,厶XXXXXXXXXＹXk＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'´ , '｀^＾⌒＾^￢XXXXXXXｋ
　　　　　男が女の子の正面に立って　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／　 .:/　/.:'´／　 　 ｀ＹXXXXXXＬ
　　　　　　何かしきりに手を動かしてた　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 , '´ 　 .:/;イ　／　; /　　　 ｀ＹXXXXX7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /:;　 ／::/ / /, '//　　 :;　 } ｀ＹXXXハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / ,'::/／/::/ /:!/ .:/ ' 　 .::/ .:/　､ ｀ＹXﾉ ハ
　　　　　　　　　　　　 (ヽ三/)　））　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　l://;::;'::/ /:/l:|::/ :;'　 ／ ::/:l　.:|!　|Xｘ)　 ｀、
　　　　　　　　　＿＿　 ( i)))　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　{ﾊ:|:j::j丁7メ!|:l :/:／ .;:イ .:ﾊ ::j　 ｌX「　 　 ヽ
　　　　 　　　／⌒　　⌒＼　＼　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 　 乂V!| f｢::｀Y|l:ｌ// .:／_７メ､j / .:/xr′　　　｀､
　　　　　　／（ ●） 　（●）＼ ）　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /XXX!| ｀='′ﾘ〃´ ｲ::::｀ｋｌ|:/ ::/Xx}个 ､　 　 l
　　　　.／:::::: ⌒（__人__）⌒::::＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / XXX八 ″　 ,　　　 ﾞ=‐' グ ;:ｲX( 　 !　 ｀ ｰ ┘
　　　　| 　 　(⌒)|r┬-|　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　／XXXXXｘヽ、　 ､　　""‐=彡'´XXX｝ .:|
　　　 ,┌､-､!.~〈`ー´/　　　 ＿/　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /XXXXXX7＾二＼　　　 ,. イXXX7⌒´ l: |
　　　 | |　|　|　 __ヽ、　　 　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／XXXXXX/　{r＝‐う斤-、　jXXX{_| .:ｌ| ::l |
　　　 ﾚレ'､ﾉ‐´　　￣〉　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 /XXXXXX／　　し冖ｲ/ ﾄ､ヽＹXXX/rﾍ ::|l :l:|
　　　　｀ｰ---‐一'￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /XXXXXX/　　　　 _{7/r1|　ＶXXX/_｢: :.Ｖ |::ｌ{

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─── 手話だ

　 　 　 　 ＿＿＿
　 　 　 ／　　 　 　＼
　　　／　　 　 　 　 　＼　　　　彼はやっと手話を覚えたこと
　 ／ 　　⌒　　　⌒　　 ＼　　　覚えるのは結構大変だったこと
　 |　 /// （__人__） /// 　|
. (⌒) 　　　 　　 　 　 　 (⌒)
./　i＼ 　 　 　 　 　　　／i　ヽ


　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／⌒　　⌒＼
　　　／（ ＞） 　（＜）＼　　　　　女の子を驚かせようとして
　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　　　その日まで秘密にしてたことを伝え
　 |　　　　/| | | | |　　　　　|
　 ＼　 (、`ー―'´,　　 　／

