発展と打ち込むとハッテンと表示されてしまう。イイ男です。
　　 　 　　　　　　 , '´ ￣￣ ` ､
　　　　　　　　　　i　r-ｰ-┬-‐､i　　　　　　　　　　　このスレは、隆慶一郎『死ぬことと見つけたり』をテキストに、
　 　 　　　　　　　|　|,,＿ 　 ＿,{|　　　　　　　　　　　『葉隠』を読み解いていくやる夫スレだと思ってくれ。
　　　　　　　　　　Ｎ| "ﾟ'`　{"ﾟ｀lﾘ
　　　　 　 　 　 　 ﾄ.i 　 ,__''_　 !　　　　　　　　　　　 原作リスペクトですすめていくが、内容や解釈が異なる場合もある。
　　　　 　 　　　／　l＼ ー .ｲ ､　　　　　　　　　　　 作品の投下中は反応できないが、突っこみはホイホイ大歓迎だ。
　　　　.､-　 ￣ヽ　　ｌ　 ￣ / 　 `　、─-､
　 　 /　 .　　　 　　　-` ､ノ-─ーﾞ　 　　　ヽ　　 　 r　　　　　　　ィヽ
　　/　　　 　　　 　　 　　|!　　　　 　 　 　 　 ＼　　| ヽ.　　 　　 / / |
　 /　　　　　l　　　 　. 　 | 　 　 　 　 ゝ 　 　 　 ＼_ j　　vl!,⌒ `'ﾉ､ノ
　|　 　　　 |.|　　。　　　　i　　　　。　;; , 　 　 　 ｨ!::::|ゝ'　　＼ゞ＼＼
　.|　　　　　{.|　　　　 ,.---ｧ^!　 　　 |　　　>　 '/| :::|ノ　　　　iゞ､.ヾ! ヽ
　 {　　　　_|└―ｰ／　￣´ |ヽ |＿__ﾉ　 ,／　/　|!__|　　　　　ゞ,..ﾉ`ヽ,ﾘ
　　｝　　　　ヽ__ - 'ヽ 　 ヽ＼　　　　l,. '　 '　　　|!　! ｲ!rz 　 　 　 　 ﾉ'
　 fﾞ　／　 　 　 　 　 ＿　-ヽ＼　　ｲ　　　　ﾉ' ｿ″ ||　　　 ゝ　　　,　 !　　　　　では、いいかな？
　　|　　- ￣　　　／'　-:十:‐' ﾞゝ二＝＝＝＝'/　|r=ォ 　 　 i　 　_j._ l!
　　`＼ ＿＿　／　 ｔ,,__ 小＿／　　/!　l!ﾚ''"/　　ハメ＼　　　／,. --ヽ
　　　　　　　 | ゝ　　　＿│／　イ　/ﾉ!L,ﾉ　/　　∧| ＼:::＼r/:::/ヽ. 　 !′
　　　　　　　|　　　　　／ 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　ゞ.._ ＼::rt::/　　ヽ　ﾞ ､
　　　　　　/　　 　／/　　　　　　　　 　 　 　 ' 　　　　`rーゞﾗ　rｬ　　　 i
　　　　　/　　 　 　 /　　　　　　　　　　　　/　 　　　 /　　 ヽ..:.:ゞ!､,.._ ,.:j
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,　　　　　/　　　 　ゝ':.´: : : ./　ブルル
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　` ﾆﾆフ　　　　　　　　　












　　　　　　　／..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ､
　　　　　 　(,､:::::::::::_::::＿,､::::::::::::::..ﾞ:、
　　　 　　　.l　｀'＾'´ 　　　 }::::::::::::::::::i
　　　　 　　._　　､＿＿,､ 〈:::::::_::::::::::|　　　　以前に書いた「山内のもの」の話では、
　　　　　 　 !）　　ﾍﾗヾ´　ﾞ! /ﾍﾞ!::::::|　　　　　佐賀藩の一体感とか勝茂が百姓身分のものに対して粗略に扱わない
　　　　　 　.ｿ　　 ｀｀`　ｉ　 ｿ,iﾉﾉ::::::|　　　　　ことを書きたかったんだが、わかってくれただろうか。
　　　　　　 ヽ,-　　　　 !　 ｼ_,ｲ､:::::l
　　　　 　　 　i＝=-　　　　ｲ　　 ヾﾍ
　　　　　 　　, ゝ.￣　 _,.ィ　 i
　　　　 　 , ´　 ﾞ'ーイｼ″　,
　　　　　/　　　、 ＼ヾ 　 /　　　　　　　　　　今回は、その補足として『葉隠』のエピソードをとりあげたい。
　　　　　i　　　　｀　　＼,ﾒ--─
　　　　　ﾊ.　 y　　　　 /
　　　　/　　　i　　　　 ﾐ









　　　　　　　　 _,r'´::::::::::::::::::::::::::｀'､.
　　　　　　　　{::::::::rr-‐-‐'^i::::::::::::::i.　　　　
　　　　　　　 　ﾞl'´ﾞ《　　 __,,,ゝ:::r､:::::l　　　　
　　　　　　　　　ﾄ=r;､ ﾞ"rｨｧ‐ﾘﾒ　}:::::}　　　
　　　　　　　　　 ﾞi`"l　　￣　 　 ｿ::::ヽ　　　　　　　　　　　まずは、石井八郎左衛門の話。
　　　　　　　　　　ﾞi. ゝ^ 　 ,　　/ヾヾヾ､　
　　　　　　　　　　 ヽ　ﾞこ´　 /　　　　 ヽ､
　　　　　　　　　　　 ヽ､　 ／__,∠､　　　　｀'-､
　　　　　　　　　　　　　｀ﾞｸ'ﾞ´　　　｀　　 　ﾞ'､　ヽ　　　　　　苗字を持っているということは、一応、士分なんだろうけど
　　　　　　　　　　　 　 /　　　　　　　　　　　〉 ヽヽ　　　　　どうやら身分が低いもののようだ。
　　　　　　　　　　　　ｨ　　　　　　　　　　　　　　 ヽヽ
　　　　　　　　　_,,-'´:::　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞi
　　　　　　　 ／　　　 ｀　　　　　　　　　　　　　 　 　 }
　　　　　 ／　　　　　　　　　,-ｨ‐r'´´　　　　　 /　　　l
　　　__r'〈　　 　　　,ノ　 　／ ``｀l 　　　　　　/　　 　 l
-‐ ´　　　　　 ‐ '' ´　　／l:::　　　 l 　　　　ｰ'´ 　 　 　l






489 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:07:46.60 ID:Gz.jG4Qo







(聞書８の２４）

『石井八郎左衛門がフナを献上したこと。

勝茂公が夜の鷹狩りをなされて、あちこちと歩き回られていた。






　　　　　　　　　　　　　　ﾟ．；・　‘　　　　　　　　　　　．　+
　　　　　　　　　+.　　。・　　　　　　　　 　,-ｰ 、
　　　・　　　　　　 ；・．　　　　　　　　　　（　⊂,
　　　　　　　　　：’　　　　　　　・'　　　　　`ー'　　　　．
　　　　　　　∵’　　　　　　　　　　・
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　　　　．　　　　　__,,,,一'''''~~~`-,,
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　　　_,,-''~　　　　　　　　　　　　　　　`_,-'~　　　　　~~ー, 、
　　~　　　A A　∧ ∧　　　　　　　　　　-,,　　　　　　　　　'~ '' -ー,,,,____
　　　　　/　　)/ ⌒´丶　　　　　　　　　　　　~`ー,,,,
　　　　 (　　 （　　　　 ）　　　　,,,、。、十/i~i~i~i#:　~~''--,,,,
　　`'~`'''`'`'`~'~~`~'`'`''''”`'`'~`~'~`”'`'`~'~~`'`'`~'~'~'~~'`'`'`'~'~'~`









　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : /: : : :／: : : : : : : ヽ: : : : :: : `､
　　　　　　　　　　　　　/: : : : : : : :/: : : /: : ,ｨ: /l: : : l: : |: : : : : : ::ヽ
　　　　　　　　　　　 　;´: : : : : : : /: : ／|／ .|/ .!: : /i: : !: l: : : : : :丶
　　　　　　　　　　　 .i: : : : :|: : : : |／　　　　　　|／　| /|: :|: : i: : : :ﾞヽ
　　　　　　　　　　　 i: : : : ::i: : : ::/ ´￣￣￣`''''　　　´　ヽ|: : | .|: :丶
　　　　　　　　　　　 |: : : :,-ﾘ: : : |　 "疋;:ｿ`　　　 　'`'-､_.i: : |: |: ヽ
　　　　　　　　　　　 .|: : :/-､',: : |　　　　　　　　　, f:ﾃﾘ` /: : |: i丶
　　　　　　　　　　　 .ｿ､::l,.( _ ﾘ､:|　　　　　　　　　l .｀ 　 /l: :/| i　　　　　
　　　　　　　　　　　　　,|::＼__ ヽ|　　　　　 　　 　, 　　 //|/ |/
　　　　　　　　　　　　　 ﾘl: ::| |　　　　　　 　　 　′　 //　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　 l::|ﾘ ヽ　　　 ` ― - 、　　 //　　　　「こんな夜分おそくに川釣りしてる奴がいるぞ」
　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾘ　　 `､　　　　`"　 　 ／ﾘ
　　　　　　　　　　　,----亠--- ､_`.､　　　 　 ／
　　　　　　 　　　 /／￣￣⌒`ヽ` ＼::`::-､,_, ´.
　　　　　　 ,- ﾞ´ ￣￣＞-､_　　　　　＼::::｀::`-y.
　　　 　　/::/　 ∥ ./":::::::::::＼　　　　　＼::::z[].
　　　　 /::::::|　 ∥ /::::::::::::::::::::.ヽ　　　　　 `､::{|.
　 　 　 {::::::::|　∥ .|:::::::::::::::::::::::::::`､＿＿,-ｰ―`､

　　　　　　　　　　　　　　　【佐賀藩主　　鍋島勝茂】






490 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:08:52.19 ID:Gz.jG4Qo






すると、川で魚を釣っているものに出合われた。






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　/
　　　　　　　＿＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　/
　　　　　 ／　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　/
　　　　　┐　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　/　/
　　　　　/　　　　　　　　　　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　/
　　　　 /　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　/　/
　　　　/　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　/　/
　＿∈＝＝＝＝＝＝＝＝＝∋＿＿＿ーーーーーーヽ　　　　　　　　　　 ＿＿/　　 /　/
　　＿＿＿＿_＿＿＿＿＿＿＿＿＿ーーー￣￣￣￣ﾉ　　　　　　　　＿─ 。─二◎　/
　　　　/　　　　　　/ ヽ/ /・/ /　　 ＼ヽ　　　　　　　　/　　　　　　　　[]─￣U￣。ヽヾ /
　　　　|　　　　　　 ＼_.　ヽ/ /ノ|丿|　|　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　|　◎　　　|　/
　　 ＿＞　　　＿＿／　 ＼__つ　　|ノ　　　　　　／　　　　　　　　　　　　「＼＿___／ヽ/
　＜＿_＿「￣　　　＼＿iーーーヽ　　　　　　／　　　　　　　　　＿＿　　|　ヽ──┐/
　　　　/　　　　　　　／　　／／─--/￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　／─/　　　　　ヽ/
　　　　|　　　　/　／　　 　 | |　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　|　　ヽ　　　　　ヽｿ
　　　　|　　　　￣　　　　　 | |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|√─＿＿─ヽｿ
　　　　|　　　　　　　　　　　| |　　 /　　　　　　　　　　　　　　　￣￣　　　　　/　　/
　　　　ヽ　　　＿＿＿＿＿＼＼/＼　　　　　　　　　　／)　　　　　　　　　 /＿_/
　　　　　ヽ　　/　　　　　￣￣　　　ヽ　　　　　　 _　／／　　　　　　　　　　|　 /
　　　　　　ヽノ　　　　　　　　　　　　 ヽ　＿＿　/ ） 　 ──つ　　　　 　　 |__/
　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　 ヽ　 /─|　＼　二二_つ
　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　 丶|　　　　 |ヽ　─つ
　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　 |┘￣ゝ─／￣
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　 　 |

　　　　　【佐賀藩士　　石井八郎左衛門】







492 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:09:45.14 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　　　　 　　 　 __,,,､,, 　 ,,､- ､
　　　　　　　　　　　　 　 ／´: : : : : ｀´: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :',
　　　　　　　　　　,': : : : : : : l: : :/:./　∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
　　　　　 　 　 　 l: l: i: : l ／!／∨　　 |/　∨∨!: :::::::l
　　　　　　　 　 　ﾚ!: !: :l i"⌒"'-､　　　,､-'''⌒`l: :::::ﾍ!
　　　　　　　　　　 ∨ﾍ i | でラ`　 　 , 　f∃ｿ /::∧|
　　　　　 　 　 　 　 !ﾍ∨ゝ　 　 　 　i　 　 　 ∧ｿ
　　　　　　　　　　　 ﾚヽi l.　　　 　 　ｊ　　　 ∧ﾉ
　　　　　　　　　　 　 　 ﾚﾍ　　　__＿___　　/ﾉ　　　　　「とれるか？」
　　　　　　　　　　　　　　∨＼　ヽ __ /　／ ′
　　　　　　　　　　　　　／i｛　 ＼　`　／i
　　　　　　　　　　　 　/:::::l ﾍ　　 ｀　´　∧＼
　　　　　　　　　 _,,-''/::::::::l　　` ｰ､　,／　.i:::::＼､,_








　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　 ／　　　　　　　　ヽ
　　　　　┐　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　/　　　　　　　　　　 　 ヽ
　　　　 /　　　　　　　　　　　　　|
　　　　/　　　　　　　　　　　　　 |
　＿∈＝＝＝＝＝＝＝＝＝∋＿＿＿ーーーーーーヽ
　　＿＿＿＿_＿＿＿＿＿＿＿＿＿ーーー￣￣￣￣ﾉ
　　　　/　　　　　　/ ヽ/ /・/ /　　 ＼ヽ　　　　　　　　/
　　　　|　　　　　　 ＼_.　ヽ/ /ノ|丿|　|　　　　　　　 ／
　　 ＿＞　　　＿＿／　 ＼__つ　　|ノ　　　　　　／　　　　「ああ、今夜はよく獲れる」
　＜＿_＿「￣　　　＼＿iーーーヽ　　　　　　／
　　　　/　　　　　　　／　　／／─--/￣￣￣￣￣￣
　　　　|　　　　/　／　　 　 | |　　　　|
　　　　|　　　　￣　　　　　 | |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿







そのものは、相手が勝茂公だとは気づかなかった。






493 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:10:37.15 ID:Gz.jG4Qo









　　　　　　　　　　　　　　　_, ‐ ' ﾞ￣ﾞヽ,
　　。　ﾟ,　　　　　　　　, 'ﾞ　 　 　 　 　 ）
　　　　。　　　　　,ノ!,'　　　 　 　　 ◎/
　　ﾟ　ﾟ,,.. --─- ﾉﾞ!,/　 　 　 　 　 　 ,'　　　　　　　　　　　　　　　　　 _
　 て　 ￣ﾞ'i;　　ﾉﾞ!,!ﾞ 　 　 　 　 ﾞi, ノ　　　　　　　　　　　　　　　,:; 'ｖ⌒ヾ〉_,.　　　'　‐　.,_
　 てて　。　ﾞ'ﾞ ,!V　　　　　　 　 ,ﾞﾞ :,　　　。　　　　　　　　　　　　ﾞ'f99ia._）^~　 　 　 　　 ﾞ)
　!.　 ,ﾞ　　　 　 !!.,i　 　 　 　 　ノﾞ,　 .'.,　　　。　　　　　　　　　　　 ）⌒ヾ_.　　　　 　 ,.. ‐'ﾞ
　 　.|　　　　　 ! !_!_　　　　　,'ﾞ　　i.,_　ﾞ,　　　　　　　　　　　 　 .,_ノ .＾ﾌb'-'=ｙ-‐ ' ﾞ
　i i |.　　 　 　 ! .!_!　　　　,ﾞ　　　゜　ﾞ!i,'　　　　　　　　　　　 　 !ﾞk,＼（
　 　.!.　　 　 　 i .i'i　　　,ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,べ,ﾍへべ,_
　i 　.i. 　　　　　ﾞ, ',　　　!　　　　　 　。　　　　　　　　　　　　Ｙ（　　　〉　ヾ＼
　　! i ',　　　　　　'!,', 　　!,　　　　　　　　。　　　　　　　　　　 〉　ﾍ　　　　 　 ゞ＼
　ﾍ　　' ,　　　　　　' ,　　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （　　　　　ゝ　Ｙ　　　〉
　　 　ﾍ ＼.　　　　　 ＼　　' ,　　　　　　　　。゜　　　　　　 　.ゝ　〉　　　　　　　ゞへ
　＼ へ 　 ＼.　　　　 　 ＼,. ﾞ'　,　　　　　　。　゜。　。 ゜　　　 「ﾞＹ　　　く /　　　へ入
　　へ　　＼　＼ 　　　　　　　ﾞ ' ‐ﾞ '_‐:,_　　　ﾟ）＼ﾉヽ　　_,, 〆、　ゝ゜　。ﾟヘ　く　 ﾍ　〉、
　　　　 へ　　　　'　., 　　　　　　　 　'!　!　　ﾟﾉ)＼)＼λ　　＼＼＼）)＼ﾙ))＼「　　　 〉入
　　　　　　　　 　へ 　 '　,　へ ノ（ノ（ '.,_'　ノ　)＼λ　）＼　） ） .） ） )) ＼∠~く　　へ　べ＼







494 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:11:48.14 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　　　　 　　 　 __,,,､,, 　 ,,､- ､
　　　　　　　　　　　　 　 ／´: : : : : ｀´: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :',
　　　　　　　　　　,': : : : : : : l: : :/:./　∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
　　　　　 　 　 　 l: l: i: : l ／!／∨　　 |/　∨∨!: :::::::l
　　　　　　　 　 　ﾚ!: !: :l i´""'''ｰ-　　　,､-ｰ'''` l: :::::ﾍ!　　　「おお、こいつは大きなフナだなぁ。
　　　　　　　　　　 ∨ﾍ i | ｒ=＝ｧ　　　,　r≡=､/::∧|
　　　　　 　 　 　 　 !ﾍ∨ゝ　 　 　 　.i　　　　 ∧ｿ　　　　　　明日にはそいつを食べるのか。
　　　　　　　　　　　 ﾚヽi l　　　　　　 ｝ 　 　 ∧ﾉ
　　　　　　　　　　 　 　 ﾚﾍ　　　__＿___　 　/ﾉ　　　　　　　　うらやましいな」
　　　　　　　　　　　　　　∨＼　ヽ __ /　／ ′
　　　　　　　　　　　　　／i｛　 ＼ 　` ／i
　　　　　　　　　　　 　/:::::l ﾍ　　 ｀　´　∧＼
　　　　　　　　　 _,,-''/::::::::l　　` ｰ､　,／　.i:::::＼､,_
　　　 　 　_,..-.:":::::::/:::::::::::i　　 /;;ﾍ__!入　 l:::::::::＼`::..､,,_








　　　　　　　　,.＿,,,------,,,,,.
　　　　　　　ｒ'　,.;　=　~ -　Ｚ:::ﾍ
　　　　　　　l　　::::.... :::: :::: ::::::::::ﾞl　　　　,..-,
　　　　　　　l　　;......　:::::.''' '':::::::: l　 ,,-'',.-'' 　　　　　　　　　「なに言ってるんだ、この野郎！？」
　　　　　　　l ,::::::'''':::......::..........::::::り-',.-'',..........,,''~
　 ＿＿＿,-'::::::::::'''''':::::::'''''::::::''''''乂--二二ﾆ''"~
　　ﾞ-----､＿＿_　　　　　　＿＿＿,---''
　　,ｒ'::::::::,.-v--ｧ::,=~=-'"丈O::l　ﾘ''"大 　　　　　　　　　　「こいつは旦那の分だ。
　 l::::::::::::l　l-ﾞl. l　ﾞ-'' l　　l　~~,l ,l -ｶ l~~＼
,.--l:::::::rゝ､こ l ﾞ---" --;`-〃メ,....,=' ,;　　｀＼,. 　　　　　　旦那はフナが好きなんだ。
　　ヾ::::::l　￣"ｚ""　ー-''''''''"/　 l　 ,/　　　　 ,.~
､　　　　 l　　　l｀~~-- ､　　,イl　　l　/　　　　/ 　　　　　　　初取りのフナはいつも旦那の分と決まってるんだ」
..l　　　　.l　　 .l　／ ＼:::::::／ '＼ l /　　　　,'　 ,-
..l　　　　ll　　　''"　　　ﾞ--'　　　　''ll　　　　;　./
..l　,====l　　　　　　　　　　　　　 l'''ﾞ~~~-::､　l






495 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:12:42.43 ID:Gz.jG4Qo







翌朝、台所役が食事の献立についてうかがってきた。








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,.-'⌒ヽ,　　　　　　／⌒＼
　　　,.‐､,ノ⌒ヽ_　　　　　　　 ノ　　　　　ヽ、　― （ ﾟ ∀ ﾟ ） ―　ｱｻｰ
　　,ﾉ　　　ノ　　 ヽ＿_　　　(´　　,ノヽ　　　 )　　　 ＼＿／
　(´　(⌒´　＿,.-――'　　,.-'　(´　　　　　｀)｀ｰ-､/　　ノ⌒ヽ、
　 ｀ー-―'´　　　　　　　(´　　 ,ヽ、　(⌒　　　　　ヽ、(　　　 ,;ヽ
　　　　　　　　　　　　　　｀ｰ-'´ ⌒'ー､,,,,,,,,..,,.-'￣￣　 ｀ー'´　´









　　　　　　　 __ ...　-‐ ､
　　　　, -.::''.:::::::::::::::::::::..`ｰ-.､
　　 ／::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
　　イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
　　 /::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l
　／　|::|　ﾃ''ｯ､｀ 丶ｰ- ､　i;:::|::::::/
　　　.|::l　　　　,　　 'ﾃ''ｚ､ l:::ﾘ::::::i
　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ　　　　　　「しばらく待て。うまそうなフナが来るはずだ」
　　 　 ﾊ　 　｀　　　 | .| l .| |ノ
　　 　 ,小.　丶-　　 .| .l/././､
　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　 ￣ﾞ'ｰ､
''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　 ／　　　　/　ヽ
　/　　 ヽ､　,ｨl　　　イ /　　 　 /　 　ヽ
./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　 　,　　　　 i
'.‐'"　ヾ{;:::;}::;;/|.　　　l.　　　 /　　　　　|







497 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:13:37.14 ID:Gz.jG4Qo







すると……







　　　　　|┃三
　　　　　|┃　　　　　　　　　 ,.＿,,,------,,,,,.
　　　　　|┃　　　　　　　　 ｒ'　,.;　=　~ -　Ｚ:::ﾍ
　ｶﾞﾗｯ.　|┃　　　　　　　　 l　　::::.... :::: :::: ::::::::::ﾞl　　　　,..-,
　　　　　|┃　　　　　　　　 l　　;......　:::::.''' '':::::::: l　 ,,-'',.-''
　　　　　|┃三　　　　　　　l ,::::::'''':::......::..........::::::り-',.-'',..........,,''~
　　　　　|┃　　　＿＿＿,-'::::::::::'''''':::::::'''''::::::''''''乂--二二ﾆ''"~ 　　　　「昨夜とりましたフナです。
　　　　　|┃　　　 ﾞ-----､＿＿_　　　　　　＿＿＿,---''
　　　　　|┃三　　,ｒ'::::::::,.-v--ｧ::,=~=-'"丈O::l　ﾘ''"大
　　　　　|┃三　 l::::::::::::l　l-ﾞl. l　ﾞ-'' l　　l　~~,l ,l -ｶ l~~＼ 　　　　　　　勝茂公、どうかお召し上がりください」
　　　　　|┃　 ,.--l:::::::rゝ､こ l ﾞ---" --;`-〃メ,....,=' ,;　　｀＼,.
　　　　　|┃　　　 ヾ::::::l　￣"ｚ""　ー-''''''''"/　 l　 ,/　　　　 ,.~
　　　　　|┃三､　　　　 l　　　l｀~~-- ､　　,イl　　l　/　　　　/
　　　　　|┃　 ..l　　　　.l　　 .l　／ ＼:::::::／ '＼ l /　　　　,'　 ,-
　　　　　|┃　 ..l　　　　ll　　　''"　　　ﾞ--'　　　　''ll　　　　;　./







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　 　 　　 ﾚ1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/<､　 　 　 　 　 　 　 　 ﾚ1、
　　　　　　　　　　　　　　 　　__人j⊥=-‐――――---‐'ヽミ＝- ､__
　　　　　　　　　　　　　　,.　'´　 ,.　-----――‐‐　' ´　 厂｀ー‐‐一'´
　　　　　　　　　　　 ,.イ´　　　　 ,ィ　　　　　 　　 　　 ／
　　　　　　　　　 ,. '´,r- 、 　　／/!　　　 　　 　　　,ィ′
　　　　　　　　／、　　　 ヽ∠r,彡′　　　　　 _,ｒ‐くﾐ|
　　　　　　 ／r｡, l　　 　　 ! 　｀′ 　　　 ,.　'´　　　ヾ!
　　　　　 /::-‐ﾍノ　　　　 ﾉ　　　 ,.ｒｭ‐＜
　　　　 /‐-_-､_j　　　　ノ　 __,.ィー┬一'
　　　 　｀,.ﾌｒ'´ ___,.ﾆ='´‐ '´　　ヽミミ!
　　　　　 ￣￣　　 　 　　 　 　　 ヾ_j








言われたとおりに石井は鮒を献上したという』






498 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:14:30.81 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　　 　 ＿_
　　　　　　　 　 ,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
　　　　　　/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
　　　　　 ,!;;;!ﾞ`''～^～ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!　　　　　　なかなかいい話じゃないの。
　　　　　 |;;;|　　　　 　ﾉﾘ　　　　　ﾐ;;;|
　　　　　_ゞ;! r─-- ､　　,rｪ--- ､ﾐ;ﾘ
　　　 　 !ﾍl;|. ぐ世!ﾞ｀｀　,ｨ '"世ﾝ　｢ヽ　　　　　上も下も、どちらもお互いを大切にして、通じ合っている。
　　　　　!(,ﾍ! 　￣'"　　|:::.` ￣　 ,ﾄﾞﾘ
　　　　　ヽﾞ､!　　　　　　!;　　　　 ,ﾚｿ
　　　　　　 `| 　　 　 ^'='^ 　　　 ﾑ'′
　　　　　　 ,rﾄ､　　ー- ─-:　　/|　　　　　　　八郎左衛門は、勝茂の顔を知らなくても、
　　　　_..／ i| ＼　　 ===　　 ,ｲ.:ﾄ､　　　　　　殿様を大事にしようという誠意が伝わってくる。
　　　 ／　　i|　ﾞ､＼　　; 　 ／ﾘ.:;!:::＼､＿
　　　　　　　ﾞ!　 ﾞ､　`ｰ─''ﾞ:::;:'::::|::::::::::＼
　　　　　　　 ﾞ､　　　　　　:::/::::::|::::::
　　　　`ヽ、　 ﾞ､　　　　　./　　.|　 ,-､、








　　　　　,,　- ―-　、
　　,. '" _,,. -…;　　　ヽ
　 (i'"（(´　 __ 〈　　　　}
　　|__　r=_ﾆﾆ`ヽｆﾊ　　}　　　　　　　もう一丁、勝茂の話をいこう。
　　ヾ|! 　 ┴’　　}|ﾄi　 }
　 　 |! ,,_　　　　　 ｛'　 }
　　　「´ｒ__ｧ　　　./　彡ﾊ､　　　　　次も似たような話なんだが、まぁ、勝茂がやっちまった話なんだ。
　　　 ヽ　‐'　　／　　　"'ヽ
　　　　 ヽ__,.. ' ／　　　　　ヽ
　　　　 ／⌒` ￣ `　　　　ヽ＼_
　　　 /　　　　　　　　　　　i ヽ　＼






499 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:15:22.54 ID:Gz.jG4Qo







（聞書４の４１）

『勝茂公が白石で狩りをなされた。昼を過ぎると、天候が悪くなってしまった。







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500 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:16:15.60 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　　　　　,´:::::::::::::く::::::::/ヽ(⌒ｿ´´ヽ／::::::::::::::!:::::::::::::::::::ゝヽ.
　　　　　　　　 　 　 　/::｛::::::::::::::::＞:i 　 l7i　　　/:::::＼:::／::/:::／::::::::::::::::i
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　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　.　＼
　　　　　 ／ノ　　　＼ 　　＼
　　　　／（●）　（●）　　u　＼　　　「あそこに民家がございます。
　　　　|　u　 __´__　　　U　　　 |
　　　　＼＿ `ー'´　　　　＿／
　⊂ ヽ∩　/　　　　 　　　＼　　　　事情を説明して火に当たらせてもらいましょう」
　　'､＿　＼|　　　　　 　　　|
　　　　　＼　＼　　／　　／

　　【佐賀藩士　　中野将監】






501 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:17:13.00 ID:Gz.jG4Qo






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　　　　　 /ヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾヾ
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　　　　　　／　　￣￣ 　と 　） ）　 ﾉ 　_丿～　￣￣￣￣￣￣￣￣
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その家には老婆が一人いた。







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　　　　　　　ヽ　　　　　彡"""::::::::::::::
　　旅　大　　ヽ　　　　,,,,,'''''''::::::::::....""
　　の　変　　　 i＝''":::::::::::''''''''''':::::::::::
　　お　で　　　 |　彡　　 ,,,,,､､-ｰ-ヽ::::
　　人　し　　　 |;; ('''""~;;;;:::::::::::::､ミ''t:::
　　　　 た.　　 ﾘノ::::::::::;;､'-;;;､--- ､ミｰ
　　　　 ね.　　ﾉ:::::::::::;､-＝三＝"､"~ｱヽ
　　　　　　　ノ＝=､:（""'-､､,,,,, 　ﾘ'''"ヽ 　　　　「今朝はひとしお冷えます。
､,　　 ,,,,,,,r,iY　:::::::::: ,｀'ｰ――ｰ '"
/ ~''"､,,, ､-j::::::::::::／::⌒ヽ､､､,,, ,,,,,,
|　　　　 ;（/::::::::::　,,,､､／~ ~'' ｰ- ､-､:::ii
､;;;;,,,,､､::ﾉ（｡ ﾟ：, ／;;;;;;"　/　/iﾘ"　i ｀t:ii: 　　　　さぁさぁ、どうぞ囲炉裏におあたりなさい」
..ヽ,''（( ''j:::::'､,,,,/ﾉ;;;;;"＿,,,,, ､､ ｰ''"｀~tt
,､-'ヽ＼{　~'ｰ''､'';;;;;;;､ -ｰ ''", '　　　　t ）
　　　ヽ ｀' ､" ｀ｰ-､､-ｰｰ''"　　　,,,､　 Y
,､-''::::::ノ' ､｀　　　　,､===､iiiii''""::"　　ij
''"::::／　　ヽ|i ｀'-'"　　　　ヽヽ'''"　　,rﾉ
::,､ ''　　　/ﾘ'i　::::::: 　　　　　　　　　/ノ／
"　　　　/ |:: |, ::::::::::　　　　　　　 /"::::::::
　　　　/　|::: |:i　:::"　　　　　　 ／:::;;;;､-'
　　　 /　 |::: |､'ｰ ､　　　　 ､-'""""／






502 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:20:12.24 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　　　 　 　 　 _,..-－-､,..-‐.､_
　　　　　　　　　　　　 ,..‐:':.:.:.:.:.:.:.:,:.':.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:ー...､
　　　　　　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.､:.ヽ
　　　　　　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.,:.:./:.:.:l:.:,ｉ:.:.: ｉ: ',:.:.:',:.:.:.:.:.:.',:.:.:ヽ
　　　　　　 　 . /:;:':.:.,:': :/: :.l:.:./l:.ハ:.:.:ﾄ､:',:.:.:',:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　/ｲ:.:.:/:.: :ｉ:.:./l:/　!'　 ヾ:! ヾ!ヽ:.!ヽ:.:.: ::',:.:.:.:.:',
　　　　 　 　 /'/:.:.:.':.:.:.:ﾊ/. !'_＿,,..-' ヾ ゝ､__ﾞ:!　ヽ:.: :l:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　l:.:.:.:.ｉ:.:.:.:ｉ'´￣　　　　　　　　　　￣｀ｉ: :l:.:.:.:.:.l
　　　　　　 　 l:.:.:.:.:ヽ: :l　　　＿_　　 　 　 ＿　　　l:.:.!: :ｉ:.:.:l
　　　　　　　　l:.ﾊ:',:.:.ヽ!　-――-　　　　-――-　}ｲ:.:.:l:.:ﾊ!
　　　　　　　　!'　Ⅵ: :',｀　 　 　 　 　 ｉ　　　　 　 　 ｉ:.:.:ﾊ,'　!　　　　「ふ～、おかげでひと心地ついた。礼を言うぞ」
　　　　　　　　　　{ ﾐ,:.:',　　　　　　　.:|　　　　　　　,':.:/ .}
　　　　　　　　　　 ､ヽ,:.',　　　　　 　 :!　　　　　　 ,':./ , ′
　　　　　　　　　　　＼ゝ',　　　　　　　　　　　　　,':/メ
　　　　　　　　　　　　　ヾ:.､　　　ー ――　　　 ｲｲ/
　　　　　　　　　　　　　　ヾ:ｉ ､ 　 　 ￣　　　 ｲ:/ .'
　　　　　　　　　　　　 　 　 :l　ヽ　　　 　 ／　l:'
　　　　　　　　　　　　　　,-┤　　｀ー－'　　 ├-､
　　　　　　　　　　　　　 /　ゝ､ 　 　 　 　 　 才　 ヽ









　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/::　,　 ,;　.::　,:　 ,:'　　 ;:　 ::..　;　':.　　　`､
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::　 l, 　il　;;::　;::　::.　　 ;:::. ,;　::. 　 ::..　　 ,,｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::　　li,　{l;;　'';; ';;i;;,,i;;,,,;;; ,';:::　:i:::　:! :::;;;　..::::}
　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 /::　　　{{,,　 ＼X^....　　　 ﾞ´~~~`''''''''''''{;;::::;;'' }__
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 iﾞ:::..　　　　＼／::　::　　.::: :. :.　:::.　.::::::. {　// iﾞ`､~'''-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　l::.::::::::;;;;;;　／::::　_;;;_ _　_ :::::.:::::.::　　.::::: {// ./　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　　　　＼/~,,,,,ヽ/:: :.　,';;:::;;;;;;;::.'.　　　　 ＿;;;;;,,{,　/‐､　　`､
　　　　　　　　　　　　　　　　　,,-'''~ﾞi { :::ﾞi |~`-､ 'ｰん,,＿;;`;､..,;.;,r'~___;;:`,_V~　i　　　`, 　　　　　「いえいえ。
　　　　　　　　　　　　　　 ,,-'~/ 　　 ﾞi `i ( l_　　`ｰ{;;;~ﾟ^~　.ﾑ‐-,{;;＾ﾟ~;;;::ﾉ :} {;/
　　　　　　　　　　　　,,-'ﾞﾞ ,,　/ 　　.:　ﾞi　ｿ. `､　...　 `ｰ-‐'";; 　 | `ｰ-‐ﾞ ..:/_ｿ.}i､　　　　　　　　　お礼なんぞ不要でございますよ。
　　　　　　　　　,,,-''~　　,;;',,-IIi.　　:: 　 ﾞi　ﾞ　 }　'''';;;,.::.:::..:;;;;;'' 　 |;;;;::..,,,;''ソ~ ,,;;''｝
　　　　　　 ,,-''~　　　　,,=''　 |;;| 　 ;;,　　`‐--|.　　　';;;;;;;''''Y　,;;　| '';::;,..:;i　 ,,;'' i　　　　　　　　　　ほっほっほっほ」
　　　　 ,,-''　　　　,,-i'~ 　 　 |;;;|　　';;;;,,,　　　l_　　 ';;;;'＼__2ｭ,,,,∠,,;;:::::;'　 ,;'　i
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503 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:21:11.80 ID:Gz.jG4Qo






勝茂は帰ろうとした。
その時、庭に広げてあった干し米を、気づかずに踏みつけてしまった。







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504 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:22:21.10 ID:Gz.jG4Qo






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　　　　 / ./　　 {　　 {　 '、　　　ヽ　　 ＼丶　　　 ＼ｰ､　 { : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＿_.:.:.:
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　　 　 |　 ∨　 |　 `ﾄk　　 　 {　 _∠ﾆ‐tｭ､_　ﾙ／　　　 　 i!: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　なにす
　　　　j∧|　　 |　'￣冴≧'"　　冫´-ｨ彡'´ / '´　　"ﾞ　　　 i!: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　'　 ﾍ　 弋　 ´￣　　　l　 　 〃　　 /　　＜>　　,　　 i!: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　 ヽ. 　 `ｰ―-､ 　 j　　 ｲ　　　,′　　　､　　｡　　 i!: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　 ゝーt='"￣｀　〈　　　　　　 !　　　　　　　　　　 !: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　 >､ﾑ. 　 　 ,　 `_＿ /　　 |　　ゴッ　　　　　　 ヾ､: : : : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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　　　　　_,∠-‐¨￣￣｀ヽ､└三彡＾　　人　　　　　　　　　　　　　＼: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　／　　　　　　　　　　　｀ヽ　　　／　　'ヽ､　　　　　　　　　　 　 ｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　 ／　　　　　　　　　　　　　　 ＞≦=‐､　　{ 　>､　　　　　　　　　　　　丶.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
. /　　　　　　　_　=ﾆ二ﾆ=￢''´　　　-―｀ー光─ゝ､_　　　　　　　　　　　',.:.:.:.:.:.:__, -‐'´.:.:.:.
/　　　　　　〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＞‐-　.._　　 　 　 }.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.






505 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:23:40.83 ID:Gz.jG4Qo









　　　　　　　 i∨|／|//／　　　　　　　　　　,. -,. ‐-､　､,-‐‐-､ ゝ∧∧／∧∧／∧∧／∧∧／∧∧／＼∧∧／
　　　　　 ､!ゝ!　　　　　 /／/　　　　　　,. -'　,. '",　,`　ﾞヾ ヽゝ∨
　　　ヾ､!`　　　　　　　　　//　　 　 　 /,. ,. '　 /,.'{ ｲ/,} !i l ヾ
　 　 ゞ　　 ┤,-､　　／　　/／ 　 　 / ,' ' ,'　i ,!ﾉ-ﾘ,!ゝ,(､ヾ,ゝ
　　　＼　　ｲ　ｄ､　 ＼　　∠,　　　　ﾉ/ /' 'ﾉﾉ{iﾆﾆﾆ´',}ﾉ'y､ヾ.
　　　フ　　　フ_　　_フ__　　（_ 　 　　{ ' ,'; ﾉ{'"__｀ー'" ,.'-'、`,ゝ　　　　　 それは殿様に差し上げる米ですぞ！
　　　＞　　 '´＿)　　(__　　＜　 　 　,!　 ﾄ'´.r',､ヾ ' ,i/ r''; i!<
　　　 ） 　　///// 　|　　　　＼　 　 iﾊ ; !　{ l!i! |ｪ. ,'!､.ﾞ"ﾉ',->
　　 ´つ　 ・・・・・　　l､_ノ　　ゞ､　 　 {　ソ､ヾ､´//　',``ﾆ´'＞,　　　　　　 なんと罰当たりなことをする人じゃ！
　　　∠　　　　　 　 ー,‐　　ｽヽ　 　 } i':::.　`',r'!"　'"｀ ):..　∠,
　　　　/イ　　 　　 　（__　､<.　　　　 i '!、_,.　ﾍ=､_,ｨフ'"`ﾆ=='ﾌ
　　　　　/ ,　　 　　　 　､ヽヾ 　　　　{ 'i::;: i=-ｪ;;;┴;;;ｪ=彳'//イ
　　　　　 ' イ/ﾊ∧/ヾ`　　　　　　　　|　l::;. !,i-!__l＿l_,.!.-!-!| /,ｲ /ﾚ､∧ﾊ∧∧∧／∧∧／∧∧／∧∧∧∧／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,! :　l::　il|llllllllll|lllllllllll/,'/　 |ﾊ、､ 　i
　 　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 { ､ ' i:　|.ir'" /.　 _,./,っ / /,' ） ,'　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　} ',　|: i.i lTT'T"|´!'.ﾉ/ /:/,' ,i {!､-(!-､
　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ ,'　,}:: !ゝ}i`コi´,!| '/　',. ゝ、(ヽ｀　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´i´{ ' （::' ﾞ 'J￣},!´" ,／::."
　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`i'）､!ヽ;::::::::. {::::.. ／:::...:::::::::'''''　 ''':::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ' '　　`ー'"`ｰ/:::..::::::　　　　　　 '::::::'::






506 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:24:41.77 ID:Gz.jG4Qo






といって、老婆はほうきでさんざんに勝茂を打ち据えた。







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぶ 　て 　 　 　 　--!|||||||i-O　Ｙ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　7　 　 　 ,.'lllll|llllllllll|llヽ く　　お
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　べ　 　} 　　〃 illll #`三´ヾllli <　　の
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 （ l　__l__ rﾐ,ｲ;o;≡;o;ヾ'）〉　　れ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ら　　 （|　 _|　ヾｲｰ,('_`)､-iｿヽ) 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　),-、　,、r（ ﾚ (_jーr`| !l li!!!!i!l ｉ|　〈　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '7/　　　　　　/　　ヾﾐ三彡'´　ﾉ　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |'　　　　-/‐/　　　　 ﾐ 彡　　|）　　ッ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し'⌒)　　 ﾐi!　　　　 ヽ､　!!!!
　　　　　　　　　 ,. ゝ‐ '´￣ ｀ｰ-- ､　　　　　　／､　　　l　　　､ヽ　 ヽ、,　 ,.-､
　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　ヽ　　 ヽ/彡ヾ、ヽ 　ヽ,ｿ
　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　 │ヽ　　 ヽ　　 ヾ､＿,;;::っ
　　　　　:／: : : : : :,:: : : :／: : : : : : : : :　　　　│　ヽ　　ヽ　　　 |
　　　　 イ: :.／: : ／: :.／: : : : : : : : : : :　　 　 │ .　ヽ 　ヽ　 　ﾉ
　　　__/: /: : : /: : : :/: : : : : : :/ : l: : : :　　　　│ 　　ヽ　 ヽ　ノヽ、
　　　　{: /: ／/: ,. ｨ/: : : : : : :/: :./: : i :　　　　│　　　ヾヽ ヾ　　ヽ、
　　 _,. -|从X /／ 　{: : :／/／}: ∧ : ｲ :　 　 │ 　　 ,,,,ヽ　ヽ 　　 ＼
　 /⌒ヽ ｲ:}　｀ヽ､　 |／ 　 　/／　l:/ |: :　 　 │　,.i||||||iヾヽヾ､　　　ヽ
　/: . : . : .:ｲﾊ　､　`ｰ　　 ヽ ｰ--一'7 ル: :　 　　.　'''''''ヾ　ヽ ヾ `ヽ､
　 l: . : . : . |:.:!　 ｀ヾ　 ヽ　　 ,＿___　　/: :　　 ,.-'" /ヽ､　　 i! ; ; ヽﾐiヽつ
　 |: . : . : .:l:∧ 　 　 　 !　　　　　　　 {: :∠-'"　　/　　ヽ、　} i　iヾ､ヽ
　 {: . : . : .〈 : .'.　　　 /　　　　　 　/／: . :　　　/⌒､_ノ ヽ　i ,ｲ i､ iヽ',
　 !: . : . : .ヽ:_.ヽ　rｨ─‐ 、　　　 ｲ: . : . : .　　　　　　　　　ヽ!ｿ |_|'l_} `'
　　〉: :.「￣￣:/| ＼ヾ_＿__）　／/: . : .:/. :
　　|: . :l:.:. : . :.l | イャ､_　ィ　　 /: . : . :{: . :
　　{: . :|: . : . :l　　7 卞r‐}　　∧＿＿_|: . :
　　|: . :|: . : . :|　 ﾉ-r'　　l／/: . ＼: . : . : .







それでも勝茂公は、老婆のことをひどく感心されて、老婆の家を
名字帯刀お許しの白石十人百姓の一家にお加えになられた』







508 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:25:35.06 ID:Gz.jG4Qo







　　 　 　 　 ＿__
　　　 ,．'"´　　　｀`ヽ、
　　　/ .　　　　　　　 ヽ　　　　　　　……殿様やっちゃったな。
　　 }f^'＾^了t^'＾'`'1　 |　　　　　　　これでもこの人、柳生新影流の印可もってるんだぜ。
　 　 |＿　 !　＿＿｛　 .!
　　　|f'tr'i　 ''^'tォ-`} !　　　　　　　素直にいい話で終わらないのが『葉隠』の魅力といっておこうか。
.　 　 l ´　'、　　￣　ﾉ/
/⌒ヽヽ、　‐-‐　 　j /⌒i　　　　　　勝茂は、こうやって、よくお忍びで藩内を行動していたようだぜ。
＼ /　　 ＞　__,. イｧ/　 /　　　　　　どっかの暴れん坊みたいだが。
　 ヽ、　ヽ |　 / >　.i､__/　　　　　　
　　　　　 ヾV く　　　 /







509 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:26:58.73 ID:Gz.jG4Qo








　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　ｷﾗｰﾝ☆
　　 ＼　　丶　　　　 　　i.　　 |　　　　　/　　 　 ./　　　　 　 ／
　　　　＼　　ヽ　　　 　　i. 　 .|　　､ ` ￣￣ ｀' ,/　　　　　 ／　　　　　　藩主が身分を越えて声をかけたりするなんて、
　　　　　 ＼　　ヽ　 ／⌒ ｰ-､　　i､‐-┬-ｰ-r　i　　　　　　　／　　　　　当時ではありえない出来事なんだ。
　　　＼　　　　 　／　ヾ　､､､ヽ〉　|},＿ 　 ＿,,|　|
　　　　　　　　.／／　 7ヽ_|｣」ﾉ　　 l´ﾟ゛{　`'ﾟ゛ |Ｚ　　　　　　　　-‐
　　ー　　　　/　,′　 /　　　　　　　!　_''__, 　 i.ｲ
　_＿　　　　/　　 　 ,ム-.､　 　 　　 ﾄ. ー ／l ﾞｉ　　　　　　　　　--　　　　でも、これって、声をかけられた方は、
　　　　　二ヽ 　 ￣　 　　 ￣⌒ヽ_,ィ! ,￣　/　 ヽ.、　＝　二
　　￣　　　　＼　　ヽ、__..　､　　 　!､　 　/., _＿_,,`ｰ-.､　　　　　￣　　　　「殿様が自分に声をかけてくださった」
　　　　-‐　　　　`ヽ、-== ､ У　　 /´ 　　　　　〃　　　',　　‐-
　　　　　　　　　　　　`ー-､/　　　/　　　　　　　　　　　　l　　　　　　　　　とありがたがることを期待してのこともあったと思う。
　　　　／　　　　　　　　　 ,'､　　 ,′　　　　　　 ,ｨ､　　　ハ
　　　　　　　　　　　　/　　l,ﾟ'　　,;l;,　　　　､｡,　;ﾉﾊ `ｰ-''　 ',　 ＼
　　　　／　　　　　　　　　 }`ー‐个ー　　-‐ ''　ノ |　　　　　l









　　　　 , '´ ￣￣￣` ､
　　　　i .r-ｰ-┬--‐､ i
　　　　| |,,＿ 　　 ＿,{ |
　　　　N|（　・） ｛（・ ）|ﾘ　　　　　　まぁ、下々の気持ちを理解するため、
　　　　 ﾄ、　 ,__"_ 　 /
　　　　,-/＼＿____／ヽ-､　　　　　としておいた方がきれいにまとめられられるかな。
　　　 .|　ゝ　.|　 　/ ＜　|
　　.　/　 ＼ .| 　./　／　|
　　 /_ ./|　 . ヽ /／　||__|
　　（_）" |　　　 |/　　 |（_）　　　　　それじゃ、今日も……
　　　　　.|　　　 |　　　|
　　　　　 |　　　 |　　　|
　 　 　 ,-"￣￣||￣￣ﾞｰ、






511 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:28:02.74 ID:Gz.jG4Qo






三三三二ニ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::三三三三三三三三三三三
ﾆ二三三　r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ｯ､:::::::::::　─=＝ニ三三三三三三
三三三二レ''''jrTf"　　　　lﾐ::::::::::::::　 -＝ニ／
=ニ　　　　|　　　　　　　　〈ﾐ::::::::::::::::: 三三/　　　　　や
─=　　　　|､_　ｬー‐__二ゞ ヾ::、::::::::::::三三l 　　
ニ＝=　　ゞ:}　 ￣'互.ヾ　　}:j ん::::::::: :::-＝l　　　　 　ら
三ニ＝=‐　l/　　 """"´｀　 　 )ﾉ lﾍ/´ ￣l　　　
─=＝ニ三/　　 　 　 　 　 l　 (ノ/ l/｀l　　l　　 　　　な
三三三二 `弋"__,....._ 　 　 !　 !　 l/　l　 　l　　
三二ニ＝=‐　ﾞ､`ー‐'　　　　 ,'　 /　　l　　l　 　　　　 い
三三三二ニ＝=ﾞ､￣　 　 ／ ,'　くヽ、 l　　l　　
三三三三二ニ／ヽ＿_／::;' ,'　　ヽ､ヽl　　ヽ　 　　 　か
三／ヽ／ ) ／／／￣j　ヽ　/　　　ヽ ヾ､　　ヽ
／＼　ヽ´ ／／´'"´ ヽ､　／　／´￣!　　ヽ　　＼＿＿＿＿＿
＼　 ＼ 〉' 〃｀　　__,,ニﾆｰ-‐' ／´￣l　　　 ヽ、/｀ヽ、
　 ＼　/ ／_,..-‐''"　　　｀ヽ　/　　　　＼　　　　>､,.-‐-､________
｀ヽ / //／　　　　　　　　　l !　　　　　　 ＼,.-‐'"´
　/　/7　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 _,. -‐　￣｀
ソ- '/　　　　　　　　　　　i ,.　　　　　　　　ヽr'　　　_,.　-‐
　//　　　　　　　　　　　　l l　　　　/ﾍ､　　　ヽr'￣　　　 ´
_／!　　　　　　　　　　　　l l　　　 /::::::r'　　　　＞､_r､__________
三三三二ニ＝=‐─ 　　 l l　　　{_::::/　　　　 /:/ 〉:r'i　　l |
/　l　　　　　　　　　　　　 l　ヽ　　//　　　　 〈;;/ /:::i　l　　l |
　　l　　　　　　　　　　　／　　二7/ ｰ--､ r':ヽ　/:::::l　ヽ　 リ
　　l　　　　　　　　　／　ヽ　/　//　　　 　 7:/　｀ヽ'　　ヽ、
　　ﾊ　　　　　　　／　　　 l |　/::l　　　　　/:/　　　,._　　　ヽ
三三三三二ニ＝=─　　 l l　l::::l　　　　 /:/　　 r'::ﾉ　r'ヽ
　/　　　ヽ/　　l　　　　　 / ヽ.j::::l　　 __ /:::l　　　l::i　 /::/
　　　　　ハ､____ゝ___,. -‐'ヽ　/::::::l ￣ 　l::::::l ￣｀L:j　「:ﾝ;へ
　　　　/　 lヽ､__〉´　　　　 l |:::::::::l　　　ヽ／　　　　　_／:／
三二ニ＝=‐─　　　　　　l ヽ::／　　　　　　　　　　ヽｰ '
　 /　　　/　　i　　　　　　 l　l　　　　　─=＝ニ三三三三三
／　　　/　　 i'　　　　　　/　ヽ





512 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:30:16.65 ID:Gz.jG4Qo






第１６話






＜とある夏の日　　中野やらない夫家＞






　　　　　　　　　　　　|ｌ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　|
　　　　　　　　　　 .／|::::::　|　　　　　／　　 ＼　　　　　　　|　|:二二二二:|
　　　　　　　　　.／／|::::::　|　　　　　|二二二 |　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　　 .／／.　.|::::::　|　　　　　|ｌ|　寂　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　.／／　　　|::::::　|　　　　　|ｌ|　滅　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　 ／|／　　　　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　為　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　／／|　　　　 　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　楽　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::ll::|::ll:::::::|
　 ／／.　.|　　　　 　 |::::::　|　　　　　|二二二 |　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
／／　　　|　　　　 　 |::::::　|　　　　　0　　　　0　　　　　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
／　　　　 |　　　　 　 |::::::　|　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　 　 |　　　　 　 |::::::　|＿＿＿＿ ＿ ＿＿＿＿＿＿ |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　 　 |　　　 艸 ::|::::::／　　　　　__）''（ ＿　　　　　　　 |　|:二二二二:|
　　　　 　 | 0: :::: 艸 ::|／　　　　　／_（~~~）_／　　　　　　 :|　|　　。|。　　|
　　　　 :0 |::::艸::::　::: |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|　|　　　|　　　|
　　　　 　 |　:::::　::::／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　 :: 艸 ::|::艸:: ／
:::::艸::::　　|　 ／
　 :: 艸 ::　|／
:艸:::　　／
　　　／
　 ／








514 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:31:19.56 ID:Gz.jG4Qo







　　 ／￣￣＼
　 /ﾉ　 ヽ､_　　＼
. （ ●）（ ●）　　 |
　|（人__） 　 　 　 |
　 | ⌒ ´　　　 　 |　　　　　「おい、やる夫」
.　 |　　　 　　　　|
.　 ヽ　　　　　　/
　　 ヽ　　　　 /
　　　.>　　　 <

【勝茂近習筆頭　　中野やらない夫】







　　　　／￣￣￣＼
　 　／　─　 　 ─ ＼
　／　 （●） 　（●）　 ＼
　|　　　　（__人__）　　　　|　　　「んだお？」
　＼　　　 ｀ ⌒´　　 　／
　／ 　　 　　　　　　　　|
（＿ )　 　・　　 　・　　|｜
　　ｌ⌒ヽ 　 　 　 　＿ﾉ |
　　|　 r　` (;;;U;;)　 　）__）
　（＿ノ　￣　 ／　／
　　　　　　　　（ ＿）






515 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:33:31.50 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　 （⊃￣￣＼
　　　　　（⊃　　 _ノ　　＼
　　　　（⊃　　 （ ●）（●）
　　　　　|　　　　 （__人__）
　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　 　 　 |　　　　　　 　 } ＼　　　　　　「、お前、今年もまた墓参りに行かなかったらしいな」
　　　　 ／ヽ　　　　　　 }　　＼
　　　／ 　　ヽ､＿＿__ノ　　 　 ）
　 ／　　　　　　　　.　 　|　＿／
　|　 　　　　　　　／￣￣（＿)
　 ＼　　　＼　／|　ＪＪＪ　（
　　　＼　　／　　 ／⊂＿）








　　　　　　*　　　＿＿＿_
　　　　+　。　／ ＼　　／＼　ｷﾘｯ
　　 　　　　／　（ー） 　（ー）＼+　。　*
　　　　　／　u ⌒（__人__）⌒ .＼
　　+　。|　　 　　　|r┬-|　　　　|　　+　。
　　　　　＼　　　　 `ー'´　　　／
　　　　 　　＼　,,,,　　　　,,, ／　+　。　　　　　「……今年のお盆は、
　　　　　　 ／　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　やる夫は師匠の打った刀を探す旅に出てたから
　　　　　／　,､　　　　　　.l>　,>　　　　　　　　忙しかったんだお」
　　　　　＼　ﾘ　　　　　　 l　<
　　　　　　<_/　　　　　　　ト-'
　　　　　　　ｉ　　　　　　　 l
.　　　　　　 l　　　　　　　　l
　　　　　　 ｌ　　 ､__.　　　　ｌ
　　　　　　 ｌ　　　 ∧　　　 ｌ
.　　　　　　l　　　 /　ｌ.　　　ｌ
　　　 ,､-'"ｌ　　　/'￣ｌ　　　ｌ'-､
　　／　　(＿＿ﾉ　　 ﾞ'-､,＿)　＼
　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ
　 l　　 　　　　　　　　　　　 　　/
　　ﾞ'-､, ＿＿＿＿＿＿_ ,､ - '"





516 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:35:29.49 ID:Gz.jG4Qo







　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）　　　　　「はいはい。斬人剣、斬人剣。
.　 　|　　　　 （__人__）
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}　　　　　　　……なぁ、意地を張るなよ。
.　　 ヽ 　 L　　　 　}
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ　　　　　　　おまえも、まだ吹っ切れないんだろうが、
　 　／ 　/　　　 ＼　　　　　　　きっと爺さん寂しがってるぞ」
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ







　　　　　　　　　　 　　＿＿
　　　　　　　　　　　　-´　　　｀｀ヽ
　　　　　　　　　　／::::::::::|::::::　　　 ｀ヽ　　　　　「これはこれは。
　　　　　　 　　／:::＼::::::::<● >　　　｀ヽ
　　　　（（　　 /　<●>::::::::::⌒　 　　　　）　　　　今や佐賀の新鋭、中野やらない夫さまの口から、
　　　　　　　　|　 ⌒（_人__）　　 　　　　ﾉ　| 　　|死んだ人間の心配まで飛び出ちゃったお」
　　　　　　　　ヽ 　 　）vvﾉ:　　　　　　/　ノﾉ
　　　　 　　　　 ヽ　（__ン　　　　　　 人
　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　＼







518 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:36:08.26 ID:Gz.jG4Qo








　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　／　　　 　　 ＼
　　　　　　|:::::: 　 　　 　　｜
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜
　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜　　　　　　　　　　....,:::´,　.　　（……そう簡単には過去を払拭できない、か）
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} 　　　　　　　　　....:::,,　　..
　　　　　.　 ヽ:::::::::::::: 　　 } 　　　　　　 　,）:::::::ノ　.
　　　　　　　 ヽ::::::::::　　ノ　　　　　　　　（:::::ソ:　.
　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　　　 　　,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――ノ::ノ――
　　　　　　 　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´






519 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:37:05.24 ID:Gz.jG4Qo






＜江戸　　柳生藩邸＞







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (二二二ﾆ/二二ﾆ/二｜二二ヽ二ヽ二ニニ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/| |ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//＿/__//＿/__//＿/_| |__ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/__| |＿ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽ
　　　二二二ﾆ/二二ﾆ/二二二//＿/__//＿/__//＿/＿| |＿_ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
　　 //＿/__//＿/__//＿/__///＿/＿//＿/__//＿/＿ | |＿_＿ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　//＿/__//＿/__//＿/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　 //＿/__//＿/__//＿/__//＿|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|＿＿|＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　○====○====○====○===.|　　　|││││││││││││││││||　　.||===○===○===○===○===○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|││││││││││││││││||　　.||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| 柳 ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| 生 ||
　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　　　|││││││││││││││││|| 　　||＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　＼／＼／＼／＼／＼／＼|　　　|││││││││││││││││||　　 ||＼／＼／＼／＼／＼／＼／
　　／＼／＼／＼／＼／＼／|　　　|││││││││││││││││|￣￣|／＼／＼／＼／＼／＼／＼
　　"""￣￣￣'''''''''''''''"""""￣"""￣￣''''''''''""







521 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:38:10.88 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　_,､ｒ'´:::‐､｀ヾ‐､｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　 ／:::::l､:{⌒ヾヽ::ﾄ､:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　 //!:::i:ｌ:!::ヾ､::::::ヾ::!｀ヽ:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　　 〃:!:l::::l!:ﾄ､::::liヽ､:::ﾘ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
　　　　　　　　　　　　 i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:､:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!　　　「又十郎。
　　　　　　　　　　　　 ｌ!::!:!:iﾄ:::!:i:j/代トﾄ､ｌ:ﾊ::升ﾄ!:l::!:!lj
　　　　　　　　　　　　 ｌi::l::N{:ヾVﾍ｢￣｀　lﾊ ｿｒ‐ﾃﾊ!:l/　　　最近、剣の稽古に身が入ってないようだな」
　　　　　　　　　　　　　!:l!:ﾄ､ｌ::l{｀　　 　 　 　 !　 j川/
　　　　　　　　　　　　　ヾﾄ辷N!　　　　　　‐ノ　　!:l/
　　　　　　　　　　　 　 　 Yｌ:ﾄ､　 　 ヾ＝＝r　　ﾉ/
　　　　　　　　　　　　　　　iN　＼.　　｀ ニ′／}'
　　　　　　　　　　　　　 　 　　 丶、　　／
　　　　　　　　　　　　 ノ￣´"''‐ 、 　 ｀¨´
　　　　　　　　　 ＿rく　　　　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　　　 ＿_,､=Ｔ下､｀`ヽ　　/‐''"_, -ヘ｜　　　　　　｜
　　　 /「￣´　 ヽヽ ＼　ヽ/ 　 ´　 _,,厶ﾍ　　　　 　 ∧=､､
　　　 |八 ＼　　 　 　＿_/　　　　　 ＿,）ヽ＿＿＿/ 　ヽ ``=､､
　　　∥　＼ !　Ｖ´￣:::::/　　　　　　_,ノk>､｀Ｔ!::::::":::＼＿　　 ∥

　　　　　　　　　　　　【大目付　　柳生但馬守宗矩】







　　　 /　/／　　　／　 　 　 ／ ／ ／　 ／/　　　　 ＼　 ＼__　__彡'/
　 ､__｣_ノ´　 　 ／　　 ／_／ ／ ／　 ／　 {　　　　　　､ヽ.　　 ヽ.一'′
　 　 i'´ 　　､_/_/__ ／／｣{_/　 /　 ／_/　 ハ 、　　 　 い､＼_ _jハ
　 　 {　　 i { ｀７￢ｧイ_／ゝ 二二彡'７.イ　　 ヽ＼　　　i i　｀丁丁！
　　　ゝ／乂_/__／⌒v´　/　　 　 ／{≧{　　 　 ﾄ､　､_　! ! 　 i　 }　}
　　､_く／_／ー个 _} ﾍ　 {　 　 i /r=≠ﾐﾍ　　　 }　ﾞァ一} }　 ！　! ,′
　　 {　｀7 /i　　 {　＼　＼ヽ 　 ﾄl 　 　r爿ﾄ､　.ノ　ｲ/　// 　 /' 〃
　　　>‐{/￢…‐ヘ. _＿__ ヽﾄ､！ i{　　し'^　〉､／_｣i二ィ７　/　/
　　　}_,r─………‐-　_　｀ヽ､｀ 　`ー‐ ´／´≧十ﾉ 〃 {／ ／
　　 /　 ､__　　 _rｭ_　 　 ヽ 　 }　　　　　 　 　 　 {_／/ 八{'´
.　 /　　　＼_ｰ' Qｰ─ｧ' /　 /　　　　　　　　　　 ', ⌒´　 ｀
　/ 　 　 　 　 〕//'⌒´ /　 / 　 　 　 　 　 　 　_　〉
　 　 　 　 　 ///　 　 /　 ,ﾍ　　　　 _＿＿__　_∠_
. 　 　 　 　 {7／　　 /　 /　 ＼　 ´　──ｧ'´｀ヽ.　〕プイ
　　　　　 　 ´　　 厂　 /｀ヽ、　＼　 　 ／　　／／
　　　　 　 ＼　　 {　　〔_　 　〉､ 厂`ｰ ´　　／∠..　 -‐………‐ ､
　　　　　＼　＼ 　＼_　 〕 /_/　＼ 　　_／／　　　　　　　　 　 　 ',
　　　　　　 ヽ　 ヽ　　} ∧ {_｣　　　 V´_／　　　　　　　　　　　　　 }
　　　 　 　 　 ヽ　 ＼｣_{　＼ ＼　　 { ん'７二 ｰ＝ニ二 　　　　　,｣
　　　　　　　　　 `ー'´　　　 ヽ　ヽ　L __/　　　　　　　　　　　　 / |

　　　　　　　【宗矩三男　　柳生主膳（又十郎）宗冬】







523 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:39:57.01 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　 〃::/:/:/:/::::／:!:l／:／:::/:::!:::;!:::l:::::!:::l::l:::ｉ::l::l!
　　　　 /:/:/;ｲ:/!::!:::／::!:l::／／〃:/:/ｉl::::l:::ｉ:l:::l::l::::l::l::ll
.　　 　 l:::!/〃/:;l::|:/::〃l:!':;イ::::::/:/:/::':l::::!:::!:l::l::l:::::l::!:ll
　　　　|:::!:'l::!:':/:|:l/:/,イ!!〃':::::::／!/:/:::!::::!:':::!:l::!::::l!::::l!　　　「フッ、口すらもきかないか。
　　　　|:::::::l:!':l::ﾊ:l才:;ィ:!//:::::;ｲｉ::::/;ｲ::小:::ﾊ::l::lﾘ::ｉ:!l:::ll
　　　　|:ｉ::ｉ::!l::!://!/ｨ:! !〃::／::ハ//// ｉ:::/:::!:l::!:::;':,:l:l:!!　　　　……一年経っても許してくれないようだ。
　　　　|:l:::!:!l::!':/弋ト､./'／',::::!.ィ弋:フ７;ｲ::::!//!//.}:ｉ::!
　　　　!ﾊ:::!:!:!;'　｀ ￣／ 　 ヾ!　－－´/ ;:::ｲ::!//.､j:l::!'　　　　たいした意地の張り方だな」
　　　　　ｉﾄ::!:::l　　　　　!　　　　　　　　 /'´:/:/´〉.ﾉ:l:!
　　　　　|| l:ﾄﾊ　　　　　　　　　　　　　 　 // ´才ｉ::!'
.　　　　　! ヾ!ハ　　 　 ｀　´　 　 　 　 　 /'｀T´l:l::!ﾘ
　　　　　　　ヽ　 ､　 ‐-　　_＿ _　　　　 '　　l:.:!!.l
　　　　　　　　　　ヽ　　､＿　　 　 　 ／　　　Ⅵ:!ｰｧ－､
　　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　 ／　　　　　 才´　　　＼
　　　　　　　 　 　 　 ｉヽ. 　 　 ィ　 　 　 　 ．‘　　　　　　　＼
　　　 　 　 　 　 　 　 !: : ￣　　　　　 . イ　 　 　 　 　 　 　 /ー‐､








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'f　,' ,'　　i　i i! ! ｉ l　 i ｉl　i 　 i l.l! iヽ::::::::
　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　li'}　 ﾊ:　,'i i､! ', ' ヾi　 i i 　ｉ ｌ　l l ! i:::::::r^
　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　i!.i　ｿ il　ir !ﾐ、､ i　 !､ ', !　',l　 ｉ ', ',',::::i
　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　l i　,' ﾊ i !! 廴ﾂ､ヾ　 ':､　i　i　 i !ヽゝ::::l
　 　 　 　 　　　 　 　　　　　　　　!.li!.l|!| リ　` ｪ､..ヾ ヾ､ ヽ:､ i ! ﾊ､!ｌ ヾ､::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! !从 　 　 　"""ヽﾞ:､ヽﾞ: ､弌itｰマ､:ヽi　　　「さて、そろそろ父親の威厳を
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　′ i　　 　 　　　　　 .::　ヽ　ｰ`=.公､`:i　　　　取り戻すとするか……」
､､＿　　　　 　 　 　 　　　 　　　　 _,r:::i　　　　　rｰ-‐　'''' ー　‐ --:: ､:ヽ::i
　　　`''''"'''ｰ- ､､、､､､､､､ -‐ー''''''' /:::'.　　　　　｀`¨':':‐:::::::-::::::::､_　　ヽ:;::l
　　　 　 　　　　　　　　 '" 　 　 　 ./"　ﾞ:,　 ﾞ､ 　 ヽ､,..:::::::::::::::／ ,　` ､　　`
　　　　　　　　　　　　　　　　__, 　 　　　',::､ 　 ﾞヽ ､:_:::::::::::r ;´ '　ヽ､　　` -､
　　　　　　　　 `;;=--‐‐''''"" 　 　 　 　　',:::､　 `'':::::::::::::;: ' 　 i　 　　ヽ､,
　　　　　　　　i´　　　　　　　　 　, 　 　　 ',::ヽ 　　 ::::;::i　 _ -t^ヽ､_　　　ﾞ`
　 　 　 　 　 　l　　　　　　　　　 i 　 　 　　ヽ::`:ー ':::::i　.ﾉ:i　ﾉ:::::::: 〉
　　　　　　　　 ' 　 　　　　　　　il　　　　　　,.ゞ＝ｰ'"ﾒ /::::ﾚ:::::::::::/
　 　 　　 　　　 i　 　 　 　 　 　il　　 _ ,ｨﾆ´ ﾆヽ 　　 ｰヽ:::::::::::::::/
　　　　　　　　　i 　 　 　 　 　 ill　,イ:::::iニニニｿ､ 　 　 ヽ::::::::::/
　 　 　 　 　　　 i　　　　　　　illl ´ 　 　lﾆニﾆ/　ヽ. 　　　',::::::::i





524 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:41:12.98 ID:Gz.jG4Qo






＜佐賀　佐賀城＞






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ﾞ"'jill |-''￣　　　　　　　　　　　　　　　　　|ii川|
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ヽλ＿Ｙ～匚乂_ゝ、イ~ヽソヽ,ﾊ__ノ乂_ゝ~ヽソヽ,ﾊ__ヽλ＿Ｙ～匚
～匚乂_ゝ、イ~ヽソヽ,ﾊ__ノ乂_ゝ~ヽソヽ,ﾊ__ヽλ＿Ｙ～匚ヽλ＿Ｙ






