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│　　１９０６年 という年は、シュトラウスにとっては 『 サロメ 』 成功の年であったが、音楽史で見ると　　 │
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│　　「 モーツァルト生誕から１５０周年」 に当たる年でもあった　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
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　　　　　 　 　 ￣￣￣￣￣￣￣|ｌ::::::::::::::::Ｗ．Ａ．モーツァルト :::::::::::::::::::ｌ|￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　 　 　 －─三三三三三|ｌ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ|三三三三三─－
　　　　　 　 　 　 －─三三三三|ｌ（ １７５６．１．２７－１７９１．１２．５ ）ｌ|三三三三─－
　　　　　 　 　 　 　 　 －─三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三─－

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│ 　 そして この年の夏、モーツァルト生誕の地である、オーストリアの小都市ザルツブルク ――　 │
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│　　―― ミュージカル 『サウンド･オブ･ミュージック』 の舞台としても有名であるが ―― にて･･･　 │
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　　:: .:　: :　:: : : :: 　: :: : . ... : :: . :. :. .: :.:.　 :. 呂:Π目ｪロE|￣|::Π 　::.　:: : :: . :. :. .　: :.:. :. :..: :. . ;:. .;: .
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│　　当時 著名であった歌手、リリー･レーマンの呼びかけにより、「 モーツァルト祭 」 が開催されたのだが･･･　　 │
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　　　　　　　　／￣/ . . . . . . . . . . . . . . . . . ＼
　 　 　 　 　 / . . . . . . . . . . . . ヽ: . . : . . . .　　 ＼　　　　　　　　　みなさ～～ん！
　　　　　　 /　 . : .　　 . : . l　　　ﾄヽ:. .＼: . 　　. . ヽ
　 　 　 　 /　 . :/. .　 . .::!./| .　.| | |:|＼ﾄ､ヽ:. . . . . . .ヽ　
　　　　　/ . . . :! :/ . . ::/|:| | . . |｜|.|＿ヽﾄ}::.. : . . . . .∧　　　　　　ここザルツブルクでも、バイロイトに負けないような
　 　 　 / . . . : |i l. . :.:/__|.| |. .l:.! lｲ}厂__｀ﾊ:::.. : . . . . . ∧　　　　　 音楽祭を開きましょ～～～！！
　　　　′. . . . .ll |. .:/´,弐{`ヽ{ﾘﾉ ァf示ﾐヽ.!:::. : . . . . . .∧
　　　｜. . . . . . 从:/{ｨ'fｨ:心`　　　　辷:ﾂﾉ }:::..: . . . . . .　 l　　　　　　　／´}
　　　 |　. . . . . . . ..:小 辷:ﾂ　　 　 　 　 ´　|:::::.: : . . . . . .｜　　　　,. イ　 ノ
　　　 | . . . . . . . . : ::| ｀ 　 　 　 _,. 　 　 　 ハ/}: . . :. . : . .}　 　 ／ 　 ／
　　　 l　. . . . . . . : :小.　 　 　 r==┐　　 /::::::::|: . ...:} /: ./　 ／　 　 {
　　　 ∨{: . . . : ｨ :::::|´:＼　 　 ヽ__ﾉ　　.ｲ:::::::::ﾉ::...:::::/}:ノ　/　　　 　 ヽ、　　 {{＼
　　 　 　 ヽ:{ :/ }::厶二ヽ_ﾐi　.　　　 ／ |{ｲ::::::_ﾙ=＜　　_ノ＿　 　 　 　 `ー-r{ヽ´ヽ.
　　　　　　　　　 :{,ニミヽ}.:∧　 ￣´ ,ィブ¨７ﾌ´ _ ,.-‐｀7　　 　 　 rﾍ 　 riヽ｀{ `'∨　＼
　　　　　　　　／ -＝､∨=イ〉 　 ／／ ／´ ／/　 　 {　 　 　 　 { ｰV .{ `ﾍ. 〉　 l　　 ﾉ
　　　 　 　 　 {　二 ヽ ト’/´　 ／イ　//　 /.//　　 　 丶.　　　　 }　├ | 　 |{　　|｀¨´
　　　 　 　 ／| r=､ ヽ}'　/　 /／ /　 !′　{ { {　　　　　　 ｀＞　_ ′ j___ヽ._ﾉ^ー'

　　　　　　　　　　　　　【 リリー･レーマン 】




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r=ヽ、　　　　　　　　　　　　r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j｡ ｡ﾞLﾞi　　　　 rﾆ二`ヽ.　　　Y",,..、ｰt;;;;;;;;;;;）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r-=、　l≦ ﾉ6)＿　　　l_,.､ヾ;r､ﾞt　　 lｦ '・=　 ）rテ-┴- ､
　　　　　　　　おっしゃ～～～！　　　　　　　　｀ﾞゝヽ、`ｰ!　ﾉ::::::｀ヽ､ L､ﾟﾞ　tﾉ`ｿﾞ`ｰ ﾞiｰ'　 ,r"彡彡三ﾐミ｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 にｰ `ヾヽ'":::::::::::: ｨ"^ﾞiﾌ　 _,,ﾉ　,　　ﾞtﾌ　ﾞゞ''"´　　 ﾞifrﾐソﾍ,
　　　　　　　　やったんでぇ～～～！！　　　 ,.、　｀~iヽ､. ｀~`''"´　ﾞt　（,,￣,　frﾉ　　 ゝ-‐,i ,,.,...、　 ヾミく::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝヽ、__l::::ヽ｀iー- '''"´ﾞi,　ヽ　ヽ,/　　　/　　lｦ ｪ｡､　　 〉:,r-､::ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ､_ﾉｰ‐ﾃ-/　i　/ ,, 、　　 '"fっ)ﾉ::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣r＝=ミ__ｨ'{-‐ﾆ二...,-ゝ、'″ ／,/｀ヽl : :`i- ､ヽ　　,.:ﾞ''" )'^`''ｰ- :、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lﾐ､　　／ f´　 r''/'´ミ)ゝ^),ノ>''"　 ,:ｲ`i /i､ヲﾞi　.:" ,,.　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　ヾ .il　　l　　l;;;ﾄ､つノ,ノ ／　　 ／:ﾄ-"ﾉﾞi　　,,.:ｨ'"　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　 　　　　　　　　　　　　　　ﾚｰﾏﾝﾀｿ､ﾊｧﾊｧ…　 　 l　　　ハ.　l　　l;;;;i _,,.:イ　/　　 ／ 　,ﾚ''";;;;｀ﾞﾞ" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
.

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　このときシュトラウスは、『 コシ･ファン･トゥッテ 』 を指揮して このシーズンのプログラムの取りを飾った･･･　  │
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　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　 　 　 , ´　　　　　　　　｀ヽ
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　　　　　　　　　　　　　ゝ,- ＼(ヾ)　＼ 　 　 i/　 ￣｀　　　　　　　 　.l
　　　　　　　　　　　 　　<_ノ ,ﾍヽ ＼　ﾍ　　 （j 　　　 ）　　　　　　　 .｝
　r ､　　　　　　　　　　 　 ヽ_)人_〉.　　/　 　 ｰ――´　 　　　 　　 　|　　　　　　　　　, .. . 　　　+　　　　　　。　　　　　　　　　’‘
　 ヽ＼　 　 　 　 　 　 　 　 / 　, '　　/　　　..|｀　　　　　　　　 　 　 .|　　　， 　　，:‘. 　　　　♪　　　。　　　　　　　　　　　　　+
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ｰｰ '　 !　　　　　　　　 　 〈 　 '　　　_ﾄ,　 　　　ヽ　　　／__＞'´￣￣´{　　 :::::　　:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　♪
　　　　l　 　 　 　 　 　 　 〈>―‐‐ '´　|　　　　　 ヽr　／´j＞'´￣￣￣｀ヽ
　　　　|　　　　 　 　 　 　 《　　　　 　 ト, 　 　 ＿__〉'./／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　ソ＼ 　 　 　 　 　 /》､d　_＞'"´:ﾊ　 　 ＼　〉´／.￣￣.＼:.:.:.:.:.:.:.:. ハ
　　 ／　 　 >、　 　 　 　 V》_／.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ 　 　 （/／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.ハ
　／　 　／. : ＼　　 　 　 ∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ.　 _／´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
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　　　　　　　　　　　　　　　　 http://www.youtube.com/watch?v=WkgNLrUDtYg

　　　　　　　【 Ｗ．Ａ．モーツァルト：『 コシ･ファン･トゥッテ 』 Ｋ．５８８ から第二幕フィナーレ 】

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　　　　　　　　　　　　　　 ＜　　　お見事でしたよ、　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　 ＜　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　 ＜　　　やらない夫さん！　　　 ＞
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　　　　　　　　　　　／　 　 　 　l　ﾐ　i､l　,.　 ヽ,ｨ　.|`i_ ,　―'
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―――ー　　　　　　　 　 　 lrｲ　　　 .l　　　 イ　 　 ﾉ　lﾊイ　　　　　　　 　 　 　 //　ヾ〉
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: :ﾍ　　　　　　　　　　　　 .〃l　 　 　 　 　 　 　 /　　/ｲ　　　　　　　　　　　　　　 コ匸
: : : ﾍ　　　 　 　 　 　 　 〃 l　　　　　　　　　　　　／,'　　　　　　　 　 　 　 　 　 ￣|｢´　　　　/7（()）
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: : : : |　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',　　　　　　　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣|｢´
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圭圭圭圭圭圭圭圭ヾ
圭圭圭圭圭圭圭圭圭＼
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭＼
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圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭＼
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圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭l
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭l
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭|l
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭||l　　　　　　　　ここ、ザルツブルクで会おうと
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭||　　　　　　　　約束してましたが･･･
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭/
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭||/
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭/
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭||/
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ﾉ
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭/　　　　　　　　　　　　　 お久しぶりですね
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭/
圭圭圭圭圭圭圭圭圭／
圭圭圭圭圭圭圭圭／
圭圭圭圭圭圭圭／

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ホント、久しぶりだろ。　　　　　 _　　　 　 　 　 　| （● ) （⌒ ）　.|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 r　`二ヽ ） i　　　　　　ヽ _ ､___, 　 ﾄ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 |　 ー、〉 /　　　　 _,,,,ﾉr　 `　　 ／i＼,,,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　久々に会えたんだから、　　　　　　　　　　|　　r_,j　j__,,.. r''''"/::;|　＼`'／ 　 ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
　　　　　　　　　　　　　　　　旧交を温めたいところだけど･･･　　　　　 | 　 ）　ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;|　 ／＼　　/::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 ﾉﾆ-､　,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;|　 "::く 　/:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;|　|:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -　￣　　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 i　　　　　　　　　　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　 　 　 　 　 　 ｿ､__
　　　　　　　　　　　　　　仕事の話に入らせてもらうだろ。 　　　　　　　| .｀､ ＿__,　　　 　 　 |ヽ＼__　　　 　 　 　 ＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽl　f ● ）　　　r　　//∧　|￣二二二ﾌ´　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j　　￣､ 　 　 |｀i　/// /} |　　　　　/ 　 　 ｀ヽ ＼
　　　　　　　　　　　　　　･･･次のオペラの台本、どうなってる？　　　　 （人＿ノ､　　 ﾉ　l/// //　.|　　　　./　　　 　 　 　 ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　この前、尋ねたことは？　　　　　　　　　　　　／　 ヽ-＜l∨､__∧/./ 丶. 　､　　　|　＼ 　 　 　 l　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. ' 　 　 　/ 　 | | /:::| |l∨　　 .て 　　　|　　 〉 ＼ 　 ∧　ヽ
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　 _,, ．‐''ﾆ三三三三.`- ．,_
f´.三三三三三三三三三三｀'' ､
lﾆ三三三三三三三三三三三ﾆ',
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　　　 　 　 ╋──────────────────────────╋　　　 　 　 .｀.
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　　　 　 　 ｜　　　　　　　　　　～ リヒャルト･シュトラウス ～　　　　　　　　　 　｜　...`i　　　　　 |
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　　　 　 　 ｜　　 　 やらない夫のオイレンシュピーゲル物語　　第九話　　　 ｜ /　 丿 　　　　l
　　　 　 　 ╋──────────────────────────╋ . _,.. 　 　 　 　 i
　 　 　 　 　 　 　 　 {ﾞヽ. ﾞ、ﾞ''ｰ-‐┘　 !　　　　　　　　　　　　　　　 ノ　　　　　　　/ ‐" 　 　　　　　　i
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　j　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ﾉ _　　　　　　　　　　　 |
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　“リヒャルト･シュトラウス” の名は、現代に生きる我々にとっては、まず〝作曲家〟として認識されているが　 │
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　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i : : : : : : : : : :　.┃ 　 　 　 　 　 i　　　　　　　　　 │　　生きていた当時にあっては、　　　　　 │
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ<.、: : : : :_;　　 ┃　　　...｀,:､　/ﾉ　　　 　 　 　 　 │　　ドイツを代表する指揮者でもあった　  │
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 __ﾄゝ.!^≦z.､: :　...┃..,　　`泛ﾀﾞｿ^　　　　　　　　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
　　　　　 　 　 　 　 　 　 _,､,r':ハ: .:i ´ ; ;_ : : : : ┃ .! 　γ　　i<　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　 　 ,r'／ .: .: .:(.人.__＿) 　 . ┃ ﾍ.　 ゝ.__.ﾉ_)　 　 　 　 　 　 　 └─────────────────┘
　　　　　　　　 　 　 　 ﾘ : : : : : : : ﾞｉ´ ｀: : : :､ r'.┃ .＼＼_／
　　　　　　　　　 　 　 ﾉ!ﾞｉ : : : : : : :.ト-‐‐=ﾆ ､　┃　 ./,7j...＿__　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿__　　 　_＿＿__
　　　　　 　 　 　 　 ,r'リ:ﾍ: : : : : : ::ﾚ＾＜:ヽ::ﾊ: :┃..＼/∧､. 三三三≧≦三三三三三三 |￣=ﾆ ¨ ￣　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　 　 ／ゝ:_:_: :.＼ : : : : : : :: :｀ソl: : ┃ .//＼ﾍ廴 . 三 ,-､_三三三三三三三=!　.⌒ﾍ'T´|￣￣￣
　　　　　　　　 _r'. .: ;: : : : .:.:.:.ｉ : : : : : : :. : ii : :､.┃ ./////ﾍN　/У　ﾍ_,ヽ.三三三三三三!-｀f__ﾉ._´_j
　　 　 　 　 　 | |,r'ﾆ=‐--=≦ ＼: : : : : : : !l:､:　┃./＞ ､/∧i!　}　　 /　 ｀i
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　　　　 　 γ､ Y｀ヽ : .:.ﾞｉ_＞-=≦､ﾄ:,:_:_:_:_:_:.!j: :┃ ///////N.メﾞ ゝ､　 ／
　　　 　 　 iヽ.Li.メ{ ｉ ir'γ'二￣' 　 　 :.ﾞｉ.:￣ !i..┃.//////／../ ＼ ｡У
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┌──────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　つまり彼は創作者としてのみならず、音楽の優秀な〝解釈者〟としての一面も持ち合わせていたわけだ　　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
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.

┌─────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
│　　その〝解釈者〟としての面であるが･･･ 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
│ 　 まず、自作の第一人者であったのは当然のことながら 　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 {::.:._,.-'´'´ ゝ;/ 　 　 rｔ:ﾃヽ　　{t:ﾃヽl:::ﾍ　　 　 │　　古典の作品では、まず 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 冫{´:.. ._;.イt:冫　　 　 　 ´　　ヽ　´.l:::::ﾉ 　 　 .│ 　 モーツァルトに定評があった　 │
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:::｀ｰァ{:.ヽ｀　}　　　　　 　 ｒ　　 ',　 l＾´　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ:__;ノ　!:.:.:.:「 ヽ　　　　　　｀ー-ィ　 !　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,j:.:.:.:rl＼ヽ　　　　　―～ァ /　　　 　 　 └──────────────┘
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 彡気/｀ヽ､｀ヽ　　　　　　´´/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 彡イﾊ/: : : : : 丶 ｀ ｰ-　..__,,.ィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 〈/幺//: : : : : : : : :｀丶､._　　{,ハ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽУ: : : : : : : : : : : : : : ￣VY戈ｰ:､
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　　 ┌─────────────────────────────────────────┐
　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　│
　　 │　　つまりシュトラウスは、〝モーツァルトとシュトラウスの指揮者〟よき解釈者 でもあったわけだ　　│
　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　│
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　そして、モーツァルト指揮者としての 彼の業績は、まず第一に 『 コシ･ファン･トゥッテ 』 を　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　積極的に取り上げ、その作品の復活上演に力を注いだことが、挙げられるであろう 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__　　　　　　　ヽ___‐‐ ｿ.: :ヽ
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　 .〈ヾ､ム,. 》 : クヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〕_____｀,.‐ｨ'｀ヽ‐ｲ : :/ :/ : : : : : : : :N:ヽ : : : ／
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　　　　　　　　　　　　　　 http://www.youtube.com/watch?v=HZDXw6_OjtE

　　　　　　　　　　　【 Ｗ．Ａ．モーツァルト：『 コシ･ファン･トゥッテ 』 Ｋ．５８８ 序曲 】




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│　　『 コシ･ファン･トゥッテ 』 は １７９０年１月２６日に初演された、モーツァルト最後のオペラ･ブッファだ。 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│ 　 リブレットは、『 フィガロの結婚 』 や 『 ドン･ジョヴァンニ 』 と同じ作家、ダ･ポンテが手掛けてるので、 　 │
│　　『 コシ･ファン･トゥッテ 』も含めたこの三作は、通常〝ダ･ポンテ三部作〟とも呼ばれているのだが･･･　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,,..-‐ ¨￣￣　￣｀丶、 ､
　　　　　　　　　　　　　　　　_.. =¨ニニ二二￣｀丶、　ヽ　ヽ!ヽ
　　　　　　　　　　　　　 _..-ﾆ二三三二｀丶､｀ヽ　　ヽ　 ／'´￣｀丶
　　　　　　　　　　 　 ／　／二二ニニ｀丶丶､　＼　 i/ /／￣¨ヽ､ヽ
　　　　　　　　　__／ ／/三二─- ､　 ｀丶ヽ　ヽ　＼/ /　/　　　　i l
　　　　　　　／　　／ /二￣￣¨｀丶､ヽ　　ヽ　　i　　i ,'　,' /　　　 ノ
　　　　　　　）　／　/三　_.. -─- ...._ ＼　　　　ﾉ　 ,､ i　i i　　///
　　　　　　/ _,,.. -‐ ¨￣　＿＿　　　,.､　 　 ／＼／! lヽソ＼イ/
　　　　　／　　 ー‐ ¨￣　 ,､　 　 ／　＼／　　　　 l !　l | |l l l|ヽ
　　　　　 ヽ　 ￣¨　‐-　 /　 ＼／　　　　　　　　　 ! !　! l lﾉノl）ﾉ
　　　　　　 ｀ｰ､　　/＼./　　　　　　　　　　　　　　//　//ﾉ　　l/
　　　　　　　 　 |∨　　 　 　 　 　 l　　　　　　　　//　// ,.､ .,ﾍ!
　　　　　　　　　l　　__　　　　　 　 l　　　　　　　 ノ,.､ノ /　.／/
　　　　　　 　 　 ',　!　＼,.､　　 　 人　　 ∠ヽ.∠＿　｀　/_ﾆY
　　　　　　　　 　 ',.ｌ 入. ヽヽ､__／ -‐｀'´_,. ＿ニ_　 :..　 ド'-ｲ!
　　　　　　　　　　 '!. l l ﾄ　∨!　!',　　　 ｨﾁダ_,,ィ´　 ::. 　',.　 l
　　　　　　　　　　　', ∨ヾ　 !￣.i ､　　　　￣ 　 　 　 ::.　 ',　!
　　　 　 ,. -───'"/｀' i｀ l　　l　 ,'¨i　　　　　 　 　 ;. -‐ﾗ.,'
　　　／　／　　　　/__　.ﾉトl｀ﾞ . l. ,'､_ｊl　　　　　　　　ヾ-'" ,'
　 ／　　/　r‐､　　 l 　 ﾞi　 l　　 l i　　l　　　 　 　 　 ,..--'^,'
　,'　　　,' 　.l┘', 　 l　　 l　ト-　.l.l ｀ﾞ .l　　　　　　ｰ'_＿,,,.ィ‐-､
　i 　 　 i　　l-‐ﾍ　 !=''" ', l　　　ｌl.　　ト､　　　　　　 ｀¨"/　　 ﾍ
　', 　 　 l　　L　 ＼ ',　　 'j　　　,'｀ﾞ　 ｌ　　 ＞‐‐､_　 　/ |　　　　＼
　 ',　　　l　　 ＼　　ヽ ,.､ '　　　' 　 　 l￣/ /__7´　￣　/　　　＼.　 ＼
　　ヽ　　l　　　　ｿヽ 〈　　/　　 ハ　　.!／　_../　　　　 /　　　　　＼　　＼
　　　∨ l　　　　 ',　　｀　　　　　　　　/　　 '7　　　　ノ

　　　　　　　　　　　　　　【 ロレンツォ･ダ･ポンテ 】
.

┌────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
│　　このオペラの粗筋は、というと･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
└────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　 ｀‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:┌──────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /:.:.:.│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿__　　　 l:.:.:.:.│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　 _,-‐－'´..:.:.:.:.:.:.:.｀‐-､_l:.:.:.:.│　　二人の士官が、恋人の身持ちの固さを信じて　　  │
　　　　　　_＿__,-－'´　　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:│　　老哲学者と賭け･･･　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　 ,イ￣´´　　　　　　　　　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
／ｉ:l　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
:ｉ:ｉ:ｉ:l　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. └──────────────────────┘
:ｉ:ｉ:ｉ:l　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:　　　　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:　 ヽ　　　ヽ
l:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.　　　　　　　　　　　:.:.:.　　:.:.:.:　 ヽ　　　ヽ
lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:　　　　　　　　　 :.:.:.:.:　　:.:.:.:.:.　 ヽ　　　ヽ
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │　　 ,-‐－-､_ :.:.:.:.:.:.　　 ヽ　　　ヽ
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │　／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;｀－‐--､_＿_ヽ　　　ヽ
│　　恋人たちには「戦場へ行く」と嘘をついて別れた後、 　 　 │./;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三=ゝ
│　　変装して舞い戻り、互いの恋人を取り替えて口説く･･･　　 │;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;__,-－'´三三‐'´
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │,;,;,;,;,;,__,-－'´三三 ‐－'´
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │,-－'´三三-'´
└─────────────────────────┘三三-'´
　　.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　＿,-‐'´￣三三三三三,-'´___,-'´
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　何も知らない彼女たちは、最初のうちは新たに現れた男の誘惑を撥ね退けるが･･･ 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
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　　　　　　　 　 /.::::::::::::::::::::::::く
　　　　　 　 　 /.:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
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　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:Vｊﾊ:.:',ヽ,,,, 〈
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　　　　l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣::::::::::::::::l¨　　　　　　 ／/´＾ヽ}=!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　情熱的に言い寄る相手に、次第に惹かれるようになり･･･　 │
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　　　　　　　　　l:::::::::::::::::::::〈/::::::::::::::::::::::ﾊ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　最後には、結婚の約束までしてしまう･･･　 │
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│　　二人の士官は怒り狂うが･･･　 │
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;;;:;:;: `.┴┴‐'´　　//;:;:;:;|　￣弋─-- {,ヽ-‐ヽ::　 ＼__ヽ::::　 ヽ　 　/　　/
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;;;;＼::::::::::: 　　 //:;:;:;_:;:;:|　　　 　 ヽ│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
;;;;＼＼＿＿／/;:;／ l;:;:|ヽ､　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
.＼　＼＿＿／／ 　 l;:;:| 　 ヽ､　／│　　哲学者は彼らに向って言う、　　　　　　　　 　 　 │
　　＼／^＼／　　　 l;:;:|　　::::::｀`ヽ│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　 　く　　　　,>､　 　 l;:;:| 　 :::::　 　 │　　「Così fan Tutte! （女は皆、こんなもの）」 と　　 │
　／;;;;ヽ　　/;:;:;:＼　.l:;:| 　 ::::::　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
/;;;;;;;;;;;;/|::|ヽ;;:;:;:;:;:;:;＼l;:|　 ::::::::::　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
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┌──────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　最後に哲学者の、「君達を騙したが、恋の妄想からは目覚めた。今はより賢くなった･･･」 という言葉の後、　 │
│　　理性によって切り抜ける術を讃える合唱が来て、ハッピーエンド、となるわけだが･･･　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
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　　　　　　　　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
　　　　　　　　 . : :　　Fortunato l'uom che prende ogni cosa pel buon verso,　 : : .
　　　　　　　　 . : :　　e tra i casi e le vicende da ragion guidar si fa.　　　　　　 : : .
　　　　　　　　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : .
　　　　　　　　 . : :　　（物事全てよい面を取り、どんな事態でも　　　　　　　　　 : : .
　　　　　　　　 . : :　　理性によって切り抜ける人は、幸せな人だ）　　　　　　 　 : : .
　　　　　　　　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
　　　　　　　　　 : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:. : :


　　　　　　　　　　　 ,-､:':ヽ　　　　　　　　　　　　　 _ 　　　　　　　　　　　　 　 ,.:‐､:^ヽ
　　　　　　　　　　 ,.:'::::::::::::::::)　　　　　 　 　 　 ,.:'´:::::::ヽ　　　　　　　　 　 　 ,':::::::::::::::::',
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　　　　　　　　　　,.'::::::::::::::::::::::::i、　　　　　　 _,':-':::::::::::::'-.､　　　　　 　 　 ,...::'´:::::::::::`::‐:.､
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.　　　　　　　　　!::::::::::::::::::::::::::::::_':､. 　 　 ,':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i　　 　 　 i::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
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.　　　　　　　　 '､::::::::::::::::::::::::::::;:'　　　　 i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;!　 　 　 !::::::::::::::::::::::::::::','､::::::'、
　　　　　　　　　 'i:::::::::::::::::::::::::;'　　 　 　 `;::::::::::::::::::::::::::::::::::::';!::::',.　　　　 !::::::::::::::::::::::::::::::i ',::::::;!
　　　　　　　　 　 !::::::::::::::::::::::::!　　　　　　 ',::::::::::::::::::::::::::::::::::::_:;::'　　　　　':;::::::::::::::::::::::::::::i　!:::::'､

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　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣


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┌──────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　この、「恋人の心を試す」 という設定が好まれなかったため、十九世紀の間 　  │
│ 　 ダ･ポンテ三部作中の他二作に比べ、著しく評価が低かったのだ。 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────┘




　　　　　　　　　　,　,r'"／／::｀ヽ-､
　　　　　　　　　　ゞiｙ"（　/ｉイ'ミ￣ﾞ＼
　　　　　　　　　 ,ィﾊﾐヽ､､／r‐､ヽ::ﾊ:::ヽ、
　　　　　　　　 /彡ﾌﾚ,,ソ`｀´　lﾐヽﾐ::::::ミ::ヽ_
　　　　　　　　　lﾐﾄ彡"　　　　 lミヽヽ､=､ョ彡、
　　　　　　　､＿ﾞﾘ;|. _,,_　　 ,,,-､_l,>＞}::ヽ7:::v:}
　　　　　　　ゞ三ソ ',ｨｪｯ r"ｨｪｧﾞ.丿ヽ'´､:":::丿
　　　　　　　` ='彡"{　 l::. ヽ　　,'::::/: : :',／
　　　　　　　　　　　,r',. ''-="_　,!:::/ 　 　|　　　　　　　　　　 「こうしたものに嫌悪感を覚える」
　　　　　　　　　　/ 　 ヽ￣´ 　 / ＿＿_ヽ＼_
　　　　　　　　 　,￣/￣ヽ`ー''"''´ィ"／;;;;;;;;;;;;;;;｀丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌────────────────────────┐
　　　　　　　　　　【 Ｌ．ｖ．ベートーヴェン 】　　　　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　というか、嫌われていた、と言った方が正しいだろう　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└────────────────────────┘
　　　　　　　　 ..／::::: : : ::::::::::::::::::､‐､:Y⌒ヽ
　　　　　　　　./:::::::::,:::::,::-‐ '´⌒｀: : ::ヽ｀ヽ｀、
　　　　　　　 ./:://'´'´　　　　　: : :: ::: ::i :::ﾐ .｀､
　　　　　　　 i::: }　　　　　　　　: :: :::::::::ヽ::::ヽ､
　　　　　　　.,!: ::i　._,,;;;;,,,;川,,;,,,;;:: :: :::::::::｀´:::::ヽ
　　　　　　 ノﾉ:::|　,弋ﾗ‐⌒ゞ:弋ュ:):::::::::::::::::::〈
　　　　　　 彡,::;:!　ヽ.／　 .:::::〉 -‐'....:::::::::::::::人
　　　　　　‐'´　',.i　ﾞ´ ./、 .ｿ:::.　 : : :::::::::::::／
　　　　　　　　 ヽ;i　／ ,｀`ヾ:::＼ : :.:::::::z‐'　　　　　　　　 「『 コシ･ファン･トゥッテ 』 に 『 フィガロ 』 のような音楽を
　　　　　　　　　 ,';i　 ‐'"､`",`ゝ' /:,, ::::ﾐ　　　　　　　　　　案出できなかったモーツァルトを、どんなに崇拝していることか！」
　　　　　　　　　 .',;i　　　´´´.. :: /〃:::／、
　　　　　　　　　　〉;＼.､,;;:::::::::;;;::／;／::::::~ヽ
　　　　　　　　　'´　´'､‐-‐_;::-‐'´／:::::::::::::::`‐､

　　　　　　　【 リヒャルト･ワーグナー 】



　　　　┌─────────────────────────────┐
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　│　　彼らの言葉で分かるように、『 コシ･ファン･トゥッテ 』 は、　　　　 　  │
　　　　│　　「愚劣な台本による出来損ないのオペラ」と見なされていたのだ 　  │
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　└─────────────────────────────┘

.

