しかいない。　　　　　／／ー―|, - v　ﾊ　＼　　 l　 |　ヽ　　ﾊ　_.--､._　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -' ノ　 !: : ／: : : :|_ j__l ノ!　＼ハ__j.ｨ |!　　 l>': : : : l: :`ゝ j　
　　彼がそれらの注釈を付けたのは間違いないけれど、　　 .＼＼_ ム: : :: : : : .j　|　!　ﾄl　ﾚ'γ=j=ゞ!　　ﾉ: : : : : : :7: :V　
　　彼はこの矛盾する双方の注に何も意見を述べていない。　　〉イ: : : : :.:./／ N!|　○ N　! { !f:Lrj::}ﾘ　,ハ: : : : : : : ＼j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : : : :∠ へ| | 　　　｀　ゞ_::フｰ|ム　!＼_: : : : : : :`.､
　　ここで>>1は困ってしまった。　　　　　　　　　　　　　　　　　. f: : : : : : : :／|: : : | ﾊ　　　　　　　　　u.ﾊ |': ⌒ヽj;フ : : : : :
　　そこでどうしたかと言うと……　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ : : : : : : :: : : ﾉﾉ: ::ゝ､.　ｰ-―　イ/:.:| !: : : : :ﾊ: : : : : :／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ーｫ､_: :／／: : : フ: : ＞-＜: : |: ,ﾉ_j: : : : : : ': : : ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　ﾌLヽ _:_:／､_ｰr{j<@j_7,ォ::( （ : : : : : : : :／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　　　/／（: : : : : |::フrｰィ: : : : / /:.`r──' ＼
660 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:27:23.79 ID:UUbtGF6o: 【魏書　王淩伝　注　漢晋春秋】

　　　　　　　　／￣￣￣｀＼
　　　　　　／　　　　　　　　ヽ､　
　　　　　 /　　　　　　　　　＿　ヽ
　　　　 /　　　　　　　,イ´::::::::ﾄ､　ヽ　　　　　このような発言の類は、すべて以前の史書には掲載されていませんが、
　　　　｛　　　　　　／:::::::::::::::::::::ﾍｌ　〉　　　　習鑿歯の著作には掲載されています。
　　　　ヽ　　　|　/:::::::::::::::::::::::::::::｝ /
　　　　 λ＿ゞ＼ゝ､.:::::::::::::::::::,/У　　　　　しかも、詔令や文書の方式が昔のそれと似ていません。
　　　　　ｲ　ー￣三￣二三[]=イ"ゝ　　　　全部習鑿歯が自分で書いた疑いがあります
　　　　 /弋＿ー　　＝　ー─ヤ彡ヽ

宋　三国志の注釈者　裴松之

───────────────────────────────────────────────
　　　　　＿__ヽﾉ-――-　､
　　　 __≧ｧ≠ﾇヽ二/　　　ヽ.　　.　　　　　.>>1は裴松之が『漢晋春秋』に苦言を呈していたのを思い出した。
　／, -‐''/ /〃ヾ!７!,ｲ　,　　　ヽ　　　　　　
　＜　　/　'/　　　.:! {ｉ:!:､ｌ: ｉ:　　　 ',　　.　　　この裴松之のコメントによれば、
.　　ヽヽ　:/　　 .::::∧トミﾄ!l|:i　!l　! !　　　　　『漢晋春秋』には作者の習鑿歯の創作に寄る部分があると言う。
　　 /ヽ＼　 .:::::/　ゞ=′ｌ7zﾘﾉﾉ　　.　　　
. 　 /__..＝'　.::;:::/　　　　ﾋfﾙ!'´　　　　　　『漢晋春秋』自体、三国時代から百数十年後の書物なのに
　´:.　　｀ヽ.:::/イr-z､　　 `,.ｲ¨ ヾ､　　　　　 .どこでそんな情報を仕入れたのかという記述があったりするので、
　　V ヽ　　ヾ:.ヽヽ!７Zﾆ´ ﾉ　　 _jl 　　　　　>>1は一旦この情報を頭から消し去った
　
───────────────────────────────────────────────
661 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:29:11.08 ID:UUbtGF6o: 【晋書　宣帝紀】

●諸葛亮は、魏軍が大軍でやってきたと聞き、自ら民衆を率いて上邽の麦を刈り取ろうとした。

●魏の将軍たちは皆それに不安を抱いたが、宣帝（司馬懿）は「諸葛亮は思慮深いが決断力に乏しい。
　必ずや自軍の守りを固めて安泰にし、それから麦を刈り取るだろう。
　私なら二日間昼夜兼行で進めば十分間に合わせることができる」と言った。

●そこで兵の装備を軽装にし、昼に夜をついで上邽に向かった。

●諸葛亮は魏軍の巻き上げる砂塵を遠くから見て逃げた。

●宣帝は「我々は通常の倍の道のりを進んで来たために疲労している。
　兵法を知る者であればむさぼりかかるところである。
　だが、諸葛亮は渭水を天険に我々に攻めかかろうとはしない。これなら与し易い」と言った。

