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　　　　　　　ゝ 、　　　　　　　　　　　　 ー‐"┐　　 　　　 `''''^''‐-...._ﾉ　`ｰ--_'' 　　　'、　　マ
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┌─────────────────────┐
│　黄河のほとり、中国河南省洛陽─────　　....│
└─────────────────────┘

┌───────────────────────────────────────┐
│　そこから南へ下がった平頂山市に宝豊県（ほうほうけん）という集落がある。　　　　　　　　　....│
│　集落の周りは城壁でぐるりと囲まれており、攻めるに堅く守るに易い要地になっている。　　　.│
│　これははるか以前から続く果てしない戦乱に適応した民衆の知恵である。　　　　　　　　　　.....│
└───────────────────────────────────────┘

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　　 ＿_,,,.-┬''''"　　ｌ　,,.- ''''"　　, -''"　　,,.‐'　 ／圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭弐
''''"l　　　　 .l　,,.- ''''"　ｌ　　, -''"　　., -'''~　　／王王王王王王王王王王王王王王王
　　ｌ_,,,.-―''''"　　ｌ　　, -''"　　, -''"　　　　／王王王王王王王王王王王王王王王王

┌──────────────────────────────────────┐
│　そんな集落である宝豊に、僕を含む日本軍警備隊約50名が配備されることになった。　　...│
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |┫
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　　　　γ＿☆|_　　　　.γ＿☆|_　　　　γ＿☆|_ 　　　　γ＿☆|_　　　　||γ＿☆|_
　　＿_//´∀｀）　　 ＿_//･∀･）　　 ＿_//^Д^） 　　＿_// ^ω^）　　　 .|~|//･Д･）
　　|　 |（つ》：::）　　.|　 |（つ》：::）　　 |　 |（つ》：::）　　| 　|（つ》：::）　　　 . 叮（つ》：::）
　　| 　| |::::::r::::| 　 . | 　| |::::::r::::|　　 .| ....| |::::::r::::|　　 |　 | |::::::r::::|　　　　./. |. |::::::r::::|
　　￣　（,__ﾉ､__） 　 ￣　（,__ﾉ､__）　　 ￣ （,__ﾉ､__）　　￣　（,__ﾉ､__）　　　 ￣ （,__ﾉ､__）
'"´｀''"´"''""''''".'"´｀''"´"''""''''""''"''''"""''"'''""'''''"''"""'''''"'"´｀''"´"''""''''""''"''''"""''"'''""'''''"''"""'''''"

┌────────────────────────────────────┐
│　僕の名は入速やる夫。こう見えても陸軍伍長の下士官だ。　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　以前は戦車第三師団機動歩兵第三連隊第二大隊第六中隊に所属していたんだ。 　 │
└────────────────────────────────────┘

　　　　　　 　 　 　 _,,..．-‐'''””｀ﾞ''ｰ-､,_
　　　　　　 　 　 　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'-,
　　　　　　 　 　 　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　 　 i---- ☆ ----､;;;;;;;;;;;;i　　　　　　　　　　　　　やる夫伍長ですお
　　　　　　　　　 　 l_,,..-‐'''''''''''‐‐‐‐‐,,,,,,,/
　　　　　　　　　 ／_______________,.__-''" 　ヽ　　　　　　　　　　　　　よろしくですお
　　　　　　　　 　　 / （━）　　（●）　 　　l
　　　　　　　　 　 　|　　（__人__)　　 　　　 l
　　　　　　　　　 ,-'"＼ 　｀⌒´　　 , -'";;i╋./
　　　　　　 　 　 |;;;;;;;;;;;;＼＿＿, -'";;;;;;;-'";;;;;;;;;` ､
　　　　　　　 　 ,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;:;＼　＼o／　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　　　　　　　./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>、　 　 <;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
　　　　　　　i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／　／o＼　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l

┌────────────────────────────────────────┐
│　機動歩兵連隊とは戦車に随伴して戦う歩兵として活動するいわゆる機械化歩兵の部隊だ。　　 │
│　だから徒歩ではなく装甲兵車や自動貨車（トラック）で移動する。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　日本陸軍の中でも装備優秀な精鋭部隊なんだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
└────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　＿＿ ＿＿ ＿＿ ＿＿　　 _____________
　　　　　　　　　　 /　　 / 　　/ 　　/ 　 　 /'百ﾞi, 百 ロ百ﾞi,
　　　　　　　　　 ./￣￣￣￣￣￣￣/'￣'ﾒ　　　`'ｰ､ー-､,,_＼＿__　　 　 　 ..＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　〈───────〈---〈────ゞ,Q `ー-ヽ (0ヽ　　 　 .||:||　 ｲ]-||.---∞|　　 ||-[ゝ
　　.　(:;;:.. (⌒　.Lゞ＿＿＿＿＿＿__ヽ＿,ｷ＿　i二i　_〉|===|===|===|===|==||:|| 　 |＼||ヽ・∀・>____||/
　　.　（⌒:;,.,(⌒ .（(◎)~~~~~~O~~~~~~(◎)）三｀iｰ-''´i; .||￣:￣￣:￣￣:￣￣||ii| ￣￣ｷ|----------|＿__
　　. 　 ｀（:,:....,(;:.. .ゝ（◎）（◎）（◎）（◎）ノ三ﾉ;;;￣￣ . ||　 :　 　 :　 　 :　 　 ||ii|.-　 　 ||/￣￣￣~//----ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ||＿:＿＿:＿＿:＿＿||ii|________ｷ|llll,=-､--､||lllllll|llllll||'-､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿___　 　 　 　 (:;;:.. (⌒ ｌニ/⌒ﾍ /⌒ﾍ二＼|二||二::::|_,-'/~ ヽ　_,O-''☆'-O,_ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .Ｘﾉ___+__）　　　　　（⌒:;,.,(⌒　|.∴.|| |.∴.|||::::::::::`ｰ===='"::::::|.∴.||___人lllll|lllll人i___|
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .|ﾟﾉ ^∀^）　　　　　　｀（:,:....,(;:...ゝ_,ﾉﾉ ゝ_,ﾉﾉ￣ゝﾉﾉゝﾉﾉ￣￣ ゝ_,ﾉﾉ　i==`====`=iﾉ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .§=====
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 __,,┴---┴---、
　　　　　　　　　　　　　 ==|　 □：|： 乃 「r---┬───o
　　 　 　 　 　 _________＿_└┬　：|：　　 ||-┬┘￣￣￣
　　 　 　 　 　 |ミ//←ﾛ-D／　★ ~~|ﾐ|丘百~((==_＿＿
　 　 　 　 　 .└┼-┴─┴───┴──┐~(O'-ゝ-┤
　　 　 　 　 　 （（◎）~~~O~~~~~O~~（◎））三）──）三）
　 　 　 　 　 　 ゝ(◎)(◎)(◎)(◎) (◎)ノ三ﾉ──ノ三ﾉ
　　 　 　 　 　 　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

┌──────────┐
│　ところが────　　 .│
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ＿/　＿/
　　　　　 　 　 　 　 　 ,　　'´　,. ､　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /＼　　　 　　　|
　　　　　 　 　 　 　 　 '　　　　　 ﾞ!　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　＼/ 　　　　 ＿/　　　 　　 　　 /
　　　　　　　　　　 　 ／, 　 　 　 j}　､　　　　'　　　,　　　'　　　`　_＿/　　　　　￣ 　/　|　　　＿＿/　　　/
.　　 　 　 　 ,. -－／／　　　　 〃 ,､、　 .,　　　'　　　`　　　、.　　　　　　 　 　 ＼/ ＿|　　　　　　 　　 /
　　　 ､._ｘ‐'　　　　　　 ヽ　 　 //イ　 ゝ.'　`　、′。　`　　'　、　．　、　′　。　．　,　　　'　 　　　　　 ./
　 '　 (´ゝイ　（;;::　 　 　 l／ //　 人｢　　 ⌒i; ・．　'`、′。．、′。．・`；　'、．　`　　'　、　 　 ＿＿ノ
。 ． `./{ﾍ!|　　　　　　／　 /　ィ´　　　　　　 !|　　/;′。．・"；　'、．・" 、 ′。　`　'、．
'　、....i　 ^⌒ ....::.　　　　　　_,ノ‐-､、　厂了 ,!ﾘ　 。．・`；　'、．`；　'、．・" 、 ′"　。　．　`
．　' ！　 ..:::::::::::::::.　　　　　　　 　 `く 　 ﾉ //,　 .:,'　,　',　,'　'`、′。．・`；　'、．・。　`　'、．　　　　　＿/＼／＼/＼／|＿
　 '、　`ー-r-､:::::　　 　 　 　 　 　 　 i／ ｲ// .:　　　:　　::　　:　/;′。．・"；　'、．・"　`　'、．　　　　 ＼　　 　　　　　　　／
'、′' 　._／　_,.ゞ　　　　　　　　　　 ｀ヾ／／ 　 .:　　　:　　　:,　:　／．　'`、′。．・`；　'、．・　　　　　＜ ご、伍長殿！！＞
、′' ・.｀ヽ''´ 　 ＼　　　　　　　　　 ／／ ┐　　　　 　 　 　 　 .,"　´,　′(　／:′。．・"；　'　　　　　／　 　　　　　　　　＼
．　'・．．　'・､`ヽ `.＼　　　　　　／／"-‐､|　　　　　　　　　　 　 ,　　,'　',　_,. - '．　'`、′。．　　　　 ￣|／＼/＼/＼/￣
　　　 `ヾ＼'i,　　`　､　` ー≠ィ彡彡"　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　　',　,ｉ　'／,′",／／
　　 ＼.`ヾ＼ 丶、＿　,,..-=_彡'"　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,　'　,　',　 ´(　／　〃´,. '
　　　　 `ヾ＼'i,　　`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　',　,ｉ　’／,′",／／
　　　　　 ＼､ヾ　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,　〃,　〃／
　　　　　 `ヾ＼'i,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´／,. ',〃／
　　　　　　　 ＼､ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,／〃´,. '
　　　　　　　　 ､`ヾ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,〃´／,. '
　　　　　　　　 l: 　　.＼　 .　|;､　 ﾉ　　 　　^ヽ､　　,.,ゝλ,v ,r', .;l, ,r' 〈　.,; ,l
~^'""~~~,　. ､<､　,.　　　､ヽﾉ　＼r,∧,､.　ﾉl,/　　　 .ﾚゝ,　　　／ .,　,:ゝ､　, . 　;,i~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'"^~

┌─────────────────────────────────────────────┐
│　黄河付近の戦闘で、僕は左腕に手榴弾の破片を受けて前線の仮包帯所に放り込まれる羽目になった。　....│
└─────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　 　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　／　　 　 　＼_
　　　　　　　　　 　／　／　 　＼（ ;:;:;）
　　　　　　　　　／（ ;:;:;:;:;ﾉ 　 （＝）　 ＼
　　　　　　　　（;:;:;:;;;:;　 （__人__）　　　 .:::::）　　　　　　　　　名誉の負傷だお
　　　　　　　　／ || 　　　｀ ⌒|||　　　,／
　　　 　　　　/ / |＼／ /　 /ｌ　| ￣
　　 　　　　 / /__|　 ＼/　/　|　|
　　　　　　 ヽ、//////） /　 |　|
　　　　　　　 /　￣￣　/　　 |　|
　　　 　 _＿/　　)--- ヽ　　　ヽ つ
　　　 ⊂---― 'ｰ----'

┌─────────────────────────────────────┐
│　しかものどの渇きに耐えかねて生水を飲んだせいで一発で赤痢に罹ってしまった。　 　 .│
│　これが長引いたんだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
└─────────────────────────────────────┘

　 　 　　　　＿＿＿_
　 　　　;　／ノ||||　ヽ＼;
　　　;　／（ ○） 　（○）＼ ;
　 ,　／::::::＼（__人__）／::::: ＼;　　　　　　　　　く、苦しいお……
　 ;　|　　　　| |r┬-| |　　　　|,,
　 ′＼ 　　 　 `ー'ｫ 　 　／´　　　　　　　　　下痢が止まらないんだお……
　　　　./　　⌒￣￣`r:´>　) :
　　　　(＿ﾆﾆ>-‐'´／'　（／ ;
　　　　;　|　　　　　| ;
　　　　'　＼　ヽ/ / :
　　　　,　／ ／＼＼ .
　　　　;　し’　'　`|　|　;
　　　　　　　　　　⌒

┌──────────────────────────────────────────┐
│　軍隊には妙に融通が聞かないところがあって、戦傷の外科扱いだとその治療は優先されるけど　　 .│
│　腹の痛みを直す内科のほうは後回しになって薬すらもらえない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　おかげで僕は病院をたらい回しにされるハメになった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
└──────────────────────────────────────────┘

.,,＿　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　＿
　 　　￣ '' ─-- ..,,＿　　　　　　 　 　　 　　 　 　 　／　　　　　　　　　 　 /　/　LﾌLﾌ
　　　 　 　 　 　 　　　　￣ '' ─-- ..,,＿＿＿＿_,／　　　　　　　　　　　　/ 　 ￣/
　　　.,　　 　　　 　 . 　　　　'　　　　 |　　　　　|| |　　 　 　 　 　 　 　 　 /　/￣　 　＿　　　　　　　　　　　__
　　　 　　　 　　 　 　　　　　　　　　.;|　　　　　|| |　　　　　　　　　　 　 /　/　 　＿/ /＿　 　 　 　 　 　 /　/
￣￣￣|　_ ＿　　|￣￣￣|￣￣￣￣l　　　　 || |　　　　　　　　　　　　　　　　/_　＿　 / 　 　　＿　　 /　/
　 　 　 | | | ○|　 |　　　　 |　 　 　 　 | ￣￣￣|￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　/ /　/ / LﾌLﾌ/　/ 　　L/
　 　 　 | | | 　 |　 | 　 　 　 　 　 　 　 |＿＿＿_|　.　　 　 　　　　　'　　　　　 / /　/ /　　 　／／　 ∠ﾌ
　 　 　 | |_l ／ 　 |＿ｌ⌒|　　　ミ　　　|＿＿　　 ＼　　　　　:
　 　 　 | 　　 _　　|＿_)__|☆∩,　∩ |＿＿|軍|＿　 ＼
　 　 　 |　 _／l　, | 　　　　　|　　　／(＞　＜)＼ 　 　＼
　 　 　 |　l_l／ 　 | 　　　ミ　(,　 ,.（　　(_人_)　　） 　　,,,　＼
０ 　 　 | 　 　 　　|／　　　　　ヽ__＿つ__｀´__と）　-= ,_, ） 　＼
　 　 　 |　　 　 ／　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　;
　 　 　 | ;　 ／　　　.　　　　 　'　　　　　　　　.
　 　 　 | ／
　　　 ／

┌──────────┐
│　そんな折────　　.│
└──────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　／　　 　 　＼　　　　　　　　　　……中隊長殿、わざわざ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／　─:::::::::::─　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 （●）:::::（●） 　 ＼　　　　　　　お見舞いに来てくださり
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |:::::＼ 　（__人__） 　 ／::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼:::::|　　 ｀⌒´ 　　|::::／　　　　　　　やる夫伍長は感激しております
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. ‐'／ `<,ム,,、 _／´ ￣ く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. ‐'".／:::.　......　:::::o::::::"''"...:::::::..', ｀ﾞヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ‐'"　　 ／:::::. ::i::::::: 　 ::::...　　 　::::::::::　i　　　／￣￣｀゛'' -､,
　　　　　　　　　　　　　 　,. ‐'"　　　　／　　　:::l　　　 :::::o 　 　.,:　　 　 l　／: : : : : : : : : : : : : ｀ヽ
　　　　＿　　　　　　,. ‐'"　　　　　 ／::.　 .:::::::./i::::: 　:::::::: 　　,,ｲ:::.　　　l/: : : : : : : : : : : : : : : : :
.-‐''"　　　　゛'' -､,,＿＿　　　　 ／::::::::　　:::::/　i　　 :::::o:::::　/　　........ :lヽ､: : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ／　　　　　　 /　 /::::..　 　　　/　　 :::::::::::li　　＼: : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　..::::::..　／￣゛''-､,, 　 　 /　　　　　 :/l　　　　゛''-､,,: : : : : : : :
　　　　　　　　　　 　 ,r ''"＼　　 :::::::::／　　　　　　　￣゛/::::::::.　　　:/　l　　　　　　　　゛'' ──
　　　　　　　　　　　(＿　　 人_,,.-‐''"　　　　　　　　　／::::::::::::　　 :/ヽ,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 し'　　　　　　　　　　　　 　／　　 　　..::::::/　　　＼

　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　 　　　 ／　ノ '' ⌒＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いやあ、実は君に伝えなければいけない
　　　　　　　 　　／　（ ＞ ) (● )＼　　 　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　／　:::::⌒,　　　ゝ⌒:::::＼ 　 　　,rｰく´＼　　, -､　　　　　ことがあってね……
　　　　　　　　|　　　　　 ﾄ==ｨ'　　　　　|　　,-く .＼ ヽ 　Y´ ／
　　　　　　　　＼　 　　　`ー'　　　　／ 　　{　,　`　　　　　/　　　　　　 今度我が戦車師団から兵を抽出して
　　　　　, -‐　 ´　　 　 　 ー　　 ´ ! ｀ ｰ-. Y　　　　　　ノ
　　　　/　　__　　　ヽ 　　　　　　　 |　　 、　｀ゝ、　 　 /　　　　　　　　　宝豊という場所に警備隊を新設することになった
.　 　 〃 ,. --ミヽ　 　ヽ　　　　 　　i　　　|ｽ　/ 　　　/
　　　ji／ 　 ￣｀　 　 　 ヽ　　　 　 | 　 　i　 / 　　　/　　　　　　　　　　ついては経験豊富なキミにぜひ赴任して欲しくてね
.　　 {{　　　　　 '

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿_＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／ｰﾆjj三ﾆ‐ u ＼　　ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （(○ ）三 ( ○）) ::li|;ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l|　:i((_人__）)) ニ: :u:;:li}　　ｶﾞﾊﾞｯ！
　　　　　　　ちゅ、中隊長殿！！　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿_　　　　 ヽ:;::　|r┬-|i　::lii:::;u /　ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i））））　　　 　 ＼_|　:!　i! 　::::::;;./、 　───────- ､
　　　　　　　自分はまだ最前線で戦えます　　　 　 　 i ニη￣￣￣￣ ヽ二ノ￣￣￣r⌒ヽ （￣￣（￣）　　　　　）ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀ｰ´──────|　 Y　　 　 |　　 |　￣￣:::￣. 　　　　／:/
　　　　　　　自分は中隊で死にたくあります！！　　　　 　 　 　 .／ 　 　 |　　　　 　 :|　　 | ::::::::::::.　　　　　 ／　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣￣￣ヽニ＝ー､/　　/i::::::::　　　　　　／　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　￣　￣　　　─　　　　　　⌒￣ヽ　 　 　 　 ／　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　r　＿ /　＿　　　　ｒ　　　＿　ー 、￣ヽ　　.／　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 {　｛　　　{　　　　─　　　 {　　　　　　）　　 }／　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／ ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ　　 /　.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;;;;. .:.:.:.:.:.:.:.:.:.,,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　　 ／ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;;;;.: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:,,.:.:.:.:.:.:.:.:／ 　　／ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;;;;:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:,,.:.:.:.:.:.:.:／　　 ／ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;;;;:.:.:. ;.:.:.:.:.:.:.:.,,:.:.:.:.:.:.:／　　 ／ ／

　 　　 　　　　　　　　＿＿＿_
　 　　　　　　　　　／_ノ　'' ⌒＼
　　　　　　　　　／ （ ● ） （● )＼　　　　　　　　　　　キミの心がけは殊勝だけれど、
　 　　　　　　／:::::::⌒,　　ゝ　⌒::::: ＼
　 　　　　　　|　　　　　`ｰ=-'　　　　　|　　　　　　　　　もう決まってしまったことだからね……
　 　　　　　　＼　　　　 　　　　　 　／
　r､　　　 　r､／　　　　　　　　　　ヘ　　　　　　　　　　これは病み上がりのキミに無理をさせないための
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　 　　　　ヽ
　　＼>ヽ/ |｀ ｝　　　　　　　　　 　　|　|　　　　　　　　　いわば親心だよ
　　　ﾍ　lノ `'ｿ 　　　　　　　 　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|　　　　　　　　それでは回復しだい赴任するように
　　　　＼. ｨ 　　　　　　 　 　 　 　　|　 |
　　　 　 　 |　　　　　　　 　 　 　 　 | 　|

