■2009/09/25(金) 短編勝負スレ 泣き虫母さん |
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短編勝負スレ の記事一覧 303 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:19:01 ID:zTwirki2 とりあえず、今から投下させてもらいます。 タイトルは、『泣き虫母さん』 コマ数は、16コマです。 それでは、投下開始します。 304 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:19:12 ID:zTwirki2 『俺の母さんは、泣き虫だ』 . 305 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:19:38 ID:zTwirki2 _ | \ /^! 俺の母さんは、本当によく泣く人だ。 O | ヽ. / | o o ヽ \ / j 家事で少し失敗すると、私は駄目な女だと泣く。 \ ノ^Y / 出された料理に少しでも文句を言う、あるいは直接言わずとも ° -‐─∠二ニ=≠< ∠ 渋い顔を僅かでも覗かせると、その点においてのみ無駄な察知力を発揮して、 , '´ ::::/::::::::::::::/{:::::::::\ }:: \ ゚ ごめんなさいごめんなさいと泣く。 . /:/:::::: /::::::::::/::/ ハ:::l:::::::::::ヾ:::::: \ O ///::::::::/:::::`ァ孑/ / Ⅵ::::::::::::::|::::::::::::ヽ /::::::: ,':::::/ j/ / |`ト、_:::::l::::::::::::::: ', o 「うぅ~またやっちゃったよぉ~!」 O /::::::::: |:::/ |::l::::::: ,'::::::::::::::::: i ,':::::::::::::Ⅳ ◯ |∧::::/:::::::::::l ::::: | i:::::/:::::::リ / / ◯ ∨:::::::::::::|::::::::| C 三日に一遍は、針仕事で針を手に突き刺して泣く。 |::/! ::::: {. / / / i l::::::/::::::ハ ::: l 五日に一度は、包丁で手を切って泣く。 レ' | :::::: ゝrく rー-‐- 、 j _j /::::/l:::::/ノ::::::| 一週間に一回は、タンスの角に足の指をぶつけたと言って泣く。 . l:∧/ '/ /)、`_ー~ー' fヽヽ`Y /|::/:::::∧::| . |ハ{. (∨::`l ¨¨了∧ j'´ |/:::::/ V …少しばかり注意力が散漫で、手先が不器用な人なのだ。 / . . . . . . . . . ./. . . ./ | |: : :|: : ::ヘ: : : : : : : : : /:,イ. . . :/: : : :::/|: : : :/ | |: ::|ヽ: . .ヘ . . . . . . . こっちからすれば、自分の事すらままなっていない様に見えるのに、 /::/ /: : : /: : : ::_/_|_:ノ:/ | ヽ|‐:|-|‐: ::.|: : |:: : : . . その癖人の心配だけは、必要以上に過剰にしやがるのである // /: : : :j: :: :::::/ |: :/ | |: | |: ::: :|: ::|: : : : : /'´ /: : : : :|: : :::ハ゛\|/ | |:| |: ::: |: :|: : : : : : /: : : : :/:|: :/::::j \ ___|j__|_:_::|:.:j: : : : ::o 「大丈夫!? ねぇ、大丈夫っ!?」 |: : : : /|: |/:::Ο ̄ ̄ \ |: ::|/: : : : ::::::: |: : :.://::O::::ノ \ |: /: : : : ::::::::: |: : :/ |/|.::::::{ r-‐" ̄ ̄`ヽ、 ○ |/: : : : :::::::::/ 転んで少し擦り剥いただけなのに、それだけで号泣。 |:::/ |: :::::ヽ、 { ヽ |: : : :::::::;:::/ノ ケンカしてちょっとした痣を作って帰って来た時など、 |/ |: :::::::/\| j j: ::0::/:/´:::: それこそ家中を引っくり返す様な大騒ぎ。 |: ::::/__|:/\ ,ノ , /: :::;イ:::::/:::::::::: 悪い風邪で3日間熱を出して寝込んでいた時などは、 |:::/´ ´ `>‐-‐<´‐ ´ ./::;/‐|:;/-‐、:::::: それこそ地獄の釜にでも浸かっているかの様な /∨ .i /" ̄`Y^j l^Y⌒゛'´ヽ、 ´ `ヽ 悲痛な顔で、ロクに睡眠も取らずに俺の看病を付きっ切りでしていた。 { :| {.  ̄ `〉' Y´  ̄ 〉./ / | ヽ| ゝ  ̄ソ {  ̄~ / // …自分の心配を先にした方が良いと、常々思う。 306 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:20:09 ID:zTwirki2 ____ / ⌒ ⌒\ そんな母さんだから、たまに近所の糞ガキに / (● ) (●)、 からかわれてしまう事もある。 /::::::::⌒ (__人__)⌒\ 概ね、こんな感じで。 | |r┬-| | \ `ー'´ / (ヽ > < ( i))) 「ない夫の母ちゃんはちょ~おバカ!」 γ´ ,ヽ/ / / /、:::.. 、 _./ / ノ .):::.. | …だったら年上の、しかも人の母親をつかまえて l∪ノ / , / 馬鹿呼ばわりする様な人間は、一体何なんだといつも思う。 UJ' i | | ヽ_,ヽ__, | 大馬鹿者のゴミ屑野郎か、それとも他人の気持ちを ヽ..:::\ ヽ 理解出来ない鬼畜な人非人なのか。 ノ::: ノ ,ノ (___(_.._ヽ _ _ _ , -/ `゙ -.、: : : :`゙ ‐ .、 …でも、母さんは怒らない。 ,. --、ム-// \: : : : : : :`: .、 それどころか、逆に謝ってしまう始末だ。 / 、7_{_____ \: : : : : : : .:\ そんな失礼な奴等など、殴ってしまえば良いというのに。 . / フ: : : : : : : : : : : :  ̄ミ: : : : : : : : :ヘ / ,. ォ-':/iヘ:ヽ. 、 : \: : : : : ミ|: : : : : : : i : ハ イ_,. ァ'′ : |: :,' .l: :ヽ.ヽ.\:. :\ : : : |: : : : : : : |: : ', 「うう…ごめんなさい、ごめんなさい…」 / :|: : : : :l: :| l: : : ー――--\ : l: : : : : : : |: : : :! . /: : l: : : : :i|/| : l : : : : \: : \\ヾ.| : : : : : : |: : : :| /: : : i: : : : :/l:|: : l: : : : : : : イ⌒/外、.| : : : : : : l: : : :| 元来の気性の弱さか、それとも俺の立場を考えてなのか、 ,' : : i: :i: : /|: :l:._,,: : : : : :.:.:.:.i什:::::::ハ ゝ: : : :i : l: : : :| 一切の反論も反抗もしようとせず、ひたすら誰に対してなのか i: : /|: :', : : : l ,,イ /ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨心ノij|: : : : .:l : lヽ: : ! 分からない謝罪を繰り返すばかり。 |: ,' l: : ',: : : l {i i::::::ハ:.:.:.:.::.:.:.:.:.゙ゝ--○: : : : :| : l ノi: :| |/ |: : :ヽ.: :トゝ弋ンj :.:.:.: |: : : : ,': : l: ∧:! からかう連中も、そんな母さんの性分をしっかりと把握している為、 |: : : : ヽ:',∧:.O''" , l: : : /: : /: ,' リ 涙目で頭を下げる母さんを面白がっては、更に罵倒を続ける。 . ',: : : : :|:ヾ: i _, -っ ,|: : /_|: /|:.,' . ヽ: : : l \: ヽ 、___'‐'"´ ,. イ,|: /:.:.l:∧l,' まったく、悪循環もいいところだ。 \ | ヽ:,-y-、_ヽ: : ̄: :_X:.:レ:.:.:.:":.:.:.\ ヽ ,.. ┴イ-i ハ _,.-<ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ. iィ====`イ_メ:.:..:.\\ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i ト、 /:.:.:.:.:.:.:.:.:./ \:.:.:.\\ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i l 307 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:20:31 ID:zTwirki2 / ̄ ̄\ / _ノ \ ∧__T _ ,,,r -r-T‐-、 i.、'|| ( ●)(●) ─ 。r *o:*::f:::r::..l __,-,,-、 ___ '; ' | (__人__) ::::::::*o;;;ro ot_f_ヽ丿 __/| | l |ヾ-"~ , ー| ` ⌒´ノ -v--v- '''''''"V"~~ ┴ l⌒ 二 -l ..uUU""l---- / | } └ l ( /., - イ. ヽ } とりあえず俺は、そんな光景を目撃次第、 .