────────────────────────────────────────────────
　　　　　＿__ヽﾉ-――-　､
　　　 __≧ｧ≠ﾇヽ二/　　　ヽ.　　.　　　　　.
　／, -‐''/ /〃ヾ!７!,ｲ　,　　　ヽ　　　　　　
　＜　　/　'/　　　.:! {ｉ:!:､ｌ: ｉ:　　　 ',　　.　　　次に>>1は、北伐のもう一人の主役であるお父様の伝、
.　　ヽヽ　:/　　 .::::∧トミﾄ!l|:i　!l　! !　　　　　『晋書』『宣帝紀』の記述に目を向けた。
　　 /ヽ＼　 .:::::/　ゞ=′ｌ7zﾘﾉﾉ　　.　　　
. 　 /__..＝'　.::;:::/　　　　ﾋfﾙ!'´　　　　　　『宣帝紀』における上邽の戦いの内容は上に紹介しているとおり……
　´:.　　｀ヽ.:::/イr-z､　　 `,.ｲ¨ ヾ､　　　　　 .
　　V ヽ　　ヾ:.ヽヽ!７Zﾆ´ ﾉ　　 _jl 　　　　　
　
────────────────────────────────────────────────
662 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:30:12.04 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　　　 ,､＿_／
　　　　　　　　　　 >x,へ_　 (ﾞ⌒）　　＿　　ｶﾞｰﾝ
　　　　　　　　　　 ,iｨ -'　└-ヾ<!　　／
　　　　　　　　 _iﾆ|!iﾞ○ 　 ○' ト､　＼
　　　　　　　　　´　,ｒゝ　「￣!　ﾉ_｀ヽ. ￣
　　　　　　　　 ,≧|＞!　　|＜≦
　　　　　　　 ,へﾉ　└‐.┘}　ﾚ'｀ヽ
　　　　　　　　／　ｲ＾y' .≧≦´ ヽ｀ヽ　＼　　　　　またまた新事実が出てきたかしら！！
　　　　　　　　>､　 !,/　／　＼　＼.l___,.ィ
　　　　　（__ﾉ"７,／　　　　｀ヽ.　ﾏ（___)　　　　本編内で見たような箇所もあるし、
　　　　　　　　 ,{'´　　　 l　　　｀ヾ､　　　　　　>>1は『晋書』の記述を今回の内容の参考にしたのかしら？
　　　　　　　（　　　　 |　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　＜　　　,.ノ｀ﾞゝ　　＞
　　　　　　　　　　 'ｲ⌒i¨｀　｀ｰﾏ-ﾍ
　　　　　　　　　 |　 .|　　　　　 V　〉、
　　　　　　　　　 /￣{　　　　　〈´　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　_,. -―‐￢ｽ仁ニ､
　　　　　　　　 |三|′　　　　　 |三ﾆ|　　　　　　　　　　　　　　　 ,. '´　＿,.-‐'´　ﾄヽ.｀戈―-- ､
　　　　　　　　　　￣´　　　　　｀￣´　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ　　ヽ｣　￣｀ヽ　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,　　ｌ　､　　　 l　　l　　ヽ　　｀､　　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 / /　ｌ　l　 |　　　ｌ｜　ヽ　　ヽ　　ヽ　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l ﾊ | l　| | l |l　｜ﾄ､　　＼　＼　,.イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l | l |l Ｎﾚ匕lヽ　l| ﾚﾍ、ヽ　ヽ　／ヽ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌＮ XヾV佖ｲ}LＶ | l廴} 　＼／ヽ、　 |
　まあ、そうなるわね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　ﾘヾ<ﾒ､￣l　r'´ヾ、〈＼　＼ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　<　　 , ′　ヽ＼＿入｀―ｰr――个-- ､
　それとこの段階で>>1はある事に気づいた。　　　　 .└―‐- ､ / 冫く　　　 ,.ｨﾍ、＜:/ ＼　＼ヽ　＼＿＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　／/　/!　｀‐匕冖-: :｀二ﾆ:-‐冖-..､} ヽ／ヽ
　仮に蜀軍が上邽の戦いで　　　　　　　　　　　　　　　　　／　/　/ { ｌ　　 r=〉: : : : : : : : : : : : : : : ｀く｣_ 　＼
　麦を刈り取ったとして、　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　/　ハヾニ=扱从} : : : : : : : : : : :_:r―冖‐ミ、　ヽ
　何故陳寿は『三国志』でそれを書いていないのか？.〈　　/　/　＼{＞斤'′: : : : : : r―‐'´: : : : : : ::r‐ﾍ＼　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ｌ　ｌ　　　　7んﾍ: : : _:_: r‐'´ : : : : : : : : : ::人　ヽヽ
　赤壁で曹操を撃破したのはきっちり書いた彼が？　　　ｌ|　|　　　　{: : : : ｀^´: : : : : : : : : ｀丶､:_:r'′ ｌ　　l 　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ｀、　　！:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : :ｌ :.:.:.:./Kヽ　ｌ　｜　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　ヽヽ　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.: : : : : :.:.:.:.:| :.:.:.:|/|ヽ｣　 |　　ｌ　 |
663 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:32:16.76 ID:UUbtGF6o: 　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -―i:Y::l.── -　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／ , -vゝY<　　ゝ--ｦ　､
　　　　　　　　　　　　　　, --- ‐／.／／∧i! , ' 　　, '　　ヽ
　　　　　　　　　　　　／ ,‐‐ －l／／／　V　　 :l　 ., ' i　. ヽ
　　　　　　　　　　　／／　/ 　　 l／　　./　:! 　| 　|　 |　i　l
　　　　　　　　　／／　 ,' 　　 , '　　　.::ﾊ　 !　ﾊヽNr=n ｌ　ｉ
　　　　　　　　　(　く　　 ./ 　　v:: 　　　 :::! ﾍﾚ∨≧x`ﾄl､ﾘﾊ .′
　　　　　　　　　＼＼　l　　 /::　　　 ..::!　　「l `T抃 fﾌｧ　j
　　　　　　　　　　　＼ヽi!　, ':::　　　 ..::::! 　ｌ!ﾊ　｀`′>　　上邽で麦を刈り取れば蜀軍の『戦果』なのに、
　　　　　　　　　　　　ゝ　y　　　　　..::::::!　,.ﾊ::: 　 -／　　　それを陳寿が書いていないのは、
　　　　　　　, r=＝＝==ノ､　　　.::::::ゝ／ゝjrへ─ ´　　　　『戦果』がなかったのではないかという論法……
　　　　　　　{ ＞　　／　　　,r ‐‐‐久／: : : :]ﾖ
　　　　　　　〃　／　　　／ : : : : : : ＼: : : :.ﾄｭ　　　　　そこまで考えが及んで、
　　＿＿_∠＿／　　　く_:_:_:vー : : : ; :`ー√冂　　　　. 「『漢晋春秋』の記述おかしくね？」と思い、
　／　　／　／　　　　　 ∧:.: :⌒｀!､／_:_: : : :_:_(ヘ　　　王沈『魏書』や『晋書』の記述を元に本編を作成した。
