┌────────────────────────────┐
│.　志を持って上京したものの、茂丸は東京では貧乏生活でした　　...│
└────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　／ノ　ヽ＼
　　　　　　　 　　　　 |（○）（○）|
　　　　　　　　　　　　|ヽ（_人_）' |　　　　　 今日もまた上野公園で野宿だろ……
　　　 　 　　　 　 　 　| ｿ｀⌒´　|
　　　　　　　　　 　　　i　　　 　 |
　　　　 ＿＿＿＿＿__ヽ　ー' /＿＿＿＿＿＿
　　　　|＿＿＿＿＿＿ ）ι （ ＿＿＿＿＿＿|
　　　　|＿＿＿＿＿__ / . 　. ヽ __＿＿＿＿__.|
　　　　|＿＿＿＿＿__ i iﾐ夫彳| _＿＿＿＿＿|
　　　　|＿＿＿＿＿__ ヽ⊇⊆-' __＿＿＿＿__|
　　l二二二二二二二二| l⌒i |二二二二二二二l
　　　|　|　|_|　　　　 　　 U　 U　　　　　　|_|　|　|




┌───────────────────────────────┐
│　頬かむりを冠り、日雇いの仕事をして、なんとかやっていくのが精一杯　　│
└───────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿__
　　　　　　　　　　　　　　　／＼##＼
　　　　　　　　　　 　　　_ノ　ヽ､ヽ###＼
　　　　　　　　　　　　 （●）（●） ii#＃#.i
　　　　　　　　　 　　　（__人__）. . i###＃i
　　　　　　　　　　　　 ｛｀⌒ ´.　.ﾉ#＃##|
　　　　　　　　　　　 　 {　　　　./#＃##ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　／＃#＃/
　　　　　　　　　　　　　　ヽ./#＃##／
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾝ 　　　ヽ
　　　　　　　　　 　　　　／ 　　　　　|
　　　　　　　　　, (⌒二_／|　　　　　|

┌───────────────────────────────────┐
│　が、明治19年に頭山と出会ってから、彼の行動範囲は一気に広がりを見せます　　│
└───────────────────────────────────┘



　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　 _ノ　　ヽ　　 .＿＿＿_
　　　　　　　　　　　 |　　　（ ⌒）（⌒）／⌒　　⌒＼
　　　　　　　　　　 .　|　　　　 （__人__）ー□ー□ー ＼
　　　　　　　　　　　　|　　　　　｀ ⌒ﾉ 　 /__´___ヽ、 :::::＼
　　　　　　　　　　 .　 ヽ　　　　　 　} 　,彡`ー'´ﾐﾐヽ　 .　|
　　　　　　　　　　　　　.ゝ＿,. 　　ノ＿＿__ 　　 ＿＿_.／
　　　　　　　　　　　 -(＿＿_.)-(＿＿)＿__.)─(＿＿＿)─

今回は明治19年～22年までの茂丸の主な活動を

三つの観点から追っていきたいと思います


┌─────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│１　筑豊炭坑と玄洋社　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│２　新聞発刊　　　　箱田六輔と頭山満　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│３　条約改正問題　大同団結運動と杉山茂丸　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
└─────────────────────┘

　　　　　 ┌────────────┐
　　　　　 │　１　筑豊炭坑と玄洋社　 　 .│
　　　　　 └────────────┘

　　　／￣￣＼
　　/-　 ⌒_　　＼
　（● ）（● ）　　 |　　ρ 「う～～資金資金」
　 |（人__） 　 　 　|　　　ゝ　　今　新聞社開業資金を求めて全力疾走している僕は
　 | ｀⌒ ´　　　　 |　　　　　　玄洋社に通うごく一般的な男の子
　 |　　　 　　　 　|　　　　　　　強いて違うところをあげるとすれば
　 ヽ　　　　　　 /　　　　　　　　国事に興味があるってとこかナー
　　　ヽ　　　　/　　　　　　　　　名前は杉山茂丸
　　　　┼┬┼
　／┴┴┴┴┴￣＼
　| │　　　　　　　┤　＼
　| │　　　　　　　│＼　＼
　| │　　　　　　　│　＼　＼
　| │　　　 　　／│　　│　│
　| │　　　　 ／　│　　│　│
┌─ヽ　　　 　　　」　 　│　│
│　├┴┴┴┴┤　　　田田
│　│　　∥　　　ヽ　　　/　│
├-┤　　　/　　　/　　　LｌｌLノ

　　　　　 ┌──────────────────────┐
　　　　　 │　そんなわけで福陵新報事務所にやってきたのだ　　│
　　　　　 └──────────────────────┘


　　　　　 　 　　　 　 　 　.|　　　　 ノ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
　　　　　 　 　　　 　 　 　.|　　　 ノ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
　　　　　　 　 　　 　 　　 .|　　 ノ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
　　　　　　 　 　　 　 　　 .|　　@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==
　　 ┌────┐ 　 　 |　 　 　 | 　 　 　 　 　 　 ┌─────────┐
　　　|　 ∧w∧....│ 　 　 |　 　 　 |　 　 ┌──┐ │　福陵新報 〈戯湖〉　 ｜
　　　|　（,, ﾟДﾟ）　.|　 　 　|　 　 　 |　 　 │　 蠎│ └─────────┘
　　　|　 /　　 | 　 |　 　 　|　 　 　 |　 　 │上　 │　　:========:.:========:　　┏┓
　　　| 福陵新報│ 　 　 |　 　 　 |　 　 │　 蛇│　　|i.　　　　　l||i.　　　　　l|　 (三三)
　　　| 事務所⇒..|　　 　 |　 　 　 |　 　 │等　 │　　|i.　　　　　l||i.　　　　　l| .(三三三)
　 　└────┘ 　 　 |　 　 　 |　 　 └──┘　　|i＿＿＿__l||i＿＿＿__l| .(三三三)
.　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 　 ／|　 　 　 　　 　　 　 |┬┬┬┬||┬┬┬┬|　 (三三)
.　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ／　 |　 　 　 　 　　 　　 |┼┼┼┼||┼┼┼┼|　　┗┛
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|／ 　　 |＿＿＿______________|┼┼┼┼||┼┼┼┼|＿＿＿＿___
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　　　 　 　　　￣￣￣￣　￣￣￣￣


　　　　　　　　　　　　 ┌──────────┐
　　　　　　　　　　　　 │　明治19年4月開設　......│
　　　　　　　　　　　　 └──────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　.ノ　、　、　　　　　　　座　 机　 ふ
　　　　　 _,,.､､､､､.,,_　　　　　　　　　　　　　,● ●） l.　　　 　 　 　 っ　に　　と
　　　　／.:::::::::::::::::::..｀ヽ､　　　　　 　 　 　　（人__）　| 　 　 　 　 　 て　 一　 見
　　　/ .:::::::::::::::::::::::::::::::.　'､　　　　 　 　 　　ヽ　 　 ノ　　　　　　　　い　 人 　る
　　　| :::::::::::::::::::::::::::::::::,ﾍ{ﾂ　　　　　　　　　　`ｺfｪｴlﾕｭ 　 　 　 　 た　 の 　 と
　 　 | ::::::::::::::::::::::::,ｨｩ ﾉ　j　　　　　　　　　　 /;.;.ヽ　　　ヽ,　　　　　　　 若
　　　|::::::::::::::::::::::（ |.!　　;{　　　　　　　　　　 l;.;.;.;.;.|　　　　i'､　　　　　　 い
　　　.|::::::::::::::::::rﾘ`l,〉 　 j}ﾞ　　　　　　　　　　'!;.;.;.;.;|　　 　 !;'!_　 　　 　　男
　　　 }:::::::::::::::ﾉﾞ　　l　　/　　　　　　　　　　　 '!;.;.;.;.|　　　 ｢ |||　　 　　　が
　　　,xｧ''ｰ'ﾞ'`　　　 '､ /　　　　　　　　　　　　ﾉ;.;.;.;..j 　 　 |,,|||
　　/ ｰ｀¨`''''ー-- ､｣ﾞ'′＿　..,;:';;'.　;:;:;:;..　　/;.;.;.;／　__三｣ |||
　''^ｰｧ ､＿＿＿＿_　￣ ／　　　　　　　__/;.;.;／lﾆl-'┴┴厂
　 `>'､,　　　　　'''"´￣￣_二ヽ､　,';';';　/　 >'′　| | l`'Y'））i
　 /　　　　　　　　　　 ／　　　 ヽ　　　`ー'　:;:;:　,|-' 'ｰ'ﾆﾉﾉ,.,:,:,:
　,'　　　　　　　　, 　 /　　　　　　ﾞ､""''''''-=　:,,_ /| l: : :"''|'′,.,.,.,.
　　　　　　　　　 l　/　　__　　　 　 !　　　　　　 / :| l: : : :.|
　　　　　　　　　 l, l　　く,_　　､　　 |　 　 　 　 /_:::| l: : : :|
　''''ー--_　　､､,,,_ﾘ　　　　｀ヽ､ヽ, ,!　　　　 ／　　￣｀''ｰ'､
　　　　　 ￣｀¨`'''|!　　　 _,,..､二,,_,〉'_ー_／　　　　, ,､　　　`ヽ,
　　　　　　　　　　|!　　　'ｰ''"´　　'!　／　　　　　/ニ''''ー ---'-

　　　　　　　　　　　　_　　-───-　　 _
　　　 　 　 　 　 , 　'´　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　/　__, ィ_,-ｧ__,,　,,､　　, ､,,__ -ｧ-=彡ﾍ　 ヽ
　　　　 　 '　「　　　　　　´　{ハi′　　 　　 　 　 }　 l
　　　　　 |　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |
　　 　 　 |　 !　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　 |
　　　　　 | │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈 　 !
　　　　　 |　|/ノ二__‐──ｧ　　 ヽﾆニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
　　　　 /⌒!|　 =彳ｏ｡ﾄ￣ヽ　　　　　'´ !o_ｼ｀ヾ　| i/ ヽ !　　　　ウホッ！　いい男・・・
　　　　 ! ハ!|　　ー─　'　　i　　!　 　 `' 　 '' " 　 ||ヽ　l |
　　　　| | /ヽ!　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　 |ヽ i　!
　　　　ヽ { 　|　　 　 　 　 　 !　　　　　　　　　　　|ﾉ　 /
　　　　　ヽ　 |　　　　　　　 _ 　 ,､　 　 　 　 　 　 !　, ′
　　　　　　＼ !　　 　 　 　 '-ﾞ　‐ ﾞ　　　　　　　　レ'
　　　　　　　 ｀!　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾞ　￣　 ￣ ｀　　　　 / |
　 　 　 　 　 　 |＼　　　 　 ー ─‐ 　 　 　 , ′ !
　　　　 　 　 　 |　 ＼　　　　　　 　 　 　 ／　　 |
　　　　　　_ -‐┤ ﾞ､　＼ 　 　 　 　 　 ／　 ! l　 |`ｰr─-　 _
　_　-‐ '"　　 / |　 ﾞ､　　 ヽ　＿___　 '´　　 '│　 !　 |　　　　　ﾞ''‐-　､,_








　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,　 　 　 　 ,.　-‐
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈　　　　／
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }　　　/　　 .や
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }　 　 l
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<　 　 |　　　 ら
　 　 !∩|.}. '"旬ﾞ`　　 ./''旬 ` f＾|　 　 |
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣　 |l.|　　　| 　 　 な
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ 　 　 |
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'　　　 ノ　　　 い
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /　 　 ⌒ヽ
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ　　　　 　 l　 　 か
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼ 　 　 　 ヽ

　　　　　　　　　　　 　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　　　　 　|　 （●）（●）　|
.　　　　　　　　　　　　 |　u.（__人__）　.|　　……何を？
　　　　　 　 r､ 　　 　　|　　 ｀ ⌒´ 　.|
　　　　　 ,.く＼＼r､　　 ヽ　　　　　　ﾉ
　　　　　 ＼＼＼ヽ}　　　ヽ　　　 　/
　　　　　　 rヽ ` 　 ヽ　　/　　　ｧ'´ヽ
　 　 　 　 └'｀{　 . 　 ＼.|　　　/　 　i
　 　 　 　 　 　 ヽ､._　　　ヽ､_,r'　　　.|
　　　　　　　　　　　　｀ヽ､　　　／' 　|
　　　　　　　　　　　　　　 ｀'ｰ'´




　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<
　 　 !∩|.}. '__＿ﾞ`　　 ./'_＿` f＾|　　　　　 いや　今日は暑いからな
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣'　|l.|
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ　　　　　　海にでもイって泳がないか　と誘ったんだ
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼





　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/　　　　　 ああ　そういうこと
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ　　　　　　 いいぞ　たまには遊泳もいいな
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　(⌒ヽ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (⌒ヽ
　 （　　　 ,⌒) 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(⌒ヽ　　　　（
　（　　　 ⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （　　　⌒)　　　ゝ
　 ゝ　　　　　 ⌒ヽ,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.(　　　　　）、,,(
　(　　　　 　　　　 ⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　 　　　 　　　　　（　　　　　　　　　　ゝ
　（　　　　　　　　 　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　(　　　/>　　/>
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣,,_p/>￣￣
.....:::::::...　.....:::::::.......　.....:::::::...　　.....:::::::...　　 ..: 　 ..::::. 　　...::::::..　..::::::::........ ｡ﾟ｡,,,_p/> .....::::::::::::::::
.....:::::::........:::::::........:::::::........::::::　 :........:::::::......　..:::::::　.:::::....　.:::::　　....::::...　........ 　::::::::.......　...::::::::.　......
.....:::::::...　.....:::::::...　.....:::::::...　.....:::::::...　　 .:::::...............::::::::..:::::..　。...:::::::::::::.....　 .::::::::........　...::::::::::.. ::...
。....　:::::.....:::::::...　:::::::.....:::::::...::..:::::.....:::::.... 　　。..::::......　。...::　......　 .....::::::::..:::::..::.....::::::::::::::::...　...:::::::
～～　.....:::::::...　.....:::::::...　::　　.:::::.....:::::....　 .........:::::::::::::::::.........::...:::::::...::::::::::::::.....:::::::::::::。::::::.........::::::::
　 　~^^ﾟ～.。....　。.... . ..:::::.....:::::.....:::::....。.....ﾟ　.........。・...｡....　。　。。..::::......　。...::::::::... ......::::::::::::::::..
　　　　　　　　~^^ﾟ～～~ﾟ^～～～～～～・｡,,,,：～"~~。～・"　ﾟ''～｡,,,　。....ﾟ.......　。.....:::::::::..........:::::
: :. . . . .　　　　　..: : :. . . . .　　　　　..: : :. . .　..: : :. . . . . . .　　　..: : :. . .~^^ﾟ～・,,｡,,　。....ﾟ......。..。....
　 　　　　.. . ...　　　　　　　　. . . . 　　　..: : :. . . . .　　..: : :. . . . .　　　　　　　　　　^~^：～。,,,,・
　　.. . . . .　.　　　 　 　　　　.. . ...　　　　　　　　. . . . 　　　..: : :. . . . .






　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　 ふーい
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ　　　　　　　　 泳いだ泳いだ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<
　 　 !∩|.}. '"旬ﾞ`　　 ./''旬 ` f＾|
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣　 |l.|
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ　　　　 体を思いっきり動かすのも
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /　　　　　　いいものだろう
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼





　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　　 確かにな　えーっと
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





　　　　　　　　　　 　 ＿_
　　　　　　　 　 ,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
　　　　　　/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
　　　　　 ,!;;;!ﾞ`''～^～ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!
　　　　　 |;;;|　　　　 　ﾉﾘ　　　　　ﾐ;;;|
　　　　　_ゞ;! r─-- ､　　,rｪ--- ､ﾐ;ﾘ
　　　 　 !ﾍl;|. ぐ世!ﾞ｀｀　,ｨ '"世ﾝ　｢ヽ
　　　　　!(,ﾍ! 　￣'"　　|:::.` ￣　 ,ﾄﾞﾘ　　　　　　 俺は結城寅五郎　会計の仕事をさせてもらってる
　　　　　ヽﾞ､!　　　　　　!;　　　　 ,ﾚｿ
　　　　　　 `| 　　 　 ^'='^ 　　　 ﾑ'′
　　　　　　 ,rﾄ､　　ー- ─-:　　/|
　　　　_..／ i| ＼　　 ===　　 ,ｲ.:ﾄ､
　　　 ／　　i|　ﾞ､＼　　; 　 ／ﾘ.:;!:::＼､＿
　　　　　　　ﾞ!　 ﾞ､　`ｰ─''ﾞ:::;:'::::|::::::::::＼
　　　　　　　 ﾞ､　　　　　　:::/::::::|::::::

　　　　　　　　　結城寅五郎

　　　　　　　　　　　　＿__ ＿
　　　　　　　　 -‐''"´￣　｀　 ｀''ヽ=､
　　　　 ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　r（:::::::::::::::::,、_ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　ゞ, ｒｒ～ヅ　　 ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　ﾌﾊ　　　　　　 ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::
.　　　　l　__,,.　-─￢,〈::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 〉ﾞﾞ`'''Tjフ￣ 　 ヽ::::::,ｨ ,､ヽ:::::::
.　　　 / 　　,.‐'"　 　 　 }:::/ /ヽ ﾊ:::::::
　 　 /.. 　 　 　 　 　 　　"´　２ﾉ/ l:::::　　　　　　　　お前は何をやっているんだ？
.　　 ヽ.ﾆ,｀　　　　　　　　 　 __／　:l::::
.　　　　 'ｰr_‐; 　　　　　　 .ｨ　　　　l:::
　　　　　 〈..　　　　　　　 /:{　 　 　 ヽ
　　　 　 　 ｀}　　　　　／::　!　i
　　　　　 　 丶、,､. イ::::::　　　 !




　　　　　　　　.r-､　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／て )　　　 　／　　 _ノ　　＼
　　　 　 　 （ _ﾉ　 ﾌ.　　 　 |　　　（ ●）（●）
　　　　　　　ゝ、 〈　　　　　|　　　　（__人__）
　　　　　　 / ハ　ヽ.　　 　 |　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　 　 /〃　ﾍ　 ＼ . 　 | 　 　 　 　 　 }
　　　　　 ｉ ！　　 ＼　 ｀ ーヽ　　　　　　 }
　　　　　 丶丶　　　_ ＞　　　ヽ　　　　ノ､　　　　　　　　　毎日バカの限りをやっているよ
　　　　　　　 　 ゝ'´- ､_ 　y-､　　　　　　　＼
　　　　　　　　〈　　　　 ￣　 う 　 　 　 /､　　ヽ
　 　 　 　 　 　 `ー― ￢､__ノ　　　　　| 　>　 /
　　　　　　　　　　　　　　 |　 　 　 r'＾ヽ'´ _／
　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　 　 `く__ノ´

　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<
　 　 !∩|.}. '"旬ﾞ`　　 ./''旬 ` f＾|
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣　 |l.|
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'　　　　 ニヤリ
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼





　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _ .............. _
　　　　　　 　 　 　 　 ,:::´:::::::::::::::::::::::::｀:::.､
　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::j´ ｀`^~'Yy:::〉
　　　　　 　 　 　 　 {:::::/¨Y:ｲ ＝ミ､、ﾉﾘY
　　　　　　　　　　　 i::〈そミｿ　ｾｵこ`　,rj
　　　　　　　　　　　 l::::ヽ)　 　 　 　 　 {j′　　 世の中のバカらしい事なんて
　　 　 　 　 　 　 　 从:八 　 　 、＿ ｰｲ
　　　　　　 　 　 　〃" 　 ヽ　　 ｀こ´ /　　　　　男なら誰でもするもんだろうな
　　　 　 　 　 　 _/　　　 　 .:＼　 　 /
　　　　　　　 ,.ｲ.: 　 　 　 :≫≠ー-く
　　　　 　 ／/　　　　　　　　　　　　 ヽ

　　　　　　 （⊃￣￣＼
　　　　　（⊃　　 _ノ　　＼
　　　　（⊃　　 （ ●）（●）
　　　　　|　　　　 （__人__）
　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　 　 　 |　　　　　　 　 } ＼　　　　　　　 そっちは会計の仕事をやっていると言ってたな
　　　　 ／ヽ　　　　　　 }　　＼
　　　／ 　　ヽ､＿＿__ノ　　 　 ）
　 ／　　　　　　　　.　 　|　＿／
　|　 　　　　　　　／￣￣（＿)
　 ＼　　　＼　／|　ＪＪＪ　（
　　　＼　　／　　 ／⊂＿）




　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<
　 　 !∩|.}. '__＿ﾞ`　　 ./'_＿` f＾|　　　　　　　ああ　これはこれで面白いぞ
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣'　|l.|
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　再び　事務所　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 └────────┘


　　　　　 　 　　　 　 　 　.|　　　　 ノ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
　　　　　 　 　　　 　 　 　.|　　　 ノ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
　　　　　　 　 　　 　 　　 .|　　 ノ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
　　　　　　 　 　　 　 　　 .|　　@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==
　　 ┌────┐ 　 　 |　 　 　 | 　 　 　 　 　 　 ┌─────────┐
　　　|　 ∧w∧....│ 　 　 |　 　 　 |　 　 ┌──┐ │　福陵新報 〈戯湖〉　 ｜
　　　|　（,, ﾟДﾟ）　.|　 　 　|　 　 　 |　 　 │　 蠎│ └─────────┘
　　　|　 /　　 | 　 |　 　 　|　 　 　 |　 　 │上　 │　　:========:.:========:　　┏┓
　　　| 福陵新報│ 　 　 |　 　 　 |　 　 │　 蛇│　　|i.　　　　　l||i.　　　　　l|　 (三三)
　　　| 事務所⇒..|　　 　 |　 　 　 |　 　 │等　 │　　|i.　　　　　l||i.　　　　　l| .(三三三)
　 　└────┘ 　 　 |　 　 　 |　 　 └──┘　　|i＿＿＿__l||i＿＿＿__l| .(三三三)
.　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 　 ／|　 　 　 　　 　　 　 |┬┬┬┬||┬┬┬┬|　 (三三)
.　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ／　 |　 　 　 　 　　 　　 |┼┼┼┼||┼┼┼┼|　　┗┛
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|／ 　　 |＿＿＿______________|┼┼┼┼||┼┼┼┼|＿＿＿＿___
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　　　 　 　　　￣￣￣￣　￣￣￣￣

　　　　　　　| 　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿　 ＿_　　 ＿＿＿______＿＿＿______＿＿＿　　::. .: :. :..|: .: ..: .: .: . :..
　　　　　　　ｌ　　|「￣￣￣￣|￣￣￣|￣|　l __ |　　|iﾟ　＿ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|＿___ . 　 |　: . :. .: .:.:.:.: .:. :.
　　　　　　　ｉ　　|l　「￣￣ l　!　　　　.ｉｌ `|　|.こ'|　　|ｌ　|┌────────────┐| 　 | 　 |＼:. :. ::..: .: .: .:.
　 　 　 /〉 . |　　|ｌ　L　＿ 」 .|　 　 　 |i . ｌ　| lil |　　|ｉ　|│～～～　　 OO→ノ⌒v´｀ー‐ │| 　 | 　 | 　l＼ :.: .: .. :. :.:.
. 　 　 //.!　.|　　|l 　 　 　 　 | 　 　　 |＼ｌ　|(:::)|　　|i｡ |│～～～　　　　　.i'　n_＿Ω_,←│| 　 | 　 |　 l　 |　 　:. :. :. :.: .
　 　 〈//i|　.|　　|ｌ　　　　　 「| 　 　　 ｌ　 |　,.二、 　.￣|│「ﾟ　ﾟ」同　.ＸＸ→ﾉ_ノ＿,.-‐' ´ . │| 　 | 　 |　 l　 |　　　 : .: .:.:.:. :. .
　　　 li.!/l　 ! 　 |ｌ　　　　　 l_|　 　 　 | 　|　|,ｪｮ'!　..　　|└────────────┘| 　 |. .: .:＼l　 |　　　: .: . :.:.:. :. .:
　　　 iｌ　 ゝ　　. |l 　 　 　 　 | 　 　 　|　 |　lli'tl:|　　　　￣￣「| ￣￣￣￣ ￣ ￣￣「|￣ ￣ .:..:.::|: .: . :.: .＼|　　　 : ..: .: .:. . :.
　　　 l!v´ 　ｌ ,､--､　　　　　 | 　 　 　ｌ　 |　l,lLl.|　　　　　　　|.|================|.|　　.: .:.:.:.:.::|. :. :. . :.: . :. 　 　 |＼: .: .:. :. .
　　　く>　　 |_l ￣ l＿ ＿＿_.|＿ ＿_ _＼|　 ￣　　　 　 　　 .|;|　　　　 　 　 　 　... ..|;| :. :._:._.:.:_.:_|: .: .: .: .: : .: 　 　 |　 l＼ :.. .:
　　<l　<>　/ .! 　 ,l￣￣ ￣￣￣￣　￣ ￣￣　￣ ￣.￣ ￣|.|￣￣￣￣￣￣￣￣|.|￣: .: : .:. : ..ﾞ､ :. :. :.: .: ..　　　|　 l　 |
　 　 <> 　/ 　 ￣　　 　 　/￣￣￣￣￣￣￣￣|￣￣￣￣￣￣￣￣ﾞ､　　　　　　◎　　　　 :.: . :.ﾞ､ :.: : :. :. ..　 　|　 l　 |
.　 〈> 　 / 　 　　　　　　 /　　〈〉　　く<<> ＿＿ |　「￣」 ﾛ /　　.､,`;　　ﾞ　　　　　　　　　　　　　　: :.ﾞ､ .: .:. ..:.:: .: .. ＼l　 |
　＜ｌ　 /　　　　　　　　 /_､y'＿＿＿＿＿||l|l|i|l|||＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ ､　　　　　　　　　　　　　 :..ﾞ､ :. :. . :. :. :. :. .:＼|
　 l> . /　　　　　　　　 /　i､,l ﾟ､,`,.　<>>　 ||l|i|l|l||| 「「「「 」 ,.;`,　　　[o]~　　 ﾞ ､　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､ :. :. : .: .: .:. :. :. .
　　　/　　　　 　 　　 /　　/三三/　 　 kl　,,　_,,｡| 　　l￣￣| /　　　　　　 　　 ､　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､ :. :. :.: . :. : .: . .: .:
.　　/ 　 　 　　　 　 /　　/三三/　　＼　　ﾘ ,ｉHｉ.|　　 l＿三l　　　　<>　「」　 　 ﾞ､　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､ :. :.: . . .: .: .: .. .
　 / 　 　 　 　　 　 l======================l========================l　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､ :.: .: .: .:. : : :. .
. / 　 　　　　　　　　 ||＿＿＿l＿_l＿_||＿＿＿_|||＿＿＿_||＿_l＿_l＿＿＿＿||　　　　　　　　　　　　　　　 　:.ﾞ､ :. :.: .: .. :. .
/ 　 　　.　　　　＜＞|| 　/. 　 　 　 　 ||＿＿＿_|||＿＿＿_||　 　 　 　 　　.､　 ||　　　　　　　　　　　　　　　　 .:.: ﾞ､: : .:. . : ..
　　 　 　　　 　 |　l　||| ,===========|| 　 　 　 ||| 　 　 　 ||==============||　　　　　　　　　　　　　　　 .: .: .:. ::ﾞ､: .: .:. . .






　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<
　 　 !∩|.}. '__＿ﾞ`　　 ./'_＿` f＾|
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣'　|l.|　　　ほれ　俺が毎月付けている帳簿だ
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼

┌─────────────────┐
│一　金百七十円　月給みんなの分　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│一　金二十八銭　うどん喰う　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│一　五十銭　　　ござござわからぬ　　　　.│
└─────────────────┘





　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　 ほー　この新聞社の月給は皆で百七十円か
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　ああ　そうだ　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＿＿＿／

　　 　　 ＿_　　　　 ━┓
　　　 ／　～＼ 　　┏┛
　　／ ノ　　(●)＼　・
.　｜　(.／) 　 ⌒）＼
.　｜　　 （__ノ￣　　 ＼
　　＼　　　　　　　　　 |
　　　　＼　　　　　　　/　　　　　　　 これは何月分だ？
.　　　　　 ＼　　⊂ヽ∩
　　　　　　/´　 　 (,＿ ＼.
　　 　 　 /　　　　　　 ＼. ＼
　 　 　 ./ 　 / 　 　 　 |. ＼ソ
　　　　（ 　y'　　　　　 .|




　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<
　 　 !∩|.}. '__＿ﾞ`　　 ./'_＿` f＾|
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣'　|l.|　　　　　　　今月の分だ
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼





　　　　　　 （⊃￣￣＼
　　　　　（⊃　　 _ノ　　＼
　　　　（⊃　　 （ ●）（●）
　　　　　|　　　　 （__人__）
　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　 　 　 |　　　　　　 　 } ＼　　　　　　　何月分って書いてないじゃないか
　　　　 ／ヽ　　　　　　 }　　＼
　　　／ 　　ヽ､＿＿__ノ　　 　 ）
　 ／　　　　　　　　.　 　|　＿／
　|　 　　　　　　　／￣￣（＿)
　 ＼　　　＼　／|　ＪＪＪ　（
　　　＼　　／　　 ／⊂＿）

　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,iｰ..
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / 　/
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / 　/　　　　　カキカキ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / 　/
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / . /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 / . /　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 / 　/　　　　　　　　　 |　いま書き足した　これで今月分だ　＞
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / . / 　 　 　 　 　 　 　 ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
　　　　　　 　 　 　 　 　 / 　/
　　　　　　　　　　　　　/ . /　-''''^ﾞ''''ｰ-.._
　　　　 　 　 　 　 , ‐'./　,iﾞ.、　 .．　　　　 ｀ﾞ'ｰ　,,,
　　　　　　　　 ,／　У ./ .|______l,,..-'゛　　　　　　 .｀'''ｰ　..,,,,、
　　　　　　　 /　 , ‐‐'~´
　 　 　 　 　 !　 （　　!
　 　 　 　 　 ｌ　./丶､_＿_._.ﾉ┬―-､.. ;;ﾝ'
　　　　　　　 .ﾞ/　./ 　ヽ .,,ﾞ_''く　　　|''ｰ .._
　　　　　　　 / .,/ゝ⊥_,l‐､.(　八.　 |　　　.￣^ﾞ''''''"゛
　 　 　 　 　 l.／　　　 `''､ l＿)ー'ーｰ-　..,,＿__,　　 ＿,,..
　　　　　　　’　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣￣





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　u.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　いいのか　それで……
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

　　 ／￣￣＼
　／　ノ　　ヽ /＼'ｰ､　　　　　　　,, ..,､
　|　 （ ●）（ /　　.＼` ､　　 .　／／ /
.　|　　（__人/　　 　　＼ヽ､,.／／　../　　　　 うどん喰うってのはいいとして……
　 | 　　 ｀ /　　　　　　　｀`７７　 　/
.　 ヽ　　 /　　　　　 　 　 / /　　 /　　　　　　 この「ござござ」ってのは何なんだ？
　　 ヽ.. /　　　　　　ｆヽ、/ / , -,./
　　　/./　　　 　r-､ ヽ　∨,ノ　/
　　　|. ＼　　　〈＼.＼,〉　｀,　 ｆ
　 　 |　.　＼　　(ヽ ヽ ｀..　　　|
　 　 |　　 　.＼　＼　　　　 　ﾉ




　　　 _,r'´::::::::::::::::::::::::::｀'､.
　　　{::::::::rr-‐-‐'^i::::::::::::::i.
　　 　ﾞl'´ﾞ《　　 __,,,ゝ:::r､:::::l　　　　　　　　　 それは何だか分からないが
　　　　ﾄ=r;､ ﾞ"rｨｧ‐ﾘﾒ　}:::::}
　　　　 ﾞi`"l　　￣　 　 ｿ::::ヽ　　　　　　　　　五十銭足らなくなったから、ござござと書いた
　　　　　ﾞi. ゝ^ 　 ,　　/ヾヾヾ､
　　　　　 ヽ　ﾞこ´　 /　　　　 ヽ､
　　　　　　 ヽ､　 ／__,∠､　　　　｀'-､
　　　　　　　　｀ﾞｸ'ﾞ´　　　｀　　 　ﾞ'､　ヽ
　　　　　　 　 /　　　　　　　　　　　〉 ヽヽ




　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 _ノ　　ヽ、　　＼
　　　 　　 　（○）（○ ）　　　|
.　　　　　　 （__人__）　 　u　 .|
.　　　　　　　 ヽ｀⌒ ´　　　　|
　　　　　　　　｛　　　　　　　/　　　　　　おいおい　そんな会計で大丈夫か？
　　　　　　　　lヽ、　　,ｨ'.) ./
　　　　　　　　j　.}ﾝ／／　ヽ
　　　　 　　　ﾉ　'"´ ￣〉　　|
.　　　　　 　 {　　　　 勹..　｜
　　 　 　　　 ヽ　､＿_,,ﾉ　.　|

　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<　　　　　　大丈夫だ　問題ない
　 　 !∩|.}. '__＿ﾞ`　　 ./'_＿` f＾|
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣'　|l.|
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ　　　　　　　 というか　この新聞社に限らず
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'　　　　　　　　　日本中の会計なんてこんなもんでいい
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　 ほー　言い切ったな　なぜだ？
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _ .............. _
　　　　　　 　 　 　 　 ,:::´:::::::::::::::::::::::::｀:::.､
　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::j´ ｀`^~'Yy:::〉
　　　　　 　 　 　 　 {:::::/¨Y:ｲ ＝ミ､、ﾉﾘY
　　　　　　　　　　　 i::〈そミｿ　ｾｵこ`　,rj
　　　　　　　　　　　 l::::ヽ)　 　 　 　 　 {j′　　　　 会計で一番悪いのは嘘を書くことだ
　　 　 　 　 　 　 　 从:八 　 　 、＿ ｰｲ
　　　　　　 　 　 　〃" 　 ヽ　　 ｀こ´ /　　　　　　　事実あったことをそのまま書き得るのなら
　　　 　 　 　 　 _/　　　 　 .:＼　 　 /　　　　　　　　それでいいのさ
　　　　　　　 ,.ｲ.: 　 　 　 :≫≠ー-く
　　　　 　 ／/　　　　　　　　　　　　 ヽ




　　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　|　　　 （ ●）（●）
　　　　　.　|　　　　 （__人__）
　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　この新聞社の社長の頭山さんには　何か言われないのか？
　　　　　.ｌ^l^lｎ　　　　　 　 }
　　　　　.ヽ 　 L　　　　 　 }
　　　　　　 ゝ 　ﾉ　　　　ノ
　　　　　／ 　 /　　　　　＼
　　　 ／　　 /　　　　　　 　＼
　　. /　　 　/　　　　　　　　-一'''''''ー-､.
　　人＿＿ﾉ　　　　　　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<　　　　 事実書いていることを信用しない社長なら
　 　 !∩|.}. '__＿ﾞ`　　 ./'_＿` f＾|
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣'　|l.|　　　　　そんな社長辞めてしまった方がいい
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼




　　　　　,,　- ―-　、
　　,. '" _,,. -…;　　　ヽ
　 (i'"（(´　 __ 〈　　　　}
　　|__　r=_ﾆﾆ`ヽｆﾊ　　}
　　ヾ|! 　 ┴'　　 }|ﾄi　 }　　　　　　 頭山さんは、俺の書いたことをそのまま信用してくれるから
　 　 |! ,,_　　　　　 ｛'　 }
　　　「´ｒ__ｧ　　　./　彡ﾊ､　　　　　 俺はこうして会計をそのままやっているのさ
　　　 ヽ　‐'　　／　　　"'ヽ
　　　　 ヽ__,.. ' ／　　　　　ヽ
　　　　 ／⌒` ￣ `　　　　ヽ＼_
　　　 /　　　　　　　　　　　i ヽ　＼




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ 一）（一）
.　|　u.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　（この男　只者ではないかもしれん……）
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

┌───────────────────────────────────┐
│ この結城寅五郎と杉山茂丸が 頭山発案の新聞社開業資金集めに奔走しました　　.│
└───────────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　////　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　＼　　　／　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 ー□ー□ー　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 ,彡`ー'´ﾐﾐヽ　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,,―　-ー　　､　,　-‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 （　　　,　-‐　'"　　　　　 ）
　 , ‐―‐-、　　　　　　　　　　　`;ー"　`　ー-ー　-ー'　　　　　　 　 　 , ノ　 ､　､
　l ,.-‐‐-, l―=-､　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　l　　　　　　　　 　 l（● ●）|
　ni｀Ii　iI´hﾄ^ー'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | (_人_)　|
　 r‐､___ r‐ｧ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ　　　 ノ
　〈　 `ｨ　ｿﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 〔__≧＜__〕
　　ｰｭ―' 〈　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　 　 　 |
　　　　　　┌────────────────┐
　　　　　　│.　頭山満の両腕といったところです　....│
　　　　　　└────────────────┘

　　　 ┌──────────────────┐
　　　 │.　またこの三人にはこんなエピソードが　　..│
　　　 └──────────────────┘




　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　 ノ　　＼_ 　 ＼
　　　　 （●）（● ）.　　 |
　　　　　(_人__)　　　　　|／|
　　　　　（｀⌒´　　　　／ /
　　　 　　{　　 　 　 ／　 /　　　　 左手の薬指を落としてしまおう
　　　　　 {　　 　 ／　　/
　　　　　 _ヽ　／　　　/
　　　　／_ ／＼　　 /
　　 ／　/ ヨ／　＼/＼
　　（　ヽノ／　　　　　　＼
　　　￣　|　　　　　　|＼　＼





　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　＼　　　／　＼
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　 こうすれば刀が使いにくくなる
　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／
　　　／　　　　　　　　　　　＼




　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<　　　　　断指の誓い……
　 　 !∩|.}. '__＿ﾞ`　　 ./'_＿` f＾|
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣'　|l.|　　　　　　俺たちは暴力には頼らないという決意を
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'　　　　　　　 身をもって示すのだ
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼

┌──────────────────────────┐
│　この三名の結びつきの強さが見えてくるエピソードですね　......│
└──────────────────────────┘

┌─────────────────────┐
│　ただ、資金集めは順調にはいきませんでした　　.│
└─────────────────────┘



　　　　　　　　　　 　　　_________
　　　　　　　　　　　 ／　 　 　　 'r r.r.r.i
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　 | | | | |
　　　　　　　　　　/　　　　　u　 .ﾉ.ﾉ.ﾉﾉﾉ　　　　　　　　　駄目だ　全然金が集まらねえ
　　　　　　　　　 ﾊ_ノ　 ヽ､__　 /　　　/ﾉ
　　　　　　　　　/ (●）（● )　.(　　 　l ヽー―ー-､
　　　　　　　　/　 .（__人___）　 ﾑ　　 ｲ　 　　r　　　　ヽ
　　 　 　 　 ./　　 / ヽ`⌒´　　 |　　 .l　 　 /　　　 　､ l
　　　　　　/ 　　 / 　八_ ､__ ／l　　　| 　 ,'　　　　　 l 　l
　　 　.　 /　　　,'　　　　　　　ヽ|　　　|　ﾉ　　　 　 ﾊ　　 l
　 　 　 /　　　 .l　　　∧　　　　|　　 　ﾚ'　　　　 ノ　 　　 l
　 　　/　　　　 l　　ノ　　ヽ 　　|　　 　 |　　 　 ﾉ 　　 　　 }
　 　∧　　 　 / ,〆　　　　 ﾍ　 l　　　　　　　, '　　　 　　　l
　　　 ヽ､＿,ﾉ'´　　　　　 　　ﾍ .l　　　　　　/　　　　　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　', |　　　　 /　　　　　　　　 ,'
　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ﾄ､　　 ノ　　 　　　　　　　ﾉ





　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<
　 　 !∩|.}　　‐┰　　 　.‐┰　f＾|　　　　まあ俺たちみたいな貧乏浪人に
　　　ｌ（( ﾞ′u　　　　 　 　 　 ..|l.|
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ　　　　　ホイホイ金を貸してくれる人なんて
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /　　　　　　　そうは居ないだろうしなあ
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼

　　　　　　　　　　　　＿__ ＿
　　　　　　　　 -‐''"´￣　｀　 ｀''ヽ=､
　　　　 ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　r（:::::::::::::::::,、_ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　ゞ, ｒｒ～ヅ　　 ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　ﾌﾊ　　　　　　 ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::
.　　　　l　__,,.　-─￢,〈::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 〉ﾞﾞ`'''ニ二￣　 ヽ::::::,ｨ ,､ヽ:::::::　　　　借りようにも　俺たちには信用も担保も無いからな
.　　　 / 　　 ""　 　Ｕ　 }:::/ /ヽ ﾊ:::::::
　 　 /.. 　 　 　 　 　 　　"´　２ﾉ/ l:::::　　　　　財布の紐もそう簡単には緩まない
.　　 ヽ.ﾆ,｀　　　　　　　　 　 __／　:l::::
.　　　　 'ｰr‐-　 　　　　　 .ｨ　　　　l:::
　　　　　 〈..　　　　　　　 /:{　 　 　 ヽ
　　　 　 　 ｀}　　　　　／::　!　i
　　　　　 　 丶、,､. イ::::::　　　 !





