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│　　　　　 　 　 　 　 |: :l | ﾋ!　　　　　 以 ﾞ|: : : :.:ト､: ﾉ: : : l　　　　　ベートーヴェン　ピアノソナタ『悲愴』　第３楽章
│　　　　　　　　 　 　 |: :!:|　　、　　　　¨′|: : :l: ﾉ ﾉ/: : ∧:l　　　　　http://www.youtube.com/watch?v=0fhVsd1wphM
│　　　　　　　　　　　 |: :! ＼ 　 　 　 　 　 |: : l /イ/!: :/　ヽ!　　　　　　　  │
│.　　　　　 　 　 　 　 '; :ﾄ; :/＞.､`＿　,,, ...|: :/ｲ: :/ l:./　　　　　　　　　　　  │
│.　　　　　　 　 　 　 __V,.V-‐ﾄ;/ミ=‐＝''"| /.｀ﾚ'‐-ﾚ､　　　　　　　　　　　   │
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│　　 　_ヾ､　 ヽ_ノ‐―┴- ､＿＿＿__ヽ<__／_／_}＿＿}:}>,.. -‐'′　　　　  │
│　　　 ﾄ､　 ¨¨´＜　　　 　 　 　 　 　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　 │
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│　　　　　　　　　/　 ｀ﾞ'＜＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__　　   │
│　　　　　 　 　 / ／／ >―ｧ''"´￣｀`ヽ、┿／ 　 　 　 ヽ　　　　　　　　  │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_..．-―――‐-．._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　''´　｀ヽ　　　　　　 　 ﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／ .,,- , "´ ヽ　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　／〆　　　　丶ヽ　　　 　 ,　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/／{i{　　　　 　 　ﾞ,;.　 .,=､;'　　　 　'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ | .:;'　 {l i .,　 :.､　　　 ,,=､{{,..､}},,-､　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　{ ::|　｀T¨|. |　::}　　　{{::::｀ｒ　 "~; }}　　　!
※クレッシェンドは、直前で大きくした方がいいわ　　　　　　　　　　{　弋:!　ｨx､ ゝヽ::|　 } 　.ﾘ=_ﾞ,　`　,χ...:::::::;
最初から音を大きくしていくとね、お客さんは期待しちゃうのよ　　　　_.乂　fﾘ}ヾ ヽ､j　 .,　/､{{:::ｰ人ﾞ,-' '――､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　ﾞｿ　　　,'　./ ./ｒ i ゝｨ／　.,-‐"￣__{_
「最初からこんなに大きいんじゃ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　''　ﾞ 　 / ／,ノ::::ｿ}／　　　　 _..-―.ｯﾞ
クレッシェンドの終わりは　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ､ｒ‐､　 .／ｨ‐'"　fｰ::"{　　　＜￣ｰ,=二..
どれだけ大きく音なんだろう」って。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.ｰ'　　　　...::::::::::::::::ゝ､ｨ::::::￣／　　,-ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ー――-､:::::::::::::::::::;;;f-!- /　　　／彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ､::;;;_::-‐''"　 |. {/ 　 /廴__...．=‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ._. f"~￣ ,. - _,,''"￣ヽ廴/:::::::::::::::::::::::ﾞi　'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.;ヽﾉ,...､´ ,,,'''　　　　　ﾞ､￣￣￣｀　 ヽ::}　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.;.;.;.;.}".;.;.;'〃/　　　　　　丶 　　　　 ､...ノ_.ソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./.;.;.;.|!`.;.;.;.;.ｿ/ 　 　 　　　　　＼.　　 　 ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {;;:-‐!.;.;.;.;.;/ﾉ　　　　　　　　　　　ゝ，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／／　|.;.;.;.ﾉ"´　　　　　 _..．-::‐:::"ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /━━　ゝｿ＼､;:::::::::::::::''::"::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　{　　　　　|:;|ヾｿ＼ヾ::::::::::::::::::::::／ i

※だんだん音を大きくする、という意味の音楽記号

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　 　 　 　 　 　 ｀　ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　 　 　 　 ﾏ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 　 　 　　 /　 　 　 　 〃　 ∧　　　　　　',_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .′ 　 　 　 /ｉ}　 /　 '_　 　　　 （()）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 ⌒ /　i　/　 ´　｀、　　 （(><)）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　i／ 　 ﾚ′　 　 　 ヽ! 　 （()）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 　 　从 　 v′r!　　　　　　Y! 　 !　 ／¨ゝ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヘ＼　!　 ｉｊ　　　　　　 ｉj　 ム/　　　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　-|r‐､.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉく. 　　Xﾍゝ 　,, 　 ､_,､_,　 ,,　　.ｲ　 　 ／,ﾍ
sf（スフォルツァンド）は　 ふ /|　_ﾉぅ 　　って弾いてみて。　　. 　 　 　 __ ヽ 　　Yゝ .＿＿__ゝ_' 　 .:＜　｀ ､_（／　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　ﾉ　＼i_ｙ‐ ′　　　!￣ 【】､ ￣） }　　　　｀ｰ〈__｀≧ｘ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､ 　 ＼　 　 　／ゝf´!∧_i｀ﾌ.∧ 　 ! i 　 　 　 　 ソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ _ノ　　 X Ｘ´./　 　 Ｘ.／　｝　ﾉ ′ 　　　　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y¨≧='ﾞ　　　　｀´ 　〈　　 　｀´ 　 入
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂!　　　　　　　　　 ∧／＼　 ／ 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　　 ｀´＼ 　 〆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞー←┬--┬<´＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';　!　　 ｀ー‐ ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';_!

※その音を特に強く、という意味。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　　　　　　　　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　　　　　　　　　 　 　 ｀　　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′　　　　　　　　 / 　 ／ ',　　　　　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　 　 |　　　　　 ／/　／　　 | 　 　 　 　 　 　 |　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l 　 .:|　　 ,.斗/　/／　 　 　 !　　 }:　　　　 　 | ┐ ／ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　.:| 　 ／　 ／　　 ＼　　 |　　′/　　　　 ハ∨/ /{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 　 　 　 　 　 |{、　:ｌ　/ｘ=ミ　　　　　　｀ ート./　/　 　 　 /{ r‐⌒┐}}
　　　　　　　　　　　　　　他に好きな曲はある？　　 　 　 　 　 ＼ ∨　{::ﾊ｀　　　 　 ｘ==ミｊ/|／|　　　　/ ノ(_ 　 r'ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 　 　 　 ヽ| 　Vｿ　　　　　　|:::しト､ 　 |/ 　 ／} |/ //⌒}}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厂| 　 　 　 　 　 　 辷ソ　　 ,/　／／　|／＞ ´￣}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 丶　　　′　　　　　　　　厶イノ＿ .ノ／　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ 　 　 　 ＼ 　　､　　　 　 　 　 　 ／　　／　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　＼ 　 ￣　　　　 　 イ　 　,/　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼　 　 ＼　 　 　 　 ー┬─ 　 ´ 　 |｀ヽ / 　 　 　 ,／　　　─ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 　 /　　 ＼ー─＼ 　　＿ |＼ ＿_,.　-‐＝￣￣}　　　 ／─／　　　⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヘ── ´/::} ＼ | | |　　　　　　／､　 　/　　/　　　 ／￣ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　/　／　　　/::/　 　:| | | 　 ＝‐　´　／>─　､ / 　 　 / ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　＿＿＿ヽ/　/　 ／￣￣￣｀ヽ/⌒/￣￣￣￣｀ヽ　　　￣＼　　{　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 ／ 　 　 　 /　/　　{　 　 　 　 ─{　,/──　　 　 　 }　　　　　　ヽ　￣￣　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′　 　 　 /　/　　　}　　　　　　 /￣{　　　　　　　　/　　　　　　　 }───｀ヽ　　}
=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

とりあえず、簡単に指導。初日からああだこうだ言うのもネ・・・

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : :♪: :　:　:
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　♪　　　　　　　　　　　　　　　　♪
　　　／∠　／ ∠　／ 　　　 ／　 ／　 ∠　／　 ∠　／ ／ ／∠　／ .∠　／.／　 ／∠　／／
　 ／　 |_＿|／ |__　|　 ／ .／　 ∠__／ |__　|　 ／|_＿|／ ／／|　__.|／ |_＿|／　 ／　 |_＿|／
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|￣￣　|￣￣　|／＿＿| ￣￣　|￣￣　|／＿__|￣￣　|／＿__.|￣￣　 |￣￣　|￣￣　 |￣￣
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. .　. .　　　　　　　　　 . : :　:　:
.　　　　　　　　　　　　　　　　 . . :　:　: : :|ヽ: . .　　　　 . : : :＃: :
　　　　　　　　　　　　　　　 . : : r‐┐ : Ｃ|: :　:　: . . . :c/⌒:　:　:
　　　　　　　　　　　　　　. : : : ｄ　ｄ : : :　　 : :♭: :　:　:
　　　　　　　　　　　　. :c/⌒: : :　:　　　　　　　 :　:　:
　　　　　　　　　. : :♪: :　:　:
=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

すると、彼はまたベートーヴェンを弾き始めた。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

	11 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:18:38 ID:v/My3AEA やる夫しゃべんないねえ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´. . : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／ . : : : : ／. : : : : : ＼: : : :、: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／／. . . : : : : : : :/. : : : ', : : : : .ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　 . . :/／. : : : : : : :/ : : ﾊ : : : : : ', : : : : . ',
　　　　　　　　　　　　 　 / . :/. :/´. : : : : : : : :/ : /　　' ,　|: : : , : : :', : .,
　　　　　　　　　　 　 　 ,' . :/ : /. : : : /. :／,イ: /　　　　', |: : : .i : : : , : i_
　　　　 　 　 　 　 　 　 i : : i : / : : : ｲ: ://　 |::l　　　　　 i:|V: : :i : : : i/l ,ﾄ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 i : : : : i: : : :/l__.//-　|:l　　 　 ￣`ﾘｰV: :i: : : :| l/ /
　　　　　　　　　　　　_( ',: : i : l: : :/´l:/´　　 ﾘ　 　 　 　 　 　 V:|: : ! l;;;)- 、
　　　　　　　　　　　 (　V : : ', :i : i　 ﾘ ＿　　　　　　　 ,二=ﾏﾐ Vl /:///　ｌ|
　　　　 　 　 　 　 　 ヽ( )', : .', ', i　ｨぅﾃｦﾐ　 　 　 　 　 P l;;j }　 l/,ｲ:ヽ`ｰ'
　　　　　　　　　　　　　l .Y'.,: :ヽ､l　 V l;;j l　　　　　 　 弋_ﾆｿ　ﾉｿ:::ﾉ/ｿ ＜.｀、 　　（ベートーヴェンばっかり…）
　　　　　　　 　 　 　 　 VV{ ＼＼　 ゝｰ ´　　　　　　　　　　　´ ｌ/ﾉ／. : ／. :＼
　　　　　　　　　 r 二ニ　-. ヽｰ`i ー　　　 　 　 ’　　　 　 u 　 ﾉ/: : : : : : : : ／)　　（……テンポ早ッ！私の言ったこと、守ってないな…）
　　　　　　　　　ﾉ＿: : : : : : : : ＼ ､　　　　　　､ ―ｧ　　　　　 イ /: : : : : : ／;;ノ
　　　　　　　　 ( -―- ;;;: : : : : : : :ヽ＞　　　　　￣　　,　 ＜ 　.{ //: : : : / ￣
　　　　　　　　 - ニ､ｰ ´ ｀＼: : : : ;, l　　 ＜)　 ー　　 |= 、　　' /: : : :イ　 　 ｨ ニ二}
　　　　　　　ﾉ : : : : : ＼ _,ノ;;;ヾ 丶;;/＿ 人￣￣ ｌl ￣￣ {　　　',l; ; ;/;;;;,＞ ´: : :-―.{
　　　　　　 ｨ ＝= 、: : : : ＼;;;;ﾉﾉ ／ |;;|＞ ―...、 ｌl 　 ＿　｀ |;;l ｰ- { _／: : : : :´ ､;;-;;;>
　　　　　　　＼ ＿＞、: : :／￣　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:ーY:.:.:Y―-:.:￣:.:.ヽ　　　V: : :／l´　￣ 　_
　　　　　　　　　　　　 )) /　　　l　ゝ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:人_人:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　　 V,,;;;;;;;ﾋ,,-,,―;;;;ヽ` 、
　　 　 ／ ￣: :二ニ´ ﾉノ　　 　 l　{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｲ;l ||ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ 　 　 　 ヒ:＿ 二 ＿;;;;;;;;;l : ',
　　　/: : : : ／-―　´　 |　　　　 / ＼:.:.:.:.:／/;;l　|| |:ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.}　ヽ　　　＼　　　　　 ＼;;;l: : l
　 　 { |: :／　　　　　／　　　 　/　　　 Y=＝l;;;l＝＝l;;;l＝ ー‐'　　 l　　　　＼　　　　　 }/: :ﾉ
　　　'.,l:｛　　　　　　{- ,,　　　 /:　　　　　　 l;;;l　　 　 l;;;l　　　　　　 l　　＿,,,;;/　　　　 / : /
　　 　 ＼、　　　　　',;;;;;;;`丶;;i:　　　　　 　 l;;;l　 　 　 l;;;l　　　　　　 l￣;;;;;;;;/　　　-=´ イ
　　　　　 ｀　 　 　 　 ＼;;;;;;;;;;;{,.　　　 　 　 l;;;l..,,,,;;;;;,,,,..l;;;l　　　　 ..,,,;;};;;;;;;;;;/
=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

私がさっき教えたことを、すべて無視して弾いている。

明らかに「俺はお前より出来るんだ」と言おうとしているピアノだった。

……確かに上手いけれど、楽譜の指示は無視。ミスタッチもある。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
|…じゃあ、次は私が月光を弾いてみるね
廴＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ﾉ　　
　　　　　　　 ）／
　　　　　　 ／　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　どうぞだお……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　廴＿＿＿＿ 　 ＿＿＿＿,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼




.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　〉　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　　 　 　 　　 　／..イ　　　　　　　　　 '.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　/　　 　.′　　／／ 　! 　　 　　　 　 　　 '.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.′　′　　/　　 ／／　　　i:　!　　　　　　'.　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i! i　! 　 -/―／ j/　 　 　 _j:/| 　ﾊ　　 /　'.　 ￤
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i! i　!　　 | ／　 /　　　　　　|｀ﾄ､;　|　　′　} r=ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i! i　!　　ィ= ミ 　 　 　 　 -ノ、V ヽ|　/　 　,.=!! 〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!ハ '. 　/ r/ﾊ!　　　 　　 ⌒テﾐV从 ′ 　《r⌒ﾋ》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ヽY　 込ｸ 　 　 　 　 　 ﾊ:/∧ / 　 ／弋__ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小ゝ　　 　 　 　 　　 弋ワ　/　／‐､《__》_》
　　　　　　　　　　　　　　　ちょっと、離れてて　　　　　　　　　　　　 rく:人　　　　′　　　　　　　　/／ f⌒ }＞─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ::ヘ.　　　v_， 　 　 　 　／ ィーｧ'´ 　 　 ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ 　 　 ＼::＞ ､ 　　　　　_.. 　 イ　|／　 　 　　_j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　入　　　 ﾞー‐}　ー┬ 　__ .=＝＝く　　 _ ..‐ ¨¨′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rく::::::::::ｱ ー―┘ r=＝‐ ¨¨.　----- ＜:::::( _ .. -―┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　 ￣￣￣ヽ　 　 | 　　 ／　´ ￣￣￣￣＜　 　 　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ ＿＿＿_j　　 /　 ／／　...:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:...　Y ¨￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　イ　　 r ⌒v:⌒Y　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 |　　 {: : :「j: : :｜　:.:.:.:.:.:.:.:.: ―― ､ヽ.:. ト __　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　ノ　　 ﾉ: : :ﾉ: : : ﾉ　 :.:.:.:/　　　　　　 !:.:i:. |:::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ）ノ　　, .ゝ_:ｲ:}:_／　　 :.:.:./　　　 　 　 ヽ:.:|:. 厂 /　 }
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　　　　　　　　:.!|__　　　　^^　〈　　　　　　　　　　＼′ 　 　　 .!. :c/⌒: : :　:　　　　　　　 :　:　:　　　　⌒く
　　　〃 __|ｌ　 /ｌ　ヽ|!.::::::::::::／ 　　 　　　　　　　／　　　　. : :♪: :　:　:ﾉﾉ :::/　　|!::::|ヽ|　　　　　　　　　　|
　　　ｌ| /　ヽ_ﾉ! ! 　 トヘｌ| 　! ｌ !.　 　 　　　　 ／ 　　　　　 : :　:　 !　｀ヽ!| 　 ! 　 　 ､､.|　　　　　　　　　　|
　　　　! 　　 ヽヽ　　! 　 !|ヽl__!|　　　　　　　丿　　　　　　/∧　　∧　　|!|＼!|　!　　ﾉﾉ　　　　　　　　　／
　 j|＿∧　　ｌ| l　ヽ_ﾉ＼ !|　＼l　　　　　　　　　　 　 　 ∠ノ　 ￣　/!　∧　　￣!|￣ﾉ　　　　　　　　／
／ ! ＿ノヽ､_!lﾉ＿.. -―ヽ　　 ヽ─……　　　　　　　　 |＿ ノ＿_ / ｌ| /从` ー‐ｌ|＜＿　　　　　 ／
__ノ´　!ヽ､＿ノ＿_ ＞ｰ‐人ヽ、　ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼!　!/　　≦‐-､!　　 ノ＿＿＿ノ
..l幵l.　　 l幵l:::::::::::::::::::::≦l幵l　 　|l幵l　 　l幵l　 　　　 ＼j i─i ＞　l幵l　　　　 　 　 l幵l　　 l幵l　 　 l幵l　　　　　　　l幵l　　　l幵l
￣i￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i彳- ´ ﾐi￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i彳　　.ﾐi￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i
　 |　　　　.|　　　　.|　　　　.|￣￣￣|　　　　.|　　　　.|　　　　.|￣￣￣|　　 　 .|　　　　.|　　　　.|　　　　.|　　　　.|　　　　.|　　　　.|　　　　.|


=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

私は彼の弾いたテンポより早く正確に弾いた。

……結構、ガチに。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

	17 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:21:45 ID:xrf8XCxE マミさん、力でねじ伏せにいったかw 18 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:22:51 ID:v/My3AEA 技術で納得させるのが早道かもね

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│　　　　 .∨　 ∧　≧ー-{｀Y..:::/彡ﾆﾆﾆ三ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  │
│　　　 　 （ﾊ　小　ｱ弋'''弋.0::/　 ＞=ﾆﾆﾆ==-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  │
│　　　　　　Y　.レｧ从{-==:::Y　,ｲ r彡Z辷≠ﾆｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　     │
│　　　　　 ﾄミ　}ノ　_, -=＝┼　{ lｲ (rﾃ ﾌ⌒ｲ }　　　　　　ベートーヴェン　ピアノソナタ『月光』　第３楽章　　　　 │
│　　　　　./¨　/j.　{彡　==ﾆ}（ 从　　　 ,fﾃZ从ｰt　　 　　http://www.youtube.com/watch?v=aHhYk4TgtYU　　 │
│　　　　 /　 ｲ彡､ ﾚ≧＝=t　ﾘヽ 　 ｀ーｲ≦彡イﾃイj　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　   │
│　　　　辷＿|　　}　人と_イﾉ |¨Y¨＞≦'⌒￣ ヽ彡ｲﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　|　　　 ／/´て　Zﾆ(_(=ﾆﾆｲ ﾄ,　　　　　　 ｀)＝=ｧ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  │
│　　　　|　　 ( {-tr. Y)）　/∧＼　　　||:从　　/⌒>j　∠ﾃ㍉__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　     │
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│　　　　　　　　　　｀¨¨‐斗ー--　__　 　 ｀ ＜=ﾆ__.　　',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽｿ　 fl　　 　∨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
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　　　　　　　　　　 r{　l　 /　　/　　/ / l / ヽﾄ_ .} .l!}
　　　　　　　　　 ,-.ﾄi_l　l l　　/　〃,/_ //　 ｲi |　l |
　　　　　　　　　 ゝ,{・)　l　 l /　//　__,//　　'!rti　/　　　　　ミスタッチなしで、
　　　　　　　　 __　,{-t |､ 　 ﾚ i/　,.rt-　 　 　じ ﾘlヽ､　　　　上手く弾ける？弾けたら発表会には出なくていいわ。
　　　　　　　, ' ,// ゝ ヽi､ 　|　' ´弋ｿ　　　　　　 ,ﾄ/|
　　　　　　 i,　/l ,＜￣ ヾヽ i ､　　　　　　　 ｀　ﾉ=',/i
　　　＿,.イ{i.　l ト､ ヾヽ､　 ヽ　ゝ､_　　　 ー' ,<―'ヽ､　　　　（…ちょっと意地の悪いことをしたかな。）
　／‐　{i　,A､ ヾ､ ヽ, ヽ }　　 人ﾞヽ､__ニエｲl i>､　 i ゝ､
　l/,..―li　L ヽ､　ﾞ_,'__ノ　,ノヽヽヽ､＿￣ |||／　ヽ　|　 ,|
　ﾚ　　　ヽヽ､)　 ,!　　　/　　　　＼r'´￣＞,Y　　 ,} ヽ　|
　　　　　　ﾞ ー‐' 　　　/　　ヽ　　 ヽ　　　 /}iヽ､_,|ヽ　V
　　　　　　　　　　　　/　　　　ヽ　　ヽ　 ,ｲ l | ,.. '´　　 }
　　　　　　　　　　　 (　　　　 　 ヽ,/　 Y,ムi |　　　　,../
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　 　 　 　 　 　 l　 　 u 　　（__人__）　　| 　　　……。
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　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ





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　　　　　　　 　 ／　　　（ ー）　（ー）ヽ
　 　 　 　 　 　 l　 　 u 　　（__人__）　　| 　　　……１週間、時間を下さいお。
　　　　　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ　　　　それと、あと１回聴かせてほしいお

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―-　　―　-
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　 　 　 　 ｀
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　　　　　　　　　　　　　// i　　　　ﾘ ﾚ　　￣　　　　　　　　 =＝==x　 |　　　　ﾚﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　 ﾉ 　 i　　　　i　 x==＝=　　　　　　　　　　　　　 |　 /　ｲノ　　　　　　　　　　　　ええ、いくらでも弾くわよ☆　
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏ ﾍ　　i　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　/ //l:|
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 V ﾄ　　i　　　　　　　　　'　　　　　　　　/／／|ヽﾉ-　　　　　　　　　　　それにリベンジはいつでもいいわよ？
　　　　　　　　　　　　　　　　　l !il＼　、　　　　　　　　　　　　　　　／ ／ ／　　　＼　　　　　　
　　　　　　　　　　　　ノ￣ ＼　｀ |　 ＼　　　　　　 r　　￣ﾌ　　　／/　／　　　　／ﾌ　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　 ＜　　　　　＼ |　　|　)＞　　　　　ｰ- ´　　／　 ( /　　　　／ ／　／ ￣ ＼
　　　　　　　　　　 ＼ ＼　　　　 ＼　ﾉ/　　　　＞ 　　-　 ＜ |＿　 /　　　／ｰ_´ -／　　　 ／　　　　
　　　　　 　, ヘ 、　　｀ ー＼　　　　Y　　　　　f＼ _　　　　　 ／ |　｀ヽ、/´￣ 　 /　　　 /　 ＿_
　　　　　<　　　　 ＼ー--―＼　　／　　　 ,. -|　　 ￣|:::|￣　　 ,|ｰ-　、｀ｰ-― 7　　　 /￣　　　｀)　
　　　　　　＼＼　　　＼＿二/　／　＞..イ　　　　 ＿ , -|　-―　　　　　 |::l＼　｛＿　　i 　 ＿　　/i
　 r　￣　￣￣ ＼　　　ヽ　/―　￣　 |::::|　／ ￣　　 {　 }￣￣￣　＼　|:::|　　￣　＼ヽ／　　} / i　　
　ヽ 、 r ― -＜ 　}　 -‐´/　　　　　　 |::／　　　 ／　 ー|＼ー―　　　 ＼|　　　　,　 ＼ 　 　 |　i
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「曲芸のような早弾きなんて　いつか行き詰まる。上には上がいる。」

ということを教えたかった。ピアノはそういう技を競う道具ではないと、諭すつもりだった。

こんな感じで、お互い腹の探り合いのレッスン初日が終わる。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

	23 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:24:49 ID:TN9U4J3c これがかえって…… 25 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:25:20 ID:gg59uTtY 楽器わかんない自分からしたら雲の上にしかみえんｗ

　　ゞ:;ヾｿゞ＿＿＿＿|　　　　　　　ヾヽ::ヾｿ;;;:;ヾ ゞゞ:;::;;;;ゞゞ:;ゞ ;;;;;ヾヾヾゞ:;
　＿;;;ヾゞ/　　　　;;;;;;;;|　|[][]|　　|[][ゞ:;ヾｿ　　　ゞ:;　:;ヾ ゞゞ:; ゞゞ:; ::: ;;;;;
　|　ヾ;ヾ/　　　　　　 ;|　|[][]|　　|[][]|ゞ:;ヾ 　ゞゞ:;ヾ　ｿゞ　　　:::ゞ:;ヾ ゞ
　|__:::ヾ;''＝＝＝＝＝|＿＿＿＿＿＿ヾゞ:;ヾ　:::ｿゞ　:ゞゞ:;;:;ヾ ゞ ゞ:;ヾ ゞゞ:;
ｴｴｴｴヾゞ;. ＿,＿_.___.| |＼　　＿ ＿ ＿ 　ゞヾヽ :;ヾ ゞゞ: ;:::ゞ:;ヾ ゞ ゞ:;
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　 ＿＿ヾ| |≡|,,_.._|≡| |iiiii|　 |iiiii||iiiii|iiiii|　||≡|　　|≡||:;ヾ ゞゞ:;　 |li/ ゞゞ:;
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iiiiIIIiiiiIIIiiiil '￣￣￣￣| |／　　￣ ￣ ￣　!| ￣ ￣ ￣'||／;;;;;ヽ　　ヾ;li/:::ゞ:;ヾ ゞ
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____________|　　　　　　 |　　　ピアノ教室　 | ＝ ＝ ＝ |＼ 　　 ／　|li|　li|
;naname |　, ' ⌒ ヽ　| ￣ /￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　|　 ＼／　　 ヽli//
￣ |／＼l|　|　　　::l | |　　 ~|"~"~"||~"~~''|"'|:|口口|　| ／ || 　　　　| ;il|
￣ |￣￣l|　|　　　::l | |　　ヾ;;ｿゞ　 ||　ヾ;ゞ;;ﾐ|:|口口|　||　　||;;＼ 　　| ;il|
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// |　// l|　|;;:: ..／ :| |　　　 i| / / ||　　 liｲ .|:|口口|　||　 ／; ';";; 'ヽ::;ilヽ
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;" ' ";" ' ";" ';" ' ";;" ' ";" ' ";" ';" ' ";;" ' ";" ' ";" ';" ' ";;" ' ";" ／
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翌週…

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　……それじゃ、今から月光ソナタを弾きますお。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　:.!|_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒
──〃 __|ｌ　 /ｌ　ヽ|! ──────────────── /　ﾉﾉ────────────────
　　　ｌ| /　ヽ_ﾉ! ! 　 トヘｌ| 　! ｌ !.　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !　｀ヽ!|
　　　　! 　　 ヽヽ　　! 　 !|ヽl__!|　　　　　　　　　　　　　　/∧　　∧　　|!|＼!|　!　　ﾉﾉ
　 j|＿∧　　ｌ| l　ヽ_ﾉ＼ !|　＼l　　　　　　　　　　　 　 ∠ノ　 ￣　/!　∧　　￣!|￣ﾉ
／ ! ＿ノヽ､_!lﾉ＿.. -―ヽ　　 ヽ　　　　　　　　　　　　|＿ ノ＿_ / ｌ| /从` ー‐ｌ|＜＿
__ノ´　!ヽ､＿ノ＿_ ＞ｰ‐人ヽ、　ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼!　!/　　≦‐-､!　　 ノ
..l幵l.　　 l幵l:::::::::::::::::::::≦l幵l　 　|l幵l　 　l幵l　 　　　 　 j i─i ＞　l幵l　　　　 　 　 l幵l
￣i￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i彳- ´ ﾐi￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i彳　　.ﾐi￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣
　 |　　　　.|　　　　.|　　　　.|￣￣￣|　　　　.|　　　　.|　　　　.|￣￣￣|　　 　 .|　　　　.|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l、　　　　/　　　／　　／ / ／　ヽ ､　 .! ､　＼　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿| V　　 / /　　　 ./　　, '/ /　　　゛､.!　 ､ ヽ　 ヽ　_ ,,r-,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　 //　　　　/|_　/ //　　――L|､　 l　!　　 }へ|　|l}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　　　　.!/|　　l　 /'|´ /　l/　　　　　　ﾘ ヽ |　∧　|/ /｀V=､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　 . || |　　l　 |　,X=　|　　　　　　　　 ＼|（__;）}=| c |　|l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　'一 7　　　　 !　! ヽ ゝ|, ´⌒ヽ　　　 　, ´⌒ヽ.　　| /　 A iiiゞV
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｶﾞﾋﾞｰﾝ　 ヽ ヽ!{　 　　 }　　　　{　 　　 }　　/　　/=ヾ|､X
　　　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从ﾉ　　　　　　　　　　　　　 ｀ー乂＿_ノ　　　　.乂＿_ノ　 /　 ,/ ) ,. |､ -､_＞--,
　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ}　(}⌒})　 ＞　　　　　　　　　　　　　 /| 　　　　'　　　　　 ∥∥　/ ノ/リ-'ノ- '´　 ――|
　　＜　　. ﾆ、.　Ｚ.　　＿＿＿　　　　 |j　　 lj´　 ＞　　　　　　　　　 r―--/人　　　　 ＿＿＿　　　ー'´/,-- '´　　　　　　　 ヽ
　　＜　　　丿　 （　　　　　　　　　　　 o　　.o　 ＞　　　　　　　　　　,!　――-､ー ヽ､　|　　　　|　　 ,. イ　／　　　　 --　二二,!
　　　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒　　　　　　　　　　　 /_＿＿　 　｀ ヽ､　|＿＿___|-　'´　 | </　　　　_,..-_-'´―-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿　 ｀ヽ､　　　　＼|ー -=---､__,.|っ ヽ　 ／´ ￣￣,. - '´´|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 ｀ ヽ＜´｀ヽ　,.ノ､　　　　￣l ||　　|　ヽム二,r '´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /==-､__ ,/￣￣ '､::'､　　r---- ､_, |l|　 ﾉヽ-､-./_　　　, -- ' 二,}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ー―-､_/　　　　　､:::､　.|　　　　＿ Y'''ト-'´　　 |｀ヽr ,. イ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿＿, /　　　　 ヽ　､::､ ヽ　　　 __　,| ,!-　　 　　|　　 |_ ヽ--――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　/　　　　　　ヽ ､::゛､|　　　　　 |'ヽ　 　　　/　　 |｀゛ヽ

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

けれどやる夫くんは　なんと１週間で、月光ソナタの３楽章を楽譜通りに、「上手く」弾いて見せた。

しかも、辛口に見ても７０点は……あげられるレベル。驚いた。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

	28 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:27:02 ID:v/My3AEA へえ、すごいぜ！

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

月光ソナタ、第３楽章冒頭の２小節。

16分音符の分散和音がかけ上がり、そして８分音符の和音を２個、強く連打する。



ここは、クレッシェンドがかかっていない。

冒頭はクレッシェンドなしで、pからｓｆへ、駆け上がるエネルギーを爆発させなければならない。

しかもその爆発は内向的なものだ。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : :♪: :　:　:
────────────────────────: :　:────────────────────
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　♪　　　　　　　　　　　　　　　　♪
　　　／∠　／ ∠　／ 　　　 ／　 ／　 ∠　／　 ∠　／ ／ ／∠　／ .∠　／.／　 ／∠　／／
　 ／　 |_＿|／ |__　|　 ／ .／　 ∠__／ |__　|　 ／|_＿|／ ／／|　__.|／ |_＿|／　 ／　 |_＿|／
／＿＿／＿＿／|_|／　／＿＿／＿＿／|_|／／＿＿／／　 |／＿＿／＿＿／＿＿／＿＿／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. .　. .　　　　　　　　　 . : :　:　:
.　　　　　　　　　　　　　　　　 . . :　:　: : :|ヽ: . .　　　　 . : : :＃: :
　　　　　　　　　　　　　　　 . : : r‐┐ : Ｃ|: :　:　: . . . :c/⌒:　:　:
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　　　　　　　　　　　　. :c/⌒: : :　:　　　　　　　 :　:　:
　　　　　　　　　. : :♪: :　:　:
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そんな調子のフレーズが続くかと思うと、

突然クレッシェンドが現れ、そしてまた消える。後半はクレッシェンドが続く。弾き手を試す第３楽章。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

この前、

やる夫くんは、冒頭から一気にクレッシェンドして、8分音符の和音を強く連打していた。

「この子は何もわかってない」　　　　　　私はすぐにわかった。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐




.

