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やらない夫は約束を守るようです Episode III．キラの恐怖　第二章　魔竜襲来　中編（三話）

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87 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:00:05 ID:uiHBGRsI

二１４４．
━━━━━━━━━━━…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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―――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　エルとコナタが西地区に近づくにつれて、避難する住民の波は途切れていった。

　　代わりに伝令の衛兵や集合する騎士、奔走する冒険者や司祭、
　　治療師、薬師に道具屋が雨中の往来を行き交っている。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人ﾉ人_人_从人__从人__从人ﾉ
　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
＜　　目標は西地区十一番街を抜けて北地区二番街へ侵入！　　　　　　　　　＞
＜　　サイサリス、ガーベラ分隊はデンドロビウム隊との合流急げ！！　　　　　＞
　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY⌒YY
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉ.ｨj､ﾉv1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‐=､´　　なんで部隊を分けるんだよ！？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍﾄ､!ｙﾍ!ｿ
　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__人ﾉ
　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
＜　　また飛んで逃げられたらどうする！　　　　　＞
＜　　包囲すら一度も出来てないってのに！！　　＞
　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒YWY

　　　　　　　　　ヽ「　　　　　 /___　 _　　　.　　　ヽ┘ / ｀''''´ヽ、 ! -,,. !ｉ
＼＼　　　　　＼　　　.i 廴....、　　_/ ､゛ ┐|　　　　　　　ヽ.ィヽヽ　ｌノ｀/ 八　 |
　　　　　　　　　 r''ﾘ-､｀'、 '''´　　､ﾅ |　　..　　　　　　ﾍ＼_|　　　i　　lｿ...＼
　　　　　　　＼　　　 .ヽ|￤ `'ン' ,,....-＝" -∥　　　　　　　　　ﾍ　　　　ゝﾆ,'′　　　　　　　＼
　　　　　　＼　　　　 .ヽ┘ / ｀''''´ヽ、 ! -,,. !ｉ　 .　　　　　　　　ﾍ'　　　!
　　　　　　　　　　ヽ.ィヽヽ　ｌノ｀/ 八　 |　　　　　　　　　　　ﾍ　　 i . ＼　　　　　　　　　＼
　　　　　＼　　　　　　ﾍ＼_|　　　i　　lｿ　　　　　　　　　　　　ゝ､,, -　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　＼　　 .ﾍ　　　　ゝﾆ,'′　....　　　　　　　　　 /￣‐ -ｌ　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　ﾍ'　　　!　　　　　　　　　　　　　 _ﾑユ､　〕　:::::
　　　　　＼　　　　　　　　　ﾍ　　 i　　　　.....　　　　　　　 ..く- ∟..l／　::;;::::　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . ゝ､,, -　　　　　　　　＼
　　　　＼　　　　　　　　　　 /￣‐ -ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 _ﾑユ､　〕　::;.:　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 ..く- ∟..l／　::;;;: ＼
　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　＼　　　　　　　_ｎ_ｎ__00　　　　　＼_ｎ_ｎ__00　　　　　　　　_ｎ_ｎ__00
　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └i_n┌'　　　[][]「l　　└i_n┌'　　　[][]「l　　└i_n┌'　　　[][]「l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く丿　　　　くノ　　　 .く丿　　　　くノ　　　く丿　　　　くノ
　＼　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼

88 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:01:01 ID:uiHBGRsI

二１４５．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　圧倒的な力を前にして騎士達の強固な意志にも亀裂が入り始めている。

　　無理もない。
　　現時点で希望と呼べるものは殆ど残っておらず、
　　多大な犠牲を前提とした最終作戦か壊滅かの二択が突きつけられているのだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　＿
　　　　　　　／／￣￣ヽ
　　　　　　/--　　　　　　ﾍ
　　　　　/ ○二二二二ｌ　|
　　　　 /｀//　へ＿＿,'　/
　　　 ./ //　/　| 　　,'Θ,'
　　　/ //　/　　|　　,'　,'
　　　ヽ/　/　　└‐┘　ﾍ　　　　　　　　「ぜ、前線は嫌だ………
　　／ヽ＿＿＿＿＿＿）　　　　　　　　邪竜ごと隕石に撃たれる役だなんて………！」
　 /　　／i　　　　　ゝ
　ｌ__／､　　　　／￣￣''''ヽ.
　　|＼　＼　 /　　　　　　　＼
　　|ｭｭｭト'´　 |　　　　　　　　　ﾍ
　　|ｪΞ|　　　|　　　　　　　　　　|
　　＼　|　　　＼　　　　　　　　丿/
　　　ﾍ|　　　　＼＼､　　　　／　ﾍヽ
　　　　ｌ＼　　　　ﾍ　｀''''''''''"　　{ 　〉
　　 ┌|＼＼　　　＼　　　ヘ　／/ﾍ
　　　| |､　｀'''‐-､＿＿＼─'´::::::::/　　|
　　　/｀―-､＿＿,----,―'￣￣　　　〉
　　　||　凹叶（◎）||災災|　　　　　　/
　　　|｀‐‐‐‐‐‐‐‐ｌ＿＿//＼　　　　/
　　　i､ﾍ　　　i　　　／／　ﾍ｀‐‐‐´
　　　|ヽ､＼＼　　 /::::/　　　ﾍ
　　　|　　　ヽーｌニノ　　　　　ﾍ
　　　|　　　/　　｀ヽ　　　　　　ﾍ

　　　　　　　　　　　　_冖___
　　　　　　　　　　／　| |　　ヽ
　　　　　　　　　/　　　| |　　　ヽ
　　　　　　　　　|　　　　　　　└|
　　　　　　　　　(　ニニニニニ　ｌ
　　　　　　　　　〕ｌｌ-‐‐i i‐‐--ｌ〔
　　　　　　　　（　ヽ .,,,,ｌｌ,,,..　/　）　　　　　　　　　　「バカヤロウ！それでもフリートの騎士か！？
　　　　　　／￣ト､　ヽ　　,'　 /--､
　　　　　/　　 ,'|　i＼(0)只(0)/／￣｀ヽ､　　　　　　　俺達がやらずに誰がやるってんだよ！」
　　　　　|__／　|　ﾍ＿＿／　 |　　　　　ヽ､
　　　　　|＼＿|　　　,'　　　　　|＼　　　　　ヽ
　　　　　|　　　|　　　i　　　　　ﾍ　＼―----'ﾞ
　　　　　|　　　|　　　|　　　　　　＼|　　　　　|
　　　　 |￣￣ﾍ￣　´｀''‐‐----,'　　ﾍ　　　　 |
　　　　|　　　　|ヽ　　　　　　　　　　ヽ　＿＿--i
　　　　〈　へへｌ/___,----､　　　　　　ﾍ´___　　 |

89 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:02:01 ID:uiHBGRsI

二１４６．
―――――――――――――――――――――――――
　　その最中、目的も分からずに駆け通しだったコナタが
　　とうとう足を止めた。
―――――――――――――――――――――――――

　　　 /:.／　　　　　　ヽ
　　｛:/　　　　　　　 |
　　　 l{
__,,... . .ゝ,,_
: : : : : : : : : :｀:`: 丶. .､,,＿＿
.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ; ｀i
: : : : : : : : : : :./: : : : :,!i: : : : : : ﾄ.、
.: : ; :'′　　 /　　　 /　!　　　.l: :.ヽ
:／: : : : : ; ｲ: . . . ∨ 　 !. . : : :l: ｀、｀、
: : : : : ／:/: : : : : / ＼　l: : : :/: : :.!､:.ﾍ
.; : :'": ::/: : : : : ;.'＿＿｀ﾐ!: :./: : : : l ヾﾊ
.: : : : /: : : : :, ｲ｛/示牙 !:/: /:: : :.l　 Ⅵ
.: : :/: : : ;／|:::j　　　|:'r! j/::/　i::. :,!　　ﾞ}
: :/:ィ''"!:::: : !::l　　 ,.ゞﾕ {／　ｉ::/
.:":::ﾍﾞ l::: : :|::!　　 `´　　`i　　 !'
: : : : : }''l: : : |:|　／｀`￢ /　　　　　　　　　　　「ねえ！
.: : : : /　i: : ::!ﾚ'ﾞ　　　〃
: : : /　　_}: : l|_　　／　　　　　　　　　　　　　ねえってば、どうするの！？」
.:／三ﾐ\、i: :.|:::｀:¨:´!
〃〃⌒｀ヽ!: :!:: : : :.j

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ハ :::: :::: :::::::::::.::::::::::::::::ヽ::::::::､::::::::::::ヽ ::::::..ヽ::::::`､ :. ::::::ヽ :::::.:.::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|／| ::: :::リ､:::rＮヽ＼::::ヽ､::::ヽ､::::::丶＼　::.＼:::::ヽ .:. :::::｀ヽ‐- ､_:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ﾊ ::.:.::!　V　/　＼ヽ::i ヽ:::| ｀ヽ::､::｀ヽ丶､:::丶､::､ :::::...､::::＼　｀`ヽゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ヽ.: ::l 　　/　　　　ヾ　ヽ:i　　i| ヽ::::ヽ＼｀`'' ‐---::::ヽ:::＼rヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ';:: :! 　〈　　__　　　　　ヽ　　|　 ',::::::: :＼:.::､｀ヽ:＼::::::ト､::丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:: ﾊ　　`　　　　　　　　　　　 }:::::::. ::::ヽ::ヽ::.:＼:ヽ､ヽ　｀` ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/l:ハ　　､　＿＿　　　　u.　　ﾊ:::::.::| :i:.:ヽ.:i::: :､:ヽ}　｀`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「……………」　　　　　　　　ノﾉ'　l心　　`ー‐一`　u.　　　 ,. '|:::::::| :| :.::.N :;､!`､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ハ　　　　　　　　　,　'´　i!::::::| ::|　:.ハ | ＼ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊｱｯ､ﾊｱｯ　　　　ﾘヽu.　　　　 ,.　'´　　 ,/!/ |: :::､　!　 i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　 __,.ノ/ 　ヽ __,,.　'´　　　　　ノ　l,ｲ:: ﾊ:{ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..､,.ィ"r''"´　 .:::　　　　r　　　　　　　　　/ /　|､:! ヽ、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　 |　|　　　　　　　､　＼　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　／ / r　　　｀`丶､

90 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:03:01 ID:uiHBGRsI

二１４７．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　無我夢中で走っている途中に飛び込んできた情報によれば
　　邪竜は冒険者や騎士団を馬鹿にするように飛び回っては各個撃破し、
　　そのうえ避難中の住民を手当たり次第に襲っているらしい。

　　無論、平和を脅かす者を憎む気持ちは彼女らだって同じだ。
　　されど竜殺しの称号を持つ超一流の集団ですらない自分達に、
　　いったい何が出来ると言うのか。
――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　 _＿＿__　　　　_
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　　　　　　　｀＞: : : : : : : : :.:.:.:.:::.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ、
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　　　　　　|:.:.:.::/|: ::::|:.:::::/|;/＿_ヽ､|:| ∨:::ヽ|ｊ／ _＿_.|:/.､.:.:.:.:.:.:.ﾍ::::.:ﾍ|
　　　　　 |:.:.::/　|:.::::|:::::ﾊ. }ﾃﾆ弍ｵ|:|　∨:.:.::|　ﾃﾆ弍ｵ7|:＼:.:.:.:.:.:..ﾄ､::ﾍ、
　　　　　　|:.:/ 　 |:.::::|/:::λi |ｏ:tｨ::;|`　　∨:::|　 |ｏ:tｨ::;| '|:::::::|＼:.:.:.|:::＼::〉
　　　　　　|:/　　ヽ､::::|.|::ﾊ､i込:沙　　　ヽ:|　 !込:沙　|:::::::|ﾉ::｀ヽ|::.:.:{｀
　　　　 i＾ヽ　　　ヽ:|ｊ::::::ｊ　　　　　　 ,　　　　　　 ’ |:ｉ::::.|:::::::::::.::.:.:.|　　　　「住民の救護？
　　　　　 |　,| 　　　 |::::::::l、　　　　　　　　　　 , ':|::|:::.:|:::::::::::::::.:.:|　　　　騎士団の援護？
　　　　ｊ.　| 　　　 |: ::::::|:ヽ、　　　 Δ　　　　ィ´:::::|::|::::.:|::::::::::::::.: :|
　　　　ｊ＾ヽ、.|/´ｊ　　 |:.::.::::|::|　｀＞‐ ｧ -- -‐ "/　　 |:'::::::.:|:::::::::::::::.:.:|　　　　それとも………」
　　　/^ヽヽ_〉　/　　 |:.:.:.::::|::|ィ´　　 |　　　　 /　　　 |:::::::.:.:|`‐-､_:::.: :|
　　〈___,>-'´　　}　,-‐|:.:.:.:.:::|:|　　　 |-─‐-､/　　　 |:::::::.:.:| ,/ / ｀ヽ::|
　　　｀ヽ、　　 ,ﾉ / 　 |:.:.:.:.:::|:|　　　 |　　　 /　　　　　|::::::.:.:.|/ /　　 .ﾊ

92 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:04:01 ID:uiHBGRsI

二１４８．
―――――――――――――――――――――――――――――
　　逃げる？と言う言葉を遮るように、エルは何度も何度も首を振る。
―――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　 , '::::::::〃:::::::::::.i::::::::ヽヽ:ヽ ::::::､::::::::::::::::':::､､,__
　　　　　_ｨ:::::::::〃::::::::::::l!::!:::::::::::＼ヽヽ:::::ヽ:::::::::::::::::::t=ｰ-.
　　　 _ｨｼ='7:::〃::::ｨ''|!i:::!i::,::::::､::::::ヽ::::::':,',､;,:::::::::::::::::::::ﾝｯy､,_
　　´"　　/::::::/:::/,.-ｬj:::l 'i!';::::i＼::::ヽ:::::::',',',i!::::::::::::::f"''''＝=-''
　　　　,.ｼｨ::::::::ｿ !. (::)ﾘ!　ﾍ',:::l,,､ﾇ;:::ヽ::::::',',',':::::::::::::::',
　　　〃ｼi::::::::ｌ　｀""゛　　` 'ﾘ (:::)ﾔ､:ヽ:::!:','::::::::::::::::',
　　　 '　'　.ｌ::::::::l　　　　　　ヾ'''''" Y:::::::::::::!::::::::::::::::',
　　　　　　i::/ｌ::::!　　　ヽ　、　　　　ｌ:::::::::::::::'::::::::ｯ::::::',
　　　　 l/　!:::'､　ｧ､.　　　　　　　 !:::::::::::::::::ｫ:::::!';::::::',
.　　　　 ,!. 　|/ ';､. ヾﾐ.`j 　　　 ,イ::ｧ:::::::::::::::i '､::',ﾔ::::､
　　　　　　　　" . ';ヽ　　　　　,､y'´ /ｼｌ::::::ヽ:::::ｌ　ヾ;　゛丶
　　　　　　　　　　'|!`=tｰ:::'"／　 /'　ﾊ::;::::il!';::!　　　　　　　　　　「放っておくわけにはいかないでしょう。
.　　　　　　　　　　　　'i::: '　　　　　　　ﾘｿヽ'ﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　!'i　　　j　　　　 ~ヽ　　　　　　　　 ………ですが私達が戦いに加わったところで
　　　　　　　　　　　　　　ﾘ､　／　 ―ー '''"""f,　　　　　　　　　役に立ちそうにありません、
　　　　　　　　　　　　　 / _冫'''~ 　　　　　　 ',　　　　　　　被害の大きいところで救護をしましょう」
　　　　　　　　　　　　／ ´　　 ,､　　　　￣~ ヽ　 'i
　　　　　　　　　　　l!~　　　　/　　　　　　　　ヽ.　!
　　　　　　　　　　　ｿ. 　　　/　　ﾝ　　　　　､　',　l
　　　　　　　　　　 /　　　 /　　 / 　　　　　',　', 'i
　　　　　　　　　　/　　　 '　　 / 　　　　　　 i.　', ｌ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　復讐という究極の目的があるからには、自分達に必要以上の危険が及ぶ行為はできない。
　　だが、人としてこの状況を見過ごすこともできない。

　　その狭間で出した判断に頷き、コナタが周囲に視線を巡らせた時だった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　／￣｀ヾ:`:.
　　　　　　　　　　　　　{　　　　　ﾞ!:.}
　　　　　　　　　　　　　　/:＼＿,∠.._
　　　　　　　　 _,. _-_:‐:‐:|: : : : : : : : ､:｀: .、
　　　　　　　　　　／´: i.:,!: : :|:i!: ､: : :丶: : ヽ
　　　　　　　　／ｨ: : : ｌl. !: : |:!､ﾄ､: : : : ＼: :i
　　　　　　　 .//./: : : ;1! ∨: l|_､斗‐: : : :ﾄﾞ:､
　　　　　　　〃　!: : : {T￢Ｖ:.{. __⊥:ヾ: : l: : !
　　　　　　　'′ |: :.;!:iﾊ_z=T ﾞ､:. T不l ハ: l: ;l
　　　　　　　　　.ｌ :ハl:::i ヾﾂ　 `　ﾞｰ：i::::ﾍ:|/
　　　　　　　　　 V　ﾞ!::ﾄ..,,_　 ,､　_,､ｲ:::::バ'　　　　　「分かった、そうしよう」
　　　　　　　　　　　　 l::::|::::::;ﾌﾌ .,!'ﾞ'l: :/:::::i.
　　　　　　　　　　　 l!::|／/´>'゛_,!:./ｭ::::::l
　　　　　　　　　　　 l};.|i!.j /,,-''.ｲ/‐￢;::::l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　./ ﾞ{､i!/''／// 　　 i::::!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　 / _,,.-火ﾞ､　'"i　　　　i:::i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　あ………あなた方は！？　＞
　　　　　　　　　　　ﾞく　　ｨ､　＼j　　　　,l:::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^


	93 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:04:35 ID:RFMqLdos ああ、本来のエルって臆病なんだっけなこの状態じゃ誰もがそうなっちまうんだろうけど

94 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:05:02 ID:uiHBGRsI

二１４９．
――――――――――――――――――――――――――――――
　　大声に振り返れば、ぱっと顔を輝かせて向こうから走ってくるのは
　　見覚えのある聖騎士。
――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿___
　　　　　　　　　　　　　 ,､-'´　　　　　　　　｀`'''- ､
　　　　　　　　　　　　／|　　　i､　　　　　　　　　　　｀ヽ､
　　　　　　　　　　　r'／|　　i　|ヽ　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 |/ /∧　|　|　ヽ　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 l// /　l　|　 |　＼＼...:::|　　|　　　　　　　ﾞ!
　　　　　　　　　　 |/ .!フi ヽ|.　 |:---＼＼:|　　|i :::::... 　　　 |
　　　　　　　　　 ||　|l l:ﾞ!　ヽ　ﾞ､'´ﾞiﾞヽ＼l| 　 || |:|:::::...　 .::|::: |
　　　　　　　　 || / ／　　　＼ヽ |:::し|| |　　|| _|:|ヽ::::.. .:::|::: |
　　　　　　　　 |!.|ヽ　　　　　　｀`｀''" | |　　||´r'｀i:ヽ::::i::::|::: !
　　　　　　　　 | |!　　　　　　　　 | |　　|rj　| |:::ヽ:|::|:|:: |
　　　　　　　　 | l|ﾞ! `　一　　　　　　/ j:::　 |-‐'ノヽ:::::＼|::〈
　　　　　　　　　　| |:::ﾞi　　　　　　　　 / /::::　|'T´ヽ::::ヽ::::::＼:ヽ　　　　　　　「間違いない！
　　　　　　　　　　| |:::::ﾞi　　　　　　 __/::/.::::: |　ﾄ､:＼:::::ヽ:::::::|./:ﾞi　　　　　　　ビップ様のお仲間ではありませんか！」
　　　　　　　　　 | |::::::::`Tlｰt‐‐ '"|//.::/::::::: j__⊥ﾞ!ヽ:＼::＼:jﾉ:::∧
　　　　　　　　　 | | ::::::::::||　ヽ=＝l/.::/::::::::/､-‐'''ト､:::::` ｰ-､// }
　　　　　　　 |　 ::::::::::|| 　 | | r:/.::/:::::::::/:::::::::::::ヽ:::`ヽ､::::::::::/:/
　　　　　　　　　 |　 ::::|::::::| 　 | | |/.:::/::::::::/:::;､-‐'''"￣｀`''-､:::＼ﾄ､
　　　　　　　 |　 ::::i|:::::| _r'ﾞr'´/..::/::::::_/'´　　　　　　　｀ヽ;:|::|
　　　　　　　　　|　.:::::j|::／_,.rｸ /..::/:r'´/　　　　　　　　　　　　ヽ|
　　　　　　　　 |　::::／---､/ /..::/:::|　 |　　　　　　　　　　　　　　　|＼
　　　　　　 | :／　　　 / /|..::/:::::|　 |　　　　　　　　　　　　　　 /　ヽ
　　　　　　　　.／| 　 ,ｨ　/ /:::|:::|::::::j　 j　　　　　　　　　　　　　／　　　}
　　　　　／　レ'´/ / 　￣|::|::::/｡ /｡　　　　　　　　　　 ,､-'"　　　　/
　　　　　　/ /　/　 / 　￣￣|::|:::|ｰr〈　｡　　　　　　 ,､-‐'´　　　　　　/
　　　　　 / .|　 | 　 |　　　　　 |::|:::|::ハ::Yー──''"´　　　　　　　　 ,.ｲ:|
　　　　　 {　|　 |　　|　　　　　ヽl::ﾄ〈:::::::ヽﾟ　　　　　　　　　 __,､-‐'´|:|:/
　　　　　ﾞi　|　 |　　|　　　　　　ヽ　＼:::::::`i` ー──‐'''"´　 _,､-'ﾞ V‐'"⌒ヽ､
　　　　　　ﾞi. ﾞ､ﾞi　　|　　　　　　　　　　＼::::|` ー-----─‐'"_,､-'´　　　　　　ヽ
　　　　　ﾞ､ヽヽ　 |　　　　　　　　　｀入`ｰ----ｧ'⌒ヽ／／　　　　　　　ヽ
　　　　　　　ヽヽ-‐┴‐-､､..＿＿＿,､-イ/　ﾞi:::::::;､-'´　　　 Y　　　　　　　　　　ﾞ!
　　　　　　　　ヽ:::＿＿___:::::::::::＿＿,,､-‐Lヽ--'ﾞ´　　　　　　 |　　　　　　　　 |


	96 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:06:27 ID:yjDw79/Y 認識としてはない夫が中心か、どうしても

95 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:06:01 ID:uiHBGRsI

二１５０．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　部下の六人を引き連れ、息せき切って駆けてくる彼女に目を丸くしたエルが問うと、
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::〃i::::',::::ヽヾヽ::ヽ＼:､＼:'.,',`ヽ::::::::::ミｪ､､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::/::!::'::::::':,:'.,::::ヽヽ､::::::::::＼＼',:::::::::::::::ヽ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::i:::::::i:::､::::::::ヽ:::､､:::ヽ::::､::::::＼ヽ､:::::::::ヽ:ミｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'::;::::i:::::::ｌ!::!ｧ､:::::::::ヾ:､rﾞ=､::::ヽ::::::::::ヽ::::::::::::`、ヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｼi::::i::i::::!:ｉi （::ﾒヾ､::'.,ﾒ（::ｿ,ﾞi::::ヽ:::::::::ヽ::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/'　i:::i::!::::::i '=ﾃ'　｀ヾ::ﾐ＝"　ﾘ::::ヽ::::､:::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　「エゥーゴの聖騎士さん？　　　　　　　　i:::!:::i:::::!. ヾ　.、　　`　　　 l!i:::::::::::::'::::::::::::::ﾐ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'i::::l !i:::'､　｀　　　　　　　　! i:::::ｌ::::::::::::::::::::ヽ`ヽ
　　　　　　　　　　　　　どうしてこんなところに」　　　　　　　　　　　'i::l　i;lヾ､. ＝=-　　　　　, ｲﾘ,:::iﾞﾃ､::::::::::::ミヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';i　il 'i:ヽ 'ー　　　　,...:':　: i! ';:i'ｼ' ｀` ｰ-=:､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　!　'i:::'、　　 ,...:'::::::　　: ! // , ', -‐'''''ｰ､＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ　`ｰヽ､::::::　　 ; ,'/／〃　　　　　｀　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ヽ､ //　〃　　　　　　　　　ヽ

　　　　　 / 　fｌ　 / |l　　　/|| ! 　＼＼　　ﾊ
　　　　　 | 　 |l 　/　|l　　/　|リ　　　＼＼　}}
　　　　　 | 　 |　/　/|　　　　|　　　　　ヽﾐVl}
　　　　　ｌ　 |ｌ/　/^|　　　　｢￣¨¨"''　　''¨}lﾘ
　　　　　 V 　/　/　:|　　　　|　｢|｢｢`　　　ﾘ｢
　　　　　 ∧V　人_.,｣　　　　|: 　じ　　　　゛{
　　　　　_{ {ﾐ`─---|　　　　| 　　　　　 |
　　　　 { ＼＼＿＿_|:　　　ﾊ　　　　　ﾊ
　　　こ＼　＼　〔77|　　　　 ',　　　 ‐　,ｲ　!
　　 =─‐==ﾆﾆﾐ〕/∧　　　　∧r‐rr-イ　!　|
　　　　　　　　　ヽ¨ヽ,　　　 V》》　|　 l　|　　　　　　　　「使節団として訪問していたところなのです！
　　　　　　　　 }　 }　　　 ∨{,　 | 　|　|
　　　　　　　　 | 　l　　　　　 Vミx|　 |l　l　　　　　　　　あなた達はどうしてここに！？
　　　　　　　　 | 　|l､　　　　　V､ | 　 |　ｌ　　　　　　あの方は居られないのですか！？」
　　　　　　　　 |　ﾉ∧　　　　 V,| 　 |l　|
　　　　　　　　 |///,∧.　　　　　Vｌ　 |　l
　　　￣¨'''￢=‐-　//////A　　　　 Vl　 |l　|

――――――――――――――――――――――――――――――――
　　お互い様です、と少しだけ微笑んだアグリアスは二人しかいないのかと
　　その姿を探すように周囲を忙しく見回した。
――――――――――――――――――――――――――――――――

97 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:07:01 ID:uiHBGRsI

二１５１．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, 　 ,,,.:-‐,,..... -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ::':ﾙ'´:ｰ''´::::≦-
　　　　　　　　　　　　　　r''ﾆ、:::::ニ＝-:､::::二ｪｪｯ=-‐
　　　　　　　　　　　　　　　 r'::::::ﾆ-､::::::::ミﾐヽ､::::::::::::::＝ﾆ＿
　　　　　　　　　　　 /:://:::::ミ､::::::::::::＼ヽ､:::::::::::::＜
　　　　　　　　　　　,':::,'::::iヽヽ:::ミ:::::､:::::::::＼:::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　 /::::!:::::ヽ:ヽ::::::::::`:::::::::ヽ:::ヽ::::::ヾヾ､
　　　　　　　　　　　　/"i::::::::::::ｉﾞ_､:::::::::!＼vヽ、:::::::::ヾ:::＼
　　　　　　　　　　　　 i:;::::l::',:li ｏヽ`ヾi. Y'ｏﾞﾘ､:::::::::::iｰ=ヾ
　　　　　　　　　　　　/ lﾊ::::',ｉﾞー" 　 ′ ー" i:::::::::ヾ､
　　　　　　　　　　 rｲ￣'",ﾆ､!:::::i.　　　. . 　　　,':j::lヾﾔ-､_
　　　　　　　　　／ |　　　l　lｻ!::iヽ　 . --､　,.ｲ::l!';:l　　　 ,ヽ
　　　　　　　　　|〉　!　　　|　l八ﾞ!　＼　￣ .ｨ'　/ｉ! i '!　　　i　i　　　　「私達はたまたまこの町にいたところでしてね。
　　　　　　　／<　';,.　　 l　| ヽゞｬ-､`＝ﾝ　_ｿ, !　i　　　 ,'　ヽ
　　　　　　　〉ヽ-`'　i!/｀`ｉｰ',　｀`-ﾆ_--‐'ﾆ-' ,'　 / ｉ　 / i　i l　　　それからご期待に添えず申し訳ないのですが
　　　　　　　/ 　' , ,,,i'´!、 l-　ヽ=- -‐-;'''´　　　　　ｌ　　, ' ,' .i　　　やらない夫は居りません」
　　　　　/　　　ﾞl　i　 'i　j/　 ,..-‐'￣　　　　　　　 !　/　　　|
　　　　　 /　　　　 ll､ヽt,ｹﾝｪ‐'´　　　　　　　　　　　 ,!'　　　　.|
. 　　　 i┴､＞ﾆﾝ`''＝ｰﾝ´ヽ　　　　　　　　　　　/ヾ!ー,-,ﾝ.i
　　　　ﾘﾝニ--/　　　, ' 　　ヽ　　　　　　　　　　 /　 |､-‐'´　 i
　　　／r'　 ii" 　　　/　　　　　　　　　　　　　　 /　　ｌ　　、　 i
　　　く lハ　l:l　　　ｲ＼　　　　　　　　　　／　 /　　<　ﾐ､､`ｰ.k
　　　　|.　　 l::',　　/ｼ　　　　　　　　　　,　'　　, 〈　　ノﾞ -ｰ､-ヽ.i
　　　　!､　　 !､::ｰ::k ヽ　　　　　　　　' 　　,　'　メ､　ﾉ　　　　`ヾ,!
　　　　　`ー-､_ﾆｨ_ ､ﾆー　　 '''' ーー '　　,　- .ﾒ∠､.　　　 /

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,､,､､-‐-､.,
　　　　　　　　　　　　　　　,､-'゛ '゛　　 `　゛'‐､,
　　　　　　　　　　　　　／　,ｒ .i　　　､　　､ヽ,　ヽ
.　　　　　　　　　　　　 / ,'　/'ｌ; ｌ､ヽ.　＼　ヽ ',　゛､
.　　　　　　　　　　　　,' :ｌ;. /　ｌ:.ｌ､＼､.　　＼　'､;　　l
　　　　　　　　　　　,' .:l:./　　'､'､.　ヽ、＼　ヽ､; :l　l,
　　　　　　　　　　　 ,' .:.:l:l,､--‐'ヽ､　`゛'‐､,ヽ　゛､l　.l
　　　　　　　　　　　 l　 ..:ﾘ､,--ｪ､　＼ ,ｨ''‐‐ｧ゛､:.　/
.　　　　　　　　　　　l　　.l　ヽｰ'　　　　.｀'‐‐'　 l　:.:lﾉ
　　　　　　　　　　　l.:　:.l.'､　　　ｌ;　　　　　ﾉ,　.:ｌﾉ､
　　　　　　　　　　　ｌ　　ｌ. ヽ､　　､ｰ‐　　,イ:.:.l　:.l/）　　　　　　　「………そうですか」
　　　　　　　　　　　ｌ　 .:ｌ.　　゛i ､., 　　　／ .l.:.:.:l　.:lｨ゛
　　　　　　　　　　　ｌ　.:ｌ　　　'､,､l゛'0''゛-‐-l:.:..:l　 l 〉
.　　　　　　　　　　　 l　　l　　　 l'"゛ｌｌｌ::::::::::::::゛）;ｌ.　ｌ/
　　　　　　　　　　　ｌ　　ｌ　　　ﾉ::::::ｌｌｌ:::::::::::::::（:.ｌ　　ｌ
.　　　　　　　　　　　ｌ　　ｌ,､‐'゛':::::::ｌｌｌ:::::::::::::::;;;;`ｌ:.　ｌ,,
　　　　　　　　　,､-i　　 lヽ:::::::::::::l ｌｌ:::::::::::::::::::ﾉｌ　ｌ:::゛"'‐-､,
　　　　　　　,､-'゛:::::ｌ　　ｌ､ヽ::::::／人ヽ:::::::::::::::ｌﾉ　ｌ:::::::::::::::::::゛'ｌ

―――――――――――――――――――――――――――――――
　　やはり、そのような奇跡はあり得ない。

　　アグリアスは口の中だけで呟き、そして、
　　自分が思った以上に期待していたことに気付いて内心驚いてしまう。
―――――――――――――――――――――――――――――――


	99 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:08:17 ID:rShDtFkA かすかな希望にだってすがりつきたくても・・・実際問題どこから手をつけるのか・・・焼け石に水ってやつだよなぁ・・・

98 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:08:05 ID:uiHBGRsI

二１５２．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　酒場の噂でミネバ王女が訪問している事は耳にしていたコナタが問うと、
――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　,,=＝=､､
　　　　　　　　　　　　 //　　　　ヾ､
　　　　　　　　　 l:|　　　　　　ヾ.
　　　　　　　＿＿!__/:ヽ､＿＿_l|_
　　　　　　,. -‐_´:-: : : : : l: : : : : : : : : : :`: .､
　　　／‐／: :,: : : : : :, :l: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　／: : /: : : : : /: /l: : : : ﾊ: l: : : : : : : l: :｀､
　　　 /: ,／/: :/ : : :_LＬ_l: : : l:l レA､:_: : :､: l : : l
　　　/／//: : :l : : : ∧/　l: : : ﾘ　l: |丶:｀: : l: l: : :l
　　／　//l: : : l: : : /_V＿ヾ: : |l　_ヾ__ヽ: : : l:ll: : :l
　　　 /│: : ,､: : :lT亦テl ヾ: l　 T示┬l: : W :､:l
　　　　　　l : ハ: : ﾊ｀､'::,┤　ヾ　 P:,:::ﾉ'lヽ: ﾄ｀,:x
　　　　　　 V　ヽ:l: :l　`''´　 ,　　　`''´'．: ヽl_ノ: N　　　　　「こんなトコにいて良いの？」
　　　　　｀　　N: :ゝ､_　　 _　　　　.ノ : : N : : l
　　　　　　　　　│: : :|　 ≧ t　- ＜: : /: : :ﾊ: : :l
　　　　　　　 .l : : :|.／　|,─ ､./　//: : : l: l: : :l
　　　　　　　　 .| : : :|　　 |ィヽ/　// : : :/彡l､: l
　　　　　　　 |: : : |　　.| ⌒/　//: : : /〃彡l l
　　　　　　　　 |: : : |　　.|　/　// l l　/,´／　 |l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　-──-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾊ　　　　､　　 l　 l:...|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:l＼　　ヽ　ヽ　 .l　 l:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:l 　＼,. イ　　 l　　}　ﾉ:人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！ﾐ　 ´i::ﾉ人　　V⌒).イ｀ヽ＼
　　　　　　　　　　　　「フリートを援護せよと　　　　　　　　　　　　　ヽ:l　　　　 ';　 l _ノミﾐﾐヽ.: .ヽ＼
　　　　　　　　　　　　ミネバ王女のご命令なのです。　　　　　　　　　　　,.小　__ 　　ﾉ　「_⊥ミﾐ:ミﾐヽﾉ. :人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　}　ヽ __,. イ　 /.:.:.:.:.:.ﾄミﾐヽ彡'.:.ﾉﾊ
　　　　　　　　　　　　もちろん王女は護衛と侍女を連れて　　　　　　 /　/　　.:::::ﾉ/　 /.:.:.:.:.:.:人ミ辷彡'ﾉﾉﾊﾊヽ,. -─- ､
　　　　　　　　　　　　すでにこの町から脱出されております」　　　 /　/ 　,. ィ´/　／.:;.ｨ´／ /´ ￣￣｀`ヽ彡'ﾉﾉ´ ￣｀ `
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　／/　/ イ.::://:/　 /　　　　　　　ヽ￣｀`ヽミミﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　/　/ ./　/ __」ｲ/:::′./　　　　　　　　 j　　　　`ミﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/′/ / ／　　　｛::::l　/　　　　　　　　／`ヽ　　　　ヽﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛　1　´ 　　　　ヽ:ヽ＼　/`ｰ-----‐'　　　j!　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Vハ　　　　　　　＼＼＼ヽ　　　　__ ,.. イ

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　後顧の憂いはありませんと覚悟を―――
　　最悪、母国ではないここで死ぬ覚悟を決めているかのような表情で彼女は頷いた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

100 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:09:01 ID:uiHBGRsI

二１５３．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　逆に、復讐を遂げるまでは何があっても死ぬわけに行かないエルは、
　　そんなアグリアスの横顔をしばし見つめてからどうするかを決める。
――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ハ :::: :::: :::::::::::.::::::::::::::::ヽ::::::::､::::::::::::ヽ ::::::..ヽ::::::`､ :. ::::::ヽ :::::.:.::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|／| ::: :::リ､:::rＮヽ＼::::ヽ､::::ヽ､::::::丶＼　::.＼:::::ヽ .:. :::::｀ヽ‐- ､_:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ﾊ ::.:.::!　V　/　＼ヽ::i ヽ:::| ｀ヽ::､::｀ヽ丶､:::丶､::､ :::::...､::::＼　｀`ヽゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ヽ.: ::l 　　/　　　　ヾ　ヽ:i　　i| ヽ::::ヽ＼｀`'' ‐---::::ヽ:::＼rヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ';:: :! 　〈　　__　　　　　ヽ　　|　 ',::::::: :＼:.::､｀ヽ:＼::::::ト､::丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:: ﾊ　　`　　　　　　　　　　　 }:::::::. ::::ヽ::ヽ::.:＼:ヽ､ヽ　｀` ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/l:ハ　　､　＿＿　　　　　　　ﾊ:::::.::| :i:.:ヽ.:i::: :､:ヽ}　｀`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノﾉ'　l心　　`ー‐一`　　　　　 ,. '|:::::::| :| :.::.N :;､!`､ヽ
　　　　　　「………コナタ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ハ　　　　　　　　　,　'´　i!::::::| ::|　:.ハ | ＼ヽ!
　　　　　　私達は彼女らに同行しましょう」　　　　　　　　　　　　　　　ﾘヽ　　　　　 ,.　'´　　 ,/!/ |: :::､　!　 i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　 __,.ノ/ 　ヽ __,,.　'´　　　　　ノ　l,ｲ:: ﾊ:{ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..､,.ィ"r''"´　 .:::　　　　r　　　　　　　　　/ /　|､:! ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.. -‐''"´　{　　ヽ　　 r　　 i　ヽ＼　　　　　　／　　　: ヾ丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　 |　　ヽ＼　　　　ｌ　　＼!　　　　　/　　　　　　ヽ　｀ヽｰ-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　ヽ　＼　　ヽ　　　　　　　　i　　　　　　　　　　ﾉ /　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　 |　|　　　　　　　､　＼　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　／ / r　　　｀`丶､

　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　／￣｀ヾ:`:.
　　　　　　　{　　　　　ﾞ!:.}
　　　　　　　　/:＼＿,∠.._
　　 _,. _-_:‐:‐:|: : : : : : : : ､:｀: .、
　　　　／´: i.:,!: : :|:i!: ､: : :丶: : ヽ
　　／ｨ: : : ｌl. !: : |:!､ﾄ､: : : : ＼: :i
　 .//./: : : ;1! ∨: l|_､斗‐: : : :ﾄﾞ:､
　〃　!: : : {T￢Ｖ:.{. __⊥:ヾ: : l: : !
　'′ |: :.;!:iﾊ_z=T ﾞ､:. T不l ハ: l: ;l
　　　.ｌ :ハl:::i ヾﾂ　 `　ﾞｰ：i::::ﾍ:|/
　　　 V　ﾞ!::ﾄ..,,_　 ,､　_,､ｲ:::::バ'　　　　「うん、いいよ」
　　　　　　 l::::|::::::;ﾌﾌ .,!'ﾞ'l: :/:::::i.
　　　　　 l!::|／/´>'゛_,!:./ｭ::::::l
　　　　　 l};.|i!.j /,,-''.ｲ/‐￢;::::l
　　　　　　./ ﾞ{､i!/''／// 　　 i::::!
　　　　　 / _,,.-火ﾞ､　'"i　　　　i:::i
　　　　　ﾞく　　ｨ､　＼j　　　　,l:::|

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　知らない間柄ではないし、エゥーゴでは彼女の神聖魔法に助けられた事もある。
　　このまま別れを告げて立ち去るには心残りな縁だと思ったのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

101 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:10:01 ID:uiHBGRsI

二１５４．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　ただこの選択は―――

　　アグリアスや彼女の部下、そしてエルとコナタ自身の未来を大きく揺さぶる事になる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　-‐…‐- 　 .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..　´::,,..　ヾ　　　　｀ﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ　 ! ヾ､　　　　ヽ　　　　ﾐ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 〃ヽ　ヽ　ヽ　　　　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 /, ﾄ､　ﾄ､　、、　､　　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ. / И､＼ヽ＼弋ヽ、ﾍ　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　.,'´　ヽヽ　｀`斗ﾍﾍ　　 ! 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ: :ｆﾃｧz､　　ィﾗ〒7}　　1|: :　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　:|　じ'　　　　じｿノ{ 　　|〃/ヽ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　:1　　　　　　　　　　| 　　| /ヽ　》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 :人　　　　　　　　/ 　　,|《彡ヽ
　　　　　　　　　　　「ありがとうございます、　　　　　　　　　　　　　 /　　:::./＼　「￣ヽ　　/　　 ∧彡,／ﾞ＼
　　　　　　　　　　　あなた達が一緒ならば心強い！」　　　　　　 /　　 /　./.,＞-､　-イ/ 　　/ :ﾍ／/／ミ}＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,/ 　γ´/　 /r-ﾍ＿,イ　　 /: : : ﾍ/ｰ-:.:∧ミヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　/　/　|/: : { 「 [_ / 　　/: : : : : :＞-‐… ‐-、＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　,/　Ⅳ,/´: : :| |　|/ 　　/: : : : ／　／　　　　　ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 ,〃// /::: : : / / / 　　/: : : : /　　/　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　＼ー-- ､,,_ー=ミ‐-..､
　　　　　　　　　　　　＿＿＿ﾐ::::::::::::::::｀¨ミヽ､::::::ヽ.
　　　　　　　　　　＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::ヽ
　　　　　　　　　ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､
　　　　　　　ー=ﾆ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j::ﾊ
　　　　　 --─=＝ﾆ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾミ:::::::::::}
　　　　　　　 ,,ｨ彡:::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡ｲﾊ::く
　　　　　　／::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::l::::::::',
　　　　／---─ｧ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::／:::ﾘ:::::::}ﾊ
　　　　　／/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ:::ﾂ<彡'/:::;イ::::::::::l:::|
　　　　　　　　/::::ｨ::::::::::::::::::::::::::,ｨ/ 　¨''=ｲ _,ｲ:::ｲﾃ ::::::::::ハj
　　　　　　 _,,ｲ／/:::::::::::::::::::::ｲ/ |　　　　　ノ　|¨ .::::::ｲ/
　　　　　　 ∠ イ:::::::::ｨ::/ .|　　　　　　､ _｣ｲ:／.j'
　　　　　　　　　　/ｲ:／ .|ｲ　　＼　　　‐--- ／|:/　　　　　「あまり期待はしないでくださいね。
　　　　　　　 __ ｲ　　 j　　　　　＼　　ﾞﾞﾞ／　.ｿ
　　　　　　　　 /＼　　　　　　　　／ヽ- '　　　　　　　　　　この町はそれほど土の精霊力が強くはないので………」
　　　　　　　／　　ヽ､　　　　　_ ｲ
　　　　　／　　　　　　ヽ､　　Y
　　　　 /　　　　　　　　ー┴､
.　　　/　　　　　　　　　　　　　 |


	103 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:11:36 ID:RFMqLdos べヒーモス召還はエゥーゴだからできた事だよなぁ・・・

102 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:11:01 ID:uiHBGRsI

二１５５．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､-─'''''''''''''─-､､.__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ ,､-'´-‐'´:.　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::.｀`ｰ-- ､::::::......　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ヽ､:..　　　｀`‐- ､　ー‐- ､＼ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾍヾ:..　　ﾞヽ､　　　｀ﾞヽ､　　｀ヾ､ヽ:.. ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　//:::::ヽ:ヽ､_　　 `ｰ-､__　　ﾞヽ､　　＼::.　l、
　　　　　　　　　　　　　　　　 //|::i:::::|:ﾄ､:＼｀`ｰ-- ､..___,. -─ ＼　　＼:|ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　|;'　|::|::::|::i|. ＼ヽ､　　　 'ﾞ ,ｨｼ;;;;;;ト､ミヾ､　＼.ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　 ||　|:::|::::|::|l:!-''ニﾆ;ヽ　　　　ゞ- 'ﾞ　|　|｀`ヾ､　＼
　　　　　　　　　　　　　　 |!　| :|:::::|::|ﾄl!r'iﾞ..:;;;;l　　　　　　　　 |　|　 :|　＼　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 |　 | i|:::::|::l:::ヽ`ｰ''"´　　i ,　　　 / /::: :::|　　:::ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　! ／ハ::::l::ヽ:::ヽ　　　　 __.....,　u.///!:::: :::|　 i::::|:. ＼.ﾞ!　　　　　　　「と、とにかく西地区を捜索しましょう！
　　　　　　　　　　　　　　　 /／:::::::ヽ:ﾞi,ヾ､:ﾐ､　　 ´ｰ‐　　　/　||:::: :::|i　 |､|::|::.　ヽ　　　　　　コウ王子の安否が気がかりです！」
　　　　　　　　　　　　　　／:::::/　 ..::::>ミヾ:､　｀`‐ ､._　　／!／ |:::: :::|:|　 |川:::::　 }
　　　　　　　　　　／/ .:::/　 ..:::::/　|: |　`　 lく|　　｀ﾞ´__/ .....:|:::　::|::|　 |リ::::　 /
　　　　　　　　　　／／　.::/　../...:/!　 |: |.　　　|. ￣「「「 ,/.::::::::|:::　:::| |　 |ﾌー‐ァ──‐- ､
　　　　　　　　　／／::　.:::/ /:/..::/ |　　|: |　　 ,ﾉ::::.. | | | /::::::::::|:::　|:::|/| ::|/::／　　　　　　　＼
　　　　　　　　／／/::　.::/ /::/! /|:: |　　ﾞi: |　／ヽ　::j j |.,':　　 j　/:!　! |...|／　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 /:/　,/:: 　 / /::/|:: | |:: |　＿|: l´　　　 .j j j |::::..... /　|‐|　| .|::/　　　　　　　　　　　　　ﾞi
　　　　　　 //　 /:/　.:/ /::/ .!:: |,.|:: |´　 |:ヽ!::..　　 /ム_ﾞヽ､: /　:j::::|　| //　　　　　　　　　　　 |
　　　　〃　 //　.::/.:/::/　.|:: | |:: |　　|:::::::ヽ:..／´￣｀ヽ､// /:::::|　l//　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　 /　　l / /.::/::/:/ ／|:: | .!:: !　 |::::::::／　 /|　　　 /::/:| ＼| //　　　　　　　　　　　　　　 |
..　　　 /　　 | |/ :::|:::|::/ /　 |::.!　|::.|　j:::／　　 ./| |　　　 |:::| | ＼　r'´￣｀`ｰ､　　　　　　　　　　 j

―――――――――――――――――――――――――――
　　そう。

　　復讐のための安全を第一にするはずの二人は、
　　この邂逅、この選択により最前線に向かうこととなったのだ。
―――――――――――――――――――――――――――

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━…

104 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:12:01 ID:uiHBGRsI

二１５６．
━━━━━━━━━━━…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

―――――――――――――――――――――――――――――――
　　総勢九名は大雨の中を駆けた。

　　すでに西地区に人影は殆ど残っていない、
　　雨に打たれた焼け跡に混じる、じっとりとした焼け死んだ人の臭いが
　　ただ陰惨な被害を表しているだけだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――

　　|i　　　　i　　　　　!　　　!　　　i　　　　　i
　　　　i　　　i　|i　　　　　　　　　　i|　　　　　　i　　　　　!　　　!　　　i　　　　　i
　　　　　　　　　　　i　　　i　　!　　　　　i　　　　　　|i　　　　　　　　　　i|　i　　　　　!　　　!　　　i　　　　　i
　　|i　　　　i　　　　　!　　　!　　　i　　　　　i
　　　　i　　　i　|i　　　　　　　　　　i|　　　　　　i　　　　　!　　　!　　　i　　　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　i　　!　　　　　i　　　　　　i
三:/:三Zzヽz 　 . i　　　　　i　　　　　!　　　!　　　i　　　　　i　　i　　　　　!　　　!　　　i　　　　　i
Ｚ/｀ヽ、三ヽ､zヽ　i|　　　　　　|i　　　　　　　　　　i|　　　　　　|i　　　　　　　i|　　　　　　|i
:/三三ヽ､三z:ヽ､三l ィ i　　　　　　i　　　i　　!　　　　　i　　　　　　i　　i　　　i　　!　　　　　i　　　　　　i
─r 、Z/:;＼ Z zヽ､三ヽヲ ZY'"ヽzヽ三Zヽ,　　 i　　　　　i　　　!　i　　　　　!　　　!　　　ii　　　　　!　　　!　　　i
三|Zヽ/三l Z＼ t7/Z/7三三lZヾ7三ヽ三Zん l　　　　!　　l　　　　　　|i　　　　　　　　　　i|　|i　　　　　　　　　　i|
!ソ､_/三Z＼三ZVZ:://三三l 三l ヽ三ﾍヽ三>　　　　　　　　　　　　　 i　　　i　　!　　　　i　　　　　!　　　!　　　i
＼三ヽ、三Zヽ/ヲ>//三三l三シ Zl 三Zヽ´三ヽ/ｼ r─-.,＿_,　　　　　 l::::l'￣：l::::　　　|!　　　　i|i　　　　　　　　　　i|
:::::ヽ 7三ヽ､三!三V/三ヽ三ﾉﾆ l三ﾍ三Zヽ三三｀ヽ､三三三三三三Z<-､：-r'_,.ﾉ.　 .!　　　!　　　　ii　　　i　　!　　　　　i
::::::::l|;三/ /ヽ/三 Z!三Z:ヽ/ ／三 - ､三三ヽ＿,. -‐ ｀l!三三三γ⌒｀/｀'-z_jﾍ-'──'＾ヽ三三 r-!,Zl !lZヽ　　　i 　　!
:::::::::lヽ/Zl三:ヽ三j-へ- , X -‐≪ 三l l三三三三ヽ,／j!-<三／　jl　　!1ヽ,八.j:::l'　, '　　〈三三!t::l r‐'"~ヽヽZヽ三三ヽ
::::::::::＞-,ヽ三_l／:::::::::l:::::lZlヽ三三三V,> ､三三三'"＾l_,.j_,／　　 '　　　ヽ::l　 l:::l　 _,.　.,-ノ三j＾"':::j l::::!:::::::l7三三￣￣
:::::::::!::::::::'ｰ.,_Z!j::::::::::::::l:::/-‐'ﾞゝ、三l／ヽ,-' >‐- ､三三／　_　　r─- _　.l::l　l::(　r-,　 |Z_,-'´::::::::::l::::::::, -‐'ヽ三三三Z|
::Y´⌒ヽ!::::::::l-':::::::::::::::;√=-::::::::＼!:::::ヽ_,ノ::::::::::i !ヽz=＝=,/;:ヽ-Z_,::::::::｀ヾj-lノ_,.j:::::l　.|/- ､ r-‐v-,:::::::::::::::::::::::::::::_,.-'::|
:::::~￣｀'::‐-z:-<:::::::::::::::::::::::_,:::-‐ , l:::::::::::lｰ::r - _::::::::_,. -‐":::::::::::::ヾ}:::::::::,::､::く´::::!:::::V⌒t::::::ヽ::: l:ヽ､_,.'^‐-,:::::_,‐´::::: : |
　　─ z　＿＿＿＿_　　　_ ,. - ─ - z _ -─ - ─ - 一‐- ､, ...,,::::-─-一γ＾ヽ'￣｀' ‐- v , . ; : : : '^ー-z>':::::_,.::::､::!7
　　　　　　　　_ , . 　ｨ -z＿,. - ──- .,_　 _,. -─＜　, . . . . . .- -───────一 -　 --...,,_　　　─ - z＝=z ─
-‐─''""~´￣_ , .. -─ -=＝＝＝=＝＝=ニ＝= - -　￣｀~' ー─一 - - -　　- ──一- - - ‐'"￣ - , . -‐'"｀'ー - ‐
　 _＿., -‐''"´　　　　　　　＿,.　　　,. -─＜　, . . . . . .- -───────一　　　　　　　　 -──── ─ ─ ‐ -
￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　　　　￣ "　　_ ,.　　　　＿ _ ,.　- ─ ─一 ‐-　, ￣￣z= ､　＿ _ 　_
z=z_　 - , . - r7　　　　　＿＿,. -‐'´＜＿ , .... - ─ - , . -─ '''"~´￣　　　　　　　　　　 '　"　ﾞ　　　　　 z＝z_,. -=z、
　　 _,.　　- ──一' ＿　　￣｀'⌒"｀　,､　_,. 、　､ _ _,.　,:　　　　"　　　　　　　　　　　 _, .　　-─ '"'＾｀'"￣: : : :_,. -‐': :

105 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:13:03 ID:uiHBGRsI

二１５７．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　いまだ熱を帯びて水蒸気が立ちこめる大市場跡地の地面は
　　一部が溶けて変形したりしている。

　　直撃を受けた犠牲者は熱さを感じることもなく蒸発してしまったのだろう、と思うだけで
　　言いようのない恐怖がエルの背筋を冷たくなで回した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　 , '::::::::〃:::::::::::.i::::::::ヽヽ:ヽ ::::::､::::::::::::::::':::､､,__
　　　　　_ｨ:::::::::〃::::::::::::l!::!:::::::::::＼ヽヽ:::::ヽ:::::::::::::::::::t=ｰ-.
　　　 _ｨｼ='7:::〃::::ｨ''|!i:::!i::,::::::､::::::ヽ::::::':,',､;,:::::::::::::::::::::ﾝｯy､,_
　　´"　　/::::::/:::/,.-ｬj:::l 'i!';::::i＼::::ヽ:::::::',',',i!::::::::::::::f"''''＝=-''
　　　　,.ｼｨ::::::::ｿ !. (::)ﾘ!　ﾍ',:::l,,､ﾇ;:::ヽ::::::',',',':::::::::::::::',
　　　〃ｼi::::::::ｌ　｀""゛　　` 'ﾘ (:::)ﾔ､:ヽ:::!:','::::::::::::::::',
　　　 '　'　.ｌ::::::::l　　　　　　ヾ'''''" Y:::::::::::::!::::::::::::::::',
　　　　　　i::/ｌ::::!　　　ヽ　、　　　　ｌ:::::::::::::::'::::::::ｯ::::::',
　　　　 l/　!:::'､　ｧ､.　　　　　　　 !:::::::::::::::::ｫ:::::!';::::::',
.　　　　 ,!. 　|/ ';､. ヾﾐ.`j 　 u. 　 ,イ::ｧ:::::::::::::::i '､::',ﾔ::::､
　　　　　　　　" . ';ヽ　　　　　,､y'´ /ｼｌ::::::ヽ:::::ｌ　ヾ;　゛丶
　　　　　　　　　　'|!`=tｰ:::'"／　 /'　ﾊ::;::::il!';::!　　　　　　　　　　「凄まじい………」
.　　　　　　　　　　　　'i::: '　　　　　　　ﾘｿヽ'ﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　!'i　　　j　　　　 ~ヽ
　　　　　　　　　　　　　　ﾘ､　／　 ―ー '''"""f,
　　　　　　　　　　　　　 / _冫'''~ 　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　／ ´　　 ,､　　　　￣~ ヽ　 'i
　　　　　　　　　　　l!~　　　　/　　　　　　　　ヽ.　!
　　　　　　　　　　　ｿ. 　　　/　　ﾝ　　　　　､　',　l
　　　　　　　　　　 /　　　 /　　 / 　　　　　',　', 'i
　　　　　　　　　　/　　　 '　　 / 　　　　　　 i.　', ｌ

　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　-──-　、
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　,ﾊ　　　　､　　 l　 l:...|
　　　　　　　　　　　 l:l＼　　ヽ　ヽ　 .l　 l:.:.|
　　　　　　　　　　　 l:l 　＼,. イ　　 l　　}　ﾉ:人
　　　　　　　　　　　！ﾐ　 ´i::ﾉ人　　V⌒).イ｀ヽ＼
　　　　　　　　　　　　ヽ:l　　　　 ';　 l _ノミﾐﾐヽ.: .ヽ＼
　　　　　　　　　 ,.小　__ 　　ﾉ　「_⊥ミﾐ:ミﾐヽﾉ. :人　　　　　　　　　　　　「これは極大の息による攻撃？
　　　　　　　　　　　 /　}　ヽ __,. イ　 /.:.:.:.:.:.ﾄミﾐヽ彡'.:.ﾉﾊ　　　　　　　　　　　ﾌﾚｱ･ﾄﾞﾗｺﾞﾝ
　　　　　　　　 /　/　　.:::::ﾉ/　 /.:.:.:.:.:.:人ミ辷彡'ﾉﾉﾊﾊヽ,. -─- ､　　　　　奴は紅炎竜（※）が邪竜化したものなのでしょうか」
　　　　　　　　　　/　/ 　,. ィ´/　／.:;.ｨ´／ /´ ￣￣｀`ヽ彡'ﾉﾉ´ ￣｀ `
　　　　　　　 /　/　／/　/ イ.::://:/　 /　　　　　　　ヽ￣｀`ヽミミﾐヽ
　　　　　　　　　l　/　/ ./　/ __」ｲ/:::′./　　　　　　　　 j　　　　`ミﾐヽ
　　　　　　　　　l/′/ / ／　　　｛::::l　/　　　　　　　　／`ヽ　　　　ヽﾐヽ
　　　　　　　　　｛　1　´ 　　　　ヽ:ヽ＼　/`ｰ-----‐'　　　j!　　　　　ヽ
　　　　　　　　　Vハ　　　　　　　＼＼＼ヽ　　　　__ ,.. イ
　　　　　　　　　　い::ヽ　　　_ ＿ _ 　　　爪　ミｰ __--‐‐イ{L_
　　　　　　　　　 /ﾉ::::.:.::.｀Y´.:.:::::::::::.｀`Y´.:.:.:/ヽ辷三二ﾆ彡人　｀ヽ
　　　　　　　　／l.:.:.:::::::::.:.ﾉ. : : : :.: .: .: ;′.:./　ﾉ. :. :. :. :. :. ﾉ　l1　 j!
　　　　　　　/　　￣｀>.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::{　〈 .: .:. :.:.:.:.イ　　 l1　j!
　　　　　〈　　　　/.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::(　　「￣￣　 1　　ﾘノ

※紅炎竜：火属性の高位竜


	107 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:13:45 ID:rShDtFkA ハッピーエンドがまったく予想できない分、このパーティにも良くない予想ばかりが出て仕方がない

109 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:14:03 ID:uiHBGRsI

二１５８．
―――――――――――――――――――――――――――――――
　　気になるのはこれだけの破壊を可能とする技能が何であったか、だ。

　　たしか父親が高名な竜学者だったはず、と知らない単語を問うと、
―――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　 ,..::;ﾆ＝-､
　　　　　　　　　 i::/　　　、
　　　　　　　　　　　,ゞｰ--‐::':::|,..-;:ァ
　　　　　　　　　／:::::::::::::::;::::::::!::::::｀丶、
　　　　　　　　/::/::::::::::/:/|;:::::;!i::i::::::....､ヽ
　　　　　　 l:/::;'::::'オ/|::|:::/:廾!::::::::::ﾞ:.ヾ:、
　　　　　　　 ,!,イ:::::/ !':|:l::l::/::::::lﾊ:::::|;;::::l
　　　　　 /i:::::!::/ｉTﾆT::,!;':::ｲﾆﾘ,!:::l｀､:|
　　　　　　 !:（|:'!::l::ﾟ‐':::/:::::::ﾟ‐：!:}::!　ﾞ!
　　　　　　 |::::M::::!､　　_ 　 .ィ:i!ﾘ　　　　　　　「エル、極大の息ってなに？」
　　　　　　 |::::|:::l:::ﾚﾞ'ﾏ￢＜:!::|::|
　　　　　　 !::::|x<!:l　 |―|　,l:::|:::!
　　　　　　　 l::::::;!ヾｌ:ﾄﾐヾ、l〃!:ハ:|
　　　　　　 ,':::::::|　ヾ＞ﾐV∠}′ i|
　　　　　 l::::::::{　,r=-=ニＬ._〉,ノ l|

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':::,'::::iヽヽ:::ミ:::::､:::::::::＼:::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::!:::::ヽ:ヽ::::::::::`:::::::::ヽ:::ヽ::::::ヾヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /"i::::::::::::ｉﾞ_､:::::::::!＼vヽ、:::::::::ヾ:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:;::::l::',:li ｏヽ`ヾi. Y'ｏﾞﾘ､:::::::::::iｰ=ヾ
　「ドラゴンは意外に器用でしてね、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / lﾊ::::',ｉﾞー" 　 ′ ー" i:::::::::ヾ､
　息の属性は一種類なのですが　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rｲ￣'",ﾆ､!:::::i.　　　. . 　　　,':j::lヾﾔ-､_
　射程や形状をある程度変化させられるそうです。　　　　　　　　　　／ |　　　l　lｻ!::iヽ　 . --､　,.ｲ::l!';:l　　　 ,ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |〉　!　　　|　l八ﾞ!　＼　￣ .ｨ'　/ｉ! i '!　　　i　i
　たとえば火なら拡散する帯状の炎にしたり、　　　　　　　　　　　　　　／<　';,.　　 l　| ヽゞｬ-､`＝ﾝ　_ｿ, !　i　　　 ,'　ヽ
　細く絞った熱線、溜めに溜めた火球にする事も出来るとか」　　　　　　〉ヽ-`'　i!/｀`ｉｰ',　｀`-ﾆ_--‐'ﾆ-' ,'　 / ｉ　 / i　i l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　' , ,,,i'´!、 l-　ヽ=- -‐-;'''´　　　　　ｌ　　, ' ,' .i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　ﾞl　i　 'i　j/　 ,..-‐'￣　　　　　　　 !　/　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　 ll､ヽt,ｹﾝｪ‐'´　　　　　　　　　　　 ,!'　　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i┴､＞ﾆﾝ`''＝ｰﾝ´ヽ　　　　　　　　　　　/ヾ!ー,-,ﾝ.i

――――――――――――――――――――――――――――
　　指をぴっ、と立てたエルはやはり、事も無げに解説してみせる。
――――――――――――――――――――――――――――

110 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:15:01 ID:uiHBGRsI

二１５９．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　あのときの閃光はまるで地表に太陽が現れたかのようだった。

　　こんなのぱかぱか撃たれたら適わないよ、とコナタは顔を青ざめさせるが
　　エルはもっと別の―――もっと強大な竜の力によるものでしょうと見解を述べる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　 _,-,ﾆ二ニ=､
　　　　　　　　／／
　　　　　　　 /:/
　　　　　ヾ`､
　　　　　　　　＞+:‐: ´:￣: ￣: :`:'￣:l.､＿＿＿,／
　　　　　　／: : : : ／: : : : : : : : :/ : : l: : : :く‐´´
　　　　 /: : : ／: : : : : : : :/: :/: : : : l: : : : ､:＼
　　　　　l: : : /: : : : : : : : :/: /l: : : : ∧ l: : : :ヽ: :ヽ
　　　　 /: :/: :/: : : _,:_∠Ｌ､:::/: : : /::::l l: : : : :ヽ: : ヽ
　　　 l: /://: : : : :／::/':::::/: : : /::::-H､: : : : : lト､: ヽ
　　　　l://://: : : ｲミ土=､_/: : :/:::::::::l∧: : :l: : :l　｀ヾ､
　　　　l/: :l l: : : ｲ:llo:::::::/:::/://:::テﾃヵl: : :ﾊ: : l
　　　 l: : :l: l: :/.:l.:l し: 」:::::l/:'::::::P::::/'/l: : :l:N: :l
.　　　 l: : : W/: : N　　　　　　､ `‐':::l::l: : lN　V
.　　　 l: : : : :ﾊ: : : ト､　u. ー=　　　ノlﾊ: :ハl　　　　　「じゃあこれは………
　　　 l: : : : : :､: : : 「ﾌ｀‐- ,､-┬:Ｔ´: :l　l/　　　　　　その、溜めに溜めた極大の息の仕業なの？」
.　　　l: : : : :,レ､: : :ヾ､　　/､｀Y/:l:l: : l
　　 /: : :rﾆミミヽ: : ヾ､-─┤ `┤: : l
　　 /: : /￣＼ヾヽ: : :ヾ､　　 l　　ll: : l
　　/: : /　　　ヽヾヽ: : lヽ　　l　 /l: : l
　 /: : /　　　 l ＼ヾ､: l ヽ　 l //l: :/
　/: : :l　　　　 l ハヾ､l､､l　 l////l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' i l::::::入:::::::､:::::::ヽ::::::::ヾ ::',:::ミﾆ-､_::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 /,i! l:::ン　ヽﾐ::::iヽﾐ::::､:::::::::ヽ::',:',::::`ｰ-`:.､::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 iｿl|.／　　　`ﾞ'､｀ヾ::::ヽ:::::::'::',!',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　「………いえ。　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　　l!. l!ヽ､_　ー　　　ヽ　＼':,ヾ:::::::'!i'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,-
　　　　　エルダー級の紅炎竜といえども　　　　　　　　　　!　'i!; l|!ﾞi　　　　　　　　　ﾞ'ｬ,＼､:::::::::::::i::::::ｬ::ヾ､:::::: ／／
　　　　　ここまでの威力があるとは思えません。　　　　　　　　　li､ l!:i　　　　　　　　　　ヽ `ﾞYi:::::::ili:::::i',ヾi;,'／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ!ヽ::`ｬ-⊆＝ｯ-　　　　　　　i:!;:::::i! ',:::l ' ,Y ／
　　　　　私は竜語魔法によるものと予想します」　　　　　　　　　　　ヾ､,ﾍｧ'｀　　　　　　　　 l!';::::i　ｿ! /!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　　　　　　　　　ﾝ'i:ﾘ　ﾘ'/!i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　　　　　　_,.-'"'　ｿ　 '/ｉｌ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　 _,_'"::::　　　ﾞ ,r ' ￣　　` ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､＿_､ｼ'ﾞ'"ﾏTﾐヽ　／　　　　　　　　 `ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽｿ

111 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:16:01 ID:uiHBGRsI

二１６０．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　もちろん、その予想はこれまで伝えられてきた邪竜に無かったはずの技能であり―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　,､‐'"´　｀ﾞヽ.､
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　,　ﾞ､
　　　　　　　　　　　　 ./　　　　　　　　　　.ﾊ. i　ﾞi
　　　　　　　　　　　　.,ﾞ!　　／　　　　 ,　.ﾉ　!.!.　ﾞ,
　　　　　　　　　　　　j.|　　/　_,､-'._,､ｲ／　　!|　　!
　　　　　　　　　　　　l.l　 /イ'';Kﾞﾞ´ ／.-‐''''' ﾘ　;. |
　　　　　　　　　　　　l.| , ,|　｀ﾞ"　　　 'ﾞL;ﾉ> ﾉ /　|
　　　　　　　　 j |.! ﾊ,　　　　　　　　 ,ｨﾞ./　 .!
　　　　　　　　　　　/ .!| .l:::ﾄ､　 _ﾞ_ '　　　.ノｲ　　 .|　　　　　　「ですがローライト殿。
　　　　　　　　　　　!　ﾘ .|rj　ヽ　ｰ｀ ,.ィ'´　|i　　 .|　　　　　　邪竜は竜語魔法を使わないはずでは？」
　　　　　　　　　　　|j. |　ﾘ::｀'ｰrﾐ';=''-‐'|　j.ﾉ.|　　 |
　　　　　　　　　 /_j　 |:::::::::i　十;j::::::l､./　.|　　 |
　　　　　　　　 _,､‐'´ |　 |::::::::::|. （（:::::::::｀ヽ､!i.　　!
　　　　　　　,＜;:::::::::::!　 |:::::::::l　 l　(::::::::::::::::!.|　　,ト､
　　　　,r''"´　　ﾞヽ;::::j　 .|::::::::ﾉ .人, ﾞヽ､::::::::j.ﾘ　　!|:::ヽ,
　　　/:::::::::::::::::::::::::ﾞ;:!　　レ'´／　　ヽ､.｀ヽ/:l　　.j.!::::::::ﾞ､
　　　|::::::::::::::::::::::::::::j　　 | ／　　　,.､,　ヽ､｀'!　 /:l|::::::::::::l,
　　 .l::::::::::::::::::::::::／ l ､　|　　ﾄ､,／ .| ヽ,.イ｀'|　./ﾞﾒ;::::::::::::/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／!/ヽ::::＼::ヽ＼ヽ､::::::＼ヽ:::::::::::ミ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::!i::::',ヽ::iヽ＼:＼!::＼ヽ::ヽ`::::::::::ヽi.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //:::::i:::::::'.,ヽ:i:::::::`::ヽ::::ヽ＼:＼:::::::::ヽi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::l:::∧:､::､:!::iヽ_::::::ヽ:::ヽ＼:ヾ:::::≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iｿ:::::::::!:i{:)ヾヾヽ::i {:ｿヽ､::::::::ヽ＼::＼::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ i!:::i:::::!ﾞ＝ﾂ` ｀ヾ!＝"　 i::::::::｀::ヽ:::::::ヾ',
　　　　　　　　　　　　　　「確かにこれまで、　　　　　　　　　　　　　　　!　i:::!i::::ｉ　ヽ　､　　　　　　i::::::::::::::::`:::､::ヽゝ
　　　　　　　　　　　　　　邪竜が竜語魔法を使ったと言う記録は　　　リ i!'i:',　｀　　　　　　　i::::::::::::::::::::::::＼ﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　残っていませんが………」　　　　　　　　 !　 ! ﾊ. ヾﾆ= 　　　　!:へ:::､:::::::::ヽ＼`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:i 　ー　　　 ,..ｨﾘ　　ヾ､ｼｧヾﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘヽ　　,..::'" 　! :　　／'"／　｀ｰｪ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀""´ヽ　　　 :. ／/ ／　　 r'´　｀- ､._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　 :／ /ﾝ　　　　i　　　　　　`ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ'　 /　　　　　i　　　　　　　　',

―――――――――――――――――――――――――
　　アグリアスの意見にもっともですと頷いた彼はしかし、
　　何かがひっかかるのです、と見解を収めようとしない。
―――――――――――――――――――――――――

112 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:17:01 ID:uiHBGRsI

二１６１．

　　　　　　　／ '´　　｀ヽ
　　　　　　　 //
　　　　　　 !i　　　　　／:ヽ-.‐: : :ﾆ二＝‐
　　　　　　　　ﾞ､　,. : ':": : : : : : ､: :、　_ .｀.ヽ､
　　　　　　　ゝ゛: : : : : : : :　. .:i、:ヽ: :｀ヾ､_:.＼
　　　　　　　, ':i: : /: : : : :ﾄ､: i: : :.i x-ﾞi: : : :.ヽ　｀`
　　　　　　 /: :.!:/　. .,.-|:.| ∨!: : :l　ヾ:i,: :ヾ:. ｀､
.　　　　　 i　　}l. : : /: i'| |　 !|、: | _,,⊥!: : i;::: :｀､
　　　　　 !. : :l: : : : : :! |:|,,.、l|ヾ:| 彳ﾊ`ﾄ､:.|｀ヾ:.i
　　　　　　 l: : !: ;l: : : :!ｯi"､ﾊ　ﾘ　､_j! l ヾ!　ヾ
　　　　　 V:|:/:.!: : :!ﾍ' ､__j!　　　　`゛･|i　　　　　　　　「まだどんなドラゴンが邪竜化したのか分からないんでしょ？」
　　　　　　　ヾ": : !: :,! i　`''"　　　。　／:|
　　　　　　 i: : !: l ハﾊ.＿＿＿,.／）|:: : |　　　　　　紅炎竜だったらブレス、
　　　　　　　　|: :!: : {: : :ヾ;|　r く,/　ﾑ:.!: : |　　　　　　他のドラゴンだったら竜語魔法って事でいいんじゃない？」
　　　　　　　　j:/: : :∧: : : :＼ヽ＿　｛.:ﾄ: :.!
　　　　　　　 l/: : /==`ｰ､: ＜!三ﾐﾐヾj Υ
　　　　　　　 /: : : |=＝==≧ｼl二`ヾﾐﾐ｝｜
　　　　　 /: : : : !、　　　 |　　　｀ヾﾐ!　!、
.　　　　　 /: : : : : :}ヽ　　 |　　　　　ﾉ`ヽ｀、
　　　　　 !: /: : : :.∧｣:､　　　　　 /　　　,l
　　　　　 l: /: : : : ;': /.ﾊ＼　　　　,/　　／
.　　　　　l.:,!: i : : :i!:.(　　＼_〕ト､_ノl_,.ィ'｢
　　　　　l:.!|: :!: : :.!|: ;>､　　 |`ァ''＾ヽ |く
　　　　　|:l l: l: : : l／ / `ｰr-l∠ィ"＾ヾ、ヽ

　.　 /,/;:;:;:;/;:;:;/;:;:;:;l;:、;:;ヽ;:;:;:;:ヽ;:;:;:ヽ;:;:;＼;:;:;:;:;:;l;:;:;:;:;:!｀'＼
　　/　ｌ;:;:;:/ //;:;:!;:;:;ﾍヽ;:;:;:;＼;:;:;:＼;:;:;＼;:;:ヽ;:;:;:;:!;、;:;:|
　./　/;:;:;/ //;:;:;:|ヽ;:;:'､;:;＼;:;:;l;:;ヽ;:;:＼;:;:ﾍ　i',:;:;:;| ヽ:;:;i
　　　|;:;:/l;:l/;:;:l;:;:!ヽ＼.＼;:;:＼ヽ、＼;:;:＼ ', | i;:;:;i':,::＼|
　　　| /;:;:/l |;:l;:;:| i´ f::::j ､＼;:＼　,rt:::j フl .! |ヽ:! !;:ヽi＼
　　　| ヽ/ |､ヽヽ {　`＝‐' ヽ|｀ｰゝ`ｰ＝'　l ! |;:;:;l !ヽ＼- ゝ
　　　|　 |;:;l ヽ＼ヽ　　　　　　　　　 / | i;:;:;:!.|:;::|:;:!
　　　　 |;:;l　|＼ヽ_,ゝ　　　　　i 　　　　 / ,! :;:! !;:;:l;/　　　　　　「確かに今は情報が少なすぎますね。
　　　　 | ∧ |;:;:ヽ' 、　　　｀ ´　　　　　/|/ l;:;:;ﾍ;:;:i
　　　　 |/　ヽ ∧ヽ,＼　　‐‐---‐‐　　ｲ/;:;:;:|;:;:/ ヽ!.　　　　　　　騎士団が戦った場所に
　　　　　　　 |/　|∧|　＼　　　　／ .| / l/;:;:l　　　　　　　　　　何らかの痕跡が残っているはずです、急ぎましょう」
　　　　　　　　　 |'　 l　　ヽ、　　／　　 l'／ヽ/
　　　　　　　　　 l　　　｀￣´　　　　l､
　　　　　　　　　　,. '´　　　　　　　　　　　ヽ､_
　　　　＿_ ,..　'' ´ 　ヽ　　　　　　　　 /　　　｀'ー-　..__
　-‐ '´ {´　　　　　　　ヽ　　　　　　　/　　　　　　　　｀} ￣ 'ー- ､
　　　　ヽ　　　　　　　ヽ　　　　 / 　　　　　　　　　/ /　　　ヽヽ
　　　ヽ　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ /　　　　 |　ヽ
　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　 /　　　　 ',
　　　　　　　　｀'ｰ-　 _　　　　　　　　＿　 -‐ '´　　　　　 /　　　　　l
　　　/　　　　　　　　　｀'ー----‐ '´　　　　　　　 /　　　 l 　　 l　　　!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　戦力としては役に立てないかも知れないが、
　　ただの素人よりはよほど詳しい竜の知識で役に立てるはず。