　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）
.　 　|　　　　 （__人__）
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}　　　　　　担保、か……
.　　 ヽ 　 L　　　 　}
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（ー）
.　|　　　　 （__人__）　　　　　 ここはやはりアレしかないか
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

　　　　　　　　　　　 ＿_
　　　　　 　 　 ,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
　　　　　 　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
　　　　 　/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
　　　 　 ,!;;;!ﾞ`''～^～ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!
　　　 　 |;;;|　　　　 　ﾉﾘ　　　　　ﾐ;;;|
　　　 　_ゞ;! r─-- ､ 　 rｪ----､ﾐ;ﾘ
　　 　 .!ﾍl;|. ぐ世!ﾞ｀｀　,ｨ '"世ﾝ　｢ヽ
　　　 　!(,ﾍ! 　￣'"　　|:::.` ￣　 ,ﾄﾞﾘ　　　　　アレか　頭山さんが納得するかな
　　　 　ヽﾞ､!　　　　　　!;　　　　 ,ﾚｿ
　　　　 　 `| 　　 　 ^'='^ 　　　 ﾑ'′
　　　　　　 .ﾄ､. 　 -‐‐ ‐‐-　　/|
　　　　 　　i| ＼　　 ===　　 ,ｲ.:|
　　　　 　,ｲi|　ﾞ､＼　　; 　 ／ﾘ.:;ﾄ､
　　　　　　　　　　 .`ｰ─''ﾞ




　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/　　　　　説得してみるさ　頭山さんなら分かってくれるだろうよ
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　 と、いうわけで資金集めは今のところ難航しています
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /




　 　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　 ////＼
.　　 　／　　　ノ ' 　ヽ＼
.　　／　／）ー□ー□ー＼　　　　　 むう　そうか　苦労をかけるな
　　|　／ .ｲ　　/__´___ヽ、　|
　　∨,'才.ﾐ).　彡　　ﾐﾐヽ／　　　　　 簡単にいくものではないと、分かってはいたが……
.　　 |　≧ｼ'　　 　　 　　＼
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ

　 　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　その資金集めに関してですが、ひとついい手があります
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　ｍm
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ
　　　|　　　　|￣￣￣




　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　⌒　　　⌒　＼
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼
　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|　　　　　ほう　それは何だ　ゼヒ聞かせてくれ
　　　＼　　 ,彡`ー'´ﾐﾐヽ　 ／
　　　／　　　　　　　　　　　＼

　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／ ヽ､.　_ノ　＼
　　　　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　　　　|　　（__人__）　｜　　　　　 炭坑です　福岡の天然資源たる炭坑を利用するのです
　 　 　 　 　 |　　 ｀ ⌒´　　|
　　　　　　　 |　　　　　　 　}
　　　　　　　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　　　人＿__＿_ノ"⌒ヽ
　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　/ 　　　　　　　　　　 へ　　＼
　　　　 （　　ヽγ⌒)　　　　　| 　＼ 　 ＼
　￣￣￣＼＿＿／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　////＼
　 ／　　　 ─ 　─＼
／ 　　　ー□ー□ー＼
|　 　 U 　 /__´___ヽ、　 |
./　　　　.∩ノ ⊃ﾐﾐヽ／　　　　　　　……俺たちに炭坑経営に乗り出せと
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|
　　　　　 r;r‐r/　|. 　|　　（__人__）　 |
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ　　　　 そうです　いい手だとは思いませんか
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ

　 　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　 ////＼
.　　 　／　　　ノ ' 　ヽ＼
.　　／　／）ー□ー□ー＼
　　|　／ .ｲ　　/__´___ヽ、　|　　　　　うーむ……
　　∨,'才.ﾐ).　彡　　ﾐﾐヽ／
.　　 |　≧ｼ'　　 　　 　　＼
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ




　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　 /　ヽ､_ 　　.＼
　　　　　. （　（● ） .　　　|
　　　　　. （人__）　　　　　|
　　　　　r‐-､　　 　.　　　|
　　　　 （三））　　　.　　　|　　　　　　　おや　気が進みませんか
　　　　　>　ﾉ　　　　　　 /
　　　　/ 　/ ヽ、　.　　 /
　　 　/ 　/ ⌒ヾ　　　.〈
　 　 （＿__ゝ､ 　＼／.　）
　　　　　　.　|＼　　 　,.1
　　　　　　.　|　 ＼_／...|

　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　＼　　　／　＼
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　　炭坑など山師のすることだ　武士のすることではない
　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／
　　　／　　　　　　　　　　　＼




　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　////　＼
　　　　　 ／　＼　　　／　＼
　　　　／ 　 ー□ー□ー　　＼
　　　 | 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　　＼　　 ,彡｀⌒´ﾐﾐヽ　 ／　　　　　　お前は俺に山師になれとでも言うのか
　　　　 /,,―　-ー　　､　,　-‐ ､
　　　 （　　　,　-‐　'"　　　　　 ）
　　　　　`;ー"　`　ー-ー　-ー'
　　　　　 l　　　　　　　　　　　l




　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　　　　 はい　なっていただきたい
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　 　 　 　 　 ﾄ VVVVVVV_ﾉ＼
　 　 　 　 　 　 ＼　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　 　 　 　 ﾊ　　　 　 　 　 　 ＼
　　　　 　 　 ⌒≧ ／　 ／＾＾＼〆 ､　＼
　　　 　 　 　 　 彡　 〆　　　　 ＼　＼　ヽ
　　　　　　　 　 〃　ﾊ　　 ⌒　　 ⌒ 、 l　 |
　　　　　　　　　ﾙ从§　（● ）　（＜）ヾ　 |
　　 　 　 　 　 　 乂§　⌒（__人__）⌒ 从ｲ
　　　　　　 　 　 　 ＼ 　 ∩ ｀ー´　　 ／
　 　 　 　 　 　 　 　 / ⊂　 ＼∩ィつ ヽ
　　　　　　　　　　　/　　ゝィ／ ＿ノ　　丶
　　　　　　　 　 　 （　　　／　 ／ ＼　　　）
　　 　 　 　 　 　 　 ＼　 　 ／ ＼　 　 ／
　　　　 　 　 　 　 　 　 ー ´　　　 ー ´
　　　　　　　　　玄洋社初代社長　平岡浩太郎

━━━／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼━━━━
　　　　|　　 炭坑事業は平岡さんもやっています　　　　 |
.　　 　 ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿__／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | /

　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|
　　　　　 r;r‐r/　| 　 |　　（__人__） 　|
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ｌ　　　　 俺たちもこれに乗り出しましょう
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ

　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　＼　　　／　＼
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　あれは平岡が個人でやっていることだ　俺には関係ない
　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／
　　　／　　　　　　　　　　　＼





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　////＼
　 ／　　　_ノ 　｀ヽ＼
／ 　　　ー□ー□ー＼　　　　　　 だいたい俺たちが炭坑をやるなんて
|　 　 　 　 /__´___ヽ、　 |
./　　　　.∩ノ ⊃ﾐﾐヽ／　　　　　　 玄洋社の皆が納得せんて
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　 ……頭山さん　三井や三菱の政商財閥が
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　　国が海軍用に握っていた福岡の炭坑権を、民間に開放するように
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |　　　　　 政府に働きかけている、という話もある
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　u.　　 （__人__）　　　　　このまま放置していたら　福岡の資源が
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　 政商どもと、彼らと手を組んだ藩閥のやつらに
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　持っていかれてしまう
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l




　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／　　　 _ノ　＼
　　　　|　　 　（ ●）（●）
　　　 ｜　　　　 （__人__）
　　 　 |　　　　 　|r┬| .}
　 　　 | 　 　　　 |　| | }　　　　　　　 そうなってからでは遅い！　そうは思わないか
　　 ,..-'ヽ　　 　　｀ﾆﾆ }　　　　　　　　頭山さん！
　 ./::"::::`ヽ､.,＿＿ __ノ ﾞ
　/::i::::::::::::"'弋'!ｰ',イ>|'_ノ´｀ｰ -,,＿ _
. }:::ﾞ|::::::::::::::::::::~ﾞ:_戈;f"　 、　　　 ｲ/ `i
/:::::::!;:::::::::::::::::::/',r.ﾃ　　　 ＼xｰ.ｫ､__ノ
::::::::::::ヾ!:::::::::::::l .l r'　　 `　､_冫y"
:::::::::::::::::＼o:::::l .ﾄ、　 ヽ,＿ﾉ"ｰ'
:::::::::::::::::{::::{＼代 l>ｰ､,_ノ

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　////＼
　 ／　　　 ─ 　─＼
／ 　　　ー□ー□ー＼
|　 　 　 　 /__´___ヽ、　 |
./　　　　.∩ノ ⊃ﾐﾐヽ／　　　　 ……
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／



.　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　－//-＼
.　　.　／ 　 ー□ー□丶
　　／　 　 　 　 __´__　　＼
　　|　　　　　 彡´⌒｀ﾐヽ　|　　　　 分かった　今しかない　それしかないのなら　やるしかないか
.　　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　／´　 　　　　　　　　　　ヽ





　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／　　 ヽ_　　＼
　　　　　　　|　　　 （⌒ ）（⌒）
　　　　　　.　|　　　　 （__人__）　　　　　 頭山さん！　分かってくれましたか！
　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　.　 |　　　　　　 　 }
　　　　　　.　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　 ヽ 　　　　　ノ
　　　　　　_,,,,ノ|､￣／/／/ ＼、
　　_,,..r''''"/　|　＼`'／　 /　 | ￣`''ｰ-､

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　////＼
　 ／　　　 ─ 　─＼
／ 　　　ー□ー□ー＼
|　 　 　 　 /__´___ヽ、　 |　　　　　 早速　安場知事の所へ行って　炭坑採掘権の払い下げを
./　　　　.∩ノ ⊃ﾐﾐヽ／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　 彼から中央政府へ働きかけてもらおう
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）. ｒｍ､
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉｒ川 ||
.　 |　　　　　　 　 },.!　 ノ'　　　　　我々のやり易いように、ですね
.　 ヽ　　　　　 　 ｒ / .|
　　 ヽ　　　　　ノノ　ﾉ
　　　/　　 　 ／ .／
　　　|　　　 　 ／
　 　 |　　　　i
　　　　　　　　　　　　┌────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　│　.こうして頭山は.炭坑権獲得に乗り出す事になりました　..│
　　　　　　　　　　　　└────────────────────────┘

　　　　　　　　┌─────────────────┐
　　　　　　　　│　これには玄洋社内から反対が続出　　..│
　　　　　　　　└─────────────────┘


　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿__
　　　　　　,⌒ヽ　 ヾ＿＿＿＿＿_　|
　　　　　（　　≡　　| ＼ll／　　　 |　|
　　　　　　(　ノ　　 l　 ミ ・） U　　|__.|
　　　　　,-、　　　 /　⊂⊃＼　　　6）､　　　　　　　　炭坑なんぞ山師のすることだ！
　　　／ヽ　)　　　/(＿_l＿＿＿＿　 |　|＼
　　 （ヽノ⊂ )　　 i　ヽ_|＿|＿|＿|_） / /　　＼
　　　＼_ ／ ￣￣ ＼ ＿＿＿＿ ／／
　　　　　ヽ　　　　　　 | `───､ /




　　　　　　　　／￣￣￣￣＼
　　　　　　　　ｌ ∨∨∨∨∨ ｌ
　　　　　　　　|　 　＼()／ 　 |
　　　　　　　 (|　(（・）　（＜）　|)
　　　　　　　 |　 　　⊂⊃　　　|　　　　　　　俺たち筑前侍のやる事じゃない！
　　　　　　　| .| ⌒ ＼.ｌ／ ⌒ | |
　　　　　／ |. ｌ ＋ ＋ ＋ ＋ ﾉ |＼
　　　 ／　　 ＼＿＿＿＿＿／　　＼
　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　////＼
　 ／　　　 ─ 　─＼
／ 　　　ー□ー□ー＼
|　 　 　 　 /__´___ヽ、　 |
./　　　　.∩ノ ⊃ﾐﾐヽ／　　　　 ……
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　 _ノ　　｀ヽ　＼
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　　道場で竹刀を振り回すのも
　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　＼　　 ,彡`ー'´ﾐﾐヽ　 ／　　　　 炭坑でつるはしを振り回すのも同じ事だ
　　　／　　　　　　　　　　　＼




　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　⌒　　　⌒　＼　　　　　　　　　頭を下げて金を他から借りてくるより
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼
　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|　　　　　　　　山から取ってきた方が愉快じゃないか
　　　＼　　 ,彡`ー'´ﾐﾐヽ　 ／
　　　／　　　　　　　　　　　＼

　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　＼　　　／　＼
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　　 小金欲しさにやるのではない
　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／　　　　 天下の仕事として、福岡資源の事業を
　　　／　　　　　　　　　　　＼　　　　 俺たちがしっかりとやるために乗り出すんだ

　　　　　　　 ┌────────────┐
　　　　　　　 │　が　頭山はこれを説得　　...│
　　　　　　　 └────────────┘



　　　　　／ ￣￣￣ ＼
　　　　/　　　　 　 / vv　　　 頭山がそういうのなら……
　　　　|　　　　　　|　　 |
　　　　|　　　　　（||　　 ヽ　　　　 　 　 ＿＿＿＿＿＿_
　　　　,ヽヘ　／　　　　　|　　　　　　　＞＿＿＿＿_　 |
　　　／＼＼　　　　　　 /　　　　　　　￣ |⌒ v⌒ヽ |__|
　　/　　　 ＼＼　　__ ／　　　　　　　　　 |　．| ． ﾉ 　 )　　確かに福岡の資源を　よそ者にとられるのも癪だな
　/ 　 　 　 　 ｀＼|　 　 　　　　　　　 　＜ ` o ｀- ´ 　ﾉ
　|　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　 　＞　　　 ／　　　 天下の事業ならまあ仕方ないか
　|　　|　　　l　　　 |　　　　　　　　　 　 　　／▽▽＼

┌────────────────────────┐
│　玄洋社、および頭山満は抗区が民間に開放された　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　明治21年ごろから、炭坑権獲得に乗り出すのでした　　 .│
└────────────────────────┘



　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　＼　　　／　＼
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　 これから忙しくなる　二人とも色々と頼むぞ
　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／
　　　／　　　　　　　　　　　＼




　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　　　おう
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|




　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _ .............. _
　　　　　　 　 　 　 　 ,:::´:::::::::::::::::::::::::｀:::.､
　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::j´ ｀`^~'Yy:::〉
　　　　　 　 　 　 　 {:::::/¨Y:ｲ ＝ミ､、ﾉﾘY
　　　　　　　　　　　 i::〈そミｿ　ｾｵこ`　,rj
　　　　　　　　　　　 l::::ヽ)　 　 　 　 　 {j′　　　任せといてくれ
　　 　 　 　 　 　 　 从:八 　 　 、＿ ｰｲ
　　　　　　 　 　 　〃" 　 ヽ　　 ｀こ´ /
　　　 　 　 　 　 _/　　　 　 .:＼　 　 /
　　　　　　　 ,.ｲ.: 　 　 　 :≫≠ー-く

┌──────────────────────────┐
│　坑区採掘権を得るには　坑区地元住民から承諾書をもらい　│
└──────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿
　 　／￣￣＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／@　@　@　@ヽ
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/@／￣￣￣｀ヽ@ヽ
　|　　　 （ ●）（●）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / /　　　　　　 　 |　 |
.　|　　　　 （__人__）　　 この承諾書に印鑑頼むわ　　　　| /　 ⌒　 ⌒　　 | @|　/ヽ
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　（●） （●） 　 |　| / 　 ヽ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　|@| ヽ/〉　ﾉヽ
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　|　|　//ヽﾉ /
　　 ヽ　　　　　ノ 　 　 ｍm　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　 / /|//　　 `
　　　/　　　￣￣￣￣|￣￣￣|　　　　　　　　　　　　　　 ヽ、　　　　　　　ノ / //　　　　　　ういうい
　　　|　　　　|￣￣￣ |　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　ヽ｀`ー――‐''"ノx//x|





　　　　　┌───────────────────────┐
　　　　　│　それを県庁に届け出るという手続きが必要でした　　...│
　　　　　└───────────────────────┘

|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
|　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　／　／　／　 |
|　　　　　　 　 　　受　　　 　 　　付　 　 　／　／　　　|
|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|
|　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　 　 　 　 　 　 　 .ノ　､　、
|　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 　 　 　 　 　 　 ● ●） l
|　　　　　　|　　　　　　 ∧＿∧　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　（人__）　|
|　　　　　　|　　　　　　（　´∀｀） 　 　 　　　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　ヽ　 　 ノ
|　　　　　　|　　　　　　_i⌒Y⌒i__　「￣￣l　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　/ 　 　 ヽ
|　　　　　　|　　 　 　 /（　　 ：| , ヽ|＼===＼ 　　　　　 |　　　　　　　　　　 G|　　 E.ﾉ
|￣l￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣l　　　　　　　　　 ∨　/-Ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (＿ﾉ

　　　┌────────────────────────┐
　　　│　玄洋社員は農家を一軒一軒訪問していったのですが 　 │
　　　└────────────────────────┘

ピンポ──ン♪　　　　　　　　　ピンポー───ン♪
　　　　　　　　　　　　　　　ピンポー──ン♪
　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼　 　 　 　 .|:::
　 　|　 　 （ ●）（●）　　 　 　 |:::
　 　| 　　 　 （__人__）　　 　　　|:::　　　ちわー　玄洋社でーす
.　　 | 　 　 　 ｀ ⌒´ﾉ　　 　 　 |:::
　 　 |　　　　　　　 }　　　　　　.|:::
　　　ヽ　　　　　　 }　　　　　　 |:::
.　　 　 ヽ　 　 　 ノ　　　　　　 .|:::
　 　 　/⌒＼ ,__(‐- ､　　　 .┌|:::
　　 　 l ＼.　￣￣〆⌒,ﾆつ【|..|:::
.　　 　 |　 ｀ヽ-‐rヾｲｿ⊃ 　 └|:::
.　　　　|　　　　　　 |　　　　 　 |::




┌────────────────────────┐
│　これに立ち塞がったのが筑前の炭坑を狙う三井財閥　　│
└────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　 　 _　　　　 　 　 ＿_/7/7＿_〈〉〈〉
　　　　　　　　 　 　 　 ||　 ０　　　　 ￣/// 厂￣
　　　　　　　　　　　０　||/´ ｀ヽ　　０ 　 /／
　 　 　 　 　 ０　 /´ ｀ぃ!　　 /}} /´ ｀ヽ　 ０
　　　　　　/´ ｀Y　　　 }|{〕　〈〃|〕 　 〔} /　ヽ
　 　 　 　 l〕　 〔l　,-､　| /,ハ∨ / ,-､ V } 　 {l
　　　　 　 | ハ // 　 ヽ//!　ヽＶ /　 ヽ∨ハ〈
__＿＿＿//＿Ｖ__＿___V_l｣＿_Ｖ__＿___〉 !___〉〉＿＿＿___

┌───────────────────────┐
│　金銭などで抗区住民を篭絡せんと試みたようです　......│
└───────────────────────┘

　 　 r───────-､
.　　 ヽ,.ヘ､__,.　'⌒,ゝ　 　 l
.　ヾ`く　　　　　／.／ヽ.　 |
　　/＼_]|　 |｢_ ∠＿ _｣　│
　｢::＝=｡lﾆﾆ｢:==｡＝::|r=､ |
　ヽ::::￣:ｌ　　l::::￣:::::ﾉ||＾!| |　　　　　　どうだ　我々に味方をしてくれないか
　　ｌ ￣ L___.」￣￣　 ||ン│
　　 !　⊂ﾆﾆニ⊃　 .∧.　 ﾄ､
　 　 !　　 --　　 　 /　ヽ　!:::＼
　 __,∧＿＿＿＿./　　　>|:::::::::`ｰ
　::::::::::::| ＼　　　　　 ／　l:::::::::::::::
　:::::::::::::l.　 ＼　　.／　　 l:::::::::::::::
　::::::::::::::ｌ　　　ﾝく　　　　l:::::::::::::::

　　　　　　　　　∧
　　　／￣￣￣　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　 　 |　　　見返りは用意するぞ 　 　 　 　|
　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／


.　　　　　　　 ／.壱／／万:／|
　　　　 　 　 |≡≡|__|≡≡|彡|＿＿＿＿
..　／￣／／|≡≡|__|≡≡|／.壱／／万:／|
　|≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|




　　　　　 ＿＿＿＿
　　　 ／@　@　@　@ヽ
　 　 /@／￣￣￣｀ヽ@ヽ
　　 / /　　　　　　 　 |　 |
　　 | /　 ⌒　 ⌒　　 | @|　/ヽ
　　 ||　（一） （一） 　 |　| / 　 ヽ
　　 /　　　　　　　　　|@| ヽ/〉　ﾉヽ　　　 うーん
　 /　　　　　　　　U　|　|　//ヽﾉ /
　{　　　　　　　　　　 / /|//　　 `
　 ヽ、　　　　　　　ノ / //
　　ヽ｀`ー――‐''"ノx//x|
　　　 ￣／○＼￣x //x| |

┌────────────────────────────┐
│　それでも住民の多くは　玄洋社側に印鑑を押してくれたそうです　..│
└────────────────────────────┘

　　　　　 ＿＿＿＿
　　　 ／@　@　@　@ヽ
　 　 /@／￣￣￣｀ヽ@ヽ
　　 / /　　　　　　 　 |　 |
　　 | /　 ⌒　 ⌒　　 | @|　/ヽ
　　 ||　（⌒） （⌒） 　 |　| / 　 ヽ
　　 /　　　　　　　　　|@| ヽ/〉　ﾉヽ　　　 皆さんの事はよく知っていますから
　 /　　　　　　　　　　|　|　//ヽﾉ /
　{　　　　　　　　　　 / /|//　　 `　　　　　同じ地元のよしみですよ
　 ヽ、　　　　　　　ノ / //
　　ヽ｀`ー――‐''"ノx//x|
　　　￣／○＼￣x //x| |





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ⌒）（⌒）
.　|　　　　 （__人__）. ｒｍ､
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉｒ川 ||
.　 |　　　　　　 　 },.!　 ノ'　　　　　ありがたい！
.　 ヽ　　　　　 　 ｒ / .|
　　 ヽ　　　　　ノノ　ﾉ
　　　/　　 　 ／ .／
　　　|　　　 　 ／
　 　 |　　　　i´

┌────────────────────┐
│　三井側は　腕っ節の強い連中を動員するも　　│
└────────────────────┘


　　 　 /L{〉{〉　　　　　　　　　　　　　　ノＵL {}{}
　 /レ' ／　　　　　　　　　　　　　　 　 ‐i「|｢
∠　ｒ１| 　 ||　 　 　 　 ,　-　　　　　　　　 ﾘ
　└ 〈ﾉ　　|| 　 　 　 /　　　 ヽ　　　　　　 l]l]｢!
　 　 {〉{〉/〉||　 　 　 { ___　__　} 　 　 　 　 　 ノ
　 　 　 〈/　||　　　　 ‘¨’‘¨’
　　, --　 　 ||　 　 　 _〕　　〔_　　　　　　　 , --
.　/__　__ヽ　 ||　　／　　　　　 ＼__　　 　 /__　__ヽ
.　‘¨’‘¨’　　||／　　 　 　 　 　 　 ｀ヽ 　 ‘¨’‘¨’
　　〕　 〔　　 /　　　　　　　　　　　　　}　　_〕　 〔_
‐ ´　　　｀ ｰ{　　 /　　　　　　　　　　 `く　　　　　 ｀ヽ
　　　　　　　|　　 !　　　　　 　 　 ﾄ､　 　 ヽ
　　　　　　　|　　 {　　_, 　 　 　 _ﾉ |ヽ
　　　　　　　}　　rぅー－- 一 　 !　!　ヽ　　i　　　　/
　　　 　 　 ｜　/ ‘ト- --- -‐　{　j　 /{　　}　　　 {
　　 　 　 　 |　 |　 仁≧=‐-‐‥ ）i 　 ! | 　 !　　 　 ヽ
　　　 　 　 ｜　　/ 　 ｀ヽ.　 _／　}　！j　 /
　　　　　　　|_ ｣_ |　　　　 ｢ 　 　 |　　 L.ｨ
　　　 ハ　 〔 　 j |　　　　 |　　　｜　厶ノ　ハ



　　　 ┌────────────┐
　　　 │　玄洋社側はこれを撃退　.....│
　　　 └────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （_（_（_,　ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 , ─── ､　　(⊃＿ ノヽ
　　┃　┃┃　 　 　 　 　 /ＷＷＷ ＼ ＼　　 ｌ 　 　 ｌ
　　┣━　　　　 | |　　　　ｌ ＼ｌｌ／　 　 ヽ/＾ヽﾉ　　　 |
　　┃　　　　 　 | |　　　 (| （｡） ∠　　　　　 ﾉ　 　 　 !　　　腕っ節の強さなら
　　　　　 ┃┃　| |　　　/　（二）　/ ⌒ヽ　 | |　　　 /
　　 ━╋┓　　　 /|　　l _　　　　/＼ ＼|　 ｌ ｌ　 　 く　　　　 こっちも負けねえ！
＼＼　┃┃　|＼/　|/| （＿＿／ ＼ ヽ ﾉ　//　　　　＼
　 ＼＼ 　 ＿|　　 ＿└　 ヽー`ｰ`─ ´ ／´
　☆　　　 ＼　　 （ヽ　 ＼　　| ￣￣￣　　 / ⌒ヽ
　 ／⌒ヽ ∠　　　＼＼／ヽ　ｌ　　 　 ￣￣| 　 二|
／ 　 ／＼　 |／ヽ／＼ ヽ_ﾉ　ヽ､＿　　　 ヽ＿,_ﾉ
ｌ＿／＼／＼　 ／＼／ ￣　　　 ＼ ￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　////　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 __　 　 　 　 ／　＼　　　／　＼
　　　　　　　　 　 　 　 __ .　 /ｌ　ヽ 　　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼
　　　　　　　　　　 　 /　ヽ_ﾉ! ! 　 トヘ | 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　　　　　. 　　　　! 　　 ヽヽ　　!　　 ＼　　 ,彡`ー'´ﾐﾐヽ　 ／
　　　　　　　. 　 _＿∧　 　 .l　ヽ_ﾉ丶 　_! ＼
　　　　　　　. ／　,＿ノヽ､_.,ﾉ＿　-― ゝ､__ヽ
　　　　　　　/__ノ´　 ヽ､＿ ノ＿ ＞ｰ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,,,,_　　Ｏ　　　　　　　　　　ｏ⊂⊃　　　　　　　　 _,,,,_
　　　__,,,,__　　　(~ヽ,,,,,,,__　ｏ　　~~~~~~ (~~　　　~~'''''----,,,,,___　　。ｏ　　　　　　　　　　　　(~　　~''''-,-''
⊃⊂____,,,,==--　~~'''''--'　　　　　　　　 ~~~~~~~~~~~~~~'A　　　　　　　　　　　　　　　　　,--' ___,,,,____,,,__
　　　　　　　　　_,,,,---,,-'''''~~~~~＼_,,--,,,__,,,,--'''''-'~~'~/ ヽ,,_
　　　　　　 __ /;;;;;;;;::::::;;:;;;;;;;;;;::::::／;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::ヽ-,,_
　　 _,,,-(~~;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/::::::::;;;;;;:::::::::;;;;;;;:::::::::::::::::.....ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::＼~~~~''''ヽ
　_/;;;;;;;;;;::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;; (::::::::::;;;;;;::::::::::::::::::;;;;;;;;;;::::::::::::::::;;;;;;::::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;:;:;:;:;:;:;:＼
　l;;;;;;;;;;;;:::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;丶 ___::::::::::::;;;;;;;;:::::::::;;;;;;;;;;::::::::;;;;;;:::::::::::'---;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ..:;:;:;:;:;:;ヽ､
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::;;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;;~ /::::::::::::／::::::::::;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼:;:;:;:;:;:;:;:＼
(_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,__i_i_i_i___,[]n「「「「[][]nnnn_　nn[][]nnnnn_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,-------''''''''''''''''''''~~~~~~~~~~~~~
～～～～～～～～～～～～～～～～~''-,,,_~'''''--,,_～～～～～～～～～～～～～～～～～～～
～～～～～～～～～～～～～～～～～～ ~'''-,,_　 ~~''''-,,,,_～～～～～～～～～～～～～～～
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ ~'''-,,_ 　　 ~~''''-,,,,_～～～～～～～～～～～～
　　　　　　　　┌─────────────────────────────┐
　　　　　　　　│　こうして山野抗区権獲得を皮切りに、頭山は炭坑権を次々と入手 　 │
　　　　　　　　└─────────────────────────────┘

┌───────────────────────────┐
│　田川郡抗区では　同じ玄洋社員の平岡浩太郎と一時競合　　　.│
└───────────────────────────┘


　　 　 　 　 　 ﾄ VVVVVVV_ﾉ＼
　 　 　 　 　 　 ＼　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　 　 　 　 ﾊ　　　 　 　 　 　 ＼　て
　　　　 　 　 ⌒≧ ／　 ／＾＾＼〆 ､　＼　そ
　　　 　 　 　 　 彡　 〆　　　　 ＼　＼　ヽ
　　　　 　 　 　 〃　ﾊ 　 _ノ　　 ヽ_＼　l　 |
　　　　　　　　　ﾙ从§ （≡）　（≡）　ヾ　 |　　 えっ　頭山たちもここ狙ってるのか？
　　 　 　 　 　 　 乂§ 　 （__人__）　　 从ｲ
　　　　　　　　　 　 ＼U　 lr┬‐ ｌ　　 ／
　　　　　　　　　 　 ／　　 ｀ ー ´　　 ＼　←個人で炭坑事業やら銅山経営に乗り出していた





　　　　　　　　　　　 　 　 ／ﾚVVVVVVVV ｲ
　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　 　 　 　 ／
　　　 　 　 . : . : : .　／　　　　　　　　　∠
　　　　　　　.:.:.:.:.:／　／ヽ／＾＾＼　　 x≦⌒
　　　　 　 　 ):::::::）／　　（　　　　 〆　　ミ
　　　　　　 （:::::::( ′_ノ　　 ヽ_ 　 　 ﾑ　 ヾ　　　　んじゃ　俺は降りるわ　皆と争う気は無いからな
　　　　 　 　 ＼:::ヽ（―）　（― ）　 §从　ゝ
　 　 　 　 　 　 ヽ::|　（__人__）　　　　§ﾙ′
　 　 　 　 　 　 　 ・━( ヽ f ｉ　 　 o ﾟ　ヽ
　　　　　　　　　　　 |　ゝ＿　＼　　　　 }
　　　　　　　　　　　 |　l＿__＼　｀´　 ／
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼＿＿__＼__／

┌─────────────────────────┐
│　平岡に代わって抗区獲得に乗り出してきたのが藤田組　　.│
└─────────────────────────┘


　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
　 　 |::::::::ゝ　＼　　／　|
　　　|::::::（ （ ●）　（●）|
　 　（@　::::⌒ﾉ(､_, )ヽ⌒)
　　 　|　　　　｀-=ﾆ=-　 |　　　　　　ふふふ　筑豊の豊かな資源には
　　　 ＼ 　　 　`ー'´ ／
　,,.....イ.ヽヽ、___ ーノﾞ-､.　　　　　　　こちらも目をつけていたのですよ
　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ
　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i
　　　　藤田伝三郎

┌───────────────────────────┐
│　井上馨大臣の庇護をバックに強力な競争相手となりました　　....│
└───────────────────────────┘

┌───────────────┐
│　　それぞれが侠客などを動員し　　│
└───────────────┘


　　　　　　　　　　　 　 _　　　　 　 　 ＿_/7/7＿_〈〉〈〉
　　　　　　　　 　 　 　 ||　 ０　　　　 ￣/// 厂￣
　　　　　　　　　　　０　||/´ ｀ヽ　　０ 　 /／
　 　 　 　 　 ０　 /´ ｀ぃ!　　 /}} /´ ｀ヽ　 ０
　　　　　　/´ ｀Y　　　 }|{〕　〈〃|〕 　 〔} /　ヽ
　 　 　 　 l〕　 〔l　,-､　| /,ハ∨ / ,-､ V } 　 {l
　　　　 　 | ハ // 　 ヽ//!　ヽＶ /　 ヽ∨ハ〈
__＿＿＿//＿Ｖ__＿___V_l｣＿_Ｖ__＿___〉 !___〉〉＿＿＿___



　　　　　┌──────────────┐
　　　　　│　暴力沙汰にもなったそうです 　 .│
　　　　　└──────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　☆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　☆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(⌒ ⌒ヽ　　　/
　　　　　　　　　　　　　　＼　　（´⌒　　⌒　　⌒ヾ　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　 （'⌒　;　⌒　　　::⌒　　）
　　　　　　　　　　　　　　　（´　　　　　）　　　　　:::　）　／
　　　　　　　　　　　　☆─　（´⌒;:　　　　::⌒`）　:;　　）　　ボカスカ
　　　　　　　　　　　　　　　（⌒::　　　::　　　　　::⌒　）
　　　　　　　　　　　　 　／　（　　　　ゝ　　ヾ　丶　　ソ　─
　　　　　　ヽ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

┌──────────────────────┐
│　前線で玄洋社員を指揮した結城は　後にこう語る　.│
└──────────────────────┘


ヾ:　:.　　　　　　　　,.-''".;.;.;.;;.;.;.;.;.;.;;;;;｀'､
　} .:.　　　　　　　 /.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;;;;;;;l
ノ　 .:;　　　　　 ´7;;;;;rr-‐-‐'^i:;.;.;,;,;,;,;;;;;;}　　　　　 あの時は人の二人や三人　殺そうかと思ったな
{. 　.:.　 　 　 　 　 《 　　 __,,,ゝ{rﾍ.;.;.;;;;;ζ
ヾ. ..;　　　　　　　　.l.ﾞ"rｨｧ‐ ,.::::ﾞ￡};;;;;;;;;;ゞ=-、
　 .､:...:.:...... 　 　 　 /__;:　　 .::::::::r　.＾^'λ 三ミぇ
　　｀"￣｀ヾ:. 　　　了二つ :::::／;:　.::　 .::ゝ三三ミぇ_
　　　　　　　　 ゞ＝ｦ　rー冫;::::::::..　::..　..:::ヾ三三;=/
　　　　 　 　 　 　 _,> .二Y´乍=z::::　　　.....:::|三三/ﾐぇ＿.
　　　　　　　 　 ノ.K　,-=.Y 三∥::. ,;　,;::.._z-|三／ぇ::::::::...｀ミ.、
　　　　　　　∠.三i| ヽ　 ノ;三∥;_;;zr-―　.::}》'三i三三ミ>:／:ヽ.
　　　　　 ／,;彡:__l|　 ,.ｲ;;三三}},, _,,　　　..:://三i三三三メヾ;:::..ﾍ
　　 　 ／ ,;/::::/三lﾚ'　l|;三三∥; :::....　　..::|ん三i三三;<<三 ゞ;:::.ﾞ,.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌───────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　と、かなり荒っぽい雰囲気だったようです　....│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └───────────────────┘

┌────────────────────────┐
│　かくして頭山は明治二十三年頃までに田川郡を含む　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　膨大な抗区採掘権を手に入れる事になります　　　　　.....│
└────────────────────────┘

　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　／　////　＼
　　　 ／　＼　　　／　＼
　　／ 　 ー□ー□ー　　＼
　　| 　 　 　 /__´___ヽ、　 　 |　　　フッフッフッ
　　＼　　 ,彡`ー'´ﾐﾐヽ　 ／
　　 /,,―　-ー　　､　,　-‐ ､
　 （　　　,　-‐　'"　　　　　 ）
　　　`;ー"　`　ー-ー　-ー'
　　　 l　　　　　　　　　　　l

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　////＼
　 ／　　　 ─ 　─＼
／ 　　　ー□ー□ー＼
|　 　U　　 /__´___ヽ、　 |　 といっても　貧乏人の俺が　単独で採掘権を入札できるわけが無い
./　　　　.∩ノ ⊃ﾐﾐヽ／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　資金を援助してくれたスポンサーとの共同名義でだがね
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





┌────────────────────────────────────┐
│　その際　頭山と地元の支援者との間に立って　資金集めに奔走したのが茂丸でした　│
└────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　 .ノ　､　、
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ● ●） l ─　‐
　　　　　　　　　　　　 　 （人__）　| ─‐－
　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　 　 ノ － ─－‐
　　　　　 　 　 　 　 　 　 r　 　 へ、
　　　　 　 　 　 　 　 　 G|　　_/^○ 　いそがしい……
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　 /､__ノ
　　　　　　　 　 　 　 　 (___/

┌──────────────────────┐
│　 ただ、炭坑採掘権を手に入れたといっても……. 　 │
└──────────────────────┘


　 　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　 ////＼
.　　 　／　　　ノ ' 　ヽ＼
.　　／　／）ー□ー□ー＼　　　炭坑を手に入れたら手に入れたで
　　|　／ .ｲ　　/__´___ヽ、　|
　　∨,'才.ﾐ).　彡　　ﾐﾐヽ／　　　 人件費やらなにやら維持費が色々とかかるな
.　　 |　≧ｼ'　　 　　 　　＼
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ





　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<
　 　 !∩|.}. '__＿ﾞ`　　 ./'_＿` f＾|
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣'　|l.|　　　　税金も収めなくてはいけなくなるし
.　 　 ヽ.ヽ　U　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'　　　　　 しばらくは炭坑を担保に借金して回していくしかないな
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ 一）（一）
.　|　u.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　相変わらず火の車か……
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l
┌───────────────────────────────────┐
│　炭坑採掘権を売却し、頭山が莫大な資金を手に入れるのはもう少し後の事です　　│
└───────────────────────────────────┘

┌────────────────────────────────┐
│　ところで、茂丸の息子夢野久作の小説に『犬神博士』というのがあります 　 .│
└────────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣￣￣￣￣ llヽ
　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 　 犬　　 ∥|
　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 　 神　　 ∥|
　　　　　　　　　　　　　　　|　夢　　 博　　 ∥|
　　　　　　　　　　　　　　　|　野　　 士　　 ∥|
　　　　　　　　　　　　　　　|　久　　　 　 　 ∥|
　　　　　　　　　　　　　　　|　作　　　 　 　 ∥|
　　　　　　　　　　　　　　　|＿＿_____________∥|
　　　　　　　　　　　　　　　 ) ≡≡≡≡≡≡）
　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣





┌────────────────────────┐
│　　物語後半、玄洋社と知事率いる官憲側に分かれて　　.│
└────────────────────────┘


　　　　採掘権はこっちのモンだ

　　　　　　∧＿∧　　　　　　 　　　　　　∧＿∧
　　　　　　(　･ω･)＝つ≡つ ⊂≡⊂＝(･ω･　)
　　　　　　(っ　≡つ＝つ　　　　⊂＝⊂≡　⊂)　　こっちによこせ
　　　　　　./　　　) ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ 　ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ (　　　＼
　　　　　　( /￣∪　　　　　　 　　　　　　 ∪￣＼)
　　　　　　　　玄洋社 　　　VS　　　知事率いる官憲側


┌─────────────────────────────┐
│ 　 地元福岡の炭坑採掘権をめぐり　激しい抗争が繰り広げられます .│
└─────────────────────────────┘

┌──────────────────────────┐
│ただ、ここまで見てきたように　実際の人間関係や利権は　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│もっと入り組んでいたようですね　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
└──────────────────────────┘


━━━━━━━━━━━━━【熊本出身で紫溟会関係者】 ━━━━━━━━┓
　　　　 /./７7x 　 !　 i i ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ノ__
　　 　 ｲ/ / ∠ﾆ,/! ,ｲ　 ! ｉ　　　　　　　　　　　　＿_　　 ／. :i: . : ｀ヾ
.　 　 ｢′　　ｒｲﾌｰﾚ､!i　jﾊ!　　　　　　　　　　　｛ 　､　｀// : 从､: . ヽ代'''"´￣ ﾍ
　　　j　　 　ﾉ ｊ ｀￣ﾞ从/）　　　　　　　　　　　　 ﾞ,　 ヽ､ｊﾘノｲャtiﾍrｧ弋＿_ノ´　/
　　ｒ┴‐ｘイ. ｒ=､ 　 .ｲ/'′　　　　　　　　　　　　 '､ 　 `､ﾙ代 ､__ 〉从　／　　,.′
　厂￣｀ヽ>ヽ.ﾆ .イ /!＼　　　　　　　　　　　　　　 '､ 　 ｀ヽﾍ丶ﾆ厶‐"′　／
./　　　｡ﾟ/ ∨‐ｒｒ ｊ∧|　ﾉ＼　　　　　　　　　　　　　 丶.､　 ｰヘ　_　'′　r/
熊本の政社　紫溟会幹事　佐々友房　　　　福岡県学務課長　八重野範三郎


　　　　　_,,-‐'''"￣"`'‐:､
　 -=ﾆ" _,, -"`''z-'-`-､`''Z
　 -=ﾆ二-__‐‐z"-､,,_　`"|'　　　　　　 .　　　 , -（ｰ-.、
　　‐"z　.iﾞr､ヽ"　.i'T;j'' ,.rﾞ　　　　　　　　　 〃,.ゞ Vンヽ
　　　　`i '､!,;　　　 　 　_ |　　　　　　　　　 i彡ﾊ'〈"ｿﾞﾊ!
　　　　　',,r'"l　　　 _,,,,,,_｢　　　　　　　　　　ﾘ'（!┰　┰|
　　　　　 !　　`　　　　''/　　　　　　　　　　　ヾ!､　ｰ ,ノ
　　　 ,.:''i"`'‐:､_　`ｰ,-'"　　　　　　　　　　　⊂}｀|{†}|ﾞ{つ
　　伊藤博文秘書官　井上毅　　　　福岡県知事　安場保和
━━━━━┳━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　 　 　 　 　 ┃　　　　　【紫溟会と交友関係】
　　　　　　【側近】　　 　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　　 ,　－　-　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┌───────┐
　　　　　　　┃　　　　　　 /　□ー□.　 　 　 ＼人人人人人人人人人／　　 │三井、 三菱 　　 │
　　　　　　　┃　　　　　　 ゝ　〃-'ﾐﾉ ───＜　炭坑権を巡り対立 ＞──│藤田ら財閥　 　 .│
　　　　　　　┃ 　 　 　 頭山満（玄洋社） 　 ／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼　 　 └───────┘
　　　　　　　┃　　　　　　　　　↑　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　援助　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　 ┌─────────┐　　　　　　　　　　　　　　　　　 【協力関係】
　　　　　　　┃　　　 │　地元福岡の富豪 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　┃　　　 └─────────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　 ,.　-─-　､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l´｀､''‐=_‐-:､_
　　　／　 {　I　}　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　i'r"`､ __ヽ､　ヽ、 `:､
　　 {　,. -= ＝ =- ､　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!.i　r'"_,,,.';',　　 i_　 ';
　　　V　（ fj　fj ）　 V　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |.i､'､. rti-|i,　 ,'-`i　|
　〈∨７､__/⌒ヽ__,ハﾄ,　　　━━━【長州閥】━━━━━━━ 　 　 !'`;| _　　ﾉ ! ./!) ﾉ./
　（　　}､_,ﾊ＿,ﾊ__／′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.!-‐-　,'ノ /'く,/
　└--<ヽ.__＿__,.イ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ''　 _,,. :' _,. '､_
　総理大臣伊藤博文　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 フi-r‐''"_,.-''i `i- ,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　農商務大臣　井上馨

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

２　新聞発刊　　　　箱田六輔と頭山満

┌───────────────────────────┐
│　さて資金繰りに苦労しながらも玄洋社の機関紙「福陵新報」　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　第一号は明治20年8月に創刊する事になります　　　　　　　　　 .│
└───────────────────────────┘



_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_
|　 　 　 　 　 　 　 明治20年8月　　　　　　 　 |
| |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣| |￣￣| |
| | 　 福陵新報、いよいよ創刊！　　| |. 福 .| |
| |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿| |. 陵 .| |
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|. 新 .| |
|　 | | | | | | | | | | | || | | | | | | | | | | | |　|. 報 .| |
|　 | | | | | | | | | | | || | | | | | | | | | | | |　|＿＿| |
|　 | | | | | | | | | | | || | | | | | | | | | | | |　.＿＿_ |
|　 | | | | | | | | | | | || | | | | | | | | | | | |　|紙面| |
| ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ . |: : : : | |
|　| | | | | | | | | | | || | | | | | | | | | | ||li|　|: : : : | |
|　| | | | | | | | | | | || | | | | | | | | | | ||li|　|: : : : | |
| ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ . |: : : : | |

┌──────────────────────┐
│　福陵新報社社長には発案者たる頭山満が就任　　.│
└──────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　／　////　＼
　　　　　　　　　 ／　＼　　　／　＼
　　　　　　　　／ 　 ー□ー□ー　　＼
　　　　　　　 | 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　　　　　　＼　　 ,彡`ー'´ﾐﾐヽ　 ／
　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
　　　　| 　 　 福陵新報社　社長　 　 　 　 |





┌──────────────────┐
│　主幹に香月恕経（かつき　ひろつね）　　....│
└──────────────────┘

　　　　 　　＿＿＿_
　　　　　／- ､ ! ,. -＼
　　　 ／ヘ二_爪_二ヘ＼
　　／ ヾﾆ･ﾆハ ハﾆ･ﾆﾌ ＼
　　| 　　　 ／　| |　＼　　　 |
　　＼ 　　　ィﾆニﾆｭ　 　／
　　,--ゝヘヽ、___ ーーノﾞ-､.　　　　　久しぶりの登場だ
　/　　|　';　ゝ_____ ノ. |ヽ　　i
　l　　 |. 　ヽ/ﾞ（__)＼/|　i. 　|
　|　 　|　 　ヽ. ハ..ノ　|　|　｜




