／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　　｜ 　　　（___人__）　　　　ミトコンドリアうんぬん電子伝達系うんぬん
　　　　　　　　　　　 .|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　　アデノシン三リン酸うんぬんクエン酸回路うんぬん
　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　 　　 　　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　_, ､ -一 ''"::::::::::＼　::::::::::::::::::7、___　　　_______________
　　/::::::::::::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...／´　ヽ､,,,_____ノ
　　;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　ヽ､ .}￣）
　｛;;;::::::::::::::::::::...v::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ'　　　､ ヽ_ﾉ ￣
　 ト:::ノ..:::::::::::::...:ヽ;;;;;:::::::::＼::::::::::／(　　　　　r_ノ
　　ヽ;;;;;;::::::::::::::::::....ヽ;;;;;;::::::::／⌒ヽ::::ヽ､y-ィ´|;;;;|
　　　ヽ;;;;;;;;::::::::::::::::丿ヽ;;;;／....:::::::;;;;;;;;;;::）;;;:::::::|;;;;|



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ┌─────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │特に致命的だった食に関しては　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │食べ物に対する感謝、美味しい食べ方、どのような栄養があるかを　 │
　/ヽ/メ|＼ミ＝==/　　　 ｀￣　　　　　　　＼　　　  │やらない夫から教えられ少しだが理解した　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
./／=彡|ノ:!　　　　　　　　　　　　　　　　　 ミヽ　　  └─────────────────────────────┘
′／　∧:::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー =
イ　　/:　∨ 　 /　　　　　　 l|　 :′　　　　ヽ　　 ‘，
/　 :/::　　　　/　　　　 　 　 l|　 |　　　　　　 ',　　　'.
　 .:′　　 　 ′ 　 　 :| :ｌ|　 l|　 :!　 　 　 | 　 |　　　:|
　　　　　 　 {!　　 ll ー|=||ミハ　:|　＿,r　:! 　 !　 　 :|
　　　　　　 .:|　　 :l|从八从 ヽ!　|　⌒7　:| 　 |　　　:|
　　　　　　:八　:! :l|Ⅵ斧刈从| :ｌ|　　 {! 从　 :!　 　 :|
　　/　　 :/ :|:.ゝﾄ从 {っ::!:抃ﾐ Ｖ八从f=≠ミ从　　　|
　:/　　 :/ : :|: l :!　　 V辷ソ　｀　　 {:.:./:!:rf>ｫｲ　　 :}
.:/　　 :/ : :/|: l :!　 　 ´¨¨` 　 　 　 V{:::::Y:彡}!　　/
:′　.:/ : :/ :|ﾚ从　　　　　　　　　　〉{:.ゝｲrﾍﾉ从ﾚ
　..:／ : :/ : :|､::::.　　　　　　　　　　　ゞ=/¨　 　 !　　　　　日本語でおｋ
:／ : : :/⌒f({ヽrヘ:.　　　　　 - ､　 (_,ノ　　　　 |
: : : : :/:＞ｲ⌒ヽ. . .）:..　　　　::　　 ィ　|　　　　 :|
: : : :// : : :ヽ: くr～ｧ＞ヘr～＜}: : :!　|　　　　 :|
: : :/ :｀＞=ミ:＼ヽ:廴;_. . ({／.／: : .:!　|　　　　 :|

　　┌───────────────┐
　　│また、娯楽も少しずつだが覚えた　  │　 ─────────────────┐
　　│漫画、テレビ、小説等々　 　 　 　 　 │　 ┌───────────────┐│
　　└───────────────┘　 │　　　　　, --― -- ､　　　　　　　　 　 .││
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ││　　　 ／}　 　 　 　　＼　　　　　　　　 .││
　　　　　　　　 　 　 .　．-─ ､/{ｯ＿_ ＿　　　　││　　 /　/　　　　　　　　ﾄ､　　　　 　 　 .││
　　　　　　rz ､_,ィ´　　　　　 　 ヾ-＜￣}|　　　..││　 ./　/　　　　　　　　　l ＼　　　　　　 ││
　　　,. ．=く弐ﾘ　　　　　　　　 　 ｀ゞ''ヾ.ﾉ　　　..││　/　/　　,-､　　 r;;;ヽ　 |　 ＼. 　 　 　 ｜│
　.ｨ´／《: :l/:iハ　 　 .　 　 　 .　､ﾄ､ 、　ﾊ 　 　 :││　ｉ　 l　, ｲ;;;ﾉ　　 iﾄ;;;ﾉ＼ﾄ､　　＼.　　　.││
/　/　　 Ｙ:.:/∨ｉ　　il|　i|　|　lil　ｉ|　ﾔヾ　}　　　 ││　|　 |（　　/　 ,､ ヾヽ_ノﾉ| ＼　　 ヽ 　 .││
＼ ヽ.　　ﾚ'′　|　l　l|　l|　l!　l| _ﾘLム l! ﾘ 　 　 ││　!　ﾊ　￣　,　Y　 ,｀ー'　|　　ヽ、＿）　.││
　 丶 ＼ |　 　 ﾊ ≠｣王ミヾﾄ |k≦ﾃﾊ仆′　　 .││　{_ﾉ　ﾞ､ 　 ｀ＴTT"　　　ﾉ　　　　 　 　 .││
　　　＼ ＼ 　 :　NKﾏnｧ} ゞ 八l{薇l》|i |　　　　..││　　　/人____ ｀ｰ' , - ｧ<　　　　　 　 　 .││
￣`ー- ＼ ヽ.　　Ⅶゝ-''　　　 ｀￣jﾘハ　　　 　 .Ｌ_二二二二二二二二二二二二二二二二｣ │
-　‐'´￣,ハ　 ｉ 　　ゞ､　　　ｰ　'　ﾉ 川i|　　　　　　　　　　　　 ＿＿_|　　 |＿＿＿
=＝≡彳 ７　/ 　: 　 }`＞‐ｭ.． ｨ　彡,ノ_　　　　　 　 　 　 　 /　 　 └―┘　 　 /
　　　　　/　 ′　:　 /个ート - :L.ｨ∠´_入
_ _＿＿/　/＿　_　/: 人: : : : : : :`ー《_/ ,　}　　　 ┌──────────────┐
三三三三三三三≧≡=ｘ､、 : :Y⌒斤＞ｲ　　　　│人造人間には縁がないものを　　 │
三三三三三三三三三三三ヽ‐': ノ :' ．￣¨ﾌ　　 │この一年間で知ったのだ　　　　　 │
三三三三三三三三三三三三Y" . ｲ／￣　　　 └──────────────┘

┌────────────────────────┐
│料理は、なんとか食えるものを作れるようになっていた　　 │
│しかし、美味しいと言えるものではない　　　　　　　 　 　 　 │
└────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ┌─────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 (⌒⌒⌒) │「美味しい料理を食べさせて　 │
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　.|　 │　やらない夫を油断させる」　　 │
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　.|　 └─────────────┘
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヾ:､∧　. ┴─‐┴ ､ ∧／/
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 >{`>'　　　　　　　 ヽく)ァ､
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 `７′　　　　　　　　　 Y-‐'
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 .′　　|　　　　　　　 |_ l＼　 ┌─────────────────┐
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 { Yl　ﾄ､＿ﾄ､＼,厶-､|　入} '.　　│それが人造人間の目標となっていた　　 │
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∧/＼!く弋:）ヽ/{`{Y1:Y＾V'} |　　└─────────────────┘
　　　　_　 　 　 　 　 　 　 / r' 　 ｌ`}､､､　　 ヽ二〃　ヽ! |　　　 }}
　　　　||　　　　　　　　 　 ｌ |＼＿ｌ. ＼　 ワ　　/{＿,..イ　.　　　 ┌─────────────┐
　　　　||　　　　　　　　　　| |　 |　＼ （｀⌒)⌒/ ／|　｜　l　　{{ │そのためには料理について　　 │
　　　　||　 　 (⌒ヽ　o　　 | l　 !　　ﾚ`'廴ｲ_/´,ｲ}　　　| 　 !　　 │もっと知らなければならない　　 │
　　　　||　 ｒ‐(　　 　 ）　　 〉〉｜　 　 / 　 ）　l　 　 |　　 　 '.　　└─────────────┘
　　　　||⌒　　　　⌒ヽ　 //　,′ ,r.┘　,ｲ　└ ｧ　 l.　 |　　 .　　 　 》
　┌｢￣￣￣￣￣￣|┐ l !　.′　7¨ヽ._} ト～ く　　l 　 |　　 }　 　 〃
.　 ｀|　　　　　　　　　|´　 !|　ヽ　/　　　ヽ|　　　 ヽ. l　　|　　,′　〃
　　 |　　　　　　　　　|. 　 ||　　} {　　　 　 |　　　　}./　 /|　/　 ／
　　 |　　　　　　　　　|.　　|!　 / ﾉ　　　　　l　　　 廴／　|/
　　 ､_＿＿＿＿＿_/　　 l!＜__>～､__,ィ´入__ 　 ,rく
. 　 /　r‐――┐ 　 ｀ヽ　　 　 '⌒`ｰ1´¨.l `ｰ1¨丁´
　 /　 ｣　 　 　 |＿＿__ｊ 　 　 　 　 　 ∨｜　 ∨ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ┘　　`┘

┌───────────────────────┐
│だが、やらない夫に教えてもらおうにも　　　　 　 　 　 　 │
│彼は一般的な知識しか持ちあわせていない　　　　　　　 │
│これから先、どうやって美味しい料理を作ろうか……　 │
└───────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿__
　　　　　　　　　　　　　　 ,:'　　　 ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 .′　 　 　 ﾞ.
　　　　　　　　 　 　 　 　| ＿.ﾉ､＿,: |
　　　　　　　　　 　 　 ,.-:i (●) (●) i-､　　　　　あねさん……
　　　　　　　　　 　 ／7∧ (__人__) ///7:､
　　 　 　 　 　 　 ,</// ／ﾉi_ー_ﾞ///////へ　　いちご練乳スパって、なんすか？
　　　　　　　　　////／ i´/ｰｰ-ハ　/ﾍV//ﾊ　　これ……
　　　　　　　　　i///i　i､　!i.:. 　　..:!　 i./////,
　　　　　　　　　}//∧_ ､　i!::.:.:.:.:.:// .-V////　　オリーブオイルといちごは会わないだろ
　　　　　　　　　i////! ￣ ﾍ.:.:.:.:ﾘ ￣/.i////l　　常識的に考えて……
　　　　　　　　　ﾊV//! ､ 　 i≠/　　,.ｲ|////{
　 　 　 　 　 　 i////j｀i:i.　 |≦!i　 / /i////f



　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　 ´　　　　　　 ｀
__ﾉ¨}ヽ／　　　　　　　　　　 　 ＼　/ｽ
三ゞｿ-―‐っ　　　 　 　 　 ヽ　　 V辷}
/／ 〈　〈￣　　　　　　　　 　 :.　　 V三三≫
7〉ヽ. ヽ. ヽ　 / ′ヽ 　 　 　 | |　　', ヽ:＼ヽ　　　　 ┌───────────────────┐
|ﾄ､丶 　 　 V　:!　.:l| ＼ﾊ: 　 | |　 　}　|￣ヽ ＼　　　│人造人間は、そんな悩みを抱え込んでいた　  │
|l　ヽｨ-　　 _〉 ｌ| ≧ト廴`ト　 |ﾑイ .:′}　　　＼＼　  └───────────────────┘
|V／　　 ／|　ﾊ从从ノ　|　 ム从/　 :'∧ 　 　 ＼＼
. .〉 　 ／ 　ＮK 二ﾆ＝　j/ｲ:f必>}　//　ヽrz　 　 }X}
.〈ヽ､く　从ﾄト　 u 　 　 　 ､ヾ辷ィレｲｰ=ミ＼ヽ　/ /　　　　これ、まだ人類が地球に住んでた頃に
: :}. ..)7～ヽゝ　　　 U　 　 ′　 ﾉ:|: :|ヽ. .{ト{. ヽニフ-.,､_　　流行ってたって聞いたんですけど……
:/／{: :ヽ＼7 ヽ　 　 -―-　 ／-―＜}￣ヾ⌒ヽー=ミ)ﾉ}
{(-‐(: :＼: :ヽr～＞　＿　＜:/: : : : : : :＼: : : : : : : : : : : |　　一体、なにが悪いんでしょうか？
: ヽ. .}ヽ: : : {(7ヽ_ﾉ￣/フ: :／: : : : : : : : : :>: : : : : : : : : :(
: :ﾉ.ノ: : : : : ヾ,r'^_￢､_: : : : : : : :-:―z:／: :＼: : : :ゝ: : :.:}
/~: : : : : : : :.〈{ r包}ハ} : : : : : : : :／:.＿＿＿＿＿;＞ ´
ゝ:､:_: : : : : : : ゞ辷=ダ: : :,r―～'l´￣ l|　 　 ＼＼
/: : : :｀ヽ_,r～イヽノーz_ﾉ: :＼　 |　　 ｌ|　　　　 ＼＼

┌───────────────────┐
│そして、人造人間の運命を変える事となる　　 │
│ある人物からの依頼が二人に舞い込んだ　　 │
└───────────────────┘

　　　　　　　　　 ,　, , -‐==- ．_
　 　 　 　 　 　 /.//ｲイ≦三≡=‐=‐-.._
　　　　　　　　 ｉ .川/〃イ三≧三三二≧､
　　　　　　　, -ゝｌｌｌｌｌﾍヘヘへミﾐミミﾐ､ミﾐ､､ミ　　┌────────────┐
　　　　　　ｲイﾌｼﾞﾞﾞ''　ﾍ. ＼＼｀ヽﾞﾞﾞ三ミﾐヾヾミ　 │依頼主は、自称芸術家の　 │
　　　　　　´ｲ// 　 /　,イ´ヽ　｀　　ヾ　､｀ヾミﾐﾐ  │海原雄山という男だった　　  │
　　　　　　　llﾚ__｀ {　´ _,,イ二ヽ　ヾミﾐ､　ヽヾミﾐ └────────────┘
　　　　　　　 {三≧　=≦竺o=''　 三ミﾐ､ミﾐ､ミﾐﾐ
　　　　 　 　 .〉ｰ ﾟ'　　　､　　ノ 　 三ミ､ミﾐ､ミﾐ､ﾐ
　　　　　 　 .( ｀_/..　　　 ｀¨　　　 三三F lミヾミミ
　　　　　　　 l (　 ＿__)ヽ　､　　　三-､　.ﾘヽヾヾヾ､　　　 ┌──────────────┐
　　　　 　 　 l/ ￣＿_ _　｀ｰ､　　.三　'　/川川ﾊﾊヾ　　　│依頼内容は単純明快　 　 　 　 　 │
　　　　 　 　 l　´ ＿ 　 ｀　 　l　　　ゝ-ｲ川 川川ハﾊ　　 │カメの卵を4つ取って来ること　 　 │
　　　　　　　 ｌ　　 ¨　　　　　　 ___ ノﾉノﾉﾉ川 l || l i ハ　 └──────────────┘
　　　　　　　 ゝ．_　　　　 __　 ､二ンノｲノﾉﾉ川 川 l川
　　　　　　　　　 　 Т ￣　 ／／　｀ｰｲノﾉﾉﾉﾊﾉﾉﾊﾉﾉ
　　　　　　ｒ‐‐- - -┴────-=＝─ｲイノﾉハﾉﾊ
　　　　 　 jl｀ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　 ﾉj 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

┌────────────────────────┐
│報酬は、捕まえるのが難しい希少動物のつがいである　　 │
└────────────────────────┘

　　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　／ _ノ　 .ヽ、＼
　　　　　　|　 （●）（●）　|
.　　　　　　|　　（__人__）　.|　　　　　あねさん、この事は内緒にね？
　　　　　　 |　 .　'´ｎ｀'　 .ﾉ　　　　　
　　　　　　 .ヽ　. 　| |　　}　　　　　　レンジャー隊にバレたら
　　　　　　　 ヽ..　ﾉ .ュノ　　　　　　「ちゃんと自分で捕まえろ」って怒られちゃう
　　　　　　　　/　{ ..ﾆj､
　　　　　　　　|.　| "ﾂ　＼
　　　　　　　　|.　| .l　　|ヽ、二⌒)



　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿_ _ｲﾍ) ＿＿
　　　　　　　　　　_ - ﾌ￣　　､　ヽ 　 ､_{_＜＿　　_＞　　 ┌───────────────────────┐
　　　　　　　 　／　 /　　{　　 !　　　　∨∧ ＼￣丶､　　 │箱舟クルーであるやらない夫が断るはずがなかった　　 │
　　　　　　 イ,′　　{　　 |　　 }　　　 | |　 　＼ ヽｰ､→　 └───────────────────────┘
　　　　 ∠__/ /｜　 |　ﾍ､!　　 |　　　|｜　　　 ＼{　＼
　　　　　　 ﾉ| |　|__　|{　 }}　 /|_|＿_|_|　}　　　　　 ',　　ヾ ､
　　　　　／ﾒ{ |　|V卞ﾄ､又_/ﾚ==}_/从/|　　　　　　',　　 } /
　　　　 //　 {从仆≧､{乂乂ｰ(薇ｿ/　| | 　 　　　　 ',　 //
　　 　 //　　 ヽ∧《{ ! j　　　＼__У　 | |　　　　　 　 ∨/
　　　 ( (　　 　 ﾊ,ﾍ ¨´ 〈　　　　ノ 　　| |　 {　　　　　/ .'　　　　　名探偵くんくんのDVD買ってくださいね？
　　　 　ヾ､　　 }　∧ 　 　 _ _　　 　 　 | {　 |　　　　 (　ヽ
　　　　　　})　 ,′ /ヽ.　 　　　　　　∠大､__ヽ　　 　 ｀ｰ ＼
　　　　　 /'　 ,′ ,　 　 }＞､　__r―' /⌒{_∠ﾍ丶　　　　　ヽ＼　　　　　　　　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　／ 　 /　 /　　　|　 ＜＜ _／}　　　ノ　＼＞――-､ヽ　＼　 　 　 　 　 |　口止め料っすか！？
　 　 〃　 　/　 /　　　 |　＜⌒Y　 /　　≦== ”　 ＿__／⌒､_>　 )　　　　　　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_乂_
.　　//　　 /　 /　　 　 j　　_ケい　　　 　 　 　　 /　　　　　 }＞､´
.　 //　 　/ 　/／￣｀＞‐'《薔)'〈　　　 ＿__　＿,/　　 　　 ／／ ヽ
　 (〈　　 /　　>ｬｰ―'　　　　＿/ 　　/　　 　 　 　 　 　 ／／　　 丶
　　＼　/　　/　{＼__ィ､＿_入ノ`ーソ　　　　　＼　　　 >､(_　　　　ハ