　　四十年以上も前の、父親の記憶を必死に掘り返すエルは
　　こんな事ならもっと真面目に研究を盗み見ておくのでした、と後悔の念を抱きながら先を急いだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━…


	114 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:18:07 ID:60jzqYws エルのおとんの研究が役に立ってるw

113 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:18:03 ID:uiHBGRsI

二１６２．
━━━━━━━━━━━…
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――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　大市場から北に六百メートルほど動くと、すぐに破壊と殺戮の限りを尽くした痕跡が見つかった。

　　最大限に集中を高め、さしたる盗賊技能も必要ないままに道筋をたどると
　　しばらく行ったところで先頭のコナタに異変が伝わってくる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　〃￣｀
　　　　　　!|　　　　, ィ
　　　　　　ヾ､＿／:/--‐;ｧ
　　　　　／::｀::.::.::.::.::.::.｀ヽ
　　　　 /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. ｀＼
　　　 ,' : : .::.::.::.::.::.:: . : |.::.:}￣
　　　 !.::.::.;;.;:.::.::..: .::.::.::.!.:ｉ:.|
　　　　l.::,;;';;';;';;.;;.::.::.::j.:/)ﾍ::|
　　　 !;;';;';;';;';;';;';:.::.j.:/ﾞ!::|`}　　　　「この辺だけ涼しい………？」
.　　　 l;;';;';;';;';;';;';:./::.|ｲ::.!
　　　 λ;;';;';;';;';;';/.:: | |.:l
　　　 l:i:!';;';;';;';;';/:..:..:|ﾞヾ
　　　　j:|.::.i|;;';;';;/.::.::.::.|l!ﾊ
　　　 |::!;;.::|;;';;/:.::.::.::.::|l|｜
　　　 !::|';;.:l;;';'.::.::,'::.::.::!」｜

　　　　　　　　　　　,
　　　　　　　　　,r/　,;-ー_
　　　　　　　　　/:::レ:::::三:::::｀ミ::=-､
　　　　　　　　 ,i::::::::::::::::､:::::::､::::ヾ::ヽﾐｰ-､
　　　　　,r'::::::::::::::::::ヽ::::::::＼.:::::::::::::＼
　　　　　　//:::::/:::;:::i:::::ヽ:::::::::::::＼::::::::::::::ヽ
.　　　　/::/:::::::/_ヽ:!:::::ヽ:::i`_､:::::ヽ ::ヽ:::::::!
　　　　 i::/::::::::/'oヾ､:::|ヽ::Y o＼:::::i!::::ヽ::::＼
　　　　　l:::i:::::::::lゝ- '　ヾ、ﾞ ! ｰ '､ヽ:::::!:::::ヽ::i ヽ
　　　　　!::!:::i:::::!　　　` ｀ヽ　　　　 i:::::!::::::::::::i
　　　　l:!:::l:::l !　　,r_ー‐-､　　　l::::!::::::::::;::i　　　　　「真夏に氷の精霊力！？」
　　　　　　!|:.!::', 　　i'/￣￣ i 　　　l:::::::::::::ハ:!
　　　　.　　 l::::::ヽ.　ｉ　　　　i　　　ｨ::/i:::::ﾊi　 !
　　　　　　　i::li:::＼ `ｰ--‐' 　　／ﾘ　|:::ﾘfﾊ､_
　　　　　 _..!:ﾊ::::l;ヽ､　　　／　　"　l::/i　ヽ. ｀`''ｰ- ､._
　　　,r‐'''"´　 !　ﾘ!i ヽ `＝'"　　 ,　　ﾘ /　　ﾝ　　　　 /ヽ、
　　 /ヽ　　　　　　ヽヽヽ　　　/　　／　　　　　　　　/ 　ヽ
　　l 　＼　　　　　　＼　 '　　　　　／／　　　　　 /　　　 i

115 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:19:01 ID:uiHBGRsI

二１６３．
―――――――――――――――――――――――――――――――
　　気温だけではない。
　　冬や雪山か、氷属性の魔法でも使われない限り
　　感じられるはずのない精霊力がここには満ちている。

　　先頭に立ったエルがより強い方を目指して交差点を曲がると―――
―――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.::::::::::::::::::厶=-‐-.､＿
　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:.::::::::::::::::/.:::::::::::::::::|　ハ
　　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::/.:::::::::::::::::::jこ jﾘ　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧_人_从_/／
　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::/.:::::::::::::::::ィﾖ　{{　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　l.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::..＜´　|主　}ﾄ､　　　　　　　　　　　　＜　　こちらです！　＞
　　　　　　　＼.:.:.:.:.:::::::::::::::::／　＼'｢｀ヽﾉﾘ.::',　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　 (
　　　　　　　　　　　 ` ー一'´￣　　　　　ヽｰ彡'.::::::＼　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ.:.::::::::::::丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨.:::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨/.:::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V.::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈.:::::::::::::::::::}　　　　　　　　　__ 00
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y.::::::::::::::入　　　　　　　く,ﾆ ! 　　　[][]「l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー=≦∨〉　　　　　　　くノ　　　　　くノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }主}｀ヽ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｊ主ｊ_ ,ﾉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ー‐ヘ.ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ー‐彡'

116 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:20:01 ID:uiHBGRsI

二１６４．
――――――――――――――――――――――――
　　視界に飛び込んできたのは季節に全くそぐわない、
　　白く凍り付いた世界。
――――――――――――――――――――――――

;;',
,;,;;;「i
;;;),,;;＼　＿
ヾ,,)ヾ）＼|:::::|
,,;;ゞ::;;;)┴＼,|'-＿
ヾ);"ヾ),;"┴＼;;;;,ﾍ-
);;;ヾ）ヾ")┬┴＼::::::::''､
;;)）ヾ",＿_,,;;┬┴＼／;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑ＼、,,--'',,,,＿;;'
;;ヾ::::,,////ヽ;;,,;.:┬|／|:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼..",, |::::::/ﾉﾉ､ノ""''''--,,,,＿
ヾ);;)/////ヾ＼ ┴|／|'　　　　　　∧∧　　　　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　　　　　　　 |:l　| |.,,,　|:::/ﾉﾉ､入入入入入／::
|Vvvwi,iir､;^;;|┴┬|／|i　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　 ∧ /ﾞ､.:| | ;;,,) |/ﾉ､ﾉ､入入入入／┴::
r'i"i,,i-i,ii| |==|┬┴|／|i　　　　　Λ::::ヽ::|i／;::Λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｉ /∧ ､ ./〉.ヾ)"''-,,_ﾉ､入入／┴┬::
r'i"i,,i-i,ii|_|==|┴┬|／"　　　　　Λ::::ヽ∧::|i／;::Λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ/ヽ| |　| |//'ﾞ　 ;;,, 　"''-_／┴┬┴::
r'i"i,,i-i／i,==|;;;,,-''"　　　　　　,,、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ| ｌ　ｌ |/　:/:/.;::.　　";;.　,|┴┬┴┬::
r'i"i-i'l:::::i';;;;;／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧∧,.,.,.,.,　　　　　　　　　　　　ノﾍヽ　γ"'; . . : |┬┴┬┴::
／iﾂ"i:::::l／　　"⌒"'"⌒　　　 .／＼　　　　　　　　　　　(:;p:;::#):;:; :; :;つ　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣＼　 | ､ ,;;|┴┬┴┬::
: : l／.／　　　　　　　　　　 |:l　| |　　　　　　　　ヽつ|と:;ﾉ""　　　　　　　　……じ、………　　　＞.|:.　...|┬┴┬┴::
::::::／,;ゝ　　　　　　　　　 .∧ /ﾞ､.:| |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼＿＿＿＿＿＿＿＿／　|;,.;　,|┴┬┴┬::
／ヽ'　　　　　　"''　　　　 .|ｉ /∧ ､ ./〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:l　| |　　　　 ''""''　　　　　ヽl　 .: |┬┴┬┴::
　　　　　　　　　　　　　　　,ﾞ/ヽ| |　| |//'ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧ /ﾞ､.:| |　　　　　　　　　　　＼　,:|┴┬┴┬::
　　　　　　　　　　　　　　ﾞ| ｌ　ｌ |/　:/:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ｉ /∧ ､ ./〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ/ヽ| |　| |//'ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　　　　　　ﾞ| ｌ　ｌ |/　:/:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧　 /'l/'l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∩　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧(:; :; ﾟ;)つ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (｡:;:;｡:;):;'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;:)/:;)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～;:;; /

117 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:21:01 ID:uiHBGRsI

二１６５．
―――――――――――――――――――――――――――――――
　　霜や氷柱に包まれた騎士達の骸。

　　生命の感じられないその場に唯一、弱々しい泣き声が聞こえたので
　　それが右手の民家からだと知ったコナタが大声を上げる。
―――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　王子、しっかり……… 　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　しっかりしてください………　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ ノ

　　　 /:.／　　　　　　ヽ
　　｛:/　　　　　　　 |
　　　 l{
__,,... . .ゝ,,_
: : : : : : : : : :｀:`: 丶. .､,,＿＿
.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ; ｀i
: : : : : : : : : : :./: : : : :,!i: : : : : : ﾄ.、
.: : ; :'′　　 /　　　 /　!　　　.l: :.ヽ
:／: : : : : ; ｲ: . . . ∨ 　 !. . : : :l: ｀、｀、
: : : : : ／:/: : : : : / ＼　l: : : :/: : :.!､:.ﾍ
.; : :'": ::/: : : : : ;.'＿＿｀ﾐ!: :./: : : : l ヾﾊ
.: : : : /: : : : :, ｲ｛/示牙 !:/: /:: : :.l　 Ⅵ
.: : :/: : : ;／|:::j　　　|:'r! j/::/　i::. :,!　　ﾞ}
: :/:ィ''"!:::: : !::l　　 ,.ゞﾕ {／　ｉ::/
.:":::ﾍﾞ l::: : :|::!　　 `´　　`i　　 !'
: : : : : }''l: : : |:|　／｀`￢ /　　　　　　　　　　「あそこの家から声が聞こえる！
.: : : : /　i: : ::!ﾚ'ﾞ　　　〃　　　　　　　　　　　生き残りだ！」
: : : /　　_}: : l|_　　／
.:／三ﾐ\、i: :.|:::｀:¨:´!
〃〃⌒｀ヽ!: :!:: : : :.j

119 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:22:01 ID:uiHBGRsI

二１６６．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　それを聞きつけた生存者側も、やっと助けが来たと生きた心地を取り戻していた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　 ,､､､､､,,_
　　　　　　　　 ,ｨイr''"´　　　　　｀ヽ,
　　　　　ﾊ,ｨｲﾘ　,,r''"´`ヽ二ﾆ_　｀ヽ
　　　　ﾄ､l | i j |;:.:::;;　ヽ　　　　　　　　.:＼
　　　　 N ヾミﾐゞいｲ､ﾄ､j　　　　　　　.:.::::::ｲ
　　　　ミﾐゞﾆﾆｦ"´`ヾミﾐ､　　　. . .:.:.:.:::;:;;ﾘ
　　　　 |｀`ヽY´, -─-､ﾄ､三ミﾐﾆﾆ二.:,::;;;/
　　　　ヽ `ﾐﾄ､,．=＝=-､ ,＞＝=-､「;;;;;;/
　　　　　｀Yﾗﾘ　 ,ｨﾃｵ ,j=ji　fﾃｧ､.::;l!^Y　　　　　　　　　　　　「王子！助けが来ましたよ！」
　　　　　　l .:;!L＿＿_ノl;::ゝ､＿_:.;ｲリl‐-､
　　　　　ヾ「　　　　　|;:.　　#　　,jレ′　|＼
　　　　　 ,r'´ﾞ､＃＃　^^´　　　ﾘ:.ヽ　 !.:.:.ヽ
　　　　　 /ｰ- ､ヽ　　 ,r─-､;;;;;;;ll,/｀ヽ.::＼|.::::::|ﾄ､
　　　　 ,/.:.:.:.:.:.:.:｀＼　 ´二｀　／　　 |.:.:.:.::ヾ:」|:.:＼
　　　 !「￣＼.:.::::::::l＼＿_,, イ　　ﾒ ./!.:.:.:.:.:.:.ヾ!:::.:.:.＼　　　　　　　　　f´￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　 |ー -､ﾘ.::::::::l!　ヽ　 /;;;;;;;　,ｲ,/::::::::::::／::::.:.:.:.:.:.:＼　　　　　　　 |　　う………　　 .|
　　　　 |. 　　ヽ:::::::ﾄ､　　　′　／//:::::::::／::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:＼　　　　乂＿＿＿＿＿_ ノ
　　　　 l　i:　　 l::::::::|ヽ_,二ﾆﾆﾆ_,ノ/::::::／::::::::::::::::::, ヘ::.:.:.:,r'^ヽ
　　　　 |　|;:. 　 |::::::::!　　　　　/::／￣｀`ヽ:::::／,r',r'ヾ./　　ハ、

120 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:23:01 ID:uiHBGRsI

二１６７．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　-──-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾊ　　　　､　　 l　 l:...|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:l＼　　ヽ　ヽ　 .l　 l:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:l 　＼,. イ　　 l　　}　ﾉ:人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！ﾐ　 ´i::ﾉ人　　V⌒).イ｀ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:l　　　　 ';　 l _ノミﾐﾐヽ.: .ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.小　__ 　　ﾉ　「_⊥ミﾐ:ミﾐヽﾉ. :人
　　　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人人　　　　　　　　　　　 /　}　ヽ __,. イ　 /.:.:.:.:.:.ﾄミﾐヽ彡'.:.ﾉﾊ
　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　/　/　　.:::::ﾉ/　 /.:.:.:.:.:.:人ミ辷彡'ﾉﾉﾊﾊヽ,. -─- ､
　　＜　　アルマとオヴェリアで王子の回復を！　　＞　　　　　　　 ./　/ 　,. ィ´/　／.:;.ｨ´／ /´ ￣￣｀`ヽ彡'ﾉﾉ´ ￣｀ `
　　＜　　他の四名は周辺の警戒に当たれ！　　＞　　　　　　　 /　/　／/　/ イ.::://:/　 /　　　　　　　ヽ￣｀`ヽミミﾐヽ
　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　　 l　/　/ ./　/ __」ｲ/:::′./　　　　　　　　 j　　　　`ミﾐヽ
　　　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WYY⌒WY　　　　　　　　　　l/′/ / ／　　　｛::::l　/　　　　　　　　／`ヽ　　　　ヽﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛　1　´ 　　　　ヽ:ヽ＼　/`ｰ-----‐'　　　j!　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Vハ　　　　　　　＼＼＼ヽ　　　　__ ,.. イ
　　　　　＿/＼／＼/＼／|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　い::ヽ　　　_ ＿ _ 　　　爪　ミｰ __--‐‐イ{L_
　　　　　＼　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾉ::::.:.::.｀Y´.:.:::::::::::.｀`Y´.:.:.:/ヽ辷三二ﾆ彡人　｀ヽ
　　　　　＜　　はい！　　＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／l.:.:.:::::::::.:.ﾉ. : : : :.: .: .: ;′.:./　ﾉ. :. :. :. :. :. ﾉ　l1　 j!
　　　　　／　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　￣｀>.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::{　〈 .: .:. :.:.:.:.イ　　 l1　j!
　　　　　￣|／＼/＼/＼/￣　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　/.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::(　　「￣￣　 1　　ﾘノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼　　 /l.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.＼ L__ ＿＿ノ　__ ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　＼/ｲ.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼辷ﾆ三ｼ'ﾉﾉ:.:L/l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　/　L.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ /

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　生存者はたった二人しかいなかったが、その一人が捜していたコウ王子だったので
　　アグリアスは安堵の息を吐いていた。

　　騎士団の壊滅以上に王族の死亡は士気へ悪影響を与える。
　　事態は最悪とほぼ同意だが、何とかその一歩手前で踏みとどまっているように思えたのだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


	122 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:24:45 ID:RFMqLdos 最悪の自体は回避されたか守るべきものが守れなかったってのはキツイしなぁ

121 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:24:03 ID:uiHBGRsI

二１６８．
―――――――――――――――――――――――――――――
　　その間、エルは周辺の破壊の状況や死体の傷を確認していた。
―――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,､､､､､､､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. 'ﾞﾞ´　　ヽミミﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:;;'´　　　　　　ヾミﾐﾐﾐヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. :;;;;:;､　｀`''　　　　 ',､　 ''ﾐ;､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:;;;;;:;:;:;ﾍ､,,, ;,'´　　　　　 '`ミﾐ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:;;;;;;´r'ﾞﾞﾞヾ;;;ｿ .;､､,,ｨｨｨ､　;;,　jiil!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,';;;;;;;,' ´￣`　　ｨ彳-ｯ､　　　jiiii!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,';;;;;;;;{　　く;;,,,,..､　｀ﾞﾞヽ　　ｲkjjj!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ;;;;;;;'′ ,,;;;'´ jﾞﾞ｀　　　　‘ .:jｨｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {;;;;;;;′　,ｲ,＝=､､　　　; .ji! jﾂ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　;:;;;:;;;;;;:;:;:;:{,､､､,, .:;j　　　　ﾉﾉ )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ;:;:;;;:;: '´ﾞﾞ￣｀ヽ'　;;'　　,ﾍ_ｿ
　　　　　　　　, .　_‐-‐----イ;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;ゝ　　ji!　　.:;;:　;:;;:;ミﾐヾ
　　　　　　 , .:ﾞ´　　-‐=＝＝;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:;;;:;ゞ ''´ イ｀`ヽヾ;;;;;..､
　　　　　, .ﾞ´　,:;'′　　　　. : ;:;:;;;;;!.: ;;;;;;;;;;;: ;: ;;:!　　.:;;;;;;;;:;:};;.､　　ヾ;;,､
　　 ,　ﾞ´　　　,:;'′　　　　　　. :.:;! .: .:. :. :;;; ::;ji!　　!　;:;;'ﾞﾞ　　｀ヾ､　　｀ヽ､
　,　ﾞ´　　　,:;;;;'′　　　　　　　 .j!　　. :. :. :;:; jii!　　　:;:;　　　　　　¨ヾ､　　＼
. ,:;:;;'´　　　　.:;;;;;;′　　　　　　　 ..ji!　　　　. .:jikkii　　.:;;;′‘;;.:　　　　｀ヽヽ＼
.::;;;:;:;'´　　　　 ;: ;:;;;;′　　　. :.　　　 jiiii!　　　jik,,j,j,,jij. :. :. :; :; :jik　；：;;　　ヽヾヾ
　　　. :;:;:;:;:;{　　　　　;;........:; ′ji{　　　ji;k;.;j:i;ij:;.　; :; ;;;..｡､､　　　　　　　;．′‘　;:;;jik

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　殆どの死体の皮膚は虚血により紫に変色していて
　　凍傷や低体温が死因に見受けられるのだが、
　　一部の氷漬けの死体の中にはそうではない―――
　　それ以前に死んでいた事を意味する、別の損傷を受けたものが混じっている。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――


	126 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:26:55 ID:9olgdkuY ホントに災害現場だな、台風や竜巻に戦い挑むのとあんま変わらんｗ

123 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:25:01 ID:uiHBGRsI

二１６９．
――――――――――――――――――――――――――――
　　黒褐色の潰瘍は電流斑、そして樹枝状の火傷はおそらく電紋。
――――――――――――――――――――――――――――

.　 /,/;:;:;:;/;:;:;/;:;:;:;l;:、;:;ヽ;:;:;:;:ヽ;:;:;:ヽ;:;:;＼;:;:;:;:;:;l;:;:;:;:;:!｀'＼
　/　ｌ;:;:;:/ //;:;:!;:;:;ﾍヽ;:;:;:;＼;:;:;:＼;:;:;＼;:;:ヽ;:;:;:;:!;、;:;:|
./　/;:;:;/ //;:;:;:|ヽ;:;:'､;:;＼;:;:;l;:;ヽ;:;:＼;:;:ﾍ　i',:;:;:;| ヽ:;:;i
　　|;:;:/l;:l/;:;:l;:;:!ヽ＼.＼;:;:＼ヽ、＼;:;:＼ ', | i;:;:;i':,::＼|
　　| /;:;:/l |;:l;:;:| i´ f::::j ､＼;:＼　,rt:::j フl .! |ヽ:! !;:ヽi＼
　　| ヽ/ |､ヽヽ {　`＝‐' ヽ|｀ｰゝ`ｰ＝'　l ! |;:;:;l !ヽ＼- ゝ
　　|　 |;:;l ヽ＼ヽ　　　　　　　　　 / | i;:;:;:!.|:;::|:;:!
　　　 |;:;l　|＼ヽ_,ゝ　　　　　i 　　　　 / ,! :;:! !;:;:l;/
　　　 | ∧ |;:;:ヽ' 、　　　｀ ´　　　　　/|/ l;:;:;ﾍ;:;:i
　　　 |/　ヽ ∧ヽ,＼　　‐‐---‐‐　　ｲ/;:;:;:|;:;:/ ヽ!.　　　　　　　　　　　（全員凍死と思いきや、
　　　　　　 |/　|∧|　＼　　　　／ .| / l/;:;:l　　　　　　　　　　一部に雷撃傷が混じっている………？
　　　　　　　　 |'　 l　　ヽ、　　／　　 l'／ヽ/
　　　　　　　　 l　　　｀￣´　　　　l､　　　　　　　　　　　　　　　　竜、邪竜によらず彼らは複数属性の息を持たないはず。
　　　　　　　　　,. '´　　　　　　　　　　　ヽ､_　　　　　　　　　　　　　　　　紅炎竜、銅氷竜、銀雷竜のどれかはわかりませんが
　　　＿_ ,..　'' ´ 　ヽ　　　　　　　　 /　　　｀'ー-　..__ 　　　　　　　どれかがブレス、どれかが魔法なのでしょう）
-‐ '´ {´　　　　　　　ヽ　　　　　　　/　　　　　　　　｀} ￣ 'ー- ､
　　　ヽ　　　　　　　ヽ　　　　 / 　　　　　　　　　/ /　　　ヽヽ
　　ヽ　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ /　　　　 |　ヽ
　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　 /　　　　 ',
　　　　　　　｀'ｰ-　 _　　　　　　　　＿　 -‐ '´　　　　　 /　　　　　l
　　/　　　　　　　　　｀'ー----‐ '´　　　　　　　 /　　　 l 　　 l　　　!

―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　あるいは、全てが魔法でまだブレスを見せていない可能性も残っている。
―――――――――――――――――――――――――――――――――


	124 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:25:48 ID:rShDtFkA そうか俺らは見てたからわかるけど、エルたちは今着いたんだもんな。どのように暴れまくってたか・・・

125 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:26:04 ID:uiHBGRsI

二１７０．
―――――――――――――――――――――――――――――
　　やはり通常の―――これまでの伝承にある邪竜とは何かが違う。

　　そう結論づけた時だった。
　　もう一人の生き残りが嗚咽混じりにとんでもない事を言ったのは。
―――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　 ,､､､､､,,_
　　　　　　　　 ,ｨイr''"´　　　　　｀ヽ,
　　　　　ﾊ,ｨｲﾘ　,,r''"´`ヽ二ﾆ_　｀ヽ
　　　　ﾄ､l | i j |;:.:::;;　ヽ　　　　　　　　.:＼
　　　　 N ヾミﾐゞいｲ､ﾄ､j　　　　　　　.:.::::::ｲ
　　　　ミﾐゞﾆﾆｦ"´`ヾミﾐ､　　　. . .:.:.:.:::;:;;ﾘ
　　　　 |｀`ヽY´, -─-､ﾄ､三ミﾐﾆﾆ二.:,::;;;/
　　　　ヽ `ﾐﾄ､,．=＝=-､ ,＞＝=-､「;;;;;;/
　　　　　｀Yﾗﾘ　 ,ｨﾃｵ ,j=ji　fﾃｧ､.::;l!^Y　　　　　　　　　　　「あああ、あのドラゴンは
　　　　　　l .:;!L＿＿_ノl;::ゝ､＿_:.;ｲリl‐-､　　　　　　　　　　氷と雷を吐いたんだ！」
　　　　　ヾ「　　　　　|;:.　　　　,jレ′　|＼
　　　　　 ,r'´ﾞ､ u.　　　^^´　　　ﾘ:.ヽ　 !.:.:.ヽ
　　　　　 /ｰ- ､ヽ　　 ,r─-､　 u.,/｀ヽ.::＼|.::::::|ﾄ､
　　　　 ,/.:.:.:.:.:.:.:｀＼　 ´二｀　／　　 |.:.:.:.::ヾ:」|:.:＼
　　　 !「￣＼.:.::::::::l＼＿_,, イ　　　/!.:.:.:.:.:.:.ヾ!:::.:.:.＼
　　　 |ー -､ﾘ.::::::::l!　ヽ　 /　　 ,ｲ,/::::::::::::／::::.:.:.:.:.:.:＼
　　　　 |. 　　ヽ:::::::ﾄ､　　　′　／//:::::::::／::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　 l　i:　　 l::::::::|ヽ_,二ﾆﾆﾆ_,ノ/::::::／::::::::::::::::::, ヘ::.:.:.:,r'^ヽ
　　　　 |　|;:. 　 |::::::::!　　　　　/::／￣｀`ヽ:::::／,r',r'ヾ./　　ハ、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,,. - ;／
　　　　　　　　　　　　　　_, －' ´:::::::::::／
　　　　　　　　　 ,.ー-＜:::::::::::::::::::::::::::｀'ー‐::_;‐=‐
　　　　　　　　　ｊ::::::::::::.､:::｀丶､ ::｀::::.､::｀:＜´
　　　　　　　　 /:!::ヽ:::､:::｀::::.､:::::丶､::::｀::､:::::ヽ、
　　　　　　　 /:::∧::::ヾ::::､::::::::｀::.、:::｀:::､:::ヽ:::ヾ＼
　　　　　　　j::::/::::゛､::::ヽ:::ヽ、:::::::ヽ、::::::ヽ::ヽ:::ヽ｀
　　　　　　　l::::!:::l::::!:ヽ:::::ﾞ:､::::ヽ、::::::゛､:::::::::｀::.､::::＼
　　　　　　　j/:l::::!::l:ﾄ､:ﾄ､:::::::::､:::ヽ、:::::ヽ::::::::::::::＼{｀＼
　　　　　　 i!::::!:::!:ﾊ!_｣l_ ＼{｀＼､____､:.､:ヽ:::::::::::::ﾄ＼
　　　　　　ハ::::V:::! ｿ　oヾ＼＾~/ ｏヾ:i｀:.､:::::::::::!､_＿,, -　､
　　　　　　′ i:::i:!::ﾊヾ=彡　　ヾ≡彡ﾘｌ::::ヽ:::::::{ !　/ 　　＼
　　　　　　　　ヾ{i::::l:!　　　　　　　　ﾊ!::::::::::!:}`ヽ/ /　　　　ヽ、　　「………は？」
　　　　　／＾ヽ!::ﾘ:､　　｀＾　ノ´）/::::::::从ﾄ{　　 / 　　　　 }〉
　　　　　／　　　　ｿヾ{＼　 <ニ>'　／￣ｉ￣｀)Ｖ　 !　　　　　　　 l!
　　　 /　　　　　　ﾞ､＼／　 ' ／　{＜⌒′/　!　　　　　亅
　　　 /　　　　｀、　　＼/　　　　　　　}〈　／　/　　l　　　　 |
　　　 !　　　　　ヽ,　　丨　　　　　　　 )ﾉ_　　 /　　　|ｌ　　　　 |
　　　 l　　　　　　　　{＼　{　　　　／　／{_,ノ　　　　　ﾘ　　　　.|
　　　 i!　　　　＼　`､　亅　／　_,. - '´　　　　　Ｋ　　　 /
　　　 !　　　　　　＼､ヽ丨　　　「　　　　　　 !　　/　　　　　/
　　　　ｌ　　　　　　 `＼`|　　　　|　　　_,.　'´　　ｌ　〈,　　　　　|
　　　　 !　　　　　　　　　｜　　　｜_,.-'´ 　　／ !　 / 　　　 /

127 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:27:01 ID:uiHBGRsI

二１７１．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　それだけはあり得ない、と最初から除外していたはずの可能性。

　　足早に近づいたエルは彼の精神の精霊がぎりぎり正常である事を確認した上で、
　　冷や汗だらけの顔をじっと覗き込む。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　＼ー-- ､,,_ー=ミ‐-..､
　　　　　　　　　　　　＿＿＿ﾐ::::::::::::::::｀¨ミヽ､::::::ヽ.
　　　　　　　　　　＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::ヽ
　　　　　　　　　ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､
　　　　　　　ー=ﾆ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j::ﾊ
　　　　　 --─=＝ﾆ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾミ:::::::::::}
　　　　　　　 ,,ｨ彡:::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡ｲﾊ::く
　　　　　　／::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::l::::::::',
　　　　／---─ｧ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::／:::ﾘ:::::::}ﾊ
　　　　　／/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ:::ﾂ<彡'/:::;イ::::::::::l:::|
　　　　　　　　/::::ｨ::::::::::::::::::::::::::,ｨ/ 　¨''=ｲ _,ｲ:::ｲﾃ ::::::::::ハj
　　　　　　 _,,ｲ／/:::::::::::::::::::::ｲ/ |　　　　　ノ　|¨ .::::::ｲ/
　　　　　　 ∠ イ:::::::::ｨ::/ .|　　　　　　､ _｣ｲ:／.j'
　　　　　　　　　　/ｲ:／ .|ｲ　　＼　　　‐--- ／|:/
　　　　　　　 __ ｲ　　 j　　　　　＼　　ﾞﾞﾞ／　.ｿ
　　　　　　　　 /＼　　　　　　　　／ヽ- '　　　　　　　　「すみません、もう少し詳しく聞かせてください」
　　　　　　　／　　ヽ､　　　　　_ ｲ
　　　　　／　　　　　　ヽ､　　Y
　　　　 /　　　　　　　　ー┴､
.　　　/　　　　　　　　　　　　　 |
　　　/　　　　　　＼　　　　 |､
　　 i　　　／　　　　　＼　　ﾊ
　　 |　　/　　　　　　　　　　ヽ　　 |
　　 |　 ,'　　　　　　　　　　　 }　　|

　　　　　　　　　　　　　 ,､､､､､,,_
　　　　　　　　 ,ｨイr''"´　　　　　｀ヽ,
　　　　　ﾊ,ｨｲﾘ　,,r''"´`ヽ二ﾆ_　｀ヽ
　　　　ﾄ､l | i j |;:.:::;;　ヽ　　　　　　　　.:＼
　　　　 N ヾミﾐゞいｲ､ﾄ､j　　　　　　　.:.::::::ｲ
　　　　ミﾐゞﾆﾆｦ"´`ヾミﾐ､　　　. . .:.:.:.:::;:;;ﾘ
　　　　 |｀`ヽY´, -─-､ﾄ､三ミﾐﾆﾆ二.:,::;;;/
　　　　ヽ `ﾐﾄ､,．=＝=-､ ,＞＝=-､「;;;;;;/
　　　　　｀Yﾗﾘ　 ,ｨﾃｵ ,j=ji　fﾃｧ､.::;l!^Y　　　　　　　　　　　「嘘でも見間違いでもない！
　　　　　　l .:;!L＿＿_ノl;::ゝ､＿_:.;ｲリl‐-､
　　　　　ヾ「　　　　　|;:.　　　　,jレ′　|＼　　　　　　　　追ってくると思ったら雷を吐いたんだ！」
　　　　　 ,r'´ﾞ､ u.　　　^^´　　　ﾘ:.ヽ　 !.:.:.ヽ
　　　　　 /ｰ- ､ヽ　　 ,r─-､　 u.,/｀ヽ.::＼|.::::::|ﾄ､
　　　　 ,/.:.:.:.:.:.:.:｀＼　 ´二｀　／　　 |.:.:.:.::ヾ:」|:.:＼
　　　 !「￣＼.:.::::::::l＼＿_,, イ　　　/!.:.:.:.:.:.:.ヾ!:::.:.:.＼
　　　 |ー -､ﾘ.::::::::l!　ヽ　 /　　 ,ｲ,/::::::::::::／::::.:.:.:.:.:.:＼
　　　　 |. 　　ヽ:::::::ﾄ､　　　′　／//:::::::::／::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　 l　i:　　 l::::::::|ヽ_,二ﾆﾆﾆ_,ノ/::::::／::::::::::::::::::, ヘ::.:.:.:,r'^ヽ
　　　　 |　|;:. 　 |::::::::!　　　　　/::／￣｀`ヽ:::::／,r',r'ヾ./　　ハ、


	128 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:27:07 ID:7VfV6mUg 絶望感漂うな・・・	130 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:28:02 ID:RFMqLdos 多属性持ちの邪竜か・・・・胸が熱くなってくるな（ブレス直撃で） 132 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:29:08 ID:yjDw79/Y おい、>>130が消し炭になってんぞ 133 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:29:22 ID:rShDtFkA >>130 心配するな氷属性のブレスがきたら、熱い胸も冷静にさせてもらえるさ

129 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:28:01 ID:uiHBGRsI

二１７２．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／!/ヽ::::＼::ヽ＼ヽ､::::::＼ヽ:::::::::::ミ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::!i::::',ヽ::iヽ＼:＼!::＼ヽ::ヽ`::::::::::ヽi.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //:::::i:::::::'.,ヽ:i:::::::`::ヽ::::ヽ＼:＼:::::::::ヽi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::l:::∧:､::､:!::iヽ_::::::ヽ:::ヽ＼:ヾ:::::≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iｿ:::::::::!:i{:)ヾヾヽ::i {:ｿヽ､::::::::ヽ＼::＼::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「追ってくる、と言うのは？」　　　　ﾘ i!:::i:::::!ﾞ＝ﾂ` ｀ヾ!＝"　 i::::::::｀::ヽ:::::::ヾ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　i:::!i::::ｉ　ヽ　､　　　　　　i::::::::::::::::`:::､::ヽゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　リ i!'i:',　｀　　　　　　　i::::::::::::::::::::::::＼ﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　 ! ﾊ. ヾﾆ= 　　　　!:へ:::､:::::::::ヽ＼`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:i 　ー　　　 ,..ｨﾘ　　ヾ､ｼｧヾﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘヽ　　,..::'" 　! :　　／'"／　｀ｰｪ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀""´ヽ　　　 :. ／/ ／　　 r'´　｀- ､._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　 :／ /ﾝ　　　　i　　　　　　`ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ'　 /　　　　　i　　　　　　　　',

　　　　　 / 　fｌ　 / |l　　　/|| ! 　＼＼　　ﾊ
　　　　　 | 　 |l 　/　|l　　/　|リ　　　＼＼　}}
　　　　　 | 　 |　/　/|　　　　|　　　　　ヽﾐVl}
　　　　　ｌ　 |ｌ/　/^|　　　　｢￣¨¨"''　　''¨}lﾘ
　　　　　 V 　/　/　:|　　　　|　｢|｢｢`　　　ﾘ｢
　　　　　 ∧V　人_.,｣　　　　|: 　じ　　　　゛{
　　　　　_{ {ﾐ`─---|　　　　| 　　　　　 |
　　　　 { ＼＼＿＿_|:　　　ﾊ　　　　　ﾊ　　　　「おそらくは町の外におびき出そうとしたのでしょう。
　　　こ＼　＼　〔77|　　　　 ',　　　 ‐　,ｲ　!
　　 =─‐==ﾆﾆﾐ〕/∧　　　　∧r‐rr-イ　!　|　　　　邪竜は獣並みの知能と聞きますし、
　　　　　　　　　ヽ¨ヽ,　　　 V》》　|　 l　|　　　エゥーゴでも同様の訓練を行っております」
　　　　　　　　 }　 }　　　 ∨{,　 | 　|　|
　　　　　　　　 | 　l　　　　　 Vミx|　 |l　l
　　　　　　　　 | 　|l､　　　　　V､ | 　 |　ｌ
　　　　　　　　 |　ﾉ∧　　　　 V,| 　 |l　|
　　　　　　　　 |///,∧.　　　　　Vｌ　 |　l
　　　￣¨'''￢=‐-　//////A　　　　 Vl　 |l　|

131 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:29:01 ID:uiHBGRsI

二１７３．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::〃i::::',::::ヽヾヽ::ヽ＼:､＼:'.,',`ヽ::::::::::ミｪ､､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::/::!::'::::::':,:'.,::::ヽヽ､::::::::::＼＼',:::::::::::::::ヽ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::i:::::::i:::､::::::::ヽ:::､､:::ヽ::::､::::::＼ヽ､:::::::::ヽ:ミｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'::;::::i:::::::ｌ!::!ｧ､:::::::::ヾ:､rﾞ=､::::ヽ::::::::::ヽ::::::::::::`、ヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｼi::::i::i::::!:ｉi （::ﾒヾ､::'.,ﾒ（::ｿ,ﾞi::::ヽ:::::::::ヽ::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　「なるほど、　　　　　　　　　　　 /'　i:::i::!::::::i '=ﾃ'　｀ヾ::ﾐ＝"　ﾘ::::ヽ::::､:::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　それが上手く行かなかったと」　　　　　 i:::!:::i:::::!. ヾ　.、　　`　　　 l!i:::::::::::::'::::::::::::::ﾐ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'i::::l !i:::'､　｀　　　　　　　　! i:::::ｌ::::::::::::::::::::ヽ`ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'i::l　i;lヾ､. ＝=-　　　　　, ｲﾘ,:::iﾞﾃ､::::::::::::ミヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';i　il 'i:ヽ 'ー　　　　,...:':　: i! ';:i'ｼ' ｀` ｰ-=:､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　!　'i:::'、　　 ,...:'::::::　　: ! // , ', -‐'''''ｰ､＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ　`ｰヽ､::::::　　 ; ,'/／〃　　　　　｀　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ヽ､ //　〃　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　 ,､､､､､,,_
　　　　　　　　 ,ｨイr''"´　　　　　｀ヽ,
　　　　　ﾊ,ｨｲﾘ　,,r''"´`ヽ二ﾆ_　｀ヽ
　　　　ﾄ､l | i j |;:.:::;;　ヽ　　　　　　　　.:＼
　　　　 N ヾミﾐゞいｲ､ﾄ､j　　　　　　　.:.::::::ｲ
　　　　ミﾐゞﾆﾆｦ"´`ヾミﾐ､　　　. . .:.:.:.:::;:;;ﾘ
　　　　 |｀`ヽY´, -─-､ﾄ､三ミﾐﾆﾆ二.:,::;;;/
　　　　ヽ `ﾐﾄ､,．=＝=-､ ,＞＝=-､「;;;;;;/
　　　　　｀Yﾗﾘ　 ,ｨﾃｵ ,j=ji　fﾃｧ､.::;l!^Y　　　　　　　　　　「あいつが吼えたら
　　　　　　l .:;!L＿＿_ノl;::ゝ､＿_:.;ｲリl‐-､　　　　　　　怖くて怖くて体が動かなくなって………
　　　　　ヾ「　　　　　|;:.　　　　,jレ′　|＼
　　　　　 ,r'´ﾞ､ u.　　　^^´　　　ﾘ:.ヽ　 !.:.:.ヽ　　　　　近づいてきたと思ったら、
　　　　　 /ｰ- ､ヽ　　 ,r─-､　 u.,/｀ヽ.::＼|.::::::|ﾄ､　　　　　今度は氷を吐いたんだよ！」
　　　　 ,/.:.:.:.:.:.:.:｀＼　 ´二｀　／　　 |.:.:.:.::ヾ:」|:.:＼
　　　 !「￣＼.:.::::::::l＼＿_,, イ　　　/!.:.:.:.:.:.:.ヾ!:::.:.:.＼
　　　 |ー -､ﾘ.::::::::l!　ヽ　 /　　 ,ｲ,/::::::::::::／::::.:.:.:.:.:.:＼
　　　　 |. 　　ヽ:::::::ﾄ､　　　′　／//:::::::::／::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　 l　i:　　 l::::::::|ヽ_,二ﾆﾆﾆ_,ノ/::::::／::::::::::::::::::, ヘ::.:.:.:,r'^ヽ
　　　　 |　|;:. 　 |::::::::!　　　　　/::／￣｀`ヽ:::::／,r',r'ヾ./　　ハ、

134 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:30:02 ID:uiHBGRsI

二１７４．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（(　/／　へ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／^＼:::::＼::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::＼＼:::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶＼:::::＼::::::::＼:::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／丶:::::::＼:::＼:::::::＼::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│:::::::＼＼:::::::＼＼::::::＼:::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼::::::::::::＼:::::::::::＼::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/│＼ヾ:::＼::|＼:::::::::::＼:＼:::::::::::＼:::::::::::::::::::::＼::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │/|:|丶＼:::::::|　＼:::::::::::::＼::::::丶:::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/　||丶＼丶::::| 　,ｲ＼::::::::::::::＼::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │ 　||:ヾ:::::丶　|　ﾊ..,/＼::::::::丶＼丶:::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶　/|:::::::川:::入|　　　..ノ"＼::::::ゝ＼丶::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾎｰﾘｰ･ﾄﾞﾗｺﾞﾝ　　　　　　　　　　　　 /入||:::/ ＼|　　　　　　＼ヾ　　＼:::::::::::::::::::::::::
　（極々まれに生まれる神聖属性の聖竜のように　　　　　　　ﾙ　|::::/　　　＼　　　　　　　　＼　|/＼::::::::::::::::::::
　　　　　　ﾃｨｱﾏｯﾄ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　　　|＼　-､　　　　　　　　　　　　/　　ト:::::::::::__／
　邪竜にも屍竜のような突然変異が生まれる事がある、と　　　　　 .||:::::ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　∧|／、
　父さんも言っていましたが………）　　　　　　　　　　　　　　　　　 │入...__＿　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶　＼─ゝ　　　　　　　　　／　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |, 　　　　　　　　　／|　／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　|　　　　　　　　....／／／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／= --┴-、　　　 ...:::::::: /　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　＼＜＼:::::::／／　　　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　, ----= 、＼／／　／　　　　　　／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　>　　　　　　　　　　／　　/　　　　　　／

―――――――――――――――――――――――――――――――――
　人生の殆どすべてを竜研究に費やしたと言っても過言ではない父親ですら、
　複数属性のブレスを吐く竜については触れていなかったはず。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

136 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:31:02 ID:uiHBGRsI

二１７５．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ハ :::: :::: :::::::::::.::::::::::::::::ヽ::::::::､::::::::::::ヽ ::::::..ヽ::::::`､ :. ::::::ヽ :::::.:.::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|／| ::: :::リ､:::rＮヽ＼::::ヽ､::::ヽ､::::::丶＼　::.＼:::::ヽ .:. :::::｀ヽ‐- ､_:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ﾊ ::.:.::!　V　/　＼ヽ::i ヽ:::| ｀ヽ::､::｀ヽ丶､:::丶､::､ :::::...､::::＼　｀`ヽゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ヽ.: ::l 　　/　　　　ヾ　ヽ:i　　i| ヽ::::ヽ＼｀`'' ‐---::::ヽ:::＼rヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ';:: :! 　〈　　__　　　　　ヽ　　|　 ',::::::: :＼:.::､｀ヽ:＼::::::ト､::丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:: ﾊ　　`　　　　　　　　　　　 }:::::::. ::::ヽ::ヽ::.:＼:ヽ､ヽ　｀` ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/l:ハ　　､　＿＿　　　　　　　ﾊ:::::.::| :i:.:ヽ.:i::: :､:ヽ}　｀`
　　　　　　　　　「鱗の色は何色でしたか？」　　　　　　　　　ノﾉ'　l心　　`ー‐一`　　　　　 ,. '|:::::::| :| :.::.N :;､!`､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ハ　　　　　　　　　,　'´　i!::::::| ::|　:.ハ | ＼ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘヽ　　　　　 ,.　'´　　 ,/!/ |: :::､　!　 i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　 __,.ノ/ 　ヽ __,,.　'´　　　　　ノ　l,ｲ:: ﾊ:{ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..､,.ィ"r''"´　 .:::　　　　r　　　　　　　　　/ /　|､:! ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.. -‐''"´　{　　ヽ　　 r　　 i　ヽ＼　　　　　　／　　　: ヾ丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　 |　　ヽ＼　　　　ｌ　　＼!　　　　　/　　　　　　ヽ　｀ヽｰ-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　ヽ　＼　　ヽ　　　　　　　　i　　　　　　　　　　ﾉ /　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　 |　|　　　　　　　､　＼　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　／ / r　　　｀`丶､

　　　　　　　　　　　　　 ,､､､､､,,_
　　　　　　　　 ,ｨイr''"´　　　　　｀ヽ,
　　　　　ﾊ,ｨｲﾘ　,,r''"´`ヽ二ﾆ_　｀ヽ
　　　　ﾄ､l | i j |;:.:::;;　ヽ　　　　　　　　.:＼
　　　　 N ヾミﾐゞいｲ､ﾄ､j　　　　　　　.:.::::::ｲ
　　　　ミﾐゞﾆﾆｦ"´`ヾミﾐ､　　　. . .:.:.:.:::;:;;ﾘ
　　　　 |｀`ヽY´, -─-､ﾄ､三ミﾐﾆﾆ二.:,::;;;/
　　　　ヽ `ﾐﾄ､,．=＝=-､ ,＞＝=-､「;;;;;;/
　　　　　｀Yﾗﾘ　 ,ｨﾃｵ ,j=ji　fﾃｧ､.::;l!^Y
　　　　　　l .:;!L＿＿_ノl;::ゝ､＿_:.;ｲリl‐-､　　　　　　　　「黒、っぽかったと思う………
　　　　　ヾ「　　　　　|;:.　　　　,jレ′　|＼　　　　　　　ううっ………うううう………」
　　　　　 ,r'´ﾞ､ u.　　　^^´　　　ﾘ:.ヽ　 !.:.:.ヽ
　　　　　 /ｰ- ､ヽ　　 ,r─-､　 u.,/｀ヽ.::＼|.::::::|ﾄ､
　　　　 ,/.:.:.:.:.:.:.:｀＼　 ´二｀　／　　 |.:.:.:.::ヾ:」|:.:＼
　　　 !「￣＼.:.::::::::l＼＿_,, イ　　　/!.:.:.:.:.:.:.ヾ!:::.:.:.＼
　　　 |ー -､ﾘ.::::::::l!　ヽ　 /　　 ,ｲ,/::::::::::::／::::.:.:.:.:.:.:＼
　　　　 |. 　　ヽ:::::::ﾄ､　　　′　／//:::::::::／::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　 l　i:　　 l::::::::|ヽ_,二ﾆﾆﾆ_,ノ/::::::／::::::::::::::::::, ヘ::.:.:.:,r'^ヽ
　　　　 |　|;:. 　 |::::::::!　　　　　/::／￣｀`ヽ:::::／,r',r'ヾ./　　ハ、

―――――――――――――――――――――――――――――――
　　色で属性を見分けられる竜族や龍族と異なり、
　　殆どが黒―――否、闇色に鱗を染める邪竜族はその限りではない。
―――――――――――――――――――――――――――――――

137 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:32:01 ID:uiHBGRsI

二１７６．
―――――――――――――――――――――――
　　なのに、とうとう泣きだしてしまった騎士から離れ、
　　カリッと爪を噛んだエルにはどうしても
　　相手を邪竜と言い切ることが出来なかった。
―――――――――――――――――――――――

',::::::::::ヽ :::::::::::ヽ :::::::､:::::::::::::. '::::::::､ヽ､ヽ::::ヽ＼:::､::::::::::
.ヾ､::::::::'.,::::､::::ヽ､::::::::::::へ::::ヽ':::::'.,ヽ＼':,':,:::ヽヾ::':,::.::::
:'::＼ヾ::::::ヽ'::::ヽ::::＼:::::::::`:::ヽ:::`､::::'.,:ヽ.ヽヽ:::::':,ヽ::`:::､
::',::',:,ヽヽ､:::＼'::::ヽ::::ヽ,::::､::::::ヽ､＼:::::'::::'., ':,ヽ:::::':,:ヽ:::
､:',:::',:':;:`::.`､;_:ヽ､::::＼:ヽ:',ヽ;'::､;;;;ヽ`､::::::::'., ':,゛,'::::::::::',::
.!:::゛::',::ヽ:::＼::::::::::ヽ:::::`:､:'yｯﾝｧ::::ヾ;＼';::::::ヽ':,::',,::ヾ::::'
::::::::::::'::::＼::::ヾ:::::::::､､:`:::::::i!　!::::::::::ﾒ'ｯ､`:::::::::':,:::',,::ヽ:::
::::::::､::::',:､:::::ヽ＼::::::::'.,＼::::,ヽ ` ｰ "／　`;:ヽ::::'.,:::l!:::ヽ,
:::ﾊi!ハ::､ヽ:::ヽ. i ヽ､::ヽ　ヽ::',`''､'''"　　　 !:',::､::::::::!:::､
:::i,丶'､ヾ　　`'､`;、　`'-`､　ヽ、　　　　　i:::',:!:､::::::::::::
::::! 　 `　｀　　｀iヽ､　　ヽ　　　　　i::::',:i:ヽ:::::::::
:::::l, 　　　　　　　!　　　　　　　　　　　　　i!.ﾉ';,:::;::':,::::::
:::､:i　　　　　　..､ヽ､　_,,,..　　　　　　　　　!,､:'::::::'::::':,::::
::::.､',　　　　　　　　　´　　　　　　　　　/::::::::::::::',.:::::::::　　　　　 .「妙ですね。
::::::ヾ'、　　　　..､､...... 　　　　　　 ,;:'i:::::::::::::::::',.::､:::　　　　　　邪竜に近い何かなのは間違いないのですが、
::::::::::ヽ　　　''``ｱ`'''ﾏ''''``''ｰ　　 ,;:':　.i:::::::::::::::::::',:ﾄ､:　　　　　　邪竜だと断言できません」
';::::::::::::`;;､　　 / 　　ｌ:.　　　　　,;:''　　 .ｌ:::::::::::::::::::::::i
. !:lヾ:::i :. ;ヽ／　　　ﾉ: 　　　／'　　　　i:::::::::::::::!';ヽ::',
　';! ヾ'i: : /　　　　/ 　　,.ｨ'´' 　　　..　 !:::::i::::::::', '､ヾ
　 '､.　ｿｲ'　　　／‐-ｰ;:ｼ' 　　　　::/　 i:::::!':,:x:::',
　　／:. !　　　/:. :._､-'´ 　　　　 .::/　　',:::!　':;ヾ;
､='´:. :. '　　ﾝ:. :,'´　　　　　　　　 /　 ':;:.ヾ'､　ヽ `

　　　　　　　　　　　　　,､r'''""""''''‐-､､,,
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　"‐､
　　　　　　　　　　／l:.:..::.:...　　、ヽ､:.:.　、:.::.ヽ、
　　　　　　　　／:.:..l:..i､:.ヽ､:.:..､ヽ　ヽ:.:....:.､:;:.:.:.'､
　　　　　　　／イ/:./､:.:l､:.:ヽ､:.:ヽヽ:.:.ヽ.:.:.:.､:.:.... l
　　　　　　　/,゛i:./.:/　'､:l ＼ヽ＼:.::＼＼ヽ:.:.:',:..:...l
　　　　　　　'゛ l:.l:..l_　　ヽ　　＼--'ｒ､:.＼'､'､:.:.ｌｉ:.:..ｌ
　　　　　　　　ｉﾘ､:ｌ,ゝ､　　'''゛ ,,､ｪ-､゛'ｉ-､:､ゝ:.ｌ;ｌ:.ｌ
　　　　　　　　　''､:.iｲl;;.）　　゛ l;.;;;;ゝ .l:.:.l‐'i,,､:.ll:.l
　　　　　　　　　　l:;l　'゛　　　　　ｰ'゛　l:.:.l５ i､l:.:.lll､　　　　　　「………私達が知る邪竜とは別物だと？」
.　　　　　　　　　　 lﾘ　､　　　　　　　　.l:.:l ｨ'゛ミ､lﾉ;ヽ
.　　　　　　　　　　l:.ヽ `　　　　　　　ｨ:.:.l l三ﾐ／ノ
　　　　　　　　　　　l;.;ll'､￣`　　　,,､r' l:.:.l l=ﾃ'.:／:./ｰ､
　　　　　　　　　　　l:.:.;ll ヽ、　,ィ'゛,､､‐|:. l;.;.i､／.ﾉノ:.:./
　　　　　　　　　　　l:..:;l;l 　　 ' ,;ii";.;.;.;.l:. l.;.;.;.:l､彡//:./､
.　　　　　　　　　　l　;l:l　　　{Iiil.;.;.;.;.;l .:l.;.;.;.;;.ヽ､///:..ヽ
　　　　　　　　　　　l　;l;l　　　llli;.;.;;.;.;l:. l;.;;.;.;.;.;.;.;.ヽ,r' /､
　　　　　　　　　　　l .:.;;l,,､-､r'人;.;.;.;..l:.:.l,､r''"゛゛　　゛"'-､
　　　　　　　　　　　ﾉ;.;..;.l　ﾉ.;./ii;.;;;.;.ﾉ:.:. l.　　　　　　　　ヽ

――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　もちろん、この情報を得た時点でアグリアスも異を唱えられなくなっていた。
　　ならばあの竜は一体なんなのか、その答えを早急に見つけ出す必要がある。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

138 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:33:01 ID:uiHBGRsI

二１７７．
――――――――――――――――――――――――
　　だが、あらゆる面で事態は彼らの想像を超えており、
　　決定的に情報が不足している。
――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　 _,-,ﾆ二ニ=､
　　　　　　　　／／
　　　　　　　 /:/
　　　　　ヾ`､
　　　　　　　　＞+:‐: ´:￣: ￣: :`:'￣:l.､＿＿＿,／
　　　　　　／: : : : ／: : : : : : : : :/ : : l: : : :く‐´´
　　　　 /: : : ／: : : : : : : :/: :/: : : : l: : : : ､:＼
　　　　　l: : : /: : : : : : : : :/: /l: : : : ∧ l: : : :ヽ: :ヽ
　　　　 /: :/: :/: : : _,:_∠Ｌ､:::/: : : /::::l l: : : : :ヽ: : ヽ
　　　 l: /://: : : : :／::/':::::/: : : /::::-H､: : : : : lト､: ヽ
　　　　l://://: : : ｲミ土=､_/: : :/:::::::::l∧: : :l: : :l　｀ヾ､
　　　　l/: :l l: : : ｲ:llo:::::::/:::/://:::テﾃヵl: : :ﾊ: : l
　　　 l: : :l: l: :/.:l.:l し: 」:::::l/:'::::::P::::/'/l: : :l:N: :l
.　　　 l: : : W/: : N　　　　　　､ `‐':::l::l: : lN　V
.　　　 l: : : : :ﾊ: : : ト､　　ー=　　　ノlﾊ: :ハl
　　　 l: : : : : :､: : : 「ﾌ｀‐- ,､-┬:Ｔ´: :l　l/
.　　　l: : : : :,レ､: : :ヾ､　　/､｀Y/:l:l: : l　　　　　　　　「駄目。
　　 /: : :rﾆミミヽ: : ヾ､-─┤ `┤: : l　　　　　　　　他に生き残り、いない………」
　　 /: : /￣＼ヾヽ: : :ヾ､　　 l　　ll: : l
　　/: : /　　　ヽヾヽ: : lヽ　　l　 /l: : l
　 /: : /　　　 l ＼ヾ､: l ヽ　 l //l: :/
　/: : :l　　　　 l ハヾ､l､､l　 l////l

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　落ち込んだ空気は犠牲の多さや周囲の冷気のせいだけではない。
　　今も暴れ回っているはずの存在が、未知である事の恐怖が大半を占めているのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


	140 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:34:20 ID:rShDtFkA 生き残りがいたとしても、まともな精神状態でいられているのかどうかこの証言があるだけでもありがたいくらいだよな

139 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:34:02 ID:uiHBGRsI

二１７８．
―――――――――――――――――――――
　　そこへ、目を覚ました王子の大声が響いた。
―――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'" ,i"　　　　　　　　　　,;;;;／　　　　　　　　　　 ~`ー､___ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'_,.....! 　　　　　　　　　 ;;;／　　＿＿＿＿　　　／　／　`ー---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　 ,!＼　　　　　 __,,,,--''/"/~;:///,,,,---|/`iー-,-､,,,__,＿_,,,-‐'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　ヽ、　__,,,rit;;ﾐ､|/j//∠//r';,--,--､||ノﾉﾉ!;;;;;;;;;;|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i_,-,,;;;`-;;";;;| ゞ-~'|/／..........'-ゞ='--‐' '　' '　!;;;;;;;;|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／i　 !;;;;;;;;;;;;;;|　　　丿^ 　　　　　　　　　　　　　!;;;;;;| 　 !
　　　　　　　　　　　「くそっ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　i 　ヾ;;;;;;;;;;|　　,r'　　　　　　　　　　　　　　 ,〉--|　 ,!　　　,,;
　　　　　　　　　　　あの咆吼が駄目なんだ！　　　　　　　／　　　 i　　ヾ;;;;;;;;|　　ゝ､、　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;!　i'　　　,;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i 　　ヾ;;;;;〉　　　,,,__..........,、、　　　　　　/;;;;;;;;!　i　　　,;;;;
　　　　　　　　　　　屈強な騎士達ですら足がすくんで　　　ヽ　　　i 　　ヾ;;;入　　ヽー―‐''`ヽ!　　　　　/;;;;;;;;;;i　i　　 ,;;;;;;!,
　　　　　　　　　　　手も足も出なかった！」　　　　　　　　　ヽ　　　 i 　　ｙ　∧　　||　　　　　!　　　　／;;;;;;／ ,/　 ,,;;;;;;;;i;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　　 i 　 / / 　ヽ　ゝ､...........'ノ　　／;;;;;／　／,,;;;;;;;;;;;;;;i;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　　　!/ /　　　ヽ　￣￣　／;;;;;／　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;

　　　　　　　　　　　　　＼ー-- ､,,_ー=ミ‐-..､
　　　　　　　　　　　　＿＿＿ﾐ::::::::::::::::｀¨ミヽ､::::::ヽ.
　　　　　　　　　　＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::ヽ
　　　　　　　　　ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､
　　　　　　　ー=ﾆ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j::ﾊ
　　　　　 --─=＝ﾆ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾミ:::::::::::}
　　　　　　　 ,,ｨ彡:::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡ｲﾊ::く
　　　　　　／::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::l::::::::',
　　　　／---─ｧ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::／:::ﾘ:::::::}ﾊ
　　　　　／/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ:::ﾂ<彡'/:::;イ::::::::::l:::|
　　　　　　　　/::::ｨ::::::::::::::::::::::::::,ｨ/ 　¨''=ｲ _,ｲ:::ｲﾃ ::::::::::ハj
　　　　　　 _,,ｲ／/:::::::::::::::::::::ｲ/ |　　　　　ノ　|¨ .::::::ｲ/
　　　　　　 ∠ イ:::::::::ｨ::/ .|　　　　　　､ _｣ｲ:／.j'
　　　　　　　　　　/ｲ:／ .|ｲ　　＼　　　‐--- ／|:/
　　　　　　　 __ ｲ　　 j　　　　　＼　　ﾞﾞﾞ／　.ｿ　　　　　　「竜の咆吼は厄介です。
　　　　　　　　 /＼　　　　　　　　／ヽ- '
　　　　　　　／　　ヽ､　　　　　_ ｲ　　　　　　　　　　　　　　　精神に作用する魔法みたいなものなので
　　　　　／　　　　　　ヽ､　　Y　　　　　　　　　　　　　　　　　静心の奇跡などで解除できるとは思いますが」
　　　　 /　　　　　　　　ー┴､
.　　　/　　　　　　　　　　　　　 |
　　　/　　　　　　＼　　　　 |､
　　 i　　　／　　　　　＼　　ﾊ
　　 |　　/　　　　　　　　　　ヽ　　 |
　　 |　 ,'　　　　　　　　　　　 }　　|

141 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:35:01 ID:uiHBGRsI

二１７９．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人从ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　サニティじゃ無理だ！　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　大勢の騎士達にかけて回る余裕などないッ！　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒W⌒W
　　　　　　　　　　　　　　 i| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |:
　　　　　　　　　　 l| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |:　　　　 /´ 　ム -イ;‐ｧ
　　　　　　　　　　 :| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |　　　　　.,!　　　　　〃 /
　　　　　　　　　　　　 | :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |: 　　 .／　　　ｨ!　|ｌ　ｉ¨７
　　　　　　　　　　 :| :;:;:;:;:;:;:　│　:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |: 　 .／　　　　;'´ i　ｌ|　|　|
　　　　　　　　　　 :| :;:;:;:;:;:;:││:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |: 　 .l　　／| 　 !:　!　 |L/|　!〉
　　　　　　　　　　　　　　 | :;:;:;:;:;:;:││:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |　　 |.／　 l 　 |!　l　 |　 .|__|
　　　　　　　　　　 :| :;:;:;:;:;│││:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |i　　　　 .| 　 l!　|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |　　　　　 !　 |l'　|　 |
　　　　　　　　　　　　 :|::;:;:;:;:;:,.　　　　　 .,:;:;:;:;:;::|:　　　　 .|　 |!　.|／
　　　　　　　　　　 :/:::.　　　　　　　　　　 |:　│　　 .|／
　　　　　　　　　　　　 :/:　　　　　　　　　　　　 |:　││　　　　　　　　　　 rーi
　　　　　　　　　 //:　　　　　　　　　　　　　　　 |:　││　　　　　　　　 i´　 |　|　｜　｢￣!
　　　　　　　　　　　 //:　　　　　　　　　　　　　 |:　│││ 　　　　　 |　　|　i! 　! , |　 |
　　　　　　　　　　　:/:　　　　　　　　　　　　　　　　 |i　r'ﾉ　　　　　　　　　　ﾚﾊ｣,ﾊ　 !　l|´|　 |
　　　　　　　ｉ,':　　　　　　　　　　　　　　　 ||　　　　　　　　　　　　　　ｰ'　|　 |
　　　　　　　　　　 l|:　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:　　　　　　　/　　　　　　　　　　 |　 |
　　　　　　　　　　 :|:　　　　　　 ,::..　　　　　　　 |:　　　　　　′　　　　　　　　　　　　　|　 |
　　　　　＼、　　　:|:　　　　　／::.:.:. 　　　　　　 |i　　　　　/　　　　　　　　　　 l＿｣
　　　　　　　ゞ､_从i|:　　　　 /￣｀ヽ::.　　　　　　 ||_从_,. ィ　　　　　’
　　　　　　ア,:=''" :|:　　　 | 　 .::ノ:::.　　　　　　　　 |:　"＝､て　／
＿＿＿て::/　　　 :|:　　　 | :／　＼　　 /:　 /:　//:　　　}　≪　　　　．
　　　￣)　{　　　　:ヽ＿＿_人.＿＿_＿_／:. ／_／´　　　ン　 {＿　＿
　-＝''''＾ヽ'､　　　　　　　　　　　￣￣￣￣　　＿　　= '" .: . :（　　　　　￣
　　　　／⌒`''＝一　　　　　　　　　　　　　￣￣　¨￣　￣　＼

142 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:36:11 ID:uiHBGRsI

二１８０．
――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　王子の言い分はもっともで、範囲攻撃に単体回復で対抗するなど愚の骨頂。

　　だがそれを可能にする、人に与えられた術はあまりにも少なく、
　　あまりにも要求される実力が高すぎた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　,､‐'"´　｀ﾞヽ.､
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　,　ﾞ､
　　　　　　　　　　　　 ./　　　　　　　　　　.ﾊ. i　ﾞi
　　　　　　　　　　　　.,ﾞ!　　／　　　　 ,　.ﾉ　!.!.　ﾞ,
　　　　　　　　　　　　j.|　　/　_,､-'._,､ｲ／　　!|　　!
　　　　　　　　　　　　l.l　 /イ'';Kﾞﾞ´ ／.-‐''''' ﾘ　;. |
　　　　　　　　　　　　l.| , ,|　｀ﾞ"　　　 'ﾞL;ﾉ> ﾉ /　|
　　　　　　　　 j |.! ﾊ,　　　　　　　　 ,ｨﾞ./　 .!
　　　　　　　　　　　/ .!| .l:::ﾄ､　 _ﾞ_ '　　　.ノｲ　　 .|
　　　　　　　　　　　!　ﾘ .|rj　ヽ　ｰ｀ ,.ィ'´　|i　　 .|
　　　　　　　　　　　|j. |　ﾘ::｀'ｰrﾐ';=''-‐'|　j.ﾉ.|　　 |　　　　　　「大勢にかけておける高位の補助系となりますと
　　　　　　　　　 /_j　 |:::::::::i　十;j::::::l､./　.|　　 |　　　　　　　　　　　　　ｼﾞﾊｰﾄﾞ
　　　　　　　　 _,､‐'´ |　 |::::::::::|. （（:::::::::｀ヽ､!i.　　!　　　　　　　私には聖戦の奇跡ぐらいしか思いつきませんが………」
　　　　　　　,＜;:::::::::::!　 |:::::::::l　 l　(::::::::::::::::!.|　　,ト､
　　　　,r''"´　　ﾞヽ;::::j　 .|::::::::ﾉ .人, ﾞヽ､::::::::j.ﾘ　　!|:::ヽ,

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　-―.―ｰ- ，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,，´.::::. . . . . . . . ..:::..｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./.; : : : : : : : : : : : : : : : : :.' ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,'!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'.::::::::::::::::i::!::::::/ i!,'ノﾘｿﾘｲ::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ|:::::::{千ﾍ! i,ﾙ'　ｨrｻｭ｀_　.}::〈.ｨﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .!ﾘ!ヽ'ｨrﾀ｀ i　　　　　　　ｊ::::}　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.´ 　　|　　　　　　　　iﾘ´ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　「父上なら聖戦を発動できる！　　　　　　　　　　　 '. 　　ヽ´　　　　　　　チ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　、.　､_, ‐-　　　　.　!ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ………だが、効果時間内に　　　　　　　.　　　　　　＼　　 ‐ 　　　,ｲ　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　奴を斃すことが出来るのだろうか？」　　　　　　　　　　 |＼　　 .／　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　__」＿｀ー､´　　　　|､____
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i｀ー―--┬┬┬-==＝ﾆ｀i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　＿＿＿_」 .┌─┐.|. ∥ |　┌─┐ ト､,___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::ゝ└─┘.|. ∥ |　└─┘_|:::::::::::

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　そして、数少ない手段を使おうにも飛べないように追い込まなければ意味がない。
　　だが、その前提を満たす為には精神抵抗力を上げねばならない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

143 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:37:06 ID:uiHBGRsI

二１８１．

: : : : : : : : : : : ｀:丶.､
.: : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ:-:':＾ヽ
: : : : : : : : : ;.-:'':´: : : : : : ; : : : l｀`:丶.、
.: : : : : : ;. '′　　. . : : : ｨj::: : 　|: :ヽ`丶`ヽ､
: : : : ／ ,.,／: . : : : : :, ' !,!: : :　l: : : ｀､　　　｀
.: :／,.-'ﾞ/::::: : : : : :／-〃!: : : ,!.: : : :.丶
／'": :./::::: : : : :／　〃 l: : :/:::. :|、 : ﾍ
: : : : /:::: : : : ;ｨ|　　__/′,'.: :/::::::. :!ヽ: : l
.: : :/::: : : :／|::|　示牙 ,': :/:::i:::::. :|　ヽ:.l
: : /:: : :／: :.:l::l　 | |:'::|./／::ｉ::,!::::. :l 　ヾ!
.: /:.／ |: : : :.!:l　　 l.Ч'゛|::::,'!ハ::: ,!　　 |
:/:'ﾞ:.ヽ､| : : : |:!　　 'ｰ'　 |::/ |　 ',::;!
.: : : : / !: : : :!'　　　　Ｙ　　 /　　　　　　　　　ﾌｧﾅﾃｨｼｽﾞﾑ
: : : :./　!: : : l　　　　　／　　　　　　　　　　　　　「エルの高揚で何とかならない？」
.: : :./ヽ,|: : : l､＿_, ィ'l´
: : :/　ヾ : : l　　　 l.｜
.: /　　　'､: :.!　　,.-'.　!
:/　／,.三ﾐ､|　 /　{`_⊥-､
　〃〃'"　｀ヽ〈￣　　　_,.｣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./:::/:::::l:::/::::::::::::::::i::ヽ::::::::::::::::::::＼::::::::::＼::＼::::::::::::::＼:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::i::::::l:::l::i:::::::::::::::::l::人::::::::＼:::::::::::＼::::::::::＼:ヽ:::::::::::::::＼:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::ii:::::i:::::i:::::::::::::::::l:||__ヽ::::::::::ヽ:::::＼ヾ:r======ヾ::::::::::::ヽ::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::i i::::l::::::i::::::::::::::::i「:::i　ヽ:::ヾ::::＼::ヽヾ|:;;;l|　　:/　＼:::::::::::::ヾ::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::l i:::l::::::i:::::li:::::::::::i;::;:il　/i＼ヽ　　＼丶ﾐ=≡彡´　　＼:::::ヽ::::＼:::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::i　l::i::::::i::::l:::::::::::::ｉﾐ彡´/　　ヽ＼　　ヽ　￣　　　　　　ヾ:::::ヽ:::::::ヽ::
　「静心の奇跡同様、　　　　　　　　　　　　　　　 i::i　 l:li::::::l　 l;::::::::::i　　/　　　　　　　　＼　　　　　　　　i::::i::i:::ヾ::::::::
　多人数にかけられる魔法ではありません。　 il　　l　i:::i　　i::::::::i　く　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::i　ｌ:l:::ヾ::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　i:::l　　l:::::::::ゝ　　ヽ　｀丶　　　　　　　　　　　　　　i::i　i:l::::::ヽ::
　少数精鋭の援護が良いところでしょう」　　　　　　　 i::l　　i::::::;丶　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:i　i:l::::::l::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ll　　　l::::i::::丶.　　　.　____　　　　　　　　　　　　:::i::;:;l;;:::l::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　／　 i::::l:::iヽ.　ﾞヽニニﾆ=｀__　　　　　　　:::::::l／l::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　l:l　l:::丶　.::::..---‐‐　　　　　　　　::::／::::::::i:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　i:　　i::l ＼　　　　　　　　　　　:::::／::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　i　　i:i　　ヽ　　　　　　　　:::::;／::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　 i　　　　ヽ.　　　　　.:::／:::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､＿__::／＼::::::::::::::::

――――――――――――――――――――――――――――――
　　単体効果で良いなら精神抵抗力を増す精霊魔法はあるものの、
　　効果は対象者の精神力に大きく依存する上に
　　エルダー級が繰り返し吼えられたら抵抗しきれなくなるに違いない。
――――――――――――――――――――――――――――――

144 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:38:02 ID:uiHBGRsI

二１８２．

　　　　 ,ハ :::: :::: :::::::::::.::::::::::::::::ヽ::::::::､::::::::::::ヽ ::::::..ヽ::::::`､ :. ::::::ヽ :::::.:.::｀ヽ、
　　　　　　|／| ::: :::リ､:::rＮヽ＼::::ヽ､::::ヽ､::::::丶＼　::.＼:::::ヽ .:. :::::｀ヽ‐- ､_:::＼
　　　　　 /　ﾊ ::.:.::!　V　/　＼ヽ::i ヽ:::| ｀ヽ::､::｀ヽ丶､:::丶､::､ :::::...､::::＼　｀`ヽゝ
　　　　　　　 { ヽ.: ::l 　　/　　　　ヾ　ヽ:i　　i| ヽ::::ヽ＼｀`'' ‐---::::ヽ:::＼rヽ、
　　　　　　　　　 ';:: :! 　〈　　__　　　　　ヽ　　|　 ',::::::: :＼:.::､｀ヽ:＼::::::ト､::丶、
　　　　　　　　|:: ﾊ　　`　　　　　　　　　　　 }:::::::. ::::ヽ::ヽ::.:＼:ヽ､ヽ　｀` ｰ-
　　　　　　　　|/l:ハ　　､　＿＿　　　　　　　ﾊ:::::.::| :i:.:ヽ.:i::: :､:ヽ}　｀`
　　　　　　　　ノﾉ'　l心　　`ー‐一`　　　　　 ,. '|:::::::| :| :.::.N :;､!`､ヽ
　　　　　　　　　　　　 |ハ　　　　　　　　　,　'´　i!::::::| ::|　:.ハ | ＼ヽ!　　　　　　「超高位の、男性の精霊使いであれば
　　　　　　　　　　　　　　ﾘヽ　　　　　 ,.　'´　　 ,/!/ |: :::､　!　 i|　　　　　　　　　　　　　　　ﾌﾚｲｱ　　　　　　　ｴｲﾝﾌｪﾘｱ
　　　　　　　　　__　 __,.ノ/ 　ヽ __,,.　'´　　　　　ノ　l,ｲ:: ﾊ:{ 　 |　　　　　　　　　　　勇気の上位精霊による勇者の魂、
　　　　　,..､,.ィ"r''"´　 .:::　　　　r　　　　　　　　　/ /　|､:! ヽ、　　　　　　　　　　　　神聖魔法なら聖戦の奇跡。
,,.. -‐''"´　{　　ヽ　　 r　　 i　ヽ＼　　　　　　／　　　: ヾ丶､
　　　 l　　 |　　ヽ＼　　　　ｌ　　＼!　　　　　/　　　　　　ヽ　｀ヽｰ-､_　　　　　　　　あとは………
　　|　|　　　　　ヽ　＼　　ヽ　　　　　　　　i　　　　　　　　　　ﾉ /　ヽ､　　　　　よほどの詩人であれば、
､　 |　|　　　　　　　､　＼　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　／ / r　　　｀`丶､　　　戦の呪歌が役に立つでしょうが………」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　結局のところ、魔法や戦技の集中が阻害される時点で
　　火力や回避が大幅に制限される事になる。