┌──────────────────────────────────────────┐
│　後方に回されそうになった僕はあわてて原隊に復帰できるように嘆願したがもう手遅れだった。　　....│
│　やむなく僕は退院して宝豊警備隊に赴任したんだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　ところが────　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
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┏━━━━━━┓
┃..　宝　　豊　　.┃
┗━━━━━━┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.;'"~⌒'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ⌒ヾ`'"~
＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ _,.,_,人⌒`'"~　　　　　　　(⌒'"~
　　::::／|`⌒',=-　　　,_ _,. .､-ー'"~⌒ヽ⌒';ζ　　　　　　~"`'ー- 'ﾍ.,_,.ソ^ヽ.,ヾ､.,__ソ^`
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: : : : |;|ｺﾆ|| ,＿＿＿||,||ﾆiﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆi|;;;;;=====;;;;|;;| ||　 　 　.||　||ﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆi
￣￣.:￣7||'＿＿＿_||,||..ﾉ囮￣￣品品7.|;;;;|　 　　|;;;|;;|.|￣￣￣"|￣| ﾉ皿皿￣￣卅
￣7. :―. :￣7. :―. :￣./＿＿＿＿＿/. :￣7. :―. :￣7.￣￣￣7￣ /＿＿＿＿＿/
￣￣￣￣／＼-. :／￣￣￣￣￣／]￣7. :―. :￣7. :―. :￣7. :―. :￣／￣￣￣￣
￣￣￣￣＼／| -[|三三三三三|]／| :―. :￣7. :―. :￣7. :―. :￣7. :-|二二二二二



　　 　　　／￣￣￣＼
　　　　／　─　 　 ─ ＼　　　　　　　　……着任して分かったけど、
　　 ／　 （○） 　（○）　 ＼
　　 |　＼ 　（__人__） 　／　|　　　　　　この警備隊はとんでもないところだお！！
　　 ＼　|　　 ｀⌒J´ 　|　／
　　 ／ 　 　 　 　 　 　 　＼

┌──────────────────────┐
│　何しろ、ここにはろくな兵隊がいなかったんだ。　 　 │
└──────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:＼
　.　　　ﾉ⌒,／⌒`''⌒ヽl⌒ヽ,　ﾊｧﾊｧ :　　　　.／⌒`''⌒＼l⌒ヽ,＼
.　　 　 ｀ﾍ,/ 　　' `　　　＼(　　　　:　　　　　/ 　　' `　　　`ヽ,| : :::::＼
::::::　　 　ﾉ⌒.∧＿∧⌒ヽ,_)　　::::::::　　　 ﾉ⌒ ∧＿∧⌒ヾ,__)'　　:::::::＼
:::::::::::　（,__ヽ（::´Д｀::）,___,ヽ,　:::::::::::::::::　（,__ヽ（´Д｀　）,___ヽ,　ｺﾞﾁｮｳ::::::＼
::::::::::::::::∞∞∂　　　σ∞∞:::::::::::::::::::::∞∞∂　　　σ∞∞:::::::::::::::::::::::::::::＼:
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|∧＿∧
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣（ 　´Д｀）
　mm　 ∧＿∧　ｺﾞﾁｮｳ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 .　│／／
　|　 |っ（　´Д｀）　　　　　┏━━━━━━━━━━━━┓　　　　　　　│／ｺﾞﾁｮｳ､ﾄﾞｺ?
　|　/⌒｀　　　´⌒lm 　 　┃　　　　　　　　　　　　　　::／／┃　　　　　　　│
　| /　| J ： し　|　|, |　　　┃　　　　　　　　　　　　::::／／　 ┃　　　　　　　│
　|___/|　　　　　|　 ,ﾉ::::　　┃　　　　　　　　　　　　　／　　　┃　　　　　　　│
　l⌒ヽ　　　　 ／⌒l::: 　　┃　 　 　 　 　 .-　－、　　　　　 .┃　　　　　　　│
　|＼　　 ｀´　　　 /::::: 　　┃　　　　　　 .⑪ ⑪） ヽ 　 　 :　 ┃　　　　　　　│
.　|　 ＼___y____ノ/n:::　　　┃　　　.　 　lつ人__）uノ　　.　　　┃　　　　　　　│ｺﾞﾁｮｳ
..　|　　|　　 　|___／:::　　　┃　　　　　　｀| 　　　 |　　　　 ::::::┃　　　　　　　│∧＿∧
.　 |　　|　　　　　:　　　　　┗━━━━━━━━━━━━┛　　　　　　　 （´Д｀　 ）
　　＼_ﾉ　／⌒｀⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒´⌒＼　　　　　（￣l　　　|
　　　　　（　　　　 ＼＼　ﾌｰｰｰｰ　　　　　ﾌｰｰｰ　 　／／　　　　）　　　　　 lヽ ＼ 　ヽ
　　　　 　 ＼　＼　　　"""／l／l　　　　 　l＼l＼ ヾ　　　 ／　／　　　　　　 |　＼　　 |
　　　 　　l⌒ ＼, ＼　　　（　*｀Д）　　　（Д´*　）　　　／　／⌒l 　 　 　.　 |　　 ＼__|
＿＿＿__｀ヽ＼___丿（＿＿＿,っ　っ　　⊂⊂二二二ノ（______／/´＿＿＿＿.|＿＿ノ
　　　　　　　￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ￣

┌────────────────────────────────────────┐
│　病み上がりで衰弱しきっていた僕がとりあえず頼りにしたのは同年兵の下士官二人だが、　 　 .│
│　まず彼らからして僕と同じように退院したばかりの兵だった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└────────────────────────────────────────┘


　　 　　　／￣￣￣＼
　　　　／　─　 　 ─ ＼
　　 ／　 （○） 　（○）　 ＼　　　　　　　　……やる夫伍長ですお、よろしくですお
　　 |　＼ 　（__人__） 　／　|
　　 ＼　|　　 ｀⌒´ 　 |　／
　　 ／ 　 　 　 　 　 　 　＼

　　　　　　　 ／￣￣￣＼_
　　　　 　 ／:::／:::::::::::＼（ ;:;:;）　　　　　　　やる夫伍長ですか……
　 　 　 ／（ ;:;:;:;:;ﾉ:::::::<－>　＼
　　　 （;:;:;:;;;:;　 　　__´　_　　 .:::::）　　　　　　僕はできる夫伍長です
　　　 .／ ||　 　 　`ー'´　 　 ,／
　　　/ / |＼／ /　 /ｌ　| ￣　　　　　　　　　僕は手を負傷していましてね……よろしくです
　　 / /__|　 ＼/　/　|　|
　　ヽ、//////） /　 |　|
　　　/　￣￣　/　　 |　|
____,/　　)--- ヽ　　　ヽ つ



　　　　 　　＿＿
　　　 　 ／:::::::::::＼
　　　 ／::::/⌒Ｙ⌒＼　　　　　　　　　　 　　自分はいかない夫伍長です
　　 　|::::/　　（ ○）（○
　 　　|::::>　　　（__人__）　　　　　　　　　　　同じく足を負傷していまして……やる夫伍長、よろしく
　　　　|　　　 　｀ ⌒´ﾉ
　.　　　|　　　　　　　　}
　.　　　ヽ　　　　　 　 }
　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　／　　　　 ＼
　　　　/ /＼　　　/￣＼＿＿＿＿l⌒l
　　 　 |　|　 ＼　/　 ヽ　＼_＿////＿|
　　　(⌒ノ　　　ゝ　　　 ＼＿_）

┌──────────────────────┐
│　そして、隊長（中尉）までもがどこかヘンだった。　.....│
└──────────────────────┘

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 || ｶﾞﾁｬ
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||　　　　　　　　　　　　　隊長殿、
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||￣￣＼　||　　　　　　　　　　　　　やる夫伍長着任いたしました……
　|:::::::::::::::|| ノ　 ヽ_＼
　|:::::::::::::::||●)　(●) ＼
　|:::::::::::::::|| (_人_)　　　 |
　|:::::::::::::::||_＿＿　　 ／
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

　　　　　　　 ／´￣￣￣￣ ｀＼.
　　　　　　／　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　/　　　　　 　 　 　 　 　 　 '.,
　　　　　|　　.＿ ノ゛,, ;、､､ '"ヽ_ 　　 |
　　　　　|　　　　　　　　　　　　 　 　 |
　　　　　|　;;;（　● ） ﾉヽ （ ●　）i!i!i!|　　　　　　　　　あ、ああよく来たね……私はやらない夫中尉だ
　　　　　|　　.´"''",.　　　　 "''"´　　 |
　　　　　|..　ヽ　（　　　 j　　　 ）. /　.l　　　　　　　　　君の事はもう聞いているよ
　　　　　|　　 ヽ ｀ｰ-‐´｀ｰ-‐′/　 /
　 　 　 .丶　　 | 　　｀ ⌒ ´　　i　　./　　　　　　　　　着任ご苦労
　　　　 　ヽ　　　　　　　　 　 　 　 /
　　　　　 　ヽ　　　　　　　　　　　/
　　　　　　 　 ゝ　　　 ＿　　　／イ＼
　　　　　　／　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼

　　　　　　 　 　　　＿＿＿_
　　　　　　 　　　／⌒三 ⌒＼
　　　　　　　　／（ ○）三（○）＼　　　　　　　　　　（な、なんだおこの頼りなさそうな隊長は！！）
　　　　　　 ／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
　　　　　　 |　　　　　|r┬-|　　 　　|
　　　　　　 ＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／



　　　　　　 （⊃￣￣＼
　　　　　（⊃　　 _ノ　　＼
　　　　（⊃　!i!i（ ○）（○）　
　　　　　|　u.ヽ　 （__人__）
　　　　　|　　│　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　やる夫伍長、
　　 　 　 |　　　　　　 　 } ＼
　　　　 ／ヽ　　　　　　 }　　＼　　　　　　　　　君はこの警備隊で最先任の下士官になる
　　　／ 　　ヽ､＿＿__ノ　　 　 ）
　 ／　　　　　　　　.　 　|　＿／　　　　　　　　隊内のことは他の二人と計らってうまくやってくれ……
　|　 　　　　　　　／￣￣（＿)
　 ＼　　　＼　／|　ＪＪＪ　（　
　　　＼　　／　　 ／⊂＿）

　　　　　　┌────────┐
　　　　　　│　下士官集会室 　 │
　　　　　　└────────┘
　　　._＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
.　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::: ||:::::::::::::::::::::::::::::::: |
.　　　|:::::l￣￣￣￣|:::::||:::::l￣￣￣￣|:::::|
.　　　|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::||:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|　　　　　　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
.　　　|:::::!:::::::::::::::::::::!:::::||:::::!:::::::::::::::::::::!:::::|　　　　　＜　　なあ、できる夫……
.　　　|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::||:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|　　　　　　 |
.　　　|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::||:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|　　　　　　 |　 隊長はいつもああなのかお？
.　　　|:::::|:::::::::::::::::::::|::[||||]::|:::::::::::::::::::::|:::::|　　　　　　 ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
.　　　|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::||:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|
.　　　|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::||:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|
.　　　|:::::!:::::::::::::::::::::!:::::||:::::!:::::::::::::::::::::!:::::|
.　　　|:::::|＿＿＿___|:::::||:::::|＿＿＿___|:::::|
.　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::: ||:::::::::::::::::::::::::::::::: |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　 　 　　　＿＿＿_
　　 　　　／　 　　　 ＼
　　　　／ 　ノ　　　ヽ　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　ええ、そうですよ
　　 ／　　（一）　（一）　　＼
　　 |　　　　　___'___　　　　 　|
_＿ ＼ 　　 　 `ー '　　 　 ／　　　　 ＿_＿　　　　　　　　　どこが悪いのかいつも青白い顔をして
ヽ　￣｀"￢ｰ--､,,,_　　 _,,,､-ｰ"´￣´....,., ／
　∨ ;:;:;;;;:;:;:;::;:;;;:;:;;:; ｀Y´ ;;::;;:::;:;:;:;:;;;:;:;:;::; /　　　　　　　　　　部屋にずっと籠もったままで、
　　', ;:;:;::;::;:;;;:;;:;:;::;;:;;:;: i ;;:;:;:/￣￣/;;:;:;: /
　　 ', ;:;::;;::;::;:;;::;;;;:;:;;:;: i ;;:;:/ijknw/;;:;::: /　　　　　　　　　　　僕らが何か相談を持ちかけても
　　｛⊃;;:;:;;:;::;:;;;:;::;:;;::: l ;;:;;:;;:;:;:;;;:::;:;;:;⊆｝
　　 ヽ⊃)￣7;;:;:;:;::;;:;: l ;:;:;:;;:;::;:;::;;::; ⊂ﾉ　　　　　　　　　　　「君らでうまくやってくれ」の一言で済ますんです
　　　/ /_＿7;;:;;;:;;::;;;; l ;;:;;:;:;:::;:;;::;;;:;: /
　　 / ;:;:;:;;;;::;:;:;:;::::;;;:;:; ! ;;:;::;:;:;;:;;:;::;:; ｛　　　　　　　　　　　　まったく頼りにならない青成りひょうたんですよ
　 ノ /￣/￣/ii7lkl/7 i []ikllihXCV ﾍ､_
　　￣｀"￢--､,,,.__￢ ｝L ]_,,,､-ｰ"´￣
　　　　　 　 　 　　￣｀´￣

┌───────────────────────────────┐
│　隊長が隊長なら兵も兵で、「まったく半端な兵隊の寄せ集め」だった。　......│
└───────────────────────────────┘


　　 ／￣￣＼
　／　　 ⌒　⌒＼
　|　　　 　･　　・　|
　|　　＠　 （__人_）　　　　　　　　１足す１は～
　|　　　　　 |ilililil|/
　|　　　　　｀ ⌒´}　　　　　　　　 ３だっけ、４だっけ？
　ヽ　　　　　 　 }
　　ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く ＼
　　　|　　　　　＼ ＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)､

┌───────────────────────┐
│　「どう見ても、オツムが一銭足りない」者────　 　 │
└───────────────────────┘

　　　　　　＿__＿
　　　 　／　　　　＼
　　　／　ﾍﾆヾﾞﾘン　＼(;;;;;(　　　　　　　　　　おらぁこう見えてもシャバではなかなかのスジ者でな……
　 ／＝▲▼--▼▲＝) ;;;;)
　 |　 　　/（__人__）ヽ ;;;／|　　　　　　　　　　 兄貴兄貴と呼ばれて舎弟がたくさん付いてきたんだ
　 ＼　　　　｀⌒┃ｌ;;;;　／
　 /´`''" '"´｀`Y'・"｀`'j⌒ ヽ　　　　　　　　　 それが今ではこんな田舎の兵隊よ
　{　,ﾉ' i|　,. ,､ ,,|,,. ､_/´ ,-,,.;;l
　'､ ヾ ,`''-‐‐'''"￣_{　,ﾉi,､;;;ﾉ　　　　　　　　　 馬鹿馬鹿しくてやってられねぇや
　 ヽ､,　　,.-　,.,'／`''｀,,_　,,/
　　　`''ゞ-‐'"　`'ヽ､,,､,､,,r'
　　　　 ,ﾉ　 ヾ　 ,,　''";l
　　　 /=====､ ....====i、

┌──────────────────────────────┐
│　元の隊でも持て余していたと思われる「態度の横柄」な者────　　..│
└──────────────────────────────┘

┌────────────────────────────────┐
│　あとの兵隊にしても「敗残兵よろしくで、なんとも情けない」状態なのだ。　 　 │
└────────────────────────────────┘

　　　　　　　 ＿＿＿＿　　＿＿＿＿　
　　　　　　/''　　　　　　`/''　　　'',,,　,'`;､＿
　　　　　　l　　　☆　♯ l　　　☆　　 　 '､　`;､　 √￣ヽ--ヘ　　　 √￣ヽ--ヘ
　　　　　l　_,――――l　_,――――-､ |　　 '　/　　☆　　　ヽ､　 /　　☆　　　ヽ ヽ--ヘ
　　　　　 _-＝ﾆ=ﾆ＝＝-＝ﾆ=ﾆ＝＝＝ ―-０く-／＝ﾆ＼二＞|０く-／＝ﾆ＼二＞ヽ:::::: :
　　　　　 / ●　　　 ● / ● 　 　 ● `､＝＝／　● 　 ●　　＼／　● 　 ●　　＼.:::::: :
　　　　　||　　l´　l　`l 　|　　l´　l　`l　♯ !　　|　　l´　l　`l 　''',,,# ||　　l´　l　`l　　　　|:::: :
　　　　　| `､ ｀-´`-´　 `､　｀-´`-´ ♯/　　/＼,,.｀-´`-´　 　 ／ ＼,,｀-´`-´ 　　／:::: : :
　　　　　|　 ＞､　　 　 く _＞､　　 　 く __|__|,-'￣,, /＼ヽノ/ゝ 丶 ／,, /＼ヽノ/ゝ 丶:: : :.



　　 　　　／￣＞く＼
　　　　／　─　 　 ─ ＼　　　　　　なるほどなぁ……
　　 　| 　 （〇） 　（〇）　|
　　 　|　　>　（__人__）<　|　 　　　　ここまでお粗末で不適格な兵隊をよく選んだものだお
　　 　＼iiii　 u｀ ⌒´　／
　 　 ／　　　　　　　　＼

　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 　／ノ　　＼　　 u. ＼　　　　　　　　　　本当にもう、どうしようもない状態だお
　　　　／ （●） 　（●） 　　　＼
　　 　 |　 　（__人__）　 　　u. 　 |　　 　　　　　　でも、何とかしないと……
　 　　 ＼　u.｀ ⌒´　 　　　　 ／
　　　　ノ　　　　　　　　　　　 ＼
　 ／´　　　　　　　　　　　　 　　ヽ

　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　. 　 　 ／　　　　　＼　　　　　　　　　　　　まず一番にしないといけないのは、
　　　　 　／　　u　　 ノ　　＼
　　　　／ 　　　　 u （●）　　＼　　　　　　　 　住民と仲良くすることだお
　　　　|　 　　　　　　　（__人__）|
　 　　 ＼　　　　u　　　.｀ ⌒／　　　　　　　　　敵に内通されたり後から襲われたりしたらたまらないお
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼

┌──────────────────────────────┐
│　何か役に立つものはないかと僕はまず部隊の倉庫を調べてみた。　......│
└──────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿ヾ
　　　　　　　　　 ／ ＼　　＿＿＿＿＿＿＿ ＼
　　　　　　　　／／ ＼＼　　＿＿＿＿＿＿＿ ＼
　　　　　　 ／／　　　 ＼＼　　＿＿＿＿＿＿＿ ＼
　　　　　／／＿＿＿＿ ＼＼　　＿＿＿＿＿＿＿_＼
　　　 ／／　 |　倉庫　 |　 .＼＼　＿＿＿＿＿＿＿＿＼
　__／／二二二二二二二二..＼＼＿＿＿＿＿＿＿＿_ ＼
　　　||　　　　　　　　　　　 　 　　||　 ＿＿ 　 　＿____ 　　|　　　　　　　　　　　 ､　ノ、
　　　||　　　　　　　　　　 　　 　　||　|＿|＿|　　|＿|＿|　　|　　　 　 　 　 .rヤ● ●） ヽ
　　　||　　　　　　　　　　　 　　　 ||　|＿|＿|　　|＿|＿|　　|　　 　 　 　 　 ヽ.（人__）　ノ
　　　||　　　　　　　　　　　　　 　 ||　|＿|＿|　　|＿|＿|　　|　　　　　　　　 　 |　 　 　 ヽ
　　　||　　　　　　　　　　　　 　　 ||　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　 　 |　　 　 し'
..,,,,,,,,,||.. . . .... ... . .. .. ... ... .. .　.　...||,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,､,,,,､|,　　　　　　　　　 .し　　　Ｊ

