へヽ/'´ ￣￣ ` ﾍ へ
／ 〉 〉r-ｰ-《-‐､i...》 ＼ ググった検索結果は５００万件のイイ男です。
／ ／ソ| |,,＿ ＿,{|⌒＼ ＼
／ ／ 日 "ﾟ'` {"ﾟ｀lﾘ | ＼
／ / ﾄ.i ,__''_ ! | ＼ このスレは、隆慶一郎『死ぬことと見つけたり』をテキストに、
／ / ／ l＼ ー .ｲ|､ | ＼ 『葉隠』を読み解いていくやる夫スレだと思ってくれ。
/.､- ￣ヽ ヽ/ヘ￣ヘ / ` ---､ | ＼
/ ∨:::::::〈Ｈ〉::::∨ ヽ| ＼ 原作リスペクトですすめていくが、内容や解釈が異なる場合もある。
/ ヽ ./::::::::::| |:::::::| | i ＼ 作品の投下中は反応できないが、
/ | ／::::::::::::| |:::::::ヽ | | ＼ 突っこみはホイホイ大歓迎だ。
＿| _＿＿_|ﾉ:::::::::::::::::::| |::::::::::::ヽ＿ ! ＼ ＼
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＿_{］ |:::::::::::::::::::／￣´ |ヽ:::＝::ﾉ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_| ＼ では、いいかな？
｝ ヽ__,,-'|￣∥ -‐ ,r'ﾞ::::::::::l ＿ | ヽ、
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295 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:02:56.28 ID:F38wr9ko
∩＿＿＿∩
| ノ ヽ
/ ● ● | 龍造寺隆信は"肥前の熊"と恐れられた戦国大名だった。
| 彡( _●_)ミ
彡､ |∪| ､｀＼ それは急激に拡大した勢力だけでなく、他者を威圧し、
/ ＿＿ ヽノ /´> ) 従わない者は容赦しなかった人柄だったと伝わっている。
(＿＿＿） / (_／
| /
| ／＼ ＼ 敵だけでなく味方からも恐れられた人物。
| / ) ) ……とされている。
∪ （ ＼
＼＿)
【肥前大名 龍造寺隆信】
〃 i,
r' ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
! :l ,ﾘ|} |. }
. {. | ′ | } しかし、評価はそれだけではなかったことも確かだったんだ。
ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ ､=＝ﾆゞ< 豊臣秀吉からも、「隆信公は名将であった」と認められている。
!∩|.}. '__＿ﾞ` ./'_＿` f＾|
ｌ（( ﾞ′｀￣'" f::`￣' |l.|
. ヽ.ヽ {:. ｌﾘ 次のエピソードは、龍造寺が肥前を統一したころの話さ。
. }.iｰi ^ r' ,' 隆信公と直茂公のやりとりからどういう人かを想像してみて欲しい。
!| ヽ. ｰ=＝=- /
. ／} ＼ ｰ‐ ,ｲ
__/ ∥ . ヽ､＿!__／:::|＼
297 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:03:47.76 ID:F38wr9ko
（聞書３の３５）
『隆信公の威勢が天下に聞こえはじめたある冬の夜、ねぎらいの酒宴が開かれた。
Ｏ彡 。' Ｏ彡 Ｏ彡 。' ´⌒ﾞ⌒｀ヽ
．〇． Ｏ彡 o" 〇彡 o" 〇彡 ´⌒ﾞﾞ⌒⌒｀ﾞﾞヽヽ
． 。' ． Ｏ彡 。'．〇． Ｏ彡 ´⌒o" 〇．Ｏ彡 〇彡
o" 〇彡 o" γ（::: （::;;; o";;;;）::;;;ﾞﾞ）;;） 。'
Ｏ 。' こちらは積雪70ｾﾝﾁ… λ,,,,ﾞ:ﾞ:;;;;;,,,（::;;;;;;;;）;;;;;;:::）:::;;;;)
． Ｏ彡 明日は快晴の模様です ﾞﾞﾞヾ(,,;;;;ﾉゝ::;;iii //;;;;）
． 。 o" ヾ,i:;;;iii|//
i⌒i⌒⌒i o" 。' ． ...Ｏ彡┌─ヾ;;;iiiii/── o"
⌒i⌒⌒i⌒⌒i⌒⌒| .| | .|.|田 |::;;;iii|田田
￣￣|￣￣|￣￣|￣| | |∧ 。'Ｏ彡 。' |.|田 |::;;;iii|田田
￣|￣￣|￣￣|￣￣| | |ﾟДﾟ) ○ ∧∧ .|.|田 |:;;;;iii|田田
￣|￣￣|￣￣|￣￣| | |⌒⌒｀ヽ／ （ﾟДﾟ,,）...|.|田 |;;;;iiii|田田
￣|￣￣|￣￣|￣￣| | | ）~~~○⊂ﾞﾞ：ﾞﾞ）~~~~~~.|;;;iiii;|~~~~~~
￣|￣￣|￣￣|￣￣| | |;;;;;;;;;;;::::ノ ○○...ＵＵ ⌒⌒⌒⌒⌒Ｏ彡 o"
⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
, － ､
. Ｙ Ｙ´ ＼
ｌ ＼ ＼ 祝勝会だクマー
＼ ＼ .>､ _
＼ ｀'´ .｀; ./ ｌ _
＼ /｀ヽ /, - ゝ-- .,_／ ヽ
｀ ー´ヾ__.人 ,/ 丿
ｌ ｌヽｿ､-,(_●_ ) ● i
ｌ !/ヾ､ .! / /ミ ', , -､ 「飲めーー！みんなジャンジャン飲むクマー！」
ｌ ｌ ＊ζ' ／ ＊ ミ / ｊ
ｌ. ヽ. '´ _ﾉ ＿／ ./
ｌ ￣ ノ
! ＿＿__,. ´
; ￣l
ｌ l
ｌ l
298 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:04:42.47 ID:F38wr9ko
r-‐ゞ'""ﾐﾍﾍvt_､,,,_ ､
ノ彡 ヾ＼ミヽ `zハ
rﾉﾉ三ミ ＼/ヾ ､､ .彡人
,ｲﾉ, ィ⌒'T''''ﾞ''''} }} ミミ三 ζ
（({ i( |__, ヒ|ﾉ_ヽ-ミ三彡ﾐﾐ
t,,､ii） f━` ,-━-､ ヾミt⌒i
（' ﾞr┐ '| ﾉ ! ￣} ≡τ} 「フフッ
('`￣'''T‐‐,.､ｨ::ｿ＿＿_､, .,二ﾉi
{ミ二 t'Ｆ'''´●二ﾞ::::::::ノ // |||| 今日はめでたい宴ですね」
／!ヽ-´イ ´〒＝'''´ ／σ.lｌｌ|
ｲ |⌒''''イﾉヽヽ |￣￣,､-'' ＿-‐‐i||
／<ヽ＿,-‐／／ `‐t彡‐'''´ ||
> i |∥ ,､-''´´￣
..´ ＼ ,､-''i 乃 ,､-''
【龍造寺四天王 成松信勝】
＿＿ ,_
,､‐'´￣ ￣`'ヽ､ _,,,_ i､`'iヽtr､ i-､
/ `､ r‐-､,,､ﾄ亥 ''v!ヾ/| !!ﾉ |'i .)ヽ, ,､
レ レ レ `, r‐亠彡ミ､ ﾐ|ﾄﾐﾐ|ヾ))/ﾉ ﾉ ´.''彡}ﾉ!|
ロ ロ ロ i i´ /// ≡ﾞ､`vi∥| !以´' ＜ヾ≡ ﾉﾉi
| !, //// (r､､i , ﾝ､／ ヽヾ ≡三.c,,ﾉ|
. レ レ レ レ | ) | |/ 》 )/ｲ´''''‐-i |iﾉ iiﾉ ヾ､ヾ= <<
. ロ ロ ロ ロ .| く ! | |` .|ｲ{ i!/ﾉﾉｲ ﾐミ=---ミζ
/ ,､! 彡r,ソ ﾄ､ri ,, ﾘﾉｿ ﾄ､ﾐ ミミ≡γ
レ / , ｱ .t‐' tﾃ}ﾞ '`＝==-､⊥,,.t三≡彡,
ヽ､ .ロ / .//τ'' | 7 ヾrﾟ‐´´￣ i!/´ri.|､|
ヽ､, ／ |!ii|'´ |<.. ´ ' )）!ﾉ､|
`'''''''''''￣ヽゝ ヾi.! ＿ ''r, |､,_ ,, t-‐´ヾ|i
`` ,､r-<ヽ, CO､'''''‐ｧ /σﾞ'λ!i |
i! >, ﾃ=|.ミ三彡'´ / ／ ヽiκ
} ﾉゝ'`´ .|`'''''' ,､､-‐'''´,､-'' yﾍ,
ヽ､ .!´-､ミ-t'''i´,,､､-''´_ //υi
＼ ! . } { !i'´´i! ／ ＼
＿,,,,､､､/｀'''‐ ,.r‐' ヽ . ／＼ ＼
| ´'''''''‐‐‐‐‐‐''''r'| ヽ ／ ＼ ´
300 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:06:14.77 ID:F38wr9ko
r=三三ミヽ）ヽ「ヽ
r/／彡三ﾐヾﾘ////ﾉ
|/////r三∨／／rノ
//////|｜i｀"iヽーr))
/////ノ-ヽﾄl、 ﾉﾘ-ｯ|/
////,ｨ'l| f:ﾓtﾃ; f:ﾓtﾃ|l| 「ん？」
|ﾘ//f{ {lﾞ| | |ﾘ
|ﾘ /ハヾ,!, ヾﾌ |lﾄ。
|川| ｀l |ヽ -==⇒,/|||｀°
|川 !| ＼＿__/ |ﾘ
川 f＝r==＝＝＝l
/ﾉ |「| || :「￣|: : : :|
＿,..-‐‐||」 || :|＿」: : : :|-､＿＿
: : : : : : :ヽO: :_,.-‐_,.-‐‐'': : ／´
,_,..._
∩ノ ＼∩
l________∞_____）
/ ● ● | ｳｲｰ
| ///彡( _●_)ミ
彡､ ヽノ ,,/
/ ┌─┐´ 「どうしたクマ？」
|´ 丶 ヽ{ 酒 } ヽ
ｒ ヽ、__)ニ(_丿
ヽ、___ ヽ ヽ
と＿＿_＿ノ＿ノ
301 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:07:45.67 ID:F38wr9ko
ｉ| i ｉ! !i _...__
ｼ`''｀`'"ヽ / ,ｲ''7
ｲ::{:｛''"}}ﾞir｝'イ /lル′
''ﾊ::::}l`ﾟ´|5"/ﾊ＼ /`ー''7
：ｿi::{＝/|ﾊﾚ′｀¨ ﾚ'ﾌ/ﾉ
, i {ｌﾊl‐'__| ﾟ ｆn'/ｆ7ﾌ)
|i |三廿三|__ | |ﾄ // 「いえ、こんな寒い夜に、庭に人影が見えた気がしたもので」
ｉ／三＼ﾆ三三ｏﾆ５､ｆﾉ `i "
ｌ.彡⌒ヽヽ三三三三＼-､):|ｉ ,i
|彡＝､ }三三三ﾆoﾆﾍ || ||
V彡＝ミﾘ､三三三三/¨`'┴,､ｌ|
{ﾆ＝= ｼﾊ三三三/ /:三ﾉ=＼
ヾ三ミ= シミ､=,r／ ノ:三厶=三}
ｒ_-'三￣ `ー-|=￣￣ __..-=ﾆシ
!ｌ {r ｰ__, ―|三6ﾆ9ﾆ＝'7"
r'／!i`i三ﾆ￣彡/／ _/|
ド= 彡/／,r=ｌ /|
| 彡/／／三ﾚ/|
∩＿＿＿∩
/ ヽ
|● ● ヽ
彡(_●_ )ミ |
|∪| ミ 「む、密偵かもしれんクマ。
ヽノ （ ちょっと、行って見てくるクマ」
（ ｀＼ ヽ / ）
｀> ） /
(___／ |
| ） ）
| /| /
| / ＼ ＼
∪ 〉 ）
(___ﾉ
302 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:08:39.71 ID:F38wr9ko
。 │|| ／ │||┼─┼∩＿＿＿∩┼─┼─||│ O
○ │||／／O │||┼─┼| ノ ヽ─┼─||│ 。
｡ o│||／ │||┼─ / ● ● |─┼ Ｏ│ ／
│|| ｡ o│||┼ 。| 彡( _●_)ミ ─┼─||│。 ／／
O │|| │||┴─彡､ |∪| ｀＼┴─||│／／ 「そこにいるのは誰クマ？」
／│||○ │||─/ ＿＿ ヽノ /´> )──|| o
。 ／／ │|| │|| (＿＿(ぃ９ / (_／＿＿_o||│ ○
／／ o .│|| │||＿＿| /O＿＿＿＿_||│ 。
│|| ○ │||＿_ | ／＼ ＼_＿＿_＿＿_||│
｡ o│|| │||＿_ | / ) )_＿＿_＿＿_||│ Ｏ
─────┘||─‐o─┘||＿_ ∪ （ ＼＿_○＿_＿_||└─o─
三○三三三三三三三三三三。三三o三三＼＿)三三三三三O 三三
三三三 。三三三三三三 O三三三三三三三ｏ三三三三o三三三三
─────O ───── ノ⌒ヽノ⌒^⌒ヽ、─○─‐ ,. ─ノ⌒ヽ⌒
::::::o: ,,|;;;;ｉ|,|:フi::::::::::::○::::::::::( "⌒ 。 ⌒ ^ヽ:::::::::::( ○^
:::::::f----イ／::::::O::::::::。::l`スヽ_,ノ、 ^ O ﾉ:,:::::::/ヽ_,ノ、 "
::::::::ー─‐":::::::::::::::::::::::::_,ト'Ｔヽ_ﾉ､ ﾒ､7イ-rヘいＫス._ _,ト'Ｔヽ_ﾉ､｀ﾒ､oイ
.:::::::::○:::::::::::O::::::::。:::::ヽしｖｰﾄ､o7-､ｆ`ﾅＶ-､ﾊノ､lヽｨ ヽﾚｖ'ｰﾄ､/7-､ｆ`ﾅ
。 ⌒ ,ﾚ'Ｔｰ!７´ト､_○´Ｙヽﾉ､j-ｲﾞＹ、Oﾙ'Ｔｰ!７´ト､_Ｋ´
⌒ o ,､,.､ 。 ,ゝiくヽﾚくY_。ｖヽい'ｰくメゝト!、 ゝiくヽﾚくY_Oｖヽ
303 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:09:44.78 ID:F38wr9ko
. ｎ |;|
fヽ | l _ |;|
＿_＼`┘ V´/. |;|
`ー-､ て { |;|
fﾆﾆ -､ -‐ｲ)ヽ. , ‐--‐ ､ |;|
｀rf彡く.: .＼ ／::/=＝=ヽ＼ |;|
＼: : : : ＼ 夊l::/ト､ﾍ＼ﾙﾍ心. |;|
＼ : : : : .＼ <／l:fｾﾕ` ´ﾋﾕﾊ＼> |;|
＼ : : : : ＼ |::::::|:l r==ｫ |:l):::| |;|
＼: : : : . X_j_;ﾍ:ゝ.｀__´ィ´ﾘ'::/! |:| _ 「左衛門太夫（直茂）よ」
＼.: : : : . ＼＼＼ｰﾄ{_:;//:ﾉ ,r'^/〈
＼: : : : . : ＼＼ヾ＞ﾚぐ >=､Y
＼: : :ヽ: : :＼＼ﾍ _jヽ, / ヽ
＼: : : : ..: :＼ヽ: Ｈ:7‐＜ : : :/
ヽj: : : : : : :ゝ V/: :| : ヽ: :/
|: : : ＿＿に{}こ}:k;__;／|;|
ﾞヾtf´-┴ /ﾑヽｨ' |;|
r'´ / l Xヽ. |;|
／ / 〈_/ :Ll |;|
／ / l. |;|
/ ∧ :... .::ﾍ |;|
／ /::::::', ..:::. ＼ |;|
ヽ⌒7ヽ _＿ /::::: :::l＿＿ -┬=≦>
ヽ/ { :::: :/ |::::::Vl
【龍造寺武将 鍋島直茂】
304 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:12:03.76 ID:F38wr9ko
∩＿＿＿∩
| ノ ヽ
/ ● ●| ん？
| 彡( _●_)ミ ヽ 「おまえ、酒宴にも参加しないで、なにしていたクマ？」
彡､ |∪| ､｀＼
/ ＿＿ ヽノ /´> )
(＿＿＿） / (_／
/__/ / / ' l , ',＼ヽ ヽ ヽ
/｀! ／´_/ / .／! ! ! ',. l .:.l`| .:ト､',
| | / ／ ,' /.:./ | !', ', l :|..:.|.:| .:ﾄ、＼
| | ∨／| :!.:/￣｀ト､:! ', .:.:', , 斗‐┼┼| .:|､＼ 〉
,.-､ | | /＼_｣ .:ｌ:,' ! .:.|ヽ', .:.l∨ .:| :l.:|.:.:|.:| .:| ＼У
ｒ‐| _ヽ,! ｜ ,' / ,| .:.:!{ ヽ:{. ヽ、', ＼.:|:ﾉ/／l | .:|＿_〉| 「世情、まだまだ敵が多く、
／! !〈 ∨ ｜ , / ,ハ .:.', _,,.___,,二 ｀｀二,,＿.,,_ノ.:| .:| |､ヾ ご油断なされてもいい時節ではありません。
! '､ ヾ、＼｜ !: / // ,l＼ヽ ´¨¨´ ' ｀¨¨｀ノ:,' .:.:.,'! !:＼＼
. ＼ ＼_ﾄ} ｀{ |:.ｌ ｌ l { !.:.:.＼、 l二二二'､ / .:.:./:| |.:l.:|ｌ } 今夜はお酒盛りと聞きました。
| ｀¨´/ ｜ ｜ﾄ､j｜`!.:.:.:Λ｀ ', / ' .:.:./.: | |.:l.:|| / 心配になりましたので、
', { ! |:.| Ｎ.:ｌ:|:.:.:.ｌ:|.:＼ ヽ.__／ ,. / .:.:/ .:. レ': l.:|｀ 見張りをしておりました」
┌ゝ､__ ﾉ、 ',:! |.:l.:l:|:.:.:.ｌ:|:.:.l:个 ､ ,.ィ'´:/ .:.:/.:.:.: /.:. j.:|
ト､.＿__￣__,' ヾ ',.',.!:', .:.l:|.:.:{: ｌ／|｀ ー‐ '´ 卜/, .:./.:.:.:, '.:.: /}.:!
__j`ー----‐/ ＼ヽヽ.＼:{＞'´ /ﾉ _／/／.:.／.:.:. / 〃
｢ ヽ､__ ______{ , ｰ厂￣´＼｀ヽ. ,' __／´/／＼:. ／／
| ヽ. / ｜ ヽ ,' _ ＿__ ｜ '´ ｀￢ｰ ､
. j 〉′ ! } !￣ ￣｀| ｢ヽ
/ / , l | | | ',
. / / l ! | | ! ',、
! / ｌ ,ﾊ. | | / !＼
305 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:13:33.83 ID:F38wr9ko
隆信公はたいへん感心なされた。
∩＿＿＿∩
|ノ⌒ ⌒ ヽ
/ ●) ●) |
| 彡( _●_)ﾐ | 「こっちに来て一緒に飲むクマ」
彡、 |∪｜ 、｀
/ ヽノ ヽ
/ 人 ＼＼ 彡
⊂´_/ ） ヽ__｀⊃
/ 人 （
（＿ノ （＿）
_, -―‐―- 、
／斗──= ､―-､＼
／'´＞‐‐──-＼ ヽ`ﾆヽ
／/／/ ｌ ヽ ∨ヽ＼
__〃 l | { ヽ | V-､/
く // │l ﾄ､ノ ヽ ＼‐-! | ﾄく ＼
／/| l l |ｌ┼匕_＼|＼ ＼ {_＼| j l{ ヽ/}
＜／ﾚV|ヽ小 ヾ心 ＼l〃⌒| 八ｰⅣ
／/ /| ＼ヽﾊ弋ﾋ} , ::::::│/ / 从ﾘ
/ /|__ｌ | rfV ＼ ::: t=ｰ ｧ // / ｀＞､_ 「ええ。いただきます」
∨ {ﾍハヽﾄ:!ﾊ＼.＞ _｀ー_,.イl/∨l ／ ／＼-､＿__
. ヽ从| | lﾍｎ＼ゝﾄ､ 7 :|八 '/ ／ ﾉ｀'|ｌｌｌﾚ│
| ｌ人j {ヽﾐ :|二ﾆ二| / ／ |l斗' |＼
{ ヽ ｀}＼ ∨ ,' j '／ ｫ＜__／__ヽ､j _}
/ﾑ , /}小＼∨ r/／ / ）>＜_|寸|／ /
/_|l｀三彡ハ ＼∨l/ //｢｢| ￣ _／
{/ ＼二ｲ `ーｫ≧≦二ﾆ ≠ ＼＞‐‐=彡'
| / / / / ハヽ │ `rー‐'´
l / 人く/ｲ| L_>､ /ﾍ
`ー‐'´ ／ '/ | ! ＼ヽj/ ／ /^ヽ
r‐'´ ,' /j j ヽﾄ､ / ﾉ＼_
306 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:14:54.11 ID:F38wr9ko
∩＿＿＿∩
| ノ ヽ
/ ● ● |
| 彡( _●_) ミ＿＿ ∩ 「どうしたクマ？遠慮せずこいクマ」
彡､ |∪| ､｀＿＿_三)
/ ＿＿ ヽノ /´
(＿＿＿） /
| /
/／ /: : : :/: : : :|-‐:､‐:'´:: : : : : :|: : : ::｀ヽ､|: : : : :.:|
/ ＼,ｨ/: : : :/: : : :.:|: : :/∨: ::ｉ: : : :.::|:: : : : :／:|:.: : : : :|
/ ／ /: : : ::j: : : : :.:|ヽ/ ∨ :|＼: :.::|＼;／:: :.:|:.: : : : :| __
| ＼ｊ: : : : ::|: : : : :.:|:;/__＼､|: :| ＼:|∠_＼:|､:|: : : : : :| ヽ
| |: :ｉ: : .::l: : : : :.:|〒弐ｫ､ヽ:| ヽ'`ﾃ弐ﾏテヽ:|: : : : : :|
|:;ﾊ: : :::ヽ､: : ::| |ｔ::;ゝ| ` {t::;ゝ} ,' |: : : : : ::|＼ 「いえ、寒さで手がかじかんじゃって……。
|:| ∨: :.::|:::ヽ､:{､Vz:;ﾘ Vz::;ﾘ,,ノ |: : : : : ::|:.: :
|:| ∨: ::|: : : :.::} ￣ ' ￣ |: : : : : : |:: :
|' ヽ､:|: : : ::ﾉ ／｀ヽ. u ｊ: : : : : : :|:: :
`|::∧::ヽ、 ｒ-‐'" ,} ,ノ:: : : :/: :;ﾉ:: : :
|/ ヽ:::;＞‐-ゝ､_＿_,.ィ´／: :,.-─'‐´､:: :;ノ
／ ヽ ／: :／ Y、
： /j^i|;;;;;;|
： ./ ;i|;;;;;;|
： / /_|;;;;;;|
： / `(_t＿,__〕：
： / '(_t＿,__〕： 槍が手をはなしてくれないの」
： / ｛_i＿,__〕：
／ ノ |;;{_i＿_〉：
／ ＿_|;;;;;|-'"：
／：|;;;;;;|
307 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:16:49.57 ID:F38wr9ko
, '´ ￣￣ ` ､
i r-ｰ-┬-‐､i
| |,,＿ ＿,{| とまぁ、こんな感じだったんだけど、意外に思ったかな。
Ｎ| "ﾟ'` {"ﾟ｀lﾘ 隆信公は暴虐のイメージが強いと思う。
ﾄ.i .,__''_ ! でも、エピソードによっては情にも厚い話もあるんだ。
__l＼＿ .ｲ
/ |＼Y |＼
/ i ＼ |／} |
ヽ_> | 〈_/
| .| |
＿__ ＿
-‐''"´￣ ｀ ｀''ヽ=､
,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
r（:::::::::::::::::,、_ｨ:::::::::::::::::::::::::::::::::: 歴史上の人物のイメージは、
ゞ, ｒｒ～ヅ ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::::: 先に読んだ書物の先入観で大体が決まってしまう。
ﾌﾊ ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::
. l __,,. -─￢,〈:::::::::::::::::::::::::::::: だからこそ、俺たちのように
〉ﾞﾞ`'''Tjフ￣ ヽ::::::,ｨ ,､ヽ::::::: 先の人間を題材に創作する者は、
. / ,.‐'" }:::/ /ヽ ﾊ::::::: 歴史をあつかう上での一番気をつけなければならないことだと思うんだ。
/.. "´ ２ﾉ/ l:::::
. ヽ.ﾆ,｀ __／ :l::::
. 'ｰr_‐;ｧ ｨ l:::
〈.. /:{ ヽ
｀} ／:: ! i それでは、今日も……
丶、,､. イ:::::: !
308 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:17:46.58 ID:F38wr9ko
_＿＿
や ,／:::::::::::::::::::ヽ
_,r'´::::::::::::::::::::::::::::｀'､.
ら {::::::::rr-‐-‐'^i::::::::::::::::i.
ﾞl'´ﾞ《 __,,,ゝ:::r､::::::l
な ﾄ=r;､ ﾞ"r.ｨｧ.ﾘﾒ }::::}
ﾞi`"l ￣ .ｿ:::ヽ
い ﾞi. ゝ ヾヾ
ヽﾞこ´ ／ ＿l
. か ゞｰ- ' ／, ‐',~‐'〈__,,,,,___
ｒ‐､/ ,ｲ .ｌ ｌ／, '´ ／// ヽ_____
_, --‐‐ヽ()ｌ// ｌｌ_,.'´ .//゛ｌ ｌｒ‐,,-‐'__,,_,, ､｀)
ｒ' /‐ｌｌ=ｌｌ‐i│ ./" //oｷ//〈‐'´）（ ）／ｌ,
ｌ＝ｷ ｢:::::::::lZ＝＝==zz//ｙﾉ//⌒ヽー‐'´___/ ,ｌ
ｌ___「 l====l // ｏ//／（ ヽヽ､ ／ ｌ
ｌ__ｌ l:::::::::::l ｌ ｌ jf//zzzzヽ ｀ｌ_ｌ／ /´〉
ｌ/ l≡≡lzﾆニﾆzz.//kp/ ｌ ｌ ｌｌヽ{ニｌ_ｌ ,／ /ヽ,
/ ﾉiiiiiiiiiiｌ ｌ ｌ() /ｌ ｌ ｌ ﾞヘｌ ｌ_ｌ.／ / ｌ
ｌ 〈ーーｰ' ￣｀´ｌ ｌ ｌ ヽ ＼ ｌ_ｌ／ ｌ ｌ
/ ｌ ＼＼ ｀ｌ ｌ ｌ_ｌ //ｌ
ｌ ｌ ｌｌｌ ｌｌ ｌヽ ｌ ｌ_ｌｌ' ｌ
ｒ‐'´ ｌ __ / ｌｌ ｌｌ ｌ/ﾄヽ ｌ/⌒ ｌ_ｌ .ｌヽ
ｌ ／___ ｌ ｒ' 入 .ｌｌ＝=zｌ .ｌ ｌｌ ｌ/⌒ヽｌ_ｌ ｌ､
_,-‐'´ ヽ くニZzz､_ ヽ;;;;;;;;;ヽ ｌ ｌｌ ｌｌ. ｌｌ 〉ｌｌ ｌ-‐‐''､_ｌ/ ｌ
./ ＼ ﾉ＝=zzz､｀=z､ ＼;;;;;;;;;ヽ ｌ ｌｌ ｌｌ ｌ. 〈 ヽ==ヽ､___ ＼ｌ
.ｌ ((ニﾆ（(⌒ヽニ＝=zヽ;;;;;;;;,,ヽｌ ｌｌ / └ ､__/ﾆﾆzz､_~〈
／ ⌒ヽ､__ //〃〃ヽ__ノ二二ニニ二二二二〉 /ZzzzZzz ｀ｌ│
/ ヽ//iiiiiiiiiiiiiii ｌ iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii＼=キヽ､ .（ /⌒ｌｰ' │
/ .//iiiiiiiiiiiiiiiii│iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii│＼ ヽ,, ) （ (~｀ｌヽ､/ｌ _,-'ヽ
ヽ ｌ ｌ＝＝== z│z==＝＝＝≠≠ｌ==＼ ヽｌ⌒ヽヽ_~ｌヽ/ﾆｌ _,-‐ｌ' /
＼ __,-‐‐､__//ニニニニ,│ニニニニニニニヽニz＼ ﾄ､ ｌ / /〃.ｌ _,-‐' ｌ__/
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ｌ ,ﾍ , ﾉ//iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii│iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiｌ ｌiiiiiiiiiiiii〉=z/=./ _, -‐' _, -‐'
..〈=.ｒ'ｰ' し'ｌ 〈ｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌ│iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiｌ ｌiiiiii/~｀^ｰ-/, -‐' _, -‐'
ヽ｀ｌ〈_ｒ'ｚ,ｌ ｌﾞﾞﾞﾞｌｌｌｌｌｌｌｌ（() ） ｌ（()）ｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｆ⌒ｌヽf-‐=z､ｌ _,-‐'
じ ﾄ--ｌ ヽ､￣￣￣''ヽｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌf~ψ ﾞｌヽ,（.( )）ｌ-‐'
└─ｌ ＼___ノ ￣￣く￣￣￣￣_~ﾚ'´ヽ .ｌ ヽ_,,,,,ﾉ-'
〈 ヽ_, -‐' ´ │ ﾄ､_ﾉ~´
ｌ '￣ , -‐ '' ｌ
310 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:20:13.04 ID:F38wr9ko
第２０話
佐賀のいくさ人、斎藤用之助には二人の息子がいた。
ト､ |ｌ＼
|ヽ| |i `| |:! ヽﾄ､
|ヽ!ヾヽ:|:! |:!: |i Ｖl
ド' ＼ヽ :j:| |:! !|ｉ ｉ|,
｢ヾ.＼ ヾ/⌒＼}ﾘべi ｉ!|
| ＼ヾ' / ､＿,, ヽi|
|二二〈 ――-､ ,. -l|
. |==r=iﾖ ＝=｡= /=｡=|
|=::{{_H ｀二´ ヽ二｜
|==ヾｉ| ／ r_ 」､ l
∧:==:ハ / ｰ―‐一/
_,. -‐/ ヽ/ ヽ ''''' / |二._ｰ- .._
_.. -‐| |ヽ ＼. / ｜ ｀¨ ‐-
´ ｜ |ｆ∧ ,>ｲ ｜
,| |ji}i∧ /{i}ｊ{| ｜
【杢之助の父 斎藤用之助】
,.ｨ , -''７ ,.ｨ ＿､‐-､, -‐ｚ._
,.ｲ .／ l／ ,'／ | , ＞ ` " " ′.＜
,ｨ ./ l/ " " レ' | ／ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ＼
/ l/ ﾚ1 7 " " ",.",ｨ ﾊﾞ ,ﾞ ﾞ ヾ r‐ ' _ノ
i ,.、 ,'ｨ ! " " /-Ｋl/ Vｌﾊﾞ.N ＿ ) (_
.|ヽ /＾ヽ.＿.／ ＼ /ィ | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ! （⊂ﾆﾆ⊃)
| /_ l __ヽ / |."しｌ| ￣ ,._ ∨ ｀二⊃ﾉ
|ヽ l‐-ﾞﾆﾕ Lﾆギ-‐'７. "７ | " ﾞハ ー--7′ （( ￣
ゝ :!＝｡=､ ,,=｡=＝ | r=､ ∠_, r'ﾆﾆヽ._＼. ¨/ ;;
ゝ l ｰ-/ ｰr '´ :l:|f‐ﾘ _／ r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._ [l、
ヽ l/ ７￣_ ， | |L:ソ _,フ ／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞ ／,ｨつ
＼ l ‘"＿＿__, /l _フ . /: : : : : : : : / : : : ヽ＼ ,∠∠Z'_つ
,＞､l __ V: | _,ラ＼＿ | : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ
_,,.. -‐''／,r ,. l ヽ/:: ｢ ､ ヽ ヽ. ￣ . |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l / ）:::厂 ´
,ｨ''" / / / /:l＿＿＿/:: ／ｼ、 ヽ.ヽ. ヽ |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l /￣｀Y´
/ | / /' / ,ｲ.l:ｷ::::::::::::: ／ﾂ" ﾄ､ ｌ ｉ l . |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
もくのすけ
【杢之助の弟 斎藤権右衛門】 【浪人 斎藤杢之助】
兄が杢之助であり、弟が権右衛門である。
311 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:22:36.88 ID:F38wr9ko
兄はいつまでたっても気楽な浪人だった。
しかし、権右衛門は手明槍の身分であったが、大柄な体格を買われて勝茂の駕籠侍に抜擢されていた。
(ヽ三/) ））
＿＿ ( i)))
／⌒ ⌒＼ ＼
／（ ●） （●）＼ ）
.／:::::: ⌒（__人__）⌒::::＼
| (⌒)|r┬-| | 「しかし、斎藤さんの兄弟は似てないお」
,┌､-､!.~〈`ー´/ ＿/
| | | | __ヽ、 /
ﾚレ'､ﾉ‐´ ￣〉 |
｀ｰ---‐一'￣
【浪人 牛島やる夫】
てあけやり
※手明槍・・・・・・侍と足軽の中間の身分
／ 〃 ゝ.
〃,／, 〃 _ ﾍ
|〃/ ,〃 〃 ,､,､ ､ , ヾ'|
/ /,〃 ,.ヘヽ_,ゝﾍ{ ヾ ヾ |
l/ / ,.く /＞‐｡ｧ ヽ'ト､ヾ' i
|/ >ヾ￣´ |'ト||ヾ | 「ククク・・・・・・俺にはもったいない弟さ」
／ |l〃 ヾ|
∠-‐フ ＿, / ヽ.ヾ'｣
｀￣匚, / >'＾ヽ._
/ / ／ |
'―ﾍ ／ 人
／冫′ ／ミﾐ＼
/| |＼ .／ミミミミ
312 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:25:08.61 ID:F38wr9ko
,ﾍ
＿＿＿_ / /
／＼ ／＼ ／ /
／（ ⌒） （⌒）＼／ /
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼ / 「兄のほうは、それはもう見事なくらいの死人（しびと）であり、
| |r┬-| | 戦場を生き抜くいくさ人だお。
＼ ｀ ー'´ ／
／ ＼
/ ＼ 戦闘以外のことはまるで興味がなく、
/ ／＼ ヽ 自分の命をもて遊ぶようにふるまう人だお」
／ ＼ ﾉ
U ヽ ノ
「でも、弟の権右衛門さんは、そういった苛烈ないくさ人って感じがしないお。
ぶっきら棒な兄と比べて、表情も豊かだし。穏やかで気さくな兄ちゃんって感じだお」
＿
, /ﾚ'":::/ -―ァ ぼく せっくしゅなら
l::V:::::::::::::::::::::≦--ｧ 知ってるんだけどなー―
ひえ～～ん {::;; - ､ .:::::::::::::::∠_
＿ /-=､ / ..:::::::::::::＜
_,, - ､/¨ '‐ >n ） l:rヽ::::ゝ-→'⌒'''‐ｧ-､,,_
＞ /_ ///l:|シY ∠/: : : :/: :／: :/¨''‐- ､
∠ ハ そ / l /: : l: : : :!: :/: : : : : : ; : : : ヽ―- ､
ム ﾉノ ヽ∧、 | ヽ ソ -､ Y: : : ヽ、: : : : : : : : ;〃: : : : : l: : : : :ﾄ､_
l∧ ∩,,,∩ Y二¨-―-Y ヽ: : : : :￣¨ ''――ﾍ: : : : : : :l: : : : : : :ヽ
)r～ ～ヘ l＿ } / ヽﾉヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : : ;|: : : : : : :_）
ν （ ﾞ ～～^ ノ＝.ヽl ヽ::::＼、＿ : : : : : : : : 〉'"￣ }: : : : ／ヽ
υ ＞- -イし7 ﾉ､ lヽ:::::::::::::::￣¨¨'''―-ヽ ,,. -〈ノ'" ）
（. 'ゝ)と i >┬''" ＼ l ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::〉' ﾉ ﾉ ） ／ ヽ
＼_,,,)ノ ヽ ヽ､ ノ ヾ | ¨ヽ､::::::::::::::::::::/ 〈 ／
ヽ _,,ノ ﾍ !＿,,,,,,,,,,＿7ヽ､::::::/（ l l l lヽ'"
ヽ ヽ､ ノ: : : : : :､ : / ¨￣￣ ノ
＼ ﾉT:": : : : : : : : ﾞ７ ,イ
>―'' : : !: : : : : : : : : :/ ヽ、＿__,,イ ﾞ┬'''"
（: : : : : : :ヽ; : : : : : : :/ ＿,,,,... ノ、 ヾ
ヽ: : : : : : : : ¨ ''''―/ ,,....,,,,_ﾉ ヽ ＼
¨ ―-- ,,＿＿_./ 〃 ＼､_,,,,) ヽ
（ ＼
315 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:26:53.61 ID:F38wr9ko
/ ヽ |
/ ヽl 「ははは。
ヽヾ＼ ヽ
∩ | ＼＼| けど、こう見えても、俺だって親父から、
/| .| | ＼| 死人の訓練はひと通りこなしているんだぜ。
ｌ | | | ＝=|
l | | | ヽ_ｌ|
ｌ | | .| ﾄ， ＿＿＿_
. l,| | | -=|=l ／ ＼
| || | .| ／─ ─ ＼
. しﾘ .|'-､| ／ （●） （●） ＼ ほうほう
/ | ┌ | （__人__） |
/ | |. ＼ ⊂ ヽ∩ <
‐-､/ | ヽ | | '､＿ ＼ ／ )
＼. |. | | |＿＿＼ “ ／
＼.｜ | ＼ ＿＿＿＼_／
＼__|
＼
. ｜ ./' ヽ __,-' :::::＼ /
|. / ＼_, ‐' | ::::＼ / ／
. l＼ ヾ`ヽ､ ∥__,-‐' 〃::::::> ／:/
| ./＼::＼ __,-‐' __,-''"::::／ :/
. ｜.... ｌ. ＼: ＼ _,-‐' _,ｌｌ‐' ::::／ :/ だが……、俺には
｜ | ＿＿_＼:|| |||::＿二＿＿＿_ ::| /⌒.i ／ 常住死身とか、犬死気違いとか、
｜ | ￣￣o ﾗ ≡￣￣￣￣o￣ ::|: |l⌒l:| / そういった過激な生き方ができなかった。
| | ｀ ‐-‐'/,::::: ｀ ‐---‐ '´ ::| ||⌒|:| :/
｜....｜ -‐/＝==-- ∥ ::|: |l⌒l:| /
｜...｜ :/,::::::::::::: | :::|::||ノ丿 :/ それよりも、家庭を持ち、
. l. | /,::::::::::::＿::) ::::::|:|-‐' :/ 手明槍の慎ましやかな生活を
l. (.:: ' , ＼::::::/|＼ :/＼ 守っていくことの方が
ヽ | ￣￣￣￣￣￣￣ :＼/： '＼ l :＼__ 価値があると思ったんだ。
. /ヽ| / ＿＿ :::::/：: ＼ l ヽ. ヽ ─
. ＿/ |〃 :::::::: ::::/：： ＼l ヾ ヾ :l＿
─ / / | ＼/：：: ／/ | ::| |
. ＿/ /: /: | ::/：：： ／ll/| :| :| |
/ /:: /: l＿＿＿＿＿＿/：：：: ／lll/ | ::| :| |
/ /:: /:: /|lll＼：：：：：：：：：：：: ／llll/ | :| :::| |
316 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:28:13.29 ID:F38wr9ko
／i､,,-ーフ,､__
iヽ／i/::::／∠_::::::::::::::｀＞__
|::ヽ:/:／／/::::::／::＞::::::::::::ゝ
「それにな、権右衛門はこうやって |ヾ::V:::/:,彡ｿﾊﾍ;;;;;::::￣´＼:ト
ヘラヘラしているが、 γ升/`"ﾍL,,＿__ﾍ /｀二ニ:::＼
剣の腕も達者なんだぜ」 !/≧ `"''i斤┬,ｒ､ く;;:::ニ＿＼::＞
)fj) ､_ﾋ;j ′ ミ::::::::::::＼
/フ ﾐ>＝-::ﾍ一
〈 ヽ , γ´ヾラﾍ
_ノ＼＿ L ', ｰ '''""￣ ソノ/::/
( ', ` ∧≦／
マ r￣￣￣￣＼ i′ ´ l:l::::|
/ ＼ |:lヽ __ l:l:l:::|
ジ { ｀＼ ／ ヽ L! i l !」ゞ
〉 ,‐-‐､｀ ._ _ ＼ _／i! _,､ｰ′ ｀ﾍ､､,,,_
か ／ r:oヽ` /.:oヽ ＼
{ {o:::::::} {:::::0 ヽ 【手明槍 道白】
お | ヾ:::ソ ヾ:::ｿ i
！？ ヽ::⌒/ ,ﾍ ｀i | r--ッ
, -tヽ／´::::::ﾍ＿＿／ `、_ノ / } ＞
. Ｊ ＼ ／ / /＿ゝ
｀-´ ／
＜
i、ヾ ヾ__ヾ , ' }.;.;.;.; zミゝ
!、ヾ |:::::::ﾞ'::::｀´:｀ヾ' 〆｀ｰ- ｀ﾐ.;.;.;.;.;.;.;.... ヾ＼
ヽ |:::::::::::::::::: .ノ´::::::::::: ヾ、.;.;,へ ヾ ゝ
ヽ |:::::::::::::::::: _,／ _,, -─tｰ-ｊ ﾐ r´〆 ＼ ヽ
λ|::::＿::::::::::: ∠´::::イ 弋 ﾞﾟﾞﾉ／ ﾐ !´.;.;ヽ | } 駕籠の主人は勝茂公だからな。
ソ:::::::｀ｰ-、 .;.;.;.;|.| ﾚ そりゃ身の周りの者には
!::::,ノ￣i勹 >.ｿ / ヽｿ 剣についてうるさくなるもんだよ。
.!:::::ヽ ¨ r / |i
!:::::::..... / r-┘ | ﾘ
!、:::::::::::/ ヽ从|
!:::::::::::ゝ ヾ!
ヽ:::::::::::::::::: __,ノ / ヽ
丶、:::::::ゝ、__, -ｰ ´ /:... ! ヽ、
＼::::::: ,,;;:;'''''´ ／:::. ! z彡}
ヽ::::... ／::::::: / ,,z彡彡彡彡}
＼::::::: ／:::::::,,,z彡彡彡ﾞ´
【手明槍 原田四郎左衛門】
317 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:29:22.07 ID:F38wr9ko
殿はよく駕籠を立ち止まらせると、抜き打ちで腕前をお試しになられる。
__,,,､,, ,,､- ､
／´: : : : : ｀´: : : : :ヽ
／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
/: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :',
,': : : : : : : l: : :/:./ ∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
l: l: i: : l ／!／∨ |/ ∨∨!: :::::::l
ﾚ!: !: :l i"⌒"'-､ ,､-'''⌒`l: :::::ﾍ!
∨ﾍ i | でラ` , f∃ｿ /::∧|
!ﾍ∨ゝ i ∧ｿ 「おう、権右衛門、ちょっと抜いてみろ」
ﾚヽi l. ｊ ∧ﾉ
ﾚﾍ /ﾉ
∨＼ ´ ￣ ／ ′
／i｛ ＼. ／i
/:::::l ﾍ ｀ ´ ∧＼
_,,-''/::::::::l ` ｰ､ ,／ .i:::::＼､,_
_,..-.:":::::::/:::::::::::i /;;ﾍ__!入 l:::::::::＼`::..､,,_
_,..-.:":::::::::::::::::::::＼:::／:|ﾍ /`ﾍ::::::::ｿ´ﾍ i::＼::／::::::::::::`i:ｰ.,
,´ｰ-､::::::::::::::::::::::::::／:::::::::i ∨:/ l::::::::＼::::::::::::::i:::::::',
【佐賀藩主 鍋島勝茂】
r-‐ ¨￣¨ ヽ、.
トく／｀＜⌒ヽ ｀¨ヽ、
＼ ＼ ￣＼', i｀
l ＼ ﾞ丶 ヽ l ｉ.
l l ＼ ﾞ丶 i l ll ',! ﾄ､!
ｌ l ＼ ＼ l ヽ! ヽ ｀／イﾉ
.! ＼ ＼ ＼ l }、', ｀ｰ ''"ノｸ
.l ＼｀＞--─‐＼ ＼ l.l ＼ / i.l /
i ｀¨ニヽ、 ヽ ＼l ^¨７/ ∧
. l ＼＼ ＼ ヽ // ∧
＼ ｀丶､ ＼ ＼// ',
ヽ ＼ ヽ ＼ i ノ ..
＼ ＼ ﾞ､ ＼ 〉 ／｀> ┃
l＼ ﾞ丶ヽ, ヽ ／／ ／/ ┏━━┛
. l ヽ ﾞ､ ＼／ ／_/ ｆ ┃ ━┃ ┛┛┃
i ＼ ∧ ヽ／¨ ,.-,-‐ ━━━┛ ━━┛ ┃
＼ ＼. ∧ ＼ﾆ／ /
318 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:31:33.79 ID:F38wr9ko
∧
∧∧
∧XX',
/XXX ,',
,l XXXX',
lXXXXX,
lXXXXX,'
!XXXXX,'
.,'XXXX','
,'XXXX','
,r..:'"￣::`::.､. ,'XXXX','
/:::::::::;:::;i::;l::::::ヽ ,'XXXX','
.lｨ::l:iv､l:/l:/j,ﾚ:::::! /.XXXX',' 「その刀は三尺三寸の大太刀だな。
'f.l::l zﾃｫ'.ｨ'ｪl:l:ﾄ! ./XX XX',' それよりもさらに一尺も長いこの刀を差せ」
,..-';`ﾐ,i:l k l:l:ﾚ' _/XX／iX','
./::"::::ｰ､`l、f＝ｧ .,ﾍ' ヽX／ |X,
/::i::::::::::::"'弋'!ｰ',イ>|'_ノ´ヽ.( '''',;) X'i
. }:::ﾞ|::::::::::::::::::::~ﾞ:_戈;f" ､ ＼'"＼ !
/:::::::!;:::::::::::::::::::/',r.ﾃ ＼. ）￣´
::::::::::::ヾ!:::::::::::::l .l r' ` ､_冫y"
:::::::::::::::::＼o:::::l .ﾄ、 ヽ,＿ﾉ"ｰ'
:::::::::::::::::{::::{＼代 l>ｰ､,_ノ
::::::::::::::::::}::::| | iｰへ::::::＼
./| ／::::/／::::〃
/:::|/::::::::/::::::::::'::::
lﾞ､ |::::::l::::::::::::::::::::::::::::
!::｀':::::::::::::::::::::::::::::::::::
＼|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
_＼:::::::::::::/＼::::::::::／ヽ
:::::::::::::::::/､ ヽ- ' /_,.
ﾞゝ:::::::::::l＼ヽ , ‐',.´- '
､::::::::::::::|ーo‐〉 "‐oーｧ
. ゝ:::::::::::!ー /_ ｀ ┬ 「こっちもまた腕前を試された時、恥をかくわけにはいかない。
. ＼::::::::::| / _￣ u だから、長い刀でも必死になって修練したさ」
＼::::::::|. ｀ ＿_ ＼
ゝ:::::::', ｀￣´ /:
｀＞､ｌ ¨ ヽ/::
／ ／,.｀ー┬‐ '::
ニ/ , ' ／ / |::::::
320 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:32:41.18 ID:F38wr9ko
そしたらね、また殿に声をかけられたんだ。
. /:.:.:.,:.: /ｉ:.: /:.: /:.:.:.:,:.:.:.ｉ:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.ｉ:.:.:.:ｉ:.:.:',
､ _＿.:':.:.:./:.:/:.:ｌ:. ｌ:.:.:.ｉ:.:.:,ｨ:.:.:. ｌ:.:.:.:.!:.:.: ,:!:.:.:.:!:.:ｉ:.ｉ
￣ 7: ｉ:. ｉ:.:.:.!:.:ｌ:.:.:ﾊ:.:ｌ !:.:.: ﾊ:.:.:ハ:./ ｉ:.:.:/:.:.ｌ:.ゝ､
ｌ:.:.!:. !:.:.: ', ｌヽ:! ヾ ヽ/ !/ !' !イ:.:.:/:ｌ: ⌒
!.:ハ:ヽ:.:ハ!― - ､ , ､ , - ―‐ ｌ:イ:. ｌ
ﾉ' ｉ,､:.:.ｉ 弋赱メ 弋赱メ ｌ:.人:.!
