|::::::::::::::::::::::::::ノ:::〈 :::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::ｌ　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::ﾍ:::::::::::::::::ﾉ:〉　　　　　　俺はまず、金糸雀事件の真実を先に解き明かすため、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::!　　　　　　　この男の元を訪れた。
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　 　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　 　　　　|:::::::|!::::::::::::::::::::::::::::;i :::::::::::::::::::::::::::!　　　　　　これまで、ロクな話もできない割に、
　　　　　　　　　　　 　 　 　　　　|:::::::|!:::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::|　　　　　　いつも金糸雀事件の中心にいた人物……
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　|:::::::|!::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::|　　　 .┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　　 　 　 　　　 　 　 　 　|:::::ﾉ::::::::::::::::::::::::/_:ノ! :::::_:_:::_:::_:::_:_|
　　　　 　　 　 　 　 　 　 　 　 　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ﾉ :::::::::::::::::::::〉::〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::〉::::::::::::;l ::ヽ:::::::::::::ﾉ:::::::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉:::::::::::::::::::::/:::::::::::::;〈 :::/:::::::::::::::::::::〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,,..-ー-- ;; ..,,_:::::::ﾉ:::;〉ｰ〈'=- 　　‐-=ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　 　〈,;':::::::　　　　　　　,/`-ｲ!: :r'￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::...... / : : :/　`ヽ;:_;:;:;:;:_::::..,,,,,_ノ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 r── ────､: : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::........　　　　 i :./
　　　　　　　　　　　　　　　　`ー─────ｰ' "






　　　／　　　　　 　,_, 　 　　　　　　　　 　 ',
　　 /　　　　　　　（ l ､　　　　　　　　　　　 ',
　　 l　　　 　　,i､/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ　 　｀ヽi　　　l
　　 l　 　 i　, ノ ﾊ( ､ ,-‐..'´｀ｿ'｀ヽ　i ﾘ　　 /
　　│　　i、l=‐':´｀"ﾞ:::::::::::::.　　: ﾉノ/､　　/　　　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　 | i i |/::｀ :: ::::::::,i ヽ ;::::::..　 .:: l l　 l 　 ヽ
　　 l ヽゝ l:::　::: :::/ |　　｀' ､::: -'´j l' /　　　）　　　　　　　　────　シャア・アズナブルの元へ。
　　 ヽ、ヽ ｀ ､､:::/　 !､-　　　　　ゝ,l '　　　/
　　　　ﾞ''- ､ﾐ ',　　　_,　- ‐-　　　/r, ､　｀（ _　　　　　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　 　 _ﾉヽ＼　　　 -　　　　, '//　＼　　 ）
　　　　　　 ｀ｦ.　 ＼　　　 　 ／ // 　　　｀''‐'-,
　　　　,　=＝l ,　　l ｀　- ‐ '　　// 　　,---､ /
　 , , ' '´　　　!li　　ｌＬ. 　　, - ' 7/　　 |=000| ）
／/　　　　　　｀ﾞﾞﾞ_)|　｀' '´　　 l（　　　 ﾞｰ ' ´く
ヽ.ヽ、　　　　　　　 l　　　　　　ヽ >　　　　　　l
.　　　　　 └

　　　　　　　　　　_ ,､-―- ､_
　　　　　　　, - ﾞ´　　　　　　 `ヽ、
　　　　 　, '　　　　　　　　　　　　`ヽ、
　　　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　i　　　　　　　　　　　　　　 　　',
　　　　 ﾉ　　　　　　　　　　ノﾉ八 ,）　　ﾍ
　　 　 （　　　　 （(　ノﾉ∠ｲ＿　ﾉハ_リﾘｿ
　　　　 ｀)　　　　 Y＜;;::;;;;;:::;;;;｀´;;;;;;;;;!ﾉ　　　　　君はこの前の……一体何の用だね？
　　　　 ﾌ　　　,ﾍ　|ヽ;;;::;;;;;:::／ヘ;;;;;;;ﾉ
　　　　 ヽ　　｛Kﾉ　ゝ`'''ｰ''′　, 〉 i
　　　　 　）)　 ヾﾄ ヾ　　　　 　 　 /
　　　　 ラ　( （ﾉﾚ ＼　　　´ ￣ /
　　　　,イルゝトミtr､. ＞ 　_＿/
　　　ノ::::::::::::::::/:.:.:.ヾクﾊ_入くヽヽ_,,､-ｰｰ-.,､
,､-＜:::￣:｀ヽ;/:.:.:.:.:.:.:.ヾｔｆｰ┬イ:.|ヽ;:ヽ:::::::::::/ﾍ､
､:.:.:.:.:.:｀ヽ;::／:.:｀ヽ;.:.:.:.:.||:.:.:.:|.:.:|.::|トヽ:.:ﾍ:::::/:.:.:.ﾍ
:::ヽ:.:.:.:.:.:.:.y:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ､;.li:.:.:.:i:.:.:!ノ｀ヽゝ:.::∨:.:.:.:.:.:.:ヽ
;;;;;;ゝ-ｰ:':':′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｲiｰ-十イ:.:..:.:.:.:.:.:.:.il!:.:.:.:.___ノ)）
:.:.:.:.:|i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:!:.:.:.:.|:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i!:.:.ノﾉ´「ソ
:.:.:.:.:.i|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!|:.:.:.:.:i:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.li:/ﾉ:.:.:.:i:.ヽ

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　..／　　　　　　＼　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　 　　　　　　　　　| 　　　　　:　:::::::|　　　　　　俺はハマーンが語ってくれた、９日の夜の一連の出来事を、
.　　　　 　　　　　　 　 |　　　　　:::::::::::::|　　　　　　シャアに語った。
.　　　　　 　　　　　　　|　　　 　 :::::::::::::|　　　 ┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　 　　　　　　　 { 　 　　 :::::::::::::::|
　　　 　　 　　　　　　　{ 　 　__＿＿／
　　　　　　　　　　　　　(, .／_.,r'ﾆﾆ'r
　　　　　　　　 　　　　ﾝ:`三ｰ`_:ニﾆ:'r
　　　　　　　　　　＜:::::::::::､ニ,´::::::::::::::::＼



　　　　　　　　　　　　 ,r‐―‐-､
　　　　　　　　　　　／　　　　　 ＼
　　　　　　　　　 ／　　　,ｨ 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　i'　　　_.j_,j,rj_j,:､_　､ l
　　　　　　　　　iﾄ､._j'ji !! ｧ-､ !j !;l! ﾄヽ,　　　　　　────　！！
　　　　　　　　　 ( .`t.!!／ _!.ヽ='ｲi ,'　 ）
　　　　　　　　　 ヽヽ,j 　 ,--､ 　j　r ｨ~＼
　　　　　　　　　　 ）ヽヽ. ﾞ＝' ／l　　)ーi l
　　　　　　　　　　 ﾞt　j ｀ー‐'　 ｣　 iﾄ-'~i !.
　　　　　　　　　　　l　 ﾌ┬┬i'~二'iﾉ二ｿﾉ
　　　　　　　　　　　liブ　,i　i　!└┘!__//＿
　　　　　　　　＿,.:ヴｰ､j__j__jr-‐‐'''ー----｀ｴー､_
　　　　　　_／　／　　 i'　i'　i'　　　　　　　 /　 ＼　ヽ
　　　　　/　ﾄ-'"　　　,i'　i'　i'　　　　　　　/　　　　ヽ. ）
　　　　 i'　 l!　　　　　!　 !　!　　　　　　　j ,il　　　,.r'~ヽ
　　　　,ﾄ､　l　　　　　!　 !　,!　　　　　　 /　i　 ／　i　 ﾉ

　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　／　　　　　　＼
　　　　　　|:::::::　:　　　　　 |　　　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　　　.　|:::::::::::::　　　　　|　　　　　　　　おかしいと思うべきだったかもしれない。
　　　　　　 |::::::::::::: 　 　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .・ ・ ・ ・ ・ ・ .・
　　　　　.　 |:::::::::::::::　　 　 }　　　　　　　　シャアはあまりにも喋らなさすぎた。
　　　　　.　 ヽ＿＿__　 　 }　　　　　　　　 事件の中心にいる人物にしては、逆に不自然だった。
　　　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼. ﾉ..
　　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　　　 そう、まるで誰かに口止めされているかのように。
　　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　 ┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼
　　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.
　. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l
　　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l
　.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l



　　　／　　　　　 　,_, 　 　　　　　　　　 　 ',
　　 /　　　　　　　（ l ､　　　　　　　　　　　 ',
　　 l　　　 　　,i､/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ　 　｀ヽi　　　l
　　 l　 　 i　, ノ ﾊ( ､ ,-‐..'´｀ｿ'｀ヽ　i ﾘ　　 /
　　│　　i、l=‐':´｀"ﾞ:::::::::::::.　　: ﾉノ/､　　/　　　　　　　　それは……
　　 | i i |/::｀ :: ::::::::,i ヽ ;::::::..　 .:: l l　 l 　 ヽ
　　 l ヽゝ l:::　::: :::/ |　　｀' ､::: -'´j l' /　　　）
　　 ヽ、ヽ ｀ ､､:::/　 !､-　　　　　ゝ,l '　　　/
　　　　ﾞ''- ､ﾐ ',　　　_,　- ‐-　ι /r, ､　｀（ _
　　　　 　 _ﾉヽ＼　　　 -　　　　, '//　＼　　 ）
　　　　　　 ｀ｦ.　 ＼　　　 　 ／ // 　　　｀''‐'-,
　　　　,　=＝l ,　　l ｀　- ‐ '　　// 　　,---､ /
　 , , ' '´　　　!li　　ｌＬ. 　　, - ' 7/　　 |=000| ）
／/　　　　　　｀ﾞﾞﾞ_)|　｀' '´　　 l（　　　 ﾞｰ ' ´く
ヽ.ヽ、　　　　　　　 l　　　　　　ヽ >　　　　　　l
.　　　　　 └

　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　／　　　 　　 ＼　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　　　　|:::::: 　 　　 　　｜　　　　　だとすれば、何を喋ってはいけないと言われたのか。
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜　　　　 そして、どうして口止めに応じたのか、だ。
　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　}　　　　　 これはあくまで俺の推測なんで、間違っているかも知れない。
　　　　　.　 ヽ:::::::::::::: 　　 }　　　 .┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　　　 ヽ::::::::::　　ノ
　　　　　　　　/:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――――――
　　　　　　 　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)



　　 ／￣￣＼
　／　　　　_ノ ＼　　　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　|:::::: 　 　 （● ） ）　　　　　　　この男が女優の卵に手を出す悪癖は、業界では有名過ぎて脅迫のネタにならない。
.　|:::::::::::　　 （__人)　　　　　　　 だが、麻薬が絡んでるとなれば話は別……
　 |::::::::::::::　　｀⌒´ﾉ　　　　　　　それが明るみになれば、社会的地位は一気に崩壊するだろう。
.　 |::::::::::::::　　　　}
.　 ヽ:::::::::::::: 　　 }　　　　　　　　そして、喋ってはいけない内容とは……
　　 ヽ::::::::::　　ノ　　　　　　 ┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　/:::::::::::: く
　　　|:::::::::::::::: ＼
　 　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

　　　　　　　　　　_ ,､-―- ､_
　　　　　　　, - ﾞ´　　　　　　 `ヽ、
　　　　 　, '　　　　　　　　　　　　`ヽ、
　　　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　i　　　　　　　　　　　　　　 　　',　　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　　 ﾉ　　　　　　　　　　ノﾉ八 ,）　　ﾍ
　　 　 （　　　　 （(　ノﾉ∠ｲ＿　ﾉハ_リﾘｿ　　　　 　　　────　御厨仁。
　　　　 ｀)　　　　 Y＜;;::;;;;;:::;;;;｀´;;;;;;;;;!ﾉ　　　　　 　　　この男に関する事全てなんじゃないか？
　　　　 ﾌ　　　,ﾍ　|ヽ;;;::;;;;;:::／ヘ;;;;;;;ﾉ
　　　　 ヽ　　｛Kﾉ　ゝ`'''ｰ''′　, 〉 i　　　　　　　 ┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　 　）)　 ヾﾄ ヾ　ij 　　 　 　 /
　　　　 ラ　( （ﾉﾚ ＼　　　´ ￣ /
　　　　,イルゝトミtr､. ＞ 　_＿/
　　　ノ::::::::::::::::/:.:.:.ヾクﾊ_入くヽヽ_,,､-ｰｰ-.,､
,､-＜:::￣:｀ヽ;/:.:.:.:.:.:.:.ヾｔｆｰ┬イ:.|ヽ;:ヽ:::::::::::/ﾍ､
､:.:.:.:.:.:｀ヽ;::／:.:｀ヽ;.:.:.:.:.||:.:.:.:|.:.:|.::|トヽ:.:ﾍ:::::/:.:.:.ﾍ





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82 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/23 23:06:40 ID:NS3K8r6X さあ、お前の罪を教えろ

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　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　 　 γ　　　　　 ｝　（　　l
　　　　　 　 　 l　　　　　　　　 　 　　 i　 ／ ノ ノﾉル））ｊ　ヽ
　　　 　 　 　 ,'　　　　　　　　　　　{　｛ ｛　｛≦´;;;;;;;;;;;;￣〕リ
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　　　　　　　 ヽ､　　　　　　　　　　 ヽ)）（ (　　　 　｀￣´　ヽ
　　　　　　　 　　ヽ 　 　 　 　 　 　 　 i ト ゝ 　 　 　 　　ｒｰ′　　…………
　　　　　　　　　　 ミ　　　　　　　　　ノﾉ! 　　　　　´￣」′
　　　　　　　　　γ⌒ 　 　　ヽ 　 ｛（　　ヽ、 　 　 　 ｀{
　　　　　　　　　 ゝ,　　　　　　!ニﾆヾ彡 ｀::.. ＞ 　 　　j
　　　　　　　　（　つ　　　　　ﾉ:::::::| |　ﾍ　　　┬‐｀ ｰ ´









　　　　　　　　__,r'"　　　　~ヽ.
　　　　　　_ノ~　　　　　　　　　＼
　　　　 ／　　　　　　　　 　 　 　 ヽ
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ!
　　　i　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾞi
　　 ,i　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　 ./　　　　　　　 i　　　　　　　　 　 ( .
　,i　/　　　　ﾉ,ﾉノi i i　　　　　　　　　）
　! ,ヽ,　∧ﾆ'ﾚ'ｰ'　!､j､　､　　　　　　 i
　ヽ＼ソ,ﾉ''ﾐｪf､　　,__二ミ　　　　　　j　　　　　　　………これ以上は隠し通せないようだな。
　　"Yヽ.ﾄ　　　）　　''ﾐｪｧ,;ﾞ）　'"　　 ）　　　　　　　　分かった、全て話そう。
　　　ﾘゞ.l　_　/　　　　　　~i　／/,＼
.　　　ﾞヽ!ﾄl ,＼ヽ　　　　　 j　!, (/iﾞ｀' ＼　　　　　　　何故私が何も知らないと言い張ったのか……
　　　__,j,ﾊL!ヽ.ﾞy‐'"￣ﾞヽ'"j j. ,r┴‐‐'ﾞ7i!
　 (~r'　!　ヽ.／__,r＝~ヽｲ｢｢｀^~　　(（　 !
　　!.l　　) ,f~　 ＿,,ｨ､＼,i !j! ,.へ　 　 ）/
　　| |　( /　　　　　 ヽ./,/／　/ﾞ^ヽ.__/
_,..-.! !　 i　　　-=＝ｰ/／j､,､)）　　 /)
　　 !ヽ　j　　　　　 　 ）ｰ'Y ("　　 //
　　 ＼V　　　　!i~_／　　 ﾄｰﾞ　　//‐-r'"￣~ヽ､
　　　／　　　　 ,j~_＿ _,.ノ!.　　 //　　　　　　　 ＼_
　 _j'~　　　　　/　　　 　 ,八　 //　　　　　　　　　　i.

　　　　　　　　　　 〃⌒　,､
　　　　　　　　　　 !ｉ　　 ,l　｀ヽく⌒ヽー-- .､
　　　　　　　 　 　 {ゝ.__/＼. 　 ＼ ヽヽ. ,.- ､＼
　　　　　　　 　 　 ｀ｰ'〈　 ,/`ー ､ ＼　 {l　>-､ﾊ
　　　.　　　　　　 　 　 ﾊ /　　　　`ー ､{l /ｒ〈l} .}
　　　　　　　　 　 　 　 〉 i ⌒　　　　'⌒ヾ::|'1| /
　　　　　　　　　　　 　 ヽl,.'f´ﾐ、 　 ィｆ｀ﾐ 7└'ヽ
　　　　　　　　　　　　 ／ !弋リ . 　 弋リ ﾄ/)　└,
　　　　　　　　　　　　/Yi .>､ ∩ｰｰ　 ,.イヾﾄ､ //〉､
　　　　　　　 　 　 　 〉.ゝﾆ=' .| l>､‐ ﾊ､__ﾉﾉ　＼/_/
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　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 | !　　/ / 〉、　　　ﾚiゞ､ ＿__,ﾉヽ
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　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／人ﾉ　　 <´＼　　　　 ヽl∨ﾞ 　 ﾊ
　　　　　　　　　　　　　 　 /イLノ y　 　 ｀（. ＼__　　　　　　　 ﾊ
　 ┌────┐
┌┤....シャア　├───────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　サラ・金糸雀・ローゼンは、ブロードウェイを夢見る女優志願の女だった。　....│
│　　街角の酒場で声を掛け、私が何者かを言うとすぐにホイホイついてきた。 　 .│
｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
｜　　コカインもすぐに覚え、私の言う事は何でも聞いた。　　　　　　　　　　　　　　　│
｜　　私と付き合えばエンジェルの主役になれると思っていたらしい。　　　 　 　 　 .│
└─────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _＿r‐ｭ.........................rｭ＿__
　　　　　　　　　　　　　　　 ＞　´ 　-―――――――――- 　　｀ ＜
　　　　　　　　　　　 　 rf「＿, 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿_　　　　　_＿〉
　　　　　　　　 　 　 ／/|　　 　 　　　厂￣｀マﾆニニニｙ' ￣ヽ　　　　　　',
　　　　　　　　　　　_〉{　l　　　　　 ／1　　　　 ｀¨¨¨¨¨´　　　 ｀ﾄ､　　　 　ｊ
　　　　　　　　　　 〈＼〉 ﾄ､__ 　.イ　 /　　　,斗‐――-　, 　 　　ﾏ`ー--У
　　　　　　　　　　 〈＼〉　　｀マ＿ ノ 　 ／ 4k__)(__)(__) 2＼　 　 ヽ＿／
　　　　　　　　　　 〈＼〉　 　 　 　f｢ 　 ' 5k__)　 ＿　　 (__).1　　　l|
　　　　　　　　　　 〈＼〉　 　 　 　ｌ|　,' 6k__)´g㌢￣｀守。 　 　 　 l|
　　　　　　　　　　 〈＼〉　 　　 　 ||　l　k__)i {iii{<（_ _）>}iiｉ} 　 　; 　l|
　　　　　　　　 　 f^YYYYYYY^ー||　li 7k__) ⅥiマニフiⅣ 　 　'　 l|
　　　　　　　　　〈 Уｰyｰ'ｰ'ｰ'ｰ'＾||　∨ k(__)､`定主亥〈＼　 ,' 　 l|
　　　　　　　　　〈/ 　/ 　 　 　 　.l| 　 ヽ 8`ﾄ(__X__)＿　 〉 У　　 l|
　　　　　　　　　〈 　 ﾄ､　 　 　 　 l|　　　　＜ 9　0　　 ＞'　　　　 ｌ|
　　　　　　　　 　 ヽ　Y^ヽ　 　 　 l|　 　 　 　 ｀ ¨¨¨¨´ 　 　 　 　 ｌ|
　　　　　　　　　 　 ＼|　 ﾄ､　　　 i|　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｌ|
　　　　　　　　　　　　 l　 Lﾑ　　　 、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ﾉ
　　　　　　　　 　 　 　 ヽ｣　 ﾄ､ 　 　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　 　 　 　 　 l　 Lﾑ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ |　 ﾄ-仏
　　　　　　　　　　　　　　　　`ｰ^ー '
　 ┌────┐
┌┤....シャア　├────────────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
│　　あれは丁度９日の事だった。サラ・金糸雀から電話があって、　　　　　　　　　　　　　　　　.｜
│　　オーディションの発表は明日だというのに誰から聞いたのか、　　　　　　　　　　　　　　　　.｜
｜　　自分が主役になれなくなったのを知り、ひどく興奮していた。　　　　　　　　　　　　　　　　　.｜
｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.｜
｜　　彼女は「今すぐアパートに来て欲しい！」と言った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜
｜　　そうしないと雑誌社に電話をかけて、私との関係を公表してから自殺してやる、ともな。　 ｜
｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.｜
｜　　電話口からでも本気だと伝わった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜
｜　　私はハマーンにも告げずにこっそりと出かけた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .｜
└──────────────────────────────────────┘