┌────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│　　その “不評” を意識したのだろうか･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│　　ダ･ポンテが晩年に書いた 『 回想録 』 の中にも、この 『 コシ･ファン･トゥッテ 』 については 　 │
│　　ほとんど触れられていない　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
└────────────────────────────────────────┘




　　　　　　 ／:::;':::::i::::::::::::';:::::::::::',:::::::::::::::!:::::::ヽ
　　　　　／i:::::::i:::::::l:::::::::::::i:::::::::::;'::::::::::::;':::::::::::i　　.iヽ-'
　　　　　::::::';::::::';::::::l:::::;ﾍ:ﾉ::::/ヽ:::::;.､:::/:::::::::::/　,.　l
　　　　　::::::::'::i丶､:::::/ 　 ヽ'　　';i':', ヽﾍ:::::ノ＜´　 .l　か　台　金.　こ
　　　　　:_::::::::l　　 ｀　　　 　 　 .i:!l:i　i　ヽ!ヽ｀l:l　　 l　ァ　本.　や　の
　　　　　ｉ ￣　　　 　 　 　 　 　 l:!l::l　l.　 l ﾉ､ノ　　.ｌ　|　　を.　ち.　ダ
　　　　 ﾉ　i　　　　　　　　　　,.､/ l:;!､ _!　 l　,ﾞi　　/　 |　　書　や　 ･
　　　　　　 l　　　　　 ,.ヘ 　 /　ﾞソ　_.. ∨:l ;' .l　　〉.　|. 　 い　ほ　ポ
　　　　　 　 l　　/＼/　　i ｀' . r‐ ニ-‐v ヽ!i:　l__/　　|. 　 て.　や　ン
　　　　 i　　 i丶ｉ -‐.＿ .._',　 _;! / iｶﾑｲ　　l/./　ヽ..　|.　　い . さ　.テ
　　　　　', トｉヽ､__/¨rゎヽﾐヽ‐ ヽ｀¨　 　 　 ｌ/￣ヽl　　ッ . た　れ　が
　　　　　ヽﾄ:ｉ^　｀丶┴'"´i　 ', ､　i　　ｕ　　lヽ,.､　l　　!! 　 と　.る
　　　 ∧＼!､　 U　　　　 丶､i.　,!' _　 　 　 l 〈　〉'　　　 　.思　た
　　　　 ∧　 ',　　　　　　　 ,.--‐'´ノヽ 　　 l　ヽ　　　　　　っ　め
　　　　　/｀ヽ_',＼　　　　 / ¨,.￣-‐､._',　　 lヽ ＼　　　 　.て.　に
　　　　 / / l l　',. ヽ. 　 　i;､i　　　　 i　i　　 !　',　ヽ 　　 　い
　　　　/ /　l. l.　ヽ. ＼.　 !;　',. 　 　 l　ｌ.　 /　　 /　　　　 .た
　　　　　　　l　',　 ＼　　　'＼.'--一" ﾉ i /l　　/＿　　　　の
　　　　　　　 l　ヽ　　 ＼　　 ､ヽ､... イ ノ//　　　　く
　　　　　　　　!　　＼　 ', 丶､ ヽ -‐ ¨　//　　　　　 i
　　　　　　　＿＼　　｀丶' ､＿ヽ＿＿ノ /　　　　　 /
　　　　　/¨ 　　 ヽ＼　　　　ｆ　　　　　 /　　　　 ／
　　　　 ,'　　　＿.. ',　＼　　 !○_.. -‐''7　　　 ／￣｀ヽ
　　　　 i !　 /-‐' ヽ',　　 ＼￣　　　／　　／　　　　　 !∨´￣￣｀ヽト'
　　‐-､ﾉ. ',　i　　　 ﾉ＼　　　 丶､／　／　　　　　　　/
　　　　i"　',＼-‐''" /　ヽ､　　　　l　○　　　　　　 ／　　　　　　　　　　 ｺﾉ回想録ｦ読ﾒ!



　　　　　┌───────────────────────────┐
　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
　　　　　│　　つまり、十九世紀には 不当に忘れられていたわけだが･･･　　 │
　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
　　　　　└───────────────────────────┘


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ─　── ────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─　── ─────────────┐
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　　┌───────────────────────────────┐
　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　│　　だがシュトラウスは、このオペラ 『 コシ･ファン･トゥッテ 』 について･･･ 　 │
　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 ｜　　　_,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　.　 　　 　 　 　 ｜　 　.（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 | 　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .|　　　　　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　　　　　　　　　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
　　　　　　　　　　／..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、
　　　　　　　　　　.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＼､_
　　　　　　　　　　::::::::::.＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... ヽ
　　　　　　　　　　:::::::::::::...ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ﾍ、
　　　　　　　　　　:::::::::::::::::...ヽ::::::､-─────- ､_,. -－──ｰ、
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　　　　　　　　　　:::::::::::::::{　_____　　｀ヽ　　　　 / /　　　　　,／´)
　　　　　　　　　　::ー::::::{　____＿}｀'ｰ'´　　　 ./ /　　　　　 L,.-'´}
　　　　　　　　　　:::::::::/　　____＿}　　　　　 ./ / 　 　　　　,.-'´ ./

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　 　 ﾄ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::// ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/./　　　　/
　 　 j :::::::..∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://　　　　　　　　　　　　　　　　 /./　　　　/
　　 i :::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://　　 コシ･ファン･トゥッテ　　 /./　　　　/
　　,ｲ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://　　　　　　　　　　　　　　　　 /./　　　　/.
　　l :::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::://　　　　　　　　　　　　　　　　 /./　　　　/
　　| :::::::::::::::j :::::::::::::::::::::::::::::://　　　　　　　　　　　　　　　　 /./　　　　/ j
　　l| ::::::::::::::l :::::::::::::::::::::::::::://　　　　　　　　　　　　　　(￣￣￣ヽ　　/:::: i
　 ﾉ .::::::::::::::::l :::::::::::::::::::::::://　　　　　　　　　　　　 r―- ニ二ヽ　 ＼ ::::::: i
　/ .:::::::::::::::::::l :::::::::::::::::::://　　　　　　　　　　　　　ヽ　‐-　､_　＼,　 丿::::::: i

　　　　　　　　 . : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : .
　　　　　　　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
　　　　　　　 . : :　　　これは･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
　　　　　　　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
　　　　　　　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
　　　　　　　 . : :　　単に、美しいアリアやアンサンブルがあるだけじゃなく、 　 : : .
　　　　　　　 . : :　　いく分 非現実的な所があるにしても、ストーリー展開でも　: : .
　　　　　　　 . : :　　 『フィガロ』を除けば 十分に優れた作品だろ、常考･･･　　 : : .
　　　　　　　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
　　　　　　　　 : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-─ ｰ-、　　　　　　　　 v　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ヽ、　　　　　　_ゝ、　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　,,ー　　　　　　　　　 ＼　　　　 ( ￣｀ ー'- ､
　　　　　　　　　　　　　　 / └､_}　　＿,.ノ、　,ヽ､,__|　　　　rへ、____　　 'ヽ
　　　　　　　　　　 　　＞┴、 　./　 （　●）　（ ●) |　　　　{　　｀､ 、ヽ__,. ┴、.
　　　　　　　 　／￣/　{　　〉　 {　 　 ｀　 ´　､｀ ､´ .|　　　　 ヽ　　i　〉'　　　　ヽ
　　　　　　　ノ　　 /　　 ＞{ 　 |　　　 ,′　 ﾉ､　 }　|　　　　　|　　l／　　, -ー '´ ｀､.
　　　　 　 / 　....:::j　　 　 /　　|　　　　｀tﾆ"__,.ﾕ′ﾉ　　　　　|　 ﾉ　 　/　 　＿　　}
　　　　　/　　レ'´　 　　/　　　へ 　 　 　 -ｰ- 　 r　　　　 　'､ 人_,.ィ　　/::::... x､ {
　　　　/⌒ン　　　　　ノ　　 /　　|ﾍ､　　　　 　　 ,'　　　　　　 ﾔ　　 ゝ-ィ／　　　 i
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::::::::::ｲ　　.:...　 　 r'´ 　 　 /　　　j　 |ト､ニニ’ニｲ　　　　　　　　＼　　 i　　　　　ﾄミヽ＿
:::::::::::l　..: :: :::..　 　 　 　 /　　　 ; 　ﾘ::::::::::::::::::::::　L　　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　 j:::::}:::::. ＼
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:::::::::::::! :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: .. 　.. ..　.,ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　｀ー─-､＿　 〈 ::ヽ､_/:::::/::::::::::
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::::l:::| ..: :: :: :: :: :: :: :: :: :: , 　'´ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　:::::::::::::::::::::::



　　　　　　　　　　　　　　　┌───────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　│　　･･･と主張し、機会あるごとに取り上げてきたのだ　　│
　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　└───────────────────────┘

.

┌───────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│ 　 現代では 『 コシ･ファン･トゥッテ 』 は、『 フィガロ 』 や 『 ドン･ジョヴァンニ 』、『 魔笛 』 に　  │
│　　何ら劣るところのない傑作である、と認められているが･･･　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
└───────────────────────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　￣　-　.
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ′　　　　　　 　＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ′　 　 　 　 　 　 　 ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 i　　　　　　　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　__ﾉ　　　　　　　　　　 　 l
　　　　_＿ 　 　 　 　 　　__／,r'|　 　 　 　 　 　 ＿ ノ　|
　　 ／ 　　｀ﾌ二二二￣ ﾉ∧＼　 　 　r　　　（　●）｀r'
　／ ,/´　 　丶 　　　　　/.∧.//.＼ .i´| 　　　　 　　　!
ノ　　　　　　　丶.　　　　|　　∧.///.>､｀ ､　　(＿＿入)
i 　 i　　　　　 　 丶　　　|　　, ´V//./ >‐<｀､　　　了´
..､　l　 　 　 　／　| 　　　! , '　　 V//∧__,.∨l＞-''´　＼
ﾉ　∧　　 　／ 〈　/ 　 　7　 　 　.＼/l| |:::ヽ | |　 丶　　 i｀､
|　∧　　　< 　 _l／l　　　ヽ　　 　 　 |.ｌ|ﾉ. --ｒ┬‐,　 丶　|　〉
i ∧ 　　__　ヽ 　　｀ｉ＿ 　　ヽ　 ,. ＜　丶「━━━━━━━━━━
!　　ヽ 　　　　ヽノ 　　￣,､　／ 　　‐r＼〉/　　 .／ 　 　 |　i
! ＿.　ヽ､　　／i_＿.／｀l｢ﾆ| 　　　r ＼_）/ 　 ／ 　 　 　 ! 7
i,　─-ﾞｉ＼､＜￣／ 　/ !ﾆl!､_＿ｔ‐-,r'　/　／　 　 　 　 ﾉ´
!/─､-／ 　　／　 ／!, |=! , ´　　､　| /／　 　 　 　 　/
|　／ 　　　／　　　　ｏ〉ヽ´　 　 　 ､|.ﾚ 　　　 　 　　 ｲ
/'　　　 ／ 　　　　ｏ／￣　　　　　　ゝ　　　 　　　, '
ﾞｉ　 　 　 　 　 　 ／ 　　　　　　　　◎ソ　　　　-ｨ
..＼_＿＿＿ ＞ ´　　 　 　 　 　 　 ι 　　　__λ



┌───────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│ 　 その〝再評価〟の機会を作ったのは、シュトラウスが積極的に取り上げたからであり、　　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　つまり彼の熱意が、『 コシ 』 を然るべき地位に戻した、と見ることができるだろう　　　　　　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
└───────────────────────────────────────┘

.

┌────────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│ 　 そして 生誕１５０周年記念というメモリアル･イヤーに開かれた音楽祭の取りで、その曲の演奏を任されたのは 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
└────────────────────────────────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,...--─- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 :::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　 　∠ :::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　 　 ／;;）） ::::::::::::丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　 ヽ｀´　 ヽ ::::::::::丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾋヾ)　 ,　 　_,ノ　::::::::::::丶
"' - .,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヾ , 　ゝ‐ ´　...::::::::::::::::::｀
　　　 ｀'' - .,_　 ,..._　__　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ｌ.　/　　　:::::::::::::::::::;;::::l
　　　　　　　 ｀r｀''､~　ヽ　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヾ　　　　 :::::::::::::::;;;;:::::l
　 　 　 　　　 ﾞ{ ‐-′　丶,r､_　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　 　 ／_,. ﾞｰ､
　　　　　　　 　 }ニ´'!　　/　 ￣ヽ.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 　 　 ／ '´ 　　　'.
　　　　　　　　　 `ｰ^''´〉′　　　　ﾞ'' ｰ　..,_　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀､ _／,′,,.. - 　 　 ﾞ､
　 　 　 　 　 　 　　　＇､　 　 　 　 　 　 　 ﾞ'' - .,_　　　　　　　_,.　-''"''´　, ´r'´ ヽ. 　　　　　ﾞ 、
　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ'- ._　　　　　　´ 　 　　 ﾞ''iｰ-ｰ '"´　　　　 　　／　,. -ｰ　　　　　　 ｀.
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ - .,　　　　　　　　,'　;　 ;ヽ　　　　　　　 |,.　'´　　　ヽ　　　　　　ﾞ.
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　`i　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾞ' ｰ ..,_　　　　　　　　　　　　,./　　　　　　　i ,.　　　　　　|
　　　　　　　　　　　 r-、　　　!"ヽ_　　　　　　　　｀ ｰ- ..,_,.. - '´｀￣´,/　　　　　　　/　 丿 　　　　l
　　 　 　 　 　 　 　 ヽ.`､　　 丶.　 !、　　　　　　　　　　　　　　　　r′ 　 　 　 　, '　_,.. 　 　 　 　 i
　　　　　　　　　　 {ﾞヽ. ﾞ、ﾞ''ｰ-‐┘　 !　　　　　　　　　　　　　　　 ノ　　　　　　　/ ‐" 　 　　　　　　i
　　　　　　　　　 　 {､ ヽ二> 　 　 　 }i`=､- .,_　　　_　　　　　r＝ﾞ　ー　　ﾐ　　 , ﾞ 　 　 　 　 　 　 　 i
　　　　　　　　　　　{､`-‐-､_　　　　　!　 ｀、　 ﾞ'' '"､｀'ー─ '′ ″_　　　　　 / 　 　　　　　　　　　　!
　　　　　　　　　　　 ! ﾞ-‐-ｧ--　....,_,_j　　　〉 　 　 　｀ '' ｰ　　　￣ヾ、　　　, i　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　 　 　 　 ｀￣´　　　!‐''"ー- i'´　　　　　　　　　　　　　｀　　　 ,ﾞ { 　 　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ　j　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ﾉ _　　　　　　　　　　　 |



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　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　│　　ひとえに彼の、その熱意が実り、評価されたからだ、と 言えるだろう･･･ 　 │
　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　└────────────────────────────────┘

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　　　　　　　　　　　　　　　 ＿
　　　　　　　　　　　 　 .／三三ﾆヽ
　　　　　　　　　　 　 ./ニ三三三ﾆ`、
　　　　　　　　　　　　{ﾆ三三三三ﾆﾉ
　　　　　　　 　 　 　 .',三三三三ﾐ/　　　　　　　　　 えっと･･･
　　　　　　 　 　 　 　 .',ﾐ三三三ﾐﾉ
　　　　　　　　　　　._.,/ニ三三ﾐ/　　　　　　　　　　 確か、旧約聖書にある話を素材とした 『サウルとダヴィデ』 のこと
　　　　　　 _,, ．‐''ﾆ三三三三.`- ．,_　　　　　　　　 話されてましたね
　　　　　f´.三三三三三三三三三三｀'' ､
　　　　　lﾆ三三三三三三三三三三三ﾆ',
　　　　　!.ﾆ三三三三三三三三三三三ミ',
　　　　　l.ﾆ三三三三三三三三三三三三',
　　　　　.!ニ三三三三三三三三三三三三',
..　　　　　',三三三三三三三三三三三三三i
　　　　　　',ニ三三三三三三三三三三三ﾆ.l
　　　　　　 ',ﾆ三三三三三三三三三三三ミ.l
　　　　　　　',ニ三三三三三三三三三ﾆlｰ-┘
　　　　　　　.|ﾆ三三三三三三三三三三.l
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （●）（● ）　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あと、フランス革命を素材とした話、　　　　　　 （__人___）　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『ダントンの死』、『テルミドール九日』 　 　 　 　 ｜　　　　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　, 　　　 ／_.{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　の二つも、ね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｧﾆニ＜／／〉、＿_　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,./ /＼　 ／ : : : : : : ＞ : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／ /|ｲ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／. : : : :| ./｀Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　･･････どう？　　　　　　　　　　　　 ,´ : :/: : : :| ｉ::::::|/ : :／: : : ／: : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : :,' : : : : : |::::/ : : : : : r---く´ニ＼: ヽ:ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､'ｰr,_| : : : : : :|:/ : : : : :_/二ヽ　V: : : : ｀ :´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ :.／￣＞＜ :./ : : : : :/ 二 ヽ_」┘: : : ∨}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / : : :ム　/ : : : :￣￣￣￣~ﾞ''-ゝ.」: : : : : ∨ :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ : : : : : :＼､ : : : : : : : : : : : : : : : :＼. : : :∨ : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: : : : : : : :￣"＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／ : : :{

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／三三ﾆヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 ./ニ三三三ﾆ`、
　　　　　　　　　　　　　 　 {ﾆ三三三三ﾆﾉ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',ニ三三三ﾐ/　　　　　　　　正直言って、何とも･･･
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',ﾆ三三三.ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 _.,/ニ三三ﾐ/
　　　　　　　　_ ,,．-‐ ''三三三三ニ`-　．,,._　　　　　　　　　　カルデロンの 『 セミラミス 』 を素材にしたのについて
　　　 　 　 ／三三三三三三三三三三三ミ`､　　　　　　　　 着想を得てます
　　　 　 ,fﾆﾆ三三三三三三三三三三三三ニ＼
　　　.／三三三三三三三三三三三三三三三三＼_
　 ／ﾆ三三三三三三三三三三三三三三三三三三＼
,r'ニ三三ニ,.r''､ﾆ三三三三三三三三三三三三三三三.＼
三三三.,.r.'.　　.`､ﾐ三三三三三三三三三三ミl `　 ､三三三＼　　　　　 が、その 『セミラミス』 に他の素材が混じり込んで
三三ﾐヽ.　　　　　.',三三三三三三三三三三ミl 　 　 .` ｩﾆ三ミ,'　　　　　イマジネーションがメチャクチャにならないよう
三三三',　　　　　.',ニ三三三三三三三三三ﾐ|.　　　　.,'ﾆ三ﾐ/　　　　　　しないといけませんから、他はちょっと･･･
ヽニ三ﾆ`、　　 　 .i三三三三三三三三三三ﾐi　　　 ./ニニ/
　 ヽニ三ﾐ＼　　　ｌ三三三三三三三三三三ミi 　 ., '三三/





　　 　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／三三ﾆヽ
　　 　　　　　　　 　 　 　 ./ニ三三三ﾆ`、　　　　　　　　　　　その、『セミラミス』 にしても、まだ、ちょっと･･･
　　 　　　　　　　　　　 　 {ﾆ三三三三ﾆﾉ
　　 　　　　　　　　　　　　',三三三三ﾐ/　　　　　　ﾄ
　　 　　　　　　　　　　　　 ',ﾐ三三三ﾐﾉ　　　 　 　 |.l,.-､_
　　 　　 　 　 　 　 　 　 _.,/ニ三三ﾐ/　　　　 　 　 ',三ミ~〉
　　 　　　　　 _,,．-‐＝ﾆ三三三三`-　．,,._　　　　 ヽ三ミ〕
　　 　　　　 ,'三三三三三三三三三三三ミ` ､　　　　〉ニﾐ',　　　　　　　　　今すぐ提供できる台本は
　　 　　　　,'.三三三三三三三三三三三三三`-､　 `、ニﾆ',　　　　　　　　『 エレクトラ 』 しか、ありませんね
　　 　　　 ,'ﾆ三三三三三三三三三三三三三三ミ＼_〉ニﾆ.',
　　 　　 .,'ニ三三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾆ.',
　　 　　,'ﾆ三三三三三三三三三三三三ミ.,- ．,ﾆ三三三三ﾆ〉
　　 　.,'ﾆ三三三三三三三三三三三三三.l　　　 ~"''ｰ-.＝.-'
. 　　 ,'.ニ三ﾆ,'',ﾆ三三三三三三三三三三',
.　　 ,'ﾐ三三ﾐi　',ﾆ三三三三三三三三三三l
　　 ｉ三三三i　 .',三三三三三三三三三三ﾐl
　　 |ニ三三|　　|ﾆ三三三三三三三三三ミ.l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　ヽ､__ 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 やはり、『 エレクトラ 』、か･･･　 　 　 　 　 　 　 　 (＝ ) (＝ ) 　 _,-|、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　 ,'⌒　＿　（__人___）　　r' l ｜lヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 ヽ＿ノ　　 '､｀ ⌒´　　 }　}　l ﾚ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　いや、　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 　 |　　　 　　 j　|,｜l ﾉ__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　/　　　 /ｨ : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　「あなたの戯曲 『 エレクトラ 』 をオペラにしたい」 　 　 　 _／:.`ｭ'ﾆニr´　　　／ : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　 　　__ ,.＜ : : : :{/:::ﾊ人　　　rノ∨ : : ／: : : :',
　　　　　　　　　　　　　　　 って言ったの、こちらからだし、ね。　　　　　 　 ／: : : : : : : : : ｸ:::〈´∧'--:´" : :.∨.:/＿／ : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　/ : : : : : : : : : : /::::::i /:.∧ : : : : : : :∨ : : : : : : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　台本に不満はないよ。　　　　　　　　 　 ／ : : : : : :Y : : : : :|:::::::y : : :∧ : : : : : : :∨ : : : ＼ !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　／ : : : :＼ : : :i : : : : : |:::::/: : : : :∧ : : : : : : : ＼ : : : : :〉






　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ただ、ね･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺が つい最近手掛けたオペラ　　　 　 　 /　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『 サロメ 』 と　　　　　 　 　 　 　 　 　 　　 i 　　　　　　　　　＼
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　かぶってる気がするんよね。　 　 　 　 　l　 、__,ィ、　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 V　 ﾍ _ノ-､　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ゝ 、___ノ　　　　}　　　＞、＿　　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　だから、　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､丿_ ,.　　 　 /}　 ／/ : :/. : 二ﾆ{　｀ﾏ:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀ヽ 、　　/;:' ,.ｲ / : : :i : : : :.｛¨V　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　ちょっと時間置いてから　　 　 　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　 `-ｭ＜ｨ＜／ ,ｨ'"´ : : : : ∧　＼
　　　　　　　　　　　　　　取り組んだ方がいいんじゃないか　　　　　　　　　　　　　 _／イr;;;;;/У: :｀ヽ､ : : : :i {　' ､　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　　　　　　　{ : :ﾉ/〉-{／ : :／ : : : : : :i :〉、　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 って気がするだろ　　　-、 　 〉、　ヽ　　　　　　　　　　　　｀､| :i,';;;;/ : : :/ : : : : : : : ｨ:(　＼　_ヽノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.}　 {_／　{　　 {、　　　　　　　　　　　}λ:|;;;;/ : : /. : : : : : : : : : : ﾍ　 . : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } }　 {r-､　,'⌒　　',　　　　　　　　　　/:'〈:'|;/ :.／ : : : : : : : : : : :V: :.｀ヽ : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ}､ .i　 { r-､　　 人ｭ､　　　　　　　 /:λ',:r :./ : : : : : : : : : : : : : :'､: : : : 〉二

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　　 　 .／三三ﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 ./ニ三三三ﾆ`、
　　　　　　　　　　　　　　　{ﾆ三三三三ﾆﾉ
　　　　　　　　　　 　 　 　 .',三三三三ﾐ/　　　　　　　そうですか？
　　　　　　　　　 　 　 　 　 .',ﾐ三三三ﾐﾉ
　　　　　　　　　　　　　　._.,/ニ三三ﾐ/
　　　　　　　　　 _,, ．‐''ﾆ三三三三.`- ．,_
　　　　　　　　f´.三三三三三三三三三三｀'' ､　　　　　　　　　以前にも手紙で申し上げましたが、
　　　　　　　　lﾆ三三三三三三三三三三三ﾆ',
　　　　　　　　!.ﾆ三三三三三三三三三三三ミ',　　　　　　　　 ・一幕もの
　　　　　　　　l.ﾆ三三三三三三三三三三三三',　　　　　　　　・女性の名をタイトルにしている
　　　　　　　　.!ニ三三三三三三三三三三三三',　　　　　　　 ・古代を舞台にしている
　　　　　　　　..',三三三三三三三三三三三三三i
　　　　　　　　　',ニ三三三三三三三三三三三ﾆ.l　　　　　　　くらいしか、類似点はないと思いますが
　　　　　　　　　 ',ﾆ三三三三三三三三三三三ミ.l
　　　　　　　　　　',ニ三三三三三三三三三ﾆlｰ-┘
　　　　　　　　　　.|ﾆ三三三三三三三三三三.l





　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／三三ﾆヽ
　　　　　　　 　 　 　 ./ニ三三三ﾆ`、
　　　　　　　　　　 　 {ﾆ三三三三ﾆﾉ
　　　　　　　　　　　　',三三三三ﾐ/　　　　　　ﾄ　　　　　　　　　私が思いますに
　　　　　　　　　　　　 ',ﾐ三三三ﾐﾉ　　　 　 　 |.l,.-､_
　　 　 　 　 　 　 　 _.,/ニ三三ﾐ/　　　　 　 　 ',三ミ~〉　　　　　 『サロメ』 はオリエンタルの熱気と灼熱感に溢れており
　　　　　 _,,．-‐＝ﾆ三三三三`-　．,,._　　　　 ヽ三ミ〕
　　　　 ,'三三三三三三三三三三三ミ` ､　　　　〉ニﾐ',　　　　　色に例えるなら、緋色と紫の色調で溢れてます
　　　　,'.三三三三三三三三三三三三三`-､　 `、ニﾆ',
　　　 ,'ﾆ三三三三三三三三三三三三三三ミ＼_〉ニﾆ.',
　　 .,'ニ三三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾆ.',
　　,'ﾆ三三三三三三三三三三三三ミ.,- ．,ﾆ三三三三ﾆ〉
　.,'ﾆ三三三三三三三三三三三三三.l　　　 ~"''ｰ-.＝.-'
. ,'.ニ三ﾆ,'',ﾆ三三三三三三三三三三',
.,'ﾐ三三ﾐi　',ﾆ三三三三三三三三三三l
ｉ三三三i　 .',三三三三三三三三三三ﾐl
|ニ三三|　　|ﾆ三三三三三三三三三ミ.l

:::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ::::o:::::::::::::o::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::::o::ﾟ:::::::::::::::::o::::::::::::ﾟ::::::::::｡::::｡:::::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::
::::○ﾟo:::::::｡:::ﾟ::::o○:::゜:::｡:::oﾟ:::::::o:::ﾟ:::::｡::::ﾟ::::｡○｡ o゜::::::o゜::ﾟ:::::o｡::::::::::::::::゜::::o:::::::○:::::ﾟ::::゜ o::｡:::::::o::｡ ::::::

　.ヽ＼.ヽ;;;;;;ﾞV;;;｝ ,!.ｌ　　　　　　 ./ ;;;;;;;;;.,..-‐'''''''''''ｰ ､;;;;;;;;;;;;;｀'x　 .v､`ぃ;;;;ヽ,　　　 . ｌ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｎ．
　　.ヽ;;ﾞ'' l'､;;;;;;;;.l /;;;.!　　　　　./;;;;;;; ／ 　,..-‐''ｯ　 ,,､｀'./ ;;;;;;;;;;ヽ,　ﾞ'.ｌ' li.;;;;;;;＼,,　　 .ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.ｌ,
!、　 .ヽ;;;;;ﾞ!ｺ;;;,i,,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽｌヽ　ｌ;;;;;;;;;;;;;;;;.!　　ｌ;;";;;;;;;;;;;;;＼　　 ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;"
;;.ｌ. 　 .li.ｌ;;;;;;″│　ですが 『 エレクトラ 』 は、　　.│!　|;;;;;;;;;;;;;;; l　　.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼、　ヽ,;;;;;;;;;;;;;;;;;:
;;;;.ｌ　　 l;;;;;;;;;;; │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │　 .|;;;;;;;;;;;;;;;;│　 .!;;;;;__;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀'-､,,｀''-_;;;;;;;
;;;;; !　　.ｌ;;;;;;;;'~│　夜と光･･･　　　　　　　　　　　　│　l;;;;;;;;;;;;;;;;;;｝　　!;;;; ! .!;;;;__,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞゝ､,ﾞ''-．
;;;;;; !　　.!;;;;;,./ '乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.ノ./ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!　　!;;;; l　!;;;;｀'''√''''ｰ､､;;;;;;;;;;;;;~″
;;;;;;; !　 .,!;/゛　　,、 i､.!;;lﾞ　　_,,!;;;;;;;;;;;|　.lﾞ;;;;;;;;;;;;;;;.│　 ,!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;│　 !;;;;/.,/;;;;;;;;;;;;＼_　　 ｀''-､;;;;;;;;
;;;;;;;;;!　 .!;;;|、　〃　|｝.!;;ﾞ''i　.!;;;;;;;;;;;;;;;;凵;;;;;;;;;;;;;;;;;; |　　|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　 /;;;/ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;￣ヽ　　ﾞ'､;;;:
;;;;;;;;;!　 .|;;; !　 　 ‐ｒ　.!;;;;;.!　 !;;;;;;;;;;;;;;;;!.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!　_.!､;;;;;;;;;;;;;;;;./ 　/;;;.ゞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　　｀‐
;;;;;;;;|　　l;;;; !　 !'~''"| .!;;;;;;;! .|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.. ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ'､
;;;;;;;lﾞ　 lﾞ;;;;;;.!　|";'　l　!;;;;;;;!､ヽ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;xv､.│　“暗黒” と “ 光明 ” を混合した　....│;;ヽ
;;;;;/　 .!;;;;;;;;;ヽ,|、;;;;| lﾞ;;;;;;_,,..ゝﾞ''i;;;;;;;;;;;;;;;;;;_;_.;;;;;;;;;;｀''│　トーンでしょう･･････　　　　　　　　　│″
;;;/　 /;;;;;__;;;;;;;ﾞ!ﾐ;;;;,ﾞ,.ｌ;;,ﾞ,,　-'''ﾞﾞﾞ";;;;;;;;;;;ﾞﾞｰ　,_｀ﾞ''ー､.乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.ノ;;.＼.
;/　 / ;;;;;`l.フr;;;;;;;;;;;;;_,,..―'''''''''''''ｰ ..,,;;;;;;;;;;;;;;;｀''-､　ﾞく;;ヽ　　 .!'",/;;;; /　　　 _,, -‐'''ﾞ´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
".,./ ;;;;;;;;;;;!ﾞ;;;;;;;;,,./ ´　　　,i'､　　 .,,､　｀'''､.;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ'､ .ｌ;;; l　　　/ ;;;;;;.ｌ　　,／ﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,r"　　　　./ﾞン′　　ヽヽ　　`ぃ;;;ﾞﾐi.;;;; ｌ .!;;;.!　　ｌ;;;;;;;;;;;.! .／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,..-''''ﾞﾞﾞ￣￣ﾞﾞ''-
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i"_，　　　　!ヾ　　 〟 _．｀ﾏ　　 ヽ; l. };;;/│;;;,!　 .l;;;;;;;;ノ / ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／　　　　　iｰ ,,.
;;;;;;;,iﾘ;;;;;;;;,l/ﾞ;i|八〟　　　.,..,ii''７ﾆ'>i､　　 _,r､/;;;l/ / . !;./ 　　l;;;;;/ ./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ 　., ┐　　　｀'､;;ﾞ'､
'.!;/./;;;;;;;;;";;;;;;;;;;;;l　　　.,i'ﾞ‐';~丶;｀;;;/　 /丶;;;;;;;;;;;lr‐'シﾞ　　　 .ｌ; !　.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ 　./;;;/　　　　　.ヽ;/
. ﾞ",!;;;;;;;;;/'l,;;;;;;;;;;,!　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　!;;;;;;;;;;;;;;;;;,／　　　　　 .‘゛　!;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　'､_./ 　　　 .．
::::○ﾟo:::::::｡:::ﾟ::::o○:::゜:::｡:::oﾟ:::::::o:::ﾟ:::::｡::::ﾟ::::｡○｡ o゜::::::o゜::ﾟ:::::o｡::::::::::::::::゜::::o:::::::○:::::ﾟ::::゜ o::｡:::::::o::｡ ::::::
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.