　　　　 　 　　 　 ',　,. イ.::;　.:.:.,　　　　　.:.:.::::::::::.`ゝ､
　　　　　 　　　 　 V／.::/.:.:／　　　　　　.:.:l:! .:.:::::::::.`ヽ　_」 _
　　　　　　　 　　／. .,.ｨ.:.::/　　　 .:.:::::::.:.　 .l:! ､ .:.:.:::::::::.`､下　.!
　 　 　 　 　 　 /.:/ .::l:!.:./　　　.:.:.:.:::::::〃.:/::!::::.:.､ .:.:.:::::::.`､　/
　　 　 　 　 　./.:/ .::::l:|.:.:.　　.:.:.:.:::::::::〃.:/.:::ﾄ､::::.:.ヽ .:.:.::::::::Vヽ
　 　 　　　　 /.:/ .:.:::::l:|.:.:.　.:.:.:::::::::／/.:/.::::ハﾄ､.:.:::::', .:.:.:::::::!.::.',
　　　 　 　 ./.:/ .:.:.::::::i:|.:.:'"´￣`>'　/.:/.:::/´￣`ヽ .:.:l　.:.:.:::::!::::::',
　　　　　　 l:::ﾊ .:.:.:::::::ﾘ.:.:.:.:::::／　ノ.::/.:::/´ ¨`　　 V:l　.:.::::::j:::::::::　　　　女の子の方は彼が勉強してることを知らなかったこと
　　　　　　 |::|　',.:.:.:::::.ヽ｀ `Y⌒㍉　/:／ ,. ｨ'⌒Y77 ﾘ .:.:.:::/l.:::::::::　　　　本当に驚いたこと
　　　　　　 |::|　 ﾄ､.:.:::::::.ヽ_ 辷_ｿ　　 　　　 辷_ｿノ ./ .:.:::/ ﾘ::::::::::　　　　嬉しいと思っていることを伝えて
　　　　　　 ヽ!　{i　＼.:.::::V/////　i　 　　 ///// /.:.::／　ﾘ:::::::::::
　　　　　　 　 　{i _」 _ハｰ-- 　　　｀　　　 　 　　/;:イ　　 ﾘ.::::::::::::
　　　　　　　　　{i 下 j} 1.:::ﾄ､　　　r‐---っ　　 ﾉﾉ_」 _　 ﾘ.:::::::::i::::
　　　　　　　　　{i　　 j}. ＼.:.:::＞.､　￣￣　　 ノﾉ　下　,.ｲ|::::::::::|::::
　　　　　　　　　{i　　 j}　 ,．'´　　 ｀`ﾆﾆﾆ"´ﾉノ　　　,.ｲ:::i:l::::::::::|::::
　　　 　 　 　 　 {i　　jレ' -米‐ 「:に>介フノ_」_ 　,..ｲ.:.:l::::l:l::::::::::|::::
　　　　　　　 　 　＼〈　　　　ノﾉl::,.ｨｲ.:／　　下イ　.i.::::|::::l:l::::::::::|::::
　　　　　　　　　　　　｀`~~´ ｀`フ.:::／　,．'"´　　　 .i.::::|::::l:l::::::::::|::::
　　　　　　　　　　　　　　　 　/::／ ,．'´　,r‐‐y‐─ ｭ､::!::::l:l::::::::::!::::
　　　　　　　 　 　　 　 　　／ﾌ ^Y´　,.r'".:.:.:.:::::::.:.:.`ヽ＼:::l:l::::::::::!::::
　　　　　　　　　　　　　　//ｼ'　 j!　,〃.:.:.:::::::::::::::::::::::.:.＼＼!:::::::::!::::
　　　　　 　 　　 　 　　 //ｼ'　　j! 〃.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:＼＼.:::!::::<