　　　　　　　＼ 　 　 　 ＼////
　　　　　　　　/　　　　　　＼/
　　　　　　　 /　　　　　　　　ヽ　/ /
　　　　　　 /{　　　　　　　　 　∨ /　　　　　　　　　｀ﾞヾ､ , イ ',　　　　　　 　 ∨///
　　　　　　/∧　　 .,　　 　 　 　 ∨/　　　　 ,,　　　　 ､　｀｀て, ',　　　　　_,.．-'∨///
. 　 　 　 // ∧　　{　　　　　　　///．-'''"　´ﾞ　　　　　｀ ー＝ゞ.',_,.．-'''"　ノ｀´ﾞ∨'ﾞ´
　　　　　 / // }　 jヽ._　 　 　 }///＿　　　　　　　　　　 　 ____水彡ー=ﾐ´: : : ::',: :
　　　　　　　　/{ ノヾ|`ミz､ ヽ }// / ヾ´　　　　　　　　　彡'´　　 ノ;,　　∨ヾ､: :',:
.　　　　　 　 // ＼　|:::: :.{ ヽノ///ﾐ､　　　　　　　　　　　　 ,.イ二ミzｿ　 ∨: :.､: ﾞ
　　　　　　 //　 //`|:::: : :i¨ヽ/ /　__ .ヾヽ　　　　　　　　　　ノ,'´､__ ヽヾz_,　}＞-､:
　　　　　　/　　//　 |:::: : :i 　 |/t':::j,ﾟ ﾘ　　　　　　　 　　 　 {ーt::::j,ﾟ }　　　7, - ､!´
　　　　　　　　　　../ |:::: : :i 　 |､.__彡'　　　　　　　　　　　　ゝ､.___彡ﾞ ,　　 {､　　}
　　　　　　　　　　.ﾞ　|:::: : :i 　 |　 /- '　　　　　　　　　　　　　ー-- <ﾞ　　　 j ヾ.､!
　　　　　　　　　　　､|:::: : :i 　 | ./　i l　|　l　　　.:::i　　　　　, j　i　l　､ ､　　'　ﾉノ}',
　　　　　　　　　　 / |:::: : :i 　 |//　　　　　　　　 ::::|　　　　　　　　　　　　'￣´／ | !
　　　　　　　　　　/ .|:::: : :i 　 |//　　　　　　　　｀　　　　　　　　　　､　r=､_ノ -, 'ﾉ
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　 ┌────┐
┌┤....シャア　├──────────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .│
│　　アパートのドアを開けると、そこには片手にナイフを握り締めたサラが立っていた。　｜
│　　驚いた私はナイフを取り上げようと彼女と揉み合った。　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .｜
｜　　そして私は誤って彼女を刺してしまった……。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜
｜　　彼女は倒れたまま動かなくなった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｜
｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｜
｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｜
｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　サラが死んだ…………！　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｜
｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｜
｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｜
└────────────────────────────────────┘

　　 ヽ　　　　 !　 !l!　　　　　　　　　　　　 , , ノ　　　　　　　 /
　　　 ヽ　　　 ﾄ､ ヽ　 ! /,　_,.-＿ ,ノノ ,ｨﾉl'ヽ/,　　　　　　　,'
　　　,...ﾉ'　　　| ﾍｰヽヽl（/ l'´ ≧ﾐ､_ ,ノ'　!　ﾘ! l　　　　 　 ﾄ!_　　　　呆然としていたその時だった。
　r'´イﾉ　　　 ヽ ﾘ　　 r'｀　 　 ヽヾ歹､=､ヽ　,_ﾘ=､　 l　 ﾉ l ｀　　　　突然部屋のドアが開き、一人の男が入って来た。
　!（　ゞ,.　　　　 ´r､　r'　ι 　　　￣｀ ヽ　 /ゞｸｲﾉ /ノ ﾉﾉ
　}ヽ､｀` ｰ-　_i´, ﾉ'.lﾍゝ　　　　　　　ι 　/　 /ｰ '´_, '´
　l　　￣｀ ｰ- ､｀ヽ､l,_　　　　ι 　　_　　 l　 /　,(´
　!　　　　　　　 ｀ ｰ-､ヽ　　　　　　　ヾ=-' ,.', ィ､丶､






　　　　　　　　　　　　　　　 _.. ‐'''''''''''' ‐ ､
　　　　　　　　　　　　 　 ,ｒ'　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 / ⌒　　　　　　　　 ヽ
　 　 　　　　　　　 　 　 （ ●）　　　`―　　　　..i
　　　　　　　　　　　 　 i.　 　　　　（　●）　　　 |
　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　_´_＿_ 　　　　　　/
　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼`ー'´　　　＿_／
　　　　　　　　　　　　　　　,-'"X ヽ ￣,イ !:: ヽ ＿＿.
　　　　　　　　　　　　 __イ:::::::|l,　＼／　 | !:::::ゝ::::::::::::::~ﾞl
　　 　 　 　 　 　 ,-‐'":r┤::::/｜,イｿ＼　! ヽ:￣!::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　｜::::::::|:::::::::,!　.'　/ l　　 　 〈:::::::|:::::::::::::::!::::｀`ｰ-､
　　　　　　　　　 |:::::::::::|:::::::j　　　 !-|　　　　 ', :::: !:::::::::::: !:::::::::::::::::::`ー ､_
　　　　　　　　　 !::::::|:::|:::::::j　　　 |-┤　　　　 !:::::l,:::::::::::::,!:::::::::::::::::::::::::::::::::`ｰ-、
　　　　　　　　　,!:::::::,|:::|::::::|　 　 ├┤　　　 　 l,::::|:::::::::::::|_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　!:::::::::l:::l:::::,!　　　 |─|　　　　　　', : !::::::::::! 　｀`‐--､__::::::::::::::::::::::::ヽ
　 ┌────┐
┌┤....シャア　├─────────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　……できる夫・ギルフォードだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .｜
│　　あまりの事に頭が混乱し、事態が飲み込めない私には疑問すら沸かなかった。　.｜
｜　　何故こんな所であの若造が出てきたのか……。　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .｜
｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜
｜　　だが奴はそんな事はお構いなしに私にこう言った。　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｜
└───────────────────────────────────┘

　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　／￣￣￣￣￣￣ ＼
　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　 　　　/　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　 　　/　　　　　　　"￣￣`　　　 ＼
　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　 　 l　 '´￣`　　　（ 　●）;;:::　　　　ヽ　　　　　「　後の事は全て任せて下さい。
　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　 　l ;::（　●）　　　　"''"´　　　　　　　l　　　　　　上手く隠してみせますから。
　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　 　|　　´"',　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　ただし、それには条件があります……　」
　　　　 　　　　　　　　　　　 　　　 　l　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　 　　　　　　　　　　　　 　　 　 ＼　　　､__,＿_,　　　　　　　　　丿
　　　　 　　　　　　　　　　　　 　　 　　　＼　　　　　　　　　　　　　／
　　　　 　　　r- ､　　　　　　　 ,-‐　‐- ､＿,,i-'"i`i､　 ‐ 　／_,,|　ﾍ､　　　　＿ . -‐ ､
　　　　 　　　ヽ､　＼_＿ 　　/:::::::::::::::::::::::::／::;;;;| ﾍ､ ー',, ／　i;;;;;ヽ｀'￣:::::::::::::::::::::　ﾍ　　　 　　__
　　　　 {ヽ､!ﾞ`､.ゝr､　　l｀Y＼:::::::::::::::::::::／:::::::::;i　 rゝ"､　　　 !;;::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::i　 ,.､r-ｨ'ヽ　}ｨヽ
　　　　 .|　 |　 ll　 Y´　l　 !　 ヽ-､　 ::::::＼:::_／! , '!::::::::入 　 /::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::,., ｨ´f 　i　 l　 i´ i　l
　　　　 .ヽ､ﾞ､　ﾞi　 ﾍ　 |　 i　　　　 ヽ::::r-‐'´:::::|/ l };:::::/　k. /i:､:::::::::_r':::::::::::::::, -‐ f　|　}　 }´ l 　! ,!　i
　　　　 　　｀ﾞ､. ﾍ 　 `"ﾍ　`l_　 　 　 !､_r ､::::::::l　 Y:::::::l 　 V/　､／::::::::::::::::r´ 　　 !　!　! 　| ｿ　 .|'　/
　　　　 　　　　 `ー'‐―､_　　!　　　 　 //´:` ､i　/:::::::::|　　/:::::::｀` ､::::::::::rr|::::.....r'ﾞ　 |'´　 /´　／／

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　_ , ､- '' "￣｀　ｰ ､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　 　　／　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　　ﾚ　　　　　　j　　　　 　 　 　 　　 　 i
　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　 ﾉ八　:|、　　　　　　　　 　 i
　　　　　　　　　　 /　 　/　/:ノﾉ　 ＼!ヾ丶　　　　　 　 　 }
　　　　　　　　　　,'　 /　!:/彡ｲ　 　＿ゝ＼＼ゝ　　 　 　 ﾉ　　　　その条件とは、これから先どんな事が起こっても、
　　　　　　　　　 ｛　 i　l ﾘ´ﾆfｧヾ｀ ｰ=ヱｵ ゝミﾐ　　　　 /　　　　　『私が知っている御厨ナギの素性を明かさない事』だった。
　　　　　　　　　　＼｛ {ゝi　　　 i　　　　　　　（　　　　 /
　　　　　　　　　　　 ゝヽ∧ 　　j__,　　　　　　ノﾉ7 　　{　　　　　　私は彼女の夫だった御厨仁とは昔一緒に仕事した事があるし、
　　　　　　　 　 　 　 　 ） ﾍ　　__｀　　　　　ゝ､ソ　　　ﾘ　　　　　　そのつてで色々知ってたからな。
　　　　　　　　　 　 　　(（　ﾍ 　　_　￣　 ,.､_ (（　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　__＿＿つハ　　　　　 //へヘ）　}イ
　　　　　　　 　　 ', 　 　　彡　i｀ー‐＜//:::::ｰ=ニソ八
　　　　　　　　　　 ',　　　　ヽ,ト、＿__//:::::「x:x:x」(　て
　　　　　　　　　　　', 　 　　　!　　　//:::::::::￣￣::::)）ノ
　　　　　 ／￣/ﾍ 　', 　 　 　ｌ 　　//:::::::::::__,,､=＝＜_＿ 　 　 　 ..,,､､、 ,､
　　　　　 i 　 /:￣￣ヽ.　 　 ﾉ 　 //:::::::／／:::::::::::::::::::::::::￣￣／　　　ヽj ヽ






　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿＿___
　　　　　　　　　　 　 　　 ∠´　　　　　　｀ 　､
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　　　　　　　　 l　　　　　　　　 　 　　γ　　　　　 ｝　（　　l
　　　　　 　 　 l　　　　　　　　 　 　　 i　 ／ ノ ノﾉル））ｊ　ヽ
　　　 　 　 　 ,'　　　　　　　　　　　{　｛ ｛　｛彡≦≠ｭ/　! リ
　　　 　 　　 ,'　　　　　　　　　　　　ゝ､ゝｰ( ´`ヽﾆ ｾヾ　〉ｿ　　　　　そしてできる夫は、
　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　 ｛´ヾﾒ　）　　　　 　 　'､
　　　　　　　 ヽ､　　　　　　　　　　 ヽ)）（ (　　　　 　 　　 ヽ　　　　「　もし誰かに話せばサラの事ばかりではなく、
　　　　　　　 　　ヽ 　 　 　 　 　 　 　 i ト ゝ 　 　 　 　　ｒｰ′　　　　　　　　　　　貴方の麻薬常習も世間に公表します　」
　　　　　　　　　　 ミ　　　　　　　　　ノﾉ! 　　　　　´￣」′
　　　　　　　　　γ⌒ 　 　　ヽ 　 ｛（　　ヽ、 　 　 　 ｀{　　　　　　　……そう言って私を脅した。
　　　　　　　　　 ゝ,　　　　　　!ニﾆヾ彡 ｀::.. ＞ 　 　　j　　　　　　　私は奴に言われるがまま、一緒にサラを奴の車に運んだんだ。
　　　　　　　　（　つ　　　　　ﾉ 　 | |　ﾍ　　　┬‐｀ ｰ ´

　　　　　　　　　|　ワシントンＤＣ　 .┃　　　 三三三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　|　首脳会談　　　　.┃ 　 ┌──────────────┐
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃　　│　　 /::::::::ハ､＼､::::::::＼＼::::::::::::', 　 │　三三三三三
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃　　│　　 ｉ:::::::ｲ　　｀> 　　　-ミ::::::::::::| . 　 │　三三三三三
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃　　│ 　　{::::::::| 　 　 ::＼:::／::::　＼:::ﾘ-}　│　三三三三三
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃ 　 │ 　 ',::r､:|　 <○>　　<○>　　!> ｲ　 .│　三三三三三
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃　　│ 　 　|:､`{　 ｀> .::　 ､　　　 　 __ﾉ 　 .│　三三三三三
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃　　│ 　 　|::∧ﾍ　　／､__r)＼　　　|:::::|　 │　三三三三三
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃　　│ 　 　|::::::`~',　〈　,＿ｨｪｧ 〉　　l::::::》 . │　三三三三三
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃　　│ 　 　|:::::::::::::'､　 `=＝'´　　,,ｲ::ﾉﾉ从　| 　三三三三三
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃　　│ 　 ノ从､:::::::::`ｉ､,,　...　..,,／ |::::://:从 | 　三三三三三
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃ 　 └──────────────┘
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　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
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　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃三三三三三三三三三三三三三三三三三三
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　　　　　　　　　|. ｳｪｽﾄﾚｲｸから　　┃三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　| .巨大淡水魚　　　┃三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　|　三三三三三三三┃三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　|　───────────────────────────────
　 ┌────┐
┌┤....シャア　├───────────────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　しかし……あの日死んだはずのサラが「飛び降り自殺をした」という記事を新聞で読んだ時、　　.│
│　　私は子供じみた罠にはめられていた事にようやく気が付いた。　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .│
｜　　記事にはナイフで刺した形跡の事など一言も触れちゃいない。　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .│
｜　　……そう、あの時サラは生きていたんだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
└─────────────────────────────────────────┘

91 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/23 23:13:23 ID:zvTP2va+ なん…だと…

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　_ , ､- '' "￣｀　ｰ ､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　 　　／　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　　ﾚ　　　　　　j　　　　 　 　 　 　　 　 i
　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　 ﾉ八　:|、　　　　　　　　 　 i
　　　　　　　　　　 /　 　/　/:ノﾉ　 ＼!ヾ丶　　　　　 　 　 }
　　　　　　　　　　,'　 /　!:/彡ｲ　 　＿ゝ＼＼ゝ　　 　 　 ﾉ　　　　……サラ・水銀燈の事は、Ｍ＆Ｍに通っていたからある程度の事は知ってる。
　　　　　　　　　 ｛　 i　l ﾘ´ﾆfｧヾ｀ ｰ=ヱｵ ゝミﾐ　　　　 /　　　　　君が私や私の周りを嗅ぎ回るようになったお陰で、
　　　　　　　　　　＼｛ {ゝi　　　 i　　　　　　　（　　　　 /　　　　　　Ｍ＆Ｍのピアノ弾きの自殺と、碇ゲンドウの遺産問題が絡んでいる事を知った。
　　　　　　　　　　　 ゝヽ∧ 　　j__,　　　　　　ノﾉ7 　　{
　　　　　　　 　 　 　 　 ） ﾍ　　__｀　　　　　ゝ､ソ　　　ﾘ　　　　　　だが私にはそんな事どうでもよかった。
　　　　　　　　　 　 　　(（　ﾍ 　　_　￣　 ,.､_ (（　　　 ﾉ　　　　　　　私の頭には『エンジェル』の舞台の事だけしか無かったのだから……。
　　　　　　　　　　__＿＿つハ　　　　　 //へヘ）　}イ
　　　　　　　 　　 ', 　 　　彡　i｀ー‐＜//:::::ｰ=ニソ八
　　　　　　　　　　 ',　　　　ヽ,ト、＿__//:::::「x:x:x」(　て
　　　　　　　　　　　', 　 　　　!　　　//:::::::::￣￣::::)）ノ






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ........ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　. : ´ 　 　 　 ｀　､
　　　　　　　　　　　　　　 . : ´　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 , ´　　　　　　　　　　　　　　ヽ
.　　　　　　 　 　 　 　 i　　　　　　　　　　　　　　　　 i
　　　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　　　　　 　 　 |
　　　　　 　 　 　 　 （　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 j　　　　　薔薇水晶の自殺、金糸雀の事、そして自分の麻薬の事…………。
　　　　　　 　 　 　 　 ） {　　　　　　　 　 　 　 　 　 :′　　　　　スキャンダル発覚を恐れ、私は真実を話す事をためらっていた。
　　　　　　　　　　　　乂乂　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 ｀Ｙ｀ヾ　 　 　 　 　 　 　 く　　　　　　　だが、君には負けたよ……。
　　　 　 　 　 　 　 　 　 彡ｲУ　　　　　　　　　 У
　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾘ从乂　　　　　　　 ミ彡
　　　　　　　　　　　　　 . イ::::::::::::::｀ソ　　　　　 }::ﾍ
　　　　　　　　　　 　 く::::::::::::::::::::::-=彡ｲ 　 ））ノ:::/
　　　　　　　　　　　　　＼:::::::::::::::::／::: 乂__У:::_/
　　　　　　　　　 　 　 　 〃::::::::／＝ニ二三ミ〈_＿
.　 　 　 ,ィイヽ　　 　 _＿ｿ´￣￣二ニ＝ニ二三::::::::￣::.:.rーｖﾍｰ:.､
　　 　 /:::::::＼::￣￣::::::::::::::::::::＿＿＿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣｀Y:::::::ﾍ

　　　　　　　　__,r'"　　　　~ヽ.
　　　　　　_ノ~　　　　　　　　　＼
　　　　 ／　　　　　　　　 　 　 　 ヽ
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ!
　　　i　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾞi
　　 ,i　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　 ./　　　　　　　 i　　　　　　　　 　 (
　,i　/　　　　ﾉ,ﾉノi i i　　　　　　　　　）　　　　　サラ・水銀燈・ローゼンの父親は御厨仁という男だった。
　! ,ヽ,　∧ﾆ'ﾚ'ｰ'　!､j､　､　　　　　　 i
　ヽ＼ソ,ﾉ''ﾐｪf､　　,__二ミ　　　　　　j　　　　　　そして御厨ナギはその事を知っていた。
　　"Yヽ.ﾄ　　　）　　''ﾐｪｧ,;ﾞ）　'"　　 ）　　　　　　サラ・水銀燈が殺されたのは、きっとそのためなんだろう。
　　　ﾘゞ.l　_　/　　　　　　~i　／/,＼
.　　　ﾞヽ!ﾄl ,＼ヽ　　　　　 j　!, (/iﾞ｀' ＼　　　　　私にはそれだけしか言えん……。
　　　__,j,ﾊL!ヽ.ﾞy‐'"￣ﾞヽ'"j j. ,r┴‐‐'ﾞ7i!
　 (~r'　!　ヽ.／__,r＝~ヽｲ｢｢｀^~　　(（　 !
　　!.l　　) ,f~　 ＿,,ｨ､＼,i !j! ,.へ　 　 ）/
　　| |　( /　　　　　 ヽ./,/／　/ﾞ^ヽ.__/
_,..-.! !　 i　　　-=＝ｰ/／j､,､)）　　 /)
　　 !ヽ　j　　　　　 　 ）ｰ'Y ("　　 //
　　 ＼V　　　　!i~_／　　 ﾄｰﾞ　　//‐-r'"￣~ヽ､
　　　／　　　　 ,j~_＿ _,.ノ!.　　 //　　　　　　　 ＼_
　 _j'~　　　　　/　　　 　 ,八　 //　　　　　　　　　　i.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､-─- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 ＼
　　　　　.　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,′｡_,.-－､°　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! -〈　｡　　 丶 _,.!、　||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'ィﾞ｢ヾ:､＿,.､-''"⌒)　.||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ﾑ　 |:|_　ィ'"￣ヽ､ ||
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　　　　　　　　　　 ＿＿,,..　-ｧ''"￣｀｢´｀ヽ丶､　　　　　 ヽ.　　i ￣|ヾ!
　　　　　⊂ニ"￣　　　　　i |　　　　　　　　　　　　　　　 /　　|　　| |′
　　　　　　　　＼　　 ＞ー-ゝ､＿_　　　　　　　　　　　／　　 |／｜|!
　　　　　　　　　 `ｰ'´　　　　　　＿ ￣￣￣￣|￣＼ /　ヾ 、 l三_| |
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 _ヽ　 　 _／__r｢丁丁x!　　 rェ 工_
　　　　　　　　　　　　　.　 ／ ヾ／_ ￣￣　| iｆ　!二エニ´　　l　 ｀7 ） ）
　　　　　　　　　　　　　／.／ へﾁ､_｀ヾ､　_| ｣　|｜|　|_x]　　j　 l/･/./
　　　　　　　　　　　　　`<／　｀￣`<Yナ''´ ト|　rィT T x]　 i’　i￣厂!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |_∟ﾌ　天＿　└＝ァｭノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　下-‐"＿＿￣｀"''ｆ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/´￣　　 ﾊヽ｀｢ヽ|　`ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼　　　　　　　　| ､ヽ　,ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ＼､　　　　　　　　|=＝彳 |

　 ┌────┐
┌┤....シャア　├───────────────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　……なあ、やらない夫君。君は戦争を経験した事はあるかね？　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
│　　私はベトナムで……この世の地獄を見た。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　戦争が終わった後、私はブロードウェイの一流の劇場で喝采を浴びる事を夢見て、　　　　　　　 .│
│　　演劇に情熱を傾けてきた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .│
│　　しかし何年経っても、私の中のベトナムの記憶は夜毎悪夢となって私を襲うんだ……　　 　 　 　 │
└─────────────────────────────────────────┘

　　　／　　　　　 　,_, 　 　　　　　　　　 　 ',
　　 /　　　　　　　（ l ､　　　　　　　　　　　 ',
　　 l　　　 　　,i､/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ　 　｀ヽi　　　l
　　 l　 　 i　, ノ ﾊ( ､ ,-‐..'´｀ｿ'｀ヽ　i ﾘ　　 /
　　│　　i、l=‐':´｀"ﾞ:::::::::::::.　　: ﾉノ/､　　/　　　　　　　あれは人間の限界を超える恐怖と残酷だった。
　　 | i i |/::｀ :: ::::::::,i ヽ ;::::::..　 .:: l l　 l 　 ヽ　　　　　　　私はその悪夢から一時でも逃れるため……
　　 l ヽゝ l:::　::: :::/ |　　｀' ､::: -'´j l' /　　　）　　　　　　　いつしか、麻薬を手放すことが出来なくなっていたんだ。
　　 ヽ、ヽ ｀ ､､:::/　 !､-　　　　　ゝ,l '　　　/
　　　　ﾞ''- ､ﾐ ',　　　_,　- ‐-　　　/r, ､　｀（ _
　　　　 　 _ﾉヽ＼　　　 -　　　　, '//　＼　　 ）
　　　　　　 ｀ｦ.　 ＼　　　 　 ／ // 　　　｀''‐'-,
　　　　,　=＝l ,　　l ｀　- ‐ '　　// 　　,---､ /
　 , , ' '´　　　!li　　ｌＬ. 　　, - ' 7/　　 |=000| ）
／/　　　　　　｀ﾞﾞﾞ_)|　｀' '´　　 l（　　　 ﾞｰ ' ´く
ヽ.ヽ、　　　　　　　 l　　　　　　ヽ >　　　　　　l
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　　　　　　 　 　 　 　 ） {　　　　　　　 　 　 　 　 　 :′　　　　……まったく、実に情けない男の話だったな。
　　　　　　　　　　　　乂乂　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 ｀Ｙ｀ヾ　 　 　 　 　 　 　 く
　　　 　 　 　 　 　 　 　 彡ｲУ　　　　　　　　　 У
　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾘ从乂　　　　　　　 ミ彡
　　　　　　　　　　　　　 . イ::::::::::::::｀ソ　　　　　 }::ﾍ
　　　　　　　　　　 　 く::::::::::::::::::::::-=彡ｲ 　 ））ノ:::/
　　　　　　　　　　　　　＼:::::::::::::::::／::: 乂__У:::_/
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96 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/23 23:16:42 ID:NS3K8r6X PTSDか 仕方ないっちゃ仕方ないが・・・どうもな・・・ 98 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/23 23:17:31 ID:BW1mqRl8 今でも無くならないアメリカの暗部な