.: .:::.. ... :. .::..　....: .:　... ..　.　.　　　 　 　　 　 　　 　　 ll　　　　　　　　　　　　　　　.　　　.. .:...:... .. .　.　 ... ....:::::.
: .:::.. ... .:... .. .　.　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 , -┴- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .... ...:.:.::::..... ...:::.
　..::::. ...::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／-──‐-ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.:...:... .. .:::::.:.
＼＼::... 　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　（.　 　(　 ,)　　 ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 .... ...:.::..
:..　＼＼::::...　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　￣　 　　 ￣　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　／
..　　　＼＼::...　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　／
/￣ヽ　 . ＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　／
l:.　　.| 　　　.＼＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_,／
l:::..　 |　　　 　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　|　|　　　　　　　 　 　 　 　 .　|| 　 　.　　 　／
｀丶､.|. 　 |￣|￣|　＼＼　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　|二二二二二二二二二二||　 　 　　／
｀丶､｀丶､|　 |　 |　　 .＼＼＿＿＿＿_＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　|　　　　　　　　 　 　 　 　 .||. 　 　／|
　 　 ｀丶､｀丶､ .| 　 / ヽ.＼＼_＿_＿.＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|　|　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 || 　／.　 |:　・　.,,
. l^ｌ.　　 　｀丶､｀丶､l::.　| 　 ＼,l　　　　.　　 　 　 　 　 　 　 　 |　|　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |／　　　　.:l　,,-''
/　ヽ　 　 　 　 ｀丶､｀丶､￣￣.|.　 ＿＿＿＿＿＿_＿_,　　 　:|　|　　　　　　　　　　　 　 ／　 :l:　・ ,,-''
|::. 　| 　 l⌒l　　　 　 ｀丶､｀丶､|　 ||_,━_,||_,━_,||_,━_,||　　　 :|　|＿＿＿＿＿__　 　 ／ | 　　:|,, -'' : |:　・ 　 ,,
｀'' ー- ､|..,:;l　.　l⌒l　　　 ｀丶､|　 ||￣￣||￣￣||￣￣||　　　 :|　|:::::::::: :::::::::::::: :::|　　 |l　:l:・,,-''l:　・　::| ,,,-''"
｀'' ー- ､｀'' ー- ､.:,:|..| ￣￣￣ |　 ||_,━_,||_,━_,||_,━_,||　　　 :|　|:::::: ::::::::::::::::::::: |　　 |l,,-|'　　 l　 ,,-'''|
￣|￣l　 ｀'' ー- ､｀'' ー- ､|￣| |　 ||￣￣||￣￣||￣￣||　　　 :|　|:::::::::::: :::::::::: :::::|　　 |l　:|: ・,,-l'"　　.:|:　・
　 |　 | . /￣ヽ　　fl''' ー- ､｀''ｰ|　 ||_,━_,||_,━_,||_,━_,||　　　. |　|::: ::: ::::::::::::::::::::,|　　 |l,,-|'"　 :|:　・ 　|　__,,-‐''
＿|　 |　l:.. 　 |..　/ ヽ''──｀''ｰ|　 ||￣￣＿_.￣||_,━_,||　　　 :|　|::::::: :::::: :::::::／ |　　 |l　:|: ・　:l__,,,-‐''"
＿ ￣｀""ー-- ､|＿|| |￣|￣|　|　 |l_,・　l　|| l＿||_,━_,||　　　 .|　|:::::::::::::::::／ 　 .|　　 ||__,|-‐''"|　　　 |:　・
　　￣｀""ー-- ､ ＿__￣｀""''ｰ|　 ||..,　--　、　　　　../￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ .・ _,,|_,,,, --─
r‐''┬‐r‐‐､ ───┬─｀""ｰ|.∩ /　　 　 ヽ∩　　.|　　なんだお、いっぱいあるお！！　 　 |　　..|
|::. . |　.|::. . |　|￣|￣|.|┌┬‐┐.└-ゝ 　 　 ノ／　　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿/...・　 |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|:　　 i 　 〈′}　　　　　　　　　　　　　　i＿＿＿_,|　　 ||￣￣￣

┌────────────────────────────┐
│　僕がまず見つけたのは大量の医薬品だった。　　　　　　　　　　　　│
│　そこで、これを使って僕らは住民相手の臨時診療所を作った。 　 .│
│　もちろんこれは住民の懐柔のためだ。　　　　　　　　　　　　　　　......│
└────────────────────────────┘

＿＿＿＿
|ヽ(´ー｀)ﾉ|
| （＿＿_）.|
|　 11月 　| 　　 　　　　　　　　　∧∧　　　　　 ｡＿＿＿＿＿＿。 　 　
|　：：：：　∧＠∧　　　　　　 　／支　＼　　　 　 ||,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,||　　　
ﾛ＿＿　（　´∀｀）　　　　　　　（｀ハ´　）　　　 　 ||　| ｜| |｜| ｜||　　　
＿＿/┌（＼Ω/）　　　　　　 （´__]l[__`）　　　 　 ||　| ｜| |｜| ｜|| 　　
　 ||/||..|_└ヽ＿ﾄヽ　　　 　　　|　 .|　　|　　 　 　 ||　| ｜| |｜| ｜|| 　 　
─|| ┸.｡__］|_＿）_）　　　　　　（＿,X,＿）　　　 ｡┘~~~~~~~~~~~~.└｡

　 　　　 　　 　＿＿＿_
　　 　 　 　 ／ ＼　　／＼　 ｷﾘｯ
　　 　 　 ／　（ー） 　（ー）＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　内陸では手に入りにくい貴重な塩も見つけたお
　　　　／　　 ⌒（__人__）⌒ ＼
　　　　|　　 　　　|r┬-|　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　これを住民たちに分けてあげるんだお
　　　　 ＼　　　　 `ー'´　　 ／
　　　　ノ　　　　　　　　　　 　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫の目的はこれを配る際に住民から話を聞いて
　 ／´　　　　　　　　　　　　 　　ヽ
　|　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　情報を収集することなんだお
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､.
　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　 　 　 　 　　　　　　　　　　＜ 　走　走　＞　　
　　　　　　　　　　　＿＿ 　 　 　 　 三　 /´:::☆ヽ 　　 　　　　　　　　　　　 ＜　 れ　れ　＞
　　　　　　　　　　/＿☆|__　　　 　 　 　 （　ii´Д）, ＿, 　　　　　　　　　　　 ＜　 ！　　｀　＞
　　　　　　　三 /_了#ﾟДﾟ）　　　 三　 「（:::`´::,,つｬO'''~ 　　　　　　　　　　　＜ 　　　　　　＞
　　　　　　　　/ つ≠∩ヨ===┯ 　 　 （ ヽ:::::ﾛ:/〉　　　　　　　　　　　　　　　 ∨∨∨∨
　　　　　　三/~'/_,,つ　 　 　 ￣￣￣ 　 ￣ （＿,）　　　 　 　 　
　　　　　　　(ﾐ/'　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿
　　　　　　 _,,,,,_　　　　　　　　　　　　　_,,,,,_　　　　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　 ／／　　　　　＼
　　　　　γ__o⊥　　　　　　　　　三 γ_☆_ヽ　　　　　　　 　 　　　　　　　　　　　　 （● ）　　　　　　　＼
　　　　　/」TДT)　　　　 　 　三　　/( #ﾟДﾟ)　　　　　　　 　 　　　　　　　　　　　　（＿）⌒::::::　　　　　　 ＼
　　　　　　/ つ≠∩ヨ===┯　　　　　/ つ≠∩ヨ===┯ 　　 　　　　　　　　　　　　 r|　　　　　　　　　　　　|
　　　　= /~'/_,,つ　　　　　￣￣　三/~'/_,,つ 　　　　￣￣￣ 　　　　　　　　　　　　 (,ｰ`　　　　　　　　　 ／
　　　　　(ﾐ/'　　　　　　　　　　　　　(ﾐ/' 　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　＼

┌─────────────────────────┐
│　その一方で僕は「半端な兵隊」の再教育にかかった。　　　.│
└─────────────────────────┘

┌──────────────────────────────────────┐
│　武器庫で僕が見つけたのは、僕の生まれ年より6年も古い骨董品の重機関銃だった。　......│
└──────────────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　_＿＿_,,_!＿,
　　　　　　　　　［ｌ_|＝≠＿＿l,'l||||||||||||||||ﾆ========
　　　　　　　　　　　￣　　//| |
　　　　　　　　　　　　　　 　 | |
　　　　　　　　　　 　　 ,;― 'i＿」ヽ,
　　　　┌- ―,ﾆﾆ''"－'￣　　　＼ヽ
　　　　　￣￣　　 　　　　　　　　 ￣

三年式機関銃：1914年（大正3年）に制式化された日本陸軍の機関銃。

口径　　　　　　　　　　　6.5mm
銃身長　　　 　 　 　 　 737mm
使用弾薬　　　 　 　 　 三八式実包
装弾数　　　 　 　 　 　 30発（保弾板）
全長　　　 　 　 　 　 　 1,220mm
重量　　　 　 　 　 　 　 25.6kg
発射速度　　　 　 　 　 500発/分
銃口初速　　　 　 　 　 740m/s
有効射程　　　 　 　 　 1,700 m（照準器目盛最大2,200 m）


ttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/98/Type_3_Taisho_14_heavy_machine_gun.jpg

┌───────────────────────────────┐
│　これでも機関銃には違いない。僕はこれを兵に景気よく撃たせた。　　　....│
│　訓練にもなるし、何よりもその音による住民への威圧が狙いだった。　 　 │
└───────────────────────────────┘


　　　 ,-‐‐-、
　　　j__＿___l, 　　　　　　　　　┣¨┣¨┣¨┣¨
　　　 (ﾄ|ﾟД)_!--,＿＿___,,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　 　　　
　　　/　（(つ_|＝≠＿＿l,'l||||||||||||||||ﾆ========' "´"''' -　＿　　　- 　　　　-　　　
　　 （ __, ￣〉　￣,;― 'i＿」ヽ, 　　　　　　 　　　 ´"''''-　''"　　　　　　　　￣　　 ＿　
　┌-´―,ﾆﾆ''"－'￣　　　＼ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

┌──────────────────────────────────────┐
│　そうやって住民対策にがんばっているさなかに、ある厄介な事件が持ち上がったんだ。 　 .│
└──────────────────────────────────────┘

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 || ｶﾞﾁｬ
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||　
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||￣￣＼　||　　　　　　　　　　　　　やる夫伍長、入ります……
　|:::::::::::::::|| ノ　 ヽ_＼
　|:::::::::::::::||●)　(●) ＼　　　　　　　　　　　　隊長殿、お呼びだそうですが……
　|:::::::::::::::|| (_人_)　　　 |
　|:::::::::::::::||_＿＿　　 ／
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

　　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　ああ、わざわざすまないな伍長……
　　　　　　|　　!i!i（ ●）（●）
　　　　　.　|　u.ヽ　 （__人__）
　　　　　　 |　　│　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　実はな、先ほど前線の親部隊から
　　　　　.ｌ^l^lｎ　　　　　 　 }
　　　　　.ヽ 　 L　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　　　中国兵の捕虜が1人送られてきた
　　　　　　 ゝ 　ﾉ　　　　ノ
　　　　　／ 　 /　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　そいつに関してなんだが……
　　　 ／　　 /　　　　　　 　＼
　　. /　　 　/　　　　　　　　-一'''''''ー-､.
　　人＿＿ﾉ　　　　　　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　＼　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　/｀ﾞ''―‐┬　　　|　　　　　　　　　　「　処　　分　　し　　ろ　」
　　　　　　　 　 　 　 |　、＿ 　l　　　..|
　　　　　　　 　 　 　 ヽ　　　 丿　　　|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　以上だ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l＼
　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　,'　　＼　　　　　　　　これは上級部隊からの命令だ
　　　　　 人　 　 　 　 丿　　 　 　/　　　　＼



　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　 ／⌒　　⌒＼ 　 　 　 　　━━┓┃┃
　　 　　 　／（ ￣） 　（＿）＼　　　　　　　　 ┃　　　━━━━━━━━
　　　　 ／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼ 　 　 　 　　┃　　　　　　　　　　　　　　　┃┃┃
　　　　|　　　 ゝ'ﾟ　　　　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┛
　　　　＼ 　 ｡≧　　　　　　　三　＝=-
　　　　　　　 -ｧ,　　　　　　　　≧=-　。
　 　 　　　　　ｲﾚ,､　　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　　　　　 ≦｀Vヾ　　　　　　　ヾ　≧
　　　　　　　 ｡ﾟ　/｡･ｲﾊ ､､　　　　｀ミ　｡ ﾟ　｡ ･

　　　　　　┌────────┐
　　　　　　│　下士官集会室 　 │
　　　　　　└────────┘
　　　._＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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.　　　|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::||:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|　　　　　　∠　処分なんてできるわけないお！ ＞
.　　　|:::::|:::::::::::::::::::::|::[||||]::|:::::::::::::::::::::|:::::|　　　　　　／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ＼
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　 　　　　 　ﾉ Ｌ＿＿＿_
　　　　　　　⌒　＼　／ ＼
　　　　　　／　（○）　（○）＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今まで長い時間をかけてようやく
　　　　 ／　　　 （__人__）　　 ＼
　 　 　 |　 　 　　　|::::::|　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　 　宣撫工作が成功しつつあるんだお
　　　　 ＼ 　 　 　 l;;;;;;l　　 　／l!| !
　　　 　／　　　　　`ｰ'　 　　＼ |i　　　　　　　　　　　　　　　　　それなのにここで捕虜を処分したら
　　　／　　　　　　　　　　ヽ !l　ヽi
　　 （　　 丶- 、　　　　　　 しＥ　|そ　　ドンッ！！　　　　　　　今までの苦労が水の泡だお！！
　　　　`ー､＿ﾉ 　 　 　 ∑　l､Ｅ ﾉ　<
　　　　　　　　　　　　　　　ﾚY^Ｖ^ヽｌ

　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　　　／　　 　　＼
　　　　　　　 ／ノ　　　＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　しかも捕虜が警備隊に連れてこられるとき
　　　　　　／（●）　（●）　　u　＼
　　　　　　|　u　 __´__　　　U　　　 |　　　　　　　　　　　　　　集落の真ん中を横切っているんですよ
　　　　　　＼＿ `ー'´　　　　＿／
　　　⊂ ヽ∩　/　　　　 　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　当然村民はみなこのことを知っていて
　　　　'､＿　＼|　　　　　 　　　|
　　　　　　　＼　＼　　／　　／　　　　　　　　　　　　　　　　捕虜の処遇に重大な関心を持っているはずなんです

　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　 ／:::::::::::＼
　　　　　　　　／::::/ _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　殺せば確実に反感を買うわな
　　　　　　　　|:::::/　 （ ー）（ー）
　　　　　　　　.|:::>　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　　　　 もちろん今までの住民対策は全部パーだ
　　　　　　　　/　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　／　　ヽ　⊂二二￣＼　　　　　　　　　　　　　　　　しかし、命令は命令だぞ
　　　　／　　　　　＼　 ⊂、'　 　 ヽ
　　　/　　　　　　　　＼＿, ｀7　　/　　　　　　　　　　　　　　　あんな青成りひょうたんの言ったことでも
　　/　　　　へ　　　　 ＼　!/　　/
　　|　　　　　　＼　　　　Υ　　/　　　　　　　　　　　　　　　　それは実行しないといけないんだ……
　　|　　　　　　　 ＼　　　　　/

　　　　　　　　　／ ￣￣￣ ＼：
　　　 　 　 ：:／　　　　 　　　::::＼：
　　　 　 　;： |　　　　　 　　　 :::::::| ：　　　　　　　　　　　　　……分かったお
　　　　　　　 ＼.....::::::::: 　 　::::, ／
　　　　　 　 r "　　　 　.r　　／　　　　　　　　　　　　　　　　最先任下士官としてやる夫は
　　　　　　：|::|　　　　 ::::|　:::i
　　　　　　：|::|:　 　 　.::::|　:::|：　　　　　　　　　　　　　　　　 この命令を実行するお
　　　　　　：`.|:　 　 　.::::|　:::|_：
　　　　　 　：.,':　 　 　.::（　　:::}：　　　　　　　　　　　　　　　「処分」は明日行うお……
　　　　　　 ：i　　　　　　`.-‐"

　　　:.:.:::.:::.:::.::.::(
.. 　 　 　 :::.:::.::.::ヽ
:::::....　　　　　 :::::::::`'''‐‐--''''つ
.:.:.:.:.:.:....　　　　　　::::.:::.:::.::(´
::::::::::::::::::::....　　 　 　 　 :::::::ヽ､＿＿-‐ ､
:::::::::::::::::::::::::::....　　　　　　　　:::::::::::.:::.:::.ﾉ
:::::::::::::::::::::::::::::::::....　　 　 　 　 　 ::.::.::.:（　　　,.-
　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::....　　　 　 　 　 　 :.:｀￣: : :
　　　 :.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::....
　　　　　　_ _＿:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::....
:::.. :::..　　 ｀ヽ、｀＼:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::....
::::.. :::::::..　　　 ｀ｰ､ ヽ,＿:.:.:.:.:.:.:.:::::::::...
::::::.. :::::::::..　 　　　 ,> 　└―‐‐ ､:.::::::::::...
::::::::.. :::::::::::..　　　'‐、 「´￣"''ｰ､ ＼:.:::::::::..:..
:::::::::::.. ::::::::::::..　　　 ｀′　　　　　｀゛｀ :.::.:.:..:.:.:.:...
::::::::::::::.. :::::::::::::..　　　　 　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.::.:.:::....
　　 , ⌒ヽ:::::::::::::::..　　　　　　. .. ...::.:::　　　 ＿＿__ .:::...
丶''′　 /　:::::::::::::::::.. 　　　　　 　 __┌‐ｰ'´,--‐'"´ :.:.:.::....
　　　　（　　 :::::::::::::::::::....　　　 　r'´_,.-‐-、''ｰ、 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.....
　　　　　`‐' ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::..　,ｨ'´''"´　　　 ﾚ'"´ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::....
　　　　　　　丿:::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::..　　　　　　　 : : : : : : : : : :　:　:　:　: .
　　　　　　　ヽ___ノ´￣￣｀ｰ､　　　　　　　　 : : : : : : : : : :　:　:　:　: .
　　　　　　　　　　　　　　　　 ）:::..　　　　　　　 : .　:　:　:　:　:　:　:　:　.
　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::.:.::..
　　　　　　　　　　　　　　　（_::::..:.:.:.::..
　　　　　　　　　　　　　:.:.:.:.:.:..:.. :.:.:.:.:.:.::..
　　　　　　　　　　　　 　 : : : : :::.. :::: : : : :..

┌───────────────────────────────────┐
│　命令とあれば逆らえない。処分は最先任の僕自身が行うことになってしまった。　.....│
│　翌日、僕はその捕虜と会った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
└───────────────────────────────────┘

　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　|　ｄｒｆｔｇｙふじこｌｐ…………
　　　　　　＼
　　　　　　　 ￣￣￣|／￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　,.:''::´::￣::`:::.、
　　　　　 　／; '´Ｔ 丁l `ヽ:ヽ　　
　 　 　 　 /{:/ｌ |ｌ ﾄ､　ｌ Nﾄｌ`iﾊ　←通訳
　　　　　 l∞|ｌ kﾉノヽﾉ｀ヽﾘiｌ ｌ|　　　　　　　　　＿＿＿
　　 　 　 |∧l lK ◯ 　 ○ ｿｲ|　 　 　 　 　 .／　　　　　＼　　　　　　　　　お前が捕虜かお……
　　　　　,ｌ　（ｌ ぃ　 ,-┐　,从!|　　　　 　 .／　　　　　　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・ .・ .・ .・
　　　　　l　 ヽ ﾄゝ､ ニ イ ﾄ､ｌﾄ､　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼　　　　　　やる夫たちはお前を別の場所に
　　　 　 |/≪T ,バ､:文:｀Yラ､ゝ　　　...|　 　 　 （ー）　 （ー）　 |
　　　　　Ｎ≠{〈:::::::〉:;i:::}:::〉≧　　　 　 .＼　 u. 　 （__人__）　,／　　　　　　 移動させることになったお
　　　　　ヾ≦ﾊＺi::ﾍ;:::〈ｌ:::|j≧　　　　 　 .ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼
　　　　　　／:::::::ﾊ:::KＸl:_:ﾄ､　　　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ　　　　 　おとなしくついて来るんだお……
　　　　 ∠::::::::::::{ﾐk::〉Xl,ｿ::::＞　　　|　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　　　　　　|:::::::::::｀^^ＫＸヽノ　　　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /

　　　 　 ヽ ＼{　　 ＞ : ´: : : : : : : : :｀ : . 、　 ／　　|ノ⌒フ
　　　　　 |　　 V´: : : : : : : : : : :丶: : : : : : :＼{　　　ﾉ　　{
　　　　　弋＿/: : : : : : : : : : :ヽ: : : ＼: : : : : : ヽ ／　　 ﾉ
　　　 r=ァ≠/: : : : : : : : : : : : : V : : : : : : : : : : : ト＜⌒ヽ
　　　 {／　 ,′: : : : : : : : : : : : : V : : : : : : ＼: : :|　　＼ :i
. 　 　 ＼ 　 : : |: : :〃: : | : : : : : :丶: : : : : :＼ ﾐ=‐ 　 ／ |
　　 　 / ∨ : : l: 斗|-‐ｧ{ : : : : : : :｀;ヾ:ト:- : : ＼ﾄ､／＼ :!
.　 　 /　/ !: : :l|: : |:|: 厶ﾐ、: : : : ://_/ヘ: : ｀ト : :＼　　 }:|　　　　　　　　　　是的、我明白……
　　 〈ヽ/　|: : 八: :|:ｋ{_,ハ ､: : : //,ク卞､＼: : : :＞一 /: |
　　　∨＼ｊ :∧: ヽゞ　ﾏソ　＼/'′ﾏソ ' / ﾊ:/:/ヽ._／: : |　　　　　　　　　　（はい、分かりました）
. 　 　 | : : |/: ∧ : ﾄミ　、、　　　　、、／イ /:/ :!:.: : : : : :|
　　　/: : : : : ﾊ :＼{八　　 　 ' 　 　 　 /　|: : :|　l: : : : : : :|
.　　/: : : : : /: | : : |　 ＞ ､　 ´｀　　ィ〔.　 |: : :!　l: : : : : : :|
　 /: : : : : /.:. :| : : |　 　 | ､〕 ｰ　´ ／ !　 ! : :|　:!:.: : : : : :|
. /: : : : ﾄ<ﾞ :r‐| : : |一ｧｧ|　 ! 　 　 !i　 !ｰ ｌ : :|─ ､: : : : : |
/: : : : : l＼｀|　ｌ: : ｌ|　〃 |ﾍ {　　　从　|:::::|: : |　　 i : :／ﾊ
: : : : : : |　 ﾄ|　|: : ｌ|／:::::l:::〈ﾊ 　 / /ヽ|:::::l: : |　　 ｌ／/　 |
: : : : : : |　 |:|　|: : ﾘ─z::::::::::ヾ._/／::::::::::::|: : | ,　 ｊ／|:|　 |
: : : : : : |　 |:|　|: :/ ＜::丶 ::::::::::::::::::::::::::::::l: : |/ ／　 |:|　 |
: : : : : : ヽ .|:|　|:/　　＿＞ミｘ::::::::::::::＜´ |: : lV 　 　 |:|　 |
: : : : : : :〈ヽ !　!{　　{〓　　 　 ￣￣￣　 |: : | }　　　 |:|　 |