　　　　　　　　　　　　　　　　_,, ─＝ﾆ二￣　"'- ､
　　　　　　　　　　　 _,.．-'''"＿＿　※ 　｀"'- ､　　＼
　　　　　　　　　　 /＞ﾞ⌒ヽ￣￣￣"'- ､　※　＼. 　 ＼
　　　　　　　　　／ ./　　　: :＼　: :＼ : : ＼　　　 ∨　　 ＼
.　　　　　　 　 /　 /　　　　　: :ﾊ　　: :＼ : : ﾍ　※ ∨　＿〆)
　　　　　　　 /　: :i　　　　: i:　: :ﾄ､ 　 : : ﾍ　: :ﾍ.　 　| イ__／
　　 　 　 　 /　 : :i 　 : : /,ｲ ｲ: :ﾄ､＼__,: :∧ : : :| ※ﾞ|.八
　　　　　　 ｌ ｌ : : :ｌ＿ ／/ ﾙﾞi: :ﾉｨr‐─＜　〉: :.,'　　.ｌ: :　＼　　　　　　　　そのうちもどかしくなったのか彼の手を握って
　　　　　　 ｌ ｌ.　: :tノ.厶イ　 ﾙﾞ 　(て刀ア.,': :./ ※ .ｌ: :　 　 ＼　　　　　　　２度３度、嬉しそうにその場で
　　　　　　 |∧　: :∨ (てｶ｀　　 　 ゞ―ﾞ /: :/　　　.ﾄ､ : : 　 　 ＼　　　　　　ほんの少し飛び跳ねてみたりしてた
.　　　 　 　 　 ゝ : : ＼.ゞ┘　,　　　////,.イ　※　 ｌ:　＼ : : 　 　 ＼
.　　　　　 　 　｀(＞┬-ゝ//　 r ､　 　 　 个　　　∧.: :　＼ : : 　 　 '.,
.　　　　　　 　 　 ） 人.Xﾞ＼ 　 ｀‐' 　 ／　.|　※ /.: :',: :　　 ＼: :　　　ｌ
　 　 　 　 　 　 /./ : : ）ﾞ※/ﾞﾃ=r‐ｬ<.__＿人.　 /: : 　',: :　　　 ＼: : 　ｌ
　　　　　　　　/./　: :/　/ﾞf .〉〉刀, 〉 〕　 　 ｀X乃ﾐY)∧: :　 　 　 ＼/
　 　 　 　 　 /./　: :/.／_「|　Y|　 　 /＼　　∧ ﾍ＼ ￣ﾊ.: :　　　 　 ＼
　　　　　　 /./　: : ,ｲ　辷竺ﾐY 　 .∧　 》 ∧ﾉ　 〉　＼.　ｌ.: :　 　 　 　 ﾍ
.　　 　 　 /./., -'"/ﾉ　廴＿辷竺ﾐ乃ゝノ∧ﾉ　 / ※ / 　|.: : : :　　 　 　 ',
　　　 　 /.／　　/　　./^''＾''廴＿＿_)　∧ﾉ 　〈　　 〈 　 ｌ: : : :　　　　　　ｌ
.　　　　／　※ / Y　/　　　 人＾''^''＾∨ノ∠＿.',　 　 ',　ｌ',.: : : :　　 　 　 |
.　 　／　　 .弓ﾐxrｭ/　　　 /((∧.　 　 ', 　 　 　 ',　※ﾞ∨ ',.: : : : 　 　 　 |
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　＼　／ 　 _∨ﾞ|.|　ゝノ　|.|＾Y＾Y^人　.ノ|.|.|〉〉. 　 |　 　 |.丿: : : :　　　/

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　　　　　　　　　　　　　　　／ _ノ　　　　.＼ 　　　　　_,,
　　　　　　　　　　　　　　　|　（ へ）　（へ） |.　　　 　ｌ;ｌ
　　　　　　　　　　　　　　.　|　　 （__人__）　 |　　＿,_,|,|_,
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　｀ ⌒´　　|,　ト-=y 　丶　　　　悪趣味な盗み聞きだとは解ってたけど
　　　　　　　　　　　　　　.　 |　　　　　　 　 }　 ヽ `ｉ,￣‐^ｌ　
　　　　　　　　　　　　　　.　 ヽ　　　　　 　 }　　　ヾ~　`　 ｉ　　　　その時ようやく手話を使いこなせる様になったばかりの俺には
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　ノ　_　　　ヽ、　　 ;ｉ,　　　　申し訳ないけどどうしても気になる光景だった
　　　　　　　　　　　　　　　 ,,＿,ｉ　　　　　y,ｿﾄ,,__　　ヽ、　　 ;ｉ,,
　　　　　　　　　　　　　　 ,/r-'"j　　／ ／　ｉｉ,　`ヽ､-x,,゜r　　;ｉ
　　　　　　　　　　　 ,,／'/__.L、　　　　／ヾ、"ｉ　　　`ヽ　`;ｉ　　ｉ,
　　　　　　　　　　,／　 /_ｉｰﾍ,ヽ､ , ／ｉ"　ヽ、 ｉ　　　　 `、'ｉ　　 ｉヽ、
　　　　　　　　　_,） ヽ　"　　　ﾈﾒ、_ｉｉ"~　　　　　　　　＿Yrｉ　　　ｌ, ヽ、
　　　　　　　 _,,,>t 、ヾ、　　　　ゞ;;/　　　　　　　　　／　 ,￢　　　 V⌒ｌ
　　　　　　 ,y`;,,__　　 ,ｉ　　　　 /ｉｉ'　　　　　　　　　／　r-／|　　　　ｌ　ｌ
　　　　_／^,,,　　ヘ　　ｌ　　　 /ｉｉｌ　　　　　　　　／　 ｌ"v'　ｙ　　　　 }　 ｌ
　v=4⌒ヽ、　j　　--,,,ｉf　　　/ｉｉｉ|　　　　　　　,,　　〈-ﾍ_,、 <、　　　 /　 ｉ|