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　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼　　　　　　　　　　　_,　-‐　￣‐=ﾆ二ﾆ=-　_,　-‐　￣
　　　　　　　　　　　　 / 　　　　 　　 ヽ 　　　　　　　,～'_,　-‐　￣`ｰ-----― '
　　　　　　　　　　　　/　　　 　　　　　丶　　　　_,～'_ｯ'-
　　　　　　　　　　　　|　　　　　_ノ　 （ ●）　　.厂
　　　　　　　　　　　　i　　　　　（ ●）　　!　　.⊃　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　　　　　　　　　　 |　　 　　　　（__人_） /〉　　　　　　　　……結局のところ、シャアもある意味で被害者だった訳だ。
　　　　　　　　　　 ／∧ 　　　 ,.<))／´二//⊃　　　　　　　 できる夫に踊らされたという意味で……。
　　　　　　　　　／ : |　ヽ　　/ ／　 '‐､二ﾆ⊃`　　　　.┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　, -‐'´: : : : :l　　 丶ｌ　　　　´ヽ〉: : : : ＼
　　　 ／: : : : : : : : :|　　／_/　　　 __人〉｜: : : : :|
　　 ｢ヾ: : : : : : : : : :l_／:_/ヽ. 　 /´　　 　 | : : : : :|
　　〈＼ : : : : : : : :,、: :/´∨/`ｰ'〉　|＿|　｜: : : : :|
　　　!: : :ミヽ: : :／ `ｙ′.: ',ゝ､_/　　　　　l: : : : : :|
　　　! ⌒ヽ: : : :.ヾ／: :／/: : : :|　　　　　 l: : : : : :|



　　　　　　　 ／￣￣＼
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　　　　　.　|:::::::::::::　　　　　|　.... .........::::::::＿ ) (_　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　　　　 |::::::::::::: 　 　　　|..　..... ......:::（⊂ﾆﾆ⊃)　　　　　　次はできる夫・ギルフォードか……。
　　　　　.　 |:::::::::::::::　　 　 }　　..... ......: ::::｀二⊃ﾉ.　　　　　　もはや親友がどうのという感情は欠片も無い。
　　　　　.　 ヽ＿＿__　 　 }　　..... ......: :::: （( ￣　　　　　　　 今のあいつは、人の弱みにつけこんで猿回しの猿のように扱う、
　　　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼. ﾉ..　..... ......: ::::::　 ;;.　　　　　　　　　非道な人間に成り下がった……。
　　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　 　 　 　 　 [l、.　　　　　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　 　 ／,ｨつ
　. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ
　　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
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┃│エンパイアマガジン社│┃
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　　　　　　　 　|　　( ●）（●）　　　　　　　　　俺は初めてこの社を訪れた時に通された応接室で、
　　 　 　 　 　 _| 　 　（__人_）　　　　　　　　　 できる夫が来るのを待った。
　　　　 r.:.:'"´/::|.　 　 ｀⌒´|、_
　　　　ハ::::::/__:'ヽ_. 　 　_ノ.:.:/　　　　　　　　 これから話す事は、他の誰かに聞かれてはならない事だったから。
　　 　 |::::',:::::::::'‐-ヾ' 7Υ} ...:.:{.　　　　　 .┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　}>‐'､:::::::::::::::∀.,ｨt!.,へ:!
　　　　}, -‐'―__,. - '´ 'ﾂ/(三ヽ
　　　　Y ´￣__,.. -‐r-ｲ/｀tミ_ｿ
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　　　　 /　　　　ヾﾘﾄ从ﾝ'´￣　　　　　　',
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　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 　 　 　 （ ⌒）　　｀、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 { 　 　 　 　 　 　 　 （⌒ｌ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ゝ　　　 　 　 　 　 '　　 !　　　　　　やあやらない夫、また来てくれたんだね。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　＼　　　　　　 ー-　, '　　　　　　　それで、君の調べ物はどこまで進んだんだい？
　　　　　　　　　　　　　_,, -‐‐‐‐'/.. lヽ　 　 　 , ____／
　　　　　　　　　 　 ,-‐'、　 ヽ　　Ｌ.::丶:::: ヽ--'` 、
　　　　　　　　　　/　　 ヽ　..::l:::::::<´:::::l:::::ノ‐‐l.l　z 、
　　　　　　　　 　/　 ......　l:::::::l::::::::丶　 l‐'`t-l'l´ 　/l丶、
　　　　　　　 　ｒ'l...:::::::::::::::l::::::l::::　　`、　l /　.l/　/　l　.l
　　　　　　　　/l,ヾ:::::::::::::::l:::::l　　　　`、 .l　 ./ ./ 　 l /l
　　　　　　 ／:::::`..:::::::::::::/:::/...　　　　ヽ .l_./／　　 l/ .,t
　　　　　　/　::::::::::::::::::／／:::::::::....　　　`ｙ '　　　 ./..::::.:f
　　　　 ／ミ　::::::::::::イ;;;T:::::::::::　　　　　l.0　　　　/:::::::　 l
　　　　ト--- 、 wソ .l;;;;;l:::::::::..　　　　　.l　 　 　 l::::::　　　l
　　　 ｒ' 　 :::::::::::,'　　.l;;;;;l:::::::::::..　　　　.l.0　　　 ll::::::::====ヽ
　　　,'　　..:::::::::/　 　 l;;;;;l::::::::::::::...　　 .l　　　　 l ヾ:::::::／二二ヽ

101 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/23 23:18:57 ID:NS3K8r6X お前を糾弾するあたりまで進んだよ

　 　 ｢ ￣￣￣￣￣￣￣￣|
　 　 |　　　　　　　　　 　 　 |　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　 　 |　　　　　　　　　 　 　 |　　　　俺は黙って金糸雀の部屋で見つけた
　 　 |　　　　　　　　　 　 　 |　　　　オーディションカードをできる夫に見せた。
　 　 |　　　　　　　　　 　 　 |　　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　 　 |　　　　　　　　　 　 　 |
　 　 |　　　　　　　　　 　 　 |
　 　 l　　 　 　 　 　 　 ,. -　|
　 　 l.　　　　　,.　⌒／　丿:|
　 　 l.　 _,.　 '´　 ／　 ／　 |
　　　￣|　　_,. ‐'´　 ,.ｲ￣￣
　　　　 |　　| /　　/ ,r'─､
　 　 　 |　　ﾉ'　　/ '´ 　 / ￣}
.　　 　 j　　　　／　 　 /　　 j､
　　　 /　　　　　　　　　　　 ハ〉、
　　　 ､　　 　 　 　 　 　 　 {｀ヽ}}
.　　 　 ｀¨⌒丶､_　　　　 　 　 ﾉj



　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､
　　　　 　 　 　 　 ／ 〉 ´　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 ／ ／'　 __ ノ 　 ゝ.__　ヽ　　　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ　　　　　　　　　オーディションの結果発表は１０日。
　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ　　　　　　　　　ところがその前日に結果を知った参加者がいた。
.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ　　　　　　　　　……サラ・金糸雀・ローゼン。
.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !
.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　この時点で結果を知ってるのは、オーディション関係者か、
　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_　　　　　　　結果発表を行う雑誌社の人間……つまり担当者たるできる夫だ。
　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼　 ┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !

　　 　 　 　　　＿＿＿_
　　 　 　　　／　　　　　＼
　　 　　　／　⌒　　　⌒::::＼　　　　　　……やらない夫、言ってる意味が分からないんだけど？
　　 　 ／ 　 （●）}ili{（●）::::::＼　　　　　僕が聞いてるのは水銀燈って人の事であって、
　　 　|　　　　 　 __´___　　　:::::::|　　　　　金糸雀なんて人、僕の知り合いには……
　　　　＼ 　　 　 `ー'´　 ...:::::／



　　　　, r ' ⌒ ヽ､
.　　／　　　　　　 ヽ,
　 /　　　　　　,，ヽ､_ヽ　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
.　|　　　　__,ノ 彡（○ ）　　　　　　　知らないなんて理屈は通用しない。
　 |　　　（○　） 彡　　|　　　　　　　既にシャアから、金糸雀の部屋に入り込んだ事は聞いている。
. 　|　　　　　　　　入,__）　　　　　　 できる夫……この男は最初からシャアを嵌めるつもりだったんだ。
　　|.　　　　　ﾞ'ｰ'´　　　　　　 ┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
.　　|　　　　　　ﾞヽ､__ﾉ
　　 ヽ､　　　　　　　ﾉ＼.
　　／::ヽ､＿　　 ／ﾉ:::::|
.　/:::::::,::::＼ゝ､◇ノ::::i:::|
.　|:::::::::|:::::::::＼¶/::::::::|:::|
.　|:::::::::|::::::::::::::::|::::::::::|:::|
.　|:::::::::|::::::::::::::::|::::::::::|:::|

　　　　　　　　 　皿
　　　　　　 ／￣XII￣＼
＿＿＿_.／／￣∥￣＼＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
|l|l|l|l|l|／／ 　 　 .|　　　 ＼＼l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l||　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
|l|l|l|l|｜ |＿　　＼| 　　 .＿| ｜l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|ll|l|　　　　　　それに金糸雀の部屋からできる夫の私物が見つかった以上、
|l|l|l|l|｜ |￣　　　　　　　￣| ｜l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l||　　　　　　もはや知らぬ存ぜぬは通用しない。
|l|l|l|l|l|＼＼　　　　　　　.／／l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l||　 　 .┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
.￣￣￣ ＼＼＿∥＿／／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　 ＼＿VI＿／






　　　　　 　＿＿＿_
　　　 　：／::::::::::::::::＼：
　　　：／　⌒三 ⌒::::::＼
　　／　 （○）}ililli{（○ ）:::＼：　　　　　あ……それは……
　：|　　　　　 __´___::::::::::::::::::|
　　＼ 　　 　 `ー'´::::::::::::／：



　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|　　　　　　　こいつを落としたのは大失態だ。
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |　　　　　　　大方、たまたまポケットに仕舞っていたはいいが、
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　　　　　バンドがはみ出てたのに気付かず、何かに引っ掛かって落ちたんだろう。
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/　　　　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|

　　　　　　　　　 ,.．¨￣￣¨丶
.　　　　　　 　 /　　　　　　　　＼
　　　　　　　 / ⌒、:::::::　　　　　 ヽ,
　 　 　 　 　/（ ○）::::::::::::⌒　　　　..i　　　　……ふざけるのはよしてくれないかな？
.　　　 　 　 i 　 　　:::::　（ ○）　 　　 |　　　　やらない夫……まさか君が親友を悪く言うような奴だったなんて……
　　　　　　　＼　　´　　 　　　 　 　 /　　　　　もう君の顔は見たくない。さっさとマンハッタンから出て行けよ。
　　　　 　 　 　 ＼ ⌒　　　　.＿_／
　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ノ　　＼ ＼　　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 （●）（●）　|　　　　　　　何故金糸雀の部屋にいたのか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　（__人__）　 |　　　　　　　何故シャアにつきまとい、脅しをかけるのか？
　 　 　　　　　　　　　　 　 　　.|　　 ｀ ⌒´　　.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　 　.}　　　　　　　 ……ひょっとして、お前も誰かに無理矢理やらされてたんじゃないか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　.　 }　　　　　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　　　　　　 ＿__._,r､　　 Yヽ　　　　　ノﾄｊ
　　　　　　　　 ／｀ヽ_j'､_ノ￣l!'´ヾ- ､＿｀_¨ 　 ｣､
　　 　 　 　 　∧　,ﾉ　 Yヽ　　l　　ヽ　　 　 7ヽ~ﾍヽ.､
　　　　　　　/-'´｢　ヽ　ヽｊ＿. l　　　ﾄ､ 　/〃ﾊ　 | ヽ ｀ヾ ､_
　　　　　　r'´, イ ヽ､ ｀,__,ｨ､__)|　l　 ヾヽ∧'〃ﾉﾞヽl　 ヽ　 ヽj｀ヽ
　　　　　 / '´　 ﾄ､　 Yrイ　 ∧l　',　　ヽ 　Tﾍ', 　 l _..ノ 　　l j　',
　　　 　 ,′　 　.}､二ィ　}　/ 　 l　ヽ　 　',　|､､ﾍ.　| ＼　　／ }. ﾍ
　　　 　 i 　　　　トz'_ノ,ｲ　　　　| 　 ',.　　', l､ヽﾍ　| 　 | 　　　 j/ l
　　　　　|　　　ノ ＼¨7/　　　　　l　　ﾄ､　 ヾ ､ヽ ',.l 　 lｰ- ／/　 |
　　　　　ゝ─'-- -r-`'　　　　　　ｌ　　',.ヽ　ヽ　ヽヽ!　 |￣　 /j 　 l



　　　　　　　　/ 　 ＼
.　　　　　　　 /　 　 　 ＼
.　　　　 　 ,　/　Ｍ 　　　 ＼
　　　　 　 ｆ}Y　　　＆　　　 /
　　　　　 ,' /　　　　　Ｍ　 /
,　_ 　 　 ,' /　　　　 　 　 /　　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
ヽ、丶　/ /　　　　　　　 /　　　　　　　　そう、例えばポーカー賭博で散々負け込んで借金を抱え、
　 ヽ　Y　/　　 ,.-、　　 ,/　　　　　　　　 その肩代わりをする代わりにシャアを脅したとか……
　　 ! /　/__,／　 ,i、　 ,/　　　　 　 .┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
.　　∨　,／ 　 ／　.i　,/　　　　　　
.　　/ ｒ'　 _,.-´ 　 _ﾚ.i,/
.　　＼!　 !　 -‐ '´ 　 ,
　　　 ＼ヽ 〈　〈　｀Y-
　　　　 ＼　　 　 　 'ヽ
　　　　　　＼　　　　　
　　　　　　　 {ヽ.　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　/　　　　　　　　　　　　ﾍ　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　／　　　　　　　　　　　　　　＼　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　／　　.‐''~＿　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿~''‐　　＼
　　　　　　　　　　　　　 ／　　/´ ,i!i!i!i!i!i!i､ ヽ　　　 　 　 　 /´ ,.i!i!i!i!i!i!i､. ヽ 　＼
　　　　　　　　　　　　／　　 ,'　 ,;i!i!i!i!i!i!i!i!',　',　|!!il!|!l!!l!l!l| ,'　 i!i!i!i!i!i!i!i!i!',　',　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　　　　{　 {i!i!i!i!i!i!i!i!i!}　}　|!!il!!ll!!!il!l| {　 {i!i!i!i!i!i!i!i!i!}　｝　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　'、 ヽi!i!i!i!i!i／ /　.|!l!!il!!l!!il!l| '、 ヽi!i!i!i!i!i!／ / 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　￣　　　　 　 　 ,　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　／　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 <　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　|　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　,_＿_＿_＿＿＿＿＿__、 　　　/　　　　　　　　　　　 　 |
　　　　|　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 .|!!il|!|!l!l!il|!|!!!i!l|!|!lll!!il|!|!l| 　　　/　　　　　　　 　 　 　 　 |
　　　　|.　　　　　　　　　　　　　　　　　.　.|!!il|!|!ll!!lil|!|!l!l!il|!|!ll!!il|!|!l|　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |
　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|!!il|!|!ll!!lil|!|l!l!!lil|!|!l!!il|!|!l|　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |
　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|!!il|!l|!l!!il|!|l!l!l!il|!|!l!!lil|!|!l|　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　 .＼　　　　　　　　　　　　　　　　|工工工工工工工工工|　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／

















.

　　　　　　　　 ／´￣￣￣ ￣　ヽ
　　　　　　　／:　　　　　　　　　　＼
　　　　　　／: :　　　　　　　　　U 　 ＼
　 　 　 ／::: : :　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　……そんなとこまで知ってたのか。
　 　 　 |:: : : :　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 i　　　　　　　君にだけは……君にだけは知られたくなかった……！
　 　 _=|::.:. : :　　 　 ,,ﾉ:..:ヾ、　　　　　　　|
　,.r:;'三ヽ:: :: .　ｰ'"´ 　 ,,､ 　ｰ‐‐,,　　 　 /｀､
ｲ:;:":::::::::::＼;;｡（＿＿） == （＿＿）｡;:;:.／:::::　ヽ
｡⌒/7, -──～ ､　　　'　　　"⌒/:／::|:::::〆: :＼
:::://,::::..　 　 " ニﾆヽ､⌒:j~";_ ィ /:::::::|:::::〃::: : ヽ
:::::|_|;;､:::._＿y-ﾆﾆ'ｰ-ｧ ﾟ‐─'───┴─────






　　 　 　 　 ／￣￣￣ ＼
　　　　　 ／　　 :::::＼:::／＼
　　 　 ／　　 　｡<一>:::::<ー>。　　　　　そうだよ、君の思った通りさ……。
　　 　 |　　　　.:::｡ﾟ __　´　_~ ﾟj
　　 　 ＼、　　　゜　　￣　,;／゜
　　　　／　 ⌒ヽﾟ 　'"'"´(;ﾟ　｡
　　　/　,＿ ＼　＼／＼ ＼
　 　 と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,ｫｪ､＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　 　,.f込ｔﾝ:::::::::::｀ ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　／::::;. -‐ 　´￣￣｀丶＼
　　　　　　　　　　　　　　〃::／　　　　　　　　　　＼ヽ、
　　　　　　　　　　.　　 　 ll::/　　　l　　　　　　　　、　ヽY ＿
　　　　　　　　　　　　　　ll::l}　　　ｌ　　|　　　 l　|　l　　 lイﾆ}|
　　　　　　　　　　　　　　ll;;l}　l､　|　　 | ｌ、 -l‐七/ｖ'　 lミ彳、
　　　　　　　　　　.　　　_,'Vｉ 　l,x tT二ｔ,|ヽ,ノ,ｨT}｀'j　ｌ ||〃へ.､
　　　　　　　　　　　　／<//l､ ヽヽｨf_lｊ`　 　 　¨ ∠ノlﾉ.||　l　ヽ>
　　　　　　　　　　　　ヽ／/{∧　 ＼＿.　　__'_,　,ｨ′l　 ﾚ.　l
　　　　　　　　　　.　　/ //'l |　＼__＜. ､ __`_´.ｲ,ヽ　 ＼,__　l
　　　　　　　　　　　 /　l_| |_!　　 ｌ　 ｌ l'ー--,＜└vヽ　 ＼＼!
　　　　　　　　　　. / 　　　,ｨｰ-.‐|　 |'′　//lＹﾐヽ|l ハ 、 ヽ:.＼
　　　　　　　　　　/ 　 　 /.::::::::::::{ 　 ＼ｰtfﾉｌi　斤　l:::::|j＼ l:::::::.＼
　　　　　　　　　　　　　 /.:::::::::::::::ヽi＼ ヽ ￣l｣ |/　　|::.Ｙ :::`'::::::::::/
　　　　　　　　　　.　　 /.::::::::::::::::::::::|:::l ヽl_,､_ｒ､,_,､r､l'|:::::', :::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　〈:::::::::::::::::::::::::l:::::＼ﾞ　' |　l　/ ' ,}::::/ :::::::::::ハ
　　　　　　　　　　.　　 ＼:::::::::::::::::::i､:::::::::＼　　仍} ,/:::::ｌ｀ヽ:::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　 T :::::::::::/ ＼:::::::::::` - ､／::::::::l　 ヽ:::::::::..ヽ
　 ┌────┐
┌┤.できる夫.├──────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　いつだったか、Ｍ＆Ｍで水銀燈と話をしていて驚いたよ。　　　　　　　 　 　 │
│　　まさか水銀燈が君を知ってたとは……。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
│　　「　もし私が死んでも、この街では誰もがすぐに忘れてしまうでしょう。　　　..│
│　　　　でもあの刑事さんだけは、きっとこんな私の事でも　　　　　　 　 　 　 　 .│
│　　　　忘れないでいてくれるでしょうね……　　　　　　　　　　　　　　　　　　」　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
│　　……彼女はこんな事を言ってたよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
└────────────────────────────────┘

　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿
　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　 ＼
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.　　　 　 　 　 ／　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
. 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　／　　　　 ´￣` 、　　　　, ´￣　　　　　ヽ
　　　 　 |　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　やらない夫……高良みゆきの事、覚えてるよね？
　　　 　 | 　 　 　 （ ＿_ ）　　　　 （ ＿_ ） 　 　 　 |
　　　 　 |　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |
. 　 　 　 ＼　　　　　 　 　 　 ´　　　　　　　　　 ／
. 　 　 　 　 ＼　　　 　 　 - ─‐‐-　 　 　 　 ／
　　　　　 　 ／ヽ　　　　　　　　　　　　　　イ＼
　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼



　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　／　　　　　　＼.........:::::::::::...
　　　　　　|:::::::　:　　　　　 |　.... .........::::::::::...r‐ ' ノ.
　　　　　.　|:::::::::::::　　　　　|　.... .........::::::::＿ ) (_　　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　　　　 |::::::::::::: 　 　　　|..　..... ......:::（⊂ﾆﾆ⊃)　　　　　　　……忘れる訳がない。
　　　　　.　 |:::::::::::::::　　 　 }　　..... ......: ::::｀二⊃ﾉ.　　　　　　　今の俺がいるのも、彼女の存在による所が大きい。
　　　　　.　 ヽ＿＿__　 　 }　　..... ......: :::: （( ￣　　　　　 .┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼. ﾉ..　..... ......: ::::::　 ;;.
　　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　 　 　 　 　 [l、.
　　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　 　 ／,ｨつ
　. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ
　　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
　. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　 ）:::厂 ´
　　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
　.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉

　　　　　　　　.　　　　　　　　　　 　 　 ｢￣　　　 －- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　-‐ ´|　 　 　 　 　 　 ｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,　　　∧　　 　 　 　 ＼　　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　 /　 |　 ﾄ､　　　　　 ＼　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　, '　 　 /　　 |　　l　 | ﾚN　 ＼　　 　､　　 ',
　　　　　　　　.　　　　/　/　 / / /ｌ l　 ｲ　│　|｀ ､　 ＼　　 ヽ 　 i
　　　　　　　　　　 　 {　/　 / / /7Tト/八　l　 ヽ　 ＼　 ヽ　 　`､
　　　　　　　　.　　　　V　 / / / /|ノ ﾚ′∨　　x==ミ､`　　',　　 }│
　　　　　　　　　　　　 {　 l　| / ｲxf芍抃　　　　 ﾄ' 廴}ハ　l l　|V　|
　　　　　　　　　　　　 |、 川 { { {ｙ ﾄ'' り-､　 /　 V辷ﾘ YNﾚl　l　　|
　　　　　　　　　　　　　∨ﾚﾍ从lﾊ. ゞ=''　 }⌒､ ,,, `='´ ,ﾉ}ﾉ　∨ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　}　| 圦､'_'_'_ノ　　 `ｰ--‐'´/　 / }　　 |
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,'　 l　/>､　 　`ｰ '　　　イ,/　 / /　 　 |
　　　　　　　　.　　　 　 　 /　　|/,/ヽ-＞　.__　　'´　{ﾆﾐ､/ /　　　！
　　　　　　　　　　　 　　 /　　人/ / /７／,ｲ　　　　 /::::::｀丶、　　 |
　　　　　　　　.　　　 　 /　　/ミ､`＜∠ノ7ｰ─-､ ／:::::::::::::::::::＼　 |
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　　　　　　　　　 |　　　　　/ ﾚ'′　　　　 ∨ ／　 　 　 　 　 / 　 　 |
　 ┌────┐
┌┤.できる夫.├──────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　そうだな、忘れる訳がない……。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　あの頃、二十歳だった僕達は、共に心から彼女を愛していた。　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
│　　けど彼女は不幸な偶然から、凶悪な犯罪者の撃った流れ弾に当たり、 　 .│
│　　その若い命を失った……。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
└────────────────────────────────┘

　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　 　 ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´　　　　　 　 　 ＼
　　　　　　　　　 , '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　 　 　 ./　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　､＿　　ヽ
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　'　　　　　　　　　　　　　　 ｀　､ヽ
　 　 　 　 　 × 　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　,‐-,.._ ゞ
　　　　　　　,’｀＼　　　　　　　　　　　　　　　／-　､　　 .　　　l　　　　　　　　　　　　　　l　弋心 l
　　　　　　 λ 　7｀ <　　　　　　　　　　 ＞ ´　ヽ　　ヽ　 .　 　 l　　　　　　　　　　　　　　冫.ー　く
　　　　　　 ハ　 { ●}ヾ={ 　　　{、ｰｪイ　{　●　 }　　 i}　:; ;　　l　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　ﾉ!
　　　 　 　 i　ゝ､弋ノ ｲ　　　　　　　　ゝ､ヽ.＿.ノ　　 / 　, ’　 l　　　　　　　　　　　　　　 ｀ー‐ f ｒ'
　　　 　 　 i　　 　￣´　　　,　　　　　　　ヽー──'''"　´　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'
　　　　　 .ハ　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /
　　　　　　 ∧　 　　　＿＿＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　,'　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
　　　　　　　　ヽ　　　!////////　　　 ｀ヽ　　　　　　　　￣　｀ー -　　　　　　　　　　 　 　 /
　　　　　　　　　 ヽ　 ヽ//////　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　｀　 ､　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　ヽ.　ヾ///{　　　　　　 　 ヽ　　　　　 :.:.:.:.:.:...　　　　　　　　､　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　｀ヽゝ/{、　　　　　　 / .}　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　.:.:ヽ _　´
　　　　　　　　　　　　　　　｀ー　ﾆ二＿ ..イ ／　　　　　 ー-　:.:.:.:.:.:.:.:..　　　..:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　､:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　 ┌────┐
　　　　┌┤.できる夫.├──────────────────────────┐
　　　　│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　　　　│　　それ以来、僕達は犯罪を心から憎んだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　│　　そうして君は刑事になり、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
　　　　│　　僕はペンの力で犯罪を産み出す現実を告発しようと心に誓った。　　　　　..│
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
　　　　│　　……あの頃僕等は純粋だったね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
　　　　└────────────────────────────────┘

　　　　　　 　 　 　 　( ヽ、
　　　　 ／.:.￣￣＿＿＼ ＼
　 　 ／: : : 　 　<＿＿　＼　＼
　 ／: : : ＿　 <＿＿　＼　＼　ﾍ /⌒/
／: : : : ´　 , ｀└--ﾐ ヽ、＼　-　＼　|
: : : : :／´ ｀ヽ　　　 丶　　-　　　　　〉
: : : :.（　ー‐　l 　　　( ＼ 　 　　　　 !　　　　　　　だけど僕は、この大都会で暮らすうちに、
: : : : ヽ_ ｀ _ノ 　 　 　＼_ヽ　　　　　{　　　　　　　こんな人間になってしまっていた。
: : : : : : ´"''"　　 '　　　"''ﾍ　　　　　 > 、
: : : : : : . .　　　　`　　　　　＼ 　　∠／ヽヘ
＼: : : : : : :.　⊂ﾆニつ　　　　＼(⌒)　　 ﾉ　＼
／ヽ: : : : : : : : : : : 　　　　　　 　ヾ、　／　　　 ＼
　　　／: : : :｀`ｰ- -‐'"´　　　　 ＼／ ＼(
,'⌒　ゝ　ﾊｧ
ヽ＿ノ



　　 　 　　 , ' ￣￣￣￣ ｀ヽ
　 　 　　 /　　　 　 　 　 　 　＼
　　　　 /　　　　　　　　 　 　　　ヽ
.　　　 /　 '´￣`　　 "￣`　　　　　ヽ　　　　でも君はあの頃から何も変わっていなかったんだね。
　　　 | 　 ( ⌒)　 　 ( ⌒)　 　 　 　 |　　　　名も無い酒場のピアノ弾きのためにこうやって真実を捜し求めていた……。
　　　 i　　´""　　　　 ""゛　　 　 　 j　　　　もっと早く、君に真実を打ち明けるべきだったのかも知れない。
　　　 ゝ 　 　 　 '　　　　 　 　 　 ／
.　　　　 ＼ 　 ' 二 ￣　　　　__, "
　　　　　　 ` 　_ _ 　　, 　'　´　 /::＼
　　　　　　　 /:/ /:::::入 　 　 ./::::::::::|""＼
　　　　　　／:/ /:::::::::::∧　　/::::::::::::|::::::::::::" - ､
　　　　／/:::::|V∧::::::/　 ＼/::::::::::::::|::::::::::::::::::::::
　　 ／:::/:::::::|　 /:=:::i　 　 /::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::
　 /:::::::::|::::::::|　/::/::::|　　/:::::::::::::::::/::::/:::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　,　　--――-　　_
.　　　　　　　　 　 　　 イ: : : -――-　､: : : ｀`丶、
.　　　　　　　 　 　 ／: :∠　-――- ､　 ｀ ＜ ｌ: : ｀　、
　　　　　　　　　／: :／: : : : : :./: : : : :｀丶､　｀ｌ: : : : : ＼
.　　　　　　 　 /: :／: : : : : : //: : : : : : : : : :＼|: : : : : :ｌ: :ヽ
　　　　　　　 /:／: : : : :./: ://: : : : : /: :ｌ: : : : :|: : : : : :|: : : ',
.　　　　　 　/:/: : :/: : :/: :///: :. : :.ｲ: : ll: : :.| :|: : : : : :|: : : :.',
　　　　　　/:/ｲ: :/''"￣￣　 ￣＼/ |: : ||: :.:.|: |: : : : : :|: : : : }
　　　　　 ｲ/ └ｒ'　　　 ｀ヽ　　　　_,.＞' L: :/: |: : : : : :|: : : : ｌ
　　　　　　|: : : :|　 ＿　　　 　　　　　　　　｀ヽl : : : : : |: : : : ｌ
　　　　　　|: :. :.ｌｌ '"7ﾇｚﾐ　　　　　　　　　　　　〉: : : : :l: : : :/
　　　　　　ﾚ___」.}　弋_cﾉ　　　　　-テﾓ=ｚ、　,': : : : : l: : : ,'
.　　　　　　　　　|　｀"　　　　　　　 弋ﾟｃン｀ /: : : : :/l: : : ｌ
.　　　　　　　　　ｌ　　　　 ,　　　　　　｀゛¨　 //: : :,イ::|: : : ',
　　　　　 　 　　 ',　　　　　　　　　　　　　 〃―" ,ﾉ:::ｌ: : : :ヽ
.　　　　　　　　　人　　　ｒ､＿＿　　　　　 　 -ｒ '": : :ﾊ: : : : :＼
　　　　　　　　　ｆ: :.> 、　｀ ‐―┘　　　　／　ｊ＿: : /__ゝ＿: : : ＼
　　　　　　　　　|: / 　＼　　　　　　　　　　　/ 　 ∨::::::::::::/￣｀ヽ
　　　　　　　　　ﾚ'　　 /:::ト―ｒ‐＜ 　 　　　/　　 /::::::::::: /
　　　　　　　　　ｌ　　　ｌ::::.|　　|　　 ヽ　　　/　　 /::::::::::::: ｌ
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　 ┌────┐
┌┤.できる夫.├────────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　最初はちょっとした興味本位で手を出したくらいだったんだよ。　　　　　　　　　　│
│　　長い人生で一度くらい、こういう事をやってみてもいいんじゃないか、ってね。......│
│　　そうしてマダムの誘いにホイホイ乗った僕が馬鹿だった。　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　その日僕はとんでもなく大勝ちする事で味を占めてしまった……。　　　　　　　　│
│　　でもそれがまずかったんだ……。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
└──────────────────────────────────┘

114 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/23 23:28:49 ID:NS3K8r6X ある程度勝たせて一気に巻き上げる 常套手段やな

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 ., - ―===- .、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　 　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j　　　　.:.:::::::::::::::＼_j　　　＼
　　　　　　　　　　　 ／´￣￣￣ ￣　ヽ　　　　　　　　　　|　　　.:.:::::::::::::::::::r‐ﾐ'/⌒} 　 ヽ
　　　　　　　　　　／:　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　ノｲ　　　　　.:.:.:.:.:.: }　ﾉ　_ ﾑ　　.|
　　　　　　　　　／: :　　　　　　　　　U 　 ＼ー- ､ __ ／了|´　　　　　　　／ノ　 　 ヽゝ .|
　　　　　　　 ／::: : :　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ丶:..:..:..}:..:..::|　|　　　 　　　/　　　　　　　{　|
　　　　　　　 |:: : : :　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 i:..:..:..:..!:..:..:..|　 l　　　　く｀{　　　　　　　　i .|
　　　　　　_=|::.:. : :　　 　 ,,ﾉ:..:ヾ、　　　　　　　|..:..:..:l:..:..:..:.|　　l 　　　｀ｿ＿　　　　　　 }_/
　　　　,.r:;'三ヽ:: :: .　ｰ'"´ 　 ,,､ 　ｰ‐‐,,　　 　 /｀､..:::.::.::.:.l　　 ヽ ＞≦--.､ヽ　 　 　 /
　　　ｲ:;:":::::::::::＼;;｡（＿＿） == （＿＿）｡;:;:.／:::::　ヽー::´::|　／ｸ′:..:..:..::.::.＼ヽ　 ／
　　　｡⌒/7, -──～ ､　　　'　　　"⌒/:／::|:::::〆: :＼.::.::.|^>':..:..:..:..:..:..::.::.::.::.:ヽV
　　　:::://,::::..　 　 " ニﾆヽ､⌒:j~";_ ィ /:::::::|:::::〃::: : ヽ::.::／:..:..:..:..:..:..::.::.::.::.::.::.::.ヽ〉
　　　:::::|_|;;､:::._＿y-ﾆﾆ'ｰ-ｧ ﾟ‐─'───┴─────
　 ┌────┐
┌┤.できる夫.├────────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　次第に勝てなくなって負けが込み、それでも勝ちの味が忘れられず……　　 　 .│
│　　すっかり泥沼に嵌りこみ、気付けば借金が膨らんで、　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
│　　もうどうしようもない所まできていた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　だから……ナギが持ちかけた話を断る事なんて出来なかった。　　　　　　　　　 ｜
│　　今思えば、ナギは最初からそれ狙いで僕をポーカーに誘ったのかも知れない。 .|
└──────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,　'´_,.. -――――- _｀､ ､
.　　　　 ／　　,　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　 ／ 　 / ´ ., 　 /　　　 l　　　　　　ヽ、
　　　 ／　　 / l　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　/ .,　 /　　/ ,　/　　　l |.l　　　 l.l､ ヽ　ヽ
　　,r'　　　 /　 ヽﾞ,､　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ,　 /　 l　l.l　　 l l　l　　 　 lﾘ　|l　 　 l.l l　l 　 ヽ
.　/　　　ｲ/　　　 ` ` ､　　　　　　　　　　　　　　}　l　 .l　 ll　　rl l　|‐'"´￣ '　 l ￣｀`ヽ |　l　　.ﾍ
　{ i　　 | ﾞ　　　　　　､,,`' ､ ,　　　　　　　　　　　j .l .l　l　.l.ﾄ／　￣　　　　 　 　 　 　 　 l_ﾘ　　 l l
　ﾚ'､,　 |　　　　　 ,:r'"''‐　`'ﾞ、　 ,､‐‐､ 　　　　 l　l　l .l l .l　l　　　 　ノ　'　　　　ヽ､ _　　.l '　　 .|ﾘ
　　　ゝ」､ ､ , ,､‐''ﾞﾞ､ﾞ'､-――t'''/ ／　l　 ﾄ ､ ＿ ,|　|　||　　|　-┬‐:┬　　　　　 ＿＿　.l　 　 |.l
　　　　,ゝ‐､_,',.　 ' ,O 〉　　 　 V .( ﾞ,　j　　l　　　　l　l　rl､　N　　 o::::ﾉ　　　　　　|｡:::｝ `.ﾄ　　 lﾘ
　　　　',.ヽｿ.　'､,,､ -'"　　　　　　 /　/　　l＿,,.　 l　l |　(｀-　　　 ￣　　　　　　　｀´　 .l l/l_ﾉ
　　　 　'‐ﾚﾞ　　　　　　　　　　　　 .,r'　　　　ノ　　 l　 l.､　　　　　　　　　　　 ,　　　　　l　.|
　　　　　 l` `　　　　　 ､　　　　 i'"　ﾞヽ､,／　　　　|　 l ｀ - ､　　　　　　　　　 　 　 　 l　.l
.　　　　　 ﾞ､　　,,､ -‐'" 　　　　 ﾉ　　　　ヽｧ､　　　l　　ヽ, - ヽ　　　'　‐- .....＿ 　 　 ノ　l
　　　　　　 ﾞ､'´ ..　　　　　　　,rﾞ　　　　　ノ　ヾ＾ﾞヽl　　　l　　　|.ヽ 　 　 ｀`　''"　　 イl .l .l
.　　　　　　　ﾞ,　　　　　　　 ./　　　　,､ｒ'　　／　　l　 　 l.|　　 .|　 ｀　 ､　　　　イ　 .l l .l .|
　　　　　　　　!、　　　　　／　　,､ｒ'"　　 ／　　　l　　　l　|　　 |　　　　　 ￣/ l | 　 .l　 ﾄ..l
　　　　　　　　　`'''"入￣ ,､r ''"　　 ,､／　　　　l　　　l, ‐|　　 .|　　　 　 　 l､､ .|　　ヽ .l l l
　　　　　　　　　　く 　.Y'"　　 .,､r'"／　　　　　l_,-‐ '"　 .|　　 .| 　 　 　 　 ヽ ､.l , ‐.､| | .l l
　　　　　　　　　/" ` ､',　,､r''"　／__＿＿＿／　 ヽ、　　 レ⌒ l― ､　　　　＿ヽl　　 l､l　l l
　　　　　,､ - ''"´￣￣｀ﾞi zz,,,／　＼　　　/　 　 　 ヽ　　 |　 　 |　　｀　　'´　　　|　　 | |ヽl l
　　 ,､ '"　　,､ ''"　　　　|　／　　　　＼　l　　　　　　ヽr=､l　　　l＿＿__, ― ､＿_l　　 l l　 ヽ
　 ┌────┐
┌┤.できる夫.├────────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　あの女は同じポーカー賭博メンバーのムスカ弁護士と組んで、　　　　　　　　 　 │
│　　碇ゲンドウの莫大な遺産を横取りする計画を立てていた。　　　　　　　　　 　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　水銀燈が死ねば、ゲンドウの遺産は彼に一番近い親族……　　　　　　 　 　 　 .│
│　　つまり行方不明になっている娘のレイのものになる。　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　あの女は、自分がそのレイに成りすますつもりだったらしい。　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　だがそのためには、自分の過去を知っているシャアの口封じが必要だった。 　 .|
└──────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . イ´ : : : : : : : : : ミ.. .
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／: : : : :　-―‐-　. : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　 　 ／ : :/イ´ ..　----　.. ｀ヽヽ:　: :ヽ
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　　　　　　　　　　 　 　 ﾉ:.:.:._:|　　レ' 　 　 　 　 ` ｰ|　 ト :.:.|
　　　　　　 ┌────┐
　　　　　┌┤.できる夫.├───────────────────┐
　　　　　│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .│
　　　　　│　　あの女は僕が『エンジェル』の担当だと聞いて、　　　　　　│
　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　│　　「　シャアのスキャンダルを作れ　」　　　　　　　　　　 　 　 .│
　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　│　　と、借金の代わりにその仕事を押し付けてきたんだ。　　..│
　　　　　└─────────────────────────┘

　　　　　　　　 　 ,-､ 　 　 　 ＿＿
　　　　　 　 　 　 !|｀ヾ.､,.ｨ ,.´ｰ-､ :: ::｀ヽ、
　　　　　　　　　　':、 >く::丶､ :: ::」WL,､_ｒvﾄ､
　　　　　　 　 　 　 ﾞx/::/ﾞ＼、:: ::>ｆｰ-.,-､_ﾆ 'ｰ,
　　 　 　 　 　 　 　 i:ﾒ/　　　｀ヽ.>)ｒ‐ｯ薔}::ij∠　　　　　..┌────┐
　　 　 　 　 　 　 　 ﾚ'､＿　　 __,-ﾞi_｀'Tfｲ 7＜　　　　 ┌┤.できる夫.├───────────────────┐
　　 　 　 　 　 　 　 l:i ,ｨｰ､　　 ｲ;ﾟヾ,ﾚi:H:ir‐'ﾘ　　　　 .│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .│
　　　 　 　 　 　 　 /ﾝ,辷ﾘ　　 弋り' /ｿ !ﾄi::/　　　　　│　　僕は金糸雀にオーディションの結果を事前に知らせ、　　.│
　　　　　　　　　　// ,.i""　', -､ "" / _,=ﾐ,く　　　　　 .│　　シャアを呼び出すように仕掛けた。　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　 　 ﾚ　}ﾐゝ　 ∨_ﾉ　_"-ｆ―ﾐ､}　　 　 　 .│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　 　 　 ﾉﾆﾌ ＞---ｲﾄ　ﾉミニi＾ヽ　　　　 │　　シャアのスキャンダルを作り、　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　__ｒ ､ 　 　 ヾフィ',ｨliiﾄ-､: ! そ=､ノ　　i　 　 　 │　　その場に踏み込んで脅す計画だったんだ。　　　　　 　 　 │
　　　　 jニ　i､ｰ､__,/「〈 //!| ﾄ､ ﾌj ｀＞- ,＿　!　　　....└─────────────────────────┘
　　　　{ ‐-,ｙ 〕 /　 ｀ l _ト」|^li∨ｲ <_ ＿_｀　｀ ）
.　　　　', ﾆﾝ´| i)　 ,. ┴､‐'ヽ,―'―'､/ ,.-ｲ｀ く
　　　　 (ヽ￣｀ﾄﾄ　{　　 l i｀{､ぅ 　 　 ￣ /l ! i､_〉
　　　 　 ｀!l 　 iY/ハ　 _ノ{,ﾉK　　 _　　 | l ｌ |
　　　　　 ｀｀　' ' "　 ｀￣´　´' ´￣ '. 　 ｌ ^ ＾