! ヽ:.! !:.:Ⅳ 「権右衛門、抜いてみろ」
ゝ.从 ｉ:. ':./
ｉ:.:ﾊ. ､!: /:./
!ハ:.:.. , ― っ 'Ⅳ
ヾ ＼ ￣ ／ｉ､
,.ィ ヽ ､ ／ ﾉ 丶
／ / 冫､. ´ ,.〈. ',｀:..､
＝－ ―￣_ － ＝ -＿－ ＝－ ― ＝ ￣ ＿ ＝ ￣ － _―＿＝－
ニ －＝ ￣ ‐ _ ― － ＿ニ －ニ－＝ ￣ ‐ _ ―￣‐ ＿＝－－＝
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
. ｜.... ｌ. ＼: ＼ _,-‐' _,ｌｌ‐' ::::／ :/
----｜ | ＿＿_＼:|| |||::＿二＿＿＿_ ::| /⌒.i ／
｜ |￣o￣ ﾗ ≡￣￣o￣￣￣ ::|: |l⌒l:| / ムオッ！
| | ｀ ‐-‐'/,::::: ｀ ‐---‐ '´ ::| ||⌒|:| :/
｜....｜ -‐/＝==-- ∥ ::|: |l⌒l:| / ..,,_
｜...｜ :/,::::::::::::: | :::|::||ノ丿 :/ ,、 ｀ﾞ''ｰ ,,,
. l. | /,::::::::::::＿::) ::::::|:|-‐' :/ ｀''ｰ..,, ｀ﾞ'ｰ ,,、
l. (.:: ' , ＼::::::/|＼ :/＼ ｀''ｰ..、 .｀''-､
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ﾞ'''.､, ｀'-、
＝－ ―￣_ － ＝ -＿－ ＝－ ― ＝ ￣ ＿ ＝ ￣ － _―＿＝－ ヽ ｀､
ニ －＝ ￣ ‐ _ ― － ＿ニ －ニ－＝ ￣ ‐ _ ―￣‐ ＿＝－－＝ / .ゝ
／ /
_,、 -‐''''″ . ／
____,,,,,.. r━'''"ﾞ´ ,..-'"
ー―-------------------------ｰー―ｰ￢''''''''ﾞﾞﾞﾞ￣￣ _,, ‐'″
_,,,.. -‐''"゛
＿,,,,.... --ｰ''''"´
＿____,,,,,,,,,,.......... --――'''''"ﾞ￣´
￣￣￣￣￣￣￣￣￣´゛
322 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:34:36.57 ID:F38wr9ko
／::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
/::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!' |:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l
／ |::| ﾃ''ｯ､｀ 丶ｰ- ､ i;:::|::::::/
.|::l , 'ﾃ''ｚ､ l:::ﾘ::::::i
.|/| / ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ 「よし。今後は短くして二尺八寸の太刀を差せ」
ﾊ ｀ | .| l .| |ノ
,小. - ､ .| .l/././､
_,,ィ'´.H. ﾞ.. ,, -'" ,/ ￣ﾞ'ｰ､
''´ / { ' ｀''r'´ ／ / ヽ
/ ヽ､ ,ｨl イ / / ヽ
./ .,ィ＾i }_/_/l |/ , i
'.‐'" ヾ{;:::;}::;;/|. l. / |
/∨
|∨
| ヘ＿ ノ⌒
| /ヽ .u .／／_|
| | ＼|| ||／|| |
|. |＝= ) =＝= | |⌒ 「すると、今までよりも刀をうまく扱えるようになったんだ」
.|［|-・'/＝-・-'u.| |)）| /
| .| / _ ､ ||`‐' /
| | ──￢ ､/ /
| =. ､/＼/
＿ |＿＿＿ / ／|⌒ヽ＿
_._._._ ／ | /＼ ／ | /
/////／ | / |─| | /
323 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:35:35.02 ID:F38wr9ko
＜大坂＞
/i~""''' ‐- ．..,,__
__ | | r' Ｄ lヽ | .| .i~"i''' ‐- ．..
:::l＼ ┌──‐l | ヽ ! ・ ﾉ | .| .| .| | | | .|
::l ＼ | ｑｕｏｐl | ﾌ／､ | .| .| .| | | | .|"'''ー-
::! lン | ┌ﾄ､Ｑ_(ﾝ,ｲ~""''' ‐- .ﾄ- ．..!__.| | | | .|.!まく''
:| |）/).| |,|クｵー./i＊＊ :＊＊| _ ~""''' ‐ .! ､
.! /| Ｙ| i |＿＿ / |:::::＊＊＊:::| ｇ乂_iｃo､ |（-Ｙ⌒
| | i |+|| 三.ﾚ|＊＊:::＊＊| { { ' , -､ ﾉ） :| (ﾆヽ
:＼ | | |+||---ﾚ|::::＊＊＊ :::| ＼ヽ {平}_ , '/___| nnnn
_r､＼l _ | |+||===ﾚ|＊＊ ;;＊＊| //ヽ Ｕ ／ ::::::|~""'''
_| i |＿ｪｪ之 ＿.||____.|~| | |+||===ﾚ| *| ,､i i,､ |*|.// / ﾄ .ｸﾞ { ヽ.::::::|~""'''
｀i''ｪ.| lXｌ ||l | ---┐|+||===ﾚ| *| >＊< |*| / .,ヽ 〉 ﾘ 〈 ﾉ ＼i|ニ=--
"i''ｪ.! lXl :|| .| [ ] | ||+||llllllllﾚ| *| ｀'i i｀' |*|. i i .{ ｺ ）ｉ ｉ |[][][]
~""'|: lXｌ || ｪ|ｪｪｪｪ|ﾕ+||lｌTTﾚ| *|_雪 印._|*| i i l ﾋｿi i ｉ |＿＿
] [] |____ｪｪｪ|X|ｪ ||l＿|￣￣| |=||ﾆｺ ﾚ| ＊＊::::＊＊| i i i ｌ | i .i |ＣＨＩ
] [] | | | |;;;;;;;; | |ii||Liﾆﾆﾆi| ##### ri::::| i i }.| i i ｉ |----
_,.．-,, __| |___________________, --､ｴi|.{今} |ﾆニニニﾆi:|＿＿＿＿＿＿＿i /⌒
, -'", -'⌒i Li| r--| |:::| i |只|┌┐::::::┌┐┌┐|■■
, -'", -'".|| /l/王三三王三三王三三王三三王三三王三三
, -'" , -'"Yi|| ||/ /^ ＾:: :: ^ ＾ ^:: :: ＾ ^ ＾ ^:: :: ＾ ^ ＾:: :: ^ ＾ :: ::^^ ＾:: :
, -'" , -'"V ||||' /|| /:: ::^ ＾^ ＾ :: ::^ ＾:: :: ^ ＾ ^^ ＾:: :: ^ ＾:: :: ^ ^ ＾ ＾:: :: ^
, -'" /iﾚ,| / ﾙ'i^ ＾:: :: ^ ＾^ ＾ ^:: :: ＾ :: :: ^:: :: ＾ ^ ＾ ^ ＾:: :: :: ::^: ＾ ::
, -'"_,, /l / l l | / /^l_二二|二二二二二|二二二二二二二二|二二二二
l/ { } { | l | / /ﾄ､/--i￣￣i-------┴-------------- ┴--------
大坂には全国の大名の蔵米が集まる場所だった。
この時代の米は、経済の指針であり、物価の変動は米価によって大きく左右されている。
324 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:37:37.86 ID:F38wr9ko
当然、大名は米価の変動には敏感であった。
..---. ...
, -‐.': :_: :---｀ ｰ-.、
ｰｧ´:, ‐ -ｧ: :7￣l:.ヽヽ‐..＼
/／イ: : /: ./.:ｲ: }::. :}:.}:ヽ:､:ヽ、
ノ.: .: ./: : lﾊ:AL_}:/ }::.ﾊﾊ::.:}:.ト_--
´ ７:::::_|::. : | '┬ｫﾐｰ'jﾑ_ム}::ﾊ:｢｀
|:.:{ r|{:.. :l ￣´ {ｴｵﾊ.ﾊ{
ﾊ:ヽvﾍ:ﾘ u 〉 |:/
Vl:.:T , ---, ﾊ! 「年貢米を金に替えなきゃならんからな。
}::ハ、 （ ＿_/ , ′ 大坂にはよく通わなきゃいかん」
／ﾌ´{ ＼ － /
_ .. イ:::::::{ ＼ ｀ ┬‐′
:::::::｜ l ＼,_ / ＼
} ヽ ∧ 〉ヽ 〈| ＼
ーｧ-‐ ﾍ_/ヽ.＞‐くﾄj､ ヽ＼
｢ l ｰ ヽ:.__..ﾊ ∨ ｀ヽ､
ヽ l } l｜ ヽ ヽ
＼ l |: l | l l
＼ l l:. !| | |
勝茂一行は、大坂に留まっていた。
325 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:38:33.86 ID:F38wr9ko
￣li｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡_｡li￣l====l====l====l====l====l====l====l_
ll0ﾆﾛ>￣￣￣<ﾛﾆ0||'0ﾆﾛ>￣￣￣<ﾛﾆ0'||0ﾆﾛ>￣￣￣<ﾛﾆ0ll }三三三{ }三三三{ }三三三{ |
ll ┌┬──┬┐ ||, ┌┬──┬┐ ,|| ┌┬──┬┐ ll || || || || || || || || || |
|i'´'~~'｀'i|l｀⌒´l|i'´'~~'｀'i|l｀⌒´l|i'´'~~'｀'i|l｀⌒´l|i'´'~~'｀'i|l｀⌒´l|i'´'~~'｀'i| ||==||==|| ||==||==|| ||==||==|| |
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
／u ／ ／ :::::::::::::::::::| /
< ／ ／|| ::::::::::::／ /
＼ヾ／_,,...!!-‐''' ７::::::::| .l'⌒ヽ /
>≡ iｊ ／::::::::::| .|'⌒i } ｨ
／ -‐<´ :::::::::| .|'⌒ｌ | /
／＝=‐--- ヽ ::::::::| .|二ﾉ ﾉ /
. ／ __ ) u ::::::::::|/､-‐' ７
｀ｰ ､-‐'''´ ::::::::::/::: ヽ / 「京人形か……」
｀ ｰ┬────‐'::::/;::: ヽ ./
! u.＼/;;:: ヽ ./
. ｀"７ ::::::/;;;:: ヽ_ /
/ ＼/;;;:: ,､'´,,,,,｀>,_
. / ::::::/;;::: .,､'´,,,;;;'' ／ ｀ヽ
〈 ::::::∧;;:: ､-''´ ;;;;'''／ ヽ、
￣￣￣ rｒ'´ ／ ヽ
327 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:39:47.02 ID:F38wr9ko
-──-＜.. ` ､ ＼
´ .．-―- ､ノ⌒'､ー､- .. Y⌒Y⌒レハ
/／ ／ ／'､＼ ＼ ＼ ｀ rｰj r! ! __ﾉ'⌒ ｰｧ､_
'/ .´ .イ.′ ヽ＼ ＼ ＼ _＿j _)_ノ_`'´ し'´j_ｲーv´Vハ
／/ /／/// ／｀ﾄ､＼ ＼( 厂:::::::ヽ (___j'⌒Y
′′ .′ /// ／ ヽ.＼＼ ｀フ_ !:::「￣ヽ::Y'´,二 ヽ_人__ノ⌒
| ! ﾚ' ///ｨ ＼＼＼く___..j､:::`ー‐':ﾉjイ,ニヽﾊ―──＜_
l | ﾚｲ/// _ ＼ヽ (__イ⌒ヽ¨「〈 :{jfｸﾉノ ｲ}──┐ ::|
ヽ＼ | / イ ￣ ゛ ヾ＼ ノ r_(__ ゞ_＞､_ ￣ﾉ::`ー─'::::::ﾉ
ー` |イｨ´ ｫ= ＼「￣ﾉ ノ':/ !:: 「 `r ─┬ ´
（カナを選んでほしいかしら） '⌒/! 彳⌒ヾX - ＜ f |::|ﾉ⌒j |::::|ﾞ rく⌒ヾ_j
|／ ! i::::::::とﾊ! -= ｀ム|::ﾚ、'ー!::::ｈﾊ ﾄ-'´
r―┤ ､ _! 弋__つ イ⌒ヾX ヾ|::ﾄ､ー‐|::::::V`′
ノ / ゝ__ j , , , 代::::しﾊv |小:＼ ｲ:::::::_ゝ
厂 弋ニニｲ! ' 弋_つ ' イ⌒ﾚ′ﾚ'´
r'──=─ ﾉﾉ人 － , , , ／.::|!:ノ
ム--- ー=イ/ rゝ、 ｀ イ |!′ 「高けぇ……。
ノ'´￣ ￣ イ´r─┴ く＼ . イ´￣￣:ﾘ＼ けど、娘にこいつを
ｰ┬── ＜_ |:「￣丁ヽV `r-r―_ｧ―'⌒r '三i|-=≦,.ノ 贈ってやりたい……」
f´￣￣ ﾉ !:| ノ: : :＞=う´￣￣ ))_ノ_代:ノ /⌒ヽ
/ｰ―＜`＜ ゝ====イ:/ /ハ: : : :「ノ`ー─ ¨￣V .
__ヽ -==＝彡' ｜: : :.////: :ヾ＼:_/`ー=＝＝ア'´
rく_____j 人: :.//:.|:{ : : : :厂 ´=ー─､ ￣_） /
L＿＿j く ゝ //__:j:|: : : : | ＿ r－＜´￣ /
ﾉ ￣￣ ヽ ｲ // |:|ｰ─┤ .:..:.｀ヽ '
329 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:42:05.28 ID:F38wr9ko
,.ｲ .／ l／ ,'／ | ,
,ｨ ./ l/ " " レ' |
/ l/ ﾚ1
i ,.、 ,'ｨ
.|ヽ /＾ヽ.＿.／ ＼ /ィ
| /_ l __ヽ / 「そう困った風な顔をするなよ……。
|ヽ l‐-ﾞﾆﾕ Lﾆギ-‐'７. "７
ゝ :!＝｡=､ ,,=｡=＝ | r=､ ∠_, よし、お前に決めた」
ゝ l ｰ-/ ｰr '´ :l:|f‐ﾘ _／
ヽ l/ ７￣_ ， | |L:ソ _,フ
＼ l ‘"＿＿__, /l _フ
,＞､l __ V: | _,ラ＼＿
_,,.. -‐''／,r ,. l ヽ/:: ｢ ､ ヽ ヽ. ￣
,ｨ''" / / / /:l＿＿＿/:: ／ｼ、 ヽ.ヽ. ヽ
_ ＿
r─--‐'"´: : : : : : ｀`ヽ､
入: : : : : : : : : : : :r'´￣`ヽ`ヽ
／: : :＼.:.:.:.:.:. : : : :/ /´￣`ヽ V ﾆﾆヽ
/. : : : : : : ＼.:.:.:.:.:.:.〈 〈 rﾆｭ ﾊ
/. : : :〃:::::/ `ヾ;:;:;:;:;) ヽ 〈｛薔｝〉V/ 〉
i: : : :.//::::/ `ヾ;入 V / ／/ /
i: : :.//::／ `ヾ入`ヽ_ / /: :!
！:.//'´ `ヽ V /: : :!
V〈 '"´￣`ヽ '"´￣`ヽ `「`ヽ: :!
い i.:.:.:.V
i弋j ,r=ﾆﾐヽ ,rﾆ=ﾐヽ i.:.:./
l い ,〃 〃 .:; 〃〃 ) ﾉﾉ
/ ヽ ', __ ノﾊ
〈 ,r ‐┴-､ |￣ﾉ ／￣`ヽﾉ
V 二二＞ .. .＿__ _ ,.. ィ´ ＝=､.:/
V´二二ヽ _ノ＞介＜ L : .:.:.〉
／^ヽ _ ＿// / /八ﾄ､`ヽ ﾆﾆヽ.:/ ｀`ヽ
／ > =く L /l ｡ Vl l/ ヽ
/ ´了ﾉl. l:::l ｡ ´了ｿ ヽ
l く .l l::」.｡ l ﾉ l
ヽ ﾉヽ ｡ ／!: : : : : : . . . . . /
＼: :ヽ: :/ :イ ＞＝＜ ヽ';: : : : :/ /.: ／
l: : : : : : :l ／／￣＼＼ / /'"´
！ l / /
！ l ／＼ / /
331 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:44:10.14 ID:F38wr9ko
/ ヽ |
/ ヽl 「お前は美人だな。
ヽヾ＼ ヽ
∩ | ＼＼| 娘の良い友達になってやってくれよ」
/| .| | ＼|
ｌ | | | ＝=|
l | | | ヽ_ｌ|
ｌ | | .| ﾄ， ,ｒ T ´￣ ＞ ―､
. l,| | | -=|=l ／ ﾊ 丶 ヽ { /￣ヽ二ﾍ
| || | .| / /'´＼ ヽ }｜ _ｆZﾊ }｣
. しﾘ .|'-､| ｌ //＿ 丶､ヽ／ }ﾋｼ∨
/ | ┌ l /´ __､ ￣ ﾞヽ／_ﾑ／
/ | |. ｒ:ﾚ Yｆ::い ﾗ::ぃ 「 T´
‐-､/ | ヽ 込! ゝ:ｿ . {::::ｿ !/Ｙ´
＼. |. | /{!´ ヽ""､_ r ｰ|! ┐
＼.｜ | ＼ー'彡＞ .｀´イ{ゞ=' 丿
＼__| l〈＿_ 〉イ＾ト ､ f´￣ 〕、
＼ / Ｌ.ﾉ／l¨l＼ └ｔ‐彳 ',
〈 ゞ=' /cヽ 〉┘７¨ 〉
Y ,ィ⌒i c /｀ヽ ／
｣/l }、 }､c/｛ /ﾄ､/
〉 l }::::Y /{}ヽ{トｲ/ 〉
| l |:::::}〈/lヽ/|::::!| {
ト､ .l＼ 、
. ､ｰ- ､| `' ヽ} ヽﾊ
. ┌-ヽ ' ﾚ１ 「おう、ワレにはそないな趣味があったんか？」
. | ,.へ、 ,.-､ !
｢｀ /_ ｀¨ ヽ. ﾉィ て
. ト! _〈`ｰﾞﾆュ r,キﾍ ﾉ そ
. ト. {fｉl.| ＝==_ .=== |∩ 7 ﾍｌ
ﾄ. ヾ;|| ｰﾟ-__|Lｰﾟr' !|ﾘ ﾌ
ヽ. l|／ .r_||_、 ! |´ Z
二ス .ﾊ (二ニ二)V ,∠
／: /＼/ ヽ - V＜＼:＼_
. : /: /: ﾊ ヽ＿＿./| : :ヽ ヽ: ヽ`:ｰ-: ､_
ｲ:/: /: /ﾄ:ヽ :::::::::,ﾊ: : :l: : |: : |: : : : : : :｀ヽ,
|: : /: /: |:ヾ＼ /,小: : : : | : :| : : : : : : : / ヽ
ヽ: : /| : |: : ｀Y^Y^Yr': :| |ヽ: : : : : | : : : : : :/ : : : ＼
332 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:45:11.91 ID:F38wr9ko
-_='''v'´￣ﾞ''‐､
. / ヽ
| ﾊ |
. | ﾙﾘﾚ′ヽミ､___ | ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
| |二ﾆ.-＿_-.ﾆ二| | fミヽ ヾヽ ｌｌｌ ｌｌｌ ｌｌｌ 〃 〃l
fr|l::::::::::::rrrt:::::::::::ｌ|`i. | ヾ /⌒ヽ､ ｌｌｌ ｌｌｌ ｌｌｌ ／⌒ヽ〃 |
ゞ||` ―´ |.| ｀―'´||ｿ .|ミミ/|::|::|::|::|:｀"''''''"´ｕ:|::|::|::l 彡|
| j.ﾚ | ﾄﾞ､ ｀'' - ､_|::|::|::|::|::|::|::|:_.､- ''´,､ｲ
_／|ヽ￣￣￣￣ /|＼_ |=〈｀'' - ､_ ｀''ij::|::|::fi''´ _､- '´〉=|
'' "´≡ | ヽ "" / | ≡｀" ''_|r,＝＝＝=`==―‐===´＝＝＝､|_
≡≡≡|＼ ￣￣￣ ／| ≡≡ ｌ こ|l:::ﾓ‐＝-o＝:::::::＝o-＝‐ﾃ:::ｌ|ｎ l えらいもん見せて
≡≡≡| ＼ ／ | ≡≡ |.に|:|::::｀ ‐--‐/TTヽ‐--‐ ´::::|:|う.| くれるやないか
≡≡≡|. >< | ≡≡ .| し|:|ゝ:::::::::::::ノ | | ヽ:::::::::::::::ﾉ|:|Ｊ.|
≡≡≡| ／.〉〈.＼ .| ≡≡ `ー|| ヽ ￣´ | | ｀￣r‐ ||‐´
≡≡≡|／ ｌ ｌ ＼| ≡≡≡≡ .| ! ､| レ. ′ .|
≡≡≡.| | | | ≡≡≡ .／ | ヾロｺｺココｺｺｺｺﾌ .| ＼
≡≡≡ | .| | .| ≡≡ _／ ≡ | ＿＿＿ | ≡ ＼_
≡≡≡ .| | | _.. -‐'''"´≡≡≡| | 三三 | |≡≡≡｀"'''‐- .._
≡≡≡ _.. -‐'''"´≡≡≡≡≡≡≡| | | |≡≡≡≡≡≡≡
≡r''i "´≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡|. └――――――┘ |≡≡≡≡≡≡≡
【駕籠侍四天王 溝田市郎左衛門】
溝田市郎左衛門は、権右衛門と同じ、勝茂の護衛をする駕籠侍であった。
勝茂は選りすぐりの十人を十人衆と呼び、その中でも部屋の四隅を護らせる者を四天王と呼んでいた。
とくに溝田は六尺をこえる大柄な体格をもち、膂力は五人力とうたわれるほどだった。
この溝田は、勝茂に気に入られた権右衛門を目の敵にしていた。
333 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:46:26.72 ID:F38wr9ko
＿_
. , イ, ''" ,∠-‐ '',Ｚ..＿
／ ′ ′ ∠__
. /l/ ′,∠,
/ ,.、 /
. ﾄ' ,.へ.__, ‐'´ ヽ '7
l 、/ u | _,⊥ /
|`ﾃﾆ'_┐ ｉｉr _',ﾆ-‐''１ 'ｨ
. ! ｌ＝｡ﾐ′‘≦｡= ＝ r',.-､ /
! l` ‐;Ｚ..__ﾞ ーr '´v|.|^!.| ,/ 「……溝田市郎左衛門」
ヽl／ __-， u l ij |ﾉ_'ﾉ /
ﾞT ───- ヽ∧ ∧
,/! ‐一 /. ヽ ∧ ヽ.＿
,, -‐''７ /.! v V. ＼∧ ヽ. ヽ
/ / └;┬──' ,.くﾄ､ヽ ｉ |
ｉ i i l |>、 ,.く.>'l. l. | | |
. | │ l | ﾄﾆゝ /ﾆ/ | |. | | |
,､―――――――――――､
f ﾐヽ ヾヽ !!! !!! !!! !!! !!! i
| ヽﾐヽ/"'''-､._ .!!! !!! ／ヽ, 〃
| `/ `''-､..__／ 'i
| ミヽ〈 rー - ..,,, _ _ ,. - 'ｯ
. | ヽミヽ."'' ‐- .,, `'j i. ,. - ''i
. |ﾐ/⌒Y.〒-＝＝==‐.-.‐====＝i
| | ( ｀|ﾐ| | ,i||||||||!￣|! ,i|||||||!
|ﾐ.!, じ| |. ゝii||||||||!' |!||||||||!' 「男子のクセに、人形と喋るたぁ、軟弱なやっちゃなぁ」
| '‐-|.|. ヽ￣￣ | ￣ .|
, -|ミミ /ヽ. !. r._ j |
. / | ./ :::ヽ ､＿＿＿ .|_
/ |ミ/ ::::ヽ 三 | |_￣
| / ::::ヽ | | ￣
. |〈 :::::ゝ.＿＿＿＿ﾉ |
|;';'＼ ::::::::::::::::::/;';| |
336 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:49:54.13 ID:F38wr9ko
三"⌒ヽ ｿ ﾞ⌒ﾉ .iﾞ）' 'ｨ´ オラァ
三 ﾞヾ ,,/ { ) 丿
三 ィ二 ｀＼ /'ﾆ７ ､ﾊ'ｿ, ド
三::.:::三::三 ＼ ./ ^ < て ガ
三::.::.三 三:: _＿＼__＿ ＿＿＿ __＿＿´＿ ' ./'Y''~ヾ ッ
三::::.三 三ﾝィ⌒￣"￣￣￣ ￣￣ ￣￣￣ ￣￣ ￣￣ﾆ≡ `
''三三 三/ ≡''＝三≡ ;;;;（（ 三iiii_iiiiiii))))）i
三 __＿＿_＝≒=ー────;‐‐￣ ￣ ￣
三､ ー ィ⌒￣
いきなり攻撃がきた。
抱えていた包みを蹴り飛ばされた。
ト､ .l＼ 、 ヾ l |l |川 /〃
､ｰ- ､| `' ヽ} ヽﾊ ミﾞ "彡
┌-ヽ ' ﾚ１ ﾆ‐ 電 天 =ﾆ
| ,.へ、 ,.-､ ! 三 流 に 三
.- ､, - 、 ｢｀ /_ u ｀¨ vヽ. ﾉィ 一 走 ＝
＼. ＼ ＼. ト! _〈`ｰﾞﾆュ r,キﾍ ﾉ 三 る =ﾆ
. ヽ. ヽ. ヽ. ト. {fｉl.| ＝==_ .=== |∩ 7 ﾆ= ． 三 （人形……）
l "| '"| '"| ﾄ. ヾ;||v ｰﾟ-__|Lｰﾟr' !|ﾘ ﾌ 二= ： =ﾆ
| r=| r:=| r:=| ヽ. l|／ u r_||_、 ! |´ Z 三 ！ =ﾆ
| L_| L._| L._|二ス .ﾊ (二ニ二)V ,∠ 彡, ､ミ
｀ｰｉ＾ｰィ＾ｰｲ／: /＼/ ヽ u - V＜＼:＼_ /〃' 川 l | ヾ
‐ァ､` ┴ '´ヽ: /: /: ﾊ ヽ＿＿./| : :ヽ ヽ: ヽ`:ｰ-: ､_
ノ : : ` ｰ-‐ｲ:/: /: /ﾄ:ヽ :::::::::,ﾊ: : :l: : |: : |: : : : : : :｀ヽ,
: : : : : : : : : |: : /: /: |:ヾ＼ /,小: : : : | : :| : : : : : : : / ヽ
: : : : : : : : : ヽ: : /| : |: : ｀Y^Y^Yr': :| |ヽ: : : : : | : : : : : :/ : : : ＼
_,． -―- ､
（痛かったかしら） ,.「＾ ､ ｀ヽ
ﾊ ヽ ＼ ,ィ⌒ー⌒ﾄ､ 、
. ,．--/ / ::∧、 〔 { {薔}、ヽi ',
/ | i ::／ ｀ヽ､＼/,ﾍに!/ｽ_, -- 、 .:.:.}
{ i ゞ!::/ ＿ノ ､_ーLrｰ/ノl ヽ. :.:.:/
ヽ._>仁ﾆ! ＝＝ ＝＝｀ヾﾄ ヽ }.:.:.:/ （よかった。どこも壊れてない）
__ --ニニヾく ! ヽ! "" i ""_, -ｿ､ .| |:.:./
≦"´＿ ｀ シ‐i.入 こ二 r‐「,.―'⌒ｰ’ } __,ノノ
-ァ､ﾌﾍ｀ヽ ／ テ´ ｀ ー‐ﾉ}＝=-､__ .:.:.:ヾ´
// ｉ 〈 「ヽﾉヽ.／ _／/^ｰ^ｰ'｀ヾ ＼.:.:.:.:ヽ
｀ﾍﾉ__}-^ーｖ'′ ＜ と.{ ｉ / / / >'1､.:.:.:.:.:>
｀ー' ヽ廴{_ﾉノー-〉.}斗'´
｀＾ー' ｀´
337 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:52:04.50 ID:F38wr9ko
,､-―――――――‐､
. fﾐヽ ヾヽ,lｌl ｌｌｌ ｌｌl 〃/
| ヽﾐヽ / ＼!!!/ ヽ〃/
|ﾐヽ `ﾐ- ､.._ _｀ｯ
|__ヽミ〈`‐- ､ ｀! 〃 -''〉
|=.r'〒Ｆモ｡‐ﾃ〒ﾓ｡テ77
|=|に|:| ゝ::::::::::ﾉ ヽ:::::ノ
｢ .l.し|| `ｌ r _ ヽ l 「返事をせんかい！」
|:=`‐ﾊ (二二二) l
／|￣/ ヽ ＿__ l
／ |=/ ヽ ￣ .L __
／ ﾚ ヽ＿＿__lヽ "''‐- ..__
￣| .|＼ / ヽ r ､ _ "''‐- ､
| |≡＼ ﾊ l (ヽ ＼＼ l ヽ
. | |≡≡＼ /≡l l (＼＼ ＼＼ l l
│ |≡≡≡ヽ/ ≡ l ｌ ＼ヽ ` ` ｀l l
. | |≡≡≡∧≡≡l l ヽ | l
＿_
＼ ＼ ./＼ l￣l l￣l
＼ ＼/ / l＿l l＿l
／ ／ | ノ ヽ ./
( _ ノ | ＼´ ＿ / /
| ＼＿,, -‐ ''" ￣￣ﾞ''―---└'´￣｀ヽ 〈 '￣￣/
.| ─＝ニニ≠'ノ ￣￣￣￣＿
ヽ ＿,, -‐─＝ニ二二ニ＝ / /
＿＿＿ ─＝ニ二二二ニ＝ / /
───＝＝＝ニニニ二二二二二ニニ＝ / ヽｰ､ ／ヽ
＼ ＼ / /｀ｰ､ ヽ ／
/ / ＼,／
￣
再び足蹴りがきた。それをわき腹で受けた。
｀､llllヽ／ i :::| |:: /llll/
〉lll|ヽ::: （､U, ） ＼/llll〈
∧lll;;;;ヽ::::iﾖﾖﾖﾖﾖﾖﾖﾖﾖﾖﾖﾖi /lll/ ﾊ 「ぐぅっ！！」
_,,,.-―'''' /:::/ヽ|;;;ヽ::: ＿＿ /lll/:｀ｉ::::ﾊ`''ｰ ､
_,,,.-―''''":::::::::::::::::::/::/:::/ |;;;;;ヽ:::J ;;;;;;;;;; ＼/ ﾚ;｀ｉ:::｀ｉ:::｀ｉ::::::::::`''ｰ ､
::::::::::: _,,,.-―''''"７:::/:::/::::| ;;;ヽ; /;;;|｀ｉ::::｀ｉ::::｀ｉ::::｀ｉ::::ー、:::::''ｰ ､
::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::/:::/:::/| ;;;ヽ＿＿＿＿_/;;;｜｀ｉ::::｀ｉ::::｀ｉ::::｀ｉ:::: ｀ｉ、:::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::/:::/:::/:::/::| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; |:::｀ｉ::::｀ｉ::::｀ｉ::::｀ｉ::::::::::::::::::::::
338 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:53:52.98 ID:F38wr9ko
＿＿＿＿＿＿＿＿__
. / ヾ;_ |.|.| |.|.| 川 ﾉﾘ
ｌミミ;ｼ′ ｀ヾ､.l｣L,ﾘベ〃'/
│ X､､,__ u `く,,、
|三L_` ‐-¨ﾆﾕ! iﾋ'ニ¨イ
|_r,=i'｢::＝=｡=:Tﾆf:=｡=＝:|
F{に|.ﾄ､:::三ヲ′ ヾ:三:::ｲ
. /|ミ`ｧlj ┐ r __ ＼ ! 「……この餓鬼、ワイをシカトするとは、舐めてくれるやないか」
,/ |ミ/ ヽ u ⊂ﾆ==-- ´ l
ニﾆ7 |/ ヽ. ‐一 l---
. l |＼ ヽ＿＿＿＿_l l￣
│ |:::::::＼ ／|. |
. | |:::::::::::: ＼ ／::::::| │
権右衛門は人形を丁寧に置くと……
_, -- _
rー- 、 , '´＿_ r ､ _｀丶
ｌ「￣｀ヽ／＿ 「 r-､_└ｔ.-'´￣Ｌ..
ｌ| /＼ ＿￣ く ｣＿ , ｨｚ＜￣ヽ ｣ ＿＿_＿_
il ,' //＼ 丶 { |に｣Yラｿ三ｭ〕.｣ ,.-‐''´ /{___ｊ,,ｒ ﾞヽ､
＼ 〔.// ｀ －- l￣込ﾆく＼Tﾞ_｢ '‐----ﾍ '､ ,｀丶､
＼V＿ ,,. 二Ｌ.| l┘l ＼ ,.-'"´ ', ヽ､_/_ ',
八 ＿ ＿ |__〉 7Ｖ´ / }_,.ﾍ ＼´ ｜
┌ｉ Yf⌒ｔ 'f⌒ｔY Y∨ Y1 l ,l |
〃', ｔっ' . ゝ=ぅ , |lム ∨_ﾉ｀-< ! !
{{ーﾍli ｃっ r く! ＿〕 ∧_{｀ヽ',l ｌ
「￣／ /１.::'´ ,_｀':.｢ﾄ | __ ｣ ヽ,､｀ｒへｌ ｌ
匸. | ,' / 〉: {j7 .:| l | ＿」 ヽ_ﾉ ', ＿__',
{Ｌ.リ八へイL::..,, .:厶へ七にﾘ ', ／~ ｀ヽ､
┌i l ＿ 乙「´ ＿亅 l'、 /
L. -'´￣ 「 Yf´￣ / '､ヽ /
＼ | ｌ| | ヽ」
l l ﾉ ｛ | }
| レ' 大 ｀l 〉┐
__人.＿_ﾉ-┘:.∟入.＿ ｲ l├‐ｔｽヽ
r 冖'´二＞‐孑'´: . ￣ ー＿:'ーｔ L /ﾉﾍ ＿＿
＿＿く r_,二 -‐ '´＿__::.:. . ::.:.: Ｌ. 二「‐┴Y＿ ヽ｀ヽ
/／ rﾉ - _ r ー:::.:.:_. ト､ /ヽ l |
| l ／/ : : :.:.- ￣ ＿_ l:. :}ﾍ }:｜ l
l | {/ﾍ ／.::.:::.. ￣ : : ..:ヽ .: : ::.:::::Ｌ -.: ::{＿∨_/／
ゝ∟∠l::. :. :. . ' ´.:.: :::::::::.::＿ :::.:＞､::.: .: :: .: .:.:.:.:.::.:.:／ ￣￣
＼:.: .::::::.:.:.:._, -'´ ￣ ｀ ー -- 一 ' ¨
339 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:54:55.37 ID:F38wr9ko
その前に立ちはだかった。
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ｌ::::::::::::::::::::::::::::::::::::i i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
ｉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
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ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::::::シ 匕::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｼ （ ）
丿｀ ￣ ﾞ ~ ￣ ｀￣ ´i i ｀￣ ﾞ ~ ￣ ｀￣ ´＼ ） ）
r´ ｝ ｛ ｀ヽ ﾉ ﾉノ
ト-‐ '´￣￣￣￣￣￣7￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣V￣￣￣￣￣￣｀' ‐イ ∠ノ ゞﾞ´、
｀────────';.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.'────────´ ｻﾞｯ
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
」」 」」 」」 」」
＿＿ | ＿＿ | ＿＿ | ＿＿ |
| | | | ＿| ＿| ＿|
＿＿＿| ＿＿＿| ＿＿＿| ＿＿＿|
丁度、人形を背に護る形となった。
340 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:55:53.61 ID:F38wr9ko
市郎左衛門は権右衛門めがけて突進してきた。
＿＿＿＿＿＿＿ /￣/ /彡彡 ＼_WＷ/ |WWW／
/ﾐ ﾐ ﾐ ﾐ ﾐ / /7 / / /7/7 /彡ﾍ 彡 ≫ ≪
ﾆ三 |ﾐ ／＼＿/ ＼ /∠〃/ ￣/ |／ u |彡 ≫ 潰 人 下 ≪
ﾆ三 |ﾐ | ＼＼ u // | /_/￣ / /￣ ／/／ll |彡 ≫ さ 形 が ≪
ﾆ三 |ﾐ |━━━━━━ /＿/ |／.／ |彡 ≫ れ を れ ≪
ﾆ三 |r':|. | ;;;;;;;;| | ;;;;;;;;;| ./￣/ /7/7 |／|| 「彡 ≫ る ば ≪
ﾆ三 |`‐. `---' |`---' /7ｸｸ / / |==== |「丶彡 ≫ ！ ≪
／|ﾐ/| ┐ - l u.| ./ / / ￣￣/ ┃＿, u ||「 |彡 ≫ ≪
─| |/ | ⊂⊃ .| / ￣￣/ /￣￣ ｲ || ||ｴﾌ|彡 ／MMMMMMM＼
/ .| |＼. | .≡ |ヽ＿＿ ./ /￣￣ ＿/ /__|= `─'彡
| |:::::ヽ.ｰ─-─┘| |/_/ /￣/ └┬┐ |＼ 彡
| |:::::::::＼ /::::::| | / / /77 ┌-┘ -| ＼
/ ￣￣/ └┐ `| ＿-─
/ ./￣￣ | l` |／::::::::::::::::
/＿/ | ／::::::::::::::::::::::::
／::::::::::::::::::::::::::::
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::
341 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:57:04.01 ID:F38wr9ko
,,lllﾞﾞﾞﾞ,llll ， .i､ _丶 .,i´ ,、
＾ ,,il!ﾞ ,lﾞ ―'′ .!--' .,r .,-|
.,,il!° .i､ ./ ‘''" _,,r'"
.,,il!ﾞ i､.ヽ/ _,,―'''"｀｀
.,,il!ﾞ .'llll! ,,,, │ ,,／″ 、
..,,i!ﾞ゜ ,,iil!ﾞﾞ’ ," ,,,,,,,,,,.,,,,,r‐'" ｒ'"
,i!ﾞ 'lﾞﾞ′ ｀゛ ,/″ .'ヽ,,,,,,,-・'''''i､ │:::
ﾞ′ |,,,,ｙ--、 .ﾞ'i､:::::;;;,lﾞ ,!_,,-
_,,,-ｰ''"｀:::::ﾞ'i､│ : |:;;;;;;;,lﾞ: .j″
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.r‐'''"｀:::;;;;;:;;:::::.,イ: .／lﾞ .ト,lﾞ.lﾞ| lﾞ‐'ア 、 _ ,i彡″
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／ /. /〆､ / ..:::::::::::::＜
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|l l l| /_ ! :|シY ∠/: : : :/: :／: :/¨''‐- ､
|l l l| つ / l /: : l: : : :!: :/: : : : : : ; : : : ヽ―- ､
l|l! ll| .,,,,,, ,,..､ .,i､ ソ -､ Y: : : ヽ、: : : : : : : : ;〃: : : : : l: : : : :ﾄ､_
.| ! !| :| │ ! l,ﾞ.ｌ'" Y ヽ: : : : :￣¨ ''――ﾍ: : : : : : :l: : : : : : :ヽ
|l l l| :l''''′ﾞ‐'''" ﾞ''ﾞ'j ヽﾉヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : : ;|: : : : : : :_）
ヽl|l! ll| :!ｰｯ .r‐┐┌┘ ヽ::::＼、＿ : : : : : : : : 〉'"￣ }: : : : ／ヽ
ヽ', ヽ ＼ :| │ .lﾞ ! ヽ:::::::::::::::￣¨¨'''―-ヽ ,,. -〈ノ'" ）
ヽ ヽ ｀ヽ､ ‘'''"./ . ｌ ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::〉' ﾉ ﾉ ） ／ ヽ
ヽ ` ､ 丶 .／ / ¨ヽ､:::::::::::::iiiiii/ 〈iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilll/
ヽ、 ｀丶 .ヽ‐゛ ヽ､::::::/（ l l l lヽ'"
` － .,i ＼ / ¨￣￣ ノ
.＼ ./ ,r､ / ,イ
.｀゛ ,i" ./ / ヽ、＿__,,イ ﾞ┬'''"
/ . / / ＿,,,, ノ ヾ
. ／ / / ,,....,,,,_ﾉ ＼
ｒ'" ／ く 〃 ＼ ヽ
ヽ‐´ ＼ ＼
￣-＝＝＿＿＿＿ ─￣￣￣￣ ￣-＝＝＿＿＿＿ ─￣￣￣￣
───＿＿＿ ─ ￣-＝＝＿＿───＿＿＿ ─ ￣-＝＝＿＿＿＿ ─￣￣￣￣
342 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:58:14.05 ID:F38wr9ko
ヽニ､￣￣｀ヽ
// }_. |
:;:;:;:; 彡ミﾐヾ ||￣|!） |
:;:;:;:; / ミミﾐ 彡ミ ﾑ r ﾄ､ | 「ぐおっ・・・ぐぐ・・・・・・」
━━━┓┃┃ , , , 《 彡ミﾐﾐ,,; 巛ﾐ `, ⊃| ヽ,. -─:､
┃ :;:;:;:; 彡彡, ミミ 巛 , , , 7 /∠-──-ゝ､._
┃ ━━ ┏┛ 巛 ミﾐヾ_,,. -‐''"´ ｀ヽ
┃ ━━ ┏┛ .:.:.:.: .:.:.:.:/⌒ヽ ﾄ.
┏┛ ! ヽ | !
━┛ ━┓ ﾄ､ l |│
━┻ ∥ l | !
|| | ││
/￣￣ ¨''' ‐- ､,,_
l ,.へ ｀ヽ
| ./ u ヽ.__,, ．-┐ l
ｎ.ｆ─- 、 u u ! /
{ｆ|| ＝｡=ゝ ',三_￣| /
ヾ| ヾＺZ// ﾞｧﾟvv`〃'） 「うわっ……
-─── '´ﾊヽ r//、｀¨´ /'ﾝ′ 斬った……斬りおった」
:::::::::::::::::::::::::|､l.ヾﾆ'_ｰ--ｧ 'ﾝく.
_つ-‐;:::::::::::|,ﾍｌ ‐-￣ ,ｲ:::::::::＼
-‐',二つう:::ﾚﾊ∟_ ／/|::::::::::::::::＼
､´r‐ ' ´::::::::|//,ゝ､￣, くヽ|::::::::::::::::::::::ヽ.
ヽ-‐つ::::::l///／ヾ＼ヽ|::::::::::::::::::::::/::l
343 ：1[saga]：2009/11/16(月) 20:59:05.18 ID:F38wr9ko
逆袈裟に胴を切った権右衛門は、八双に構えなおすと、市郎左衛門と取り巻きに向けて視線を強くした。
/lllllllll|/lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll/llll|
/|/llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllﾚ
illlllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll/
；lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll１
|llllllllllllllllllll ｲ＾＾＾ｎｎｎiiiiiiilllllllllllllllllllllllllllllllllllllll１
|llllllllllllllllllll Nヘｗｗi ii ii 」ヘ llllllllllllllllll|
Nllllllllllllllllllllll/:::::|＼lllllllllｗｗｗｗ／| |ｗllllllllllllllllll
|llllllllllllllllllllll/|::::::| ＼llllllllllllll／.| | |llllllll|lllllllllll|
|lllllllllllllllll/:ヽ、.:|::::::|: `''ー'´ | ／illllllllllllllllllll|
|lllllllllllll/＼: ＼ :| |:::|:::::| ／ ／|llllllllllllllllll|
.|llllllllll/:::: ＼ ヽ、 ,.-'´,.-'´ ヽlllllllllllllll|
|llll|llll＼::: `''-、!| |!l,.-'´ ii /lllllllllllllｊ
|llll|lllllll|::￣:¨'' ｏ--、 .-ｰｏ―''"￣.|lllllllllll/
|lllllｒヽll|:::: `''ー－ ::| |:`''ー-'''¨ |llllｒヽll
1lll{ |lll|:::J::一一一十|一一一| し|lll| |
｀､ヽﾉlil|:::::.／ .:::| |:: |lllヽﾉ
｀､llllヽ／ i :::| |:: /llll/
〉lll|ヽ::: （､U, ） ＼/llll〈
∧lll;;;;ヽ::::i──────i /lll/ ﾊ
_,,,.-―'''' /:::/ヽ|;;;ヽ::: ＿＿ /lll/:｀ｉ::::ﾊ`''ｰ ､
_,,,.-―''''":::::::::::::::::::/::/:::/ |;;;;;ヽ:::J ;;;;;;;;;; ＼/ ﾚ;｀ｉ:::｀ｉ:::｀ｉ::::::::::`''ｰ ､
::::::::::: _,,,.-―''''"７:::/:::/::::| ;;;ヽ; /;;;|｀ｉ::::｀ｉ::::｀ｉ::::｀ｉ::::ー、:::::''ｰ ､
::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::/:::/:::/| ;;;ヽ＿＿＿＿_/;;;｜｀ｉ::::｀ｉ::::｀ｉ::::｀ｉ:::: ｀ｉ、:::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::/:::/:::/:::/::| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; |:::｀ｉ::::｀ｉ::::｀ｉ::::｀ｉ::::::::::::::::::::::
344 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:00:43.17 ID:F38wr9ko
､__l ｌ ｵ, -､ ,r '"´￣￣ ¨丶,
,二ゝ / | ﾉ / ,ィTヽ, ,ィTヽ,ヽ
. ‘ー l /l | |十l干|十!│l_.| ｰ_ﾋ``:ｧレ-､ o o
| ｆ-ﾞﾆ''_┐ij┌_''ﾆﾞイ.| （.＿ / | 丿
ｎ.| ＝==" '==＝ |ｎ
|f|| Zｧﾟz/u ヽzﾟｧ,Z ||ｆ| 「ち、違うんだ。
バ|! ｕ __‘‐～‐' u :|lハ
-‐ ''7.: : :|. (´＿｀二._￣｀) !: : l`''ｰ- 俺たちは、お前とそこまで……」
: : : :!: : : :lヽ､_ u ｰ ￣´,.ｲ: : : |: : : :
: : : | : : : |:::::＼￣￣￣／:::|: : : :|: : : :
: : :.| : : : :ﾄ､::::::::＼. ／::::::::,ｲ: : : :| : : :
: : | : : : :l:::ヽ:::::::::∧::::::::::/::|.: : : :|: : :
/ ／ ', ｌ
ﾐ＼ /ｌ/ ／ ／彡', ﾚ
＼＼/ .／ ／ ／ .', l
＼ ＼ ／ヽ、__ ／ ／ ／ u .', l
./ ＼ X iju ／ ／ u ／ ｌ
! ／＼ ＼ ／ ／_|,､､- ／/⌒ヽ ｌ
l ／‐-､,,_＼|| u||／'~ ﾉ ｜ |⌒i .| l
l lヽ oヾ ,,,,, o ノ~ | |￣| .| l
. l l ｀''ｰ､_／ ''''''' ''┐ ｌ´| u | |二ﾉ / l
i l u ／＝==-- ｀‐´ | u | .|､__／ .l 「はやくそいつを連れて帰れっ!!」
ヽ ' ／ __｀) u（_~） V'., ｌ
／__ u _＿_ u. ＼/ '., l
"', 1二二ニニ~--‐-｀ヽ u/ '., |丶、
Ｏ', ! i / '., ! ヽ、
', ｌﾆ二二ｴ二二ニﾆノ/; ',/ ヽ
_,,○- ', ,,,,,,,,,,,,,,,, /;;; '.,
-''~ ', u ;;;;;;;;;;;; ＼/;;; ／ｌ
.i ij ij /;;;;; ／ .ｌ
ｌ＿＿＿＿＿/;;;;;; ／ .l
|＼;;;;;;;;;;;;; ／ ｌ
溝田は仲間に抱えられながら去っていった。
345 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:03:04.53 ID:F38wr9ko
/∨
|∨
| ヘ＿ ノ⌒
| /ヽ .u .／／_|
| | ＼|| ||／|| |
|. |＝= ) =＝= | |⌒
.|［|-・'/＝-・-'u.| |)）| / 「人を……斬っちまった」
| .| / _ ､ ||`‐' /
| | ──￢ ､/ /
| =.￣ ､/＼/
＿ |＿＿＿ / ／|⌒ヽ＿
_._._._ ／ | /＼ ／ | /
/////／ | / |─| | /
| | | / | | | /
/／ .／ ／::::::::::::::| /_
.／ ||'´ ／u:::::::::::::::::| /
／u ／ ／ :::::::::::::::::::| /
< ／ ／|| ::::::::::::／ /
＼ヾ／_,,...!!-‐''' ７::::::::| .l'⌒ヽ /
>≡ iｊ ／::::::::::| .|'⌒i } ｨ
／ -‐<´ :::::::::| .|'⌒ｌ | / 「市郎左衛門はどうだろうな。
／＝=‐--- ヽ ::::::::| .|二ﾉ ﾉ / 手ごたえは十分……
. ／ __ ) u ::::::::::|/､-‐' ７
｀ｰ ､-‐'''´ ::::::::::/::: ヽ / まず助からない……」
｀ ｰ┬────‐'::::/;::: ヽ ./
! u.＼/;;:: ヽ ./
. ｀"７ ::::::/;;;:: ヽ_ /
/ ＼/;;;:: ,､'´,,,,,｀>,_
. / ::::::/;;::: .,､'´,,,;;;'' ／ ｀ヽ
〈 ::::::∧;;:: ､-''´ ;;;;'''／ ヽ、
￣￣￣ rｒ'´ ／ ヽ
346 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:04:40.98 ID:F38wr9ko
/| /| ∧
/:: |/:: |. /:::::', ∧
/::::::::::::: |/::::::::::V:::::|/|
. |＼/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: レ1
. |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾚ1
ﾄ､|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
|::::::::::::::::/⌒ヽ.＿_ノ⌒ヽ :::::::::::::::: |
|::::::::::く ＼ |ｌ／ >::::::::::: |
|:::::::::::: .へ.＼ __／ .へ.:::::::::::::|
',::::::::::〈 ＿ >､_} {_ ∠__ 〉:::::::/
ﾍ fﾆｌ | ＼_ｰノ.| ﾄ､_‐__／|/^}:::| 「腹を切るか……」
|:|l ｌ | ‐‐| |‐‐ ll | ｌ |:::ｌ
ﾍゝ..|./ ┌|_|┐ |! .|ﾆﾉ:/
ﾍ∧ ー‐--‐一 /::::∧
/∧::l. ￣￣ V |／/ ∧
´￣/ / / ﾄ /､.| | | |￣`
/ / / .| ＼＿＿_ / | | | | |
ト､ .l＼ 、
. ､ｰ- ､| `' ヽ} ヽﾊ
. ┌-ヽ ' ﾚ１
. | ,.へ、 ,.-､ !