　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　／　　 ⌒　　＼
　　　　　|　　ﾐｨ赱､i .i_r赱　　　たぶん、俺はにやけてたと思う
.　　　　　|　::::::⌒ （__人__）　　　怪しい奴に見えたかもしれない
.　　　　　|　　 　　ﾄｴｴｴｲ
.　　　　　ヽ　　 　　｀""´}
　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　　　/　　　 く

　　　 　 γ⌒)　))
　 　　　 /　⊃＿＿
　 　〃/　/ ⌒　　⌒＼
　　γ⌒)（ ⌒） 　（⌒） ＼ ∩⌒)
　／ _ノ :::⌒（__人__）⌒ 〃/　ノ
（　 <|　 |　　　|r┬（　　　 /　/　））
( ＼　ヽ ＼ ＿`ー‐' 　／（ ⌒）
　　　　　　　　　　　　 　 /　/

　　　　　　　　　でも、それは微笑ましくて、こっちまで心があったかくなる光景だった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,. -――- ､、_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ'-'"´⌒^^⌒`丶丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃_r冖'⌒^^⌒'ー､_｀ヾ'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／{ノ　　　　　　　　 ） ヽ、ぃ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ　///　/ /　 ／　 /}　　i`､} ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼{ l i　i,l+‐-／,ｨ/‐ﾘ-､ l |　|l　>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l |__l ィ=ミ´ノ ｨ＝ﾐ ﾉ/ , l ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从ト ﾄi､::::　 ,　　:::: ﾒ/ノ,ｲ lﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ｸ､下ゝ､ ｰ一　 彳彡ｲl l lﾄﾐ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / ノ/〈｀ヽ｀`ﾆ=y=＜ノ｀l　'､ l l l ＼ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __／ノ / ,八､ ,'´　 /　　ヽ　入ヽヽ､l l　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　'´イン /r'´､,:'^"'-､_ {、　　_l,.,.,._　｀ﾄ､ヽ、　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ ／ノ ／ ゝ､ /^'t､,_　 ｀'}ー'"　　　}　 } ヽ　'ｰ､　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　,イ　／ ノイ/　 l　У　　　｀'ｰ人-‐ ''"~´'､_ノi、丶、 ｀ヽ、.ヽ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /,r'　 ﾉ　/　　 ,ト/　　　　　 /三、　　　　ヽーt、　ヽ　　ヽ　ヽ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / / /　　ﾉイ　　 / ノ　　　　　 / | |　、　　　　ヽ　 l　　 ヽ　　ヽ　ヽ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　l　{　　 }／　　 l　　　　　 　 / | | |　ヽ　　 　　 ヽ .l　　　{　　　〉　ヽ l

　　 ／￣￣＼　　 ／
　／　ノ　　＼ ＼　─
　|　 （●）（●）　|　＼
.　|　　（__人__）　 |　　　　　　服の裾が引っ張られる感覚に振り返ると
　 |　　 ｀ ⌒´　　ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　/　　　 く　　＼　　　　　　　 ＼
　　　|　　　　 ＼ 　 ＼ 　 　　　　　　＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　 　 　　　　　 ＼