┌─────────────────────┐
│カメの卵は昔、砂浜で取ることができた　　　　 　 　│
│しかし、人間たちが取りすぎたせいで　　 　 　 　 　 │
│大きな湖の真ん中にある、洞窟の奥でしか　　　　 │
│産卵しないようになり入手が難しくなっていた　　　 │
└─────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　／　　　 ;;;;;;;;;;ヽ
　　　　　　　　　　　/　　　 　　;;;;;;;;;;;;;、
　　　　　　　　　　　| ノ　　　＼ 　;;;;;;;;;;|　　┌──────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　|（ ●）　（●） ;;;;;;;;;l　　│そこで、全国を駈けずり回る　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　|　（__人__） 　;;;;;;;;il　　  │屈強なレンジャー隊員、やらない夫に依頼が来たのだった　　 │
　　　　　　　　　　　 |　｀ ⌒´ ; ;;;;;;;.;;;;;ヽ　  └──────────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　!　　　　 　;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ､_
　　　　　　　　　／)　　　￣￣;l;　;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-､
　　　　＿　　　/ :/　　　　　　|;;;;　/;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　 ヽ、
　　　ノヾ　`‐-"　ｌ　　　 , -‐"i　 /;;;ノ;;;;;;;／;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞヽ,
　　 ﾉヽ　　　　　　|　 ／　　.ヽ!;;:／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
　　 l　　　　　 ,　 :l　/ ,　　　　;/　　　 　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　　 (　　　　　 ヽノ .i i;　　　　;l　　　　　,,　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　 ヽ､　　　　　　＼l/_,-‐ ､:;|　　　　　:;＼,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
　　　　ヽ､i　　　　　 ＼i;;;;;:)）;|　　　　;;;;;;;;;/　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐､;;;;;;;;;;/
　　　　　　＼　　　　　 ＼´）;;|　　　　;;;;;;;/　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;

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　 　 　 　＿＿　 rz､　_ - ―- ― - ．f:izｨ―‐z
　 　 　 　`ヽメ＼|ﾏィ ´　　　_ 　ｰ -　彡≦三←､
　 　 　 　 ≫三イ ミ=　　 ￣　　　　　 、ヾ. ＼
　 　 　 ／／¨7 　 　 /　 ,　　 l| 　 l}　　',　',＼＼
　 　 ／／　　}　　　 ,'　 /　l|　l|`ﾄ､l|　l　l}　'.　＼＼
　 ／／　　　 |　 　.: |　卞二士{　l `ﾒ士ｾl　l|　　＼＼
／／　　　　 ,′　.:　|　 代 { ﾘヾ､j/{:fﾖz:ﾊ/l′　 　 ＼＼
＼{ヽ　 　 　/　　.: 　j　 lﾍ ￣ 　 "　ゞ=ﾁ　|　　　　　　ﾑｲ
　 ＼＼ 　./　　.:　　Ⅵ.::ゝ ""　　 ′""j　 !　　　　　／ノ
　 　 ＼＼'　　.:　 　 ,rzⅦ、　 　 ワ .ィ　　 !　　　 ／／　　　　　　うわぁ……
　 　 　 ＼＼.::　　 （ iゝ‐ｚ ＞ｘ 　イ　|:. 　 ﾍ　 ／／ ＿_
　　 　 ./__＼＼　　 〉￣ﾄ　辷ﾗ七彡 :!::.. 　 ﾊ　￣￣７ /　　　　　なにこれ、すごい
　　　 ハ￣￣￣`ｰ"-: :ヽﾆユ辷ﾗｿ､．-―ｚ､ﾊ　 　 / /
　　 ,'{／￣`Ｙ: : : : : : : : : : : : ゝ:Yr=x: : : : : ﾑ '. 　./ /
.　 /く＿ : : └──z: : : : : : : : :《ｨ泌>: : : : ヾ､ﾊ / /
.／　 .〉: ＼: : : : : : :∧: : : : : : : :.ゞXｲ: : : /￣: ｽ　〈
　　 .: ＼: : `ｰ─: : :.ノ＞─～ｰ､＿: 〉ｰく: : ／:ノ＼＼
　 ..::　 ム: : : : : : :イ／: : : : : : : : : :￣）: :ヽ: : く 　:. ＼＼
　.::　 .:　 〉: : : : : : :|′:ヽ: : : : : : :_:._ノ､:_:_ﾉ!: : :ﾍ.　:. 　＼＼

┌──────────────┐
│洞窟に入った人造人間は　　　　  │
│まず、外との気温差に驚いた　　 │
└──────────────┘


////////| /////// /// /三三三三三.｀ヾ//////// ./////＞－＜三三三弍///////,.イ////三
////////| ////// ///.:/.三三三三三三 ::∨/////| ///／　　　　　｀ヾ三三三Y////Y/////:|三
////////! ////∧./∧/ ´ ┌────────────────┐　:三.弍////|/////∧三
//////// .////|　∨　　　  │そして、洞窟を見渡してまた驚いた　　 │　　　　  ｀ヾ:!,'∨/////!
/////// ./////!　　　　　　 └────────────────┘　　　　　　 ´　 ∨////!
////// ,//////　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨///
////∧//////　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∨/
////.　｀ヾ///=―　-　、＿＿　＿＿＿　　　　　　 　 ＿　　　　＿＿＿＿＿　　 ＿＿＿　 　 ヾ
´｀´. : : : : :.｀´: : : : : ┌─────────────────────────┐ : : : : : : :
: . : . : . : . : . : . : . : . │もう春だというのに、洞窟の水たまりは殆どが凍っていて　　 │ : . : . : . : .
: . : . : . : . : . : . : . : . │天井にはつららがぶら下がっている　　　　　　　　　　 　 　 　 │ : . : . : . : .
￣￣　￣￣　三二  └─────────────────────────┘ : . : . : . : .
￣　＿＿　――　　二　　三三　　二ニ二ニ≡x､_: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
＿　　　―　―　￣　　＿　　　―　　＿　　―　　　　｀ﾆ:x､: . : . : .,，-==-､: . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
＿＿　　　　―　　　―　　　＿＿　　　　―　＿　　三　ﾆ弍.ｘ . : '､_ノ ｀Y人_: ,，＜三 三 ｀ヾ: . : . : .
　　　　＿＿　　―　　　＿　　　　　＿＿　-　　　＿＿　　三　＞x､ ｀ﾞ´ _,，≦ `ー ､.x＜ :ヾj!: . : . : .
_　　―　　　　＿＿　　　　　―　　　　　　　＿　　　　＿＿　　ー　 ｀ヾ: . : .｀ｰ＞=＜,ノ｀丈_人: . : : .
　　　　　＿　　　　　　ー　　　　――　　＿　　　―　　　　　＿＿　　　`: .､: . : .｀`ー=―ヾ`ｰ'’: . : :
-　＿　　　　＿＿　　　　＿＿＿　　　―　　　　＿＿　　_　　　　　―　　　｀ヾ: . : . : . : . : . : . : . : : :

┌────────────────────┐
│少し奥に進んでいくと、幾つもの分岐点があり　  │
│天然の迷宮といった風情になっている　　　　　　 │
└────────────────────┘


　　　　 .ゞミ ノ"''ｰ-､,_i 　 ,/''-,i_,ii__,i　!　,! ､　"　 　 ﾉ 　 ,,-､　 ､　 　　ﾉ
　　　　　ｌ　/　 　/　　ﾞi　 ﾉ"' ┌──────────────────────────────┐
　　　　 /　l　/ ｰﾞ.-..,_ レ″　 │人造人間は、漫画や小説に出てくる迷宮みたい、とワクワクしていた　　  │
　　　　,;!　.］ |　ﾉ　　 ｌ j 　〉　  └──────────────────────────────┘
　　　　 _,.ソ li|　　　　´　ﾉ　　 　 :!、 　 ,.ゝヾ;;;;;;;;;;;-ﾍ 　 7　 　,ゝヾ　　／　　し
　　　　 ﾞl、 ノﾞ　　,ソ　　.}　　〉 　 |　!　 i/　　};;;;;;;;;L　〉 〈 　 / ､　,j　 「　　　　,'
　　　'''"゛　.､　"´　　　　ゝ　,ゝ　 　 | j　}　　 };;;;;;;;;l 　!　 〉　l.､　 y 　 ! 　　　/
　　　　　}　 j　.、　　 ／　　」　 　 ｀'i 　 〉 　 ｌ.:..:.:..‐-.L_/　　 ,! 　ｌ /　し 　 √
　　　ヽ.　 '"　　｝　　,!　 　 　 　 ／　　 i 」　/: ::.:.:.,;.:..　.￣ ` く、│L ｌ!l　" ﾉ
　　　　 |! 　|　 .l　　 j　 rvﾍ　,,-''´￣￣￣￣ヽ . :: :.::.　　,, -‐ 　`･i　 　.!　　'!､
　　　 　 |、.j　 ＿＿__　{｀ヽ}'⌒''　　　　　　　　＼｀､ _,-´v　　　　　':、 ｛ 　　〈
　　　　 ,l`'く　 ＞―-ｧ ≧ｆ＝ /　　　 /　　　　　　｀ヽ=´ｿ . 　 ,.､　　.`:〈　　 /
　　　　　 　.}　 ,二／／/｜　,' 丶、 /　　　　　　　　｀､　　　　　　　 ,..-‐:､″
　 　 ´ﾞ''、　 ﾞ ｲ∠＞く　| /　 l｜l l ∨!　 　 　 　 　 　 il :::::: 　　　 ,／　　 ::｝
　　 , ＝≠'´/' 　　　　　'′ ; lﾊ | ト｣ |＼ｌ　　　| 　 ｉ　 l :::::::::._..-'"　 　　.::く
　 〃　　　 /　　 　　　　　 /l | 弋圷ﾐｘ { (^Y!　| 　 |　 | ...＿___　　　　　...::::::::
　 ′　 　 /　　　 　 　 　 /　! l 　 ゞﾝ'` ヽＮ|斥示、 .ノ　　　　　  ......::::::::
　　　　  /　　　 　 ′　 /　 ハ! xxxx　　　 {{r迂}７ ,′
　　　　 /　　 　 ／　　 〃　l|　l|　 　 　 　 / ヾｲl/ﾚ′
　　　 /　　　／ 　 　 〃　 人 l|　 　 丶､　　（廴_,...-ｧ
　 ／　　∠ -―‐-＜　／ｰ:/ﾊ　　　　　, イ　／:: /
　 ´ 　 r个ｰ-､ : : : : : : ｀ヽ::/∧:｀‐ｧr＜/ /　/:: :::/
　　　 /　| : : : :｀ー'⌒): : : ∨: : ｀７ク／ /`ヾ、:::,'
　　  ,′！: : : : : : : : { : : : : }｀ヽ､{::〈￣´: : : : :｀二ﾌ
　 //　,'　l : : : : : : : : :｀ｰ-v' : : : r行ｈ: : : : : : : :./}
　 /　/ 　 ヽ、: : : : : : : : .:└-ﾍ: {ヾ彳}: : : ; : -‐'ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ＼∧ ､　--─- 　.　　　　　　 ┌───────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　ゝ､ァ(ﾝ,r'　　 　 　 　 ゛` ､ ,＿_ │人造人間が天然のスケートリンクに喜んで　　 │
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 '‐-Y＿　=＝ﾍ　　　　　｀r､〉ー´ │ツルツル移動していた時の事だ　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ∧´　{ ﾊ　 　 从　∧　 ） ∨　  └───────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ　 〉 ｊ 'ﾞｉ ﾚｲ∨ヾ ソ 代ﾉ､ v
　　　　　　　　　　　　　　__／ , '　／ .! ﾄ`弋_ｿ　 {:f必N Ⅳ  f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　 　 　 　 　 　 ノ⌒`ｘ＜_　, '　／ ` _,N ゛゛＿_　 ｀ ''{ Nv′ |　すっごいすべるよ！
　　　　　　　　　ﾉ 　　 ゛　＿／　/⌒ヽﾍ,　‘ 　￣7 人∨⌒ 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
　　　　　　　　ｯ'　　　　　 　 ､ - {　　 つ ｀ て秘）'ヾｰと　 　 }
　　 　 　 　 　 {　　 ､　　　 　 { ノヽ＿ノﾞヾ¨一ﾞｰ＾大=ヽ_＿,人
　　　　　　　　(　 　 　 　 　 　 | } 　,ゝナ´ﾞｉ,　　_ﾉ　　 　 　 　 ﾍ
　　　　　　　　 ｀⌒゛'＜ 彡=-―⌒'し　　 〈　　( 　　 　 ' ‐-く⌒`
　　 　 　 　 　 　 　 　 〈. 　 　 ｀ﾞ⌒ヽ、　　{　 　Y、 ＜　<⌒｀
　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ　　　　　 　 `‐r＾|__,､,〈 ヽ　 ﾄ 、＼
　　　　　　　　　　　　　　ﾑ　　　　 　 {￣　　　　　　v弋,{ 　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 ／`y'＾ｉ 　　　〉　 　 　 　 　 ､`ｰl／　　　 ┌────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　(__,ｲ. `X　　　ヽ、　　 　 　 　 ｌ　　　　　　 │人造人間の滑って行く先に　　　　　　　　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　 　 　 `ｰ　｀`≧ｘ_〉⌒ヽ､_,へ､ノ　　　　　　 │大きい岩がどでん、と不自然に鎮座していた　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y ﾞE｀⌒￣´　 　 　 　 　 └────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　| 日
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　 　| 日
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　 　!　i,ッ⌒X
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　|　　　 ／　　ｽｰｯ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　!､＿／

　　　　　　 ＿＿rt､ -　 ￣｀　:.rtz､_＿_
　　　　　　 ≫ニ{:!ｦ　　　　　　 ゞ{ﾉニ≪
　　　　　　　　/　}　　{　 ',　 　 !　!＼＼
　　　　 　 　 /　ｲ　- !　　} | - |　|　| ヽ＼
　　　　　　／／ |从从　 ﾊ从从ｲ　 !　 ＼＼
　　　　 ／／　　| 代ｿ}ノﾏ薔}ﾚ' | 　l|　　　＼＼　 （なんで、凍った池のうえに大きな岩があるんだろ？）
　　　／／　　　 | lゝ、 ｰ ""ィ|　| 　l|　　　　 ＼＼
　 ／／ 　 　 　 ′ ./>匀}~7ﾍl　l 　l|　　　　 ／／
　 ＼＼　　　　/　 .(: :(: : : :{: :ﾊ. |　 l|　 　 ／／　　　┌────────────────┐
　　　＼＼ 　 /　 . :}Y: : : : :|: : :V 　 |　 ／／　　　　 │彼女はそんな疑問を抱いたが　　　　　 │
　　　　 ＼＼′ . :/: |: : : : :.| : :∧　 |　{　(＿_　　　　 │その答えはすぐに得る事ができた　　  │
　　　　　 } イ} . .:/: :.ﾊ: : : : :|: :.:.:∧八　｀ー-､＼　　  └────────────────┘
　　　　／ ／ . : {ヾ/～^ｰ'ｰﾄｰく辷}　 ヽ　　　 ヽ＼
　　 ／ ／　 . : /イ: : : : : : : `¨｀ヽ: .　　 ＼　　/　/
　　(　くゝ、. : :/: : : : : : : : : : : : : : ＼: .　　 }　(　 '-､
　　 ＼ ヽ ＼/: : : : : : : : : : : : : : : : : ＼: . ﾉ 　 ￣}/
　 　 ﾉ／　ム: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∨　　　 〃






　　　　　　　_＿__ .．≧ゝ,．≦三:._￣ ｀丶:､
　　　　　　　 ￣ﾌ＞:;／ ｀ ー- ．＿ 　 　 　 ｀ヽ
　　　　　　　／.:,ｨフ　 　,ｲ　.:　 .:.　　　　　 　 　 ＼
　　　　　 ／.:／ / .:r､ｨ/ |　.:i　.:.:.i 　 .:　　 ヾ:　､.:.:.:＼
　　　　 /.:／　 / .:/_/]＼!_. :|　. :ﾊ　.:.i!　. :　.:`.:､`ｰ-　 ┌───────────┐
.　　　 /.:/　　./ .:ｲ/ﾞ`j厂ⅥL! .:/ ト．_|__. .:.ｲ　.:.:/:::　　 │岩が動いたからである　　 │
　　　/.:/　　./ｲ/　 ● 　 ∨`､厶-Ⅵ-!￣7 !　.:/べ　　 └───────────┘
.　　〈 /　　 .'´ ′　　　　　　　ﾘ＼:::{く匂/ヾ|　 ′
　　　ヾ:.､　　 }!　""　　 　 　 　 　 ヾ辷彡’j}
　　　　〉.:）　 iﾊ　　　　　　､ _　　　　,, ,,`ｰ 1 :.　　　　　　　　What？
　　　/／　　l　 ヽ 　 　 　 　 ｀　　 　 　 　 | .:.:.:.
　　　ヾ:、　 ,′.:.:.:.丶、　　　 　 　 　 　 _ .ｲ .:.:.:.
　 　 ､　ヽ / 　 .:.:.:.:.:.:.て圦ュｧz=ｪ彡'".:.:.:.:| .:.:.:.:.
　　　 `ーｿ　_＿_;.:．≦三ｰ＞=く`ｰ'￣ス.:」_:.:.:.:.:.
　　　　 /　「） rt―ィ　　,ｨ Yく及｝ i　､　￣｀¨ニ７
. 　 　 / 　 ﾌ"　`ｰく　,.ィ/　}≠く　|!　 r:､　_r-､ﾉヾ
　　　,′　〈二ミ:､　 ｀¨´ヽ.ﾉ＼/ヽ√´　 `" ,ィ三彡

┌────────────────┐
│人造人間が岩だと思っていたのは　　  │
│ただの巨大な甲羅だった　　　　　　　　 │
└────────────────┘


┌─────────────────────────────┐
│その甲羅の持ち主は、ゆうに四メートルを超える体長を持ち　　　　　　 │
│長く伸びたクビの先には鋭い牙を持った凶悪そうな顔がついている　 │
└─────────────────────────────┘