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

　　　　　　　　　　けれど、今弾いたこれは、きちんとその意図が反映されている。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　 ＼　ヽ　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　 i　　　　　　　　　　　ヽ ヽ　 r _-_-_-､　　　〉,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　　/　 |　　 　 ヽ　　　　　　 ヽ　|　| |　__　| |___ ／ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　|　 /| l　　　　ヽ　　　　　　　v',== V　｀|,r-､ヽ　　,},
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |l /　|　/　| l　,-　　 ヽ　　　　　　.| | r-'　　　｀ヽ } |-'´　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.l | |　| /　,.'x|ﾍ ヽ　　　i　　　　　　l !_|　　　O　<-' ﾉ　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l .| |　|ﾘ-' __ ヽ ヽヽ　　.|　　　　　　 iフ,4　　　　 )ヽ}　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|.l　 |　　r､-､　 ＼　　|　　　　　 ∧|.{ ゝ,,,4 ヾ'´//　 /
（私のピアノを覚えたな…２回聞いて。　　　　　　　　　　　　　　　!　lヽ　l　　 ヾﾞ;ﾞヽ　　｀ﾘ.|　　　　 人 ヾ､__-_/ ゝ-,'. -----､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ|　　　りﾉ　　　 /　　/　 /} l/ /　/　,.-'´　　　　,. -|
この子は…。それとも…）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ノ　　　 　´　 　 /　 ／／ ´ //　 /'´　　　　 ,-'　　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　///　　/__ -'´　　r' ノ､／　　　　　,. .- ' フ￣}
　　　　　　　　　　　　　　　　ねえ、先週のはわざと？　　　　　　　　　 ｀l　　　　　　　　　　　　　´´ //　　　／／ - ' ´ ,. -'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ゝ ‐　　　u　　　　　　　 </　　 ,.イ=====-――,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　／　　　 ,.>､　/　 ,／　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ__ ,. - '´　ヽ,. - '´-'´ VL／'´　　　　　　　___|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r r '´　　　　　　ゝ　　　,. - ==='-- - -､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ ヾ　　　 ,.　- ===<／　　　 ,. -- '´￣ヽ　＼

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　　┃　ニ lﾆl/､|　　三|　 |三 　 ／二二＼ 　l二二l 　 ┃
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　　　　　　　 　 　／　/　　　　 　　　　 ヽ　　､　ヽ,
　　　　　　　 　 ,{{¨ア　　　　 　　　　ｧ≦㍉,　 ､　ヽ,
　　　　　　　　 ((∨　 //|／|／Ｌ.／　　　　},ハ|　　}､、
　　　　　　　　 人{　从{三三　 　 　 　 三三三}　},ﾊ_》　　　　　　はいはい、申し訳ありませんでした。
　　　　　　_／⌒圦 ""　　　　 　　　　 　 　 "" ﾉ　　　厶、　　
　　　　〃⌒)　　}}__}≧=--------------=≦{ 　　／　　}__　　　私の負けです。
　　　　{{⌒¨`ー'　　|｀Ｙ´/.::|::∨Y∨::|::ヽ｀Ｙ´|｀¨⌒'ｰ=≦'⌒}}
　　　　　｀¨´　　　　|　l 〈::::::７ﾊ∧ﾊ｢.::::::〉 |　|　　 　 　 　 _,ノ
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　 　 ／￣￣￣￣￣￣｣[.丕｣[工」|_⊥￣￣￣￣￣￣￣￣￣
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彼は不適な表情を浮かべて、何も答えなかった。「どっちでもないよ」と言いたげだった。

何だか、よく分からない子だ。

大人げないことをしたと反省しつつ。…こうして私と彼のレッスンが始まった。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

　　ゞ:;ヾｿゞ＿＿＿＿|　　　　　　　ヾヽ::ヾｿ;;;:;ヾ ゞゞ:;::;;;;ゞゞ:;ゞ ;;;;;ヾヾヾゞ:;
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____________|　　　　　　 |　　　ピアノ教室　 | ＝ ＝ ＝ |＼ 　　 ／　|li|　li|
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一か月が経った頃…

　　　　　　　　　__＿__
　　　　　　,.....::::::::::::::::::::::...
　　　　　/.:::::::::::::::::::::::::::::::::.｀ヽ
　　　　 ,::::::::::::U::::／::::::::＼:::::::}　　　やる夫くんが前のピアノ教室を辞めたのは
　 　 　 {:::::::::::::::Ｎヽ八ﾉノｲ:::::/
　　　　 ､:::::::::(l::|( ●)　(●)ｲi　　　　辞めたというか、あの子が勝手に出て行ったみたいです
　　　 　 ヽ:::::八|ｰ（::::)^(:::)-八
　　　 　 ＜>x:从､'' 　ァ　イ　　　　
.　　 　 　 /.:::i `/⌒ヽ_〔_ ,ﾉ

　　　　　　↑同僚





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　〉　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　　 　 　 　　 　／..イ　　　　　　　　　 '.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　/　　 　.′　　／／ 　! 　　 　　　 　 　　 '.
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i! i　! 　 -/―／ j/　 　 　 _j:/| 　ﾊ　　 /　'.　 ￤
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i! i　!　　 | ／　 /　　　　　　|｀ﾄ､;　|　　′　} r=ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i! i　!　　ィ= ミ 　 　 　 　 -ノ、V ヽ|　/　 　,.=!! 〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!ハ '. 　/ r/ﾊ!　　　 　　 ⌒テﾐV从 ′ 　《r⌒ﾋ》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽY　 込ｸ 　 　 　 　 　 ﾊ:/∧ / 　 ／弋__ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小ゝ　　 　 　 　 　　 弋ワ　/　／‐､《__》_》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rく:人　　　　′　　　　　　　　/／ f⌒ }＞─┐
　　　　　　　　どういうことですか？　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ::ヘ.　　　v_， 　 　 　 　／ ィーｧ'´ 　 　 ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ 　 　 ＼::＞ ､ 　　　　　_.. 　 イ　|／　 　 　　_j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　入　　　 ﾞー‐}　ー┬ 　__ .=＝＝く　　 _ ..‐ ¨¨′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rく::::::::::ｱ ー―┘ r=＝‐ ¨¨.　----- ＜:::::( _ .. -―┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　 ￣￣￣ヽ　 　 | 　　 ／　´ ￣￣￣￣＜　 　 　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ ＿＿＿_j　　 /　 ／／　...:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:...　Y ¨￣
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 |　　 {: : :「j: : :｜　:.:.:.:.:.:.:.:.: ―― ､ヽ.:. ト __　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　ノ　　 ﾉ: : :ﾉ: : : ﾉ　 :.:.:.:/　　　　　　 !:.:i:. |:::::::::ハ

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　　　　 　 　 　 　 .: ´ : : : : : : : : : : : : : :｀丶
　　　　　　 　　,.:´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　　　　　　 .: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::.
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　　　 　 　 ｌ : : : : : : : : : l : }: : : : : : : j : !: : : : : : : :ｉ
　　　 　 　 ｌ: : : : : :ｌ ﾄ-‐l{: :l!: : : : : : /:ｰ{‐- : : : : : l
　　　 　 　 |: : | : : :Ｎ＼八ハ : : : : ∧::八:/!: : : : : |　　　
　　　 　 　 l:r‐| : : :| 抖竿ミ∧ : : / 抖竿ミ|: : :|ｰ､:!
　　　 　 　 |:{ ｌ| : : :| 乂::::ｼ !　＼/　乂::: ｼ |: : :|:ｌ }:|　　　詳しくは分かりませんが…
　　　　　　 ｉ:ヽ| : : :|ー‐(:::::::::)-‐-(::::::::)‐ー|: : :|-': |
　　　　　　八 :| : : :|　　　￣ 　｀´　￣　　　|: : :|: : :|　　　先生の指導をきかずに好き勝手に弾いてばかりだとか
.　　 　 　 　 ヽ| : : :ﾄ､　　 　 , -‐-､　　 　 .:|: : :|: :/
.　　　　　　 　 | : : :|:::ヽ 　　 ∨＿ﾉ 　 ／::_|: : :|ノ
.　　　　　　 　 | : : :|ゝ=l｀　 .　＿　　イ:ﾆ＜ｌ: : :|
.　　　　　　 　 ﾊ : :八/ ＼　　　　 　 ﾊﾉヽ八 : j
　　 　 　 　＿_ﾉ∨〃ﾍ 　 ＼　　　／　}ヽ､_ ∨
　　　　　x':::::::彡＜//∧　 　 > -< 　　〕　∧≧x
　　　　〃＜　∨/////∧/ﾍ/f:l lﾐlﾍ／　//// /! ヽ
.　ｰ=彡/　　 　 Ｖ/////∧　 /.l | | ﾊ 　//// / ｌ 　ﾍ
. 　 　 /　　　　　∨/////∧ .!/! ゝ!,ｲ /// /// |　　ﾊ
　　　 | 　 　 　 　 V//////∧　| 　l　///// // !　 　 '
　　　 |　　 　 　 　 V//////∧　 　 /////////|　　 　',

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

それはわかった。あんな弾き方、きっと前の先生はそれで怒ったか…

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

　　　　　　　:.!|_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒
──〃 __|ｌ　 /ｌ　ヽ|! ──────────────── /　ﾉﾉ────────────────
　　　ｌ| /　ヽ_ﾉ! ! 　 トヘｌ| 　! ｌ !.　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !　｀ヽ!|
　　　　! 　　 ヽヽ　　! 　 !|ヽl__!|　　　　　　　　　　　　　　/∧　　∧　　|!|＼!|　!　　ﾉﾉ
　 j|＿∧　　ｌ| l　ヽ_ﾉ＼ !|　＼l　　　　　　　　　　　 　 ∠ノ　 ￣　/!　∧　　￣!|￣ﾉ
／ ! ＿ノヽ､_!lﾉ＿.. -―ヽ　　 ヽ　　　　　　　　　　　　|＿ ノ＿_ / ｌ| /从` ー‐ｌ|＜＿
__ノ´　!ヽ､＿ノ＿_ ＞ｰ‐人ヽ、　ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼!　!/　　≦‐-､!　　 ノ
..l幵l.　　 l幵l:::::::::::::::::::::≦l幵l　 　|l幵l　 　l幵l　 　　　 　 j i─i ＞　l幵l　　　　 　 　 l幵l
￣i￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i彳- ´ ﾐi￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i彳　　.ﾐi￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣
　 |　　　　.|　　　　.|　　　　.|￣￣￣|　　　　.|　　　　.|　　　　.|￣￣￣|　　 　 .|　　　　.|
=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

ただ、才能はある。

鍵盤のタッチが滑らかだ。手の使い方がとても効率的。

耳も抜群にいい。まさかこれ…“神童”ってヤツ？　　さて、どうしたものか…。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

　　　 |　　 ＿_　　　　　　　　　　　　　 ＿_
　　 　|　　ｆ＿ｆ] 　.<二二>　 　　　　　ｆ＿ｆ] 　.<二二>
　　 　|　 .＿＿_　_＿＿＿　 　　　　 .＿＿_　_＿＿＿
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　　 ./| 　 ￣￣~ || ＿_ |]|| 　 　 　 　 ￣￣~ || ＿_ |]||
　　//|　 　 　 　 [| |＝|　||　 　 　 　 　 　 　 [| |＝|　||
　 //＿＿＿＿＿＿＿_　　 　 　 　　 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿
　 TTTTTTTTTTTTTTT＼ 　 　 　 　 　 l.TTTTTTTTTTTTTTTTT
　. | | | | | | | | | | | | | | | | ｉ＼＿＿＿＿ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
　.｢￣￣￣￣￣￣￣＼ | | | ｉ＼　　 　 |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　￣｢￣￣￣￣￣￣ .＼､| | | ｉ＼　　 ￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　 |
そんなある日の朝…

／
工エエェェ(´д｀)ェェエエ工♪
＼




　 ｒー――一ニ＝=＝-___..,， ´ 　　　 ｰ- .、 　 　 　 ｀`ヽ、: :ヽ: :！
　 ヽ: : : : :"￣￣￣￣￣:／　　　　 　 　 　 　 、　　　　 ゛ヽﾘ: : ゞ: :ｉ
　　}: : : : : : : : : : : : : :／　　　　 　.　　ｉ　　　　　＼　　　　　ﾞ、: : : : :.　　 　 〇
　　ヽ: : : : : : : : : : : ;'　　　　　　　 !ヽ　|　}　　　 　 ;　　　　　 ﾍ.: : : : :` .ノ　O
　　〈:: : : : : : : : : : ..'.　　　/　　　 /　 ＼/|　　　　　　　 ヽ.　　　｀ニ＝´ 　 °　　（　電話？）
　　 ゝ: : : : : : : : : :'::　　　!　〃ｨ/,＿＿.L_l/_|_ﾍ　　　　 　 ＼　::ヽ　　｀ヽ　　　（…ケータイが鳴ってる）
　　　 ﾞヽ: : : : : : : '::　　ｉ .| / /∥　　 丿 /　ﾚ　!　　ﾒヽ:::.　 　 ゝ::::::::::::.　ﾞ.　　　　　_.ノ
　　　　 ヽ: : : : : :ｉ:::　　:ｉ |ﾉ/　/　　'"_,,=＝=ｘ /　:::γﾆゞ::::::::::...＿＿＿_ ゛ー-‐ "／
. 　 　 　 ヽ : : : :':::!:　　ノi - /　　　 "ヾ_.. -つ　／ζ り::::: "~´　　　　　　`　　　 ゛、
.　　　＿＿｀!: : '::::|::.　　|〃ﾍ　　　 　 ´ﾊ〃/／　 ， "´ 　　　＿＿＿＿＿_.＼ー―‐- ，_
.￣￣:: : : : ::|: //:_!:::.、 ﾞ.弋ｿ　　　 　 " 　 ´ 　 〃　　　　. :": : : : : : : : : : : : : : :`:、 ＿...
: :ﾞー-: : __: | ノ: : : : `>ヽCﾟ〃 '　　 　__　　　,´/ 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : :
: : : : : : : : : l : : : : : : : : ＼~＞ 　 ｬ"　　)　 /: /　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼:
.: : : : : :／: :ｒ‐- 、: ::＼: : :￣:ﾞ`ヽ ｕｰ 　　/: ！ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
.: : ::／: : : :.`ｰ...__',: : : : ヽ: : : : : :ﾄ、...__／: : :! /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
.:／:.: : : : : : .'、...._`、: : : : : : : : : :Ｖ⌒ヽ: :〉:ﾘ/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : ／: : : :ﾞz-ｔ: : : : : : : : : 〃　　 ヽ:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
.: : : : :／: : : : : : :`㍉: : : : ｉ: : : :f 　 _...-‐∥: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : ／: : : : : : : : : : : }: : : {: : : : {　〃　 /ﾘ: : : : : : : : : : : : ｿ: : : : : : : : : : : : :
.: ／: : : : : : : : : : : : ！: : ｉ: : : : {"　　/ /: : : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : :
/: : : : : : : : : .ﾉ: : : : : :トｰレ　" ;.,〃　/: : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : ／: : : : : : ！　　 ／　　　／: : : : : : : : : : : /: : : : : : : : :
: : : : : : ／ : : : :／: : : :ﾘノ　　　　／: : : : : : : : : : : ／: : : : : : : :

　　　　　　　　　　　　　　　　↑最近、鼻炎で鼻づまり気味なので、寝るとき口をあけてしまう

	41 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:32:27 ID:v/My3AEA なんという着信音ｗ

ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
|もしもし……？　はい、お疲れ様です。
|
| やる夫君が来てる？　私に会いに来た？
廴＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ﾉ　　
　　　　　　　 ）／
　　　　　　 ／　


ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
|分かりました……。
|
| 今、そっちに往きます。
廴＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿ ﾉ　　
　　　　　　　 ）／
　　　　　　 ／　











.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _....r- ¨´｀｀¨'-x,._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　 　　~＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　/　　　　　　 　 / 　 　 　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,-¨´ﾗ　 /　　　　／　／/|　　|　ヽ　｀_._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 /./　| _....-／| .／//-..| 　 |　 |.__{{¨}}
　　　　　　　　私、今日は休みなんだけど…　　　　 |/ |　| i　∠_ |/　,,|/zz,,}ヽ |　 《¨ヾV}=ｶ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|{　| .ﾘ | /{ｨﾘﾞ　　　{.ｨ心ﾊ　|　| ヽ( ・ )〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　{　|∧.|/| ﾋｿ　　　 {::じﾉ /ﾘ　λ/(_人）　　←涎を拭いてる
　　　　　　　　　　　　　　　　　学校サボって　　　　　　　{　〉 | | ,,,　,　　 ,,,,,　//　 /ｿ《〃廴l-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　私に会いに来た？ 　　　 / ﾍ|人　＿_.,　　ノ./／_／/／　　_λ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　入　 ＼｀|　　|..z-￢ｲ-<　 〈/　　／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　＼__ ／ﾉ~//　 ,. )〉 .〉､ |　　/-／￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_x'＼__／∠､//､　'／　/ヽ＼　 L/　　／¨ ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　/ /＼　 ｀》　_jﾍ　 /　　ヽ〉､-〈　　/L／ヽ .〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼{ 〈　　ﾍ_メ'∨_|　V　 ..-ﾞ´｀'}　 ｀~´￣´　 } /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀<＼_r'’　 ﾟ´　　　　;´　　　}　　 　 　 　 乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| i /　　,´　　　　　}　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 　 　 |_八::....ﾟ{. . . . . . ..:/　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　丶:_乂: :_:_:.:ノ . ..:／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !,.　　　 : 〉 ﾟ>　　　／::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,＼＿_/／　 　 / ::::.　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／-.._　／　　　　/:..　 :　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 ／　 __ ＿/:. 　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　／　　_x-く　　　　　 ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　/　　／　　　 ＼　　　　 }　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　 ,〈　 ／　　　　　__..)......―――'ﾞ-´⌒ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 八 __.. - (ｧ_〉´　　 _..- ´~　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　 ＿......―¨~¨｀'-....　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　　　　__..―¨~　　　　　　　　　 ｀¨~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 弋＿___...―¨~

	52 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:36:34 ID:SlGd7TVs よだれ はぁはぁ

　　ゞ:;ヾｿゞ＿＿＿＿|　　　　　　　ヾヽ::ヾｿ;;;:;ヾ ゞゞ:;::;;;;ゞゞ:;ゞ ;;;;;ヾヾヾゞ:;
　＿;;;ヾゞ/　　　　;;;;;;;;|　|[][]|　　|[][ゞ:;ヾｿ　　　ゞ:;　:;ヾ ゞゞ:; ゞゞ:; ::: ;;;;;
　|　ヾ;ヾ/　　　　　　 ;|　|[][]|　　|[][]|ゞ:;ヾ 　ゞゞ:;ヾ　ｿゞ　　　:::ゞ:;ヾ ゞ
　|__:::ヾ;''＝＝＝＝＝|＿＿＿＿＿＿ヾゞ:;ヾ　:::ｿゞ　:ゞゞ:;;:;ヾ ゞ ゞ:;ヾ ゞゞ:;
ｴｴｴｴヾゞ;. ＿,＿_.___.| |＼　　＿ ＿ ＿ 　ゞヾヽ :;ヾ ゞゞ: ;:::ゞ:;ヾ ゞ ゞ:;
　　　); ,(;;| |≡|　　|≡| |iiiii|￣|iiiii||iiiii|iiiii|　|ヾ;;;　;;ゞゞ:;ヾｿ　　ゞゞ :;ヾ ｿ/ゞゞ:;
　 ＿＿ヾ| |≡|,,_.._|≡| |iiiii|　 |iiiii||iiiii|iiiii|　||≡|　　|≡||:;ヾ ゞゞ:;　 |li/ ゞゞ:;
　|≡≡|;;;| |≡|γ,,|≡| |iiiii|　 |iiiii||iiiii|iiiii|　||≡|　　|≡||　ゞゞ:;ヾｿ:;ヾ ゞゞ:;ゞゞ:;
　|≡≡|;;;ll,|≡|iﾆi;;|≡| |iiiii|＿|iiiii||iiiii|iiiii|　||≡|　　|≡||＿＿|__ :;;;ゞゝ:::ヾヽ
iiiiIIIiiiiIIIiiiil '￣￣￣￣| |／　　￣ ￣ ￣　!| ￣ ￣ ￣'||／;;;;;ヽ　　ヾ;li/:::ゞ:;ヾ ゞ
＿＿_____.|　　　　　　 |＿＿＿＿＿＿＿_,|__, 　　　.__||_　　　 ＼　'li|ヾ:li|
____________|　　　　　　 |　　　ピアノ教室　 | ＝ ＝ ＝ |＼ 　　 ／　|li|　li|
;naname |　, ' ⌒ ヽ　| ￣ /￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　|　 ＼／　　 ヽli//
￣ |／＼l|　|　　　::l | |　　 ~|"~"~"||~"~~''|"'|:|口口|　| ／ || 　　　　| ;il|
￣ |￣￣l|　|　　　::l | |　　ヾ;;ｿゞ　 ||　ヾ;ゞ;;ﾐ|:|口口|　||　　||;;＼ 　　| ;il|
// |　// l|　|　　　::l | |　　　;;;ヾ　　||　 ヾﾉ;;; |:|口口|　||　　|| ; ';,＼　| ;il|
// |　// l|　|;;:: ..／ :| |　　　 i| / / ||　　 liｲ .|:|口口|　||　 ／; ';";; 'ヽ::;ilヽ
＿_|＿＿l|_,,|;;／　　:|_|二二liiiil＿__||_＿liil_i!y||ｌｌｌｌｌｌｌｌ|_,,||／; ';";; ';";; ';）
;" ' ";" ' ";" ';" '" ' ";" ' ";" ;" ';" ' "; ' ";|ロl_|;" ' ";" ' ";" ';" ' ";, ,/
;" ' ";" ' ";" ';" ' ";;" ' ";" ' ";" ';" ' ";;" ' ";" ' ";" ';" ' ";;" ' ";" ／
＝＝==＝＝＝===＝＝=＝＝=＝＝＝==＝＝＝＝=＝＝＝''"

　　 |
　　 |──-
　　 |　　　　 　 ＼
　　 |__/＼　__　}　i
　　 |/　　 ∨V |　|ｦ
　　 |┃　　 ┃ムｲｦ
　　 |''＿O＿'''ノZﾞ　　　ねえ、やる夫君。学校はどうしたの？だめよう、学校サボっちゃ
　 ([,]匚　|　 廴⌒!　
　　 |_＿__}　　└jﾉ
　　 |辷辷ﾑ
　　 |　ヽ |
　　 |　　┘




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　学校には行かないお
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　廴＿＿＿＿ 　 ＿＿＿＿＿＿,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼




.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rｆ´￣￣￣￣　｀ .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （｀Ｙ´｀斗　´￣￣｀ｰ ､ 　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_（__i／　　　,〃＼ 　　　ヽ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 彡ｨ// 　 _／/　　 ＼　　　!
　　　　　　　　　うーん。困ったな…　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　从{ ｌ! / 　 / 　 　 　 ）ｨ　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀i |ｌ　ノ　　　 ｀ヽ　　 ﾘ　.'
　　　　　　　　　（こういうのってどうしたらいいのかしら…　　　　 　　r=-'|l　●　　　●　 ﾉ. |/-=-v
　　　　　　　　　とりあえず家に帰すべきよね…）　　　　.　　　　　　 ゝ--|ﾍ⊃ ､_,､_,⊂⊃/ｒ/__＿_}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　{｀ー＜ /⌒ｌ. __,　 イ￣｀ヽﾞｰ┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ーｧ/　 /＞＜ｌ　|　　 　〉ｰ ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／〈￣　ｌ　半 　人.　　/ ｀ヽ

ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
|…ねえ、おうちにお父さんかお母さんいる？
廴＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ﾉ　　
　　　　　　　 ）／
　　　　　　 ／　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　……いない
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　廴＿＿＿＿ 　 ＿＿＿＿,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼


ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
|…お父さんかお母さんのケータイ番号知ってる？
廴＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ﾉ　　
　　　　　　　 ）／
　　　　　　 ／　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　……知らない
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　廴＿＿＿＿ 　 ＿＿＿＿,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼




.

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

ピアノ教室にある名簿から彼の自宅に電話してみたものの、誰も電話に出ない。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
|…ねえ、学校は？
廴＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿ ﾉ　　
　　　　　　　 ）／
　　　　　　 ／　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　…行きたくない
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　廴＿＿＿＿ 　 ＿＿＿＿,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼




‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

　　　　　　　　　　　まあ、そうよね　だからサボってるんでしょうし。

‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

　



ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
|とりあえず、おうちに帰りましょ。私が送っていくから。
廴＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ﾉ　　
　　　　　　　 ）／
　　　　　　 ／　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　………。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　廴＿＿＿＿ 　 ＿＿＿＿,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼






.

,,　＿| .ＸＸＸX ＼ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　,,' ﾐ";;;;;,,,,,;;;;,,,　"( ;;;;;;;;; 　,,,,:;;;;;;;;;;;;;ﾉ;;;;;;;;; ,,,,,;;;;;; (,,,;;;;;;;;;
　 l 　| ＸＸＸＸXX.＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃;; （(;;;;;;;;;;;,,,　,,;;,,, "(　;;;.....;;;;;;;; 　 ;;;;;;;;;..;;;;;;;;;;; ,,,;;;;;;;;;;;;;
=[:l 　| ＸＸＸＸXXXX[] 、 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　(ﾞ;;;,,,,　(ﾞ;;;;;;;;;;;;,,, ,,;;;;;,,,　ﾞゞ;;　 ;;,,,;;;;;;;; 　 ;;,,;;;;;;;;,;;x(;;;;; ;;;;;;
　 l 　| ＸＸＸＸXXXX|l|X＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ;,,;;;;,,,,ヾ ;;;;;;;;;,,,,, 　,,,,;;,　乂 ::;;;;,,,　,,,,;;;;;;;;;;;)::;;lliｒ( ,,;ﾘ;;;;
　 l 　| ＸＸＸＸXXXX|l|XXx＼ 　　　　　 　 　 　 　 　　　　　　　　(;;,, ,;;,　ﾞ'､ ;;;;;;;;;; ,,,;;;;;;;;;;;;;;,,,, ヾ ,;;;;;,,,,ﾒ;;l;;;ﾉｌｌｉ;;;;l;;;/;/ :;;''
　 l 　| ＸＸＸＸXXXX|l|XXx 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ,,,;;;;;;,,,　ゞ,,;;;;;;ﾘ(;;;;;;;;(;;;;;,,,,,,,,ｯ"ヾヽ､_ｌ|i::;il;;ﾚ';/'"~
　 l 　| ＸＸＸＸXXXX|l|X 　 ＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゛ヾ_;;iil;;' ~ﾞヾ;;:il;;;ﾚ';''''''ﾞ~ 　　　ﾞヾｯ;;lli;(;;ｯ'
　 l 　| ＸＸＸＸXXXX|l|　 ／　 .／.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　|;;,ii! 　 　l;;;l;ii;/　　　　　　　　|;;ｌi|l;;;|
　 l 　| ＸＸＸＸXXXX|l|.　|￣￣|._, |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;;ｌｉ|　　　|;;|i;;;| 　　　　　　　　|;;;i|;;ｉ;;ｉ
=[:l 　| ＸＸＸＸXXXX|l|.　| 　　 |イ.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l;;il;|　　　|;;;iｉ;;| 　　　　　　　　|;;lli;;ｌ())
　 l＿| ￣￣￣￣￣￣! |　 　 | 　|　 　　 　　　　　 　 　 　 　 　 　 　　 　　l;;iil|　　　|;;;|i;;| 　　　　　　　　|;ｉ;;iｌ;;;|
　　　| 　 　 　 　 　 　 　| 　 　| 　|　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　|;;:iiｌ 　 　|;;ｌi;;;| 　　　　　　　　|;;il;;ll;:!
　　　|. 　 　　　　　　　　|＿＿|／　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 　　ｌ;;lil| 　 　ｌ;;;iｌ;;ｌ 　　　　　　　　ｌ;;ii|;;ｌ;l
　　　|. 　 　　　　　　　 　 │ |;.　 　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　　|;;;liｌ 　 　|;;;i|lｌ| 　 　 　　　　　|;;iiｌｌ;;lｌ
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______.| 　 　 　 　 　　.／ 　 　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　　.＼γ'ヽ､,`ｌl＼~~ll|;;;lli;;|~,ｌｌ＼, 　 　　　l;;l|;;il;;|
l l l ｌ |　　　　　　　／ 　 　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　　　　　　 .＼γ'ヽ||,;; ｌｌ~~ｌｌ~~ｌｌ~~ｌｌ~~ｌl 　　　　|;;lli;;;liｌ
l l l ｌ | 　 　 　　／ 　 　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　＼γ'''ヽ||, ;;||;;; ||;; ;||,;; || 　 　 　|;;;|ii;l;;ｌ
l l l ｌ | 　 　 .／. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼γ⌒ヽ、 ,, 　 ;;;ｌl＼~ｌｌ~~ｌｌ~|;;;li;;;;;;|~ｌl＼
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　　　　　　　　　帰り道、ずっと無口だったやる夫君が、饒舌になる。

　　　　　　　　　　　　私は黙って、彼の話を聞いていた。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

　　　　　　　　　　　　　　　　　　l''~l
　　　　〃;;:;ヽ:;:.　　　 　 　 　 　 l''~l　　　　　　　　 　 　;:〃:;:;:　 r,,
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┻━┫..;　　 ┏←┬┬k::_~kl:』 |《;|┼┴┼┴┬┴┬┼─┴┬┴┬~~ﾞﾞ..:￣┬┤￣￣￣
┳━┫..　　. ┸r斤__┼┬ｰ':l.』 |　|┴┬┴┬┴┬┴┬─┬┴┬┴┬─┬─┤
''ヾ''~~~ヾヽ､　　　　 ┌────────────────────────────┐
'':ヽ,,.,┫:;.klヽ､　　 　│人前で何かをするのが嫌なんだお。あいつらが目をつけるから。　  │
；:`；;..；,.;｀；;：,ﾟ＼ヾ　└────────────────────────────┘
:;；:;；:;:；:;：:;:;ﾆr／ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ~~｀~ﾞ““'''''''''─+ｖ､､､､:;:；:`；;；`:;:;:
｀｀ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"""""""

┌────────────────────────────┐ : : : : : : : : ；:｡;:；
│学校のあいつらはやる夫が黙っているだけで　　　　　　　　　　　　　 │: : : : : : : : ,'｡;:;；;
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │ : : : : : : : :　:：;ﾐ,
│うわばきを投げてきたり、かばんを隠したり、机に落書きしたり…　   │ : jk; ; : : :.j;,:。:i:
└────────────────────────────┘￣￣￣￣￣ :: :
；';.,;；､;､;；:｡;:`;: : : : : : : : : : : : :.:冫　　　　 ', ;;:.:||:.: : : : : : : | |:｡;:；:｡;:`;,. : ￣田￣;:~;￣田￣田
,.;；:｡;:；；;,.:i;,；,:｡; : : : : : : : : : : .:从 　 　 　 　 : :|| ；: : : : : :.:| |;: ；;,::i;,；;,、＿＿__:｡;:i;:`;＿l;;;;;;l＿`'::'
,.;i；';.,,;；､;､;；｡从:.:: : : : : : : : : :.;;　　　　　　　', :||.,, ..　. ...: ::| |；:｡;::i;,|i:;;:''　　　;::：｡.;:;､;； 　　　 ,:'':';:,''
;:：w；:､;；:｡;:;:；;,；;,: : : : : : : : : :/　　　 　 　 　 ',:||,　'　 ''..　'.| |',,､;；i!;:''"　　., ,'；：w；:､;；';,、　　"'`'::'
i!i ,;；､ﾘj｡;:；:｡;:`; ,.: : : : : : .” /　　　　 　 　 ,,::' '.　　　　　　| | ;;|ｌ | 　 .　 　 "ﾞ;::jｗ;:: !;:''"
i!i{；;,.:i;,；:.;；; :;.;:｡;；'；､,　　　/　　 　 　 　 ,::'　　　、　　　 　| |;ﾞﾞ"　　　　　 　 ;, ;;|l　i,;
| ｌ|；;, :i;,；,:;:;,.;i；';.,,;；;",; 　 /　　　　　　 　 .　　 　 ＼　　　.:| | 　 　 　 　　: :.:; : ""゛　 　.　: ..:
|:.:|;wﾘﾞ;；、:ﾘ;;;j;;从;ﾘj　　/　　 　 　 　 　 　 .　 　 　 ＼　　|_|　　 　 　 _,, :．-‐　{ }""~
|ｌ |;:w;;;;ti ijk:;;;k;;;,ﾘj:_　ノ　　　　　　　　　　　 .　　　　　`,:'ｰ　'''　 ¨　　　 !:}　　　||
|ｌ |;"ｗ;;ﾐ;wｯ';ﾘ":;:;''　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .　　 　,::'　 　 　 　 　 . 　 || 　 　 ||_ ,. ． -　''
| ｌ|Y;.,;；､;;;;;:w：;ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 ,::'　　　　.　 ' 　 　 　 ||"　´,;＂
| ｌ|y;wﾘ゛j;;ﾘ;w''　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ;;;i;i; .　'　　 　 　 　 　 ｨf.;;　 　 '
| ｌ|--..: ;; : ::-　、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {　;: ＼
| ｌ|　　　　 　 :　}　　　　┌────────────────────────┐
| ｌ|　 　 　 　 .; /　　　　│あんなところ、行く必要ない　やる夫はピアノを弾くお。　　 │
　 　 　 　 　 　 　 　 　 └────────────────────────┘

	54 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:37:18 ID:TN9U4J3c 小学生だと「ピアノは男らしくない」とか思うんだろうな

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iiiｙ/::..ノ"::...`　　..:､_ノ”　　　　　　　　`　　　　　　　　　　 　 　　 　 　　　 　 　┌‐ｰ―‐`| {[二i二i二i二]] ||ｊ　[/_li/_]　|
ノ/jiiii...::..）"`⌒）ノ　　　　 　　 　 　 　　 　　 　　 　　 　　 　　 　 　 　 　 　 　 | 　: 　: ::::|　￣￣￣￣￣　 `　~~~~~~　|
ｒ(⌒""..:く 　_ゝ”　　`　 　　 　 　 　 　 ___　　　`　　　　　 　 　　 　　`　　　　　ｌ 　: ` : :: l `.　 i二i二　ｒ '' ´⌒　"__⌒＼
"⌒:::.、_ノ"　　`　　、、．．―-=‐'''''""　⌒＾^'''　＝ｰ=-- ､､､._　　 　 　 　 　 ！ ｒ `´ ⌒　" ⌒＼　 /"⌒　`、(⌒i)　"ヽ
ノｰ''"`) ー　''' ""~~　::　:::　　:::　　:::　　　　:　:`　::　　::　　:::　　:: ~''　ー- ...,,,_　/"⌒　`、 　⌒　"ヽ(　 　`　，." |｢　 ＾
　　`ノ　::::::::::　 ::::::::::　:::::::　　 :::::::::::::　:　:　:　:::　:::　::::　　::::::　ｒ`´⌒⌒ " ⌒＼ 　　 ` 　，"　　`　"） ⌒ ,, " ⌒ ||"　 `
　，～　―　、:::;;:;:;:::　:::;:;:;::`　:::;;::;:: ，～　―　、ｒ´⌒　"⌒　/"⌒　`、 　⌒　"ヽ,　,,　"　⌒`　"　`,,)''("　、(__.` ||_ノ`
　"~　"　　⌒＼ r　"~　"　⌒＼r' 　"~　"　⌒＼　`、 ⌒　(　 　`　　，"　　`　"） 　、(__　､_ノ` ⌒）　 `､,ノ　_..．-・'"~
"　⌒　` ⌒　` ヽ　、⌒　`⌒　 ＾ヽ `.　`　 __ ⌒ヽ　 ，"　（⌒　,,　"　⌒`　"　`,,) ､.ノ ﾍvﾉf" ､_ノ_..．-・'"~Π_..．-・'"~
　　"　　⌒)　"　）　''，　"　⌒)　" ） ， " (⌒i) 　"）　⌒`　''("　、(__　､_ノ` ⌒）　 ｀`'_,..．-・'"~Π_..．-・'"~|」_..．-・'"~
"　　⌒`　"　　　)　　　⌒`　"　` ,)　` ⌒` |｢　　,,)　　､_ノ`　ゝ_ノ､ﾍﾄﾉｆ" _..．-・'"~Π_,..．-・'"~|」_..．-・'"~´_/_/_/_/_/_
`　（__　､_` ⌒" ） ､ `（__　､_` ⌒"）（__,,,､_ノ||⌒~）　 ﾄﾉ/"､_ノ''_..．-・'"~Π_..．-・'"~|」_..．-・'"~´_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
.ﾉﾍｖｊノ/"　､_ノ''　､ﾉﾍﾄｊｨ/"　､_ノ 　､ ﾍvｿ/||､_ノ　_..．-・''"~Π_..．-・'"~|｣_.．-・'"~´_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_
''ｰ|:ｌ:ｉ:l{ー　'’　　`'‘ｰ'|l:i:{ー　''’ .`'‘ｰ'| _..．-・'"~Π_..．-・'"~|｣_..．-・'"~´_/'_/'_/'_/'_/'_/'_/'_/'_/'_/'_/'_/'_/'_/'_/'_/'_/'_/
､;;.}ｌｉ::!:| ､;`;､;;､;`;､;; ､ }l:i::| ､;､;､;;`;､ （{Π_..．-・'"~|｣_..．-・'"~´_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/
, ' |l:i::!:| 〟''〟''〟''　 |l:i::{ 〟''〟 〟 _| |_..．-・'"~´__/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/
ｗﾉ:/:i:ﾍﾉｖ＿w,,.. ．．'+ｷ-ー　''''_..-‐ |〈_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~_/~
┌────────────────────────┐":":":":":":":":":":":":":":":":":":":":":":":":":":":":
│ピアノをただ弾いていたいだけなんだお　　　　　　　　　　   │ :.: '' : :.: '' : :.: '' : :.: '' : :.: '' : :.: '' : :.: '' : :.: '' : :.: '' : :.
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  │ 〟.:. :.: 〟.:. :.: 〟.:. :.: 〟.:. :.: 〟.:. :.: 〟.:. :.: 〟.:. :.:
│あんなくだらないところで、くだらない時間を過ごすより　　 │w .:.:. :.: ｖw .:.:. :.: ｖw .:.:. :.: ｖw .:.:. :.: ｖw .:.:. :.: ｖw .: :
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  │ :.: :.: .: :.: :.: .: :.: :.: .: :.: :.: .: :.: :.: .: :.: :.: .: :.: :.: .: :.: :.: .:
│ピアノを弾いているときだけが…一番いいんだお　　　　　  │^'' ‐- ．..,,__　:.: :.: :.: wViw .: :.: :.: wViw .: :.: :.: wViw
└────────────────────────┘

　　　 　 　　 　　＿＿＿_
　　　 　　 　　／:::　 　 　＼　　　　　　前のピアノの先生は、
　　　　　 　／::::::::::　　　　　＼
　　 　　 ／:::::::::: 　　　　　　　 ＼　　　やる夫が発表会に出ないといったら、じゃあもう来なくていいって…
　　　　　|:::::::::::::::　　　　　　　　　|
　　　 ／⌒::::::::: 　　　　　⌒ヽ／　　 　やる夫だって、それなら別に構わない。一人で弾いてるだけで、それだけで…
　　；/::::::::::::　　　　　　　 　 　 ＼；
　 ；/::::::::::::::　　　　　　 　　　＼　ヽ；　　やる夫は別に、誰かに聴かせるために弾いてるわけじゃ…