　　ｉ⌒ｉ⌒ｉ⌒ｉ⌒ｉ⌒ｉ⌒ｉ⌒ｉ⌒ｉ⌒ｉ⌒ｉ⌒i　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,、
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　　|三三三三三三三三三三三三三三三}　　　 {.,ｲ{　　 ノ　||（ 　 ,Ｕ
　　|三／´|｀ヾ三三三三三／´|｀ヾ三三三ニニニニニニニニ０ニｺ/
　 └ﾞ（─＠─）========（─＠─）=┘　　 　　/|　|/|　|　　　}　}　j{
　 　　 ＼._|_,ノ　 　 　 　 　 ＼._|_,ノ　　　　　　 　《_, 《_,ヒ｝　　《_,《_,/_｝


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　|
　　　 　＿＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿／　　　　　　　 　 　 　 　 　 _ ＿
　　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　 　 　 　 　 ,....'´::::::::{＠}::ｰ､
　 　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣ ＼　　　　　　　　イ:::／ ´　~￣~ ｀ ＼
　 　 |::::::::ゝ　―　　―　|　　　　　　 .／￣￣＼　　 　 　 　 ／　　 ::＼:::／::::＼ 　 　 　 . //::〃 i　,ハ　　 /ヽ､ ﾍ
　　　|::::::（ （ ●）　（●）|　　　　　.／　 ─　 ─＼　　 　 ／　　 <●>::::::<●>　＼　　　　|∞:i ｌ ﾚイ　 ヽノ ｀ヽ} !｀ｌｺ
　 　（@　 ::::⌒（__人__）⌒)　　　 ./ 　　（●） （●）ヽ 　 . |　　　　　（__人__）　 　　| 　 　 .〔人 }　ぃ● 　　　●小iVヽ
　 　　|　　　　 ｀ ⌒´　　|　　 　 ..|　　　　（__人__）　|　　...＼　　　　 ｀ ⌒´　　　／　　　　|! 　ｉ､⊂⊃　　　　 ⊂lｉ|ノ
　　　 ＼ 　　　　 　　 ／　 　 　 .|　　 　　 ｀⌒´　　|　　　　.￣（⌒`::::　　⌒ヽ　　　 　 ＿l 　 l!　 ト　　 ｰｰ　　ﾉi|
　,,.....イ.ヽヽ、___ ーノﾞ-､.　 　 　 ヽ　　　　　　　　　/ 　 　 　 　 ヽ:::: ~~⌒γ⌒）　　.／:: ;;| 　 |　 |>´_l_￣/'/￣/￣/
　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ 　 　 ./ ヽ　　　　　　　ノヽ　　　　　　 .ヽー―'^ー-'　 　 .⌒⌒| 　 |　lＮ/　 ￣ ) 　/　 と)
　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　　 /　　　　　　　　　　　ヾ　　　　　 　 .〉　　 　│　　　 　 　 .レ∨Ｗ|_}--j-イ__/＿/ノ

┌────────────────────────────────┐
│　馬車を用意した僕は、兵隊三人と通訳一人を乗せて警備隊を出発した。 　 │
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　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∧∧　∧∧　 ∧∧ 　∧∧　 ∧∧ 　∧∧　 ∧∧　　 .''''';;;;　,,,;;;''';;'
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／支＼／支＼／支＼／支＼／支＼／支＼／支＼ 　 　 .'''';;;;;　　　 ,,,,;'';,
　　　,;,,　　　　,,,,,,,;;;;;;;'''''''.（ ｀ハ´ ） ｀ハ´ ） ｀ハ´） ｀ハ´） ｀ハ´ ） ｀ハ´ ） ｀ハ´ ）　　……　　.,;''';,;'　;'''';;;,,,;''
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　　　　　　;;;'';　　　 　 　 （_＿）＿）＿）＿）＿）＿）＿）＿）＿）＿）＿）＿）＿）＿）　　　 　 .''''';;;;,,,,,,　　''';;,

┌─────────────────────────────────────┐
│　朝の早い時間だったが、どこから聞いたのか沿道には大勢の住民が群がっていて　 　 .│
│　押し黙ったまま僕らを見送っていた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　僕らはあくまで単に捕虜を移動させる風をつくろっていたが、みんな僕たちが　　　　　　...│
│　何をしようとしているのか理解していたんだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└─────────────────────────────────────┘

　　　{　　　　!　　　　、,ゝ=＝=く::::　　　　　　　　　　　　_　　　　　　　、,ゝ=＝=く::::　　　　　　　　!　　　　}
　　　ｨ彡三ﾐヽ　｀ヽγ　　　　　 ｀ヾ,　　　　　　　　　　　　　　、　　γ　　　　　　 ｀ヾ,　　　　/｀　ｨ彡三ﾐヽ
　　　彡'⌒ヾﾐヽーく( 　 r,J三;ヾ 　　)>　　　　　　 　 　 　 　 　　く( 　r,J三;ヾ 　　　)>　　　ー彡'⌒ヾﾐヽ
　　　　　　　　ヾ､　　;　 　{三●;= } ,=　　　　　　 　 　　　　　 ′　 ヽ;{三●;= } 　　,=ｿ　　/
　　　　　＿　　　｀ー―'ゝ≡三＝ノ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ≡三＝ノ　｀ー―'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,.f"ﾐﾐヾ､
　　　彡三ミﾐヽ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 f";;;;ノ^〃=ミﾐ;､、　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 彡三ミﾐヽ
　　　彡'　　　ヾ､ 　　　＿ノ　　　　　 　 ﾉ彡ﾘﾉ／　 中 　＼　　　 　 　 　 　 　 　 ＼＿　　　ヾ´　　　　´ミ
　　　　　　　　　｀ー '　　　　　　　　 　 |ﾘ||ﾘ／　─:::::::::─　＼　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ー ´
　　　　,ｨ彡三ﾆﾐヽ　　＿_ノ　　 　 　 .(川／　 （　 ）:::::（ 　） 　＼　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,ｨ彡三ﾆﾐヽ
　　　彡'　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ||ﾄ|　　 　 ／_人_＼　　 　.|　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ミ'
　　　　　　　　　＿　　＿＿ ノ　　　 　 .iﾘ＼.　 §::｀⌒´::§　 ,／　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　,ｨ彡'　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /:::::::::::::::| | |:::::::::::::｀､　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｨミ'
　　　ﾐ三彡'　　　　　　　 ／⌒　　　　 　../::::::::::::::::.| | |::::::::::::::::::､　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾐ三ミ'
　　　　　　　　　 ｨﾆﾆ=- '　　　　　　　　　{:::::::::￣|￣||￣|￣:::::::::} 　　　　　　　　　　　　　ｨﾆﾆ=- '
　　　　　 　 ,ｨ彡'　　　 　 　 　 　 　 　 　 .ゝ::::_＿|＿||＿|＿_::::ノ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ミｨ,



　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　　　　＼
　　　　 ／ _ノ　　ヽ__　　.＼　　　　　　　　（あの住民たちの目……あれは間違いなく憎悪の目だお
　　　／　（○）!i!i（○）　　　＼
　　　|　　　（__人__） 　u　　　 |　　　　　　　その視線を感じるだけで背筋が寒くなるお……！！）
　　　.＼　　　）t-ﾂ　　　　　／
　　　　/　　　⌒´　　　　　　＼
　　　　＼＿（__）　　　　　　i＼(__)
　　　　　|　　　　　　　　　　|

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,-‐"´､,、　　 ｀ﾞｰ 、
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 ,,-‐―"‐-､,,　　 ヽ　　　　　　　　_,n＿00　　___　　　_,n＿00　　___
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　ﾞ/　 　　　　　ヽ、 　 ヽ　　　　　　└l ｎ |　 　く,ﾆ ! 　└l ｎ |　 　く,ﾆ ! 　○　　○
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 | 　 ,,-‐-､,,-‐"´￣｀ﾞ|′ 　 i　 　 　 　 　 U Ｕ　 　 くノ　　　 U Ｕ　 　 くノ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 i､ ｛　_ノ　ﾉi　ヽ、　　 　 」,,　　　}ヽ、
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ゝ７jjl|l||!''ゝ! 　　ヽ,,-‐"´ |′　　i′ﾞｰ-、
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾞﾅjjﾉ ' ﾞ ,, | 　 　　ﾞｰ-､　 |, 　 　|　 |　 i ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｆjjﾉ　 悠ﾐ} 　 　　　　|,￣ ∟＿,,}　 |　 |　|
　　　　　　　　　　　　　　 　 | 　　 " ｌ|j 　 　　　　川＿ 　　｀ﾞｰ､|　|　j
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　 ∥　　　　　 }ﾐ￣＿｀ﾞ''７ｰ-,,Ｌ＿j
　　　　　　　　　　　　　 　 　 | 　　 /厂 　　　　/_＿_＿__/＿_＿＿/
　　　　　　　　　　　　　　 　 〈､　,ｭ〕'　　　　　 /＿_＿＿/＿＿＿/＿
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀Ｔ''ﾞ　 _ 　 了 /＿_＿ ＿」＿什"ム|::::|i
　　　_ _ __､,_,､,　　 　 　 　 　 i":|　 f´｀ｉ　/''ﾉ＿＿__厂＝|::::|i乃ー|::::|i]
~^ッ~~^~~ｨ⌒~ｨ^~个ｰｰ'──|::::|、 Ｙ l　i' ﾉ∧_:::::ノ＝＝|::::|i]　￣ |::::|i .─────'─ー─ー'────ｰ
~^^　~ｨ~^个彳个゛ﾞ　　,,, ,,＿ ,|;;;;!、 | |　}l { ∥ ￣''￣￣"|::::|i　　　 ￣..,,__ _　,_ _　　　　　　,,,,
~ ~^^ ~ｱイ~゛ﾞ　,_　,,＿､　　 　 ￣1 {　| { | i"　　　　　　　 ￣　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,,＿　　　 _,,　　,
ﾞ ~~ チ个　　　　　　　 　 　 　 　 f_''|/_ l辷!　　　　　　 　 　 　 .,,__　　　,,_ 　 　 　 　 　　,,_
゛`彳~゛ﾞ´　　　　,,＿,､　　,,_　_ _ .f,,_,,ｉ_,, j　　　 　 　 　 .,,_ 　　,,_,,_ 　 　　　　　　　　,,_　,,_　　　　　　　,,_ 　　,
^~ﾞ ,,,__ _　,,､　　　　,,,_ _ ,_　　　__　　 ￣　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,_　,,　　　,,_　　　,,__ _
　　　　　　　　　　　__　　　,,_　　　　　　　,,　,,,,　　　　　　　　　　　　　　,,__ _　　　　 　,,_ _　,,,,

┌───────────────────────────────────────┐
│　集落から離れて僕はしばらく馬車を走らせた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　その先の草原に大きな二本の木があって、僕はそこで捕虜を「処分」するつもりだった。　 　 .│
└───────────────────────────────────────┘

┌────────────────────────────────┐
│　道中気を紛らわせるために、通訳を介して僕はいくつかの質問をした。　 　 │
└────────────────────────────────┘

　　　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　 　／　　─　 　 ─＼　　　　　　　　　……なあ君、君は一体いくつなんだお？
　　　　　　／　 　 （●） 　（●） ＼
　　　　　　|　　　　　（__人__）　　　|
　　　 　　 ＼　　 　　｀ ⌒´　　 ,／
　　　　　　ノ　　　　　　ー‐　　　＼

　　　　　　　　　　　　↓
　　　　　　　　 　　 ,;ｒ＝;､
　　　　　　　　 　 ψ,iﾘﾉ))〉
　　　　　　　　 ,へ.!〉!ﾟｰﾟﾉｌ_.ヘ、　（通訳）
　　　　　　　　'"~´ｌ<)卯ｉ>　｀~`
　　　　　　　　　　 〈/i_ｊ_k〉
　　　　　　　　　　　　↓

　　 　 　 .|＼　　　　　......:::::::::::::::::......　　　　　　 ,ｨ
　　　ﾄ ､　!　∧　.／:::::::::::::::::::::ﾄ､::＼:::＼　　　 / i!　 , ィ
　　　＼ ｀|　　 i/:::::::::::::::::::::::::∧::::::::::＼:::＼　f　 i!／ /
　　　 　廴ヽ_ /:::::::::/:::::::::::::::::::∧:::::::::::::＼:::Ⅵ' /　 ./
　　　　 ,r:ァ'/:::|:::::::i:::::::::|:::::::::::::::::＼::::::::ヽ::＼Ｋ^＼/
　　　 < |く　i:::::|:::::|;斗::十::::::::::::::::´:小::::::::＼个 ＼:＼　　　　　　　　　　……24歳
　　　　/|:/>|:::::|:::::N　ヽﾄ､:::::::::::;ｲ/　ﾚ'＼:::::::＼, イ::::::i
　　　/ｧ.K　 !|:::|:::::!芹そﾄﾐ ヽ://',ｨそﾄﾐ::::::>＜:≧ﾊ:::::ﾄ　　　　　　　　　この近くの○○県の生まれよ
　　　ﾚ' i::::Ⅵﾊ::ﾄ::从 Vz｣　　　　　ﾋzﾝ,ｲ:/!:::::::::!｀ 7:::::| 1
　　　　/:::::ﾊ!:::ﾄゝ｀＼　　　　 i　　　　/ィ:::|:::::::::| /::::::::Ⅳ
　　　 ,:::::::i:::::::::!::|:::::::ﾄ､　　 ､_　_,　　 ,.ｲ:::::|:::::::::|'::::::::::::!
　　　,::::::/|:::::::::ﾄ:!:::::::!个　　　　　　イ:::!:::::i!::::::::i!::::::::::::|
　　 ,::::;ｲ:::!:::::::::! |:::::::|/ rz|＞ｰ＜ト､ﾍ:|:::/|:::::::::ﾊ:::::::::::|
　　//　|:::|:::::::::| i!::::::| /　ﾊ　　　ﾊ.´Ⅵ::::i i!:::::::| ﾍ:::::::::!
　 〃　 ﾊ:i!:::::::::! |::::::iｲ 　| .|　　 | .|　 i!::::|､!:::::::!　 ∨::∧

　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　／　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　（24歳！？　やる夫と同じ歳だお！！）
　　　　 ／　　_丿;;;;ヽ_　＼
　　　／　　（○） ;; （○）　 ＼　　　　　　　　　○○県か、それはいいところなのかお？
　　　| 　　　　（__人__）　　u　.|
　　　＼ 　　　　|i!|i!||　　　 ／
　　　／(<<<)　.｀⌒´（>>>）＼



　　＼，　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　,. ／
　　　 ＼ ､　　　　　 　 r､　　　　.....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.......　 　 __　　　　　　／／
. 　 　 　 ＼ ＼ 　 /｀ヽ',　｀ ＜.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞ ´/＼＿_　／ ／
.　　　　　　 ＼ ＼|＿＿＼　　 ￣￣￣ヽ ￣￣ ／ ￣　 　 {＿＿ ／ ／￣￣／
　　 　 　 　 　 ＼＿＿＿_.}二＞　　　　　＼_／　　 　 ＜二{＿＿_／　　 .／
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　　　　　　 　 |.:.:／　　 /　＞　´.|.:.:.:.:.:.:.＼＿／.:.＼.:.:.:.:.｀　＜ﾉ.:.:',　＼.:.:}　　　　　　　ええ、もちろんよ
　　　　　　 　 |く　　　{_ 厂.:.:.:.:|.:.:|.:.:.:.:{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　　 ＼
　　　　　　 ／|:.:.:＼　{/.:.:.:.:.:.:.:| `ト ､八}.:.:.:.:.:.:.:.:.:/},.斗匕ー＝＜⌒＼　 /
　　　　　　 ＼|.:.:.:/ У.:.:.:..:.:.ハ} ,ｘ=ミ ＼.:.:.:.:.:.:. ／ｘ≠ミ }ﾉ|.:.:.:.:.:＼|　／|　　　　　　　宝豊もいいところだけれど
.　　　　　　 / |.:./／|.{.:.:.|.:.:.:.:.:.}/ {し::ﾊ＼＼.:.／ /{し:::ﾊ }〉 }.:.:.:.:.:.:.:lく＼.:|＼
　　　　　　/ /|!:.{　 .|ﾊ.:.:{.:.:.:.: 八　Ｖ;ソ　　　　　　 乂;ソ/　ﾉ:.:.:.:.:八}.:.}＼ヽ　}　　　　　私の故郷にはかなわないわ
.　 　 　 　 {/ .|.:.:.＼｣八∧.:.:.:{　 　 　 　 　 　 ､　　　 　 ／イ.:.:./.:.:.:.:.:|　　〉}/
　　　　　　 　 |.:.:.:.:.:.:.:.:..＼＼八　　　　　 ＿＿_　　　　　/:.:}／/ .:.:.:.:.|　 .′
　　　　　　 　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|.:.:.:.:.:l＼　　　 ｌ　　 ヽｌ　　　／.:.:.:.:./ .:.:.:.:.:.:|／　　　　　　　　……もう一度、帰りたかったなぁ……
　　　　　　 　 l.:.:.:.:.:.:.:.: / :|.:.:.:.:.:|　　　､　　､＿ ﾉ　 ／|.:.:.:.:.:./|.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　 　 　 　 |.:.:.:.:.:.:.:./　 |.:.:.:.:.八.　　 l＼ 　 　 イ　 /.:.:.:.:./ :|.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　故郷には父さんと母さんがいるのよ
　　　 　 　 　 |.:.:.:.:.:.:.:′　|.:.:.:/　　　　.|　 ｀ ´ 　 |　/.:.:.:.:./　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　 　 　 　 l.:.:.:.:.:.′ 　 |.:.:.{　　　　/ ＼／￣￣V.:.:.:.:./_　 .|.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　 　 　 　 l.:.:.:.:.　　 　 |.:.:.:lrｧ─ /　／ヽ　 　 /.:..:.:.:,'　/〉⌒ヽ.:.:.:.:.:.:|
　　　 　 　 　 |.:.:.:.:|　　　/|.:.://　 ./／{＿_∧　./.:.:.:.:./　//　　　 ∨.:.:.:|
　　　 　 　 　 |.:.:.:.:|　 ／ .} //　／　／　/　 } /.:.:.:.:./　//　　　 　 :.:..:.:.!
　　　 　 　 　 |.:.:.:. ／　　 //／　／　　/　　./.:.:.:.:./　//　　　　　　:.:.:.:.!