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _ ,,　,,_
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,r'ﾆ三三ﾐヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,'.ﾆ三三三ミ',
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 lﾆ三三三三.j
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {ニ三三三ﾆ.}　　　　　　　　　　　　 それにオレステスが果たす、復讐と勝利･･･
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,r'ﾆ三三三ﾆヽ
　　　　　　　　　　　 ._,.r.'ニ三三三三三三｀.‐ 、　　　　　　　　彼の行為によって、それまで城内に よどんでいた
　　　　　　　　　 ,r.'"三三三三三三三三三三ミ　､　　　　　　 瘴気のようなものが一気に浄化され、全ての人が
　 　 　 　 　 　 ,'ニ三三三三三三三三三三三三ﾐ',　　　　　　カタルシスに至るんです･･･ッ！
　　　　　 　 　 ,'ﾆ三三三三三三三三三三三三三.',
　　　　　　 　 ,'三三三三三三三三三三三三三三ﾐ',
　　 　 　 　 ./.三三三三三三三三三三三三三三三`、
　　　 n f.ｉn.'ﾆ三三三三三三三三三三三三三三三ﾆ`n.fｉ..n　　　　　　　　　文学的には、『サロメ』 とは類似してませんし
,- .-‐.!.ﾄ!.ll.三三三三三三三三三三三三三三三三三ミll ﾋ!.!‐-　-,　　　　　音楽的な点でも、より力強いものになりましょう
｀"''､ﾐ三三三三ミ,ｲニ三三三三三三三三三三ﾄ三三三三三ﾐr'"´
　　 `´` ､ﾐ三ﾐ, ｨ'..jﾐ三三三三三三三三三三ミ', ゝニ三ﾐ,イ.`'
　　　　　　｀ .´ 　 .{三三三三三三三三三三三ﾐl　　.`　´





　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .／.ﾆ三"''-､
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /三三三三ミヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |ニ三三三ニノ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ',ﾆ三三三ミﾉ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .i三三三ミ,'　　　　　　　　　　 まあ、あなたに この 『エレクトラ』 を
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,.､ﾉﾆ三三ﾐノ　　　　　　　　　　　無理強いする気はありません。
　.,､　　　　　 　 　 　 　 _,r.'"ニ三三ﾆ.└ ,,_
ｉi.,ｊ.! ,')　_　　 　 　 ., -.''ﾆ三三三三三三三ミ"''‐､
.',ﾐч｛// 　 　 　 .ﾉ.ﾆ三三三三三三三三三三ミi　　　　　　　　　しかし六年前の時みたいに
. ｀ ､ニﾐヽ　　 　 .jﾐ三三三三三三三三三三三ミi　　　　　　　　　またポシャってしまうのは残念ですが。
　 　 .ヽ.ミゝ, 　 .j´ニ三三三三三三三三三三三ﾐi
　　　./ニニヽ_/ニ三三三三三三三三三三三三ﾐi
　　　 `､三三三三ミ.人ﾆ三三三三三三三三三三i　　　　　　　　　 あなたと組んで仕事できるかと思って
　 　 　 .`､三三三／　.`､ﾐ三三三三三三三三三ミi　　　　　　　　　 ワクワクしてましたから、ね
　　　　 　 '.,ﾆミ／　　　　.',ﾆ三三三三三三三三三.i
　　 　 　 　 `" 　 　 　 　 .〉三三三三三三三三三ミi
　　　　　　　　　　　　　　/ﾆ三三三三三三三三三ミ',

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　,　ｰ,r 、_r-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　／r-、人, ＼、＼
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　こちらこそ楽しみにしてるだろ。　　　　　　　 　 　 　 /　　ヽ　ヽ:`,　V,}　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ r´＼ Λ　Vi　　ﾚ　ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　:::::＼　＼j,　┤　　　r }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　･･･何しろ、あなたは　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' (　 ﾉ　ヽ,　　 i　 i　 i { '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　世紀末ウィーンの文壇で、“神童” と　　　　　　　　, 　￣ ヽ___i　　　　,'　　{′
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　呼ばれたほどの方だからな　　 　 　 　 　 　 　 　V　　　　　　{　　　　　 __L＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _ﾊ　、　　　　 ﾍ、　,.＜ :: :: :: ト-　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-＜ :: ::{ヽ、　＿_, ＜∨ :: :: :: :: :: ::{ :: :: ::ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　ｘ＜ :: :: :: :: :: :: ::{ 　/;;;;;＼　 ／〈: :: :: :: :: :: :: ∨ :: :: ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ　,: 〃 :: :: :: :: :: :: :: ::レ´};;;;;∧ヽ/ :: ∧: :: :: :: :: :: :: ﾄ, :: :: :: :.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　〃 / :: :: :: :: :: :: :: :: ::| /;;;;;;;;{　 /:: :: :: ∧: :: :: :: :: :: ::∧ :: :: :: {､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, イ: :: :: :: ::/ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :ﾚ;;;;;;;;;;|　/ :: :: :: :: :i: :: :: :: :: :: :: ::ヽ==x ::Λ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣





　 　 ＼ 　 　 　 　　　　ヽ　　　　　　　　　|　　　　　　　　　/　　 　 　 　 　 　 ／
　 　　　＼　　　 　 　 　 ヽ　　　　　　　　 |　 　 　 　 　 　/　　　 　 　 　 　／
　　　　　　＼　　　　　　　ヽ 　 　 　 　 　 |　　　　　　 　/　　　　　　　　／　　 　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　 ＼　　　　　　ヽ　 　 　 　 　 |　　　　　 　 /　　　　　　　／　　 　　 │　 フォン･ホフマンスタールさん　 │
　　　　　　　　　 ＼　　 　 　ヽ　　　　　　　 　 　 　 　/　　　　　　／　　 　　　　 .ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_乂
‐､、　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　 ＿＿＿_　　　　　　　　　／
　　｀－､、　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　＼　　　 　 　 　 　 　 　 　 _,,－''
　 　　　　｀－､、　　　　 　 　 　 ／　⌒　　　⌒　＼　 　 　 　 　 　 _,,－''
　　　　　　　　　｀　　　　　 　 ／ 　 （⌒） 　（⌒） 　.＼　 　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 __´___　　　　　|　　│　気さくにファーストネームで　...│
───────‐　　　　　 .＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／　　 │ 〝できる夫〟とお呼び下さい　│
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 从ヽ､　___ ,, ___　　 ii＼　　 .乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.ノ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ∧＼　 ､ｼ介ｖ 　／/　 ＼
　　　　　　 　 　 _,,－''　　　.|ヽ　　7 .＼ //∧／ i´　　∠|　　　.｀－､、
　 　 　 　 _,,－''　　 　 　 　 |< i　　＼　 ＼／ ／ === i >|　　 　 　 　 ｀－､、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ . {　 !　　i　　／__,／　　 i　 !　}　＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ i　　i　　|ﾟ　　　ﾟ　　　!　i ノ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 !==,.　　:|　　　｡　 . ===!

　　　　　　　　　　　　【 フーゴー･フォン･ホフマンスタール 】



（※： 以下、このスレでは、できる夫･ホフマンスタールとします）
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・


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┌─────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　１８７４年生まれのホフマンスタールは、シュトラウスより十歳年下である。 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
│ 　 が、彼がまだ十六歳である１８９０年にロリス･メリコフのペンネームでソネットを発表して以来、　.│
│　　ウィーン世紀末の文士の間では “ 耽美的な抒情詩人 ” として、注目を浴びていたのだ　　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
└─────────────────────────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　/　 ─　　　─　　　ヽ　　　　　　当時はまだ、ウィーンのアカデミー高等学校の
　　　　　　　　　　　 　 |　 （●） 　（●）　　　|　　　　　　学生でしたからね･･･
　　　　　　　　　　　　　＼　　 　´ 　　　 __,／
　　　　　　　　　　　　　／　　　￣　　　　　＼　　　　　　高校生の作品発表は禁止されてたんですよ
　　　　　　　　　　　＿/((┃))＿＿＿＿_＿i　|
　　　　　　　　　 ／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣￣￣（,,ノ ＼
　　　ｶﾘｶﾘ… ／　 /＿＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. 　＼　　　　　　　ﾀﾞｶﾗ､ﾍﾟﾝﾈｰﾑ ﾃﾞ発表ｼﾀﾜｹ…
　　　　　　　　.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　　　　　　　　　　　　┌──────────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　│　　特に〝芸術至上主義〟を掲げるシュテファン･ゲオルゲと親交を深くし、　　　　 │
　　　　　　　　　　　　│　　’９２年からは彼が主宰する 『芸術のための冊子』 に寄稿するようになり･･･　　│
　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　└──────────────────────────────────┘



　 l::::::::::::::::::|＿!::lヽ::::::::: ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::i､::!　ノ
　 !:::::::::::::::::l-‐ｪ!;ﾄ ヽ:::::l ´!:::::::::::::::::::::::::::::l ｀　ヽ　　 幺ク　亡 月　|　　┼‐　.|] |]
　 l:::::::::::::::::「（;;;)ヽ､__､::ﾚ'´ｌ:::::::::/l､:::::::::::::l　　 /　 　小巴　三l三. ヽ_ﾉ / こ　o o
　　!:::::::::/l:::l＿_,,,rﾀ"ﾞ､;!)､__!::::/ノ 〉､::::::::l　　 ＼
　　 l::::/　lヽ!　　　　_　_　　 l;/´　 !　>､::l　　 ／　　文学の限界に絶望した！！
　　ﾉノlヽ､_!　　　 r――‐┐　　 /_ノ:::|　　／
　　　　l::::::>､　　 ﾚ,二二ェ!　　/i:::::::::::l　　￣￣|＿　　　　 ／ヽ、　 /＼　　 /＼　　　 ／
　　　　l:::/ /::ヽ、 `ｰ-―-'　,ｨ'::::!＼:::::l　　　 （ヽ､/／＼／　　　＼/　　 ＼/　　 ＼／
　　　　ﾚ' ム-''´lヽ､　　_,,.／! ﾞヾ!＿_ヽ!　　　　ヽ´ヽ、ヽ
　　　 　 　 　 　 !　 ￣ 　 　 レ;'´　　|　　（,ゝ、　＼ ヽ　l､
　　　　　　　　／|　＿,,.-／´　 ;;　.,,,-!　　ヽ､ ヽ、　|　|　! l
　　　　　　　/ 斤'"〇 /´　　　 ,;;:''" _,l_　　　ヽ　ヽ/　 l　| l
　　　　　　/;　l､」＿,,/　　　　 '' ﾞ;;／　 ヽ､　　 〉　 ｀ヽ　 l/

　　　　　　【 シュテファン･ゲオルゲ 】
.

┌────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
│　　そして世紀変わって１９０１年に書き上げ、翌年に発表した 『チャンドス卿の手紙』　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
└────────────────────────────────────┘


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:ｉ:ｉ:ｉ:l.　　　　　　　　 　 　 　. : :　「･･････　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
l:ｉ:ｉ:ｉl　 　 　 　 　 　 　 　 　. : :　 まず初めは、高尚であれ一般的であれ ある話題をじっくり話すことが、　 : : .
lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　 　 　 　 　 　 　 　. : :　 そしてその際、誰もがいつもためらうことなくすらすらと口にする言葉を 　 : : .
.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　 　 　. : :　 使うことが次第にできなくなりました。 ･･････」　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
..lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　 　 　 　 　 　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : .
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　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.　　　　 .／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三=ゝ
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　　　 .,／　　/ 　/ 　／ .'!ﾞ ／ ´ 　　　 ＿____￣ﾞﾞ''フ　　 ＿｀-ﾞ”　　 !　! ,! .!　 .|　 廴ノ　　＿_　　　._..-'"゛
---'"゛　　.／　/　／　 .,／,..-r　　　　　ｌ　　 ./ ／　.,..‐'″　　　　　.|　| l　l　.lﾞ.´　　　　　(＿_)_.. ‐'"
＿＿___ -'"　 /／　　/ ./ 　 !　　f￣｀ｌ　! ,／./　 ／＿＿_　　　　　 l　,!l　lﾞ /　　　　　　＿r‐'"　　　　　　　 ﾝ-､
　 ._,,　‐'''"´/″　　/ ./　　　 ｌ,　 廴_ノ　彡'"　　¨´　　　　.｀''‐､、　　! .l!　| .|　.／￣⌒　　　　　_...i、.,i'⌒..ｌ .lﾞ　 .|
''"゛　　　　/ 　　 ,ﾉ_,,..二,ﾞ_￣ﾞ''′ ._..-'"..,..-''lレ＿＿___　　　　　 ｀'-、ヽ.　.l .!　l　　　　　 ., ‐､　/　 .ｌ |　　 .| 廴ノ
　　　　 ./　 iﾘ ."″__,,＿__、 ￣ﾞﾞﾞ_,.. . : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : .
　　　 / 　 / ﾞ‐''"゛　　　　.￣ﾞ,ﾞ二-. : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
　　 / 　./ 　.ir‐''''￣￣￣￣　　　 . : :　　　「･･･むしろ、ある判断を表明するためにはいずれ口に 　 　 : : .
　./　 ／　,.. ｰ''″　　　　 .ﾞﾞ=ﾆ二 . : : 　 　 せざるを得ない抽象的な言葉が、腐れ茸のように　 　 　 　 : : .
ﾉ゛.／, / ´,,,　-‐'''' ￣￣ '''''―　..,,_. : :　　　 口の中で崩れてしまうせいでした。･･････」　　　　　　　　　　: : .
ﾆ彡'ﾞ,／″　　r‐ '"´ﾞ''-、　 .r‐―ｯ. : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 : : .￣
" .／_./ 'l　　/　　　　　 .!　　|._／/. : :　　　　　　 　（ 『チャンドス卿の手紙』　檜山哲彦訳より抜粋 ） 　 : : .
./ ／　　..ｌ　 |　　　　　 . l　　.゛.／　 : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :
. i＿,　　　ヽ .ヽ、　　 . / 　 ／ . ／ 　_..-ｱ　　 . / 　.,..-'"´''┘　　　　.l　 　 　 　 　 ｌ　　ｌ　　　　　 ./
.,、　　｀ﾞ'''ー!　 . ｀ﾞﾞ''"_,, ‐´._..‐,ﾞ　ｰ'"　/ 　　　/ 　　l　r―┐　　　 　 /　　　　 .、　 .ｌ　　ｌ.　　　　　!
　｀ﾞ''ｰ- ＿＿＿ --ｰ'″　 ┴'´　　　,ﾉン'ﾌ　/.._..-'"゛ ｀一'"　　　 ,i'‐ ＼ 　　.|､ ヽ　　!　　ｌ　　　　 l
――-----―ｰﾆｱ　　　　 ._〟　 .〃゛ ./　.,彡゛ 　＿_　　　　r-､　ヽ l　 ,!　　(, ヽ .ｌ　 .!　　.!　.,, .、.|
　　　　　 ._.. ‐',ﾞ.　　　 ＿イ'"　 ,　　　 /　//　.／._,,.　.｀ﾞ''ｰ ., ｰ　　 　 ﾉ　　　 ヽ .ｌ..ｌ　 .ｌ　　!　ヽ,,〉.l
　 ＿=ﾆﾞ‐'ﾆｒ'"　_..-'' ／ 　.,iｼﾞ　 　 ,i′./ ｌ　 / / 　 ｌ 　 ＿　 ｀'-.　　.ヽ　　　　.ｌ . ｌll、 .ｌ　 .| iｰ-､ .|
.'“ﾞﾞ´ _..-'"._,, -'"゛,／゛　., ツ゛　 ./ ./ 　/ .lﾞ　/ lﾞ　　│./　 ｌ　　._, ｀'-､　`―　、　!　`.ｌ　 .ｌ　.!.|＿_ゝ.!
...-'',ﾞ.. -'"゛　 ,..-'゛　 _ ''ン゛　 .,rﾘ ,i′ /　lﾞ　/ .｀ﾞ'～" l゛　 .!　ｌ゛ ｀'i　 .｀''-､.　 !　 .!　 .|　　! .｝ ー'､　＼
'"´　　　 ,..ｒ'"　　_／／　　 ／,i"/　　/　/　/　　　　　ﾞﾞ'''ｰ"　廴_ノ /ヽ　　 |　!　　!　 .｝　│ !　 ,ノ　　 ｀''-..＿＿＿
　　._..-'"　　 ,／ﾞ.／　　　/　/ ,i′　/　│ .|　　 　 　 　 　 　 　 　 /　ｌ　　 .! .l　　.|　　|　　l　.!.i'"　.! .i冖j　 .r―､ ,-
.-'"　　　 ／　／　　　.／ .,/ﾞ./ 　　/　　|　,!　　　 .,i　　　, '7　 .,　　｀'"/¨l　!│　 /　 /　　 l.　ｌ.ｌ　 .l │　l　 l　　!.|
　　 .,..‐" .,／　　　 .／　 / ./ 　　 /　　 !　!　　 .ノ.!　 .／ /　ノ.l　 ,iL .く_ﾉ./ !　 /　 ./　　，.|　 ｌゝ
.,／´ . ／ 　　　 .／　　/ . / 　　　!　　 .|　!　　./ .| .／　 / ./ │./ .|　　　ｌ　!　/　　ｌ　　 |.ｌ　ヽ,　￣￣￣￣￣￣￣
　 _／゛　　　 .／　　 ./ 　/ 　　 . l　　　.!　!　 ./　ﾚ"　　 ｌ./ 　 |./ 　,!　　/ ./　/　 .i′　 l　.ｌ　 ｀'ｰ　＿
／　　　　.,／　　　 ./ 　./　　　　!　　　.|　,!　/　 .゛　　 ,ﾚﾞ　　 |′　.!　 ./ ./ ./　 . l　　　l　　ｌ　　.〔--　 ￣￣￣￣

　　　　　　 ┌────────────────────────────────┐
　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　 │ 　 この作品の主題といえる〝言語による表現の不可能性〟という、問題。　 │
　　　　　　 │　　そして、心理的内容。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣



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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│　　プルーストらに見られるような現代文学の主題に先鞭を付けた、　  │
│ 　 いわば “二〇世紀文学の嚆矢” と言える作品だが　　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
└─────────────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ―-　、
　　　　　　　　　 ,　　-――┐　　　　　　　 /､　　　　＼ ＿＿　　　　　　　 /´￣｀ 丶、
　　　　　　 　 　 | ／二二二|　　　　　　＜＾＼丶-----〉　　　ヽ　　　 ＿,/＼　　　　　＼
　　　　　　　　　 lｨ, ニニニニｱ　　　　　 /,ﾆ丶._ ￣￣〈二二二.L_　　 ＼＼　＼＿＿＿/
　　　　　　　　 〈イ:::::/__,二. ,ﾆl　 　 　 　 〉l 　　}/ﾆl￢-'ィ:ｧ:ｧt:tｧｲ　　 厶＼丶 ＿＿＿〈
　　　　　　　　　 ‘i{　i} └‐'. }┘　　　　 く ,,,,_, l r-く::/1{ ,ﾆ、 ,ﾆ.{´　 　ﾉl　　}:/ﾍｰ――ｧ┘
　　　　　　　　　　｀T L_ '''--'i'　　　　　　‘T´ 　　_人ﾆ!_} 　 , )　|}　　く ,,,,,　　//:::::::::::/
　　　　　　　　　 ／(丶-ヽﾘﾘ'　　　　　　 　 ￣)'´／∧ノl_ ｀ こ´人　　〈ｰ　　ﾉ´ ﾆﾆ 〈
　　　　　　,　-‐'´ |　＼　/＼l＼_　　　　　　/}／ ／　ヽ ＼ 天 /､|｀ ー∟、／´￣￣＼_
　　　　　 / ￣｀ヽ ￣ / ＼〉ﾍ〉　 |　　　　 /´l￣ ／⌒　〉/ﾍ〉〈l　 〉　　 l∠ -‐ '´￣￣｀ ＼
　　　　　 |　　　　|　　＼　 ＼|　| |　　 　 /／l　 l　　　 /　＼∨∠l∠／ ＼　　　　　　　 　 ヽ
　　　　　 | ／　　j　　　　￣ヽlﾑ|.┌───────────────────────────────┐
　　　　 ／-―　/／　 　 　 o　/ │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　 |　　／/　　 　 　 　 　 l　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　/　 　 /　　　　 　 　 　 ｌ　│　　そのような作品を三十にもならずして書き上げた若者の名は、　　　　　  │
　　　 / 、　 /ヽ　　 　 　 　.o　l　│　　ドイツ･オーストリアと言わずヨーロッパ中の文士から注目されていた　　 │
　 　 〈　 ヽ 〈 /　　 　 　 　 　 〈　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　 ヽ　　　}　　　 　 　 　 　 ｌ　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
│　　だが、その 『チャンドス卿の手紙』 を発表した後、閉ざされた叙情言語の世界から 人と人とがかかわり合う　　│
│　　開かれた世界としての文学へ転向することを表明･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
.　　　　　　　　　　　　／　＼　　　／　＼
　　　　　　　　　　　／ 　（●）　　（●）　 ＼　　　　　 文学も、叙情詩という美の世界、
　 　　　　　　　　　 |　　 　 　 　 ´　　　　　 |　　　　　 美の巨塔に閉じこもっていてはいけません
.　　　　　　　　　　 ＼ 　　　　　⌒　　　　／
　　　　　　　　　／￣￣ヽ　　　 　　 　 　 ＼
　　　　　　　　（｢　　　 ｀rﾉ　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　ヽ　　　ノ　　　　　　　　　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　|　　 | 　　　 　　　 　 　 ｢＼　　 ＼




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　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　 ／　　 ＼ ,　, ／＼
　　　　　　　　　　　／　 　 （●）　 （●） ＼
　　　　　　　　　　　|　　 　　　 ___'___　　　　|　　　　　　観念論的世界に留まらず、
　　　　　　　　　　　 ＼　 　 　 |il!|!il|　　　／　　　　　　人と人との身体的なコミュニケーションを持つべきです！
.　　　　　　　　　　 　 /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
　　　　　　　　　　　　|　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 　 　 　｀l￣　　　　　　　　僕はこれから、散文と劇作の世界に入ります！！
.　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　　　　 |

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│ 　 １９０３年にマックス･ラインハルトと知り合ったのをきっかけに、彼と共同で 『 エレクトラ 』 を制作･･･　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
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∥＼／∥　 　 　 　 　 　 ┃ 　 　 エレクトラ　　 　 ┃　 　 　 　 　 　 　 　 ∥＼／∥
∥　∥ ∥　 　 　 　 　 　 ┗━━━━━━━━━┛　♪ 　 　 　 　 　 　 ∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　♪　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.､.-――　　　　　　　_,.､.-―-.､.,　♪
　　　　　　 ,､-―-.､.,_　　　　　　　　　　　　 ､-''´　　　　　　　　　　､-''´　　　　　　 `'-.､,_
――-:‐''^´　　　　　 `'-.､,_　　　　　 _,.､-''´ 　 　 　 　 ―--:‐''^ ´ 　 ♪ 　 ∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　　　　　　 `'--:‐''^´　♪　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∥ ∥　∥
∥＼／∥＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　　　.∧∧　　　　　　　　　　　　　　　 ∧∧　　　　 　 　 　 ∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　　 　 (´∀｀)　∧∧　 ∧,,∧　　∧∧　(･∀･)　　 　 　 　 　 ∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　 　((　　 )) (*ﾟ ｰﾟ) .ﾐ,ﾟДﾟ,ﾐ　.(ﾟ∀ﾟ*) ((　　 ))　　　　　　 　 ∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　　　　∪∪～(　uu)　 ﾐ uu ﾐ　 (uu　)～∪∪　　　　　 　 　 ∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∥ ∥　∥
　＼＿／＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__＼＿／
　　　　／|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |＼
　　 .／　.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　 ＼
　　∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧ ＼
　∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧
　　＿∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧



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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　その後は 『オイディプスとスフィンクス』（１９０４年）、『オイディプス王』（１９０５年）と、　 │
│　　古典を現代的に、自由に改訳した劇作を発表するよう、なったのだ　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
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.