｢｀ /_ ｀¨ ヽ. ﾉィ
. ト! _〈`ｰﾞﾆュ r,キﾍ ﾉ 「いや、まず組頭に事情を話して、
. ト. {fｉl.| ＝==_ .=== |∩ 7 手紙を書いて妻に人形を渡すようにしてもらって……
ﾄ. ヾ;|| ｰﾟ-__|Lｰﾟr' !|ﾘ ﾌ
ヽ. l|／ .r_||_、 ! |´ Z そういえば、市兵衛さんは怒るだろうなぁ」
二ス .ﾊ (二ニ二)V ,∠
／: /＼/ ヽ - V＜＼:＼_
. : /: /: ﾊ ヽ＿＿./| : :ヽ ヽ: ヽ`:ｰ-: ､_
ｲ:/: /: /ﾄ:ヽ :::::::::,ﾊ: : :l: : |: : |: : : : : : :｀ヽ,
|: : /: /: |:ヾ＼ /,小: : : : | : :| : : : : : : : / ヽ
ヽ: : /| : |: : ｀Y^Y^Yr': :| |ヽ: : : : : | : : : : : :/ : : : ＼
347 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:06:43.80 ID:F38wr9ko
. ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
. ＼ ||| ||| ||| ||| ||| ||| ||| //＼
＼ ||| ||| .||| .||| .||| ,一へ ||| /// |
＼/＼ ||| ||| ,─i￣|::|:::|::l＼| /// .|
/| | | |＼_ -‐￣|::|:::| |::|::|:::|::|:::|＼/// .／|
. ﾐ＼.| | | | | :|::|::| :| |::|:::|＿ ─〃 :|::::＼:::..／／|
.. /＼ll＼| :|:U |::|::＿─ll＿ll─'' :::::::::／／／／|
. | ＼ll || |||＿ll─ ::::::::::::::::／／／／ |
┏━━━━━━━━━━━┳━ /⌒i. | 「あの餓鬼、ホンマに抜きおったで……
|llllllllli::: |━━|lllllllllllli::: |:::::| :l⌒l |＿＿_| 痛っ・・・！
|lllllllii::: /,::::::: |llllllllllllllii::: ﾉ:::::| :|⌒|:|── |
.. ｌ＼lllliii::/,::::::::::: ＼llllllllllllii:::ノ::::U:|::|⌒|:|.￣￣.| だったら、とことん
｜v￣/,:::::::u:::::: ￣￣￣ ::::::::::::|:| ノ丿＿＿| 殺ったろうやないかい・・・！」
. ｜ /,::::::::::::＿::) ／::::::::/l :<´.──‐|
| (.:: ' |l:::::::::/： :＼￣￣ .|
| --==ﾆニ二二) ::::::::/：: :＼ .|＼
| ::::::/：： :＼ 三| ＼
| ＿＿ ::::::/：： :＼ | ＼
／| :::::::: ::::/：： ＼| ＼
.／/ | ::/：：: ／| |
／ / .l＿＿＿＿＿＿/：：： ／::::::| |
/ |::::＼：：：：：：：：：：: ／::::::::::::| |
＿＿
/ ／
/ ／
| / ／ . |
| / ／ * ’ |
| /／ ﾟ# 'ﾟ |
| ; * ; ' ; i ,ﾟ |
| ○ ,mぃ、 i* |
| ,l ._'t栗；_ ; l |
| i ,/ {乂}:/ヽ ., ; |
| . :; L l_.i/,_-゛」 l |
|＿＿∵l⌒ヾ身/⌒l’,'＿＿|
.／ .:∴ﾟ| |；;i:ﾐ∵| |；※ ＼
.／ . '‘乙「’∵%’ﾟ五i‘.、 ＼
だが、市郎左衛門は長くはなかった。
刀をつかんで権右衛門のところへ出かける途端、傷が開いてそのまま死んでしまった。
348 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:07:51.18 ID:F38wr9ko
父親である溝田市兵衛は激怒した。
､､丶 ヽ ! ! ! ! .〃〃,,
ヽﾞ, -‐' ´￣!￣!￣!￣!￣｀` ‐- ､" ,,
ミ／::: _ _ :::＼〃
.ﾐ/::: _ ` ‐- ､＿, -‐'´＿ :::ヽ〃
.ヽl:: ミ`ヽ､. ｀`‐- ､＿,, -‐'´ , ‐'〃 ::l〃
ﾐ|:::: `‐､ll ` ‐､ , ‐'´ ll, ‐' ::::|Ξ
.|::: `‐､ll ` ‐､ , ‐'´ ll, ‐'´ :::|
|:::: ／￣￣＼_|| ||_／￣￣＼ ::::| 「息子は無手でなんも武器を手にしておらんのや！
ｉ'⌒|──‐|.======= |──‐| =======.|──‐|⌒'i
|.l⌒::: |. ` ‐-ﾟ-‐' |──‐| `‐-ﾟ-‐ ´.| :::⌒l.| あのクソガキにゃ、打ち首にでもしてやらな、
|.|._）:: ＼ ‐-- _,ｲ::: :＼ --‐ ／ ::（_.|.| こっちの気が済まんわい！」
. |.|_）:: ￣￣ .l:::/ / / :ｌ. ￣￣ ::（_|.|
. ヽ__:::: ／ ＿／ l:_:: _;l ＼__ ヽ、 ::__ノ
／:::|:::: / / ｀`‐-‐'´ .＼. ヽ ::::|＼
／:::/::::|::::/ / （￣￣￣￣￣￣￣￣￣） .l、 | ::::|:::::::＼_
-‐/::::::/:::::::l:|::::../ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣ | :::|:ヽ;:::::::::l｀ ‐- ､_
, /::::::::l::::::::|::::l::::: ━━ :::l::::::::l:::::::::::|,,,,,i,,,,,i,
,l::::::::::|::::::::|:::::::＼::: l l l l l l ::／l:::::::::|:::::::::::|,,,,,i,,,,,i
|::::::::::|:::::::::|::::::::::::l＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_／:::::::l:::::::::|:::::::::::|,,,,i,,,,,i
|:::::::::|:::::::::::|::::::::::|＼：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：|::::::::::::|::::::::|:::::::::::|,,,,i,,,,,i
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【船業者 溝田市兵衛】
目付に訴えた市兵衛は、その沙汰を待った。
351 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:08:52.11 ID:F38wr9ko
事態は、意外な決着を迎えた。
:::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... ....::::::::::
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... .. .. . ... ... ..:: . .. . .. . .. .. . ... ... .. ..:: . .. . ..
. .. . .. ... .. .. . ... ... ..:: . .. ... :: ◯ : . .. .
. .:: : :.. . ... ::: :::.. §. .. . .. .. .. .. ... ... ... .... ..:: .
. .. . .. .. .. .. . . . .. . § . ... ... . .. .
.. . .. .:::: :: -‐'" ﾞ''‐- . ... ... . ... ... ..:: .
..:: . .. . .. ｀`侖侖''" . .. .
-‐'"韭 ﾞ''‐- . ... ... ..:: .
ﾞ''､,,_,,,,-‐'゛｀`''､, ｀`侖侖侖''"
;'' ;~'',;'''',;'';'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;;-‐'"韭韭 ﾞ''‐-
,;'',;''ﾟ ;~,;":;;;: : ;: ;: ;::::::｀｀ﾞ''ｰ-侖侖''"::;.-‐'゛~ﾞ｀ﾞ''-、.,,,:: . ... ...
::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:"ﾞ''､,;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:`;'' ;｀`'‐.､;;;;;;;.,.,.,.,..,.,.,.,.
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ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ,:;,`ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;"i|:;.::;,,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;":;.::;,ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ,:
:.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ,::.ﾐ,,;'',;' ;~,;:.ﾐ,,ii;'',;' ;~,;''ﾟ :.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ,:;,`ﾞゞ:.ﾐ,;'',;' ;~ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~,;,:.:.､;:...:,:.:.､
.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ
353 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:10:44.68 ID:F38wr9ko
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!::::::l::::::ﾚ',! ー-､ !/ !::/ !::ハ:,ｲ:::::::::::|
!::::_」:::::::::! ..,,＿`ヽ､_,. ,ﾘ ´ _,..,_ !::::::::ﾊj
!/f r.|::::::::! 弋ｴﾉ｀ ｀'ｨﾆ二_ /:::::::::!
k.ﾔ!:::::::! ゞｚｿ,. /::::∧::|
|∧`Y::ﾘ i //|/ ヾ
!Tヾ u. j //ノ
ﾔ. ヽ. , ‐-､,__ ,.ｲ:/ 「権右衛門が腹を切ることはならん」
r＜´|. ＼ 弋,＿_,/ ／ |/
! ｀丶､. ＼ ｰ ／
_/ `'-､. `'ｰ-r<´
, -'" ｀ヽ､ ｀ヽ､ f｀, ＼
, -'´ ヽ ｀ヽ､ >く_Lｒ'´｀ト､
／ ヽ ＼ ／ヽO〉 |｀r､.| ｀丶､
/ ＼ ＼/＼r‐＝<. !｀ ｀ヽ,
/ _ -－‐ ヽ ヾ ! ヽ i
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
| （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 「往来での喧嘩は両成敗、切腹が妥当かと」
| }
ヽ }
ヽ､.,＿＿ __ノ
_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
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. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
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【勝茂近習筆頭 中野やらない夫】
354 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:12:49.29 ID:F38wr9ko
/ ／ ..::/.::/ .:::::: /.::::::/.:::::!::::::..!.. l ::ヽ｀ヽ
i / .::::::!::/l ..:::／/.:::／!:::::/l::::::::l:::::l:::....l !
! ! l .:::::::/l/__l／ /／ ｌ:::/.:::!::::/!:::::!:::::::!::!:l
ｌ /l/l .::::::/ ＿_ ｀ヽ、 ｌ/ .::::l::/.:l:::/l:::::::!::!::!
V く ｌ .:::/ ¨ 疋ﾀ` ヽ､ノ .::::::_j/ -―ｌ:::/.∧l
∨ｰ!::/ ｀¨ ／fr芹､:::／l/.:/
j/iヽl/ /.:::::┴'..:::/./ j/ 「溝田市郎左衛門は無腰だったと聞く。
. ｌ::∧ { ::::::::::::::/.:/
. __/V ::ヽ ／..::::::::::/.:/ だが、それは市郎左衛門の策だ」
／i/ ! ::::::ヽ _ .:::::／ j/
.三l :: ｌ :::::::ヽ、 __‐-..::::／
.三 !.:::::.ヽ、:::::::::ヽ、 ....:::::／
三ﾆｌ:::::::::::::＼::::::::::::::ｰ匕＼
ｨ==､、 ___ ﾉ ＿＿＿＿＿＿
（i j） , ‐r´.:::..:..｀¨:ヽイﾉ（ lll lll lll i
,ゝ_,彳 ,r'´.::ﾉヾヾ::..;､:`::..::..ヾ ｹ||| ｼｰ---i彡彡i
／ / r'.:（;ﾉ; ﾊ;'ヾj ;）;）ゞ::;:..rく.＼,, ,／` 彡彡i
..／ ｡i ,/.:ﾉﾉ ゛ " ヾ::::. / }::=-----＝ﾉ-､
' 。,| 〈.::ｼ!=≡ ≡= ﾉ;::､| ,/ L::::::::::}'´i,ノ.: 「相手が丸腰なら、手加減すると油断を誘い、
λi ゞ/ /^! ｉ!!_'´i／ /;[ ミ ヽ （. その隙をついて手篭めにする魂胆である。
／ i' 、 ヾｰ'人 厶_.! ﾝ;/ /.:ﾉ ＼_.] ノ´
/ ヽヽ Ｖ⌒7´￣ ` ｰ┴/ !^ｉ^ヽｒ:z:≦二ヽ 手裏剣や鎖鎌を使うのと変らん。
ヽ ＼__| {＿＿＿＿_,/ hnﾍ⌒ヽ、 ヾヽ ヽ
_,∠／ 人Y yｲ:..＼. { V ヾ ! お前は手裏剣を使ってくる者に
、 くλヽヽ/.:::〈 ｀只´ 〉.:::::::.. ＞ﾍ＿_/| `幺 抜刀したものを、卑怯というのか？」
､ー-､／ヾヽＹ..:::::く,ﾌo/ヽ,ゝ..:::..:::.i:::::.. !:::::{/ !
ー/ ｙ/.:::::::::./o/.::::::::::::::::::::.l:::::::.|￣∨T¨¨´ /
`ｰ―' ./.::::::::./o/.::::::::::::::::::::::ﾑ::::::.| V /
ノ/.::::::::::..`´.::::::::::::::::::::./ 〈::::八 } /
／ /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::.λヽヾｲ__ヽ_ノ /
／ ,/.:::::::::::::::::::::::::::::::::.／ ヽ ヽ、 〈
356 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:15:00.47 ID:F38wr9ko
. /:.,:.:.／:.:／:.:.:.:.:.: ／:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.: ',:.:.:.l:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:',:.:.:.:.:',:.:.:.ヽ
/:.ｲ:./:.:.:./:.: ,:.:.:.:.:/:.:.:.:.:ｨ:.:ｨ:.:.ｨ:.:.:.:. ﾊ:.: ﾄ､:.:.:.:.',､:.:.:.',:.:.:.:.:.',:.:.:.:
´ .l:/:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:／ |:'.l:.:/.l:.:.::.:/ l:.:.' ヽ:.:.:.l ヽ:.:.!､:.:.:.:.ｉ:.:.:.
|':.ｨ:.:':.:./:.:.:.:ｨ:.:／ l:/ l:.:.:./ |/ ヽ:.:l ヽl :.:.:.:.!､:.:
―|ﾊ:. l:.ｲ:.:.:.ｲ l:/｀ｰ､ |' !:.:/ ' !:' _ .－〉:.:.:l‐ヽ
' ヽ!' l:.:./:l ' ィ＝≧ｪ.､ |: ' _ｪ≦＝､/:.:',:.' 「俺は市郎左衛門が最後にこうなることは見抜いていた。
{ l:./:.:l __ヒラ_ ＞- ' ゝ -＜_ヒラ_ .':.:.:.:' !
!ヽl':.:.:.:! , ':.:.:./ ' 卑怯な手段で手篭めにされて、武士の一分がたつか」
! !:.:.:ﾊ ｉ: ':.:.:.ｨ
.! l:.:.lｰ:. !j l.:. /ｉ:. / l
l !:lヽﾊ l.:.:. / .!:/ !
! l:l ヽ /:.: ／ !' !
_._.,,.､.-.ｰ.-..､_
ゝ＜´:::::::::::::::::::::::::::::`ｰ:.､
／::::::::/::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/／::::::/::::/＼!＼_＼::::i:::::::::::::::::＼
/´/:.:l::::ﾚﾍ! ヽ／__＼::::l::::::::::::i:::::::::｝
!l:l::l::へ ヾ ｀´ﾆfｿゝ ∨::::::::l:::!::::::::l 武士なら恥辱を受けたら全力で雪ぐべきだ。
|:::ﾚﾍ f_)） ﾚﾍｿﾍ::!::::::! 刀でかなわないなら鉄砲を使え。
ﾚﾍﾊ く |/ )ソ!:::::::! なんとしても恥辱を雪ぐのが侍だろう。
! ｀ ､／/:::/ﾘ
､ - - ､ ′|/:::／ それよりも恥辱を受けない方が大事である」
ヽ _ ´ ﾉ:::/
`ｰ､ ´ ∨_
_,∧ __,,､､＜´ 〉､_
／/∨) /∧ /::::::i:::ヽ._
_ ,,､-ｰ／ !/ヘﾍ/ソ∧ /:::::::::l:::::::::::｀:ｰ:.､
,´:::::::::::::く::::::::/ヽ(⌒ｿ´´ヽ／::::::::::::::!:::::::::::::::::::ゝヽ.
/::｛::::::::::::::::＞:i l7i /:::::＼:::／::/:::／::::::::::::::::i
,'::::::i::::::::::／::::::l /;;;;l /::::::::::::::〉:::::/／::::::::::::::::::::::!
/:::;::::∨:::::l::::::::::i /;;;;;;l. /::::::::::::::/:::::::/:::::::::::::::::::::::::/
/::::ヽ:::::〉:::::l:::::::::l /;;;;;;;;l. /:::::::::::／;;;;;i:::i::::::::::;;;;::::::::::::::>
こうして、権右衛門の沙汰は取りやめになった。
358 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:17:39.33 ID:F38wr9ko
､++-++-++､
ﾒﾐ ゛゛'' '' ″"ｷ
f〈＼ミ三彡／〉ﾄ 「死罪だけやなく、追放もなにも罰則もなしやと！？
frﾄ､＼ヽ .ィ／/|`l
lt| （≧）ニ（≦） |ﾘ 納得がいくかい！？
_,,... -‐ '' "| ,-' L__.｣ '-､ .|" '' ‐- ..,,_
.'' " ≡≡≡≡ ｌ ∈≡≡∋ .l ≡≡≡≡" '' これでは、倅が死に損やないか！」
≡≡≡≡≡≡|L＿_三＿_｣≡≡≡≡≡≡
≡≡≡≡≡≡|＼ ／|≡≡≡≡≡≡
≡≡≡≡≡≡| ＼ ／ |≡≡≡≡≡≡
≡≡≡≡≡≡| ／〉〈＼ |≡≡≡≡≡≡
ﾐ,／￣￣￣￣ ＼
ﾐ/ ゛゛ ゛ ゛＝＝゛｜ 「すぐに郎党に声をかけろ！
..ﾐ/゛゛゛ ＼ ～／ | 打ち返へし･･･！
|゛ ゛゛゛=((･))-((･)) |
ﾐ (6゛ Cつ) | 喧嘩の打ち返し、やったろうやないかい！」
／| ／ ( ＿＿_, )
＃＼.. /＿＿/ ／
＃＃|＼ ￣／＼＃ ＼
すぐさま３０人ばかりの戦闘要員が大坂に集まった。
ザッザッザッザッザッザッ……
_＿＿＿＿_
＼＿ ｜ _＿＿＿＿
く／∟ | ＼＿ ｜ __＿＿＿＿
∠|￣~~@＿| ＿＿＿＿ く／∟ .| ＼＿ ｜
ー ／ | ＼＿ | ∠|￣~@＿| く／∟ |
く／￣￣| く／∟_ .| ― ／ | ∠|￣~@＿.|
| ∠|￣~@＿| く／￣￣| ァ ／ |
フ ／ | | く／￣￣|
く／￣￣| |
359 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:19:55.68 ID:F38wr9ko
,.ｨ , -''７ ,.ｨ
,.ｲ .／ l／ ,'／ | ,
,ｨ ./ l/ " " レ' |
/ l/ ﾚ1
i ,.、 ,'ｨ
.|ヽ /＾ヽ.＿.／ ＼ /ィ
| /_ l __ヽ /
|ヽ l‐-ﾞﾆﾕ Lﾆギ-‐'７. "７
ゝ :!＝｡=､ ,,=｡=＝ | r=､ ∠_, 「これで喧嘩で俺が市兵衛さんに斬られれば、
ゝ l ｰ-/ ｰr '´ :l:|f‐ﾘ _／
ヽ l/ ７￣_ ， | |L:ソ _,フ すべてカタがつく……」
＼ l ‘"＿＿__, /l _フ
,＞､l __ V: | _,ラ＼＿
_,,.. -‐''／,r ,. l ヽ/:: ｢ ､ ヽ ヽ. ￣
,ｨ''" / / / /:l＿＿＿/:: ／ｼ、 ヽ.ヽ. ヽ
/ | / /' / ,ｲ.l:ｷ::::::::::::: ／ﾂ" ﾄ､ ｌ ｉ l 権右衛門っ！！＞
361 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:21:27.81 ID:F38wr9ko
､
＿_ｰ-=＝＝‐ｰｰ''""`ヽ､___ iヽ、 ､
＼;;;`ｰ--＞;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;i;;;;;ヽ ;｝
＜二ニゝ;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;∨i ,
＼ヾ=＝＜￣`;;｀￣＞､;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;;;;;;;i/i
ヾﾍ;￣￣`::::ヾ:::::::::::::::::＼;＼;;;;;;｝;;;;;;;;;;;;;;;;ﾚ
!::::ﾍヘ::::::::/ `7;ヘ､::::::::::::::::ヽﾉ;ﾚノ／ノ;i
!;ヾ;;ヾ＼;/ /;/ `ゝ､::::::::::iｿ:::::::::::::ｿﾉ
!;;ヘ＞" !;! // ＼;/ﾍ"ヾ:::::/′
i ゞY ｰ-､,_|! !;i i;:〉 !;;i′ 「助太刀に来たぜっ！」
人｛ ___.,,,,≧ｔｒｭ､_i;! _,i/,,､ﾉ!;!
_＿__ _,,､＝クﾄし、 ｀ゼﾂﾞ¨` ≦ｆｾｭ7 i/
ヘ__／´:.:.:.:.:.:｀ｰ≦三ソ'l.:.:.:.!! :i i /__＿ _
/.:.:.:.:.:￣￣￣`'ｰ､ヽ二.:.:.:i.:.:.:.||八 i / `ヽ:.:.:.｀＞....、
ヘ/__,,,,==＝=￢;,.:.:.:.:.:.:ヽ_∧.:.:!.:.:.:.:.､ﾍ ､ ＿＿ ''′ ,ｲ:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.ヽ:.:.＞.、
;|.:.:.:,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀'ｰ､,_:.:.:∧.:.:ヽ.:.:.:.:.:.ﾍ ｀ｰ-－'´ ／⌒i.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:i
/:!.:,'__,,､ -=＝￢:::_:.:.:.:.:.:.:.｀'┤:i.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:ヽ ´ ／ｿ.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:!
/:ﾉ´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.:､,:_.:.:.:.:.:i :ﾄ;;;;;;;;;;;;;;ヽヘ二｀ｰ-..タ∧;;;;;;;;ﾉ:.:.:.:.:.:.:. ﾉ:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.i!
_z―‐‐-､,. -―z_
,∠, ﾞ ｙ ＼
／ ﾞ ﾞ ﾞ ヽ
,ノ〃 , ﾞﾞ, , ﾞ ﾞ | 「ククク……
／,／ ﾞ ／! ﾞﾞ/! ﾞ/ ﾞ | 後は任せておけ。
/／/ , ,ヘ/／j／_｣∠L ﾞ |
' /／ l/ｋ‐-｡ﾐ /ﾆ-｡‐ｧ |.|=､! 溝田の老人にひと泡吹かせてやる」
' ' ∧￣//ヽ ￣´ ｊﾉyﾘ
,.--一ァ !ｯﾍ//／ /=彳_
,.-‐‐く￣,二'つ_ '‐ﾍﾞ￣｀¨´/ ／（
/￣⌒ヽ_＼_｢＿l_｣ r――ﾍ ｢〉 / ／/ 〉 ＿＿＿_ シッシッシ
/ ﾉ⌒'ｰ'`ｰ'／ ＼ .ヽ／ /＿| ／} ／― ―＼
. / ! ,.-‐ / _〉 ／ ﾉ _〉 ＼ ／ ⌒ ⌒ ＼
/ | / ノ _,. -‐'´/ 〈. r‐'´ ＼ ／ _ﾉ ､_! ヽ ＼
./ ／ ／ ヽ |～| {} , -‐‐‐‐-､〉 | ﾄｪｪｪｲ |
＼ ヽニｿ ／
364 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:23:33.76 ID:F38wr9ko
＞‐ ｀ﾞヽ、ヽ ｀ ｀.Y ｌ
ｌ 「表の邪魔なものは排除しておいた。
/ｌ これで存分に射撃ができるだろう」
＿, -――'" ｌ
〉 〉
/ ＿＿＿__, ｲjｌ
, r'"ヽ" ＜d 〉 ヾｌ _,,.. - 、,. ''" ﾆ=-
. ヾ b 〉 _,. -ﾞ' ﾞ "￣~ﾞ'' - .,,
/ｌ .ｌヽ- 、 -‐ / ７i ヾ ーﾞヽ
V ｌ ヽヽ、 /‐- 、 / ii i; 、ヽ
. r't-、ｌ__ヽ ｀ t‐ '::ヽｌ::::::::ヽ _ i i! i. ﾞ ,
/:::::::::::::::￣ｌ―'"ヽ_:::::ﾄ.、::::::ﾍ 「わるいな」 ／ ﾞ'' -'^ヽv ｖ ﾍ、ヽヾヾ i i i＼i
:ヾ‐- 、_::::_ｌ__ ﾉ;ｌ.ｌ;;｀>Xヽ::::::> 、 /"" , ,,_ Ｙ!/ ヾ__!_Aﾘ|ﾉ!'!'!
:,-‐ヽ、:::::::::::rヽ"ヽｊ .〉'";;;;＼〉:::::::::ヽ、 ,.- " 〈 i i=ゝ、 ,,∠=-ｧYﾍﾚ
:::::::::::::｀ヾ:::::::ヽ.ｌ＞'";;ヽ;;;;;;;;;;;ｌ::::::::::::::::＼ ﾉ ! | "~' |、 - !ﾟ-."!|くﾟ- !!ﾒ/
::::::::::::::::::::＼r'"※";;;;;;;;;ﾍ;;;;;;;;ｌ::::_＿_::::::::ヽ、 ( ! ,,... ! ,,.. ! ￣i, !|::. /.ノ
. |ヾ '!. / |"ﾞ .〉ー !|;― /"iヽ~ﾞﾞ^''' -
/ヽi - ! _/ﾞー i'! i,/ 、 ― /i |,,__
ノ">ヾ_!〈=＝-!|_ノi ヽ ＼ ／ ! | ￣ﾞﾞﾞ^'''
／ ''ﾞ.---┘ | ＼ッ" / |
＿─-､ -‐;ｚ.__
＞ ` " ﾞ ＜
/ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ＼
l " " ", ,ｨ ハﾞ i ﾞ､ ﾞ､ヾ 「弾除けの畳が済んだら、
| " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N 早合つくりを手伝ってくれ」
! r,ｺ| ＝=a ,==｡ﾊﾘ
| |ﾋ.j| ￣ r_ ＼7 ＿＿＿
j `ｧﾍ ⊂ﾆﾆァ7′ ／ ＼
. _／∨ :::＼ ＝ ∧ ／ ⌒ ⌒＼
-‐'''"´ |. ヽ. ::::＼,.ｲ |`'''‐- ､.._ ／ （⌒） （⌒）＼ 了解だお！
| ＼ :::::/ │ ハ | :::::⌒（__人__）⌒: |
. | ,ヘ 〉 |へ、| l. l ＼ ヽ＿ノ ／
ｌ_／ ﾟ〈`ー'| ヽ! │ | ヽ , ＿_ , イ
|:::::::| ｢￣￣| │ | ／ ＿ ヽ
366 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:24:52.89 ID:F38wr9ko
ト､ .l＼ 、
. ､ｰ- ､| `' ヽ} ヽﾊ
. ┌-ヽ ' ﾚ１
. | ,.へ、 ,.-､ !
｢｀ /_ ｀¨ ヽ. ﾉィ
. ト! _〈`ｰﾞﾆュ r,キﾍ ﾉ
. ト. {fｉl.| ＝==_ .=== |∩ 7 （おい、なんだよこれ……）
ﾄ. ヾ;|| ｰﾟ-__|Lｰﾟr' !|ﾘ ﾌ
ヽ. l|／ .r_||_、 ! |´ Z
二ス .ﾊ (二ニ二)V ,∠
／: /＼/ ヽ - V＜＼:＼_
. : /: /: ﾊ ヽ＿＿./| : :ヽ ヽ: ヽ`:ｰ-: ､_
ｲ:/: /: /ﾄ:ヽ :::::::::,ﾊ: : :l: : |: : |: : : : : : :｀ヽ,
|: : /: /: |:ヾ＼ /,小: : : : | : :| : : : : : : : / ヽ
ヽ: : /| : |: : ｀Y^Y^Yr': :| |ヽ: : : : : | : : : : : :/ : : : ＼
. , イ, ''" ,∠-‐ '',Ｚ..＿
／ ′ ′ ∠__
. /l/ ′,∠,
/ ,.、 /
. ﾄ' ,.へ.__, ‐'´ ヽ '7
l 、/ u | _,⊥ /
|`ﾃﾆ'_┐ ｉｉr _',ﾆ-‐''１ 'ｨ
. ! ｌ＝｡ﾐ′‘≦｡= ＝ r',.-､ / 「なぁ、兄さんたちに迷惑は掛けられない」
! l` ‐;Ｚ..__ﾞ ーr '´v|.|^!.| ,/
ヽl／ __-， u l ij |ﾉ_'ﾉ /
ﾞT ───- ヽ∧ ∧
,/! ‐一 /. ヽ ∧ ヽ.＿
,, -‐''７ /.! v V. ＼∧ ヽ. ヽ
/ / └;┬──' ,.くﾄ､ヽ ｉ |
ｉ i i l |>、 ,.く.>'l. l. | | |
. | │ l | ﾄﾆゝ /ﾆ/ | |. | | |
370 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:25:53.99 ID:F38wr9ko
z rf ＜ ./;;/
（｀ 彡三 ミ;:;:;:;:;:. ∠ ./;;/
ゞ 彡ミ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ ./;;/ ／ｌr‐'" /-‐'7―- 、__
ヾ ,,ﾍ 彡ﾐ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:r´ /;;/ Ｎ. ｉ ／
∧/ ﾐ f´ ﾐ;:;:;:;:;:;:;:;:| ./;;/ ヽi ＼
| .）/ﾟ .λ;:;:;:;:;:,,ヘ、 ./;;/ |、 _,, -―r_ ﾐ≧
|__ , Ι∨二彡∨ヽ、 /;;/ | ｀ﾞ'" ＿ヽ ヽ、
χ ｲ_ 〆￣ ヽ;:∨;;/ ﾄ、 __,=≦斗 ヽ,-、 rヾ
└´r´＿ . -┐,,, ,,,,,）;:;:トｰ-r ￣、ｰ-、 ﾓ）｀´ ゞ-' ﾉ ,〉.ｌ |
∠ﾞﾞﾞ＼ｰ─-∧ },,,, ,,,,!;:;:;:!.} 」 ヽ ! ヽ｀! . ｌ{、 r_,／ｌﾘ
／ ＼ ＼ ＼,,,,￣,,,,ｰ--┘,, ,,,!;:;:;:!└ ┤ | ! i ! ＼――' ／ ヽｌ
| ＼ ＼ ｿ,,,, ,,,,,,,,,,,,,,,,,, ,,,,!;:;:;:!,,,,,,,,,ﾍ＿ ! i | ＼ _／ /＿__ｌ__
| | ＞,,,,,,,,, ,,,,,,,,,,,,,,, ,,,,|rn|,,,,,,,,,,,,,,,,,,￣￣￣ __ｌ, -‐'":;;;;;;;;;;;;;;ｌ
| |∠,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, ,,,,,,,,,,,, ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,| ／;,;;;-;‐'";;;;;;;-―-ヽ、
|_ -┐「,,,,,,,| | /;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,r;;―-ヽ、
∠／,,,,,,,| |,,,,,,,,,| /';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｌ
「「「「誰が迷惑だって言った？」」」」
〃´,,,;;;;;
i ,,,;;;; ;;;;;,,,
i ,,;;;; ,,,;;;;; ;;;;,,, ﾄ､
i ,;iiii . ｨ ノ ,,,;;; ;;;;,,, 丶
i iii ,,,;;;;ン´∠／ .彡人 '';;;,, ﾄ､;;;, !
i ,ヘi ィ,,,__ rへく ヽ iヽ i ;;;,,, i ヾ l
i .// i .i 丶 ヾ､､, } | l l ﾉ! l;;, i !'
i .!ト i .i Q __ｼ,,,,, ∠t.l-.ｿ .! j i i
i .!! i i ' 〈b二ﾆ=ノ lr´ ii
i ii ゝ-レ ;;,. l
i ,,iiλ ;;,. /
ｲ iii ∧ ^ｰ‐- ､ ＼ ;;,../
/ | ／ ヽ. ｀ .. ＼ｿ
/ | iiii / ヽ. ´｀ゝ / ＿＿＿_
,ｲ ＼/ ヽ. ／ ／ ＼
ノ´ | ＼ ヽ ／ ／ ⌒ ⌒ ＼
／ ! | ＼ x／ ／ -=・=- -=・=- ＼ いったお？
!. ＼ / ＼ | （__人__） |
! ＼ / ＼ ＼ |++++|」_ｷﾗｯ／
`ー''´
375 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:29:17.41 ID:F38wr9ko
/ ／ ', ｌ
ﾐ＼ /ｌ/ ／ ／彡', ﾚ
＼＼/ .／ ／ ／ .', l
＼ ＼ ／ヽ、__ ／ ／ ／ u .', l
./ ＼ X iju ／ ／ u ／ ｌ
! ／＼ ＼ ／ ／_|,､､- ／/⌒ヽ ｌ
l ／‐-､,,_＼|| u||／'~ ﾉ ｜ |⌒i .| l
l lヽ oヾ ,,,,, o ノ~ | |￣| .| l なんでコイツラそんなに生き生きとしてるんだよ……
. l l ｀''ｰ､_／ ''''''' ''┐ ｌ´| u | |二ﾉ / l 悪い冗談だぜ。
i l u ／＝==-- ｀‐´ | u | .|､__／ .l
ヽ ', ／ __｀) u（_~） V'., ｌ
／__ u _＿_ u. ＼/ '., l
"', 1二二ニニ~--‐-｀ヽ u/ '., |丶、
Ｏ', ! i / '., ! ヽ、
', ｌﾆ二二ｴ二二ニﾆノ/; ',/ ヽ
_,,○- ', ,,,,,,,,,,,,,,,, /;;; '.,
-''~ ', u ;;;;;;;;;;;; ＼/;;; ／ｌ
.i ij ij /;;;;; ／ .ｌ
ｌ＿＿＿＿＿/;;;;;; ／ .l
|＼;;;;;;;;;;;;; ／ ｌ
./| ／::::/／::::〃
/:::|/::::::::/::::::::::'::::
lﾞ､ |::::::l::::::::::::::::::::::::::::
!::｀':::::::::::::::::::::::::::::::::::
＼|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
_＼:::::::::::::/＼::::::::::／ヽ
:::::::::::::::::/､ ヽ- ' /_,.
ﾞゝ:::::::::::l＼ヽ , ‐',.´- ' こんなに騒ぎがでかくなるんだったら、
､::::::::::::::|ーo‐〉 "‐oーｧ あの時さっさと腹を切っておけばよかった。
. ゝ:::::::::::!ー /_ ｀ ┬
. ＼::::::::::| / _￣ u
＼::::::::|. ｀ ＿_ ＼
ゝ:::::::', ｀￣´ /:
｀＞､ｌ ¨ ヽ/::
／ ／,.｀ー┬‐ '::
ニ/ , ' ／ / |::::::
379 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:32:06.50 ID:F38wr9ko
｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･* ｡:.
Nﾐ || ||| ||| _,､彡 彡 }
N､/ ＼|||,, - '" ヽ ,彡 彡ﾉ
|ﾐ/ ｰ--‐ ヽ彡 彡7
|/‐- ､ ｰ‐ , -ｰ‐ 〉彡 ﾉ
`ｰ､ |-==｡=､ _=｡==- |r､彡7 ククク……
-､ ヽ | `ﾆﾆ',| ~`ﾆﾆ ||ﾖ＝ﾉ 腹を切るってのは、難しいだろう？
'i ) 'i,.r‐' ,斗ャ､ `ｰ､ i!ﾉ=/ なぁ、権右衛門よ。
＿_'､'＿∧／_,x '`x'─' '／| /ﾄ--
＿＿`寸・托7, ／ ｲ ／ ,|' |─
〈 / / / |／ /;| 'i,
| ' / / /;;;;| |
. | / /;;;;;;;| 'i,
∧ /i /;;;;;;;;;;;| |
∧;;`,- _ /;;;;| /;;;;;;;;;;;;;;| 'i,
｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*
そう父親に叱られた気がした。
380 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:33:54.11 ID:F38wr9ko
、ｘ＋十!┼!ｘ ,.
×丶 ` ′′′'×
ﾒ丶 .._ ﾆﾆﾆﾆﾆ キ
. だ `''‐¨ﾆ'_┐┌_''ﾆィ 「なにぃ？鉄砲やと・・・！？
＋r'ﾆ‐-r'ﾆﾆ,〈─r'ﾆﾆ,ヽ
. ±{に ij.ヽ.三ノ￣ヽ.三.ｲ す、すぐに鉄盾を探さな・・・
. ,.４.ヾﾆ r rｰ' Ｌ __,.」ｰヾ| いや・・・、そんなもん無駄や」
. _/:/:|: | ! | ⊂ﾆ==-- l ﾄ、
┬ ''Ｔ/:/:/|、 ヽ. , , , , ,一, , , 人:ヾ''ｰ-
- i/::::/::|i ＼ ` ー─‐ｧr‐く:ヽ::i:::lｰ
__.l::::::i::::|_l ＼. ／│ｉ _|:::ｉ:::|::|__
|::::::|::::| ! ＼／ |. |:::|::|:::|
-|:::::::!::::|ｰ l /bヽ | -|:::::|::::|.-
_|:::::::::::::|_l / l ヽ.|.___|::::::::::|__
、弋ヾ _,. ヾ､i!|l ! /
ヽ、-ｚ''"´＜,-─z, `' ,ﾍ
へ─-＞''"´≪ , _,.-‐'" ﾐ,ﾍ あんな戦うだけのために
,／ヽ、 7７"/ _>-‐''"_,.. -"´∠_,.... i ﾍ '; 生きている連中を
/: : : : ヽi l!. ,'i､￣ヽ,.フ _,,...--,-‐'´ , j∧ .l 相手にせなあかんのや。
_,...ｲ: : : : : : :l .i l ヾ､∠.､''"´ ／ ,..;'7 / / ljヽ､l |
,r-v⌒''ー'''"´ l: : : / : : 〉､i l ヽ・' ､';, ／ _,-‐" /／/ / / : : : 1、
f .i .i j-f i __,..l: : :i: :／: : ヾ `ﾞ'' -‐ ''"∠二/_,../ ／j! ./::|: : : : :
l!_{_,{ﾆ<,ﾉ ､/￣ ヽ::／ : : : : : l i :::::/ `''- ’-'/／ ノ ./: : i: : : : : 命がいくつあったって足らん･･･
"￣ .／: : : : : : : : i,ﾄ､ :::/ ./,-'"´j／ :／'": : : :
／: :_,.-f-へ : : lﾍ';,+ ､,.._ ::/ ／: : : : : : /.-''"´: : :
/／´ . | : : ヽ : |:ﾍ`''ー--l_/--.- ／: : : : : : ／-: 、: : : : : :
l! : : : :〉: l ﾍ r==- ,.／: : : : : : : / : : : : : :｀ﾞ'', ' :
i| : : /: : ﾍ ヽ ,.ﾍ´: : : : : : : : :/: : : : : : : : ,;": : :
ﾞ, : :ヽ: : : ﾍ ヽ"´1: ﾞ､: : : : : : : /: : : : : : : : /: : : : :
'､: : :｀ヽ､ ﾍ ,.l: : '､: : : : : :/: : : : : : : : / : : : : :
ヽ、: : : ｀ヾ､,-"´ i／:ヽ、: : /: : : : : : : : /: : : : : : :
もはや喧嘩と呼べるような代物ではなく、大坂を舞台にした合戦になっていた。
382 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:35:47.11 ID:F38wr9ko
そんな一触即発の中、やらない夫は市兵衛に会いにやってきた。
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （⌒ ）（⌒）
| （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ さすがは斎藤さんだ。感心するなァ。
| }
ヽ ﾍミ|
／,` 、` -`,--` ,
＿＿,---/;;;;;` `-,-/ニﾆ |
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,＞、 /::l,_l･ ,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::＜:::::::ヽ``l::::| |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::＼|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
殿は権右衛門の切腹を取り消しておきながら、溝田の打ち返しは止めなかった。
なぜなら、打ち返しを止めれば、鍋島士道に反するからだ。
/::::;::::::i :::::i:::::/ |:::::::::l ';:::::::|ヽ;::::::::::l:::::::::::::::l
. |::::;|::::::|::::/|::/ i!::::::.| ＼_,j＿ﾞ､::::::}:::::::::::::::|
|::/ i!::::|:::! i!￣ヽﾞ､::::! ／＼! ﾍ::::|::::::::::::::::|
l/ i!:::ヾl x‐-yx､ヾ| ´ _xz一=,､ .}/::::::::::::::i::|
ゞ､i::ヽ ﾞ込;} 込zﾘ´/:::::::::i-､:;/ﾍ! 自分は弱いから、力が劣るから、
|ﾞ:::::! ￣ , /l::::::::/ l などと言って反撃しないのは、
lﾊ:::i! / / |:::::/-‐'' ただの言い逃れにすぎん。
. l ヽ! _ |／ﾚ'
.｀ヽ _ ￣￣ _ ィ斗'l､
,r''ﾞ´ ＞--,t‐.''¨／ﾞ´ |:ﾍ.
. / r ,ﾊ _,.j! ‐ ´ .,／:: .',
| ＿∨_,,ゝ,i､ ／ ハ
,!/ / l | ／ / ヽ
／ / /⌒ﾍ＜|／ / ﾍ
383 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:37:27.42 ID:F38wr9ko
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ } けど、合戦なら話は別だ。
ヽ ノ
_,／( ｀' ､ _ﾞT 藩士同士が、お互いの存亡を賭けて合戦をして良いわけがない。
ノ.ヽ｀ヽ. ヽ｀ヽﾑ ｀
_.. -‐ ´ ヽ ＼ l;;::ヽ 必ずどちらにも成敗が下る。
/´ ヽ ハ/｀ｧﾍヽ
. : . ｀ ー/ ヽ|:. ﾍ ＼､_ そうなったら、溝田の方が明らかに被害が大きくなる。
, : : . ＼ ヽ ヽ:::. ' ＜. ヽ
l: : : : . ヽ: . ヽ ﾍ:::. l ^l |
!: : ヽ: : : : ヽ ﾍ:: l .! .|
´: : : ': : : ＼ ﾍ:l | |
: : ／イ: . ', l| .! l
: ／ /: : : : : : . . ', } .! |
／ /: : : : : : : : : : : : : : : . ', l | j
∧: : : : : : : : : : : : : : : : . ', :l | l
384 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:38:41.42 ID:F38wr9ko
/∨
|∨
| ヘ＿ ノ⌒
| /ヽ .u .／／_|
| | ＼|| ||／|| |
|. |＝= ) =＝= | |⌒
.|［|-・'/＝-・-'u.| |)）| / こっちは俺を含めればせいぜい六人。
| .| / _ ､ ||`‐' /
| | ──￢ ､/ /
| =.￣ ､/＼/
＿ |＿＿＿ / ／|⌒ヽ＿
_._._._ ／ | /＼ ／ | /
/////／ | / |─| | /
| | | / | | | /
､ヽヾ ）)7 .!.
' ゞ_｀"_! | ヽY〃"'< ＿＿ , ノ 、 ﾝ;;'"￣";; 彡
ヽG ﾟ -/ | 《ﾞ´〉)"彡, ／ ─ ＼ . ● ●） ヽ i″iﾍルﾉiﾚ）
<^､ﾅ弌〉. | ､- ﾟ P< . ● ● | . (人__) ノつ ヾ6;,｀_ゝ´/ ;y=ｰ
. ,７"ﾉl~l ⊂ﾆ^⌒夊〈'〉 (_,､_,) ⊂⊃| 〔勿 __く ／ヘ▼へI］二つ
ヽイｯ┤ゝ | 7ｦﾉ~) /⌒l | `ｰ〈 ＿) T ﾉ ： │
｀~. | . /ｯ' ;_| /. / / ι(・ω・ )υ ヽつ＝=r'
| l ＞ ィ U U 2o
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ﾒﾐ ゛゛'' '' ″"ｷ
f〈＼ミ三彡／〉ﾄ
frﾄ､＼ヽ .ィ／/|`l ⊂⊃ ⊂⊃ ⊂⊃ ⊂⊃ ⊂⊃
lt| （≧）ニ（≦） |ﾘ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
_,,... -‐ '' "| ,-' L__.｣ '-､ .|" '' ‐- ..,,_ （,,ﾟДﾟ（,,ﾟДﾟ（,,ﾟДﾟ）（,,ﾟДﾟ（,,ﾟДﾟ）
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≡≡≡≡≡≡|L＿_三＿_｣≡≡≡≡≡≡ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
≡≡≡≡≡≡|＼ ／|≡≡≡≡≡≡ （,,ﾟДﾟ（,,ﾟДﾟ（,,ﾟДﾟ）（,,ﾟДﾟ（,,ﾟДﾟ）
≡≡≡≡≡≡| ＼ ／ |≡≡≡≡≡≡
それにくらべれば溝田家は、
一族郎党全滅の憂き目に遭っちまう。
385 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:39:43.75 ID:F38wr9ko
┌──────────────────┐
│しかも斎藤さんは本気だ。 .....│
│合戦をやるといったら、トコトンやる。 ...│
└──────────────────┘
,＿＿＿＿_,,..
｜ﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛ#l;;l
｜ﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛ｜| .┌──､_, γ ⌒ ⌒ ｀ヘ. （´⌒;人;;从;;；;:人;;:.｀
ξﾛﾛﾛﾛﾛ ;,,｜| ,.l|＿＿＿_くz. イ "" ⌒ ヾ ヾ ⌒;:⌒`～;;从;;人;;;⌒
｜ﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛ｜| |==========| / ( ⌒ ヽ ）ヽ;;:⌒∵⌒｀);（´∴人;
＿_ ｜ﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛ｜| l. |##三三三三| ( ､ , ヾ ⌒;从;;人;;;⌒｀）⌒;;
｀`''‐､ ｀`ヽ､. ,.. -─;:-ﾛﾛi;,"｜|..,,..∥ |==========| ゞ (. . ﾉ. .ﾉ .ノ ∴人;;ﾉ;⌒｀）⌒;（´∴
＿＼ ll ヽ.r' ll ／-─- ､.;;;::::::::/「「「「「/;,I三三三;#;;| ゝ､､ゝ ﾉ ノソ l.人;;从;;；;:人;;:.｀）";:（´
. ,. ‐''"´ll lll｀` lll ’ l " ll -=ﾆ.｀: : : ｌ :/;.. :; .:;｡::;;;;;:. ゝ､､ゝﾉ ,, ノ｜|.:从,)ﾉ':.:, ==========|
. ∠ -‐ ; =-─ ll ll lll ＜` ヽ.;:,.i・人从 ／::::.... ::λ, ,.ξ :::::;;,,:::::::;;;;;::::::人,,ノ;ﾉヾ;,;,I三三三;#;;|
, ‐''´ lll ll lll ll lll ヽ从 /、。;.:;从 ;:. ／ﾆﾌ └‐┘l| ﾉ.:;. （. ,.（ ,|;,| ;;;;;::::::::;;;;;;:::::,,,,
／ ll _,. ll lll ll ll lll ll i ,；、;l,;l> :;.:;人:;...／|「「「「;#《 ,,..,,...,.､ .|,. .人:. ヾ,|;,| ___
, '.,. ‐',´'´ llｌ ll ll ,.ｲ lll ll ll | ＿从 :.：；／,∧ ;/..|「「「「「「|//;く‐-=ヾ |「「「「「「「|;,| ﾄr‐ｲ ..::::::,,...
／ , ' ll ,ィ . ll ,.ｲll.,.ｲll./::::ヽ.ll ﾄ､ ll 、 lll |.:,,l|二|;,:;,ゞ;;,,从 :;.;: % ~:..";;「「「〈#《〈〈,,,..丶＼ （ヽ;,:.;）:.从;.,
. /ll.／! ,ｲ ./_:l /:::!./::::::::::ヽ. |_ヽ |ヽ llｌ ll | 从ゞ;;,;;;／*:;:,,~`=::;;;::::::;;::::,,,|「「「「「「「「(:. ,:..,;. '',人ヾ,´:. ／‰
/., ' . !ll /ｌ ll/:::::l/ヽl/::::::::,.‐''::ヽ!:::ヽ!::ヽ ll | |「「「「「.:从,)ﾉ':. 「「「「「「「|;,| ／／ ;;:从ゝ
／ ! / .ｌ /.l＝==｡=､::::::;;;:==｡==＝＝! r‐:､lll| |「「「;;'人,,ノ;ﾉヾ;,., ;:::;;;;;:;;;;;:;;;:::;;,,,.. [:.μ::;;::;:へへ
l/ |/ .l :`::ｰ-:/::::::::::: ｰ-‐ '::´:::|l|r‐､!│ |「「「「ﾉﾉ .:;.（. ,.（ ,
l :::::::/:::::::::::: :::::::::|.!ﾄ､ﾘ l| |「ﾒ;;;「: ,.:.人:. ヾ,､
ｌ:::/::::::::::__-， .::::::::::|Lンlｌ ﾄ、
. l`"----------一::::／ヽｌ! |;;;ヽ.
! ＿＿_ ..::::::::／; ヽ ll !;;;;;;;;ヽ.