　　無準備、無詠唱での発動が可能だとしても、
　　あるいは咆吼の間隙を縫って攻撃を繰り出したとしても、
　　一撃で仕留める事が出来なければ反撃で致命傷を受けるのはこちらの方なのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


	146 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:38:53 ID:yjDw79/Y >よほどの詩人ミクさん…いや、ないか

147 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:39:01 ID:uiHBGRsI

二１８３．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　絶望的な現実。
　　不足なのは覚悟以外の全て。

　　邪竜との直接対決を選ぶならば咆吼に対する抵抗、ブレスへの耐性、
　　鱗を貫くだけの火力が最低条件だと言うのに、
　　奴はさらに竜語魔法すら使う可能性があるのに、
　　いまだ、どれも人の手にない。
――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'" ,i"　　　　　　　　　　,;;;;／　　　　　　　　　　 ~`ー､___ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'_,.....! 　　　　　　　　　 ;;;／　　＿＿＿＿　　　／　／　`ー---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　 ,!＼　　　　　 __,,,,--''/"/~;:///,,,,---|/`iー-,-､,,,__,＿_,,,-‐'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　ヽ、　__,,,rit;;ﾐ､|/j//∠//r';,--,--､||ノﾉﾉ!;;;;;;;;;;|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i_,-,,;;;`-;;";;;| ゞ-~'|/／..........'-ゞ='--‐' '　' '　!;;;;;;;;|　　|
　　　　　「とにかくだ！　　　　　　　　　　　　　　　／i　 !;;;;;;;;;;;;;;|　　　丿^ 　　　　　　　　　　　　　!;;;;;;| 　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　i 　ヾ;;;;;;;;;;|　　,r'　　　　　　　　　　　　　　 ,〉--|　 ,!　　　,,;
　　　　　僕は北地区に向かう、　　　　　　／　　　 i　　ヾ;;;;;;;;|　　ゝ､、　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;!　i'　　　,;;;
　　　　　君たちも力を貸してくれ！」　　　　　　　　i 　　ヾ;;;;;〉　　　,,,__..........,、、　　　　　　/;;;;;;;;!　i　　　,;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　i 　　ヾ;;;入　　ヽー―‐''`ヽ!　　　　　/;;;;;;;;;;i　i　　 ,;;;;;;!,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 i 　　ｙ　∧　　||　　　　　!　　　　／;;;;;;／ ,/　 ,,;;;;;;;;i;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　　 i 　 / / 　ヽ　ゝ､...........'ノ　　／;;;;;／　／,,;;;;;;;;;;;;;;i;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　　　!/ /　　　ヽ　￣￣　／;;;;;／　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;

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　　　　　　　/,゛i:./.:/　'､:l ＼ヽ＼:.::＼＼ヽ:.:.:',:..:...l
　　　　　　　'゛ l:.l:..l_　　ヽ　　＼--'ｒ､:.＼'､'､:.:.ｌｉ:.:..ｌ
　　　　　　　　ｉﾘ､:ｌ,ゝ､　　'''゛ ,,､ｪ-､゛'ｉ-､:､ゝ:.ｌ;ｌ:.ｌ
　　　　　　　　　''､:.iｲl;;.）　　゛ l;.;;;;ゝ .l:.:.l‐'i,,､:.ll:.l
　　　　　　　　　　l:;l　'゛　　　　　ｰ'゛　l:.:.l５ i､l:.:.lll､
.　　　　　　　　　　 lﾘ　､　　　　　　　　.l:.:l ｨ'゛ミ､lﾉ;ヽ　　　　　　「ミネバ王女の命により、
.　　　　　　　　　　l:.ヽ `　　　　　　　ｨ:.:.l l三ﾐ／ノ　　　　　　　我らの命、フリートに預けます」　
　　　　　　　　　　　l;.;ll'､￣`　　　,,､r' l:.:.l l=ﾃ'.:／:./ｰ､
　　　　　　　　　　　l:.:.;ll ヽ、　,ィ'゛,､､‐|:. l;.;.i､／.ﾉノ:.:./
　　　　　　　　　　　l:..:;l;l 　　 ' ,;ii";.;.;.;.l:. l.;.;.;.:l､彡//:./､
.　　　　　　　　　　l　;l:l　　　{Iiil.;.;.;.;.;l .:l.;.;.;.;;.ヽ､///:..ヽ
　　　　　　　　　　　l　;l;l　　　llli;.;.;;.;.;l:. l;.;;.;.;.;.;.;.;.ヽ,r' /､
　　　　　　　　　　　l .:.;;l,,､-､r'人;.;.;.;..l:.:.l,､r''"゛゛　　゛"'-､
　　　　　　　　　　　ﾉ;.;..;.l　ﾉ.;./ii;.;;;.;.ﾉ:.:. l.　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 /:.;.:.从‐ﾉｿ､,,ll､..;./:..:. .l　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　 /r;:.://ノｉ//　ヾ､;.ｌ:.:.　ｌ彡　　　　　　　　　ｉ

145 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:38:43 ID:7VfV6mUg

まずまともに戦えるスタートラインにすら立てないとかｗ

148 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:39:10 ID:rShDtFkA

無理ゲーじゃん・・・
咆哮をしのげたとしても、動きは早いわ考える知恵はあるわ・・・異種のブレス持ちだし・・・

王子の気持ちが萎えてないのは救いだが・・・

149 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:40:01 ID:uiHBGRsI

二１８４．

　　　　　　　　　　　　　＼ー-- ､,,_ー=ミ‐-..､
　　　　　　　　　　　　＿＿＿ﾐ::::::::::::::::｀¨ミヽ､::::::ヽ.
　　　　　　　　　　＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::ヽ
　　　　　　　　　ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､
　　　　　　　ー=ﾆ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j::ﾊ
　　　　　 --─=＝ﾆ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾミ:::::::::::}
　　　　　　　 ,,ｨ彡:::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡ｲﾊ::く
　　　　　　／::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::l::::::::',
　　　　／---─ｧ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::／:::ﾘ:::::::}ﾊ
　　　　　／/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ:::ﾂ<彡'/:::;イ::::::::::l:::|
　　　　　　　　/::::ｨ::::::::::::::::::::::::::,ｨ/ 　¨''=ｲ _,ｲ:::ｲﾃ ::::::::::ハj
　　　　　　 _,,ｲ／/:::::::::::::::::::::ｲ/ |　　　　　ノ　|¨ .::::::ｲ/
　　　　　　 ∠ イ:::::::::ｨ::/ .|　　　　　　､ _｣ｲ:／.j'
　　　　　　　　　　/ｲ:／ .|ｲ　　＼　　　‐--- ／|:/
　　　　　　　 __ ｲ　　 j　　　　　＼　　ﾞﾞﾞ／　.ｿ
　　　　　　　　 /＼　　　　　　　　／ヽ- '
　　　　　　　／　　ヽ､　　　　　_ ｲ　　　　　　　　（私達は危なくなったら逃げましょう）
　　　　　／　　　　　　ヽ､　　Y
　　　　 /　　　　　　　　ー┴､　　ﾋｿﾋｿ
.　　　/　　　　　　　　　　　　　 |
　　　/　　　　　　＼　　　　 |､
　　 i　　　／　　　　　＼　　ﾊ
　　 |　　/　　　　　　　　　　ヽ　　 |
　　 |　 ,'　　　　　　　　　　　 }　　|

　　　　　　　　　 r,/''"´￣｀
　　　　　　　　　　 l::|　　　　　／!
　　　　　　　　　 l:!　　　　　／.::/
　　　　　　　　　　　ヾ:.　　＿/.::.:∠-.－::.::ァ
　　　　　　　　　 , ゝ´.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＜、
　　　　.　　　　／.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:｀ヾｰ
　.　　　　　　　 /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.　.＼
　　　　　　　 /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:　i . :.:.i__::丶、
　　　　　　　 ,'　: : .::.::.::.::.::.::.::.::..::. :　. . : l.::.::.::.!　￣
　　　　　　 i.::.::.::.::.; ,::.::.::.::.::.　.　: ::.::.::.:l:.::.:i:.::|
　　　　　　　 l.::.::.;:;';';';';';';:,.::.::.::.::.::.::.::i::.::j､::.;{::.:|
　.　　　　　 l:.::;';';';';';';';';';';';.;';.::.::.::.::.l::.::l Υ|::.:|
　　　　　　 l.::;';';';';';';';';';';';';';'.::.::.:.:/:.::ﾊノ.::|ヾ|
　　　　　　 !.;';';';';';';';';';';';';';';.::.::./::.::|　|::.:|
　.　　　　　 l.';';';';';';';';';';';';';';'::.::/.::.::|ノ|::.:|　　　　　（………う、うん）
　　　　　　　　　},';';';';';';';';';';';';';'::./::.::.::l　!.::.|
　.　　　　　　　 l.:l.';';';';';';';';';';';';';/::.::,::.::!_|.::/　ﾋｿﾋｿ
　　　　　　　 l.::.!.';';';';';';';';';';';'/::.::.;;.::.:|l!ヾ、
　　　　　　　　l.::|::.::';';';';';';';';';'/.::.::.;;';:.::.|l!l!|ﾞ!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　こんな状況であるからこそ、私達の目的を忘れてはなりませんと言うエルの気持ちはよく分かる。

　　なのに―――なぜか、コナタが返事をするまでには数秒の間があった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━…

150 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 20:40:33 ID:uiHBGRsI

以上で前半の投下を終わります。
２１時からの後半もどうぞよろしくお願いします。

151 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:41:23 ID:7VfV6mUg

神風みたいな心境なのかな
立ち向かえるのがすごいわ

154 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:41:48 ID:rShDtFkA

乙

エルの判断も、決して間違いじゃない。英雄視されてるのはない夫だしな。
しかしスルーできたとしても、向こうもスルーしてくれるとは限らないしな・・・

157 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:43:25 ID:n35QqwjY

手に汗握る展開とは正にこのことですね

163 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 20:48:52 ID:ROqanQjA

乙です。
凄まじく絶望的な状況だ…。

164 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:00:01 ID:uiHBGRsI

二１８５．
━━━━━━━━━━━…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

――――――――――――――――――――――――――――――――
　　すでに太陽は地平へと去り、空は闇に包まれていた。

　　今夜は魔法学院の見習いが灯して回る明かりもなく、
　　騎士達のもつ松明や周辺の火事だけが町を僅かに照らし出している。
――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿_从_/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　＞
　　　＿/＼／＼/＼／|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　目標を視認！　　＞
　　　＼　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　 <　　　　　　　　　　　　(
　　　＜　き、来たぞ！＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y⌒Y^
　　　／　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1
　　　￣|／＼/＼/＼/￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‐=､´　　ここが最終防衛線だ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 )　　絶対に抜かせるなよ！！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ

　　　　,-‐ﾛ‐-､
　　　ｌ_＿_＿__ｌ
　　〔iY´Τ｀Yi〕
　　　.（ (ｭ買ｭ) ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,--‐‐ﾛ､
　　（~[ﾆ[⊃≠=∩ﾖ≡≡≡「ョ　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ_＿_＿__ｌ
　　　 [ｌ[]冂[][][|'´￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔　０　∩二(O:O)
　　　 /~ /ヽ~ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.（ ⅲ 「ｌ買)
　　　［____）［___）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（~ﾉ二ノｌノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,--‐‐ﾛ､　　　　　　　　　　　　　[][冂[][]
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ_＿_＿__ｌ　宀　　　　　　　　　 |____||__|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔　０　Y´''| 　 |||　　　　　　　　　[____）__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　.（ ⅲ　(ｭ買)　|||
　　　　　　　　　　　　　　　　（~ﾉ[ 　｀i´　]ヽ^)|||
　　　　　　　　　　　　　　　　　し冂[][]冂ヽつﾞiⅰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|____||___| 　 ⅱ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (＿_ﾉ､,,＿)　Ⅱ

165 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:01:01 ID:uiHBGRsI

二１８６．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　黒鉄色の鱗を持つ存在は闇に良く溶け込み、またそれが発見を難しくさせていた。

　　大質量が敷石を踏み抜く音か、羽音でしかその行方を掴む事ができずに
　　人側は不意打ちばかりを受けている―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―――フム。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ここを最終防衛線に選んだと言う事は
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　向こう側に大勢の虫けらが集まっている、と―――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ー､ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞::::ﾔ､::ノ::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦二＿イ::::::ヽ､::<:::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜二:::::≧::＜::::::::弋oｪ::::::::ﾏ　　　　　>>命ある者は全て滅びよ………<<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦ﾆﾆ＝＝メ┼--:::ヾﾑﾐー､＿::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦イ＿:::::＼⊥_::::::::::ソﾔ　　ﾔﾑソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠三フ::::::::::::<::::::::::::::::::::::ﾔ　ﾔｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　∠三三::::::::::::::::::><､::::::::::＞＝￣フー-　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　ｌヽ＿イーｭｭ:::::,－-､<　　｀ー､,--'' ¨ ´､＿＿＿__／
　　　　　　　　　　　ト､_」::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ/,　-ｔイムｌ-､／:::｀ヾ-,
　　　　　　　　　　 ,マ::::::::::::::::::::::::::::::＿＿_／　　　 l　　/　ヾ:::::::::::::|,ｨｌ
　　　　　　　　　　,マ::::::/-::::::::::::::|´',　',メ:::ヽ､　　ム　ﾔ　ｌ＿:::＿:::::::::::|_
　　　　　　　　　」／::::,'::::::::i::::::::::ト／:::::::::::/　＼　　　イ､　　　＼|::::::::::::t
　　　　　　　　　|/::::::::,'::::::::i:::::::／:::::::::::::::::/　　__〉　　/　ﾄ､　　　　',::::::::::::ヾ
　　　　　　　　 У:::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::／ ,イ´　　　/　　ｌ::l　　　　＼:::::::::l
　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::l:::::::::,ｨイｴ彡＜　（￣／ヽ　　ﾘ　　　　　　',:::::::::ヽ
￣フｰ-‐'´￣7＾',:::::::::::::イヽ:::::::ﾊ　 r‐ィヽ〈｀ー／　　∧イ≦､_　　　　　＼::::::｀ー-=ー-､
. /　　/:::::::::::〈　〉:::::::::ﾊ　 |ー＾リｰ'　　　　｀´　　　　∟彡∟ヾ　　　　　　∟＿_|二ユ--ィ
.∟,イ￣￣´　∨　　　　 ∨

166 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:02:03 ID:uiHBGRsI

二１８７．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　また、フラックはフラックで、人間の集団を見つけていきり立つ邪竜に呆れていた。

　　邪竜の意識はただひたすらに生ある者、形ある物を殺し、壊し、蹂躙しつくす事しか考えない。
　　暗黒竜の呪いのせいとは言え、退くことをしらない機械的な執念は
　　高位魔族ですら悪寒を感じるほどである。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　―――ああもう。

　　　　　　　私達の使命は皆殺しではないと
　　　　　　　何度言ったら分かるんですか、このケダモノは―――

..　　λ
....　｜|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　＿_ィ√~フ
.　　|ξ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.ー~: : _.ー＾＾: :: ヽ : :）
..　|;;;ж|/|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r: :: :: :: :ｒ :＼: ::Ю: :: :: ::＼
..ﾞ/，|※｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜ｗｗｗｗｗｗｗwヽ: :: :: 　　）
.....※||※|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　　　　　　~￣＼　＿＿‘ｗ｜ヽ　　｜
.....※| |※/|　　　　　　　　　　　　　　　　／ /　　　　　　　　　ｗ/:::::::／ｗ.／￣~/　|
　※ | |￣/　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　　　　　　　　ＷWWWＷ／　_ ／　　|　　　>>全て滅びよ………<<
...￣ | .|;;;;;;|　　　　　　　　　　　　　　　,′,′　　ハ　　　　　　＼二二／／~!~　　　/
_;;;;;;;;;|　|;;;/|　　　　　　　　　　　　　　/ /:　　　_=|;＼ヽ　　　　i　　　　　　i　　／
ﾞ;;;:::;:;;;＼.. /　　　　　　　　　　　　　./ /::/⌒ー＾丶、　＼~＾ー,'　　　ν　　　|/　＼＼
_:;:;;;::＼:;＼/`|　　　　　　　　 .　　 / /::/:;:;;　　　＿　＼　｜／　　　ν　　　 /＼　＼＼
　　:;:;;;::＼＼/　　　　　　　　　　 ./ /::/　　:;:;;/∧　＼＿_）ヽ　　　ν　　　　/＼ ⌒＾＾＼＼
―　　:;:;;;::＼＼/~｜　　　　　＿./ /::/ :;:　　|/::::＼＿＿ｙ　ゝ　　ξ　　　／:::::::::::ヽ　　　＼＼
　　　: :: :: :: :＼＼/＿　　／~　/ /::/　 :;:;;;:/::::::::::::::::::＼　　　　　　　 .／／⌒＼:::::ヽ　　 : :ヽ. ＼
　　　: :: :: :: :＼＼/＿　　／~　/ /::/　 :;:;;;:/::::::::::::::::::＼　　　　　　　 .／／⌒＼:::::ヽ　　 : :ヽ. ＼
..　｜　　:;:;;　:;:~ーー―‘　:;:;:;:/ /::/　:;:　/:::／`ー=_.／: : : : : : : : : :／　＼　　　＼:::::ヽ　: : .ヽ＼＼
..　:　　　:;:;　 :　:;:;　　::　　　 / /::/　 :;　/／;;;/　::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　＼　　　＼::ヽ: :　　ヽ::＼＼
..　‘＼:;:;　　　:　:;:　　:: :　　/ /::/:;:;　　/;;;;;;;;/:::::::::::::::::::::::::::::::::::/＼　　　　　｜　　　　＼ヽ　: : ::ヽ:::＼＼
....　　　~=_￣`￣`￣`￣`/ /::/　　 : :/;;;;;;／:;:;:;:;:;;::;::;:;;:;::;:;;;::／　　|＼＿＿＿|　　　　　　ヽ　: : :　＼:::::＼＼
.　　　　ー=_＿＿＿_　＼＼　　　/;;;;;/:;:;:;:;:;;::;::;:;;:;::;:;;:;:;／　　　＼　　　（　　　　　　　　　ヽ;: ::;　　＼:::::::＼＼
　　　　　　　　　　　　 / / | ＼;;;;/~￣~‘～～￣　　　　　　　.）　　,‐_ヽ　　　　　　　　＼　　　　＼:::::::/ /
.　　　　　　　　　　〆⌒〆⌒　⌒＼　　　　　　　　　　　　　　　<＿＿ゝ　ゝゝ　　　　　　　（＿　　　/　＼　ヽ
　　　　　　　　　 ‘=＿=＿=__|⌒`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー-（＼　（＾＼＾＼

167 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:03:02 ID:uiHBGRsI

二１８８．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　ここで向かい合っていたのは第二王子ミリアルドの指揮する聖騎士隊、
―――――――――――――――――――――――――――――――――

＼_人＿人∧从＿／
　)　　　　　　　　　＞
＜　　ブレス！　　＞
　<　　　　　　　　　(
　／＾Y￣∨￣∨Y^
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　ホーリー・プロテクト！　　＞
　　　　　　　　　　　　　　 _,, -― ''￣￣/￣` ヽ、　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　 _,, ー-- 、　　　ノ　　　　ヽ、　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　 ,, r '"　￣ヽ　＼､／＿＿__　　　 >＼
.　　　　　　　　　／／,　　- 、　ヽ　　￣　　　　￣`＜__　＼
.　　　　　　　　 /　/ /　　　　Y　　＼　　　　　　　　　　　`ヽ＼
.　　　　　　　 /　/ ll|　　　 /　　　　＼　　　　r―--、　 `＼_
.　　　　　　 /.／　 l　　　ノ　　　　　＼　　　　`ヽ、__＞　　 !
　　　　　　　 /　　　　`ー‐"　　　　　　　＿＿＿＿　　　　　　　　ヽ
.　　　　　　レ‐､　　　　　　　　　／￣￣＿＿＿　￣￣`ヽ、　　　ヽ
.　　　　　　　 Lr入　　　　　　／　／￣　　　　￣ `ー---`―- ､　ヽ
.　　　　　　　 /:|::l;;＼＿＿＿.／　.／　　　　　　　　　　　　　､　イ＼ l
.　　　　　 /::/::l::|::`ヽ＿＿_,, -"　　　　　　　　　　　　 ,,r‐=、　l　rー┘
　　　　　 /::/:::/::|:::::|l:::::l:::|　　、　　　　　　　　／;;;;;;;;;/　／"　　　　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人ﾉ
　　　　／::/:::/::::|:::::|:|::::|::|　　　ゝ　　　　　　　　　　|`l;;;;;／／　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
.　　　 /::/:/::/:::::/::::l:l:::::l:::|　　　　＼　　　　　　　､`ｰ"　/　　　　　　　＜　　ステイメン隊！　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　/::/:/::/::／:::://::::|::::|　　　　 `ヽ、　　　　　　　　 / 　　　　　＜　　生半可な戦技では竜の鱗は貫けん、　　　　 .＞
.　　 /::/::/::/::/:/::::l/:: :/::::|＝=-ゝ、　　　　　　　　　　/　　　　　　　　＜　　いたずらに消耗せず防御に専念せよ！　　　..＞
　　／::/:/::/／:/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、＿_ ,rー―‐ "　　　　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
..／:／／::/::::::/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　ヽ-、　　　　　　　　　　＜　　護戦技の使用は各自の判断に任せる！　　　＞
ﾞ::／／::／:::／:::::/::::/:::／_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼Y`/　　　　　　　　　　　＜　　他部隊の合流までなんとか保たせろ！　　　　＞
　／::／:::／:::::／:／／　　`ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;└ ]　　　　　　　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
..ﾞ::／:::／:::::／:／／- 、　　　　`ヽ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;「　　　　　　　　　　　　　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY

168 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:04:06 ID:uiHBGRsI

二１８９．
―――――――――――――――――――
　　第二王女リリーナの指揮する司祭達、
―――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‐=､´　　サンダー・プロテクティブ・サークル！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　,, - ''　　.Y　　 `ヽ
　　　　　　　　　　　　　／　＿　　 l　　　 __　＼
　　　　　　　　　　　　／　／　ヽ　ﾚ/ ／　＼　＼
　　　　　　　　　　　/　 .／　　　　 `i　/.　　　　＼　ヽ
　　　　　　　　 /　／　　 /　　　 .Y　　　　　　　ヽ　ヽ
　　　　　　　 / /　　　 /　　　∧ | ∧　　　　　　ヽ　l　　　　　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从从从从人__从人ﾉ
　　　　　　　　　 l //.　　 / 　　 /:::'､/::::l　　　､　　　＼l　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　／/ /　 /　　　 |ー-- ' ﾍ　　 l　　　　ゝ　　　＜　　オーキス隊は聖騎士の後ろについて　　　　　　　　＞
　　　　　　　　 l　/ /　ｲ　　　/l |　　　　 l　ﾄ　ヽ　　ヽ Y'　　　＜　　静心の配布と祝福、加護、耐雷の維持に全力を！　　＞
　　　　　　　　ヽ|　|　　|　| 　 | | l　　　　 | | |　i_」　ｲ　l,/　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　 |　l　　|_∧　 | ﾚ'　　　 |ﾉ | /　）/イ ∧　　　＜　　姉上のテトラ隊が来るまで耐氷はありません！　　　　.＞
　　　　　　　　　　ゝﾍヘﾍ.ｰ＼＼ .　　　 .r' ノﾉ--/‐　 |/l .l　　　＜　　回復で戦線を維持して下さい！　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　＿l ､| 　 "T:::ｒ‐r､＼　　 " ´t:::::ｔ'７ヽ　|） ,/＼　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　／;;;;; ＼　　､ヽ::ノ,　　　　　ヽ:::ノ,,　 /.／;;;;;/　　　　Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY⌒⌒YW
　　　　　　 └､;;;;;;;;;;;;;]. 　　￣　　　 i　　　　￣　　　lｰ- ､;/
　　　　　　　　＼;;∠ .l　　　　　　　|　　　　　　　　 /ヽ　　 ` ー- 、_　＿_
　　　　　　　　　／７　ﾄ､　　　　　ﾉ　　　　　　 ∧ /　　　　　　　￣T　ヽ
　　　　　　　／　〈　 | ＼　　　　｀＿´　　　／　V ｽﾍ　　　　　　ヽ　.ヽ
　　　　　／　　　　l　 |　　＼　　〈＿:::〉　　／/|　　V　 /　　　　　　　/　　 l
　　　　／　　　　ノ,　 |　　 |.＼　　ー　　／／ll|　／　＼　　　　　　l　　　 l
　　　／　　　　　Ｊ　　　|　　＼ ` ー-‐ '　＼　.l＜　　　　 l　　　　　　|　　　ヽ
　／＼　　　　　＼　 └- ､__　ト　 |　Y　ヽ　＼|　＼　　 ./　　　　　　|　　　　ゝ

169 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:05:21 ID:uiHBGRsI

二１９０．
―――――――――――――――――――――――――――
　　それから、背後を取ろうと隣の街路を走る騎士隊であった。
―――――――――――――――――――――――――――

―――南から回り込もうとしている鼠もいるようですねぇ。

　　　　さて、どう遊んであげればお前達は絶望にうちひしがれますか？
　　　　ヒッヒッヒ―――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いそげーっ！＞

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　,､ｲ /´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |V　.|
　　　　　　　　　　　　　　　,､/〉´､／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:: :: |
　　　　　　　　　　　　　　 r'/〉丶7´　　　　　,､　　　　　　　　　　　　　 ,　 ,〈!:: :: ヽ
　　　　　　　　　　　　　_ﾔ./〉｀ｰｧr-､,､_　,'ヽ:: :ﾞ､　　　　　　 ,. -'"`‐`｀､lﾄ'ﾞ'　|:: :: ::'
　　　　　　　　　　　　ﾄ`〈>ｨ<'"ヽヽ_ヽヽﾆl:: ヾ‐=ﾞ｀ヽyﾄ､／/|　　　　 ,.､,ヽl　|:: :: ,
　　　　　　　　　　　　 X｀ヽｨ-ﾞ,二ﾆ-‐'"ヽ.〉､〈｀ヽ.､::ゝﾉ:｀l､:: l_,､　／:: ::l`､　|:: :: '
　/ヽ､　　　　　　　　　ﾄ､＿＞-､_:: :: _／ヽ.〈):: :: >):: ヽ jヽ'":: !'":: :: :::l:: :l　!:: ::l
　ヽ　ヽ'ヽ.　　　　　　　　ゝ､_:: _,..-‐'"´:: :: :: :i.{ﾒ:: /:: :: }:: l:: ヽ:: !:: :: :: /:: :: :V:: ::,'
　　ﾞ.:: :: :: ｀´ヽ_　,./ｨ‐ﾄｲ￣イ´＿＿,...:: -‐'　ﾉﾄ!/ヽ:: :: l j:: :: / ﾄ.:: :: /:: :: :: :j:: ::,'
　　＼:: :: :: :: ヽ` ﾞ／´:: ヽ､´:: :: :: :: _,...　-ｧ':: <ﾆﾆヽ､rﾆ....__.,.ｨ-イヽ:: :: :: ::l:: :'
　　　ヽ:: :: :: ::ヽ　ヽ:: :: :: :: ヽ､.-‐'"´ 　 /_.ヽ､ヽﾞ.:: ~,_,.Ю"´:: :: ｀:: ;l､:: :: :l:: .'
　　　　ヽ:: :: :: :ヽヽ:: :: :: :: :: ::ﾞl　　　 /:: ::ヽ`‐-'jﾉ'":: :: :: : _,..ｨ-ｧｫｬ､!:: :: !:: {
　　　　　　ヽ:: :: :: :ヽﾞ､:: :: :: :: :: ﾞl　　/､,､:: ::ﾄ､ ,j:: _,.／7ﾔlﾒﾙ'｀'｀ﾞ´´>':: : |:: ::ﾞl
　　　　　　　ヽ､:: :: :: ヽﾔ:: :: :: :: : ｌ　/ﾒﾔl--､|' ヽｲi |　/: `'ヽ　　メ´:: :: :: l_:: :/
　　　　　　　　＼:: :: :: ヽ､:: :: :: :: ::V　　　　　　 j　　l/ゝ,　ﾞ. ヽ'"/!/:: ::､:: :､`ﾉ
　　　　　　　　　　＼:: :: ::ヾ､:: :: :: :: ヽ　　　　　　ヽ　ﾞl そﾞl　l. | /ﾉﾄ. ,ｨ. ヽ /ﾞ､ｰヽ.
　　　　　　　　　　　ヽ:: :: :: ＼:: :: :: ::｀､　　　　　　ｌ　〉ﾈ　l 　l/　　 l_! |_,l_ヽ :|..ｲ､|
　　　　　　　　　　　　ﾞl:: :: :: :: ::j:: :: :: :: :ヽ.　　　　　| |ｷ',　/ﾞｲ!　　　ﾞV　￣V
　　　　　　　　　　　　ヽ.:: :: :: ::ﾉ:: ,:: :: :ヽ l　　　　ヽ､ﾒｲwｨﾔ
　　　　　　　　　　　　＼:: :/:: 〈:: :: :: lヽﾒ　　　　　｀~ ¨´
　　　　　　　　　　　　　　　コ､:: :l:: ,､:: ::|:: fヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　/　j:: ::| / ヽ l:: ::|　|
　　　　　　　　　　　　　　　|/ﾄ-.ｨ､_ﾞ. l/ｨﾄ--､ |
　　　　　　　　　　　　　　　´　　　　 V　　　ヽ!

170 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:06:02 ID:uiHBGRsI

二１９１．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　そこへ現れた二人の少年が、自分達は冒険者養成学校の生徒であり、
　　トレーズ校長からの伝言を伝えに来たと言った。
――――――――――――――――――――――――――――――――

.　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::三⌒　　　　　　　　　　　＼
...　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::r''''''"　　　　　　＿　　　　　　　　＼
...　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞　　　　　　　　　　`ヽ､...、　　　　ヽ
.　　 /:::::::::::::＿::::::::::::::Ｆ　　　　　　　　､＿＿_　　　 `ヽ､:、　　ヽ
.....　/:::::::::／.__　Y::::F" 　　　　　　　　、ヽノ:`ヽ、ヽ＼:＼　　 l
...　/::::::::/ Y　）ヾ"　　　　　　　　　　　　＼.Y::::::ｲﾄ、 l.　ヽﾉ　　 |
......l:::::::::l　 l　（.　　　　　　　　　　　　　　　　￣` <､l　　　　　　　 __,l
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...　l:::::::::::＼_　 ,､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y
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...　　ゞ::::::/　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_. 　　／　|
.....　　ヽ:/ 　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　／ー‐　、＼　　　 !
...　　　ﾚ　　　ヽ、　　　　　　　　　　　　　　 /L_::::::::::::::::`L/　　　/
.　　　ノ　　　　　 `　　　　　　　　　　 l　　ヽ::::::::::／　　　/
...　　/　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　＼､ |:::::::/　　　／
....　/.　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　、`ｰ-- '　　／
...ﾞ/　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー　　／　　　「王子！
／　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　我々は冒険者養成学校の者です！
.　　　　　　 |　　　　　　　　　　＿　　　　　　　／
.　　　　　 |　　　　　　　　　／／ ` ｰ-､＿___／　　　　　　　　校庭に大勢の負傷者がおり、避難に遅れが出ているため
. 　　　　 |　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　司祭を何人か回していただきたい！」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　／　,　'.　/!ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ﾊ　 ./　　./　 l^　l　'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.' / {／　　/　　l　　{　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l '　_ ＼　 /　　 { 　／j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／{ﾄ. ヽ`､ヽ' ──` ' / }
　　　　　　　　　　「トレーズの要請と言えど簡単には行かぬ！　　　　　　 _ ィ7ィヶ-　.＿＿／_,ィﾊ＼｀′'　ｒ-ッ　 / /'
　　　　　　　　　　見ての通り最前線のここもぎりぎりなのだ！」　　　　ィ彡7' , /　　　　　　／: :|ﾄ.　_`､'_. -`´─ィ7′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ィ' .l/　＿＿____／. : :/::V､｀＞　 _ ィ' V l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡ｨl　／´　　￣7/　: : :l:::rﾍ＞r.ィ´=:ｲ　ﾄ､!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//ﾊｒく__　　　＜'___ _: :l::::＼7≧´:::::/　 l.!　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'"fj l　　ﾍ　 _　　／'´ ヽ:::::77::::::::／　　 |l､　　　＼

――――――――――――――――――――――――
　　今まさに、邪竜との戦端が開かれんとしているのに
　　司祭を融通しろと言われても困る王子であったが、
――――――――――――――――――――――――

171 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:07:01 ID:uiHBGRsI

二１９２．
―――――――――――――――――――――――――――
　　もう一人の―――この状況にも動じていない様子の少年が
　　痛いことを言う。
―――――――――――――――――――――――――――

.　　　　　　　　　　／:.:.:.:,:.:.:.:.':.:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　 ,..イ:.:,:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ'､
　　　　　　　　 -'‐ '.,イ:.:.:.:.:.:.:.:,:.:':.:.:./:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ
.　　　　　　　　 ,'.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:,:':.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.､:.:.､:.:.:.:.:.ヽハ
　　　　　　　　　　,'.:.:.:.:.:.:,:':.:.:.:.:.:.i´:.:.:.:.:.:.i:.:',:.:.:.:.:.:.､:.:ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ
.　　　　　　　 ,'.:.:.:.:.,:':.:.:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:.:.!:.:.N:.:.:.:.:.:ゝ:.:.ヽ:.:.:ヽ,'
　　　　　　　　 i:.:.:.::/i:.:.:.:.::.:.:.,:.ハ:.:.:.:.:.:i､:.i ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ﾊ:._:ﾐ
　　　　　　　 i:.:.:./ .!:.:.:.:.:., 'i/ミぇx:.:.:.:.､,､xィタzx:.:.:.ヽ:.ﾊ. ﾘ
　　　　　　　　 i:.:.,'　 !:.:. ,.'.i　乂ツﾞ`ヽ:.:.､" 乂ツ　ヽ:.ﾊﾄ乂
.　　　　　　　 i:.,　　i:.:.:ハ.!　　　　　l　ヽ:､　　　　　　ヽ､`
　　　　　　　　 i;　　 i:.;'　　!　　　　 ,'　　　　　　　斤ﾊ　　　　　　　「突破されないと言う保証は？」
　　　　　　　　　　　　　i,'　　　､　　　｀　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　´￣｀　　　, ｲ i
　　　　　　　　　　　　　　　　 iヽ　　　 ,.　'　,　i-､
　　　　　　　　　　　　　　　／:.:!　i.` 　' 　　 ,　 |:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　／:.:.:.,:.i　ヽ　　　 , '　　.i/:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　 ,..イ:.:.:.:.:.:/'´　　　　　, '　　 /:.:.:.:.:.:.:.:ゝ､
　　　　　　 ,.....:.:.'／:.:.:.::.:.:.:./　　　　　 , ' 　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.`:....､
.　　　 ,.ｨ.:':.:´:.:.:.:.:,:.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:/￣¨''‐､　 ,-‐‐''¨フ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..i:.:.:.:.:::.:.:.｀:.':.‐

　　　　　　　　　　　　　　 _,, -― ''￣￣/￣` ヽ、
　　　　　　　　　　　　 _,, ー-- 、　　　ノ　　　　ヽ、
　　　　　　　　　 ,, r '"　￣ヽ　＼､／＿＿__　　　 >＼
.　　　　　　　　　／／,　　- 、　ヽ　　￣　　　　￣`＜__　＼
.　　　　　　　　 /　/ /　　　　Y　　＼　　　　　　　　　　　`ヽ＼
.　　　　　　　 /　/ ll|　　　 /　　　　＼　　　　r―--、　 `＼_
.　　　　　　 /.／　 l　　　ノ　　　　　＼　　　　`ヽ、__＞　　 !
　　　　　　　 /　　　　`ー‐"　　　　　　　＿＿＿＿　　　　　　　　ヽ
.　　　　　　レ‐､　　　　　　　　　／￣￣＿＿＿　￣￣`ヽ、　　　ヽ
.　　　　　　　 Lr入　　　　　　／　／￣　　　　￣ `ー---`―- ､　ヽ
.　　　　　　　 /:|::l;;＼＿＿＿.／　.／　　　　　　　　　　　　　､　イ＼ l
.　　　　　 /::/::l::|::`ヽ＿＿_,, -"　　　　　　　　　　　　 ,,r‐=、　l　rー┘
　　　　　 /::/:::/::|:::::|l:::::l:::|　　、　　　　　　　　／;;;;;;;;;/　／"
　　　　／::/:::/::::|:::::|:|::::|::|　　　ゝ　　　　　　　　　　|`l;;;;;／／　　　　　　「それが出来たら苦労はしない！」
.　　　 /::/:/::/:::::/::::l:l:::::l:::|　　　　＼　　　　　　　､`ｰ"　/
　　　　/::/:/::/::／:::://::::|::::|　　　　 `ヽ、　　　　　　　　 /
.　　 /::/::/::/::/:/::::l/:: :/::::|＝=-ゝ、　　　　　　　　　　/
　　／::/:/::/／:/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、＿_ ,rー―‐ "
..／:／／::/::::::/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　ヽ-、
ﾞ::／／::／:::／:::::/::::/:::／_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼Y`/
　／::／:::／:::::／:／／　　`ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;└ ]
..ﾞ::／:::／:::::／:／／- 、　　　　`ヽ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;「．

172 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:08:01 ID:uiHBGRsI

二１９３．

　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,,,....,,_　 _,,,,,,_
　　　　　　　　　　　　　　　／､　　,.　｀´,.-_,,.ヽ､___
　　　　　　　　　　　　　_,,.-''_,,.-=ヾ |　/_,∠_　　　ﾞ､
　　　　　　　　　　 /／´.／　　ヽ/　　　ﾞ､､___　､. ﾞ､
　　　　　　　　　 r'//／　　　　　i　　　　　ﾄ､　￣ﾞヽﾞ､
　　　　　　　　　 l／ﾉ　　　　　　,l　　　　　 i, ｀ヽ､_　ﾞ､i
　　　　　　　　　／/./ 　　　 / /i 　 i i　　　ﾞ､､　　｀ヽ､|
　　　　　　　　　/／ /　　　　 / / l 　 l ,l　i　　ﾞ､ヽ、　ﾞﾞi
　　　　　　　　 i'/,i'/ ,　/　 ,. /　/ i'　 ,il |ﾞ､ 'i,　　ﾞi,､ﾞヽ､　l
　　　　　　　 i! ﾉ´/　i'　 //i' /' ,i'l　 i.l |. ﾞ､ i, 　 i ﾞi ﾞ､.　ﾞ､l
　　　　　　　　 !/ /　/　 ,i'/､l/ i./li　 i l | __,ﾞ､i, 　ﾞヾ､__､　ﾞi
　　　　　　　 ,'./i　/　 /､ヾ｀ｿ'i､ |.　l=i l､‐‐,yi　　 Y r iﾞ､. |
　　　　　　 l l l ./　/il　￣ i'l i l　l　.!'i,￣´ﾞi i　i, | iy'lヽﾞ,i　　　　　「くっ………」
　　　　　　　　 !| l,/ ./i |i　　　 i! l :ﾞi l 　ﾞ､　　.!|､. | l,. ノil　|
　　　　　　　　ﾞi! |　,'ﾉ i,､.　　　ﾉ　ﾞ､i,　　　　 ! i, il／|　|　|,
　　　　　　　　　　|　ii'　i､　　　ヽ　　ヽ　　　　 l ﾉ | i　i'　|i　　　　（確かに奴は住民が集中している場所を狙っている。
　　　　　　　　 ,i'i i!　i./ﾞ､.　　 ‐ -- ､　　　　 i'/i| | l　l　 |l
　　　　　　　　　 //ﾞ､､i'/　|ﾞ､　　￣　　　／〃| | ! l.　i　l i　　　　校庭の避難民に気付かれたらまずい、か………）
　　　　　　　　　i'l　l　i i'／iヽヽ、　　　 ,,.-'",／.／ヽ　i,　i　 lﾞi,
　　　　　　　　 ,i'l　i .i／;;; i;ﾞ､ﾞヽ ` - ''"／/　／ i |;;;;＼i　i,　l ﾞi,
　　　　　　　　,i'l,,.-'/;;;;;ﾞi' l〉''y'^ヽ-'"-､_/-<　　i';r,;;;;;;;;;＼!　!　i
　　 __,,,. -‐'''"　　 /;;r'' ;; l>::::‐‐（_）=-､:::::::i　　 | ,.'";;;;;;;;| |ﾞ'''- .l,,_

―――――――――――――――――――――――――――――
　　各地からの情報が集まり、邪竜がどんな性質を持っているかと
　　被害状況を把握したミリアルドにも分かる。

　　現時点までに邪竜の足止めはことごとく失敗している。
　　今も奴は追い詰められているのではなく、
　　自分達を殺したいからこの場に留まっているだけなのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――

173 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:09:01 ID:uiHBGRsI

二１９４．
――――――――――――――――――
　　なれば、と隣の妹を向かわせる事にし、
――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　 _,, -― ''￣￣/￣` ヽ、
　　　　　　　　　　　　 _,, ー-- 、　　　ノ　　　　ヽ、
　　　　　　　　　 ,, r '"　￣ヽ　＼､／＿＿__　　　 >＼
.　　　　　　　　　／／,　　- 、　ヽ　　￣　　　　￣`＜__　＼
.　　　　　　　　 /　/ /　　　　Y　　＼　　　　　　　　　　　`ヽ＼
.　　　　　　　 /　/ ll|　　　 /　　　　＼　　　　r―--、　 `＼_
.　　　　　　 /.／　 l　　　ノ　　　　　＼　　　　`ヽ、__＞　　 !
　　　　　　　 /　　　　`ー‐"　　　　　　　＿＿＿＿　　　　　　　　ヽ
.　　　　　　レ‐､　　　　　　　　　／￣￣＿＿＿　￣￣`ヽ、　　　ヽ
.　　　　　　　 Lr入　　　　　　／　／￣　　　　￣ `ー---`―- ､　ヽ
.　　　　　　　 /:|::l;;＼＿＿＿.／　.／　　　　　　　　　　　　　､　イ＼ l
.　　　　　 /::/::l::|::`ヽ＿＿_,, -"　　　　　　　　　　　　 ,,r‐=、　l　rー┘
　　　　　 /::/:::/::|:::::|l:::::l:::|　　、　　　　　　　　／;;;;;;;;;/　／"
　　　　／::/:::/::::|:::::|:|::::|::|　　　ゝ　　　　　　　　　　|`l;;;;;／／　　　　　　「リリーナ！
.　　　 /::/:/::/:::::/::::l:l:::::l:::|　　　　＼　　　　　　　､`ｰ"　/
　　　　/::/:/::/::／:::://::::|::::|　　　　 `ヽ、　　　　　　　　 /　　　　　　　　　ここはオーキス隊に任せ、
.　　 /::/::/::/::/:/::::l/:: :/::::|＝=-ゝ、　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　お前が行ってやれ！」
　　／::/:/::/／:/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、＿_ ,rー―‐ "
..／:／／::/::::::/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　ヽ-、
ﾞ::／／::／:::／:::::/::::/:::／_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼Y`/
　／::／:::／:::::／:／／　　`ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;└ ]
..ﾞ::／:::／:::::／:／／- 、　　　　`ヽ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;「．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　,. ' ´　　 .:.￣` ..､
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　:::::::ヽ::`.､
　　　　　　　　　　　　　 /　／　　　　　　 ::::＼`､
　　　　　　　　　　　　　　/　/　　　　　　　　　:::::::＼、
　　　　　　　　　　　　　ｨ! /　　　　　　　　:::.,.:::::::;::';:',
　　　　　　　　　　　　　 i:..!/ /　ｨ　/　/ i! !　';.';.:.:ヽ:i.|
　　　　　　　　　　　　　ｨ=ﾚ!::!:i!:i!:::! !..:!::..!::i!:::.i!:!::!::!:!:!
　　　　　　　　　　　｛rj　`゛ｰ=_ト!::::i!::!!:ｨ:::/!//ソｿ'rj､_K
　　　　　　　　　　　　　ﾄ､ｊ　弋ﾃﾄ、'´` ｰ‐斗二イ/ｆｊﾄｊ,　`ﾚｒｊ､_
　　　　　　　　　　　　　|::::!　 `ー''　　　ｲｲ辷ソ /ｲ:!:',ｆｊ　　　ヽ'
　　　　　　　　　　　 |::i::',　　　　　　 |　　￣　/´|:!!::', fjﾚ
　　　　　　　　　　　 i　!:::.',　　　　､ ,..!　　　 /|:::i!!';';:`<!.tj
　　　　　　　　　　　　 i.:i!::i!::ﾄ､　　ｰ_;:-ｨ　　.イ!!i!:::!:';:';';::`、ヾ　　　　　「分かりました」
　　　　　　　　　　　　 |:!:::i!:ﾉ　＼　＿　イ::::::!i!!!:::::!::!ﾄ;:';';:`､
.　　　　　　　　　　 ,レｲ　ﾞ､二_ l | |l　ヽ　`く.;';!: :::i:::i:. :';:':;.ヽ、
　　　　　　 , - '´ 〉 └--ヽ. ┤l｜l ヽ｀､イ丶､ ::!､ _:. :::::::..＼
　　　 ._,､-＜　　　ゝ-'　l　／＼|｜l　l.　l |　Zｲ　` ｰ ,､ _ .::::::..＼
　　 . /　　　ヽ　　（　　 l　＼ヽ|｜ l　ﾘ　〉〉　　 l　　ヽ.:::::::..＼
.　　 |　　　　ﾞ､　　ﾚ-､ _ l　＼＼＼ |　/／l rゝ　　｜　　 l.::::::::::..ヽ
　　　|　　　　　　:　　　　"/ ヽ｀丶､｀ヽ/' ノ l,ﾆゝ　　　|　　　|
　　 .l　　　　',　　ﾞ、　　　ヽへ._､丶　　∧ 　 /　　　　 |　　　l
　　 l　　　　 ',　　ﾞ、　l　　　　＼　　|　|　/　 =＝＝= l　 |　 l

174 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:10:01 ID:uiHBGRsI

二１９５．

　　　　　　　　　　　　　　 , -─…─､‐-､
　　　　　　　　　　／　　／｀丶､ヽ　＞‐ ､
　　　　　　　　　　 / 　／　　　　　ヽ/　　　　＼
　　　　　　　　　　　 /　　l／　　　　　厶ﾍ　　　＼l
　　　　　　　　　 |/ // 　/　 ,ｲ ,　|　　 l 　ヽ　ヽl、
　　　　　　　　　ｌ /｜ｲl｜ﾊハl　　　|ﾊ　､lヽl !｝
　　　　　　　　　 Y /冫l⊥ゝ_⊥Lヽ　　ﾉ｜ /!　/ﾘ
　　　　　　　　 /ﾆY　　=┬cミ　　　,ﾆZ∠ﾌノ
　　　　　　　　　　ヽく　　 `└’ ′　 ' ､Lﾘノ/
　　　　　　　　　　／ヽ-､　　　　　　　 l、　　l
　　　　　　　　／..:::::::::::::l、　　　　　ﾉ　　 l、　　　　　　　　　「では、案内をお願いしても？」
　　　　　　／..::::::::::::::::, l ＼　　　｀=‐　　／.::ヽ
　　　　　　　 `ｰ､::::::::::://ト、ヽ、　　／..::::::::::）
　　　　　　　　　　＼,イ　| V　ﾆ=〒┯ﾃ＼:::::::／
　　　　　　　　　　　 ,レｲ　ﾞ､二_ l | |l　ヽ　`く
　　　　　　　　　, - '´ 〉 └--ヽ. ┤l｜l ヽ｀､イ丶､
　　　　 _,､-＜　　　ゝ-'　l　／＼|｜l　l.　l |　Zｲ　` ｰ ,､ _
　　　 /　　　ヽ　　（　　 l　＼ヽ|｜ l　ﾘ　〉〉　　 l　　ヽ
　　　 |　　　　ﾞ､　　ﾚ-､ _ l　＼＼＼ |　/／l rゝ　　｜　　 l
.　　　|　　　　　　:　　　　"/ ヽ｀丶､｀ヽ/' ノ l,ﾆゝ　　　|　　　|
　　　l　　　　',　　ﾞ、　　　ヽへ._､丶　　∧ 　 /　　　　 |　　　l

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　兄の指示に頷き、神官衣の襟を正した王女。

　　若くとも司教位にあり、大量の魔石を持つ彼女であれば確かに救護は進むであろう。
　　だがなぜ王族を―――と少年は思うも、すぐに納得がいった。
　　竜に戦いを挑む人の命など、風前の灯火に等しいのだ、と。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　､＿ ,..､＼-. ､_ ヽ､
.　　　　　　　　　　 ,..:＜:.:.:.:.:.:.＞:.::.:.:.:.:.:＞V:ヽ,
　　　　　　　　　　`'≦--‐: ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.:.:.N,ィ
.　　　　　　　　 ,.:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
.　　　　　　　 /:.:.:.:,:.:.:.':.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　 /:.,.ｨ:´:／:.:.:.／:/:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.ヽi
　　　　　 /／.i／:.:.:.:,:.':.:./:.:.:.:.:.i:.:i:.:.:.:.:'､:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ
　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:/:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.::､:ヽ:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.＼:.:.:.:､:.i
.　　　　　　 i:.:.:.:.:.ｲ:.:.:.:.:.:/ヽ:.:.:.:.:.ト＼.,,ィｾゝ､､:.:.:.:.彡:ﾊヽ
　　　　　　　　i:..:.:/　i:.:.:.:.:/ﾞ',≧x､:.:ﾍ''ﾞ"ﾞｨ弋zツ､｀ゞr乂ﾚ
　　　　　　　 i:.,.'　　 V:.:.ハ　ﾞﾏﾂ＼:.:､　　￣　　 'イﾉ!
.　　　　　　　 i/　　　　V 　 ,　　　/　　　　　　　　 iﾁﾊ
　　　　　　　　　　　　　　､　　ヽ　　　　　　ﾙ'　　　　　　　　　「任務、了解」
　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ー―　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　｀ .､　　　／ /　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀, ‐　ﾁ　　/　　,i　　　　　　　　　　　（王女自ら？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　/　　　ゝ.､　　　　　　　　　いや………
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　 ' }　　　ﾉ　　　　　,..イ:＞ .､　
　　　　　　　　　　　　 ,.. . /´　　　／　＿_ , ノ::::::::::／　｀　　　死地に王族が集まる必要はない、と言う事か）
　　　　　　　　　　 ,.　'　´/::::/ー― ､_　　'´￣　／::::::::,:'´
.　　　　　　　　／　　 /:::::::i　　　　　　　　　／::::::::: ,.'　 ,
　　　　　　 /　　　 ,::::::::::::､　　　　　 ,..:':::::::::::::::::ｉ . /
　　　　　　　　 '　　 ,. /::::::::::::::::ゝ､,_ハ.. :':´::::::::::::::::::::::i　,
　　　　　　　 |　　　V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i_ﾉ_
　　　　　　　 i　　　,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, 'ﾆ´_,.-'

175 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:11:02 ID:uiHBGRsI

二１９６．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　そして王女と二人の少年がこの場から離れたのと入れ替わりに、
　　十名ほどを引き連れた弟が合流してきたのでミリアルドは驚きの声をあげた。

　　竜と相対し、壊滅した部隊にあって生き残っているとは思わなかったのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'" ,i"　　　　　　　　　　,;;;;／　　　　　　　　　　 ~`ー､___ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'_,.....! 　　　　　　　　　 ;;;／　　＿＿＿＿　　　／　／　`ー---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　 ,!＼　　　　　 __,,,,--''/"/~;:///,,,,---|/`iー-,-､,,,__,＿_,,,-‐'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　ヽ、　__,,,rit;;ﾐ､|/j//∠//r';,--,--､||ノﾉﾉ!;;;;;;;;;;|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i_,-,,;;;`-;;";;;| ゞ-~'|/／..........'-ゞ='--‐' '　' '　!;;;;;;;;|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／i　 !;;;;;;;;;;;;;;|　　　丿^ 　　　　　　　　　　　　　!;;;;;;| 　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「兄上！」　　　　　／　i 　ヾ;;;;;;;;;;|　　,r'　　　　　　　　　　　　　　 ,〉--|　 ,!　　　,,;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 i　　ヾ;;;;;;;;|　　ゝ､、　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;!　i'　　　,;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i 　　ヾ;;;;;〉　　　,,,__..........,、、　　　　　　/;;;;;;;;!　i　　　,;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　i 　　ヾ;;;入　　ヽー―‐''`ヽ!　　　　　/;;;;;;;;;;i　i　　 ,;;;;;;!,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 i 　　ｙ　∧　　||　　　　　!　　　　／;;;;;;／ ,/　 ,,;;;;;;;;i;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　　 i 　 / / 　ヽ　ゝ､...........'ノ　　／;;;;;／　／,,;;;;;;;;;;;;;;i;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　　　!/ /　　　ヽ　￣￣　／;;;;;／　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;

　　　　　　　　　　　　　　　／／　／　,　'.　/!ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 / ﾊ　 ./　　./　 l^　l　'.
　　　　　　　　　　　　　　.' / {／　　/　　l　　{　!
　　　　　　　　　　　　　 l '　_ ＼　 /　　 { 　／j
　　　　　　　　　　　　／{ﾄ. ヽ`､ヽ' ──` ' / }
　 _ ィ7ィヶ-　.＿＿／_,ィﾊ＼｀′'　ｒ-ッ　 / /'
ィ彡7' , /　　　　　　／: :|ﾄ.　_`､'_. -`´─ィ7′　　　　　　「コウ！
／ィ' .l/　＿＿____／. : :/::V､｀＞　 _ ィ' V l　　　　　　　　無事であったか！」
彡ｨl　／´　　￣7/　: : :l:::rﾍ＞r.ィ´=:ｲ　ﾄ､!
//ﾊｒく__　　　＜'___ _: :l::::＼7≧´:::::/　 l.!　＼
'"fj l　　ﾍ　 _　　／'´ ヽ:::::77::::::::／　　 |l､　　　＼
. : l | ト､＼-_ﾊ「　　　|:://::::／ヽ　　　|.|丶､　　　`
: : V |　　｀＞､ﾊ'.: : .　j/'／´ 　　|l ＝ 'ﾉ　　＼}　/

176 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:12:01 ID:uiHBGRsI

二１９７．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　-―.―ｰ- ，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,，´.::::. . . . . . . . ..:::..｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./.; : : : : : : : : : : : : : : : : :.' ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,'!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'.::::::::::::::::i::!::::::/ i!,'ノﾘｿﾘｲ::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ|:::::::{千ﾍ! i,ﾙ'　ｨrｻｭ｀_　.}::〈.ｨﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .!ﾘ!ヽ'ｨrﾀ｀ i　　　　　　　ｊ::::}　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.´ 　　|　　　　　　　　iﾘ´ｲ
　　　　　　　　　「僕は………　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '. 　　ヽ´　　　　　　　チ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　、.　､_, ‐-　　　　.　!ｲ
　　　　　　　　　ですが、父上から預かった隊を失いました………」　.　　　　　　　　＼　　 ‐ 　　　,ｲ　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　　 .／　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　__」＿｀ー､´　　　　|､____
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i｀ー―--┬┬┬-==＝ﾆ｀i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　＿＿＿_」 .┌─┐.|. ∥ |　┌─┐ ト､,___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::ゝ└─┘.|. ∥ |　└─┘_|:::::::::::

　　　　　　　　　 _,, ー-- 、　　　ノ　　　　ヽ、
　　　　　　 ,, r '"　￣ヽ　＼､／＿＿__　　　 >＼
.　　　　　　／／,　　- 、　ヽ　　￣　　　　￣`＜__　＼
.　　　　　/　/ /　　　　Y　　＼　　　　　　　　　　　`ヽ＼
.　　　　 /　/ ll|　　　 /　　　　＼　　　　r―--、　 `＼_
.　　　 /.／　 l　　　ノ　　　　　＼　　　　`ヽ、__＞　　 !
..　　　/　　　　`ー‐"　　　　　　　＿＿＿＿　　　　　　　　ヽ
.　　　レ‐､　　　　　　　　　／￣￣＿＿＿　￣￣`ヽ、　　　ヽ
...　　　Lr入　　　　　　／　／￣　　　　￣ `ー---`―- ､　ヽ
...　　　/:|::l;;＼＿＿＿.／　.／　　　　　　　　　　　　　､　イ＼ l
.　　 /::/::l::|::`ヽ＿＿_,, -"　　　　　　　　　　　　 ,,r‐=、　l　rー┘
　　 /::/:::/::|:::::|l:::::l:::|　　、　　　　　　　　／;;;;;;;;;/　／"　　　　　「悔やみ、彼らの冥福を祈るのは後だ！
　／::/:::/::::|:::::|:|::::|::|　　　ゝ　　　　　　　　　　|`l;;;;;／／
./::/:/::/:::::/::::l:l:::::l:::|　　　　＼　　　　　　　､`ｰ"　/　　　　　　　　　デンドロビウム隊が南から回り込んでいる、
ﾞ::/:/::/::／:::://::::|::::|　　　　 `ヽ、　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　お前はそちらに向かえ！」
...::/::/::/:/::::l/:: :/::::|＝=-ゝ、　　　　　　　　　　/
ﾞ:/::/／:/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、＿_ ,rー―‐ "
...::/::::::/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　ヽ-、
／:::／:::::/::::/:::／_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼Y`/

――――――――――――――――――――――――――
　　決してそれが腑抜けにも最後尾に居たからだとか、
　　味方を盾にしての事ではないと兄には分かっていた。

　　だから士気の維持や援護のためにも
　　邪竜の背後を取ろうと移動中の部隊に合流させる事にし、
――――――――――――――――――――――――――

177 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:13:01 ID:uiHBGRsI

二１９８．
――――――――――――――――――――――――――――
　　鎚矛を握りなおしたコウは、今度こそ遅れは取らぬと
　　アグリアスやエル達をこの場に残して隣の街路へと走っていく。
――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'" ,i"　　　　　　　　　　,;;;;／　　　　　　　　　　 ~`ー､___ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'_,.....! 　　　　　　　　　 ;;;／　　＿＿＿＿　　　／　／　`ー---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　 ,!＼　　　　　 __,,,,--''/"/~;:///,,,,---|/`iー-,-､,,,__,＿_,,,-‐'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　ヽ、　__,,,rit;;ﾐ､|/j//∠//r';,--,--､||ノﾉﾉ!;;;;;;;;;;|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i_,-,,;;;`-;;";;;| ゞ-~'|/／..........'-ゞ='--‐' '　' '　!;;;;;;;;|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／i　 !;;;;;;;;;;;;;;|　　　丿^ 　　　　　　　　　　　　　!;;;;;;| 　 !
　　　「アグリアス達はこの場で前線の援護を頼む！」　　.／　i 　ヾ;;;;;;;;;;|　　,r'　　　　　　　　　　　　　　 ,〉--|　 ,!　　　,,;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 i　　ヾ;;;;;;;;|　　ゝ､、　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;!　i'　　　,;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i 　　ヾ;;;;;〉　　　,,,__..........,、、　　　　　　/;;;;;;;;!　i　　　,;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　i 　　ヾ;;;入　　ヽー―‐''`ヽ!　　　　　/;;;;;;;;;;i　i　　 ,;;;;;;!,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 i 　　ｙ　∧　　||　　　　　!　　　　／;;;;;;／ ,/　 ,,;;;;;;;;i;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　　 i 　 / / 　ヽ　ゝ､...........'ノ　　／;;;;;／　／,,;;;;;;;;;;;;;;i;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　　　!/ /　　　ヽ　￣￣　／;;;;;／　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;

　　　　　　　　　　　　　,､r'''""""''''‐-､､,,
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　"‐､
　　　　　　　　　　／l:.:..::.:...　　、ヽ､:.:.　、:.::.ヽ、
　　　　　　　　／:.:..l:..i､:.ヽ､:.:..､ヽ　ヽ:.:....:.､:;:.:.:.'､
　　　　　　　／イ/:./､:.:l､:.:ヽ､:.:ヽヽ:.:.ヽ.:.:.:.､:.:.... l
　　　　　　　/,゛i:./.:/　'､:l ＼ヽ＼:.::＼＼ヽ:.:.:',:..:...l
　　　　　　　'゛ l:.l:..l_　　ヽ　　＼--'ｒ､:.＼'､'､:.:.ｌｉ:.:..ｌ
　　　　　　　　ｉﾘ､:ｌ,ゝ､　　'''゛ ,,､ｪ-､゛'ｉ-､:､ゝ:.ｌ;ｌ:.ｌ
　　　　　　　　　''､:.iｲl;;.）　　゛ l;.;;;;ゝ .l:.:.l‐'i,,､:.ll:.l
　　　　　　　　　　l:;l　'゛　　　　　ｰ'゛　l:.:.l５ i､l:.:.lll､　　　　　　　　「王子！
.　　　　　　　　　　 lﾘ　､　　　　　　　　.l:.:l ｨ'゛ミ､lﾉ;ヽ
.　　　　　　　　　　l:.ヽ `　　　　　　　ｨ:.:.l l三ﾐ／ノ　　　　　　　　どうかお気を付けて！」
　　　　　　　　　　　l;.;ll'､￣`　　　,,､r' l:.:.l l=ﾃ'.:／:./ｰ､
　　　　　　　　　　　l:.:.;ll ヽ、　,ィ'゛,､､‐|:. l;.;.i､／.ﾉノ:.:./
　　　　　　　　　　　l:..:;l;l 　　 ' ,;ii";.;.;.;.l:. l.;.;.;.:l､彡//:./､
.　　　　　　　　　　l　;l:l　　　{Iiil.;.;.;.;.;l .:l.;.;.;.;;.ヽ､///:..ヽ
　　　　　　　　　　　l　;l;l　　　llli;.;.;;.;.;l:. l;.;;.;.;.;.;.;.;.ヽ,r' /､
　　　　　　　　　　　l .:.;;l,,､-､r'人;.;.;.;..l:.:.l,､r''"゛゛　　゛"'-､
　　　　　　　　　　　ﾉ;.;..;.l　ﾉ.;./ii;.;;;.;.ﾉ:.:. l.　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 /:.;.:.从‐ﾉｿ､,,ll､..;./:..:. .l　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　 /r;:.://ノｉ//　ヾ､;.ｌ:.:.　ｌ彡　　　　　　　　　ｉ

178 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:14:01 ID:uiHBGRsI

二１９９．
――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　勇気の精霊の扱いは苦手でも、ブレスへの耐性には実力を発揮できるはず。
　　そう考えたコナタが初っぱなから切り札の行使を提案するも、
――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　 /::.::.::／:／／ .::.::.::.::.::.:.／ ! .::.::.::.::.::.::.::.::.::.:|::.::.::.::.
　　　　　　＼　　　ゝ‐＜::./::./ .::.::.::.::＼／　　| .::.::.::.::.::.:: /::.::.:|::.::.:::.::.:::
　　　＼〃　／　＿　ヽ:/::.::.::.::.::.:／＼　　|::.::.::.::.::.:: /::.::.:: |::.::.::.::.::.ヽ::.::
　　　　　　{{　/　／ __　ヽ　',.::／::.／　　　`ｰ |::.::.::.::.:: / |::.::.:/|＿::.::.::.::.:l::.::
.　　 ──　　|　 !　/r ）　}　|ｲ斤テ左≡ｫz　/::.::.::.::／斗七　!::.::.::.::.::.::.|::.::
.　　　　　 ∧　ヽヽ _／　/::!　ﾚﾍ :::::::::/　/::.::. ／　　 j /　 | .::.::.::.::.:: |::.::
.　　　　　, -―ﾍ　`ー　 /.::.|　rｰ'ﾟ:::::::/　/::.:／　　テ左≠=ヵ::.::.::.::.::. |::.::
＿＿__／　　　{　　　　　/.::.::.|　ゞ辷ｚﾝ　/／　　　　う｡::::::7 /ｲ .::. |::.::.::.|::.::
彡_／　　　　　ヽ　　　ｲ ::.::. |　　　　　　　　　　 /ﾍ:::::::/　　|.::.::.:|::.::.:∧::.　　　　「エル、出番出番！
〃　　　V　　　　ヽ　　ヽ.::.: |　　　　　　　　　ヾ辷:ﾝ　／:l::.::./!::.:/
　l　　　 {　　　　　 ∨　　}__.::.|＼　　　＜!　　　　　･ /::.ｌ::|::./│/　　　　　　　でっかいの喚んじゃえ！」
　ヽ　　　ヽ　　　　　{　　　　￣￣￣｀ヽ _　　　　　　　ｲ::.: ｌ::|:/　j/
、　＼　　　＼　　　 }　　　　　　　　　　）／￣￣￣l7::.:|::.::.j::l′ /

―――――――――――――――――――――――――――――――
　　エゥーゴであれほど容易く土の精霊王を喚んでいたはずのエルは
　　降りしきる雨と強風を恨めしげに見上げて首を振った。
―――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ハ :::: :::: :::::::::::.::::::::::::::::ヽ::::::::､::::::::::::ヽ ::::::..ヽ::::::`､ :. ::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|／| ::: :::リ､:::rＮヽ＼::::ヽ､::::ヽ､::::::丶＼　::.＼:::::ヽ .:. :::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ﾊ ::.:.::!　V　/　＼ヽ::i ヽ:::| ｀ヽ::､::｀ヽ丶､:::丶､::､ :::::...､::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ヽ.: ::l 　　/　　　　ヾ　ヽ:i　　i| ヽ::::ヽ＼｀`'' ‐---::::ヽ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ';:: :! 　〈　　__　　　　　ヽ　　|　 ',::::::: :＼:.::､｀ヽ:＼::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:: ﾊ　　`　　　　　　　　　　　 }:::::::. ::::ヽ::ヽ::.:＼:ヽ､ヽ
　　　　　　「残念ながら無理です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/l:ハ　　､　＿＿　　　　　　　ﾊ:::::.::| :i:.:ヽ.:i::: :､:ヽ}　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノﾉ'　l心　　`ー‐一`　　　　　 ,. '|:::::::| :| :.::.N :;､!`､ヽ
　　　　　　今、この町は水と風の精霊力が強く、　　　　　　　　　　　　　　　 |ハ　　　　　　　　　,　'´　i!::::::| ::|　:.ハ | ＼ヽ!
　　　　　　火と土の精霊力が弱まっているのです」　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘヽ　　　　　 ,.　'´　　 ,/!/ |: :::､　!　 i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　 __,.ノ/ 　ヽ __,,.　'´　　　　　ノ　l,ｲ:: ﾊ:{ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..､,.ィ"r''"´　 .:::　　　　r　　　　　　　　　/ /　|､:! ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.. -‐''"´　{　　ヽ　　 r　　 i　ヽ＼　　　　　　／　　　: ヾ丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　 |　　ヽ＼　　　　ｌ　　＼!　　　　　/　　　　　　ヽ　｀ヽｰ-､_

179 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:15:01 ID:uiHBGRsI

二２００．

　　　 /:.／　　　　　　ヽ
　　｛:/　　　　　　　 |
　　　 l{
__,,... . .ゝ,,_
: : : : : : : : : :｀:`: 丶. .､,,＿＿
.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ; ｀i
: : : : : : : : : : :./: : : : :,!i: : : : : : ﾄ.、
.: : ; :'′　　 /　　　 /　!　　　.l: :.ヽ
:／: : : : : ; ｲ: . . . ∨ 　 !. . : : :l: ｀、｀、
: : : : : ／:/: : : : : / ＼　l: : : :/: : :.!､:.ﾍ
.; : :'": ::/: : : : : ;.'＿＿｀ﾐ!: :./: : : : l ヾﾊ
.: : : : /: : : : :, ｲ｛/示牙 !:/: /:: : :.l　 Ⅵ
.: : :/: : : ;／|:::j　　　|:'r! j/::/　i::. :,!　　ﾞ}
: :/:ィ''"!:::: : !::l　　 ,.ゞﾕ {／　ｉ::/
.:":::ﾍﾞ l::: : :|::!　　 `´　　`i　　 !'
: : : : : }''l: : : |:|　／｀`￢ /　　　　　　　「じゃあ、他の精霊でも何でも良いから早く！
.: : : : /　i: : ::!ﾚ'ﾞ　　　〃
: : : /　　_}: : l|_　　／　　　　　　　食った分は働け！」
.:／三ﾐ\、i: :.|:::｀:¨:´!
〃〃⌒｀ヽ!: :!:: : : :.j

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '::::::::〃:::::::::::.i::::::::ヽヽ:ヽ ::::::､::::::::::::::::':::､､,__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ｨ:::::::::〃::::::::::::l!::!:::::::::::＼ヽヽ:::::ヽ:::::::::::::::::::t=ｰ-.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ｨｼ='7:::〃::::ｨ''|!i:::!i::,::::::､::::::ヽ::::::':,',､;,:::::::::::::::::::::ﾝｯy､,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´"　　/::::::/:::/,.-ｬj:::l 'i!';::::i＼::::ヽ:::::::',',',i!::::::::::::::f"''''＝=-''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.ｼｨ::::::::ｿ !. (::)ﾘ!　ﾍ',:::l,,､ﾇ;:::ヽ::::::',',',':::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃ｼi::::::::ｌ　｀""゛　　` 'ﾘ (:::)ﾔ､:ヽ:::!:','::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　'　.ｌ::::::::l　　　　　　ヾ'''''" Y:::::::::::::!::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::/ｌ::::!　　　ヽ　、　　　　ｌ:::::::::::::::'::::::::ｯ::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/　!:::'､　ｧ､.　　　　　　　 !:::::::::::::::::ｫ:::::!';::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 ,!. 　|/ ';､. ヾﾐ.`j 　　　 ,イ::ｧ:::::::::::::::i '､::',ﾔ::::､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　" . ';ヽ　　　　　,､y'´ /ｼｌ::::::ヽ:::::ｌ　ヾ;　゛丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　「とにかく、前線に高揚を………」　　　　　　　　　　'|!`=tｰ:::'"／　 /'　ﾊ::;::::il!';::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　'i::: '　　　　　　　ﾘｿヽ'ﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!'i　　　j　　　　 ~ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ､　／　 ―ー '''"""f,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / _冫'''~ 　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ´　　 ,､　　　　￣~ ヽ　 'i

――――――――――――――――――――――――――――――
　　一時しのぎにしかならないが、
　　戦技や魔法の集中が途切れにくくなるだけでも違うだろう。

　　エルは補給兵から受け取った大量の魔石を握りしめると
　　聖騎士と司祭の混同する前線に狙いをつけて集中を高め―――
――――――――――――――――――――――――――――――

180 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:16:07 ID:uiHBGRsI

二２０１．
―――――――――――――――――――――――――
　　間の悪いことに、回り込んでいた人間達が
　　建物の影から現れたのを見計らってフラックが動いた。
―――――――――――――――――――――――――

―――そら、もっと吼えなさい―――

.　　　　　　　　　 /　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　／
　　　　　lｰ ''''"￣￣"　　￣￣｀'､　　　　　　 lｰ ''''"￣￣"　　￣￣｀'､
..　　　　∠,,､ -z　　　 ,r――― ''"　　　　　　∠,,､ -z　　　 ,r――― ''"
..　　　　､ '"´,､ィ　　 /　　　　　　　　　　　　　､ '"´,. ,..ｨ､_
　　　､ '" ,､ '":ﾂ　 /　　　　　 |＾l　　　　　､ '" ,､ 'ﾞ,.'" ´⌒｀ヽ......._.　|＾l
､-'　,､ '´ 　　/　　/ 　　 /'''',,,," 彡　､-'　,､ '´.　〈wﾄ,､_ l:: :: i'.Ю｀`ヽｰ─‐- ､__
| ,､ '´　　　 /　　/　　　｀ﾞ＾ _,| │　 | ,､ '´　　　 /ゞ,､ﾘﾚﾒ､_ｪ_､｀ｰ''l|ヽ.ﾐ三'"´´　　　　　　　　　 |＾l
'´　　　　　/ ／l/　　　　　.,／,_　|　　　'´　　　　/ ／l ゝ,､"ﾚﾉ'|ヾ､.:: l:: ::`<´　　 ;‐i　　　　　　　 /'''',,,," 彡
　　　　　/／　　　　　 .l＿,'" | .|　　　 lﾆ　ﾆ/／　　　　}_,ｨﾄ､!r'"`ﾒ､:: :: ﾞ....　lﾆ　ﾆl　　 ;‐i　　｀ﾞ＾ _,| │
　　　　　　　　　　　　　　 {_,lﾞ　　　 .〈/!_|　　　　 l.ﾞ,-'"ｲ,〉/'ﾉ　　〉､.._ﾞ､..ﾞ〈/!_|　　 lﾆ　ﾆl　　.,／,_　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'イ´>`'／　　　/ヽ:: ::｀ヽ. 　　　〈/!_| 　 .l＿,'" | .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､ﾒｨ>'／　,ｨ､'"´:: :: ヽ:: ヽヽ　　　　　　　　　　　　{_,lﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､´　__／　　ヾ..､:: :: ヽ:: :: l .l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀二　､　　　j｀`ヽ､:: |:: ::l| :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:: ::｀ｰ､ヽノ:: ::l|:: ::| |:: ::l|::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:: ＿ヽ:: ::l:: :: l|:: ::||:: /':: |､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｨ'´-､ヽヽ:: ヽ:: ヽ l| //／) ｀`ヽ､_
....　j｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..ｨ'"´:: :: :: ):: ）>:: ::ﾒ､:: ::ll|/ ヽノ､:: :: :: :: ｀ヽ､　　　＿,ｲ､
....　ヽ:: ヽｨﾞ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-'":: :: :: :: ,.ｨ'"ノ'　r'"´＿ﾉ l　ヽ／ｨ､>､､､､:: :: ｀ヽ´､　　　ﾘﾙ､ｨjl
......　|:: :: :: : !ｪ､i､Ajﾄｨ､,､､ .ﾄ､ ,ｲ｀ｰ'⌒ｰ‐',／:: :: _,､ｨｪｲjｨ-'"´ノ／二二ﾆ'　ゝ二ヽ､｀ヽ_"｀‐'='ﾆiｪｪ､､｀ヽ.　　　　　ﾞ`'`ﾂ､_　　　 __
......　|:: :: :: :: : !　　　　　　　　"　　　　,ｲ'":: ,ｨｪﾆｨ'"´:: :: ::,.ｨ'"/三二ﾆ=ｲﾄｲ､ﾆｺlr‐"､　｀ヽ､_:: :: _,ｨ´ヾl:: |　　　　　　　　 `ﾒ,. 　,､〉ヽ
　　 |:: :: :: :: : |　　　　　　　　　　 {:: :: ､ i:: ｀ヽ､__,.／　 /ﾐ＝＝-‐ﾌ､　,ｨ､ﾆ/　　ヽ.　　　￣ｿ/:: ::/､ l　　　　　　　　　　V':: ﾞ:: ::/
.　　ヽ:: :: :: :: :: {　　　　　　　　　　　 j:: :: :: }ﾐ{:: :: ／　　／ヽ､_三三ｼ〉 /ﾐシ´　　　　｀､　　　〉 /,r─,ヽ.　　　　　　　　　/:: :: ﾞ´!
: ヽ　ヽ.:: :: :: :: :: ﾞ.　　　　　　　　　　/:: :: fﾆ二ヽ/　　　/:: :: :: :: ｀ヽ.─ﾄ､／ヽ､_　　　　　ヽ.　　/:: ﾓﾆ二ｲ:: !　　　　　　　 /:: :: :: ::j
_r-Vヽ　､:: :: :: :: :: :;　　　　　　　　　|:: :: :ﾆ二､-ｲ､　　/:: :: :: :: :: :: ::_ヽ:: ::ヽ:: :: ::｀ヽ　　　　ヽ.　ヽ:: ﾆ二ﾆ':: :|　　　　　 /:: :: :: /
ヽ/｀ヾヽヽ.:: :: :: : : i　　　　　　 |:: :: :: ヾ､二/ﾉ　/:: :: :: :: :: ::-‐'／ /:: /｀ヽ-､:: ヽ　　　　＼ヽヾﾆｲ':: :.|　　　　　　 /:: :: : /
. ヽ/｀￣>､_ﾞ､:: :: :: ::ヽ　　　　　　　　|:: :: :: :: ヽｲ/l /､_ _, -‐'"／´:: ｀／／_:: :: :: :: ヽヽ　　　　　ﾍl:: ヽ'ﾉ!:: :: :|　　　　　 /:: :: ::/