　　　　　　　　　　　　　 　 　 .　- －＝－- ､_
　　　　　　　　　　　　　.　: ´　　　　 　 　 　 　 ｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　/　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　 　 　 　 j　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ',
　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　ｉ | !　　　　 ',　　　　 ┌────┐
　　　　　　　　　　 .:　　　　　 {｛彡イノノノ ハソ ﾊ　　i　　　┌┤.できる夫.├───────────────────┐
　 　 　 　 　 　 　 {　 　 {　　 从////////ﾊィ//ﾊリ　}　　 .│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .│
　　　　 　 　 　 　 i　 　 乂У　∨/////／∨////ソﾉ　　 .│　　シャアはまんまとその罠に掛かった。　　　　　　　 　 　 　 .│
　 　 　 　 　 　 　 乂 　 　い　Ｙ ｀ー "´　　 ∨/ｲ′　　　 .│　　あの時金糸雀はもちろん死んではいなかったんだよ。　　│
　　　　　　　　　　 彡　　　Ｙ从ミ 　 　 　 　'"´ ７　　 　 　 .└─────────────────────────┘
　　　　　　　　　　　八　　　ミ、　ij　 　 ⊂ﾆ7　/ﾐ
　　　　　　　　　　　い　　　У ヽ　　　　 ｰ　 /ﾊ
　　　　　　　　 　 　 ゞ＝=ﾘﾉ､、　 ＞ 、　　 /ﾉ
　　　　　　　　　 　 /:::::::::/:.:.:.:.:.:.≧ｘ､、_￣彡､、
　 　 　 　 　 　 　 /:::::::::/:.:/　　｀ '･＜: : |!:.:.:.:|:.:.|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,,,　------------------- ,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　'"￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ, ,"￣ヽ￣`ヾ､、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　/ /　　　 'i,　　 　ヾ､==､､
　　　　　　　　　　　　　　　(ﾞ／　　　　　　　　　　　　　　　 / /　,＿　　'ｉ,　＿_,,） ﾞｰﾞﾞヽ
　　　　　　　　　　　_,　-‐,‐'=======────-- ,,,＿＿/ ん<＿_ﾉ-‐'､￣　　ヽ　 　 |,
　　　　　　_, -‐ ' ´　　　｀ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ´　 ,　　　　　　　　　｀ヽ　　　　　 ,_、|　　`" |　　 |}
　　　　,､'´,　´　　　　　　　　　　,　　' ´　　　　　　　　　　　　|　　　　　`'　| 　　　/,''､ｿ'i
　　　/　|',----　,,,,＿＿ 　　 , --───,　　　　　　　 　 　 |　　　　　　_,|　-=./:Kﾙ||ﾉ
　　, 'ﾞ｀‐''ﾆ二‐ {ﾌ----二}／　 　　　　　/　　　　／二ヽ, 　 |,_,　-‐　ﾞ´　|　　_/:;|={).llﾞ
　　i`ー　,,,,＿￣￣￣￣　`ー────'　　　　/ ,､"|ﾞ,ゞ,;|ﾞ´|　　　_, 　-‐' "_, ）:;:くll,ｿ
　　 {ー--,　「￣ﾞﾞﾞﾞﾞﾞｌ二二二=＝＝＝＝　　 　/;:;ｉ　) "/ ||　|_, ‐"_,　-‐'"　　` ー‐'"
　　 ヽ、;:;::;::_!＿_＿_|:;:;:;:;:;:;:;'i,　 ,‐､　　　　　　/;;:;|ﾆ､・） =ｌ|,_,- ''"
　　　　￣　｀ー　二二二ー─‐`ｰ'二}　　　　」;:;:;､ソ ハﾉ,i
　　　　　　　　　　　　　　　￣￣''''ー──'''''ﾞｌ;:;:;:;::ヽﾑノノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ﾞﾞﾞー‐ '´
　　 ┌────┐
　┌┤.できる夫.├─────────────────────────┐
　│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　│　　僕は彼女を自分のアパートに運び、傷の手当てをした。そして彼女に、 . |
　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .│
　│　　「　この件をネタしてシャアから舞台の役を貰ってやる　」　　　　　　 　 　 │
　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .│
　│　　とウソをつき、姿を隠すように説き伏せた。　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　│　　金糸雀は２週間ほど僕のアパートで暮らしていた。　　　　　　　　　　　　 .│
　│　　その間、誰にも連絡をさせなかったよ。　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
　└───────────────────────────────┘

　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿
　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　 ＼
.　　　　　　 　 　 ／　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
.　　　 　 　 　 ／　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
. 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　／　 　 　 ´￣` 、　　　, 、＿＿ 　　 　 ヽ
　　　 　 |　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　しかし……彼女は傷の痛みが癒えると、
　　　 　 |　　　　 ´ (:::::::) ｀　　　 ′(:::::::) ｀　　　　|　　　　どうしても自分のアパートに帰ると言い出した。
　　　 　 |　　 　 　 ´" "　　　　　　 ´" "　　　　　 |
. 　 　 　 ＼　　　　　 　 　 　 ´　　　 　 　 　 　 ／　　　　　麻薬の禁断症状も影響してたんだろうけど、
. 　 　 　 　 ＼　　　 　 　 - ─‐-　　　 　 　 ／　　　　　　 どっちにしても彼女の姿が露わになるのはまずいと思った。
　　　　　 　 ／ヽ　　　　　　　　　　　　　　イ＼
　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼






　　 　 　 　 　 !　　　　ﾞ'　　　　 　:.:.:.:.:.:::::::::/
　　 　 　 　 　 ヾ,::　　ー　- 　..:::::::::::::::::::x'
　 　 　 　 　 　 　 ヽ、　　　　　　　:.:.::／　 〉i;ヽ.,__
　　　　　　　　　　_,イ,'｀ーｧ---;;;;;;／　　 / i: ; : ;i ｀'‐-- .,_
　　　　　　　　 _, ィ: ;:/|　 i i　　／　　　 / ./; : ; : !: : : : : : : ￣: ‐- 、　　　　やらない夫……
　　　　　,. -‐': ; /; : ;i | ,.人　 _」ヽ　　 /　/: ; : ; : |; : : : : : : : : :／: :ﾍ　　　　僕は君がこの街にやって来る事を知って、
　　 ／; : ; : ; : ;/: ; : i |;:;:;i /　|　/;:;＼/　,': ; : ; : ; |; ; , , ; ; : ; /: : : : : ',　　　　追い詰められたような気持ちになった。
　　i:',: ; : ; : ; : /: ; : i! |;:;:;i ヽノ /:;:;:;/ 　/ ; : ; : ; : |; : ; : ; : ; /: : : : : : :.',
　 ,:': ;',: ; : ; : ;:/: ; : ;i!　';:;i　i　/;:;:;:/ 　/: ; : ; : ; : :| : ; : ; : ;/ ; : ; : ; : : : i
　 i; : ; '、: ; : ;/: ; : ;:　　':,r==く;:;／　 /; : ; : ; : ; : |; : ; : ;:;/: ; : ; : ; : ; : : i
　 |: ; : ; :i; : ;/; : ; : ;ｉ　　 Y;:;:;:}　　　 j丶,: ; : ; : ;.;.|: ; : ; :/; ; ; : : : : : : : : :}
　 | ; i ; : l: ;/: ; : ;ノi　　　」ﾞﾞ'ﾚ　　　 l: : :.＼‐-, : |; : ; :i/: ; : ; : ; : ; , : : : :|
　 |: ; : ; ::l:└ フ´::i　 　 Y;:;:;:;:;Y　　 !: : : : : ＼￣: ; : ;:!丶、; : , : : : : : , :ト、
　 |; : i ; : l: ;イ: : : | 　 　 |;:;:;:;:;:|　　 i : : : : : : : ＼; : ; :i; : ; :｀': ; : ; : ; : ; : : |

　　　　　　　　　　　．．．..．．．.
　 　 　 　 　 　 ..：, -─‐──‐-､：..
　　　 　　　　.：／ 　 　 　 　 　 　 ＼：:　　　　　 |＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/　 /
　　 　 　 　：／ ;　　　　　 　 　 　 　 ヽ.：　　　＿|　 ＼/＼/　　 ＼／＼/　|∧／　/／/
　 　 　 　 ：l　　U　　　 　 　 　 　 　 　 l：　．．＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/
　　 　 　 :：|　　　　　 ,　、　　　　 ;　 　 |⌒´⌒∠ 僕は途端に怖くなってきたんだ！ ＞
　　　 　 　：!、　　_ノ"　"ヽ､__　　∪　　　　　　／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ＼
　　　　　　 ¨:ヽ｡(（◯）　 （◯）｡)::　 /⌒ﾞ`　　 ￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣
　　　　　　　　:/ヽ~ﾟ　__´___~　__ ,ノ|　　 　 ,　　　　/／　　　|/　　 　 ＼/　　 　 ＼|
　　　　　　　：/　　　/`:j⌒:｡´　　　|.　　　 |　 　 ,　　 !：
　　　　　　 ：/　　　/　 ;　　| `ー-,,,|"　　　|___,ノ　　 |：
　　　　　..：/　　　/　 　 ﾟ　.|　　　　|　　　　|　　　　 ,lｰ─- ､．
　　 　, --‐-ｰ､_ /　　　　゜ l　　 　 ,|　　　　|　　　,／　）　　 ）：
　　 く / /　ｧ- ,ﾉ　　　　｡　 ＼ノ＾ﾉ^／⌒ヽ.j＼　　 ／＾ｰ-‐'
　　　 `ｰ' ｰ´￣　 ~τﾟυ'゜~ (_イ_,ｲ､_,ｨ'´__/　　￣

　　　　　 　＿＿＿_
　　　 　：／::::::::::::::::＼：
　　　：／　⌒三 ⌒::::::＼
　　／　 （○）}ililli{（○ ）:::＼：　　　金糸雀は……誰かにこの事を話してしまうに違いない……！！
　：|　　　　　 __´___::::::::::::::::::|
　　＼ 　　 　 `ー'´::::::::::::／：



　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　 ／　　　ｕ　＼
　　　　　：／　　＼　　 ／ ＼：
　　　 ：／　Ｕ　（＠）　 （＠） ＼　　　　僕は金糸雀をアパートまで送っていき、
　　　　|　　　　ｕ　　__´,_　　Ｕ　|：　　　そして彼女を……
　 　　：＼ｕ　　　　./__/　　　／：
























　　　　　　＿＿＿_
　　　　 ／ノ 　 ヽ､_＼　　　　r ⌒j
　　　／（ ○）}liil{（○）＼ 　 / 　 /
　 ／　　　 ＿'＿_　 　 　ヽ/ 　 /　　／　 ）　　　　　あの窓から突き落とした……。
　|　　　　　|i|||||||i|　 　 　/　　/　 ／　 ／
　＼ 　 　　|ｪｪｪｪ| 　 　 /　 　'` ´ 　／
　　　r´　　(⌒'ー―- イ′　　　　　´廴
　　/　　　 ＞ 、　　　　　ヽ　　　 　 _　￣￣￣)
　/　　 　　　　 -､　　　 　 } 　 　 　 　(　￣¨´
/　　　 　 　　　　　ヽ._　　　　　　　__　 ＼
　　　　　　　　　　　　　｀　　　--‐'´　｀ﾞ' 、_.)

　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　 　　　　　　　 ／　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　 　　　　　　　／ 　＿　　　　　　 ＿ ＼
　　　　　　　　 　　　　　　 ／ 　 ´　 , ｀ 　 　　 ´ 　 ｀　＼
　　　　　　　 　　　　　　／　　／´ ｀ヽ　　 　　 r´　｀ヽ. 　＼
　　　　　　 　　　　　 ／ 　 　（ 　f;;;;j　l 　　 　 l　f;;;;j　）　　 ＼　　　────　サラ・金糸雀・ローゼンを殺したのは……
　　　　　　 　　　　　 |　　　　 ヽ_ ｀ _ノ　　　　 ヽ_ ´_ ノ　　　 　|
　　　　　　　　　　 　 |　　　 　 　　　　　 く　　　　　　　　 　 　 |　　　　────　僕だ。
　　　　　　　　　 　 　 ＼　 　 　 　　　　 　　　　 　　 　　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　 ー -- - -　　　 　　／
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ ＿　　 　　 　 　 　　＿ ／
　　　　　　　　　　　　　　　／::::::i　 ＼,`　''　 ／ " !:::::::｀:､._
　　　　　 　　　　 _.,.､;.::::.:'/::::::::::::i 　　 /´;;｀ﾍ.　 　 i::::::::::::ﾍ;:.:::..`:..:::....、
　　　　　 .,､..:.:':´::::::::::::::::/::::::::::／! 　 ∧;。;;。ﾍ　　iヘ:::::::／::::::::::::::::::::::｀:.:..､_
　　　 ./´:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ／:::::::i ／　∨;;;/ 　＼i::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:ヽ.
　　　/::::i:::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::!　　 /;;。;;'. 　 　!:::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,':;:::i
.　　/:::::::!:::::::::::::::::::::::::::::ﾍ::::::::::::::::::i　　,';;。;。;;'.　　i:::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::i
　 /::::::::::';:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::i　 ,';;;。;;;。;;', 　i:::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::!

　　　　 　＿＿
　　　 .,／,-､　 ＼
　　／ ﾉ:/　ﾉfヽ.. ＼　　　┏　　　　　　　　┓
　　|　/:/　/...|　|　　|　　　　　…………
　　l　ﾚ　./..ノ .,''´}　i　　 .┗　　　　　　　　┛
　　l　　　' ´ .〃 /　|
　　ヽ.　 　 　.　〈　.ﾉ
　　　 ＼.,_　　._ﾉ /
　　　 　/　　/　 ヽ
　　　 ./　　/　　　|
　　 　i　.／　　.　 |



　　　　　　 ． ─―─‐ 、
　　　 　 , "　　　 　 　 　 ＼
　　　　/　　　　　　　　　　　＼
.　 　 /　　　　　 　 ＿／::::::＼_ヽ
　 　 |　　　　　 　 　 　 ::::::::::::::　:..　　　　振り返ってみると、一番の大失敗は君に電話しちゃった事だ。
　 　 |　　u　　　　（　ー):::::::::( ー)　　　　水銀燈がやらない夫の所に、ポーカー賭博の事で何か言ってるかもと思い、
.　 　 ＼　　　　 　 　 　 　 ´　　 /　　　　探りを入れるために電話したんだけど……。
　　　　 ,＼ 　 　　　　　` ｰ‐‐／
　 　 ／　　` ｰ─　　 　 　 　 ＼



　　　　　　　　　 　_＿＿＿_
　　　　　　　　　／　 　 　 　＼
　　　　　　　 ／_ノ　　 ＼　　　ヽ
　 　 　 　 　 i（ー） 　（ー ）　　　 |　　　　まさか、やらない夫が直接ここに来るなんて思わなかった。
　 　 　 　 　 ゝ　 __｀____　　　 　 j
　　　　　　　　 ` _`ー'´　 　　／
　　　　　　　　　/　　　 ＿　 　 `i
　　　　　　　　/ ￣｀Ｙ´ 　 ヾ;/　 |
　　　　　　　,|　 　　|　　 　|´　 ハ
　　　　　　　|　　　 |　　　 |-‐'ｉ′l
　　　　　　　|＿＿ | 　 ＿| 　　７'′
　　 　 　 　 （　　 （　￣ノ ｀ｰ-'′

　　　　 ／.:￣￣￣￣￣＼
　 　 ／: : :　　 　 　 　 　 　＼
　 ／: : : ＿　　　　　　 ＿　　 ＼
／: : : : ´　 , ｀ 　 　　 ´ 　 ｀　 　 ＼
: : : : :／´ ｀ヽ　　 　　 r´　｀ヽ. 　 　 ＼
: : : ::（ 　f;;;;j　l,　 　 　l　f;;;;j　）　 　 　 l　　　　この事件の担当は確か、アカギ刑事だったね。
: : : : ヽ_ ｀ _ノ　　　　 ヽ_ ´_ ノ;;:::　　　 |　　　　僕は今君に話した事実を、
: : : : : : ´"''"　　 '　　　"''"´　 　 　 　 l　　　　アカギ刑事の前でも全面的に認めるよ。
: : : : : : . .　　　　`　　　　　　 　 　　／
＼: : : : : : :.　ー -- - -　　　　　／
／ヽ: : : : : : : : : : : 　　　　　　イ＼
: : : : : : : : : :.｀`ｰ- -‐'"´　　　 　　＼
: : : : . : : . : : .　 　 　 　 　 　 　 　　　＼






　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿
　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　 ＼
.　　　　　　 　 　 ／　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
.　　　 　 　 　 ／　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
. 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　／　 　 　 ´￣` 、　　　, 、＿＿ 　　 　 ヽ
　　　 　 |　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　それと、最後にナギの居所だけど……
　　　 　 |　　　　 ´ (:::::::) ｀　　　 ′(:::::::) ｀　　　　|　　　　彼女は当分Ｍ＆Ｍには来ないつもりらしい。
　　　 　 |　　 　 　 ´" "　　　　　　 ´" "　　　　　 |　　　　今はイーストサイドにある自宅にいるハズだ……。
. 　 　 　 ＼　　　　　 　 　 　 ´　　　 　 　 　 　 ／
. 　 　 　 　 ＼　　　 　 　 - ─‐-　　　 　 　 ／
　　　　　 　 ／ヽ　　　　　　　　　　　　　　イ＼
　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼








.

┏━━━━━━━┓　　　　　　　　　　　　　　　 ／ ＼
┃┌─────┐┃　　　　　　　　　 　 　 　 ／ ／＼ ＼
┃│ ナギの家 . │┃　　　　　　　　　　　　,／ ／::::::::::::＼ ＼
┃└─────┘┃　　　　　　 　　 　 ,／ ／:i |:::iﾆ|:::i |:::＼ ＼
┗━━━━━━━┛　　　 　 　　　　／ ／ :::: i_|:::i__|:::i_|:::::::::＼ ＼
　　　　　　　　　＿_　　　　　　 　 　 ／ ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼ ＼
　　　 ＿＿＿ /＼/＼　　　　　　／_／::::┌┬┬┐:::::::::: ┌┬┬┐::＼ ＼
　 　/ノノノノ /＿__＼/＼ ＿＿_______! }|￣i|┼┼|i￣|{ }|￣i|┼┼|i￣|{::|￣
　 ,/ノノノノ /::ｌ　 /|{:::＼/＿/＿/___/! }|　 i|┼┼|i 　|{ }|　 i|┼┼|i 　|{::|
､ /ノノノノ,/:::::ｌ　 /|{:::::::::::::::}|￣i|i￣|{|::}|＿i|┼┼|i＿|{ }|＿i|┼┼|i＿|{::|
メ⌒ヾノ ,/:::::: |＿_i|{:::::::::::::::}|＿i|i＿|{[ 三三三三三三三三三三三三 ]
ilil;;::,,'＾~)､ 三三三三三三三三三三}|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
iiiｉｉｉｉ..;;_.. ＾）====================|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
"　⌒)　"　）＝= ､､::::::::: ,,ｒ =＝= ､､: |::::: ┌┬┬┐:::::::::: ┌┬┬┐:::::::|
⌒`　"　 　 ) |/ ,.-ﾞi､:: ｨi'‐､ ﾞ､| /.,-ﾞi､| }|￣i|┼┼|i￣|{ }|￣i|┼┼|i￣|{::|
ｖｊノ/"' ⌒'"）||￣|￣|:: |￣|￣||￣|￣|| }|　 i|┼┼|i 　|{ }|　 i|┼┼|i 　|{::|
|:l{'"　,､_ノ'ﾞ . ||　 |　 |:: |　 |　 ||　 |　 || }|　 i|┼┼|i 　|{ }|　 i|┼┼|i 　|{::|
:ｉ:lｰ'i "|＿|＿||＿|＿|:: |＿|＿||＿|＿|[ 三三三三三三三三三三三三 ]
:|:ﾍ､!:: |＿＿＿＿＿|:: |＿＿＿＿＿||::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
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　　　　 ／:::::::_:＿,..-ー‐':;`ーー--.イ
　　　　 ￣`下､:::::::::::::::ノﾉ!: :::::::::::::::`〉
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　　　　　　　 |::::::::::::::::::::::::| |::::::::::::::::::|　　　　.　 　 l　　　　　　　　　　　　　　冫.ー　く
　　　　　　　 |:::::::::::::＝-:,〈 ﾚ::::::::::::::::|　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　ﾉ!
　　　　　　　/::,r-ー--;;,､:.|〈::::::::::::::::::〉　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　 ｀ー‐ f ｒ'
　　　　　　　ﾚ ,,..;;-ー-;;..,,〈.ﾄ`ー---ｲ　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'
　　　　　　　〈/:..:.::.:..:.:.:.::..ヽ.`-──-'　　　　　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /
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::::::|／:::::／::／　 ,,,.-E!=（ : ::）ry==-､;:;巡　　　　　　　　　　　　　　|　　　 ＼;::;::;::;:
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＿,|／　 i!;:;:;:;:;:;::;::i_ﾉ_ﾊﾉl　　l￣￣l__i;:;;:/二｣lj;;巡　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　.i!;:;:;:;:;:;:;:; l　|''~~"^ |　 　 |;:;:;:;:l｣;:;:;:l｣;;彩　　　　　　　　　　　＿＿__ヽ＿__
　　　　　 i!;:;:;:;::;:;:;:;l__l :;::;:;:;:;:;|~l_｢l |:;:;:;;:;;:;:;:;:;彩　　　　　　　　　　　∠＿＿＿＿＿
　　　　　　ﾊ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l:｣ ..l:｣;:;:;:;::;:;;:;:彩　　　　　　　　 　 　 | ｢' ￣￣ ||￣/
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　　　　　　　ﾏ杰杰杰杰杰杰杰杰杰杉　　　　　　　　　　　　　　| |/　/ 　 ||/
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　　 　 　 　 |　 　 出生証明書　 　 　 |
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　　　　 　 /　三三三三三三三三　/
.　　　　　/　三三三三三二二二　/
.　　　　 /　三三三三三二二二　/
　　　　/　三三三三三二二二　/
　　 ／　　　　　　　　　　　　　／
　／　　　　　　　　　　　　　／
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　　　　　　　 　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　 　　／　 _ノ　ヽ､.＼　　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　　　　　　 　|　　（●）（●） |　　　　　　　　この出生証明書は、
　　　　　　　　　 |　　 （__人／,〉.|　　　　　　　　サラ・水銀燈・ローゼンの実の母が碇レイである事を証明している。
　　　　　　　　　 {　　　´フ´ ./._ }
　　　　　 　　　　ヽ　 .／,二ニソ}　　　　　　　　後に水銀燈が鈴美・ローゼンに引き取られた事を考えると、
　　　　　　　　　　_ヽ/　 ,-― ､}ﾉ　　　　　　　　レイは既に故人である可能性が高いだろう。
　　　　　　　　 ／:;:{'　　 ノｰﾍJ:;:;ヽ　　　 ┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　 　 ／:;:;:;:;:;|　 _,イ{:;::;:;:;:;l:;:;}
　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:＼＿/:;:;:;::;:;i:;/＼
　　　　 　 {:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;〈:;:;:;:;:＼
　　　　　　ﾍ:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:＼:;／ヘ、
　 　 　 　 　 ￣￣7:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l;:;::;ゝ、`ｰj
　　 　 　 　 　 　 /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l:;:;:;:;:;:＼~
　　　　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|ヾ:;:;:;／