ヽ. ￣￣..:::::::／;;: ヽ. |;;;;;;;;;;;;;l`;;ｰ- ┌─────────────────────────────┐
_,,. -‐''7ヽ......::::::::::／;;;: ヽ!;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;, │お互いどちらかが滅びるまで戦い抜き、 ....│
_,,. -‐''";;;;;;;;;;;; /;;;;;ヽ:::::::／;;;:: /;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;, │たとえ大坂を火の海に変えることになろうとも戦い続けるだろう。 ..│
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;`1;;;;:: /;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;; └─────────────────────────────┘
386 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:40:51.74 ID:F38wr9ko
・ ・ ・
ま、佐賀に帰ったら念願の加判家老就任が待ってるんだ。
ここで死ぬよりかは、生きる方を選んだ方がいいだろ。
, ――-､
／ .:＼
/ ＿＿ .::| ,.-､
∨ ヽ ....:::/ _,.､／:∠＿
＿＿_, - ､ __,. -――＜二二二＞≦――-,､ ,. ‐'´::::ヽ:.:.:.:.:二ﾆヽ
ﾞーｧ:.:.:|::::::::｀` ―- ､、 _r:'Ti::､:::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::::::::::::::::::::/:ﾊ、 ,. ‐'´:::::::::::::::::|‐--―一'
／:_,:.:.,|::::::::::::::::::::::::::::｀`ｰ-‐'´:::::::ヾ', '、::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::://:ｨ::｀＞―‐-- ‐'´::::::::::::::::::,. - '
'-´一'´`ー- ､、:::::::::::::::::::::::::::::::｀丶:ヾ}｝::::::::::::::::::::: |:::::::::::::::::::::::::::/:'ｼ':／::::::::::::::::::::::::::::::::,. ‐ '´
｀` ‐- ､_::::::::::_,. -‐`｀^ヾ::::::::::::::::::::〈:::::::::::::::::::::::::fr‐'＜-_::::::::::::::::::::_,. ‐'´
｀￣ /:::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::〈 `'-一''"´
ここまで頑張った自分的に考えて、な。
388 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:42:42.91 ID:F38wr9ko
＜大坂 溝田邸＞
((＿((＿((＿((＿((＿((＿((＿((＿((＿((＿((＿((__＿((__
ノ___ノ___ノ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ
ノ___ノ___ノ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ
＿@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@ノ
((＿((＿((＿((.|il |;;::: ..::.. ::.. ::..:: . .: :.. . ::: .. : ::::|il i::
ノ___ノ___ノ__.ノ...|il |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|il l::
= @==@==@= |il |＼_____________________________________,_,,,,,;;;;;;;|il l::
|il | | | |ニニニニニニニニニニ l | : |il l::
|il | ｌ┌┐| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;|;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;| | : |il i::
|il | ｌ└┘| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;|;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;| | : |il l::..
＿＿＿＿＿＿|il |＿ｌ＿＿| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;|;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;| |__.|il i=== =
,, ' ,;; ' ". ; .., |il |:｣｣i ｢:｢:｢| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l; @=@ ;l;;;l;;;l;;;l;;;| |:ｉii|il |::|::|::|::
,' . . .; . '., .|il |:｣｣i ｢:｢:｢| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;|;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;| |:ｉii|il |::|::|::l
';; |il |:｣｣i ｢:｢:｢| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;|;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;| |:ｉii|il |::|::|::l
.; |il |:｣｣i :｢:｢:｢| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;|;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;| |:ｉii|il |::|::ｌ::i
".. ｀,," . . .; .,, ' |il |:｣｣i ､ " ,, ､ |il |::|::ｌ:
390 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:44:06.46 ID:F38wr9ko
､ .ゝ-l┴l┴l┴l┴ｌ-<
>'´ヽ ! ! ! ! ! ! r ｀く
Y ､` ",, Y
＿l ＼＼. ` ｰ---‐ '´ ／／ !__
＿ ／:::::l ＼＼` ｰ--‐ '´／／ l:::＼ ＿ （殿のお気に入りの側近、中野やらない夫・・・・・・
_,,.. -‐ '''"~__l／:::::::r‐＼. ,. ==.､｣| lレ;== 、 ／‐､::::＼
_____./ :::::::::::|f ｀Y--｡-:ぅ!‐--‐k-｡─‐Y´ ^l.|::::::::ヽ たしか、こいつも斎藤とつるんでいるはずや）
____/::::::::::::::::l.L. ヽ｀ニ´ｲ /// ヽ.二´ノ j.l::::::::::::ヽ
-‐v ⌒Y ⌒Y'⌒ヽ::::`1 r ,.二´.L __, ｣ 二´ ヽ r:':::::::::::::::::l
. | ＿ | ＿ | ＿ |::::::::ヽ. ／ ,＿＿＿＿＿＿_, ＼ /:::::::::::::::::::::::|
＝:| ￣ | ￣ | ￣ |:::::::::::l＼ r ＿_ 丶,.ｲ:::::::::::::::::::::::::::|
. l l l ﾄ、::::::|_l､ ` ＜._ ! ! ! ! !_ン /|:::::::::::::::::::::::::::|
ｰ-ゝ＝:| ＝ | ＝ | }:::::::|__lヽ ￣不￣ /__|:::::::::::::::::::::::::::|
ヽ、 `ー!r─i|r─ｉ| !::::::l__ヽ. ／ |o＼ /_|:::::::::::::::::::::::::::|
.｀_ｰ-ゞ.__ﾘ､＿ﾘ.{:::::::|____＼／ :| ヽ／___|:::::::::::::::::::::::::::|
____|＿＿_|ﾉ:::::::|＼l ___＼ | ／___.／|:::::::::::::::::::::::::::|
_l ____/`ｰ-‐':::::::::::|＼___ l ` y'´__.l／_!:::::::::::::::::::::::::::|
／￣￣＼
／ ヽ､_ ＼
（●）（● ） |
（__人__） |
（｀⌒ ´ | 「殿は、蔵屋敷内の合戦はゆるさぬ、との仰せだ」
. { |
{ ﾉ
mｍ ヽ ノ
（⊂ ￣￣￣ ヽ
￣￣￣| |
391 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:45:35.26 ID:F38wr9ko
ミ／::: _ _ :::＼〃
.ﾐ/::: _ ` ‐- ､＿, -‐'´＿ :::ヽ〃
.ヽl:: ミ`ヽ､. ｀`‐- ､＿,, -‐'´ , ‐'〃 ::l〃
ﾐ|:::: `‐､ll ` ‐､ , ‐'´ ll, ‐' ::::|Ξ
.|::: `‐､ll ` ‐､ , ‐'´ ll, ‐'´ :::|
|:::: ／￣￣＼_|| ||_／￣￣＼ ::::| 「合戦やと・・・・・・？
ｉ'⌒|──‐|.======= |──‐| =======.|──‐|⌒'i ダボがっ!!
|.l⌒::: |. ` ‐-ﾟ-‐' |──‐| `‐-ﾟ-‐ ´.| :::⌒l.| 合戦をしようとしているのは、むこうや！
|.|._）:: ＼ ‐-- _,ｲ::: :＼ --‐ ／ ::（_.|.|
. |.|_）:: ￣￣ .l:::/ / / :ｌ. ￣￣ ::（_|.| せめて鉄砲を禁じてくれっ・・・！」
. ヽ__:::: ／ ＿／ l:_:: _;l ＼__ ヽ、 ::__ノ
／:::|:::: / / ｀`‐-‐'´ .＼. ヽ ::::|＼
／:::/::::|::::/ / （￣￣￣￣￣￣￣￣￣） .l、 | ::::|:::::::＼_
-‐/::::::/:::::::l:|::::../ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣ | :::|:ヽ;:::::::::l｀ ‐- ､_
, /::::::::l::::::::|::::l::::: ━━ :::l::::::::l:::::::::::|,,,,,i,,,,,i,
,l::::::::::|::::::::|:::::::＼::: l l l l l l ::／l:::::::::|:::::::::::|,,,,,i,,,,,i
|::::::::::|:::::::::|::::::::::::l＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_／:::::::l:::::::::|:::::::::::|,,,,i,,,,,i
|:::::::::|:::::::::::|::::::::::|＼：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：|::::::::::::|::::::::|:::::::::::|,,,,i,,,,,i
, r ' ⌒ ヽ､
. ／ ヽ,
/ ,，ヽ､_ヽ
. | __,ノ 彡（○ ） 「向こうは６人。
| （○ ） 彡 | それに比べれば、こっちは郎党集めれば３０人は固いだろ。
. | 入,__）
|. ﾞ'ｰ'´ 戦力差五対一で鉄砲を使うなと言いたいのかい？」
. | ﾞヽ､__ﾉ
ヽ､ ﾉ＼.
／::ヽ､＿ ／ﾉ:::::|
. /:::::::,::::＼ゝ､◇ノ::::i:::|
. |:::::::::|:::::::::＼¶/::::::::|:::|
. |:::::::::|::::::::::::::::|::::::::::|:::|
. |:::::::::|::::::::::::::::|::::::::::|:::|
やらない夫は軽蔑するように言い放った。
392 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:47:05.70 ID:F38wr9ko
., ──‐､
／ ＼
. .| _ノ ヽ
| （ ●) (●)
| （__人__） , -―ーっ 「お手前も６人にすればいい。
| ｀ ⌒´ﾉ （ ゝ彡￣
. ﾝ } ﾞ|￣'| それなら鉄砲を禁じてもかまわない」
／⌒ヽ､ ノ .|, |
＿＿/ ﾉ ＼_ィ ´ー‐ｨ' ∫
| | / / r_＿＿__ ∬
| | / / |i ┌‐┐
| | （ 〆⌒'──r─≒､.（(| |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣└‐┘￣￣￣￣￣￣
、ｘ＋十!┼!ｘ ,.
×丶 ` ′′′'×
ﾒ丶 .._ ﾆﾆﾆﾆﾆ キ
. だ `''‐¨ﾆ'_┐┌_''ﾆィ
＋r'ﾆ‐-r'ﾆﾆ,〈─r'ﾆﾆ,ヽ 同数で勝てる道理があるかいっ！？
. ±{に ij.ヽ.三ノ￣ヽ.三.ｲ
. ,.４.ヾﾆ r rｰ' Ｌ __,.」ｰヾ| 一番弱い権右衛門でさえ、
. _/:/:|: | ! | ⊂ﾆ==-- l ﾄ、 抜き打ちは目にもとまらなかったっちゅう話や。
┬ ''Ｔ/:/:/|、 ヽ. , , , , ,一, , , 人:ヾ''ｰ-
- i/::::/::|i ＼ ` ー─‐ｧr‐く:ヽ::i:::lｰ
394 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:47:45.05 ID:F38wr9ko
杢之助とやる夫は、歴戦の勇士・・・・・・
l: : : : : : : : : : : 彡 ヽ
|: :ﾐ: : : : : : : : : : : ヽ l
|: : 彡: : : : : : : : : : : : : : : : :ﾉ / ハ: . l:､ ヽ l |
|: : : : : : 彡: : : : : : : : : : : : : : ./ /:::::::l: |: ', | |ﾘ
|: : : : : : : : : : : : : 彡: ／: :／/／::::::::::::l: l／ｊ/ヽﾉ
|: : ｿ: : : : : : : : ;. ''´::￣ ~" メ､:::::::::::: ﾚｲ f
|: : : : 彡_:_: i:!:|:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::..,,ﾑ 'ﾌ/ ＿＿＿＿＿＿
:l: : : : / r‐|: : :| "､´￣(ｯ￣~"ﾌｼ く'ﾞ′ / ／ ＼
l: : : :.| i: :lN: |:::: ::::::::::::￣:::: .::::::::::', . / ／ ＼
!: : i.!ヽ :､ヽ､:|:::: .::::::::::::::::', ./ ／ , ､,,.-='､'､ ＼
|N: : : :＼_ノﾍ::::::::. .::::::::::::::::::::::::', . ／ `┬;;;:::┬′ ﾞ.ﾞ､;;;;::',ﾉ ＼
/|:!: : : : : ／::::ヽ::::::::....::::::::ｨ､＿::`:-ｧ.､_'､ ／ ⌒ﾞ''''''´" ｀'''''" ＼
／ |l: : : ／::::::::::::::ヽ::::::::::::::::＾::ー ´ / | |
三三;;;;＼´::::::::::::::::､::::::＼::::::::::::::::-‐:: / | （_ ＿人＿ _） |
三三三;;;;;:丶､:::::::: ヽ:::::::丶､:::::::: / ＼ Tﾆｰ‐‐‐,‐'' ／
三三三三;;;;;:::::｀::-:､ ヽ:: /;;｀丶､_/ ＼ ｀二二´ ／
三三三三三;;;;;:::::::::｀:.‐-'､::::_く ／´⌒ﾞ ー─ イ ─ ､.
396 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:48:39.02 ID:F38wr9ko
手明槍の二人も、不死身の連中。
v' ' ' ｀｀ｿ /;;/ ,v'/- 、 ｌｌ
ヾﾐ｀((｀).}.～＿_ /ｌ;;/ ｌ｀ｌ ﾐヽ.ｌｌ
.9セ__亅i´ ! /,';/ ﾐ ｀ < il
弋:::::::∟__へ」 . //;;i . rl r｀ll
＼∧::::::::!::::::::::! . //;;;;ｌ ヽｌﾙ, ヾヽ ll
/''' ::::::::::!:::::::::! /ノ;;;;;;ｌ ＿＿__,r‐'ﾆ,ヽ、彡h＿lｒ―-、＿__
＿巛＼＼ !:::::::::! /,;;;;;;;;;;;i==／:::::::::::::/'/-/:::ヽ=/―‐ヾ__＞――-｀ヽ、
....::::::::::::::::::::::＼ﾉ￣__｀ゝ、 /;ｌ'rヾ'"::::/:::::ｌ::::／r'"｀‐-ｌ:::::::::::::::::::::::::::〉:::::::::::::::::,::::::::::)
「:::::::::::::::::::::::::::::;; | ｿ;:;:｀ｰ- ⊃─--- ＿＿ ｌ;;;ヽ/ヽ::::ヽ:::::Y::::/;//｀T":ヽ::::::::ｌ::::::::::/:::::::::／:::::::,,／
|:::::::┌--ｰｰ￣ ヽﾊ___''.;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;,,,,,,, 、 ヽ;;;;;｀／ヽ-‐｀ｌ::/;;;ｌ ｌ;;;;;;ヽ::::::ヽ:::ｌ:::::::/::::::／::::::::／
!:::::::::::! ゝ ';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:` 、 ｌ;;;;;ｌ ｌ';;;;;ｌ ｌ;;;;;;;;;;;;〉,、:::ヽ::::::／￣￣￣
!:::::::i ヽ ﾞ''.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ｀ 丶 、 ` 、 ｌ;;;;;ｌ ヽV ,ヽ;;／／;;;ヽ:::_::/
!:::::::i ヽ ｀ﾞ''''.:;:;:;:;:;:;:;:;: ｀丶 、ヽ ｌ;;;ｌ . ｌ;ｌ ｌ;ヽ〈;;;;;;;;;;;／／/
ノ''';;,,,.i ｀ ｰ- ＿ ''''' ｀ ＼ ｌ;;ｌ . ｌ;;ヾ.v'./;;;;;;;;//;;;;;/
───┘ ￣＼￣｀─────---- ゝ ｌ;;ｌ . ｌ;;;;;;ｌｌ;ｌｌ;;;;;;;;;;ｌｌ;;;;;;;ﾍ
＼「￣＼ ｌ;;ｌ r‐-tt-ヽ、__ｌ.ｌ_;;;;;;;ｌ
､ .ゝ-l┴l┴l┴l┴ｌ-<
>'´ヽ ! ! ! ! ! ! r ｀く アカン……。諦めるしかない……
Y ､` ",, Y
＿l ＼＼. ` ｰ---‐ '´u／／ !__
＿ ／:::::l u＼＼` ｰ--‐ '´／／ l:::＼ ＿
_,,.. -‐ '''"~__l／:::::::r‐＼u ,. ==.､｣| lレ;== 、 ／‐､::::＼
こうして大坂を舞台にした喧嘩は、主君の意向に従うという形で、溝田の訴えが下がることになった。
399 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:50:47.68 ID:F38wr9ko
だが、息子と武士の面目を失った市兵衛は諦めきれない。
､++-++-++､
ﾒﾐ ゛゛'' '' ″"ｷ
f〈＼ミ三彡／〉ﾄ 斎藤権右衛門の首が欲しい・・・！
frﾄ､＼ヽ .ィ／/|`l 小癪な杢之助の首も獲りたい・・・！
lt| （≧）ニ（≦） |ﾘ えこの沙汰を出した勝茂公が恨めしい・・・！
_,,... -‐ '' "| ,-' L__.｣ '-､ .|" '' ‐- ..,,_
.'' " ≡≡≡≡ ｌ ∈≡≡∋ .l ≡≡≡≡" ''
≡≡≡≡≡≡|L＿_三＿_｣≡≡≡≡≡≡
≡≡≡≡≡≡|＼ ／|≡≡≡≡≡≡
≡≡≡≡≡≡| ＼ ／ |≡≡≡≡≡≡
≡≡≡≡≡≡| ／〉〈＼ |≡≡≡≡≡≡
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×丶 ` ′′′'×
ﾒ丶 .._ ﾆﾆﾆﾆﾆ キ
. だ `''‐¨ﾆ'_┐┌_''ﾆィ くそっ・・・！くそっ・・・！くそっ・・・！くそっ・・・！
＋r'ﾆ‐-r'ﾆﾆ,〈─r'ﾆﾆ,ヽ アイツラ、全員ぶっ殺してやりたいわい！
. ±{に ij.ヽ.三ノ￣ヽ.三.ｲ
. ,.４.ヾﾆ r rｰ' Ｌ __,.」ｰヾ|
. _/:/:|: | ! | ⊂ﾆ==-- l ﾄ、 一堂に会した時にでも、爆弾を放り込んでやろうかい……
┬ ''Ｔ/:/:/|、 ヽ. , , , , ,一, , , 人:ヾ''ｰ-
- i/::::/::|i ＼ ` ー─‐ｧr‐く:ヽ::i:::lｰ
__.l::::::i::::|_l ＼. ／│ｉ _|:::ｉ:::|::|__
|::::::|::::| ! ＼／ |. |:::|::|:::|
-|:::::::!::::|ｰ l /bヽ | -|:::::|::::|.-
_|:::::::::::::|_l / l ヽ.|.___|::::::::::|__
402 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:52:53.20 ID:F38wr9ko
/ | ＼ ; / /.| |／ ; / | ＼ ヾ l |l |川 /〃
/ / | | ;| | .| | ;/ / | | ミﾞ "彡
| | ＼＼ ;.＼＼/＼／＼ ;| | ＼＼ ﾆ‐ 電 市 =ﾆ
＼＼ / /: /＼/＼／＼＼ ;＼＼ / / 三 流 兵 三
＼＼/ / ; / /| | ／／; ＼＼/ / 一 走 衛 ＝
＼| | ; ＼＼ | ／／ ; ＼| | 三 る に =ﾆ
ο..| |＼; ＼＼|.／ ; ／／＼ ﾆ= ． 三
//＼; ／| ＼＼ ; ／／ ＼＼ 二= ： =ﾆ
| | |; | || ,|＼＼ ; ／／ ／／ 三 ！ =ﾆ
| ヽ/'; .＼＼ .|／／ ; | | ／／ 彡, ､ミ
./＼＼; ／／ .|／ ; ＼＼ ／／ _ /〃' 川 l | ヾ
// | ; | | | ; / /| | ﾐ,／￣￣￣￣ ＼
| .|ο| ; .＼＼ .| ; ＼＼ / ﾐ/ ゛゛ ゛ ゛＝＝゛｜ 奴等が一堂に会した時っ！！！
＼＼/ ; /＼＼ ; /＼＼ ..ﾐ/゛゛゛ ＼ ～／ |
＼/ ,;; ／ ／/ / ; ／／/ / |゛ ゛゛゛=((･))-((･)) |
○。 | ||;; | || ＼＼ ; / / | | ○ ﾐ (6゛ Cつ) |
。 ＼ . | ||／| || ／／ ; ／／ ／／／ ／| ／ ( ＿＿_, )
○ 从＼从Ｏ从从/从／／|／# ; ／ / /／。 ＃＼.. /＿＿/ ／
。 ＼ 从Ｏ从从/ ∧∧／／∧∧ / /／。 ＃＃|＼ ￣／＼＃ ＼
404 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:55:08.02 ID:F38wr9ko
:::::::::::::::::::::::┴┴┴┴┴丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::y′丶 丶 ---＼ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::y′丶丶丶丶 ---＼ ::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::y′丶丶丶丶丶 ヾ＼ ＼ ::::::::::::::::::::::::::
:::::::┤丶丶丶丶丶丶 ＼＼ > :::::::::::::::::::::::
::::::┤丶丶丶丶／⌒==========∩ :::::::::::::::::::::::::
:::::┤丶丶丶丶′∩ ====，<| | ::::::::::::::::::::::::::
::::┤丶丶丶丶| ∪ u 丶-- | |＼ ::::::::::::::::::::
:::::┤丶丶丶丶ヽ_ ヽ -- ∪ ) :::::::::::::::::: 集まるときがあった……
::::::┤丶丶丶丶 | ／／ ￣￣ 「 ::::::::::::::::::::
:::::::┤丶丶丶丶丶| | | ,＿＿＿＿ ゝ ::::::::::::::::::: 船や……
:::::::::丶丶丶丶丶 | ） :::::::::::::::::::
::::::/─┴ 丶丶 | （ ::::::::::::::::::::::::
:::/ ＼ ＼丶 | │ ::::::::::::::::::::::::::
::| ＼ ＼ ＼ | , , , , | :::::::::::::::::::::::::::
＼-─────′:::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::
405 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:56:00.54 ID:F38wr9ko
島原の乱で自前の船がなかったため、出陣に出遅れた勝茂は、
そのことがきっかけで常時３艘の早舟を湊に泊めておくことにした。
⊿
/￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
/ ヽ
（ i
i i
i i
（ i
ヽ 丿
ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿」
______＿＿＿ ||
_,.!='''" -==- ￣~""' ‐-,Ｌ.
＼; ; ; ; ; ; ; ; ; :::::: =- ｀t
ヽ; ; ; ; ; ; ; :::: ,-, 'ｰ- ､,L!!!`i
ヽ; ; ; ; ; ; :: , (;;/ .: : : : : : : : .;.;.;.;:.;|
ｰ へへｰｰヽ; ; ; ; i; ..: : : : : : : : : : : : : : : ;:;:ﾉへｰへ
,,~ ,,~:ヽ; ; ; i .: : : : : : : : : : : : : : :: : : . ~: ～
~ ,,~ ,,~:へｰｰへへｰｰへへｰｰへへｰへへｰ''"⌒,,~ ～
のちの樽廻船に似た商船を、中古で捜し求めて購入している。
406 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:56:56.47 ID:F38wr9ko
時期は１０月。
高い確率で台風に出くわすことはまちがいなかった。
＼ 丶 ヾ 丶ｖ ＼ ヽ ＼丶丶、 丶＼ ヾ 丶丶＼、 ヽ ＼ ＼. 丶
ヾ丶＼ 、＼ヽ 、丶＼ ＼ヽ丶丶 ＼ ＼ ＼ ヾ 丶 ヽ丶 丶 ＼ヾ
ヽ 、ヾ 、ゞ ヾ丶 ゝ丶＼ヽ ゝヽ丶丶＼ ＼ 丶 ＼ 丶 ヾ丶＼ ＼
ヽ ＼ 丶＼丶ヽ＼ 丶 丶 ヽ ヾ ゞ 丶 丶丶 ＼丶 ヽ ＼ ＼丶＼
＼ 丶 ヾ 丶ｖ ＼ ヽ ＼＼ ＼. 丶 丶丶 ＼丶 ヽ ＼ ＼丶. .、 ヽ
ヾ丶＼ 、＼ヽ 、丶＼ ＼丶丶 丶丶 ＼丶 ヽ ＼ ＼丶／,,;;;;／ ,,,...
ヽ 、ヾ 、ゞ ヾ丶 ゝ丶＼ ゝヽ丶ヽ ゝヽ 、ゞ ヾ丶 ゝ／,,,;;;／ 册册
ヽ ＼ 丶＼丶ヽ＼ 丶 ヽ ヾ ゞ＼ヽ ゝヽ丶丶 、／___／ _,. 册册
＼ 丶 ＼ ヾ 丶丶＼、 丶丶ヽ ＼ ＼丶 ヽ ＼／ ／| _,.-r'| | 册册
ヾ丶＼ 丶 ヽ丶 丶 ＼ヾ ＼ヽ ＼ ＼丶 ヽ／ ／ ,..| | | | | | 册册
ヽ 、ヾ ＼ 丶 ヾ丶＼ ＼ ＼ ヽ＼＼丶ヽ/'~T.,.／|川 j_l,.r-'¨ 卅卅i_,.
ヽ ＼ ＼丶 ヽ ＼ ＼ヾ丶 丶丶丶 /,.T¨il i l l l川__,,... -‐ ￢¨
＼ 丶 ＼ ヾ 丶丶＼、 ヽ ＼ ＼. ,l:lj|川_'¨三.ノ____,,,,,.....................
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ＼ ｌ j|:il|‐/jlllllllllll/|＼ ＼ ヾ ＼
__,,.. ．-‐ '''""~" ．;",:;".;．.;．,:;"．;．"．;"=='-i,jl| jj| ﾛｺ | ﾛｺﾖ ∠二∠ 」
．;．;"．;．;";"．;．;"．．;．;";．;．,: ;．;"． 三三 ' -f, .i田l| |目田|
．;．;"．;．;"．;．;"．;． ,:. ;;: ;．;"．;．;"．;．;"．二二二' -|.,_.j| |l.l.l l.l.|
"．; ;"．;．;" "．;．．; ．;"．;．．;"．;．;"． -------------' - .,_ j! ﾆ二|
．;．;"．;．;";"．;．;",:．;．;"．;． ;．;"．;．-------------------'' - .,_j|
"．; ;"．;．;"．;．;"．;．．;"．;．;"．; ;"．;．; _______________________________________￢
: ..
. * ☆ ,-'─'─'─' 、 . ・ 。
. 。 : ・ . 。 . ／======, , , , , ＼ . .
. ☆ . : < ／ , , , , , |' * .・
. . . * : . ・ : ∩=，＝＿＿, , , , , ,|' . .
。 .ミ : . ／∪-─ ⌒ , |' : ・
. ． ミ彡彡 . . ﾌ ￣ u ∂ｌ ,| 。
ミミミミ彡 . . . ┬一丶 `‐' ヽ
ミミ彡彡彡 ・ ・ └┐ | / ／::: 、
ミミミ彡彡彡彡彡 / / ／/::::::::::::＼
戸戸戸戸戸戸戸戸戸戸戸戸 （′′′′/／ /:::::::::::::::::::::::
=/=/=/=/=/=/=/=/=/=/=/=/ ￣￣￣ｌ／ /::::::/￣￣ ヽ
─────────── < /:::::::::|::::::::: ぼんくらども……
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /:/＼/::::::::::::|::::::: せいぜい、今のうちに吠えとけや……
|:ヽ /::::::::::::::::|:::::::
_＿＿＿＿＿|:::/:::::::::::::::::::|:::::::
_ ──「|::::::::::::::::::::::::::::::|/:::::::::::::::::::::|:::::::
/ ..ｒﾍ. | |:::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::
ヽ/|_|＿ノ-|::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::
| | ￣￣￣￣￣￣|::::::::::::::::::
| |
407 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:57:56.75 ID:F38wr9ko
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
_ , ,,.. _
,r' ヽ,.
.i r'^"^'ﾚv^^^ﾍ..i
!.{ ,.＿ ＿,.、} ! ここで少し船についての解説をしようじゃないの。
ﾍ"ｪ.ｭ':i .ｪ.ｪ".ト.. こいつは前回の鎖国のことにも関係ある話なんだ。
{. ! j !j.}
丶! ' ^ ﾚ'
ﾄ.、 ' ニ ' .ｲ
-‐ﾊ ＼ ＿／j ト‐-
ヴェネツィア
・＿ /￣＼ ゝ
＿_ | └┐ / ∨ ＼
＿＿＿＿＿| ┌へノ' ヽ ｀丶 └┐ コンスタンティノープル ｀＼
| ｜ ∩ ＼ ＼ ｀｀| ・|＿＿～￣へ＿＿＿|
| ,,」～｀｀ |´ | ~＼ ｀＼ ｜ ＿，～｀く
く・ リスボン | |＿| ｀｀| ..ゝ｀| | |￣｀
|＿ ＿＿ﾉ ＿＿＿＿＿ ⊂￣|し´ L_ノ |
レ～´ ＿、～´ | ｀´ ￣｀～～～～～ﾉ
|ヽ――´~ | ⊂⊃ ﾉ
／´ く＿＿， ﾉ
｀丶_ ／￣｀ヽ～ヽ＿ ＿ ﾉ
｀し´ ｀´ ｀～´
１５世紀中ごろまで、地中海の貿易の中心は、ヴェニスの商人だった。
彼らは西アジアの交易ルートを使い、コショウ・香辛料・絹製品・貴金属などで莫大な利益を得ていた。
408 ：1[saga]：2009/11/16(月) 21:59:27.21 ID:F38wr9ko
（:::::::::::: ヽ
, ⌒ヽ (:::::::::::::::::::::: ）
（:::::::::::: ' （::::::::::::::::::::::::::: ヽ⌒ヽ 、
ゝ:::::::::::: ｀ヽ(::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ） (⌒ 、
(:::::::::::::::::: ::::::::::::::: ､⌒ :::::::::::::::: ヽ （::::::: ヽ
(::::::::::::(⌒::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::::: ） (:::::::::::::::::
::（::: ::::::::::::::::::::::::::: ｀)::::::::::::::::::::::::::::: ノ:::::::::::::::::: Y⌒ ヽ::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::):::::::::::::::::::::::::::: ┌┐ :::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /~'７;; |/~''7 ::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: （ （￣| （ ::::::::::::::::::::::::
､___｀t-'ーｲゝ-i
ヽ]￣二二二７
~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'"^~~^'""~^'"^~~~~~~~
～～~ ～～ ~～～～ ～~~ ～～ ～～~ ～~~
~ ～～ ~~ ～～ ~~ ～～~~~ ~~ ～～～
～ ~~~～～ ~~ ～～~~ ～～ ~ ～～ ～～ ~~~~
その利益はほぼヴェネツィアに独占されていた。
しかし、１４５３年にビザンツ帝国が滅亡し、コンスタンティノープルが陥落すると、交易品が手に入りづらくなる。
ゆえに、その他の西欧諸国は、別ルートで交易品を得られないか探す必要があったんだ。
＿__ ＿
-‐''"´￣ ｀ ｀''ヽ=､
,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
r（:::::::::::::::::,、_ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゞ, ｒｒ～ヅ ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::::: それで船だったんだな。
ﾌﾊ ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::
. l __,,. -─￢,〈:::::::::::::::::::::::::::::: クリストファー・コロンブス、バスコ・ダ・ガマ、マゼランなど、
〉ﾞﾞ`'''Tjフ￣ ヽ::::::,ｨ ,､ヽ:::::::
. / ,.‐'" }:::/ /ヽ ﾊ::::::: 地中海の西側から東洋をめざしたのも、
/.. "´ ２ﾉ/ l::::: 香辛料を捜し求めていたからこそ、さ。
. ヽ.ﾆ,｀ __／ :l::::
. 'ｰr_‐;ｧ ｨ l:::
〈.. /:{ ヽ
｀} ／:: ! i
丶、,､. イ:::::: !
409 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:00:30.88 ID:F38wr9ko
そして、長期間の航海のために、船の大幅な改良が必要になった。
;|
＿＿＿|＿__
/｜｜｜ ;|｜ , '´ ￣￣ ` ､
∠ー┴┴┴⊥_| ヽ i r-ｰ-┬-‐､i
｜Ｔ￣|￣￣|￣~|┬┬┬￢ | |,,＿ ＿,{|
/｜ ｜ ｜ ;|｜｜｜ ; | Ｎ| "ﾟ'` {"ﾟ｀lﾘ
ャ＝ニ二工厂―-|===#===爿 ﾄ.i .,__''_ !
〃 ;／ ;彳｜丁￣|~|｜｜ | い __l＼＿ .ｲ
__ン'/ノ ;｜｜｜ ; | ヒコiニコヽ-ゝ￣ヽ
_,-･′ ; / ;/ﾆﾆ立―､___|＿| ; | ; |￣~|＝＝| 必要なのは、主に次の３つ。
_,-･′ ;/ ;/ | 丁￣|￣~|＿|＿|_ |＿＿|
メ―＿＿＿/ ;/｜＿ | _|_ | |Ｔ￣|￣〒寸￣~| ・船の大型化
ノ´.i ／ / ;/-―ニ工￣|￣ー､_|| | ｜ |＿＿| ・海上での安定
､__人――ケ￣ | ｜ ｜￣丁~~|￢コ匚ニ┴、|￣￣| ・推進の高速化
ヽi⌒ ム―イ￣ ｜ ｜ ｜ | | ;| ｜￣~|＿＿｜
､ﾉ_ ; Ｋ＿＿_|_＿_ ｜ ｜｜｜ ;| | | ;| ;／|⌒
──= ￣~｀―――､＿｀￣ームム_| | | | ;|／―-ゝ
_, /｀Ｙ~＼ ｀￣￢ ￣|厂｀-―､_|￣￣￣|
ヽ ￣不才――――ケ￣￣ﾌ
――――-ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿/-―――
～ ～ ～ ～ ～ ～ ～ ～
へ へ へ へ へ へ へ へ
410 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:01:27.12 ID:F38wr9ko
この時代に画期的な造船技術が導入された。
それが、「竜骨」「三角帆」さ。
,. '「´-､ﾞ､､
／ l!´-‐'ﾞ､ ヽ, __
;─‐‐-┬,' | /"`:､ﾞ, ﾞ､ T''"￣／
｀ﾞ''-､ ﾞ,i | ヽ-‐' ﾞ, ﾞ､レ '"
｀`c===＝＝ 三 三 Ξｨ
cﾞ二ニ,ﾆﾆｪ;;,‐､;;ェｪｪﾎ′
/ ﾘ ,ｲ‐''"・ . , ・ l ､ヽ 竜骨は元々、北欧のヴァイキングが
／/i /| ,､. `"_,. i ヾヽ 造船に使っていた技術だったんだよ。
/ / i /i､ ヽ｀二' / ,'| | ヽ,.‐､
☆/ ./ l ,ハ iﾞ､ ヽﾆﾝ ,/!∩_／／
ヽ<_ | | .| | |〕._､,,__,,,. ｲ,_|,j ｝
☆ ｀｀ﾞ''-+､!└‐`‐オ´"´ { ｨ'
（ ,,.>^" ﾞ}
. /´､｀ｽ‐-r､‐ｨi" ﾉ !
┌─┐ / ￣￣￣￣|
└l | / /￣￣￣￣
| | / /
＼ ＼ / /
＼ ＼ / /
＼ ＼ / /
＼二二二二二二二二二二二二二ソ
「竜骨」とは、造船の中心に置かれた一本の大黒柱のようなもの。
この柱を中心に、樽のように、丸みを作らせながら船板を並べていくんだ。
さながら、逆三角形のイメージを持っていただければ結構だな。
411 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:02:35.06 ID:F38wr9ko
┌┐
ミ | | 彡
ミ | | 彡
ミ | | 彡 ちょっとわかりづらいけど、
ミ | | 彡 少しずつ丸みを作りながら
ミ | | 彡 舟底を作っていく。
ミ＿| |＿彡
└┘
ミ 彡
ミ 彡 それまでは底はたいらで
ミ 彡 横面は浅く、高波にさらわれて転覆しやすい。
ミ 彡
ミ二二二二二彡
それまでの舟底は、平面だった。
これでは横波をまともに受けてしまい、船は海上で大きく揺れて非常に不安定だ。
┌┐
ミ | | 彡 ↑
ミ | | 彡 │ 船足が高くなる
ミ | | 彡 ↓
⌒⌒⌒⌒ミ⌒⌒⌒| |⌒⌒ 彡⌒⌒⌒⌒
↑ ミ. | | 彡 ↑
↑.ミ＿| |＿彡 ↑
└┘
↑ ↑
竜骨を使った場合、船の浮力が高まることになる。
そうすることによって、船の高さも得られて高波にさらわれる危険が下がることになったんだ。
また、船壁のゆるやかなカーブが、波の衝撃をやわらげ、船のゆれを減らすことにも効果があった。
413 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:04:03.03 ID:F38wr9ko
＿__
,．'"´ ｀`ヽ、
/ . ヽ
}f^'＾^了t^'＾'`'1 |
|＿ ! ＿＿｛ .! で、お次は高速化だ。
|f'tr'i ''^'tォ-`} ! この時代の動力だったら、櫂を漕ぐか、風をつかまえることだな。
. l ´ '、 ￣ ﾉ/
/⌒ヽヽ、 ‐-‐ j /⌒i
＼ / ＞ __,. イｧ/ /
ヽ、 ヽ | / > .i､__/
ヾV く /
～ ～～ ～ ～ ～～～ ～ ∧∧
∩ _∩ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧∞∧ ∧＿∧ オラ、テメェら休まず漕げ!＞(ﾟДﾟ )＿
（ ´ー`）（ ＾×＾） （ ・∀・）（ ´∀｀）（ ´∀｀） └ | ｰ＼＼
＿ ( ┐つ（ ┐つ（ ┐つ（ ┐つ（ ┐つ ━━━━━━━| | ／／|
ヽ￣ （___）￣￣（＿_）￣ （＿_）￣ （＿_）￣ （＿_）￣ ~〉〉ミ ／ /
ミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミﾐﾐミﾐミﾐﾐミミﾐﾐミミミミミミミミミ ／ミ
～～ ～～ ～ ～ ～～～ ～～～ ～ ～～～～ ～～～
414 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:05:03.32 ID:F38wr9ko
追い風を効率よく利用するために、マストはだいたい２本。
_
||国ニl . i､_,,-ｿ
|||,_l__ﾉ. .| 十 <
i-､,_|| |～'~
〆 ~''‐､_ ||
∠ ～､ ''-=､
_ ￣~'''=‐-､_ .＼. |.| ＼
ヽ～､,_ || ￣~'ヽ、ヽ、. |.| ヽ、
/.＼ ''-､,_ ( ⌒ ) ＼λ |.| λ＼
. ∧ λ ～ヽ三 ﾉ λｌ . |.| λ ＼
/ λ λ ~'-､_ | . |.| | λ＼
/ λ | ､,,_ '～､,_ | | | l ニ.＼
. |二< | | ヽ ,~i' ~～､ | | λ. V ヽ lヽ
|| / λ | λ ､,_l l_,,／l ヽ、 | | ﾉ ∠_l λ ／
|| ./ | λ λ _,- - 、λ λ | | / λ .／
||./ λ/. l/ ｌ l ヽｌ. ヽ| | ／ | ／
.||/ V ∠,,_ヽ、 | | ~'''''--､_ | ＼､
. |/ λ ~''. |λ ~'～､_ λ .／ ヽ＼
/ ／ | |λ '～､/.／ λ ＼
/ ､-ーー--､ | | | ／ | ＼
/-ー'''''~~~' ￣~''┬┬-､,_ | | | ＿,,,､=iーi''''''~| λ ＼
_________＿_| | |-| ￣~''～､_,,,,,､=-iー'''l''|~~| | | l､,,ﾉ | / λ
λ| | | ﾉﾉ λ|ー---､,,,__. | .| //. | |.|､_,,|└┘ヽ-' __､=-'''~ ～､_ λ
. |三三| | λ＿＿,,,,,,λ |-| //. '～' ＿,,,､=-''''~_,=''~ ~'-､ |
. |.|.|.|.|.| | .| l l λ乂_ . |-| //=＝‐'''''~~￣ | ／ ヽ、λ
|二___| | .| ∝∝∝ 乂__にニ__,,,,,,,,,==--ー'''''/ ＿,,,､=‐ー'''''~~| / ヽｌ
|. ￣|~~|'''''|ー|--|--|---|---|-ー|''''''''|~~~|~￣ | |
.|､,,,,,,,,,,_|,__|,,__|___|___|＿|____,,|_,,,,,,|,,,,,､|､--|‐三|,,,,,,､=-ー'''''三三~| |
)ー―-|--|-'|--|--|--|---|ー‐|-ー|'''''~|~ |三三三三三三三| |
λ 三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三 | |
ところが、マストはただ増やせば良いという問題じゃぁない。
あまりにも大きすぎると、船のバランスが崩れ、転覆の危険が高まることになる。
415 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:06:29.03 ID:F38wr9ko
それで「三角帆」なんだな。
⊿ ,.. -──- ..,_
¶／ | ／ ＼_
／|| | /｀'ｰ─-､-─'''二二__ヽ
／ || | ⊿ |´ _ﾆ-‐´￣ ＿＿ |
／ || | ¶／ | |´ ＿_ﾆ二..,,,,＿_￣￣}ﾐ
／ .|| | ／|| | 〃{_{ ー ＼ ー !l|l|lﾄﾄゝﾐ
／ . || | ／ ..|| | li':./ﾉ (●) (☆) ﾄ'ﾘl|l|l|l|lﾄ
／ || | ／ || | 川|l （__人__） ＼ |l{lﾘﾊﾄl|l|､}
∠＿＿＿＿＿＿.＿||＿ 」 ＼ || | l|i＼ ゝ._） ﾘ}}iliﾘﾄ､',ﾐ
______＿＿＿|| ＼ .|| | /ﾊﾂﾉﾉWlｿ/ﾊﾂﾉﾉl::::::::ヽ
_,.!='''" -==- ￣~""' ‐-,Ｌ.!., ||＿ 」 |;:::::::::::::ヽ０００/ l::::::::::::|
＼; ; ; ; ; ; ; ; ; :::::: =- ｀t||
ヽ; ; ; ; ; ; ; :::: ,-, ＼'ｰ- ､,L!!!`i
ヽ; ; ; ; ; ; :: , (;;/ .: : : : : : : : ＼彡.;.;.;.;:.;| 三角帆の利点
ｰ へへｰｰヽ; ; ; ; i; ..: : : : : : : : : : : : : : : ＼彡;:;:ﾉへｰへ ･ 風向きにあわせて帆の向きを変更しやすい
,,~ ,,~:ヽ; ; ; i .: : : : : : : : : : : : : : :: : : . ＼彡 ~: ・ 向かい風でも斜めに進んで減速しにくい
~ ,,~ ,,~:へｰｰへへｰｰへへｰｰへへｰへへｰ''"⌒,,＼彡,~
元々、三角帆自体は、イスラム圏で多く利用されていたものだったんだ。。
南蛮船の場合は、船の前の部分に使う。
416 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:07:29.81 ID:F38wr9ko
四角帆は、追い風では大いに風を捕まえてスピードが優れていた。
しかし、向かい風では、その効果を失わせることになる。
ミミ⌒）
ミミ⌒） |￣￣￣￣￣|
ミミ⌒） | |
| | 逆風はブレーキがかかる
ヘ＿ └─┼──┘
＼￣￣￣￣￣丿
～～～～～～～～～～
＿_中＿
|＿＿＿|
／ | ┌─┼─┐ ／￣￣￣￣￣|￣￣￣
／ | | | ＿／ .|
ヘ／──┤└─┼─┘ | ￣｀ｰ‐､＿O. |○ ななめに帆をはることで、
＼￣￣￣￣￣￣￣丿 ￣＼ | 向かい風の抵抗を流す
～～～～～～～～～～ ＼＿＿＿＿＿|＿＿＿
三角帆は、その向かい風でも抵抗を減らす働きがあったんだ。
このおかげで従来以上に速度を安定させて航海ができるようになります。
現在で言う、車についてるエアロみたいなものかな。
418 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:09:31.37 ID:F38wr9ko
, '´ ￣￣ ` ､
i r-ｰ-┬-‐､i こういった南蛮からもたらされた技術は、
| |,,＿ ＿,{| 日本の造船技術にも大いに取り入れられていった。
Ｎ| "ﾟ'` {"ﾟ｀lﾘ
ﾄ.i ,__''_ !
／i/ l＼ ー .ｲ|､ しかし、江戸時代の鎖国が
,.､- ￣/ | ｌ ￣ / | |` ┬-､ 強化されていくに従って、
/ ヽ. / ト-` ､ノ- | l l ヽ. 船の規制も徐々に行われていったんだ。
/ ∨ l |! | ｀> | i
/ |｀二^> ｌ. | | ＜＿_,| |
＿| |.|-< ＼ i / ,イ_＿__!／ ＼
.| {.| ` - ､ ,.---ｧ^! | |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣l
＿_{ ＿__|└―ｰ／ ￣´ |ヽ |＿__ﾉ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
｝／ -= ヽ__ - 'ヽ -‐ ,r'ﾞ l |
＿_
,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
,!;;;!ﾞ`''～^～ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!
|;;;| ﾉﾘ ﾐ;;;| 慶長１４年（１６０９年）１０月には西国大名の所有していた大型船の没収。
_ゞ;! r─-- ､ ,rｪ--- ､ﾐ;ﾘ
!ﾍl;|. ぐ世!ﾞ｀｀ ,ｨ '"世ﾝ ｢ヽ 寛永１２年（１６３５年）に制定された
!(,ﾍ! ￣'" |:::.` ￣ ,ﾄﾞﾘ 武家諸法度の中に書き記されている「大型船の建造禁止令」がそうさ。
ヽﾞ､! !; ,ﾚｿ
`| ^'='^ ﾑ'′
,rﾄ､ ー- ─-: /|
_..／ i| ＼ === ,ｲ.:ﾄ､
／ i| ﾞ､＼ ; ／ﾘ.:;!:::＼､＿
ﾞ! ﾞ､ `ｰ─''ﾞ:::;:'::::|::::::::::＼
ﾞ､ :::/::::::|::::::
この大型船の建造禁止は具体的に言うと、船の大きさが５００石以上の大船のことを指していた。
これには、竜骨のこともマストのことも書いてはいなかったが、大きさを制限されると
自然とその二つを使って造船することができなくなってしまった。
419 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:10:32.76 ID:F38wr9ko
⊿
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ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿」 樽廻船
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ヽ; ; ; ; ; ; ; :::: ,-, 'ｰ- ､,L!!!`i
ヽ; ; ; ; ; ; :: , (;;/ .: : : : : : : : .;.;.;.;:.;|
ｰ へへｰｰヽ; ; ; ; i; ..: : : : : : : : : : : : : : : ;:;:ﾉへｰへ
,,~ ,,~:ヽ; ; ; i .: : : : : : : : : : : : : : :: : : . ~: ～
~ ,,~ ,,~:へｰｰへへｰｰへへｰｰへへｰへへｰ''"⌒,,~ ～
というわけで、江戸時代の船は、船底がたいらで、マストも１本しかない、命を預けるには非常に頼りないものだったのさ。
420 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:12:24.54 ID:F38wr9ko
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,!::::::! ,!ﾄゝ､ l:::::::| 幕府が大型船の規制を行った理由は、
|::::::! ,!ヾ､,,_ ﾞi:::::! 大名の軍事力を削ぐことと海外渡航を封印するためだ、
|::,::l ,ィﾆﾆﾆ二r'´ ゞ二ﾆﾆﾆゝ､ ,!:::j と言われている。
,rゝ;l. ´ ,ｨ＝≡'´ﾚ '｀ヾ＝=-､ .! !^i
.i r､i;i ' ´:; ｀ ` ﾘｲ^!
| ソii j l!ヽ l 『鎖国』はここで完成されたことになる。
i ,!( ,! ｀ゝt''´ | j!,!
｀､. `i _,,＿ __ ,!ﾚ'/
＼! ィ-‐ーー-ゝ ,!,ｲ しかし、ここで造船技術を制限したことのツケは大きい。
i､ ー一 / i/
|｀､ / 'i
| ＼ ; ,ｲ |
| ＼ ＿__,＿＿, ィ´/ |
_,! / l､_
421 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:13:33.22 ID:F38wr9ko
なぜなら、技術ってものは常にすすむもんであり、
国家間の競争では、まず軍事にその技術が反映されるからだ。
|
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ﾋ | | | | | | | | ||
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iー－－－－－－－－--｀ｰ'ﾞ-､＿_ノ_,_,_,_,_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'_,'=,'_=三二ﾆ≡=-j
| ♀ r '´
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:::::~::"´｀｀゛゜''';:;''ー'',:;-､,-､;;..､､,,;;;-:;_;_,､,''';:;,;:;.,..,''';',''';:;,;:;.,..,''';',''';:;,;:;.,..,''';',;,''';:;,;:;.,..,''';',''';:;,;:;.,..,'',''';';.,..,''';',''';:;,;:'';:;,;:;..,,,..,,,..,..,';:;,
幕末のペリー来航よりも前の時代から、世界の主流は帆船ではなく、主流は石炭を使った蒸気船だった。
422 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:14:28.19 ID:F38wr9ko
当時のオランダは、蒸気船の登場による鎖国の無益さを幕府に警告している。
また、仙台藩浪人林子平が著した『海国兵談』も、国防のために規制の解除を訴えていた。
（二）二二二二}下
／ ＼| |
/（へ. へ ＿_人
.| /{＿＼ ／＿_} ヽ:::::::::ヽ わが国は島国なんだから、敵には簡単に侵略されやすい。
f'|| Y⌒・| | ・⌒Y |::::::::::::|
リ ゝ-ノ ゝ--ノ Ｖ⌒}::| それを防ぐためには、自前で海軍をつくれ。
{_,､―（＿＿＿）＿＿ _ノノ
八 ―――――:､＿ ､｀X あと、沿岸に大砲も用意しとけ。
| ＞ ＿＿＿ /| |＿_ ノ⌒＼
/⌒く.／'''''| | //| |／''''',,'''''''''''''} 向こうがその気になれば、江戸湾とか、一気に突破されるぞ。
{` }'''''''| | //''''へ''''''''''''''''''''厶
{｀ ￣ `ヽ|//／ ＼'''''''''''厶ハ
/`‐‐へ. ￣ |'''''''''''''''''''''}
{ ミり＼ .∠|_ノ'''''''''''''ノ
【仙台浪人 林子平】
/ l⌒l Ｏ |￣| Ｏ ヽ ￣￣/ ￣￣/ ‐┼‐ ─‐ ＿|＿ ┼─ ヽ /
| | | / ｜ | lノ ーー lノ ーー ‐┼‐ ／ / _| | ＼
ヽ、. | | ├ｰ┤ ノ ノ ノ （___ （___ ／ し （ﾉ＼ し
しかし、こういう内外からの声を幕府は無視する。
その結果が、欧米諸国からの外圧であり、圧倒的軍事力を背景とした植民地政策の始まりだった。
423 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:15:50.73 ID:F38wr9ko
/ ／
''´´´￣￣￣｀ ｰ--、＿ ￣
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.ヾ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヾ
;:;;::ヾヽゞζ）ヾﾟ''心,ヾ;:;:、;:,, 'ﾞ
;:;:' ﾊソ ''!ヾ 『正義を通すことが最上と信じていると、
;:;:.'; .ノ´）ﾉ ! かえって誤りとなることも多い』
;;::;:/〃二二ｰｰｰ-t fｰ-,,!