181 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:17:05 ID:uiHBGRsI

二２０２．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　百メートルの距離は、エルダー・ドラゴンの咆吼にとって至近距離もいいところだ。

　　まだ支援も受けていない二人にとってもそれはやはり強烈で、
　　エルは魔法の集中を失い、コナタも全身が震え上がってまともに動けなくなってしまう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ハ :::: :::: :::::::::::.::::::::::::::::ヽ::::::::､::::::::::::ヽ ::::::..ヽ::::::`､ :. ::::::ヽ :::::.:.::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|／| ::: :::リ､:::rＮヽ＼::::ヽ､::::ヽ､::::::丶＼　::.＼:::::ヽ .:. :::::｀ヽ‐- ､_:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ﾊ ::.:.::!　V　/　＼ヽ::i ヽ:::| ｀ヽ::､::｀ヽ丶､:::丶､::､ :::::...､::::＼　｀`ヽゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ヽ.: ::l 　　/　　　　ヾ　ヽ:i　　i| ヽ::::ヽ＼｀`'' ‐---::::ヽ:::＼rヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ';:: :! 　〈　　__　　　　　ヽ　　|　 ',::::::: :＼:.::､｀ヽ:＼::::::ト､::丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:: ﾊ　　`　　　　　u.　　　　　 }:::::::. ::::ヽ::ヽ::.:＼:ヽ､ヽ　｀` ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/l:ハ　　､　＿＿　　　　　　　ﾊ:::::.::| :i:.:ヽ.:i::: :､:ヽ}　｀`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「う………」　　　　　　　　　　ノﾉ'　l心　　`ー‐一`　　u.　　 ,. '|:::::::| :| :.::.N :;､!`､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ハ　　　　　　　　　,　'´　i!::::::| ::|　:.ハ | ＼ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘヽ　u.　　　 ,.　'´　　 ,/!/ |: :::､　!　 i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　 __,.ノ/ 　ヽ __,,.　'´　　　　　ノ　l,ｲ:: ﾊ:{ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..､,.ィ"r''"´　 .:::　　　　r　　　　　　　　　/ /　|､:! ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.. -‐''"´　{　　ヽ　　 r　　 i　ヽ＼　　　u.　　／　　　: ヾ丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　 |　　ヽ＼　　　　ｌ　　＼!　　　　　/　　　　　　ヽ　｀ヽｰ-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　ヽ　＼　　ヽ　　　　　　　　i　　　　u.　　　　　ﾉ /　ヽ､

　　　　　　　　　 _,-,ﾆ二ニ=､
　　　　　　　　／／
　　　　　　　 /:/
　　　　　ヾ`､
　　　　　　　　＞+:‐: ´:￣: ￣: :`:'￣:l.､＿＿＿,／
　　　　　　／: : : : ／: : : : : : : : :/ : : l: : : :く‐´´
　　　　 /: : : ／: : : : : : : :/: :/: : : : l: : : : ､:＼
　　　　　l: : : /: : : : : : : : :/: /l: : : : ∧ l: : : :ヽ: :ヽ
　　　　 /: :/: :/: : : _,:_∠Ｌ､:::/: : : /::::l l: : : : :ヽ: : ヽ
　　　 l: /://: : : : :／::/':::::/: : : /::::-H､: : : : : lト､: ヽ
　　　　l://://: : : ｲミ土=､_/: : :/:::::::::l∧: : :l: : :l　｀ヾ､
　　　　l/: :l l: : : ｲ:llo:::::::/:::/://:::テﾃヵl: : :ﾊ: : l
　　　 l: : :l: l: :/.:l.:l し: 」:::::l/:'::::::P::::/'/l: : :l:N: :l
.　　　 l: : : W/: : N　　　　　　､ `‐':::l::l: : lN　V
.　　　 l: : : : :ﾊ: : : ト､　u. ー=　　　ノlﾊ: :ハl
　　　 l: : : : : :､: : : 「ﾌ｀‐- ,､-┬:Ｔ´: :l　l/　　　　　「うわっ………！
.　　　l: : : : :,レ､: : :ヾ､　　/､｀Y/:l:l: : l
　　 /: : :rﾆミミヽ: : ヾ､-─┤ `┤: : l　　　　　　　ここ、これがドラゴンの………」
　　 /: : /￣＼ヾヽ: : :ヾ､　　 l　　ll: : l
　　/: : /　　　ヽヾヽ: : lヽ　　l　 /l: : l
　 /: : /　　　 l ＼ヾ､: l ヽ　 l //l: :/
　/: : :l　　　　 l ハヾ､l､､l　 l////l

182 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:18:01 ID:uiHBGRsI

二２０３．
―――――――――――――――――――――――――――――――
　　事前に司祭達の祝福を受けたはずのデンドロビウム隊ですら、
　　全員の足が止まっていたのだ。

　　長い首を巡らせて前と後ろを見比べたフラックは、
　　後ろに立つ五十六名に狙いを付けると邪竜の躯に指示をだし―――
―――――――――――――――――――――――――――――――

―――まずは向こうから来る虫けら共に
　　　　竜語魔法の恐ろしさを見せつけてあげましょうかね―――

　　　　　　　　/´〉,､　　　　　|￣|rﾍ
　　l､￣￣了〈_ノ<_/（＾ｰヵ　L__」L/　　 ∧　　　　　 /~7 ／）
　　　二ｺ ,|　　　　　r三'_」　　　 r--､　（/ 　 /二~|/_/∠／
　　/＿＿」　　　　　　　　　　　_,,,ﾆｺ〈　〈〉　/￣」　　　　／^ヽ､　／〉
　　'´　　　　　　　　　　　　　（__,,,-ｰ''　　　　~~￣　　ャｰ-､フ /´く／／>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ-､__,| 　　　`"

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ー､ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞::::ﾔ､::ノ::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦二＿イ::::::ヽ､::<:::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜二:::::≧::＜::::::::弋oｪ::::::::ﾏ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦ﾆﾆ＝＝メ┼--:::ヾﾑﾐー､＿::::::::::l　　　　　　>>奈落の底に燃ゆる闇の業火よ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦イ＿:::::＼⊥_::::::::::ソﾔ　　ﾔﾑソ　　　　　　　汝の敵は我の敵、我の敵は汝の敵なり。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠三フ::::::::::::<::::::::::::::::::::::ﾔ　ﾔｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　∠三三::::::::::::::::::><､::::::::::＞＝￣フー-　＿＿_　　全ての光を焼き尽くし
　　　　　　　　　　　　　　ｌヽ＿イーｭｭ:::::,－-､<　　｀ー､,--'' ¨ ´､＿＿＿__／　　永劫に燃え続けよ………<<
　　　　　　　　　　　ト､_」::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ/,　-ｔイムｌ-､／:::｀ヾ-,
　　　　　　　　　　 ,マ::::::::::::::::::::::::::::::＿＿_／　　　 l　　/　ヾ:::::::::::::|,ｨｌ
　　　　　　　　　　,マ::::::/-::::::::::::::|´',　',メ:::ヽ､　　ム　ﾔ　ｌ＿:::＿:::::::::::|_
　　　　　　　　　」／::::,'::::::::i::::::::::ト／:::::::::::/　＼　　　イ､　　　＼|::::::::::::t
　　　　　　　　　|/::::::::,'::::::::i:::::::／:::::::::::::::::/　　__〉　　/　ﾄ､　　　　',::::::::::::ヾ
　　　　　　　　 У:::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::／ ,イ´　　　/　　ｌ::l　　　　＼:::::::::l
　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::l:::::::::,ｨイｴ彡＜　（￣／ヽ　　ﾘ　　　　　　',:::::::::ヽ
￣フｰ-‐'´￣7＾',:::::::::::::イヽ:::::::ﾊ　 r‐ィヽ〈｀ー／　　∧イ≦､_　　　　　＼::::::｀ー-=ー-､
. /　　/:::::::::::〈　〉:::::::::ﾊ　 |ー＾リｰ'　　　　｀´　　　　∟彡∟ヾ　　　　　　∟＿_|二ユ--ィ
.∟,イ￣￣´　∨　　　　 ∨

183 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:19:01 ID:uiHBGRsI

二２０４．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　僅かに伝わってくる音を聞きつけたエルが、ハッと気付いて周辺を見回した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　,
　　　　　　　　　,r/　,;-ー_
　　　　　　　　　/:::レ:::::三:::::｀ミ::=-､
　　　　　　　　 ,i::::::::::::::::､:::::::､::::ヾ::ヽﾐｰ-､
　　　　　,r'::::::::::::::::::ヽ::::::::＼.:::::::::::::＼
　　　　　　//:::::/:::;:::i:::::ヽ:::::::::::::＼::::::::::::::ヽ
.　　　　/::/:::::::/_ヽ:!:::::ヽ:::i`_､:::::ヽ ::ヽ:::::::!
　　　　 i::/::::::::/'oヾ､:::|ヽ::Y o＼:::::i!::::ヽ::::＼
　　　　　l:::i:::::::::lゝ- '　ヾ、ﾞ ! ｰ '､ヽ:::::!:::::ヽ::i ヽ　　　　　　「誰か！
　　　　　!::!:::i:::::!　　　` ｀ヽ　　　　 i:::::!::::::::::::i
　　　　l:!:::l:::l !　　,r_ー‐-､　　　l::::!::::::::::;::i　　　　　　翻訳の魔法を使える人は―――！」
　　　　　　!|:.!::', 　　i'/￣￣ i 　　　l:::::::::::::ハ:!
　　　　.　　 l::::::ヽ.　ｉ　　　　i　u,　ｨ::/i:::::ﾊi　 !
　　　　　　　i::li:::＼ `ｰ--‐' 　　／ﾘ　|:::ﾘfﾊ､_
　　　　　 _..!:ﾊ::::l;ヽ､　　　／　　"　l::/i　ヽ. ｀`''ｰ- ､._
　　　,r‐'''"´　 !　ﾘ!i ヽ `＝'"　　 ,　　ﾘ /　　ﾝ　　　　 /ヽ、
　　 /ヽ　　　　　　ヽヽヽ　　　/　　／　　　　　　　　/ 　ヽ
　　l 　＼　　　　　　＼　 '　　　　　／／　　　　　 /　　　 i

　　　 /:.／　　　　　　ヽ
　　｛:/　　　　　　　 |
　　　 l{
__,,... . .ゝ,,_
: : : : : : : : : :｀:`: 丶. .､,,＿＿
.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ; ｀i
: : : : : : : : : : :./: : : : :,!i: : : : : : ﾄ.、
.: : ; :'′　　 /　　　 /　!　　　.l: :.ヽ
:／: : : : : ; ｲ: . . . ∨ 　 !. . : : :l: ｀、｀、
: : : : : ／:/: : : : : / ＼　l: : : :/: : :.!､:.ﾍ
.; : :'": ::/: : : : : ;.'＿＿｀ﾐ!: :./: : : : l ヾﾊ
.: : : : /: : : : :, ｲ｛/示牙 !:/: /:: : :.l　 Ⅵ
.: : :/: : : ;／|:::j　　　|:'r! j/::/　i::. :,!　　ﾞ}
: :/:ィ''"!:::: : !::l　　 ,.ゞﾕ {／　ｉ::/
.:":::ﾍﾞ l::: : :|::!　　 `´　　`i　　 !'
: : : : : }''l: : : |:|　／｀`￢ /
.: : : : /　i: : ::!ﾚ'ﾞ　　　〃　　　　　　　「翻訳！？」
: : : /　　_}: : l|_　　／
.:／三ﾐ\、i: :.|:::｀:¨:´!
〃〃⌒｀ヽ!: :!:: : : :.j

―――――――――――――――――――――――――――――
　　竜語とおぼしき発音のそれが、人間達を嘲る言葉なのか、
　　魔法の詠唱かだけでも判別することが出来ればと思ったのだ。

　　されどその分析が成るよりも早く詠唱は終わりを迎えてしまい、
―――――――――――――――――――――――――――――

185 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:20:01 ID:uiHBGRsI

二２０５．
――――――――――――――――――――――――――
　　コウがデンドロビウム隊に追いつく寸前、
　　彼らを飲み込むほどに巨大な、黒い光球が膨れあがる。
――――――――――――――――――――――――――

　　　　>>―――シャドウ・フレア！<<

　　　　ｌ　　　　　　　　　　l 　　　　　　 / 　　ｌ　　　 .l　　　　　 / 　　　　　　　　　 /゛　　　　　 /
　　　　　ｌ,　　　　　　　　　 l,　　　　　　　 / 　　　 .l　　　 !　　　　　　 ./ 　　　　　　　　　　|　　　　　／　　　　　.,
.　　　　　ｌ,　　　　　　　 !　　　　　 !　　　 ./ 　　 .″　　　　　./ 　　　　　　　　　　　ｌ.　._..-'''"　　　　_.. ‐'″
　　　　　　ヽ　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　!　　／　　　　　　　　　　/　　　　／./ 　　　　　｀´　　　　._..-'"゛
　　　　　　　ヽ　　　　　　　　..ｌ.　　　　　　ヽ'"　　　　　　　　　　　　　 / 　亅　　　　　　 ,..-'″
　　　　　　　　ヽ　　　　　　ｌ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ,　/,,,,､-∠...　　,／´
-､、　　　　　　 .ヽ　　　　　 ′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀゛...) 　／　 ,､'て ,,､ィ
　｀＼　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　_ｪｪ三三三三三三三ｪｪ,_.　　　　　ﾌ　/_,,､-ｲ　/./　/
.　　　ｌ　　　　　ヽ　　　　　　　　　 ,ィ幺圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭≧ｭ . ,, /　 ´　　 / / /　/　　　 ,,,､-ｰァﾞｰ'"
　　　│　　　　　　　　　　　　　ｨ幺圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭.ｨ, ､- '"　　 r''ｰ "/__l. /　」 ,,ｲ　/ 　／
　　　 l　　　　　　　　　　　　ｨ幺圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭　ノ'''´　 ,,､-'"/　/　　,,ｲ　 /／／ .| /　／,,,､ｲ
｀''ｰ　lﾞ　　　　　　　　　　ｨ劣圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭..　イ　,､-'"　　ノ　 / ,r'" （　　　）　（/／/´　 /
　　　　　　　ﾊ､　　　　　ｨ劣圭圭_圭圭圭圭圭圭圭圭圭./'´" ／（　　）　/　ﾉ　 /　　　ﾉ　／　　/　　/
　　　　　　 lﾞ　.ヽ　　 . ｨ劣圭圭　.| ＼圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭}　 /　/.　/　）　 |　　　 /／　　　/　／.　ｰ''″
　　　　　　　　ヽ.　ヽ　 ./爪圭圭圭!　｀､圭圭圭圭圭圭圭圭圭ｲ　 }　/　 /　 /　／　　　　　　　　/／　　　 __,,,
.｀''ｰ..,、　　　　　ﾞ'-,,/　爪圭圭圭圭＼＿〉圭圭圭圭圭圭圭圭../　/　 |　/ 　 /／　沁　　　　　　　 : ｰ''''"´
.　　　｀''ｰ､_　　　　 {ｉ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭 /,／　　|／..圭圭圭圭ｉ}
　　　　　　　　　 {ｉ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭 ./￣ｌ圭圭圭圭圭ｉ}
　　　　　　　　　　　　　{ｉ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭/　　/圭圭圭圭圭ｉ}
　　　　　　　　　　　　　仔圭圭圭川圭圭圭圭圭川圭圭圭圭川圭ｌ＿_/圭圭川圭圭妨
-　..,,_、　　　　　　　　　仔川圭川川圭圭圭圭川川圭圭圭川川圭圭圭圭川川圭妨　　　　　　　　￣ﾞﾞﾞﾞﾞ"'''''''
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186 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:21:01 ID:uiHBGRsI

二２０６．
―――――――――――――――――――――
　　そしてはじけ飛び、炎となって周辺を焼いた。
―――――――――――――――――――――

　 |＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/　 /
＿|　＼/＼/　　＼／＼/　|∧／　/／/
＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
∠　　ギャアアアッ！！！！！　　　＞
／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＼
￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣
　　/／　　　|/　　　＼/　　　＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　ウワアアッ！！！　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^Y^

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187 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:22:03 ID:uiHBGRsI

二２０７．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　音もなく静かに―――
　　そしてゆっくりと肉体と精神を融かしていく漆黒の炎。

　　逃げる事は出来なかった。
　　炎はまるで粘液のように絡みつき、もみ消そうと地面に転がる騎士の身体から
　　決して離れようとしなかったのだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_
　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
＜　　か、体が！　　　　　　　　　　＞
＜　　俺の身体が融けて……！　＞
　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　　ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1v1
　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‐=､´　　痛い痛い痛いイタイいたいイタイ！！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ｙﾍ!ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/|
　　　　　　　　　　　　　　＼_WＷ/ |WWWWWWWWWWWW／
　　　　　　　　　　　　　　≫　　　　　　　　　　　　　　　　　≪
　　　　　　　　　　　　　　≫　殺してくれ！早く、早く！！≪　　　　 |＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/　 /
　　　　　　　　　　　　　　≫　　　　　　　　　　　　　　　　　≪　　　＿|　＼/＼/　　＼／＼/　|∧／　/／/
　　　　　　　　　　　　　　／MMMMMMMMMMMMMMMM､＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠　　なんじゃこりゃあああ！！？　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　　|/　　　＼/　　　＼|

　　　　　　　　,　-―.―ｰ- ，
　　　　　 ,，´.::::. . . . . . . . ..:::..｀ヽ
　　　　 ./.; : : : : : : : : : : : : : : : : :.' ,
　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,'!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.，
　　　 ,'.::::::::::::::::i::!::::::/ i!,'ノﾘｿﾘｲ::::::::l
　　 ,ｲ|:::::::{千ﾍ! i,ﾙ'　ｨrｻｭ｀_　.}::〈.ｨﾊ
　　　 .!ﾘ!ヽ'ｨrﾀ｀ i　　　　　　　ｊ::::}　 }
　　　　　 {.´ 　　|　　　u.　　　　iﾘ´ｲ
　　　　　　 '. 　　ヽ´　　　　　　　チ|　　　　「ああ………
.　　　　　　　、.u. ､_, ‐-　　u.　.　!ｲ　　　　　あああああ…………」
.　　　　　　　　＼　　 ‐ 　　　,ｲ　ﾘ
　　　　　　　　　 |＼　　 .／　　 |
.　　　　　　　　__」＿｀ー､´　　u.　|､____
　　　　　　 i｀ー―--┬┬┬-==＝ﾆ｀i
. 　＿＿＿_」 .┌─┐.|. ∥ |　┌─┐ ト､,___
:::::::::::::::::::::::::::ゝ└─┘.|. ∥ |　└─┘_|:::::::::::
　､::::::::::::::::::::::::::｀ｰ---┼∥┼---‐ ´::::::::::::::::
　　 `　､:::::::::::::::::::::::::::::| ∥ |::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　.｀ヽ;:::::::::::::::::::| ∥ |::::::::::::::::::::::::::::::::::


	188 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:22:24 ID:N.cI6xmI どうしろってのよ、これ… 190 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:23:14 ID:uWmaONW6 エルとこなたやばくね？！

189 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:23:02 ID:uiHBGRsI

二２０８．
―――――――――――――――――――――――――――――――
　　それが贄を焼き尽くすまで消える事のない―――
　　焼かれた者は永遠に苦しみながら虚空を漂うと言う魔界炎だとしたら、
　　騎士達はあまりにも救われない。
―――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　 _,, -― ''￣￣/￣` ヽ、
　　　　　　　　　 _,, ー-- 、　　　ノ　　　　ヽ、
　　　　　　 ,, r '"　￣ヽ　＼､／＿＿__　　　 >＼
.　　　　　　／／,　　- 、　ヽ　　￣　　　　￣`＜__　＼
.　　　　　/　/ /　　　　Y　　＼　　　　　　　　　　　`ヽ＼
.　　　　 /　/ ll|　　　 /　　　　＼　　　　r―--、　 `＼_
.　　　 /.／　 l　　　ノ　　　　　＼　　　　`ヽ、__＞　　 !
..　　　/　　　　`ー‐"　　　　　　　＿＿＿＿　　　　　　　　ヽ
.　　　レ‐､　　　　　　　　　／￣￣＿＿＿　￣￣`ヽ、　　　ヽ
...　　　Lr入　　　　　　／　／￣　　　　￣ `ー---`―- ､　ヽ
...　　　/:|::l;;＼＿＿＿.／　.／　　　　　　　　　　　　　､　イ＼ l
.　　 /::/::l::|::`ヽ＿＿_,, -"　　　　　　　　　　　　 ,,r‐=、　l　rー┘
　　 /::/:::/::|:::::|l:::::l:::|　　、　　　 U 　　　　／;;;;;;;;;/　／"
　／::/:::/::::|:::::|:|::::|::|　　　ゝ　　　　　　　　　　|`l;;;;;／／　　　　　　　　「なんだあの攻撃は！？
./::/:/::/:::::/::::l:l:::::l:::|　　　　＼　　　　　　　､`ｰ"　/
ﾞ::/:/::/::／:::://::::|::::|　　　　 `ヽ、　　　u.　　　　 /　　　　　　　　　　　魔界炎を喚んだ！？」
...::/::/::/:/::::l/:: :/::::|＝=-ゝ、　　　　　　　　　　/
ﾞ:/::/／:/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、＿_ ,rー―‐ "
...::/::::::/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　ヽ-、
／:::／:::::/::::/:::／_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼Y`/

　　　　　　 , '::::::::〃:::::::::::.i::::::::ヽヽ:ヽ ::::::､::::::::::::::::':::､､,__
　　　　　_ｨ:::::::::〃::::::::::::l!::!:::::::::::＼ヽヽ:::::ヽ:::::::::::::::::::t=ｰ-.
　　　 _ｨｼ='7:::〃::::ｨ''|!i:::!i::,::::::､::::::ヽ::::::':,',､;,:::::::::::::::::::::ﾝｯy､,_
　　´"　　/::::::/:::/,.-ｬj:::l 'i!';::::i＼::::ヽ:::::::',',',i!::::::::::::::f"''''＝=-''
　　　　,.ｼｨ::::::::ｿ !. (::)ﾘ!　ﾍ',:::l,,､ﾇ;:::ヽ::::::',',',':::::::::::::::',
　　　〃ｼi::::::::ｌ　｀""゛　　` 'ﾘ (:::)ﾔ､:ヽ:::!:','::::::::::::::::',
　　　 '　'　.ｌ::::::::l　　　　　　ヾ'''''" Y:::::::::::::!::::::::::::::::',
　　　　　　i::/ｌ::::!　　　ヽ　、　　　　ｌ:::::::::::::::'::::::::ｯ::::::',
　　　　 l/　!:::'､　ｧ､.　　　　　　　 !:::::::::::::::::ｫ:::::!';::::::',
.　　　　 ,!. 　|/ ';､. ヾﾐ.`j 　　　 ,イ::ｧ:::::::::::::::i '､::',ﾔ::::､
　　　　　　　　" . ';ヽ　　　　　,､y'´ /ｼｌ::::::ヽ:::::ｌ　ヾ;　゛丶
　　　　　　　　　　'|!`=tｰ:::'"／　 /'　ﾊ::;::::il!';::!　　　　　　　　（やはり竜語魔法！）
.　　　　　　　　　　　　'i::: '　　　　　　　ﾘｿヽ'ﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　!'i　　　j　　　　 ~ヽ
　　　　　　　　　　　　　　ﾘ､　／　 ―ー '''"""f,　　　　　　　　<風の精霊！
　　　　　　　　　　　　　 / _冫'''~ 　　　　　　 ',　　　　　　　　舞い踊るシルフよ！
　　　　　　　　　　　　／ ´　　 ,､　　　　￣~ ヽ　 'i
　　　　　　　　　　　l!~　　　　/　　　　　　　　ヽ.　!　　　　　　　あの竜の周辺から立ち去り
　　　　　　　　　　　ｿ. 　　　/　　ﾝ　　　　　､　',　l　　　　　　　全ての音を失わせろ！>
　　　　　　　　　　 /　　　 /　　 / 　　　　　',　', 'i
　　　　　　　　　　/　　　 '　　 / 　　　　　　 i.　', ｌ

――――――――――――――――――――――――――――――
　　戦慄するミリアルドの後方、
　　竜語魔法はあらゆる事象を原動力とすると知っているエルだけが
　　これ以上の詠唱はさせまいとシルフに命令する。
――――――――――――――――――――――――――――――


	191 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:24:02 ID:tL8WQrr6 ハドラーのメラ系呪文の設定を思い出した。

192 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:24:02 ID:uiHBGRsI

二２０９．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　音が失われれば呪文の詠唱はおろか、咆吼もあげられないのは確かだ。

　　だが、竜の高い魔法抵抗力や精霊への干渉力から考えれば
　　効果時間はごく短時間のはず。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

―――おや、精霊使いが混じっていましたか。

　　　　ですが―――

　　　　　 λ
　　　　　｜|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　＿_ィ√~フ
　　　　 .|ξ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.ー~: : _.ー＾＾: :: ヽ : :）
　　　　|;;;ж|/|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r: :: :: :: :ｒ :＼: ::Ю: :: :: ::＼
　　/ヽ/，|※｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜ｗｗｗｗｗｗｗwヽ: :: :: 　　）
　　|※ ※||※|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　　　　　　~￣＼　＿＿‘ｗ｜ヽ　　｜
　|＼※※| |※/|　　　　　　　　　　　　　　　　／ /　　　　　　　　　ｗ/:::::::／ｗ.／￣~/　|　　　>>……………<<
　＼＼※ | |￣/　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　　　　　　　　ＷWWWＷ／　_ ／　　|
　　｜.￣ | .|;;;;;;|　　　　　　　　　　　　　　　,′,′　　ハ　　　　　　＼二二／／~!~　　　/
　|＼;;;;;;;;;;;|　|;;;/|　　　　　　　　　　　　　　/ /:　　　_=|;＼ヽ　　　　i　　　　　　i　　／
　＼:;:;;;:::;:;;;＼.. /　　　　　　　　　　　　　./ /::/⌒ー＾丶、　＼~＾ー,'　　　ν　　　|/　＼＼
　_‘-_:;:;;;::＼:;＼/`|　　　　　　　　 .　　 / /::/:;:;;　　　＿　＼　｜／　　　ν　　　 /＼　＼＼
　＼￣　:;:;;;::＼＼/　　　　　　　　　　 ./ /::/　　:;:;;/∧　＼＿_）ヽ　　　ν　　　　/＼ ⌒＾＾＼＼
　― ―　　:;:;;;::＼＼/~｜　　　　　＿./ /::/ :;:　　|/::::＼＿＿ｙ　ゝ　　ξ　　　／:::::::::::ヽ　　　＼＼
　＼＿　　: :: :: :: :＼＼/＿　　／~　/ /::/　 :;:;;;:/::::::::::::::::::＼　　　　　　　 .／／⌒＼:::::ヽ　　 : :ヽ. ＼
　＼＿　　: :: :: :: :＼＼/＿　　／~　/ /::/　 :;:;;;:/::::::::::::::::::＼　　　　　　　 .／／⌒＼:::::ヽ　　 : :ヽ. ＼
　　　＿｜　　:;:;;　:;:~ーー―‘　:;:;:;:/ /::/　:;:　/:::／`ー=_.／: : : : : : : : : :／　＼　　　＼:::::ヽ　: : .ヽ＼＼
　　　＼:　　　:;:;　 :　:;:;　　::　　　 / /::/　 :;　/／;;;/　::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　＼　　　＼::ヽ: :　　ヽ::＼＼
　　　　 ‘＼:;:;　　　:　:;:　　:: :　　/ /::/:;:;　　/;;;;;;;;/:::::::::::::::::::::::::::::::::::/＼　　　　　｜　　　　＼ヽ　: : ::ヽ:::＼＼
　　　　　　　~=_￣`￣`￣`￣`/ /::/　　 : :/;;;;;;／:;:;:;:;:;;::;::;:;;:;::;:;;;::／　　|＼＿＿＿|　　　　　　ヽ　: : :　＼:::::＼＼
　　　　　　　　　ー=_＿＿＿_　＼＼　　　/;;;;;/:;:;:;:;:;;::;::;:;;:;::;:;;:;:;／　　　＼　　　（　　　　　　　　　ヽ;: ::;　　＼:::::::＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ / | ＼;;;;/~￣~‘～～￣　　　　　　　.）　　,‐_ヽ　　　　　　　　＼　　　　＼:::::::/ /
　　　　　　　　　　　　　　　〆⌒〆⌒　⌒＼　　　　　　　　　　　　　　　<＿＿ゝ　ゝゝ　　　　　　　（＿　　　/　＼　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　‘=＿=＿=__|⌒`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー-（＼　（＾＼＾＼


	193 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:24:21 ID:yjDw79/Y やらない夫ー！早く来てくれええええ！

194 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:25:08 ID:uiHBGRsI

二２１０．
―――――――――――――――――――――――――――
　　生半可な精霊使いなら効果すら現れなかっただろう。
　　されどそれが何の慰めになると言うのか。

　　エル渾身の魔法は僅か一呼吸、相手を沈黙させただけで、
―――――――――――――――――――――――――――

―――無駄な事ですよ、ヒーッヒッヒッヒ―――

.　　　　　　　　　 /　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　／
　　　　　lｰ ''''"￣￣"　　￣￣｀'､　　　　　　 lｰ ''''"￣￣"　　￣￣｀'､
..　　　　∠,,､ -z　　　 ,r――― ''"　　　　　　∠,,､ -z　　　 ,r――― ''"
..　　　　､ '"´,､ィ　　 /　　　　　　　　　　　　　､ '"´,. ,..ｨ､_
　　　､ '" ,､ '":ﾂ　 /　　　　　 |＾l　　　　　､ '" ,､ 'ﾞ,.'" ´⌒｀ヽ......._.　|＾l
､-'　,､ '´ 　　/　　/ 　　 /'''',,,," 彡　､-'　,､ '´.　〈wﾄ,､_ l:: :: i'.Ю｀`ヽｰ─‐- ､__
| ,､ '´　　　 /　　/　　　｀ﾞ＾ _,| │　 | ,､ '´　　　 /ゞ,､ﾘﾚﾒ､_ｪ_､｀ｰ''l|ヽ.ﾐ三'"´´　　　　　　　　　 |＾l
'´　　　　　/ ／l/　　　　　.,／,_　|　　　'´　　　　/ ／l ゝ,､"ﾚﾉ'|ヾ､.:: l:: ::`<´　　 ;‐i　　　　　　　 /'''',,,," 彡
　　　　　/／　　　　　 .l＿,'" | .|　　　 lﾆ　ﾆ/／　　　　}_,ｨﾄ､!r'"`ﾒ､:: :: ﾞ....　lﾆ　ﾆl　　 ;‐i　　｀ﾞ＾ _,| │
　　　　　　　　　　　　　　 {_,lﾞ　　　 .〈/!_|　　　　 l.ﾞ,-'"ｲ,〉/'ﾉ　　〉､.._ﾞ､..ﾞ〈/!_|　　 lﾆ　ﾆl　　.,／,_　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'イ´>`'／　　　/ヽ:: ::｀ヽ. 　　　〈/!_| 　 .l＿,'" | .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､ﾒｨ>'／　,ｨ､'"´:: :: ヽ:: ヽヽ　　　　　　　　　　　　{_,lﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､´　__／　　ヾ..､:: :: ヽ:: :: l .l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀二　､　　　j｀`ヽ､:: |:: ::l| :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:: ::｀ｰ､ヽノ:: ::l|:: ::| |:: ::l|::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:: ＿ヽ:: ::l:: :: l|:: ::||:: /':: |､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｨ'´-､ヽヽ:: ヽ:: ヽ l| //／) ｀`ヽ､_
....　j｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..ｨ'"´:: :: :: ):: ）>:: ::ﾒ､:: ::ll|/ ヽノ､:: :: :: :: ｀ヽ､　　　＿,ｲ､
....　ヽ:: ヽｨﾞ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-'":: :: :: :: ,.ｨ'"ノ'　r'"´＿ﾉ l　ヽ／ｨ､>､､､､:: :: ｀ヽ´､　　　ﾘﾙ､ｨjl
......　|:: :: :: : !ｪ､i､Ajﾄｨ､,､､ .ﾄ､ ,ｲ｀ｰ'⌒ｰ‐',／:: :: _,､ｨｪｲjｨ-'"´ノ／二二ﾆ'　ゝ二ヽ､｀ヽ_"｀‐'='ﾆiｪｪ､､｀ヽ.　　　　　ﾞ`'`ﾂ､_　　　 __
......　|:: :: :: :: : !　　　　　　　　"　　　　,ｲ'":: ,ｨｪﾆｨ'"´:: :: ::,.ｨ'"/三二ﾆ=ｲﾄｲ､ﾆｺlr‐"､　｀ヽ､_:: :: _,ｨ´ヾl:: |　　　　　　　　 `ﾒ,. 　,､〉ヽ
　　 |:: :: :: :: : |　　　　　　　　　　 {:: :: ､ i:: ｀ヽ､__,.／　 /ﾐ＝＝-‐ﾌ､　,ｨ､ﾆ/　　ヽ.　　　￣ｿ/:: ::/､ l　　　　　　　　　　V':: ﾞ:: ::/
.　　ヽ:: :: :: :: :: {　　　　　　　　　　　 j:: :: :: }ﾐ{:: :: ／　　／ヽ､_三三ｼ〉 /ﾐシ´　　　　｀､　　　〉 /,r─,ヽ.　　　　　　　　　/:: :: ﾞ´!
: ヽ　ヽ.:: :: :: :: :: ﾞ.　　　　　　　　　　/:: :: fﾆ二ヽ/　　　/:: :: :: :: ｀ヽ.─ﾄ､／ヽ､_　　　　　ヽ.　　/:: ﾓﾆ二ｲ:: !　　　　　　　 /:: :: :: ::j
_r-Vヽ　､:: :: :: :: :: :;　　　　　　　　　|:: :: :ﾆ二､-ｲ､　　/:: :: :: :: :: :: ::_ヽ:: ::ヽ:: :: ::｀ヽ　　　　ヽ.　ヽ:: ﾆ二ﾆ':: :|　　　　　 /:: :: :: /
ヽ/｀ヾヽヽ.:: :: :: : : i　　　　　　 |:: :: :: ヾ､二/ﾉ　/:: :: :: :: :: ::-‐'／ /:: /｀ヽ-､:: ヽ　　　　＼ヽヾﾆｲ':: :.|　　　　　　 /:: :: : /
. ヽ/｀￣>､_ﾞ､:: :: :: ::ヽ　　　　　　　　|:: :: :: :: ヽｲ/l /､_ _, -‐'"／´:: ｀／／_:: :: :: :: ヽヽ　　　　　ﾍl:: ヽ'ﾉ!:: :: :|　　　　　 /:: :: ::/

195 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:26:01 ID:uiHBGRsI

二２１１．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　極度に消耗した瞬間に咆吼をあてられて、全身から冷や汗が吹き出した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　,
　　　　　　　　　,r/　,;-ー_
　　　　　　　　　/:::レ:::::三:::::｀ミ::=-､
　　　　　　　　 ,i::::::::::::::::､:::::::､::::ヾ::ヽﾐｰ-､
　　　　　,r'::::::::::::::::::ヽ::::::::＼.:::::::::::::＼
　　　　　　//:::::/:::;:::i:::::ヽ:::::::::::::＼::::::::::::::ヽ
.　　　　/::/:::::::/_ヽ:!:::::ヽ:::i`_､:::::ヽ ::ヽ:::::::!
　　　　 i::/::::::::/'oヾ､:::|ヽ::Y o＼:::::i!::::ヽ::::＼
　　　　　l:::i:::::::::lゝ- '　ヾ、ﾞ ! ｰ '､ヽ:::::!:::::ヽ::i ヽ
　　　　　!::!:::i:::::!　u.　` ｀ヽ　u.　　 i:::::!::::::::::::i　　　　　　「や………やはり効果が続かない！」
　　　　l:!:::l:::l !　　,r_ー‐-､　 u.　l::::!::::::::::;::i
　　　　　　!|:.!::', u.　i'/￣￣ i u. 　　l:::::::::::::ハ:!
　　　　.　　 l::::::ヽ.　ｉ　　　　i　　u. ｨ::/i:::::ﾊi　 !
　　　　　　　i::li:::＼ `ｰ--‐' 　　／ﾘ　|:::ﾘfﾊ､_
　　　　　 _..!:ﾊ::::l;ヽ､　u.　／　　"　l::/i　ヽ. ｀`''ｰ- ､._
　　　,r‐'''"´　 !　ﾘ!i ヽ `＝'"　　 ,　　ﾘ /　　ﾝ　　　　 /ヽ、
　　 /ヽ　　　　　　ヽヽヽ　u.　/　u. ／　　　　　　　　/ 　ヽ
　　l 　＼　　　　　　＼　 '　　　u.　／／　　　　　 /　　　 i

　　　 /:.／　　　　　　ヽ
　　｛:/　　　　　　　 |
　　　 l{
__,,... . .ゝ,,_
: : : : : : : : : :｀:`: 丶. .､,,＿＿
.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ; ｀i
: : : : : : : : : : :./: : : : :,!i: : : : : : ﾄ.、
.: : ; :'′　　 /　　　 /　!　　　.l: :.ヽ
:／: : : : : ; ｲ: . . . ∨ 　 !. . : : :l: ｀、｀、
: : : : : ／:/: : : : : / ＼　l: : : :/: : :.!､:.ﾍ
.; : :'": ::/: : : : : ;.'＿＿｀ﾐ!: :./: : : : l ヾﾊ
.: : : : /: : : : :, ｲ｛/示牙 !:/: /:: : :.l　 Ⅵ
.: : :/: : : ;／|:::j　　　|:'r! j/::/　i::. :,!　　ﾞ}
: :/:ィ''"!:::: : !::l　　 ,.ゞﾕ {／　ｉ::/
.:":::ﾍﾞ l::: : :|::!　u. `´　　`i　　 !'　　　　　「来るよっ！」
: : : : : }''l: : : |:|　／｀`￢ /
.: : : : /　i: : ::!ﾚ'ﾞ　　　〃
: : : /　　_}: : l|_　　／
.:／三ﾐ\、i: :.|:::｀:¨:´!
〃〃⌒｀ヽ!: :!:: : : :.j

196 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:27:06 ID:uiHBGRsI

二２１２．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　コナタの警戒とほぼ同時。

　　そんなに遊びたいなら遊んであげなさい、とフラックが邪竜の好きにさせたとたん、
　　巨大な躯が土煙を上げて前衛に迫る。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

―――それに………このケダモノも私も、
　　　　一番好きなのは直接叩き殺す事でしてねぇ！―――

　┌―┐00　＿　　　__　　　　┌―┐00　＿　　　__　　　　┌―┐00　＿　　　__　　　
　｀フ∠　　　辷l /７ └┘/7　　｀フ∠　　　辷l /７ └┘/7　　｀フ∠　　　辷l /７ └┘/7　
　└'＾ｰ┘　　　　くノ　　＜ノ　　└'＾ｰ┘　　　　くノ　　＜ノ　　└'＾ｰ┘　　　　くノ　　＜ノ　

￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ﾞ,､ｲ /´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |V　.|...￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､/〉´､／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:: :: |
　　　　　　　　　　　　　　　 _,,　-r'/〉丶7´　　　　　,､　　　　　　　　　　　　　 ,　 ,〈!:: :: ヽ......　,,,_
　　　　　　　　 _,,　ｰ'''"゛.　_ﾔ./〉｀ｰｧr-､,､_　,'ヽ:: :ﾞ､　　　　　　 ,. -'"`‐`｀､lﾄ'ﾞ'　|:: :: ::'. 　　　｀ﾞﾞ''''―　..,,,_
　　　　　_,,　-''''".　　　　　ﾄ`〈>ｨ<'"ヽヽ_ヽヽﾆl:: ヾ‐=ﾞ｀ヽyﾄ､／/|　　　　 ,.､,ヽl　|:: :: ,. ,,、　　　　　　　　　　｀ﾞﾞ'''
,,.. -‐''"゛　　　　　 _..-'"゛ X｀ヽｨ-ﾞ,二ﾆ-‐'"ヽ.〉､〈｀ヽ.､::ゝﾉ:｀l､:: l_,､　／:: ::l`､　|:: :: ' 　｀''ｰ..,,,
.　　　　 /ヽ､　　　　　　　　　ﾄ､＿＞-､_:: :: _／ヽ.〈):: :: >):: ヽ jヽ'":: !'":: :: :::l:: :l　!:: ::l.　　　　　｀''ｰ ,,_
.　　　　ヽ　ヽ'ヽ.　　　　　　　　ゝ､_:: _,..-‐'"´:: :: :: :i.{ﾒ:: /:: :: }:: l:: ヽ:: !:: :: :: /:: :: :V:: ::,'､　　　　　　　　　｀''ｰ､,、
.　　 _..-'".ﾞ.:: :: :: ｀´ヽ_　,./ｨ‐ﾄｲ￣イ´＿＿,...:: -‐'　ﾉﾄ!/ヽ:: :: l j:: :: / ﾄ.:: :: /:: :: :: :j:: ::,' . ＼　　　　　　　　｀ﾞ'‐
..-'"゛.　　＼:: :: :: :: ヽ` ﾞ／´:: ヽ､´:: :: :: :: _,...　-ｧ':: <ﾆﾆヽ､rﾆ....__.,.ｨ-イヽ:: :: :: ::l:: :' ＼.　｀'-、
　　　　　　　,ﾞヽ:: :: :: ::ヽ　ヽ:: :: :: :: ヽ､.-‐'"´ 　 /_.ヽ､ヽﾞ.:: ~,_,.Ю"´:: :: ｀:: ;l､:: :: :l:: .'......　＼　　＼
.　　　　／　　ヽ:: :: :: :ヽヽ:: :: :: :: :: ::ﾞl　　　 /:: ::ヽ`‐-'jﾉ'":: :: :: : _,..ｨ-ｧｫｬ､!:: :: !:: {.　　　　＼　　｀'-、
　　 ,,／　　　.／..ヽ:: :: :: :ヽﾞ､:: :: :: :: :: ﾞl　　/､,､:: ::ﾄ､ ,j:: _,.／7ﾔlﾒﾙ'｀'｀ﾞ´´>':: : |:: ::ﾞl.　　　　　｀'-,　　 . ＼
. ／　　 . ／　　　ヽ､:: :: :: ヽﾔ:: :: :: :: : ｌ　/ﾒﾔl--､|' ヽｲi |　/: `'ヽ　　メ´:: :: :: l_:: :/.　　　　　　＼　　 .｀'-、
　　　　／.　　　　　　＼:: :: :: ヽ､:: :: :: :: ::V　　　　　　 j　　l/ゝ,　ﾞ. ヽ'"/!/:: ::､:: :､`ﾉ......ヽ　　　　　＼　　　｀'-、
. 　／　　　　　　／.　＼:: :: ::ヾ､:: :: :: :: ヽ　　　　　　ヽ　ﾞl そﾞl　l. | /ﾉﾄ. ,ｨ. ヽ /ﾞ､ｰヽ...＼　　　　　　　 `'､
.,／　　　　　／　　　　ヽ:: :: :: ＼:: :: :: ::｀､　　　　　　ｌ　〉ﾈ　l 　l/　　 l_! |_,l_ヽ :|..ｲ､|...　ヽ　　　　　　＼
　　　　　　　　／　　　　ﾞl:: :: :: :: ::j:: :: :: :: :ヽ.　　　　　| |ｷ',　/ﾞｲ!　　　ﾞV　￣V.　　ヽ　ヽ　　　　　　　　　＼
　　　　　　　/ 　　　　　 ./..　ヽ.:: :: :: ::ﾉ:: ,:: :: :ヽ l　　　　ヽ､ﾒｲwｨﾔ　　　　　ｌ　　　　　　 .ヽ.　ヽ
　　　　　 ,./ 　　　　　 ./　　　＼:: :/:: 〈:: :: :: lヽﾒ　　　　　｀~ ¨´　　　　　　ｌ　　　　　ヽ　 .＼
　　　　 / 　　　　　　 /　　　　　コ､:: :l:: ,､:: ::|:: fヽ....　!　　　　│　　　　　ｌ　　　　　ヽ　　ヽ
.　　 / 　　　　　　 ./　　　　　　 /　j:: ::| / ヽ l:: ::|　|..ﾞ｜　　　　.l　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　ヽ　　＼
　　/ 　　　　　　　/　　　　　　 |/ﾄ-.ｨ､_ﾞ. l/ｨﾄ--､ |　 |　　　　　ｌ　　　　　　ｌ　　　　　　　　ヽ.　　ヽ,


	197 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:27:53 ID:tL8WQrr6 く、くるなあああぁぁ！！ 199 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:28:18 ID:N.cI6xmI も、もうだめだ…こんなのに勝てるわけがない！

198 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:28:01 ID:uiHBGRsI

二２１３．

　　　　　　　　　 /ﾐ/
　　　　　　／、_ ノﾐ/
　　　　　 /::::::::::::::/ﾐ/ 　＿＿
　　　　　/::::::::::::::/ﾐ/ ／　 | |　ヽ
　　　　 ∧:::::::::::/ﾐ/ {ヽ＿ﾉﾉ::＼ｊ＼
　　　　∨ ﾍ::::/ﾐ/　{::::::::::://:::::}__ )
　　　　　 ∨　ﾉﾐ/　ﾍ::::::://::::／≦三ヽ、
　　　　　　　 /ﾐ/　　ﾍ:://∠／====ヽ} ヽ　　　　　　　「パパパパ、パリィ！」
　　　　　　　ﾉﾐ/　　　　 ≧ソヽ三三∨/　ﾍ
　　　　　 }ニ∪　　　　／ ,　ヽ三∨∧　　ﾍ
　　　　　 {ニノヽ__＿／　／　　／ヽ　ﾍ＿ﾉ
　　　　 /ﾐ/　／彡i ヘ　_＿／＿ヽ/ ﾍ彡}
　　　　 /ﾐ/＞´ ∨/　　ﾉ;;;;ヽ／　＿＿{三彡}
　　　{￣ｿ＿／ ∨二´;;;;;};;;;ヽ　//￣}二ﾍ二ﾍ
　　　{＿lｊl ＿／＿＿}}／｀￣＼ハ　/三∧ ﾍ
　　　 /ﾐ/ 　　　　　　　　　 l　 l / 　ﾏﾐ　ﾍ
　　 /ﾐ/　　　　　　　　　　 |　 /　　　ﾏﾐﾍ　ﾍ
　　 /ﾐ/　　　　　　　　　　　　　 |　/　　　 }三ﾍ　ﾍ
　 ./ﾐ/　　　　　　　　　　　　　　　l /　　　　 }三ﾍ　ﾍ

　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　／ﾍ　　 / ﾍ　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　　　 / /::::ヽ＿/ヽﾍ　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　| l::::::::::::::://::l　|　　　　　　　　　　　＜　　無茶だベア！逃げろ！！　＞
　　　　　　　＿＿＿＿ヽヽ::::::://::::/ /　　＿＿＿　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　/　　　　　　∨＞/二ヽ＜＿ノ　　　　＿ヽ　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　｀ ─、　　ﾊ　/　　　ヽハ彡}　　　　/
　　　　　　　　　／ ≧－ﾉ/ iヽ二二二ﾉ i;;ヾヽ＿__ /
　　　　　／　 i彡∨/　i○　　　　　 i;;;;;;彡／　ヽ
　　　　　 _ /　　　/　ﾉ/　　i　　　　　　 i;;;;;;;;∧　　　 i
　　　　 /　Y==ﾆﾆ≦/　ヽ　i 二二二二.i;;;;/　≧三≦
　　　　ヽ ∧　ヽ;;;ヽ　　ヽ/i 　　　　 i∨　 ∨ ￣ ∨
　　　　　　　ﾍ　　ﾍ;;ヽ　　 ≧、二二二 ,≦　　ﾍ　　ﾍ
　　　　　　　　∨二二}　　/ヽ二二二二/ヽ　　 ∨　　∧
　 ≦三三三三∪∪∪三三三三三三三三三三三∩∩∩三三三三三三三三≧
　　　　　　　　　　　　　　 l ノﾐﾍ i　　 !/ﾊ　}　　　　　ゝ＝≦　　　　/::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　／　{三ﾍl　　 !;;;/ ヘ　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　 /　　 l三ミ|　　 !彡三 |ﾍ　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　／　　　|三ミ｀￣´∨/　　ﾍ　　　　　　　　＼＼＿＿＿＿／／
　　　　　　　　　　/　　　　ヽ彡}　　　 ∨　　　ﾍ　　　　　　　　　｀￣￣￣￣￣´
　　　　　　　　　 /　　　 /:::::::::::/　　　ｲ　　　　ﾍ
　　　　　　　 l　　　 ,:::::::::／　　　　ﾍ　　　　　〉
　　　　　　　　　ﾉ＿　/:::::／　　　　　　　へ　 √ ヽ
　　　　　　　　/　　ヽ／　　　　　　　　　　∨:::　　}
　　　　　　　 /　　/　}　　　　　　　　　　　　 }:::　　ﾉ
　　　　　　／ヽ _/_ ノ　　　　　　　　　　　　|::＼ハ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　最初の犠牲者は―――本来、相手の攻撃を打ち払うはずの護戦技を使った聖騎士だった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

200 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:29:02 ID:uiHBGRsI

二２１４．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　だが、圧倒的な力の前に小細工は無意味。
　　彼を視界にも入れなかった邪竜の突進に踏みつぶされ、肉片と血しぶきが舞う。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　,,..､._,ii､ -,,..-'';,i'　　　|;;;;;;;;;;;;;.;v―ｰi;;,,v-ｰ'"　　　　　 ,,-- 、
　　　　　　　　ヽ./ 　｀ﾞヽ,;;;;__ゝ,, ..,,lﾞ;;;;;;;;;;./ 　　　　　　　　　　　 _,,iiiﾆｿ一'" : ii、
、　　　　　　　　　　　　 _,,ﾐ/゛　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ‐'―― .... r;;;;ッr‐'''''"゛　 .y､_
;ヽ、　.,ﾉ７　　　　　　　ヽ‐゛　 ,r''ﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i‐'"　　　　　　　　ヽ;.|
'''-､ﾞﾞア'"　　　　　　　　 {,ﾞ二､,,-､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r‐┘ : :lﾆ;;．　　ｒ‐‐┐00
　 ...ｌ′　　 :l";二ﾞ''''┐　　　　　 ,l´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ-'''''-、　　　　く,勹｜　　 ,⊆.己　　_,n___　　＿__
._..．　　　_.　 ´　,〉;;;;;;ﾞ'ｰ､,　 . _,._..ﾐ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;7　　　　　く_ノ. 　　｀ﾌ_厂　　`l_ﾔ′　｀ｱi′
;;;lﾞ　　　.ヽ;;￣￣;;;;;;;;;;;;;;;;;.!　 .l､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!　　　　　　　　　　　　　　　 _,,
.､!､　　 .,i┘;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ^'''"　　 ,|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,..;＞ｰ'ﾞﾞﾞﾞﾞヽ　　　　　　　　　　　　ﾞ‐'　|.ｌ
..l;;;;ﾞゝy レ;;;;广'L;;_..ｺ　　　　l;;;;ン'ｯ;;;;;;;;;;.,,.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ 　｀''､_;;;;;;;;|　　　　　　　 .,,,　　　　 .　ｌ､;ﾞ￢．
. ﾞ'''''″ .ﾐ､;;;;ﾞ''''l:ﾞ'"　 ` .、　｀''" : l.;;;;;;;;;;lﾞﾞ'<;,v､;;;;;;;;;;/'　　　 .｀''''"　　　　　　　 !;;ﾞ''┐　　　　.ﾞ'ｰ'"
　　　　,-シ､;;_ﾉ　　 . _,　｀　　　 .tナ‐'￣″ ∥ .｀'―ｰ!lｌt;;． .'　　　　　　　　　　!､;;;丿
;/　　,r./ 　l;/　　　 '!┘　　　　　　　　　　　ﾘ'i　　　　　　　　　　　　　　　　 ´　　 ,,、　　　,、
,! .／　　,i";;{_ 　　　　　　　　　　　　　　　 =!.!.ｌ　　　　　　　　　　　　　　　,i'''；　　　　 .|;;;;ﾞﾞ''''''";;.ｌ､
! 　　　　ﾞL;;;;;ﾞ＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　マ　, ､,,, 　　　　　 `''".ｨ;;-一'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
..,i￢―''>.ｌ..､/ﾞ　　　　i'ﾞﾞ~ﾞﾞﾞ'-|!!ゝ　　　　　　　　　i'''j　　.!､,,;l,ﾞ,,r‐ｰ､　　　　　　　｀''-､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｨ
: };;;;;;;;;;;'＼_ ゛　　 .〈;;i ゝ､;;;;;;;;;.ア　　　,......、　　　,iﾐ;;/　 ,r'''";;;;;;;;;;;;;｝ ._.. ;;i　　　　　　 .｝;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
.lﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!　　 .,ﾝ-. : '!''Ｌ,lﾞ　　　　ｌ.;;;;;;ﾞゝ､,i''";;;;; !　!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ｌ!´二..,,,＿,..--'''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゛
.;;‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　lﾞ;l ,!;;;;/　　　.|'ﾍ,　　　　｀''''''ｉ_;;;;;;;;;i;;,ﾞ　　ｌ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,! ﾞ'―'''''''^ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ'l,,_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
..!､_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ!-ﾞ;|,`''″　 .,／;;;;;ゝ..r‐┐　　　i";;;;;;;;i┘　ゝ､;____,,／´　　　　　　　 : ,ii;;,ﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　.ｨ";;;;;;;;;;;;;;;;;,,､;;;;;.! ---'''ﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; !　　 .〔;;;;;;;;;;;;ヽ :lﾆ二'ﾞ'';;．　　　　.,.. -ﾆ＝''"゛　./;/''''i;;;;;;;;;;;;;;;;
.ｰ'ﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;∨;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　ｌ;;;;;;;;;;;;;;;ヽ,　　ヽ!　　　　　 "'"　　　　　.．　 . l-ｘ,;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.;v ..,,,,､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ'―- -ヘ;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ'---､　　　　　　　　　　　　　　　 "　 .'|ﾞﾞ''､
.ｌ´|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.ﾝ- ／　　　ゝ-..､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;￢';;ナ'　　　　　　　　 l7　　　l
;;;;;;.,,_.;;;;;;;;;;;;;/　　　　　　　 |;;;;;;;;;;i￢ｰ-,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{´　　　　　　　　　　　　　　　 !

203 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:30:37 ID:tL8WQrr6

ベアのパリィが踏み潰されただと…

204 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:30:41 ID:NbVMMBGw

パリィが完璧に入ったのに・・・

209 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:32:21 ID:uWmaONW6

>>203-204
笑わせんなｗｗ

208 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:32:10 ID:N.cI6xmI

せめてディフレクトならば…

202 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:30:01 ID:uiHBGRsI

二２１５．
―――――――――――――――――――――――――
　　迫る邪竜の脇を抜け、右に避けるミリアルドは
　　行きがけの駄賃とばかりに邪竜の脇腹を斬りつけた。
―――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　／／／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　／／　/／　ｌ／ /　＼　／　　　　　　　　　　　　　＜　　くっ………斬鉄剣！　　　　＞
　　　　　　　　／／　　/　　　/　 /　　 /＾　　　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　／／　　　　|､　　/　/　　　 /　　　　　　　　　/　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　／／　　　　　　||　　/　/　　　 /　　　　　　　　／　　　　　　 |
　　／／　　∠二二二| ＼/ 　/　　　　|_＿　-―´￣　　／´｀ｌ　　／
／／　　　∠二二二//|　｀ヽ、|　,／￣　　　　　　　　　 /　／├´从仆
／　　　　 ∠二二://　 ||〉、　レ´　　　　　　　　　　　　/　/　　|从ﾉﾙ从
＿_-―‐￣∠二二| |　　||冫 /　　　／￣￣〉　　　　　/　 /　ｌ⌒ｌ从ﾉﾙ从
　　　　　　　「二二| |　　｜　´　　｀ー　　　　　　　-ー┐|　レ||从从ﾘ从
　　　　　　　　／／人　　 | 　　 _＿＿＿＿＿,／￣（|　|　　/|从从ﾉﾘ从
　　　　　　　　Ｖ/ // /＼　､／　＿_＿、　　　　　　　/し＿ノ从从|仆ﾉﾘﾉλ
　　　　　　　　　レ/ // /　　　＼｀ニ￣　　　　　　／//　勿从仆仆|| |从仆
　　　　　　　　　　Ｖ / / Ｌ/ 　　　、　　 _　　　　　　／　从从从仆| ||　从ﾉ从
　　　　　＿＿-―　￣　　　＼　　冫￣　　　　　／ﾉ从/从ﾉﾘ丿| |从　ﾉﾘ从
＿-ー￣　　　　　　　　　　　　Ｙ　 | |　ｙ》》∨￣　ﾉ从ﾉ从从ﾉﾉ从　||　ﾉﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　| |　　ｌ《《　　／从/　从从仆/从　从从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼Ｖ　　　　　　ﾉ从ﾉﾉﾉﾉ从从　　从从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　／／从/　///从从　　　仆从

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /´ 　ム -イ;‐ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,!　　　　　〃 /
　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　ｨ!　|ｌ　ｉ¨７
　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　;'´ i　ｌ|　|　|
　　　　　　　＼.＼　　　　　　　　　　　 l　　／| 　 !:　!　 |L/|　!〉
　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　 |.　　　　 |.／　 l 　 |!　l　 |　 .|__|
　　　　　　　　　丶＼＼丶.　　　　　||　　　　　　／.ﾞ| 　 l!　|　 |
　　　　　　　　　　　ヽ＼＼ヽ...　O　|│　　　　／／..ﾞ!　 |l'　|　 |
　　　　　　　　　　　　＼＼　＼＼　。./　　／／／ |　 |!　.|／
　　　　　　　　　　　ヽ　＼＼　　＼＼　.。／／ .／......|／
　　　　　　　　　　　〇　　ヽ＼　　　　　／　／／　　　　　　　　　　 rーi
　　　　　　　　- -＝二二三　　　　　　　　　三二 ≡ = - -.　　 i´　 |　|　｜　｢￣!
　　　　　　　　　　　　　　o　　　　　　　＼　＼＼　。　　　　　　　 |　　|　i! 　! , |　 |
　　　　　　　　　　　　　／／　　　　O.＼＼　＼＼　０.　　　　　　ﾚﾊ｣,ﾊ　 !　l|´|　 |
　　　　　　　　　 0　／／　／。// 　＼＼ .＼＼　　　　　　　　　　　　　ｰ'　|　 |
　　　　　　　　　　　／／　／／　　/　｀~´　ヾ＼＼ヽ　　　　　　　　　　　 |　 |
　　　　　　　　　／／　／／　○/　　。　　　ヽ＼.＼丶　　　　　　　　　　 |　 |
　　　　　　／／／／　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　 l＿｣
　　　　　　　／.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　／／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　／

205 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:31:01 ID:uiHBGRsI

二２１６．
―――――――――――――――――――――――――――――
　　しかし退魔の剣と剣士級の技をもってしても
　　鱗に亀裂が入る程度。

　　これ以上の攻撃を繰り出そうとすれば大きな隙が生じてしまう、
　　援護もなしに実行できる状況ではない。
―――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　 ,, r '"　￣ヽ　＼､／＿＿__　　　 >＼
.　　　　　　／／,　　- 、　ヽ　　￣　　　　￣`＜__　＼
.　　　　　/　/ /　　　　Y　　＼　　　　　　　　　　　`ヽ＼
.　　　　 /　/ ll|　　　 /　　　　＼　　　　r―--、　 `＼_
.　　　 /.／　 l　　　ノ　　　　　＼　　　　`ヽ、__＞　　 !
..　　　/　　　　`ー‐"　　　　　　　＿＿＿＿　　　　　　　　ヽ
.　　　レ‐､　　　　　　　　　／￣￣＿＿＿　￣￣`ヽ、　　　ヽ
...　　　Lr入　　　　　　／　／￣　　　　￣ `ー---`―- ､　ヽ
...　　　/:|::l;;＼＿＿＿.／　.／　　　　　　　　　　　　　､　イ＼ l
.　　 /::/::l::|::`ヽ＿＿_,, -"　　　　　　　　　　　　 ,,r‐=、　l　rー┘
　　 /::/:::/::|:::::|l:::::l:::|　　、　　　 U 　　　　／;;;;;;;;;/　／"
　／::/:::/::::|:::::|:|::::|::|　　　ゝ　　　　　　　　　　|`l;;;;;／／　　　　　　　「なんと言う硬さだ！
./::/:/::/:::::/::::l:l:::::l:::|　　　　＼　　　　　　　､`ｰ"　/　　　　　　　　ﾏｲﾅｰ･ｽｷﾙ
ﾞ::/:/::/::／:::://::::|::::|　　　　 `ヽ、　　　u.　　　　 /　　　　　　　　　　剣士技でかすり傷しか付けられぬとは！」
...::/::/::/:/::::l/:: :/::::|＝=-ゝ、　　　　　　　　　　/
ﾞ:/::/／:/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、＿_ ,rー―‐ "
...::/::::::/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　ヽ-、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣ﾞフ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ヘ＿＿　　　　　　　　　ノ　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ﾍ　,:´⌒ヽｰー─ノ二二　　ヽ　|
　　　　―――非力非力非力！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　\　|; ; ; ; ; ; ; ; ; ;.ﾞヽ､(l )ヽ､＿ヽ､
　　　　　　　　実に非力です、人間と言う種族は！―――　　　　　 /　 \_⊥_＿_; ; ; ; ; ; ;;;; ￣￣; ; ; ; ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|／|/|/|/|/|/ヽ＿＿＿; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/ﾞ´; ; ; ; ; ; ; ;; |/|/|/|/|/｀：ー-´⌒ヽﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |/|/|ﾉ|ﾉ/　　ヽ_,|　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; （　　ノﾉ（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ヽノノ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　__ｎ__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∩　　 |; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |ﾞヽ.ﾉ　　　ノ
　　　　　　　　　　　　└冖　! 　　___n_　　___n_　　___n_　　___n_　　∪　　 |; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |ﾞヽﾉ　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　くノ　　ﾌl.「　　ﾌl.「　　ﾌl.「　　ﾌl.「　　ｏ　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |ﾞヽﾉ　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |ﾞヽﾉ　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽＷＷＷＷヽﾉ　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､∴∵∴　　　　 /

―――――――――――――――――――――――
　　逆に、聖騎士隊のど真ん中まで突っ込んだ邪竜は
　　ここぞとばかりに吼えて人間の足止めをすると、
―――――――――――――――――――――――

207 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:32:01 ID:uiHBGRsI

二２１７．
――――――――――――――――――――
　　その巨大な体躯で襲いかかったのである。
――――――――――――――――――――

　─￣─_─￣─＿─　￣─_─￣─￣─_─￣─＿　─￣─_─￣─￣─_─￣─＿─￣─_─￣─
─_￣─_─　￣─＿─￣─_─　　￣─￣─_─￣─＿─￣─_─￣─￣─_─￣─＿─￣─_─￣─
─￣─￣_─￣＿￣─_　─￣─￣─_─￣─＿─　￣─_─￣─￣─_─￣─＿─￣─_─￣─
─￣─_─￣─＿─￣─_─　￣　─￣　─_─￣─＿─￣─_─￣─￣─_─￣─＿─￣─_─￣─

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞‐‐--　．.,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　 , -'"　　　　　ソ///〉、　_,,..,,、
　　　　　　　　　　　　　　 ,.イ_,ｨ彡三二ﾆ/////〉,k''"´ : :.::;;三二=―――――――――
　　　　　　　　　　　　　　〆'´　　　　　　 .￣ﾞ７"　　　 :.／//ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.．,.イ三二=――――――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,＞//,／.　,＞‐''"''ｲ///／//〉ヾﾍ
　　　　　　　　　　　　　　／::;ヾ:／＞;;'"',/〉､///￣｀|,//,〈ヾヾ》,　　　　　　 /'i
　　　　　　　　　　　　　　　〃::;;.= /／=＝''"⌒ﾞ''＝''ヘイ//／三三二=――..　/. i　　　　　　　／i
　　　　　　　　　　　　　　　/／　　'　　　　　　　　　　　ゝ/／;　,;;;!.　　　　　 j　　| 　 .,､-'/／|r" ﾘ
　　　　　　　　　　　　　 '　　　　　　　　　　　　　　　 /;;''　.:;／　　　　　　 |　　|､-'"　,/:|　 ||　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ..:／　　　　　　 |　　 ,,､- '"　|　r'.|/"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　.:／　　　　 ,､-'"　　 ii　,／ |　|／／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .／三二=―　r'"　,､-'|.　ﾉ　|　　|　　,! |.　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　　　　 j　 /　　.|.　/　.|　　|　r".| |. /／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　　　　　　　　　/／ ,ri　 |.　i　 .|　 r'　|　 |.ﾚ''|　 |
─_￣─_─　￣─＿─￣─_─　　￣─￣─_─￣─＿─￣─_─..／. |　 |　| 　 |／　 .|　/ 　 |. r'. ￣─
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　─￣─_─￣─＿─　￣─_─￣─￣─_─￣─＿　─￣─_─　|　 | 　 | /....￣─＿─￣─_─￣─
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210 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:33:01 ID:uiHBGRsI

二２１８．

　─￣─_─￣─＿─　￣─_─￣─￣─_─￣─＿　─￣─_─￣─￣─_─￣─＿─￣─_─￣─
─_￣─_─　￣─＿─￣─_─　　￣─￣─_─￣─＿─￣─_─￣─￣─_─￣─＿─￣─_─￣─
─￣─￣_─￣＿￣─_　─￣─￣─_─￣─＿─　￣─_─￣─￣─_─￣─＿─￣─_─￣─
─￣─_─￣─＿─￣─_─　￣　─￣　─_─￣─＿─￣─_─￣─￣─_─￣─＿─￣─_─￣─

　　　　　　　　　　　　　　　 :∴: :;． ;. .: :｀：: ∵:゛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :∴: :;． ;. .: :｀：: ∵:゛
　　　　　　　　　　　　 :゛;∴゛`　;｀: :゛;:`´..;．∴;．｀:'：　　　　　　　　　　　　　　　:゛;∴゛`　;｀: :゛;:`´..;．∴;．｀:'：
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　　　　　;`∵:　;`;.:`´..;　`　;．゛;．:　::゛;．゛;．　　　　　　　　　　　　;`∵:　;`;.:`´..;　`　;．゛;．:　::゛;．゛;．
　　　　;.・:゛∴;．゛;．:　::゛;．″:: :゛;∵゛　;　　　　　　　　　　　　　;.・:゛∴;．゛;．:　::゛;．″:: :゛;∵゛　;
　　　　∵∴゛;．゛;．::　`；　　:;　｀,　　・.　　　　＿　　/し'/....　∵∴゛;．゛;．::　`；　　:;　｀,　　・
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　　　　ｌ＼　　　／ー| | | |´'''　　　　 /　　　　　,く（　　 {.　　　|￣|-冖冖‐|　　|冂‐|￣|
　　　　ｌーー＞ﾍ　|　| | | |ﾍ. 　　　 /　　,, 　 ,ｲ　l|　　/.　　　丶|ヽ凵凵-|　　|凵-|＿|
　　　　|　　　　　ヽ|　| | | | .ヽ　　　 /　／/　/ ｌ　ｌ|　 _｣　　　　　〃ﾞﾞﾞﾞ''''"|＿,ｌ　　　ｉ
　　　　ﾍ　　　　　i i i i i i i　　ﾍ.　 / ／ /　/　l　 lレ′　　　　　　｛ヽ、　 ..-冖　　　　 /
　　　　　ﾍ　　　　（　Θ　）　　　〉, "′/　ヽ　レ､ゝｨ.__..　-‐ｚ......　￤ 'ﾍ..,'’　　　　　 /
　　　　　　ﾍ／⌒´´ﾍｿ´ﾍ__,-‐´〕ﾉ.../　ハ　ヽ､　/　　　 _　/　　 |　 ./　　　　　 /
　　　　　　　＼／´⌒i　ﾉヽ＿／ /.ﾞ/　/　ヽ　 { l　 ,r''7ﾞ// ,'　　　ヽ「　　　　　 /___　 _
　　　　　　　　i二､.　 | /　　　／......l　/　　　ヽ-' {／　/ ∠ノ...　　　i 廴....、　　_/ ､゛ ┐|
　　　　　　　ｌ￣￣ﾍ/ /　　／.　　ﾚ′　　　　　　　/ /,r‐ｒ､　　 r''ﾘ-､｀'、 '''´　　､ﾅ |
　　　　　　　|　　　∨ﾉ　　/　　　　　　　　　 l / l　/ ﾉ...　　　ヽ|￤ `'ン' ,,....-＝" -∥
　　　　　　　ﾍ　　　|∟＿ｌヽ､＿　　　　　　　ﾚ　| ル/´｝...　　ヽ┘ / ｀''''´ヽ、 ! -,,. !ｉ
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　　　　　　　　　　ﾍ____,i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ､,, -
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―――――――――――――――――――――――――――
　　たった一薙ぎで、逃げ遅れた数名の上半身が吹き飛んだ。
―――――――――――――――――――――――――――

211 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:34:02 ID:uiHBGRsI

二２１９．

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿. 　　　 λ
　　　　　　　　　　　　　　　￣｀ﾞﾞ"'ｰｯ　　　　　　　￣,二＝─
　　　　　　　　　　　　　　　　 , ／　　　　　 _..-'"゛......　|ξ|
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　 ., ／.　　　　　 |;;;ж|/|
　　　　　　　　　　　　／　　　　 .／゛.　　　　　/ヽ/，|※｜
　　　　　　　　　　　　 _／゛　　　　　／　　　　　 |※ ※||※|
　　　　　　　　 ,／゛　　　　 /.　　　　　　 |＼※※| |※/|
　　　　　　　　,∠―''ﾞﾞ,!　　　　　/　　　　　　　　　＼＼※ | |￣/
　　　　　 -'"　　　 ./ 　　　　 /.　　　　　　　　　｜.￣ | .|;;;;;;|
　　　　　　　　　　　/ 　,..┐　 .lﾞ　　　　　　　　　　 |＼;;;;;;;;;;;|　|;;;/|
　　　　　　　　　　 /.／　 !　　 |　　　　　　　　＼:;:;;;:::;:;;;＼.. /
　　　　　　　〃　　　!　　　!　　　　　　　　　 _‘-_:;:;;;::＼:;＼/`|
　　　　　　　　　 ″　　 .lﾞ　　　 .ｌ　　　　　　　　　＼￣　:;:;;;::＼＼/
　　　　　　　　　　　　　 !　　　　 .ｌ,.　　　　　　　 ― ―　　:;:;;;::＼＼/~｜
　　　　　　　　　　　　　lλ　　　　.ヽ.　　　　　　　＼＿　　: :: :: :: :＼＼/＿　　／
　　　　　　　　　　　　　 │　/'､　　ヽ.　　　　　　＼＿　　: :: :: :: :＼＼/＿　　／
　　　　　　　　　　　　 ! /　ヽ　　 .｀､　　　　　　＿｜　　:;:;;　:;:~ーー―‘　:
　　　　　　　　　　　　 |/　　 .ヽ　　　 .＼　　　　　＼:　　　:;:;　 :　:;:;　　::
　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　 . ＼..　　　　　‘＼:;:;　　　:　:;:　　:: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ.iｰ､　　　 . ＼　　　　　　~=_￣`￣`￣`￣`/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　｀'-、　　　ﾞ''-､.　　　　ー=_＿＿＿_......　＿　　＿　　〆ヽ　　 _　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'-　l＼、｀''-､、.　　　　　　　　　 / /　　|　|　乂_ノ　　////　／>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀〈i、 .｀''-..、｀''-､,、.　　　　　　 / /　　 |　|　　　　　　" ".／／
.　　　　　　 <^　　　　／>　　　　　　　　　　／＼／>　　｀''-､、 .｀''ｰ､,、　　　/ /.　　 |　|　　　　　　　<／
.　　　　　　　＼＼／／　　　／.>　　　　　<／> ／.　　　　｀'‐llZｰ-.｀''ｰﾞ/ /　　　　|__|
.　　　　　　　　＼ .<　　　／／　　　　　　　<／　　　　　　　　　　　　　　　￣｀''''‐
.　　　　　　　　　　＼＼／／
.　　　　　　　　　　　＼／

――――――――――――――――――――――――――――――
　　その関係で背後側になった騎士達が運が良かったと思った刹那、
　　刃状の鱗が輝く尾の一振りが彼らを通り抜け、
――――――――――――――――――――――――――――――