525 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:42:19.47 ID:Gz.jG4Qo






寛永１７年（１６４０年）
参勤交代で鍋島勝茂は佐賀へと帰ってきた。






　　　　　　　 __ ...　-‐ ､
　　　　, -.::''.:::::::::::::::::::::..`ｰ-.､
　　 ／::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
　　イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
　　 /::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l
　／　|::|　ﾃ''ｯ､｀ 丶ｰ- ､　i;:::|::::::/
　　　.|::l　　　　,　　 'ﾃ''ｚ､ l:::ﾘ::::::i
　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ
　　 　 ﾊ　 　｀　　　 | .| l .| |ノ
　　 　 ,小.　- ､　　 .| .l/././､
　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　 ￣ﾞ'ｰ､
''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　 ／　　　　/　ヽ
　/　　 ヽ､　,ｨl　　　イ /　　 　 /　 　ヽ
./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　 　,　　　　 i
'.‐'"　ヾ{;:::;}::;;/|.　　　l.　　　 /　　　　　|







勝茂の今の懸案は、鹿島藩のことだった。
事の発端は、鹿島藩主正茂である。






526 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:44:42.73 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　　　　 ＿　　　 _
　　　　　　 　 _, -　´　　　￣｀ヽヽ-、
　　　　　 ,.　´　　　 ,　　　　　　　　 ＼
.　　　 ／　　　 ,　 /　　　　　　　、　　 ヽ
　 　 /,ｨ　　 / .|　｜　　　　　 　 .|. ヽ　､.ﾍ
　　〃/　 　 !　|　.ﾊ　　　　　 ,l　 |　 |　 l　|
　　|| |　|　| .|_,.ゝ 代　 　 　 ﾌTァﾄ､｜ /　|
　　ｌ| |　|　| .l.　,.ゝl､　､　 .／._jム|　ヽr'　 .!
　　　ヽ |　ヽ| ﾊ 　 |｀　｀´　´|　　ﾝイ　　ノ
　　　　｀＼.｜　ー'　 　 ,　　 ー'　/　ﾉ´　
　　　　　　｀¨ヽ　　　　.＿　　　　,厂
　　　　　　　　　＼　　　　　　／
　　　　　　　　　　__l　 -　 l´
　　　　　　　_, -' /　＼. ／ ｀ヽ､
　　　　　　´/　　|　　/　ヽ　 ﾉ ＼｀ヽ

　　　　【勝茂の弟　　故・鍋島忠茂】







前藩主忠茂は、勝茂の弟である。
忠茂は、佐賀からの人質として江戸へ出向し、徳川秀忠に生涯仕えた。
寛永元年（１６２３年）に忠茂が亡くなると、息子の正茂があとを継いだ。







　　　　　　 ／　　　　　　 　 ,　 　　 ',　　､　　 　　 ＼
　　　　 　/　　　　　 /　　 /　　　　　', 　 ',　 ヽ　ヽ　 ヽ　　
　 　 　 /　　/　　 i.l　　 /　 l　　 .| 　.l　　l　 　',　 ',. 　',　　
　　　ノ　　/　/　 l.l　　 {　 ｨ　　　|　　l 　 }　　 l　　l 　 ',　　
ｰ＝-ｲ　/　/ 　 i ',　 .∧ l !　　　!　 ﾊ　 ハ　 ,'　　!　 l ヽ､_　
　　　　{　i　l l　　 l　ﾄ､ l　ｌ | ',　　ﾊ　/ .l /　l　/　　/ 　ｊ ,ゝ´　
　 　 　 l　l　ｌ l　　ﾊ | ヽ!　ヾ　ヽ./ |:/ 　|'　_j／l 　/　 /./　
　　　　 } .ﾊ ,l ヽ　|ﾍlニ;--,.._ '　｀ ､',.-;‐;二__ 　l /　 /./　
　　　　ﾉ'"　l.ﾍ. ﾄ､! '弋赱!~ ,　 　　　' 'T心!_　ｲ　　 j l′　
　 　 　 　 　 |rﾍ　lヽ　　　　´　　　　　｀　　　　 l　　/ ﾉ　　　「この正茂がとんでもない奴だった……」
　　　　　　　ヽﾍ　l　　　　　　　 i 　 　 　 　 　 l　 /'´　
　　　　　　　　｀l | ',､j　　　　　　|　　　 　 　 　j　/　　　
　　　　　　　 　jﾊ. ﾍ　　　　　 ヽ!　　　　u 　 /! /ヽ
　　　　　　　　　 !ﾍ ﾊ､　　　,＿＿,...､　　　／|/｀ ‐ヽ
　　　　　　　　　　　i!ﾍl＼　ゝ-‐ニ‐-' ,. イ从'
　　　　　　　　　　, ィ' ヽ　＼　　　　／　 ﾉ ヽ､　
　　　　　　　　 ／ /　　 ｀ヽ　ヽ- '´　 r'　　　', ヽ　　






527 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:47:28.79 ID:Gz.jG4Qo






正茂は父親と正反対の男だった。
忠茂はひと言で言えば、わかりやすい男だった。
社交家で、顔に笑顔を絶やさず、人が困っていると自分から率先して動いてやるところがある。







　　　　　　　_ｒ‐-､―-　、
　　　　　 ／　　　､　　 ヽヽ
　　　　 / 〈　i ､､　〉 ﾊ　 }　!
　　　　 |!　ヽﾙヾ∨ｲﾃﾄ､l､N
　　　　　ヾヽ{ｾﾘ　　`'′ _ﾉ
　　　　　　｀ ヽ　 l二}　 ﾉ　　　　「え、弓術大会のメンバー。うん、いいよ」
　　　　　　　　 `ｰr 　ｲ,,ィ!-　､
　　　　　　　　　 ｆ-‐t!"／￣ヾヽ
　　　　　　 　 ／｀ー|| '　　 　　ヽ
　　　　　　　/　　　 《 　　　　　　lヽ







　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　＿＿＿＿＿＿_＿
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　　_ ´::::::::::::::::::::二二ヽ:::::＼__
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,. ´::::::::::::::::二二ニ丶::::::::::::::::::::＼ 　　　
　　　　　　　　　　　　　　／::ﾆ:::::::::::::::二二ニニ丶:::::::::::::::::::::::::ヽ 　　
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /／／::::::::::一＝ニニ:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::ﾊ 　
　　　　　　　　　 　 　 /::／:::::::::―一＝ﾆニ::::::::::::::::::::､::::ヽ::::::::!::::::| 　
　　　　　　　　　 　 _,/::::::ﾆ二:::::::::::::::::::二二ニ＝::::::::::|:::::::|:::::::|::::八
　　　　　　　　　　/{:;:イ:Ｘ⌒ヾﾆ::::::::::＝ニ二二::::::::|:::::!:::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　 　 　 　 　 /ｨ/ /´　 ＼、　ー====ﾆニ彡ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::＼::::::} 　
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　　　　　　　　　　　【佐賀支藩鹿島藩主　　鍋島正茂】







一方の正茂は、わかりにくい男だった。
無口であり、腰が重く、熊のように大柄で表情が読めない。







530 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:48:59.70 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　 ,' .:　,:　.:. :. :. :. ;. :. :./l:. :. /l:. ;. :. :. :. :. :. l
　　　　　　 l .i :.l.:　:. :.,.i:.., 'l:. :./　l:. /　l:..lヽ;.. ;、:. :. :l
　　　　　　 l :l:. :l　:. :.l l/　l／　　l/　　l/　 l:/ l:. :. :,,!
　　 　 　 　 ﾚl:.r.i :. :. l. ￣｀'ｰ_ ､ ,　　 ,._ ' ´＾　!:. :./
　　　　　　 　 !l.'´!:. : l 　''!ﾆﾌﾞ 　　　　 '!ﾆﾌ`　!:.,i/
　　　　　　　　ヽｰl:. :l'　　　　　 　 　 　 　 　 ,':./'
　　　　　　 　 　ﾚヽl: l　u　　 　　　i　　　　　l:./
　　　　　　　　　　 〉N　　　　 　 　 ' 　 　 　,i/　　　　　「あいつ、本当に忠茂の子供なのか？」
　　　　 　 　 　 ／l　l ヽ　　 　 　 　 　 　 , '
　 　 　 　 　,.イ .:.:.!　l　 ヽ、　c. ニ っ　,ｲ.. ヽ、
　　　 ,..　' ´. l.:.:.:.:.l.　 l　　　ヽ、　´　／.　!.:.:.l..｀ヽ､
,.　 '´　...:.:.: .:!.:.:.:.:.:l　　ヽ　　　　 ｰ './,' 　 !.:.:.:.!.:.:... ｀ヽ､
　....:.:.:.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:l　　　ヽ、　 　 　 /　　 !.:.:.:.:.!.:.:







そして、この正茂はとにかく乱暴者だった。
なにかあるとすぐ殴るのである。







　　　　　　　　　　　　_,....----､,,...,,
　　　　　　　　　.r‐''"彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ
　　　　　　 ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;彡;;;;;;;;;;;;;ミ、＼
　　　　　　ﾉ;;;ノ;;;;;;;ﾉ;;;;;;;;;;;／;;;;;ﾄ;;;;ﾐ;;;;;ミ;;;;;＼
　　　　　/;;;;;;;;;彡／,;;;;;;;彡ﾉ/ 入､ﾐ;;;;;;;;;ミ;;;;ヽ.
　　　　/;;;;;;::-＜彡ノ彡" ノ./´. ＼＼　ﾐ;;;;;;;;;i
　　　 /;;.／　　　｀ヽ､ 　´ /r　i／´｀　｀ ＼;;;;;}
　　　 .り　､≦二ミ、＼ ,ノ´　/ 彡ニミ,ｒ　 ヽ|_
.　　 ﾉ｀Y　 ＼,,_○ ,i　 ,!{　 ノ　i､○__ノ　　　i ヽ
　　 .|(.i |｀''-.,,..,.￣ ,.,..ﾉ.ﾉ　（　　 ￣　　　　 ﾉヽ|
　　　ヾ iヽ,,　　 ´>.く ,‐､　.ﾉ‐、　　　　　／|ｒ.ｲ
　　,-ﾉiゝi　｀ヽ、ii.　 ｀‐（___）-'　　　　／　く|ﾉ ﾄ--、__
‐'"/::::| .人　　 X　　　,丶し‐、　　　i´!　 ノ　 .|: ＼＼￣"''-､.
´イ:::::ヽ　 ｀ヽ　 ｀　-く-'ﾆﾆヽ＞　　　／´　　/:::::::∧ ＼　　　｀''‐- ､_
./:|:::::::::｀、　 入,,_ 　　＞--く　　　.ノ´　　 ／:::::::::::i::::i　　＼　　　　　　"''‐-- ､＿
|::.|::::::::::::＼　　　.ﾍ､. ´　　　 }}　,r´r　　／:::::::::::::::/::::i　　　＼
i::::i::::::::::::::::::ヽ､._　＼''-､,,,,,..ゞ‐'.／,.r''´::::::::::::::::::/:::::i　　　　　 ＼
ヽ::ヽ,::::::::::::::::::::::~"''‐- :::　　,,.ノｒ''"::::::::::::::::::::::::/:::::/　ヽ　　　 ／'7
. ヽ::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::イ｀''''"ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::/:::::/　　 ヽ　／　 /






531 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:50:08.97 ID:Gz.jG4Qo






家臣を殴り、女を殴り、ものを殴りつける。
大きな体から繰り出される拳は、とてつもない力なので、殴られた方は確実にぶっ壊れた。







　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　_,,=-ｰ''''"ﾞﾞ~￣　　　　￣~~ﾞ"'''=-､,,_
　　　　／~:::::::::::::::lllll=-､_　ヽヽ、　＼　Ｙ Ｎ /~'7＼
　　／Ｙ:::::::::::::::::::::::!!!::;;;:::＼　＼＼　､､ | i　　　/⌒＼
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::::::::::::::::::::::::::::::::::;　　/　 ﾊ　　 ハヽ　 .＼　ヽ　 'i　リ　ﾄ､　＼　.|　　　　　　　　　|　　　 ＼　　　 L＿└┐　　　　|/
|i::::::::::::::::::::::::::::::::;　/　 ハ　~＼　ヽ 丶　ヽ＼i　　i　ﾊ　i　i　　＼　　　　　　　　　.|　　 i､_　 ＼_　 i､_ | i‐┘
リ:::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::i 　＼　　＼ ＼　　 ＼＼　ヽi　i 　　　　 ゝ　　　　　　　　　 .|　　 |　＼　.~| |_ ｀└-､
､＼:::::::::::::::::::::::::::::i::::::::(　,,r△　　　ヽ　　　　i　　　　i　　　　　ノ ハ|　　　　　　　　｀|　　 |　 ＼|　 ￣! i､,_| 〈~|
ヽ'''''''i,-､::::::::::::::::::i::::::: ハ 　　'i　　　 ヽ　　　ヽ-　-　　　　　ｙ　ノ　 |　　　　　　　　　 |　　 | 　　　　　|　| ,,,__〉 !‐二　〉
ヽ　　)　 ＼:::::::::::::i:::::　l　ﾞ＼　i,　　　　　／　　　　　(　　　 /　　 ／ 　　　　　　　　　 ＼　 |　　 　　 | /　|__,.ﾍ〈 く／
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　.l .Y:::::::＼ ﾉ　＼i::::　l　　::::i:::::::＼　　ト､　　　　　　　　　　Ｙ :ﾉ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/
　/ ::::i:::::::::::＼::::　V:::: .i　　（-､　　＼_l　ヽ　　　　　　　　　（ ノ
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/　/　:::::::::''-､__ヽ::::::i:::::::i　　iト-ﾊ;;;;;;;;;;ﾞ'i　　　i　　　　i　　　 ﾞi,
　/　　:::::::::::::::::::::::＼::::::::::i　 .i トｰｲ;;;;;;;;;;ﾞi　　 i　　　　ﾞi　　　 .ﾞi,
/　　／　　:::::::　:::::::::＼::::::ヽ ハ＼~）;;;;;;;;;ﾞi,　ﾉ　　　　 ﾞi　　　　＼






532 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:51:05.90 ID:Gz.jG4Qo






そして、正茂はとうとう事件を起こしてしまった。
寛永１５年（１６３７年）に、突然、自分の正室を斬殺してしまう。







　　　/　　　　　　　　　　,‐､ ｌ　ヽ　　　　　　　　　　ｌ
.　　/／　　　　　　　　　ｌ‐''"´￣ｌ ! ｜　　　　　　　 ＼
.　ノ´　　　　　　　　　　/　　　　 ! !　ｌ　　　　　　　　 ､ヽ
　　　　　　　　　　 /,ｨ /　　　　　lハ　!　',　　 　 　 　 ト､',
　　 /　　　　　　 //｜!　　　　　 ′ヽヾ､ヽ　　　　,　　!　ｌ!
　　/　/　　　　 //＝ｌ|__,. ,. ﾉ! ヽ ｒ‐''"ﾒｌ_ヽ',　､　　ｌ　 ｊ　.ｊ!
　 /　 | ｌ　　　/´,.ニミﾘ､´　　　　　,.彳-ｧ,`ヾヽト, ﾊ! /
　 {!　 ｌ ｌ　　/ 〃ｒ''ﾌ｀ヾ　　　　　　　{ｒ'´:::},.　 ﾘ ´/ /
　, ｌ' ､ ｌ ｌ,　 ',　´ ゞ＝'‐.:::　　　　!　　￣￣　　ｌ　 lｲ
　ﾞヾ　ｌヾヾヽ ヽ　　　　　　　　　 ｌ:::::　　　　　 !　 ｌ !
　　　 ｌ　ｌ｀ヽ｀T ｀　　　　　　　　 '　　　　　　/!　 l ｌ
　　　 !　ｌ　　｀ｌ`､　　　　　　 ,.-＝-､　　　 , '｜　ｌ ｌ　　　　　！？
　　　ｊ　 |　　｜ 丶　　　　　 ` －‐''　　 ,.ｲｭ｜　ｌ　!
　 　 !　 ｌ　　｜　　｀ｆヽ､　　　　￣　　, ''"´,ｲｌ　｜　!
　　//　 !　　 !　　　|ニﾆ｀ヽ、　　　／‐''"　 ｌ　　!　 !
　 /ｨ　　!　　 !　　　 !ｒ､ ｀ｌ　| ﾞT '' ´,ｲ ,ィ　　!　　!　 ',
　〃.!　｜　　ｌ　　　 ｌヾ＼ !｜ ｌ　／//ﾉ_.　｜　 !､＿ヽ
　´　!　｜　　ｌ　_,,../ﾞ! ｆ ､ｆ ｌ　!｜　ﾌ　 ／　 !　 ,ｌ　　　￣￣￣￣｀''－―- ､
.　　 ｌ__,,.!｜　!´　　　',ヽ ﾄ｜ |｜//／ ,.-''7　　!　　　　　　　　　　　　　　　｀＞-､
　‐''´　　! ｌ　 |　　　　 ｀ヾ､ !　!｜ _ ‐'´ 　 !　ｌ !　　　　　　　　　　　　　,. -''´　　　ｌ
　　　　　ｌ lｌ　 !　　　　　　　｀ｧｆ‐'´　　　　 !　lﾘ /￣￣｀ヽ､　　　　　 ／　　　　　　ｌ






533 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:52:00.23 ID:Gz.jG4Qo







　　　　 　 　 　 `t‐-　､__ぃ、
　　　　　ｰ=ﾆ.._: :￣: : : . :｀: ｀ 丶 ､
　　　　｀ ｙ' ´: : : : : . . : .　　　 　 　 丶､
　　　 　く: : :,: : :ｨ: : : ,: . . . .　　　　　 　 ＼
　　　　　冫_j／ '^jイ: : : : . : . .　　　　　 　 ヽ
.　 　 　 　 ｀∨,_　　 厶: : : : : .　　　 　 　 　 　 ',
　　　　 　 r!r辷y 　く_: : : : : . : .　　　 　 　 　 }
　　　　 　 j川爪_　　 ヽ: : : : . . : : : .　　 　 　 {
　 　 r‐　´ ｊ少'＾`￢＝}≪ニ、: : : :　　　　 　 j
　　　ヽ　　　　　　　　 jイ{く ぃ: : :　　　　　　/
　　　 ゝ､　　　　　 　 　 冫 ﾉﾉ: : . : .　　　y}′
　　　　〕｀　　　　　　　 ､二彳: : : : . 　 , '´　　　　　　殿！？一体なぜ……
.　　　　 {　　　　　　　 _ノ　　 j从〔: :　／　　　　　　　ギャッ！！
　　 　 ｀　‐--‐､　 _ 　 -‐ 　 ￣｀Ｙ´
　 　 　 　 　 y7{￣　　 　 　 　 　 |
　　　　 　 　 { '､'､　　　 　 　 　 _厶
　　　　　　　　、'､'､_　-‐_..二　-‐￢、
　　　　　　　　 ）￢=＜}厂　　　　　　'､







さらに、ことに驚いて止めに入った家臣の荻原五右衛門まで、斬り殺している。







535 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:53:03.63 ID:Gz.jG4Qo






当然、勝茂は事情を聞きだそうとした。
しかし……






　　　　/lllllllllllllllllllllllllllllllllllll／/ｌｌｌｌｌｌ／ ノ／/／　　　　　　　　　`ｌ|＼lll|llllllllllllllllllllllllll|
　　　　 |llllllllllllllllllllllllllllll／／,､-'´　 '´´　　´　　　　　　　　　　　`ヽ＼|＼llllllllllllllllll|｜
　　　　|/|llllllllllllllllll,､|l／￣￣ 　 　 　 　 　 　 　 　　/|　　　　　　　　 `ヽ`|lllllllllllllll|　|
　　　　　|llllllllllllllll/　　　､_　　 　　　　　　　　 　 　 //　　　　　　　　　　　`|lllllllllll/
　　　　　|lllllllllllllll| /　　　 `ヽ=､ヽ､　　 　 　 　 　 //　　　　＿,､-,　　　　　|lllllllllll|､_
　　　 　 |￣``|lll|/　　　　　　　`ヽ､`､　　 　　 ／/　　　､'´,､'´´´　　　　　 `|lll／,､､|
　　　　 ,|　／| |l/　　　　　 _,-　　､`ヽ`l　　__/／　　 ,､'´'´＿　　　　　　　　 Y /`l |
　　　　/　 ／l　|　　　 `ヽ､_ヽ､＿ ＼￣`／／　　／／ ／＿,､- ―'´　　　　|/`l　 |
　　　　`l　< <　|　　　　　＼ ヽ､`＞､　 /_/　　　 ￣　　-'＜､､､'／ 　　　　　|フ|　/
　　　　 `l　＼`l|　　　　　　 `ヽ――　//　<￣`>　　　￣`――'´　　　　　　 |／ ノ
　　　　　＼　＼|　　　　　　　　 ―'´//　　 '　　　　　 　￣￣　　　　　　　　 /´／|＼
　　　　　/|＼　 `lヽ､､　　　　　　／／　　　l　　`l　　　　　　　　　　　　　　ノ|/ |　`l ＼
　　　　/ / Г＼|　＼＼ヽ_　 ／／　　,､-､ |　　 ト―､,　　　　　　　　／￣ ｜｜　`l
　／フ　 |　|　　｜　＼　`ヽ,´_＜_　　（　　　　　｜ 　 ）　　　　　　／　　　　|　/　　`l　　　　　「無礼討ち」
'´　/　　/　`l　　|　　　￣`// `ヽ､`ヽ､`-ヽ　　　 ,､-'´　　　　　　/　　　　　 |　|　　 `l
　 /　　|　　 ＼　|　　　　,､l |　　　￣`ヽヽ-`―-'´　　　　　　　　｜　　　　　| /　　　｜
　/　　｜　　　＼|　　,､'´　|/　　　　　　ノ￣＼`l― ､　　　　　　　l､　　　 ／/　　　 /
　　　　｜　　　　`l　/　　（|　　　＿―'´_,､-､__`l`l-､_＼＿　　　　 | /　／／　　　　|
　　　　｜　　　　 `ヽ-､`l　　　　　 ￣ヽ 　　　＿∥　￣／　　　　　 |'´／　　　　　 /
　　　　 |　　　　　　　　`ヽ　　　　　　　`―'´￣_￣∥￣　　　　　　/／　　　　　　 |
　　　　 ト､　　　　　　　　`､ 　　　　　　　 -'´￣￣　＼　　　　　／　　　　　　　　/
　　　 　 | ＼　　　　　　　　`-､＿　　　　　　　　　　　　　　 /／ 　　　　　　　　　|
　　　　　|　 |＼　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　 /
　　　　　|　 `l　＼　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 /
　　　　　`l　｜　 `l　　　　　　　　　　 ＞―――――<　　　　　　　　　　　　 /|







これしか口にせず、あとはだんまりを決め込んでしまった。






536 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:54:14.93 ID:Gz.jG4Qo






.　　　　　　　　/ .／ﾌ 7　 , -‐ x 　 l 　 i　i　i　 ',
　　　　　　　 / ,/ /　/ ／　／ i i　 ｊ　　　 　 　 |
　　　　 　 　 ﾚ/ /　 ／　〆ｰ‐‐く. /　/　　　i 　|
　　 　 　 　 r/　′ ′ '´　.ィ´厂l/! / } 　/　|　}|　　ﾊｧｰ…
　　 　 　 　 !′　　　　 ｒ__ ､ｊ/｀￣厂ヽ! /j!　ｊ /}!
.　　　　　　 !　　 　 　 /　　.}　　` ー‐''/〃 ハ ﾉ　　　「しかたない。正茂を隠居させろ」
　　　　　　 ｊ　　　　　/　　 ﾉ　 　 　 　 /　/イ
　 　 　 ｒ‐‐'―- ､ ／!　 　 ___　 　 　 /　/
　　　厂￣￣｀ヽ　ﾞ> l＼　ゞ二)　　／ｊイヽ.
　　 ,′　　　　　Ｘ.　 l　 ヽ. ___ . イ　 / .|　 ＼
.　 /　 　 　 　 n / 　 !　 /ｰ ､ ｒ‐‐／　｜　∨＼
　/　　　　 　 n /　　 l　/、c | |ｰ l｀ヽ. ｜ 　.∨　＼









　　　　　　　　　　　　ノ｀丶､　　　　　 ,へ、　　　　　　　　　/.l
　　　　　　　　　　　/　 ヾ　 ＼.--,.--'.‐‐┴-､　　　　　　∠ノ
　　　　　　　　　　r'　　｀ゝ´〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀`ヽ､_
　　　　　　　　 　｛　_,. /.:.:/;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ミヽ､
　 　 　 　 _　-‐´￣　/.:.:/.;':.,':.:i..l:.ﾊ.:..i:.:..｀､.:.､..ヽ:.:.::.ヾ::.:..:.:.ヽ＿＿＿＿_
　　　 　 / 　 , - ' ´.. l.:.:,':.:l :i:.:.l::l.:| .l.::ﾄ､:.:.:.:ヽ.:.:.:.:ヾ.:.:.:.:.:.:..:.」　 　r'´─'´
　　　　/　／〕　　／ l.:.;' :.i:.:l:.:.l:.l､ﾋ弋トヽ:.:､:､＼::｀,:.ヽ:.:.:.:.:.j 　　ﾉ　　　　　　　　　　,.ｲ
　　　　ﾚ´ ﾊ 　／／,'l::.!:.:.i:._l:.:.ﾄl ｲﾞ匕jヽ｀ヽ､:._‐-ﾐ.:.:､.:_:ﾙ'｀⌒'´　　　　　　　　　　 ﾚ′
　　　　　　'⌒>'´　/.ﾍ:.!.:/r l:.:.l　　´￣　 　 　 fｽﾊ.Nﾚ'ー-､
　 　 　 　 　 〈___ノ｀〉　〉ヽ! | .:.l､　　　　　丶 　 ｀ﾞ./_ﾒ':._:_:_: ＼
　　　　　　　/:./　/:|_/:.:.:.ヽ|:.:.:.|｀ｰ　　　ｰ-　　　,ム: :'":: : : ﾞヾヽ　　　　　　_,..　-‐―― - .､
　　　　　　 /.:/　,';.i:.:.:.:.:.:.:.:.|l .:.:ﾄ､　 　 　 　 　 ,.'二i; ;: : : : :; : : : :〉ー―　'´ :∠´￣￣￣￣ヽ）
　　　　　　,'::.:!.　l:.ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.ｌ　ヽ､ 　　 ,...::´:.:.:..::.￣￣｀ヽ､,／　＼:.:.:.:.:.:..￣.:￣￣￣￣｀く
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　　　　　　　　　　　　　【勝茂の９男　　鍋島直朝】







強制的に隠居させた後は、勝茂の九男である鍋島直朝を鹿島藩主にすることにした。





537 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:55:24.40 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　__.　--─-- 、
　　　　　∠　　　　　　　　＼
.　　　／,r　/　/　　ヽ ﾍヽ　 ＼
　　 /// ,　|　｜　 　 |　| ﾍ　　ヽ
.　　|/ ｌ /　|　∧ |　| :|　|、:|｜　 ',
.　　| l　|　､ﾄ､.|. |ﾊ ﾊ |ヽ!ヽ'Ｖ　　｜
.　　lｲ　lヽ| _ム-- ｀　レﾆニT |　N
　 　 ∨|　|´ 'ﾓｼ´　　　ﾞー'　|｜ |　　　　「まぁ、これで問題は解決するだろう」
　　　 |ハ！　　　 　 　 　 　 |/／
　　　 　 ヽﾄ、　　　 l　　　　/
　　　　　　ヽl＼　 -─　　.ｲ
　　　　　　　　 l｀　 ._　 ／ ﾉ、
　　　　　　　　/　|　　　 ,rく. ヽ






538 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:57:00.62 ID:Gz.jG4Qo






＜江戸　　桜田鍋島上屋敷＞









￣ﾞ''ー-､..＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,,-―'"￣
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二.二二二二i＝＝＝||＿＿＿＿____,| |　 　 　 　 　 　 　 | |
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　 　 ||　　　　||;;　|　 | |　　　|　 |: 　　| |￣￣￣￣￣￣￣| | 　|　 ＼
　 　 ||　　　　||;;　| 　| |　　　|　 |:　　 | |.　 i i　　　　　　　 | | 　|　　　|
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　 　 ||　　　　||／ ／| |　　　　　　 　 | |￣￣￣|￣''''――| | 　| 　　 |
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／／||　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
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539 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:58:28.18 ID:Gz.jG4Qo






中野やらない夫の出世は、土山と多久からの推薦で引き上げられていた。
これは昨年までの活躍があっての抜擢である。

例えるなら、無名の中途が、いきなり社長秘書に取り立てられることに等しい。








　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼　　（ ;;;;(
　　　|　　　 （ ─）（─　　) ;;;;)
　　　|　　　 　 （__人__）　/;;／
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　l;;,´
　　　 |　　　　　∩ ノ)━・'　　　　　「俺は江戸に留守番か……」
　　／　　　　／ ＿ノ´
　 (.　 ＼ ／　.／ 　 │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





540 ：1[saga]：2009/09/17(木) 20:59:37.97 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　.／￣￣￣`ヽ、　　　　　「出世は望むところだが、
　　　　　|　　　　　 　　 ヽ　　　　　近習の俺が殿と一緒じゃないなんておかしいだろ。
　　　　　ヽ､＿＿＿ノ／ /ヽ
　　　　　　 <二つ二二ノ　 ヽ..　　　常識的に考えて……」
　　　　　　 /　/　 人　 ＼　 }
　　.　 　 ∠'∠_／ ヽヽ､＿.ノ








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／｀`‐-─､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿,, r''´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : |:i: .:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:...ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:./:./:.::./^'ﾄ:.:.:.:.:!.:.:.:.:..`､.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　／〆!.:/.:/ﾘ　　!:l:.:.:.::ト;.:.:.:.:.`､.:.:.:!.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　,z≠´　/.:.l:..:l ..,__　l:.|､:.:.:.! ､.:.:.:.:.`､.:.:.!.:l.:.:.:|
　　　　　　　　　　 　　　　　　 !.:.:|.:.:i　,,,__` !| `､:.|´＼.:.:.:.`,.:.:.i'.:.:､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 i.:.:.f.:r;.! ｲ升!　!　`､!-f升､.:.:.!.:.:.|i.:.lヽﾞ､　　　（おやおや、案の定、愚痴をこぼしていますね）
　　　　　　　　　　　　　　　　 |:./ i!l.:.l　￣　 /　　　￣´ 7:.､!.:.:lﾉ.:l
　　　　　　　　　　　　 　 　 　ﾚ　　!:.:.l　　　/　　　　　　 !.:.:ｿ.:./|:l
　　　　　　　　　　　　　　 　　 　　 !:::.ﾄ　　.`＿___　　 　i..:.i!.::/. ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 !..:! ＼ ヽ＿／　 ／!.f/|/
　　　r- ､　　　　　　　 ,-‐　‐- ､＿,,!i-'"i`i､　 ‐ 　／_,,ﾘ|ﾍ､　　　　＿ . -‐ ､
　　　ヽ､　＼_＿ 　　/:::::::::::::::::::::::::／::;;;;| ﾍ､ ー',, ／　i;;;;;ヽ｀'￣:::::::::::::::::::::　ﾍ　　　 　　__
{ヽ､!ﾞ`､.ゝr､　　l｀Y＼:::::::::::::::::::::／:::::::::;i　 rゝ"､　　　 !;;::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::i　 ,.､r-ｨ'ヽ　}ｨヽ
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.ヽ､ﾞ､　ﾞi　 ﾍ　 |　 i　　　　 ヽ::::r-‐'´:::::|/ l };:::::/　k. /i:､:::::::::_r':::::::::::::::, -‐ f　|　}　 }´ l 　! ,!　i
　　｀ﾞ､. ﾍ 　 `"ﾍ　`l_　 　 　 !､_r ､::::::::l　 Y:::::::l 　 V/　､／::::::::::::::::r´ 　　 !　!　! 　| ｿ　 .|'　/
　　　　 `ー'‐―､_　 　!　　 　 //´:` ､i 　/:::::::::|　　/:::::::｀` ､::::::::::rr|::::.....r'ﾞ　 |'´　 /´　／／

　　　　　　　　　　　　　　　【江戸留守役　　土山五郎兵衛】






541 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:01:09.47 ID:Gz.jG4Qo






土山は、勝茂のやりとりを思い返していた。






　　　　　　　　　　　　　　　　. .- ‐ : ..､
　　　　　　　　　.　　　　_, ´: : : : : : : : : :_:::::ー....
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　　　　　 　 　/　　　/　/　　　::::,､_:::　　 :::::ヽ 　 :::::ヽ:::ヽ
　　　　 　 　/,: : : : : |: :|: . . ::/ /　　|　.:.　:::::::ヽ : :::::::k:::::l
　　　　　／´i: : : : : :|: :| : : :::|::/_ _ 　| ::::　::::::::::l: : : :::| .|::|
　　　　　　　i:::'l: : r　ヽ|: : :::ｫ/ __ _ ヽ|:|､:::::::|,:､::l: : :::::l　ﾘ
　　　　　　　i/ l ::::t卩|| : ::/|　'､k｡ｶ　`|ヽ:::::|Z|::l : ::ﾄ､|
　　　　　　　 　t|::::::＼| : :/　　　　　　 　 t::j ::ｆ:l:: ::::| .|　　　　「やらない夫は功績を立て過ぎました。
　　　　　　　　　|:::::::::::::|: :|.　　　　　　 　　>:/:::|､::::/
　　　　　　　　 /}::::::::::| |::|　　 　　_ _ _ . '::::/::::/ |::/　　　　　　あまりに急速な出世は、家中の反感を
　　　　　 　　/　ﾚ|::／　`|＼ 　　 ヽ--'::::/l::∧| ﾚ　　　　　　　買うおそれがあります」
　　　　　 　/､　.　'　＼　　:::::＼　 　.:::, '　l/　 |
　　　　　／　ヽ　　　　　`　､　 .::.` -,'､､　　　　　　　　, ､
　　　／ 　　　　ヽ　　　　　　Ａ:::::::|/ ::}.::ヽ　　　　　　/ :::l
　 ／　　　　　　　　＼　　　/:::{o`::|__､l::::::}　　　　, '　..:::/　　 　. - _´｀,ー__､
／　　　　　　　　 　 ::::::＼/　::::|　i::| /::::::::|　　／　__;;k'　 --´‐‐ ...￣....`::､:::`,
　　, - ･･･ -　､　　　 　　　　　 ＼`||　::::::{　／　　　　　　 ..:::::::::::::_:: ‐　 ' ￣
　/　　　　　　 　`　　　.　　　　　　`|| 　 :l ./　　 　　　　..:::::_:: -
/.　　　　　　　　　i　　　 　.　　　　　|､ 　l,/　　　　.......::::::-
'　　　　　　　 　 　i　　　 　.　　　　　|.|　l＼ _　 .:::::::::k'
　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　|. |/　　 　ー‐:::::'/








　　　　　／´.:':.:.:.:./:.:.:.:!:.:.:.: /:ﾊ:.:.:.:.ﾄ､:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶
　 　 　 　 .:': / /:.:|:.:.: ハ:.:.:ハ! ＼:.:|　ｉ:.:.:.:ｌ:.:.:.:.:.ｉ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
.　　　　 /: ィ:.: ｉ:.:.:!:.:./　 :.:.|　　　 ヽ!　|:.: /:.:.ｉ:.:. ｌ:.ヽ:.:ﾊ:.:.:ｉ:.:.: ｌ
　　　　/´ /:.:.:.!:.: ﾊ:.:! 　 ﾍ{ イ´￣　　ｌ:./ｉ:.:.:.ｌ:.:.:|:.:.:ヾ:.:|:.ハ:.:.:|　　　「それで、この一年は
　　　　 　 |:.:.ﾊﾍ:.L_ヾ　 ´　 ｨﾔ::)フ　 }:'　!: ﾊ!:.:.ｌ‐､:.:.:.:.!':.:.:|:.:.ｌ　　　　鳴かず飛ばずでおさえた方が良い、
　　　　 　 |:/　 :ハ ,ミ　　 　 ゞ ´　　　 　 !':.:.:.:.:'´｀ヽ:.:.:.:.:. ' ｉ:ｌ　　　　というわけだな」
　　　　　　!'　 　 ヽﾊﾋ}　　　　　　　　　 　 !:.:. /｀) 丿:.:.:. /:/!'
　　　　 　 　 　 　 ヾノ　　　　 　 　 　 　 　 !:/‐' /:.:.:.:.:.:.:Ⅳ
　　　　　　　　　　　ゝ､　　　　　　　　　　　　!ーｉ:.:.:.:.:.:.:.:ｉ {
　　　　　　　　　　　 ＼ ､ _＿　　　 　 　 　 /:.　|:.ﾊ:.:.:.:.:.!
　　　　　　　　 　 　 　 ヽ ー　｀　　　　　 . : : ｉ　}:'　＼Ⅳ
.　　　　　　　　 　 　 　 　 ､　　　　　 イ: : : :. ｌ　 　 　 ｀ヾ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ー‐　´ﾍ: : : : : :　ｌ　　　　　　 ＞‐-､
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ゝ: : : :　 ｌ　　 　 ...:.:´:.:.:.:.:.:.:.＞‐
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _..ィヽ: :　　! 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:´:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　 　 　 　 _..:.:´{:.:./: :.}　　　.イ:.:.:.:.:.:.:.イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　,....－:.:.:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.ゞ __ .才´:.:.:.:.:.:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:






542 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:02:06.55 ID:Gz.jG4Qo







━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　 　 ＿_
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
　　　　　　　　　　　 　 　 　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、　　　　　（聞書１の１２７）
　　　　　　　　　　　　　　 　/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
　　　　　　　　　　　　 　　 ,!;;;!ﾞ`''～^～ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!　　　　『若いうちに出世するのは、長続きはしないものである。
　　　　　　　　　　　　 　　 |;;;|　　　　 　ﾉﾘ　　　　　ﾐ;;;|
　　　　　　　　　　　　　 　_ゞ;! r─-- ､　　,rｪ--- ､ﾐ;ﾘ　　　　　才能豊かに生まれついても、人物が熟れていないので
　　　　　　　　　　　 　 　 !ﾍl;|. ぐ世!ﾞ｀｀　,ｨ '"世ﾝ　｢ヽ　　　　 信用してもらえない。
　　　　　　　　　　　　　　 !(,ﾍ! 　￣'"　　|:::.` ￣　 ,ﾄﾞﾘ
　　　　　　　　　　　　　　 ヽﾞ､!　　　　　　!;　　　　 ,ﾚｿ　　　　　五十歳ごろから、そろそろ出世するのが良い。
　　　　　　　　　　　　　　 　 `| 　　 　 ^'='^ 　　　 ﾑ'′
　　　　　　　　　　　　　　 　　.ﾄ､　　ー- ─-:　　/|　　　　　　　それまでは、あいつは出世が遅いくらいに思われていた方が
　　　　　　　　　　　　　　　　 i| ＼　　 ===　　 ,ｲ l　　　　　　　効果があるもんだ。
　　　　　　　　　　 　　　　　　i|:　､＼　　; 　 ／ ﾘ ,ﾄ､,_
　　　　　　　　　　　　 ___,,,､イ:|、　､　`ｰ─''ﾞ　_,､-"　/｀"'ｰ-､,,,_
　　　　　　_, ､,---┬'"／:.:.:.:./' ヘ,,､-ｰ''"´￣ 　 　 /.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.｀"''ｰ---､､,_
　 　　　/´.:..!.:.:.:.:;i:/／:.:.:.:.／;i　 /;;;;;;;＼ 　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:,:.'.:.´.:.:.:.:.:ヽ
　　 　 /.:.:.:.:.`､.:.:i/:.:＼:.／.:.:.:.ﾘ∧;;;;;;／ ヽ 　 　／/.:.＼:.:.:.:.:.:.／:.:.:.,:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:}.:/:.:.:.／.:.:.:.:.:i'/ ./;;;;;;;i　 　 ヽ／　/.:.:.:.:.:.＼／.:.:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:／:.:.:.:.:.:.:.:!:i ./;;;;;;;;;;l　　 　 ／:/.:.:.:.::.:..ヽ.:＼:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
　 〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.!:.::.:.:.:.:.:.:.!:.:i;';;;;;;;;;;;;;! 　 ／.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/∧:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〉
　　〉.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.l;;;;;;;;;;;;;;;l／:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./二7:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀>
　 /.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.l:.::.:.:.:.:.:l:.:.:.!;;;;;;;;;／.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ







544 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:03:09.45 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　 　 _ , ,,.. 　_
　　　 　 ,r'　　　　 　 ヽ,.
　 　 　 .i r'^"^'ﾚv^^^ﾍ..i
　　　　 !.{ ,.＿　　＿,.、} !
　　　　 ﾍ"ｪ.ｭ':i　 .ｪ.ｪ".ト.　　　　　.また、失敗して家を傾けても、
　　　　{. ! 　 　j 　　　　!j.}　　　　　志のあるものは、私利のための失敗ではないので、
　　 　 丶! 　　 ' ^ 　 　ﾚ'　　　　　　早く立ち直るものさ』
　　　　　 ﾄ.、 ' ニ '　.ｲ
　　　　-‐ﾊ ＼ ＿／j ト‐-







━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






546 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:04:39.57 ID:Gz.jG4Qo







　　 　　　 ／￣￣＼
　　　 　／　 ヽ､_　　＼
　　　 （●）（● ）　　　|　　　　「やることといったら、
　　　 （__人__）　　　　 |　　　　　小城・鹿島・蓮池などの顔役へあいさつまわりぐらい、か……」
　 　　（　　　　　 　 　 |
.　　　　{　　　 　 　 　 |
　　　 ⊂ ヽ∩　　 　 く
　　 　 | '､＿ ＼　／　 )
　 　 　|　 |_＼　 “　.／
　　 　 ヽ､ ＿_＼_／








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　_ -‐　´　　　　｀丶_　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　 ／／　　　　　　ヽ　　 ＼　　　　　　.│
　　「はぁ、　　　　　　　　　　　 　　 │　 　 　 　 ／　/　　 　 　 　 　 |　　 l　ﾊ　　　　....│
　　　お愛にも会いてぇなぁ」 　　　│. 　 　 　 /／ / ∧ lヽ　＼　 　 !　　 !　 ﾊ　　　　..│
.　　　　　　　 ＿__　　　　　　　　　　│　 　 　 /ｲ !　lL⊥_ヽ ＼⊥≦-ｌ　　 l 　 lヾ　　 　 │
.　　　　 　 ／　―＼　　　　　　　　 │　　　 /ハ.l　.lヽl_　　　　＼__ｭ ｌ　 ｌ/ /　l　　　 　 .│
　　　　 .／ノ　　(ー)＼　　　　　　　│　　　 ′　ﾞlヽﾄrﾃ心　　　'ﾁ::尤ｌ　/､/ __ ﾄ　　　.....│
　　　　 |　 ( ノ) 　 ⌒)　Y　　　　　　│　　　　　　//lﾊ.ﾋ_:ﾉ 　 　 ﾋ_:クl /ﾞｿ　_､!｀　　　　 .│
　　　　 }　　　（_ノ￣　　i　　　　　　 │　　　 　 　 　 lハ　　　　　 　/／´/l/　　　　　　　│
　　　　 |　　　　　　 　 /　　　　　　 │　　　 　 　 　 l/　＞- ｀ -:イ今／　　　　　　　 　 │
　　　　　＼　　　 　 _ノ　　　　　　　│　　　　　　　　　　∧l./＼´　 |＿／｀i　　　　　　　│
　　　　　　/´　　　　 `、　　　　　　 │　 　 　　　 　 　 r┤V　　 ＼ |　/ 　 |　　　　　　 .│
　　　　　 /　,＿__　 ,.　i　　　　　　　│　　　 　 　 　 　 V　/　　　　Y /　　/　　　　　　　│
　　　　　（ ､＿＿⌒) ノ　　　　　　　│　　　　　　 　 　 |　 |　　　　/!　 　 く_　　　　　　...│
　　　　　　ヽ、　i⌒i⌒i　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 く!　 l　　　 / |＼　 ／　　　　　......│
　　　　　　　　　i　 i　 i＿　　　　　　│　　　　　　 　 　 ｀T´ヽ__／　ｌ　 ｀´　　　　　　　　.│
　 　 　 　 　 　 ＼＿）＿）　　　　　 │　　　　　　　 　 　 |　　　　　/　　　　　　　　　 　 .│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　 L＿＿＿｣　　　　　　　　　　.....│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　〈ソ じ'′　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└───────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【やらない夫の妻　　お愛】





547 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:05:59.84 ID:Gz.jG4Qo






　 ／￣￣＼
／　　 　　　 ＼
|　　　　　　　　|
|　　　　 　 　　|
|　　　 　 　　　|　　　　「佐賀に帰れず、悶々とすごすんだったら……」
|　　　　　　　　}
ヽ　　　　　　 ﾉ
　 ヽ　　　　ノ
／　　　　　　＼
|　　　　　　　　 |
| 　|.　　　　　 |　|
|　 |　　　　　　|　|









　　　　　　　　　　　 　 　 　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　| 　 ⌒　　⌒ 　|
　　　　　　　　　　　　　　 　|// （__人__)//|　　　　「いっそのこと開き直って、遊んじゃえー」
　 　 　 　 ぐ　　　　　　　　 |　 　｀ ⌒´ 　 ﾉ
　　　　ぐ　　る 　 　 　 　 　|　　　　　　 　} ＿＿　 　 　∩2z、
　　　　る 　 ん　　 _ -　￣ ヽ　　　　　 　 } 　　― ニ二./ 　／
　十　 ん　　　 　 　.　　　　　ヽ　　　　　ノ　 　 　 ／｀／
　　　　　　,　　'　　　　＿　　　l´　　　'⌒ヽ-‐　／ 　/　　} }　　＋
　　　 ／ ／ 　 　 ／　 　　 　 ﾘ 　　 　| 　| 　 /　　ノ
　C､/　/　　　　　　　　╋　　/ 　 　　 |　 |／　　/　　／／
＆　 ＼＿＿＿＿／　 　 　 /　　　　 ﾉ／　＿／―''
　⌒ヽ-､＿＿／　　￣￣￣｀ヽ∩　'´　　　／ 　　十
　　　　　　／ ￣￣｀ー-　...,,＿災＿＿,／|　／　　　　　　　　＋
　　　　　　　 　　 　 　／ 　　ﾉ　{＝ 　　|　|
　＋　　　　　　　　　　　　∠ム-' 　　 ノ,ｨi､ヽ、






548 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:07:04.55 ID:Gz.jG4Qo






＜江戸　　吉原＞







┼┤│　 ││;;;||-|-|-|-|-|-|-|-|-||:::: ::: :::: :: ::　.||-|-|-|-|-|-|-|-|-|││
┼┤│　 ││;;;||-|-|-|-|-|-|-|-|-||::::::::: : : :: :: :::||-|-|-|-|-|-|-|-|-|││
┼┤│　 ││;;;||-|-|-|-|-|-|-|-|-||::::::::::::::::: :: ::..||-|-|-|-|-|-|-|-|-|│｜
┼┤│　 ││;;;||-|-|-|-|-|-|-|-|-||─────||-|-|-|-|-|-|-|-|-|││
┳┥│　 ││;;［田田田田］［田田田田］［田田田田］［田田田田］ |..│
┻┥└─┘,,|／=======================================;;;|..│
　ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
==@==@==@==@==@==ｒ─ー─‐-──ー┐@==@==@==@==@==@==
─────────‐| 　西　　田　　屋.│─────────
:: : :|　|;;| :::: :::: :＿＿＿＿｀ー─-─-‐ー─┘＿＿＿＿:::::::::::::: :|　|;;| :
　　|　|;;|　　　::||三三三|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|　　　::||三三三|千＿|客_,,ﾉ万__,ﾉ来__,,|三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|　　　::||三三三三||:::::: ::: :: : :: ::: :: :::||三三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|::::　／||三三三三||:::::: :::: :: ::: ::::::: :::||三三三 ／:: :::::::::::::|　|;;|:::::
|￣￣|￣￣|.　||三三三三||::::::::::::: :: ::. :: :::::::||三三三||￣|￣￣|￣￣|￣
|　 　 |　 　 |.　||三三三三||:　:::::::::: :: :::::::::: ::||三三三||　 |　 　 |　 　 |
|　 　 |　 　 |.　||三三三三|||::::: : :.: :::::::::: :: : ||三三三||　 |　 　 |　 　 |
|＿＿|＿＿|／::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||＿|＿＿|＿＿|＿
　　　　　　　　





549 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:08:00.93 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　　　　　　　　 ,．-─　､ ,.　‐ｧ.
　　　 　 　 　 　 　 　 　/¨ ﾌﾞ　　　　／　／　〉
　　　　　　　　　　　(⌒＼ {　　　 ／　　　,．　＝─ ､
　　　　 　 　 　 　 　 /　　＼ 　 /　　　／　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　〈　,．-=ゞ＝=-ﾐ. く＿__,．-r‐ｘ ､ 　 》,
　　　　　　 ､＿__,．＜　　　　　　　　＞ヽ.　ヽ.　∨ 》,＼.　》,
　　　　　　　＼:::::ﾐ　/　　 ,ｲ　　＼　　　 ＞ｘ_}__厶ィ》,　＼ 》,
.　　 　 　 　 　 ＼ﾐｲ/　｣_{｜!　 　 ＼　　　彡':::::::::ﾉ.::》,.　 ∨》,
　　　　　　　　　　｀|{　　|/｀!||＼　,＞ ヽ.　彡ｯ:::／　V::l　　 ∨》,
　　　　　　 　 　 　 |∨ }|ィﾄ､{　＜＼　　∨　ﾘ'´　 　 |::|　　　∨:i
　　　 ,．-‐　 ,ｘヘrヘ}!/j'..ﾋﾘヽ. ィ＝!＼　}　　/¨¨ﾌ　|::|　　 　 !::!
　　　 |　 ヽ. ｢|　 {{　 ﾘ　ト、'' '_　_, '''|　||V＼/ 　./　 :!::!　　　 :|::|
　　　！　 :ト|.{　 　 /　 i|　＞ ､.　＜|　|| ,ｘ==ｘ_/　　 !::!　　 　:|::|
　　　　. 　 |. ヾ__　〃　 i|　||　　 ／'ﾘ /|ｆ(////ﾑ　　 j/　　　　j/
.　　　　　 ！　　∨　　 ﾘ　||__／　./　! !V////,ﾘ　
　　　___ 〉 ！_r‐/　　 /:.,　　　 .. /　 :!//`=ｧ‐''’　　　「アンタも好きねぇ」
.　　 巛厶イ《　 {/　 /|　　_　　.:/|　　|/　 /
　 　 ／.: : .: :＼ｲ|　 | |　　　　:/' |　　|＿/
　　/⌒ヽ..: : : : :i!|　/_j.　　　.:,'／|　　|
.　 ｉ　　　 ＼.: : : :∨: :`ー-r‐{′ !　　!
.　！　　　　 ＼: : : : ,＞‐'´∨　　＼　＼
　 ！＿＿＿＿ﾄ- '´　　　　》,　　　 ＼{¨＼
　　〈///////)ﾊ ＼＿＿_／∧
.　　 ﾏ///////ｋ　∨///////〉
　　　 ﾏ///////i.　 ＼//////∧
　　　　∨(/////k　 　 ヾ./////∧

　　　　　【西田屋花魁　　小牟（シャオムウ）】








　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　|　　 　（ ⌒）（⌒）
　 　 　 　 　 |　////　（__人__）
　　　　　　　 |　　 　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　「ハハハ……、おしげりも嫌いじゃないけどな」
　 　 　 　 　 ,|　　 　　　　　 }
　　　　 　 ／ ヽ　　　　　　 }
　　　　　く 　く ヽ　　　　 ノ
　　　　 　 ＼　`' 　　　 く
　　　　　　　 ヽ、　 　 　 |
　 　 　 　 　 　 | 　 　 　 |






550 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:08:56.67 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／ 　 ⌒　　 ＼
　　　　　　（ へ）（ へ）　　｜　　　　「でも、一番の理由は、おやじさんに会いに来ることなんだぜ。
　　　　　　.（__人__）　 　 　 |
　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　.｜　　　　おやじさんと皆で一緒に飲む酒はうまい。
　　　　　　　{　 　 　 　 　 .｜
　　　　　　　{　　　　　 　＿ |　　　　会話もはずむし、色々吸収できるから楽しいんだ」
　　　　　　（ヽ、ヽ　　　/ 　）|
　　　　　　 |　｀`ー―‐'|　..ヽ|
　　　　　　 ゝ　ノ　　 　ヽ　 ノ
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣








　　　　 　,.'⌒ヽ_ （/　　　_/
　　　 　 ｉ!　 ,'´　⌒ヽ.　( / )
　　　 　 !_,ｨ'　ノﾉﾉ )ｊﾄ､_/´
　　　　 ,ﾘ"'从ﾘﾟ ｰﾟﾉﾘ''/　　　　　　「おぬしもなかなかのスケコマシじゃのう」
　　　　(（(　 ⊂)ｊﾒ)づ/
　　　　 　 　 　ﾊ,　i /
　　　　 　 　　'しj__ゝ






551 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:09:50.71 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　|┃三
　　　　　|┃三
　　　　　|┃
　　　　　|┃　　　　　　　, -―ｧ- ､
　ｶﾞﾗｯ　.|┃　　　　　　/　　 /　　 ヽ
　　　　　|┃　　　　　　l　_,ｲ/　,ﾍ､ｷl
　　　　　|┃三　　　 　l t;;;;ﾉ　ｨoァ l） 　　　　　「おーい、やらさん、アンタにお客さんだよ」
　　　　　|┃　　　　　　ゝ'´(､し_)　 イ
　　　　　|┃　　　　　　ヾヽく三フﾉノ
　　　　　|┃三　　　 　　｀ `ｰ-‐'"
　　　　　|┃
　　　　　　　　　【吉原庄屋　庄司甚右衛門】








　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　／　　_ノ　,ヽ＼
　　　　　　|　　　（ ●）（●）
.　＼　 　　|　　　　 （__人__）
　　 .＼　　.|　　　　　｀ ⌒ﾉ
　　　.　＼　ヽ　　　　　 　}　　　　　「客？誰だろう……」
　　　　　 .＼_,ゝ　　　 　ノ
　　　　 　／, r､　　　　く
　　　　 ./　〈　 ＼　　 　i
　　　 .　ヽ､ .ヽ 　 ＼ i..｜
　　　　　 　.て_）　 　＼ﾉ
　　　　　　　　　　　　　＼





552 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:11:50.66 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　∽∝∞∝∽∽∝∞∝∽∽∝∞∝∽∽∝∞
　 　 　 ..::／||====================================
　　...:::／|　 ||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三
...: :／|　 |／||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三
／|　 |／|　 ||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三
　 |／|　 |／||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三　　　
／|　 |／|　 ||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三
　 |／|　 |／||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三　
／|　 |／|　 ||三三三i三三三i三≡≡i≡≡≡i三三三i三三
　 |／|　 |／||三三三i三三三i三≡≡i≡≡≡i三三三i三三
／|　 |／|　 ||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三
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／.....:::::／　　　　　／　　　　　／　　　　　／　　　　　／
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..:::／　　　　　／　　　　　／　　　　　／　　　　　／






553 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:12:47.64 ID:Gz.jG4Qo






　　､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　 ､＞　　　　　　　　　　　　　　.|
　　　＞＿＿＿＿＿＿＿＿　　 .|
　　　￣ 　　.|./＿　　 ＿＼ |　　 |
　　　　　　　| /　 ヽ／　 ヽ　|　　|　　　「吉原のおやじさんのご紹介で、お呼びしていただきました。
　.　　　　　 | | 　 ・ | ・　　|　 V⌒ｉ
　　　　＿　 |.＼　 人＿_ノ　　　6 |　　　それがし、前鹿島藩主正茂の実弟で、佐野茂之と申します」
　　　　＼￣　　○　　　　　　　　/
　.　　　　 ＼　　　　　　 　　　厂
　　　　　　／　 ＿＿＿＿_／
　　　　　　￣￣, -/へ／＼/｀- ､
　　　　　　　 ／./　 ./o　　　　i.　＼

　　【対馬藩家老　佐野（鍋島）茂之】








　　 ／￣￣＼
　／　　 　_ノ　＼
　|　　　 　（ ●）　）
.　|　　　　 　（__ﾉ､_）
　 |　　　　　 ｀ ⌒ﾉ　　　　　「ああ、これはご丁寧に。ありがとうございます」
.　 |　　　 　　　　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　.>　　　 <






554 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:13:54.28 ID:Gz.jG4Qo






佐野はやらない夫に頼みごとをしにやって来た。






.　､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　 ､＞　　　　　　　　　　　　　　.|
　　＞＿＿＿＿＿＿＿＿　　 .|
　　￣ 　　.|./＿　　 ＿＼ |　　 |
　　　　　　| /　 ヽ／　 ヽ　|　　|
.　　　　　 | |　／ | ＼　 |　 V⌒ｉ　　　　「兄がですね、僕にお目見えしろっていうんです」
　　　　　　|.＼　 人＿_ノ　　　6 |
　　　　　／　　○　　　　　　　　/
.　　　 ε　　　　　 　　　 　　 厂
　　　　＼　　　 ＿＿＿＿_／
　　　　　￣￣, -/へ／＼/｀- ､
　　　　　　 ／./　 ./op　　　 i.　＼









　　 　　 ＿_　　　　 ━┓
　　　 ／　～＼ 　　┏┛
　　／ ノ　　(●)＼　・
.　｜　(.／) 　 ⌒）＼
.　｜　　 （__ノ￣　　 ＼　　　　　「えっ！？何がです。話が見えてこない……」
　　＼　　　　　　　　　 |
　　　　＼　　　　　　　/
.　　　　　 ＼　　⊂ヽ∩
　　　　　　/´　 　 (,＿ ＼.
　　 　 　 /　　　　　　 ＼. ＼
　 　 　 ./ 　 / 　 　 　 |. ＼ソ
　　　　（ 　y'　　　　　 .|






555 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:14:47.20 ID:Gz.jG4Qo






　　　 ＿＿＿_
　　　 ＼　　　 ───＿＿＿
　　　 ＜　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣|
　　　　＞　＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 　 　 |
　　　　￣￣　|　/　　　　　　　＼　| 　　 |
　　　　　　　　| /⌒ヽ　　／⌒ヽ　 | 　　 |
　　　　　　　　| |　‘　|　 i ‘　　 |　 | 　　 |
　　　　　　　　| ヽ.__ノ　 ヽ.＿ ノ u ﾚ⌒ヽ　　　　　「鹿島藩を継ぐため、将軍にお目見えしろっていうんです」
　　　　　　　ノ　　 o　　　　　　　　　 ６　|
　　　　　 ／＿＿　　　＼　　　　　　＿ノ
　　　　　　　　　　＞　　　　　　　 ﾉ
　　　　　　　　 ＜、＿＿＿　　 イ
　　　　　　　　　　　　　|───┤
　　　　　　　　　　　／ |／ ＼ ／ ＼








　　 ／￣￣＼
　／　ノ　　＼ ＼　　　　　　━━┓┃┃
　|　 （￣）（＿）　|　　　　　　　　 ┃　　　━━━━━━━━
.　|　　（__人__）　 |　　　　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　┃┃┃
　 |　　 ゝ'ﾟ　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┛
.　 |　　｡≧　　　　三　＝=-
.　 ヽ　-ｧ,　　　　　　≧=-　。
　　 ヽ　　ｲﾚ,､　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　/≦｀Vヾ　　　　　　　ヾ　≧
　　　| ｡ﾟ　/｡･ｲﾊ ､､　　　　｀ミ　｡ ﾟ　｡






556 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:15:45.99 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　／￣￣＼
　　　 ／　　 _ノ　　＼
　　　 |　　　 （ ○）（○）
　.　　 |　Ｕ　　 （__人__）　　　　　　　「ちょ、ちょっと、待ってください。
　　　　|　　Ｕ　　|r┬-|　　彡
　.　　　|　　　　　｀ ⌒}　　　彡　　　　鹿島はすでに直朝さまに決まっているでしょう」
　.　　　ヽ　　　　　 　 }
　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　／　　　　 ＼
　　　　/ /＼　　　/￣＼＿＿＿＿l⌒l
　　 　 |　|　 ＼　/　 ヽ　＼_＿＿＿＿|
　Σ(⌒ノ　　　ゝ　　　 ＼＿_）









　＿_　 |＼∧∧∧/|
/,─､ヽ| ＿＿＿＿_|
..|..　..| | |U－､ －､ ||
ヽ二´ノ（| | ＋|＋ | |）　　　　「それが……兄が書類に承諾する花押を拒んでいるんです」
.　＼＿＜＿__＾＿u_＞
　 　 ＼　～～～～
　 　 　 ヽ ＾▽▽＾|＾＼







　　 　 ＿＿
..:...::.／:..:..:..::＼.::..:..:..::::..:..::.:..:...::..::..:..:..::::...:.....
.::.／.:..:.._ノ::::..:..＼.:..:...::.:..:..::::....:::..:..::::..:.:..:....
:..|:::.... 　（ ○）（○）.::..:..:..:..::::..:..::.:..:...::...::::..:.:..:....
.: |:::....　u　（__人__）.::..:..:..:………。..:.::..:.:..:....
::. |::u:.　　　(.::..:..:..::::..:...:..::::::::..:..::.:...:..::::..:..::.::..:....
.::. |:::.....u　　｀ ⌒´ﾉ.::..:...:..::::..:..::.:...:..::::..:...:....
::..:.ヽ:::.....　　　　 }.::..:..:..:..::::..:..::..::::..:..::.:..:...::..:....
.::..:...ヽ::.....　　　ノ　　　　　　 　 ＼
::..:..:..:/::.. 　 く　　＼　　　　　　　　＼
.::..:..: |::...　　　＼　　＼　　　　　　　　＼
::..:..:..:|:::.....　　|ヽ、二⌒)､　　 　 　 　 　 ＼






557 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:16:55.40 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　　 　　　_________
　　　　　　　　　　　 ／　 　 　　 'r r.r.r.i
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　 | | | | |
　　　　　　　　　　/　　　　　u　 .ﾉ.ﾉ.ﾉﾉﾉ
　　　　　　　　　 ﾊ_ノ　 ヽ､__　 /　　　/ﾉ
　　　　　　　　　/ (●）（● )　.(　　 　l ヽー―ー-､
　　　　　　　　/　 .（__人___）　 ﾑ　　 ｲ　 　　r　　　　ヽ　　　「い、いや、こちらはすでに将軍の内諾も得ているんですよ。
　　 　 　 　 ./　　 / ヽ`⌒´　　 |　　 .l　 　 /　　　 　､ l
　　　　　　/ 　　 / 　八_ ､__ ／l　　　| 　 ,'　　　　　 l 　l　　　これはいくら正茂さまでも、融通が利かないでしょう」
　　 　.　 /　　　,'　　　　　　　ヽ|　　　|　ﾉ　　　 　 ﾊ　　 l
　 　 　 /　　　 .l　　　∧　　　　|　　 　ﾚ'　　　　 ノ　 　　 l
　 　　/　　　　 l　　ノ　　ヽ 　　|　　 　 |　　 　 ﾉ 　　 　　 }
　 　∧　　 　 / ,〆　　　　 ﾍ　 l　　　　　　　, '　　　 　　　l
　　　 ヽ､＿,ﾉ'´　　　　　 　　ﾍ .l　　　　　　/　　　　　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　', |　　　　 /　　　　　　　　 ,'
　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ﾄ､　　 ノ　　 　　　　　　　ﾉ






558 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:17:51.43 ID:Gz.jG4Qo






┌──────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　 _,. -─一 - 、　　　　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　,.- 'ﾞ´:::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、　　　　　　　 .│
│　　　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.＼　　　　　　 .│
│ 　 　 　 　 　　j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.::.:.:.:ヽ、　　　　 .│
│　　 　 　 　 　l::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::..:::.:.:::.:.:.:.:.:.:l　　　　　 │
│ 　 　 　 　　 /::!::l::::::::/::::/::::::/::::::::/:!:::::::::::.:.:.:.:.:.l　　　　.....│
│　　　　　　　/1l::::l::::::!::::/::/::/::::::::/:/1:!:::l::::::::.:.:.:.l　　　　...│
│　　　　　　ノ　!:l:::l::::::l:ノ::/::/!:::::/!:/　ヽﾍ!:::::::::i:jl:.l　　　......│
│　　　　 　 　　l:!l::l:::::!:ト=zi/_l::://´,斗ﾁ升:::::::::八ヽ、　　　│
│　　　　　　　　l ヽﾍ::ﾞ,ヾ㌔ｪｧ/ﾒ´　ィｭfﾅｱj::/1　 ヽ　　　....│
│　 　 　 　 　 　 　 {ヽ､ﾍ､￣l!　l　 　 ￣ /::ノｲ　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　 j:>ヽ、　 _｀　　　 /1:ｹ:!:l,　　　　　 　 │
│　　　　　　　　 _-‐'´:::::j::ｼ｀＼ -￣／ l:/!::二ニz、　　 　 .│
│　　　　　　　　 ヽ::::::::::/´::ノ1‐｀ｰ'´ヽf´1､l:::::::::::/　　　　　│　　　　＿＿＿＿＿＿_
│　　　　　　　　　 ヽ:::::::::ｨf/´　 !/　 　l　　j:::::::::/_　　　 　 .│　　　　＞＿＿＿＿_　 |
│　　　　　　　　 _,.-ﾍ::::::::/　　　 　 　 l／ﾉ:::::::::::::::`ﾞ　　　....│　　　　￣ |⌒ v⌒ヽ |__|
│ 　 　　 _,.-‐'´:::::::::::ﾞ,:::/　　　　　　 j::::/::::::::::::::i!::::::/:　　　.│　　　　　　|　-| - ﾉ 　 )　　「実は、老中の伊豆守さまが
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　＜ ` o ｀- ´ 　ﾉ　　　後押ししている」
│　　　　　　　　　【老中　　松平伊豆守信綱】　　　　　　 │　　　　　　＞　　　 ／
└──────────────────────┘　　　　　　／▽▽＼








　　　　　　。ﾟ・｡　　。　ﾟ　　・　　　ﾟ・
｡ﾟ　/｡･ｲﾊ ､､〃　　　　｀ミ　　ﾟ/Y｀ミ　｡ ﾟ　｡
　　　　≦｀Vヾ　　　　　　　　　ヾ　≧
　　　ﾟ・　 ｲﾚ,､　 　　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　　　 -ｧ,　　　　　 　　　≧=-　。
　　　　　　｡≧　　　　　　　三　＝=-　　　またしても
　　　　／ 　　ゝ'ﾟ　　　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ 　　━━┓┃┃
　　／　／／￣ ｀ ⌒ ´￣＼＼　＼　　　 　 　 ┃　　　━━━━━━━━
　（　　<　|　 　　　　　　　　　|　ﾉ 　 ）.　　　 　 ┃　　　　　　　　　　　　　　　┃┃┃
　　＼　＼　　　　　　　　　　|／　／　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ┛
　　　 ＼　＼　　　　　　　／　／







560 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:19:04.47 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　/ _ノ;jijii;丶_ !　　　　　　またか、また伊豆守か！？
　 　 　 　 　 ,ク(゜_)）ij（_゜)）!`i
　　　　　　　| ﾋlli（__人__）.ｿ /
　　　　　　　l ＼ .,ｷ呪ｶ'/ /　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　 .＼ ヾ狂ﾘ |　{　　　　　　　　　 　　＞￣ ─＿
　　　　　　　　/ヽ　|ｰ-ｲ!_ﾉ`､　　　　　　　　　　＞　　　　　 ￣ヽ
　　　　　　　/::::/i_ﾉ|_／:;l:::::::|　　　　　　　　　　　￣ | ￣ | 　　 　 i
　　　　　　　|::/:::;:/;;:::::::::;|:::::::i　　　　　　　　　　 　 　|　　|　　　　　!　　　　「兄は毎日、伊豆守の下へ通われているんです。
　　　　　　　|/:::;:/;;:::::::::::;i;;::::ﾉ　　　　　　　　　 　 ＜　　）　　　 　/
　　　　　　　|:::::;;:|;;:::::::::::::::r　　　　　　　　　 　 　　　＞ 　ヽへ／　　　　　　あとは、上様へ承認をお願いするだけなんです」
　　　　　　　＼;;/;;::::::::::::::::!　　　　　　　　　 　　　　￣ .l二二l.
　　　　　　　　 |:::::::::::::::::::/　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒|￣　__,　 　 　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣￣　 | ＿ ＿|







562 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:20:50.03 ID:Gz.jG4Qo







　　 　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　 　　　 　＼
　　　　　　　　 |　　　u　　　　　|　　　　「知らなかった……。
　　　　　　　　 |　ヽ　　 ノ　 u ｜
　　 　 　 ／´　fト､_{ﾙ{,ィ'ｅﾗ,　 |　　　　　まさか、そんな事態になっていたなんて……。
　　　　 /' 　 ヾ| .（__人__）⌒`/ |
　　　　,ﾞ　 ／ )ヽ(,｀⌒ ´ 　　|　| ヾ、　　むちゃくちゃな……」
　　 　 |／_／　 ﾊ 　　　　 ／:} 　V:::::ヽ
　　　 /／ 二二二7　　／u'　__ /:::::::/｀ヽ
　　　/'´r　-―一ｧ‐ﾞＴ´　'"´ ／::::／-‐ 　＼
　　 / // 　 广¨´ 　/'　　 ／:::::／´￣｀ヽ ⌒ヽ
　　ﾉ ' /　 ノ:::::`ー-､___／:::::／/ 　 　 　 ヽ　　}
_／｀丶　/::::::::::::::::::::::::::￣`ー-{:::...　　　 　　　ｲ