;;:/ r=＝f￣ ´ ∧＜'' 葉隠にも載ってある言葉さ。
ﾘ 、迅y. ´ K庁 !
ｲ ヽ｀ ! 変革と言うのはなかなか難しい。
ヽ .!
__ ノ | 国政でも、そして人生でもね。
´ l
ヽ ｰ＝二ｱ ｊ
｀ 、 、____, /
、 /
、 、 ! /
. ' ｀,,ｰtｰ´
.. ｀. !
426 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:16:56.00 ID:F38wr9ko
__＿＿___
. .::´:::::::::::::::::::::::::::::｀:. .
／.:.::;ｖ‐-=,;::::::::::::::::::::::::::::｀:..、
{ｲ::{/ } ｀ト､:::::::::::::::::::::::::::＼
Xゝ /.::::::::::::::::::::::::::::::::i （聞書１の５９）
ﾉ 仁ニﾆ=､ /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::l 『ひとつの見解にこだわって固定するのは良くない。
／ ｰｆュ_, ｀ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::l
／ ノ.::; - ､::::::::::::::::::::; 努力して到達した見解をもつと、
ヽ､ |:::;/ /＾ 〉::::::::::::::::,′ それでゴールしたと考えてまちがう。
＿＿＿ｊ'_ Ｎ{ ノ/::::::::::::::::/
ノi ''―――r=､ ､__ ..イ::::::::::::::::/ そうではなく、努力してものの本質をつかむこと、
（ .::ｉ 〉 ﾉ´ ヽ:::::::::::/ それが見事に実を結ぶように、
) .:::. / ／ }ﾍﾙ{ 一生をかけて修行することが大事である。
（ .:.::ｊ(O) ､＿＿__ . . : / .ｨ二}
＼∠二二{ { / ／ 人
/| ｜ ／ ヽ . ´ ＼
￣￣｀ヽ | く ＞ ´ -‐=二三＼
￣｀ヽ { ├-, > ／ ／ ｀ヽ ∧
￣｀ヽ }'― ' / {／ ／ -┼…=ミ ハ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
428 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:17:38.88 ID:F38wr9ko
::::::::::::::::::: :: : . ,-⌒一_..._ . : :: :::::::::::::::::::
:::::: :: : __,,.-" ..::⌒ヽ^~＞ : :: :::::::
⌒ ～^―~⌒ ＿ ＿
＿へ"⌒‐-､_ .＿_ __ _ | Ｌ＿＿＿」 |
￣⌒＾^^^ ~^⌒' |llｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉill| _ -"⌒ヽ.._ | ｉ========ｉｌ |
|llｉｉｉｉｌ⌒ｌｉｉill| ^ー- ''＾ ＿＿ | ｉ========ｉｌ |
|llｉｉｉｉ|≡|ｉｉill| ｌ77|||||ll::l | ｉ========ｉｌ |
zＬ|llｉｉｉｉ|≡|ｉｉill| |//||||ｌ::::l | ｉ========ｉｌ |
|T:|llｉｉｉｉ|≡|ｉｉill| |//|||li::: |___ | |}]―━―[ll| |
―┐ ｨｪｪｪｪｪｪT:|llｉｉｉｉ|≡|ｉｉill|_ ┌‐|//||li::::::|◯ｌ―┐| |≡≡≡≡|| |
「「「「「「「「l|ヨﾖﾖ|T:|l]]]]]]]]]]l甲|―┐ -- : |.._」//!il:::::::|\\|ｉｉｉｉll|同TTTTT －コ「
「「「「「「「「l|ﾖﾖヨ|T:||三三三{⌒ｈ≡≡≡―|EEEEEE三三三三三三lｺｺｺｺｺｺｺｺ
”.',.'〟”.',.'〟”,.',.'〟”.',.'〟”,.',.'〟”.',.'〟”,.'〟”.',.'〟”,.'〟”.',.'〟”,.'〟”.',.'〟”,.'
⌒..~＾..⌒ ～...^...~ ～... ⌒ ...^～~..⌒~...^~ {ｉ二二二二二二二二フ ￣￣￣
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431 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:20:38.04 ID:F38wr9ko
１０月８日の朝、勝茂は順風にのって大坂を出航した。
/⌒。
} ﾍ圦_ノ⌒）＿＿__
/ // /ｰv一=..､｀ヽ､
/ // ,ｲ:::::::::::::::::::::ヽ:::::｀ヽ､
ノ ノ,ﾑイ:::::::::::::::::::;::::::;::::::::::::::::';
｀￢彡'::::::::j::::;:::::;::ヽ::::}:::/,::;::::::ﾄ,:::::';､
ﾉ:r l::::::/::::;i::::ﾊ::;::-=く (:(::!:::!::';::::';ヽ
_ , -‐'´ノ:::ノ-‐'ﾉノ )ﾉr圷ﾐ､Y !:::ｌ::::';:::ﾚ'― ､
,. -‐'´ _ -‐'っ|::l:|{ r圷ﾐ､ 弋ﾘ ,ﾉ::::|:::::';ﾉ (⌒) ) 「殿、出航の準備がととのいました」
ノ ノ _ ｨ´i:ﾄ::∧ ゞﾘ xxｊ:::!::::N:::j> 二ノ
／ , '´￣ j;､:､:::ﾍ xx ' __, ,ｲ::::;､/／ ／
／ ／ ＿,..-―-j:ヽ;､;:;＞_.､＿_, イ::_レ'／ ／
/ /─‐-‐!ｌl| ＼ ｀`|┘ ／ ＼ く
i ノ !ｌl| , ト､. ｜ ／ ＼ ＼
｀ー―-----‐ｌｌｌ| ／ ヽ,＼|∠ -‐,ﾌ￣￣￣ヽ､ ＼
＿＿＿_ ￣ー イ ｀ヽﾑ-‐ ´ ヽ､.＼
∠二＿ / } }ミ{ , ' |＼ >
／/| ./ | ／/ } / l
／ / | / / ./ ´ ,ﾊ, ,ｲ＿＿＿＿l
/ / ﾚ' ,/ ! / } ,' l三三三三!
( ／,' レ' ) ﾉ i | |
＼. ／ / '´ ｌ ｉ l
＼ . ／ ノ｀ｰ- ､ , ｲ l l
【船頭 村紗】
,.イ´:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
r'´.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.,ｲ:.,ｲ:../i:.:.l:.:.:ヽ:.:ヽ:.:.:.:.:.ヽ､
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!/ !:./.|:./ |:./ !:.:..ﾊ:.:.,|:.:.:.:.ト-､ゝ
,イ.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:/ !ナ-､_ﾚ' |ノ ﾚ'ヽ:.ﾉ!:.!
!:.:.:r‐i:.:.il:.:.:..! こヒｒ`i｀´ _ｭ=-.,リ .ﾘ
|,ｲ !i^)ﾚ'l:.:.:./ ´ l´ﾋr /:.:.ﾉ
! !:ﾔヽ､.ヽ/ u ヽ l:.:./
k.l,`-ｧi '´ /∨ 「ああ。佐賀まで飛ばしてくれ。
k_N.l r'´￣｀ア / 向こうでもやることが山ほどあるんだ」
_,イj ヽ ヽ-―┘.／
／´r'´＼ ＼. ｀´ ／
_,.ｨ=''7´;;;;;;;| ＼ ｀ｰ-ｪ-‐'´
_,.ｨ='''´;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;! ＼ ﾉ ＼
-‐'''"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;:;:;:;:;:;:;:;:! ／トｭ ﾔ Zﾄ､
434 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:22:15.62 ID:F38wr9ko
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: .: : :. ｀＼.ﾆﾆｉ|
/. ..: .: .: .: .::. ::::::::::::::::...:::..:::::::.::::..:::ヽﾆ||
=====================/.::::::::::::::::::::::::::;::,:::::;ｲ::;';::;:::::::;l::::::::::::::::: ';:||
＿ ＿ ;'.:::::::::::::::::::::/::/l;'{:::/ ;:/,!/l;l:::/!:i!:;::::::::i::::::i||
|l￣l| |l￣l| i .::::::::::::::::;､;'ﾚ' ; l;/ / ,:/ ﾉ,ﾘ-ﾅ;ﾉl:::::::l:::::::l||
|l＿l| |l＿l| li'i :::::::::::::::lT「"`ﾞ''ヽ、ノ '"´ ∠._;'::::::r､:::;'============
------------------ l!| !:::;､:::::::::l ,.t─┬ '´!￣ l! ;!:::::;l i/─-─-─-─-
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ l!､i |:;::::::! 」_,,.ｵ ┴ '''",:'::::;'' /
「l「l「l「l「l「l「l「l「l「l「l「l「l「l「l「l ﾞ､!l::::lﾍ ..:.:..:.. i ..:.:.::.:.ｲ;//_／ 「了解いたしました。
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼ﾄ､! ﾞ ,! ＿＿＿
＿＿＿＿＿ ﾞ、 ､.,.‐- ｧ ／ l|ﾆﾆﾆﾆｉ| 我々もすぐに後を追います」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__|ゝ、 ｀ "´ ／ﾄ､、|二||二||
|l l| |l l| i`:┴｀＞ ..._.,r''",,.=''ｲ! |二||二||
|l l| |l l| l`ｰ-,,.`i | i ,ｉ二-‐'{ |二||二||
|l＿_l| |l＿_l| _,r{- ..,,_ ! l ｉ ,!_,,....-‐ﾇ,|二||二||
_,..-‐''"´ノﾊ､_ ｀ﾍ∨/ ,.-''^､_ｰ｀ｰ-.､＿_
_,..-‐''"´_,..ｒ-‐''"´ ￣了ｰ-‐ ''" ￣｀ヽ、＿=｀ヽ､..＿
【伴船 船頭 持永助左衛門】
435 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:23:50.74 ID:F38wr9ko
＿＿__
：／ ＼：
：／ _ノ iiiii ＼. ＼
／ （○） （○） ＼
： | （__人__） |： 「……やっぱりやる夫たちは遠慮した方が、いいんじゃないか、お？」
＼ ｀ ⌒´ ／
/ ⌒ /⌒Y⌒ヽ ヽ
：| ＼| .i ｲ |
|＼ ／ 人 .＼!
| ＼___／ ＼__/：
| /
| /
／￣￣＼ 「なにを言ってる。
／ _ノ ＼ せっかく一緒に乗せてやるって言ってるんだから遠慮するな」
| （ ●）（●）
. | （__人__）＿＿__
| ｀-／ ─ ー＼
. | ／ （ □） （□）＼
. ヽ ／ ⌒（__人__）⌒ | 「ぐええ」
ヽ |、 ／
/ `ーー/⌒^)(⌒^ ー )
| ､ ＿ __,,/ヽ ／ ＼ ズルズル
436 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:24:46.36 ID:F38wr9ko
, ,.ｨ
. /ｌ／/ ―‐ｧ＿__
,ﾊ ＿_ ´ ＜
／ ￣ ＞ ＼
}7l =ｧ=,=､‐‐ヽ l￣
/ソ 〈〈_ﾊ / |
` ＿ ｀'⌒ｌ Ｎ 「私たちはこっちに残ってしばらく溝田一家を見張っておこう」
. } ￣ ﾆ 人!
. ヽ ＿ .. -'^T/｀′
} _ .. ― ユ、
r‐┐ｒ 二 ､
Ｌ..ﾉ/ ＼
_,,.. - 、,. ''" ﾆ=-
_,. -ﾞ' ﾞ "￣~ﾞ'' - .,,
７i ヾ ーﾞヽ
/ ii i; 、ヽ
_ i i! i. ﾞ ,
／ ﾞ'' -'^ヽv ｖ ﾍ、ヽヾヾ i i i＼i
/"" , ,,_ Ｙ!/ ヾ__!_Aﾘ|ﾉ!'!'!
,.- " 〈 i i=ゝ、 ,,∠=-ｧYﾍﾚ
ﾉ ! | "~' |、 - !ﾟ-."!|くﾟ- !!ﾒ/ 「ククク……羽目を外すのもほどほどにな」
( ! ,,... ! ,,.. ! ￣i, !|::. /.ノ
. |ヾ '!. / |"ﾞ 〉ー !|;― /"iヽ~ﾞﾞ^''' -
/ヽi - ! _/ﾞー i'! i,/ 、 ― /i |,,__
ノ">ヾ_!〈=＝-!|_ノi ヽ ＼ ／ ! | ￣ﾞﾞﾞ^'''
／ ''ﾞ.---┘ | ＼ッ" / |
439 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:26:19.73 ID:F38wr9ko
／:／
ノｿ''ノ'ｿ'ﾉﾉ／:／
（｀ミ巛彡彡,丿／
λｰイ个、,,,ﾍ
! ヾ=i キ Yゝ
｀.l_ /i !》 んじゃ、交代で見張りしようぜ～～
＿_／:／ヤノ .!ｰ-、＿
-ｰｰ¨´::／:／へｰ -／::ﾉ:::::::::::::＞、
:::::::::::／:／:::::::/! i /ゝ∨:::::::::::ﾉ:::::::＼
二 勹／ミ:::::::::::ｿ/ノ:::::::::::::::::::!::::::::::::::!
／:し !:::::::::::|｡::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
:／ !:::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::!::::::::::::|
丿:::::::::::|｡:::::::::::::::::::::::::::::;!-ｰ┬!
丿:::::::::::.|:::::::::（::::ヘ::::j:::::::!. !
/:::::::::::::::|｡:::::::⌒::ヾ::::ゝノ:::! !
|＿!:::::::::|:::::~、´ζ＠～':::::! !
ヽ＿|＿＿!:ノ:::::∫:_ノ::! !
,、 ,、
＿ｌ ｀ﾞ゛‐-' ｀ヽ、. 、
-=≦"´ ｀ヽｌ＼
／ ﾄ、._
'"> ト'/
. ／ ,、r、 /
. ＼ __ __ｌ. Y
/ /-、｀v" ＼ l
ム_ ｌ ｌ ' ヾｌ
彡 〉、 ミミｌ 「あの野郎……」
,rヘ＜ｌ, -‐,-‐'" ｌ
／;;;;;;;;/::::::｀ヽ、 ｌ
／｀ﾞ゛＜::::::::::::::::::::＼_,,＿＿＿＿_ノ
、 /::::::::::::::::::::::::::ヽ、
440 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:26:59.81 ID:F38wr9ko
こうして、勝茂を乗せた船は大坂を発ち、瀬戸内海を通って西へと進んで行った。
⊿
/￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
/ ヽ
（ i
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i i
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_,.!='''" -==- ￣~""' ‐-,Ｌ., ｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞ
＼; ; ; ; ; ; ; ; ; :::::: =- ｀t
ヽ; ; ; ; ; ; ; :::: ,-, 'ｰ- ､,L!!!`i
ヽ; ; ; ; ; ; :: , (;;/ .: : : : : : : : .;.;.;.;:.;|
ｰ へへｰｰヽ; ; ; ; i; ..: : : : : : : : : : : : : : : ;:;:ﾉへｰへ
,,~ ,,~:ヽ; ; ; i .: : : : : : : : : : : : : : :: : : . ~: ～
~ ,,~ ,,~:へｰｰへへｰｰへへｰｰへへｰへへｰ''"⌒,,~ ～
441 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:29:17.30 ID:F38wr9ko
-=ー-､,,_ ,,,-‐--､､,,_ボリボリ
ガリガリ, ィ´''´: : : : : ｀´: : : : : : : :＜
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i イライラ
,': : : : 人: :, : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l
ﾚ!: : （＿）/: : : : :/ i : : : : : : : : : : : : : : : :!
{: : : : : :/:／!／ ﾚ: : /i: :ハ: :∧ : : : : l
. | ,-､i: : : i´ ￣｀ｰ' lノ ∨丶
∨ヾ l: :| ミ三三ﾐ 彡三彡 |: l ソワソワ
| ｀_i | _|_ゝ､!
N へ ＿_ 〉 ﾟ/〉
/／ヾー〈丶 ⊿ ,ィ,,ィ´ﾞ｀ ｉ 「･･････」
/i i:.:ヾミ≧≦ｼー ／｀
/l | 〉.:.:ヽヾ=ｼ/| ´／
. |:.:i l /.:.:.:.:.:.ヾｼ:.:.:ｋ´
i:.:.:l__,, |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｌ
（ボソッ）
（ボソッ） ああ。ああ見えても、殿は船旅が大ッ嫌いなんだ。
機嫌が悪そうだな…… 船酔いがひどいらしくて。
,.=,'´ ヽ:: ﾟ ﾟ ＼ ／ ′ ′ ∠__
/ ﾟ ﾟ ﾟ ヽ. . /l/ ′,∠,
| ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ くヽ! / ,.、 /
| ﾞ ﾞ , ﾞ ﾞ, ﾞ ､ ﾞ ﾞ､ ヽ . ﾄ' ,.へ.__, ‐'´ ヽ '7
|,ﾞ /／! ∧ ﾄ､ﾞ ﾞ ﾄ､| l 、/ u | _,⊥ /
｣ _r'7ヘ_ｊ/ >､!‐ヽﾞ! .| ! |`ﾃﾆ'_┐ ｉｉr _',ﾆ-‐''１ 'ｨ
|｢f.ｋ━zxヽ /xz━ｧ冫､! | . ! ｌ＝｡ﾐ′‘≦｡= ＝ r',.-､ /
||ゞ| ｀￣ '"|.|ヽ￣´/ｊ〃ヽ! ! l` ‐;Ｚ..__ﾞ ーr '´v|.|^!.| ,/
ﾞ=ﾍ ､|｣, /=″ ヽl／ __-， u l ij |ﾉ_'ﾉ /
/| ∧ ﾞ￣￣￣ / ﾞT ───- ヽ∧ ∧
/ .l/ ヽ .7 /ヽ. ,/! ‐一 /. ヽ ∧ ヽ.＿
_/ ＼ ヽ. ' ./| ＼ ,, -‐''７ /.! v V. ＼∧ ヽ. ヽ
／ | /] | ヽ' ! ∧ / / └;┬──' ,.くﾄ､ヽ ｉ |
_,.-‐'´ | / о| |ヽ / |`ｰ- ､ ｉ i i l |>、 ,.く.>'l. l. | | |
|/ |＼ / Y ＼｣ ＼ . | │ l | ﾄﾆゝ /ﾆ/ | |. | | |
442 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:30:59.43 ID:F38wr9ko
＿､‐-､, -‐ｚ._
＞ ` " " ′.＜
／ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ＼
7 " " ",.",ｨ ﾊﾞ ,ﾞ ﾞ ヾ r‐ ' _ノ
! " " /-Ｋl/ Vｌﾊﾞ.N ＿ ) (_
| "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ! （⊂ﾆﾆ⊃)
|."しｌ| ￣ ,._ ∨ ｀二⊃ﾉ ククク……
| " ﾞハ ー--7′ （( ￣ それが自分の弱点だと考えているわけか……
r'ﾆﾆヽ._＼. ¨/ ;;
r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._ [l、 案外、かわいいところあるんだな。
／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞ ／,ｨつ
. /: : : : : : : : / : : : ヽ＼ ,∠∠Z'_つ
| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l / ）:::厂 ´
|:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l /￣｀Y´
. |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/
,' .: ,: .:. :. :. :. ;. :. :./l:. :. /l:. ;. :. :. :. :. :. l
l .i :.l.: :. :.,.i:.., 'l:. :./ l:. / l:..lヽ;.. ;、:. :. :l
l :l:. :l :. :.l l/ l／ l/ l/ l:/ l:. :. :,,!
ﾚl:.r.i :. :. l. ￣｀'ｰ_ ､ , ,._ ' ´＾ !:. :./ 「ええい！くそっ！
!l.'´!:. : l ''!ﾆﾌﾞ '!ﾆﾌ` !:.,i/
ヽｰl:. :l' ,':./' 少し出歩こう。
ﾚヽl: l u i l:./
〉N ' ,i/ 座りっぱなしより、いくらか気が晴れるだろう」
／l l ヽ , '
,.イ .:.:.! l ヽ、 c. ニ っ ,ｲ.. ヽ、
,.. ' ´. l.:.:.:.:.l. l ヽ、 ´ ／. !.:.:.l..｀ヽ､
,. '´ ...:.:.: .:!.:.:.:.:.:l ヽ ｰ './,' !.:.:.:.!.:.:... ｀ヽ､
....:.:.:.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:l ヽ、 / !.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:.....｀ヽ、
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:li , 'ト ､_ ,. 'ヽ l.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ヽ,
443 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:32:15.86 ID:F38wr9ko
／￣￣＼
／ _ノ ,ヽ＼
| （ ●）（●） 「待ってろ、口をゆすぐ柄杓もってきてやるから」
. ＼ | （__人__）
.＼ .| ｀ ⌒ﾉ
. ＼ ヽ }
.＼_,ゝ ノ . ＿＿＿_
／, r､ く ／ ＼
./ 〈 ＼ i ／ _ノ ヽ､_ .＼
. ヽ､ .ヽ ＼ i.oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ＼
.て_） ＼| （__人__）' |
＼ ｀⌒´ ／ 「ぐええええっ」
〉 ､ 〈
_ノ 入 / / |
(⌒_ノ ＼ / ／ /
￣ ＼(.__) _／｀)
＼ /―i'.|
/::/::::./::::/:::::.|:::::ｽ:::::ﾄ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
!/:::::::|::::ﾊ::::./|:::::| i i ＼::.ﾄ､:::::::::::::::::::::::::::::i
|:::::|::::|::::| ∨ ＼| .＼| .ｿ ヽ::::::::::::::::::::::::::i
|::./|::::|ヾ──' | '───､ i::::::::::::::::::::::::::i
|/ .|::::::i 弋赱メ 弋赱メ i:::::::::/⌒i:::::::i
. ヽ::::ｌ i .i'i::::/ ソ i:::::::i
lﾊi ﾉ i::ﾉ－ /:::::::i 「おっ、やる夫、もしかしてお前……！」
i ｀ .ｿ､_／:::::::ii'
ヽ / .i:.:ﾉｨ l::::i'
ヽ、 ´￣￣｀ ／ ｿ .|人ｿ
ヽ、 , イ ＿,,-ｰ'￣￣丶
ｰ '"| ／:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
＿-──ｿ──:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
444 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:34:22.12 ID:F38wr9ko
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_ ＼ 「はいですお……。
／ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ＼ さっきからずーっと、船酔いが烈しくて。
| （__人__） | 嫌になっちゃいますお」
＼ ｀ ⌒´ ／
／´ ｀＼
/ / l l
_＿＿＿,r─ ´￣ ｀ヽ、
＞-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
f/:: ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
!l: :::::::::::::::::::::::r′:::::::::::::::::::::::ヽ
|:!..:l... | :::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ
|ｨ::::!:::::::l:::::::::......................................l...::.i
' ﾄ､ｌ:::::::!::::::::::::.::::::::::::::::::::::::::::.:::::l::::::}
!トｌ､::::!ゝ!:l::::l::::::::::::::::::::::::::::l:::::l:::i/
｀ !`i:ﾍ ヽ!:::l:ヽ::ﾄ::::i:::::::ﾊ::ﾊ:ｲ:/ 「そうか……」
! ∨:l ,ﾊ:::l::::ヽヽﾊ:::/::ﾚ:::::/
ヽ ヽ!' ヽﾄ､:::::::::::::::::::::::::,'
丶 ヽﾄ､::::,_ -┴‐ ､
丶＿ ..､ _ - ´ ゝ、
／ _ - ´ ｀ - ､
| _ - ‐ ´ ヽ
l ／ ',
／￣￣＼
／ ヽ､_ ＼
（●）（● ） |
（__人__） |
（｀⌒ ´ |
. { | （やる夫になぐさめの言葉でもかけてやるのかな）
{ ﾉ
ヽ ノ
ﾉ ヽ
/ |
445 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:35:19.42 ID:F38wr9ko
.i::::::::::::::::::::::::::::::i::::::/|::::::::::::i:::::::::::::i:::::::::::i
i::::::::::::::::::::::ｨ::::/|:::/ |:::::::/ |::::::i::::i::::::::::::::i
. i::::::::::::::::::::::i.i::/ |/ |::::/ |:::/i:::i､:::|:::::::::i | ‐┼‐○
. i:::::::i:::::::i:::::i ﾘ──-､.|ノ .ﾚ i' |::::|:::::i::i | ＿| 七_ 七_
. i:::::::i:::::::i:::::i ─--､ |::::|:::::iｨ ﾚ ( 丿￣ (乂 ） (乂 ）
i::::l´i:::::::i:::i ,z＝=､ ｿ::::|::::/
i::::| ri::::::i`| " z==;, ﾉ:::/|::/
.ﾞ'il k..i:::::i i !::::ﾉ |/
i::＼_ヽ| i !:丿 「そうか～～。
i',,::i ! ﾉ .!ｿ
i::i ! ､ ┌─--､ / 船酔いとは難儀だなぁ～～」
_,,.i. ヽ. ＼ 丿 /
. ∧ ﾞ'､ ヽ ￣ ／
∧;:;:ヽ ﾞ' , ヽ ／
./;:;:ヽ;:;:;:;:ヽ ﾞ' ､ ｀ .┬.´ﾐ､,
;:;:;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:ヽ .' i ｀:;:;:;:; ﾍ
;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:ヽ ﾞ ' ｨﾍ;:;:;:;:;::i
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:ヽ i｡i i;:;:;:;:;:i
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:ヽi... ii!i;:;:;:;:i､
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:丶;:;:;::;:/;:ヾi!i!!;:;:;:;:;:i､
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!:;::/;:;:;:;:＼i!!;:;:;:;:;:;:i
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/:;:;:;:;:;:;:;:;:＼ゝ;:;:;:ヽ
. .／￣￣＼
_ノ ヽ、 ＼
（○）（○ ） | .＿＿＿
（__人__） u . |／ー ー .＼
ヽ｀⌒ ´ ／(○ ）) (○ ）)＼ （ええええっ）
{ ／ （__人__）) ＼
ヽ | ）r┬ﾘ u. . |
ﾝ ＼ ｀ ⌒ ´ ／
i´ . ﾝ ＼
| . ／ ＼
447 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:36:24.11 ID:F38wr9ko
,. ―――- 、
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::ヽ、.
/.:.:.:.:.:.:.:∧.:∧.:∧.:.:.:.ヽ.
. /.:ｲ.:.:.:.:l/ ヽ.:.:.Ｎ.
Vl,. ｨ.:.:.| -―、―-. ヽ.:.|
| |.:.:.|ｨてﾌ> ｉ iｨてﾌ>Ｖ| 「かわいそうになぁ。
ゝ」.:.:.| . ゝ '|.:.|
ﾄ.Ｎ ｀ヽ.＿__ , ル. 風も強くなってきたし、船はまだまだゆれるぞぉ～～。
. |. ヽ `ﾆ´ ./
」、 ヽ、＿／ ほぅら、また大波が来～た～～」
イ´| ヽ、__」
／: :|: : ト、 /::ヽト-、.
/: : : :|: : :ヽ Ｖゝ;;;;人|: :ト、
: : : : |: : : :ヽ /::::| |: : |: :ヽ、
: : : : |＿; : ヽ /:::::::| | 、: 〉: :ヽ
: : : : : :／: : :V:::::::::V: :Ｙ: : : : :|
＿＿＿ ┃
／⌒ ⌒＼ ┣━━┳━┃┃
／（ ￣） （＿）＼ ┃ ┃ ━━━━━━━━
／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼ ┃ ┃┃┃
| ゝ'ﾟ ≦ 三 ﾟ｡ ﾟ ┛
＼ ｡≧ 三 ＝=-
-ｧ, ≧=- 。
ｲﾚ,､ ＞三 ｡ﾟ ･ ﾟ 「ぶえええええ」
≦｀Vヾ ヾ ≧
｡ﾟ /｡･ｲﾊ ､､ ｀ミ ｡ ﾟ ｡
450 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:37:29.76 ID:F38wr9ko
__,,,､,, ,,､- ､
／´: : : : : ｀´: : : : :ヽ +
+ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ +
+ /: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :', 「はっはははは！今日は気分がいいぞ！
,': : : : : : : l: : :/:./ ∨:ハ: :i!: :l: :::::::i ずっとやる夫といることにしよう。
l: l: i: : l ／!／∨ |/ ∨∨!: :::::::l 他人の不幸で飯がウマイ！」
ﾚ!: !: :l i´""'''ｰ- ,､-ｰ'''` l: :::::ﾍ! +
+ ∨ﾍ i | ｒ=＝ｧ , r≡=､/::∧|
!ﾍ∨ゝ .i ∧ｿ +
ﾚヽi l ｝ ∧ﾉ
+ ﾚﾍ __＿___ /ﾉ +
+ ∨＼ ヽ __ / ／ ′
／i｛ ＼ ` ／i
/:::::l ﾍ ｀ ´ ∧＼ +
_,,-''/::::::::l ` ｰ､ ,／ .i:::::＼､,_
_,..-.:":::::::/:::::::::::i /;;ﾍ__!入 l:::::::::＼`::..､,,_
＿|＼∧∧∧ＭＭＭＭ∧∧∧／|＿
＞ ＜
ヽ､ / ─ / /＿ ──┐ヽ| |ヽ ム ヒ | |
ソ ─ / /￣ / ／ |￣|￣ 月 ヒ | |
ノ´ ＼ ＿_ノ _ノ ＼ / | ノ ＼ ﾉ Ｌ_い o o
::::::::::::::::::: ＿＿＿_ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::: ／ ＼ :::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::: ／ ） （ ＼ :::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::: ／ ‐=・=- ‐=・=- ＼ :::::::::::::::::::::::::::::: 「……やる夫の台詞、
:::::::::::::::::::::: | ┬ （__人__） | ::::::::::::::::: とらないでくださいお」
:::::::::::::::::: ＼│ ｀ ⌒´ ／ :::::::::::::::::::::::::::
＿|＼∧∧∧ＭＭＭＭ∧∧∧／|＿
＞ ＜
/ ─ / ──┐ ──┐ｌl ヽ| |ヽ ム ヒ | |
＼/ ─ / ／ ／ |￣|￣ 月 ヒ | |
ノ＼ ＿_ノ ＼ ／＼ / | ノ ＼ ﾉ Ｌ_い o o
454 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:40:43.40 ID:F38wr9ko
／￣￣＼
／ _ノ ヽ､.＼
| （●）（●） .| 「……意外だな。
! （__人__）u | 殿にああいうところがあったなんて」
, っ ｀⌒´ |
/ ミ） /
./ ノゝ /
i ﾚ'´ ヽ
| |／| | |
, ' ｌ|| ｌ|ｌ , l|ｌ ヽ
. / l|| ｌ|| ,ｨ /l/| ||ｌ 、ヽ
/ ｌ|| ,ｲ ./! / | / | lll ﾄ､ ||l |l l＼!
. ,' ,.イ l|| / l ll/ l |l/ | ll/ ｌ | l ||l |
／ | lll /| / | / | / | / ヽl !.ヽﾄ、 ||
. | / :l lll /─|/‐-l/、 l/ ,. -─ヽ!ｰ` ヽ |ll |ll |
l ll / | r:､ / ` '´ ヽ ,r‐､ |
! ./ |/| |ll|.＝＝＝=｡== ==｡=＝＝＝ |l|ｌ|'-､ l ! 「フッ、人間の本性なんて残酷なものさ」
|/ | | | ｀ ｰ--‐ ' | : ｰ--‐ ' ´ | !｀ i | ||
| | ! ::| : | .|ヽｌ l !
／ｌ |l| :::| : |ｌｌ!_ﾉ.,' !＼
／ `ｉ| r_::| : _， :| |_ノ ,' ＼
_, ｲ ヽ 、 ｰ' , ,|,! ll ,' ト
-‐' ´ .| ヽ ￣￣￣￣￣￣￣￣ ／:| / !
-‐' ´| |;;ヽ ＿＿_ .／:: :| l / :|
. | |;;;;;;;＼ ￣￣ ／::: │/ |
| !;;::::::::::＼ .／:::: |/ :|
. | l;:::::::::::::::::＼ ／::::: | |
| :|:::::::::::::::::::::::`ｰ:':::::: | |
455 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:41:34.40 ID:F38wr9ko
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;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_..‐´:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;...‐′.;.;.;.;.;.;|.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
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;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_..-―‐ ''''ゝ､､:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.:;.__,,,,......--'".;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
｀ﾞ''‐--............-‐'''´ ...:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:￣￣ﾞ^''''''|－――‐ ''"｀`''‐‐---......,,___.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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- ､,,_: : : : : : : : : : : : : : i: : .. ｀"''''ー-|-......,,_|＿＿___,,.i.|..-‐''￣" i | ￣￣￣￣￣|
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| i | |
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i | ヒュウウウウウウ l
|
l | l| | i
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456 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:42:29.13 ID:F38wr9ko
-──- 、
＿／ ＿, ＼
-＜￣￣￣ ￣/
/ ＼ ／ ∧＿＿__.ノ
| ○ ｀ー一 ′ /＞ミ＝=--=
＼､十, ＿＿__／:::::::::::::}￣｀丶、
／｀￣ --=≦ア´:::／:::::::::::::::/::::::::::::::::ヽ
/ ／:::::／::::::::::::::::::/::::::::l::::::::::::::'.
｀ー──ｧ彳::::／:::::::::::::::::::;イ:::::::::::}::::::::::::::ﾊ
イ:￣ア´￣:アフ´／ /::::::::::∧:::::::l::::ﾄ{
／::/::::／:/:::::ィ笊寸 イ:::::::／⌒}::::::j::::|::ヽ
＿ イ::::::ｲ:／:::ｲ::::::::l 辷ﾝ ￣￣ cァx/::::ィ:::::ﾄ､::}
/:::::::_厶イ:::l:::::::::| ﾋﾝ_/:::/::|/:/ノｲ
/)´Y::::::::/::::::j::::::从 、 ′ 7￣:::::lﾚ'
／/:／}::::::/:::::::ﾊ:ﾄ､_, ( ） ..ｲ:::::::l:::::| 「どうやら本格的に嵐に入るみたいね」
＿＿＿_∠ -- ｲ:::::／、ヽ、> -─＜:::ﾉ::／}:::/
｀Y ￣:.::.／ 厶イ:.:.l|:.＼ /＞､:＼::イ:/、/´
'.:.:.:.／ Y:|:.:.:.:.＼ ヽ、:/ーｧ'.
>′ , __ノイ≦三 ≫､ 」=..イ､ ＼
／ ,. < ｀ー┬r＜二二アfこ∧ ＼ ＼
／ ／ーﾍ i // ﾉ::ハ::} ､ ＼
／ ／ ﾄ､__.〉:.l ／::/ }j l ヽ
. l ｀＜ Y､__.ノ ／:::::/ ,ｲ /ヽ、 ､
＼ ＼ ､ ｀ｰ ／:::::／ /::{ / /´ }
＼ >-‐┐ __＞─ ´::::／ /:::::| ! / , ′
┌─────┐
]ｌｌ ll ll ll ll ll ll ll [ヽ＿＿＿
| | ヽ＿＿＿
| ,,;;;;;;;;;;;;;;;,,,, |
| |;;;;;;;;;;;;;;;;;;; |
| |;;;;;;;;;;;;;;;;; |
| |;;;;;;;;;;;;;;;; |
|＿|;;;;;;;;;|＿|
＼＼ 〃 ＼
＼〃 ＼ ＼
〃 ＼ ＼
人人人人人人人人人人人人人人.;人人人人人
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;〃──── |.;..;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;《 ──── |.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;∥ |.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.lf^^^^^^^^^^^^^.;.;.;バキャ.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;∥.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;|.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
459 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:43:41.15 ID:F38wr9ko
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●））
. | （__ﾉ_） 「ん？なんか急にあわただしくなったような」
| ｀⌒ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
.> <
| |
､､-v z_
,ゝ ヽ
. Ｚ._ィ,∠ﾄ､.}
. 幺__,´ﾚﾘ 「ここに居てくれ。後ろを観てくる」
ヽ /V､_
. ,.-‐／〉 ﾉ ! ＞‐ ､
/ゝ.∧l' ,へl ／ﾄ、
〉.l` ､_∀ レ .ﾉ､
ヽ! / /`´7 /ﾍ _>
| l `‐.'／/ .Y´ヽ
〉- / / ／ ／
460 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:44:45.95 ID:F38wr9ko
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : l＼::| ヽ l＼l l＼l＼l:: : : : :l
l: : : : : : : : : : : : : : : :∧: :!l l ヽl l l‐-l-l-l l l:: : : : :l
l: : : : : : : : : : : : ﾄ､: :l l ヽl:l l_l/l l l l ,,--､ll:: : : : : l
l: : : : : : : : : : : : :l ヽ:l l _,,l:l''l l :l l l l'rﾊ l:: : : : : l
',: : : : : : : : : : : : :l l‐ﾅ__.l:l l l :l ll::･::i l: : : : : l
',: : : : : : : : : : : : :l ,l.-''"¨"'' ､ ゞ::ﾉ ・ l: : : : : l 「……かじが、舵がまったく利きません！
ヽ: : : : : : : : : : : :l r''"¨ヽ l: : : : : :l
＼: : : ==､: : : : :l ',::::゜::ﾉ ﾉ ∧:: : : : :l 木が割れて、流されてしまったようなんです！」
＼/ --､､:: : : :l ｀¨´ / ',: : : : :l
l L､: : : ﾍ _,.-''7 / ',:: : : :l
＼_二‐'_,:: : :ﾍ ぃ"__／ , ' ',: : : l
＿,,..-‐＝ﾍﾆ',ﾍ: : :ﾍ ､_＿ ／ ':,: : l
,,..-‐''": : : : : :／ / ＼: :ﾍ ￣7￣￣ ',: :l
-=ﾆ´-‐─''ﾗ: : :／ / ＼: ﾍ / ',:ｌ
/: ／ / ＼:ﾍ / ',l
461 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:45:36.87 ID:F38wr9ko
､__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
_） （_
_） ナ ゝ ナ ゝ / ﾅ＿`` -─;ｧ l7 l7 （_
_） ⊂ﾅヽ °°°° ⊂ﾅヽ /'＾し / ､＿ つ （__ ￣￣￣￣￣￣￣￣ o o （_
） （
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
|: : : : : :l / ニ ヽ ＼ ヽ: :ﾄ : : : : | ,.....-―‐-...､
|: : : : : :| {::･:ｌ |.ｌ＼ Yヽ: : : : | ,.ｨ'´:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::｀ヽ
l: : : : : :| O-' Lニﾆ＼ ｌ: : : : | ／:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.::ﾊ
ヽ: : : : :| o ヽ|: : : :/ ,':::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.::ﾊ
ヽ: : : | 、 , |: : : :/ ;::.:::.:::.:::.:::.:ﾊ:::.:､:::.:::.:::.:::.:::.:::ﾊ
＼: :| l: : :/ l:::.:::.:::.:::.::,'‐ ':;::',ヽ､:::.:::.:::.:::.:::.',
ヽ: >、 へｖー― ／: : / ,:::,イ:::.:::.::lﾆ､ ';::',ﾆz､:::.:::.:::.:::.:l:,二ヽ
ﾚ:ヽ ＼ ／ヽ: : / r'ﾆ;::.ﾄ/::,ｨ:::.:lﾋリ ヽt ビy:::.:::.:::.:::',ゞ´.:|
／: : :ヽ |ヽ、 ／| /: :< ,':::｀ヾ;'::.:; l:::.::l ヾt u.}:::.:::.:::.:::.:', :::L_
ヽ: : : ｲ i ｀ー－´ i >: : : > ;::ﾞ"ﾞ"/:::.l､l:::.:ﾘヽ、 __ ヾｲ|:::.:::.:::.:::.:::'.,::::::::ヽ
＿ ＿＿_ ,.-─-､ ,:::. ,':::.:/'::;-､::＿:｀..‐.'´,〉ｰ|:::,ｨ-::､;_:::.:::,-―;:,
／ ｀ヽ,,..-‐'' ｀i ｀ ヽ､! i ,'ｰ' ,':::./:::l´:::::｀ヽ､ヽ:::／ ／::::::::::::l l:::.:', ::::',
| ,! ..--─┴─-､ ＼ _ﾉ ;: .,':::.i:::.::l:::::r‐‐--｀¨ヽ.／"´ ｀l:::::‐':l:::.:::', ﾞ‐'',
Ｘ＿,,ノ ／ ＼ 「｀＼ ,'ｿ ,:::./;::.::l.:::::l ｀ヽ、 /:;;:‐''ﾞl';:::.:::',＿ l
＿＿／ / / ./ i ヽ | ＼ ,' ,:::/:l:::.::|ﾞ"ﾞ゛ l::::｀::.‐-':ヽ''".., l::';::.::.:;:::::i l
／ ／ ./ .,'| | || | | ＼＼
／ / ,' | {＿＿＿＿| |＿＿＿_l ﾊ ＼
／ ./ / i'⌒ヾ| | |○ | | | | | |○| ||⌒Yl!、 ＼
／ / / ゝ ~} ﾞ| | ﾉ ',`､ ＼
. ／ / /. `ー-t ┌─┐ ,!.／ ', `､ ＼
.／ / l ＼ | │ ノ ', .`､ ',
,,,..-‐'''￣| /l ,l ／`i┴--,七´ ', l､ l｀ヽ、 ',
. | ./ | l ,／ l ﾘ`ヽ、 ', | `､ l ｀ヽ､',
| / .|l ,,,べ ﾄ---/ ＞､ ',| `､l
l/ | / l＼ L__./ ／| l `l
462 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:47:17.64 ID:F38wr9ko
,' ／ ＼＼ |
| .| / ＼＼ |
', .! ＼＼ | ||
|| ':, ヽ／|___ ＼＼ ,-､ |
, '＼ .!--`ｰ─- ､ ｀/￣ｿ !ヽ. , -､
| ／ .＼| ＿,,,...-‐＜ | くｰ'ノﾉ ／／
/ ,...:'"´￣::::::::::;::::::::::!:::＼ / ｀ｿ＼／／
| ヽ.,_／::／::/:::;ﾊ:::／!:::::::/:::;:|::｀ヽ. / / > く
.|| /:::::/:::::::|/メ_|/ /:::／|／/:::::::::∨ ./ ／／＼ヽ- ､ 「落ち着きなさい。
| | ,':::::;'::::::::ｧ'´!ﾉ | ﾚ'´ ｧｒく:|::::::|::::/ /く／ l´ ○ !
|:::::|:::／|` ゝﾟ' , り ﾉ7::::;ﾊ/ / ` ｰ‐' あわてずに状況を把握すること。
'､:::ﾚﾍ;ﾊ" , -- ､ ﾞ|／|ﾍ.,＿ノ|. ! i すぐに予備の舵を用意！」
. | ）:::::::::ﾉ、 / | /´ ヽ､＿.ノ! | | |
: | （rﾍ:::::/:::::＞,､.,＿,,.. イ | | |
| ! ｀ ∨::::/」イ! /:::::::::| / ||
: ヽィ|:::::::| /:::::::::∧ ／
／! ∧:::/ﾑ::::::／ ヽ-ｧ '"´ |
| r'! / ｀7ヨ '´ ./ ||
l .|:`| ／:::| /
/ヽ! /::::／| ''" ﾊ、 |
／7Y､_ | |／ ∨ ＼ ||
.| / / / 〉'! ./ |／￣ ヽ 〉 |.| |
ヽ--- '´,L./-─ ''"ア"´ ＼ |
＿＿＿
_,.-'":::::::::::::::::::｀=-､
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::i::::/l::lヽ:::ﾄ､::::::::::::::::::::::::::::::l
/::::lﾞﾚ_ﾉ|/ _ヽl ヽﾄ､:::::::::::::::::::::::l
{:::::l_¨ ｀¨ｰ- ヽ:::::::::::::::::ﾘ
r‐､ /::::l≠ﾐ r=＝､ l:::::::f｀ヽ:ﾘ
＼ /:::::::l// ､ /l/l/ ･ ',::::::hノ/ ＿__,,､ 「はい！」
', ｀ ｰ- __ イ::::／ﾍ r‐- ､ 〉:::::ﾋ＝ニ三＜￣_
:::i ヽ ｀ｰ-､_ 〃:/ ＿_ヽ ∨ ﾞi ／::::i--､ ¨ｰﾆ=-
ノ ＼ ｀＜¨ーl:/¨', ´入二ﾆﾞィ=''" ／::l: :lllr'"¨ヽ、
＼ ＼ l/ ∨ ﾊ:ll:::::::::ヽ /::::／ﾞl::lr'"¨⌒ヽ、
￣¨ー､＿ ｀ー ､ ∨ lハヽ::::├/／／7¨ﾘ i心
￣¨ー─- ､＿ ＼ ヾ| ゝ､＼ヽﾚ'r‐'" / _,.-‐‐ l三≧
￣¨ｰ-＼ .l ￣/¨>=='."'" l#㌢
＼k /￣ﾌﾞ´ ト､
463 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:48:52.20 ID:F38wr9ko
,..-‐::t:::::‐-...､
,.ｲ:::::::::::|::::::::::::::::::ヽ、
/:::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::',
i::::::::::::::::／＼:::::::::::::::、:::',
|::::;':::::／ ＼:::::::::::i:::::',
. |::::l::/二ﾐt ｧ'二.､:::::|::::::', 「船頭（ふながしら）、大変です！
|:::rt' l三ﾄ ,<ﾁﾐjﾞヾハ:::::',
|:::.､_､oﾞｰ'//// ﾞｰ'o /_,ﾉ:::::::', 積荷部屋のところから浸水が・・・･･･」
. |::::::::::ヽ、 ._＿_ ／:::::::::::::::::',
|:::::::::::::::::｀.i､f レl´::::::::::::::::::::::::::;
|::::::::::::::ﾉ´;ﾒ,l_｣_ Fﾞヽ、::::::::::::::::::;
|::::::::::/､; '二--ｦ.ｿ:::::;>､::::::::::::::::;
|::::::::,>/ ／｢ブ''",,ｨｫf‐'ヽ、::::::::,
|:::;'´ / '´j=≦壬ﾁ' /ヽ::::::',
. |:ﾊ､,' r-‐ ﾍｪ,/-､_ / ヽ:::',
. / ,' l fｰ-'t-:j‐'ﾞi / ヽl
〈. ,' .,' /,l｀ｰ三-‐'‐｀ヽ、 ヽ,
,.-―─-｡､
/ ﾍｷ''ｰ-､
/ ／ ﾉ
／ ／, -─::'":.｀ヾ､
'､＿__／イ,..:'.:´.:.:.. ".::..゛＼
／..;. --‐´;::.., '::.´ノ..:::..:.ヽ.:.. ＼
/.:ノ..: ..:,..::'/:. ::. :.. ..::.::..::..::: :::..ヾ:.ヽ
/'´..:::; ' ..::/.: :ｌ:. ./i.:::.ノ::.:: :.. ..: .ヽ
r‐´ ..:::::;' ..::ノ.: .:ﾉ.: 人イ.:::..）..:i:. :..}ヾ:::..ﾊ
,へ_).:.. ..::::;' ..::（:::::. ﾚT廴jTヽン ､j::..ノ ﾉ:i::::. l
,ｹ:: .:.: ..:::::::', .::::;ゝ:.ﾘ ゞzク ィ´ ｸﾉ:::... i
⌒): :..（.:::::::::;..:（:.::.（ ｀ ｨ'ﾃ/.:::::. ﾉ
（.::..:ノゞ､:::::' .:.ヽ:.ヾ 弋ｲ .:::.,（ 「３名は至急そっちに向かってください！」
Ｙ´ （.::λ: .:.ノ:..ヾj .´｀丶、' ｲイノ`
＞'´ ￣￣ ｀丶､ ＼ ｀ ｰ ' .ｲｸ
,. '´ / r } /::｀:.. ｧ‐ ;.´.::ﾉ
／ .:r'´￣ヽ ﾉイゝ.::人;'´
465 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:50:17.32 ID:F38wr9ko
＿＿＿
＼ ￣￣ ＼ ┌──┐
,ｨrｩ､ ＿. ＼ . └──┘
＿ /'_/.-f二_.,.-'~ ｀i ┌───┐ 「浸水箇所の修復に時間がかかりそうです！
_ ,-±ヽ., -=‐''"￣=rﾀ≠´r''t,,. -―-⊥_ └──┐│
,.-―-≧三‐ ｀ :|_,,--‐''￣＼｀´r‐'´／;y=‐、;;;;;;;;;;｀､ ┌┘│ もっと船底に人員をよこしてください！」
<,ﾍ=''"ﾞ==ｨ:.〉 ,,,,!-‐-,--､. l :| /;;ﾇ' '´,ｨｭ､;;;;;;;;;;;;｀、 └─┘
. ＼＼ ノ ﾉ,｀ｰt三三' ｀ヽl |. {ｻ､’ ｀￣l:｀、;;;;;;;;;;l ┌┐
＼（／ｿ ￣¨ー､ ｀.ﾒ､ .{ t＝ｭ | ﾚﾆヾ;;;|. ┌┘└┐
. ｀ｰ' ヽ、 j! i!｀ｰｼ=┘ ! ﾉ-',ｲ;;;;;l └┐┌┘ ┌─┐
/ ヽ、.j! l! ｀‐=＜|;￣;;;;;;;;;;;l └┘┌┐└─┘
/ .ﾉ ./ Ⅴt;;;;::::;;;;;;;∧. ┌─┘└┐
! ／ / l ∨;;;;;;;;;;;;∧. │ﾛ ┌┘
ヽ＜___.／ :.} .:};;;;;;;;;;;;;;;∧└──┘┌──┐
￣｀.>-､ .ﾉ j;;;;;;;;;;;;;;;;;;∧. └─┐│
／ ＼ヽ、＿／ ∧;;;;;;;;;;;;;;;;;;∧.
