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■2009/03/31(火) やる夫のショート・ショート <Author: Saki Title: The Interlopers>

カテゴリー:やる夫短編集


出演やる夫 やらない夫


55 名前:◆4pCV5yXGK.[] 投稿日:2009/03/28(土) 21:36:13.75 ID:e6eGXqko

<Author: Saki Title: The Interlopers>

【作者:サキ   邦題:侵入者たち】

※今回は原作重視。意訳しているので、販売されている日本語版とは詳細が違うかも・・・






1
───ある冬の晩、猟銃を携えた男が
   一人領地内の見張り台に立ち、
   獣が射程内に入らないか、真っ黒な森を見据えていた───




57 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:37:18.52 ID:bqo8Idso

意訳……ってことは

原書で読んだのか!?




2

         
     / ̄ ̄ ̄\   ───男の名はやる夫───
    / :::\:::/::  \ 
  /  <●>::::::<●>  \.
  | /// (__人__) ///  |  
  \___   __/ 
  ,/  ヽ  ヽ`ー"/:: `ヽ
  /     ゙ヽ   ̄、:::::  ゙l,         ※猟銃です
 |;/"⌒ヽ,  \  ヽ:   _l_        ri                   ri
 l l    ヽr‐─ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| |                   / |
 ゙l゙l,     l,|`゙゙゙''―ll___l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
 | ヽ     ヽ   _|_  _       "l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |二;;二二;;二=''''''''''' ̄ノ
 /"ヽ     'j_/ヽヽ, ̄ ,,,/"''''''''''''⊃r‐l'二二二T ̄ ̄ ̄  [i゙''''''''''''''''"゙゙゙ ̄`"
/  ヽ    ー──''''''""(;;)   `゙,j"  |  | |




4
───男が立つ見張り小屋は森の端に建てられた。
    この森の端というのは急斜面になっており、猟の獲物になる
    獣は限られていた。が、しかし領地の当主である男、
    VIP・DE・やる夫は最も厳重にこの辺りを監視していた───    

                  ∧
                  || |   |
                  || |  rt!               |
                __ _⊥⊥ / l!__ __ _         tirit
,_,,.. .-‐ '''""~""'‐- 、、∧.::::::::::::::::::」 r|::::::::::::::::::::',        〔77〕
              /  ',:::::::::::::::l | :|::::::::::::::::::::::',        」___L
             |i゜゜| lヨ lヨl::l | :|.:. lヨ lヨ lヨ l | ∧__ __._| |  |. :. :. :. :. :. :. :. :
 _ _,, . -‐::''.."." ¨¨´ .. |i王| lヨ lヨl::l | :|.:. lヨ lヨ lヨ l | | | :::: ::::::::::::| |  |  .,"'`',:'':'`'`',
 .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',,   |i王| lヨ lヨl::l | :|.:. lヨ lヨ lヨ l | | | :::::: | |  |.,"'`',:'':'`'`',:'':'`
  .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,"'`',:'':'`'`',:'':'`.,"'`',:'':'`'`',:'':'`.,"'`',:'':'`'`',:'':'
  .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',,.:.:.:.:.:.:.:.:.,"'`',:'':'`'`',:'':'`.,"'`',:'':'`'`',:'':'`.,"'`',:'':'`'`:,,,,.州州洲'`キ
  .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`',:'':'`'`',:'':'`.,"'`',:'':'`',:,,,,.州州洲'`キrキ州洲'`キキキ


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5

───話の発端は彼の先々代、
    彼の祖父が、訴訟を起こし、隣の領主が
    不法占領した彼の土地を奪い返したのに起する───
     ____
   / ~~~\
  /  ~~~  \   
/   -(◎)―(◎) \ わしの土地じゃ!!
|   ( ( (__人__)))  |
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ "  /__|  |
 . \ /___ /