／　　／　／　　　　　／／ ∧.::::::/:_ィ: : : :ゝ:_:_:_:_:_:_:ﾄ､
　　／　／　　　　／／／::::ﾍ:ノ: ／∧:.: . : : : : : : :｀Y′ もっとも『漢晋春秋』の内容なしでは、
. ゝ､／　　　　　／／／:::::::::::ハ :_ゝ :/: : : : : : : : : :.ノ　　話が成立しないので本編の内容の大筋は『漢晋春秋』に沿う
　／　　　　／／／ ::::::::::::::: ノlﾊ: : :! : : : : : : : : :ﾊ′
／　　　　　／／／:::::::::::::::: ／‐<l::l : :l.: : : : : !: : :ゝ:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,=＝､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ-‐ ´　｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 入　　｀,'´⌒ヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i´ /　ヽ、　!,‐-､/´⌒i
　　裴松之も『漢晋春秋』の内容を全否定はしていないし、　　　　　　　　　　　　（,○　　｀ヽ-ﾚ､ゝ'ﾄ::ヽﾉ
　　大まかな内容は>>656のような感じなんでしょうね。　　　　　　　　　　　　　（　　　　　○ ﾉｴﾆ'ﾅ'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(⌒)ヾｌ二二i‐--,ｰﾉ〃、
　　ようするに色々な記述を混ぜて本編作成したら、　　　　　　　　　　　　　　ﾊ´ ヽｒ'：ヾi　-=ﾞﾗ､,∠
　　ああなってしまったというわけね？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　｀Vﾝ:､ノ　､　　ヽｯ,ｺ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀´／ｦ´｀､7　|　　　ヽ″
　　平然と三国志の地雷原を踏んで行くこのスレらしい話だこと　　　　　　　　　!´　､　ヽ.|　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｒ-ｒゝｔｰ┼ｒく´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾌ　ヽフ｀´
664 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 01:33:37.17 ID:CiyROpAo: さすが１そこにしびれるあこばれる
665 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:35:06.93 ID:UUbtGF6o: 　　　＿
　　, ':::::::::ヽ、
　/:::, --､:::::ヽ
. ｌ::::::ヽ　ﾉ:::ﾉ
　ﾞｰ´ /:::::く
　　　ヾ;;;;ｼ_
　　　　　　ｌ:::::ヽ　,,=＝､
　　　　　　｀ｰ´　|ｌ
　　　　　　　　　　ヽ-‐ ´　｀ヽ､
　　　　　　　　　 / 入　　｀,'´⌒ヾ､
　　　　　　 i´ /　ヽ、　!,‐-､/´⌒i
　　　　　　　　（,○　　｀ヽ-ﾚ､ゝ'ﾄ::ヽﾉ
　　　　　　　（　　　　　○ ﾉｴﾆ'ﾅ'´　　　 .今回の幕間はこのあたりで終わるとして、
　　　　　　　(⌒)ヾｌ二二i‐--,ｰﾉ〃、　　　　だんだんとカナたちの世代の人たちも登場して来たわね。
　　　　　　　ﾊ´ ヽｒ'：ヾi　-=ﾞﾗ､,∠　　
　　　　　 !　｀Vﾝ:､ノ　､　　ヽｯ,ｺ　　　　ところで、さっきの裴松之、あれはいったい誰なのかしら？
　　　　　　　｀´／ｦ´｀､7　|　　　ヽ″
　　　　　　　　　!´　､　ヽ.|　　　ノ　　　　　幕間係のカナたちも配役を聞いてないわ
　　　　　　　　　｀ｒ-ｒゝｔｰ┼ｒく´
　　　　　　　　　ヽﾌ　ヽフ｀´　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ 　, -―=＝=--=＝=‐-　、　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く必}廴__　　　　 _,　　　＿ .. ≧ｆ必}ｱ三ﾆ=
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=ニ三竺勹　　　￣￣　　　「　　　｀ヽヽメ≧≒=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ必ナ　/　　 ,,　　/　;　　 |　　　　､　Ｙ＾ヾ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厶斗/　 /　　　〃　 l|　 !　　 |　　、　 ',　ｌ　　ヾヽ.
　　それはそうよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃/　 /　　　 ||　　l|　i|　 |　! |!　　: 　｜￤　　ヽヽ
　　まだ配役決まっていないもの。　　　　　　　　　　　　〃/　 / !　! ヽ、l|　　ｌ| }ｉ|　 |　|∥　! ｉ :　ｊ　 !　　　〉　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃/　 ,′|　| ￤｀ヽ、ｊｊﾊ||　 !　}i|| |￤ｉｉ : 　ハ　　　/
　　本編の彼は最終回にしか登場しないし、　　　　　{Ｌ{..__,′ {　{　{_ｊ_ｊ_Ｌ≧ｘl|{　ｊ}、ｊｉ|| |｜| | }l　,′　.　/ /
　　最終回までにに決めればいいわ。　　　　　　　　　 `￢7メ、､　＼云＝弌从メ≪卅ﾅﾅﾉﾉ从ﾊ　　 ∨/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′}ﾊ i{ ヽ.|:.:.:/ﾔ乍牙气　　ゝ,ィ≠ミ､Ｙハ　/ /
　　それでは皆様、ごきげんよう　　　　　　　　　　.　　　　,′ﾉﾉ }i､_.l／　　{:辷.ｿ　　ヽ Yr㏍}り }!:　y /ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　,'／／ｉ≦ミヽヽ　,,¨￣　　　,.ヽニﾆイ'!　 / /　ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／ i|　ｉ　　＼＼＼ .____(^ｰｧ____,.　イヽ　￤ {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─ ／／─────,.ヘ_と}_}_}_]　──｀ヽ}_}_}_]ﾍ───────
666 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 01:36:12.54 ID:pT82Vgoo: 乙っす！今回はメタ発言がちらほらありましたなｗｗｗｗｗｗ
そういうのは好きなんだが>>631のムギをディスったのは許せねぇ。
これからのムギ無双を>>1に要求する！！
668 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 01:38:54.30 ID:vbrO7N.o: 乙です、いよいよ決戦ですね。
１つ疑問に思ったんだけど、
明帝が上邽の麦に口差し挟むほど情報伝達システム完備してたのかな？
命令出す頃には全部手遅れになってそうだし、史書で皇帝の明察さすが！とヨイショする文かも？と思ったり。
670 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 01:47:49.27 ID:E1sCP52o: >>514
服喪の期間は25ヶ月間（3回忌にあたる「大祥」が終わるまで）だから、
３人分やっても6年3ヶ月で終わるのでは？
671 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 01:49:09.38 ID:XdQraP.o: 乙