212 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:35:01 ID:uiHBGRsI

二２２０．
――――――――――――――――
　　数名の首が上と下に分断される。
――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿..,..,,　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 _冖___　　　　　　　　　　 _,,....　-ｰｰ'''ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ"`"｀￣￣/￣￣＼＼.￣￣￣￣￣´゛
　　　　　　　　　　　　　　　／　| |　　ヽ　　　 _,,..　-ｰ''　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　ヽ　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 /　　　| |　　　ヽﾞ"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |､　　　　　　　ﾞi ﾞiﾍ
　　　　　　　　　　　　　　 |∪　　　　　　└|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔＼｀'‐-∪　　　└'　i
　　　　　　　　　　　 _.. ‐'..(　ニニニニニ　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||∩　＼＿　　　　＿|　　　　　　
　　　　　　　　　　,..-'".　　　〕ｌｌ-‐‐i i‐‐--ｌ〔　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|∪＼　|´｀''''''''''''''''''''i||
　　　　　　　　／　　　　（　ヽ .,,,,ｌｌ,,,..　/　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　|||/ 　｀''''''´´￣ｌ「'''/　　　　「カハッ！？」
.　　　　　　 /　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|丶.　 |　　　　 ,-ｌｌｌ
　　　　　　lﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　|ヽ　 |　|....＼iiiiiiiii　　　/／／　ヽ___
.　　　　　　ｌ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|　　|　|　ヽ.ﾞ／ﾍ｀'''''ヽ　　　　　ｪｭ丿＼　ヽ
　　　　　＼,　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　/ .|　　ヽ　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
.　　　　　　｀'-､,　　　　　　　　　　　　 |＼　　　　　　　　/　/
　　　　　　　　　｀''ｰ ..,、　　　　　　　　　　＼＼　　　＿,,,,...　ー　ニ　－
　　　　　　　　　　　 |＼..　｀ﾞ'''ｰ-..,,,_..　＿,,,,...ー－　 _　－　 /　/￣
　　　　　　　　　　　 |　　　|　　　i.....　｀ﾞﾞ"' ￣￣￣＼ |　　　 /　/　　　　　　　　　　　　　.!
　　　　　　　　　　　 |　　　|　　　|　　　　　　＼| 　　 !..ﾞﾞﾞﾞ /　/.　―-............,,,,,,,,＿＿　 /.|　　／|
　　　　　　　　　 |￣￣ﾍ￣　´｀''‐‐----,'　　ﾍ　　　　 /　/　　　　　　－ニー,＿　/ /..￣/ ./　／|...￣￣￣......ﾍ
　　　　　　　　　　 |　　　　|ヽ　　　　　　　　　　ヽ　＿...../／.　　　 |　/.　　　￣　　/ ./　　/ /　/ ./.　___----|　　ﾍ
　　　　　　　　　　〈　へへｌ/___,----､　　　　　　ﾍ´___ﾞ/.....|　　　　　ｌ/.　　　　　 /　/ i.　/ /　/ /.　　　　 /―''''〈
　　　　　　　　　　　 |＼＼＼|￣|i i　i i｀ニニ＿／／../.ﾞ＼　|　　　　 └―--､,　 /／　　 / /　/ /　　　　　　 |／￣　ﾞi
　　　　　　　　　　　 |へ＼＼＼ |冂冂|　　|冂　／　　　／ﾍｌ　　　　　　　　　　　/　　　　.∨ / /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ヽ　.∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ´/ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ´

213 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:36:01 ID:uiHBGRsI

二２２１．
――――――――――――――――――――――――――――――
　　そして。
　　被害はとうとう、エゥーゴからの協力者にも及び始めていて―――
――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 il､　　　｀´-,__　 |　Ｖ｀ヽ: : : : : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lr^´　　　　ヽ:|　　.　 |ヽ : : : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼tﾇｊ'　　　　　　 -´ ｀ヽ: : ﾊ : :ﾊ､,: ゝ=-;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　　　　　　　　　　〉　／,-─-; ; ; ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ　　　　　　　　　　　　 /　／; ; ; ; ; ; ; ; ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　/ ／; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ- ､　　　　　　　 /; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「う………」　　　　　　　　 |!.....　／´｀ヽ/; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l;!..｀´　　　　｀|; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !;|　ｺﾞﾎﾟｯ　　 /; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;.!　　　　　　/,I; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l;;;!.　　　　 /　I; ; ; ; ; ; ; ; ; ,-─-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽI; ; ; ; ; ,-─´: : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 il] ]／: : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 li; ; ; ;,,┘l; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉/　ﾌﾉ｀ヽ⌒⌒⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;

　　　　　　_. ‐　￣ヽ
　　　　／　　　　　＼
　　　　　/　　　- ､＼＼　　ヽ
　　　　 ,ハ. ､､__　ヽ＼ヽ.　ﾄ､
　　　　 |　ﾄ､＼- 二= >､. ＼| ｢l､
　　　　 |　 {!__ヽ＞ｲ_j7＼＼　ヽ!ﾊ
　　　　ヽ　ﾞk'.j`　　　　　＼＼　｀ヽ、
　　　　　 `ﾄ､＼__` __　./_,上ﾄ､ヽ. 　＼
　　　　　ヽ、　＼-ｲ:::::l |l`L＞ト､　　'.、　　　　　　　「ディリータ！？
　　　　　　／＼　　＼::::::}.ﾄ＼＼＼＼　 |　　　　　　　　今回復を………！」
　　　　　 /　　　￣` -､＼'/ ＼Y^V 　ヽ|!
　　　　 /_￣｀ヽ､ _,.r┬仆 | ﾄｲヽlﾍ. `ﾄ､ﾉリ
.　　　　 У￣＼ノ:::::::}　　}.l. | |　| |l　| ,ﾊﾍ
　　　　 l‐- ､　　〉;-､ﾉ　 ,ﾉ'　.| |__|_|l l'´　 .∧-､
　　／_.￣＼::ヽ/ '‐く　　　 ,.イ::::::::／|__,／::;r`ヾi
.　 ∨_ --､. ∨　　　ヽ,／::l:::::::／:::::{ ﾄ!___/ __,　|
　 /'｢::::::::::::ヽ,}　　　　 /:::::::|／::::::／:`l_`r''´＿,ノ┐
　ヽ＼:::::／￣ヽ　 /＼:::/::::::／:::::::::::ﾊ`く::::::::::::::＼
　　￣,ｿ　　　　 ∨::::::::/‐＜_:::::::::／ヽ＼|,r'´￣￣｀ヽ
　　　 /　　　　_,､=､.|:::::::/　　　￣　　　ヽ }　　　　　　|

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　気付いたアグリアスは、
　　ミスリルの鎧ゆえか、かろうじて胴体が繋がっている部下に癒しを飛ばそうとするが、
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

215 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:37:01 ID:uiHBGRsI

二２２２．
―――――――――――――――――――――――――
　　竜の口腔に光が灯るのを見て、彼はそれを否定する。
―――――――――――――――――――――――――

　/ヽ､　　　　　　　　　ﾄ､＿＞-､_:: :: _／ヽ.〈):: :: >):: ヽ jヽ'":: !'":: :: :::l:: :l　!:: ::l
　ヽ　ヽ'ヽ.　　　　　　　　ゝ､_:: _,..-‐'"´:: :: :: :i.{ﾒ:: /:: :: }:: l:: ヽ:: !:: :: :: /:: :: :V:: ::,'
　　ﾞ.:: :: :: ｀´ヽ_　,./ｨ‐ﾄｲ￣イ´＿＿,...:: -‐'　ﾉﾄ!/ヽ:: :: l j:: :: / ﾄ.:: :: /:: :: :: :j:: ::,'
　　＼:: :: :: :: ヽ` ﾞ／´:: ヽ､´:: :: :: :: _,...　-ｧ':: <ﾆﾆヽ､rﾆ....__.,.ｨ-イヽ:: :: :: ::l:: :'
　　　ヽ:: :: :: ::ヽ　ヽ:: :: :: :: ヽ､.-‐'"´ 　 /_.ヽ､ヽﾞ.:: ~,_,.Ю"´:: :: ｀:: ;l､:: :: :l:: .'
　　　　ヽ:: :: :: :ヽヽ:: :: :: :: :: ::ﾞl　　　 /:: ::ヽ`‐-'jﾉ'":: :: :: : _,..ｨ-ｧｫｬ､!::...／..{
　　　　　　ヽ:: :: :: :ヽﾞ､:: :: :: :: :: ﾞl　　/､,､:: ::ﾄ､ ,j:: _,...ヽ。..lﾒﾙ'｀'｀ﾞ´´>ﾞ／..:: ::ﾞl
　　　　　　　ヽ､:: :: :: ヽﾔ:: :: :: :: : ｌ　/ﾒﾔl--､|'..ﾞοi | 　ヽﾞヽ..。..ﾞメ／/..:: l_:: :/
　　　　　　　　＼:: :: :: ヽ､:: :: :: :: ::V　　　　　　 j　　l/ゝ,..ﾞiヽ:''"ﾞﾞ'':.,／...:: :､`ﾉ
　　　　　　　　　　＼:: :: ::ヾ､:: :: :: :: ヽ　　－―＝＝ニ二 ;:　　　　 :;ｨﾞ二ニ＝―‐‐
　　　　　　　　　　　ヽ:: :: :: ＼:: :: :: ::｀､　　　　　　ｌ　〉ﾈ　l..:､,.　..,::'､‐-..,l_ヽﾞ。.ｲ､|
　　　　　　　　　　　　ﾞl:: :: :: :: ::j:: :: :: :: :ヽ.　　　　　| |ｷ', ／／｀ｖ::　､j......￣V
　　　　　　　　　　　　ヽ.:: :: :: ::ﾉ:: ,:: :: :ヽ l　　　　ヽ､.ﾞ/／。　 |　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　＼:: :/:: 〈:: :: :: lヽﾒ.　　　　／　　　 ο
　　　　　　　　　　　　　　　コ､:: :l:: ,､:: ::|:: fヽ..　　／＿| |＿
　　　　　　　　　　　　　　　/　j:: ::| / ヽ l:: ::|　|　　　!―i 'i―!
　　　　　　　　　　　　　　　|/ﾄ-.ｨ､_ﾞ. l/ｨﾄ--､ |　　　＿| l＿　　 _　　　　 _　　　　　_　　　　　_　　　　　_
　　　　　　　　　　　　　　　´　　　　 V　　　ヽ!　　　!―i ,i―!　 //　　　 //　　　　//　　　　//　　　 //
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|_|　　,/,ｲ|　　　/,ｲ| 　　 /,ｲ| 　　　/,ｲ|　　　/,ｲ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |,|　　　　|,|　　　　|,|　　　　 .|,|　　　　.|,|

――――――――――――――――――――――――ｚ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

　　　　　　　　　　　　li: :l　　　　　　　　　　　　　　　　　　つ : : : : : : ヽ,
　　　　　　　　　　　　li: :l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ : : : : : : : ヽ,
　　　　　　　　　　　　li: :l　　　　　　　　　　　　　　__r =-　　li : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　li: :l　__,,,,　　　　　　　　　 r=´´　　　　　l: : : : : : : : : i
　　　　　　　　　　　　il: :l´　｀￣｀=､_　　　　｀´ , ,r- ー┐　　 il: /⌒ヽ: : i
　　　　　　　　　　　　 li: :l　r￢‐-､　　　　　　 ´ | l　U |　　　 |://　　|: :|
　　　　　　　　　　　　　l´ヽ |　| U|　　　　　　　　ヽゞ_/　　　 l/γ 　 l :il
　　　　　　　　　　　　　 l　l ヽゞ_/　　　　　　　　　｀⌒　　　l　´ 　/ :|　　　　　「下…が、………て！」
　　　　　　　　　　　　　 li l,　￣　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　／: /
　　　　　　　　　　　　　　ヽ l　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,,／: : /
　　　　　　　　　　　　　　　｀l　　　　　　　　　　　　 /´:: ::／
　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　 /／,二ヽヾ,__
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　　　　r--ヽ　　　　　 /ヽ,´　　//　　｀丶-､,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　　｀--´　　　　／　｀＼//　　　　　　｀┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　_};;;;;{__　, -　´　　　　／　　　　　 ,-─==---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, -入　　　　　　／　　　＿,.--´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ／´　／ヽ　　　／　　　／

217 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:38:01 ID:uiHBGRsI

二２２３．

　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　/ ./ 　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　 ,／.／　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　 |＿r-ｰ'''''"ﾞﾞ" ／　　　　　　　　　　／
┏━━━━┓┏┓┓ 　 ┏┓　　 ┏┓┓ 　 ┏┓　　 ┏┓┓ 　 ┏┓　　 ┏┓┓　　　　　 ┏┓┏┓┏┓
┗━━┓　 ┃┃┃┃ ┏┛┗━┓┃┃┃ ┏┛┗━┓┃┃┃ ┏┛┗━┓┃┃┃　　　　　 ┃┃┃┃┃┃
　 ┏━┛┏┛┗┛┛ ┗┓┏┓┃┗┛┛ ┗┓┏┓┃┗┛┛ ┗┓┏┓┃┗┛┛　　　　　 ┃┃┃┃┃┃
┏┛┏┃┗┓ 　　　　 ┃┃┃┃ 　　　　 ┃┃┃┃ 　　　　 ┃┃┃┃　　　┏┏┓┓　┗┛┗┛┗┛
┗━┛┗━┛ 　　　　 ┗┛┗┛ 　　　　 ┗┛┗┛ 　　　　 ┗┛┗┛　　　┗┗┛┃　┏┓┏┓┏┓
　　 .lﾞ .|　　　　　　 ,!　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┗━━┛　┗┛┗┛┗┛
　　 l　.!　　　　　　　　/ 　　　　　　,!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　,!　! 　　　　　 / 　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　l / 　　　　　 / 　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　ディリータァァァァッ！！！　＞
　　|.|　　　　　　　 /　　　　　　　 lﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　( 　　　 ,．
　　!.|　　　　　　 ./　　　　　　　　!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^　　　　,i'、
　 .lﾞ !　　　　　　/　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　 ,i./
／.／　　　　　 /　　　　　　　 . !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　_,i./
.／　　　　　 .／　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ,　　　　　　　,／ﾞ./
゛　　　　　／　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-'''''''ｰ､,　　　　　　ヽ　　　　／　 /
　　　　／　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／￣｀＼＼　　　　＼／ﾞ_.. ‐'"
　　　／　　　　　　　　　　 ,〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /, ‐　　　　 .ヽ　ヽ　　　　.,／ン''´
　　/　　　　　　　　　　　 / lﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　 i|′ 　　　　ｌ.　.ヽ ._..‐ ／　　 .ｌ,
..／　　　　　　　　　　 ,./ . lﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l !　　　　　　　 . ｌ　 . ／　　　　　　!
"　　　　　　　／　 .lﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ .!　　　　　　ｌ./　　　　　　 l　 _,,　-――‐
　　　.／"''―--‐'´　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! /　　　　　　　　　　　　　　　 ,./ ″._,,,.... ----
　　./ 　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│.|　　　　　　　　　　　　　　　　　/r‐/"´
　./ 　　　　　　　　　　　lﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│ !　　　　　　　　　　　　　　　　,//　.l
../ 　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　|　　　　　　　　　　　　　　　ノ./ 　 !
′　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! ./　　　　　　　　　　　　 / ./ 　　!
　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! .lﾞ　　　　　　　　　　　／　/　　 .!


	219 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:38:22 ID:uWmaONW6 ディリーターーー！！ 221 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:39:18 ID:RFMqLdos 突進　→　咆哮　→　薙ぎ払い　→　ブレスの極悪コンボ

220 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:39:03 ID:uiHBGRsI

二２２４．
―――――――――――――――――――――――――
　　―――九十二、九十三、九十四、九十五。

　　秒針が時を刻むのと同時に犠牲者の数も増えており、
―――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　_冖___
　　　　　　　　　　　／　| |　　ヽ
　　　　　　　　　　/　　　| |　　　ヽ
　　　　　　　　　　|　　　　　　　└|
　　　　　　　　　　(　ニニニニニ　ｌ
　　　　　　　　　　〕ｌｌ-‐‐i i‐‐--ｌ〔　　　　　　　「うわ………うわあぁぁぁ！」
　　　　　　　　　（　ヽ .,,,,ｌｌ,,,..　/　）
　　　　　　　／￣ト､　ヽ　　,'　 /--､
　　　　　　/　　 ,'|　i＼(0)只(0)/／￣｀ヽ､
　　　　　　|__／　|　ﾍ＿＿／　 |　　　　　ヽ､
　　　　　　|＼＿|　　　,'　　　　　|＼　　　　　ヽ
　　　　　.；|　　　|　　　i　　　　　ﾍ　＼―----'ﾞ；
　　　　 .； |　　　|　　　|　　　　　　＼|　　　　　|；　　ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ
　　　　　；|￣￣ﾍ￣　´｀''‐‐----,'　　ﾍ　　　　 | ；
　　　　； |　　　　|ヽ　　　　　　　　　　ヽ　＿＿--i；

　　　　　　　　　　　 _,, -― ''￣￣/￣` ヽ、
　　　　　　　　　 _,, ー-- 、　　　ノ　　　　ヽ、
　　　　　　 ,, r '"　￣ヽ　＼､／＿＿__　　　 >＼
.　　　　　　／／,　　- 、　ヽ　　￣　　　　￣`＜__　＼
.　　　　　/　/ /　　　　Y　　＼　　　　　　　　　　　`ヽ＼
.　　　　 /　/ ll|　　　 /　　　　＼　　　　r―--、　 `＼_
.　　　 /.／　 l　　　ノ　　　　　＼　　　　`ヽ、__＞　　 !
..　　　/　　　　`ー‐"　　　　　　　＿＿＿＿　　　　　　　　ヽ
.　　　レ‐､　　　　　　　　　／￣￣＿＿＿　￣￣`ヽ、　　　ヽ
...　　　Lr入　　　　　　／　／￣　　　　￣ `ー---`―- ､　ヽ
...　　　/:|::l;;＼＿＿＿.／　.／　　　　　　　　　　　　　､　イ＼ l
.　　 /::/::l::|::`ヽ＿＿_,, -"　　　　　　　　　　　　 ,,r‐=、　l　rー┘
　　 /::/:::/::|:::::|l:::::l:::|　　、　　　 U 　　　　／;;;;;;;;;/　／"
　／::/:::/::::|:::::|:|::::|::|　　　ゝ　　　　　　　　　　|`l;;;;;／／
./::/:/::/:::::/::::l:l:::::l:::|　　　　＼　　　　　　　､`ｰ"　/　　　　　　　　＼_人＿人∧人∧人∧从_∧_人_从_/／
ﾞ::/:/::/::／:::://::::|::::|　　　　 `ヽ、　　　u.　　　　 /　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
...::/::/::/:/::::l/:: :/::::|＝=-ゝ、　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　＜　　怯むな！陣形を整えろ！！　　＞
ﾞ:/::/／:/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、＿_ ,rー―‐ "　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(
...::/::::::/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　ヽ-、　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^∨^∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
／:::／:::::/::::/:::／_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼Y`/

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　整列を指示する第二王子の声も今は虚しい。

　　デンドロビウム隊は全滅、ステイメン隊やオーキス隊にも大きな被害が出始めており、
　　すでに人数は当初の半分を切っているのだ。
　　戦いが始まってからまだ一分も経っていないのに、である。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

222 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:40:02 ID:uiHBGRsI

二２２５．

　　　　　　　　|　:||:.　｜
　　　　　　　　|　:||:.　｜　　　　 ,./⌒冖…―-､ __
　　　　　　　　|　:||::　｜　　／　|　 ',　　ヽ　＼｀ヽ
　　　　　　　　|　:||::　｜　 /　　/ｌ　　'､　､　 ', 'ヽ　ヽ　＼
　　　　　　　　|　:||::　｜　 ' / 〃　､＼ヽ　ヽ }｜ ',　 ',　　',
　　　　　　　　|　:||::　｜　l/! /∟.___ヽ l }x＜丁厂 }　i ｉ　　 ,
　　　　　　　　|　:||::　｜　|｜|圷fうﾊ }ﾉ' '圷fぅ弌_ﾉ　j｜　 l
　　　　　　　　|　:||:::.　|　｜|Λ'ゞ='　　　 `='=く|｜ , ,' i 　 |
　　　　　　　　|　:||:::.　|　｜| ハ、　ヽ　　　　 | l //　l 　 !　　　　　「おのれ！
　　　　　　　　|　:||::::　|　 jΛ　{ ｀　 _ ___　　　　 jﾉｌｲ　 !　 '　　　　　　良くもディリータを………！」
　　　　　　　　| ..:||::::　|　　 | Λ　　｀ニ｀　　 ´,. l ! 　ｌ Λ
　　　　　　　　| ..:||:::::. |　　ﾉﾉ　l＼　　　　　 ,.　'　jﾉ　 j/　}
　　　　　　　　| ..:||:::::. |　　'´ｌ　｜| lゝ-　 ' ´　　 /ｌ　　,　 /
　　　　　　　　| .::||:::::: |　　 ′ j{￣ｱｱ￣｀¨¨ ￢ｰ| 　 {. 人
　　　　　　　　| .::||:::::: | 　 / ﾉ ,ハ:.:{ {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　|　　）
　　　　　　　　| :::||:::::: |　 ,　'　{,.ｲ:.:.ヽヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. j　 , レ‐く,. -―- ､
　　　　　　　　| :::||:::::: |_ _|　　ﾉ:.:!:.:.:.:.} }:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　ｌ |.:.／:::::　　　　＼
　　　　／´| :::||:::::: | } }　ｉ {.:.:.:.:.:.ノノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ′,'/:/:::::::: 　　　　ヽ
.　　　 ,.' 　.:::l／l＼:: |ﾉ,ﾊ. { |:.:.:.:.:.{ {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,' ,'　/{:.::}:::::::::::....　　　　　 ',
　　　 /　..:.::::|　｜　｀ﾞ!:lﾊ|ハ{.:.:.:／＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.| {　,'.:.:.:ﾉ::::::::::::::::::.:.:.... ..　　 ',
.　　 / .. ::.::::::|　｜　　|:'.:ﾉ:.:.:｀／/　　＼:.:.:.:.:. l l l {:,.ｲ::::::::,. ‐''"´￣￣｀`ヽ､!
　　_厶二..___::|　｜　　|.:.:.:.:.:./　,' 　　　ヽ:.:.:.:.ヾﾊj　j:::／ ,　''"￣￣￣｀ヽ､＼
　/　　_|￣＼｢￣｢￣￣|／冂　,　　　　　　 ',.:.／　 {　{/ ／　　,. -―‐- ､　ヽ｝
.〈　 (´/＼　｀(⌒)´￣　 _|丿｜　　　　 '´ 　　ヽ∨、 .／　＿＿_.　＼ノ′
　＼_/　　￣匸二.二¨匸　　 l　　　　　　　　　　　　｀ﾆ∨ ／.:.:.:.:.:.:.:.:.＼丿
. 　〈　,.―‐｢:::::::::::::::::::::::::::＼／⌒ヽ＿　　　　_,,.. -―べ¨ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　 }/―-､ゝ――‐ ￢::::::::::｀ヾゝ,: :＼ :￣￣ : : : : : : : : :＼:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ｝
　　 /.:.:.:.:.:.:.{_:::::::::::::::::::__ :::::::::::::::::::}: : : }: : : : : : : : : : : : : : : :}: :|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〉

　　　　　　　　　 _,-,ﾆ二ニ=､
　　　　　　　　／／
　　　　　　　 /:/
　　　　　ヾ`､
　　　　　　　　＞+:‐: ´:￣: ￣: :`:'￣:l.､＿＿＿,／
　　　　　　／: : : : ／: : : : : : : : :/ : : l: : : :く‐´´
　　　　 /: : : ／: : : : : : : :/: :/: : : : l: : : : ､:＼
　　　　　l: : : /: : : : : : : : :/: /l: : : : ∧ l: : : :ヽ: :ヽ
　　　　 /: :/: :/: : : _,:_∠Ｌ､:::/: : : /::::l l: : : : :ヽ: : ヽ
　　　 l: /://: : : : :／::/':::::/: : : /::::-H､: : : : : lト､: ヽ
　　　　l://://: : : ｲミ土=､_/: : :/:::::::::l∧: : :l: : :l　｀ヾ､
　　　　l/: :l l: : : ｲ:llo:::::::/:::/://:::テﾃヵl: : :ﾊ: : l
　　　 l: : :l: l: :/.:l.:l し: 」:::::l/:'::::::P::::/'/l: : :l:N: :l
.　　　 l: : : W/: : N　　　　　　､ `‐':::l::l: : lN　V
.　　　 l: : : : :ﾊ: : : ト､　　ー=　　　ノlﾊ: :ハl
　　　 l: : : : : :､: : : 「ﾌ｀‐- ,､-┬:Ｔ´: :l　l/　　　　　　「ちくしょう！
.　　　l: : : : :,レ､: : :ヾ､　　/､｀Y/:l:l: : l　　　　　　　　何か弱点でもあれば………！」
　　 /: : :rﾆミミヽ: : ヾ､-─┤ `┤: : l
　　 /: : /￣＼ヾヽ: : :ヾ､　　 l　　ll: : l
　　/: : /　　　ヽヾヽ: : lヽ　　l　 /l: : l
　 /: : /　　　 l ＼ヾ､: l ヽ　 l //l: :/
　/: : :l　　　　 l ハヾ､l､､l　 l////l

―――――――――――――――――――――――
　　されど人々の気持ちはいまだ、完全には折れず。
―――――――――――――――――――――――

223 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:41:09 ID:uiHBGRsI

二２２６．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|　＼/＼/　　＼／＼/　|∧／　/／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠　　ウオオオオオオオオオ！！　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　　|/　　　＼/　　　＼|

　　　　　　　　　　　 /:|:::::::::i::::;iく　ﾞi;:lll!::::|||!
　　　　　　　　　 i::::::i::::::|;ｨi|liﾘ　　l::ii|:i:lil!
　　　　　　　　　ﾞ-|--イｉlliil/　　　|||:||:|:l　　　　　　　　 /ﾍ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞｰ!´　　　　ll:::i||:|!　　　　　　　 /::::::r'　　　　 _　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:|::l:!|　　　　　　　 {_::::/　　　　 /:/ /:r'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:||!!:　　　　　　　//　　　　〈;;/ /:::i　　　　　　　　／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l iil!　　.　　　　// 　　　 r':ヽ　/:::::l　　　　　　　　 ./::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||i!　　　　　//　　　　 7:/　｀ヽ'　　　　　　　　 /::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l　　.　　 /::l　　　　　/:/　　　,._　　　　　　　 .i::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::::l　　　　 /:/　　 r'::ﾉ　r'ヽ　　　　 ./::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 j::::l　　　 /:::l　　　l::i　 /::/　　　　 i::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 /::::::l 　　 l::::::l 　　L:j　「:ﾝ;へ　　　 ./::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::l　　　.ヽ／　　　　　_／:／　　　.ヽ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::／　　　　　　　　　　ヽｰ '　　　　 ,ｨﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ/

――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　そこへ飛び込んで来る人影があった。

　　雄叫びを上げながら聖騎士達の間を抜け、一気に間合いを詰めていくのは、
――――――――――――――――――――――――――――――――――


	224 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:41:55 ID:n0j4yDFY ッ！？きたか！　ｶﾞﾀｯ 225 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:42:04 ID:tL8WQrr6 キター！？ 228 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:42:25 ID:VA.bBwqE さて、いったいどこの無謀な奴が……

226 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:42:07 ID:uiHBGRsI

二２２７．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　魔法のククリを構えた一人の戦士。

　　彼はいつかの誰かのように、まごまごしている騎士達に戦い方を伝えると
　　隙だらけ、しかし全身の力を込めた一撃を繰り出す。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /Xx',
　　　　　　　　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人__从人ﾉ　　　　　　　　　 l XX',
　　　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　 lXXX,
　　　　　　　＜　　騎士さん達よ！！！！　　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　 lXXX,'
　　　　　　　＜　　デカブツ相手に守ってちゃ勝ち目はねえぞっ！！　　＞　　　　　　　,XXX','
　　　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　 ,XXX','
　　　　　　　　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY⌒Y⌒W　　　　　　　 ,XXX','
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /XXX','
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /X XX','
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,-‐.¨....:..ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 /X／iX','
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:／￣ヽ.:.:..'，　　　　　　　　　　　　　 i ( '''',;) 'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.:.:/_ｲⅧ￣Yヽ}　　　　＿_　_　　　　　　　 !:::;,-´ !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅷ{ ､　　　ｒ''∧￣￣　　/　ヽ.　　　　　　 |;;;;i'´´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾋつ　 /　}　| ＼　　 {　　　＼　　　　　{つて二}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >ー≦_,ノ　 |　　>　　､　　　　＼　　　ノ V∧二}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ''/　{ /ⅹ＼/|／ |　　　＼　　　　`ｰ≦{{　￣ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }/　　.} | 〉〈　 } .|　|　` ､.　＼　/　　　　ヾ >'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /￣ヽ､.|ヽ|　| /ヽ|　|　　＼　＼　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿ノ　　 |／.|　＼/.{　〉 .|　｀ヽ　　　　ヽ＿／
　　　　　　　　　　　　　 /ヽ-〉'　　　 {　　.|＼ |￣ {οV　｜　＼　　　　　　　'，
　　　　　　　　　　〈７Y{　　　　　ヾ .|　 { |　　}　　|　.|_　　＼　　　　　　'，
　　　　　　　　　　　　　　　￣　`ｰ───‐┤　 }|　　{　　|　 !|＼　　　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 !　ノ＼ |　 ||　丶､＿　　　　ヽ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |／　　　|　　!　　　　　＼　　　　'，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　｜　　　|　　|　　 i.　　　　＼.　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐　.|　i　 |　　　 |　 i |　　 i　　　　　＼　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　.|　|　 !　　　 |　 i |　　 i　　　　　 / 　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　　　｜ |　 |　　　　 |　 i {　　 {　　　　　 {.　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　￣|＿|　　.／ .|＿|」ヽ　ヽ　　　　　＼. 　　 ',
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　／　　　　　　＼　＼　　　　　＼　　',


	229 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:42:30 ID:yjDw79/Y 養成学校の？ 231 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:43:06 ID:n0j4yDFY ・・・　ｽﾄﾝ 233 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:43:41 ID:VA.bBwqE >>231 すわんなｗｗｗ

230 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:43:01 ID:uiHBGRsI

二２２８．

　＼_人＿人∧从＿人_从／
　　)　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿--ｰ''~二=--‐
　＜　　垂水断ち！！　　＞　＿＿..ﾞ/´ 　ム -イ;‐ｧ.....←-　..,,＿,　　　　　 ''ﾞ''.'''''''"''''''￢／　　_,,,,,........---‐っ
　　<　　　　　　　　　　　　(.　　　　　 ,!　　　　　〃 /''''''''^ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ´　 ´　　　　　 .........ii,i....--ーヽ""￣´　　　　 ,..‐^゛
　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒^　　　　／　　　ｨ!　|ｌ　ｉ¨７　　　　　　　　__,,..　-ｰ'''"ﾞ´　　　　　　　 ,,∠-″／
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　;'´ i　ｌ|　|　|....　　　_,,,ﾆ｀-!“゛　　　　　　　　　　 ,..-'ﾞ!'",／
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＿_,　　　　　　　　　　　　　　 |.／　 l 　 |!　l　 |　 .|__|　　　　/`l　　　　　　　 , / ﾞイ
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'''"゛　　　　──＝＝lj√.　　　　　 !　 |l'　|　 |　　　　 ,l |　　l　 |ﾚ'ﾞ､ ‐" .'゛　 ,-'ジﾞ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.. |", ／　_ノン'" . |,.- '´| |　　　　　／|
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.　　　　　　　　 ‐^r''"゛　 ._,ir"　　.゛　　　　　　　　　　　く／レ　　　　　　　　／／
　　　　　　／　　._..､;;>/'"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,____,. - '´ ／
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‘　　　　　,,ﾉ゛　._, ,./
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	235 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:44:22 ID:tL8WQrr6 垂水断ちって瀑布断ちと同系の剣技なのかな？

234 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:44:01 ID:uiHBGRsI

二２２９．

　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::://⌒´　　　ヾミ::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　／::::／:::::;:イ://　　__＿__　　ﾐ::::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　／:::::::/::::／　///　∠才´￣｀　　ﾐ::::::::::::::::::::::::::∧
.　　　　　　　　　 /イ::::::/::::/　／´/∠才77777ﾊｒ=;,､ﾐ:::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　　 / /::::::/i:::/／　　厶//////////}　｀＼:::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　 /　!:::::/:::!/≧､＿｛////////////　　　　＼::::::::γ⌒ヽj
　　　　　　　　　　　 |:::/ﾊ////　　 V////////／　　　彡＼:/∠｀ヽ i
　　　　　　　　　　　 |:/ i {///　　　　｀ｰ─一 ´　　　　　　彡ｲ {　 }　｝l　　　　　「チッ！
　　　　　　　　　　　 i′　V´ 　　..........)　　　　　　　　　　　　　　　）(　ﾉﾉ　　　　　捨て身が鱗一枚かよ！」
　　　　　　　　　　　　 i｀ヽ:::::::::::::ノ　　　　　　　　　　ノノ　イ
　　　　　　　　　　　　　　 ',　　｀""´　　　　　　　Ｕ　　　　　　　ﾑ　 /:::/
　　　　　　　　　　　 ',　　ー＝ﾆ二ヾ才　　　　　　　　ト　,.イ:::/＼
　　　　　　　　　　　　 ',　　　 ...,,,,　　＼＼　　　　　 j　　ヾ:ｲ::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　　　＼＼　　　 . ｲ:.. 　　∨::::::::::ﾍ
...,,,､..-:::――――:::-:..､._.,,..ィﾊ　　　　　　　　　　ヽ;;> ,.イ: : : / 　　 ∨::::::::::ﾍ、
:::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/／∧　　　　　　　　 .　＜: : : : : / 　　　 ∨::::::::::ﾍ＼､、_
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /:::::::::::::ヽ､__＿__.... ＜: : : : : : : : : /　　　／lﾍ:::::::::::::ﾍ　∨:::::｀::::ー――:::-
::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::／∧: : : : : : : : : : : : : : /　　　／　 !: ﾍ::::::::::::ﾍ　∨::::::::::::::::::::::::::::::

――――――――――――――――――――――――ｚ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　-‐…‐- 　 .
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..　´::,,..　ヾ　　　　｀ﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　γ　 ! ヾ､　　　　ヽ　　　　ﾐ＼
　　　　　　　　　　　　 / 〃ヽ　ヽ　ヽ　　　　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　/　 /, ﾄ､　ﾄ､　、、　､　　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　ﾚ. / И､＼ヽ＼弋ヽ、ﾍ　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　|　.,'´　ヽヽ　｀`斗ﾍﾍ　　 ! 　　|
　　　　　　　　　　　　ﾄ: :ｆﾃｧz､　　ィﾗ〒7}　　1|: :　∧
　　　　　　　　　　　　　 !　:|　じ'　　　　じｿノ{ 　　|〃/ヽ｝　　　　　　「いつぞやの戦士殿！？」
　　　　　　　　　　　　 /　:1　　　　　　　　　　| 　　| /ヽ　》
　　　　　　　　　　　　　　/　 :人　　　　　　　　/ 　　,|《彡ヽ
　　　　　　　　　　　　 /　　:::./＼　「￣ヽ　　/　　 ∧彡,／ﾞ＼
　　　　　　　　　　 /　　 /　./.,＞-､　-イ/ 　　/ :ﾍ／/／ミ}＼
　　　　　　　　　　　　/,/ 　γ´/　 /r-ﾍ＿,イ　　 /: : : ﾍ/ｰ-:.:∧ミヽ､
　　　　　　　　　 /　　　/　/　|/: : { 「 [_ / 　　/: : : : : :＞-‐… ‐-、＼
　　　　　　　　　　 /　　　,/　Ⅳ,/´: : :| |　|/ 　　/: : : : ／　／　　　　　ヘ
　　　　　　　　　／　　 ,〃// /::: : : / / / 　　/: : : : /　　/　　　　　　　　＼
　　　　　　　 ∠　　　　/_ノ厶ｲ : :／／ / 　　/-‐…/　　/　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　/　　　 /; ; / 　 |／／|　/ 　　１　　∧　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　 1 ∧　∧　/ 　 /|／ヽ　1 .　　 |　　. | |　　　　　　　　　　　　 |


	237 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:45:59 ID:9olgdkuY これでドラゴンゾンビとか、生半かな神聖力じゃ表面もどうにもならんか

236 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:45:00 ID:uiHBGRsI

二２３０．
――――――――――――――――――――――――――
　　―――どんな存在とて無敵、無窮、不死身はあり得ない。

　　とてもとても非効率で、
　　とてもとても代償の要ることだが傷を付けられる。
――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ー､ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞::::ﾔ､::ノ::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦二＿イ::::::ヽ､::<:::::ヽ　　　　　―――ククッ、果敢な事で―――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜二:::::≧::＜::::::::弋oｪ::::::::ﾏ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦ﾆﾆ＝＝メ┼--:::ヾﾑﾐー､＿::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦イ＿:::::＼⊥_::::::::::ソﾔ　　ﾔﾑソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠三フ::::::::::::<::::::::::::::::::::::ﾔ　ﾔｿ　ｷｨｨｨ…
　　　　　　　　　　　　　　　　　∠三三::::::::::::::::::><､::::::::::＞＝￣フー-　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　ｌヽ＿イーｭｭ:::::,－-､<　　｀ー､,--'' ¨ ´､＿＿＿__／
　　　　　　　　　　　ト､_」::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ/,　-ｔイムｌ-､／:::｀ヾ-,
　　　　　　　　　　 ,マ::::::::::::::::::::::::::::::＿＿_／　　　 l　　/　ヾ:::::::::::::|,ｨｌ
　　　　　　　　　　,マ::::::/-::::::::::::::|´',　',メ:::ヽ､　　ム　ﾔ　ｌ＿:::＿:::::::::::|_
　　　　　　　　　」／::::,'::::::::i::::::::::ト／:::::::::::/　＼　　　イ､　　　＼|::::::::::::t
　　　　　　　　　|/::::::::,'::::::::i:::::::／:::::::::::::::::/　　__〉　　/　ﾄ､　　　　',::::::::::::ヾ
　　　　　　　　 У:::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::／ ,イ´　　　/　　ｌ::l　　　　＼:::::::::l
　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::l:::::::::,ｨイｴ彡＜　（￣／ヽ　　ﾘ　　　　　　',:::::::::ヽ
￣フｰ-‐'´￣7＾',:::::::::::::イヽ:::::::ﾊ　 r‐ィヽ〈｀ー／　　∧イ≦､_　　　　　＼::::::｀ー-=ー-､
. /　　/:::::::::::〈　〉:::::::::ﾊ　 |ー＾リｰ'　　　　｀´　　　　∟彡∟ヾ　　　　　　∟＿_|二ユ--ィ
.∟,イ￣￣´　∨　　　　 ∨

　　　　　　 {: : : : : : : : : :./ : : : : : : : : : : : : : : : : :_／/: : : : : : : :／
　　　　　　 | : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : :, -‐ ''　./: : : ..／:／
.　　　　　　 V: : : : : : :/: : : : : : : : : : : : :／　 ,-‐､/ : . ／/:/
　　　　　　　V: : : :　.|: : : : : :／/ :.／/　　〈;';';';'＼／ /:./　　　　　　__
　　　　　　, -‐ミ: : : : |: : : :／ ./:／ ./　　　　〉､;';'ノ＼ {: |　　　　_／ノ　ヽ
　　　　　 / .,‐､　ヽ: :||: : :/　 /:/　　　　　／ィ＼　　.＼|　-‐''¨ ￣　　ﾉ
.　　　 / ./　ﾍ　.}: ||: :/　　{/　　　 -‐'' 　　　＼　　.＼　　　，＜　　　　　　　　　「だがな！
　　 -‐/ ./　 .／ヽ{: } Y,彡'ミ三三三ミ､_　　　　　／＼　　＼＜　　　　　　＿＿　　　一発くれてやらなきゃ気が済まねぇのよ！
.／　　{　{　　{　　.Ⅳ∧　＿＿＿≧ミ三三ミ､／　　　 .＼　　＼　　＿_,.．-''三三三
.　　　ﾍ　',　 iヽ _j　Ⅳ∧　 ////////// ＞''　　　　　　/ ＼　__＼三三三彡＿＿　　　ダークネス！」
　　　　ﾍ　　　　{　｜ⅵ| .//////////／　　　，''￣￣￣￣￣　./　　　ノ　}/////
.　　　　　ﾍ　　　}　.|　　|/////////／　，'' 　　　　　　　　　　　￣￣ _ ノ-‐ミ///
.　　　　　　ﾍ　　/ヽ.|　　|//////,／_ ，'' 　　　　　　_ ＿,.．-‐──‐≦　　　　 }//
　　　　　　　＼＼ }.|　　V///／'´　　　　　　　　ィ’ i　　　|　　|///＼_ノ＼　／//
　　　　　　　　　ヽ゛ |　　＼/　　　　　　　　，''¨ヽ　 i　　｜　 .V//,/ ＼　 .＼///
　　　　　　　　　　＞ !　　　 |　　　　　　ｒ''　　　　 }　i　　 .|　　￣/　　＼／

――――――――――――――――――――――――――――――
　　彼はそれを証明し、他の者に繋げるためだけに特攻したのだろう。

　　誰でも良い、誰かがきっと仲間の―――
　　魔導師の娘の仇をとってくれると信じて。
――――――――――――――――――――――――――――――

238 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:46:02 ID:uiHBGRsI

二２３１．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―――目くらましとは小賢しい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しょせんあなた達にできる抵抗など
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圭圭圭圭圭圭..フ　　　　この程度と言う事ですか―――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..　圭圭圭圭圭圭圭圭
..ﾞ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r: ::圭圭圭圭圭圭圭圭圭
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜ｗ圭圭圭圭圭圭圭圭圭
.ﾞ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　　　　　　~..圭圭圭圭圭圭圭圭圭　ﾎﾞﾜﾜﾜ……
..../|　　　　　　　　　　　　　　　　／ /　　　　　　圭圭圭圭圭圭圭圭圭
...ﾞ/　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　　　　　　圭圭圭圭圭圭圭圭.ﾞ|
ﾞ;;;;|　　　　　　　　　　　　　　　,′,′　　ハ　　　　　　圭圭圭圭圭圭...　/
.;;;/|　　　　　　　　　　　　　　/ /:　　　_=|;＼ヽ　　　　i　　　　　　i　　／
　 /　　　　　　　　　　　　　./ /::/⌒ー＾丶、　＼~＾ー,'　　　ν　　　|/　＼＼
;＼/`|　　　　　　　　 .　　 / /::/:;:;;　　　＿　＼　｜／　　　ν　　　 /＼　＼＼
.　＼/　　　　　　　　　　 ./ /::/　　:;:;;/∧　＼＿_）ヽ　　　ν　　　　/＼ ⌒＾＾＼＼
_;::＼＼/~｜　　　　　＿./ /::/ :;:　　|/::::＼＿＿ｙ　ゝ　　ξ　　　／:::::::::::ヽ　　　＼＼
ﾞ:: :: :＼＼/＿　　／~　/ /::/　 :;:;;;:/::::::::::::::::::＼　　　　　　　 .／／⌒＼:::::ヽ　　 : :ヽ. ＼
ﾞ:: :: :＼＼/＿　　／~　/ /::/　 :;:;;;:/::::::::::::::::::＼　　　　　　　 .／／⌒＼:::::ヽ　　 : :ヽ. ＼
.ﾞ:;:;;　:;:~ーー―‘　:;:;:;:/ /::/　:;:　/:::／`ー=_.／: : : : : : : : : :／　＼　　　＼:::::ヽ　: : .ヽ＼＼
_:;:;　 :　:;:;　　::　　　 / /::/　 :;　/／;;;/　::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　＼　　　＼::ヽ: :　　ヽ::＼＼
　　　 :　:;:　　:: :　　/ /::/:;:;　　/;;;;;;;;/:::::::::::::::::::::::::::::::::::/＼　　　　　｜　　　　＼ヽ　: : ::ヽ:::＼＼
ﾞ=_￣`￣`￣`￣`/ /::/　　 : :/;;;;;;／:;:;:;:;:;;::;::;:;;:;::;:;;;::／　　|＼＿＿＿|　　　　　　ヽ　: : :　＼:::::＼＼
.　ー=_＿＿＿_　＼＼　　　/;;;;;/:;:;:;:;:;;::;::;:;;:;::;:;;:;:;／　　　＼　　　（　　　　　　　　　ヽ;: ::;　　＼:::::::＼＼
　　　　　　　　　 / / | ＼;;;;/~￣~‘～～￣　　　　　　　.）　　,‐_ヽ　　　　　　　　＼　　　　＼:::::::/ /
.　　　　　　　〆⌒〆⌒　⌒＼　　　　　　　　　　　　　　　<＿＿ゝ　ゝゝ　　　　　　　（＿　　　/　＼　ヽ
　　　　　　 ‘=＿=＿=__|⌒`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー-（＼　（＾＼＾＼

―――――――――――――――――――――――
　　必死の抵抗をあざ笑ったフラックは
　　視界が阻まれようとも関係ないと邪竜に命令し、
―――――――――――――――――――――――


	240 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:47:43 ID:af7dPPok モザイクっぽいｗｗ

239 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:47:01 ID:uiHBGRsI

二２３２．
――――――――――――――――――――――――――――
　　氷の精霊力が膨れあがったのを感じてエルが警戒を発する。
――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　 , '::::::::〃:::::::::::.i::::::::ヽヽ:ヽ ::::::､::::::::::::::::':::､､,__
　　　　　_ｨ:::::::::〃::::::::::::l!::!:::::::::::＼ヽヽ:::::ヽ:::::::::::::::::::t=ｰ-.
　　　 _ｨｼ='7:::〃::::ｨ''|!i:::!i::,::::::､::::::ヽ::::::':,',､;,:::::::::::::::::::::ﾝｯy､,_
　　´"　　/::::::/:::/,.-ｬj:::l 'i!';::::i＼::::ヽ:::::::',',',i!::::::::::::::f"''''＝=-''
　　　　,.ｼｨ::::::::ｿ !. (::)ﾘ!　ﾍ',:::l,,､ﾇ;:::ヽ::::::',',',':::::::::::::::',
　　　〃ｼi::::::::ｌ　｀""゛　　` 'ﾘ (:::)ﾔ､:ヽ:::!:','::::::::::::::::',
　　　 '　'　.ｌ::::::::l　　　　　　ヾ'''''" Y:::::::::::::!::::::::::::::::',
　　　　　　i::/ｌ::::!　　　ヽ　、　　　　ｌ:::::::::::::::'::::::::ｯ::::::',
　　　　 l/　!:::'､　ｧ､.　　　　　　　 !:::::::::::::::::ｫ:::::!';::::::',
.　　　　 ,!. 　|/ ';､. ヾﾐ.`j 　　　 ,イ::ｧ:::::::::::::::i '､::',ﾔ::::､　　　　　「いけない、逃げて！」
　　　　　　　　" . ';ヽ　　　　　,､y'´ /ｼｌ::::::ヽ:::::ｌ　ヾ;　゛丶
　　　　　　　　　　'|!`=tｰ:::'"／　 /'　ﾊ::;::::il!';::!
.　　　　　　　　　　　　'i::: '　　　　　　　ﾘｿヽ'ﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　!'i　　　j　　　　 ~ヽ
　　　　　　　　　　　　　　ﾘ､　／　 ―ー '''"""f,
　　　　　　　　　　　　　 / _冫'''~ 　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　／ ´　　 ,､　　　　￣~ ヽ　 'i
　　　　　　　　　　　l!~　　　　/　　　　　　　　ヽ.　!
　　　　　　　　　　　ｿ. 　　　/　　ﾝ　　　　　､　',　l
　　　　　　　　　　 /　　　 /　　 / 　　　　　',　', 'i
　　　　　　　　　　/　　　 '　　 / 　　　　　　 i.　', ｌ

241 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:48:01 ID:uiHBGRsI

二２３３．
―――――――――――――
　　でも間に合わなかった。
―――――――――――――

..＿__,　.、 `''ｰ　,,,, ゝ　　l　　　　｀''-..、　　｀'-､　　　　人＼　ｌ　.'､.!　　　　 | |./ 　 .〃 .rシ　〃　 .,ﾉ.／
　　　　　.|　　　　　｀　　 .|　｀''ｰ ..,、　ﾞﾞ'-､、　 `'-、　｀Ｙ´　＼ﾞ''-./ 　　　　.l |：　　/lﾞ.〃　.〃　 ,rﾞ／
.｀'''ｰ- ..,,,,ﾞ.... xi;;imﾆ"''^ﾞﾞ´　　　　　｀'''ｰ．　 ." 　　｀'-、　　　　ヽ.　　　　　　.!./ 　.;".|ﾞ/　./　　/ .'　　／
_、　　　　　＊　　｀ﾞ''''´ﾞ''ｉｉ,,;;．,,,、　＿＿ｊ!＿_　 : !ヽ､ .｀'=
｀ﾞ''“'┴-　..,,,,,_　　　　　　　　　　　　￣|!￣　　　｀''′―――ですが無駄無駄無駄無駄！！！―――
,,,,＿__　　　　　.￣ﾞﾞﾞ''''''―-　....,,,_、　　　　　　　　　　
'''￢ｰ｀-｀-ﾆﾆﾆ';;';;ｰ-.-　､...,,., ,.,,......二ﾆ==;;- ....,,_　　　　　　　＋　 `'ミ>、　　　　　 ./ ,..‐'彡'´　　　''"ﾞ
　　　＿ｊ|＿　　　　　´`.""'　　ﾞ''ｰ ..,,,'''ｰ．.ﾞ_;;， . ￣''''―-....,,.、　　　｀゛　　　　　ﾞ‐''"゛
　　　￣|!￣　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞﾞﾞ´　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ
＿,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,、_,,..､､　 ._　　　　　　　　　　　　　　 _,,,,_.　　　　　__人__　　　　 *　　　、　　 .....、
--ー‐ー人　‐''''"''''''''“ "'" 　` 　　 ...　　　　　　 ,,, -''ﾞ´ｯ--_./　　　　　　｀Ｙ´　　　　　　　　-亠
　　　　｀Ｙ´ 　　　 __,,.... .;;;;,,ｯ-一゛''＋　＿ｊ|＿　｀'''''''''''''"ﾞ´　,..-"　　 _,, 　 !　　　　　　　　　　　　 .
　　 . _,,,,..　-;;ﾆﾆ｀-ｰ'''"ﾞ´　　　　　　　　　￣|!￣　　　　 _..-'"　　　 ./　/　　　　　人
二｀-‐'''"ﾞ´　　　　　　　　　 _,,,..　-''ﾂ　　　　　　 . _..-'"　　　　　 ./ ／　　　　　｀Ｙ´　　　　　+　ﾞ.'.‐
　　　　　　 . _.....-,―''''''"ﾞﾞﾞﾞﾞ´　　　　/　　　　　 ,..-'" ,ｒ'"ﾌ　　　　　 ″　　　　　　　 ‐ 　　 . , _,
　_._..ぃｰ''"´._／゛ .. -'''ﾞ"　 / 　　.／　　　,..-'"　_.. ｌ彡./ 　　　　　　　 : ., へ、　　　　　 .ｌ　　│ ￣´｀'
ﾞ~　　　　.ｒ'"　　　　　　　　　゛,／　 ._..-'"　 . ／　　　　　　　　 ,／　ゝ│　　　　　 ...ｌ　　 |,
　　　 .／　 .".'''''　　　　._,, -'″.,..-'"　　. ／　　　　　　　　 '　 ./　　 i'　 .!　　十　　　ヽ　.ヽ　'､,.゛
┌┐　　.ロロ┌┐　　.ロロ┌┐　　.ロロ　　┌┐　　.ロロ┌┐　　.ロロ┌┐　　.ロロ　　┌─┐.＼　ヽ
││ 　　　 ││ 　　　 ││ 　　　　　││ 　　　 ││ 　　　 ││ 　　　　　│ 　│ .､ヽ
│└──┐ │└──┐ │└──┐ 　　│└──┐ │└──┐ │└──┐　　　|　..　|　 '､ﾞ'‐
│┌──┘ │┌──┘ │┌──┘ 　　│┌──┘ │┌──┘ │┌──┘ 　　└─┘ヽ　ヽ
││ 　　　 ││ 　　　 ││ 　　　　　││ 　　　 ││ 　　　 ││ 　　　　　┌─┐､ヽ
└┘ 　　　 └┘ 　　　 └┘ 　　　　　└┘ 　　　 └┘ 　　　 └┘ 　　　　　└─┘..ｌｌ
'"　 .,;;,ﾞ...　　 /　　　.,!　　　＋　　　／　　 .／　　 .,..　/　　　　　　　　　 !　　　　　　 |　.ｌ　　 !　 .ｌヽ
-''ﾞ´　　　　／　　　.l　　　　　　　／　　　/ 　.'i　 ″　/　　　　　　　　　　　 !　　　　　 : : |　.ｌ　　! '､　! ゝ

242 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:49:01 ID:uiHBGRsI

二２３４．
―――――――――――――――――――――――――――――――
　　―――否。そうではない。
　　彼は陽動を全うするために、最初から避けるつもりがなかったのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　ゝ/´/////彡∧i‐-､
　　　　　／////＞≦_フ´ﾞﾞ‐-､∧
　　　　／///／{:::::::::::／ヽ=γ￣＞､
　　　 ////／ゝ､ヽ:::::入　ﾉ　＼::::::::::ヽ
　　　,//／／　　｀￣￣　〈⌒´i‐‐､´
　　γ⌒ヽ' 　　　　　 ,, 　　ヽノ　　 i
　　 i |i､｀)　;;;;;;;;;;;;　　'ゝ二二二二７　,　　　　（ケッ。
　　　､` ヽ　　＃＃＃　　｀‐-==-　　i　　　　　………アシタカ、しくじるんじゃねぇぞ………）
　　　　､ゝλ　　　　　　　　　　　 i
　　　　 ∨i　､};;;;;{ 　　．＜三ヽ　ノ
　　　　　∨ 　＼‐‐ ´////////／
　　　　　　〉　　　＼/////////,i
　　　　／ {｀､　＼､｀　ヽ////,i
　　ゝ´:::::::∧､　￣　　 ‐-,-ヽ-‐iヽ
´::/::::::::::://∧:.　━━　 /‐-‐∨ i∧､
::/:::::::::::////∧　};;;;;;;;{ ∧:::::::::::∨i/∧｀....､
/､:::::::ノ/////∧　　／　ヽ::::::::::iヽ///､::::::ヽ::.‐-
/////////////＼´＿_ 　 }´￣∨ i///////＼::::::::＞､

――――――――――――――――――――――――――
　　薄れていく意識の中で、仲間がいるはずの屋根を見やる。
　　けれどその目にはもう、何も映っていなかった―――
――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　「|
　　　　　　 | l　r ｎ
　　　　　　 | l　|_| l
　　　　　　 l　ヽ└'
　　　　　　 | lヽ＼
　　　　　　 | ｌ　ヽﾉ
　　　　　　 |_j
　　　　　　＿「ｌ「Ｌ. _
　　　　　└‐┐i r‐┘
　　　　　　 L| |
　　　　　　 └‐'
　　　　　　　　ｎ
　　　　　　　　Ｕ
　　　　　　　　　０
　　　　　　　　　Ｏ

243 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:50:01 ID:uiHBGRsI

二２３５．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　視線の先、邪竜から少し離れた建物の屋根に立つ人影はただ淡々と、
　　形見となってしまった魔符を使って弓ではなく、矢に魔力を付加していた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐　´|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,. -‐　´: : : : : : |
　　　　　　　　　　　　 _,. -‐　´: : : : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : ; ; ; ; ; : : : : : : : :|
　　　　　　　　　 |: : : : : : : ; ; ; ; ; ; ; : : : : : : :.|
　　　　　　　　　　　 | : : : : : : ; ; ; ; ; ;. 、: : : : : : :.|
　　　　　　　　　　　　　 |: : : : : : :_:_: ; ;/　ﾊ: : : : : : :.|　　　　　　　「エンチャント・ウェポン」
　　　　　　　　　　 |: : : : : /　ﾊ ;ｆ{＿ﾉ }: : : : : : :.|
　　　　　　　　　　　　 |: : : :./　/ j;,′　　j: : : : : : : :.|
　　　　　　　　　　　　　　|: : :/￣　/,' 　　 ,': : : : : : : : :|　　　　　　　　　　　 || .|.|
　　　　　　　　　　　 |: /　　 / ,' 　　 ,': : : : : : : : : :|.　　　　　　　　　 | |.| .|　　　　　 |＼　　　　　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　／　　 /: ,' 　　 ,' : : : : : : : : : : |　　　　 |ヽ　　　　||.| | | |.　　　　　＼＼　　　　　 /∨
　　　　　　　　　／　　 /: :,' 　　 ,': : : : : :_,. -‐ '´.　　　　 |　`,　　 | | | | | |　　　　　　＼＼　　　　 /∨
　　　　　　　　　　　〈　　ｰ‐〈.: :,'　　　 ,',. ┬ '´.　　　　　　　　 l　　`､／　! |j　|j　　　　　　　　＼|　　　 /∨
　　　　　　　　　 '､　　　 ',:,'　　　 ,′/￣￣｀丶、　　　　　　 l　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　 /　/
　　　　　　　　　　　　 '、　　　j'　　　 i. /　　　 }'＿＿う　　 |` ,/　 ,､／|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　/　/
　　　　　　　　　　　　　 '.　　 ,′ 　　 /　　　 /　　　　　　　 |　 .,／　　 |　 |　　　　　　　　　　　　 /　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　 |　 !　　　　　　　　　　　／　,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ, 　 |　|　　　　　　　　　　＜ _ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼j 　 .| .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {j

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　それは効果時間内において、弓から矢へと少しずつ魔法の力を分け与える方法ではない。
　　ただ一撃に全ての魔力を込めるやり方だ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

244 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:51:01 ID:uiHBGRsI

二２３６．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　たとえいかなる状況においても―――仲間を失った瞬間でも揺るがぬ心。
　　不動心とも呼ばれる戦士の心得なくして、この一撃は適わない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

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　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;/;;;;;;;l!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　/;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;//;;;;/l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼-
　l;;;;/l;;;;;;l;;;;;;;;;/;;;;/.,';;;／ l;;;;;;;;;;;;lﾞ､;;;;;ﾞ､;;;;;;;;;;ﾞ､;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,_＼
　l/　l!;;;;;l;;;;;;;;'l;;;/ .i;;/　　.l:::::::l!;;;ﾞ,ヾ;;;;l!＼;;;;;;ﾞ､ヾ;;;;;;＼;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ"''
　　　lll;;;;l;;;;;;;' l;/　l/　　　.',;;;;;;lヾ;ﾞ､＼',　＼;;;;;ﾞ､''-､;;;;ヾ=,＼;;;;;;;;;l;;;;;;;:;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::::::::::::l
　　　 l;;l l;;;;;l/:::::::': ､　　　＼;;;l　ヾ　ﾞ　　ヾ'"'　 ___ヾ;=" ＼;;;;;;l;;;;;l;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l!:::､:::::::l
　　　ヾ! ヾ;!''''''';-､;;;'::､　　＼!　　　　　　_,,,...='';;;;;;;;;:::::::"'-､ヽ;;l;;;;';;;;;;;／￣＼::::::::::::::ヽ::::::::l､:ヾ::::l
　　　　　　ﾞ､　　f"7lliz;:'.､　　　　　　_,. -'';;;;;;;=;;;;;;;;''''"~~￣　　.ﾚl;;;;;;;;;;/ ／ヽ　.l:::::::::::;::::',:::::::l ヾ!ヾ!
　　　　　　　 '､　ﾞ .llllliP!ヾ､　　　 ''＝=''''"y=7llllllllli,"''-､　　　　　l;;;;;;;/ /"'!　　 l:::::::::::';:::::l:::::;'
.　　　　　　　　',　　illlllf　' .l　　　　　　　 .l! .lllllllliiz,i!　　l!　　　　　l;;;;/ l'　 .l　　/:::::::l;;:::l!:::ll::/
　　　　　　　　　',.　 ~~　　/　　　　　　　　　ゞ=="　　　　　　　　.レ　.l　 /　 /;::::;;::l;;;;;l V "
　　　　　　　　　 l.　　　　/　　　　　　　　　　￣￣ ___,,,,､-‐　　　　／／　,.';;;;:::;;;;;'､;;;l
　　　　　　　　　 l.　　　 /　　　　　　　　　　 '''''''''"~　　　　　　　　　ヽ　／;;;;;;;;;;;;;/ ヾ!　　　　「不動の心にて敵を撃つ―――」
.　　　　　　　　　 l　　　ヽ　-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,　ヽ-'";;;;;;;;l;;;/ﾚ"
　　　　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ., '　　ﾞ､;;;;';;;/=!::::::＼
.　　　　　　　　　　ﾞ､　　　r---------､　　　　　　　　　　　 .／　　　　ヾ::/l;;;;;:::::::::::::＼_
　　　　　　　　　　　ヽ　　＼ーーーー-ヽ　　　　　　　　　／　　　　　　ヾll;;;;;:::::::::::::::::::ﾞ.l"'-､_
　　　　　　　　 ,､-''": ＼　　＼＿＿＿__ﾉ　　　　　　　／　　　　　　　　　l!;;;:::::::::::::::::::::::l: : : : :""'''ー
　　　　　 ,､-''": : : : : : : ＼　　　　　　　　　　　　 ,､ '´　　　　　　　　　　 l;;;;:::::::::::::::::::::::l: : : : : :
　　　　／: : : : : : : : : : : : : ＼　　￣　　　　　 .,.､-''"　　　　　　　　　　　　 .l;;;::::::::::::::::::::::::l: : : : : :
.　　　/: : : : : : : : : : : : : : : :/ ﾞ' .､ _ __ ,,..､-‐'"　　　　　　　　　　　　　　　　l;;;;::::::::::::::::::::::::l: : : : : :
　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : l: :;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,';;;;:::::::::::::::::::::::::l: : : : : :

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　　あまりの集中に瞳孔が完全に開く。
　　全ての力を振り絞り、練りに練った気が全身から吹き上がる―――
―――――――――――――――――――――――――――――――

245 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:52:02 ID:uiHBGRsI

二２３７．

.　　　　／／　　 .／　 .／／　 .／　　　.／　　　　　＿＿　　　　＼　　　　　　　　　　　　　／,／
.　　　／.／　　 .／　 .／／　 .／　　　.／　　　　　　 !　　｀'ヘ　　　　＼　　　　　　　　.／.／
　 ,／.／　　 .／　 .／.／　　.／　　　.／　　　　　　　　ｌ　 r‐-、ﾞ'ヘ .＼　＼　　　　／＼_人＿人∧从_人_从_/／
／.／　　 .／　 .／／　 .／　　　.／　　　　　　　　　　ヽヽ　 .＼, . ＼＼　　　　　　／,／　)　　　　　　　　　　　　＞
／　　　／　 .／.／　　.／　　　／　　　　　　　　　　　　　ヽ .ヽ　　＼、＼＼　　.／.／　　＜　　鉄穿撃！！！　　＞
.　　／　 .／.／　　.／　　　.／　　　　　　　　　　　　　　　ヽ..ヽ　　　 .＼　＼／,／＼　　　<　　　　　　　　　　　　(
　,／　／／　　／　　　.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.＼　　　　ヽ、＼＼　　＼　　／＾Y￣∨￣∨YY^^Y^
'"　／／　　.／　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　／,｀'､　.＼＼　　＼
　／.／　　.／　　　.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀‐ .／,／　 .＼　.ヽ,
".／　　.／　　　.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　､　　　.＼　.＼　　　　　　　　　　　／
'"　　.／　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.／　 .＼＼　　＼　ヽ　ヽ　　　　　　　.／／
　 ,／　　　／　　　　　　　　　　　　　 /´ﾞ''‐､,　　　　　　／.／　　　　　＼.｀'‐..、ゝ　 .ヽ　　ヽ　　　　　／／
／　　　／　　　　　　　　　　　　　　　 | .v＿. ＼　＼　　　／,／　　　　　＿＿＿＿＿＿＿　　/￣／　／
　　　／　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　ｌ　｀'-､＼＼／.／　　　　　　　/　　　　　　　　　 /　/　／..　／　　 .／
.　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.ヽ　　 .＼.`く.／　　　　　　　 /　　　　　　　 /　/ﾚ/　/￣／..　／
‐゛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀､ﾞ‐　 .／＼＼　＼.　　　　 /＿＿＿＿＿　　 /　　　　 /　／ . ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `　／／　＼＼＼.　　　　　　　　　 /　　/　　　　　ｉＹ/..ﾞ／　　　 .,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,／／.- ＼　ヽ　ヽ　　　　　　　　　　 /　　/.ﾞ／／　　　／　　　 .／.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.／／　　 .｀'-､"'''′　.! 　＿＿＿＿＿/　　/...　／　　 .／　　　 .／.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,　／.／　　　　　　　｀''―‐"....../ 　　　　　　 /..ﾞ／　　　／　　　　／.／
　　　　　　　　　　　　 /｀'- -‐゛　／　　　　　　　　　　　　 /＿＿＿＿＿＿_/／　　　／　　　 .／.／　　 .／
　　　　　　　　　　 ,,,,_/　　　　　　,!　　　　　　　　　　　　　　　　 _从 . ,／　　　／　　　 .／.／　　 .／
　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ _从＿＿..　　　　／.／　　 .／　／
　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　!　　　　　　　　　　　　　　　　 /,.,//　//　／　　　／.／　　 .／　／
　　　　　　　　　　　　丿　 .,,,,＿_广ﾞ'　　　　　　　　　　　　　　　　　／..ﾞ"　/,､/'´ ／　　／.／　　 .／　／　　／
　　　　　　　　　| .　／／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／. 　ﾞ　/／......　／.／　　 .／　／　　／／
　　　　　　　　 ||／／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／ ,／　　　／　　　 .／.／　　 .／　／　　／／ ,
　　　　　　　 ||　　＝=―　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ .／　　　／　　　　／.／　　／　,／　　 .／／ .／
　　　　　　　|＿＝=―　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,／　　　／　　　 .／.／　　 .／　／　　／／ .／

―――――――――――
　　全てを込めた一射。
―――――――――――


	246 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:52:43 ID:RFMqLdos いっけええええええええ

247 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:53:13 ID:uiHBGRsI

二２３８．
―――――――――――――――――――――――――――――――
　　闇が晴れた瞬間を狙って放たれた矢は大気を貫き、衝撃波を伴って
　　魔竜の防御障壁ごと左目を貫いた。
―――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　―――なっ！？―――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..ｨ､_ 　　 |　，　　 '‘
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.'" ´⌒｀ヽ　 |　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　〈wﾄ,､_ l:: :: i'..　|/／　;.．.ﾞ- ､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ,､ﾘﾚﾒ､_ﾞ､_,ﾉ（＿＿_＿ﾞ"´´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ,､"ﾚ /Ｙ＾＼￣￣ﾞ´　　　　　　　　　　＿_,ｨｧ..,─､　 ./::＼ｨﾍ ,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }_,ﾞ/　|ﾞ'"` 丶 :: ﾞ　　　　　　　　　　 Ⅴ:::/ ./::::::」,.-､|:::::_/.|::::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-'"，　 |ﾉ　　〉､、　　　　　　　　　　 /:::::〉レ'´　ー'.レ'_,.ｨ￣ ",勹
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'イ´>`'.　!...　　/ヽ:: ::｀ヽ.　　　　　　　ｆ::::::レ＜´|. 　 _／:::::/;; ＿」:::::二>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､ﾒｨ>'／　,ｨ､'"´:: :: ヽ:: ヽヽ　　　　,ｲ　＿」::::::::_;＞‐'_／:::_::::::::|./´:::::_:::｢
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､´　__／　　ヾ..､:: :: ヽ:: :: l .l　　　/::'＜:::_::::::Г __ .｢:::::／ .|:::: l.ﾚ'./:/|:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀二　､　　　j｀`ヽ､:: |:: ::l| :| 　 /:::::_;.匕..|:::::| .｢::::|ﾚ'´ 　._」:::::{　/:/ .|:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:: ::｀ｰ､ヽノ:: ::l|:: ::| |:: ::l|::|.　レ'´ /::::| |:::::| .|:::/　　.／::::_／ .ﾚ′.´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:: ＿ヽ:: ::l:: :: l|:: ::||:: /':: |､......　/::::: | |::::::〉ﾚ′_／:: ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｨ'´-､ヽヽ:: ヽ:: ヽ l| //／) ｀`ヽ |:::／　|:::/　　ｆ:::::／
　　　　　　　　　　　　　 ,..ｨ'"´:: :: :: ):: ）>:: ::ﾒ､:: ::ll|/ ヽノ､:: :: : ﾚ′　 l/ 　　.|／
　　　　　　　　　　　　 ,.-'":: :: :: :: ,.ｨ'"ノ'　r'"´＿ﾉ l　ヽ／ｨ､>､､､､:: :: ｀ヽ´､　　　ﾘﾙ､ｨjl
_ﾄｨ､,､､ .ﾄ､ ,ｲ｀ｰ'⌒ｰ‐',／:: :: _,､ｨｪｲjｨ-'"´ノ／二二ﾆ'　ゝ二ヽ､｀ヽ_"｀‐'='ﾆiｪｪ､､｀ヽ.　　　　　ﾞ`'`ﾂ､_　　　 __
　　　　　 "　　　　,ｲ'":: ,ｨｪﾆｨ'"´:: :: ::,.ｨ'"/三二ﾆ=ｲﾄｲ､ﾆｺlr‐"､　｀ヽ､_:: :: _,ｨ´ヾl:: |　　　　　　　　 `ﾒ,. 　,､〉ヽ
　　　　　　　　　　 {:: :: ､ i:: ｀ヽ､__,.／　 /ﾐ＝＝-‐ﾌ､　,ｨ､ﾆ/　　ヽ.　　　￣ｿ/:: ::/､ l　　　　　　　　　　V':: ﾞ:: ::/
　　　　　　　　　　 j:: :: :: }ﾐ{:: :: ／　　／ヽ､_三三ｼ〉 /ﾐシ´　　　　｀､　　　〉 /,r─,ヽ.　　　　　　　　　/:: :: ﾞ´!
.　　　　　　　　 /:: :: fﾆ二ヽ/　　　/:: :: :: :: ｀ヽ.─ﾄ､／ヽ､_　　　　　ヽ.　　/:: ﾓﾆ二ｲ:: !　　　　　　　 /:: :: :: ::j
_;　　　　　　　　　|:: :: :ﾆ二､-ｲ､　　/:: :: :: :: :: :: ::_ヽ:: ::ヽ:: :: ::｀ヽ　　　　ヽ.　ヽ:: ﾆ二ﾆ':: :|　　　　　 /:: :: :: /
...i　　　　　　 |:: :: :: ヾ､二/ﾉ　/:: :: :: :: :: ::-‐'／ /:: /｀ヽ-､:: ヽ　　　　＼ヽヾﾆｲ':: :.|　　　　　　 /:: :: : /
ﾞ::ヽ　　　　　　　　|:: :: :: :: ヽｲ/l /､_ _, -‐'"／´:: ｀／／_:: :: :: :: ヽヽ　　　　　ﾍl:: ヽ'ﾉ!:: :: :|　　　　　 /:: :: ::/
..ﾞ:: ヽ.　　　　　　 |:: :: :: ::ﾐﾐ|ﾒ' /:: :: ／＝-ｧ─'''''''"´ヽ:: ｀`ゝ:: ,.-‐'　　　　　ヽ:: ﾍ':: :: :: |　　　 ,.ｲ:: :: :: /
: :: :: :＼　　　　　 |:: :: :: :: ﾐﾒ/:: ::／´｀ヽ／　　　　　　 l:: /:: /´　　　　　　　　　　ﾞ､ﾐｿ:: :: : .　　 /:: :: :: /´
.､:: :: :: :: ＼　　　 |:: :: :: :: ヾ,':: ﾒ　　　　　　　　　　　　{:: 〉:: ::l　　　　　　　　　　　ﾞ.:: l':: :: :: ヽ／:: :: :: /

250 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:54:04 ID:uiHBGRsI

二２３９．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　　　　　　　　　ﾏｲﾅｰ　ﾏｽﾀｰ　ｸﾞﾗﾝﾄﾞ　ｲﾍﾞﾙ
　　初級から数えて士技、　匠技、　豪技、　聖技とされる戦技の三段階目に
　　コナタが感嘆したのも当然だった。

　　弓使い自体が少ないことを考えれば、
　　弓匠技の使い手は一国に数名いるかいないかと言う程に珍しい。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　 /:.／　　　　　　ヽ
　　｛:/　　　　　　　 |
　　　 l{
__,,... . .ゝ,,_
: : : : : : : : : :｀:`: 丶. .､,,＿＿
.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ; ｀i
: : : : : : : : : : :./: : : : :,!i: : : : : : ﾄ.、
.: : ; :'′　　 /　　　 /　!　　　.l: :.ヽ
:／: : : : : ; ｲ: . . . ∨ 　 !. . : : :l: ｀、｀、
: : : : : ／:/: : : : : / ＼　l: : : :/: : :.!､:.ﾍ
.; : :'": ::/: : : : : ;.'＿＿｀ﾐ!: :./: : : : l ヾﾊ
.: : : : /: : : : :, ｲ｛/示牙 !:/: /:: : :.l　 Ⅵ
.: : :/: : : ;／|:::j　　　|:'r! j/::/　i::. :,!　　ﾞ}
: :/:ィ''"!:::: : !::l　　 ,.ゞﾕ {／　ｉ::/　　　　　　　ﾏｽﾀｰ･ｽｷﾙ
.:":::ﾍﾞ l::: : :|::!　　 `´　　`i　　 !'　　　　　　「凄い！弓匠技の使い手だ！」
: : : : : }''l: : : |:|　／｀`￢ /
.: : : : /　i: : ::!ﾚ'ﾞ　　　〃
: : : /　　_}: : l|_　　／
.:／三ﾐ\、i: :.|:::｀:¨:´!
〃〃⌒｀ヽ!: :!:: : : :.j

――――――――――――――――――――――――ｚ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|;;;;;;;;;;;;;;;::i::;:::ﾄ;::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;ｌ::|ヽ:::ヽ:､::ヾ;:::::::::::;::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ!;;;;;;;;;;;;;l､:ﾄ､;|　ﾞ､:ﾄ､ﾄ､い､;ﾄｨﾊﾄ;:::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;;;;;;ヾl‐=;;.､,_　ヾ! `　_,,､ｯ≡=.|:::::,r'ヽ:::::::::::ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;;;;;;い､ "l;::ﾞtﾐ､　　"´ｧi;::::ｔ‐､　|:/r､ﾘ:::::::::;ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「見たか！　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ!;;;;ヾﾞｉ　 `ﾞ''　!　　　 `-''‐　　ﾞ .)ﾉ,/;::::,lﾚﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`'-｀ﾄ,　　　､　　　　　　　　 ,...-彡ﾙ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どのような怪物であっても　　　　　　　　　　 ,rﾍ　　 `｀　　　　　　,/!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　目の防御は高くまい！」　　　　　　＿_,.-‐‐i';;;;;;;ヽ、｀￣￣｀　 .／!;;;l￣｀`''''ｰ-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,.-＜_　　　　 ';;;;;;;;;;;ﾞ:,` ､｀　_／　ｌ'!;;;;',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／::..　　　`　　　　';;;;;;;;;;;;ﾞ､　｀`"　　　 |;;;;;;',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,...,ｲ.._:::::::;;:::..　　ﾞ､　　 ';;;;;;;;;;;;;ﾞ､､,_　　　 _,.　!;;;;;;;!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,._'ｰ‐- ､｀ヽ､;:丶:.　　 ',　　 ';;;;;;;;;;;;;;ﾞ､　`　　′ .|;;;;;;;;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r',-､ヽ、　　　｀ヾ;ヽ　　 ',　　ﾞ､;;;;;;;;;;;;ヽ　　　 |;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;／＼ﾞヽ、　　　`''　　 ',　,っヾ;;;;;;;;;;;;;ヽ、　　ｌ;;;;;;;;;|