　　　　　 ＿＿＿_
　　 　 ／- ､ ! ,. -＼
　　 ／ヘ二_爪_二ヘ＼
　／ ヾﾆ･/))／´二⊃　＼
　| 　　　/ ／　 '‐､ﾆ⊃　 |　　　　　　俺は別の政社に所属していたんだが
　＼　　ｌ　　　　´ヽ〉　 ／
''"::l:::::::/　　　 __人〉ノﾞ　　　　　　　　頭山直々にスカウトされて　ここでやっていくことになった
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|

　　　　　　　　　 ┌───────────────────┐
　　　　　　　　　 │　茂丸や結城は幹事として新聞社に所属　 　 │
　　　　　　　　　 └───────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ .............. _
　　　　 ／￣￣＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:::´:::::::::::::::::::::::::｀:::.､
　　　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::j´ ｀`^~'Yy:::〉
　　　|　　　 （ ●）（●　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{:::::/¨Y:ｲ ＝ミ､、ﾉﾘY
　　　|　　　 　 （__人__）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i::〈そミｿ　ｾｵこ`　,rj
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::::ヽ)　 　 　 　 　 {j′
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 从:八 　 　 、＿ ｰｲ
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃" 　 ヽ　　 ｀こ´ /
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │　　　　　　　　　　　　　　　　　 _/　　　 　 .:＼　 　 /
　　＼　 “　／_＿_|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　,.ｲ.: 　 　 　 :≫≠ー-く
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /　　　　　　　　　　　　　　 ／/　　　　　　　　　　　　 ヽ

　　　┌──────────────────────────┐
　　　│　この福陵新報には安場知事が、結構肩入れしていました　　..│
　　　└──────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,, ''
　　　　　　　　　　　　　　　　　 r‐{!─--...､
　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::ﾍ::::::,::'::::::＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　〉ヾr-rik ,:::::／::::〈
　　　　　　　　　　　　　　　〈::::/ ﾒ､|　｀「∧:::::::}
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 }┤ェｧヽ　ﾉ'"｀}:::/　　　　　 色々便宜をはかるつもりだ
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ|　　　j　 ⌒/ }
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ! 　ｒ===ｧ /ノ　r‐,
　　　　　　　　　 　 ＿＿__ 　 ヘ. | 　 /ノ　__ { （
　　　　　　　　　　 |　　 　 |　＿_j >=＜／{--､　〉-､
　　　　　　　　　　 |　　 　 |'´ /i{ _∧／::　{- ､　〉ｰ　ヽ
　　　　　　　　　　 |　　 　 |i /ヾi!彡ﾍ::　/ {-､ /!}.. 　　}
　　　　　　　　 　, ヘ　　　.ﾚ　{ 7　/ ヽ/　 ¨「_〃::::::／
　　　　 　 　 　 / ´｀}‐┬‐{　/7　/　 /―ｧ　ゝ-:::::/
　　　　　　　　　　　　　　福岡県知事　安場保和




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ⌒）（⌒）
.　|　　　　 （__人__）. ｒｍ､　　　　　どうもー
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉｒ川 ||
.　 |　　　　　　 　 },.!　 ノ'
.　 ヽ　　　　　 　 ｒ / .|
　　 ヽ　　　　　ノノ　ﾉ
　　　/　　 　 ／ .／
　　　|　　　 　 ／
　 　 |　　　　i´

┌──────────────────────────────┐
│　福陵新報社屋に併設していた印刷所に、県は印刷物の半分を受注　　│
└──────────────────────────────┘



　 ガシャンコ　ガシャンコ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ノ　､　、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ● ●） l
　　　/￣￣|「］　　　　　　　　　　　　　 　 （人__）　|　　 仕事が来るのはありがたい
　　 |二二二二|　　　　　　　　　　　　　 　ヽ　 　 ノ
　　 |　＿＿＿ |　　　　　　　　　　　　　　　/　　 ヽ 　　　やっぱ知事が後ろ盾に居ると強いな
＿_,,|　＿＿＿ |＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 　 |　　 lノ
　　 |＿＿＿＿|　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ゝl　 l
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （_(___ﾉ

　　　　　　　／..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ､
　　　　　 　(,､:::::::::::_::::＿,､::::::::::::::..ﾞ:、
　　　 　　　.l　｀ﾘ ´ 　　　 }::::::::::::::::::i
　　　　 　　._　　､＿＿,､ 〈:::::::_::::::::::|　　　ただ、これは新聞と権力との癒着だと
　　　　　 　 !）　　ﾍﾗヾ´　ﾞ! /ﾍﾞ!::::::|
　　　　　 　.ｿ　　 ｀｀`　ｉ　 ｿ,iﾉﾉ::::::|　　　　見なされるてしまう一面もあるな
　　　　　　 ヽ,-　　　　 !　 ｼ_,ｲ､:::::l
　　　　 　　 　i＝=-　　　　ｲ　　 ヾﾍ
　　　　　 　　, ゝ.￣　 _,.ィ　 i
　　　　 　 , ´　 ﾞ'ーイｼ″　,
　　　　　/　　　、 ＼ヾ 　 /




　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　 ／　　ノ　ヽ､＼
　　　 　 　 |　　 （ー）（ー）|
　　　 　 　 |　　　（＿人_） |　　　　　　　　まあなー　ライバル紙の民党系新聞「福岡日日新聞」からは
　　　　　　 | 　 　 ｀ ⌒´　 |
　　　　　　　| 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　この点　非難されてるよ
_＿ 　　　.　 ヽ　　　　　　/　　　　　 ＿_＿
ヽ　￣｀"￢ｰ--､,,,_　 　/,,,､-ｰ"´￣´....,.,／
　∨ ;:;:;;;;:;:;:;::;:;;;:;:;;:; ｀Y´ ;;::;;:::;:;:;:;:;;;:;:;:;::; /
　　', ;:;:;::;::;:;;;:;;:;:;::;;:;;:;: i ;;:;:;:/￣￣/;;:;:;: /
　　 ', ;:;::;;::;::;:;;::;;;;:;:;;:;: i ;;:;:/ijknw/;;:;::: /
　　｛⊃;;:;:;;:;::;:;;;:;::;:;;::: l ;;:;;:;;:;:;:;;;:::;:;;:;⊆｝
　　 ヽ⊃)￣7;;:;:;:;::;;:;: l ;:;:;:;;:;::;:;::;;::; ⊂ﾉ　　　　＜政府と新聞社の癒着イクナイ！
　　　/ /_＿7;;:;;;:;;::;;;; l ;;:;;:;:;:::;:;;::;;;:;: /
　　 / ;:;:;:;;;;::;:;:;:;::::;;;:;:; ! ;;:;::;:;:;;:;;:;::;:; ｛
　 ノ /￣/￣/ii7lkl/7 i []ikllihXCV ﾍ､_
　　￣｀"￢--､,,,.__￢ ｝L ]_,,,､-ｰ"´￣

　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　 ／　　ノ　ヽ､＼
　　　 　 　 |　　 （ー）（●）|　　　　　　玄洋社はもともと反政府の立場だったわけだよな
　　　 　 　 |　　　（＿人_） |
　　　　　　 | 　 　 ｀ ⌒´　 |　　　　　　福岡の乱では藩閥政府に反抗したし
　　　　　　　| 　 　 　 　 　 |
_＿ 　　　.　 ヽ　　　　　　/　　　　　 ＿_＿
ヽ　￣｀"￢ｰ--､,,,_　 　/,,,､-ｰ"´￣´....,.,
　∨ ;:;:;;;;:;:;:;::;:;;;:;:;;:; ｀Y´ ;;::;;:::;:;:;:;:;;;:;:;:;::; /
　　', ;:;:;::;::;:;;;:;;:;:;::;;:;;:;: i ;;:;:;:/￣￣/;;:;:;: /
　　 ', ;:;::;;::;::;:;;::;;;;:;:;;:;: i ;;:;:/ijknw/;;:;::: /
　　｛⊃;;:;:;;:;::;:;;;:;::;:;;::: l ;;:;;:;;:;:;:;;;:::;:;;:;⊆｝
　　 ヽ⊃)￣7;;:;:;:;::;;:;: l ;:;:;:;;:;::;:;::;;::; ⊂ﾉ
　　　/ /_＿7;;:;;;:;;::;;;; l ;;:;;:;:;:::;:;;::;;;:;: /
　　 / ;:;:;:;;;;::;:;:;:;::::;;;:;:; ! ;;:;::;:;:;;:;;:;::;:; ｛
　 ノ /￣/￣/ii7lkl/7 i []ikllihXCV ﾍ､_
　　￣｀"￢--､,,,.__￢ ｝L ]_,,,､-ｰ"´￣




　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<
　 　 !∩|.}. '__＿ﾞ`　　 ./'_＿` f＾|　　　　　自由民権運動でも
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣'　|l.|
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ　　　　　　 一時土佐派に次ぐ勢力を持っていた
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼

　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }　　　その玄洋社の中心人物　頭山満が
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<
　 　 !∩|.}. '"旬ﾞ`　　 ./''旬 ` f＾|　　　 官権党紫溟会と交流を続けている事については
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣　 |l.|
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ　　　　　社内でも戸惑いの声が上がっているが……
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼




　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）　　　　箱田さんもいろいろ大変みたいだな
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

┌────────────────┐
│　紫溟会と頭山満ちょっとおさらい　　...│
└────────────────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,-‐'''"￣"`'‐:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 -=ﾆ" _,, -"`''z-'-`-､`''Z
　 .　　 , -（ｰ-.、　　　　　　　　 -=ﾆ二-__‐‐z"-､,,_　`"|'
　　　 〃,.ゞ Vンヽ　　　　　　　　 ‐"z　.iﾞr､ヽ"　.i'T;j'' ,.rﾞ
　　　 i彡ﾊ'〈"ｿﾞﾊ!　　　　　　　　　　`i '､!,;　　　 　 　_ |
　　 　 ﾘ'（!┰　┰|　　　　　　　　　　　',,r'"l　　　 _,,,,,,_｢
　　　　 ヾ!､　ｰ ,ノ　 　 　 　 　 　 　 　 !　　`　　　　''/
　　　　⊂}｀|{†}|ﾞ{つ　　　　 　 　 　 ,.:''i"`'‐:､_　`ｰ,-'"
　福岡県知事　安場保和　　伊藤博文のブレーン 法制局長官 井上毅
　　（前元老院議官）　　　　　　　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　├───────────┘
　　　　　　　　│
　　佐々←同郷（熊本）→八重野──頭山を紹介→杉山─同郷（福岡）─頭山
　　、.-‐-ｰ.、　　　　　　,.-,ヘｰ.､.　
　ノ　/　　u　ヽヾ　　　ﾉ　八ヽ｀ヽヾ.　　　　　　　　　,　,.ノ　 、
　!ﾊハハハバハ>　　 i　ﾊヽ ﾘﾉバﾘゝ　　　　　　　　l　（● ●　　　　　　　 　 ,　－　-
　!(!i | ─　─|i　　　　ｲ（l|⌒　|⌒ﾘﾉ.　　　　 　 　 　 |　 （__人）　　　　　　　　/　□ー□
　 ﾙ l　　－,ノ’ 　 　　Yﾙ、 ー ノﾊ　　 　 　 　 　 　 ヽ　 　 ノ　　　　　　　　 ゝ　〃-'ﾐﾉ
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ↑　　　　　　　　 　 　 　 ↑
　　　　└────────────────付き合いあり──────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿__
　　　　　　,⌒ヽ　 ヾ＿＿＿＿＿_　|
　　　　　（　　≡　　| ＼ll／　　　 |　|
　　　　　　(　ノ　　 l　 ミ ・） U　　|__.|　　　　　　紫溟会の佐々は　井上毅や
　　　　　,-、　　　 /　⊂⊃＼　　　6）､
　　　／ヽ　)　　　/(＿_l＿＿＿＿　 |　|＼　　　　安場保和との繋がりを考えるに
　　 （ヽノ⊂ )　　 i　ヽ_|＿|＿|＿|_） / /　　＼
　　　＼_ ／ ￣￣ ＼ ＿＿＿＿ ／／　　　　　　 どう見ても政府側の人間と言わざるを得ない
　　　　　ヽ　　　　　　 | `───､ /



　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　 　 |　なんで頭山は紫溟会なんて官権党の連中と付き合っているんだ　|
　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　＿＿＿＿_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨
　　　　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　 /　vvvvvvvヽ　　　　　　　　　　　　 ヾ＿＿＿＿__　|
　　　　　　　|　|　　 ノ　　ヽ|　　　　　　　　　　　　　|　ヽ,,／　　|__.|
　　　　　　　|__|　　 　＾__＾ ヽ　　　　　　　　　　　　／(＾＼　　　 6）
　　　　　　 （d　　　　 ⊂⊃ ヽ　　　　　　　　　　／＼∩丿＼　　 |､
　　　　　　　!　　　　　　 l　　 !　　　　　　　　 ／　　／￣　u　　 / | ＼
　　　　　　　(＼ ＿＿_ ３_.／　　　　/＾.l　　 （＿__lヽ _∑＿__ ／／ /　ヽ
　　　　　　/　` ────'ヽ＿＿ /)ヽ |　　　　　 |　 ＼ヽ　/／　　|　　 |
　　　　　 /　　　 　　　　　　ヽ　　 |　 ノ　　　　 　 |　　　` | ′　　　|　 　|
　　　　　 | |　　 |/＼/＼/＼|-─┘´　　　　　 　 ［二］　 |　　［二］ |　　 |
　　　　　 | |　　 |.　　　 　 　 |　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　 |　　　　　 |　　 |

　　　　　　　　　∧
　　　／￣￣￣ 　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　|　頭山のことだから何か考えが……　|
　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／

┌────────────────────────┐
│　玄洋社員は頭山の単独行動に困惑していましたが　　　.│
└────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　 何かってなにさ
＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
.　vvvヽ　　　　　　　　　　　　 ヾ＿＿＿＿__　|
_|　,,（ ・|　　　　　　　　　　　　　| ノ　　ヽ　　|__|
　 　 ⊂⊃　　　　　　 　 　 　 　|　ミ ・）　　　 6）
　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　/ ⊂⊃~＼　　　|
　　　　 　 !　　 ⊂￣/＾ヽ＿＿i　　l　　　　　　/!＼
＿＿__ ／　　　　　|　)　 |　　　ヽ_∑＿＿_ ／ / / ＼
───＼　　　　　 ` ─└──|　＼ヽ／　／　| 　　ヽ
　　　　 　 ヽ　　 　 　 　 　 　 　 |　　 ＾| ￣　　　|　　　|
俺が知るかよ

┌────────────────────────────┐
│　頭山は自分の行動の理由を他の社員に特に説明する事も無く　　│
│　紫溟会との付き合いを続けていました　　　　　　　　　　　　　　　　...│
└────────────────────────────┘

┌─────────────────────────────────┐
│　特に玄洋社社長箱田六輔は、相愛社との板ばさみに苦しむ事になります　　....│
└─────────────────────────────────┘


　何でお前んとこの頭山は
　官権党紫溟会の佐々なんかと仲良くしているんだ！

　それが民権運動家のすることか！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ト､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌┘　＼
　　　　　　　　　　　∧＿∧　　　　　　　　　　 __｢＿/⌒ヽU
　　　　　　　　　　 (　｀･ω･)＝つ≡つ　　　 　＼　《ゝ__ノﾌ　　うーん……板ばさみだ
　　　　　　　　　　 (っ　≡つ＝つ　　　　　　　　　厂厂´｛
　　　　　　　　　　 /　　　) ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ　　　　　　　ﾉ　 》､　＼
　　　　　　　　　　 ( /￣∪ 　　　　　　　　　　　〈＿《」」》___〉
　　　　　　　　 　　↑相愛社の人

　　　　　　　　　　　※相愛社─熊本の政社　自由党系

　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
　　, ':.:.:.:.:.:.:. :.:.:.:.: /.:.:.:./:.:.:.|:.l　.:.:.:.:.:.| .:.:.: .:.:.:.:　.:.:.:,
　　}:.:.:. l.:.:|: :.:.:. :./.: .:./:.:.: .l|:.|:. :.:. :.:.:l :. |:.:.| .:.: .:. :.:|
　　|. i:. |:.:.l: :.:. :./.　:./.:.　./ l:.l:.:. : .:. :| :.:l :.:l: .:. .:.ﾄ:.:l
　　l. |:. |:.:.|.　.:./l　:./ :/ /　 ',ヽ:.:　.:. l :.,'.:.,':.:.　:.:.l |:l
　　|. l: .l:.:.|:. :.,' .| :./ /:./　　　ヽヽ.:.:.,':.:/:./7､.:.:l:.| l:|
　　l.:.|:.:.|:.:.|:.:.ト､|:.,':././∠=-‐'弋´∨.:/:.,':./} }:.:|.| ヽ､
　　,:.:ﾄ.:.l.:.:.l:.:|㍉l:.:/:/〃彡z辷テﾐﾌ./:./:./）/.l:.|l|　　　　　相愛社と紫溟会の対立は思想の対立ではなく
　 /´|:l:.:|:.:.l:.:.,ゞ'}:/:ｲ　　　 ｀￣￣７/:/./_ノl:.:.l|:l
　　　',{ヽヽ:ヽ∧' / |　　　　　　　///:/ l:.:.l:|ｿ |i　　　　　　 結局は熊本内の人間関係の対立だ
　　　 ヽ＼＼ヽﾘ＼ヽ､　_　　　　 /´/　r‐ﾌ)
　　　　　　　 ヾ　__.＞-‐､ﾆ‐　　∠／／／{
　　　　　　　　／　　＜ヽ ＼イ-‐r／.／ ／ ヽ
　　　　　　　/　　　＼ ＼´／ﾌ　,'. ／ .／／／>､
　　　 　　　/　　　＼ ＼ﾉ- '　 　|彡／／／／: : ｀‐---　､＿
,　-‐ー: : :/　　　＼　ヽﾉ彡　　　|／／／／: : : : : : : : : : : : : :￣
: : : : : : : /　　　　　＼ﾉ（:::）　l|　 l／／／: : : : : : : : : : : : : : : : : :

　　　　　　　　　玄洋社社長箱田六輔





　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　/::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::l
　　 //::/:l:::::::/::::::;/:::/::::;ﾍ::::::::|::::::::::::::::}
　／/:::|:::l:::::;ﾍ/, '/:::/:::/　 |::::::l:::::::::::::::;'
　　/|:::l:::l/:/≠､/／／ﾆ￣ﾘ:::/::::::::::::::l
　　{ |:ﾊ::|:::l ゞ‐'' ／　'"てﾉﾝ/:::::::/｀i;':|
　　　l'　|l::::!　　!　　 　　ﾞ"/;::::::; '_..'´ﾊ{　　　　　　感情的なもの故、この二政党の和解は
　　　　　|::ﾘヽ　_　　　　／/:／/::l::/
　　　　　l;'　 |:;ヽ　｀ 　_,. /'´ _/::::l:l　　　　　　　　不可能といっていいだろう
　　　　　　　 !'　｀ｰニ-‐_''"´/イ:l!'
　　　　　　　　　 _,|l￣|| _,=_: : :| `
　　　,.. -‐'''''""´　!l: : |l "}{｀: : :＼
　　 /:: : : : : : : : 〃: 〃: : : : : : : : :`- _

　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　...'.:´ ￣｀:丶、
　　　　　　　　　　　　　　 ／.::::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
　　　　　　　　　　　　　 /.::::::::: ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　j : :::: : .::::::::::: .:: .:::::::::::::::::::::::: ::i!
　　　　　　　　　　　　　! ..i:: :: .: .:: : .::: ..: :::: .:! ::::::::::}: :::!
　　　　　　　　　　　　 .'.::::!.::.{: ..::.::::ｲ;ｨ::.: .}.:!}!::::. :: ::!::. {
　 　 　 　 　 　　　　 /ｲ::::!::::!::メ､´〃}!.::/:/ハ{!:::} ::!i!:i:ヽ
　　　　　　　　　　　/./ｲ:::{!:{K辷_ﾒ//／斗≠ミ/::..:i::!:ﾄ､ヽ､
　　　　　　　　　　　ノ´ﾊ{:ﾊ:ﾄ､｀¨´／ イ　ヒｪz/}ﾉ::ﾉ:ハ、｀　　 政府に対抗するには、玄洋社と
　　　　　　　　　　　　/　i!:!ﾍヽ、　　　 !　　 ノｲ:::/{:{:{
　　　　　　　　　　　　　　ﾘハ}ヽ、　-_ ､　　／/:/{ﾊ|.ヽ　　　　 他の九州民党との連携が必要との認識から
　　　　　　　　　　　　　　 {!｀ ＝.＼　　 .イﾚ'/ ﾘ　! ヽ
　　　　　　　　 , 　-　 ､　 j!: :._∧_:.}!´¨¨〒}　　　　　　　　　　 俺は共愛社との交流を続けていた
　　　　　　 ／´￣｀ヽ: : ｀丶: ﾍ}{∩!!: : : {{:{
　　　　　　!: : : : : : : : '. : : : : :.｀Y´: {!: : : {!ﾊ、　　　　　　　　　 この基本方針を変えるつもりはない
　　　　　　!:/: : : : : : : :.ヽ、: ! ｀{j´: : {!: : : iハ}｀丶.､

　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　/::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::l
　　 //::/:l:::::::/::::::;/:::/::::;ﾍ::::::::|::::::::::::::::}
　／/:::|:::l:::::;ﾍ/, '/:::/:::/　 |::::::l:::::::::::::::;'
　　/|:::l:::l/:/≠､/／／ﾆ￣ﾘ:::/::::::::::::::l
　　{ |:ﾊ::|:::l ゞ‐'' ／　'"てﾉﾝ/:::::::/｀i;':|
　　　l'　|l::::!　　!　　 　　ﾞ"/;::::::; '_..'´ﾊ{　　　頭山、佐々は同じ熊本出身の官僚井上毅や
　　　　　|::ﾘヽ　_　　　　／/:／/::l::/
　　　　　l;'　 |:;ヽ　｀ 　_,. /'´ _/::::l:l　　　　　　安場保和の威を借りて、自分の勢力拡大を企んでいる
　　　　　　　 !'　｀ｰニ-‐_''"´/イ:l!'
　　　　　　　　　 _,|l￣|| _,=_: : :| `　　　　　　　と共愛社から聞いている
　　　,.. -‐'''''""´　!l: : |l "}{｀: : :＼
　　 /:: : : : : : : : 〃: 〃: : : : : : : : :`- _





　　　　　　　　　　　/::/::/:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　 　 　 　 　 　 i::/::/:::: ;'::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::l::::::＼
　　　 　 　 　 　 　 |:|:::|:::::::l:::::/::::::::/:::::::/:::::::::/:::::::::|::::::ヽ ＼
　　　 　 　 　 　 　 |:|:::|:::::::|::/::::::::/:::::::/:::::::::∧:::::: ;'::::::::∧｀ヾ:､
　　　 　 　 　 　 　 |ハ:､:::::|;':::::∠::／/:::::::∠ ⊥:: ;'::::l::: i:::|
　　　 　 　 　 　 　 |: ∧:::: |/Z二ヽ /::::／二＞,ｨ/:: /:::::|ﾊ!
　　　　　　　　　　 八! ﾍ:::::笈戔ミﾒ:／　,.孑爻.7:: /:::::: ﾘﾘ
.　　　　　　 　 　 /⌒}ﾄ､_>:ヽ'￣`／　　!　 ￣`,.:イ|:::/ //
　　　　　　　 　 　 　 ﾘ 川∧　 　 　 　/　　　 /://:/ 〃　　　　 お前は策士佐々に
　　　　　　　 　 　 　 ノｲ::|::::}::>､　 - ―-　.,ｲ}:/:／
　　　　　　　　　　　　 /:ノ::/二二:>､ __ ／｛:|:｛/　　　　　　　　 利用されているだけなのではないか
　　　 　 ,.ヘ ＿＿＿／⌒ヽミ＝/｀ヽ}=}:ｌ::::|::У
ー――く: : : ＼: : : : }｀ヽ: : |: : Y: : : :.|: |:|｀ヽ





.　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　－//-＼
.　　.　／ 　 ー□ー□丶
　　／　 　 　 　 __´__　　＼　　　　 佐々と交際するのは彼に見所があるからだ
　　|　　　　　 彡´⌒｀ﾐヽ　|
.　　＼　　　　　 　　　　 ／　　　　　佐々が裏で策を弄そうが陰口を言おうが、どうでもよい
.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　／´　 　　　　　　　　　　ヽ

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　////＼
　 ／　　　 ─ 　─＼
／ 　　　ー□ー□ー＼
|　 　 　 　 /__´___ヽ、　 |　　　　箱田の考えは分かる　だが俺には俺の考えがある
./　　　　.∩ノ ⊃ﾐﾐヽ／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　自分の信じる行動をとるまで
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　　　 ┌────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　 │頭山は玄洋社が相愛社と連携する事を認めつつも　　 　 .│
　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　　　 │紫溟会との交流を続けていきました　　　　　　　　　　　　.....│
　　　　　　　　　　　 └────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌─────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　そんな当時のエピソードを一つ紹介　　.│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─────────────────┘

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　┌────────────────┐
　│　九州有志が集まった　とある大会　....│
　└────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 ∧
　　　,　－　-　　　　　　　　　　　　　,､{'┘└'},、
　　/　□ー□　　　　　　　　　　　　,_ゝ,/⌒ヽ/__,
　　 ゝ　〃-'ﾐﾉ､　ｺﾞﾎﾝ　　　　　　　＼《ゝ__ノ》／
　　（　　 　　 }ﾉ　　　　　　　 　 　 　 ｽ(厂｀ﾞ｛´
　|￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　　　_ノ:::::j＼ 　＼
　| 　 　 　　 　 　 　 |　　　　　　 《-─/_/_》＿_,〉
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|



　 ∧＿∧　　　 ∧＿∧　　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧
　（　　　　）　　 （　　　　）　　　　（　　　　）　　　 （　　　　）

　　　　　　　　　　　　玄洋社の頭山が来てるのか……

　　　　　　　　　　　　　∧,,∧　 ∧,,∧
　　　　　　　　　　 ∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧　　　頭山は官権党の連中と
　　　　　　　　　 (　´・ω)　Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )　　付き合っているんだってさ
　　　　　　　　　 ｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　と ﾉ
　　　　　　　　　　 ｕ-ｕ （l 　　 ) (　　　ﾉu-ｕ
　　　　　　　　　　　　　　`ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'

　　　　　　　　　　　　　　　ふーん　官権党と付き合ってるのに
　　　　　　　　　　　　　　　 民権運動の集会にも首を突っ込んでるんだ

　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 ∧
　　　,　－　-　　　　　　　　　　　　　,､{'┘└'},、
　　/　□ー□　　　　　　　　　　　　,_ゝ,/⌒ヽ/__,
　　 ゝ　〃-'ﾐﾉ､ ……　　　　　　　　＼《ゝ__ノ》／
　　（　　 　　 }ﾉ　　　　　　　 　 　 　 ｽ(厂｀ﾞ｛´
　|￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　　　_ノ:::::j＼ 　＼
　| 　 　 　　 　 　 　 |　　　　　　 《-─/_/_》＿_,〉
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|

　ﾋｿﾋｿ　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋｿﾋｿ
　 ∧＿∧　　　 ∧＿∧　　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧
　（　　　　）　　 （　　　　）　　　　（　　　　）　　　 （　　　　）

　　　　　　　 　 　 　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　 　 　 　　　／　////　＼
　　　　　　　 　 　　　／　＼　　　／　＼　　　　　　 ……佐々のような国権党の者でも同じ日本人だ
　　　　　　　 　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼
　　　　 　 　 　 　 | 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|　　　　　 国に対する考えは大して変わりない
　　　　　　　 　　　＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／
　　　　　　　　　　 ／　　 Oｒ,0 ｢}∩○　 ＼
　　　　　　　　　　 |　 　 〃 |｢|l [| Ｕ {} 　　 |
　 　 ／￣￣￣￣￣￣｣[.丕｣[工」|_⊥￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　 ／　　　　　　　　　　￣　 ￣　￣
.　|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣







　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　＼　　　／　＼　　　　　　彼らにも語らせろ、そして協力し合うべきだ
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼
　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|　　　　 そうすれば我々にとっても真に有力な者となる
　　　＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／
　　　／　　　　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 ∧
　　　,　－　-　　　　　　　　　　　　　,､{'┘└'},、
　　/　□ー□　　　　　　　　　　　　,_ゝ,/⌒ヽ/__,
　　 ゝ　〃-'ﾐﾉ､ ……　　　　　　　　＼《ゝ__ノ》／　　　……
　　（　　 　　 }ﾉ　　　　　　　 　 　 　 ｽ(厂｀ﾞ｛´
　|￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　　　_ノ:::::j＼ 　＼
　| 　 　 　　 　 　 　 |　　　　　　 《-─/_/_》＿_,〉
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|



　 ∧＿∧　　　 ∧＿∧　　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧
　（　　　　）　　 （　　　　）　　　　（　　　　）　　　 （　　　　）

　　　　　　　　　|　 　　　　　　　　　　　/　
　　　　　　　　　､_ノ　　￣￣￣　　　 /＾､_ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 ∧
　　　,　ヽ　ノ　て　　　　　　　　　 　 ,､{'┘└'},、　て
　　/　□ー□　 そ　　　　　　　 　 ,_ゝ,/⌒ヽ/__,　　そ
　　 ゝ　〃-'ﾐﾉ､　　　　　　　　　 　 ＼《ゝ__ノ》／
　　（　　 　　 }ﾉ　　　　　　　 　 　 　 ｽ(厂｀ﾞ｛´
　|￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　　　_ノ:::::j＼ 　＼
　| 　 　 　　 　 　 　 |　　　　　　 《-─/_/_》＿_,〉
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|


　　　　二刀流は困るなー　　　　　 ヒソヒソ　ボソボソ
　 ∧＿∧　　　 ∧＿∧　　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧
　（　　　　）　　 （　　　　）　　　　（　　　　）　　　 （　　　　）

　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　 　 　 　 　 　 ：／　////　＼
　　 　 　 　 　 　 　 ：／　＼　　　／　＼：
　　　　　　　 　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　　　　　　　　二党使いってかｗ＞
　　　　　　　　　： | 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|：
　　　　　　　 　　　＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／　　　　　　　　　　ﾌﾟｯｗ　クスクスｗ＞
　　　　　 　 　 　 ：／　　 Oｒ,0 ｢}∩○　 ＼：
　　　　　　　　　　 |　 　 〃 |｢|l [| Ｕ {} 　　 |：　　　　　　　　　　　蝙蝠だよなァ＞
　 　 ／￣￣￣￣￣￣｣[.丕｣[工」|_⊥￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　 ／　　　　　　　　　　￣　 ￣　￣
.　|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　　　　　　　　i!: : : !: : : : : 　　　　　　　　　　 　ヽ.
　　　　　　　　　　　! i　./: : .i i: : : : :: : ;!ii:::i:　　　　　　:i:i　　i
　 　　　　　 　　　　| i!i/: : : : !l|ｒ"-'"-i| i`i|‐､　　　　　:i'　　 i,
　 　　　　　 　　　　|,ｲ|,,.．r''"!l|　　i!　　|ヽi　 `i　　　 :,./.　　 ',　 　　 /
　　　　　 　 　　 ,ｒ'''! |i!　　　　　　 ii |　　| |`i　 i:　:／/　',　　 ヽ.,.r"/
　　　　i､　 　　 /　 !　　　　　　 ,,,,.i! l-ー|--i!､ .i:／ ./　:'i,'.,.,,,.r'"　/
＼　　 i ＼　　/i　　　　　,,.．r''"　 i! i. 　 !　 i! l .i　 ./::　;;ir''"　　/ヽ
　 ＼　!　 .＼/ .:i.　　 　　　　　 　　　　　|　　 i ヾ､./:r''"　　　　/　　ヽ.
　　　`'　 　 / .::/　 　　　　　　　　　　　.!|,,.rヾ､,,ノ　　　　　　 /ヽ.　　　ヽ、
.　　　　　　〈 .::::i　 i　　|　　　　,,.．-‐ ''"|i　　　i　　　　　　　/　　ヽ、　　 .ヽ、
　　　　　　　ヾ;::ヽ､i　　!　　　　　　　　　　　　/　　　　　　/,,,,....． -－''' "´　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　―－―――ヾ;::::i 　 ! 　 !|i　　　　　　　 !|/ヾ;― =＝　　　　　　 ┃　 　 ┃　 ┃　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　 ヾ:i, 　|i.　 !||　 　 i |i　,,.ｒ"!| 　 〉　　　　　　　　　　┃　 ━┛━┛　　　　　┃　 　 ┃　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　 `i、 ||　　|i　　　i ||'"　　　　/ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃　　　　　 　━━┛　 　 ┃　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　 .ヽ||　　　　　　　　　　　i|　　　　　　　 　 　 　 ┏━┛　　　　　　 　 　 　 　 　 ┃　 　 ━━┛
.　　　　　　　　 　　　　 i'ヽ、　　　　　　,,.r''"!i　　　　　　　　　　 　 ┃　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　....:::::::::ヽ|i,,,,,|,,..r''":::::::.......　　　　　 　 　 　 ━┛　　　　　　 　 　 ━━━━━┛　 　 ━━┛

　　　　　　　 ＼人人人人人人人人人人人人人人人人／
━━━━━＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＞━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　＜　いいたい事があるならはっきりと言え！＞
　　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＞
　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼




　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　 ／　////　＼
　　　　　　　　　　　／　＼　　　／　＼
　　　　　　　　　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　 二刀流が嫌なら、頭山一刀の冴えを
　　　 　 　 　 　 | 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　　　　　　　 ＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／　　　　見せてやろうじゃないか
　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　＼

　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　＼　　　／　＼　　　　　箱田！
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼
　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|　　　 こんな面白くない奴等の所にいる必要は無い！
　　　＼ 　 　 |ｉ|!ｉ|!ｉ|!| 　 　 ／
　　　／　　　 ｀ ⌒ ´　　　 ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::::::　　 　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／´￣:::::::::￣＼　　　　　　　　　　　 ＼::::::::::::::::::::　　　　 　 ／
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /;/::::u:::::::/:::::::::::::ヽ　　　　　　　　　 　／:::::::::::::::::::::　　 　　　＼　　　　　　　 ‐-､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 /ｲ:::::::::::::::ﾑ/:::::;ィ'::::',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐-､　 __＿,ノ
　　　　　　　　　　　　　　／/ :/:::/::;イ_:!::::/、|::::::〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿,ノ
　　　　　　　　　　 　 　 　 ｲ_/:::::l::/::.ﾄ､l::/ l>ﾞ}／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｸﾙｯ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣フ∧ﾚＮﾘ　ﾚU　ゝ
　　　　　　　 　 　 　 ＿_／￣￣｀ヽ,へ、_／
　　　　　　　　　　／三三,三三三ﾆ＼　　　　　　　　　お、おい　頭山……
　　　　　　　　 ／三三ﾆ/三三三三三`ー--､
　　　　　　　 ム三三ﾆ:/三三三三三三テ三.}
　　　　　 　 仁三三ﾆ/ﾆ三三三三三ﾆ/ニﾆ/
　　　　　　　|ﾆ|三三/三三三三三三:/三ﾆ/

　　　　　　　　＼人人人【頭山】人人人人人人人／
　　　　　　　 ＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　　　 ＜　　　 箱田、お前も帰れ！　　 　＞
　　　　　　　 ＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　　　 ／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼


　　　　　,...:.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.＼
　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:..:.:.:.ヽ
　　／:.:.:.:.:.:u.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.l:.:.:.',:.:.:.:.:.:.＼
　 /:.:.:.:.／:.／7.l:.lヽ､ヽ.:.:.|:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:､.ヽ､__
　 l.:.:.:./:.:./:./:l:.|l:.|　∠ヽ:.}.l:.:.|:.:.:.:.:.:.:.|:.|￣
　 l:.:./:.:./:././|:.l ||l/ｒｆ伐ﾐ|:.|:.:.l7ヽ.:.:.:.l:.{
　 |./:.:./:./:∠|:.|/| /.,ゝ‐'7:.l:.j j /:.:.:.:.l|',｀　　　　　　　　くっ……
　 |l:.:.:.|.:.|:.仆.|:.l i!　 　u /ｲ:/ r´:.l:.:.:.||ヽ
　 l|',:.:.l:.:.i.:.l㌣l,'}　　　 //:/　ﾉ ﾘ⊥＝〒＝==､
　/　ヽ{.:.|:.:.ヽ　'、 _.. --..　／￣　　　 ||　　　　|
　　　ﾉ ヽ{ヽﾄ｀ヽ､　　　 ／　 　　　　　||　　　　|
　　　　　ヽ ヽヾ|:.ﾉヽ／||　　　　　　　 ||　　　　|
　　　　　　　　 /´　ヽ　||_　-‐彡＝キ¨　　　　 ト､
　　　　　　　　　　　／　＿//＿＿＿＼_　　　　　＼
　　　　　　　　　 ／_　-‐──────二ヽ　　　　＼

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

┌────────────────────────┐
│　福陵新報の創設には箱田の名前はありませんでした 　 │
└────────────────────────┘

　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
　　, ':.:.:.:.:.:.:. :.:.:.:.: /.:.:.:./:.:.:.|:.l　.:.:.:.:.:.| .:.:.: .:.:.:.:　.:.:.:,
　　}:.:.:. l.:.:|: :.:.:. :./.: .:./:.:.: .l|:.|:. :.:. :.:.:l :. |:.:.| .:.: .:. :.:|
　　|. i:. |:.:.l: :.:. :./.　:./.:.　./ l:.l:.:. : .:. :| :.:l :.:l: .:. .:.ﾄ:.:l
　　l. |:. |:.:.|.　.:./l　:./ :/ /　 ',ヽ:.:　.:. l :.,'.:.,':.:.　:.:.l |:l
　　|. l: .l:.:.|:. :.,' .| :./ /:./　　　ヽヽ.:.:.,':.:/:./7､.:.:l:.| l:|
　　l.:.|:.:.|:.:.|:.:.ト､|:.,':././∠=-‐'弋´∨.:/:.,':./} }:.:|.| ヽ､
　　,:.:ﾄ.:.l.:.:.l:.:|㍉l:.:/:/〃彡z辷テﾐﾌ./:./:./）/.l:.|l|
　 /´|:l:.:|:.:.l:.:.,ゞ'}:/:ｲ　　　 ｀￣￣７/:/./_ノl:.:.l|:l
　　　',{ヽヽ:ヽ∧' / |　　　　　　　///:/ l:.:.l:|ｿ |i　　　　　　　 ……
　　　 ヽ＼＼ヽﾘ＼ヽ､　_　　　　 /´/　r‐ﾌ)
　　　　　　　 ヾ　__.＞-‐､ﾆ‐　　∠／／／{
　　　　　　　　／　　＜ヽ ＼イ-‐r／.／ ／ ヽ
　　　　　　　/　　　＼ ＼´／ﾌ　,'. ／ .／／／>､
　　　 　　　/　　　＼ ＼ﾉ- '　 　|彡／／／／: : ｀‐---　､＿
,　-‐ー: : :/　　　＼　ヽﾉ彡　　　|／／／／: : : : : : : : : : : : : :￣
: : : : : : : /　　　　　＼ﾉ（:::）　l|　 l／／／: : : : : : : : : : : : : : : : : :
┌───────────────────────────┐
│　箱田と頭山の微妙な立場の違いが、ここからも見て取れます 　 .|
└───────────────────────────┘

┌───────────────────────┐
│　福陵新報に関わっていた玄洋社員の考えとしては　　.│
└───────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　, ─── ､
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /ｗｗ　　　　ヽ
　 ＿＿＿＿ ／∠ 　 　 |．　　|　　　　 ｌ　　　　　　　　　福陵新報と玄洋社を切り離し
　|　　　＿＿＿ ＜　　(⊃ 　 　 ＾ヽ　　 ｌ　　 　 ∩
　|　 　 | / / ヽl￣　　 |　　　　　 _ﾉ　　 | 　 （ヽ|　￣ヽ　　 紫溟会と距離を置くってのはどうだ
.　|　 /＾　 |　ヽ|　　　　ヽ　　 　 　 ￣￣ｌ　　 ヽ､_＿_ ﾉ
　 |　ヽ_　　`ー ＞　　　　>ー‐─── ´）__　　| 　　 |
　　ｌ／　　　 ＜　　　 ／´ ￣￣￣￣￣ ｀　 ￣ 　 　 ｌ
　　ｌ二二ヽ￣　　　 /　 ｌ　　　　　　　　　　|　　　 　 ﾉ
　/ｌ　　　　ｌヽ　　　 ｌ　　|　　　　 　 　 　 　 |￣￣

こうすれば共愛社と
玄洋社との連携を続けていけるね

　　 ┌──────────────┐
　　 │　という意図があったようです　　 .│
　　 └──────────────┘

　　┌───────────────────┐
　　│　が 後に玄洋社社長となる進藤喜平太は　　.│
　　└───────────────────┘

　 　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　　 　 　＼
　 　　／　　_,ﾉ　　 ＼ ＼
　　／ 　　 （●） 　（●） ＼
　　|　　　　　　　 ' 　　　　　|　　果たしてそう上手くいくのでしょうか
　　＼　　　　　　⌒　　　／

　　　 進藤喜平太




　　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　　　ノ ' 　ヽ＼　　　　　　　我々は高場人参畑塾の幼馴染同士
.　　／　／）（ー）　（ー） ＼
　　|　／ .ｲ　　　　' 　 　 　 |　　　　　 良くも悪くも根は一つ……
　　∨,'才.ﾐ).　　-‐‐-　　／
.　　 |　≧ｼ'　　 　　 　　＼
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ　　　　　　いずれ何か起こるのではないでしょうか

　 ┌─────────────────────┐
　 │　進藤の懸念は後に現実のものとなります……　　│
　 └─────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　 ┌─────────┐
　　　　　　　　　　　　　 │　明治21年　 一月 　 │
　　　　　　　　　　　　　 └─────────┘