　　　　　　　　r_ ､ , - ─- ､　　　_＿ _... -‐ '　´　_ノ　 /::::|　　ﾉ:::::::::::::l!
　　　　　　　　lj　ノ　　　　　 フ ':::::::/　　　　' "´　　　 ヽ:::::ヽ ' ::::::::::::ノ_
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　　　　　j／ (__　　　　　　/::::::::::::/　　　　　　_ 　 /::_i_ノ'ヽ:::::::::::::::: _:::ノ
　　　　　ヾ r ' ¨　　　　　/::::::::::::/ :::::::::::::::::〆__　 ヽ　　　　＼::::::::::し､
　　　　　　 |...:::::::::::／ 　':::::::::::::::l__,:: - ──　ハ　ﾉ　　　　 　ヽ::::::__ﾉ
　　　　　 　r-─ "　 　 |:::::::::::::: |　　　　　 _　ヽｰ '　ヾ. 　　　　 ﾞ:::ヽ　　　　そこに俺の彼女が来ていた
　　　　　　 ゝ_ 　 　 　_ |:::::::::::::: |　　　　フ_j　ﾉ 　　 　,.　　　 　 ﾚ′
　　　　　　l　/ゝ :::: ∠_.|:::::::::::::: | ::::::::::"j ´ T′　　　 |　　　, 　 l
　　　　　　| l:::;/｀ て_　 |:::__ :::::: |　　 _ノ ,ヽヾ. 　 　 ,ﾊj_ 　 //　,
　　　　　　| Lj! |　 '' 丁γr､ヽ::::|　_ノ‐!- !-!､l! 　 ｨﾘｲi/ ノ .ﾍ,/
　　　　　　|　　 l　　ヾ　ゝﾒjク:::::|ﾉlハ!j_ゝ! ゝヽノjﾑrjイ/ l/ j/
　　　　　　|　　.　 　 | ＼`ー".::::| ヽﾊ::ｨﾉ`　　　　 ﾋｹ j ハ
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　　　　　ノ /　　　　 | !　　ヽノ^ﾞ |　|ﾄ　＼ 　　　／ _j　| !|
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／　　., '　　　　　　　 ／　イ　　 ハ ヽ.　　＼＼＼:.:.:| ﾉ､._ l|
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,／　　　　　- ､　_ノ　::::::/　　　{::::::::::　　　 　＞- ─ ｀フく"＜
　　　　　 / 　_ ノ　 .::::::/　 ｲ　　ヽ:::::　　　　　|ゞ_≦'_´　　_つ ﾉ
　　　　r　´　　 　 ::::::ノ　 /::! 　 　):::::! 　 　　 |　　　j,._)　 ｀ヾj
　　　　ヽ-──'　／　 ／::::　　 /:::::: !　　　　 ヽ､_ ヾヽ　　 ('､
　　　　　＼::::::ヽ´　 ／::::::::　 ／::::::::::ヽ　　　　　　 ｀ヾ!､　　ノ

　_〕　　　　　　 ／/　　　　〔　　　　　　＼ー‐rｲ　　く ―┐
　{　　 　　　／　/　　　　 ｌ ＼＿　　　　　l:::::::l　　　　|二二1
　 つ　　　/　　,　　　 l　　|　　　]　　　　　l:::::::l　　 ｲ〔V　 | |
　└‐t　 /　　 l 　 　| l　　|　　l {　　　　　 l:::::::|　　 　 | ∨/
　　　 Ｌ. l !　　| 　　 ｌ｜ Ｎ　 l＿廴 ィ　　 ,ィヱﾍ 　 匸.　| l　　　　何を見てたのかとか
　　　　　| l　　l l　|　Ｎ　ﾅﾏ彡ャ‥Y|＿　〈ﾍ{そﾘ　　　|　l |　　　　顔が嬉しそうだとか
　　 　 　 !ｌ　　ﾄｌ,イ､.| jノ　　ﾊｒい　八　Ｌ.　ト-r'　 r イ　!| ヽ　　　もっとはやく私に気づけとか
　　　　　 l|ヽ　ヽiYf:ﾊ　　　　 ゞ‐'　　| ｲ　|/::::/ ＿ﾉ　|　l !ヽ|
　　　　　　　　　 ｌiﾍり　　　　.:::::::::::. .ｌ |l　 !:::/ /／ 　 |　! |　　　　微妙に頬を膨らませて
　　　　　　　　　 l l.::::.ヽ _ ､　　　　　l l | 　!/／　　 　 ! l　|　　　　もの凄い勢いで手話を繰り出す彼女に
　　　　　　　　　 | ヽ、 ′　　　　＿//ｲ　 |´　 　　 　 | ｌ　l
　　　　　　　　　/　/| ｀　､　　r'´　//￣|　lﾌ　　 　 　 l l　 !
　　　　　　　　 /／| l　／￣, ｨ､　//:::::::l　|ｰｔ.　　　　 l｜　!
　　　 　 　 　 //r'´￣:::::::::::{rｹｿ//::::::::/ /}　　＼　　 l |　｜
　　　　　　 ／´　l:::::::::::::／:ﾄこｿ{ {:::::::/　}::|　　　 ヽ.　l/ 　 !
　　　　　 　ヽ| ／＼:::::::::::::/:::::::＞'´￣／::j　|　　　 l　|　　 |