　　 _＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　／　　　　　　　　　　　　　　　＜
｜　　　　　　　　　　　　　　　　＜
｜　　　　　　／￣√￣￣Τ￣￣
｜　　　　　/　　　　/⌒＼｜
｜ |⌒＼/　　　　　|　　●|｜
｜ | ∂　　　　　　　＼＿｣｜　　　　「…と思うでしょう？
｜　＼　　　　　　　　　　　 ∟__
｜　 /　　　　　　 ＿＿＿＿／　　　けど、兄の言い分だと、そうとも言えないんです」
　＼/　　　 　　∠＿＿___
　　| 　　　 　＿＿＿＿／






563 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:21:42.03 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　　　　_,....----､,,...,,
　　　　　　　　　.r‐''"彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ
　　　　　　 ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;彡;;;;;;;;;;;;;ミ、＼
　　　　　　ﾉ;;;ノ;;;;;;;ﾉ;;;;;;;;;;;／;;;;;ﾄ;;;;ﾐ;;;;;ミ;;;;;＼
　　　　　/;;;;;;;;;彡／,;;;;;;;彡ﾉ/ 入､ﾐ;;;;;;;;;ミ;;;;ヽ.
　　　　/;;;;;;::-＜彡ノ彡" ノ./´. ＼＼　ﾐ;;;;;;;;;i　　　　　　俺は親父のように幕臣として死にたい。
　　　 /;;.／　　　｀ヽ､ 　´ /r　i／´｀　｀ ＼;;;;;}
　　　 .り　､≦二ミ、＼ ,ノ´　/ 彡ニミ,ｒ　 ヽ|_
.　　 ﾉ｀Y　 ＼,,_○ ,i　 ,!{　 ノ　i､○__ノ　　　i ヽ　　　　　自分は愚鈍ゆえ、隠居させられても文句はない。
　　 .|(.i |｀''-.,,..,.￣ ,.,..ﾉ.ﾉ　（　　 ￣　　　　 ﾉヽ|
　　　ヾ iヽ,,　　 ´>.く ,‐､　.ﾉ‐、　　　　　／|ｒ.ｲ
　　,-ﾉiゝi　｀ヽ、ii.　 ｀‐（___）-'　　　　／　く|ﾉ ﾄ--、__
‐'"/::::| .人　　 X　　　,丶し‐、　　　i´!　 ノ　 .|: ＼＼￣"''-､.
´イ:::::ヽ　 ｀ヽ　 ｀　-く-'ﾆﾆヽ＞　　　／´　　/:::::::∧ ＼　　　｀''‐- ､_
./:|:::::::::｀、　 入,,_ 　　＞--く　　　.ノ´　　 ／:::::::::::i::::i　　＼　
|::.|::::::::::::＼　　　.ﾍ､. ´　　　 }}　,r´r　　／:::::::::::::::/::::i　　　＼
i::::i::::::::::::::::::ヽ､._　＼''-､,,,,,..ゞ‐'.／,.r''´::::::::::::::::::/:::::i　　　　　 ＼
ヽ::ヽ,::::::::::::::::::::::~"''‐- :::　　,,.ノｒ''"::::::::::::::::::::::::/:::::/　ヽ　　　 ／'7
. ヽ::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::イ｀''''"ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::/:::::/






564 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:22:35.66 ID:Gz.jG4Qo







　　/{:;:イ:Ｘ⌒ヾﾆ::::::::::＝ニ二二::::::::|:::::!:::::::::::::::::::::::::ﾊ
　 /ｨ/ /´　 ＼、　ー====ﾆニ彡ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::＼::::::} 　
　{ 厶-――-､}}　　　　　　　 　 ,r=＼::::::::＼:::＼:::::::!:::{ 　
-〃/ ＼、--､ ヽ　　 　 　 　 ／ 　 　 ヾミ､:::＼:::ヽ::|::::} 　
/.l{∧　　ヾ弐ぅ　}　　,r==＝'′_,. -――　　ヾ:::::::::::::.::/ 　　　　　
　 ｀トヽ._ 　 ￣｀人､〃　 ／´￣￣ ＼　　　　　Y::::::::ハ、
　　.ﾊ　 }}￣￣,rテ^ヾﾆﾆ{　　_,. -――'，　　　　}:::::ｲﾆYﾊ--､　　　 しかし、幕府に誠意をもって仕えた親父の後を、
　 /　|__ルx=f´/ 　 ﾉ　　 '､　 ｀ヾ弐ぅｰ;}r===＝ァ'´} {ﾘ|　'　　　　　本藩の人間が継ぐのは許せねぇ。
　:{/´|￣｀}{　Y´　 Y⌒ヽ　 ＼　　￣￣ﾉ　　　　/ ノ／.:l 　 '.
＼∨　　;;''´｀;廴__ノ-一′　　 ｀￣￣ _,ｘ≠ｘ;ｧ'´／ l:.:.:.!　　 ヽ 　　親父の後は、なんとしても一族の人間が継ぐべきだ。
.:.:.ヽ;'';''´　 ｀ヾﾆﾆヽ,;:'';,　　　　､_,x=彳ィﾘ　 /‐'´　 /.:.:.:!　
},;:'';;　　 　 ;; `ー‐;;'　 ';,　,;'';, _ノ´　イ　 ｀Y/　　.／.:.:.:.:.|
）　;,,　　　　｀ﾞ;￣};' 　 ｀''´　｀';　 ／―一'´　 ／.:.:.:.:.:.:/j
,, 　 　 　 ;;''"´　,,{;,,　　　 　 ,;''イ　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:./:/
ヾ.　　　　 ｀':;ｰ;;''　｀ 　 　 　 '; /　,．-一 '´.:.:.:.:.:.:.:.／:/
}　　　　,;;'´　';,　 ';;　 　 　 ;/／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:/









　　　＼　　　ヽ¨´、　　＼_　　 　　|　　　　　　　　　　　:
　　　　}丶　　　丶　　　　　｀¨ -　_i　　　　　　　　　　　:
　　　ノ　　　　　　iヽ　　　　　-、_　＼　　　　　　　　　:::
　／　　 　　　　　|　i　　　　 　|　 ｀ヽ ＼　　　　　　　:::::
〈　　　　　×　　　ﾆ=|　　　　　i　　　　　＼　　　　　::::::::
　＼　　　　　*　　|　|　　　　彡｀---　____　ヽ　　　::::::　　　　　　　まぁ、なんて素敵な孝行の心でしょう。
　　＼　　× 　ﾟへ{ /　　　　　´￣て¨)￣　　} ｘ　:::::　　
　　　l　　　　/｀l　|〈　、　　　　　　　　ﾟ、__ノ　　×　　　
　　しイ l´｀v l　|　| l＼　　　　　　　Ｏ　¨¨´|　　::　　　／
／　　　|ヽ　V　|　トﾍ　ヽ=-　　　　　　　 　ヽ　:::　　　{　
　　 　　|　 ｀l｀´レ　　|　　、　　　　　　　_...　 ＼::　　　Y
　　　 　ト、　へ/ヽ_∠--,　＼_　-－　´＼　_　」　　　　
　　　　r|　ヽ＼ ＼| 丶―i:::::::::::::::::::::::::::::/｀´　　|　／ 彡
　　　　|　| 　v ＼　ヽ　 ＼　,ヘ、_＿-ィ´/　＼／　　　　
　　　　|　l　　|/　 ＼　ゝ　｀l　ﾍ/　　/ /　／　　　　　　
　　　〈 |　ヽ　ヽ　　　ヽ　　 |　/　　/　 ／　　　　　　　　

　　　　　　　　　　【３代将軍　　徳川家光】







568 ：1（修正）[saga]：2009/09/17(木) 21:25:08.53 ID:Gz.jG4Qo







　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）
　 |　U　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　「……筋が通ってる」
.　 |　　　 　　　　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　.>　　　 <









　　　 ＿＿＿_
　　　 ＼　　　 ───＿＿＿
　　　 ＜　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣|
　　　　＞　＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 　 　 |
　　　　￣￣　|　/　　　　　　　＼　| 　　 |　　　　「正直、僕は本藩と鹿島の
　　　　　　　　| /⌒ヽ　　／⌒ヽ　 | 　　 |　　　　　ごたごたに巻き込まれるのはゴメンですよ。
　　　　　　　　| |　‘　|　 i ‘　　 |　 | 　　 |
　　　　　　　　| ヽ.__ノ　 ヽ.＿ ノ u ﾚ⌒ヽ
　　　　　　　ノ　　 o　　　　　　　　　 ６　|　　　　なんとか、あなたの方から解決するために、
　　　　　 ／＿＿　　　＼　　　　　　＿ノ　　　　便宜を図ってもらえないでしょうか」
　　　　　　　　　　＞　　　　　　　 ﾉ
　　　　　　　　 ＜、＿＿＿　　 イ
　　　　　　　　　　　　　|───┤
　　　　　　　　　　　／ |／ ＼ ／ ＼






569 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:26:30.26 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　_ノ　 ヽ､_＼
　　　　　　　　　 .| 　（●）（●）　 |
　　　　　　　　　　|　　（__人__）　 |　　　　「いやぁ、これはもう一大事ですよ。
　　　　　 　　　　っ　　 ｀⌒´　　 |
　　　　　　　　 /　ミ）　　 　　　 /　　　　　直朝さまにしてみたら、藩主になりました。
　　　　　　　　/　ノヽ　 　　　　/　　　　　 将軍が認めない、じゃ面目丸つぶれだ」
　　　　　　　　|　|／　　　　　　ヽ
　　　　　　　　|　 | ／|　　　　 |　|







　　　　　　　　　　　_,.. -‐ ､､,.-― ::..､、T ￣ﾞi
　　　　　　　　 ,.-''"::::::::::;;;:'';:;;ヽ::::::::::::､:｀ヽ..'' {
　　　　　　　／::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::､::::::ヽ:::::ﾞ!;ハ
　　　　　 .,:'/::::::::;:::;::::::/::;ｲ:|:::::､::::::::ヽ::::::::ヾ::ﾞ!ド､
　　　　　/ｲ:;':::::/::ｲ::::/ｲ| |:!|:::::ﾞ!:::::::::::ヽ､::::::ﾞ!::!:. .ヽ、
　　　　　　i::!::::;'::::|!:::;'|! |! |l !:::::ﾞﾄ､:::::::::､::､::::;ｿ!｀ヽ ./
　　　　　　ﾞ!|:!::|!::::L::! i! ! ヾ ヾ_;:ヾヽ:::::::ヾ!;ﾝ/!:.. .、ヽ、
　　　　　　　｀` ヾﾞ!'´|ﾟ:;!　　　イ!ﾟ;:;iヽヾr''､'ﾞ:::::!:.　:.:.　 ﾞ!　　　今日から藩主です。
　　　　　　　 　 　 ﾞ!ﾞ ‐''　　　　 ｰ''　,'::|6 !:::;.'::::l .　,.-'ﾞ　　　　
　　　　　　　　　　 |:!　　' 　 　 　　　|:::!,ノ,:''::.:,ｨ- '　　　　　　よろしくお願い申し上げます。
　　　　　　　　　　 |::ヽ、ヽ￢　　　　,ｲ:::|'" !r''"
　　　　　　　　　　 !:::|_ ヽ､、_,,..-　 !|::::|_　!:::ヾ ､
　　　　　　　　　 r,!::/!｀i　 _,!　 ,.-''|i|::::|:.｀ヾ::ﾞ!'::;'
　　　　　　　　 r' .i:;'ﾆﾞ､|‐'' ,!／　　! ﾞi::|__;.:i ヽ､:!/
　　　　　　　　,.!　|:!.r ハ ／　　.::. .,.-l:|::. ..ヽ　｀ヽ､
　　　　　　　/.∧ |i ﾞY　.i 　 　 .;.. '　 :|i　　　 ＼　 ﾞヽ








　　　　　　　　　　　_,.. -‐ ､､,.-― ::..､、T ￣ﾞi
　　　　　　　　 ,.-''"::::::::::;;;:'';:;;ヽ::::::::::::､:｀ヽ..'' {
　　　　　　　／::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::､::::::ヽ:::::ﾞ!;ハ
　　　　　 .,:'/::::::::;:::;::::::/::;ｲ:|:::::､::::::::ヽ::::::::ヾ::ﾞ!ド､
　　　　　/ｲ:;':::::/::ｲ::::/ｲ| |:!|:::::ﾞ!:::::::::::ヽ､::::::ﾞ!::!:. .ヽ、
　　　　　　i::!::::;'::::|!:::;'|! |! |l !:::::ﾞﾄ､:::::::::､::､::::;ｿ!｀ヽ ./　　　　　　　　　　　 ﾋﾛｲﾝ
　　　　　　ﾞ!|:!::|!::::L::! i! ! ヾ ヾ_;:ヾヽ:::::::ヾ!;ｲ/!:.. .、ヽ、　　　　　えっ！？藩主と認めてもらえない？
　　　　　　　｀` ヾﾞ! -―'　　`ー‐---ヾr''､'ﾞ:::::!:.　:.:.　 ﾞ!　　　　　そ、そんなぁ……
　　　　　　　　　　 ﾞ!￣!`　　 '´|￣l` ,'::|6 !:::;.'::::l .　,.-'ﾞ
　　　　　　　　　　 |:!　|　'　　　 !　|　|:::!,ノ,:''::.:,ｨ- '
　　　　　　　　　　 i::ヽi　－-　　|　!,ｲ::|'" !r''"
　　　　　　　　　　 !:::|_ ヽ､、_,,.. ' ´,!|::::|_　!:::ヾ､
　　　　　　　　　 r,!::/!｀i　 _,!　 ,.-''|i|::::|:.｀ヾ:::ﾞ!'
　　　　　　　　 r' .i:;'ﾆﾞ､|‐'' ,!／　　! ﾞi::|__;.:i ヽ､::ﾞ!/
　　　　　　　　,.!　|:!.r ハ ／　　.::. .,.-l:|::. ..ヽ　｀ヽ､
　　　　　　　/.∧ |i ﾞY　.i 　 　 .;.. '　 :|i　　　 ＼　 ﾞヽ:
　　　　　　./　　〉.|!　　/　　 ／　　　/'　　　　　ヽ　 ﾞ!:






570 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:28:01.47 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　|　　　 （ ●）（●）　　　「しかし、正茂さまは何をお望みなんでしょう？
　　　　　.　|　　　　 （__人__）
　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　わざと意固地になって困らせているようにしか思えない」
　　　　　.ｌ^l^lｎ　　　　　 　 }
　　　　　.ヽ 　 L　　　　 　 }
　　　　　　 ゝ 　ﾉ　　　　ノ
　　　　　／ 　 /　　　　　＼
　　　 ／　　 /　　　　　　 　＼
　　. /　　 　/　　　　　　　　-一'''''''ー-､.
　　人＿＿ﾉ　　　　　　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))









.　､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　 ､＞　　　　　　　　　　　　　　.|
　　＞＿＿＿＿＿＿＿＿　　 .|
　　￣ 　　.|./＿　　 ＿＼ |　　 |　　　　　「さぁねぇ……私には兄の気持ちなんてわからない。
　　　　　　| /　 ヽ／　 ヽ　|　　|
.　　　　　 | |　／ | ＼　 |　 V⌒ｉ　　　　　　もしかしたら、本人ですら
　　　　　　|.＼　 人＿_ノ　　　6 |　　　　　自分の気持ちなんてものは理解できてないかもしれない」
　　　　　／　　○　　　　　　　　/
.　　　 ε　　　　　 　　　 　　 厂
　　　　＼　　　 ＿＿＿＿_／
　　　　　￣￣, -/へ／＼/｀- ､
　　　　　　 ／./　 ./op　　　 i.　＼






573 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:29:34.72 ID:Gz.jG4Qo







:::::＼:::::::::::::::::::::::::＼:::::＼::::ヾ::::::::::i:::::::::::::::i:::::/:::::::::::i::::::::::: /::::::::::::::::／:::::::::::::／:::::::::::::::
:::::::::::＼::::::::::＼:::::::::::::::::::ヾ:::::ヾ:::::::i:::::::::i:::::::::::i:::::::::::::/:::::i:::::::／:::::::::／:::::::::::::／:::／::::

　　　　|/|llllllllllllllllll,､|l／￣￣ 　 　 　 　 　 　 　 　　/|　　　　　　　　 `ヽ`|lllllllllllllll|
　　　　　|llllllllllllllll/　　　､_　　 　　　　　　　　 　 　 //　　　　　　　　　　　`|lllllllllll/
　　　　　|lllllllllllllll| /　　　 `ヽ=､ヽ､　　 　 　 　 　 //　　　　＿,､-,　　　　　|lllllllllll|､_
　　　 　 |￣``|lll|/　　　　　　　`ヽ､`､　　 　　 ／/　　　､'´,､'´´´　　　　　 `|lll／,､､|　　　　僕はねぇ、小さいころから
　　　　 ,|　／| |l/　　　　　 _,-　　､`ヽ`l　　__/／　　 ,､'´'´＿　　　　　　　　 Y /`l |　　　　　兄と一緒にいて、いつも怖かった。
　　　　/　 ／l　|　　　 `ヽ､_ヽ､＿ ＼￣`／／　　／／ ／＿,､- ―'´　　　　|/`l　 |
　　　　`l　< <　|　　　　　＼ ヽ､`＞､　 /_/　　　 ￣　　-'＜､､､'／ 　　　　　|フ|　/
　　　　 `l　＼`l|　　　　　　 `ヽ――　//　<￣`>　　　￣`――'´　　　　　　 |／ ノ
　　　　　＼　＼|　　　　　　　　 ―'´//　　 '　　　　　 　￣￣　　　　　　　　 /´／|＼
　　　　　/|＼　 `lヽ､､　　　　　　／／　　　l　　`l　　　　　　　　　　　　　　ノ|/ |　`l ＼
　　　　/ / Г＼|　＼＼ヽ_　 ／／　　,､-､ |　　 ト―､,　　　　　　　　／￣ ｜｜　`l

:::::::::::::／:::::::::::::/:::::::::::::::::::::: /:::::::::::|::::::::::::i::::::::::::|:::::::::::::::::::i::::::::::::::::ゞ:::::::::ヾ::::::::::::ヾ::::::::::::
:::／:::::::::::::::::/:::::::::::::::: /:::::|::::::::::::i::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::i::::::::::::ヾ:::::::::::::::ヾ::::::::::::ヽ:::::::::::::ゝ:::








574 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:30:59.83 ID:Gz.jG4Qo








　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _,.,―''｀:''""'｀::'―､､、　　　　　　 ,i"　 ,-..r'　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　.,-'"　　　　　::::::::::::::::::::::｀ﾞ''-､、　　　.|　　.|.,i´　　 .,,-"　
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::｀'‐､,-''"'"｀ﾞﾞ'ヽ,、 .,､、　　
　　　　 　 　 　 　 　 ,,.‐'"'''-｀'i､　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::｀'i､　　　　 `'│　　　
　　　　　　　　　　 .／　　　　 　i､　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'、　　　　 `i､　 _、
　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　 l｀　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::ﾞﾞl、　　　　 ﾞ!,/ﾞ　
　　　　　　　　　l＿,、　　　　 ,i´　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::ﾞl　　　　　 .ヽ　
　　　　　　　　　ﾞl,,, ｀`ヽ　　,."　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::│　　　　　 ﾞl,　　　　　兄はことあるごとに
　　　　　　　　　 ｀'ﾐ_、:''''''_lﾞ　　　　　.,!　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::,lﾞ｀｀　　　　/'"　　　　　　僕を殴りましたから
　　　　　　　　　　　 |"--,i´　　　　　./　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::lﾞ:::　　　　./　　
　　　　　　　　　　　 !,、 ,{、　　　　.,/｀　　　、　　　　　　　　:::::::::::::/::::::::::　:::/｀　　
　　　　　　　　　　　　｀ﾞ''"＼、　.,/｀　　　　 │　　　　　　　:::::::::::,ﾉ::::::::::::::,-'|.|、　　
　　　　　　　　　　　　　　 `ーr/(、　　　　 .,/　　　　 .,、 ._.／｀,,/_,､,r、,‐ヽ　ﾞ'ﾞlヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.`'｀　 ..,／｀　　　　 ,",,r/'.彡'"　　　　 ｀'-"": 　｀　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ`"~ﾞl,,"　　 ._,,,,,／"　　　　　　　　　　　 ｀''''''ｰ､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀''―ｰ''"´







575 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:32:54.05 ID:Gz.jG4Qo







　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼　　（ ;;;;(
　　　|　　　 （ ─）（─　　) ;;;;)
　　　|　　　 　 （__人__）　/;;／
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　l;;,´　　　「はぁ、それはつらい幼少期だったんでしょうね」
　　　 |　　　　　∩ ノ)━・'
　　／　　　　／ ＿ノ´
　 (.　 ＼ ／　.／ 　 │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /







　　､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　 ､＞　　　　　　　　　　　　　　.|
　　　＞＿＿＿＿＿＿＿＿　　 .|
　　　￣ 　　.|./＿　　 ＿＼ |　　 |　　　「……いや、実をいうと、そうでもないんです。
　　　　　　　| /　 ヽ／　 ヽ　|　　|　　　　なんといいますか、殴られたことは痛かったんです。
　.　　　　　 | | 　 ・ | ・　　|　 V⌒ｉ　　　　けど、憎まれていたとか、そういったものは無かったんだよなぁ」
　　　　＿　 |.＼　 人＿_ノ　　　6 |
　　　　＼￣　　○　　　　　　　　/
　.　　　　 ＼　　　　　　 　　　厂
　　　　　　／　 ＿＿＿＿_／
　　　　　　￣￣, -/へ／＼/｀- ､
　　　　　　　 ／./　 ./o　　　　i.　＼






577 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:34:49.25 ID:Gz.jG4Qo








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579 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:36:07.59 ID:Gz.jG4Qo








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580 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:37:37.84 ID:Gz.jG4Qo






藩邸に戻ると、さっそく土山に鹿島の件を報告した。






　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿_
　　　　　　　　　／￣￣￣:.:.:.├‐、
　　　　　　　　ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.l
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　　　　　　〈:.:.:./:.:.:.／一 |:.:./ーＶ.:}:.＼
　　　　　　　Ｖ__,ィ´ 　 　 ﾚ'　　　〉/￣
　　　　　　　 Y_|:.|　　'⌒ヽ　 ⌒ l:.|
.　 　 　 　 　 ヽ_|:.|　　 　 　 〉 　 }:|　　　　　「まったく、悪所通いもたまには役に立ちますね」
　　　　　　　　j::::|:.ﾄ、 ┌─ｧ 　ﾉ:.:!
　　　　　　　 /／VT＼丶ノ ／　ヽ!
　　　　　　　　　 /::＼　 ーｲヽ_
　　　　　 r一'￣ﾍ:::::::::＞-〈::::|　￣｀i-､
　 二￣＼　｀ヽ　 ヽ:::/ |::o:|ヽ|　　　j　 )　 ／⌒二つ
　/　　　　)､　　'　　V　 ￣　　　　 ﾑ　{　/{　　　｀ー
　　,　,　 / 弋ミﾐ}　　 　 　 　 　 　 |彡 V　＼
　 / / ／ 　 ﾍ 7　 　 　 　 　 　 　 !＿/　　　厂
　 _/^´|　　　 V　　　　　　　　　　 {　/
　　　　|　　 　 }　　　　　　 　 　 　{ /








　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　／　　 ⌒　　＼
　　　　　|　　ﾐｨ赱､i .i_r赱
.　　　　　|　::::::⌒ （__人__）
.　　　　　|　　 　　ﾄｴｴｴｲ　　　　「たはは……」
.　　　　　ヽ　　 　　｀""´}
　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　　　/　　　 く







582 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:38:18.74 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　　　　　　,.'::::::::／::::ヽ:!:::::::::::::ヽ::::::::::::::::::＼
.　　　　　　　　　　　　　/::::::::/:::::::/::_::::::::::::::::::::',:::::::::＼:::::::｀::....．._
　　　　　　　　　　　　, ':::::::::/:::::::::::::ハ厶:::::!::::::::'.::::::::::::ヽ::::ヽ￣
　　　　　　　　　　 ∠イ::::::/:::::::::|::::厂　　',::ﾄ､::::::ﾄ､::::::::::::',:::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　 |::::/:::/:::::_L::l._　　　';l　';::::l　ヽ:::i::::::',:::::::.
　　　　　　　　　　 　 厶'-:';.r|::::::|∨　｀丶　'　 '斗-‐';┼:::::|::|:::|
　　　　 　 　 　 　 　 ￣|::::{　|::::::|　'Ｔﾂト　　 　 ';}ゥＴ'';|.::::::|∧:|
　　　　 　 　 　 　 　 　 l∧ヽ|::::::|　 ｀¨´　　　i　　￣　ハ::::|　 :|　　　「とはいえ、すぐに佐賀へ早飛脚を出しましょう」
　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ:',::Ｎ　　 　 　 　 }　　　　|:::ﾊ: !
　　　　　　　　　　　　　　 _,.ｲヽ!ﾍ 　 　 　 　 ′　　 /l/　l;′
　　　　　 　 　 　 _,.．-　´　 !　|　',＼　　──‐　 , 'ヽ､
　　　　　　　,.　'´　　　　　　|.　|　 ヽ ＼　　　　／　|　 ｀　　._
　　　　　 ／　　　　　　　　｜　!　　 ＼ ｀　-イ　.|.　|　　　　　｀ヽ.
.　　　　 /　　　　　　　　 　 l.　 |　　　　＼ ／ 　 |　｜　　　　　　ﾍ








　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／ ヽ､.　_ノ　＼
　　　　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　　　　|　　（__人__）　｜
　 　 　 　 　 |　　 ｀ ⌒´　　|　　　　「は、ではそれがしが……」
　　　　　　　 |　　　　　　 　}
　　　　　　　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　　　人＿__＿_ノ"⌒ヽ
　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　/ 　　　　　　　　　　 へ　　＼







585 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:39:51.76 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　　　　　　, '´::::::::::::::::::, ' - ､::￣￣二 - '´
　　　　　　　　　　　　　　/_:::::::::::_:::::::::/::,_:::::::::｀ヽ｀ﾞヽ
　　　　　　　　　　　　, '´~:::::::::::::/｀ヽ/:::::::ヽ:::::::::ヽ､::::ヽ.
　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::l:::::::::::!,ﾍ::::､::::＼　　 ヾヽ',
　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::::::::l　　| l'''''ﾍ ヽ 　 ヽ::::::::ヽ ヽ.
　　　　　　　　　　　j::j　　　 　_l:::::::l!.|　　ヽ_::ﾄ､::ｫ'´:::::ﾄﾍ
　　　　　　　　　　　/ｲ::::::::::::::ﾉ }:::::::ﾊ.!, ''´,_〉､! ﾞ:::::::| ヽ.　　「おっと、待ってください。
　　　　　　　　　　 ′ﾘ:::::::::::/ .ﾊ:::::::l ヽ<0　>　｀ヽ､Y､:::l
　　　　　　　　　　　　ﾍ::::|// .ﾑ-,..,.j　 `　´　　　 ノﾍ:/　　　　あなたには江戸で為すべきことがあるでしょう？」
　　　　　　　　　＿　 　ﾉｲ.ヽ!　'　'　!　 　　　　, ィ'|
　　　　　　　／　　　｀ヽﾌ入　　　　　 　 　 ｰ'ィ'ﾍl
　　　　　　　i::.....　　　　;＼...-ー 、 /⌒ヽ ＿ﾉ､　｀
　　　　　　　` '''''ｰ- ､::::/ ,..　.　 `/:::　 　〉‐ 、 ヽ
　　　　　　　　　／　.ｿ'　　　 :　/::.　 　/::　　〉　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　 ／ ,... i:. 　 　 　 :,'::.　　 /:: 　./ヽ.　j　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ＼　 　 ＼
　　　　　　 /, '´　　 |:: 　 　 　 |ヽ.:..　　　　:'::／/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.（●）（● ） 　u.　|
　　　　　 //　　 　　 !::.　　　　i::.:.:`:‐"ｰ､_,ノ　./〉　　　　　　　　　　　　　　　 「そ、そうですね。　　（__人__） 　u　 　|
　　　　　j j 　　　 ,／ヾ;:.... 　 /:.:.:.:.:／　　　 ,._ll′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.(｀⌒ ´　　　　　|
　　　　　l |　　　 :i　　　`ー::':.:.::.:.:./ 　　　　　/　　　　　　　　　　　　佐野さまとの連絡係です」　　　{ 　 　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 　 　　　u.　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 　 　 　 　 　　＿＿＼　　　　 /ﾘ 厂`'‐- .._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ :　　: :介ｰz＜__｣// |: : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| : : : : ::〈　｢｀乂/ 　/ 丿: : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : : : /: |　{::::}　/ `7: : : : : : : :│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 　 　 　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |





　　 　 　 　 　 .:´:.:',:.:.:.:.:.＼:､:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.ヽ:､:.:.:.:.:ｉ:. '.
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　 　 　 　 　 ':.:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ ､:.:.:.:.:.ヽ＼:.l:.:.:l:.:.:.:.:.:.:ｉ:. ':.:.:.:.l
　　　　　　 /:.:.:.:':.:.l:.:.:ﾄ､:.ヽ:.:.:.:.:.:._',-‐　､:.:.',:.:.ヾﾊ:l:.:.ｉ:.:.:.:.l/:.!:.:.:.:.!
　　　　　／ィ:.:.:l:ｉ:.:l:.:.:l　 ､:.＼:.:.´:.:.',　,xfｒっヽ メ:ﾘ:.:.l:.:.:.:/:.:.:!:.:.:.:.＼
　　　 ／　　l:ｉ:.:l:.:',:!:.:.l￣｀＼:',＼:.:.: ','　｀ー'　 ヽヽ:.:!:.:.:.:,ヽ:.:ｉ:.:.:.:l｀ ー ‐
　　　　　　　l!:.:':.:.:ヽ从 ィ弋メ＼ ＼:.', 　 　 　 　 l:.:!:.:.:./, }:.:.!:.:.ｉ:l　　　　「結構。ここから先は正茂さまの行動が鍵となります。
　　　　　　　l:.ﾊ:.:.:..:.:.:.:ヽ　　 丿 ＼　ヽ　 　 　 　 l/:.:.://./:.:.l:.:.l:!
　　　　　　 /:'　l:.:.:.ｉ:.:..ｉ:.:.ｉ　 〈　　　　　　　　　　 /l:.:.:/ｰ:':.:.:.:l:.:ﾊ　　　　その行動を一番速く知ることができるのは、
　　　　　／´　 ヽ:.:l､:.:.:!从　　　　　　　　　　　 /　!:/:l:ｉ:.:.:.:.:!:/　　　　　あなたですからね」
　　　　　　　　　 ヾl　:.:.:.:.:.ヽ　　ィ　　 フ　　　 　 /!'.:/l:l:.:.:.:!/
　　　　　　　　　　 }　ヽ:.:.:.lヾﾄ､　｀ ´　　　　　 ／//'　lﾊ:.:.!ﾊ
　　　　　　　　　　　 　 ＼.:! }　 ヽ　　　　　 イ　　　　/　Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 　 ヽ　 ＜　　　　　　_ .-‐ヽｰ. -. .､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　 　 　 . : ´: : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿__ ｉ　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : 〉





586 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:41:34.40 ID:Gz.jG4Qo






:.:.:.:.／., ‐l:.:.:/:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.:／　　:.:l:.:.:.:l:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l　 ヽ:.:.:!
:.:.:/　/.:.:.:l:.:.l:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:,ｲ￣:.メ､　 　 :.:!:.:.:.l:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l　　ヽ:.:!
:.:.{　　.:.:.:.:l:.:l:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!l:.:.:.:.:.:.:l:.:.:/ l:.:.:./　　＼　:.:l:.:.:.:l:.:.:.ll:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.l　　　ヾ!
:.:.',　ｉ .:.:.:. l:.l:.:.:.:.:/!:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.l:.:.:.:.:.:.l:.:/　l:.:./　 　 　 ＼:l:.:.:.l:.:.:l:l:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.l　　　　|
:.:.:.ヽヽ.:.:./l:l:.:.:.:/:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:l:.:.:.:.:.:.!/　 l:./　－‐ト．.　:.l-:､l:.:.!:.!:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.!　　 　 |
:.:.:.:.:ヽ丶ｭ:.!:.:.:/:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:!:/l:.:.:.:.:./　　l:,　　 ゝ　ﾑﾘヽ:.l:.:.!l:.:l:.:l:.:.:.:.:.:.lｉ:.:.:.:.ﾄ.:.:.:.:.:.ｌ　　　　!
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:.:,ｲ:/　　 :.l l:.l: l:.:.:.:!:.:.:.:.:.:l 　 　 !:.l.　　　 !　　　 　 　 　 l:ll:.:.:,ｲ:l:.:.:.:/　 l:./　　　 ＼:.!
´〃　　 　 ! l:l　l:.:.:.:.!:.:.:.:.l　　 　 ll　　　　　　　　　　　　 !:!:./ l/:.:.:/　　l/　 　 　 　 ＼
./ 　 ,　　 　 ll　 !:.:.:.:.!:.:.:l　　　　 !　　　　　 　 　 　 　 　 ',/　,:.:.:,　　　/　　　　　　　　 ー
{ 　 /　 　 　 |.:.　!:.:.:.:!:.:l　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶/／　　　'
　 /　　 　 　 !:.:.:.. !:.:.:!:l　　　　　　　　　　　　　　　＿ 　 ‐ ´　　　　（それにしても、泣かず飛ばずにしようとした時にこの騒動。
. /　　　　　　:.:.:.:.:､.l:.:!:!　　　　　　　　　　- ､ ＿/　　　／
/　　　　　　 :.:.:.:.:, -l:.:ｉ　　　　　　　　　　　__/:./　　　　　　　　　　　　しかも、不意打ちを防ぐ大手柄も挙げてしまうとは）
　　　　　　　.:.:／ 　 l:l ＼　　　　　　　　,..':.:.:./









　　　　|::::::::::::/::::!::::. : : ､: : : :ヽ､: : : : : ＼: : : ＼ : : : : i : : : : : : ヽ
　　　　|:::::/:::/::::ﾊ:::::. : : ＼: : : : ＼: : : : : :＼: : : ヽ: : : :!: :ﾊ : : ヽヽ
　　 　 |:::/::::f:::,ｲ ヾ::::.ﾄ､: : ＼: : : : :＼: : : : : :ヽ : : ヽ: : :!:.!:::}: : : :!: !
.　　　/::/:::::!::f::::!　ヾ:::k ＼: :ヾ丶､: : : ヽ __,.,_: :丶: : :! : !Z_::!: : : ﾄ､ヽ､
　　 /::::f:::::::!:::!::::! .,,_ヾ:ヽ　 ＼ヽ､_,,.>＜"ゞ､: : : :ヾ: : !: :ト､ヾ: : i :! ｀ーヽ
.　 /::／!:::::::!:::!:::::ヽ, ｀Y::{　　　ヾ´ r',.ｨ-ｚュｧ＼: : ヾ: :!: :ヒ_ ,〉 /: !　　　　（この男、かなりの強運をもっていますね。
　/／　 !:::::::!::ﾄ､::::::ヽf弋ヾ､　　　　´､ゞ-‐'　　 ﾄ､　!ヽ! lﾉ／ ./| /
　　　　　!::::ﾊ::! ヾ::::::::!｀¨´ j｀　　　　　　　　　　|: :ヾ: : ,.ﾄ' / ,ｲ.|/　　　　　……もっと大きな仕事を
　　 　 　 !:::! ヾ　ヾ:::::::!.　 /　　　 　 　 　 　 　 |: : : : :,ｲ: :/ fヾr ､　　　　　やらせてみてもいいかもしれない）
　　　　　 ヾ|　　　 ヾ:::::ヽ〈.,__　　　　　　　　 　 |: : : :/ !::ﾊ:: :!/ 　 ＼
　　　　　　　　　　　 ＼:::i丶､｀　＿＿, 　 　 　 |: : :/ ／　 >､!　　　/ヽ､
　　　　　　　　 　 　 　 ヾj 　 ＼　ｰ　 　 　 .／|: :/／　　/　　　　/　 　＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 丶､._＿,,.イ　 ,|/'´　　／　　　　/　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,／／／_＞'´　　 ／ 　 　 　 /　　　　　　　 ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 _,.ｨ'"´ ／　/Aヽ　　　 ／　　　　　 /　　　







589 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:44:14.44 ID:Gz.jG4Qo






＜佐賀　　佐賀城＞






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　　((＿((＿((___((___((＿((___((＿((＿((___((___((___((___((___
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　　ヽλ＿Ｙ～匚乂_ゝ、イ~ヽソヽ,ﾊ__ノ乂_ゝ~ヽソヽ,ﾊ__ノ、
　　ヽ/~~A___匚ﾉ___〉_/ヽ__ハノ　ノ＼/匚ﾉ___~A___匚ﾉ___〉_






590 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:45:41.04 ID:Gz.jG4Qo






江戸から一連の鹿島藩騒動を知らせた文を読んだ勝茂は、すぐさま対策を練る。








　　　　/　　/　 /　　/　　∧|ii /　 / |　　/　ﾘ　;i　　 ',　ﾍ　 |
　　　/ ｵ　/　 /　　/　　/　|　i　 /　 |　/　　 ',　 ﾄ　　　　i　 |
　　〃 / ./　 i　　 ,'　／　　 |, i　/　　| /　　　 ',　|　 |　　｜　|
　　　〃 /　 ｲ　ノイ=ｽﾃ=-, ｷﾞ |/　 r"ﾀﾃﾃ=- |/ | 　|　　|i　　|
　　　 | /　　 |　//　 ,,,,　　`ヽ | 　　　　 ,,,,,,　　,'　 | 　|　 |　　|i
　　　ｲ/　　　ﾄｲ ､" (;少ゝ　 ;}　　　　 ､,k;;;;ﾘ`ゝ　　　|i　 |　　||
.　　 ﾉr⌒`,　/.|/　` --''"　,;;;}　　　　　`ー"　　　　ｲ|　 |　　 ﾄ
　　　ｲ ｸ ヾ/　| 　　　　　 ;;;;/　　　　　　　　　　　　ﾘ　 r⌒`､|　　　　　　……はぃ？
　　　 | |　 ｲ　　　　　　　'';;/　　　､　　　　　　　　　 |　 | ⌒| |
.　　　 | |　 ||　　　　　　　f ,,　　 ,, i 　　　　　　　　　i　/　　ｿ|
　　　 ヽ　　|　　　　　　　 ';;;,,`'"　`　　　　　　　　　 | / 　 ﾉ |
　　　　 ヾ__||　　　　　　　 ';;;　　　　　　　　　　　　　ﾚ　 / /
　　　　　　| ',　　　　　 　　__,,,,,,,_ 　　　　　　　　　　/ イ ./
　　　　　　ﾊﾍ　　　　　`'"´,,　　 ,`_ ,ゝ　　　　　　 ∧_ ノ
　　　　　　　ﾄ ヽ 　　　　`ヽ こ__,,,　　　　　　　　 / ｲ 八
　　　　　　　|∧,ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　 /　i∧ |
　　　　　　　|　|;;;;;ヽ　　　　　　　　　　　　　 ,／ 　 ||i ﾙ|
　　　　　 　 |　｝;;;;;;;`､　　　　　　　　　　　／　　　｜|
　　　　　　　 /|;;;;;;;;;;;;;,,ヽ　　　　　　　,,,イ　　 　 　 |
　　　　　　　 i/};;;;;;;;;;;;;;;;;,,`ｰ---－';´　　　　　　　 |






591 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:47:08.62 ID:Gz.jG4Qo






. /:.,:.:.／:.:／:.:.:.:.:.: ／:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.: ',:.:.:.l:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:',:.:.:.:.:',:.:.:.ヽ
/:.ｲ:./:.:.:./:.: ,:.:.:.:.:/:.:.:.:.:ｨ:.:ｨ:.:.ｨ:.:.:.:. ﾊ:.: ﾄ､:.:.:.:.',､:.:.:.',:.:.:.:.:.',:.:.:.:
´ .l:/:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:／ |:'.l:.:/.l:.:.::.:/ l:.:.'　ヽ:.:.:.l ヽ:.:.!､:.:.:.:.ｉ:.:.:.
　 |':.ｨ:.:':.:./:.:.:.:ｨ:.:／　　　l:/　l:.:.:./　|/　　 ヽ:.:l　 ヽl　:.:.:.:.!､:.:
―|ﾊ:. l:.ｲ:.:.:.ｲ l:/｀ｰ､　　|' 　 !:.:/　 '　　　　 !:'　 _ .－〉:.:.:l‐ヽ
　 '　ヽ!' l:.:./:l　' ィ＝≧ｪ.､　 |: '　　　　　　 _ｪ≦＝､/:.:',:.'　　　　「正茂め……。
　　　 {　l:./:.:l　　　 __ヒラ_ ＞- '　 ゝ -＜_ヒラ_　　.':.:.:.:' !
　　　 !ヽl':.:.:.:!　　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　':.:.:./ '　　　　　人の子の面目をつぶす真似をしおって」
　　　 !　 !:.:.:ﾊ 　 　 　 　 　 　 　 ｉ:　　 　 　 　 　 ':.:.:.ｨ
　　　.! 　 l:.:.lｰ:. !j　 　 　 　 　 　 l.:.　　　　　 　 /ｉ:. / l
　　　l　 　 !:lヽﾊ　　　　　　 　 　 l.:.:.　 　 　 　 / .!:/　 !
　 　 !　　　l:l 　 ヽ　　　 　 　 　 /:.:　　　　　／　 !'　　 !









　　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::i::::i:::::::::::::::ヽ
　　　　　　　 　 　 　 /::::::::::/:::::::::/::::::::,:::::,ｲ:::::|:::::!:::::i:::ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　/::::::::::/:::::::,.ｲ:::::::,ｨ:::,ｲ::::::/!:::::|::::::!:::::!:::::::ヽ
　　　　　　　　　　 ,'::::::/::::!:::／,ｲ::／ .!/ .|::::/ |:::::ﾊ:::::!::::::!::::::::::i
　　　　　　　 　 　 !::::::l::::::ﾚ',! ー-､　　　 !/　 !::/　!::ハ:,ｲ:::::::::::|
　　　　 　 　 　 　 !::::_」:::::::::!　..,,＿`ヽ､_,.　　 ,ﾘ 　´ _,..,_ !::::::::ﾊj
　　　　　　　　　　!/f r.|::::::::!　 弋ｴﾉ｀　　　　｀'ｨﾆ二_　/:::::::::!
　　 　 　 　 　 　 　 k.ﾔ!:::::::!　　　　　　　　　　 ゞｚｿ,. /::::∧::|
　　　　　　　　　　　|∧`Y::ﾘ 　 　 　 　 　 i　　　　　 //|/　 ヾ
　　　　　　　　　　 　　 !Tヾ　　u.　　　　　j 　 　 　 //ノ
　　　　　　　　　　　　　ﾔ. ヽ.　　 　, ‐-､,__　　　 ,.ｲ:/　　　　　「おい、奴のこれまでの悪行、
　　　 　 　 　 　 　 r＜´|.　　＼　 弋,＿_,/　　／ |/　　　　　　洗いざらい調べたか！？」
　　　　　　 　 　 　 !　 ｀丶､.　　＼　 ｰ　　 ／
　　　　　　 　 　 _/　　　　　`'-､.　`'ｰ-r<´
　　　　　　　, -'" ｀ヽ､　　　　　 ｀ヽ､　f｀, ＼
　　　　 , -'´　　　　ヽ ｀ヽ､　　　　　 >く_Lｒ'´｀ト､
　　　／　　　　　　　　ヽ　 ＼　　／ヽO〉 |｀r､.|　｀丶､
　　/　　　　　　　　　　　＼ 　＼/＼r‐＝<.　!｀　　　　｀ヽ,
　 /　　　　_　-－‐　　　　 ヽ　　　　ヾ　　 !　ヽ　　　　　　i
　/　　 ／　　　　　　　　　 　 ! 　　　 ｀ﾄｰ〈　　 !　　　 /　 |






592 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:48:36.53 ID:Gz.jG4Qo







　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣7
　 　 |　　　 ／｀ー ､　　　　／ﾍ /
　 　 |　　／::::ﾐ‐-､__｀ ー '　／ ,ﾍ
　 　 |　　＼:::::. ｀ー ﾆ||　 ||レ'　　|
　 　 |　l「jl |┳━━━━━━━┓
　 　 |　ｌ「jl |::|　　::iilllllll|━|　::illllllll|　　　　「はっ。まず、寛永元年に家臣を殴りつける。
　 　 |　 ヽN:::＼::iillllllll/　::ﾄ､:iillllllﾉ　　　　　次に、三年に侍女をなぐり、壁に叩きつける。
　 ／|　　/：|　　 ￣　7　　:l　￣ 7　　　　　その次に、鹿島藩の所有する大筒を、こぶしで粉砕。　　
／　 |　/::: ：ヽ　　　 (＿　_:ﾉ 　 ,'　　　　　　その次には……」
::::::::: |/::: 　 ：ヽ　　r――─┐ /
::::::::: |＼:　　 ：ヽ　　￣￣￣　/
::::::::: |　 ＼　　：＼　　 ￣　 /＼









　　　　　　　　　　　 　 　 　 _＿＿__
　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ー､
　　　 　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.: ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　 　 　 　 　 /:.:.ｉ:.:.: ｉ:.:ハ:.:.:.ｌ､:.:.:ｉ:.:.:,.:.:.:.:.:.:. ｉ
　　　　 　 　 　 ／ 〉:.:./ｌ/　 ＼:! ヽ:.!ヽﾄ､:ｉ:.:.:.:. ｌ
　 　 　 　 　 ／ ／:ｌイ　'　　　 ｀ 　 ｀　　 ｌ:.:.ｉ:.:.ｌ　　　　（おい、こんな無茶苦茶なこと、
　　　　　　 /　/／〉:.:.ｌ _＿ ノ　　 ´ ￣ ヽｌ:.:.!ヽ!　　　　　本当によそに知らせていいのか？）
　　　 　 　 ｌ　 ´ イ !:. !　‐― '　　｀ー ‐　ｌ / _ﾉ
.　　　　　　ｌ　 　 ｉ Y｀ﾊ　　　　 ｉ　　 　 　 !'7〃
.　　　　 　 ｌ　 　 '　ｉ.　 ヽ　　　 !　　　　 .ｲﾂ´　　　　　（つーか、今まで
.　　 　 　 /　　/　 '　　　_>　―_－　／　!､　　　　　　　どうしてこんな悪鬼をのさばらせていたんだ？）
　　 　 　 ｌ　　　／　　 / ､ ｉ｀ ､ __ イ 　 ／ ヽ_
　　　　´　｀ー‐'｀　　 /　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
　　　　ｉ 　 　 　 ｉ‐　´ｉ　　 / ｀ ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
　　　　ｌ 　 　 　 ｌ　 　 !　 /. 　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼






593 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:50:23.44 ID:Gz.jG4Qo







　 /　　／ 　 ..::/.::/　.:::::: /.::::::/.:::::!::::::..!.. l　　::ヽ｀ヽ
　i　　/　　 .::::::!::/l ..:::／/.:::／!:::::/l::::::::l:::::l:::....l　 !
　! 　 ! l　.:::::::/l/__l／　/／　 ｌ:::/.:::!::::/!:::::!:::::::!::!:l
　ｌ　/l/l .::::::/　＿_ ｀ヽ、　 　 ｌ/ .::::l::/.:l:::/l:::::::!::!::!
　 V く ｌ .:::/ 　 ¨ 疋ﾀ` ヽ､ノ　.::::::_j/　-―ｌ:::/.∧l
　　∨ｰ!::/　　　　｀¨　　 　 　 ／fr芹､:::／l/.:/　　　（いくらなんでも、これじゃぁ、
　　j/iヽl/　　　　　　　　　　 /.:::::┴'..:::/./　j/　　　　　監督不届きでこっちまで責任が及ぶ……）
.　　　ｌ::∧　 　 　 　 　 　 　 { ::::::::::::::/.:/
.　 __/V ::ヽ　　　　　　　　 ／..::::::::::/.:/
／i/　 ! ::::::ヽ　　 　 _　　　 　.:::::／ j/　　　　　　　　（やっぱりだめだ。
.三l　:: ｌ　:::::::ヽ、　　　__‐-..::::／　　　　　　　　　　　　アイツの責任にするには、こっちの被害がでかすぎる）
.三 !.:::::.ヽ、:::::::::ヽ、　....:::::／
三ﾆｌ:::::::::::::＼::::::::::::::ｰ匕＼







596 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:51:55.67 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _._.,,.､.-.ｰ.-..､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＜´:::::::::::::::::::::::::::::`ｰ:.､
　　　　　　　　　　　　　　　 ／::::::::/::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /／::::::/::::/＼!＼_＼::::i:::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　 　 　 　 /´/:.:l::::ﾚﾍ!　ヽ／__＼::::l::::::::::::i:::::::::｝
　　　　　　　　　　　　　　　!l:l::l::へ ヾ ｀´ﾆfｿゝ ∨::::::::l:::!::::::::l
　　　　　　　　　　　　 　 　 |:::ﾚﾍ f_)）　　　　　　 ﾚﾍｿﾍ::!::::::!
　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾚﾍﾊ　く　　　　　　　　|/ )ソ!:::::::!　　　　「もういいぞ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　｀　　　　　　　　､／/:::/ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､ 　- - ､　　　 ′|/:::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　_　´　　ﾉ:::/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 `ｰ､ ´　　　　　∨_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　_,∧　 __,,､､＜´　〉､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/∨) /∧　 　　/::::::i:::ヽ._








　　 　 ｉ ￣￣￣￣￣￣ ｀i
　　　　| /＼_ ,､- ''｀ヽ　　 |
　　　　,ｿ　　　　_,.､-''ヽ　 .|
　　　 ,ヘ｀'ｉl　ｌi´,､-‐'´/__ .|
　　　｢ﾓ‐｡i二iモ‐｡ﾃＦ|.|ﾖl |
.　　　ゝ:::::l　 .|ゝ:::::ノ　||ﾖ| |　　　「はい……えっ？」
.　　 　 |　L.__」　　　　.ｌlﾝ .|
　　　　 | ⊂ニﾆ⊃　 ハ 　|
　　__ ／|　 ==　　　/　 ヽ,,|＼__
'' "≡≡ 't――― ′　　/|≡≡"''
≡≡≡≡|ヽ　　　　 　 /　|≡≡≡






597 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:53:19.13 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　 __ ...　-‐ ､
　　　　, -.::''.:::::::::::::::::::::..`ｰ-.､
　　 ／::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
　　イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
　　 /::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l　　　　　（まったく、煮ても焼いても食えない奴だっ！！）
　／　|::|　ﾃ''ｯ､｀ 丶ｰ- ､　i;:::|::::::/
　　　.|::l　　　　,　　 'ﾃ''ｚ､ l:::ﾘ::::::i
　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ
　　 　 ﾊ　 　｀　　　 | .| l .| |ノ　　　　「こうなったら”切り放し”しか手は無いな」
　　 　 ,小.　- ､　　 .| .l/././､
　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　 ￣ﾞ'ｰ､
''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　 ／　　　　/　ヽ
　/　　 ヽ､　,ｨl　　　イ /　　 　 /　 　ヽ
./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　 　,　　　　 i
'.‐'"　ヾ{;:::;}::;;/|.　　　l.　　　 /　　　　　|








　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　ヾミ || || || || || || || ,l,,l,,l 川〃彡|
　　　　　V~~''-山┴''''""~ 　　ヾニﾆ彡|
　　　　 /　二ー―''二　　　　　 ヾﾆニ┤
　　　 <'-.,　　￣￣ 　 　 _,,,..-‐､　〉ニﾆ|　　　「フフフ……。
　　　/"''-ﾆ,‐l 　　l`__ニ-‐'''""` /ニ二|
　　　|　==＝､!　　`＝====､　　l =ｌべ=|　　　　向こうが幕臣でいたいなら、望みは叶える。
.　　　| `ーﾟ‐'/　　 `ー‐ﾟ―' 　　l.=lへ|~|
　　　 |`ー‐/　　　　`ー――　　H<,〉|=|　　　　ただし、鹿島藩は返してもらう、というわけですな。
　　　 |　　/　　　 ､　　 　　 　 　 l|__ノｰ|
.　　　| ／`ー　~　′　　 ＼　　　.|ヾ.ニ|ヽ
　　　 |ｌ　下王l王l王l王lヲ｜　 　|　ヾ_,|　＼
. 　 　 |　　　　≡　　　　　　　　　|　　 `l　　 ＼__
　　　　!、　　　　　　　　　　 _,,..-'′ ／l　　 　 |　~'''
‐''"￣|　`iｰ-..,,,＿,,,,,....-‐'''"　 　 ／　 |　 　 　 |

　　　　【加判家老　　多久美作茂辰】







598 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:55:03.69 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　 　 __,,,....　-――‐-　.._
　　　　 　 ／vV/／／∠∠彡:ﾆﾆヽ
　　　　　 {/`ｰ-‐'''"´　 　二二ニニl
　　　　　/ｰ--‐''''"´　　　 二二ニﾆ|　　　　「殿もお人が悪い。
　　　　,/ー---‐'''"´＿_ 　 ﾆﾆ二二|
　　　 〈べヽ ｌ. ヾニ-‐'''ヾ> =r-､ニﾆ|　　　　これまでさんざん佐賀のために尽くしてきた弟の一族を、
　　　　},-o->　 ヽPニﾆ　　ﾐ ｽ.|ﾆ二|　　　　無惨にも切って捨てるわけですからなぁ」
.　　 　 |二/,'　　　ー― '　 `に!|二ﾆﾄ､
　　　　｜/,'　__ ヽ＼　　　　r＜二ニ|　＼
　　　 　 | ｢r---一ァ'!　　　｜　＼ニ|　 　|`'ｰ-､__
　　 　 　 | !｀ 三￣　 ｌ　　　 | 　　 ＼!　　｜
　 　 　 　 ＼　　 　 　 _.. -''" 　 　／| 　 　|
　　　 _,.. ‐'''"`ー ＜´　　 　 　 ／　｜　　｜








　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　／ : : : : : : :｀¨ｰ-､
　　　　　　　　　　　 __＿/: : : : : : : : : : : : : : : ¨ｰ-､
　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : :｀¨ｰ､
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ
　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : :{: : : : : : ;ｲ : : : : : : : : : : :ﾍ
　　　　　　　./: : : : : : : : : : : : : :.',: : :ﾄ､::/ｉ: :/ヽ: : ﾄ､: : : : :.ﾍ
　　　　　　　i: : : : : : : : : : : : : : : ﾍ:: :l !/　l/　 ヽ::l　i: :i: : |ヽ!
　　　　　　　l: : : : ﾍ; : : : : : : : : : l-',:l──--､_,,!/　ヾ!l: :,'　ヽ
　　　　　　 ﾉ: : : : : r､: : : : : : : : :l　 ゞ-t‐jヾ　　　/'ｰ､l:i/
　　　　　　 !ｲ: : : :/ ﾍ: ﾄ; : : : ﾄ; :l　　 ー¨-　　　〈ftﾂﾞ/|
　 　 　 　 　 i: : : ,'　　',:l ',: : : l ',:l　　　　　　　　 ',￣,'ﾊ!
　　　　　　　 ',: : :ヽヽ-､!: ',: : :l　'!　　　　　 　 　 丶､l　　　「悪評は承知の上だ。
　　　　　　　　',ﾄ､: : :ヽ__,,i ヽ: :l　　　　　　　　　　／j
　　　　　　　　　 :i: : : : : :i ',　ヽ!　　　　 　 ＿　 _　,ｲ　　　　だが、これは向こうから仕掛けてきたことだ。
　　　　　　　　　　',!i: : : : l ヽ、 ヽ　　　 r'" 　 ∨∧;!
　　　　　　　　　　　',::ﾄ;::ﾄ!　　ヽ､　　　 ｀￣二¨/　　　　　　自分から言い出したからには、
　　　　　 　 　 　 　 ﾚi ヾ!:　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　縁を切られても文句は言えないだろう」
　　　　　　　　　 __f´¨ｰ--､＿　　　　　ー,--"
　　　　　　　　／: j　　　　　　 ｀¨ｰ-,､ 　,'ｰ--､_
　　　　　　 ／: : : : ｀ヽ､　 　 　 　 f´ ゝ._i　　　 L＿
　　　　 ／::｀ヽ、: : : : : : ｀ヽ､　　　i:　i　 ｀¨1i:　 ,'　 ｀ヽ
　＿,／-: : : : : ::ヽ: : : : : : : : ::ヽ、/　j　○ /'j　/ ー /｀ｰ-､





599 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:56:15.74 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　 　 　 ,. '´ : : : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : : : :.`ｰ 、
　　　　　　　　, ' 　 　 　 ./　.::/　　　　　　　　　　　　 　 :∧
　 　 　 　 　 /.:/　.::/　.::′.:::′l : : ::::::.: : : : : : :!::.:.: : : : : :.∧
　　　 　 　 ./"/. : ::′.:::!: :.:::,l　:| : : :::ｌ::. ､:::.:.: : :|:::　 : : : : : :∧
　　　　　　　 .′.:.::| : :::;!: :::/.|.:∧: :.:::ﾄ､:::|＼:::.:.:|:::::　!:::. : : : :∧
　　　　 　　　|.:.:.:.:.:|.:.:/ !:.:/　|/　 ﾞ､:.:l　ﾞ､l　 ヽ:.:lヽ: : |:::.:.:.:.:.: : ﾊ
　　　　　　　 | ;!.:.:.:|::/ _|_'＿_ｌ　 　 ﾞ､| 　 ｌ＿＿ﾞL_ヽ::|::.:.:.:.:.: : : :|
　　　　　　　 |/l :.:.:|ﾊ´　＿＿､　 、 .l　´ z＿＿_　｀ﾞ:|::.:.:.:.:.:|:.:l:.:!
　　　　　　　 ｌ　l:ﾊ::l:::! ´_辷.｣｀　　゛　 　 ´_辷_ﾘ_ 　 :|::. /|/:.:.ﾊ:′
　　　 　 　 　 　 l　|:!: !　　　 　 　 ! 　 　 　 　 　 　 ::|::./´!ﾞi:/　!
　　　　　　　　　　　!l:::!　　　　　 .:;　　 　 　 　 　 　 :|:/i　//　　　　「それにしても、アイツは一体何を考えているんだ？」
　　　　　 　 　 　 　 ﾞl: l　　　　 　 、 　 　 　 　 　 　::|'ノ/:/
　　　　　　　　　　 　 |ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　 ,‐-'.:/
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　 　 　 ./:.:.:/|′
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ 　 　´￣￣゛　　 　.／!:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ 　 　 ゛ 　 　 . :´ : :l'|′
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |:＼　　　　. :'´: : :.::::|､
.　　　　　　　　　　 　 　 　 r‐|　　｀ －''´ _...　‐ '"´ ｀､_
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／| ｀ ‐､ 　 _.ノ´ヽ　　　　 ／:::＼
　　　　　　　　　　 　 _,./ : :|　 /　 >´i　　　 〉、　／::::::::::::::i-.._
　　　　　　　　　_.　'´:/: : : :! .ハ.0l - !　 ／::::ﾍ, '::::::::::::::::::::!::::::｀: :- .._
　　　　　 _...　'´ : : : /: : : :.:|∧:::ﾞ､|＿i／:::／ /.:::::::::::::::: : : |:: : : : : : : :｀: :- .._
　 _...　'"´: : : : : : :.:/: : : : :.:|　 >'"´:::::｀::'、　/::::::::: : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : :｀: :- .._






600 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:57:40.60 ID:Gz.jG4Qo







＜佐賀の夜　　斎藤家＞









爻　　 _,,-‐ｔ‐''⌒ﾊ、　　　　　　　_,,,　-‐''三]
ｋ;;:､　(,,　ﾒ μ ,,´｀, -―一''''""~　_,, -‐／::::＼　　　　　　　 ／
､,＼;;:: 人人ｷ,,　 /　--一'''"~￣　　,／:::::['i']::::＼へ、　　／
ﾆヾ ＼ Y,／　　　　　　　　　／ii[]:::[_,!_]::[];､＼　Yy,,..
-‐''`　 `.、:,:／　　　　　　　　　／ii;[ i ]~~[_!_]~[l];:ヽ ＼＿
＿,,､＿,,,,／　　　　　　　　　,／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　>￣ヽ
ﾊﾊ从 ／-―====r-===三''　､-―――――――‐＜　木ﾎYyy
(⌒)ｲﾄ爻------(　tｲ-‐'´::::::::,＼＿＿,,,....､_＿＿,,,_____`」￥　Y
　T,::爻Ooﾄ[iiii]<,,. ､ ｷ[]　 i::::::::::::::::[]::::::::::::::[]=======|爻爻三三
ー-　　''ー＾　二,,　ー---┴, -‐へ-O-ー-～～-―へ`~~　　　　]、
　　　　　　　　　━
　　ー　----　　　　　　　　､---―







　　　　　　　　　　　 　 　 　 _,..-－-､,..-‐.､_
　　　　　　　　　　　　 ,..‐:':.:.:.:.:.:.:.:,:.':.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:ー...､
　　　　　　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.､:.ヽ
　　　　　　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.,:.:./:.:.:l:.:,ｉ:.:.: ｉ: ',:.:.:',:.:.:.:.:.:.',:.:.:ヽ
　　　　　　 　 . /:;:':.:.,:': :/: :.l:.:./l:.ハ:.:.:ﾄ､:',:.:.:',:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　/ｲ:.:.:/:.: :ｉ:.:./l:/　!'　 ヾ:! ヾ!ヽ:.!ヽ:.:.: ::',:.:.:.:.:',
　　　　 　 　 /'/:.:.:.':.:.:.:ﾊ/. !'_＿,,..-' ヾ ゝ､__ﾞ:!　ヽ:.: :l:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　l:.:.:.:.ｉ:.:.:.:ｉ'´￣　　　　　　　　　　￣｀ｉ: :l:.:.:.:.:.l
　　　　　　 　 l:.:.:.:.:ヽ: :l　　　＿_　　 　 　 ＿　　　l:.:.!: :ｉ:.:.:l
　　　　　　　　l:.ﾊ:',:.:.ヽ!　-――-　　　　-――-　}ｲ:.:.:l:.:ﾊ!
　　　　　　　　!'　Ⅵ: :',｀　 　 　 　 　 ｉ　　　　 　 　 ｉ:.:.:ﾊ,'　!　　　「こうやって藩主自らこっそり出向いてきてるんだ。
　　　　　　　　　　{ ﾐ,:.:',　　　　　　　.:|　　　　　　　,':.:/ .}
　　　　　　　　　　 ､ヽ,:.',　　　　　 　 :!　　　　　　 ,':./ , ′　　　　いくら杢之助でも、さぞかし、びっくりするだろうな」
　　　　　　　　　　　＼ゝ',　　　　　　　　　　　　　,':/メ
　　　　　　　　　　　　　ヾ:.､　　　ー ――　　　 ｲｲ/
　　　　　　　　　　　　　　ヾ:ｉ ､ 　 　 ￣　　　 ｲ:/ .'
　　　　　　　　　　　　 　 　 :l　ヽ　　　 　 ／　l:'
　　　　　　　　　　　　　　,-┤　　｀ー－'　　 ├-､
　　　　　　　　　　　　　 /　ゝ､ 　 　 　 　 　 才　 ヽ
　　　　　　 　 　 　 _,-'´ｉ　　　 ｀ヽ　　 　 ,-‐'　　　 ｉヽ､_
　　　　　　　 _,..-'´　　 .l　　　/｀ｰヽ 　 / -‐ﾍ　　　l　　 ｀ー､_






601 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:59:02.69 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　,.=,'´ 　 　 ヽ:: 　 　 ﾟ ﾟ　＼
　　　　　　　 /　ﾟ　　　　 　 　 ﾟ　 ﾟ　　ヽ.
　 　 　 　 　 |　ﾞ　ﾞ　　　　　　　ﾞ　 ﾞ　くヽ!
　　　　 　 　 |　ﾞ　ﾞ　,　ﾞ　ﾞ,　ﾞ ､　ﾞ　ﾞ､ ヽ
　　　　　　　 |,ﾞ　/／! ∧　 ﾄ､ﾞ 　ﾞ　 ﾄ､|
　　　　　　　 ｣ _r'7ヘ_ｊ/ 　 >､!‐ヽﾞ! .|　!
　　　　　　　 |｢f.ｋ━zxヽ /xz━ｧ冫､! |
　　　　　　　 ||ゞ| ｀￣ '"|.|ヽ￣´/ｊ〃ヽ!　　　「……殿か」
　　　　　　　　ﾞ=ﾍ　　　､|｣,　　 /=″
　　　　　　 　 /| ∧ ﾞ￣￣￣ /
　 　 　 　 　 / .l/　ヽ 　<7　/ヽ.
　　　　　　_/ 　 ＼　 ヽ. ' ./|　　＼
　　　　 ／ |　　/] |　　 ヽ'　!　 　 ∧
　_,.-‐'´　　|　/ о| 　　　　|ヽ　 /　|`ｰ- ､
　　　　　　 |/ 　 　|＼　　　 / Y ＼｣ 　 　 ＼

　　　　　　　　　　　　　　　もくのすけ
　　　　　　　　【浪人　斎藤杢之助】







そうつぶやくなり、戸口に立たせたままの勝茂に、はいれ、とアゴでしゃくった。







　　　　　　　 ＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　 　 ＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ＼
　 　 　 　 7 " " ",.",ｨ ﾊﾞ ,ﾞ ﾞ ヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　 　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　 　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　 　 　 （⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　 ｀二⊃ﾉ
　　　　　　| " ﾞハ　 ー--7′　　 　 　 （( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　 　 　 　 　 ;;
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._クイ　 　 　 　 [l、
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　 　 ／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　 ）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/





602 ：1[saga]：2009/09/17(木) 21:59:53.26 ID:Gz.jG4Qo








　　　　　　　, -‐.': :_: :---｀ ｰ-.、
　　　　ｰｧ´:,　‐ -ｧ: :7￣l:.ヽヽ‐..＼
　　　　 /／イ: : /: ./.:ｲ: }::. :}:.}:ヽ:､:ヽ、
　　　 ノ.: .: ./: : lﾊ:AL_}:/ }::.ﾊﾊ::.:}:.ト_--
　　 ´ ７:::::_|::. : | '┬ｫﾐｰ'jﾑ_ム}::ﾊ:｢｀
　　 　 |:.:{ r|{:.. :l　 ￣´　　{ｴｵﾊ.ﾊ{
　　　　ﾊ:ヽvﾍ:ﾘ u 　 　 　 〉　|:/
　　　　　Vl:.:T　　 　 , ---,　 ﾊ!
　　　　　　}::ハ、　 （ ＿_/ , ′　　　　（こいつ……、藩主に向かってアゴをしゃるくとは何事だ）
　　　 ／ﾌ´{　　＼　　－ /
_ .. イ:::::::{　 ＼　　｀ ┬‐′
:::::::｜ 　 l　 　 ＼,_　/ ＼







603 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:00:52.63 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　　　　 (ヽ三/)　））
　　　　　　　　　＿＿　 ( i)))
　　　　 　　　／⌒　　⌒＼　＼
　　　　　　／（ ●） 　（●）＼ ）
　　　　.／:::::: ⌒（__人__）⌒::::＼
　　　　| 　 　(⌒)|r┬-|　　　　　|　　　「ありゃ？殿が来たお」
　　　 ,┌､-､!.~〈`ー´/　　　 ＿/
　　　 | |　|　|　 __ヽ、　　 　/
　　　 ﾚレ'､ﾉ‐´　　￣〉　　|
　　　　｀ｰ---‐一'￣






　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _＿＿＿,r─ ´￣ ｀ヽ、
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＞-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 f/::　..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !l:　　:::::::::::::::::::::::r′:::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　 |:!..:l...　 |　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 |ｨ::::!:::::::l:::::::::......................................l...::.i
　　　　　　　　　　　　　　 　 ' ﾄ､ｌ:::::::!::::::::::::.::::::::::::::::::::::::::::.:::::l::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　!トｌ､::::!ゝ!:l::::l::::::::::::::::::::::::::::l:::::l:::i/
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　!`i:ﾍ ヽ!:::l:ヽ::ﾄ::::i:::::::ﾊ::ﾊ:ｲ:/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ! ∨:l ,ﾊ:::l::::ヽヽﾊ:::/::ﾚ:::::/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ ヽ!'　ヽﾄ､:::::::::::::::::::::::::,'
　　　　「何してるんだ？」　　　　 丶　　　　　ヽﾄ､::::,_ -┴‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶＿ ..､　_　- ´　　　　　ゝ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　_　- ´　　｀ - ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　_　- ‐ ´　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l ／　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　 !