。


	252 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:54:34 ID:tL8WQrr6 それでも片目だけか……分かってたがきっついな

253 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:55:03 ID:uiHBGRsI

二２４０．
――――――――――――――――――――――――――
　　狙撃してすぐ場所を変えようとする人間を、
　　この程度の負傷、大した事はありませんとフラックは笑い、
――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,-'i＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i~,-'_,-'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣ﾞフ......_, -' ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ヘ＿＿　　　　　　　　　ノ..　　　_, -'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾍ　,:´⌒ヽｰー─ノ.　､ﾊ,..ﾞ_, -'...|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　\　|; ; ; ; ; ; ; ; ; ;...^ <　- ﾞ＿ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 \_⊥_＿_; ; ; ; ; ; ;;;ﾞ/'Y''~ヾ.ﾞ; ; ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |／|/|/|/|/|/ヽ＿＿......`.ﾞ; ; ; ; ; ; ; ; ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/ﾞ´; ; ; ; ; ; ; ;; |/|/|/|/|/｀：ー-´⌒ヽﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |/|/|ﾉ|ﾉ/　　ヽ_,|
　　　　―――ヒッヒッヒ！　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; （　　ノﾉ（
　　　　　　　　人間にしてはなかなかやりますね！　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ヽノノ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |ﾞヽ.ﾉ　　　ノ
　　　　　　　　ですがそんな目立つ場所で　　　　　　　　　 |; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |ﾞヽﾉ　　　　/
　　　　　　　　避けられますか！？――――　　　　　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |ﾞヽﾉ　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |ﾞヽﾉ　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽＷＷＷＷヽﾉ　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､∴∵∴　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼∵∴　　／

　　　　　　　　　　　,
　　　　　　　　　,r/　,;-ー_
　　　　　　　　　/:::レ:::::三:::::｀ミ::=-､
　　　　　　　　 ,i::::::::::::::::､:::::::､::::ヾ::ヽﾐｰ-､
　　　　　,r'::::::::::::::::::ヽ::::::::＼.:::::::::::::＼
　　　　　　//:::::/:::;:::i:::::ヽ:::::::::::::＼::::::::::::::ヽ
.　　　　/::/:::::::/_ヽ:!:::::ヽ:::i`_､:::::ヽ ::ヽ:::::::!
　　　　 i::/::::::::/'oヾ､:::|ヽ::Y o＼:::::i!::::ヽ::::＼
　　　　　l:::i:::::::::lゝ- '　ヾ、ﾞ ! ｰ '､ヽ:::::!:::::ヽ::i ヽ
　　　　　!::!:::i:::::!　　　` ｀ヽ　　　　 i:::::!::::::::::::i　　　　　　　「離脱の援護を………！」
　　　　l:!:::l:::l !　　,r_ー‐-､　　　l::::!::::::::::;::i
　　　　　　!|:.!::', 　　i'/￣￣ i 　　　l:::::::::::::ハ:!
　　　　.　　 l::::::ヽ.　ｉ　　　　i　　　ｨ::/i:::::ﾊi　 !
　　　　　　　i::li:::＼ `ｰ--‐' 　　／ﾘ　|:::ﾘfﾊ､_
　　　　　 _..!:ﾊ::::l;ヽ､　　　／　　"　l::/i　ヽ. ｀`''ｰ- ､._
　　　,r‐'''"´　 !　ﾘ!i ヽ `＝'"　　 ,　　ﾘ /　　ﾝ　　　　 /ヽ、
　　 /ヽ　　　　　　ヽヽヽ　　　/　　／　　　　　　　　/ 　ヽ
　　l 　＼　　　　　　＼　 '　　　　　／／　　　　　 /　　　 i

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　突然の事に反応が遅れていたエルが、今度こそと思考を巡らせるも間に合わず―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

254 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:55:25 ID:RFMqLdos

目から貫通して脳天ぶち抜いてくれれば・・・・

255 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:55:33 ID:uWmaONW6

ぶっちゃけこいつって片目なくなってもなにも変わらない？

257 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 21:56:10 ID:tL8WQrr6

>>255
フラックが見てるからなあ…

256 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:56:01 ID:uiHBGRsI

二２４１．

＼　　　　　　 .＼　　　　 L　　　　　　　　　ｌ　　　　　＼.|　　　　　　　 | 　　　 |　　　　　　　　　　　　,!　ｉ
　＼　　　　　　　＼　　　　 !　　　　　　　　　ｌ　　　　　　! !　　　　　　　　　 |　　　 |　　　　　　　　　　　　 !　.ｉ
　　 .|　　　　　　　　ｌ　　　　ﾞl　　　　　　　　　　ｌ　　　　　 l ｝　　　　　　　　　!　　　.|　　　　　　　　　　 !　.ｉ
　　　.ｌ　　　　　　　　..ｌ　　　　 !　　　　　　　ｭ　　ｌ　　　　　.!.|　　　　　　　　　l　　　 !　　　　　　　　　　 |　 |
　　　 .｀'-、　　　　　　ｌ　　　 .| 　　　　　ﾘ､　ｌ　　　　　l l　　　　　　 lﾞ　　　!　　　　　　　　　　　　　,!　ｌ
　　　　　　.＼　　　　　ヽ　　 .|　　　　　　　　ｌヽ │　　　　.ﾞ┤　　　　　　　│　r ､.l　　　　　　　　　　　　　/ .lﾞ
　　　　　　　 .＼　　　　 .|　　│　　　　　　ｌヽ.!　　　　　　　　　　 ,r'ﾞ ./ 　l!　　　　　　　　　　 / . !
　　　　　　　　　ヽ　　　　ヽ　 l　　　　　　　ｌ　ｌl、　　　　　　　　 / 　/　　 ′　　　　　　　　 / 　!
　　　　　　　　　　ヽ　　　　ヽ !　　　　　　　　　　ｌ　 .ゝ　　　　　　　 / 　./　　　　　　　　　　　 _,　　/ 　 lﾞ
　　　　　　　　　　　ヽ、　　　″　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　,r- / 　 /　　　　　　　／゛　ﾞ"　　./
　 __　　 00　　ｎ ∩　　 __　　 00　　ｎ ∩　　 __　　 00　　ｎ ∩　　 __　　 00　　ｎ ∩　　　　　　 ∩ 　∩ 　∩
　 | |　ｒ､　　　Ｕ |｜　 | |　ｒ､　　　Ｕ |｜　 | |　ｒ､　　　Ｕ |｜　 | |　ｒ､　　　Ｕ |｜　　[][]「l　　∪ 　∪ 　∪
　 |_|　＼> 　　　くノ　　 |_|　＼> 　　　くノ　　 |_|　＼> 　　　くノ　　 |_|　＼> 　　　くノ　　　　くノ　　ｏ　　ｏ　　ｏ
、　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　 /ﾞ　　!ﾄ　　　　　　　ゝ、　　 !　　　　　　　　　!│
.＼　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　!　　 |　　　　　　　 !.|
　　＼　　　　　　 '.ｌ-、　 .l　　　　　　 !　　　　　　　　　　　ｌ　　 !　　　　　　　　　l !
　　　＼　　　　　　ヽ.＼ !　　　　　　　　,!　　　　　　　　　　　　　│　 !　　　　　　　　　 !.!
'､　　　　.＼　　　　　ヽ　゛　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　!　/　　　　　　　 | ヽ
. ヽ　　　　　l　　　　　　　ﾞｌ,　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　　 l │　　　　　　　　　　ｌ　!　　　　　　／
　 .ヽ　　　　 ! 　　　　　ヽ　　　　　　　　　ヽ　、　　　　　　　　　　 |│　　　　　　　　　　/　l　　　　　　／
　　　ヽ　　　 |　　　　　　　　｀'- ..、　　　　ヽ/|　　　　　　　　　　　|.l　　　　　　　　　　 /　/　　　　／
　　　　.!　　 !　　　　　　　　　　ﾞ'-、　　　　 !　　　　　 .i、　　　　!!　　　　　　　　　　/ ./ 　　　.／
、　　　 .!　　ｌ　　　　　　　　　　　＼　　　　　 l　　　　　 .|.ｌ　　　　.l!　　　　　　　 / ./ 　　　/ 　　　.,ν
`'ﾐ～､,,_..ｌ　　ヽ　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　.ｌ.　　　　　! .ｌ　　　　!　　　　　　 / /　　　/ 　　／ ,i′
　　｀'ii、゛　　　＼　　　　　　　　　　　 !　　　　　.ヽ　　　　!　.ｌ　　　 !　　　　　　　　/ / 　　 ,i′,／゛　/
　　　｀'- ..,,　　　　＼　　　　　　　　　　　　ｌ,　　　　　 .ヽ　　　!　 .!　　　　　　　　 / / 　　.ﾉ.／　　 .,/
　　　　　　｀''ｰ､、　　.＼　　　　　　　　ｌ　　　　　　..ｌ　　│　|　　　　　　　　　　 / /　　〃゛　 ...／゛　　　　 ,,-
　　　　　　　　　｀＼,　　.＼　　　　　　　ｌ　　　　　　ｌ,　　!　.!　　　　　　　 / /　　゛　 . ／　　　　　／
　　　　　　　　　　　　＼　　＼　　　　　　　　　ｌ　　　　　　..ｌ　 l　 |　　　　　　　 / ./　　　　／　　　　 /

260 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:57:01 ID:uiHBGRsI

二２４２．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　ブレスの直撃を受け、また一人の戦技使いが呆気なく命を落としてしまう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ウァイサン………
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ホノカ………

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今………そなたらの、とこ…ろへ………）
｀ﾞヽ､,_　　　　ｌ、
｀ ‐ _ `=ﾆ:;ｰ-､＼　　　　 . 　　 ,.-- ､.__,..､ _,rｰ､_,.r‐、
.､_　　　`ヽ,ヽ;;;ﾞｰﾐ＼　　　　 ,ハ　　　ﾞﾞ!ﾚﾞ　　　　ヽ　＿_ ﾄ､_ﾄｨ､
　 `''ｰ､_　　ﾞ=,､ｰ､;;ヽ＼　　　　 /　 ! ,　　　　　　　　､　ヽ≧_｀`;;;;ﾞ;;;;ヾ,　,ｨ
　　　　｀`ｰ､_　`≡;､ﾞヽ＼　　./'　　l l!　　＃＃＃　　 l!　、　rﾐ;､;;;;;;;;;;;;;;Y;;{,
　　　　　　｀ヽ、　`'ﾐ､ヾ`''''''ﾞ　　 l,ﾞ!　　;;;;;;;;;;;;;;;;; 　 l!'; i弌 |;;;ｌヾ､;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ､
　　　　　　　　　ヽ、　　　＼　　　ﾞ､　　　 _,,,,,,,_　　i!|!　ｿ　l;;;|｀`ぇ;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　　　　＼　　　ヽ　　　ヽ:..,.‐'ﾞ　　 `'ｰ､'_　　 |;;;辷ﾗﾞ;;;;;;;;;;;;∧　　ﾄﾞｻ……
.　　　 "三-_　　　　　＼　　ヽ　　 ,／　　　　　　　　`'ｰ､ .jﾉｱﾞ;;;;;;;;;;;:-'´ .|
. _,,､､､､､､,,__　　　　　　ヽ ,,,,,;;;ﾞ､.／　　　　　　　　　 ,/／`'''''ｰ'''" 　 ,.､.ヽ
´　　　　　｀`'ｰ､_　　　　　ヽ;;;;;;;ノ　.　　＃　　 l　　-;≦ "　　　　　 ,r'　ヽヽ
　　　　　　　　　,,,、｀ヽ、　　`,i,／　.い　　　　　ﾘ　　;≦''　　　　　 /　　ﾞ､::',
　　　　　　　　　　``i;､ヽ、　/ﾞ　 . ﾞ､::i　　　..::::/　_,;'"　　　　　　　 ./　　　 . :!:::ｌ
　＃＃　　　　　 `ﾐl;、ヽヾ、　　ﾞ､::::::::::::::;/　;〃..　　　　 ......:::::::|　　. . : : :|:::|
　　　　　　　　　　　　　`ﾐ、:ﾞ､:::|　 ...:::|:::::::::::;/ ...r',/::::.............:::::::::::::::::::ｌ : : : : : : |::::|
　　　　　　　　　　　...........::ﾞl､:::V:.::::::::::ｌ::::::::;/::::::':/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', : : : : : :ｌ::::|

261 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:58:01 ID:uiHBGRsI

二２４３．
――――――――――――――――――――――――――――――
　　気心の知れた仲間ならば、
　　少なくともあらかじめ打ち合わせをしていたならば
　　離脱を援護できたかも知れないのに。

　　先の戦士の攻撃が、捨て身の陽動だと気付くことが出来たなら
　　間に合ったかも知れないのに。
――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　 , '::::::::〃:::::::::::.i::::::::ヽヽ:ヽ ::::::､::::::::::::::::':::､､,__
　　　　　_ｨ:::::::::〃::::::::::::l!::!:::::::::::＼ヽヽ:::::ヽ:::::::::::::::::::t=ｰ-.
　　　 _ｨｼ='7:::〃::::ｨ''|!i:::!i::,::::::､::::::ヽ::::::':,',､;,:::::::::::::::::::::ﾝｯy､,_
　　´"　　/::::::/:::/,.-ｬj:::l 'i!';::::i＼::::ヽ:::::::',',',i!::::::::::::::f"''''＝=-''
　　　　,.ｼｨ::::::::ｿ !. (::)ﾘ!　ﾍ',:::l,,､ﾇ;:::ヽ::::::',',',':::::::::::::::',
　　　〃ｼi::::::::ｌ　｀""゛　　` 'ﾘ (:::)ﾔ､:ヽ:::!:','::::::::::::::::',
　　　 '　'　.ｌ::::::::l　　　　　　ヾ'''''" Y:::::::::::::!::::::::::::::::',
　　　　　　i::/ｌ::::!　　　ヽ　、　　　　ｌ:::::::::::::::'::::::::ｯ::::::',
　　　　 l/　!:::'､　ｧ､.　　　　　　　 !:::::::::::::::::ｫ:::::!';::::::',
.　　　　 ,!. 　|/ ';､. ヾﾐ.`j 　　　 ,イ::ｧ:::::::::::::::i '､::',ﾔ::::､　　　　　「くうっ………！」
　　　　　　　　" . ';ヽ　　　　　,､y'´ /ｼｌ::::::ヽ:::::ｌ　ヾ;　゛丶
　　　　　　　　　　'|!`=tｰ:::'"／　 /'　ﾊ::;::::il!';::!
.　　　　　　　　　　　　'i::: '　　　　　　　ﾘｿヽ'ﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　!'i　　　j　　　　 ~ヽ
　　　　　　　　　　　　　　ﾘ､　／　 ―ー '''"""f,
　　　　　　　　　　　　　 / _冫'''~ 　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　／ ´　　 ,､　　　　￣~ ヽ　 'i
　　　　　　　　　　　l!~　　　　/　　　　　　　　ヽ.　!
　　　　　　　　　　　ｿ. 　　　/　　ﾝ　　　　　､　',　l
　　　　　　　　　　 /　　　 /　　 / 　　　　　',　', 'i
　　　　　　　　　　/　　　 '　　 / 　　　　　　 i.　', ｌ

――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　エルは戦力の喪失以上に、自分の不甲斐なさに歯がみせざるを得なかった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

262 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 21:59:02 ID:uiHBGRsI

二２４４．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　一方、フラックも忌々しそうに鼻を鳴らしていた。

　　高速治癒を持つ魔竜の躯は
　　刀傷や魔法を受けての損傷であればしばらくの後に回復出来る。

　　しかし異物が残る弓矢の攻撃はその限りでなく、
　　その上強力な毒が塗られているとあって
　　誰かに矢を抜いて貰わなければ左目の機能が失われたままだと分かったのだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　＿_ィ y~フ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.ー~: : _.ー＾＾: :: .／ヽ : :）
..ﾞ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r: :: :: :: :ｒ :＼: :: φ: :: :: ::＼　　　　　―――………チッ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜ｗｗｗｗｗｗｗwヽ: :: :: 　　）　　　　　　　　　毒付きですか―――
.ﾞ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　　　　　　~￣＼　＿＿‘ｗ｜ヽ　　｜
..../|　　　　　　　　　　　　　　　　／ /　　　　　　　　　ｗ/:::::::／ｗ.／￣~/　|
...ﾞ/　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　　　　　　　　ＷWWWＷ／　_ ／　　|
ﾞ;;;;|　　　　　　　　　　　　　　　,′,′　　ハ　　　　　　＼二二／／~!~　　　/
.;;;/|　　　　　　　　　　　　　　/ /:　　　_=|;＼ヽ　　　　i　　　　　　i　　／
　 /　　　　　　　　　　　　　./ /::/⌒ー＾丶、　＼~＾ー,'　　　ν　　　|/　＼＼
;＼/`|　　　　　　　　 .　　 / /::/:;:;;　　　＿　＼　｜／　　　ν　　　 /＼　＼＼
.　＼/　　　　　　　　　　 ./ /::/　　:;:;;/∧　＼＿_）ヽ　　　ν　　　　/＼ ⌒＾＾＼＼
_;::＼＼/~｜　　　　　＿./ /::/ :;:　　|/::::＼＿＿ｙ　ゝ　　ξ　　　／:::::::::::ヽ　　　＼＼
ﾞ:: :: :＼＼/＿　　／~　/ /::/　 :;:;;;:/::::::::::::::::::＼　　　　　　　 .／／⌒＼:::::ヽ　　 : :ヽ. ＼
ﾞ:: :: :＼＼/＿　　／~　/ /::/　 :;:;;;:/::::::::::::::::::＼　　　　　　　 .／／⌒＼:::::ヽ　　 : :ヽ. ＼
.ﾞ:;:;;　:;:~ーー―‘　:;:;:;:/ /::/　:;:　/:::／`ー=_.／: : : : : : : : : :／　＼　　　＼:::::ヽ　: : .ヽ＼＼
_:;:;　 :　:;:;　　::　　　 / /::/　 :;　/／;;;/　::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　＼　　　＼::ヽ: :　　ヽ::＼＼
　　　 :　:;:　　:: :　　/ /::/:;:;　　/;;;;;;;;/:::::::::::::::::::::::::::::::::::/＼　　　　　｜　　　　＼ヽ　: : ::ヽ:::＼＼
ﾞ=_￣`￣`￣`￣`/ /::/　　 : :/;;;;;;／:;:;:;:;:;;::;::;:;;:;::;:;;;::／　　|＼＿＿＿|　　　　　　ヽ　: : :　＼:::::＼＼
.　ー=_＿＿＿_　＼＼　　　/;;;;;/:;:;:;:;:;;::;::;:;;:;::;:;;:;:;／　　　＼　　　（　　　　　　　　　ヽ;: ::;　　＼:::::::＼＼
　　　　　　　　　 / / | ＼;;;;/~￣~‘～～￣　　　　　　　.）　　,‐_ヽ　　　　　　　　＼　　　　＼:::::::/ /
.　　　　　　　〆⌒〆⌒　⌒＼　　　　　　　　　　　　　　　<＿＿ゝ　ゝゝ　　　　　　　（＿　　　/　＼　ヽ
　　　　　　 ‘=＿=＿=__|⌒`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー-（＼　（＾＼＾＼


	264 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:00:10 ID:P0VSB/Ec 抜けないのかぶきっちょだなｗ

263 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:00:02 ID:uiHBGRsI

二２４５．
――――――――――――――――――――――――――――
　　そこへなだれ込んできたのは、第一王女シーマの魔導師隊と
　　第一王子アナベルの騎士隊。
――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　ヽ､ _,,,,..............,,,,__
　　　　　　 _. -‐=､'}　ヾ,　　　　　　｀' ､
　　　　　. ‐''´￣｀' ｀'　　l彡-　　　　　　ヽ
　　　　'´ﾌ´／　　'"｀ヽ　}'⌒　　　　　　　ヽ
　　　　ノ　/ 　 ,.‐''ｿ /"ry⌒ヽ,　､　　　　　',
　　　 ´7 ﾉ / /　,.ｲ. |　|::::::::::::::ヽ, li　　　　　 |
　　　　´7. |　|　ト-i､|　|::::::::::::::__;ゝ}ﾐ､　　　|
　　　　　ﾚl　|　|ｬｰr,､ヽ|'vｯ＝'-ry:|　:レヽ　　 |　　　　　「星の屑作戦！？
　　　　　　`'ﾄ､.ﾄ｀'ｰ'^ .i::.､^'ｰ-‐'ﾞ:::|　:|'ｱ |　　 |　　　　町中に隕石を撃ち込めってのかい！
　　　　　 | :::| 　　　j::::. ｀　　:::::|　::|_ノ: 　　|
　.　　　　　 | :::::l. 　ヽ-　　　　::::::|　:::|;:: : .　　 |　　　　　父上は正気か！」
　　　　　　 | ;:::::|i:､　 ''━ｰ' 　.::イ|　 :::|;:l : : . 　 |
　　　　　　|　;:::::l「l^' ､.＿... -''´__,|　 ::::|;:l : : :　　|
　　　　　| : ;::::||:|::ﾖ＝､｀'Y´,..＝| li ;::::|;:l : : :　　|
　　　　ﾉ : li:::||ﾉヲ''＝} :∥:}＝'| |　;::::|;:l : : ::.　｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l i! ﾚl　　　.-''´ 　　_. -‐'' "´￣｀`''‐- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ll　 |　　　　 _.. -''´_. -‐''"´￣｀¨''ｰ-く_｀く.　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 l l! /　　 _.-く_r-'"´、 l　〃　_=''"´｀::::::.ヽﾉV 　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! l/ . ＜｀ｰく丿-＝､ヽl 《､=ラiｯ―､_..:::::::ヽハ　　 r┴…
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l l.ｲ　　｀‐､_｀ヽ_,-ｩヽlニ､｀ - ニﾆ-‐..::::::::.lレl　 └r┐ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:　　　　.l　 {､｀ニ^l ::::.　　　　　 ..:ミ::::::::{　|　 .r┴'　|
　　　　　　　　　　　　「他にどうしろと言うのだ、シーマ！　　　　 i:　　　　.l　::l　　 l :::::::.　　　　 ..:.:ミ:::::::lレl　└r┐.l
　　　　　　　　　　大局を見据えよ！」　　　　　　　　 .　　　　　 i:　　　　.l ::::'､　ﾉ:::::;;;;;:.　　　　..:..:::::::::l{　|　 r┴'　L-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　.l ::::::､｀ｰ'´'"　＿　､　..:::::::::lL｣l　 `┬‐'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　　 l :::::;;;､　ヽr''_´. -‐ﾍ.`､:::::::::〃　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　 /::::::;;;;;ﾊ　 `l　, --‐‐〉:l::::／　　　 L__.-‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、/;;;;;;;;;;/;;;;}＿_ﾋ'ニ二ﾝ..:／　　　　／く_..-‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　//`r…==r'´　　　　／ﾍ／

265 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:01:01 ID:uiHBGRsI

二２４６．
――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　そもそも、最終作戦が発動していると聞かされたところで
　　隕石を呼ぶには二名か三名の大魔導師による儀式が必要であり、
　　誘い込む場所や時間を打ち合わせる必要がある。

　　前提すら満たせず好き放題言ってくれるね、と兄を睨め付けたシーマは
　　同時に陽光の魔法を打ち上げて視界を確保し、
――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　,．-‐─ ─- ､
　　　　　　　　 ,r'"´ 　,r'´￣`ヾヽ｀ヽ､
　　　　　　　　　　/　　 ,ィ二三二ヽヽV!　＼
　　　　　　　　 /　 ,ィ⌒二ﾆ､_ヾ/　 jﾘ,．-‐＼
　　　　　　 /　,// ,イ　　　V　　 ,､--､r､,　ﾞi
　　　　　　　　/　,//　l ﾉ　　 ,fｨイ￣　　　ﾘjﾉﾉﾉ
　　　　　　　,/　,ｨr〈　ﾘ ,ｲ_,ｲ」j/ﾘ,,　 ,,､､ｨｲﾉソ′
　　　　　　 / ／　Uj　　}ﾘ,!ｰt;;ｧﾐ:j　t'ﾃｧｨｲ{　　　　　　　　　　　　「そう言う事は
　　　　　 ,/'´　,ｲ　|　　 l |´｀" ´ .:::; ｀"´ ,'爪　　　　　　　　　　　　少しでも足止めできてから言うんだね！
　　　　　/　　// /l　　l | |　　　 .:.::; ' 　 /　| ﾄ､
　　　　,ｲ　／／　| 　 | | ﾄ､　　- ｰ‐　/L_」」__ﾄ､　＿　　　　　　　　サン・ライト！」
　　／/, ｲ,／　　ﾉ　　j | |　＼ ´￣ ,.ｲ{￣＼￣￣　_ ｀ヽ
　'"´￣￣ﾉ　　＼|,ｲ|　l | |,ｨ^ヽ｀ｰ‐'ﾞヾi!　　＼　　ヾヽ　＼
　￣＼／/!　　＼| | |　ﾘ/　　ｰ=氷=‐　|　　　　＼　　! |　　＼
　　　 V | 　　＼| | |　ﾄ､｀二＞〉j〈二ﾊ　　　／　 | ﾄ､
　　　　ﾄｲ二三二!,j |　|　＼二ﾆ!ﾆ　//ﾄ､￣｀`ー┐ | | i　 ,ｲ
　　　　 |　＼　弋ｲ | |　|　　ヾ｀`Y´,// j　＼　　　 |　jﾘ/ ,/ |

　　　　　　　　　　　 _,, -― ''￣￣/￣` ヽ、
　　　　　　　　　 _,, ー-- 、　　　ノ　　　　ヽ、
　　　　　　 ,, r '"　￣ヽ　＼､／＿＿__　　　 >＼
.　　　　　　／／,　　- 、　ヽ　　￣　　　　￣`＜__　＼
.　　　　　/　/ /　　　　Y　　＼　　　　　　　　　　　`ヽ＼
.　　　　 /　/ ll|　　　 /　　　　＼　　　　r―--、　 `＼_
.　　　 /.／　 l　　　ノ　　　　　＼　　　　`ヽ、__＞　　 !
..　　　/　　　　`ー‐"　　　　　　　＿＿＿＿　　　　　　　　ヽ
.　　　レ‐､　　　　　　　　　／￣￣＿＿＿　￣￣`ヽ、　　　ヽ
...　　　Lr入　　　　　　／　／￣　　　　￣ `ー---`―- ､　ヽ
...　　　/:|::l;;＼＿＿＿.／　.／　　　　　　　　　　　　　､　イ＼ l
.　　 /::/::l::|::`ヽ＿＿_,, -"　　　　　　　　　　　　 ,,r‐=、　l　rー┘
　　 /::/:::/::|:::::|l:::::l:::|　　、　　　 U 　　　　／;;;;;;;;;/　／"　　　　　「兄上！姉上！
　／::/:::/::::|:::::|:|::::|::|　　　ゝ　　　　　　　　　　|`l;;;;;／／　　　　　　お気をつけ下さい、奴はただの邪竜ではない！」
./::/:/::/:::::/::::l:l:::::l:::|　　　　＼　　　　　　　､`ｰ"　/
ﾞ::/:/::/::／:::://::::|::::|　　　　 `ヽ、　　　u.　　　　 /
...::/::/::/:/::::l/:: :/::::|＝=-ゝ、　　　　　　　　　　/
ﾞ:/::/／:/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、＿_ ,rー―‐ "
...::/::::::/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　ヽ-、
／:::／:::::/::::/:::／_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼Y`/

266 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:02:05 ID:uiHBGRsI

二２４７．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　あたしらが来たからには好きにさせないよ、と
　　大魔導師と魔導師の混成部隊に敵の機動力を奪うよう指示を出した。
――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　 ,､‐ ' '‐ ､_
　　　　　　　 fゝ 'ﾞ　　　 '.　　｀'ヽ
　　　　　　 /i　　　　　　'.　　　ヽ
　　　　　 !{､　　　　　　 ;　　　　i
　　　　　　　l '､n　 ;　　　　　　 ;　 l
　　　　　　 '　} l:. i　　　　　 ;　 !
　　　　　　　 iﾞi :.i　: .　 :　　　i.　 !　　　　　　「テトラ隊！
　　　　　　　 !i　:i　: .　: . .　　i .　l　　　　　　対消滅に注意しつつ翼の皮膜を狙いな！」
　　　　　　　　 i.i　.i　: : . : : : . .　i: . !
.　　　　　　　　i,'　.i . : : : ; : : : : . .', :l
　　　r- ､_,..､-i'　. i　. : : :, ; : : : : :.',: l
　 r''ﾞ､ .　. ｀'.ｿ　. i.: . : : : i ; : : : : : :, :l‐､
.　l､ . . .' .- /　 . i: . : : : : i ; : : : : : :i: .ﾄ､ヽ
　l　 . . . . ./　 . :i: ; : : : : :i ; : : : : : : i :l . ｀l

　　　　　　　　 ,．=三三三三: ＼
　　　　　　　　　／三三三三三三三ヽ
.　　　　　　　 //三三三三三三三三:ヽ＼、
　　　　　　　 //三三三三三三三三三:ヾ三ﾄ､
　　　　　　　ﾊ三三三三三三三三三三三三:ヾ:､
　　　　　　ﾊ三三三三三三三三三三三三三ﾂﾘ
　　　　　 i三三三三三三三三三三三三三/:/
　　　　　 |:三三三三三三三三三三三三:/:/
　　　　　 !:三三三三三三三三三三三:／:/
　　　　　　,!三三三三三三三三三三;:< :三{
　　　　　 /ｌ:三三三三三三三三:／　 / 三!
　　　　　ﾊ三三三三三i三三三/　　ｧ' :三:!
　　　　ﾊ三三l!三三三l!三三ﾊ＞- ' :三:シ　　　　　　「了解です！」
　　　 //:三://l:三三三:!l三三三ヾ/三／
　　　ﾊ三三/::i!:三三三:､ヾ三三三l三{
　　 .ﾊ三三'三!三三三ヾヽ:＼三三ﾄ､:i
　　ﾊ:三:/:三三三三三:＼ヾﾐ､三三｀ヽ
. 　ﾊ三:/:三三三三三三:｀ヽヾﾄ､＼三/
　　ﾊ三/:三三三三三三三三三三:∨{:i

267 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:03:01 ID:uiHBGRsI

二２４８．

　　　　　　　　　　　　　　_冖___
　　　　　　　　　　　　／　| |　　ヽ
　　　　　　　　　　　/　　　| |　　　ヽ
　　　　　　　　　　　|　　　　　　　└|
　　　　　　　　　　　(　ニニニニニ　ｌ
　　　　　　　　　　　〕ｌｌ-‐‐i i‐‐--ｌ〔
　　　　　　　　　　（　ヽ .,,,,ｌｌ,,,..　/　）　　　　　　　　　「よぉし！
　　　　　　　　／￣ト､　ヽ　　,'　 /--､　　　　　　　　待ちに待ったテトラ隊が来たぞ！
　　　　　　　/　　 ,'|　i＼(0)只(0)/／￣｀ヽ､
　　　　　　　|__／　|　ﾍ＿＿／　 |　　　　　ヽ､　　　　これで勝つる！」
　　　　　　　|＼＿|　　　,'　　　　　|＼　　　　　ヽ
　　　　　　　|　　　|　　　i　　　　　ﾍ　＼―----'ﾞ
　　　　　　　|　　　|　　　|　　　　　　＼|　　　　　|
　　　　　　 |￣￣ﾍ￣　´｀''‐‐----,'　　ﾍ　　　　 |
　　　　　　|　　　　|ヽ　　　　　　　　　　ヽ　＿＿--i
　　　　　　〈　へへｌ/___,----､　　　　　　ﾍ´___　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　/￣￣＼＼
　　　　　　　　　　　／　　　　　ヽ　ヽ､
　　　　　　　　　　 |､　　　　　　　ﾞi ﾞiﾍ
　　　　　　　　　　〔＼｀'‐-　　　　└'　i
　　　　　　　　　　|∩　＼＿　　　　＿|
　　　　　　　　　　|∪＼　|´｀''''''''''''''''''''i|
　　　　　　　　　/　|||/ 　｀''''''´´￣ｌ「'''/
　　　　　　　　　|　　　　　　　　　,-ｌｌｌ
　　　　　　　　　＼iiiiiiiii　　　/／／　ヽ___　　　　　　　　　「シーマ様！アナベル様！」
　　　　　　　　／ﾍ｀'''''ヽ　　　　　ｪｭ丿＼　ヽ
　　　　／￣|::::::::::＼　　＼__(⊃-‐‐⊂)‐ﾞi::::ヽﾉ
　　　/　　　 |::::::::::::::ﾞi　　　｀'‐‐‐‐'´　　　ﾍ::::ﾍ
　　/　　　／::::::::::::::::::|　　　　　　ヽ　　　　ﾍ::::::/ﾍ
　　|　　／―--､::::::::::|　　　　　　　ヽ　　　　ﾍ/　ﾍ
　　|　/　　　　　ﾍ::::::::/　　　　　　　∧___----|　　ﾍ
　　ｌ/　　　　　　/／　ﾞi　　　　,,-‐‐'　　　　　/―''''〈
　　└―--､,-‐ｌ|　　　　　,--‐'＿　　　　　 |／￣　ﾞi


	268 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:03:29 ID:yjDw79/Y やめろ、フラグを立てるんじゃねえｗ 269 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:03:59 ID:ROqanQjA ごれは…

270 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:04:01 ID:uiHBGRsI

二２４９．
―――――――――――――――――――――――――
　　だが、邪竜は援軍の到着で士気を取り戻す人間達を
　　打ちのめすかのように吼えた。
―――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　/　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　／
　　　　　　 lｰ ''''"￣￣"　　￣￣｀'､　　　　　　 lｰ ''''"￣￣"　　￣￣｀'､
　　　　　　∠,,､ -z　　　 ,r――― ''"　　　　　　∠,,､ -z　　　 ,r――― ''"
　　　　　　､ '"´,､ィ　　 /　　　　　　　　　　　　　､ '"´,､ィ　 /
　　　　､ '" ,､ '":ﾂ　 /　　　　　 |＾l　　　　　､ '" ,､ '":ﾂ　 /　　　　　 |＾l
　､-'　,､ '´ 　　/　　/ 　　 /'''',,,," 彡　､-'　,､ '´　　/　　/ 　　 /'''',,,," 彡
　 | ,､ '´　　　 /　　/......／...｀ﾞ＾ _,| │　 | ,､ '´　　　 /　　/　　　｀ﾞ＾ _,| │　　　　　　　　　　　　 |＾l
　 '´　　　　　/ ／l/ﾞ､ｲ /´..　,／,_　|　　　'´　　　　/ ／l/　　　 |..,／,_　|　　　　 ;‐i　　　　　　　 /'''',,,," 彡
　　　　　　 /／..,､/〉´､／..ﾞl＿,'" | .|　　　 lﾆ　ﾆ/／　　　　　　 l＿,'" | .|　　　　lﾆ　ﾆl　　 ;‐i　　｀ﾞ＾ _,| │
.　　　　　　　 r'/〉丶7´ 　　　 {_,lﾞ　　　 .〈/!_|　　　　 lﾆ　ﾆl...,〈!:: :: . {_,lﾞ　　 .〈/!_|　　 lﾆ　ﾆl　　.,／,_　|
.　　　　　　 _ﾔ./〉｀ｰｧr-､,､_　,'ヽ:: :ﾞ､　　　　　　 ,. -'"`‐〈/!_|.'ﾞ'　|:: :: ::' 　　　　　　　〈/!_| 　 .l＿,'" | .|
.　　　　　ﾄ`〈>ｨ<'"ヽヽ_ヽヽﾆl:: ヾ‐=ﾞ｀ヽyﾄ､／/|　　　　 ,.､,ヽl　|:: :: ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {_,lﾞ
.　　　　　 X｀ヽｨ-ﾞ,二ﾆ-‐'"ヽ.〉､〈｀ヽ.､::ゝﾉ:｀l､:: l_,､　／:: ::l`､　|:: :: '
.　　　　　ﾄ､＿＞-､_:: :: _／ヽ.〈):: :: >):: ヽ jヽ'":: !'":: :: :::l:: :l　!:: ::l
　　　　　　　　ゝ､_:: _,..-‐'"´:: :: :: :i.{ﾒ:: /:: :: }:: l:: ヽ:: !:: :: :: /:: :: :V:: ::,'　　　―――魔法使いが来てしまいましたか。
..´ヽ_　,./ｨ‐ﾄｲ￣イ´＿＿,...:: -‐'　ﾉﾄ!/ヽ:: :: l j:: :: / ﾄ.:: :: /:: :: :: :j:: ::,'
ﾞ: :: ヽ` ﾞ／´:: ヽ､´:: :: :: :: _,...　-ｧ':: <ﾆﾆヽ､rﾆ....__.,.ｨ-イヽ:: :: :: ::l:: :'　　　　　　　　ここで遊ぶのも潮時ですね―――
_: :: ::ヽ　ヽ:: :: :: :: ヽ､.-‐'"´ 　 /_.ヽ､ヽﾞ.:: ~,_,.Ю"´:: :: ｀:: ;l､:: :: :l:: .'
_: :: :: :ヽヽ:: :: :: :: :: ::ﾞl　　　 /:: ::ヽ`‐-'jﾉ'":: :: :: : _,..ｨ-ｧｫｬ､!:: :: !:: {
.　:: :: :: :ヽﾞ､:: :: :: :: :: ﾞl　　/､,､:: ::ﾄ､ ,j:: _,.／7ﾔlﾒﾙ'｀'｀ﾞ´´>':: : |:: ::ﾞl
...ﾞヽ､:: :: :: ヽﾔ:: :: :: :: : ｌ　/ﾒﾔl--､|' ヽｲi |　/: `'ヽ　　メ´:: :: :: l_:: :/
......　＼:: :: :: ヽ､:: :: :: :: ::V　　　　　　 j　　l/ゝ,　ﾞ. ヽ'"/!/:: ::､:: :､`ﾉ
.　　　＼:: :: ::ヾ､:: :: :: :: ヽ　　　　　　ヽ　ﾞl そﾞl　l. | /ﾉﾄ. ,ｨ. ヽ /ﾞ､ｰヽ
.　　　　ヽ:: :: :: ＼:: :: :: ::｀､　　　　　　ｌ　〉ﾈ　l 　l/　　 l_! |_,l_ヽ :|..ｲ､|
.　　　　　ﾞl:: :: :: :: ::j:: :: :: :: :ヽ.　　　　　| |ｷ',　/ﾞｲ!　　　ﾞV　￣V
.　　　　　ヽ.:: :: :: ::ﾉ:: ,:: :: :ヽ l　　　　ヽ､ﾒｲwｨﾔ
　　　　　　　　＼:: :/:: 〈:: :: :: lヽﾒ　　　　　｀~ ¨´
.　　　　　　　　コ､:: :l:: ,､:: ::|:: fヽ
.　　　　　　　　 /　j:: ::| / ヽ l:: ::|　|
.　　　　　　　　 |/ﾄ-.ｨ､_ﾞ. l/ｨﾄ--､ |
.　　　　　　　　 ´　　　　 V　　　ヽ!


	271 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:04:48 ID:uWmaONW6 あれ、ひくのか？ 274 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:06:31 ID:RFMqLdos けど最後に特大の攻撃を一発落としてから撤退しそうだよな

272 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:05:03 ID:uiHBGRsI

二２５０．

　　　　　　　　 ,．=三三三三: ＼
　　　　　　　　　／三三三三三三三ヽ
.　　　　　　　 //三三三三三三三三:ヽ＼、
　　　　　　　 //三三三三三三三三三:ヾ三ﾄ､
　　　　　　　ﾊ三三三三三三三三三三三三:ヾ:､
　　　　　　ﾊ三三三三三三三三三三三三三ﾂﾘ
　　　　　 i三三三三三三三三三三三三三/:/
　　　　　 |:三三三三三三三三三三三三:/:/
　　　　　 !:三三三三三三三三三三三:／:/
　　　　　　,!三三三三三三三三三三;:< :三{
　　　　　 /ｌ:三三三三三三三三:／　 / 三!　　　　　「うわあっ！」
　　　　　ﾊ三三三三三i三三三/　u. ｧ' :三:!
　　　　ﾊ三三l!三三三l!三三ﾊ＞- ' :三:シ
　　 .；//:三://l:三三三:!l三三三ヾ/三／；
　　；ﾊ三三/::i!:三三三:､ヾ三三三l三{ ；
..　；.ﾊ三三'三!三三三ヾヽ:＼三三ﾄ､:i；
..　；ﾊ:三:/:三三三三三:＼ヾﾐ､三三｀ヽ；
.　；ﾊ三:/:三三三三三三:｀ヽヾﾄ､＼三/；　ﾌﾞﾙｯ
　；ﾊ三/:三三三三三三三三三三:∨{:i ；

　　　　　　　　　　　　　,．-‐─ ─- ､
　　　　　　　　 ,r'"´ 　,r'´￣`ヾヽ｀ヽ､
　　　　　　　　　　/　　 ,ィ二三二ヽヽV!　＼
　　　　　　　　 /　 ,ィ⌒二ﾆ､_ヾ/　 jﾘ,．-‐＼
　　　　　　 /　,// ,イ　　　V　　 ,､--､r､,　ﾞi
　　　　　　　　/　,//　l ﾉ　　 ,fｨイ￣　　　ﾘjﾉﾉﾉ
　　　　　　　,/　,ｨr〈　ﾘ ,ｲ_,ｲ」j/ﾘ,,　 ,,､､ｨｲﾉソ′
　　　　　　 / ／　Uj　　}ﾘ,!ｰt;;ｧﾐ:j　t'ﾃｧｨｲ{
　　　　　 ,/'´　,ｲ　|　　 l |´｀" ´ .:::; ｀"´ ,'爪　　　　　　　　　　　「ちっ！
　　　　　/　　// /l　　l | |　u.　 .:.::; ' 　 /　| ﾄ､　　　　　　　　　　トカゲの威嚇なんかで………！
　　　　,ｲ　／／　| 　 | | ﾄ､　u.- ｰ‐　/L_」」__ﾄ､　＿
　　／/, ｲ,／　　ﾉ　　j | |　＼ ´￣ ,.ｲ{￣＼￣￣　_ ｀ヽ　　　　　お前達、無詠唱で………」
　'"´￣￣ﾉ　　＼|,ｲ|　l | |,ｨ^ヽ｀ｰ‐'ﾞヾi!　　＼　　ヾヽ　＼
　￣＼／/!　　＼| | |　ﾘ/　　ｰ=氷=‐　|　　　　＼　　! |　　＼
　　　 V | 　　＼| | |　ﾄ､｀二＞〉j〈二ﾊ　　　／　 | ﾄ､
　　　　ﾄｲ二三二!,j |　|　＼二ﾆ!ﾆ　//ﾄ､￣｀`ー┐ | | i　 ,ｲ
　　　　 |　＼　弋ｲ | |　|　　ヾ｀`Y´,// j　＼　　　 |　jﾘ/ ,/ |

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　これでは呪文の詠唱すら満足に行えない。

　　舌打ちするシーマは、威力は落ちるが無詠唱魔法の連射に切り替えようと考える。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

273 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:06:07 ID:uiHBGRsI

二２５１．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　しかし間に合わず、勢いよく飛び立った相手は馬鹿にするように彼らの上を旋回したあと、
　　ご丁寧に陽光の魔法まで叩き消してから
　　闇夜に溶け込むように飛び去ってしまうではないか。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ｨ'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ:ィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ:∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､ii ii／,ｲ:.:.:',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ /i:iゞ"イ:.:.:.:.:.:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:.:i':.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　tｪ､　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:く:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }:.:〉　　　　　　　　　　　　 /:.:/`ー- ,,,ﾆ=,,,..___}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_､､.}:.i　　　　　　　　　　　　　　/:.:.∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,へｬ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≦､:.:.:.:く　　　　　　　　　　　ゝ:.:.:,':.:ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､:.:.>､._　 ,ィｨ,_　　,.ィﾄ､__{:.:.:./:.:.:.ﾊ:.:.:.:.:.:.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ{､:.:}､〉i/:.l/:.｀''{:.:.:.:.:.:.:.:.:ｲ:.:.:.:.:.ﾊ:.:.:,ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {､/:.ii/:.:./_:.:.:.}-‐}'''''´:.犬:.:.:.:.:.ゝ}´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }:.:.:i//ｙ二ヽ〃ヽ:.::.:.:.:.:.＞''´
　―――地虫は地虫らしく　　　　　　　　　ﾞ{:.:.'::ｨ:.}'''}､.:.:.:.:.:/｀ヽ''´
　　　　　地面を這いずり回って　　　　　　　　ﾞV:://￣.:､.:.:.:.:{:.:.:.:＞
　　　　　追いかけてごらんなさい―――　　　ヽ{'､:.:.:=＝''、:.}:.:.:.i､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }:.:.:i　　　 >:.:.:.:{ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ:.:.ﾉ　　 {/'}:.i}:.:.:}ﾊ
　　　　　　　　　　＿＿_　　　　　　　　　　／:.:.:.:ﾞヽ　　{'　} iVi､:.:ﾊ
　　　　　　　　　　|＿_:|_|　　　　　　　　　　　ﾍ:.:.:く｀､i　　　　｀'　〉:.:ﾊ　　　　ﾊﾞｻｯ
　ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ| 　 | |ﾆﾆﾆ∧　　　　　　　　 ' .y　　　　　　　 ≦:.:.:.:.:.≧　　　　ﾊﾞｻｯ
/＿＿＿＿＿____.|＿_ﾚ＿__/ ∧　　　　　　　　　　　　　　　　 ≦ﾆ:.:.:.:.:.:ﾆ≧
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_/ 　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≦:.:.:.:.:.≧
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＿＿＿＿＿＿＿＿＿_/ 　 |_|_|　ゝ／$:::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::<＿＼ﾞi:.i
＿＿＿＿＿＿＿＿_／　　　￣　　＼/从##　　　　　　　l　　　〉＿＿_ ｙ'
　　　　　＿＿　　 :::|||　　　＿　　　|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ..|￣
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￣|＾|＿＿＿＿＿＿|||＿ﾆ=-=ﾆ￣　　　　　　＜)'´

275 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:08:01 ID:uiHBGRsI

二２５２．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　これには王女も驚いた。

　　こちらの攻撃を見越して逃げたことも、逃げやすいように明かりを消したことも、
　　敵対的な野生動物に出来るものではない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　 ,､‐ ' '‐ ､_
　　　　　　　 fゝ 'ﾞ　　　 '.　　｀'ヽ
　　　　　　 /i　　　　　　'.　　　ヽ
　　　　　 !{､　　　　　　 ;　　　　i
　　　　　　　l '､n　 ;　　　　　　 ;　 l
　　　　　　 '　} l:. i　　　　　 ;　 !
　　　　　　　 iﾞi :.i　: .　 :　　　i.　 !　　　　　「逃げた！？
　　　　　　　 !i　:i　: .　: . .　　i .　l　　　　　　………察したっていうのかい！？」
　　　　　　　　 i.i　.i　: : . : : : . .　i: . !
.　　　　　　　　i,'　.i . : : : ; : : : : . .', :l
　　　r- ､_,..､-i'　. i　. : : :, ; : : : : :.',: l
　 r''ﾞ､ .　. ｀'.ｿ　. i.: . : : : i ; : : : : : :, :l‐､
.　l､ . . .' .- /　 . i: . : : : : i ; : : : : : :i: .ﾄ､ヽ
　l　 . . . . ./　 . :i: ; : : : : :i ; : : : : : : i :l . ｀l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..r‐／　 _,.. ="'"　　ﾞ`‐-.､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/,/　　／"　 _,.. -―''"￣　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ　i,/_,...〃-―'"￣￣ﾞヽ￣￣｀ﾞ-:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ﾚ'ー''"　　　　　　　　　　 :i＿__　　　ﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　 !.　　 E二ﾞ＝=-､_.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;!　　　l　　　　　　　　ヽ.　 .!､￣ﾞー-ﾞヽ┤
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.j　　　 ! !　　　　　＿　ﾞ: 　＼　r‐==､,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ-､＿､!.;!__,._,.-=＜,_　　　　　　l　k'._,rl l__　　　　_,
　　　　　　　　　　　　　　　「くっ、またしても！　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ ''┴Y =　ﾞー┴'　　　　　　 l　l ,!　.!l!　ﾞ＜二~､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ￣ j　ヽ￣　　　　　　　　　l　l'　ノﾉ､　　　ヾ＼__
　　　　　　　　　　　　　　　追えっ！　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 !.　/　　　)　　　　　　　　　　l　ﾄ-'"ﾄ＼　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　発見したら他部隊の合流を待て！」　.　　ヽ〈_,.:､-: '　　　　　　　　　　 l ,!　　ヽ＼ﾞ　　　　ヾ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ:.　　r===,､　　　　　　　　, l !　　　ﾞヽ＼ヽ　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ,..　ﾄi＿__.）　　　　　　／ﾉﾘ:　　　　＼ヽ　　　　ヾヽﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ﾊ　｀＝‐'　　　　　.／　/ ;!　　　　　　ヽ＿＿＿＿＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘハ　￣　　　_,..r'"　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ----､''"　　　　　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼

276 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:09:01 ID:uiHBGRsI

二２５３．

　　　　　　　　　　　　＿／丶!　　　　　　ヾミヾ!　|
　　　　　　　　　　 | ||| ￣／｛　　　　　　_,.＞'"ﾐく
　　　　　　　　　　　 | |||.／　　 ,`ヽ､,,.-''"!　､　　｀丶､、
　　　　　　　　　　　　 l 》゛､　　 /　　 |　　　l　＼,.,=彡'云
　　　　　　　　　　　　　＼ヽﾐ､/　　　j| 　　 };彡ﾈ-‐''＾ヾr`
　　　　　　　　　　　　　　/＼/ﾐﾐﾐ:､ ,!|　　　Ｋ´　　　　　｀､
.　　　　 ,r～ｧ､. -‐ ￢"'　　｀ヾ､``ﾋ|____,,../7 .ゝ、　　　ヽ
　　　　 {|:　!{,,..、　　 !、　　 _／　`´ヒ三彳! .ゝ、＼.　　　｀、
　　　　　j}:　`i爻!''''"""￣￣　　　　　　　　!{_ ji爻ト､r`　　　　,!　　　　　__ 00
　　　　 !| 　j爻　　　　　　　　　　　　　　 !!　`=ｲ　｀丶､／　　　　　く,ﾆ ! 　　　[][]「l
　　　　　 Ⅳ"⌒:、　　　　　　　　　　　　　　``=''　　　　　　　　　　　　　くノ　　　　　くノ
　　　　　　ヽ､＿ｼ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／ー、_　 ∠|　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人从_/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　／／::::::::::::::∨ ／　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |::::::::::::::::／／　　　　　＜　　散開して索敵！！！　　＞
　　　　　　　　　　　 , ー、　　| |　 ∧／／　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　＿＿＿＿　／ /　/ ヽ　　｀￣／／　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^Y^
　　ヽ＿　　　　X ￣二￣ゝー、.／　　　　　　　　　　　　　／|
　　　　 ≧ーノ　＞ー＜ﾍ　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　／::::/
　　　／〉三/;;;;　 l |￣//　ヽ≦￣　　　　　　　　　＿　　　　 /:::::::/
　　 /　 ≦ｿ;;;;;;;;;　| l　//　　 ∨/ ＼　　　　　　　／ヽ　ヽ　＿ ∨≦　　　　　 _
　　〈＿;;;;;;/ ヽ;;;;　 l | // 　／∨ 　　}　　　　　　　l } } Y　 }ハ　 ∠ ヘ.　　　　 /:::7　_
　　( 〉;√;;;ヽ　}彡二二ミ/ミ}/ ｀ー´　　　　　／　/∧二二ヽ≦　ヽﾆ}.　　　 /::::/_r':::|　/￣|
　　　ヽ;;;;;;;;人ｲ;;;;/　　 / ヽ/　　　　　　　 ∠＿ /.l 、＼Y } |　/ヽノノ.　　 /:::::::::::::::::::|/::::::::|
　　　　≧彡／;;/　　 / ＿ヽ　　　　　　　　　　　{ミ彡　ヽハﾉ/ ∧.　　　　 ::::::::r-､:::::j |::::::::|
　　　 {ミ}／i;;;;;/＿_ /√三ミ}　　　　　　　　　　ﾍ　 Y　/彡三三}_.　　　　　::::::/─::::/ |:::::/_
　　　　　　/三三ミ/ 三三ミﾄ、　　　　　　　　　　 ≧彡∧彡〈　　;;;;ヽ. 　　 ::::/ヾ-::::|　|://:::|
　　　　 /三三ミ∧三三ミｊ;;;;ヽ　　　　　　　　　　　　{ﾍ}二ﾄヽ　;;;;ﾉ.　　　 _/　　|::::|.　 └┘
　　　　人三彡/　{｀￣´　;;;;;;|　　　　　　　　　　　　　 ∨三ﾐ}三 }　　　　　　 |::::|　　　　＿
.　　　 /　　　;;;;;;/　ヽ＿＿;:;:/　　　　　　　　　　　　　　 } 三ﾐ}ﾄ三ｊ　　　　 |:::::|　　 /| |:::::}　　 ,,-┐
　　　 | 　　;;;;;;/ 　　/－、　}　　　　　　　　　　　　　ﾍ￣´ ∨ﾐ/__ , －、　 |:::::」　　|:::| |::/_　　 |::::::|
　　　 ∨三ミ}./　　 /　　 };;;;;;}　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　／/　　{≦ l;;;;;}.　 |／　　 L:ﾉ　/:::|　　|::::::|
　　／三ﾐ}/　　　〉二{ー´　　　　　　　　　　　　　　　　 ≧//　　又ﾍ ={　　　　　　　　 |:::/　　|::::::|
　 ∧三三ﾐ{/　　　/三三 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　/|{ニ=ヽ_／ヽ.l弋.　　　　　　 |/　　 |:::::/
. /　　　;;;;;;;;}　　　ﾍ　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　 l∧ミ三} 　　 ||;;;;ｊ　　　　　　　　　　　 |:::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/,-┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣

―――――――――――――――――――――――――
　　アナベルの命令で行動可能な者、回復を受けた者が
　　その場から飛び出して行くのと入れ替わりに、
―――――――――――――――――――――――――

277 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:10:14 ID:uiHBGRsI

二２５４．
――――――――――――――――――――――――――――――
　　唇をわなわなと震わせるコウが戻ってきた。

　　恐怖ではない。
　　彼は目の前でデンドロビウム隊を焼かれた怒りに震えていたのだ。
――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　,　-―.―ｰ- ，
　　　　　 ,，´.::::. . . . . . . . ..:::..｀ヽ
　　　　 ./.; : : : : : : : : : : : : : : : : :.' ,
　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,'!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.，
　　　 ,'.::::::::::::::::i::!::::::/ i!,'ノﾘｿﾘｲ::::::::l
　　 ,ｲ|:::::::{千ﾍ! i,ﾙ'　ｨrｻｭ｀_　.}::〈.ｨﾊ
　　　 .!ﾘ!ヽ'ｨrﾀ｀ i　　　　　　　ｊ::::}　 }
　　　　　 {.´ 　　|　　　　　　　　iﾘ´ｲ　　　　　　　　「そんな悠長な事は言っていられません、兄上！
　　　　　　 '. 　　ヽ´　　　　　　　チ|
.　　　　　　　、.　､_, ‐-　　　　.　!ｲ　　　　　　　　　奴は一秒ごとに一人を殺しているような
.　　　　　　　　＼　　 ‐ 　　　,ｲ　ﾘ　　　　　　　ものなのですよ！？」
　　　　　　　　　 |＼　　 .／　　 |
.　　　　　　　　__」＿｀ー､´　　　　|､____
　　　　　　 i｀ー―--┬┬┬-==＝ﾆ｀i
. 　＿＿＿_」 .┌─┐.|. ∥ |　┌─┐ ト､,___
:::::::::::::::::::::::::::ゝ└─┘.|. ∥ |　└─┘_|:::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,ｨｬｲ!!.||　||　〃ﾙｯ;;,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 yｯヾ ii||| |||| | ﾚﾙｹﾚｿゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ｼ'　　　　　　　　　　　ﾏﾓｪ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i ﾖj　　　　　　 .　　　　　　i.ﾋﾆi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ﾖ}　　　　　 i　　　　　 { ﾓﾓi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋ {　rｰ-､,,,　　|　　_,,-ｰヘﾓﾓi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨﾔ{　　ﾆｴﾇ"'' ´｀.r'´ﾔｵﾆ　 }ｿﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i ^ﾘ　　　　　j　 | ﾔ　　　　　||^i !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「小隊規模で戦える相手でないのは　　　　　ヾ∥　　　　　 |　i.　　　　|| /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　身にしみているだろう！　　　　　　　　　　　　　.∥　　　　　 , l ,　　　　　 .||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ||ヽ　　　　＿＿　　　　　||ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　無駄死にに意味などないぞ！」　　　　　　　 ∥ ヽ　　　´ｰ─ ｀　　　'|| ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∥ 　|ヽ　　　¨¨ 　　　ｲ∥　ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　|　ヽ.　　　　／ |. |　　ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jkt　　ヽ＿＿／　　 |ti　　ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:;:;:;:;ヽ､　　　,,,, ｨ:;:;:;:;:;}　　　ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿}:;:;ミヽ｀iTi´ ﾒ　彡:;:;:;{＿　ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;:;:;:;ミ　ヽ-|-ｲ　彡:;:;:;:;ﾄ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;:;:;:;丶､＿|＿ノ:;:;:;:;:;:;:

―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　自分が最初に見つけたのなら待つことなど出来ない。
　　そう荒ぶる弟に、兄は多少の犠牲が出たとしても合流を待てと繰り返す。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

278 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:11:10 ID:uiHBGRsI

二２５５．
――――――――――――――――――――――――――
　　だが二人の主張、どちらが正しいかは分からない。

　　言うなれば、全てを救うと言う答を選べない状況下では
　　どちらも正解であり―――
――――――――――――――――――――――――――

　　,r'" ,i"　　　　　　　　　　,;;;;／　　　　　　　　　　 ~`ー､___ |
　,r'_,.....! 　　　　　　　　　 ;;;／　　＿＿＿＿　　　／　／　`ー---
　￣　 ,!＼　　　　　 __,,,,--''/"/~;:///,,,,---|/`iー-,-､,,,__,＿_,,,-‐'"
　　　　i　ヽ、　__,,,rit;;ﾐ､|/j//∠//r';,--,--､||ノﾉﾉ!;;;;;;;;;;|　　|
　　　　i_,-,,;;;`-;;";;;| ゞ-~'|/／..........'-ゞ='--‐' '　' '　!;;;;;;;;|　　|
　　　／i　 !;;;;;;;;;;;;;;|　　　丿^ 　　　　　　　　　　　　　!;;;;;;| 　 !　　　　　　　　「それでも僕は、この国の王子だ！
　／　i 　ヾ;;;;;;;;;;|　　,r'　　　　　　　　　　　　　　 ,〉--|　 ,!　　　,,;
／　　　 i　　ヾ;;;;;;;;|　　ゝ､、　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;!　i'　　　,;;;　　　　　民が死んでいくのを黙って
　　　　　i 　　ヾ;;;;;〉　　　,,,__..........,、、　　　　　　/;;;;;;;;!　i　　　,;;;;　　　　　　見過ごせるはずがないッ！」
　ヽ　　　i 　　ヾ;;;入　　ヽー―‐''`ヽ!　　　　　/;;;;;;;;;;i　i　　 ,;;;;;;!,
　ヽ　　　 i 　　ｙ　∧　　||　　　　　!　　　　／;;;;;;／ ,/　 ,,;;;;;;;;i;;
　ヽヽ　　　 i 　 / / 　ヽ　ゝ､...........'ノ　　／;;;;;／　／,,;;;;;;;;;;;;;;i;;;
　ヽヽ　　　　!/ /　　　ヽ　￣￣　／;;;;;／　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l i! ﾚl　　　.-''´ 　　_. -‐'' "´￣｀`''‐- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ll　 |　　　　 _.. -''´_. -‐''"´￣｀¨''ｰ-く_｀く.　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 l l! /　　 _.-く_r-'"´、 l　〃　_=''"´｀::::::.ヽﾉV 　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! l/ . ＜｀ｰく丿-＝､ヽl 《､=ラiｯ―､_..:::::::ヽハ　　 r┴…
　　　　　　　　　　「それは一人前の男の台詞だ！　　　　　　　　　l l.ｲ　　｀‐､_｀ヽ_,-ｩヽlニ､｀ - ニﾆ-‐..::::::::.lレl　 └r┐ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:　　　　.l　 {､｀ニ^l ::::.　　　　　 ..:ミ::::::::{　|　 .r┴'　|
　　　　　　　　　　王族として自分の身を守れぬ者に　　　　　　　 i:　　　　.l　::l　　 l :::::::.　　　　 ..:.:ミ:::::::lレl　└r┐.l
　　　　　　　　　　民を救えると思うな！」　　　　　　　　　　.　　　　　 i:　　　　.l ::::'､　ﾉ:::::;;;;;:.　　　　..:..:::::::::l{　|　 r┴'　L-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　.l ::::::､｀ｰ'´'"　＿　､　..:::::::::lL｣l　 `┬‐'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　　 l :::::;;;､　ヽr''_´. -‐ﾍ.`､:::::::::〃　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　 /::::::;;;;;ﾊ　 `l　, --‐‐〉:l::::／　　　 L__.-‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、/;;;;;;;;;;/;;;;}＿_ﾋ'ニ二ﾝ..:／　　　　／く_..-‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　//`r…==r'´　　　　／ﾍ／

――――――――――――――――――――――
　　―――どちらも不正解なのかも知れなかった。
――――――――――――――――――――――

279 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:12:14 ID:uiHBGRsI

二２５６．
―――――――――――――――――――――
　　相変わらずの兄と弟が言い争っている間に
　　最低限の分隊以外は全て散っている。
―――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　ヽ､ _,,,,..............,,,,__
　　　　　　 _. -‐=､'}　ヾ,　　　　　　｀' ､
　　　　　. ‐''´￣｀' ｀'　　l彡-　　　　　　ヽ
　　　　'´ﾌ´／　　'"｀ヽ　}'⌒　　　　　　　ヽ
　　　　ノ　/ 　 ,.‐''ｿ /"ry⌒ヽ,　､　　　　　',
　　　 ´7 ﾉ / /　,.ｲ. |　|::::::::::::::ヽ, li　　　　　 |
　　　　´7. |　|　ト-i､|　|::::::::::::::__;ゝ}ﾐ､　　　|
　　　　　ﾚl　|　|ｬｰr,､ヽ|'vｯ＝'-ry:|　:レヽ　　 |
　　　　　　`'ﾄ､.ﾄ｀'ｰ'^ .i::.､^'ｰ-‐'ﾞ:::|　:|'ｱ |　　 |　　　　　　「言い合ってる場合かい！？
　　　　　 | :::| 　　　j::::. ｀　　:::::|　::|_ノ: 　　|
　.　　　　　 | :::::l. 　ヽ-　　　　::::::|　:::|;:: : .　　 |　　　　　　他の連中はとっくに行っちまったよ！」
　　　　　　 | ;:::::|i:､　 ''━ｰ' 　.::イ|　 :::|;:l : : . 　 |
　　　　　　|　;:::::l「l^' ､.＿... -''´__,|　 ::::|;:l : : :　　|
　　　　　| : ;::::||:|::ﾖ＝､｀'Y´,..＝| li ;::::|;:l : : :　　|
　　　　ﾉ : li:::||ﾉヲ''＝} :∥:}＝'| |　;::::|;:l : : ::.　｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.::::::::::::::::::厶=-‐-.､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:.::::::::::::::::/.:::::::::::::::::|　ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::/.:::::::::::::::::::jこ jﾘ
　　　　　　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人　　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::/.:::::::::::::::::ィﾖ　{{
　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　　 l.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::..＜´　|主　}ﾄ､
　　　　　＜　　王族と、平民の、命の価値に　　＞　　　　　＼.:.:.:.:.:::::::::::::::::／　＼'｢｀ヽﾉﾘ.::',
　　　　　＜　　差などあるもんか！！！　　　　　＞　　　　　　　　 ` ー一'´￣　　　　　ヽｰ彡'.::::::＼
　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ.:.::::::::::::丶
　　　　　　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒W　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨.:::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨/.:::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V.::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈.:::::::::::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　￣￣￣ / .__　　　　　　　　　　　 Y.::::::::::::::入
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＿/￣/　 /／/ 7　　　　　　　　　　　　　｀ー=≦∨〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　匚　 ./i／i／　∧∧　,ヘ　　　　　　　　 }主}｀ヽ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　./　　　　　l /l / / ./　　　　　　ｊ主ｊ_ ,ﾉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　./　　　　　　　／.／　　　　　　　 /ー‐ヘ.ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　　　　　　　￣　　　　　　　　　　{ー‐彡'

――――――――――――――――――――――――――
　　いい加減におし、と横やりを入れられて我に返ったコウは
　　矢も楯もたまらずに飛び出して行き、
――――――――――――――――――――――――――

280 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:13:07 ID:uiHBGRsI

二２５７．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　その背に向けて王族には王族の、義務と責任があるのだと長兄は叫ぶ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　 __,.-='"￣￣￣＼ﾞー--､＿＿
　 _／　　 :.　　　　　　 /　　　　　　　ﾞー､＿
　＼　　　　:.　　　　　.（　　　　　　　　　./　＼
　　＼　　　:.　　　　　ﾞー――――-､j　　　/＼
　　　./＼　　:.　　　　　　　　　　　　　　ﾞi　　 l　　＼
　　./　／:.　 .:　　　　　　　　　　　　　　 i　__j＿＿〉､
　　i／　　::. ..:　　　　　　　　　　　　　　　.i. Lr-t　i　　ヽ
　_/　　　　i＼,.i　　　　　　＿_,.....::---､._j　 i二､　i.　　ﾞi
　!.　　　　f` 　.j　　　　　／.,r,ﾆ二　ヽ　i､!　 .r'"　ゝ,　 i!
　!.　　　　＼,f　　　　／::::,rF'‐"::::ﾞ::::ﾞi　i.ヽ　｀ｰ〔￣ﾞi.　i!　　　　　　　　　　　/|
　ヽ　　　　　　!:.　 .／:ｰ=::::~::::::ﾞ　　 ::::::i　i. l　　　l　　.l　.l　　　　　　＼_WＷ/ |WWWWWWWWWWWWWWWWWWW／
　└,rへ-､＿__｣／::::::ﾄ､　　　　　　　::::::l　ヽヽ　　.l　　l　.l　　　　　　≫　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≪
　　＼.ヾ　＼ヽ::::::::::::'ヽ:.　,:=.　　　　:::::j　/／　　.l　　!　 !　　　　　　≫　　コウ！くれぐれも暴走はするなよ！　　≪
　　　　＼ヾ.　＼:､.　　 :ﾞ:-'"_,r=-;､.　::/ ,/"　　　　L,.:┘ ,!　　　　　　≫　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≪
　　　　　　ヾ:...　　ヽ.　　ヾf'ﾞ,,;:=''," ./ /"　　　 ,r'"　　ｰ〈　　　　 ≫　　お前はお前に付き従う者の命を　　 .≪
　　　　　　　｀::::､　　＼.　　￣::='"／ /　　　　./　￣￣(　＼　　　　 .≫　　預かっている事を忘れるな！！　　　 ≪
　　　　　　　　　＼:.､　ﾞヽ:---='"-､┘　　　 /-=ｺ.　　ヽ　〉　　　　≫　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≪
　　　　　　　　　　　＼ｰ-‐r'"　　 i. i　＼　 ,/j'　E !　　_,r‐'"　　　　　／MMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMM､＼
　　　　　　　　　　　　ﾞ＼ i　　　　ヽヽ ,r'ｨ't_,.:'"　　／
　　　　　　　　　　　　　　.＼..:;､r‐;=＞'"　ヽ'　　,／
　　　　　　　　　　　　　　　,j　￣　 i!　　　　_／
　　　　　　　　　　　　　 r'"ﾞｰ-,...＿_｣､＿,.／

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　彼は思っているのだ。
　　王族が死ぬときは勝利の代償か、それ以上の対価を得られるときでなければならないと。

　　だからあの邪竜を斃せるのであれば、自分ごと隕石で撃ってくれて構わないと。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

281 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:14:02 ID:uiHBGRsI

二２５８．
―――――――――――――――――――――――――
　　その事について話すべく振り返ると、
　　恨めしそうに空を見上げる妹が気になる事を言った。
―――――――――――――――――――――――――　

　　　　　　　　　　 ,､‐ ' '‐ ､_
　　　　　　　 fゝ 'ﾞ　　　 '.　　｀'ヽ
　　　　　　 /i　　　　　　'.　　　ヽ
　　　　　 !{､　　　　　　 ;　　　　i
　　　　　　　l '､n　 ;　　　　　　 ;　 l
　　　　　　 '　} l:. i　　　　　 ;　 !
　　　　　　　 iﾞi :.i　: .　 :　　　i.　 !　　　　　　「なんなんだいあの邪竜は！
　　　　　　　 !i　:i　: .　: . .　　i .　l
　　　　　　　　 i.i　.i　: : . : : : . .　i: . !　　　　　　動物並みの知能だなんて
.　　　　　　　　i,'　.i . : : : ; : : : : . .', :l　　　　　　嘘っぱちも良いところだよ！」
　　　r- ､_,..､-i'　. i　. : : :, ; : : : : :.',: l
　 r''ﾞ､ .　. ｀'.ｿ　. i.: . : : : i ; : : : : : :, :l‐､
.　l､ . . .' .- /　 . i: . : : : : i ; : : : : : :i: .ﾄ､ヽ
　l　 . . . . ./　 . :i: ; : : : : :i ; : : : : : : i :l . ｀l

　　　　　　　　　　　　　 ,,ｨｬｲ!!.||　||　〃ﾙｯ;;,,
　　　　　　　　　　 yｯヾ ii||| |||| | ﾚﾙｹﾚｿゝ
　　　　　　　　　　 / ｼ'　　　　　　　　　　　ﾏﾓｪ
　　　　　　　　　　 i ﾖj　　　　　　 .　　　　　　i.ﾋﾆi
　　　　　　　　　　 | ﾖ}　　　　　 i　　　　　 { ﾓﾓi
　　　　　　　　　　ﾋ {　rｰ-､,,,　　|　　_,,-ｰヘﾓﾓi
　　　　　　　　　　ｨﾔ{　　ﾆｴﾇ"'' ´｀.r'´ﾔｵﾆ　 }ｿﾍ
　　　　　　　　　　i ^ﾘ　　　　　j　 | ﾔ　　　　　||^i !
　　　　　　　　　　ヾ∥　　　　　 |　i.　　　　|| /　　　　　　　「………知恵があると言うのか？
　　　　　　　　　　　.∥　　　　　 , l ,　　　　　 .||　　　　　　　　　伝承にある邪竜とは別物だと？」
　　　　　　　　　　 ||ヽ　　　　＿＿　　　　　||ゝ
　　　　　　　　　　　∥ ヽ　　　´ｰ─ ｀　　　'|| ｀ヽ
　　　　　　　　　　　∥ 　|ヽ　　　¨¨ 　　　ｲ∥　ヾ
　　　　　　　　　　　 |　　|　ヽ.　　　　／ |. |　　ヾ
　　　　　　　　　 jkt　　ヽ＿＿／　　 |ti　　ｿ
　　　　　　　　　　 {:;:;:;:;ヽ､　　　,,,, ｨ:;:;:;:;:;}　　　ｿ
　　　　　　　　　　＿}:;:;ミヽ｀iTi´ ﾒ　彡:;:;:;{＿　ｿ
　　　　　　　　　　　　;:;:;:;ミ　ヽ-|-ｲ　彡:;:;:;:;ﾄ￣
　　　　　　　　　　　;:;:;:;丶､＿|＿ノ:;:;:;:;:;:;:

282 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:15:01 ID:uiHBGRsI

二２５９．
―――――――――――――――――――――――――――――
　　だが、たとえあの邪竜が別物だとしてもやる事は決まっている。
　　何とか包囲、足止めして隕石で撃つほかにない。
―――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l i! ﾚl　　　.-''´ 　　_. -‐'' "´￣｀`''‐- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ll　 |　　　　 _.. -''´_. -‐''"´￣｀¨''ｰ-く_｀く.　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 l l! /　　 _.-く_r-'"´、 l　〃　_=''"´｀::::::.ヽﾉV 　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! l/ . ＜｀ｰく丿-＝､ヽl 《､=ラiｯ―､_..:::::::ヽハ　　 r┴…
　　　　　　　　　　　　　　　　「シーマ！　　　　　　　　　　　　　　　　l l.ｲ　　｀‐､_｀ヽ_,-ｩヽlニ､｀ - ニﾆ-‐..::::::::.lレl　 └r┐ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:　　　　.l　 {､｀ニ^l ::::.　　　　　 ..:ミ::::::::{　|　 .r┴'　|
　　　　　　　　　　　　　　　　最悪、前衛の我々ごと　　　　　　　　 i:　　　　.l　::l　　 l :::::::.　　　　 ..:.:ミ:::::::lレl　└r┐.l
　　　　　　　　　　　　　　　　隕石で撃ってかまわん！」　　.　　　　　 i:　　　　.l ::::'､　ﾉ:::::;;;;;:.　　　　..:..:::::::::l{　|　 r┴'　L-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　.l ::::::､｀ｰ'´'"　＿　､　..:::::::::lL｣l　 `┬‐'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　　 l :::::;;;､　ヽr''_´. -‐ﾍ.`､:::::::::〃　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　 /::::::;;;;;ﾊ　 `l　, --‐‐〉:l::::／　　　 L__.-‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、/;;;;;;;;;;/;;;;}＿_ﾋ'ニ二ﾝ..:／　　　　／く_..-‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　//`r…==r'´　　　　／ﾍ／