　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　 　 　 　 　 ：／ '⌒ヽ　　;　'⌒ﾞ＼ ：
　　　　　　 　 　 　 　 ： ／　　　 　 　 ∪　　 　 ＼ ：　　　　　　　　　　（コイツもやる夫と同じだお……
　　　　　　　　　　　　／ 　　 ＼　　　　 　 ／ 　　 ＼
　　　 　 　 　 　 ： ／ 　 　￣￣｀　ι　　´￣￣　 ∪＼ ：　　　　　　　故郷には父母がいて帰りを待っている……
　　　 　 　 　 ： ／　　ι　　　　　　　　　　　 ∪　　　　＼
　　　　　　　　　|　　;　 ''"⌒'（　　　　i　　　　）'⌒"' ∪ 　 | ：　　　　　同い年だし、やる夫はコイツを他人だと
　　　 　 　 　 ： |　 ∪　　　　 ｀┬─'＾ー┬'′　　　　　　 | ：
　 　 　 　 　 　 ：＼　 　 ι　 　 |/⌒i⌒､| 　 ι　　 　 ／　　　　　　　全然思えないお……！！）
　　　　　　　　　　　＼　　　　 　 !、＿＿,!　　 　U　 ／ ：
　　　　　　　　　 ： ／ 　　　　　　､_＿__,,　　　 　 　 ＼
　　　　 　 　 　 ： /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ ：
　　　　　　　　 ： |　 　 ､　　　　　　　　　　　 　 　 , 　 　 | ：

┌─────────────────────────┐
│　捕虜と会話する中で、僕の心は少しずつ揺らいでいた。 　 │
└─────────────────────────┘

";,..:::.:.:::.:.;,.,.;, ;. :. :,: .: . ;. ... :. :.: .:. . . :. .,.,.._,　　　 . :.: . :.: .:. :. :. .: . 　 　 : . :. :.: .:. :. :..
.:. :.: .:., :,, "''';,;;;､:::::...:.:.:,;, :.. :;,; ,;.:. .,:; ;,:;. :. :. :. . . . . 　 ,'''　, ;, ;,, , , ;,, : .: .:.:.: ...:: .:. . :
.. , ;:,; ,.;,:;,,..:..: .:. :.: . .: .:."'''',;'. :.";,.. :. :. , . .:. . : "'';:,.,.,.(:' . 　 . . .　.　. : :'";,: , ;. :;.: ,;:, 　　"''.:
　　　　　　　　　　　....,,_,,,...;:;::''""''''"'.:.:.... .　.　　　　.;i；';.
,.,;:;:;:;:;'''""""""　""""""''''';:;:;,.,＿,.　　...,,,;:;;:.,.;i；';.,,;；`;；i`、:.:.: .: .:: ...:
";;;,.. :::;,;'"';,,.;. :. :;.; :.:. .:;. ... .:.:.: .: .:: ...:;'. :. :.,.;；:｡;:；;:：､;；:｡;:；;,.::::::::::.., . . . .: .: .: . .. . . .: .:. :. . . ..
　　　　　　　　　　　　　ﾞﾞ"''ﾞ;:,...::::::.:. :.: ::,;.,.,;:;；`;；i`:;：i;,|i!''"..:.:.: .: .: :::; .: .:. .　　　 .:. :. :. . ..
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　　: : 　: :: : :: : : :: . :. :. .　: :.:. :. :.. .:. :: : 　: :: : :: : : :: . :. :. .　: :.:. :. : :　:;　:;;　::;　:;:　　;;: ::;;:　;:;:　;:;　　:
　;:;:　;:;　　:　:;　:;;　::;　:;:　　;;: ::;;:　;:;::　;:; ／´￣￣￣￣￣￣｀＼:.,' , ',' .', '.', .'',.''.,' ,','.','.',.'',.''., ',', '.','.',
　　　::;;:　;:;:　;:;　　:　:;　:;;　::;　:;:　　;;:::;;::;l／￣￣￣￣￣￣￣＼l:. :, :,; .,　.: :, :,; .,.: :, :,; .,.: .,.: :, :,; .,.:
　　.','.',.'',.''.,',','.','.',.'',.''.,',','.','.',.'',.''.,',','.','..','.l／ﾞ￣￣￣￣￣￣￣ﾞ＼l,'... .,:,.,..... .　..,,,,,　.、　　.., ,,,,　.、
　 ;. ;.: .::; :., ::. :, :,; .,~.: :, :,; .,.: :, :,; .,.:..;. ;.l／´￣￣￣￣￣￣￣｀＼l: 　; : . '　:　'　;;,　,,;　:　'　;;,　,,;
　 ... .,;:　;:. .... .,:,.,..... .　..,,, 　.、 ,. ... ..... .l.／´￣￣￣￣￣￣￣｀＼.l　"　`:;;　:;:"　".'';;;" "　" .'';; ;"
　. ;: ..., '' ;;: 　; : . '　:　'　;;,　,,;. ;: ...,. ;:;:.l ／´￣￣￣￣￣￣￣｀＼ l ;:　;　;:　;:　"""，　　　．"~
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　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |＿|　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿|

┌─────────────────────────────┐
│　やがて、目印となる二本の大木に僕たちの馬車はたどり着いた。　　│
└─────────────────────────────┘

　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　／　　　　　＼
　　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　　　　　……着いたお
　／ 　　 （●）　（●）　＼
　|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　　　　さあ、みんな降りるんだお……
　＼　　　　 ｀ ⌒´　　 ／
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /!
　　　　 　 ＿　　　　　　　 -'┴ ￢=-　　 　 　 ,ノ}
　　　　 　 ＼｀ｰ'⌒＞ ´ r : : 、 : ト ､_:_:_｀ヽ、/　 !
　　　　　　　 ＼.／: : : :八: : : :丶:＼　 　 ヽrﾍ＜´
　　　　　 　 　 /: : /:〃: : 丶: : : : ＼ヽ＿/八: : : ｀ヾヽ
　　　　　　　　′: ; ::!l : : : : : ＼: : : : ＼: 〈＿_ヽ: : : :∨
　　　　　　 　 |: : :ﾄ､|_Ｖ{: : : : :/}＞ｘ: : : :＞:＼_}: : : : :ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　　……分かってるわよ
　　　　　　 　 | i: :|: :rテﾄ : :ァ仔チﾄ ト : :＼: ! /:|! : : :ﾄ､ ヽ
　　　　　　 　 |ハ:|: :圦rﾘ∨　 乂rﾘﾞ》 : : |:｀`l.ｌ: :|ｌ: : : |、ヽ|　　　　　　　　　　　　　　本当はあたしをここで
　　　 　 　 　 　 八ﾄゝ　 ,　　　 '' '''〃|: : |}／|!: :||: : : | :＼
　　　　　　　　 　 ,小:ﾄ､　 ＿＿_　 　 |: : |7ヾヽ⊥⊥､|: :／ﾊ　　　　　　　　　　　　　射殺するつもりなんでしょ？
　　　 　 　 　 　 //|ハ: ＼`⌒ｰ' . ＜.|: : !　/// 　 　 ∨ /　．
.　　 　 　 　 　 // .| : ﾊ: :|:ミァ´{⌒ﾄ､ｌ: : { 〈/〈　　　 　 Ⅵ　 ‘
　　　 　 　 　 //　 |: ;' .ｉ: |:∨　 Ｙ7/ ｌ: :/＼{/∧　　　 /　ヽ　 `ﾄ､
.　　　　 　 　 ｉ:′　|:,′|: |V　　 .}// ｌ: :|'///≪ﾍ ヽ／　　　X　１ﾊ　　　　　　　　　　もう逃げたりしないわ
.　　　　 　 　 l!　　 l:!　 |: |廴＿_ﾊミx|: :|＜/／　 >ﾍ、　　　 ﾊ　{:八
.　　　　 　 　 |　　 .l{　/|: |　　 人{V´|: :!=＝ﾔ! 　 　 ｀>ｚ　 /八 ∨: ＼　　　　　　　　さあ、さっさとやりなさいよ！！
　　　 　 　 　 　 　_l!.〃|: |　／／ゝ､.|: l　　〓|　　　　 ｀ヾ、　　＼＼ : ＼
　　 　 　 　 　 　 _}厂ヽ|: |　／　　　 |: ! ､_ヽ　＼ 　 -‐　 〉＼＿　＼＼ : ＼
　　　　　　　　 ／《　 ⌒ヾく　　　　　Ⅵ　く　-‐　≧＝ニ｛才´￣ .／／､ : : ヽ
　　　　　　　　 ＼ ヾｘ　　 ｘ≪ー─ｚ　　　 ト　 　 =≦ _／　　 .／／　　 丶 : :丶
.　　 　 　 ／￣￣＼《＿〃 / 　 /´￣｀ ＜、　　　 _／⌒ヽ　 ﾉ K＼　 　 　 ＼
.　　　　　′ 　 丶　 ＼ x='　＿/::＞､ヽヽ ､）┐ rく二ヽ 　 ∨ /(r＼＼
.　　　　 {　　 　 ／｀>､l ＼ ヾ:::::::/ﾆﾆ}_ﾊ_ｊ.ﾉ_とﾆ⌒ｰ１八__/ 〃く＼ 丶爻ｚノ
.　 　 　 ｀　､ ／ ／::::⊥、 ＼}∠ r┴─'´　　 |.ﾉ　　人＿/　/⌒ヾ、Y
　　　　 　 　 ｀ く::::::::::::ヽ_Ｖ二ヾ.⌒ヽ＿＿_{三三∠｀＞‐一′　　 ｌl |
　　　　 　 =＝≠ヽ::::::::::::::::::::::::::::寸ニ＞::´::::::::::::/７´　　　　 　 　 ｌﾚ!
　　 ,∠く ＿＿＿´_≧r‐=≠⌒7´￣:::::::::::::::::::::::::! {　　 　 　 ,　　 人{
.　　{{//ﾊ　∨ⅥⅩⅨI r=ミ＝/:::::::::::::::::::::::::::::::::::lハ＿＿_∠ -‐介x ＼
. 　 ヾ///}_,厶斗''⌒⌒《≫＜{￣￣￣￣￣￣￣￣　　｀⌒ー──一'´

　　　　　　　　　　 ／￣＼
　　　　 　 　 　 　 |　　　　|
　　　　　　　　　　 ＼＿／
　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　分隊長殿！！
　　　　　　　　　／ ￣ ￣　＼
　　　　　　　 ／　 ::＼:::／:: 　＼
　　　　　　／ 　.<●>::::::<●>　 ＼　　　　　　　　　　こいつを殺るんだったら
　　　　　　|　　　　（__人__）　　 　　|
　　　　　　＼　　　 ｀ ⌒´　　　　／　　　　　　　　　　さっさと殺りましょうや
　　　　　　 /,,―　-ー　　､　,　-‐ ､
　　　　　 （　　　,　-‐　'"　　　　　 ）　　　　　　　　 　捕虜処分なんてどうにもやりにくい仕事で────
　　　　　　 `;ー"　`　ー-ー　-ー'
　　　　　　　l　　　　　　　　　　　l

　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 　／　─　 　 ─　＼　　　　　　　　　　　　そのことだけれど────
　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　　　　　　みんな集まってやる夫の話を聞いて欲しいお
　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　　　　　　　　実は────
　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　,. -'"´　　　　　　｀¨ー ､
　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　ヽ　ヽ、
　　　　　　　 ,,.-'"　　 　　　　　　　,,.-'"｀　　　　　ヽ、　　　　　　　　　　────やる夫はこの捕虜を
　　　　　　 /　　　 　 　　､＿_,,.-='､':'"　　　　　　　　ヽ、
　　　　　　i へ＿__, 　　　"　ﾞ.ﾞ（●）ﾉ　　　　　　　 　 　 ヽ　　　　　　　　このまま逃がそうと思っているお
　　　　　 ./　i （●）〉　　　　　｀''''''"　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　/ .　ﾞｰ-''"　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　 /　　　 i　　　人　　　　 ノ　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　責任はすべてやる夫が持つお
　　　　,'　　　　 ' ,_,,ノ　 `─-‐' ヽ　　　　　　　　　　　　　　　l
　　　　i　　　　　　｀､　 _y──‐ l　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　その代り────絶対他言しないで欲しいお！！
　　　　',　　　　　　　ｉ_/　 / ＿ '　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　 ヽ、　　　　　　￣￣　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　ヽ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　 ｀¨i　　　　　　 　　　　　　　　　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ

┌─────────────────────┐
│　僕はここで、捕虜を殺さないと決意したのだ。　.....│
└─────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　ぶ、分隊長殿……！！　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿/
　　　　　＿＿＿＿＿
..　　 ／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿　_
..　 　|:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ :.|　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／￣＼　　　　　　　　　;　 , .:':{＠}:::..ヾ ヽ､
..　　 |:::::::::/ ._ノ 　ヽ　 ..|　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　 　|　　 　 　 　 }　 ／ ´ ~￣~ ｀ ヾ::.ヽ＼　;
　　　|:::::::〉 （ ○） （○）|　 　 　 　 .／￣￣＼　　て　　 　 　 .＼＿／　　　　　　;　r.//, 'ハ　　ﾊiﾚ7〃ヾ::.､ヽ
.　　（@　::::⌒（__人__）⌒)　　　　／　　　 _ノ　ヽ　そ　　　　 　 　 |　 　 　 　 　 .;　 Ｌl ! { ＼ヽノu ／ l/|　!:厶l　 ；
　　　 |　　u 　 |r┬-|　 |　　 　 /　　　　（○）（○）　　　　 .／￣￣￣ ＼ 　 　 .； /Vi 小○　　　 ○　ﾉ ｌ 下､_〕　ｶﾞｸｶﾞｸ
　 　　＼ 　　　`ー'´ ／　　 　 .|　　u.　　 （__人__） 　 　 ／　　u　　 ノ　 .＼　　 .; 　 j||l⊃　､_,､_,　⊂⊃　i !__ﾄ ;
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.　 　 ..|　　 　　　　|r┬| |　　／ 　　　　 u <●>:::::::＼　　 　 .lﾍ　　 {＿}　 　 j/　 !　!　 {
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　　 ヽ　　　　　　`ー'./　　 |　 　　　　　　　（__人__）|　....；　|　r'⌒l,,､ __,　イァ/ 　 ﾄ..、；
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　| 　 ./ ヽ　　　 　　　ノ　　...＼　　　　u　　　.｀ ⌒／　　 ;　 |ヾΞｼ{ 薔 }::::／:: ::ヽ. i;:::ヽ
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜　/　　　　　　　　く 　 　 .／　　　　　　　　　　|　　 　 　 .| |::::::::l:: ::∨:::/::〈::央::> |`ヽ! ;

　　　　　　　　　　　 ／￣＼
　　　　　　　　　　　|　　　 　|
　　　　　 　　　　 　 ＼＿／　　　　　　　　　　　　……いいじゃありませんか
　　　　　　　　　 　　 　 |
　l^ヽ 　 /^l 　　　／ ￣ ￣　＼　　　　　　　　　　わかりました、自分は決して口外しません
　ヽ ｀_/　/ 　 .／ 　＼　 ／ 　 ＼
　r'ヽ 　　ヽ ／　　⌒　　　⌒ 　　＼　　　　　　　　分隊長殿の思うとおりになさってください
　 ゝ、　r'ヽi|　　　　（__人__）　　 　　|
　　`ヽｰ､ノ ＼　　　 ｀ ⌒´　　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　＿＿＿＿＿　　　　　　 　 　 　 　 　 _ ＿
　　　　　　　　　　　　　　　.　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　 　 　 　 ,....'´::::::::{＠}::ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|　　　　　　　イ:::／ ´　~￣~ ｀ ＼
　　　 ／￣￣＼　　　　　　 　 |::::::::ゝ　⌒　　⌒　|　　 　 　 . //::〃 i　,ハ　　 /ヽ､ ﾍ
　　／　 ⌒　 ⌒＼　　　 　　　|::::::（ （ ⌒）　（⌒）|　　　　　　|∞:i ｌ ﾚイ　 ヽノ ｀ヽ} !｀ｌｺ
　 / 　　（⌒） （⌒）ヽ　　　　（@　 ::::⌒（__人__）⌒) 　　 　 .〔人 }　ぃ⌒ 　　　⌒小iVヽ　　　分隊長殿、我々もしゃべりません
　.|　　　　（__人__）　|　　　 　　|　　　　 ｀ ⌒´　　|　　　　　　|! 　ｉ､⊂⊃　　　　 ⊂lｉ|ノ
　.|　　 　　 ｀⌒´　　|　　　　　 ＼ 　　　　 　　 ／　 　 　 ＿l 　 l!　 ト　　 ｰｰ　　ﾉi|　　　　　どうそ分隊長殿の好きにしてください
　ヽ　　　　　　　　　/　　　,,.....イ.ヽヽ、___ ーノﾞ-､.　　 .／:: ;;| 　 |　 |>´_l_￣/'/￣/￣/
　/ ヽ　　　　　　　ノヽ　 　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ 　 .⌒⌒| 　 |　lＮ/　 ￣ ) 　/　 と)
/　　　　　　　　　　　ヾ　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i 　　　　 レ∨Ｗ|_}--j-イ__/＿/ノ

　　　　　 　 　　　＿＿＿_
　　　　　 　　　／⌒　　⌒＼
　　　　　　　／（ ●） 　（●）＼　　　　　　　　　　　　みんな、ありがとうだお！！
　　　　　 ／　:::⌒（__人__）⌒::::＼
　　　　　 |　　　　　|r┬ i 　　　　 |　　　　　　　　　　……というわけで、お前をここで釈放するお
　　　　　 ＼＿＿　`ー‐'　＿＿／
　　　　　　/::::::::ﾊ＼/Vヽ/;:i:::::::ヽ
　　　　　　| :::r::ｌ::ｌ　　ﾊ　 |:7::::::ｌ::|

　　　　　　　　　　　　↓
　　　　　　　　 　　 ,;ｒ＝;､
　　　　　　　　 　 ψ,iﾘﾉ))〉
　　　　　　　　 ,へ.!〉!ﾟｰﾟﾉｌ_.ヘ、　（通訳）
　　　　　　　　'"~´ｌ<)卯ｉ>　｀~`
　　　　　　　　　　 〈/i_ｊ_k〉
　　　　　　　　　　　　↓

　　　　　 　 ｢＼　 　 ／.:..:.:.:.:.:.:ｉ｢:.:.:.｀ヽ、＼　 ／　　|
　　　　　　　∨ 丶 .:′. :.:.:.:.:.:.:八:.:.:.: :. :.＼:.ヽ|　　　ﾉ
　　 　＜´￣｀ヽ／:.:/.:/.:/:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:＼|_　＜⌒'ーｧ
.　　 　 __,≫= 〃.:.:/.:/.:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:./＼:.:.:.:.:ｰ=ミ　　 ｀ ＜
.　　 　 ＼_ 　/.: :.:.:.:.:ト廴_{ヽ:. :.､_厶イ介:.:.:.:＼:ﾊ　　　　_ ＞　　　　　　　　ほ、本当！？
　　　　く⌒ヽ|:.:/.:l:.:.:.|≫芹　∨j/　 芹ミ､:.:.＼:.＼ｰ＜⌒{
.　　　 　 ＼/|/|.:∧:.:《　r匀　　　　 r匀　》 : :介ｰ=ミ.:j丶|　　　　　　　　　　本当に釈放してくれるの？
　　　　　 　 /八{:.:.丶{　ゞ'′ ,　　　ゞ'′/.:.:ｲﾉ|:.:.:.:.:.:.:|　八
　　　　　　/.:.:.:.:.∨.:.:ハ ::::::: 　- ､ ::::::: 〃.: .:|　|:.:.:.:ﾄ､:|/:.:.:.:＼
　 　 　 　 j/.:.:.:.:/:.:.:/.:人　　 l　　}　　 ／|:.:.:|　j:.:.:.:|　＼:.:.:.:.:.:.:.
　　 　 　 /.:.:.:.:/:.:.:/イ　个　　､_ ﾉ　イ 　i|:.:.:| 八:.:.:|:.　　＼:.:.:.:.:.
.　 　 　 /.:.:.:.:/:.:.:/　　 　　/〕＞＜　∧　l∨:| 　 ＼!.:丶　　＼:.:.
― ――― /:.:.:/´￣｀Ｔ＾〈　＼　　,〈 ∧　 丶: .　　 ＼:.:.＼
　　　　　　/:.:.:/　　 　 | 　 ,　/| 　 | 人」　_　 ＼: .､ 　 ＼:.:.＼
- 　. _　　 |:.:./_..ﾍ　　 ﾘ　　∨ | 　 l　　 ',　 ｀ヽ　＼: .　　 ＼:.:.
／. .:.:.:.:厂|:/｀ヽ　　／　　　　└┐∨1　',　　 |　　 ヽ:. 　 　 ＼
.:.:.:.:.:／　　{ 　 j_／　　　　 　 　 ﾘ　 l |　 ∨　 .　　 　 ',
.:.:／　　　　 、 |　　　　 　 　 　 〈＿_}ﾉ　　| 　 |　 　 　 }
　　　　　　　　 |　　,∠... _　　　　∨/　 　 | 　 |　　 　 ﾉ
　 　 　 　 　 　 〉_,二フ 　 ｀ ＜　 j/　　　 | 　 |
.　　 　 　 　 　 {⌒つ　　　　 　 `く　　 　 ﾉ 　/

　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 　／　─　 　 ─　＼　　　　　　　　　　　……ただし、一つ条件があるお
　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　　　　　　　今後決してこの地域には足を踏み入れるなお
　　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ　　　　　　　　　　 それさえ守ると宣言するなら釈放するお
　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