604 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:02:37.34 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／ ⌒　　⌒＼
　　　　　 ／　（⌒）　 （⌒）＼
　　　　／ 　 ///（__人__）///＼　　　「えへへ……。
　　 　 |　　 u. 　 `Y⌒y'´　　　 |
　 　 　 ＼ 　 　 　 ﾞー ′　　,／　　　やる夫は斎藤さんの双子の
　　 　 ／　　　　　　　＿＿|__＿　　　オムツを交換してあげていますお」
　　 　| 　　ｌ..　　　／l　おむつ　`l
　　 　ヽ 　丶-.,／ 　|__　　　 　　_|
　　　　/`ー､＿ﾉ　／￣￣￣￣／









　　　　　　　　　　　　 　　 　 __,,,､,, 　 ,,､- ､
　　　　　　　　　　　　 　 ／´: : : : : ｀´: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :',
　　　　　　　　　　,': : : : : : : l: : :/:./　∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
　　　　　 　 　 　 l: l: i: : l ／!／∨　　 |/　∨∨!: :::::::l
　　　　　　　 　 　ﾚ!: !: :l i"⌒"'-､　　　,､-'''⌒`l: :::::ﾍ!
　　　　　　　　　　 ∨ﾍ i | でラ`　 　 , 　f∃ｿ /::∧|
　　　　　 　 　 　 　 !ﾍ∨ゝ　 　 　 　i　 　 　 ∧ｿ
　　　　　　　　　　　 ﾚヽi l.　　　 　 　ｊ　　　 ∧ﾉ
　　　　　　　　　　 　 　 ﾚﾍ　　　、＿＿ 　/ﾉ　　　　　　「ふふっ、侍が形無しだな」
　　　　　　　　　　　　　　∨＼ 　　　　　／ ′
　　　　　　　　　　　　　／i｛　 ＼.　　 ／i
　　　　　　　　　　　 　/:::::l ﾍ　　 ｀　´　∧＼
　　　　　　　　　 _,,-''/::::::::l　　` ｰ､　,／　.i:::::＼､,_
　　　 　 　_,..-.:":::::::/:::::::::::i　　 /;;ﾍ__!入　 l:::::::::＼`::..､,,_
　　_,..-.:":::::::::::::::::::::＼:::／:|ﾍ /`ﾍ::::::::ｿ´ﾍ i::＼::／::::::::::::`i:ｰ.,
　,´ｰ-､::::::::::::::::::::::::::／:::::::::i　　　 ∨:/　 　 l::::::::＼::::::::::::::i:::::::',







607 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:03:15.16 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　　 　／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　　　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　　　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　「そうやってお笑いになりますが、これでも難しいんですお」
　　　　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ＿
　　ﾐ　ﾐ　ﾐ /　　､　　　　　､　　〆ヽﾞ￣ ｀i
　　　-─´⌒ヽ_/　　　　　 ﾞ　　lヾ_ ,|ヽ─ヘ
　　( _i _i＿ﾄ､__)l 　　　　　　　　`､´/　 　 　ヽ
　　l||l 从/　　/ ヽ　　,＿＿__　　　｀　　,ヽ　　ヽ
　ヾ　-─ヽ　ｲ_　ヽ /　　　　￣￣￣￣`ヽ Ｙ 　 ゝ‐-､
　　( _i _i＿ﾄ､__)　 ヽ､＿＿_⊥＿＿＿＿ﾉ 「＿＿＿ﾉ
ドンドン







そう言いながら、ここに座れ、と手で床を鳴らした。








　　　　　　　　　　　　 　　 　 __,,,､,, 　 ,,､- ､
　　　　　　　　　　　　 　 ／´: : : : : ｀´: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :',
　　　　　　　　　　,': : : : : : : l: : :/:./　∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
　　　　　 　 　 　 l: l: i: : l ／!／∨　　 |/　∨∨!: :::::::l
　　　　　　　 　 　ﾚ!: !: :l i´￣`'-､,　　　,､-'''´` l: :::::ﾍ!　　　　（こいつ……上座っつーもんがあるだろうに。
　　　　　　　　　　 ∨ﾍ i | --。--　　,　 -。-- /::∧|
　　　　　 　 　 　 　 !ﾍ∨ゝ　 　 　 　.i　　　　 ∧ｿ　　　　　　　そういえば、こいつも突然の来訪なのに
　　　　　　　　　　　 ﾚヽi l　　　　　　 ｝ 　 　 ∧ﾉ　　　　　　　何の驚きも見せんな）
　　　　　　　　　　 　 　 ﾚﾍ　　　　　　　　　/ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　∨＼　 ´￣` 　／ ′
　　　　　　　　　　　　　／i｛　 ＼ 　` ／i
　　　　　　　　　　　 　/:::::l ﾍ　　 ｀　´　∧＼
　　　　　　　　　 _,,-''/::::::::l　　` ｰ､　,／　.i:::::＼､,_
　　　 　 　_,..-.:":::::::/:::::::::::i　　 /;;ﾍ__!入　 l:::::::::＼`::..､,,_







609 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:05:15.08 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l:::::::::::|　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,l:::::::::::::|. !
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l:::::::::::::::|　|
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　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |;:::;:::::::::::::|　|/ / /, //.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:,,).:./.:.:.:.:.:.:ヾヽ ',
　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::|__l.ｲ ｲk//.:.:.:/.:.:.:.:.:.／/.:/:/.:..:.:.:.:.|:ヽ| ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣||ｰ'＜,￣ｰ;'´ '.:i:-‐/＼;:＜.;.ｲ.:/.;ハ;／ .:.|.:.:i! /
　　　　　　　　　　　 　 　 　 （　 ￣｀¨.〉/ ,'.:.jｨ,|.:.|__/_,∠__／ ,)ｲ,ｲ二ヽ___｀!!:.:|,)　　　　「殿さまは立派な剣の腕前と
　　　　　　　　　　　　　　　　{｀ー---'V､ |,ｲﾎ !.:.!｀Yひバヽ　／/ ｨアﾊY´||.:.:||　　　　　　お勇はお聞きしてるのですぅ」
　　　　　　　.　　　　　　　　 ∧｀¨'''ー'ﾊj j.:{　 |.:.:!| ﾞ又_ツ　　　,　 又ツ゛｀ﾘ/.:!!
　　　　　　　.　　　　　　　　 ヽ,{_¨''‐,zｸ'N.:.:j_L|.:.:.:ヽ　　　 　 ＿_　 　 　 //.:./|
　　　　　　　　　　　　　　　　r'-〈￣ 人,) Vヾﾄ{:.:.:ヽ ＼　　 /￣｀|　､__／´.ィi.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　｀Yﾞ 　　 ,) |:　）ﾍ、ヽ.:__＼.ﾐ、 ヽ.　ノ　 ｀ｱ,イ　 |.:.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　ヽ　 j:ヽ::＼ ＼￣｀ヾヽ___,．＜,)'､__! 　|.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ゝ、　　,'::.::ﾄ､::.:}　 ヽ.　　￣｀V´　｀ヾ-{米 !.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　／::.::.ヽ__/:.::.::!.::i.::ヽ 米l　 　 ／ﾊ＼　　Y　　|;,)
　　　　　　　　　　　　　　　 ／ .::.::.::.::.::/.::.::.::|.::.ヽ::|　　l　　〈_/|{}iヽ_〉　 | 　 {:|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【杢之助の妻　お勇】








　　　　　　　　　／: : : : : : /: : : :／: : : : : : : ヽ: : : : :: : `､
　　　　　　　　/: : : : : : : :/: : : /: : ,ｨ: /l: : : l: : |: : : : : : ::ヽ
　　　　　　 　;´: : : : : : : /: : ／|／ .|/ .!: : /i: : !: l: : : : : :丶
　　　　　　 .i: : : : :|: : : : |／　　　　　　|／　| /|: :|: : i: : : :ﾞヽ
　　　　　　 i: : : : ::i: : : ::/ ´￣￣￣`''''　　　´　ヽ|: : | .|: :丶
　　　　　　 |: : : :,-ﾘ: : : |　 "疋;:ｿ`　　　 　'`'-､_.i: : |: |: ヽ
　　　　　　 .|: : :/-､',: : |　　　　　　　　　, f:ﾃﾘ` /: : |: i丶　　　「おっ！、う、うむ。
　　　　　　 .ｿ､::l,.( _ ﾘ､:|　　　　　　　　　l .｀ 　 /l: :/| i
　　　　　　　　,|::＼__ ヽ|　　　　　 　　 　, 　　 //|/ |/　　　　　こうみえても、拙者は当代随一の流派、
　　　　　　　　 ﾘl: ::| |　　　　　　 　　 　′　 //　　　　　　　　　柳生新影流をつかい……」
　　　　　　　　　 l::|ﾘ ヽ　　　 ` ― - 、　　 //
　　　　　　　　　 ,ﾘ　　 `､　　　　`"　 　 ／ﾘ
　　　　　　,----亠--- ､_`.､　　　 　 ／　彡
　 　　　 /／￣￣⌒`ヽ` ＼::`::-､,_, ´.






610 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:06:31.67 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　どさっ

　　　　　　　　　　　　　 　 /i!i!i!i!i!i!i!ヽ　　';-:`ﾞ!!!!''''''::-...._.,.　　　　
　　　　　　　　　　　　　／:l|l|l|l|i!i!i!i!i!:＼　:!!!!!!!!i!i!i!i!i!i!i!i!i゛'ヽ　　
　　　　　　　　　　　　/::l|l|l|l|l|i!i!i!i!i!i!i!i!i!:',:!!!!!!!!!!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i:,　
　　　　　　　　　　　 ,'::l|l|l|l|l|l|l|:iiiiiiiiiiiiiiiiiiii:::i '!!!!!!!!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i}
　　　　　　　　　　　ｌ:::l|l|l|l|l|l|l|iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii:::::i'':,,;,,!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i:´　
　　　　　　　　　　 i::::l|l|l|l|l|l|l|l|liiiiiiiiiiiiiiiiiiii::::::ｌ　'':;:;:;:;:;,,!i!i!i!i!i!i,r'　　
　　　　　　　　　 　i:::l|l|l|l|l|l|l|l|l|iiiiiiiiiiiiiiiiiii ::::::i　　　 ''''''''''''`ﾞ
　　　　　　　　　 　i::::l|l|l|l|l|l|l|l|i!i!i!i!i!i!i!i!i!:::::::ｌ　　　:;'　|||||||||||||||　ﾞ:,
　　　　　　　　　 　i::::　l|l|l|l|l|l|.i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!:::ｊ　　,r''"||||||||||||||||||||||ヽ、
　　　　　　　　　　　ｌ:::l|l|l|l|l|l|l|i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!:::/ /||||||||||||||||||||||||||||||||ﾞ:,
　　　　　　　　　　　 ｌ:::l|l|l|l|l|li!i!i!i!i!i!i!i!i!i!/　 /|||||||||||||||||||||||||||||||||||ﾞ:,
　　　　.,._....-::''''''!!!!ﾞ`:-;'|l|l|l|li!i!i!i!i!i!i!i!i!:/　　i !i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i　 !
　　,r''"i!i!i!i!i!i!i!i!i!!!!!!!!:＼ｊl|l|l|i!i!i!i!i!i!i!::ノ　　 i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i　i
　,:i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!!!!!!!!!!:　｀ｰ''　｀　´　　　　　!!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!iﾉ
　{i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!!!!!!!!'　　　　　　　　　　　　　'､!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i　,''
　｀:i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!,,;,,:''　　　　　　　　　　　　　　ヽ!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i,''
　　ヽi!i!i!i!i!i!,,;:;:;:;:;:''　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､;,､,,,:;'~'ﾞ:,､,,; _ｿ
　　　　ﾞ`''''''''''''　







勝茂の前に、里芋が積まれた籠が置かれた。







612 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:07:23.50 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　　　　　　 ,．-rr' ￣￣｀7ﾞ `丶､
　　　　　　　　　　　 　,r'´ 　　ﾘ　＊　 ,′　　.:.:.＼
　　　　　　　　　　　／　 　 　 |　　　 /　　　.:',::::､:::ヽ
　　　　　　 　 　 ／　　　　 　 | ＊　/ .:.:/.i　.:l:::::ﾄ､:::｀,
　　　　　　　　 /　　　　　　　 |　　,/ .:.:/.:.:|:.:::l!_:」:|::::l::!
　　　 　 　 　 /　　　　　　 　 {　　j!:::::::|:..::l|:,j´ﾘl/::!:::N
　　　　　　　　￣｀7´.:::::::ー-､! ‐f {::::::::|:::/ソ _ _,,〈l:/
　　　　　　 　 　 ,/.:.:::::::::::::::i.::ﾄ､　 `､:::::V.　 '""´ ｀ゝ
　　　　　　 　 　/.:.:.:.:.::.:.:.:::::|::|:〈　　`ﾄ､::.ヽ' ' '､__ /
　　　 　 　 　 ,/.:.: .:.: .::.:.::::::j!::|｀`ゝ‐j‐､｀" 　　ｰ/　　　　「刃物がお上手なら、皮むきよろしくですぅ」
　　　　　　　,/.:.:　　 .:.:.:::::::,'::::L _ノﾄ､　 ヽ_,r─ '　
　　　　 　 , ｲ　　 .:.:::::::::::::/:::::!　　「｀{ 下〈i尓,　
　　　　 ／.:,′.:.::.:.::::::::::::/::::::ﾊ　　!.　{! 　 ﾞ,jkﾄ､
　　　／.::::/ .:.:.:.:::.::::::::::/:::::::!　!　 !　 i! ‐f‐{u7`ﾄ ､









　　　　　　　　　 　 ,ｨｭ-‐-､＿
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : :｀ヽ
　　　　　　 　 /: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　ｲ : : : : ,ｨ ./ﾘ| ﾄ､: : : : : ゝ
　　　　　　　 !: :/: :,ＡZ__　|/' >r.､: :N　　　　（……俺、佐賀の藩主だよなぁ？
　　　　　　　 !'ヽ: :! ―-　　 ﾆ| .! .!ﾉ
　　　　　　 　 _人_l､u. 　 i .(ヾ| .! iヽ　　　　　　なんだか自信なくなってきたぞ）
　　　　_,.．-'´/:::::|　ヽ　～ ,.ﾈ､　　 ト､　　
　　r'´:::::::::::::く:::::::|　 ﾉ｀ =く. .|::ﾔ 　 .|:::｀ﾞｰ､
　/:!::::::::::::::::::/::::::.ﾚ'＾YニY/ﾚ!:::ヽｚ='＝i::::::::ヽ
/::::::!::::::::::::::::ヽ:::::::|　 .〉-〈　/::::::〈:::::::::::::|:::::::::::!







616 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:09:05.75 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　＿,. -‐―‐-､)ヽ
　　　　　　　'´,＞ 〃　　　ノ　｀⌒ｰz
　 　 　 　 　／ 〃 　　　　　　　　　　ゝ.
　 　 　 　 〃,／, 〃　　　　　 　_　　　ﾍ
　　　　 　 |〃/ ,〃 〃 ,､,､ ､　,　　　ヾ'|　　　　「で、どうしました？
　　 　　 　　/ /,〃 ,.ヘヽ_,ゝﾍ{ ヾ　ヾ　|
　 　 　 　 　l/ / ,.く　 /＞‐｡ｧ ヽ'ト､ヾ' i　　　　　うちに来ても何も無いですよ」
　 　 　　 　 　 |/　　>ヾ￣´　　 |'ト||ヾ |
　　　　　　　 　　 ／　　 　 　 　 |l〃 ヾ|
　　　　　　 　　∠-‐フ 　　＿,　/ ヽ.ヾ'｣
　　 　　　　　　　 　 ｀￣匚, 　 /　　　>'＾ヽ._
　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　 ／　　 　|
　　 　　　　　 　 　 　 　 '―ﾍ　 ／　　　 　人
　　　　　 　　　　　　　　　／冫′　　　 ／ミﾐ＼
　 　　 　　　　　　　　　　/|　|＼　　　.／ミミミミ
　　　　　 　　　　　　　／|,ヽﾉ! 　＼／









　　　　　　　　／ /:/: : : : |: : : /l: :lヽ: : : ::!＼: : ::|ヽ: : : : ヽ: ヽ: : : : : : : : : : : |: : : : ::!j
　　　　　　 ∠-イ: :|: : |: : |: : :/ |: i　ヽ: : :|　　､: ::i　＼: : : :|､: ::|: : : : : : : : : : |: : : : ::l:ヽ
　　　　　　　　　|: : |: : |: /|: :/　i::/　 丶: :|　 　＼:|　　ヽ: : | |: :|: : : : : : i: : : : !: : : :!: !: :!
　 　 　 　 　 　 !: : :|: : ;V |::/ 　ﾚﾞ　　　 ヾj　 　 　ｿ　　 丶:|　!: !: : : : : /: : : : |: : : |: ::|`j
　　　　　　　　 |: : ::|: ::/ ,-―-､　　　　 ､_ 　　 ＿＿＿ ∨　 リ: : : : ::/: : : : :/: : : |: ::i
　　　　　　　　 |: : ∧/ヽ 　＿　丶　　　　｀￣´＿_　　　 ｀　 　 !: : : :/: : : : : :!: : : :| :/
　　　　　　　　 |: /|: : : :i　､＿__　　　 　 　 　´__＿__　　　　　　|: : :/: : : : / /: : : ｲ|:|
　　　　　　　　 |/　ヽ: : ヽ. 弋r:）`,　 　 　 　 '弋rﾂ::）｀`　 　 　 |: :/: : : : ｲ /!: : : / ﾘ
　　　　　　　　　　 　ヾド::! 　￣ 　　　　　 　　｀￣￣　　 　 　 / /: : : :/ ﾘ　|: : ::/
　　　　　　　　　　　　ﾘ ヾj　　 　　 !　　　　　　　　　　　　　　ｿﾘ!: : : /) / 　!: :/
　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　 /　　　　　　　　　　　 　 　 　 |: : / 　ノ ./: /
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ! 　 　/　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |: /￣´／: :/　　　「だが、旗と馬上筒はあるみたいだな」
　　　　　　　　　　　　　 　　､　　ヽ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |/＿／:/;／
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　 /´　/: : : /:/
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 丶　　､_　＿_　　　　　　　　／　 /: : : :/V
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　､＿　`　　　　　／　 　//!: : ::j
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 ヽ　　　　　　　, イ 　　 　/　! :/ ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　/￣<￣ﾞ｀|ﾞヽ ＿ _ 　"　　　　　　　　|,j |
　　　　　　　　 　 　 　 　 / 　　 ｀ー‐ヽ、　　　　　　　　　　　　 | ﾘ＼







618 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:10:15.19 ID:Gz.jG4Qo







勝茂の視線の先には、大仰な旗指物と、銀の装飾が施された馬上筒が飾られていた。







╋━━━━━━┯
┃　　 │　　，.;.　│
┃　─┼─ 　..;.;.;│　　　　　.-'"''-------------------------------------'^'-　.,
┃　 ／＼　　 　　│　　　　　|''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''--------t t t t t t t Y")
┃／　ヽ　＼.　 　│　　　　　|''Y=======================ﾉ＿＿＿＿''!,''!,'!,'!,'!,'!,'!,'!〈
┃　∴　，.　ヽ　　│　　　　　i'`'---------------'''''''''7---------------r----r''ヽ--!
┃ ,.、　　ﾉ､_ﾉヽ　│　　　　　L! |￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ`--------''''''''''"! 　 ^〒----' 　`,
┃/　＼　　.　.;.;.;.;│　　　　　 ￣￣￣￣￣￣`T'7'""""""'ﾍﾍ''''ヽ,`.,Y'''''''''''''-.,_ `-.,.r'".-''"
┃　　　＼.;.;.;.;　　│　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ| 　 　　　 ﾉﾉ　　）',　!::::::::::::::::::＼.（;r"
┃　/　　　＼　.;.;.;│　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ'L_____,,,_'"＿,,.r_,,.> ',:::::::::::::::::::::ヽ','.,
┃/⌒ヽノ　　 　　│　　　　　　　　　　　　　　　　`'''――――'''''" `ヽ`,',::::::::::::::::::::::ヽ'..!
┃　　　 　─┼／│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .Y, ',::::::::::::::::::::::ヽ'ヽ
┃　.;.;.;.;　─── │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋ, ',::::::::::::::::::::::ヽ''],
┃・　　 ／┌─┐│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;, '''''''''''''''''''''):::!':;i!
┃.;.;.;.;　 　├─┤│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|' 　------"::::: '|!
┃　.;.;.;.;　 └─.;.;.│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　]＿|;;;;/￣ヽ;;;;,"。]
┠──────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '-----------'--''








621 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:11:43.63 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ｨ'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀`丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 ,.イ´:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 r'´.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.,ｲ:.,ｲ:../i:.:.l:.:.:ヽ:.:ヽ:.:.:.:.:.ヽ､
　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!/ !:./.|:./ |:./ !:.:..ﾊ:.:.,|:.:.:.:.ト-､ゝ
　　　　　　　　　　　 ,イ.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:/　!ナ-､_ﾚ'　 |ノ　ﾚ'ヽ:.ﾉ!:.!
　　　　　　　　　 　 　 !:.:.:r‐i:.:.il:.:.:..!　 こヒｒ`i｀´　　_ｭ=-.,リ .ﾘ
　　　　　　　　　　　　|,ｲ !i^)ﾚ'l:.:.:./　　　　´　　　 l´ﾋr /:.:.ﾉ
　　　　　　　　　　　　!　!:ﾔヽ､.ヽ/　 　 　　　　　　ヽ　 l:.:./
　　　　　　　　　　　　　 k.l,`-ｧi　　　　　　　　 　 '´　 /∨　　　「あの馬上筒をどうやって手に入れたのか、
　　　　　　　　　　　　　　　k_N.l　　　　　r'´￣｀ア　 /　　　　　　聞かせてくれないか」
　　　　　　　　　　　　　　_,イj　 ヽ　　 　 ヽ-―┘.／
　　　　　　　　　　　　／´r'´＼　　 ＼. 　 　｀´ ／
　　　　　　　　_,.ｨ=''7´;;;;;;;|　　 ＼　　 ｀ｰ-ｪ-‐'´
　　　　_,.ｨ='''´;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;!　　　　＼　　　ﾉ ＼








　　　　 　 　 ｀ヽミメ、　. -‐,=‐
　　　 　 . . .-‐‐ミ i!　Y i! 厶イ_＿
　　　∠..., =‐-　i!　 i!　 i!　i!　＜´
　　　 .ィ´ i! 　 i!　i!　i!　i! 　 i!　i! ヽ
.　　, ′i!　i!　i!　i!　i!　i!　 i!　 i!　i!.!　　　「ククク……。
　 /イ i!　i!　i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､　i!　i!　!
　　/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j　　　　構いませんが、少し待ってください。
　 /イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |
　　　 ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.|　　　　今日は来客が多い日だ」
　　　　　　　i:::::/.::::::、　　 .::::::|Lﾝii|
　　　　 　 　 i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼
　　 　 　 　 　 ､ 　ー　..:::::／;　 ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
　　　　　 . -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; '　　　ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
　　 -‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' 　 　 /;;;;;;;;|;;;;;;;
　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::'　　　　/;;;;;;;;;;;!;;;;;;





622 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:12:54.29 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　　　　　　_ ,,,.....,,, _
　　　　　　　　　　 _,､-'":::::::::::::::::::::｀'" ''ｰ ､
　　　　　　　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　 　 　 ,r'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　　　/:::::::/::;ｨ:::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　 /:::::::ｨ /　l::::l　'､:::ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　,'::::::/!/　　 !:|　　ヽ;:::ﾄ､::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::l 　　　「こんばんは。
　　　　　l:::::::i　 __　　'　　 _,,.ゝ!_ヽ:::l::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　!::::::::i'"_　　　　　　_,,..、｀ヽﾄ､:::::::::::::::::::::::::::::l 　　　奥方様からのお届けものです」
　　　　　l:::::::::!.'ﾞｒiヽ　　　　 ｒ:､ ヽ　　 ヽ:::::::::::::::::::::::::l
.　　　　　!:::::::i.　!;!　,!　　　 .!;:;!　　　　 l:::,､- ､::::::::::::i
　　　　　 '､::::! 　　 ' 　 　 　 　 　 　 　 !' ,r'　 !::::::::::!
　　　　　　 `,! "ﾞ　` '　　　　" "ﾞ　　　 !/　　/::::::::::,!
　　　　　　　i　　　rｰ -､　　　　　 　 　 　／::::::::::/
　　　　　　　 ',　　 !,ｒ''　ﾞi　　　　　　 ,r`''":::::::::::ノ
　　　　　　　　ヽ　　`'''"´　　　　　ノlr'ｰ'`^'"｀'ﾞ
　　　　　　　　 　 ヽ　　　　 _,､-'"　 |
　　　　　　　　　 　 ｀ ｰ　r'"　　　　 l''ｰｧ-､
　　　　　　　　　　　_,､-'ﾞi　　_,,.､-‐''"´　　 !
　　　　　　　　　　/ ヽ　 l /`､　　　　　　_,r'｀''ｰ､ ___
　　　　　,.､--‐'''7 _,.-ヽ,ノ　　ヽ　　　 ／　　 　　　　￣ ｀''ｰ､
　　　　/　 　 　 'ﾞ´　　　　　　　ヽ ／　　　　　 　 ,ｒ'　　　　 　ヽ









　 　　　/ 　, _　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　l.　/ 　｀/.　,y-ｰ.'ｱ´　/　 　／ヽ　　　　　　　　　 　 　　　　　　l
　 　　l.　l　/´/　/_,.ィ´ _. -'/ 　,／　　::ヽ 　 ､　　　　　　　　　　　　　　l,
　　　l.　l　i，/　/ｰ　' ´ ＾／ ,／ 　　　　::::'､ l::i 　|,　i! 　 　 　iヽ　　ヽ、　l,
　 　l　│ | /　/　 ヽ｀`く '"´､ ､　　　　　::::! .i::'、 !i ,l ! .　l'､　 l ヽ 　 ! ヽ　l
　　l 　 |　ヾ　/　　 　`＜う＼ヽゝ 　　　　::::! l ::l ,| ! | l 　l　l 　l　'､.　| 　l　l
.　 l　　 ヽ┤/　　　　　　｀ー ',..:::　　　　 ,..-lﾉ-:;l,|-:l,l .l　l 　l 　! 　i,　l　　l i
　 l　 　／ ''|　 　 　　　　　　''''''" ::::　,∠ｯｧ-ｰ一, /i!　l l　　! ,!　　l　!　 　!
ヽl　／ 　　.:l 　 　 　 　　　　　　　:::　l::｀ｰﾞ'''''"´´/　 　l,!　　l,'　 　 | |　　
　Ｖ 　 　　.:::|　　 　　　　　　　 　　::　l:: 　 　 　::/　　　'　 　´ 　 　 !i　　
　 ヽ 　　　::::l　　　　　　 　　　　 　::　l::. 　 　..:/　　　　　　　　　　　'
　 ... ヽ　　.::::| 　 　 　 　 　 　, ､ 　 :　!:::. 　..::/
　　::::...ヽ .::::::| 　　ヽ、　　　　 rヽ 　　i:::::::::, '
　.. .:::::::.. ヽ:::.:| 　　 　｀ ー- ..._ __`､.　l:::／　　　　　　　　
　　　:.:::::::... ヽi　 　 　 　　　　　　　ヽ !' 　 　 　 　　　「ああ、よく来てくれた。あがってくれ」
　　 　::::::::::::.... ヽ　 　　ｰ- ､......　　／　 　 　 　 　　　　　
　　　　::::::::::::::::..　＼　　::::::::　　／ヽ 　 　 　　　　　　　　
　 :　　　::::::::::::::::: ,.イ>. 　 　 ／:::::::.. ヽ　　　　　　　　　　
　　:.. 　　::::::::::.: ./　l　　　／:::::::::::::::.... ヽ　　　　　　　　　
　 　::..:. 　:::::.::. /　,' 　 ／::::::::::::::::::::::::::. . ヽ
|　　 ::::.:. 　:::: /　,'　ｰ 'ヽ::::::::::::::::::::::::: : : :　ヽ






623 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:14:31.40 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　　　　　 _,　-‐--....､
　　　　　　　　　　　／..:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　 　 　 　 　 　 　 / .:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　　　　　　　 　/..:.:.:.:.::::/:::;i:::::,|:::::l:::::;::::::.ヽ
　　　　　　　　　 l::::::l::::::/l::/ |::/{::/|::;/l::}:;::;::i
　　　　　　　　　 l/i::l:::N`|ﾒ､_|ﾑ|/.,j／ﾚ|::|::ト!
　　　　　　　　　　f＾i:::ｌ　''ZＴｰ 　 ｨ'Zト.|::|::ﾚ'＾ヽ､
　　　　　,...-',,⌒ゞﾐ､l::|.　　　 　　ｌ　　　l::!Y::::::::::::::.ヽ､　
　　　　/::／..::::::::::::..ヽl_　　　 　　〉 　 /ｖ':::::::::::ﾉ::_;;:::::j,ト､
　　　/:::::::::::::::::::..`ｰ-､:l､ 　f＝==r 　,ﾍ:::::;::::::/￣　ﾞ''ﾍｭ_ﾉ
　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ;:､L＿,,ﾘ ／:>:l/:::／
　 ./:::i|:::::::::::::::::::::::::::::::..｀''ヾ､ｰ_-イ, 〉<.|／　_ノ⌒ ｰ - ,,,＿＿　　＿
　 }:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ﾞヾ!､!;::|:|,r‐'ﾞ　　　　　　　　 　 ／/ 　 ヽ　　　（俺の時と対応がちがうじゃねーか！？）
　「::::ヾ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf　　　　 ヽ　　　 　 　 l /　　　 l
../::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ﾆ,-'"　　　　　　＼___　　　　　　 　/
/:::::::::::..ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ .／　l　　　　　　　　　 ＼X=-､,,＿_／
:::::::::::::::::..ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::|　|　　ﾉ　　　　 ` ､ 　　　　 ヽ ,ﾍ./
:::::::::::::::::::::..ヽ､:::::::::::::::::::::::::::|　l　i´　　　　　　　` ､　　　 ﾉ ヾ|
:::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ;::::::::::::::::::::|　|　|　　　　､　　　　　`'rイ　 ,ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::.::..＼∩:::::::::|　l＼ 　　　　 `=､.._＿,ノ　 ￣
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::i＼∩:/　 |　ヽ､＿　　　　ﾉ
::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::|　 ＼:!`ｰ､ 　,,=''::::｀､'‐-'ﾞ
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::l　 ｌ　ヽ_;;ｧ'~ヽ;::::::::::.ヽ







624 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:15:40.51 ID:Gz.jG4Qo







時間は少しさかのぼって……






一年前
寛永１６年の冬――







　　　　　　　　　　°　　　　　　　　　　　　　 _,,--⌒^``:､　　　　　　　ο
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r''"　　　　　　　` ‐-、 　　 　　　　　　　　　　_,,._
　　　　　,,r''"~⌒^`:､　　　　　　　_,,..-‐''"　　　　 　　　^`:　　　`､　　　　　　　__,, --‐''
　　⌒^~'　　　　　　　` ‐- --‐'''""`⌒^.､..,,__　 　　　　__ ,...　.-‐`‐ -‐‐''''""
　　,i'⌒ヽ　　　　シ　　　　　　　　　　　　　　　''':‐-,‐‐''' 　　　　　　　　　　⌒^~
　,（　　　 ）ο　// 　　　ο　　　　　　　　　°　　　　 ""'⌒--　,, ,　;;　,,,　,,,;;
＼　 | 　゛-、　/./　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　--
＼`ｰ'　　＼／／　　　　　　　　ο　　　　　　　　　　°　　　　　　　ο
　　 `ｉ　　 ",ノ
ｏ　　 | 　/ﾟ 　 ,i'⌒ヽ、 　　　　　　　　　　　　　ο　　　　　　　　°
ﾞ､＼_ﾉ 　i ｏ　（　　　 ） 　 　 　 °
　` 、ﾞ 　 ﾉ　／`;;;;;_ノ　　ο
　　 ｉ　　i,／／´
　　 i　 　 ／
　　 i　　 |　r　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　°
　　 i　　 |ノ
　　/ο　i　　　　　　　ο
　　i　　　|
ｰ.^ﾉ､.......,iｰ.⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒






625 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:16:31.80 ID:Gz.jG4Qo







＜佐賀　　背振山＞






　　　　　　　　　　　　
　　　 _, -‐ '''" ￣ `'' -､　　　　　　　　　　　　　　　　「ここから佐賀の町は見えるか？」
　　,r'　　　　　　　　　　 `i..
　 l'　_,,.. -‐　ﾆ　　　 ﾚvﾆ.l
　 ﾉ'",.　　　　>-､　　　 　 `　　　　　　　　　 ／ﾌ'''7''''"￣｀''‐ ､　　　　　「父上……、
-幺./_,,|厶ヾl /- l　　　　　　　　　　　　　　/　　　｀ヽ｀ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ､　　　いや、私は鳥を見ていただけだ」
　 '　l　り..　ﾉ i　ノ　　　　　　　　　　　　　　∧　..:::::::::} ,. l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　､.　 l|||　 ,. ‐‐.､　　　　　ﾐゞ　　　　　　 r､ヽ ､.,,..ノ/ ヽ､.,,,_:.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　ー　l|. （　　　）、〟ミヽl　　　　　　　 l..ﾍ',｀ ‐--‐''‐､/　/‐--..,,, }
　　 　 l､,, . 仝-　'　　 l､　　　　　　　　 ,‐ 'l;;;|,l　 ,r‐'''''ヽ､''‐'‐----‐.〉
　　　　　　　　|　.ﾉ ,.- ''"` ‐ 　　　　　　 l　, ,`ﾞ .|. l::::.・:.:.・:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:,. rｲ..,,,
　　　　　　　 人／　　/"　 　　　　　　 ヽ@ﾉっ| ヽ::::.．:.:.:./:.:.,. - '",..／　 i-､.,,
　　　　　　 "／　　　l|　　 　　　　　　　 `i "´ .|:.:.:｀''‐‐'"r'",,.. - '‐',.r '"　　　}
　　　　┌与　　　　 ||　　 　　　　　　　　 iヽ,　.|:.:.:.:.:.:,r'"‐'"-‐'",.r'　,.-‐'"´
　　　　/／　　　　　| | `l 　　　　　　　.:.r'',　 ｀|:.:.:.／'''"´　 ／　,.r''
　　　m'　　　　　　 |　ヽ | 　　　　　　　:.:l .ヽ.,, l:／　　　 ／ .／
　　 〃　　　　　　　l　　 Y　 　　　　　　 ,l,　　 "　　　　　 ／
　　 `　　　　　　　　＼　 |　　　　　　　　 ヽ、　　　,. -‐'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ''''ー'''´
　　　【山窩の子　タケ】　　　　　　　【背振山窩の親方　　竹岡半太夫】







627 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:17:41.91 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,;;;;::-－tt､_
　　　　　　　　　　　　　　/"~￣~￣　';,....::::::ヾ
　　　　　　　　　　　　　 |;;;;:::::::::::::)　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　,. |____,,,,､､----‐‐'''"~￣ﾔ 、
　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　_,､ィ"r--、　　　　「俺に隠すな、ひよっこ。
　 　 　 　 　 　　,,､-‐''"~トー--―ー　--―'''''"''";;;;`>
　　　　　　　　　 〈`'''‐-､;;;;;;--､＼;;;;;;;;;;;;;;ノ-､ー'''"~　　　　　やる夫の話、興味があるなら佐賀に行ってこい」
　　　　　　　　　　ヽ　　　!　{;;;;;;;;;.},.- ､{;;;;;;;;;;;}'　i　　/
　　　　　　　　　　　ヽ　/ 　 ,`ー'´〃 ヾヽー'　　ﾄ､/
　　　　　　　　　　　/ i　　　(ゝ.,_,ィr--- く_ｧ' )　 ! iヽ
　　　　　　　　　 ,.／｀ヽ／,>　　 ￣￣　　　　 / '　ﾉ|
　　　　　　　 　／　＼｀ヽ.　 l_)＿＿___＿＿_,.　'",.／ .(









　　　　　　　　　____,,...ィ'''""~￣￣ﾞ`ヽ、
　　　　　　,...::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;::＼
　　　　　,::::...　　 .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;::＼
　　　　 /　... ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;::ヾ、
　　　　（　:::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::;;:::`::ー-､、
　　　　　}iiiO":":":":":":":":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....　ミ､、　　　　「わ、わたしは……」
　　　　 ﾉ::::l.＼ヾミ､＼､;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....:::.....ヾ､ヽ、
　　　　 `i;:;:i;::: ＼>ｫ-t:.､ヾ＼､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::........:...`、
　　　　　 ﾔﾏ)　 '" 'じ'　’　　 ＼)' ﾔ::::::::::::::::::::::::::::::::::.、ミ、γν、
　　　　　　　ﾉ　　　　';;;;;;;　　　　" ` ）:::::::::::::::::::::::::....::...ヾ　　　　　τ
.　　　　　　ヽ､　　　　 ;;;;;;　　　 τ.ノ;::::::::::::::::::::;:::;::`ー、　, ,　' "　　ζ
　　　　　　　 i、ー.､　 ;;;;;;　　　ノ￣.::.⌒`ヾ､ヾ`ﾞ｀`"''
　　　　　　　　＼`^’　;;;"　 ／（、　 ｀｀:　,ノ` `　 ____,,_;　　"' "′
　　　　　　　　　 ヽ.　_,,､､　::::::::::` ー-‐'"　, "　/″　`''ヽ､,_
　　　　　　　　　　 ｀~（､ ∧::::::: ..:::::::;i'　,　　.　,/':::.. ..　　　　＼　"
　　　　　　　　　　　　ﾐ、,;''ﾍ '　　 ::ｿ、　　　 .ｿ:::::::::.. .　　　　　＼






628 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:18:45.69 ID:Gz.jG4Qo







ﾒ　ヽ ﾍ ＼| |　　　 　 　 　 i 　 　 　 　　　　　／ ／r＿ゝ
二人＼＼ ﾍ', 　 　　:::;､ '"　｀'-､!::! 　　 　／ ／ r､　 ＼
　　 へ ＼ ヽﾍ ＿＿' .,-　　r ､ ﾚ‐､,.ｲ/　|　/¨｀ゝ^ｰ―`〉
　　 　 ＼ ＼L| ＼;;;;;>. L '　　l_ﾉ<;;;;;;;ノ／　ｲ-､　　　／　　　　　　　　「タケ、これは俺のじいちゃんから聞いた話だ……」
　　　　 L_＼_ `┐　ヽ､__,,...,,___,､<;;;　ﾘ　〉 |:::::＼　 　 |＿
―-､　/{ミ二＝ |、 ｀￣￣￣￣￣´　／　」＞:::/　／::l:::ヽ
:::::::::::¨::::|　　｀ー|_ヽ__　｀￣￣´ ___／　／:::::／:Tlく::::::|::::::＼＿＿_
／r:┬イl≦ミ = |:::::;;;;三三三三／-ニ´―イ:::::/:::/::::::L＿:::::::::::::::::ヽ
:::::|::::ﾄく::{ﾐ ヽ＿ |―‐-;;;;;;;;;;;;;;;;;;;― ":::::::::／::／:::/::::／ヽ／::::::::::::::::::::＼






629 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:19:51.47 ID:Gz.jG4Qo







かつて、山窩一族は、出雲の神の末裔だった。
その時は、出雲の地で、人々の中に溶け込んで暮らしていた。






　　　　/|
　　　　| |
　　　　| .|
　　　　|　|　　　 　　 _
　　　　|/||　　　 ,／"-―-' ｿ
　　　　　 ||　　 /'　　　　 , ､`ヽ
　　　　　.|i |　ﾄ'　 　ノ_ﾉ)ノ_-.i,ヽ
　　　　 　|i |　ゝ　ｲ fc 　_c) l'
　　　　 　.|i | 　''(`' "､＿_'_ ﾞ!
　　　　 　 |i |　 　 ヽ､ `- '.ノ
　　　　　_ |i_|-―､- i ｀　i'-､
　　　　(~　￣ﾞｰ､ﾉ　 `ー'　 iヽ
　　　　　ﾞ ｰ - ､ ヽ　 　 　　| |
　　　　　　 |i |　i 　ﾄ, 　　　/.i
　　　　　_,,. |i |_｀ujj>　　　./ |
　　　 (　　 ､|i |　　ﾞー-、/|　.|
　　　　＼　 |i |_　ヽ　　　i､|　|_ ,,.-'/
　　　　　 ﾞ､ |i | ﾞ ｰ-　' 　ﾉ_| .|/／
　　　　　　 ）|i |､　　|_,＿i /　ヽ
　　　　　　/ !i |_)　　|　 | ﾞ,ｰ､ﾉ
　　　　　　ﾞ''ｲi |'　　 |　 |　|､ |
　　　　　　　 |i |　　 |　 .| /　 |
　　　　　　　 |i |　　 |　 | /　　`iﾌ
　　　　　　　 .|i |､ 　|　 |/ "　　 ヽ
　　　　　　　 .|i | ﾞ` |.　|　"　　ヾ ＼_,,ｰ'ｱ
　　　　　　 　 |i |＼|.　|/ ,,　i|　　 ）i ヽｦ
　　　　　　　　|i | /　　ﾞi､､・ `　　"・ ﾉ
　　　　　　　　Ｌ c,､, mﾉヽ∈≡三≡'






630 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:21:04.67 ID:Gz.jG4Qo







　　　　 , -'''''''''''''''─‐- ､
　　　 /　　　　　　　　,,ﾊ,）
　　　/　　　　　 , -''_"_　l
　　　l　　 　r‐､ｌ.　　=・｀〈
　　　',　　　 〉 ､'　　 ´　.r'　　　　　　　そして、大和の神々とのいくさに破れて、一族は散り散りとなった。
　 　 ヾ,__ ノﾞi　　　　．'''7
　　　　/'-､‐｀＝==┬‐.'
　　　/　　　｀ -､ 　 iヾ
　　/　　　　　　　｀ヾ､ヽ　　　　　　　　山窩は山へと逃れた。
　 /, -‐- ､　　　　　　ﾞヾ､
　 )　　　　 ヽ　　　　　 　 '.,
　(　　　　　　ヽ　 　 　 　　 ',
　|　　　　　　　',　　 　 　 　 l
　l　　　　　　　 l　　 　 　 　 l








　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿ ＿
　　　　　　　　　　　　　　　l ） ＿　　　　　）___）　　　　山窩が山に住むのは宿命じゃない。
　　　　　　　　 ,,,,,,　- ､_／ ｀　　　｀',).l￣
　 --‐　'''""　　　　 　 l　　　　　　 )i |
　　　　　　　　　　　 　 l　　　　　　}_l ｌ　　　　　　　　　一族が生き延びるためにそうせざるを得なかっただけだ」
　　　　　　　　　　　 o.ﾉ￣｀ｰ-─'´‐'´
　　　　　　　 __ ,,　-‐
　　　 ─'''''







632 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:22:07.52 ID:Gz.jG4Qo








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. :-‐''''''''''''''''~~~~'''''‐-.､
　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,,,,,,／;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ'''''‐､　　　　「けどな、タケ、
　　　　　　　　　　　　　　　／:::::　 i;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::':,i　 ':,　　　　お前がこの先、どこで生きようとも、
: : : : : : : : : : : : : : : : : : 　/:::::::　 i/;;;;;;;;;;;;;;:::-:'':;;::::::::::::/:::::::::::;!::::::;!ｿ　　':,　　　山と先祖の加護はお前にさずかる。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　/::::::::::　 l'‐=;;;;;／::;::=":::::::;／:::::;:::::;/:::::;ﾉ,! 　 　 ':,
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　i":::::::::::::　 !､:::∠-'~∠-‐''／::;∠-'∠-'~　l　 　 　 ,
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　':;:::::::::::::　 l;:ヽ;r''~￣ﾞ':,　　￣　.,r'''~~ﾞ'':.,／l,　　　 /
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　':;:::::::::::　 ｌ::::i;;;;;;;;;;;;;;;;i-ｧ'''''ヽ,t;;;;;;;;;;;;;;;;i.　 ':,　　/
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; 　,. -'':;::::::::　,'::::::ゝ;;;;;;;;;;r'~, ｧ　ｒ､ヾ:;;;;;;;;;;ノ　　i':,_ ,!
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; 　, -'~:::::::::::':;:::: /::::　　 ￣（　〈ノ　 ﾞ.ﾉ　）￣　　　　ﾞi ヾ,　　　　だから、安心して好きなように生きろ」
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　/::::::::::::::::::::/:'i''::::::　(　‘:;;'''''ｼ＝====‐<;;~;;ｿ ）　　 ,!　! ~i
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; 　,,,,,!:::::::::::::;;: -----､:　／>　￣　　,,__,,,　　 ￣　　 　 /／ 　 〉 ヽ,,_
;;;;;;;;;;;;　 　 ,.:':::::::::::::;: '~　 ､,,_ 　　ヾ／　　　　　　　　　　　　　　／　 ,. -'~ 　 　 ~''- .,
;;;; 　 ,. -'''~:::::::::::／ 　 ､.......　ヽ　　':,~）＿＿＿＿＿＿＿,,. -''~,.ｨ:::'~　, -''~　　 　 　 ~'-、
　 ／::::::::::::::::::::/::::::::.......~'':､::.... ヽ,_,ﾉ::::~''-::;;;;;::-‐'''~／　　 ,.-'~ /:::::／　　　　　　　　　　':
../, -''~~~'''~ﾃ/:::::::::ヽ､::::::::::ヽ;:::... ',､::::　　　 　 ,. -'~　　 ／:　　i'::／:　　　　　　　　　　　　',
:'~:::::::::::::::／/!:::::::::::::::::`ヽ;::::::::ヽ;:ノ::ヽ:,_,,,. -'''~　　 　 ,ｨ':::::　　 l/:::::::.　　　　　　 　 　 　 　 ':,
::::::::::::::::/::::;!:':::::::::::'‐-t :;;;:~''-,,ノ､:::::::::::::　　　　　　／/:::::　 　 l::::::::::::..　　　　　　　　　　　　ヽ,
:::::::::::::::i::::::i;:::::::::::::::::::/:::rｧ~~~:::::::`: ;;::::::::　,,,.. - '''~　/:::::　　　 l::::::::::::::::::...　_,,､-　　　　　　　　i
::::::::::::::::',::::::ヽ:;;;--;;'~-'~/:::::~''ｧ:::::::::::77'''~/::::::::::::　/::::::: 　 　 ,!:::::::::::::::; -''~　　　　　　　　　　 l
::::::::::::::::::ヽ::::::::::~~:::::::／:::::::::/::::::::::://:::::/::::::::::::　 i::::::::　　　 ,!::::::::;:-'~:::::::::::.... 　 　 　 　 　 　 l







634 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:23:13.50 ID:Gz.jG4Qo






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　　:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : : : : : : : : : ::: :. .:. .:. :. .:. ::. .:. :.:. :.: :: :.:. .:.　:: 　: : 　;　::　　:::. :. ::
　　:: : :. .:. .:. .:. .:. .:. :. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . : : : : : : : : : : : : : : :

　　　　　　　「父上……」
　　. .
　　. .
　　: : : 　　　「忘れられないんだろう？子供のころ、ひどい目にあったって、都会に行った時の高揚が」
　　:.: : :
　　: : : : : :
　　:: : :. .:. .:. .:. .:. .:. :. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . : : : : : : : : : : : : : : :
　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :. :. : .: |:.:.:.:.|:. :. :. :. :. :. :. :. :.　.　: : :　|:.:.:.|＿ll_:. :::::::::::::::::::::::　 ::::::: ....:::::: ::::::: :::::: ..::::::::::::::..:::::::.
　　─├┌──r──|:.:.:.:.|──┬│￣|:. :. :.|￣￣|:.:.: |　　 |r───|￣￣|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i_i!
　　　　|　|　　　 |　　　|:.:.:.:.:|　　　 |　|　　|￣￣￣￣￣|￣￣￣￣|＿r'＿:;;;;; !￣￣￣￣￣||￣￣￣|￣￣￣
　　￣|￣￣￣||￣￣￣￣|￣￣￣￣￣||￣￣|＿＿|￣￣￣￣￣￣￣|||￣￣￣￣|＿|￣￣￣￣￣￣￣￣|
　　￣￣￣|┌───├┤￣￣￣￣|＿＿|￣￣￣￣￣￣￣|＿＿|￣￣￣￣|￣￣￣￣￣￣|＿＿|￣￣
　　|　|　　　 |　　　|:.:.:.:.:|　　　 |　|　　|￣￣￣￣￣|￣￣￣￣|＿r'＿:;;;;; !￣￣￣￣￣||￣￣￣|￣￣￣






635 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:24:07.06 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::;;;::::::::::::::::::::::::::::;､::::;';';';';';';';';';';;;;;;l
　　　　　　　　　　|!::::::;;;:::::::::::::::|!ヾ:::::::::::::::::::;;;;;;;;|:::';';';';;;;;rilllll!';';';';ヽ
　　　　　　　　　　,`):::!!!!!llllllllll(○)llllllllllllllllllllllllllll|';';/!r''';';';';';';';';';';';';ヽ
　　　　　　　　 ／:::/::::::::::::::,i:::r'l!!!!!lヾ:::::ヾ::::::i､::';';';';';';';';';';_';';';';';';'';';';';ヽ
　　　　　　　／:::::::i::::::i:::::／ﾉ/　'!!!l　 ヾ|ヾヾ|' ＼､';';';';'／､ヾ';';';';';';';';';'|　　　　「ありがとう、父上。
　　　　　　 '""_,ニi::::::!:;:;i--';;::;,､ ヾ　--‐,ニニ,''‐｀:`i;';!/‐､: |';';';';';';';;'i'`
　　　　　　　 '´フ;';';';';';';'ヽ゛ !::i |`',　　　゛ '!::i |.｀ﾝ: : :|,! !: ﾉ:/;';';';';';';';';'|　　　　　心が決まった」
　　　　　　　　 /';';';';';';';';';';',､,,~´　i　　　　 ￣-‐;;i : : ,:､ : :/;';';';';';';|'i';';!
　　　 　 　 　 -'7;';';';';､';';';';'!|!!|　 !|_　　　　　|!!!!!i゛ ;r'　`'＾';';';';';';'!!' ｀
　　　　　　　　 /;';';'/ |;';';';';' ';!!､　 ｀´　　　　 |!!!/ : i　　　:: l;';';'ﾉ
　　　　　　　　　' "　゛ヾ;';'|　 ヾヽ　''' ''_''''''''　!!/ ; :'|　　 .:::: |''"
　　　　　　　　　　　　　 ゛| 　 :: /ヽ　 ~~　　 i/ '゛: : !　　 ::: l
　　　　　　　　　　　　　　ヽ.　 /';';';'lヽ , . . '.゛: : : : : :ヽ､_,. '
　　　　　　　　　　　　　　　 `゛　, ノ　　 : : : : : : : : : i:|
　　　　　　　　　　 ＿_,...､ - '' ´　|i　　　　　　　　　,': ヾ,､- ､
　　　　　　 ,､-― '`　 `-､　　　　 ヾ､　　　　　　 , ': : : : li''‐､｀`- ､_
　　　 ,.､ '" ￣｀ヽ､　　　　｀ヽ、＿　ヾ､　　　　　. : : : ＿_|i;-'i　　 ヾ`‐､_








　　　　　　　　　　　　　　　 _,. --- 、─-- .,
　　　　　　　　　　　　,. -イ　　　　　　　　　　ヽｰ 、
　　　　　　　　　　　/　　 ﾚ ／,.　 ,ｨ　　 /　　　 }　ヽ
　 　 　 　 　 　 　 /　　　iゞｧ' _,.ノ　　／ ,　/　/i　　 ヽ
　　　　　　　　　 〈　 　　 !､ ',. - ､∠,. ノ. - ､'' /|　　 /
　　　　　　　　　　ヽ　　　!　{　　 .},.- ､{　　　}'　i　　/
　　　　　　　 ,. -'"　ヽ　/　 ,`ー'´〃 ヾヽー'　　ﾄ､/
　　　　　　　i　　　　/ i　　(ゝ.,_,ィr--- く_ｧ' )　　! iヽ　　　　　　「よせやい」
　　　　　 /´　　,. ´￣｀ヽ／,>　　 ￣￣　　　　 / '　ﾉ｀ヽ_
　　,. - '" 　 ／　、 ｀ヽ.　 l_)＿＿___＿＿_,.　'",.　'"　　　　｀ヽ,
.／,. --‐　 /　 、 ＼　 Y-'　　`ー '"　　　／ / ／　　　　　　　',
　　　　/ ,/　､__ ＼　ヽﾉ　＼＿＿ ,. - '7　　 |　　　　　　　　　　',
　　　　i　{　　　ﾌ＞-'"＼　　　　 ,. - '/　　　|　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　ゝ ＼___ノ　i　〉　　`ー-‐'　　/　　　 /　　　　　　　　　　　 i







637 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:25:40.40 ID:Gz.jG4Qo







＜中野やらない夫家＞






　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｆ'厂_/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｆ'厂_/　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｆ'厂_/ ｌ　}
_==_==_==_==_==_=='｢i,　　　　　　　　　　 　 　 　 ｆ'厂_/.　!　!
ﾆ7ﾆ7ﾆ7ﾆ7ﾆ7ﾆ7ﾆ7,ﾀ{,　　　　　　　　　 　 　 　 ｆ'厂_/ ｌ ｉ　ｌ
_7ﾆ7ﾆ7 ,,､,. 7ﾆ7ﾆ7,ﾀ.[{,　　　　　　　　　　 　 　 ´￣ |　ｌ　{　ｌ
7ﾆ7 , ,､ゞﾞｿ, ﾆ7ﾆ7,ﾀ＿{_　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　I　ｌ　i
.ﾆ7 ､ゞゞ八ｿ'ィ,. 7,ﾀﾆ7ﾆi＼　　　　　　　　　　　　　　|　ｌ　ｌ　}
ゞゞヾﾞ ゞヾﾉソゞr, ニｲﾆ∧ﾆゝ　_､,､ヾｨッr, ,　　　　　 |　ｉ　ｌ　l
､tゞゞヾﾍﾘソﾞﾉﾂｲ, _l_ｌ_ｌ |冖||rﾞ､ゞｨｿノゞ〃ゞ, 　 　 　 |　}　ｌ　ｌ
‐ー,┬-- ┬ｰ - ┬-　⊥_ || ゞ"ゞ'ﾉ､ゞ乂ゞｿ　　　　 |　ｉ　ｌ　i
‐-　二.__ ￣⊥二 ;ﾆ￢‐-__｀ﾆｰ,ゞ爻ゞ_t､;､ゞ;;､;;､;.、 |　ｌ　ｌ　{
_}＿　i　 | ‐ r‐　- {┴'┬ ｭ_ j'ｰ_ｔ´ﾆ´´_￣|､, ─-ﾆ､''|　ｌ　{　ｌ
＿j＿￣｣, 二 亡　ｉ 二,-t￢'_.. -'_‐r_ﾆ　='|k;'　　 ,.,､;;ト {.._ｌ　I
,｣＿ _}＿ | ‐'‐ ┬ '｝ -' T´ ,!ィ´i ',．‐' ´￣　　　 ;ゞ;";l` ト l `ト
　　I＿ _j_,!　丁 二.} ィ　ｨ´ ,k' ／　　　　　　　 　 ﾞt;';_ｌ　{　l `ト
￣　　_j_　.}　一 ー｛イ　,! 'ﾚ ´　　 　 　 　 　 　 yk{´ _>､　!　!
'Ｔ´￣i 　 _」　T　⊥j, ｲ ／　　　　　　　　　　　 从〔｀fヽ jヽ　{
_j - 'Ｔ´{　 j ￢ －　i／　　　　 　 　 　 　 　 　 爻｛_ｽ＾rく´_>､
　　L ィ ´　| ￣ ￣´　　　　　　 　 　 　 　 　 　 'ゞ〈ゝハ 人トy
イ´　 ,ｌ ィ´ }　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヾ〔ﾉヽ´i、_T´
│.イ 　 i／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Ｖ´ゝ‐ﾍ,_｀
'´　,レ ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`r'＾i __厂,
_／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀〈　ヽｨ^





638 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:26:32.99 ID:Gz.jG4Qo






.　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　‐:::´:::::::::::::::::::::::｀::-..､
　　　　　　　 　 ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　／::::::／:::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 _,._'´_／:::/::::::/::::::::::/::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::i　　　
　　　　　/::::::/:::::::::/:::::人::::::l::::|:::::|::::::!:::::::::::::::::::i　　　
　　　 　 |::::::＝＝＝＝◎＝＝＝＝＝＝＝＝::!　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_　　「というわけで、
　　　 　 |::::/|:::/　l::/　 　 　ヾ¨ヾ:|｀';:|ヽ::::j::::::::::::',　　　　　　　　　　　　 ／　　 　 　＼　この子の面倒をみてやって欲しいんだお」
　　　 　 |:::l. l:::| z=t=＼､ 　　,,／:=t､'　ヽ::l:::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　／　─　 　 ─　＼
　　　　　ヽl. Ⅳ',　 |:::::｣　　　　 |:::::」　 l:::/､:::::::::::::::::｀､　　　　　　　／ 　 （●） 　（●） 　＼
.　　　　　　 /:::::;　弋tｿ　　　　弋tｿ 　;/ 　)::::|:::::ヽ:::::l　　　　　　　|　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　 　 　/::::::::ﾄ､:::::::::::　　　　::::::::::: /__ノ::::::|:::::| l::::::::|　　　　　　 ＼　 　　 ｀ ⌒´　　　,／
　　　　　　ゞ:::::/l::ilﾝ　､_ -＿＿　 ィ/:::/ |::::/ /:::/ヽ:::/　　　　　　 ／　　　　　ー‐　　　　＼








　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　 /　ヽ､_　　　＼
　　　　　. （　（● ）　　　　|
　　　　　. （人__）　　　　　 |
　　　　　r-ヽ　　　　　 　　 |　　　　「うちかぁ、正直、やすい歩合でしか出せないぞ……」
　　　　 （三） |　　　 　　　 |
　　　　　>　ノ　　　　　　 /
　　　　/ 　/ ヽ　　　　 /
　　　/ 　/　へ>　　　 <
　　　|＿__ヽ　　＼／　 )
　　　　　　　|＼　　　／|
　　　　　　　|　 ＼_／　|






639 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:28:03.62 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　　　　 _,. -‐‐-､,.....__
　　　　　　　　　　　／　　　　　｀ : :.｀ヽ.
　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　:.:.:.:ヽ.
　　　　　　 　　 ｛__,.．---──'⌒ヽｰ-､__i、
　　　　　　　　　｢--‐''"~´￣￣;`rく~`ｰ-､.｣
　　　　　　　　ｒ'´　　　 ,ｲ;ノzノﾚ' 7 ＼.:.:.:.:.:l
　　　　　　　 /:.:. __ ; ;ノｰ-､._　 l/ _,, -‐､:.:.::l
　　　　 　　 /.:,.:'iヘl/ '´（:_)ヽ 　 /'(_)ヽ/:.:.:.:l、　　　「食事が出れば構わない。
　 　 　 　　 ﾚi:.:.ヽ､ﾍ. ｢`l 　 　 　! r 7/ｿ:.:.:.:.:|
　　　　 　　 　ﾚﾍ{ﾉ }ﾍ＼!　 　 ｀´ !//,ﾘ_;ｒﾚ^′　　　寝床は夜天でもいい」
　　　　　　___,r-､_ﾞｰ'ﾍ;l＼　￣￣ ／ｰ'
　　　　　_,＞　､､ ﾞﾞ｀´"|　 ` :- ィ´⌒′
　　 　／　　｀ﾞ　　　＼ﾉ 　　 　 |⌒'vﾍ、







　　　　　　　　　　,,　r一--　､ ,,
　　　　　　　 ／´　　　　　　　　 ｀`ヽ､
　　　　　　/'　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　,;'　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　　　　ﾉ　,　　i　　　 　 / 　　　,,　　 /　|ヽ ﾞヽ
　　　　ｲ　i　　|　　　i　,'`メ ／/　　/i　 .ﾄ ヽ　ヽ
　　　　ﾚ| {　　 i　　　|/／'´ `ﾒ　／ /　/|　 }　ﾄ 1
　　　　　',ｲ　　 i 　　r+ﾃ=ﾐメイ 　 /／'"|´/ / ﾊ|
　　　　　 `､ヽ r'ﾒ,　　{｡;;;;'ｿ `　　 ' ,rz;,y'ノi〃ｲ .'
　　　　　　 ｀ﾊヾ ﾍ 　 i'ｰ''-　　　 /｡ｼﾟｸ　/'"
　　　　　　　 　ﾚ',`'';　 i 　　　　,　`'' /　/
　　　　　　　 　 ' i∧ﾄ　i, 　　- 　　,ｲ{ ./　　　　「理解した。
.　　　　　　　　 　,y}`ヽ |ゝ, _, r '´ ﾘ |/
　　　　　　　　 ,ノ.:.:.ヽ `', {;;ヽ､.　　　|i　　　　　　これはまず都市の生活習慣を身につける必要がある」
　　　　　　　,;<､.:.:.:.:.:.:.`ｖ'" ^,ヽﾐ､,
.　　　　　 /,ニヾ`ヽ.:.:.:.:.:.`彡=ヾ}:||i､
..　　　　 //　　` `＼＼.:.:.:.ﾍ　　i|:||i丶
　　　　 ,' f　　　　 ヽ ＼＼:.:.:i 　i|.||i　',
　　　　ｲ i　　　　　　/'　＼ヽ.:i_,,_|:ii　.{　








　　　　　　／￣￣＼
　　　　 ／　　u　　ノ ＼
　　　　 |　　　 .u （ ●） |
.　　　　 |　　　　 　（__人_）
　　　　　|　　　　　 ｀ ⌒ﾉ　　　　「お、お愛？」
　　　　　 |　　　　　　 　}
　　　　　 ヽ　u 　　　　 }
　 　　　　 ヽ　　　　　ノ
　　　　　　ノ　　　　　＼
　 　　 ／´　　　　　　　　ヽ






640 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:29:21.96 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　 　 　 ´　￣￣￣￣￣く
　　　 　 　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
.　 　 　 ／　　　: : : : : : : : : : : : 　 　 . . .＼
　､＿_/／. /. . . . . . .　　　　. . . . : : ! : : : : ヽ
　　￣/. : /. : : : :/ : : : : : : : : : : : ＼l: : : : : : :ヽ
.　 　 l : : l : / : /. :/ : : ヽ、: : : ｀ヽ : !: :l: : : : :　ヽ、
　　　l :/ l : l: : :l :∧: :ﾄ、: lヽ、: : : :ヽ!: :l: :ｌ: : : ｌ ￣
　　　l/!: ! : ｌ: :/l/‐-ヽ! ヽ !　 _ヽ-―!‐ !: :ｌ: : : !
　　　　ヽ! : l : ! rfチミ､　 ヽ´ fr旡ミ! : ト､l : : ′　　　「私にとっても腕のみせどころ。
.　　　 　 ヽ !: :l　 rっｿ　　　　 匕り !: : !丿/j/
.　　 　 　 j∧ :ﾄ､ ｀¨　　 .　　　　　 ｌ ｌ :ｌ j/　　　　　　　まずは、身なりから変える」
　　　　 　 　 V: :lヽ、　　 _ 　 　 ／j/!/
　　　 　 　 　 ヽ: !　＞ 　 __.. ィ
　　 　 　 ｒヾ ￣ ||　 　lr‐ 'ﾌ, '／ |ヾ|　!　 |　 !
　　　 　 ,',ﾍ　ヾヽ|| 　／　　 ∠- ｧ! ＼|　　!__ヽ
　　　　/!　 ヽ　| |||／　　　　 r--'ヽヽ　`ｰ､ヽ ¨ｧ
　　　 ,'　〉　 ヽ !_/　　 　,､┬､二ゝﾆ ＼ 　 ヽ!/│　ﾎﾟｷﾎﾟｷ
　　　 ! /　　　/ |　　 ィ´　! !　　　　| ＼_　 　|_　!
　　　|　!　 ,,.ｲヾ ＼　｣〉　 |│　 　　! ／|　／ ハ|
　 　　!　|　/　 ヽヾ　´/　　|　!　,､,、 |〈 ヽイ／／ヽ








　　　　　　　　　　＿..,,,,,,,,,
　　　　　　__-‐゛　::::::::::::::::::::゜＼
　　　　〃~　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'i
　　　　;'　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l,
　　　,´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'゜`<
.,〆ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/l;'i',＼l';:l':l＼
　i::::::::::::::::::::::::::::::::,:'^'ヽ:::::;l　 '八ﾀ 〈
:::,|::::::::::::::::::::::::::::::{ {"',゛:,ﾄ{　 ﾞ釧｀　 冫
::;i/i,,,,,z"yﾍ　,_..::::ﾟi;ﾞｉ ｌ　 ﾞ 　　illll,___ｊ　　　　　　「ちょ、ちょっと……何を、する……」
'‐'゜｀　　　　゛　｀　ゝ<´￣￣｀ヽ厶
　　　　,..................:::　｀ヽ｀‐--‐"　了
.....::::::::::::::::／´￣ヾ．　ゝ,i'ﾄ‐‐--┘　　　　　　　　,厂ｯﾍ、
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641 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:30:26.25 ID:Gz.jG4Qo






＜い、イヤー！

＜暴れても無駄。


　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）　　　　　「まぁ、お愛にとっても、良い話し相手ができたよ」
.　|　u.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　 ／￣￣￣＼
　　 ヽ　　　　　ノ　 　 　 　/　　⌒　　⌒ ＼
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､　　 　/　u （ー) ::::（ー)ヽ　　　　「そういってもらえるとうれしいお。
　 　 l ＼　巛ー─;＼　　| 　 :::⌒（__人_）⌒:l
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）　　＼　 　 ｀ ￣´　／　　　　　お愛さん、元気になってほっとするお」
.　　　 |　　　　　　l　　　　　 i⌒＼､___ ィヽ
　　　　|　　　　　　|　　　　　.l ＼　巛ーﾞ‐;＼　　　　　　
　　 　 ﾘー──‐‐t_＿__.　　| 　 ヽ-‐≠ー '′
　　　　l 　 "　~￣￣⌒ヽ｀ヽ.|ﾞ￣￣⌒ヽ￣ヽ
───`ー───ｿ　　|　 |┴‐─-r　 |i'　 |───────┐
　　　　　　　　　　　|　　|　 | 　 　 　 |,＿|, __|　　　 　 　 　 　 　 |,
　　　　　　　　　 　 |＿､| __|.　　　　 （´＿)ﾞ＿)　　 　 　 　 　 　 |,
　　 　 　　　　　　　l'＿__)_＿)　　　　　　　　　　






642 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:31:26.99 ID:Gz.jG4Qo







＜それから一週間後＞









爻　　 _,,-‐ｔ‐''⌒ﾊ、　　　　　　　_,,,　-‐''三]
ｋ;;:､　(,,　ﾒ μ ,,´｀, -―一''''""~　_,, -‐／::::＼　　　　　　　 ／
､,＼;;:: 人人ｷ,,　 /　--一'''"~￣　　,／:::::['i']::::＼へ、　　／
ﾆヾ ＼ Y,／　　　　　　　　　／ii[]:::[_,!_]::[];､＼　Yy,,..
-‐''`　 `.、:,:／　　　　　　　　　／ii;[ i ]~~[_!_]~[l];:ヽ ＼＿
＿,,､＿,,,,／　　　　　　　　　,／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　>￣ヽ
ﾊﾊ从 ／-―====r-===三''　､-―――――――‐＜　木ﾎYyy
(⌒)ｲﾄ爻------(　tｲ-‐'´::::::::,＼＿＿,,,....､_＿＿,,,_____`」￥　Y
　T,::爻Ooﾄ[iiii]<,,. ､ ｷ[]　 i::::::::::::::::[]::::::::::::::[]=======|爻爻三三
ー-　　''ー＾　二,,　ー---┴, -‐へ-O-ー-～～-―へ`~~　　　　]、
　　　　　　　　　━
　〓　　　　　　　　　　　━〓　　　ー　----　､---―







643 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:32:22.18 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　　 _, , , ,_, r;;‐;;,,､
　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::;:;;:;;;;;;;＼
　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::;:;;;;;;;;;;;;;ヽ
　 　 　 　 　/::::::::::ﾄ､::|ヽ:::､:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;｀､
　　 　 　 　 |::::::| l|　 ﾘ_‐＼ﾄ､:;;;;_;;;;;;;;;;;l
　　　　　　　 | y'_　　 l:}`　　　|/r l;;;;;;;;;|
　　 　 　 　 　 ﾞ`lﾘ i 　 ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ 　 _ /;;;;;;;;/
　　　 　 　 　 　 |ﾞﾞ _, -,　　　./;;;;_;; -'
　　　　　　　　 　ヽ 　　 　　/.|'''
　　　　　　　　　　　`ヽ､_ィ"　 |_..､
　　　　　　　_,,. -─ ' / .ゝ､ ／　 〉-､,--.､
　　　　　　/　　　　　 ＼ /~＼／　　　 　｀､
　　　　　ノ　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ､
　　　／　　　| /　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　/　　　　　|　　　　　　　　　　　　　|ﾉ 　 　 　 l
　　 >､.　　 　{　　　　　　　　　　　　　|'　　　　　 l 　　　　　　　　　＿＿＿
　 /　 ＼.　　|　　　　　　　　　　　　　|　　　　／､ 　　　　　　　 ／⌒　　⌒＼ 　 　 　 　　━━┓┃┃
　/　　 　 >､ﾉ|　　　　　　　　　　　　　|ー-t '"　 ｀､ 　　　　　／（ ￣） 　（＿）＼　　　　　　　　 ┃　　　━━━━━━━━
　＼　　　＼　|　　＼　　　　　　 _ 　 ノ　 ／　　　 .）　　　 ／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼ 　 　 　 　　┃　　　　　　　　　　　　　　　┃┃┃
　　 ＼.　　 ｀ｿ　　　＼　 　 　,r'　∠~ ／　　　 ／ 　 　　　|　　　 ゝ'ﾟ　　　　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┛
　　　 　` .､　l　　　　 　 ー '　　　　>　　 , r '" 　　　　　　 ＼ 　 ｡≧　　　　　　　三　＝=-
　　　　 　　 ｿ.　　 　 　 　 　 ／　 ＼r '" 　　　　　　　　　　　　-ｧ,　　　　　　　　≧=-　。
　　　　　　　l　　　　　　　 ／ 　 　 　 | 　　　　　　　　　　　　　　 ｲﾚ,､　　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　　　　 　`ゝ　　 　 ／　　　　　 _イ 　　　　　　　　　　　　　≦｀Vヾ　　　　　　　ヾ　≧
　　　　　　　/　　 ー "　　　　　 イ　.i | 　　　　　　　　　　　　　｡ﾟ　/｡･ｲﾊ ､､　　　　｀ミ　｡ ﾟ　｡
　　　　　　　}　　　　　　 　　 ／　 | 　 ||