6

───がしかし、取られた側は判決を良しとせず、
      親子三代に渡る領地争いは、領主への
        個人的な憎しみとして世襲されていった───
    
俺の土地だろ!!   
      / ̄ ̄\                           
    /ノ(  ゝ 、_,ノヽ        r'´ ゙ヽ      /`ヽ          ____
    | ⌒(( ●)(●)        ヽ   ヽ从从/   /        \   /\ やる夫のだお!!
.    |     (__人__) /⌒l     \  \/  /て       (●)liil(●) ノ( \
     |     ` ⌒´ノ |`'''|    ∑ ヽ/  /  そ     / (__人__)  ⌒   \
    / ⌒ヽ     }  |  |      ,)/  / \ く     |   |!!il|!|!l|         |
   /  へ  \   }__/ /      /   /\  \      \i⌒ヽェェ|      /
 / / |      ノ   ノ    /   / YYY\   \     \ \  /⌒,/´
( _ ノ    |      \´    /   /       \   \     / \ \/  /l
       |       \_,/   /         \   \_/    \__ノ |\
       .|            /            \             |) )
       ヽ          /               \           ,r' /
         \      , '´                   `' ,        /ー'′
          \     (                     )     /
            \    \                  /    /
このち○こ頭!!                     うっせー顔長!!





7

───彼らが幼いころは事あるごとに
        殴り合いの喧嘩をし、
         成人してからは、お互いの不幸を願って生きてきた───


      / ̄ ̄\   おちんぽぉ
    /ノ( _ノ  \
    | ⌒(( ●)(●)     
    .|     (__人__) /⌒l
     |     ` ⌒´ノ |`'''|
    / ⌒ヽ     }  |  |              
   /  へ  \   }__/ /             / ̄ ̄\    カタストロフィーー!
 / / |      ノ   ノ           / ●)) ((●\’, ・
( _ ノ    |      \´       _    (   (_人_)’∴ ),  ’
       |       \_,, -‐ ''"   ̄ ゙̄''―---└'´ ̄`ヽ   て
       .|                  ______ ノ    (
       ヽ           _,, -‐ ''"  ノ       ヽ   r'" ̄
         \       , '´        し/..     | J
          \     (           /      |
            \    \         し-  '^`-J




67 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:43:55.94 ID:bqo8Idso

ちょwwwwww掛け声wwwwww
ホントは仲良いんじゃねえか?wwwwww




8

───そして毎晩、領主自ら猟銃を手に、
       互いの領地の端に建てた見張り小屋に
                   足を運んでいた───
   _/ ̄ ̄\
  / ノ  \ \
  |  (●)(●) | あの馬鹿こっち入って来ないかなー・・・
  |  (__人__)  |  きたら蜂の巣にしてやるのに・・・
  |   ` ⌒´   |        
   \    ´ /
  /      |\          
 (   く"| _____|__\__________ri
r‐\  ヽノ _|||||________._|}=====fll||爪||||||l|」コ
   \_ 三〉))ー' ̄         `ー'ミ ̄~ ̄       
'ー---‐'''~`ー'



9

───そう、彼らは四本足の獣ではなく、
      二足歩行の"獣"を狙っていたのだ───



10

───今宵、嵐の夜に、やる夫は、
       鹿を見た。
         なにか、そう、
          "二本足の獣"から逃げているかのような様子だった───

   ∧             /i,  /|
  ヽ Y   ∧     ,.   | ,'//
   'i |   i !    / |  i ' /
    i i ∧/ /   / i  /  /
.    'i ',ヽ ' /   〈  i / /
    | ' j |    ヽ. V /
    ヽ、 i !     〉 ./
      ヽ,,; |    //
      i:〉 ´''''''''゙'r ´`>
.      i´ : :,.,.,. :. ヘ/
      !: : :,'r‐ァ : : ヽ
     /: : ,',. `´: : : : : ゝ、
    ;;;;;;; : : : : : ,.;;; : : : : `‐ .,
    ヽ,_ : :_, 1:;:;'' : : : : : : : :ヽ.、
          i': : : : : : : : : : : : : ;`‐- .,
.         |: : : : : : : : : : : : : : ,',',:',:',:ヽ、
.         | : : : : : : : : : : : ,;',;',;',;',;': :, '::.ヽ
         i: : : : : : : : : : ,; ; : ; : ;: ; : : : ; :