つうか、諸葛亮が麦刈るのに成功していたら、蜀書諸葛亮伝で｢食料が尽きて撤退した」とは書かんと思うなー
672 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/08(月) 01:58:04.68 ID:UUbtGF6o: >>666
メタ発言はどうなんですかね？　あまり入れすぎるのもアレですし……
後、>>631はムギをディスっているわけではないので……
世間様に対する孔明先生の疑問とでも思ってください。

>>668　
その可能性もありますね。王沈『魏書』は魏を持ち上げる場合が多いので。

ただ、王沈『魏書』の成立した時期が魏の末期（司馬昭の時代）なので、
何かと問題を引き起こす曹叡がそこまで持ち上げられるのかな？と思ったりもします。

今となっては真相は……、といった感じですね。

>>670
生憎、そういった点は不勉強なのですが、
>>514は『鄧艾伝』注『世語』の州泰の記録が元ネタです。
そこに「九年間喪にあった」という記述を元にしています。
675 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 03:00:01.64 ID:1lG9DWQo: 「晋書　宣帝紀」の該当部分は司馬懿を少々ヨイショし過ぎてる気がする。
諸葛亮が魏の襲来を見越して麦刈りより防御体制を優先してたなら、司馬懿の襲来にもある程度備えてただろうし。
麦は蜀がある程度刈ってたけど、全部刈ることに固執せずに撤退したので魏も残りを収穫できた、ということかもね。
それなら、諸葛亮伝も明帝紀も矛盾するようでどちらも間違ってないし。
676 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 08:31:01.00 ID:9YNyXWIo: 乙でした。

三月といえば、今で言う四月。麦に実が入るか入らないかギリギリの時期、
早く刈りすぎると収穫が見込めないし、モタモタしてたら敵に持っていかれる。
このあたりは非常に渋い攻防ですね。
677 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 09:44:07.47 ID:U9ZYnHYo: >>675
俺もそう思う。
どっちも刈れたんだろ
678 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 10:03:18.98 ID:uI4dboko: 中途半端に残して帰らざるを得ないなら、残ってるやつには火を放つだろ
魏側にせよ蜀側にせよ、敵に渡すよりマシなんだから
680 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 12:45:22.17 ID:ZhqleXso: >>678
諸葛亮は敵地での略奪暴行を厳禁してるし、司馬懿にとっては自国の領地。
どちらも火を掛けるとか乱暴な行動はやらないと思われる。
681 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 13:36:05.11 ID:ZhqleXso: あともう一点。
正史の郭淮伝に「隴右に穀物なし」とか、
関中から輸送しようという議論が出て、
郭淮が羌族から穀物を出させてなんとかしたとか記述があるんで、
魏側が十分に確保できたとも思いづらい。
682 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 16:23:28.19 ID:XdQraP.o: >>680
魏領である上邽の麦を刈るってのは略奪と言わないの？
主体が兵士個人か軍の命令かって違いしかないような。
まあ「挑発」って素敵な言葉があるけれど

あと敵に渡して利用されたくないので自分達の物資や施設を破壊・焼却するって普通にある行為だから。
683 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 17:24:35.26 ID:cP7/SE2o: 概ね同意だがそれを言うなら徴発だと突っ込んでおく。
挑発なら「ヘイ！このチキン野郎！カマン！」みたいな感じだよ。
684 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 17:36:54.02 ID:ZhqleXso: >>682
軍規に則した行動は略奪とは言わんよ。
あと、麦を刈るのと火まで掛けるのじゃ耕作地へのダメージは大分違う。
諸葛亮は占領統治を考えて気を遣ってたんでやらない。
つか、火を掛けたなんて記録がないし。

司馬懿の方はわざわざ勅令が出てたんで、
こっちも火を掛けるなんてやってないだろう。
685 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/08(月) 19:43:43.91 ID:3SLCvx.o: お疲れ様でした

>>549
本当にそんなスレがあるのかと検索かけちゃったじゃないかｗｗ
712 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/12(金) 22:09:51.31 ID:qQEHeoMo: 【お知らせ】