＿,. -‐―‐-､)ヽ
'´,＞ 〃 ノ ｀⌒ｰz
)） ／ 〃 ゝ
（( 〃,／, 〃 __,ノしﾍ
)） |〃/ ,〃 〃 ,､,､ ､ ,ゝ ヾ'|
（( / /,〃 ,.ヘヽ_,ゝﾍ{ ヾ ヾ | 「わかった、手伝おう。
)） l/ / ,.く /＞‐｡ｧ ヽ'ト､ヾ' !
（( |/ >ヾ￣´ |'ト||ヾ | 手の空いてる人間にも声をかけておく」
<ﾞ､_/ﾞヽ ／ |l〃 ヾ|
ﾉヽ し'（ﾞ＼ ∠-‐フ ＿, / ヽ.ヾ'｣
（ ヽ.ﾉヽ>ﾉ .| ｀￣匚, / >'＾ヽ._
〈ヽ.ﾉ / .| / / ／ |
Y´ （ ｲ '―ﾍ ／ 人
＼ i | ／冫′ ／ミﾐ＼
L_＿_ _｣ /| |＼ .／ミミミミ
| | ／|,ヽﾉ! ＼／
466 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:51:32.33 ID:F38wr9ko
|
|
|
! |
／| .| !
／ | .|
／ | .| ＿＿＿＿
| | .| ≠ ｼﾞｬﾎﾞ ／＿＿,.:;／||
| | .| （（ ｼﾞｬﾎﾞ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ＿＿ || ＿＿||＿||
| | ／|;:,. ））:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／-/-／| ／-/-／| .||／＿＿||／||
|==l .| ／:::::.|;:;:,（.((:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈＝llニ〈=〈≡ll二〈_=|_||＿＿＿|| ||＿
| |／: ::::／: : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : 〈三||＝〈/〈ニ||=-〈／..|| ||
＝＝＝|: : ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
|:::: ::::::,:;|／: : : : : : : : : : : : : : 〈:《 (:･) 》:〉 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾋﾟﾁｮﾝ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
|: : :: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
467 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:52:35.92 ID:F38wr9ko
l: : : :|: : : :/ ヽ: : : : :i: : : : :|
l: : : :l: : :/ 、 ,＼: : l: : : : :|
|: : : :ｌ: :/ ＼ ／ ヽ: |: : : : :l
ﾚ´ヽ|: :| /ニ 、｀ ' /ニ、 ヽ| : : : : |
|:| ﾍ ヽ| {;;・;} ' '{;;･;;} ' ﾚ⌒l: :|
| ヽ ヽ | ~l l~ ~l l~ レ /: :|
|: : :＼_| | | | | レ': : : :|
|: : : : : :l | | | | l : : : : : | 「ああっもう、膝にまで水がきちゃったよぉ」
|: : : : : : ＼| | ,、,＿ _ | |／: : : : : : |
|: : : : : : : : ＼ ／: : : : : : : : :|
|: : : : : : : : : : :.|ヽ、＿ ／ |: : : : : : : : : :|
|: : : : : : : : : : _| |_ : : : : : : : : :|
|: : : : : : : : ／;;| |;;ヽ: : : : : : : :|
､─- 、 ＿_
,_ -─-ヽ '´ ,∠.._
,＞ " " " ﾞ ､、 ＜｀
∠＿ " " " ヾ ､、ヾ
／ ″, ,ｨ /ﾍ i､ ヾ ヾ !
. /イ ,ｨ ./l/‐K >!ﾍ|＼ ﾞ |
|/ ﾚ|＝=a= . =a=＝ |ｎ. l 「まるで嵐だな」
. | ｌ ￣ ´|.: ￣ :|ｆﾘ,'
`ﾍ ､l.レ :|"ハ
. /ヽ. ￣￣￣ ／|/ :!_
_/ l＼ ￣ ／ ./ |-¨二
-‐ _''.二/ l:::::`‐:'´ / |
¨´ l ,ヽ::::: /,へ |
| ／o |_ _,/ ＼ |
468 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:54:03.60 ID:F38wr9ko
＿
, イ: : : : : : ｀丶
／: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
,.': : :/: : : : : : : : : : : : : : : ヽ 「まるでじゃない。
丶､ /: : :ｒ:-、: : : : : : : : : : : : : : ｀､
＼. i: : : :ｌ 丶､: : : : : : : : : : : : : : :＼ キッチリとした本物の嵐です！」
.＼ .l: : : : l 丶／｀丶､: : : _: : : : :＼
＿＿ ＼: : : :l‐-、 / -イきﾔ＼i'´l: : : : : ::＼
、 , -''"ｌ: : : :l_r‐z ヾちﾘ 〃: : : : : : : :＼丶､
＼ i'´ l: : : :', ヾｼ i'´: : : : : : : : : : :＼丶､丶､
、 ＼ .ｌ: : : : ', 、 / l: : : : : : : : : : : : : :＼ 丶､' - 、
_、┌‐' ' "ﾌ ＼＼:｀､ -‐-, / ｀､‐- 、: : : : : : : : : ＼ ' ‐ 、
i'´ .＼| |７ .＼ ｀ ､＼ヽ､｀‐' ,ｲ´ ﾌ:::::::::::｀丶､: : : : : : : ｀丶､
l / / /- 、 ｀､＼: : '': : >、 /::::::::::::::::::::::::＞ 、: : : _: _: : :丶､
l f ｹ ｀､＼／::::| l::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ: :丶､_: : : 丶､
ｌ |、r.＼ .／:::::::::::ﾄ- ‐l::::::::::::::::::// ', 、: : ヽ､
| / ＼ ＼ i ＼:::::::::::| l:::::::::::, イ / ｀ヽ
. ｌ、 .ｲ ＼ ＼_! ｔヽ､:::::::V:::::/;;;;;;;;;/ 丶､
i ｀､ /＼ ＼ ＼;;;;｀丶 /‐―‐ ' i ＿ヽ
l ', / ＼. ＼ ￣"＼ i'´ | ,-'´＼ ／
l . ', <二-, _ .＼ .＼ l;;;＼ | ,-'＼ ＼
l ｀､ / ｔ .＼ .＼ﾍ/;;;;;;;;;i_ , ‐ i - -<" ｀, ＼
ヽ , - _＼ ＼;;;;;;;i ／ く ＼ >-‐ `i
｀､ .／ ./＼ ＼/ .／ ―ﾌ / /
', ／ /;;;;;;;,＼ 丶､;- _ ., -'´:丶/ / /´
＼,／ .｀､-'´ ＼ iｺ ― 二 = - 、::::, ' , '
_ .-― ＿ -―| |'´:::::::::::::::::::::＞, ｀､ ／
､､-v z_
,ゝ ヽ
. Ｚ._ィ,∠ﾄ､.}
. 幺__,´ﾚﾘ
ヽ /V､_ 「水夫でも嵐は怖いか」
. ,.-‐／〉 ﾉ ! ＞‐ ､
/ゝ.∧l' ,へl ／ﾄ、
〉.l` ､_∀ レ .ﾉ､
ヽ! / /`´7 /ﾍ _>
| l `‐.'／/ .Y´ヽ
〉- / / ／ ／
l _ﾇニン`-〈／.／
./!r‐合-┬／ ｒ'
. （/::::ﾆ{｛三(.へﾉ
469 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:54:53.79 ID:F38wr9ko
／:::::::::メ､::::::::::::::::l
/::::::::::／ ヾ::::::::::::i
. /:::::::::/ _,..-ヾ:::＜
/::::::::::ﾒ､ i／_＿ヾ::l. い 身 嵐 水
〈::::::::::ヘｷ ｨて::ヽヽV る に の 夫
. l::::::::i (::ﾔ ゝ-‐´ ｌ ん 染 怖 だ
l::::::i,.イ .ｌ で み さ か
ﾔ::く ｌ. す て が ら
. ﾔ::l.ヽ ` _ .ｌ ！
. l::::ｌ ｒｰﾆ￣ ヽ .ｌ
ｌ:::ﾊヽ _,,,,,ｷ ｌ
. ｌ:::::ヽ＼(￣ 〉 ｌ ＿__ ＿＿＿＿＿＿
ｌ::::::::＞､｀ / ￣ ￣V::::::::::::::::::::::::::::::::＼
. ｌ:::イ ノ＼ _ （::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
〈 イ::::::::::::-ーニﾔ l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.ヽ ヽ::::::::::::::::::::::l .l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
ゝ ヽ::::::ﾊヽ:::::l .l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
/ , _ ヽ
l. / ｀/. ,y-ｰ.'ｱ´ / ／ヽ l
l. l /´/ /_,.ィ´ _. -'/ ,／ ::ヽ ､ l,
l. l i，/ /ｰ ' ´ ＾／ ,／ ::::'､ l::i |, i! iヽ ヽ、 l,
l │ | / / ヽ｀`く '"´､ ､ ::::! .i::'、 !i ,l ! . l'､ l ヽ ! ヽ l
l | ヾ / `＜う＼ヽゝ ::::! l ::l ,| ! | l l l l '､. | l l
. l ヽ┤/ ｀ー ',..::: ,..-lﾉ-:;l,|-:l,l .l l l ! i, l l i
l ／ ''| ''''''" :::: ,∠ｯｧ-ｰ一, /i! l l ! ,! l ! !
ヽl ／ .:l ::: l::｀ｰﾞ'''''"´´/ l,! l,' | |
Ｖ .:::| :: l:: ::/ ' ´ !i
ヽ ::::l :: l::. ..:/ '
... ヽ .::::| , ､ : !:::. ..::/
::::...ヽ .::::::| ヽ、 rヽ i:::::::::, '
.. .:::::::.. ヽ:::.:| ｀ ー- ..._ __`､. l:::／
:.:::::::... ヽi ヽ !' 「ククク……うまいこというな」
::::::::::::.... ヽ ｰ- ､...... ／
::::::::::::::::.. ＼ :::::::: ／ヽ
: ::::::::::::::::: ,.イ>. ／:::::::.. ヽ
:.. ::::::::::.: ./ l ／:::::::::::::::.... ヽ
::..:. :::::.::. / ,' ／::::::::::::::::::::::::::. . ヽ
| ::::.:. :::: / ,' ｰ 'ヽ::::::::::::::::::::::::: : : : ヽ
470 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:56:03.09 ID:F38wr9ko
＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l |
_,ｬ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l |
.,,ｨzﾁ'' ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l | よくこんな状況で笑っていられますね！
,ｨｮﾁﾃ"´ ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l |
/ﾗ‐'" ＿＿ ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.l | この船、難破しかけているんですよ。
" ／,ｨZZz､ ＼ ∨:.:.:.＿:.:.:l |
.／ {;三三;} ／ l:.／ y ヾ:l | 帆も舵も効かなくなって、
｀ゝ､ ｀ー‐ '／ .ﾚ' ／、 ﾞi／ どこへかまわず流されて。
￣￣ l.／ } ji｀>
l / /:.y' 暗礁に乗り上げでもしたらおしまいですよっ！
i_,,.. -‐' ／:./
.j_____,,.ィ':.:.:./ それより先に、私たちは溺れるかも
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ しれないんですよ！！
.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ _,,.. -T~7
￣￣￣￣| .／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣:.:.:.:.:.:.:∨
:| ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:./
| ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
./:::.:.:.:.::.::::_:∨ {┤ | ､ ; ﾊ
{:.:::.:.:.:::／::::::∨ ﾍ'､ }:､ } ; |
;:.::.::.:./:::::::::::::::＼ﾊ ヽﾄ､ヾ , -┴ ､
;:.:.:::＿.､-‐rッ ￣ ＼ フ´| /＿_:::::::}
|:::￣:::::ー─‐ ´ . :.:.:| |::__.:::}.::/ 「大丈夫だよ。
|::::::::::::::.: .:.:.:l |::_::V.::/
|:::::.::::::::.: .:.:.:.l ﾚ:::Y::/ 溺死ってのはそんなに苦しくないんだ」
|::.:.:::::::.: . :.:.:.l |__/:/
|::::.::.:.: . :.:.:.ﾊ|__ノ_
|:.:::.} . :.:.:.:/ ﾉ/三 ＼
､_ﾉ'"´ . .:.:.:ｲ /三三三ヽ_
──────'.:.:.::/f| /三三三三 {三≧= ＿＿
＿＿_ ..:.:.:.:.:／.::{ﾚ三三三三三;三三三三三≧= ､＿
圭三´ . .:.::.:.:.:／.:::::::.l三三三三三三,三三三三三三三三
. .:.:.:.:.:.:.／.:::::::::.: :|三三三三三三!三三三三三三三三
. ..:.:.:.:.:／.::::::::::::. :. :|三三三三三三;三三三三三三三三
471 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:56:58.52 ID:F38wr9ko
＿＿
‐ .:::/:::::::.｀ヽ
／.::::／｀ヽ､.:::::::..ヽ
/.:::／ u ヽ､i:::..ヽ
l.::::lノ ｀ヽ !.:::::.l
!.:::ｌ● ● '´ヽ::!
l.::::l⊃ ､_,､_, ⊂⊃ノ:::.! 「はぁ？」
/⌒ヽ」,;:::l ゝ._） j /⌒i:.|
＼ /:::::/ ＞,､ __, イァ/ /:::l
. /:::::/ ヾ:::|三/::{ﾍ､__∧:::!
｀ヽ< ヾ∨:::/ヾ:::彡':::::|
! lll ,ｲllll /:::::＼ い :::::::::::::::::::::::::::::::::
! ll ,ｲ llll /::|ll /:::::::::::::｀メ ＼ ::::::::::::::::::::::::::::
! ./ .i lll. /:::::|/:::::::::.,,／ ｀ｰ｀ヽ ::.::,,,:::::::::::::::::::
! ll / i ll .〈.:::::::|:::: // _,,xｰ''´ｨ´:::::::::::::::::::::::: 「胸のここら辺に肺というものがあってね。
.! i i / ＼ ｿ ,,ｬj'´ ,. ' ´ :::::::::::::::::::::::
ﾚ' ∨ ＼ .... 'y ´ ::::::::::::::::::::: それが水で満たされば、あっという間に死ねるのさ。
y,;;'''''';;;;;,,,.... ::::::::::::::::::::
/,;' :::::::::::::::::: 楽なもんだよ」
/,;' :::::::::::::::::
. /,;' ´￣) ::::::::::::::::
/ ／ソ ブ` :::::::::::::::::
./ ／ ノ´ _ ｨ ´ :::::::::::::::::::
｀´ 丶-ｰﾍ´ ..... :::::::::::::::::::::
i__ .. ｲ;;;;;;'' ::::::::::::::::::::::
|;;;;; ::::::::::::::::::::::::
|;;; ::::::::::::::::::::::::::
472 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:57:51.46 ID:F38wr9ko
｀ヽミメ、 . -‐,=‐
. . .-‐‐ミ i! Y i! 厶イ_＿
∠..., =‐- i! i! i! i! ＜´
.ィ´ i! i! i! i! i! i! i! ヽ
. , ′i! i! i! i! i! i! i! i! i!.! 「俺が言うんだから間違いない。
/イ i! i! i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､ i! i! !
/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j なんせ、毎朝溺死しているんだからね」
/イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |
ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.|
i:::::/.::::::、 .::::::|Lﾝii|
i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼
､ ー ..:::::／; ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
. -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; ' ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
-‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' /;;;;;;;;|;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::' /;;;;;;;;;;;!;;;;;;
＼
＼
＼ ＿＿
／{ヽ..＼,.....::::::￣:::::::::￣｀ヽ､ ､ミ川川川彡
/ >''"´.::::::::::::::､__::::::::::::::::::::::ヽ、 ミ 彡
ﾍ／.::＼::::::::::::::::::::':, ｀ ､.:::::::::::::::'., 三 ギ そ 三
/.:::::::::::::＼::::::::::::::::::',‐=ﾆﾐt､ヽ .:::::::::', 三. ャ れ 三
::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::l -‐､.__ヽﾉヽ:::l 三 グ は 三
::::::::::::::::::::::::::＼::::;::::::| ｬﾁ''ヾt､ ｀ー''"´:l 三 で 三
:::::::::::::::::::::::::::::::＼;:::::l ｀ヽ. ヾ;〉 .l 三. 言 ひ 三
:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::l ＼＼＼ ヽ, 三 っ ょ 三
::::::::::::::::::::::::::;:--::､::ヽヽ、 ＼＼＼ _,.ィﾞj 三. て っ 三
:::::::::::::::::::::::;' ,.ヽ､｀ヾ ＼ { 三 る と 三
:::::::::::::::::::::::', ヽ、.（｀ヽ, ＼ } 三 の し 三
:::::::::::::::::::::::::ヽ､ ｀¨ / ＼ ,...ｨ'ﾞ 三 か て 三.
::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::‐r‐ '"､ .><ﾑ. ＼ 三 !? 三
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l ＼,.ｨ'ﾞ ﾌﾞ ＼ 彡 ミ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l ./＼_／ ＼ 彡川川川ミ.
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l ,' ＼
474 ：1[saga]：2009/11/16(月) 22:59:50.47 ID:F38wr9ko
/ ;, / / /' ; ,/ ' ; '// ;, / / /' ; ,/ ' ; '// ;, / / /' ; ,/ ' ; '// ;, / / /' ; ,/ ' ; '// ;, / /
,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,/' ; ,/ ' ; ' / / ,:',:'/,: ' /| ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
:'/ /' / / ,:'/ / ' / / ,:/ ,:'/,: ' ' / ,:' |_|' / / ,:'/,: ' /,:'/,: ' / ' / / ,:'
/' / / ,:'ビョオオオオオ' / / ,:'// / ,:'/,: ' r━┷━ /,:'/,: /' / ' / / ,:'/,/,: ' / '
,:'/,: ' / ' / / ,:' / /,:'/,:,, ' / / / / ' / /´~｀||´~｀ '/,: ─/─ / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
/' / / ,:'/,: ' / ' / / ' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'|| /,:'/,: / ' / ' / / ,:'/, / / ,:'/,:
:'/ /' / / ,:'/ / ,:'/,: ' / |/ / ,:'/,,━━━"━━━ / ／ﾉ/,: ' / ' / / ,:'/,
:'/ /' / / ,:'/ / /' / / ,:'// / / ,:'｀~'‐'~~| |｀'‐'｀~｀ / ／ノ / / / ,:'/,: ' / ' /
/' / / ,:'/,: ' / ' / /' / / ,:'// ,:'/,: ' / ' / | | /,:'/,/／ノ ' / ' / ゴォオオ,:'/,/ ,:'/,:
,:'/,: ' / ' / / ,:' / /,:'/,: ' / /, / / ,:'/,: | | /,'/,:／ノ,:' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
/,----, :'/ /' ギギギギギギ・・・・・,:'/,: ' / ,:'/ { ／ﾉ~ ,, -‐'´} ' / / ,:'/,/,: ' / '
| ヽ ,: ' / ' / / / / ,,,,_ // / ﾉ__,,,,, --- ,,,,,,_ ヽ|//,: ' / ' / / ,:'/,
ヽ＿＿ヽ,＿ ヽ=二｀‐"/ / } { ,,_＿,,,,,,,,,----――'''''',,￣,, ,, {, -' ‐} ,:'/, / / ,:'/,:
,:'/, /ヽヽ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; // / ,:'/,: ' / ' /
人人 ヽ ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;/人人人 人人
人人人人人 人人人人人人 人人人人人 人 人人人 人人人
人人人人人人人 人人人人 人人人人人人 人人人人人人人
475 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:01:00.01 ID:F38wr9ko
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー）
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 「さすがにこの揺れじゃ、満足に動ける奴はいないか」
.ｌ^l^lｎ }
. ヽ L }
ゝ ﾉ ノ
／ / ＼
／ / ＼
. / / |ヽ、二⌒)､
ヽ＿＿ﾉ
, -─‐──‐-､
／ ﾟ ＼
／ ; ゜ ° ＼
l U ; l⌒ '"⌒ ヽ、
| u. ; |ｰ ＼
. ! u. _ノ′ヽ､__ ∪ ,; ＼ ,rｰ､
ゝ｡(（-‐） （ｰ-）)::｡ i'′⌒￣￣`￣￣￣ヾ｀ヽ ヽ
（ ヽ'"（__人___）"'__ ,ノ ヽ､_＿＿＿"_＿＿,､___ｿﾉ__ﾉ
´ ´ `ﾟ~゜´＾" ´~`ﾟ゜｀⌒ ´"´´ﾟ＾ﾟ＾ ~゜ﾟ`´＾ﾞ＾ ＾´'
476 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:02:19.38 ID:F38wr9ko
／￣￣＼
／ ＼ , , ／ ＼
| （●） （●） |
| （__人__） |
| |rｪｪｪ| .| 「殿はこれから、屋形の屋根に登っていただきます」
| `ー ' |fに丶、
f"´ヽ /∧:::} ヽ
,. - ―へ、 ヽ /ﾊ/:/ ノ^>､_
／ ヽ､__ ゝ--- 'イ::/ ／ ｀丶、
／ 、 i「 ｀ヾ￣´::::::/ rｧf´ ヽ
/ ; :'｜ || l:::::::::::ん'.// ; ;' / ',
ﾄ.,_ '､_ ', | ; || |:::::,イて// ' / / '、
,ﾊ `' ､ヾj | || 「ﾚ' ｛ｿ ,' / ,. -__,. ｝
/ ｀ ヽヽ l| || H { l, ' ,. -_ '､
/ ｿ! ;| || iJ l f_ ／ '´ '、
＿ ん- ､ 、 ,ﾉ ', l! || ||| l ﾄ､' _,. -__,.ヽ
｀¨｀ヽ'^'ｰ ミヽヽ ﾉ ,};:' || ||| | | ,ゞ彡'´ -‐ ｰﾐi
| % .|/ .' ヽ、|/ .|. / .}1 .}| .|
} .| ' ,,,,,,,,,,,,,, ;,, ヽ､, }/ ' | ./| } |､ .}
.|.1 /^ヽ .| ( 心 Y" ' ／"|/./ /ﾍ|.}.{
' | .| ﾍ. .ﾍ| へ----" , .|""丶'./ / .{ V
k | | ﾍ .} ヽ | | -"././ /| /
ヽ ヽ、ヽ | |,,j { {1 /. |/
k , ヽ 」 / .} |/ '
v} | } " .{ .' 「ふざけんなっ！
.}.1| \ ／^'---．..., . / あんなところにいたら、嫌でも海が目に入る。
! 1 ヽ /￣￣￣^"/ ／
ヽ、 , |"'-----､,,,.{ .／ これ以上酔いがひどくなるから、
ヽ､’￣￣￣ー '／ 俺は行かないぞっ」
ヽ、 ￣ ／
ヾーー・
477 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:04:35.04 ID:F38wr9ko
／￣￣＼
／ _ノ ヽ､_ ＼
. | （ ●）（● ） |
. | （__人__） │
| ｀⌒ ´ | 「船酔いのお辛さを理解している者をつけさせます」
. | |
. ヽ /
ヽ /
> <
| |
| |
／￣￣＼ ﾞｉ＼
／ﾉ( ゝ 、_,ﾉヽ 「やる夫！ ﾞｉ (,
| ⌒(（ ●）（●） おきろっ！ i ﾞｉ
. | （__人__） /⌒l 緊急だっ！」 i| i,
| ｀ ⌒´ﾉ |`'''| i| ',
／ ⌒ヽ } | | i| |i
／ へ ＼ }__/ / i|. |i
／ ／ | ノ ノ ,.i. |
( _ ノ | ＼´ ,.i ゝ
| ＼_, ゝ |i.
.| ＼ , ' |i.
ヽ ＼ ＼ ／ |i.
＼ ＼ ＼ , ' |i.
＼ ( ＼ ,, ,. ,., ' , ' ＿／⌒ ⌒＼＿
＼ ＼ ＼ `ﾞｨ／ ／:●））（__人__）（（● ＼ ぐぇあ
, ,. ／` | |r┬-| |
ﾞｨ／`, ' ` ＼ `ー'┃ ／
478 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:06:24.91 ID:F38wr9ko
メ ,, -──- ､._＼
メ／ u ﾟ 。 ＼＼
／ ／ ノ ヽ､ ＼＼ 「ごぶれい・・・
! | oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo |
＼＼ （__人__） ／く< つかまつります・・・お・・・・・・」
ノ ﾒ/ ｀ ⌒´ ヽヽヾ
!::｀'::::::::::::::::::::::::::::::::::: よせーっ！放さんか！＞
＼|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
_＼:::::::::::::/＼::::::::::／ヽ
:::::::::::::::::/､ ヽ- ' /_,.
ﾞゝ:::::::::::l＼ヽ , ‐',.´- '
､::::::::::::::|ーo‐〉 "‐oーｧ
. ゝ:::::::::::!ー /_ ｀ ┬ 「手伝ってきます」
. ＼::::::::::| / _￣ u
＼::::::::|. ｀ ＿_ ＼
ゝ:::::::', ｀￣´ /:
｀＞､ｌ ¨ ヽ/::
／ ／,.｀ー┬‐ '::
ニ/ , ' ／ / |::::::
／￣￣＼
/ﾉ ヽ､_ ＼
. （ ●）（ ●） |
|（人__） |
| ⌒ ´ | 「ああ、二人に付いてやってくれ」
. | |
. ヽ /
ヽ /
.> <
| |
479 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:07:14.79 ID:F38wr9ko
駄々をこねる勝茂をなんとか屋根に登らせると、まず勝茂にやる夫の犬を抱きかかえさせた。
そして背中から勝茂と犬を、まとめてひもで身体を結びつけた。
_._.,,.､.-.ｰ.-..､_
ゝ＜´:::::::::::::::::::::::::::::`ｰ:.､
／::::::::/::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/／::::::/::::/＼!＼_＼::::i:::::::::::::::::＼
/´/:.:l::::ﾚﾍ! ヽ／__＼::::l::::::::::::i:::::::::｝
!l:l::l::へ ヾ ｀´ﾆfｿゝ ∨::::::::l:::!::::::::l
|:::ﾚﾍ f_)） ﾚﾍｿﾍ::!::::::!
ﾚﾍﾊ く |/ )ソ!:::::::! ＿＿＿＿＿＿＿
! ｀ ､／/:::/ﾘ／ ⌒ヽ ; '⌒ﾞ＼
､ - - ､ ′|/:::／／ ∪ ＼
ヽ _ ´ ﾉ:::/／ ／ ｀ヽ /´ ｀ヽ ＼
`ｰ､ ´ ∨_ （ ＞ l l ＜ ） ＼
_,∧ __,,､､＜´ 〉､ ヽ_ _ノ ヽ_ _ノ ; ＼
／/∨) /∧ /::::::i:::ヽ.' （ i ）'⌒"' ∪ |
_ ,,､-ｰ／ !/ヘﾍ/ソ∧ /:::::::::l:::::::::::｀::.─'＾ー┬'′ |
＿______、 く::::::::/ヽ(⌒ｿ´´ヽ／::::::::::::::!::::::::::::::::::ゝヽ ､ | ／
／´ .`ゝ、 ,y-―'''''^''^^"'''''ｰ-..,,、 ,,..---- ､,,
.! ,,,,,,,.. ――ｰv-''ﾞ´ ｀''''{,,,,,,,,,,_ .｀ｉ,
/:::;::::∨::,i'ﾞ,ｒ'"￣＼ / ﾞﾞﾞﾞﾞ''i＼ ｀''''''''''′
/::::ヽ:::::,i" ゛ ` ゛ "ﾞ| ::::::::::>
<::::::::::ソi! ● ● .! ::::::::ｿ
!:::::::ゝへ|、 l ::::::::l
）::::::ゝ彳.ﾞr、 ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,、 ./ ::::::::l
/::::::::::::::::::::::::`ｰ､,,....、 ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ ／ ::::::::::::/
l:::::::::::::::::::::::::::::::/ .￣´ﾞ"'''''''''''''''"￣￣￣.ﾞ┐ :::::::/
l:::::::::::::::::::::::::::│ .｀ﾞ'i .i'" ! ::::::/
!::::::::::::::::::::::::;;;;｀'-......ｒ'"″ .`'''''┬―″ /
｀ｰｰ┬'''i"´:::::::::l;;;;;! │ :::::::::/
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzf~
ｌ:::::!::::::::::::::ﾄ;;,ﾉ ヽ :::::l
/ ヽ
,! ...-―￢'''t┬― ､ !
ヽ / .lﾞﾞﾞ'-..┘,! ヽ..┘
´゛ ﾞ'-,,,,,,／
480 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:08:38.03 ID:F38wr9ko
/ /' / / ,:'くヽ／ ＼ ,、 ﾍ ／i
,:' / ,: ' / ' / / ,:'／ ／＼丶＼ゞ」 ﾉ 丿
' ,: /' ／￣￣ ;;＼＼へ＼ |｜ |／
' / ,:'/,: ／（〇） （●）;＼ Y´ |ノ 「ぜ、ぜったいに犬を・・・・・・（うっぷ）
/,: ／ （__人__） :::::::;;;;;;;;;＼ ,:'/,: /' 放さないようにしてください・・・お。
/ ,:'/, |;;;; ::::｀ ⌒´:::::;;;;;;∪;;;;;;;;;;| ' / / ,:'/,:
/ ＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,／' / 犬の毛が、とのの体を温めてくれることに・・・・・・
/ /' ／ ∪ :::::::::;;;;;;;;;;;;;＼'/ /' なりますお（うえっぷ）」
/ ,:'/,: ｜::Ｙ ::::∪;;;;;;;|;;;;;｜/ ,:'/,:
｜｜∪ :::::::;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;｜
／: : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ
/: : : : : : : : : : : : :{: : : : : : ;ｲ : : : : : : : : : : :ﾍ
./: : : : : : : : : : : : : :.',: : :ﾄ､::/ｉ: :/ヽ: : ﾄ､: : : : :.ﾍ
i: : : : : : : : : : : : : : : ﾍ:: :l !/ l/ ヽ::l i: :i: : |ヽ!
l: : : : ﾍ; : : : : : : : : : l-',:l──--､_,,!/ ヾ!l: :,' ヽ
ﾉ: : : : : r､: : : : : : : : :l ゞ-t‐jヾ l l /'ｰ､l:i/
!ｲ: : : :/ ﾍ: ﾄ; : : : ﾄ; :l | | ー¨-| | | | 〈ftﾂﾞ/|
i: : : ,' ',:l ',: : : l ',:l | | | | |. | | | | ',l l l,'ﾊ!
',: : :ヽヽ-､!: ',: : :l '! 丶､l 「おい、なんちゅう光景だ……。
',ﾄ､: : :ヽ__,,i ヽ: :l ／j 天地が逆さまに見える。
:i: : : : : :i ', ヽ! ＿ _ ,ｲ これじゃあ地獄絵図じゃないか……」
',!i: : : : l ヽ、 ヽ r'" ∨∧;!
',::ﾄ;::ﾄ! ヽ､ ｀￣二¨/
ﾚi ヾ!: /
__f´¨ｰ--､＿ ー,--"
／: j ｀¨ｰ-,､ ,'ｰ--､_
／: : : : ｀ヽ､ f´ ゝ._i L＿
／::｀ヽ、: : : : : : ｀ヽ､ i: i ｀¨1i: ,' ｀ヽ
＿,／-: : : : : ::ヽ: : : : : : : : ::ヽ、/ j ○ /'j / ー /｀ｰ-､
482 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:09:49.02 ID:F38wr9ko
でかい船だと思っていたが、この海原では全然意味がなかった……
まるで自分が木っ端の上にいるみたいだ……
. ／ ,／ , 彡'ﾞ ／ ,／,ﾞ ‐" ,iﾞ/ﾆﾆ;;;;;;- ....,,,,_. ｀ﾞﾞ"''―- ..,,,_ ｌヽ .ヽ
" .／ .,..彡'ﾞ ／ .,／ン'" .‐ .l'./....,,,,＿、.￣"'''―｀-ﾆﾆ-- ..,,,_ ´ﾞ'''～ ﾞｉヽ .ヽ
.／ .,-シﾞ.／ ,／ン'ﾞ !./ / .//ﾆ'''￢―ﾆ二,ﾞ￢ｰ- ..,,,_. ..´ﾞ"'ーﾆﾆ;;ｰ ..,,_..ｌ,ヽ ヽ
,,-ン ／ .,／ ／ // / ｌ iシ彡'" ., ／ .,ﾞ"''''―y.二''ー ..,_ ｀ﾞﾞ''～.ｌ,ヽ ヽ
／r'ン゛ ..／ ／ // / ./.iｼ'" ,..ｒ'" .,..-'"_,,./ ﾞヽ. ｀'ぐ/ﾞ'￢- ..,ﾞ￢- ..,,.ｌ. ｌ .ヽ
., ''ン／ ,／,／ lﾞ .' ｌ / / / ｌ､ .,／゛ _..-'ﾞ_..-'″．［'-､ ﾞ''-、│.! .l ,i ｀ﾞ''～ ⊥.ｌ, ヽ
.,/./ .／ ／ │( .． ! ｌ .lﾞ .lﾞ/ ヽ ..-'ﾞ_ / '． l ! / l, ﾞ'-､ ! .! ││ ! /i,..ｌ.
″ ／.／.ｌ .! .′ .lﾞ ! / ! ｌ ヽ ヽ ‐,ﾞ 'i .! .!.! .｝ ! .,／､| l │ .! ! l l..ｌ,..ｌ
. ／ ／ .ｌ .ｌ . ! ｌ ! .// .ヽ. ..ヽ ! .ｌ .ｌ .!.ｌ ! .ｌ.' ／ │ ! ! ｌ │ lﾞ/ ...ｌ .ｌ
" ／.t .ｌ .ｌ ! ｌ ! / lﾞ .ヽ `" .! .ｌ | ｌ ! .ｌ .／,ﾞl | ! ,! "___".′,人.L
./ ｌ ｌ .ｌ .i' lﾞ ,! / ｌ .ヽ ヽ, .ﾞく ｌ ｌ ｌ ｌ ゝ彡1 .彡ﾆ-ｰ''''"´ ／.／.ｌ .ｌ
l .ｌ ! .ｌ lﾞ ! / ,! lﾞ .ヽ ヽ. ＼ .,|,,...ﾆ―ｰ‐'''^“ ,／ ／ ,／ ｌ ′
.ゝ ｌ. .ｌ ﾞL,! ,! ｌ !.ヽ .ヽ .ヽ .＼ .＿,,,,.... -―――ン' ／ ／ ,..│.ｌ
ｌ .ｌ .ｌ ｌ, ! ,! /_ヽヽ .ヽ ＼ ＼ﾞ｀￣ ＿,,,.... --ｰ'''ﾞシ'ﾞ ／ .,／ . ／ ｌ..ｌ
、 ｌ .ｌ ｌ . ｌ / .i" !ﾞ'.ｌ､ヽヽ .＼ .＼ ＼ﾞ二､.....--;;;;.'ッ'' ／ . ,／゛ ,／゛ ,..│'
i, ｌ ｌ, ..ｌ, . ｌ ...ｌ, " iﾞ .lﾞ.ヽ二,,ﾞ ﾞ‐ ヽ. ＼ .＼："ﾞ~-;..-' ／ ,／゛.,／゛ .,..-'´ ...
..ｌ. ｌ ｌ, . ｌ .ｌ ヽ' .丶,! ￣"'''―- ....,,,,,___' ＼ﾂ' ／ ／ .,／゛ ., ／ .,／ﾝ'
.ｌ .ｌ ｌ. .ヽ ヽ ヽ l ﾞ''ー-...,,,_ ￣ﾞﾞﾞﾞ''''''￢―--ﾆ........,,,,＿＿__ .／ンシ'´
ﾞL ｌ ｌ. .ヽ ヽ .ヽ."｀ﾞ''''ー ..,,_￣''' ....（￣（ ￣￣￣ﾞﾞﾞﾞ"
､ ｌ .ｌ, ヽ .ヽ ヽ .ヽ ､___ ゝ-i -- ......,,＿_,
. ｌ ...ｌ ヽ. ｌ .ヽ ヽ ヽ...,,、 ヽ]￣二二二７ '''―- ....____、￣´ﾞﾞﾞ''''''￢―--.... .＿
ヽ .ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ .ヽ._ ｀ﾞ''''ｰ- ..,,,_, ''''''''''''''''''''''' ￣ﾞﾞ^''''''―-- ...＿＿
､ ｌ ヽ .ヽ ヽ .ヽ ヽ ヽ ´ﾞ''''ｰ- ..,,,_. ￣''''―- ....,,,,_
483 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:10:54.91 ID:F38wr9ko
＿＿＿
／⌒ ⌒＼
／（ ￣） （＿）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼
| ゝ'ﾟ ≦ 三 ﾟ｡ ﾟ ぐえええええ
＼ ｡≧ 三 ＝=-
-ｧ, ≧=- 。
ｲﾚ,､ ＞三 ｡ﾟ ･ ﾟ
≦｀Vヾ ヾ ≧
｡ﾟ /｡･ｲﾊ ､､ ｀ミ ｡ ﾟ ｡
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
:／: : : : : :,:: : : :／: : : : : : : : :
イ: :.／: : ／: :.／: : : : : : : : : : :
__/: /: : : /: : : :/: : : : : : :/ : l: : : :
{: /: ／/: ,. ｨ/: : : : : : :/: :./: : i :
_,. -|从X /／ {: : :／/／}: ∧ : ｲ :
/⌒ヽ ｲ:} ｀ヽ､ |／ /／ l:/ |: :
/: . : . : .:ｲﾊ ､ `ｰ ヽ ｰ--一'7 ル: :
l: . : . : . |:.:! ｀ヾ ヽ ,＿___ /: :
|: . : . : .:l:∧ ! {: :∠ ぶお！？
{: . : . : .〈 : .'. / /／: . :
!: . : . : .ヽ:_.ヽ rｨ─‐ 、 ｲ: . : . : .
〉: :.「￣￣:/| ＼ヾ_＿__） ／/: . : .:/. :
|: . :l:.:. : . :.l | イャ､_ ィ /: . : . :{: . :
＿__ :|: . : . :l 7 卞r‐} ∧＿＿_|: . :
r'´ ,. ヽ :| ﾉ-r' l／/: . ＼: . : . : .
｀ｰ '´ ｀,) '_´. ｀ﾞ ‐- ､
,. '´/ ｀i ｀ヽ ,. ‐ 、
/ l ,, -､ ヽ‐-､ ＼
! ・ ／ l ! ヽ-'
ヽ、 r‐- ､__ ' !
｀ヽ - ､_,.￣_｀´ ｰ' ・ /
!｀ヽ-'ー ､_ _ ノ
/ l｀´
485 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:12:12.74 ID:F38wr9ko
__. --─-- 、
∠ ＼
. ／,r / / ヽ ﾍヽ ＼
/// , | ｜ | | ﾍ ヽ
. |/ ｌ / | ∧ | | :| |、:|｜ ',
. | l | ､ﾄ､.|. |ﾊ ﾊ |ヽ!ヽ'Ｖ ｜
. lｲ lヽ| _ム-- ｀ レﾆニT | N
∨| |´ ﾞー'´ ﾞー' |｜ | 「やる夫っ……！！
|ハ！ |/／ 背中に、入ったぞっ……」
ヽﾄ、 l /
ヽl＼ -─ .ｲ
l｀ ._ ／ ﾉ、
/ | ,rく. ヽ
. / ,ヘ / ∧｜
| ハ ', / ／ ∧!
.＿＿＿_ .i＾ﾏ'ﾌ
ﾓｼﾞﾓｼﾞ .／⌒ ⌒＼ ﾚ' /
／（ ―） （―） .／ ,ｲ ヽ、
／/// .（__人__） .／ ､ /ｰﾍ_,.ヽ, 「申し訳ないお……」
| .´ ⌒｀ ./ ､＼｀ヽ´__ .`t
. ＼ .../ ヽ r'´_}__, {
.／ {'T /`7/ _,ノ !
.-' ｀7'／ヽY´ |
487 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:14:51.95 ID:F38wr9ko
,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: '
:'/ /' / / ,:'//,: ' / ' / / ,:'/ , :'/ /' / / ,:'/ ,: ' /
/,: ' ビョオオオオオオオ/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / /
/' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, / / ,:'/,:
:'/ /' / / ,:'//,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' /
/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:。 。/ ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / /
/ / ,:'/,: ' / ' / / ,:'' / ' 。っつっっつっつﾟ /' / / ,:'/ / / ,:'/,: ' / '
/' / / ,:'/,: ' / ' / / ,__っﾟー＝＝っ。つ つ。っっつ ザッパーン' / / ,
:'/ /' / / ,:'/ ,,ｒ'"~ __。っつっっつつﾟっっつ。 / ,:' /,: ' / ' /
/,: ' / ' / / ,:'/,／ ,,ｒ'"彡三三。ヽ っ。つ っ。つ' / ,: ' / ' / / ,:'/,
,:'/, :'/ /' / ／ ／／彡≡≡≡ミミ っ。つ。っつつ :'/ /' / / ,:'//,:
/' / / ,:'/,: '／ ／／／／／ ヾヾヾ っ。っっっ /,: ' / ' / / ,:'/,
:'/ /' /／ ／／／／／／ ヾヾヾヾっっ。っ。っ /' / / ,:'/,: ' / '
/,: ' / '／ //////／／／ i i i彡っっ。つﾟっ :'/ /' / / ,:'//,:
彡彡ミ／ ////////// / 彡彡ミミ===彡彡っ。。つ っ。彡彡ミミ彡彡ミミ彡彡ミ
彡 ／ /////////////彡彡ミミ ≡≡≡彡。つ っ。≡≡彡彡ミミ≡彡彡ミミ彡
／ /// i i i i i i i i i 彡彡ミミ彡彡ミミ⊂彡。彡ミ≡彡彡ミミ≡≡ﾟ彡。ミミ≡≡
彡彡// i i i ヽヾヾヾヾ。ヾヾヾﾟつっっ。三彡彡ミミ三三三三彡彡ミミ三三三三三彡彡
488 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:16:49.76 ID:F38wr9ko
,..-――-..､
,.ｨ'.::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ
＿,..,'.:::::::;::::;ﾍ::::;':::;ｨ::::;::::::::ﾑ
／ ;::::::::/-‐'' ヾl/‐ﾚ､l::::::i:::::l
/ ;:::::::/ｧrzｭ、 ,ｨzt､:::t三､ヽ、
ヽ、 7ﾐ三二ｵ=;:::::/.',. ﾋ_j ﾋﾘ．:;'､lﾑ.ヾ l
ヽヽ、 o O. l ,ｨﾁ<´ ;:::::::ゝヽ. ＿ o,':::;'ｲ｀.ﾌ / 「また、舵が効かなくなりました」
、 .ヽ. ＼ .ヽ、 ､´. ￣;:::::/‐-..､｀ ､ ｰ',.ｨ'.;::;:'ｲ､/ .,'
.ヽ、 ヽ. ＼ ',ﾍ 、 '、 ;:::/___..___｀ヾ｀´ .l,.;:/ 〉 ,'
ヽ. ＼. ヽ. ＼.〉.ﾍ ヽ '､ ,::/‐-ｲXXﾑ.､_v'_.,:/‐-../ ,'、
ヽ. ＼.ヽ. . ＼l ヽ. ヽ / LXXXﾉ o l ./｀ー―--ｿ
ヽ. ＼ヽ. . ﾍ ﾞy' /ﾃﾚﾋﾞ7 l l ,' ./ヽ.
ヽ. ＼ ∧. ,.' ﾏ‐-=tｯ' l ; /l. l
ヽ ∧ ,.:' ／ 二..)' o.l,' ,'. | | す 波
ヽ. . ,.:' ,.ｨ'´ '二ﾞ} .; .,' l .| い が
、 ヽ. .／,..ｨｧ'ﾞ .li,ｨtｬ-ィ__.l´ ; O.,' .l .l .ま 高
＼ ヽ､l r.､. ,r'"´ ／ .lﾊｫﾐヽ｀¨´ o;: .! | ,! せ .く
ヽ＼ ヽ｀ ヽﾉ ﾞ､ .l''"´ l ゝ.__ ,! ／. ん て
ヽ. ＼ヽ 、 () ヽ. ヽ.__ノ .l ｀ ｰ-､_／ /. ! !
ヽ. ＼ .l＼. ＼ ,＞''" l | .l /:
.／l , -‐'´ ll lll ／ll/. | .iﾍ lll ll ll
.ll／ ／ l /ll.／/l/ |ll| | llヽ、 lll ll |
/ ll.／ ll.∠/／ .l/ , |.|-‐|.|￣ヽ、 ll. lll |
./l／/l ／ / `ヽ、| ／ | | ::＼ ll ll|
..／ /／.|.＝＝===､ __ =====＝＝＝::::| .l⌒ヽ .| 「おい、船の舵なんてのは、
.／ | ｀ ‐--ﾟ‐/,::: '''' ` ‐-ﾟ--‐ ' ´ ::|ll|⌒ｌ | | そんなにもろくできているのか？」
| :::/,:::::::: :::| |⌒l |llｌ|
. | ::/,::::::::::::: :::|l|６ﾉﾉ .|＼
. |. /,:::::::::::__:::) :::::||､_ノ |::::::＼
. ｌ.(_:: :::::::/l ll|::::::::::::|
. l. ￣￣￣￣￣￣ :::::::／ | lll |::::::::::::::|
l、 ＿＿_ ::::::／： | ll|::::::::::::::::|
_, -/l、 ￣￣ :::::／:： | |:::::::::::::::::|
_, -':::::::/::::::!. ::::／::： |.|:::::::::::::::::::|
490 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:17:41.36 ID:F38wr9ko
＿＿＿ |
......::::::::::::::::::::::::::::::......、| すいません！
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| すいません！
. ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
. /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜ そんなわけないですよね。
/:::::::::::;::::::::／|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ すいません！！
/:::::::::/l:::／ l:::::/|::::::::::::::::::::::::::/ すいません！！
. l::::::::/__ﾚ l:://|::::::;i:::::r'^~^/
. l:::::::l ,-､￣ ' ﾒx'|://|:::( ※'-──:::￣∨￣ ─--
l:::::::| i'ﾊ //`ﾒx|://ゝyノ^,^fｭY:::::::::l
|::::::ｌ l;';j -z==t+ﾐ/:::::::::`ｰ.-<ノ':::::::/
|::::::l 〃 i';:::o:;lｿ::::::::::::/--､:::::::::/
|::::::>、 丶 `ーﾟ/::::_::_::/ィt l::::／ _ ,-､_
|::::/ ＼ﾏｰ- ､ 〃 /::ノ //__ﾉノノ／ / ） / ﾑ
|::/ ＼ '＿＿/／)'//ー─＜ 、 ノ / / //
|/ ￣ >‐' _／// >‐ｭ＿_ ＼｀>'／ / //
| | l｀-┴| l l'.++++>/ く,FY //
| ヽ. └' |-f:.:.:.:.:ｌ / / 〈
,..| ） ﾉ ｀ー | ノ .ｌ l
／/):| ＿__ノ:.(⌒):.:.:.| ﾉ ﾉ
／:.:.:/.:.:ﾉ /:.:.:.:l.:.:.:.｀´.:.:（_| ノ､＼
／:.:.:.:(/).:/ /:.一':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| l´:.ー':.:.:
／ " ,, " " ﾞ ﾞ
,イ " " " 八 ﾞ ｉ ﾞ
/ ,ｨ´ "/' ｲ /::: ヽ ﾄ、ﾞ|
／/ ｨ' /| /| /::: , -ヾ､ヽ,
l l /-ﾚ､ﾚ' ´_, a=＝
! /l,ﾊ＝a=､ ヾ`ー ´ 「……さっき交換したヤツでも視てみるか」
'" ',`ー/ :::
', / ;:::: ､
∨_, - ' _, ::::/;;;;::
丶 ｰ '' "´ .:::/;;;;;::´
ｒ―､,／丶 =＝ .:::/;;;;;:::
`<´ヽ r‐ヾ-､ ＼ :::／;;;;::::::
.(´ヽ ゝー)ｒ┤/＼:／::;;;;::::::
491 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:20:17.15 ID:F38wr9ko
/::::::::::::::::| 'ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.
,':::::::::::::::::ﾉ > 、::::::::::::::::::::::::::::::l
i:::::::::::::::/￣ ｀ ｀ ニ>,:::::::::::::::::::::l
. i::::::::::::,ｲ ＿ /7::ヽヽ:ﾉ|:::::::::::::|
. |::::::::::::| V7::ヽ ヽ_ﾉ |::::::::::::::i
. |:::::::::::::! ヽ_ﾉ |::::::::::::ﾉ
. ',::::::::::::', l | |:::::::::<
ヾ,::::::::::', l | ＿＿ |:::::::::::::＞ 「供船だ。供船が見えたよ！！」
>:::::::::＼ （:7 ) ／:::::::┌´
／::::::::::::::::::>、 ヾ. ／ ／::::::::::::::!
￣￣|::::::／|ﾚ'ゝ、 ／|⌒ヾ＼:(
!／ | ｀ ´ tヽ、 'ヽ
,,ｲ 'ヾ:::ヽ、
／:ﾚ' /::::::::::::> 、
,へ:::::ヽ.＿＿＿/:::::::／／::>、
,へ、 ＼:::ヽ, /::::／／::／ ｀ 、
., '´￣ﾊ＿
／ (ﾒ／ ﾉ,,....,,__
/ ／___／:::::::::::::::｀ヽ、
| ／::::::::::;:::::::i:::::::::::::;ﾊ:::::':、
/ ／:::／::::::/:::::;ﾊ::＿|/::::';::::::::ヽ.