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 〃　　 ..:::/　　.:::: ハ::::. ,　　 ＼　 ｀、　　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 ./　　 .::::::/　 .::::::／　　ﾞ,:　ｉ;::.　　 ヽ　 ,　　　　.　　 　 ’
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　/　　 .::::::/　.::::／　　　　 ﾞ,: ｉ:::::.　　 '　　.　　　　ヽ丶 　 ﾞ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　 　 /　　.::::; ':i　.:／ .,＿＿＿＿ ｉ卜;::::::.　 ﾞ.　ｉ　　　　 !:. ﾞ,　::！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 i　　 　 ｉ　　 ::/:: .i .:/　　　　　　　　　ﾞﾅｰ+;_:_:.　!. ::!　　　　.}:.〃~`!ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　丨　丨　 斗‐' .|/ 　 　 　 ,.-‐＿___ﾉ_　 ヽi;:::. }::.::|　 ｉ　　.:ｒ‐'. "` ｰ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　！ 　:i::. "/ __　i 　 　 　 　 ｦ"苅ミ;ｒﾏﾐ.　ﾘ ';::ﾄ;:::}　 ｉ　 .::i!:;'::::.　 ﾞ;.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !！丶　:::.. ｿ_,...._　　　　　　　　 f///ッ; 　 　　.i:| .ｿ ;ｿ　.:::人::::::::. 　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽlヽ ＼ :::ｖ゛''茫　 　 　 　 　 　 ｖ'ﾞｰ"ｿ.　　　　ﾘ /.;:'　:::ｙ ﾊ;{::ヽ::::..ｿ}　　_...．-―‐、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ＼　 弋.　{!ｌ|　　　　　　　　　ー '' "　　　　　/;' .::／ヽ::::|::ｰ-:＾ッ　"　　　, -―ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__| 　.ヅ　　　　 　 　　　/ ﾊ〃 "　　　/..／ι:::::::::|::::::／／　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 ，　　　　　　　　　　　 　 ／´　 γ::ノ:::ﾉ／／　　　　　　　　　,..-一'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃"´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´　／ 〃"　　　　　 . 　 ...:::"::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　……。　　　　　　　ゝ.　　 　 　 　 ＿_ 　　　　　　　　　 ..:::::ｆ~ ´　〃::::.. 　　　., '　／:::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶.　　　 　‘‐- ｀　　　　 　 　 .,..ｨ::::|　 　.∥::::::::::::...:::〃≦::::::∠＿, -―‐ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f＞ .　ﾞ 　、　　　　　　　　　 _,.:::"::::::::::{　　 ヾ::::::::::::::::〃::::::::::::::::， "　　　　 ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ　＼　＞ｰ-≧　.. _ ..．...:::::'":::::::::‐:::≦二ニﾌ　＼::::〃:::::::::::::／／　　　　　　 ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　｀ ー　　::~:::´:::::|;::-:::≦::´:::::::ィ ´　 　 　 ヽ　 ー―‐ > ／　　　　　　　 _.,〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶、　 ｰ- ...:::::::::z＜:::::::::::::: ´ 　／　 　 　 　 .:::::..ヽ　　 ／／　　　　　 _..． "
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,、＿...＞..、::::::::マ:＼::::　´　　 ／　　　　　　 .::::::::::::::.ヽ /〃::.　　　 ,..∠＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f ＼::::::::::::::::｀::::ｰ＼::::＼.,...:::／　　　　　　　.::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::｀:，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｉ　 　 ＞:::::;:＞≦ｉ｀¨'''ー-／　　　　　　　..:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_::／::_::_::,::::．-―‐ 、/ '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　　;:::::ヽ　.::::∥.;:::::::／　　　　　　 　 .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ￣　 　 　 　 　 　 ﾘ /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(:;:〃：:;;；)
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　,,,,,,,,,,,,,,,,|ﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟl|l''''''''''''''''''l :〃 ;),,　　　 lﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟ|ﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟﾟ|　;丿:;〃
　　　l:l'''l |:::::::::::::::::l|l |￣| ＿ l:；:〃:;;). .　　 |::::::::::::::::::::::|::::::::l|￣l|: ,:.;,丿;;;:〃:;;)
　　　l:l,,,l |:::::::::::::::::l|l |＿|:| : |:l: /~~ﾞヽ' 　 　|::::::::::::::::::::::|::::::::l|κl| ”ｰ､,,,,,_
　　　l:l,,,l |:::::::::::::::::l|l　　 : 　::.l: ヽ;;:;丿,,,,-'　|::::::::::::::::::::::|::::::::l|ξl|.,l: 　　　｀ﾟ‐
　　 """"|:::::::::::::::::l|l ._,,,,,,,,,,,,､lr''''''ﾞﾞﾞ~　　　 |::::::::::::::::::::::|:::;;;,.l|πl|ﾞ｀　　,'''ﾞﾟﾞ"ヽ
　 .llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll,!'''ﾞﾟﾞ"ヽﾞl|　 l| *i,,,'l_　:;:;::ﾞ:;
　 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .'l_　:;:;::ﾞ:;|l"￣:;:ヽ　　｀─"'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀─"'　ヽ＿,,丿　　　.,.,:;;.,;
‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

住所によると…この家がそうみたい。立派な家ですこと…

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ／　　＿　　―　￣　¨　―　、　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / / ／　／　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　 /　／　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　/v‐ 、 /　　　　　　　　　　　　　　l: 　 、　　　' , i
　　　　　　　　　　　　　　　　　{　|　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　l::　　ヽ:.　　　 i
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 >r　)/_　　 .::/　　　/　　　　　　 /:　　　 i::　　 / }ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　{ ゝ_) /　 ::::/　　　/　　　 /　　 ｲ　　　　 l::　　 〉 l_}
　　　　　　　　　　　　　　　　､ /(＿)　　 ::i　　　/　　.::／'　／　 i　i　　　l:　　{ ( ) }
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／ V::|:{ :i　 　 :l 　ー―-≠-/ ／　　　i　i　 　 l　　 l/_ﾉ
.　　　　　　　 　 　 　 ／ﾍ　　 ',l:ﾉ):.i　　 i　//::／　 ／ ´　　　 ＼i_i　　　l　　　ｲｿ＼
　　　　　　 　 　 　 <　　　＼ 　',ﾍ＼.i　 |/ xぅﾃ=ﾐ　　　　　　　　 |:l｀ﾄ　 l　　 /::l:/　 へ、
　　　　　　　　　＿__＼　　　　　ﾍ＼＼　l　弋ﾞz'ｿ　　　　　　 ﾏﾐヾ|､ l　/　　/｀ >　 /
　　 　 　 　 　 /＼:::::.:.＼　　...::::::::〉￣＼|　ﾊ ヽ　　　　　　　弋l_jｿ}｀l/　 ／,..ノ　／ 　 /_
　 　 　 　 　 /　　 ＼ー‐＼:_:::::::/　　　 |:、　　　　　 ::、　　 ﾊヽ¨´　/:／　(:::..　　　　/.::　　あのーすみませんー
　　　　　　　{ 　 　 　 ＼　　/￣　 　:i　 |:| >　　　　　　　　　　　　　´/　　　＼:::.....／ー
　　　　　　　＞､　　　 .::::::>/　　　　　:i　|:|　: ＼　　ｰ -　　＿ ,, -イ: /:: 　 　 |｀ ´　　 /　　誰かいますかー？
　　　　　　 (　 ( `ｰ ､::＿/　　　　　　 ,:i-―....￣:⌒Y¨Y￣.....‐-.ﾉ/､/: 　 　 　 ＼　 (::::
　　　　　　　＼＼　　　　＼. . 　 　 　 ヽ::::::::::::::: ,;;;;;辷ﾉ;;;;;; ::::::::::::::/:　　　 . . . . ﾉ　 ＼:::...
　　　　　　　　 ＞ >　 　 　 ＼: :ヽ: . .　 〉::::::::: ;;;;;;//| |＼;;;;;,, :::::::/　　 ／: : :／　　　　￣

　　　　　 , : ´ ￣｀゛ ::　.
　　　　,::´:,::':::::::::::::::::::::::::＼
. 　 　 :::::/:::::,::::::::,:::::::､:::::､:::ﾞ:.
.　 　 |:::::i::::::|i:::::_||::::::_|:::::,|iﾞl::ｌ
　　　|:::::|::::::|（●）　（●)|::::|::|
　　　|:::::|:::::_| 　 　 ,　　 j:::::| ｀　　　　　　　やる夫、学校はどうしたんだい？
　　　|:::::|:´:|､ 　　-‐　ノ:::i ｀
　　　|:::::|:::::{´ ヽヽil､:::|:::::|
　 　 |:::::|:::::| ヽ.　// ',:|:::::|　ｼﾞｬｷﾝ　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人..ｨ／
　 　 |:||:|::,i'l　.|＿r'ﾟlﾆﾆﾆl]_ _＿＿＿/l　　　　　　　　　　　　　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （
fﾆﾆﾆﾆllﾆﾆ|./ ＼[ l===ﾆﾆl]}||||||||ll]}ｺl|====iﾆｺ　　　　　　　‐=､´　　　　　　ギャーー！！！　　　　　　`=---
|l_,,=-'''~　 ヽ＼..　 _⊃''ニ「_,,,l⌒l｡__｡_]三三i　　　　　　　　　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､´
　　　　　　 　 〈,ヽノ　 |ll [`ー'￣　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙｙ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↑マミさんの悲鳴












　　　　　 , : ´ ￣｀゛ ::　.
　　　　,::´:,::':::::::::::::::::::::::::＼
. 　 　 :::::/:::::,::::::::,:::::::､:::::､:::ﾞ:.
.　 　 |:::::i::::::|i:::::_||::::::_|:::::,|iﾞl::ｌ　　　　　
　　　|:::::|::::::|（●）　（●)|::::|::|
　　　|:::::|:::::_| 　 　 ,　　 j:::::| ｀　　　　　あ、これはじょうろですから…
　　　|:::::|:´:|､ 　　-‐ _ノ:::i ｀　　　　　　　お花に水をやってただけです。　　　　　　 ヽ､_,人_,ノ､v1人..ｨ／
　　　|:::::|:::::{´ ヽヽil､:::|:::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　　　　　　　 （
　 　 |:::::|:::::| ヽ.　// ',:|:::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‐=､´　水鉄砲！？　`=---
　 　 |:||:|::,i'l　.|＿r'ﾟlﾆﾆﾆl]_ _＿＿＿/l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　　　　　　　　､´
fﾆﾆﾆﾆllﾆﾆ|./ ＼[ l===ﾆﾆl]}||||||||ll]}ｺl|====iﾆｺ　ミﾐ　　ｼﾞｬｰ　　　　　　　　　　　　　 , '⌒r‐v'ﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙｙ＼
|l_,,=-'''~　 ヽ＼..　 _⊃''ニ「_,,,l⌒l｡__｡_]三三i　　　　　ミﾐ
　　　　　　 　 〈,ヽノ　 |ll [`ー'￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ばーちゃんの愛読書はゴルゴ１３なんだお　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　廴＿＿＿＿ 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人..ｨ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐=､´　え？ていうか、おばあちゃん！？　=---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙｙ＼

	65 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:41:00 ID:TN9U4J3c ホースからやれよwww 63 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:40:24 ID:v/My3AEA わっかいおばあさんだなｗ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣:::::::::｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//::::://!::::::::::::::::::lﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 i:|::::::_LL!＿__!ii::::::l::i
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /:::l::::::!●) 　(●`!_::|:i　　　　　ところであなたはどなた？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::i:::i　 　 ' 　　 ,'::｀::|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /:::::::::;i::!,ﾞ:..､_ ^　.イ::::j::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　 /:／￣.|::!　ヽv/´ 〉ヽ/:::::::.
　　　　　 　 　 　 　 　 　 _,-'"´ヽ　! .!::|V　У　/ 　|.ヽ:::ﾊ
　　　　　　　 　 　_,.. -＜_　　　　ﾞ:..| |::| .ﾔ/　 / 　 !/　V:ハ
〈＼　　　_,.. -‐ '"　　　　 ｀　‐-､_ ﾞ.!|::|,／　 ,/!　　|' ,／ ヾ､!
　＼｀ヽ.|　　　　　　　　　　　　 ,.ｨ≦::|ｲ｀ﾞ＝'-ｪ､._j／ ＿＿_＼
　 ｀ヽ-‐|　　　　　　_,.　　 ,..:ｨ´::::! /:/ ￣￣￣￣.〉.＼　　　　　＼
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　　　　 く ヽイ　　　　　 ／::,ｲ/"ﾄ､.__　　　　　　,!::::::|, ヽ､_ ｀ヽ　　　 ｀ﾒ__,　-‐ｧ
　　　　　ヽ　　　　　 _,./:／//ﾞヽ､/_　￣｀ﾞ¨¨¨´ﾔ::::/ 　 　 ｀ｰ､.　　,..ｲ.＿　っ
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　 ヽ､..　....::::;;;ジ.::::::::::::::::::::::
　　　 ￣￣
‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

おばあちゃんに話を聞く。やる夫君は、自分の部屋に戻っていった。

それにしても、ずいぶん若いおばあちゃんね…年齢不詳。

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　　　　　 |:::::|::::::|（●）　（●)|::::|:::|　　やる夫の母親は、１８でやる夫を産み、数ヵ月後に亡くなりました。
　　　　　 |:::::|:::::_| 　 　 ,　　 j:::::| ｀
　　　　　 |:::::|:´:|､_　　-‐ _ノ:::i ｀　　　産まれてすぐにここへ預けられて、
　　　　　 |:::::|:::::{´ ヽヽil､:::|:::::|
　　 　 　 |:::::|:::::| ヽ.　// ',:|:::::|　　　　 父親は仕事で、ずっと遠くにいます。年に１回帰って来るか来ないか…そんな程度で。
　　 　 　 |:i|:|:::::| ＼|┴─i:|:::::|
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　 　 　 　 У　 ,／‐-､j}　 　 　 〉ｭ
　　　　 　 ｀￣´￣￣￣￣￣￣





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　　　　　 |:::::|:::::_| 　 　 ,　　 j:::::| ｀　　　あの子は小さいころから家にあるピアノで遊んでいました。
　　　　　 |:::::|:´:|､_　　-‐ _ノ:::i ｀
　　　　　 |:::::|:::::{´ ヽヽil､:::|:::::|　　　　　 あの子の母親が弾いていたピアノです。
　　 　 　 |:::::|:::::| ヽ.　// ｒ─┐
　　 　 　 |:i|:|:::::| ￣￣7~ｱ茶_}､　　　　　ここは母親の実家ですから。
　　 　 　 |:||:|::,i'l 　 　/三ﾞ一メ;}|
　　　　　!| |.ﾞ::j　ﾄ-､/┴─ｲ､~ /
　　　　　 | _|/　　 / ト.￣　￣｀､､
　 　 　 　 У　 ,／‐-､j}　 　 　 〉ｭ
　　　　 　 ｀￣´￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　. : "´ ￣ ｀ : ､
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　　　　 　 //:::,::::::,:::::::､:::::::､::ヾ:.
.　　　　　 ｌ,f:::i|_:::::|:::::::||:::::_|i::::i::|　　　
　　　　　 |:|:::::|（●)　 (●）|::::::|:|
　　　　　 |::|:::_| 　　 ､　 　 |_::::|::|　　　…あの子のピアノは、素人の私が聴いても、とても上手だったので
　　　　　 |:::|´::lﾞ.､　‐‐　_ノl:::｀|::|
　　　　　 |::::|:::::|:/ ヽ//ヽ::1::::|::|　　　私がピアノ教室に通わせたんです。
　　 　 　 |:::::|:::::| ヽ//.　 ｒ─┐
　　 　 　 |:i|:|:::::| ￣￣7~ｱ茶_}､　　　 でも、ピアノの先生と喧嘩をしては教室を変え、喧嘩をしては教室を変え…
　　 　 　 |:||:|::,i'l 　 　/三ﾞ一メ;}|
　　　　　!| |.ﾞ::j　ﾄ-､/┴─ｲ､~ /
　　　　　 | _|/　　 / ト.￣　￣｀､､
　 　 　 　 У　 ,／‐-､j}　 　 　 〉ｭ
　　　　 　 ｀￣´￣￣￣￣￣￣





　　　　　　　　　　　 ＿,,,＿＿
　　　　　　　　, -'￣::::::::::::::::::::::｀:ヽ
　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 ./ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,:::::::::::::::ヽ
　　　 　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|!|'lｉ:::::::::::::.!
　　　　 .!::::::::::::::::::::::,ｒ､､:: ::::::::|｀ └┐::::::j!　　　今のピアノ教室でまたトラブルを起こしたら
　　　　 .|::::::::::::::::::::::.!tｉ|::::::::::::l （ ●）::::::|｀
　　　　 .!:::::::::::::::::::::::ヽ!:::::::::::||!　　　 >:ｌ　　　　 すっぱり通わせるのはやめさせよう、これが最後……とは思っていました。
　　　　│::::::::::::::::::::::::|:::::::|￣　　　_/_;ｌ!
　　　　 |::::::::::::::::::::::::::|::::::::|　.　　 /::|　　　　　　
　　　　.!::::::::::::::::::::::::/l::::::::| / ￣´::::|
　　 　 |::::::::::::::::::::::./_|:::::::::|':::::::/::::::.!　　　　　　……そうですか、あなたが先生でしたか。
　　　./ :::::::::::::::::／.　!::::::::::l:::::/::::::jl　　　　　
　　 / ::::::::::::::::ｉ二 ヾ |:::::::::::!二j:::〃
　 .〃:: ::::::::::/::::::::｀ヘ_|:::::::::.!ヽ |' '

	68 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:43:45 ID:gg59uTtY 割と過酷な家庭環境だな

　　　　　　　　:.!|_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒
──〃 __|ｌ　 /ｌ　ヽ|! ──────────────── /　ﾉﾉ────────────────
　　　ｌ| /　ヽ_ﾉ! ! 　 トヘｌ| 　! ｌ !.　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !　｀ヽ!|
　　　　! 　　 ヽヽ　　! 　 !|ヽl__!|　　　　　　　　　　　　　　/∧　　∧　　|!|＼!|　!　　ﾉﾉ
　 j|＿∧　　ｌ| l　ヽ_ﾉ＼ !|　＼l　　　　　　　　　　　 　 ∠ノ　 ￣　/!　∧　　￣!|￣ﾉ
／ ! ＿ノヽ､_!lﾉ＿.. -―ヽ　　 ヽ　　　　　　　　　　　　|＿ ノ＿_ / ｌ| /从` ー‐ｌ|＜＿
__ノ´　!ヽ､＿ノ＿_ ＞ｰ‐人ヽ、　ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼!　!/　　≦‐-､!　　 ノ
..l幵l.　　 l幵l:::::::::::::::::::::≦l幵l　 　|l幵l　 　l幵l　 　　　 　 j i─i ＞　l幵l　　　　 　 　 l幵l
￣i￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i彳- ´ ﾐi￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i彳　　.ﾐi￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣
　 |　　　　.|　　　　.|　　　　.|￣￣￣|　　　　.|　　　　.|　　　　.|￣￣￣|　　 　 .|　　　　.|

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月光ソナタ、でしたか。

毎日学校に行く前に早起きして、練習して、学校から帰ってきては

また練習して…ついに発表会に出るのかい？ってあの子に尋ねたら
　　 　 　 　 ・ ・
「先生との宿題」だって言うんです。

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　　　　　　 　 , : ´ ￣｀゛ ::　.
　　　　　　 ,::´:,::':::::::::::::::::::::::::＼
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　　　　　 |:::::|::::::|（●）　（●)|::::|:::|
　　　　　 |:::::|:::::_| 　 　 ,　　 j:::::| ｀　　　
　　　　　 |:::::|:´:|､_　　-‐ _ノ:::i ｀
　　　　　 |:::::|:::::{´ ヽヽil､:::|:::::|　　　　　　今まで、先生の宿題なんか ろくにやらなかったのに…
　　 　 　 |:::::|:::::| ヽ.　// ｒ─┐
　　 　 　 |:i|:|:::::| ￣￣7~ｱ茶_}､　　　　　何があったのか、不思議に思ってました。
　　 　 　 |:||:|::,i'l 　 　/三ﾞ一メ;}|
　　　　　!| |.ﾞ::j　ﾄ-､/┴─ｲ､~ /
　　　　　 | _|/　　 / ト.￣　￣｀､､
　 　 　 　 У　 ,／‐-､j}　 　 　 〉ｭ







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ : : : : : : : : : /: : : : : :｀ : : : : : ヽ:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 // : : : : : : : : : /＼ : : ＼: : : : : : : : v:ハ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : : : : : : /: : /　　丶: : : : : : : : : : : ﾊ|V{ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ii : : : : : : : : : /　 　 　 }: : : : : : : : : : i:i:|ivi:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|i : : : i : : i : :,　ー＝-‐':|｀ヽ:i: : : : : : じじハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|i : : : | : :ハ:i|　　　　　 j|　 jハ : : : : |: |i i|ハ, . ヘ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ : : :iiﾊi:{　八　　 　 '"芹示　|: : : : ﾊ: じj／: : : : : ヽ
　　　　　　　　　　そうですか……　　　　　　　　　　 V :ハ从,茫ﾐ、　　　　 v:ツ　| : : ,/,ﾊ: V: : : : : : : :/}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i爪: :＼　vﾘ 　 　 　 ....::::::: ﾉ : :/r'　У: : : : : ,ｨ彡'　 ,. ヘ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　ﾐ;ゝ.::　,　　　　　 　 `ｰ彡|＿/: : : : : :/　＿／ : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶　　　　､　 　 　 ／　 |Ⅵ: : : : : :/_,ｨ勿' : : : : : ,ｨ刋
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ι　 ,. :'" ＞　.　＿ . r: ´ 　 ／　丶: : : : i三彡': : : : : :ムｨ'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : : : : :_:_:_:_,≪r‐一 ´　　 ／￣￣￣｀'く: : : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ : r＜´￣￣i　i|　,ｨｰ…＜ 　 ／ 　 　 　 ＼: : / 　 ／

　　　　　　　　　　　. .　. .　　　　　　　　　 . : :　:　:
　　　　　　　 . . :　:　: : :|ヽ: . .　　　　 . : : :＃: :
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おばあちゃんと話をした後、私はやる夫君の部屋に寄った。

廊下には、彼の弾くピアノの音が響いている。

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾞ､::::::〃::::／ : : : : : ／: :／: : : : :ヽ: : : : :ミﾆ､ﾆ二:::::::::::::|　　　　 　 ／jf-― ''"　　  │
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {: : ／ У : : : : {: :/代{｛{ ｛:じ:}　　　 　 {::じ:}/: : /　Y: : :} :`ﾄ/}j　j:ﾉ-―､　　　　　　　　　   │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/イ　　/ : : ／: :ゝ{: : /l`　 ゞ='　　 ;:. 　 `ｰ''/ : /　 / : /j: :/ ノ ／二＼　!　　　　　　　　　│
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│　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 r---r{ 　 　 　 /　〃ｰ-､Å -‐''" {::{ {　　　 　 　j{::／ 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　 ,...-‐‐ァ.... --―‐ '''"^)::〉　ﾏﾍ　 ＼　{ //_　　 (ｼ　　 __rヾヽ}　　 　 　 // {イ{ 人　ﾄ〉　　　　　　　　     │
│　　　　　　　　　 　 　 ,-<''"　-＜　　　　　 　 　　(::{__ 　ﾏﾍ　　`,.f‐ﾄ7ミｰf'辷ﾋj斗‐ｧ7~ﾞl 　 ／二//-､ l　　 l`'ﾞ　　　　　　　　　　　   │
│　　　　　　　 ,.... -‐''" ＼＼　　､__＞---　――''"弋::{　/ﾉ~ヽ／/:〈〃　｀7o/ .....::::ll_): : `┬{/ {//､__/:i!　　 !　　　　　　　　　　　　  │
│　 ⊂二二二　　　　　　ノ'" `ｰ-＞　　　　　　　　　 ^ヾ>"　　　 {: :〕ll:::::::::{:::{::::::::::::ll_(: : : / ﾉ__//::ﾉ''"7 　 　l　　　　　　　　　　　　  │
│⊂ --‐ ''ﾞ癶　ヽ　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !: )_ll:::--}o}--::::::ll_〉: : / 弋//-<　　{ 　 　 !　　　　　　　　　　　　  │
│　　　 ／／ ! 「 l　/　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l: :),ll　　j　!　　　ll_) : / 　 //　　 ＼　　　 ﾉ　　　　　　　　　　　　 │
│　　 <／ 　 jノ 弋{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l: 〔jl　　joj 　 　 ll_〉 ,'　／::jl　 　 　 `ｰ-''´　　　　　　　　　　　     │
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やる夫の部屋…

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││　　 　/　 　 　 　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　｀､:.//-､: : : : : : : : : : : : : : //: : /:;:;:;:/　...　　   ││
││　　　 ',　　　　　　 　　　 　　　 ＿＿＿＿＿＿＿＿　 　',/　　　￣~　　　　~￣//: : /:;:;／: :　　　  ││
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││　　　　　 iﾊ　　　 　　　|　　　　 　 ´￣｀　　　　　´￣｀　l ∧::::::::.... : :.:.:.::::::::::::::::l l: : : : : : : : : :　　　  ││
││　　　　　 l　∨　 　　　 |　 　　 　,_　　　 _　　　　 ､,,__.､ lﾊ　｀ヽ、::::::::::::::::::::::::::::l l: : : : : : : : : :　.　　  ││
││　　　　　∧　ヽ、_　　　|　　 　　 　 ｀¨¨´　　　　　　　　　',､　 　ヽ::::::::::::::::::::::::::l l: : : : : : : : : :　　　　││
││　　 　　/　∨　　　￣｀ ' ー- ､　 ⊂つ　　　　　　　 ⊂つハ　　　ヽ: : : ::::::::::::::l l: : : : : : : : :/:　　　  ││
││　　　 / , '´:∨　　　　　　　　　｀ヽ　　　　 （__人__） ／´｀ヽ　　　　 ﾄ､: : : : : : :.l l: : : : : : : /: :　..　　 ││
││.　　 //: : :／ヽ、　　　　　　　　　 ',　　／´｀ヽ、　 ,.ゝ'," 　 i^ti　　　　｀ー- ､: :l l: : : : : :./: : :　..　　 ││
││.　　《: : : /　/: : ヽ、　 　　 　 　　　'＞i_,.....,_　 ﾄ,´o_,<.ﾄ'"ﾉ､ /　　　　 　　　　｀ ^' ヽ、::/: : : :　　　　  ││
││　　　＼/　 i:.:.: : : /｀ヽ、　　　　　　　ゝ　　　｀ﾞ'ー--　 --y' 　 　　 　 　 　　 　 　 　 /　　｀ﾞ　　　　 ││
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やる夫君の部屋にはピアノがあった。そこには一枚の写真が大切に飾られている。

お母さんとの写真だろうか。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

.　　　　　　 　 　 　 , ':／　　　　　　　　　　　;　　　　　　ヽ
　　　　　　　 　 　 /:::'　　　　　　　 　 　 　 ∧　　　　　 　 :.
　 　 　 　 　 　 　 ':/:　　　　::'::::/ 　　 '　 :/　 ', :ﾄ、 　 　 　 '
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　 　 　 　 　 　 ,.､!::::::::.　 ' ::/!斗‐ト/ ,::/　 　 ‐‐トミ、V　　　|
　　　　　　　　 {l`!l;:::::::::. '::/´ ,/__ｊ/　ｊ/ 　　　 __j!　　｀ V:　r.￢
　　　　　　　 ,...ミｊ !;::::::::.ﾚ' ,斗=＝ｘ　　　　　 x＝=-ｪ、.i:. ∥7,'
　 　 　 　 　 {{ ｀,,(:}}l､ ::::!"イi;;;r圷 　 　　　 　 仡j;;;rﾊ`}:. jｊ/ムゞ
.　　　　 　 r-`-"jj∥{＼ﾄ､ _ｖ,...;ﾘ　　　　　　 　v;...;ﾘ_, ,'／}〈　 }　　　　　朝から熱心に練習してたんだ。
　　　　　　ｊ::::::::::::｀ヽ:入_,ﾐヽ ,,,,　 　　 　,　　　 　　,,,, /'_;ノ∧_∥ ＿
　　　　 　 {;_:＿:｀ヽ::..＼ 人　　　　　　　　　　　　　　人::ム斗≦　　}　　朝練は上達の早道だからね。
.　　　　　　`ー-｀ヽ ::::::..　　 ＞　　　 ｀ 　 ´　 _　＜　<´::　　_ ｨ=＝'
.　　　{￣｀::ー-..､ノ｀ヽ:::::. 〉 　　-=｢≧　-　壬=- 　　　ヽ::ｨ< _,.. ー ￢
　　　 j;_三_::ミ::::::::ヽ_:j::／ 　 　_}｀:::￣　Y　￣ ´{_　　　　 ー{:::　　　　{
.　　　 `ー ‐‐｀ヽ:::::::ヽ ＿ . rr/　　、 　 lj　　 , 　ﾍｒｒ . ＿　　v-;ー―'　　　　　　　ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
　　　　　　　　　　y ￣　　ｒ - ー― ヽ_ｒ￢_ｨ ー --　、　 ￣ ゞ:ﾄ、　　　　　　　　　|　　朝練？　　そうなのかお？　
　　　　　　　＿ ノｊ::::::::::. .. ヽ　　　　>::::|＿!::<　 　 　 /　　　　 i ＼ミ＿_　　　　　　廴＿＿＿＿ 　 ＿＿＿＿＿＿＿,ノ
　　_,..ィフ￣` ーｨ:::::::::::: :: . |:〉　　::／/j lj | ＼　　　〈:|　　　　 ﾊ 　 ー 、ヽ　　　　　　　　　　　　＼(
　(::::.. /　　 　 ／:::::::::ｊ　 　 |:＼／　/　! i j　|　＼ ／:j　　　i::.　 ＼　　 j::　)　　　　　　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　/ 　./　　　　　 /　　／/ ./　　 } .i　　　　　　 ヽ　　
　　　　　　　　　　　　|　 /　　　　　/l　　/ /　/　　　 l ﾄ､　 l　　　　 l|
　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　　/l　 /　 | /　　　　 l | ヽ　l　　　　ﾘヽ　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　ト, ,|　　　　/　| / _, ｲ/　　ヽ--､|,!__ヽ l　　　　}ﾚ'-､ ／ヽ　　　　　　私の経験。
　　　　　　　 ﾉ｀ヽ､　 V{ヾ　 l　,. l-イ/´　　!　　　　　__|_　｀ヾi　 , '　/り/／　　ヽ
　　　　　　／　　　＼-､Vl　 ﾞ､　|　　　　　　　 　 　 　　　　　V　/　/ﾁ'´　　　　,　)　　　　朝練を欠かさなかった人は、皆上達が早かった。
　　　　　 <　　　　　　ヽ‐|ヽ .ヽ |,　 ,=＝=､　　　　　 ,=＝=､　 l / ,/ﾚ'　　　 ,. '´ /
.　　　　 ,. -ゝ､ヽヽ　　　ヽ,l ゝ　ヾ,　　　　　　　　　　　　　　 ／ /ー‐,／,／ _￣ ヽ
　　　　 {　　 ｀ヽ＼　　　ヽ＞ ヽ !　　ヽヽヽ　　 ,　　　ヽヽ ／',.ﾋノ--<,. ノ,. 　'´　 ,_.-|　　 勝負は私の負けだったね。
　　　　ヽ　　　　ヽヽ　　 /　　｀ヽ｀ヽ　　　 　 　　 　　　　 　人_.　　　Y´　　,. イ´,／
　　　　　 ＼＼　　ヽヽ /　　ヽ「｀ゝ ､.　　　　 ー ‐　　 , イ　　 } /　 ヽr'´　/ム===-､　　 発表会に出なくてもいいよ。
　　　　 ,. ---ヽi　　ﾉ'´　　　 ヾ　　　　｀ヽ ､　 ＿　, イ´　　　　 |/　　 　 ＼　,. ___､　　|
　　　 /　　　　 ' ／, -―- ､　|　　　　　　｀ﾞ　 |　| ､_　　　　　　 {　　,. -―-ヾ　　　|　/　　
　　　 レ'´￣￣ |´　　　　　　 !､　　　　　 ／ /Ti｀r ､ー　　　　　|'´　　　　　ﾉ　 　 '´
　　　　　　　　　ヽ　　　　　　 ∧　　　　　／ｲ｜|　|　iヽ､__　　　 }　　　　　/
　　　　　　　　　　 ヽ　,　　　 / {＿ ,.. イ/　L-―‐_|　.|ニノ｀ー' ヽ　　　>'´
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　l | l　xｧ示ﾐ　　　　ｯ示ミﾘ　　ﾘ| 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・ .・　・ ・　　　　　　　　　　　　　 i　 V{ l {{ vぅﾘ　　　　　vぅﾘ }}　 l}　/|､　 , -､
　ただ、先生と１つ約束して。楽譜通りに弾くこと。　　　 ＿___ﾉヽ ヽ{ ｀ ｀~　　　　　　｀~　´　 ｲ,イ/ ,>'´　　ヽ　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/--､ヽ､｀ヽ .{　"　　　　 ′　　　 "　 ｲノ｀'´　 　 ／,ソ
何より、まずはそれが第一なの。　　　　　　　　　　　 ト､　 ｀　｀ヽ从　　　 　 ,　-( 　 　 　 ﾉ/ /　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　｀ー-､　　　　 }>..　　　　　　　　　イ/ ./　　　／　　／｀ー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　　　　 ＼ ＼　 ヽ　f=-､ー　,.ﾉ,=}　/　　 /／ __, ／　　 ,,ｨ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/___｀ ー､---,．‐-=厶rr_' __｀-i i´___ ｀ヽ　-‐-　、,/　　 ,／ 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　｀ヽ　　 /　　　',.ノ'´　　__Y｀f-　　 ｀ ー 　　 ',　　 ム-==-､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.￣｀ﾞー､　 ′　　}　　　　　r |__|-　　　　　/　　　i / ,. ―-,}i　}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.r,r {ー‐' ｀ﾄ.、　　{　　　　　 //l|ヽ､　　　 /. 　 　 l　´　　／ ,/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　 ヽ　　ノ|　＼ 　{ヽ､　　 //.| |　| |｀ヽ､/ } 　／´|　　／ ,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ　ーr'　 |　　 /　.| |｀ー'//　| |　| |　　 .| |　ヽ　 |.／ ,／




　　　　　 ＞r　　l |　,／　　　　　　　　　　　/　　　　ヽ
　　　　　　/　　__|i 〉　　　　　　 ,.　　　　　/　　　　 ､　｀､
　　　　　ム　(( ,,./　　 /　　　 /　　　　　/ ヽ　　　　 ヽ　i
　　　　／　/ >r,|　　 /　　　 ｲ　　　 /／　　 |　l　　　 ト､|
　　　 '´´゛//,L/| |　 |　　__,/_|-/ ／/ 　, --､l_,|､　 　 |ヽ|
　　　　　 //　　 | |　 |　'´/　 ヽ|/　/ 　　　 　|/ヽ　 　.ﾄ､|
　　　　　/ｲ　 ,/l　|　 l　./ ____-_|　　　　 二__/__　|　 / =､
　　 ,/ヽ､　| / ヽヽ|　　i､|´ r'//}　　　　　　r'//}　.|　/,り,}　　　,へ　　　　　　　たとえば、ベートーヴェンはもうこの世にはいない。
　　 |　　＼ー､__l|＿>､ヽヽ,,ー‐'　　　　 　,,,ー‐' 　| /, ／ ,.--/／　＼　　　　　　でも、ベートーヴェンは
　　 ヽ 　　 ＼_　　 ____;iヾ　,,,,　　　 i　　　　,,,,,　　/イ--'´ -'´　　　／　　　　　自分が伝えたいことを楽譜に全部記したの。
　 r､　｀ヽ､　　 ｀゛ﾞ ー<´ヽ､ 　　　 　　 ,　　　　_,<__r'´　　　　　,／---､
　 |　｀ー -｀=-､____,.--r-,-iヾ ､ _ ｀￣ 　 ,..イ´ / 　 |　　　　,／ ,..- ' ´ ,>　　　だから、楽譜の指示を私たちが勝手に変えてはいけないわ。
　 ＼　　.＼-----/　 //　　ヽヽ<｀ 二´ _.イ　/｀ヽ､.二―--r '´　　 ／
　　　}､__　　｀＞ /　 //　　　 ＼ , |　//´,. ／　　　 / /｀ヽ､___,.r-＜___,...._
　 __/___,}｀゛゛´／　　| |,　　 ,.. --'´,l_|_｀＜　　　　　/ /　　　ヽ_,.. -'´｀ヽ､　＼
/ ／　　　 ／　　　 l /　r'´　 ,.イ/ l,|＼　 ｀ヽ､　l/ /　　　　}､　　　　　ヽ 　.}

..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　―　　-＼
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　　／　　　　 （__人__）　＼
　　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　……。
.　　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　／´　 　　　　　　　　　　ヽ