＿＼__＼ Ｖ　　} ｜_,....-――-...._ 　 |＼
ｰ／::＿≧{ 　 / ノ／::::::::::::::::'::´:/::＼|　 ヽ 　 　 　 　 ＿
/:::∠:＼　｀ヽ／::/:／::::::::::::::::／:::::::::::＼　i　　　＿／/´
／::::::／≧:_/＿／::::::::::::::::／::::::::::::::::}:::::ヽ}　／　 　/
::::::／　 ｀ーr―／:---:ｨ::!＿::::::::::::::::/::::::::::Ｖ..ノ　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　する、するわよ！！
／￣￣/／|／:::_::ィ_V_|:ﾊ:::: ｀::::::::::/::::::::::::::}＼ /
|　　　 / z イ:Τ::|</ir:cヽ|::::::::／ノ-､ｨ::::::::::i 　人　
:!　　 /　　.∧∧::| 　ヒ:ﾉ ﾉ-‐'"´_ ／/メ::::::;! <l 　〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私は今後二度とこの地には近づかない
:|　／　　 /:::::::::ﾊ|　　　　　 　 ￣ヾイ:/:::// 　 〉/　　　　　　　　　　　　　＿
::y′　　/::::::::/ｰ､ 　 /^＼__′ 　 ノ:/::://　／/　　　　　　　　　　　　　/ 　 }　　　　　約束するわ！！
　　　　/:::::／　　.＼ {　　 V　　 彳:::::ノ/／＼{　 r- 、　　　　 　 _......._/　　ﾉ
　　　ノ::／ |　＿__|　＼ー'_,....イ-― ／!:|　 　 ＼{ 　 ',　 ／＼／--／　／;＼
　 ／:／ ＿|/）　　} /´ ／:::／ 　 ／ 　|::|＿＿/∧　　V:::::::::::::ヽ／　／￣＼::＼
／:イ／ 　 /｜　ノ/!／:::イ　　／　／ Τ|＿　}:イﾊ　　 `ー-‐'′ ∠._　　 　 ＼::＼
　|イ　 i_.ノ_「　/__／イ´_ノ　 /　／ ／￣＞イ//::/∧　　 ＼　　　　　 ）:､　_....._ ヽ:::i
　!　　 ﾉｲ::::|_/／ｲ::::i /i　　 / 　 ／　 ／　 ///:://::::|　　 　 ｀ヽ　|　 ﾊ／/'´｀ヽ:;＼|
/　_／∠三三三:{ヽ|/｜　/　／　　 　 　 ///／/」:（!＼　 　 　 V　/ /　{　　 　 ＼:＼
／　　　　 ＼￣￣　′|／　　　　　　＼　{:{::i（　 !0||::}　 ｀ヽ 　／／ ∧　 　 　 　 |::|＼:＼
　　　　　<>/　　　　　　　　　　　 _,....イ:＼i:!:| ヽ┤:ﾘ├＜￣Y／ _／ 　〉　　　　 ﾉ::;}　 ヽ::）

　　　　　　　　　　　　 　　　　 ＿＿ ＿
　　　_,rｰく´＼　 , --､　　　／⌒　　⌒ ＼　　　　　　　　　　　よし、ならば行っていいお
　,-く ヽ.＼ ヽ Y´　／ 　 ／（●）　 （●）　＼
　{　-!　l _｣_ﾉ‐′/ 　 ／ 　 　（__人__）　　　 ＼　　　　　　　　今から形だけ銃を発射するけれど
　ヽ　ﾞｰ'´ ヽ　　/　 　|　 　 　. `Y⌒y'´　　　 　|
　　ゝ、　　ﾉ_ イ　　　 ＼ 　 　 ゛ー ′　　　,／　　　　　　　　それが済んだらあとはどこへ行ってもいいお
　　　 ヽ　　 　 |　　　 　/　　　　ー‐ 　 　 ヽ



　　　　 　 |｀ヽ.　　　　 ＿_　　　　　 ,　-‐ ァ
　　　　 　 |　　,＞: :´: : : ト: : ｀丶、/　　　ﾉ
　　　　＿_l＿/: : / :∪ : |: :丶 : : : | 　 ∠
　　　　＼　 / : : { : : : : : 、: : :＼ : |_／　/
　　　　　 } / : !､ﾊ: : : : : : 〉∪: トゝ|　　く
　　　　　 Yイ: !/｀V､ : /}ﾒ._V＼:ヽ:ヽ ＿ｊ　　　　　　　　　　　わ、分かったわ
　　　⊂　　 |从　┃ ｀′┃　}: :}-､:/: : :|
　　　　　ｎ 厶ｲ “ 　 -‐ｖ､ “/ :ﾘ ノ: イ:｜
　　　　　と{ {} ト . _{ 　 　 }_ 7:/´ /: /: : !　　　　　　　　　　　急に気が変わったりしないでね！！
　　　⊂ /└ｧ'┬{:V≧ｖ≦V:/ｉ´l |: ﾊ: : :!
　　　.　/ : / l: :|　ヾト---{/介x久: ! !: : !
　　　　ｉ:|: :|　l: :|　 〈ｪｪｚｪｪく　　ゝ' | |: : |
　　　　|:|: :|　|ﾊ|　/:ﾉ/　　| ハ　 |ﾊ| |: : |
　　　　|ﾊ :{ 　 　 'ァ/ﾟ＿_ﾟ|z一 　 　 l: ﾊ!
　　　　　 ｀ヽ　　 <7コ　 <大>　　　 ｊ/
　　　　　　　　　　 し′　 し'

　 　 　 　 _,,..．-‐'''””｀ﾞ''ｰ-､,_
　 　 　 　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'-,
　 　 　 　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　 　 i---- ☆ ----､;;;;;;;;;;;;i　　　　　　　　　　　　　それは心配しなくていいお
　　　　 　 l_,,..-‐'''''''''''‐‐‐‐‐,,,,,,,/
　　　　 ／_______________,.__-''" 　ヽ
　　　 　　 / （━）　　（●）　 　　l　　　　　　　　　　　　　よし、それでは、空に向けて
　　　 　 　|　　（__人__)　　 　　　 l
　　　　 ,-'"＼ 　｀⌒´　　 , -'";;i╋./　　　　　　　　　　　銃弾三発、撃て！！
　 　 　 |;;;;;;;;;;;;＼＿＿, -'";;;;;;;-'";;;;;;;;;` ､
　　 　 ,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　/;;;;;;;;;;;;;:;＼　＼o／　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　　./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>、　 　 <;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
　　i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／　／o＼　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l

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　　 　　 　 ／_ノ 　ヽ＼
　　 　 　／ （ ●）　（●）、　　　　　　　　　　　……これで約束どおり終わりだお
　　　 ／::::::::⌒（__人__）⌒＼
　　　 |　　 　　　|r┬-|　　　 |　　　　　　　　　　どこへでも行って元気に暮らすんだお
　　　 ＼ 　 　 　 `ー'´　　／
⊂⌒ヽ　〉　　　 　　　 ＜´/⌒つ
　 ＼　ヽ　 /　　 　 　 　 ヽ　/
　　　＼_,,ノ　　　　　　|､＿ノ

　　ヽ　　　　､　　＼_/ ／　　　/::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::＼/´　　　　/
　　　ヽ　　　　｀ヽ､ハ__＿＿.ノ::::::::::::＞´:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::ヽ　/　　/
　　　　` ＞-''´￣／　 ヽ::::::::/::::＞´::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　ﾉ
　　　／ /::::::::::／＿　　 ヽ:,,;ィ'::::::::／::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::,':::::::::::::::',／
　 .ｲ'"｀`|:::::::::::´::::::/｀＞''"_,,＞'／::::::::::__,,ｨ--／=､:::::::::::::::::::::::::,'::::::::::::::::::',
　 ヽ　　.|::::::::::::::::::''" ''"´／ ＜:::::::::::::´／:::／ﾊ::::|ヽ::::::::::::::::::__/:::::::::::::::::::::',　　　　　　　……本当に助けてくれるんだ
　　 ヽ . |:::::::::::::::/ ／_,,lィ":::::::::::::::::::／:::／､:::| ヽ:|ヽ',:::::::::::::://`ヽ:::::::::::::|::::|
　　 / ヽ|:::::::::__/.ィ'":::::::_;;;;;;＞-'"／:ｨ'"__　 ヽ＿_　　',::::::::/‐/ |::::::::::::::::,'.}::,'
　　/　　|:::::::::::::',￣￣|:::::::::::|::ィ´:イ::::|〃''"`ヾﾐヽヽ　 ヽ:/,,,/__ﾉ:ﾊ::::::::_ﾊ_l:/　　　　　　　ありがとう、ありがとう！！
　 /　 .ｲ|:::::::::::::::',　　.|:::::::ィ'|:::::::: :::: ::|cぅ　　　　　　　　　ｨ==c/　|::::/ l l　|Ｙ
　/ ／}: |:::::::::::::::::',.　.|ヽ:::::| |::::::::::::::::::::',　　　　　　　　　i　　　`/ﾉﾉ/./ .l　l /Ｙl
./ｲ　./:::;::::::::::::::::::::', .|　 ＼`',::::::::::::::::|｀i:!　　　　　　　　/　　 ./:::::/ / ./　!/ /.|
　　 .,'::::::::::::::::::::::::::|.',|　　　ヽ',:::: :::: :::|　i:!　　（＞ ､ ＿_　　　 '::ﾊ/ / ./　'/ ./ .|
　　.,':::::::::::::::::::::: ::::|　　.　　　 ',:::::::: :::|　i:!　　 ヽ､　 __ノ　 　 ﾉ::| {　l　.l　 l　.|.　',
　 .,':::::::::::::::::::::::::::::;　　　　　　.',::: :::::::|.＼:l　　　　　　　　　／::::::} |.　　 　 .　.|　 .}
　,'::::::::::::::::::::::::::::::,'　　　　　　/',:::::::::::|　　ヽ　　　　　　＜:::::::: ::}ﾉ 　 　 　 　|　 .|
..,'::::::::::::::::::::::::::::::,' ＿_　　　 ﾉ　',::::::::::|､　　　｀＞ ィ´ﾍ:::::::::::::::::ﾍ.　.　 .　 　 |　 .|
;'::::::::::::::::::::::::::::／　　　｀`ヽ､　　',:::::::::| ＼　 /､　 　　 〉:::::::::::::::::ヽ　　　　　/.　 |
::::::::::::::::::::::::::/　　　　　　　　∨　',::: :::|　/| /　 ｀ヽ､ /:::::::::::::::::::::::}　　　　 /　 ./

┌─────────────────────────────────────┐
│　涙と喜びで顔をくしゃくしゃにした捕虜は、何度も何度も僕を拝むようにお辞儀をして　　..│
│　振り返りながら盛んに手を振りつつ、やがて飛ぶように走り去っていった。　　　　　　　　..│
└─────────────────────────────────────┘

　　　 　　 　 ／￣＼
　　　 　　 　|　　　 　|　　　　　　　　　　　　　　……分隊長殿……
　　　　 　 　 ＼＿／
　　　　　　　　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　自分は、軍隊に入って初めて
　　　　　　 ／ ￣ ￣　＼
　　　　　／　ノ　　　＼.　＼　　　　　　　　　　　人に感謝されたような気がしますよ
　　　 ／　 <●>::::::<●>　　＼
　　　 |　///　（__人__）　///　|
　　　 ＼　　　 ｀ ⌒´　　　　／
　　　 ／￣￣￣￣￣￣￣ ＼



　　 　 　　　＿＿＿_
　　 　　　／⌒　　⌒＼
　　　　／（ ＞） 　（＜）＼　　　　　　　　　　　　それはやる夫も同じだお！！
　　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　　 |　　　　/| | | | |　　　　　|
　　 ＼　 (、`ー―'´,　　 　／
　　　　　　 ￣￣￣

┌───────────────────────────────────┐
│　なんだか、とてもよいことをしたように思え、僕はとても清々しい気持ちだった。　　　│
└───────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　|￣￣||　|￣￣|i　|￣￣||　|￣￣|l
　　　　　　　　　　　||￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|￣￣|￣||
　　　　　　　　　　　ｌ|￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|ｌ
　|￣￣|ｌ　|￣￣||　||￣￣|￣￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣|￣￣|￣||　|￣￣||　|￣￣|i
￣i￣￣|ﾞ ''￣i￣　||￣￣￣ヾ;/ ￣￣￣￣￣￣ﾞヾ/￣￣￣||￣|￣`~|i￣￣|￣￣
￣￣|￣￣i`~￣|　||　　　　　| : : : : : : : : : : : : : : : :|　　　　　||￣￣i￣″|￣￣|i￣
￣|￣;ﾞ|i￣￣l!￣　||　　　　　| : : : : : : : : : : : : : : : :|　　　　　||￣i￣￣|￣￣i￣~`l
￣￣i￣￣|￣￣i　||　　　　　| : : : : : : : : : : : : : : : :|　　　　　||￣￣|￣｀~|i￣″|￣
￣i￣｀~|￣ヾｌ;￣　||　　　　　| : : : : : : : : : : : : : : : :|　　　　　||￣|￣￣i|￣￣|￣￣
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″|￣￣i|￣!,,|￣　||　　　　　| : : : : : : : : : : : : : : : :|　　　　　||￣i￣￣|￣￣i￣￣l
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　　　　　　_ _,　_ __,,　　　 　 .／´￣￣￣￣￣￣￣｀＼ 　 ,,,, ＿,, ,,,　　ﾞ"个彳个^~ｨ~　^^~
＿,,　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　＿＿＿＿＿__　　　ヽ　ヽヽ 　 . ､＿,,　_,　ﾞ"~イｱ~ ^^~ ~
　 _,,　　 　 　 　 　 _,,　　　__|　　/´　　 　 　 　 　.｀ヽ　　|　　　　　　　　　　　 　 　 个チ ~~ ﾞ
　　　_,,　_,,　　　　　　 　 　 .|　　| 　 　 　 　 　 　 　 |　　|　　ガタゴト　 ､,＿,,　　　　｀ﾞ"~彳`"
_ __,,　　　_,,　　　,,　_,,　　　 .|　　| 　 　 　 　 　 　 　 |　　| 　 . __　　　_, _ _,,,　　　　､,,　_ __,,, ﾞ~^
　　　　_ _,,　 　　　　_ _〃　 |　　|　　　　　　　 　 　 .|　　|　　 　 　 ._,,　　　__
　､,,　　　,　,,　　　　　 　 　 .|　　| 　 　 　 　 　 　 　 |　　|,,_,,　 　 ,,_　　　　　　　　　　　　　,　＠
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,..|　　| 　 　 　 　 　 　 　 |　　|　　 　 　 　 　 　 　 　 _ _ ,,　　　　,,ψ_,
　､,,　　　　　　　　　　_.|￣| l二二二二二二二二二二二l |￣| 　 . _v v,,　　 ､!;,_　　　 __ ,,_
. _　　_ 　＿　＿ ＿＿ |　 |=|＿|================|＿|=|　 | ＿＿ ＿　＿　 _　　_...,　､.,.
...,.　:,..:..　　 .,.:,..:　　 　 |＿|　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿|　　　　,,,..:...,.:,　..:..　　 .,..:....:.
. :,..: 　　 .,.:,..:,,''　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'',,,..:...,.:,　..:..

┌───────────────────────────────────────┐
│　こうして捕虜を解放した僕たちは、馬車でガタガタ揺られて宝豊の城門まで戻ってきた。　　　.│
│　ところが────　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└───────────────────────────────────────┘

＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／
　 ＼＼　　　　　　士ヽ 　┼､ヽ　ニ,　　ﾚ 1　 ‐┬ｧ　 l |　　┃┃　　　　　　　／／
　　　＼＼　　　　〈ﾉ　）　 ﾉ､ﾉ　 .／L　　ノ　　 ,ﾉ´　 ノ レ' . ・ .・　　　　　　／／
　　　　 ＼＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／

　　　　　　 ∩∩　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　V∩
　　　　　　 (7ヌ)　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　　　　（/ /
　　　　　　/　/　∧∧　　　　　 ∧∧　　　　 ／ 支＼　　 　∧∧　　　｜｜
　　　　　/　/　 ／支＼　　 　 ／支＼　　＿( ｀ハ´　)　　 ／支＼　　 ｜｜
　　　　　＼ ＼(　｀ハ´ ) ―--( ｀ハ´ ) ￣　　　　　　⌒ヽ( ｀ハ´　) 　／／
　　　　　　 ＼　　　　　　　／⌒　　　⌒￣ヽ、　　　　/~⌒　　　　⌒　/
　　　　　　　 ｜　　　　　 |ｰ、　　　　　　/￣|　　　　/／`i　　　　　　/
　　　　　　 　 ｜　　　　　|　｜　　　　　/　（ミ　　　ミ） 　｜　　　　｜
　　　　　　　　｜　　　　｜　｜　　　　 | ／　　　　　　＼ ｜　　　　｜
　　　　　　　　｜　　　　｜　　）　　　 ／　　　／＼　　　＼| 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　/　　　ノ　｜　/　　ヽ ヽ、＿／）　 （＼　　 　）　ゝ　　｜
　　　　　　　 ｜　　｜　　|　/　　 /|　　 /　レ　　　＼`ー ' |　 ｜　 /

┌───────────────────────────────────┐
│　驚いたことに、住民たちは行きとは違って笑顔を見せて僕たちを迎えてくれた。　　..│
└───────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　,.f"ﾐﾐヾ､
　　　　　　　f";;;;ノ^〃=ミﾐ;､、　　　　　　　　　　　　ﾀｲｼﾞﾝ
　　　　　　ﾉ彡ﾘﾉ／　　 中　＼　　　　　　　　　　　 大人、ご苦労様でした
　　　　 　|ﾘ||ﾘ／　　⌒　　 ⌒ ＼
　　　 　 (川／　　　（⌒）　（⌒） ＼　　　　　　　　　さぞやお疲れでしょう
　　　　　 ||ﾄ|　　　　　／_人_＼ 　　|
　　　　　　iﾘ＼　　　§｀ ⌒´§ ,／
　　　　　 　　/　　 　 　 | | | 　 ヽ
　　　　　 　 /　　　_　　 | | |　　　ヽ
　　.　　　　 {　　 　 ￣|￣||￣|￣　 }
　　　　　　　ゝ　_＿＿|＿||＿|＿ ノ

┌───────────────────────┐
│　中にはそんなことを言ってくれる人までいたんだ。　　 .│
└───────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　∩　　))
　　　　　　　　　　　　　　　　( i)))
　　　　　　　　　　　　　＿＿(　(　　　　　　　　　そうだ、きっと誰かが一部始終を見ていたんだお
　　　　　　　　　 　　／_ノ 　ヽ､_＼
　　　　　　(( 　　∩oﾟ(（ﾟ）) (（ﾟ）)ﾟo　　　　　　　　だからみんなの態度が違うんだお
　　　　　　　　(((i )⌒（__人__）⌒:::::＼
　　　　　　　／∠_ 　　|r┬-|　　　　 |　　　　　　マンモスうれピーwwwwwwwwww
　　　　　　( ＿＿＿､　`ー'´ 　 　 ／
　　　　　　　　　　|　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　|　　　　　　　　/

　　 {ヾ｀Y＾)　　　　ﾊﾞ⌒Y〃__{ L)'／　　　　　　　　　　　　　　_,,; -､
　 (´ >cｿ ( ｡；○（__ﾉb'＾)ヾ,二ノソﾟ　　　　　　　　　　　　　　 ヽ-''-`ヽ､　　 /）
　　`r 人_ノ爻二f{　 ｿ、）ノ ＾`~´　o　　,　　　　　　　 　 　 　　,-､　　　＼（
　　　 ﾒﾐ､(⌒`rｰバ´`ｰ'　　""　,,,　　"/　　　　　　　　　　 　 （　(ヽｃ==（　)`)i　iヽ
　。　(ﾟ,ﾊ(⌒ ｆゞ く:*ﾟo 　　　　　　　　/　　　　　　　　 　 　 　 （::彡`（　　 ￣`ヽ ヽ)
※;,_,ｨ○=（_,ンｰ='′　 "" ,,. 　""　/ 　 　 　 　 　 　 　　 　　　ヽ（　ヽ　 　　,,　＼|i
ﾆ二{ヾ`Y＾ヽ　　　"　,,,　,　　c3　,,/　　　　　　　　　　　　　　　　　　.'　　,,
￣/´ゝq'､_ ﾉ　　　。　　　　ヽﾚ　/ 　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　""　,,,,
　 `く__ﾉ､_ノ　　"　　""　　 "''　/　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 /　""　　@
　￣　　 　　,,--､`ヽ､　　 　　 /　　　_　　 　 　 　　　　　　　　　/''"　,,, 　ヽ}丿　'',,,
　　　　　　　｀ー'￣`＼　,､　./　　　/_）　　　　　　　　　　 　 　/　　　　　　~｀
　　　""　,,　　'' 　, -､,､ ( ） .'　　　 〉ノ 　　　 　 　 　 　 　 　 /"""　　"　　　""
　　 　 ,,,,　　/⌒'i　　_）-､＼　 　 /　　　 　 　 　 　 　　 　　/　　　""　,,
　　　　　　　>　 ::))),'　　 ） iヽ|）/　 　　 　 　　　　　　　　 /　"",,,　　,,,　　"''
　""",,　"　（___､ノ;' '-'"ヽ '＼Ｖヽl） 　 　　　　　　　　　　/
　　　　　,-､,-､ﾉ　（　　,ノ===;;ヘヽ.)) 　　　　　　 　 　　/　,,　　c3　　"　''
　 ,-'~`ヽ....　　）"~） ヽ~　　　/``＼＼　　　 　　　　　 /　　　　ヽﾚ　　,,　""
　 ヽ,　 　)))／⌒`,ｰ'ヽ）⌒,,,^-, ,ー`　ヽ,,__　　　　　 /　"　,,　　"''"
　 　 ﾆ= ''''iヽ＿ノ!!!ヽ_）ー;;;;;ヽ__）``ー-､,, "'-- 、　'"",　,,,　""　　　"