　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　 ／　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　／　 ＼ ,　, ／　　 　 ＼　　　　 我々 現代を生きる者は、真実の〝生〟を味わったことなく、
　　　　　　　　　　　|　 （ー）　 （ー）　　　　 |　　　　 また、真の苦悩に この身を苛まれたこともありません
　　　　　　　　　　　＼ 　　 ´　　 　 　 　 ,／
　　　　　　　　　　　　ノ　 　￣　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　 ._i⌒i⌒i⌒i┐　　　　　 　 　 ヽ
　　　　　　　　（ l　 l　 l　 l　l
　　　　　　　　 ヽ 　　　　　/





　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼　ｷﾘｯ
　　　　　　　　　　　　 ／　　 ＼ ,　, ／＼
　　　　　　　　　　　／　 　 （●）　 （●） ＼
　　　　　　　　　 　 |　　 　 　　＿'＿　　　　|　　　　　　演劇を通じて “個” としての人間は “運命共同体” への参加を
　　　　　　　　　　　＼　　　　 |r┬-| 　　,／　　　　　　経験し、〝生命〟の蘇りを経験し得るのですっ！
.　　　　　　　　　　 　 /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
　　　　　　　　　　 　 |　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 　 　 　｀l￣
.　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　　　　 |

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
│　　このような芸術観の違いから、１９０６年にはゲオルゲと絶交してしまうのだが･･･　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
└────────────────────────────────────┘




　 l::::::::::::::::::|＿!::lヽ::::::::: ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::i､::!　ノ　　 幺ク　亡 月　|　　┼‐　.|] |]
　 !:::::::::::::::::l-‐ｪ!;ﾄ ヽ:::::l ´!:::::::::::::::::::::::::::::l ｀　ヽ.　 　 小巴　三l三. ヽ_ﾉ / こ　o o
　 l:::::::::::::::::「（;;;)ヽ､__､::ﾚ'´ｌ:::::::::/l､:::::::::::::l　　 /
　　!:::::::::/l:::l＿_,,,rﾀ"ﾞ､;!)､__!::::/ノ 〉､::::::::l　　 ＼　演劇を通じた肉体的コミュニケーションを
　　 l::::/　lヽ!　　　　_　_　　 l;/´　 !　>､::l　　 ／　 主張するのに、おホモだちには
　　ﾉノlヽ､_!. /// r――‐┐/// /_ノ:::|　　／　　　なってくれない できる夫君に絶望した！！
　　　　l::::::>､　　 ﾚ,二二ェ!　　/i:::::::::::l　　￣￣|＿　　　　 ／ヽ、　 /＼　　 /＼　　　 ／
　　　　l:::/ /::ヽ、 `ｰ-―-'　,ｨ'::::!＼:::::l　　　 （ヽ､/／＼／　　　＼/　　 ＼/　　 ＼／
　　　　ﾚ' ム-''´lヽ､　　_,,.／! ﾞヾ!＿_ヽ!　　　　ヽ´ヽ、ヽ
　　　 　 　 　 　 !　 ￣ 　 　 レ;'´　　|　　（,ゝ、　＼ ヽ　l､
　　　　　　　　／|　＿,,.-／´　 ;;　.,,,-!　　ヽ､ ヽ、　|　|　! l
　　　　　　　/ 斤'"〇 /´　　　 ,;;:''" _,l_　　　ヽ　ヽ/　 l　| l
　　　　　　/;　l､」＿,,/　　　　 '' ﾞ;;／　 ヽ､　　 〉　 ｀ヽ　 l/
　 　 　 ／!,r''´!/　 /　　　　　';,/"ﾞ''':;,,,,;;'' ＼ /　　　　　,!
　　 　/　l ,;;　 |l　 /`'';, ,,　　 /　　 ,;;''"ﾞ''　　 l　　　　　/






　　　　　　　　 　 　　＿＿＿
　　　　　　　　 　　／　　　　 ＼
.　　　　　　　 　 ／.ノ　　 ＼　u ＼
.　　　　　　　 ／ （●） 　（●） 　　＼　　　　　 僕が主張している「身体的コミュニケーション」について
　　　　　　　 |　 　　__´___　 　　u. 　 |　　　　　 何か誤解してませんか？
　 　　　　　　 ＼ u. `ー'´ 　 　　　／
　r､　　　 　r､／ノ　　　　　　　　　＼
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　 　　　　ヽ
　　＼>ヽ/ |｀ ｝　　　　　　　　　 　　|　|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ 　　　　　　　 　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　　＼. ｨ 　　　　　　 　 　 　 　　|　 |



（※：実際に、ステファン･ゲオルゲは同性愛的コミュニケーションを取ろうとしたが、
　　　ホフマンスタールは それからは距離を置いていた、という話が残っています）
.

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　『 エレクトラ 』 の上演に触れたことにより、１９０６年の初め、シュトラウスの方から　　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　「 『 エレクトラ 』 をオペラにしたい 」 という話が出たようである　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
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∥　∥ ∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∥ ∥　∥
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∥　∥ ∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　　　.∧∧　　　　　　　　　　　　　　　 ∧∧　　　　 　 　 　 ∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　　 　 (´∀｀)　∧∧　 ∧,,∧　　∧∧　(･∀･)　　 　 　 　 　 ∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　 　((　　 )) (*ﾟ ｰﾟ) .ﾐ,ﾟДﾟ,ﾐ　.(ﾟ∀ﾟ*) ((　　 ))　　　　　　 　 ∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　　　　∪∪～(　uu)　 ﾐ uu ﾐ　 (uu　)～∪∪　　　　　 　 　 ∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∥ ∥　∥
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　　　　　┏━━━┓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┏┓┏┓
　　　　　┃┏━┓┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　┃┃┃┃　　／／／／／／／／
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＼＼＼　　　 ┏┛┃┗━━━━━━━━━━━━━┛┗┻┛┃┃　 ┃┃┃┃　　 ／／／／／／
＼＼＼　　┏┛┏┛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .┏┛┃ 　┣┫┣┫　／／／／／／／
＼＼＼　　┗━┛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .┗━┛ 　┗┛┗┛　／／／／／／／
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＼＼＼　　∧ ∧　 　　　 ∧ ∧　　　 ∧ ∧　　　　　∧ ∧　　　 ,∧ ∧　　　　 ∧ ∧　　　／／／／／／
＼＼　　ヽ(　　　 )ﾉ　　ヽ(　　　 )ﾉ　ヽ(　　　)ﾉ　　ヽ(　　　 )ﾉ　ヽ(　　　 )ﾉ　　ヽ(　　　 )ﾉ　／／／／／／／
＼　∧ ∧　 　　　∧ ∧　　　　∧ ∧　　　　 ∧ ∧　　　　 ∧ ∧　　　　,∧ ∧ 　　 　∧ ∧　　／／／／
　ヽ(　　　 )ﾉ　 ヽ(　　　 )ﾉ　 ヽ(　　　)ﾉ 　 ヽ(　　　.)ﾉ 　 ヽ(　　　)ﾉ　 ヽ(　　　 )ﾉ　 ヽ(　　　 )ﾉ　／／／／
(( ノ(　　)ヽ ))(( ノ(　　)ヽ ))(( ノ(　　)ヽ ))(( ノ(　　)ヽ ))(( ノ(　　)ヽ ))(( ノ(　　)ヽ ))(( ノ(　　)ヽ ))　／／／



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　　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._
　　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　 　 ／,ｨつ
　. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ
　　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　ちなみにシュトラウスとホフマンスタールの最初の出会いは、『手紙』 の発表よりも前の１９００年まで遡る　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
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　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　／　　 　　＼
　　　　　 ／　　　⌒　　⌒＼　　　　　　　やらない夫さん。
　　　　／ 　　 　（⌒）　（⌒）＼
　　　　|　　　　　　　 __´__　 　 |　　　　　　あなた以前パリでお会いしたとき
　　　　＼　 　　　 　`ー'´　 ／　　　　　　「詩人の手になるバレエの台本が欲しい」って
　　　　　 ヽ　　　　　　　　<　∩ノ ⊃　　　おっしゃいましたよね
　　　　　　|　⌒ヽ 　　　 i　|／ ＿ノ
　　　　　　|　ヽ　　＼　　／　／
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|.ヽ＿＿__／|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |＿＿＿＿__|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ヽ､_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （__人__）　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（｀⌒ ´　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そんなこと話してたっけな　　　　　　　　　 { 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂てヽ　 　／　　　　 　 　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{三＿ ｨ　`´ 　／|　　　　　ｨ　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__／ 　 |　　 　 　|　 |

　　　　　　　　　　　　(ヽ三/)　））
　　　　　　　　 ,＿＿＿ ( i)))
　　　　　　　／　　　　　＼　＼
　　　　　 ／　　 ⌒　　⌒ ＼　）　　　　　『時の勝利』っていう、三幕ものの
　　　　／ 　 　 （＞） 　（●）ヽ　　　　　　バレエの台本、書き上げたんですよ。
　　　　|　　 　//　　､__',_,　// |　=3
　　　　＼ 　 　 　 　　　　　,／　　　　　　どうかな？って思って
　　⊂ヽ γ　　　　　　　　　ヽ　　　　　　 手紙差し上げたんですが･･･
　　i !ｌ ノ　ﾉ　　　　　 　 　 　 !
　　⊂ｃノ´
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|.ヽ＿＿__／|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |＿＿＿＿__|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣



.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ヽ､_　　＼
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒）（⌒ ）　 　　|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　悪いな。　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （__人__）　　 　　|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (,｀⌒ ´ 　　 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺、自分で台本書いたから　　　　　　　　　{ 　　　　　 　　|,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いいわ、ソレ　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ 　　　　　　 / ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ 　　　　/　>　 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾝ 　　　 ´　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 |
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |.ヽ＿＿__／|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|＿＿＿＿__|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　　　　＼
　　　　 ／　　　 　　　　 ＼
　　　／　　　　─　　　─　＼
　 　 |　　 　　.（ー） ilil（ー）　 |
　　　＼　　 　　　 　｀　　　,／　　　　　････････････
　　　ノ　 　 　　　　￣　 　.＼
.　／´　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ
　|　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　＼
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､.
　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))



　　　　　　　　┌────────────────────────────────────────┐
　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　│　　もっとも、この時にあった共同での仕事の話は深まることなく、すぐに立ち消えたのだが･･･　　│
　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　└────────────────────────────────────────┘

.

┌──────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
│　　『 エレクトラ 』 での共同作業以降 二人の仲は深まり、オペラの共同制作以外でも･･･ 　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
└──────────────────────────────────────┘




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│┌────────────────────────────────────┐│
││　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ││
││　　　　　　　　　　　　　　　　´ 　 　 ｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ││
││　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ││
││　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ││
││　　　　 　 　 　 　 　 '　　　　　　 　 　 　 　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ││
││　　　　　　　　　　　 |　　 ` ー ノ　 　 ⌒ 　 }　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ││
││　 　 　 　 　 　 　 　 | 　 ( ● )　　　( ＜ )　i　　　　　　 ＿＿　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ││
││　　　　　　　 　 　 　 i　　　　　　 　 　 　 　 l　　　　 ＜　　　　 ＞ .　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ││
││.　　　　　　　 　 　 　 l　　　(　　 ﾉ 　ヽ　　 ,'　 ／_　　　 　 ＿_　 　 ＼　　　　　　　 　 　 　 　 ││
││　　　　　　 　 　 　 　 l 　 　 弋ー‐チ′　/　　 ´　｀　　　´　　 ｀　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　││
││　　　　　　_＿_ rチ厂ｹ､　　 　 ￣ 　 　 /__ /　( ＞ )　　　(　● )　　　　',　　　　　　　　　　　 ││
││　　　　, ´ 　 　 ￣ ¨´　.∨≧ｭ　＿　 _ノ　　'　　　　　　' 　 　 　　 　 　 　 .　　　　　　　　　 　 ││
││　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 {　 　 　 ＿ `　＿ 　　　　　　　l　　 　 ,ｨz´〉　　 　 ││
││.　　　l　　　　 　 _　　　　　　　　 　 　 　 　 i　 　 　 {　　　　 j　　 　 　 　 ,'　　r＜ ヽ｀j　 　 　 ││
││.　　　!　　　　　 i_」　　　　　　　 　 　 　 　 入.　　 　` ー 一'　　 　 　 , イ_　　|, ´　 ./　　　　 .││
││　　　'　　　　/У　二!　　　　　　　　　　　 l　 ＞　　　　 　 　 　 , z ﾁ　./　ヽ 〈　　 /　　　　　 ││
││　　/　＿__∠/　　ー:}　　　　　　　　 　 　 ﾄ､　　　　　　　　`＜/!　 　 /　 　 V　　 .!　　　　　 .││
││. 　〃　　 　 　 　 二ｿ　　 　,　､　 　 　 　 j　/　　 　 　 　 　 　 ,'　　 /　　　 /　　　|　 　 　 　 ││
││　 {　　　　　　 ／　ー―　"　　　 ー― ＜l ,'　　　　　　　　　 ノ　　 / 　 ､　,　　　　|　 　 　 　 ││
││　∧ ＿　＞"´　　　　　　　　　　　　　 　 j {　　　　　　　　 /　　　 〈　　 ∧　　　　.,'　　　　 　 ││
││　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　　　　 ,' .!　　　　　 　 　 ﾚl　　 　.! 　 〈.∧　　　/　　　 　 　 ││
││　　　　　 　 l　　　　　　　　　　　　 　 　 {　l　　　　　　 　 　 | l　/ ,ﾘ　　 ,'　 ゞ __/　　　　　　　││
││.　　　　　　/　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽi　　　　　　 　 　 l j_/ノ′ 　 !　　　　　　　 　 　 　 ││
││　 　 　 　 .:　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　 　 {　　　　　　　　　　　　││
││　　　　　 .:　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 i 　.　　　　　　　　 　 　 　 　 l　　　　　　　　　　　　││
│└────────────────────────────────────┘│
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…



┌──────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
│　　これより後のことであるが、１９２０年に始まる 『 ザルツブルク音楽祭 』 に関してでも、　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
│　　音楽祭開催のため、互いに力を出し合い 協力するような関係になる･･･　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
└──────────────────────────────────────┘





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～ ウィーンにて ～




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿_＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ♪　 　 　 ─　 ⌒　　⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─　（⌒）　（⌒ ）　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─― 　 !　__´___ ⌒　　|
　　　　　　　　　　　 ＿＿　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿　ヽ|ｒ┬-|＿＿ノ　　　　　　 さん、ハイッ！
　　　　 　 ＿＿　／　　　ヽ　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ー "、ヽ
　　　　＿＿　　/　u 　　⌒ヽ　　　　　　　　 ♪　　　 　 　 　 　 ―　 /　＼　＼＼　　　　　♪
　　　　　　＿　 !　　　 （ ⌒）　　　ひっ･･･　　　　　　　＿　￣￣ 　 /.　　　＼　＼＼
　　　　　　　　　! 　/// （_人）　　　　　　　　　　　　　　　　──　 /　　　　/. ＼,,,,Ｘニニヽ　 ＿＿＿
　　　　　　　　　l　　　　　ソ　　♪　ヒメ！！ ヒメ！！　　　　　　/＿＿__/＿＿ヽソ￣ヽ　ﾄ-!／／／|
　　　　　　　 　 ヽ、＿＿ﾉ＿＿＿＿＿　　　　　　　 　　　　　　　ヽ、　 ＼　　　ヽ　　　 !　ﾄ, !／／／|
　　　 　＿＿ （⌒ヽ　ヾｿ＿＿＿＿＿_{了　　　♪　　　 　 　 　 （＿＼　　＼7　/　 　./　∧ |∠∠∠l
　 　 ＿＿ 　 / ＼　＼/＿　　　　　　　　　　　　 　￣∠二|二＼／　ヽ＼　　〉/　 　 /　/　 Ⅵ　＿
　 　 　 ＿　./　　 ＼＿＿{つ､　　　　　　 ＿＿─　 ／ 　 |　 ／ゝ　　 ヽ|　 /　　 .／　/ ／　Ⅵ　／ヽ
　　　　　　 /　　　 /　　　￣ヽヽ. 　＿＿＿　＿＿ /／　　|／　＿’＿＿|__/_,, -" 　 / /　 　 Ⅵ　／ ’,
　　　　 　 /　　＿/＿＿_ 　　|　ﾄ-!／／／|　＿＿!　／ (ニ二＿＿＿＿＼）_,, =－''　ｌ 　／　○ 　／ !
　　　　　 （ ￣　　 　 ,　　}　　!　ﾄ, !／／／|.　　 　 ゝ　／ 　　　　/　　　　￣　 　 　 　 ゝ　／　　　　 /
＿＿＿（二二二)￣/　 / 　/　∧ |∠∠∠l　　 ＿＿ゝ、／　　／　 　 　 　 　 　 　 ＿＿ゝ、／　　／
　| 二＼／　 Ⅵ. 　 /＿/　 /　/　 Ⅵ　＿　　￣￣　　　 ￣￣　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣￣
　|　 ／ゝ　　Ⅵ　　L二つ' 　/ ／　Ⅵ／　ヽ
　|／　＿’＿_Ⅵ__// - "　 / /　 　 Ⅵ／　 ’,
(ニ二＿＿＿＿ (O)_,, =－''　ｌ　　 ／○ ／　 !
／　／　/　　　　￣　 　 　 　 ゝ　　／　　　 /
／　　／　 　 　 　 　 　 ＿＿＿ゝ、　／　／
￣￣　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣￣


（※：二〇世紀初頭ブルジョアジーの間で自転車が流行し、二人は実際にサイクリングを好んでしていました）

　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

.

┌──────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　ただ、この時点 （１９０６年８月、ザルツブルク） では、まだそこまで仲が深くはなっていない。　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　というより 『エレクトラ』 オペラ化の話が出た最初のころ、１９０６年初頭から初夏にかけて二人の間で　　 　  │
│　　交わされていた手紙には 相手の引き出しを探るための駆け引きめいた要素が、見受けられなくもない･･･　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└──────────────────────────────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～ 三月 ～




　　　　　　　　 ＿＿＿＿
　　　　　　　／ ⌒　　 ⌒＼
　　　　　 ／　ｨテﾊ 　 ｨテﾊ ＼
　　　　／ 　　込:rｿ 　込:rｿ　 ヽ　　　　 やらない夫さん！
　　 　 |　　 　　　　__´___　　 　 |
　 　 　 ＼ 　 　 　 `ー'´　　 ／　　　　　僕が書いた戯曲 『エレクトラ』 をオペラにしたい、って
　　　 　 /⌒ヽ 　　　　　　　ｨヽ　　　　　仰ってましたが、その後どうなりましたか？
　 　 　 / rｰ'ゝ　　　　　　　〆ヽ
　　　　/,ﾉヾ　,>　　　　　　ヾ_ノ,|
　　　　|　ヽ〆 　 　 　 　 　 |´　|
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|.ヽ＿＿__／|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |＿＿＿＿__|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ああ、あの件？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ヽ､_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ）　　　|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いい素材だとは思うんだけど 　 　 　 　　　　　　　　（__人__）　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『サロメ』 とかぶってる気がしてさ･･･ 　 　 　 　 　　 （｀⌒ ´　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 { 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 {　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 今すぐじゃなく、時間を置いてから 　 　 　 　 　 　 　　　 ヽ　　　　　 く
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　手掛けた方がいい気がするだろ･･･ 　 　 　 ⊂てヽ　 　／　　　　 　 　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{三＿ ｨ　`´ 　／|　　　　　ｨ　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .＼__／ 　 |　　 　 　|　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ., ──‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　ヽ､_　　　　|
.　　　　　　　　　　　　　カルデロンの『大空の娘』を翻案して 　 　　　　　　　　　　　　　(●) (● ）　　　 |
.　　　　　　　　　　　 　 『セミラミス』って戯曲を書こうとしてるじゃない。　　 ⊂ー―- , （__人__）　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.￣ミ_と ） (｀⌒ ´　 　 　 |
.　　　　　　　　　　　　　それはどうなんよ？ 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　 |ﾞ { 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　 |.　ヽ　　　　 　 人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 | 　 ﾄ─､,ト 　　　　　⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ヽ＿＿　ゝ　　 　 　 ヽ　　ヽ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾁﾗｯ　 　 　 ／　 ヽ､_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（ー ） 　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あるいはルネサンスの素材･･･　　　　　　 　 　 　 　 （__人__） 　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .(,｀⌒ ´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　チェーザレ･ボルジアとか　　　　　　　　　　　 　 　　　{ 　 　　　　　　|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　サヴォナローラを素材にしたのとか、　　　　　　　 　 { 　 　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺のために作ってくれない？　　　 　 　 　 　 　 　 　 　ヽ　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,, -‐)__, ／⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／;─ー´ミ .／ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.（＿ﾝー‐-.ノ´　|

（※ カルデロン･デ･ラ･バルカ：スペイン･バロック演劇を代表する、１７世紀の作家）
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |.ヽ＿＿__／|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|＿＿＿＿__|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　 　　 ＿_＿__　　　　　━┓
　　 ／　―　　 ＼ 　　 ┏┛
　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・
.｜ ( ●)　 ,　　 　　　|
.｜　　　　　　　　 　 /　　　　　　 東洋的色彩、という感じでは、『エレクトラ』よりも
.｜ 　　　　　'~　　　/　　　　　　　『セミラミス』の方が『サロメ』に近いと思いますよ
　＼＿　　　 ⊂ヽ∩＼
　　　/´　　 　 (,＿ ＼.＼
　 　 |　　/　　　　　＼＿ﾉ



　　　 　 　 (⌒ヾ｀
　　　　　　ゝ´　,）)
　(（ ⌒ゝ 　 lij
　　　ｰ" ミ　 ＿＿＿
　　　　 　 ノ(_　　　　 ＼
　　　　 ／"＼,, ､／"｀` ＼　　　　　　 それに僕はルネサンスに嫌悪感を感じるんです！
　　　／ （ ●）´｀（● ）　　＼
　 　 | 　 '"　　'　 "'　　　　　 |　　　　　その時代を素材として取り上げる、
　　　 ＼　　　⌒ 　　　　　／　　　　　 なんて、とんでもない！！
　　　 ／ ゝ　 ｀`　　　　 ィヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～ 六月 ～





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／　ヽ､_ 　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ）　　　 |
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 『エレクトラ』 の最初の場面に　　　　　　　（__人__）ﾟo　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 取り掛かったんだけど、さあ･･･ 　 　 　　　 (,｀⌒ ´　　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　{　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 　 　 　　　..:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 上手く進行させらんねえだろ･･････ 　 　 　 　 　` ー　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　/　　　 ＿　　 　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ￣｀Ｙ´ 　 ヾ;/　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,|　 　　|　　 　|´　 ハ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 ／　.／}＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　／　,r'"／　 .＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『ダントンの死』 とか、『テルミドール九日』 　 　 　　ハ　/　/ ヽ、　／"i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　といった、フランス革命ものを　　　　　　　　　　　　ｿ ﾉ /　/ （●／ ..,ｨ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　他人から薦められたんだけど･･･　　 　 　 　 　 　 |　 ﾚ' 　 '- '~　 ／..|_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　l　　　　 　　 ｔ".,.-┘.)
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　',　　　　　　 　､-ｰｒ'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ･･･どう？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　゛''´.ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　）　　　　　　／｀´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾁﾗｯ　 /　　　　　／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .　/　　　　／　　│
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |.ヽ＿＿__／|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|＿＿＿＿__|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～ 七月 ～





　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　 ／　　　 　 ＼
　　　　　／　　 ⌒　　⌒ ＼　　　　　　　　 ････････････
　　　 ／　　 （ ー） 　（ー）　ヽ
　　　 |　　u　　　___｀___　　 　 |　　　　　　　僕、七月下旬から九月初めまで
　　　　ヽ、　　　 `ー '´　　 ／　　　　　　　 ザルツブルク近くのルーエクって所に滞在しますから、
　⊂⌒ヽ 〉　　　 　　　　　く　/⌒つ　　　　 八月後半にでもご都合つきませんか？
　　 ＼　ヽ　 /　　 　　　＼　ヽ　/

┌───────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　余談だが、ホフマンスタールは大のモーツァルティアン（モーツァルト愛好家）でもある･･･　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
└───────────────────────────────────────┘


･゜ﾟ･ ｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･ ｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･ ｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〟――- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　 　 　 _,ﾉ　　ーヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　 　 　 　（●） （●）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!.　　 　 　 　 　 '　 　}　　　　「･･･ベートーヴェンは我々の魂の雄弁であり、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! 　 　 　 　 ─_-　ﾉ　　　　　ワーグナーはその感覚であり、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 xヘ.ヽ.　　　 　 　／　　　　　　シューマンは、たぶん その思考でしょう」
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／､　　＼ `'ｰ─‐,, '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／ ／＼　　 ＼ ｀Yh＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／ ／ 　 　 ＼　　 ＼ﾊ辷」　　　　　　　　　|＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿|　 ＼/＼/　　 ＼／＼/　|∧／　/|∧／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　　　　 しかし、モーツァルトは　　　　 ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠　　　　 それ以上なのです！　　　　　 ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　　￣
　　　　　　　　　　 　　/　 i　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼　　　　　　　　　　/／　　　|/　　 　 ＼/　　 　 ＼|
　　　　　　　　　　　　 ! 　 i!　　　　／　　　　 　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　 ﾞ､　_,ﾞ,　　／　　　　　 '´￣`　　　`―- |
　　　 _　　　　　　　　　 ｆ´　 i　 |　　　　　　::;;（●　） 　 （●　）
　　　i　｀丶､　　　　　　 ﾄ-' _〉　|　　　　　　　 ´"''"　　,　"''"ヽ　　　　　「モーツァルトは（芸術の）〝形式〟であり、
　　　 `､_　　｀,ｰ- ､_＿_ﾉ￣:::人ヽ　　　　　　　┬ｧ―- .._ 　　|　　　　　　このこと故 ゲーテ、シェイクスピアと肩を並べる位置に
　　　　　｀ ｰ' ､_,　ﾉ::::i　 ｀`´ 　 ヽ｀Tｰ-- ､_　　（　　 　/　　 /　　　　　　置かれる存在なのです･･･
　　　　　　　　 冫ー'"　　 __／　i､ ヽ　　　 ｀!`!　￣￣　　／
　　　　　　 _,ｨﾞ´ヽ　　／￣〃／　 ヽ､!!　　 /　i　ヽ｀ヽ´ｨ　　　　　　　　　彼の獲得したものは我々の目標であり、その場所へ
　 　 _, - '´　 ｀i_ノ 　 !　　i i!/　　　 /´｀=-､i_＿i　　ゝ-〈i ﾄ､　　　　　　　彼の下へ、我々は目指さねばなりません！」
.　ｬ'´_＿,ノｰ弋〉-､i /　　 ｙ´　　 　 i::::i´f　　　　） 人__ﾂi ヾi＼
　 ｀´　　　　 冫ヽ/〈_＿, -'ｰｧ-‐‐r'´Ｔ`亠‐ｒ‐‐'ﾞi´ /:::::i`!　i_i　.＼
　　　　　　.／　,ｲ_ -`ｰ‐‐'´　　／　./　　　 i! 　 i'´::::::::i!'ｰ<´
　　　　 .／　ﾉ´ `ｰ‐‐t‐‐--‐'´　 ／

（※：ザルツブルクのモーツァルト百年祭（１８９１年）での講演より、一部抜粋）

･゜ﾟ･ ｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･ ｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･ ｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･
.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 └┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┌─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　│ :: │
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┌─────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│　　何にせよ、１９０６年の夏に開かれた 「モーツァルト祭」 以降･･･ 　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
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　　　　　',　　　　 lllllllllli　　　　 　!､ __,r‐‐-､...::::::::｀、　　　　　　　　　　　　Π 　[[| 　　 ∠￣￣/
　　　　　 ',　 　 　 illllllllli　　　　／~ 　 ￣｀''､:::::::::::::::i　　　　　　　　　　|￣ : ￣￣|　∠二　 二7　 　 _
　　　　 　 i,.　　 　 illllllllli 　 .／　　　　 :::::::::::｀ ､;;;;::, '　　　　　　　 　 　 ￣| |￣|　|　　　/　/　　 ┌ ┘! ‐┐
.　　　　　　i,　　　　illllllllli ／　　 　 　 　 ::::::::::::::::/｀ ､.　　　　　 　 　 　 　 |_|　 |_.｣　　　|／　　　　￣|_lフノ
. 　 　 　 　 i,　　　　illlllllr'‐'''""~~"''‐,,.　　:::::::::::/::::::::｀､
　　　　　 　 i,　　　　illll!':::::::::::::::(| i;;;;;;;｀:、:::::::::/;;;;;;;;;;;;;;;'.,
　 　 　 　 　 i,　　　　illｌ´"''::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、:::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
.　　　　 　 　 i,　　　　illi､　　　"' ､;;;;;;;;;;;;;;;;i,.';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i
　　　　　　 　 i,　　　　illllllli､ 　 　 ｀ﾞﾞ'';;;;;;;/',;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
.　　　　　　 　 i,　　　　illllllll| ~"'=‐--‐''´　ヽ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'
　　　　　　　　 i,　　　　illllllll|　　　　　　　　　 ｀::::;;;;;;;;;;;;;.'
　 　 　 　 　 　 i,　　　　illllllll|

―――━━――――￣￣￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿＿―――――＿＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿￣￣￣￣
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―――――￣￣＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿―――￣￣￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　 ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 　 　 　 ／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 !　　 ｰ─　　 （ ＿）
.　　　　　　　　　 ＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　 !　　（ ＿ ）　　　　i
　　　　　　　　／　 ＿_　　　＼　　　　　　　　　　　　 　 i　　　　　　　 入__）
　　　　　　_∠　　 ＿＿_ +　　 ＼　　　　　　　　　　　　 !　　　　　゛ｰ´　 ｒ
　　　　　 [::::ノ乍/::::::::::/===ゝ 　 ',　　　　　　　 　 　 　 i　　　　　　ヽ、_ﾉ
　　　　　 ／∠、￣￣　　　〝　　 !　　　　 　 　 　 　 　i　　　　　　　　ﾉ
　　　〃/　ニ⊃ 　　　　　　　　 　,ｌ　　　　　　　　　　　,ト､　　　　 　 ノー､
　　　 ,/　ノ￣ー ´　　　　　　 　 /　　　　　　 　　　 ／ !＿＼ｰ-/ヽ,､ヽ/　i
　 　 |｀ーイ　＼　 　 ＿＿＿_.／　　　　　　　　　,ｒ'⌒ヽ、／　＼η 〉.〉　i |
　 　 |:　　 |　 /ヽー/＼---─ゝ、　　　　　　　 　|　　　 |. ＼ 　 / ﾚ'ノ、 :i i
　 　 |:　　 |／{_ノ /　∠　　　／ ＼ 　 　 　 　 　 |　　　 |　　ヽ,/　　｀ﾝ　 | !
　 　 |:　　 |　 |ヽ/　　／　　/　　　 i　　　　　　　 |　　　 |　 ／＼_,,イ、　 | !
　 　 |:　　 |　 | /　／　 　　|　　　　|　　　　 　 　 |　　　 |／ 　 　 ／ |o　:! |
　 　 ヽ､＿.／| ／　　 　 　:|　　　　|　　　　 　 　 |　　.／ 　 　 ／　　|o　:| |
　　　 　 　 　 |io.　 　 　 　 |　　　　|　 　 　 　 　 ‘，　 　 　 ／ 　 　 |o　 l |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●