ﾟ　　　。　　　　　゜　゜　　｡　　　。　　　　　　　゜　　ﾟ　　　。　　　　　　　　゜　ﾟ　　　。
　　　　　　　　゜　　｡　　　。　　　　　　　゜　　゜　　｡
　　。　　　　　　　゜　　　　゜　　　　　ﾟ　゜　　｡　　　。
　゜　　　｡　　　。　　　゜　　｡　　　。　　　　　　　゜　　　　　゜　　　　　　　　 ゜　ﾟ　　　。
　　　　ﾍ　l ﾉ　r　　ゝＹイｿ。　　　　　　　゜　　ﾟ　　＿　 ＿　＿　
　　 ゜　゜ヽＹソ　　　ヾｖﾉ／　゜　　｡　　。/i~i~i~i#::/______/~ヽ个卅
　　　　　　|i|　　　　　||i。　　　　　　　　　'"'''''''''''"| 田　| 田|'"''"''''
''"""'''''"""''""''''""''"''''"""''"""'''､.''"""'ﾞﾞ''''''''""''"''"''^^^''"''''''''"''"~~~''"''～
. ..:.:.:.｡.. . ..　.:.o:.. . ..　. ..:.:. .ﾟ.Ｏ.:.:..｡..ﾞﾞﾞﾞ''''''''''‐-- ､,,,,,_　　.~ﾞ"'ｰ-. . ..:.:.:.｡.. ..:.:. .ﾟ.Ｏ.:.:..｡.. .. .
..:.:. .　｡　　　。　　　　　　　゜　　　　゜　　　　ﾟ　゜　　｡｀ﾞ''ｰ-、　　　。　`'‐.､,,
　゜　　｡　　　。　　　　゜　　゜　 ..: . ..　.:.o:.. . ..　. ..:.:. .　,,,,-‐'゛　　　　　.　,,''　゜　　ﾟ
　　:..｡.　. .. . :. 　.ﾟ.Ｏ　　　　　　　.:.:..｡.. .. ._,,.--ｰ''''''"ﾞﾞ　　　　　　　　　,,-‐'゛





　　　　　|┃三
　　　　　|┃　
　　　　　|┃　
　ｶﾞﾗｯ.　|┃　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　|┃　 　　　　　　　 ／　////　＼
　　　　　|┃三　　　　　　／　＼　　　／　＼
　　　　　|┃ 　　　　　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　　ご免　ご主人はいるかな
　　　　　|┃　 　　　　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　　　|┃三　　　　 ＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／
　　　　　|┃三　　　　 ／　　　　　　　　　　　＼

.　　　 　 　 /　/　　 l.l　　l.ｌ　ｌ　　　　　　l　　ｌ　　l　　 　 、
　 　 　 　 /　｜ 　　|.| 　 | l　|　　　　 　 |　　|　　| 　 ｜∧
　　　　　 ｌ　　 !　　 ｌ| !　 .|│ l　 　 　 　 ﾄ,　 !　　|　 ./ /　|
　　 　 　 l　　 ヽ 　 | !ヽ.　ヽ ､ヽ、　l 　 / |. ｜　/　./ /l　｜
　　 　 　 | 　 　 ＼　{ヽヽ＼ ヽ＼ヽ|　 / -l／ｌ／ｌ／／｜　l
　　　 　 ｜　　　　|＼ヽ ＼ ヽ-、ヽ|　/　, -_仏∠∠| . | 　 |　　　　こんな雪の日に誰かと思えば
.　　　　　 !｜l　　 | /"7¨丁ﾞ}＼ 　 ﾚ'　 ,イ､_>ｰ} 〉 / .｜　∥　　　　頭山さんか
　 　 　 　 ｌ | |　　 | ｀ ヽ二ン　　　　　　ヽﾞ＝'´ノ / / ｜　∥
　　　　　　ｌ.ｌ |　　 |ヽ　 ￣　　　　 　 |　　　　 　 / /　 1　　|
　　　　　　∥|　　 ﾄ､丶　　　　　　　 '　　 　 　 / /　 /|　　｜　　　　　うちの人なら　そら、そこに
　　　　　　 |│　　|　 ｀＼　　　　　-─　　　 ／}′ / ||.　　 |
　　　　　　 |│　　|　　, -‐ヽ、　　　　　　 ／ / 　 /'　||　 　 !、
　　　　　　 |│　　|／ 　　　 | ｀丶 、 __／"７　　/ｲ　 ||　 　 ｌヽ
　　　　　　 |│　 │ 　 　 　 | , ‐ ´　　　　/　　//_|.　 ||　 　 ｌ　 ､
　　　　　　 |│　　|ｰ---‐ "´ 　 　 　 　 /　　//　｜　||　　　', 　 ヽ
　　　　　　 |│　 ｜　 　 　 　 　 - ┬‐/　　//´￣ ＼ ＼､ 　 ヽ　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　箱田の妻　たつ





　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　/::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::l
　　 //::/:l:::::::/::::::;/:::/::::;ﾍ::::::::|::::::::::::::::}
　／/:::|:::l:::::;ﾍ/, '/:::/:::/　 |::::::l:::::::::::::::;'
　　/|:::l:::l/:/≠､/／／ﾆ￣ﾘ:::/::::::::::::::l
　　{ |:ﾊ::|:::l ゞ‐'' ／　'"てﾉﾝ/:::::::/｀i;':|
　　　l'　|l::::!　　!　　 　　ﾞ"/;::::::; '_..'´ﾊ{　　　　　　　 頭山……待っていたぞ
　　　　　|::ﾘヽ　_　　　　／/:／/::l::/
　　　　　l;'　 |:;ヽ　｀ 　_,. /'´ _/::::l:l
　　　　　　　 !'　｀ｰニ-‐_''"´/イ:l!'
　　　　　　　　　 _,|l￣|| _,=_: : :| `
　　　,.. -‐'''''""´　!l: : |l "}{｀: : :＼
　　 /:: : : : : : : : 〃: 〃: : : : : : : : :`- _
　　/:: : : : : : : :〃: 〃: : : : : : : : : : : : ::｀''

　　　　　　　/:.:.:.l　.:.:.:.:.:.:.:.ヽ :.:.: .:l|:.: .:. :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}
　　　　　　 /:.:. :l| :.:.:./||ヽ:.:.:.:｀、: .|:.: .:　.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:|
　　　　　　l:.:.: /l| :.:.:/ l|　 ヾ_＼＼|:.:. : . .:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:l:.:. :.:.:.:.:.:.:.　:. :.:|
　　　　　　{:. /:.:l :.:/､ ﾘ　 ∠＼ 丶}:.:.　:. .:.:.|'＾ヽ､:..:.|.. : .:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.l
　　　　　　|: l|:.:.| :.l:.:.:', ／r彡戈ヽ |:.:. :.:.:.:.:ﾉ　 ）｝:.:.:|:.: .: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　|l l|:.:.| :.|:.:.:.｝　 ,イレ}/　|:.:.:.:.:.:.:/ゝﾉ丿:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:|
　　　　　　|! |!:.:l:.:.||:.:.:.} ノ　}／　 ,':.:.:.:.//　__ノ|:.:.:::.l:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ll:.|
　　　　　　　 |:.:|l:.{ヽ:./　　 ´　　 //:.:.//　　l　 |:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.l|:.|　　 たつ　悪いが少し席をは ずしてくれ
　　　　　　　　ヾヽ／　　　　　　//／　　　 ｝　|:.:.:.l:.{:.:.:.:.:.:./:.:.|:.l|ｿ
　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　/　　　　　　　|:.:.l|:.:|:.:.:.:./|:.||:.l:.l　　　　　頭山と二人きりで話がしたい
　　　　　　　　　　　　|ヽrｰ--　　　　　 _,　　　|:.l| l|:.|:.:.:./ l:.| |:|i|
　　　　　　　　　　　　|/|ﾉ r 　　　　 ／　　　　}ﾉ__l|_|:.:./‐‐ﾘﾆｿ
　　　　　　　　　　　　l　'　 ﾍ 　 　<　　　_-ニニ─‐|/￣￣: : {
　　　　　　　　　　　　　　　　｀´　　,∨ニ‐´: : : : : : :': : : : : : : :l
　　　　　 ＿--‐-､＿　　　 　　　<∠: _: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　 /　 ＿__､＿ ノ､　　　　　　∨((: : : : ／ : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　／　 /　／））─ｰ'　　　　　　 ∨乢-‐' : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　｛　　ﾍ ／ 　/￣｀l　　_-ｰ一ニ￣￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　 l　　 l/　　/　ヽ　|￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼





　　　　　　　　,.　　'"　　　　　　　 　 　 　 　 `丶、
　　　 　 　 ／　　　　 　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　　＼
.　　　　 ／　　　　　　　　　　 　 |　　　 　 　 　 　 　 ヽ
.　　　 /　　 　 　 /　　 　 }　　' ｜ 　 |　　　　　　　　　'.
　　　 ′　/　　 /　 / 　　'　　 } |　　 |　　 　 　 　 　 　 '.
　　　i 　 /　　 /　 / 　 .ｲ　　 ﾉ '　　｜
　　　|ｉ　;　/　,' ,‐/-／_/_　／i/　 　 |
　　　ｌ|　{ ｉ{　ｉ|厶Ｔﾆヽ厶イ　 ﾉ　　　 |
. 　　八 ⅥV八　ィ:ﾃｱ |　　　　 　 |
　　　　 ヽ{ヽУｰ'ﾞ jｼ'′　|　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　 分かった　一時ほど外に出ている
　　　 　 　 . '　　　′　　｜　　　　　 |
　　　　　く　　　　 ''　　　｜　　　　　 |
　　　 　 　 ､ ｡　　　 　 　 |　　　　　　ﾄ､
　　　　　　　ヽ　　　　　　 |　　　　　　| i＼
　　　　 　 　 ∧　 　 　 　 |　　　　　　| |: . ＼
. 　　　　　　/ 个ー―‐‐ ､|　　　　　　| |: : 　 ＼
　　　　　　/(　｀¨¨　 ｰ-=ﾐ|　　　　 　 l 从 : . ⊇)＼
.　　　　　/　 ＞x、　 　 　 |　 　 　 　 |￣￣￣　　 }＼
　　　　_/＿/_,/＿乂う≧=|　 　 　 　 |-‐=ﾆ二三/:.＼＼
　　／　　　　　　　 [o｀ヽ　|　 　 　 　 l　　 　 　 ∧: : : ＼＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

￣ﾞ''ー-､..＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,,-―'"￣
　　　　　　　||￣ﾞ''ー-､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,,-―'"￣
二.二二二二i＝＝＝||＿＿＿＿____,| |　 　 　 　 　 　 　 | |
　 　 ||　　　　||;;　|　 | |￣￣__i__￣￣| |―┬―┬―┬―| | 　|＼
　 　 ||　　　　||;;　|　 | |　　　|　 |: 　　| |￣￣￣￣￣￣￣| | 　|　 ＼
　 　 ||　　　　||;;　| 　| |　　　|　 |:　　 | |.　 i i　　　　　　　 | | 　|　　　|
　 　 ||　　　　||;;　|＿| |　　　|＿|:　　 | |　（_;;）.　　　　　　 | | 　|　 　 |
　 　 ||　　　　||／ ／| |　　　　　　 　 | |￣￣￣|￣''''――| | 　| 　　 |
　 　 ||　　　　||／　 ／三.三.三.三三|_|―――|ﾟ＿＿＿_,|_| 　 ＼　 |
　 　 ||　　　　||　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　＼|
　 　 ||　　　　||'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
／／||　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
／／||　／
／／
　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　 ／　////　＼
　　　　　　　　　　　　　／　＼　　　／　＼
　　　　　　　　　　　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼
　　　　　　　　　　　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|　　　　 箱田、俺はお前を英雄だと思って付き合ってきた
　　　　　　　　　　　 ＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／
　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　＿＿＿
　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼
　　 　 ／ .ｲ ー□ー□ー ＼　　　　　だがお前は数を頼みにして
　 . 　/,'才.ﾐ).　/__´___ヽ　　　＼
　 . 　|　≧ｼ'　彡´⌒｀ﾐﾐ　　　　|　　　 群れているような連中と付き合っている
　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　／




　 　　　＿＿＿_
　　　／　　////＼
　 ／　　　 _ノ 　─＼
／ 　　　ー□ー□ー＼
|　 　 　 　 /__´___ヽ、　 |　　　　 お前も数を頼みにする、つまらん男になったのか
./　　　　.∩ノ ⊃ﾐﾐヽ／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　俺と別れるつもりなのか
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　＼　　　／　＼　　　　　　　別れるのなら　俺はお前を
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　　　　敵として相手にする事になるだろう
　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／　　　　　　 よく考えて返答しろ
　　　／　　　　　　　　　　　＼

.　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.
　　　　　　　 ,'.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:!..:.:.:.:.:l
　　　　　　　} .:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:. :.／／.:.／.:.:.:.:./i :.:.:. |:.:.:.:.l:.:.:.l:.|.|
　　　　　　 .':.l.:.:.:.| :.:.l:.:.:.:./:. :. :./:./:.:／ : :.: .:./.:.|:. .:. .|:.:.:.:.l:.:.:|:.l.:!
.　　　　　 /:./'..:.:.| :.:.|.:.:./l:.:　.:/:./:./ .: .:.: :.:./.:.:.:l:.'、: .l.:.:.:.:|.:.:.|:.|:l
　　　　　/:./　l.:.:.| :.:.l.:./ l.: .:./:./:./:.:　.:.:.: /:.:./l:.l:.:.＼.|:.:.:.:l.:.:.l:.|:.l
　　　　　}/　　l'..:.l :.:.|/ヽ|: ./|:/:./.: .:. :.:／.':./　|:.!ヽ:.:.} .:.:/:.:/|:|'.:{
　　　　 /　　　|ヽヽ :.', ミ|:/‐|{:./l:.:.:.:／ /:.∠-‐´ヽ_',ﾉ .:/ ｝.{.',{　ヽ　……頭数を頼みにしている訳ではない
　　　　　　　　l .:.ﾊ:ヽ:.{f㍉,爻ｲ､|:／ ／／,rz=伐升ﾌ .:/ /:.:l　ヽ
　　　　　　　　| ﾉ ',ヽヽ',¨冖┴-/´',　　彡｀ゝｰ┴‐7 ../ /:.:,'
　　　　　　　　|/　ヽ:.＼ヽ､　　　　 } 　　　　　　　/:.:./_/ |/
　　　　　　　 ﾉ´　　ヽ:.:.ヽ￣　　 　i}　　 　　　　 /:.ノ:.:.l　/
　　　　　　　　　　　　l:.|:.:. ヽ､　　-‐- -､..　　,イ､/.:./ﾘ
　　　　　　　　　　　　ﾘ!|.:.（（｀丶　 ｀｀＿＿イ_／厶.:{
　　　　　　　　　　__　-‐ゝ‐|: ミr ＞､_才‐‐‐‐イ´: : : ＼
　　_　-　‐‐‐＝´ : : : : : : : l艸 | F￣￣￣｀l | 圸巛: : : ｀丶






　　　　　　　　　　　　／.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　 　 　 　 　　　 /: .:.:.:./ ..:.:.:.:.:./:.:.:.:.: .i:. :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　':.: .:.:./　.:./.:.:/:.:.: .:.l .:.l:.: .:',:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　 　,'.:.| :.:.l. :.:.//:/:.:.,':.: .:|:.:.:!:.:. .|:..:.:.:.:.:.:|
　 　 　　　　　 　 /:.: l:.:.:.|:.:.//:/:.:./.:.:. //∧'.:. !:.:.:.:.:.|:.l
　　　　　　　　　/ｲ.: .|:.:.:.l://l//:./.:.:.:.///　_ヽ:l:.:.|:.:.:|'.!　　　　ただ藩閥政府は強大だ　奴らに対抗するには
　　　 　 　　　 / /:.:.:.r':.:.|ド㍉､'/}.:.:.///_,∠zﾐ.|:.:l.:.!:{ ヽ
　　　　　　　　　/´|:.,:.ヽﾊゞｆｪ'ｲﾄ.|:.//廾ゝｭ'ｲﾌ:./ }:.lヽ､　　　　　各九州政社を一つに連帯させ
　　　　　　　　　　 |:.{ヽヽ:ヽ ￣i!´ﾘ　,' 　　￣ //ｲ:.l'.!
　　　　　　　　　　 ヽ! ヽ:.l:ヽ.　　　　i!　　　　/':.:.ﾊ:.| ヽ　　　　　　 全国的な運動に展開していく必要がある
　 　 　 　 　 　　　　　　l:.|:.:.＼　　!ニニ!　／l:.:.|　',{
　　　　　　　　　　　　　 ﾘ.ｿ}Fr＞､｀＝´イ／ｦ.:.{　 ｀
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉl｀＝r ≧≦ｦ／ｆ |｀ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　...'.:´ ￣｀:丶、
　　　　　　　　　　　　　　 ／.::::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
　　　　　　　　　　　　　 /.::::::::: ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　j : :::: : .::::::::::: .:: .:::::::::::::::::::::::: ::i!
　　　　　　　　　　　　　! ..i:: :: .: .:: : .::: ..: :::: .:! ::::::::::}: :::!
　　　　　　　　　　　　 .'.::::!.::.{: ..::.::::ｲ;ｨ::.: .}.:!}!::::. :: ::!::. {　　　　　そのためには共愛社の力が
　 　 　 　 　 　　　　 /ｲ::::!::::!::メ､´〃}!.::/:/ハ{!:::} ::!i!:i:ヽ
　　　　　　　　　　　/./ｲ:::{!:{K辷_ﾒ//／斗≠ミ/::..:i::!:ﾄ､ヽ､　　　　 玄洋社には必要なのだ
　　　　　　　　　　　ノ´ﾊ{:ﾊ:ﾄ､｀¨´／ イ　ヒｪz/}ﾉ::ﾉ:ハ、｀
　　　　　　　　　　　　/　i!:!ﾍヽ、　　　 !　　 ノｲ:::/{:{:{
　　　　　　　　　　　　　　ﾘハ}ヽ、　-_ ､　　／/:/{ﾊ|.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 {!｀ ＝.＼　　 .イﾚ'/ ﾘ　! ヽ
　　　　　　　　 , 　-　 ､　 j!: :._∧_:.}!´¨¨〒}





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　////　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　＼　　　／　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|　　　　　　　 連帯、か
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　＿＿＿
　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼
　　 　 ／ .ｲ ー□ー□ー ＼　　　　　 箱田よ　お前が連帯の相手に考えている
　 . 　/,'才.ﾐ).　/__´___ヽ　　　＼
　 . 　|　≧ｼ'　彡´⌒｀ﾐﾐ　　　　|　　　　今の政党というものを見ろ
　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　／





　 　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　 ////＼
.　　 　／　　　ノ ' 　ヽ＼
.　　／　／）ー□ー□ー＼　　　　　 連中はつまらぬ事で諍いを繰り返し
　　|　／ .ｲ　　/__´___ヽ、　|
　　∨,'才.ﾐ).　彡　　ﾐﾐヽ／　　　　　　 反目しあっている
.　　 |　≧ｼ'　　 　　 　　＼
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　＿＿＿
　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼
　　 　 ／ .ｲ ー□ー□ー ＼
　 . 　/,'才.ﾐ).　/__´___ヽ　　　＼　　　 今のあいつらには、大きな目的という物を説いても無駄だろう
　 . 　|　≧ｼ'　彡´⌒｀ﾐﾐ　　　　|
　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　／




　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　////＼
　　　　　 ／　　 ＼ ,　, ／＼
　　　　／　　　ー□ー□ー ＼
　　 　 |　　 　 　/__´___ヽ　　　|　　　　　　 あんな連中を苦心して政治的に妥協させ
　 　 　 ＼ 　 　 彡`⌒´ﾐﾐ　／
.　　　 　 /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ　　　　その上でやっと成立するような連帯なんぞに　意味はあるのか
　　　 　 |　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
　　　　　| 　 　 　 　 　 　｀l￣
.　　　 　 |　　　　　　　　　 |

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　////＼
　 ／　　　 ─ 　─＼
／ 　　　ー□ー□ー＼
|　 　 　 　 /__´___ヽ、　 |　　　　　 佐々は九州の反政府派から白眼視されながらも
./　　　　.∩ノ ⊃ﾐﾐヽ／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　 自分のやることをしっかりとやっている　骨のある人物だ
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／




　　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　／　　////＼
　　　 　 　 ／　　 ＼ ,　, ／＼
　　　　　／　　　ー□ー□ー ＼
　　　 　 |　　 　 　/__´___ヽ　　　|　　　　　千万人の凡夫が集まって
　　　　　＼ 　 　 彡`⌒´ﾐﾐ　 ／
　　　　　　ノ　　　　　　　　　　＼　　　　　おのおのが勝手な事ばかり言っている烏合の衆より
　　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l　　　　　　独りで千万人を相手にするような人物を 俺は選ぶ
　　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /

　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　...'.:´ ￣｀:丶、
　　　　　　　　　　　　　　 ／.::::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
　　　　　　　　　　　　　 /.::::::::: ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　j : :::: : .::::::::::: .:: .:::::::::::::::::::::::: ::i!
　　　　　　　　　　　　　! ..i:: :: .: .:: : .::: ..: :::: .:! ::::::::::}: :::!
　　　　　　　　　　　　 .'.::::!.::.{: ..::.::::ｲ;ｨ::.: .}.:!}!::::. :: ::!::. {
　 　 　 　 　 　　　　 /ｲ::::!::::!::メ､´〃}!.::/:/ハ{!:::} ::!i!:i:ヽ
　　　　　　　　　　　/./ｲ:::{!:{K辷_ﾒ//／斗≠ミ/::..:i::!:ﾄ､ヽ､
　　　　　　　　　　　ノ´ﾊ{:ﾊ:ﾄ､｀¨´／ イ　ヒｪz/}ﾉ::ﾉ:ハ、｀　　　　　　　 ……
　　　　　　　　　　　　/　i!:!ﾍヽ、　　　 !　　 ノｲ:::/{:{:{
　　　　　　　　　　　　　　ﾘハ}ヽ、　-_ ､　　／/:/{ﾊ|.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 {!｀ ＝.＼　　 .イﾚ'/ ﾘ　! ヽ
　　　　　　　　 , 　-　 ､　 j!: :._∧_:.}!´¨¨〒}
　　　　　　 ／´￣｀ヽ: : ｀丶: ﾍ}{∩!!: : : {{:{






　　　　　　　　　/::/::/:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　 　 　 　 　 　 i::/::/:::: ;'::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::l::::::＼
　 　 　 　 　 　 |:|:::|:::::::l:::::/::::::::/:::::::/:::::::::/:::::::::|::::::ヽ ＼
　 　 　 　 　 　 |:|:::|:::::::|::/::::::::/:::::::/:::::::::∧:::::: ;'::::::::∧｀ヾ:､
　 　 　 　 　 　 |ハ:､:::::|;':::::∠::／/:::::::∠ ⊥:: ;'::::l::: i:::|
　 　 　 　 　 　 |: ∧:::: |/Z二ヽ /::::／二＞,ｨ/:: /:::::|ﾊ!
　　　　　　　　 八! ﾍ:::::笈戔ミﾒ:／　,.孑爻.7:: /:::::: ﾘﾘ
.　　　　 　 　 /⌒}ﾄ､_>:ヽ'￣`／　　!　 ￣`,.:イ|:::/ //　　　自反而縮　雖千萬人　吾往矣
　　　　　 　 　 　 ﾘ 川∧　 　 　 　/　　　 /://:/ 〃　　　（みずからをかえりみてなおくんば、
　　　　　 　 　 　 ノｲ::|::::}::>､　 - ―-　.,ｲ}:/:／　　　　　　　せんまんにんといえども、われゆかん）
　　　　　　　　　　 /:ノ::/二二:>､ __ ／｛:|:｛/
　 　 ,.ヘ ＿＿＿／⌒ヽミ＝/｀ヽ}=}:ｌ::::|::У

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│【意味】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│自分の心を振り返ってみたときに自分が正しければ　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│たとえ相手が千万人であっても、私は敢然と進んでこれに当ろう　　.│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　_, -''´::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀'ｰ-､
　　　　　　　 _, - ' ´:::::::::::::::.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　/::::::::::::./::::::::.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:ゝ
.　　　　　　/::::::::::::::i:::::.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ﾉ:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ､
　　　　　ノ::/:::::::::::::|::.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /人:l:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.|｀ヾ
　─-=彡 /::::/:::::::::ﾚ':::::/:::ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.://　 |ﾊ:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　/:.::/:::::::::::|l:::::/:/ |::ｨ:.:.:.:.:.:/:∠＿_||L｀ｿ:.:.:.:.:.:.:.:.|
.　　　　/:.::/|::::i:::.:.:.|:./:/＿ハ:.:.:.:./ﾉ/ ,＿_」L_,ﾉ/:.:.:.:.:/:.ﾊ
　　　　|:.:/ .|:::::ﾄ::::::V:/- -x |:.:.:.:/ /　-ｨﾃ芯ﾌ./i:.:.:.:./i:.:.|
　　　　|/　 |:::::ﾊ:::::::Kｨテ=斗:::/／　 ｀┴ ナ //:.:／j ト､_　　　お前は孟子のこの語が好きだったよな……
　　　　| 　 .|:::::/:ヾ::::::＼ゞ≧V .|　　　　　 　 ./／-'｀/:.:.|
　　　　　　 |:::::ﾊ::::::＼::::ヽ　　　ヽ　　　　　 ／　 r-'´:::ﾊi
　　　　　　 ヽ::| ヾ::::i::::ト:ミ=-　　 ＿ _　　　 　 /l:.:l:.:.::.ﾄ
　　　　　　 　 ＼ |:::ﾄ:::;Vハ､　　　ー -￣　 ／／:.l:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　ヽ:＼::V::/:.＞ ､　　　　／　彡'ﾌ::::.:.:.ミ､_ _
　　　　　　　　　　　　　＞/::ナヾ:::ヽ- イ_ ／　ノ人／＼ー'
　　　　　　　　　 　 　 　 /／　　ｿ:::i￣￣|　　　 ／　 ／￣￣￣フ──
　　　　　　　　　　　　　　　　-=/￣|＿＿|/　／　 // 　 　 　／／￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ　r'´￣￣ V'　　 .//　　　 ／／
　　　　　　　　　　　　　_, - '´/ {/　　　　 /　.　 //　　 .／／
　　　　　　　　　　r‐' ´　　　/　 V　　　イ　　　 | |　 ／／
　　　　　　　　　　V/　　 ／　 　 レイ／　　　　| |／／
　　　　　　　　　　 V　　/＿＿／ .／　　　　　 .| .／

　　　　　　　　　　　　　　 _　':.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀`ヽ､
　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.／:.／／:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　 , '.:.:.:.／:.／／::..:.:.:.／/.:.l.:.ヽ:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　i:.:.i:.:/:.:.:///l:.:.:.:.:／:./|:.:.ﾊ:.:.:!.:.:.:.:.'.
　　　　　　 　 　　　l:.:.|.:.|:.:.// l l|:.:.://∠/:./__',:.:|:.|:.:l:.:.',
　　　　　　 　 　　　|:.:.l:.:l:./7/|!‐|:./// 〃/‐‐-ヽl:.!.:.|:.|:l
　　　　　　　　　　　}:.:{:.:.|ｆ仆ｽ7ﾐ|{/ ｝ /´tｆ匁ﾇヾ〉!:./:.lﾘ
　　　　　　　　　　 /:.:.',.:.',￣￣　 !　i| .　　￣￣ ,':./:.!:.|
　 　 　 　 　 　 　/:.ﾊ:.:.ヽヽ　　　　　___　　　　 ﾉ:/､:.|',|　　　　　……
　　　　　　　　 ／}/　'.{ヽ＼　　　〃 ‐:. ヽ　　/://}|:.} ヽ
　　　　　　　　　 ﾉ　　ヽヽ＼ゝ　　　　　　　　 ／ｲ´ﾉヽ
　　　　　　　　　　　　　}l:.:.l:.:｀丶、 　　　　 イ:.:.l:.:/
　　　　　　　　　　　　　ﾘ',:.|:|:.:|　 ｀　-　'´ 　|:.l:.|:.{
　　　　　　　　　　　　　　ﾘi:.|:r´- ､ ＿＿＿,lヽ:.{:|
　　　　　　　　　　　　　　／｀ー -r､,--､-､-┴ ､ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　////　＼
　　　　　　　　　　　　　　　／　＼　　　／　＼
　　　　　　　　　　　　　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　　……
　　　　 　 　 　 　 　 　 | 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　　　　　　　　　　　 ＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／
　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　＼

　　　　　,...:.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.＼
　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:..:.:.:.ヽ
　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.l:.:.:.',:.:.:.:.:.:.＼
　 /:.:.:.:.／:.／7.l:.lヽ､ヽ.:.:.|:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:､.ヽ､__
　 l.:.:.:./:.:./:./:l:.|l:.|　∠ヽ:.}.l:.:.|:.:.:.:.:.:.:.|:.|￣
　 l:.:./:.:./:././|:.l ||l/ｒｆ伐ﾐ|:.|:.:.l7ヽ.:.:.:.l:.{　　　　　　　　 わかった　お前の言う事が正しい
　 |./:.:./:./:∠|:.|/| /.,ゝ‐'7:.l:.j j /:.:.:.:.l|',｀
　 |l:.:.:.|.:.|:.仆.|:.l i!　　　 /ｲ:/ r´:.l:.:.:.||ヽ　　　　　　　　後の事はお前に任せる
　 l|',:.:.l:.:.i.:.l㌣l,'}　　　 //:/　ﾉ ﾘ⊥＝〒＝==､
　/　ヽ{.:.|:.:.ヽ　'、 _.. --..　／￣　　　 ||　　　　|
　　　ﾉ ヽ{ヽﾄ｀ヽ､　　　 ／　 　　　　　||　　　　|
　　　　　ヽ ヽヾ|:.ﾉヽ／||　　　　　　　 ||　　　　|
　　　　　　　　 /´　ヽ　||_　-‐彡＝キ¨　　　　 ト､





　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　＼　　　／　＼
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼
　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|　　　　　　箱田……！
　　　＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／
　　　／　　　　　　　　　　　＼

　　　　　　　／::.::.::.::.:/::.::.::.:／:/::.::.::.::.::.::.:/!::.::.::.::.::ヽ::.::.::.::.::.＼
　　　　　　/.::.::.::.::.::.:/::.::.::〃::./::.::.::.::.::.::./!::!::.::.::.::.::.::.:i::.::.::.::.::.:∧
　　　　 　 i::.::/::.::.::./::.::.::/::.::/::.::.／::.:／ 八:ヽ::.::.::.::.: |::.::.::.::.::.::.∧
　　　　 　 |::/::.::.::./::.::.::/::.::/::.:〃:::∠-=≦壬ﾊ::.::.::.::/::.::.::.::.::.::.::.∧
　　　　　 イ::.:i::. /::.::.::/／/::.:/::／/ﾃ‐_＿__　＼::.: /::.::.::.::.::.::.::.::.::∧
　　　　/::/i: : |:: i::.::.::/＞ {::./::/／ ,ｨ戈::::タ ＞　У::.::.::.::.::.::.::.::.::..: : 〉
　　　 /イ::.|::.::|:: |::.::/_＿,」:/{/　　´￣￣￣`　　/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. /
　 　 /　 !:/!::. |:: |::.:{代ツ/　　　　　　　　　　 ／::.::.::.::.::.::.::／ 〉::.:::｛
　　　 　 |　|::.:ﾊ: ﾄ从 ￣〈　　　　　　 　 　 ／/::.::.::.::.::.: ／　 ,'::.::. ｲ!
　　　 　 !.八::!.ﾊ::.::.ﾄ.､　 ｀　　　　 　 　 ／ ,ｲ:::／::.::.／　　./::. : /八
　　　　　　　＼∧:∧　　 ､__＿　　　 　 ／.／:／／　 __／::. ///　 ｝　　だが共愛社に対しては
　　　　　　　　 ヽ/ .∧　　!::...........｀ヽ　ー=ﾆ彡 '´　 //::.::.::.::;′
　　　　　　　　　　 /　.ヽ　　　　　　　　　／　　 , ． /::.::.::.:: {　　　　　　　けじめをつけねばなるまい
　　　　　　　　　　　　　}ﾄ．　　　　　　　　_,,...＜　 ./::.::.::.i::.::i
　　　　　　　　　　　　　|:::ﾊ　　　 __ ．.＜　 　 　 .//.ｲ::.::|::.:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　|/ j:〉.≦!_＿＿__＿＿＿∠⊿!__ !:: 八
　　　　　　　　　　　　　i　/　川┌──┐├─≠──|:|从
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |j/:::::::::::: ││ｨ=v:fj:::::::: |ハ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |{:::::::::::: : ││⌒}川{⌒: |
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |!:::::::::::: : ││:::〈〈i i〉〉::::ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　 _ィ:/:::::::::::::: : ││::::::>　<:::::::::::::＞--:......．..._

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

ﾟ　　　。　　　　　゜　゜　　｡　　　。　　　　　　　゜　　ﾟ　　　。　　　　　　　　゜　ﾟ　　　。
　　　　　　　　゜　　｡　　　。　　　　　　　゜　　゜　　｡
　　。　　　　　　　゜　　　　゜　　　　　ﾟ　゜　　｡　　　。
　゜　　　｡　　　。　　　゜　　｡　　　。　　　　　　　゜　　　　　゜　　　　　　　　 ゜　ﾟ　　　。
　　　　ﾍ　l ﾉ　r　　ゝＹイｿ。　　　　　　　゜　　ﾟ　　＿　 ＿　＿　
　　 ゜　゜ヽＹソ　　　ヾｖﾉ／　゜　　｡　　。/i~i~i~i#::/______/~ヽ个卅
　　　　　　|i|　　　　　||i。　　　　　　　　　'"'''''''''''"| 田　| 田|'"''"''''
''"""'''''"""''""''''""''"''''"""''"""'''､.''"""'ﾞﾞ''''''''""''"''"''^^^''"''''''''"''"~~~''"''～"
. ..:.:.:.｡.. . ..　.:.o:.. . ..　. ..:.:. .ﾟ.Ｏ.:.:..｡..ﾞﾞﾞﾞ''''''''''‐-- ､,,,,,_　　.~ﾞ"'ｰ-. . ..:.:.:.｡.. ..:.:. .ﾟ.Ｏ.:.:..｡.. .. .
..:.:. .　｡　　　。　　　　　　　゜　　　　゜　　　　ﾟ　゜　　｡｀ﾞ''ｰ-、　　　。　`'‐.､,,
　゜　　｡　　　。　　　　゜　　゜　 ..: . ..　.:.o:.. . ..　. ..:.:. .　,,,,-‐'゛　　　　　.　,,''　゜　　ﾟ
　　:..｡.　. .. . :. 　.ﾟ.Ｏ　　　　　　　.:.:..｡.. .. ._,,.--ｰ''''''"ﾞﾞ　　　　　　　　　,,-‐'゛





　　　　　　　　,.　　'"　　　　　　　 　 　 　 　 `丶、
　　　 　 　 ／　　　　 　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　　＼
.　　　　 ／　　　　　　　　　　 　 |　　　 　 　 　 　 　 ヽ
.　　　 /　　 　 　 /　　 　 }　　' ｜ 　 |　　　　　　　　　'.
　　　 ′　/　　 /　 / 　　'　　 } |　　 |　　 　 　 　 　 　 '.
　　　i 　 /　　 /　 / 　 .ｲ　　 ﾉ '　　｜
　　　|ｉ　;　/　,' ,‐/-／_/_　／i/　 　 |
　　　ｌ|　{ ｉ{　ｉ|厶Ｔﾆヽ厶イ　 ﾉ　　　 |
. 　　八 ⅥV八　ィ:ﾃｱ |　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　 （……頭山さんのあの顔、普通ではなかった）
　　　　 ヽ{ヽУｰ'ﾞ jｼ'′　|　　　　　　|
　　　 　 　 . '　　　′　　｜　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　（……何かを決心したような）
　　　　　く　　　　 ''　　　｜　　　　　 |
　　　 　 　 ､ ｡　　　 　 　 |　　　　　　ﾄ､
　　　　　　　ヽ　　　　　　 |　　　　　　| i＼
　　　　 　 　 ∧　 　 　 　 |　　　　　　| |: . ＼
. 　　　　　　/ 个ー―‐‐ ､|　　　　　　| |: : 　 ＼
　　　　　　/(　｀¨¨　 ｰ-=ﾐ|　　　　 　 l 从 : . ⊇)＼
.　　　　　/　 ＞x、　 　 　 |　 　 　 　 |￣￣￣　　 }＼
　　　　_/＿/_,/＿乂う≧=|　 　 　 　 |-‐=ﾆ二三/:.＼＼
　　／　　　　　　　 [o｀ヽ　|　 　 　 　 l　　 　 　 ∧: : : ＼＼

　　　′　　 　 　 　 　 :　　 l　　 :. 　 丶　 　 ｛ 　 　｛　　 '.　 ＼ 　 ＼
　 　 |ｉ　　　　　　　　　|　　 |　　　＼　　＼　　丶 　 }　 　 }　　 丶　　 :.
　 　 |ｉ　　　　　　　　　|　　 :.　　　　 ＼ ｛ 、丶 ＾ト　{_:i 　 {、 :.　　｝　　'
　 　 |ｉ　　　　　　　　　|　 　丶　　　　　 :ｱ^＼{＼{　 Ⅵ　､｝}　} 　 ;　　 ｝
　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　 　 　 |　 〃＾芹ｘ ｝{　//　.:　 /　　/
　　 ′　　　　　　　　　　　 　 ｜　　　　｜　{{ 　}ｒ爪Ⅵ//}　 '　/　　/
　　ｌ　;　　　　　　　 　 ;　　　　｜　　　　｜　 ヽ. {l/　丶,仏イ／　 ／
　　|　l　　 　 　 　 　 .:　　　 　 |i 　 　 　 | 　 　 ‘′　 ｛ｘ彡ｧ-‐
　　|　l　　　　　　 　 　 　 　 　 |i 　 　 　 |　　　　　　　 :.
　　|　l　 　 　 　 　 /　　 　 　 八　　　　 l　　　　　　　　＼
　　|　l　　　　　　 /　　 　 　 / 　 ;　　 　 l　　　 　 　 　 ／　　　　（うちの人も最近なにか
　　; /　 　 　 　 /　　　　　f圦　　l　　 　 |　　｀⌒丶,　′
　　/　　　　 　 :′　　　　,:j厂＾＼|　　 　 |　　 　 ／　　　　　　　　　思いつめていた事が多かったようだし……）
／′　　　　　/　　　　 ／': : : : : :.|　　 　 ﾄ　_ イ /
　 ;　　　　　 /　　　 ／ : : : : : : : : |　　 　 |i　　 ｌ;′
　′　　　　/　　 ／ : : : : : : : : : : ;ﾊ　　　 |i　　 |i　　　　　　　　　　　（……何だか胸騒ぎがする）
/　　　　　/　 ／　 　 　 　 . : : : :〈爪　　　|i　　 |!