ト | ., - ' | ヽ、.,__ __ノ ヽ 即効でからかっている連中をぶちのめす事にしている。 ヽ、i / .∠ / | ヽ_ _/ ヽ 、 / y'_/ / | "~- ""~ ヽ、 .ゝ-+-::i⌒ヽ / | ヽ 「まったく…うちの母さんに何をしているのかと」 .__/::| | i / | i / /:| | i / | | │ i ::| | ) │ | l i | お陰で今では、すっかり近所の悪ガキ連中には恐れられている。 /i ::し// | / | ノ | 最近では、変な奴等が舎弟気取って後を付いて来る始末だ。 ::| (( l _ノ | /=======| 正直かなりうざいが、まあ母さんが馬鹿にされる事が減っただけ、よしとしておこう _ | \ /^! O | ヽ. / | o でも母さんは、俺がそんなことをしている事を知ると、また泣くのだ。 o ヽ \ / j 乱暴な事は駄目、やらない夫は優しい子なんだから、って。 \ ノ^Y / 決して怒鳴られはしないだけに、逆に対処に困ってしまう。 ° -‐─∠二ニ=≠< ∠ , '´ ::::/::::::::::::::/{:::::::::\ }:: \ ゚ . /:/:::::: /::::::::::/::/ ハ:::l:::::::::::ヾ:::::: \ O 「ダメだよ~やらない夫~乱暴な事しちゃあ~」 ///::::::::/:::::`ァ孑/ / Ⅵ::::::::::::::|::::::::::::ヽ /::::::: ,':::::/ j/ / |`ト、_:::::l::::::::::::::: ', o O /::::::::: |:::/ |::l::::::: ,'::::::::::::::::: i 俺が母さんの為にやっていると言うと、更に泣き出すので、 ,':::::::::::::Ⅳ ◯ |∧::::/:::::::::::l ::::: | そんな時は、分かった分かったと適当に頷いておくことにした。 i:::::/:::::::リ / / ◯ ∨:::::::::::::|::::::::| C |::/! ::::: {. / / / i l::::::/::::::ハ ::: l 誰に対しても、それが例え自分を罵倒する人間だとしても レ' | :::::: ゝrく rー-‐- 、 j _j /::::/l:::::/ノ::::::| 優しすぎる母さんの事が、こんな時だけは、少しだけ、 . l:∧/ '/ /)、`_ー~ー' fヽヽ`Y /|::/:::::∧::| 本当に少しだけ、疎ましく思うのである。 . |ハ{. (∨::`l ¨¨了∧ j'´ |/:::::/ V 視聴者カウント
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308 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:20:56 ID:zTwirki2 / ̄ ̄\ / _ノ \ でも俺は、何だかんだ言って母さんが大好きだ。 | ( ⌒)(⌒) . | (__人__) 「母さん、俺もそれ手伝うよ」 | ` ⌒´ノ . | } いつも俺の事を考えてくれる母さん、誰よりも何よりも、 . ヽ } 例え自分の事よりも俺の事を優先してくれる母さん、 ヽ ノ いつも夜遅くまで家の事をして、そして朝一番に起きる母さん。 / く | \ 俺は、母さんの事が大好きだ。 | |ヽ、二⌒) …勿論、息子としてだぞ? / / |l /::/ \ \ . ,イ | | |/:::::/ ,イ ∧ l ヽ \ この世知辛い世間を生きるには、 / | | |:::::/ ィ'"¨/ | / V 、! ヘ ヽ 少し…いや大分頼りなく、弱々しい母さん。 ,′ | l | / ,/ / .| / ∨|ヽ ハ ヘ i | 〈j::/ ,/ / l/ Vヘ | ,∧ | | ! ∨ /,>=ミ. / ,r=く }| l| ト、', 「ありがとねっ、やらない夫!」 | | l V,勹::::ハ ' jr'ハ∨ ||| ヽ l|八 ', :| 《{::ト :::ノ| |{::リ } /! ト、:| | |∧ ヽ/∨ハ V弋rリ Vノ ∧/|| ',l! だから俺は母さんを、守りたいと思った。 Ⅵ V { V::ヘ ', ¨´ ' '' | :|/ リ もっと強くなって、もっとしっかりして、 ヽ V 廴.∨:::ヽ、 ヽ ( フ ,.ィ| :| 母さんの一人や二人(もいらないかさすがに)ぐらい、 ∨ ト、.∨ト、\ ヽ 、 _ ..< |/八 ,' 完璧に守れる様な、そんな大人になりたいと思っていた。 ∨| \{ ̄ ̄\ \/j/}/ | }/ ヽ| |\:: :: :: >- \ / 俺は、母さんの事が、大好きだった。 ,':: :: ::.// ̄ ̄\ /:: :: ::/ / \ 309 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:21:12 ID:zTwirki2 l.\ .|| .\ _ ..| | .\ / / | |. \ / / _ ――だけど、そんなある日… .| | ..\ .||\/ / /../ .___,,--‐‐‐‐_‐ヽx,__ / / _/ /´ / 俺達が住む町に、沢山の飛行機がやって来た。 _.イ'.´ ̄ ) `) ̄.`''''‐‐‐-z ` ̄ ̄ ̄\./´ / _ . -‐ ''´`'ーー+ーーー'´_,, ----''´ ̄= ___´ ̄/´ / 爆弾を落として、俺達の街と沢山の人を焼く為に。 <´ j i ヽ二,,,,二二____,..-' \`二二二/ ``''ー‐───┴──ヽl‐‐-----(;;;;;;;\\.. \ー\\`\ `\\. .\ `\\\ ヒュー… `\\ .\ `.\.\ `\\. \  ̄ `\\ .\ `\\.\ `\\\ / ̄ ̄ ̄\. // \ \ 他の人達は、蜘蛛の子を散らす様に逃げ出した。 /((●)) ((●))゚oヽ 俺も後に続くつもりだった。 |::o'゚~(_人__)~o° |;;;⌒): ミ.,ィTl'ヽ\ `⌒´ ゚ /`ヽ⌒)/)) .,. /, 「空襲だお! みんな、早く逃げるお!」 kヒヒど, {⌒⊃ ,⌒⌒);;;;;)))⌒) `´ ̄ヽ ハヽ / ))⌒));;;;)-⌒)) ヽ ` / '} ─=⌒⌒)ノ;;ノ;;;::) ――だけど、母さんの事が心配だった俺は、 > /ごノ ─=≡⌒)丿;;丿ノ 一人みんなに背を向けて、母さんがいるであろう __,∠ / 自宅へと駆け出して行った。 〈、 / 彡 \、__ノ 310 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:21:26 ID:zTwirki2 _ | \ /^! O | ヽ. / | o 案の定母さんは、納屋の隅で座布団を頭に被って o ヽ \ / j ぶるぶると震え、縮こまっていた。 \ ノ^Y / ° -‐─∠二ニ=≠< ∠ , '´ ::::/::::::::::::::/{:::::::::\ }:: \ ゚ . /:/:::::: /::::::::::/::/ ハ:::l:::::::::::ヾ:::::: \ O 「やらない夫~…怖いよぅ…」 ///::::::::/:::::`ァ孑/ / Ⅵ::::::::::::::|::::::::::::ヽ /::::::: ,':::::/ j/ / |`ト、_:::::l::::::::::::::: ', o O /::::::::: |:::/ |::l::::::: ,'::::::::::::::::: i ,':::::::::::::Ⅳ ◯ |∧::::/:::::::::::l ::::: | 俺はここにいては危ない、裏山の林に逃げ込もうと、 i:::::/:::::::リ / / ◯ ∨:::::::::::::|::::::::| C グズる母さんを必死で説得し、何とか外へ連れ出した。 |::/! ::::: {. / / / i l::::::/::::::ハ ::: l レ' | :::::: ゝrく rー-‐- 、 j _j /::::/l:::::/ノ::::::| . l:∧/ '/ /)、`_ー~ー' fヽヽ`Y /|::/:::::∧::| . |ハ{. (∨::`l ¨¨了∧ j'´ |/:::::/ V ―― [] ] / ̄三\ | l ̄ | | / \三/\ 母さんの手を強く握り締め、もう既に火の手が上がり始めている町を、 |_| 匚. | 三 ( ○) ( ○) 必死で逃げ惑う。 | | 三 u (__人__) |_| ≡ ` ⌒´ノ 二 } 「絶対に手を放すなよ、母さん!」 [] [] ,- ニ rヽ, // r⌒ヽ / | 匚/ 三 ヽ 三 / 家、建物、生垣、木、そして、人が焦げる匂いを掻き分け、 三 ヽ三 / 必死で走った、走った、走った。 三三 三 /| 三 ≡、__./ | 喉が渇いてカラカラだ、せめて水ぐらい飲んでから行けば良かったな。 r | でも後もうちょっとで裏山に着く。そうすれば―― 三 | 三 |三 | そこまで考えた所で、俺の意識は体と共に吹き飛ばされた。 ニ へ三 .|三. ヽ 二 | ≡ / 三 ヽ ニ_ノヽ__ノ 三 ヽ 三 ) 三 / 三 / ニ ーヽ \_ ノ 311 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:22:06 ID:zTwirki2 意識が再び戻った後は、強烈な激痛と熱さ。 