644 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:33:23.69 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　　 _,.. --== ､ -- .,_
　　　　　　　　 ,. '"::::::::::::::::::::::::::::::.......ヽ
　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....＼
　　　　　 .／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ヽ
　　　 _-,...::::::::::::::::::／::::∧:::::l､::::::::::::::::::::::....ヽ
　　　　　/:::::::::::::::/ .|:::/　'､::::l ＼::,､:::::::::::::......ヽ
　　　　./,::::::::::::,:/..､ l/　　ヽ､.',　_>L',:::::::::::::...､'､｀
　　　 ''´.|::::::::::i　 r''>､.,,　 ､ .>rr.､ヽ 丶i:::::::.._' ,''
　　　　　i/i::::,'ヽ　'ヽﾘ　 .i　　　'-'　'　 i, '､:::tヽ｀
　　　　　　ヽ,,l. ',　//// ､ .　　////　　/.//:l 　　　　　「わ、わらったな！？」
　　　 ,.-''´｀''-ヽi　　　__＿,,.......、　　 _ノ''´
　　 /　　　　　　'、　f >--─ '".） ／-- '' ￣｀''ヽ、
　　l　　　　　　　 ヽ､ '､,,...-- ...ノ. ' /　　　　　　　 ヽ
　 .|　　 l　　　　　　 i.'ヽ､.ﾆ　'"´.／　　　　／　　　 |　

　　　　　　　【中野家の女中　　タケ】








　　　　　　　　　　,　､､　　,,　　　　　　
　　　　　　　　, '　　＿＿＿_　" ､､　　
　　 　 　 　 , ' 　 ／⌒三 ⌒＼　　',　
　　　　　　 ; 　／（ ＠）三（＠）＼ 　;　
　　　　 　 ; ／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ ;　
　　　 　 　 |　　u　　 |r┬-|　　u　　| ;　　　　　「びっくらこいた。なんという魔改造。
　　　　　　 ＼　　 u　`,. -'"´´￣｀ヽ　;　　
　　　　_　　 ／ 　　　（＿＿＿　　　|　',　　　　　ビフォー・アフターなんてレベルじゃねーお！」
　　,､'　　／　　　　　　　　　　　　　 |　 ;　　　　
　､　（￣　　　　　　　　　　　　　　　 |　 ;　　
　　　 ￣￣￣|　　　　　　 　 　 　 　 |　;







646 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:34:13.60 ID:Gz.jG4Qo






　 ／ /ｲ:::::::/!::/|:::／ |:::::::／|:::::::::::::::::::::::::;;::::;;;;::;;;;;;;;;;;＼
￣　 　 |::/!::!|/ '二''‐ |::／　 !::::::ﾊ::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
　　　　 l:' !/!　/ ,-､ヽ.!/　　 ヽ:::|__!:::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　 |:! ! 　 |::::!　 ）　　 r─-､ヽ:::ﾄ､::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!　
　　　　　 ヾ!　　 ｀´　/　 　　.|:::|　） |/ん;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／
　　　　　　 !　" " 　ヽ　　　　｀´　　　 ／r─､;;;;;;;;;;／.|
ヽ,＿　　　∧　　　､＿　　 　 " "　 　 ''"／／;;;;;;;/　| ト､ 　　　「あ、あの……斎藤……さま」
　|＿＼　 |　ヽ.　　（＿｀)　　　　　,､＿,､彡;;;､-'"　　| |　 '､
　|　 ',　!　|　|　'､ 　 ''　　　　_,,､r' ／　　''"　　　　 /./　　 ',
　ト､　| |　|　| 　 ｀ ──＜-''".／　　　　　　　　／/
　|　＼!:!　!　＼__／~'|￣　　／二二二ミ､＿_／.／
／　　 ＼ !　　　 ＼_ハ__,／￣　　　　 ＼＿__／　　　/
　　　　　 ＼　　　　r─'''"　　　　　　　　　　　　　　 /









　.-'"''-------------------------------------'^'-　.,
　|''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''--------t t t t t t t Y")
　|''Y=======================ﾉ＿＿＿＿''!,''!,'!,'!,'!,'!,'!,'!〈
　i'`'---------------'''''''''7---------------r----r''ヽ--!
　L! |￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ`--------''''''''''"! 　 ^〒----' 　`,
　 ￣￣￣￣￣￣`T'7'""""""'ﾍﾍ''''ヽ,`.,Y'''''''''''''-.,_ `-.,.r'".-''"
　　 　 　 　 　 　　　ヽ| 　 　　　 ﾉﾉ　　）',　!::::::::::::::::::＼.（;r"　　　　　　私の銃、あなたが貰ってくれませんか？
　　 　 　 　 　 　 　　ヽ'L_____,,,_'"＿,,.r_,,.> ',:::::::::::::::::::::ヽ','.,
　　 　 　 　 　 　 　 　`'''――――'''''" `ヽ`,',::::::::::::::::::::::ヽ'..!
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　.Y, ',::::::::::::::::::::::ヽ'ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾋ, ',::::::::::::::::::::::ヽ''],
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ;, '''''''''''''''''''''):::!':;i!
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　|' 　------"::::: '|!
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　]＿|;;;;/￣ヽ;;;;,"。]
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　'-----------'--''







648 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:36:01.98 ID:Gz.jG4Qo







　　　　　　　 ＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　 　 ＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ＼
　 　 　 　 7 " " ",.",ｨ ﾊﾞ ,ﾞ ﾞ ヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　 　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　 　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　 　 　 （⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　 ｀二⊃ﾉ
　　　　　　| " ﾞハ　 ー--7′　　 　 　 （( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　 　 　 　 　 ;;　　　　　「なぜ俺に？
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　 　 　 　 　 [l、
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　 　 ／,ｨつ　　　　大事なものだろう」
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　 ）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/








　　　　　　　 ./:::::::::/::::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
　　　　　　　/:::::::::::l::::::::/:::::!:::::::::|:::::::::::::;;:::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
　　　　　　 /:::::/:::::l::::::ﾊ:::::ヽ::::::::ヾ:::::::::', ＼:::::::::::::|::::::ヽ:::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
　　　　　　 |::::/::::::::!::::|　ヽ::::ﾄ､:::::ヽヽ::::::',　 ＼:::::::|＼:::::ヽ::::::;;::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;', 　　「いいんだ、じゃなくて……良いんです。
　　　　　　 |::::|::::::::ﾊ:::|　　ヾ:|　 ＼ミxヽ:::'､-─ヽ:::|-､_ヽ::|ヽ:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
　　　　　　 |::::|::::::::! >' "二二､　　　　　ヾ:､　,､-─- ､｀　　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;', 　　私はもう、鉄砲は必要ないから。
　　　　　　 |::ハ::::::ﾞ,　 / !::::::::!ヽ　　　　　　　　l:::::::::::! ヽ　　　|;ハ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ,
　　　　　　　　 |:::>-!　　 !:::::::! 　 !　　　　　　　ヽ::::ノ　　　　　　 /;;;r─､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i 　あなたには、必要になると思います。
　　　　　　　　 ヾ!　 l　　 ｀ﾞﾞ´　 .ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　 /;/　　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i
　　　　　　　　　 ヽ　l　　　　　　､　　　　　　　　　　　　　　　　〃 ／　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l!;| 　だから、代わりに預かってください」
　　　　　　　　　　 ヽ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||;|
.　　　　　　　　　　 　!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;:〃
　　　　　　　　　　　　!　　　　　　､──---,　　　　　　　　　/__／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/レ'
　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　｀─‐─´　　　　　　　　／;;;;;;;/;;;;;;;;;;;ノ''"
　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　-　　　　　　　　　／;;／'"'''"'"''"
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　 ,､ '　|／
　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀' -､,　　　　　,､　'　　　　|￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ |｀' ─'"　　　　　　　 |_ノ　　 |＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 |　　　　　　　　　_,r'"　　　　　　　|







○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○○・○・○・○・○・○・







650 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:37:43.51 ID:Gz.jG4Qo








　　　〔_￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣〕グツグツ
　　　 （￣￣￣￣ι￣￣￣￣ 　 　.:.:.:.:.）
　　　　 （　　　　　 ι　 　　　　.:.:.:..:.:.:. ）
　　　　　（＿＿＿＿＿＿.:::.:.:.:..:.:.:.:.:.:.）
　　　　　　＼＿＿＿ ＿＿＿＿＿／
　　　　_＿＿_〔 从从从从从从 〕_＿＿
　　　　| 　 　　　　　　　　　【○】 　 　 　|
　　　　|_＿＿＿______＿＿＿＿＿__＿__|









　　　　　/.:イｉ:.ｉ:.:.:.!:. ｉ:.::.:.ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:ヽ ､:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　!' /:.:!:.!:.:.ハ:|､:.:.:|＼:.:.: |:.:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.:. ｌ 丶:.:.!:.:.:.:.:. ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:ｌ
　　　　　　|:.:ﾊﾍ:.:ｌ　 :! ＼! _ ヽ: ｌ:.:.:.: ｌ:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.ヽﾊ:.:.:.:./:.:ｌ:.:.:ｉ:.:.:.:.|
　　　　　　|/　|:ヾ!　　　　´ 　 ｀:!ヽ:.: ｌ:.:.:.ｉ:. ｉ: !⌒ ､:.:.V:./:.:.:ｌ:.:/ｌ:.:.:. |
　　 　 　 　 　 Ⅵ　 ／　 _　　　 　 Ⅵ:.:.:.|:. Ⅳ⌒ヾ､:.:!/:.:.:.:.!:':. |:.:.:.:ｌ
　　　　　　　　　 ﾍ´,イヽ /　　　　　!ハ:.:ｌ:.:.|　ヽソ .}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!∧:!
　　　　　　　 　 　 !　 ゞ '　　　　 　 '　 Ⅵ: ｌ )　!　./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /　}'
.　　　　　　 　 　 /　　　　　　　 　 　 　 !:./　´　, ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ｌ　　　　「なるほどねぇ……。
.　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　 !:' ┌┐:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧!
　　　 　 　 　 丶　　　　　　　　　　　　　　./ : |:.:.:!:.:.:.:. ｉ:.:.:.:.ｌ　　　　　　山窩の子から譲り受けた馬上筒、か」
　 　 　 　 　 　 　 ヽ　 　 _　　　 　 　 　 . :: :　ｌ:.:ハ:.:.:.:|:.:.:. ｌ
　　　 　 　 　 　 　 ｀┐´　　　　 　 　 . : : : :　 V　 ＼:.!ヽ:.:!
　　　　　　　　　　　　 ヽ´　　　 　 . : : : : : :　 　 　 　 ｀__Ⅵ＝､
　　　　　　　　　　　　　 ｉ　　　 ＜ﾍ : : : : :　　　　. . :´ : : : : : : ｌ
　　　　　　　　　 　 　 　 ￣　　　　 ヽ: : :　　 . : ´: : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..‐ﾍ : . : ´: : : : : : : : : : : : : : ´＼







652 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:39:41.26 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　,.　r-─ ''''" ‐-､
　　　　　 ,.r '´::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　 ／:::::::::::::::::::,イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　./::::::::::::,ｲ:::／ .|::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　 //:::::/:/.l:::/　 .l:::::l l::::::l::::::::::::::::::::::::::::::',
　l:l::::::l:/　|:/　　 ',:::| ヽ:::|',:::::::::::::::::::::::::::::l
　 |:|:i::l.|l _,,.'|_ 　 　ヽl　_ヽl.ヽ::::::::::::::::::::::::::|
　 |:ヽl', '´_,,_　　　　　'" ｀''ヽ ',::!::::::::::::::::::::|
　 |::::::,',. ' ,.‐,'　 ,　 　 'ﾞ,ﾞ､ヽ　 .ﾚ'l:::,.-､:::::::l 　　　　「あの、私もご相伴させてもらってよろしかったのでしょうか……」
　 .l:::::l, ',　',;ﾘ.　,' 　 　.';;;ﾘ '　 　 ﾚ'　 l::::::7
', 　 ',:i:ヽl　　 　､　　　　　　　　　　／:::::ｿ
',　　 ヽ-l　　　 　 　 　 　 　 　 /ﾆ...シ"
',　　　　ヽ　 　 r-､ 　 　 　　ｲ
=',　　　 　 ` .､　` "　 　 ,. '"　l、＿
= ',-‐ '''''' "´／'　､,,. - '"　　　 ｀/ ｀''─‐-- ､
==.',　　 　　 l　　　　　 　 　　 ／　　　　,. '´　 ヽ、
─‐ '　　　　　ヽ、　　　　　,.　'"　　 　 ／　　　　 ヽ
　,　　　　　　　｀''‐--‐ '"　　　　 　 /　　　　　　　








　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _,.　 -――-　.._
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｒ''´_,. -=ミ､__　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ／´￣＿ .Y- 　｀ヾ､　 　　ﾍ
　　　　　　　　 　 　 　 ／:'´ ￣::::::::｀ヽ､　 >ﾄ　＼　　 ﾊ
　　　　　　　 　 　 　 ／:::::;:::'::::::::::::::::::::::::`ヾ､　　　}､　　ヽ
　　　　　　　　　　　/:::::;::':::::::_,..イ´l:ﾄ､::::::::';::::＼ -Kﾍl　　 ＼
　　　　 　 　 　 　 /::::::,:ｒ''"´　 　　ﾘ　ﾍ:::::::';:::::::ﾍ　　 |　　　 ヾ　　　　「いいんですぅ。
　　　　　　　　　　!:::::/._ヽ､_,　 　 /　　 l::::::::i:::::::::|　　 !　　　／
　　　　　　　　　　l:::;'　ヾl　　　　 、　　 !:::::::;:::::::::| 　 /.　 ,.ｲ　　　　　　お勇が良いといったんだから、
　　　　　　　　 　 ヽ|``` 　 　 　 __ ヽ､ ﾘ:::::;':::::: / .／ヽ／::::ヽ　　　　　気にしなくていいんですよ。
　 　 　 　 　 　 　 ヾ､　′　　 ´ `ヾヽ./::;:':::: ／／､:::::::::::::::::::::l
　　　　　　　 　 　 　 ヽ　ｒ ､_　　``.／イ:::／'"´:::::::ヽ:::::::::::::::::::ヽ　　　食事は大勢で楽しく。
　　　　　　　　　　　 　 ＼`´ 　_にﾍ_ｒ‐＜_:::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::ﾍ
.　　　　　　　 　 　 　 　 ／｀に/´￣: : : :´ヽ7::::::::::::::::::::::';:::::::::::::::::ﾊ　　これは大事ですよ」
　　　　　　　　　　 　 ／ ｒ／´: : : : : : : : : : :ﾄゝ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :l
　　　 　 　 　 　 　 /　Y/: : : : : : : : : : : : : : l 7:::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::|
　 　 　 　 　 　 　 /　（/ : : : : : : : : : : : : : : ﾉKlヾ:::::::::::::::::::ｉ:::::::::::::::::::|
　　　　　　 　 　 /　 / : : : : : : : : : : : : : : ./ｿlヾ::::` :::::::::::::::ｉ:::::::::::::::::::|







654 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:41:50.00 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　　　　　　　 　__　,,_
　　　　 　　　　　／⌒´::::::::::::::::`ｰ-､
　　　　　　　　／　 /..../...::::::::::::}::､:::::ヽ
　　　　　　　/ ..:::::::ﾚi/|／V'＼/ヽﾄ{|､:::l
　　　　　　 /:::::::::/　　　　　　　 　 i:::l::::i
　　　　　　j/|:::::/　 '⌒_　　　_⌒ヽ i::|::::}
　　　　　　　 ﾊ::{　 -―　　　 ―-　}::::::/
　　　　　　　（ |::i　　''' 　 l　 　'''　　i:::| }{
　　　　　　　 ｀l:::i.　　　　l|　　　　　i:::j/｀
　　　　　　　　 |∧　　　　　　　　 /ﾊ}　　　　（あ、煮物、おいしい）
　　　 　 　 　　　　ヽ 　 `ー' 　 ,ｲ/
　　　　　　　　　　　 }＼ ＿_ ／|'
　　　　　　　　　　　 l　　　　 　 {
　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　'＼
　　　　_..-‐r''"{￣＼　　　　　　　／￣'ｧｰ-..._
　　,　":::::::::|　 |＼ 　｀ ' ‐--‐ ' ´　 ／::::::::::::::::` 、
　 {:::::::::::::::::|　 |:::::::''::‐- ... _ ... -‐::''::::::::::::::::::::::/::::}









　　　　　　　　　　　 ,　‐ ' "´￣￣￣ 丶､
　　　　　　　　, 　'´ _r─'´￣`ー-､_　 　　ヽ
　　　　　　r‐ ''"　 ノ´　※　　　　※ 　 ヽ　　 丶
　　　　　|　..::::-┴´￣`￣`￣`ー､_　　 ｀ヽ　　ヽ
　　　 　　Y'´　　　:　:　:　:　:　:　:　:　ヽ　※ ヽ　　'､
　　　　　∧　/　　 /　　　　:　:　:　: l :　:ゝ､　　l. 　　',
　　 　　/:　:　/:　　　／　:/　:　l　:　:　ヽ ※ヽ　　',
　　　　l:　:　/:　:　／:　: /: /:　ﾊ :　　:　:ヽ　 { 　 　'､
　　　　{: l!:　:⊥､／:　:　／.:/. ／|:　:　.l　　　ヽｿ 　　　ﾊ
　　　 .l: |l:　:l :トﾘ_`ー':＾／: {､　 ヽ: : : |　:　:　|_,..ィ'´￣
　　　　　人:弋　じぇ､"´ 　 ､ ｀丶､_ヽ.:l: /:　: l|:.　|　　　　「殿様はもう少し、
　　　　 　ム `ﾄ　｀"'ﾞ 　　 　 '＾ぅﾃｫ-ﾃ/./: /: /l.:..:.|
　　　　　 ∧ 八　　　 　,　　 　ヾジ　/.ｲ: :/. /: .l : |　　　　皮をむくときに薄くむかねぇと。
　　　　/　こ}※ ＼__　トー‐､　　__ ノ_ .イ／/_:_:_l..|
　　 　ﾉ　 匸l／⌒ ､ ）ヽ___ノ _ .. イ￣※　ノ厂兀l.|　　　　もったいねぇですよ！」
　 　/　　て/　 ´　 ヽ｀三/ ┴､ /　　　 ノし　 }: : l|
　　/　 　 （_{　　　　　}{"´　 ヽ |〃_. イJ´　　 l: : : |
::／　　　　/（＼ ＿ ノ）ヽ___､._丿「 /勹 　　　 l: : : :|
{　/三＼ /　 ヽ几_厂|/し､__兀r '"　　ヽ　　　| : . : |







656 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:43:43.99 ID:Gz.jG4Qo






　　　　　　 ,' .:　,:　.:. :. :. :. ;. :. :./l:. :. /l:. ;. :. :. :. :. :. l
　　　　　　 l .i :.l.:　:. :.,.i:.., 'l:. :./　l:. /　l:..lヽ;.. ;、:. :. :l
　　　　　　 l :l:. :l　:. :.l l/　l／　　l/　　l/　 l:/ l:. :. :,,!
　　 　 　 　 ﾚl:.r.i :. :. l. ￣｀'ｰ_ ､ ,　　 ,._ ' ´＾　!:. :./
　　　　　　 　 !l.'´!:. : l 　''!ﾆﾌﾞ 　　　　 '!ﾆﾌ`　!:.,i/
　　　　　　　　ヽｰl:. :l'　　　　　 　 　 　 　 　 ,':./'
　　　　　　 　 　ﾚヽl: l　u　　 　　　i　　　　　l:./　　　　「面目ない」
　　　　　　　　　　 〉N　　　　 　 　 ' 　 　 　,i/
　　　　 　 　 　 ／l　l ヽ　　 　 　 　 　 　 , '
　 　 　 　 　,.イ .:.:.!　l　 ヽ、　c. ニ っ　,ｲ.. ヽ、
　　　 ,..　' ´. l.:.:.:.:.l.　 l　　　ヽ、　´　／.　!.:.:.l..｀ヽ､
,.　 '´　...:.:.: .:!.:.:.:.:.:l　　ヽ　　　　 ｰ './,' 　 !.:.:.:.!.:.:... ｀ヽ､









660 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:45:25.79 ID:Gz.jG4Qo






　　イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
　　 /::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l
　／　|::|　ﾃ''ｯ､｀ 丶ｰ- ､　i;:::|::::::/
　　　.|::l　　　　,　　 'ﾃ''ｚ､ l:::ﾘ::::::i
　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ
　　 　 ﾊ　 　｀　　　 | .| l .| |ノ　　　　　「で、杢之助、お前は山窩の子の気持ちを理解できたと思うか」
　　 　 ,小.　- ､　　 .| .l/././､
　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　 ￣ﾞ'ｰ､
''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　 ／　　　　/　ヽ
　/　　 ヽ､　,ｨl　　　イ /　　 　 /　 　ヽ
./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　 　,　　　　 i
'.‐'"　ヾ{;:::;}::;;/|.　　　l.　　　 /　　　　　|








　　　　　　　 　　　　　　　　 _,,.. - 、　,. ''" ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　_,. -ﾞ'" " ﾞ " " " "￣~ﾞ'' - .,,
　　　　　　　　　　　　　　７i　" " " " " 　" " ヾ" ーﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　/,. " " " " " " " " " "i; 、 " ヽ
　　　　　　　　　　　　　　/,." " " " " " " " " " " i; 、" i
　　　　　　　　　　　　　 ／ " " " " " " " " " "" " i.　ﾞ ,
　　　　　　　　　　　　　 "7 " " 　v ｖ 　　ﾍ、ヽヾヾ i i i＼i　　　　「ある程度は……」
　　　　　　　　　　　　　 　l" " ノ / / i　/　 ヽ　!_Aﾘ|ﾉ!'!'!
　　　　　　　　　 　 _,,.､､ｨ､Vノﾞ-＝-､､!/　 　_,.ゞ､､Yﾍﾚ''-､､,, ） ）
　　　　　 _,,.､-‐''"´　　/　 i,　ｰ==。=、_ｯ‐‐ ､｡==-'　!!:::::::',:: 〃　｀''‐ ､
　 ,､‐''"´　　　　　　　/　　 ',　｀ー ,､''" 　ヽ, `ﾞミ,''‐-､,'′::::::!:（',;　　　　 ヽ
,/ ':,　　　 　 　 　 　 ,'　 　 l ':,,.､ '"　　　 ヽ, ＼ 　 ` ､　ヽ,:::: l _;;ﾘ　　　　　 ':,
　　 ヽ',　 　 　 　 　 i　　 ,､ '"　　　 ､　　　 ＼ ヽ,_　　ヾ二二で)″　　　　　 !
　　 　 ':,　　 　 　 　 ! ,r"　 :.　　　 　 ﾝｰ' ､　 ﾞ!　},,,ヽ,　 ':､'､〉　　／／　　　 ｌ !
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　‐､ヽ 　 ',.　　　　 /　 　 　 　 ﾝ､､..,,,__,,.. -{ r/　l‐--‐' ゝｰ' 〃／　　　　　　ｌ
　　 ヽ ヽ. ',.　　　/　　　 　 　 /,　　　　　　 ｀! __,'　　　　　　f,'"_,,　-　''　　　 !
　｀｀' '- ﾐ､ !　　/　　　　　　 /　':, 　 　 　 　 ゞ-'　　　　　　 i!´　　　　　　　　l






661 ：1[saga]：2009/09/17(木) 22:46:42.69 ID:Gz.jG4Qo







　 　 　 l　l　ｌ l　　ﾊ | ヽ!　ヾ　ヽ./ |:/ 　|'　_j／l 　/　 /./　
　　　　 } .ﾊ ,l ヽ　|ﾍlニ;--,.._ '　｀ ､',.-;‐;二__ 　l /　 /./　　
　　　　ﾉ'"　l.ﾍ. ﾄ､! '弋赱!~ ,　 　　　' 'T心!_　ｲ　　 j l′　　
　 　 　 　 　 |rﾍ　lヽ　　　　´　　　　　｀　　　　 l　　/ ﾉ　　
　　　　　　　ヽﾍ　l　　　　　　　 i 　 　 　 　 　 l　 /'´　　　　「それじゃぁ、江戸へ行って、
　　　　　　　　｀l | ',､j　　　　　　|　　　 　 　 　j　/　　　　　　　正茂の気持ちをさぐってこい」
　　　　　　　 　jﾊ. ﾍ　　　　　 ヽ!　　　　u 　 /! /ヽ
　　　　　　　　　 !ﾍ ﾊ､　　　,＿＿,...､　　　／|/｀ ‐ヽ
　　　　　　　　　　　i!ﾍl＼　ゝ-‐ニ‐-' ,. イ从'
　　　　　　　　　　, ィ' ヽ　＼　　　　／　 ﾉ ヽ､　　　　　　　　　　　., --､　　 i´!⌒!l　 r:,＝i
　　　　　　　　 ／ /　　 ｀ヽ　ヽ- '´　 r'　　　', ヽ　　　　　　　　　 .|l⌒ｌ ｌ　　 | ﾞｰ=':|　|. L._｣　））
　　　　　　　／ 　 l　　 　/iｰﾍ　　 rﾆ' ﾍ　　　l 　 ﾞヽ　　　　　　 .i´|.ｰ‐' | 　　|　 　 |.　!　　 l
　　　　　, -ｲ　　　l　　 /｀ヽOﾍ　 / /-''ﾍ.　　 l　　　ヽ‐､　　　　|"'|.　　 l　　│-==:|.　!　==l　　 ,. -‐;
　 _.. - ´　/　　　 {　 ,.ヘ､＿＞'^''＜ _..－ﾍ. 　l　　　　', 　｀ ‐､　i＝!ｰ=;: l　　 |　 　 l.　|　　 |　/ 　 //
´　　 　 /　　　, -i!/ ヽ　 　 ',　　　 /　　　 ヽ |＼ 　　　ヽ 　　 │　l　 　 l、　:|　 　 |　}　＿|,.{::　　7　））
　　　 /　　／　　l　　 ｀ 　　ゝ－ /　　 _ -' ｀! 　 ＼　　　＼　 /|__,.ヽ､__,. ヽ._｣ ｰ=:::ﾚ'　 ::::::|;　　 7








.　　　　 　 　 ／壱 ／／万:／|
　　　　　　　 |≡≡|__|≡≡|彡|＿＿＿＿
　 ／￣／／.|≡≡|__|≡≡|／壱／／万:／|
　|≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
　|≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
　|≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
　|≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|／







そう言って勝茂は、ひとつかみの小判を床の上に叩きつけた。







696 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:04:53.20 ID:fe2vHZoo






＜江戸　　江戸城＞







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}k
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ;'l{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ;人'､
　　　　　　　　　　　　　　　 }､、__,. -'',r'／ｐ､ヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　,}”ー--､."ﾆー--ﾞ'ゝ ﾞ'‐､_＿,､ｬ,
　　　　　　　　　　　　　 ,､ /;;,rlT=ｲ__~￣~＾~＾''ー‐---､.ｙ"
　　　　　　　　　　　　　,irこ;;;},|ｉ　||　 ~||~ﾞ ''l!ｔー-n-;t{;/
　　　　　　　　　　　　 ,ｊ r'i!_､_}-二 ﾆﾆ゛‐-,k!i､,､､｣|__,|ﾄｯ
　　　　　　　　　　　､_ ﾔ{/iｺ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーﾈ{´,
　　　　　　　　　　 ,};ｺﾆﾆ/7r'|”~,__,゛,／ノ 。 ＼~＾~^”””'ﾔ
　　　　　　　　　　 i!;;;;;;;;;;;､i!__|　,i-!;'"／,r'^ｖ^‐､＼iｺ~|ﾚ=i、
　　　　　　　　 ,}`ｰ';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''／ [iillIII}}}] ､゛＼i!､;;;;i､
　　　　　　　　/,Eｬｯririririrnm;y､^,､ﾆﾆ ｰ_ー‐-ー'　゛＼,;;;i{､_　　　　 ,.ｨ
　　　　　　　 /,r"=|､__　　　￣~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ﾆ;:ﾆ'}
　　　　　　 ,/,r"=/|::::..￣~゛゛``''';::::::::::::ー‐,ノ,ム-.,, ､.､.゛,.___゛~＾~゛＾i;／
　　　　 ,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7／,r'　`｀i､:::.iﾍ::::::::.￣~''''''':|
.　　　 ｫ}仁二Vｪ＾仁￣~"""゛””””''ｰ／,r'" .,・、 `＼[iillIIIII|||]:::::::::::|　 ,
　　　　i!;;;;;;;;;;;/ｲ'^ﾄｰ‐-ﾆﾆ二､こ,.-'" ,r' ,.-ｰ{　 }ｰ､`､＼"＾"＾"＾"^゛''ｰ'}
　　　 ,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::...　,. -''"_, -'／―‐‐｀´ ―`i､゛､＼゛＾゛""ｰ'r／
　　　 i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''＾_,,.-''′／' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll　`i､` ､ﾞ-､:::::::::|;iｔ======r'7
　_r,=ｰｦｰ",,:;;;;;;'7rｲ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::ﾞ'‐､ ` ､ﾞ''-､:|;;;`i､;;;;;;;;;;;;~ヽ､
　〕{ｭｮiririririrm;;;;;~_,ｎ､￣__二;;;,, ￣~゛゛゛'''''',,;;;;;;;;;ー―‐---`ゝ､` -､~ヾ,,;;ヽ､;､;,._;;_;;_,,'‐､






698 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:06:18.42 ID:fe2vHZoo






家光はこの日、自分の義弟となるものと対面をしている。







　　　　　　/　　　　　　　　　　/　　／　　　　_...-－-　ヽ　イ´:::::::::ヽ　　　}
　　　　　 /　　　　　　　　　　i　　《　　　　....´::::::::::::::::::::｀v´::::::::::::::::}　　 /
　　　　　/　　　　　　　　　　/　/:/　　　 {:::::;;-―￣ﾞﾞ　ﾞ｀´￣　　ヽ/　　《
　　　　 /　　　　　　　　　　i　　∥　　　　i　　　　　　　　　　　　　/　　　　｀-
　　　　i　　　　　　　　　　/　　　i　　　　 ヽ　　　　　　　　　　 _...._}　;;　　　　｀ﾞヽ..
　　　　i　　　　　 　　　／　　　ﾉ　　　　　 ｀_...-－¨｀　　　　　　　i　::::　　　　　　｀.
　　 　/　　　　　　　／　　　　　　　　　　　j　　　　　　　　　 ,´｀ヽ{　;:::::::　　　　　i
　 　/　　　　　　　〈　　　　　　　　　 　　／_..-´i　　　　　　,..-=、/＼　;:::::::　　　〈_..ﾉ
　　/　　　　　　　　i　　　　　　　　　 　/　´_...-ヽ　　 　　　/　 ,》:::::::::＼　:::::　λ_.../
／　　　　　　　　 　＼　　　　　　　 　/／´イ´｀　　　 　　《　　/:::::::::::::::::〉:::::κ入
　　　　　　　　　　:::::::::}　　　　　　 　/《　/　　_ﾉ　　　　 　ゝ≠ﾞ::::::::::::::::::ﾉ::::i　i
　　　　　　　　　　::::::::ﾉi::::　　　　　　i　__《　 彳　　　　　　､　 i::::::::::::::ノ:::::ﾍ入｀=´
　　　　　　　:::::::::::::::｀-ｲ/:::::i　　　　　　　.ﾞ¨´´　　　 　　　/　/:::::::::::::::::::::::《_
　　　　　　:::::::::::::::::::::/λ_／i　　　 　＼　　　　　 　_ ...､ 　／:::::::::::::::::::::λ:》
　　　　::::::::::::...---/　Ⅴ　　i　　　 　　}丶 　　　　　　　／ﾍ..,_:::::::::::::::::丿ｿ:ﾉ　　「肥後守どの、よしなに」
　　　::::::::／　｀＜´　《｀-... /　　　　　ｿ　｀へ...__...___,／i　　|　｀}　-－ｿ
　　:::::::〈　　 　＼　　､__...ｿ_...ｿ　　　/　|　　　ヽ::i::::::::　　i　　　|::::i
　:::::::／＼　　 　＼　　　　　　ヾλ/　 i　　　　|:::i:::::::　　ｊ　　　i::::i
::::::::::/　 　｀　　　　＼　　　　　《,　　　　　　　　i:::::::::::　::::＼　　i::::::l
::::::::｛　　　＼　　　　　＼-...___,...　　　　　　,ｲ´i　λ:::　::::::::｀ヽ i::::::ヽ
:::::::::l　　　 　＼　　　　　｀ﾞヽ...__｀ﾞ￣｀ヽ　/　/´i:ｌ ｌ::::　　::::::ﾐ丶ｒ::::::::＼

　　　　　　　　　　　　　　【三代将軍　　徳川家光】






700 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:07:08.22 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　　　 ,f"　　　　　　　　　　ﾋ,,__;:-'" ﾉ　〃　　　　　　　　　　小 ﾞl:､
　　　　　　　　　 { i /ﾉ　（　　　〃　　 ､_,,,二ﾌﾞ　　　　 }, , i　　　　　　　|小 .,}
　　　　　　　　　 i; y/　　 ゞ　　　　彡 ）,/,ィ',イ,/　　　ﾉ,ﾉ,|; i;　　　　　 :l | |l,i'
　　　　　　　　　　7　,;f 〃ゝミ三彡,ノ,;ｲf ﾞv' (/〃'彡'彡ｯ'ﾞいﾐ:､　:i　　　ﾍﾂ
　　　　　　　　　 ,{　;{　　,,　　_,;f"ー-ﾆ,,,__　　い'''"￣"__,;:=-‐'''''i; :|　ﾐ:、 :ﾄｧ
　　　　　　　　　..ﾞi､ {　 ,i',i'.,k"　-─ﾓ・ﾅ=ﾐヽﾐヾゝ::-=ﾆﾓ・ﾃ'ｰｧ''ｿ人　い　ﾞli
　　　　　　　　　　 `'ﾝ　{ ﾚl小　　　　￣　　　 ﾞ　`　　`　￣　"　￣ﾉ,ﾄ､ l i ,ﾉ
　　　　　　　　　　　 '{ :､V､ﾞ:|{ﾞi　　　　　　　　　l ::.　　　　　　　　 ,;{ｿﾉl ﾂ,ﾉ
　　　　　　　　　　　　ﾞi､l､ ﾞヽﾞiﾞl;　　　　　 　 　 l ::::..　　　　　　　,i'ｨ'" ﾑ'"
　　　　　　　　　　　　　`:ゝ､　ﾞﾐi　　　　　　　 ､　,,;::''　　　　　　/f'{ il（,　　　　「この肥後守、一命を賭けて
　　　　　　　　　　　　　　　,ｿﾉ ,∧　　　　...._____..____.....　　　　/〃) ）i　　　　　 お仕えいたしましょう」
　　　　　　　　　　　　　　　（:i| :;i _lﾞ､　　　　　.,,,__,,,...　　　　 /|〃〃'"
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞi|ﾍ,,ﾆ|　`:､　　　　　　　　　　,r'":l　ﾐＬ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　,f　'､,, 　ﾞヽ、　　　　　_,,r''"_,,;-'二l''"
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__　　　　　　　　　　j_,fﾞ''-ニー-ﾐﾆ====ﾆ彡'''":-''"l |　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿
　　　__,ｨ''''"￣ヽ　 　 　 　 　 ,} ,i`i　,r'二`''ｰ:､`Y",;='ﾆ二ﾐ、 f''"i　　　　　 .／￣ﾞ'''=;zL＿＿＿
￣￣　ﾞli　　　_,,,L---r‐r--f"ゝ{. ﾞナ'"　 `)　|　| .l| f"　　ｲ､_j.l^;＞-ﾆr:,,,∠,,,,,,__ 　　）
　　　　 'li_;;＜　　　　 i､ i､　ﾞヽ､ﾞヽ､,,,,＿_,,.ﾉ .l . | :| ﾞ-,,＿,,ﾆ=''"ノ￣　ﾌ,ﾉ─　 _,,>､　/
'''""l"￣l　 、ﾞ''ｰ-:;,,_　 ﾞi､ﾞi､　　ﾞヽ､　ミ-ー'"j　:| .lﾞ''ー-;ｧ　,／　　　ノノ_,,ﾆ-''"　　>ﾞ'iｰ┬‐┬─
. 彡| 彡|　　＼　　　 ﾞ''ｰ-ﾐ_ヽ　　　ﾞヽ ﾞヽ,r''",,='=､ヾ､,r' ,r'"_,,:ﾆ-ー"￣　　　_,,,r''"　 ト 1　 1


　　　　　　　　　　　　　　　　　【山形大名　　保科正之】


保科肥後守正之。山形２０万石大名。
二代将軍秀忠の庶子であり、家光の弟になる。
１６４３年に会津へ移封され、三代目の正容（まさかた）の時に松平姓を名乗りだす。






701 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:08:05.45 ID:fe2vHZoo







　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　／..|　　　　　　　　　　　 　 |:||:|
　 ／　　|　　　　　　　　　　　　　|:||:|
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■　　..　|　　　　　　　　　　　 　 |:||:|
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　　　　　|　　　　　　　　 ＿　　　|:||:|　　　　　　　　＿＿
　　　　 /￣￣￣￣￣￣//￣￣￣￣￣￣￣￣￣　//￣￣￣￣￣￣
　　　 ./　　　　　　　　　//　　　　　　　　　　　　　　//
　　　/================================================
　　/　　　　　　　　　　//　　　　　　　　　　　　　　//
　/　　　　　　　　　　 //　　　　　　　　　　　　　　//






703 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:09:17.20 ID:fe2vHZoo







　　　　　　,,､-''"´￣￣｀｀`ヽ､
　　　　,／　　　　　　　　　　　`-､,,＿
　　　,/　　　　　　 i, ;　　　　　 ﾞミ三ｰ''"
　　 /　　　　　　　ﾊﾊ　　　　　　　　ヽ,
　　i"　,/　/　,〃i/　 い、　＼ 　　いN
　 /　,/　,/ノ /　,ノﾉﾊ　ﾄ,、　ミ`'ー Ｖﾘ
　 | ﾚ'　　　_,,､ｧﾁ-ーﾋヽ| ゞﾋs、ミヽ　i
　ﾊ　　rﾍ ｱ'　 <ﾓﾃ;;　　 ｉ' zｯ､｀i　　ｿ　　 「ときに伊豆守、
　 ﾞYf iﾞ　|ﾄ　　　 　　　　:i　｀｀　ｲ, ノ　　　　貴官はまだ外様つぶしに精を出しておるのかな？」
　　いヽ　ﾞ!,　　　　　　,_　;､　　 ,ﾀ"
　　　`i, `r､　　　　.._＿｀＿　　,ﾘ
　　　 ｸ',ﾍ ﾞ:､　　　 `''ー‐'´　 /ﾞ
　　　ｲ,ﾍ　ゝ＼.　　　 ￣　 ／
　 f￣`''ー─--ﾐ''-､,,＿,,イ!‐-､､,,_
,／　　　　 　 　 ﾞi,⌒ヽz￢"ﾞヽ　　 i
　　 　 　 　 　 　 ﾄ　　ヾぃ　　）　　L,,＿

　　　　【大老　　酒井讃岐守忠勝】








　　　　　　 　 　 　 　 /: : : : /: : /: : / : : : /l: : : : : : : : :ヽ
.　　　　　　　　 　 　 /: l : : /: : /: : /: /:/:/∧:l: : : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　 　 /: : ! : /: : /: :/: ://l //　l:|＼: :!|: : : : l
　　　　　　　　　　 ,':/: :l : l : ://:/l: ｲ//,l/＝ｷi≦V | : : : ﾊ
　　　　　 　 　 　 /ｲ: | | : |: :l/!/=l'､l'/´/,.ィ彷ｒ） 7:/: ﾑ ｌ:ﾄ|　　　「フッ、これはしたり。
　　　　　　　　 　　,': ,ｌ l: : ∨ｒ忘外　}　　￣￣　//: /) }从
　　　　　　　 　 　 l:/ |:l: ､: ヽ ｀￣　〈　　　　　 //: /.ン:l　　　　　私は大御所さま（秀忠）の遺命を
　　　　　　　 　 　 l′lﾊ : ＼ ＼　　　　＿＿,./ｲｨ/彳|l l　　　　　遵守しているにすぎません」
　　　　　　　　　　 　 ′!: | |:ヽ‐ヽ　 ´-‐一　　 /ﾍ: N州
　　　　　　　 　 　 　 　 |/l/|:l､_､:＞ ､　　 　 ／,. -ﾍl 、
　　　　 　 　 　　　　　　'　' l／| ヽl: | ｀ ‐　'´　 〉 __l　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 |.:.:.|:.:.:.|∧　　　　 /彡,:.|　　|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.:.:_ｊ.:.:‐￢l　　　 , ゝ／.:.|　　l-､
　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.へ　:.V＾ゝ　　/ / /.:.:.:l　 /⌒'ー
　　　　　　　　 　 ,　-―/／　　 ヽ ヽ‐.　 ｒ‐/ /.:.:.:.:.! /:.:.:.:.:.:.:.

　　　　　　　　　　　　　【老中首座　　松平伊豆守信綱】







705 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:10:05.06 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　　　　　　　　　 ,．'"´ ￣￣ ｀`ヽ
　　　　　　　　　　　　 ,､-''´ 　 　　　　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　　 ／;:::.: . . .　　　　　　　 ＿ _ ﾉ,
　 　 　 　 　 　　 /;;:;:;:;:;:.:.: . .<ｶ〕.　　,．' ´　　｀`ヾ
　　　　　　　　　 !;:;;:;:;:.:.: .:. . :. .　,,､ '´　　　　　 .:..::`,　　　　「しかし、物事には限度というものがある。
　　　　　　　　　 ﾞ､;:;: ;:.:.:.:.: .::,､‐'´;､ｨｲﾑ､;､ .:.､;.;.;.;ヾ!
　　　　　　　　　 ,ｲ＞--‐''ﾞ´.;,ｨｲノﾝ'i'`ヾﾄヾ,,::.::::.ヾﾉ　　　　　二代様のご時勢では大名の整理も適っておられた。
　　　　　　　　　 7;.;.;.;.;.;.;, ,ｨｼ'7_ ,,,､' ﾞ ､_,,>ﾄヾ､;::;:.ﾘ　　
　　　　　　 　 　_」;;;:;:;イ;;j"´,r-ﾃﾞ:;>　,ｲ^ﾓ7 `i;;;;:;ｿ　　　
　 ＿ ,　- ー'''´,ﾊ;;;;;;!/j;;;ﾄ　　　 ´　. 　i ´ 　,ｲ;ｲｲ　　　　
.:.:. :.:. :.:. :.:. :.:.:./;:..ゞ仆ヾlﾘ　 　　　 , 　 ,!　　 jｿ/′
;;:.:;.,． -─一'/;;:.: .:.｀ﾞゞﾍ_ﾄ､　 　 　 ｀ｰ' 　　/ ヽ￣｀`ー- ､　　　　　　だが、現在では浪人の数が多すぎる。
:.:.:.:;.:. :.. :.: . . i;;;;.: .:. . 　Yj '､　　　 -ー‐:-　/　　i　　 ｰ - ､_｀ヽ､
:.:.:.:.:. :.:.:. :. :.. .＼.:.: ..　,ﾍ ＼ヽ ＿_ ´￣　,ｲ ﾊ _」;,　　　　　　¨｀`ヽ,　　　藩が雇うこともせず、職も手につかず、
:.:.:.:.:.. .:.:. .: . .:. .:. ＼:./ -‐'"´　 　 ｀`ｰrｧ'ｰ'-､_,::;:;　　　　　　　　　 i　　　これでは武士をやめろ
,． -‐ ─ ''''"´￣ 　　　　　　 　　　　 ij||　　　　　 ￣ ｀`ヽ　　　　　|　　といっているようなものだ」
.:.: .:.: .: . . .:. :. . . . .　　　　　　　　 　　1||.　　　¨` ー -､　､`,　　　　 ヽ
.:.:.:.:::. :. :. .:.: ..: : : : : : : . . . . .,　　　　　j i!　　　　　　　　　i i,1　/　　 j !
.: .:. :.: .:. :..: .: ,,r'"´ ￣ ￣ ｀ヽｲ;:'´　　_,ﾚ^ｰ-､_　　 ,r‐y ｀i j,ﾘ / 　 　 ! |
.:.:.:.:.:..:.:.:;:;:;／　　　　　｀,　　　ヽ:;: ;:,ｲ.: .: . . . .￣｀ゝ‐'T二ﾚ'ﾞ /　　　 ,! 」
:::::::::.::;;:;:;:/　　　　　　　 j 　　 　ﾄ､''´.: . .: :. : :.: . . .: . . ,.　　 /　　　　|　1







706 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:11:19.88 ID:fe2vHZoo






　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿ __
　　　　　　　　　　　　　,　':.:.:..:.:.:.:.:.:.:.｀¨:.':.‐　- ､
　　　　　　　　　　　.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.、
　　　　　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ . :. .ヽ
　　　　　　　　 ./ :.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.!:..:. :. }:.:.',ヽ.:.',
　　　　　　　　/. : 　.:.!:.:.:.:.:.:.i:.:.:/:././ :./,':..:.: .,'|:.|:.ヽヽヽ　　　　「いいえ。私は酒井さまとは見解が異なります。
　　　　　　　　l:. :!:.: .:.|:.:.: :.:.:.|:./:/./ :.///:.:. /:.|:.lヽ.:ヽヽヽ
　　　　　　　　',:.:.|:.:.:.:.| :. .:.: .l/./:/ :.///7:.:/:./|/__l:.',:.|l|:.{　　　　まず、幕府の権勢は、
　　　　　　　　 }.:.l:.:.:.:.l:　.: .:.:.l/:.//∠__//./:./ｬﾃﾐ.:.:l.:.|||｀､__　　おそれ多いながら、いま少し不足かと。
　　　　　　　　 l.:.|:.:.:.l｀l:.l:.: .|:.|/７=ｒｚｪﾐ/:／/k斗ｨ:.{|:.l |
　　　　　　　　 |l:.ﾊ.:.ヽヽ',:.:.ヽヽﾋｴ才‐ヽ　　',　　l:.:.||.|　　　　　　島原の乱が起こるようでは、まだまだかと。
　　　　　　　　 |l:{ }:.:.|.ヽ_:.ﾄ.:.ヽヽ　　　　　　. >　ﾉ.:.l l|
　　　　　　　　/ |l ヽ.||:ヽ:.|ヽ:.:.ヽ＼　　､ ..-‐'／ヽ:.|　｀
　　　　　　　　　 ヽ　}|:.:.:.',ヽ｀ヽ:.', ､　　　'¨, 'ヽ.{　ヽ
　　　　　　　　　　　´ l:.|:ﾉヾ､___.ヽ　 ＞‐-':.|　 ヽ
　　　　　　　　　　　 /|:lﾘ〈〉‐‐‐|.ﾆニﾆ彳ヽ{
　　　　　　　　　　　　 ﾘ,＾}{,-､: :| |: : : :||}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ヽ　＿＿
　　　　　　　　　　　／ 《〈〉{{＾: :| |: : : :||｀‐ ､　　　　　　　　　　　　　　　､＝＝'＝＝＝＝｀＝
　　　　　　　　　／　((_）Ｙr'´: : | |: : : :|| j乢 ｀r ^ ‐‐- ､_　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　/
　　　　_　, -‐ ´ : : : : : （ﾉ｀=´: :} }--‐‐} } 丱: : : : : : : : : ￣l¨}　　　　　　　',　　　　　　　　,'ﾍ
　_ - ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : | |: : : : : | |: : : : : : : : : : : : : |: :l　　　　　　 　ヽ､＿＿＿_ノ　〈
r' : ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| | : : : : : | |: : : : : : : : : : : : ,': /　　　　　　　　ヽ｀ヽ── '´イ
|: : : : ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : | |: : : : : : | |: : : : : : : : : : : :l: :|　　　　　　　　rF＼（　￣¨ ／
',: : : : : ヽ : : : : : : : : : ._ , ----' 」 : : : : : ヽﾆﾆニニニｦ: : :|:/　　　　　　　 /＼＼＼_　イ､









　 　 　　　　　 　 /:.: l:.:.:.|:.:.//:/:.:./.:.:. //∧'.:. !:.:.:.:.:.|:.l
　　　　　　　　　/ｲ.: .|:.:.:.l://l//:./.:.:.:.///　_ヽ:l:.:.|:.:.:|'.!
　　　 　 　　　 / /:.:.:.r':.:.|ド㍉､'/}.:.:.///_,∠zﾐ.|:.:l.:.!:{ ヽ　　　　そのためには、乱を起こしても無駄、
　　　　　　　　　/´|:.,:.ヽﾊゞｆｪ'ｲﾄ.|:.//廾ゝｭ'ｲﾌ:./ }:.lヽ､　　　　　と考えるような巨大な力を示さねばなりません」
　　　　　　　　　　 |:.{ヽヽ:ヽ ￣i!´ﾘ　,' 　　￣ //ｲ:.l'.!
　　　　　　　　　　 ヽ! ヽ:.l:ヽ.　　　　i!　　　　/':.:.ﾊ:.| ヽ
　 　 　 　 　 　　　　　　l:.|:.:.＼　　!ニニ!　／l:.:.|　',{
　　　　　　　　　　　　　 ﾘ.ｿ}Fr＞､｀＝´イ／ｦ.:.{　 ｀
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉl｀＝r ≧≦ｦ／ｆ |｀ヽ　　　 　　　　　_　-‐　'￣}
　　　　　　　　　　　　　　 ／ 艸 | |: : : : | | 圸｀ｰ---‐´￣￣￣: : : : : : : /: :￣¨}＿＿＿＿＿
　　　　　　　　_　-‐ー‐ ´: : : 丱 | |: : : : | |: :卉: : : : -─＝ : : : : : : : : : /: :/／: : : : : : : : : : : :
　　r──'￣: : : : : : ＼: : : : : : : } }: : : : { { : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : :/: : /´: : : : : : : : : : : : : :
　　',: : ヽ: : : : : : : : : : : ｀ｰ- : : | |: : : : : :.| |: : : : : : : : : : : : : : : : : : :／: ／ : : : : : : ／: : : : : : :
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　　　∨ : ヽ : : : : : : : : : : : : : __| | : : : : : |└──二二才: : : : :/／: : : : : : : _／＿--───
　　　 ∨: : ', : : : : : r───´＿_l : : : : : ￣￣￣__ : : | | : : : : /: : : : : : : : イ







709 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:12:59.02 ID:fe2vHZoo







　　　　/　　　　　　　 ,　 ｉｉｉ　ﾞ!,ヽ,　 ,ヽ, ゝ、.. ;;;,　ﾞヽ,
　　　 iﾞ　　　　　　 ,　 ,! , ｉｌｉ　l i., l;,　i, l;;;;,`ミﾞヾ';;;, ﾞi i
　　　 !iﾞ ;'　　 ,i　　,! ,/!,i,iﾊﾄ, i, !! |i', ﾞi; i;;;';';,,_ミ:: ;;, ﾘ
　　　 lv',ｨ'　,;;;i　〃;/ ﾘ.ﾘl| !lﾞ:,ﾄ,ﾞ:､li;'､ i:.ﾞi;..;;;;;;;,ヾ ;;:〈
　　 ,ｨ,ｨ/ ,,;;:;;ｲ,/ｼノﾝ' ﾉ ﾞl! ﾞ'いﾐ`ﾐゝﾐゝ､ﾞ';;;;;;;;;;;;;'v;;;i
　　'" /　,;;-''ｼr--=､∠,,__ﾞ､　ﾞゝ,;≧-─ﾐｰi;;;;;;;;;;;;;;;;;;l　　　　（わかっていたとはいえ、
　　　iﾞiﾞ　 ;;ﾍ |　ーt‐:ｧﾐ:｀､`　' '<"t::ﾗｰ-　|;;;ﾊ;;;;;;;;;;iﾞ　　　　　やはり伊豆守は武断を
　　　ﾞ;ﾞ､　（ ﾊ,! 　｀""´'　 ﾞ:　　 `' ｀ ´　　 ﾉ;ﾘ ,i;;;;;;ﾉ　　　　　　おしすすめるつもりか）
　　　 ﾞ:,ﾞ:､.ヽ,ﾐﾄ: 　　　　　 ,　 :.　　　　　　ｹﾉ./;;ｬ'′
　　　　　 `:､`ｰ;　　　　　 ,'.　 :::,　　　 　'ﾞﾌｰ';;lﾞ
　　　　　　 ﾉ,;;;;ﾞﾄ　　　　 `ｰ-‐'ﾞ　　　　 /};;;;;;;l、
　　　　　 ,ｨ'ｽ､;;;|`､　　　-‐ - ─-　　 /,.};;;;;;;;;;｢
　　　 　 _｣ ゝ､;;;l　;ﾞ:、　　　'''''''　　　,ｨﾞ 'ｸ;;;:;:;;;;｣
　　＿／/　　 `:'､ ﾞ; ﾞ' ､　　　　　 ,ｨ'ﾞ　;'ク:::::::::::;`;､＿
　'"／　 l　　　 r‐`ｉﾞ:,　 `ｰ---‐''ﾞ　　｢..:::::::::;ｨ^!;;;;;;;;;;;;
　　　　　ﾞ!　　　|:::::P"⌒`ヽr～''⌒`く! ::::::::iﾟ_ノ,;;;;;;;;;;;;
　　　　　 | 　　,l:::::::|　　　/ バ　　　 ,l :::::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;








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　　　　　　|! |!:.:l:.:.||:.:.:.} ノ　}／　 ,':.:.:.:.//　__ノ|:.:.:::.l:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ll:.|　　　　世の混乱をおさえ、
　　　　　　　 |:.:|l:.{ヽ:./　　 ´　　 //:.:.//　　l　 |:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.l|:.|　　　　千年の泰平をつくる礎とならん）
　　　　　　　　ヾヽ／　　　　　　//／　　　 ｝　|:.:.:.l:.{:.:.:.:.:.:./:.:.|:.l|ｿ
　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　/　　　　　　　|:.:.l|:.:|:.:.:.:./|:.||:.l:.l
　　　　　　　　　　　　|ヽrｰ--　　　　　 _,　　　|:.l| l|:.|:.:.:./ l:.| |:|i|
　　　　　　　　　　　　|/|ﾉ r 　　　　 ／　　　　}ﾉ__l|_|:.:./‐‐ﾘﾆｿ
　　　　　　　　　　　　l　'　 ﾍ 　 　<　　　_-ニニ─‐|/￣￣: : {
　　　　　　　　　　　　　　　　｀´　　,∨ニ‐´: : : : : : :': : : : : : : :l
　　　　　 ＿--‐-､＿　　　 　　　<∠: _: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　 /　 ＿__､＿ ノ､　　　　　　∨((: : : : ／ : : : : : : : : : : : : : ＼
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　　｛　　ﾍ ／ 　/￣｀l　　_-ｰ一ニ￣￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　 l　　 l/　　/　ヽ　|￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :






710 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:14:07.73 ID:fe2vHZoo








　　　　　　　　,r'Ｚヽ　　　　　＿,,,;:-､s-──--ﾐ,,_
　　　　　　 　 ＼l／　　_,:r'''"n ,,　　　'l;　ﾞl!　　 ﾞl!, ﾞヽ､
　　　　　　　　　　　,;rii"　,　 ,ﾘ,ﾊﾍヽﾞi, l,　ﾞli.　　 ﾞlli, ﾞlli,ﾞ'i;
　　　　　　　　 _,;r'" ,il'　;il' ,i'ｸﾉ ﾘ ﾞいﾐﾞゝ,､ﾞゝ　　ﾞli;lli, 'li;,ﾞi,
　　　　　　_,;r''"　 ,;il'"ノﾉノ ｼ'＿＿　　`''弋ﾐヾミヽﾞ;llllli;, l'}
　　　_,,:-''"　　,,;ill;'",;i'-''""二二￣`　　　,,:''''''ｰ-ﾞlll;iii,'lllli,'}
,>iii''"　　 ,,;ｨ彡''"/f"　　r'''("llli)`　　　　,/"'flliiﾐヽ.|!li,'llllliﾘ
ll'"　　　,:i''　 }i　lﾞ {!　　　　`￣　 '"　　　i ､ `'''"　,;llll,lllll;ﾂ
.いi'　.;i'　r' ;il　i'{　`ﾞ　　　　　 　 　 　 　 ﾞi､　　　クｼ''"
　`i,　:lli,　　ﾞli :l: ﾞ'':､　　　　　　　　　..　　　 i;　　　.|　　　　（それに、最近の上様のご様子はどうだろう。
　　ﾞi,　ﾞllii;, ｰﾞ''li､　　　　　　　 　 　 ' -'''; r'"　　　 |
　　　ﾞi,　,l''llli;,　,,ﾐ　　　　　 　 　 　 ＿－　　　　 /　　　　　心ここにあらず、……
.　　　 ;ﾚ　 'llllli;　 ﾞ:､　　　　　　'"￣ 　￣`''ヽ　 /
　　　 "|　　,ill'l!.　　ﾞi､　　　　　　　　-==　　　./　　　　　　　いや、心に影が差してしまわれたような）
　　　 _|　　,il' 'ﾞ　　　ﾞ'ゝ､　　　　　　　　　　　/
　　/" ヽ､　{,,_　　　　　`ﾞ'''ｰ::,,,_　　　　　　 /
　,/　　　 `''''ｰﾐ=-:;,,_　　　 `'￣`''''ー---r''
　　　　　　　 　 　 　 ＼,-､_,:-ー､`ー-'''7ｰ:､__








712 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:14:55.87 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:'　　　 ,.　- ‐　-　、　 , '_ _ _　　 　 ｀　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:'　　,　'　 _　 - 　 .._　':,:'´_ _ _　｀丶、　　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:'　 , '　 ,　´　　　_ _ ､ ':,' ´ 　 　 ｀　　 ` ､　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　,:'　., '　　.　　 ,　 ´ 　､｀ ,' ,.. ‐ -　、　 　 　 ',　:,　,
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,'　, '　,'　.:　 , '´´｀｀`丶､.; ',._ ﾆ ,.. ‐丶　　　　',. ;.　;
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,' ,:' 　 '　,　　;　　　　　　　　　　　 ´´ ｀';　　 　 ;. ;　 ;
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ;,:'　　,' , '　　 ;　　　　　　　　　　　　　　,'　　　 ,'　;　 ;
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,' 　 ,　'　　　　;－‐- 、　　　　 _ _　　 , '　　　 ,:';.　;. : ;
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,'　 ,'　,　　　　, '　　　:.:..　 　 ' ´. .. .｀`,'　　 　 ,'　;　;　:,'
　　　　　　　　　　　　　　 ;　　', ;'　　　,:'　 　 　 　 .:　　　.:　　　 ',　　　 ,: 　 ', ;　:,　　　　　（やはり友矩を失ったことが
　　　　　　　　　　　　　　,:　 　 ':,. 　 ..:, ｀` - ‐ ､　　　　　　　　　｀ ,　　 :,　　;.'　 ';　　　　　　大きいのだろうなぁ）
　　　　　　　　　　　　　,.',:',　　　 ;.、 : :':、　　　　　　　　　´｀` ‐ -' ;　 　 ;. ´,:'　 ' ',
　　　　　　　　　　　　,.' ,'　',　; - '　; ､ ;'､　 　 　 　 .;′　 　 　 ､_ _,'_,:'　,:' ,:' ,'　 '　 ,
　　　　　　　　　　　,.' , ' 　 ; ,'　 　 ;_,.',' ;丶　　　　_　　　　　　 ｰ.,:';´ ,. ':、',.,:'　　'　 ｀;.、
　　　　　　　　　 ,. ' ´　 　 ,'.' 　 　 ;　.; ;　 '｀.;､　 　 ‐ ｀ 　 　 ,　'　.; ,'　　 ｀;`　　　, 　 ' ,丶
　　　　　　　 ,. '　　　 　 .,:'　 　 　 ;　,'_; _,'_, '　｀　、　_,.. ‐;_',　　　 ; ､　 　 ;　　　　'　 　 ':,　' .,
　　　 　 　 ,:'　　　　　 , '　　 　 ,. ';'´ -　´　　　　　´　　 ;'　 , 　 　 ':,-　、 ;　 　 　 ',　　　', 　 ',
　　　　　　, ,'　,　 　 , ',　　 　 ;' 　 ' 、　　　　　　　　　　:,　　'_、､　',. ' ,　' ,',、　　　 ',':,　　; 　 ,'
　　　　　　':,　,'　　 '　' 　 ,. '´ ',　　　`　､　.._ _ _　　　　 ,. ‐ ', ' ` ､ :'.　 ',.　',':,' ,.　 　 ', ' , ,'　 ,'
　　 　 　 　 ;.'　, '　 ,'　., '　　　 ' ,　 　 　 ｀　 .._　｀丶 '´　 , ' 　 　 ' '　　 ',　;. ', ':,　 　 ',、' ,　;
　　　　　　,:'　,'　　 '　 '　　　　 　 ' ,　　　　　　　 ‐　.._ ,. '　 　 　 ' ;.　 　 ;　;.　,　',　　 ,' 丶` '、






713 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:15:46.14 ID:fe2vHZoo







＜江戸　　吉原＞






┼┤│　 ││;;;||-|-|-|-|-|-|-|-|-||:::: ::: :::: :: ::　.||-|-|-|-|-|-|-|-|-|││
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┳┥│　 ││;;［田田田田］［田田田田］［田田田田］［田田田田］ |..│
┻┥└─┘,,|／=======================================;;;|..│
　ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
==@==@==@==@==@==ｒ─ー─‐-──ー┐@==@==@==@==@==@==
─────────‐| 　西　　田　　屋.│─────────
:: : :|　|;;| :::: :::: :＿＿＿＿｀ー─-─-‐ー─┘＿＿＿＿:::::::::::::: :|　|;;| :
　　|　|;;|　　　::||三三三|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|　　　::||三三三|千＿|客_,,ﾉ万__,ﾉ来__,,|三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|　　　::||三三三三||:::::: ::: :: : :: ::: :: :::||三三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|::::　／||三三三三||:::::: :::: :: ::: ::::::: :::||三三三 ／:: :::::::::::::|　|;;|:::::
|￣￣|￣￣|.　||三三三三||::::::::::::: :: ::. :: :::::::||三三三||￣|￣￣|￣￣|￣
|　 　 |　 　 |.　||三三三三||:　:::::::::: :: :::::::::: ::||三三三||　 |　 　 |　 　 |
|　 　 |　 　 |.　||三三三三|||::::: : :.: :::::::::: :: : ||三三三||　 |　 　 |　 　 |
|＿＿|＿＿|／::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||＿|＿＿|＿＿|＿
　　　　　　　　






715 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:16:36.41 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _,,　-ｯ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,　‐''"..:_::i;;''}″
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _ -ッ'゛...:::::::::...'へ ﾐ}
　　　　　　 　 　 　 　 　 ／...:::/:::::::::::::::;:::':::::、:::::..｀'' ､
　　　　　　　　　　 ,　 ﾌ´..::::::/:::::::::::::::/:::;/i::;ﾊ::::;:::::::::...＼
　　　　　　　 　,. ´, 〃:::::::::::;:::::::::::::::::,'::/　j/　l:::ﾘ:l:l:::::::::...´ﾞ'''ｰ-，
.　　　　　　 ／／ //:::::::::::::::::::::::::::::::ﾚ'、__,,, ｀l,/j/ﾘ:::|::ﾘ::;::::r'lツ'″
　　　　　／　'　 /.,'::::::::::::::::i:::::::::::::::::l ,門心 ｀ヽヾ ｀'j/ l::l:::.'ﾞﾞ、
　　　　 ..::, '　　 '.::i::::::::::::::::::l::::::::::::::::| ヾ_少　　ﾞ　　__,,, l::l::::.l＼:.、
.　　 , '::::,　　　,.:::::l:::::::::::::::::::;::::::::::::::::l　 `　　　　　ｨ'ﾗヾj/l:.ﾉ 　 `丶　　　　「お侍さんは、よくいらっしゃるのぅ。
　　/..::/　　　 ,:::::'';:::::::::::::::::::',:::::::::::::::'　　　　　 　 lｼ　/::'ｲ
.　/..::,　　　　 ,!::::| ';:::::::::ﾍ::::::ﾍ::::::::::::::' ｒｖ- .,　　　>　'::::::.ﾄ、　　　　　　　　　お大尽さまさまでありんす」
　,.:::,'　　　　//i::::l　',:::::ヽ;:ヽ;::::ヽ;:::::::::.',、 ｀, `ｯ、　,':::::::::::l:::..、
　|.::|　　　　.'::'　',:::',　',::::::/＼＼:::ヽ;:::::.',丶,,i／ 　〈＼::::::::', ヽ:.、
.　,:::,　　　 .l::i　,ｨ'´￣｀`'ｰ'´｀` ' 丶､::ヽ::',　　 , イ::::.、＼::..＼ ヽ::.、
　　,.ﾍ　　 /７｀`''-..,_ 　　　　　　 　 ｀_`'_ゝ＜:::::::::::::.ヽ　 ＼::..＼ヽヽ、
　　 ヽヽ / /　　　　　`' --‐‐'''"´￣,/‐''"　　ﾍ::::::::::::::..ヽ　 ヽ:::::..ヽヽ.ヽ、
　　　　ﾞ,ﾐｲ　　　　　　　　　　　　 ,/¨　　　　 　i:::::::::::::::::::..ヽ　 ﾍ;::::.ﾍ ヽ:.ヽ、
.　　　 /　|ﾞ ｀　､,　　　　　　　　 /　 _ ,,　　 　 ,'ヽ::::::::::::::::::::::..＼ i::::::.i　　ヽ:.ヽ、
　　　 |　/　　　　｀ﾞ ' ー　　　 _,,ﾚ ´　　　　　/:l::::ﾍ:::::::::::::::::::::;::::..'::::..'　　　 ヽ:.ヽ、
　　　/ │　　　　　　　　　　 /　　　　　　__/::::l:::::::::;:::::::::::::::::::ﾍ ﾒ:::..'＼　　　　ヽ::.、
.　　/　/　　　　　　　　　　 /　　　　 ,, ''//::::::::'::::::::::!::::::::::::::::::::,':::::; ､::::..ヽ,　　　 ﾍﾍ
　 /　/,　　　　　　　　　　./　 　 　／ .//:::::::::,'::::::::::'::::ﾄ::::::::::::/::../＼ ＼:::ﾍ　　　 l::l
.　| ./'´　　　　　　　　　 /　 　 ,,／　 /〈:::::::::/:::::::::,'::::::l ﾍ:::::/:／::::::::.ヽ　'::::.',　　 ,':,'
　 ゞ　 　 　 　 　 　 　 /　　 "　　　 / 　';::::/:::::::::/::::::::l　 lノ''::::::::::::::::::.}　 ':::.'　　//
　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　 l　　／:::::::／:::::::::/　ﾉ::::::::::::::::::::::./　/ノ　／'

　　　　　　　　　　　【西田屋遊女　　端女郎　　穂露】






716 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:18:25.05 ID:fe2vHZoo






　　　 /／: : : /: : : :／,: : : : : : : : ,: : : /: : : : : : : : : : ::｀`ｰ-,‐
　　 ／/: : : :/: : : :/ /: : : : : : : ／__／: : : : : : : : : : : : : ＜
　∠-/: : : :/ : : : / /:/: :､-‐＝￣__ ノ: :|: : : | : : : : : : : : ヽ
　　 /|: : : /: /: :/ /| |: : : :了￣ // /}: 人: : :| : : : : ､: : ＼|
　　//|: :/／|: :/|/　{|: : : :/ |: :/ / ///| : |＼{: : : : : ｀丶、＼
　　l|　|: |: :{ |/冫＝=|: : /___|/-/ノ≠ニ弌: :｀: : : :|_: : : : l`ｰヽ
　　　 ヽ{| ||: : |{ 仁ヽ|: / ￣｀__..-=≠ヽ. 　|: : : : : / |: : : /
　　　　 ｀ヽ＼ ',└┴lヾ 　　 ´_{‐-'::::}　ﾐ　|: : : :ノ } l: : /
　　　　　　　 ｀､|　　/　　　　　 ￣｀¨￣ ／: :／　／:／
　　　　　　　　 ｀、ヽ.　　　　　　　　　／-‐'´∠´: : /　　　　　「いや、そうでもないよ」
　　　　　　　　　 ヽ　｀_　　　　　　　　　　ノ　/　/レ
　　　　　　　　　　 ＼　｀二‐ ､　　　 ,　'　　 '/ノ}
　　　　　　　　　　　　＼　　　　_ -　　　　ィ戈 彳
　　　＿＿_　-‐=＝￣r≧≦二＿-─=彡冖 : : ﾄ､
　 ／ :／: : : : : : : : : : |: : : : : : :|　|￣∧: : : : : : :l: : ヽ
. /: : /: : : : : : : : : : : : :V: : : : : :|　|.,-ﾍ/‐､: : : ／: : : :｀丶
/: : /: : : : : : : : : : : : :/ V : : : : | /⌒)乢⌒:／: : : : : : : : : ＼