.　　　 　 　 /　/　　 l.l　　l.ｌ　ｌ　　　　　　l　　ｌ　　l　　 　 、
　 　 　 　 /　｜ 　　|.| 　 | l　|　　　　 　 |　　|　　| 　 ｜∧
　　　　　 ｌ　　 !　　 ｌ| !　 .|│ l　 　 　 　 ﾄ,　 !　　|　 ./ /　|
　　 　 　 l　　 ヽ 　 | !ヽ.　ヽ ､ヽ、　l 　 / |. ｜　/　./ /l　｜
　　 　 　 | 　 　 ＼　{ヽヽ＼ ヽ＼ヽ|　 / -l／ｌ／ｌ／／｜　l
　　　 　 ｜　　　　|＼ヽ ＼ ヽ-、ヽ|　/　, -_仏∠∠| . | 　 |
.　　　　　 !｜l　　 | /"7¨丁ﾞ}＼ 　 ﾚ'　 ,イ､_>ｰ} 〉 / .｜　∥
　 　 　 　 ｌ | |　　 | ｀ ヽ二ン　　　　　　ヽﾞ＝'´ノ / / ｜　∥
　　　　　　ｌ.ｌ |　　 |ヽ　 ￣　　　　 　 |　　　　 　 / /　 1　　|　　　　　　　　様子を見に行こう……！
　　　　　　∥|　　 ﾄ､丶　　　　　　　 '　　 　 　 / /　 /|　　｜
　　　　　　 |│　　|　 ｀＼　　　　　-─　　　 ／}′ / ||.　　 |
　　　　　　 |│　　|　　, -‐ヽ、　　　　　　 ／ / 　 /'　||　 　 !、
　　　　　　 |│　　|／ 　　　 | ｀丶 、 __／"７　　/ｲ　 ||　 　 ｌヽ
　　　　　　 |│　 │ 　 　 　 | , ‐ ´　　　　/　　//_|.　 ||　 　 ｌ　 ､
　　　　　　 |│　　|ｰ---‐ "´ 　 　 　 　 /　　//　｜　||　　　', 　 ヽ
　　　　　　 |│　 ｜　 　 　 　 　 - ┬‐/　　//´￣ ＼ ＼､ 　 ヽ　　＼

ﾟ　　　。　　　　　゜　゜　　｡　　　。　　　　　　　゜　　ﾟ　　　。　　　　　　　　゜　ﾟ　　　。
　　　　　　　　゜　　｡　　　。　　　　　　　゜　　゜　　｡
　　。　　　　　　　゜　　　　゜　　　　　ﾟ　゜　　｡　　　。
　゜　　　｡　　　。　　　゜　　｡　　　。　　　　　　　゜　　　　　゜　　　　　　　　 ゜　ﾟ　　　。
　　　　ﾍ　l ﾉ　r　　ゝＹイｿ。　　　　　　　゜　　ﾟ　　＿　 ＿　＿　
　　 ゜　゜ヽＹソ　　　ヾｖﾉ／　゜　　｡　　。/i~i~i~i#::/______/~ヽ个卅
　　　　　　|i|　　　　　||i。　　　　　　　　　'"'''''''''''"| 田　| 田|'"''"''''
''"""'''''"""''""''''""''"''''"""''"""'''､.''"""'ﾞﾞ''''''''""''"''"''^^^''"''''''''"''"~~~''"''～"
. ..:.:.:.｡.. . ..　.:.o:.. . ..　. ..:.:. .ﾟ.Ｏ.:.:..｡..ﾞﾞﾞﾞ''''''''''‐-- ､,,,,,_　　.~ﾞ"'ｰ-. . ..:.:.:.｡.. ..:.:. .ﾟ.Ｏ.:.:..｡.. .. .
..:.:. .　｡　　　。　 ／￣￣￣＼　　　　゜　　　　ﾟ　゜　　｡｀ﾞ''ｰ-、　　　。　`'‐.､,,
　゜　　｡　　　。　| 　 ザッ　　 | ..: . ..　.:.o:.. . ..　. ..:.:. .　,,,,-‐'゛　　　　　.　,,''　゜　　ﾟ
　　:..｡.　. .. . :. 　.＼＿＿＿／　　.:.:..｡.. .. ._,,.--ｰ''''''"ﾞﾞ　　　　　　　　　,,-‐'゛

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　ザッ　　 |
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼＿＿＿／　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　ザッ　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼＿＿＿／



・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・



￣ﾞ''ー-､..＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,,-―'"￣
　　　　　　　||￣ﾞ''ー-､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,,-―'"￣
二.二二二二i＝＝＝||＿＿＿＿____,| |　 　 　 　 　 　 　 | |
　 　 ||　　　　||;;　|　 | |￣￣__i__￣￣| |―┬―┬―┬―| | 　|＼
　 　 ||　　　　||;;　|　 | |　　　|　 |: 　　| |￣￣￣￣￣￣￣| | 　|　 ＼
　 　 ||　　　　||;;　| 　| |　　　|　 |:　　 | |.　 i i　　　　　　　 | | 　|　　　|
　 　 ||　　　　||;;　|＿| |　　　|＿|:　　 | |　（_;;）.　　　　　　 | | 　|　 　 |
　 　 ||　　　　||／ ／| |　　　　　　 　 | |￣￣￣|￣''''――| | 　| 　　 |
　 　 ||　　　　||／　 ／三.三.三.三三|_|―――|ﾟ＿＿＿_,|_| 　 ＼　 |
　 　 ||　　　　||　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　＼|
　 　 ||　　　　||'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
／／||　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
／／||　／
／／
／

　　　　　　　　　　　ｒ'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'ヽ
　　　　　　　　　　（　　あれはいつだったか　　　　　　　　　　 ）
　　　　　　　　　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （
　　　　　　　　　　（　玄洋社員が集ったある酒宴の席で……）
　　　　　　　　　　 丶～'⌒'⌒'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'´

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　／￣￣＼
　 　 　 _ノ　　ヽ、　　＼　 　,.:┐
　　　 .（ ●）（ ●）　　..|　／　｜　君らは玄洋社という結社を作って
　　　 （__人__） 　　　　.|./　　 /
　　　　 i⌒ ´ .r－､　　|/　 ／　　　　多勢を頼んで仕事をしている
　　　　 { 　 　 ヽ,　',. .,/　:/',
　　　　 .ヽ　　　.|　 l_/_, -‐､',
　　　　　 .ヽ　.　| 　 / , -－'i|
　　　　　　/　　 {　　V , -－ﾍ
　　　　　　|　　　ヽ　 Ｌ|　r=　|





　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|　　　俺はただ一己の杉山という人格を以って仕事をする
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　 /　ヽ､_　　　＼
　　　　　. （　（● ）　　　　|
　　　　　. （人__）　　　　　 | 　　　一見、多勢を頼む君らは強そうに見えるが
　　　　　r-ヽ 　 　 　 　 　 |
　　　　 （三） |　　　 　　　.:　　　　強さを他に依存しているから　実は弱い
　　　　　>　ノ　　　　　　 /
　　　　/ 　/ ヽ　　　 　 /
　　　/ 　/　へ>　　　 <
　　　|＿__ヽ　　＼／　 )
　　　　　　　|＼　　　／|
　　　　　　　|　 ＼_／　|




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　俺は自分ひとりだから弱いようだが　実は君らよりも強いのだ
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l




　　　　　　　.':.:.:.:.:.:.|:　.:.:/:.: .:./:. .:.:.／i:.:.: .:. ./:.:.:.:.:.:.ヽ､ ヽ:.:.:.:.:.
　　　　　 　 l.:.:.:.:.:.:.l :. .:.l:.:.:.:./ :.:.／//l:.:. :. /:.:.:.:.／:.:.:.∧　＼:.:.
　　 　 　 　 |.:.:.:.l.:.:.|:.:. .:.|.:.:./:.:.∠_//_.|:.:.:./.:.:.／ /:.／ヽ:.ヽ　｝:.:
　　　　　　 ,':l:.:.l＾l:.:.l:.|.:　l:/ｲ＜ヽ､/‐､|:.:.:.レ'´／:／l　 |.:.:.|　 |:.:
　　　　　　/:.|:.:.}｝|.:.|:.|.:.:.|､｛ｒｆ夊仏＼|:.:./rフ´／＿.|　 {:.::.|　 |/
.　　　　　/:./|:.:.|　l.:.l:.|.ﾄ:.'.￣￢‐┴ヽ',:./／‐´ ＼_/　　ヽ_l
　　　　 /／ }:.l:ヽrヽl:.l:.ヽ:ヽ　　　　　 ヽ,　,}＼　　　　　 　ヽ
　　　／´　 .':.ﾊ.:.{=l:.'.:.ヽ:.',-＼　　　　 ｛_￣￣￣ヽ　　　　　　',　　　　　やれやれ　はっきりと言ってくれるな
　 　 　 　 /:/　}:.:|ＦT〕､:.＼　　　　　　　 ヽ￣ヽ　　　　　　　　l
　 　 　 　//　/|:.:l|{≡}|ヽ-､＼ ､＿_ _　 / .| 　| ',
　 　 　　/´　　 l:.|}:|f i:|. ＼　　　　___　¨ヽ { 　l　',
　 　 　 　　　　/´l:ﾊヽヽ､　＼　　　　¨ 　　｀才:.ﾊ
　　　　　　　　　 ﾉ _}:.:|＼＼　＼　　　,　' ´/:.:./ /,ヽ
　　　　　　　　　　 }二二匁≡⊃＞＜ｦ‐≠ｫ{! ./´　 ＼
　　　　　　　　　　/:∧: : / /: : ￣７ /￣￣l ヽ 　 　　＿〉_＿＿
　　　 　 　 　　　/: ∨: :/ /: : : : :/ /-､〈〉/　　　 　__|＿＿＿＿
＿＿＿＿＿ ／ 《〈〉》 l　{ : : : : {　{＾}} }{}ヽ＿　 　|＿＿＿＿＿
: : : : : : : : : : : : :.≧≦ / /: : : : : |　|: :巛r: : : 卜-'|: : : : : : : : : :

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


　　 ／￣￣＼
　／　ノ　　＼ ＼／｀i
　|　 （●）（●）./　　ﾘ　　　　　君らは多勢の時は強いかもしれんが
.　|　　（__人__）..|　　/
　 |　　 ｀ ⌒´　ﾘ　 ﾋ　　　　　　　一人になれば物怖じするんじゃないか
.　 ヽ　　　　 ／/　　,｀弋ヽ
　　 ヽ　　- ′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀.ｌ
　　　/〈　　`ｰ〈::....ノ　　　Ｖ
　　　|　ヽ_ｰ ､ ｀ヾ＿/　//
　 　 |　 　　ﾌ-､｀ｰ┴‐-〃
　　　　　　　　　`ー‐一′




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ 一）（一）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　俺は元来が一人だから　少しも物怖じするところは無い
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　 　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　 　　／　 _ノ　ヽ､.＼
　　　　　　　　 　|　　（●）（●） |
　　　　　　　　　 |　　 （__人／,〉.|
　　　　　　　　　 {　　　´フ´ ./._ }　　　　俺に言わせりゃ　君らみたいなのは駄目駄目だな
　　　　　 　　　　ヽ　 .／,二ニソ}
　　　　　　　　　　_ヽ/　 ,-― ､}ﾉ
　　　　　　　　 ／:;:{'　　 ノｰﾍJ:;:;ヽ
　　　　　 　 ／:;:;:;:;:;|　 _,イ{:;::;:;:;:;l:;:;}
　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:＼＿/:;:;:;::;:;i:;/＼
　　　　 　 {:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;〈:;:;:;:;:＼
　　　　　　ﾍ:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:＼:;／ヘ、
　 　 　 　 　 ￣￣7:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l;:;::;ゝ、`ｰj




　　　　　　 　 　 　 　 /: : : : /: : /: : / : : : /l: : : : : : : : :ヽ
.　　　　　　　　 　 　 /: l : : /: : /: : /: /:/:/∧:l: : : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　 　 /: : ! : /: : /: :/: ://l //　l:|＼: :!|: : : : l
　　　　　　　　　　 ,':/: :l : l : ://:/l: ｲ//,l/＝ｷi≦V | : : : ﾊ
　　　　　 　 　 　 /ｲ: | | : |: :l/!/=l'､l'/´/,.ィ彷ｒ） 7:/: ﾑ ｌ:ﾄ|
　　　　　　　　 　　,': ,ｌ l: : ∨ｒ忘外　}　　￣￣　//: /) }从　　　　ふ　その通りだな……
　　　　　　　 　 　 l:/ |:l: ､: ヽ ｀￣　〈　　　　　 //: /.ン:l
　　　　　　　 　 　 l′lﾊ : ＼ ＼　　　　＿＿,./ｲｨ/彳|l l
　　　　　　　　　　 　 ′!: | |:ヽ‐ヽ　 ´-‐一　　 /ﾍ: N州
　　　　　　　 　 　 　 　 |/l/|:l､_､:＞ ､　　 　 ／,. -ﾍl 、
　　　　 　 　 　　　　　　'　' l／| ヽl: | ｀ ‐　'´　 〉 __l　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 |.:.:.|:.:.:.|∧　　　　 /彡,:.|　　|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.:.:_ｊ.:.:‐￢l　　　 , ゝ／.:.|　　l-､
　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.へ　:.V＾ゝ　　/ / /.:.:.:l　 /⌒'ー
　　　　　　　　 　 ,　-―/／　　 ヽ ヽ‐.　 ｒ‐/ /.:.:.:.:.! /:.:.:.:.:.:.:.

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

:: :: |:: :: :: / /　 //　/:://＿/L!: :: /,」L!ニニ -1:: :: ::
:: :: |:: :: :/ 7二//￣'::/{′ // ﾉ: /　ﾉ 厂!￣}　.':: ; : :
:: :: |:: ::/´/　 .'/　i/://　　7 /: /.' / ｲ / -= ､ |:: :|:: ::
: ､: !: /_ /二ニニ,!/ {　　/ /::/ { /　ィﾃ孑丐}.':: ::!:: :
:: ::＼|f〒示テ才≧-|- / /::ｲ ノi ´::┴::::7:￣１:: :|:: ::　　（生意気なことを言う奴だと思ったが
:: :: :: ﾄ ゝ┴::l:´￣|　 ／ ／ /´　∨　　 /　 / l:: :ﾉ :: :
:: :: :: :＼ト 、　　　／ ／　,ｲ　 ／ ﾒ､　/　 / ｲ::/:: :/::　　　面白い男でもあったな……）
:: :: :: ::､::ﾍ　＼　　／　　　 |　　　 　 、　　 /１' :: / !:|
:､:: :: :: :＼:＼､ 丶、 　　　　　　　 　/　　 / /:: ::/ //　
:: ＼:: :: :: :＼ ＼　 ￣　　　　　　　 'l　 ／ /:: イ ノ´







:: :: |:: :: :: :/ / // /:://＿　 |:: ::/,斗ﾁ升 ニ ´|:: :: :: ::
:: :: |:: :: ::/!/=≠ﾁ: /´「￣　ﾉ:::/　 / 厂j ＼　 |:: :: :: ::
:: :: |:: : / /　/7　}:f　｜　 /}::/　 / 　 /　　 l　!:: :: :: ::
: ､: !:: / /　//　/7 　 !　 .'/:/i　/　_ /_z≦弐ﾉ:: :: :: ::
ﾄ､: |::.'　|　　{　」 {　　 | //::/∧　　7　　/　 /∧ :: :: :　　　　　　 （多勢は強さにならない、か）
:＼＿＿x≧彡≠}　　/ .'::/ {　ﾒ　/　　/　 //　| :: :: ::
:: :: ト､　{￣ `　　l　 / /::ｲ　| / }/　　/　 /´　. ' :: :: ::
:: :: :＼＼　 　 　 ／／´　　 ! 　 ､　　　　　　/:: :: ::/::
::､:: ト､:＼丶、　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　〃:: :: /}:/
:: :: ::＼＼､＼＼　　　　　 　 　 ' l 　 　 ／/ :: ／//

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　////　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　＼　　　／　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 ー□ー□ー　　＼
　　 　 　 　 　 ﾄ VVVVVVV_ﾉ＼　　　　　　 　 　 | 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　 　 　 　 　 　 ＼　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　＼　　 ,彡`ー'´ﾐﾐヽ　 ／
　　　　　 　 　 　 ﾊ　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 ／　　　　　　 　 　 　 ＿＿＿_
　　　　 　 　 ⌒≧ ／　 ／＾＾＼〆 ､　＼　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　＼
　　　 　 　 　 　 彡　 〆　　　　 ＼　＼　ヽ　　　　　　　　　　　　　／　⌒　　　⌒　＼
　　　　　　　 　 〃　ﾊ　　 ⌒　　 ⌒ 、 l　 |　　　　　　　　　　　 ／ 　 （●） 　（●）　　＼
　　　　　　　　　ﾙ从§　（● ）　（＜）ヾ　 |　　　　　　　　　　　 |　　　　　 __´___　　　　　|
　　 　 　 　 　 　 乂§　⌒（__人__）⌒ 从ｲ　　　　　　　 　 　 　 ＼ 　　 　 `ー'´ 　　　／
　　　　　　 　 　 　 ＼ 　 ∩ ｀ー´　　 ／
　 　 　 　 　 　 　 　 / ⊂　 ＼∩ィつ ヽ　　　　　ｒ'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'ヽ
　　　　　　　　　　　/　　ゝィ／ ＿ノ　　丶　　　　）　　頭山　進藤　平岡　後を頼むぞ　　 （
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶～'⌒'〇'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｏ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　o
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾟ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ'⌒'～'⌒'～'⌒'ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　そして……（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶～'⌒'〇'⌒'～'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ｏ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 o
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾟ

　　　　　　　　　　　　＿__
　　　　　　 , . :‐: :￣: : : : :.｀丶
　　　　　／: :./ : : l: :.ヽ:.ヽ : : : :ヽ
.　　 　 /: : :./:l: : : |l.: :.ﾊ :ﾊヾ＿_ _ヽ
　　　 〃: :./|l:|.: : :ﾊ: :: :ﾊ: :ﾊヾｰ--:ﾊ
　　　ﾊ:.: :.ﾘ⊥ ￣／イ´￣｀ 　}ﾆ彡ﾉ:ヽ
.　　 {! L ﾊ　〃Y 　　r＝＝=､ Yr‐ ､:.:.ﾊ
　　　　　　}〃丿,　　　 　　　〃.ぇ } }: :.:.l
　　　　　 ├‐'　r-―┐　　　!　 __,ノ!: : : l　　　　　　　ｒ'⌒'～'⌒'～'⌒'⌒ヽ
　　　 　 　 ヽ 　∨ 　ﾉ 　 　 ィｸ＿　|ﾄ.: : l　　　　　　　）　高場先生…… （
　　　　　　　 ＞､　ｰ　 ,　...::::|⌒ヽ.　|!ﾍ:.: l　　　　　　丶～'⌒'〇'⌒'～'～´
　　　　　　　　 　 ｀¨T:::: ＿,.ィﾞ!　 　 l!　V::|　　　　　　　　　　　 Ｏ
　　　　　　　　　　　｢V´　 　 ,⊥-=＝ー戈{　　　　　　　　　　　 o
　　　　　/ﾞﾞfニニｱﾞｲ｣ -‐ 彡'ﾞ¨￣ ／　　 ﾊ　　　　　　　　　　 ﾟ
.　　 　 / /　　　ヾﾉrぅ　　´　　　〃　ー---ﾊ
　　　r'ﾞ〃　　　／　　　　　　　 〈　￣¨''ー--}

:: :: |:: :: :: / /　 //　/:://＿/L!: :: /,」L!ニニ -1:: :: ::
:: :: |:: :: :/ 7二//￣'::/{′ // ﾉ: /　ﾉ 厂!￣}　.':: ; : :
:: :: |:: ::/´/　 .'/　i/://　　7 /: /.' / ｲ / -= ､ |:: :|:: ::
: ､: !: /_ /二ニニ,!/ {　　/ /::/ { /　ィﾃ孑丐}.':: ::!:: : 　　（　……　ありがとうございました）
:: ::＼|f〒示テ才≧-|- / /::ｲ ノi ´::┴::::7:￣１:: :|:: ::
:: :: :: ﾄ ゝ┴::l:´￣|　 ／ ／ /´　∨　　 /　 / l:: :ﾉ :: :
:: :: :: :＼ト 、　　　／ ／　,ｲ　 ／ ﾒ､　/　 / ｲ::/:: :/::
:: :: :: ::､::ﾍ　＼　　／　　　 |　　　 　 、　　 /１' :: / !:|
:､:: :: :: :＼:＼､ 丶、 　　　　　　　 　/　　 / /:: ::/ //
:: ＼:: :: :: :＼ ＼　 ￣　　　　　　　 'l　 ／ /:: イ ノ´



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　 　　　　￣￣￣￣||￣￣￣￣￣||￣￣￣￣￣||￣￣￣￣
　　　　 　　　　　 　 　 　 ||　 　 　 　 　 || 　 　 　 　　 ||
　　　　 　　　　　 　 　 　 ||　 　 　 　 　 || 　 　 　 　　 ||
　　　　　　　　 　 　 　 　 || 　 　 　　 　 || 　　 　 　 　 ||
　　　　　　　　 　 　 　 　 || 　 　 　　 　 || 　　 　 　 　 ||
　　　　　　　　 　 　 　 　 ||＿＿＿＿＿||＿＿＿＿＿||
　　　　　　　　 　 　 　 　 ||＿＿＿＿＿||＿＿＿＿＿||
　　　　　　　　 　 　 　 　 ||O ※※※※||※※※※※||
　　　　　 　　　　 　 　 　 ||※※※※※||※※※※※||
　　　　　　　　 ＿＿＿＿||※※※※※||※※※※※|| ＿＿＿＿
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣






　 　 　 　 　 ／ .:.:.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:＼.:.:.:＼
　　　 　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:/:/.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.: 丶.:.:ヽ.:.:.:.ヽ
.　　 　 　 / .:.:.:.:.:.:.:.:.:ｌ.:.:.:.:.:.:.:.ｌ.:{.:.:.: {:.:.:. ｌ.:.:.:.:.:.:. l.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.: l.:.:.:l.:.:.:.:. '.
　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.|.:|.:.:.: |.:.:.: |.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:..:ｌ.:.:.:.:.:.|.:.: | .:.:.:.: |
　 　 　 / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |.:.:.:.:.:.:.:.ｌ.:|.:.:.: |.:.:.: |.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:..:|.:.:.:.:.:.|.:.: |.:.:.:.:.: !
. 　 　 /.:.:.:.:／ .:.:.:.:.:..| .:.:.:.:.:.:. 小.:.:.:{.:.:.: !.:.:.:.:.:.:. { :.:.:.:.:.:.:.:..:|.:.:.:.:..:}.:.: |.:.:.:.: ,′
　　　/.:. ／ .:.:.:.:.:.:.:.: | :.:.:.:.:.:.:.: |:ヽ.:.ヽ :.:.',.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:. l.:.:.:.:. |.:.:.:.:./.:.:/.:.:.:.:/
　 ／:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:.:.: |ヽ{＼.:＼ ＼.:.:.:.:.:.:∨ｌ.:.:.:.:.:j.:.:. /.:.:/.:.:.:.:/
／.:.:.´:.:.:.:.:. ／.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:.:.: | テf仆＜＼:＼.:.:..:.:ｌ |.:.:.:.:∧.:/.: /.:.:.: ｲ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:/| :.:.:.:.:.:.: │弋,;i込__癶＼{＼.:.ｌ |.:.: /ﾆ斗ヵ／.:.:/
.:.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:| :.:.:.:.:.:.l.: |　` ｰ ─‐' ＾ヾ　 ∨ |.:./孔ソ〃.:.:.:./
.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:／:/:.:/| :.:.:.:.:.:.l.: |　　　　　　　　　　　 j/`ー‐ ,ｲ.:.:.:./
ｰ '.:.:.:.:.:.:.:.:／.:／.:.∧|.::.:.:.:.:.:.ｌ.: | 　 　 　 　 　 　 　 ′　　／.:|.:.:.:.l　　　　！　血のにおいがする……
.:.＿_.:.:.:.:'".:.:.:.:.:.／　│:.:.:.:.:..:ｌ.: l　 　 　 　 　 　 .　j　　／.:.:.:.:|.:.:.:.|
. :.:.:.:.:.:.＿__ 彡ヘ　　 |:.:.:.:.:.:.:.ｌ.: |＼　　　　　r‐ｧ　　, くl.:.:.:.:.:. |.:.:.:.|
￣￣｀＼: : : ＼: : ＼. |:.:.:.:.:.:. !.:.:|　 ＞　　　　 . ＜/　 | .:.:.:.:. |.:.:.:.!
.　 {　　　＼: : : ＼: : ヽl:.:.:.:.:.:.:!.:.:l／　 /个＜　　 /: : :.| .:.:.:.:. l .:..:|
　　ヽ　　　 ＼: : : ＼: : |.:.:.:.:.:.l.:.:.|.　　 ∨　　　　/ : : : | .:.:.:.:. |.:.:.:|
　　　　　　　　＼: : : ＼:|:.:.:.:.:.l:.:.:|＼ ∠. ＿＿_/ : : : : | .:.:.:.:. |.:.: |
.　　　　 ＼　　　 ＼: : : :|:.:.:.:.:.|.:.:|＼　　　　 ／: : : : :　| .:.:.:.:. |.:.:.|

　　　　　 　 　 　 　 |　l　　|　　{　　 |　　/　　/　　　　　　／　　　 /　/　　| 　 !　　ﾊ
　　　　　 　 　 　 　 |　l　　|　　!　　 | 　 {　　{　　　 /　／　　　 ／　, ′　/ 　 }　　　l
　　　　　　　　　　 　 ､ ＼ ﾄ ､　＼　|　　l　 /　 　 , イ　　 　 ／　／　 　/ 　 /　 　 ｜
　　 　 　 　 　 　 　 　 ヾ∧＼＼　ト1　 」　ﾊ　 　 //　 　 ／　.イ 　　／　　/　　/ 　|
　　　　　　　　　　　　　 7　＼ト､V∨≧ﾍ　l´},　 /7 　 ∠　∠ ノ　 イ　　／　 ／ 　 1
　　　　　　　　　　　　　,′l 　 　| { fんィ:入＼＼! | ／／／フ . ＜ノ_ イ 　_イ　　　, ′
　　　　　　　　　　　　 ,′∧　　 l '､戈廴rぅ｀　　　 　 　 ィたﾃ示卞 _ムイ　/ 　 i　1
　　　　 　 　 　 　 　 /　　　l　　 |　　 　 ￣　 　i　 　 　 弋廴t:rう } イ　　,/ｲ　　!　|
　　　　　　　　　　　/　　　N 　 ∧　　　　 　 　 |　　　　　 　 　￣ 　/　　 { /　　1　!　　頭山さん！　これは一体……
　　　　 　 　 　 　 /　　　/　ﾍ/　l 　､　　　　　〈　　 　 　 　 　 　 〆!　 　 7　　1 ∨
　　　　　　　　　 ∧　　 /　　 l　｜　 ＼　　　　｀ 　 　 　 　 　 ／| /　　 /　　　|　{l
　　　　　　　 　 ∧　　i/　　 Ｎ　 |　　　 ゝ､　 <こァ ､　　 , イ1　｜　　 /　 　 /l　 |
　　　　　 　 　 ∧　　/　　　　l　｜　 　 ∧＼　ー‐　 .　 ´/　 }　 |　　 ,′ 　 ,　l　 |
　　　 　 　 　 /　　 / 　 　 　 l　｜　　 /::::＼　ー　 ´ 　 /} 　, 　 ! 　 ,′　　 |/ 　 ﾊ
　　　　　　 ,．´￣￣￣｀＜三ｷ　|＿／::::::::::::｀ー ､ヽr 二/　/ 　 l　　|　　　　 　 　 ∧







　　　′　　 　 　 　 　 :　　 l　　 :. 　 丶　 　 ｛ 　 　｛　　 '.　 ＼ 　 ＼
　 　 |ｉ　　　　　　　　　|　　 |　　　＼　　＼　　丶 　 }　 　 }　　 丶　　 :.
　 　 |ｉ　　　　　　　　　|　　 :.　　　　 ＼ ｛ 、丶 ＾ト　{_:i 　 {、 :.　　｝　　'
　 　 |ｉ　　　　　　　　　|　 　丶　　　　　 :ｱ^＼{＼{　 Ⅵ　､｝}　} 　 ;　　 ｝
　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　 　 　 |　 〃＾芹ｘ ｝{　//　.:　 /　　/
　　 ′　　　　　　　　　　　 　 ｜　　　　｜　{{ 　}ｒ爪Ⅵ//}　 '　/　　/
　　ｌ　;　　　　　　　 　 ;　　　　｜　　　　｜　 ヽ. {l/　丶,仏イ／　 ／
　　|　l　　 　 　 　 　 .:　　　 　 |i 　 　 　 | 　 　 ‘′　 ｛ｘ彡ｧ-‐
　　|　l　　　　　　 　 　 　 　 　 |i 　 　 　 |　　　　　　　 :.
　　|　l　 　 　 　 　 /　　 　 　 八　　　　 l　　　　　　　　＼
　　|　l　　　　　　 /　　 　 　 / 　 ;　　 　 l　　　 　 　 　 ／
　　; /　 　 　 　 /　　　　　f圦　　l　　 　 |　　｀⌒丶,　′　　　　　！！
　　/　　　　 　 :′　　　　,:j厂＾＼|　　 　 |　　 　 ／
／′　　　　　/　　　　 ／': : : : : :.|　　 　 ﾄ　_ イ /
　 ;　　　　　 /　　　 ／ : : : : : : : : |　　 　 |i　　 ｌ;′
　′　　　　/　　 ／ : : : : : : : : : : ;ﾊ　　　 |i　　 |i
/　　　　　/　 ／　 　 　 　 . : : : :〈爪　　　|i　　 |!

　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　 　 　 ／　　　　　＼
　　　　 　 　 　 ／:::::::::::　　　　　＼
　　　　　　　 ／::::::::::::::::::　　　　　　＼
　 　 　 　 　 |::::::::::::::::::::::　　 　　　　　|
　　　　 　 　 ＼::::::::::::::::::::　　　　　 ／　　　　　 箱田は　たった今　見事に腹を切った……
　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::　　 　　　＼　





:: :: |:: :: :: :/ / // /:://＿　 |:: ::/,斗ﾁ升 ニ ´|:: :: :: ::
:: :: |:: :: ::/!/=≠ﾁ: /´「￣　ﾉ:::/　 / 厂j ＼　 |:: :: :: ::
:: :: |:: : / /　/7　}:f　｜　 /}::/　 / 　 /　　 l　!:: :: :: ::
: ､: !:: / /　//　/7 　 !　 .'/:/i　/　_ /_z≦弐ﾉ:: :: :: ::
ﾄ､: |::.'　|　　{　」 {　　 | //::/∧　　7　　/　 /∧ :: :: :
:＼＿＿x≧彡≠}　　/ .'::/ {　ﾒ　/　　/　 //　| :: :: ::
:: :: ト､　{￣ `　　l　 / /::ｲ　| / }/　　/　 /´　. ' :: :: ::
:: :: :＼＼　 　 　 ／／´　　 ! 　 ､　　　　　　/:: :: ::/::
::､:: ト､:＼丶、　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　〃:: :: /}:/
:: :: ::＼＼､＼＼　　　　　 　 　 ' l 　 　 ／/ :: ／//
　　　　　　　　　　　　　　　　　┌────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　│　 箱田六輔割腹　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　└────────┘

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

┌──────────────────────────────┐
│　玄洋社社長 箱田六輔の死は、玄洋社員に大きな動揺を与えました 　 │
└──────────────────────────────┘


　　　　　／ ￣￣￣ ＼
　　　　/　　　　 　 / vv
　　　　|　　　　　　|　　 |
　　　　|　　　　　（||　　 ヽ　　　　 　 　 ＿＿＿＿＿＿_
　　　　,ヽヘ　／　　u 　　|　　　　　　　＞＿＿＿＿_　 |
　　　／＼＼　　　　　　 /　　　　　　　￣ |⌒ v⌒ヽ |__|　　　箱田さんが死んだ……！？
　　/　　　 ＼＼　　__ ／　　　　　　　　　 |　．| ． ﾉ 　 )
　/ 　 　 　 　 ｀＼|　 　 　　　　　　　 　＜ ` o ｀- ´u　ﾉ
　|　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　 　＞　　　 ／
　|　　|　　　l　　　 |　　　　　　　　　 　 　　／▽▽＼



こんな時だってのに頭山さんは……

　　　 ＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
ゝ／　 ＿_＿_ヽ　　　　　　　　　　　　　／＿＿＿＿＼
./　　 | 　 / 　 |　 　　　　　　　　　　　　 |/ ．　．ヽ　|　ヽ
ｌ　　 _|　 　 （・ ｌ　　　　　　　　　　　　　 _ｌ （二　　 　 |_ ﾉ
|　 （　　　 　 　 _)　　　　　　　　　　　　（ ＿＿＿ 　 　 ）　 ∩/)　　 相変わらず官権党紫溟会連中との
ヽ ／　　　　　ﾉ)　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _＿_）　 ﾉ　 ／　`三
　 〉＿＿┌ <)　 　　　　　　　　　　　　　　.　ｰ┬_－ヽへ ／￣　　　付き合いを止めようとしないし
. /‐──┬`　 _∩.　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｌ/ヽ／　／
/　(　　＼ｌ　 〈 　 ﾉ　　　　　　　　　　　　 ／ヽ|　　　　 |
. 　 ＼／ `ｰ ´ ／　 　 　 　 　 　 　 　 `　 ／ |　　　　 |



　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　 ヾ＿＿＿＿__　|
　　　　　　　 　 　 　 　 |　ヽ,,／　　|__.|
　　　　　　　　　　　　　／(＾＼　　　 6）
　　　　　　　　　　　 ／＼∩丿＼　　 |､　　　　　　 俺たちはこれからどうなってしまうんだ？
　　　　　　　　　　／　　／￣　u　　 / | ＼
　　　 　 　 　 　 （＿__lヽ _∑＿__ ／／ /　ヽ
　　　　　　　　　 　 　 |　 ＼ヽ　/／　　|　　 |
　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　` | ′　　　|　 　|
　　　　　　　 　 　 　 ［二］　 |　　［二］ |　　 |
　　　　　　 　 　 　 　 |　　　 |　　　　　 |　　 |

　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　 ／　　　　 ＼
　　　　　／　　 ＼　　 ノ＼
　　 　／　　 （ ●） 　（●）＼　　　　　みな落ち着いてください　頭山は頭山なりの考えがあって
　　 　|　　 　　　 　 ´　　 　　|
　　　　ヽ、 　 　 　 ⌒　　 ／　　　　　　官権党の連中と交流をしているんです
　　 　　ノ　　　　　　 　　　＼




　　　　　　 　　,＿＿＿
　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　 ／　　＼　　 ／ ＼
　　　　／ 　 　（●）　（●）　＼
　　　　|　　 　　　　___'___　　　 |　　　　　　 それは箱田も承知していた
　　　　＼ 　 　 　　｀⌒´　　／
.　　　 　 /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ　　　　 皆も頭山と箱田の友誼は知っているでしょう
　　　 　 |　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
　　　　　| 　 　 　 　 　 　｀l￣
.　　　 　 |　　　　　　　　　 |




　　 　 　 　　　　　＿＿＿_
　　 　 　 　 　　／　　　　　＼
　 　 　 　 　 ／　　＼　　　／＼
　 　 　 　 ／ 　　（●）　　（●） ＼
　　　　　 | 　 　　　　　　´　　　　　|　　　　　　 今、わが帝国は条約改正問題で揺れ動いています
　　　　　 ＼ 　　　　　　⌒　　　 ／
　　　　／￣￣ヽ　　　 　　 　 　 ＼　　　　　　 こういう時こそ我々は　福岡でどっしりと構えている必要がある
　　　（｢　　　 ｀rﾉ　　　　　　　　　　＼
　　　　ヽ　　　ノ　　　　　　　　　 　 　 ＼
　　　　　|　　 | 　　　 　　　 　 　 ｢＼　　 ＼

　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　 ／　　　　 ＼
　　　　　／　　 ＼　　 ノ＼　　　　　　　皆の気持ちは分かりますが
　　 　／　　 （ ●） 　（●）＼
　　 　|　　 　　　 　 ´　　 　　|　　　　　 動揺している場合ではないのです
　　　　ヽ、 　 　 　 ⌒　　 ／
　　 　　ノ　　　　　　 　　　＼

　　　　　┌─────────────────────────┐
　　　　　│箱田の後をついで玄洋社社長となった進藤喜平太は　 　 　 │
　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .│
　　　　　│動揺する玄洋社員を押さえ、社の結束を守り通しました　　　│
　　　　　└─────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　確かに、進藤の言う通りかもしれん

　　　　　　　　　　　　　　／ ￣￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　/　　　　 　 / vv
　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　|　　 |
　　　　　　　　　　　　　|　　　　　（||　　 ヽ　　　　 　 　 ＿＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　,ヽヘ　／　　u 　　|　　　　　　　＞＿＿＿＿_　 |
　　　　　　　　　　　　／＼＼　　　　　　 /　　　　　　　￣ |⌒ v⌒ヽ |__|
　　　　　　　　　　　/　　　 ＼＼　　__ ／　　　　　　　　　 |　．| ． ﾉ 　 )　　　失意泰然か……
　　　　　　　　　　/ 　 　 　 　 ｀＼|　 　 　　　　　　　 　＜ ` o ｀- ´u　ﾉ
　　　　　　　　　　|　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　 　＞　　　 ／
　　　　　　　　　　|　　|　　　l　　　 |　　　　　　　　　 　 　　／▽▽＼

┌──────────────────────────────────┐
│　政府と政党が、後述する条約改正問題と大同団結運動で揺れ動いている中 . 　 │
└──────────────────────────────────┘



┌────────────────────────────────┐
│　　玄洋社が団結運動に加わらなかったのには、こうした事情がありました　 .│
└────────────────────────────────┘

　　　　では次に条約改正問題と大同団結運動に視点を移したいと思います

　　　　　　３　条約改正問題　大同団結運動と杉山茂丸

┌──────────────────────────────────┐
│明治初期の自由民権運動は激化事件や野党同士の対立、内ゲバ等により　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│一時期衰退してしまいました……って話を以前少しやりました　　　　　　　　　　　　..│
└──────────────────────────────────┘


　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　 ／ 　_ノ　　 ヽ､　＼
　　　　　　 │:::::::（ー）,　　､（ー） l
　　　　　 　│/') 　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,, │　　一揆を煽るわ　武力蜂起するわ　内部対立は治まらないわ
　　　　　　　 /‐:::　　 -=ﾆ=-　　/
　　　　　　_,,,l ;! |:::＿＿__＿＿/ 　　　　党はもう滅茶苦茶だ　自由党はいったん解散だな……
　　 , -‐'ﾞ゛　i::.. 　| .ヽ/;ヽj!　`‐-､_
　　 l 　　　 ﾉ::.　.:|、 .ヽ,:ヽ|　　 <゛~ヽ、
　　,:''`` ''"ﾞ.|;;:‐''ﾞ|.ヽ、 ヽ;::|　　 /　 .|ﾞl
　 ,:　　　　 ヽ::il;;!　　ヽ､ヽ|　　/　　 | :|

　　　　　　　　　板垣退助

┌──────────────────────────────┐
│明治十九年　この年は激化事件の影響で停滞していた民権運動が. 　 　 |
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
│再び盛り上がっていった時期でもあります　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
└──────────────────────────────┘




　　　∧__∧　
　　（ ｀・ω・） 　　　　　　　　　　　今は内輪で争ってる場合じゃない！
　　（　　 　　つ
　|￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　　 力をあわせて藩閥のクソ政府を叩き潰さねばならない！
　| 　 　 　　 　 　 　 |

　　　　＼そうだ！／　　　　　　　＼その通りだ！／
　 ∧＿∧　　　 ∧＿∧　　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧
　（　　　　）　　 （　　　　）　　　　（　　　　）　　　 （　　　　）

┌────────────────┐
│　きっかけの一つは条約改正事件　　..│
└────────────────┘

　　　　　　 __Ω＿__
　　　　　／|;;;;;;;;;;;;;;;;|＼
　　　　　|__|;;;;;;;;;;;;;;;;;|__|_＿＿
　　　　／　⌒www⌒ ＼
　　 ／　 （◎） 　（◎）　 ＼ /⌒ヽ 　　　
　　 | ：： ⌒Y__人__Y⌒｢￣￣Ｊ￣￣￣￣| ））
　　 ＼　　　 ｀ ⌒´.　　|　不平等条約　｜
　　 ／.　　　　 　 　 　 |　¨¨ ¨¨ ¨¨¨¨ ¨　|
　　　　　　　　　　　　　|　¨¨¨ ¨ 　・・ ・ ．|
　　　　　　　　　　　　　|＿＿＿＿＿＿__」

┌─────────────────────────┐
│徳川幕府が欧米各国と締結した不平等条約の改正は　　　 .│
│明治政府の大きな課題でした　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────┘

┌────────┐
│　１ 関税自主権 　 │
└────────┘


　　　　＿＿
　 　 ｜欧米|
　　　 |r‐－┘
　　　 ||＿_
　　（ ´_⊃｀）
　　（　　　　）　　　輸入品にかける税金は「相談」の上決めまショー
　　｜ ｜　|　
　　（_＿）＿）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜ ● |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|r─ ┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧||__∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ ´Д⊂ヽ　　　　結局ただ同然の税金しかかけられない……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　 Ｙ　　　　 　　これじゃ安い外国製品が際限なく国内にはびこって
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,し （＿） 　　　　　　　日本の産業はガタガタになってしまう

┌───────┐
│　２ 治外法権 　 │
┴───────┴─────────────────────
在留外国人が起こした事件は　本国の領事が本国法に則り裁判する
──────────────────────────────


　　　　　　　　日本の法律に従う必要はアリマセーン
　　　　　　　　アメリカ人はアメリカの法律に従いマース
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　 　 |.　　　　　　　　 Ａ＿Ａ.　　 　 　 　　　　|　
　 　 |　　　　　　　　（ ´_⊃｀）.　　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　う　う　ここは日本なのに……
　 　 | 　 　　 　 　 ノ~,　　 iO)､ 　 　 　 　　　|　　 ∧＿∧　　　　 これじゃ外国人を訴えても日本人は泣き寝入りだ
　 　 |　　|￣￣|~.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣.|　（ ⊂_｀　）　　　　　　 ∧∧　
　 ∧|_∧ 　 　 | 　 　 　 　 　　　　　　┌─┬┴⊂　　〇 ） ,,'⌒丶､　(ﾟДﾟ ；)
　（　　 ｀）　 　 | 　 　 　 　 　　　　　　│ 　│　　│　|　│_ゝ＠＝=>（〈ｙ〉 ｀つ
┏━┳┓￣￣￣￣￣|￣￣￣|　　　│ 　│　　（＿_）__,） （´∀｀ ；）￣￣￣￣￣￣|￣￣
┃ 　┃┗┓ 　 　 　　 | 　　 　 |　　　│ 　│￣￣￣|￣~ｉ （ =|＝,~ ）,,　　　　　　　　|
┗━╋━┛ 　 　 　　 | 　 　　 |　　　│ 　│￣￣￣|￣￣|⌒（⌒,,_,）　　　　　 　 　 |
　 ┏┻┓_ 　 　 　 　 │,　　　│　 　│　 │￣￣￣|￣￣￣|（＿_）￣￣￣|￣|､ 　│
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

┌────────────────────────────────┐
│　 外相井上馨は治外法権の改正を計り、各国外交官に根回しを始めます 　 │
└────────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rｰ-{＼ｰ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j ＼L__ } }　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 从f,､ _,,.! } }　 ）､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ!7,｀ﾟ`ﾘﾘノ)/　　　　　　　　　お集まりの外国の皆さん
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　t ーｧ ケ<j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､_／=ﾆﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ノ/{ }ヽ-'ﾌヽヽｰｧ ､__　　　　　 外国人を裁くときは　判事に外国人裁判官を
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. イVヘｈ} ﾞＶ_ノ 　 /　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／/ //んんん7　ﾌ　　{　　 　 ヽ　　　　各裁判所で採用することを認めます
　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　l　| |くJんｎゝ /　　　{　　　　 ﾞ､
　　　　　　　　　　　 　 　 　 / 　l　 | |　Ｖ／ / /　　　 ヽ　　　　 }
　　　　　　　　(＼　　　　　/　　{　 | |　 |o　 | /　　　　 ヽ　　 ,r'ﾌ|
　　　　　　　 　ゝ `ｰ､--‐'　　　t　 | |　 |　　| !　　(ヽ(ヽ(ヽ､_/ /　|
　　　　 　 　 ／　　　ヾ　　　　 /!　 | |　 |o　||　　　＼＼＼　`ﾌヽ |
　 　 　 　 ／／／／　)）　 　 / | 　 | |　 |　 |　　　　　￣l￣`ｰ-'"
　　 　 　 (_ノｰ'ｰ'`ｰ'⌒ ヽ-‐ ´　!　　| |　 |　|　　　　　 　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　外務大臣　井上馨





　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -ー--､
　　　　　　　　　　　　　__,ゞﾐ⌒ミ-､　ヾ、
　　　　　　　　　　　　　ゞミr'ﾞﾄ_,,.ﾐ ﾚ-､ |
　　　　　　　　　　　　　 jﾄ､hi ''･´ﾘリｿﾉﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　ヾL 　__　ﾉ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ´_∠rr‐'ｦ＼
　　　　　　　　　　　　　　　r～んん　|／__/ ヽ　　　　　 その代わり　今までの領事裁判を中止してもらいたい
　　　　　　　　　　　　　ノ~んんん /ゝ＜　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　ノ　く～ん､Y /　 / /　　　ﾉ
　　　　　　　　　 ,rァ'ﾌ´` ｰ-l...＿ /　 /ヘﾍ　　ﾉ
　　　　　　　　 ノ　ﾚ'　　　　　　　 `┬^ｰ```　ﾉ
　　　　　　　 /　　ゝ､　　　　　　　　 ヽ_　　　/
　　　　　 　 （　　　　 `ー‐--- ､＿　　　 _,.ｲ



　　　＼ふーむ　前向きに検討しまショー／

（ ´_⊃｀）　　ﾐ　´_＞｀）　　ξ ・_>・）　　（ ´U_,｀）　←欧米各国大使

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●



　　　　　　 　 　 　 　 　 r--=ﾆ二"`' ､
　　　　 　 　 　 　 　 r-=!,.i‐:､ヽヽ`'i　 .＼
　 　 　 　 　 　 　 　 | |`‐r'-‐ヽヽヽ.ir=:､ |　　　　　　欧米各国との条約改正　これでなんとかまとまりそうだ
　　　　 　 　 　 　 　 ',|',　|､､.riｪ|i:i　.|ｨ;!l .!
　　　　　　　　　　　　! /')､| ｀　,!' | /ﾞrく |　　　　　　　鹿鳴館だの交渉だの　根回したかいがあったというもの
　　　　　　　　　　　 _/ /_ `､-‐'　!',. 'ﾞ　`!_
　　　　　　　　　r‐‐'i‐,､' ﾉ　.ヽ__,._-,..-‐'ﾆ:i`､_
　　 　 　 　 　 / .ﾌノ///　　 /rl　i_,.-'"　/　'; `ｰ-: ,,,,___
　　　　　　　,./　 ｀iﾞ ﾞノ　 .／" |　 i-‐'_,:,'_　_,ゝ　　　,.:-‐`=､
.　　　　　 ,:'ﾞ!'ー-´<"-i'"iくr''､i"`i_.',／/　`'-､　　 ,:'　　　　 i
　　　　 ,.:'　 ヽ　　/　.,'､ /_ i_,,,_ .r:､! ./　　 ,.:'　　.,'　　 　 　 |
　　　 ,:'　　　　`-'!'i　i r'iヽヽ'　|`| .| /　　,:'　　 　 　 　　　　.|
.　　 /　　　　　　 ,.! ,' .| `i'ﾞi,l''i_,) `ﾞ.,' 　 ./　　　 、　　　　 　 |