　　ゞ:;ヾｿゞ＿＿＿＿|　　　　　　　ヾヽ::ヾｿ;;;:;ヾ ゞゞ:;::;;;;ゞゞ:;ゞ ;;;;;ヾヾヾゞ:;
　＿;;;ヾゞ/　　　　;;;;;;;;|　|[][]|　　|[][ゞ:;ヾｿ　　　ゞ:;　:;ヾ ゞゞ:; ゞゞ:; ::: ;;;;;
　|　ヾ;ヾ/　　　　　　 ;|　|[][]|　　|[][]|ゞ:;ヾ 　ゞゞ:;ヾ　ｿゞ　　　:::ゞ:;ヾ ゞ
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ｴｴｴｴヾゞ;. ＿,＿_.___.| |＼　　＿ ＿ ＿ 　ゞヾヽ :;ヾ ゞゞ: ;:::ゞ:;ヾ ゞ ゞ:;
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　 ＿＿ヾ| |≡|,,_.._|≡| |iiiii|　 |iiiii||iiiii|iiiii|　||≡|　　|≡||:;ヾ ゞゞ:;　 |li/ ゞゞ:;
　|≡≡|;;;| |≡|γ,,|≡| |iiiii|　 |iiiii||iiiii|iiiii|　||≡|　　|≡||　ゞゞ:;ヾｿ:;ヾ ゞゞ:;ゞゞ:;
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iiiiIIIiiiiIIIiiiil '￣￣￣￣| |／　　￣ ￣ ￣　!| ￣ ￣ ￣'||／;;;;;ヽ　　ヾ;li/:::ゞ:;ヾ ゞ
＿＿_____.|　　　　　　 |＿＿＿＿＿＿＿_,|__, 　　　.__||_　　　 ＼　'li|ヾ:li|
____________|　　　　　　 |　　　ピアノ教室　 | ＝ ＝ ＝ |＼ 　　 ／　|li|　li|
;naname |　, ' ⌒ ヽ　| ￣ /￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　|　 ＼／　　 ヽli//
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￣ |￣￣l|　|　　　::l | |　　ヾ;;ｿゞ　 ||　ヾ;ゞ;;ﾐ|:|口口|　||　　||;;＼ 　　| ;il|
// |　// l|　|　　　::l | |　　　;;;ヾ　　||　 ヾﾉ;;; |:|口口|　||　　|| ; ';,＼　| ;il|
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＿_|＿＿l|_,,|;;／　　:|_|二二liiiil＿__||_＿liil_i!y||ｌｌｌｌｌｌｌｌ|_,,||／; ';";; ';";; ';）
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こうして、私とやる夫君の交流が始まった。

多くの作曲家の音楽を教えた。彼は貪欲に、多くの音楽を吸収していった。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

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驚いたのが、ショパンをまともに弾いたことがないということだった。

今までのピアノ教室では、どんな教え方をしていたんだろうか。

…とりあえず、馴染みやすい曲で、子犬のワルツを弾いて聴かせる。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

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│Ｘニ＝－ ニニ-‐'::!l:::::', ヽ({＼乂{ｿ｀　 ｲｿ/人 ￣ヾノ　　　　　　　　　　　　　　│
│＼::::￣￣::::__／':::::l!::／:::::::::ヽ　｀ r‐-, '　,'l |/　　 ´i!　　　ショパン　子犬のワルツ
│＼ヽー‐'￣::,::'三三ヽニ,ｒi''l´,'i ＞｀-´＜川/　　　ノ　　　　http://www.youtube.com/watch?v=KESTJm1g_N0

│　　￣ー＝,'ニﾆニｰ''ヽ_|::!::r､　／／-‐''ヽ　　 ／　　　　　　　　　　　　　　     │ │＼__,　　 　i!　　　　　　　lヽl:::/ﾞ´::::::::::::::::::l￣´,、　　　　　　　　　　　　　　　　　│

│　 　　　　 ヽ　　　　　 （:::::::〉{´:::::::_:::::::::::::｀i_,-.!Ｙ!　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　｀,, - ＝＝＝============r!| r''ノ!!　 , -==‐-　　　　　　　　     │
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│　　　,, ''　 r-,-<:::::::::::,r'::_:::::::l:::::::::::,'｀ﾞ-, ヽ__ ノ,',' ,'　,　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　,,''　　λ(_ヽゝ-／:::::::::::／ヽ:::::::＼/!　　　//　|,.._i_　l丶、　　　　　　　　     │
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	82 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:51:06 ID:8o/Jzc.k もう、AAあるのかこれ… 85 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:52:04 ID:TN9U4J3c >>82 ポスター発表から3時間でできたそうな すごいね……職人 84 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:51:58 ID:MLjEewGo 盲導犬の？ ※http://www.nkoku.jp/pos/#kyouko

　


　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　　　　＼
　　　　 ／ _ノ　　ヽ__　　.＼
　　　／　（○）!i!i（○）　　　＼
　　　|　　　（__人__） 　u　　　 |　　なんだお、上手く弾けないお…　　
　　　.＼　　　）t-ﾂ　　　　　／
　　　　/　　　⌒´　　　　　　＼
　　　　＼＿（__）　　　　　　i＼(__)
　　　　　|　　　　　　　　　　|

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

いざ、弾かせてみると

ショパンの楽譜に、悪銭苦闘している様子だった。

ショパンは難しい。甘美なメロディーの奥には、暗闇が潜んでいる。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

　　ゞ:;ヾｿゞ＿＿＿＿|　　　　　　　ヾヽ::ヾｿ;;;:;ヾ ゞゞ:;::;;;;ゞゞ:;ゞ ;;;;;ヾヾヾゞ:;
　＿;;;ヾゞ/　　　　;;;;;;;;|　|[][]|　　|[][ゞ:;ヾｿ　　　ゞ:;　:;ヾ ゞゞ:; ゞゞ:; ::: ;;;;;
　|　ヾ;ヾ/　　　　　　 ;|　|[][]|　　|[][]|ゞ:;ヾ 　ゞゞ:;ヾ　ｿゞ　　　:::ゞ:;ヾ ゞ
　|__:::ヾ;''＝＝＝＝＝|＿＿＿＿＿＿ヾゞ:;ヾ　:::ｿゞ　:ゞゞ:;;:;ヾ ゞ ゞ:;ヾ ゞゞ:;
ｴｴｴｴヾゞ;. ＿,＿_.___.| |＼　　＿ ＿ ＿ 　ゞヾヽ :;ヾ ゞゞ: ;:::ゞ:;ヾ ゞ ゞ:;
　　　); ,(;;| |≡|　　|≡| |iiiii|￣|iiiii||iiiii|iiiii|　|ヾ;;;　;;ゞゞ:;ヾｿ　　ゞゞ :;ヾ ｿ/ゞゞ:;
　 ＿＿ヾ| |≡|,,_.._|≡| |iiiii|　 |iiiii||iiiii|iiiii|　||≡|　　|≡||:;ヾ ゞゞ:;　 |li/ ゞゞ:;
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iiiiIIIiiiiIIIiiiil '￣￣￣￣| |／　　￣ ￣ ￣　!| ￣ ￣ ￣'||／;;;;;ヽ　　ヾ;li/:::ゞ:;ヾ ゞ
＿＿_____.|　　　　　　 |＿＿＿＿＿＿＿_,|__, 　　　.__||_　　　 ＼　'li|ヾ:li|
____________|　　　　　　 |　　　ピアノ教室　 | ＝ ＝ ＝ |＼ 　　 ／　|li|　li|
;naname |　, ' ⌒ ヽ　| ￣ /￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　|　 ＼／　　 ヽli//
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// |　// l|　|;;:: ..／ :| |　　　 i| / / ||　　 liｲ .|:|口口|　||　 ／; ';";; 'ヽ::;ilヽ
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ある日、私はこんな話を彼にした。
=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_..．　'' 　　´￣ 　ｰ　.._
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,　'　　　　　　　　　　　　　　｀丶
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　,､　'　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　‐ ､　 　 ﾞ.ﾍ
　　　　　　　　　　 　 ∩/',　　/ 　　　　　　　　　　　　 !　　　　 　 ヽ　　',ﾘ
　　　　　　　　　　　ﾍ|_iﾉ, }　/ 　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　 ヽ　 ﾚ,
　　　　　　 　 　 　 |.!{ ii'.} ! /　　　 ;　　　　　　　　 /　 l丶　i　　　　　　',　!|.
　　　　　　 　 　 　 !|ﾞlﾉﾞi丿'　　　 .:!　　 　 ／　　 / |　 |　ﾞ､ .!　　　　　　i. |!:}
　　　　　 ,，-――‐}}　ﾉii {　　　.::|　　 　/|　　　/　i　 .!　　', i　　　　　　 |.j}ﾐ｀_ヽ
　　　　 /　／￣:::::::|iｨ |.|.||　　　:::|　　　/ i　　 /　　|　/　 　 i |　　!.　 i　 |;j}:::::::ヽ 丶
.　　　 /　{::::::::::::::::::::i.ﾞ.i_ﾞ/ i　　 |:|　 _.∠-|‐‐/　　　! /　´ ￣ﾞｻ‐　!:　 |　 iｨ:::::::::::::ﾞ.　 ﾞ　　
　　　/ 　 ､:::::::::＿:::::｀ノ{ { i　　 ||　 /　　i　/　　　 i./　　　　　| !　|:!　j .i i__ヽ::::::::::l　　',
.　　 {　 　 ゝ/´ _..．-―ゝ.ﾞ丶　 {　/　 　i/　 　 　 /　 　 ､_　　　| |:|　j./|i:::::::ヽ::::丿　　,
.　　 {　　 　｀＜:::::::::::::::::::::ゝ_ゝ､ l/ ､＿＿彡　　 ´　　　＝==＝’!/ /ﾉ::j::::_:::ノ ´　 　 /　　　グレン・グールドってピアニストがいたの。
　　　ゝ　､　　　｀丶―‐ ' _.,ｨ｀ヽゝヽ ￣￣　 　 　 　 　 　 　 　　/ ／ ｀ ´　　　　 ,　 / ヽ.
　　/ (＼　ヽ._ ＿＿ ,- ´　　 Vﾍ＼.＼_' ' '　　　　　'　 　　' ' ' ./ｨ '　｀丶 ､ __. ,／_/|　　 !　　世界的なピアニストで、たくさんの録音が残ってる。
.　 i　 ＼i＼._ ｀＝= i　　　　　 Vﾍ　 `丶､ 　 　 ー　‐　 　 _..ｨﾞ !||　　　　　 ヽ_´_/_|〃　 !l
.　 |ヽ　　`'' ＝= ''~ |　 　 　 　 Vﾍ　　　　 ＞- 　....　 ＜／ 　 |||　　　　　　 |:::::／　　.ﾉ/
　 .ゝヽ､　　　　　　 |　　　　　　 Vﾍ＿＿＿｀ﾞヽ､...,ｒ '　...-/--,'iij...__　　　　　 !~　　 ／ノ｀ヽ
.／ ｀丶ヾー‐--　丿　　　　_...::::ﾞ:::::::::::::::::::::::::≧:.,::l::,'≦::::::::::::::::::::::::::::ﾞi　　　　|__...，' ｀ヽ:::　}
{　::::　´　｀ー―.／　 　 　 {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{:::::}:::::::::::::::::::::::::::::::::::i　　　　丶.　　　　}:: ﾉ
.､　(　　　　　／　　　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　　　　丶　　ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　 　 　 　 　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 /　 /　　　 　 　 　 　 ﾉ /　　　　､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 .′ /　　/　　/　 　 ／ 〈　　 !　　 |　 　 }
　　　　　　　　　 　 　 　 _｜ /　　/　　/ 　 ／　/　 '.　｜　　ｌ　　　l
　　　　　　　　　　　　　_{{ヾV　　/　　/ 　 〃　/　 　 '.　!　 　!　　　iｲ}__　　　　　　　　　　　　１９６４年、グールドは
　　　　　　　　 　 　 　 {{ヾV　　｜ -/､ __/｜./　　　__}_八..‐/ / 　/{人 }　　　　　　　　　　　 コンサート活動から引退してしまうの。
　　　　 　 　 　 　 　 　 ､､ﾉ　 　 |　/　 Ⅵ｀ !/　 　 ´　ﾚ　 ∨ /　 /i:Lノﾉ
　　　　　　　 　　　 r―‐くﾊ人丶Ⅳ ィ斧ミ　′　 　 ィ斧ミヽ}/　.ｲi:iムィ´￣}　　　　　　　　　 ３２歳という若さで…。その後、
　　　　　　　　　　 ﾉ＝＝ミヽ､ﾍヽ＼ 弋zﾝ　 　 　 　 弋zﾝ／／ ﾉ　≠＝＝ﾍ　　　　　　　　　彼はレコードの録音に生涯をささげたわ。
　　　　　　　　　 く≧===ミヽ、＼≧xゝ' ' '　 　 ,　　　' '∠イ__¨´／　　 　 ＿ﾉ　　　　　　　　
　　　　 　 rー――=ミ｀ヽ　__＞‐く ゝ､`ー―- ､ -――-っ / 〉‐-ミ　.ィ¨¨¨´　　　　　　　　　
　　　　　 ﾉ＿__　　　 , く￣　 　_ﾏﾑ斗<二ニﾆ=-=ﾆニ二ｿ ､/__　　 ｀丶≧≠´￣￣￣}　　　　　どうしてなのか？　　
　　　　 く≧===ミ丶/ 　ヽ　／　　　　　｀ ー――っ　　　　　 　 ｀ヽ　 / ヽ　 　 ´￣￣ ヽ　　　　円環の理が原因？
　　　　　　　＿＿_）{　　　∨ 　 　 　 　 .．⊆ニニニ　､　　　　　　　∨　　'. 　 . ィ´￣￣
　 　 .． ´　　 　 　 人　r‐┴―‐ ､}-:i´ー― ､｀ゝ-―‐-≧x､ィ{，-‐　¨¨}　 V´ 　ヽ、＿＿
　／　　　 .．-―≠　／|　　　　　 ヽi:i:i:i:i:i:i:i／/¨ﾏﾑi:i:i:i:i:i:i／　　　　 　 ､ 　 ヽ　　　　　　 ｀ヽ　　　ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
./ /　　.／　　　/ ／　ノ＿＿_　 　 /ー‐ 〃i:/　　ﾏﾑ‐一〈　　　　　　＿_〉、＿〉―― 、　ﾊ　 ＼　 |　　　　円環の理？
{　{　　/　 　 　 ヽ　　ﾑｲ人人ﾉ｀ヽ/　　 /i:i:i/　　　 ﾏﾑ　　ヽ　 ,斗ヘト、　}ゝ　 　 　 　 ∨ .}　 　 〉 廴＿＿＿＿ 　 ＿＿＿＿＿＿＿,ノ
ヽ ヽ 〈　　　 　 　 ＼/　　　　 ヽ人}　　/i:i:i/ 　 　 　 ﾏﾑ　　 Ⅳヽ}ヽﾉ　ヽﾉ　　　 　 　 　 }ノ　　 /　　　　　　　　　＼(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼

	92 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:54:51 ID:gg59uTtY 円環いただきましたｗ 93 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 22:55:26 ID:v/My3AEA マミさん、それは子供にはわからんですｗ＜理

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

その答えは、とある対談に記されている。

１９７０年、ニューヨークでのとある老ピアノ巨匠との対談で…

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

　　　　　　　　　　 ／￣＼
　　　　 　 　 　 　 |　　　　|
　　　　　　　　　　 ＼＿／
　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　／ ￣ ￣　＼　　　　　　君が、突然…コンサートを…
　　　　　　　 ／　 ::＼:::／:: 　＼　　　　
　　　　　　／ 　.<●>::::::<●>　 ＼　　　いわば我々の戦場をすっぱり放棄したのには驚いた。
　　　　　　|　　　　（__人__）　　 　　|
　　　　　　＼　　　 ｀ ⌒´　　　　／　　　全く不思議だったよ。
　　　　　　 /,,―　-ー　　､　,　-‐ ､
　　　　　 （　　　,　-‐　'"　　　　　 ）
　　　　　　 `;ー"　`　ー-ー　-ー'
　　　　　　　l　　　　　　　　　　　l

　（アルトゥール・ルービンシュタイン　ポーランド生まれ　当時８３歳）
　（２０世紀を代表する世界的なピアニスト）
　　（>>16のピアノを弾いている人です。）












　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .∧__,,∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（´・ω・`）
　　　　　レコードではだめですか？　　　　　　 (つ　と）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｕ―ｕ´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（グレン・グールド　カナダ生まれ　当時３８歳）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（同じく２０世紀を代表する世界的なピアニスト）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（>>10のピアノを弾いている人です）

　　　　　　　　　／￣＼
　　　　 　 　 　 |　　　　|
　　　　　　　　　＼＿／
　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　／￣￣￣ ＼　　　　　　レコードもラジオもテレビもいいよ。
　　　　　 ／　　 ::＼:::／::::＼　　　　でもね、ああいうのは聴く者から人間的衝動を失ってしまう。
　　　　／　　 <●>::::::<●>　＼
　　　　|　　　　　（__人__）　 　　|　　 私だって、結局のところ、そうした人間的なものを必要としてるんだ。
　　　　＼　　　　 ｀ ⌒´　　　／
　　　　　 ￣（⌒`::::　　⌒ヽ　　　　　君は戦列復帰するだろうと、私は感じているんだがね？
　　　　　　　 ヽ:::: ~~⌒γ⌒）
　　　　　　　　 ヽー―'^ー-'
　　　　　　　　　 〉　　 　│

ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
|…とんでもない、二度とコンサートはやりません
廴＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ﾉ　　
　　　　　　　 ）／
　　　　　　 ／　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|…戻ってほしいがね、私の言葉も頭に入れて置いてくれよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　廴＿＿＿＿ 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼(





.

　　　　　　ｼｬｯ
　　　　 Λ＿Λ
　　　　(´･ω･`））　　　頭に入れて置くことは承知しました。けれど、もしこれが賭けならば
　　　　（つ　　ﾉ'　　　　あなたは負けるでしょう。
　　　　（＿　 ）|i
　　　　i|し'　ノ
　　　　　　'Ji
　　　　　　i||




　　　　　　　／￣＼
　　　　　 　|　　　 　|
　　　 　　　 ＼＿／
　　　　 　 　＿_|＿_
　　　　　／　　 　 　＼
　　　 ／　　 :::─:::::::─＼
　　／ 　　 <●>:::::<●> ＼　　　…君は…本当に
　　|　 　　 　 （__人__）　 　|
　　/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　聴衆が発する、あのきわめて特殊のオーラ…
　 (　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
　　.＼　“　　／＿__|　 |　　　 それをほんの一瞬も感じたことがないのかい？
　　　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　-　　　＝―　　　- --
　　　＿＿ _ _　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ありません。本当になかったんです。
　　　　　　　　　　　　 　 ∧＿∧
　　　　　　――　　　 と(´･ω･`)　―＝　　　　　　　 聴衆がいるせいで、僕の演奏はいつもよくなかった。
　　- -　　　　　　　　　 / 　と_ノ
　　　　　　　　　　　　 / ／⌒ｿ　　　　　　＿ __
　　　　　　　　　　 　 '´　　　　　_　―
　　　　　－――　　　　　_ ＿




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-　　　＝―　　　- --
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿ _ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧__∧
僕は録音の、なにより編集という作業を信じています。　　　　　　　　　　　　　　　　　 ――　　 (´･ω･`)┐　　―＝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　と´_,ノﾞヾ
レコーディングすれば、コンサートよりも多くの人に感動を与え、しかもそれは　　　- -　　　　 　 (´ ヽ、 ＼　　　　　＿ __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰ'　＼__）_　―
現在だけでなく、いつまでも感動を与え続けられるのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　－――　　　　　_ ＿






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　　　　　　　　　　　　　 Λ＿Λ　-　　‐
　　　　　　　　　　　　　(´･ω･`））　　―＝
　　　――　　　　　　　（つ　　ﾉ'　　　　＿ __　　コンサートのたった一晩の感動ではない、永遠に、です。
　　　　　　　　　　　　　（＿　 ）|i
　　- -　　　　　　　　　i|し'　ノ　　_　―
　　　　　　　　　　　　　　　'Ji
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　 ∧＿∧　　　僕は
　( ´･ω･)
　 (∩∩)　　　 テクノロジーは、慈悲が発する大事業だと信じています。





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┃|　 （__人__）　　 |　　　…そうか。いつかまたどこかで我々は会うだろうな。
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┃|｛ヽ,__　　 ）



⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ

ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
|…グールドはひきこもりだったのかお？
廴＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ﾉ　　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ':,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 ,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | .: .::　　|　　|　|　/ l,' 　ハ　 ＼ 　 ';:∧{　〉
ヒッキーとはちょっと違うけど…　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::.:::|　　|　　|　| ‘　|／￣ ':.｢V }　　}{　ハ~}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::l::l:.　／⌒|　| i　 |　　＿jﾉ_｣.:|　　l`Y^7"}
人づきあいが苦手だったことはたしかよ。　　　　　　　　　　　..八 ::::::::.　l:::..八∧|　　 ィ灯心, |::|　　| j∨∨
学校でも友達は少なかったとか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼:: ァ'灯心､ 　 　 ｀¨´　 |/　/,'八. ＼/ﾞ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .＼＼ . ｀¨´　　､　　　,,,,...ムイ/　　＼/::　 /_
その分、彼はピアノに没頭したんだね。　　　　　　　　　　　　　　　　., -‐}::ヾ .,,,,　　　　　,　　　仆´ __　,／:::::: /_/＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .< ::::＼_,,仆＿_＿ `　　 ／ノ/　// ｀　 ､／／:: /＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..r─＼:i.斗 `ｰt-､ 　｀ヽ彡" ,/　//　　 ／⌒ヽ／⌒':, ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..| ＼⌒|　|　　||　,}　 　 }__,／__,//　　/　　　　}　　　 }/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r─＼ :::ソ　|　　,イ廴＿,/〉::::::::::::＼　 //　　　 ﾞヽ　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八{￣⌒/　　 ＼ У/〉　　｀7:::::::::::／　 /　　　　　　':,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .＼　 ＼　 　 / ,//　 　 /|＼ ::: |　　/　　　　　 　 /
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ﾉ／　　　　　/　 ヽ　　 　 　 |　 　　´l
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　／　　／ / ／　ヽ ､　 .! ､　＼　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　　　 ./　　, '/ /　　　゛､.!　 ､ ヽ　 ヽ　_ ,,r-,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　　　　/|_　/ //　　――L|､　 l　!　　 }へ|　|l}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .!/|　　l　 /'|´ /　l/　　　　__　ﾘ ヽ |　|　　|/ /｀V=､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. || |　　l　 |　,X=　|　　　　 >-- ､　＼||　l　}=| c |　|l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　!　! ヽ ゝ|イ;;c,　　　　　　 |;;i;;;c ＼　| /　 A iiiゞV
それより、ルービンシュタインが言う、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ ヽ!､　|゛ﾘ 　　　　　　|{‐' ,! 　　/　　/=ヾ|､X
「人間的衝動」って何だか気にならない？　　　　 　　　　　　　　　　　　 ｀ー-　'-'　　　　　　　　￣　　/　 ,/ ) ,. |､ -､_＞--,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /| //　　'　　　　　 ////　/ ノ/リ-'ノ- '´　 ――|
私はそれを「円環の理が導くもの」って　　　　　　　　　　　　　　　　 r―--/人　　　　　 ,----,　　　ー'´/,-- '´　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,!　――-､ー ヽ､　　 ｀ ‐ '　　　 ,. イ　／　　　　 --　二二,!
考えてるんだけど…　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/_＿＿　　　｀ ヽ､ ヽヽ __　 -　'´　 | </　　　　_,..-_-'´―-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿　 ｀ヽ､　　　　＼|ー -=---､__,.|っ ヽ　 ／´ ￣￣,. - '´´|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 ｀ ヽ＜´｀ヽ　,.ノ､　　　　￣l ||　　|　ヽム二,r '´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /==-､__ ,/￣￣ '､::'､　　r---- ､_, |l|　 ﾉヽ-､-./_　　　, -- ' 二,}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ー―-､_/　　　　　､:::､　.|　　　　＿ Y'''ト-'´　　 |｀ヽr ,. イ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿＿, /　　　　 ヽ　､::､ ヽ　　　 __　,| ,!-　　 　　|　　 |_ ヽ--――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　/　　　　　　ヽ ､::゛､|　　　　　 |'ヽ　 　　　/　　 |｀゛ヽ

	103 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:00:26 ID:TN9U4J3c 歌でも生歌より編集したののほうが良かったりする場合あるしな

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'"　　　　　｀
　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　＼
　　f´　　　　　　　　　 　　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ':,
　　| 　じゃあ、グールドを見習って　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　 　 ,
　＜　演奏会には出ないお　　　　　　　 | 　　　　　　　　　　　 　　　 .′　　　　 　 　 　 / /＼　　 　 ＼＼::. __
　　 廴＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | .: .::　　|　　|　|　/ l,' 　ハ　 ＼ 　 ';:∧{　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::.:::|　　|　　|　| ‘　|／￣ ':.｢V }　　}{　ハ~}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |::::l::l:.　／⌒|　| i　 |　　　　 _｣.:|　　l`Y^7"}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..八 ::::::::.　l:::..八∧|　　　三三　|::|　　| j∨∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼:: 　三三 　 　 　　　 |/　/,'八. ＼/ﾞ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲﾔ､そういうつもりで　　　　　　　 .＼＼　　 　 　 ､　　　,u,,...ムイ/　　＼/::　 /_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　話したんじゃないけど…　　　　　 ., -‐}::ヾ .,,,,　 　(　　）　　　仆´ __　,／:::::: /_/＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .< ::::＼_,,仆＿_＿ `　　　／ノ/　// ｀　 ､／／:: /＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..r─＼:i.斗 `ｰt-､ 　｀ヽ彡" ,/　//　　 ／⌒ヽ／⌒':, ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..| ＼⌒|　|　　||　,}　 　 }__,／__,//　　/　　　　}　　　 }/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r─＼ :::ソ　|　　,イ廴＿,/〉::::::::::::＼　 //　　　 ﾞヽ　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八{￣⌒/　　 ＼ У/〉　　｀7:::::::::::／　 /　　　　　　':,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .＼　 ＼　 　 / ,//　 　 /|＼ ::: |　　/　　　　　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈＼ 〈／/　　　｜|:Г＼| 　 {　 ＼＿／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ　　/ 〈＿＿___| j:｣ 　 　 　 |　　　　／､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 /　　　 　 /､{　 　 　 　 〈　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ﾉ／　　　　　/　 ヽ　　 　 　 |　 　　´l
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iiiiIIIiiiiIIIiiiil '￣￣￣￣| |／　　￣ ￣ ￣　!| ￣ ￣ ￣'||／;;;;;ヽ　　ヾ;li/:::ゞ:;ヾ ゞ
＿＿_____.|　　　　　　 |＿＿＿＿＿＿＿_,|__, 　　　.__||_　　　 ＼　'li|ヾ:li|
____________|　　　　　　 |　　　ピアノ教室　 | ＝ ＝ ＝ |＼ 　　 ／　|li|　li|
;naname |　, ' ⌒ ヽ　| ￣ /￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　|　 ＼／　　 ヽli//
￣ |／＼l|　|　　　::l | |　　 ~|"~"~"||~"~~''|"'|:|口口|　| ／ || 　　　　| ;il|
￣ |￣￣l|　|　　　::l | |　　ヾ;;ｿゞ　 ||　ヾ;ゞ;;ﾐ|:|口口|　||　　||;;＼ 　　| ;il|
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=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

ある日、彼が顔に大きなあざをつけてやってきた。

私は慌てて備え付けの救急箱で手当てをする。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／:::　 　 　＼　　　　　　　　　　…あいつらは…やる夫を掃除のロッカーに閉じ込めたしたんだお
　　　／::::::::::　　　　　＼
　 ／:::::::::: 　　　　　　　 ＼　　　　　　　息が苦しくて…思わず飛び出したら、あいつらが…
　 |:::::::::::::::　　　　　　　　　|
　 ＼::::::::::::::　　　　　　　／ヽ　　　　　　今まで腹を殴ってきたあいつらが…顔を…　
　　 /::::::::: 　　　　　　　くゝ 　）
　 ；|::::::::::::　　　　　　 　 　／ ；
　 ；|::::::::::::::　　　　　　　イ ；

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 〃　　 ..:::/　　.:::: ハ::::. ,　　 ＼　 ｀、　　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 ./　　 .::::::/　 .::::::／　　ﾞ,:　ｉ;::.　　 ヽ　 ,　　　　.　　 　 ’
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　/　　 .::::::/　.::::／　　　　 ﾞ,: ｉ:::::.　　 '　　.　　　　ヽ丶 　 ﾞ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　 　 /　　.::::; ':i　.:／ .,＿＿＿＿ ｉ卜;::::::.　 ﾞ.　ｉ　　　　 !:. ﾞ,　::！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 i　　 　 ｉ　　 ::/:: .i .:/　　　　　　　　　ﾞﾅｰ+;_:_:.　!. ::!　　　　.}:.〃~`!ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　丨　丨　 斗‐' .|/ 　 　 　 ,.-‐＿___ﾉ_　 ヽi;:::. }::.::|　 ｉ　　.:ｒ‐'. "` ｰ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　！ 　:i::. "/ __　i 　 　 　 　 ｦ"苅ミ;ｒﾏﾐ.　ﾘ ';::ﾄ;:::}　 ｉ　 .::i!:;'::::.　 ﾞ;.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !！丶　:::.. ｿ_,...._　　　　　　　　 f///ッ; 　 　　.i:| .ｿ ;ｿ　.:::人::::::::. 　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽlヽ ＼ :::ｖ゛''茫　 　 　 　 　 　 ｖ'ﾞｰ"ｿ.　　　　ﾘ /.;:'　:::ｙ ﾊ;{::ヽ::::..ｿ}　　_...．-―‐、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ＼　 弋.　{!ｌ|　　　　　　　　　ー '' "　　　　　/;' .::／ヽ::::|::ｰ-:＾ッ　"　　　, -―ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__| 　.ヅ　　　　 　 　　　/ ﾊ〃 "　　　/..／ι:::::::::|::::::／／　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 ，　　　　　　　　　　　 　 ／´　 γ::ノ:::ﾉ／／　　　　　　　　　,..-一'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃"´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´　／ 〃"　　　　　 . 　 ...:::"::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　……。　　　　　　　ゝ.　　 　 　 　 ＿_ 　　　　　u　　　 ..:::::ｆ~ ´　〃::::.. 　　　., '　／:::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶.　　　 　‘‐- ｀　　　　 　 　 .,..ｨ::::|　 　.∥::::::::::::...:::〃≦::::::∠＿, -―‐ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f＞ .　ﾞ 　、　　　　　　　　　 _,.:::"::::::::::{　　 ヾ::::::::::::::::〃::::::::::::::::， "　　　　 ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ　＼　＞ｰ-≧　.. _ ..．...:::::'":::::::::‐:::≦二ニﾌ　＼::::〃:::::::::::::／／　　　　　　 ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　｀ ー　　::~:::´:::::|;::-:::≦::´:::::::ィ ´　 　 　 ヽ　 ー―‐ > ／　　　　　　　 _.,〃
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│　　　 　 r "　　　 　.r　　／ﾟ。　 ＜　　だからやる夫、謝って…もう逆らわないって……　　│
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│　　　　 ：i　　　　　　`.-‐"　　　　　   ││　　　　　　　　　　 .／ .,,- , "´ ヽ　　　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　   │
└──────────────┘│　　　　　　　　　 ./　／〆　　　　丶ヽ　　　 　 ,　　　ヽ　　　　　　　　   │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　/　/／{i{　　　　 　 　ﾞ,;.　 .,=､;'　　　 　'.　　　　　　　　  │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │　　　　　　　　/ | .:;'　 {l i .,　 :.､　　　 ,,=､{{,..､}},,-､　　　|　　　　　　　  │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │　　　　　　　 /　{ ::|　｀T¨|. |　::}　　　{{::::｀ｒ　 "~; }}　　　!　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │　　　　　　　 {　弋:!　ｨx､ ゝヽ::|　 } 　.ﾘ=_ﾞ,　`　,χ...:::::::;　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　_.乂　fﾘ}ヾ ヽ､j　 .,　/､{{:::ｰ人ﾞ,-' '――､　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　l　　　ﾞｿ　　　,'　./ ./ｒ i ゝｨ／　.,-‐"￣__{_　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　 !　　''　ﾞ 　 / ／,ノ::::ｿ}／　　　　 _..-―.ｯﾞ　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ.　　　 ﾞ､ｒ‐､　 .／ｨ‐'"　fｰ::"{　　　＜￣ｰ,=二..　　 　 　 　    │
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　謝っちゃだめ！　　　＞　　　ヽ.ｰ'　　　　...::::::::::::::::ゝ､ｨ::::::￣／　　,-ﾞ､　　　　 　  │
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿ ノ　　　　　　 ー――-､:::::::::::::::::::;;;f-!- /　　　／彡　　　　　　  │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　ノ､::;;;_::-‐''"　 |. {/ 　 /廴__...．=‐ ､　　　   │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　 ._. f"~￣ ,. - _,,''"￣ヽ廴/:::::::::::::::::::::::ﾞi　'.　　　　│
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　|　 /| l　　　　ヽ　　　　　　　v',== V　｀|,r-､ヽ　　,},
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |l /　|　/　| l　,-　　 ヽ　　　　　　.| | r-'　　　｀ヽ } |-'´　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.l | |　| /　,.'x|ﾍ ヽ　　　i　　　　　　l !_|　　　O　<-' ﾉ　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l .| |　|ﾘ-' __ ヽ ヽヽ　　.|　　　　　　 iフ,4　　　　 )ヽ}　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|.l　 |　　r､-､　 ＼　　|　　　　　 ∧|.{ ゝ,,,4 ヾ'´//　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　lヽ　l　　 ヾﾞ;ﾞヽ　　｀ﾘ.|　　　　 人 ヾ､__-_/ ゝ-,'. -----､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ|　　　りﾉ　　　 /　　/　 /} l/ /　/　,.-'´　　　　,. -|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ノ　　　 　´　 　 /　 ／／ ´ //　 /'´　　　　 ,-'　　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　///　　/__ -'´　　r' ノ､／　　　　　,. .- ' フ￣}
　　　　　そんな奴らに媚びる必要なんかない。　　　 ｀l　　　　　　　　　　　　　´´ //　　　／／ - ' ´ ,. -'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ゝ ‐　　　　　　　　　　　 </　　 ,.イ=====-――,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　／　　　 ,.>､　/　 ,／　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ__ ,. - '´　ヽ,. - '´-'´ VL／'´　　　　　　　___|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r r '´　　　　　　ゝ　　　,. - ==='-- - -､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ ヾ　　　 ,.　- ===<／　　　 ,. -- '´￣ヽ　＼

　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　＜　あなたに言っておきたいことがあるの　
　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ノ