　　　　　　／:::;:zｭzｭzｭzｭzx:::＼
　　　　　 /::zﾀ´　　　　　´ﾇｬ:l
　　　　　 l_] l　 |　ﾄ､　 |　l　ｒ‐|ー､
　　　　く小| |',　!'､ |　＼!,　! └丈オ　　　　　　　　　　　　次回、第十九回中編は３/２１（日）、２２（月）どちらかで、
　　　　厶! 乂f;iヽ　l 　f;ｉヽ| l.../ |ﾔｌ　　　 _,　---- ｲ　 .第四次北伐の後半戦を投下するつもりよぉん。
　　　　　　八　| |:l｜　　l:j　ｌ|/.....　 | |　　／:::::::::::::::ｆイ
_,　-― ､　父,|　l ´　､　　　ｲ|....l.... ﾍ　／::::::::::::＿::ゝ　　　●●将軍が孔明の罠にはまったり、
ｧ:::::::::::::::::丶　! ...ﾄ､　ｎ‐' 　イ|....ｌ.l..|.. ＼/::::::::::::::::､:::＞　　　.△△が追放されたりとみんなも知ってる話ばかりね。
´イ:::, -ｬ::::::::/　....ﾊ..l...j |::X::::::::!....|￣'､......＼:l::::::ヽ::j
　ﾚ　 /ノ::::/　..|..l:::|../ へ:ﾄJV|...l.l:::::::::ヽ....､..＼ｰ-ゝ　　　　　えっ？　それじゃあ後編は何をやるのかですって？
　　　´し/ ......l|..|:::!.|_,､_丿　 l...l.|:::::::::::ｽ.......... l
　　　_／.. ｲ...l:|..l/'/_,､_〉zｭz外.|丶::／l...|....l... |　　　　　　　そうねぇ……
　　　￣´　　!..|ﾊ.!/､_　ｦ::::::::::::::!::::::l..| ﾚ´l...|∨
　　　　　　V:／　　Ｙ:::::::::::::l::::::::::|ﾉ　　レ
　　　　　　　〈:::!　　／::::::::::::::;|:::::::::{
713 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/12(金) 22:10:23.75 ID:qQEHeoMo: 　　　　　　_,,. -‐　￣ヽ
　　　　　く‐-､　　　　} 　＼　　 __＿
　　　　　　ヽ　丶　 /　　　ﾍ,ｒ'´　　　｀ヽ
　　　　　　　ヽ／ヽ'　　　　/ヾ.､　　, ､ l〉ﾊ
　　　　　　 /==ｭ､ヽ.　　 /　　ヽ＼ヽＯ_ｺ_, --　 _
　　　　　　/´　　ヾ､ l　／　　　　ヽ｀7フ´ﾍ　｀丶　｀ヽ
　　　　　/.-- ､　　 }}.ﾍｰ---　 ..__＿｀T´　　ｌ　　　>‐‐‐;>
　　　　 l´￣｀ヾ.／!　｀ー-　._　　 /￣l7丶　l　／　 !'´　　　　　　　　　　　　――　満寵将軍とか
.　　　　 l._;== ､.l1 ＼丶._　 r'ヽ r＝、 _l!___ヽY , -==､
.　　　ｌ'　　 l´'⌒ヽ｀丶ヽ'=._ 廴ﾉ〃,）r;/＾V　　　__!
　　　　 l,. ￣ヽ!　　　ヽ　　｀ー-､`―--.='1　 Vr'´￣ﾍ
.　　　 /　　　ﾍ　　　　ﾍ　　　　/ヽ＿l´ ,.〈　　 V, '⌒1
　　　 i__,.-'' ⌒ヽ　　　　ｌ　　 /　/　/／　ヽ　　 ∨⌒ﾍ
　　 /　　　　　　ヽ　　 ! .／.／-ノ´　　　ﾍ　　 l ／　　　　　　　　　 / /　/　　　　/ ﾊ　　　　V　　　　ﾊ｀
　　 i′　　 ,､　ﾄヽﾍ.　 /-＜フ''´　　　 ,ﾍ￣ヽ　 l´{,.､　　　　　　　　／ /　/　　　　/ /　〉　　　ｲ　　　', 　 l
　　 l　　l､　{ｒ､l.jヽ'ｌ. V　｀￣　｀ｰ- .,rく　ﾍ.＿lﾄ､ !lY| 　　　　　　／　,'　/／|＿_ノﾚ′厶＿／ ! !　　 |　　!
　　 t ﾊ {へ.ｌﾞ､ lﾍ. l !. ﾄ､　　　　　　/　　ヽ'‐―ヽヽljl.| 　　　　／／　{ 厶　　ヽ　　　／　　ﾚ|　　｜　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠ ／|　　　个　＿　　　　 _ィf示ｱヽ! 　｜　├─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　ｲィfてｶ　　　　弋_zｿ　ﾘ　ﾑ　ト､_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　／lハ弋_ｿ　　　　　　 /　／´} 　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 / ／　/　ﾊ　　　 ,　　　　　 /／ l ）ﾉ　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ′　/ 　 ∧　　　　　　　　　　ｨ７厂　　 | _　, -―- ､
　　　　　　　　――　王淩殿とか　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. |　　　ﾍ、　　 ´｀　　　／　 |　｜　l/ !　　　　　__,r‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　/　ノ＞、　　 _　イﾄ､　/　 /　 !{　!　　　　 / ﾉ〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　|⌒|　　　≧ て　　 / |⌒|　./　　| 　＼　 ,.-ﾉ / /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |　 |_.へ_ﾉ　　　　　ト､!　 ! /　　/ >､　Υノ　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　_|　 ||　　＼　　　　　　|　 |,'　　/　{__!　 !;.-'　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／ /|⌒||　　　 l__ 　　　 |⌒ト‐-〈　　l ＼|　　ｲ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/ 　 l |　 ||　　　 |　　　　￣ヽ　∨ ﾍ＼ノヽ_ ヽ／丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　|　　ヽ!　 !!＿　　＼　　　　　＼＼ﾍ　＼　￣ |
714 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/12(金) 22:11:16.16 ID:qQEHeoMo: 　　　　　　／:::;:zｭzｭzｭzｭzx:::＼
　　　　　 /::zﾀ´　　　　　´ﾇｬ:l
　　　　　 l_] l　 |　ﾄ､　 |　l　ｒ‐|ー､
　　　　く小| |',　!'､ |　＼!,　! └丈オ　　　　　　　　　　
　　　　厶! 乂f;iヽ　l 　f;ｉヽ| l.../ |ﾔｌ　　　 _,　---- ｲ　魏のみんなのエピソード集みたいな感じになるのかしら？
　　　　　　八　| |:l｜　　l:j　ｌ|/.....　 | |　　／:::::::::::::::ｆイ　　こっちの方は今月中には投下したいわね。
_,　-― ､　父,|　l ´　､　　　ｲ|....l.... ﾍ　／::::::::::::＿::ゝ　　　
ｧ:::::::::::::::::丶　! ...ﾄ､　ｎ‐' 　イ|....ｌ.l..|.. ＼/::::::::::::::::､:::＞　　　ここだけの話、今の北伐の所は、
´イ:::, -ｬ::::::::/　....ﾊ..l...j |::X::::::::!....|￣'､......＼:l::::::ヽ::j　　　　　.ベースにできるお話がないから本編作るのが大変なの。
　ﾚ　 /ノ::::/　..|..l:::|../ へ:ﾄJV|...l.l:::::::::ヽ....､..＼ｰ-ゝ
　　　´し/ ......l|..|:::!.|_,､_丿　 l...l.|:::::::::::ｽ.......... l　　　　　　　.曹操様が出てた時は『蒼天航路』をたたき台にして
　　　_／.. ｲ...l:|..l/'/_,､_〉zｭz外.|丶::／l...|....l... |　　　　　　　.出演者を決めたりしながら本編を作成していたのよ。
　　　￣´　　!..|ﾊ.!/､_　ｦ::::::::::::::!::::::l..| ﾚ´l...|∨
　　　　　　V:／　　Ｙ:::::::::::::l::::::::::|ﾉ　　レ　　　　　　　　　ここからはそういうのがない分、作者の力量が問われるわね
　　　　　　　〈:::!　　／::::::::::::::;|:::::::::{
715 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/12(金) 22:15:23.01 ID:waDA74wo: 了解です！
716 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/12(金) 22:16:38.89 ID:IsRVbKso: 見せてもらおうか、正史の作者の力量とやらを！

期待してますよ！
726 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/24(水) 22:04:12.19 ID:1/x4gfco: 【次回予告】