　　　　　　　　　　　　　,．-‐─ ─- ､
　　　　　　　　 ,r'"´ 　,r'´￣`ヾヽ｀ヽ､
　　　　　　　　　　/　　 ,ィ二三二ヽヽV!　＼
　　　　　　　　 /　 ,ィ⌒二ﾆ､_ヾ/　 jﾘ,．-‐＼
　　　　　　 /　,// ,イ　　　V　　 ,､--､r､,　ﾞi
　　　　　　　　/　,//　l ﾉ　　 ,fｨイ￣　　　ﾘjﾉﾉﾉ
　　　　　　　,/　,ｨr〈　ﾘ ,ｲ_,ｲ」j/ﾘ,,　 ,,､､ｨｲﾉソ′
　　　　　　 / ／　Uj　　}ﾘ,!ｰt;;ｧﾐ:j　t'ﾃｧｨｲ{　　　　　　　　　　　「その覚悟は生き残る方に向けとくれ！
　　　　　 ,/'´　,ｲ　|　　 l |´｀" ´ .:::; ｀"´ ,'爪　　　　　　　　　理力魔法は味方殺しの力じゃないんでね！」
　　　　　/　　// /l　　l | |　　　 .:.::; ' 　 /　| ﾄ､
　　　　,ｲ　／／　| 　 | | ﾄ､　　- ｰ‐　/L_」」__ﾄ､　＿
　　／/, ｲ,／　　ﾉ　　j | |　＼ ´￣ ,.ｲ{￣＼￣￣　_ ｀ヽ
　'"´￣￣ﾉ　　＼|,ｲ|　l | |,ｨ^ヽ｀ｰ‐'ﾞヾi!　　＼　　ヾヽ　＼
　￣＼／/!　　＼| | |　ﾘ/　　ｰ=氷=‐　|　　　　＼　　! |　　＼
　　　 V | 　　＼| | |　ﾄ､｀二＞〉j〈二ﾊ　　　／　 | ﾄ､
　　　　ﾄｲ二三二!,j |　|　＼二ﾆ!ﾆ　//ﾄ､￣｀`ー┐ | | i　 ,ｲ
　　　　 |　＼　弋ｲ | |　|　　ヾ｀`Y´,// j　＼　　　 |　jﾘ/ ,/ |

――――――――――――――――――――――――――――――――
　　しかし妹も簡単には譲ろうとしなかった。

　　今必要なのは最終手段以外の可能性を諦めないこと、
　　そして最終手段を行使せねばならぬ時の見極めを誤らぬことなのだと。
――――――――――――――――――――――――――――――――

283 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:16:04 ID:uiHBGRsI

二２６０．
――――――――――――――――――――――――
　　まずは最後の扉の開け方ではなく、
　　扉の前にたどり着くための算段を付けるのが先決。
――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　ヽ､ _,,,,..............,,,,__
　　　　　　 _. -‐=､'}　ヾ,　　　　　　｀' ､
　　　　　. ‐''´￣｀' ｀'　　l彡-　　　　　　ヽ
　　　　'´ﾌ´／　　'"｀ヽ　}'⌒　　　　　　　ヽ
　　　　ノ　/ 　 ,.‐''ｿ /"ry⌒ヽ,　､　　　　　',
　　　 ´7 ﾉ / /　,.ｲ. |　|::::::::::::::ヽ, li　　　　　 |　　　　　　「とにかく追うよ！
　　　　´7. |　|　ト-i､|　|::::::::::::::__;ゝ}ﾐ､　　　|
　　　　　ﾚl　|　|ｬｰr,､ヽ|'vｯ＝'-ry:|　:レヽ　　 |　　　　　　残った連中もついといで！」
　　　　　　`'ﾄ､.ﾄ｀'ｰ'^ .i::.､^'ｰ-‐'ﾞ:::|　:|'ｱ |　　 |
　　　　　 | :::| 　　　j::::. ｀　　:::::|　::|_ノ: 　　|
　.　　　　　 | :::::l. 　ヽ-　　　　::::::|　:::|;:: : .　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　＿/＼／＼/＼／|＿
　　　　　　 | ;:::::|i:､　 ''━ｰ' 　.::イ|　 :::|;:l : : . 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　／
　　　　　　|　;:::::l「l^' ､.＿... -''´__,|　 ::::|;:l : : :　　|　　　　　　　　　　　　　　　＜　　　ハッ！　　＞
　　　　　| : ;::::||:|::ﾖ＝､｀'Y´,..＝| li ;::::|;:l : : :　　|　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　　ﾉ : li:::||ﾉヲ''＝} :∥:}＝'| |　;::::|;:l : : ::.　｜　　　　　　　　　　　　　　￣|／＼/＼/＼/￣

　　　 __,.-='"￣￣￣＼ﾞー--､＿＿
　 _／　　 :.　　　　　　 /　　　　　　　ﾞー､＿
　＼　　　　:.　　　　　.（　　　　　　　　　./　＼
　　＼　　　:.　　　　　ﾞー――――-､j　　　/＼
　　　./＼　　:.　　　　　　　　　　　　　　ﾞi　　 l　　＼
　　./　／:.　 .:　　　　　　　　　　　　　　 i　__j＿＿〉､
　　i／　　::. ..:　　　　　　　　　　　　　　　.i. Lr-t　i　　ヽ
　_/　　　　i＼,.i　　　　　　＿_,.....::---､._j　 i二､　i.　　ﾞi
　!.　　　　f` 　.j　　　　　／.,r,ﾆ二　ヽ　i､!　 .r'"　ゝ,　 i!
　!.　　　　＼,f　　　　／::::,rF'‐"::::ﾞ::::ﾞi　i.ヽ　｀ｰ〔￣ﾞi.　i!
　ヽ　　　　　　!:.　 .／:ｰ=::::~::::::ﾞ　　 ::::::i　i. l　　　l　　.l　.l
　└,rへ-､＿__｣／::::::ﾄ､　　　　　　　::::::l　ヽヽ　　.l　　l　.l
　　＼.ヾ　＼ヽ::::::::::::'ヽ:.　,:=.　　　　:::::j　/／　　.l　　!　 !　　　　　　「行くぞ！」
　　　　＼ヾ.　＼:､.　　 :ﾞ:-'"_,r=-;､.　::/ ,/"　　　　L,.:┘ ,!
　　　　　　ヾ:...　　ヽ.　　ヾf'ﾞ,,;:=''," ./ /"　　　 ,r'"　　ｰ〈
　　　　　　　｀::::､　　＼.　　￣::='"／ /　　　　./　￣￣(　＼
　　　　　　　　　＼:.､　ﾞヽ:---='"-､┘　　　 /-=ｺ.　　ヽ　〉
　　　　　　　　　　　＼ｰ-‐r'"　　 i. i　＼　 ,/j'　E !　　_,r‐'"
　　　　　　　　　　　　ﾞ＼ i　　　　ヽヽ ,r'ｨ't_,.:'"　　／
　　　　　　　　　　　　　　.＼..:;､r‐;=＞'"　ヽ'　　,／
　　　　　　　　　　　　　　　,j　￣　 i!　　　　_／
　　　　　　　　　　　　　 r'"ﾞｰ-,...＿_｣､＿,.／

284 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:17:01 ID:uiHBGRsI

二２６１．

　　　　　　　　　 _,, ー-- 、　　　ノ　　　　ヽ、
　　　　　　 ,, r '"　￣ヽ　＼､／＿＿__　　　 >＼
.　　　　　　／／,　　- 、　ヽ　　￣　　　　￣`＜__　＼
.　　　　　/　/ /　　　　Y　　＼　　　　　　　　　　　`ヽ＼
.　　　　 /　/ ll|　　　 /　　　　＼　　　　r―--、　 `＼_
.　　　 /.／　 l　　　ノ　　　　　＼　　　　`ヽ、__＞　　 !
..　　　/　　　　`ー‐"　　　　　　　＿＿＿＿　　　　　　　　ヽ
.　　　レ‐､　　　　　　　　　／￣￣＿＿＿　￣￣`ヽ、　　　ヽ
...　　　Lr入　　　　　　／　／￣　　　　￣ `ー---`―- ､　ヽ
...　　　/:|::l;;＼＿＿＿.／　.／　　　　　　　　　　　　　､　イ＼ l
.　　 /::/::l::|::`ヽ＿＿_,, -"　　　　　　　　　　　　 ,,r‐=、　l　rー┘
　　 /::/:::/::|:::::|l:::::l:::|　　、　　　　　　　　／;;;;;;;;;/　／"　　　　　「オーキス隊！ステイメン隊！
　／::/:::/::::|:::::|:|::::|::|　　　ゝ　　　　　　　　　　|`l;;;;;／／　　　　　　続け！
./::/:/::/:::::/::::l:l:::::l:::|　　　　＼　　　　　　　､`ｰ"　/
ﾞ::/:/::/::／:::://::::|::::|　　　　 `ヽ、　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　オークス殿達も！」
...::/::/::/:/::::l/:: :/::::|＝=-ゝ、　　　　　　　　　　/
ﾞ:/::/／:/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、＿_ ,rー―‐ "
...::/::::::/:::::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　ヽ-、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　-──-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾊ　　　　､　　 l　 l:...|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:l＼　　ヽ　ヽ　 .l　 l:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:l 　＼,. イ　　 l　　}　ﾉ:人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！ﾐ　 ´i::ﾉ人　　V⌒).イ｀ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:l　　　　 ';　 l _ノミﾐﾐヽ.: .ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.小　__ 　　ﾉ　「_⊥ミﾐ:ミﾐヽﾉ. :人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「了解です！」　　　　　/　}　ヽ __,. イ　 /.:.:.:.:.:.ﾄミﾐヽ彡'.:.ﾉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　　.:::::ﾉ/　 /.:.:.:.:.:.:人ミ辷彡'ﾉﾉﾊﾊヽ,. -─- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/ 　,. ィ´/　／.:;.ｨ´／ /´ ￣￣｀`ヽ彡'ﾉﾉ´ ￣｀ `
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　／/　/ イ.::://:/　 /　　　　　　　ヽ￣｀`ヽミミﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　/　/ ./　/ __」ｲ/:::′./　　　　　　　　 j　　　　`ミﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/′/ / ／　　　｛::::l　/　　　　　　　　／`ヽ　　　　ヽﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛　1　´ 　　　　ヽ:ヽ＼　/`ｰ-----‐'　　　j!　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Vハ　　　　　　　＼＼＼ヽ　　　　__ ,.. イ

―――――――――――――――――――――――――――――――
　　残っていた部隊も邪竜の足取りを追うべくばらばらと町に散っていき、
　　アグリアス達もミリアルドの後に続いていった。
―――――――――――――――――――――――――――――――


	286 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:18:13 ID:lVvuT2S2 バラバラに散る・・・あれ、これってやばくね

285 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:18:01 ID:uiHBGRsI

二２６２．
―――――――――――――――――――――――――――――――
　　そうして、誰も居なくなったかと思われた場所に一人残っていたのは
　　邪竜が飛び去った後からじっと考え込むエルだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――

',::::::::::ヽ :::::::::::ヽ :::::::､:::::::::::::. '::::::::､ヽ､ヽ::::ヽ＼:::､::::::::::ヽ
.ヾ､::::::::'.,::::､::::ヽ､::::::::::::へ::::ヽ':::::'.,ヽ＼':,':,:::ヽヾ::':,::.::::::::
:'::＼ヾ::::::ヽ'::::ヽ::::＼:::::::::`:::ヽ:::`､::::'.,:ヽ.ヽヽ:::::':,ヽ::`:::､::､
::',::',:,ヽヽ､:::＼'::::ヽ::::ヽ,::::､::::::ヽ､＼:::::'::::'., ':,ヽ:::::':,:ヽ:::ヽ:
､:',:::',:':;:`::.`､;_:ヽ､::::＼:ヽ:',ヽ;'::､;;;;ヽ`､::::::::'., ':,゛,'::::::::::',::::::
.!:::゛::',::ヽ:::＼::::::::::ヽ:::::`:､:'yｯﾝｧ::::ヾ;＼';::::::ヽ':,::',,::ヾ::::',:::
::::::::::::'::::＼::::ヾ:::::::::､､:`:::::::i!　!::::::::::ﾒ'ｯ､`:::::::::':,:::',,::ヽ::::::
::::::::､::::',:､:::::ヽ＼::::::::'.,＼::::,ヽ ` ｰ "／　`;:ヽ::::'.,:::l!:::ヽ,
:::ﾊi!ハ::､ヽ:::ヽ. i ヽ､::ヽ　ヽ::',`''､'''"　　　 !:',::､::::::::!:::､
:::i,丶'､ヾ　　`'､`;、　`'-`､　ヽ、　　　　　i:::',:!:､::::::::::::i
::::! 　 `　｀　　｀iヽ､　　ヽ　　　　　i::::',:i:ヽ:::::::::!
:::::l, 　　　　　　　!　　　　　　　　　　　　　i!.ﾉ';,:::;::':,::::::l
:::､:i　　　　　　..､ヽ､　_,,,..　　　　　　　　　!,､:'::::::'::::':,::::!　　　　　（何かが引っかかる、何かが………）
::::.､',　　　　　　　　　´　　　　　　　　　/::::::::::::::',.:::::::::'
::::::ヾ'、　　　　..､､...... 　　　　　　 ,;:'i:::::::::::::::::',.::､:::::',
::::::::::ヽ　　　''``ｱ`'''ﾏ''''``''ｰ　　 ,;:':　.i:::::::::::::::::::',:ﾄ､:::::'
';::::::::::::`;;､　　 / 　　ｌ:.　　　　　,;:''　　 .ｌ:::::::::::::::::::::::i ＼::
. !:lヾ:::i :. ;ヽ／　　　ﾉ: 　　　／'　　　　i:::::::::::::::!';ヽ::',
　';! ヾ'i: : /　　　　/ 　　,.ｨ'´' 　　　..　 !:::::i::::::::', '､ヾ
　 '､.　ｿｲ'　　　／‐-ｰ;:ｼ' 　　　　::/　 i:::::!':,:x:::',　　 `
　　／:. !　　　/:. :._､-'´ 　　　　 .::/　　',:::!　':;ヾ;
､='´:. :. '　　ﾝ:. :,'´　　　　　　　　 /　 ':;:.ヾ'､　ヽ `
:. :. :. : 　　,':. :.　',　　　　　　/　　　';:　`ヾ､

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　父の研究、母の研究、これまでに得た知識、過去の逸話―――
　　その全てを結合すれば、何かが見える気がしてならないのにあと一歩が届かない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

287 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:19:01 ID:uiHBGRsI

二２６３．
――――――――――――――――――――――――――――
　　しかし、だ。

　　たまたま被害を受けなかったから良かったものの
　　自分の魔法は全く役に立たないし、
　　先の戦闘の凄まじさから考えればそろそろ引き上げ時だろう。
――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　 , '::::::::〃:::::::::::.i::::::::ヽヽ:ヽ ::::::､::::::::::::::::':::､､,__
　　　　　_ｨ:::::::::〃::::::::::::l!::!:::::::::::＼ヽヽ:::::ヽ:::::::::::::::::::t=ｰ-.
　　　 _ｨｼ='7:::〃::::ｨ''|!i:::!i::,::::::､::::::ヽ::::::':,',､;,:::::::::::::::::::::ﾝｯy､,_
　　´"　　/::::::/:::/,.-ｬj:::l 'i!';::::i＼::::ヽ:::::::',',',i!::::::::::::::f"''''＝=-''
　　　　,.ｼｨ::::::::ｿ !. (::)ﾘ!　ﾍ',:::l,,､ﾇ;:::ヽ::::::',',',':::::::::::::::',
　　　〃ｼi::::::::ｌ　｀""゛　　` 'ﾘ (:::)ﾔ､:ヽ:::!:','::::::::::::::::',
　　　 '　'　.ｌ::::::::l　　　　　　ヾ'''''" Y:::::::::::::!::::::::::::::::',
　　　　　　i::/ｌ::::!　　　ヽ　、　　　　ｌ:::::::::::::::'::::::::ｯ::::::',
　　　　 l/　!:::'､　ｧ､.　　　　　　　 !:::::::::::::::::ｫ:::::!';::::::',
.　　　　 ,!. 　|/ ';､. ヾﾐ.`j 　　　 ,イ::ｧ:::::::::::::::i '､::',ﾔ::::､
　　　　　　　　" . ';ヽ　　　　　,､y'´ /ｼｌ::::::ヽ:::::ｌ　ヾ;　゛丶
　　　　　　　　　　'|!`=tｰ:::'"／　 /'　ﾊ::;::::il!';::!
.　　　　　　　　　　　　'i::: '　　　　　　　ﾘｿヽ'ﾘ､　　　　　　　　　「………コナタ？
　　　　　　　　　　　　　　!'i　　　j　　　　 ~ヽ　　　　　　　　　　　　どこですか、コナタ！？」
　　　　　　　　　　　　　　ﾘ､　／　 ―ー '''"""f,
　　　　　　　　　　　　　 / _冫'''~ 　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　／ ´　　 ,､　　　　￣~ ヽ　 'i
　　　　　　　　　　　l!~　　　　/　　　　　　　　ヽ.　!
　　　　　　　　　　　ｿ. 　　　/　　ﾝ　　　　　､　',　l
　　　　　　　　　　 /　　　 /　　 / 　　　　　',　', 'i
　　　　　　　　　　/　　　 '　　 / 　　　　　　 i.　', ｌ

―――――――――――――――――――――――――――――
　　そろそろ逃げましょう、と言いかけて気がついた。
　　いつも隣にいるはずの相方の姿が見えない。

　　慌てた声を出す彼は、考察に集中しすぎていたために
　　いつから彼女が消えていたのかすらも分からなかったのである。
―――――――――――――――――――――――――――――

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━…


	288 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:19:50 ID:RFMqLdos やっぱ一人で突っ走りやがったかコナタェ 290 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:20:33 ID:N.cI6xmI これはマズイ…

289 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:20:01 ID:uiHBGRsI

二２６４．
━━━━━━━━━━━…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

―――――――――――――――――――――――
　　アルビオン北地区にある冒険者養成学校―――
―――――――――――――――――――――――

　ヾ"　;ゞヾ"ゞヾ　ゞヾヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"ゞ; 　ゞヾ"　ヾ" ヾゞヾ;ヾ
ゞヾ　　"ヾ;ゞ"ゞヾ　ゞ;ヾヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 "ヾ　ゞヾヾ"; ; ゞヾ　ヾヾ: :ゞ;
　ヾゞ"ゞ;ヾ　ゞヾ〃;ヾヾ　ゞ;ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"ゞ::ヾヾ"ゞ　〃ゞヾ　ゞ"ゞヾ::
ヾ　　ゞ; ゞヾ"ゞヾ　ゞヾ ; ヾ;ゞヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　"ゞ; ヾ　;ヾゞ"ヾ; ; ゞヾ　"ゞ; ;ヾ
ゞヾ"ゞヾ; ゞゞ"ゞ〃ヾ　:ゞヾ　　　　　　　　　　　　　　├─┤　　　; "ヾゞ　;ゞ　"ゞヾ　:ゞ〃ゞヾ; ;ゞヾ;;
　ヾ＼ヾゞ;:::　y'ヾヾ; ;ゞ　ヾ ;　　　　　　　　　　　　 || ◎ ||　　　　"ヾ ;ヾ　ヾ＼ヾゞ;:::　y'ヾヾ; ;ゞヾ
ゞ; ; ゞ;ヾii;;:::: ｲ;//ゞ; ヾ　　"ゞ　 ___┬┬┬┬┬┬┬|| == ||┬┬┬┬"ヾ;;"　ゞ";ゞ;ヾii;;:::: ｲ;//ゞ; ゞヾ
ヾ　ヾ;ゞiii;;:::　|/; "|￣￣|￣| 　 |二二二二二二二二|| 田 ||::::|￣￣|￣|ゞ; ヽiii;;:::　|/;ヾ;ゞ "ヾ
￣￣￣￣￣￣￣|　　 |　 | 　 | 田　田 || 田　田||=:|| == ||ﾞ=|　　 | ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　 |　　 |　 | 　 |――――――――|| 田 ||::::|　　 |　＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　 |　　 |　 | 　 |￣￣￣ ||￣￣￣|| ;;|| == ||::::|　　 |　|　冒険者養成学校　 |
　　　　　　　 |　　 |　 | 　 | 田　田 || 田　田||=:|| == ||ﾞ=|　　 |　￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　 |　　 |　 | 　 |――――――――|| 田 ||::::|　　 |　
　　　　　　　 |　　 |　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |
　　　　　　　 |　　 |　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |
　　　　　　　 |　　 |　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |

291 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:21:01 ID:uiHBGRsI

二２６５．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　ここに避難した大勢は、目立たぬようにと灯火規正のしかれた闇の中で
　　恐怖と痛みに震えていた。

　　右半身に決して浅くない火傷を負った少女はもうろうとした意識で助けを求め、
　　足から血を流す姉はその手を握って慰めを呟く。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　 , --､＿＿_　, -- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ:::r／_..:::::::::::::＼┐:::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾌｨ::::/´:::::::::::::::::＼:::ヽ]::|_
　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ::/::::::::/::::::::::::::::::∨}:::く
　　　　　　　　　　　/⌒ ー―': : ￣;:::::://l:::::: N:::::l::::::V}ノ　　　　　「痛いよう………
　　　　　　　/⌒ ー'. : : : : : : : : : : :|ﾊ::|｣ノﾊ::::|｣__:j:::::::|〉　　　　　　痛いよう………」
　　　　　　　| : : : : : : : : : : : : : : : : : ::ﾊc== ヽl ==c}:ノヽ
　　　　/{__.,ﾉ: : :／: : : : : : : : : : : : : : ::人._ 　-　_,/⌒ヽ
　　　　{: : : : : /: : : : : : : : : : : : :/ﾆヽ〔三＼￣七{_　　 }＼
　　　〉: : :_/: : : : : : : : : : : : :/　　 /入ヽノ＼l /└t_/ 　 |　　　「さっちゃん頑張って………
　　　　 V´ 〈: : : : : : : :／` ｰく__|　　|　　〉_＼　ヽ　/　　　 | 　　　姫様が来てくれたから、もう少しだから………」
　　　　　　 _,＞: :ﾉ: :/　　　ｰ／! 　 l　 / 　　＼_/　　　　＼
　　　　　　　　￣/＼{　　　 ∧__| 　 .／　　　＜ﾊ､＿＿ _　イ
　　　　　　 /　　　　　　{　　￣　　　　／　l/　　　l/＼l 〉、
　　　　　　　　/　　　　　　八　　　　　 rく廴_　　　　　　 _ノ / , - ､_
　　　　　　　 ,　　　　　／　　>┐_　　〈/　　 /￣｀エﾆ=-､‐…勹　＿＼
　　　＿_, -〈　　　 _／　　 ∠ /　/｀丶:　／|　　　　　 _,⊥ -‐く_ﾉ┴'く_)
　　く　　ヽノ＾>-､＿,　-＜ _∠=-'‐'　　〉´　丶-‐　　´
　　　　￣く`ー-､＿　_, ＞ '´　 _,.　-‐'
　　　　　　　￣`/＾!　}]_)_,　-　´
　　　　　　　／ }/ /ﾌ
　　　　　　〈__／／
　　　　　　　￣

293 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:22:01 ID:uiHBGRsI

二２６６．
――――――――――――――――――――――――――――
　　さきほど現場入りしたリリーナの神聖魔法により
　　重傷者は確かに減ってきていた。

　　だが実際には、間に合わずに命を落とす者も出始めている。
――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　,, - ''　　.Y　　 `ヽ
　　　　　　　　　　　　　／　＿　　 l　　　 __　＼
　　　　　　　　　　　　／　／　ヽ　ﾚ/ ／　＼　＼
　　　　　　　　　　　/　 .／　　　　 `i　/.　　　　＼　ヽ
　　　　　　　　 /　／　　 /　　　 .Y　　　　　　　ヽ　ヽ
　　　　　　　 / /　　　 /　　　∧ | ∧　　　　　　ヽ　l
　　　　　　　　　 l //.　　 / 　　 /:::'､/::::l　　　､　　　＼l
　　　　　　　　／/ /　 /　　　 |ー-- ' ﾍ　　 l　　　　ゝ
　　　　　　　　 l　/ /　ｲ　　　/l |　　　　 l　ﾄ　ヽ　　ヽ Y'
　　　　　　　　ヽ|　|　　|　| 　 | | l　　　　 | | |　i_」　ｲ　l,/
　　　　　　　 |　l　　|_∧　 | ﾚ'　　　 |ﾉ | /　）/イ ∧
　　　　　　　　　　ゝﾍヘﾍ.ｰ＼＼ .　　　 .r' ノﾉ--/‐　 |/l .l　　　　　「次の重傷者は！？」
　　　　　　　　＿l ､| 　 "T:::ｒ‐r､＼　　 " ´t:::::ｔ'７ヽ　|） ,/＼
　　　　　　　／;;;;; ＼　　､ヽ::ノ,　　　　　ヽ:::ノ,,　 /.／;;;;;/
　　　　　　 └､;;;;;;;;;;;;;]. 　　￣　　　 i　　　　￣　　　lｰ- ､;/
　　　　　　　　＼;;∠ .l　　　　　　　|　　　　　　　　 /ヽ　　 ` ー- 、_　＿_
　　　　　　　　　／７　ﾄ､　　　　　ﾉ　　　　　　 ∧ /　　　　　　　￣T　ヽ
　　　　　　　／　〈　 | ＼　　　　｀＿´　　　／　V ｽﾍ　　　　　　ヽ　.ヽ
　　　　　／　　　　l　 |　　＼　　〈＿:::〉　　／/|　　V　 /　　　　　　　/　　 l
　　　　／　　　　ノ,　 |　　 |.＼　　ー　　／／ll|　／　＼　　　　　　l　　　 l
　　　／　　　　　Ｊ　　　|　　＼ ` ー-‐ '　＼　.l＜　　　　 l　　　　　　|　　　ヽ
　／＼　　　　　＼　 └- ､__　ト　 |　Y　ヽ　＼|　＼　　 ./　　　　　　|　　　　ゝ

.　　　　　　　　　　／:.:.:.:,:.:.:.:.':.:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　 ,..イ:.:,:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ'､
　　　　　　　　 -'‐ '.,イ:.:.:.:.:.:.:.:,:.:':.:.:./:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ
.　　　　　　　　 ,'.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:,:':.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.､:.:.､:.:.:.:.:.ヽハ
　　　　　　　　　　,'.:.:.:.:.:.:,:':.:.:.:.:.:.i´:.:.:.:.:.:.i:.:',:.:.:.:.:.:.､:.:ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ
.　　　　　　　 ,'.:.:.:.:.,:':.:.:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:.:.!:.:.N:.:.:.:.:.:ゝ:.:.ヽ:.:.:ヽ,'
　　　　　　　　 i:.:.:.::/i:.:.:.:.::.:.:.,:.ハ:.:.:.:.:.:i､:.i ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ﾊ:._:ﾐ
　　　　　　　 i:.:.:./ .!:.:.:.:.:., 'i/ミぇx:.:.:.:.､,､xィタzx:.:.:.ヽ:.ﾊ. ﾘ
　　　　　　　　 i:.:.,'　 !:.:. ,.'.i　乂ツﾞ`ヽ:.:.､" 乂ツ　ヽ:.ﾊﾄ乂
.　　　　　　　 i:.,　　i:.:.:ハ.!　　　　　l　ヽ:､　　　　　　ヽ､`　　　　　　　　「こっちだ！」
　　　　　　　　 i;　　 i:.;'　　!　　　　 ,'　　　　　　　斤ﾊ
　　　　　　　　　　　　　i,'　　　､　　　｀　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　´￣｀　　　, ｲ i
　　　　　　　　　　　　　　　　 iヽ　　　 ,.　'　,　i-､
　　　　　　　　　　　　　　　／:.:!　i.` 　' 　　 ,　 |:.:.:ヽ　　　　　　 ┌────────────┐
　　　　　　　　　　　　／:.:.:.,:.i　ヽ　　　 , '　　.i/:.:.:.＼　　　　　 │　冒険者養成学校　学生　　 │
　　　　　　　　　　　　 ,..イ:.:.:.:.:.:/'´　　　　　, '　　 /:.:.:.:.:.:.:.:ゝ､　　　　 │　ヒイロ＝ユイ　　　　　　　　 │
　　　　　　 ,.....:.:.'／:.:.:.::.:.:.:./　　　　　 , ' 　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.`:....､　　 └────────────┘

294 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:23:01 ID:uiHBGRsI

二２６７．

　　　　　　　　　　　　　　　　.........................
　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　:::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::
　　　:::::::::::::::　　　　La　La　La♪　　　　　　　　　 :::::::::::::::
　　:::::::::::::::　　　　　Ah　Ah　Ah　Ah――♪　　　:::::::::::::::
　　　　　:::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::
　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

――――――――――――――――――――――――――――
　　校庭に教師達の姿は残っていない。

　　彼らの半数は別の場所での救護や避難誘導に追われ、
　　半数はすでに犠牲になったか、邪竜の捜索に加わっているだ。
――――――――――――――――――――――――――――

　/　　／／　　　/　　　　　　　　　　　　＼::.......:::::::::::|
/　 .::::/／　　.:/　 |　　.:.　:::....　　:::｀ヽ､:.. ＼:....＼::::ヽ::::::|
　 .:::/ /　　.:::/　.::j　 ..::::|　:::|::::..ヽ　:::::::ヽ;:::. ＼_:::ヽ:::::ヽ」
　.::/! /　 .::::/ .::::/　 .::::::|　:::|l::::::::::ヽ :::::::::ヽ:::::::l::｀ヽ､::::::::|
.:::/ | |　..::::::| .:::/|　　:::::::|　:::| `ヽ､::::ヽ :::::::::ヽ::::ヽYｨﾆヽ:::|
::/ .|.:|　.:::::::| ::/　l　 ::::::::|ヽ ::ヽ　_＞､ヽ＼:::::::l::::::ヽ!　〉 }〈--､
′ |::|　::::::∧::|ヽ､! :..:::::::|　入::ヽ∠￣ヽ!｀ﾞヽ:::ﾄ､::::∨7/:::/＼ヽ
　 j/|:! :::::∧ヽ!,ｨ=ﾍ :::::::::ﾚー'´メ:::::7'ヾ､　ヽ:| ヽ;:::V/::::| 　ヽヽ-､_　　「動ける人は町の外で
　 !　|:! ::::|`ヽ|」{::::(_,ﾄ､::::::|￣　 ' {::ｨ:`‐ｲ　　　 !　ヽ::';::ﾚｰ､.　 | | |､　　　霊薬の配布を受けて下さい！
　　　||　::| 　 ',　ヾj::ﾉ j＼::!　::::::...`ー'´ノ　　　　　| ヽﾚ!::::::::＼| | ||
　　　ヽ:|　　 l `ー‐'´ } ヽ!　　　￣　　　　　 |　 y'::::::::::::::| | l|　　　まずは町の外に出る事を
　　　　　　　 rﾍ　　ノ　　　　　　　　　　　　 /　 /:::::::::::::::/ j ||　　　最優先としてください！」
　　　　　　 /　ﾊ　　 `ｰ､ `　__,. -ｭ　　　　　　 /　/::::::::::::::::/ / j.|
　　　　　　/ |　| ヽ､　　 `T┬‐'′} 　　　／　/:::::::::::::::::/ / / |　　　　┌───────────┐
　　　　　 /　|　|　| |｀ヽ､　 Vl＿_,ｨ/　　／　／:::::::::::::::::/ / /　.|/　　 .│　同学校　学生　　　　　　 │
　　　　〈　 |　ト-| |: : : :lヽ、`ニ´ 　／─‐'´::::::::::::::::::::/ / /　 /|::　　　.│　カトル＝Ｒ＝ウィナー　　 │
　　　　　 |　ヽ|　 | |: : : :|:::::`ー‐ ''´::::::::::::::::::::::::::::::::::／ / /　 /　|::　　....└───────────┘

295 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:24:02 ID:uiHBGRsI

二２６８
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　その代わり、夏休みだと言うのに学内にいた生徒達が頑張っていた。

　　備蓄されていたあらん限りの資材を使っての救護活動、
　　避難誘導、各地との伝令のほか、
――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　:::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::
　:::::::::::::::　　　Ah―――♪　　　　　　 :::::::::::::::
:::::::::::::::　　　　Ru Ra Ra Ra♪　　　　　　:::::::::::::::
　　　:::::::::::::::　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::
　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:￣: : : : `: ..､＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ,..:ー: ､: : : : : : :.',: : : ヽ: ＼
　　　　　　　　　　　　／: : : :.`: ､: : : : : : :',: : : : i: :.:.}._
　　　　　　　　　　　　　 r:': : :,: ､: : : : : :ヽ: : : : :i: : : : :i: : : 八
　　　　　　　　　　　　　 i: ／: : : :＞:': :ヽi,: -､: ,'_: :/:,:': : : : : :},
　　　　　　　　　　　 , イ: : :,:イ:´: : ,: : '´: : : : ':´:.i彡､: : : ノ: : ﾂ
　　　　　　　　　　　/ｲ:／: /: : :／: : : : : :,.ｲ:ﾉ: :.i: : : '､ヽ: : :.ソ
　　　　　　　　　　　'ｲ/:,ィ/: :.,:': : : : : ／./:/i: : :从i: :.ﾊ: :'､: ﾊ
　　　　　　　　　 /,ｲ/i／/:.:｀`トx､　／ ,': : :,' i:.i: : : ､: ヽく.､
　　　　　　　　　　　　iﾊく.i:／,ィ==zrヾ,　/: :.,.'　i:.ハ: :.从:.ヽ:.i
　　　　　　　　　　　 /: :ﾊ./i　 i弋;ツ.ﾉ ,.:': ／,ィニ､￣': :ハ: ﾊi
　　　　　　　　　　　ヽ: : : :.ｉ　　｀ー '.／ '　　 i.伝ﾂ.〉.i: :ﾘ .i: i　　　　　「………なんだ、歌声？」
　　　　　　　　　　　／ヽ: :.i　　　　 '　　　i 　ゝﾆ-' ,ﾉ:/　 i/
　　　　　　　　　〈: : : : :.ｲヽ　　　　　　 i　　　　 / .ﾘ　　'
　　　　　　　　　　〉: : :.八.､.ヽ　　ヽ　 _´　　　 , '
　　　　　　　 ,..:'´: i: :,/::::::＼＼.､　　　　 ,...ィ　　　　　　　　　　　　　┌───────────┐
　　　　　　　 i: : : ／::::::､::::::::｀:::..`　ー '.ﾁ:::i:::::｀:::.........､...＿.　　　　　 │同学校　学生　　　　　　　 │
　　　　　　 ,.フ::::::::::::::::::｀:...､:::::::::｀i　　ｉ:::ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ヽ. 　　 │デュオ＝マックスウェル　 │
　　　　　,...::':´::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::ｰ::::i-.‐':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::',.　　　└───────────┘


	297 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:25:07 ID:uWmaONW6 歌といえば・・・

296 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:25:01 ID:uiHBGRsI

二２６９．
―――――――――――――――――――――――――――――――
　　薬師志望の学生は霊薬の生産、詩人志望の学生は呪歌による回復、
　　治療師志望の学生は応急手当と言った具合に
　　各自ができうる最大限の努力を払っていたのである。
―――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　_,.∠,.-'",. -''" ,,.-'"　　/　/　　　｀ヽ　ヽ:.:.:..ﾞ､ :ﾞ､
　　　　　　　　　　　　 r'´　／　 ,,.-'"　　 ./　 /　　　　　　ﾞ､.:.:. .:.:.:.:.: :..ﾞ､
　　　　　　　　　　　 /　／　 r'"　,.　　.:.:/　 .,' /　ﾞ､　　::.. ﾞi､:.:. :.:.:.:.:.:. ﾞ､
　　　　　　　　　　 /／/　　ﾉ／　.:,.-'/　.:.:l: ,il::.:. 　ﾞi　i,　.,:.:ﾞiﾞ､:.:.:.:.:.::.:.:.:ﾞ､
　　　　　　　　 /'　/　／'".:.:,,.-<　i'　.:.::,'i: l |:.:.　　l,:. i,　.ﾞi.:i,:.:ﾞ､.:.:.:.:.:.:.:.:ﾞi
　　　　　　　　　　　 / ／i/.:.:.／,.,,,__ﾞ､| : :.:.i'l.:.l　ﾞi,:.:.　 l,.:.:ﾞi: : i,.ﾞi､.:ﾞ､.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　　　i'./　 /／l /　i'::し!l : :.:i' l.:i 　ﾞ､:.:. :lﾞ､.:.i.:.:.:i,.:l:ヽ:ﾞi.:.:.:.:.:./
　　　　　　　　　　　!　　/'〈､i'　､. i:::ノ'l .:.:.l'　l:|ﾞﾞ''-.,,i,:.:.:l. ﾞ､:i.:.:.|i,.:l::.ﾞi:|.:.:.:.:/
　　　　　　／ﾞ''r───'''''i'　　￣　/i,.:.:l　 .!''"'>.､ﾞ､.:.i　ﾞil.:.:l :i:|.::.i!.:.:i:/
　　　　／ ..:::/　　　　　　i 　　 _.ノ　ﾞl,:|　　　i':::（｀iﾞi:lヽ .!l.:.iヽi!:: !.:.::|'
　　　,／　 .:.:i'　　　　　　 i,　　　ﾞ､　　　　　ヽi,:::::ノ 'il 　 i,l:/‐-､:'::.:.ﾉ
　　 /　　　 .:,'i　i　　　　ﾞ､　､　　　　　　　￣　 .! 　 /､'´ /:r'"
　 /　　　 /:i .:i'　　　　／ﾞ､　 ` - ､.,,_　　　　　　　 -‐'-_,,.ノ-'　　　　　　　　「ええ。
../／　　　 :i':l..:l　　　／　　ﾞ､　 ″　　　　　　　,. ''ｰ-,'": : /i.:ﾞ､
'"　　　　 l::|.:l　　　／　　　　 i､　　　　　　_,,. -''" .／: : : : /.,i': : :ﾞ､　　　　　　　先程実家から駆けつけたメイコさんが
.:.:.　　　　 l:.トi'ﾞﾞ'ｰ< 　　　 .:,i': :ﾞ''i ─ ''''" 　　／:: : : : : :/: .i : :　ヽ　　　　回復の歌を歌ってくれているのです」

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....　/;//:;;//::;;;/:::::;;;/:::;;;/:;;/ l;::;l　l;i _,,,. -‐'　　ﾞi;;/r'' ﾞi
..　///;;/ /::;;;/:::::;;;/:::;;;/:;;/　l;:;i',.-'il,,. -､‐‐,　　ﾞ"l_,, i l
　/'/;;;/ ./;:;;/;::::;;;;/::;;;;/;;;/､_ l;;l　　'!. ヽ;;ﾞソ′　　 )ノﾉ
　 /;;;/　,';;;/i':::;;;/i::;;;;/i;;;i'ゝ'i〉l;l　　　￣　　　　　｡_/
　/;;/　 l;;;/ l::;;;/ |:;;;/.,l;;;i''"´'i.l;l　　　　　　　　　 i´i　　　　　　　「なるほど、どうりで見回った時よりも
.ﾞ,';/　　l;;,i' |;::;;/ l;;;;;i' l;;;i'　　 l　　　　　　　　　 l　l　　　　　　　軽傷者が減っているわけだ」
.ﾞi/　　 l;;i' .|;;;;i'　|;;;i'　l;i'､　 ' ､_ ､　　 .,　　　　 ,'　 l
.ﾞ!　　 l;i'　|;;;;i　 l;;;i　 |l　ﾞ､　　　- ‐'''"　　　　 /　　 l,,,__
. 　　 l;i　 l;;;i' 　 l;;i　 .!　　ﾞヽ、　ﾞ'''''"　　　／　　　ﾞi;ﾉ;;ﾞi,　　　　　　　　┌────────┐
. 　　 i! 　 l;;l　　 i! 　　　　ﾞヽ､.　　　／　　 i'　　〉;;;;;;i, 　　　　　 │同学校　学生　　　 │
. 　　 !　　 l;l　　 .!,,,,,___,,.-''";/;;;;ﾞi　　　　　　　/　.／;;;;;;;;;;;;`-､.　　　　 │トロワ＝バートン　 │
　　　　　 ! ／;;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;;,.-'"i;;l　　　　　　 / ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〉:iヽ__　　　 └────────┘

299 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:26:01 ID:uiHBGRsI

二２７０．

　　　　　　　　　　　,　 -=＝=-
　　　　　　　　　／／: : : : : : : ヾヽ､
　　　　　　 ,'//: : : : : : : : }ir:､ﾏﾍ,
　　　　　　　　 i,'/: : : : : : :／｀{i : : V}!
　　　　　　　 rfﾕ: /.: .: :／　⌒‘，: :ｧ))
　　　　　　　{＾i｡}厶ィ､__,　　､__, トN {i＾}
　　　　　　　ﾓ〃::从　　 ,　　〃: λﾁ
　　　　　　　 ´'ﾍ､少s､｀_´.ｨ厶イノ
　　　　　　　　　_ _＿,[ .:}}={{ .:]､___
　　　　　　　　,´　{i{ .: ≦　≧ .: :}i} ｀ヽ　　　　　　　「Tu　Ra　Tu　Ra♪
　　　　　　　 |　 {ｉﾚ.: .: }i}v{i{ .: :.}i}　　i　　　　　　　 Un　Tan　Un　Tan♪」
　　　　　／⌒>､ Yｚ= 「y⌒ヾｭ=ｭY　｜
　　　　（,>．" '＾>〈ヽ {/ ＾》 .:ﾉ .: .:}　 |
　　　　　＼> ． _j≦.:ゞ= :∠.,__,.ｨ　 |
　　　　　　　⊂ﾆ込ヾ==彳》二　| 　 |　　　　　　　　┌───────┐
　　　　　　　　| '´{i`ﾐ辷辷〉l ｝:ｉ}｀ヽ　|　　　　　　 .│同学校　学生　 │
　　　　　　　　ヽ　_ラ´`く辷ｿｦく　 __ﾉ　　　　　　　 .│メイコ＝咲音　　 │
　　　　　　　　　/へ _＿_｀く>_＿》:、　　　　　　　　 └───────┘
　　　　　　 ,. : ´＼{{　・[Ε}} ・　}}ノ｀: .、
　　　　　／ .: .: ,イ／｀¨¨¨¨¨¨´ 包 .: .:＼
　　　_／ .: .: ,ｲ∨.: .: .: .: .: .: .: .: .:ﾏﾑ .: .: .＼ __
　　ヾiﾍ .:＼ハﾏ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .',ﾏﾑ .:／／iﾌ

　　　　　　　　　 ,...:-::::'::":::￣::￣::￣:`::ｰ::...、
　　　　　　　 ,..:f:"::::::::::::::::::::::::::::::::::::Z､￣`＼::`ヽ、
　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞　　　　　　　　`＼
...　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::三⌒　　　　　　　　　　　＼
.....　　／::::::::::::::::::::::::::::::::r''''''"　　　　　　＿　　　　　　　　＼
.....　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞　　　　　　　　　　`ヽ､...、　　　　ヽ
.　 /:::::::::::::＿::::::::::::::Ｆ　　　　　　　　､＿＿_　　　 `ヽ､:、　　ヽ
..ﾞ/:::::::::／.__　Y::::F" 　　　　　　　　、ヽノ:`ヽ、ヽ＼:＼　　 l
ﾞ/::::::::/ Y　）ヾ"　　　　　　　　　　　　＼.Y::::::ｲﾄ、 l.　ヽﾉ　　 |
_:::::::::l　 l　（.　　　　　　　　　　　　　　　　￣` <､l　　　　　　　 __,l
_:::::::::|　＼」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f__　 |l
.|::::::::L　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼` .|!
ﾞl:::::::::::＼_　 ,､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y
...'､:::::::::::/￣ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,　　イ
.....ゞ::::::/　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_. 　　／　|　　　　「そこの十人！
.......ヽ:/ 　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　／ー‐　、＼　　　 !
.....　ﾚ　　　ヽ、　　　　　　　　　　　　　　 /L_::::::::::::::::`L/　　　/　　　　　裏門から逃げるぞ、ついてこい！」
...　ノ　　　　　 `　　　　　　　　　　 l　　ヽ::::::::::／　　　/
...../　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　＼､ |:::::::/　　　／
.ﾞ/.　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　、`ｰ-- '　　／　　　　　　 ┌───────┐
　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー　　／　　　　　　　　 │同学校　学生　 │
　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　 │五飛＝張　　　　 │
.　　　　　|　　　　　　　　　　＿　　　　　　　／　　　　　　　　　 └───────┘
.　　　　 |　　　　　　　　　／／ ` ｰ-､＿___／
. 　　　 |　　　　　　　　　／

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　五十人ばかりの人垣があり、その中心で少女が唄う。

　　呪歌の効果によりゆっくりではあるが傷が癒えて動けるようになった住民達は、
　　生徒の誘導で少しずつ校庭から町の外を目指し、
―――――――――――――――――――――――――――――――――――


	300 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:26:48 ID:yjDw79/Y ひゃっはーメイちゃんとか俺得 301 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:26:53 ID:RFMqLdos おい歌詞ｗ

302 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:27:01 ID:uiHBGRsI

二２７１．

「た、助かった！」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「にげろおおっ！」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「早く、早く外へ！」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 x≠:.:ミ、
　　　　　,､zxｚ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,{ 狂三ﾐ }z≠-ミ　　　＿　　ィ＝ミｘ
　　　　　ﾄ，:::::::ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘f　ム-イﾊィ乍ﾊ　ぃぐ/ミ=-}.ィ=-}
　　　　　fﾟ '^¨ﾄ､_L　-ミ　　　　　　　　　 ,､ｎ　　　　ア:::::::::::〈　ム＿ムz.〈災什ミ=-ﾑ_.ム_
　__,、　　ヒ　./:::::::{ ,､　ヽ　　　　　　〈　` }　　 .／:::::;::::::::└ｧ':::::::::::::ﾄ，　ﾑ三匕_/:::::::::::::
.〈 .ハ　　　｀):::::::T:::::ヽ　ヽ　　　　　　　　　｀ヽ｀ｰヤミ／ヽ:::::::ノ::::::;:::::::::::L人/::::::::::::::＼ｰ､::
.　＼＼　　./ヽ::::::::::::::::ヽ　 ≧　　　　　　　　　｀丶}　└-- ` へ:／ヽ:::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::＼
　　＼｀¨ﾁヽ:>､:::::::::::::::}ﾊ入　　　　　　　　　　　　｀¨¨　ｰ― く::::::ry､:::::::::::::/::::::/:::::::::::::::::::＼
　　　　　ー　' 　＼:::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　　　　　　　　　　＼L_ 　ー‐へ :/＼:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　｀ヽ::::::::::::::::_ム　　　　　　　　　　　　　　　　／:ー::＝--　イ_／:＼:::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　｝::-‐:::´:::::ハ　　　　　　　　　　　　　／｀丶::::::::＞”::::::::::::::::::::::::ヾﾐ::イ
　　　　　　　　　　　イ::::::::::::::::::::/::::|　　　　　　　　　　　　/　　　　> 厂｀丶,人::::::::::::::::::::}/:::::
　　　　　　　イ::::::::::::::::::::::／:::::: !　　　　　　　　　　　〈　　　Z　〈　　 ∠:::::ムﾊ::::::::::::/::::::::
　　　　　　　　/　＞ｬ―‐　个---r′　　　　　　　　　　　ヽ／:::::ﾏ::ヤチﾊヤ￣　＼::/::::::::::::
　　　　　　　　'. ／:::::::｀ヽ　 |　　 .|　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::ﾏj　マ:ム＼　　/７￣＞

　　__ 00 　　__ 00 　　__ 00 　　__ 00 　　__ 00 　　　　
　く,ﾆ ! 　　く,ﾆ ! 　　く,ﾆ ! 　　く,ﾆ ! 　　く,ﾆ ! 　　　[][]「l　
　くノ　　　くノ　　　くノ　　　くノ　　　くノ　　　　　くノ　

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　ようやくにして、当初の三分の一ほどが校庭から姿を消そうとしていたその時―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

305 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:28:01 ID:uiHBGRsI

二２７２．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_____,,,,,,,............---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__,,,,,,,,............--――'''''''''''"ﾞﾞﾞ￣ﾞ＿,,,,,,.... --―'''''''″
　　　　　　　　　　　　＿__,,,,,,,............-;;ｯ;;―￢'''''''"ﾞﾞﾞ￣￣　　　　　 . ＿,,,,,,.... --―'''''''"ﾞ￣゛　　　　　_,,,..　-ｰ'
　　　 --――'''''''''''"ﾞﾞﾞ￣￣　　　　　_ /二二二二''''､　,,....　--ｰ￢'''^ﾞ￣´ 　　　　　　 _,,,..　-ｰ'''''"´
　　　　　　　　　　　　　　　　 ___,. ／ .／ｰ''''''''ﾞ" .｀- ﾐ;;-､　　　　　　　 .....──丶'"ﾞﾞ´　　　　　　　 . _,,,　ｰ''"゛
　　　　＿,,,,,,.... --―''''''''ﾞﾞ￣´ ／. ／　　　　　　　｀ハ　　,,..　-ｰ'''''"´　￣´ﾞ'i　/　　　　 ._,,.. -''''"゛　　　_,, -‐
'''''ﾞﾞ￣´　　　　　　　　　 / .／　　　　　　　 ._,,　ｰ''''''ﾞﾞﾞ￣￣ﾞ"''ｰ､　　　　 │.| : -ｰ''"゛　　　　 _.. -''"゛
　　　　　　　　　　　　　　　l,ﾞ .〈..、,,..　-ｰ'''二￣゛　　　　　　　　　　　　｀'-　,,,　ｰ''". ｌ.!　　　　 ._,, -''"゛　　　 . _..-''
　　　　　　　　　　_,,,,..　-ｰ''' ﾞ''､. ヽ　.,..-'´　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　 .| ｌ ,.. -'''″　　　　 ._..-'".,..-'″
　　_,,,..　-ｰ'''''"´　　　　　　　　ヽ.!.'゛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞl,　 _,, - l !　　　　　　 _..-'".._..-'´　 ,..‐
｀´　　　　　　　　　　　　　／ l ﾞl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!″　　/,!　　　 _..-'"　,..-'"　 . ／
　　　　　　　　　　　　　　　／　　..! !　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_＿,;;;;;ｉｼ┘,..-'"゛ .,..-'″　 ,..‐″
　　　　　　　　　　　　　／　　　 .ヾ.゛　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾞ￣゛　!　　._..-'"　 .,..-'´　　 ,..‐″　　　　 ._．
　　　　　　　　　　_,,..　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ　　　　/.-'"..＿＿＿＿＿＿＿　　/￣／／
.　　　　 _,,　-''''"゛　 ,i′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.....　/　　　　　　　　　 /　/　／
.　-''''"゛　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 "　‐ /　　　　　　　 /　/ﾚ/　/￣／
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾞ''-,ﾞ''../＿＿＿＿＿　　 /　　　　 /　／
　　　　　　　 lﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　　｀'i　!.゛.　　　 /　　/　　　　　ｉＹ/
.　　　　　　　 _， l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／ lﾞ│..　　　　/　　/.　　　　／
　　　 _,, -''"゛　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　. ／.　＿＿＿＿＿/　　/　　　　／
.　‐'"　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ---　ｉ,ﾞ゛.　　/ 　　　　　　 /....　　／　　　　　　　/
.　　　　　　 ,i　　　ヽ　　　　,　　　　　　　　　　　　 _／ _￣ﾞ'ヽ　｀'- /＿＿＿＿＿＿_/....　／　　　　　　　 /
　　　　　　 ,!　　　　.＼　,i/　　　　　　　　　　 _..-'".,..‐″　　　.ヽ　　／..　　　_从.　　　／　　　　　　　　/
　　　　　　'!､、　　 _..- .〃...,_ 　　　　 _,,,.. -'''″.,／゛　　　　　　　ヽ./ 　 . ／.ﾞ/　/ _从＿＿　　　　　 /
　　　　　　　つｰﾆ,,＿,/〉　　,､￣ﾞﾞﾞ￣´　　　 ,..-'゛　　　　　　　　　 ,／....../,.,//　//　／　　　　　 /
　　　　 _..-'"　　｀'-, ...-彡‐´　　　　　　　,／゛　　　　　　　　　　 ,／..　　　"　/,､/'´ ／　　　　　 /
.　_..-'"　　　　　　 .,＞″　　　　　　 .,／゛　　　　　　　　　　　　　／　　　　　ﾞ　/／　　　　　　 /


	306 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:28:50 ID:RFMqLdos やっぱりーーーーー！！！

307 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:29:01 ID:uiHBGRsI

二２７３．

　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　/ ./ 　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　 ,／.／　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　 |＿r-ｰ'''''"ﾞﾞ" ／　　　　　　　　　　／
　　　　　　 ,, ―ｰ'ﾆ二二 ---―ｰ'''^゛　　　　　　　　 _..-'''"´
　　　　　 / .,..-'"゛　　　,!　　　　　　　　　　　　　 _..-'″
　　　　.,iﾞ／　　　　　　 :!　　　　　　　　　　　　　,／´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..-
┏━━━━┓┏┓┓ 　 ┏┓　　 ┏┓┓ 　 ┏┓　　 ┏┓┓ 　 ┏┓　　 ┏┓┓　　　　　 ┏┓┏┓┏┓
┗━━┓　 ┃┃┃┃ ┏┛┗━┓┃┃┃ ┏┛┗━┓┃┃┃ ┏┛┗━┓┃┃┃　　　　　 ┃┃┃┃┃┃
　 ┏━┛┏┛┗┛┛ ┗┓┏┓┃┗┛┛ ┗┓┏┓┃┗┛┛ ┗┓┏┓┃┗┛┛　　　　　 ┃┃┃┃┃┃
┏┛┏┃┗┓ 　　　　 ┃┃┃┃ 　　　　 ┃┃┃┃ 　　　　 ┃┃┃┃　　　┏┏┓┓　┗┛┗┛┗┛
┗━┛┗━┛ 　　　　 ┗┛┗┛ 　　　　 ┗┛┗┛ 　　　　 ┗┛┗┛　　　┗┗┛┃　┏┓┏┓┏┓
　　l / 　　　　　 / 　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┗━━┛　┗┛┗┛┗┛
　　|.|　　　　　　　 /　　　　　　　 lﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　　 ,．
　　!.|　　　　　　 ./　　　　　　　　!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1
　 .lﾞ !　　　　　　/　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !）
／.／　　　　　 /　　　　　　　 . !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‐=､´　　　ギャアアアアアッ！！！！
.／　　　　　 .／　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　
゛　　　　　／　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-'''''''ｰ､,　　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ
　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／　　　　　　　　　／／￣｀＼＼　　　　＼／ﾞ_.. ‐'"
　　　／　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　 /, ‐　　　　 .ヽ　ヽ　　　　.,／ン''´
　　/　　＜　　アババババババっ！？　＞　　　　　　　　 i|′ 　　　　ｌ.　.ヽ ._..‐ ／　　 .ｌ,
..／　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　( 　　　　　　　 l !　　　　　　　 . ｌ　 . ／　　　　　　!
"　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^　　　　　　　　　　　ｌ .!　　　　　　ｌ./　　　　　　 l　 _,,　-――‐
　　　.／"''―--‐'´　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! /　　　　　　　　　　　　　　　 ,./ ″._,,,.... ----
　　./ 　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│.|　　　　　　　　　　　　　　　　　/r‐/"´
　./ 　　　　　　　　　　　lﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│ !　　　　　　　　　　　　　　　　,//　.l
../ 　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　|　　　　　　　　　　　　　　　ノ./ 　 !
′　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! ./　　　　　　　　　　　　 / ./ 　　!
　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! .lﾞ　　　　　　　　　　　／　/　　 .!

―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　闇の中から突如飛来した雷球が弾け、裏門付近の十一名を飲み込んだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

308 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:30:01 ID:uiHBGRsI

二２７４．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ!´￣｀`i''ー─- ､､､,,_
　　イ三二二ﾆﾆﾆゞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　j〉　　　」´￣￣｀`ー-､ヽ　　　　.,.:,..:.. 　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　　　　　... ,...　　　　　　　　　　　　　　　｀`ｰ─'"´ ￣￣￣￣
　　　　　　　　　,ィゞ　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. ... ,...
　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-
　　... ,... 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　... ,... 　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　＿, 　-─‐- ､ー‐-､ー-､　　;: ;:;: :;:;: ; ;　　　　　　　　　　　,ィゞ
　　　　　　　　,ｲ､,r'⌒ヾ　　　　ヽヾ｀`''ー- -､-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; 　;: 　.　　　　　　　　　　　.,.:,..:..
　　　　　　 ,r/　 (::;;:;:;;/ー-､　　j　 `,　　　＿ /ィ´　　;:; :;　;:; :　;:　　　　　　　　　　　　　　　,ィゞ
　　　　　　ヽ「i''ー'"´　　 ,r-‐'ー''''"´￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ!´￣｀`i''ー─- ､､､,,_
　　　　　　　　　　　　　　　イ三二二ﾆﾆﾆゞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　j〉　　　」´￣￣｀`ー-､ヽ　　　　.,.:,..:.. 　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ... ,...　　　　　　　　　　　　　　　｀`ｰ─'"´ ￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィゞ　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. ... ,...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-
　　　　　　　　　　　　　　　 ... ,... 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　... ,... 　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿, 　-─‐- ､ー‐-､ー-､　　;: ;:;: :;:;: ; ;　　　　　　　　　　　,ィゞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ､,r'⌒ヾ　　　　ヽヾ｀`''ー- -､-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; 　;: 　.　　　　　　　　　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r/　 (::;;:;:;;/ー-､　　j　 `,　　　＿ /ィ´　　;:; :;　;:; :　;:　　,.-'''"-─ `ー,--─'''''''''''i-､,,

―――――――――――――――――――――――――
　　暗闇に慣れた目に痛い、火花と閃光が弾けた後には
　　焦げ臭さと物言わぬ骸がただ転がっているだけで、
―――――――――――――――――――――――――

309 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:31:01 ID:uiHBGRsI

二２７５．
―――――――――――――――――――――――――
　　生徒の一人が仲間の安否を確認するも反応はない。
―――――――――――――――――――――――――

　/　　／／　　　/　　　　　　　　　　　　＼::.......:::::::::::|
/　 .::::/／　　.:/　 |　　.:.　:::....　　:::｀ヽ､:.. ＼:....＼::::ヽ::::::|
　 .:::/ /　　.:::/　.::j　 ..::::|　:::|::::..ヽ　:::::::ヽ;:::. ＼_:::ヽ:::::ヽ」
　.::/! /　 .::::/ .::::/　 .::::::|　:::|l::::::::::ヽ :::::::::ヽ:::::::l::｀ヽ､::::::::|
.:::/ | |　..::::::| .:::/|　　:::::::|　:::| `ヽ､::::ヽ :::::::::ヽ::::ヽYｨﾆヽ:::|
::/ .|.:|　.:::::::| ::/　l　 ::::::::|ヽ ::ヽ　_＞､ヽ＼:::::::l::::::ヽ!　〉 }〈--､
′ |::|　::::::∧::|ヽ､! :..:::::::|　入::ヽ∠￣ヽ!｀ﾞヽ:::ﾄ､::::∨7/:::/＼ヽ
　 j/|:! :::::∧ヽ!,ｨ=ﾍ :::::::::ﾚー'´メ:::::7'ヾ､　ヽ:| ヽ;:::V/::::| 　ヽヽ-､_
　 !　|:! ::::|`ヽ|」{::::(_,ﾄ､::::::|￣　 ' {::ｨ:`‐ｲ　　　 !　ヽ::';::ﾚｰ､.　 | | |､　　　　　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人ﾉ
　　　||　::| 　 ',　ヾj::ﾉ j＼::!　::::::...`ー'´ノ　　　　　| ヽﾚ!::::::::＼| | ||　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　ヽ:|　　 l `ー‐'´ } ヽ!　　　￣　　　　　 |　 y'::::::::::::::| | l|　　　　＜　　ウ、五飛！？　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　 rﾍ　　ノ　　　　　　　　　　　　 /　 /:::::::::::::::/ j ||　　　　＜　　返事をして下さい、五飛！！　　　＞
　　　　　　 /　ﾊ　　 `ｰ､ `　__,. -ｭ　　　　　　 /　/::::::::::::::::/ / j.|　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　/ |　| ヽ､　　 `T┬‐'′} 　　　／　/:::::::::::::::::/ / / |　　　　　　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒Y⌒Y⌒WY
　　　　　 /　|　|　| |｀ヽ､　 Vl＿_,ｨ/　　／　／:::::::::::::::::/ / /　.|/
　　　　〈　 |　ト-| |: : : :lヽ、`ニ´ 　／─‐'´::::::::::::::::::::/ / /　 /|::
　　　　　 |　ヽ|　 | |: : : :|:::::`ー‐ ''´::::::::::::::::::::::::::::::::::／ / /　 /　|::

――――――――――――――――――――――――ｚ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

　　　　　　＿　　＿.............＿__
　　 , =ァ＝―ミ．::::::::::::::::::::::::::::丶．
: ７:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:丶::::::::::::::::::::::::::／｀ヽー､
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヽ:::::::::::::, '　　　　`ｰ､
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}　丶::::/　　　　　　　　`ー--: ､ __
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i　　 !:::{　　　　　　　　　　r一ー ⌒ｰ＝､
､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　 /:::::i　　　　　　　　　　!　　　!　　　!　ヽ
.丶:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .／::::::::丶　　　　　　　　ノ　　　!　　　!
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


	310 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:31:20 ID:sZKP91Ik ごひー！ 313 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:32:08 ID:tL8WQrr6 死屍累々だな・・・

312 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:32:01 ID:uiHBGRsI

二２７６．

　　　　　　　　　　　ヽ:.:.:.:. =＝: : : ::/' ｲ { .:ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ
　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::､〃,: ,ィi:.:＞ィ::: :}　,ィ　　　　　　　　　　　　　　/::::
　　　　　　　　　　　　　　＞イ／;:;;//={i´:.:＞／:/　 _..,,＜}　　　　　　　　 {:::::
　　　　　　i:ヽ　　　　　,,　/: /;':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣:.:.:.:.:｀´;;;:.:.:.:.:{_,,,,,,,==,,,,,,,,　　 ,.:＜::
　　　　　　i:::∧　　　 ∧::i'::..:.:／i::.:.:;;;;:.:.:.:.:.:.:;,;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;｀<:;:;:;:;:::::　　―――ほぉら、
　　　　　 i::::::∧,､iヽゞ':.:.:.／:::::i;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／￣ヽ≧ゝ三:.:./:::::::::::::::::　　　　　　　たくさん居るじゃないですか―――
. ,､　　　 /i:.:.:.:.,:.:.ﾞi:::〃⌒';;:=＝{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／￣ヽ} >壬〃‐-､彡ﾐ/／:;:;:;:;:;:;:
. V:ヽ--{i:.:}:.:.:/::／/:/:.'／:.:.:.:.:>'´:.:.:.:.:.:.:i'´￣＝＜´三====ゞ＝& gt;三三三三三
__}:;:;.:.i:､::l:.:i:;;/:/ｉ;ﾞ〃////};;:;:;＞{;,;,;,;,,;,:.＞‐‐ﾞ-三='三三三}─-}壬三三三三三三
<i:.ヾ:::>i:i:.:}:;､ヾ〃;:/://:ｱ´:.:.:/＞壬ゞ'二三､三三三三三三三三三三三三三:::
　V:.:,ヽi:i:.:y:.:;:＼ゞ //ﾚ::ﾌ=＝}ニ,,,,,,:.:.:.:.:.:.::::::ヽ三三三三三三三三三三三.::::::
　,<:;:;::::i:i:.:>;':;:‐＞　´＜‐:.:／i;;;;;=＝ィヽｲ:.Y/ﾐ､三三三三三三三三三三:.:::.:.:
　＜:.｀}:.i}:{､:.ィ／/乂ゞ＼.:./:::,'::.:./´､:.:}､:.:.:i:.:.:.ヽ三三三三三三三三三三.:.:.:
　 /:::}:i:.:.}....::::ﾞﾞ":.:.:{::::::>i-‐´i/＞'　⌒ヽ' ヽ'＼､:.:}三三三三ｵ:.:.:.:.:ヽヾ:.:.:.:.:.:V:.:
　 }:.:{::::V{;;::::::i:.:.:.:.ﾉ/V::i}:.i:.:.:i´　　　　　　　　ヽ｀´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞≧''''´:.:.:>､::::::}:.:
　 .i:.:::>､:.:.:.:.:ｨi｀}y´' /::::i}:i:.:,':}　　　　　　　　　｀＜="ﾞ＝=＝'''':.:.:.:.:＞-‐‐ゞ: : :
　 .i:.::::/ヽ､:.:{､:.:.:::::.:.i::::<}:i:,':.,'　　　　　　　　　　 /｀ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞壬二:.:.:.:.:ヽ: :
　　V/　ヽ>'∧:.::::::.i::::<;i:.:.,'　　　　　　　　　／;.;.;.;.;.}:.:.:.:.:.:.:.:/::::::::::::}:.:.:.:.:.:ｲ:.:.:
　　　　　　｀ﾞV>:.／:.:</::/　　　　　　　　,: ＜;.;.;.;.:::::::::i､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}::::/:.:.:〃:i::: : :
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　 00　　_ｎ_ｎ__　　 __　　 00　　_ｎ_ｎ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |　ｒ､　　└i_n┌'　　 | |　ｒ､　　└i_n┌'　　　[][]「l
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　　数秒後。
　　絶望の羽音を響かせて、破壊の使者が校庭に舞い降り、
――――――――――――――――――――――――――

314 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:33:01 ID:uiHBGRsI

二２７７．
―――――――――――――――――――――――
　　巨大な体躯が放つ圧倒的な存在感と
　　禍々しい気に圧されてその場の空気が凍り付く。
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　　 '､:r-､:::::::ノ　/　＼|ヽ:::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::lﾚ'
　　　 / スヽ_| 　＿＿__＼_､::::＼:::::､:::::::::::::::::､:::::::::::::::::ト:::::|
　　 .l [　〕　　　　　＿__＼＼::＼::::＼::::::::::::::＼:::::::::::ヽヽ::|
　　　＼ヾ'　　　　　ﾍｰ'::::/ フ＼::ト:::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::l　l::|
　　　　　ヽ_r､　　　 `ー '"　　　＼＼:::＼::::::::::::::ﾄ::::::::::|　l::|
　　　　 |　､　　　　　　　　　　　＼l＼:::＼:::::::::ヽl::::::::|　l::|
　　　　　r.|.　ヽ　　 u. 　　　　　,　ヽ　＼:､＼::::::l `;:::::|　|:|　　　　「まずい！
　　　　 /Y　U.　＼　　　　　u.　　　 _, " ／' ＼､ヽ:::::|. `;:::|　|l　　　　教師達も出払っているのに！」
　　　 /　`ｰ､　､＼　　　　　' ￣　 /　　　ヽヾ:::|　l:: |　|
　　　/　　　　　` ｰ､　`　､　　　　　／ヽ　　　　ヾ:|　l:::|
　　 /＼　　　　　　　　`　ｰ､`ー- '" l　　l　　　　　　|:|　l::|
　　/　　 `ｰ､　　　　　　　／　|＼　　 |　　＼　　　　　 l|　 |
　 /　　　　　 Tー､　　　＼　|;;;;;＼○|　　/;;＼　　　　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:￣: : : : `: ..､＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ,..:ー: ､: : : : : : :.',: : : ヽ: ＼
　　　　　　　　　　　　／: : : :.`: ､: : : : : : :',: : : : i: :.:.}._
　　　　　　　　　　　　　 r:': : :,: ､: : : : : :ヽ: : : : :i: : : : :i: : : 八
　　　　　　　　　　　　　 i: ／: : : :＞:': :ヽi,: -､: ,'_: :/:,:': : : : : :},
　　　　　　　　　　　 , イ: : :,:イ:´: : ,: : '´: : : : ':´:.i彡､: : : ノ: : ﾂ
　　　　　　　　　　　/ｲ:／: /: : :／: : : : : :,.ｲ:ﾉ: :.i: : : '､ヽ: : :.ソ
　　　　　　　　　　　'ｲ/:,ィ/: :.,:': : : : : ／./:/i: : :从i: :.ﾊ: :'､: ﾊ
　　　　　　　　　 /,ｲ/i／/:.:｀`トx､　／ ,': : :,' i:.i: : : ､: ヽく.､
　　　　　　　　　　　　iﾊく.i:／,ィ==zrヾ,　/: :.,.'　i:.ハ: :.从:.ヽ:.i
　　　　　　　　　　　 /: :ﾊ./i　 i弋;ツ.ﾉ ,.:': ／,ィニ､￣': :ハ: ﾊi
　　　　　　　　　　　ヽ: : : :.ｉ　　｀ー '.／ '　　 i.伝ﾂ.〉.i: :ﾘ .i: i
　　　　　　　　　　　／ヽ: :.i　　　　 '　　　i 　ゝﾆ-' ,ﾉ:/　 i/　　　　　「でけぇ………
　　　　　　　　　〈: : : : :.ｲヽ　u.　　　　 i　　　　 / .ﾘ　　'　　　　　　あれが………ドラゴン、って奴なのか………」
　　　　　　　　　　〉: : :.八.､.ヽ　　　　　 ´ u. 　 , '
　　　　　　　 ,..:'´: i: :,/::::::＼＼.u,　　￣　　,...ィ
　　　　　　　 i: : : ／::::::､::::::::｀:::..`　ー '.ﾁ:::i:::::｀:::.........､...＿
　　　　　　 ,.フ::::::::::::::::::｀:...､:::::::::｀i　　ｉ:::ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ヽ
　　　　　,...::':´::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::ｰ::::i-.‐':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::',
　,..ィ＜::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::,
.i:::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::,

315 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:34:01 ID:uiHBGRsI

二２７８．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　おそらく突破されるだろうとは思っていた。

　　しかしこれほど早いと思っていなかった少年は隣の王女と、
　　闇の中、赤黒い片眼だけが爛々と目立つ邪竜とを見比べてどうするかを迷ってしまう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　._,,≡‐:::'': :: : : ::''': : : : : : : : :.:.''''‐‐＿
　　　　　　　_/,,‐、:::::::::::: : : : : ::::: : : ::''''‐::: ‐‐＿:,,,,,┴'
　　　　　　,il''''':.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:│:'',、: :￣:'＼
　　　　　 ,i'::_,、:::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::,: : : ::|;:.:.:＼、＼_: ＼
　　　　　.,!''''　: : : : : : : : : ,‐: : : ..,　|: : 　.|i、;:: ..:＼_: ＼,,ヽ、
　　　　　'|: :: : .: : :_／: :_／: ..: :.:.|: .|: ::: : .:'i,'‐;;;:::::::::＼::.'l.￣'
　　　　　 |_／:::_／::;:;／: : :::::::_,┤│::: : :::;;'l.＼;::::::::::,Ｌ:::|
　　　　　.i－:::│:;;;;;,/':.:.:;:;,,ィi,,_.,l',/'|: : :::::;,/,,!,,:lヽ:.:.:: |.＼ト
　　　　　|: ::::　|: ;;;;/: ::,,‐,,,二,i,,ﾆ∨|:.:.:.:.:,‐i‐i‐|:| ＼:: |　 │
　　　　　' :'‐:;,i!::;　|::,‐' .'',,l,,,,│￣│:::_, ll,,│ | ‐　ヽ |
　　　　　　 |,i,|.┼_/'　　 .'''￣－／／|'　￣　|　　　 ∥
　　　　　　 .'''!ﾆ',,'''　　　　　　 .‐　　　＼　　.|
　　　　　　　　 .'l:￣'L　u.　　　　　　　''　　 ,l'
　　　　　　　　　 .'''‐|－　　u.　　 .'''''‐　　_/'　　　　　　　　　　「チッ！
　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　 ._／　　　　　　　　　　　　もう突破されたのか！」
　　　　　　　　　　　　'l　　: : ''‐‐＿‐/ﾄ
　　　　　　　　　　　　 '!　　　　 : : : ,i‐＼
　　　　　　　　　　　　_,イ　　　　 ._/'　　'＼＿,,____　　　　　　　（どうする？
　　　　　　　　　__,‐‐''　　u.　　,／　　　　_／':::_‐'''''''─‐__　　　王女だけでも何とか逃がす必要がある）
　　　　　　_,,イ'│　　　　　　　'　　 ___,,,,／:.:.: ,l'　　　　　 '＼
　　　 ,／'''　|　|、'''''''''''''‐　.／￣￣_／': ::::::: /　　　　　　　ヽ
　　／　　 │::::│　　　　　　 ._,‐‐,／::::::;;:::::,!　　　　　　　　　│

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　,, - ''　　.Y　　 `ヽ
　　　　　　　　　　　　　／　＿　　 l　　　 __　＼
　　　　　　　　　　　　／　／　ヽ　ﾚ/ ／　＼　＼
　　　　　　　　　　　/　 .／　　　　 `i　/.　　　　＼　ヽ
　　　　　　　　 /　／　　 /　　　 .Y　　　　　　　ヽ　ヽ
　　　　　　　 / /　　　 /　　　∧ | ∧　　　　　　ヽ　l
　　　　　　　　　 l //.　　 / 　　 /:::'､/::::l　　　､　　　＼l
　　　　　　　　／/ /　 /　　　 |ー-- ' ﾍ　　 l　　　　ゝ
　　　　　　　　 l　/ /　ｲ　　　/l |　　　　 l　ﾄ　ヽ　　ヽ Y'
　　　　　　　　ヽ|　|　　|　| 　 | | l　　　　 | | |　i_」　ｲ　l,/
　　　　　　　 |　l　　|_∧　 | ﾚ'　　　 |ﾉ | /　）/イ ∧
　　　　　　　　　　ゝﾍヘﾍ.ｰ＼＼ .　　　 .r' ノﾉ--/‐　 |/l .l　　　　　　　「兄上達は！？」
　　　　　　　　＿l ､| 　 "T:::ｒ‐r､＼　　 " ´t:::::ｔ'７ヽ　|） ,/＼
　　　　　　　／;;;;; ＼　　､ヽ::ノ,　　　　　ヽ:::ノ,,　 /.／;;;;;/
　　　　　　 └､;;;;;;;;;;;;;]. 　　￣　　　 i　　　　￣　　　lｰ- ､;/
　　　　　　　　＼;;∠ .l　u.　　　　　|　　　　　　　　 /ヽ　　 ` ー- 、_　＿_
　　　　　　　　　／７　ﾄ､　　　　　ﾉ　　　 u. 　　 ∧ /　　　　　　　￣T　ヽ
　　　　　　　／　〈　 | ＼　　　　｀＿´　　　／　V ｽﾍ　　　　　　ヽ　.ヽ
　　　　　／　　　　l　 |　　＼　　〈＿:::〉　　／/|　　V　 /　　　　　　　/　　 l
　　　　／　　　　ノ,　 |　　 |.＼　　ー　　／／ll|　／　＼　　　　　　l　　　 l
　　　／　　　　　Ｊ　　　|　　＼ ` ー-‐ '　＼　.l＜　　　　 l　　　　　　|　　　ヽ
　／＼　　　　　＼　 └- ､__　ト　 |　Y　ヽ　＼|　＼　　 ./　　　　　　|　　　　ゝ