　 　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　俺は手話でごめんなさいと伝え
　|　　　 （ へ）（へ）　　　　ちょっと昔を思い出してたことを伝えた
.　|　u 　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　u 　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　ｍm
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ
　　　|　　　　|￣￣￣

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　　　　　　　　　　　　,.　- ' ／三三_ 　 /
　　　_　　　　　,_,.. ／　　／￣￣￣　｀ヽ　r-ｧ― ､
　　/　ヽ　　／..ｆ|　　 　-|　　　　　　　　　ヽ〔 三 　ヽ.
　｜　　 ヽ/....三ｌ　　 　ｖ'　　　　　　　　　　 ヽ./　　　|!
　f　　　l! .|三三l　　　f　　　　　　　　　　　　　＼　　ｊ
　__ゝ,.　ｌ. l.三三|　　 ,'./ /　　　　　　　　　　　　 　Ｖ,.,_＿
.７ ゝｫ　ゝ!三三|　　ﾗ/ /| 　　l | l　　　l　｀!　　　 ヾ三.　/　　　それでも彼女は少し首を傾げ
　　攸.　　|三,ｒ !　Lｲ､ j. l　ｨ　l |.il:l　　l l　,l　　　 i 〕三 /　　　　その”昔”を知りたそうな表情だったけど
　　 ｹヽ　 ヽ:::::::ヽ ﾉ 刈l lメ lv'l |il|l|　 /　/ |l　 l　!/|＼　Ｌ
　 /　〉'´ヽ　〉ｒｔ:ヾ|　ﾚ!ヾｖｒｌ'ﾙヽｊi ﾘ　/　/ !|: !　ﾚ'　|ニﾄｖ'　　　　俺は笑ってごまかした
　'Y |i ヽヽ√ﾐfr@jY/, f´Ｙﾐ-ｧ｀ｌヾ'ﾚ' //__/ノ//　rｲ｀!i
　＼ヾ,/¨ヽ ヽﾍ`´〃l ﾍ ゝ-'　　　　 'r'::ﾒ j／/　/:::L_ｌ!
　　　ヾ!l! |-l＼'ﾍ::ｿ　 ﾊ!　　　　　　　t_ｸ/　|/,_∧::|
　　.__　||､　|:!　'rゞ:|!　|　ヾ　　　　　 ,　 /if |　 f　ﾙﾍ
　　＼｀|| ヽ|:! ,f三::|!　ﾄ___i|　　－､　 ／ﾍ｀ヽ　| /∧ ＼
　　　 | ﾚ　 ´`!､三.|!　'＼.|!　　　, r ´=ｰ､ｊ-,. ヽ// f'|｀ｰ,i
　　　 ヽ　 l　　Vゝﾐ＼　　＼-ｒ ',＝＝　／　ヾ'∧　 |　 l |
　　　　l　 l　　 |八,ｊ- .＼ _ヽ＼く三=　（　　ｖ'/　ヽ_ﾉ　 l j
　　　　l　　　　l　<´＿　　　￣ ＼三　　＼ ﾚヽ＼　＼ `
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i !ｌ ノ　ﾉ　　　　|
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　　　　　　　　─── 今目の前にいる女の子を驚かそうと、秘密で手話を勉強してた頃の事だ ───