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:.:.:',:',:.:.:.:.ヽV｀ヾ〒_＝=ミー７///　ーrィ=＝〒ア､/:':.:.:.:..://:.:.:.:.:
-､,.ﾍヽ:.:.:.:ヽヽヾ､_ｰ'_ノ／'´〃　　　弋_ｰ'.ノ '　 /:.:.:.:.:.//､:.:r‐‐
　ヽ.-l　＼:.:.:＼､　　　　　／´　　　　ヽ　　／':.:.:.／/ ,.-Ｊ
.／　.!　　ヽ､:.ヽヽ､　　　　　　i　　　　 ‐,.'ィ":.／　 !/　　｀
ヽ、　 ,!　　　l l｀ヾ.＝-　　　 _._　_._　　　-‐"‐／ｌ !　　 l ）　　／〉
） .!　へ!　　//　　｀丶､　　　 ...　　　　 ,.　'´ 　 l !　　!<　,　　く
　ヽ_￣l 　 l !　　　　｀丶､　　　_..　'"　　　　 !l 　 !　 / -,.､ノ:
ヽ-､　',　!　 !l　　　　／::,二｀"´二､:＼　　　 ,ｲｌ　 l　 '　 /: : : :
───────────────────────────────────────────────
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　――　ついに始まる直接対決　――
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　 !::L_.厶イ:/　|::i:::「ヾ:::ヽ.　/　　　　 :、　ヾ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 / 　　　　　　　 `ー=ｧ::::/　 .|::|:::ヽ.ﾉ:::::}　!　i　　　　　 :.　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　 /::::/　　 |::|ヾ:辷彡'　li　!　　　ヾ　}　ヽ　 :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 /　　　　　　 / 　　　　 /::::/ i　　 !::{　iハﾊ　 N |　　　　 Ⅵ　　ﾄ、：
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　 / 　　　　 /::::/′!　　|::|Ⅵ!　ヾ:　 | ヾ:、　　　从　　,爪　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 /　　　　　　 / 　　　　 /::::/| 　 l　　|::|ヾ!:.　　＼{　ヾﾄ、　//　　//ﾊ.　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　 / 　　　　 /::::/　! 　 !　 Ⅵ　{:　　｀}＼､,:'ヾ. 〃　　/,′ }　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　　　　 ′　　　　〈:::::{ 　 ! 　ヽ　〉ヾ !. 　　ヽｨ癶 N /　 .ｲ.:′〃 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　/ヾ!　　!　　　ヾ::ｿ {　　　　　ﾞ:. 　{〃／　/／ }／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　/　　　　　 /　　　 !　　　　＼ヽ　　　　　丶　　'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　 /　　　　　ヾ　　　　ヽﾊ　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:′　　　　　 , :′　　　　 }!　　／三三Ｘ　＼　ｒ　　　　　_.ィ＝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　, ′ 　　　／　　　　　　　 jﾊｰ彡三=イ´ヾ　 .ｨ`´ 　　　 _／三三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　／　　　　／　　　　　　　　　从三=／　 |　　／　　　_＿..=ﾆ三三三三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　／　　　　　　　　　　 /三三《　　ヽィ{_＿.=≦三三三三三三三
727 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/24(水) 22:04:39.73 ID:1/x4gfco: 　　　　　　　　　　 _＿＿__
　　　　　　 ,ィr'´~三:::ぐ匂〉｀~`::､
　　　　　／'::::::ィ,.ィ＝:::`ｰ彡'::=ミ:::`ｰｔ
　　　　〃´:／イ::::::xｧｬ;ｧｬ:;ｧｘｧﾐｘ::::ヾ:､1_
　　　 /ｒ'::://:::xｧｰ’　　　　　　　｀´`ｰｔｧﾏ
　　　 /〈:::/′ｧ'　　　　　 :i　　　　　　　`圦
　　　 ,′{::j,':rﾒ　　/　,　　 ;|!:　　 i　　ヾ　　ヽ　　　　　　　　 . イ
　　 :.ィミY:ｲｨx　 |!__j　　ハ:. 　 i! !　j　}i　:.　 Vヽ.　　　　　　　／三/
　　くく⌒〉{:( }:}　 |!　i「Тiト:|　　/大:ﾌｲ/　} 　 }ﾆi:!　　 /ヽ　／三ﾆ/
　　 ∧:}ノｲi:ｙ:ｲ　.:ﾄ､,ﾊ_ﾊﾄ､!　,ｲ,ｨ,.ｲﾚｧ'　/;ｲ,ﾊ!ｺ:ﾉ、／三}イ,ィ三／
　 /　ﾌ/ ﾉ;ィi　ヽ.:代:::':ﾂ`ｊハﾉﾚ'ﾋ:'::ｿ/ ,ｲ〃1}jXヽ _三=彡三三三≧
才ﾆ彡' // 八　　ト｀￣　　　、｀￣'イ彡!　ヾ:､｀ ¨三｀ヾ!三三三二
＞ｘ.　　{:i /　ヽ　ヽ　　､ _ ，　ノ!: |: 　{_,､イ三三三三三三三三　　　　黄権殿の言葉どおり、素晴らしい人材ねぇ
三三≧:ヾ:､　/ハ　 `::≧ｭ:._ .．イ:::八ヽ　i: : ￣￣｀Y三三三三三≦￣ ´　　　　
三三＞':::ヾ!::`ｰvi　　∨￣/:≦`ｧ7:::::::ヾ､　Ⅵ: : : : : :|三:イｨ{三三三＞ｘ．. __
=彡': : : : : : :::::::∧　ヾ､/八ヾ､{/`ｬ:::::::jﾊ　ヾ､: : : : :.ﾐく辷彡三三≦￣￣ ´
{ く: : : : : : : ::::::::::::. 　 !彡!`　`ﾆヾﾐ}､:::::::::ヽﾊ　ヽ: : : : 辷彡く≦７/
ﾊ:. : : : : : :.::::::::::::: :}　 | rt|==zｱ{ﾆ7〉）: ､: /　} 　i::::::::::.: : : : : :{:ト{｛_＿
:} j: : : : : : : : ::::ィ::::::!　 !^1j　ｒｋヲ｝'r'ｿ: : Yﾐｰﾍ.　!::ヽ､: :_:_:_:_: : :≧ く￣
j: : : : : : : : :::;ｲ:::::::: !　,Ⅸｧ､ `~¨´ rｿ: : : :|　`ｲヾﾉ｀ヾ厂{〉　,ィ　 {: : : :
:､:::: : : : : :ノヾ:::::: | /: : : ヾﾏx _rｿ__,．、{　〃ハ!ｒ=Z￣｀Yヽ　,ｲ|: : : :
!:}ﾉ￣¨7彡'　/:ﾍ::::::}′: : :::::／ィｧ' ／,　｀ヾ=ｧ´ }　 rx}-―ﾞｒ'ｨ　八::::: :
ｲ{　　´　　　　ハ::::: : : : : : :`´ / / / ,ィ　　ｒく_.．-　ヽィ .:ィ　三} ∧::::
_彡_＿ィ　／　'ﾍ:::::: : : : : : : : `ﾊﾉ∪ー--ﾚｘー　　{`"　／Lｺ/:::::ヽ::
　　　　￣ ´　　　ヾ::::::: : : : : : : : : : ::::: :/ハ､{` _ .．ィ彡ｲ　｀ヾ:::::::::::::＼