　　　　　　　 ,': : : : : : : : : : : : : : :.／: : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : ',
　 　 　 　 　 i: : : : : : : : : : : : : : ,.': : : : : : : :/:.: : :,':.: : :.i: : : : : : : : : :i : : : : : ',
　　　　　　　l: : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : :.:./:.:.:.:. :i:.:. :.:.:l:.:.:.: : : ,':.: : :.l: : :.!: : :.i
.　　　　　　 l: : : : : : : : : : : : : ,': : : : : : :.:./:.:.l:.:i:.:.l:.:.i :./l:.:.:.: : /: : : : l:. : :l :.i: :l
　　　　　　 l: : : : : : : : : : : : : i: : : : : : :.:/ハ:lヽl､:l:.:.:l/　l:.i:./:.ハ:.: :./:.:.i:.:l:. :l: l
.　　　　　　!: : : : : : : : : : : : :.l:: : : : : :.:.,':l　 '"￣ﾘ￣ﾊヽlﾙ'l/　 l: :/ l:.:,':.:l:.:/l:.l
　　　　　　l: : : : : : : : : : : : : l: : : : : : ::ｌ: l. r r─＝=､ヽ　　　　'⌒>:.l/l:.:.l:/ l:,'
.　　　　　 ,': : : : : : : : : : : : ::i::: : : : : :::i: ｌ　ヽヽ::::::ノ_　　　　 /=､/:/l　lﾙ'　,','　　　「……なにかありましたかえ？
　　　　　/: : : : : : : : : : : : :/l:::: : : : :.:::l: l　　　　　　　　　　 l::://ｲ:.l　　　〃
.　　　　/: : : : : : : : : : : : :/::l::::: : : : :i:::l: l　　　　　　　　　 . :ヽ,': :l: l　　／　　　　　差し支えなければ、
　　　 /: : : : : : : : : : : : :/:::::l::::::: : : :.l:::l: l　　　　　　　　　. : : :〉: l l　　　　　　　　　わっちの膝にひとり語るとお思いになって、
.　　 /: : : : : : : : : : : :::/::::::/::ﾊ::::: : : ',::',:l　　　　　　　_.._　／: : :l i　　　　　　　　　胸のうちを吐いておくんなまし」
　　/: : : : : : : : : : : :::/::::::/::/　'::::: : : ヽ-──-　.._　 ゛／i: : : : l:l
.　/: : : : : : : : : : : :::/:::::::/::/＿ >'":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.く:::::::l: : : : li






717 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:19:21.22 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,　-‐…‐ ､_i､
　　　　　　　　　　　　　　iL.. ≦三三三ミ ､:.:.}r￢ｧ､
　　　　　　　　　　　 { ＿_ゝ.:.:.:.:.:._:ノ.:.:.:.:.:.＼_､:.‐ミ､
　　　　　　　 　 　 　 ﾞｰｧ.:／｀7￢.:.:{:､:.:.､__:.ノ.:､:.:.:.:ﾊ
　　　 　 　 　 　 　 　 /.:/./.:/{:.:.:｣≧=ミ､{_:.:i:.:.:.l:.:.:.:.!l
　　　　　　　　　　　　i:.:i:.:{:.:L:.､:.:.ﾄ､F汽メ､个:.:.}__,:.:ﾘ　　　　「ありがとう。
　　　　　　　　　　　　l:.:{:.∧_汽ﾐｰ`　辷厶_ﾉ.:.:厶:.:.:{_,
　　　　　　　　　　　　ゝ乂:ﾍ.弋ﾚ　　 　 　 ￣´_人:._:ア′　　穂露さんの膝はやわらかくていい」
　　　　　　　　　　　　　　　ｰﾍ ヽ _＿___ 　　 「:.ﾄ､:.:〔_,
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ､_ノヽ. `ー ′ ／｣ノ:.:}:V´
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀¨7:{｀ﾄ __.　´　彳:i:.:Lﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　{:.:乂L]　　　_人ﾉ┘










　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::l::::l::l　　 　 　 　 l　　　　！　＼!　!.:.l.:.:.:.:.:./　./.:/ /.:.:./::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.:l.:.:.:.:.:.:::::::l:::l::::l::l　　　　　　　l　　　 　!　　　＼!/l.:.:.:.:/　 /:/ /.:.／l/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ヽ .:. :.:.:.::::::l.:.l.:.:l.:1 　 　 　 　　l　　　　l　　 ﾄ､.　＼:.:./ ／／./／　/
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719 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:20:26.56 ID:fe2vHZoo








　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｝
　　　　　　　　　　　　　 　 / ト､　　　　　 　 ∧　　 　 　 　 　 　 　 　 /
　　　 　 　 　 　 　 　 （（　ｌ　ト ､ヽ 　 （（　 / ,ﾊ　　　　　　　　 　 　 __[_
　　　　　　　　　　　　　　││　'vﾊ 　　／ ./　ﾟ, 　 　 　 　 　 　 ,'⌒┴⌒',
　　　　　　　　　　　 　 　 ｌ. │ 　j斗‐=￢=ん .._〉　　　　　（（　　{　　　　　}
　　　　　　　　 　 　 　 　 l　 | ／　 　 　 　 　 　 ` ､　 　 　 　 　 ヽ.　　　ノ
　　　　　　　　　 　 　 　 ﾉ　 l′,　ｌ 　 　 ト､　､ 、、 ＼　　　　　　　｀￣´
　　　　　　　　　　　　　/ 　 ′│ |　│|│ |_｣ＬLﾊ　 　．
　　　　　 　 　 　 　 　 ′ / 　 仆Tﾌ丁｢ﾘ　!,从从∧ 　 ，
　　　 　 　 　 　 　 　 { 　 i　　 从,rヤ卞.　 　仄Y{　} } } }
　　　 　 　 　 　 　 　 l　　|　　　〈 Ｖ'ﾟY} 　 　 ∨八,刈 jﾉ
.　　　　　　　　 　 /{　ｌ 　 l 　 　 ﾍ.`ｰ'ﾟ　 _　┐ っ从
　　　　　 　 　 /{/　ﾚ |　　、 　　　とつ　|　_ｿ r-仆 ヽ
　　　　　　　,〃 ′ （. | 　 　 、　　 ヾ≧=y-rくト┤ 　 ＼
　　　　　　,ｲ　　　　　ｿ　　　　＼　　 ヾ,ミ辷メj_ノ : ト 、 )
　　　（（　 ｌ　　 /しｨ'/ 　, ,　 　 　>､　　 '．| 　|　〉 i |　 )'′
　　　　 　 |　, "　　｛ 　ｲ ﾊ,　 ／ ／ﾍ, 　} |＿ﾚ'入リ　ﾉ
　　　　 　 ∨　　　　Ｖ＾j/　V⌒Ｖ'ヽﾉハ,ﾉ┴=彡、 `Y´　　　　やる夫が葉隠武士になるようです
.　　　 　 　 ヽ. 　 　 　 　 　 `ｰ'′__/　　 |　　　彡､人
　　　　　　 　 ＼ 　 　 　 　 　 　 /〈　 　 ′　　　　｝ ｝
　　　　　　　　　 `ｰ　 -- -　=ｧｧﾍ八__/　　　　 _,ノ ,ﾉ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　◎′ ∨　`^^'ｰ'＾" _.ィﾟ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 `7^^7^ｰ'^'く_彡、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　辷彡　　　　`ｰ'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈__/







721 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:21:30.74 ID:fe2vHZoo







: : :.i: : : : : : : :1: : : : !: : : : |: : : : : : : }: : i: : ﾄ、: : : } : : :.!: |: :.|: :: :
: : :.|: : : : : : : :i: : : : :|: : : :.:|: : : : : : ,′:.{′.|:＼: : !: : : :|: :|: :1: :}ヽ
: : :.|: : : : : : : :ﾄ.: : : :1: : : : !: : : : : /: : :ﾊ: : ﾄ､: :＼!: : : :| .1 .1: :|
: : :.|: : : : : : : :| }: : : .|: : : : |: : : : ｲ: : / }: : :.′＼::.＼: ｜::|: :}: :1
: :.ハ: : : : : : :.,' |: : : :}: : : :ﾊ: : : /: : /≦: : ′ : : |＼::.＼: ハｲ:｜
./　 |: : : : : : 1 1: : ./|: : :/‐'}: ム: :/　 }: ｨ!: : : : i: : ＞ ､::.ヽ⊥.!_＿
　　ﾊ: : : : : : :}_」: : 'ﾆ! ./二!/ｨ| ｲ≦ｲ}:./ }: : : /: :/: :/: :＞┬┬ ´
.r　　}: : : : : :ﾑ/: :ﾊ-}:.'千丐行 }/}　// /: : : /: /: :/: : //　}: :}
. ｀-ﾆ|: : : .:/ /:.:ハ_/'､竺竺xzｨ .イ// /: : : /: /: :/: : /ｲ　/:./
　　　|: : :./ /.／` _｀_￣￣￣￣´ / ./: : .／:./／/／　 ／´　　　　　「……侍が嫌になったよ」
　　 ,': : / /./　 ｀ ─- ､　　　　　 ／: ／: ／}}ｽ´./
　　,': /　// 　 　 　 　 　 　 　 ／:.:イ: :／//ｲ } /
　 ,':./　 /　　　　　　 　 　 　 ´　／_ィ 　///{ノ/
　//　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /.　///　 /







722 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:22:29.91 ID:fe2vHZoo







私には兄弟がいたんだ。
顔もよくて、剣の腕も立って、非の打ち所もない侍だった。







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{::::::::: ＼／.:.:　　　..:.:.:.／ミヽ.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.　　　:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈＼:::: ／.:.:.　 　 ..:.:.:／‐==-xﾍ.:.:.:.:／三＼　　　:.:ヽ
　　　　　 f⌒ヽ　　　　　　　　　　　　 　 　 _＞'´:.:.:　　 ..:.:.:.:.／＝＝＝＝=z≦三:::=ﾐﾊ　　 :.:.:.:}
　　　, - ､{: : : :' 　　　　　　ー= :.:.:ﾆ二＞'´:.:.　　-‐‥'´:.:∠-‐=ﾆ _　＿＿＿ : : :`＜ミ|　　 .:.:. ﾄ、
　 　 {: : :.ヾ: : : l　　　　　　　 　_＞':"´.:.:.:.:.:　＿_　　 -= ｲ ,ｨ==-ミ　ヽ　　　　｀丶、:.:ヾ|　　:.:.:.:.j:::ヽ
　　　ヽ: : :.:';. : :|　　　　　　　'´.:.:　-=ﾆ二二 ／::::::::::: /:::l {{　,__汽ヾ　　 　 '´￣ ヽ＼:.:j　　:.:.:.:,'.:.__;ゝ
　　　　'. : :. |: :│　　　 　 /::.／ 　 　 　＼／:::::::::::::／/^|　､弋:::ソ　　　　　　z=-ミ　∨　 .:.:.:∧::.＼
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　　￣￣¨７´／::／ : : : : : : : : : : : : : : : : Y : : : : : }ヽ、: : ＼ー― : 〈　　　　　　　　　／　 ／　 ／.＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【宗矩の次男　　柳生左門友矩】






723 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:23:39.14 ID:fe2vHZoo






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　　/ /´--ミヽ. ／ｨ三ヽ　　 ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　// |　　l /´￣　｀｀ ￣´´ ￣ ヽ.　　l　!!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　! :|　　|l　　　　　　　　　　　 　i　　 ! ||
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜|| :|! l! l!　　　　　　　　　　　 　 l | | | ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜|!:l:l/l! | 　￣¨ー､　　　／´￣ ｀!| l!l! !!
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l l!:|:lﾊ! ! ｒ=ｒz ､､　　　　　_,r=ﾐ　 |lﾊ!| ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | . |: 　 ﾄ 仆-´ｨ ﾐ　　 　イイ ﾌ　,.|　 l ||　　　どうした、又十郎。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| : |: 　 | ヽ｀￢ '´　　 　 ｀＝‐　/|　 l !!
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ! :.|:.　: !　　 　 　 　　 |〉　　　/.l:　::l!|!|　　　また私に泣いてわびるか？
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | ::l::　: |ﾄ､　　　　　 　'　　　.ｲ´!:　:l!:||　　　　 　　　　_,,
　　　　　　　　　　　　　　 ／´￣‐ミヽ|:　:: |:_.ﾐi　　　　ニ‐　／/:/l:　:lﾊ|　　　　　,, - '''
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　ヽl:　|: ! ヽ＼＞　_,. イ:::/:/:::l: :/!!　 _,,, - ''　　　　 _,, -
　　　　　　　　　　　　　{ ＿＿＿　　　 l: :|!: !　ヽ,.-‐ ﾆ =‐- ､´＼,,,_,, - '''　　　 _,,, - '''
　　　　　　　　　　　{￣＿　　--―　　　ﾄ:{ﾊ.l／　　 ''　､　＼l l　 ﾍ　　　_,, - ''
　　　　　　　　　　/｀`丶､　　　 　 　 　 　 ／_ ,,,-ﾍ　＼　＼　＼,　ﾍ'- ''
　　　　　　　　 ／￣｀`丶 ｀`_ｭ-,,,,,,, ─'''''''　　　　　ﾍ　＼ノ／　 ｀‐´
　　　　　　 _／＿_,.　-―　 ´　（　　　＿ ,,,, ─ '''',／` ／｀｀
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　 〈　　　　　　　　　　 　 　 　 '､　'､　'､_j
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　　　　　　　　/.::.::.::.::.::７,斗‐.::ｧ .:７.:://{::{::.::.::.::｢:.｢::.::.:ﾄ､: :.:.}:.:.:i　i::. ヽ:.ヽ:}
　　　　　　　　{.::.::.::.::.:/ {::/.::.:/ .::/.:/{lｧ≠㍉::.::.{::.l: ::.:::!: : :!::l:. :.} :}::}.: ::.ﾄ､j､___ノ
　　　　　　　　l::.::.::.,::/　l::.!::./ .:./.〃′,rff㍉ヽ､ﾄ､}､::.::|: .::.}::} ,ｲ.::,:ｲ: :. :.V¨¨¨´
　　　　　　　　{::.::.//　　{::l::.!: ./V　　　{{ｨfﾄｲV㍉､, }::.::}::.://厶}ノ.::}::.::}::.｢´
　　　　　　　メァｲ/　 　 Vﾍﾄ､{　 　 ､__ﾞf竺ｼ_,　 '_ノ_:./.:厶广/.::.::/.::/.::/
　　　　　 ／{　{/.:{　__ 　 ヽ. ヽ.　　　　　￣￣｀　　 ノイL} ﾞV.::.::.ｲ::./／
.　　　 ／　　 Vﾊ／　 }　 / ＼ ヽ　　　　　　　　　　　 ﾏf｣ /.:／{::V´
.　 _／　　　　 ,ｲ弋／、　{　　 }　}　　　　 ＿　　　　　　V7〉'　　ヽ}、　　　　　なんの！！
´ /　　　　　 弋. く ヽ. ＼!　　 {　{､　　／ｰー`､_､_　／ ,/　　　　　　　　　　　まだまだこれからさっ！！
　{　　　　　　　　　 ヽ ヽ. 丶、　ヽ. ＼{　　 　 l:::／　.イ/ 　 ＿＿＿
　　　　　　　　ﾄ､　__ _ヽ ヽ.　 丶、 ヽ. ＼　 　}/ ／ﾞ{ {⌒`´　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　|　}_} }ﾑ　ヽ. ヽ　　 丶､ヽ　＼´／ 　 | | 　　　　　　　　i　　ﾄ、
　　　　　　　 └;　〈 ﾚ′　〉　〉　　　　＞ｰ　}　　　 ｣ |　　　　　　　　,′　} ﾄ､
　　　　　　　 ／,ｲ_ ＼　／／　　　／　　{　/　　 ／/　　　　　　　 /　 　 | | }、
　　　 　　 _ィ／　 　 ／／　　　／　　 　 i/ 　 ／／　　　　　　　　　　　　ヽヽ
　　_　　　　　　　　/　ヘ ー くｲノ　　 　 /　／／　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼






724 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:24:43.48 ID:fe2vHZoo






去年、故郷で死んだことを知らされた。







　　　l/: /:/ : : {__　　　　　　　／｜ |l l: :u: l ｿ: : ﾊ
.　　 ,': /: ' : : : :ﾄ､二＼　 ー'´ｒ ,ｘ|=;||,|: : : lｲ: : : ハ
　　 , : l : l: : : : l: ﾊ==､ヽ　　　〃:l:::::|l ! : : l lu: ﾊlィ二二.ヽ
.　　l: : | : l: : : :,l : ﾊ　　 }　　　　 l　 |l !: : //ｌ / {{　＿　　l l、
.　　| : :lヽ:l: : : lﾍ: : l＼　ゝ　_　__l　 ｌ|'|: :/'　|l{　ﾞｙ'⌒)）. ﾉﾉ 丶
.　　l: | l　',l: : /　ヽ: ､: ＞ _　ー l／|l｜/ 　 l'` 八 くﾆ彡'′ ::::',
　　 l: ﾄ:ｌ　|l : l　　 ヽi､:!､: :ﾄ ＞彳 ﾉﾍl '　　｜ {　.＞‐ゝ-､　 :::::',
.　　 ｌ l 'l　|ｌ: :l､　　　 l:ｌ､ヽl ﾘ　｜ﾒ　 l'　 　 　 ソ　／　 __l__　:::::',
　　　l l 丶|l: :lﾍ __　　ﾘ :＼::..,　乂　　　　　　 {　/　　 ´　 __}_:::::::',
.　　　､l　 ,',: :,　,{｀ヽ　　　::::ｿ /　 　 :､:::::　　　!/　　 　 ／　 ﾊ::::::i
　　　　ヽ/'ｌ / 〈 ヽ　＼　 ::;　　　 　 .::ﾚ′　　｛　　　　　　／　}:::::!,
.　　　　　 ﾉ' 　 ,}　l　　 ;:..:;　　　　　::/ 　 　 　 .　　　　　　　　,'ヽ:
.　　　　　　　　{′′　 ヽ:!　　　　 ..;　 　 　 　 ヽ　　 　 　 .／}＼＼
　　　　　 　 　 }　　　　 .::}!　 　 　 ::{.　　　 　 　 }:.　　　　./:::::l::::::＼＼
　　　　　　　　 l　　　 .:::::{:',　　　　.::;..　　 　 .:／ ::::......:::::/:::::::|::::::::l　＼＼
　　　　　　　　 ヽ　　 　､ｊ:::ゝ:::::::::::::::ゝ::...::::／　　 .:::::::／:::::::::l:::::::::ｌ　　 ￣
　　　　　　　　　 l　　　　ヽ:::::＼::::::::::::＞'´　　 .:::::::／::::::::::::::l::::::::::!
　　　　　　　　　 ヽ　　　　 ＼:::::＞ '´　　　.:::::::::／:::::::::::::::::::l::::::::::l







だが、あれほどの奴が病気で死ぬなんて考えられない。
間違いなく詰腹を切らされたに違いない。







726 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:25:59.13 ID:fe2vHZoo







.　 　 　 　 　 / ／ ／. ／. : : :/:/: :/ : /: : !: : :!: :!: : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　 |/ ／. ／. : : : :/ / : ,′/: : : !: : :!: :!: : : ＼ : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　/. : /. : : : : : :{: :!: :｜:｜: : ｜ : }: :l i: : ﾄ､ ヽ: : : : : : : : : :
　　　 　 　 　 { : : i: : : /:{: : :|: :!: : |: : |: : : :|: :厶孑!:ﾒj: :ヽ: :ヽ、L: : |: : :
　　　　　　　　',: :｜: /: ∧: :ﾄ､|: :｜: :|: : : :!:/　,心l∧!: : /: :|:ーｒ─:r一
　　　　　　　　 ヽ八/: /: : ゝ≠ﾒ､:ﾄ､: ﾄ､: : !代じ歹　,j: / } : }: :rﾍ: : }: :　　　　左門……
　　　　　　　 ､＿ ノ. ｲ: : :i:fi 之小|　ヾ　ヽ|ミ=≠=彡ｲ^７: /: /＾ヽV. : :
　　　　　　　　 ｀¨¨{ ｜: : ﾄl代歹ノ　　 　 　 Y⌒´｀ヾf.厶/／）　 /. : : :　　　　ううう……
　　　　　　　　　 　 ヽﾄ､: : ､_うfハ　　　　　　i!　　　　i!　´　（　 ノ. : : :（
　　　　　　　　　　　　　 1: :|　　_ .　-‐‐-､i!、　　　i!＿__ .∠ :_:_:_:_:_:　　　　さもんんんんん
　　　　　　　　　　　　 _ノ-小、i!　 Vﾙ'´￣｀ヾ、ヾ.　/　 ＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　 厶ﾉo｀ヾ ヽ::::/⌒⌒ヽ　i! |　/　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　＿＿＿　　　　{/i! (ヽ、 }:::{　　　 _j|! i! |　{　 {
ｒ‐ｆ^i⌒'⌒＞､　　　　 ￣￣￣｀oﾟ　ヽV^二二.ノi! i!∧ ∨∧
ゝ`ｰ`ーく　. ⌒ヽ　　　　　　　　　∨∧｀⌒｀　 ／/　 ', ∨∧
　　　　　 ｀ゝく⌒ﾊ　 　 　 　 ﾟ 　 　∨∧ﾟｏ=≦ , '　 　 '. ∨
　　　　　　　　i‐┼}､　　　　 　 　 　 ∨∧　ﾄo､{　　　　i　　
　　　　　 　 　L斗1　二二二二二二厶　ヽﾄ､ヽ ､　　　|　|　|
　　　　　　　　| i | | ﾄ､　　　　　 　 　 　 ヽ.｜ ヾヽ＼　 |　|　|







お家のために働いても、主君のための力になっても、結局はいらなくなったら処分される。
武士ってなんなんだろう？
侍ってなんのためにいるんだろうって……






727 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:27:13.34 ID:fe2vHZoo







: : : : : : : : ｉ: : : : : :: : : : : i: : |: : : : : :,小: : : : : i: : : : : : : : : |:
: : : : : : : : |: : : : : :｜: : : : : }: : }: : : : :/: ﾄ: ヽ､: : |: : : : : : : : : ﾄ､
: : : : : : : : |: : : : : :｜: : : : ,' : /| : : : /: : |:iヽ: :ヽ !: : : : : : : :ｉ:｜
ﾄi: :i: : : : : |ヽ : : : : | : : : /: :/　!: : :/l: : :从: :＼: :＼ : : : : : |:｜
l |:｜: : : :｜ l: : : : :| : : /|: 厶斗: /^1 :,ｲ: : ヽ : ＼: :`ー=≠≠ミ､
l |:｜: : : :｜ |: : : :/!: :/`}/　＿|:/＿|:/｜: : /:｀: : :｀:ｰｧ‐:ｒく: :｢｀
l |:｜: : : : :}斗: : 厶孑=≠fi勹r1￢ﾙ'　,: : /: : : : : : :/ : /　}: :}
N: :|: : : : :/^7: :ｲ{　,{{ ::::: }}｀￣}}　 /　/: :/: : : : : : ,:': : /　/: /
７: :!: : : /　/: / ゝく ｀¨¨´　_ノ′,/　/: :/ : : : : ／|: : /　/／　　　「でもね、本当のことを言うと、
i: : j: : :/　/／　｀￣￣￣ 三三彡' /. :/. : : :／　 j／　/´　　　　　　その答えを見つけるのが怖いんだ」
|: / : /　/´　 　 　 　 　 　 　 　 ／.／. : ィ１}r┐/
|ｲ: :/　　　　　　　 　 　 　 　 ／ィ : : ／ ////iﾉ′
/／　　　　　　 　 　 　 　 　 　 厶ィ 　 ///辷}
´　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 ///　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　 ///　/








729 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:28:34.20 ID:fe2vHZoo







答えを見つけた後、精一杯努力するのが大変なことだとわかっているから、
そのことから避けているんだと思う。










　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ＿_,
　　　　　　　　　　　　　　　 f‐'.:.:.:.:.く
　　　　　　　　　　 _　　-‐::::{:ｲﾄ､:.:.:.:ﾄ、
　　　　　　　　r千､_ 　-‐ ￢`､`lｲk〈`
　　　　　　　く_r｣　　　　　　 ｀T´:::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　}:::､::::::::::＞､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　l:::::｀７⌒ヽ::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　ｒく::::::::{　 　 i::::l
　　　　　　　　　　　　　　 . ヘ､:::::::::l　 　 |::::}
　　　　　　　　　　　　 ／.::::::::::::::＞ｲ　　fｰｲ
　　　　　　　　 　 　 /.:::::::::::..ィ´:｢l::/　　 ｀´
　　　　　　　　　　　 ﾞ¨¨¨¨´　}::::l ﾞ′
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.::::{
　　　　　　　　　　　　　　　/__;;;｣
　　　　　　　　　　　　　 匚ｒ‐┘
　　　　　　　　　　　　　　　三ﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　二
　　　　　　　　　　　　　　 　　￣









731 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:29:46.84 ID:fe2vHZoo








　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :　　　　　 ＼　　､＼
　 　　　　　　　　　　　　 　 -=彡:　 　 , {:　　 . 　 　 　 ヽ　 ＼丶
　　　　　　　　　　　　　　　　/:／:　 . ﾉ !l､＼　: .　　　　　､＿,ヽi
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｌｲ: : . ／　ﾉ'､丶ニ＝‐ .　　ヽ‐ ´　｀.ﾆ＝‐
　　　　 ,　　￣　丶、 　 　 　 l: ／_ イ/l'!ハ: l: .ヽ:　! !: . 　!:l　　 ヽヽ
　　　／ﾆﾆ. ､　　　 ＞ ._　 -≠: :ｌ : ｌ|:l ｒ|＝l∧ : },| | ﾄ､: | l l: .　　lヽi
. 　 /　　　彡'　　／l　　 ヽﾆ.lﾑ: :l | ｌlﾘ ､ (;)ﾍ l//ｿ:l|/=l: l//:l　ゝ ',
　 ∧, ,.　´　　. ｲ　 l　 　 | |　　 ﾄﾄトl｀　 三´彡'ノノｔ;￢!//: :l　 ﾊ`＼
.　ﾊ／.　-‐　 ィ　　|　 　 | |　　 |ヽヽ〉　　 　 ￣「{ ﾐ、彡': :/:l l/　　　　　　　だから、こうやって親を避け、
　{､／ 三三イ: ￢ l　　　| |　　 |ﾚ 〉ｽ　,. ､＿　ﾉ　　ムﾙｌ/:/lム　　　　　　　酒に逃げ、女に隠れているのさ。
　三三　／ /　: /人　　//　　 |／ヘ.ヽ`__一'_ 、＜　′￣ ´　 ヽ
　＿＿_l:　:/:　:└　 _　//　　 / 〉 /｀＞ヽ＜ ／　　 　 　 ＿_ 　 ﾊ
　　　, /　/:　:　:　:　: ｀`''‐-､/ /_/／:::::l ﾚ／,.　ﾆニニニ ￢ |　｛ﾑ
　 　 l/　/:　:　:　:　:　:　:　:　: ∧i´::::::::::ｆ <／／:::::::::::::::::::::::::| l　 ヽ}
　　ｒ/　/:　:／￣:　:　:　:　l:　/　l::::::::::::::＼／::::::::::::::／:::::::::::ゝ＼_ム
　　l'　/:　:/:　:　:　:　:　:　:￣ l　 ､:::::::::::::::::::::::::::::::∠ﾆﾆニ二::`ー､__}_
　　| /:　: l:　:　:　:　:　:　:　:　:l　　ゝ二.＼＿＿／￣＼――――---:L._
　 └―‐ |:　:　:　:　:　:　:　:　|::...　　　, 7ーァ'´　　　　 丶､::::::::;;;:::::::::::::::::＼
　　　　　 |:　:　:　:　:　:　:　:　|　　 ,ｒ彡'　／　　　　　　　　 ｀ヽ､:::::::::::::::::::::::::｀丶､
　　 　 　 |:　:　:　:　:　:　:　:　|　　//　／　　　　　　　　 　 　 　 ヽ､::::::::::::::::::::::::::::＼
　　 ＿_ /:　:　:　:　:　:　:　:　| 　//ｧ'´　　　　　　　　　　　　　　　　丶､::::::::::::::::::::::::::＼__
.　　 　 /　:　:　:　:　:　:　:　: |ｒ彡'｛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀丶､::::::::::::::￣￣｀丶






732 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:30:49.31 ID:fe2vHZoo






　　　　　　　　 |　|　l :::::: |:::::::::| !:::::: |　!　::::|　.| ::::::,/|:::::../|:::::::λ|::::::::::::　　　 !　l
　　　　　　　　 | .|　 l:::::::::ll::::v:|__i::!i::|＿! ::::|　 | :::::ﾄ-|:::::ﾄ-l:∧ﾄ|::|::::::::::::　　　 :::. i
　 　 　 　 　 　 | |　　!::ﾊ:!::!从ﾄｰw-!＝､ 丶　 |ﾊ:/,=从/-!ｰ‐､ |:|::::::::::::　　　::ﾊ: ヽ
　　　　　　　　　| |　　::　::::::::.ヽヽﾍ::::::c:[　　　　　　　t_::::c:::/'"|::|::::::::::::　　　::|　｀ ﾍへ　　　　　「侍がお嫌になったら、
　　　　　　　　　 !|　　　　:::::::::ﾍ　´¨￣　　　　　　　　　￣~　 .|::|::::::::::::　　　::|　　/::r´ヽ_　　　　　お辞めになるおつもりかや？」
　　　　　　　　　　.l　　　　 :::::::::ヽ　///　　 i ::　　　　///　　 |::|::::::::::::　　　::| .／::r'　/　ヽ
　　　　　　　　　　 ヽ　　　　:::::::::ヽ 　 　 　 j ::::.　　　　　　　,イ:|:::::::::::　　　:::|/:::::r'　/　　　i
　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　:::::::ﾍ::へ､　　｀＿＿　　　 ,イ　.|::|::::::::::　　　:::|::::::::!　/　　　　 i
　　　　　　　　　　　／＼　　　 :::::::ﾍ::::ﾍ｀丶､　ｰ　　,イ　_r‐‐|::|:::::::::　　　::/::::::::!　l　 /　　　i
　　　　　　　　　　 /￢"へ　　　　 :::ﾍ::::ﾍ￢-｀ｰ '´-=ｺ<　､.|::::|:::::::　　　:::!::::::::::! /　/　　　　 i
　　　　　　　　　　l　　　　 ＼　　　　　ﾍ::::ﾍ ; ; ; ; ; ; >´ .>　|::H:::::::　　　::/:::::::::{　|　l　　　　　 i









　　　　　　　　　　　　l､　　　　　　, -‐─ー-､　､
　　　　　　　　　　　　ヽ`ｰー---´───--　＼ヽ
　　　　　　　　　 ,..:.':.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.／￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ）
　　　　　　　　／／／ヽ｀ー-‐´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.）:.:.ニ＝-､
　　　　　　　　{! ／:.:.／:.:.了￣／ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.＼
　　　　　＿＿_ノ:.,..':.:　.:.／.:／:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ヽ　　　　　「芸の道に進みたいなぁ。
　　　　　｀`ｰ-／:.:./:.　/.: ./.:./ :./.:.:.:./　.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヽ
　　　　　　 ／/:.:./:.: ./.:. ,':.:./ .:/:./:./ :.:.:.:.:. :.／.:.:. :. :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ`　　　　能とかいいな。
　　　　　　´ /:.:./:.:.:./:.:.:.:.|:/i:.:/:/:./:.: .:.:. :.／:. .:.:./ :.:.:. :.:.:.:.:.:.:i:.|
　　　　　　　l:.:/}:.∠＿／厶|/|:.|:.,':.:.:.:.:.‐=ニ二ノl.:.i:.:.:. :./:.:.:.:.|l:|　　　　好きな芸の稽古にあけくれて、
　　　　　　　|/ |.:.|l:.l 才ﾃｆ-≧l:.|:..!.:.:.:／/／}:.:.ノ|:.:.{:.:.:./:. |.:.:.i ﾘ　　　　周りから賞賛の拍手の嵐……」
　　　　　　　｀　ヽ|l|:.|ゝﾄ-ｲ`ﾐヽヽ:l:.:（=＝ノ≦≠l:.|:.',:.（:.:.:.i.:.:{
　　　　　　　　　 ﾉノ|　｀￣￢´　｀ヽゝィｆ戈テ于ﾐ|ﾉ|::..:.ヽ:.|:i:.ヽ＿
　　　　　　　　　´　｀l　　　　　　,'　　　-K二‐ } 》/　ノ〉:.//ヽ--´
　　　　　　　　　　 ﾉ.!　　　　　/　　　　　 ￣ｰ=ー'／.-‐'
　　　　　　　　　　´ri＼　　 　}　　　　　　　　 ノr'´:/
　　　　　　　　　　　}ヽ ヽ　 t￣｀ヽ　　　　,　':./ヽ:（
　　　　　　　　　　 / ヽヽ ＼　￣｀　 , イ:ノ）ｲ　　 ｀
　　　　　　　　 ／: : : : ヽヽ､｀‐ ' ´　r‐´イ､
　　, - ‐＝ ' ´: : : : : : : : ヽ//＝＝//¨ : : : ＼






733 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:31:58.93 ID:fe2vHZoo






　　　　　　　　　　　　゛'-.,, 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉﾚﾙ'　ﾚ､. .<,　.| :::::::::レ-| ::: ::/.| : :/|　::::
　　　　　　　　　　　　　　　 .　 .!'　　 /ﾚｰ‐‐|/|从ﾉ￣|::ﾊ::ﾉ .|:::ﾉ .| .::::|
　　　　　　　　　　　　　（ ｀゛' ‐-, 　./ ｀::::::::|'　　 i!:　 |:ハ/ :|ﾙ':::::| ::::
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ノ　　　 _+----　._,,.､´:　 ::::::::: :|ﾙ:|
　　　　　　　　　　　　　 　 _,...-'´´::　　　フ,二,ニ,彡''´　　　::: ::　::::/
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　　　　　　　　　　　::::ヽ、 　 　:.:.:.:.::::::::::::::::::::u　　　　　　　　　ノ}
　　　　　　　　　　　　くノ｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}
　　　 　 　 　 　 　 　 （　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 ;:　}
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ./
　　　　　　　　　　　　　　 ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　.　　} ./
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　 | ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　　　　　　　　　　　　　　 | ./
　　　　　　　　　　　　　　 　イ　　　　　　　　　　　　　　　　:| ./
　　　　　　　　　　　　　　 i/ }　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / /
　　　　　　_＿＿、_____ ノ　 ﾍ　　　　　　　　　　　 　 　 　 / /
　　　　 i¨´　　　　　　　　　 } ヽ 、　.　 　 　 　 　 　 　 　 / /
　　　　i"　 　 　 　 　 　 　 /: : : : :"''‐‐-...,__　　　　　　 / /







宗冬の話を最後まで語らせなかったのが、穂露なりの優しさだった。







735 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:33:14.92 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　　　　 / :. :. :. : | :. :. :. || :. :.| |:| :. : || :. :. |.　||| :. :. :| :. :.:.| :. :. : | :. :. :. :. :. |
　　　　　　　　　 / :. :. :. :. :.| :. :. :. | |.==､.,_ | :. || :. : | 　 ||| :. :. || :. :.|| :. :. :.| :. :. :. :. :..:.|
　　　　　　　　　/ :. :. :. :. :. | :. :. :. |'　ｆ´;;;;;;｀｡=., | :. |　　 || | :. :| | :. :| | :. :. | :. :. :. :. :. : |　　　「おしゃべりはここまでじゃ。
　　　　　　　　　| :. :. :. :. :. :| :. :. :. |　 l: : :;;;;; ﾟl　　　　　　　,.=‐'"´~｡lヽ、 | :| :. :. :. :. :. : |
　　　　　　　　　| :. :. :. :. :. :| :. :. :. |　｀ゝ_:_:ﾟノ　　 　 　 　 ' l.: : ;;;;: :ﾟl　　 | :.| :. :. :. :. :. :. |　　　胸の内をさらした後は、
　　　　　　　　　～Zw.,_ :. :.| :. :. :. |　/////////　　 　 l 　ゝ_;;;;ﾟ.ノ　　 l| : | :. :. :. :. :. :. |　　　わっちの中で真っ白になっておくれやす」
　　　　　　　　　: : : : : : ;''～"ｆ￣ Ｙ" Ｙ""l--　　 ﾉ　　ﾉ|　///////　/ _,. +zー :. :. :. :. |
　　　　　　　　　: : : : : :'',,　　 |　　|　　|　 |　 |　　｀,.ノ　ﾉ､＿__,.=-‐';' ´　,. -ミ　:. :. :. :. :.|
　　　　　　　　　: : : : : :''.,,　　 ヽ__|　　|　 |　 |～''"　　,.'´　　　　 ,. '"´,.'"　
　　　　　　　　　: : : : : : : : ;''　　　''ヽ__ll_/ し'ミ,, '　　　　　　　　　　,.' ,"''
　　　　　　　　　: : : : : : :;''　　　　　　　 "　　　　""　　　　　　　,. '",,"　
　　　　　　　　　: : : : : :'';　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　,,'"









　　　 /／: : : /: : : :／,: : : : : : : : ,: : : /: : : : : : : : : : ::｀`ｰ-,‐
　　 ／/: : : :/: : : :/ /: : : : : : : ／__／: : : : : : : : : : : : : ＜
　∠-/: : : :/ : : : / /:/: :､-‐＝￣__ ノ: :|: : : | : : : : : : : : ヽ
　　 /|: : : /: /: :/ /| |: : : :了￣ // /}: 人: : :| : : : : ､: : ＼|
　　//|: :/／|: :/|/　{|: : : :/ |: :/ / ///| : |＼{: : : : : ｀丶、＼
　　l|　|: |: :{ |/冫＝=|: : /___|/-/ノ≠ニ弌: :｀: : : :|_: : : : l`ｰヽ
　　　 ヽ{| ||: : |{ 仁ヽ|: / ￣｀__..-=≠ヽ. 　|: : : : : / |: : : /
　　　　 ｀ヽ＼ ',└┴lヾ 　　 ´_{‐-'::::}　ﾐ　|: : : :ノ } l: : /
　　　　　　　 ｀､|xxx/　　　　　 ￣｀¨￣ ／: :／　／:／
　　　　　　　　 ｀、ヽ.　　　　　ｘｘｘｘｘ ／-‐'´∠´: : /　　　「なにをっ！？」
　　　　　　　　　 ヽ　｀_　　　　　　　　　　ノ　/　/レ
　　　　　　　　　　 ＼　｀二‐ ､　　　 ,　'　　 '/ノ}
　　　　　　　　　　　　＼　　　　_ -　　　　ィ戈 彳
　　　＿＿_　-‐=＝￣r≧≦二＿-─=彡冖 : : ﾄ､







陶器のような指が宗冬の褌の下をまさぐると、たちまち自身が佇立してしまった。







737 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:34:20.15 ID:fe2vHZoo






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　　　 ,' : : /.::,'!::: : : : l: L二._Ⅵ_V｀ヽヽ{ 匕Ⅳ ﾚｲ::/} /　　　「尻の中には、
{￣ ∨: : /.::/::|::: : : : l: |l代ぅ:歹￣`　　弋歹＾ｱ/:ｲ／　　　　性をギンギンにさせるつぼがありんす」
l:::::::├＜.::/:::,'|::: : : : l: | 　 ¨¨＾　　　　　 `¨　,':: : |
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　　 ﾉｒ: /.:/:/: :_:,,:∠ ｲ: : : : : :ｚ‐
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　　 !|k!ｨ'!/,_!|: /_,|ム4k: : :l_: : ｉﾍ
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　 　 ＿ ,,, .. 'ｰｒ‐　"　 ,'/　　　　　　クゥ……
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739 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:35:46.16 ID:fe2vHZoo







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　　　　　　　　　　　 l: :|: : : : : :ﾚ'__ﾞ＿厶二、　　　　　　,,ﾁー＝__ ﾙﾘ: : : : :.|: :.|　　　　「ほら、もう我慢できない……」
　 　 　 　 　 　 　 　 V:!: : : : : :ｷ　てr千っ、｀ 　　　　 ´、し千っjヾｨ: : : : : :|: : |
　　　　　　　　　　　　V!: : : : : :ﾊ ﾞ^ﾟ ~~￣ ゜　　　　　 　 ｀ﾞ ￣ ~ ^/: : : : : : j: : :!
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　l/ ' /. /. : : : : : : : : :ー─‐=ｧ'L｀丶、: : : ＼ : ヽ: ＼　　　　　　　　　 　 l
　　i: l: /: : : : : :､_;_;_;_;_; : -‐: : : : :｀ヽ ＼: : : ハ : ﾄ､: : }､　　　　　　 　　　l
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　　|: |: /. : : : : : : ヽ、: : : :＼: : : : : :ヽ: i　 从リ ､　　　　{、　　　　　　　　l
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ー: : :ｌ: : : : : :ｌ: i: : : :＼: ヽ、ﾞxﾄ､!　ヽﾊ|　　 　 　 　 　 　 ｌ　 ',　　　　　　　}
､:_:_ノ}: : : : : :|: l: : : : ヽ:ヽ､メ{、 　 ＼､　 　 　 　 　 　 　 l 　 '.　　　　 　 ,′　　（もう、どうにでもなっちまえ！）
　＿,ﾉ: : : : : :|: l : : : : : ',: :ﾄVゝ弐互ぅ}冫 　　　　　　　　 l　　 . 　 　 　 ,′
　　 ノ. : : : : :Ⅳ. : : : : : :V｀ ｀ ｰ＝‐ 　　　　　,ｨ 　 　　　｜ 　 l　　　　,′
　 ´ ７. :!: : : :|: : : : : : : : :＼￣￣｀丶. 　　　　{｣ 　,.-‐─┘　　l　　　/
　　 {: : :ﾄ､: : :ﾄ､: : : : : : : :ヽ、: : : : : : :ヽ　 , --'⌒′　　　 　 　l　　/
　　 ヽ: :|　ヽ {　ゝ、: : }: : : : :＼‐‐ﾍ: : :ﾄ｀´　　　　　　　　 　 　 l　　　／
　　　　｀ 　　｀ 　　}: :/. :l､: :ﾄ､: :丶、ヽ:}　　　　　　　 　 　 　 　 l　　/
　　　　　　　　　 ノイ. : / l: j　｀￣´　 ｀　　　　　　　　　　　　　 l　/
　　　　　　　　　　 ﾉ:／　 }/　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 l/
　　　　　　　　　　´ 　　　′　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　 .　-‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾉ ,　 ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／






741 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:36:29.81 ID:fe2vHZoo






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　　　 , '´ ￣￣ ` ､
　　　i　r-ｰ-┬-‐､i　　　　ちなみに、武士階級から町人に身分を下げて成功した人間もいる。
　　　|　|,,＿ 　 ＿,{|
　　　Ｎ| "ﾟ'`　{"ﾟ｀lﾘ　　　　例えば、作家、近松門左衛門。
　　　 ﾄ.i 　.,__''_　 !
　　　　__l＼＿ .ｲ
　　　/ 　|＼Y　 |＼








　　 　 　 　 V　（／　 /　 ヽ　＼　　ヽ　ヽ 　 　}　 }　}　　 　 ＼　＼､＿ﾊﾉ
　　 　 　 　 　 　 （／/ 　 　 ＼　ヽ 　ヽ ｜　 /　/　ﾉ　　　　　ヽ＼)
　┼-H-　_j__j__､､　/ 　　／___,ヽ　}＿ﾉ ,ﾉ,／ ／／　　　　　　＼　　┼-H-　　┼丶
　丁|王|　 {__'_,　　(_／／￣　　　　　　 ´"''＜"´　　　　　 　 ヽ,）　　丁|王|　　Ｏつ
　 _l__　 　┐ ､__　　　/,.､-‐'''"ﾞ`｀￣｀｀｀`''"⌒＼　 　 　 　 ＿）　 　 　―　　 　+,＿
　 ﾉ､八.　（__丿　　　(＿　　 ＿　　　　　　 、　　 ＼　　　　　｀ヽ　 　 ､＿,　　 /|　(_,
　_j__j__　　　　　 　 ／´ -''⌒＼＼ 　 ｀ヽ川,}.}j＿＿ヽ_　　　＿）　　　,ニ､　 　 _l__ ､、
　 {__'_,　　　　　 　 ∠＿　_,r''',.ﾆﾆ､ヾ_ヾ廾Ｔ/／￣｀ヽ.}!　 　 　)　　 　 _丿 　　ﾉ､八
　 ｰ;z‐ 　 ┼丶　　 <‐'''"´|`《　ｎ　＼-'|ﾉ 巛{:{､＿ノ:::ﾘ　　　／-､　　 |　|
　 ､＿）　 Ｏつ　　 ／￣ ..::＼:三::二`.ノ彡'"`ヾ_);;;::::ノ、　　　 ／ﾍ 　 ． ．　 　 　 　 、
　 ー‐､ 　 +,＿　　 (´..:::::::::　　￣￣´　u　　／::/￣　｜ 　 ／　　/／7／ﾍ　/l　ﾄ､ ｜＼
　 　ー'　 /|　(_　　　 乙＿u 　　U 　... .. .. く:::::/ ､､､ヽ|＼._　　　＿__,/ _____V__ | l　ヽ|
　｜｜　 ｜ ー　　 ＜ ／/〃///〃'ﾞ_"_"＿__, -､ヽヾト､_　￣￣　　 ￣`ｰ- 、　||
　 ． ． 　 ﾚ ､__,　　(^／〃/ ／／,￣i＿,i＿,i＿i_,{　ヾ{　　￣`ｰﾆ二..￣`‐-､　＼|
　　　　　　　　　 __＼／ 　 /／一'￣....::::::::::::::::::r' ﾉ ヾ〉、 　 　 　　　 ＼ 　　ヽ　|
,　　　　　 　 　 (＼ ／／　| {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::{ {　ヾﾊ、`ー‐=ﾆ二二 　 　　｜/
７'　　　 　 　 　 _＼l'X／　` ヽ_, -r￢'⌒'⌒'⌒'{. ヾ/、 ｀ー―--､ｰ-､ ｀ヽ　　l/
/ ７ /l　lヽ. |＼ ＼｀＼X//; 　 `ｰ‐'''""´´￣￣｀ ヾ{、＼_　　 　 　 ｀丶＼ 　 /
　//'　| |　ヽ|　 ＼ヽ 　 'ヾ//,　　 　 ‐=ﾆ三三'　 ヾ| ＼､__`ｰ=ﾆﾆ.ｰ-､
__/　／||_/／_ﾉノ　＼　 　｀ヾ;//,　 　 　　、､ 、 ､ヾ} 　 ｀￣`ｰ-､　ヽ　＼
-‐'''""~|´￣￣￣~"'''- .._ 　 　ヾ〃;j i j }:川 川 },!メ、　　　　　　 ）八
　　　　　　　 　 　 　 　　 `丶､　 ｀"''┴'┴'┴'‐''" ﾄ､＼

　　　　　　　　　　　　　【戯作家　　近松門左衛門】


越前の浪人だった門左衛門こと杉森信盛は、２５才で身分を捨てて人形浄瑠璃作家の弟子となる。
のちに「出世景清」「曽根崎心中」「国姓爺合戦」などの大作を手がけている。







744 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:37:38.72 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　　　　　　　, ,. '　　　　_,,,,､､yｯ‐'´
　 　 　 　 　 　　　　,r／, _,､-='"´:::::::K..,,,,,,,＿＿__　 ＿_,,,,.....
　　 　 　　　 ／ ,､ｲｼｰ''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣::::ン'"´
　　　　　　 / ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,､-'"
　 　　　　 ｿ,:'::::,::::::::彡=::::_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`'=ｪｰ　　　_,.
.　　 　 　 il!'::::ｿ::, ｪ=-ﾆ 'ﾞ:::::::::::::::::::::::::::::-ｰﾆ三::::::::::::::::::::`ﾐｪ＜´
　　　　,..=ﾞ::!:::ﾚ:':::::::::::::::::::::::::::::::::::::三ニ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::`=ﾐ云ﾐ'=､､._
　　 ,r'^ﾁ;::::::::ｰ＝ﾆニ　 ﾆ＝=ー-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｫr'''`ﾞﾞﾞ'''ｰ-､
　　　 ﾒｿﾍ､:::::::'::.:.,::::::':::.:,::::::::::'.::.::.,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ､ﾞヾ､
　 　 ｲ!l ! !::ヽ､::::::::::::::::::::`::::::::'::.:.,::::::ヾ､:::::::::::::::::::_::::::::::::::::::ヽﾐｷ=;'''`´
　　 ﾙ'|.l!::l!::::::i:ヽﾐﾆｪｰ- ､､､.._::::::::::ヽ､::＼三ﾆ二_::::::::::::::::::::::::::ヽ=ｰ___　　　ええ、光茂公にはずいぶんと
.　　ｿ .i.:::!::',:',:::､:::::::::;::::::､:::::::::､､::::::::::::::::::::ヽ､::::::::::`:::::::::::::::::ﾆ=二''"´　　　　嫌われましたが、何か？
.　 /　 !:从::'.,:::!ヾ､:::::ヽﾐ ﾆｨ弋;ｯ'y､ヽ::::::::::::::::ヾ:::::::::ヽ:::::::::三天_ ~
　ﾉ　　り !ｌ::::ヾiﾞ代ｯ､-::ヽ` 　､ ノ 　 ﾞi::､::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::ミヽ､
　　　　!'　!':;::ﾊ:;ゝ=‐ 　｀ﾞ`'‐ 　　　　　!:l ﾒ､::::::::::::､,､:ヽ:::::::ヾｯ､ヽ
.　　　ﾉ.　 　ヾ','!ﾘ丶 |　 　 　　　　　　 !i,i:　｀ヾ､:::i 'i ﾞヾﾐ廷=-ヽ
　　　'　　　　 `､ﾞｬ､. ヽ､ ‐　　　　　　　ﾘ'　　　　ﾞﾘ＞・'"　 　 ｀`ヽ､.,
　 　 　 　 　 　 ｀ i! ヽ　＿＿_ 　　　 ／　　　,, -'" 　　　 　 　　　 `ヾヽ,
　　　　　　　　　　!　　ﾞヽ`ﾆ´ 　 　／:: 　 ／´　'""'ｰ-､ﾞ_ヽ､ 　　　　 ｀ヾ､
　　　　　　　　　 　 　　　｀ヽ. __,. '^`'‐=./'´　　　　　　　 `'ｰﾞﾐ､,　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　ﾞ'ヽ､　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 ＼　ヽ,　　 　 ＼

　　　　　　　　　　　　　　【儒学者　　石田一鼎】


あとは石田一鼎。
儒学者。本名は石田宣之。元佐賀藩士。光茂の時に勘気をこうむって山村に幽閉される。
許された後は、身分を捨て、剃髪して一鼎と号する。
儒学者として著作も数多い。のちに山本常朝も一鼎に教えを受けている。







747 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:38:41.19 ID:fe2vHZoo







　　　　　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　/　__, ィ_,-ｧ__,,　,,､　　, ､,,__ -ｧ-=彡ﾍ　 ヽ
　　　　 　 '　「　　　　　　´　{ハi′　　 　　 　 　 }　 l
　　　　　 |　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |
　　 　 　 |　 !　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　 |　　　　　こういう違う世界でも成功する人たちって、
　　　　　 | │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈 　 !　　　　　俺達もどうすれば同じようにできるんだろうな。
　　　　　 |　|/ノ二__‐──ｧ　　 ヽﾆニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
　　　　 /⌒!|　 =彳ｏ｡ﾄ￣ヽ　　　　　'´ !o_ｼ｀ヾ　| i/ ヽ !
　　　　 ! ハ!|　　ー─　'　　i　　!　 　 `' 　 '' " 　 ||ヽ　l |　　　正直、それは本人なりの秘訣でしかないから
　　　　| | /ヽ!　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　 |ヽ i　!　　　俺にはわからない。
　　　　ヽ { 　|　　 　 　 　 　 !　　　　　　　　　　　|ﾉ　 /
　　　　　ヽ　 |　　　　　　　 _ 　 ,､　 　 　 　 　 　 !　, ′
　　　　　　＼ !　　 　 　 　 '-ﾞ　‐ ﾞ　　　　　　　　レ'　　　　　　けど、石田一鼎の次の言葉から
　　　　　　　 ｀!　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　ヒントになるんじゃないかと思うんだ。
　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾞ　￣　 ￣ ｀　　　　 / |
　 　 　 　 　 　 |＼　　　 　 ー ─‐ 　 　 　 , ′ !
　　　　 　 　 　 |　 ＼　　　　　　 　 　 　 ／　　 |
　　　　　　_ -‐┤ ﾞ､　＼ 　 　 　 　 　 ／　 ! l　 |`ｰr─-　 _
　_　-‐ '"　　 / |　 ﾞ､　　 ヽ　＿___　 '´　　 '│　 !　 |　　　　　ﾞ''‐-　､,_







750 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:40:09.31 ID:fe2vHZoo






　　　　　　 , '::::::::〃:::::::::::.i::::::::ヽヽ:ヽ ::::::､::::::::::::::::':::､､,__
　　　　　_ｨ:::::::::〃::::::::::::l!::!:::::::::::＼ヽヽ:::::ヽ:::::::::::::::::::t=ｰ-.
　　　 _ｨｼ='7:::〃::::ｨ''|!i:::!i::,::::::､::::::ヽ::::::':,',､;,:::::::::::::::::::::ﾝｯy､,_
　　´"　　/::::::/:::/,.-ｬj:::l 'i!';::::i＼::::ヽ:::::::',',',i!::::::::::::::f"''''＝=-''
　　　 　,.ｼｨ::::::::ｿ !. (::)ﾘ!　ﾍ',:::l,,､ﾇ;:::ヽ::::::',',',':::::::::::::::',
　　　 〃 ｼi::::::::ｌ 　｀""゛　　` 'ﾘ (:::)ﾔ､:ヽ:::!:','::::::::::::::::',
　　　 '　'　.ｌ::::::::l　 　 　 　 　　ヾ'''''" Y:::::::::::::!::::::::::::::::',　　　　　
　　　　　　i::/ｌ::::!　　　ヽ　、 　 　　　 ｌ:::::::::::::::'::::::::ｯ::::::',　　　　 （聞書１の１８４）
　 　 　 　 l/　!:::'､ 　 ｧ､.　　　　　　　 !:::::::::::::::::ｫ:::::!';::::::',
.　 　 　　 ,!. 　|/ ';､. ヾﾐ.`j 　 　 　 ,イ::ｧ:::::::::::::::i '､::',ﾔ::::､　　　 『石田一鼎いわく、
　　　　　　　　" . ';ヽ　　　　　,､y'´ /ｼ ｌ::::::ヽ:::::ｌ　ヾ;　゛丶
　　　 　　　　　　　'|!`=tｰ:::'"／　 /'　 ﾊ::;::::il!';::!　　　　　　　　 よいことをするとはどういうことか？
.　　 　 　　　　　　　　　'i::: '　　　　　　　ﾘ ｿ ヽ'ﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　!'i　　　j　　 　 　 ~ヽ　　　　　　　　　　一言で言えば、痛みに耐えることです。
　　　　　　　　　　　　　　ﾘ ､　／　 ―ー '''"""f,　　　　　　　　 苦しみをこらえないことは、みんな悪いことですよ』
　　　　　　　　　　　　　 / _冫'''~ 　 　 　 　 　　 ',
　　　　　　　　　　　　／ ´　　 ,､　　　　￣~ ヽ　 'i
　　　　　　　　　　　l!~　　　　/　　　　　 　　　ヽ.　!
　　　　　　　　　　　ｿ. 　　　/　　 ﾝ　　　　　 ､　',　l







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751 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:41:30.25 ID:fe2vHZoo






さて、佐賀からはるばる江戸にやってきたやる夫と杢之助も、吉原の西田屋にいた。






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
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　 　　　／　　 　 　＼　　　　　　　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞ ﾞ ﾞ＼
　　　／　⌒　 　 ⌒　＼　　　　　　　　　　　l " " ", ,ｨ ハﾞ i ﾞ､ ﾞ､ヾ
　 ／ 　　'´｀ﾞ 　 '´｀ﾞ　　＼　　　　　　　　　　| " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N
　 |　 　 　 （__人__）　　　　|　　　 　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ
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　　　　　　　`ー'´　　　　　　　　　　　　　　　j `ｧﾍ　 ──‐:7′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　_／∨　:::＼　￣ 人
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　 　 　 　 　 　 　 　 　 /／／::::::::::一＝ニニ:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::ﾊ 　
　　　　　　　　　 　 　 /::／:::::::::―一＝ﾆニ::::::::::::::::::::､::::ヽ::::::::!::::::| 　
　　　　　　　　　 　 _,/::::::ﾆ二:::::::::::::::::::二二ニ＝::::::::::|:::::::|:::::::|::::八
　　　　　　　　　　/{:;:イ:Ｘ⌒ヾﾆ::::::::::＝ニ二二::::::::|:::::!:::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　 　 　 　 　 /ｨ/ /´　 ＼、　ー====ﾆニ彡ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::＼::::::} 　
　　　　　　　　　{ 厶-――-､}}　　　　　　　 　 ,r=＼::::::::＼:::＼:::::::!:::{ 　
　　 　 　 　 ,．-〃/ ＼、--､ ヽ　　 　 　 　 ／ 　 　 ヾミ､:::＼:::ヽ::|::::} 　
＿＿,．-‐ｧ′/.l{∧　　ヾ弐ぅ　}　　,r==＝'′_,. -――　　ヾ:::::::::::::.::/ 　
　　　　／　,.ｲ　 ｀トヽ._ 　 ￣｀人､〃　 ／´￣￣ ＼　　　　　Y::::::::ハ、
　　.／　　/.:.|　　.ﾊ　 }}￣￣,rテ^ヾﾆﾆ{　　_,. -――'，　　　　}:::::ｲﾆYﾊ--､
-‐'′　 ./.:.:.:|　 /　|__ルx=f´/ 　 ﾉ　　 '､　 ｀ヾ弐ぅｰ;}r===＝ァ'´} {ﾘ|　'.　 ｀ ｰ-
　　 　 ./.:.:.:.:.!　:{/´|￣｀}{　Y´　 Y⌒ヽ　 ＼　　￣￣ﾉ　　　　/ ノ／.:l 　 '.
＿__　 ｆ:.:.:.:.:.:.＼∨　　;;''´｀;廴__ノ-一′　　 ｀￣￣ _,ｘ≠ｘ;ｧ'´／ l:.:.:.!　　 ヽ
/／⌒＞ー､_:.:.:.ヽ;'';''´　 ｀ヾﾆﾆヽ,;:'';,　　　　､_,x=彳ィﾘ　 /‐'´　 /.:.:.:!　　　　＼
　　 （＿,／　 },;:'';;　　 　 ;; `ー‐;;'　 ';,　,;'';, _ノ´　イ　 ｀Y/　　.／.:.:.:.:.|
　　　　　　 ／）　;,,　　　　｀ﾞ;￣};' 　 ｀''´　｀';　 ／―一'´　 ／.:.:.:.:.:.:/j
⌒ ｰ‐;‐ ''´／,, 　 　 　 ;;''"´　,,{;,,　　　 　 ,;''イ　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:./:/
　　／^ｉ／⌒ヾ.　　　　 ｀':;ｰ;;''　｀ 　 　 　 '; /　,．-一 '´.:.:.:.:.:.:.:.／:/
.／　／　　　　 }　　　　,;;'´　';,　 ';;　 　 　 ;/／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:/








目的は、鍋島正茂を一目見るためである。
浪人風情なのに出会ってくれるかどうかは博打だったが、正茂はすんなりと了承した。
ともに名を挙げた浪人であったので、興味をもたれていたようだ。






752 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:42:51.89 ID:fe2vHZoo







招待した身であるので、接待に呼んだ花魁も最高位である太夫を頼んだ。







　　　　　　　　　　　／;;;;r'￣´　　　　　　｀￣ゝ､;;;;;;;;;;ﾊヽ
　　　　　　　　　 ／ソ´　　　　　　　　　　　　　 (ﾍ;;;;;;;ﾊ）ﾊ
　　　　　　　　 /／´　　　　　 /　　 　 　 　 　 　 (ﾍ;;;;;;;|） ﾊ
　　 　 　 　 　 ﾚ'　　 　 　 　 /|　　　ヽヽ　ヽ　　　 （ﾍ;;;;|）　ﾊ
　　　 　 　 　 /　 　 　 / 　 /│　　　 |＿＼|__|＿_　(ﾍ;|））　ﾊ
　　　 　 　 　 l　　　　/ 　l　|　|　　　r'|　　　|　ﾊ　　｀ ((!!)) 　 |
　　　 　 　 　 |　　 　 |　| 」-ﾄ､ﾄ､　　|　　　_x===|　　 }（（ﾄ､ヽ |
　　　 　 　 　 |　　　　レ|´|　|　| ヽ　|　 ｒテ´　　 | /　ハヽ__」〉|
　　　 　 　 ＿| |　　　 | |　|_==ヾ､ ∨　　　 　 　 |/　/　{{￣￣||
　　　　　 〈l￣〉ﾊﾊ ＼＼xﾞ　　　　 , 　　　　　　 /／/ / llヾ〉　|||　　　　　　「ようこそいらっしゃいましたぁ～」
　　　　　　ヾ_'-'∧. ヽ ＼＼　 　 　 _　 ノ 　 　 jﾉ ,ｲ /|　ll |ヾ_　|　　　 /
　　　　　　 /||ゞ´∧　＼_＼ゝ　　　　　　　　　 ／//　|　{{|　 |　|　 　 /;;;
　 　 　 　 /／´||　〉〉､_ ヽ￣ヽ､　　　　　　　　／ｲ‐,,/　 ﾞ|　 |　|∧／;;;;;;
　　　　　//　　 ﾞ　|_|　/＼＼＿|｀　- -､-　＜￣;;;;;/l　　 } /｀│＿;;;;;;;;;;;
　 　 　 /＼ー─-､　/　 /￣/| 　 || 　 |;;;;;;;|;;;;;;;;;;;//|　　 |＿／;;;;;;;;| ;;;;;;;
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＞;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;|　|;;;;;;;;;十､／ヽ-へへへ／￣《/;;;/;;;;;;;/;;;;;;;;;;＜´| ;;;;;;
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／|;;;;;;;;;;;;ﾚ/;;／;;;/　　 ゞ===ﾞ´　　 　《/;;;;;ﾚ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
;;;;;;;／|／ 　 |;;;;∧__{;;;;|;;;;;/）　　　　　　　　　 《/;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／
／/　 　 ／ ヽ/く;;;;;ヽ |;;;;|》 　 　 |/ 　 ／　 《/;;;;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
　 |　　 /　　 /　 ヽ;;;;;;;;;;;;;|》ヽ　　| 　 /　　 《/;;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〈

　　　　　　　　　　　　【西田屋花魁　　銀太夫】







　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　ヽ　　 .＿＿＿_
　|　　　（ ⌒）（⌒）／⌒　　⌒＼　　　　　うっひょーー！でらべっぴんだお！
.　|　　　　 （__人__） .（●） （ ●）＼
　 |　　　　　｀ ⌒ﾉ ⌒（__人__）⌒:::::＼　　　ははは。年がばれるぞ。
.　 ヽ　　　　　 　} . 　　|r┬-|　　　 .　|
　　 .ゝ＿,. 　　ノ＿＿__`ー'´＿＿_.／
　-(＿＿_.)-(＿＿)＿__.)─(＿＿＿)─







754 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:43:54.24 ID:fe2vHZoo






宴はおごそかに始まった。
正茂は、音を聞きながら黙々と酒を口に入れるだけである。







　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　＿＿＿＿＿＿_＿
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　　_ ´::::::::::::::::::::二二ヽ:::::＼__
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　　　　　　　　　　　　　　／::ﾆ:::::::::::::::二二ニニ丶:::::::::::::::::::::::::ヽ 　　
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /／／::::::::::一＝ニニ:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::ﾊ 　
　　　　　　　　　 　 　 /::／:::::::::―一＝ﾆニ::::::::::::::::::::､::::ヽ::::::::!::::::| 　
　　　　　　　　　 　 _,/::::::ﾆ二:::::::::::::::::::二二ニ＝::::::::::|:::::::|:::::::|::::八
　　　　　　　　　　/{:;:イ:Ｘ⌒ヾﾆ::::::::::＝ニ二二::::::::|:::::!:::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　 　 　 　 　 /ｨ/ /´　 ＼、　ー====ﾆニ彡ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::＼::::::} 　
　　　　　　　　　{ 厶-――-､}}　　　　　　　 　 ,r=＼::::::::＼:::＼:::::::!:::{ 　
　　 　 　 　 ,．-〃/ ＼、--､ ヽ　　 　 　 　 ／ 　 　 ヾミ､:::＼:::ヽ::|::::} 　
＿＿,．-‐ｧ′/.l{∧　　ヾ弐ぅ　}　　,r==＝'′_,. -――　　ヾ:::::::::::::.::/ 　
　　　　／　,.ｲ　 ｀トヽ._ 　 ￣｀人､〃　 ／´￣￣ ＼　　　　　Y::::::::ハ、
　　.／　　/.:.|　　.ﾊ　 }}￣￣,rテ^ヾﾆﾆ{　　_,. -――'，　　　　}:::::ｲﾆYﾊ--､
-‐'′　 ./.:.:.:|　 /　|__ルx=f´/ 　 ﾉ　　 '､　 ｀ヾ弐ぅｰ;}r===＝ァ'´} {ﾘ|　'.　 ｀ ｰ-
　　 　 ./.:.:.:.:.!　:{/´|￣｀}{　Y´　 Y⌒ヽ　 ＼　　￣￣ﾉ　　　　/ ノ／.:l 　 '.
＿__　 ｆ:.:.:.:.:.:.＼∨　　;;''´｀;廴__ノ-一′　　 ｀￣￣ _,ｘ≠ｘ;ｧ'´／ l:.:.:.!　　 ヽ
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　　（i :.¨￣　　. ,.,￣¨:ｉ　 ;; `ー‐;;'　 ';,　,;'';, _ノ´　イ　 ｀Y/　　.／.:.:.:.:.|
　　l´ヽ:. .　 ／:ﾍ＼　:i　　｀ﾞ;￣};' 　 ｀''´　｀';　 ／―一'´　 ／.:.:.:.:.:.:/j
⌒ l.　 !..,..<´_｀ﾞｉ､_´〉:i|、''"´　,,{;,,　　　 　 ,;''イ　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:./:/
　　!.／）;:.~',`｀';､'~~~ii|,ｉ｀':;ｰ;;''　｀ 　 　 　 '; /　,．-一 '´.:.:.:.:.:.:.:.／:/
. ／　人:'::'::;:::::::::':;::´ｉ| ｌ,;;'´　';,　 ';;　 　 　 ;/／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:/
（　 /⌒ )::::;::::;::::':;::::::i| f






756 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:45:25.61 ID:fe2vHZoo






　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　 　／　ヽ、　 　_ノ　＼
　　　／ 　 （●） 　（●） 　 ＼
　　　|　 　 　 （__人__） 　　　　|
　　　＼　　 　 ｀ ⌒´　　 　 ／ヽ
　　　　/ 　　　　　　　　　　　　　＼
　　　 （　　ヽγ⌒) 　 　 　 　ヘ 　 ＼
￣￣￣＼＿＿／￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　｛;;;;;;;｝　
　　　　　　　 L;;;;」　








　　　　　　　　＿,. -‐―‐-､)ヽ
　　　　　　　'´,＞ 〃　　　ノ　｀⌒ｰz
　 　 　 　 　／ 〃 　　　　　　　　　　ゝ.
　 　 　 　 〃,／, 〃　　　　　 　_　　　ﾍ
　　　　 　 |〃/ ,〃 〃 ,､,､ ､　,　　　ヾ'|
　　 　　 　　/ /,〃 ,.ヘヽ_,ゝﾍ{ ヾ　ヾ　|
　 　 　 　 　l/ / ,.く　 /＞‐｡ｧ ヽ'ト､ヾ' i
　 　 　　 　 　 |/　　>ヾ￣´　　 |'ト||ヾ |
　　　　　　　 　　 ／　　 　 　 　 |l〃 ヾ|
　　　　　　 　　∠-‐フ 　　＿,　/ ヽ.ヾ'｣
　　 　　　　　　　 　 ｀￣匚, 　 /　　　>'＾ヽ._
　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　 ／　　 　|
　　 　　　　　 　 　 　 　 '―ﾍ　 ／　　　 　人
￣¨.: i　　 　　　　　　　　　／冫′　　　 ／ミﾐ＼
　 　 :i| 　　　　　　　　　　/|　|＼　　　.／ミミミミ
　　　:i|　　 　　　　　　　／|,ヽﾉ! 　＼／
　　　:|







周りもそれにあわせて自然と口数が少なくなる。






759 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:47:45.81 ID:fe2vHZoo






こういう時に、下手に芸でも披露しても、場が盛り上がらない。







　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /ｽヽ、..　 -─…‐| |´￣｀　　､
　　　　　　　　　　　　　　　//.:,｀'´　　　　　　　ヽ＼::::::..　　＼
　　　　　　　　　　　　　　,〈〈::/ 　 ／　　　　　　　＼>.､:::::..　　＼
　　　　　　　　　　　 　 ,.'　.:/　　｜　　.:.:.|　　 　 　 ＼::＼::::::.. 　 ＼
　　　　　　　　　　　　/　.::/ 　 　 ',　　.:.:.:ト _.二ﾆ　　　ヽ‐＼::::::..　　＼
　　　　　　　　　　　/　.:::/　　 　 /＼::::::::|'´ ｘ≧､、:::::::::::Yl|´＼::::::..　　＼　　　　　「えっと、なにか踊りでも……」
　　　　　　　　　　/　.::::: ! :|　　 ィ´￣＼::|　f{､ハ '}ヽ:::::::::[I|Ｊ　V⌒ヽ,､.　 ＼
　　　　　　　　　/　.::::::::::| ,{:.:.:.:.: |ｨにヾ　｀　 ヾツ　 |::＼:::Ll　 　 ＼./　＼ 　 ＼
　　 　 　 　 　 /　.::::::::::/|,' ∨ ::小. ヾり ,　　　　 　 |:::::∧|‐,ｘ　 　 / 　 　 ＼ 　 ＼
　　　　　　　 /　.::::::::::/　 　 ∨:::|∧　　　 ､-､　 　 .|::/　　/　 ヽｒ'´　　 　 　 ＼　　ヽ
.　　　　　　 /　 .::::　:/　 　 　 ＼|:::::ゝ.,..__ ,.ﾆ´　／ |/_　　｀二.￢､ 　 　　 　 　 ヽ　 :.',
　　　　　　/　 .::　　/　　　　　　 ',:::::::/ ﾐ.彡'ニ.´＿__〉 ヽ´　　 ｀ ｧ＞､　　　 　 　 ',　:::i
.　　　　　/　 .:　　 /　　　　　　　 ヽN　 /　　　 ﾏ　　|､　|＼　　//　　＼　　 　 　 |.　::|
　　　　 /　　:　　 /　　　　　　　　 　 　 |　　　　 ',. ､ ﾄﾍ |　 ＼ | |　　　　　　　 　 ハ　|
.　　　 /　　　　　,′　　　　　　 　 　 　 |　　　 ,　,コ. ヽ ＼.　　＼ゝ---┬─┬r'´.:::::. !