　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┌────────────────────────┐
　　　　　　　lヽ　　　　 ,ｲ　 ┛┗　　　 │縄張りを荒らされたせいか酷く機嫌が悪いようだった　　　 │
　 　 　 　 　 l. ヽ.　　,ｨﾞ.l　  ┓┏　　　 └────────────────────────┘
　　　　　ト､　l　 ヽ /　 !　 ,.ィ　　　　　　　　　 ,、
　　　　　l　 ヽ|,ィ=Y= ､|,／　!　　　　　　　　|ヾ　!ﾍ
　　　　　i ＼ ,ソ´Υ｀'く　／l　 　 　 　 i､,.|ヾ´r=､ ヤ
　　　　　 ゝ_i　〔＼／〕 ﾞi__メ、　　　 .i､|_ﾞi ´/　　 ﾞー'
　　　　　　ﾞゝ!__ ~--~ __l-'ヽ. ヽ､__　 |_ﾞi　　|
　　　　　　　　l　 ｡~｡　 !ﾆヽ.ヽ l＿,>´‐く　〈
　　 　 　 　 　 〉-v'v-ｲ　 ﾞl ﾞ! ﾞl、 ヽ. ヽ,.ヾ_ﾞ!
　　　　　　 ,/´ | [,-､] |,r‐,|　|　 l｀t-'ヾ、ヽ.ヾ.
　　　　 　 /-イ ｀''ー''´　/　 ゝ. ヽ ゝ--'＿ﾞi-ヽ、
　　　 ,r‐く　　~|~　＿,l,イ、　　　ﾞ!-k＿　 l　　,,ノヽ.　　　　　　 　 fz,＿ ＿rf:ｭ＿_
　　 /　　　＞─''"＿_ ゝ　｀　　＿＿＿￣_て_　　 ヽ　　　 　 ／/l7￣｀ ￣｀ヽlﾍi＼
　　l　　 <　,. ~ 二＿＿~~二i二＿＿＿,,,, ゝ、, ヽ　　l　　　　  li/ｌ/ミ= 　　 =彡ﾏ/＼!
　　ゝ、　 Y ,ﾊ_　　ゝォ　￣￣　　 r‐''"　_ノゝ l‐'　_,ノ　　　 ／　|lＮ!　　　　 　 |ヾ､
　 ム´__／ム'-ィﾆiﾆｿ　　 　 　 　 ゝｺニ‐｀ ムヽ＿,,ム　 ／　　　/ｲ　　　　　　l!　 ＼
　　 ｰ' ｰ'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀マ ﾔ　  {{　　　/￣|　　　　　　.l￣ヽ }}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　〈: : : l　　　　　　 l: : :/　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j!　/!: :.j　　　　　 　 ﾄ､:.ヽ 　 》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃　く:|:./}　　　　　 　 }.l:./〉　〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'"　　 （__)'j /! 　 人　 j（__)　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ/: N从ﾉ:ﾚｿ:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /: : : : : 〉: :ヾ: : :.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｛: : : : :/||: : : !: : j

┌───────────────────────┐
│そう、迷宮にはモンスターもセットでいるものなのだ　 　 │
└───────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　 　 　＿___　　　　　 _
　　　　　　　　 /{｀ヽ. -‐　　 ￣｀ 　 　 ｀ 丶 ／∧
　　　 　 　 　 人 Ｙﾉ∠　 ／　　　 　 　 　 　 ﾞ'くlﾉ　　　　　　　 ┌─────────────────────┐
　 　 　 , -―'―ｖ'ﾞ´　. :./　　 /　 / 〃　　 ＼ 　＼=‐-ミ　　　 │人造人間は、自らが戦闘兵器である事も忘れ　 　 │
.　 　∠二＞／｜ 　 . /　　 / . : ′ｉ{ 　 　 　 ヽ 　 ＼三＞　 │あらん限りの叫び声を上げた　　　　　　　　 　 　 　 │
　　　　／／|｀ヽ|　. : / 　 . :′: :{　 人　　 　. :} i　i　 ハ＼＼  └─────────────────────┘
　　 ／／.'　| ／　. : ′　: :{　: :八 i{_{ノ､ }i . : ﾊﾊ }i: :}　}　 ＼＼
　／／　 i　 '　　. :　{　　: :八:i´｢　斗=ﾐ )ﾊ. :/l,=ﾐ从八ﾉ　　　ヽ ＼
.（　(　 　 |　　. :　. :八　　: :{ ｉＮK(　{i:}　　 ｊ/　{i) ﾉ ｉ |　　　　 ／  ､__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人
　＼＼　 |　 . : . : /　,-ﾄゝ从ﾄトゝと=‐'ﾟィ_, 　､.ｒくﾟｏl |　 　 ／／ ）　戦闘兵器とは言っても、こういったでっかい　　　 （
　　 ＼＼| . :/ . :/　 { ｉl　 : : |　 ｏ° /,／　　ﾉ　 ｉ |ｉ |　 ／／　　 ）　バケモノは専門外ですってばぁぁぁー！？　　　　 （
　　 ／／| :/ . :/ 　 ∧l　 : : |/ l/￣/´　 　 ＿　 ｉ ﾘ |　 ＼＼　　 ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Ｙ
　／／　 l/ . :/　. :/ . :l　 : : |／　 /￣ 　 (こﾌ 　ｉ/. :|　　＿､ ＼ .／'）
　　　 　 / . :/　. :/　: :ｌ　: :　ト .／　　　　　´　　/ : : |／. : : }　／ ／／'）
.　　 　 / . :,　-‐=＝＝＝=ミ|￣￣(｀ヽ. ＿＿_ ｲ、ｉ リ. : : : : ∨　/／ ／／'）
　　　 / ／⌒ｰ-‐'⌒ｰ-=ミ: :｀: : .､{ ￣￣( (　(ノﾉ)ィ{: : : : ;／⌒Ｙ　 /／ ∠. _
.　　 / ∧: : : : : : : : : : : : : :｀ヽ.: : .:＼｀丶､) )　) ( ﾉﾉ: : : ; {/: : : :l 　 　 ´. -‐-'
　　/ //∧ : : : : : : : : : : : : : : :｀:ｰ=ミ` ｰ-=ﾆ⊇(／ : : : ' /. : : : :l　　 ／
.　/ ////∧ : : : : : : : : : : : : : : i : : : : ｀:ｰ=ミ: ((笏) : : ﾉ:｢: : : : : :l 　/
　　　　/// ＼: : : : : : : : : : : : : l : : : : : : : : : :) ｀~: : : (:｛:､ヽ､: : : l..ｲ

┌────────────────────────────┐
│幸いにも、人造人間の間抜けな叫び声に気づいたやらない夫が　　 │
│すぐさま駆けつけて、化物の巨大な甲羅を叩き割ってくれたが　　　  │
│人造人間は暫く腰を抜かしたままだった　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
└────────────────────────────┘


　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　/　_ノ　ヽ､_ヽ　　　　 　 　 そういえば、あねさんはこういう大きい動物を見るのは
　　　　　　　　　　　　| （●）（●） |　　　　 　 　 初めてだったっけ？
　　　　　　　　　　　　|　（__人__）　|
　　　　　　 　 　 　 　 | 　｀⌒´ 　 |､.__ 　 __
　　　　　　　　　 　 　 ヽ.　　　　ノ　!　￣‐'´(⌒ヽ､
　　　　　　　　　　　　 　 ヽ＿ノ'　　,／ {　　゛　　　',　　　　これ、カメだよ　カメ
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,ノ八ヽ､, -'′　 ヽ　　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　 ／⌒｀''´｀`〉　　　　　＼　　　 ∧
　 　 　 　 　 　 　 /´ ／　　　　 ヽ　 　 　 　 i　ヽ ｲ　.}
　　　　　　　　　　|　 '　　　　　　 ﾍ.　　　 ｏ　!　　　　 !
　 ／｀ヽ、　 　 　 ',　へ 　 　 　 　 ヽ､._　,,...-ﾍ　　　　',
　 ヽ.　 々 　 　 　 i　　 ＼ｏ　　 ,.-‐' 〉´｀　　∧　　,　 i
　　 ヽ、人　 　 　 {　　　 ',｀¨´ -‐‐‐'ヽ '⌒v'′ヽ ,ﾉ　 i
　　　　＼　｀ヽ､..._」　　　 ,ﾊ､_　 　 　 .i　　　 ﾞｖ'′ ,ノλ
　　　　　 ＼　　　 ｀ヽ､ ､,{ /　`　｀¨´｀〉'⌒''´/　 ／　/´




　　　　　　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　（ ●）（●）
　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　（__人__）　　　　 これから先もこんなのがいっぱいいるから
　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　 気をつけてね？
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　　 }
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　ヾ　ｿU
　　　　　　　　　　　　　 __／　　　　ヾ ! 　 ＼__　　　 ┌──────────────────────────┐
　　　　　　　　　 /''"￣"'　　　　　＼ 　∠　　 ￣ヽ　│人造人間が着いてきた当初　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　 |　/　　ゞ　　　　　　 ヾ/　　　　ヾ丿 │やらない夫は人造人間を動物狩りに　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　 ヾ　　　ｿヽ　　　　　　ｿ　　　　　| |  │慣らさせるために、小型の動物ばかり捕まえていたのだった　  │
　　　　　　　　　 / へ/　ヾ_　　　　　 　 |　　　　ソ | └──────────────────────────┘
　　　　　　　　 ｜　　|　　|丶、＿＿＿人＿＿_/_/
　　　　　　　　 ｜　 人　∧ミ＜　ゝ、_UU＿ノ /'/
　　　　　　　　　 ヾ　ｿ　/＼ミ巛　/　 人　ヾ //
　　　　　　　　　 （　二ソ　 |　　　（ ￣ T　 ） |

┌───────────────────────────┐
│立ちふさがるカメ達をやらない夫が弾き飛ばしつつ先に進み　 　 │
│二人が洞窟に入ってから三時間ほどで目的地にたどり着いた　　 │
└───────────────────────────┘



.━━━…ｰ,━━─━━━━━━━━━…ｰ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､-'''..゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,_''ﾟ~
::... .... 　::... .... 　::... .... 　::... .... 　　　　　 ::... ...._,:"
　　::... .... 　::... .... 　::... .... 　 　::... .. _,,-,_　.'''ﾟ~　､
　　　　　　　 　 　 　 　 _,,,　,, --'''..゛　　　　　　  ┌────────────────┐
,:;,;,:ｏ､ ,,,,,_;,,,''''''''ﾟ''..ﾞﾞﾞﾞ'''　　:.､;:...:,:.:.､:.､;:...:,:.:.､　　 │体の芯まで凍りつきそうな洞窟の奥　 │
:.､;:...:,:.:.､:.､;:...:,:.:.､:.､;:...:,:.:.､:.､;:...:,:.:.､　　　　 　 　 │そこは、砂浜になっていた　　　　　　　  │
:. ､;:. .　.:, :.:. ､ ,:. ､;:. .　.:, :.:. ､ ,:. ､;:. .　.:, :.:. ､ ,　  └────────────────┘
　　　　､ ,:. ､;:. .　.:,　　　　､ ,:. ､;:. .　.:,　､ ,:. ､;:. .　.:,
､ ,:. ､;:. .　.:,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:. ､;:. .
　　,:. ､;:. .　.:, :.:. ､ 　　　,:. ､;:. .　.:, :.:. ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:. ､;:. .　 　,:. ､;:. .

　 ┌──────────────────┐
　 │地熱によるものなのか、暖かくなっており　  │
　 │そこだけが春を感じさせてくれた　　　　　　 │
　 └──────────────────┘
　　　　´　 　 　 　 　 　 　 ＼
　／　　　　　　　＼　 ヽ　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　ヽ:__}　　　ハ
　　　|: :| l　:ﾚ |ヽ　　 }: :「lLl」 !　}
　　　|: :| |イ|ｰ|-ﾊ 　 jfく泌ﾄ从ノ、 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　: l ∧:从:从ﾚ:从}　八ヾj!ﾌ/!:!　　 |　はー……あったかあったかですねぇ
　∧　ヽﾄﾄ　=彡　j/ > /l/l/l从　　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
　: ∧　:ト　/l/l/　 　 -‐　　八丶 　 　 ＼
　: l|: :ヽヘ::..　　　　ヽ::::ﾉ　/: : ＼ヽ 　 / ヽ
　: l|: :l|: :|rl＞-へ　 　 　 ｲ＞z／{⌒V::::::::!　＼
　: l|:_:l|:_〈ｰ-く : :∧≧‐/: |:rく/: : :ヽ::::::::::::|　　 丶
　￣￣¨:＜:｀:_: :ゝ: : : ﾑ:斗}: }: : : : : ＼::::::!､　　　 ＼
／: : : : : : : V⌒ヽ: : : : : rヘﾆ=‐zv´⌒:＼| :＼ 　 　 丶
: : : : : : : : : : : : : : ＼{¨:fヘ`ﾆ=/./: : : : : : l : : :ヽ　　 　 ＼
: : : : : : : : : : : : : : :=＝ミ}ハ∧!..|: : : : : : : |: : : :‘，　　　　‘，
∧: : : : : : : : : ／:/: : :_: :|rｲヽ : :! : : : : : : :|: : : : ::',　　　　　}
: ∧: : : : : : : : : 〃: :/: : :.＼: : : :|: : : : : : : :! : : : : :| 　 　 　 |
/ :∧: : : : : : : : : ; :{: : : : : : :＼: :|: : : : : : : :! : : : : :| 　 　 　 !
: /: : ゝ=――-{_{:_;_:_:/: : : : : : Vヽ : : : : : :|: : : : : :}　　　 　j
/: : : :/: : :/: : :/:ヽ: : ::＼: : : : : :Vﾊ:. : : : : :! : : : : :j　　 　 /

┌────────────────────────┐
│また、少しばかり見回すと、すぐに　　　　　　　　　　　　　　 │
│人造人間の頭ほどもある大きな卵が大量に見つかった　  │
└────────────────────────┘

ィ 　/　　i 　　!　　 　 　 　 　 　 　 　 i　　　　　　　　　　iヽ ＼＼
　 ./　　 l　　 l　　l 　 　 　 　 　 　 　 |　　　 |　　　　　　 ﾄi＼　ー 二..ヽ
　 ｌ　　　i　　 |　　l!　,/　　　,.-‐-､　　!　 ｌ　｜　ヽ 　ヽ 　ヽヽヽ 　 　　＼＼
　 |　 　 |　　 |　　i|　| ＼　 {　　　}　 ｲ　 |　｜　　!　　|　　lヽ!　　　　　 　ヽ ヽ
　 | 　 　| 　 /|　 /!　!_　 ＼｀ 　 /! / |　/!　 |　 　|　　l| 　 | l|　　　　　　　 ｌ　|. 　 　 |　　ｷｭﾋﾟｰﾝ
l　 l　 ￣ｆ｀=- i_/.　　ヽ　　 ＼ / 厶斗‐メ､_ | 　 /　　 !　 / ﾘ　　　　　　／／　 ＿ 人 ＿
.ヽ　 l　　}-‐=＝ﾃﾐ､ 　 ＼　 ,.ヘr￢〒ryfz,/ ／　　　ﾉ /|､∧.　　　　／／　　　　 ｀Y´
.　ﾄ､ ヽ　ｌヽ　 ノ､ｿ}`　　　`　　　Ｖﾍ｛(f卮}_） 〉!　 ,,イ /!　∧ |　　 ／／.　　　 　 　 ｜
､. ll ヽ ヽヽ　-｀＝´　　　　　　　　∨ ゞﾐYｼ /∠／: iイ: :! 'l　ﾘ､　 (　(
:ヽ{ヽ_!ヾ＼　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰ…く/　l./| : f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
: /:. l　|‐､ヾ　　　　 　 　 　 i　　　　　､＿ﾉ　 /　l : |　やらない夫さん！ 
/: : :l　l｀ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　 r-イ: :|　やりましたね！　ミッションコンプリートです！
: / : l　l: :/: :>､_ 　　　　‐=ﾆニﾆ〃　 _ -‐ ￣}: |: : 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
// : l / /: / : 〉 ＼ 　 　 　 　 　 -‐´　_．- イ: :ヽ: : :! ヽ :＼ ヽ　 　 　 ＼
/ : : / /: /: : /! 　 }ｒ､　　 -‐´ 　_ -イr'フ三ヽ: ｉ : ＼!: :┌────────┐
、: :/ /: /: : / | 　 l!　＞´　　 ／ヽ ｌ__イ三／ : :!:_:_:_,-  │任務完了である　 │
､} ヽ/: /: : /　|　 / ´　　　‐´　　/ヾ、/ノ/: : : ／　　　  └────────┘
　ヾﾉl l‐､_/-ノ／　　　　　　　／　/ ヽ､ｲ_:_:／　　　　　　　　　 　 ＼　　　　　|

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　　　　　　　　　　　 　 ┌───────────────────────┐
　　　　　　　　　　　 　 │依頼主の元へと向かい、人造人間はまた驚いた　　　　 │
　　　　　　　　　　　 　 │ネオケニアでは珍しい、和風の建築物だったからだ　　 │
　　　　　　　　　　　 　 └───────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (二二二ﾆ/二二ﾆ/二｜二二ヽ二ヽ二ニニ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/| |ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//＿/__//＿/__//＿/_| |__ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/__| |＿ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽ
　　　二二二ﾆ/二二ﾆ/二二二//＿/__//＿/__//＿/＿| |＿_ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
　　 //＿/__//＿/__//＿/__///＿/＿//＿/__//＿/＿ | |＿_＿ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　//＿/__//＿/__//＿/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　 //＿/__//＿/__//＿/__//＿|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|＿＿|＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　○====○====○====○===.|　　　|││││││││││││││││||　　||===○===○===○===○===○
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　　＼／＼／＼／＼／＼／＼|　　　|││││││││││││││││|　 　 |＼／＼／＼／＼／＼／＼／
　　／＼／＼／＼／＼／＼／|　　　|││││││││││││││││|　 　 |／＼／＼／＼／＼／＼／＼
　　"""￣￣￣'''''''''''''''"""""￣"""￣￣''''''''''"""""""""""""""""""""""""""￣￣'''''''''""""￣￣￣￣"""""""""

　　　 　 　 　 /　　　 　ヾ､/／　　　　　　　　　　　　`㍉、
　　　　　　 ィ　　　　'"⌒ヽ{　　　　　　　　　　　　`ヽ、　 ヽ
　　　　 ／　　　　　　　　　　　　 ''⌒`ヽ、 ヽ　　　　 ﾊ　 　 i
　　　／　　　　 ,.-‐　 　 　 　 　 　 　 　 ＼::ﾞ、　　　　i　 　 i
　　 / 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　 ヾi　　　　 i　 }　}
　　 {　　　 i　/　　　 　 　 　 　 {　　　　　　　ﾐ}　∧　 j　λ ＼
　　 i　　　 i　i　　　 　 i 　 　 　 i　　　 　 　 　 i_〈　〉┐ 　 ﾞ、　ヽ
　　 i　i　　 ! i　　 i　 　i　　　　 λ `、　 　 　 弋_ o_ノ ＼　ﾊ 　 }
　　/　i　__f )i_　　{　　 i　　　　　人　＼　　　　 〈_人)　 　`､j 　 i
　/　　 弋_o __> λ 　 ﾄ、 　 　 　 `ﾄ､i-＼　 }　　!　　 　 　 `、　しﾉ
　{　　　 i (λ〉　　{-ヾﾄ{"＼ﾄ、　 　 };;::-‐　ヾﾘ　　}ヽ、　}　 　ﾞ;　i'"
　 ∨　　i　　 {　 ﾄ{ _,,,,..‐-.､　＼! ﾄ,ﾉｧ''F芳弍} ﾉ ﾉi　ﾄ /　　　 } ﾉ
　　 ＼　i　　λ 人f代笊心　 　)ﾉ　´　ﾞう沁ﾘｲ／ {ノ /　　　 /
　　 　 Y i 　 　＼　ﾐ　ゞ;;タ　　　　　　　 `'''"　　廴ヽ　　　／(
　　　 _ﾉ　!　 　 　`ミ=-ﾞ"´　　 i　　　　　　　 　 /　)ﾉ　 ／､{
　　　　 {　ゝ､　　　　 ﾄ、　　 　 ` 　 　 　 　 　 /从 　 /
　　　　弋ﾄ､ {`ｰ-....__　 ＞..、 　 `　"´ 　 ／ /!.: . ┌───────────────────────────┐
　　　　　　　`~ヽト､ト､`ヽ、ヽ＞..､　　,..イ　 /l i: .: │入り口を開け、中に入ると丁寧な物腰の女性が出迎えてくれ　 　 │
　　　 　 　 　 　 ／: .: )ﾉｿ　 ﾉ.: .: .ヾ"､　　　 i i.: .: │そのまま奥の部屋へと案内してくれた　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　 ／.: .: .: γ　／i.: .: .: .: ＼＼　 .i i: .:  └───────────────────────────┘
　　 　 　 　 /.: .: .: .: .弋ﾄ(.: ii＼.: .: .: .: .＼＼i i: .: .: .:i.: .: .: ヾ､.:i.:} .: .i
　　　　　　 i!.: .: .: .: .: ﾞ,.: .: .:ii.: .:＼.: .: .: .: .ヽj j: .: .: .: i.: .: .: . .:ヾﾘ .: .i
　　　 　 　 i.: .: .: .: .: . :ﾄ、.: ii.: .: .: .＼.: .: .: .:j j: .: .: .: .i.: .: .: .: .: ヾ､: i`ヽ