11

───願わくば一対一、
     目撃者の誰もいない場で、
          ”獣”と遭遇できれば─── 
     ____  
   /      \
  /  ─    ─\ 絶好の機会だお!!
/    (●)  (●) \ 
|       (__人__)    | 
/     ∩ノ ⊃   /
(  \ / _ノ |  |
.\ "  /__|  |  
  |\ /___ /|
  |          ノ
  ヽ   y    /
   \ /     /
    /   /
   (___)_)



12

───そして、お互い願ってもいない獲物
                     に出会った───


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \                          ____
 |    /゚ヽ/゚ヽ                         /      \
 |     (__人__)                        /ノ  \    \
 |     |'|`⌒´ノ                     / /゚\  /゚\    \
 |.    U    }                    |   (__人__)        | 
 ヽ        }                      \  .` ⌒´|'|      /
  ヽ     ノ                       ノ     .U     \
   /    く




13

───がしかし、いざ宿敵を前にしてみて
          お互い、何も言わずに平然と隣人を撃つ度胸は無かった───
           


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \                         ____
 |     ○ ○                          /      \
 |     (__人__)                        /ノ  \    \
 |      `⌒´ノ                     /  ○  ○     \
 |.         }                    |   (__人__)        | 
 ヽ        }                      \  .` ⌒´       /
  ヽ     ノ                       ノ     .      \
   /    く



14

───寸分ためらった直後、二人は激しい轟音を耳にした。
        彼らの頭上の木を雷が打ち、
            折れた枝が二人の上に覆いかぶさった───
      \   /
      / /
      く <
::::     ,\\   
::::::::  ',∴ //∵・_ ::::::::::::::
;;;;;::::::∩ ';人・'∩:::::::;;;;;;;;:::::::::
;;;;;;;;;;;;|ノ  ̄ ̄ ̄ ヽクマー;;;;;::::::::::::::::
;;;;;;;;;/  ○   ○ |;;;;;;;::::::::::::::
;;;;;;;;|     ( _○_)  ミ;;;;;;;::::::::::
;;;;;;;;ヽ    |∪|  、;;;;;;;:::::::::::



15
───やる夫は気が付くと地面に倒れていた。
     太く重いブナの枝がやる夫の顔面を打ち、
      両足と利き腕の右腕にのしかかっていた───
       ____
     /,:' /,';;;}: \  血が目に入ってよく見えないお・・・
   /_, 。ィ' li:.、ヒァ' \   足はぴくりとも動かせないお・・・
  / ⌒';,゙i, ri:.:i .::' メ、 \  
  | u  ,:' /,';;;}:.ヾ:.    |  
  \     ' {;!゙'    /
  /              \



16

───普段なら手の届く位置・・・
      やる夫の宿敵もまた大木に押しつぶされていた───

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ー)(ー)
. |     (__人__) ううう・・・痛いだろ常識に・・・考え・・・て
  |     ` ⌒´ノ   
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ     
   /    く  
   |     \  
    |    |ヽ、二⌒)
   |  /
━━━━━━━━━━━━━━
 木 木 木 木 木 木 木
━━━━━━━━━━━━━━




17

───目に血が入り、はっきりとは見えないが、
     やる夫は弱々しくも確かに息をし、
      自分のこの不幸な状況を罵倒する宿敵の声を聞いた───

      / ̄ ̄ ̄\
    / ─    ─ \  ふん、生き残ったらしいお・・・
   /  (×)  (×)  \. すっきりくたばるべきだお
   |    (__人__)    |
   \    ` ⌒´    /
   /              \