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【芸妓　　初音】








　　　　　　　　　　 　 /　 ｆ7.:∠ノ￣　　　　　　　　　　 ＼:::.い
　　　　　　　　　　　 ′ ｆ7:/｣　　　　　　　　　　　　　　　 Ｌ:|｜
　　　　　　　　　　　| l　/:/」　　　　　　　　　　　　　　　　　{|｜
　　　　　　　　　 　 | l　|/　　　　 ハ　　l｜　　　　/ //　'　{| |
　　　　　　 　 　 　 | ｌ　|　| 　 |　｜ |l　 |∥l　　　/ 〃 ｲ　　| |
　　　 　 　 　 　 　 | l/ |　| 　 | |l |￣l ト|ハ|　　/／／/　　 | |
　　 |ｌ　　　　　　　 | l/小 l　　|斗==ミ、 　 ヽ ／ ￣ /ィ/　 | |　　　　　　　「やめておきなさい。
/ｌ　 | l　　　　　　　|//|:| l l　 八　_ノバヽ　　　ィ　卞ﾐ./　/ ﾄ､
　l　 |　l　　　　 　 // l|:| |　ｌ　|　￣´　　　　 　 ヾ=′/／　 |:ﾄヽ
､　l　|　 ｌ　　　　 // l l|:| |　|　|　　　　 　 　 　 　 　 -＜ヽ　|:| |:l　　　　　　場の雰囲気を壊すだけよぉ」
　＼｜　 l　　　 {::{ |　l|:| |　|　ﾄ　　　　　　　'　　 /　Ｙ　|/l　|:| |:|／{　／{
､　　＼ 　 l　}＼ヾﾆニィ｜ |　|_|＼　　 丶_‐　 　レ⌒　ｊ/　ｌ|:| |:| /／　/
　＼＼ ＼ ヽ ＼＼|　|::|｜ |　|::..＼＼　　　 ／ 　 　 ／｜ ||:ﾚ:/　 　 /
　＼　　　 ＼ ＼＼|　ﾚ　|　|/.|::.::.::. ＞｀ Ｔ/　　　 ／l／ |　|ー'　/　/
ニ 二　＿　　ヽ ＞|　|‐┬くｌ:.:|:.::／ィ::７/厶-―fﾞ　 / 　 |　ｌ／ / ∠、
ー―‐　　／ ／...:: |　|::.::|}〉 ｌ｜〈〈::.: // }―－-|＜　　 人 ゝ　　＜
￣＞　／ ／...::.::.:: |　|::.::.ｌ}〉 l |　｀ヾイ＿|　　　├‐'⌒７Tー-､＼{　＼
／　イ　 / .::.::.::.::.:: l　l::.::.::ｌ}〉 l|　 　 〔＿ﾉ＞　〔￣ト-ｲ　|::.::.::.:..＼
　/　 / / .::.::.::.::.::.:: l.｜::.::.::ｌ}〉　　　　＼　ト--ｲ　 |　 |　|::.::.::.::.::.::..＼







761 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:49:35.39 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 　／　　ヽ_　　.＼
　　　　　　　　　　　 （ ●）（ ●）　　｜
　　　　　　　　　　　 （__人__）　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　｜　　　（あれ？そういえば……）
　　　　　　　　　　　　{　　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　{　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　　　　▼／￣　　　　　￣￣）＿＿__
　　　　　　〃(⊥) ´/　　　　/￣￣/ / 　 〃 ⌒i
　 ＿＿＿i /⌒＼./　　　/∧ ∧し' ＿＿|;;;;;;;;;;i









　　 　　　 ／￣￣＼
　　　 　／　 ヽ､_　　＼
　　　 （●）（● ）　　　|
　　　 （__人__）　　　　 |
　 　　（　　　　　 　 　 |　　　　（意外とこの空気も悪くないぞ）
.　　　　{　　　 　 　 　 |
　　　 ⊂ ヽ∩　　 　 く
　　 　 | '､＿ ＼　／　 )
　 　 　|　 |_＼　 “　.／
　　 　 ヽ､ ＿_＼_／







763 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:51:22.25 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　　　 ,　-一 ⌒　ー--　、　　　　　　　　　　
　　　　　　　／　　　　　　　::::::::::::::::::＼　　　　　　　　　　　　　　 _＿＿＿___　　　　
　　　　　　/　　　　　　　　　...:::::::::::::::::ﾍ　　　　　　　　　　　　　,.イ彡ソ彡ソヾ ヽ　　　
　　　　　　|　　　　　:::　　　　:::::::::::::::::::::l　　　　　　　　　　　 ／彡ソ彡ソ彡ソ彡ハ　　
　　　　　 人　　　　　　人　　　　::::::::::::::\　　　　　　　　　　/ノ彡イ彡ノ／）ハ＞ ∧　
　　　　　（ rー------　::::r---------7）　　　　　　　　　 | /　≧ﾐ、 y ,.イ∠＿ヾ |　
　　　　⌒>l l￣￣￣ l lへl l￣￣￣~l ｌイヘ　　　　　　　　 Y( てＯ》>Y--<《Ｏ ﾌ,)'Ｙ　
　　　 （　（ l l＿＿＿l l　::::| l＿＿＿l/::〉:::l　　　　　　　　 ｛{ゝﾐ,─ イ {　}＞─彡ﾉ）｝
　　　　l　ﾍ`/ｰ---- ⊂＿⊃ー----':::ト::/　　　　　　　　　し |＼.　< (　) > J　／し´
　　　　Ｌ |　　 「ー-_へ へ ｰ-一ﾌ）:::::ﾉＵ　　　　　　　　 ⌒∧＼　_彡～ヽ._　/／∧⌒
　　　　　　L　　l ` 、廾廾廾i ,"::/::＼:」　　　　　　　　　　 /　 ＼ヽ ＞⌒＜ / ／　　
　　　　　　 /＼　　:::`ｰ-一":::::::::::::／::|　　　　　　　　　　/　　　 ｀ トー─イ／　　　　
　　　　　　/　　＼　（　　　:::）:::::／:::::::::|　　　　　　　　 /　　　　　/＼　／ヽ　　　 　
　　　　　 人　　　 Lー----一」::::::::::::::人







（この場には色んな意味で名高い人物が勢ぞろいしているんだ。
これはある意味、人間市場かもしれねえな）







　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　＿＿＿＿＿＿_＿
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　　_ ´::::::::::::::::::::二二ヽ:::::＼__
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,. ´::::::::::::::::二二ニ丶::::::::::::::::::::＼ 　　　
　　　　　　　　　　　　　　／::ﾆ:::::::::::::::二二ニニ丶:::::::::::::::::::::::::ヽ 　　
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /／／::::::::::一＝ニニ:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::ﾊ 　　　 （それに、あの涼しく飲む
　　　　　　　　　 　 　 /::／:::::::::―一＝ﾆニ::::::::::::::::::::､::::ヽ::::::::!::::::| 　　　　 正茂様の男っぷりはどうだい？
　　　　　　　　　 　 _,/::::::ﾆ二:::::::::::::::::::二二ニ＝::::::::::|:::::::|:::::::|::::八
　　　　　　　　　　/{:;:イ:Ｘ⌒ヾﾆ::::::::::＝ニ二二::::::::|:::::!:::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　 　 　 　 　 /ｨ/ /´　 ＼、　ー====ﾆニ彡ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::＼::::::} 　　　まさしく絵になる男じゃないか。
　　　　　　　　　{ 厶-――-､}}　　　　　　　 　 ,r=＼::::::::＼:::＼:::::::!:::{ 　
　　 　 　 　 ,．-〃/ ＼、--､ ヽ　　 　 　 　 ／ 　 　 ヾミ､:::＼:::ヽ::|::::} 　　　ここから眺めながらの酒が
＿＿,．-‐ｧ′/.l{∧　　ヾ弐ぅ　}　　,r==＝'′_,. -――　　ヾ:::::::::::::.::/ 　　　旨くてグイグイいけるだろ）
　　　　／　,.ｲ　 ｀トヽ._ 　 ￣｀人､〃　 ／´￣￣ ＼　　　　　Y::::::::ハ、
　　.／　　/.:.|　　.ﾊ　 }}￣￣,rテ^ヾﾆﾆ{　　_,. -――'，　　　　}:::::ｲﾆYﾊ--､
-‐'′　 ./.:.:.:|　 /　|__ルx=f´/ 　 ﾉ　　 '､　 ｀ヾ弐ぅｰ;}r===＝ァ'´} {ﾘ|　'.　 ｀ ｰ-
　　 　 ./.:.:.:.:.!　:{/´|￣｀}{　Y´　 Y⌒ヽ　 ＼　　￣￣ﾉ　　　　/ ノ／.:l 　 '.
＿__　 ｆ:.:.:.:.:.:.＼∨　　;;''´｀;廴__ノ-一′　　 ｀￣￣ _,ｘ≠ｘ;ｧ'´／ l:.:.:.!　　 ヽ
/／+ ＿＿＿＿＿ ＿.　 ｀ヾﾆﾆヽ,;:'';,　　　　､_,x=彳ィﾘ　 /‐'´　 /.:.:.:!　　　　＼
　　（i :.¨￣　　. ,.,￣¨:ｉ　 ;; `ー‐;;'　 ';,　,;'';, _ノ´　イ　 ｀Y/　　.／.:.:.:.:.|
　　l´ヽ:. .　 ／:ﾍ＼　:i　　｀ﾞ;￣};' 　 ｀''´　｀';　 ／―一'´　 ／.:.:.:.:.:.:/j
⌒ l.　 !..,..<´_｀ﾞｉ､_´〉:i|、''"´　,,{;,,　　　 　 ,;''イ　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:./:/
　　!.／）;:.~',`｀';､'~~~ii|,ｉ｀':;ｰ;;''　｀ 　 　 　 '; /　,．-一 '´.:.:.:.:.:.:.:.／:/
. ／　人:'::'::;:::::::::':;::´ｉ| ｌ,;;'´　';,　 ';;　 　 　 ;/／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:/
（　 /⌒ )::::;::::;::::':;::::::i| f






764 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:52:15.24 ID:fe2vHZoo







杢之助からまず切り出した。







／ 　" ,,　"　 "　　ﾞ　 ﾞ　
,イ "　"　　"　 八 ﾞ　ｉ ﾞ　　
/　,ｨ´ "/' ｲ　/::: ヽ　ﾄ、ﾞ　　　　　　　　　大きい手だ。
／/ ｨ' /| /| /:::　, -ヾ､ヽ,　
　l　 l /-ﾚ､ﾚ'　 ´_,　a=＝　　　　　　　　　その手で何人ぶっこわした？」
　! /l,ﾊ＝a=､ 　ヾ`ー　 ´　　　
　'"　　',`ー/ :::　　　　　　　 　
　　　　 ',　/ ;:::: ､　　　 　　
　　　 　 ∨_,　- '　　_,　　::::/;;;;::
　　　　　 丶 ｰ '' "´　　 .:::/;;;;;::´
　　ｒ―､,／丶　 =＝　 .:::/;;;;;::::::
`<´ヽ r‐ヾ-､ ＼ 　　:::／;;;;::::::
.(´ヽ　ゝー)ｒ┤/＼:／::;;;;::::::







　　　　　　　　 ;,
　　　　　　　　.,;'
　　　　　　　.::
　　　　　　,,;;
　　　　　,,;:,:;;:;、
　　　　　＼　　＼　 　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,,-ー-ーー-ー-ー-ー
　　　　　　 ＼:.:... ＼　　　　　　　 　 _,, _,,-ー''""~
　　　　　　　　＼:.:... ＼　　　_,,-ー''',ｰ''　　　　　　'"~~`
　　　　　　　　 　＼.:.::. ＼／ 　,,-''"　　　_,,-''
　　　　　　　　　　　＼.:.:.. ＼／　　 ,,-''"　　　　　　　,　　...........
　　　　　　　　　　　／＼.:.::....>、／　　　　　　　_,,-ー'''"}::::::::::::::::::.............
　　　　　　　　　　/　　／＼;;;;;ノ　　　　.::ヽ,,-''":.:.:..::.:.:.:..};;:::::::::::.......　　　　　　　　ノ
　　　　　　　　　/　／::... 　／.::　　　.:::::／ー-,,＿.::..:.::..:.}ノ　　　　　 .::::::_,,-'ー-''
　　　　　　　　　／:::...　／　　　　　.::／. . : : : 　　 ~"' 'ノ　　　　 ..::::::,,-'.::::
　　　　　　　／　ゝ　／ヽ 　 　 ,,_ ／. . : : : : 　　　　 ／　　　　ヽ .::::/...::::::　　　　　　「４２人。死んだのが１人」
　　　　　　 /　 ノ　/ 　 ノ 　　..:ノ.: : : : :　　　 　　／::.　　 　 　..::/.::::::
　　　　　　（"-'　 （ー''"　　.:／.:::　　　 　　　　／,,r、　　 　..:.／.:::::::::
　　　　　　　"''ー 　"''ー-''~...:::　　　 　　 　 　{ .（　 `ヽ .:.:／.::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　 　　 ヽ .ヽ､_,,ノ.....:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 　 `''ー''







767 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:53:28.74 ID:fe2vHZoo






打てば響くように正茂は応えた。







　　　　　　／￣￣＼
　　　　 ／　　u　　ノ ＼
　　　　 |　　　 .u （ ●） |　　　　　（うん……。数字も正確だ。
.　　　　 |　　　　 　（__人_）
　　　　　|　　　　　 ｀ ⌒ﾉ　　　　　だが、なんちゅう質問をぶつけるんだ）
　　　　　 |　　　　　　 　}
　　　　　 ヽ　u 　　　　 }
　 　　　　 ヽ　　　　　ノ
　　　　　　ノ　　　　　＼







　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼ （ ;;;;(
　 ／　　＿ノ　 ヽ__＼) ;;;;)
／ 　　 （─） 　（─ /;;／
|　 　　 　 （__人__） l;;,´|
./　　　 　 ∩ ノ)━・'／　　　　「きっと、誤解されていたんだお」
(　 ＼　／ ＿ノ´.|　 |
.＼　 " 　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／








　　　　　　　 　 　 　 , ｎ　／￣￣＼ .ｎ
　　　　　 　　　　 .　/ / ｊ.´_ノ　 ヽ、u'l lヽ、
　　　　　 　　　　　/,ｲ /　（○）（○） .ｌ i i i
　　　　　 　 　 　 〈 .ｒ　{u　（__人__）　.i. } } 〉
　　　　　　　　　　', ｉ. 　',　 　｀ ⌒´　/ 　 /
　　　　　　　　　　 .i　 　l.　　　　　　,'　 ./　　　　「えっ！？やる夫まで何を言うんだ？」
　　　　　　　　　.　 ヽ､_.ｲ、.　　　　人　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 　〈_ノ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　.／
　 　 　　　　　　　　　　　|　 　 . 　 |






770 ：1（修正）[saga]：2009/09/22(火) 21:55:41.85 ID:fe2vHZoo






　　　　　　　 ＿＿＿
　 　 　 ／￣　　　／＼
　　　 / 　 　 - ／,- 　|
　　　｜（　（■） ｌｌ （◎ ）
　　　（６ 、_,／ 　, ヽ　 ｜　　　　「フフッ、どうやら、やらさんだけはピンと来ないようだね」
　　　｜ ／ヽ(__(＿ノ)、ノ　
　 　　|,　 （　'ー─一ノ｜
　　 　 ＼λ＿　⌒　,ノ　









　　 .|　　::　　　　　　　　　　　　　　　　 |
__,,__,|__,,____,,____,,____,,___,,____,,____,,____,,___,|____,,___,
====================================/
　.| ヾミ,l _;;-＝=ｪ;､　　 _;;-＝=ｪ;､　ﾋ-彡|
　 〉"l,_l||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)＝f';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||ﾞﾚr-{　
　 | ヽ"::ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i,　 iヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ r';'　} 　ニカッ
　. ﾞN l　::.ヾ====イ;:'　　l　､====/　,l,ﾌ ﾉ 　　　　　　　　「この方はね、男だよ。
　.　|_i"ヽ;:...:::／　ﾞ'''=-='''´｀ヽ.　　／i　l"　
　　　.|　:ﾞl.''(＜Ｔ''Ｔ''Ｔ''Ｔ''Ｔ'Ｔ＞)゛|'",il"|　 　 　　　　　　　しかも、とびっきりの、男の中の男といって良い」
　 　 .{　 ::|　､ ＼工工工工／　,　il 　 |　　
　　 /l　　:|.　ﾞl;:ヽ========ノ ,i'　,l'　　ﾄ､
　／ .|　　 ゝ､ﾞl;:　　　　　　　,,/;;,ノ |　　＼
'"　　 |　　 　　 `'ー--──'"　　 ,|　　　 ＼_







773 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:56:25.38 ID:fe2vHZoo






　　　　　　　 ＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　 　 ＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ＼
　 　 　 　 7 " " ",.",ｨ ﾊﾞ ,ﾞ ﾞ ヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　 　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　 　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　 　 　 （⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　 ｀二⊃ﾉ　
　　　　　　| " ﾞハ　 ー--7′　　 　 　 （( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　 　 　 　 　 ;;　
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　 　 　 　 　 [l、　　　　　「虎っていうのはさ、どうして強いと思う？」
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　 　 ／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　 ）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/








　　 ／￣￣＼
　 /ﾉ　 ヽ､_　　＼
. （ ●）（ ●）　　 |
　|（人__） 　 　 　 |
　 | ⌒ ´　　　 　 |　　　　　「な、なんだよ藪から棒に」
.　 |　　　 　　　　|
.　 ヽ　　　　　　/
　　 ヽ　　　　 /
　　　.>　　　 <






774 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:57:27.34 ID:fe2vHZoo







./:::.:.:.:.::.::::_:∨　{┤　|　､　;　　ﾊ
{:.:::.:.:.:::／::::::∨ ﾍ'､　}:､ }　　;　 |
;:.::.::.:./:::::::::::::::＼ﾊ ヽﾄ､ヾ　 , -┴ ､
;:.:.:::＿.､-‐rッ ￣ ＼ フ´| /＿_:::::::}
　 |:::￣:::::ー─‐　 ´ . :.:.:| |::__.:::}.::/
　 |::::::::::::::.:　 　 　 　 .:.:.:l |::_::V.::/
　 |:::::.::::::::.:　　　　　 .:.:.:.l ﾚ:::Y::/
　 |::.:.:::::::.:　　　　　 . :.:.:.l |__/:/　　　　　「もともと強いからだよ」
　 |::::.::.:.:　　　　　　. :.:.:.ﾊ|__ノ_
　 |:.:::.}　　　　　　. :.:.:.:/ ﾉ/三 ＼
､_ﾉ'"´　　　　 　 . .:.:.:ｲ　/三三三ヽ_
──────'.:.:.::/f| /三三三三 {三≧=　＿＿
＿＿_　　　..:.:.:.:.:／.::{ﾚ三三三三三;三三三三三≧= ､＿
圭三´ . .:.::.:.:.:／.:::::::.l三三三三三三,三三三三三三三三
　　. .:.:.:.:.:.:.／.:::::::::.: :|三三三三三三!三三三三三三三三
　. ..:.:.:.:.:／.::::::::::::. :. :|三三三三三三;三三三三三三三三







778 ：1[saga]：2009/09/22(火) 21:59:02.52 ID:fe2vHZoo







.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
.　　　　　　　　 ＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,,,　＼
　　　　　　 ,,／..:::;,＼_　　　　 __,-' ￣￣｀‐-、_　　　,／,;;:::　　:: |;
　　　　　　 | .::　　::::ヽ＼-‐'￣;;;;;;,,,'''''',,,,;;;;;,,,,..　￣／／::　　::　ﾉ
　　　　 　 ｜　　　　::::ヽ｀ヽ ,,,,;;;;;''''';; ;;;'';;';;;;;;;;;;;;'''';;;　　　　 ::　/
　　　　　　　＼_　　,,;;;; 　,,;;''　　,,,;;;;,　　;;　　　,,;;;,,　　 　 ''';;;; >
　　　　　　　　 〈 ;;　　　彡;''　(;;;,'' j　 ;;　 ;ヽ;' ;　';;)　;巛　　'''〈
　　　　　　　　／ ;;彡　, ;;..＿　　/,;;　''　　 ,,ヽ;;　 ＿,,;;　 ,;; '';;ヽ,
　　　　　　　;/　 ;彡' ;;' ~ヽ,( oヽ,〉''　　　　　/y'( o,）,/~　;;ミ ミ;; |;　　　　「コイツはまさに虎だ。
　　　　　　　;;|　 ;彡 ;;; ミ;　 ー;'ミ|　　　　　 ヾ彡;'´　　;;'　ﾐ 　ミ |;
　　　　　　＿;| 　 ;ﾐ　;:　ﾐ　　　ﾐｿ 　 ..::　::..　　lミ　　,,彡　;;　;;''　|;;.　　　　生まれた時から強いから、
　　　＿,- ',,'' ;;l　;ﾐ,　ヾ 　　'' ;;;l''　　:::.　　　::.　　ヾ　,,;;;;;ソ ﾉ;;　ﾐ|　　　　　かるくはたいたつもりでも
＿,-'jj　;/'' 　,,:jj　ﾍ;:　;;;ミ'';　,''　　;;::　::..:::　:::;;　　:ヽ　　ﾐ　''　ミj;ー、　　　大惨事になってしまう……」
/; ;;/;' j;j''　,,,j;;''彡;;　　ﾐ　　 ,;l , , ｀ヽ;;,＿　,＿,)y　, ,tーニ二;ﾆ_`　|:
.,,//　j''　　;;;''　　ﾒ;二ニ=-j;,; ; ;; ,, lﾐヽ_;｀;_r'' ,,; ;; ; ; 二二ニ;二ー_ |,
/''　　　 jj;;''l　　=,-メ―ニ l;;; ; ; ; . '　ヾ;;/　,, , , ; ; 二;＿ーlニ二＿ |,
　　　　/;;　ヾ''';;;:;;:;;,,.ヾニ=,ｰ、_;_; _'_,／=＼_'_'_＿メ二＿＿lﾆ二＿　;|;
　 ,,;;''　/'　　ヽ　　'';;;;;;;,,,..　_;;;ヾ;;;;'''　'';::'';;;'''　　';;'/;;ー、ソ　　　　 ,;;ミ|,
　;;''　;;''　　 /;;〉　　　　'';;;;;;;,,　``ヽ_　　　　　　　,j,'　　／''　￣　,;;彡'' :|
/''　　　,,;/' /''|;,,　　　　　`l;;;,,　　　`y_ ; ; _; ; '/　　,,;''　　　　彡''　　　|:
　　　　;;'　　;'/``;;;,,,..　　　　ﾍ;;;,,.　　ﾞ '´ ｀´ ''｀,; '' 　　　　,,彡''　　　　|;









　　　　　　　　　,,..､._,ii､ -,,..-'';,i'　　　|;;;;;;;;;;;;;.;v―ｰi;;,,v-ｰ'"　 　 　 　 　 ,,-- 、
　　　　　　　　 ヽ./ 　 ｀ﾞヽ,;;;;__ゝ,, ..,,lﾞ;;;;;;;;;;./ 　　　　　　　　　　 　 _,,iiiﾆｿ一'" : ii、
、　　　　　　　　　　　　 _,,ﾐ/゛　 ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ‐'―― .... r;;;;ッr‐'''''"゛　 .y､_
;ヽ、 　.,ﾉ７　　　　　　　ヽ‐゛ 　 ,r''ﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i‐'"　　　　　　　　 ヽ;.|
'''-､ﾞﾞア'"　　　　 　 　 　 　 {,ﾞ二､,,-､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r‐┘ : :lﾆ;;． 　 　 　 　 ゛
　 ...ｌ′　　 :l";二ﾞ''''┐　　　 　　 ,l´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ-'''''-、　　　　　　　　　　　［'l、
._..．　　　_.　 ´　,〉;;;;;;ﾞ'ｰ､,　 . _,._..ﾐ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;7　　　　　　　　　　　 ｀ﾞ"
;;;lﾞ　　　.ヽ;;￣￣;;;;;;;;;;;;;;;;;.!　.l､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _,,
.､!､　　 .,i┘;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ^'''"　　,|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,..;＞ｰ'ﾞﾞﾞﾞﾞヽ　　　　　　　　　　　　 ﾞ‐'　|.ｌ
..l;;;;ﾞゝy レ;;;;广'L;;_..ｺ　　　　l;;;;ン'ｯ;;;;;;;;;;.,,.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ 　｀''､_;;;;;;;;|　　　　　　　 .,,,　　　　 .　ｌ､;ﾞ￢．
. ﾞ'''''″ .ﾐ､;;;;ﾞ''''l:ﾞ'"　 ` .、　 ｀''" : l.;;;;;;;;;;lﾞ ﾞ'<;,v､;;;;;;;;;;/'　　　 .｀''''"　　　　　　　 !;;ﾞ''┐　　　　.ﾞ'ｰ'"
　　　　,-シ､;;_ﾉ　　 . _,　｀　　　 .tナ‐'￣″ ∥ .｀'―ｰ!lｌt;;． .'　　　　　　　　　　!､;;;丿
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,! .／　　,i";;{_ 　 　　　　　　　　　　　　　　 =!.!.ｌ　　　　　　　　　　　　　　　,i'''；　　　　 .|;;;;ﾞﾞ''''''";;.ｌ､
! 　　　　ﾞL;;;;;ﾞ＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　マ　, ､,,, 　 　 　 　 　 `''".ｨ;;-一'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
..,i￢―''>.ｌ..､/ﾞ　　　　i'ﾞﾞ~ﾞﾞﾞ'-|!!ゝ　　　　　　　　　i'''j　　.!､,,;l,ﾞ,,r‐ｰ､　　　　　　　 ｀''-､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｨ






780 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:01:20.67 ID:fe2vHZoo







　　　　　 .／..:::: 　　　　　　　　　　　 i　　　 ヽ
　　　　　/.:::::::::::. 　　　　　　　　　　 /　　　　 ヽ
　　　　 .i::::::::::::::　　　　　　　　i　　./　　　　　　|、
　　　　 |::::::::::::::　　　　　　　　 i　.人ｪｭ､_　　　　）、　　　 「やらさん、
　　　　丶:::::::::::　　　　　ノ　　 .ﾚ'´ /´:::::　　　　/ ﾍ　　　　
　　　　　i':::::ヽ::　　　''''´　ヽ　.,ｲ　 i::::::　　　　_　 Ｖ.i 　　　三歳のガキでも自分のしたことが善いか悪いか、
　　　┌-ｔ::::::::::::　 .＿＿＿ X　!　/:::　　_,,ｨｸ´　　.i |　　　 ちゃんと知ってるんだ。
　　　 .!ヽ:ヽ:::::/￣´;;;;;;;;;;;;;;;ヽ, ヽ　::::::: fｴｨ'´　　　ﾉﾉ.　　　
　　　　i ヽ |:::::|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:ﾉﾉi　　:::::::::　　　　 ｨヽヽ 　　　自分が罪を犯せば罰をうけることもわかっている。
　　　　 !｀ﾞｲ、::ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／:::ﾍ　　i::_:::　-‐‐く/　ヽﾍ
　　　　 ｀ヽ(ヽ､__｀＞─'''´ ,r　 .ゝ　(. ｀）‐-クi ）:　 i:::ﾍ 　　　それが罰をうけないとなるとどう思うかい？
　　　　　 .i.ヽi-‐'ヽ/ ,:::-‐'´ゝ‐-､_,,ｨ'´＝=ッ' 〉ﾉ ／:::　iﾆヽ
　　　　　 .| ::::i　　 i （ヽ､__,,　-‐=ﾆ''´ ￣// //　!::::　 ./|ヾﾞ＼
　　　　　,,ｲ、:::ヽ、 ヽ＼ ｀ﾞ‐｀''‐--─''´／ / i／i::::　 :::||>メﾐﾉ三
　　　 i'´ﾞ〈::ゝ::::::::｀'ヽヽ::::::..　￣｀　´￣　　　ﾉ:::/:::　　::ﾉﾉ爻》彡
　　ノ´） 《ム、:::::... 　｀｀ヽ、:::..　　　　　　　/:::::!::::　／ミ矢父＜
三タ〈 父メミ｀ヽ::::::::..　　｀'-､.._＿,,．--‐'´ :::/:::.／爻爻ノ.ノミ






781 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:02:14.48 ID:fe2vHZoo






　　　 　 　 　 　　 ,.;:-――一=-､,,,,,,,,,､、
　　　 　 　 　 　 ,.イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀`i,
　　　　　 _.;:-'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノﾉ ﾉ
　　　,. -'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_.ィ<´
　 ,i';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,.;:=-‐''"　,、`i
　 !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::==-'''"ノ　 ;i:;>　!ヽ,il
　 >､_,...='"´　　Xﾉ　､ ;:; '､,,. ;　 ﾉ　ノ,/ l
　/´ `i,　　 , /　/ ,. ;:;、　ゞ,.　 　 ／ , i !、　　　　「儲けたと思うか？
/ ､_ゝ l , ,..;: _.;;´　.....,,,,,__´ ! =,／/,ヘ　.ﾉ　
　ヾ ,ィ i、 ,.;:" 　 ,i;;;;;;;;;;;;;;;;=イ　ﾉ ﾉ ,.ィi"i　　　　　とんでもねェ。
　 `i､ｌ ､へ、　,..;-ヽ;;;;;;;;;;;;;;;丿ﾉ ヽ''"　　 l
　　丿`ｰiﾆて''"ヾ ヽ｀`=--ィ,　　 ﾉ）　, ノ　　　　　馬鹿にされたと信じるんだ」
　ﾉl;;;　　（　 ｀!, /^i ,　／／ '=-､_ ,.) ,i丿　
ﾒ　i、　　`ｰ､_ﾉ　 　,i´ ,.;:-=ニ=‐┐　ﾉ　
　　 ゝ　　　　ヽ、 / .,i´!､__ ヽ_,.;! ﾉ ノiヽ､_
　　 ヽ、　　　 ｀‐(　､｀`ｰ-ニ-‐'"イ　l、　~`ｰ-=､..__
　　　　`i、　　　　`i､_　　　　　 ,.ノ　ﾉ
-''"~~`i、 `ｰ､__　　 丶ー---ﾅ'"_.ィ´








　　　／￣￣＼
　 ／ _ノ　 ヽ､_ ＼
.　|　（ ●）（● ）　|
.　|　　（__人__） 　│
　 | 　　｀⌒ ´　 　|　　　「まさか」
.　 | 　 　 　 　 　 |
.　 ヽ　　 　　　　/
　　 ヽ　 　　　 /
　　　>　 　　 <





782 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:03:43.32 ID:fe2vHZoo






　　　r　　 　..　　　　| 　　　y'
,,,,;;;;/ 　　　　 ヽ,,　　ﾘ 　／,ヽ
　　　 、__.....　　 ''　 　　　-=)}
　　　　''＝=-、　　　 ,-==' )ﾉ
:::... 　　　　 ノ　　　　ヽ...　 < 　　　　「どうやら、やらさんは、
,　_,　　　　　　　 _　 ﾉ　　 　) 　　　　ワルだったことは一度もなかったようだね」
乃　 　　....__／ '(　 'ﾉ'ヽ, イ'
　(ー---'　　　　⌒'''′/ /
　 ＼'ー-<‐==＝=v=ｲ/ｲ￣'ー
　　　ヽ　.ヽ=ニ二ニﾘ/ /＼;;:;;:;
＼,　　 　　'ー――‐'／;;:;;:ヽ;;:;;
''＼~ヽ＿_　　 ⌒　ﾉ|;;:;;:;;:;;:;;:＼
　　＼:.:.:.:.:.⌒フ￣' /|;;:;;:;;:;;:;;:／
　　　 ￣ﾉ<:::::>ヽ／　|;;:;;:;;:;;:;'ー








　　　　　／￣￣Y￣￣＼
　　　 ／　　ヽ,_.　　 ノ　　＼
　　 （●）（● ）　 （ ●）（●）
　　 （__人__）　　　 　（__人__）　　　「うっ」
　　　{｀⌒ ´　　　彡　｀ ⌒´ﾉ
　　　 { 　 　　　　　　　　　 }
　　 　 { 　　　　　彡　　 　}　　　　（なんだよ……俺だけ仲間はずれかよ）
　　　　 ヽ、　　　　/　　 ノ
　　　　　　 .ﾝ　　　 ヽ
　　　　　 ／／　　　 |
　 (⌒二_／ |　　.　　|







そこでやらない夫は戸惑ってしまった。
なんだか自分だけが仲間はずれになった気がして気恥ずかしくなっていく。
やらない夫にとって、家が没落してからは、そんなワルになるゆとりなんてありえなかった。






783 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:05:09.42 ID:fe2vHZoo







　　　　　 .／..:::: 　　　　　　　　　　　 i　　　 ヽ
　　　　　/.:::::::::::. 　　　　　　　　　　 /　　　　 ヽ
　　　　 .i::::::::::::::　　　　　　　　i　　./　　　　　　|、
　　　　 |::::::::::::::　　　　　　　　 i　.人ｪｭ､_　　　　）、
　　　　丶:::::::::::　　　　　ノ　　 .ﾚ'´ /´:::::　　　　/ ﾍ　　　　
　　　　　i':::::ヽ::　　　''''´　ヽ　.,ｲ　 i::::::　　　　_　 Ｖ.i 　　　　「妙な言い方だが、悪にはワルの誇りっつーもんがある。
　　　┌-ｔ::::::::::::　 .＿＿＿ X　!　/:::　　_,,ｨｸ´　　.i |　　　
　　　 .!ヽ:ヽ:::::/￣´;;;;;;;;;;;;;;;ヽ, ヽ　::::::: fｴｨ'´　　　ﾉﾉ.　　　 　　それは罪を正しく罰せられることで誇りを得られるんだ。
　　　　i ヽ |:::::|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:ﾉﾉi　　:::::::::　　　　 ｨヽヽ
　　　　 !｀ﾞｲ、::ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／:::ﾍ　　i::_:::　-‐‐く/　ヽﾍ 　　　　どんなに悪さをしても、罰せられないんじゃ
　　　　 ｀ヽ(ヽ､__｀＞─'''´ ,r　 .ゝ　(. ｀）‐-クi ）:　 i:::ﾍ 　　　誇りはズタズタだよ」
　　　　　 .i.ヽi-‐'ヽ/ ,:::-‐'´ゝ‐-､_,,ｨ'´＝=ッ' 〉ﾉ ／:::　iﾆヽ
　　　　　 .| ::::i　　 i （ヽ､__,,　-‐=ﾆ''´ ￣// //　!::::　 ./|ヾﾞ＼
　　　　　,,ｲ、:::ヽ、 ヽ＼ ｀ﾞ‐｀''‐--─''´／ / i／i::::　 :::||>メﾐﾉ三
　　　 i'´ﾞ〈::ゝ::::::::｀'ヽヽ::::::..　￣｀　´￣　　　ﾉ:::/:::　　::ﾉﾉ爻》彡
　　ノ´） 《ム、:::::... 　｀｀ヽ、:::..　　　　　　　/:::::!::::　／ミ矢父＜
三タ〈 父メミ｀ヽ::::::::..　　｀'-､.._＿,,．--‐'´ :::/:::.／爻爻ノ.ノミ









　　　　　　　　　／.:￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　 ／: : :　　 　 　 　 　　 ＼
　　 　 　　／: : : :　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　 ／: : : : : :　　　　　　　　　　 　 　＼
　　　 / : : : : : : :　.. 　　 　　　　　　 　　　　＼　　　　「きっと、生きてるのもやんなってくるはずだお……」
　　　 |: : : : : :　 ,,,,ノ⌒" '' ``⌒＼,,, 　 　　 　 l
　　　 |: : : ::;;　（　(・) ）　ﾉヽ　（ (・)　）;;:::　　　 |
　　　 |: : : : :　 ´"''"　 　　 　 　"''"´ 　　 　　 l
　　 .　＼ : : : : . .（　　 　 j 　　　 ）　 　　 　／
　　　　　 ＼: : :: : ＞ｰ-‐'=ｰ-ｰ＜　　　 ／
　　　　　／ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ＼
　　　　　: : : : : : : : :｀`ｰ- -‐'"´　　　 　　＼






784 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:06:02.03 ID:fe2vHZoo






.　 ,' ,.イ　　　　l|| 　 / l ll/ l |l/　| ll/　　　ｌ　 | l　　 　 ||l 　 　 |
　／　| lll　 /|　　　/　| /　| /　 | /　　　　ヽl !.ヽﾄ、　　　　　 ||
.　 　 |　　/ :l　lll　/─|/‐-l/、　l/　　 ,. -─ヽ!ｰ` ヽ　|ll　 |ll　|
　　　l ll /　 | r:､ / 　 　 　 　 `　 　 '´　 　 　 　 　 ヽ　 ,r‐､　|
　　　! ./　　|/| |ll|.＝＝＝=｡==　　　　==｡=＝＝＝ |l|ｌ|'-､ l　!
　　　|/　　　　| | |　 ｀　ｰ--‐ '　| :　　　ｰ--‐ ' ´ 　 |　!｀ i | ||　　　　「辛いか……」
　　 　 　 　 　 | | !　 　 　 　 　 ::| :　　　　　　　　　　| .|ヽｌ l　!
　　　　　　　／ｌ |l|　　　　　　　:::| :　　　　　　　　　　|ｌｌ!_ﾉ.,'　!＼
　　　　　 ／　　`ｉ| 　 　 　 　 r_::| :　_，　　　　 　 　 :| |_ノ　,'　　＼　
　　　 _, ｲ 　 　 　 ヽ 　 、　　 　 ｰ'　　　　　　 ,　　　,|,!　ll ,'　　　　ト
-‐' ´ 　.|　　　 　 　 ヽ　 ￣￣￣￣￣￣￣￣　　／:|　　/ 　 　 　 !
　 -‐' ´|　　 　 　 　 |;;ヽ　　 　 ＿＿_　　　　　.／::　:| l /　　 　 　 :|
.　　 　 |　　　　　 　 |;;;;;;;＼　　 ￣￣　　　　／:::　　│/　　　　　　 |
　　 　 |　　　　　　　 !;;::::::::::＼　　　　 　 .／::::　　 　 |/　　 　 　 　 :|
. 　 　 |　　　 　 　 　 l;:::::::::::::::::＼　 　 ／:::::　　 　 　 |　　　　　　 　 |
　　　 |　　　　　　 　 :|:::::::::::::::::::::::`ｰ:'::::::　　　　　　　|　　 　 　 　 　 |








　 　 　 ,. イ彡ソ彡ソヾ ヽ　　　　
　　 　／彡ソ彡ソ彡ソ彡ハ　　　
　　　/ノ彡イ彡ノ／）ハ＞ ∧　　
　　　| /　≧ﾐ、 y ,.イ∠＿ヾ |　　
　 　　Y( てＯ》>Y--<《Ｏ ﾌ,)'Ｙ　　
　　 ｛{ゝﾐ,─ イ {　}＞─彡ﾉ）｝　　　　「ああ……」
　　　し |＼.　< (　) > J　／し´ 　
　 ⌒∧＼　_彡～ヽ._　/／∧⌒
　　 /　 ＼ヽ ＞⌒＜ / ／　　　
　　/　　　 ｀ トー─イ／　　　　　
　 /　　　　　/＼　／ヽ　　　 　 　






786 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:06:51.81 ID:fe2vHZoo






　　　　 　 　 ｀ヽミメ、　. -‐,=‐
　　　 　 . . .-‐‐ミ i!　Y i! 厶イ_＿
　　　∠..., =‐-　i!　 i!　 i!　i!　＜´
　　　 .ィ´ i! 　 i!　i!　i!　i! 　 i!　i! ヽ
.　　, ′i!　i!　i!　i!　i!　i!　 i!　 i!　i!.!
　 /イ i!　i!　i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､　i!　i!　!
　　/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j　
　 /イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |
　　　 ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.|
　　　　　　　i:::::/.::::::、　　 .::::::|Lﾝii|　　　　　　「その時はどうする？」
　　　　 　 　 i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼
　　 　 　 　 　 ､ 　ー　..:::::／;　 ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
　　　　　 . -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; '　　　ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
　　 -‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' 　 　 /;;;;;;;;|;;;;;;;
　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::'　　　　/;;;;;;;;;;;!;;;;;;









　　　　　　　　　　 　 　 　 | :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 :| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |i
　　　　　　　　　　 　 　 　 | :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 :|::;:;:;:;:;:,.　　　 　 　 .,:;:;:;:;:;::|:
　　　　　　　　　　　　 　 :/:::.　　　　 　 　 　 　 　 　 |:
　　　　 　 　 　 　 　 　 :/:　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:
　　　　　　　　　　　　//:　　　　　　　　　　　　　　　 |:
　　　　 　 　 　 　 　//:　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:　　　　　「殴る」
　　　　　　　　　　　:/:　　　　　　　　　　　　　　　 　 |i
　　　　 　 　 　 　 ｉ,':　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ||
　　　　 　 　 　 　 l|:　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:
　　　　 　 　ぎ 　 :|:　　　　　 　 ,::..　　 　 　 　 　 　 |:
　　　　 　 　 ゅ　 :|:　　　　　 ／::.:.:. 　 　 　 　 　 　 |i
　　　　 　 　う 　 i|:　　　　 /￣｀ヽ::.　 　 　 　 　 　 ||
　　　　 　 　 　 　 :|:　 　 　 | 　 .::ノ:::.　　　　　　　　 |:
　　　　 　 　 　 　 :|:　 　 　 | :／　＼　 　 /:　 /:　//:
　　　　 　 　 　 　 :ヽ＿＿_人.＿＿_＿_／:. ／_／´
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ￣￣￣￣







789 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:08:10.38 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　 ／.:￣￣￣￣￣ ＼
　　　　 　 ／: : :　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　 ／: : : :　　　　　　　　　　 　 ＼
　　　／: : : : : :　　　　　　　　　　 　 　 ＼
　 ／　: : : : : : : ___ノ'′　　 ﾞヽ､___　 　 　＼
　 l 　: : : : : :.; '⌒｀　　 　 　 ´⌒ヽ　　　　　l
　 |　　 : : .::;;（｡ｏ〇 ）　　 　 （ 〇o｡）;;:: 　　|　　　　「だったらやる夫を殴れおっ！」
　 l　　 : : : :°oﾟﾟ~'"´　 　 　 ｀"~゜oﾟ;°　　l
　 ＼　: : : : : : ｡;ﾟ（　　　 j　　　 ）　;　｡＋／
　　　＼: : : : : : ::`┬‐'´｀ｰ┬′ +　　／
　　　／ヽ: : : : : : : |/⌒⌒､|　　　　イ＼
　　　: : : : : : :ﾟ: : : ﾟ´￣~:j￣｀　　;　　 　 ＼
　　　: : : : . : : . : : ;　 '"｀`　　　　＋　　　　＼
　: : . : . : . : . : .　　　　　　　　　°
　:　.　:　:　.　:　.　　　　　　　+








　　　　　　　　　 ,／::::::: .....::::::::::.............::::::::::::::::::::::::::....　..::＼`
　　　　　　　　　 /:::::　...:::::　.........:::...........:::::::::::::::::::...　　　 ::::::i
　　　　　　　　　 i::::...　::::::; -''!:::::::::;::::::::;:::::::::/´ヽ::::::.... ..:.　::::l
　　　　　　　　　 ;!::...:／7-＜ノ／´,.r:;"'ﾌ／　　,,＞'"!､::::...:::l`
　　　　　　　　　 ,i::::/　/　　/ﾞヽ,／'´　'",r'´ ／　　 　 !/ﾞl:::ﾉ
　　　　　　　 　 /｀）|　.::.　　　 　 `､　!_/:.　/ :::..　　　 　 ノ!`i
　　　　　　　　 i　>!'　 ::: ,r''"'' ､　　!､,!´　 ,!　 ,:r''''' ､　　 ノ:､.!
　　　　　　　　 ! ヽヽ　　 ':､__○ﾞ;　 ,:l!､ ,:" 　 /○ ,.ノ....　 !､' )
　　　　　　　 　 ヽ`i`ｰ､　　　 ,r''''"´　!　::　 　 ￣　　:::　　! /　　　　　「……いいのか」
　　　　　　　　　　>t　 ＼_,,／　 ,r 　 !　 ;　､　　　　 　 ,r-l'
　　　　　　　　　 /　`i-....,/_ヽ-､ `ｰ.､ 　 ,. .:' ::.....　_,,,,／:::/',
　　　　　　　　　/　　|:l::::::l''i''iヽ ヽ__;:_ﾞｰ':::　　　r‐ii:　|::::::i　 ',
.　　　　　　　　 i　 　 ､l-'::;;!;;l__l　　, ､ ___;;::､ 　 !__l!::"l:／　　i
.　　　　　　　　 l　　　 ヾ::l__l__l;>::,r'<`ｰ-‐''";／_l,,,!:;ツ　 ...　 !
　　　　　　　　 l　　　　　｀!､;;;;l,／ヽ::'"二!`'' `!:::ツ''　:.　　::　 l
　　　　 ,.. -‐‐''ヽ　　　　　　＼;:...::"　　　l!::　 /´ /　 :　　 ::　 l
　　,. ::'"　　　 / i　:::　　　 　 l ﾞヽ-::.､＿,..!- ''　　l　　　　　　 ﾉ､- ､_
-＜　 ::　　 ／　ヽ ::　　　　　 !　|　　　　　　::..　/　　　　　 /i　l　　 ｀ﾞｰ ､







791 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:09:13.92 ID:fe2vHZoo








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　,..-‐-､＿＿　　　　　　　／ ヽ　　　／　 ＼
　　　　　　　/　　　　　　　ヽ　　　　／/ ,.-､ヽ　 '　/,..-､ ヽ
　　　　　　/　 '´｀ー―－イ　 　 ／　 ヽゞ-' ﾉ　　 ヽゞ-'　ﾉ ヽ　　
　　　　 . / .／￣ ＼　　　}　 .／:::::::⌒　ｉ´　 人　 ｀ｉ　⌒::::::::::ヽ
　　　　 /　', -､　　　＼.ノ―､|　　　　　 ｀‐‐'　 ｀--'　　　　　　 |　　　　「そのかわり、やる夫も殴るお」
　 　 . / ／　　 ＼　 　 ヽ 　 l|　　　　　　 |-‐┬‐-|　　 　 　 　 |
　　　/　　　ヽ　　 ＼　 /　　l ＼　　　　　ヽ_＿_／　　　　　　 /
　　./　　　　 入　　 .}‐〈　　 }　__＼　　　　　　　　　　　　　 ／
　 / 　 　 　 <　　_,イ__,-｀ｰ ':.:.:.:.:.:.:.ヽ｀ー―‐.､　　　 .,..-‐‐ﾄ､
　 ＼　　　　　￣ ／|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　 /:.:.:.:.:.:l:.:.＼
　　　｀ー――‐ ' 　 |:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ':.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.ヽ







792 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:10:19.25 ID:fe2vHZoo






二人は部屋の中央で立ち向かいあった。






　　 ＿　　 r'^>/^ゝ　　　　　 r-、　,、　 　　＿　　 r'^>/^ゝ　　　　　r-、　,、
　　|　 `l　/ //　/　　　　 　 /　/ く　ヽ 　　|　 `l　/ //　/　　　　　/　/ く　ヽ
　　'!　　Lニ＿｀''　　「`L_　'ー-'　　`ー'' 　 '!　　Lニ＿｀''　 「`L_　'ー-'　　`ー''
　　 '!　　,、＿＿7　　i　　｀`゛''ー、　 　 　　 '!　　,、＿＿7　 i　　｀`゛''ー、
　　　1　 |　　　　　　 |　 l｀￣｀'' 　　　　　　　1　 | 　 　 　 　 |　 l｀￣｀''
　　　 i＿」 　 　 　 　 'L_」 　　　　　　　　　　 i＿」　　　　　　'L_」

　　　　ノノ~ヽヽ　　
　　　　［`ﾒё´］　
　　　ノ'⌒｀　´⌒ヽ　
　　（　,､　ﾟ　人 ﾟノ'ヽ
.　　( ﾉヽ ミ 仝ミ/>' 〉　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　｀ξ＝＝＝ヽ´　　　　　　　　　　　　　 ／..::::::::::::::..＼
　　　　|￣ |∥￣|　　　　　　　　　　　　　 ／..:::::::::::::::::::::::::.＼
　　　 （ ,　ﾉ（ ､ ﾉ　　　　　　　　　　　　／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼
　　　 |　/　 |　/　　　　　　　　　　　　 | :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
　　 （＿_） （_＿）　　　　　　　　　　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...｀丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ







794 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:11:37.16 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -'"´｀¨ー ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　,,.-'"　　 　　　　　　　,,.-｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 　 　　､＿_,,.-='､':'"　　 ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　 i へ＿__, 　　　"　ﾞ.ﾞ､;;;;::',ﾉ 　　　 ヽ　　　　　「交互に殴り合うお。
.､、　　　　　　　　　　　　./　i ﾞ:;;;;;,:〉　　　　　｀''''''"　　　　　　ヽ
ﾞゝヽ、　　　 　　　　　　 / .　ﾞｰ-''"　　　　　　　ヽ　　　　　　　 i　　　　うらみっこなし。
　ﾍ　'、　　 　　　　　　/　　　 i　　　人　　　　 ノ　　　　　　　　l
　 ,'　卜　　　　　　　　,'　　　　 ' ,_,,ノ　 `─-‐' ヽ　　　　　　　/　　　　順番をきめるお。」
.丿　卜　　　　　　　　i　　　　　　｀､　 _y──‐ l　　　　　　 /"｀
/ 　／　　 ＿＿＿ 　　',　　　　　　　ｉ_/　 / ＿ '　　　　 ／　　_..こ
.／ 　　 ／　_ -<.　ﾞ＼ヽ、　　　　　　￣￣　　　　　　　/　　　　　　,,-‐.. 、
/ 　　／" <　　 ﾞゝ　 ﾞゝﾞヽ､_　　　　　　　　　　　　 　／ 　　 　　_-'''′　 ヽ、
　 _..へ／　　ﾞゝ 　　ゝ _..〉..ゝ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/　　　　 ／　　　　　　 '、
　ｲ　／｀ゝ　　 ＼、_ 」￣`t 、;:.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/￣'￣ア"７' |　　　　　　　　Ｔ
　 ゝ'、　　 ﾞゝ 　 ｀Iﾝ?'`ゝ／1;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/.￣￣'/'' ､/　 ﾍ　　　　　　　│
、 ヽ ﾞヽ、　　 Y ..ハ_ 'ン[ 　 !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:./ ﾉ----rゝ､ ,,'´　　 」 　　　　　　　!
ヽ　 ゝ ｀⊂:〃　 |y＜ `ｘ'、　!′;:;:;:;:;:;:;:;:jﾆ_____'、　 ／　　 ／ゝ　　　　　　 丿
ﾊﾍ、　ｆ' ､____ _r' /1　 ﾞｰ│ │;:;:;:;:;:;:;: /′　／ "／　　　／　│,'　　　　 ﾉ
｀くﾞ'-ｴ__ こ ン'"_│　　 ||　l'、;:;:;:;:;:;:;:ヽ'-､〈....／　　 _／　..／1 　　　　　/１
　　`''ｰ----‐''''"　ゝ、　 | ﾉ 1;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ │　　_..-‐ ,,..‐''´ _　|'...__　　_,,..‐│
　　　卜　　　　　 _ｙ( `ヽｲﾉ　ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:｀ﾞｌ--┴‐''´　 _,,／'''´`ｰ ､ ｀￣´｜







正茂はふところから小判を取り出した。







　　　 　 |￣``|lll|/　　　　　　　`ヽ､`､　　 　　 ／/　　　､'´,､'´´´　　　　　 `|lll／,､､|
　　　　 ,|　／| |l/　　　　　 _,-　　､`ヽ`l　　__/／　　 ,､'´'´＿　　　　　　　　 Y /`l |
　　　　/　 ／l　|　　　 `ヽ､_ヽ､＿ ＼￣`／／　　／／ ／＿,､- ―'´　　　　|/`l　 |
　　　　`l　< <　|　　　　　＼ ヽ､`＞､　 /_/　　　 ￣　　-'＜､､､'／ 　　　　　|フ|　/
　　　　 `l　＼`l|　　　　　　 `ヽ――　//　<￣`>　　　￣`――'´　　　　　　 |／ ノ
　　　　　＼　＼|　　　　　　　　 ―'´//　　 '　　　　　 　￣￣　　　　　　　　 /´／|＼
　　　　　/|＼　 `lヽ､､　　　　　　／／　　　l　　`l　　　　　　　　　　　　　　ノ|/ |　`l ＼　　　「俺は表」
　　　　/ / Г＼|　＼＼ヽ_　 ／／　　,､-､ |　　 ト―､,　　　　　　　　／￣ ｜｜　`l
　／フ　 |　|　　｜　＼　`ヽ,´_＜_　　（　　　　　｜ 　 ）　　　　　　／　　　　|　/　　`l
'´　/　　/　`l　　|　　　￣`// `ヽ､`ヽ､`-ヽ　　　 ,､-'´　　　　　　/　　　　　 |　|　　 `l
　 /　　|　　 ＼　|　　　　,､l |　　　￣`ヽヽ-`―-'´　　　　　　　　｜　　　　　| /　　　｜
　/　　｜　　　＼|　　,､'´　|/　　　　　　ノ￣＼`l― ､　　　　　　　l､　　　 ／/　　　 /
　　　　｜　　　　`l　/　　（|　　　＿―'´_,､-､__`l`l-､_＼＿　　　　 | /　／／　　　　|
　　　　｜　　　　 `ヽ-､`l　　　　　 ￣ヽ 　　　＿∥　￣／　　　　　 |'´／　　　　　 /
　　　　 |　　　　　　　　`ヽ　　　　　　　`―'´￣_￣∥￣　　　　　　/／　　　　　　 |






795 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:12:44.04 ID:fe2vHZoo








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋﾟｯ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 从人＿,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /￣｀ヽ　(
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　 　 .:|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　 　 .:|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／ 　 |　 　 .:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 |　 　 .:|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　 　 .:|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿＿|　 　 .:|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / 　 　 　 .:::ﾉ　 　 .:|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _|　　 ヽ＿ノ.::.　　　.:|
　　　　　　　　　　　　　ノ´:ヽ　　/　　｀V:.　　 .:|
　　　 　 　 　 　 　 　 〈　　 .::＼＿＿／:. 　 　.:|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､　　 　 ｀￣￣｀　　 　.:|
　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　　 　 　 　 　 　.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼ 　 　 　 　 　 　.:|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼_ 　 　 　 　 ..::|






797 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:13:13.97 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　　　　 ,!　　,!　　　　　　　　　　　 ヽ.ヽ
　　　　　　　　　　 ,!　　.!　　　　　　　　　　　　 ヽヽ
　　　　　　　　　　 |　　│　　　　　　　　　　　　　ヽヽ
　　　　　　　　　　│　　.!　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ
　　　 　 　 　 　 　 |　　　!　　　　　　　　　　　　　 　 ｌ.ｌ
　　　 　 　 　 　 　 |　　　.!　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｌｌ
　　　　　　　　　　　l　　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ′
　　　　　 　 　 　 　 ｌ　　　 l　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｌ
　　　　　　　　　　*
　　　　　　　　　／´￣ `ヽ　+
　　　　　　　　　ｌ　i ´￣ヽ .ij
　　　　　　　　　l　.!／／ﾉ ii
　　　　　　　　　 ヽ` ─´ ノ
　　　　　　　　　 ＋￣￣








　　　　　　　　　　　　　　　　,. -─＝ﾆ_ー- ､
　　　　　　　　　　　　　　 ／　ヽ　ヽ. 　 _≧､マ>_
　　　　　　　　 　 　 　 ／　　l ! l !　}ヽ （(._ｨ个､_)）.　 　 　 　 　 　 /!　　　　　 _,. - ｧ　　 ,ｨ
　　　　　　　 　 　 　 / /　　 j l j L.j　 !　　 i |　ヽ ヽ　 　 　 　 　 /ﾘ　　　　／;;／/　 _／/
　　　　　　　　　　　/i　!　　 /ィ´ |/,.ｨ |　　〃|　l ヽ ヽ　　　　　／/　,ｲ　／;;／ル'^ '´-‐ニ７
　　　　　　　 　 　 / | い　 / ﾉ,ィ(ぅﾉ　!　 / ヽ! j　 }　 ﾞ, 　　 ／.;.;/　/.;ﾚ'.;.;／／.;.;.;-─-ニ-'
　　　　　　　　　　i | l　ﾄト､i{　　 ｰ'′/　,1　　 /　/　　.ﾞ, ／.;.;／.;レ'／.;.;.;.;.;.;.;_,..;--─‐‐‐一'ニ=-
　　　　　　　　 　 l ﾊ ヽく,.ｨr,､　 　 ∠ '´ j　　/1/i l　､　ﾞ, .;.;/.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;--──‐‐‐z...　二ﾆ ｰ-　､_
　　　　　　　　　　 ＼ヽヽヽヾ 　_／,. -‐-､.. /-ﾄ/　|　l　 ,.;.;.;.;.;／.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ニ＿二ニ==---｀ヽ
　　　　　 ,. -‐‐‐--‐‐''"ﾒ T ヽ_＞/..::::::::::..＼...i　l　l　ｌ　l ゛.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;＼_
　　 　 ／,. -‐‐‐---‐‐'''" _,. '"_,.ｲ.:::::::::::::::::::..＼:..l:.,,-‐''~）.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;＿,.=- ニー- ､_
　　　/／　　　　　　,. -‐''"_,. '"薔}ヽ::::::::::::::::::;: -‐'"　,. ''"l　l.;.;.;.;.;.;＿,..ニ二._ｰ-=.z─-=ニ￣｀`ｰ　　￣￣
　　 /　　　　　　 ／,. -‐''"　／..:::::ﾞ,::::;: -‐''"　　　／　ｌ　 l　l─弋´　＼`ヽ
　　　　　　　　　/／　　 　 /.::::::::::::／__　○__　　 {　　l　　l　l　　　　　　＼i
　　　　　　　　 /　 　 　 　 !::::_;; -''~　　￣　　　　 ＼　l　 l　 l
　　　　　　　　 l 　 　 　 　 ∨_,, ‐''~7　 ,..┐　 f＼　 ＼　 ｌ　 l
　　　　　　　　　　パスッ 　 ﾞ､::::::::/　 /.::::l　　l　l ＼　 ＼l　 l
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾞ､::/　 /.::::::ｌ　　l　 l　 ＼__,,ｌ　 l　　　　「裏よぉ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､ﾞｰ' .::::::::!　　!　 ｌ　　　　i　　!
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {､ ヾ:::::::::/ﾞ''''"　　j　 l　　 |　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　ゝ`-／　 /　　ﾉ　 j　　ｿ　/
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾉ'''~~フ　　／　／　／　／　/
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798 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:15:54.28 ID:fe2vHZoo






　　　　　　　　　　　　_,....----､,,...,,
　　　　　　　　　.r‐''"彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ
　　　　　　 ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;彡;;;;;;;;;;;;;ミ、＼
　　　　　　ﾉ;;;ノ;;;;;;;ﾉ;;;;;;;;;;;／;;;;;ﾄ;;;;ﾐ;;;;;ミ;;;;;＼
　　　　　/;;;;;;;;;彡／,;;;;;;;彡ﾉ/ 入､ﾐ;;;;;;;;;ミ;;;;ヽ.
　　　　/;;;;;;::-＜彡ノ彡" ノ./´. ＼＼　ﾐ;;;;;;;;;i
　　　 /;;.／　　　｀ヽ､ 　´ /r　i／´｀　｀ ＼;;;;;}
　　　 .り　､≦二ミ、＼ ,ノ´　/ 彡ニミ,ｒ　 ヽ|_　　　　「殴れ」
.　　 ﾉ｀Y　 ＼,,_○ ,i　 ,!{　 ノ　i､○__ノ　　　i ヽ
　　 .|(.i |｀''-.,,..,.￣ ,.,..ﾉ.ﾉ　（　　 ￣　　　　 ﾉヽ|
　　　ヾ iヽ,,　　 ´>.く ,‐､　.ﾉ‐、　　　　　／|ｒ.ｲ
　　,-ﾉiゝi　｀ヽ、ii.　 ｀‐（___）-'　　　　／　く|ﾉ ﾄ--、__
‐'"/::::| .人　　 X　　　,丶し‐、　　　i´!　 ノ　 .|: ＼＼￣"''-､.
´イ:::::ヽ　 ｀ヽ　 ｀　-く-'ﾆﾆヽ＞　　　／´　　/:::::::∧ ＼　　　｀''‐- ､_
./:|:::::::::｀、　 入,,_ 　　＞--く　　　.ノ´　　 ／:::::::::::i::::i　　＼　　　
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i::::i::::::::::::::::::ヽ､._　＼''-､,,,,,..ゞ‐'.／,.r''´::::::::::::::::::/:::::i　　　　　 ＼
ヽ::ヽ,::::::::::::::::::::::~"''‐- :::　　,,.ノｒ''"::::::::::::::::::::::::/:::::/　ヽ　　　 ／'7
. ヽ::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::イ｀''''"ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::/:::::/　　 ヽ　／　 /






800 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:17:02.58 ID:fe2vHZoo








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　　　　　　　　　.r‐''"彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ　　　　.　　　　　　　 / | 　 /|　／|　　　　 _,,.ｒ':/　 ／::|
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　　　　　　ﾉ;;;ノ;;;;;;;ﾉ;;;;;;;;;;;／;;;;;ﾄ;;;;ﾐ;;;;;ミ;;;;;＼　　　　　　 /::::::::i　 |::::! .i::::::i　/::::::::::,,./／:::::::／
　　　　　/;;;;;;;;;彡／,;;;;;;;彡ﾉ/ 入､ﾐ;;;;;;;;;ミ;;;;ヽ..　　　　　 i::::::::::i　 i::::i　i:::::::i/:::;.r''" ／:::::::／
　　　　/;;;;;;::-＜彡ノ彡" ノ./´. ＼＼　ﾐ;;;;;;;;;i .　 　 　 　 i:::::::::i.　i::::i,/i:::::/'"´　.／:::::::／
　　　 /;;.／　　　｀ヽ､ 　´ /r　i／´｀　｀ ＼;;;;;}. 　 　 　 　 i:::::::::i. i:::/::::i:::/　　／:::::::／
　　　 .り　､≦二ミ、＼ ,ノ´　/ 彡ニミ,ｒ　 ヽ|_.　　　 　 　 i:::::::::i i/:::::::i/:| ／::::::::／
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　　,-ﾉiゝi　｀ヽ、ii.　 ｀‐（__ｊ　　　　　 　 　　 　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i::::::::i
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´イ:::::ヽ　 ｀ヽ　 ｀　-く-'/　 ,- ､Y　　　　　　　.　　　　　　　 i:::::::i;
./:|:::::::::｀、　 入,,_ 　　＞'､　　_,.-'　　　　　　　　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i:::::::i;;
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i::::i::::::::::::::::::ヽ､._　＼''-､,,,!　　　　 _,,.. ｧ､＿＿.　　　　　　 　 i/;;
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. ヽ::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::イ｀''''"ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::/:::::/　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;-―‐ ''"´￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣







802 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:18:21.94 ID:fe2vHZoo






　　　　　　　　.. -― ＝-＜/ﾞ>'ヽ
　　　　 rl" !'´　 ´　　　 ｀ヽ! |　　ヽ
　　　　 l !'　　　　 ､　　　　 ＼!　　 ',
　　　　.|'　 l ,!､　　|-- ､ ',　　 l| 　　 l　　ブシュー
　　　　l i　 !,'／.､　!　z=s､::. ,.!.l.　　　|　　　　　　 :∴: :;． ;. .: :｀：: ∵:゛
　　　　|' | ::l' r=.､ ヽ',. !ｲi:::i:::l' i.|　　　 l　　　:゛;∴゛`　;｀: :゛;:`´..;．∴　;．｀:'：
　　　　.l　';::|. !i!:!:i　　 丶-'!:/-=!　　　 |　　 ゛;．゛;．　;　:″:: :゛;. :∵゛　;．　:'-､
　　　　|　 ヽl.i,,,ﾞ‐' '　　　"ﾞ '!l' |::　　　　l`∵:　;`;.:`　　´..;　`　;．゛;．:　::゛;．゛;．
　　　　l　　 ::::ヽ　 ......-. .イ>　"ヽ.　　 ゛;.・:゛∴;．゛;．:　::゛;．″　　:: 　　:゛;∵゛　;
　　 　 |　　 ::::| /´ ! | Ｘ　/l　 01.!　 　∵∴゛;．゛;．::　`；　　　　:;　｀,　　・
　　　 .l　　 :::::l_!　 |　'L/´, | '´￣.i　　　　|
　　　 |　　 ::ﾉ 　｀/ ヽ!／::::l　　　L::.　　　 l　　　きゃああああっ！！！
.　 　 l　　　(/　　|::／::::::::::|::｀iー ':::::.　　　 |
　　　|　　　::ヽ .／:::::::::::::::::ヽ/:/ |::::::::..　　　l
　 　 l　　　 :::| |:::::::::::::::::;;:::／:/ヽl::::::::::..　　　|
　　　|　　　 :::l 丶-‐i　´ |　｀　　 ＼::::::::...　　 l
　　　l　　　　:| /　　 ヽ／　　　　　, >::::::::...　　|
　　　 |　　　 :l/ヽ　　/ ヽ　　,　:'::´::::::＼:::::..　　l







804 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:19:42.62 ID:fe2vHZoo






　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　 ＼
　　　　　　　 ／　　 ─　　 　 ―
　　　　　　／ 　 　　（ ●） 　（●）'　　　　「銀様……」
　　　　　　|　 　 　 　 　（__人__）　 |
　　　　　　＼　 　　 　 　｀ ⌒´　／
　　　　　　／　　　　　　　ー‐　 '