┌──────────────────────────────────┐
│　昭和二十年三月、ようやく河南の草原に春の風が渡って来た頃の話だった。　　.│
└──────────────────────────────────┘

┏━━━━━━━━┓
┃　 警備隊駐屯地　 ┃
┗━━━━━━━━┛


　　　　　　　　　　　 　 　　 †‡
　　　　　 ／＼　　 　 　 ／￣＼,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／＼
　　　　／∩ ∩＼　 ＿]三∧三[＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／l^ｌ ｌ＾l ＼
　　　 lﾆlﾆlﾆlﾆlﾆlﾆl　||　| | 口 | |　||`　　　　　　 　 　 　 　　　　　　　　　　　 lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆｺ
　　　　|| 田 | 田 ||.　||　| | 口 | |　|| |　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿_ | 　ﾛ　　|ﾛ ||
　　　　|| 田 | 田 ||三三＼ 　 .| |　|| |　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／／＼,　　 |ﾛ ||
　　　　|| 田 | 田 ||　 　 「　 　 | |／二ヾ |￣l＼,　　　 　 ／|￣|　　 |￣￣￣| 田 |　　 |ﾛ ||
　￣~`￣~￣~`￣￣`￣"'￣￣￣'`⌒￣|　 |゛ ,| 　 　 　| ,"|　 |`￣￣~`￣￣￣~`￣￣￣`￣
　　　　 　 　　　　=ｺ　　　 　　 　ｪ= 　 　|　 | 　| 　　 　 | 　|　 |　 =ｪ 　　　　　　　　　　=ｺ-
　　　 　 =ｪ 　 　　 　 　-　　 　　 　 　 　|　 |." |￣￣￣| 　ﾄ= |　　　　　　　　 =ｪ
　＿z___＿,_＿z＿＿＿､＿_＿z_＿__, ＿|＿|／　 , 　 　 ＼|＿|z___＿,_＿z＿＿＿､＿＿＿､＿

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 || ｶﾞﾁｬ
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||　　　　　　　　　　　　　隊長殿、
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||￣￣＼　||　　　　　　　　　　　　　捕虜を処分してきました……
　|:::::::::::::::|| ノ　 ヽ_＼
　|:::::::::::::::||●)　(●) ＼
　|:::::::::::::::|| (_人_)　　　 |
　|:::::::::::::::||_＿＿　　 ／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　　 |
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,..イ 　 　 　 |
　　　　　　　l　　　　　　　　　　_,,,...イ´ 　 |　　　　　|　　ｷﾞﾛｯ
　　　　　　　ヽ、ヽ ＿_,,..-t''"´:::::::::::|　 　 l　　　　　|
　　　　　　　　　　　　|　　ヽ:::::::::::::ノ　　 /　　　 　 .|
　　　　　　　　　　　　ヽ、　　 ￣　　　／　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　……………………
　　　　　　　　　　　　　 ｀　　　　　　　　　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |
　.:::::...｀` ‐┴----_以ヘ‐-､　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　確かに処分したのか？
:::::::::::::::::::::::::::::::::;/ｲ　´..:::::::::.ヽ、　　　　　　 　 　 .|
::::i;_;:_:::;_:::;, ィ'¨´::::::i:::;ｿ　　:::::::..＼　　　　　　　　 |
,r'-‐‐::'::::::::::::::::::::::::;ｙ'　　 .::::...　　 ｀¨`' ､.　 　 　 |
　　:::::::::::::::::::::::;:／　　..::::::::::::::￣｀ヾ､_ 　　｀'ｰ- .|
.　..:::::::::::::::::::;ィ'´　　 ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::...`丶、　.＼_`マ
.:::::::　;:__;斗＞'´　 ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾ
≧´　.....::::::::::::::::::::::::_;;;､ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　i:::::::::::::::::::::;ィ¨´:_:_:i'::::::｀ゝ‐---ｭ､;::::::::::::::::::::::::::::::::

　　　　＿＿
　　 ／　　　＼
　／　　 _＼　　＼
　|　　　 （ ●）（●）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｷﾘｯ　＿＿＿_
.　|　　　　 （__人__）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼ 　 ／ ＼
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／（ー）　 （ー）　＼　　　　　　も、もちろんですお
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　⌒（__人__）⌒　　 ＼
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ 　 　 |　　　　|r┬-|　　　u　　|　　　　 やる夫のやることに
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　　＼　　　`ー'´　　　　 _／
　　　/　　　 く.　＼ 　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　 ノ　　　　　　　　　　＼　　　　　不備はないですお！！
　　　|　　　　 ＼ 　＼　　　　　　　　　　　　　　　　(⌒二　　　　　 　 　 　 　 　 |
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)、　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　　　　　　　　｜　 |

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　＼　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　/｀ﾞ''―‐┬　　　|
　　　　　　　 　 　 　 |　、＿ 　l　　　..|　　　　　　　　　　　　　　　……………………
　　　　　　　 　 　 　 ヽ　　　 丿　　　|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l＼
　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　,'　　＼
　　　　　 人　 　 　 　 丿　　 　 　/　　　　＼

┌───────────────────────────────────────────┐
│　処分を報告したときに隊長は僕の目を覗き込むようにしたが、それ以上はもう何も言わなかった。　 　 │
└───────────────────────────────────────────┘

┌───────────────────────────────┐
│　この一件があってから、住民たちの僕を見る目がガラッと変わった。　　....│
│　例えば────　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
└───────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　,.f"ﾐﾐヾ､
　　　　　,,.,__　　,,,, ＿　　,,f";;;;]ノ^〃=ミﾐ;､、
　　　　　 `ｰミ彡-ﾐ、;;ヽf;;;;;;;" ／ ヽ､ 中ﾉ＼　　　　　　　　　　　　　　大人、大人！！
　　 　 　 　 　 　 　 ｀`ｰ-‐"／　(( ○）　（○))
　　　　　　　　　　　 ／メ／ 　　 　／_人_＼　＼　＿　　　　　　　　　 大変アルよ
　　 　 　 　 -＝二　|:（ ,;.|　　　　 §|ｗwｗ|§ 　|三 _）
　 　 　 　　 　　　　（;:;:;:;;;:;＼　　　　´´⌒｀`　,／　／　　　　　　　　　　夫婦喧嘩アルよ
　　＝ ￣　　 　 　 　　＼ 　（　　 （⌒i!l 　／ ＿彡
　　 　￣￣　, 　 -＝三　＼/　/! ノ l!| ! /￣￣　　　　　　　　　　　　　仲裁して欲しいアルよ！！
　　　　　　　　　　　　　　　 ミ__二二ii彡)) ii!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿　i||i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　／　／　　　　ﾊﾞﾊﾞｯ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､/ 三　／'
　　　　　　　　　　　　　　　　　／（～　￣）

　':,　　　　 ',　　　　　 　 -‐ ''"´￣￣｀"'' ｰ　､　　　　　　 　　 　／
　　':,　　　　',　 ／ 7 ´　　　　 　　　　　　　　　｀ヽ.　　　　　　 /　 　 　 一
　　　':,　　　　〈　　( 　 　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.　　　　 ,'　　私 　夏
　　　　':,　 　 ,:'＼　 ￣＿二ニﾆ＝-‐''　　　　 　　　　':,　　　.i　　 の 　は
.　＼　　　 　,'/　 　￣　　　　　　　　 　 　 　 ;　　　　　 ',　 　|　　 嫁
　　　＼　　 i,'　　　 ,匁ｭ、　　 、　 　 　 　 　 i　 　　i　　i　　 !.　　に
　　　　　　　!　　　/!メ､」_ヽ　　ヽ　 ＼　 ヽ ヾ!　　 ｜ 　 i 　 | 　　す
｀"''　 ､..,,_　 !　　 /,ｧ7´, `iヽ＼　',ヽ､」ﾆイ､ヾ:|　　　|　 　 i 　|. 　　る
　　　　　　　i 　　ｲ　i┘　i.　　 ＼i|::::::::::::::::::::::|　 　 |　　　| ∠.　　 ! !
─--　 　 　 |　　 !　 ゝ- '　　　 　 |!::::::::::::::::::::!.　　 |　　　!　　｀ヽ.
　　　　　　　 | 　7/l/l/　　　､　 　 弋二ニン´!　　 |　　　|　 　　　｀ ' ｰ---
,. -──-'､　 | 　i　 　 　 ｀i`ｧｰ-- ､　　/l/l/l !　　 ! 　 　|
　異　 　　 ヽ |、ヾ　､　 　 ﾚ'　　　　', 　 u　 / 　 /　i　　!
　論　　決 　i. ﾊ、 ヽ ｀　､ '､　　　　ﾉ　　,.ｨ/　／ 　 |　 .i
　は　　定 　.|' i　＼i　　i　 ＞-r　 =ﾆi´､/／　i　　 |　 .!|
　認　　事　　!｜　　　i_,!イ´ヽ.7　_,,..／ /::: 、 |　 　! 　ﾄ,i
　め　　項　　|Y 　i.／7:::::ヘ　/マヽ、 /:::::::i| ヽ　　i 　 | i|
　ん　　.だ 　 | !　/　 /|:::::::::::ヽi;;;;i　／::::::::/　　ヽ. !　　!.i|
.　! !　　　　　 | i /　 ,'　ーi::::::::::ヾ'´::::::::::厂 i　　　 ',　　|/

	424 yournet.ne.jpで規制だお 2011/11/23(水) 22:39:05 ID:TWhA.ccE お前ドイツ人じゃねーかw

; ; ; ; ;;>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 , ＜: : :: :: ::へ　　　　　　　　　　　 　 　 　 /＼　　 　 ／|　　／ﾞｉ
; ; ; ;; ;; ;;; ;;> 、　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /:: : : : : : : : : :: :.ヽ　　　　　 　 ＼　＼､＿ﾊﾉ　　ヽ、|／　｜ノ　　 (,ﾊ＿､／/
; ; ; ; ; ; ;; ;; ;;; ;;;> 、　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　::λ: : : ﾄ､ : : : : .',ヽ　　 　 　 　 ＼)'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'(
; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;; ;; ;; ;;> 、　　　　　　　　　　　　　　!:: :-L从: : {._.Ｘ: : : :::}　ゝ　　 　 　 .／　　　ふざけるな！！　　　　　　　　　 ＼
; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;;>､　　　　　　　　　 　 　 l : {.<尓 ヽ ',迩} 〉: : i_.厶　 　 　 ヽ,）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （,,r'
; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;; ;; ;; ;; ;;>､　　　　　　　　 　 八{:', '''　,　`　 .ﾉﾙ' i, イ 　 　 　 .／　　　一夏は私の婿になるのだ！！　　　＼
; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;; ;; ;;>､　　　　　　　　ﾚ,::|ﾍ　 r 丶　,ｲ: :/: : ﾄ､　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'
; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;; ;; ;;> 、. 　　 　 _八ｉ::::::ゝ ｰ'／/／.: : ::iヽヽ　 　 .＿）　　　誰が貴様などに！！　　　　　　　（＿
＜; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;; ;; ;;;>　　／ ヽ: : : :::y´'　, ＜　 ヽ:::i　ヾ､　　..,)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (,
　　　`　＜; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;;/　`>ｭ　　ヽ／　／ 　 　 ＼{:ﾑ 　`､ 　 .／-､　　　絶対に認めん！！　　　　　　 ､-＼
　　　　　　　 `　＜; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; /　　 /　　　　￣ヾｯ､　　　　 i: : ',　　ヾ､　　／ﾍ '"　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾍ
　　　　　　　　　　　　`　 ＜; ; ; ; ; ; ; ;;;/ 　 , ´　　　　　　 ヽ　',　　　 /: : ﾑ　　.}i...／　　/／7／ﾍ　/l　ﾄ､ ｜＼、 /＼　/＼ﾞｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　` 　＜　_　 /　　　　　　　 　 　 ',　　　i:: :: ::ﾑ　 }l!　 　 　 　 ./ 　　V　| ,l　ヽ|　　 V　　 ﾞｉ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 L　　 Y　　　　　　　　　　　 }　　 ﾉ､: : : ::ﾑ//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `　、_ , -―' 　 　 　 　, イ .,　' 　 ﾏ: : : :ﾑ
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　　　　　　　　　＼＼　　　 ウ　　　　　|l i::::::::::::::::::::::::::::::::i l|　 ））　　　 　 　 ／ /　 　 　 ＼　.　
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　　　　　　　　　　　　　　＼　　 （　　　|l i:　:　:　:　:　:　:　i l|　　）　 ＼＼　　　　　　 ／／　　 　
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　　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 |∨l i: :　　 : |:　　 :　 ｉ l|　i　　 　 　 　 ））　／　　　　.　　　
　　　　　　　　　（（　　　　　 　 　 　 |l i ＼　:　　:　　:　:／i l|　|　 　 　 ／ 　 ／ 　 　 　 　 　 　
　　　　　　　　　　＼　　　　　　 ／　|l i　　＼　　 　 ／　　:ｌ∨!i　　 ／　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　.　　 　 　 ＼ 　 　 ／／　|l i　 　 　 　 ／　　　　 ｉ l|　　／　　　　　　　　　　 　 　 　
　　　　　　　　　　　　＿＿＿_　　　 |l i　　　　　　　 　 　 　 i l|　　　　　,　 　 　 　 　 　 　 　 　
　　　　　 　 　 　 . ／　　 　 　＼　...|l i　　　 　 　 　 　 ｉ　　 i l|!　　　,　　く>　　　　　　　　　　　
　　　　　　,　　 .／　　　　 　 　　＼　　　　　　え～っと、こういうのは　　／,　 　 　 　 　 　 　
　　　　　　　 .／ U　　_ノ 　　 ヽ_ 　＼　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .　　　
　　　　　　　..|　 　　 （一）|lil|（ー）　 |　　　　　夫婦喧嘩とは言わないお？ 　.　　　　 　 　 　
　　　　　　　../　　　　 ∩ノ ⊃_）　／ l　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .　　　 　 　
　　　　　　　..(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　 それに、止めに入ったら　　　　　　　 :　　　 　
　　　　　　　...＼　“　　／＿＿|　 |;.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　..＼ ／＿＿＿ ／　　　　　　　間違いなく死ぬお……

┌───────────────────────────────────────┐
│　┌────────────────────────────────────┐ │
│　│　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::／::::::::::::::::／::::::::/::::/::::::::::::::::＼　　　　　　　......│ │
│　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／::/:::／::/:::::::::::／/::::::〃::〃:::::::|:::::::::::::::.　　　　　　　　.│ │
│　│　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／ :::ｲ／:::::/::::::::／ _/::／/／/::::::::::|::::::::::::::::::.　　　　　　　 │ │
│　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´￣￣/::::::::/:::／:{　 ´￣｀ヾ> /::::／}ﾒ､:::::::::::::::::::.　　　　　......│ │
│　│　　　　　　　　 　 　 　 , 　 ´ ￣￣￣ ｀丶::::/ﾉﾊ＼:i　｀｀｀ 　　 /／　/_ ﾉｲ:::::|::::|八{　　　　　　.│ │
│　│　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　 ､――　､ 　＼〈　 ヾ　　　 　 /' 　 〉｀ヾ /:::::::!ヽ!　　　　　　　　│ │
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│　│　　　　　　　 　 ′　　/　　　　　|　 ＼　 ＼ ＼＿＼ 　 ヽ 　｀丶　 　 /::/ ヽ:|　　　　　　　　　..│ │
│　│　　　　　　　　 i　 　 /　　 　 i　∧‐-　＼　 ＼ }　｢⌒　　　こー'　 ／}:/　　 '　　　　　　　　　...│ │
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│　│　　　　　　　　 l　　 i　 　 ／ |八斗zﾐ ＼{ ,心 ヽi　 i　　 ｀>‐　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │ │
│　│　　　　　　　　 l　　 l 　 　 　 |,ん心　　　ヽﾋﾘ '|ﾘ　 ﾄ､　 /､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│ │
│　│　　　　　　　　 | 　 ﾉ /i　 　 八Vzﾘ　　　　、 ,, |　|ｉ |　　{　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│ │
│　│　　　　　　　　ﾉ ／}/ ﾘﾊ　　　ヽ ,,,,　 　 　 '　 八八{｀ヽ　　_＿｀＿ー--　､　　　　　　　　　 　 .│ │
│　│　　　 　 　 ／イ　　 //八　　 ﾄ､}　　 /￣V　ｲ　/　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　.....│ │
│　│　　　 　 　 　 八＿＿/__｢＼　', ト　._　￣.／ | / 　 　 　 . 私たち結婚しました。　　 　 　 .......│ │
│　│　　　　　　 ／_＞￣￣ヽ＼:::＼',!----}ニ{___ ﾉ'　　　　　　　　　　　　　　　/　　',　　　　　　　...│ │
│　│　　　 　 ／ i´ ∠二ﾆ`ｰ'　 ＼:::ヾ:.:.:.:.i::::::_:::/　　　　　　　 式にはぜひ出席してください。 ......│ │
│　│　　 　 　 　 |　 ＿　--､_ｧ ＼ }::::::＼:/,ｲ__ﾉ＼　　　　　　　　　　　 　 　 　 }　　　',　　　　　　　.│ │
│　│　　　 / 　 /|　　　 ----}　 　!|::::::::::::|/　　￣￣}__　　　　　 i　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　...│ │
│　│　　／ =彳/|　　´-―ァ´　　八:::::::::::|　　 　 ￣r八　　　　 ﾉ　　　　 　 　 . やる夫伍長様　　 │ │
│　│　/´ /　{i {八　 r‐彳'´i:|　 / 　＼::::::|　　　　/丁　|　　　　　　　 　 　 　 /　 　 　 　 ヽ　　　......│ │
│　│. {　 iヽノ∧｀ｰ¨ハ {:{　{:{　 !　　　/￣｀ヽ　 /　 |　 |　　_　　 ､_　　　　　∧ 　　　　　　 ＼　　　.│ │
│　└────────────────────────────────────┘ │
└───────────────────────────────────────┘

┌───────────────────────────────────┐
│　喧嘩の仲裁をしたり、結婚式に招待されたりで僕は引っ張りだこになったんだ。　.....│
└───────────────────────────────────┘

	428 yournet.ne.jpで規制だお 2011/11/23(水) 22:41:55 ID:TWhA.ccE 何と言う漁夫の利wwwwww

┌──────────────────────────────────────┐
│　それからしばらくして僕は軍曹に昇進したけれど、代わりに転任の辞令を受け取った。　　..│
└──────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　 ＿
　　　　　 　 　γ￣￣ ☆ヽ
　　　　　 　　　ー―､＿＿`､　
　　　　　　　／　　 _ノ 　ヽ､_＼　　　　　　　　　　やる夫はここに来るのをいやがっていたけれど、
　　　　　 ／　 　oﾟ⌒　　　⌒ﾟo＼
　　　　　 |　　　　　 （__人__）　　 |　　　　　　　　　いざこの土地と別れるとなると寂しいお……
　　　　　 ＼　　 　　 ｀ ⌒´ 　 ／
　　　　　　　>　￣￣＼∧//￣/￣/
　　　　　　 （　　　　二二つ　 / と）
　　　　　　　| 　　　 ／／/　 / 　/
　　　　　 　 | 　　／／　 ￣￣|￣

┌─────────┐
│　すると────　　..│
└─────────┘

　　　　　,.f"〃〃ﾐﾐヾ､
　　　,.f"〃〃≡≡ミﾐﾐヾ､
　f";;;;ノ^〃〃〃≡≡ミミﾐﾐ;､
彡彡／: : :　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　大人、大人がこの土地を離れると聞いて
ﾘ||／: : : :　　　┌┼┐　　　　 ＼
／: : : : : :　　　└┼┘　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　 我々はとても悲しいアルよ
: : : : : : : _＿_　　　　　　 _＿_　　　　＼
: : : : : : :　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |
: : : : ::;;（ (;;;;) ）::::ﾉヽ::::::（ (;;;;) ）;; : 　 　 |　　　　　　　　　せめてもの慰みにみんなで餞別を用意したよ
: : : : : : ´"''".　　　 　 　"''"´　 　　　 　|
: : : : : : . . 　.／　 j　 ＼　　　　 　 　／　　　　　　　　　　受け取って欲しいアル……
＼: : : : : : :.§‐‐'´｀ｰ-§　　　　 ／
／ヽ: : : : : §: : : : : : : §: : : : イ＼
: : : : : : : : : :.｀`ｰ- -‐'"´　　　 　 　 ＼
: : : : . : : . : : .　 　 　 　 　 　 　 　 　 　＼