┌─────────────────────┐
│案内された部屋で、やらない夫がポツリと言った　  │
└─────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ ヽ､,__　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （●)（● ）　　　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （_人___） 　 U　 |　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　│　　 |　ここに来ることなんて、一生ないと思ってただろ
　　　　　　　　　　　　　　 <二ニヽ　　　　　　　 |　 　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／-‐ 　 ｀i ､ ＿__,.　イ i
　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/´､　　 　 ',┐__＞ｰﾒ ┴ｭ
　　　　　　　　　　　　　 しrヽ　　　　V:::Λ　 ／ : : :＞、_
　　　　　　　　　　　 　 　 ,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　 　 　 　 　 　 　 　 　 「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　 　 　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　 　 　 　 　 　 　 　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　 　 　 　 　 　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j
　　　　　　　　　　ﾉ. : : :| : : : : : : :.∧ : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : : :ｨ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　, r ‐ -r '´ ￣ ヽ<匀ヾ ヽ
　　　　　　　　　　 /~〈匀}Y´￣　　　　　　　　 ゞ-ﾉ三ニ＝=－ -ｩ
　　　　　　_-=＝ニ三ﾌ　　　　　　　　　　　　ヾ　彡 ≦ミ三≧ヘ､
　　　　 ／:::::／:;ィ7／　　　 ′　　　　　､　　　丶 　ﾄ､ ヘ　 ｀　 ┌────────────────────┐
　　　　 ￣フ::／ l ",　 /　 ,, 　i　 　 l　　 }　　l|　 ヾ ヽl＼ ヽ　　 │その言葉の意味をはかりかねた人造人間が　　 │
　　　　　 /／　 ,' ./　/　　l|　 l　　　!　　 l!　　!　　}　 i!　丶＼　 │やらない夫に何故かを聞くと　　　　　　　　　　　　│
　　　　　 "　　./ /!　l|　 　l!　 |! "⌒)-ﾁ‐|!- ﾘ 　 l 　 |　　 ＼ヽ └────────────────────┘
　　　 　 　 　 / /ﾍ　ﾘﾊ 　T〒ミx ｀ﾒｒ≠ﾆミｌ'　　 l!　 l|　　　　ヽ＼
　　　　　 　 ./ /　 ∨　ﾄ､ K弐ヾ､＼ｊ{〈{匂ｲ}j　　 l|　 l!　　　　　＼丶
　　　　　　 / /　　　Ⅵヾ∧ゝ__ﾘ　 　 `辷ソｲ'　　 }　 i|　　　　　　 }　|　　三行で
　　　　　 ./ /　　　　 ゞⅦハ　　′　　　､_）{　　 /:.　 l|　　　　　 ムィ　　私にもわかるように説明してください
　　　　　/ /　　　　　ﾘ　　l　ヽ　　`｀　　　 /　　/:.:i:.　 !　　　　／ ／
　 　 　 / /　　　　　/ , ｸ ' 　l:.:._＞- r ≦/　　/:.:.:ｌ::. 八_.　 ／ ／
　　 　 ｲ ,'　　　 　 /r' ム-久l:r､Y⌒Y＾lノ　　,ﾊL:.｣_;水´{ ∠　く_
　　　ム l{　　　　 // ' ,ｨく ヽＶ /}泌r／　 ／: : :イ: :_:_:ﾍ:》　 `ー ニ､-、
　　　{　 ﾍ. 　 　 /,ﾄ､'xヘヽ ﾍ 八弐　 　 /_:_:_:ノ⌒´ : : : }　　　　　 /／
　　　ヽ　　ゝ､_ / |:i:ﾍ ´ｭ-､ オ: /:.ﾘ 　 ム: :-: :、: : : : : :ﾘ　　　　　〃
　　　　`ー ､／　ﾊ: : }_/l : ' : : : |: :{　 /´: : : : : :`メ､ :_: :l|　　　　 //

　　 ┌──────────────────────────┐　　　  ／￣￣ ＼
　　 │ここはオケアニアどころか宇宙中で有名な料亭との事だった　  │　　 ／　__,ノ　 '⌒ヽ
　　 │完全会員制であり、客はすべて高い身分の者ばかり　　　　　　 │　  ｜ 　 (⌒ ) (⌒ ).i
　　 │その代わり、最高の美味を約束してくれるという　　　　　　　　　 │　  ｜ 　　（___人__） i
　　 └──────────────────────────┘　　 | 　 　 　 　 　 ﾉ
　　　 __　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　 　 　 |
　　_. }　}　　 r 、　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿　　　　　　 ∧､ 　　　　　　|
　 iハi　i　　 {　'､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／. . . . . .｀ -.. _,. イﾄ､ ヽ､, ____,__ ノ
　 }　}-､i、　 ゝ　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ . : : : : : : : : : : : : : :.ヽ　＼、　___〈
　.ヽ/ .ﾊ,_￣{、　　｀､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ　　 ｨ´:::.V、
　　 i　ﾘ　)　ｉ ヽ,　　i､、____　　　　　　　　　　　　　 　 ／. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,√〉:.;〈 r .ヽ＿,.
　　 ヽ,}　{-､　ﾆ-、　ヾヽ .: :｀ﾆ=-- 、＿ 　　　　　 ／ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .∧}::::::',} : : : : : .`､
　　　　｀ -､_　　　　ﾉ｀} } : : : : : : : : : : : : ｀ﾆ=-､＜ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.∧:::::::', : : : : : : .ヽ
　　　　　　　　｀ ＜､__ﾉﾉ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ : : : : : : : : : :＞、: : : : : : : : : : : : : : : : ∧:::::',: : : : : : : : }
　　　　　　　　　　｀ﾆ彡" : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞< : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .∧:::', : : : : : : :.r
　　　　　　　　　　　　¨ｰ=ﾆ二､_ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ ´ 　 V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :Λ::} : : : : : : :.}



　　　　　　　　　　 　　 , 　-‐─‐-　､
　　　　　　　　　　 ,. '´,．　'"´￣~ 　 ｀`ヽｰyrｧ
　　　　　　　 く⌒ヽy′　　 .l.:l.l　 .:.l:.. .　 `V/L_
　　　 　 　 　 _＞, ｲ:|.:.　| .|::|:.|:|　.:::|:|:::::::! .:!`Lミ>
　　　　　　／ ／ ノ:l:|:.:.⊥:|┼|:ﾄ､ .::ﾄﾄ､:::| .:l::::く
　　　　　/／/／ﾊ.:.l:|:.:. |:.ﾊ/_lﾉ ﾄ､/ ﾉ Vﾊﾉ.:.:/
　　　　　 　 /　/　Vﾊい, =＝=､　　 {（Ⅹﾐ}:.:/
　　　　 　 ノ　/　.:.:.:Vﾊ ヽ 　　　　 　`ｰくﾊ/　　 　 ┌─────────────────────┐
　 　 　 　 　 / .:.:.:.:l.:.:.ハ:.ヽ' ' ' ｒ‐-､　' ' 'ﾉ ヽ　　　 │人造人間は、最高の美味とか　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　 / .:.:/.:.:l.:./ ノi::　L__'､__ノ　イ:i .:.:.ヽ　　  │なんつー曖昧な、と内心思ったが　　　　　　　　　　  │
　 　 　 　 / .:.:/.:.:.:l:/＿ノ　　ﾄ､ V´ﾌ ｀`1 .:.:.:.:l　　  │「すごい所なんですねー」と相槌を打っておいた　　 │
　　　　　/ .:.:/.:.:.:./ ⌒ヽ､　　| {薔}　 　ノ .:.:.:.:.!　　 └─────────────────────┘
　 　 　 / .:./.:.:.:.:/　 　　`ﾄ‐‐く(公)-イ　ヽ .:.:.:l
　 　 　 ! .:/.:.:.:.:ハ　　　　|　 　 `Y´　j 　 ﾊ .:./
　　　 　V.:.:.:.:./::八　　　 {　　 　 ﾊ　j 　ﾉ.::l /

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　　　　　　　　　, ,. .＿＿
　　　　　　　__//〃'´::::￣::¨::''‐､
　　　　　／:::;:L!{l;;;ﾊ::::､::::::::::::::::::::ヽ　　　 ┌──────────────────────────┐
　　　　 〃::/_- ､ !　|ﾊ｢ヽド､::::::::::::::i　　　 │暫くすると、60そこそこに見える、厳つい男性が入ってきた　　  │
.　　　　 l::∠=ヽ_{∠_,ノ;三ゝ.j三ミ､::|　　  │依頼主の海原雄山である　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
　　　　　l〈.､＝<, `ｰr'＝=;　}三ミﾐ :|　　 └──────────────────────────┘
.　 　 　 ｆ7ヽﾆﾟｲ　 ﾞヾﾟニ´　 }::}ﾆヾ::|　　　
.　　　　 l｣ 　 / ''''　 ､　　 　 }::7´ |::|　　　　  ┌─────────────────────┐
　 　 　 〃 r'＾ー‐--'^ｰ ､　ﾉ::{ r'/:::|　　　　  │やらない夫がカバンの中から卵を渡すと　　　　　　 │
　 　 　 ﾞ{　! 」二二二フ　} ヾﾐT´::::::|　　　　 │卵の質を確認するかのようにじっくりと撫で回す　　│
　　　 　 ヽ、　ｰ-　 　 　 ' ,　 ｉ.|､:::::ﾘ　　　　  └─────────────────────┘
.　　　　　 _r'ｆ ｰ:----‐ ''´　　! ﾄ;ヾ'、
　　-‐ '7´| l |　 `ー'　　　　 .／/.+ l ` ｰ-
　　 +./.+ |+ヽ、　　　　　 ／／+ +/+ + +

　　　　　　　　　 ,　, , -‐==- ．_
　 　 　 　 　 　 /.//ｲイ≦三≡=‐=‐-.._
　　　　　　　　 ｉ .川/〃イ三≧三三二≧､
　　　　　　　, -ゝｌｌｌｌｌﾍヘヘへミﾐミミﾐ､ミﾐ､､ミ
　　　　　　ｲイﾌｼﾞﾞﾞ''　ﾍ. ＼＼｀ヽﾞﾞﾞ三ミﾐヾヾミ
　　　　　　´ｲ// 　 /　,イ´ヽ　｀　　ヾ　､｀ヾミﾐﾐ
　　　　　　　llﾚ__｀ {　´ _,,イ二ヽ　ヾミﾐ､　ヽヾミﾐ
　　　　　　　 {三≧　=≦竺o=''　 三ミﾐ､ミﾐ､ミﾐﾐ　　　報酬は希少動物のつがいだったな
　　　　 　 　 .〉ｰ ﾟ'　　　､　　ノ 　 三ミ､ミﾐ､ミﾐ､ﾐ　 　 ナナホシがあるから、後で女将に言って出してもらえ
　　　　　 　 .( ｀_/..　　　 ｀¨　　　 三三F lミヾミミ
　　　　　　　 l (　 ＿__)ヽ　､　　　三-､　.ﾘヽヾヾヾ､
　　　　 　 　 l/ ￣＿_ _　｀ｰ､　　.三　'　/川川ﾊﾊヾ
　　　　 　 　 l　´ ＿ 　 ｀　 　l　　　ゝ-ｲ川 川川ハﾊ
　　　　　　　 ｌ　　 ¨　　　　　　 ___ ノﾉノﾉﾉ川 l || l i ハ
　　　　　　　 ゝ．_　　　　 __　 ､二ンノｲノﾉﾉ川 川 l川
　　　　　　　　　 　 Т ￣　 ／／　｀ｰｲノﾉﾉﾉﾊﾉﾉﾊﾉﾉ
　　　　　　ｒ‐‐- - -┴────-=＝─ｲイノﾉハﾉﾊ
　　　　 　 jl｀ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　 ﾉj 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　 r 、　　　　　　　　 ／　　　 丶
　　　　　　　　　　　　　　 }　}　　　　　　　 _,ノ　ヽ､,__　　`
　　　　　　　　　　 　 　 ､」　{　 _　　　　　 (○）（○.）　 　｜  ､__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_
　　　　　　　　　　 　 ,-く ヽ { / .〉　　　　　(_人＿）　　U　|　 ）　　ナ、ナナホシ！？　ほ、本当に良いんですか？　　 （
　　　　　　　　　　 r´ ヽ ヽ､｀〈, {　　　　　　|｝r┬‐|　　 　 |　  ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Ｙ
　　　　　　　　　　 i　r、 ヽ 〉イﾘ　　　　　　'､｀⌒ ´　　　, ﾄ、
　　　　　　　　　　  } 　 し√' ／ 　 　 　 　 ｜ ､ 　　 　,ｲ//｀ｰ‐‐‐‐‐-、＿
　　　　　　　　　　 |　　_,,-イ　 　 　 　 　 　 `ｫﾆﾆ二´／ｨ : : : : : : : : : : : : : >、　　　  f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　∠ヽ＿_,,-''7 　 　　　　　　 _/ /＼　 ／ : : : : : : : : : : : :／.: : ',　　　  |　かまわん、ハンターに取らせてみたものの
　　　　　　　　　ヽ : : : : : : : |　　　　　　　／/|ｲ:::::/∨ : : l : : : : : : : :| :/ : : : : :',　　　 |　味が悪く、期待はずれだった
　　　　　　　　　 | : : : : : : :ヽ　　　　　 r''/ : | ./｀Y / : : : 」 : : : : : : : :./ : : : :.//ヽ　　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_乂_
　　　　　　　　　 | : : : : : : : :|　　　　　ノ/.: : | ｉ::::::|/ : :／ : : : : : : : : :/ : : :／/ : : :|、
　　　　　　　　　 | : : : : : : : :|　　　　/|./: : : :|/:::::/ : : : : : : : : : : : : : | ／ : : : : : : : :|.ヽ
　　　　　　　　　 | : : : : : : : :|　　 __/ /.: : : : :|::::/ : : : : : : : : : : : : : : : ､ : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　 | : : : : : : : :ヽ／ : : :| : : : : : |:/ : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　 | : : : : : : : : :|＼ : : :| : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : : / ＼ : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　 | : : : : : : : : :〉〉.: : : :| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.〈　　 ＼=二 : : : : :

　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {f⌒)}
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {「
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ｃ

　 　 　 　＿＿　 rz､　_ - ―- ― - ．f:izｨ―‐z
　 　 　 　`ヽメ＼|ﾏィ ´　　　_ 　ｰ -　彡≦三←､　　　  ┌────────────────────────┐
　 　 　 　 ≫三イ ミ=　　 ￣　　　　　 、ヾ. ＼　　　　　  │人造人間にはナナホシが何かわからなかったが　　　　　 │
　 　 　 ／／¨7 　 　 /　 ,　　 l| 　 l}　　',　',＼＼　　　　 │やらない夫の反応から、何か希少な動物なんだろうな　　  │
　 　 ／／　　}　　　 ,'　 /　l|　l|`ﾄ､l|　l　l}　'.　＼＼　　 │という事だけは伺い知ることができた　　 　 　 　 　 　 　 　 │
　 ／／　　　 |　 　.: |　卞二士{　l `ﾒ士ｾl　l|　　＼＼　 └────────────────────────┘
／／　　　　 ,′　.:　|　 代 { ﾘヾ､j/{:fﾖz:ﾊ/l′　 　 ＼＼
＼{ヽ　 　 　/　　.: 　j　 lﾍ ￣ 　 "　ゞ=ﾁ　|　　　　　　ﾑｲ　　 ┌───────────────┐
　 ＼＼ 　./　　.:　　Ⅵ.::ゝ　 　 　 ′　ﾒ　 |　　　　　／ノ　　  │実際、ナナホシは希少な動物で　　 │
　 　 ＼＼'　　.:　 　 ,rzⅦ.､ 　　ｰ‐　ィ　　 !　　　 ／／　　　  │本来は狩猟禁止であった　　　　　　 │
　 　 　 ＼＼.::　　 （ iゝ‐ｚ ＞ｘ 　イ　|:. 　 ﾍ　 ／／ ＿_　 　 └───────────────┘
　　 　 ./__＼＼　　 〉￣ﾄ　辷ﾗ七彡 :!::.. 　 ﾊ　￣￣７ /
　　　 ハ￣￣￣`ｰ"-: :ヽﾆユ辷ﾗｿ､．-―ｚ､ﾊ　 　 / /
　　 ,'{／￣`Ｙ: : : : : : : : : : : : ゝ:Yr=x: : : : : ﾑ '. 　./ /
.　 /く＿ : : └──z: : : : : : : : :《ｨ泌>: : : : ヾ､ﾊ / /
.／　 .〉: ＼: : : : : : :∧: : : : : : : :.ゞXｲ: : : /￣: ｽ　〈
　　 .: ＼: : `ｰ─: : :.ノ＞─～ｰ､＿: 〉ｰく: : ／:ノ＼＼
　 ..::　 ム: : : : : : :イ／: : : : : : : : : :￣）: :ヽ: : く 　:. ＼＼
　.::　 .:　 〉: : : : : : :|′:ヽ: : : : : : :_:._ノ､:_:_ﾉ!: : :ﾍ.　:. 　＼＼