筆を持って銀太夫に向かうと、顔に円を描くしぐさをする。







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ゞ丕ン-　　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, 　 ´/　/￣ ヽ ＼　｀　　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ /　/　 ′　 　 ' 　ヽ　ヽ　＼ __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｲ　′ i　　|　 　 　 |　　ｌ　　ｉ　 Ｋ<＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 厶|　|　　| 　 |　　　　｜　 |　　|　 |　＼ｊ:|、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //ﾚﾉ　|　　', 　 !　 　 　 !　 /　 /|　/　　|l＼丶
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 // |:| |　ヽ 　 ＼ ＼　　 /ｌ ,厶イ 厂ｲ　　 ||i:|　ヽ＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:||　ﾍ ＼　Ｌ　⊥＼ ヽ ′'´才　Tﾏﾘ　 　,' |:|　　 ＼>　　「ほらっ」
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:|| 　 ヽ ヘl斗 ┬　　　　　　　￣` //　 /　|＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:|ﾍ　　 ∨ｰ┴ '´　　　 i　　　　　　/ ／　　|ヽく
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:|　＼ 　 ＼　　 　 　 　 　_ ｨ 　 ／　ﾊ　　 |　　＼　　　　　 ／
　　　　 　 　 ,. -- ､,　 ､　　／　｀ 　 | ＼ 　 ＼　　 　 ｰ ´　ﾉ　 　 ., ′| 　 |　　 　 ＼ 　 ／/
　　　　,.―＜,__　　 　 ヽ／ ＼　　　 ｌ　　｀　ー一 　 　 ｀　　 　 ／　　|　　l 　 　 　 　 >' / /／
　　　/　　　　　　　　　　ヽ.　ヾ＼　 ｜　 　 |　　｀ 　 .,_　 ＿ ／|　　　l 　 ,′　　　 ／　/／ ∠
　　__|　　　　　 　 　 　 　 .}.＼_〉:.:＞ﾍ　　　 ｌ　　　　 〉'´::.::.::.:｀:.|　 　 l　 / 　 　 ／　　　　／￣
　/　ヽ,　　　　　　　／　 {:＼　／／::.:ヽ　 　 l､＿＿/::.::.::∧::.::.ﾍ、　/　/　　 ／　　＿　-―::::::::
　{　　　 Ｙ----‐┬´　 　 、／／::.::.::.::.::.＼　 ∨::/>|::.::.:/　 ',::.::.:/>/／＿∠ ―＜::::::::::::::::::::::::::
/'、　　　ヽ　　　　|ー´ 　　ヽ, :.::.::.::.::.::.::.::.::.:＼ ＼＼＼/　　 !::.:/>/ﾍ〉,::.::.::.::.::.::.:＼＼::::::::::::::::::::
{　　ヽ　　ヽ　　　 ｌヽ_!´　　　ヽ..‐- ､＼::.::.::./::.:>､ ＼__　＿_└'／　　 {|::.::.l::.::.::.::.::.::ヽ ヽ:::::::::::::::
',　　 ヽ　　ヽ　　　 ,／　　　　　}:.::.::.::.::.::.::./::.:〈￣Ｌト ＼|　├/￣l_,.、 {|::.::.|l::.::.::.::.::.::.::丶...ｰ ､:::::
　ヽ　　ヽ　　、,__./　　　　　 ／ :.::.::.::.::.::./::.::〔 ＼　|　　ｨr乞ﾍ.　 ′ﾑヘ!::.:|l::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:＞＼
　　＼　 ヽ__／,' 　　　＿ ／:.::.::.::.::.::.::.:/::.::.::.:冫 　 〃 弋乏ゾヾ　ｲ:.:.:.く::.::|l::.::.::.::.::.:／, -―￢ /








806 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:20:40.61 ID:fe2vHZoo







やる夫の指図どおり、顔の真ん中に墨で丸を描いてやった。







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　　　　　　　　　　　 ／　■■■■■■■■■■／　　＼
　　　　　　　　　　／■■　　　　＼ :::::::::::::::::::::::: ／■　　　＼
　　　　　　　　 ／■　　　　 ＿　　＼:::::::::::::::::／　　　■■　　＼
　　　　　　　／ ■　　／ ／::::::＼＼::::;;;;;;;;;;;;;;;;;::::／／:::::＼＼■　＼
　　　　　 ／　■　　　|　 |:::::::::::::::|　| ::::;;;;;;;;;;;;;::::｜ |::::::::::::::|　|■　　 ＼
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　　 ／　　　.■　￣￣＼￣ ／　　　::｜::　　　＼　￣／￣￣■..　　　　　＼
　 / 　 　 　 　■::::　　　　　|　　　　　 |　　　　　 |　　　　　　 ■:::::　　　　　 ヽ
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　ヽ　　　　　　　　　　　　　　■　 　　　　　　■■　　　　　　　　　　　　　　/
　　 ＼　　　　　　　　　　　 　　■■■■■■　　　　　　　 　　　　　　　／
　　　　＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／









　　　　　　＿　ノ￣￣｀ヽ、―ニ 二
　　　 　／　／　´｀ヽ _　 三,:三ー二
　　　／　ノヽ--/￣ ,　　　 ｀￣￣￣
　 ／　　}　　...|　 /!
　|　　　_}｀ー‐し'ゝL
　＼　　_,:ﾍｒ--‐‐'´}　　　 ;ー------
　／　　ノ｀ヾ:::-‐'ーｒ‐'"＝＝-







正茂は、その円の中心を正確に打ち抜いた。








808 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:22:18.53 ID:fe2vHZoo








　　　　　　　　　　　　＞′´　　　　＼::::::::＞､＿＿__
　　　　　　　　　　／ 　 　　　l ヽ　　　￣ //小 ＼Ｙ/
　 　 　 　 　 　 . '　/ 　　　　 |　｜ﾄ　 |　 ＼'｣ﾄ ＼＼＿_
　 　 　　　 　 /　　ｌ　　　　 　|　∥| } _|　　　ｌ ＼＿ヽ_ ＼＼
　 　 　 　 　/　　　|　　　｜　|　イ厂|,ハ !　 |　ﾞ, ￣＼＼ ヽ.ヽ
　　　　　　 ′ |　ｉ |ヽ 　 ｜／/ /,.斗:‐刋　｜　|　　　￣ 　ﾚ′
　　　　　　|　　|　|｜_＼　|!　/ 〃ヽソ ' /　/　　| 　　　　＼　　　　　　　「本当、男って馬鹿ねぇ」
　 　 　　　|｜　ゝ ＼　-＼∨ 　 　 　　/　ｲ　　 ﾄ 　 　　＼ ＼
　　　　　　| ﾄ　　＼ｨﾍ ソ　　　　　　　／　| 　 　| ＼ 　 　　＼ ゛ー
　　＼___　､ ＼＼ヽ￣´　　ヽ　__,. 　 　　　| 　 　|＼ ＼
＿＿ ＼＼|＼ ＼ ￣二　　　'´´　　　　　 | 　 　|　 ＼　＞-...　　　 ＿
::::::::::::::::::＼,　――‐∠ヽ＿ 　 　 　 　 ／ |　　 ∧__＞'´::.::.::.::.::`＜::::::::::::
::::::::::::::_／　　　―ｯ厂　 　､＼ｰ- 　＜::.::/ 　 /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.＼:::::::
:::::::∧/　　 ／ 　/ 　　ｌ　ｌ　ﾄ　）//「＼::V　　/::.:,′::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＼:
::::::′冫 ／ 　　 | _｣ 　|　|　|∠〈〈仆:::::ﾏ　／.::./::.::.::.::.::.::.::.::.::＿＿＿::.::.
:::::|　ハ _　　,―┴ぐ_ノ-ｲ‐'::.::/ﾌ┘|::|/ /´::.::./::.::.::　　-―――-
:::/　　 7 Ｙ´　　　 |__ 　了::.::.//z_r‐ﾚ'／.::.:::./ ﾚ'´::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:
〈| 　　/ 　＼　-―{_　￣|_::.::ﾚ燈}彡ｲ::.::.::.::./ /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:







812 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:24:11.39 ID:fe2vHZoo







騒ぎは西田屋中に響きわたった。
その喧騒を聞きつけて、他の野次馬とともに宗冬もやってくる。







　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,､.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..　/⌒i
　　　　　　　　/´〉,､　　　,l |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,..､　.|　 / ,..-､
　　l､￣￣了〈_ノ<_/　　 ,!　L.-ヾ=,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l 　 l　| /´ l,､_ノ
　　　二ｺ ,|　　　　　_,.-'´　 _, - '_´　　　 ,､　　　　　　　　　　　　　　　|　 i'　'´_,,、　　　　　　　　　　/´〉,､　　　 　　/７
　　/＿＿」　　　　　_,.- '´|　L-'´ _)　　.〈 .|　　,.-､　　　　　　　　　　　|　 し''´　」 　　　　l､￣￣了〈_ノ<_/　　　　 / /
　　'´　　　　　　　　　,.-'´　 ,.-'"　　　 _,,」 .｀'´　　 〉　　　　　　　　　　|　 ,,.-''´　　　　　　　二ｺ ,|　　　　　　　　 /_/
　　　　　　　　 　 　 ｛,.- '´| |　　　　　 l､_,.. ､　「Zノ　　　　 　　　　　　|　.|　　　　　　　　 /＿＿」　　　　　　　 ∠ゝ
　　　　　　　　　　 　 　 　 |,i　　　　　　　　　ﾞl_,〉　　　　　　　　　　　　l､_ﾉ


　　 { : {: : : : :/ . : }: / : i: : : ﾄ､: : : :ヽ: : :}: : : :}:l: : : :ヽ: ＼{
　　 l: : l: : : /. : : /:厶 : l: : : ﾄ､: :l､: : :i: : l、: /: l: : : : : ﾄ､: :ヽ､_,
　　 ヽｲ : : i: : : :イ　_｣: :L､: :{　乂i: : :l: : l｣:/く:八: : : : }: :l: ｢´
　　　　} : : l: : : :i:i7´ ,ｨ行ﾄ㍉! 　ﾘ: :/}:,ｨ行ﾄ､㍉ ﾄ､: :ｲ: ﾊ/
. 　 　 ﾉ : : ﾄ､: : |:k　 {rk必}′　　}ノ　代k必} ′}:,i/ l/
　ｰ､´ . : ノ{　＼ﾄl､ーﾞ＝‐´　 　　i　 　 ｀＝'一 ノｲ}
　　 ｀￣}ハﾄ､　L　　　　　　　　　|　　　　　　　 } /　　　　　「なんだ、これは……。
　　　　　　 ヽ: ヽ､}　u　　　　　　 }　　　　 　　 ﾊl
　　　　　　 　 ｀ ｰﾄ､　　　　　　　 ′　　　　　/　　　　　　　　この人たちは、いったい何をしてるんだ？」
　　　　　　　　　　}: :ﾄ､　　　　,i二二) 　 　 .ｲ{
　　　　　　 　　 ノｲハ:l 丶、 　 -‐　 　 ／{: ﾄl､
　　　　　　　　　　　 ゝ}　　 ｀　 . 　　／ 　 ﾄ;l
　　　　　　　　　　　 {二二,｢ 二二二¨¨｢.二｣
　　　　　　　　　　　 |　 ,ｲ |　|　　　　|　|ﾄ､　l
　　　　　　　　　　　 kイlハ!　!　　 　 |　ﾄ､lﾊｊ







815 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:26:16.03 ID:fe2vHZoo






　　　r　　 　..　　　　| 　　　y' 　　　　　
,,,,;;;;/ 　　　　 ヽ,,　　ﾘ 　／,ヽ 　　　　　　　　　　　　┌ｰ┐ ┌ ┐┌┐
　　　 、__.....　　 ''　 　　　-=)} 　　　　　　　＿＿＿＿|　　|＿|　 |　|　 |
　　　　''＝=-、　　　 ,-==' )ﾉ 　　　　　　　|＿＿__＿_　　 ＿ 　 |　|　 |
:::... 　　　　 ノ　　　　ヽ...　 < 　　　　　　　　　　　　　 | 　 |　 |＿|　|＿|　　 ┌┐┌┐
,　_,　　　　　　　 _　 ﾉ　　 　) 　　　　　　　　 ／`ｰ--､| 　 |　　　　　　　　　 |　 | | 　|
乃　 　　....__／ '(　 'ﾉ'ヽ, イ' 　　　　　　　 ／ ／￣`l　　 /　　　 ＿＿＿＿ |＿| |＿|
　(ー---'　　　　⌒'''′/ / 　　　　　　　　＼ ＼＿/　　 ヽ　　　|＿＿__＿_|
　 ＼'ー-<‐==＝=v=ｲ/ｲ￣'ー　　　　　　　 `ｰ―--‐'ｌ　 |
　　　ヽ　.ヽ=ニ二ニﾘ/ /＼;;:;;:;　　　　　　　　　　　　 /　/　　 ┌ｰ┐＿＿　　
＼,　　 　　'ー――‐'／;;:;;:ヽ;;:;;　　　　　　　　　　　　/　/　　　 |＿＿__＿_|
''＼~ヽ＿_　　 ⌒　ﾉ|;;:;;:;;:;;:;;:＼
　　＼:.:.:.:.:.⌒フ￣' /|;;:;;:;;:;;:;;:／　　　　「フフフ、すげえだろ」
　　　 ￣ﾉ<:::::>ヽ／　|;;:;;:;;:;;:;'









　　　　/　 ／l　|　　　 `ヽ､_ヽ､＿ ＼￣`／／　　／／ ／＿,､- ―'´　　　　|/`l　 |
　　　　`l　< <　|　　　　　＼ ヽ､`＞､　 /_/　　　 ￣　　-'＜､､､'／ 　　　　　|フ|　/　　　　「こんな大馬鹿野郎めったにいないぜ」
　　　　 `l　＼`l|　　　　　　 `ヽ――　//　<￣`>　　　￣`――'´　　　　　　 |／ ノ
　　　　　＼　＼|　　　　　　　　 ―'´//　 '　　　　　 　￣￣　　　　　　　　 /´／|＼
　　　　　/|＼　 `lヽ､､　　　　　　／／　　l　　`l　　　　　　　　　　　　　　ノ|/ |　`l ＼　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　/ / Г＼|　＼＼ヽ_　 ／／　　,､-､ |　　 ト―､,　　　　　　　　／￣ ｜｜　`l　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　 ＼
　／フ　 |　|　　｜　＼　`ヽ,´_＜_　　（　　　　　｜ 　 ）　※※※／　　　　|　/　　`l　　　　　　　　　　　 ／　ヽ　 ､:　: ,　 / 　 ＼
'´　/　　/　`l　　|　　　￣`// `ヽ､`ヽ､`-ヽ　　　 ,､-'´　　　※※/　　　　　 |　|　　 `l　　　　　　　　　 ／　　　 ゝ_ﾉ: : :ゝノ:::::::　　＼
　 /　　|　　 ＼　|　　　　,､l |　　　￣`ヽヽ┃`―-'´┃　　　　　　｜　　　　　| /　　　｜　　　　　　　／　 　 ( ○　):.♯.:.( ○　)::::♯ ヽ
　/　　｜　　　＼|　　,､'´　|/　　　　　　ノ￣＼`l― ､　　　　　　　l､　　　 ／/　　　 /　　　　　　　　|　　　　　 /　♯!♯　　ヽ:::::::　 　 |
　　　　｜　　　　`l　/　　（|　　　＿―'´_,､-､__`l`l-､_＼＿　　　　 | /　／／　　　　|　　　　　　　　 |　　　　　 ゝ _ノ ゝ _ノ　　　 l j　　|
　　　　｜　　　　 `ヽ-､`l　　　　 ┃￣ヽ 　　　＿∥　￣／　　　　　 |'´／　　　　　 /　　　　　　　　＼　　　　 |!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!|　　　※ ／
　　　　 |　　　　　　　　`ヽ　　　　┃　　`―'´￣_￣∥￣　　　　　　/／　　　　　　 |　　　　　　　　　／　　　　 l!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!|　　　　　 ＼
　　　　 ト､　　　　　　　　`､ 　　　┃　　　 -'´￣￣　＼　　　　　／　　　　　　　　/　　　　　　　　/　　　　　　 ー――‐ '　　　　　　　ヽ
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818 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:27:25.83 ID:fe2vHZoo







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　 ∠/:.:./:.:.:/:/:.:.:._ ｪｭ':‐:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＜
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　 〃!:/ｲ:./:ﾚ_ !:.:.:/|:./ /_/Lｌヽ!:.:.:..:.:.＼:.＼
　 !　ｌﾊl|:':.l{ｨ‐ﾐ!:./　'_´,ｚ= 、 ｀i.:.:.:.:/l:.:.:「 ｀
　　　`　ヾ:l└'-l'　　　{-':::}_ﾐ　!:.:／ｌ !.:/　　　「だ、だからって、あんなに痛い思いをして、
　　　　　 ヾ.　､' 　 　 ￣¨｀ , '／, -':,:'´　　　　なんの得があるっていうんです？」
　　　　　　 ヽ　` 　　　　 　´ ﾉ / ﾙ'
　　　　　　　 ＼ ｀ﾆ ・　 ,　'　　'/ﾉ|
　　 ＿_, -=＝Tｒ≧-≦_--=彡': : ﾄ.、
　／:／: : : : : : :i: : : : |　|ﾆ∧: : : /: : ヽ
./: :/:: : : : : : : :ハ : : :| ,=､乢‐.／: : : : : ＼








　　, -―ｧ- ､
　/　　 /　　 ヽ
　l　_,ｲ/　,ﾍ､ｷl
　l t;;;;ﾉ　ｨoァ l） 　　　　「旦那、お侍さんっていうのはね、なにを商う方だとお思いです？」
　ゝ'´(､し_)　 イ
　ヾヽく三フﾉノ
　　｀ `ｰ-‐'"






820 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:29:10.11 ID:fe2vHZoo






　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ　,-ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　{:!/ /__ ,--- ､　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　／￣ : : : : : : : : : : : ｀ーｲノ!
　　　　　　　　　　　,イ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :<´
　　　　　　　　　 ﾄ‐‐': : : : : : : : : : : : ￣｀ヽ､＿＿, :}
　　　 　 　 　　　｀‐/: :､: : : ,: : : :（: :ヽ : : ヽ､__ ,イ: :｀ﾆ=‐
　　　　　　　　　ﾄ-' ﾉ: :ヽニ_ノ: : : ヽ､ヽ ヽ: :`､ l: :ヽ: l
　　　　　　　　　｀-ｲ ‐=ﾆ＿7 l l: :|:.∥ヽ ヽ ヽ } ヽヽ:.}　　　　「商うだなんて、そんな……。
　　　　　　　　　　　|: :（（: :/|/| |: :!:.∥:.|: :l 仆:|:.ヽヽ.,'
　　　　　　　　　　　ヽ:.lヽ {≧ﾐ',l 人 i| /} ﾉ≦ﾑ: : :ﾄ､}
　　　　　　　　　　　　｀{',ヽｆﾋrｲﾌヽ　ｿ 'ｲ辷升ﾊ,ノ　'　　　　　いや、僕にはわからない……」
　　　　　　　　　　　　 _ゝヽ ￣ 　 　 ,　　 ￣ /-<
　　　　　　　　　　　　　ﾉｲﾚヽ　 　　 '　　　, 'ｿ￣
　　　　　　　　　　　　 _ -´}:.:..ヽ､　´¨　 .イ l＼
　　　　　　　　　_ -‐ ´: : /:.:.艸.||:｀. ‐.´||l:.:.:.｀ヽ _
　　　　_　-─'´: : : : : : : : : : 丱.||::.::.::.::.:{{卅: : : : : : : : ￣ ｀ー--､
　　　 l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ||: ::.::.:.: }}: : : : : : : : : : : : : : : : : : !
　　　 |: :ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : ||: : : : : : : : : : : : : : : : :/: l








　　　　　　　 ＿＿＿
　 　 　 ／￣　　　／＼
　　　 / 　 　 - ／,- 　|
　　　｜（　（■） ｌｌ （◎ ）　　　「あっしにはね、お侍さんは、
　　　（６ 、_,／ 　, ヽ　 ｜　　　誇りを切り売る方だと思ってるんですよ。
　　　｜ ／ヽ(__(＿ノ)、ノ
　 　　|,　 （　'ー─一ノ｜
　　 　 ＼λ＿　⌒　,ノ　　






821 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:31:15.52 ID:fe2vHZoo





ゴッ
　　　　　 __＿＿＿__
　　　 _,./ ※※　　　　ヽ
　　 /※　─､,,＿　　 _ヽ､-ｰ ､
　　 〉 　　　　　　｀Y(,＿ ）　　）
　 (´ 　　─､,,＿　 入__＿__ク　　　　　　　　　　　誇りってのは、そう滅多に手に入らない。
　 ｝ 　 　 　 　　＼_/　　　/　 　＿＿＿　　 　　　なぜなら自分で手に入れなければならない。
　 ｛ 　　─､,＿　　 ! 　　､! 　／　　　　　＼ 　　　自分の行動で示しをつかなければならない。
　 ヽ　　　　　　ヽ／ 　／（／　　 ＼ ,　, ／＼
　　 ヽ ￢─-ｰ" 　／ 　 ﾉ　 　（●）　 （●）　＼
　　　 ゝ､_　 　　　_Ｌ 　/　ヽ 　 ※ （__人※_）　　|
　　　　　　｀゛ｰ＜　 ／　 　 ヽ　 　 |r┬-|　　,／
　　　　　　　　 　∨ 　　 　　　ヘ 　`ー'´　　r'.二ヽ、
　　　　　　　　　　∨　　　　　　　　　　　　 ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　 ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　 　 　 ＼｀7ｰ┘!
　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　 　 　 　 　 　　　 ｢:ト　 ｲ








あっしは『恥ある者』って言葉が好きだ。
己の生き方に、常に忠実であり、そして心に規範を示している。
その規範から外れたら、『恥』と思う。
これがいい。





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,;;---－―――――--,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　＼
　, ;　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　 c=＝ｰ＾ 　　　　　/li 　 ＜こ＿ .:; イ.:.:.:.:.::.:＼ : :　　　　＼:.:.:.::;;;;＞'"
　　　　z　 　 　 　　,ｨ≦　　 　ﾑ}|/__／´⌒　 ／.:.:::::.:.:::.:.:.:.:ヽ　　　 .::.:.:;;ｨ'"　　/
　　 　 　 　 　　__　-一　　　.:fr'/{ﾐ ,彡／ ,／.:.:.::::／.:.::::ﾉ＿,,,:::-一宀 ´　　　　{
　 　 c=＝ ¨¨　　　　　　 ／^{ノ ilil/／　/⌒´￣￣￣`7´ /　　 　 / 　 　 　 　 ',
　　 　 　 ｃ　に≠==ー 厶-　　il,／ 　 〃　　　　ｰ／, {　 {　　 　 i　　　 　 　 　 ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 `ーﾄ､　　 〃　　　{i　　　　　　 　 ﾍ. :丶ヽ: : :ヽ: : : : : : : : : : { :＼
　　 C °。　: . 　 　　　ﾍ にﾍ,{i　 　ヽ.i{　　 . . . . . : : : : ヽ、:＼: : : :＼: : : : : : : : ヽ. : :
　　　　 　 　 　 　 　　　 : ', ,〉ｨﾍ　 ヾミ{!. : : : : : : : : : : : : : :＼. :＼: : : 丶: : : : : : : : ＼
　　　　　　　 　 . ｨー- く {^ヽ人　　 ﾍ≧ー‐rｰ宀7⌒ヽ. : : ヽ､__. : : : : :＼. : : : : : : :
　　　　 　 　 ／ :｀　、: :ﾄこ´　 ヾ　 　　 ¨＞く__ノ ＿,人___／,　¨¨¨"￢ｒ一=,,___ : :
　　　　　　 /　,　　 　　　　　ﾍ､＿＿　　　　 　 彡彡 ´　_　ｰ
　　　　 　/　　　　　　　　　 　. : : : ´¨¨￢　　　　　, ／　　　グシャッ
　　　　 ./　　　 　　　　　　　　　　　 　 ヽ、　　　／






822 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:32:37.40 ID:fe2vHZoo







　　　　　 .／..:::: 　　　　　　　　　　　 i　　　 ヽ
　　　　　/.:::::::::::. 　　　　　　　　　　 /　　　　 ヽ
　　　　 .i::::::::::::::　　　　　　　　i　　./　　　　　　|、
　　　　 |::::::::::::::　　　　　　　　 i　.人ｪｭ､_　　　　）、 　　　　男ってのはね、なにかしら美意識を持ってるもんですよ。
　　　　丶:::::::::::　　　　　ノ　　 .ﾚ'´ /´:::::　　　　/ ﾍ　　　
　　　　　i':::::ヽ::　　　''''´　ヽ　.,ｲ　 i::::::　　　　_　 Ｖ.i 　　　　美意識をもってるからこそ、意地を張れる。
　　　┌-ｔ::::::::::::　 .＿＿＿ X　!　/:::　　_,,ｨｸ´　　.i |　　　
　　　 .!ヽ:ヽ:::::/￣´;;;;;;;;;;;;;;;ヽ, ヽ　::::::: fｴｨ'´　　　ﾉﾉ.　　　
　　　　i ヽ |:::::|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:ﾉﾉi　　:::::::::　　　　 ｨヽヽ　　　　武士は食わねど高楊枝ってね」
　　　　 !｀ﾞｲ、::ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／:::ﾍ　　i::_:::　-‐‐く/　ヽﾍ
　　　　 ｀ヽ(ヽ､__｀＞─'''´ ,r　 .ゝ　(. ｀）‐-クi ）:　 i:::ﾍ
　　　　　 .i.ヽi-‐'ヽ/ ,:::-‐'´ゝ‐-､_,,ｨ'´＝=ッ' 〉ﾉ ／:::　iﾆヽ
　　　　　 .| ::::i　　 i （ヽ､__,,　-‐=ﾆ''´ ￣// //　!::::　 ./|ヾﾞ＼
　　　　　,,ｲ、:::ヽ、 ヽ＼ ｀ﾞ‐｀''‐--─''´／ / i／i::::　 :::||>メﾐﾉ三
　　　 i'´ﾞ〈::ゝ::::::::｀'ヽヽ::::::..　￣｀　´￣　　　ﾉ:::/:::　　::ﾉﾉ爻》彡
　　ノ´） 《ム、:::::... 　｀｀ヽ、:::..　　　　　　　/:::::!::::　／ミ矢父＜
三タ〈 父メミ｀ヽ::::::::..　　｀'-､.._＿,,．--‐'´ :::/:::.／爻爻ノ.ノミ





823 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:33:43.96 ID:fe2vHZoo






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　/'´￣ ）／ヽ
./　　Ｙ/´　/,へ、
く、　{./　 //　├(⌒ヽ
　＼ ヽ　ヾ」　 | ./　 /
　　ヽ　ヽ　!!　/Ｙ　 {　　　　　　　　　　　　　（聞書１の１８９）
　　　｀ヽヽﾉヽ(　( ）ヽ
　　　　 ＼ 　　　　 　i 　, '´ ￣￣ ` ､　　　　『武士が意地立てするときは、やりすぎるくらいがいい。
.　　　　　 i　　　 　　｝　i　r-ｰ-┬-‐､i
　　　　　 |　　　　　:{　 |　|,,＿ 　 ＿,{|　　　　いい加減にしておくと、あとあと不満で評判もよくない。
.　　　　　|: 　　　　 :|　 Ｎ| "ﾟ'`　{"ﾟ｀lﾘ
　　　　　|: :　　　 　:|　 ﾄ.i 　 ,__''_　 !　　　　　しすぎると思うほどやって、ちょうどいい』
　　　　 i.| ::　　　　　|／i/ l＼ ー .ｲ|､
.　　　　| 　:　　　　　 | 　＼´￣`／ ´ .ヽ
　　　 /　　　　　　　 .|::...　ヾ　 ﾞヾ;;::;"　..::＼
　 　 / 　　　　　　ヽ...}ﾞl:::::::::::... 　 : :;"　 ::::　､
　　 {　 . ﾉ　　 　　 ヽﾉ :､:::::::::･;:　;;;;''､,::::･ ;:ﾉ.. ヽ
　　 ヽ::/:　　ヽ.........::ｿ "ﾞ''ｰ--'''''" ゛::; "゛'...}､:::: |
　　　 ヽ:::...:::::::::::::_／::゛'ｰ＿ 　,,;;;!､　 ,,;;;　 ,､:::ﾉ
　　　　 ￣ｰ─'i::::::: .ﾞﾞ,,､　　;::''"`;:::;'''゛゛` /







825 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:35:13.61 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　　　　　　　　_,.．-──- ､､
　　　　　　　　　　　,､-'"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀`ヽ､
　　　　　　　　　,r'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　 　 　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀､　　　　（聞書２の１０７）
　　　　　　　 /::::,r'ﾞｧｰ-ー'ｱ"ﾘijk´￣｀`""´｀`i::::::::i
　　　　　　　,!::::::!　　　　　　 ,!ﾄゝ､　　 　 　 　 l:::::::|　　　　『裁判や議論などで
　　　　　　　|::::::!　　　　 　 　 ,!ヾ､,,_　　　　　　ﾞi:::::!　　　　 いさぎよく負けを認めた方が見事なり、
　　　　　　　|::,::l　,ィﾆﾆﾆ二r'´　　ゞ二ﾆﾆﾆゝ､ ,!:::j　　　　　という場合がある。
　　　　　　 ,rゝ;l. ´ ,ｨ＝≡'´ﾚ　　 '｀ヾ＝=-､　 .! !^i
　　　　　　.i r､i;i　　　　　 ' ´:;　　　 ｀ ` 　 　　 ﾘｲ^!　　　　相撲のようなものだ。
　　　　　　 | ソii　 　　　　　 j 　 　 　 　 　 　　l!ヽ l
　　　　　　 i ,!( ,!　　　　　　｀ゝt''´ 　 　 　 　　|　j!,!　　　　勝とう勝とうとして汚い勝ち方をすれば、
　　　　　　 ｀､. `i 　 　 　 　_,,＿ __　　　 　　　,!ﾚ'/　　　　負けたことよりも劣る』
　　　　　　　　＼! 　　 　 ィ-‐ーー-ゝ　　　 　,!,ｲ
　　　　　　　　　 i､　　　　 　 ー一 　 　 　 　/ i/
　　　　　　　　　 |｀､　　　 　 　 　 　 　 　　/　 'i
　　　　　　　　　 |　 ＼　　　　 ;　 　 　 　,ｲ　　 |
　　　　　　　　　 |　　　＼ ＿__,＿＿, ィ´/　　　|
　　　　　　 　 　_,!　　　　 　　　　 　 　 /　 　 　l､_
　　　 ,,､-‐ ''"´　i　　;　　　　　　　　　　　　　!　!　 ￣｀`''ｰ- ､
　　　　　　　　 　 l 　 ;　　　　　　　　　　,'　 ,'　 !　　;







827 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:36:22.93 ID:fe2vHZoo







　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
　　　　　　　　　　　　 　/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
　　　　　　　　　　　 　 ,!;;;!ﾞ`''～^～ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!　　　　（聞書２の３４）
　　　　　　　　　　　 　 |;;;|　　　　 　ﾉﾘ　　　　　ﾐ;;;|
　　　　　　　　　　　 　_ゞ;! r─-- ､　　,rｪ--- ､ﾐ;ﾘ　　　　『武士は腰折、
　　　　　　　　　 　 　 !ﾍl;|. ぐ世!ﾞ｀｀　,ｨ '"世ﾝ　｢ヽ
　　　　　　　　　　　 　!(,ﾍ! 　￣'"　　|:::.` ￣　 ,ﾄﾞﾘ　　　　つまり自分の作品を下手糞だと
　　　　　　　　　　　 　ヽﾞ､!　　　　　　!;　　　　 ,ﾚｿ　　　　卑屈になって言ってはならない』
　　　　　　　　　　　　 　 `| 　　 　 ^'='^ 　　　 ﾑ'′
.　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､　　ー- ─-:　　/|
　　　　　　　　　　　　 　　i| ＼　　 ===　　 ,ｲ.:|
　　　　　　　　　　　　 　,ｲi|　ﾞ､＼　　; 　 ／ﾘ.:;ﾄ､
　　　　　　　　　 　 　 ノ :.:i|　 ﾞ､　`ｰ─''ﾞ:::;:'::::::!:::＼､＿
　　　　　　　　　,. -‐'´.: : .:|　 　　　　　　　　　!:.:...　 　　￣ ￣｀`ー-､ _
　　　 _,. --ーr'´.:.:.:.:: 　..:.:∧:.:.:.:　　　 　　:::::::::|:.:.:.:.:...　　　 r　　　　 　 　＼
　r‐'´ ＿:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l　|!:.::　　 ν　　　.:::: |;;;;;;:.:.:.:＞....:.|:..　　　　 　 ､ 　ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:　ヽ　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　　ゝ　　　　　　　　 /　　　　　　 j　　　　　　　　 　　 ',
´:.:.:.:.:.:.:.:.:　.:＼_＿＿＿＿＿_ヾ:.:.:.:.:. 　　　>:┴ｰ…'´ｰ‐-､|:.:.:..　　＼:　　 |:.:.:.:　|、
了:.:.:.:.:.　:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　 ｀`ｰ-､L..　__〉.'"　　 　　　 　 ＼:.:.:.:.:.:.　ヽ:.:./:.:.:.／　＼
:.:.:.／　:.:.:.:/-、:.:.:...　　 　 __　　　　 .:Y´::: ＿,　　　　　　　=ミ:.:＼＿;;;;;　V;;;／ヽ　　ｌ
.イ　:.:.:.:.:.:ﾉ|! _}‐‐::.:.:.. ,r‐'´ ﾉ　　　. . ::lr'´:::"　　 　　　　　　 　 :;;|:.:.　｀ｰ'⌒　　|　　|
;　;辷==' /⌒|::.:_;. -'´...:／　　　　 　:.:ｌ!:.:::.　 　 　　 　　 　 　 :;;;;;|:.:.:　　 　 ', 　 　 ∧
:　.:´　｀ヾ|::　 ﾚ'ヽ:.:.:.:／ 　　　.:.:.:.:.:.:.:.|!:.:.:.　　　 　　　　rぅ...:.;;;;;:∧:.:.:.　　　 ヽ.　　|:　＼
　 　 　 :.:.|::／ ／r─ ￣〉　.:.:..:.:.:.:.:.:.人;;;;;;,,　　　　　　 　　 ,;;;;;/::∧:.:.:.:.....　.　ヾ　＼
　　　　:.:/: :／.:.:/__ノｨ'￣〉　　　　 '´ ___ヾ;;;;;;;;;,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,;;;;;l ヾ､:/ ＼_::::::.:　 . l|　 :ヽ






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828 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:37:28.74 ID:fe2vHZoo







｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*

　　　　　　　　　／￣＼
　　　　　　 　　 |　　　　|
　　　　　　　　　＼＿／
　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　／￣￣￣ ＼　　　　　　＼il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! l! l il il i !!l l／
　　　　　 ／　　 ::＼:::／::::＼　　　　　三　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 三
　　　　／　　 <⌒>　　<⌒> ＼　　　三　　　　やる夫は勇ましいなぁ…　 　 .三
　　　　|　　　　　（__人__）　 　　|　　　三　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 三
　　　　＼　　　　 ｀ ⌒´　　　／　　　／il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! ll l il il i ! l l＼
　　　　　 ￣（⌒`::::　　⌒ヽ
　　　　　　　 ヽ:::: ~~⌒γ⌒）
　　　　　　　　 ヽー―'^ー-'
　　　　　　　　　 〉　　 　│

｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*






　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿__
　　　　　　　　 　　.／　/　　#　　;,; 　ヽ
　　　　　 　　：　／ノ　 ;;#　 ,;.;:: ＼　　：
　　　　　　　　 /　 -==、 　 '==-　　..:::::|
　 　 　 　　 　 | ::::::　 （__人__）　 　:::::.::::|　：　　　　「さぁ……やる夫……の……番……だお」
　　　　　　　： !　#;;:..　 l　　|　　　　.::::::/
　　　　　　　　 ヽ.;;;//;;.;`ｰ‐'ｫ　　..;;#:::/
　　　　　　　　　　＞;;;;::..　　　　..;,.;-＼






829 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:38:36.57 ID:fe2vHZoo







　 　 　 ,. イ彡ソ彡ソヾ ヽ　　　　
　　 　／彡ソ彡ソ彡ソ彡ハ　　　
　　　/ノ彡イ彡ノ／）ハ＞ ∧　　
　　　| /　≧ﾐ、 y ,.イ∠＿ヾ |　　
　 　　Y( てＯ》>Y--<《Ｏ ﾌ,)'Ｙ　　「もうよせ」
　　 ｛{ゝﾐ,─ イ {　}＞─彡ﾉ）｝　
　　　し |＼.　< (　) > J　／し´ 　
　 ⌒∧＼　_彡～ヽ._　/／∧⌒
　　 /　 ＼ヽ ＞⌒＜ / ／　　　
　　/　　　 ｀ トー─イ／　　　　　
　 /　　　　　/＼　／ヽ　








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／´ 　 　 　 　 　 　 　 ｀＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ、　　　　 _, -‐'"´´　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ､＼ﾉヽ／´　　　､ 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｡oj｀`ヽ）　　　（ ,-‐ '"´ ）ｏ　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 °／⌒｀ﾞ　　　　　　ヽ"⌒｀`じ　ｏ　°　　　　　＼　　　　　　「やる夫は、じい……ちゃんの……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 （　＃＃　　　　 ）　　 　 °　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　孫だお……。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヾ、＿ﾉヽ、＃_＿＿,,ノ⌒ヽ　　　o°　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　l 　　 　ト、ﾉ),､　　　　　 　 ﾉ　　　　　　　　　　　　　 　 　 l　　　おま……えなんかに、まけない……お」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　 　 |　　　　　 　　　　/　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |
　 　　　　　 　　　　　　　　　　　l 　 　 　ﾟ| 　 　 　 ／⌒´/　　　※※※※　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 l　　　／　　　/　　　※※※※ 　 　 　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、 　|　　/　　　 /　　　※※　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヾ＼　`ｰ┴--一´　※※※※　　　　　　　 　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ ：ヽ ゝ､_＿,,,,, ,,　　　　　　　　 　 　 _＿_ -＜







830 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:39:37.57 ID:fe2vHZoo






　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ：／ '⌒ヽ　　;　'⌒ﾞ＼ ：
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ： ／　　　 　 　 ∪　　 　 ＼ ：
　　　　　　　　　　　　　　　／ 　　 ＼　　　　 　 ／ 　　 ＼
　　　　　　 　 　 　 　 ： ／ 　 　￣￣｀　ι　　´￣￣　 ∪＼ ：
　　　　　　 　 　 　 ： ／　　ι　　　　　　　　　　　 ∪　　　　＼　　　　「やる夫は……たおれ……ない……」
　　　　　　　　　　　　|　　;　 ''"⌒'（　　　　i　　　　）'⌒"' ∪ 　 | ：
　　　　　　 　 　 　 ： |　 ∪　　　　 ｀┬─'＾ー┬'′　　　　　　 | ：
　　　　 　 　 　 　 　 ：＼　 　 ι　 　 |/⌒i⌒､| 　 ι　　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　 　 !、＿＿,!　　 　U　 ／ ：
　　 　 　 　 　 　 　 　 ： ／ 　　　　　　､_＿__,,　　　 　 　 ＼
　　　　　　　 　 　 　 ： /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ ：








　 　 　 　 　 　 　 　 　 /／／::::::::::一＝ニニ:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::ﾊ 　
　　　　　　　　　 　 　 /::／:::::::::―一＝ﾆニ::::::::::::::::::::､::::ヽ::::::::!::::::| 　
　　　　　　　　　 　 _,/::::::ﾆ二:::::::::::::::::::二二ニ＝::::::::::|:::::::|:::::::|::::八
　　　　　　　　　　/{:;:イ:Ｘ⌒ヾﾆ::::::::::＝ニ二二::::::::|:::::!:::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　 　 　 　 　 /ｨ/ /´　 ＼、　ー====ﾆニ彡ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::＼::::::} 　
　　　　　　　　　{ 厶-――-､}}　　　　　　　 　 ,r=＼::::::::＼:::＼:::::::!:::{ 　
　　 　 　 　 ,．-〃/ ＼、--､ ヽ　　 　 　 　 ／ 　 　 ヾミ､:::＼:::ヽ::|::::} 　
＿＿,．-‐ｧ′/.l{∧　　ヾ弐ぅ　}　　,r==＝'′_,. -――　　ヾ:::::::::::::.::/ 　　　　　「まだやるかい」
　　　　／　,.ｲ　 ｀トヽ._ 　 ￣｀人､〃　 ／´￣￣ ＼　　　　　Y::::::::ハ、
　　.／　　/.:.|　　.ﾊ　 }}￣￣,rテ^ヾﾆﾆ{　　_,. -――'，　　　　}:::::ｲﾆYﾊ--､
-‐'′　 ./.:.:.:|　 /　|__ルx=f´/ 　 ﾉ　　 '､　 ｀ヾ弐ぅｰ;}r===＝ァ'´} {ﾘ|　'.　 ｀ ｰ-
　　 　 ./.:.:.:.:.!　:{/´|￣｀}{　Y´　 Y⌒ヽ　 ＼　　￣￣ﾉ　　　　/ ノ／.:l 　 '.
＿__　 ｆ:.:.:.:.:.:.＼∨　　;;''´｀;廴__ノ-一′　　 ｀￣￣ _,ｘ≠ｘ;ｧ'´／ l:.:.:.!　　 ヽ
/／⌒＞ー､_:.:.:.ヽ;'';''´　 ｀ヾﾆﾆヽ,;:'';,　　　　､_,x=彳ィﾘ　 /‐'´　 /.:.:.:!　　　　＼
　　 （＿,／　 },;:'';;　　 　 ;; `ー‐;;'　 ';,　,;'';, _ノ´　イ　 ｀Y/　　.／.:.:.:.:.|
　　　　　　 ／）　;,,　　　　｀ﾞ;￣};' 　 ｀''´　｀';　 ／―一'´　 ／.:.:.:.:.:.:/j
⌒ ｰ‐;‐ ''´／,, 　 　 　 ;;''"´　,,{;,,　　　 　 ,;''イ　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:./:/
　　／^ｉ／⌒ヾ.　　　　 ｀':;ｰ;;''　｀ 　 　 　 '; /　,．-一 '´.:.:.:.:.:.:.:.／:/
.／　／　　　　 }　　　　,;;'´　';,　 ';;　 　 　 ;/／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:/







831 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:40:49.32 ID:fe2vHZoo







のちに佐野茂之から聞いた話である。







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣}
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _ 　-─一'　　　厶-─‐_─
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　,　 ´　 　　　　　 　 /　 　∠_
　　　　　　　　　　 　 　 　／　　　　　　　 　 　 /　　　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 　/　　 　 　 　 _　　 　 ∧　　　 ヽ　 　 ＼
　　　　　　　　　　 　 　 l／ 　　/　　_∠ト､　/　ヽ　　　　 ト ､_　 ＼
　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 / 　 ,ｲ }　|　 / x＜T　　 　 |　　　｀　ヽ
　　　　　　　 　 　 ∠　- ７ﾆ厶／　!り　j／　iﾌ} } }　　 　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 ｜r{ﾄ{　　　　　　　 ､Ｌ!　ﾊ　　　/
　　　　　　　　　　　　　 , ヘ、　　 　　　、 　´　　{　'　　/
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　＾iﾍ、 　 　　￣　　 ′ i　/
　 　 　 　 　 　 　 ∠ィ ﾞ￣＞､l＿ヽ　＿_ 　 ／　 　 }/
　　　　　　　　 ／ 　 { 　（ 　　ﾊ、＿_　　 ｀ヽ
.　 　 　 　 　 /　　 　 ヽ　 ー ' ハ　　 ｀ヽ ＿Ｋ二ト､
　　 　 　 　 ⊥　_　　　 ｀ミニ彡Ｖ　　　　　　　 ＼ ＼ヽ
　　　　　／　 　 　 ＼　　　　 　 }　　　　　　　　　ヽ　 ｰ}
　　　 ∠_　　　　　　　ヽ　　　　/　　　　 厂￣ ヽ　 〉　/
　 　 {　　　≧ｭ_ 　　 　 l　　 ／　 　 　 /　　　 　 Vｰく
.　　/⌒ブ￣　｀ 丶 ､／＾ Ｔ´　　 _,.　‐'_ 二二_ ￣}　　ヽ
　　{ 　/　　　　 　 　 ｀ ｰ ､＼＿{ / rf ,.　-─‐ミﾚ′￣/
　　 ∨　　　　 　 　 　 　 　 ｀ ｰ ､ーY　＿__　　　Vﾞ ￣＞‐-､
.　　〈　　　　　　　　　　　　　　　　 く´　 　 ヽ￣＿｀ﾌく　　　　＼
　　　＼　　　　　　　　　　 　 　 　 　 V)　　 　 　 　 　 ヽ　 　 　 ＼







正茂がなぐり殺したひとりとは、小姓のことであった。







833 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:42:31.69 ID:fe2vHZoo





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.j lﾞ|､〟
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j ! !.l !l.|| lﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i ,!.l ｝|.|川│li i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,!.! l "" .| .!.! ! !! | 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　　　　　　　　　　　　　　　　 i,!.! !　　 　　│!|│|,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,il′　　　　　　　　　 　 　 　 　 i | !′　　　　　 　 . | ,!| .,
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〃　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ! ′　　　　　　　　 ‘ !.! .li
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,iﾞ/　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /,!　　　　　　　　　　　　l　l|
　　　　　　　　　　　　　　　　　//　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　　　　　　　　 " .l!
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / lﾞ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,i/　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾞ|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / /　　　　　　　　　　　　　　　　i|′　　　　　　　　　　　　　　 !
　　　　　　　　　 　 　 　 　 lﾞ /　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ilﾞ　　　　　　　　　　　　　　　 :｝
　　　　　　　 　 　 　 　 　 / /　　.i　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　 ｝
　　　　　　　　　　　　　　 !　! .，〃　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　l　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　!　ｌ i《./lﾞ　　　　　　　　　　　　　 ,!　　　　　　　　　　　l　　　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　 lﾞ　l ｌ.l/ !　　　　　　 　 　 　 　 　 lﾞ　 　　　　　　　　　│　　　　 　!
　　　　　　　　　　　　　i′|/ l"lﾞ　　　　　　　　　　　　　 /　 .、　　　　　　　　 ,!　　　　　 !lﾞ
　　　　　 　 　 　 　 　 l゛　l′│　　　　　　　　　　　　　/　 ./　　　　　　　　　!　　　　　 .|.!
　　　　　　　　　　　　 l　 　　│　　　　　　　　　　　　　lﾞ　 iﾄ　　　　　　　　　!　　　　　　li,′
　　　　　　　　　　　　,!　　　　l　　　　　　　　　　　　　/　 〃　　　　　　　　 ,! 　 　 　 　 |||
　　　　 　 　 　 　 　 lﾞ　　　　|　　　　　 　 　 　 　 　 /　.〃　　　　　　　　 /　　　　　　 ,!
　　　　　　　　　　　│　　　　!　　　　　　　　　　　　/　.〃　　　　　　　　　!　　　　　　| ,!‘
　　　　　　　　　　　 !　　　　 !　　　　 　 　 　 　 　 /　// 　 　 　 　 　 　 ｌ　　 　　　 .l〕lﾞ
　　　　　 　 　 　 　 !　　　　 l　　　　　　　　　　　 /　//　　　　　　　　　/　　 .、　　 ｌ !lﾞ
　　　　　　　　　　　l　　　　 .|　　　 　 　 　 　 　 /　//　　　 　 　 　 　 /　　 ./　　 .lﾞ liﾞ
　　　　　　　　　　　!　　　　│　　 　 　 　 　 　 /　//　　　　　　　　　 ｌ　　　/　　 .,!　l゛
　　　 　 　 　 　 　 lﾞ　　　　│　　　　　　　　　/　/ ｌ　　　 　 　 　 　 /　　　/　　　!　 '







正茂は、あまりのかわいさあまりに力をこめてしまった。
幼い小姓は頭を陥没させて死んでしまった。






834 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:43:32.05 ID:fe2vHZoo






小姓の死は、内々で処理されてしまった。







　　　/ .ヽ-‐´''"　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　 i
　　 /　　　 i　　　人　　　　 ノ　　　　　　　　　　　　　　　l
　　,'　　　　 ' ,_,,ノ　 `─-‐' ヽ　　　　　　　　　　　　　　　/
　　i　　　　　　｀､　 _y──‐ l　　　　　　　　　　　　　 　 /
　　',　　　　　　　ｉ_/　 / ＿ '　　　　　　　　　　　　　 ／
　　 ヽ、　　　　　　￣￣　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　ヽ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　　　　 r‐ｆ￣＞─- ､　　　　　　　　　..　/⌒i
　　　　 　 ｧヘ.｣_　|　　/￣￣＼　　　　 _,,..､　.|　 / ,..-､
　　　　　 /{ ´ 　 〉:|　 :|　 　,ﾉ　 ヽ　　　 l 　 l　| /´ l,､_ノ
　　　　／彡､＿人 :,　 :,　　{=一　}　　　|　 i'　'´_,,、　　　　　　　　　　/´〉,､　　　 　　/７
　　　 |　　　　　　≧=-ゝ-く⌒ヾ ﾉ　　　 |　 し''´　」 　　　　l､￣￣了〈_ノ<_/　　　　 / /
　　　　＼　　　　 ／　　`⌒ヾ　 f′　　 |　 ,,.-''´　　　　　　　二ｺ ,|　　　　　　　　 /_/
　　　　　 }　　　 / 　 　 　 　 　 ﾉ　　　　|　.|　　　　　　　　 /＿＿」　　　　　　　 ∠ゝ
　　　 　 ヽ.　__厶二ﾆ._　　 　 /　　　　　l､_ﾉ
　　　　　　_}} フ /⌒｀ヾ:､　　/







836 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:44:13.99 ID:fe2vHZoo








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＾｀､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　( ,,.---]_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　 〈ヾ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/-^]r　　＾ ヽ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　／＾ヽ 7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lr゜　　　"　





そこから正茂の地獄が始まったといえよう。
自分を偽らなければならない。
それが正茂の地獄だった。






837 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:45:12.00 ID:fe2vHZoo






　　　　　　＼＼ ,-､　　　　　　　　　　　　　　　|　|｜　!|　|
＼＼　　　､,､-'　弋　　　　　　　　　　　　　　|　|｜　||　| ! 　　.／
　　＿,､-'　　　 　　（ 　　　　　　　　　　　　　! |｜　||　| | 　 ／　/￣ ~/　 　＿＿ ＿＿
　(_　　　　　　　　　 ヽ、　　　　　　　　　　　| l　!　||　| |　／　　/　　 /_＿_./　　//　　/
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　　　　ヽ、　　　 _,､―--､,__)　　　　　　　　 ! |　|| .|　 //＿＿　　　＿_　/　　//　　/
　　＼＼.ヽ　 ／　　　　　 ヽ＼＼　　　　　 |｜ || |　 /　　　 /　　 /　/ /._Ｍ//_Ｍ/
　　　 ＼　| .f　　　　　　 　 }　　　　　　　　! |　|| |　/　　　 /　　 /　/　　 /
　　　　　　し|　 _　　　　　 ﾉ　　＼＼　　　| |　 !　 !　　　　/　　 /　/　　 /
　　　　　　　.ゝ____＿,､-'´　　　　　　.＼　　!　　　!　　　 ./　　 /　/　　 /
　　　　 　 ＼＼　　　　¨¨･･，＼＼　　　　|　　　|　/　 /μM/　/　　 /　＿　＿　＿
　　　　　　　 ＼　　　＼　　　；，　　　　　　 ．　し'/　　　　　　./μM/　/　//　//　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　。　　　　　て_　　　　　　　　　./M//M//　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　て　　　　　　　　　　　　　 　 /　/
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バタン　　〃　　　　　　　　〃
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　 　 　 　 　 ／　 　 　 　 ﾟ　 　 ＼
　　　　 　 ／ ;　　゜　　　　　 °　 ＼
　　　　　 l　　U　　　 　 ;　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l⌒ '"⌒ ヽ、
　 　 　 　|;;;;;;;;;;;;;;;;;;　 　 u. 　 　;　　　|ｰ　　 　 　 ＼
.　　　　　 !　u.　_ノ′ヽ､__　　 ∪ 　 　 　 　 　 ,; 　　＼　,rｰ､
　　　 　 　 ゝ｡(（-‐）　 ;;;;;;;;;;;)::｡　i'′⌒￣￣`￣￣￣ヾ｀ヽ　ヽ
　 　 　 　（ 　ヽ'"（__人___）"'__ ,ノ ヽ､_＿＿＿"_＿＿,､___ｿﾉ__ﾉ
　　´ ´ `ﾟ~゜´＾" ´~`ﾟ゜｀⌒ ´"´´ﾟ＾ﾟ＾ ~゜ﾟ`´＾ﾞ＾ ＾´'゜´＾ﾟ´ 'ﾟ＾´ﾞ ＾ ﾟ゜







839 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:46:08.60 ID:fe2vHZoo







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　　　　　　　　　 i::::...　::::::; -''!:::::::::;::::::::;:::::::::/´ヽ::::::.... ..:.　::::l
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　　　　　　　 　 /｀）|　.::.　　　 　 `､　!_/:.　/ :::..　　　 　 ノ!`i
　　　　　　　　 i　>!'　 ::: ,r''"'' ､　　!､,!´　 ,!　 ,:r''''' ､　　 ノ:､.!
　　　　　　　　 ! ヽヽ　　 ':､__○ﾞ;　 ,:l!､ ,:" 　 /○ ,.ノ....　 !､' )
　　　　　　　 　 ヽ`i`ｰ､　│　│　 ,r''''"´　!　::││　:::　　! /
　　　　　　　　　　>t　 ＼_,,／　 ,r 　 !　 ;　､　 ││　 　 ,r-l'
　　　　　　　　　 /　`i-....,/_ヽ-､ `ｰ.､ 　 ,. .:' ::....││,,,／:::/',
　　　　　　　　　/　　|:l::::::l''i''iヽ ヽ__;:_ﾞｰ':::　　　r‐ii│:　|::::::i　 ',
.　　　　　　　　 i　 　 ､l-'::;;!;;l__l　　, ､ ___;;::､ 　 !__l!::"l:／　　i
.　　　　　　　　 l　　　 ヾ::l__l__l;>::,r'<`ｰ-‐''";／_l,,,!:;ツ　 ...　 !
　　　　　　　　 l　　　　　｀!､;;;;l,／ヽ::'"二!`'' `!:::ツ''　:.　　::　 l
　　　　 ,.. -‐‐''ヽ　　　　　　＼;:...::"　　　l!::　 /´ /　 :　　 ::　 l
　　,. ::'"　　　 / i　:::　　　 　 l ﾞヽ-::.､＿,..!- ''　　l　　　　　　 ﾉ､- ､_
-＜　 ::　　 ／　ヽ ::　　　　　 !　|　　　　　　::..　/　　　　　 /i　l　　 ｀ﾞｰ ､







だが、最後に立ちつくした顔は、叱られた童のように泣いていた。
ようやく自分を理解してもらえる人に出会ったのである。
そして、本当の自分をさらけ出して、力いっぱい自分を出すことができた。






840 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:47:51.76 ID:fe2vHZoo






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　　　　　　　　　　 　 ＿＿_
　 　　　　　　 　 ,ノ' ´　　　 ｀ ''ヾ、　　　　（聞書６の１８）
　 　　　　　　　/　　　　　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　}f^'＾^了t^'＾'`'ー1　　l　　　『湛念和尚のおしえ。
　　　　　　　　|L＿　!　＿＿_ ｛ ,..、|
　　　　　　　　 }f'tr'i　 ''^'tォー` }j/i',|　　　出家は慈悲を表にあらわし、
　　 　 　　　　 l.| ´ |　　　￣　 vijソ.!　　　　胸の内には勇気をいっぱいにためておかねば、
　　　　　　　　 丶 └、　　　　 Fイ l′　　　仏道を極めることはできない。
　　　　 ／　　　 ',　 ‐--‐　　,イ　ケ|
　　 , ,/.　　 　 　 ヽ　`''"´,／ ! 　＾|ー、
　 / /　　　　　 ＿,,」、'....ィ' 　 　　　 '|. ＼、_
. /./　　,. ‐'''"´　 　 ! /　　　,　　＿」＿_ヾ',　　　　　武士は、勇気を表にして、
.,'.,'　 /´　　 └ 、_　ノi　　　ノ　 （、_　　`｀ヾ　　　　内心では腹がパンパンになるばかりの
,'/　/　　　　 ヽ、 ｀ ''ー 、ィ-─''　r`'＾　　　　`　　　大慈悲をもっていなければ、
l|　 ! 　 　　　　　　　　　リ　　　 `ぅ　ー=、　　　　　武士の本分を守れない。
|　｜　　　　　　　　　　サ　　　　 〉
　　ト　　　　 　 　 　 　 ′　　　 ./''ー- 、,..＿
　　|　　ヽl　 　 　 　 　 　 (B 　 　 /　　　　ヽ、
　　| 　 　 !,、　　　　　 !　　 　 /　　　　　∠_
　 ,イ 　 　 ヾ'　　　　 ィ 、 　 . /　　　,,ィ'´
　　　　　　　 ﾞ､　　　　　　:::/::::::|::::::
　　　　`ヽ、　 ﾞ､　　　　　./　　.|　 ,-､、






841 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:49:08.61 ID:fe2vHZoo







　　　 〃　　 　 　 　 　 　 　 　 i,
　　　r' 　 ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　 　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }　　　　迷い出た死人を蹴倒し、
.　　 {. 　 |　 　 　 　 　 ′　 　 | }　　　　地獄に落ちた衆生を引き上げることは、
　 　 ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ 　 ､=＝ﾆゞ<　　　　勇気がなければできないことである』
　 　 !∩|.}. '__＿ﾞ`　　 ./'_＿` f＾|
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣'　|l.|
.　 　 ヽ.ヽ　　　　　 　 {:.　　　 ｌﾘ
.　　　 }.iｰi　　 　 　 ^ r'　　　 ,'
　　 　 !|　ヽ.　　 ｰ=＝=- 　 /
.　　 ／}　　 ＼　 　 ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼






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843 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:50:36.37 ID:fe2vHZoo







　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／　　　 _ノ　＼
　　　　|　　 　（ ●）（●）
　　　 ｜　　　　 （__人__）
　　 　 |　　　　 　|r┬| .}　　　　　「お、おい、……やる夫、やる夫？」
　 　　 | 　 　　　 |　| | }
　　 ,..-'ヽ　　 　　｀ﾆﾆ }
　 ./::"::::`ヽ､.,＿＿ __ノ ﾞ
　/::i::::::::::::"'弋'!ｰ',イ>|'_ノ´｀ｰ -,,＿ _
. }:::ﾞ|::::::::::::::::::::~ﾞ:_戈;f"　 、　　　 ｲ/ `i
/:::::::!;:::::::::::::::::::/',r.ﾃ　　　 ＼xｰ.ｫ､__ノ
::::::::::::ヾ!:::::::::::::l .l r'　　 `　､_冫y"
:::::::::::::::::＼o:::::l .ﾄ、　 ヽ,＿ﾉ"ｰ'
:::::::::::::::::{::::{＼代 l>ｰ､,_ノ









　　　　　　　　　, -─‐──‐-､
　 　 　 　 　 ／　 　 　 　 ﾟ　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　「なぁ、返事をしろよ……、
　　　　 　 ／ ;　　゜　　　　　 °　 ＼
　　　　　 l　　U　　　 　 ;　　 　 　 　 l⌒ '"⌒ ヽ、　　　　　　　　　　頼むから返事をしてくれ！！」
　 　 　 　|　　　 　 　 　 u. 　 　;　　　|ｰ　　 　 　 ＼
.　　　　　 !　u.　_ノ′ヽ､__　　 ∪ 　 　 　 　 　 ,; 　　＼　,rｰ､
　　　 　 　 ゝ｡(（-‐）　 （ｰ-）)::｡　i'′⌒￣￣`￣￣￣ヾ｀ヽ　ヽ
　 　 　 　（ 　ヽ'"（__人___）"'__ ,ノ ヽ､_＿＿＿"_＿＿,､___ｿﾉ__ﾉ






844 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:51:29.43 ID:fe2vHZoo







　　　　 ＿__
　　 r'´ 　 ,. ヽ　　
　　｀ｰ '´ ｀,) '_´.　　　　 ｀ﾞ ‐- ､
　 　　,. '´/　　｀i　　　　　　　　｀ヽ　,. ‐ 、
　　　/　　　　　 l　 　 　 　 　 ,, -､ ヽ‐-､ ＼　　　キャン！キャン！
　　　!　　　・　　　　　　　　／　　 l 　 !　ヽ-'
　　　ヽ、　　 　 r‐- ､__　　　　　　 '　　!
　　　　 ｀ヽ - ､_,.￣_｀´ ｰ'　　・　　　　/
　　　　　　 　 　 !｀ヽ-'ー ､_　　 _ 　 ノ
　　　　　　　　 /　　　　　　l｀´
　　　　　　　　 l ,　　 　 l　　 ',　 ,. -､
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845 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:52:22.81 ID:fe2vHZoo






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　 　 　 　 　 　 　 　 从:.ﾄ､:ﾄ､!｀¨¨｀`　ヽ|　　ィ汀云仆t j.:.j:.:.:.:.:.}¨´.:.:.:.:i/
　　　　　　　　　　　　　｀　｀!　　　　/　　　　　弋弐タ }厶.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:./　　　　　　あの人のお祖父さんって？」
　　　　　　　　　 　 　 　 　 {　　 　〈　　　 　 　 ｀￣＿_,ノ.:.:.:／}　}:.:.:.:.{＿_
　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　 　 ｀　　 　 　 　 ｀ー一 '"´ ノ　ハ､;,;__ノ´
　　　　　　　　　　　　　 　 　 、　　｀辷ュ 　 　 　 　 　 　 ＿_,／:.:∧
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　 ー　　　　　　　　 ／　 }:.:.}:.:.:}　}
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　 | ヽ"::ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i,　 iヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ r';'　} 　ニカッ
　. ﾞN l　::.ヾ====イ;:'　　l　､====/　,l,ﾌ ﾉ
　.　|_i"ヽ;:...:::／　ﾞ'''=-='''´｀ヽ.　　／i　l"　　　　　　 「ああ、聞いたことないかな」
　　　.|　:ﾞl.''(＜Ｔ''Ｔ''Ｔ''Ｔ''Ｔ'Ｔ＞)゛|'",il"|　 　
　 　 .{　 ::|　､ ＼工工工工／　,　il 　 |　　
　　 /l　　:|.　ﾞl;:ヽ========ノ ,i'　,l'　　ﾄ､
　／ .|　　 ゝ､ﾞl;:　　　　　　　,,/;;,ノ |　　＼
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846 ：1[saga]：2009/09/22(火) 22:53:24.68 ID:fe2vHZoo








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　　　　／　　 <●>::::::<●>　＼　　　　　　　　　　「あの成富兵庫だよ」
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　　　　　 ￣（⌒`::::　　⌒ヽ
　　　　　　　 ヽ:::: ~~⌒γ⌒）
　　　　　　　　 ヽー―'^ー-'
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　【やる夫の祖父　　成富兵庫茂安】









やる夫が葉隠武士になるようです　　　　第１６話　　　「意地」　　　　　了










原作　　『葉隠』　　　　　　　　　　　　　山本常朝・田代陣基
　　　　　『死ぬことと見つけたり』　　　隆慶一郎


キャスト

やる夫　　　　　　　　佐賀の浪人　
斎藤杢之助　　　　　常に死人たらんとするいくさ人　　　　　　　　（赤木しげる『アカギ』）
お勇　　　　　　　　　杢之助の妻　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（翠星石『ローゼンメイデン』）
やる夫の犬　　　　　やる夫につきそう　　　　　　　　　　　　　　.　（シロ『クレヨンしんちゃん』）
斎藤用之助　　　　　故人。杢之助の父。したたかないくさ人　.　（平井銀二『銀と金』）


【鍋島家】
中野やらない夫　　勝茂近習。やる夫の友人　
鍋島直茂　　　　　　佐賀藩藩祖。名君。突撃バカにして外交の達人　　（涼宮ハルヒ『涼宮ハルヒの憂鬱』）
鍋島勝茂　　　　　　初代佐賀藩主。剛毅　　　　　　　　　　　　　　　　　　（キョン『涼宮ハルヒの憂鬱』）
鍋島忠茂　　　　　　勝茂の弟。初代鹿島藩主。　　　　　　　　　　　　　　（国木田『涼宮ハルヒの憂鬱』）
鍋島正茂　　　　　　忠茂の長男。乱暴者。　　　　　　　　　　　　　　　　　（花山薫『グラップラー刃牙』）
佐野茂之　　　　　　忠茂の次男。対馬藩家老　　　　　　　　　　　　　　　（骨皮スネ夫『ドラえもん』）
多久美作守　　　　佐賀藩家老。老かい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　（利根川『賭博黙示録カイジ』）
土山五郎兵衛　　　江戸番役の側近　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（古泉一樹『涼宮ハルヒの憂鬱』）


【徳川家】
徳川家光　　　　　三代将軍。武断政治をすすめる　　　　　　（ナナリー『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
酒井忠勝　　　　　大老。伊豆守をけん制する　　　　　　　　　（ヤン・ウェンリー『銀河英雄伝説』）
松平信綱　　　　　知恵伊豆。佐賀藩取り潰しを狙う　　　　　（ルルーシュ『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
柳生宗矩　　　　　但馬守。将軍家剣術指南役。大目付　　　（矢神月『デスノート』
柳生三厳　　　　　十兵衛。宗矩の長男。すごく強い　　　　　（ビスマルク『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
柳生友矩　　　　　左門。宗矩の次男家光の想い人　　　　　（紅月カレン『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
柳生宗冬　　　　　又十郎。宗矩の三男。幸運児　　　　　　　（枢木スザク 『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）


タケ　　　　　　　　山窩の子。中野家の女中　　　　　　　　　（サン『もののけ姫』）
竹岡半太夫　　　背振山窩の親方。タケの父　　　　　　　　 （ポルコ・ロッソ『紅の豚』）

庄司甚右衛門　　吉原惣名主。かつてはいくさにん　　　　（愚地独歩『グラップラー刃牙』）
銀太夫　　　　　　 西田屋の女郎　　　　　　　　　　　　　　　（水銀燈『ローゼンメイデン』）
穂露　　　　　　　　西田屋の女郎　　　　　　　　　　　　　　　（賢狼ホロ『狼と香辛料』）
小牟　　　　　　　　西田屋の女郎　　　　　　　　　　　　　　　（小牟『ナムコ×カプコン』）

成富兵庫　　　　やる夫の祖父。佐賀の名物藩士　　　　　（オプーナ）

阿部さん　　　　　　葉隠の解説　　　（阿部高和『くそみそテクニック』）








　　次回予告









　　　　　, (⌒　　　　　　⌒)
　　　(⌒　　(　　　　　　)　　⌒)
　　（　　　　　　　　　　　　　)　　)
　　　　（＿ヽ＿ﾊ从人＿ﾉ＿ノ
　　　　　　　　　 | || | |
　　　　　　　ﾉ Ｌ,l ,|| |､l、
　　　　　　　⌒:::＼:::::／::＼
　　　　　　／　<●>::::<●>＼
　　　　 ／　　　 （__人__）　　 ＼　　　　冗談じゃねぇ！何度でも辞めてやらぁ！
　　　 　|　 　 　　　|::::::|　　　　　|
　　　　 ＼ 　 　 　 l;;;;;;l　　 　／l!|
　　　 　／　　　　　`ｰ'　 　　＼ |i
　　　／　　　　　　　　　　ヽ !l　ヽi
　　 （　　 丶- 、　　　　　　 しＥ　|　　　　ドンッ！
　　　　`ー､＿ﾉ 　 　 　 ∑　l､Ｅ ﾉ　>
　　　　　　　　　　　　　　　ﾚY^Ｖ^ヽ








　　　　　　　　　　　 ／￣＼||i
　　　　　 　 　 　 　 |　　　　|
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　　　　　　　　　　　　　 | |ii
　　　　　　　　　i||／ ￣ ￣　＼||i
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　　　　　　　|　　　　（__人__）　　 　　|　　　　　「いくぞっ！！成富隊、帆をかけろっ！！」
　　　　　　　＼　　　 ｀ ⌒´　　　　／
　　　　　　i||/,,―　-ー　　､　,　-‐ ､|i
　　　　　　 （　　　,　-‐　'"　　　　　 ）
　　　　　　　 `;ー"　`　ー-ー　-ー'|i
　　　　　　 そi|l　　　　　　　　　　　l て　　ｶｼｰﾝｯ!!
　　　　|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
　　　　|　　　ワ　　　　　ゴ　　　　　　ン　　 |







862 ：1[saga]：2009/09/22(火) 23:14:29.94 ID:fe2vHZoo







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　　　　ミ　／　　::::<●>:::::<●>::＼　　　　　 .　　　　　　／ （●）　 （●）　　　＼
　　　　ミ　|　　　　　 （__人__） 　 　|　　　　　..　　　　　　|　　 （__人__）　　　　　　|
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　　　　　／/　　　　　 　 　 　 　 ヽ　／＼　　　　　　　／/　　　　　 　 　 　 　 ヽ　／＼
　　　 ／　/　　　　　　　　_　 　 　／　 ／　....　　　 ／　/　　　　　　　　_　 　 　／　 ／
　　／|￣￣￣￣￣￣￣（__.ノ￣|＼／|　　　 　　／|￣￣￣￣￣￣￣（__.ノ￣|＼／|
　　　 |　 　　　　ワゴン　 　 　 .｜　／　　　 .　　　 |　 　　　　　 　　 　 　 　 .｜　／
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　やる夫が葉隠武士になるようです　　　第１７話　　　「成富兵庫」　



　この人を知ったら、佐賀に足を向けて眠ることができなくなりました　　　ｍ（　　　）ｍ