痛い、痛い痛い痛いいたいいた、イタいイタイイタイイ (´`ゝ;_ いたいたいたいイタタタイタイいたいたいたいイタイイタイ!! ヽ, `ゝ、 ゝ/ `;:, `ゝ、 ;;;;\、 /(;;;;;;;: ;;;;ヽ、 __,,.:;,:;:;,:;:;.:; :゙´´゙゙\:::::;;;; ::::;;;;`ヾ;;;;; ̄ (´ ::::::;; _;;__...,;;; ::::ヽ;;\;;;; ;;;;;;;: `´´ ̄ .,:;イ ::; ::;::ゝ;;;;;;;; : ,,;:;:´´`:::::;;;;入;:;; :::ヽ;;;;;;;\::::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;; ( ....,,,,,;:;;;:;;:;:;::; ̄;;;;;; ,.,,.,.;:;:;-‐゙´ , ( ,,,...:::;-‐゙゙゙゙^> :::;; ;;,:;:;:;-‐~´ `´ ∠::;:ゝ´ ̄ 熱いあつい、あついあつあ、あつつうアツイ熱いあつ、熱いアツイ ,.;::;;/ アツイアツイイイアツイツアつい熱い熱いあついあつ熱い熱い熱い―― ゝソ . 312 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:22:20 ID:zTwirki2 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ /:,イ. . . :/: : : :::/|: : : :/ | |: ::|ヽ: . .ヘ . . . . . . . /::/ /: : : /: : : ::_/_|_:ノ:/ | ヽ|‐:|-|‐: ::.|: : |:: : : . . // /: : : :j: :: :::::/ |: :/ | |: | |: ::: :|: ::|: : : : : 「やらない夫ぉ!! やらない夫ぉ!!!」 /'´ /: : : : :|: : :::ハ゛\|/ | |:| |: ::: |: :|: : : : : : /: : : : :/:|: :/::::j \ ___|j__|_:_::|:.:j: : : : ::o |: : : : /|: |/:::Ο ̄ ̄ \ |: ::|/: : : : ::::::: 母さんが必死で俺を呼んでいる。 |: : :.://::O::::ノ \ |: /: : : : ::::::::: 大丈夫だと、安心させようと、起き上がろうとした。 |: : :/ |/|.::::::{ r-‐" ̄ ̄`ヽ、 ○ |/: : : : :::::::::/ だけど体は言う事を全く聞かず、腕が僅かにあがるだけ。 |:::/ |: :::::ヽ、 { ヽ |: : : :::::::;:::/ノ |/ |: :::::::/\| j j: ::0::/:/´:::: 安心しろと、声をかけようとした。 |: ::::/__|:/\ ,ノ , /: :::;イ:::::/:::::::::: だけど俺の意思は声にならず、出るのは呻き声だけ。 |:::/´ ´ `>‐-‐<´‐ ´ ./::;/‐|:;/-‐、:::::: /∨ .i /" ̄`Y^j l^Y⌒゛'´ヽ、 ´ `ヽ { :| {.  ̄ `〉' Y´  ̄ 〉./ / ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ o ヽ \ / j \ ノ^Y / 段々と視界が狭まってくるのが分かる。 ° -‐─∠二ニ=≠< ∠ 俺はもう二度と、母さんを守る事は , '´ ::::/::::::::::::::/{:::::::::\ }:: \ ゚ 出来ないと言う事を悟ってしまった。 . /:/:::::: /::::::::::/::/ ハ:::l:::::::::::ヾ:::::: \ O ///::::::::/:::::`ァ孑/ / Ⅵ::::::::::::::|::::::::::::ヽ 「やらない夫ぅ…起きてよぉ…!!」 /::::::: ,':::::/ j/ / |`ト、_:::::l::::::::::::::: ', o O /::::::::: |:::/ |::l::::::: ,'::::::::::::::::: i …でも母さんは、まだ大丈夫だ。 ,':::::::::::::Ⅳ ◯ |∧::::/:::::::::::l ::::: | 生きている、生きていられる。 i:::::/:::::::リ / / ◯ ∨:::::::::::::|::::::::| C 大して怪我も無い様子だし、今ならまだ逃げる事が可能だろう |::/! ::::: {. / / / i l::::::/::::::ハ ::: l これからは母さん守る事は出来ないけど、どうか許して欲しい。 