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 x──ﾐ　　　..．　 "´
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 厶⌒ー'’￣´
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 rｧ”´　　　　　　　　　　　　　　 ..．　 "´
　　　　　　　　　　　　　　 　 ／｀ｰ─……──　､ハ,.-r一''"
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ′　　　　 　 `ー=f｀ヽ)ノ￣
　　　　　　　　　　 　 　 ィ/　　　　　　　　ーミ__ヽﾉ
　　　　　　　　　　　 ／:./　　　　　　　　　　 ｿ_ノ
　　　　　　　　 　 ／:.:.:/　　　 　 　 ＿..ィァ''′
　　　　　 　 　 ／:.:.:.:./　　　　/￣lノ ゝｲ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_..．　'' 　　´￣ 　ｰ　.._
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　　　　　　　　　　　ﾍ|_iﾉ, }　/ 　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　 ヽ　 ﾚ,
　　　　　　 　 　 　 |.!{ ii'.} ! /　　　 ;　　　　　　　　 /　 l丶　i　　　　　　',　!|.
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　　　　　 ,，-――‐}}　ﾉii {　　　.::|　　 　/|　　　/　i　 .!　　', i　　　　　　 |.j}ﾐ｀_ヽ
　　　　 /　／￣:::::::|iｨ |.|.||　　　:::|　　　/ i　　 /　　|　/　 　 i |　　!.　 i　 |;j}:::::::ヽ 丶
.　　　 /　{::::::::::::::::::::i.ﾞ.i_ﾞ/ i　　 |:|　 _.∠-|‐‐/　　　! /　´ ￣ﾞｻ‐　!:　 |　 iｨ:::::::::::::ﾞ.　 ﾞ
　　　/ 　 ､:::::::::＿:::::｀ノ{ { i　　 ||　 /　　i　/　　　 i./　　　　　| !　|:!　j .i i__ヽ::::::::::l　　',　　　周りの雑音に惑わされないで。
.　　 {　 　 ゝ/´ _..．-―ゝ.ﾞ丶　 {　/　 　i/　 　 　 /　 　 ､_　　　| |:|　j./|i:::::::ヽ::::丿　　,
.　　 {　　 　｀＜:::::::::::::::::::::ゝ_ゝ､ l/ ､＿＿彡　　 ´　　　＝==＝’!/ /ﾉ::j::::_:::ノ ´　 　 /　　　僕は僕なんだって、自信を持って。
　　　ゝ　､　　　｀丶―‐ ' _.,ｨ｀ヽゝヽ ￣￣　 　 　 　 　 　 　 　　/ ／ ｀ ´　　　　 ,　 / ヽ.
　　/ (＼　ヽ._ ＿＿ ,- ´　　 Vﾍ＼.＼_' ' '　　　　　'　 　　' ' ' ./ｨ '　｀丶 ､ __. ,／_/|　　 !
.　 i　 ＼i＼._ ｀＝= i　　　　　 Vﾍ　 `丶､ 　 　 ー　‐　 　 _..ｨﾞ !||　　　　　 ヽ_´_/_|〃　 !l
.　 |ヽ　　`'' ＝= ''~ |　 　 　 　 Vﾍ　　　　 ＞- 　....　 ＜／ 　 |||　　　　　　 |:::::／　　.ﾉ/
　 .ゝヽ､　　　　　　 |　　　　　　 Vﾍ＿＿＿｀ﾞヽ､...,ｒ '　...-/--,'iij...__　　　　　 !~　　 ／ノ｀ヽ
.／ ｀丶ヾー‐--　丿　　　　_...::::ﾞ:::::::::::::::::::::::::≧:.,::l::,'≦::::::::::::::::::::::::::::ﾞi　　　　|__...，' ｀ヽ:::　}
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　　　　　　　　　 (　V : : ', :i : i　 ﾘ ＿　　　　　　　 ,二=ﾏﾐ Vl /:///　ｌ|
　　 　 　 　 　 　 ヽ( )', : .', ', i　ｨぅﾃｦﾐ　 　 　 　 　 P l;;j }　 l/,ｲ:ヽ`ｰ'
　　　　　　　　　　　l .Y'.,: :ヽ､l　 V l;;j l　　　　　 　 弋_ﾆｿ　ﾉｿ:::ﾉ/ｿ ＜.｀、　　　　
　　　　　 　 　 　 　 VV{ ＼＼　 ゝｰ ´　　　　　　　　　　　´ ｌ/ﾉ／. : ／. :＼　　　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　 r 二ニ　-. ヽｰ`i ー　　　 　 　 ’　　　 　 　 　 ﾉ/: : : : : : : : ／)　　 　 |　　いつか必ず、やる夫君を認める人が大勢現れる。
　　　　　　　ﾉ＿: : : : : : : : ＼ ､　　　　　　､ ―ｧ　　　　　 イ /: : : : : : ／;;ノ　 　 　 乂＿＿＿＿
　　　　　　 ( -―- ;;;: : : : : : : :ヽ＞　　　　　￣　　,　 ＜ 　.{ //: : : : / ￣　　　　　　 |　…君のピアノには、そういう力がある。
　　　　　　 - ニ､ｰ ´ ｀＼: : : : ;, l　　 ＜)　 ー　　 |= 、　　' /: : : :イ　 　 ｨ ニ二}　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ノ
　　　　　ﾉ : : : : : ＼ _,ノ;;;ヾ 丶;;/＿ 人￣￣ ｌl ￣￣ {　　　',l; ; ;/;;;;,＞ ´: : :-―.{
　　　　 ｨ ＝= 、: : : : ＼;;;;ﾉﾉ ／ |;;|＞ ―...、 ｌl 　 ＿　｀ |;;l ｰ- { _／: : : : :´ ､;;-;;;>
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　　　　　{　 ヽl　i　 i l ／´l i 　 　 /　i/　　　　　 ＿} }　i　　i　　　i }　ノﾉ
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　　　　　　＞ ヽi 　 i i　　{　＞―ﾄ 　 　　　　　 /Cl;;;;l }＼ /　/　i {　} }
　　　　　 /　　/ i　 ヽ V ／ {Cl;;;j }　　　　　　　{　 ｰ ' l　/　/　ｲ　ﾍ-´
　　　　　 {　 / 　 i　　＼＼ 弋 ｀ソ　　　　　　　 ｀ ー '　/　 ／ｲ} ﾍ}}
　　　　　　｀て　人＼　 ＼ ｀　´　　　　　、　　　　///／／／ 丿｀´　　　
　　　　　　　 ｀´　( ヽ＼　 ＼ ///　　　　　　　　　 ／ ／ﾉ_ ／ ＿　- ―-,
　　　　　 ┌一―-＼ ﾆ)＼ー--　　　ヽ _　 ノ　　　　　／l＞　 - ――　 {
　 　 　 　 /￣￣ 　ー　｀ヽ ゝ　　　　　　　　　　　　／／　／　　 　 　 　 ｝
　　　　　 i＿＿　　　　　　　　＼＞　　　　　　　イ ／　　　 ／　-=＝ﾌ ノ
　　　　　 ＼ 　　＝　 ＞　　　　 ＼　} ＿￣＿　 ﾚ/　　／ イー ニ 二 ＿
　　　　　　＿ 二.,ー "　　}＼＼　 r ´　　i | {　 ￣ l　 ／ ( （ ／　 ＿　　 {
　　　　　{´＿ー- ｀へ　､ﾉﾉ　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　|＿　　＿,＿,,..>ィl　 |　そうでしょ？…だって、私は君のこと、認めてるもの。　　　|
　　　　　＼ ｀フ　　　　 ノ／..廴＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ノ

f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
|　この大きな手…お母さんに感謝しなきゃ。
乂＿＿＿＿
　|　君のピアノの…力の源なんだから。
　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ノ

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 x──ﾐ　　　..．　 "´
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 厶⌒ー'’￣´
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 rｧ”´　　　　　　　　　　　　　　 ..．　 "´
　　　　　　　　　　　　　　 　 ／｀ｰ─……──　､ハ,.-r一''"
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ′　　　　 　 `ー=f｀ヽ)ノ￣
　　　　　　　　　　 　 　 ィ/　　　　　　　　ーミ__ヽﾉ
　　　　　　　　　　　 ／:./　　　　　　　　　　 ｿ_ノ
　　　　　　　　 　 ／:.:.:/　　　 　 　 ＿..ィァ''′
　　　　　 　 　 ／:.:.:.:./　　　　/￣lノ ゝｲ
　　 　 　 　 ／:.:.:.:.::./　　　　/
.　　　　　／:.:.:.:.:.:.:./　　　　/

　　　　　　　:.!|_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒
──〃 __|ｌ　 /ｌ　ヽ|! ──────────────── /　ﾉﾉ────────
　　　ｌ| /　ヽ_ﾉ! ! 　 トヘｌ| 　! ｌ !.　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !　｀ヽ!|
　　　　! 　　 ヽヽ　　! 　 !|ヽl__!|　　　　　　　　　　　　　　/∧　　∧　　|!|＼!|　!　　ﾉﾉ
　 j|＿∧　　ｌ| l　ヽ_ﾉ＼ !|　＼l　　　　　　　　　　　 　 ∠ノ　 ￣　/!　∧　　￣!|￣ﾉ
／ ! ＿ノヽ､_!lﾉ＿.. -―ヽ　　 ヽ　　　　　　　　　　　　|＿ ノ＿_ / ｌ| /从` ー‐ｌ|＜＿
__ノ´　!ヽ､＿ノ＿_ ＞ｰ‐人ヽ、　ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼!　!/　　≦‐-､!　　 ノ
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￣i￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i彳- ´ ﾐi￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i彳　　.ﾐi￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣
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……その日、彼の弾いた子犬のワルツはとても美しい音楽だった。

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　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. - ￣￣｀´ ゛　 ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=　　　　
　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　>　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　ある日
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　／ﾍ .､　 ヽ　　ヽ　　　　　　　=‐=‐=‐=‐=‐‐=‐=‐=
　　　　　　　　　　　/　　　　　　　 / //　　　ﾞ､.}　　 !　　 |
　　　　　　　　　　　|　　i　/　|　 /,´/　　　､___i |ヽ､ |　　 |
　　　　　　　　　　　|　　|　| /_ イ´/　　　　　　|l｀ヽ | l　　|
　　　　　　　　　　　|　　 l | l´l /　|　　　　　　　ﾘ　 ﾘ| 　 /
　　　　　　　　　　 　i　　 V{　 l!　 ､　　　　　´,-‐‐-､l}　/|､　 , -､　　　　　　　ちょっと、提案があるんだけど。
　　　　　　　　 ＿___ﾉヽ　 ヽ ,r'´ﾞﾞ｀　　　　　　 ,,,　　/,イ/ ,>'´　　 ヽ
　　　　　　　/--､ヽ､｀ヽ＼__ヽ ,,,　　　　 l　　　　　　 ,|,>'´　　 ／,ソ
　　　　　　　ト､　 ｀　｀ヽ､ ヾ､　 　　　　r ‐-,　　 , イ/ /　　　 ／
　　　　　　　 ｀ー-､　　　　 　 ヽ､　　　 ｀- '　,. '　 / /　　　／　　／｀ー,
　　　　　　__　　　　 ＼ ＼　 ヽ　　f=-､ー　,.ﾉ,=}　/　　/／ __, ／　　 ,,ｨ
　　　　　/___｀ ー､----ヽ !　 , } rr_' __｀-i i´___ヽ､＼　//￣ ,/　　 ,／
　　　　　{　　｀ヽ　　 ヽr―--',.ノ'´　　__Y｀f-　　 ｀ ー<--=,<　　 ム-==-､
　　　　　 ￣｀ﾞー､　 /　　　 }　　　　　,r |__|-　　　　　 /　　 ヽ / ,. ―-,}i　}
　　　　　r,r {ー‐' ｀Y　　　　{　　　　　 //l|ヽ､　　　　 / |　　　ヾ´　　／ ,/
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　　　　　ヾ　ーr'　　　　　 /　 | |｀ー'//　| |　| |　　 .| |　 ヽ　　　　 ヽ

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私はビデオカメラを準備して

彼の「月光ソナタ」を録画した。あの日よりも速く、そしてもっと豊かな音になっていた。

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そしてその動画データをコメントがつけられる動画サイトへアップする。

聴衆の反応、というものを彼に感じてほしかった。

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彼の「月光ソナタ」は再生数がぐんぐん伸びていった。若干の批判コメントはあったものの…

「もっと聴かせて！」というコメントが圧倒的だった。

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次に、やる夫君は私とピアノ連弾に挑戦。

連弾なんて、学生時代以来だ。　

これもアップ。評判は良かった。

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│　　　ゝ_|_/　　 ヽ!　 Y .＼ ｀ヽ .ヽ　/ .i |'　　 |　　｀ -┬‐　, ＜　 （ノ ,ｲ. 　　　　ゝ.ノ 人!: ﾄ ヽ、　　   │
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│チャイコフスキー　くるみ割り人形より『トレパーク』.／　　　　　　　　　　　 ./: : : : : : : : /　　　　  │
└http://www.youtube.com/watch?v=Qb-elz_l6Mw──────────────────┘

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　　　　＿. しfiヾ　lヾ´　　｀　　　　　　￣ ヽ　 /　,ｲτ
　　　/　　｀ヽ >r,iヽ　 　　　　　,　　　　　　　/ ,ｲ, t'
　　　{ _｀ヽ､　　ヽヽ　　　　　　　　　　　　 /,イ_ｲ　＼＿_　　　評判いいみたいよ。
　　　ー‐'ヽ､＼　ヽ｀ヽ　　　　ー ‐　　　　 ノ　, -' ￣　　 }
　 !￣｀-ヽ ーヽ ヽ,)　 ,＞r　､　＿　,　イ　 ／　, =_-_二_,|　　誰かに聴いてもらうって、どう？
　<_-.､ ヽ　 ヽr- '　　 F=== - ､___.!＞;　　 Y ,..＜＿＿__
　　　　｀ヽ, _r―--r<´　_:::::::::::::::||::::::<-､＿_＞´____＿　 ,}　　何だか嬉しくなるでしょ？
　,-―,=- -/　　　 l;;;;i.　　｀ー--||-　　|;;;|　　　Y,. ――=='
/ ／　　　/　　　　 >-ﾞ´￣￣｀ YY二二｀ー ､　l {
ヾ{_　　　/　　　　:..{　　　　　　　L!　　　　　 /　!､ヾ_-. ､　　　こう、円環の理が……
　￣　　/　　　　　i::::i､　　　　 ノllllヽ　　　 ,ｲ　　 ヽ　｀l }
　　　 /　　　　　　 V:::ヽ　　 ,4」 |ttl ヽ､ _/　ヽ　　 ヽ ,リ
　　 ./　＿　　　　　ヽ .:｀‐:'￣| .|￣|. |　　　　ヽ_,......:/
　　　＼:::::｀:.ー― ......〉　　　　|_,|　 |_,|　　　　 /:::／
　　　　 .ゝ ヽ､::::::::／:..-...-.......-.......-..... _　...-/ .l
　　　 　 ヾ::...　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　 |
　　　　　 |::　　　　|::::ヽ､ __ -　￣￣｀　　 i.´ 　 |
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　　　　　 .l::: ヽ､ _ .|::::::　　　　　　　　　　l:: 　　 |
　　　　　　l::　　 ,. ー::::　　　　　　　　　 /::,__｀　ヽ
　　　　　　 !:　 /　　 ヽ:..　　　　　　　　 l:::::　　　,{
　　　　　　 |:...　　　　　ヽ:..　　　　　　　|:::::　　　 ヽ

	120 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:08:55 ID:8o/Jzc.k いや、円環の理はもういいからｗｗｗ 123 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:09:25 ID:TN9U4J3c やたら円環プッシュしますねwww

　　　　　　.＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　
　　　　　f´　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　＜　　　　……別に　　
　　　　　廴＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ノ


　　　　　　　　　　　　/ 　./　　　　　 /　　／/ ./　　 } .i　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　|　 /　　　　　/l　　/ /　/　　　 l ﾄ､　 l　　　　 l|
　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　　/l　 /　 | /　　　　 l | ヽ　l　　　　ﾘヽ
　　　　　　　　　　　　ト, ,|　　　　/　| / _, ｲ/　　ヽ--､|,!__ヽ l　　　　}ﾚ'-､ ／ヽ
　　　　　　　 ﾉ｀ヽ､　 V{ヾ　 l　,. l-イ/´　　!　　　　　__|_　｀ヾi　 , '　/り/／　　ヽ
　　　　　　／　　　＼-､Vl　 ﾞ､　|　　　　　　　 　 　 　　　　　V　/　/ﾁ'´　　　　,　)
　　　　　 <　　　　　　ヽ‐|ヽ .ヽ |,　 ,=＝=､　　　　　 ,=＝=､　 l / ,/ﾚ'　　　 ,. '´ /
.　　　　 ,. -ゝ､ヽヽ　　　ヽ,l ゝ　ヾ,　　　　　　　　　　　　　　ﾟ ／ /ー‐,／,／ _￣ ヽ
　　　　 {　　 ｀ヽ＼　　　ヽ＞ ヽ !　　ヽヽヽ　　 ,　　　ヽヽ ／',.ﾋノ--<,. ノ,. 　'´　 ,_.-|
　　　　ヽ　　　　ヽヽ　　 /　　｀ヽ｀ヽ　u　 　 　　 　　　　 　人_.　　　Y´　　,. イ´,／
　　　　　 ＼＼　　ヽヽ /　　ヽ「｀ゝ ､.　　　　 ─ ‐　　 , イ　　 } /　 ヽr'´　/ム===-､　　　（意地っ張りだね）
　　　　 ,. ---ヽi　　ﾉ'´　　　 ヾ　　　　｀ヽ ､　 ＿　, イ´　　　　 |/　　 　 ＼　,. ___､　　|
　　　 /　　　　 ' ／, -―- ､　|　　　　　　｀ﾞ　 |　| ､_　　　　　　 {　　,. -―-ヾ　　　|　/
　　　 レ'´￣￣ |´　　　　　　 !､　　　　　 ／ /Ti｀r ､ー　　　　　|'´　　　　　ﾉ　 　 '´
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ﾐ ゞ;;ﾐゞ;;.. ;.　|　 ..| | |;;;| |;;;||　 |　　　|;|::|　　　　　　|　　　||;;;;;;;;; |;;;;;;;;; |;;;;;;;;; ||　　　　|＿|＿| ヾ;/ゞ
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さて、一ヶ月後。私はとある学生オーケストラと共演した。

教え子の一人が、学生オケに所属していて、そこのオケを振っている指揮者が

学生時代、ちょっとした縁のある人だったのだ。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀¨´ 　 　 ': : i|:.://|,/|///,／　　　　 ナウなヤングばっかりだよ…
/|／ / / |/　　　　　　　　　ヽ　　　 |＼| ＼|　‘: : ﾘ/'⌒ヽ斗''"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ': : /' |: : :.:/|: : : :/　　 　 　 すげー居づらいよ…
∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,': : : : i|: : / ﾒ: : :/
: : :　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ノ: : : : ﾉ|: / /: : :/
: : |、　　　　　(二二ニ＝ニ)　　　　　 .　'" |: : : : /`|/ /: :／
; ; | ＞　..　　　　　　　　　 　 　 ..　＜ 　 　 |: : : /　/ /／


‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

学生時代からの親友で、新婚さんのまどかにチケットを贈り…

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　　　　＿＿
　　 ／ノ　ヽ＼
　／.（○）（○）＼
　|. u.　（__人__）　|　　　　 落ち着け・・・
.　|　　　　　　　　|
　 |　　　　　　 　|　　　　　俺たちとそれほど年端の変わらぬ若者ばかりだ
.　 ヽ　　　　　　ﾉ
　　 ヽ　　　 　/　　　　　　ただ、身分が違うだけだ
　　　/　　　　ヽ
　　　|　　　　　|　　　　　　落ち着いて素数を数えるんだ
　 　 |　 　 . 　 |




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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　--､ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ （_　　　）　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `‐┘r‐'´／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │｢
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◯　 　 rr=ｫ ＿＿ ＿＿＿_. ｒr=.ｫ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_. ィ|l.´: : : : : : : : : : : : : : |ilー!} ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ア.: ::|l/ : ｌl : : : : : : : : : : : 乂: : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : :/:/ : :八 : : ﾄ､ : :ﾄ､ ヽ: : |: : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｰ イ: ｰ=彳:'y==ﾐ､‘: : l　｀x==ﾐ ｉ: : |: |: :ｊ: ::ﾄ､: :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : :l l:/{{ 　 }} 　ヽ!.　{{　　}｝＼l iﾚく : :l: : l⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : :|:i:|　`=="　　　　 `=='"　|i: :ﾘ　}: :ﾊ: :j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　デジカメのあれを数えるの？　　 |ﾊ: :人:.､'''"　　 　 __　　 　 '''"|i 厶ｲ.:/　}/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }/　 ヽl`/)ー ‐ｚ┬yｚ‐─一|/　 .|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （　 ) r'7ｌ:::V:::::l｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厂∨ { ｀l介「　}　 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈＿_ 〉,j　 　 　 .i.　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_ノ.〉　　 　 ﾄ 人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＿∧＿Ⅵ___}
　　　　　　.＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /++++++++(__,）
　　　　　f´　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/+++++++++ヽ
　　　　＜　　……それは画素数だ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣｀T T T´￣
　　　　　廴＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 lｰlｰl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　と土コ

	128 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:11:31 ID:8o/Jzc.k 今更だが、画素数をどうやって数えればいいのだろう……端から？

　　　　　　 　 , : ´ ￣｀゛ ::　.
　　　　　　 ,::´:,::':::::::::::::::::::::::::＼
　 　 　 　 .:::::/:::::,::::::::,:::::::､:::::､:::ﾞ:.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　
　　 　 　 .|:::::i::::::|i:::::_||::::::_|:::::,|iﾞl::ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f´　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　
　　　　　 |:::::|::::::|（●）　（●)|::::|::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ばあちゃん早く！こっちだお！＞　
　　　　　 |:::::|:::::_|　 　＿'　　j:::::| ｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 廴＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ノ　
　　　　　 |:::::|:´:|､_　（_.ノ _ノ:::i ｀
　　　　　 |:::::|:::::{´ ヽヽil､:::|:::::|　　　　はいはい。
　　 　 　 |:::::|:::::| ヽ.　// ',:|:::::|
　　 　 　 |:i|:|:::::| 　 |┴─i:|:::::|
　　 　 　 |:||:|::,i'l 　.|.＿＿||,､i'|
　　 　 　 || |ッ',_＿|:┴─ｲヽ.
　　　　　 |　|:{　lｪrl| 　 　 |ィ´
　　　　 　 　 ゝ 　/| 　 　 |
　　　　　 　 　 |V　|　　　 |
　　　　　 　 　 | 　 | 　　　|
　　　　　 　 　 |＿_|＿＿_,|
　　　　　　　 　 {ｰｲ　ﾘrﾍ､
　　　　　　　 　 `ｰ' 　.`ｰ"

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やる夫君にも、この演奏会のチケットを贈った。

こういうピアノもあるんだよ、って伝えたかったから。

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　　　　　　　　　　　　　　　　〈三三三三〉_ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　 ｀ヽ气
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　　　　ノ　　 彳　ﾐ
　　　　　　　　　　　　　 　 从Ｙ　}☆　　 彡､＿ミ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 }仇厶ﾉ　　/ノ⌒ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 〈 〈二ミ)_コ乂_ノノﾉ､
　　　　　　　　　　　　　　　　`/三ミj　　/　　/ ﾉ_
　　　　　　　　　　　　　　　 Ｙ／ﾆソ　　　｀ヽ　｀ヽ}
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /.乂ﾊ 　　　　 /　} 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 　 く＿__/　　 　 ／　ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｢　}于三三7 丁
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /￣〉:}::::::::: /｢¨ }
　　　　　　　　　　　　　 　 {　　}/::::::::::::ﾊ}　 }
　　　　　　　　　　　　　 　 {　　}＝===＝ヽ }
　　　　　　　　　　　　　 　 { 　 }　　　　　　ﾊ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 /{ 　 }　　　　　　 ﾊ

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

……腱鞘炎が再発していた。

指揮者は「本番は１楽章だけでいいんじゃないか」と、ゲネプロ※で私に言った。

けれど、私は

「無理な演奏はしないから」と言って、指揮者を納得させ、本番は全楽章を弾くことにした。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

※本番前の通しリハーサル

　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　 ／--, } _,. -―-- ､
　　　　 ＿＿__　　 l / ,.ノi/ __　　　　　__＼
　　 ＿,.r '´ 　 __｀ヽY 　//-ｿ/ニフ￣　 ｀´￣｀>
　 ,.／　　　　 ( (￣ヽ,Vヽ／/ ／　　　　　　　　ヽ
　フ　　　　　　　,＞(´O ,{　 /　　　　　　 ,,イ　 /ヽ
ー/　　　　　　／　,{,. rr l }　|　　 l　　 ／｀iヽ/}　 ヽ
./　　　　　　　{ー'ソ　lヾ',.--| 　　ヽ /￣iゝﾚ　 |　　.|
l /　　　,.r/Yヽl__ ／　/rイ:l　　　ヾ､|　　li,i　　ハ　l,ﾘ
/　／ / / /./ } 　＼ l lヽ::::ヽ＼ ､__ ＼　 ｀　　ヽr'
l/　　/ // / /　　ヽ ＼　 7￣l::｀ヽ､｀ー　　　　 ﾉ
　　/ー三三>--,＼＼,}-/::::::::::::..　　　　　ー ､/ゝ
　/三三三/ _,.ィ＞ '´ヾニニ--､_:..　　　　　 ,へ!
/|三三三三ﾌ　 |_　　　 !-､　￣i ,|ー――‐'
| ヾ､三三ソ　　 ヽゝ　　 lヽ-｀ヽ| |｀i
.ヽ　￣　　　　　　 li |ヽ　 .lヽ　<´ヽr--ニニァ
　 ｀r- ､　　　　　,.ﾘ l |　 /.!　　 ｀´　＼､　￣{
　 　 ヽ､　　　 ノノ,//　 /./ 　 　　　 　 ＼r ´
　　　　　￣￣ヽ｀ヽ､__/ /　　　　　　　　　ヽヽ
　　　　　　　　　 ｀ー―'　 　 l　 　　　　　　 !　ヽ
　 　 　　　　 　　 ヽ　　　　　 ｀､　　　　 　 /　　 l
　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　__ヽ____　　,ｲ　 　 /
　　　　　　　　　　　 iヽ ,. -二二二二ﾆ-,r-､／
　　　　　　　　　　　　Y,／　　　　　 |l　 r-ヾ|
　　　　　　　　　　　　 ｀､　　　　　　.l!　 Tヽ_]
　　　　　　　　　　　　　　､　　　　　 l.|　 ._| .||
　　　　　　　　　　　　 　　､　　　　　l | 　|[｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　 | | 　｀|｀i'ヽ
=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

……オケには迷惑だったに違いない。プロ失格だ。けれど……

やる夫君のピアノを聴いたあの日から、私の中でくすぶっていた何かが、一気に燃え始めていて、

今までに経験したことがないような、異様な高揚が私を包み込んでいた。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

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　　　　　　　　　　　　本番。そして曲は３楽章へ。オケの短い前奏の後に、私のピアノソロがはじまる。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=




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　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　 　 , 'ﾆ二｀/／-―　､　｀ヽ,　＼＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼r ､＿_　　　　//／/ハヽ≧ミﾐヽ,＼ｰ-　＿ ＿ゝ、
　　　　 　 　 　 　 　 　 __,.ゝ- ､　＼ 　 ﾚ i//l/　|ヽヽ ﾞミﾐゞゝ,＼｀ヽ　ヽ ハ
　　　　　　　　　　　　　ゝ,- ＼(ヾ)　＼　 从' ! 　|　i/　 ミミ､ゝヽ.＼ ＼ |ｉ从
　　　　　　　　　　　 　　<_ノ ,ﾍヽ ＼　ﾍ　ソ　'､_ー ､　　 ',ミﾐｼ､_＼ ￣ 川ﾄゝ
　r ､　　　　　　　　　　 　 ヽ_)人_〉.　　/く 　 　 ￣｀　　 　i彡〉´ヽヽヽ 仆!lﾄ､
　 ヽ＼　 　 　 　 　 　 　 　 / 　, '　　/　 〉　　 　 　 　 　 |ﾐｿ_）ソ// },从八
　　 |　|　　　 　 　 　 　 　 / 　/　 　 !　　〉、　　　　　 　 ,ﾘ､_／Ⅵﾉﾉ从ﾉ
ｰｰ '　 !　　　　　　　　 　 〈 　 '　　　_ﾄ,　 ｀! ｀　　　　　／__＞'´￣￣´{
　　　　l　 　 　 　 　 　 　 〈>―‐‐ '´　|　　｀ー―‐r　／´j＞'´￣￣￣｀ヽ
　　　　|　　　　 　 　 　 　 《　　　　 　 ト, 　 　 ＿__〉'./／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　ソ＼ 　 　 　 　 　 /》､d　_＞'"´:ﾊ　 　 ＼　〉´／.￣￣.＼:.:.:.:.:.:.:.:. ハ
　　 ／　 　 >、　 　 　 　 V》_／.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ 　 　 （/／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.ハ
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	132 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:13:06 ID:v/My3AEA なるほど、こっちの面からこのお話を見るとこうなるのね

┌─────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾏﾑx。≧x。_　　　　   │
│　　　　　　　　　　　　　　　チャイコフスキー　ピアノ協奏曲第１番　 第３楽章　　　 　 　 　 　 ﾏﾊ7/ﾑ.x。│　　　   │
│￣￣¨ｌ　　　　　　　　　　　http://www.youtube.com/watch?v=vBnzQEFDW04　　 　 　 　＿__ﾏﾊ/7/7/| |　　　　   │
│/7/7/l|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 「l/7l/7ﾏﾊ7/7/|｜　　　   │
│ﾏ/7/7l|　　　　　　　　　　　　　　　Allegro con fuoco！　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l.l/7l/7liﾏﾊ/7/.|｜　　　   │
│. ﾏ/7/l.l　　　　　　　　　　　　　　　情熱をもって速く！　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |.l/7l/7l/ﾏﾊ/7 |｜　　　   │
│　 ﾏ/7 ﾑ　　 　 r──-t　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |.l/7l/l./ .ﾏﾊ/7.| |　　　   │
│　　.ﾏ/7ﾑ.　　 　ﾏ/7/7l|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.l/7l// 　 ﾏﾊ/.l｜　　　  │
│　 　 ﾏ/ハ　　 　 ﾏ/7/l.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /l|　　　　　　　　　　　 |.l/7l./　 　/ ¨¨ /　　　　  │
│　　　 |/7 l　　　　 ﾏ/7/l!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //l|　　　　　　　　　　　 |.l/l./　 　ｲ　　 /　　　　  │
│.　 　　|＿|　　　 　 ﾏ/7 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ///l|　　　　　　 　 　 　 /¨¨/ 　 　｛　　ｲ　　　　　  │
│　　　　|i:i:i|　　　　　 {/7 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V/il|　　　　　　　　　　/ 　/ 　　　 l　　{　　　　　　  │
│　　　　ｌ玄|］　　　　　ゝハ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 V/l|　　　　　　　　　/_　/ 　 ＿　 l　　l㍉　　　　   │
│、　　　.li:i:il　　 　 　 　V 亅　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V:l}　　　 「¨〉　　　.|i:i:||　　　V |　 ｌ　llﾊ||　　　　　│
│.ｌ,　　　 .ｌ　.!　　 　 　 ((|心　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　(!│　　　.|V　　 　 l玄l))　　　V!　 .ｌ Ｅ0!　　　     │
│.ﾑ　　　│ .! 　 　 　 　 |i:i:|　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |ｮ|.　　　 | |　　 　 li:i:|l　　　　(l |　　!i:i:i:|)　　　　   │
│..ﾑ　　　 .l　.!　　　　　　|　|　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |i:|　　 　 |:!)　　　.l　 l　　　　　|.|　　 !　　!　　　　  │
│　.ﾑ　　　 ｌ　ｌ　　　　 　 !　!　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ! |　 　 　.|.! 　 　 |　 !　　　　　.!.!　　 .!　　!　　　  │
│、　ﾑ　 　 l　.!　　　　　 |　|　　　　　　　　　　 　 l7　　　　　　　　　　| |　　　　.!| 　 　 !　.l　　　　　 .!,!　　　!　　!　　　  │
│ﾏ.　 ﾑ　　 .!　ｌ　　　　　 ! .,!　 　 　 　 　 　 　 　 ||　 　 　 　 　 　 　 lﾞ.|　　 　 .|,!　 　 l　 !　　　　　 .|.!＿＿_ｌ　　!¨¨　  │
│__ﾏ　 ﾑ＿|_.!　l＿＿_|__.l　|　　　　　　　　　　 　 ||　　 　 　 　 　 ＿ | |＿＿_|_|.|＿＿l　 l ‐.'''''""`¨ ,!|　　　 .｝　 .ｌ　　 │
│　 ﾏ　 ﾑ　　 !　ｌ　　　 ´ ! .|.￣￣￣￣￣￣￣¨ 「!￣￣￣￣￣´ 　 ! !　　　　.|.|　　│ .|　　　　　　￣　　　　ｌ　　ｌ　　   │
│　　ﾏ　 ﾑ　　|　l.　 　 　 | .|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│!　　　　￣　　.!　.!　　　　　　　　　　　　ｌ　　ｌ　   │
│　　 .ﾏ　 ﾑ 　.l　ｌ　　 　 .| .|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,!.|　　　　　 　 │ .lﾞ　　　　　　　　　　　　 |　　ｌ　 │
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　　　　　　　　:.!|__　　　　^^　〈　　　　　　　　　　＼. : : r‐┐ : Ｃ|: :　:　: . . . :c/⌒:　:　:　　　　　　　⌒く
　　　〃 __|ｌ　 /ｌ　ヽ|!.::::::::::::／ 　　 　　　　　　　 . : : : ｄ　ｄ : : :　　 : :♭: :　:　:　 　 　|　　　　　　　　　　|
　　　ｌ| /　ヽ_ﾉ! ! 　 トヘｌ| 　! ｌ !.　 　 　　　　 . :c/⌒: : :　:　　　　　　　 :　:　: 　 　 ､､.|　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　! 　　 ヽヽ　　! 　 !|ヽl__!|　　　　　. : :♪: :　:　:　　　/∧　　∧　　|!|＼!|　!　　ﾉﾉ　　　　　　　　　／
　 j|＿∧　　ｌ| l　ヽ_ﾉ＼ !|　＼l　　　　　　: :　:　 　 　 ∠ノ　 ￣　/!　∧　　￣!|￣ﾉ　　　　　　　　／
／ ! ＿ノヽ､_!lﾉ＿.. -―ヽ　　 ヽ─……　　　　　　　　 |＿ ノ＿_ / ｌ| /从` ー‐ｌ|＜＿　　　　　 ／
__ノ´　!ヽ､＿ノ＿_ ＞ｰ‐人ヽ、　ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼!　!/　　≦‐-､!　　 ノ＿＿＿ノ
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今までのリハーサルでは弾いたことのない、猛烈なテンポで私は弾く。

指揮者がぎょっとした顔をした。

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　　　〃 __|ｌ　 /ｌ　ヽ|! :::: l ::l: :ｌ !: : :!　 　 ｌ : : : : l l: : ! /|ﾄ､＿　ﾉﾉ
　　　　! 　　 ヽヽ　　! 　 !|ヽl__!|ノヽ ﾉﾉ / : : : // /∧　　∧　　|!|＼!|　!　　ﾉﾉ
　 j|＿∧　　ｌ| l　ヽ_ﾉ＼ !|　＼l＿ノ　 ／( ＿j|∠ノ　 ￣　/!　∧　　￣!|￣ﾉ
／ ! ＿ノヽ､_!lﾉ＿.. -―ヽ　　 ヽ从／　ムヽ､!|＿ ノ＿_ / ｌ| /从` ー‐ｌ|＜＿
__ノ´　!ヽ､＿ノ＿_ ＞ｰ‐人ヽ、　＼　　 ≧ 　 !::::::::::::)＼!　!/　　≦‐-､!　　 ノ
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手の痛みはなかった。

ある種の恍惚状態であったに違いない。自分でも信じられないような速さ、そして精密な指の動き。

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　　　ｌ| /　ヽ_ﾉ! ! 　 トヘｌ| 　! ｌ !.　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !　｀ヽ!|
　　　　! 　　 ヽヽ　　! 　 !|ヽl__!|　　　　　　　　　　　　　　/∧　　∧　　|!|＼!|　!　　ﾉﾉ
　 j|＿∧　　ｌ| l　ヽ_ﾉ＼ !|　＼l　　　　　　　　　　　 　 ∠ノ　 ￣　/!　∧　　￣!|￣ﾉ
／ ! ＿ノヽ､_!lﾉ＿.. -―ヽ　　 ヽ　　　　　　　　　　　　|＿ ノ＿_ / ｌ| /从` ー‐ｌ|＜＿
__ノ´　!ヽ､＿ノ＿_ ＞ｰ‐人ヽ、　ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼!　!/　　≦‐-､!　　 ノ
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￣i￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i彳- ´ ﾐi￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣i彳　　.ﾐi￣￣￣i￣￣￣i￣￣￣
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こうなるともう止まらない。オーケストラと私は、楽譜を駆け抜けていく。　

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　　／　／　　ヽ　　　′　　| 　　i
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　 │　l　 　 l、 |　 　 |　}　　|｀{　　 ',
　　!　 i　　 l　　|　 　 l.　|　　|　ﾍ 　 ',
　　|　 |.　　l　 │　　|.　 i　　l　　｀ ー'
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　　　　　　　　　　　そして、コンチェルトが終わった。