.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～ 十月 ～





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 --‐　　‐--　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　_＿　　　|　 （●） 　（●）　　　|　 　 ＿_＿
　　　　　　　　　　　　ヽ　￣｀"￢ｰ--､,,,_　　 _,,,､-ｰ"´￣´....,., ／
　　　　　　　　　　　　　∨ ;:;:;;;;:;:;:;::;:;;;:;:;;:; ｀Y´ ;;::;;:::;:;:;:;:;;;:;:;:;::; /
　　　　　　　　　　　　　　', ;:;:;::;::;:;;;:;;:;:;::;;:;;:;: i ;;:;:;:/￣￣/;;:;:;: /
　　　　　　　　　　　　　　 ', ;:;::;;::;::;:;;::;;;;:;:;;:;: i ;;:;:/ijknw/;;:;::: /
　　　　　　　　　　　　　　｛⊃;;:;:;;:;::;:;;;:;::;:;;::: l ;;:;;:;;:;:;:;;;:::;:;;:;⊆｝
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ⊃)￣7;;:;:;:;::;;:;: l ;:;:;:;;:;::;:;::;;::; ⊂ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　/ /_＿7;;:;;;:;;::;;;; l ;;:;;:;:;:::;:;;::;;;:;: /
　　　　　　　　　　　　　　 / ;:;:;:;;;;::;:;:;:;::::;;;:;:; ! ;;:;::;:;:;;:;;:;::;:; ｛
　　　　　　　　　　　　　 ノ /￣/￣/ii7lkl/7 i []ikllihXCV ﾍ､_
　　　　　　　　　　　　　　￣｀"￢--､,,,.__￢ ｝L ]_,,,､-ｰ"´￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣｀´￣




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒　　⌒＼ 　 　 　 　　━━┓┃┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／（ ○） 　（○）＼　　　　　　　　 ┃　　　━━━━━━━━
　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::⌒ ___´___ ⌒::::: ＼ 　 　 　 　　┃　　　　　　　　　　　　　　　┃┃┃
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 ゝ'ﾟ　　　　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┛
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ 　 ｡≧　　　　　　　三　＝=-
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｲﾚ,､　　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦｀Vヾ　　　　　　　ヾ　≧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｡ﾟ　/｡･ｲﾊ ､､　　　　｀ミ　｡ ﾟ　｡ ･

　　　　　　 　 　 ＿＿＿
　　　　 　 　 ,／　　 　 　＼
　 　 　 ,,---､　　　ノ　　ヽ､＼　― 、
　 　 　 l　　　ｌ　（ ○）}liil{（○）＼　 |　　　　 ちょっと、やらない夫さん！
　 　 　 |　　　|　　　＿´＿　　　 |　 |
　 　 　 |　　　|　ヽ　|!!il|!|!l|　/／　 /　　　　 あなたが 『エレクトラ』 をオペラにするって話、
　　　　 ゝ　　　　　 |ｪｪｪｪ| 　 　 ／　　　　　 オーストリアのあちこちの新聞で報道されてるんですけど！
彡　　　　＼　　　　　　　　　 ／
　 　 彡　　/　　　　　　　　　 |
　　 　 　 ./　 　 　 　 　 　 　 |



　　　　 　 　 　 ＿＿＿_
　 　 　 　 　 ／　　　ｕ　＼
　　　　　：／　　＼　　 ／ ＼：
　　　 ：／　Ｕ　（＠）　 （＠） ＼
　　　　|　　　　ｕ　　__´,_　　Ｕ　|：
　　　 ：＼ｕ　　　　./__/　　　／：　　　　　　 誓って、僕は誰にも喋ってませんよ！
.　　　　ノ　　 　 /　）ヽ　　 　＼
　　　(　 ＼　 ／__ノi　）　 　　　)
.　　　＼　　ﾞ　 ／　 ヽ　ヽ /　/
　　　　　＼_／　　　　 ＼＿ ﾉ
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|.ヽ＿＿__／|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／_ノ　 ｀⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　　 .| （● ) （⌒ ）　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　気にしなくていいだろ。 　 　 　　　　　　　 |　!　　　　|　（__人___）　 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜ !　　　　|　 ｀ ⌒ ´　 　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　別段こっちは　　　　　　　　　　　　　　　　 |　!　　 ,.-,|　　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　秘密にする気はないんだし、さ　　 　 　_,ﾉ ┴、/ ,/ .|　　　　　　　 /
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r　`二ヽ ） i　ヽ　 　 　 　 /
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 ー、〉 /　　 〉　 　 　 <
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　r_,j　j　/￣　　 ''￣　 ⌒ヽ
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 ）　ﾉ／ {　　　　　　　ｨ,　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ　　　,/　　 |　　　　 　 　 |{　 |



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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　本格的に “戯曲” 『エレクトラ』 の “オペラ” 化が、始まった　  │
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　それでは 彼らの間で交わされていた 問題の劇、『エレクトラ』 とは、どのような劇なのであろうか？　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
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／ｉ:l　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.　　　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.;　ヽ　　　ヽ
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l:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.　　　　　　　　　　　:.:.:.　　:.:.:.:　 ヽ　　　ヽ
lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:　　　　　　　　　 :.:.:.:.:　　:.:.:.:.:.　 ヽ　　　ヽ
.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:.　 :.:.:.:.:..　　ヽ　　　ヽ
..lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:　　　　　 　 　 ,-‐－-､_ :.:.:.:.:.:.　　 ヽ　　　ヽ
. lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:　　　　　　 ／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;｀－‐--､_＿_ヽ　　　ヽ
　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.　　　　 .／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三=ゝ
　.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:　　 ./;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;__,-－'´三三‐'´
　 lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ..　/;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三 ‐－'´
　 .lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._＿ヾ´_＿,-－'´三三-'´
　　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ..:._＿,-‐－'´￣=_/￣ヽ､三三-'´
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　　　 .｀´￣


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　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　│ 　 原典としては、古代ギリシアの覇王 アガメムノンの家に起こった悲劇を元にしており、この話は･･･ 　 │
　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
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　　　　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　トロイア戦争でギリシア軍の総大将を務めたアガメムノン王が、トロイア戦後、勝利を収めて帰国すると･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└──────────────────────────────────────────────┘


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -――へ＿,. ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　【 アガメムノン 】　　　　　　　　　　　　　／;;;;;_,. - ― ､　　￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,.-‐￣_,. -―､　＼'　 /
　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣｀ヽ　　　　　　　　 ／''´　　 　 　 　 V∧_　 〉/｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;.;.;.:ヽ　　 　 　 　 i　　　､;;;;;;;;;::::::〃人　ヽ /-ー'
　　　　　　　　　　　　／:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;.;.;.;.;.;.;:'. 　 　 　 　 |i!,　　 ＿ア「￣ヽ__／-'´
　　　　　　　　　　　r':.:.:.{＿＿＿＿＿＿＿＿;.;.;.; !　 　 　 　 |i!;　　　 彡ﾍ
　　　　　　　　　　　|:／:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.／ﾍ　ヽ ヽ,.-､｀ヽ　　　　　|i!;;　　　彡i!ﾍ
　　　　　　　　　　／ ´￣「「 Ⅳ〃,rｧ }}| |　|　 |}〉｝ | |　　　 　 |i!;;　　　　`､ヽ
　　　　　　　　　〃:::/「 ＿! ﾄ､弋"´ _〃| |｜　|' /　! |　　　　　|i!;　　　､　 `､ヽ
　　　　　　　　　{:::::::i!|ﾚケヌNヽ「¨´　　jﾊN | ﾘ｀ﾄ､　 |　　　　　|!;　　　 ﾐ､　 `:､＼
　　　　　　　　　 `ヽ||ヾ､´_ソr_,.-〕　　　　ｲi!|/'　jヽ.ﾚ!　　 　 　 !;;　　　　ﾐ、　　　 ＼　　　　　　　　「誰ぞこの足もとの深靴を
　＊　　　　　　　　　!ﾊ iヽ、 'ヾﾂ､＿　　　!j/ ／〃 ヽ　　　　　 !;;　　　　 ヾ　　ヽ　　ヽ　　　　　　 早々脱がせてくれ、
　　　　　　　　　　　　 Vﾄ､!へ　　' ,=丶　　 / / !i|　　 ＞――-ヽヾ、　　　　丶　ヾ　ﾐ!i　　　　　　 足に仕える下僕の靴を。」
　　　　　　　　　　　　　　 ` 　 ト､ ﾐ､　＿_/≠〃j! ／,. --‐==､　　＼　　　　､ヾ　　i! ﾐ;|
　　　　　　　　　　＊　　　　 ,. | ＞''￣　　 , , , ,｀Y ,.〃⌒}}´　　　　　|i!ヽ＼`-'''　　 川i!!
　　　　　　　　　　　　　　 ／／　　 ,.〃/;;;;;､//〃´　　　　　　　　 ﾉ人 ＼ヾ　　 ,.彳ﾐ jハ
　　　　　　　　　　　　　 ///　　　 '´　　　　　　ヾi!川l!i;;,,　　　　　,〃　__,.／ _,.;;::''''’　八ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 // /／　　　　　　　　　　ji!〃〃ﾂ;;;,,,､． ''´　〃´　,. ´ _,.;;;;:;:;/,イ
　　＊　　　　＊　　　 /:.|〃'´　　　　　　　　　　 /;,i!　´　　　　　 ,,,,;:；,,,／〃´; ; ;,;／　, ヽ
　　　　　　　 　 　 　 /|:.:|i!　　　　　　　　　　　,/;,;/, ,,　 ,.　,. -- ､'''''’´: : : : : :イ〃// i;　|
　 　 　 　 　 　 　 　 |:.|:.:|||ヽ､ ､ ､　、　　、,.〃;,;/′/／／〃´｀ﾂ,,,,;;;;;;;_,.-‐''´:.|　〃/ |;; |
　 　 　 　 　 　 　 　 |:.:!:.|ヽーヽ＼;,;,;,;,;,ヽヾ'''´;,;,;/∠／,,;;;_,. -――''´:.:.:.:.:.:.:.:..:.| ///　i!　|､
　 　 　 　 　 　 　 　 |::.:.:.:V;;＼ ｀7;,;,;,｀ヽ;,;,;,;,／//／ _,.- r⌒Y:.:;;;;;;;;;;;;,,,,,:.:.:.:.:.:////〃 i!　ﾄ､
　 　 ＊　　　　 　 　 |丶:.:.:V三ニ､ ＿＿＿_,. -―‐ /:/；|:|；：||;;;;;,.,.-‐ ￣￣￣￣´´〃, , ,i!;|
　　　　　　　　　　　　＼ヾ:.::＼ト-=三丶　　　 　 ／乂ー! ー'j／　　　　　　　　　　　;;;//i i!
　　　　　　　　　　　　　 ＼i!:.:.ヾ` ､三ニ＼　　／:.:.:.:.:.:￣^フ´,..､;;;:;;;;;;;: : : , , , ,､_,,,.;;;;;// ;i|
　　　　　　　 ＊　　　　 　 |ヾi!|i|i:.:.:二＝--＜:;:;:;:;::::_,.-‐''´'''’´ ,,,,...:;:;:;:-‐'''''''’´´_,,..:〃,.〃

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
│　　浴室でいきなり殺されてしまう。　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
└────────────────┘


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,, ,;;;;;,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;,,;;;,;;;;;;;;,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;,, 　,.-- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;;,/_- .,|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;| ゛'　.!゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ;;;;;, .（__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.r''ﾌ　.i,/ ./　ヽ　　　　　　　「ううむ、切りつけおったな、急所に深く･･････」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| | ,, -　,, !_i 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| i"　　　　 |　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　　　　　,|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/,,i-i,,__ ／.|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .{!　 　　　　 |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ||　　::　　　｛　｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 |!　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_.|　　 |.!　　 t -'' - ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__"==-　　　!、　,,-!,　　,／""----、＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　"=-　　　＿＿　　゛ "　 ゛‐"　　,-.、＿＿,,――　"
　　　　　　　　　　　　　　　　゛　――"　　　゛ー――″""""

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　下手人は、妻クリュタイメストラとその情夫 アイギストスで･･･　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└────────────────────────────┘

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┌────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　アガメムノンの子のエレクトラとオレステスの姉弟が、父の敵討ちとして　　│
│　　母クリュタイメストラとアイギストスを討つ、という話であるが･･･　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
└────────────────────────────────┘


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【 オレステス 】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　|ー―-i..､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,. ／ ＿_　＼::＼
　 ､　　　l::::ヽ、　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　　　 ／:/　./::/　 ヽ. ヽ::ヽ
　　＼　 丶:::::::ー―――':::::::::::::::::|　　　 　 　 　 　 /::;::;|＿|__|　　　|　 |:::::|
　　　 ＼　 ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　|::::;;:;;l ﾞ､:::l::.＿_/　/::::/
　　　　　＼ 　＼＿＿_ , ―‐- 、/　　　　　　　　 　|::::i i:| 　.／ .＿／::／
　　　　　　 ﾞー‐´――-t´￣ ｀y　　　　　 　 　 　 　!::l v.／ ／::／￣./　l　　　　　　　 「お前が父上を殺した所へゆくのだ、
　　　　　　　　　　　　 　|　　　 l 　　　　　　　　　　　v :::.|＿|＿|:::::::　'ｲ/　　　　　　　　その同じ場所で殺してやるからな」
　　　　　　　　　　　　　 ﾍ　 , - ､　　　　　　　　　　　　 ﾞ::＿.､,::::::::::::　/|
　　　　　　　　　　　　　　 Y　 二ヽｰ ､　　　　　　　 　 ／＼::＼ .::::／ /ヽ ､_
　　　　　　　　　　　　　　 〈　´, ーうﾞｰ'l　　　　　　 　 .＼／::／.:／:　/::::::|::::::::ﾞ'' ‐- ､
　　　　　　　　　　　　　　　 ､　 /~　 Xﾉ 　　　　　　／　 .￣｀v::: 　 /:::::::::|::::::: : :　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､ ＼　　 ﾍ　 　 　 　 l　　　/ ／λ　〈＼:::::::|: :　　 　 , - '' ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､　＼　　ﾞ、　　　　l､　　 '´::::i::| ー l:::l:::丶'　　 　　/: :　: : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､ｰ―＼　 ＼　　r ' .l　　　 :::i |: :　 | i　. :　　 ､ . /: : :　 : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i､＿ノ＼　 ＼/　 : :ll　　 　i |: : :　| i/ 　 　　｀〈: : : : 　 . . ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l　　:　:::::＼.　＼　 :|:l　　　i |: : :　|'i　　 : : . . 　ﾞ､ .:::::::: . .　 ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　ﾞ ､:::::::: :＼　＼:| |　: : i. |: : .　| i　 . : :　 　 　 ﾞ､. : : 　　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ﾞ : :　 i:: ＼　＼!　 : i: |: : 　 | i　:､;;;;;;;;;;;;;i　　 ﾞ､.::::::::::. 　 ｀i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ 　 : :|::::　/＼ ＼ _ i :| : : ､.|: i: :l 　　　:l 　 　 !、 　, -: : :｀i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、 ::　 /　　丶/ ／´,´＼ﾞ.| l　l,,,,＿,,,;l;;;;;:::::-┴=''´￣: : ::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー '　　　　l./ .／ ,: 　ﾞ''ヽ￣ ヽ、. :: . . . . : : : : : : : : : : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　　　k / .／. : : : : :｀i: o: :i＿_:＿_,,,,.... :::::::::::::::::::ﾉ


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│　　ホフマンスタールが底本とした、ソフォクレスの 『エレクトラ』 だと、アガメムノン殺害の情景描写はなく･･･　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
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　　　　　　　　　　　　　,. -‐- .,_　,.,__
　　　　　　　　　　　, r'　　,　, ,　 ,　　｀ヽ､　　　　　　　　　　　　　　 ┌──────────────────────┐
　　　　　　　　 ,r ´　　　ﾘ"ﾐ　　'　｀ｰ､ヽ､｀ｰ､　　　　　　　　　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　 ,'　　　　, , ´ﾉ )人｀､ ,､_ ヽ}､｀､ ヽ,　　　　　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　 /　　 　 ﾘ {（､し'　　｀｀'ｰ　'´　｀'ﾊ},）　　 　 　 　 　 　 　 │　　アイギストス一派の手から逃れたオレステスが、　 │
　　　　　　,'　　i　ﾉノ })ヽ）　　　　u　　,ヽ　　ﾍ　　　　　　 　　 　 　 │　　館に帰ってくるところから、始まる･･･　　 　 　 　 　 │
　　　　　　{　　{　{'　ヽ　　,r'´≧≡=;;=´　ii/≦｀,　　　　　　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　{　　｀ '} ）'｀'　 ´ r´, 示｀,｀　　ﾊ,云｀{　　　　　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　',　i ､し{､ゝ　　　　　　 "　　　　ﾍ゛　.}　　　　　　　　　 　 └──────────────────────┘
　　　　　　ﾊr'ﾆ‐'｀　 ﾍ　 ι　 〃　 　 　 　 ）　|
　　　　　　　!､ {ヽ　　　ﾊ　　　"　　　 -=､～　 |
　　　　　　　　ヽ ｀! ､　　　　　　　　　　　_､,._　|
　　　　　　　　 ｀ﾄｰﾍ　　　 |,　 ､　　- ' ´＿ ,｀/　　　　　　 いや、僕が関心があるのは、
　　　　　　　　　 }　　｀､　　　　 '　　　 ´　　　.{　　　　　　 仇を取る子供の方なんさ･･･
　　 　 　 　 　 　 |　　　｀ヽ､　　　　　　　 _ - ﾘ
　　　　　　　　　　|　 ､　　　 ｀ ｰ　― ￣　 ／　　　　　　　　　　, ,ｒ,､＾
　　　　 　 　 　 　 |　 ﾍ　　　　　　　　"　"ﾊ,ｒ‐- ､ ,. ｒ ＾ ' ､ ｒ ,´ｒ´,.､ ヽ
　　　　　　　　　　,.|　　ﾊ　　　　　　　　/　 ﾊ/　　 ｀ｰ' }　 ,ｒ ´ｒ ´　 ﾊ
　　　　　　 ＿,／　'　　 ﾍ　　　　　　　/　 ／　　　　 /　　ｒ'´　/　　　ヽ
　　,. - ‐ ´　　　　　　　　｀　 　 　 　 /　 /　　　　　 /　　 ﾍ　｀{
,.r'　　　　　　　　　　　　　　　}　　　/　 /　　　　　 /　　　　 ｀ｰヽ,　　　　　　　　　 ﾁﾅﾐﾆ､上ﾚｽﾃﾞ出ﾃﾙ ｱｶﾞﾒﾑﾉﾝ ﾉ台詞ﾊ､
　　　　　　,. - ､　　　　　　　 !､　　 {,. /　　　　　／　　　　　／　 }　　　　　　　　　ｱｲｽｷｭﾛｽ ﾉ ｢ｱｶﾞﾒﾑﾉﾝ｣ ﾃﾞﾉ台詞ﾈ｡

　　　　　　　　　　　　　　【 ソフォクレス 】


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　　　　　　　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　舞台は、ギリシアのアクロポリス。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　オレステスとお守り役の男（爺や）、親友ピュラデスの三人が現れる場面から、舞台は始まる ―― 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
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　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.,／|ﾞﾞﾞﾞﾐ工~~￣￣◎＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ._ノ'″　 |＠|　￣''ｰ-､,,_牛　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 ,,ノ'″　_,,,r'''^''y､,,__　　　　　'''ｰ-、 ＼_
　　　　　　　　　　　_,ノ'″ _,,,ノ''|:::::|　　|:::| 　|-､､,,,__　　 ｀~~ﾞﾞ''''＼_
　　　　　　　　 ._,ノ'″_,ノ''|;;;.|　 |:::::|　　|:::|　 |:::::|　 |::::|￣|''ｰ--､,,|@｝
　　　　　　 _ノ'″_,ノ'|;;;|　.|;;;.|　 |:::::|　　|:::|　 |:::::|　 |::::|　 |::::|　|::::|ﾞﾞﾞ||
　　　　_,ノ'ﾞﾞ_,ノ'|;;;|　 |;;;|　.|;;;.|　 |:::::|　　|:::|　 |:::::|　 |::::|　 |::::|　|::::|　||
　　 ノ'ﾞ ノ''|;;;|　|;;;|　 |;;;|　.|;;;.|　 |:::::|　　|::::|　.|:::::|　 |::::|　 |::::|　|::::|　||
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　　 ||;;;;|__,,|;;;|､-ｰ─''~~　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　 ___工ﾆ>　　　　　　..　.　.
　ｰ-干二,,,,___　---------------.|--───'''''''~~~~￣￣　　　　＼__.:,:.:.､､;　､;:.@..:,:
　　　　　　　 ￣ﾞﾞﾞ^'─ｰ--､､__　　　.|　　　　　　　　　　 __,,,､--ｰ''ﾞﾞﾞ￣.:,:.:.､､;:...:,:.:,:.:.､､;:.　..:,:
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　　　　　　　 ,. - ‐:..､　　　　　　　　　　　　　　　 ,.:‐:-‐:､
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　　　 ,.:'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　 　 ,.:'´:::::::::::::::::｀ヽ
　　　,':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', 　 　 　 　 　 i::::::::::::::::::::::::::::::::!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【 爺や 】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,　 -──‐-　､
　　　　　　　　　　　　　　　　,　'":　:　:　:　:　:　:　: .ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　,´_,　,_ :　:　:　: ,,　-　､ :　:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　/ /　　　ヽ :　,‐" :::::::::::::ヽ::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　 i /　　　　　｀ ´　 　 :::::::::::::ヽ:::::::i
　　　　　　　　　　　　　 { !　　　　　　　 ,　　　::::::::::::::i:::::::}
　　　　　　　　　　　　　 | !　　　　　i　　i　　　 ::::::::::::::|::::::i
　　　　　　　　　　　　　 i.|　＿＿　 ｀　´　＿＿__:::::::::|::::/
　　　　　　　　　　　　　　} ´-‐tiij｀ 　.. '"´ tiiij‐-｀:::::‐-<　　　　　　「大将アガメムノン様の忘れ形見の若殿よ、
　　　　　　　　　　　　　　!ヽ ヽ　 '´　::::::..ヽ 　 ノ::::::::::::::::!　　　　　　これまで毎日のように見たい見たいと申して
　　　　　　　　　　　　　　ヽ! 　　 , 　 ::::::::;..　　::::::::::::i::::ﾉ　　　　　　 おられたものが、今こそ目の当たりに
　　　　　　　　　　　　　　　i　i　r' ヽ､;;; -::｀ヽ､:::::i:::::/ｲ　　　　　　　 ご覧になれるのですぞ。･･･」
　　　　　　　　　　　　　　　 i　!　　_,,,'_',,,,,,__　 '::::j:::/:::|
.　　　　　　　　　　　　　　　 ヽヽ. ´　,＿,　 ｀ .:::/::/:::::|-､
　　　　　　　　　　　　　　　,r‐|｀ヽ　　'''''　　:::/,ノ:::::;;;j-' |.､
　　　　　　　　　　　　　_,ノ:::|ヾヽ､｀ ー---‐'"-‐='":::::::/!::｀ヽ､
　　　　　　　　　_,　‐ "/::::::::|,　,ﾊ｀ヽ:::::::／_,,,,/,´ ::;; ‐"/::::::::::::｀!ヽ ､_
　　　　　_,, -‐'":::::::::::/:::::::::::|｀{: :｀'''‐,__!/: : : : :|‐'": ／i::::::::::::::::i:::::::::::::｀:::‐...,,,_
　　　r"/:::::::::::::::::::::::::!:::::::::::::|ヽ!: : : :ゝ__}: : : : : |_,‐　 /::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::/:::ヽ






　　　　　　　　　　　　　　【 オレステス 】

　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿,,
　　　　　　　　　　　 ,,-''⌒...................``丶、_
　　　　　　　　　　／　::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　ヽ
　　　　　　　　　／　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　::ヽ
　　　　　　　　/　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　:::::::::ヽ　　　　　 「爺やよ、そなたの私に対する忠義の志の程、
　　　　　　　 /　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......:::::::::::::::::l　　　　　 はっきりと分かって本当に嬉しいぞ。
　　　　　　　 l　:: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:|
　　　　　　 ,,,l　: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ |:l
　　　　　　/..ヽ　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:|　/　　　　　　　　　　　　名馬は老いても、危難に際しては勇気を失わず、
　　　　　 /....,-ヽ　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /⌒i　　　　　　　　　　　　しっかりと耳を立てて臆せぬというが、そなたも
　　　　　ヽヾ....､､>　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ノ....... ＼　　　　　　　　　　 我らを励ましてくれるのみか、誰よりも先に
　　　　　 ヽヽ..>ｲＹ＼,-‐''' ￣￣```ヽ／................ ヽ　　　　　　　　　　 私らに従ってきてくれる」
　　　　　/.ヽヽ{└|／＿: : : : : : : : :＿,,＼､---‐‐‐ミ、､、
　　　　,,-‐'''''⌒￣￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :丶ﾐ＞､、
　　 ／　　 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼ヽ､ _
　　/　　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ........ヽ
　 /　　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }........... i

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　自らを死んだことにして、存在を隠し･･･ 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
└───────────────────┘



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. 　　　　　　　　　,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　│　「･･･私の体はもう火に焼かれ灰になった、と　　　　　　.....│
　　　　　　　　　│　きゃつらには何よりも有難い報せを、まことしやかに　......│
　　　　　　　　　│　聞かせてやろうというわけだ。･･･　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.ノ







. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　･･･私も噂で一旦死んだ後、生き返ってさながら輝く星のように、　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　必ず敵どもの目を射てやらんものと心に期しているからだ。」　　　.│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ' `-'　￣`'ヽ,
　　　　　　　　　　　　　, ―ｰｰ-.,　　／　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　/'`／￣⌒＼V/　:　／￣　　　　　 ゝ
　　　　　　　　　 ／//::　　 　　　|v: : : : 　　　　　　　　　 !
　　　　　 　　　／ //:::::::　　　　 lγ'／　　　　　　　　　　 ﾍ
　　　　　 　,-ｰ'　 l l::::ヽ::::　　　 /::{//　　: : :　 　　　　　　　l
　　　　　　 | l　　 ::ヽ:::::|::::::　　 /:l l::l: ﾊ : :/l/l:　　　　l　　|　|
　　　　　　 | !　　 :::::::::::|::::::　　 |::l 'l::ハ: ﾊ: :l: : 　 　 : ﾊ　|　 l
　　　　 　∧ヽ　　:::::::::::|::::::　　 l:::}: 'l　 v　l:ﾊ: :　 　: :/:ヽλﾉ
　　 　 ／ヾ ヽヽ　:::::::::::l:::::::　　l:::::::八'ヾ ___l l: :　 ｿλ: : ﾉ　'　　　　 「さて、故国の土よ、氏神方よ、願わくは
　　 　ハ ＼　＼＼:::::::::}:::::　　l:::::::彡 `''`　l::|: ／ﾉ7' l／　　　　　　 私がこの旅路を首尾よく終えて帰国を果たせますように」
　　／／＼γ　 ＼`-- l:::::　　l:::j`　　　　　l:::::::　 |
　 / /_ - ／l__`'- ＿_`' l::::　　lr　　　　　　　l::::::　 |
　l　F- ' `　/ ﾐ-:/ 　/''kl:::: 　 ヽ　　 　　 　　l::::::　l
　| ι　　　く/　 l￣ ﾊ　 l:::　　 l　　　　　　　 |:::::　ヽ
　|　|　　　　ミﾐ / ／　ヽ'|::　 　 |　　　　　　　|::::: 　ヽ
　|　|　　　　 |　K<　　　ヾ:::　　 |　　　　　　　 {:::::　 ヽ
　|　|　　　　 l　 |　`　　　 |::: 　 ﾄ ,　　　　　　 ヾ::::::　 l
　|　|__-- ` ⌒`'''ヽ　　／ !::: 　 l　ヽ　　　　　　ヾ:::::　l
　ﾚ'　　　,.---　..., ﾄv'`　　 !::::　ﾄ-ミゝ　　　　　 ヾ::::　ｌ
　 |　,.-`　　 　　　lｿ|　　／ヾ::　|　 l>'　　　　　 　ヾ::　ヽ＿＿ ,...,＿
./`<　　 　　　　　| ハ__ヘ:::::l::　 '--'ｰｰ`'　,_　　 　ヾ:　　　　　,_ ゝ カ
ﾍ＿|,.-`------`L＿|l,,＿__ |::　　 ,,　ヽ ＼ ヽ　　　ヾ:-`'''''￣

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　守り役と共に復讐を誓う、オレステス ――　  │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └────────────────────┘

.