レ' | :::::: ゝrく rー-‐- 、 j _j /::::/l:::::/ノ::::::| だから早く逃げてくれと、言おうとした―― . l:∧/ '/ /)、`_ー~ー' fヽヽ`Y /|::/:::::∧::| ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ 313 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:22:36 ID:zTwirki2 (´`ゝ;_ ヽ, `ゝ、 ゝ/ `;:, 「あ…つい…、み…ず……」 `ゝ、 ;;;;\、 /(;;;;;;;: ;;;;ヽ、 __,,.:;,:;:;,:;:;.:; :゙´´゙゙\:::::;;;; ::::;;;;`ヾ;;;;; ̄ だが、俺の口から出たその言葉は、 (´ ::::::;; _;;__...,;;; ::::ヽ;;\;;;; ;;;;;;;: 俺の意思に反するものだった。 `´´ ̄ .,:;イ ::; ::;::ゝ;;;;;;;; : ,,;:;:´´`:::::;;;;入;:;; :::ヽ;;;;;;;\::::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;; やめてくれ、こんな事言いたくなかった。 ( ....,,,,,;:;;;:;;:;:;::; ̄;;;;;; ,.,,.,.;:;:;-‐゙´ 俺がこんな事言ったら、母さんは、母さんは―― , ( ,,,...:::;-‐゙゙゙゙^> :::;; ;;,:;:;:;-‐~´ `´ ∠::;:ゝ´ ̄ ,.;::;;/ ゝソ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ / 、7_{_____ \: : : : : : : .:\ . / フ: : : : : : : : : : : :  ̄ミ: : : : : : : : :ヘ / ,. ォ-':/iヘ:ヽ. 、 : \: : : : : ミ|: : : : : : : i : ハ イ_,. ァ'′ : |: :,' .l: :ヽ.ヽ.\:. :\ : : : |: : : : : : : |: : ', 「あついの? あついのね、やらない夫!? / :|: : : : :l: :| l: : : ー――--\ : l: : : : : : : |: : : :! ちょっと待ってて、どこかにお水を――」 . /: : l: : : : :i|/| : l : : : : \: : \\ヾ.| : : : : : : |: : : :| /: : : i: : : : :/l:|: : l: : : : : : : イ⌒/外、.| : : : : : : l: : : :| ,' : : i: :i: : /|: :l:._,,: : : : : :.:.:.:.i什:::::::ハ ゝ: : : :i : l: : : :| ほら、だから言ったんだよ… i: : /|: :', : : : l ,,イ /ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨心ノij|: : : : .:l : lヽ: : ! |: ,' l: : ',: : : l {i i::::::ハ:.:.:.:.::.:.:.:.:.゙ゝ--○: : : : :| : l ノi: :| 母さんはこんな時でも、自分以外を優先してしまう。 |/ |: : :ヽ.: :トゝ弋ンj :.:.:.: |: : : : ,': : l: ∧:! このままだと、母さんは、母さんは―― |: : : : ヽ:',∧:.O''" , l: : : /: : /: ,' リ . ',: : : : :|:ヾ: i _, -っ ,|: : /_|: /|:.,' 俺は薄れゆく意識の中で、母さんを止めようと、 . ヽ: : : l \: ヽ 、___'‐'"´ ,. イ,|: /:.:.l:∧l,' 必死でもがこうとした。 \ | ヽ:,-y-、_ヽ: : ̄: :_X:.:レ:.:.:.:":.:.:.\ だけどそれは、母さんを余計に不安がらせただけだった。 ヽ ,.. ┴イ-i ハ _,.-<ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ. ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ 314 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:22:51 ID:zTwirki2 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ , '´ ::::/::::::::::::::/{:::::::::\ }:: \ ゚ . /:/:::::: /::::::::::/::/ ハ:::l:::::::::::ヾ:::::: \ O 「ああ…でも、お水なんて、どこに…」 ///::::::::/:::::`ァ孑/ / Ⅵ::::::::::::::|::::::::::::ヽ /::::::: ,':::::/ j/ / |`ト、_:::::l::::::::::::::: ', o …もうお水なんていいから。 