　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　　　　　　　　|　　　 （ ●）（●）　　　　　　　　　　ポーカー賭博の常連である弁護士ムスカ・ベイカーから
　　　　　　　　　　|　　　　 （__人__）　　　　　　　　　　 碇財閥の遺産問題を知った貴女は、
　 　 　 　 　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　ムスカと組んでそれを横取りする計画を立てた。
　 　 　 　 　 　　　 |　　　　　　 　 }
　 　 　 　 　　　 　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　そのためにできる夫を利用し、シャアの口を封じ、
　　　　　　　　　　　 ヽ､.,＿＿ __ノ　　　　　　　　　　　そして水銀燈を殺害した……。
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　　　┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::



　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　|　　　 （ 一）（●）　　　　　　　　だが水銀燈殺害の動機は金だけが目的じゃない。
　　|　　　　 （__人__）　　　　　　　　　……ここから先は推測だが……復讐によるところが大きいんじゃないだろうか？
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ　　　　　　.┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
''"::l:::::::/　　　 __人〉
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|

　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿_,　　　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　　　　　　 /:: :: :: :: :: :: :: :: ::/:）　　　　　　　鈴美・ローゼンの貸し金庫の中には、
　　　　　　　　/:: !:: :: ;:; :; :;:; :: :/:/::　　　　　　　ある人物の直筆で書かれた楽譜が入っていた。
　　　　　　　/:: :; :: :: :: :: ;' :: ::/:/::　　　　　　　　何故関係の無い鈴美がそれを保管していたのか？
　　　　　　 /:: :#:: :: :: ;: :: :: ::/:/::
　　　　　 /;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;;/:/::.　　　　　　　　　それは引き取った娘・水銀燈が最初から持ってたものだから。
　　　　　 '三三三三三三ｌ:/:::::　　　　　　.┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛



　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　 　 　 _ノ　　ヽ、　　＼　 　,.:┐　　　┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┓
　　　　　　　　　　　 .（ ●）（ ●）　　..|　／　｜　　　　　この楽譜のタイトル『生まれてくる愛しい子へ』が示すように、
　　　　　　　　　　　 （__人__） 　　　　.|./　　 /　　　　　　この曲の作者こそが水銀燈の父親……御厨仁である。
　　　　　　　　　　　　 i⌒ ´ .r－､　　|/　 ／　　　　　　　これこそが、水銀燈殺害の根本の動機なんじゃないか？
　　　　　　　　　　　　 { 　 　 ヽ,　',. .,/　:/',　　　　　.┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　　　　　　　　 .ヽ　　　.|　 l_/_, -‐､',
　　　　　　　　　　　　　 .ヽ　.　| 　 / , -－'i|
　　　　　　　　　　　　　　/　　 {　　V , -－ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　|　　　ヽ　 Ｌ|　r=　|









　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　　 |
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,..イ 　 　 　 |
　　　　　　　l　　　　　　　　　　_,,,...イ´ 　 |　　　　　|
　　　　　　　ヽ、ヽ ＿_,,..-t''"´:::::::::::|　 　 l　　　　　|
　　　　　　　　　　　　|　　ヽ:::::::::::::ノ　　 /　　　 　 .|　　　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　ヽ、　　 ￣　　　／　 　 　 　 |　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 ｀　　　　　　　　　　　　 　 |　　 ＜　　サラ・水銀燈・ローゼン殺害の真犯人、それは………
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　 　 |
.人　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 　 |

　　 　 　 　 / :.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:|:.| !′ !:.:.:.:.::.:.::.| ｜:.:.::.:.:.|:.:.::.Y:.:.:.!:.:. ﾊ
　　　　　　 ′:.:.:.:.:.::.|:.:.:.::.|:.|_! 　 !ﾊ:.:.:.:. 从　!:.:.:.:.:.::|:.:.:.:.|.::.: !:.:.:| |
　　　　　　| :.:.:.:.:.::.:.:.|:.:／ 　　　 　 ´￣ 　 　 ￣｀ヽi:.:.:.: !:. /:.:.: ! !
　　　　　　| :.:.::.:.::.:.:.:l/　　　　　　　　　　　 　 　　 　＼:/./:.:.:.:.: ﾘ
　　　　　　| .:.:.:.! :.:.:.:.!　　　　＿ 　 　 　 　 ..．　　　　　|/:.:.:.:.: ﾊ　　　　　　　　　　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　| .:.:. | :.:.:.:.!　 　 　　 　｀ 　 　 ´ 　 _ 　 　 　 |:.:.:.:.:.:/ !　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　| .:.:.::!:.:.:.::.|勿テ三 ミ 　　 　 　　 xzﾃ云ｫミ､i:.:.:.:.:∧:|　　　　　　　　　　 |　　　御厨ナギ、貴女ですね。　　　 |
　　　　　　|V⌒!:.:.:.:.:|　 弋う少 　 　　 　　 ´ らz以イ/:.:.::.:ハ! !　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　| !⌒从:.: ﾊ　　　　　 　 　　 　　 　 　 　　/:.:./:/ ﾉ:| !　　　　　　　　　　 ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
　　 　 　　j人/ 　 ヾ!　　 　 　　 　 　,　　　 　 　　 /:.:./:/　 八ﾄ､
「 ￣￣￣　! :个 ー::!　　　　 　 　 　 ! . 　 　　 　　´￣7ｰイ: :. !　`ー──ｧ
ヽ　 　　 　 |　:.:.|:.:.:从　　　 　 　　 　　　 　 　　　 　　′: :.! : : !　 　 　 ／
　 ＼　　　｜ :.:.|:.:.:.:.:.ヘ　　 　 　 ─ 　─　　 　 　 ハ: . : | : . ト 　 　ノ
. 　 　` ─‐|　.::从:.:.:.:.::.:.!＼　 　 　　　　　　　　 イ7: : : :: 人 : :|　￣
　　　　 　 ｜:.:.:.:.Y' ⌒ v:.:.:.:`　　　 　　 　　イ:.:.:.:|.'´⌒ヽ':.:.:. : :|
　　　 　 　 | :.:.:.::.:!　　　|:.:.:.: | 　 `　－　´　｜:.: / 　 　ハ:.:.:..:: |
　　　　　　ﾉ .::.:.:. |　　ヽ|:.:.:.: |　　 　 　 　 　 |:. /　　　/:.:.:.::.:.: ハ
　　 　 　 ′:.:.:.::ハ　　　ヽ:.:.ﾉ 　 　 　 　　 　ﾚ′　　/:.:.:.:.::.. /.:.:ハ
　　　　 /　 .:.:.:.:.::.::） 　 　 「　　　 　 　 　 　/ 　 　 人:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.::.ﾊ














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|　　　　｜i　| .!　　　　|i .!　l　.! ヽ
|　　　　 | i　i|,l!　　　 _|!i/!　l　.!　',
.|　　　 ｜,, -ゞ ´　￣　　¨" t -_..ゝ
∧　!　　{　　　　　　´￣ ヽ　f‐''
' .ﾞ､ ﾞ､ 　ﾞ､　　　　 , -＝､__　′
¨ヾ､ ､ヽ　､　　 　 ヽ .!rﾟ|　　ト
λ､fヽ､ヾ ゝ　　　　｀ヾｿ 　 丶
.(〈　　　｀ '　　　　　　　　　　 ヽ、　　　　　　　とうとう分かってしもうたか。
`^ｰj　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ
|｀‐f　　　　　　　　　　　　　 　 ′　　　　　　　初めて貴方と会った時、
| l ∧　　　　　　　　　　　 ＿ ﾉ　　　　　　　　　こうして話をする時が近いうちにやって来る気がしていた。
',.!{　　　　　　　　　　　　　　/
!',ヽ　　 丶、　　　　　　　　/
⌒ヽ　　　　　､　 　 　 　 ノ
　　ヽ　　　　　,r｀フーr ´!|
､　　ヽ　　　　,!´　.! /|　　|
丶　　ヽ　　　|.!　　!　|　　|
　ヽ　　 ヽ　　| !　　!/|　　|
.　 ヽ　 ,r┴､ ﾄ､!　 .!｜　 |






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　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／,∠　-―- ．._ 　 ＼　 ＼
　　　　　　　　　　　　／／　,　／　 　 　 ヘ　　＼ 　＼
　　　 　 　 　 　 　 , '　/ 　 /　　 / / 　/　　 ＼　/
　　 　 　 　 　 　 /　 厶⊥」..._// /　　ﾘ　　　　∨　　　　i
　　　　　　　 　 厶ｲ　 /　ヽ　　｀　＼,ｲ　 !　　 /　　　　　|
　 　 　 　 　 　 　 ｜　{ __、　　　　__　＼ | ｉ　/　　,　 　 ｜
　　　 　 　 　 　 　 j/j/l ｲﾊﾞ　　　 　 ｀ 　 乢/　　/ 　 　 ,′　　　　やらない夫殿、
　　　　　　　　　　　　 ,' tkﾉ　　　 丐=ミ 　 /　　//　　 /　　　　　　ひとつ妾の退屈な打ち明け話を聞いてくれんかの？
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｛k.ﾉハ/　　//　　 /ー┐
　　　　　　 　 　 　 　 |　　'　　　 　 `¨　 z,彡kj/}　　/ー‐┘
　　 　 　 　 　 　 　　八 　 ､ __ 　 　 　 　 　 - ソ　 ,′
　　　　　　　　　 　 / 　 >、　　　　 　 ／￣匚彡　｜
　　　　 　 　 　 　 /　／／`'ｰr―ｧ' ´ 　 イ　　　　｜
　　　　　　　 　 ／／／ 　 ／ ／＼_／　 |　  　 |
　 　 　 　 　 ／／　（　　 （ ／　　／＼　 |　  　 |
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　　　　／／ 　,ｘ=＝彡'　 ／　　　 ヽ: : :.| ヽ　　　　 ＼

　　 　 　 　 　 ,. - ―- ､{, ... -:─:‐:- ..
　　　　　　　 /　　 ,　-‐'′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀丶､
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　　　 　 　 /厶ｲ:l:.|:.:| 〈〔　r仆{ l／　 　 ゞ '′ j/
　　　　　　　　 ｌ|/∧:{　｀　ヾジ　　 　 　 　 　 ！
　　　　　　　 　 　 いl、 　 　　　　　　′　 　 ！
　　　 　 　 　 　 　 ｀￢ﾍ、　　　 　 　 _, 　 　 人
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┌┤ ナ 　 ギ .├──────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　…………もう２０年以上も前の事じゃ。　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　妾は作曲家を志す一人の青年と出会った。　　　　　　 　 　 　 　 .│
│　　名前は御厨仁。当時の妾は１８じゃった。　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　あの頃は貧しかったが、今思えばあの時が妾の人生の中で 　 . │
│　　一番幸せな時だったのかも知れぬ。　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
└────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　, '´ ／ 　/　　 　 　 /　へ.　＼ 　 　` .
　　　　　　　　　 　 　　 /,／　′/　/　　 / /'　 　　＼　! 　 　　＼
　　　　　 　 　 　 　 　 //　 / 　/i!/ 　　　,ｲ |　 　 　 　`i 　 　 　　 '．
　　　　　　　　　　　　//　_/!__/　L___　//｜!!　　　 　　 　　 　 　　
　　　　　　　　　　　　/イ　　　　　　　`^′ヽ!! 　 　 　 　 /　　　　　 ’
　　　　　　　 　 　 　 ' .::i　　￣ ` . 　 　 　　　＼　 |　　V 　　|　　 　 !
　　　　　　　　　　　 | ::::|　__､_- ､ 　 　　 ￣ ヽ　ヽ.! 　 ′ 　 |　　 　 !
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　　　　　　　　　　　 | ::::|　 込ﾝ　 　　　　' て:rヾ　 V′　　　,ﾚ　　/___ノ|
　　　　　 　 　 　 　 从.ｲ :::::::. 　　 　 　 　 r' 少　　/ /　::i:i /　 ..:/　　　|
　　　　　 　　 　　 　 　 !　　　 '　　　　　::::::::::　　 / / 　:!从ﾊ .:::/　　_.ノ
　　　　　 　 　 　 　　　 　　　　　　　　　　　 　　 'ｰ'7^ク/　.::::::/ ￣
　　　　 　　　 　 　 　　人 　 `　 　＿　　　　 　 　ー .イ 　 :::::/
　　　　　　 　　　 　　 . .::::＼　　　　　　　　　　 イ:了 ｜ 　.::/
　　　　　　　　　　　 　!::::/:::::＼ 　　 　_ .．　´　ｲ　 !　 !　 ::ｲ
　　　　　　　　　　　 　i ::i!:::::::::i:::丁 ¨＼　　／　 `ｰ! 　!　 !::!
　　　　　　　　　　　　｜:i!:::::::::i:ノ　　　ｲﾚ'´　　　　ｲ　 !　 !::|
　　　. 　 　　　 　 　　！:ハ:／_ ..イ´￣　　　　／　|　　　 !::ﾊ
　　　　 　 　 　 　　 　 !::|／'´　　_j､__...．-＜:..:ヽ.　|　　　 !　 |
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┌┤ ナ 　 ギ .├──────────────────────────┐
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│　　仁は毎日ピアノに向かって曲を作っていた。　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .│
│　　妾はあの男のために昼も夜も一所懸命働いた。　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　もちろん、忙しない生活じゃったが、今までにないくらい充実していた。　 　 .|
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
│　　やがて仁の才能が認められる時がやってきた。　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　コンクールであやつの曲が入賞したのじゃ。　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .│
└────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　 　 _,. -─　 　 ー─- ､_
　　　　　　　　　　　 　_.イ_　-‐───── ､　＼
　　　　　　　　　　　／∠　-‐─‐r──‐-､　/　　 ＼
　　　　　　　 　 　 / /　/　　　　/ ﾊ　　　　V　　 　　ﾊ
　　　　 　　　　 ／ /　/　　　　/ /　〉　　　ｲ　　　', 　 l
　　　　 　 　 ／ 　,'　/／|＿_ノﾚ′厶＿／ ! !　　 |　　!
　 　 　 　 ／ ／　{ 厶　 　 ヽ　　　／ 　 　 ﾚ|　　｜　 |
　 　 　 ∠ ／|　　　个　 ＿　　　　 _ィf示ｱヽ! 　 ｜　├─┐　　それから仁は若手の天才作曲家として認められ、
　　　 　 　 　 | 　 　 ｲィfてｶ　　　　 弋_zｿ　 ﾘ 　 ﾑ 　 ト､_ノ　　　次々と素晴らしい曲を作っていったのじゃ。
　 　 　 　 　 /　 ／lハ 弋_ｿ　 　 　 　 　 　 /　／´} 　 !
.　　　 　 　 / ／　/　ﾊ 　 　 　 ,　　　　 　 /／ l ）ﾉ 　 |　　　　　　……もう金の苦労は無くなった。
　　　　　　/ ′　/ 　 ∧　　　　　　　　 　 　 ｨ７厂　　 |　　　　　　妾は働かなくてもよくなったんじゃ。
　　　　　　　　　 |　　　 ﾍ、　 　 ´｀　 　 　 ／　 |　｜　|
　　　　　　　　　 |　 　/　ノ＞ 、　 　 _　イﾄ､ 　/　 /　｜
　　　　　　　　　 |　 　|⌒|　　　≧ て　　 / |⌒|　./　　j
　　　　　　　　　 |　　 |　 |_.へ_ﾉ　　　　　ト､!　 ! /　　/
　　　　　　　　　 |　　_|　 ||　　＼　　　　　　|　 |,'　　/






　　　　 |: :|: : : : : :|: : : : :.:./ .|:l: : : : : : :∨ : :.:.ヽﾍ|: : : : : : : : :l: | : : : : : : : :.|
　　　　 |: :| : : : : :ﾊ : : :.:./ 　|ﾍ : : : : : ﾍ∨ : ::.:.Ⅵ: : : : : : .:.:.:l: | : : : : : : : :.|
　　　　 |: :|:: : :／ |_,.ノ´/　　|__ヽ : :_.: : ﾍ∨ : : : :|: : : : : : : : :l: | : : : : : : : :.}
　　　　 |: :i, ノ､　　　　　　　　　　｀ｰ' ﾞ＜ﾍ∨:.: : :|: : : : : : : : :|: | : : : : : .:.:.:.|
　　　　 | :|´: :',　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼ : :|: : : : : : : : :|: | : : : : : .:.:.:.{
　　　　 ヽ|: .:.:.:.　　 ＼　　　　　 　 ／　　　　　ヽﾞ|: : : : : : : : :|: | : : : : : : :.:.|､＿__
　　　　　 | : : : :', <､=zﾍ　　　 ｀ｰ'´,　 .＿　 　 　 | : :l: : : : : : l-、: : : : : : ,r|
　　　　　 | : : : :.ﾍ八 ｡心　　　　　 z=r‐ ＝ﾐ≠- |.:l.:l.: : : : : : -,ﾍ: : : : : :.{ |
　　　　　 |.: : : : ,lﾍ ｀ｰ '　　　　　　　乂辷r｡ﾉ　　|:ﾊ:|: : : :.|: :|　　}: : : : : :| |＿＿_　　じゃが……
　　　　　 Ｖヽハ.|∧　　　　　　　　　　　　　　 　 |ハ| : :＿Y´ }　ﾉ: : :. .:.:.| |　　　　　その頃から仁の心は妾から離れていったのじゃ。
　　　　　　　 　 ∨:ﾍ　　ﾉ　　　　　　　 　 　 　 c　　|／　〃´／: : : : : .:.:| |
.　　　 　 　 　 　 ∨:ﾍ　｀　　　　　　　　　　　　　　　　,　- '´ : : : : : : : ハ |
　　　　 　 　 　 　 ∨::ゝ　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 V : : : : : : : :ハ: :ﾍ
　　　　　　　　　 　 ∨:l ＼ ｀　､__　　　　　　　　 　 　 .／{―- : : : :ノ ﾍ: :.八
　　　　　　　　, -―‐〉.|　　＼　　　　　 　 　 , イ 　 ／ ,ノ|　　 ＼人 : : : : : :ﾍ
　　　　　　　 ﾉ　　　ハ　　　 |＞　_　 ,　 ＜　, -‐'"´　 l／　　　／　ﾞ'-＜: : : :＼
　　　　　　　.l　　　 |　l　　　 | .|　　 ﾍ l_, ＜　　　　 .／　　　／　 　 　 　 ＼:. : :｀ヽ

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　'´￣｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'⌒ヽ､ /,　-─: : . ._
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　 ┌────┐
┌┤ ナ 　 ギ .├──────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　帰ってこない夜が多くなり、家にいる時はいつも不機嫌になっていた。 　 　 |
│　　他の女に夢中になってる事くらい、すぐに分かった。　　　　　　　　　　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
│　　そして人づてに、相手の女が仁の子供を身篭った事を知ったのじゃ。　　　│
└────────────────────────────────┘

　　　　　　　弋`ｰ――――--､
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　　　 ∠=-ｧ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:ヽ、　　　　 |ヽ
　　　　＜:.:.ィ:.:.:.:,:.:.:.::/:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:::ヽ　 -‐┴┴‐-　、　　＿ノ＼
　　　　　＜厶ｨ:.:／/:.:.:.:.:.:.:.!:.|:.:.:.:.:.:.:.:.／: : : : : : : : : : : : :｀＜　　　ノ
　　　　　　　 ﾒ､/ /:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾚ:.:.:.:.:.:.:.:.': : : : : : : : : : : : : : : : : :｀く￣
　　　　 　 　 　 ):厶イ:./::.:/^V:.:.:.:./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　/　　　ｉｲ:.:./V 人 ./: : : : : : : : : : : : : : : : :｀丶､: : : :＼
　　　　　　　　ヽ　　　ﾚ　 -ｲ:.:.:.:.' /、: : : : : : : : : ､: : |: : : : : : ｀丶: : :＼
　　　　　　　　　ヽ　　　　,　' ∠:|ｲ　｀　 ー――‐ﾍ: :|: : : : : |: : : : : :.￣ヽ
　　　　　　　　　　｀ ｰ―1　　　 | ＼　　　　　　　　 V: :　i |､ト､: : ＞- ､: !
　　　　　　　　　　　,.ク ´￣￣ .|: :ｌ ｌ｀. .ー―― ￢"|: : : |:ﾄ､|: : : :／⌒ヽ|
　　　　　　　　 　イ /|_,_／￣￣.|i| | | |: :|: : : : |: :. :|: |: : :ｌ|:|ﾉｌ|.イ/ 　　　　＼
　　　　　　　　　 √　　__　　　　}レ ⌒､ﾄｌ､＿|ｌ_: : }: |: : ｊｲ＜ｨ//　　　　　　 ',
　　　　　　　　　/　 ／　｀　　　./　　 　 ／　　　丶､ｲ／| 　:ﾚ/　　　　　　　 ﾄ､
　　　 　 　 　 /　/　　　　　 !　/　　　　/　　　　　　　ヽ.」　.//　　　　　　　　}::ｌ
　 　 　 　 　 /∠イ　　　　　|./　　　　 l　　　　　　　　　＼// 　 　　 　 ／　/::|
　　 ┌────┐
　┌┤ ナ 　 ギ .├───────────────────────┐
　│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　│　　そして……２３年前のあの日、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　│　　仁は仕事から帰ってくるなり妾にこう言ったのじゃ。　　　 　 　 　 　 .│
　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
　│　　「　別れよう。このままでは二人ともダメになる。　　　　　　　 　 　 　 │
　│　　　　　　　　　　　　僕は荷物をまとめて、明日の朝出て行くよ　」　 　 .│
　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
　│　　……とな。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　│　　妾はあやつの言葉を黙って聞くしかなかった。　　　　　　　　　　　　 │
　│　　妾達は最後の夜を、仁は居間のソファの上で、　　　　　　　 　 　 　 │
　│　　妾は二階のベッドの上で迎えた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
　└─────────────────────────────┘