┌───────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　人目を避けて三人が立ち去ると、入れ替わりにエレクトラが現れる･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
└───────────────────────────────┘



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.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　「お母様とお母様の臥所の侶アイギストスとが、　　..│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　 鉞をふるってお父様のお頭をば、　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　 まるで樵が木を切るように切り割いてしまった。」　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.ノ








　　　　　　　【 エレクトラ 】

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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l　　　　 l　　　　　 l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!　　　　 l　　　　　 l
'''''''''''''''''''´￣　　 ,　　 ￣｀''''''''''''''''''''''''　ｲ　　　　 .!　　 　 　 l
　　　　 　 　 　 ､--,　 　 　 　 　 　 　 / l　　　　　ｌ　　　　　 l
、　　　　　 　 　 ￣　　　　　 　 　 　 /　l　　　　　.!　　　　　 l
丶　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 .．イ　 .l　　　 　 .l　!　　　　 i　　　　　　　　「それなのにそれを悲しんで弔う女は
　　ｌ＞ ．..,_　　　　　　　　,.．＜.　　! 　 l　　　　　.!　l　　　l　 l　　　　　　　　 私のほかには一人もいない。･･･」
　　ｌ　　ｌ　　}｀ 　___, 　 'i´　　　 i 　 l 　 l　　 　 　 !　.!　 　 l　 l
　　ｌ　　ｌ 　 ｌ 　 　 　 　 !　　 　 ｌ 　 !　 l　　　　　 l 　l 　 　 !　 !
　　ｌ　　ｌ　 ﾉ　　　　　　丶　　 　 　 l 　l　　 　 　 l 　 !　　　.!　 !
　 　 　 '／　　　　　 　 　 ＼ 　 　 　 /　　　 　 /　　.! 　 　 !　 !
　　.． ´　　　　　　　　 　 　 ｀ ．　　/ 　　　　 /　 　 .! 　 　 !　 !
ﾍ´　　　　　｀ -､　　, - '　　　　 ￣/　　　 　 / 　 .! 　l　　　 l　 l
. ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　　 　 ∧ 　 l　　l　　　 l　 l
.　ﾊ　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　/　 ヽ l　　 l　　　 l 　l

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　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌─────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　父を失った悲しみと復讐の誓いを、ひたすら訴えるエレクトラ･･･ 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　 └─────────────────────────────┘

.

┌────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　ミュケナイの娘たちからなるコロスが、エレクトラを慰めようとするが･･･ 　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
└────────────────────────────────┘



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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...................................
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::　　　「元気をお出しなさい、エレクトラ。　　　 :::::::::::::::
　　　　　　　　　　　:::::::::::::::　　　空には今も変わらず偉大なゼウスが　　　　:::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::　　この世の全てを見とり統べておいでです･･･」::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　, .. . 　　　+　　　　　　。　　　　　　　　　’‘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...................................　， 　　，:‘. 　　　　♪　　　。　　　　　　　　　　　　　+
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ’‘ 　　　　+　　 ，.. 　　　　　　. ..; '， 　　，:‘　　 ♪
　　　　　　　　　 ＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__
　　　　　　 -‐''": : :｀丶、　　　　　　　　　　　　, ィ´: : : :、｀丶、　　　　　　　　　　　　. ''"￣￣丶、
　　　　　/: : : : :!: :|: : : : :＼　　　　　　　　　　/／:/、、: ヽ: : ､ヽ　　　　　　　　　　／:::/::::::::::::::::::::ヽ
　　　　 ,': : :: :/ｲ: :!: : |:ヽ: ::|　　　 　 　 　 　 /ﾊ:∨_..ヽ＼: :V: !| i　　　　　　　　　 '::/:/ A::|:::::!l:|::::::ハ
　 　 　 !::|: ﾙ'_､‐┘＞∨!　!　　　　　　　　　|::| V´　　｀丶､:l: :|| |　　　　　　　　　!::ｌ:/:/　|ﾊ:::| !|l::::|::::|
.　　　 ﾉ: |:ｲｨｆヽ　　 Pヽi :|ﾊ　　　　　　　　　∨/ｘﾁヽ　　ﾁヾⅥ/　　　　　　　　　|::|::ｨ'ｆぅ 　 ¨fぅ|、|::::|
　　　/: : {!:'　｀´　,　｀´ ｊ :|)ハ 　　　　　　　　 iヽ　`´　.　｀´　ﾚ'） 　　　　　　　　｜|:「└′　└'Ⅳ!):::!
　 　 |ｌ:: :∧:'.　　,-､　 ./:/: : !|　　　　　　　　　｀ヽ　　,-､　　 /´　　　　　　　　　　!:|ハ　　,-､　　 /!::::|
　　　’ヽ: ::ヾ＞ ｀´ ,ィ:ﾚ'; !_/ﾘ　　　　　　　　　　 .ゝ､.｀´　 ィ′ 　 　 　 　　　　　 |:::::::丶､｀´　 イl:|:::::ｌ
　　　 　 ｀¨＞'~'‐ｒ‐' Vイﾉ　　　　　　　　　　　　　ｨ ヽﾆ.‐' ｌ､　　　　　　　　　　　 }!:::|:ﾚ/ﾄ､´_ﾉ!､!/:::: !
　　　 ,　‐'´　'､ /Xヽ/　｀丶､　　　　　　　　, 　''" ヽ./ﾃﾄ.／　丶、　　　　　　　 ,斗'" !ﾊ　ム. /〃丶ｊ
　　　'　　　　　{ｌ !||!||　　　　 ヽ　　　　　　/　　　　 |ｌﾉ||ｌ」|　　　　ヽ 　　　　　 /　　　 ﾘ.∨ｌ |〈 ｌ　　　＼
　 　 !　　　　　｀Y!|!ｿ　　　　　|　　　　　　ｌ　　　　　ヽ|｡Ⅳ 　 /　　｜　　　 　 ｌ　　 ｌ　　 〈.仆ｊ」 　／　｜
　 　 |　　､　　　 |ｌ|!　 | /　　 / 　 　 　 　 !　　 　 !　 |! |ｊ　 ﾚ　　　 .!　　　　　 |　　丶　　 ｌ」|」　 /　 　 ｌ


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※ コロス ･･･ 合唱団。　観客の視点に立って役者と会話したり、舞台背景の説明や進行を補助する役割もある

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┌───────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　エレクトラは、嘆きの声を止めようとは、しない･･･ 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────┘



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　＼／:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:／／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.://:.:／:.:..:.:.:.:/.:.:.:.:.:_/__/＿_:.:.||:.:. |
. ／:.:.:.:.:.:.:.:.:./_＿:.:.:.:.:.:__..:X ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. //／:.:.:.:.:,:.-:/-‐:':´/　/ :.:.:.:.:.:.||:.:. |
　￣￣￣7:.:.:.:.:.:.:.:＞ﾏ／ ｀ヾ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.://――ｚ.'z'´/―一'　 /＿_::.:.:.: ||:.:.:.|
　　　 　 / :.:.:.:.. ／ｲ　　　　　ヾ ｀ヽ､:.__／//　　／:.;.ｨz/=＝≠＝=.z_､￣￣||:.:.:.|
　　　　/:.:.:.:.:.:.:/　 |!　　 　ｒｫ　 Vl　　 　 //　／;:イ´　/　　　　　　　　 ㍉、 !!:.:.:.|
.　 　 /:.:.:.:.:.:.:.ﾊ 　 　　　　｀　 　 　 　､.//_. -‐´/ 　 / 　 　　 ＿　 　 　 　ヾ!!､:.:.!
　　 / .:. :.:.:.:.:. :.}　　 ､　　　　　/　　　//　 　 　 　 /　　 　 /'´｀心　 　　 　 |ﾄ|ヽ|
　 /:.:.:.:.:.: .:.:.:.:/ 　 ＼ヽ、＿ 彡　　 //　　　　　　/ 　 　 　 ト､___,､|　　　　　|| |:. |
. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i　　　　　 　 　 　 　 //　　　　　　/　 　 　 　 廴＿ノ　　　　　|| |:. !
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!　　　　　　　 　 　 // 　　 　 　 /　　　　　　　　 　 　 　 　 　 || |:.ﾙ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／Λ　　　　　　　 　 /´　 　 　 　 /ヽ　　　　　　　　　　　　 　 　 ||ﾙ':.|
:.:.:.:.:.:.:.:.:./　/:ハ　　　　　　/＾.ﾒ､＿＿＿＿/　　＼　　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ |:. |　　　　　「でも、どんな恐ろしい目に合おうと、
:.:.:.:.:.:.:.:/　/:/⌒＼ 　 　 　{:::/ /―――‐-｀ヽ　　　ミz､ 　　 　 　 　 　 .z彳|| |:.:.|　　　　　生命のある限りは
:.:.:.:.:.:./　/:.f: : : : :. ＼　 　 V　i:::::::::::::::::::/:::::::::ﾍ､ 　　 　≧≠=‐zﾆ孑彡´　 !!||:.:.|　　　　　こうして嘆いて嘆いて止むもんか！」
:.:.:.:.:/　/:.:.:l: : : : : : :　＼　Λ　l::::::::::::::::/:::::::::::::::ﾘ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾘ |:.:.|
:.:.:./　/:.:.:.ハ: : : : : : : : : .ﾒ､ ヽ ヽ:::::::::/:::::::::::::::://　　　　　　　　　　　　 　 /　|:.:.|

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　 ───────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　 ───────────────────────────────────────────


　　　　┌─────────────────────────────────────┐
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　　　　│　　エレクトラとコロスの長が言い合う中、エレクトラの妹のクリュソテミスが現れる ――　  │
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　　　　└─────────────────────────────────────┘



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　　　　　　　　　　　　　【 クリュソテミス 】

　　　　　 |　　　　　　　　　　 ,'　　 l
　　　　　 |　　　　　　　　　　,'　　　l
　　　　　 |　 　　　,' 　 ,'　　/　　　 l　　　　 　 ﾊ
　　　　　 |　　　､〃　/　　/l　　　 ,'　　　 !　　　l
　　　　　 |　　 , '/ｰ≠=.ｚ'-.l､,　　,'　　　 ,'　　　 l　　　　　　　　　.,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　 | i　/ /∠7¨Ｚ..＿l/ `X.　　　 ,'　　　　l　　　　　　　　 │　「今の惨めな状態では、　　　　　　 　 　 　 │
　　　　　 |'l　i /ｨＺ,∠_)ｰ--ﾄヽ/,'　　　/　　　　 l　　　　　　　　 │　船頭が帆を下げて船を遣るように 　 　　　│
　　　　　 | lN　 　 代::::::::ト}l,X.Y　　 , '　　　　　l　 　 　 　 　 　 │　忍んでゆくのがよいと思いますわ。･･･」　 .│
　　　　　 |.　　　　弋`ｰ ' ノ　'/　 ／　　　／　/l　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.ノ
　　　　　 |　 　 　 　 ￣¨¨´／,　'　　　 ／　　/ i /
　　　　　 |　 　　　　　　　 Ｚ ´　　　 ／　　／　l/
　　　　　 |‐-　　　　　　∠... ｫ = '' 7　　／　　.ﾄ､
　　　　　 |‐　　　　　　　,　イ　　 ,ム-イ　　 　.ハ
　　　　　 |　　　 ,　ィ ''ヽ／/　　　 ,ｲ　ﾊ　　　/　 ',
　　 r ー‐-=､''＿_./ノ　l. /　 ,,　''　.ﾚ′l　 ／
　 r‐`＝-､　 ＼.　　 　 ＼''　　　　　　 l／

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　　　　　　　　　　　　　　　 ┌────────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　 │　　血生臭いことを好まぬ彼女は、復讐よりも耐え忍ぶことを姉に説くが･･･　  │
　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　 └────────────────────────────────┘

.

┌───────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　姉を怒らせるのみに終わる･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
└───────────────┘



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　　　 ＼:.:.:./:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:|:.:.: ! |:. :. |　|:.:ﾙ:.:.:.:.:| |:.:.:ﾍ:.:.:.ﾍ:.:.ﾍ:.:.:.:.:.ﾍ
　　 　 　 V:.:.::/:.:.:.:.:/:.:.:.:/|:＞ト|､:.:.:|　|/ |:.:.:.:.:.| |:.:.:.:_ﾍ:.:.:ﾍ:.:.ﾍ:.:.:／
　　　　　　ヽ/―一'‐一,'./￣ rｫ下_|　　└‐チ'‐|＜／:.:.:.:.:ﾍ:.:.:.V｀ヽ.
　　 　 　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:. / 　 　 ｀ 　 　 　 　 ´　Q レ' V:.:.:.:._:__|／:.ヽ.　＼
.　　　　　 / :.:.:.:.:.:.:. :.Λ　 ､_＿/⌒ヽ__'＿ ヾ　　 || Λ:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.Λ　　＼
　　　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ﾘ 　 　 /　　　|―-､ヽ.｀ー ||'　 |:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.Λ
　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/__/!　　　,'　　　｜　　 V|　　 ||　 .|:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:Λ　　　　　　　 「お父様の子でありながら、お父様の事を
. 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:..:ヽ.　　_.| 　 　 /￣｀ヽ.ﾘ 　　||　 ﾊ:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　　　　 忘れて生みの母親の事しか考えない
　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:／￣＞'　|　　 / 　 　 ﾉ7　 　 !!ノ- V:.:.:.:.:Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　 　 というのは、恐ろしいことだわ！」
. 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:. /　　/ 　 ヽ 　 /＝==='_'.　-‐ ´||　　　V:.:.:.:.:Λ――――
　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:l　　/ 　､　　}　 ー―＜ 　 　 　 ||　 ／|:V:.:.:.:.:Λ
. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.l　〈　　　!　｜　,.-､＿___)　　 　 ||／＿|:.|V:.:.:.:.:Λ＿＿＿__
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ .:.:.: :.V .}　ヽ. | _ノく　　　　　　　　 ／|| /:.:.:.|:.|:.:V:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.

＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―　　　――――　　　　＝＝　￣￣￣ 　――＿――￣＿＿＿￣―
￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣―　＝＝　￣￣￣ 　――＿――＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―
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　 /:.:.:.:.:.:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:.:.　　 ﾊ:.　　　ﾊ　ヽ: i
　,:.:.:.:.:.:.,　　　　　　　　　 .:.　 :.　　　　　　 ヽ.:. ﾄ__.:. 　 i:.:.　　 :.:i　 ヽl
.:.,::::::::::/　　　　　　　　　 :i:.:.:. :.:.　　　　　　_..k '｢,ゝ､:.:. l:.:.:.:.　 :.:l
:.:l:::::::::,:.　　　　　　　　　 :.ﾄ､:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　, l／<`lヽ:.:.l:.i:.:.:　:.:.l
:.:.i::::::::i:.　　　　　　　 i　　:.l ヽ:.:.:.:.Ｘ.:.:.:.:.:.　 ｲi 　 },　ﾄ:.:l:.l､:.:.:.::.:i
:.:.l::::::::l.:.　　.　　　　　Ｖ　 :ﾍ　` x':.:.xヽ､:.:.:.:.:.i ｰ '　 {:.!|:.:l l:.:.:.:./　　　 「でも無分別を起こして身を滅ぼしたりは
:.:.:V:::::l:.:　 :.:.　　　　　ヽ　 :.ﾍ／　 >=ヽ `ヽ:/　　　　}:.:.:.! l:.:.:./　　　　 しないほうがいいでしょう」
:.:.:.ヽ::::i:.:.　:.:.:.　　　　　ﾍヽ､´ヽ／　}　｀`　　　 ヽ　 /:.:./　l:./
:.:.:.:.:ヽﾍ:.:. :.:.:.:.　　　 :.:.　ヽ ｀/ヾ､ 　l/　　　　 ／　/:.:.:/　 '
:.:.:.:.:.:.:ヾ､:.:.:.:ヽ.:.　　 :.:.:.:.:.:`/代__.／　　　　　　　ハ:.:/i　　　　　　　　　　　 ＼_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_,／
:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.l:ﾄ､:.　 :.:.ヽ､:.￣ヽ､　　　　　　 　 /＼l/::.ﾍ　　　　　　　　　　　_）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_
＼:.:i､:.:.:､:.＼:.:.lヽ＼.:. :.:.:ﾍ`ｰ----＝- , --－'　　　`丶:ﾍ　　　　　　　　　　 _）　「お父様の仇を討つために死ななければ　 （_
　　､lヽ:.:.＼:.ヽ:l:.:.､｀ヽ､:.:.:.ヽ　　　　　/　　　　　　　　 　｀`　　　　　　　　　　_）　ならないのなら、私は喜んで死ぬわ！」　　 （_
　　　 ﾊ:.:.:l/`丶:.ヾ:ﾄ､:.:.`:.i ､:ヽ　　　/,, -''丶､　　　　　　　　　　　　　　　　　_）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼


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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│　　姉に責められ、失意を抱えながらクリュソテミスが立ち去ると･･･ 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
└─────────────────────────────┘


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　　　 　 　. :-=ﾆ ´ _ '´　／ーｧ‐-　 .._　＼　｀ヾ　　　 ヽ..:.::.. :.
　　　　　 . : .: .:.:.:／　　'´　／　　　／ ＼　＼　　　ヽ　　'、.:.. :. .　 .
　　　　 . : .: .:.:／　／　　 /　　　　　　 　 ＼　jﾊ　　 !　　 !::..:.: :.. :. .
　　　 . : .: .:.::/　／　　　 '　／　　　 　 i　 　 メ　jﾍヽﾄ､　人:..:.::.. :. :.
　　　. : : .:.::,'.／〃　　 　 /　　　　　　/　　　　∨ j 八 ヽ　 ヽ:..:.::.. :.
　　　. : .: .:.ｉ"　/{　〃./_/　　　〃　　'　　 l 　 ノⅥ/　',　ﾍ　　ヾ:..:.::.
　　 . : .: .:.::|　/八 {{ /从｀　 ／ﾉ __/_　　/|　　　 /　 ハ.　ﾍ.　　}.:.::.
　　　 : .: .:.:| ム'´ ヾ{〃沁／∠. ／／＞､i|　　//　 ∧. ヽ　}、 /.:.::..
　　 　 : .: .:.ﾚ'/　 ／|　弋7　　　　アう㍉/ヽ／/　 ∧∧　∨ﾘ/.:.::.. :
　 　 . : .: .:.::/ ／{　ﾊ .:.::: 　 　 　 弋ﾄｰ'心'´／／/ぅﾉ ハ　j:..:.::.. :. ::
　　 　 . .: .:.∨. :.:∨{ ゝ　　　　　 ::::.:`ー'彳 ／　/ァ'ノ}. ,'∨..:.::.. : .
　　　　　　　. : .: .:.::.|　 |ヽ､f_y　　　　 彡／/　/彡"　j/.::.. :. :. : .
　　　　　　　　　. .:.,' 　 ∨ `ーｧｰrー＜／/ イ 　 ヽ::.:.::.. :. :. :
　　 　 　 　 　 .: .:/　　∠＿_/ ヽ　 　 /　´　/　　　{.:.:..:.::.. :. .


─── ─────────── ───　──　　─…

─────────── …　……
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＿＿ ＿＿
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＿＿ ＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿

─────────── …　……

─── ─────────── ───　──　　─…




　　　　　　　　　　　　【 クリュタイメストラ 】

　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　 　 　 /　　　/　　　　　　　,、　　　　　　　　 、　　　　 「また外を勝手に
　　 　 　 　 /　　　/　　　　　　 ／ !　　　　　　　 　 !　　　　　 うろうろしておいでのようだね」
.　　　 　 　/　　　/　 /　　　 ／　/ ∧　 l　 |　　　　}
　　　　　　|　　　/　 /　　 ／ 　 / /　!:.　|:　|　　　　|　　　./ﾞ｀〉ｰ- ､
　　　　　　|　　　|:　/ｰ フﾞ｀ 　 /／ ｰト- |､ :|　 |　　,'　　 /　/　　　　 ￣ ｰ-- ､
　　　　　　|　　　|: / ィ夭示 ／　 ﾁ示ミヾ;.:.:|　 |　 /　　./　/　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　　　|　　　|　メ ゞ- '　　　　　ゞ-'ﾞ ｀ﾄ ':　 ｌ　 ｌ　　/　/　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　|　　　∨　　　　　 i　　　　　 　 !:.:.　 !　 ! 　/　/　　　　　　　 　 　 　 　/
　　　　　　|　　 .:.:|ヽ　　　　　　　　　　　　|.:.:　 ｌ　 !　/　/　　　　　　　　　　　 ／ 〉
　　　　　　ｌ　　 .:.:|.:.:.＼　 　｀　_フ　 　 ／ｌ.:.:　 |　 | /　/　　　　　　　　　　　< ／〉
　　　　　　 〉　 .:.:.|.:.:.:.:.:.ヽ　　　　　, イ.:.:.:.|.:.:　 |　 ﾚ　/　　　　　　　　　　　 ／／
　　　　　　∧　 .:.:|.:.:.:.:.:.:._个ｰ　 '´　ト､.:.:.:!.:.:　 !　/　/　　　　　　　　　　　 〆__〉
　　　　　 /　',　 .:.|.:.:.:.:.:/　｀ヽ　 rｰ'　 {.:.:.:|.:.:　 ｌ /　/　　　　　　　　　　　 (二ノ

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┌──────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│ 　 入れ替わりに 母クリュタイメストラが登場する。　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
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┌────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　罪の意識ゆえか彼女もアガメムノンの悪夢に悩まされており、　 │
│　　その悪夢を晴らそうとして供物を捧げに来たのだが･･･　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
└────────────────────────────┘


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　　　　　　　　　　　 '　　　　　　 ,/　./ ／　　　　　 , '　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ　 .';,　　　　'''';;;;;''
　　　　　''';;;,,,,,　　　　　　　　,,;;;;'.i　 //　　　 , - ／ ,イ　　l　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　..;,　　　　　'';,,,;';,,;''
　　　　　　　　''';;, ,,,,,,,,,,;;;;;;;'''''''' . l　//　　／ ／ ／ //　　i　　　　　　|　　　　　　　 i
'';;;;;;;'''';;;;;,,,,,,,,;;;;;;''''''''''''　　　　　　 i〃 ﾆZ ／ - '　 //　　 /　　　　　: :l　　　　　　　 l　　　　　　　,;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Vｲﾌ／' ´`丶　i,ｲ　　/　　　　 . : : i　　　　　　　 l .''''';;;;　,,,;;;''';;'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /〉 `　　　-ﾐヽ`ﾄl.l　　/　　　　 . : : :i　　　　　　　 l　　..'''';;;;;　　　 ,,,,;'';,
　　　,;,,　　　　,,,,,,,;;;;;;;''''''';;;,,,,,;'　/ r '´　　　 ､じ,､.l llヽ /　　　　. : : : :/　　　　　　　 l　.,;''';,;'　;'''';;;,,,;'''　　';,;'
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　　　　　　;;;'';　　　　 　 　 /　/ : :l　 `　　　　　　/　. : : : . : : : : :/l　　　　　　　　/　　 　 　 ''''';;;;,,,,,,　　''';;,
　　　　　　　　　　　　　　　'　ｲ : : :l　　　　　　　/　. : : : . : : : : :/: l　　　　　　　l/
　　　　　　　　　　　　　　.,'　/l : : : :丶 ､ 　　　/　. : : : : : : : : :/: : :l　　　　　:l　 l
　　　　　　　　　　　　　　.l / l : : : : : :/: :7 ＞/ . : : : : : : : : : /: : : :l:　　　　　l　 l
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
│　　顔を合わせると、激しいやり取りをせずにはいられない　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
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.　　 { :::::::::::::: ／　l　 / 　　　　／／ /　ハﾍ 　　 l 　 　　l　l‐′
　 　 ヽ::::::::／　　 l　/　　/ .／／ 　/／　 ', ﾍ　__.l 　　　 l　l
　　　　 ヽi　　　　l / ￣/Zﾆ≠-'　／ｰz_=ﾆ',¨ﾍ 　! 　　　 l　l
　　　　　 l　　　　l' 　, イうタ´::::,イ:　:::::弋ぅ心ヾ､ l　 　　 .l　l
.　　　　　l　　　　l 　 /´￣/::／　i:: ´ 　 　￣ `＼ !　　　　l　l　　　　 「あのお父様はね、お前の血を分けた姉を
　　　　　l　　　　.l　./　　 ′　_＿`＿_　、 　　　./l　　　　l　l　　　　　神様の生贄にするという、他のヘラス人の誰にも
　　　　　l　　l　　l / 　 　,ｲ二-――-二ヽ 　　 / l　　　　l　l　　　　　 できないことを平気でやってのけた人なんだよ！
　　　　　ll　 l　　 ll 　 　 {{:::::, -――-､:::::}}　　 l　l　　　　l　l
　　　　　ll　 l　　 l !　　　 ',´: : : : : : : : :｀,' 　 　l　l　　　　l　l　　　　　 私の大切なあの子を殺したのなら、私から
　　　　　ll　 l　　 l l、　　　ヽ: : : : : : : : /　　　 l ,l　 ! 　 .l　,l　　　　　 仕返しを受けても当たり前じゃない！」
　　　　　ll　 l 　　.l l ヽ、 　　ヽ‐--‐／　　　 ,ｲ l 　l　　 ! /l
　　　　 ,ｲ!　 !　　 l l/ ﾊ＼　　 ｀二´　　 , イ　l l　 l　　 l/　l
　　　 /　ll　　!　　.l l ,'　l　 ＞ ､　　,, ＜　 .!　l l　 l　　〃l　l
.　　 / 　 ll　　l　　 l_l.. - ''´::::::::,｀ニ、:::::::｀`ヽl､l　 !　 /　 l　l

（※：アガメムノンはトロイア戦争で出航する前に娘のイフィゲネイアを神に捧げ、
　　　クリュタイメストラはそのことを恨んでいた）

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￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣―　＝＝　￣￣￣ 　――＿――＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―
　＿＿＿―＝＝＝―＿＿＿　　　――――　　　　＝＝　￣￣￣ 　――＿――￣￣―‐――　＿＿＿



　　　 ＼:.:.:./:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:|:.:.: ! |:. :. |　|:.:ﾙ:.:.:.:.:| |:.:.:ﾍ:.:.:.ﾍ:.:.ﾍ:.:.:.:.:.ﾍ
　　 　 　 V:.:.::/:.:.:.:.:/:.:.:.:/|:＞ト|､:.:.:|　|/ |:.:.:.:.:.| |:.:.:.:_ﾍ:.:.:ﾍ:.:.ﾍ:.:.:／
　　　　　　ヽ/―一'‐一,'./￣ rｫ下_|　　└‐チ'‐|＜／:.:.:.:.:ﾍ:.:.:.V｀ヽ.
　　 　 　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:. / 　 　 ｀ 　 　 　 　 ´　Q レ' V:.:.:.:._:__|／:.ヽ.　＼
.　　　　　 / :.:.:.:.:.:.:. :.Λ　 ､_＿/⌒ヽ__'＿ ヾ　　 || Λ:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.Λ　　＼　　　　　 「お父様がメネラオスのために
　　　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ﾘ 　 　 /　　　|―-､ヽ.｀ー ||'　 |:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.Λ　　　　　　　　 ああいうことをなさったのだとしても
　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/__/!　　　,'　　　｜　　 V|　　 ||　 .|:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:Λ　　　　　　　 お母様の手にかかって殺されなければ
. 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:..:ヽ.　　_.| 　 　 /￣｀ヽ.ﾘ 　　||　 ﾊ:.:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　　　　ならない理屈はないでしょう」
　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:／￣＞'　|　　 / 　 　 ﾉ7　 　 !!ノ- V:.:.:.:.:Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
. 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:. /　　/ 　 ヽ 　 /＝==='_'.　-‐ ´||　　　V:.:.:.:.:Λ――――
　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:l　　/ 　､　　}　 ー―＜ 　 　 　 ||　 ／|:V:.:.:.:.:Λ
. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.l　〈　　　!　｜　,.-､＿___)　　 　 ||／＿|:.|V:.:.:.:.:Λ＿＿＿__
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ .:.:.: :.V .}　ヽ. | _ノく　　　　　　　　 ／|| /:.:.:.|:.|:.:V:.:.:.:.Λ:.:.:.:.:.:.:.:.:.