　　　　　　　　　　　　　　　　,-､_ ./｀ﾞ':､＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　| i:､`| i　',　`:､ `ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　| !.,r'ｰ'‐‐|　i　`i　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　|i',i､ -r=' | ,i i i i_　　i　　　　　この条約改正こそ
　　　　　　　　　　　　　　　　!'.!l'　`￣.!/|,' /i-',　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　i`___　　　!/ r';,ﾉ ./　　　　　　日本帝国の完全な独立への着実な方途！
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　｀　　' ／" ',./
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾞｰ-r‐''" ._,.-‐'i:､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:-|‐'iﾆ"_,,-=:l.　i`':､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　,.;'" ,'　 i"-‐ _.,:' 　.|　　　￣ `''=:､
　　　　　　　　　　　　　　　 ／/　,'-:､ |-‐フｰ-=ﾆ　　　 ,.;-'"　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　 _,.-',`-i"`i ,' .`i.,.:'/　 　./ ,.-,　/　 　 　 　 i

┌──────────────────────────────┐
│　が、この改正案にフランス人法律顧問ボワソナードが意見書を提出　　│
└──────────────────────────────┘

　　　　　　　　　 　 ､､,,、,,,.､,
　　　 　 　 　 　 　 }ミil｀'''ー''｀ヽ
　　　　　　 　 　 　 |iil,｢ヾil　lj/li|　} }
　　　　　　　　　　 {{ミ,>　`ｰ'　'l!
　 　 　 　 　 :{ { 　 {,j. -=e} }=p}　　　　　　　　　 この改正案はちょっとまずいだろう
　　　　　　　　　　P7!u ､　｣　/ﾍー-､
　　　　　　　_..- '´ｲ .ヽ, ''ﾆﾌ/､;;ヽ　　｝
　　　　,. -‐',　　 　 、　/￣｀''ー┴- ⊥,　　　　 .._
　　　∧　　,}　ー--- / :::::::::::::::::::::::::::: /　　r:､　} }｀}┐
　 　 〉;ヽ ''　 'r　　,.r っ 改正案} :::: /｀ヽ　{_,Lr',/,//7
　　　{;;;;:::｀''ｰ┴‐,〃{´::::::::::::::::::::::::: /:　　Y’￣　ン／
　　　7ー- :;＿; /^､=ｦ :::::::::::::::::::: /､::.　 {=､_`-t''　　ﾉﾉ
　 　 /　′ ,-‐''/　ﾉ┘:::::::::::::::::::::/　ヾ{ /''=≡/

　　　　フランス人法律顧問　ボワソナード





　　　　　　　　　　　　　 ／/￣￣|ヽ
　　　　　　　　 ＿　 ／　｜　　　 ||＼
　　　　　　　 /　　ヽ　　　｜　　　|||　 ヽ
　　　　　　 /　　　ヽヽ　　　　　　//　　/
　　　　　 / 　　　　ヽヽ　　　　　//　　　ヽ
　　　　　/ヽヽヽﾉﾍ　ヽヽ　｜　//　//　 /
　　　　 /ヽヽヽﾘ　　V／＼｜ ///ﾍ// /
　　　　 |ヽヽヽﾉ　　　　　　 ＼／　 |/ /
　　　　 |ヽヽ､|　　　　　　　　 /　ﾉ　|/!
　　　　/ヽヽ./ ,.,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,　 r'´　　|ﾘ
　　　　|,.､ミ |　=ﾓtラー､:::r .r,.ﾐ_-､_ﾚ、
　　　　/,､∨　　　￣　 '´｜ |ゞﾆﾞゝ//!
　　　 //rヽヾ　　　　　　／'７!　　 / し!　　　　　外国人の判事や検事を任用するとあるが……
　　　〈ヾヽ｀　 l　　　　　＼_ノ　　 i l,ﾞ!_ﾍ
　　　|ﾘヾ〃,　 l　　,.=-⌒ﾆ､_､_　∧　',　ヽ　　　 こんなことをすれば　原告被告を問わず外国人裁判官が
　 ,.--io'ｲﾞ´l　 l　　 ｀'ｰ:-....-,　//iﾍ　ﾍ　ヽ　　　　裁くことになる
　|　　|ﾘ/　 ヽ　　　　　 _　　　/r-!、l,　ヽ
　l,　r"/　　　＼　 ,.-:'´:::｀ヽ /∧　 ヽ!
　 Yﾞ　l　　　　　＼::::::::::::::::/´:/ ﾉヽ_,.入
　　　 !　　　　　　　￣￣/:::::/　ヽ/ヽ　ｲ

　　　｀丶　　＼/　　　　　 V　　 ﾘ
　 ‐‐-　､　＼ /　　　i　､　 V　 /
　─-＝､＼　,'　　　i　　 ',　V!/
　-､＝=ミ､ ｀ﾉ　　　ｌ　　　',　l'
　-､ヽ三ミ､／　　,ﾉ　　 　 ! ｉ
　　ﾊ ∨.／　　　 L,,＿＿_ｊ i
　　ノ　｀'　　　　 　 ｒ‐‐ｒﾃ‐'i
.　（　　　 ＼.　　 　 ＼,ﾂ ｒ
　 ノ　　　　 ヽ　　　　/　ﾊ　　　　　　結果的に日本の司法権のみならず
　二)'l　　　　l　　 　 　 　 ﾞ､
　　::::l　　 　 l　　　　　 ,.ﾆ-'　　　　　　立法権も外国の手の及ぶところになる可能性が出てくる
　　 ::l　　 　 !　　　　＿>
.　　 :!　　　 l 　 ｒ'"´￣}
.　　 ｀ヽ　　ｌ　　　-ｒ '"
　　l　 ::::＼.　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　これは、日本人が原告時のみ領事裁判に服する
. 　 ｌ　 :::::::::丶､　 　 ,!
＿　ヽ　　:::::ｒ‐‐＝-'　　　　　　　　　　　　　とした現条約より酷い不平等だ
:::::::￣:¨::二::ｰ-..､

────────────────────────
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾟ.ﾉヽ　 , /}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､-' 　 `;_' '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 (,(~ヽ'~
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i`'}
　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 |　i'
　　　　　　　　　　　　　　　　　。/ 　★ !
　　　　　　　　　　　　　　　　 /},-''　,,ﾉ
　　　　　　　　　,i'　_,,...,-‐-､/　　　 i
　　　　　　　　　　<,,-＝=､★　　,★
　　　　　　　　{★''~>`v-''`ｰﾞ`'~
　　　　　　　　 ﾚ_ﾉ
　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　 　 |　 しかも地方裁判所にまでこれを適応するとなれば　これまで居留地に　 　 |
　 　 |　 限られていた害毒を、全国に及ぼすことになりかねない.　　　　　　 　 　 　 |
　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| /

　　　　　　　　　　　　///　|/　 /// i
　　　　　　　　　　　　ﾚ'/|　|///く/ /
　　　　　　　　　　　　|　　Vノ'''　 |/|　　　　　 日本政府には愛国心がないのか？
　　　　　　　　　　　　j　 {　　　　|ノ|
　　　　　　　　　　　　ﾄ､_|　／_,　Lﾉ　　　　　　この案が通ったら、日本人の民族意識は大きく傷つけられる
　　　　　　　　　　　　lﾞ┴| 七ﾀ　,ｨ }
　　　　　　　　　　o-ｧ|　 L ''　　/ｲ|
　　　　　　　　　　　ﾟ　l| ‐-- 　/　j:|　　 ,,　-─-　､
　　　　　　　　　　　　 |L____／　　_＞/ Y''　￣ヽ　 ＼
　　　　　　　　　　 ,, -'|:::／/　 ／:/ /　{　　　＿⊥＿}
　　　　　,, ---､／　　 |__/,,;＜::::/　ヽ_　｀ー''　　　　　｀ヽ

　　　　　　　　　　　　　 ／/￣￣|ヽ
　　　　　　　　 ＿　 ／　｜　　　 ||＼
　　　　　　　 /　　ヽ　　　｜　　　|||　 ヽ
　　　　　　 /　　　ヽヽ　　　　　　//　　/
　　　　　 / 　　　　ヽヽ　　　　　//　　　ヽ
　　　　　/ヽヽヽﾉﾍ　ヽヽ　｜　//　//　 /
　　　　 /ヽヽヽﾘ　　V／＼｜ ///ﾍ// /
　　　　 |ヽヽヽﾉ　　　　　　 ＼／　 |/ /
　　　　 |ヽヽ､|　　　　　　　　 /　ﾉ　|/!
　　　　/ヽヽ./ ,.,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,　 r'´　　|ﾘ
　　　　|,.､ミ |　=ﾓtラー､:::r .r,.ﾐ_-､_ﾚ、
　　　　/,､∨　　　￣　 '´｜ |ゞﾆﾞゝ//!　　　　　　この屈辱が政府攻撃のエネルギーとして用いられたら
　　　 //rヽヾ　　　　　　／'７!　　 / し!
　　　〈ヾヽ｀　 l　　　　　＼_ノ　　 i l,ﾞ!_ﾍ　　　　　　現体制と秩序に対して大きな脅威となるだろう
　　　|ﾘヾ〃,　 l　　,.=-⌒ﾆ､_､_　∧　',　ヽ
　 ,.--io'ｲﾞ´l　 l　　 ｀'ｰ:-....-,　//iﾍ　ﾍ　ヽ
　|　　|ﾘ/　 ヽ　　　　　 _　　　/r-!、l,　ヽ
　l,　r"/　　　＼　 ,.-:'´:::｀ヽ /∧　 ヽ!
　 Yﾞ　l　　　　　＼::::::::::::::::/´:/ ﾉヽ_,.入
　　　 !　　　　　　　￣￣/:::::/　ヽ/ヽ　ｲ

┌────────────────────────────┐
│ 　このボワソナード意見書は外相井上馨には無視されましたが　　 │
└────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　__lﾞr`､ｰ-=､-:､_
　　　　　　　　　　　　　　　 r'i"､ヽ.__ヽ､　ヽ　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　',i　r'"_,,,.';'; l l i __　';
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |l､ li. riェ|.|i ;' /r;',　'､
　　　　　　　　　　　　　　　　 !'`;iﾞ_　　.i' ! ./l)rﾉ /　　　　ふん　外国人には日本の現状、展望など分かるまい
　　　　　　　　　　　ノ|.　　　　　 ',-‐-　,':'",!"'､/
　　 ､　 　 　 　 _,..:'　 |　　　　　　ヽ,__,,.. -'._,,. ヽ､
.　　 ヽ- ,__,,..-''"　　　|　　 　 　 　 ,.-|''iﾆ"_,.-' ,! ヽ- ､,_
.　　　 `､　　　　　　　 |　　　　　 ,:;':' |　|二-:' / 　 ';　　 ｀`''‐- ､_
　　　　 ヽ　　　　　　　|.　　　 ,r'ﾞ,､　i-, .',　,.:'/-､r'"　　　,.:'"´　　`i
　　　　　 ヽ　　　　 　 .|　　 ,.:'!,`ヽｰ' !丶i:' ./　　 `r　　,:'　　　　　 |
　　　　　　 ヽ、　　 .,..、| ／ ,.i‐:､_!"'､,i"i　/　　 ,:'´　　i　　　 　 　 |
　 　 　 　 　 |`;　 .,:'`ﾌ .|ﾞ / | ',r､ ,.i　!ヽ,!.,'　　./　 　 　 　 　 　　　|
　　　　　　　 i .';./ .∠,-' ,'　|. |､ i　>'／ .i　　./　　　　､!　　　　 　 |
.　　　　 　 　 |　! ,:'ﾞ ,-!､ |　| .|. `i,' '"　　!　 /　　　　　 |　　　　　　|
　　　 　 　 　 '､ `　´　r,!.|　.! |　 |O　　 |　.,'　　　　　　 i　　　　　　|
　　　　　　　　 `i､ 　　　ヽi　',|　 |　　　 | .,'　　　　　　　.|　 　 　 　 |
　 　 　 　 　 　 ,' !､‐--‐;':'i　.i　 .|O　　 |,'　　　　　　　　|　 　 　 　 |

┌─────────────────────┐
│　 井上毅が個人的に取り上げ伊藤総理に提出　　│
└─────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,....,_
　　　　　　　　　　　　　　,.-‐''" -- ､｀"'‐- ,,_
　　　　　　　　　　‐=､'ﾆ´-　￣｀ zｰ'ｰ- ､　 ',
　　　　 　 　 　 　 -=ﾆ,.=-‐,..、 z｀ - ,_　 ｀´!'　　　　　閣下　こんな意見書が……
　　　　　　　　　　　`ｰz‐' i.r ;ヽ' 　 rr;jｰ　r'
　　　　　　　　　　　　　｀i. '､(i　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　',,.r`'i.　 　 　 　 i´　　　　　 　 　 　 　 ,､_
　　　　　　　　　　　　　　 |　　` 　 　 ￣,'　 　 　 　 　 　 　 　 /　 ｀'' - .,_　　　　 _,,
.　　　　　　　　　　　　 ,. '/｀'‐.､ 　 'ｰr- '　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　 `''ー '",.'
　　　　　　　＿＿ ,.-i"　.ヽ　　 ｀'ｰ ,､'､.　　　　　　,.､　　 　 /　　　　　　　　 　 , '
　　　 ,.-'-´- ､　　　 l　　　ヽ　　　,'""i;＼　　　　 |　',､.　　/　　　　　　　　　 ,.'
　　 ,.'　　 　 　 ヽ　　'--.､,. '´'､-.､l､＿!',. ヾ'.､　r'=!　l. i　./　　　　　　　　　, '
　　 !　　　　　　　 i　　.／　 　 ヽ ｀ l　'､!ヽ,ゝ／.,ノ　,! l ./　　　　　　　 ,　,.'
　　 l　　　　　　　　､　　｀' ､.　　 ヽ. |　 ヾ ﾟ,.'　 '　　ｨ　i/　　　　r;- .,_ ,.'.,.'
.　　 ', 　 　 　 　 　 ヽ 　 　 ｀' ､.　 ヽ!. ,...!､!,_　　　　 '/　　　　　`'-､'ヽ;'
.　 　 ヽ　　　　　　　 ヽ　　　　 ｀' ､,.r'"　　｀"ヽ､_,,. 'ﾞi ｀`'ｰ- .,,r'´;｀ヽ　',
.　　　　ヽ　　　　　　　 ヽ　　　,. ‐'　　 　 　 　 ヾ､ !　!　　　　r'´;"'ｰ　 i'
　　　　　 ヽ　　　　　　　,｀ｰ'"　　　　　　　　　　| `!.　!　　 ,.ri"´`-　, r'
　　　　　　 ヽ　　　　　 '　　　　　　　　　 　 ,. ‐'　 | 　 ', ,. !,'　｀''　 ,)'.´
　　　　　　　 ',､　　　　　　　　　　 　 　 , ‐'　　 　 !　 ／　','- .. ィ´l

　　　　　　　　　　　　　　井上毅




　　　　　＿＿＿＿
　　 　／ 　　（伊藤）ヽ
　　　/_＿＿_＿＿＿_|＿__
　　　i'(⌒ヾ,ゝ ● ｨ'⌒ヽ　　　　　　　　　　うむむ　これは確かに検討の余地があるな
　　　| ヾ_`　　⌒_＿_ ノ
　　　ﾘﾝ,　 　 /,",,,､,,.,.）　　　　　 ; ｿ　　　　　もう一度政府内できちんと話し合ってみよう
　　　　/⌒)ヽｰ‐ィ　　　　 　 　 .（(
　　　/　 ﾉ_ﾉ |＿_||＼＿__　＿__.. ｿ
　　 （　 ﾞヽ　 ０　 0 l 　(､_うｿ￣‘;
　　 　 ヽノﾉ'　　　　ﾉ ￣
　　　 　 |　 　 ィ　 /
.　　　　 |,＿_/i＿,/
　 　 　 └‐‐'└一

　　　　┌─────────────┐
　　　　│　政府内からも反発が続出　　 │
　　　　└─────────────┘

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 
　　　　　　　　　　　　　 ＼、__ﾄ.、
　　　　 　 　 　 　 ,､r=＝＝＞:.｀ヽ｀ヽﾄ、
　　　　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ）:.:.:i:.ﾚｰ-
　.　　　_＿,.､＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヽ:.:.:ノ:.:.:⌒ヽ､
　　　　 　 ＞〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:ﾍVｲ:.:ﾍ:.:｀ヽ:.:.＼
　　　　 ／イ:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|ヾｲ.:.:.:.:.:ヾ:.ヽ:＼ゝ
　 　 ／ 〃:.〃:.:.:.: /:.:./:.:/:.i!:.:|:.!　 ∨:.:.:.:}:.:.:ﾍj
　　　　　/:.:./.:.:/:./:.:イj:.ﾘ:.八:.リ　　 j:i:.:.:.:.:ﾄ:.ヾヽ
　　　 　 !／:.:イ:./≧x､lハｊ _,,ﾘ≦二ｲ:j.:.:i:.:ハヽ＼_　　　俺はこの改正案に反対です
　　 　 ノﾚ´ﾑ:ｲ∧ぐｾｵ}　　　 弋ダﾉｲ:.:.:ﾘ }｝ｿヾ
　　 　 　 　 |:.∧ﾊ　　　j　　　 　 ／イ:.:./ソ:/　　　　　　 こんなやり方では外国に付け入られるだけですよ
　　 　 　 　 ﾚ' ﾘ八 　 <、　　　　　 /ｲ/ﾊ:.:/
　　　　　　 　 　ﾄ､:ﾍ　　 _＿ 　 　 /ｲ 　 |｀ヾヽ　　　　　　 井上さん
　　　　　　　　 ／ﾘ;;;;＼´ -　｀　　′　　 !;;;;ｿ;｝}
　　　　　　 　///／;;;;;;;ﾍ..___..／　　/　　レｸ:ﾉ.:|
　　　　 _..,,,,,///´;;;;;;;;;;;;;ﾉ! 　 　 　 /　 ／::／ ..:j＞,､_

　　　　　　　　　　農相　谷干城




　　　　　　　　　 　 　 　 　l´｀､''‐=_‐-:､_
　　　　　 　 　 　 　 　 i'r"`､ __ヽ､　ヽ、 `:､
　　　　　　　　　　　　　!.i　r'"_,,,.';',　　 i_　 ';
　　　　　　　 　 　 　 　 |.i､'､. rti-|i,　 ,'-`i　|
　　　　　　　　　　　　　 !'`;| _　　ﾉ ! ./!) ﾉ./　　　　　君の気持ちは分かる　だが心配するな
　　　　　　　　　　　　　　　.!-‐-　,'ノ /'く,/
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ''　 _,,. :' _,. '､_
　　　　　　　　　　　　　　　　 フi-r‐''"_,.-''i `i- ,,_
　　　　　　　　　　　　　　　 ,:;':' |　|''_　-',/.　 ',　　`'''ｰ--;;､
　　　　　　　　　　　　　　／,'　/,　|ﾞ　 ,:;''-､,.-´　　 .／ ´　｀:､

　　　　　　　　　　　　　 ,____,-_‐_'''‐-:､
　　　　　　　　　　　 ,-､-!'-:､ヽヽ`':､　 ＼
　　　　　　　　　　　 | i‐:､', _,,ヽヽヽ ',r-､ |　　　　　　 一時は外国に有利な状況を作り出してしまうが
　　　　　　　　　　　 | |　 !"　_,-! l　 .!,､.l |　　　　　　　それが永続するわけではない
　　　　　　　　　　 　 !'ヽ.`i｀`'''"!'.|　;'.',ﾉ |
　　　　　　　　　　　　　 `''‐i＿_,' .|/ ,! `‐!　　　　　　 この法律は17年と期間を限定したものだからな
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　 　,.　 _,,.-'i､
　　　　　　　　　　　　　　　　 フi-r‐''"_,.-''i `i- ,,_
　　　　　　　　　　　　　　　 ,:;':' |　|''_　-',/.　 ',　　`'''ｰ--;;､
　　　　　　　　　　　　　　／,'　/,　|ﾞ　 ,:;''-､,.-´　　 .／ ´　｀:､
　　　　　　　　　　　　 _,.:!ヽ!ヽ,! lヽ!／./　　`-,　　/　　　　　 i
　　　　　　　　　　　／ _,iﾞ-, l-:､_i"|　/　 　 ,.:'　　i　　　 　 　 |





　　　　　　　　　　　　　　　　,-､_ ./｀ﾞ':､＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　| i:､`| i　',　`:､ `ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　| !.,r'ｰ'‐‐|　i　`i　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　|i',i､ -r=' | ,i i i i_　　i　　　 不平等条約改正交渉を前に進めるために
　　　　　　　　　　　　　　　　!'.!l'　`￣.!/|,' /i-',　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　i`___　　　!/ r';,ﾉ ./　　　　 これは必要な一手なのだ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　｀　　' ／" ',./
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾞｰ-r‐''" ._,.-‐'i:､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:-|‐'iﾆ"_,,-=:l.　i`':､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　,.;'" ,'　 i"-‐ _.,:' 　.|　　　￣ `''=:､
　　　　　　　　　　　　　　　 ／/　,'-:､ |-‐フｰ-=ﾆ　　　 ,.;-'"　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　 _,.-',`-i"`i ,' .`i.,.:'/　 　./ ,.-,　/　 　 　 　 i
　　　　　　　　　　　　,r'　　i-､!"'､r-'"iﾞ ./ 　　/／,.:'-"　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rｰ-{＼ｰ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j ＼L__ } }　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 从f,､ _,,.! } }　 ）､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ!7,｀ﾟ`ﾘﾘノ)/　　　　　　　　　交渉には譲歩というものも使わなければならない
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　t ーｧ ケ<j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､_／=ﾆﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ノ/{ }ヽ-'ﾌヽヽｰｧ ､__　　　　　漸進的に条約を改正していくのだ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. イVヘｈ} ﾞＶ_ノ 　 /　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／/ //んんん7　ﾌ　　{　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　l　| |くJんｎゝ /　　　{　　　　 ﾞ､
　　　　　　　　　　　 　 　 　 / 　l　 | |　Ｖ／ / /　　　 ヽ　　　　 }
　　　　　　　　(＼　　　　　/　　{　 | |　 |o　 | /　　　　 ヽ　　 ,r'ﾌ|
　　　　　　　 　ゝ `ｰ､--‐'　　　t　 | |　 |　　| !　　(ヽ(ヽ(ヽ､_/ /　|
　　　　 　 　 ／　　　ヾ　　　　 /!　 | |　 |o　||　　　＼＼＼　`ﾌヽ |
　 　 　 　 ／／／／　)）　 　 / | 　 | |　 |　 |　　　　　￣l￣`ｰ-'"
　　 　 　 (_ノｰ'ｰ'`ｰ'⌒ ヽ-‐ ´　!　　| |　 |　|　　　　　 　 |





　　　　　　　　　　 　 　 　 　 
　　　　　　　　　　　　　 ＼、__ﾄ.、
　　　　 　 　 　 　 ,､r=＝＝＞:.｀ヽ｀ヽﾄ、
　　　　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ）:.:.:i:.ﾚｰ-
　.　　　_＿,.､＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヽ:.:.:ノ:.:.:⌒ヽ､
　　　　 　 ＞〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:ﾍVｲ:.:ﾍ:.:｀ヽ:.:.＼
　　　　 ／イ:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|ヾｲ.:.:.:.:.:ヾ:.ヽ:＼ゝ
　 　 ／ 〃:.〃:.:.:.: /:.:./:.:/:.i!:.:|:.!　 ∨:.:.:.:}:.:.:ﾍj
　　　　　/:.:./.:.:/:./:.:イj:.ﾘ:.八:.リ　　 j:i:.:.:.:.:ﾄ:.ヾヽ
　　　 　 !／:.:イ:./≧x､lハｊ _,,ﾘ≦二ｲ:j.:.:i:.:ハヽ＼_
　　 　 ノﾚ´ﾑ:ｲ∧ぐｾｵ}　　　 弋ダﾉｲ:.:.:ﾘ }｝ｿヾ　　　　　根本的な解決にはなりませんよね？
　　 　 　 　 |:.∧ﾊ　　　j　　　 　 ／イ:.:./ソ:/
　　 　 　 　 ﾚ' ﾘ八 　 <、　　　　　 /ｲ/ﾊ:.:/　　　　　　　 日本が外国と締結した不平等条約の改正
　　　　　　 　 　ﾄ､:ﾍ　　 _＿ 　 　 /ｲ 　 |｀ヾヽ
　　　　　　　　 ／ﾘ;;;;＼´ -　｀　　′　　 !;;;;ｿ;｝}　　　　　　という根本的な問題の……
　　　　　　 　///／;;;;;;;ﾍ..___..／　　/　　レｸ:ﾉ.:|
　　　　 _..,,,,,///´;;;;;;;;;;;;;ﾉ! 　 　 　 /　 ／::／ ..:j＞,､_

　　　　　　　　　　　　　　,,,,,＿_i‐=‐-:､,,,_
　　　　　　　　　　　　 　 |i'':,ヽ':,|.|:::ヽヽ','､‐:､
　　　 　 　 　 　 　 　 　 i |:::::_',,'-'-:､ヽヽ ､ヽ`,
　　　　　　　　　　　　　 | l::::,'-､_　__,,, | | .|.::ヽ',
　　　　　　　　　　　　　 |'ヽ:|.ti-l　''tj-|.|.::::r､ヽi　　　ではどうやって条約改正を前に進めるのだ？
　　　　　　　 　 　 　 　 '　`'|　 i_ ,　　//:::/i |ﾉ"
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 '、,,____,,..'ｿ,:'/,'r'i　　　　　　何もしなければいつまでたっても
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.`‐‐'".'／　`|　　　　　　　 このままの状態が続くだけだ
　　　　　　　　　　　　　　　　　`:,--‐'_,,-‐''"i':､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r,''i"ﾞi"i‐-"-./　',-､,,,_　　　　　　それでいいとでも？
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _／/　|　| ',--=/　　.',　　.`',:=‐‐ｰ-:､
　　　　　　　　　　 __,,,.-‐'/ ,:',　 .i___:::', ,:,:'_　 ／　　／　　　　　.i




　　　　　　　　　　　　　　　　 i"',‐､:| i':､ヽ''‐:.､
　　　　　　　　　　　　　　　　 |.|　ヽ'!_!___',ヽヽ .ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |.i　i',,_　　_,ヽ',　|　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　l/'i |tr:i　"i;ｪj|l　.!,､　ゝ　　　　反対するだけならサルでもできる
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `|　! _　　ﾉ',!,ｨ,.ﾉi´
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 '､---､ '/r':'riノ　　　　　　　 反対するなら対案を示したまえ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　_,.-'　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i二r-‐''"_,i`i:､
　　　　　　　_,,r---､　　　　　　_,.／ |　i.',-‐ﾆ,:'.　',`ｰ--:､＿
　　　r‐=''''"__,.-' " ,`=:､_,._;‐''",.:'/　.|　|. ',　,:'　　 ゝ　r'"　　`:､
　　　`‐‐ﾆﾆr'　,.:'　 ",ﾆ-`:.､`:く_i‐:､ !r''|　',:'`'-='"　}"　　　　　 ヽ
　　　　(´_,,,,,'､_i　 r'"　-　　 ',ヽ　`'‐ﾞ_l　ﾆ/　　,:' _r"　　　　　　　|
　　　　　　　　ヽ-!　 r'､　　　| |.　　　 `''‐'､_／_/　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　`‐r'i´'ﾆェ:'ノ　　　　　　　 `:'-,　　　　　　　　 ,ﾉ
　　　　　　　　　　　|　l,-‐`'"　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:''/

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 
　　　　　　　　　　　　　 ＼、__ﾄ.、
　　　　 　 　 　 　 ,､r=＝＝＞:.｀ヽ｀ヽﾄ、
　　　　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ）:.:.:i:.ﾚｰ-
　.　　　_＿,.､＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヽ:.:.:ノ:.:.:⌒ヽ､
　　　　 　 ＞〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:ﾍVｲ:.:ﾍ:.:｀ヽ:.:.＼
　　　　 ／イ:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|ヾｲ.:.:.:.:.:ヾ:.ヽ:＼ゝ
　 　 ／ 〃:.〃:.:.:.: /:.:./:.:/:.i!:.:|:.!　 ∨:.:.:.:}:.:.:ﾍj　　　 こんなに俺と井上さんとで
　　　　　/:.:./.:.:/:./:.:イj:.ﾘ:.八:.リ　　 j:i:.:.:.:.:ﾄ:.ヾヽ　　 意識の差があるとは思わなかった……！
　　　 　 !／:.:イ:./≧x､lハｊ _,,ﾘ≦二ｲ:j.:.:i:.:ハヽ＼_
　　 　 ノﾚ´ﾑ:ｲ∧ぐｾｵ}　　　 弋ダﾉｲ:.:.:ﾘ }｝ｿヾ　　　これじゃ、俺……政府を守りたくなくなっちまうよ……
　　 　 　 　 |:.∧ﾊ　　　j　　　 　 ／イ:.:./ソ:/
　　 　 　 　 ﾚ' ﾘ八 　 <、　　　　　 /ｲ/ﾊ:.:/
　　　　　　 　 　ﾄ､:ﾍ　　_,,-‐''ヽ　　/ｲ 　 |｀ヾヽ
　　　　　　　　 ／ﾘ;;;;＼　 -‐´　　 ′　　 !;;;;ｿ;｝}
　　　　　　 　///／;;;;;;;ﾍ..___..／　　./　　レｸ:ﾉ.:|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　農相 谷干城は この改正案に反対して下野 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└────────────────────┘

┌─────────────────────────┐
│また、この改正案を断固阻止しようとした小村寿太郎は　　　│
│仲間と共に民間に反対運動を起させようと謀りました　　　　..│
└─────────────────────────┘

　　　　　　　　　 i＼ ／＼_ - 'l
　　　　　　　 ､ｰ'　　　　　　 　|＿
　　　　　　　--'　　　　　　　　　 /
　　　　　　 ＞　 /l/|/∨ヽlV､　/_
　　　　　　 ＼　l ｰ-､　 , -ｰ l　／
　　　　　　　　 kj ￣　 　 ￣ rl　　　　　　　 ただの一役人に過ぎない俺が
.　　　　　　 　　､l　　　'　　　ﾚ
　　　　　　　 　　 ＼　￣ ／　　　　　　　　 反対の声を上げたところで　大して効果はないだろう
　　　　　　　　　_/´l　￣ j´＼_
　　　　　　 イ／＿__＼／__,､_＼ ｰ､
　　　　　/ 　|　　　ヽ　^　/　　　|　 ヽ
　　　 　/　ヽ|　　　　i　 　i　 　　| /　|
　　　　/ 　､|ー----|　　 |-----i／　|

　　　　　　　　　　小村寿太郎



　　　　 ＼ー‐'　　　　　　　　　　　　　　　／
　　 ＿_／￣｀　　　　　　　　　　　　　　　´ーｧ
　　 ＼ ,　 　 　 　 　 /　　　　 　 |　 l　　　 /
　　　 〃　　　|　 /|/l　　 イ/　 ,小　l　　∠ ,
　　／　　　　 |∨ー | ／_ / ／_　-ﾚ|ノ　 ∠
　　 ｀＞　　r=l　　≡≡= /´ f ≡≡ ｈ、 ／
　 　 ´￣ヽ |ﾍl|　　　　　　　 i　　　　l/l _ ゝ　　　　　 が　民間に大きな反対運動を起せば
　　 　 　 　 ゝﾍ　　　　　　　j〉 　 　 lｿ
　　　　　　　　ｰl　　　ｰ､-―- ｧ 　 /　　　　　　　　　　政府もそれを無視できまい
　　　　　　 　 　 ＼　　　｀二´　 ／
　　　　　　　　　／| ＼＿＿__／l＼
　　　　 　 　 ／　ヽ　　　　　　　l/　＼
--―――／　　 　 ＼　　　 　 / 　 　 ＼ー――-- 、
　 | 　 　 /　　　　　 　 ＼　　 /　 　 　 　 ヽ.　　|　　/＼
　 | 　 　 l／￣￣￣＼ 　 ＼/　/￣￣￣＼l　　|　 /　　ヽ

┌────────────────────────────┐
│　　秘密裏に進めいていた改正交渉は交渉案が星亨の手に渡り 　 │
└────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,-‐－'´..:.:.:.:.:.:.:.｀‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿__,-－'´　　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　 ,イ￣´´　　　　　　　　　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 l　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　 　 l　　　　　　　　交渉案　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 　 l　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　 　 　 　 　 .l　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 l　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　.l　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　 　 　 　 　 　 　 　＿, ..-l　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　,r'´￣　　　 .l 　 　 　 　 ,　- ､　　　　　　　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　/　　　　 ､　　_l　 .........／ヽ、　,ﾘ　　　　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._＿ヽ
　　　　　　 /　　　　　　 ヽ .l..::::_,,イ、　　 V/　　　　　 　 　 　 　 ..:._＿,-‐－'´￣　　￣
　　　　　 ./　　　　　＿,,,ノ-' '" 　 ヽヽ .／.::　　　　　 　 ＿,-‐'´￣
　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　 ／.::::::　　　　 _,-‐'´
　　　　./　　　　　　 　 　 　 　 　 ,ｲ.::::::　　　_,-‐'´
　　　 ./　　　　　 　 　 　 　 　 ,ｲ.:::::::　 _,-‐'
　 　 /　　　　　　　　　　　　 /l.:::: _,-‐'
　　　　　　　　　 　 　 　 　 /,ｒ."~
　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　／



　　　　　　　　　　　　　┌─────────────┐
　　　　　　　　　　　　　│　秘密出版され 世間に流布 　 │
　　　　　　　　　　　　　└─────────────┘

　　　　　　　　　　　　　おい　改正案読んだ？

　　　　　　　　　　　　　　　　∧,,∧　 ∧,,∧
　　　　　　　　　　　　　 ∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
　　　　　　　　　　　　 (　´・ω)　Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )　　　やばくね？
　　　　　　　　　　　　 ｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　と ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 ｕ-ｕ （l 　　 ) (　　　ﾉu-ｕ
　　　　　　　　　　　　　　　　　`ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'

┌─────────────────────────────┐
│先のノルマントン号事件の影響で 日本は条約改正問題について.　 　 │
│敏感になっていた時期です　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└─────────────────────────────┘

::::::::::::::::::::/　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼////∧＿∧//////('（T∀T ∩////∧＿∧//　/
:::::::::ﾟ:::::::::|　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　（ ；´Д｀）/////ヽ　　　 ノ/// （´Д｀l||）つ/
::::::::::::::::::::|＿＿／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼と　　）//////（⌒/　///////　　　つ　/　◎
:::::::::::::::::::::＼　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::（　く∧＿∧///（＿ﾉ///////ヽ　）/　/　　　/
::::::::::::::::::::::::::::＼　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶J＼∀・ii）///////∧＿∧/し'/　/　◎ /
:::::::::::ﾟ::::::::::::::::::::::＼　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::⊂ 　 ＼/////（´< _｀　）//　/　　　/
::::::::::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::＼　　 　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::と__ ノ.////（つ†と　）./　/　◎ /
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|///////（ <ﾉ 　ﾉ//　/　　　/
:::::γ⌒ヽ:::::::::::::::::::::::://　＼　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::///////（__（__ノ///　/　◎ /
::::::ヽ___ノ:::::::::::::::::::::://　///.＼　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::／///////////////　/　　　/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::://　///////＼　　　　　　　　　::::::::::／////////////////　/　◎ /
:::::::::::::::::::::ﾟ::::::::::::://　//////////＼＿＿＿＿＿＿／/////∧＿∧//////　/　　　/
:::::::::::ﾟ:::::::::::::::::::://　/////////∧＿∧////////////////（　｡>Д,）////　（＼（＼
::::::::::::::::::::::::::::://　/////////（・∀・l||） /￣￣￣///////（○　　つ////　/　ヽ　∧＿∧
:::::::::::::::::::::::::://　//////////と　　と |/__________/っ//////.） ）　）.////　/　◎ ＼）；∀；）　　　/
￣￣￣￣ //　/////////（⌒（⌒）ノ//ν//υﾟ///////し' し'/////　/　　　/　　　　　　　　/;;;
　～　 　 //　（~（￣）.////////////////////∧ ∧ ///////////　/　◎ /　　　　　　　　/;;;;;;
　　 从 //　/ノノ　ノ//////////∧ ∧//////(*T 0ﾊﾊ ////////　/　　　/　　　　　　　　/;;;从
　从。// ∧＿∧　///////////(Дﾟ# )////// つ (-ﾟ*) //////　/　◎ /　　　　　 　人 ～ﾟ
～人〃（T∀T　）/（￣（￣）/ﾟ/ と　　////～（__⌒つ__).//////　/　　　/　从人ﾟ从～
　　　从(/　(/。ﾟ　/ ノ　ノてっ/（　　ノ～/////////∩＿∩人っﾟ从人ﾟ从っ　　　。　　　 ∧ ∧
～～ ∧＿∧　从人ﾟ从つﾟ∧∧从っ〃つ～～ﾟ∩＿∩　 ﾉ从っつﾟ　　　∧＿∧　　　　　(Д~;;)
・　　 （｡ﾟ´Д｀）つ　～　～(ii-∀)～　ﾟ　・　。从（=Д=　）〃てっ　　　～（||l=∀=）　。　ﾟ　　　。.......
　　～～～つ　～　∧＿∧～～　 　 ∧ ∧　と～とノ从～～　　　　　。ﾟ～～～　∧＿∧....::::::;;;;;
ﾟ　∧＿∧　　　。　（´Д｀； ）　。ﾟ　　 (ﾞーﾞ*)　　　ﾟ　　　。　　・　～　∧＿∧　　　............::::::::::;;;;;;;;;;;;
　（-∀-l||）　ﾟ　　～U~~~Ｕ～　　～　～～～　＜⌒⌒ー⌒l　　　　（:::::∀::::）　......:::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　～～～～　　。　 ￣￣～～　。∧＿∧　　　～～～～～　　　.........:::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

───ノルマントン号事件───────────────
　　　明治19年10月イギリス船籍の貨物船ノルマントン号が
　　　紀州沖で座礁沈没
──────────────────────────

────────────────────────────────────
　事故の際、船員であったイギリス人、ドイツ人ら白人はほぼ全員が生存した一方で
　乗客であった日本人25名全員が死亡
────────────────────────────────────
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ──┴──┐
　　　　　　　　　　　O　　　　　　　　　∧＿∧/　　 　 　 　 /
　　　　　　　o　　　　　 　 　 　 　 　 （ ´_⊃｀）　　　　　 　 |
　　　　　　　　＜⌒ヾ/|￣￣￣' -＿（　　　　） 　　　　　 　|
　　　　　　　　　 ）　　| ＼　　　　　　￣￣`ー､　o　。　　　|
　　　　　　　 　从　 < ＼　丶　　　　人／⌒ゞ￣￣￣＼＿|_＿
　　　　　　 　ノ　　　ノ　 ＼　＼　／ ／　 　（　／フ　从人　　　　`、
'''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''
:　: :: :: ::　　　　　ﾟ　。　　　　∧＿∧　 : : :: : : 　: :
　　　　　 　～ 从 从～～　（｡ﾟ´Д｀）つ～　: : : ::: :::::::::: : :
　o ﾟ　∧＿∧　　　　　　　:～～つ　:: 　　　　　　　:::::::::::::::
　　　 （｡ﾟ´Д｀）つ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　～～つ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　救命ボートで白人船員は助かっているのに……

　　　　　　　　　　　∧,,∧　 ∧,,∧
　　　　　　　　 ∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
　　　　　　　 (　´・ω)　Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )　　船長が適切な避難誘導をせずに
　　　　　　　 ｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　と ﾉ　　乗客である日本人を取り残したのではないか？
　　　　　　　　 ｕ-ｕ （l 　　 ) (　　　ﾉu-ｕ
　　　　　　　　　　　　`ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　との疑念から当時の世論が沸騰　　..│
　　　　　　　　　　　　　　　　　 └────────────────┘


　　　∧__∧　
　　（ ｀・ω・）|||　　　　　　　 真相究明を！
　　（　　 　 　Ｏ
　|￣￣￣￣￣￣￣|
　| 　 　 　　 　 　 　 |

　　　　＼そうだ！／　　　　　　　＼その通りだ！／
　 ∧＿∧　　　 ∧＿∧　　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧
　（　　　　）　　 （　　　　）　　　　（　　　　）　　　 （　　　　）

┌────────────────────────────────┐
│事実検証については 不平等条約の壁に阻まれ満足な解決が得られず. 　 　 │
│裁判ではドレーク船長らイギリス人全員が無罪　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
└────────────────────────────────┘

　 　 |.　　　　　　　　 Ａ＿Ａ.　　ﾉｯﾄｷﾞﾙﾃｨ　 |
　 　 |　　　　　　　　（ ´_⊃｀）.　　 　 　 　 　 |
　 　 | 　 　　 　 　 ノ~,　　 iO)､ 　 　 　 　　　|　　 ∧＿∧
　 　 |　　|￣￣|~.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣.|　（⊂_｀ 　）
　 ∧|_∧ 　 　 | 　 　 　 　 　　　　　　┌─┬┴⊂　　〇 ） ,,'⌒丶､　
　（　　 ｀）　 　 | 　 　 　 　 　　　　　　│ 　│　　│　|　│_ゝ＠＝=>
┏━┳┓￣￣￣￣￣|￣￣￣|　　　│ 　│　　（＿_）__,） （´∀｀ ；）￣￣￣￣￣￣|
┃ 　┃┗┓ 　 　 　　 | 　　 　 |　　　│ 　│￣￣￣|￣~ｉ （ =|＝,~ ）,,　　　　　　　　|
┗━╋━┛ 　 　 　　 | 　 　　 |　　　│ 　│￣￣￣|￣￣|⌒（⌒,,_,）　　　　　 　 　 |

　　　　　　　　　 ;∧＿∧:
　　　　　　　　 :（l|l;´Д｀）　　　　　不平等条約のせいで
　　　　　　　　 ;(ﾐ 　つつ:
　　　　　　　　 :ム＿_）__);　　　　　日本側で十分な審理、裁判が出来なかった……！





　　　　　　　〃´⌒ヽ　　　　　　ちくしょう……無念だ……！
　　　　　　 （　＿　；）
　　　　　＿（∨　∨　）
　　　　　　 し￣￣し

┌────────────────────────────────┐
│　多くの人々が、不平等条約改正の必要性を 痛感する出来事となりました. 　 |
└────────────────────────────────┘

　　　　　 ┌─────────────────┐
　　　　　 │　そんな時期に、この井上改正案です 　 │
　　　　　 └─────────────────┘


　　　　　 ∧,,∧ 　.∧,,∧
　 ∧∧(｀・ω・´)(｀・ω・´)∧∧　　　　　おいィ　井上は何考えてんだ！
　(｀・ω・´).∧∧) (∧∧(｀・ω・´)
　｜　Ｕ (｀・ω・´)(｀・ω・´) と ﾉ　　　　　藩閥政府は日本を滅ぼすつもりなのか！
　　ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ
　　　　　　`ｕ-ｕ'　 `ｕ-u'



　　　　　　┌───────────────────┐
　　　　　　│　反対運動は瞬く間に全国に広がりました　　.│
　　　　　　└───────────────────┘


　|￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　　　　　　　ｻﾞｯ
　|　改正反対！ 　 |￣￣￣￣￣￣￣|
　|＿＿|￣￣￣￣￣￣￣|改正反対 │　
.　.　.∧|政府は反省汁！|_＿＿＿.|￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　ｻﾞｯ
.　.　( ﾟ |＿＿＿＿＿＿＿|　|| . . 　 |　改正反対！ 　 |
　　/　づΦ∧∧ ||　　( ﾟдﾟ)|| 　 . . |＿＿＿＿＿＿＿|ｻﾞｯ
..　 　 　 　 ( ﾟдﾟ)||　　/　づΦ　　　　　∧∧.||
￣￣￣|　 /　づΦ　ｻﾞｯ 　 　 　 　 　 .( ﾟдﾟ)||