::::::::::::::::|: : : : :/: : : : : ﾊ: : : : : : :.＼
::::::::::::::::|: : : :/: : :.!: :./　!: : !: : : : : :.ヽ　　　　　　 ┌────┐
::::::::::::::::|: : :/: : : :.!:./　　!: : !: : : : : : :.ヽ　　　　┌┤ ナ 　 ギ .├────────────────────┐
::::::::::::::::|: :/|＿＿L{　　 |: : :! : !: : : : : : ',　　　 │└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .│
::::::::::::::::|/　　　　　　　　ヽ:_ﾄ､_|: : : :| : : !　　　.│　真夜中、眠れずにいた妾は　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .│
::::::::::::::::|　　　　　 ヽ　　　　　　＼:_ﾊ: :.!:!　　....│　突然聞こえてきた物音と、荒々しい声で飛び起きたのじゃ。　.│
::::::::::::::::|'"¨不トﾐ 　 　 　 　　　　　　}: :!:|　　....│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
::::::::::::::::|　ん::::!}　　　ι 　　ｰ　　　ﾊ: |:.!　　....│　急いで居間まで降りてみると、　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .│
::::::::::::::::|､ ｖ:少　　　　　　　_　　　/: :.小|　 　 .│　部屋は荒らされ、そこに仁が倒れておった。　　　　　　　 　 　 │
::::::::::::::::|､､¨　　　　　　　 不ﾄ､　厶イ: :/　　　 └──────────────────────────┘
::::::::::::::::|　　　　　　　　 ん:::!}　/: : : Ⅳ
::::::::::::::::|　　　　　　､　ヽ.少 ／: : : : |
::::::::::::::::|　　　　　　　　､､ , ': : : : : :/



　　　　　　　＼ 　;; ;;,　 ＼
　　　　　　　　/;;　 　　　　＼
　　　　　　　 /,, ;;　 　　　　　ヽ　/ /
　 　 　 　 　 {　 ;;　 　 　 ;; ,,　;;∨ /
　　　　　　 ∧　　 .,　　 　 　 　 ∨/
　　　　　　　∧　　{,,　 ;;　　　　 ///
　　　　　　　　 }　 jヽ;;;; ;;　　　}///
.　　 　 　 　 　 {;;ノヾ|`ミz､;,ヽ;}//
　　　　　　　 　 ＼;;;;|:::: :.{ ヽノ/　　　　 　 　 ┌────┐
　　　　　　 　 　 　 `|:::: : :i¨ヽ　　　　　　　┌┤ ナ 　 ギ .├──────────────────┐
　　　　　　　　　　　 |;;:: : :i 　 | 　 　 　 　 .│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
　　　　　　　　　　　 |;;;: : :i 　 | 　 　 　 　 .│　妾は暗闇の中で逃げていく強盗の後姿を見た。　　　 　 .│
　　　　　　　　　　　 |ヾ : :i 　 | 　 　 　 　 .│　倒れている仁を抱き起こすと、　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
　　　　　　　　　　　 |;;;;:`㍉、.| 　 　 　 　 .│　仁の胸に深々とナイフが突き刺さってたのが見えた。 　 │
　　　　　　　　　　　 |州　i ヾミ　　　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　　　 |州　i 　}l|　　　　　　 │　妾は思わずそのナイフを抜いて手に取った。　　　　　 　 │
　　　　　　　　　　　 ﾏil|、i 　;!|　　　　　　 │　……それがまずかった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　 　 　 　 　 　 　 　 iⅦi㍉、;;|　　　　　　 └────────────────────────┘
　　　　　　　　 　 　 ,; iⅦ㍑il;;|
　 　 　 　 　 　 　 ,, 　 }!ヾ州ｉｌ|
　　　　　　　　　 ｡ﾟ 　 l;　;;, ＼|

　　　　　　　　　　　　　/　´/　　　　　　　|　|　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 l　 ./ 　　　　　/　/|　 |　　　　　i　　　　 ＼　　　　　 ヽ　　l
　　　　　　　　　　　　 L ._l　　 /　　/　/　|　 ﾊ　　　　 ﾊ　　　　　ヽ　　　　　.ヽソ
　　　　　　　　　　　　　　l　　 /　　.l　/　　ｌ　|_ヽ　　ヽl　＼_ 　　　 ヽ　　　　l .l
　　　　　　　　　　　　　　|　　 |　　 l/　 __,ヽ-''　＼　　 l.ﾞ''-_＼　　　 l　　　　| |
　　　　　　　　　　　　　　|　　亅_,，ト‐'"　　ヽ!　　ﾞ＼　 ヽ　 ﾞ'' 弋---|　　　./ |
　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　 ｌ　 | 〃ニﾊヽ′　　　 ＼ ヽ/ﾊニミ ＼l　　 /./|
　　　　　　　　　　　　　　l　ﾄ 　ヽ　|{{ {{゜::::::::}}　　　　　 ￣.{{゜:::::::}} }} ｌ　　/ /|.|
　　　　　　　　　　　　　 .|　l ハ　ヽ_|{ {{o::::｡:}}　　　　　　　 {{o:::｡:}} .} /／ﾄく　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　 .ｊ .l ヽ ﾄ- _ヽ ○==-　　　 ,　　　　　ｰ==○ｿ/　 | .ﾉ　 |
　　　　　　　　　　　　　 | /　 .ﾞ|　 ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　l/′　l
　　　　　　　　　＿___.... |/　　 |　　 ﾍ 　　　　　,----‐‐、　　　　　ｲ　　 l　　　 ｌ　 _＿,，＿
　　　　　　　/"ヽ　　　　｀ﾞ ｰ-|　　　 |.ｌヽ､ 　　　￣￣￣　　　 ／ l　　　 l　　／'"　　 i　　　ヽ
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　　　　　　〈__　　丶ﾍ　 ﾞ'‐､ ｊ　　　 .ｌ　 ｌ　_r┤ 'ヽ､_.. ‐'' ,,ト、　/ l　l　　　ｌ　 r　 ト-、"　　　　}
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　　　　　　　　　　　　 ┌────┐
　　　　　　　　　　　┌┤ ナ 　 ギ .├─────────────────┐
　　　　　　　　　　　│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
　　　　　　　　　　　│　　よりにもよって、一足遅れてやってきたメイドが　　　 │
　　　　　　　　　　　│　　妾のその姿を見て悲鳴をあげたのじゃ。　　 　 　 　 .│
　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　│　　こうして妾は夫殺害の容疑で逮捕された。　　　　 　 .│
　　　　　　　　　　　└───────────────────────┘

　　　　 　 r-､　　　　　　　　　　　　　　　　　, -──‐‐-､　　　　　　 　 r､＿＿＿＿＿＿__,.へ
　　　 　 /　'------------'^ゝ　　　　　 ／ ,-─==-‐‐､＼　　 　 　 　 |　r--､　r--､　r--､　r'′
　　 　ノ ｨ　r-､ r-､　r-､　r--′　　　　/　,,---､　　,,,---､ヽ　　　　 　 |　|＿_|　|＿_|　|＿_|　|
　 　ノノ |　|　|　|　|　|　|　|　　 ,.､　　　 i　''"フ-ｧ'ハ ,ｒ‐＜　i　　　　　　 し'─　r-z　r-z ─‐-'
　　lﾆﾆﾆ　 ニ　 ニ　 ニ　 ニﾆ　ゝ　 　| 　 '`ｰﾟ 」　 L`ﾟ‐'＾　|　　　　　lﾆﾆﾆﾆニ　|　 |　ﾆﾆﾆﾆ'^ゝ
　　　　　|　|　|　|　|　|　|　|　　　　 　 __|　,,､--└Ｌi┘---､　|___ 　　　 　 　 　 |　|　 |　|
　　　r--'　｀ｰ　｀ｰ　｀ｰ　 `ー'^ゝ　　{ ｔi／　　　／＼　　　＼iｧ } 　 　 lﾆﾆﾆニ　 |　 |　ニニ'^ゝ
　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　 Ｙ 　 　.／´￣｀＼　　　Ｙ´ 　　r-､__,. -''~　j.　 |　|
　　 　 ノ j　ヽヽ　ヽヽ　　ヽ丶　　　　ノ　　∠＿_／＼＿ヾ､　 ヽ 　　ゝ､,.. -''~ﾌノ　　|　ニニニ'^ゝ
　 　 ノ 丿　　)　）　ヽ　）　 ゝ ）　 ／　／　 ／　　i　　ヽ　ヽ　　 ＼ 　　　　ノ "　　　|　|
　　 `ｰ´　　　｀´　　 ｀´　 　｀´　 i　 /　　 ,'　　　　i　　　ヽ　ヽ　　　!　 -''~　　　　 　 ー
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　|　i　　　i　　　　 i　　　　i　　}　 　 }
　　　　　　　　　　　　　 　,.､-‐‐┤ :　　　!　　　　 !　　　　}　　!　ﾉ ﾉ‐--､,_
　　　　　　　　　　 　,､-''"　　　　ヽ ヽ　　ヽ丶　　 !　　　ノ　ノ　 ／　　　　`‐-､,_
　　　　　　　 　,､-'"　　　　　　　　 ＼ ＼　ヽヽ　　!　 ／ 　　 ／/　　　　　　　　 `'‐､,_
　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　 ＼ヽ､,,__　ヽ､,, i／　／／　 /　　　　　　　　　　　　＼
　　　　 　 / ＼　　　　　　　　　　　　　ヽ　　`r-､,　 _／ /　　 /　　　　　　　　　　　　／　i
　 ┌────┐
┌┤ ナ 　 ギ .├────────────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
│　　結果的には裁判で無罪判決を受けたが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　夫殺しの汚名が消える事はなく、周囲の人間は妾を白い目で見るようになったのじゃ。　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　……妾はその視線に耐えられず、逃げるように街を出たのじゃ。　　　　　　　　　　　 　 　 │
└──────────────────────────────────────┘

|　　　　｜i　| .!　　　　|i .!　l　.! ヽ
|　　　　 | i　i|,l!　　　 _|!i/!　l　.!　',
.|　　　 ｜,, -ゞ ´　￣　　¨" t -_..ゝ
∧　!　　{　　　　　　´￣ ヽ　f‐''
' .ﾞ､ ﾞ､ 　ﾞ､　　　　 , -＝､__　′
¨ヾ､ ､ヽ　､　　 　 ヽ .!rﾟ|　　ト
λ､fヽ､ヾ ゝ　　　　｀ヾｿ 　 丶　　　　　　　あれから妾は変わったものじゃ。
.(〈　　　｀ '　　　　　　　　　　 ヽ、　　　　　　誰も信じられなくなり、人を愛せなくなった。
`^ｰj　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ
|｀‐f　　　　　　　　　　　　　 　 ′　　　　　裏切らないのはただ一つ、金だけ。
| l ∧　　　　　　　　　　　 ＿ ﾉ　　　　　　　妾はいつの間にか金のためなら何でもやるような女になっていたのじゃ。
',.!{　　　　　　　　　　　　　　/
!',ヽ　　 丶、　　　　　　　　/
⌒ヽ　　　　　､　 　 　 　 ノ
　　ヽ　　　　　,r｀フーr ´!|



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿＿_
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,　　 x-‐…ｰ- ､　｀ヽ、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／,∠　-―- ．._ 　 ＼　 ＼
　　　　　　　　　　　　／／　,　／　 　 　 ヘ　　＼ 　＼
　　　 　 　 　 　 　 , '　/ 　 /　　 / / 　/　　 ＼　/
　　 　 　 　 　 　 /　 厶⊥」..._// /　　ﾘ　　　　∨　　　　i
　　　　　　　 　 厶ｲ　 /　ヽ　　｀　＼,ｲ　 !　　 /　　　　　|
　 　 　 　 　 　 　 ｜　{ __、　　　　__　＼ | ｉ　/　　,　 　 ｜
　　　 　 　 　 　 　 j/j/l ｲﾊﾞ　　　 　 ｀ 　 乢/　　/ 　 　 ,′　　　……初めてサラに会った時、
　　　　　　　　　　　　 ,' tkﾉ　　　 丐=ミ 　 /　　//　　 /　　　　　　あの寂しそうな横顔が何故か心に残った。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｛k.ﾉハ/　　//　　 /ー┐
　　　　　　 　 　 　 　 |　　'　　　 　 `¨　 z,彡kj/}　　/ー‐┘　　　不幸な生い立ちのサラが、何だか妾に似ているように思えての。
　　 　 　 　 　 　 　　八 　 ､ __ 　 　 　 　 　 - ソ　 ,′　　　　　　それで随分とあの娘を可愛がったものじゃ。
　　　　　　　　　 　 / 　 >、　　　　 　 ／￣匚彡　｜　　　　　　　あの娘も妾には何でも話してくれるようになった。
　　　　 　 　 　 　 /　／／`'ｰr―ｧ' ´ 　 イ　　　　｜
　　　　　　　 　 ／／／ 　 ／ ／＼_／　 |　  　 |
　 　 　 　 　 ／／　（　　 （ ／　　／＼　 |　  　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　／;;;;r'￣´　　　　　　｀￣ゝ､;;;;;;;;;;ﾊヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ／ソ´　　　　　　　　　　　　　 (ﾍ;;;;;;;ﾊ）ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　 /／´　　　　　 /　　 　 　 　 　 　 (ﾍ;;;;;;;|） ﾊ
　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾚ'　　 　 　 　 /|　　　ヽヽ　ヽ　　　 （ﾍ;;;;|）　ﾊ
　　　　　　　　　 　 　 　 /　 　 　 / 　 /│　　　 |＿＼|__|＿_　(ﾍ;|））　ﾊ
　　　　　　　　　 　 　 　 l　　　　/ 　l　|　|　　　r'|　　　|　ﾊ　　｀ ((!!)) 　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 |　　 　 |　| 」-ﾄ､ﾄ､　　|　　　_x===|　　 }（（ﾄ､ヽ |
　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　レ|´|　|　| ヽ　|　 ｒテ´　　 | /　ハヽ__」〉|
　　　　　　　　　 　 　 ＿| |　　　 | |　|_==ヾ､ ∨　　　 　 　 |/　/　{{￣￣||
　　　　　　　　　　　 〈l￣〉ﾊﾊ ＼＼xﾞ　　　　 , 　　　　　　 /／/ / llヾ〉　|||
　　　　　　　　　　　　ヾ_'-'∧. ヽ ＼＼　 　 　 _　 ノ 　 　 jﾉ ,ｲ /|　ll |ヾ_　|　　　 /
　　　　　　　　　　　　 /||ゞ´∧　＼_＼ゝ　　　　　　　　　 ／//　|　{{|　 |　|　 　 /;;;
　　　　　　　 　 　 　 /／´||　〉〉､_ ヽ￣ヽ､　　　　　　　　／ｲ‐,,/　 ﾞ|　 |　|∧／;;;;;;
　　　　　　　　　　　//　　 ﾞ　|_|　/＼＼＿|｀　- -､-　＜￣;;;;;/l　　 } /｀│＿;;;;;;;;;;;
　　　　　　　 　 　 /＼ー─-､　/　 /￣/| 　 || 　 |;;;;;;;|;;;;;;;;;;;//|　　 |＿／;;;;;;;;| ;;;;;;;
　　　　　　　___＿/＿__〉;;;;;;;;;;;;>'　 /　 /l l/　||　　|;;;;;∧;;;;;;;;;/_ |　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ;;;;;;;
　　　　　　__ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//　/|　/-ﾄ─--'￣＼/　|ヽ;;;/　 | /ﾚ';;;;;;;;';;;;;;;;;;;;| ;;;;;;
　　　　　　＿;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ｲ　/;;;|/;;;;;;;;;;;;;;;/》／　　　 ＼　 《 ﾚ'/;;|;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;| ;;;;;;
　　　　　　＞;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;|　|;;;;;;;;;十､／ヽ-へへへ／￣《/;;;/;;;;;;;/;;;;;;;;;;＜´| ;;;;;;
　　　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　|;;;;;;;／|´　《ミＹ≡》）　　　 《/;;;/;;;;;∠;;;;;;;;;;;;;;;;;;〈￣￣
　　　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／|;;;;;;;;;;;;ﾚ/;;／;;;/　　 ゞ===ﾞ´　　 　《/;;;;;ﾚ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
　 ┌────┐
┌┤ ナ 　 ギ .├────────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　サラが妾の店で働くようになってから、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　常連客の碇ゲンドウは毎晩のようにサラのピアノを聴きに来るようになった。　..│
│　　それはサラが、亡くなったゲンドウの妻・ユイにそっくりだったから……。　　　　..│
└──────────────────────────────────┘

.　　　　　　　　　 .　'　　　_ 二二 _ .､
　　　 　 　 　 ／　　　 /´ -‐…‐- .｀＼
　　　　　 　 /　　　　 /´　　　 i　　 !｀ヽﾄ､
.　　　 ,ﾍ　 ,' 　 i　 　 !　 !　 |　|i　　|ﾊ　i　ヽ
　　　/　 ゝ!　 ﾉ|　　! !::__!::ノ ´　￣　 i::.i ｜!
　　　＼　 .|　.:i i :i　i |´　　 一　　ｰ 　｀!､ﾊ:!
　 　 　 ｀ヽi　 从 i　i | ニﾆﾐ　　　 .ﾆニ !:::::|　　　　ポーカー賭博のメンバー・ムスカから
.　　　　 　 | 　ＹﾊｉﾊN　 {r::ﾘ｀　　´{r::ﾘ '::::N　　　　　碇ゲンドウの娘の誘拐事件の秘密を聞いた時、
.　　　　 　 |　　ヽゝ　　 ´´　　　　　｀｀ﾊ!｀　　　　　妾はサラが探している本当の母親が、
.　　　　 　 |∧ 　 Ⅵ!　　　 　 　 ′　,':::|　　　　　　　そのレイなのかも、とふと思ったのじゃ。
　　　　 　 ｊ/∧　 _!::｝　、　　 ⊂'　..ｲ:::::|
　　　　　 ///∧´ ∨　　｀ 　,.... ィ´ﾞY:::::|
.　　　　 /////∧　ヽ　　　　{ﾄ､∧　|::::::!
　　　　 ,＜￣￣∧　 } ｀ヽ　　＞''}　{￣｀ヽ
.　　　 / 　 ｀ヽ:::::::::Y´ヽ　　　　　 i´｀∨::::∧
　　　/　 　 　 ∨:::::| .:: !　　 　 　 i .:.: !::::/　i






　　　 　 　 　 ／　　　 /´ -‐…‐- .｀＼
　　　　　 　 /　　　　 /´　　　 i　　 !｀ヽﾄ､
.　　　 ,ﾍ　 ,' 　 i　 　 !　 !　 |　|i　　|ﾊ　i　ヽ
　　　/　 ゝ!　 ﾉ|　　! !::__!::ノ ´　￣　 i::.i ｜!
　　　＼　 .|　.:i i :i　i |´　　 ノ　 　ヽ 　｀!､ﾊ:!
　 　 　 ｀ヽi　 从 i　i | 　　　　　　 　　　!:::::|
.　　　　 　 | 　ＹﾊｉﾊN　ニﾆ｀　　´ニﾆ '::::N　　　　ある時サラは、妾に一枚の古い楽譜を見せてくれた。
.　　　　 　 |　　ヽゝ　u ´ 　 　　　 　 ｀ﾊ!｀　　　　　「死んだ義理の母親が残したもの」と言ってたが……
.　　　　 　 |∧ 　 Ⅵ!　　　 　 　 ′　,':::|　　　　　　それを見た時、心底驚いたものじゃ。
　　　　 　 ｊ/∧　 _!::｝　、　　 ⊂'　..ｲ:::::|
　　　　　 ///∧´ ∨　　｀ 　,.... ィ´ﾞY:::::|
.　　　　 /////∧　ヽ　　　　{ﾄ､∧　|::::::!
　　　　 ,＜￣￣∧　 } ｀ヽ　　＞''}　{￣｀ヽ
.　　　 / 　 ｀ヽ:::::::::Y´ヽ　　　　　 i´｀∨::::∧
　　　/　 　 　 ∨:::::| .:: !　　 　 　 i .:.: !::::/　i

　　　　 |: :|: : : : : :|: : : : :.:./ .|:l: : : : : : :∨ : :.:.ヽﾍ|: : : : : : : : :l: | : : : : : : : :.|
　　　　 |: :| : : : : :ﾊ : : :.:./ 　|ﾍ : : : : : ﾍ∨ : ::.:.Ⅵ: : : : : : .:.:.:l: | : : : : : : : :.|
　　　　 |: :|:: : :／ |_,.ノ´/　　|__ヽ : :_.: : ﾍ∨ : : : :|: : : : : : : : :l: | : : : : : : : :.}
　　　　 |: :i, ノ､　　　　　　　　　　｀ｰ' ﾞ＜ﾍ∨:.: : :|: : : : : : : : :|: | : : : : : .:.:.:.|
　　　　 | :|´: :',　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼ : :|: : : : : : : : :|: | : : : : : .:.:.:.{
　　　　 ヽ|: .:.:.:.　　 ＼　　　　　 　 ／　　　　　ヽﾞ|: : : : : : : : :|: | : : : : : : :.:.|､＿__
　　　　　 | : : : :', <､=zﾍ　　　 ｀ｰ'´,　 .＿　 　 　 | : :l: : : : : : l-、: : : : : : ,r|　　　　　　　なんとその楽譜は、
　　　　　 | : : : :.ﾍ八 ｡心　　　　　 z=r‐ ＝ﾐ≠- |.:l.:l.: : : : : : -,ﾍ: : : : : :.{ |　　　　　　　　２３年前に仁が、産まれてくる我が子に
　　　　　 |.: : : : ,lﾍ ｀ｰ '　　　　　　　乂辷r｡ﾉ　　|:ﾊ:|: : : :.|: :|　　}: : : : : :| |＿＿_　　　　　捧げた曲だったのだから。
　　　　　 Ｖヽハ.|∧　　　　　　　　　　　　　　 　 |ハ| : :＿Y´ }　ﾉ: : :. .:.:.| |
　　　　　　　 　 ∨:ﾍ　　ﾉ　　　　　　　 　 　 　 c　　|／　〃´／: : : : : .:.:| |　　　　　　　それで確信したのじゃ。
.　　　 　 　 　 　 ∨:ﾍ　｀　　　　　　　　　　　　　　　　,　- '´ : : : : : : : ハ |　　　　　　　　サラの本当の父親は、仁なのだとな！
　　　　 　 　 　 　 ∨::ゝ　　　 ＿_　　 　 　 　 　 　 ／　 V : : : : : : : :ハ: :ﾍ
　　　　　　　　　 　 ∨:l ＼ 　 i/´　ヽ　　　　　　 　 　 .／{―- : : : :ノ ﾍ: :.八
　　　　　　　　, -―‐〉.|　　＼ ` ー '　　　　 ., イ 　 ／ ,ノ|　　 ＼人 : : : : : :ﾍ
　　　　　　　 ﾉ　　　ハ　　　 |＞　_　 ,　 ＜　, -‐'"´　 l／　　　／　ﾞ'-＜: : : :＼
　　　　　　　.l　　　 |　l　　　 | .|　　 ﾍ l_, ＜　　　　 .／　　　／　 　 　 　 ＼:. : :｀ヽ