（※：トロイア戦争はヘレネをトロイアに奪われたことから始まったが、ヘレネの夫のメネラオスは
　　　アガメムノンの弟）

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
│　　二人が言い合っていると･･･　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
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　/::::::::::::::::,, - '' /／　　　　¨i '' ‐､ノ
　､::::,, - ''　　　〃-‐- ､ ,イ /l　 l l
　 l　　　l　　　 l　　ｬェｧ / /_」　ll l　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::.
　 l　　 l ! 　 　.l／　　｀/／ｨぇ! l l !　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 '.::::::::::::::::::::::::::::::::::ｉ::::::i::::ｌ::ｌ:::::ｌ:::::::::i
　 l　　 l l　　 ! l　　　　´　!｀"/! l l !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'.::::::::::l:::::i::::::::::::|ｉ:::::ｌ::::::|::::ｌ::ｌ:::::ｌ:::::::::l
　/__　ﾉﾉl 　　l l　　 ､＿_ ′,' 　 .l !　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '.::::::::|:::l:::::|:::|:::|:::|ｌ:::::|::::::|:!::|::|:::::ｌ:::::::::l
　´::::｀丶.l　　 l !　　　￣´／ 　 //　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |::::|!:::l:::l:::::|:::ｌ:::|::」L斗ｫＴ:|::f ヽ:::|:::::::::i
　::::::::::::::::', 　　 l、 ､＿／ 　 　//　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |::::|l:::l::」;;_」-'‐' ´弋:::ﾂ |::|::l_ノ::::|:::::::::|
　::::::::::::::::::',　　 l::`l　　〃 　 ./'　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ￣ ￣|::ﾊﾞﾂ 　 　 　 　 |::|::|:::l:::::|:::::::::|
　::::::::::::::::::::',　　l:::::l／,ｲ　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:::::."　､　　　　　|::|::|:::l:::::|:::::::::|
　::::::::::::::::::::::', 　 ',ハ｀ヽ、 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::l丶　-　　. イ|::|::ﾄ､!ｉ:::|:::::::::|
　::::::::::::::::::::::::',l､　!, －＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::| |个 -.."_j三|::|::|ﾐﾒＬ:! :::::::|
　:::::::::::::::::::::::/:.:i ﾘ:.:.:.ヽノヽ､）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::| |::|:::f ﾌニニ|::|::|〃⌒V::ｉ::|
　:::::::::::::::::／:.:.:.l/:.:.:.:.:.:.:ヽゝ-ヽ、　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |::::::| |::ｌ:::j'三三ﾆ|::|::|″　　ｌ::|::|
　:::::::::::::/:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::| |::l:/三三三|::|::|　　　 ｌ::|::|


. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　「お尋ねしますが･･･」 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ

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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　　　　　　　　　,´_,　,_ :　:　:　: ,,　-　､ :　:ヽ
　　　　　　　　/ /　　　ヽ :　,‐" :::::::::::::ヽ::::::ﾊ
　　　　　　　 i /　　　　　｀ ´　 　 :::::::::::::ヽ:::::::i
　　　　　　　 { !　　　　　　　 ,　　　::::::::::::::i:::::::}
　　　　　　　 | !　　　　　i　　i　　　 ::::::::::::::|::::::i
　　　　　　　 i.|　＿＿　 ｀　´　＿＿__:::::::::|::::/
　　　　　　　　} ´-‐tiij｀ 　.. '"´ tiiij‐-｀:::::‐-<
　　　　　　　　!ヽ ヽ　 '´　::::::..ヽ 　 ノ::::::::::::::::!
　　　　　　　　ヽ! 　　 , 　 ::::::::;..　　::::::::::::i::::ﾉ　　　　　　「アイギストス王のお館は
　　　　　　　　　i　i　r' ヽ､;;; -::｀ヽ､:::::i:::::/ｲ　　　　　　　ここでございましょうか？」
　　　　　　　　　 i　!　　_,,,'_',,,,,,__　 '::::j:::/:::|
.　　　　　　　　　 ヽヽ. ´　,＿,　 ｀ .:::/::/:::::|-､
　　　　　　　　　,r‐|｀ヽ　　'''''　　:::/,ノ:::::;;;j-' |.､
　　　　　　　_,ノ:::|ヾヽ､｀ ー---‐'"-‐='":::::::/!::｀ヽ､

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
│　　老人が、（手筈どおり） “オレステスの死” を知らせに来る　　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
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. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　「オレステス様が　　　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　お隠れになりました」　　..│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.ノ




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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣






　　　　　　　 　 　 　 ,　-―--　､
　　　　　　　　　　／　　　　　　　＼
　　　　　　　　　/〃　,ｨ　 ,ィ 　 　　ﾊ　　　　　　　　 「私があの子の父を殺したのだといつも私を責めて、
　 ＿　　　　 　 l l ,≠/／‐-l　l 　 　 ',　　　　　　　　恐ろしい仕返しをするのだと脅していました。
　 ヽ ＞ ､　　 ./ｲｨ＝´　＝ﾐ`/　　/　l　　　＿__
　　　＼/　`／ .{::::┌ ┐::::::/　　/　 .l 　／l　／　　　･･････
　　　　 ＼/　／ヽ　!　ﾉ .／　, ｲ i　, !／　 j´
　　 　 　 / /､　　 ヽ､.／　／L_レ ''´　 ／　　　　　 今こそしかし ―― オレステスを恐れる必要が
.　　　　　l / /＼　 // ,イ__/　　　　 ／<´　　　　　　なくなったのです！」
.　　　 　 l/　!,ｲ l Y　iム ー!ｲo　 ／　　 ヽ､
　　　　　　　　l　/!　l　　￣lｲ　 l´ヽ. 　ヽl￣
　　　　　　　　l,/ .ゝlヾ＝=lｲ　　lヽ! ＼ N
　　　　　　　　 ／｀/　　　l !　　 l　　　..＿,....:::――::::... 　；
　　　　　　　　 ! ／、　　 l !　　　!　.／:::::::::::::::::-:､::::::::::｀:::.､　：
　　　　　　　　 ′ l `ー-.l_!＿_, ｨ ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_
　　　　　　　　＿, --- ､__　　　　 ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::｀ヽ､ ；
　　　　　　　ィ//＞--＜/＼_, - ｲ::::::::::::,::::---::::::::::::::::::::::´::::::::::::::::＼ ：
　　　　　　 //／//////＞:::::／::|::::::::::/::,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::.
.　　　　　： |/////////＼: ｲ:::::::::::::::::/::/:::::::::::::::::,:::::::::::::::::::::､:::::::::＼::::〉
　　　　...； ///////∧//|:Ⅵ:::::､:::::::::,:::/:::::/:::::::::/::::::::::l::::::､:::::＼:::::::::〉'
　　　　 　 |/////// ∧/|､: |:::::/￣´{:/:::::/::::::／:::::::::::::l::::::::∨:::::∨:/
　　　　　　＼///⌒l＼/∧Ⅵ:::{、Y　l'|::::/:::／イ::::|:::::::::|::::::::::|::::／´
.　　　　 　 ； |￣ 　 |イ｀＜/ |:::|ー| 　l|ｰ:＜＿/:::: |:::::::::|＿_::｣ ´
.　　　　 　 ： | 　 　 l　　 l 　 |:::|　 ｀T |::::::::|　　￣｀T　T:::::｢ ：　　　　　　「私は死んだも同然」
.　 ._r-､＿_,.r| 　 　 |-r-r　　Ⅵ　　 |　, :::: |　　　　 |　 | ::::| ；
と_}_}＿　 { ( '　　　/__｝_{＿＿ﾘ　　 |　｀ヽ､〉　　_　 |　 -､::|rァ
　　　　 ￣｀´￣　´ 　 　 　 　 　 　 乂　　 ｀ｰ'´　＞ ､　　7 l⌒}

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　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　　　　　　　　　│　　息子の死を悼むも 復讐の影が去ったことを喜ぶクリュタイメストラとは対照的に･･･　　 │
　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　クリュタイメストラと老人 二人が館に入った後も、一人嘆き悲しむエレクトラ･･･　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└───────────────────────────────────┘


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : :　　　　「来る月も来る月も、数知れぬ　　　　　 　.: : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : :　　　　恐ろしいこと厭わしいことを　　　　　　　 　.: : .
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!　 　 　 !　 . : :　　　　集めて流す生命の川に　　　　　　　　　 　 : : .
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l　　　　 l　 . : :　　　　掉さしてきた私だもの･･･」　　　　　　 　 　 : : .
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!　　　　 l　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
'''''''''''''''''''´￣　　 ,　　 ￣｀''''''''''''''''''''''''　ｲ　　　　 .!　　 : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :
　　　　 　 　 　 ､--,　 　 　 　 　 　 　 / l　　　　　ｌ　　　　　 l
、　　　　　 　 　 ￣　　　　　 　 　 　 /　l　　　　　.!　　　　　 l　　　　　　　　　　 , .. . 　　　+　　　　　　。　　　　　　　　　’‘
丶　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 .．イ　 .l　　　 　 .l　!　　　　 i　　　　 ， 　　，:‘. 　　　　♪　　　。　　　　　　　　　　　　　+
　　ｌ＞ ．..,_　　　　　　　　,.．＜.　　! 　 l　　　　　.!　l　　　l　 l　　　　　’‘ 　　　　+　　 ，.. 　　　　　　. ..; '， 　　，:‘
　　ｌ　　ｌ　　}｀ 　___, 　 'i´　　　 i 　 l 　 l　　 　 　 !　.!　 　 l　 l　　　　:::::　　:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　♪
　　ｌ　　ｌ 　 ｌ 　 　 　 　 !　　 　 ｌ 　 !　 l　　　　　 l 　l 　 　 !　 !
　　ｌ　　ｌ　 ﾉ　　　　　　丶　　 　 　 l 　l　　 　 　 l 　 !　　　.!　 !
　 　 　 '／　　　　　 　 　 ＼ 　 　 　 /　　　 　 /　　.! 　 　 !　 !
　　.． ´　　　　　　　　 　 　 ｀ ．　　/ 　　　　 /　 　 .! 　 　 !　 !
ﾍ´　　　　　｀ -､　　, - '　　　　 ￣/　　　 　 / 　 .! 　l　　　 l　 l
. ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　　 　 ∧ 　 l　　l　　　 l　 l
.　ﾊ　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　/　 ヽ l　　 l　　　 l 　l

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

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　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　 │　　しばらく経つと、再びクリュソテミスが、喜び勇んで登場する 　 │
　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　,　. . ´. . . . . . . . ｀. . 、
　　　　　　　　　　　　　　　 ／. . _z 三三三三＞へ..＼
　　　　　　　　　　　　　　／. ／￣｀ . . . . . . . . . . . . ＼.＼
　　　　　　　　　　　　 ／. ／. . . . ./. . . . . . .ヽ . . . . . . ＼.'.,
　 　 　 　　　 　 　 　/. . /. . . . . . j. . . . . . . . l..ヽ . . . . ＼.＼
　　　　　　　　　　　/. . /. . / . . ../l. . l. . . . ./l . |ヽ . . . . . ',. ヽ
　 　 　 　　 　 　 　j. . /. . /. . / / Vl_,.ィ. .乂ﾑ斗‐',‐. . . . .|',. .|ヽ
　　　 　 　 　 　 　 |. ｲ. . .j. . ｲィ' 二i..ﾊi . |　　ｸi云㍉ . .:..:.lﾊ. | j〉
　　　 　 　 　 　 　 V |.l. . |. .|.|.|/.ん心　ヽj　　ﾄj;刋　〉 .:.:/. .|..|　　　　　　　　　「お姉様のお喜びになること、
　 　 　 　 　 　　　　　N. ..|ヽl.l.ﾊ弋_:斗　　 ,　　ー'' / .／l . ﾊﾉ　　　　　　　　　今まで苦しみ悩んでいらっしゃった不幸も
　　　　　　　　　　　　　| . ヽ. ヽ⊂⊃ 　.r‐　v1　⊂⊃ﾉ ..ﾊ./　　　　　　　　　　 これでお終いになるという知らせを
　　　　　　　　　　　　　ヽ. . i＼ハ　　　ヽ __ .ﾉ　　　ｲ. ../　!'　　　　　　　　　　 持ってきましたわ」
　　　　　　　　　　　　　　 ヽj　ﾊ .＞　.._　＿＿_, イ_j∠.＿
　　　　　　　　　　　　　　　＿r-=＜´ ／　　　　＿ ＼―‐'
　　　　　　　　　　　　　　/ 　 ＼ 　 V　　　/￣r‐'l.＼_〉､
　　　　　　　　 　 　 　 　l　　　　ヽ　l 　 　 lヽ _.)i l　ヽヽ ＼
　　　　　　　　　　 　 　　l 　　　　 }}.l 　 　 |、 　 Y　　ヽ ',　＼
　　　　　　　　　　　　　　l 　 　 　 l .l 　 　 | ＼ / 　　　 ',}　　 ＼
　　　　　 　 　 　 　 　　　l　　　　 l j. 　 　 |　　ヽ. 　 　 　ヽ　　　＼
　 　 　 　 　 　　 　 　 　　l 　 　 　l! 　 　　!　　 o|　　　　　.}　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　l. 　 　　! 　 　 !　　　　　j＼ 　 　 　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 l 　 　l　　　　 l 　 　 d　　　　 /　　ヽ　　　 　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　l 　　!　　　　l　　　　| 　 　 　l　　　/ 　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　 ./ 　 　 　!　　　　j　　 /　　　 /

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　　　　　　 /／　　 /　　　/　　　　 　 　 ヽ　　　　　　 ＼
.　　 　 　 // 　 　 ｜　 　.|　　　　　 　 |　 |ヽ 　 ヽ　　　 ﾊ
　　　　　/ ′ 　 　 | 　　.∧ 　 　 　 ,l　l　∧ ﾄ ､　　　　',　|
　　　 　 |｜　 ,　　｜　 /　 ヽ　 　 / |/} / _.斗‐|　| 　|　| .|
　　　 　 |｜　 ! 　　ヽ　|￣_≧心､.{' ﾉ　'圷≠ﾄ､.l .,′ |　| .|
　　　 　 |∧　 ﾄ　　　 ',〃ﾄ､_,外　｀ 　 　 ﾄ､_, かﾚ 　　!　! ,'
.　　　 　 　 ヽ | ヽ 　　ﾄ.　辷tり　　 　 　 辷:り/　.ィ .∧ l/
.　　　　　　　 ＼/ ＼ド､　｀¨¨´　　 ' 　_　　　/／　|/　 !ﾊ　　　　　　　「オレステスが来ていますわ」
　　　　　　　 　 |∧　.トﾊ｀　　　　{フ 　 1　　´ /￣　　 '|
　　　　　　　 　 l　 |　∧ ＞ .._　　　ー‐' 　 . イ /} 　 ﾊ/
　　　　　　 　 　 　 ヽ{　＼ﾊ∧ﾑ !＞‐＜　{＿lム.|／
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿}＿＿＿ {_;―{⌒l＿＿
　　　　　　　 　 　 　 ．―一〈＿＿＿_,.. ィ　l　 |　 |　　　＼
　　　　　 　 　 　 ／ 　 　 ／　　　 　 |　 l　 !　.'　｜　　 　 ヽ
　　　　　　　 　 /　 　 |　,′　　 　 　 l　　 　 　 　 !　　　　　|
. 　 　 　 　 　 /　　 　 !/　 　 　 　 　 | 　 　 　 　 ,'　　 　 　 !
.　　　　　　　 {　　　　 |　　　　　 　 　 ヽ 　 　 　 {　　　　 　 |






　　　　/　 ／ /　　 !　.::!　.:!　 .::　　　　 .　::.　:!:　|　　　ヽﾊ
　　 　 !　〃 /　　　:|　:::|　::|　:::::.　　　.:::　/:: ｨ:::　!　　 　 ! 1
　 　　 ! ｲ　 |　　:.　:l ::::ﾊ ::ﾊ :::ｲ:::.　..::/::,ｲ:::/ l:::: j::　　　 ヽ|
　　 　 !ﾊ　:::l　　:::l..::ﾄｰトN､_',::||::::::..:〃//ノ少|::;ｲ::　.::　:、{j
　　　　ヽヽ　ヽ　:::ヽ:| fﾄ示う心ﾐゝ::〃/rf乍示トﾐ!:..:::|:: .::ﾊ.|　　　　　　「お父様のお墓の周りに、ありとあらゆる花で
　　　　　　ヽ::{入 :::::ヽ､弋＿ソ　 ∨'´　弋ｰ '.ﾉ ｲ::::::;!::::〈　l　　　　　　 編んだ花輪をめぐらしてありましたわ。
　　　　　　　 ヽィﾞｰト-iゝ｀¨¨´　　　,　　 ｀¨¨¨／ィ ´ｲ/:: | ﾉ
　　　　　　　 /　!::::::｀弋　　　　ト----ﾍ　 ｰ' ´ /´::ﾉ'::ﾄ､.|　　　　　　　 ･･････
　　　　　　　　　ヽ::／ﾚ'１丶､ _{ヽ　 __ノィ _　イｲ:ﾄ::::::/　ﾉ
　　　　　　　　　　｀　　　∨ﾉヽ_| ﾚ,´-‐'´八ヽﾉ リ レ'　　　　　　　　　　私がしたのではないことは分かってますし、
　　　　　　　　　　, ― ､-べ.　 j//　ｲ壬j___ ﾄ､　　　　　　　　　　　　　 お姉様でもありませんわね」
　　　 　 　 　 　 /　　　.ヽ　.ｌ　{　 ／ .r‐ォ'´ゝ} 丶、
　　　　　　　　　l　　　　　l　∨.ヽ　　 ∨　　　.|　　 '
　　　　　　　　　l　　　　　|l　　　 ヽ　　|　　　j |　　｜

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　アイギストス、クリュタイメストラから危険視されてるエレクトラは、家から離れることができない。　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　ゆえに、アガメムノンの墓を飾る者はオレステスしかいない と考え、喜んで報せに来たのだが･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
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:::::::::/........　 /　　　 /　::::::::i::::::::::::::::l::::::::::::::::l::::::::::::::::ﾍ::::::::::::::ﾊ
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:::::::l:::::::::::::::l::::::::::::::l::::::::::::::l::::::::::::::::::l::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::l:::::::::::::::l
┬:L:::::::::::::l:::::::::::::il::::::::::::::l:::::::::::::::::::l::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::l::::::::::;;;;｣
. l::::::¨iー-:L＿＿l|::::::::::::::l:::::::::::::::::::l::::::::::::::::::l＿;;;;;;:::--ｰ'''7
　i::::::::l:::::::::::::::::::l、`ー―┴―――'ー――i'':::::l:::::::::::ll::::::::i
.　l::::::::l:::::::::::::::::::lヽ、　　　　　 ,　　　　　　ノ:::::/::::::::::l:l:::::::l　　　　　　　「オレステスは死んでしまったの」
　 l:::::::::l:::::::::::::::::l:l::::`:;::...､.. 　ー‐　,,.....,:::'::l:l::::/::::::::::::l:l:::::::l
.　 l:::::::::ﾍ:::::::::::::::ll:::::::l:l:::::,ノ` ｰ ' ´l､:::ll:::::l:l:::/:::::::::::::l::l::::::l
.　 l:::::::::::ﾍ::::::::::::::l -Tl ¨　　　 　　　 `　-ﾘ:/:::::::::::::::l::::l::::.l






　　 /,. =＝ﾆｷﾆT'-!　　　　　　　　　 /:_,ﾄｰ/ﾆ=- ､_　|　　　|
　／!,. -' 二_｀ |-|ﾐ:ヽ　　　　　　　　/.:〃| /'　　 ｀ヽ、1、　 /
　, ｲ　ｨ':::::::::::｀ヾ,| ',.:ヽ　　　　　　／.:.:" / ｨ'´:::￣｀ヽヽ|ヽ ｲ
　　!/::::::::::::::::::::::::i　;.:.:ヽ　　　　/.:.:.:.:.;　 /::::::::::::::::::::::ヽ.! ∧!
　　l::::::::::::::::::::::::::::}　.:.:.:ヽ　　 /.:.:.:.:.:.:　 i::::::::::::::::::::::::::::!ﾚﾍ |l
　ヽ|:::::::::::::::::::::::::::!　.:.:.:.:.:＼　!.:.:.:.:.:.:.:　 !::::::::::::::::::::::::::l　 /メ　　　　　　　「いったい誰からそれをお聞きになりましたの？」
　　 ヽ;:::::::::::::::::::/　 .:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.､ヽ;::::::::::::::::::::/　/.:/
　|ﾐ=､　 'ｰ-ｰ '　, .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　.:.:.:.:.:.:.:.:ﾐ､,_｀ ｰ─　´ ／.:./
　',｀　｀ ｰ--ｰ' 彡'´:.:.　　　　　　　　.:.:.:..　 ｀ｰ─ '彡..:.:/　　　　 ／　　　　　　　　　＼_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_,／
　 ヽ　　　　　　　　　　　　 :i　　　　　　　　　　　　　..:./　　　 ／ /　　　　　　　　　　_）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （_
　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..:.:.:./　　 .／ ／　　　　　　　　　　 _）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （_
　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..:.:..:／ -ｰ/´ ／　　　　　　　　　　　　_）　 「オレステスが亡くなったとき　　　（_
　ﾐ=､ _　＼　　　　　　　,.　-- ､_　　　　　　　　´￣..:.／￣　　　　　　　　　　　　　　_）　 傍にいた人からよ！！」　　　　　 （_
　 ｀ヽ　｀￣　　　　　　 ヾ´￣ ｀ｿ　　　　　　　　 ..:／　　　　　　　　　　　　　　　　　 _）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒｀＼


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　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　 │　　「オレステスの死」の知らせを先に聞いているエレクトラは、信じない 　　│
　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　 └───────────────────────────────┘

.

┌───────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　クリュソテミスは嘆き悲しむが、その彼女に向ってエレクトラは、ある決意を語る　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└───────────────────────────────────┘


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. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　「あなたの今の立場は、そういう訳ね。　...│
/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.乂
　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　 l　　　　i
　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　 ﾄ、　　 l
　　　　　 　　　　 l　 |　　　　 　　ﾄ、　ハ　　 ﾊ
　 ﾍ　　　　　　　　l　li　　　　　　ｌ l　 /　ｌ　 /　l
　　ﾊ　　　 ヽ　　　li,,,,lヽ　　　　 /　l /　,,l,,,/　 l　/　　　/　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
l　 l ヽ　　　　＼　 l ヽ l`ヽ-　ヽ/--|ナ'' | /　　l./　　　/　　　　　　　 　 　 │　でもね、もし私の言うとおりにすれば、　　 │
ヽ l　　＼　,　-､＼. l＝lミ＼　/　　/r＝l/＝z /　 ／:.`:.､　　　　　 　 　 　 │　あなたは今のこの耐え難い苦しみを　　.....│
　ヽ　　 ノ`:.:l´｀ヽ､＼　　　 `,'　　　＿　　　／　／:.:.:.:.:.:.:.`　　　　　　　　　│　逃れることができるのよ」　　　　　　　　　　│
　　／i´:.:.:.:.:;;:.ゝ-ゝ=ヽ　　　､;;-=''- －’`ヽ_二/-―- ､ ／　　　　　　　　　 ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__乂
　/　 ヽ:.／;:.:.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:.:.:.:.ー‘----:''':.:.´:.:.:.:.:.／r－ヽヽ
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　　　　　　:.:.l:.:.:.:.,':.:.:__ :Ｚ‐ﾄl､l:.:.:.:.:.:.:.:ll:.:.:.:.:.;;zlニ≦ゝ｣、:.:.:.,! ィ:
　　　　　　:.:.l:.:.:.:.:二l ｲ 弋:::::ﾅ`=ー‐'゛ｰ ''ｲ弋::::::::ﾉ ﾑィ:.´:.l:.:.:.:　　　　　　　「怯むことなく、この姉と力を合わせて、
　　　　　　:Tl,イ´:.:ll.　　　 ￣　,,　　　　　　､　 ￣´　 l:.l:.:.:.:.!:.:.:,'　　　　　　　お父様を殺した下手人アイギストスを
　　　　　　:.l:l:.:.:.:.:.:lヽ.　 `ー ''　　　　　　　　` ー‐' 　!:l:.:.:.:.l:.:.,':.　　　　　　　討ってほしいと願ってるの」
　　　　　　:.l:l:.:.:.:.:.:.l:.:l　　　　　r-､_'＿ ... -､　　　　　!:l:.:.:.:.l:.:,':.:
　　　　　　:.l:.l:.:.:.:.:.:.l:.:ﾄ､ 　 　　ゝｰ ＿_- ー〉｝ 　 　 l;ｨ:.:.:.:l:.,':.:,'
　　　　　　:.l:.:!:.:.:.:.:.:.!:.l:.:ヽ､　　　｀　　　￣´　 　, イ:.l:.!:.:.:.:l/:./:

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　「アイギストスを殺す」という決意を　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　だが、クリュソテミスは拒否･･･　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
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　　　　　　　|　　　　| l　　　　　　　 l　}　　　 /　 }　　　　 /　　　　　　　|
　　　　　　　!　　　　|　',__ ィ　　ー－兀￣￣'￣ Τ ￢　,ｲ　　　　　　　j|
　　　　　　 ハ 　 _ 士＝＜_　　　　 l　ｲ７ 7三三 ! ､　 / l　　　　　　 .ﾊ
　　　　　　 | _ X　. ィ三≦、　　　　l　 |/ ７^}::::::::::ﾄ､ ∨　!　　　　　　.l　!
　　　　　, イ　, ﾍ.　 {:::::＼ ヽ　　　 l　 j ,ｲ::::´::::::::::|　V ∨　　　　　　 l　l
　　　i　 　 .| /∧ ヽ '､::::::::'.　 ､　　l　 ,l/ |:::::::::::::::::|イ }　l〉　　　　　　 ! l
　　　|　　　|l　! {::::::＼!:::::::::',　　､ l'　　　 {:::::::::__fV::j　jイ　 /　　　i　 | j
　　　l　　　|l　l　'、:::::::::::〉ヽ:j　　 ′　　　弋ｚ＝;ヲ'　 /　イ　　 　 l　 |/
　　　 '、　 :||__ﾑ. ＼ゝ二＞'″　　　　　　 ￣ ￢¨´ ,/ ,'_ノ|　　　 ハ l′　　　　　　 「男ではないのですもの、
　　　　ﾄ､　弋 ヽ　 ≠'"´　　　　　 '　　　　　　　　 /イ　 ﾊ　　 ノ　ﾊ|　　　　　　　　 腕力で相手にかなうはずありませんわ」
...　　　|､ ',　 ',ゝ ヽ　　　　　　　　r＝ォ　　　　 　 _ノ 　/　 l　/ ＼　ト
..､　　 :!　V ､ ＜￣ヽ 　　　　　　 ｀¨¨´　　　 　ィ　 l　./　　|/　　　∨
　'　　 l / 　 ヽ ヽ　　｀ 　　 .__　　　　　_..　 '´ /　　 ∨　　　 　 　 　 !