　　　　 　 　 　 「l
　　　　　　l´l　 l」「l
　　　　　　l .l　 　l」　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣ ／|
　　　　 　 l .!─,　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |￣￣￣￣|　 |
　　　　 　 l .l￣　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／￣|==餞別==|／￣~／|
　　　　 　 ﾚ'　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |￣￣￣￣||￣￣￣￣|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／￣￣￣ ／|.=||==餞別==|／￣~／|
　　　　 　 /´L-‐'_ﾌ　 　 　 　 　 　 　 　 　 |￣￣￣￣|　 |￣￣￣||￣￣￣￣| 　|
　　　　　ム一‐ﾌ /　　　 　 　 　 　 　 ／￣|==餞別==|／￣~／|.=||==餞.／￣￣￣ ／|
　　　　　　　／　く　　　　　　　　　　　|￣￣￣￣||￣￣￣￣|　 |￣￣￣||￣￣￣￣|　 |
　　　.　　／／ `L>　 　 　 　 　 .／￣|==餞別==||==餞別==|／￣~.／￣|==餞別==|／￣~／|
　　　　 L／　 　 　 　 　 　 　 　 |￣￣￣￣||￣￣￣￣||￣￣￣￣.|￣￣￣￣||￣￣￣￣|　 |
　　　　　　 ;-‐‐ヽ　　　 　 ..／￣|==餞別==||==餞別==||==餞.／￣|==餞別==||==餞別==|／￣~／|
　　　　　　 `‐--´　　,__　 ...|￣￣￣￣||￣￣￣￣||￣￣￣￣.|￣￣￣￣||￣￣￣￣||￣￣￣￣| 　|
　　　　 　 　 　 　 ／／　 ...|==餞別==||==餞別==||==餞.／￣|==餞別==||==餞別==||==餞別==|／￣~／|
　　　　 　 　 　 ／／　　　　　　　　　　　　 　 　 _―_　、 |￣￣￣￣||￣￣￣￣||￣￣￣￣||￣￣￣￣|　 |
　　　　 　 　 ／／　　　　　　　　　　　　　　 ／(＞　＜)　|==餞別==||==餞別==||==餞別==||==餞別==|／
　　　　　　／／　　　　　　　　　 　 　 　 　 （　　(_人_)　；）
　　　　 　 ￣　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （つ__｀´__と）　　　＜餞別に押しつぶされるお！！

┌────────────────────────────────┐
│　別れを惜しんだみんなが僕に餞別を送ってくれた。　　　　　　　　　　　　　　　│
│　こんなことは前線の出来事としてはきっと稀有なことだったに違いない。　......│
└────────────────────────────────┘

	433 yournet.ne.jpで規制だお 2011/11/23(水) 22:46:16 ID:TWhA.ccE おいw

┌────────────────────────────────┐
│　昭和二十年八月、日本本土は焼き尽くされ国は降伏した。　　　　　　　　　　.│
│　これに伴い中国大陸の僕たちも中国軍に投降し、収容所に送られた。　　　.│
└────────────────────────────────┘

　　　　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::;;;;;::;;;:::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::: :::::::::: :::::::::: ::::: ::: ::: :: : :　:
　　　　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ::;;;::;;::::::: ::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　::: :┏━━━━━━━┓
　　　　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;:;;;::::::::::::: ::::::::::::::::::::: :::::::::::::: ::: ::: :: :: : : 　┃..　収　容　所　.　┃
　　　　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::;;;;:;; :::::::: :::::: ::::: ::::: :::: ::: :: : :　:　 :: :: : :　:　　　　┗━━━━━━━┛
　　　　　　　;;;;;;;;;;;;::;;;;:::::::: ::: :: ::: ::: ::: :: ::　:: : :　:　　　　 r;;"|＼
　　　　　　　;;;;;;;;;::;;;::::::: :::: ::: :: :: :::_,,_,,, -:''"|"'''ー : ,,,_　 |:::::|`ﾄ|
　　　　　　　;;;:::;;;:::: ::::: ::: :: ._,, -'' | |;;:::::::::::::| 　 ､ 　 　"'''ー:: ,,,|_　　　　　　_,,.. -'''|＼
　　　　　　　::::::: :::: ::　　 　 |:::::::_ | |;;i-,::「: :|　 |　 「　f　r　　　　"'''ー :. ,,,_":::::::::: |　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 　　 |::「::l :| |;;:::::::::::::|　　　　　　　　　 ＿＿＿__::::::|':::'::::'::::|　' ; , ＼
　　 　 　 　　,,, ,,, 　 　　　　|::::: :: | |;;:::::::::::::|　　 　　 　 　 　 |＿|＿＿|::::::|;:::;:::;:::::|　; : : : : |
　 　 　 　 　 ;;;;;;::;;;:.. .. ..... .. |::「::「:| |;;「::::「: :|　 「　「　「　「　　 ||　 |　|| :: :::|::::::::::::::|　 　 _, ..|..............
　 　 　 　 　 ｌｌｌ ｉｉｉ!:;: :: :: :: :::| ::::::: | |;;:::::::::::::|　　　　　　　　__,, !!--'‐ '''''"" ﾞ""''''' ｰ'''"~: : :.: : :: : :.:
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　　　 　 　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::: :|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､,,,__
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　　　　　　 　 　 　　 ""'''''‐-- ::;;;::::::l::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　,　　　|;;:::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　, 　　　　　　|;;;::::::::::::::::::::::::

┌──────────────────────┐
│　そこで僕は、とても意外な人物に出会ったんだ。　....│
└──────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿　　　　　　　　　座　 ベ　ふ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 ―＼　　　 　 　 　 っ　 ン　と
　　　　　　 ／￣￣＼　　　　　　　 　 　 　 　 (●)　(● )　＼　 　 　 　 て　 チ　見
　　　　　／　　 　　_ﾉ＼　　　　　　 　 　 　　l　 (_人_)　　　　|　　　 　　 い　に　 る
　　　　　|　　　 　　 （ ●） 　　　　　　　　　　＼　￣ 　　　／ 　 　 　 　 た　一　 と
.　　　　　|　　　　 　　（__ﾉ　　　　　　　　　　　 /;.;.ヽ　　　ヽ,　　　　　　 　 　 人
　　　　　 |　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　 l;.;.;.;.;.|　　　　i'､ 　 　 　 　　 　の
.　　　　　 |　　　　　　 　 } 　　　　　　　　　　　'!;.;.;.;.;|　　 　 !;'!_　　 　　 　 　 若
.　　　　　 ヽ　　　　　 　 } 　　　　　　　　　　　 '!;.;.;.;.|　　　 ｢ |||　　　　　　　　い
.　　　　　　 ヽ　　　　　ノ 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ;.;.;.;..j 　 　 |,,|||　　　　　　 　 士
　　/ ｰ｀¨`''''ー-- ､｣ﾞ'′＿ 　 ..,';;'. 　;:;: ;.. 　 /;.;.;.;／　__三｣ |||　　　　　　　　官
　''^ｰｧ ､＿＿＿＿_　￣ ／　　　　　　　　__/;.;.;／lﾆl-'┴┴厂　　　　　　　　が
　 `>'､,　　　　　'''"´￣￣_二ヽ､　　,';';';　/　 >'′　| | l`'Y'））i
　 /　　　　　　　　　　 ／　　　 ヽ　　　　`ー'　:;:;:　,|-' 'ｰ'ﾆﾉﾉ,.,:,:,:
　,'　　　　　　　　, 　 /　　　　　　ﾞ､　""''''''-=　:,,_ /| l: : :"''|'′,.,.,.,.
　　　　　　　　　 l　/　　__　　　 　 !　　　　　　　 / :| l: : : :.|
　　　　　　　　　 l, l　　く,_　　､　　 |　　 　 　 　 /_:::| l: : : :|
　''''ー--_　　､､,,,_ﾘ　　　　｀ヽ､ヽ, ,!　　　　 ／　　￣｀''ｰ'､
　　　　　 ￣｀¨`'''|!　　　 _,,..､二,,_,〉'_ー_／　　　　, ,､　　　`ヽ,
　　　　　　　　　　|!　　　'ｰ''"´　　'!　／　　　　　/ニ''''ー ---'-

　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　お久しぶりですお、隊長殿！！ 　　│
　 　／￣￣＼　　　　　　　＼＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__／
　／　　 　　_ノ＼　　　　　　　　　　 ∨
　|　　　　　（ ⌒））　　　　　　　　　＿＿＿_
.　|　 　　 　　（__ﾉ_）　　　　　　　／　　　　　＼
　 |　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　/　 ⌒ 　 　 　 ＼
.　 |　　　　　　　 .} 　　　　　　 '　（⌒）　　　　　　＼
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　（ｌ､__）⌒::::.　　　 　 　 |
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　 ∪　　　　　　　 　 ／
　　　/　　 ＼i　　　　 ｎ＿　　 　｀７　　　　　　ヽ
　　　|　　＼　￣￣￣　^ヽ｀ー‐―|　　　＼　 ＼|
　　　|　　　 丁￣￣{乂___ﾉー‐―┤　　　　＼　 ヽ
　　　　 ∧
／￣￣　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
|　　君も元気だったか、無事で何よりだよ　　　　│
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__／

　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　　　　その……宝豊の部隊はどうなりましたお
　　　　／ 　　 （●） 　（●） ＼
　　　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　　部下たちはみんな元気ですかお？
　　　　＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <
　　　　　 |　 |　 '､＿ ＼　／　 )
　　　　　 |　 |＿＿＼　 “　 ／
　　　　　　＼ ＿＿＿＼_／



　　　　 　／￣￣＼
　　　　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　それはもちろんだよ
　　　　|　　　 （ ⌒）（⌒）
　　　.　|　　　　 （__人__）　　　　　　　　　　　結局終戦まで集落には何も起こらなかったからね
　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　彼らは僕と別の収容所に入れられているけれど
　　　.　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　 ヽ　　　　　ノ　　ｍm　　　　　　　　きっとみんな元気だと思うよ？
　　　　　　/　　　￣￣￣　つﾉ
　　　　　　|　　　　|￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 ／ 　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　そうですか、それは良かったですお
　　　　　　　　　　　　／ 　　-一'　　 　　ﾞー-　　 ＼
.　 　 　 　 　 　 　 ／　　／´　 ｀ヽ　　　/´　 ｀ヽ　　＼
　　　　　　　　　／ 　 　（　　　● l 　 　l ●　　　） 　 　＼
　　　　　　　　　|　　　　 ヽ_　　 _ノ　　　ヽ_　　_ノ　　　　　|　　　　　　　……隊長殿、やる夫は隊長殿に
　　　　　　　　　|　　　 ''"⌒'（　　　　i　　　　）'⌒"'　 　 　|
　　　　　　　　　 ＼　 　 　 　｀ー ─'＾ー 一'　　　　 　 ／　　　　　　　 告白しないといけないことがありますお
　　　　　　　　　　　＼　　　　 　 　ー一　 　 　　　　／
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　実は、以前命じられていた捕虜の処分、
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　 　 |　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　　　|　　　　　　　あれはやる夫の判断で行いませんでした
　　　　　　　　　　|　 　 i　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　 　 |
　 　　　　　　　　. | 　　 i　　　　　　　　　　　　　　　i 　 　|　　　　　　　勝手なことをして申し訳ありませんでしたお……
　　　　　　 　, -‐┴-､__,i　　　　　 　 　 　 　　 　 　ゝ､ｰ┴‐--、
　￣￣￣￣く / /　ｧ- ,ﾉ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ （, -r　ヽヽ 〉￣￣
　　　　　　　　　　 `ｰ' ｰ´￣　　　　　　　　　 　 　　　　　 　￣｀ｰ 'ｰ´

　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,,..-''"´ ￣￣ ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　／　 　 　 　 　 　 　 '.,
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　 　 　 /　　　 　 　 　 　 　 　 　 l
　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　　　　　　…………やっぱりそうか
　　　　　　　　　　　　/　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,'
　　　　 　 　 　 　 .／　　　　　　 　 　 　　 ＼　 ./　　　　　　　　　　君なら、きっとそうすると思っていたよ
　　　　　　　　　／ 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽr ／
　　　　　　　 ／　　　　　　l　　　 　 　 　 　 /
　　　　 　 ／ 　 　 　 　 　 ',　　 　 　 r 　 .〈　　　　　　　　　　　　　だから僕は君に命じたんだよ
　　　　.／　　　　　　 　 　 lヽ　　　　 ヽ.___丿
　　 .／　　　　　ヽ　　　　　|　＼　　　r''´ 　　　　　　　　　　　　　　でも、捕虜を殺さなくて本当に良かった……
　.／　　　　 　 　 |　 　 　　|　/´ヽ.__丿
／　　　 ｀ヽ、　　　　　　　　./
　　　　　　　 ￣￣　　 ｀￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　　l

┌─────────────────────────────────────┐
│　僕は隊長に一切合財を告白したが、隊長から帰ってきた返事は意外なものだった。　　..│
│　青成りひょうたん隊長も、僕の見るところはちゃんと見ていたというわけだ。　　　　　　　...│
└─────────────────────────────────────┘

Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　|
　　　 　＿＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿／　　　　　　　 　 　 　 　 　 _ ＿
　　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　 　 　 　 　 ,....'´::::::::{＠}::ｰ､
　 　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣ ＼　　　　　　　　イ:::／ ´　~￣~ ｀ ＼
　 　 |::::::::ゝ　⌒　　⌒　|　　　　　　 .／￣￣＼　　 　 　 　 ／　　 ::＼:::／::::＼ 　 　 　 . //::〃 i　,ハ　　 /ヽ､ ﾍ
　　　|::::::（ （ ⌒）　（⌒）|　　　　　.／　 ⌒　 ⌒＼　　 　 ／　　 <⌒>::::::<⌒>　＼　　　　|∞:i ｌ ﾚイ　 ヽノ ｀ヽ} !｀ｌｺ
　 　（@　 ::::⌒（__人__）⌒)　　　 ./ 　　（⌒） （⌒）ヽ 　 . |　　　　　（__人__）　 　　| 　 　 .〔人 }　ぃ⌒ 　　　⌒小iVヽ
　 　　|　　　　 ｀ ⌒´　　|　　 　 ..|　　　　（__人__）　|　　...＼　　　　 ｀ ⌒´　　　／　　　　|! 　ｉ､⊂⊃　　　　 ⊂lｉ|ノ
　　　 ＼ 　　　　 　　 ／　 　 　 .|　　 　　 ｀⌒´　　|　　　　.￣（⌒`::::　　⌒ヽ　　　 　 ＿l 　 l!　 ト　　 ｰｰ　　ﾉi|
　,,.....イ.ヽヽ、___ ーノﾞ-､.　 　 　 ヽ　　　　　　　　　/ 　 　 　 　 ヽ:::: ~~⌒γ⌒）　　.／:: ;;| 　 |　 |>´_l_￣/'/￣/￣/
　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ 　 　 ./ ヽ　　　　　　　ノヽ　　　　　　 .ヽー―'^ー-'　 　 .⌒⌒| 　 |　lＮ/　 ￣ ) 　/　 と)
　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　　 /　　　　　　　　　　　ヾ　　　　　 　 .〉　　 　│　　　 　 　 .レ∨Ｗ|_}--j-イ__/＿/ノ
人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ○
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 о
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｡
　　　　　　　　..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　／　―　　-＼　　　　　　　　　　それにしてもあの連中、
　　　　　　　　.　　.　／　 （●） 　（●）
　　　　　　　　　　／　　　　 （__人__）　＼　　　　　　　　よくあのことを口外しなかったものだお
　　　　　　　　　　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|
　　　　　　　　.　　＼　　　　　 　　　　 ／　　　　　　　　みんなでやる夫のことをかばってくれたのかお……
　　　　　　　　.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　／´　 　　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　 -‐‐-
　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　 ＼ 　　 　 　 ┌───────────────────────────┐
　　　　　　　　　 /　.:.:.::::::::::::::::.:.:.　 ﾞ　　 　 　 │　彼らのことを思い出すたびに僕は思う。　　　　　　　　　　　　　　..│
　　　　　　　　　;　.:.:.:::::::::::::::::::::.:.:.　　　　　　 .│　彼らは落ちこぼれで兵隊としては半端だったけれど、　　　　　.....│
　　　　 　 　 　 {　:.:.:::::::::::::::::::::::.:.:　　}　　　　 │　人間としてはとても頼りになる連中だったんだって────　......│
　　　　　　　 　 ＼　:.:::::::::::::::::::::.　 ／ 　　 　 .└───────────────────────────┘
　　　 　 　 　 　 　 >　::::::::::::::::::　<
　　　 　 　 　 　 ／　.:.::::::::::::::::::::.:　ヽ
　　　　　 　 　 /　　.:.::::::::::::::::::::::.:　　'
　　　　　　 　./　　.:.:.::::::::::::::::::::::::.:.　　､
　　　　　　　/　:;　:.:.:::::::::::::::::::::::::.:.　 l　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┼ヽ　 -|r‐､.　ﾚ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｄ⌒)　./|　_ﾉ　 __ﾉ

　　　　　　　　　　┌────────────────────────┐
　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　　│　　　　　　　やる夫は上官に嘘をつくようです。　　　　　 　 .│
　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
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○原作：「銃声三発」
　　　　　（土井全二郎作「歴史から消された兵士の記録～無名戦士が語る最前線の実相」光人社NF文庫　収録）


○出演：

入速やる夫伍長　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 やる夫（AA）


警備隊隊長　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やらない夫（AA）


やる夫の同年兵　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 できる夫（AA）
やる夫の同年兵　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 いかない夫（AA）

兵隊　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 やるオプーナ（AA）
　〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 いく夫（AA）
　〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 やらないのか夫（AA）
通訳　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 水銀燈（ローセンメイデン）

中国人捕虜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　凰 鈴音（インフィニット・ストラトス）

機動歩兵中隊長　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ドヤが夫（AA）
兵隊　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 やってられっか夫（AA）
　〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 やる雄（AA）

中国人　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　織斑一夏（インフィニット・ストラトス）
　 〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 篠ノ之箒（インフィニット・ストラトス）
　 〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ラウラ・ボーデヴィッヒ（インフィニット・ストラトス）
　 〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 シャルロット・デュノア（インフィニット・ストラトス）

中国人モブ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 シナー、ある夫（AA）

その他キャラクター　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 モナー、ギコ猫（AA）

ということで、「やる夫は上官に嘘をつくようです。」終了です。


記したとおり本作は土井全二郎氏の「歴史から消された兵士の記録」から
一章を取り上げてやる夫化したものです。
その原作に収録されているのはいずれも過酷な戦場の片隅で生きた
一兵士たちの体験を著者が聞き取りしてまとめた短編です。
その中でもこの「銃声三発」は戦場に吹いた一陣のさわやかな風のような
エピソードでとても気に入っていたものです。

なお、原作は土井氏による聞き書きですので当然三人称で書かれていますが
やる夫化するにあたりやる夫の一人称に書き改めています。

読んでくださった方、お疲れ様でした。

443 yournet.ne.jpで規制だお 2011/11/23(水) 22:55:38 ID:Gv2zJS2s 面白かった！ 後一夏はもげていいよ。 444 yournet.ne.jpで規制だお 2011/11/23(水) 22:55:52 ID:YVHHgTYA 乙でした こんな兵隊さんもいたんだねぇ 446 yournet.ne.jpで規制だお 2011/11/23(水) 22:56:44 ID:5g6iNBy6 乙 敗戦寸前の満州とか中国は地獄だったイメージしかないがこんな爽やかな話もあったんだな 451 yournet.ne.jpで規制だお 2011/11/23(水) 23:06:45 ID:a7auuYiM 乙ですー、いい話でした >>446 植林部隊の話とかもあるよ 447 yournet.ne.jpで規制だお 2011/11/23(水) 22:56:51 ID:h.BSiOeI 乙 温かくなる話だ 449 yournet.ne.jpで規制だお 2011/11/23(水) 22:59:10 ID:KYsWkC.s 乙ー ええ話や 450 yournet.ne.jpで規制だお 2011/11/23(水) 23:02:52 ID:7UMyyjDs 乙です。 中国中部ではやる気の無い敵のおかげで空襲以外は比較的安定していて、ほのぼのとしていた状況だったと言う。 で、ビルマ・ニューギニア・フィリピン・内地でボロ負けの敗戦が信じられなかった人もいたとも。 452 yournet.ne.jpで規制だお 2011/11/23(水) 23:07:24 ID:4jP7fJ1g 乙 流石に支配者がコロコロ変わる大陸では「使える」支配者を優遇する事を分かっているな 自分の味方も分からないどっかの島国よりは余程マシだ 453 yournet.ne.jpで規制だお 2011/11/23(水) 23:13:36 ID:C9Is79zE 乙でした～。ええ話しや。 日本が駐屯した部隊によっては、住民と仲良くなりすぎて、 食糧事情が日本よりもはるかに良くて、ツヤツヤに健康になって帰還した兵隊さんもいたとか聞くからなw 454 yournet.ne.jpで規制だお 2011/11/23(水) 23:17:19 ID:k2URWbFs 乙でした。 ｲｲﾊﾅｼﾀﾞﾅｰ（； ；）