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　 　 ＿/ 　 　／ ノ´ r-‐─＜´＿＿,ノ　　　　
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　ノ　　　　／　／´￣　　　ヽ　＼　＼ ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼人_人,_从人_人／
/ 　　　／　／ 　／　／ 　ｨ ｝ ｝　＼　ヽ ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ） 　ﾌﾞﾗﾎﾞｰ！　（
　 ーノ　 ／ 　イ　／/ 　/ﾉ /イ 　 　ﾊﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Yﾍ
　／　 ／ 彡´/／　/ ／/〃ノ ∨ヽ/　　　　
　 -‐=ﾆ彡 　'´　‐'ﾒ∠ノ_/／ ＿} ﾉﾘ　　　　＼人_人,_从人_人／
r- ､彡ノ 　 　 　　ｰ‐=r:;ﾐ､　/r=「/　　　　　　 ） 　ﾌﾞﾗﾎﾞｰ！　（
{｛ `ｰﾉ/ 　 　　　　　｀ ´ 　　 ｀ゞ|　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Yﾍ
ヽヽ　{l! 　 　 　 　　　　　　　＼ ;　　　　　　　
　ゝ_くﾍ　　 　 　　　　　　　　 ノ !　　　　　　　　　おい、巴マミ！
ヾ､ヽtｰﾍ　　 u 　 　 　 　　　´　,　　　　　　　　　…この大馬鹿が。
　 ｀ﾘ|!　∧ 　 　 　 　 -──- / 　 　 　　　
　 　,,r|　　＼　　　　　　 ─- /　　　　　　　　　　
　　/　| 　 　　＞ 、 　 　 　 /、 　 　 　 　 　
　/ |　l| 　 　 　　　｀　- _,／ ∧ｰ--､＿＿＿ 　 　 　 | 　　　｀ｰ
/　 |　 | 　 　 　　　　　　/　　 |　　∧ 　 　￣￣￣￣￣￣ヽ 　
.　　| 　＼ 　 　 　 　　／　　　} 　 　 } 　 　 　 　 　 　　　　 ∧









　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　／////////|､_
　　　　　　　　　　　　　 ／///r ￣￣￣　　｀ヽ､　　 ;-､　
　　　　　　　　　　 ,､_//|l>/　　　　　　　　　|　　＼　（__丿
　　　　　　 ,.r ´￣　 {l､ ll,/　　　　i /　,　　 ,ｨi､　　トゝ
　　　　　　ﾚ´｀＞'　r,‐ >|　　　　//　/　,.ノ/　} |　| ｀
　　　　　　　 ／　　ゝ-<|　 .|　l/ .| ./ ,／ /,--l/l　|　　　
　　　　　　　 /　 ,.イ　/ ,}　 |　{. ,rV´　u　 ,.--､ﾚl|　　　　　 r'⌒ヽ.
　　　　　　　 レ´__|_/ﾉ__A　ヽ l{　 ,--　　　　　　}　　　　（´　　 　｀）
　　　　　　　　　|　　　　 ｀ヽ l|ヽ　　,,,u　　｀　u ,{　　　　　 ゝ,___,ノ´
　　　　　　　　　ヾニ＞､ヽ　>,<,} ヽ､ _　　‐'　／ヽ　
　　　　　　　　 r――--<} /　ヽー―- -/ ヾ_1,.//　
　　　　　　　　 {ニニ-､　 Y　 / ｀ー―‐'ヽ､>-{--,-　
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	139 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:16:30 ID:8o/Jzc.k いい笑顔だ

　　　　　　　　　　　　....-―――-....
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　 |　 　// ﾚ!　!　 _/__　　,ｨ ／ i　　 　 　 　 i |
　 |　 i/ 　 i |i i|　i/　　／/' 　 ｜i i　　　　 i i }　　　
　 i/i/　-､ Ⅵ｜/1 ／　u　　　|ｉﾊi　　　　///
　__ 〈　 ∧八 i/_/'_ -　 　 　 _ﾉ'　i /i/　///　　　 　
　 { ∧∨i i |｀ﾍ{ ´￣ ヽ　 　　 ＿_ﾉ' / //}/__　　　　 r'⌒ヽ.
　 i/i |ｉ_ｉ i iﾘー込　u　　,　　　 　 ｀厶仏ィ^ﾌ　　　（´　　 　｀）
　 li川ﾘﾘ'⌒i::|　 个 ､　､＿ ,　　u_..イ`T^T^￢､　　　ゝ,___,ノ´
　_li ﾘ' /　;-､　　　i＼ヽ`ー‐≦ ／}　　i:::::}　　 ∧　　
三ｼ /　（__丿　　 ＼＼_}V{_／／　　 i:::/
て_/　　 　 ﾘ　 　 __＞ｦ}_{F＜　　 　 !/　　/　　 } 　
　〈　　　　　i/　 　 ﾌ_/　卅V^i_〉　　　＼　/
　 、　　 　 ｉ 　 　 ｀¨ 　 i/´￣　｀ヽ　　 ∨　　 ／
.　 ＼＿__ i　　 　 　 　 l/　　　 　 }　 　 ',__／
　　　 ＼＿i　　 　 　 　 i　　　　　/　　　 }ｲ
　　　＿{､八　 　 　 　 /　　　　 / 　 　 //
　 ／ --ﾍ　 ＼　 ___／　　 　 ／＿_彡'/〉-､
. 　　 ／: :∧　 　／　　　　 ／|i::i´￣￣ i: ＼＼
　　/: : ／:.∧　　　　 　 ／ァ::|i:ﾘ　　 　 {＼:.＼i
　 /: :./: : /: ∧ 　 　 ／ ┼ｧ:::|i'　　　 //: : : : : ＼
. /: : /: : /: /: : ｀¨¨´i::::＼|／::ﾘ　　 　 /: : : : : : : : ヽ
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ヽ: :.{: :i⌒ヽ〉く＜{￣￣iﾌ/': : :{　 　 ／｜ヽ〉: ＼: :/}
　｀¨¨　　〈｀ｰ'ノ　　＿｀ヽﾆﾆﾊ　　　　/　 i`ー‐∨´
　 　 　 　 ｀i´ 　 ／:.:.:.:｀ヽ{ i.:.i､＿,／＼,ﾉ｀ー‐'
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=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

指揮者は私に「最高のAllegro con fuocoだった」とそばでつぶやき、

私の手を引いて、客席に向かってお辞儀をした。

=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐==‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼人_人,_从人_人／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ） 　ﾌﾞﾗﾎﾞｰ！　（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Yﾍ
　＿/＼／＼/＼／|＿
　＼　　 　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー-　、
　＜　　bravo！！　 ＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, 一┘、｀　 ｀ヽ　、
　／　 　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/:::::::::::::::｀ヽ 、_ﾆ ゝ》ヽ、
　 ￣|／＼/＼/＼/￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|从人/ |i::::::::::::::ソ て 八_ ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「　 ∥☆::::::::::::::ﾉ ,‘::::::::そ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　く-- 、:::_:::/::ｲ、ゝ、:::｀´て
　　　　　　　‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀-三ﾐヾ｀く-ノﾉ丿),-、ヾ:::::iヾ、
　　　　　　　　　　　客席を見上げる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、_(二ミヾｊJっﾋﾆﾚﾉ., ﾌ　ｿﾉ丿
　　　　　　　‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐　　　　　　　　　　　　　　　　　〉┌==乙' 　 ｀iヽ、 ((　,　 从 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -|.ﾚ　　　|:|　　| |　）　 `´　　　 '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.. ,㎜_　 　　>　　　　 ﾉﾉ　　l ﾉ人
　‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐　　　　　　　　　　｀ - 、｀ヽ 　ﾚ＼　__イ´ﾞ　 /／／
　　私は、客席にまどか夫妻の姿を見つけた。　　　　　　　　　　　　　＼ ｀y' 　て一 ヽ_, L,ー|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼__／ ト-´「￣,.〈 | |
　　おばあちゃんと来ているやる夫君の姿も。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ト- +、　 l丶、|
　‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐　　　　　　　　　　　　　　.,　' ´￣｀┴ _二 ,oく｀.l 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　／　　　　／　ヽ // || ﾍ＼　｀ ー-il
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　／　　　　.／ 　 　 .ト'　 l.l、 ｀ .へ 、　.||｀、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iへ._　　　/　 　 　 　 |　　.｀ﾞﾐ>　｀´　＼||　 ,>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　ヾ　　|　ﾌ｀-、　　|　　:::.　, ;＝く￣ ||一
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀丶、二｀' ﾚ i　　｀i >'　＿ ,../ レ～入〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀丶-┼TTT ﾌ.=トー- .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i. | | | /　 i | | | |i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.J | | |/　　 i | | | i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i＼| レ;　　　.〉| | |.ﾚ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::::::`´/　　　.|:＼／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::::::::::::i　　　　.|:::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　 i:::::::::::i　　　 　 |::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i::::::::::i　　　　　 |:::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　i:::::::/　　　　　　|::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　 i:::,::_.|　　　　　　 |:::::::i

	142 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:17:18 ID:v/My3AEA やり遂げたっすなあ

　　　　 ﾚ .|/　/|　/ヽ/ /　　　　　　 　./　　 ／/　/ ／　　　　　ヽ 　　　　 l　　　　　 　　　ヽ　　/ /}///
　　　　　　|　/ ﾚ |/,i//　　　　　　　　/　　/　 / /, /　　　　　　　 ヽ　|　　　l |　　　　 　　　 |　,r-< |///
　　　　　　　　　　 ,'/ｨ　 ,　　　　 　 ,ｲ―r-､ / ///　　　　　　　　　ヽ ト　　　l|　　　 　　　　 |-',. ､.L|///
　　　　　　　 　　 /|/ |　|　　　　　,i　 /　　 // |/　　　　　――--､__| |　ヽ　　|　　 　　　　　 | /　|　}///
　　　　　　　　　　}/-,|　|　 　 i　/ | ,/　　　ﾚ' /　　　ι　　　　　　　　|Tー ､__ |　 　　　　　　 | l　 |　r//
　　　　　　　　　　|/i .|　|l, 　　| .!　ﾚ'　　u　　　　　　　　　　　　　　　|l　　 ヽ　|　　　　　　　 ///-i-'///
　　　　　　　　　r/ i　ヽ.|ヽ　　| |　　　　　　　　　　　　　　　　 >.- ､　　| 　　 ヽ.|　　　　/　　/ー-|/////
　　　　　　 ／/ |　| 　 i､| ヽ　 V　　,,,　　｀ヽ　　　　　　　　　-,==-､　　　u　 　 |　　　/　　 /／ /ヽ////
　　　　　 /　/　,|　| 　 |ヾ　＼ v　　　｀ヾ､　　　　　　　　　　　　 ム｀ヽ､ 　　　 |　　 /　　 /ヽ　/　 ／
　　　　 / 　 l/　|　|　　|　　 | ＼{　　　　　｀　　　　　　　u　　　　r' {///ﾘﾐ　 /　　/　　 ∧　} 　／
　　／/　/　/　 |　l　　|　　ヽ .|　 ヽヽヽ　　　　　　　　　　　　　　{　｀´　ﾘ 　/ 　 /　　 /}　 /| '´　　 ／
　 / /{　 ＿|__　 | ヽ　 ヽ　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝー '　　/　ィ　　／ ,/ / /　　　./ ／
. //　i／　　　｀ヽ{_ ヽ　 ｀,.. ― ＼　u　　　　´　　　　　　　　　　　　　U　/,イ　 ／,―'´　ノ　　　 / /
/　／　　　　　　　　､;:｀::'´,'　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　ヽヽヽヽ　　ム'´　 r-―'´/　　　 /　　／　
／　　　　　　　　　ヽ,i' ;:rﾉ　　　　　 / ＼　　　　 ヽ　 ＿ ,　　　　　　　　　　,イ　　　 , ' ´ ￣￣ヽ　
},　　　　　　　　　 　.| ,/.|　　　　　 /　/　 ｀ヽ､　　　　　　　　　　　　 ,. rイ==/　 ／　　　　　　　　ヽ
ヽ　　　　　　 　 　　.|,' /|　　　　 | |　/　　　　 ヽ -､ ＿　 ___　 -_ ',´-- '´　/ ／　　　　　　　　　　　ヽ
/ ヽ　　　　　　　　　ﾚ/,',!　　　　.| |　| /　 , ＿__ヾ　｀ヽヾ | /￣　　　 ,. -ﾉ//　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　＼ヽ　　　　　 　.|,/ ,{　　　　　i|　ﾚ　 /　　　｀￣ヽ､,}-| /___, r二_,. -' //
　　　｀ ヽ　　　　　　|/ /}　　　　　| /　　|　　　　　　　/ /￣　　　　　) ,//

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐- ､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,!　　　｀ヽ､,､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　`''ｰ-===ｔ'　ヾ:、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　､、 ヽo8o､　 ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ、 ,,_＼ヽ　ﾞ♀癶、 ﾐ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､ヾｰ-=-ﾍ.l |ｱ/／-､`｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`} '"　　ﾘ狄/ｨ',／‐;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ.　 ,_.: ／{～ｲん､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀´_尨"￣｀Ｙ__ｧ､〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｡ﾈ!ヾ　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ィﾟ´　!|Ч､、　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂　 ヾ!弋_　　ィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 臣主圭尤三i、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 臣圭圭! Y　/{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　臣圭圭!　|　 ,{

	146 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:17:45 ID:TN9U4J3c 痛みは？痛みはどうなってるの！？

　　ゞ:;ヾｿゞ＿＿＿＿|　　　　　　　ヾヽ::ヾｿ;;;:;ヾ ゞゞ:;::;;;;ゞゞ:;ゞ ;;;;;ヾヾヾゞ:;
　＿;;;ヾゞ/　　　　;;;;;;;;|　|[][]|　　|[][ゞ:;ヾｿ　　　ゞ:;　:;ヾ ゞゞ:; ゞゞ:; ::: ;;;;;
　|　ヾ;ヾ/　　　　　　 ;|　|[][]|　　|[][]|ゞ:;ヾ 　ゞゞ:;ヾ　ｿゞ　　　:::ゞ:;ヾ ゞ
　|__:::ヾ;''＝＝＝＝＝|＿＿＿＿＿＿ヾゞ:;ヾ　:::ｿゞ　:ゞゞ:;;:;ヾ ゞ ゞ:;ヾ ゞゞ:;
ｴｴｴｴヾゞ;. ＿,＿_.___.| |＼　　＿ ＿ ＿ 　ゞヾヽ :;ヾ ゞゞ: ;:::ゞ:;ヾ ゞ ゞ:;
　　　); ,(;;| |≡|　　|≡| |iiiii|￣|iiiii||iiiii|iiiii|　|ヾ;;;　;;ゞゞ:;ヾｿ　　ゞゞ :;ヾ ｿ/ゞゞ:;
　 ＿＿ヾ| |≡|,,_.._|≡| |iiiii|　 |iiiii||iiiii|iiiii|　||≡|　　|≡||:;ヾ ゞゞ:;　 |li/ ゞゞ:;
　|≡≡|;;;| |≡|γ,,|≡| |iiiii|　 |iiiii||iiiii|iiiii|　||≡|　　|≡||　ゞゞ:;ヾｿ:;ヾ ゞゞ:;ゞゞ:;
　|≡≡|;;;ll,|≡|iﾆi;;|≡| |iiiii|＿|iiiii||iiiii|iiiii|　||≡|　　|≡||＿＿|__ :;;;ゞゝ:::ヾヽ
iiiiIIIiiiiIIIiiiil '￣￣￣￣| |／　　￣ ￣ ￣　!| ￣ ￣ ￣'||／;;;;;ヽ　　ヾ;li/:::ゞ:;ヾ ゞ
＿＿_____.|　　　　　　 |＿＿＿＿＿＿＿_,|__, 　　　.__||_　　　 ＼　'li|ヾ:li|
____________|　　　　　　 |　　　ピアノ教室　 | ＝ ＝ ＝ |＼ 　　 ／　|li|　li|
;naname |　, ' ⌒ ヽ　| ￣ /￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　|　 ＼／　　 ヽli//
￣ |／＼l|　|　　　::l | |　　 ~|"~"~"||~"~~''|"'|:|口口|　| ／ || 　　　　| ;il|
￣ |￣￣l|　|　　　::l | |　　ヾ;;ｿゞ　 ||　ヾ;ゞ;;ﾐ|:|口口|　||　　||;;＼ 　　| ;il|
// |　// l|　|　　　::l | |　　　;;;ヾ　　||　 ヾﾉ;;; |:|口口|　||　　|| ; ';,＼　| ;il|
// |　// l|　|;;:: ..／ :| |　　　 i| / / ||　　 liｲ .|:|口口|　||　 ／; ';";; 'ヽ::;ilヽ
＿_|＿＿l|_,,|;;／　　:|_|二二liiiil＿__||_＿liil_i!y||ｌｌｌｌｌｌｌｌ|_,,||／; ';";; ';";; ';）
;" ' ";" ' ";" ';" '" ' ";" ' ";" ;" ';" ' "; ' ";|ロl_|;" ' ";" ' ";" ';" ' ";, ,/
;" ' ";" ' ";" ';" ' ";;" ' ";" ' ";" ';" ' ";;" ' ";" ' ";" ';" ' ";;" ' ";" ／
＝＝==＝＝＝===＝＝=＝＝=＝＝＝==＝＝＝＝=＝＝＝''"

‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐
腱鞘炎を再発させてしまった私は

ピアノ教室をお休みした。

手術が終わり、ピアノ教室へ復帰した日のこと。
‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐

　　　　　　　　　　　　/ 　./　　　　　 /　　／/ ./　　 } .i　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　|　 /　　　　　/l　　/ /　/　　　 l ﾄ､　 l　　　　 l|
　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　　/l　 /　 | /　　　　 l | ヽ　l　　　　ﾘヽ
　　　　　　　　　　　　ト, ,|　　　　/　| / _, ｲ/　　ヽ--､|,!__ヽ l　　　　}ﾚ'-､ ／ヽ
　　　　　　　 ﾉ｀ヽ､　 V{ヾ　 l　,. l-イ/´　　!　　　　　__|_　｀ヾi　 , '　/り/／　　ヽ
　　　　　　／　　　＼-､Vl　 ﾞ､　|　　　　　　　 　 　 　　　　　V　/　/ﾁ'´　　　　,　)　　　　　ごめんねーやる夫くん。
　　　　　 <　　　　　　ヽ‐|ヽ .ヽ |,　 ,=＝=､　　　　　 ,=＝=､　 l / ,/ﾚ'　　　 ,. '´ /
.　　　　 ,. -ゝ､ヽヽ　　　ヽ,l ゝ　ヾ,　　　　　　　　　　　　　　ﾟ ／ /ー‐,／,／ _￣ ヽ　　　　レッスン休んじゃって。
　　　　 {　　 ｀ヽ＼　　　ヽ＞ ヽ !　　ヽヽヽ　　 ,　　　ヽヽ ／',.ﾋノ--<,. ノ,. 　'´　 ,_.-|
　　　　ヽ　　　　ヽヽ　　 /　　｀ヽ｀ヽ　　　 　 　　 　　　　 　人_.　　　Y´　　,. イ´,／　　　もう、腱鞘炎だなんて恥ずかしいわ…
　　　　　 ＼＼　　ヽヽ /　　ヽ「｀ゝ ､.　　　　 ─ ‐　　 , イ　　 } /　 ヽr'´　/ム===-､
　　　　 ,. ---ヽi　　ﾉ'´　　　 ヾ　　　　｀ヽ ､　 ＿　, イ´　　　　 |/　　 　 ＼　,. ___､　　|　　演奏会、来てくれてありがと…
　　　 /　　　　 ' ／, -―- ､　|　　　　　　｀ﾞ　 |　| ､_　　　　　　 {　　,. -―-ヾ　　　|　/
　　　 レ'´￣￣ |´　　　　　　 !､　　　　　 ／ /Ti｀r ､ー　　　　　|'´　　　　　ﾉ　 　 '´
　　　　　　　　　ヽ　　　　　　 ∧　　　　　／ｲ｜|　|　iヽ､__　　　 }　　　　　/
　　　　　　　　　　 ヽ　,　　　 / {＿ ,.. イ/　L-―‐_|　.|ニノ｀ー' ヽ　　　>'´
　　　　　　　　　　　 ,}　　　　|　　　　 ー|　 i￣ ￣　|　|　　　　　　|　　　ヽ
　　　　　　　　　　　/　　　　 {　　　　　 |　 |　　　　 |　 |　　　　　/　　　　ヽ

ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
|…やる夫、プロのピアニストになるお。決めたお。
廴＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ﾉ　　
　　　　　　　 ）／
　　　　　　 ／　






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　…え？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　廴＿＿＿＿ 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼(





.

　　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　　 ／　　 ＼ ,　, ／＼
　　　　　／　 　 （●）　 （●） ＼　　　先生の　この前の演奏を聴いて、決めたんだお。
　　　 　 |　　 　 　 （__人__）　　　|
　　　　　＼　 　 　 ` ⌒ ´　　,／　　　 やる夫も協奏曲が弾きたいお
　　　　　　ノ　　　　　　　　　　＼
　　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /








　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　　　　＼　
　　　　　 ／　　 ＼ ,　, ／＼
　　　　／　 　 （●）　 （●） ＼　　　　　それに…先生みたいに
　　 　 |　　 　 　 （__人__）　　　|
　 　 　 ＼　 　 　 ` ⌒ ´　　,／　　　　　ピアノの演奏を人に聴かせて・・・感動させたいんだお！
.　　　 　 /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
　　　 　 |　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃　　　　先生、だから…特訓してほしいお！
　　　　　| 　 　 　 　 　 　｀l￣
.　　　 　 |　　　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＞　 ／　　　　　|　 ヽ　　 ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／/　 /　　/l　 ﾄ　 　 i　　　ヽ 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　--´-―/　　/ /　　/ |　 l ＼ 　 l　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／　 /　|　　/　l　/ ―- 　l　　 |　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　　　|　 /　 |　 /　 l /　＿_ ＼ l　　l_　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 そ　　ｲ　 l　/＿-　 ﾉ　 　/Cミヾﾘ　 /　｀〈
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 -イ ´ |　　|　ｲc:::)　´ 　　弋::_ノ /　/　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lへ | ﾊ ﾘ　ゝ-´　 、　　　　　 ／ 　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Vﾍ|　,从　　　　　　　　　　　　　　 ／(＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 V　　i　　　　 ＿　　　-　､/- ／＿＿_〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lー - ＞　　　　　　 / ヘ 二|　 　 -― 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丿二　　／ ＞-　 ´/ /　　　レ ／　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ニ￣＜_ > i　 /　／ /　　　 「― ￣　 ー 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (　―＜ )　 /＼i ／ ＜-‐― 　 〉 ‐ 二￣ヽ_〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／ﾌ／ , -　フロニ￣＜￣￣/ ,{／ ／／く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ｲ |　(_／ ///i i ＼　　>　//　　　 ＼＼ |､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <　( | ／　　// // i i　　＼　ｲ 　　　. : :丿l : ': l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ 〈　　　 i i　キ i i　　　 | /　　 ＼ -‐　ﾉ　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ 、　　|_|　|| 　|_|　　　|/　　　. :＼-‐ イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　　　　 ＝キ　　　　　|　　　. : : : :＼:〈

　　　　　　　　　　　　　,. - ―――-- ､ __
　　　　　　　　　　　／　 ,.　　￣￣　　 l　､ ｀ヽ､
　　　　　　　　　／　　／　　　　　,　　 /　　｀　 ＼
　　　　　　　　//　　/ ,　　 ,　　/ ,　/∧　　　　　 ,ヽ
　　　　　　　 l/　　　 /　　/ ／ ／ /　　l |　　　　 ヽヽ
　　　　　　　 l　　l　/　　ｲ/ / /　 /　　　|i ､ l　 l　　l l
　　　　　　 r|　　.l　l　/| / .l/　　 .|　　　 |l ヽ|　 |　 .| |
　　　　　　,>{　　|　|イ T｀ヽ　　　　　　―--､i|､ .|　 .|v
　　　　　 /ム　 .|　ﾚ　　　 !　　　　　　　　　 ! .! l　　K
　　　　　　7しl　 l　|　 ___-　　　　　　_　　　　　ﾚ　 /}|
　　　　＿. しfiヾ　lヾ´　　｀　　　　　　￣ ヽ　 /　,ｲτ　　　　　　　　……。
　　　/　　｀ヽ >r,iヽ　 　　　　　,　　　　　　　/ ,ｲ, t'
　　　{ _｀ヽ､　　ヽヽ　　　　　　　　　　　u　 /,イ_ｲ　＼＿_
　　　ー‐'ヽ､＼　ヽ｀ヽ　　　　ー ‐　　　　 ノ　, -' ￣　　 }
　 !￣｀-ヽ ーヽ ヽ,)　 ,＞r　､　＿　,　イ　 ／　, =_-_二_,|
　<_-.､ ヽ　 ヽr- '　　 F=== - ､___.!＞;　　 Y ,..＜＿＿__
　　　　｀ヽ, _r―--r<´　_:::::::::::::::||::::::<-､＿_＞´____＿　 ,}
　,-―,=- -/　　　 l;;;;i.　　｀ー--||-　　|;;;|　　　Y,. ――=='
/ ／　　　/　　　　 >-ﾞ´￣￣｀ YY二二｀ー ､　l {
ヾ{_　　　/　　　　:..{　　　　　　　L!　　　　　 /　!､ヾ_-. ､
　￣　　/　　　　　i::::i､　　　　 ノllllヽ　　　 ,ｲ　　 ヽ　｀l }
　　　 /　　　　　　 V:::ヽ　　 ,4」 |ttl ヽ､ _/　ヽ　　 ヽ ,リ
　　 ./　＿　　　　　ヽ .:｀‐:'￣| .|￣|. |　　　　ヽ_,......:/
　　　＼:::::｀:.ー― ......〉　　　　|_,|　 |_,|　　　　 /:::／
　　　　 .ゝ ヽ､::::::::／:..-...-.......-.......-..... _　...-/ .l
　　　 　 ヾ::...　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　 |
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　　　　　　l::　　 ,. ー::::　　　　　　　　　 /::,__｀　ヽ
　　　　　　 !:　 /　　 ヽ:..　　　　　　　　 l:::::　　　,{
　　　　　　 |:...　　　　　ヽ:..　　　　　　　|:::::　　　 ヽ

　　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　　 ／　　 ＼ ,　, ／＼
　　　　　／　 　 （●）　 （●） ＼　　　
　　　 　 |　　u　 　 （__人__）　　　|
　　　　　＼　 　 　 ` ⌒ ´　　,／　ﾄﾞｷﾄﾞｷ…　　
　　　　　　ノ　　　　　　　　　　＼
　　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /








　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　 　 ,.,　　　　　　　　　　　　　　 ヽ ヽ　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　／　 .|　　　　　　　　　　　　　ヽ　ヽ ヽ　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　、　　　／　　 ／　　　 | i　　　　 ､　　　　　　:l　 Vﾆ,i
　　　　　　　　　　　　　,/　　 /::　　ｲ /　　　　 .! |iヽ ヽ　　 i､　　　　 ,;::| r= 　 iヽ ＼
　　　　　　　　　　　　　| i　　/:: /:/,/　　　　　 /i,!　ヽ ヽ　 l i:　　　　 ;:::| ゝ　　<　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　i |　 l::: :/　<　　　　＿/,/ -―ヽ i　 l::::i　　/ ;:::://{ゝ,､ソ＿＿
　　　　　　　　　　　　　. l　 i::::/ / __｀　　　　//＿　　 ヽi　i:::::i/ / ;::::::/ - '´
　　　　　　　　　　　　　Vヽ .i::r::ヽ´r;;ヽ　　　　r―r=- ､ i /　　 /　 ／ , - ニニニニニ
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ { ヽi　V,}　　　　　　!ヽ;;;;ﾘ// 　／ Y,. '´, - '´, - ――--
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　｀ ,　　　　　　 弋ソ/　／　　 , > ―― - ､ _,＞--
　　　　　　　　　　　　　　　　 , r.-.i 　'　　　　　u＿,..ノ '´　　　,／　　――　　 ｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　人ヽ､ ＼　　 ー --　｀――'´　レ',.- '　￣￣ ｀ ヽ ､､ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 ｀ヽ｀ヽー――　 　　　　r'´!r　　　　　　　　　　　｀ヽヽ
‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=

まいった。教え子にこんなことを言われるのは初めてだった。

何も答えられず、私は黙り込んでしまう。

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	154 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:22:04 ID:v/My3AEA マミさん指導者冥利に尽きるねｗ

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││　　　　　　　　　　 l|　 !／∠_　´　　 汀込ｯヽ!-ー-リ　　　　　 ││
││　　　　　　　　　　｛|ヽ　ﾄ汀气　　　　 廴ソ| 从､=,/ｰ-,　　　　   ││
││　　　　　　　　 　 ,-/ｭヽ|l､廴ｿ　　　　　　ノノ|ﾇ＊!-_,'　　　　  ││
││　　　　　　　　　 i　＿ ヽゝ　 　 , __　　　　イ冫_人_ノ、　　　　   ││
││　　　　　　　　　´ｰ--､_ 　｀>ｰ´ﾄ､-　 ｔ__ ＜／ ∠ノ　　　　　   ││
││　　　　　　　　　　_ ＿ ）-ゝ 。 , ﾟ に´ノｰ,　|／ﾉ／i、　　　　　   ││
││　　　　　　　　　　ヽ　三ﾌ人-､､ シi_L　 ;　ヽ／　／　　　　　   ││
││　　　　　　　　　_ ＿｀´ｊ こi>､ｿﾞーﾞ川　　K|　ヽ／(_ -ー-､　　 ││
││　　　　　　　　i ,-　´￣ 川ﾉ、＞ｰ- ＿.ﾉ＼ヽ　　　　￣ﾉノ　　  ││
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　　　　　　小さいころから、ピアノとともに過ごし
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││　 　 　 　 　 /　/　　i l　 i!,x-/‐　/ /　 　 　 T‐トx 　 l　ﾄ Xｨｺ‐Y￣)）　　　　　　　 ││
││.　　　　　　 ｉ!　 i! ｲ　i　 イ　/＿_l /　　　　 ＿i |　iヽ　}　l/ ｛ｿ{ｰo )） ﾊヽ　　　　　  ││
││　　　　　　 i!　 i! l ｌ　i 　i ! /ｨｧ‐x|l　　 　 　 ﾏTトx　l /　弋( ヾ､ ﾊイ)）ノ　　　　　　   ││
││　　　　　　 i! 　i! l　l　ヽ {{ / l rj }　　　 　 　 { l_j } ﾐﾚ// 从 lフ i｀´i＼　　　　　　　   ││
││　　　　　　 {　 i! l　乂∧､｀{ 弋_ｿ　　　　　　 廴乂 ﾉ /l ｿ >イ i i　ﾊ　ヽ　　　　　　　││
││　　　　　 　 　 i! l 人＼ i＼｀ー‐　　　 ,　　　 ￣〃ノノ丿/ ﾉ /　/　i ノ　　　　　　　  ││
││　 　 　 　 　 　 { { 、 ヽ ﾍ　゛　　　　　　　　　　　´　 ／ ｨ ／/　/´　lヽ　　　　　　　  ││
││　　　　　　　　 /　y ＼　　、　　　　 （￣ ）　　　　　/／／　/ /　　　_ )　　　　　　　││
││　　　　　　　　 ｀　＼　　＼　/＞　　　￣　　,　 ＜　{ / l　 ///　 ｨ´　　　　　　　　  ││
││　　　　　 ＿　　　　ﾉ ＼丶 ｙ　　 /｀ｌ＞　＜:::/　　 乂　l ﾉ/ /／ {　　　　　　　　　   ││
││　　　　 ´　, 二ニノ　　 ヽ )ﾉ　　/fﾆｌ- 、ｨ―/ ＞　　　〉ｲ { ｛　 ( 乂　　　　　　　　  ││
││.　 　 　 ／／／　 ＿　ノ　二 二ﾉ‐-Σ| | 〈　 (　　　 / 人＼　　｀ 　ｰ-　　　　　　　││
││　　　　｛ ｛　{　／　 /　　 {　　｀　ｰ―_(二)―― ｀-　､￣　＼二ニ 、　、 ｀　　　　   ││
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世界で活躍するピアニストを夢見て、そのために捧げた人生の１コマ１コマが
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││　|.l | |　| /　,.'x|ﾍ ヽ　　　i　　　　　　l !_|　　　O　<-' ﾉ　　 |　　　　　　　 ││
││　|l .| |　|ﾘ-' __ ヽ ヽヽ　　.|　　　　　　 iフ,4　　　　 )ヽ}　　/　　　　　　　  ││
││　|　|.l　 |　　r､-､　 ＼　　|　　　　　 ∧|.{ ゝ,,,4 ヾ'´//　 /　　　　　　　　  ││
││　 !　lヽ　l　　 ヾﾞ;ﾞヽ　　｀ﾘ.|　　　　 人 ヾ､__-_/ ゝ-,'. -----､　　　　　　   ││
││　　　　 ヽ|　　　り;っ　　　 /　　/　 /} l/ /　/　,.-'´　　　　,. -|　　　　　   ││
││　　　　,ノ　　　　´ ii 　 /　 ／／ ´ //　 /'´　　　　 ,-'　　　{　　　　　　　  ││
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脳裏を駆け巡った。ピアノと共に駆け抜けて、そして泡のように消えていった青春だった。

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iiiiIIIiiiiIIIiiiil '￣￣￣￣| |／　　￣ ￣ ￣　!| ￣ ￣ ￣'||／;;;;;ヽ　　ヾ;li/:::ゞ:;ヾ ゞ
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____________|　　　　　　 |　　　ピアノ教室　 | ＝ ＝ ＝ |＼ 　　 ／　|li|　li|
;naname |　, ' ⌒ ヽ　| ￣ /￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　|　 ＼／　　 ヽli//
￣ |／＼l|　|　　　::l | |　　 ~|"~"~"||~"~~''|"'|:|口口|　| ／ || 　　　　| ;il|
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　　　　／　＼　　　　/{　i　　 ´　/　 /｀/　/　　　-―ﾘ､|　i　i　 | .| ヽ'ﾉ　　　　　　　　　　　　…本気でピアニストを目指すなら、
　　　 {　＼　 ＼___／　＼i　　| /　 /__　　　　　　　　/　.|｀i ,'　/　i .i /､　　　　　　　　　　　　
　　　,ゝ　　　　　＼-､_　　ヽ　| ー---‐　　　　　 ､_　　　| i/ ／　　.ゞ丿､, ｨ' ¨｀i　　　　　　　もう、何もかも犠牲にしないといけないわ。
　　/　| ＼　　　　　｀ヽ｀ゝ　ヽ ､　,,,.　　　　　　　ー---‐ ﾉ／　　　　/ ／　　／ |
　ﾉ ヽ ＼　＼　 ＿　￣/｀`ヽ ヽ､　　　　　､　　　　,,,　　／　　　　／/　　　　 ／
.ヽ　　　　＼　＞ー ‐' '　　　　|　 ＞､　丶　‐　　　　／f　＿＿／/　／　 ／　／¨｀i
　　＼　　　　｀/　　　　　　　　|　　＼　｀　- 　 ¨　´,ｨ -´　　　　｀|　/　／__／　／　{
／¨｀＼ヽ__ー/　　　',　　 __,-‐ー―‐-､r‐r――f¨´　　　　　　　 |',　 /¨／　／　／
{　 ,‐´ー´ ／　　　　 ',／:::::::::::::::::::::::::::::.|:::|:::::::::::|　　　　　　　　　|＼ゝ/　　　 ／
|　 {　　 i´　　　　　　 .iヽ:::::::::::::::::::::::::::::::!:::.!::::::::::|　　　　　　　　 　} ヽ/　　／
.＼ {　　 ヽ　　　　　　|　｀}::::::::::::::::::／::/ l　|:::＼|　　　　　　_, ｨ-‐´　　〉／ヽ､＿
　　 ヽ　　 ＼　　　　 |　　{:::::::::::／/:::/　 l　|::::| !___,ｨ-‐''¨´　　　|　　 /ゝ､＿ , -ヽ｀`;
　　　　　　 ヽヽ　　　{　　 ヽ::／‐./:::/――‐|::::|- ! |　　　　　　 .|　／　　　　　　 }　ﾉ
　　　　　　　 iヽ ヽ　 ',　　　　　 /:::/　　　　 .|::::|　 |　　　　　　 .! ´ヽ　　　　　　/／
　　　　　　　 |　｀　＼ ＼　　　/::::/　　　　　 .|::::|　|　　　　　　　',　/　　　　 .／