317 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:35:01 ID:uiHBGRsI

二２７９．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　ある一人の大声を皮切りに、住民達から次々に悲鳴があがる―――
――――――――――――――――――――――――――――――――

　　「お母さん！
　　逃げなきゃ！」
　　　　　　　　　　　　　　　　　,　-―- ､
　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : :､
　　　　　　　　　　　　　　 {: : : : : : : : : : : : : : ＼　　　　　　「あなただけでも、早く！」
　　　　　　　　　　　　 ',: ＼: : : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　 Vヘ.)>､: : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　ノ⌒＾/　ヽ:ヽ: : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　/´: :_: :{　　　 ',: ',: : : :＼: : : :.ヽ:ヽ
　　　　　　　　　　　　 j: : : : :_j　　　　}: :',',: : : : ヽ: : : :}: |
　　　　　　　　　　　　　｛: : :ト( ｣　　　ハ_｣レ-―'⌒ ーr'
　　　　　　　　　　　　乂ゝ- /　　 /＿＿__ , -┐　｛⌒!
　　　　　　　　　　　　　/`厂￣｀　　 /:::::::::::::oo}} ⌒)　└イ
　　　　　　　　　　　　　L｛＿＿＿／＿_,,..　-‐' ￣　　　 |
　　　　　　 /⌒＼　 /::::::/::::::o／　ヽ　　　　　　　〉
　　　　　　/⌒ !　　.l　＼:::::::::::o／{　{　　　　　　　　　　　 }
　　　　　 / ⌒ | ⌒ |　　} ヽ::／　ヽヽ　　　　　　　 /
　　　　　 |　　 :|　　 |　ノ／{　　　　＼＼　　　　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　 ,　-　、
　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　〃::::::|:::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　 /:l:::::::::|:::::::::::::::::::＞-､
　　　　　　　　　　　　｛;:j:::::::::|::::::::::|::／i⌒ヽ}_　　　　　「キャーーーッ！」
　　　　　　　　　　　　巛〈ヽ:::|::::::::::/　　ヽ　　 |
　　　　　　　　　　　　 |} }丶ヽ::::::::;' /　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　ヽ　　 |:ﾊ:://　　　 l　/　 ',
　　　　　　　　　　　　　 l ＼/　 V　　　　//　　 ',
　　　　　　　　　　　　ヽ〈 l　/　　　　〃　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 ‘|｜　　　　/ 　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　/　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　_/ｉ｜　　 /　　／　 |
　　　　　　　　　　　　　／:::ヽ　　　　/　_∠、　　 |
　　　　　　　　　 /::::::::::::|　　／　{_　　|-　　'
　　　　　　　　　　｛::::::::l:::::ヽイ　／､ヽﾉ　/ /
　　　　　　　　　　　　 )::r=|::从:::j／　　　/　 / ,'
　　　　　　　　　　　　>个ー‐ｧ' 　　　 /　 /　|
　　　　　　　　　　　/　 l　　 / 　　　/　 /　｜
　　　　　　　 /　　　　＿　　　-‐' 　 /　　{
　　　　　　　　　 /　　　´／　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　 l　　　／7￢=､　　　　　　　　|
　　　　　　　　／l　　　　/　　　＼　　　　　 |
　　　　　　 |　　　　　/　　　　　丶 ------ｲ


	318 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:35:25 ID:aUmuVzbo 正に絶望的だな…… ない夫でも勝てんのか？コレ！？

319 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:36:01 ID:uiHBGRsI

二２８０．
――――――――――――――――――――――――――
　　倉庫の側には子供が怪我をして動けない親子、
　　親が怪我をして逃げられない親子が集まっていたはず。

　　今からそこの癒しに向かうはずだった王女が
　　全滅をさけるべく指示を飛ばしたのだが、
――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　ﾊ'　　　／　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　 /1　　　/　　　　　i　　　　　　ヽ　　　　ヽ
　　　　　　　　ｨfﾍ.　. :'　 /　　　　'　　　i:　 l　 l i　 .　､ '.
　　　　　　　八r､!: :, : :/　.　　. /　　. :/:j. :|　ﾊ:}　 |　 l　}
　　　　　　 ,: :{､:}: :j／: :／: /://: : : /l/:ィ: : j j|! . l: : |: :j
　　　　　　 ,:l: : V∠_:／:_:ノ∠': : :_:ノ/_//: ://ﾊ:_/j:_:j_/
　　　　　　 l:/!: ＞-､彡'　 -'─三二- ､ゝ-'　＞'∠´｀7
　　　　　　 ,: l: :l ' r､　　　　ィ７尤ｆヽ`　　　 /ィ7rﾊ7 ﾊ
　　　　　　,: /:i '､ {〈　　　　ヽ弋ッ'_,　　　　　､ゝ'_ノ !/
　　　　　 ,: : : :: : ＼｀　　　　　￣　　　　　l 　　　　|
　　　　　,: :/: l: : : : .:｀ﾍ　　　　　　　　　 _　 ,　　　 ′　　　　　　「う………動ける者から逃げなさい！」
　　　　 ,: : ': :ﾊ: : : 　: : ﾄ.　　　u.　　　　＿_´　　　ﾊ
　　　　,: :/: /: |: : : 　 : :Vヽ　　　　　ゝ--'　　　/ l l
　　　 ,: : : :, i: :l: : : :　 : : V`)ﾄ､　　u.　　￣　 . ィ: : .l l
　　　,: : l: :l l: : : : : : 　 : : './ v-､　､　　　／v: l: : : | |
　　 ,: : :l : l:l: : l. : :､: :　 : : }､　 (_l__r-､T´,/ゝ　l: : : :| |
.　 /: : :l: : l:|: : l:. : : ､:　　､:厂＼ヽ l ムｿ, ７´　l: : : ::| |
　, : : : l: : :|:|: : ﾑ: : : ､:　　 .ﾄ. r＝ヘ､_.../ノ 'ヽ l: : : : | |
⌒ヽ､:j_.　- ' ´::.:'. : : : ､　　､::V};.;.;⌒{{;.;.}';.;.;.;| .l: : :::::|￣


	321 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:37:07 ID:N.cI6xmI 指示でもなんでもないじゃないですかー！

320 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:37:01 ID:uiHBGRsI

二２８１．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,-'i＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i~,-'_,-'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣ﾞフ......_, -' ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ヘ＿＿　　　　　　　　　ノ..　　　_, -'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾍ　,:´⌒ヽｰー─ノ.　､ﾊ,..ﾞ_, -'...|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　\　|; ; ; ; ; ; ; ; ; ;...^ <　- ﾞ＿ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 \_⊥_＿_; ; ; ; ; ; ;;;ﾞ/'Y''~ヾ.ﾞ; ; ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |／|/|/|/|/|/ヽ＿＿......`.ﾞ; ; ; ; ; ; ; ; ヽ
　　　　―――ヒーッヒッヒッヒ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/ﾞ´; ; ; ; ; ; ; ;; |/|/|/|/|/｀：ー-´⌒ヽﾞヽ
　　　　　　　　そうは行きませんとも！―――　　　　　　　　　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |/|/|ﾉ|ﾉ/　　ヽ_,|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; （　　ノﾉ（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ヽノノ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |ﾞヽ.ﾉ　　　ノ
　__ｎ__　　　　__ｎ____ 　　__ｎ____ 　　__ｎ____ 　　__ｎ____ 　　　　　∩　　　　　　|; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |ﾞヽﾉ　　　　/
└冖　! 　　└ｧ┌┘　└ｧ┌┘　└ｧ┌┘　└ｧ┌┘　　[][]「l　　∪　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |ﾞヽﾉ　　　／
　　くノ　　く.ｲ_! 　　く.ｲ_! 　　く.ｲ_! 　　く.ｲ_! 　　　　くノ　　ｏ　　　　　　　ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |ﾞヽﾉ　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽＷＷＷＷヽﾉ　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､∴∵∴　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼∵∴　　／

――――――――――――――――――――――――――――
　　一匹たりとも逃がしません、との咆吼がその声を飲み込んだ。
――――――――――――――――――――――――――――


	322 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:37:25 ID:J8NrDRp6 何というか、絶望感がハンパじゃない。 323 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:37:55 ID:yjDw79/Y お、ちゃんと矢が刺さってる

324 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:38:01 ID:uiHBGRsI

二２８２．
―――――――――――――――――――――――――――
　　いや。
　　咆吼がなくとも、リリーナの声が届いていたとしても。

　　子を見捨てて逃げられる親がいるだろうか。
　　親から離れて一人で逃げられる子供がいただろうか―――
―――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　 /::::::::,.:: : : : : : ::::::::::::::::::::::::: : : : ::::: :::＼;;'i,
　　　　　　　　　　 /::::;;／:: : :／ : ::::/: : ::: : :::: : : : : ::::::､:::::::::ヽi,
　　　　　　　　／:;;／::::::::::/:: ::::::::/: : ::: :::: : : ::::::: : : :::::＼;;:､ヽヽ
　　　　　　　／:;／:::::::::::::/::::::::::::::i':: : ::i::::::::: :::::::::::::::::::::::::::ﾞ､;;ﾞ､ﾞiヽ
　　　　　　／-'" i´::::::::::;;;/::::::::::::;/:l: :::::;:|::;i;:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ､;ﾞi;i, !
　　　　　　　　　 ,l:::;;::::;;;;;/::::::::::;;;/:;;i':::::::;;l::::l;;;::::::::::＼::::::::､::::::::､ﾞ､iﾞ､
　　　　　　　　　 i::;;;;::;;;;;/::::::::;;;;/:;;/i::::::::;;l;;::;ﾞ､,;;;;;::::ヽ:ヽ,;::::＼;;::ﾞi;〈
　　　　　　　 l;;;;;;;:;;;/;;:::::;;;;;/i;;/ l:::::::::;;;ﾞ､;::;;i､;;;;;;;;;:::;＼;;;;;;:;:ヽ;;|'_
　　　　　　　　　l;;;;;;;;;;/i;;;;::;;;;/‐i;',,_ヽ;::::::::;;;ﾞi､;;;ﾞ､ヽ､;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;ﾞi, ヽ-‐ ､__
　　　　　　　　　|;;;;;;/　|;;;;;;;/-‐ -.,,_''-､;:::::::;i,-''_,.‐‐''`>､,,_;;;;;ﾞ､ﾞi､'i　l:　　l　ﾞ､　　　　「くそ、身体が………！」
　　　　　　　　　|;;;/　　|;;;;i''､ヽゝ - '´ﾞ＼;;;:;ﾞ､'　-`＝' '"　i'>､ﾞ､ i!　!;. 　 l,　ﾄ､
.　　　　　　　 l;i'　　,,.i;;;i'`ﾞi.　￣￣　 i　＼;;ﾞ､　　　　　 l'ノi ヽ　　　　　ヽ i, l
　　　　　　　 i!　r´rl:l,;i`i''i,　　　　 ;l　　　ヽ､　　　 / /　　　　　　ﾉ　ﾞﾞi､
　　　　　　　　　／ i´i l ﾞi!: l: :i 　 u, 　〈　 _　　　　　　 /: : : : 　　　　　　　　 |〉､
　　　　　　　／／i |: :,i':: :! :l: : ﾞ､　　　　___ _,.,.,.,,　u.　 /:i: : :　　　　　　　　　　/　ﾞ､
　　　　　／　　　 i,.l: ,': : : : :i　　＼　　 --　　　／::ﾊ: : :　　　　　　　　 /　　 i
.　　／／　　ヽ,ﾞ､i:i':　:.　: :l　　ﾞ､　ヽ､　　　／　　 iﾞ､: : : 　　　　　 /　　 /
　　/ ／　　　　ヽ/　　　　|　　　ﾞ､　　 ` ｰ ''"　　　　i'　l: : : :　　　　　　 /　　 /
　/‐┴‐‐-.,,_　　　/　　　　　l､　　　ﾞ､　　　　　　u.　　∧,l: : : :　　　　 /　　 / ）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　,. ' ´　　 .:.￣` ..､
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　:::::::ヽ::`.､
　　　　　　　　　　　　　 /　／　　　　　　 ::::＼`､
　　　　　　　　　　　　　　/　/　　　　　　　　　:::::::＼、
　　　　　　　　　　　　　ｨ! /　　　　　　　　:::.,.:::::::;::';:',
　　　　　　　　　　　　　 i:..!/ /　ｨ　/　/ i! !　';.';.:.:ヽ:i.|
　　　　　　　　　　　　　ｨ=ﾚ!::!:i!:i!:::! !..:!::..!::i!:::.i!:!::!::!:!:!
　　　　　　　　　　　｛rj　`゛ｰ=_ト!::::i!::!!:ｨ:::/!//ソｿ'rj､_K
　　　　　　　　　　　　　ﾄ､ｊ　弋ﾃﾄ、'´` ｰ‐斗二イ/ｆｊﾄｊ,　`ﾚｒｊ､_
　　　　　　　　　　　　　|::::!　 `ー''　　　ｲｲ辷ソ /ｲ:!:',ｆｊ　　　ヽ'
　　　　　　　　　　　 |::i::',　　　　　　 |　　￣　/´|:!!::', fjﾚ　　　　　　「な………んという、重圧………」
　　　　　　　　　　　 i　!:::.',　u.　　､ ,..!　　　 /|:::i!!';';:`<!.tj
　　　　　　　　　　　　 i.:i!::i!::ﾄ､　　ｰ_;:-ｨ　　.イ!!i!:::!:';:';';::`、ヾ　　　　
　　　　　　　　　　　　 |:!:::i!:ﾉ　＼　　　u.イ::::::!i!!!:::::!::!ﾄ;:';';:`､
.　　　　　　　　　　 ,レｲ　ﾞ､二_ l | |l　ヽ　`く.;';!: :::i:::i:. :';:':;.ヽ、
　　　　　　 , - '´ 〉 └--ヽ. ┤l｜l ヽ｀､イ丶､ ::!､ _:. :::::::..＼
　　　 ._,､-＜　　　ゝ-'　l　／＼|｜l　l.　l |　Zｲ　` ｰ ,､ _ .::::::..＼
　　 . /　　　ヽ　　（　　 l　＼ヽ|｜ l　ﾘ　〉〉　　 l　　ヽ.:::::::..＼
.　　 |　　　　ﾞ､　　ﾚ-､ _ l　＼＼＼ |　/／l rゝ　　｜　　 l.::::::::::..ヽ
　　　|　　　　　　:　　　　"/ ヽ｀丶､｀ヽ/' ノ l,ﾆゝ　　　|　　　|

326 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:39:01 ID:uiHBGRsI

二２８３．

　　　　　/´ 　ム -イ;‐ｧ
.　　　 ,!　　　　　〃 /
.　　／　　　ｨ!　|ｌ　ｉ¨７
......／　　　　;'´ i　ｌ|　|　|
......l　　／| 　 !:　!　 |L/|　!〉
.　 |.／　 l 　 |!　l　 |　 .|__|　　　　/`l..　＋..／　　　　　　　　　　　 _／゛　　　　　　 ._..-'″　　　　　 _..-'"
.　/／...　| 　 l!　|　 |　　　　　,､　 l　 |/ 〉　　　　　　　　　　　　 ,／゛　　　　　　 _..-'´　　　　　 ._..-'"゛
.　　　　,..ﾞ!　 |l'　|　 |　　　　 ,l |　　l　 |ﾚ'　　<> 　　　＋　　 _／_　　　　　 . ,..-'"　　　　　 _..-'"゛
　<>._／ﾞ |　 |!　.|／　　　　,!　L.-ヾi=,'.　　　　　　　 _,,,.. -‐'''" ／　　　 ,..-'″　　　　 ,..-'"゛
._./ ゛／..|／　　　　　　_,.-'´　 _, - '_´　　_,,,.. -ｰ'''"´　　　 . ／　 . ,..-'″　　　　_..-'"゛
.　／　 ./　,..-'"゛.　　 |_,.- '´|　L-'´_|''"゛./
..K,,,,_,.,.iｼ'"　,r　＋/ . ,i`ﾞ.,.-'´　 ,.-'"　,./　　　　　―――ああ、虫けらの悲鳴は実に心地良い！　　　　　　 _,, -'''″
　-''″　　 ,i彡‐´./ 　/...|,.- '´| |　　　　　／|　　　　　　　フヒーーーッ！―――
.　,　　　,／゛　　./ 　/ 　 ,.-'〉.|,i　　　　／／　　＿＿　　　　_
'″ . ／<>　　 ./ 　 `._./ 　/ 　./==.／ｨ'　　／＿＿ノ　　／丿.　　＋　　　　 _.. -''"
＋'"　　　　 ..ﾉ_.. -'"ﾞ./ 　/ 　／....く／レ　　　　　　　　／／..ﾞ_,,,　　　　 ._,, -''"゛
　　　　_..-''''"　　　 .i ／ _／´　　　　　 .,..┴'...,____,. - '´ ／ﾆﾞ／　_.. -''"゛　　　　　　　　　　　　 _,,　ｰ'''"゛
　_..-'″　　　　　＋´ ／　　　　　　 ,／_,, 　 /＿＿__,／ﾞ人∧从＿人_∧_人_从_/／　　　 _,,.. -''''"゛
″　　　　　　 _,,,..ｘr ゛　　＊_,,,　-'''''"゛　　　 .,..-'")　　　　　　　　　　　　　　　　　＞.. -''''"゛
.__,.,,.. -ｰ''''"゛　　　　. -''''"゛　　　　　　 _..-'"　　＜　姫様！お助けくださ……　　＞
..／　<> 　　 _.. -''　　 . _,,,..　-‐''二'~゛　　 _,, -''<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
゛　　　._.. -;;二　-ｰ''''"ﾞ´　　_..-'',ﾞ,,..　;;ｯ-''"゛　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
,,..　-ｰ｀゛　　　　　　　 ,／'“ﾞﾞ´._..-'"゛　　 . _,,.. -''''"゛　　　　　<> 　　　　　　　　　　ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj1
　　　　　　＋　 ,..-'　　._..-'"　 ._,,,　ｰ'二-ァ　　　 ,,, ‐　　　　　　　　＋　_,,,..　-ｰ'''''"）
.　 _,,,,.＊-　._..-'"　　　／　　=二-‐''',ﾞ./ .／　 ...ｨﾆ'"　　　　_,,,..　-ｰ'''''"´　　　　‐=､´　　さっちゃん！
´　　　._, ‐'´　　　　., イ￣￣　 .,..-'"　／　 . _,,,,..　-ｰ''''"ﾞ´　　　　 . _,,,,,．　　　　）
.,,　;;/'"　　　　._ ／ .＿＿＿／＊ .／. ''''"ﾞ´　　　　_,,,,..＋-―'''''ﾞ,ﾞ./ ´ ＿_,,,,,.... -- , '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､ｿ
／゛　　　　／<>　　 _,,／゛　　∠＿＿＿＿二二＿　　_,,　‐゛'''ﾞﾞ￣´　　　　　　＋　　　　　　　　　＿_＿＿＿
　　　_.. ‐'"　　　　.＿,、 ._..‐　　　　ｰ'''“'''^ﾞﾞﾞ￣´゛　.,.. ‐'＿＿＿＿＿＿、＿＿--―ｰ‐;;;;;;二二ﾆ｀-―';;ｉ=''
.ii二――'''''''''ﾞﾞ￣´ _..f´￣￣￣￣￣￣｀ヽ--ｰ'' ｀￣´　　　　　　　　＊￣￣￣ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ＿＿＿＿==‐'"
　　　　　　＊._..-'"゛　|　　体が………　　.|　　　────　　　　 _,,.. -―'''"ﾞ.,,,ﾞﾞﾞ￣´　　.,..-'',ﾞ＿＿＿＿＿＿
　　　　　二ﾞ,,,,、 _,,,　乂＿＿＿＿＿＿_ ノ　　　 . _,,,,..　-―''''"ﾞ´　　　　　　＊｀" _..-'"゛
,,　‐''"゛._,,,　ｰ''"゛　　　　　　　　　　　　＊.. -‐'''｀--- ..,,,,_、　　　　　　　　　　 _.. ‐'"

327 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:40:01 ID:uiHBGRsI

二２８４．

―――ただ苦しませればいい。
　　　　一方的にいたぶるだけでいい。

　　　　なんと言う至福でしょう！―――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‐=､´　　神よ！慈悲を！！
＼_人＿人∧从＿人_∧_/／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）
　)　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍｿ
＜　　お母さんっ………　＞
　<　　　　　　　　　　　　　(　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/|
　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^^　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_WＷ/ |WWWWWWWWWWWWWWWWWWW／
　　　　[ｆｔ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≫　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≪
　　　　　Νk　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 K　　　≫　　坊や逃げて！逃げてえええっ！！　　≪
　　　　　 !垈　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }代　　≫　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≪
　　　　　.為llll}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　為lll心／MMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMM､＼
　　　　.ｨ圭洲;　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /淤l圭l丞
　　 ,ｨ劣圭:㌢　　　　　　　　　　Ｌ　　　　　　　 /淤圭圭ＩＩＩＩ)　　　　　　　　　λ
　 ,ｨ劣斧ｱ　　　　　　　　　 [代　　　　　　　 ,攷圭斧:㌢´　　　　　　　　　 {会ｭ｡.
f,/淤圭Ⅳ　　　　　　　　　　　　　Ⅵ心　　　　　刈圭?[ｱ　　　　　　　　　 `''寺ll≧ｭ｡.
/淤圭Ⅳ　　　　　　　　　　 Ⅵ7　　　　　炸淤jⅣ　　　　　　　　　　　　　　為圭圭丞
圭丞Ⅳ　　　　　　　　　　　　　 7　　　　 Ⅵ7:Ⅳ　　　　　　　　　　　　　為圭圭圭丞
圭i:洲{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以Ⅳ　　　　　　　　　　　　 ,炸,圭l圭l圭l丞
圭i:刈　　　　　　　　　　　　　　　　　[　　　　　 Ⅵ7　　　　　　　　　　　　 ,炸圭圭l圭圭刻
圭lil代　　　　　　　　　　　　　 /k　　　　　7　　.λ　　　　　　　　　　焔圭l圭l圭l圭Ⅳ
圭圭淤t、　　　　　　　　　　　　　　!垈　　　　　　　　　代　　　　　　　　　　　以圭圭圭淤jⅣ
圭圭:歪会ｭ｡　　　　　　　　　　 .為llll}　　　　　　Ｌ　　',{Ｉ≧ｭ｡.　　　　　　　　込i:圭l圭圭:Ⅳ
圭圭淤冰ik会ｭ｡　　　　　　　 .ｨ圭洲;　　　　　　[代　 `''寺ｌ圭≧ｭ｡.　　　 Ⅵ7:圭lll圭lⅣ
ll圭圭圭淤冰ik会ｭ｡　　　　 ,ｨ劣圭:㌢　　　　　　Ⅵ心　　　`''寺圭斧≧ｭ｡._　 `''寺圭圭丞
圭圭圭圭圭圭圭ik会ｭ｡　 ,ｨ劣lll斧ｱ　　　　　　　　Ⅵ会ｭ｡　　 .ﾞ㍉丞圭圭会ｭ｡_　｀'守圭ik会ｭ｡


	328 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:40:47 ID:tL8WQrr6 どうあがいても絶望っ・・・

329 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:41:01 ID:uiHBGRsI

二２８５．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f´￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　なんて事を！　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿_ ノ

　＼_人＿人∧从＿/／
　　)　　　　　　　　　＞
　＜　　行くな！　　＞
　　<　　　　　　　　　(
　　／＾Y￣∨￣∨^^

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,,,,,...ii,ﾞ
　　　　　　　　.ｰ　..,、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,, ‐"￣´　　　　ｺ､
　　　　　　　　　　　￣｀''''ｰ　..,,,,＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ゛　　　　　　､. "..,,_,,ﾞl．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ^''''―- ..,,,,_　　　　　　　　　　／　　　　,i‐''"´　｀''―ｰ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ﾞﾞ"'''''―ｰ- ．..,,.／　　　 . ／　　　　　　　　　　　 _,,.. -一''''^lﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..-"　　　　　　　　　　　　,iｌー　　　　./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／’　　　　　　　　　　　 __,,,,,ラ――'/'''"゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..ｒ'"　　　　　　　　　　＿_iﾆー、　　　 _..┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r‐' ---――￢''''''''''''''''''''ﾞﾞ´　　　　　　　　　　 __i┴　ゝ--lヽ,,.. ／
　　　　　　　　｀ﾞ"''ー;;, ......,,_＿___,,,,,,,,,_,;i＿,,,,,.... -ｰ￢'"´　　　　　　　　　　　　 ,ｨゝ｀''''ﾍ..＿__,./
　　　　　　　　　 .'二,,,,,￣´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `'～.､,,,,,,／
　　　　　　　　　　ゝ..,,,,,,,,,,,...,,,,,,,,,,,,＿__　　　_　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,..｀-'“´　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　 _,,,..,,..　‐''''"´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　 'ヽ -‐゛　　　　_,,,.. --ｰ''''''",ﾞ=‐　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　 .｀-.... -ｰ''"´゛　　　_..-'''"゛　　　　　　　　　 ,..-'″
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｒ'"゛　　　　　,,, -'".~l　　　　 .／゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　.,ン'''"´　　　 ./ 　　　 ,i"
　　　　　　　　　　　　　　　　 'ヽ iﾆ..-'"　　　　　　 ./ 　　　./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　　 ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′　 .,ﾉ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .,i_,,./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´゛

―――――――――――――――――――――
　　あまりにも一方的で、現実感すらない殺戮。
―――――――――――――――――――――

330 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:42:01 ID:uiHBGRsI

二２８６．
――――――――――――――――――――――――――――
　　思わず駆け出そうとした王女の手を掴んで少年は首を振った。
――――――――――――――――――――――――――――

.　　　　　　　　　　／:.:.:.:,:.:.:.:.':.:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　 ,..イ:.:,:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ'､
　　　　　　　　 -'‐ '.,イ:.:.:.:.:.:.:.:,:.:':.:.:./:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ
.　　　　　　　　 ,'.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:,:':.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.､:.:.､:.:.:.:.:.ヽハ
　　　　　　　　　　,'.:.:.:.:.:.:,:':.:.:.:.:.:.i´:.:.:.:.:.:.i:.:',:.:.:.:.:.:.､:.:ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ
.　　　　　　　 ,'.:.:.:.:.,:':.:.:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:.:.!:.:.N:.:.:.:.:.:ゝ:.:.ヽ:.:.:ヽ,'
　　　　　　　　 i:.:.:.::/i:.:.:.:.::.:.:.,:.ハ:.:.:.:.:.:i､:.i ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ﾊ:._:ﾐ
　　　　　　　 i:.:.:./ .!:.:.:.:.:., 'i/ミぇx:.:.:.:.､,､xィタzx:.:.:.ヽ:.ﾊ. ﾘ
　　　　　　　　 i:.:.,'　 !:.:. ,.'.i　乂ツﾞ`ヽ:.:.､" 乂ツ　ヽ:.ﾊﾄ乂
.　　　　　　　 i:.,　　i:.:.:ハ.!　　　　　l　ヽ:､　　　　　　ヽ､`
　　　　　　　　 i;　　 i:.;'　　!　　　　 ,'　　　　　　　斤ﾊ　　　　　　「無理だ！
　　　　　　　　　　　　　i,'　　　､　　　｀　　　　　　 /　　　　　　　　　死ぬだけだぞ！」
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　´￣｀　　　, ｲ i
　　　　　　　　　　　　　　　　 iヽ　　　 ,.　'　,　i-､
　　　　　　　　　　　　　　　／:.:!　i.` 　' 　　 ,　 |:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　／:.:.:.,:.i　ヽ　　　 , '　　.i/:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　 ,..イ:.:.:.:.:.:/'´　　　　　, '　　 /:.:.:.:.:.:.:.:ゝ､
　　　　　　 ,.....:.:.'／:.:.:.::.:.:.:./　　　　　 , ' 　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.`:....､
.　　　 ,.ｨ.:':.:´:.:.:.:.:,:.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:/￣¨''‐､　 ,-‐‐''¨フ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..i:.:.:.:.:::.:.:.｀:.':.‐

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　,, - ''　　.Y　　 `ヽ
　　　　　　　　　　　　　／　＿　　 l　　　 __　＼
　　　　　　　　　　　　／　／　ヽ　ﾚ/ ／　＼　＼
　　　　　　　　　　　/　 .／　　　　 `i　/.　　　　＼　ヽ
　　　　　　　　 /　／　　 /　　　 .Y　　　　　　　ヽ　ヽ
　　　　　　　 / /　　　 /　　　∧ | ∧　　　　　　ヽ　l
　　　　　　　　　 l //.　　 / 　　 /:::'､/::::l　　　､　　　＼l
　　　　　　　　／/ /　 /　　　 |ー-- ' ﾍ　　 l　　　　ゝ
　　　　　　　　 l　/ /　ｲ　　　/l |　　　　 l　ﾄ　ヽ　　ヽ Y'
　　　　　　　　ヽ|　|　　|　| 　 | | l　　　　 | | |　i_」　ｲ　l,/
　　　　　　　 |　l　　|_∧　 | ﾚ'　　　 |ﾉ | /　）/イ ∧
　　　　　　　　　　ゝﾍヘﾍ.ｰ＼＼ .　　　 .r' ノﾉ--/‐　 |/l .l　
　　　　　　　　＿l ､| 　 "T:::ｒ‐r､＼　　 " ´t:::::ｔ'７ヽ　|） ,/＼　　　　　「ですが！」
　　　　　　　／;;;;; ＼　　､ヽ::ノ,　　　　　ヽ:::ノ,,　 /.／;;;;;/　　　
　　　　　　 └､;;;;;;;;;;;;;]. 　　￣　　　 i　　　　￣　　　lｰ- ､;/
　　　　　　　　＼;;∠ .l　　　　　　　|　　　　　　　　 /ヽ　　 ` ー- 、_　＿_
　　　　　　　　　／７　ﾄ､　　　　　ﾉ　　　　　　 ∧ /　　　　　　　￣T　ヽ
　　　　　　　／　〈　 | ＼　　　　｀＿´　　　／　V ｽﾍ　　　　　　ヽ　.ヽ
　　　　　／　　　　l　 |　　＼　　〈＿:::〉　　／/|　　V　 /　　　　　　　/　　 l
　　　　／　　　　ノ,　 |　　 |.＼　　ー　　／／ll|　／　＼　　　　　　l　　　 l
　　　／　　　　　Ｊ　　　|　　＼ ` ー-‐ '　＼　.l＜　　　　 l　　　　　　|　　　ヽ
　／＼　　　　　＼　 └- ､__　ト　 |　Y　ヽ　＼|　＼　　 ./　　　　　　|　　　　ゝ

―――――――――――――――――――――――――――――
　　言いかけて王女も気付く。
　　自分が行ったところで何が出来たのだろう、と。

　　状況が状況ゆえに殆どの者が冷静な判断ができなくなっており、
　　こうした混迷があちこちで悲劇を拡大させているに違いない。
―――――――――――――――――――――――――――――

331 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:43:01 ID:uiHBGRsI

二２８７．
―――――――――――――――――――――――――――――
　　そんな中、身軽に鉄柵を乗り越えた少女が校庭の端に立った。
―――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　 /: : :: : : : : :: : : : 〈
　　　　　　　　　　　 |: :: : : : : : : :: : : : :ヽ　　　＼._
　　　　　　　　　　 /::::::/::::::::::::::::j::::::l:::,::ヽ　　　ヽ_)
　　　　　　　　　　　　 /::::::::|:::::::::::::::::{:::::::|:::ヽ:::::､
　　　　　　　　　 /:::::::::/::::::::::::::::/:::::::l:::::::､::::ヽ
　　　　　　　　　　　　/;;;;;;∠::::::,.- ､／;;;;;／´ ￣ヽ￣>　　　　　 .f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　 '＜_ 　.|　　　| ￣＼.　　　_ヽﾉ　　　　　　 |　　見つけたぞ、トカゲ野郎。　 |
　　　　　　　　　　　　　 |　　　|￣￣　＼r''´:::::| 　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ ノ
　　　　　　　　　　　ト-- ､!　　　　 .／:::::::::i
　　　　　　　　　　　 |:::::::::::|　　　　/::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::!　　　/:::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::;;;:}　　_ /::::::／
　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::|　/f l::::／
　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::|　|　ヽ二ﾉ
　　　　　　　　　　　　 |:::::::::|　i、　　l　　　　ﾀｯ
　　　　　　　　　　　 |:::::::::|　　ー''
　　　　　　　　　　　　　　ｲ:::::::::ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　 fi i、:::::ﾉ |　　　／　　_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　 |ト.二_,.イ　　／(
　　　　　　　　　　　　　 ||　　-''ヽ　　　　―　　　―--　．＿
　　　　　　　 / 　　　ヾ､＿＿」　　＜　　　　　　　　　　　　￣｀ﾞ ''' ―--　．＿
　　　　　　　　/ 　　　　　　￣￣　　＼　｀　　　　　‐- ．_
.　　　　　　　/　　　　　　|　　　⌒i´￣　　＼　　　　　　　｀ﾞ ''‐-．_
　　　　　　 / 　　　　　 !　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　｀ﾞ ''‐-．_
.　　　　　 /　　　　　　 |　　　　 |　　　　　　　＼
　　　　　/　　　　　　　　|.　　　　 |　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 | 　　　　　 |　　　　　　　　　＼


	332 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:43:25 ID:J8NrDRp6 きちゃらめぇ！ 333 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:43:57 ID:RFMqLdos 勇気と無謀は違うぞコナタ 334 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:43:58 ID:yjDw79/Y 来ちまった…

335 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:44:17 ID:uiHBGRsI

二２８８．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　先の戦闘を、忸怩たる思いで見ることに専念したコナタは気付いていたのだ。

　　野伏が放った矢には紫色の猛毒が塗られていたことを。
　　未だに左目が潰れ、その周辺が泡を立てて犯され続けていることから、
　　あの竜は毒を完全に無効化できないのだと。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　 ,. ‐,ニﾆ丶、
　　　　　　　　　　　　／／´　　　｀ヾ:
　　　　　　　　　　　 j.:/
　　　　　　　　　　　 {:{　　　　　　　　　　_,.,
　　　　　　　　 ,. -:`: :":￣:ﾞﾞ: :'':‐- :'": :|
　　　　　　　　／: : /: : : : : : : : : : : ; : : : :｢￣二: :_‐.､
　　　　　　　, ': : : :/:.／: : : : :,: : :.ｨ::!: : : : j: : : :｀ヽ、｀`丶、
　　　　　 ,': : : :./, ':::; : : : :./: :, ':|::!: : : : ;{: : . . ､　｀、
　　　　　 i: : .:: :,!':::::/: : : ;/: ; '::::::!l: : ; : :ハ: : : : :､: : .ヽ
　　　　 !: : :::/::::::/: : :7ﾌア'‐::::::l!: /: :.,'_;;;j: l: : : ヾ::､: :ﾞ:
　　　　　 .|: ; /::::::;,': : :/_l/＿__::::::j.:/ : /::::::::i:.|: : :i: l`ヾ: :l
.　　　　　 ,!',/:;:イ,': :./!{Ｔ示干':::::;!/: :/ｨ夫ｫｷ|: : :l: :!　ヾ}
　　　　 /ｲj/:/_|:!: /::|::.!_　l｜::::/ｲ:./::l_ l | lﾊ{: : :{: :|
　　　　 /　!: :ﾞ ' ||;/::ｌ:|:::ヽ-' .::::::::::!/:::::iｰ' :::!:l'|: : ﾊ:｜
　　　　　 .!: :: ﾞl'||:::: ｉ:|::　￣　　 '′　￣・l::l !: ,'　ﾞ:,!　　　　　　「毒が効くなら………！」
　　　　　 j: : : l::l :::: :i:ﾄ,､　　　 ,，　　_,..ィ:.|. |/
　　　　　 /: : :/::;ｌ ::: : iﾍ.　｀ 7 ､-‐ｧ:'/|:l::::: :|
　　　　　/: : ;!く . l: :: : :i.ﾞ:、　い｀ヾ､/ |:|:: : :|
　　　　 /: :./＼＼.!; ; ; ;.i ﾞ:、-┤　|| ﾄ.||: : :.|
　　　 /: :.{'＾ヽヽ.ヾ: : : :l　ﾞ:、 |　 || |ﾊ|: : :.|

―――――――――――――――――――――――
　　ならば、取り扱いも難しい最強の毒であれば
　　奴を弱らせることぐらいはできるかも知れない。
―――――――――――――――――――――――


	336 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:44:52 ID:Vf4YqQUE 最強の毒だと・・？

338 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:45:19 ID:uiHBGRsI

二２８９．
――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　あの男を殺すために闇ルートで手に入れた、
　　ヴリトラの毒を使うことすらためらいを持たなかった。
　　ただ一度でいい、咆吼をはねのけて身体の自由をつなぎ止めたいと思った。

　　―――それほどの怒りに心を支配されていた。
　　半年前までまともな感情を持たなかった彼女が、である。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

　　　 /:.／　　　　　　ヽ
　　｛:/　　　　　　　 |
　　　 l{
__,,... . .ゝ,,_
: : : : : : : : : :｀:`: 丶. .､,,＿＿
.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ; ｀i
: : : : : : : : : : :./: : : : :,!i: : : : : : ﾄ.、
.: : ; :'′　　 /　　　 /　!　　　.l: :.ヽ
:／: : : : : ; ｲ: . . . ∨ 　 !. . : : :l: ｀、｀、
: : : : : ／:/: : : : : / ＼　l: : : :/: : :.!､:.ﾍ
.; : :'": ::/: : : : : ;.'＿＿｀ﾐ!: :./: : : : l ヾﾊ
.: : : : /: : : : :, ｲ｛/示牙 !:/: /:: : :.l　 Ⅵ
.: : :/: : : ;／|:::j　　　|:'r! j/::/　i::. :,!　　ﾞ}
: :/:ィ''"!:::: : !::l　　 ,.ゞﾕ {／　ｉ::/
.:":::ﾍﾞ l::: : :|::!　　 `´　　`i　　 !'
: : : : : }''l: : : |:|　／｀`￢ /　　　　　　ヽ人_从人__从_从人__从人__从人_人_人_从人__从人__从
.: : : : /　i: : ::!ﾚ'ﾞ　　　〃　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
: : : /　　_}: : l|_　　／　　　　　　＜　　マヌケな大口にビンごと叩きこんでやるよ！！！　　＞
.:／三ﾐ\、i: :.|:::｀:¨:´!　　　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
〃〃⌒｀ヽ!: :!:: : : :.j　　　　　　　　　　Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WYY⌒W

―――――――――――――――――――――――――――
　　だが、黒い粘液の入った瓶を握り、
　　たった一人で校庭を走る少女はとても良く目立って―――
―――――――――――――――――――――――――――

340 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:46:01 ID:uiHBGRsI

二２９０．
――――――――――――――――――――――――――――――
　　片眼を巡らせて状況を確認していたフラックにも見つかってしまう。
――――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―――実にしぶとい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まだ抵抗する気が残っているとは―――

.ﾞ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　＿_ィ√~フ
...ﾞ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.ー~: : _.ー＾＾: :/ ヽ : :）
.　|/|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r: :: :: :: :ｒ :＼: ::φ: :: :: ::＼
..　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜ｗｗｗｗｗｗｗwヽ: :: :: 　　）
.|※|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　　　　　　~￣＼　＿＿‘ｗ｜ヽ　　｜
. |※/|　　　　　　　　　　　　　　　　／ /　　　　　　　　　ｗ/:::::::／ｗ.／￣~/　|
| |￣/　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　　　　　　　　ＷWWWＷ／　_ ／　　|
..ﾞ|;;;;;;|　　　　　　　　　　　　　　　,′,′　　ハ　　　　　　＼二二／／~!~　　　/
|　|;;;/|　　　　　　　　　　　　　　/ /:　　　_=|;＼ヽ　　　　i　　　　　　i　　／
_＼.. /　　　　　　　　　　　　　./ /::/⌒ー＾丶、　＼~＾ー,'　　　ν　　　|/　＼＼
...ﾞ:;＼/`|　　　　　　　　 .　　 / /::/:;:;;　　　＿　＼　｜／　　　ν　　　 /＼　＼＼
_;::＼＼/　　　　　　　　　　 ./ /::/　　:;:;;/∧　＼＿_）ヽ　　　ν　　　　/＼ ⌒＾＾＼＼
..:;:;;;::＼＼/~｜　　　　　＿./ /::/ :;:　　|/::::＼＿＿ｙ　ゝ　　ξ　　　／:::::::::::ヽ　　　＼＼
...:: :: :: :＼＼/＿　　／~　/ /::/　 :;:;;;:/::::::::::::::::::＼　　　　　　　 .／／⌒＼:::::ヽ　　 : :ヽ. ＼
...:: :: :: :＼＼/＿　　／~　/ /::/　 :;:;;;:/::::::::::::::::::＼　　　　　　　 .／／⌒＼:::::ヽ　　 : :ヽ. ＼
....　:;:;;　:;:~ーー―‘　:;:;:;:/ /::/　:;:　/:::／`ー=_.／: : : : : : : : : :／　＼　　　＼:::::ヽ　: : .ヽ＼＼
.......:;:;　 :　:;:;　　::　　　 / /::/　 :;　/／;;;/　::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　＼　　　＼::ヽ: :　　ヽ::＼＼
...:;:;　　　:　:;:　　:: :　　/ /::/:;:;　　/;;;;;;;;/:::::::::::::::::::::::::::::::::::/＼　　　　　｜　　　　＼ヽ　: : ::ヽ:::＼＼
...ﾞ~=_￣`￣`￣`￣`/ /::/　　 : :/;;;;;;／:;:;:;:;:;;::;::;:;;:;::;:;;;::／　　|＼＿＿＿|　　　　　　ヽ　: : :　＼:::::＼＼
.　　ー=_＿＿＿_　＼＼　　　/;;;;;/:;:;:;:;:;;::;::;:;;:;::;:;;:;:;／　　　＼　　　（　　　　　　　　　ヽ;: ::;　　＼:::::::＼＼
　　　　　　　　　　 / / | ＼;;;;/~￣~‘～～￣　　　　　　　.）　　,‐_ヽ　　　　　　　　＼　　　　＼:::::::/ /
.　　　　　　　　〆⌒〆⌒　⌒＼　　　　　　　　　　　　　　　<＿＿ゝ　ゝゝ　　　　　　　（＿　　　/　＼　ヽ
　　　　　　　 ‘=＿=＿=__|⌒`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー-（＼　（＾＼＾＼

342 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:47:01 ID:uiHBGRsI

二２９１．

.　　　　　　　　　 /　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　／　　　　　　―――今日のところは
　　　　　lｰ ''''"￣￣"　　￣￣｀'､　　　　　　 lｰ ''''"￣￣"　　￣￣｀'､　　　　　この人間と建物をなぎ払ってお暇しましょうか。
..　　　　∠,,､ -z　　　 ,r――― ''"　　　　　　∠,,､ -z　　　 ,r――― ''"
..　　　　､ '"´,､ィ　　 /　　　　　　　　　　　　　､ '"´,. ,..ｨ､_　　　　　　　　　　　　矢を抜いて貰わないことには
　　　､ '" ,､ '":ﾂ　 /　　　　　 |＾l　　　　　､ '" ,､ 'ﾞ,.'" ´⌒｀ヽ......._.　|＾l　　　　　　回復もしないのでね―――
､-'　,､ '´ 　　/　　/ 　　 /'''',,,," 彡　､-'　,､ '´.　〈wﾄ,､_ l:: :: i'.φ｀`ヽｰ─‐- ､__
| ,､ '´　　　 /　　/　　　｀ﾞ＾ _,| │　 | ,､ '´　　　 /ゞ,､ﾘﾚﾒ､_ｪ_､｀ｰ''l|ヽ.ﾐ三'"´´　　　　　　　　　 |＾l
'´　　　　　/ ／l/　　　　　.,／,_　|　　　'´　　　　/ ／l ゝ,､"ﾚﾉ'|ヾ､.:: l:: ::`<´　　 ;‐i　　　　　　　 /'''',,,," 彡
　　　　　/／　　　　　 .l＿,'" | .|　　　 lﾆ　ﾆ/／　　　　}_,ｨﾄ､!r'"`ﾒ､:: :: ﾞ....　lﾆ　ﾆl　　 ;‐i　　｀ﾞ＾ _,| │
　　　　　　　　　　　　　　 {_,lﾞ　　　 .〈/!_|　　　　 l.ﾞ,-'"ｲ,〉/'ﾉ　　〉､.._ﾞ､..ﾞ〈/!_|　　 lﾆ　ﾆl　　.,／,_　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'イ´>`'／　　　/ヽ:: ::｀ヽ. 　　　〈/!_| 　 .l＿,'" | .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､ﾒｨ>'／　,ｨ､'"´:: :: ヽ:: ヽヽ　　　　　　　　　　　　{_,lﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､´　__／　　ヾ..､:: :: ヽ:: :: l .l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀二　､　　　j｀`ヽ､:: |:: ::l| :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:: ::｀ｰ､ヽノ:: ::l|:: ::| |:: ::l|::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:: ＿ヽ:: ::l:: :: l|:: ::||:: /':: |､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｨ'´-､ヽヽ:: ヽ:: ヽ l| //／) ｀`ヽ､_
....　j｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..ｨ'"´:: :: :: ):: ）>:: ::ﾒ､:: ::ll|/ ヽノ､:: :: :: :: ｀ヽ､　　　＿,ｲ､
....　ヽ:: ヽｨﾞ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-'":: :: :: :: ,.ｨ'"ノ'　r'"´＿ﾉ l　ヽ／ｨ､>､､､､:: :: ｀ヽ´､　　　ﾘﾙ､ｨjl
......　|:: :: :: : !ｪ､i､Ajﾄｨ､,､､ .ﾄ､ ,ｲ｀ｰ'⌒ｰ‐',／:: :: _,､ｨｪｲjｨ-'"´ノ／二二ﾆ'　ゝ二ヽ､｀ヽ_"｀‐'='ﾆiｪｪ､､｀ヽ.　　　　　ﾞ`'`ﾂ､_　　　 __
......　|:: :: :: :: : !　　　　　　　　"　　　　,ｲ'":: ,ｨｪﾆｨ'"´:: :: ::,.ｨ'"/三二ﾆ=ｲﾄｲ､ﾆｺlr‐"､　｀ヽ､_:: :: _,ｨ´ヾl:: |　　　　　　　　 `ﾒ,. 　,､〉ヽ
　　 |:: :: :: :: : |　　　　　　　　　　 {:: :: ､ i:: ｀ヽ､__,.／　 /ﾐ＝＝-‐ﾌ､　,ｨ､ﾆ/　　ヽ.　　　￣ｿ/:: ::/､ l　　　　　　　　　　V':: ﾞ:: ::/
.　　ヽ:: :: :: :: :: {　　　　　　　　　　　 j:: :: :: }ﾐ{:: :: ／　　／ヽ､_三三ｼ〉 /ﾐシ´　　　　｀､　　　〉 /,r─,ヽ.　　　　　　　　　/:: :: ﾞ´!
: ヽ　ヽ.:: :: :: :: :: ﾞ.　　　　　　　　　　/:: :: fﾆ二ヽ/　　　/:: :: :: :: ｀ヽ.─ﾄ､／ヽ､_　　　　　ヽ.　　/:: ﾓﾆ二ｲ:: !　　　　　　　 /:: :: :: ::j
_r-Vヽ　､:: :: :: :: :: :;　　　　　　　　　|:: :: :ﾆ二､-ｲ､　　/:: :: :: :: :: :: ::_ヽ:: ::ヽ:: :: ::｀ヽ　　　　ヽ.　ヽ:: ﾆ二ﾆ':: :|　　　　　 /:: :: :: /
ヽ/｀ヾヽヽ.:: :: :: : : i　　　　　　 |:: :: :: ヾ､二/ﾉ　/:: :: :: :: :: ::-‐'／ /:: /｀ヽ-､:: ヽ　　　　＼ヽヾﾆｲ':: :.|　　　　　　 /:: :: : /

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　殺しすぎても贄不足になってしまう。
　　しかし、刃向かう者を残しては意味がない。

　　絶望を刻みつけて再来に怯えさせてやりましょう、と邪竜を吼えさせたフラックは
　　そろそろ切り上げることに決め―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――


	344 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:48:35 ID:9olgdkuY げ、ブレスですか、やーだー

343 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:48:04 ID:uiHBGRsI

二２９２．

　　　　　　　　 r,/''"´￣｀
　　　　　　　　　 l::|　　　　　／!
　　　　　　　　 l:!　　　　　／.::/
　　　　　　　　　　ヾ:.　　＿/.::.:∠-.－::.::ァ
　　　　　　　　 , ゝ´.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＜、
　　　.　　　　／.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:｀ヾｰ
.　　　　　　　 /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.　.＼
　　　　　　 /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:　i . :.:.i__::丶、
　　　　　　 ,'　: : .::.::.::.::.::.::.::.::..::. :　. . : l.::.::.::.!　￣
　　　　　 i.::.::.::.::.; ,::.::.::.::.::.　.　: ::.::.::.:l:.::.:i:.::|
　　　　　　 l.::.::.;:;';';';';';';:,.::.::.::.::.::.::.::i::.::j､::.;{::.:|
.　　　　　 l:.::;';';';';';';';';';';';.;';.::.::.::.::.l::.::l Υ|::.:|
　　　　　 l.::;';';';';';';';';';';';';';'.::.::.:.:/:.::ﾊノ.::|ヾ|　　　「う………！
　　　　　 !.;';';';';';';';';';';';';';';.::.::./::.::|　|::.:|　　　　　うご、けよ、私………！」
.　　　　　；l.';';';';';';';';';';';';';';'::.::/.::.::|ノ|::.:| ；
　　　　　　　； },';';';';';';';';';';';';';'::./::.::.::l　!.::.|；
.　　　　　　　；l.:l.';';';';';';';';';';';';';/::.::,::.::!_|.::/ ；
　　　　　　； l.::.!.';';';';';';';';';';';'/::.::.;;.::.:|l!ヾ、；　ｶﾞｸｶﾞｸ
　　　　　　 .；l.::|::.::';';';';';';';';';'/.::.::.;;';:.::.|l!l!|ﾞ! ；

345 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:49:02 ID:uiHBGRsI

二２９３．
―――――――――――――――――――――――――――――
　　立ち尽くす虫けらに向けて極大の息を吐くよう、命じたのである。
―――――――――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　 _,　　　　　　　　　 /´〉,､　　　　　|￣|rﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　／/.　　　　　 l､￣￣了〈_ノ<_/（＾ｰヵ　L__」L/　　 ∧　　　　　 /~7 ／）
　　　　　　　　　　　　　 ,､ｲ /´　　　　　二ｺ ,|　　　　　r三'_」　　　 r--､　（/ 　 /二~|/_/∠／
　　　　　　　　　　　 ,､/〉´､／.　　　　　　 /＿＿」　　　　　　　　　　　_,,,ﾆｺ〈　〈〉　/￣」　　　　／^ヽ､　／〉
　　　　　　　　　　 r'/〉丶7´　　　　　,､.....'´　　　　　　　　　　　　　（__,,,-ｰ''　　　　~~￣　　ャｰ-､フ /´く／／>
　　　　　　　　　 _ﾔ./〉｀ｰｧr-､,､_　,'ヽ:: :ﾞ､　　　　　　 ,. -'"`‐`｀､lﾄ'ﾞ'　|:: :: ::'　　　　　　　　　 `ｰ-､__,| 　　　`"
　　　　　　　　ﾄ`〈>ｨ<'"ヽヽ_ヽヽﾆl:: ヾ‐=ﾞ｀ヽyﾄ､／/|　　　　 ,.､,ヽl　|:: :: ,
　　　　　　　　 X｀ヽｨ-ﾞ,二ﾆ-‐'"ヽ.〉､〈｀ヽ.､::ゝﾉ:｀l､:: l_,､　／:: ::l`､　|:: :: '
　　　　　　　　ﾄ､＿＞-､_:: :: _／ヽ.〈):: :: >):: ヽ jヽ'":: !'":: :: :::l:: :l　!:: ::l　―――恐ろしいでしょう？
ヽ'ヽ.　　　　　　　　ゝ､_:: _,..-‐'"´:: :: :: :i.{ﾒ:: /:: :: }:: l:: ヽ:: !:: :: :: /:: :: :V:: ::,'　　　　泣きたいでしょう？
..:: :: ｀´ヽ_　,./ｨ‐ﾄｲ￣イ´＿＿,...:: -‐'　ﾉﾄ!/ヽ:: :: l j:: :: / ﾄ.:: :: /:: :: :: :j:: ::,' .　　　　私が憎いでしょう？
...:: :: :: :: ヽ` ﾞ／´:: ヽ､´:: :: :: :: _,...　-ｧ':: <ﾆﾆヽ､rﾆ....__.,.ｨ-イヽ:: :: :: ::l:: :'
...ヽ:: :: :: ::ヽ　ヽ:: :: :: :: ヽ､.-‐'"´ 　 /_.ヽ､ヽﾞ.:: ~,_,.Ю"´:: :: ｀:: ;l､:: :: :l:: .'　　　　　　その感情の全ては邪神の贄となるのですよ！
...　ヽ:: :: :: :ヽヽ:: :: :: :: :: ::ﾞl　　　 /:: ::ヽ＼ jﾉﾟ : :: :: : _,ﾞ｜　。.､!::.ﾞ/ ::　。　／　　　ヒーッヒッヒッヒ！！！―――
　　ヽ:: :: :: :ヽﾞ､:: :: :: :: :: ﾞl　　/､,､:: ::ﾄ､ , ○ ／7ﾔlﾒﾙﾞ｜..´´>':: /|:: ::ﾞl ／　゜
　　　ヽ､:: :: :: ヽﾔ:: :: :: :: : ｌ　/ﾒﾔl--､|' ヽｲi.ﾞ＼ : `'ﾞo　 Oメ´:: :ﾞ/ﾟ.l_:: 。
　　　　＼:: :: :: ヽ､:: :: :: :: ::V.　　　　　ﾟ...j...。 /.＼.ﾞﾞ. ヽ'.|...!/::..ﾟ. ::.ﾞ／
　　　　　　＼:: :: ::ヾ､:: :: :: :: ヽ　　　　　　ヽ　ﾞl そﾞl..,;:''"ﾞﾞ'':.,ﾟ..,ｨ. ヽ /ﾞ､..。
　　　　　　　ヽ:: :: :: ＼:: :: :: ::...＿＿。＿＿＿ﾞﾈ . ;:　　　　 :;　゜ﾞl_..ﾞ―O――――
　　　　　　　　ﾞl:: :: :: :: ::j:: :: :: :: :ヽ.　　　　　| |ｷ',　ｏ:､,.　..,::'. ﾞV。￣V
　　　　　　　　ヽ.:: :: :: ::ﾉ:: ,:: :: :ヽ l　　　　ヽﾞ／　。｀ｖ::　。ﾟ　＼
　　　　　　　　＼:: :/:: 〈:: :: :: lヽﾒ　　　／...~ ¨´..　○ﾟ　　　O　＼
　　　　　　　　　　　コ､:: :l:: ,､:: ::|:: fヽ . Ｏ　　　　｜　　　　　ｏ
　　　　　　　　　　　 /　j:: ::| / ヽ l:: ::| ／　　　　　 |　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　 |/ﾄ-.ｨ､_ﾞ. l/ｨﾄ--､ |
　　　　　　　　　　　 ´　　　　 V　　　ヽ!


	346 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:49:20 ID:J8NrDRp6 体が無性に震えるというか、力が入る。ドキドキしながら物語を読むのって何年ぶりだろ。

348 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:50:01 ID:uiHBGRsI

二２９４．

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　 ||　 || 　 ||　 ||　 ||　 ||　　l|　l| ||　l|　ｌl¨ '! : ‐-::::．:::_
　 ||　 || 　 ||　 ||　 ||　 ||　　l|　l|_||　l|　l|　||　l|　l| || || -
　 ||　 || 　 ||　 ||　 ||　 ||　　l|　l|::::] |j　||　||　l|　l| || || ||:
＿||＿|| 　 ||　 ||　 ||　 ||　　l|　l|ﾞ「　||　l|　||　l|　l| || || ||:
　 ||￣|| ￣||　 ||冖||￢||＝i=l|'=l| ||:-l|　l| ..|l....l|,,_l|_||_||_||:
　 ||　 || 　 ||　 ||　 ||　 ||　　l|　l| ||　l|　l|　||　l|　l| || || ||:
　 ||　 || 　 ||　 ||　 ||　 ||　　l|　l| ||　l..,ｲ∠.-７_...l| || || ||:
　 ||　 || 　 ||　 ||　 ||　 ||　　l|　l| || . i::::::::::::::::::::ミｰ.| || ||:　　　　　　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从ﾉ
＿||＿||_＿||＿||＿||＿||　 __||__|| ||.ｒ'::::::::::::::::::::::::::ヽ.ﾞ||_||:　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
ﾟ::::::::::::|| ￣||￣||￣||￣||￣￣!¨.ﾞｎ l:::::::::::::::::::::::::::::ヽ..|| ||:　　　　　＜　　コナタ！　　　　　　　　　　　＞
ﾟ::::::::::::||_＿||＿||＿||＿||＿＿.ｒ ┘! !i:::::::;:-‐'''''''ﾞ'´￣''ヽ|:　　　　　＜　　逃げて下さい、コナタ！！！　　＞
￣||￣|| ￣||￣||￣||￣||　　l.{__.　i　ﾚ/ 丶　　　　　　ヽ　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　 ||　 || 　 ||　 ||　 ||　 ||　　l|　l|ヽヽ_.|　　ヽ　j 　　　　ﾞ　　　　　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒W⌒Y⌒Y
　 ||　 || 　 ||　 ||　 ||　 ||　ｷﾞｼｷﾞｼﾞ〉'´ ﾞ!　　/ ノ　　　　　 |
　 ||　 || 　 ||　 ||　 ||　 ||　 __||__|| ヽ　 | 　 |ヽ､　　　　　　 |
　 ||＿||_＿||＿||　 ||==||＝　l|　l| ||. ヽｉ､　.lﾞ　　　　　　　 |　ｶﾞﾀｶﾞﾀｯ
￣||￣|| ￣||　 ||　 ||　 ||　　l|　l|::::] |j　`　.ｉ　.　　　　　　　 |
　 ||　 || 　 ||　 ||　 ||　 ||　　l|　l| ||　l|　l|..　l 、　　　　　　　|
　 ||　 || 　 ||　 ||　 ||　 ||　　l|　l| ||　｣　l!　'' ¨
　 ||　 || 　 ||　 ||　 ||　 ||　 _, ｊ．- ^

――――――――――――――――――――――――――――――
　　そこへエルの大声が割り込んだ。

　　門まで回る猶予はない。
　　駆け通しで汗だくの彼は自分を阻む鉄柵を殴りつけると
　　ようやく見つけた相方の元へ向かうべく、高い高い柵に足をかける。
――――――――――――――――――――――――――――――

349 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:51:01 ID:uiHBGRsI

二２９５．
―――――――――――――――――――――――
　　けれど膨張する雷球は今にも放たれんとしていて、
　　もう―――間に合わない。
―――――――――――――――――――――――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|　＼/＼/　　＼／＼/　|∧／　/／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠　　コナタアアアアアアッ！！！　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣
　　　　　　　　 r,/''"´￣｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　　|/　　　＼/　　　＼|
　　　　　　　　　 l::|　　　　　／!
　　　　　　　　 l:!　　　　　／.::/
　　　　　　　　　　ヾ:.　　＿/.::.:∠-.－::.::ァ
　　　　　　　　 , ゝ´.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＜、
　　　.　　　　／.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:｀ヾｰ
.　　　　　　　 /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.　.＼
　　　　　　 /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:　i . :.:.i__::丶、
　　　　　　 ,'　: : .::.::.::.::.::.::.::.::..::. :　. . : l.::.::.::.!　￣
　　　　　 i.::.::.::.::.; ,::.::.::.::.::.　.　: ::.::.::.:l:.::.:i:.::|
　　　　　　 l.::.::.;:;';';';';';';:,.::.::.::.::.::.::.::i::.::j､::.;{::.:|
.　　　　　 l:.::;';';';';';';';';';';';.;';.::.::.::.::.l::.::l Υ|::.:|
　　　　　 l.::;';';';';';';';';';';';';';'.::.::.:.:/:.::ﾊノ.::|ヾ|　　　「ごめん………エル………
　　　　　 !.;';';';';';';';';';';';';';';.::.::./::.::|　|::.:|　　　　　あと、頼んだ………」
. 　　　　 .；l.';';';';';';';';';';';';';';'::.::/.::.::|ノ|::.:| ；
　　　　　　； },';';';';';';';';';';';';';'::./::.::.::l　!.::.|；
.　　　　　　　；l.:l.';';';';';';';';';';';';';/::.::,::.::!_|.::/ ；
　　　　　　； l.::.!.';';';';';';';';';';';'/::.::.;;.::.:|l!ヾ、；　ｶﾞｸｶﾞｸ
　　　　　　 .；l.::|::.::';';';';';';';';';'/.::.::.;;';:.::.|l!l!|ﾞ! ；

――――――――――――――――――――――――――――――――
　　せめて、あの口に瓶を投げ込んでやりたかった、と唇を噛んだコナタは
　　一度たりとも抵抗できなかった自分を嘆いて相方にあとを託す。
――――――――――――――――――――――――――――――――


	350 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:51:27 ID:uWmaONW6 おい 351 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:51:59 ID:2o.ca8rA ないおー！はやくきてくれー！ 352 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:52:00 ID:N.cI6xmI 諦めんなよ！

353 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:52:01 ID:uiHBGRsI

二２９６．

　　　　　 / . : : : : : : : : :ハ : : : : : : : : :∨iハ=ミ: : : }
　　　　 ,' . : : : : : : : : : }i: :ト､: : :｀: :ｰ-=彡/77vﾊ:刈
　　　　　. : : ｉ : : : : ,' : ,' |_」L-‐` ｰﾆ三__彡///} }ヾヽ
　　　　,' : :i: :|: : : :/: :/　| j　γ示ヾ刈≧=-__シﾉ: いﾘ
　　　　{i :: l: :{: :／:／　 j/　 {辷ツﾉ　,': :/トｰ=イ: :Ⅳ
　　　　}从 ', ∨／x佗ﾐ　　　　　　　厶ｲ:/: : 〃: :/
　　　　{{　Ⅵi く＼ヽｰ' j　　u.　　　　　ノｲ: : /i{ 〃
　　　　乂__Ⅵ: :｀ヽハ　 `　　　　　u.__彡イ/／人
　　　　　　　ゞ=ミ､: :込.　　　 , ､　　　 / ／〆 .: .:ヽ
　　　　　　　　　乂_ﾍ个: .u.　　　 ,.ｲ〈iif .: .: .:/∠＼　　　　　　　「あの子が危ない………
　　　　　　　　　　　　`㍉ﾍ厂 ¨¨瓜ヾ::> {i{＿__ .: .: .: .: 丶　　　　　　けど、一体………どうすれば………」
　　　　　　　　　〈ヽ.　 γ´〃≪ 　フ／.: .: .: .: .: .: .: ≫
　　　　　　　　　　　　「《＼＼'　〃 .: }}　/i7 .: .: .: .: .: .: .:／〆
　　　　　　　　 ,'＾《＼＼＼ .: .: :.∨7 .: .: .: .: .: .: .:/i〃
　　　　　　　　　　 / / 《ヽ.＼,>＾ヽ : 〉7.: .: .: .: .: .: .: /i7
　　　　　　　　　　,fﾄ:-‐_介､Уii〆: ＼′ .: .: .: .: .: .: {ii{
　　　　　　　人_〆.:.:.:.}〈i〆.: .: .: .: ＼Eニﾆコ .: .: ＶY
　　　　　　　　 /.: .: .:ﾉ:.:.:/ .:.＼ .: .: .: .: .: ＼.: .: .: .: .: .: V}
　　　　　　｛ .: .: .:.:.／ .: .: .:/i> 、.: .: .: .: 丶 .: .: .: .:.:.:.:|
　　　　　　 l .:ｰ=彡{.:.:.:.:.:.:.:.{ii{ .: .:`ﾏ=- .: .: ＼ .:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　 .l .: .: .: .::|＼:.:.:.:.:.ﾏﾊ.:.:.:.:∧.: .: .: .: .: ＼:.:.:.:.:|
　　　　　 l .: .: .: .:∧　＼.:.:.:.ヾﾍ.:.:.:.∧.: .: .: .: .: .: ＼:.:|
　　　　　　　l .: .: .: .:/∧ 　j} .: .: {ii} .: .:.:∧.: .: .: .: .: .: .: ヾ､

　　　　　　　　　　　,
　　　　　　　　　,r/　,;-ー_
　　　　　　　　　/:::レ:::::三:::::｀ミ::=-､
　　　　　　　　 ,i::::::::::::::::､:::::::､::::ヾ::ヽﾐｰ-､
　　　　　,r'::::::::::::::::::ヽ::::::::＼.:::::::::::::＼
　　　　　　//:::::/:::;:::i:::::ヽ:::::::::::::＼::::::::::::::ヽ
.　　　　/::/:::::::/_ヽ:!:::::ヽ:::i`_､:::::ヽ ::ヽ:::::::!
　　　　 i::/::::::::/'oヾ､:::|ヽ::Y o＼:::::i!::::ヽ::::＼　　　　「駄目ですやめて下さいその人は殺しちゃいけません
　　　　　l:::i:::::::::lゝ- '　ヾ、ﾞ ! ｰ '､ヽ:::::!:::::ヽ::i ヽ　　　　やめてくれって言ってるでしょうやったら許しませんよ
　　　　　!::!:::i:::::!　　　` ｀ヽ　　　　 i:::::!::::::::::::i.　　　　　　私本気で泣きますよ九十四歳が子供みたいに
　　　　l:!:::l:::l !　　,r_ー‐-､ u. 　　l::::!::::::::::;::i.　　　　　　泣く姿を見たくはないでしょうだからやめて下さいお願いします
　　　　　　!|:.!::', u.　i'/￣￣ i 　　　l:::::::::::::ハ:!...　　　　　　好きなだけケーキあげますからやめてとめて
　　　　.　　 l::::::ヽ.　ｉ　　　　i　u.　ｨ::/i:::::ﾊi　 !. 　　　　やめてとめてやめてとめてトマレ止まれとまれ☆※〆△＆♂♭」
　　　　　　　i::li:::＼ `ｰ--‐' 　　／ﾘ　|:::ﾘfﾊ､_
　　　　　 _..!:ﾊ::::l;ヽ､　　　／　　"　l::/i　ヽ. ｀`''ｰ- ､._
　　　,r‐'''"´　 !　ﾘ!i ヽ `＝'"　u. ,　　ﾘ /　　ﾝ　　　　 /ヽ、
　　 /ヽ　　　　　　ヽヽヽ　　　/　　／　　　　　　　　/ 　ヽ
　　l 　＼　　　　　　＼　 '　　　　　／／　　　　　 /　　　 i

――――――――――――――――――――――――――――――
　　咆吼を受けたわけでもないのに足がすくんで動かない。
　　誰よりも大切な、十一年連れ添ってきた相方の危機だと言うのに。

　　されど、口ばかりが先走るエルの懇願も虚しく―――
――――――――――――――――――――――――――――――


	354 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:52:54 ID:tL8WQrr6 あああ・・・

355 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:53:01 ID:uiHBGRsI

二２９７．

　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　＼　　＼　　丶　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 /　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　＼　　＼　　丶　　　　　　　　 i　　　|　　　　　　　./　　　 / 　　　　　／
　　　　　　　ヽ　　　　　＼　　＼　　丶　　　　　　　i　　　|　　　　　　 /　　　 /　　　　　／　　　／
　　　　　　　　ヽ　　　　＼　　＼　　丶　　　　　 i.　　 |　　　　　 ./　　　/　　　　／　　　／
　　　　　　　　　　ヽ　　　　　＼　　＼　　ヽ　　　　　i. 　 .|　　　　　/ 　　 /　　　　　／　　　　　／
　　　　　　　　　　　ヽ　　　　＼　　＼　　ヽ　　　　i　　|　　　　 /　　　/　　　　／　　　　／
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　／!　　　　 ,,.rｧ　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　lﾞ　　,,､r'´　/　　　　＜　　コナタァァァアァァ！！　　＞
　　　　　　　　　　　　　‐‐‐‐---　　　　　　　 |　　l_,.r''´　　　/　　　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　,.､r'!　 /　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^‐
　　　　ー――――――――　　　　　　　 ,,l　　 ,,r'’ 　l　 /
_____＿＿＿＿＿＿＿　　　　　　　　　　　.／　　 .lﾞ　　　l　./　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-----------
　　　　　　　　　　　　二二二　　　　　　／　./!　 l!　　　 lﾞ／　　　　　　　　　　 _,,.rｧ　　＝＝＝　二二二
　￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　r'´　 ./ .|　 | 　　　　　　　　　 r''´! ./ﾞ　/　　　　　　　￣￣￣￣￣￣
　　　　 --------‐‐‐‐‐‐‐‐　　　 | 　 ./　 |　 |　　　　　　　　　　　／| .|　,l /　./　　　　‐‐‐‐‐‐‐‐-----
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　./　　|　 |　　　　　　　　 |　 | |／./ . /
　　　　　　　　　　　　 ---‐‐‐‐‐　　レ' 　　 |　/　　　　　　　　　　 .| ./　　./　./　　　‐‐‐‐---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |./　　　　　　　　　 l/　　 /　./
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　　　　　　　　　　　　　／　／　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
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　　　　　　　　　　　　　／　／　　　/　　　　 /　　　　 |　　　i,　　　　丶　　　　　＼　　　＼
　　　　　　　　　　　　／　／　　　 /　　　　 /　　　　　 |　　　 i,　　　　　　丶　　　　　＼　　　＼
　　　　　　　　　　／　／　　　　 /　　　　 /　　　　　　 |　　　　i,　　　　　　　丶　　　　　＼　　　＼
　　　　　　　　　　　／　　　　　 /　　　　 /　　　　　　　 |　　　　 i,　　　　　　　　丶　　　　　＼　　　＼
　　　　　　　　　　／　　　　　 /　　　　 /　　　　　　　　|　　　　　i,　　　　　　　　　丶　　　　　＼

―――――――――――――――――――――――――――
　　無慈悲な閃光と轟音が、少女を飲み込んでいった………
―――――――――――――――――――――――――――

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	356 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:53:05 ID:9olgdkuY 蒸発か… 357 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:53:33 ID:uiHBGRsI 本日の投下は以上になります。長時間の閲覧、合いの手まことにありがとうございました。次回は第二章第四話の予定です。 359 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:53:42 ID:sZKP91Ik え、うそ 362 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:54:54 ID:N.cI6xmI いい所で切る…ちくしょう、ショボさんは分かっていらっしゃる乙したー 363 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:54:54 ID:Vf4YqQUE ここで切るか・・・・少年誌的な引きで次回が楽しみすぎる。乙でした。 365 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:55:02 ID:Zn7CVXpY ここで切るのかショボさんは鬼畜やでぇ… 366 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:55:10 ID:RFMqLdos 長時間の投下、お疲れ様ですここで切るとは・・・ 367 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:55:12 ID:9olgdkuY 乙でしたー傷病施設と学校狙うとはフラックさんは虐殺の何たるかを良く解ってますね… 368 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:55:24 ID:2o.ca8rA 乙ま、まだ死んだとはいってないから大丈夫だよ、な？ 371 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:55:54 ID:J8NrDRp6 乙でした。って、生殺し……だ……と……？ 373 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:56:06 ID:ctALDP.I 乙でした！まさかここで切られるなんてｗ次回の投下が本気で待ち遠しいです 377 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 22:57:25 ID:vI8lFw5E 乙　　　　　　　　とでも言うと思ったか！こなたああああああああああああ	380 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/12/04(日) 22:58:58 ID:uiHBGRsI >>361-374 >>376-378 乙と閲覧をありがとうございました。今日の投下は自分も力が入りまくりでやばかったです。肩凝った。。。(´･ω･`) 382 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 23:00:41 ID:P0VSB/Ec 乙でしたここで切るかチクショー 383 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 23:07:40 ID:.gLB.knE 乙っしたーこりゃもう駄目かもわからんね 384 名前なんて無いだろ 2011/12/04(日) 23:18:36 ID:zqpnizBE 乙。ウオオここで引きとか気になって仕事が手に付かないじゃないですか～！！ 404 名前なんて無いだろ 2011/12/05(月) 18:36:12 ID:Kd73XoUY 長時間お疲れ様でした毎度毎度いいところで終わるｗエピソード1、2と比べて登場人物が多くて人物が把握できないところがでてきた… 405 名前なんて無いだろ 2011/12/05(月) 19:53:16 ID:bnS0TaQI >>404 国別、所属別で考えるんだ冒険者　やらない夫組　張組ローゼンエゥーゴ　ミネバ　アグリアスフリート　王族と直属部隊　　ガトー　　シーマ　　ウラキ　　ゼクス　　リリーナ　冒険者学校　　W組とメイコその他　月　長門たぶんこんな感じ？ 406 名前なんて無いだろ 2011/12/06(火) 18:02:07 ID:VSJ1G.B6 >>405 おお、ありがとうございますまとめてくださったのをもとにもう一度読み直してきますね

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やらない夫は約束を守るようです36

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Episode III．トータル

3380 『やらない夫は約束を守るようです Episode III．キラの恐怖　第二章　魔竜襲来　中編（三話）』の前後エントリー2011年12月09日 21:50

v やらない夫は約束を守るようです Episode III．キラの恐怖　第二章　魔竜襲来　中編その２（四話）　（12/28 15:00）
やらない夫は約束を守るようです Episode III．キラの恐怖　第二章　魔竜襲来　中編（三話）
v やらない夫は約束を守るようです Episode III．キラの恐怖　第二章　魔竜襲来　前編（一話・二話）　（12/08 15:00）

纏め作品一覧：やらない夫は約束を守るようですの目次

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やらない夫は約束を守るようです Episode III．キラの恐怖 第二章 魔竜襲来 中編（三話）

やらない夫は約束を守るようです Episode III．キラの恐怖　第二章　魔竜襲来　中編（三話）