　　　　　　　　　　　　　 ／/￣￣|ヽ
　　　　　　　　 ＿　 ／　｜　　　 ||＼
　　　　　　　 /　　ヽ　　　｜　　　|||　 ヽ
　　　　　　 /　　　ヽヽ　　　　　　//　　/
　　　　　 / 　　　　ヽヽ　　　　　//　　　ヽ
　　　　　/ヽヽヽﾉﾍ　ヽヽ　｜　//　//　 /
　　　　 /ヽヽヽﾘ　　V／＼｜ ///ﾍ// /
　　　　 |ヽヽヽﾉ　　　　　　 ＼／　 |/ /
　　　　 |ヽヽ､|　　　　　　　　 /　ﾉ　|/!
　　　　/ヽヽ./ ,.,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,　 r'´　　|ﾘ
　　　　|,.､ミ |　=ﾓtラー､:::r .r,.ﾐ_-､_ﾚ、
　　　　/,､∨　　　￣　 '´｜ |ゞﾆﾞゝ//!　　　　　　 俺は政府に対して現体制安定維持の点から
　　　 //rヽヾ　　　　　　／'７!　　 / し!
　　　〈ヾヽ｀　 l　　　　　＼_ノ　　 i l,ﾞ!_ﾍ　　　　　　勧告したんだけどな
　　　|ﾘヾ〃,　 l　　,.=-⌒ﾆ､_､_　∧　',　ヽ
　 ,.--io'ｲﾞ´l　 l　　 ｀'ｰ:-....-,　//iﾍ　ﾍ　ヽ
　|　　|ﾘ/　 ヽ　　　　　 _　　　/r-!、l,　ヽ　　　　　 反政府運動に火をつける結果になっちまった
　l,　r"/　　　＼　 ,.-:'´:::｀ヽ /∧　 ヽ!
　 Yﾞ　l　　　　　＼::::::::::::::::/´:/ ﾉヽ_,.入
　　　 !　　　　　　　￣￣/:::::/　ヽ/ヽ　ｲ

　　　　　　　　┌───────────────────────────┐
　　　　　　　　│　　こうして分裂、自壊していた野党勢力が盛り返してきました 　 .│
　　　　　　　　└───────────────────────────┘


　　　∧__∧　
　　（ ｀・ω・）|||　　　　　　　条約改正断固反対！
　　（　　 　 　Ｏ
　|￣￣￣￣￣￣￣|　　　　藩閥政府の横暴を許すな！
　| 　 　 　　 　 　 　 |

　　　　＼そうだ！／　　　　　　　＼その通りだ！／
　 ∧＿∧　　　 ∧＿∧　　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧
　（　　　　）　　 （　　　　）　　　　（　　　　）　　　 （　　　　）



　　　　　　　　　　　　　　　　　┌─────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　│ 　この波に乗ったのが…… 　 .│
　　　　　　　　　　　　　　　　　└─────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| | ＼＿／ | |　　ﾆｮｷ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |

　　　　　　　　　　 ／￣＼
　　　　 　 　 　 　 |　　　　|
　　　　　　　　　　 ＼＿／
　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　／ ￣ ￣　＼
　　　　　　　 ／　 ::＼:::／:: 　＼
　　　　　　／ 　.<●>::::::<●>　 ＼　　　　我々野党勢力は これまでいさかいを繰り返していたが
　　　　　　|　　　　（__人__）　　 　　|
　　　　　　＼　　　 ｀ ⌒´　　　　／　　　　今はそんな事をしている時ではない！
　　　　　　 /,,―　-ー　　､　,　-‐ ､
　　　　　 （　　　,　-‐　'"　　　　　 ）
　　　　　　 `;ー"　`　ー-ー　-ー'
　　　　　　　l　　　　　　　　　　　l

　　　　　元自由党幹事 後藤象二郎




　　　　　　　　 ／￣＼
　　　　　　　　|　　　 　|
　　　　 　　 　 ＼＿／
　　　　　　　　　＿|＿__
　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　 ／　　::＼:::::::／::＼
　　　　／　 　 <●>::::::<●> ＼　　　　　　　今こそ小異を捨てて、大きな目的のために
　　 　 |　　 　 　 （__人__）　　　|
　 　 　 ＼　 　 　 ` ⌒ ´　　,／　　　　　　　 皆で力をあわせようではないか！
.　　　 　 /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
　　　 　 |　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
　　　　　| 　 　 　 　 　 　｀l￣　　　　　　　　　これ即ち 大同団結也！
.　　　 　 |　　　　　　　　　 |

　　　　 　∧∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧
　　　　＜　藩閥打倒！＞ 　 γﾆヽ　　 ＜　改正反対！＞
　　　　　∨∨∨∨∨∨　　　 ヽ__ノ 　 　　∨∨∨∨∨∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､┴ノ 、 　 　 　 　 　 ┌───────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　/<●::●>ヽ　　　　　　　│ 　後藤象二郎は様々な反政府勢力を煽り 　 .│
　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ（_人_） ノ　　　　 　 　 └───────────────────┘
　　　 　　　　　　　　　　 　 　 Ｕ θ Ｕ
　　　　 　　　　　　　　　 ／￣￣Ⅰ￣￣＼
　　　　　 　　　　　　　　|二二二二二二二|
　　　　　　　　　　　　 　｜　　　　　　　　｜

　　　∧∧∧∧∧　　　　　　　　 ∧∧∧∧∧
　＜　改正反対！＞　　　　　＜　藩閥打倒！＞
　　∨∨∨∨∨∨　　　　　　　 ∨∨∨∨∨∨
　　　 、　　　　　　 　、　　　　　　　　、　　　　　　 、　　　　　　　 、
　 /っﾉ　　　　　　/っﾉ　　　　　　/っﾉ　　　　　/っﾉ　　　　　　/っﾉ
　/ /　 ∧＿∧ / /　 ∧＿∧　/ /　 ∧＿∧ / /　 ∧＿∧ / /　 ∧＿∧
　＼＼（　　　　）＼＼（　　　　）＼＼（　　　　）＼＼（　　　　）＼＼（　　　　）






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　それを一つに纏め上げ政府に　　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　対抗せんと大同団結運動を主宰　　..│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └────────────────┘

　|￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　　　　　　　ｻﾞｯ
　|　改正反対！ 　 |￣￣￣￣￣￣￣|
　|＿＿|￣￣￣￣￣￣￣|改正反対 │　　　　　　　　 　 　 　 　 γﾆヽ 　 |￣￣￣￣￣￣|
.　.　.∧|政府は反省汁！|_＿＿＿.|￣￣￣￣￣￣￣|　　　 　 　 ヽ__ノ　　|　改正反対！ |
.　.　( ﾟ |＿＿＿＿＿＿＿|　|| . . 　 |　改正反対！ 　 |　　　　　　, -┘、ノ |＿＿＿＿＿＿|
　　/　づΦ∧∧ ||　　( ﾟдﾟ)|| 　 . . |＿＿＿＿＿＿＿|ｻﾞｯ　　　/ 　<●::●　　 　||
..　 　 　 　 ( ﾟдﾟ)||　　/　づΦ　　　　　∧∧.||　　　　　　　　　　ゝ 　 （__人:）　 　 ||　　 ｻﾞｯ
￣￣￣|　 /　づΦ　ｻﾞｯ 　 　 　 　 　 .( ﾟдﾟ)||　　　　　　　　　　ﾊ　 　　　　}＿ノミ〕

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　旗手として全国を遊説　運動を盛り上げていきました 　 .│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└────────────────────────┘

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　 ／　　 ⌒　　＼
　　　 　 　 |　　ﾐｨ赱､i .i_r赱
　　　 　 　 |　::::::⌒ （__人__）　　　　ウヒヒ　後藤さんをたきつけたのが効いたようだな
　　　　　　 |　　 　　ﾄｴｴｴｲ
　　　　　　 ヽ　　 　　｀""´}
_＿ 　　　.　 ヽ　　　 　　 /
ヽ　￣｀"￢ｰ--､,,,_　 　/,,,､-ｰ"´￣´....,.,
　∨ ;:;:;;;;:;:;:;::;:;;;:;:;;:; ｀Y´ ;;::;;:::;:;:;:;:;;;:;:;:;::; /
　　', ;:;:;::;::;:;;;:;;:;:;::;;:;;:;: i ;;:;:;:/￣￣/;;:;:;: /
　　 ', ;:;::;;::;::;:;;::;;;;:;:;;:;: i ;;:;:/ijknw/;;:;::: /
　　｛⊃;;:;:;;:;::;:;;;:;::;:;;::: l ;;:;;:;;:;:;:;;;:::;:;;:;⊆｝
　　 ヽ⊃)￣7;;:;:;:;::;;:;: l ;:;:;:;;:;::;:;::;;::; ⊂ﾉ
　　　/ /_＿7;;:;;;:;;::;;;; l ;;:;;:;:;:::;:;;::;;;:;: /
　　 / ;:;:;:;;;;::;:;:;:;::::;;;:;:; ! ;;:;::;:;:;;:;;:;::;:; ｛
　 ノ /￣/￣/ii7lkl/7 i []ikllihXCV ﾍ､_
　　￣｀"￢--､,,,.__￢ ｝L ]_,,,､-ｰ"´￣





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　////＼
　 ／　　　 ─ 　─＼
／ 　　　ー□ー□ー＼
|　 　 　 　 /__´___ヽ、　 |　　　　楽しそうジャネー　杉山くん
./　　　　.∩ノ ⊃ﾐﾐヽ／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　|　　 　（ ⌒）（⌒）
　 　 　 　 　 |　　 　　（__人__）
　　　　　　　 |　　 　　 ｀ ⌒´ﾉ
　 　 　 　 　 ,|　　 　　　　　 }
　　　　 　 ／ ヽ　　　　　　 }　　　　　頭山さん。　ええ　藩閥いじめは見ていて愉快ですねえ。
　　　　　く 　く ヽ　　　　 ノ
　　　　 　 ＼　`' 　　　 く
　　　　　　　 ヽ、　 　 　 |
　 　 　 　 　 　 | 　 　 　 |




　　　　　　／￣￣＼
　 　 　 _ノ　　ヽ、　　＼　 　,.:┐
　　　 .（ ●）（ ●）　　..|　／　｜
　　　 （__人__） 　　　　.|./　　 /
　　　　 i⌒ ´ .r－､　　|/　 ／　　　　　　 あ　そうだ　頭山さんも後藤伯爵に会ってみたらどうです
　　　　 { 　 　 ヽ,　',. .,/　:/',
　　　　 .ヽ　　　.|　 l_/_, -‐､',　　　　　　　　紹介しますよ
　　　　　 .ヽ　.　| 　 / , -－'i|
　　　　　　/　　 {　　V , -－ﾍ
　　　　　　|　　　ヽ　 Ｌ|　r=　|

　 　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　 ////＼
.　　 　／　　　ノ ' 　ヽ＼
.　　／　／）ー□ー□ー＼　　　　　後藤は面白そうな男だと思うが……
　　|　／ .ｲ　　/__´___ヽ、　|
　　∨,'才.ﾐ).　彡　　ﾐﾐヽ／　　　　　 今更官吏なんぞに会っても仕方が無い
.　　 |　≧ｼ'　　 　　 　　＼
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ




　 　　　＿＿＿_
　　　／　　////＼
　 ／　　　 ─ 　─＼
／ 　　　ー□ー□ー＼
|　 　 　 　 /__´___ヽ、　 |　　　　　広瀬　貴様が会ってきたらどうだ
./　　　　.∩ノ ⊃ﾐﾐヽ／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／




　　　　 　ﾄ､　 　 　 /,|
　　　　　 |ハ 　 　 ハ|
　　　　 　|/∧＿_∧/|
　　　 　 / 　 　 　 　 ヽ
.　　 　 /　　　　　　　　',
　　　　|　⊂⊃　⊂⊃　|　　　　　　ん？
　　　　|　　　　 　 　 　 |
　　　　|　　　 Е　 　 　|
　 　 　 ＼　　　　　　／
.　　　　　 /￣￣￣ ヽ
　　　　　/　i　＿_　ｉ　',
　　　 　 |　 |｛ 太 ｝|　 |

.　 　＼　　　　 　 ＼_　　　　　 _＿＿__/_＿＿｣＿__
.　　　　＼　　　　 　 ⌒＞―-　. 一=ｧ'´.:.:.:.:.:::::::::＜
　 　 　 　 ＼　　/　 ／.:.:.:.:.:.:::::::::＼/.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::...
　　　　 　 　 ＼｛{／.:.:.:.:.:::::::::::::::::::i::::::::::.:.:::::::::::＼:::::::::::＼
　　　　　　　　 ∠.:.:.:.:／ :::::::::/::::/|::::::::::.:.i::::::::::::::::ヽ ::::::::::＼
　　　　　　　　／:／/::::::::::::::/::::/ :|::::::::::.:.|:::::::::::::::::::::.. :::::::::::::ヽ
.　 　 　 ー=彡イ　/ :::::::::::::::::::/　 l:| :::::::∧ｉ::::::::::::::::.:.:.i＼::::::i＼
　　　　　　　　　∨.:.:::::::::::/|::/=ミメ|::::::厶斗ﾍ:::｝:::::.:.:.:|　 ＼|　 ）
　　　　　　 　 　 ｉ..:.:.::::::::〃 {_,ハ　 |:::/｛,ハ ヽV::::::::::::,　 　 ﾉ
　　　　　　　　　 | .:.:.:::::/ヽ　Ｖソ　 |/｀¨7ソ ノ:|＼:::::/
.　　　 　 　 　 　 | .:.:: ∧　　　 　 　 　 /　　 　|） ｝:/
.　　　　　　 　 　 | .:.:∧＿　　 　、　　__,　　　 jイ|/
　　 　 　 　 　 　 |.:./ーｧ込、　　　　　 　　／＼!j
　　　　 　 　 　 /｣/　 {__∨|＼　　　　　　イ__）　 ＼
.　　　 　 　 　 /　　 〈‐-=ﾆＬ__ 　 　 -＜|:ﾉ┐　　　 ＼
　　　　 　 　 /_＿_,/∧　　　　 　 ‐-=ﾆ⊥　|ー-----一
　　 　 _＿__／ .:.::/∧｣＞-‐　　　 　 　 　 く|ヽ＼ｰ-､_＿＿__ _
　　 ...:..:.:.:.::.::.::.::::/〈/^i＼　　　　　　　　　　〈/∧. ＼::::::::::::.::.:.:.:.:..:..
　 ..:..:..:.:.:.::.::.::.::: {　｛　|　 ＼__＿＿＿＿__／| |　} 　 |::::::::::::::.:.:.:.:..:..:..:..

────広瀬千麿────────────────
　金沢出身の国士　茂丸とは頭山満を通じて知り会った

　策士茂丸をして「自分以上の策士」と言わしめた人物
────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　 |＼/|　　　　　　　 　　厂￣　／
　　　　　　　 ヽ　`ー--､＿＿＿／二￣／
　　　　　　 　 く＼　　　 ＼三／フ―＜ニ＼
　　|`ー――----メ　　　　V　∠-―-､＿＿＼
　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ﾆ=､
　　　　`ヽ､＿＿　　　　　　 -､　　　　　,,,-''~ｌ |　|
　　　ー＝二フ　　　　　　　　 ＼　　＜_ヽ__／l　ゝ､　　　 ほほう　後藤伯爵か　面白そうだのう
　　　　　　／　　　　　 ヽ､ ∧　 ＼　 ＿ニ=‐　勹 7
　　　　／　 ／　　　 卜､|l∠_＼　 ヽ､≧r‐-､|　/　|　　　　 杉山　よかったら紹介してくれんか
　　 ／　　/　　　　lﾊl／ｲ巾　> `ｰ-､|V「ﾆヽﾄ､〈　 |
　∠＿,イ/　　 |　/i,）　　 V_ノ　　　　　　)_ソl |＜ 〈
　　　　|/|　　 /|/／　　　　　　　　　　　　　 乂ヒ／＿＿＿＿
　　　　　|　／　　`iヽ　　　　　　　　　　　　　　`y￣ト､ヽ＼::::......
　　　　　V　　　　　ヽ⊂フ　　　　　　　　　　　 /　　L　7ヽ ヽ:::::::
　　　　　　　　　　　　＼　　　　＿ 　 　 　 　 /　　　　/ | |　 ヽ::::::::
　　　　　　　　　　　　　 `ー'フ~　/＼　　　 /　　　　/ 　.||　　 l:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　／|`―<　 〈＼ ／　　　　/L/　| 　　 |:::::::::




　 　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　 お安い御用だ　早速後藤伯の下へ行こうか
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　ｍm
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ
　　　|　　　　|￣￣￣


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　 _
　　　　　　　　ｆ'/ Ｋ7-､
　　 _,　 ｨ^'ﾍ'''”:::::："::.そ　　
_,,､/:::ﾞて”::："::.”::.::：::.."::''､_
”:::":.::：::..”:::":.::：::..”:::":.::：::..`-'^､_　　＿＿＿＿＿＿　
::”:::":.::：::..”:::":.::：::..”:::":.::：::..”:::":.`,´ _ｒ=､　 _ｒ=､　,_ｒ=､､　　　
::：::..”:::":.::：::..”:::":.::：::”:::":.::：::...:∠　 ',|田|　',|田|　',|田| ＼ ／＼　　 _
”:::":.::：::..”:::":.::：::..”:::":.::：::.:..”:::":.::`ﾍ_、＿＿＿＿＿＿＿_＼ｪi. ＼ｆ´:
:..”:::":.::：::.:..”:::":.::：::.:..”:::":.::：::.:..”:::":.:::そ 王! !王王| |王王| |＿,,_,ノ::"
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　大阪　洗心館　　　後藤が滞在している宿
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　 ｌ";ﾞ;ヽ:..”:::":.W`'''－'^＾_`ー-‐''`^`ｨ'ﾞ'""::;;ｒ､I_I_I｣ .|_Ｉ_Ｉ_I.! .!:::":::":::":
　　 |:lii;;;; i;|;レ'_;ｨ　｜　 ｆ´::ヽ‐､_-､⌒､　ｒ==========ｒ''´`~;7 ＞､:::"::
　　,|;ii;l;|;;:ll!:;;!　 l|　 |　｢,,＿__ ｒ';;::::ﾐヽ::ｨ⌒､／￣￣＼ i::;;;;:::＿::_::,⊥＿
　　|:;:il!;;;ii;;ll!;|＿l|,,-'　　<ﾆﾆﾆﾆﾞ､ｒ::⌒ヽ　 ﾞ､　　　　　 　ｒ'´::;;::;;::;:::::;;::;;;;
　　!:il!;";;iiﾞ;;ll;|　　　　　　 〉―― 〉_ｒ-''´`'''‐-‐ ､　　　　ｌ;;;;;;;;::;;::;;::;;;;;;;;;;;;
　 ,|:;:il!;;;ii;;ll;;ｌ;;|　　　　　 /――‐｢;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>　　　 ｌ::::::::::::::::::::::::;;;;;;
　 |:;:il!;;;ii;;ll;;ｌ;;ｌ|　　　　／＿＿　〉;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ　　　　ヽ:::;;;;;;;;;;;;;:::::::;;;;;

￣ﾞ''ー-､..＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,,-―'"￣
　　　　　　　||￣ﾞ''ー-､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,,-―'"￣
二.二二二二i＝＝＝||＿＿＿＿____,| |　 　 　 　 　 　 　 | |
　 　 ||　　　　||;;　|　 | |￣￣__i__￣￣| |―┬―┬―┬―| | 　|＼
　 　 ||　　　　||;;　|　 | |　　　|　 |: 　　| |￣￣￣￣￣￣￣| | 　|　 ＼
　 　 ||　　　　||;;　| 　| |　　　|　 |:　　 | |.　 i i　　　　　　　 | | 　|　　　|
　 　 ||　　　　||;;　|＿| |　　　|＿|:　　 | |　（_;;）.　　　　　　 | | 　|　 　 |
　 　 ||　　　　||／ ／| |　　　　　　 　 | |￣￣￣|￣''''――| | 　| 　　 |
　 　 ||　　　　||／　 ／三.三.三.三三|_|―――|ﾟ＿＿＿_,|_| 　 ＼　 |
　 　 ||　　　　||　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　＼|
　 　 ||　　　　||'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
／／||　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼


　　　　　　　　　　　 ／￣＼
　　　　　 　 　 　 　 |　　　　|
　　　　　　　　　　　 ＼＿／
　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　 　　　　　 ／ ￣ ￣　＼
　　　　　　　　 ／　 _ノ　 ｀ヽ 　＼　　　　　　 おいおい　杉山
　　　 　　　 ／ 　.<●>::::::<●>　 ＼
　　　　　 　 |　　　　（__人__）　　　　 |　　　　　 俺に事前連絡なしで 変な客を連れてきては困るぞ
　　　　　　　＼　　　 ｀ ⌒´　　 　 ／
.　　　 　 　 　／　　　　　 　　 　 ＼

　　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　|　　　 （ ●）（●）
　　　　　.　|　　　　 （__人__）
　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　官吏中の変な者の貴方に　書生中の変な私が
　　　　　.ｌ^l^lｎ　　　　　 　 }
　　　　　.ヽ 　 L　　　　 　 }　　　　　　変な男を連れて何の差支えがありますか
　　　　　　 ゝ 　ﾉ　　　　ノ
　　　　　／ 　 /　　　　　＼
　　　 ／　　 /　　　　　　 　＼
　　. /　　 　/　　　　　　　　-一'''''''ー-､.
　　人＿＿ﾉ　　　　　　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))




　　　　　　　／￣＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　 　 /,|
　　　　　 　|　　　 　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ハ　 　 ハ|
　　　 　　　 ＼＿／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/∧＿∧/ｊ
　　　　 　 　＿_|＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　 　 　 　 ヽ
　　　　　／　　 　 　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 　 /　　　　　　　　',
　　　 ／　　:::─:::::::─＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|⊂⊃　⊂⊃　　|
　　／ 　　 <≡>:::::<≡> ＼　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　 　 　 　 |　　変な男……？
　　|　 　　 　 （__人__）　 　|　　　　 なにその理屈　　　　　　 　 |　 　Е　　　 　 |
　　/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　／
　 (　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 　 ｀l￣￣￣＼
　　.＼　“　　／＿__|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　＿_　ヽ　ヽ
　　　　＼ ／＿＿＿ ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |｛ 太 ｝　｝　 }

　　　　　　　 　 ／￣＼
　　　　 　 　 　 |　　　　|
　　　　　　　 　 ＼＿／
　　　　　　 　　　　 |
　　　　　 　　／ ￣ ￣　＼
　　　　 　 ／　 ⌒ 　 ⌒ 　＼
　　　　 ／ 　.<●> 　<●>　 ＼　　　　まあ　来たのなら仕方ない
　 　 　 |　　　　（__人__）　　　　 |　　　 座りなさい
　　 　　＼　　　 ｀ ー´　　 　 ／
　 ｃー､　/　　　　　　　　　　　ヽ　　　　いま飯と酒を持ってこさせよう
　,へ　λ　　　　　　 　　　 　 ｨ　i
<<<／ヽ　　　　　　　　　　　　|　l




　　　　　　　 ／￣＼
　　　　　　　|　　　 　|
　 　　　　 　 ＼＿／
　　　　　　　　　|
　　　　 　／ ￣ ￣　＼
　　　　／　　＼　／　　＼
　　 ／　　 ⌒　　　⌒ 　　＼　　　　 さて　天下の名論でも聞こうかね
　　 |　　　　（__人__）　　 　　|
　　 ＼　　　 ｀ ⌒´　　　　／
　　 ／￣￣￣￣￣￣￣ ＼


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　 広瀬　頭山さんは後藤伯の事を
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　　　官吏と言うてなかなか会おうとしないが
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |　　　　　　　この後藤伯は官吏中の孟嘗君だ
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|
　　　　　 r;r‐r/　|. 　|　　（__人__）　 |　　　その証拠に俺たちのような只の素浪人とも
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }　　　　 こうして親交を重ねている
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ




　　　　 　ﾄ､　 　 　 /,|
　　　　　 |ハ 　 　 ハ|
　　　　 　|/∧＿_∧/|
　　　 　 / 　 　 　 　 ヽ
.　　 　 /　　　　　　　　',
　　　　|　　⊂⊃　⊂⊃|　　　　　　ふーむ　そういうものかね
　　　　|　　　　 　 　 　 |
　　　　|　　　 　 ３　 　 |
　 　 　 ＼　 　∩ノつ／
　　　　 /⌒￣｛_＿ノヽ
　　 　 ｛　 ヽ／ ／| 　|
　　　　 ＼＿／￣｀　ﾉ

　　　　 　 `i i　 /`ヽi:.:.: ヽ_ _ _ _ _　　　 　 i' ´ー--
___ , . -ｰ':´:.:￣:.:.￣`ヾ:.:.: :〉_.　 / '´`_￣ヽi　 　 　
　 ￣ ｀`ュ,-:ｰ:':´￣:.:._ヽ:: :i､i-亠.r':ー:ー:.-..一　　i
　　 ,..:'´: : :.::::::::::,: :': : : : :〉-.､i__/: : :::::::::,ィ'´　i 　｢.i
　 /: : : :.::::::::::／:.:.: :.:.:::ｨ: : ::::::ヽi,イ:⌒i､i ト､　i 　 i
　,: : :.:::::::::: ィ: :.:. :.:.:.: /: : : : : :.:::: : : : : :ヽ-ー-+ ､iﾚ
. i: ::::::::::／/: :::::::::::/:/: : : :.:::::/:i::::: : :.: : :｀､ ヽ　　ｲ
/:.:::::／　 i: : :::::::::/.::i: : : :::::::ｲ:ﾊ: ::::::.:.:.:.: : ヾi､_　ﾄ,i　　　　　　　後藤閣下　貴下は今の政党という物を
:.::／　　　i : ::::::::::i.:i､i : :::::::/ i.i _i::.:.::::::::.::::.: :ヽ、i､/i
:/　　　　　i: ::::::::ﾊ:i_ｪi: :::::/ ,ｲi⌒i::ヾ::::::::::::::::.: ヽiヽj　　　　　　　　どうお考えですかな？
　　　　　　 i: ::::ｲ〃i`i: ::/ ',.ｭiﾄ _.ヾ:ﾄ:､::::::::::::::::::.ヽ'　　　　 ＿
　　 　 　 　 ヾi. i ` .k:ﾊ/ 　 iﾊ､_iﾞヽヽヽ:i､r=ヾ､:::::::`､　 ィ⌒ヽ`i､
　　　　　　　　　i　`ｰﾉ　　 弋_リ ノ' 　 iﾊ､.} | |´Tー､i/::::: : / //
　　　　　　　　　i､ ヽ　　　　` ｰ´　　　 _ ´ _,ﾂi`_| 　 ,i:::::::ノ .//
　　　　　　　　　/iヽ 　 　 　 　 　 　.／i `´L _ﾊノ　./　　 _//
　　　　　　　　/　_ﾚ->､`　　　　 ィ:´　 i/ヽ/ /⌒ヾ〈ノ　 i､/
　　　 　 　 　 i／＿_／ ヽtｰ::´::　　 　 レ´i.i i::::::::.:.i>　　 7____
　　　 _ _＿__ __/:,ィヽヽ､ _i　::　 　 , -'´,､　`i ヾ:_::i'￣￣￣　　`i、
ｰ:'.￣: . : . : . : :/i　/::〉ヽ　｀ ー' ´　 ／　`ヽ.i,　ﾆ.i　 `i___ . -一　ヽ
: . : . : . : . : . :./i'　/´i' ／　　　　 ／　　 _,イくi　　i　i'￣　　_____ 　i｀: ｰ-
: : . : . : . :::::::/　i:/ノi:ﾄ｀-､__ 　　/ 　_,-'´/　　i r':`i　i　　r'￣ 　 　 i: . : .::
: . : ...::::::r ､/ 　i::::i　ヾi　 ヽ ｀ ｰ- '´　 / 　　/i i::::::`-i 　.i　ヽ､_ハ, i: . ::::::
: . : :::::::/ V　／i::i　。ヽi　 ＼ ／　　 /　 ／i　ヽ`ヽ:_::` -i､__,/＼〈 i:::::::::::

　　　　　　／￣＼
　 　 　 　 |　　　　|
　　　　　　＼＿／ ＼
　　　　　η^′　　　　 ＿＿＿_
　　　　　ﾉ, ∃ 　　　／　─　─＼
　　　／　/i　　　 ／　<●>　<●>＼
　　 （　　〈　　 ／　 　 　（__人__） 　　＼　　　なんとも思ってないよ
　　.　ヽ　　ヽ, |　　　 　　 ｀ ⌒　　 　 　|
　　　　 ＼　 　＼　 　 　　　　　　 　／　　　 分からん事を言ってる連中だと思ってるくらいだ
　　　　　　ヽ 　　 　 　 　　　　 　　 ＼.



　　　　　　　 ／￣＼
　　　　　　　|　　　 　|
　 　　　　 　 ＼＿／
　　　　　　　　　|
　　　　 　／ ￣ ￣　＼
　　　　／　　＼　／　　＼
　　 ／　　 ⌒　　　⌒ 　　＼　　　　　　その癖　この後藤も政党の一人なんだがね
　　 |　　　　（__人__）　　 　　|
　　 ＼　　　 ｀ ⌒´　　　　／
　　 ／￣￣￣￣￣￣￣ ＼




　　　　 　ﾄ､　 　 　 /,|
　　　　　 |ハ 　 　 ハ|
　　　　 　|/∧＿_∧/|
　　　 　 / 　 　 　 　 ヽ
.　　 　 /　　　　　　　　',
　　　　|　　⊂⊃　⊂⊃|
　　　　|　　　　 　 　 　 |　　　　　　　ほお　貴下が政党なら　藩閥党ですか
　　　　|　　　 　 ３　 　 |
　 　 　 ＼　　　　　　／
　　　　 ／￣￣￣｢
　　　 / 　/　＿_　|
　　　｛ 　｛ ｛ 太 } |　　

　　　　　　　　　／￣＼
　　　　 　 　 　 |　　　　|
　　　　　　　　　＼＿／
　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　／￣￣￣ ＼
　　　　　 ／　　 ::＼:::／::::＼
　　　　／　　 <一>::::::<一>　＼　　　　 あいつらは縁故協会か月給組合で
　　　　|　　　　　（__人__）　 　　|
　　　　＼　　　　 ｀ ⌒´　　　／　　　　　主義主張のある連中ではない
　　　　　 ￣（⌒`::::　　⌒ヽ
　　　　　　　 ヽ:::: ~~⌒γ⌒）　　　　　　 私は勤皇党だよ
　　　　　　　　 ヽー―'^ー-'
　　　　　　　　　 〉　　 　│




　　　　 　ﾄ､　 　 　 /,|
　　　　　 |ハ 　 　 ハ|
　　　　 　|/∧＿_∧/|
　　　 　 / 　 　 　 　 ヽ
.　　 　 /　　　　　　　　',
　　　　|　　⊂⊃　⊂⊃|
　　　　|　　　　 　 　 　 |　　　　　ふむ　勤皇党というと　立憲帝政党ですか
　　　　|　　　 　 ３　 　 |
　 　 　 ＼　 　∩ノつ／
　　　　 /⌒￣｛_＿ノヽ
　　 　 ｛　 ヽ／ ／| 　|
　　　　 ＼＿／￣｀　ﾉ

　　　　　　　　　　 ／￣＼
　　　　　　　 　 　 |　　　　|
　　　　 　　　　　　＼＿／
　　　　　　　　　 　　　|　
　　　　　　　 　 ／ ￣ ￣　＼　　　　　　　　　　そいつらはそんな党派ではないさ
　　　　　　　 ／　 ⌒ 　 ⌒ 　＼
　　　　　　／ 　.<●> 　<●>　 ＼　　　　　　　　あれは嘘吐きの法螺吹き党だ
　 ｃー､　 |　　　　（__人__）　　　　 |,一っ
　,へ　λ　＼　　　 ｀ー´　　 　 ／入　 へ、
<<<／ヽ　　　　　　　　　　　　　　 　/＼）））




　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　 ……さっきから黙って聞いていれば
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　嘘吐きだの法螺吹き党だ何だの
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /




　　 ／￣￣＼
　／　ノ　　＼ ＼／｀i
　|　 （●）（●）./　　ﾘ
.　|　　（__人__）..|　　/
　 |　　 ｀ ⌒´　ﾘ　 ﾋ
.　 ヽ　　　　 ／/　　,｀弋ヽ　　　　　それを言うなら貴方の郷里の自由党はどうですか
　　 ヽ　　- ′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀.ｌ
　　　/〈　　`ｰ〈::....ノ　　　Ｖ
　　　|　ヽ_ｰ ､ ｀ヾ＿/　//
　 　 |　 　　ﾌ-､｀ｰ┴‐-〃
　　　　　　　　　`ー‐一′

　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　　 嘘を吐かず、法螺を吹かない者がおりますか
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|




　　　　　　　　 ／￣＼
　　　　　　　　|　　　 　|
　　　　　 　　　＼＿／
　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　／￣￣￣ ＼
　　　　 　／　　u　　 ノ　 .＼
　　　　／ 　　　　 u <●>:::::::＼　　　　　む
　　　　|　 　　　　　　　（__人__）|
　 　　 ＼　　　　u　　　.｀ ⌒／
　　 　 ／　　　　　　　　　　|

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）　　　　　 世界中の政治家の中で嘘を吐かず
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　 　法螺を吹かない者などおりませぬ
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l




　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|
　　　　　 r;r‐r/　|. 　|　　（__人__）　 |　　　　 いわんや貴方の先輩板垣退助さんの自由党はどうです
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }　　　　　 自由民権を触れ売って商売をしていますぞ
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　 あれを見て僕は政党というものに愛想をつかし
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ　　　　　自由主義は廃業しました
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼




　　　　　　 （⊃￣￣＼
　　　　　（⊃　　 _ノ　　＼
　　　　（⊃　　 （ ●）（●）
　　　　　|　　　　 （__人__）
　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　 　 　 |　　　　　　 　 } ＼　　　　　　貴方も彼らを嘘吐きだの何だのと責めるのなら
　　　　 ／ヽ　　　　　　 }　　＼
　　　／ 　　ヽ､＿＿__ノ　　 　 ）　　　　それと同時に貴方も自由党を捨てる他ありますまい
　 ／　　　　　　　　.　 　|　＿／
　|　 　　　　　　　／￣￣（＿)
　 ＼　　　＼　／|　ＪＪＪ　（
　　　＼　　／　　 ／⊂＿）




　　　　　　　　 ／￣＼
　　　　　　　　|　　　 　|
　　　　　　　　 ＼＿／
　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　／￣￣￣ ＼
　　　　　 ／　　u　　 ノ　 .＼　　　　　　　　　　うっ　痛いところを付いてくるな
　　　　／ 　　　　 u <●>:::::::＼
　　　　|　 　　　　　　　（__人__）|
　　　　 ＼　/⌒)⌒)⌒)｀ ⌒／/⌒)⌒)⌒)
　　　　ノ　　|　/　/　/　　　(⌒) ./　/　/
　 ／´　　　 |　:::::::::::(⌒)　　ゝ　　::::::::::/
　|　　　　ｌ　 |　　　　　ノ　　/　　）　　/
　ヽ　　　 ヽ_ヽ　　　 /' 　　/　　　 ／
　　ヽ ＿＿　　 　 ／　　 /　　 ／

　　　　　　　 　ﾄ､　 　 　 /,|
　　　　　　　　 |ハ 　 　 ハ|
　　　　　　　 　|/∧＿_∧/|
　　　　　　 　 / 　 　 　 　 ヽ
.　　　　　 　 /　　　　　　　　',
　　　　　　　| ⊂⊃　⊂⊃　｜　ﾑｼｬﾑｼｬ
　　　　　　　|　　　　　 "" 　 |
　　　 　 , -､|　　　～（゛ 　 　|
　　　　（ （　）＼　　　ｏﾟ　 ／　　　　　　 杉山　その理屈は この際無用じゃ
　 　 　 （⌒Ｙ)　/￣￣￣ ヽ
　　　　　｀T´ |/｜ ＿_　 ｉ　',
　　　　　　＼_＿|｛ 太 ｝ | 　|




　　　　 　ﾄ､　 　 　 /,|
　　　　　 |ハ 　 　 ハ|
　　　　 　|/∧＿_∧/|
　　　 　 / 　 　 　 　 ヽ
.　　 　 /　　　　　　　　',　　　　　　 人間と言う者は他人の糞尿を忌むと同時に
　　　　|　⊂⊃　⊂⊃　|　　　　　　 自己もまたその糞尿を垂れている者である
　　　　|　　　　 　 　 　 |
　　　　|　　　 Е　 　 　|　　　　　　 後藤伯だろうが誰だろうが 言っても詮無い事じゃぞ
　 　 　 ＼　　　　　　／
.　　　　　 /￣￣￣ ヽ
　　　　　/　i　＿_　ｉ　',
　　　 　 |　 |｛ 太 ｝|　 |




　　　　　　／￣＼
　　　 　　 |　 　　 |
　　　　　　＼＿／
　　　　　　＿|＿＿　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ━━┓┃┃
　　　　 ／　　　　　＼　　　　　　　　　　　　 　 　 ┃
　　　／　u　　　　　　＼≦　三　ﾟ｡　ﾟ　　 　 　 　 ┃　┃┃┃
　 ／　　　　　　　　　　　＼　　三　＝=-　　　　　　　 　 　 ┛
　 |　　　　　　　　u　　　　　|　　　≧=-　。
　 ＼ 　　 　 　　　　　 　 ／　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　　　　　　　　　　　　　｡ﾟ　/｡･ｲﾊ ､

　　　　　　　／￣＼
　　　　　 　|　　　 　|
　　　 　　　 ＼＿／
　　　　 　 　＿_|＿_
　　　　　／ 　 　 　 ＼
　　　 ／　　 :⌒:::::::⌒＼
　　／ 　　 <●>:::::<●> ＼
　　| 　 　U 　 （__人__）　 　|　　　　 おいおい　飯時に糞の話をするな
　　/　　　　 ∩ノ ⊃　　 ／
　 (　 ＼　／ ＿ノ　 |　 |
　　.＼　“　　／ ＿__|　 |
　　　　＼ ／＿＿＿ ／



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　 　 　 ／￣＼
　　　　　　　|　　　 　|
　 　　　　 　 ＼＿／
　　　　　　　　　|
　　　　 　／ ￣ ￣　＼　　　　　　 まったく今日は愉快であった　また来てくれ
　　　　／　　＼　／　　＼
　　 ／　　 ⌒　　　⌒ 　　＼　　　　　話でもしようじゃないか
　　 |　　　　（__人__）　　 　　|
　　 ＼　　　 ｀ ⌒´　　　　／
　　 ／￣￣￣￣￣￣￣ ＼




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ⌒）（⌒）
.　|　　　　 （__人__）. ｒｍ､
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉｒ川 ||　　　　　ありがとうございます
.　 |　　　　　　 　 },.!　 ノ'
.　 ヽ　　　　　 　 ｒ / .|
　　 ヽ　　　　　ノノ　ﾉ
　　　/　　 　 ／ .／
　　　|　　　 　 ／



　　　　 　ﾄ､　 　 　 /,|
　　　　　 |ハ 　 　 ハ|
　　　　 　|/∧＿_∧/|
　　　 　 / 　 　 　 　 ヽ
.　　 　 /　　　　　　　　',
　　　　|　⊂⊃　⊂⊃　|　　　　　　　かたじけない
　　　　|　""　 　 　 ""｜
　　　　|　　　マ フ　 　 |
　 　 　 ＼　　　　　　／
.　　　　　 /￣￣￣ ヽ
　　　　　/　i　＿_　ｉ　',
　　　 　 |　 |｛ 太 ｝|　 |

　　　　　　　　　　　　　　 ┌──────────┐
　　　　　　　　　　　　　　 │　そしてその帰り道　　　│
　　　　　　　　　　　　　　 └──────────┘
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::+::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::･:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::+:::::::::::::::::::::::::::: (;;ヾ;ﾐ;;;;(::
:::::::::::．::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,;;ヾ;;;, ;;;;;;ﾐ;;;;(::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾐ;;;;(;;;:::;;;ﾐ;;;;(::;;::;;ﾐ;;;
ヽ:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.::: .,, :::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.(;;;;ﾐ:;;;;ゞ;;;; (;;;;;ﾐ;;;;;
:: ヽ;,,､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ;;;; :.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.(;;;;;ゞ;;;(::;;::;; ﾐ;;;;;;〃;;ゞ;;;;;
:: ;;i　..i...... ..... ......... .......... ..;;:::,,　　　,;;;/ニ ,へ.ニニニニ/ヽ　　(;;;;ヾ;;;;;;;〃;;ゞ;;;;;(;;;;;ﾐ;;;;;
'' "　,, ;:'':: :: :: :::: ::::::: ::::;'::: :: ::.'';,:: ,,, ii | 「 |i^ｉｌ 「 |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
,,. ;:''':: 　 ::.　..::.　..　 ::;'::　.　:::　:: ''､　 ;;￣￣ .,, ､|::
.　:　　:　.　:　　.　:　/.　:　 . :　 　,::.＼:: .:::::::(;;;ヾ;|:
　　,,　　,　.　..　　:/.,,　 　 　 　. ..　.　,＼.　(;;;ゞ;;;|
;　　　　　　,,　.　/　　　　　　　　　 　 　 ＼,(:;;;ゞ|
　:　　　　　　 ,/　　　　 　 　 . 　. 　.　..　　,,＼ヽ|
　　　　　　　/　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ|
　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　/　　　　　　　　　　　　 　 ..,,　　　 　　　　＼
　　　　/　,,　　　 　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　　＼
　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　/　　　　;:　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ., 　　　　　　＼



　　　　　　　　　　　　/l　/l
　　　　　　　　　　　/,」=/,」、　　　　　　　　　　　　　 .ノ　､　、
　　　　　　　　　 (ﾉ∧ﾉｿヽゝ　　　　　　　　　　　　　 ● ●） l
　　　　　　　　　∠ゞ..ﾟ ｰ ﾟﾉ　　　　　　　　　　　　　　（人__）　|　　なんだ広瀬
　　　　　　　　　<:::::》　ヽﾉ《::>　　 おい杉山　　　　 ヽ　 　 ノ
　　　　　　　　　/::::/ ´ヽ^)　　　　　　　　　　　　　　　/　 　.ヽ
　　　　　　　　/:::/　 ./　ヽ　　　　　　　　　　　　　　（|　　 |　|
　　　　　　　ノ::::ﾉ（..../＿/ﾉ　　　　　　　　　　　　　　 ゝl 　し'
　　　　　　　　　 L:::つ L:::つ　　　　　　　　　　　　　　｀(＿ﾉ