78 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:48:31.69 ID:bqo8Idso

ぬう……




18

───彼は目が見えるのだろう、愚痴を止め、
                 突然わめき始めた───

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●) ふん、ざまぁないだろ
. |     (__人__)   人様から横取りした土地で
  |     ` ⌒´ノ    死にかけてるんだからな!
.  |         }
.  ヽ        }    天罰だよ!
   ヽ     ノ 
   /    く  
   |     `ー一⌒)
    |    i´ ̄ ̄ ̄




19

       ____
     /-‐  ‐-\  何を言ってんだお!!ここは家の土地だお!!
   / ( ⌒) (× )\   今に見てるお!!やる夫のとこの若い衆が来て
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\    ここで木につぶされてた方がましって思いをさせてやるお!!
  |              |     
  \            / 



20

   / ̄ ̄\  
 /  _ノ   \   
 |   ( ●)(●)l 何を言ってるんだ?
. |    (__人__) |  俺だってうちのを連れてきてるだろ。
  |    ` ⌒´ |   何、あいつらが俺を見つけ次第俺をここから出して、
.  |         }      お前の上にもう一本大枝を転がしてやるだろ
.  ヽ        }  
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



21

        / ̄ ̄\   
      /       \
      |::::::        | なに、天災の不運な犠牲者
     . |:::::::::::     |  にはお悔やみのひとつでも
       |::::::::::::::    |   くれてやるだろ・・・葬式でな。
     .  |::::::::::::::    }     隣人的に考えて。
     .  ヽ::::::::::::::    } 
        ヽ::::::::::  ノ  
        /:::::::::::: く   
        |:::::::::::::::: \



22

              __
            .-´   ``ヽ
           / ⌒      `ヽ
         /        `ヽ  ヽ
    ((   / (×)          ヽ  ・・・お前にいいことを教えてやるお
        |::⌒(__   (× )     |    やる夫は一人でお前を探しにいく前に
        ヽ   人__) ⌒::::      |      若い衆に10分たったらやる夫を追いかけてくるように
          ヽ(__ン          |      言ってあるんだお。今きっと7分位たったお。
         人           /  | |    残りの3分でせいぜい生まれてきたことを
        /          _ノ  ノノ     懺悔するお!!
                    |



23


ふん、良いだろう、死ぬまでやったやるだろ、
くたばれこの糞泥野郎!!

      / ̄ ̄\                           同じ言葉をそっくりそのまま返してやるお!
    /ノ(  ゝ 、_,ノヽ        r'´ ゙ヽ      /`ヽ          ____
    | ⌒(( ●)(●)        ヽ   ヽ从从/   /        \   /\ 
.    |     (__人__) /⌒l     \  \/  /て       (●)liil(●) ノ( \
     |     ` ⌒´ノ |`'''|    ∑ ヽ/  /  そ     / (__人__)  ⌒   \
    / ⌒ヽ     }  |  |      ,)/  / \ く     |   |!!il|!|!l|         |
   /  へ  \   }__/ /      /   /\  \      \i⌒ヽェェ|      /
 / / |      ノ   ノ    /   / YYY\   \     \ \  /⌒,/´
( _ ノ    |      \´    /   /       \   \     / \ \/  /l
       |       \_,/   /         \   \_/    \__ノ |\
       .|            /            \             |) )
       ヽ          /               \           ,r' /
         \      , '´                   `' ,        /ー'′
          \     (                     )     /
            \    \                  /    /

※二人は木に押しつぶされ動けません。
  これは彼らの精神的な戦いです。




24

───互いに罵り合った・・・
     がしかし、どちらの家のものが来るか、
      これは運であろう。
      二人はまた、彼らの上にのしかかる
       大木から這い出ようともがくのをあきらめた───  




25

───やる夫もその宿敵も口を閉じ、
     ただただ助けを待った。 
      やる夫の宿敵はふと、
       自分の胸ポケットにスコッチの入った
        ボトルがあるのを思い出した───

───彼は傷ついた腕を精一杯動かし、何とか
     そのボトルに手を伸ばした───




26

───寒空の下、気の遠くなるような作業であったが
     琥珀色の液体に口をつけた時、
      その作業が無駄ではないと感じた───

   / ̄ ̄\  
 /  _ノ   \   
 |   ( ─)(─)l ・・・おい、まだ生きてるか?
. |    (__人__) |  もし俺が瓶をそっちに放ったら、
  |    ` ⌒´ |   手が届くか?
.  |         }  
.  ヽ        }  
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



88 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:53:01.51 ID:bqo8Idso

おや?