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -┘.:::.:/:.:::.:::.:::.:::ﾉ::.Y:;＿__.:.:./.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:;:､;:;∠二:.ヽ｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:∟、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）:.:::.:::.:::.:::.:::.;　'´　／／〈.:.:.:.:＼ ＼.:.:.:.:.:.:.::ヽ-へ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ''".:::.:::.:::.:::.:::／　/ /　/ ハ `ｰ‐┐＼ ヽ:.:.:.:.:.:.:ﾉ=ﾆ):＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ ::.:::.:::.:::.:::.; ′　　/ 　 　 　|　　　{_:.:.:.ヽ ヽ:.:.:.(二｀V/＾):､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣つ.:::.::/ 　 /　,′　　　　| 　 　| ￣ヽﾊ. i.:.:.:.:.｀i!ヽ.!_/:./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（:.:::.:::.::!l!　 l 　i　　　　　 |l!　　 |　　ノ:.:.| |:.:.:.:.:.:||:.ﾄ､;:ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀７:.::|l| 　|　ﾊ　　　　　 ;'|　　　　 し-､| |:.:..:_ノ.|.:| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ|H　 |　| l__,　　　 / |　　/　 /　ノ|/:.:ん. l |:.| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｌ!ヽ. 代「 ヽ.　 , / `ト､/!　,ｲ. く:.:/:.; -┘| L｣ !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　 l Ｎ.--ミ ヽ/ｿ　_ﾚ'´ lメ /／ |／　 |　|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　 ! |l,ｨ^h.､　　　 ´￣ ヽ　1　　| 　 　 |　|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ！（ { { | |　' ＿,　"""　ﾉ!| 　 |　　　 |　|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！.| |_＼　 ヽ、 　　 _,. ＜._| !　 |ヽ.　　 |　|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 !/〈.:.:.Y_>､　}､￣´;:;:;:;:;:;://| 　|:.:.::',　　ｌ　l 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ム-レく.:.:.:_}ﾉ:@;:ニ、;:;:;//;:;! ､|:.:.:.:.:L_　!　!　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,.∠=ﾆ〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ﾆ　 V;〈〈_;/|　ヽ:.:.:.:.:.:L_l　!　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰﾆ二_‐ﾍ.:.:.:.:.:.:.:.:(ﾞこ 　/'^ﾍ V:.:＼　＼:.:.:.:.:{! |　　 !
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　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　　　 　　,ふ´..
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元ネタ

216 ：素敵な旦那様 ：2005/12/10(土) 10:47:43
待ち合わせた彼女を待ってて見かけたのは、大学生風のカップルだった
男が女の子の正面に立って、何かしきりに手を動かしてた。手話だ

彼はやっと手話を覚えたこと、覚えるのは結構大変だったこと
女の子を驚かせようとして、その日まで秘密にしてたことを伝え、
女の子の方は彼が勉強してることを知らなかったこと、本当に驚いたこと、
嬉しいと思っていることを伝えて、そのうちもどかしくなったのか彼の手を握って
２度３度、嬉しそうにその場でほんの少し飛び跳ねてみたりしてた

悪趣味な盗み聞きだとは解ってたけど、その時ようやく手話を使いこなせる
様になったばかりの俺には、それは例えば外国の街で突然耳に入ってきた
日本語が気になる様に、申し訳ないけどどうしても気になる光景だった

たぶん、俺はにやけてたと思う。怪しい奴に見えたかもしれない。
でも、それは微笑ましくて、こっちまで心があったかくなる光景だった

服の裾が引っ張られる感覚に振り返ると、そこに俺の彼女が来ていた
何を見てたのかとか、顔が嬉しそうだとか、もっとはやく私に気づけとか、
微妙に頬を膨らませて、もの凄い勢いで手話を繰り出す彼女に、
俺は手話でごめんなさいと伝え、ちょっと昔を思い出してたことを伝えた

それでも彼女は少し首を傾げ、その”昔”を知りたそうな表情だったけど、
俺は笑ってごまかした
今目の前にいる女の子を驚かそうと、秘密で手話を勉強してた頃の事だ
……とは、恥ずかしくて言えなかった

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