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼／ ／>
　　　　　　　　　　 　　 , 　-‐─‐-　､　　　　　　　  <／
　　　　　　　　　　 ,. '´,．　'"´￣~ 　 ｀`ヽｰyrｧ　　 ┌─┐
　　　　　　　 く⌒ヽy′　　 .l.:l.l　 .:.l:.. .　 `V/L_　 └─┘
　　　 　 　 　 _＞, ｲ:|.:.　| .|::|:.|:|　.:::|:|:::::::! .:!`Lミ>　　　　　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　／ ／ ノ:l:|:.:.⊥:|┼|:ﾄ､ .::ﾄﾄ､:::| .:l::::く　　　　　　　 |　そして、そこの女
　　　　　/／/／ﾊ.:.l:|:.:. |:.ﾊ/_lﾉ ﾄ､/ ﾉ Vﾊﾉ.:.:/　　　　　　　  ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿_乂_
　　　　　 　 /　/　Vﾊい, ィﾄ‐ｲ1 　 {（Ⅹﾐ}:.:./
　　　　 　 ノ　/　.:.:.:Vﾊ ヽ弋ﾆｿ　 　 `ｰくﾊ/
　 　 　 　 　 / .:.:.:.:l.:.:.ハ:.ヽ ' ' '　　　' ' 'ﾉ ヽ
　　　　　　 / .:.:/.:.:l.:./ ノi::.　L__　 ﾟ_.. イ:i .:.:.ヽ
　 　 　 　 / .:.:/.:.:.:l:/＿ノ　　ﾄ､ V´ﾌ ｀`1 .:.:.:.:l
　　　　　/ .:.:/.:.:.:./ ⌒ヽ､　　| {薔}　 　ノ .:.:.:.:.!
　 　 　 / .:./.:.:.:.:/　 　　`ﾄ‐‐く(公)-イ　ヽ .:.:.:l
　 　 　 ! .:/.:.:.:.:ハ　　　　|　 　 `Y´　j 　 ﾊ .:./
　　　 　V.:.:.:.:./::八　　　 {　　 　 ﾊ　j 　ﾉ.::l /

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ツ
::::::::::_,,彡三三::::}￣从从ﾉ｀ヽ
:::::彡三三三三::ヽ　　　　　　|
彡三三三彡三::/ 彡三ﾐ.､　 |
彡三彡''"´::::::::::l　＿＿｀ヾゝl
彡":::::::::::::::::::::::::| 　 ヽ-┴'　{　　　　　　お前、箱舟の搭乗員ではなかろう？
::::::::::::r―.､::::::::::|　　ヽ-‐'　　ヽ　　　　　ならば、動物のつがいは報酬になるまい
::::::::::::l　　 }jヽ::::|.　　　　　,.　　ヽ
::::::::::::ヽ　 ヽ |::::|　　 ,.-‐' ゝ┬‐'
:::::::::::::::::〉--' 彡 　 /　,.-=ニ
:::::::::::::::::',　l　 　 　 l　　　　 |
:::::::::,､::､ヽ､ヽ.　　　　　　 　 l
:::lヽ:| ヽl｀"''｀　 　 ‐-,-..,,__ノ
:::ゝ　　　　 　 　 　 ノ



　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 __　　◎　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | |　ｒ､　　└┘/7
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |_|　＼>　　 ＜ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r-.､　　　 ／^l
　　　　　　__　　◎　　__　　 　 　 　 　 　 `r-'l,　　//^Y
　　　　　　| |　ｒ､　　└┘/7　　　　　　　　'|　`,.l!!l´　.i|
　　　　　　|_|　＼>　　 ＜ノ　　　　　　　　　|　　|!|'　　i|
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,l_　　||　　_||
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾉ.|'`ヽ,ll／´.ﾉ|,
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,l’.|　　|'|　　.| 'l
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | ﾉ　　 ｖ　　 l､.|　　　　 　 　 　 __　　◎　　__
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　.|　　　　|　　　　　 　 　 | |　ｒ､　　└┘/7
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　.|　　　　.|　　　　　　　　 |_|　＼>　　 ＜ノ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　::::!　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　 :::ﾉ^:､::　　 ヽ

　　　　　　　 ┌──────────────────────────────┐
　　　　　　　 │そう言うと、雄山が三度ほど手を叩く　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　 │すると、女中がお盆にご飯と漬物、それに味噌汁を載せて入ってきた　　 │
　　　　　　　 └──────────────────────────────┘

　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿___
　　　　 　 　 　 rｧ'フ"´::::::::::::::::::::::`ヽ
　　　　　 　 　 {f〃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 　 　 ヾ ;::､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ
　　　　　　　 　 /- l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　 　 　 　 　 　 l､_　l三ミ､:::::::::::::::::::::::::::::::::l　　  お前が取ってきた卵を調理してやるから
　　　　　　　 　 〉ｧ　l::::ﾐミミ:::::::::::::::::::::::::::::　　　 それまで、それを食って待っておけ
　　　　　　 　 r'｀ｰ jl´｀,::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　 　 　 　 　 〔__ヽ　i!ｰ'::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　 　 ｌ　ヽl::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 　 　ゝ 　ﾘﾙﾗﾘﾙﾊ -‐ﾘlﾊﾉヽ　　　 ┌──────────────────────┐
　 　 　 　 　 　 -──-＜.＿x x x x x　　　　 │そう言うと、そのまま部屋から出ていってしまった　　 │
　 　 　 　 ／x x x x x x x x x x x x x　　　　　└──────────────────────┘
　　 　 　 .l　 x x x x x x x x x x x x x
　　 　 　 .l　 x x x x x x x x x x x x x




　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 （●）（● ）　 　 |　 ┌───────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 |　 │運ばれてきたのは、一人前だけ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　 |　 │人造人間がやらない夫の方を伺うと　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　 　 　 ｜　　　　　　 ｜  │「それはあねさんの報酬だろ、気にせず食べていいっすよ」と言われた　　  │
　　　　　　　　　　　　　　　|　, 　　　 ／_.{　 └───────────────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　｀ｧﾆニ＜／／〉、＿_　__
　　　　　　　　　　　　　　 ,./ /＼　 ／ : : : : : : ＞ : :＼
　　　　　　　　　　　　_／ /|ｲ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
　　　　　　　　　　／. : : : :| ./｀Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
　　　　　　　　　,´ : :/: : : :| ｉ::::::|/ : :／: : : ／: : : : : : : : :|
　　　　　　　 　 { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
　　　　　　　　/ : :,' : : : : : |::::/ : : : : : r---く´ニ＼: ヽ:ﾉ
　　　　　　　､'ｰr,_| : : : : : :|:/ : : : : :_/二ヽ　V: : : : ｀ :´
　　　　　 ／ :.／￣＞＜ :./ : : : : :/ 二 ヽ_」┘: : : ∨}
　　　　 / : : :ム　/ : : : :￣￣￣￣~ﾞ''-ゝ.」: : : : : ∨ :}
　　　　{ : : : : : :＼､ : : : : : : : : : : : : : : : :＼. : : :∨ : :l
　　　　ヽ: : : : : : : :￣"＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／ : : :{

　　　　　　　　　 /: :: : : : :::: /: : : ::/.: ; : : :|: .:: : : : : : ::: : :|: : : : :l. : : : : l:::. : : : :|.: : : : : : :
　　　　　　　 ／/: .::: .　:::::::/ : : .::/: .:|. : : | .:::: : : : : :.:::: : |:: : : |. |:. : : : |:::::. : : : |: : :i: : : :
　　　　　　／　/:: ;:::::::: ::::::/: : .:::::l .:::|､: : :|.:::i::: : _: : .::l::. :|::: : :|:::|::. : l : |::::::. : | :| : : |:.: : :
　　　　　'　　　.l: l :::i::: ::::::l |: .:::::::| ::;|::;:＼|:::::|r'´ヾi .:::l|:: :|:::: : |:::|:::::. :|: :|::::::: .:|: |: : : :|: : :
　　　　　　　　.| l| :::|::::::::::| | .:::::::;l.:::l|:::|:. :|＼ﾄ:: : :/.:::/|::::l|::::: l|:λ:::. |:. :|::::::: :|:: | : : : |::. :
　　　　　　　　.|:l.| :::|l::::::::| |ﾞ.:‐-:A,,|_|::|:::.|l::::l|＼ /:::/ |::/.|:::::/.|/ |:::: l::::|::::::::::|:::;l: : : : :|::::.　　（有名な料亭なんだし、こんな質素なのじゃなくて
　　　　　　　　 l| l:::::|.|:::::::|l| :::::/ .|:|　ﾞ|ト:､|::| |::::.ﾞﾄ:/　|/,,|=:/‐|゛'''|:‐:|-:|､:::::::l|:::l: : : : : :|:::　　　もっとすごいごちそうを出してくれても良いのに）
.　　　　　　　　 ﾞ .l::::|λ::::l':|:::::lヾ=l|,=-l､l:|､|　|:::::λﾞrl'´ |７_''=≡''|-/|/|:::::::/.|:/:. : : : : : |:
　　　　　　　　　　ﾍ:|l :〉::::::l|::::| ﾍ ﾞ{: : il ヾ､　 |::/　ﾞ{､､,,}/:l ﾞl´{lソ}/}､ ﾞ}:::::ｲ |/::::. : : : : : |
　　　　　　　　　　　〉 ハ:::::|l:::|ﾞl　ﾞ ゞ: :': :ﾉ.ﾞ　 ﾞ'　　 ﾍ｀ﾞl､ ﾍ ﾞi,}ﾆ'ソ/ ﾉ|:/ |./: :::::::. : : : : :
　　　　　　　　　　 ./:/: : ヾlﾍ:|::|. 　ﾞ´￣｀　　　　　　 ＼ ヾ､ヾ二'_ﾉ／'´　|.': : :::::::::. : : : :
　　　　　　　　　　//: : ..::::/ ./.._,,.. --ｰ―ｰ､　　　　 　 ヽ､.＿,>.ｨ'ﾞ＼　　.||.: : ::::::::::.. : : :　　　　┌───────────────┐
　　　 　 　 　 　 /,. -''⌒∨ :/　 . . . . . . . ..　^ヽ.　　　　　 ,,　　 ,}l　　＼ -|:|: : ::::::::::::.. : :　　　 │内心そんな事を毒づきながら　　　　 │
　　　　　　 ,,.-／　　　　 ヤ: : : : : : : : : : : : : ... ｀ヽ　　　　 ﾞ''-‐''　　　., |.ﾞ´|:|: : ::::::::::::::.. :　　　  │人造人間は味噌汁に口を付けた　 │
　　　　　 /　　　 _ノｲヽ､./: : : : : miso siru: : : : :.　ヽ.　　　　　　 　 ／--‐''|:|: : ::::::::::::::::..　　　  └───────────────┘
　　　　　/⌒｀￣￣|　|~７: : ' ' ' ' ' ' ' ' : : : : : : : : :.　|　　　　　　,.イ : : .::::::::_|:.| : ::::::::::::::::
　　　／7,.- ､　　　.ゝヽ｛'　　　　　　　　　' : : : : : : / __,, -‐ ‐-'ｧ:'' : ..::::／,ハ::| : :::::::::::::::
　 ／　/　　　￣~^''''ゝこ|　　　　　　　　　　 ' : : : /ヾi´:: : : ;／ : ,r''´￣｀ﾞ`ﾆ=l:ﾍ: ::::::::::::::
　/　 i^ ~^''ヽ､　　　　　|＼ノ=ﾆﾆﾆ=-､　　　　' :./
./　　 !　　　　　^'''-　　|　/-ー-　　　 ＼　　　ノ

◤┃▍┃　　 ▋　 ▍　 ┃ ▌▍　 ▌　　 　　┃▍　　▋ ┃　　 ┃　　　 ┌────────────┐
　▎▍　▎ 　 ▊　 ▊ 　 ▎ ▋▐　　▍　 ┃　 ▎▌　┃▊　▎　　 ▎　　　 │そして、その味に驚愕した　 │
◢▍▍▎ ▍ 　▉　 ▊▍　▍ ▊　▌　┃　 ▍　 ▍▋　 ▍ ▉　▍　　▍　　　  └────────────┘
▐ ▍ ▍ ▌　█　 █▐　▌ ▉　 ▋　　　▐　　▌▊　 ▌ ■ ▐▂▃▌　　　 ┌──────────────────────┐
◥▌ 　▌▐▅■▃█▂▌▌ █ 　 ▊ ▍ 　▋　 ▋▉ ▃▊▅▉▀▌　▊▲　　  │そこにあるのは、彼女が知る味噌汁ではなかった　　 │
　▌　 ▊ ▌ ▉　█▂ ▋▀■▅▃▉ ▌ ▲ 　▊█▀▼▅█▃▌ █ █▌　　 └──────────────────────┘
　▐◣　▊▌ █▃█▅▃▊▀█▅▃ ▊▉ █▅▆█▓█▃◢◤▍▐▓▅██▎
　▌▐ █▉　█▼ ▐ ▅█▀▅▃◥◣▊██▍█▓▌▼ ▌ ▼▀█▓█▍
◢▋　███　▼▃　▌▀　▼▌ 　▍▼▌　█▓▋ ▐　 ◢◤▀▅▓▓▋　　 　 ┌────────────────┐
▼　▉ ██▋　 　◥◣▀▀▀◢◤　　　　▍　　█▓▍▀▼▃◢◤▓▀▃▌　　　  │味噌の香りはする、味噌の味もする　  │
　　▊ ███▉　　　　　　　　　　　　　 　　▀▓▅▃▂▅▓▀ ▅▼　　　　│ただし、圧倒的に何かが違った　 　 　 │
　 ▋ █████◣　　　　　 　 　　　　　　　　　　▃◢◤▀▌ ██　　 　 　 └────────────────┘
　▌ ██ ██　█▅　　 　 　　　　　▲　　 　◢◤ ◢◤　◢▍██
▐　█▊ █▉　 ██▆▃　　　　　　 ▄▂　　 ◢▌▐▃▂▅▓█▉ 　 ▐
▍ █▌ █▊　　█■▓▓▅▃　　　 　◥◤　　 　▀▀█▓▓██　　　▊

　　　 ┌───────────────────────────┐
　　　 │出汁は、ほのかに昆布らしき味がするのだけがわかるのだが　　 │
　　　 │他はどうやったのかまったくわからない　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　　　 └───────────────────────────┘
　　　　　＿__ヽﾉ-――-　､
　　　 __≧ｧ≠ﾇヽ二/　　 　 ヽ.　 　 ┌─────────────────────┐
　／, -‐''/ /〃 ヾ!７!,ｲ　,　　　 ヽ　  │わかるのは、ひたすらに美味しいという事だけだ　 │
　＜　　/　'/　　　.:! {ｉ:!:､ｌ: ｉ:　　　 ', └─────────────────────┘
.　　ヽヽ　:/　　 .::::∧トミﾄ!l|:i　!l　! !
　 　 /ヽ＼ 　 .:::::/lllllゞ=′ｌ7zﾘ ﾉﾉ
. 　 /__..＝'　.::;:::/.　u 　　　ﾋfﾙ!'´
　´:.　　｀ヽ.:::/イr-z､　 ⊂,.ｲ¨ ヾ､
　　V ヽ　　ヾ:.ヽ ヽ!７Zﾆ´ ﾉ　　 _jl 　 　　＞'⌒ヽ、
　　　　 !::.. _　　 　 ＼!7_∠　く￣´　　 ／ヽ、　￣￣￣）
　:､:::::..　 ´　ヽ　　　 rfﾇｧ｀ヽ　ヽ　　　/:::::::::Τ ￣￣ ｀）
　:::ヾ::::::..　　　`ｰ' ＜ゞシ｀７〉　 }　　/:::::::::::┼‐- -- -




　　　　 　＿＿＿＿＿＿　　　　　  ┌─────────────────────────┐
　　　 ／　　　　　　　　　 ）））　　　 │この時、彼女は知るよしもなかったが　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　/　　　／// /―――-ミ　 　 │味噌汁などの汁物は、雄山が最も気にかけるものだった　　 │
　　 / 彡彡　// /　　　　　 ヽ)）　 └─────────────────────────┘
　　 / 彡彡　iiiiiiiiiiiiiii　　iiiiiiiiii|
　　 / 彡彡　＜　･ >　、<･ >l
　　/ 　　　|　 　　　　　ヽ　　 〉
　　/ 　（ | |　 　　 　＿＿)　 |　　 　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　/ 　 | ≡ 　／, ―――　 |ゝ　＜　お吸い物一つで、その店の格がわかる！
　 /　　 |　　　|　 L ＿＿_」　l ヾ　　 ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿ミ　　ｌ　　　＿＿＿＿＿_ﾉ　ゞ＿　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　
　 |　　l　ヾ　　　　ー　 　／ |　　ｌ
　 |　　| 　 ＼ｰ　　　 ‐／　　|　　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌─────────────────────┐
　　　　　　　　 　 　 　 　 __　　　 　 　 　 　 │味噌は二種や三種を用いつつも　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　　　　 　 ﾄ-!　　　　 　 　 　 │具材を味噌の味で塗りつぶしてしまわぬように　　  │
　　　　　　　　　　　　　_,｣-L. _　　　　 　 　 │繊細に作られた至高の味噌汁　　　　　　　　　　　　 │
　 　 　 　 　 r‐r┐,. ´ 　　　　　ヽ_┌r┐　 └─────────────────────┘
　　　　 　 　 `└L′・ 　 　 　 ・　'.｣┘′
　　　　　　　　 　 {　 rｰ──‐┐　}　　　　　かもしまくりです
　　　　　　　　 　 ,ゝ└──‐ ┘,.ｲ
　　　　　　　　 rく,ゝ'` ｰr─┬ヘ.ム
.　　 　 　 　 　 `´　　　│　│ 　 `┘
　　　　　　　　　　　　　 `'⌒’




　 　 ＿　□□　　　 ＿　　　　　 ＿＿＿､､､
　 ／／＿ 　　[][]／／ 　 ,,-―''':::::::::::::::ヽヾヽ':::::/､　　誰　　作 . 　 こ
／／ 　＼＼　 ／／　 ／::::::::::::::::::::::::::::::i l | l i:::::::ミ 　 だ　　 っ　　 の
￣　　　　 ￣　 ￣／ /:::::::::,,,-‐,／i/`'''￣￣￣ ｀i::;|　　あ.　　た　　 味
―`―--^--､＿_ 　 /:::::::::=ｿ　　 /　ヽ､ ／　　　,,|/　　 っ　　の　　 噌
/f ）,fヽ,-､ 　 　 ﾉ 　|　三　i　<ニ`-, ノ　/､-ﾆニ' 」'） ！！ 　は　　 汁
　 i'/　/^~i f-iノ 　　|三　彡　t￣ ｡` ｿ ﾊ_ﾞ'､￣｡,ﾌ | ）　　　　　 　 　 を
,,,　　　　 l'ノ　j　 　 ﾉ::i⌒ヽ;;|　 ￣￣　/ _ヽ､￣ 　ﾞi　）
　 ` '' -　　／　　　 ﾉ::|　ヽミ 　　`＿,(＿　　i＼_　 `i ヽ､　∧ ∧ ∧ ∧
　　　　　／／／　　|:::|　( ミ 　 /　＿＿ニ'＿＿｀i　|　　Ｙ　 Ｙ　Ｙ　Ｙ　Ｙ
　　　,-"　 　 　　 　,|:::ヽ　 ミ 　　/-───―-`l 　|　  ┌────────────────────────┐
　　 |　　／／　　 　l::::::::l＼　　　 ||||||||||||||||||||||/　 |　 │必ず雄山自ら味見をし、味が悪ければ作りなおさせる　　  │
　　/　　　　 ＿＿__.|:::::::| 　　 ､ 　`ー-―――┴　/　 │場合によっては、雄山自らが作ることもあった　　　　 　 　 │
　/ﾞｰ､,-―'''ＸＸＸＸ `''l::,/|　　　　ｰ- ､＿＿￣＿,,-"､＿ └────────────────────────┘
/XX/ XXXXXXXXXX|　|　　　　　　　　　＿,　　/ﾉXXXXXXXXXX|