728 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/24(水) 22:05:11.52 ID:1/x4gfco: 　　　　　　　　　　　　　　　　　￣｀　‐-
　　　　　　　　／　 /　　 ∧ 　　ヽ　＼
　　　　　　　 '　　　′ 　 / 　 ,,　　　　　　ヽ
　　　　　　　　/　　　 {　　 /主彡ﾍ.　　　ト､
　　　　　 /　　　　 }　 /　　、　　ﾊjミ」
　　　　　　 ′　　 i|　 |, / ,ｨｆ羔ミ,　 }ノ ,..　 |　　 }
　　　　　　　　ｌ|　 |/ 〈{ 辷tﾀ　　　ｆ市k| /　,
　　　　　　 {　　 ,'ﾆ|　 |　　ｘ.ｘ.ｘ　　　　ヾツﾘ′ ′　　　丞相、期日どおりに兵糧が到着しない場合、
　　　　　　　　　{　(|　 |　　　　　　　　　　' ''{　 {　　　　手持ちの兵糧のみで祁山に留まり続けるのは困難……
　　　　　　　｀Ｔ|　　　　　　 r‐-,　　　}　 |
　　　　　　　　〉　　l |　　ヽ　　　　　￣　　　ﾉ　｜
　　　　　 /　　ﾉﾉ　　　 ', 　　　　 , イ　　｜　　　　こうなっては撤退も考えた方が……
　　　　　　　　　　/　　 ∧　}　　　 ,-‐１　,　　　|
　　　　 _｣..　 _,′　　　 } ,＼　 ∧　￤ ′　　|
　　　　　/　　　 {　　　{｀V/　　ヽ{　}‐-|/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,．'"´ 　　￣￣｀`ヽ､
　　　　　　　　　　 ∨'＼／, ,{二}、′　 /} ,　　　　　　　　　　　　／ ,． -‐ ｰｰ --‐- ､　｀丶､
　　　 ,|　　　　　　＼　∨/} }l ｎ{　　 {//　　　　　　　　　　　　／／　　　　　　　　　　 `ヽ　＼
　　 / |　　　　 |ヽ　　　ヽｌ {/ 八l八　　〈　　　　　　　　　　　〈　ム． '"´　⌒⌒ ｀`ヽ　　　＼　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V/　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ＼　　　ヽ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃.::.::!.l::!.:..:.:.:.;.::/.://.::l:::::::::.`､　　ヽ　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃.:::l:::l::|:|::l:::::/:/:://:::ハ.:;.:.:::::.`,　　 V.:l:l`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./:::;:::::l:::l::|:|::l::/:/ //::::/ l:|:l:::::!::!::{!　　 !:::l:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::l::l:::::|:十ナl:＜　/::∠_ 」ﾄﾄ､:l::l:::{!　　 !:::l:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::l::l:::::|:|:|yﾃ〒ミ/::/´,t＝=ﾐ､:ﾄ､::{!　　 !::::l:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::ﾄ:ﾄ､:|:|:| f辷ソ　　　_f辷ｼノl:l::l:::{!　　 !::::l:|
　　　人事を尽くして天命を待っても、　　　　　　　　　　　　　　　｀`Vハ1:ﾄ､, , ,　､　　　 , , , , l::://{!　　 !:::l::!
　　　やっぱり天は味方してくれないんですかね？　　　　　　　　.　i `ヽ小､　　　_ 　　　　ﾉ//.::{!　i .j!:::l::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ‐米 f{:.>.､　　｀　 ,. イﾚﾊ.::::{! 米j!::::l::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/| 　　 ,f{::l::l::＞==＜__ ノ⌒ヽ:::〉　!〈:::::l::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ .! 　 ! ,fﾚ'/｀`V,ｨ介入　　　〈　　〉:::l::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ! ‐米,f{ｿ　／/ﾉハ　`ヽ　　〉米〈ﾌ⌒フ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　,.ｲ! 　 ! .{′ 〈_,ｲﾉ}　 iﾄ､__」　　〈　 !〈ﾉr'.::::.｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　/.:::lL＿ _」　　　/ ,}　 ji!　　　　　〉　　!:::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/.:.:::::) ,1 ソ　　 /　,}　 jii!　　　　　L＿」:::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　〈.:.:.::::（ ,1 ｿ　　 /　 ,}　 jii!　　　　　{ 1〈.::::::::/:::::::::::::::
729 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/24(水) 22:05:39.95 ID:1/x4gfco: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,､rー‐-､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.r‐'´　　　　　　｀､
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ﾚ'⌒ヽヽ､.　 | j⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi　　　　　　 _,,.､-‐''"´￣二二ﾆﾆ＝=ｰ､
ﾄ､__ ,ﾉ j l　i ,! |　　 l＼　　　 ,r'⌒ヽ　　　　　　　　 i　　 ,､-‐'"　　,､-ー'ゞij /::.:.:.:.:.:.:.:.:.:／
≧三≦ｲ､j_」. |　　j､.　＼　 /　　　 |　　　　　　　　 {ゝ'´ 　　, ィ''´ ,,ｨｪ='-､rｶ:::::.:.:.:.:.:／
｀ヾ､｀ｰ-‐〈T　ゝ, ｲ ,!　　｀ij　　　 ,! 　　　　　,／　 ,､rｨr=r''´ゞﾞ‘ｰ'´ ,l j|:::.:.:.:／
　　｀ﾞy　 |ヽ,/ ＼_ノ　　　 !ｰ-､　/ 　　　　／　 , イi　｀￣　　 ,:」j　　　 N!::／
　　　 !r‐|､/　　/γ´｀＼ /､_ 　,ｲi　　　　　／, ィ.:.:;l」iｶヽ　　　　｀" 　 ,､ヽ仆､
　　　　ゝP　　 /　Q ヽ＼ij　　 ,/　|-ー＝＝=ｰ-､:.:.:.ゞﾄ､V. ､'､　, -‐一'´　 !,|｀,ﾞi!
　　　　　｀`ｰ､,人 ,j「Ｑ |｀ヾ､　 /　 ,!ｨ'´｀ヽ　　　｀`ヽ､｀ﾄ､:.:｀､　 ´￣　　/ ,|｀, il､
　　　　　　　 i}￠Ｑ／ヾ､. ｀Y 〈ｰ' 　　ikﾚ'ヽ . 　　　＼jk,､j;;＼ ,rー‐､/　 | i ゞ｀ヽ　
　　　　＿,ゝ＝=<ゞ､　　 /　i!　　, ｨ'´k､　ﾞiｨｰ-､　　＼ｲlk､｀`ｰr‐'´　　|/　｀ﾄ､,!