　　　　　　　　　　　　　　　/"',　|　　　',　　',　|　　 /　 |　　','"''‐l　　　 ', ',　 ','ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　|| .||　|　　　 ',　　　|　　,'=＝＝＝=-　　　　　‐',　 |ヽ|
　　　　　　　　　　　　　l''"ヽi ',''"i　　　　　　　.',　.,' |　l:::ﾐﾐﾐLl　　　　　　＿',　|
　　　　　　　　　　　　　',　|┌ ',　|',　　　　ヽ　　', ,' 丶弋ﾏ汐　　　　　　 ',ﾐ::| ,'
　　　　　　　　　　　　　　｀┤. |'"丶　　　　丶　 ヽ　 ヽヽ　ヽヽ　　　　　　込l'
　　　　　　　　　　　　　　l'"|_i_,''ll　　ヽ　　　 ヽヽヽ　　　　　　　　　　　　｀　"',
　　　　　　　　　　　　　　|　 ,'',_/"""''',｀ヽ　　 丶、''　　　　　　　 ＿＿＿　　 ',　　　
　　　　　　　　　＿＿＿_"''', ', | 〈　二｀.　 "''――- 　　　　　　　 ` ― ''"　　/　　　
　　　　　　　''"_...‐――-"''-|', ヽ、_''エ.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　一日何時間練習したって、
　　　　　　/　＿_　　　 "''‐..｀ヽ　 "''‐-‐''.、　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　 ……どれだけ練習したって
　　　　　/"二二ﾆﾆ、　　　 ＼ ＼i || "''‐..丶　　　　　　　　　　　　　　　 /
.　　　　 |　|:::::::::::', "''‐..　　　　',　', ,'　　　 ＼|　　　　　　　　　　__...-‐''"´　__　　　　才能に運、お金、他にもたくさん…
　　　　__',',::::::::::::::',',　　 ',ヽ.　　|　l/　　　 _＿|＿＿＿_　　　　 /‐------''"　',
　　　/￣￣￣""'''‐-、　', ', ',__|_/　　　　|--――――"''‐-.../_　_...‐''"／　　ヽ、　　練習だけではどうにもできない要素が沢山あって
.　　/＿＿　　　　　　丶、／　　　｀"''‐...┘、　　　　　　　 "''l 〉‐〉-‐''"　　　　／
　　l:::::::::／"''-.._　　　　/　　　　　｀ヽ　　"''‐..__...‐''""''‐...._ ////　　　　 ...-''"
　　ヽ:::i::',　　　',ヽヽ.　/　　　　　　　 ',　　　　',::::::::::::::::::::::::::"',〈`l__....._-''"―‐／｀ヽ
　　　｀ヽ丶　　 ヽヽ`/　　　　　　　　　',　　　　ヽ、::::::::::::::::::::::::l::::l::::::::::ヽ..‐''"　　　 〉
　　　　　)　 ',`',　 ／　　　　　　　　　　 ',　　　　　',::::::::::::::::::::::::l::::l::::::::::::::',　...‐''"／
　　　　 丿　　',／　　　　　　　　　　　　 ',　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::,''''ヽ:::::::::::::',_..-''"
　　　　/　　/_',　‐-　　__　　　　　　　　　　/　　　　 ヽ::::::::::::::/ ',::',　ヽ:::::::::',"''-._
　_..-''" _..-''"　',　　　　　"''‐.._　　　　　　 ,' /　　　　　ヽ::::／ﾆﾆ',::',ﾆ ヽ、::::', ',　',
`―‐''"　　　　　',　　　　　　　 丶、　　　 /'´　　　　　　　　　　　 ',:::',　 ヽ｀´|　',　',
　　　　　　　　　 ｀ヽ　　　　　　　 丶　　/　　　　　　　　　　　　　 .',::::',　　丶ヽ‐l.._|
　　　　　　　　　　,'　　　　　　　　　　 |'´　　　　　　　　　　　　　　 ￣　　　　｀-` ヽ
　　　　　　　　　 ,'　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　,'　　　　　　　　 /'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　　　　　 ,'　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l
　　　　　　　　,'　　　　　　 |　 /',.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'
　　　　　　　 ,'　　　　　　 ,' . /　',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　,'　　　　　　 ,'　/　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /

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　　　　　　　　　　|;:　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　｀`ヽ　丶
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　　　　　　　　 弋､㍉./　　.　　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　　;:::.　::
　　　　　　　　ｒ-ヾ刈.{.　　.　　 .　 　 　 　 ´　　　　　 　 　 　 λ　.:::i
　　　　　　　　廴._t.　'ﾋ､ ,　　 .　　　　　'　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ i.:.:　 i
　　　 　 .　＝=彡( ~ヽi､ﾞ.i　　.'　　 　　'　　　　　　´　 　//　/　 ::::: 　:.
　　　　/ ;´｀: .　　.ゞ__.ﾉ;`'.　 .|　　 　 '　　　　 　.;　 　 / / /　　 ::::　.::::}ヽ.　　　　何万人、何十万人に1人って確率なの。
　　　/　i　__,..=彡ソ　(｀ヽi､　|　　　 '　　　.' 　 ﾒ　　./ / /　‐ '/:::　 ::丿　}
　　/:　　{⌒ヽ~:´ . :ヽヽ　　i　|　 　 i　　 / ／,'___../, //　 _　/ .':　　:::::: ∧　　　　　いえ、それ以上。
. ｒ-',　: 　i　　 ヽ: . 　::} }≧-､;ヽ　　 |　 /,ﾅ''Τ／ 　/ 　　f',´ ,　　,　::／　ﾞ.
│!iヽ　　ヽ　　 } :　 :::斤￣!. ＼ヽ　 |　, ' ､._i/ .__彡 　　　l　ヽー´ ‐´/　　.}　　　　 分かる？　
│i! ヽ.　　 ＼ ﾉ／ ::丿　　|　 　＼　!/､　 ﾟ､￣ ､､. 　　／　　 |.:.: ..／　　 /｀ヽ
. ｀､　　ゝ､___　　 ／　　　　|　　　　＼{.　 ‐- ....＿, 　　　　　　!ゝ..__ .　／｀ヽ. ﾞ．　　もう、普通の人生は歩めないわ。
　　ヽ　 ヽ､_ }￣ i　　　　__...＞ ~￣~ﾞ`ゝ, --､／　　￣~ﾞﾞﾞヽ 　 丶　　　　　　}　;
　　 　 ー‐ ' ;　　ヽ　:　 ,　　　　　　　　　i　　　　　　　　　 |.　　　ヽ　　　　ノ-'　　
　　　　　　 ﾉ::　　 　;: 　|　　　　　　　　　| ;　ゝ　　 　 　 　.|　 　/丿:;
　　　　,ｒ‐'　　:. 　　i:: 　|　　　　　　　　.,　　　卜　 　 　 　 |　∨ .f:::
　　　　ﾏ　 　 　 　 !:: 　 i　　　　　__...=＝＝　 |=ゝ ..＿__.,'　　 ’~ ﾞ.
　　　　　ﾐ＼____　 i:::: 　 ゝ=＝‐ ´ |　 |　 　|　 |　　　　　　　　　}　 ﾞ､
　　　　　 ヽー{　｀|::::: .　　 　 　 　 |　 |　 　.i　 i　　　　　　　　 .'
　　　　　　　　|　ヽ:::: 　 　 　 　 　 |　 |　　　i　 i　　　　 　 　 /
　　 　 　 　 　 ! 　丶::.　　　　　 　 | 　|　　　 i　 i　　　　　 ., '
　　　　　　　　 !　　丶　　　　　　　ー‐　　　　i　　　... -‐ ’

　　　　　　　　　　 r{　l　 /　　/　　/ / l / ヽﾄ_ .} .l!}
　　　　　　　　　 ,-.ﾄi_l　l l　　/　〃,/_ //　 ｲi |　l |
　　　　　　　　　 ゝ,{・)　l　 l /　//　__,//　　'!rti　/
　　　　　　　　 __　,{-t |､ 　 ﾚ i/　,.rt-　 　 　じ ﾘlヽ､
　　　　　　　, ' ,// ゝ ヽi､ 　|　' ´弋ｿ　　　　　　 ,ﾄ/|
　　　　　　 i,　/l ,＜￣ ヾヽ i ､　　　　　　　 ｀　ﾉ=',/i　　　“神童も２０過ぎれば、ただの人”　ただの人だったって気付いた時は
　　　＿,.イ{i.　l ト､ ヾヽ､　 ヽ　ゝ､_　　　 ー' ,<―'ヽ､
　／‐　{i　,A､ ヾ､ ヽ, ヽ }　　 人ﾞヽ､__ニエｲl i>､　 i ゝ､　　 もう遅くて……そんな世界なのよ。
　l/,..―li　L ヽ､　ﾞ_,'__ノ　,ノヽヽヽ､＿￣ |||／　ヽ　|　 ,|
　ﾚ　　　ヽヽ､)　 ,!　　　/　　　　＼r'´￣＞,Y　　 ,} ヽ　|
　　　　　　ﾞ ー‐' 　　　/　　ヽ　　 ヽ　　　 /}iヽ､_,|ヽ　V
　　　　　　　　　　　　/　　　　ヽ　　ヽ　 ,ｲ l | ,.. '´　　 }
　　　　　　　　　　　 (　　　　 　 ヽ,/　 Y,ムi |　　　　,../
　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾚ::..　//　 ヾ　 .,,,,,,;;;ｲ
　　　　　　　　　　　　　{　　　　 /:::::::::...　,,,,,,,,,;;;;;;;;;;;,::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 |ヽ::::::::::::::::::::::::::::::, '/　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　|ヽ　　|ノ!:::　　　　　　　 ∧　 ﾘ､
　　　　　　　　　　　　　 .}　ヽ　|　i:: 　　 　　　　　　　lY{ _/
　　　　　　　　　　　　　 |　　　|　i ,.　　　　　　　　　 '-' |l##ゝ

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……予感はしていた。やる夫君はきっとこの道を選ぶのだと。　　いつから予感していたのだろうか。

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	163 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:25:35 ID:TN9U4J3c 確かにマミさんの言うとおりなんだろうけど、なんというかマミさんが言うと背中がムズムズする表現に見える

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　　　　　　　　／　　 　 　＼　　　
　　　　　,---､　　＼　 　 ／＼―、
　　　　 .l　　　ｌ　 （●） 　（●） ＼ |
　　　　 |　　 　|　u　（__人__）　 　 | |　　　決めたんだお！
　　　　 .|　　　|　　　|!!il|!|!l|　　 ／ /
　 　　　　ゝ　　　　　|ｪｪｪｪ|　　　ノ　　　　やる夫はピアニストになるお！！
　　　　　　＼　　　　　　　　　／
　　　　　　 /　　　　　　　　　 |　　　　　　先生、僕を指導して下さい、お願いします！
　　　　　　/　　　　　　　　　　|

:|　　　　　 ＼　 ヽ ＼／　＼..　　　　　　　::ヾ..　　　　　　::|::::　:　　　 |　|.| _/////////////////,
::|　　　　　　 ＼　 X´ ＼　　＼....　　　　　 :::ヾ..　　　　　 ::|:::　:　　　 i　i.|´:::｀ヽ_///////////／　　 , 一
:::| 　 　 　 　 　 X´ ＼　　 ＼　 ＼ :::.....　　 :::ヾ::　　　　　::|::: .:　　　ｲ. i.|／＼ ヽ ////////／　　／::／´
:::|ヽ　　　　　／　　＼､｀､　　　｀ ー ＼＼:::::::::::i 7　　　　 ::|::i::　　 ∥i /::::_::::::＼ ヽ::.////　　 ／::／
::::ヽヽ　　 　´　　　　　　｀ー　　　　　　｀　　｀ー|　　　　　:::|/::.　 ﾉ/:i /／::::＼::::i　i::::://　　／／
　::::::::＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ::::i:::　　 /'i /ヽ::::::::::::l::::|　|::/／　/／
　:::＼:::::ヽ　　　　　　　　　　　　,；　　　　　　　　|　　　　.::/::　　/''//::::丿::::::/:::ﾉ. // /　./'´　　　　　　 ,
＼　:::＼:::ヽ　　　　＝　　　 ,,彡´　　　　　　　　 |　　　 .::/::　 /'' /　|⊂、:::::::／ .// /　 !　　 ./´　　 ／
.　｀　､::::＼l 　 　 　 )ミ≡彡″　　　　　／　　　i　　　.../::　ノ''　'　　　::ﾉ:::／ .／:i ./　　　　∥　　／:::／
.　　　　｀ >　　　　　　　　　　　　　／／　　　　i　　　./:: ／　　　　　.. ／　 ／:::::| i::　　　 //　 /::::／:.＼
　　　　　ﾉ　　　　　　　／／／／／　　　　　/　　 ／:／　　　　　　 i　　 ／:::::::::| |::　　　i::i　.//::/:::::::::::／
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やる夫君の年齢は１０歳…この道を往くなら急がなくては。　……私は、深呼吸をした後に、彼に伝えた。

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　　　　　　　　　　 r{　l　 /　　/　　/ / l / ヽﾄ_ .} .l!}
　　　　　　　　　 ,-.ﾄi_l　l l　　/　〃,/_ //　 ｲi |　l |
　　　　　　　　　 ゝ,{・)　l　 l /　//　__,//　　'!rti　/
　　　　　　　　 __　,{-t |､ 　 ﾚ i/　,.rt-　 　 　じ ﾘlヽ､
　　　　　　　, ' ,// ゝ ヽi､ 　|　' ´弋ｿ　　　　　　 ,ﾄ/|
　　　　　　 i,　/l ,＜￣ ヾヽ i ､　　　　　　　 ｀　ﾉ=',/i　　　　　　　　　 .＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　＿,.イ{i.　l ト､ ヾヽ､　 ヽ　ゝ､_　　　 ー' ,<―'ヽ､　　　　　　　　　f´　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ
　／‐　{i　,A､ ヾ､ ヽ, ヽ }　　 人ﾞヽ､__ニエｲl i>､　 i ゝ､　　　　　　 ＜　　死ぬほど辛いわよ？　　
　l/,..―li　L ヽ､　ﾞ_,'__ノ　,ノヽヽヽ､＿￣ |||／　ヽ　|　 ,|　　　　　　　 廴＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　ﾚ　　　ヽヽ､)　 ,!　　　/　　　　＼r'´￣＞,Y　　 ,} ヽ　|
　　　　　　ﾞ ー‐' 　　　/　　ヽ　　 ヽ　　　 /}iヽ､_,|ヽ　V
　　　　　　　　　　　　/　　　　ヽ　　ヽ　 ,ｲ l | ,.. '´　　 }
　　　　　　　　　　　 (　　　　 　 ヽ,/　 Y,ムi |　　　　,../
　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾚ::..　//　 ヾ　 .,,,,,,;;;ｲ
　　　　　　　　　　　　　{　　　　 /:::::::::...　,,,,,,,,,;;;;;;;;;;;,::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 |ヽ::::::::::::::::::::::::::::::, '/　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　|ヽ　　|ノ!:::　　　　　　　 ∧　 ﾘ､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　 /..､　　　ヾ　　〃　　　　　　　　　　　　　 i
f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ　　　 i　　　　ノ{:;:;:;:}　　　 ｉｉ　　〃　　　　　　　　　　　　　i
|　　やる夫にとって、死ぬほどつらいのは　　　　　　　　　i　　　ﾞ´ { ゞ'"　　　 ﾂ　　　／　　　　　　　　　　　　ｉ
乂＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/｀　　　　 ゝ　　　　´　　　 ／　　　　　　　　　　　　/
　|　…ピアノが弾けなくなることだお。　　　　　　　　 　　i　　　　　　　ヽ　　　　Ｕ　　／　　　　　　　　　　　/
　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ノ　　 　　 　　i　　　　　　　　}　　　　　　 三　　　　　　　　　,..／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿_ノ　　　　　　　"＿＿＿＿　　　ｲへ

　　　！...........................|..................|!...|.....,/　 _,. -　|......,／ 　 　 　 　 　 　 |..|......'l′
　　 　 |;.....................,......|................|'|..|..../,.／´　　│|/　　　　　　　　 　 　|,.|.......|
　 　 　 l、........l､......l､...:|、...l､..,...| l,|.;/'´　　　　　l;/　　　　　　　　_,.. - , |:|...,...|
　　　 　 l;..........|,＿...|、:|!......l、|,.|, |,l′　　　　 _,.|′ 　 　 　 　 ,ィ彡三=|;l./..,|、　　　　 …じゃあ、早速特訓しましょうか。
　　　　　ヾ|､.../;へﾐ;､|'´`i,.....|,..l,.|, |!　　　_,.≠三ﾐ,　 　 　 　 　 '″　 .､,|',lｲ/l;;|
　　　 　 　 ｣i,｣;;|..|、'l´/｀ヾ､..ヽ,ヾ! | 　 ,ィ彡´￣｀`　　　　　　　　､.､ヾ/,//‐';/
　　 　 　 〈;;lヽ､;`ｰ'┤l`ｰ -'ﾄ､､ヾヽ　 '´′　 ､. ､　　　　　　　，　 ヾ:/i',ｲ;r‐ﾐ;､　　　　　未来のピアニストさん！
　 　 ＿__,.｣;l､_〈;;;;;;;;;ヽ､ヽ､i'´ヾﾄi,＼＼　. ､ヽ;ヽ､ヾ､　　　　　　 　 ／'/三ﾆ'┴ｌ､,_
　　,/二ﾆﾐ;三二'‐-､;|'ﾆ＼二'´_|l,＼ヽ＼,'　`　 ｀　　　 _,. -‐'/　　 ,/ﾆニ二￣`'.;〉　　まずは発表会に出るわよ。曲はショパン！
　 /＿-──;＝=二`ヽ,`'┴|二`'.＼,｀`'ｰミ‐-　　　　　｀ ｰ　′ ,∠-‐=＝三二.i′
　 `ヽ､二｀`'─-三‐-二'ミﾆ‐､`‐i;-､_｀ヽ､.,_　　　　　　　　　 ,∠|;＝ニ二二ニ;,ﾉ　　　
　＿__,＞‐二;-､,_｀`'＝=ミ‐-､.｀..,|ヽ､_`ヽ､, ｀` ｰ-;r;iニ;-─‐'二;＞─-､.,＿￣
,/'ｰ─-二‐-二`l'i─-､.｀`'‐-､.,ﾉ　 　 ｀ヽ､｀＼,イヾ､`く'ヾ;二￣｀`'二=ミ;‐-`ｌ

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次の日、やる夫くんが学校に往っている昼間。

やる夫くんのおばあちゃんに事情を説明した。すると、おばあちゃんは私にこう語った。

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　　　　　 |:::::|:::::_| 　 　 ,　　 j:::::| ｀
　　　　　 |:::::|:´:|､_　　-‐ _ノ:::i ｀　　　　あの日、先生がソリストをされた演奏会……、
　　　　　 |:::::|:::::{´ ヽヽil､:::|:::::|
　　 　 　 |:::::|:::::| ヽ.　// ',:|:::::|
　　 　 　 |:i|:|:::::| ＼|┴─i:|:::::|
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　　　　　!| |.ﾞ::j＼　,rｲｭｭ,rﾄ､:､
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　　.:　　 :::.　　　口　冂　　　　　　　　[]　　|::.|____　　　　　　　　　 ,.---､、　　|;:;:::|
　 .:　　　 :::.　　　　　　　 ____　　　　　 　Π　 |::::;;|　　　　.ji ||　 　 |;;::.:.;;;|:|　　 |::;:::|　　　,.-､
　.:　　　　　:::.,.‐‐‐‐､.　　!:::::;!　　　 ____　　　　　　_,----､　　 _　, |::..::;:::|.|　　 j::.::.|　　　|:;:::|
　___.　　　 　 |::;:;:;:;:|..|　　|.:.:.:|　　　 |::;;;:|　　 _.　　| |:::;:;::;;|.|　　|| || |.:.;::.:.:|:|　 ┌‐‐┐　　|::.::|
r‐v'i　　　　　|:::::;:;:;|.:|　 「￣ ,. -‐‐‐‐‐‐-,._　! i'i'i.| |:;:::;:;:;|:|　　|| || |.:.:.:::::|.|　[￣￣￣] ┌─┐
|:::::|.l iヽiヽ r; |::::;:::;;|:.|　　　 l,. -‐‐‐‐‐‐-v´i　!| |.l| |::;:::::;;|.|　　　┌-----┐　　　　　　 r‐‐‐
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|....:| | ! i!　!.| l|;;;;;;;;;;|..|_　　　|::::::::;::;:;:;:;:;;;;;;|:...!　.!l|:lr';;;;;;;;;;;;ﾄ1　└‐─‐‐‐─‐┘　　　　　| :|;;;;;
.￣.´l ! |　 i.|￣￣￣! l_　　 |:::::::::;::;:;:;:;:;:;;;|:.:.!　,!,| |￣￣￣´!_　　　　　　　 　 　 　 　 　 | .|;;:;:
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　　　 　 ￣￣￣￣´　　 　 |:;:::;::;:;;:;:::::;;:;;;|::::!　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: |;;:::
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やる夫は次の日から、学校に通うようになって。「音大を目指すんだ」って。

…プロのピアニストになると、母親の墓前に行って誓いました。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 〃　　 ..:::/　　.:::: ハ::::. ,　　 ＼　 ｀、　　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 ./　　 .::::::/　 .::::::／　　ﾞ,:　ｉ;::.　　 ヽ　 ,　　　　.　　 　 ’
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　/　　 .::::::/　.::::／　　　　 ﾞ,: ｉ:::::.　　 '　　.　　　　ヽ丶 　 ﾞ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　 　 /　　.::::; ':i　.:／ .,＿＿＿＿ ｉ卜;::::::.　 ﾞ.　ｉ　　　　 !:. ﾞ,　::！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 i　　 　 ｉ　　 ::/:: .i .:/　　　　　　　　　ﾞﾅｰ+;_:_:.　!. ::!　　　　.}:.〃~`!ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　丨　丨　 斗‐' .|/ 　 　 　 ,.-‐＿___ﾉ_　 ヽi;:::. }::.::|　 ｉ　　.:ｒ‐'. "` ｰ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　！ 　:i::. "/ __　i 　 　 　 　 ｦ"苅ミ;ｒﾏﾐ.　ﾘ ';::ﾄ;:::}　 ｉ　 .::i!:;'::::.　 ﾞ;.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !！丶　:::.. ｿ_,...._　　　　　　　　 f///ッ; 　 　　.i:| .ｿ ;ｿ　.:::人::::::::. 　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽlヽ ＼ :::ｖ゛''茫　 　 　 　 　 　 ｖ'ﾞｰ"ｿ.　　　　ﾘ /.;:'　:::ｙ ﾊ;{::ヽ::::..ｿ}　　_...．-―‐、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ＼　 弋.　{!ｌ|　　　　　　　　　ー '' "　　　　　/;' .::／ヽ::::|::ｰ-:＾ッ　"　　　, -―ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__| 　.ヅ　　　　 　 　　　/ ﾊ〃 "　　　/..／ι:::::::::|::::::／／　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 ，　　　　　　　　　　　 　 ／´　 γ::ノ:::ﾉ／／　　　　　　　　　,..-一'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃"´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´　／ 〃"　　　　　 . 　 ...:::"::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　……。　　　　　　　ゝ.　　 　 　 　 ＿_ 　　　　　　　　　 ..:::::ｆ~ ´　〃::::.. 　　　., '　／:::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶.　　　 　‘‐- ｀　　　　 　 　 .,..ｨ::::|　 　.∥::::::::::::...:::〃≦::::::∠＿, -―‐ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f＞ .　ﾞ 　、　　　　　　　　　 _,.:::"::::::::::{　　 ヾ::::::::::::::::〃::::::::::::::::， "　　　　 ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ　＼　＞ｰ-≧　.. _ ..．...:::::'":::::::::‐:::≦二ニﾌ　＼::::〃:::::::::::::／／　　　　　　 ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　｀ ー　　::~:::´:::::|;::-:::≦::´:::::::ィ ´　 　 　 ヽ　 ー―‐ > ／　　　　　　　 _.,〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶、　 ｰ- ...:::::::::z＜:::::::::::::: ´ 　／　 　 　 　 .:::::..ヽ　　 ／／　　　　　 _..． "
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,、＿...＞..、::::::::マ:＼::::　´　　 ／　　　　　　 .::::::::::::::.ヽ /〃::.　　　 ,..∠＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f ＼::::::::::::::::｀::::ｰ＼::::＼.,...:::／　　　　　　　.::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::｀:，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｉ　 　 ＞:::::;:＞≦ｉ｀¨'''ー-／　　　　　　　..:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_::／::_::_::,::::．-―‐ 、/ '

　　　　　　. : "´ ￣ ｀ : ､
　　　 　 .,:::::::::::::::::::::::::::ヽ::､
　　 　 //:::,::::::,:::::::､:::::::､::ヾ:.　　　　あの日。演奏会の終演後、
.　　　 ｌ,f:::i|_:::::|:::::::||:::::_|i::::i::|
　　　 |:|:::::|（●)　 (●）|::::::|:|　　　ロビーに「巴マミ先生の大学同期生」とおっしゃられる方が居ました。
　　　 |:|::::_| 　　 ､　 　 |_::::|::|
　　　 |:|:´:|ﾞ:､_　‐‐　_,.ｨ|:｀::|::|　　　「学生時代、試験で彼女のピアノ伴奏に助けてもらった一人」
　　　 |:|::::|:::::/ ヽ//ヽ:::1::::|::|
　　　 |:|::::|::/､ ,/　 　, ﾞ.|::::|:::|　　　　　とも、おっしゃってまして……。
　　　 |:|::::|.'　i┴─‐ i　|::::|:::|
　　　 |:|:i'l:j _.|＿＿＿|_ l'i,:|::|　　　　やる夫はその方と、少しだけお話をしました。
　　　 |:::::::l ,.ﾄｪｭ─rｪｲ　:v|::|
　　　 |仆:j ,i´￣　 ￣｀i､ l:| |
　 　 ＿,ﾉ　,| |　　　 　 ,| ヾ､＿
　 　 ｀￣￣ ｀ ￣￣￣　￣￣´

　 　 　 　 　 　 　 ┌───────────────┐
　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　 　 　 　 　 　 　 │　 　 ┌─────────┐ 　 　│
　 　 　 　 　 　 　 └──┼─────────┼──┘
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　 ┌─────┐　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 └─────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└───┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └─┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　□









　　　　　 ,.⌒ヽ　　　　　 γ⌒ ヽ
　　　　　〈 ● ﾉ＼　　　／＼●　〉
　　　　　 ヽ彡'　　ヽ　/　 　ヾ_ノ
.　　　　　　）　　　　Y　　　 （
　　　　 ／γ⌒　 　　　⌒ヽ＼
.　　　 /　　|　　　　　　　　　|　 ヽ
.　　　 |　　 ヽ＿＿人＿＿ノ　　 |　　　…君は巴さんのピアノ教室の教え子なのか。
　　　　＼　　　　 `ー'´ 　　　　／
　　 　 /⌒ヽ　　　ー‐ 　　　ｨヽ　　　　　　僕はね、チェロをやっています。
　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　　　|
　　　/　 　 　／　r─--⊃、　　|
　　　|　　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　 |

　　　　　 ,.⌒ヽ　　　　　 γ⌒ ヽ
　　　　　〈 ー ﾉ＼　　　／＼ー　〉
　　　　　 ヽ彡'　　ヽ　/　 　ヾ_ノ
.　　　　　　）　　　　Y　　　 （　　　　　　巴マミさん、すごかったでしょ。学生時代もすごかった。
　　　　 ／γ⌒　 　　　⌒ヽ＼
.　　　 /　　|　　　　　　　　　|　 ヽ　　　 ピアノ科の中でもトップクラスの実力だったよ。
.　　　 |　　 ヽ＿＿人＿＿ノ　　 |
　　　　＼　　　　 `ー'´ 　　　　／　　　　
　　　　/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
　　　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　
.　　　　＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　
.　　　　　 ＼ ／＿＿＿ ／

───────────────────────────────
　彼女は一匹狼な面があったからね…良くも悪くも目立った存在だった。
───────────────────────────────
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,.．-‐=＝≡ニ≡＝=‐- ｡.,
　　　　　　　　 　 　 　 ,ｘ≪f圭圭圭圭圭广卞寸圭圭≧ｘ.、
　　　　　　　　　 　 ,ｨ升f＞"´￣￣￣￣/　　　　｀守圭圭ミ)
　　　　　　　 　 ,イf圭／／ 　 　 　／,.ｲ　　　 ＼ 　｀ マ少<
　　　　　　　　〈f圭ア／ /　/　 ／ ／八　　 ヽ 　ヽ　　ヽ　ヾヽ
　　 　 ,γ⌒ヽ　Y´　／/　/　〃／／ 　ヽ　　 |　　| 　 　 ＼ﾉﾉ
　　　　/―=ﾐ、 ＼〃　′ i　/ /＿＿＿　i　　 ! 　 |　　　;. ヾ,
　　 　 { r=ﾐｘ､` 　 ＼/　　jﾌ厂 　＿_　　｀|　　j　　　 ;.　　　　;
　　　 　`'≪巛＼　　ヽ　　|ム=＝ﾐ、 `　　| 　ハ 　,i!　;. 　 |　i|
　　厂ヾ＼ ｀ヾﾐｘヽ　 　＼j　ん､_℃ Y　　 ! /　 ｢ 刈　　 　l　ﾘ
　　＼　 ＼ヽ、 ｀ヾ､　 　 ￤ ゝ― '　　　　j/ ぇ､!/ ﾊｉ　;
　　　　ヽ、 ヾ廴＿い　 　！ 　 """　　　 　んﾟ }' / ﾘ　〕　′
　 ＿＿_ハ 　 }＼＿ﾉ　}__人　 　、　　 　 　ゝ'　 / /　/| /
〃, -―-ゾ　 ﾘヾ辷彡ｲ ＼　　　 　 一　 　""　/ｲ ／ ﾉﾞ─────────────────────────────
〈（　　　 　ー '_,.斗=ミF＝ミ＼　　　　　　　 　 ｲ ≠ニ7　　　僕は何回か、試験の伴奏を彼女にやってもらったことがあるんだ。
　ヾ 　 　 　 /　　　　 ヾ､ 　 》介、 ――=ァ彡≪＿＿_）
ヽ　}＿＿／　　　　　　} }ヽ《/〈　≫ヽ　 〈r≪⌒￣￣　　　　　彼女は快く引き受けてくれた。
　У　ヘ　　　　　　　　| |　,ヾr≪ヽ 　} 　 ゝ__＞'⌒)
　　||　　 ヽ　　　　　} / /,/ 尺ｧ＜｀ﾞ'＜￣㌃　/⌒′　　　　…丁寧なピアノで、真摯な姿勢が伝わってくる音だった。　
　　||　　 　 ＼ 　 　{/ノ　|　＼＼ ｀ﾞヽ　｀>廴_,乂r～⌒ヽ─────────────────────────────
　 /=ミｘ､　　　ー　（´　　乂＿ゝ ＼ 　V　 _＞～'⌒ヽ 　}　　　
／　 　 ヾ 、　　　 　ヽ　　 　 八＼　＼/￣　　　　　　 ソ
　　　 　 ﾉ }＿＿＿／　　　　　　ヾヽ 　＼
ヽ　　／ﾞz┘　　　 　 　 　 　 ＝⇒ハ＿ 　〉
　|／/＼{　　　　　　　　　　　　 〃 　　 厂
ノ　∧`< ＼　 　 　 　 　 　 ＝≠　　　 ′
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. /:::::::::::::｀ｰ-＝=‐- 　＿/ ﾊ-‐≦

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けれど、技術先行の創造力がないピアノだ、と陰口をたたかれてもいた。

…それがどれだけ大変なことか、わからないやつはいる。…いや、分かっていたから

そんなことを言うんだろうな。悲しいけど。

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ある日、彼女はとある試験で

「楽譜から切り取った音符を、ピアノへ貼り付けているだけだ」と、先生に言われた。

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　　　　　　　　　　　　　 |/ -フヽ=/// | /　　　 / ／__,.-'´　 　 　　　/､
　　　　　　　　　　　　 r-―-r､/- / ヽl |　/　 / / ／ ｀ヽx　 ,...　/ ノ　ヽ
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　　　　　　　　　　　{-――- ､_　　ヾヽ､l .l　/ |l弋__y'　ﾚ´　　__｀,>/　/ |
　　　　　　　　　　　 /￣￣ヽ､ ＼　 }ヽ-ヽl |　 ,,,,　　　　　　 ,-､ イ/ /l |
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　　　　　　　　　　　 ｀ー--=､　　 } ____|____ ､　　　 ヽ､_　´　　／-'´/
　　　　　　　　,r ´￣＞-､_____)　 /{￣￣｀ヽ､,.>---､_　 　 _ノ　ヽ
　　　　　　　　|/　/―-- ､_二ﾉ'´ _}ニニr'//　　　　 ヽ￣/￣　ノ r-､_
　　　　　　　　v　|　　　　　　　 ,/　　　　.//　　,　　　　V/ r-／ / ／
　　　　　　　　 ヽ|　　　　　　 r /　　　　//　　/　　　　＼-イ　, ／
　　　　　　　　　　ヽ　　　　 / /　　　　/::{　 /　　　　　　　＼ l <___,..r--､
　　　　　　　　　　　　　　　/ l:|　　　　ヽ:ヽ /　　　,　　　　　　}￣￣｀ヽ､ }
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　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　ﾞ､　　　　 　ヽ　　/,,イ O　____|　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　 ,､　　　　　　 ヽ t　,r｀' ´　　ヽ　　/
　　　　　　　　　　　　　　　 /ー,l　＼　　　　　 ーl　　　　　 ヽ /
　　　　　　　　　　　　　　　 |｀ー,r―――r-r――､　,. - ' ´_￣/
　　　　　　　　　　　　　　 r--､___{二二二二二二}<´,. -'´ i　 ,∧
　　　　　　　　　　　　　　 へ　　 ||　　　　　| |　　　 ヽ　　　|　 |　＼
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どこから学生に漏れたのか･･･。この話が大学内に広まってね、

いつしか彼女は「コピペのピアニスト」といわれるようになってしまった。

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	183 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:37:07 ID:2zbwEZVU きっつい論評だなぁ・・・「コピペ」だなんて

　　　　　　　　　　　　　／　 　 ＼:＼_　　　、　　　 　　/　／∠/ -ー￣
　　　　　　　 　 　 　 　 ｀＼ 　 　 ＼　　　　　　　　　／／,　 ／／
　　 　 　 　 　 ,　､ ／￣ ｀　、＼　　＼　　　 ＿ 　／´ ／／／　　　-―
　　　　　　 　 | 　 | ＞-　、　＼::＼_丿 ＞　＿　 　イ　,f ／ 　 ／ - ―
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　　　　　　　　ﾉ _ ノ :＼:ﾐ　　/　　　 ,　-― ￣,｀ ＼／　, - ､ 　 , ／ ￣
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　｀ｰ　´　　　/　 /　 　 | 　 i　　／　 ,　-　ﾌ￣/ |　　|　 i　　i　　＼_
　　　　　　　ヽ /　　　　|　 ｌ ／　／　　　/　 /　 | 　 l　　i　　i
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あるとき　　腱鞘炎を患って海外へ行くチャンスを逃した、と聞いた。

彼女の大きな手が、壊れてしまったなんて。　　どれだけ無念だっただろうか。

──────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　　　,.⌒ヽ　　　　　 γ⌒ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　〈　●ﾉ,＼　　　 人　● 〉　　　　それから、彼女とは連絡もとれず・・・今に至るわけだけど。
　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ彡'　　ヽ　/　 　ヾ_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　　　Y　　　 （
　　　　　　　　　　　　　　　 ／γ⌒　 　　　⌒ヽ＼　　　　…学生オケで協奏曲を弾くなんて…。
　　　　　　　　　　　　　　 /　　|　　　　　　　　　|　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 |　　 ヽ＿＿人＿＿ノ　　 |　　　僕は楽しみで、今日はｗｋｔｋしてここに来たんだよ。
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　、`ー'´, 　　　／
　　　　　　　　　　　　　　 ＿_>　　　　　　　　　 <＿
　　　　　　　　　　＿ー￣　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　 /　　　＿ー/　　　　　　　　　　　/　 , ｝
　　　　　　　　i　　　<、／　　　　　　　　　　　／ ／
　　　　　　　　 ＼　／　　　　　　　　　　　 ／-￣
　　　　　　　　　　｛　 　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　 ｛　　　　　　　　　　 ｛
　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　＼

	221 名前なんて無いだろ 2011/09/26(月) 00:18:14 ID:/bFV/OWM >>182 真面目な話で、そのポーズやめろｗ

　　　　　 ,.⌒ヽ　　　　　 γ⌒ ヽ
　　　　　〈 ー ﾉ＼　　　／＼ー　〉
　　　　　 ヽ彡'　　ヽ　/　 　ヾ_ノ
.　　　　　　）　　　　Y　　　 （
　　　　 ／γ⌒　 　　　⌒ヽ＼　　　　　
.　　　 /　　|　　　　　　　　　|　 ヽ
.　　　 |　　 ヽ＿＿人＿＿ノ　　 |　　　……チャイコフスキーのコンチェルト、見事なピアノだったね。
　　　　＼　　　　 `ー'´ 　　　　／
　　　　/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　あのころとはまるで別人のようだ、驚いたよ。
　　　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.　　　　＼　“　　／＿＿|　 |
.　　　　　 ＼ ／＿＿＿ ／