　　　　　　　　 ／:.:.:.:.／∟./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.::.:. ﾊ:.:.:＼ 　|
　　　　　 　 ／:.:.:.:.／　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:´:.:.:.:.:.:.:;:.:.:.:.:.:.:.:;ｨ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:. ﾊ:':.:..:.＼|
　　　　　　/:.:.:.:.:.:/　　 　/才´:.:.:.:.:.:.:.:.|;:.;:.:.:.:./!:.|;:.:.:.:. /::!:;.:.:.:.:/l:.;.. ハ|:.:.:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:..:ﾊ＼:.:..:.＼
　　　　　 /:.:.:.:.:.:/　　　 /:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:l:ﾄ;:.:. /::|:.|:.:.:. /:;ｨﾘ|:.:.:.;'::|//:::ﾘ:.:.:l:|:.:.:.:.:.:.;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::}　　 ＼:.:..:.＼
　　　　／:.:.:.:.:／　　　 ':.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:|;|:∨::|';.:|､:.:/::!.|＼';.:/:::|/　 |':.:.;':|:.:.:l;.:./|:.:.:.:;/ｨ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|::::ﾘ　　 ＼:.:..:.＼
　　／:.:.:.:.:::／　　　　;':.:.:/|:.:.:.:.:.:.;.:.:.:!::|:ﾄ､::i::| ';「l::､:ト!:|:::::＼;:::/:　 |:.:/::l:.:.:ル/!:.:.://|:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|::::!　　　　 ＼:.:..:.＼
／:.:.:.:.:::::／　　　　　;':.:./:.!:.:.:.:.:.:.|:::::|:::ﾘ_Гﾐ;＝=ミヾ::';|';::::::|l:＼　 .!/::::|:.:ｨ:::/Ｔ:.:/ﾒ!/〃.;:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:::l|　　　　　　＼:.:..:.＼
:.:.:.:.:::::／　　　　　　/:.:/:.:.|:.:.:.:.:.:.|:.:.:l::::/ i,｀_＿__　＼:::::::ヽ::|:ﾘ .ﾞﾄ:/　.|/,,|=:/‐|゛'''|:‐:|-:|､::::.:.:.:.:.:.:.:|::::i!　　　　　　　 ＼:.:..:.＼
:::::::／　　　　　　　/:.:/:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:|::::ﾒ　.i,ﾔ:::::!!::｀ｯﾐ､ヾ ':::::::ヾ:::λﾞrl´ |７_''=≡''|-/|/|:::::::.:.;:.:.:.:.:!::::|　　　　　　　　　＼:.:..:.＼
::／　　　　　　 　 /:./:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|::;|　､`､｀｀ｰ '≠_｀:::::::::::::::::::::::ﾞ{､､,,}/:l ﾞl´{lソ}/}､ﾞ}::::ｲ.:.:.:/:.:.:.:l:::::|　　　　　　　　　　 Y:.:..:.:.:`;
　　　　　　　　　 /:/:.:.:.:/|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.!::|　　ヽ｀"ー.ｧｧ:::｀ヽ､:::::::,ィ'::::ﾍ｀ﾞl､ﾍ ﾞi,}ﾆ'ソ/ ﾉ|:/.:.:.:./:.:.:.:.:l:::::!　　　　　　　　　　ノ:.:..:.:.:.ノ
　　　　　　　　　//:.:.:.:/:::!:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.l::|　　　　　 i´::　 :::::::::｀:::´:::::::::::::＼ヾ､ヾ二'_ﾉ／':.:.:.:./:.:.:.:.:.:l:::::|　　　　　　　 　 ／:.:..:.:.:／
　　　　　　　　 //:.:.:./::::::!:.:.:.:.:.:.:|;.:.:.ヾ!　　　　ソ:::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::ヽ､.＿,>.ｨ'ﾞ//:.:. /:.:.:.:.:.:.;':::::|　　　　 　 　 ／:.:..:.:.:.／
　　　　　　　 .〃:.:/ｲ:::/::|:.:.:.:.:.:.:.|:!:.:.:.:代　　／::::::::::::::::::::::::l｝:::::::::::::::::::::::::::,,　　 ,}l //:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.ｌ::::::|　　　　　 ／:.:..:.:.:.／
　　　　　　　/':.:./'::::::/::::|:.:.:.:.:.:┌────────────────────────┐　　　  ／:.:..:.:.:..／
　　　　　　./:.://:.:.:.:/:.:.:.|:.:.:.:.:.:│人造人間が、今までの人生？二年間ほどで培った　　　　 │ 　／:.:..:.:.:..:／
　　　　　 /:.:/::::::::::/::::__」:.:.:.:.:.:│味に対する価値観が、この一杯で粉々に打ち砕かれた　  │ --------------------
　　　　 ./／::::::::::/＜　 .|:.:.:.:.:.:└────────────────────────┘
　　　 ./ｲ:::::::::::::≦　　　 !:.:.:.:.:.:.:.:.|::::!:.:!: : : : : : :|: ＞、:::::::::::::::::::::_,. イ: : : : : :｀/:. .i.　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ノ　、　、
　　　/:::::::::::::∠　　　　::::!:.:.:.:.:.:.:.:.|::::l:.:|: : : ｰ-ミ､: :: :: `:...__,.....＜:: :: :;': : : :  f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　 ● ●） l
　　 /:::::::::::::／　　　　::::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:!::::|:.|: : : : : : : : ＞.、:: :: :: :: :: :: :: /: : : : : |　なぁ、なんか顔が　　　　　　　　　 （人__）u  |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　人外っぽくなってるけど大丈夫？ヽ　 　 ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_乂_

┌──────────────────────┐
│食べ終わった頃、雄山が出来立ての卵焼きを片手に│
│部屋に戻ってきた　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
└──────────────────────┘


　　　　　　　　　 , ィ〃〃〃〃〃〃,,）））
　　　　　　　 ,r≦三〃〃〃〃〃〃,）））ゝ､
　　　　　　　/彡三〃彡彡//////-'''''' Yミ､
　　　　　　 .{ｲﾒ彡///ノ　/ｲ 〃リ.ヽ　_ _ ﾐヾ
　　　　　　 .彡三三ﾆ{　　 ￣｀　_　 {´　,,,,ゝ
　　　　　　 ,彡彡三ﾆ;} ∠三二ヽ｀ヽ}∠≦ﾉ
　　　　　　 彡ﾒ彡三{　　 fﾆﾋﾉj'''　 ､fﾆﾋﾉヽ　　  ┌─────────────────────────┐
　　　　　　,彡ｿf-三ﾆ{　　‐-‐'　　　_ ヽ､ｰ' {　　 │卵焼きを机に置き「温かいうちに食べなさい」とだけ言った　  │
　　　　　　彡ﾆl 　 三{{　 　 　 _,t ＿____ )、 ｌ　　 └─────────────────────────┘
　　　　　　/l/l,ﾊ　` 三}　　.／　　 　 ＿　ヽl
　　　　　　!l/l/l/l｀t-イ　　 　 　 ｀￣ -　｀　j
　　　　　　 ヾj/T(＼　　　　､　　　　　 __ ,イ＼＿＿＿＿
　　　　　__ノ:;:;:;:ヽ＼＼　　　 ￣￣￣ﾉ 　 i!lヽ:;:;:;:;＼:;:;:;:;:;:￣



＿＿/7 ∧ ` ‐-　 ,:′　　厂　　 　 　 　 ｀丶
＿／ｲ　Ｌ:l　　 　 / 　 　 .′　　 　 　 　 　 　 ＼
= ァ　　 ｢::|　　　/　　　　　　/　　　　　　　　 -‐
′ 　 　 ∨ 　 　 　 　 　 　 ｛　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　 ,{ 　 .′　/
　　　　　 　 .′ /　/ 　 / / |i　 ! 　 ,′　_　}
.　 　 　 　 〃　 ｉ: /‐- /｣_l　|i　 ! 　 :　((⌒.′
　　　　 　 ｛{　　ｉ| |　　{ { i｢ 'ト､ | 　 |i　 ))/　 　 }
. 　 　 　 　 ＼v八{气弌ｘ.{ヽ ＼| 　 |i 〃ﾊ　 　 ′
.　　　 　 /　ハ｛　 Ⅵ　ｎ　汽　 l∧八({土,‐}　.′　　  ┌──────────────────────┐
.　　　　 〃/ 　}ヽ　 弋こノ　 ヾ　 　 {:::ﾊ:fｧﾍ ﾊ　　　 │あの味噌汁を飲んだ後ならば　　　　　　　　　　　　　　│
　　　 ｘく /l 　 ;　};　 ´＾⌒　　 　 　 ｛::{::斥くr'/ 　 /　 │最早、どのような味がしても驚くことはない　　　　　　 │
.　 ／　〉.:爪 ノ　 ;　　　　　　　　　｛ Ⅵ::__ン/　／　　 │人造人間はそう思いながらも、卵焼きに箸を付け　　 │
　　　 / /少､ 　 .′　　　　　　　　 ′丁　　　 i　　　 └──────────────────────┘
　　 　 (し'⌒しｔ/__　 　 　 　 - ､　 （{_ﾉ :　　　 |
　／　　Ｘ　__｝/'⌒)､ 　 　 　 ｀　　 イ　 i　　　 |
　＾ '＜⌒ ／厶- ､辷＞,,__ .．＜　　|i　 | 　 　 |
　　..-‐ '' ／ｌ{: : : （_＿　く／ :＞）　 |i　 | 　 　 |
　　　=≦: : :}}: : : : :＼: )　⌒ｰく　　 |i　 | 　 　 |

　　　　　　　　　　　　  ┌────────────┐
　　　　　　　　　　　　  │次の瞬間、目を見開いた　　 │
　　　　　　　　　　　　  │単純明快に美味しかった　　 │
　　　　　　　　　　　　  └────────────┘
　　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　|,-‐'´／　　　／:: : : ::/: : : :/ ,.ｉ:: : : : : : :,ｲ:: ::/ l:: :/l: : ∧: : i: : : : ::＼ 　 ＼＼.　　 |
　　|r‐'´　　 _／: : : : : :/::::￣/≠干-ニ_.／/: :/､_,l:/-刊 「ﾞﾍ.: :i: :!:: : : ::｀ー-. _〉: :> 　|
　　|_,.. :-‐::´: : : : : : :/: : : :rr‐r―ｷﾆ_ /｀./, ヘ,七'/ｧ┘ /モ｀ｌ::|: :丶､: : : : γ",r´ﾞｰ..-|
　　|: : : : : : : : : : : ノ:: : : ::/ﾞ!　{.　|　ﾞ} ヽ｀"　　:ｉ　"ζﾞ|./水冫 l !ﾍ: :､:.｀ｰ: -ゝ､丶.＿::_|
　　|: : : : : :.:-―: : ::ノ/::∧::::::::.ﾞｰ-‐'...::: 　 　 　゛､　ヾ'＜／ ,.くl| l丶ヾｰ-:.:,_: : ::.｀―--|
　　|: : :.:ノ´: :_ .-‐:::::/./ゝﾍ::　　　　　　 　 .::　　　　｀ ‐-‐"´｀) ﾞﾒ‐´ヽ゛､:::::::::￣｀ヽ.:: :::|
　　|: :´: ::,ィ´:::::::::::://::::::::::::ヽ　　　　　　..:.:::　　　　　　　 ￣´ /:::::::::::::`､丶::::::::::::::::＼ |
　　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　　　　　　　　,.. - ──.l::Y:j―-､
　　　　 　 .　'ゝ--ィ　　　>Yゝv-､ヽ.
　　　 　 '　　　 ヽ.　　丶 l!ﾊ.＼ヽ.＼‐ --- ､
　　 　 '　.　i ヽ. 　l:　　　V　 ＼＼＼lｰ --､ ＼　 ┌───────────────────┐
　　 　 l　i　| 　|　 |:　 | 　ﾄ　 　 ＼l　　 ヽ　＼ ＼│王道的に、卵焼きの味がして　　　　　　　　　　│
　　 　 i　r=vl N_ ,ﾊ.　!　ﾊ::. 　　　ヽ 　 　 ',.　 ゝ. │今までの感覚の直線上で最も美味しかった　  │
　　 　 '　ハjﾘｨ7lﾘ　∨ﾚﾘ !::: 　 　　 ::v　　 i　/　 └───────────────────┘
　　　 　 ゝ　 ﾊノ_ ｲ. l1i　　!:::..　　　　::v 　 ﾚ ／ ／
.　　　　　　<　 ｀ j!　`ﾊ!　　!::::..　　　　:::ヽ. j/ ／　　　 ┌─────────────────┐
.　　　　　　　＼-　　::::ﾊ.､.　!::::::..　　　　　/／ゝ　　　 │小細工などなく、単純に研ぎ澄まされ　　 │
　 　 　 　 　 　 ｀ ーィ_jゝ＼ ゝ::::::.　　　∠_,.==＝＝　 │料理人の腕が最大限に振るわれた味　  │
.　　　　　　　　　　 ﾄ｢: : : :＼ゝ---. ､ 　 　 　 ヽ.＼　　└─────────────────┘
.　　　　　　 　 　 __rﾌ: :_: ／: : : : : : : ヽ. 　　　　＼ ヽ／
　　　　　　　　　√ﾚζ: : ､: : : : :ーv:_:_:_ゝ　　　　 ∠_ヽ ┌────────────────────┐
　 　 　 　 　 　 ﾊﾍﾉ_:_: : : :_:_ヽノ´⌒: :.:∧　　　　 　 ＼ │いや、それだけではない　　　　　　　　　　　 　 　 │
　 　 　 　 　 　 V:_:ﾉ: : ｀Y : : : : : : : . :.:∧ ヽ＼　　　　　 │人造人間は、この味に懐かしさを見出していた　│
　　　　　 　 　 .ｲ: : : : : : ゝ: : : :ィ_: : :イ:::.ヽ. ＼＼　　　 └────────────────────┘
　　　　　　　　 l: ヽ: : : : : : ＼: :ゝ_: ハ:::::::::::＼ ＼＼　　　　　＼,ゝ　　 ＼
　　　　　 　 　 ヽ : :ヽ: : : : : : |: : ﾊl:.ヽ. :::::::::::::::ヽ. ＼＼ 　 　 　 ＼ 　　 　lヽ
　　　 　 　 　 　 .ゝ: : i: : : :.／l: : l::l ゞ-＼ ::::::::::::::＼ ＼＼　　　　　＼　　|　|
.　　　　　　　 __,∧: : :l: : : : : :.|: : Vゝ::::::::::＼::::::::::::::::＼ ＼＼　 　　 　＼ |　|
　　　　　 　 (: : : : ｲ.イl : : : :.:.|: : : | :::::::::::::::: ＼::::::::::::::: ヽ. ＼ヽ. 　　　 　'|　|

::::::::|:: | !:::::ハ　ｰ-!::!|､..|_ 　 ﾊ::::|　　|!:: 　 /'|::::　 　 　　/　|　 　　　　 　 !
::::::::|　| !::::|　|:::: 　|:: |　「　`| ヽ::|! 　ﾊ:::　/　|::___　 　　/ ┌─────────────────┐
::::::::|　| !::::|　|:::l　!|: !|__ ゝ　!　|::|＼ ! l: / 　 !'⌒ヾ 　 /  │その味の正体に気がついた時　　　　　　 │
::::::::|　| !::::|　|:::l!　| !` ＞lﾄ! ､＼| |　| | '　　 ! ,__ノ　 /　  │人造人間から自然と涙が溢れだした　　  │
　 /::! ! l∨　 ゞ!　| ヾ! l/_ヽ!::!::ヽ!l＼!| 　 　 'f'' ___ /　 / └─────────────────┘
::/ |::i ,' 　　　　　ヾ! 　 _| 　ﾚハ/ヽ∨l 　　 / !_／ヽ｀メ:::::::: '　 　 ./　/
　: |:: |　 　 　 　 　 o ⊂ゝ､ __./　　　　　　ｨ !/j／＜_.|::: / 　　　/　/
　' |:: |::::　　　　　　o ﾟ　 　　　　　　　　　　|!|: |　!フ　ﾚ!　　　/ /　.'
/:: |:: |::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|!|: :Vトｰく/　　／j/／
ｰ:::|:: |:::::　　　　　　　　　　　　　　　　　 　Vﾊフ:::丁ノ " f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
ｰ...|:: |:::::: 　　　　　　　,　 -‐ r‐- ､　 　 　ノレ<|:::　|　　 |　か、海原はん……あんた、なんちゅう……
ゝ_j::: ! :::::::　　　　　／￣`ヽ:::::.`丶＼_　´　 ､_jノ::　|　　 |　なんちゅうもんを食わせてくれたんや……
＿:|:: |_:::::::::: 　　 　l　　　　　',:::::::::::／　　　　ｲ::|:::　|　　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
ヽ::|:: ﾄ､＼ :::::::.. 　 |　 　 　　 ',::::::/　　　　／ |/|:::　|　　　　 　 　 　＼＼
:::: |:: | ＼ー⌒＼_ :ﾄ､　　　　　l::/　　　イ　　 / |:::　! 　 　 　 　 　 　　.ヽ ＼
:::: |:: |＼ ＼ 　　 ＼ー-.､ ‐─ｧ′／::::::! 　 /　 !: 　! 　 　 　 　 　　 　 　 ヽ ＼
:::: |:: |＼＼ 　,--､　 ＼　ヽｰ─く :::::::::::!　 / 　 .!:　 ! 　　　 　　 　　　　　　/　ﾉ
:::: |:: |　 ＼￣::::::V　　　＼|　 ／　＼::: 　/ 　　 |:　 |　　　　 　 　 　 　 　 /　/