27

───彼はやる夫を見、同じ境遇にいるからであろう、
        やる夫に同情の念を覚えた───

   / ̄ ̄\  
 /  _ノ   \  上等のウィスキーがあるんだ、 
 |   ( ─)(●)l   ちょっとでも楽になるならそれに尽きることは無いからな・・・
. |    (__人__) |  
  |    ` ⌒´ |   
.  |         }  
.  ヽ        }  
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ




28


                         ____
                       /      \
・・・いや、いいお        / ⌒   ⌒  \
目に血が入って      /  (×) (×)   \
ろくに見えないんだお   |    (__人__)     |
                   \   ` ⌒´     _/ ・・・それに敵と
                 ノ           \     酒は飲まないお




29


   / ̄ ̄\  
 /  _ノ   \   
 |   ( ─)(─)l ・・・
. |    (__人__) |  
  |    ` ⌒´ | 
.  |         }  
.  ヽ        }  
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



30

───・・・しばしの間、
       風が木々の間を通り抜ける音だけが響いた───    
   / ̄ ̄\  
 /  _ノ   \   
 |   ( ─)(─)l ・・・
. |    (__人__) |  おい、お隣さんよ・・・
  |    ` ⌒´ | 
.  |         }  
.  ヽ        }  
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



31

  
   / ̄ ̄\  
 /  _ノ   \   
 |   ( ●)(●)l ・・・あんたんとこの者が先に着たら俺をどうしようとかまわない。
. |    (__人__) |  俺もついさっき同じことを言ったからな・・・
  |    ` ⌒´ | 
.  |         }   ただ、俺は気が変わった。
.  ヽ        }  
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



32

───彼は続けた───
 
   / ̄ ̄\  
 /  _ノ   \   
 |   ( ●)(●)l もし俺んとこの奴らが着たら
. |    (__人__) |  真っ先にあんたを助け出させよう・・・
  |    ` ⌒´ | 
.  |         }  
.  ヽ        }  
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



33


 
   / ̄ ̄\  
 /  _ノ   \   
 |   ( ─)(●)l ・・・考えてもみろよ、
. |    (__人__) |  俺たちずっと馬鹿だっただろ
  |    ` ⌒´ |   こんなろくでもない大木しかないわずかな土地を
.  |         }     親子3代取り合ってきたんだからな・・・
.  ヽ        }  
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



34

 
   / ̄ ̄\  
 /  _ノ   \   
 |   ( ─)(─)l こうやって互いに動けない状態で
. |    (__人__) |  寝転がってると・・・
  |    ` ⌒´ |   争う以外に何か別のことができたんじゃないかって・・・  
.  |         }     
.  ヽ        }    俺はそう思うだろ・・・
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



97 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:59:42.07 ID:bqo8Idso

なんか目の敵にしてる相手の事って
かえって直視しないものだよなあ

だから、間近で直視せざるを得ない状況に放り込まれると……案外……




35


 
   / ̄ ̄\  
 /  _ノ   \   
 |   ( ●)(●)l もし、もしもな・・・
. |    (__人__) |  あんたが良ければ、
  |    ` ⌒´ |   今までを水に流してくれるんなら
.  |         }     
.  ヽ        }    ・・・俺の友達になってはくれないか? 
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