く7::::::/:::__／:::::/ ,.|=＜ﾊ::::|:::::::::::ﾊ
|:::::/;'::::/,､|／ '´ lﾉ ,ﾊY::/:::i::::::::::|
ﾉイ:::|::::ハﾊ ゞ-ﾟ',,ﾚﾍ:/::::::::::| 「すぐにこっちに接舷するように伝えなさい！」
'´ ﾚ'∨::∧ ゞ' . ,ｒｿ::::::/:::/
ﾚ'|:::::!" i´￣） /:::|:::／:::;ﾊ
/:::ﾊ＞.､..,＿ イｧ--‐ｧ-ヾ::|
／! |:::/::::::::/::／| / .／ ＼ , '´￣ ヽ.
／ .| ヽﾚ'´ヽ|,く /／ ／ !/ 〉、 | ,'⌒ヽ |
く | /.7Y 7´￣ | .／／ 、 ヽゝ- '.ノ
〉 | |/ /´| ヽ.＿_/_/、 ＼/ /´
/ 「￣ [| く::::::〉 / (＼＼ ｀ヾ.
., -┴ ､ r‐-､ ／/ ∨| ''" |/ .＼＼|´ /
r| |====|==ｒ' -‐'"´／ ﾚ' ! ＼|＿ /
ヽゝ--.' ｀ー--／/ | /´ , ﾄ 、
| ＼ ,＜＿,ｒ─- ､ | (|_ｊ_/ /ｿ＼＼
'､ `／ ´ ヽ‐--､ヽ,＿＿/|＿_〉、 / /｀´ ＼）
492 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:21:23.79 ID:F38wr9ko
＼ 丶 ヾ 丶ｖ ＼ ヽ ＼丶丶、 丶＼ ヾ 丶丶＼、 ヽ ＼ ＼. 丶
ヾ丶＼ 、＼ヽ 、丶＼ ＼ヽ丶丶 ＼ ＼ ＼ ヾ 丶 ヽ丶 丶 ＼ヾ
ヽ ビョオオオオオオオ＼ヽ ゝヽ丶丶＼ ＼ 丶 ＼ 丶 ヾ丶＼ ＼
ヽ ＼ 丶＼丶ヽ＼ 丶 丶 ヽ ヾ ゞ 丶 丶丶 ＼丶 ヽ ＼ ＼丶＼
＼ 丶 ヾ 丶ｖ ＼ ヽ ＼＼ ＼. 丶 丶丶 ＼丶 ヽ ＼ ＼丶. .、 ヽ
＼ 丶 ヾ 丶ｖ ＼ ヽ ＼丶丶、. ||||丶＼ ヾ 丶丶＼、 ヽ ＼ ＼. 丶
ヾ丶＼ 、＼ヽ 、丶＼ ━━━━||||━━━━ ＼ ヾ 丶 ヽ丶 丶 ＼ヾ
ヽ 、ヾ 、ゞ ヾ丶 ゝ丶＼ヽ ゝ ||||ヽ丶丶＼ ＼ 丶 ＼ 丶 ヾ丶＼ ＼
ヽ ＼ 丶＼丶ヽ＼ 丶 丶 ヽ ヾ|||| ゞ 丶 丶丶 ＼丶 ヽ ＼ ＼丶＼
＼ 丶 ヾ 丶ｖ ＼ ヽ ＼＼ ＼., ||||丶 丶丶 ＼丶 ヽ ＼ ＼丶. .、 ヽ
＼ 丶 ヾ 丶ｖ ＼ ヽ ＼丶丶、 ||||丶＼ ヾ 丶丶＼、 ヽ ＼ ＼. 丶
ヾ丶＼ 、＼ヽ 、丶＼ ＼ヽ丶丶, ||||＼ ＼ ＼ ヾ 丶 ヽ丶 丶 ＼ヾ
ヽ _,.!='''" -==- ￣~""' ‐-,Ｌ., ｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞ丶＼ ＼
ヽ ＼; ; ; ; ; ; ; ; ; :::::: =- ｀t丶丶 ＼丶 ヽ ＼ ＼丶＼
＼ 丶ヽ; ; ; ; ; ; ; :::: ,-, 'ｰ- ､,L!!!`i ＼ ＼丶. .、 ヽ
＼ 丶 ヽ; ; ; ; ; ; :: , (;;/ .: : : : : : : : .;.;.;.;:.;|ヽ ＼ ＼. 丶
ｰ へへｰｰヽ; ; ; ; i; ..: : : : : : : : : : : : : : : ;:;:ﾉへｰへ ＼ヾ
ヽ ,,~ ,,~:ヽ; ; ; i .: : : : : : : : : : : : : : :: : : . ~: ～ ヾ丶＼ ＼
~ ,,~ ,,~:へｰｰへへｰｰへへｰｰへへｰへへｰ''"⌒,,~ ～ヽ ＼ ＼丶＼
＼ 丶 ヾ 丶ｖ ＼ ヽ ＼＼ ＼. 丶 丶丶 ＼丶 ヽ ＼ ＼丶. .、 ヽ
／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
/ﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ
〃;;;/;;;;;ｌ;;;;i;;i;;;;;;;;;ｌﾊ;;;;ｌ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
r";〃;;;;;;;ｌ;;/ｌ;;;i;;i;;;ｌｌ ｌ;;ｌｌ__i;;;ｌ;;;;;;;ｌ;::;;;ｌ;;;;;;;ｌ
ｌｌ.ｌ;;;;ｌ;;;;;;;;;/i .ｌ;;;ｌ;;ｌ;;ｌ ｌ/ｌ__ ｌハ;;;;ｌ;;;;;;i;;;;;;;;;ｌ
ｌｌ ｌ;;;;;;;;;;;;;;;;ｌ-ｌ;;;/ﾉ ﾉ ｨz≠ｷﾔ;;i;;;;;;ｌｌ,,-､;;ﾄ､
ｌ ｌ;;;;;;;;;;;;;;;ｌｨ=≠ヽ 弋ﾆﾉ ｌ;;ｌ;;;;/ｌｌ ﾉ'ｌ
ノ i;;;;;;;;;;;;;;i 辷ﾘ ｌ /// ｌ;;ｌ/ｌ ｌ_, /
i;ｌ｀从;;;;i // ､ ﾚ' 'ｌ｀- ' 「近づきたいのは山々ですけど、
ﾊi ヽ;;;;;ii､ , ‐‐､ u /;;i この嵐じゃ近づくこともできません！」
'ヽ i ﾚ ヽ｀ -‐′ ./.ｌ;;ｌ
､ ｀ヽ､ ／::::ｌ;ｌ､
', __｀ｆ ‐ ':::::::::::::ｌ'' ヽ
ｌ ｀ヽ､_::::::::::::ｌ
「＼ ヽ
＿＿/::::::::::＼
／::::::::::::＼ :::::::::＼ /
/:::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::＼/
::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::＼
493 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:22:36.24 ID:F38wr9ko
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●））
. | （__ﾉ_） 「やっぱだめか。
| ｀⌒ﾉ
. | } どんどん離されて行っちまうだろ」
. ヽ }
ヽ ノ
.> <
| |
. -―――- ､
. :. ´:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.丶
／:. :. :. :. :. :. : .:. :. :. :. :. :. :. ＼
,.:':. :. :. :, :. : }!:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ::.ヽ
/:. :. :. :./:.:.:.:/|＼:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.',|
,′:. :. :.,:. :. /| | |ヽ.:. :. :. :. ヽ:. :. :. :. :..,
|:. :. :. :.:l:_ /斗.| | |＼:. :. :. :.:} :. :. :. :.:| 「あああ、やっぱりこの船、
|:. :. :. :.:ｌ!:/| | | | | |.ヽ、:. :.|:. :. :. :. :|
|:. :.ヽ:.:.:|/ | | | | | | | .ゝ-|:. :l:. :. : | 沈んじゃうんだ・・・・・・」
,:. :. :ｌヽｌ ┿┿l | | | ┿┿ j:.:/:. :. :/
ヽ:. : l.│││ ││ lノ:. :. :/
∧:.:.', /:. :. :/
／:. ﾑ:.:.ヽ ┌ ｧ ─┐ , ':. :. :./＼
￣ |:. : /ゝ V .ノ .／l:. :. :./￣
ﾉ:／ l＞ - ＜! ヽ:. :.{
" ,-| ﾄ、 ヽ- `
／/ﾉ ﾏ＼
494 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:23:48.83 ID:F38wr9ko
/:: |/:: |. /:::::', ∧
/::::::::::::: |/::::::::::V:::::|/|
. |＼/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: レ1
. |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾚ1
ﾄ､|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
|::::::::::::::::/⌒ヽ.＿_ノ⌒ヽ :::::::::::::::: |
|::::::::::く ＼ |ｌ／ >::::::::::: |
|:::::::::::: .へ.＼ __／ .へ.:::::::::::::|
',::::::::::〈 ＿ >､_} {_ ∠__ 〉:::::::/
ﾍ fﾆｌ | ＼_ｰノ.| ﾄ､_‐__／|/^}:::| …………
|:|l ｌ | ‐‐| |‐‐ ll | ｌ |:::ｌ
ﾍゝ..|./ ┌|_|┐ |! .|ﾆﾉ:/
ﾍ∧ ー‐--‐一 /::::∧
/∧::l. ￣￣ V |／/ ∧
´￣/ / / ﾄ /､.| | | |￣`
/ / / .| ＼＿＿_ / | | | | |
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 「権右衛門、殿から離れてどこへいく？」
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ｍm
/ ￣￣￣ つﾉ
| |￣￣￣
495 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:24:50.34 ID:F38wr9ko
ト､ .l＼ 、
. ､ｰ- ､| `' ヽ} ヽﾊ
. ┌-ヽ ' ﾚ１
. | ,.へ、 ,.-､ !
｢｀ /_ ｀¨ ヽ. ﾉィ
. ト! _〈`ｰﾞﾆュ r,キﾍ ﾉ
. ト. {fｉl.| ＝==_ .=== |∩ 7
ﾄ. ヾ;|| ｰﾟ-__|Lｰﾟr' !|ﾘ ﾌ 「ええ、刀をとってこいと言われたので」
ヽ. l|／ .r_||_、 ! |´ Z
二ス .ﾊ (二ニ二)V ,∠
／: /＼/ ヽ - V＜＼:＼_
. : /: /: ﾊ ヽ＿＿./| : :ヽ ヽ: ヽ`:ｰ-: ､_
ｲ:/: /: /ﾄ:ヽ :::::::::,ﾊ: : :l: : |: : |: : : : : : :｀ヽ,
＿＿＿_
| ─┐ ／ ＼
| | ヽ / ﾉ ヽ
| ┌┘ ゞ..,, ,,..／ ｉ
･ ･ ( ●) ( ● ) l
( ＿ 人 ＿_ ) l 「刀！？」
( ` ⌒ ´ !
ヽ l
{ l
ヽ l
―― ､
／ 〉 ´ ＼
／ ／' __ ノ ゝ.__ ヽ
/ /／〉 ( ー) (ー ) ｌ
ｌ ´ イｌ (___人___) ｌ 「いや、それにはおよばん。
. ｌ ｉYｌ ｀ ⌒ ´ ｌ 持ち場に戻ればいい。
. / ﾊ !.! ! 俺が事情を説明する」
. / / ' ヽ /
ｌ ／/ ､ゝ ／ ヽ_
´｀ ー‐ '｀./ ｀ー､ ,－´ / ＼
. ｉ ｉｉ / ｀:.ｉ ｉ´ヽ. / ｀ ､
. , 'ｌ ｌ.! / ｌ ! ﾊ / ＼
/ ,:| | ヽ/ !＿' V , , ヽ
. / / ｌ | /:.:.:.:ヽ / / ／ ｉ
. !/ ! ｌ＼. ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ ／ / / ｌ
/ ! ヽ. !:.:.:.:.:. ! ´ ! / !
496 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:25:43.12 ID:F38wr9ko
/ ;, / / /' ; ,/ ' ; '// ;, / / /' ; ,/ ' ; '// ;, / / /' ; ,/ ' ; '// ;, / / /' ; ,/ ' ; '// ;, / /
,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,/' ; ,/ ' ; ' / / ,:',:'/,: ' /| ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
:'/ /'/ /' ; ,/ ' ; '// ;, / / /' ; ,/'/,: ' ' / ,:' |_|' / / ,:'/,: ' /,:'/,: ' / ' / / ,:'
/' / / ,:'/,: ' / ' / /' / / ,:'// / ,:'/,: ' r━┷━ /,:'/,: /' / ' / / ,:'/,/,: ' / '
,:'/,: ' / ' / / ,:' / /,:'/,: ' / /,, / / ' / /´~｀||´~｀ '/,: ─/─ / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
/' / / ,:'/,: ' / ' / / ' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'|| /,:'/,: / ' / ' / / ,:'/, / / ,:'/,:
:'/ /' / / ,:'/ / ,:'/,: ' / ,/ / ,:'/,,━━━"━━━ / ／ﾉ/,: ' / ' / / ,:'/,
:'/ /' / / ,:'/ / /' / / ,:'// / / ,:'｀~'‐'~~| |｀'‐'｀~｀ / ／ノ / / / ,:'/,: ' / ' /
/' / / ,:'/,: ' / ' / /' / / ,:'// ,:'/,: ' / ' / | | /,:'/,/／ノ ' / ' ゴォォォォォォ/ ,:'/,:
,:'/,: ' / ' / / ,:' / /,:'/,: ' / /, / / ,:'/,: | | /,'/,:／ノ,:' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
/,----, :'/ /' / / ,:'/ / / ,:'/,: ' / ,:'/ { ／ﾉ~ ,, -‐'´} ' / / ,:'/,/,: ' / '
| ヽ ,: ' / ' / / / / ,,,,_ // / ﾉ__,,,,, --- ,,,,,,_ ヽ|//,: ' / ' / / ,:'/,
ヽ＿＿ヽ,＿ ヽ=二｀‐"/ / } { ,,_＿,,,,,,,,,----――'''''',,￣,, ,, {, -' ‐} ,:'/, / / ,:'/,:
,:'/, /ヽヽ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; // / ,:'/,: ' / ' /
人人 ヽ ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;/人人人 人人
人人人人人 人人人人人人 人人人人人 人 人人人 人人人
人人人人人人人 人人人人 人人人人人人 人人人人人人人
497 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:26:40.87 ID:F38wr9ko
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::. :::::::. k／l / .| .)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::. ::::. ノl |/ .:: l /l
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''''--,=,,,,,_::::::::::::::::::___:::=-=''" l ,,／|::,-.,/::... / }
"''''-<=/_ / ￣￣''''" ./,,,,,|--='''|" .ﾚ,- |:::::::::::.. ／ /
:::::::::;//::::/=,,,,,/,,,,,,=-''/:::::/l:::::: l::: .ﾄ::/ )::::::::::::::.／ /l
:::／,,,/:::/|::::::::::::::: /l:::::/,,,|:::: /::: .|:/./:::::::::／" ./ |
/_: : |::./､|::::::/::::: ./-|:/": ::|::/:|:::: .|.|_./:::,::::/／ / l
""''-|/、:|:::/|::::: , .//,-l-'''''"l/"'|:: l.|::::::/-":::::: ﾉ }
-ゑ\-": :l/:::l:: /l/: : :-=,lゑ=-" l:..//:::/l::::::::::: ／ /" 「刀はどうした、権右衛門？」
: : : : : : : : : ::|:/: : : : : : : : : |/:':::(::::::::: ／ ／/
: : : : : : : : : : :l: : : : : : : ／l::::/＾l::::::::..:: ....::/ l
: : : : : : : : : :::::l: : : : : ／:::／へ::::::::.. .|
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ⌒）（⌒）
l （__人__）
l ｀ ⌒´ﾉ 「私が止めさせました。
| |
ヽ l 今この場で、刀なんか何にお使うつもりですか？」
_,ゝ､ _,ノ
,､-='l ＼_,ﾝ g<＼
/ ＼ └〆＼ i=i|＼'＼
丿 ﾞi ＼ ＼=il / i!
l l ＼＼| /＝|l
| | ＼i/ ||
498 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:27:36.13 ID:F38wr9ko
. /:.,:.:.／:.:／:.:.:.:.:.: ／:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.: ',:.:.:.l:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:',:.:.:.:.:',:.:.:.ヽ
/:.ｲ:./:.:.:./:.: ,:.:.:.:.:/:.:.:.:.:ｨ:.:ｨ:.:.ｨ:.:.:.:. ﾊ:.: ﾄ､:.:.:.:.',､:.:.:.',:.:.:.:.:.',:.:.:.:
´ .l:/:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:／ |:'.l:.:/.l:.:.::.:/ l:.:.' ヽ:.:.:.l ヽ:.:.!､:.:.:.:.ｉ:.:.:.
|':.ｨ:.:':.:./:.:.:.:ｨ:.:／ l:/ l:.:.:./ |/ ヽ:.:l ヽl :.:.:.:.!､:.:
―|ﾊ:. l:.ｲ:.:.:.ｲ l:/｀ｰ､ |' !:.:/ ' !:' _ .－〉:.:.:l‐ヽ 「うるさいっ！！
' ヽ!' l:.:./:l ' ィ＝≧ｪ.､ |: ' _ｪ≦＝､/:.:',:.' この嵐で舵も折れた。供船もやってこれない。
{ l:./:.:l ⊂ﾕ__ヒラ_ ＞- ' ゝ -＜_ヒラ_ﾋつ.':.:.:.:' ! この船は終わりだっ！
!ヽl':.:.:.:! , ':.:.:./ ' だったら、せめて脇差だけでも差させてくれ」
! !:.:.:ﾊ ｉ: ':.:.:.ｨ
.! l:.:.lｰ:. !j l.:. /ｉ:. / l
l !:lヽﾊ l.:.:. / .!:/ !
! l:l ヽ /:.: ／ !' !
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） 「刀を差しても、船酔いの薬にもなりませんよ。
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 常識的に考えて」
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
499 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:29:02.98 ID:F38wr9ko
,. - ― -- ､
／ ヽ、
／ ∧ ､ ヽ､
,ｨ / / /l / V ! ﾊ ヽ、
/ | | / |/ _／^ l/ ､l/ヽ !
l V V ／ _ ､,.;j ヽ|∨
!/ -'''" =-{_ヽ{/
. ,-､ | ,r' ／￣''''‐-..,ﾌ!
/ ﾊ l | i' i ＿ ｀ヽ
. rｿ | | i' l r' ,..二''ｧ ,ﾉ
{ ' ﾉヽl. l /''"´ 〈/ /
>-' ;: | ! i { 「たのむ……。鍋島勝茂ともあろうものが、浜に打ち上げられた時、
l l ;. ｌ ｜ | ! 最後は無腰だったといわれたら末代までの恥だっ！」
-. !. ; |. | ,. -､,...､| :l
/ ｌ ; l ｉ i | l
l l ;: ｌ ｜ { j {
|. ゝ ;:i' ｀''''ｰ‐-' }
::. ＼ ヽ､__ ﾉ
::. `ー-｀ニ''ﾌﾞ
:. |
, ､､ ,, 丿⌒ヽ､
, ' ＿＿＿_ " ､､ ／⌒ ヽ
, ' ／⌒三 ⌒＼ ', （ わ わ ）
; ／（ ＠）三（＠）＼ ; ） た ` （
; ／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ ; ＿ ／ す 丿
| u |r┬-| u | ; ヽ ､＿ノ な ／
＼ u `,. -'"´´￣｀ヽ ; ヽ､＿ノヽ お ノ
_ ／ （＿＿＿ | ', ） ： （
,､' ／ | ; （ /
､ （￣ | ; ヽ､＿ノ
￣￣￣| | ;
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
/::/::::./::::/:::::.|:::::ｽ:::::ﾄ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
!/:::::::|::::ﾊ::::./|:::::| i i ＼::.ﾄ､:::::::::::::::::::::::::::::i
|:::::|::::|::::| ∨ ＼| .＼| .ｿ ヽ::::::::::::::::::::::::::i
|::./|::::|ヾ──' | '───､ i::::::::::::::::::::::::::i
|/ .|::::::i ｨ匕> K辷!> .i:::::::::/⌒i:::::::i
. ヽ::::ｌ.i i . i'i::::/ ソ i:::::::i
lﾊi ﾉ i::ﾉ－ /:::::::i 「やる夫？」
i ｀ ｿ､_／:::::::ii'
ヽ / .i:.:ﾉｨ l::::i'
＼ ´￣￣｀ ／ ｿ .|人ｿ
＼ ／ ＿,,-ｰ'￣￣丶
＼＿＿／／:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
＿-──ｿ──:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
500 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:30:06.36 ID:F38wr9ko
_,. -‐''"´￣｀``' ‐ .､._
_,. -‐''"´ ｀ﾞ''ｰ-..,,
--―---- ｀''ｰ ､
`ヽ 、
／ 二二､ `':.、
／ | {::::｀ヽ＼ ｀ ､
／ ヽ::::::::} 〉 ﾞ 、
／´ ヽ ｀ｰ' / | 「絶対に・・・・・・わたすなお！
／-､ヽ 三 ．"￣ |
. |{:::::::::ヽ ､ ゛' | 殿は、自害するつもりだお。
. | ＼::::::ﾉ／ ヽ ｀ヽ /
lｒ‐､_,／ " ．｀ヽ ﾉ / 絶対にわたすんじゃ、ねーお！」
lT~ " , , ) _,.-‐'' ／
| | ;;; ( ／ ｀''"/ ／
| | ;;; ゞ､_,.-‐''/_,-‐"^ヾ ／
| | ″ | | ｀ー-／
| | | | ／
,r..:'"￣::`::.､
/:::::::::;:::;i::;l::::::ヽ
.lｨ::l:iv､l:/l:/j,ﾚ:::::!
'f.l::l zﾃｫ'.ｨ'ｪl:l:ﾄ!
,..-';`ﾐ,i:l k l:l:ﾚ'^ヽ､_
./::"::::ｰ､`l、f＝ｧ .,ﾍ';:/'ﾞﾍﾞｭ)
/::i::::::::::::"'弋'!ｰ',イ>|'_ノ´｀ｰ -,,＿ _
. }:::ﾞ|::::::::::::::::::::~ﾞ:_戈;f" 、 ｲ/ `i 「出鱈目を言うなキサマ」
/:::::::!;:::::::::::::::::::/',r.ﾃ ＼xｰ.ｫ､__ノ
::::::::::::ヾ!:::::::::::::l .l r' ` ､_冫y"
:::::::::::::::::＼o:::::l .ﾄ、 ヽ,＿ﾉ"ｰ'
:::::::::::::::::{::::{＼代 l>ｰ､,_ノ
::::::::::::::::::}::::| | iｰへ::::::＼
501 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:32:15.57 ID:F38wr9ko
「デタラメなんかじゃねーお！（おうぷ）
＿＿＿_
／ ∪ ＼ 船酔いしない奴なんかに、
γ⌒) ノ三三三ゞ(⌒ヽ 船酔いの辛さや、
／ _ノ （＞）三（＜） ＼ `､ みじめさなんかわかんねーお！」
（ <:::∪:::::（__人__）:::::∪| ）
＼ ヽ ::∪::::｀ ⌒´∪::／／ ぶえええええ
＿＿＿_
／::: ＼ 「こんな苦しい責め苦がいつまでも続くんなら、
／:::::::::: ＼ 自分の死に様を憎ったらしい海神にむけてやるのが、
／:::::::::: ＼ せめてもの面当てだお。
|::::::::::::::: |
／⌒::::::::: ⌒ヽ／ 何度、死んでしまおうと思ったか」
；/:::::::::::: ＼；
；/:::::::::::::: ＼ ヽ；
502 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:33:10.38 ID:F38wr9ko
/.:イｉ:.ｉ:.:.:.!:. ｉ:.::.:.ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:ヽ ､:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
!' /:.:!:.!:.:.ハ:|､:.:.:|＼:.:.: |:.:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.:. ｌ 丶:.:.!:.:.:.:.:. ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:ｌ
|:.:ﾊﾍ:.:ｌ :! ＼! _ ヽ: ｌ:.:.:.: ｌ:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.ヽﾊ:.:.:.:./:.:ｌ:.:.:ｉ:.:.:.:.|
|/ |:ヾ! ´ ｀:!ヽ:.: ｌ:.:.:.ｉ:. ｉ: !⌒ ､:.:.V:./:.:.:ｌ:.:/ｌ:.:.:. |
Ⅵ ／ _ Ⅵ:.:.:.|:. Ⅳ⌒ヾ､:.:!/:.:.:.:.!:':. |:.:.:.:ｌ
ﾍ´,イヽ / !ハ:.:ｌ:.:.| ヽソ .}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!∧:!
! ゞ ' ' Ⅵ: ｌ ) ! ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / }'
. / !:./ ´ , ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ｌ
. ／ !:' ┌┐:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧!
丶 ./ : |:.:.:!:.:.:.:. ｉ:.:.:.:.ｌ
ヽ _ . :: : ｌ:.:ハ:.:.:.:|:.:.:. ｌ
｀┐´ . : : : : V ＼:.!ヽ:.:!
ヽ´ . : : : : : : ｀__Ⅵ＝､
ｉ ＜ﾍ : : : : : . . :´ : : : : : : ｌ
￣ ヽ: : : . : ´: : : : : : : : : : :ヽ
..‐ﾍ : . : ´: : : : : : : : : : : : : : ´＼
／: : : ／ : : : : : : : : : : : : ´: : : : : : :.＼
／: : : ／: : : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : :ヽ
|: : :.／: : : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : !
勝茂は何も言い返さない。
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／ 《;･;》 《;･;》 ＼ 「でもね、船はしずまねーお！
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ この船には、斎藤さんが乗ってるんだお！
| ﾄｪｪｪｲ |
＼ ヽﾆﾆｿ ／
503 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:34:01.12 ID:F38wr9ko
.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,ノ ;;;; ﾐ､.,.,.,.,.,
.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,／ '';; ﾐ､.,.,.,.,
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.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,r l /l '´!ー‐ti､_.) (_z‐tｫ-ｰヾミ〉.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,│あの人なら、たとえ船が転覆したって、 │
.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,ｿ .ﾍ.j ヾミ彡 i !. ミ彡".::l.人.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,│殿を咥えながらでも浜まで泳ぎきるお。 ...│
.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,ゞヾｰ-ｰ´ ;/ t l l:::... :/j i ｀ｰ--.,.,.,.,.,.,└──────────────────┘
'''''~~^^`'''''~~^^`ﾞ'''~~_,,ｨ¨ﾞ´ ヾゞ ,/ i { l l:::::::.... :/ j i
～ ～ rｬ^´ ヾﾞ, / i {ヽ;;;rnｪ.!.!ｪｪ;ｯｯｯv{ i
^^ ,r'ﾞ ｀' / i {;;;ヽ ヾ;;〃 :/ jﾞﾞ;;; .i
（（ j ﾉ i ;;;{! ヽ. :/ { ;;; i
～ 巛巛j l ∧ !. ヽ.／ / ;;; i
巛 i l / ヽ､ ;!､ / ;;;
巛ミﾐ l / !人 ｰ､ rイ´ﾉ へ. { ;;;
～ ｰ=ﾆミミﾐ ﾚ } / ヽ. j ;;;
ｰ=ﾆミミﾐ ‘‘““⌒～⌒～ ヽ 〉 ;;;;
504 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:35:26.22 ID:F38wr9ko
_＿＿＿＿＿＿__
／´ ｀＼
ヾ、 _, -‐'"´´ ＼
／ ､＼ﾉヽ／´ ､ ＼
｡oj｀`ヽ） （ ,-‐ '"´ ）ｏ ＼ どうして信じてやらないんですお！？
°／⌒｀ﾞ ヽ"⌒｀`じ ｏ ° ＼
/ （ ） ° ＼ 自分の家臣を信じてやらないで、何が殿だ！？
／ヾ、＿ﾉヽ、_＿＿,,ノ⌒ヽ o° ＼
l ト、ﾉ),､ ﾉ l やる夫だって信じきって、苦しいゲロを吐き続けてるんだお！」
| | / |
l ﾟ| ／⌒´/ l
＼ l ／ / /
ヽ、 | / / ／
｀ヾ＼ `ｰ┴--一´ ／
ﾊ ：ヽ ゝ､_＿,,,,, ,, _＿_ -＜
/ . __ 、／ 丿 ヽ うげええええ
/ , ／ .／ ／ _ ,_＿' i i i i 'l
//. / ／ ／_-''’ ___,,ノ、 7 ' l
. ﾚ.l/ ./ ／ ,,-''''' l l .l , l
/ ,/ ´ , '_ !-‐'''''''''''') ./l ../l i ...l l
r/ .l ﾞ '''’ _,,,-‐/￣.l/ .l ./ l i .l l
.l.! 々' Vヽー--l/'‐、l /l i /ll
l /'''' ヽ '..,,,_＿_、ｌ/./ ﾉ'l/ ｌ'
l ./ ! '' /'/' ,/）ﾉ
l / / / ,/／
/ 丿 亅 ./ /r'
/￣￣￣''' ‐ ,_ ／丶 ____ ./ /
/￣￣￣￣''' ‐ ,_ ＼. .l＼ ”-ニ⊃ ／/r'＼
/ '-,/ .l ＼ '￣ ,／ / │ ''、、
./ / l 丶ゝ,,,,,,,-‐'' ／ │ 'l "'-、
/ .∩/ .l /─、 ,─／ │ 'l "'-、
../ ∩/ .l / Ｃl l - l＼ │ 'l "'-、
/ / ﾚ' ヽ┌──┐ｿ＼ │ 'l "'-、
勝茂は、文句を言わずに顔にかかった吐しゃ物をぬぐった。
505 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:36:56.36 ID:F38wr9ko
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そだ | i,
れが |ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
が | ,ﾘ|} |. }
. い | ′ | } に （聞書１の１１６）
い |∠ﾆ'＝=ｧ ､=＝ﾆゞ< や
!! /}. '"旬ﾞ` ./''旬 ` f＾| っ 『大厄災、大事件に遭ってもまごつかないというだけではまだ足りない。
＼＿＿／ﾞ′｀￣'" f::`￣ |l.| 大変にあえば、歓喜勇躍して進むべきである。
. ヽ.ヽ {:. ｌﾘ
. }.iｰi ^ r' ,' 「水増せば船高し」というが如し。
!| ヽ. ｰ_ ‐-‐ｧ' /
. ／} ＼ 二" ,ｲ
__/ ∥ . ヽ､＿ __／:::|＼
, '´ ￣￣ ` ､
i r-ｰ-┬-‐､i
| |,,＿ ＿,{|
Ｎ| "ﾟ'` {"ﾟ｀lﾘ この困難はおもしろい、と言えてこそ、
ﾄ.i .,__''_ ! 曲者になれる機会だと思うんだ』
__l＼＿ .ｲ
/ |＼Y |＼
/ i ＼ |／} |
ヽ_> | 〈_/
| .| |
| l l |
|＿_| |＿|
|＿） L＿）
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
506 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:38:30.05 ID:F38wr9ko
､‐- 、 ,. -- _
,ゝ￣ ` ′ﾞ,∠.._
／´ " " " ﾞ ﾞ ﾞ .＜｀
7 " " " " , ﾞ ﾞ ﾞ ､＼
. ｉ " " " ﾞ,.ｨ / ＼ ﾞ ` ﾞ ＼
. | " " ,ｨ/‐ｌ/、 ,ゞﾄ、ﾞ ､ﾞヽl
| r=､ l.＝｡==._ ,｡==ゞ ﾞ N
. | {にl l ｀￣ _ ＼´ハＮ
,l ヾ=lﾉ __ ‘ ‐ ゝ
_.／:l "./ ヽ. ∟..二ﾆ7/ 「おい、やらない夫、これを見てくれ」
‐''"´:/::::::| / ＼ 一 /、
::::::::: !::::::::l′ ＼ ,ｲ:::::＼
::::::::::l::::::::::l /:｀:::ｌ::::::::::::＼
::::::::::|:::::::::::＼ /:::::::::::l::::::::::::::::::＼
::::::::::|::::::／＼ヽ l::ヘ::::::::l:::::::::::::::::::::ﾊ
::::::::::l／:::::::::::o:ト .｣::-:::::＼::!::::::::::::::::/::::l
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ｌ＿
ミ彡 ,,──────┬┘
巛ミ 〃 |
巛ﾐ / |
彡ﾐ＿＿＿丿 |
.／￣￣＼
.／ ＼
| ー ‐ i
| （ ●） （ ●）
| （__人__）
| `⌒´i 「これは最初に折れた舵か。
ヽ. ﾉ 火縄の明かりでよくわかるな……」
ヽ ノ
507 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:39:28.85 ID:F38wr9ko
_,,.. - 、 ,. ''" ﾆ=-
_,. -ﾞ'" " ﾞ " " " "￣~ﾞ'' - .,,
７i " " " " " " " ヾ" ーﾞヽ
/,. " " " " " " " " " "i; 、 " ヽ
/,." " " " " " " " " " " i; 、" i
／ " " " " " " " " " "" " i. ﾞ , 「舵に切込みが入れてある。
"7 " " v ｖ ﾍ、ヽヾヾ i i i＼i これじゃぁ、ポッキリ折れちまうわけだ」
l" " ノ / / i / ヽ !_Aﾘ|ﾉ!'!'!
_,,.､､ｨ､Vノﾞ-＝-､､!/ _,.ゞ､､Yﾍﾚ''-､､,, ） ） .
_,,.､-‐''"´ / i, ｰ==。=、_ｯ‐‐ ､｡==-' !!:::::::',:: 〃 ｀''‐ ､ .
,､‐''"´ / ', ｀ー ,､''" ヽ, `ﾞミ,''‐-､,'′::::::!:（',; ヽ
,/ ':, ,' l ':,,.､ '" ヽ, ＼ ` ､ ヽ,:::: l _;;ﾘ ':,
ヽ', i ,､ '" ､ ＼ ヽ,_ ヾ二二で)″ !
':, ! ,r" :. ﾝｰ' ､ ﾞ! },,,ヽ, ':､'､〉 ／／ ｌ ! .
_ ',. / :. ／ ! ! ! ヽ ;ﾍ 〃;／ l
‐､ヽ ',. / ﾝ､､..,,,__,,.. -{ r/ l‐--‐' ゝｰ' 〃／ ｌ
ヽ ヽ. ',. / /, ｀! __,' f,'"_,, - '' ! .
｀｀' '- ﾐ､ ! / / ':, ゞ-' i!´ l
／￣￣＼
／ ＼
| u |
| ヽ ノ u ｜
／´ fト､_{ﾙ{,ィ'ｅﾗ, | 「ナニィ！？そういえば、確かに」
/' ヾ| .（__人__）⌒`/ |
,ﾞ ／ )ヽ(,｀⌒ ´ | | ヾ、
|／_／ ﾊ ／:} V:::::ヽ
/／ 二二二7 ／u' __ /:::::::/｀ヽ
/'´r -―一ｧ‐ﾞＴ´ '"´ ／::::／-‐ ＼
/ // 广¨´ /' ／:::::／´￣｀ヽ ⌒ヽ
ﾉ ' / ノ:::::`ー-､___／:::::／/ ヽ }
_／｀丶 /::::::::::::::::::::::::::￣`ー-{:::... ｲ
508 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:40:44.06 ID:F38wr9ko
／￣￣＼
_ノ ヽ、 ＼
（○）（○ ） |
. （__人__） u .|
. ヽ｀⌒ ´ |
｛ / 「もしかして、誰かが仕組んでやったってことか……」
lヽ、 ,ｨ'.) ./
j .}ﾝ／／ ヽ
ﾉ '"´ ￣〉 |
. { 勹.. ｜
ヽ ､＿_,,ﾉ . |
.ィ´ i! i! i! i! i! i! i! ヽ
. , ′i! i! i! i! i! i! i! i! i!.!
/イ i! i! i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､ i! i! !
/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j
/イ i!/! /===､:::::.===＝:i!,...i! |
ｊ/ j/ i::｀:ﾟ‐/:::::::ｰﾟ一.:´:|ir, }.| 「かもな……」
i:::::/.::::::、 .::::::|Lﾝii|
i: ｀‐――一.;.::::ハ.i! ｊ;＼
､ ー ..:::::／; ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
. -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; ' ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
-‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' /;;;;;;;;|;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::' /;;;;;;;;;;;!;;;;;;
509 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:41:49.08 ID:F38wr9ko
／￣￣＼
ノし. u:_ノ｀ ,,＼.
/⌒` （ ◯）（Ｏ):
.:| j（ （__人__）
:| ＾ ､｀ ⌒´ﾉ:
| u; ﾞ⌒}: 「ひょっとして、あの外道……」
ヽ ﾟ " }:
ヽ :j ノ: ｉ |ｉ |
／⌒ ヽ | || | |
:: ／￣￣ヽ :: ＼ || |i
:: （｢ ｀rﾉ :: ＼ ||i ＼
:: ヽ ノ :: ＼ ＼
ガタッ！ | | r ｢＼ ＼ ＼
| | | ﾉ ＼ ＼＿＿ ＼
ヽ＿ノ /||| l ＼_, ｀ヽ ＼
|| ｉ / | ||| | (＿つ￣と_ノ) ＼
|| || | | ||| | ＼
＿─-､ -‐;ｚ.__
＞ ` " ﾞ ＜
/ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ＼
l " " ", ,ｨ ハﾞ i ﾞ､ ﾞ､ヾ
| " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N
! r,ｺ| ＝｡= ,｡==ﾊﾘ
| |ﾋ.j| ￣ r_ ＼7 「迂闊に名前を出すな。
j `ｧﾍ ⊂ﾆﾆァ7′ 今はみんなが助かる方が先さ」
. _／∨ :::＼ ＝ ∧
-‐'''"´ |. ヽ. ::::＼,.ｲ |`'''‐- ､.._
| ＼ :::::/ │ ハ
. | ,ヘ 〉 |へ、| l. l
ｌ_／ ﾟ〈`ー'| ヽ! │ |
510 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:42:43.06 ID:F38wr9ko
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／| .|
／ | .|
／ | .| ＿＿＿＿
| | .| ;;,.i, ／＿＿,.:;／||
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|==l .| .|;:;:,,.＿＿,.::;.,＿＿＿,,;;;:.,＿_〈＝llニ〈=〈≡ll二〈_=|_||＿＿＿|| ||＿
| | ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 〈三||＝〈/〈ニ||=-〈／..|| ||
| |: : ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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|: : ／:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
|／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
ヽ､____()___ノ|::::::/ ｀ヽ , ヘ ヽ::::ヽ::::::::::::::ヽ､_＿__,..ノ
ノ|::::::l,,,,_ /＼ ＼ !:ト､}:::/⌒i:::::｀､_____ _,..._
｀ ｰ--‐'´ ｌ::::::l ｀` 彳示‐-!ｌ ｌ//＾）}:::::::::::::::／
＜|::::::::! 示ヽ 廴_ﾉ l ソ/::::::::／-､
, . ＜´｀丶､!:::::::::! 廴 ﾄイ:::r‐＜｀ヽ､ く {
／ ｀ヽ､ !;ィ‐-ﾊ i l | ｌ l | /／＾ヽr-､ヽ. ヾ
／ r‐' ﾉ |:::..､ ． ／￣ フヽ ﾆ⊃ ゝ'
／ {_rl´ |::::::l｀＞ == ,.ィ ｰ ' "
{ l ヽ､::ヽ､ {:::::「T::::l
ヽ､ ／ ⊂ﾆﾆ二 -‐- ､_＿_＞ ＜ｰ┴L::{
｀ﾋ--一' "´ ___,.ノ ﾋ＝==-‐ ｀` ｰ‐ ｀ ｰ---------------
511 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:43:38.71 ID:F38wr9ko
､‐-､ ＿
__....ヽ `´ ∠
∠ ＼
/ /|/1 ヾ
ｌイ /|/ .|/|/ﾚ ヾ
|/ﾚ|芒｡〉 芒｡ﾃ| ｎ .|
l / ､ .|.|ﾘ | 「すっかりしょげちまったみたいだな」
l `---- .||´ハ
__l ≡ ／ |/ |‐- ..__
_.. -‐ '' " /ヽ_／ | |
/ | ﾉ .|
-､ｰ- ､
_. -─-ゝ Ｙ ⌒,.Ｚ.._
,.＞ ＜｀
∠.._ , ヽ
. ／ , ,ｨ ,ハ ﾄ、 l
/イ / /l/‐K ゝlへﾄi |
ﾚ'ﾚf Y|＝=;= =;=＝|f＾!l 「しゃべる元気もなさそうだが……
. !6|| ｀￣ "||` ￣´ ||6|! ちょっと教えて欲しい。
ﾞyl、 ､|レ |y' 米俵があったら借りたいんだ」
_,,ﾊ.ト.｀￣￣￣´ ,ｲ/＼_
￣:::;':::::ﾞ! ＼. ￣ ／ |'::::::::|:::￣
:::::::::l:::::::::l ＼／ !::::::::::|:::::::::
512 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:44:40.55 ID:F38wr9ko
＿
. / ﾞi ／
{ i ／:.:.:.:
∧ ∨ ／:.:.:.:.:.:.
∧ ∨ ／:.:.:.:.:.:.:.:
.,,, -ﾍ ∨ ／:.r:､＿:.:.:.:
_..,, -ｧ‐''￣ﾍ ∨／:.:.:.|;;;r--二
f" r''"y-―''"ヽ､_ ｀ヾ=,-'ｰ''"￣
. l .l | ＿_{ ./ ﾄﾐt､｀ヽ.､
ﾍ. ﾍ :l ｀:;;;;;;':,/ ﾄミミﾐﾑ ｀ ‐
. ﾍ_.〉 l >―''- .. ﾞi三} }};;〉
ﾄ､ｰ:ｱ jﾐ////
|〃/ ,〃 〃 ,､,､ ､ , ヾ'|
/ /,〃 ,.ヘヽ_,ゝﾍ{ ヾ ヾ |
l/ / ,.く /＞‐｡ｧ ヽ'ト､ヾ' i
|/ >ヾ￣´ |'ト||ヾ | 「どうも。
／ |l〃 ヾ|
∠-‐フ ＿, / ヽ.ヾ'｣ 外はだいぶ雨が収まってきたぜ」
｀￣匚, / >'＾ヽ._
/ / ／ |
'―ﾍ ／ 人
514 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:45:45.08 ID:F38wr9ko
..::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::l:::::::::.......................... | .......:::::::::::::::|::::::::::::::................
......:::::::i::::::::l:::::::::................ l ...........................
..:::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::.......................!..|......::::::...... ..
......ｻﾞ ｱ ｱ ｱ ｧ ｧ ｧ ｧ .....l................::::..... | .................:::::::::::::::...
.....................|...........::::::|::::::::::::::::: l::::::..........................:::...... ....:::::|::
..:::::...l..... | !...::::........ |... ! .....:::l::::::::::::::::::::::::::...
................|....::::::::::::::::::::::::::: !::::::::|::::::::::::::::::... i.........................................:::...
:::::::::::::|:::::::::::::.................... |......................l...................|........ | .......::::..
...::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::l:.................................. l .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....
.::::ﾟ:::::::::::::::::::::::......................:::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::.............
.:::::::::::::::::::..................::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::.................... |
| ...............................:::i::::::::::::::::::
杢之助は、米俵を後ろに運んだ。
それを縄でくくりつけると、縦に置いてつないだ。
.,,,,,,,,,,,,,,,
彡彡彡彡ii,,
,,,;;;彡彡彡彡彡彡》
,,,;;=====,,,ミミ彡彡彡彡ﾘ
〃´彡|ミミミヾミ彡彡彡彡》
〃彡彡|ミミミミヾ彡彡彡彡ｿ
{ii──┼───}ミ彡彡〆
ヾiミミミ|彡彡彡〃彡〆
ヾゞ三|三彡〃
.,,,,,,,,,,,,,,,
彡彡彡彡ii,,
,,,;;;彡彡彡彡彡彡》
,,,;;=====,,,ミミ彡彡彡彡ﾘ
〃´彡|ミミミヾミ彡彡彡彡》
〃彡彡|ミミミミヾ彡彡彡彡ｿ
{ii──┼───}ミ彡彡〆
ヾiミミミ|彡彡彡〃彡〆
ヾゞ三|三彡〃
515 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:47:15.86 ID:F38wr9ko
.ｨ-､ ＿_
７ ﾆ.ヽ ＼
i.f ::::ヾﾍ ',
|,| ::::|,i i
ヾヽ_ノ.ﾉ__ ノ / ⌒ヽ
｀ ‐v'ﾍ l ♀〉ーｖ-､＿ __
Vﾍ i ﾉ ﾉ::::::::::::｀´::::ヽ
Vﾍ / / .／::::::::::::::::::::ヽ:::::ﾞ‐ ､
,Vﾍ / ,-' ／::::::::::::::::::::、:::::l::::::::::::l
l_ﾒ┴‐ 、 （_,∠ -'゛::::::::::::::::::::::/ l:::::,'::::::l:::::::＼
「 ｀ー〈 ./:::::/::::,'::::/::ﾉ:／ ﾅノ大ノ:::::ヽ::::) ＿__
.! .ニ=〉 !::::ｲ::::/::,ィ'f..ﾊ '´ f...ﾊヽｈ::::::Ｖ ／, --､ヽ
＼ ‐┬Λ ﾉ_:::ﾊ:人::i 弋ｿ 弋ソ j::::::〈 l l ! l
＼ ｀ ', )::::::::::::! "" ´ "" /:::::::/ ヽ '､__.ノ.ﾉ 「米俵を、舵の代わりにするつもりかい？」
. ', i― ァ ﾉ::::::::::::::＼ ｰ‐' ／::::::ノ ／ , --‐´
､＿_ ,-'! ', / ｀７::::::::::::::::｀ jー -ｨ´::::_Ｘ ＼／ ／
ヽ ! Ｖ ＿ﾐ＝─‐‐‐'ヽ t‐┴‐｀-､__ く
ﾉ ! ',ｨニ三ミ::､ヽ､__:::::::::::::＼ .!:::::::::,ィ´ ヽ ＼
./ /l .l ｖ- ‐'ﾞ｀ヽ:::' , ＼ヽ ､:::::::＼j::::／ ﾉ !､ ＼
/ / ! ' , |::::::! ｀ｰ-二ﾆｰt´,-'゛ V ', ＼ ＼
/ / ヽ / .ヽ , ｲ:::::,' {ニi ｉ 〉 ＼ ＼
,' ! ﾚ' ｀‐‐t'' ´ /::::/ ﾉ / l ｀ヽ l--‐':::＼ ＼_ﾉ
! | ｀ｰ '-‐ｔ-- 'ﾞ ! ', ヽ .l .!::::::::::::::::〉
. i ! i. ヽ ＼ ', l::::::::::／
. l l .! ＼ i i .!￣ |
! lll ,ｲllll /:::::＼ い :::::::::::::::::::::::::::::::::
! ll ,ｲ llll /::|ll /:::::::::::::｀メ ＼ ::::::::::::::::::::::::::::
! ./ .i lll. /:::::|/:::::::::.,,／ ｀ｰ｀ヽ ::.::,,,:::::::::::::::::::
! ll / i ll .〈.:::::::|:::: // _,,xｰ''´ｨ´::::::::::::::::::::::::
.! i i / ＼ ｿ ,,ｬj'´ ,. ' ´ ::::::::::::::::::::::: 「ああ……。
ﾚ' ∨ ＼ .... 'y ´ ::::::::::::::::::::: この重さだったら、いけると思う。
y,;;'''''';;;;;,,,.... ::::::::::::::::::::
/,;' :::::::::::::::::: 中身が流れちまっても、換えはいくらでもあるから大丈夫さ。
/,;' ::::::::::::::::: ククク……」
. /,;' ´￣) ::::::::::::::::
/ ／ソ ブ` :::::::::::::::::
./ ／ ノ´ _ ｨ ´ :::::::::::::::::::
｀´ 丶-ｰﾍ´ ..... :::::::::::::::::::::
i__ .. ｲ;;;;;;'' ::::::::::::::::::::::
|;;;;; ::::::::::::::::::::::::
|;;; ::::::::::::::::::::::::::
516 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:48:09.72 ID:F38wr9ko
,.-─-､
。 / ｰ(_y'ｰ- ､ o
/ ／ ﾉヾ￣｀ﾞ'':...､
／ ／--─::'":::::::::::::::::::::::::::ヽ. 。
'､__／::::／:::::::;::::::::::::|::::::::::::::::::::::ﾊ
/:::::::/:::::::::/.!::::::;:::ﾊ＿::::/::::|:::::::|.
,':::::::;'::::::;∠_ |／|/ ｧ‐‐'く:::::ﾉ:::::八 ○
o |:::::/|:::::/ｧ‐-､ l´ﾞﾊ Y:::／:::::::ヽ.
ノイ::::ﾚ;ﾊ'| l´ﾊ ゝﾟ' ﾚ'´）:::::::::::ﾉ
ﾉ:::::::|::::人. ゝﾟ' ' ///,ｲ::::::::イ o 「君はよくこんな状況で笑っていられるね」
´￣|::|::::;ﾊ// ｒｧ ⌒ヽ /:::|:::::::::ﾉ
/:::ﾚ::::人 、 ﾉ,.ｲ＞‐ｧ＜.
○ |／|:::::/:::｀"7::ァ=ｒ＜/ / / ／ヽ.