　　　　　　　　　　. 　- ― z ―‐ - .
　　　　　　rtzｨ／　　　　　　　　　 　＼rz
　　　　 　 ≫ヾー＝　　　　　　　　　　 ヾ＼
　　　　 ∠才|::|　　 　′}ｉ　　　　､　　　 ﾊＮ
　 　 　 ／ ｲl∨　　l| :| :八 :{　 　 }l　　 　 ﾄ ＼
　 　 ／／ l7 　 i{　l| :|厶イ从　　ト廴从 :}　＼＼
　　/／　　|　　 |:ﾄNr≠-ミ ヽﾄ､ノ}r≠z}.:/ 　　} /
.　/'　　 　 |　　 |:|l 人と:!d 　 　 ｲ {:!っИ　　.//
　{{　　　　 |　　 |:|l|　/// 　 　'　///　|ｌ | 　 〃　　　　この味は……
　ヾ　　 　 ′_,..」:Lヽ　　 ⊂　 つ　　ノ:L!　/′　　　　まだ私が培養カプセルにいた頃にしか
.　　＼　/ 　 {ヽ: : : `:≧z-z-―zx＜:_:rｲ　{{　　　　　　味わえなかった……
　　　 ∨　　 |: :`ｰ:､＿; : ヾく薇}イ:_;／: }　ヾ
.　　　/l}　　. :ヽ: :z: : : :ヽ＿ノゞ-ｲ､: : : /! 　 ＼　　　　　あの、培養液の味じゃないですか！
　　 /〃　 . : : :７: : :ﾑ}: : : : ｀¨ヾ’: V:.〈: |　　 __ヽ
　　. /　　. : : .:/: : :/＞､: : : : : : :}} ∧: :ゝ-‐z^ﾄj,i}＼ ┌──────────────────────┐
　　|{　　 . : : : 〉: :ｲ _j,j,jっ_; : : : :ﾙ廴∨: : :〈ｰ〈　　 ) │そう、海原雄山は相手の事を徹底的に調べ上げ　　 │
　　| ＼ . : : : :廴_V::::トﾐ{⌒ヽ_:/ｲ:}:_/}`ー'^ー'’　 〃│人造人間が好みそうな味を作ったのだった　　　　　　 │
　　| 　 }} : : : ｀¨7:～’: : :￣: : : ﾉ/:⌒ヽﾉ}　　　 ／　 └──────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.　ィ千／zyxｫｬzyxx.､､___
　 ┌─────────────────┐ ﾐミﾐミﾐミﾐミﾐ≧x,_
　 │そう、海原雄山は料理の天才ではなく　　│  ﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐx
　 │人をもてなす天才であったのだ　　　　　　│ ﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐ≧
　 └─────────────────┘ ミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 x≦ゝ､ l iⅦミxミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐ
　　　　　　　　　　　　 　／ ,ｲil州シ￣　　　Ⅶ寺;＼　 　 　 　 ｀ﾞ''ﾏ三三三
　　　　　　　　　　　 　 　 /例洲/　　　　　　Ⅵ ヾx_＼　　　 　 　 }三三二
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ! '/洲,'　　,..､　　　　ヾ／　　 _,.､､_　　　 }三二二
　　　　　　　　　　　　　　　併il,'_,....､　 ｀ 'ー‐ '´ 　 x圭圭圭≧x ｲ三二二
　　　　　　　　　　　　　　　′/圭圭ﾐx_ 　 { ,′_,ィ圭彡''ﾞ´　_￣ ｀i三三二
　　　　　　　　　　　　　 　 　 {~_＿｀ﾞ等:=-　｀等;ｨrt;ｧ'' "￣,ﾉ　 　 }三三三
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ‘, ﾍ‘'″.ノ,r　　 ::::::_｀¨¨＿´,　　　　 }三三三
　　　　　　　　　　　　　 　 　 / 　_￣,　/　　　　　　｀　　　　　　　 }三三三
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {　　 ￣,r′　　 　 　 ヽ､　　 　 　 　 }三三7/
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　‘, 　 _λ　　　　　_＿_ﾉ ｀ ‐-　　　　〈三三{ ５
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 | 　i　 ゝ-‐　´　　 　 　 __ 　 ',　　　}三三!/く
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l 　l　 ,.　ﾆ = -─　¨ ´　_ヽ. ‘,ヽ　,j三三
　　　 _＿_　 　 　 　 　 　 　 　 l 　l 　}-───… ''' "´　ﾉ　 i　　 ｀ﾞミ ___,／
　　 └─┘　　 _,ノﾌ　　 _,ノﾌ l　　　l　 　 　 　 　 _,.　 ''´　　 !　　 　 　 :::
　　 l二ﾆ二l　　 ﾚＬ!　 　 ﾚＬ!　 ',.　　 ￣、¨¨　￣　　　　　　　　 　 　 　 :::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、 　 　 ￣　　　　　　 　 　 　 　 　 　 :／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,'>.､ ＿　　　　　　_,. 　-‐　　 　 　 ／　,
　　　　　　　　　　　　　　 　 _　┌────────────────────┐
　　　　　　 　＿＿＿＿,.ｨ´× │号泣しながら卵焼きを食べる人造人間を見て　 │
　　_,.. -ｪ‐ヌ××××××× │海原雄山は楽しそうに笑っていた　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 └────────────────────┘

┌────────────────────────┐
│因みに、この一件から人造人間が　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│生物兵器であることが確定となり　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│人形使いが捕まったのだが、それはまた別の話である　　│
└────────────────────────┘


／ || || || ,／ .|| |;　:　"　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;";ﾞ|; ; :: 　: :;:　;": :"#
| |l || ||,／|| || || |; ::ﾞ .:;　 : 　 ;:ﾞ: :; ; ;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　ﾞ;　 |:　: 　;; |＼　::　ﾞ::
| |l ||,／|| || || || |　;　 : 　 ;:ﾞ:#　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　 |　::　　 | ||.＼ ; ;"
| |l／.|| || || || || |;　:　"　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;"ﾞ;|　;; "　.| || || ＼ ;
／..|| || || || || || |　;;:　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; ﾞ|;; ;　ﾞ 　＼ || || |
| || || || || || || || |; ::ﾞ .:;　 : 　 ;:ﾞ: :; ; ;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　ﾞ;　 |: :　; ; ":　＼.|| |;
| || || || || || || || |;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :;:　;": :; 　;　;:: .: 　"　;; ﾞ:::|　::　;　::;　.; ﾞ＼! :
| || || || |ﾚ|| || || |　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　# |;;";;ﾞ　;;　"　::　;　::
| || || |ﾚ|ﾚ|| || || |　;;:　;　 :  ＼　 _ ＿＿ _ _ : 　 ;:ﾞ:　;": :; ﾞ|　::　;: :;:　;": :;　; ;
| || |ﾚ|ﾚ||_|| || || |;;　 ,　 -‐ ,．'"´ 　 　　　　､`ヽ､ : :; 　ﾞ;　|:: :;:　　::　;
| |ﾚ|ﾚ||_|| || || || | ／ 　　/　　　i　　　　ﾘ ヽ ､　　＼ :; 　 | : :;:　;": :
ﾚ|ﾚ||_|| || || || ||　￣￣ /　　 　.:ﾚ′ 　 j　　i !.:. 　　i￣￣＼　 :　;": :;
ﾚ||_|| || || || ||　　　　　 l　　 　.:/　　 , /　 i .::|:::.:l　　|　　　　 ＼: :;:　;　;; ":
|_|| || || || ||　 　 　 　 ﾉ　　　 ,.ｨｲ.:::/　　.::l.:|:|::::::|:::.　ﾄ､　　　　  ＼: :;:: :; 　;
　　　　　　　　　　　彳　　,ｨｲ 1:|::,'　 .:;ｨｲハi::::::|::.:.:.ヽ|
　 　 　 　 　 　 　 　 |.:.:|, ｲ‐ﾘ-ﾄﾄ､::.;ｨｲ仁＝ト-ヾ::::.:.:.ﾄ､
　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ､:i　{ r‐ェﾃ ヽl/　''ﾃェ‐ｧ .:!.:ﾄ､:;!/
　　　　　　　　　　　　　ヾ::､　　　　,　　　　ｌｌｌｌｌ　　!/::／
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 仆　　 　:j ､　　　　　　ｲ:/
　　　　　　　　　　　　　　　 `､　　　_ _　　　　　/i,ハ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　ｰ ｀　　 ／ .|;;;:;:|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 `ﾄ､ ＿__ ／　　 !;;:/､
　　　　　　　　　　　　　　　　　/.::::|　ヽ　　 /　　 l::::.:.L

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿_＿__　┌───────────────────────┐
　　　　　　　　　　__,,　-‐‐-rty-=´─=＝　　 │卵焼きを食べ終わった後　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　｀ ‐=-‐戈ﾉ /／　　　　　 │人造人間は海原雄山に弟子入りを申し込んでいた　 　 │
　　　　　　　　　　　／_,,／!　///　　　　　　 └───────────────────────┘
　　　　 　 　 　 　 ´´　/./| ///!.　 /　 ! /　　 l | !　 　 ﾞiヾ､ゝ
　　　　　　　　　　　　 |/　'/i l i　 /!　 | l !　　 | | .!　　l　ﾄ､|
　　　　　　　　　　　 ／ ／ .| | !:　i !　 | ﾒ、!　　i l　!　　! l i ｀
　　　　　　　　　　／ イ　　 ! |l:　 ! l ,　i j. ! i ,-､!/ /　 / i .!
.　　　　　　　　／／ /　　 .i| ! !!‐i土iﾆ|´!　l ､《/レ‐-/　//
　　　　　　 ／／　 /　　　/| !ii l|T::｡Tヾ 　 i メrゞ=;;〈/ /〈　　　　私を弟子にしてください
.　　　　 ／／　 　/　　　/ l |〉i i .ゞ‐'　　　' 《〈トＫ》 / X ヽ
　　　 /／　　　 ./　　　/　i |;ゝ　　　　 　 ,　ヾYイ　 '　!｀ﾄ､＼
　　　i {　　　 　/　　　/　 ,' |',　｀‐-,　　‐ -　,／l|　　　.|　!　｀‐｀: ､
　　　l ヽ　　　/　　　/　 /　!ゞ､ヽ |｀ト ..　 イゝ　!__,,＿」  ┌───────────────────┐
　　　ヽ　ヽ､/　　 _.ム‐/　/"　＼__,,へﾍ-イ-‐"　　　 　 │人造人間は、料理の腕を極めるためには　　 │
　　　　 ＼　＼,-'　　｀‐- '　　　 　<ｨ泌>.〉　　-‐--,-,.　 │この人に師事するしかないと判断したのだ　　 │
　　　　 / 丶　ゞ ヽ､ _,,-､　　　　　｀ゞXノ'　　_　 ／|｀'　  └───────────────────┘



　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿___
　　　　 　 　 　 rｧ'フ"´::::::::::::::::::::::`ヽ
　　　　　 　 　 {f〃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 　 　 ヾ ;::､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ
　　　　　　　 　 /- l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　 　 　 　 　 　 l､_　l三ミ､:::::::::::::::::::::::::::::::::l　  ┌────────────────────────────────┐
　　　　　　　 　 〉ｧ　l::::ﾐミミ:::::::::::::::::::::::::::::　　 │海原雄山は、人造人間の噂を聞いて　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　 　 r'｀ｰ jl´｀,::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　 │（人造人間でも味ってわかるのかな？よーし、面白そうだし試してみるか）　　  │
　 　 　 　 　 〔__ヽ　i!ｰ'::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　 │程度にしか考えていなかったため、この提案には驚いた　　　　　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　 　 ｌ　ヽl::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　 └────────────────────────────────┘
　　　　　　 　 　ゝ 　ﾘﾙﾗﾘﾙﾊ -‐ﾘlﾊﾉヽ
　 　 　 　 　 　 -──-＜.＿x x x x x
　 　 　 　 ／x x x x x x x x x x x x x
　　 　 　 .l　 x x x x x x x x x x x x x
　　 　 　 .l　 x x x x x x x x x x x x x

　　　　　　　　　 ,　, , -‐==- ．_
　 　 　 　 　 　 /.//ｲイ≦三≡=‐=‐-.._
　　　　　　　　 ｉ .川/〃イ三≧三三二≧､
　　　　　　　, -ゝｌｌｌｌｌﾍヘヘへミﾐミミﾐ､ミﾐ､､ミ　　　 ┌──────────────────────┐
　　　　　　ｲイﾌｼﾞﾞﾞ''　ﾍ. ＼＼｀ヽﾞﾞﾞ三ミﾐヾヾミ　　 │海原雄山は、暫く考えていた様子だったが　　　　　　 │
　　　　　　´ｲ// 　 /　,イ´ヽ　｀　　ヾ　､｀ヾミﾐﾐ　　│真剣な眼差しの人造人間をじっと見つめかえすと　　 │
　　　　　　　llﾚ__｀ {　´ _,,イ二ヽ　ヾミﾐ､　ヽヾミﾐ　  │静かに、強く頷いた　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
　　　　　　　 {三≧　=≦竺o=''　 三ミﾐ､ミﾐ､ミﾐﾐ　 └──────────────────────┘
　　　　 　 　 .〉ｰ ﾟ'　　　､　　ノ 　 三ミ､ミﾐ､ミﾐ､ﾐ
　　　　　 　 .( ｀_/..　　　 ｀¨　　　 三三F lミヾミミ
　　　　　　　 l (　 ＿__)ヽ　､　　　三-､　.ﾘヽヾヾヾ､　　　 ┌──────────────────┐
　　　　 　 　 l/ ￣＿_ _　｀ｰ､　　.三　'　/川川ﾊﾊヾ　 　 │人造人間が、どのような料理を作るのか　  │
　　　　 　 　 l　´ ＿ 　 ｀　 　l　　　ゝ-ｲ川 川川ハﾊ　　 │見てみたくなったのだ　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　 ｌ　　 ¨　　　　　　 ___ ノﾉノﾉﾉ川 l || l i ハ　  └──────────────────┘
　　　　　　　 ゝ．_　　　　 __　 ､二ンノｲノﾉﾉ川 川 l川
　　　　　　　　　 　 Т ￣　 ／／　｀ｰｲノﾉﾉﾉﾊﾉﾉﾊﾉﾉ
　　　　　　ｒ‐‐- - -┴────-=＝─ｲイノﾉハﾉﾊ
　　　　 　 jl｀ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　 ﾉj 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 (⌒⌒⌒)　 ┌─────────────┐
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　.|　 │人造人間の修行が始まった　　│
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　.|　 └─────────────┘
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヾ:､∧　. ┴─‐┴ ､ ∧／/
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 >{`>'　　　　　　　 ヽく)ァ､
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 `７′　　　　　　　　　 Y-‐'
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 .′　　|　　　　　　　 |_ l＼　  ┌────────────┐
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 { Yl　ﾄ､＿ﾄ､＼,厶-､|　入} '.　＼ │やらない夫と別れ　　　　　　 │
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∧/＼!く弋:）ヽ/{`{Y1:Y＾V'} |　　  │なれない料亭での生活だ　　 │
　　　　_　 　 　 　 　 　 　 / r' 　 ｌ`}､､､　　 ヽ二〃　ヽ! |　　 └────────────┘
　　　　||　　　　　　　　 　 ｌ |＼＿ｌ. ＼　 ワ　　/{＿,..イ　.　　 〃
　　　　||　　　　　　　　　　| |　 |　＼ （｀⌒)⌒/ ／|　｜　l　　{┌────────────────────┐
　　　　||　 　 (⌒ヽ　o　　 | l　 !　　ﾚ`'廴ｲ_/´,ｲ}　　　| 　 !　  │長く、辛い修行だった　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　||　 ｒ‐(　　 　 ）　　 〉〉｜　 　 / 　 ）　l　 　 |　　 　 '.　 │挫けそうになる日もあった　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　||⌒　　　　⌒ヽ　 //　,′ ,r.┘　,ｲ　└ ｧ　 l.　 |　　 . │自分には才能などないと絶望した日もあった　　 │
　┌｢￣￣￣￣￣￣|┐ l !　.′　7¨ヽ._} ト～ く　　l 　 |　　 }  └────────────────────┘
.　 ｀|　　　　　　　　　|´　 !|　ヽ　/　　　ヽ|　　　 ヽ. l　　|　　,′　〃
　　 |　　　　　　　　　|. 　 ||　　} {　　　 　 |　　　　}./　 /|　/　 ／
　　 |　　　　　　　　　|.　　|!　 / ﾉ　　　　　l　　　 廴／　|/
　　 ､_＿＿＿＿＿_/　　 l!＜__>～､__,ィ´入__ 　 ,rく
. 　 /　r‐――┐ 　 ｀ヽ　　 　 '⌒`ｰ1´¨.l `ｰ1¨丁´
　 /　 ｣　 　 　 |＿＿__ｊ 　 　 　 　 　 ∨｜　 ∨ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ┘　　`┘

┌──────────┐
│だが、挫けなかった　　  │
└──────────┘

　　 　 　 iヽ:,　' ´ ￣ `　、,-ｬ
　　　　＜:イ薇　　　 　 　 }薇ゝ
　　　 　 ,' | 」 从　ﾄ､_ｌ_ｌ_}　l ｌ｀ ､
　　　　,'　|　l | l ◯ l/《薔｢.l |　 ｀､
　　　 （　 |　l | l　　,-┐ ,ｲ l |　　 ：
　 　 　 ) .|　l | ゝ､　ニイ　 l | 　 ,'
　　　 ,'　 |　l バ､:(⌒)｀Yラ.ｌ |.　（　　　　　私、がんばる！
　　　( 　 |　l〈:_:_:V~~}::}::_:〉 l | 　 )
　　 　ゝ ヾ ﾊ＼:__;;:人:::l:::|≧j　 ,′
　　　　　　／:::::::::::::::::::::ﾄ､)、
　　 　 　/（::::::::{ﾐk:::::::::::,ｿ::入ヽ
　　　　// |:::::::::::::r彡^ヽ､ノ　 〉〉



　　　　　∟_-ﾆ　二l 　 __∠　/／　 〃 ::::::::::::Yﾊヾヽ
　　　 　　　/＝二三l∠三三ミヽ　/ﾊ　::::::::::::::|| lNﾊｊ
　　　 　　 Ｌ　ﾆ三/　､＿_｀ヾミﾐ∨ {ヽ ｌ::::::::;;､｣ﾊj ﾘ
　　　 　　　/ﾐミミｌ 　 ヽ､__辷ｒヾミゝ ｀リ:ｒ彡三ﾐ//
　　　 　　/ﾐﾐlミミ|　　＼　　￣´ﾉ::'⌒ヾ:ニｔﾃ‐y′　 ┌───────────────────┐
　　 　 　 ＞ﾘミミl　　　　`ー‐'´　　　　 ﾄ､:￣〈　　　 │あるとき、師匠は言った　　　　　　　 　 　 　 　 │
　　　 　 /（´jミミ|　　　 　 　 　 __　　__ |::::Y´/　　　 │「貴様は味のわかる舌を持ち合わせている　 │
⌒ﾚ＾ヽ∧　｀lﾐミl　　　,r─－く:::（　 　 ｀ Ｙ　ｌ　　 　 │　しかし、圧倒的に食の経験が足りん！」　 　 │
〃/l/ｌ ｌ/l｢Ｔ^ー' 　 // ,仁二￢ーﾆ‐-_イ　 |、　　　└───────────────────┘
//l / l l l !::::. 　 　　/ ｛⌒ヽ ￣`￢─--7　ﾄﾊ
l/l/ｌ j j l/|::::::.　　　　　ヽ二ﾆニ－ｰ---ﾉ　川l|
/ｊ l/l ﾊ l/l:::::::.　 　 　 　 　 　 　こ二￣　 ,lリﾘ



:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ツ
::::::::::_,,彡三三::::}￣从从ﾉ｀ヽ
:::::彡三三三三::ヽ　　　　　　|　　　　  ┌─────────────────────┐
彡三三三彡三::/ 彡三ﾐ.､　 |　　　　 │「だが、舌を研鑽し、経験を積みさえすれば　　　　  │
彡三彡''"´::::::::::l　＿＿｀ヾゝl　　　　　│私を満足させることができる料理を作れる日が　　 │
彡":::::::::::::::::::::::::| 　 ヽ-┴'　{　　　　　 │いつの日か来るだろう」　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
::::::::::::r―.､::::::::::|　　ヽ-‐'　　ヽ　　　　 └─────────────────────┘
::::::::::::l　　 }jヽ::::|.　　　　　,.　　ヽ
::::::::::::ヽ　 ヽ |::::|　　 ,.-‐' ゝ┬‐'
:::::::::::::::::〉--' 彡 　 /　,.-=ニ
:::::::::::::::::',　l　 　 　 l　　　　 |
:::::::::,､::､ヽ､ヽ.　　　　　　 　 l
:::lヽ:| ヽl｀"''｀　 　 ‐-,-..,,__ノ
:::ゝ　　　　 　 　 　 ノ

┌──────────────────────────┐
│その言葉を信じて、ひたすら料理を作り、　　　　　　　　　　　　　│
│味を研究し、素材を見る目を付け、食器の重要さを感じとり　　 │
│もてなしの心を考えに考え尽くした　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
└──────────────────────────┘



　　　　　　　　:　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　:　　／ﾉ(iiiiii_ノiii　＼ :
　　　　　　　　　:　|　⌒　(●)iiii(●）
　　　　　　　　　:　|　　　　 （__人__）::
　 　 　 　 　　　:　 |　　　　　⌒⌒ﾉ　　　　　あねさん、俺、今日客として来たんだけど
　 　 　 　 　 　　:　|　　ﾉ( 　　 　 } :　　　　　なんで捕まえてきて欲しい動物の一覧表があるのかな？
　 　 　 　 　　　 ::　ヽ　⌒　　 　 }
　　　　　　　　　::　 ヽ､.,＿＿ __ノ :
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::



　　　　　　　 　 　 　 rvﾍ　,,-''´￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　＿＿__　{｀ヽ}'⌒''　　　　　　　　＼｀､ _,-´v
　　　　　　　＞―-ｧ ≧ｆ＝ /　　　 /　　　　　　｀ヽ=´ｿ
　　　　 　 　 ,二／／/｜　,' 丶、 /　　　　　　　　｀､
　　　 　 　 ｲ∠＞く　| /　 l｜l l ∨!　 　 　 　 　 　 il
　, ＝≠'´/' 　　　　　'′ ; lﾊ | ト｣ |＼ｌ　　　| 　 ｉ　 l
〃　　　 /　　 　　　　　 /l | 弋圷ﾐｘ { (^Y!　| 　 |　 |
′　 　 /　　　 　 　 　 /　! l 　 ゞﾝ'` ヽＮ|斥示、 .ノ
. 　 　 /　　　 　 ′　 /　 ハ! ////　　　{{r迂}７ ,′
　 　 /　　 　 ／　　 〃　l|　l|　U　　 　 / ヾｲl/ﾚ′
. 　 /　　　／ 　 　 〃　 人 l|　　　r‐-‐ｭ　（廴_,...-ｧ　　　お願い！　どうしてもそれが必要なの！
. ／　　∠ -―‐-＜　／ｰ:/ﾊ　 　 ｀￣, イ　／:: /　　
´ 　 r个ｰ-､ : : : : : : ｀ヽ::/∧:｀‐ｧr＜/ /　/:: :::/
　　/　| : : : :｀ー'⌒): : : ∨: : ｀７ク／ /`ヾ、:::,'
　 ,′！: : : : : : : : { : : : : }｀ヽ､{::〈￣´: : : : :｀二ﾌ
//　,'　l : : : : : : : : :｀ｰ-v' : : : r行ｈ: : : : : : : :./}
/　/ 　 ヽ、: : : : : : : : .:└-ﾍ: {ヾ彳}: : : ; : -‐'ノ

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┌────────────┐
│そして、弟子になってから　　 │
│三年後　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
└────────────┘


　　　　　　　,.rrr;:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;-、
　　　　　　//川::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::､
　　　　　 巛 川ミﾍｨ､::::::､､::::::::::;;;;::::::::::ﾐ
　　　　　　 /　　　　|ﾘヾ`ｰ　　〉　　 ''''' ﾐ
　　　　　　/二ﾆヽ :、z'ﾆ二>ぐ　ﾐ ,,,, 　 ﾐl　　　　 ……見事だ
　　　　　　代豆ｺ　,　∠豆７ |　|　|::::'''''ﾐ|　 　 　 まさか、3年でここまで成長するとは思わなかった
　　　　　 （　｀ ´　j　　 ｀ ´　 |　lﾉ l:::::::::::ﾄ､
　　　　　　|`　/　'ｰ--ﾍ、.　　ミﾞｰ':::::::::::::ヽ
　　　　　,;;;|　 ! l三三三!　!　　 : |,ヽ:::::::::::ﾘ
　　　　 l||||!、　　　ー　　　　　 ' / l |::＼::::ﾘ
　　　　　!!!!-;`iー―--― ‐'　　/　| |:::::::＼ﾘ
　　　　 ／:::::ヽヽ　└-　　　　　　/　!::::::::::::＼



　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿___
　　　　 　 　 　 rｧ'フ"´::::::::::::::::::::::`ヽ
　　　　　 　 　 {f〃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 　 　 ヾ ;::､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ
　　　　　　　 　 /- l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　 　 　 　 　 　 l､_　l三ミ､:::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　 　 〉ｧ　l::::ﾐミミ:::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 　 r'｀ｰ jl´｀,::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　 　 この器、この味、この調理、この素材
　 　 　 　 　 〔__ヽ　i!ｰ'::::::::::::::::::::::::::::::::::::　 　 　 　 　 まさに、素晴らしいと言う他ない
　　　　　　　 　 ｌ　ヽl::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 　 　ゝ 　ﾘﾙﾗﾘﾙﾊ -‐ﾘlﾊﾉヽ
　 　 　 　 　 　 -──-＜.＿x x x x x
　 　 　 　 ／x x x x x x x x x x x x x
　　 　 　 .l　 x x x x x x x x x x x x x
　　 　 　 .l　 x x x x x x x x x x x x x

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.　ィ千／zyxｫｬzyxx.､､___
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,イl i l i／ミﾐミﾐミﾐf´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / l i l i /ミﾐミﾐミﾐミ  |　それだけではない、ワシの体調に合わせた献立
　　　　　　　　　　　　　　　 　 { l i l ｉ ,'ミﾐミﾐミﾐミﾐ  |　客を気負いさせない、その立ち振舞……
　　　　　　　　　　　　　　　　　',l i l i {ミﾐミﾐミﾐミﾐミ 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 x≦ゝ､ l iⅦミxミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐ
　　　　　　　　　　　　 　／ ,ｲil州シ￣　　　Ⅶ寺;＼　 　 　 　 ｀ﾞ''ﾏ三三三
　　　　　　　　　　　 　 　 /例洲/　　　　　　Ⅵ ヾx_＼　　　 　 　 }三三二
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ! '/洲,'　　,..､　　　　ヾ／　　 _,.､､_　　　 }三二二
　　　　　　　　　　　　　　　併il,'_,....､　 ｀ 'ー‐ '´ 　 x圭圭圭≧x ｲ三二二
　　　　　　　　　　　　　　　′/圭圭ﾐx_ 　 { ,′_,ィ圭彡''ﾞ´　_￣ ｀i三三二
　　　　　　　　　　　　　 　 　 {~_＿｀ﾞ等:=-　｀等;ｨrt;ｧ'' "￣,ﾉ　 　 }三三三
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ‘, ﾍ‘'″.ノ,r　　 ::::::_｀¨¨＿´,　　　　 }三三三
　　　　　　　　　　　　　 　 　 / 　_￣,　/　　　　　　｀　　　　　　　 }三三三
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {　　 ￣,r′　　 　 　 ヽ､　　 　 　 　 }三三7/
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　‘, 　 _λ　　　　　_＿_ﾉ ｀ ‐-　　　　〈三三{ ５
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 | 　i　 ゝ-‐　´　　 　 　 __ 　 ',　　　}三三!/く
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l 　l　 ,.　ﾆ = -─　¨ ´　_ヽ.　 ､__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l 　l 　}-───… ''' "´　ﾉ　 ）　　まさに、食す相手の心を考え尽くした　　　 （
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l　　　l　 　 　 　 　 _,.　 ''´　 ）　　もてなしの極地！　　　　　　　 　 　 　 　 　 （
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',.　　 ￣、¨¨　￣　　　　　　  ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、 　 　 ￣　　　　　　 　 　 　 　 　 　 :／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,'>.､ ＿　　　　　　_,. 　-‐　　 　 　 ／　,
　　　　　　　　　　　　　　 　 _／x./ハl::::::::::￣ (¨￣　　　　 　 　 　 ／　／×
　　　　　　 　＿＿＿＿,.ｨ´××/ i　 ｌ::::::::::::::::::｀ー　　　　　　　 ／　／××
　　_,.. -ｪ‐ヌ×××××××/×!　 l:::::::::::　　　　　 　 　 　 ／　／×××

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　これからも精進して、貴様が求める食を
　　　　　　　 ､─‐─､}ヽ}:＼／､__　　 　 　　　　　- へv'::(::: |　美を、求めつづけるが良い！
　　　　　　　　 ￣ ｀＞ﾍ::::V　　　　　　　　　　　 　 　　 ＼::  ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_乂_
　　　　　　　　,-─'　 斗^ 　　 /　　　　l　 　 |. |　!　 　　　＼丶ニニﾆ=-
　　　　　　　 ´￣７≦７/　′/　l!　 !　 |　 __ l! l　|i　l 　! 　 ﾊ＼｀＼ー- ､
　　　　　　　 　／^＜ /　 }　l　斗ｫ十=ﾊ ﾞ⌒i}八十=ト i| 　　}:... V＞'￣ヽ＼
　　　　　　　／／´　/.　　l　l　|八l ﾊ l ﾘ ｊ／}Ｌ_}ﾉヽﾉ'Ⅵ　　 l:...　|　　 　　＼＼
　　　　　　 / /　　　 }∧　|从 .|ィfﾟた圷　　 ｛(ﾞﾔﾀ外八! 　 八:... |　　　　　　＼＼
　 　 　 　 / / 　 　 /　.:｝ }/八｝ 弋ｚツ　　 　ゞﾋﾆヅﾉ　|　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
. 　 　 　 / /　　　 /　　 Ｖ:. ﾉ人 　 　 　　 ,　 　 ￣ﾟ｝! /':.  |　はいっ！　本当に…… 
　　　　 / /　　　 /　　..::/　.:/へ　 　 　 　 　 　 　 ﾉ'f^j:.　 |　本当にありがとうございます！　師匠！
　　 　 / /　 　 ノ　　...::/　.:/::..　丶　 　 ｀　´　　 ／　:.l:.　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
.　 　 / /　　／ 　 ..::／　.:/::.. 　r=F^＞　 　 　イY孑、|:.　|:人::.....　　＼　　　　　　/ /
　　 / /　／ 　 ...::／ 　 .:/:..　　 >iゝー‐､_r=七彡v /:.ﾉ:　ﾉ:.:.:.:＼::.....　　＼. 　 　 / /
　　/ /／　　..::／　 ＞─ ─≦--､ ＼ 　｝ｰ７ / ／L_｝:. {　 ＞─ ､::..... 　 ＼ 　/ /
　 /／　　...::／　r─': : : : : : : : : : : ＞--┴ォ./＿ : : : ＼_Ｖ: : : : r‐＼:......　 　Ｖ /
　 ´　　...::／ 　 ∧: : : : : : : : : : : : : : :y'＾ヽ-──ｰｧ: : : : : : : : : : ｝: く_:.......　　/ /
　　　...:／　　　 ノヽ-'⌒ヽ: : : : : : : r'ー 　 ＼　ニﾆつ､: : :＞--'´: Y: :.｝:....... / /∧
　 ..::／　　　　｛: : : : : : : : : ｝: : :._:ノ二 　 i￣｀ヽ､ ⊆_´: : /: : : : : : : : ┌────────────────┐
　　　　　 ...::／l}: : : : ＿: : : ｀ー７´: : ∧　}　 　 ∧＞‐｀ノ: : : : : : : : │彼女は最初　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　...::／ __∧__/´: : : ｀Ｖ: :／: : : : : }Y─ ': : :　V: : : : : : : : : : : : : │人の心を持たない人造人間だった　　 │
　　　..:／／:.:／/:.}: : : : : : :l／: : : : : : / ∧: : : : : : :V: :/: :⌒ヽ: : : :  └────────────────┘
　 ..:／／:.:／　/:.:.|: : : : :／: : : : : : : :/ / ∧: : : : : : :∨: : : : : /｝:下:.＼::..... 　〉）　 |

　┌─────────────────────┐
　│しかし、食という物を通じて人の心を知ったのだ　　│
　└─────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,、　 _＿__ 　__ r{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦三ミｖk´=彡´ 　 ｀　｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∠:ｧ个｀/　　 ､　　　i　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / ｲ　/イ　/ /Ｘ／ﾘﾊヽ　 ､ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /〃 ,ｲ彡　ﾊ大_ﾐ｀ﾒ､厶ﾊ　jﾊﾉ
　　　　　　　　　　　 .．=＝ミ､　　 　 　 　 /ｲ ／ / ,ｲ {ﾊｨ'=ﾐ､′《㏍从乂
　　　　　　　　　　〃 　 　 　 ヾ ､　　 　 ,/／ .ィ/ /ﾊ ハ､""'　　〉ﾐｲ 人ヾ
　　　　　　 　 　 /′ .．=ｒャ= ミ≧=≦彡'／,ｨ/／/ｲﾊ ﾉ j) ､＿, 〃.:ヾ ヽ）
　　　　　　　　　　／　　/: : ＼: : :.｀ Ｘ=彡イ／:／ /〃/､′　 ,ｨ／/}　 } /
　　　　　　=＝≠＝=ｧ┤ : : : : ＼: : : : ＼彡=大ﾏ斗ｖ'了≧ｭ＜_／/　〃
　　　〃´　　　　／イ 八: : : :r ､: :`: .、: : :.` く: : : :｀ヾミ`ｰ､｀≡};ﾘｲ厶┴‐-'入　　　　　　　　　　　　 _ . ．_-=＝ァ
　　 /′　　 =彡　 ／　入: : ヽ　`ー- ﾐｘ:. : : :.`ヾ:、: :ゞ:ぅ: :`: :{(_¨´: : : : :., 片 }_＿___ ,､_＿__　_.．=彡ィ ´: : :. :./　　 _.ノ〉
　　′　/／ /　／　 ／　 ヽ : :_`ﾆァ　 　 トミ=ｰ- Yｒｿ(し-､ : :〈kiｦ: : : : i√:〃´: : :／´: : :.｀: :｀`＜: :｀¨: :…ﾍ¨＾,７´　 ー‐ - ．. _
　　　 〃 _ 才"　 ／　ｒ‐… ¨ _＿,､　　:.. ！　YУ: !乂.: : : :'ｰ-ﾐ｀_j）: .;ｨく:／: : : 〃: : : : : : : : : : : : :｀: :.､: : : : : :《{　　 　 　 ¨ニ_‐;’
　　=＝ フ´　 =彡　　 ｰ…　¨　-‐'　　 :.　ヾ 厂7 人ヾﾐｘ:. : : :. :. :.`≦、: :ヾ-―…　…―=ミ:. :. :. : : : : : :ﾏ¨ヾ￣｀`ー- ．__一z'
　　　　/／　　〃　,ｨｱ　　,才"　.ｨク　　　　ﾉ′´.:ハ: : : ＼: : : : : : : :.ハ : :_}　　　　　　　　　 ｀ヽ: : : : : : : :＼:.‘，
.　 　 〃 　 ／/／ /　　 (_ . ィ"／　/〉　／: :/: :/　∧: : : : ゝ:_:_:_:_:ノ!: :}: :ノ　　　　　　　　　　　　＼: : : : : : : :ヾ',
　　 / /才" 〃 ／　　　　　 〃　／:/　/: : :ｲ:／　/　乂:. : : :. :. :. : :/／ /　　　　　　　 　 　 　 　 　 ` ー― =彡ﾟ
.　 / 〃 |{　/／　　 ／　　　{ ` ": :廴ノ:.:._彡 　 〃　／>': : : : : : .:〃: : ;′
　 ′{　 乂彡 　 ／ 　 　 　 ヽ:._＿__: :イ　　　　ハｨ'　〈_ ┌─────────────────┐
　　　／イ　　 〃　　ノィ　　 　 ￣ィ" ノ　 ィ ／　/　 √: │最早、彼女を人造人間と呼ぶものは　　 │
　　/／ /　 イ 　 ／ /　　　　 ／/ 〃 ／才…=ｧ一': : _ │誰も居ないだろう――　　　　　　　　　　　 │
　／　 .′ // .／　 / 　 　 ／　/　;／ 〃人 ir'｀ヽ: : √ └─────────────────┘
.:′ 　 ! ／厶′　 .′ . ィ　　_,ﾑ､/_∠ｒ彡:.=辷_ノ廴/´: : 廴 ／ : : : : ＼ : : ｒﾍ: : :/＝=ミ､
.　　　 jr　　　　　〃´_ .．=ｧ´/／　/　　　／´: : :. :.《 : : : : `" : : : : : : : : ｀Yｰ彡ｰ'　　　　)）

　　 　 　 　 　 　 　 ┌────────────────┐
　　 　 　 　 　 　 　 │ヤラナイオキューブ　Bシナリオ　完　　 │
　　 　 　 　 　 　 　 └────────────────┘







 

　　　　　　  ┌──────────────────────┐
　　　　　　  │因みに、例の少女は別の惑星にある　　　　　　　　　  │
　　　　　　  │病院で治療され、同じ病室にいた男性と結婚した　　 │
　　　　　　  └──────────────────────┘

: : /: :／　　＿＿＿＿｀ヽ |: : : / |: :/: : : : /: : |,　　　 ´
: /／　　　〃　 , ‐､　 ｀ヽ｜ﾘ:/　j /: : : : /. 　´
/　　　　　　　 / 〃 　　　 ﾚ:/ 　〃: : :.／
　　　　 　 ､　/ //　　　 　 /　 /: |: ／　　　　´　　 ´
.　　　　　　 ヽ、/　　　　　　　: : :／　　／ 　　／　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　/:, ′　／　　 ／　　  ┌───────────────┐
　u　 　　　　　　　　　　　　 '::〃 　 ′　,　'　／　 │その後も、幸せに過ごしたらしい　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　 |:/ 　 /　,　/　 /　　　  └───────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　 |/　 /　,　/　 /　　／　//　　 / 　　　/
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　　　　　　　　　{　　　　　　　　|　　　　　　  │後、やらない夫は結局箱舟を動かせずに　　　　　  │
　　　　　　　　　{ 　 　 　　　..:/　　　　　　　│そのままネオケニアと一緒に死んだ　　　　　　　 　 │
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