36

─── 一寸の沈黙の後、やる夫の覇気が無い、
      が喜びを帯びたかすれた笑い声が聞こえた───



37

───そしてまた沈黙。
      やる夫は痛みで気を失ったのではないか
         それほど長い沈黙であった───
         ____ 
       / _ノ  ヽ_ \    
     /。(×) (×) \ ・・・町のやつらがびっくりするだろうお 
    / :::⌒(__人__) ⌒::: \   あのちっぽけな森をじいさんの代から
    |     ヽr┬-ノ      | .   取り合ってきたあの両家の当主二人が
.    \    `ー'′    /     真昼間から酒場で
    /    `      \      酒を飲み交わしてる所を見たら・・・
    |           .  \.
    |           
───かすれた声だが、やる夫の言葉は妙にはっきっりと、
        今しがたからやる夫の友になった男の耳に届いた─── 




38

       ____
     /-‐  ‐-\ それにやる夫達が仲良くして
   / ( ×) (× )\  うるさく言う連中ももういないお・・・! 
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\    
  |              |     
  \            /




39

       ____
     /-‐  ‐-\ 
   / ( ⌒) (× )\ 大晦日にはやる夫があんたを呼ぶお・・・!  
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\   一緒に年を越すんだお・・・!! 
  |              |     
  \            / 

       ____
     /-‐  ‐-\ 
   / ( ⌒) (⌒ )\ んで、正月はあんたんとこにお呼ばれ
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\      するお・・・!!
  |              |     
  \            /



40


       ____
     /-‐  ‐-\ 
   / ( ⌒) (⌒ )\ 一緒に狩りに行って、
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\   あんたのその上等なウィスキーと一緒に、   
  |              |    獲ったカモでいっぱいやるお・・・! 
  \            /



106 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 22:10:08.41 ID:bqo8Idso

お、やる夫の目が……




41


   / ̄ ̄\  
 /  _ノ   \   
 |   ( ─)(─)l ああ、もちろんだろ
. |    (__人__) |     友情的に考えて・・・
  |    ` ⌒´ |   
.  |         }     
.  ヽ        }    
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



42

───二人は、今しがた打ち解けた、
     先日まで予期していなかった友情を
      喜ばしく思い、次の春の狩猟の季節を
       今となりに寝ている新しき友と
        過ごす事を心に思い描いていた───



43

───沈黙を破り、やる夫の新しき友が
         口を開いた───
   / ̄ ̄\           
 /  _ノ   \   
 |   ( ●)(●)l よし、二人で助けを呼ぼう。
. |    (__人__) |  二人合わせれば少しは声も通るだろ!   
  |    ` ⌒´ |   
.  |         }     
.  ヽ        }    
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



44

───二人は精一杯叫んだ。
     今の二人には、どちらの家の者が来ようと、 
      それは問題ではなかった───




45

   / ̄ ̄\           
 /  _ノ   \   
 |   ( >)(●)l おっ!聞こえたみたいだろ!!
. |    (__人__) |   今止まってこっちにくるぞ!! 
  |    ` ⌒´ |   
.  |         }     
.  ヽ        }    
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



110 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 22:12:14.06 ID:bqo8Idso

さて……どうなるか




46

       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \ ほんとかお?
  / o゚((×)) ((×))゚o \  助かったお・・・!!
  |     (__人__)    |   何人いるお?
  \     ` ⌒´     /




47

   / ̄ ̄\           
 /  _ノ   \   
 |   ( ●)(●)l ん~暗くてはっきりとはしないが・・・
. |    (__人__) |   10人くらいかな・・・
  |    ` ⌒´ |   
.  |         }  なんだ、元気のいいやつらだ。   
.  ヽ        }    駆けてくるぞ!!
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



48

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ×)  (×)\ そうかお!!
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\ じゃあ、あんたんとこのだお! 
  |     |r┬ |     |   やる夫の奴らは7人だから・・・
  \      '  _ /
   ( ^ノ  ̄     ヽ



49


   / ̄ ̄\           
 /  _ノ   \   
 |   ( ○)(○)l ・・・いや・・・違うだろ・・・
. |    (__人__) |  
  |    ` ⌒´ |  ・・・HAHAHAHA 
.  |         }  
.  ヽ        }    
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ



50

       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \ どうしたんだお?
  / o゚((×)) ((×))゚o \ 違うってなんだお?んなら誰なんだお?
  |     (__人__)    |   
  \     ` ⌒´     /



116 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 22:15:05.81 ID:IByNKKIo

アレ




51

   / ̄ ̄\           
 /  _ノ   \   
 |   ( ○)(○)l ・・・・・・’誰’じゃ無いだろ・・・・・・
. |    (__人__) |  
  |    ` ⌒´ |  
.  |         }  
.  ヽ        }    
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ




118 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 22:16:44.07 ID:bqo8Idso

なんか……予想外の、展開?