.　 　＼　　　　 　 ＼_　　　　　 _＿＿__/_＿＿｣＿__
.　　　　＼　　　　 　 ⌒＞―-　. 一=ｧ'´.:.:.:.:.:::::::::＜
　 　 　 　 ＼　　/　 ／.:.:.:.:.:.:::::::::＼/.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::...
　　　　 　 　 ＼｛{／.:.:.:.:.:::::::::::::::::::i::::::::::.:.:::::::::::＼:::::::::::＼
　　　　　　　　 ∠.:.:.:.:／ :::::::::/::::/|::::::::::.:.i::::::::::::::::ヽ ::::::::::＼
　　　　　　　　／:／/::::::::::::::/::::/ :|::::::::::.:.|:::::::::::::::::::::.. :::::::::::::ヽ
.　 　 　 ー=彡イ　/ :::::::::::::::::::/　 l:| :::::::∧ｉ::::::::::::::::.:.:.i＼::::::i＼
　　　　　　　　　∨.:.:::::::::::/|::/=ミメ|::::::厶斗ﾍ:::｝:::::.:.:.:|　 ＼|　 ）
　　　　　　 　 　 ｉ..:.:.::::::::〃 {_,ハ　 |:::/｛,ハ ヽV::::::::::::,　 　 ﾉ
　　　　　　　　　 | .:.:.:::::/ヽ　Ｖソ　 |/｀¨7ソ ノ:|＼:::::/
.　　　 　 　 　 　 | .:.:: ∧　　　 　 　 　 /　　 　|） ｝:/　　　　　　　　 今日の話は結論をひっくるめて
.　　　　　　 　 　 | .:.:∧__,　　 　 ー　-┐　　　{イ|/
　　 　 　 　 　 　 |.:./ｰ=:込.　　　 ､＿ノ　 　／＼j　　　　　　　　　　 我々の勝ちだったのう
　　　　 　 　 　 /｣/　 {__∨|＼　　　　　　イ__）　 ＼
.　　　 　 　 　 /　　 〈‐-=ﾆＬ__ 　 　 -＜|:ﾉ┐　　　 ＼
　　　　 　 　 /_＿_,/∧　　　　 　 ‐-=ﾆ⊥　|ー-----一
　　 　 _＿__／ .:.::/∧｣＞-‐　　　 　 　 　 く|ヽ＼ｰ-､_＿＿__ _





　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　|　　 　（ ⌒）（⌒）
　 　 　 　 　 |　U 　　（__人__）
　　　　　　　 |　　 　　 ｀ ⌒´ﾉ
　 　 　 　 　 ,|　　 　　　　　 }
　　　　 　 ／ ヽ　　　　　　 }　　　　　うーん　糞で終わったってのもな
　　　　　く 　く ヽ　　　　 ノ
　　　　 　 ＼　`' 　　　 く
　　　　　　　 ヽ、　 　 　 |
　 　 　 　 　 　 | 　 　 　 |

┌────────────────────────┐
│この出会いをきっかけに広瀬は後藤と知り合い　 　　 　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│以後彼の大同団結運動を 支援していく事になります 　 　 │
└────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣＼
　　　　 　ﾄ､　 　 　 /,|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 　|
　　　　　 |ハ 　 　 ハ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿／
　　　　 　|/∧＿_∧/|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿|＿__
　　　 　 / 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
.　　 　 /　　　　　　　　',　　　　　　　　　　　　　　　／　　::＼:::::::／::＼
　　　　|　　⊂⊃　⊂⊃|　　　　　　　　　　　　　 ／　 　 <●>::::::<●> ＼ 　　条約改正断固阻止！
　　　　|　　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　 |　　 　 　 （__人__）　　　|
　　　　|　　　 　 ３　 　 |　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 　 　 ` ⌒ ´　　,／　　　　藩閥政府を打倒せよ！
　 　 　 ＼　　　　　　／　　　　　　　　　 .　　　 　 /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
　　　　 ／￣￣￣｢　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
　　　 / 　/　＿_　|　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 　 　 　｀l￣
　　　｛ 　｛ ｛ 太 } |　　　　　　　　　　　　.　　　 　 |　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　ガンバレー

　　　　　┌───────────────────────────┐
　　　　　│　　茂丸も広瀬と共に度々後藤の元に出入りしていたようです　　.│
　　　　　└───────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γﾆヽ
　　　　　　　/l　/l　　 　　　　,　,.ノ　 、　　　　　　 　 ヽ__ノ
　　　　　　 /,」=/,」、 　　　　l　（● ●　　　　 　 　 、ノ-'.、
　　　　　　(ﾉ∧ﾉｿヽゝ　　 　 |　 （__人）　　　　　 ●::●>　ヽ
　　　　　∠ゞ ﾟ ｰ ﾟﾉ　　　　　ヽ　 　 ノ　　　　　　（人__）　ノ
　　　　　<:::::::》＝《::::::>　　　（ ー‐､r‐'）　　　　rｍ/　 rｍ＼
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　|￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　　　　　　　ｻﾞｯ
　|　改正反対！ 　 |￣￣￣￣￣￣￣|
　|＿＿|￣￣￣￣￣￣￣|改正反対 │　　　　　　　　 　 　 　 　 γﾆヽ 　 |￣￣￣￣￣￣|
.　.　.∧|政府は反省汁！|_＿＿＿.|￣￣￣￣￣￣￣|　　　 　 　 ヽ__ノ　　|　改正反対！ |
.　.　( ﾟ |＿＿＿＿＿＿＿|　|| . . 　 |　改正反対！ 　 |　　　　　　, -┘、ノ |＿＿＿＿＿＿|
　　/　づΦ∧∧ ||　　( ﾟдﾟ)|| 　 . . |＿＿＿＿＿＿＿|ｻﾞｯ　　　/ 　<●::●　　 　||
..　 　 　 　 ( ﾟдﾟ)||　　/　づΦ　　　　　∧∧.||　　　　　　　　　　ゝ 　 （__人:）　 　 ||　　 ｻﾞｯ
￣￣￣|　 /　づΦ　ｻﾞｯ 　 　 　 　 　 .( ﾟдﾟ)||　　　　　　　　　　ﾊ　 　　　　}＿ノミ〕

　　　　　　　 ┌──────────────────────────┐
　　　　　　　 │盛り上がる民権運動の突き上げに　　　　　　　　　　　　　　　　...│
　　　　　　　 │たまりかねた政府は条約改正の無期延期を各国に通告　　 　 │
　　　　　　　 └──────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　 |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　条約改正について　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　￣￣￣￣　　 　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　 /　 　 　延期します　　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　 /　　　＿＿＿＿　　　 　 /
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　┌───────────────────┐
　　　　　　　　　　　│　外相井上馨は辞任に追い込まれました　 　 │
　　　　　　　　　　　└───────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,..r
　　　　　　　　　　　　　　　,.r-ｧﾌﾆﾆ`ｰ､
　　　　　　　　　　　　　 ./´/／／f''ﾆ二'ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 /ﾚL-‐ｔ''T´ﾐヽ　 ﾆ.＼...__
　　　　　　　　　　　 ,r┴ 1ヽ.＼､ヽ ヾ} ﾊrヽ_'>‐、i'''ｰ-:､.__
　　　　　　 　 　 　 / r‐‐-､..-ヽ,'ﾊ.ヽ}　ハS!~.|'lヽ. ＼　　 ｀''ｰ- ､..__
　　　　　　　　　　 .| ,ﾘ l　〔　　 ._,l,.-､}' |　Y　.ﾉ.| ﾊi　 ＼　　　　　　 ｀＞-､
　　　　　　　　　　　|ﾊル　,ヽ=､´~|'´ ! /　 }_ｨ'/ ﾘ | !　　.＼　　　　 .／　　.ヽ
　　　　　　　　　　　|　Xヽ,ヽ'.ヽi__,.'_,..-'　./|TVﾉ/ .|{|,　　.／　　　 .f　　　　　 '!
　　　　　　　　　　　　ｊ　ヽ|!｀''　 .ヾ.､___,.ｲ　ﾊ.〈´　 |l {ー<,_　　　　j　　　　　　 'i
　　　　　　　　　　　 l'　　 ~!　　 /　ﾉ ,　 |._｣　ﾙ、 ｊ! ,|　　 .7　　　l|　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　 |　　　'i!　　~'7　,ﾄ'i　{　l_∧ヽ,|　.|　　 j　　　 l|　　　　　　　ゝ、

┌────────────────────────────────┐
│ 　井上の条約改正案を潰した事により、民権運動はさらに勢いづきました　　│
└────────────────────────────────┘

　 ∩∩　ぼ　く　ら　の　春　は　こ　れ　か　ら　だ　！　　V∩
　 (7ヌ)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（/ /
　/　/　　　　　　　　　　　　　　　　　∧＿∧　　 　 　 　 　 　｜｜
/　/　 ∧＿∧　　 　 ∧＿∧　　＿（´∀｀　） 　 ∧＿∧　　 ｜｜
＼ ＼（　´∀｀）―--（ ´∀｀ ）￣　　　　　　⌒ヽ（´∀｀　）　／／
　 ＼　　　　　　　／⌒　　　⌒￣ヽ、国士　/~⌒　　　　⌒　/
　　 ｜　　　　　 |ｰ、　　　　　　/￣|　　　　/／`i　運動家 /
　 　 ｜　浪人　|　｜学生　　/　（ミ　　　ミ） 　｜　　　　｜
　　　｜　　　　｜　｜　　　　 | ／　　　　　　＼ ｜　　　　｜
　　　｜　　　　｜　　）　　　 ／　　　／＼　　　＼| 　 　 　 ヽ
　　　/　　　ノ　｜　/　　ヽ ヽ、＿／）　 （＼　　 　）　ゝ　　｜
　　 ｜　　｜　　|　/　　 /|　　 /　レ　　　＼`ー ' |　 ｜　 /


　　　　　　 ┌─────────────────────┐
　　　　　　 │　　東京には全国から有志がぞくぞくと押し寄せ　　│
　　　　　　 └─────────────────────┘

　　　　　　　　　..　　　　　　　　　　 ''';;';';;'';;;,.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　''';;';'';';''';;'';;;,.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 vymyvwymyvymyvy、
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ(ﾟдﾟ)vヽ(ﾟдﾟ)yヽ(ﾟдﾟ)v(ﾟдﾟ)っ
　　　　　　　　　　⊂( ﾟдﾟ )　と( ﾟдﾟ ) 〃ﾐ ( ﾟдﾟ )っ ( ﾟдﾟ )つ
　　　　　　　　　　　 ゝηﾐ ( ﾟдﾟ )っ ﾐ）　⊂( ﾟдﾟ ) .(彡η ｒ
　　　　　　　　　　　　 しu(彡η ｒ⊂( ﾟдﾟ ) .ゝ.η.ミ）　i_ﾉ┘
　　　　　　　　　.　　　 　　 i_ﾉ┘　 ヽ　ηミ）しu
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （⌒） .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 三`Ｊ

　　　　　　　　┌─────────────────┐
　　　　　　　　│　枢密院には、意見書が次々と送られ 　 .|
　　　　　　　　└─────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿_＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ）三三三 ）　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「￣￣「￣￣￣!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r┴―‐┼―┬ｰ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{＿＿＿l＿___{___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ニニニニ ニ |:.:.:.|
　　　　 ＿＿_＿＿＿＿＿＿　　　　　　　 |ニニニニ ニ j::.:.:j
　　　　 ）三三三 ）　　　　　　）　　　　　 ）三三三 ）￣￣￣￣￣）
　　　　　 「￣￣「￣￣￣!　　　　　　　　　 「￣￣「￣￣￣!￣￣´
　　　　 r┴―‐┼―┬ｰ'　　　　　　　　　r┴―‐┼―┬ｰ'
　　　　{＿＿＿l＿___{___　　　　　　　　　{＿＿＿l＿___{___
　　　　|ニニニニ ニ |:.:.:.|　　　　　　　　|ニニニニ ニ |:.:.:.|
　　　　|ニニニニ ニ j::.:.:j　　　　　　　　|ニニニニ ニ j::.:.:j
　　　｢￣｢￣￣￣￣￣￣l　　　　　　　｢￣｢￣￣￣￣￣￣l
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　　　　　　　　　　　┌────────────────────┐
　　　　　　　　　　　│ 　 東京で民権運動が盛り上がっていきました　 │
　　　　　　　　　　　└────────────────────┘


　　　∧__∧　
　　（ ｀・ω・）|||　　　　　　　言論の自由を保障しろ！
　　（　　 　 　Ｏ　　　　　　　　外交失策を挽回せい！
　|￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　　地租を軽減しろ！
　| 　 　 　　 　 　 　 |

　　　　＼そうだ！／　　　　　　　＼その通りだ！／
　 ∧＿∧　　　 ∧＿∧　　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧
　（　　　　）　　 （　　　　）　　　　（　　　　）　　　 （　　　　）

　　　 ┌───────────────────────┐
　　　 │　これに対し政府は明治20年12月保安条例を制定 　 　 |
　　　 └───────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　,ィ⊃　　, -- ､
　 　 ,r─-､ 　 　 　,. ' ／ 　　,/ 〈〈〈〈　ヽ
　 　{ 　 　　ヽ 　／ ∠ ､＿__/　　〈⊃　　}
　 　ヽ.　 　 　 V-─- 、 　, ',_ヽ..　 |　　 |　　　政治的な秘密結社の結成、集会は禁止！
　 　 　ヽ 　ヾ､　　',ﾆ､ ヽ_/ ｒｭ､ ﾞ､.. |　　 |
　　　　　＼　 l　　ﾄこ,! 　　{`-'} 　Y|　　 |　　　 危ない連中は東京から退去しろ！
　 　　　　　ヽj 　　'ー'' ⊆) '⌒｀ 　! 　　 !
　 　 　 　　　l 　 　　ﾍ‐--‐ｹ　　　}　　/
　 　 　 　　　ヽ. 　 　　ﾞ<‐y′ 　 /／　　　　　　　　∧＿∧　　 　　 ∧＿∧　　　　　∧＿∧
　 　 　 (ヽ､＿_,.ゝ､＿ 　~ 　___,ノ 　　　　　　　　　（ ´Д⊂ヽ　　　 （ ´Д⊂ヽ　　　 （ ´Д⊂ヽ
　 　 　　） 　 　 　 　 　　ﾉ/｀'　　　　　　　　　　 ⊂　　　　ノ　　　⊂　　　　ノ　　　⊂　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　 Ｙ　　　　　 人　 Ｙ　　　　　 人 　 Ｙ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,し （＿） 　　　 ,し （＿）　　　　　,し （＿）

　　　　　　　 ┌────────────────┐
　　　　　　　 │　民権運動を弾圧していくのでした　　..│
　　　　　　　 └────────────────┘



／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
: : i: : : : : : : : : : : ,: : : : :､: : : : : : ＼:､
: : |: : i: : : : ／: :/: : : }: : :} : !: : : : : :} 〉
: : |: : |: : : /: : :/:}: : /: : /: /}: : : : ://
: : !: : |: : /: : :/ /: ∧: :/: // : } : //
: : !: : |: /_:_:_/_/∠: :}:/ ://_:_/: //
＼!: : |/＼＿_○__}// ://{}_∧//　　　　　ちと強引だが　こうでもせんと治安維持に支障が出る
r-t､: { 　 　 　 　 /:'／ ' ーｧ ∨
{:{ :∧i 　 　 　 ／´　　 　 / 　 }.
ー' /}' 　　 　 　 　 　 ＿_　　 /　　　　　　 あの連中が統制を失い暴徒と化したら
>､＿_>､　　　　　　 ´　　　　/
　|: : : :/＼＿ 　 　 　 　 　 / 　 /}　　　　　 帝都が火の海になりなかねんしな
　|: : : :| ／　 |　　　　　　 /ー‐'　|
　|: : :／　　　| ＞　　__ ノ　 　 　 !
　i:／　　　　 L ＿＿＿|_　　　　 i

　　　内務大臣　山県有朋

　　　　　　　　　　　　∧∧　　　　　　∧∧　　　　　　 ∧∧
　　　　　　　　　　　 /⌒ヽ)　　　　　 /⌒ヽ)　　　　　 /⌒ヽ)
　　　　　　　　　　　i三　∪　　　　　i三　∪　　　　　i三　∪
　　　　　　　　　　○三　|　　　　　○三　|　　　　　○三　|
　　　　　　　　　　　(/~∪　　　　　　(/~∪　　　　　　(/~∪
　　　　　　　　　　　三三　　　　　　三三　　　　　　 三三
　　　　　　　　　　三三　　　　　　三三　　　　　　 三三
　　　　　　　　　三三三 　　　　 三三三 　　　　 三三三

　　　　　　　　 ┌─────────────────┐
　　　　　　　　 │多くの民権運動家や国士、浪人が　　　　│
　　　　　　　　 │東京から退去させられましたが……　　　│
　　　　　　　　 └─────────────────┘


　　　　 　／￣￣＼
　　　　／　　 _⌒　 ＼
　　　　|　　　（●）（ー）
　　　　|　　 ⌒（_,,人__） ﾎｼﾞﾎｼﾞ　　　俺はその条例から除外的な待遇で
　　　　|　　　∩ノ |;;;| }
　　　　|　　／＿ノ"' }　　　　　　　　　東京でも悠々としていられるんだなあ　これが
　　　 /ヽ/　　/　 　 }
　　　(　 ヽ　 /＿　ノ
　　　7.ヽ＿_/　　　＼

　　　　 　ﾄ､　 　 　 /,|
　　　　　 |ハ 　 　 ハ|
　　　　 　|/∧＿_∧/|
　　　 　 / 　 　 　 　 ヽ
.　　 　 /　　　　　　　　',
　　　　|　　⊂⊃　⊂⊃|
　　　　|　　　　 　 　 　 |
　　　　|　　　 　 ３　 　 |　　　　　 伊藤総理の命まで狙った国事犯だというのにのう
　 　 　 ＼　 　∩ノつ／
　　　　 /⌒￣｛_＿ノヽ　　　　　　　警察からマークされてると思っていたが……
　　 　 ｛　 ヽ／ ／| 　|
　　　　 ＼＿／￣｀　ﾉ




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　 黒田さんや井上さんのお陰だな
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

　　　　 　ﾄ､　 　 　 /,|
　　　　　 |ハ 　 　 ハ|
　　　　 　|/∧＿_∧/|
　　　 　 / 　 　 　 　 ヽ
.　　 　 /　　　　　　　　',
　　　　|　　⊂⊃　⊂⊃|
　　　　|　　　　 　 　 　 |
　　　　|　　　 　 ３　 　 |　　　　　黒田というと……黒田清隆か？
　 　 　 ＼　　　　　　／
　　　　 ／￣￣￣｢
　　　 / 　/　＿_　|
　　　｛ 　｛ ｛ 太 } |




　　　　　　 （⊃￣￣＼
　　　　　（⊃　　 _ノ　　＼
　　　　（⊃　　 （ ●）（●）
　　　　　|　　　　 （__人__）
　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　 　 　 |　　　　　　 　 } ＼　　　　　　ああ　実は以前に後藤（象二郎）さんの添書を持って
　　　　 ／ヽ　　　　　　 }　　＼
　　　／ 　　ヽ､＿＿__ノ　　 　 ）　　　　黒田清隆に面会したことがあるんだ
　 ／　　　　　　　　.　 　|　＿／
　|　 　　　　　　　／￣￣（＿)
　 ＼　　　＼　／|　ＪＪＪ　（
　　　＼　　／　　 ／⊂＿）

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(:;:〃：:;;；)
　　　 　 　　g _,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,:;::;;(:;〃:;；::〃:;;″
　　　　　　,ノ,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;丿:;〃:;；::〃:;;″''',
　 ,,,,,,,,,,,,ノﾞ,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;:;(:;:;；::〃:;;″,)；::〃
　,',',',',ノlllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll:;(:;〃:;；::〃:;;″　:;；::〃
　￣￣￣l:　　　,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ヾ:〃:;;:〃:;;;:〃:;;)
　　 　 　 |　　丿,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,丿il″.ﾞ:;ソ'l:;；::〃,:;;;:〃:;;)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　　　　　　　　黒田清隆　私邸
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　l:l,,,l |:::::::::::::::::l|l |＿|:| : |:l: /~~ﾞヽ' 　 　|::::::::::::::::::::::|::::::::l|κl| ”ｰ､,,,,,_
　　　l:l,,,l |:::::::::::::::::l|l　　 : 　::.l: ヽ;;:;丿,,,,-'　|::::::::::::::::::::::|::::::::l|ξl|.,l: 　　　｀ﾟ‐
　　 """"|:::::::::::::::::l|l ._,,,,,,,,,,,,､lr''''''ﾞﾞﾞ~　　　 |::::::::::::::::::::::|:::;;;,.l|πl|ﾞ｀　　,'''ﾞﾟﾞ"ヽ
　 .llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll,!'''ﾞﾟﾞ"ヽﾞ l|　 l| *i,,,'l_　:;:;::ﾞ:;
　 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .'l_　:;:;::ﾞ:;|l"￣:;:ヽ　　｀─"'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀─"'　ヽ＿,,丿　　　.,.,:;;.,;





　　　　　　　　　_,,--''''''---,,,__
　　　　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　/　　　　　　　　 ／⌒＼／|
　　　　　|　／＼　　　 ／⌒＼　/|||||
　　　　　|　 /⌒＼||／　　　　|　||||/⌒|.
　　　　　|　|　　θ___θ　　　/　└ 　9 |　　　　　　　アータは有志家ですか
　　　　.　| 　　 ／〇＼　　　　　　<___/
　　　　／＼／　　　　　＼_ノ　　 ／--,,,
　　　　|　　/　　 /⌒＼　　＼_／　　　　＼
　　　　　　|,.,.,.,./'''---''''ヽ,.,.,.,.ヽ

───黒田清隆──────────────
薩摩出身の軍人、政治家　第二代内閣総理大臣
─────────────────────





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）　　　　　 そうです
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　/　　　 く　　＼　　　　　　　 ＼
　　　|　　　　 ＼ 　 ＼ 　 　　　　　　＼

　　　　　　　　　　＿＿_
　　　 　 　 ,-‐ ´ z､　　　｀ ヘ
　　　　 .／zzy　 /　｀ｰゝz__ヾﾊ,
　 　 　 ｌ三三{　 |　　　{::::i　￣}::i
　　　　 }彡ミﾆ　ﾍ 　　 {::ﾉ　 ,┴'　、
　　　　 {　　　　　 ヽ　　／　　　　　ヽ　　　　　　　自由党ですか　改進党ですか
　　　　 ｀ー、‐　　　─/　　　/}, 　　 }
　　　　　　　ゝ､＿ 　 /　　　/　|　　 ﾉ＿
　　　ｘ＜::/:::::::::::ゝ三三ﾆ<　>三三ﾐ､::::＞、




　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）
.　 　|　　　　 （__人__）
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　いいえ　どちらでもありません
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}
.　　 ヽ 　 L　　　 　}
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ

　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|
　　　　　 r;r‐r/　|. 　|　　（__人__）　 |　　　　自由党は自由を売って喰らう輩です
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }　　　　　改進党は改進を売って喰らう輩です
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ




　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）　　　　　特別国事に精通したわけでもなく
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　精神の粗慢な依頼心ばかりで
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │　　　　　　ガヤガヤと不平を云うている　そんな連中です
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　 私はそんな輩とは関わりなど無く、単身国家を憂慮している
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/　　　　 一人一党の者であります
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|




　　　　　　　　＿_ 　 ＿_
　　　　　 　 /　　 ｀￣　 ヽ
.　　　　 　 上二二二二`┤
　　 　 ⊂ニ,-r‐-､──-｀二⊃
.　　　　　{ｨ|| { 　 {jｰlj⌒)　|ｋ}
.　　　　　ヽｌ　 ,. -(つ- ､　 ﾚ'
　　　 ,⊂⊃∨　　, -､　 ∨⊂⊃、　　　　　　ふむ　なるほど
　　 /　i　 / ﾚvv/ー‐ﾚv､| ヽ　 i ヽ
　／　 |　 ＞L.二⊥⊥二.｣＜　 |　 ＼　　　　 それで　何の用事でワシのところに来ましたか
（　　　| 　 ＼|　　＼／　　|／　│　　）
. ＼　 | 　 　 |　 　 ○‐　　|　　　|　／

　 　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　あなたは今日酒を飲んでおられますか？
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　ｍm
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ
　　　|　　　　|￣￣￣




　　　　　　　　　_,,--''''''---,,,__
　　　　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　/　　　　　　　　 ／⌒＼／|
　　　　　|　／＼　　　 ／⌒＼　/|||||
　　　　　|　 /⌒＼||／　　　　|　||||/⌒|.
　　　　　|　|　　θ___θ　　　/　└ 　9 |　　　　何故その様な事を聞くのです？
　　　　.　| 　　 ／〇＼　　　　　　<___/
　　　　／＼／　　　　　＼_ノ　　 ／--,,,
　　　　|　　/　　 /⌒＼　　＼_／　　　　＼
　　　　　　|,.,.,.,./'''---''''ヽ,.,.,.,.ヽ

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　 あなたは精神の正しい方で
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　きっと私の話を聞いてくれると思って来ましたが
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |　　　　　 酒を飲むと乱暴をなさる人だと聞いております
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /




　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　　　 酒の力を借りねば乱暴ができぬ卑怯な方と
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/　　　　　　　 真面目な話をするつもりはありませぬ故
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）　　　　　　　　もしあなたが酒を飲んでいるのなら
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　 無駄事はやめて　お暇しようかと思って
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　尋ねたのです
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣

　　　　　　　　　　＿＿_
　　　 　 　 ,-‐ ´ z､　　　｀ ヘ
　　　　 .／zzy　 /　｀ｰゝz__ヾﾊ,
　 　 　 ｌ三三{　 |　　　{::::i　￣}::i　　　　　 ハハァ　後藤も面白い男を紹介したものじゃなァ
　　　　 }彡ミﾆ　ﾍ 　　 {::ﾉ　 ,┴'　、
　　　　 {　　　　　 ヽ　　／　　　　　ヽ　　 分かりました　今日は酒抜きで話しましょう
　　　　 ｀ー、‐　　　─/　　　/}, 　　 }　　 それで　なにか喧嘩になりそうな話ですかな？
　　　　　　　ゝ､＿ 　 /　　　/　|　　 ﾉ＿
　　　ｘ＜::/:::::::::::ゝ三三ﾆ<　>三三ﾐ､::::::::＞、




　　　　　　　　／￣￣＼
　　　 　 　 _ノ　　ヽ、　　＼　 　,.:┐
　　　　　 .（ ●）（ ●）　　..|　／　｜
　　　　　 （__人__） 　　　　.|./　　 /
　　　　　　 i⌒ ´ .r－､　　|/　 ／
　　　　　　 { 　 　 ヽ,　',. .,/　:/',　　　　　　いいえ　あなたが私の話を真面目に聞いてくだされば
　　　　　　 .ヽ　　　.|　 l_/_, -‐､',
　　　　　　　 .ヽ　.　| 　 / , -－'i|　　　　　　決して喧嘩にはなりません
　　　　　　　　/　　 {　　V , -－ﾍ
　　　　　　　　|　　　ヽ　 Ｌ|　r=　|

┌─────────────────────────────┐
│　自身の現境遇の説明から始まった茂丸の話は次第に熱を帯び 　 　 .|
└─────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,--''''''---,,,__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　＼
　　 ／￣￣＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　 ／⌒＼／|
　|　　　 （ ●）（●）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　／＼　　　 ／⌒＼　/|||||
.　|　　　　 （__人__）　　　　　　これこれこういうわけで 　 　 　 |　 /⌒＼||／　　　　|　||||/⌒|.
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　|　　θ___θ　　　/　└ 　9 |
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　こーしているのです　　　　　 .　| 　　 ／〇＼　　　　　　<___/
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／＼／　　　　　＼_ノ　　 ／--,,,
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　/　　 /⌒＼　　＼_／　　　　＼
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|,.,.,.,./'''---''''ヽ,.,.,.,.ヽ
　　　|　　　　＿＿＿ 三）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フムフム
　 　 |　　　　|

　　　　　　　　　　　　┌────────────────┐
　　　　　　　　　　　　│.　藩閥政府批判にまで及びました 　 　 |
　　　　　　　　　　　　└────────────────┘

　　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　　 　 　 　 　 ／ ヽ､.　_ノ　ﾉ Ｌ
　　 　 　 　 　 |　（●）（●）⌒
　　 　 　 　 　 |　 （__人__）.. |
　　　　　　　　 | 　 ｀⌒´ 　 |　　　　今の藩閥政治は駄目駄目です！
　　　　　　　　 ヽ　　　　　　}
　　　　　　　　　人＿__＿_ノ丶
　　　　　　　／　　　　　　 　　＼ |i
　　　　　 ／　　　　　　　　ヽ !l　ヽi
　　　　　（　　 丶- 、　　　　 しＥ　|そ　　ドンッ！！
　　　　　　 `ー､＿ﾉ 　 　∑　l､Ｅ ﾉ　<
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚY^Ｖ^ヽｌ




　　　　　　　　　　＿＿_
　　　 　 　 ,-‐ ´ z､　　　｀ ヘ
　　　　 .／zzy　 /　｀ｰゝz__ヾﾊ,
　 　 　 ｌ三三{　 |　　　{::::i　￣}::i
　　　　 }彡ミﾆ　ﾍ 　　 {::ﾉ　 ,┴'　、
　　　　 {　　　U　 ヽ　　／　　　　　ヽ　　　　 えー……
　　　　 ｀ー、‐　　　─/　　　/}, 　　 }
　　　　　　　ゝ､＿ 　 /　　　/　|　　 ﾉ＿
　　　ｘ＜::/:::::::::::ゝ三三ﾆ<　>三三ﾐ､:::::::＞、　←薩摩閥の大物

　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,,,-―――-､,,_
　　　　　 　 　 　 　 　 ,,,-ｯ=''"｀　　　　　　　　｀ －.,.、
　　　　　　　　　　 ,／ﾞ,／　　　　　　　　　　　　　　 ｀'.ヽ、
　　　　　　　　　 ,i´;;;;;;:ﾞl　　　　　　　　　　　　　　　　　｀､＼
　 　 　 　 　 　 /: ;;;;;;;;;;:,!　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.ヽ
　 　 　 　 　 　 |: ;;;;;;;::;;│　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,―-　!:lﾞ
　　　　　　　　 ﾞl.: : ;;;;:丿 ,,､---､、　　　　 'i､,　　　 ,,/　ﾞ、 .|.,′
　　 　 　 　 　 ｒ'"''-、/　　　.lﾞ　 ｀ '-､,,_　　,!（ .,,,／　　 .|　ﾘ`i､　　　　なぜ藩閥は駄目だと言うのですか
　　　　　　　 .,!－､.ヽlﾞ　　　.|　　　　　 〈`|"　 l、lﾞ　　　 ,i´ Ｌ ﾞl
　　　　　　　 .lﾞ　 ,i´‐!　　　 "　　　　　 ﾞ'"　 __｀"｀　　　′｀lﾞ.lﾞ
　　　　　　　　ヽ　'．,　　　　　　　 ､.――ｯ″｀ｯｰ-､、　　　 |
　　　　　　　　　｀､､lﾞ　　　　　　,､'";;;;;;;;;;;;;;;｀''''";;;;;;;;;;｀'-、　　|-．
　　　　　　　 _,／ﾞ/.|　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　,|. ｀'-､,、
　　　 .,,,､.‐'"゛　 ,lﾞ .ヽ　　　 ./｀;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:ｖ-''ﾞ,｝;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ 'i､　　 `ﾞ'‐､、
: _,.-''″　　　　 .lﾞ　 .ﾞ,i､　　.,i´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lﾞ''"＾ ﾞl;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ｀　　　　　 `-、
."　　　　　　　 ,lﾞ　　.lﾞ ',!､,_lﾞ;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;:|　　　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:ﾞl　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　│ ｀'、|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,!　　　 .'、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞl　　　　　　　　 : `i､
　　　　　　　　　　　　|.丶 ｀lﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:.|＿_,,,－|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:|　　　　　　　　　　｀i､





　　　　　　　　　　.　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　.／ _ノ　 .ヽ、＼
　　　　　　　　　　.|　 （●）（●）　|
.　　　　　　　　　　.|　　（__人__）　.|
　　　　　　　　　　 .|　　 ｀ ⌒´ 　ﾉ
　　　　　　　　　　　ヽ　　._　　　.}　　　　　あなた方は三百年間皇室を押さえつけていた
　　　　　　　　　　　　ヽ_/ }　.　ﾉ　　　　　 徳川幕府を倒した薩長藩閥の人であります
　　　　　　　　　　　 ／､ 〈　　く
　　　　　　　　　　　ﾊ ヽ Y｀ー.､i
　　　　　　　　　　　{　ヽ_ゾﾉ-‐１
　　　　　　　　　　　｀¨´┬'　.　｜

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ 一）（一）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　幕府を倒す　そこまではいい
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　しかしその後釜にあなた方が居座り
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　 政権を欲しい侭にしている　この現状はいけません
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/　　　　　 五箇条のご誓文を思い出してください
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|


──五箇条の御誓文─────────────────────
明治元年に明治天皇が公卿や諸侯などに示した明治政府の基本方針
──────────────────────────────



┌──────────────────────────────────┐
│一 広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スヘシ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フヘシ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス　　　 .│
│一 旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└──────────────────────────────────┘

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）　　　　　　　人材の登用、万機を公論に決すことは
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　 陛下の大御心でありますのに
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　 　 ﾋﾞｼｯ　　　　　　 何故それをなさらないのですか
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__ 　 て
　　　|　　　　＿＿＿ 三） 　（
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣　　 ´





　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●　　　　　　　　　　維新の道半ばに倒れた我々の父兄諸先輩方は
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　王政の復古を果たしたい……
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　　　　　　天子親政を実現させたい……
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　　　　　　　　万機を公論に決したい……
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │　　　　　　　　　　　　広く人材を登用したい……
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /　　　　　　　　　　　　　 と一意専心に陛下の大御心を奉戴して戦い
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　血を流し、倒れてきました

　　 ／￣￣＼
　／　ノ　　＼ ＼／｀i
　|　 （●）（●）./　　ﾘ
.　|　　（__人__）..|　　/
　 |　　 ｀ ⌒´　ﾘ　 ﾋ　　　　　　　　なのに今のあなた方はどうです
.　 ヽ　　　　 ／/　　,｀弋ヽ
　　 ヽ　　- ′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀.ｌ　　　　万機を公論に決していますか　広く人材を登用していますか
　　　/〈　　`ｰ〈::....ノ　　　Ｖ　　　　　 まったく逆ではありませんか
　　　|　ヽ_ｰ ､ ｀ヾ＿/　//
　 　 |　 　　ﾌ-､｀ｰ┴‐-〃
　　　　　　　　　`ー‐一′





　　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　　 　 　 　 　 ／ ヽ､.　_ノ　ﾉ Ｌ
　　 　 　 　 　 |　（●）（●）⌒
　　 　 　 　 　 |　 （__人__）. |　　　　　 それどころか単純無私にその道を正そうとしている
　　　　　　　　 | 　 ｀⌒´ 　 |　　　　　　私共を捕縄十手を以って迫害するばかり
　　　　　　　　 ヽ　　　　　　}
　 　 　 　 　 　 人＿__＿_ノ丶　　　　　　これは何事です
　　　　　　　／　　　　　　 　　＼ |i
　　　　　 ／　　　　　　　　ヽ !l　ヽi
　　　　　（　　 丶- 、　　　　 しＥ　|そ　　ドンッ！！
　　　　　　 `ー､＿ﾉ 　 　∑　l､Ｅ ﾉ　<
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚY^Ｖ^ヽｌ

　　　　　 　 　 　 　 ‐――――‐‐ ､
　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　 ＼
.　　　　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　 /　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｉ
　　　　　 |　　二二二二 三 二二二二　 　 ｉ
　　　　　 | 　 ― ― ― ＝＝ ― ― ― ‐　 |
　　　　　 l　　 _＿＿ ノ　　 　 ^ー―－　　　|
　 　 　 　 l 　 / 　 　 ヾ≧=≦Ｙ　　　 ヽ　　 l　　　　 断言します　第二の精忠者たる
　　　　　　!　 |　{:::::::}　| }llllllll{ |　{::::::}　|　　 l
　　　　　　l. 　ヽ　,　　彡!!!!!!ゞﾐ､　 　 /　　 '　　　　　　私共を責め殺すような藩閥政府は
　　　 　 　 ',　　 /　　　　|　　　 ヽ　　　　/
　　　　　　　ヽ　 ゝ ＿ ／＼ ＿ ﾉ 　 　 /　　　　　　　　　一発の爆弾にその身を粉砕され
　　　　　　　　ヽ　　 ｀ ー―― ´　　 　∧__
　　　　　　　　　＼　　　　　 　 　 　 ／ / 〉::｀丶、　　　　　一振りの匕首に臓腑をえぐられることでしょう
　　　　　　　　　／＼　　 　 　 　 ／ 　/ /::::::::::::::丶、
　　　　　　　 ／:::::l　　ー――‐ ´　 ／ /:::::::::::::::::::::::｀丶 _
　　　　　-‐::::::::::::::l　　　　　　　　／　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 （●）（●）　|　　　 わたしは貴方の昔日志士の心に訴えまして
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　（__人__）　 |
　 　 　　　　　　　　　　 　 　　.|　　 ｀ ⌒´　　.}　　　　　早くこの詐欺師の郡より御覚醒になり
　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　 　.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　.　 }　　　　　　 謹んで聖天子を輔弼し　万機を公論に決し　広く人材を登用し
　　　　　　　　　　 ＿__._,r､　　 Yヽ　　　　　ノﾄｊ　　　　
　　　　　　　　 ／｀ヽ_j'､_ノ￣l!'´ヾ- ､＿｀_¨ 　 ｣､　　　　　　　そして純粋な志士を迫害することの無いように
　　 　 　 　 　∧　,ﾉ　 Yヽ　　l　　ヽ　　 　 7ヽ~ﾍヽ.､
　　　　　　　/-'´｢　ヽ　ヽｊ＿. l　　　ﾄ､ 　/〃ﾊ　 | ヽ ｀ヾ ､_　　　 御行動あるのが世のため身のためだと思うのであります
　　　　　　r'´, イ ヽ､ ｀,__,ｨ､__)|　l　 ヾヽ∧'〃ﾉﾞヽl　 ヽ　 ヽj｀ヽ
　　　　　 / '´　 ﾄ､　 Yrイ　 ∧l　',　　ヽ 　Tﾍ', 　 l _..ノ 　　l j　',
　　　 　 ,′　 　.}､二ィ　}　/ 　 l　ヽ　 　',　|､､ﾍ.　| ＼　　／ }. ﾍ
　　　 　 i 　　　　トz'_ノ,ｲ　　　　| 　 ',.　　', l､ヽﾍ　| 　 | 　　　 j/ l
　　　　　|　　　ノ ＼¨7/　　　　　l　　ﾄ､　 ヾ ､ヽ ',.l 　 lｰ- ／/　 |
　　　　　ゝ─'-- -r-`'　　　　　　ｌ　　',.ヽ　ヽ　ヽヽ!　 |￣　 /j 　 l

　　　　　　 　 　 　 　 　　　,zx-‐ 　 ￣　　‐‐- ､
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　}　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　／ 　 /　　　　　　　　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ﾊ　　/　　　　　　　　　　　ミ三三ﾆ}、
　　　　　　　　　　　//} 　}　/ /　　　　　 __ノ　　}三三三{
　　　 　 　 　 　 　 ﾊ;ﾉ　 ﾐ=≠=ﾊヽ=≠"勹}　　 }三三三{{
.　　　　 　 　 　 　_「zzx、　 　 {//}　 　 　 ﾉ　　 i彡ｼﾞ´, ‐{　　　　……
　　　　　　　　／　　弋　ヽ､ 　い;ﾉ　 　／　　　 彡'　（　 }}
　　　　　　　 ,'　　　　　｀ｰ '｀ヽ｀´　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　 |　　　　　,,、　　　　丶、､ 　 　 　 　 　 厂＼
　　　　　 ／:.:}　　　　 ｌ　＼　　　　　＼＼　　　　／: :＼: :｀: .､
　　　　／: : : :∨∨人｝ 　　＼　　　　 ﾍ,,,,.}-‐ ´ 　 }: : : : ＞zx: : .､
　　 ／: : : : : : : : : ﾉ: : : : ＼:::::＼　　　ハ::::::::::::::::::::ﾉ: : : : :／´ : : : : ﾞ: ､
　 /: : : : : : : : : :／ : : : : : :∧::::::::ヽ,,,,,,,,,,ﾉ:::::::::::::::::::}: : : : : `ー‐:､: : : : : :





　　　　　　　　　　＿＿_
　　　 　 　 ,-‐ ´ z､　　　｀ ヘ
　　　　 .／zzy　 /　｀ｰゝz__ヾﾊ,
　 　 　 ｌ三三{　 |　　　{::::i　￣}::i　　　　　　　　　よく遠慮無く　そこまでの事を云いました
　　　　 }彡ミﾆ　ﾍ 　　 {::ﾉ　 ,┴'　、
　　　　 {　　　　　 ヽ　　／　　　　　ヽ　　　　　　　ワシの方も云えば議論もありますが……
　　　　 ｀ー、‐　　　─/　　　/}, 　　 }
　　　　　　　ゝ､＿ 　 /　　　/　|　　 ﾉ＿
　　　ｘ＜::/:::::::::::ゝ三三ﾆ<　>三三ﾐ､:::::::＞、

　　　　　　　　　_,,--''''''---,,,__
　　　　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　/　　　　　　　　 ／⌒＼／|
　　　　　|　／＼　　　 ／⌒＼　/|||||　　　　　しかしあなたの言うことはよく分かりますぞ
　　　　　|　 /⌒＼||／　　　　|　||||/⌒|.
　　　　　|　|　　θ___θ　　　/　└ 　9 |　　　　ワシ等の昔の気持ちは今のあなたの気持ちと
　　　　.　| 　　 ／〇＼　　　　　　<___/　　　　　同じでゴワしたぞ……
　　　　／＼／　　　　　＼_ノ　　 ／--,,,
　　　　|　　/　　 /⌒＼　　＼_／　　　　＼
　　　　　　|,.,.,.,./'''---''''ヽ,.,.,.,.ヽ

　　　　　　　　＿_ 　 ＿_
　　　　　 　 /　　 ｀￣　 ヽ
.　　　　 　 上二二二二`┤
　　 　 ⊂ニ,-r‐-､──-｀二⊃
.　　　　　{ｨ|| { 　 {jｰlj⌒)　|ｋ}　　　　　　ようゴワす　あなたやその仲間たちに迫害の無いよう
.　　　　　ヽｌ　 ,. -(つ- ､　 ﾚ'　　　　　　　 ワシが尽力します
　　　 ,⊂⊃∨　　, -､　 ∨⊂⊃、
　　 /　i　 / ﾚvv/ー‐ﾚv､| ヽ　 i ヽ　　　　 伊藤総理の秘書官井上毅という男にも話しておきます
　／　 |　 ＞L.二⊥⊥二.｣＜　 |　 ＼
（　　　| 　 ＼|　　＼／　　|／　│　　）
. ＼　 | 　 　 |　 　 ○‐　　|　　　|　／




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ⌒）（⌒）
.　|　　　　 （__人__）. ｒｍ､
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉｒ川 ||　　　　　　　　ありがとうございます！　どうかよしなに
.　 |　　　　　　 　 },.!　 ノ'
.　 ヽ　　　　　 　 ｒ / .|
　　 ヽ　　　　　ノノ　ﾉ
　　　/　　 　 ／ .／
　　　|　　　 　 ／
　 　 |　　　　i´

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