　 　 / /　/　ﾊ　　　　 | | 　ﾞ,. 　　　　|
　　｜ l　 il　|ﾚ|___　 　 |l|　　|　　　　 |
.　　;L┴r"￣ ´ 　￣ `ゞ!'‐ ､|　 　 　 !
.　 ´　`-{　,r '"￣｀　　　　　 }　　 ,　/|
　　　　　'　　_,,;ﾆ= ､　　　　 / ,　/ / l |
　　　　 ノ,　　|lﾟr| /　　　　 / / / /,r,二
　　　　　ﾉ　　ゞ-´ 　 　 　 ﾝ/,ｲノ}/ ｈ
　　　 ,r´　　　　　　　　　　　　　　　r')ﾉ　　　　　運命とは皮肉なものじゃな……。
　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　 　r '^ ／　　　　　可愛がっていた娘が、実は妾の人生を狂わせた女の子供だったとは……。
　　　　ﾞ,　　　　　　　　　　　　　　７ ´|　　　　　　　そしてその女が、碇レイだったとは…………
　　 　 丶＿　　　　　　　　　　　 ∧ l |
　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　 ｿ∧
　　　　 　丶　　　　　　　　 , 　　　 // ,!
.　　　　　　 !､　　　　　,　'　　　　 /⌒〈
.　　　　　　 | l　t‐ r≦､、　　　　/　　 ,!
.　　　　　　 | l　|ヽ|　　 |!　　　 /　　 ./
　　　　　　 | l l | V　　 ||　　　/　　 ./
　　　　　　| ,l l ﾄ./　　 |.|　　/　　　/
　　　　　ノ/!./ ﾚ　　　ﾚ|　ノ‐ ､　 /

　　　　　　　　　　　　　´　　　　　　　　_＿___　 ｀　、
　　　　　　　　　　／　　　　　　　/ ／　　　　 　 ＼ ＼
　　　　　 　 　 ／　　　 /　　 　 〃　　_ .． -― -　.＼丶
　　　　　　　　　　　　 /　 　 　 厶　 ´　　 　 　 i　　 ｀`　 :.
　 　 　 　 　 i　 　 　 ,ｲ　 　 　 i　　 ｨ　 　 　 　 |　　　! 　 ﾊ
　　 ト､　　 _」　　 　 /　　　　　|　　ﾊ　　 　 　 N　　　ﾄ 　 ヾ、
　　！　￣　j　　　 / i　　　　　|　 ,ハ　 i　　　 |ｲ　 i　|ハ
　　　` ｰ=彡　　　.′|　i　　　厶イ 　 ーL -一　ｰ-ト '　}ﾊ 　 i
　　 　 　 　 i 　 　 　 |　|　　　{　　　　 -一　　　　_　　　ﾄ､ト､ |
　　 　 　 　 | 　 　 ／! ｲ　　　|　_＿__ _　　　　　.:　｀　　'　` i丶　　ムスカから碇ゲンドウの遺言の話を聞いた時、
　　 　 　 　 l 　 　 i ｀ﾄﾊ 　 i　|'¨７抃ミト　　　 　 .'__　 /.: 　 |　　　　妾の心には復讐めいたある考えが浮かんでいた。
　　 　 　 　 } 　 　 {　廴`ト ﾄ､{　 ゞ-ﾟ'’　　　　　丐７У.:i 　 '
　　　　　　　　　 　 jト､　　 `　　　　　　　　　　 ｀¨ 厶:. :|　 i　　　　それはサラを殺して、妾がレイに成りすまし、
　　　 　 　 i　　　　′:.:.7`:.　　　　　 　 　 　 ､　　 ′`ｖ ヽﾉ　　　　　碇の遺産をそっくり頂くという計画じゃった。
　　　 　 　 |　　　 i.:.:.:.:.:.:.　　、　　　　　 __　　　 ｲ
　　　 　 　 |　　　 |.:.:.:.:.:.:}　　 ＼　　 　 ｀´　 イ　|
　　　　　　, 　 　 人:r…く　　　　 `　ｒ- _.:1:　 i　 |
　 　 　 　 }　 / /.:.:.:ヽ 　 ヽ　　　　 ハ´　{. 　 |　 |
　　　　　 　 / /.:_.:.／丶　 {　　 　 トミｘ　 ':..　|:.　|



l: : : : : : : : : :|　　 く￣＼| ＿＿＿＿
l: : : : : : : : : :|　　　 ＞'"´: : : : : : : : : ｀丶
|: : : : : : : : : :'.　 ／: : : : : : : : : : : : : : : :､ ＼
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　ヽ: : : 厂＼ /: : : : : : : : : / 　 ィ´￣￣￣ ＼: ＼
　　 ＼:}_＿__l: : : : /: : : : / ／ : ! : : : : : : : ＼丶: ﾍ
.　　 　 ＼: : :|: {: :/: : : :.:,' /: : : l: : : ＼: : :＼八: :＼'.　　　　　　妾から仁を奪った女に妾が成りすまし、
＼＿＿＿＼j: ∨: : : : : |/: : : /! : : |＼〉￣　　 !￣ハ　　　　　　　その父親の遺産を横取りする……。
: : 丶: : : : : : :∨ : : : : ／:.:厶/└ｰ┘　　 j〃^ |: :/ : ｝
: : : : : : : : : : :〈 : :/: :.:.＼_/　　　　_　　　〃f9　|:/:__;∧　　　　　サラは、Ｍ＆Ｍのポーカー賭博の事も知り過ぎていたし、
: : : : : : : : : : :く／ : j : : :ﾄ　　 ｨ- =ミｰ　 　 ￣ j::::::::厂ﾄ､　　　　　消えてもらうには丁度良いタイミングでもあった。
: : : : : : : : : : : :.｀ヽ/: :∧ﾄ|　　　　 f9　　　　　　::::j/　∧｀7
、: : : : : : : : : : :::::└:八勹.　　　 ￣　　　　′ 厶/　　　∨
_＼:::::::::::::::::::::::::::::::::∧＿ ーヘ、　　/￣￣〕ｲ ∠. -―┬〉
　＼`ミー=ﾆ 二:::／　　／乂　{｀¨ └─／ ﾉ/ 　 　 　 |´ｰ
: : : :＼　　　ヘ／＼__,/　　（(_込.　｀ ／＼／　　　　　/

, :'´＿: : : : : : l／.／.　／ i r‐'ﾌﾞ　⌒ヾ ＿_　 : :/j/　/ ./: : : : : : : : ヽ: : : : : : ＿_ 丶
／´　/: : : : :_l　< ..i／人_/ /‐'_⌒ヽ〃　　ヽ: /:/　./／し : : : : : : : : :i: : : : : :ヽ　 ￣
　 ／: : : ／: :＼:ヽ| 　　./　 '´// ｌ | i￣ ヽ　i ./,イ'`: : : : : -:-､ : : : : ヽ: : : :ﾄ、＼
／'´l７: :ｌ : : : : : ＼＼:　|　　 j｜ ! ｌ |,「|　 |/./'　: : : : : : : : : : : : 丶: : 　i/N:|　￣|
　　/' lﾍ|､: : : : : :　.＼＼i　 ...l　　　　! l ／ノ　 　: : : : : : : : : : : : : : 　 ./　|丶　　l
i　｜　'､　ト､＿: :___r 辷.ﾄ､_/ﾍ　　　　.| にソ|､|: : :_: :_:_: : : : : : : : 　／ 　 ! | l　　i
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　 _, - '. : : : :　/｣/: : : : : : : : : :|: :￣｀下ヽ､＿ノ: : : 　 |｣!: :ヽ: : : : : ヽ: : : :　 : : : : :　 　｀丶、
　 ┌────┐
┌┤ ナ 　 ギ .├────────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　そう、あれは９日の夜……店が終わった後、サラの部屋を訪ねたのじゃ。 　 　 │
│　　あの娘には前の日から話がある事を伝えていた。　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　妾はサラの部屋に入るとカーテンを開き、窓を開けた。　　　　　　　　　　　 　 　 │
│　　そしてサラを窓辺に呼び、街の明かりを眺めながら、しばし話をした。　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　いつも無口なサラが、あの夜に限ってよく喋ってくれたわ。　　　　　　　　　 　 　 .│
│　　そして小さな、ハート型のオルゴールを持ち出して、妾に見せてくれたんじゃ。 . │
│　　……それは碇ゲンドウがくれたという『レイのオルゴール』じゃった。　　 　 　 　 .｜
└──────────────────────────────────┘

　　　　　 　 　 ,r―''''''ヽ,　ヽ
　　　　　　,r‐' ,､;-‐''''""''ヾ､､,
　　　　　/ .／　　　　　r''"ヽ, ＼,　　　　　　　　　 　 　 .┌────┐
　　　　 j　l　,.　/　　　 '　 　 l　　 ヽ､　　　　　　　　　┌┤ ナ 　 ギ .├─────────────────────┐
　　　　,.Lj∠､'´　　 , i,　 　 /　　　　 ｀ヾ､　　　 　 　 │└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .│
　　　　l,　　　　　 ／　二'''"　 　 ,;､, 　 　 ｀''ｰﾞ--､......│サラは窓辺にもたれかけて、物悲しいその音色を聴いていた。　 . |
　　 　 /ﾞヽ-ｯ-‐'´　.／｀ト-:rイ｢´ ﾞ　｀''　-､,＿　ノ　...│妾はそっとカーテンであの娘の口を塞いだ。　　　　　　　　　　　　 .│
　　 ／　 ／　,;∠∠,ノ´　 ｲ　　　　　　　　　　　　 　 │そして苦しそうにもがきながら、サラはこう言ったのじゃ……　　　 │
..／ﾉ　.／　／､,　　　 ,､'　./　　　　　　　　　　　　　　└───────────────────────────┘
ヽ---ﾂ　 ∧　　￣￣　　/
　　 /　 ./　.ト､,_　　　　/
　 ./､ ./　　 l,　　｀￣ ./
　.l､,.ノ　　 　 l,　　 　 ;'






￣￣ . : : ／ｲ: : :　. : ｲ:/:　 i　ド　i!´　　　　　　　　　　　　 !　｀i!!: |:
: : : : : : /:/: ,': : : . :/{ |/:　　ﾊ: '､ i!　　　　　　　　　　　 　 ﾉ　　i!}: : :
: : : , イ /: :,': : : : /ゝ､!: 　 /　ヽ ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 j!l: : :
｀＜: //: : :l: : : :/￣｀ |:　 ｲ　　　＼ ､__　　　 　 , rｪ ー‐ｧ　　 j!ﾊ: : :　　　「　お母さん、助けて…………！　」
　　 ｀:ﾊ: : :|: : : {｀　ー|:　ハ　　　　ヾ､　　　　　 ｀ ｀二￣｀ 　/'　 ＼
　　 |:{　 ＼!: : :ﾊ 　　 l: { 　ヽ 　　　 ヾ 、　　　　　 　 　 　 , '
　　 ゝ　　　ヽ: : ﾊ.　　∨ 　　 ＼　　　 ｀　 、　　　　　 　, ′
　　　　　　　　V: {､　　　　　　　 ｀　､_　　　 ヾ､　　　　 / }
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　　　　ヽ　　　 　　 ',. 　 　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! 　 　 .,' 　　 　　　,r'
ヽ　　　　 ＼　　　　 ヽ､　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! 　　､,r' 　　　　／ 　　　　,r'
　ヽ　　　 　 ヽ 　 　 　.! ﾞ''" .',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'. ゛''ﾞ !.　 　 　 ,r' 　 　　　,r'
　　.ヽ､__, __,.' ＼.　　　 ',.　　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' 　　.,' 　　　.／ '.,__ ,__､,r'.
　　　　 ヽ.　　　 ｀､　　　! ､_,,. !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ! .,,_､ !　　　､´ 　　　.,r'
　 　 　 　 ヽ､._,,. ' ＼　　',.　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,' 　 　.,'　　／ ' .,,_.､,r'
　　　　　　　 ＼.　　 ﾞ'= _,!　　,,. ﾞヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'ﾞ .,,　　!,_ ='ﾞ 　　.／
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　　　ノ　ﾞ '',…-'"　-‐'"　　　　　　 ,ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r', 　　　　　　゛'‐-　゛'-…,'' ﾞ　!､
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　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　　　　　│　　妾は力いっぱいあの娘の背中を押した！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　　　　　│　　そしてあの娘は持っていたオルゴールを窓枠に打ち付け、窓の外へ…………！！ 　 .│
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! 　　　　ﾞL;;;;;ﾞ＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　マ　, ､,,, 　 　 　 　 　 `''".ｨ;;-一'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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　 ┌────┐
┌┤ ナ 　 ギ .├────────────────────────────┐
│└────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　……サラの体は、闇の中に吸い込まれていった。　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .│
│　　頭を地面に叩き付けられ、アスファルトを濡らした血飛沫はまるで、　　 　 　 　 .│
│　　野に散り咲いた薔薇のようじゃったの……。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└──────────────────────────────────┘

156 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/24 00:00:31 ID:54U5DD8V 薔薇乙女…か…

　　　 　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　|　　　 （ ー）（ー　　　　　　┏　　　　　　　　　　　　　┓
.　　　　　　　　　|　　　 　 （__人__）　　　　　　　……………………
　　　　　 　 　　 |,　 　　 　｀ ⌒´ﾉ　　　 　 .┗　　　　　　　　　　　　　┛
　　　　　　 　　 │ 　　　　 　　 ｝
　　　　　 　　　　 ヽ､　　　 　　ｿ
　　　　　　　 　 ｲ斗┴r┐｀ .;
　　　　／￣`ーゞ､　 /　|__ 〈ー─r､
　　　/　　　　　＼ ∨＼ 　|,ベ._ /　|
　　 ｛　　　 . : : : . ヽ＞ｰ＼[￣{ 〉＼|､_
　　　| 　 　 　　 ｀丶}＼　 __＼_]~∨'＼｀ヽ
　　　:|　　　._　　　　＼_}/r‐-}＼　ﾞ,`''く l　ﾞ,
　　　 ﾄ､: :./ ／￣｀` ぐ└f'二）::{　 ',　 | !,ゞ┐
　　　 `､∨ ´　,.､-''"~￣}_｛‐''く:::{_　 ', _|_|_,rｰ'､_
　　　　 }｛　／　_､-'''"~￣{_＼;;;;;ｊ;＞＜;:::::＼:::ﾍ}＼
　　 　 　}∨: ／　　_､-''ﾞ~￣￣　　　　　＼::::},之_　ヽ
　　 　 　 〉∨ 　 ／　　 　 　　　　　　,.､イ;;ノ_ 　 ｀ヽ}
　　　　　{:　＼,/＼　　-‐　'"　　　／｀￣　　　 　　:.:｝



　 　 / /　/　ﾊ　　　　 | | 　ﾞ,. 　　　　|
　　｜ l　 il　|ﾚ|___　 　 |l|　　|　　　　 |
.　　;L┴r"￣ ´ 　￣ `ゞ!'‐ ､|　 　 　 !
.　 ´　`-{　,r '"￣｀　　　　　 }　　 ,　/|
　　　　　'　　_,,;ﾆ= ､　　　　 / ,　/ / l |
　　　　 ノ,　　|lﾟr| /　　　　 / / / /,r,二
　　　　　ﾉ　　ゞ-´ 　 　 　 ﾝ/,ｲノ}/ ｈ
　　　 ,r´　　　　　　　　　　　　　　　r')ﾉ　　　　　　　妾はこの手で……この手でサラを、
　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　 　r '^ ／　　　　　　　あの窓から突き落としたのじゃ。
　　　　ﾞ,　　　　　　　　　　　　　　７ ´|
　　 　 丶＿　　　　　　　　　　　 ∧ l |　　　　　　　　その通りじゃ、やらない夫殿……
　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　 ｿ∧
　　　　 　丶　　　　　　　　 , 　　　 // ,!
.　　　　　　 !､　　　　　,　'　　　　 /⌒〈
.　　　　　　 | l　t‐ r≦､、　　　　/　　 ,!
.　　　　　　 | l　|ヽ|　　 |!　　　 /　　 ./
　　　　　　 | l l | V　　 ||　　　/　　 ./
　　　　　　| ,l l ﾄ./　　 |.|　　/　　　/
　　　　　ノ/!./ ﾚ　　　ﾚ|　ノ‐ ､　 /

　　 　 　 　 / :.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:|:.| !′ !:.:.:.:.::.:.::.| ｜:.:.::.:.:.|:.:.::.Y:.:.:.!:.:. ﾊ
　　　　　　 ′:.:.:.:.:.::.|:.:.:.::.|:.|_! 　 !ﾊ:.:.:.:. 从　!:.:.:.:.:.::|:.:.:.:.|.::.: !:.:.:| |
　　　　　　| :.:.:.:.:.::.:.:.|:.:／ 　　　 　 ´￣ 　 　 ￣｀ヽi:.:.:.: !:. /:.:.: ! !
　　　　　　| :.:.::.:.::.:.:.:l/　　　　　　　　　　　 　 　　 　＼:/./:.:.:.:.: ﾘ
　　　　　　| .:.:.:.! :.:.:.:.!　　　　＿ 　 　 　 　 ..．　　　　　|/:.:.:.:.: ﾊ
　　　　　　| .:.:. | :.:.:.:.!　 　 　　 　｀ 　 　 ´ 　 _ 　 　 　 |:.:.:.:.:.:/ !
　　　　　　| .:.:.::!:.:.:.::.|勿テ三 ミ 　　 　 　　 xzﾃ云ｫミ､i:.:.:.:.:∧:|
　　　　　　|V⌒!:.:.:.:.:|　 弋う少 　 　　 　　 ´ らz以イ/:.:.::.:ハ! !　　　　　────　妾が、犯人じゃ。
　　　　　　| !⌒从:.: ﾊ　　　　　 　 　　 　　 　 　 　　/:.:./:/ ﾉ:| !
　　 　 　　j人/ 　 ヾ!　　 　 　　 　 　,　　　 　 　　 /:.:./:/　 八ﾄ､
「 ￣￣￣　! :个 ー::!　　　　 　 　 　 ! . 　 　　 　　´￣7ｰイ: :. !　`ー──ｧ
ヽ　 　　 　 |　:.:.|:.:.:从　　　 　 　　 　　　 　 　　　 　　′: :.! : : !　 　 　 ／
　 ＼　　　｜ :.:.|:.:.:.:.:.ヘ　　 　 　 ─ 　─　　 　 　 ハ: . : | : . ト 　 　ノ
. 　 　` ─‐|　.::从:.:.:.:.::.:.!＼　 　 　　　　　　　　 イ7: : : :: 人 : :|　￣
　　　　 　 ｜:.:.:.:.Y' ⌒ v:.:.:.:`　　　 　　 　　イ:.:.:.:|.'´⌒ヽ':.:.:. : :|
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F√i-ｭ|￣|明-ｭ|￣L―┐-ｭFｌ-ｨﾆﾆユ ｢￣|二日lﾆ|ﾛ-丑-┐｢ﾆ´ｔ| 　 　／
┴｢lllﾆl日|‐|　ﾛ||-ｭ! /ｨ , -──────- ､L―┐-ｭFl-ｨﾆﾆユ｢|　／
ｌ⌒l,,｢￣|二日lﾆ|ﾛ ┐‐ | l´￣￣＼￣￣￣｀l |l-t￣' l｢三三ｌ.;ii' |l｢l| :|
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http://www.youtube.com/watch?v=rau9aRsdsPs

162 千 ◆jYAU23xcn2 11/01/24 00:04:30 ID:dr1/N50W 以上でヤラナイ・Ｏ・ハロルドの事件簿を終了します。 158 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/24 00:00:57 ID:zpDRxDR4 仁を殺したのは結局誰なんだろう >>158でも指摘がありましたが、原作でも未解決の謎が幾つか残っているんですね。 強盗犯の正体しかり、レイ役の人の実際の消息とか…… 恐らく後の作品のための伏線だったのかなー、と解釈してましたがｗ 機会があれば、またこのシリーズやってみたいですね。 163 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/24 00:06:16 ID:zpDRxDR4 乙 結局アレは投げっぱなしだったんだね 164 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/24 00:06:24 ID:Dp7+NWCs 乙 余韻があるかと思ったら意外とあっさりｗ 169 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/24 00:09:24 ID:wZLzapXt 乙でした。面白かった。 171 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/24 00:10:33 ID:qh9nWCbA ばらしーだったかきらきーだったかとナージャ別にわざわざ出す必要なくねって思った 172 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/24 00:13:22 ID:wGlOXukX 乙でした ナギはともかくできる夫はちょっと意外だったｗ 173 千 ◆jYAU23xcn2 11/01/24 00:16:30 ID:dr1/N50W 次回作なんですが以前にお伝えしたように、新やるンボの予定です。 で、新やるンボの後もちょいと考えておりまして、 もしかするとその予告編を近いうちにこちらで投下するかも知れません。 その際はまた告知しますのでヨロシク。 174 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/24 00:26:45 ID:4kavTl22 乙っした。 次回作も楽しみだ。 176 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/24 00:36:29 ID:TCyoCa+T 乙 色々考えしまったな～ できる夫はカナの死を追ってるとか、アカギが急に現れた時は ない夫を殺そうとするんじゃないかとか。 EDクレジットなしで街風景で終わるのもちょい意外でした。 その街での余韻ということですね。 次回作の新やるンボ、楽しみにしています。 177 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/24 02:30:49 ID:plHIOOBe 乙乙でした。 読みごたえのある作品で面白かったです。 次回作の新やるンボも楽しみにしております。 178 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/24 04:16:33 ID:Y/HnJpcl 乙でした。面白かった……悲しいお話でありましたね。 181 やらない夫板IIへの引っ越し作業中だろ 11/01/24 17:44:31 ID:6foC0Yqw 乙でした！ やるンボも好きですけどまたこのシリーズも見たいですね。