52

.             ,r、
.             l ヽ
.              l  ゙、
            l    \_
            ヽ      `` 、
             ゙、 _ ,...、   ヽ, __ ,
                ll l l ヽ 、 ゙、' -- '
           , - '´ `'' <、,,_ ヽi ヽ',
           i         `` -' i、
         〈             ヽ、


───”4つ足の獣”の遠吠えが響いた───



120 名前:◆4pCV5yXGK.[] 投稿日:2009/03/28(土) 22:17:20.36 ID:e6eGXqko

<Author: Saki Title: The Interlopers>

【作者:サキ   邦題:侵入者たち】  終わり


121 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 22:18:22.87 ID:IByNKKIo

おつ
序盤の''獣''がここで生きてくるとは


122 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 22:20:54.76 ID:bqo8Idso

まwwwwwwたwwwwwwどwwwwwwんwwwwwwでwwwwwwんwwwwww返wwwwwwしwwwwww

この作者の根性は、間違いなくドス汚れてるwwwwwwwwwwww最高wwwwwwwwwwww


乙でした!


123 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/28(土) 22:22:32.03 ID:e6eGXqko

以上で本日の投下は終わりです。

なぜかイギリス国内でも知る人の少ないサキの短編2本をお送りしました。

次回作は、Charlie Fichの、Death By Scrabble【スクラブルから死を(仮)】
をやりたいと思います。


124 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 22:24:11.36 ID:IByNKKIo

たのしみにしてま。
ショートショートはやっぱラストでどんでんがえされるのが楽しいわ。


125 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 22:25:17.06 ID:WndILsYo

そうだよな、森といえば四足の獣が主だよな。弱肉強食的に考えて。


126 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/28(土) 22:25:49.70 ID:e6eGXqko

ちなみにサキですが、皮肉の効いたブラックジョークが売りだと思います。
起承転結も、O・ヘンリーの様な滑らかな流れで進み、
さいごにえ・・・っ?と落としてくれます。

また次回作ができましたら投下したいと思います。
やる夫系スレの連絡所で告知したいと思います。

最後に、お付き合いいただきありがとうございました。


127 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 22:26:27.15 ID:IByNKKIo

(゚д゚ )乙
サキ買って見ようかしらね。


128 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 22:36:09.41 ID:bqo8Idso


次回も楽しみにしてるよ


129 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 22:37:48.99 ID:e6eGXqko

皆さん、ありがとうございます。
是非ともサキを探して買っていただきたい!



139 名前: ◆4pCV5yXGK.[] 投稿日:2009/03/29(日) 17:12:40.47 ID:sC.SLXko

こんばんは

書き溜め終わりました。
本日投下!と言いたいところなんですが、
時間がとれません。

なので、明後日の31日、22時より開始したいと思います。

投下作は二作、

夫婦の心温まる愛情の物語、【スクラブルから死をあなたに】<チャーリー・フィッシュ>
年頃の女の子の友情ストーリー【毛皮】<サキ>

をお送りします。

よろしくお願いします。


140 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/29(日) 17:25:19.80 ID:Cx2W1tgo

心温まるとか、友情ストーリーとかwwwwww
まるで信用できねえwwwwww

でも楽しみにしてるよww


141 名前: ◆4pCV5yXGK.[] 投稿日:2009/03/29(日) 17:39:41.67 ID:sC.SLXko

>>140
すでに原作チョイスを見破られている・・・

明後日会いましょう!!ではでは


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