─'''T´￣　　ヽ　｀`ｰr-＝'´　Λ　　　　,ﾚ'　　!/´｀`　　　　ヽヾヽ　i 　　　 | i!　;| ｿ　ここから東に行った所に
　　 l　　　　　,!　　 /　｀ヽ､イ　＼　　,ｲ´｀Yｿ´　iヽ､　　　　ﾞi,i ,j、l＿＿ __|,/__,j/_　 .木門という地があります。
─--'───-'-r-‐'ヽ　　　,!| i｀`ｰ,＼/>-=≡ｲlL.:.:.:ﾞ,　　　　　 !ﾄ j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.::::::::
　　　　　　 ,ｲ / ヽ,r'⌒ヽ､/;;| |l､　 j ｀Y　　 j　ヾ |.:.:.:.:ﾞ,　　　　　 ! ij:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.:::::::::　兵を伏せるには適しているかと？
　　　　　　 |ｰ} .:.:;;;jー-､　|-､ゝー'´　/>､ｲ　　｀|.:.:.:.:,!　　　　　｀ﾘ､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::
　　　　　　ヾヽ.:./　　　 V　｀二＝'´ｲ　 l j 　　 i!.:.:.:,!　　　　　　i|　｀ー､.:.:.:.:::::::::::::::
　　　　　　　｀i :;!ｰ-､　/-､_,j´￣｀ー-､　l |; 　　 |.:.:.:.:ヽ　　　　　 !　　　　｀`ﾆ二二二
　　　　　　　　| /　　 V　　　｀丶､r'´￣｀V｡　　 |.:.:.::::;;;l
　　　　　　　　ﾘ　　　/　　　　　　＞､　　｀,　　　 |.:.:.:::;;;;＼　　｀,;､､､ ,, ,,,.. __ ＿＿＿
　　　　　　　　ゝ､_,ノ　｀ー──'"´　i jゝ､_ﾉー-､_」.:.::::;;;;;;;;;;＼　ゞ;;:;;:;;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;:;;:;;
　　　　　　　　　　　｀`ー───--- ゝ､＿二ﾆ-,/.:.:::::::;;;;;;;;;;;;;ゝ､　｀ﾞ""´´　　￣￣
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730 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2010/03/24(水) 22:07:59.91 ID:1/x4gfco: 　　|　　｜　 j| 　　 ||｜　／ l ヾ＝イ:| |:|　　　　　　　　＼
　　､　 |　/ |　 |　ル|斗=くト　　 |::| ゞ＝=､　　　　　＼
　、　ヽ　∨　| ./l ｲ {{　｛ @ }ﾉ　　小ヽ　　　|lヾ　　　　　＿__＼
　＼　{::.＼　|/　　　ゞ　｀ﾆ7　／　｜ヾｌ　　 || }/ ／／.:::::::::::::::::
　　＼`ー:::.ヽ　　　　　　　/ ／　　 /|　|:|　　 ||　/.::::::::::::::::::::::::::::
　　＼ト:::::::::::}　　　　　 '´ 　　 /.::|　ﾚ　厶イ￣￣`ー--　＿　　　「やる夫が正史を書くようです」第十九回中編
　＼　＼::::::〈　　　　　　　　　　 /.:::,′　　/.:::/.::/　／.:::::::::::::::::
　　｀　ーﾍ::.＼　 _,,. ノ}　　　／.:::/　　　/｀７.::/　 /.:::::::::::::::::::::::
　　　　　　　＞-　｀　´　　／r==/ イ　. '　/二ィ:ｌ |:::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　３/２６（金）２２：００投下予定
　　　　　　 /　∠二｀　ｰﾍヽ<|:|　}:}/／　　|::::::::::::| |:::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 |_/.:::::::::::〕　{:{　}:| ヾﾆｲ　　　 |::::::::::::｀|:::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　｢::::::::::／ /　ヾ'ノ　　　　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
━━━─────────────────────────────────────────━━━
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ――　先鋒は張郃将軍にお願い致しますわ　――
━━━─────────────────────────────────────────━━━
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::/　　/　　　　　　 l　　　　ヽ　　 !　l.　　　ﾊ　　ﾊ:::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::,'　　 {　　　　l 　　!　　　　　',　　.l　 ! 　　　i　　　 i::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':::::::::::::::::i　　　ヽ、　　 ',　　 !　　　　　 i　 l,'　ﾊ l.　　　l　　　 l:::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,':::::::::::::::::::l　　　　i ＼　ﾍ` 、ヽ.　 l.　　 l　/! / Ⅵ＿ ./ 　　　!:::::::::::::::::::l
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　　　　　　ご期待ください　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::∧ 　｀丶､ﾍ/ l: : :*: :iヾトｨ}l 　/´イ : *: : }!ｲ/　　　 / .l ',::::::::::::,'
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731 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/24(水) 22:13:49.74 ID:YwGeVsMo: 二人とも顔が怖いｗｗｗｗ
10年前に吉川三国志読んだだけなんだが、最近、陳舜臣の秘本三国志読んで三国志熱が蘇ってきた
値は張るけど正史も買ってみようかなあ
732 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/24(水) 22:42:25.10 ID:xJ5yLCQo: 緑→翠＝大戦、無双的にも蜀のイメージカラー
赤→真紅=大戦的に魏のイメージカラー

人物として翠と蒼と銀サマ=諸葛亮と姜維と司馬懿で俺の中でぴったり

色の部分は特にハマリすぎててビックリする。
>>1は配役的に何か参考にしてます？
733 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/25(木) 00:02:44.34 ID:dxPa.Vwo: 従来の蜀が緑とかの配色はコーエーが「三國志」だした当時、
パソコンが１６色しか色だせなかったからこの色になったらしい。

ソースはうまなみ
734 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2010/03/25(木) 00:36:34.35 ID:nhd.HgQo: ｗｗｋｔｋ
私的には魏のイメージ青

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