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　: : ｌ　 : : : : //ｌ : : //l　　: : : ://| 　 : : : : :///| | : : : :////l :|　　: : : : //| : : : : ://|// :|
　: .:ｌ　 : : : : //ｌ : : //l‐- : 、: ://|　 : : : : ////| | : : ://///l :|　　: -‐: //| : : : : ://|/ : :|
　ヽｌ　 : : : : //| : : //l　: : : :｀: /､| . : : : ://///| | : ://////ﾚ匕´､ : : : //| : : : : ://| : : :|
　　Ｌ,_;_;_;_;_;//| : : /八;_;_;_;_;_;_//|＞ ､_,── ､ﾚl､;///, ＜＿＿＿＞､ //| : : : : ://|_;_;_;|
　　 │∨////| : ://ﾚ≦┬ｒ─┬─┬≧、　　 　 _≦ｒ┬─┬─┬≧: :/| : : : : ://|///l
　　 │: ∨///| : ://| Ⅵ Ⅵ＿,ｲ儿ﾉﾘ 　　 　 　 　 　 Ⅵ＿_,ｲ儿ﾉﾘ Ⅳ /.:|_;_;_;_;_;//l///l
　　 │: : ∨//| : ://| ´￣｀´￣￣￣｀　 　 　 　 　 　 ´￣￣￣｀´￣/ / .: : :ｌ//ｌ//////l
　　 / . : : .∨/| : ://|　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / / : : : :ｌ/ :l/////Ｖ　　　　 「行って頂戴。
　 〃. :∧ : .∨ｌ : ://|　　　　　　　　 　 　 　 l　 　 　 　 　 　 　 　 / / : : : : ｌ : :ｌ////∨
　/ . : :/∧: : : .ｌ : //ﾄ､　　 　 　 　 　 　 　 ,_--_、　　 　 　 　 　 / / .: : : : :ｌ : :ｌ/////　　　　　 あなたなんか何の役にも
〃. : : ://∧ : : ｌ: ://| : ＼　　　　 　 　 　 └─┘　 　 　 　 　 ノ / : : : : : :ｌ :/ｌ////　　　　　　 立たないんだから」
　: : : : ///∧ : :ｌ ://| : :|: :l＞　､　　 　 　 　 ｰ　 　 　 　 ,　＜/ｌ :ｌ　: : : : : :|//|///
　: : : : ////∧: :ｌ //| : :|: :| :/|//l ＞　 、　　　 　 ,　 ＜: : : ://| :ｌ　: : : : : :|//|//|

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　二人の仲は完全に決裂してしまう。　  │
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　それから間もなくして、（偽の）お骨を入れた壷を持たせた従者を従え、オレステスが登場する。　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　「オレステスが死んだ」という偽の報せでアイギストス一派を油断させよう、という作戦の一環だが･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
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...,'　 　.i　　 ! 　 　! 　 　.ll ll　　 _ .l　　 ,!　 ,ｲ　　　l　　',　l　　i
..!　　　l　　.l　　　l　　　 l.ll l／__...」-イﾚ '　.l　　　 l　　 ',　! 　 !
.l　　　.! 　 .! 　 　!　　　,lイ -,,ィチヾ`>l　　l　　　 l l　　 ',　! 　 !
l　　　 l　　l　　　l　_ﾆ´┘´べ.ノ_::ﾉぅl l　　l　　　 l l ! 　　', l　　l
l　　　 l　　l　 ／,!´　　　　　　ゞ= ''　.ll　　l　　　 l .l ﾄ､　　', l　　l
　　 　 l　 .l /／,ｨﾁｭ､　　　　　　　　 l 　 l　　　 l／｀ヽヽ.　', l 　 l　　　　　　「お使いの方、その壷にあの子の骨が
L.... _　 l ／ ll　{ヽ'､ﾂr〉 　,　　　　ぅ　!　 l　　　 l　.／ ￣￣｀ヽ、　　　　　　 入ってるのでしたら、お願いですから、
　　　ll`i' 　 .ll `丶、~´ 　 `　 ｰ´´ 　 !　.l　　　 l /　　　　　　　 ヽ　　　　　　私の手に取らせて下さい。」
　　　ll　l l　 ll　　 lヽ、　　　　　　__ ノ!　l　　　 l/
　　　ll　l l　 ll　　 l　. ￣ ,二ﾆ,´-zｲ_ l　l　　　 l　　　　　　　　 ヽ.
　　　ll　l l　 ll　　 lヽ　／ i　 /::<´　 {l　l　　　 !　　　　　　　　　　',

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
│ 　 それを見てエレクトラは 「オレステスの死」 を確信し･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
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'''''''''''''''''''´￣　　 ,　　 ￣｀''''''''''''''''''''''''　ｲ　　　　 .!　　 　 　 l
　　　　 　 　 　 ､--,　 　 　 　 　 　 　 / l　　　　　ｌ　　　　　 l　　　　　　　「ああ、これだけが誰よりも愛しい
、　　　　　 　 　 ￣　　　　　 　 　 　 /　l　　　　　.!　　　　　 l　　　　　　　オレステスの面影の名残りなのか。
丶　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 .．イ　 .l　　　 　 .l　!　　　　 i
　　ｌ＞ ．..,_　　　　　　　　,.．＜.　　! 　 l　　　　　.!　l　　　l　 l
　　ｌ　　ｌ　　}｀ 　___, 　 'i´　　　 i 　 l 　 l　　 　 　 !　.!　 　 l　 l
　　ｌ　　ｌ 　 ｌ 　 　 　 　 !　　 　 ｌ 　 !　 l　　　　　 l 　l 　 　 !　 !
　　ｌ　　ｌ　 ﾉ　　　　　　丶　　 　 　 l 　l　　 　 　 l 　 !　　　.!　 !　　　　　あなたを送り出したときの希望豊かな
　 　 　 '／　　　　　 　 　 ＼ 　 　 　 /　　　 　 /　　.! 　 　 !　 !　　　　　気持ちと比べ、今はまた何という絶望のうちに
　　.． ´　　　　　　　　 　 　 ｀ ．　　/ 　　　　 /　 　 .! 　 　 !　 !　　　　　あなたを迎えたことでしょう。･･･」
ﾍ´　　　　　｀ -､　　, - '　　　　 ￣/　　　 　 / 　 .! 　l　　　 l　 l
. ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　　 　 ∧ 　 l　　l　　　 l　 l
.　ﾊ　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　/　 ヽ l　　 l　　　 l 　l
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣




.　 　 　 | : :'; :､: : :.､oﾟ　　　 　 ,: 　 　 　 ﾟo: :i : : : :.'; :',
.　 　 　 | : :.ﾍ: ヽ: :ﾍヾ;､　　　r‐.　 　 . イ :.!:| : : : : :i; :ﾍ
　 　 　 l,': : : :ﾍ: ﾍ: :.ﾍ.ﾞi',≧i　 -　.i≦ : : : :.ﾘ: : : :ﾊ:| : :.ﾍ　　　　　　「本当にあなたは私の生命を奪ってしまったのよ。
　　　　l: : : : : : :ヽ;ﾞ; : :', llﾑ´　　　 ｀7''‐- ./: : : / :.ll : : i :',
　　　 ,' : : : : : :,ｲ　Y: : }.l! .ヽ　　 ,.ｲ/　　/: : : /: : :ﾉ: : :.'､:.',　　　　　だからねえ、死人同士これからあの世で
　 　 ,' : : : : :.n.〃rゃy l!　　 ヽ／ｲ　　./nヽ.nヽ: : : : : : ','; :',　　　　 二人一緒に暮らせるように、お願いだから
.　　,' : : : : :,ｨ.}.! !' f'.ﾉj'}　　,イイ.　　　｢! |.|Y}l }7､: : : : : :i .';.}　　　　 私もあなたのこの壷の中に入れて頂戴！」
　　,ﾞ : : :／　 .{　　　 r’r'"イ　　　 　 .ヾ'' ｀’　ﾘ　ヽ: : : :.!　!|
.　 { : : :{｀''7ヽ ）､　 ﾉ 介　　　　　 　 　 {　 　 }　 ,r-ゝ: :.|　||
.　 | : : :.∨,: '´　 ./| 〃l｣　　　　　　　　 ヽ　　＼　} .ﾘ: : |　ｌl

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│ 　 壷をかき抱いて号泣する･･･　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
│ 　 エレクトラの嘆きに、いたたまれなくなったオレステスは･･･　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
└───────────────────────────┘


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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !トｌ､::::!ゝ!:l::::l::::::::::::::::::::::::::::l:::::l:::i/
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀　!`i:ﾍ ヽ!:::l:ヽ::ﾄ::::i:::::::ﾊ::ﾊ:ｲ:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! ∨:l ,ﾊ:::l::::ヽヽﾊ:::/::ﾚ:::::/　　　　　　「俺はもうこれ以上話さずに我慢しては
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ ヽ!'　ヽﾄ､:::::::::::::::::::::::::,'　　　　　　　いられそうもない」
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 丶　　　　　ヽﾄ､::::,_ -┴‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 丶＿ ..､　_　- ´　　　　　ゝ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　_　- ´　　｀ - ､
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　_　- ‐ ´　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l ／　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　 !
　　　　　　　 fY´l__　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l
　 　 　 　 　 l　!//ﾉ__ r ;　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｲ
　 　 　 　 　 ﾄ､ ヽf´ﾉl　i 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / |
.　 　 　 　 　 ヾ　　｀ ′|　　　　　　　　 /　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 !
　　　　　　　　ﾍ　　　　 }　　　　　 　 　 !　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　l
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣







. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　「本当はオレステス様の　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　お骨ではないのです」　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__乂




. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　「（オレステスは）生きています。　　　......│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　私が生きているのが事実でしたら」　　 .│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__乂







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　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿/＼／＼／＼/＼／＼／＼/＼／＼／＼／|＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　 「お父様の印章をご覧になって、私の　　 ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　 言うことが本当かどうかお察し下さい」　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣|／＼／＼/＼／＼/＼／＼/＼／＼／＼/￣








　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ///////////
　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ζ≧o｡///////////
　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ/////////｀ヾ//////
　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_...._　f///////////////∧////
　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　 _.｡o≦　　　　　｀ヾ≧o｡.//////////∧///
　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　.｡イ　　　　　　　　　　 　 ゞ:::::::::｀ﾏ/////////ｉ//
　　　　　　　 　　　　　　　　　 γ´　　　　 }≧彡ｲ . .｡-===-｡..::γ⌒ヾﾒ/////////ｉ//
　　　　　　　 　　　　　　　　　　ゝ　　　　ｲ　ｘ=ヽ／　´　　　｀ ､ヽ　 　 .ﾏﾑ///////|//
　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　.｡--f´彡＾7 〈 rｘ.r┘`ｎ-､ﾍﾊ　 　 .ﾏﾑ//////|/／
　　　　　　　 　　　　　　　　　 　 =（8§: ゝ{ 　 ,ﾆ.八　ヽ....rく }｝ } }　　　 .刈//////|´
　　　　　　　 　　　　　　　　　 　 :　ゝ-=:{_.＜　{. r　 `^(f_ 弋ノ /ﾘ　 ...:::::/刈/////ﾉ
　　　　　　　 　　　　　......__　　..｡イ;､　　　.｀ヽﾆヘゝ.　　　￣／≠....::::::ｲi!i!////／
　　　　　　　 　　　f´　　　｀ヾ;　 　 辷彡ｲ　　 ヽ__ ` ミ三 ＞ ~ヾ:::::／i!i!i!/＞
　　　　　　　 　　　ゞﾆﾆﾆ≦辷≦彡 ⌒ヽ　　 ／　　ヾ≧　　　..:::::　 ヽー
　　　　　　　 　　　　　　　γ´　　　ヾ､　 }彡'　　　／　　　..::::／
　　　　　　　 　　　　　　　 {　　　 _.. ＞＜　　　 イ　 ｀ヽγ
　　　　　　　 　　　　　　　 ゞｰ匕 f´ 　 　 刈´　　　＞ ´
　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 ゞ ＞ ¨´弋彡 ¨´


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌─────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　自分の正体を明かした。　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─────────────┘

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. : :　「ああ、愛しいオレステス、　　　　　　　　　　　　　: : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. : :　聞こうとは夢にも思わなかった声を聞きながら、: : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. : :　はやる心を抑えて声を呑み、　　　　　　　　　　　 : : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. : :　あなたの声をただ黙って聞く、哀れな私。」 　 　 : : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
　　　　　　　　::::::::i:::::::::::::::i::::::::::::::/::::::::::::l:::::::::::::::::l:::::::::::::::::l:::::::::::::::::::i::::::::::::::::i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :
　　　　　　　　:::::::l:::::::::::::::l::::::::::::::l::::::::::::::l::::::::::::::::::l::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::l:::::::::::::::l
　　　　　　　　┬:L:::::::::::::l:::::::::::::il::::::::::::::l:::::::::::::::::::l::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::l::::::::::;;;;｣
. 　　　　　　　　l::::::¨iー-:L＿＿l|::::::::::::::l:::::::::::::::::::l::::::::::::::::::l＿;;;;;;:::--ｰ'''7
　　　　　　　　　i::::::::l:::::::::::::::::::l、`ー―┴―――'ー――i'':::::l:::::::::::ll::::::::i
.　　　　　　　　　l::::::::l:::::::::::::::::::lヽ、　　　　　 ,　　　　　　ノ:::::/::::::::::l:l:::::::l
　　　　　　　　　 l:::::::::l:::::::::::::::::l:l::::`:;::...､.. 　ー‐　,,.....,:::'::l:l::::/::::::::::::l:l:::::::l
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. /'/: : : /: : : :/ : : : ,': : : : : : ,': : : : : : l: : : : : : :!: : : : : : :!: : : : : :',: : ',: : :ヽ: : :
　 `ヽ､/: : : :/: : : : ,': : : : : : ,' : : : : : : l: : : : : : :l: : : : : : : ! : : : : : i: : :',: : : ヽ: :
　　　/.: : : :,': : : : : i: : : : : : i: : : : : : : l: : : : : : : li: : : : : : :.l:＿＿_ l: : :.', : : : ﾊ:
　　　 ｀ヽ､,': : : : : :l: : : : :￣!:￣_¨二ｺ=‐-: : : : :!l -‐ニ三l＿ _: : :.!: : :.',: : : : ,ゝ
　　　　　 .i: : : : : : l: : : : : : l ﾆz==､＝ミ――‐┘￣'z=＝,＝=､┬' : : : i: , イ: :
　　　　 　 ¨T ‐- ､T ¨l￣l ｲ/ﾄ--ｲ::r-i ゛ 　 　 　 　7ﾄ-ｲ::::r､}ヾ!〉_.. ィ ´ : :!: :　　　 「でも私には今あなたがある。」
　　　　　 　 |:l: :l: : : : : l: : ! ′Vﾍ__ﾉ　! 　 　 　 　　　Vヽ_ノ ﾉ　´/: : l: :l : l:!: :
　　　　　 　 |:l: :l: : : : : l: : ﾄ､｡ﾟ`ー―‐'　　　　　　　　`ー―‐'ﾟ｡ /: : /: :l: :l l: :
　　　　　 　 | l: :!: : : : :.!: : !､!　　　　　　　 　 , 　　　　 　 　 　 /: : /: : l: :l: !: :　　　　　　　　　　+.:♭*♪.♪*
　　　　　 　 | l: :l: : : : : !: : ! ﾍ.　　　　　　　＿＿_　　 　 　 　 /: : /: : /: ,'　!: :　　　　　　　　　.♪*　　　　　+
　　　　　 　 |: !: l: : : : : ! : l : : ヽ､　　　　　ゝ __.ノ　　　　 , ィ/: : /: : /: /l : l :　　　　　 :♯ﾟ♪｡
　　　　　 　 |: l: :!: : : : :l: : l: : : : : !:l¨ ‐-　..._　　　_.. - イ: l:/: : /: : /: /: l : l: :　　 *:.♪.:｡.
　　　　　 　 |: l: :l : : : : !: : !、: : : :l ',: : : :l　　 ￣　　　　l／: : :/: : /: /: : l : l: :
　　　　　 　 |: :!: l: : : : :l: : l ヽ、: : l: ヽ、ﾉ　　　　　　 ／ : : : /: : /: /: : : l : l: :

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　　　　　　　　　　　　　　　　,､　　　　　　　　　　　 , ､
　　　　　　　　　　　　　　　　l: ',　　　　　　　　　／　　' ,
　　　　　　　　　　　　　　　　i: : ',　　　　　　　, ′　　　 ' ,　　　　　　　　　　「不幸の中でも忘れられない
　　　　　　　　　　　　　　　　 ' ,: :＼　　　　 ./　　　 /　　 ＼　　　　　　　　 懐かしい面影のまま帰ってきてくれた。」
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 i＼. ',: : :＼　 　 ,'　　　 ,'　　　　　＼＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼＼',: : : :＼　l　　　　l　　　 ＿___　 U|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　＼＼: : : : :`l.　　　　',　　,― - ﾆミ 亅　　　　, - .
　　　　　 　 　 　 ￣￣｀　―-＜二二二_┴ ,, ＿＿＼ l---: : : : :＼＼-　´ _二⊃　　　　　　　　　 . .　. .　　　　　　　　　 . : :　:　:
　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＼＼l｀ - ;; : : : :￣l: : : : : : : : : : : : ＼_/　　　　　　　　　 . . :　:　: : :|ヽ: . .　　　　 . : : :♪: :
　　　　　　　　i: : : : : : i＼: : : : : : : : : :.￣l　 　 ＞: :_:_:.:i: : : : : : : : : : : : : :.:.',　　　　　　　 　 : : r‐┐ : Ｃ|: :　:　: . . . :c/⌒:　:　:
　　　　　　　　 ）:_:_:_:_:_＼＼:_:_:_:_:_:_:_:_:_/,_ﾆ二 '"/ﾆ､ヽl￣￣￣: : : : : : : : : ',　　　　　　. : : : ｄ　ｄ : : :　　 : :♭: :　:　:
.　 ∧　　　　　 i: : ／ : : :.＼＼: : : : : : :／. /　　 l::::::::y'l_: : : : : : : : : : : : : : : :.l　　　 . :c/⌒: : :　:　　　　　　　 :　:　:
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.｀ 、 　.i_　　　く:::::::::::: ／:::::l 　 ＿＿＿＿.｀ - ､;;_:＞ﾆ:.二.--TT¨l: : : : :.／　　.____∧/
.　　У´　｀ ,／::｀ - <::::: , -l,　´　　　　　　　　／　　　　　　　.U ,'＿__／_＿ ノ　./,-､
　　,'　　 .／:::::::::::::::::::＼:i::::::l　　　　　　　　／　　　　　　　　〃 ,'　　　　　　　　./(二)
　　｀　､/::::::::::::::::::::::::::／`--l　　　　　 　 /　　　　　　　　　 U .,'＿＿＿＿＿_./〈三〉
　　　／:::::::::::::::::::::::／:::::/:::::l　　　　　　 .l　　　　　　　　 　 　 ,'　　 ./　＼: : :∧/:｀ ,,＿＿
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　歓喜の絶頂に達するエレクトラ･･･　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│　　その後 二人は、爺やの協力の下 クリュタイメストラ、そしてアイギストスを討ち果たし･･･　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　("　''ﾍ,、::.
　　　　　　　　　　　　　　　　(ヽ／:::::ヽ::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::ヽ::.
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ:::::::::::::ヽ::.
　　　　　　　　　　　　　 ,　-―､　 ヽ::::::::::::ヽ::.
　　　　　　　　　　　　 ｒ　 　 　 .:ヽ　l:::::::::::::::}::.
　　　　　　　　　 　 　 l　　　 　 ..::ｌ /::::::::::::::/::.
　　　　　　　　　　　 　ヽ､ 　 ......:::V':::::::::::::/::.
　　　　　　　　　　　　　　 ﾆゝ:::::::::::::::::::::::<::..
　　　　　　　　　　 　　/''"::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ■■■■■■
　　　　　　　　　　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､■■■■■■
　　　　　　　　　　　/:::::::::::::个;;:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､■■■■■■
　　　　　　　　　 ／::::::::::::/　l;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::ノﾉヽ､■■■■■■
　　　　　　　 ／:::::::::::::／ ■l;;;;;;;;;;;:::::::::::::（liii}):::::::::::ヽ､■■■■■■
　　　　　　(ﾉヽ､:::::::／ ■■l;;;;;;;;;;;;;;:;;:::::::;,;,:;;:::::::::::::::ノﾉヽ■■■■
　　　　　　/　　 ,ヽ 　 ■■ｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::;;;;;:::::::::::::::::::::::::::ﾍ:::.■
　　　　　 廴__,,ﾉ　　■■■l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;:::::::::::::::;;:;;:::::::::::::::::ゝ::.
　　　　　　　　 　■■■■l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::;;;;;;;;:::::::::::::::入::.
　　　　　　　　　　　■■■ﾅ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;::::::::::::::;;;;;;;;;:::::::::ノ:::ヽ､::.
　　　　　　　　　　　 　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;:::::::::::::::;;;;;;;::::ノ:::::::::::::ヽ､::.
　　　　　　　　　　　　　／:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;:::::::::::::::;;;;ノヽ､:::::::::::::::::ヽ::.
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　　　　　　　　　　　∠、:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;:::ノ::::::::::::::ヽ::.　ヽ:::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　ヽ:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:ノヽ:::::::::::::::::ヽ::.　ヽ::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　＼:;;;;;;;;;;_,,-ー''"ヽ-ー''　　 ヽ:::::::::::::::::ヽ::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　￣

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　コロスが 彼らの功績を讃えて、終わりとなる ――　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　　　　　　　　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .
　　　　　　　　　 . : :　　　　「ああ、アトレウスの裔なる子らよ、　　　　　　　　　　　 　 : : .
　　　　　　　　　 . : :　　　　数知れぬ苦難を受けてようやくに自由を得たり、　　　 　 : : .
　　　　　　　　　 . : :　　　　その有終の美を飾る今日の勲し。」　　　　　 　 　 　 　 　 : : .
　　　　　　　　　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : .　　　　　　　　　　　　. . : :♪
　　　　　　　　　　 : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :　　　　　　　　　　　. : ∮ :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: :　:　:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . . :　:　: : :|ヽ: . .　　　　 . : : :＃: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. : : r‐┐ : Ｃ|: :　:　: . . . :c/⌒:　:　:
　　　　　　　　　 ＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__　　　　　　　　　　 . : : : ｄ　ｄ : : :　　 : :♭: :　:　:
　　　　　　 -‐''": : :｀丶、　　　　　　　　　　　　, ィ´: : : :、｀丶、　　　　　. :c/⌒: : :　. ''"￣￣丶、 :　:　:
　　　　　/: : : : :!: :|: : : : :＼　　　　　　　　　　/／:/、、: ヽ: : ､ヽ　. : :♪: :　:　:　　／:::/::::::::::::::::::::ヽ
　　　　 ,': : :: :/ｲ: :!: : |:ヽ: ::|　　　 　 　 　 　 /ﾊ:∨_..ヽ＼: :V: !| i　　: :　:　　　　　 '::/:/ A::|:::::!l:|::::::ハ
　 　 　 !::|: ﾙ'_､‐┘＞∨!　!　　　　　　　　　|::| V´　　｀丶､:l: :|| |　　　　　　　　　!::ｌ:/:/　|ﾊ:::| !|l::::|::::|
.　　　 ﾉ: |:ｲｨｆヽ　　 Pヽi :|ﾊ　　　　　　　　　∨/ｘﾁヽ　　ﾁヾⅥ/　　　　　　　　　|::|::ｨ'ｆぅ 　 ¨fぅ|、|::::|
　　　/: : {!:'　｀´　,　｀´ ｊ :|)ハ 　　　　　　　　 iヽ　`´　.　｀´　ﾚ'） 　　　　　　　　｜|:「└′　└'Ⅳ!):::!
　 　 |ｌ:: :∧:'.　　,-､　 ./:/: : !|　　　　　　　　　｀ヽ　　,-､　　 /´　　　　　　　　　　!:|ハ　　,-､　　 /!::::|
　　　’ヽ: ::ヾ＞ ｀´ ,ィ:ﾚ'; !_/ﾘ　　　　　　　　　　 .ゝ､.｀´　 ィ′ 　 　 　 　　　　　 |:::::::丶､｀´　 イl:|:::::ｌ
　　　 　 ｀¨＞'~'‐ｒ‐' Vイﾉ　　　　　　　　　　　　　ｨ ヽﾆ.‐' ｌ､　　　　　　　　　　　 }!:::|:ﾚ/ﾄ､´_ﾉ!､!/:::: !
　　　 ,　‐'´　'､ /Xヽ/　｀丶､　　　　　　　　, 　''" ヽ./ﾃﾄ.／　丶、　　　　　　　 ,斗'" !ﾊ　ム. /〃丶ｊ
　　　'　　　　　{ｌ !||!||　　　　 ヽ　　　　　　/　　　　 |ｌﾉ||ｌ」|　　　　ヽ 　　　　　 /　　　 ﾘ.∨ｌ |〈 ｌ　　　＼
　 　 !　　　　　｀Y!|!ｿ　　　　　|　　　　　　ｌ　　　　　ヽ|｡Ⅳ 　 /　　｜　　　 　 ｌ　　 ｌ　　 〈.仆ｊ」 　／　｜

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/´￣　ー-　...,,./　　 ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ﾍ´ ￣￣ ~｀゛ﾞ''ー- ..,,　　＼　　',　 / !／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./'　ヽ__　　　　　　　　　　 ＞ ..,,ﾐ.､r-.､/ 　　／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　　,/　　　　　　　　　 　 　 ￣~｀ﾞ'ｰ-',　 　',ヽ..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　:./　　,/　　　　　　　　 　 　 　 （⌒ヽ　　 ヽ 　 ',.i:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　　,/　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ　 ＼/　i　 : !:|
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　　　　　　　　　　　　　　　/　　 /　　　　　　　　　　┌────────────────────────┐
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　　　　　　　　　　　　　 :/　　 /　　　　　 　 　 　 　 │ 　 以上が、ソフォクレスの 『エレクトラ』 の粗筋である　　 │
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※：上記テキストは、ちくま文庫 『ギリシア悲劇Ⅱ』 「エレクトラ」 松平千秋（訳）より抜粋
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　アガメムノンの仇を子らが取るという話は、ソフォクレスの他 アイスキュロスやエウリピデスも書いているが　 │
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　アイスキュロスが〝運命〟としての悲劇　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
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　　　　　　　　　　　　　　 jﾘﾉ｀　｀　ゝ仆小
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｛jﾄrぃj トrぅyﾊjｲ
　　　　　　　　　　 　 　 　 v　　{_:,　　jﾉｨﾉ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 、 -ｰ-　 ´j′
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ .._　_,.ｲ/:{
　　　　　　　　　　　　_,.　-‐ ′　:.　.:;′ゝｭ_､、
　　 　 　 　 　 ／´　　: .ｰ-　-　:.,　　,: '´　｀ヽ　ゝ、
　　　　　　　 /　　　　 .:　　 　 :. ..｀.　.　　　 . :V　､ヘ
　　 　 　 　 / 　 　 ;. .　　　　　　　:.　　　.　:　.:.v' ﾊ　ヽ
　　　　　　,ﾉ:.　.　. .:!:.　　　　　　　.;　　　　　　 .:V:. ヽハ
　　 　 　 ´　　: . ..:.:j ､:.. .　. 　 . .,: '　　　　　. .: ┌────────────────────┐
　　　.../ 　 　 　 .:;ｲ:.,　｀　　　　 ., :..,　' :.,.:.. ..:.::,│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
.　 　 /　　　. ..:.:;/ ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆγヽ...:.　｀'.,:.::/ │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　...'　. ;.:.. . ;／..┘└───┐lii::|　:.　. ..: /. │　　エウリピデスが日常的な描写を細々と　　 　  │
　 /　　 .:｀.Y´.￣￣|￣￣￣￣| .|lii::|:..;. . ..:.:/ . │　　書き入れた悲劇（メロドラマ）なのに対して　　│
　｛　　　 . :.::、 ┌ ｛｝ ┐ 　 　 |. |lii::|i;.:｀丶;ハ:.:│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
.　 ＼　　　:..:.',　=｛0｝=＞　 　 | .|lii::|　　 ...:}　V│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
.　 　 ＼　　 :..:v!　｛｝ ┘_　 　 | .|lii::|　　　..:!　 .└────────────────────┘

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│　　ソフォクレスは、抑圧から解放にいたるエレクトラの心理状態に 　  │
│　　重点を置いて書き上げた、という点に違いがあるだろう　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
└─────────────────────────────┘

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┌──────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│ 　 そしてホフマンスタールが〝ソフォクレスの〟『エレクトラ』 を素材としたのも、おそらくそこにあるのだろう　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└──────────────────────────────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　＿,ﾉ　　⌒ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　（●） 　（●）　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 、　´　 　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　 ￣￣ 　　　／　　　　　　　我々 現代人（十九世紀末～二〇世紀初頭）は
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／iiヽ､　___ ,, ___,, _ノii＼　　　　　　　真実の〝生〟を味わっておりません。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ､∧＼__､ｼ介ｖ__／/,,　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{⌒ ﾄ　 7 ＼//∧／<　 ｲ ⌒}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (ヽ､<!　　＼. ヽ／　／== iﾌ ／)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 ).　i　　／＜ 　 　 i　に　ヽ､　　　　･･･しかし生活の速度はますます加速しており、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂.__クi 　 :i　 :|ﾟ　　　ﾟ　　:! 　ﾄ､ﾞシ　　　　　抑圧感は、いや増す一方です
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .!==,.　　:|　　　｡　　===!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i,＿＿＿ゝ＿＿＿＿,,,,i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　|　　　　||　　　 |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　|　　　 | |　 　 :|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　|　　　 |　|　　　|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈,_L ,,,...＿| |＿__,,,,L,, 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r-´＿,,,-==!　!==-,,,＿`-t
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣　　　　　　 　 　 　 ￣






　　　　　　　　　　　　　　 　　/　 i　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ! 　 i!　　　　／　　　　 　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ､　_,ﾞ,　　／　　　　　 '´￣`　　　`―- |
　　　　　　　 _　　　　　　　　　 ｆ´　 i　 |　　　　　　::;;（●　） 　 （●　）
　　　　　　　i　｀丶､　　　　　　 ﾄ-' _〉　|　　　　　　　 ´"''"　　,　"''"ヽ　　　　　　　我々が〝生〟を取り戻すためには･･･
　　　　　　　 `､_　　｀,ｰ- ､_＿_ﾉ￣:::人ヽ　　　　　　　┬ｧ―- .._ 　　|
　　　　　　　　　｀ ｰ' ､_,　ﾉ::::i　 ｀`´ 　 ヽ｀Tｰ-- ､_　　（　　 　/　　 /　　　　　　　 単にギリシア古典を再現するのではなく
　　　　　　　　　　　　 冫ー'"　　 __／　i､ ヽ　　　 ｀!`!　￣￣　　／　　　　　　　　 我々が生きる〝現代〟に密着した
　　　　　　　　　　 _,ｨﾞ´ヽ　　／￣〃／　 ヽ､!!　　 /　i　ヽ｀ヽ´ｨ　　　　　　　　　　 想像力をもって、再現することです！
　　　　　 　 _, - '´　 ｀i_ノ 　 !　　i i!/　　　 /´｀=-､i_＿i　　ゝ-〈i ﾄ､
　　　　.　ｬ'´_＿,ノｰ弋〉-､i /　　 ｙ´　　 　 i::::i´f　　　　） 人__ﾂi ヾi＼
　　　　　 ｀´　　　　 冫ヽ/〈_＿, -'ｰｧ-‐‐r'´Ｔ`亠‐ｒ‐‐'ﾞi´ /:::::i`!　i_i　.＼
　　　　　　　　　　.／　,ｲ_ -`ｰ‐‐'´　　／　./　　　 i! 　 i'´::::::::i!'ｰ<´　　 冫､
　　　　　　　　 .／　ﾉ´ `ｰ‐‐t‐‐--‐'´　 ／　　　　 ヽ　 ﾄ､____冫 /__　　/　 !
　　　　　　　　 ｀ｰ'´　　　　　 ｀`ｰ--‐t'´､_　　　 　　 ヽ ヽ　 ./　/　 ｀`/　　i

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｒ'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'⌒'～'⌒'～'ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ） 　エレクトラの抑圧と、　 　　　　　　　 （
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ） 　それから解放されるカタルシス･･･　（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'⌒'～'´








　　　　　　　　　　ヽ　　　　　＼　　 ＼　　ヽ　　　　　i. 　 .|　　　　　/ 　 　 /　　　　　／　　　　　／
　　　　　　　　　　　 ヽ　　　 　 ＼　　 ＼　　ヽ　　　　i　　|　　　　 /　　　/　　　　 ／　　　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ---‐‐‐
　　　　　　　　　　　　　‐‐‐‐---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 -----‐‐‐‐‐
　　　　ー――――――――　　　　　　　　　 これを描き出してこそ、
_____＿＿＿＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 -----------
　　　　　　　　　　　　二二二　　　　　　　　　　〝生命のよみがえり〟を　　　　　 　 　 ＝＝＝　二二二
　 ￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣￣￣￣￣￣
　 　 　 　 --------‐‐‐‐‐‐‐‐　　　　　　　　　我々は体験できるのです！！　　　　　　‐‐‐‐‐‐‐‐-----

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　　　　　　　　　　　　　　　／　 ／
　　　　　　　　　　　　　 ／　 ／　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　／　 ／ 　／　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 丶　　　 　 ＼ 　 　 ＼
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　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　 │　　彼 ホフマンスタールは、〝現代的に〟大胆な翻案を行ったのだ　  │
　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
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