＼|＼:::;;:: イ＿_/ / / ! |
,くヽ | / ／ / |
/ ＼__ﾚ'＿ イ / ,ハ
／ ､i `lヨ-─ ' | .〉
! 7 ／）／〉､ 〈/´￣｀ヽ. /
|ｒ‐ ､|/ '´／//､ "l7´￣ヽ/-'
7-‐､| .／ ＼/ //
/ ／ ／`ｰ-､ ＼ / |、
517 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:49:00.90 ID:F38wr9ko
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]ｌｌ ll ll ll ll ll ll ll [ヽ＿＿＿
| | ヽ＿＿＿
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＼ ∥＼＼
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人人人人人人人人人人人人人人.;人人人人人
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:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;@三):;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;@三):;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
518 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:50:39.73 ID:F38wr9ko
_ --─-- _
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／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
. l:::::::::::::::::::::∧:::∧::::∧::::::::::::::::::::::::::::::l
|::::::::::::∧::/ ン V ､ヾ::∧::,i::::::::::::::::|
|:::::::::::├一 ´ `ー─|::::::::::::::::|
. l:::::::::::::|＞ｰ-、 ,-‐弋|:::::::::;;:::ｿ 「効いた……！
ﾚl:::::::::|l:::::::::↑ ｲ::::::::::ｌ|::::::::LV ほんのちょびっとだけど、舵がきいてます！
l li::::::::|ゞo_ノ. i i i ヾ､oノ|::::::::ﾚﾉ 疑ってすいません！」
ゝ|::::::| oｌ l | | | | l o l:::::::/ム_
人::::|＼ ＿＿_ ﾉ|::::/､`ヾ､｀ヽ
／l | l:::l.:.:.:ゝ、ヽ ノ ィ/:.:|:/:.:.:.>,、 ＼:::ヽ.
／ l:.:.l.ﾍ.l::l.:.:.:.ﾍ ` ー一 ´/:.∧:l/:.:./ /:/＼ ｀ヽ;! ギッギッギッギ……
／ ヾ:.＼ﾊト､:.:.:＼＿＿_/:.:.|//〉|-'ノ:./ ＼
/ `ヾ､:.|:.-ﾆニヽ /ニ;l//彡´-‐' ヽ
＿､‐-､, -‐ｚ._
＞ ` " " ′.＜
／ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ＼
7 " " ",.",ｨ ﾊﾞ ,ﾞ ﾞ ヾ r‐ ' _ノ
! " " /-Ｋl/ Vｌﾊﾞ.N ＿ ) (_
| "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ! （⊂ﾆﾆ⊃)
|."しｌ| ￣ ,._ ∨ ｀二⊃ﾉ
| " ﾞハ ー--7′ （( ￣
r'ﾆﾆヽ._＼. ¨/ ;; 「うまくいったか。
r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._ [l、
／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞ ／,ｨつ ふぅ……。
. /: : : : : : : : / : : : ヽ＼ ,∠∠Z'_つ 俺は少し横にならせてもらうぜ」
| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l / ）:::厂 ´
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519 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:51:14.71 ID:F38wr9ko
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520 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:52:28.63 ID:F38wr9ko
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, ／::::::＼（__人__）／::::: ＼;
; | | |r┬-| | |,, 「うるさいお……」
′＼ `ー'ｫ ／´
./ ⌒￣￣`r:´> ) :
(＿ﾆﾆ>-‐'´／'（／ ;
; | | ;
521 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:53:23.47 ID:F38wr9ko
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522 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:54:20.76 ID:F38wr9ko
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／⌒ ⌒＼
／<○> <○>＼
／ ＼ （__人__） ／ ＼
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＼ `ー'J ／
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/:::::::::::::::l:::::::::,ｨ::::::/ |::::::/|:::::::/|:::::i::::::::::::::::ﾄ､:|
::::::::::::::::::!::::::::i i::::/ |::::/ |::::/ |::丿､::::l:::::::| .ﾘ
:::::::::::::!:::::!､:::i |/ ∨,, .|/ ｲ .|::ﾉ|::::::|
ﾊ:::::ｒｰi:::::::i.ｿ ´￣￣￣ ｰ--､ｿﾍ|ﾊ/|
i::::i ﾍi::::::i 工 丁 エエ i､ ヽ
iｲ i i:::::i ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ i ﾞﾞﾞﾞﾞ i ! ゝ
／iヽ.i::::.i i i ./ /
／.;.;| !::i::::i 丿 ir´ ! | 「おお……見えるなぁ」
.;.;.;.;.! !､ i丶 ､ ,. '´ ./
.;.;.;.;.;! ヽ ＼ ￣￣ ..'´ /
.;.;.;.;.;.;! ヽ. ＼ ﾞﾞﾞ .i´ /
.;.;.;.;.;.;.;! ヽ r' ｰ┬ｲ .ｲ
.;.;.;.;.;.;.;.;! ∧ ﾉ r.└i. 丿∨i
.;.;.;.;.;.;.;.;.;! ∧ /o｀ｿi | i 丿 /.;.;i
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.! ∧∧ ∧i |∠i___ノ /.;.;.;.;:i
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;!./ ∨i!⌒ゝ/ | ,,, '´.;.;.;.;.;.;i
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.! {i!i!i!i!i!} ヽ／.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;i
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523 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:55:57.10 ID:F38wr9ko
., '´￣ﾊ＿
／ (ﾒ／ ﾉ,,....,,__
/ ／___／:::::::::::::::｀ヽ、
| ／::::::::::;:::::::i:::::::::::::;ﾊ:::::':、
/ ／:::／::::::/:::::;ﾊ::＿|/::::';::::::::ヽ.
く7::::::/:::__／:::::/ ,.|=＜ﾊ::::|:::::::::::ﾊ 「陸だっ！」
|:::::/;'::::/,､|／ '´ lﾉ ,ﾊY::/:::i::::::::::|
ﾉイ:::|::::ハﾊ ゞ-ﾟ',,ﾚﾍ:/::::::::::|
'´ ﾚ'∨::∧ ゞ' . ,ｒｿ::::::/:::/
ﾚ'|:::::!" i´￣） /:::|:::／:::;ﾊ
/:::ﾊ＞.､..,＿ イｧ--‐ｧ-ヾ::|
__ ...... _
「りくだぁあ！」 ,､ '": : : : : : : : :` ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : :.` ､
「助かったァ！」 _.. -‐- ..._ ,.': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
,､ '" ､ ./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
/ Y: : : : : : : :/l: : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
,､ '" '' ､ ,' /ヽ ,': : : : : : : / !: : : :i: : ヽ: : : : : : : : : : : :',
. ／ ､ ヽ _ ... _ i / / ＼ i l: : : : : : : /⌒!: : : ハ: : l.＼ : : : : : : : : : ',
/ l-‐', ヽ,､ '": : : : : : :.` 、 ｌ l. /__` ` ､....＿l. l: : : : : : ::,',.-､l: : / ',: :.ﾚ:::ヽ: : : : : : : : : i
l ｌﾉ ,' ゛, ﾚ': : : : : : : : : : : : : :ヽl. l/ｲ:ﾊ l::iヽ〉l. !: : : : : : :,'.{::::::l: / ',: l::::::ﾊ: : : : : : : : :.!
_.... ノl'" /_` ヽ、 /: : : : : : : : : : : : : : : : : ', ヽ l. ヽ-' ヽ-'l./l l: : : : : : :l `''"l/ 、 ﾘ`"゛ ',: : : : :.i: : : l
` ‐-i ｲ/(iｦ (j> /: : : : : :lヽ: : : :.l､: ﾄ、: : : :ヽ. ｌヽ l ｌ: : : : : : :l i.: : : : :l: : : l
/ 人/ ,､ /: : : : : :./=､＼: :l. >-､',: : : : :〉ﾊ r─‐､ r-ﾄl: : : : : : :.ﾄ､ r──‐ｧ ﾊ: : : : l: : : l
7/ l ヽ r‐ ､ /: : : : : :.ﾊ::i::l ヽl l::i::l.〉Y: ∠.... ヽ ヽ.....ノ / i l: : : : : : i:l: :＼ ヽ ノ ／: : l.: : : l: : : l
/ i/l ｌヽ、ヽ ノ /: : : : : : l `''゛ `''゛ ,': : : : / ＞ .._ イ/ ＼: : : : :.li:l: : : :`:.r ､ __. ィ: : : : : :ｌ: : : :ｌ: : :.l、
／ / l l l`'' /／ 7: : : :.', r─ ､ /: : : :.〈￣l／__| l/ ＼: : :l:|l: : : : : j |: : : : : : !: : : l: : :.l ＼
{ ／ ./ / rヾ--‐'ヽ L: : : : ,.へ ` - ' ィ: : l￣￣ ／:::::ﾘ ! ヽ:l lj: : ィ/＿＿＿丶､_... -────- i
ヽ. / 〈／ヽイ::>､／j ／l／ヽ:／l ￣ lヽl＼:l ／::::::::::ヽ.---/ ‐-- ＼／ ,､ '" l
Yヽ ヽ 〉〈 ( ヽ` ､ , へ:ﾌ ﾘ＼ ／＼:::::::::::::::::Y::: r'〆 ＞ l
524 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:57:08.50 ID:F38wr9ko
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＼ヾ／_,,...!!-‐''' ７::::::::| .l'⌒ヽ / 「生きたか……。
>≡ iｊ ／::::::::::| .|'⌒i } ｨ
／ -‐<´ :::::::::| .|'⌒ｌ | /
／＝=‐--- ヽ ::::::::| .|二ﾉ ﾉ /
. ／ __ ) u ::::::::::|/､-‐' ７ お前のおかげだったのかもな」
｀ｰ ､-‐'''´ ::::::::::/::: ヽ /
｀ ｰ┬────‐'::::/;::: ヽ ./
! u.＼/;;:: ヽ ./
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〈 ::::::∧;;:: ､-''´ ;;;;'''／ ヽ、
￣￣￣ rｒ'´ ／ ヽ
権右衛門はふところを確かめると、中から油紙にくるまれた包みを取り出してみた。
525 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:58:05.91 ID:F38wr9ko
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,. -‐‐-, -‐ ' ´ ｀ ‐- ､
／ ／ ｀ ‐､
／ / | ,. -,}｀ヽ ,-､ ｀ヽ
/ ／/ | | ( ＿＿ 〉 ヽ ヽ
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/ ／ ／| | | レ,/ ／::::ヽ | 'ヽ_ ヽ ヽ
| / ／ ヽ ', ', ,､_/| ヽ::::::::l _ L ノ レ‐､ l
| / ／ ヽ ', ', 弋 | γ-' l ｀´ < / |
|／ ヽ ', _| | /::ﾄ{〈｡〉)|.､ ( 匚_ |
レ| ⌒ヽ ＼ ヽ (＿| l:::::l ヾ_,.､/:::ヽ / ／ / |
/ | ､ゝ､ ＼ ヽ ヽ |::::| /::|ヽ::::::ヽ ( /´ |
| | | lゝヽ ＼ ﾍ⌒ ﾚV__/:::::| ヽ::／ l l
l l l | l::l | ｀`＼ ヽ レv'‐/ / ヽ,-┘ / お前は俺たち全員の女神様だよ。
V,,,, ヽﾟ/ / ⌒ ＼ ヽ | L /｀´ / / /
／| ミミﾐヽ､ ｀‐ ､＿| ノ_,. ､ / / /
/-､ | ｀ヾﾐ | / ヽ / ／
∠＿) ', ､ ,,,,,,,,, |/ ／ / ／
┌ ､ / ヽ ､ l l / /-‐'
', ヽ (⌒⌒) |￣ ＼ l´>､__, // ＿／
l ', ＼／ /| ヽ｀ ´ _,. ‐´// ヽ
く´ ヽ| l / ヽ /::ヽ───── ´ /ﾚ |
ヽ ヽ | / |:::::::::::ヽ/ヽ＿ ,. -' |, -‐ ‐-､_|＿
ヽ ヽ | ,.-< / ｀ﾞ`＞､L/l:::::::｀ヽ‐' /´ |, -‐‐-､_/ ｀ヽ､
ヽ / l /／_,..-'::::／/::lヽ::::::::::〉 ヽ ├‐- / ヽ
/ ￣｀`l ０/､ ／ 7::／ /:::::l ヽ:／ ／￣｀ヽ l
l ─ ､ヽ ' | | /:,:::::/ / レ-‐､/ |
ヽ / / | L ´ V / ,.-‐' |
|ヽ ｀´ / ', L / ヽ |
全員が思い思いの喜びを表している中……
526 ：1[saga]：2009/11/16(月) 23:58:57.90 ID:F38wr9ko
杢之助だけがごうごうと熟睡していた。
∠'´--,-､__｀ﾞ≡ ヽ ､iヽ
） ,, ‐'_´_≡ ≡ ミ '‐‐-､
（,-‐-､_ -´_'´´≡, ﾆ､‐､
,/. ） ￣´,,-‐´ 彡, ‐ , -"" ､i
／. ,,,, /／／_,‐､ゝく／,-‐'"´i ll ili i|i ､ゝ
／,ン‐//-ｭ /／i ,Y l＼´ ,,ゝ､ﾊ i|li |__________ ,,,,-‐
, ‐´''''''/'‐"‐片 ｀‐i/ l/ﾞﾞ| 丶く､_ ､|､i ﾉ-､,_,,, -‐'´
-'´,,,,_丘‐-ッ‐i'" / ,| ﾞ ￣ﾞ'' ゝ / ,, -‐
''"´´'" ｀'''‐"､/ i ,,,_´' ヽ /,,-､. /
''''ﾞﾞﾞ"' ‐=､,___ノ ∧. i ｀"''"'‐､_ //ﾞﾉﾉ/ ＿___
‐-＜'‐-､,,ッ' ﾉ | ＼ | ヾ‐､ "´ イ__,,ノ./‐--‐''''"´´￣
ノ ´ | ／ | ＼| , ∧＼ / ,,-
i /-､__／ | | _, ‐ ´ / | ＼‐ ‐ - ／/
l__,,,-‐' ∠_/｀‐-､| ∟‐- ､ / | ＼ ,／ /
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やる夫が葉隠武士になるようです 第２０話 「水増して船高し」 了
原作 『葉隠』 山本常朝・田代陣基
『死ぬことと見つけたり』 隆慶一郎
キャスト
牛島やる夫 佐賀の浪人
斎藤杢之助 常に死人たらんとするいくさ人 （赤木しげる『アカギ』）
やる夫の犬 やる夫につきそう . （シロ『クレヨンしんちゃん』）
斎藤用之助 故人。杢之助の父。したたかないくさ人 （平井銀二『銀と金』）
道白 手明槍。黒土春に住む。殺しても死なない人 （ランサー『ｆａｔｅ/stay night』）
原田四郎左衛門 手明槍。大蛇退治 （アーチャー『ｆａｔｅ/stay night』）
【鍋島家】
中野やらない夫 勝茂近習。やる夫の友人
鍋島直茂 佐賀藩藩祖。名君。突撃バカにして外交の達人 （涼宮ハルヒ『涼宮ハルヒの憂鬱』）
鍋島勝茂 初代佐賀藩主。剛毅 （キョン『涼宮ハルヒの憂鬱』）
多久美作守 佐賀藩家老。老かい。 （利根川『賭博黙示録カイジ』）
斎藤権右衛門 手明槍。杢之助の弟。勝茂の駕籠侍四天王 （天貴志『天～天和通りの快男児～』）
溝田市郎左衛門 勝茂の駕籠侍四天王。無腰で相手の油断を誘う （原田克己『天～天和通りの快男児～』）
溝田市兵衛 鍋島藩の舟業者。卑劣な罠を仕掛ける （曽我三威『天～天和通りの快男児～』）
船頭村紗 船長。乗ると嵐をひきおこす？ （村沙水蜜『東方星蓮船』
供船頭 添伴船の船長。口数少く手先が器用 （日本『ヘタリア』）
舵取 舵取り役。けっこう悲観的 （加賀愛『さよなら絶望先生』）
岡役 見張り役。人並み （日塔奈美『さよなら絶望先生』）
水夫（かこ） 航海士。何事もキッチリこなす人 （木津千理『さよなら絶望先生』）
京人形 カナマジプリティ （金糸雀『ローゼンメイデン』）
阿部さん 葉隠の解説 （阿部高和『くそみそテクニック』）
次回予告
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お そ .い ヽ
か の や |
し り ｀ ,. -──- ､
い .く ／ /⌒ i'⌒iヽ､
つ / ,.-'ゝ__,.･･_ノ-､ヽ
は i ‐'''ﾅ''ｰ-- ● =''''''ﾘ _,....:-‐‐‐-.､
l -‐i''''~ﾆ-‐,....!....、ｰ`ﾅ `r'=､-､､:::::::ヽr_
￣ ＼ヽー'!. t´ r''"´､_,::、::::} ノ` ,.i'・ ,!_`,!::::::::::::ヽ
ヾ、 ゝゝ､,,ﾆ=====ﾆ／r'⌒; rｰ`ｰ' ,! ﾘ::::::::::::ﾉ
i`''''ｙ--- (,iﾃ‐,'i~´,ゝ'´ ￣￣ヽ` :::::::::::ノ
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ヽ/ ･ _ |､ l ヽ／--､ ､ / l
＼'´ l ＼＼ l ヽ ＿ l /
＼ l - :ヽ,､_＼ ＼_＿ノ-､＿_ノヽ ｰ ／ ／
ヽ ヽ lヽ: l ヽ￣l___ / ＼_ ／ , -､ ／
ヽ: ;r-' l ／､ﾉ_ノl ヽ ＼ ___- |＿￣ ---'
ヽ: --'／＞､７’ l ヽ-─ ￣￣＼ /￣ー､
＞' ＼ ヽ ＼ ／ ｰ､
542 ：1[saga]：2009/11/17(火) 00:45:31.52 ID:ImWvAqIo
. ／: : : : : : : : : : ー- ､｀丶、
, ': : : : : : : :- ､ . . ｀丶、｀丶、｀丶ヽ
/: : : : : : . : ヽ: : :｀ヽ、: : ヽ.: : ＼. ＼
, ' : : : : ヽ、:､: : : : :ヽ｀丶､＼: : :ヽ.＼｀、
/::: : : : { ',: : {ヽ､ヽ､::::::. :＼-ヽ=､: : :.';. }.＼
;.:.:.: : : ヽ: : ヽﾍ -＼｀ ｰ- ､} _}_ {ヽ: :}/､
{:.:.:. : : : l＼／＼ ｲﾃ"ﾜ; :}/:.: : ヽ、
. !: : . : : : :.V ヽx=＝ミ ﾏ_:j V:::...: : ＼ヽ
' : :: : : : :ヽ 《 ﾏんﾊ, 丶 ;＼::::::: : ヽ
. ヽ:＼:.:.:.:.:.:.. : ＼ ゝ '’ ,､ 八 ヽ｀丶､|
}.:.:.:.ヽ､:.:.:.:.: : :｀丶､＿ ' ′ ヽ ヽ
. !ﾄ､ :.:::::{丶､:.:_:_: : : :＼ ,.'
. '| ヽ{＼｀ー‐‐ <｀丶: :ヽ -‐ ヽ./￣￣:~｀ ／￣二ﾆ=､
. ヽ|｀丶､|＼ ｀ヽ /:. :. :. :. :. //:. :/;';';';';';';';｀丶､
_ヽ ,':. :. :. :::. :.,':,' :. /;';';';';';';';';';';';';';';'丶、
/.::/｝ ／_; :. :. :. :. :.:j:j: :. ;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';ヽ
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､―' だ 血 て Ｌ（::::(|;;;;;;;/ i从,,二;;;;;､';;､／'"ii||| :: :::::::::::::::::;;;;）;;;／'i'r―――- ､
）' ┃ ／~''､|;;;;;/ ::::::::: '､""''''ｰ､,ヽヽ~'､ミ ::: ::::::::::;;;;''"/;;ﾉﾉノ;;;;￣~i''i'ァ ／
ノ ┃ は. め （~''''::::::t;;/ ::::::::::::: ｀'-､ (:・:)~'' ､;;,,,, :::: ,,r'''~::ノr"ノノ /;;;;;;i;;;;;Ｕﾉノ
) ┃ ヽミ､,_ y' :::::::::::::::::::::::: ~'''ｰ--jヽ;;;;≧z'"" ノ"彡彡" ﾘ;;;;;;;;（);;＿;;;;;＿
7' ┃ な え. ／;t''/ :::::::::::::::''''"''::::::::::i､;;;;ミミ三'''_∠彡､;;;;マﾆ;ノ;;;;､;;;;／／／／＿
ヽﾞ ┃ ／;;;;;ﾘ:/ :::::::::::::::''" ~'-､ヽ /~''ｰ'z;;",,,,>";;;;;;;;ミﾆ="" ""／ ／
/' ┃ に ら （;;;;;;ノir' ::::::::'''" r'~~ヽ, y /::::::~'''ｰ'",/;;;;;;;;;;;;;;~'''ｰ-､､,／ ／
つ ヽヽ t " :::::t~ヽ､ :::::::/､:::::::::''" ノ;;;;;;;（､ｰ---- ､, ）￣
､__ // 色. の ,〉i | :ヽ ,'"i' ､;:::: :::::ヽ:ヽ ﾉ'"::::: ／;;;r､;;;ミ ;;;;ヽ ノ
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" ヽ ,,､-､i":: i. |i:::::: ヽ :::t､ :::::"''~~ ）;;;／'", '";;;;;;（" ､ ヽ,
ヽ／t,,､-ｰ―ｰ ' ::::: ::: t t::: ヽ :::ヽ::｀'､'''-､ __､ノ;／ ／;;;;;;;;;;;;;;;;｀' ｰ--- ､,ヽ
ﾘ| |;;;;/⌒ヽ :::::... :: t t" ::ヽ ::｀' ､､,,~''' ｰ--'' ／;;;;人;;;;;;;;;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;~' ､
やる夫が葉隠武士になるようです 第２１話 「武士の一分」 ご期待ください m( )m
おまけ
勝茂の乗った船が遭難した場所は、播州明石沖であった。
.｡-､ ／
───-^ r゜ !
` ＼ .ヽし,,^-,,,.. .. _,..,,.,/ ! _
! 但馬 ! 丹後 .!...若狭,. . . /
ヽ ヽ..,,,,.／" !
. . ./ ＼ ! 丹波 ./ | /
/ ヽ ／＼ /山! !
,,/ . ./"""""""-" 城 !近/
! 播磨 ./ 摂津 | ◎ !江
;..,,... .、..、. ! .,.、.. / ! 京 }_
-" _ `--"" "゜! -! !--- ﾞ 伊
."> ★ ／/ /和!河! ;_賀
./淡! ./泉! 内! 大 !
､._ ./路 」 .／ . .../,, ,/ 和 !
,. .ヽ__｀､ / "; ! /
" / r'ﾞ / /
阿波 > ! 紀伊 ヽ.. ..,/ ／
／ ヽ ./
ヽ／ ＼ ./
554 ：1[saga]：2009/11/19(木) 22:51:17.92 ID:GFX9qMwo
(⌒ヽ (⌒ヽ
（ ,⌒) (⌒ヽ （
（ ⌒ヽ （ ⌒) ゝ
ゝ ⌒ヽ,, ,,.( ）、,,(
( ⌒ヽ （ ゝ
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／ /..../...::::::::::::}::､:::::ヽ
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j/|:::::/ '⌒_ _⌒ヽ i::|::::}
ﾊ::{ -― ―- }::::::/
（ |::i ''' l ''' i:::| }{ ふー、ようやく落ち着いた。
｀l:::i. l| i:::j/｀
|∧ /ﾊ}
ヽ `ー' ,ｲ/
}＼ ＿_ ／|'
l {
／ '＼
_..-‐r''"{￣＼ ／￣'ｧｰ-..._
, ":::::::::| |＼ ｀ ' ‐--‐ ' ´ ／::::::::::::::::` 、
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浜に上陸し、塩小屋で体を清めて衣服をとりかえ、薬を飲んでひと眠りすると、公は気力を取り戻された。
555 ：1[saga]：2009/11/19(木) 22:53:33.14 ID:GFX9qMwo
/ .: .: :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ヽ､ヽ,
/ .: .: :. :. :. :. :. :. :. :. :. : i:. :. :. :. :. :. :ヽヽ
,' .: ,: .:. :. :. :. ;. :. :./l:. :. /l:. ;. :. :. :. :. :. l
l .i :.l.: :. :.,.i:.., 'l:. :./ l:. / l:..lヽ;.. ;、:. :. :l
l :l:. :l :. :.l l/ l／ l/ l/ l:/ l:. :. :,,!
ﾚl:.r.i :. :. l. ￣｀'ｰ_ ､ , ,._ ' ´＾ !:. :./
!l.'´!:. : l ''!ﾆﾌﾞ '!ﾆﾌ` !:.,i/ 「くそっ、さっきの伴船、あいつが乗っていたのをみたぞ。
ヽｰl:. :l' ,':./' 佐賀に帰ったら、切腹を申し付ける！」
ﾚヽl: l u i l:./
〉N ' ,i/
／l l ヽ , '
,.イ .:.:.! l ヽ、 c. ニ っ ,ｲ.. ヽ、
,.. ' ´. l.:.:.:.:.l. l ヽ、 ´ ／. !.:.:.l..｀ヽ､
,. '´ ...:.:.: .:!.:.:.:.:.:l ヽ ｰ './,' !.:.:.:.!.:.:... ｀ヽ､
....:.:.:.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:l ヽ、 / !.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:.....｀ヽ、
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:li , 'ト ､_ ,. 'ヽ l.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ヽ,
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:..!! /ヽ l O !! ' >':;ヽ !.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.!
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.l l /｀' ､>ｰ'-.く／ ヽl.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!.:l
／￣￣＼
／ _ノ .ヽ、＼
| （●）（●） | 「この風浪ではどうしようもないことです。
. | （__人__） .| 見捨てたわけではありません」
| ｀ ⌒´ ﾉ
. r─一'´￣`＜ヽ }
. `ー‐ｧ , ) , -'~⌒ヽ、
ノ {. ,ﾍ ,l. ゝ、_ .'ヽ).
. ／, ､ _ /. | . ', . .. .ヽ、
（／ / // / / ...| ...|＼..＼＼ ＼_)
/ // / / . . ＼_＼_)､_）
ｰ' {_/ノ ."´
556 ：1[saga]：2009/11/19(木) 22:54:46.63 ID:GFX9qMwo
＜佐賀 佐賀城＞
㍗_＿＿＿＿_㍉
ﾊiti!i!i!i!i!ゝi!i!i!i!iti!
/ゞ≠＝''⌒⌒ヾ=㍍孑
匕ｲ' | 匸匸公匸{ ﾚ′
v､⊥-‐￢イィ仝`ヽ冖ヽ､____,、
,. f戒オ＾ハ^^^^^^^^^^^^^ﾊ^T７′
jﾐｰェァ〆仝＼LL____Lレ'ｨ仝､ヽ､_ｬ_,
ｌi 〃`!宀宀宀宀宀宀宀宀宀宀十イ
_,、ｆtー‐‐‐f_ t|ﾊヽt廴山＿Lゝ' ,二二.`ｰ､__山__!.い､__,、 ゞ;'
,_イr'冫Ｔ宀宀宀7 rjﾚｸゝ～～～￢'´幵幵幵!`iｰ～～～i‐／,.､ゞﾈ,
〆√￣;ゞﾐ;ゞ;ﾐゞﾐ;｢ﾑ__ _厶tiヽＬ山___山_|!_!_!_!_!_!_!_!_!!山___山_,L ,.ゞぃｿゞ;
_ ,,. ﾊゞ;ﾐ爻ゞ;ﾐ父爻;ゞゞﾚ' _／ミY^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^ゞ;ﾐゞ;斗ゞミゞ
ゞ父ゞ父ゞﾐ;ゞ;爻爻ゞﾐ;ゞﾐ沒辷二v_____山___山___山___山___山__山,.ゞ;ゞﾐゞ:杉ゞﾐ
ゞ;ﾐ爻爻ゞ;ミゞ;ﾐゞ;ゞ沙ゞﾐ;ゞ父ゞＬ,人＾＾^^冖宀t､光ﾈ比疋光比疋ゞ;ﾐゞ;t,､､,ゞ爻ゞ
_ '癶/乏ゞﾐ爻ゞ泛幺〃ゞ父ﾐ;ゞ沙〆__,,.ゝtゞゞゞゞゞ`ヽ込戈予疋光ゞﾐﾈ片┤ゞ父ゞﾐ
ュ.-‐フt辷弍仏孑￢冖丁〆_へ池幺孑宀'丁 山 ｜,ィぇ､ |苡ゞ;ミゞﾐゞ;ゞミﾐ父;ゞ;ﾐゞ;ゞ爻
孑フ∠.ヽィ,_,_,_,_,. -‐宀冖Tフ´_,_,._ -‐宀冖! _,_,_レ'´＾ヽゝ. !ゞ;ﾐゞ;ゞ父ゞ;ﾐゞ;爻ゞ;ミﾐゞ;ゞミ
_片7丁__￣ _ nn|__| 丁＾_山,､-t宀冖iT丁叩| |!|{{{{!{{{!|,.､,.xゞﾐゞ;ゞ;ミﾐ;ゞ父爻ゞ;爻ゞ;ﾐゞ;ゞ
ゞ;7___!‐┘ _,､_,ゝ;､_-丁￣ ｎn ｍ Ｌ..!! _二.L‐-,ィゞ爻ﾐヾ;ﾐミゞ父ゞ;父ゞ;ミﾐゞ;ゞ;;ﾐヾミ
ﾐゞf‐tヵュォたゞ爻;ﾐゞ;父ゞミゞﾐﾈ､ｨ-ヵャヤセ乏光[子㍗ゞ;ﾐ爻ゞ;爻父ゞ;ミゞ;爻ゞ;ﾐゞ;ゞヾﾐ;ゞﾐ;
爻沙予疋ゞ爻ゞ;ﾐ爻ゞ;ゞﾐ爻ﾐゞ;ミﾐ片予;ゞ;ﾐゞ;疋市[子ゞﾐ爻ゞ;ﾐゞ;爻ゞ;ﾐ父;ヾ;ﾐゞ;父ゞ;;ミゞ;ミﾐゞ
ゞﾐ;,ゞﾐゞ;ﾐゞ斗ゞ戈ゞ;豕;ﾐゞ;爻ゞ;父ゞミﾐ;ゞ戈ゞﾐ;ゞ杉ゞ父ゞミ爻ゞ;ヾ爻ゞ;ﾐゞ;父ミ;ゞ;ゞﾐ爻;;ゞ;ミﾐ
爻ゞミゞ父ゞ;;ミゞ父ゞ爻ゞ;;彡ゞ;ﾐゞ爻;;ゞ爻父ゞミゞ爻ゞゞ;;ミﾐ;ゞ父ヾ;ゞ父;ゞ;ゞ;ミゞ;爻ゞ;ﾐ爻ゞ;ﾐゞ
557 ：1[saga]：2009/11/19(木) 22:56:53.72 ID:GFX9qMwo
佐賀に戻ると、やらない夫は勝茂の家族から海上での話をしてもらうように頼まれた。
／￣￣＼
／ ⌒ ＼
（ へ）（ へ） ｜
.（__人__） |
ｌ｀ ⌒´ .｜ 「……以上のような次第で、殿は難局を乗り越えられたのでございます」
{ .｜
{ ＿ |
（ヽ、ヽ / ）|
| ｀`ー―‐'| ..ヽ|
ゝ ノ ヽ ノ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
／ ／ ,ｒ‐ｲ,＞ - ─‐‐- ､
/, ｲ ,r ´ > '´ ヽ ＼
〃 / , '//／ｨ ,' i ヽ ヽ
l ｌ ﾚ〃/ ,'／| i | ﾍ ヽ ﾍ
ゝ ! ,ｲ⌒ | ﾊ ヽ } } }
| ,' ヾ ヽ ヽ⌒Ｘ! ! , ┴ - ､
ヽ { r=z､ ヽ ＼ ＼ﾉ , ' ,'⌒ヽ ヽ
. |｀丶、 ﾉヽ! ､ r=z レ'l ,'⌒ヽ! l
! ＼ ｀フ ' ‐ ､ , -―ヽ （｀ ｰ‐ィ ﾉヽ! l l ! あはははははっ！
ﾌ ⌒!/ ｀ ――,-― 'フ￣ ¨ 7''丶､ イ | |ｰ 、 l ! キョンくん、かっこわるーい！
, ｲ __ ,' -"´/ヽ__, ' ﾍ 丶、/l. !, -ヘゝ-'
<___＞'ミ ／ヽ、 , ' ￣ ＼ ﾍ! | -‐‐､>
<、 ry ==z ,' ｀ヽﾉ / ヽ l_ノ! ヽ
,ノ｀ゝ-ｨ > ヽ / ＼ l ﾉ }
| / , --｀'''"-､__ >(⌒ i { ∧ ヽ!´----‐ '
｀ｰ 'ゞ＿＿ ＼ヽ | ＿_ 'ヽ、 <ノ ﾉ
￣￣￣￣´ ゞ--――――--- '
【勝茂十女 お長】
558 ：1[saga]：2009/11/19(木) 22:59:03.78 ID:GFX9qMwo
_ x≦: : : : : : : : : : : : ｀ ヽ
,. ‐ ￢´ ヽ __ : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ、
//: : : :〃 /: : : : : : : : :＼ : : : : : : : : ∧
//: : : :/､_ﾊ≦＾ } : : : : : : : ＼: : : : : : : ∧
. //: : : :/､r=､ ￣ ｀ヽ : : : : : : : : ヽ: : : : : : ∧
. /,': : : :ｲ_`弋ﾉ＝====V: : : : : : : : ﾊ : : : : : : {
/: !: : / :「 `､ r = ､ ヽ : : ＼ : : : ',_＿＿ .ﾊ
|: :|: :.| |rﾐ ヽ: : : ＼: : |￣￣￣ :',
l:.∧: l.: :.l礼} ｨ=ﾐ ', : : :.::.:ヽ|: : : : : : : :ヽ 「まぁ、まぁ、なんということでしょう」
ﾄ:.:∧{.: .:l以} じﾍﾍ ト、: : :.:∧: : : : : : : : ＼
l:.{、:ヽ: :.l , 乏: ハ_ ! ＼: : : :.＼: : : : : : : : :＼
ヽ: ＼:ミ≦、 ｀ｰ " |:.l : : ＼: .: : :ヽ: : : : : : : : : ＼
ﾄ､: : ﾐ=‐ ゝー ｧ }:.|: :.:ﾊ|: :､: : : :}_: : : : : : : : : : :＼
| :＼＿:≦‐､ゝ彡 , ､_// /!j j!: : 〕: :./ ＼: : : : : : : : : : ＼
| :/ ＼ : : : : r､f^､<¨廴. ¨7' / ヽ／´}:ハ､ } , ＜ ￣￣￣}: ヽ
{´￣￣￣￣ ＼ヽ : : ﾊ_ﾐ r､ ヽ 乙 r' / }ヽ、 : : : ＼, ´￣￣了: : ﾙ'
`Y´￣￣￣ ヽ ヽ', : : ﾄ､`､＼ ＼V / / ＞ :z､_} ヽ /: : :/'
＼ ＼ V: :} } }、 ヽ ∨ /, ´, ´ ＼_}＼ l: : /
ﾞ､ V∧ ` ﾍ ∨ ／／ ＼_}＼ l／
【勝茂正室 高源院】
_＿＿__
..:.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ー､
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.: ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
/:.:.ｉ:.:.: ｉ:.:ハ:.:.:.ｌ､:.:.:ｉ:.:.:,.:.:.:.:.:.:. ｉ
／ 〉:.:./ｌ/ ＼:! ヽ:.!ヽﾄ､:ｉ:.:.:.:. ｌ
／ ／:ｌイ ' ｀ ｀ ｌ:.:.ｉ:.:.ｌ 「今はこうして笑い話にできるが、その時は必死だったんだぞ。
/ /／〉:.:.ｌ _＿ ノ ´ ￣ ヽｌ:.:.!ヽ!
ｌ ´ イ !:. ! ‐― ' ｀ー ‐ ｌ / _ﾉ 一生分のゲロを吐きつづけたし、
. ｌ ｉ Y｀ﾊ ｉ !'7〃 おまけにやる夫にもゲロまみれにされた。
. ｌ ' ｉ. ヽ ! .ｲﾂ´
. / / ' _> ―_－ ／ !､
ｌ ／ / ､ ｉ｀ ､ __ イ ／ ヽ_
´ ｀ー‐'｀ / ｀ー､ ,－´ / ＼
ｉ ｉ‐ ´ｉ / ｀ ｉ ｉ´ヽ. / ｀ ､
ｌ ｌ ! /. ｌ ! ﾊ / ＼
. ,| | ヽ/ !＿' V , , ヽ
/.ｌ | /:.:.:.:ヽ / / ／ ｉ
!/! ｌ＼ ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ ／ / / ｌ
559 ：1[saga]：2009/11/19(木) 23:01:04.09 ID:GFX9qMwo
／: : : : : : /: : : :／: : : : : : : ヽ: : : : :: : `､
/: : : : : : : :/: : : /: : ,ｨ: /l: : : l: : |: : : : : : ::ヽ
;´: : : : : : : /: : ／|／ .|/ .!: : /i: : !: l: : : : : :丶
.i: : : : :|: : : : |／ |／ | /|: :|: : i: : : :ﾞヽ
i: : : : ::i: : : ::/ ´￣￣￣`'''' ´ ヽ|: : | .|: :丶
|: : : :,-ﾘ: : : | "疋;:ｿ` '`'-､_.i: : |: |: ヽ
.|: : :/-､',: : | , f:ﾃﾘ` /: : |: i丶 やらない夫が脇差をよこしたら、
.ｿ､::l,.( _ ﾘ､:| l .｀ /l: :/| i ひとおもいに喉を突いてやろうと思っていた。
,|::＼__ ヽ| , //|/ |/
ﾘl: ::| | ′ // よこさないし、けしからん奴ッ、
l::|ﾘ ヽ ` ― - 、 // と思ったが、それで良かったと思っている。
,ﾘ `､ `" ／ﾘ
,----亠--- ､_`.､ ／
/／￣￣⌒`ヽ` ＼::`::-､,_, ´. その時は脇差をもつ気力すらもなかった」
,- ﾞ´ ￣￣＞-､_ ＼::::｀::`-y.
/::/ ∥ ./":::::::::::＼ ＼::::z[].
/::::::| ∥ /::::::::::::::::::::.ヽ `､::{|.
{::::::::| ∥ .|:::::::::::::::::::::::::::`､＿＿,-ｰ―`､
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
／:::::::::::::::::_::_::,-─-───､:::::::::::::::::::::::::::､
/:::::::::::ゝﾞ￣,,-､､_-,‐=＝＝＝┐::::::::::::::::::l:::::ﾍ
/:::::::イ´,-‐ ´`''′ ､__ l::::::::::::::::::::|､::::ﾍ
/:::::::::ト´'´ , , ｀`─ l::::::::::::::::::::l`ヾ､l
!::::::::::l ノ ､ ＿-ｭ､_ l::::::::::::::::::::l::::::｀l
!::::::::::l '´ ,__ ﾌ/Tヽ、ヽ. l::::::::::::::::::::l::::::::!
|::::::::::ﾊ ／,ﾊ､ ' {ｰ';; } 》ｦ:::::::::::::::::::::::::::::! 「そうだったのですか。
|::::::::::::ﾊ ｲ {r' ﾊ ヾzン ´│::::::::::::l:::::::l::::::! なんと、ありがたいことです」
!:::::::::::::ﾊ 弋り ￣´ l:::::::::::/:::::::l::::::ﾊ
V::::::::::::ﾊ ￣ﾉ l:::::::::/::::::::l::::::::ﾊ
V::::::::::::::l ,.|:::::/::::::::::::::::::::::ﾊ
V::::::::::へ ､_- 'ト|::/::::::::::::/::::::::::::ﾊ
V:V:::::::::::＼ ´ , l 〉'う:::::::::::l::::::::::::::::ﾊ
＼!::::::::::!::::｀:::..､. ／ ┌'‐フ::::::::::/:::::::::::::::::::ﾊ
＿」::::::::l:::::::::＜l_｀´ | ,-‐'‐' /::::::::::::/:::::::::::::::::::::::ﾊ
, ´￣ ￣＞::::::::::ヽ |. /｀ D //l::::::::::::へ､:::::::::::::::＿::ﾊ_
/ / |::::::::::::∧‐〈 ┌ ´ / / !::::::::::/ ｀ <´ ｀ヽ､
l l l l:::::::::::l ヽ l l l / l:::::::::/ ヽ ﾉl
高源院は話を聞き終わると、声を上げてお泣きになられた。
そして、やらない夫の方を向いて、丁寧にお辞儀をした。
560 ：1[saga]：2009/11/19(木) 23:02:13.23 ID:GFX9qMwo
後にやらない夫には褒美として、勝茂公が持ち歩いている印籠が譲られた。
また、高源院からは、感謝の印として頭巾が贈られた。
|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿三｜＿___
ｒ‐=ﾆ二三|!:::.:::.:::.:::.:::.:::.::.:. .:.:.::::.:::.:::.|三三ミ〕
{ { （（ {{八:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:. .:.:.:::.:::.:::.:::.|〃ﾉ彡′
. ＼三ﾆｰ＼二二ﾆﾆ==ノﾆﾆ二二二三三三／
. ＼三三三三三三三三三三三三彡 i´Y
ヽ=ﾆﾆ二二二二ﾆ斗ﾃ寸彡'' .::::::: | .:!
/_＿_＿､ｌiililil., ＿＿_ '⌒＼ :| .:|
l {;;;;;;;;;} |liililili| {;;;;;;;;;} :.:r'⌒ヽ ＼|.:::| 似合ってるかな……
｀ ー― ' ｀ー― ' | ､__:: . ｰ=彡!
/ .! ヽ しソ::. 彡 :彡|
. .-―ヽ＿_／ ＼＿_/. ｲ{::: .:.:::::ﾄ､＿＿＿
. . -=''´: : : : : : /: ∧ .. .:..:::!::: ::::::||: ＼∧: : :
. .-=": : : : : : : : : : :/: : |Vﾍ. :::.:. .:.:::: ...::人:::. 〃::::ｸ: : : |:/: : : :
´: : : : : : : : : : : : : : /: : :.:| ＼:ヽ.,,,＿＿..イ:.／ヽ彡'､::::{{: : : |: : : : :
: : : : : : : : : : : : : : /: : : :.:| /彡ﾍ:::::::厂ﾉく ∧ ノ⌒ヽ､:.!: : : : :
561 ：1[saga]：2009/11/19(木) 23:03:41.74 ID:GFX9qMwo
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
. | （__人__） 「殿、一応、聞くまでもないことだと思いますが、
| ｀ ⌒´ﾉ 伴船のものたちの処置は？」
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
.> <
／:.:.:.:.:.:.,:.:./:.:.:l:.:,ｉ:.:.: ｉ: ',:.:.:',:.:.:.:.:.:.',:.:.:ヽ
. /:;:':.:.,:': :/: :.l:.:./l:.ハ:.:.:ﾄ､:',:.:.:',:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.ヽ
/ｲ:.:.:/:.: :ｉ:.:./l:/ !' ヾ:! ヾ!ヽ:.!ヽ:.:.: ::',:.:.:.:.:',
/'/:.:.:.':.:.:.:ﾊ/. !'_＿,,..-' ヾ ゝ､__ﾞ:! ヽ:.: :l:.:.:.:.:.l
l:.:.:.:.ｉ:.:.:.:ｉ'´￣ ￣｀ｉ: :l:.:.:.:.:.l
l:.:.:.:.:ヽ: :l ＿_ ＿ l:.:.!: :ｉ:.:.:l
l:.ﾊ:',:.:.ヽ! -――- -――- }ｲ:.:.:l:.:ﾊ!
!' Ⅵ: :',｀ ｉ ｉ:.:.:ﾊ,' !
{ ﾐ,:.:', .:| ,':.:/ .}
､ヽ,:.', :! ,':./ , ′ 「ああ、なにも問題はない。沙汰なしだ」
＼ゝ', ,':/メ
ヾ:.､ ー ―― ｲｲ/
ヾ:ｉ ､ ￣ ｲ:/ .'
:l ヽ ／ l:'
,-┤ ｀ー－' ├-､
/ ゝ､ 才 ヽ
_,-'´ｉ ｀ヽ ,-‐' ｉヽ､_
／￣￣＼
／ ＼ /＼
| （ ー）（ー）
| （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 「はっ」
| }
ヽ }
／ ⌒ヽ '´(
/ ,＿ ＼ ＼／＼ ＼
と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.
562 ：1[saga]：2009/11/19(木) 23:07:05.78 ID:GFX9qMwo
こうして船を素通りしたものたちもご沙汰がなかったので、人々は感心した。
〃;//;;;ｲ;;;;;i;;i;;;;;;;ｌ;;;;;;;ｌ;;;;ヽ;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;ヽ
r";〃;;;;;;;ｌ;;;;;i;;i;;;;;;ｲi;;;;;;ｌ;;;;;;;ｌ;;;;ｌ;;;;;;;ヽ;;;;;;;ヽ
〃;;;;ｌ;;;;;;;;;/i;;;;;ｌ;;ｌ;;/ ｌ;;;;;;ｌ;;;;;;;;ｌ;;;;;i;;;;;;;;ｌ;;;;i;;;;;;ｌ
ｌ;;;;i;;ｌ;;;;;;ｌ;;ｌｌ ｌ;;;;;;ｌ/ ｌ;;;;i;;ｌ;ﾉｌ;;ｌ;;;;;;;i i;;;ｌ;;;;;ｌ;;;;;ｌ
ﾘｌ;;ｌ;;;;;;;;;ｌ;ｌｌ i;;/ ｌ/,,-≠"ｌ;;ｌ;;/;;ｌ;;;ｌ;;;;;ｌ;;;i
ノ i;;;;;i;;;;;;i＝=-､ ｯz=ｷﾔｌ;;ｌ;;;;;ｌr‐､;;;;八
ﾉﾘi;;;ｌ从ｨ=z=ｬ " 辷 ﾉ/;;;;〃ﾘ ﾉ
ﾘｼ;;ｌ-代__ﾉ ル ｲ"｀‐'
'ﾙiヽ_ｌ ′ __ ／ｼ
ヽ､_ __ __ ／￣7
「_, -‐'⌒ヽ
_,-‐'。 i ｌｌｌ i ｌ
〃ﾞー‐‐ｆ`ｌ-‐' 〈 ｌ ⌒ ｌ ｌ
｀ﾞﾞﾞﾞ(_)ｌ_,i‐‐-‐‐フ ｌ ｌ /ｌー-- ----､
__,-'/" ｌ ｌ ｌ ｌー-- ----'
,-‐' / ｌ ｌ 〈 ｌ
∧,,∧ ∧,,∧ ヽ / i () .ｌ ヽゝ
∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
( ´・ω) Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ ) 処罰なしだってー
｜ Ｕ ( ´・) (・｀ ) と ﾉ へー
ｕ-ｕ （l ) ( ﾉu-ｕ
`ｕ-ｕ'. `ｕ-u' でも、結局だれだったんだろうねー
563 ：1[saga]：2009/11/19(木) 23:08:20.94 ID:GFX9qMwo
のちに、家中の者がこの話を気になりだし、やらない夫にたずねてみた。
／￣￣＼
/ﾉ ヽ､_ ＼ ／
. （ ●）（ ●） | ─
|（人__） | ＼ ／￣￣＼
| ⌒ ´ | /へ ＼
. | | . （（● ） |
. ヽ / | | | 「ねぇねぇ、あの時、
ヽ / . |｀_＿_ | 伴船に乗っていた人物とは誰だったんです？」
.> < . |ー'´ |
. ヽ /
ヽ /
> <
| |
＿__
, -‐ ｀ 、
／ ヽ
ﾊ
,′ ,l
| _,,.ィ"ﾞ l ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
. ｜ ＝ニｰ=彡ﾆ''`ｰ--, | ＜ おまえは何を言っているんだ
l, _ノ⌒,,,_ ,ィ´● ）'"ﾞ |. ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
l =（ ●ﾌ=､; '"^'=''′ ,|
,,. -‐ゝﾊ, ｀ﾞﾞﾞﾞ´ ､ . : :!
~´ : : : : : ｀ヽ:. i i } : : ト､.、
: : : : : : : : : ヽ、 '､＿ノｰ-;ｧ′. : :/ ヽ＼、
:f: r : : : : : : : !丶 ｀ ''ニ'´ ,/ !:: : :｀丶､_
: /: : : : : : : : :! ヽ、 ⌒ ／ : ,i: : : l!: : : : :｀ヽ､
〃: :j: : : : : : : ﾞi ｀ヽ､..,,__,, :ィ":: ,ﾉ:: : : : : : : : : : : :＼
ﾉ: : : : : : : : : : :丶 : : ::::::::: : : : /: : : : : : : : : : : : : : : :＼
564 ：1[saga]：2009/11/19(木) 23:10:31.07 ID:GFX9qMwo
,, -‐ ､
/' ヽ
／￣￣＼ ./ i
／ ._ノ ヽ､＼ / ...........i
| （●）（●） | / ..:::::::::::::::|
| （__人__） | / ..::::::::::::::::::l
.| ｀ ⌒´ .} ./ ..::::::::::::::::::::! 「殿様でさえ名前を出していないんだぞ。
| }/ .::::::::::::::::::::/ 俺の口からそなたの耳に聞かせられるわけないだろ！
ヽ ./ .:::::::::::::::::::/
.ヽ . .／ .:::::::::::::::::::/ 奉公しているものが、そんな無思慮なことできるわけがない」
,. ‐'"´ `'‐,r''"~ .:::::::::::::::::／
..:.／,. -‐‐- ､ l′ ..:::::::::::::／|
:,' ／ !.:::::::／:i..:..l
r ､ / !::::::::::: i..:..i
l .......`:i i !:::::::::: ﾞ､:.i
! ::::::::::/ i i:::::::::: ヽ:i
.! ::::::::/ i .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::| `､ `､ .....::::::::::::l:::::::::::: `,
＼:::l. `､ ヽ::::::::::::::::::::l::::::::::: /'''ー─----､
`ヽ `､ .::::＼:::::::::::::::|::::::::: /,, ,. ‐;''
といって、たずねたものをひどくしかりつけたという。
おまけ ・ 了