　　　　　 ,.⌒ヽ　　　　　 γ⌒ ヽ
　　　　　〈 ー ﾉ＼　　　／＼●　〉
　　　　　 ヽ彡'　　ヽ　/　 　ヾ_ノ
.　　　　　　）　　　　Y　　　 （
　　　　 ／γ⌒　 　　　⌒ヽ＼　　　　彼女の弾く、メロディの一瞬一瞬。
.　　　 /　　|　　　　　　　　　|　 ヽ
.　　　 |　　 ヽ＿＿人＿＿ノ　　 |　　　あの瞬間、僕らはピアノに魅せられていた。
　　　　＼　　　　 `ー'´ 　　　　／
　　　　/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　客席も、指揮者も、オーケストラも。
　　　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.　　　　＼　“　　／＿＿|　 |
.　　　　　 ＼ ／＿＿＿ ／

─────────────────────────────────────────────────────────
　　　　　　　　　　　　　　　　　__　-====z_
　　　　　　　　　　　　　　　　　,. ＞──　≧xヽヾ　　　＿＿__
　　　　　　　　　　　　-==≦＿＿＿,. -　 ￣｀`　 ＞':ﾆ-─--zY
　　　　　　　　　　　　　　　　　-=ﾆ　‐ ' ´　 　 ィ＞'´ 　 ,. 　　　 ト､
　　　　　　　　 　 　 　 -==＝≦ 　　　__,. x- , y　/　／ ／/.／ ∨ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／＜￣-=彡'〃.'/ i 〃／7ィ / ,ﾆヽ!　}ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 〃　　　　　　, ､r={) j! {/ﾋテ`|/　 =ﾐ j./ ﾘヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィヽ<　 ∧}) ﾄ､|l ﾞﾞﾞﾞﾞ　 　 ､ ﾞﾞﾑｲ.' ｲ"'ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 r<ﾍ＞t､　ヽヽ,ハヽﾍ　　　ー一　 ｲ 　/　 ＿>
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,-､_ヽtﾊ==彳￣￣｀r:､ ＞'　　　_｀／ィ ./ ／ヽヽ/＼
　　　　　　　　　　　　　　{(　＞x__ﾉ　　＿,. イ 　 ∧￣￣|　i一'" 7"'ヽ ＞'"　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 ヾ　　　　　/　　 　 t,_　　|iヾ.　|　 ￣i 〃　ﾊ　　 .／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {_. ￣ヽ　　　 /:j　＼ﾏ 　 ノ ヾ　 ﾊ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/￣`ヽ ,j 　 ﾄ':ｲ　　　＼y. 　 　 ＼八
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　, ' ￣ヽ.ｨ--t=' 　　　　　　　ヽ　 　 　 ﾏ´　　　「彼女のピアノにオーケストラが魅せられて、楽器たちが集う。
　　　　　　　　　　　　　　　 _＞'´　　　／　　∧　t　 　 　 　 　 }　　　　ハ
　　　　　　　　　　　　 _＞'´　　　　 ／　　　 　 ﾏ　　　　　　　ノ　　　 　ノ
　　　　 　 ＿__,＞ ' ´　 　 　 　 ＜　　　　　　　 ﾏ　 ≫--＜::::i:i＞-i＜　　　　　　　　　　　それはまるで、龍に雲が集まって、
　　 　 　 r!_　　　 　 　 　 ＜　　 　 　 　 　 　 　 ∨::::::::::::----||─:i
　　　r＜:::::::ヽ､　　 ／　　　　　　　　　　　　 　 　 }::::::::::::l:l:::::::::l|::::::|　　　　　　　　　
r-- '. -y-K:::/　￣　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,.ｲ:::::::::::::l:l:::::::::l|:::::|　　　　　　　　　　　音の嵐を生み出しているかのようだ。」　　　　　
..￣.i./ﾄ､!　{./　　　　　　　　　　　　　　　　　 ィ＞ｘ:::::::::::::l:l:::::::::l|::::∧
..　 ｨ〝　 〝　　　 　　　　　　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::＞ｘ:::::::::::j:l::／::::ヽ､
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,.イ::::::::::::::::::::／::::::::::::::＞-<:::::::ﾍ::::::ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　＿,. -- 彳:::::::::::::::,::':::::/:::::::::::::::;:::::::i:::::::',::::::::ﾍ:::::::ヽ::＼
　　　　　　　　　　　　　 ∨::{=-z_:::::::::::::::／::::〃:::::::::::::::/::::::::l:::::::::',:::::::::ﾍ:::::::::ヽ::::y
　　　　　　　　　　　 　 　 `-＜＞z_,ヽ::'::::::::/::::r '{::::::::/::::::::::l::::::::::::i:::::::::::ﾍ::::::::::ﾍ'
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 <::::::::::〃-'　 ト-x'::::::::::::,':::::::::::::}::::::::::::::ヽ＜７
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＞.r '　　　 　 ):::::::::::::/-＜`７＿＿＿__i
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　 　 　 .7--- ∧ 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |.＜￣≧:ｘ. ,' 　 　 .ハ　　　,..---i
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : 7　　　　　 ',,イ: : : : : : i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ'ヾ: : : : : :7　　　　　 ∧: : : : : : : :l
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　　 ,.⌒ヽ　　　　　 γ⌒ ヽ
　　〈●　ﾉ＼　　　人　●　〉
　　 ヽ彡'　　ヽ　/　 ヾ___ノ
.　　　）　　　　Y　　　 （
　 ／γ⌒　 　　　⌒ヽ＼
. /　　|　　　　　　　　　|　 ヽ　　　君は、どんなふうに聴こえた？
. |　　 ヽ＿＿人＿＿ノ　　 |
　＼　　　　 `ー'´ 　　　　／
　　/　　　　　　　　　　 く　　
　　|　　　　 　　　　　　.　＼
　　|　　　　　　　　　　.　|ヽ、二⌒)

　　　　　　　　　　　　　　　 -‐‐-
　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　 /　.:.:.::::::::::::::::.:.:.　 ﾞ
　　　　　　　　　　　;　.:.:.:::::::::::::::::::::.:.:.　　　　　　　
　　　　　　 　 　 　 {　:.:.:::::::::::::::::::::::.:.:　　}
　　　　　　　　　 　 ＼　:.:::::::::::::::::::::.　 ／　　　　　やる夫は…涙の音が聴こえたお
　　　　　 　 　 　 　 　 >　::::::::::::::::::　<
　　 　 　 　 　 　 　 ／　.:.::::::::::::::::::::.:　ヽ　　　　　
　　　　　　　 　 　 /　　.:.::::::::::::::::::::::.:　　'　　　　　
　　　　　　　　 　./　　.:.:.::::::::::::::::::::::::.:.　　､
　　　　　　　　　/　:;　:.:.:::::::::::::::::::::::::.:.　 l　＼　　　　　　
　　　　　　　　　　:.:l　:.:.::::::::::::::::::::::::.:.:.　　､　 ＼
　　　　　　　　 　 :.:|　:.:.:::::::::::::::::::::::::::.:.　｜＼ 　 }

　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　 ／　　　　　 ―――　　　　　　　　　　　　――― ＼
　　　　　　　／　　　　　　　 　 ＿　　　　　　　　　　　　　　　 ＿　　 ＼
　　　　　 ／　 　 　 　 　 /´ ,..::::::::::.ヽ ヽ　　 　 　　　　/´ ,..:::::::::::.ヽ ヽ ＼
　　　　／　　　　　　　　,'　 ,;::::::::::::::::::',　',　　　　　　　,'　 ,;:::::::::::::::::::',　',　＼
　　 ／　　　　　　　　　 {　 {:::::::::::::::::::::}　}　　　　　 　 {　 {::::::::::::::::::::::}　｝　　＼
　／　　　　　　　　　　　'、 ヽ::::::::::::::／ /　　　　　　　 '、 ヽ::::::::::::::／ /　 　 　 ＼
　|　　　　　　　　　　　　(;;;;;;;;;;）)￣　／ 　 　 　 |　　　　 ＼　 ￣　　　　　　　　　 |
　|　　　　　　　　　 　 ／'　　 　 　 /　 　 　 　 ∧　　　　　 ',　　　　 　 　 　 　 　 |
　|　　　　　　　　　　｛{　　　 　 　 ｛　 　 　 　 /　ヽ　　　　　｝　　 　 　 　 　 　 　 |　
　|　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　 ヽ＿＿_／ ＿_ ＼＿＿_ﾉ　　　　　　　　　 　 ｜
　＼　　　　　　　　　　人　　　　　　　 ヽ　　 ´　 　 ｀　　'　　　　　　　　　　　　 ／ 　　　…先生のピアノから涙が落ちる音がしたお。
　　 ＼ 　 　 　 　 　 （ し.）　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　
　　　　＼　　　　　　　｀¨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　
　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼ 　 　
　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ 　
／￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　 ≦三ｯ．　　 __　　　　 　 　 　 ／し　　　　　　　　　　　　　 ナｰ'¨
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＞'"￣´＼　　　　.寸三三≧=|/／>＿　 　 ,ｨｖﾝ'´　　 　 　 ,ﾊ 　 　 　 　 　 /
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /゛　 　 　ﾍ　ヽ,　　　　 ゞ===＝Q-‐'" く、　 / /　 　 　 　 ／ / 　 　 　 　 ／　　 _,,　ｰ''"
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 { l　l i 　 .} |. ＼｀¨ﾆ==ｯ＿　　くハ｀>,ハ㍉ / （　 　　.,..-'"゛　 ヽ＿＿．＜,,　‐''"゛
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘrヘ＼ /,ﾊ_＼ヽ=ﾆﾆフ ∠　　 　 アｲ ヽ_/　 てｨ‐'´　　　　　　 _,,　‐''"゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞｔ∠7{＿＼¨>.)7,／￣)./ 　 ＿/ 　 ﾆン　　　　　　　　,,,　‐''"　　　<≧x。　_,,,,..　-ｰ…
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／¨〈,ｿ ｲ_＜_廴ﾅﾆ=寸 ﾘ 　 ./　　／　　　　 　 ._,,　‐'"゛　　　　 _,,,.　ﾏﾑx。≧x。_
￣￣¨ｌ　　　　 　 　 　 　 ／　　　|i|　／"ﾏi ﾘ ＼ ｿ　 ｧしｲ ／ 　　　 _,, -'''｀゛　　　　　　''''"゛　＿__ﾏﾊ/7/7/| |
/7/7/l|　　　　 　 　 　 ノ 　 　 　 ﾏ 　 /　ﾏi　　 ）　 / ／　　　　 '"´　 　 　 　 　 　 　 　 　 「l/7l/7ﾏﾊ7/7/|｜
ﾏ/7/7l|　　 　 　 　 　 .＼　　　＿./__厶__ｲ/　.,i＞ィゞ゛　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿__l.l/7l/7liﾏﾊ/7/.|｜＿＿
. ﾏ/7/l.l　　　　　　 　 　 .｀'-ｲ´,ィﾑ::ｌ:::::::ﾚﾍ√ _ｨ彡‐　　　_,,.,r寸7广￣　 　 　 　 　 　 　 　 |.l/7l/7l/ﾏﾊ/7 |｜
　 ﾏ/7 ﾑ　　 　 r──-t 　 . ﾊ　　ﾚ:::::/ 　ｨ≦'"　._.. -'''ﾞヽ、.| |i:i:i7　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |.l/7l/l./ .ﾏﾊ/7.| |
　　.ﾏ/7ﾑ.　　 　ﾏ/7/7l|　　　..l　 . V/／ 　 .､-'"゛ ヽ　　　 |_l |i:i7　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |.l/7l// 　 ﾏﾊ/.l｜
　 　 ﾏ/ハ　　 　 ﾏ/7/l.|　　...,ﾉ__／　 .,,／勺＼　 　 ｀＞仁ト|.li7　　./l|　　　　　　　　　　　 |.l/7l./　 　/ ¨¨ /
　　　 |/7 l　　　　 ﾏ/7/l!　.../¨　,..-'"　 || ‐-ヾ=｀￣¨¨7　㍉ ﾄ ハ　//l|　　　　　　　　　　　 |.l/l./　 　ｲ　　 /
.　 　　|＿|　　　 　 ﾏ/7 |　./_xイ　 　 　 ヾ=　　＼ 　 /　 　 ｌ,_i.Ｅﾉ///l|　　　　　　 　 　 　 /¨¨/ 　 　｛　　ｲ
　　　　|i:i:i|　　　　　 {/7 l_ｨへ./　　　 　 　 　 ＿＿≧{　　　　ト"|) V/il|　　　　　　　　　　/ 　/ 　　　 l　　{
　　　　ｌ玄|］　　　　　ゝ.仁ニﾆ｝ 　 　 　 　 ／　｀'-<゛ 　 　 　 |　l7..V/l|　　　　　　　　　/_　/ 　 ＿　 l　　l㍉
、　　　.li:i:il　　 　 　 　 ト、　 ル-‐‐‐- _／ヽ　　 　ﾊ、　 　 　 !　|　.V:l}　　　 「¨〉　　　.|i:i:||　　　V |　 ｌ　llﾊ||
.ｌ,　　　 .ｌ　.!　　 　 　 ((|心￣　∨ 　　　 !　　ヽ､／i:i:i:ヽ　　 　 |　| . (!│　　　.|V　　 　 l玄l))　　　V!　 .ｌ Ｅ0!
.ﾑ　　　│ .! 　 　 　 　 |i:i:|　 　 .l._xr=‐-|　 　　Vi:i:i:i:i:i:ヽ　　　.|　|　..|ｮ|.　　　 | |　　 　 li:i:|l　　　　(l |　　!i:i:i:|)
..ﾑ　　　 .l　.!　　　　　　|　|　 　 .∨i:i:i:i:i:i|　　　　ヽi:i:i:i:i:i:ヽ　　 .l │ .|i:|　　 　 |:!)　　　.l　 l　　　　　|.|　　 !　　!
　.ﾑ　　　 ｌ　ｌ　　　　 　 !　!　　　 ヽi:i:i:i:i:i:|　　　　　ヽi:i:i:i:i:i:＼　| .,! . ! |　　　　|.! 　 　 |　 !　　　　　.!.!　　 .!　　!
、　ﾑ　 　 l　.!　　　　　 |　|　　　　..ｌi:i:i:i:i:i:l　　　　　 l7＼i:i:i:i:ﾉﾊ.| .l　| |　　　　.!| 　 　 !　.l　　　　　 .!,!　　　!　　!
ﾏ.　 ﾑ　　 .!　ｌ　　　　　 ! .,!　　　　 .ｌi:i:i:i:i:i!　 　 　 　||　 '√///∧| .lﾞ.|　 　 　.|,!　 　 l　 !　　　　　 .|.!＿＿_ｌ　　!¨¨
__ﾏ　 ﾑ＿|_.!　l＿＿_|__.l　|　　　　　 .ｌi:i:i:i:i:ヽ　　 　 .||　 　＼////ｌ_.| |＿＿_|_|.|＿__.l　 l ‐.'''''""`¨ ,!|　　　 .｝　 .ｌ
　 ﾏ　 ﾑ　　 !　ｌ　　　 ´ ! .|.￣￣￣　i㍉i:／ !￣￣¨「!￣￣ .V///｝.! !　　　　.|.|　　│ .|　　　　　　￣　　　　ｌ　　ｌ
　　ﾏ　 ﾑ　　|　l.　 　 　 | .|　　　　 　 .!////i｝　　　　　　　　　V//',l. !　　　　￣　　.!　.!　　　　　　　　　　　　ｌ　　ｌ
　　 .ﾏ　 ﾑ 　.l　ｌ　　 　 .| .|　　　　　　 ｌ////!　　　　　　　　　　V/∧.|　　 　 　 　 │ .lﾞ　　　　　　　　　　　　 |　　ｌ


「それはとっても美しくて、暖かで…。あれが“ピアニスト”の音なんだ、と思ったお」

　　　　　 ,.⌒ヽ　　　　　 γ⌒ ヽ
　　　　　〈 ● ﾉ＼　　　／＼●　〉
　　　　　 ヽ彡'　　ヽ　/　 　ヾ_ノ
.　　　　　　）　　　　Y　　　 （
　　　　 ／γ⌒　 　　　⌒ヽ＼
.　　　 /　　|　　　　　　　　　|　 ヽ　　　　そうか……
.　　　 |　　 ヽ＿＿人＿＿ノ　　 |　　　
　　　　＼　　　　 `ー'´ 　　　　／　　　　
　　 　 /⌒ヽ　　　ー‐ 　　　ｨヽ　　　　　　
　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　　　|　　　　 ……先生の言うことをしっかり守って練習しなさい。
　　　/　 　 　／　r─--⊃、　　|
　　　|　　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　 |　　　　彼女によろしく伝えておいてね。












　　　　　　　　　　　 　 　 　 □
　　　　　　　　　　　　　　　 ┌─┐
　　　　　　　　　　　　　　　 └─┘
　　　　　　　　　　　　　　　┌───┐
　　　　　　　　　　　　　　　└───┘
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┌─────┐
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┌┼─────┼──┐
　 　 　 　 　 　 　 　 　 │└─────┘　 　 │
　 　 　 　 　 　 　 ┌─┼─────────┼───┐
　 　 　 　 　 　 　 │　 └─────────┘　 　 　 │
　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　 　 　 　 　 　 　 └───────────────┘

　　　　　　　 /:::/::::::::/:::::/:::::::::::::ﾞ.:::::::::',::::::::ヽヽ.
　　　　　　　/:::i::::::::::!:::::::i:::::::::::::::::|:::::::::::i::::::::::ﾞ.::::.
　　　　　　 ,:::::i::::::::::|:::::::|:::::::::::::::::::|:::::::::::|:::::::::::ﾔ::i
　　　　　　,::::::i::::::::::|:::::::|::::::::::::::::::::|:::::::::::|::::::::::::|:::::!
　　　　 　 i:::::|:::::::::::|:::::::|:::::::::::::::::::::|::::::::::|:::::::::::::|:::::!
　　　　　 i:::!::|:::::::::::|r‐-ﾄ､-──‐-!ｨ─:.|:::::::::::::|:::::!.　　　　　ピアノの道がどれだけいばらの道か、たとえ結果がどうなろうとも、
　　 　 　 |::|:::|:::::::::::|　　__､　 　 　 ,__ 　 ,||:::::::::::::|:::i::!.
　　　　　,:::ｲ::|_:::::::::|ヾ＝''′　　　ヾ＝''ｲ|::::::::::::::|::::|!:､　　　　あの子は後悔しないだろうし
　　　　　j:::ﾙ:::|::｀:ﾔ. 　　　　　､　　　　 └-‐:=:i"::::|ﾞ::i.
　　　　 /::j |::::|:::::::|::.､　　　　＿　　　　　.|:::::::::::|:::::::|ﾔ::i.　　　あの子が自分で選んだ道ですから、
　　　　 |::'　|:::|::::::::|:::::ヽ　 　 `　`　 　 ／|:::::::::::|:::::::| ﾞ::::i　　　私は精いっぱい応援したいと思います。
　　　　|/　 |:::|::::::::|::::::::::｀ﾄ .　　　 ,. : "|:::j::::::::::::|:::::::|　!:::i
　　　　|! 　.|:::|::::::::|:::::,.ｲ､:|　　｀ ´　 ,.ｨﾄ/|::::::::::::|:::::::|　l::::i
　　 　 !|　 |::::|::::::::|ｨ"　ﾞ. ﾔ　　　 ／／　|::::::::::::|::::::::|　|::::i
　　　 |::!　_!:,.|:::::::::|　　 .i　∨ ／,／　　 |:::::::::::::|ヽﾄ､!　|::::i
　　　 |:ｨ´ 　 i:::::::::|　 　 i　　〉.／　　　　|:::::::::::::|　　 ｀ヽ､::!









　　　　　　　　　　　　　　　 　 ...:::::::::::::::`"::::::::..､
　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　 ／／:::::/::::/:::::::::',:::::::::､:::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　　　 /:::/::::::::/:::::/:::::::::::::ﾞ.:::::::::',::::::::ヽヽ.
　　　　　　　　　　　　/:::i::::::::::!::::::i::::::::::::::::::|:::::::::::i::::::::::ﾞ.::::.
　　　　　　　　　　　 ,:::::i::::::::::|:::::::|:::::::::::::::::::|:::::::::::|:::::::::::ﾔ::i
　　　　　　　　　　　,::::::i::::::::::|:::::::|::::::::::::::::::::|:::::::::::|::::::::::::|:::::!
　　　　　　　　　 　 i:::::|:::::::::::|:::::::|:::::::::::::::::::::|::::::::::|:::::::::::::|:::::!
　　　　　　　　　　 i:::!::|:::::::::::|r‐-ﾄ､-──‐-!ｨ─:..|:::::::::::::|:::::!.
　　　　　　　 　 　 |::|:::|:::::::::::| !｡V::.ｿ　 　 　 V::..ｿﾟ|:::::::::::::|:::i::!.
　　　　　　　　　　,:::ｲ::|_:::::::::|ﾞ ー "　　　　　`ー:ｲ.|::::::::::::::|::::|!:､　
　　　　　　　　　　j:::ﾙ:::|::｀:ﾔ. 　　　　　､　　　　 .└-‐:=:i"::::|ﾞ::i.
　　　　　　　　　 /::j |::::|:::::::|::.､ 　 　　　　 　 　 　 |:::::::::::|:::::::|ﾔ::i.　　　あの子に道を示して下さって、ありがとうございます。
　　　　　　　　　 |::'　|:::|::::::::|:::::ヽ.　　`　　´ 　　／|:::::::::::|:::::::| ﾞ::::i
　　　　　　　　　|/　 |:::|::::::::|::::::::::｀ﾄ .　　　 ,. : "|:::j::::::::::::|:::::::|　!:::i　　　　ご指導のほど、よろしくお願いします。先生。
　　　　　　　　　|! 　.|:::|::::::::|:::::,.ｲ､:|.　 ｀ ´　　,ｨﾄ/|::::::::::::|:::::::|　l::::i　
　　　　　　　 　 !|　 |::::|::::::::|ｨ"　ﾞ. ﾄ.　　　 ／／　|:::::::::::::|:::::::|　|::::i
　　　　　　　　 |::!　_!:,.|:::::::::|.　　 i　∨ ／,／　　 |:::::::::::::|ヽﾄ､!　|::::i
　　　　　　　　 |:ｨ´ 　 i:::::::::|.　　　i　 ヾ.／　　 　.|:::::::::::::|　　 ｀ヽ､::!
　　　　　　　　/ .i　　 |:::::::::|　　　 ﾞﾔ／　　　　,/'|:::::::::::::|　　　　 ,ヽ!
　　　　　　　 /　 | 　 |::::::::::|　　　 ／　　 　　/　 |:::::::::::::|　　　 〃　 ﾞ:.
　　　　　　　/　　i　 i::::::::::::|　　／　　　 　 / 　 .|::::::::::::::|　　 /'　　　i ﾞ.
　　　　　　 /　 ! .i　 |:::::::::::|ﾞi./'　　　　　 /　　　.|::::::::::::::|　 //　　　 |　ﾞ.

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　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶
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　　　　　　　　　　|;:　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　｀`ヽ　丶
　　　　　　　　　 |;_　 　, '　　　　　　　 　 　 　 .,　'　　　　　　 i　::::’
　　　　　　　　 弋､㍉./　　.　　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　　;:::.　::
　　　　　　　　ｒ-ヾ刈.{.　　.　　 .　 　 　 　 ´　　　　　 　 　 　 λ　.:::i
　　　　　　　　廴._t.　'ﾋ､ ,　　 .　　　　　'　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ i.:.:　 i
　　　 　 .　＝=彡( ~ヽi､ﾞ.i　　.'　　 　　'　　　　　　´　 　//　/　 ::::: 　:.
　　　　/ ;´｀: .　　.ゞ__.ﾉ;`'.　 .|　　 　 '　　　　 　.;　 　 / / /　　 ::::　.::::}ヽ.
　　　/　i　__,..=彡ソ　(｀ヽi､　|　　　 '　　　.' 　 ﾒ　　./ / /　‐ '/:::　 ::丿　}
　　/:　　{⌒ヽ~:´ . :ヽヽ　　i　|　 　 i　　 / ／,'___../, //　 _　/ .':　　:::::: ∧
. ｒ-',　: 　i　　 ヽ: . 　::} }≧-､;ヽ　　 |　 /,ﾅ''Τ／ 　/ 　　f',´ ,　　,　::／　ﾞ.　　　　　　……
│!iヽ　　ヽ　　 } :　 :::斤￣!. ＼ヽ　 |　, ' ､._i/ .__彡 　　　l　ヽー´ ‐´/　　.}
│i! ヽ.　　 ＼ ﾉ／ ::丿　　|　 　＼　!/､　 ﾟ､￣ ､､. 　　／　　 |.:.: ..／　　 /｀ヽ　　　　私だって、やる夫君に出会えたから
. ｀､　　ゝ､___　　 ／　　　　|　　　　＼{.　 ‐- ....＿, 　　　　　　!ゝ..__ .　／｀ヽ. ﾞ．
　　ヽ　 ヽ､_ }￣ i　　　　__...＞ ~￣~ﾞ`ゝ, --､／　　￣~ﾞﾞﾞヽ 　 丶　　　　　　}　;　　　あの演奏ができたんです…
　　 　 ー‐ ' ;　　ヽ　:　 ,　　　　　　　　　i　　　　　　　　　 |.　　　ヽ　　　　ノ-'
　　　　　　 ﾉ::　　 　;: 　|　　　　　　　　　| ;　ゝ　　 　 　 　.|　 　/丿:;
　　　　,ｒ‐'　　:. 　　i:: 　|　　　　　　　　.,　　　卜　 　 　 　 |　∨ .f:::
　　　　ﾏ　 　 　 　 !:: 　 i　　　　　__...=＝＝　 |=ゝ ..＿__.,'　　 ’~ ﾞ.
　　　　　ﾐ＼____　 i:::: 　 ゝ=＝‐ ´ |　 |　 　|　 |　　　　　　　　　}　 ﾞ､
　　　　　 ヽー{　｀|::::: .　　 　 　 　 |　 |　 　.i　 i　　　　　　　　 .'
　　　　　　　　|　ヽ:::: 　 　 　 　 　 |　 |　　　i　 i　　　　 　 　 /
　　 　 　 　 　 ! 　丶::.　　　　　 　 | 　|　　　 i　 i　　　　　 ., '
　　　　　　　　 !　　丶　　　　　　　ー‐　　　　i　　　... -‐ ’

　　　　　　　　　　　　　　　　　　_..．　'' ´￣￣ `''ー-,_
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 , 　'　 　 　 　 　 　 　 　 i　｀ﾞ丶
　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　/　　 　 　 　 /　丶　 ｀ヽ
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　　　　　　　　,ﾍ_' /　 .::; 　__.,;斗-‐'／　/／　 `ー‐--l､lヽ　i :i　　 ﾚｶr､
　　　　　　　　| {∨　　i:{　´/ 　 |,／ 　／　　　　　　　 |/｀ヽ |::|　　|,' /!|
　　　　　　　 ｨﾄﾍ|　　 |:|　 /　__.!__‐ ､　　 　 　 　-‐___ﾘ_　 ヽ;::|　　|'///
　　　　　　　　什ﾞ{ 　　|:| /,イｃ///}ﾞ 　 　 　 　 　 '{c///ﾞi㍉. ;/ 　.j》'.{
　　　　　　　　ﾍﾃﾍ　　i:{ {i　{;t';;;;ﾉ.i　　　　　　　　 i:'t;;;;ﾉ'.}　ﾞ./ 　./ｿﾍ;}
　　　　　 　 　　||､|ゝ　 ゝl 。C-‐ '　　　　.,　 　 　 ｀‐‐-つ /　／‐､ゝ,'
　　　　　　　　　ii }{　＼ ヽ.　､ ､ ､　　　　　　　　　　､ ､ ､ﾟ/.／/ヽ }｀´　　　　　　　　　　こちらこそ……よろしくお願いします……。
　　　　　　　　　 ゝヽ{´ i ＼ ､　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 /ｿ 丿ゝ._，-‐┐
　　　　　　/￣ﾞ`ヽﾉゝ_ゝi､　 ｀　　 　 　 ｰ　 -‐　 　 　 　 　 / .／ ／　　　　ヽ､
　　　　　/　　　　　　　｀ヽゝ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 , '~ゝ／　　　 　 　 ___ヽ
　　　　/¨　　..;__　　　　　　ヽ＞ .._　　　　　　　　　_..　 ´　 ／　.,　　　　_,　'__,.ノ
　　　　~｀`ヽ､.._ ｀ヽ､.._　　＼._〕 　　|　‐　 ... 　‐　|　　　　/　／　　 ／´~ ´　 _. -､
　　　　ｒ―- ､..__｀丶､._ヽ､ 　｀i　　　|　　　　　　　| 　　　 ( 〃　　／､__., -‐''´ 　　 i
　　　ノ二‐､_　　＼￣　｀ヽ., .ｨ'　 {￣￣￣ﾞ|´￣￣｀}　　　 ﾞヽ　, '　 ／　　　　　　　ﾞ､
　　/　　　　　ヽ　　＼-― '　＿..,}__　　 　│　　　__{..＿＿　ゝー／　 ., ' 　 　 　 　 ﾞ，
　　ゝ､~｀丶､_　　　　　ヽｒ::::::::::::::::::::≧::...._____..::≦:::::::::::::::::::::ﾞ!　 f､,.／　　_..，=＝＝,ﾉ
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どこまでできるかはわからない。私だって、まだまだ未熟者だ。

けれど、私の持っている全てを彼に伝えることが、私の運命のように感じた。

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十数年後。ポーランドにて。
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ピアノコンクールの最高峰、ショパン国際ピアノコンクールで、一人の青年が日本人初の優勝を果たす。
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コンクールのファイナルで、青年はショパンのピアノ協奏曲を弾き、
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その客席には、一人の女性の姿があった。
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コンクール後の優勝記者会見。
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世界中のメディアが注目する会見で、青年は次のように答えた。
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「私がこのような名誉ある賞へたどり着けたのは、ひとつの幸運があったからです。
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その幸運とは、幼いころ、私を“円環の理”へ……
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……失礼、私をピアノの道へ導いてくれた一人の女性と出会えたこと。」
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	197 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:45:52 ID:8o/Jzc.k 感染しとるぞｗｗｗｗ 198 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:45:53 ID:TN9U4J3c 素晴らしいが、業が深すぎですよマミさん…… 200 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:46:01 ID:d.gCjUxk おいwいらんもんまで引き継いでるぞwww	201 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:46:27 ID:v/My3AEA まさしく後継者だｗ 203 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:46:43 ID:p1.B8jIo どんだけしつこく説いたんだよｗ 205 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:50:14 ID:cl8x9Vxo くっそ潤んできてたのに吹いたｗｗｗｗ

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　　　　　　　　　　　　「この喜びを、客席にいた彼女に、伝えたいです。」
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「街角のピアノ教室から奇跡が生まれた」と　世界が２人を称賛するのはまだ、先の話。
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　 l 　 Vゝ=|　　　 ｌ斗/ｌl八　 l　　　__jl　 ﾘ　　 il
　 |　 　. 　 } 　 　 l　l　i|　_＼i　 　 ぅえ圷j　 .人 ,__　　　　　　　------------------------------------
　 ﾘlｉ　　　 j八　　 ',ﾘ,ｨfﾗ斥　　 　 弋ぅツ,'／^／　 ｀ヽ　　　　　　　　　龍となれ　 雲自づと来たる。
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以上で投下終了です。長丁場でしたが、お付き合い頂いた方
どうもありがとうございました。

このスレは、以上でおしまい（ティロ・フィナーレ）です。


読んでくださった方、支援絵を下さった方、まとめて下さった方、本当にありがとうございましたm(__)m

	207 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:51:37 ID:gg59uTtY 乙 うわあ、他の娘の番外編も見たくなるなホントｗ 208 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:52:02 ID:nBOYeB1M 乙でした マミさんの安価を取ってよかったと、これほど思ったことはない・・・！ 211 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:52:43 ID:jZtBkHeM 乙！ 感動した！ 円環の理は美味しすぎるｗ 213 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:53:11 ID:zl2iE5o. 凄い良い話でした。 お疲れ様です。 円環の理がかっこいいなって思えたのと、 タイトルの良さがなによりも引き立ったと思います。 214 名前なんて無いだろ 2011/09/25(日) 23:53:33 ID:zs0mec5s 乙ですた！ ･･･ここにまた一人、マミリッシュの後継者が生まれたのか 最後の最後まで素敵なお話をありがとうございました！ 219 名前なんて無いだろ 2011/09/26(月) 00:01:51 ID:CAMquRRg 乙！ マミさん視点のお話、堪能しました 面白かった！ 220 名前なんて無いだろ 2011/09/26(月) 00:10:57 ID:zRt2uYlQ 乙！ すごく面白かった！！マミさんの青春に泣いてしまったけど ラストが素敵すぎです…！素晴らしい話をありがとうございました！ 223 名前なんて無いだろ 2011/09/26(月) 00:24:46 ID:cmcpHvqk 乙 良いお話だった、良いスレでした しかし円環の理が海外にまで行くとはｗｗｗ 224 名前なんて無いだろ 2011/09/26(月) 00:26:13 ID:F9yiIANA 乙！ 泣けて笑えて、読後感が爽快だった！ 234 名前なんて無いだろ 2011/09/26(月) 08:22:26 ID:VFzUhpCA 乙 マミさんの挫折を知ってからまた読みなおすと マミさんの一言一言に重みがあって泣けました。いい話をありがとうございました 240 名前なんて無いだろ 2011/09/26(月) 17:58:13 ID:Mq8bK4Eo BRAVO おおぉ……BRAVO!! 254 名前なんて無いだろ 2011/09/27(火) 21:02:33 ID:ZbwShxBI 円環の理の破壊力パネェ 255 名前なんて無いだろ 2011/09/27(火) 21:04:09 ID:4pxxOYaw 世界のピアニスト業界で『円環の理』が音楽的表現として使われるのも夢じゃない	244 名前なんて無いだろ 2011/09/26(月) 21:02:44 ID:yro7Nk4I 最高の誕生日プレゼントでした！ 感謝という言葉しか出てきません。 245 ◆yzM14ky29E 2011/09/26(月) 23:18:55 ID:W853fOAE >>244 お誕生日おめでとうございます！ 感想コメントありがとうございます。嬉しいです！ マミさん番外編は色々と構想はしていたのですが、今の形に落ち着くまで時間がかかってしまいました。 直前まで手直ししてて、間に合うのかなと焦った番外編なので （杏子さんの盲導犬AAを直前で見つけて、急遽作り直したり、 「楽譜を切り取ってピアノに貼り付けている」という表現も、当日の朝にふと思いついたり） 無事、形になってよかったです。 今回引用した武者小路実篤の「龍となれ　雲自ずと来る」は 小池邦夫「龍となれ雲自ずと来る　武者小路実篤の画讃に学ぶ」　という本を参考にしました。 こちらは武者小路実篤の画集です。カラーで画が楽しめる素敵な本なのでお薦めです。 246 ◆yzM14ky29E 2011/09/26(月) 23:23:12 ID:W853fOAE 後半で名前を出したショパン国際ピアノコンクールは >>133の動画が実際のコンクールのステージです。（１９８０年のショパンコンクールのオープニング映像です） この動画の演奏はCDにもなっています。 また「ピアノの森」というマンガの舞台にもなっていますので、もし興味が湧いた方は読んでみて下さい。 このコンクールで優勝することは、サッカーのW杯で優勝するような、とってもすごいことなんです。 （まだ日本人は優勝したことがありません） 次のコンクール開催は２０１５年。このスレで描いた事が現実になってくれたらいいな。 まどか夫妻、ほむらさん、杏子さん、さやかさんのそれぞれの番外編エピソードも 機会があれば、いつかどこかで投下したいなと思います。 やる夫Ⅱ板で「やる夫のファイナルファンタジータクティクスアドバンス」というスレもやっているので そちらももしよかったら見て下さると嬉しいです。 それでは、このスレは後日にログ申請してきます。 短い間でしたが、お付き合いいただいてありがとうございました。