O /::::::::: |:::/ |::l::::::: ,'::::::::::::::::: i 俺はもう駄目だから。 ,':::::::::::::Ⅳ ◯ |∧::::/:::::::::::l ::::: | i:::::/:::::::リ / / ◯ ∨:::::::::::::|::::::::| C だから母さん、早く逃げてくれよ… |::/! ::::: {. / / / i l::::::/::::::ハ ::: l 俺の事なんて、どうでも良いから… レ' | :::::: ゝrく rー-‐- 、 j _j /::::/l:::::/ノ::::::| ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ . / フ: : : : : : : : : : : :  ̄ミ: : : : : : : : :ヘ / ,. ォ-':/iヘ:ヽ. 、 : \: : : : : ミ|: : : : : : : i : ハ 「…でも、やらない夫が… イ_,. ァ'′ : |: :,' .l: :ヽ.ヽ.\:. :\ : : : |: : : : : : : |: : ', …大丈夫だよ、やらない夫。 / :|: : : : :l: :| l: : : ー――--\ : l: : : : : : : |: : : :! 私が、私がなんとかするから…!」 . /: : l: : : : :i|/| : l : : : : \: : \\ヾ.| : : : : : : |: : : :| /: : : i: : : : :/l:|: : l: : : : : : : イ⌒/外、.| : : : : : : l: : : :| 母さんは、意を決した顔を浮かべた後、 ,' : : i: :i: : /|: :l:._,,: : : : : :.:.:.:.i什:::::::ハ ゝ: : : :i : l: : : :| まず涙と汗を、俺の顔や体にたらし始めた。 i: : /|: :', : : : l ,,イ /ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨心ノij|: : : : .:l : lヽ: : ! 生温かい水分。だが、今はそれでもありがたかった。 |: ,' l: : ',: : : l {i i::::::ハ:.:.:.:.::.:.:.:.:.゙ゝ--○: : : : :| : l ノi: :| |/ |: : :ヽ.: :トゝ弋ンj :.:.:.: |: : : : ,': : l: ∧:! だけど、そんなもので、俺の喉の渇きや、体中の熱が |: : : : ヽ:',∧:.O''" , l: : : /: : /: ,' リ 下がる筈もなく、俺はまた呻いてしまった。 . ',: : : : :|:ヾ: i _, -っ ,|: : /_|: /|:.,' それを聞いた母さんは、近くに落ちていた割れたガラスの破片を拾い上げ―― . ヽ: : : l \: ヽ 、___'‐'"´ ,. イ,|: /:.:.l:∧l,' ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ 315 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:23:07 ID:zTwirki2 :,: :(::) /⌒''⌒) :,,゜ ' ,,,,,,, (:::::::::::::::!' (::::::) ヽ::::::::';''' ''`` 。 τ'::/ .;: )/ 。 ;: 。 `'''`~''・ ' ` f''`⌒( ,,,, !:(',,,,、 ::,,,,,、... ,!,,,、( /::τ ノ:::::::::::::::::) 。 !::::::::::`! 、 :.、 !:::( ノ::`! o (::::::::::::::::::τ (:::,,;,;,、; 。 ゜ (/ ⌒・ . ・、;::::::::::::;;.;`` '' ,,、.. // ノ' //'''`'`'` ` ..,,.. _,,,.、 ・ ,, ...:・.. π /;::::::::(,.,.(;;;::::( ,,., ・っ ;,;;( ):::::;. c::── '`'''::::::::::;'' ):::::::::::::::::::::::::::/ '''''` ` '` ⌒ ` !.:::τ'' `` τ !::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, γ :'`'``:! (::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`' 、,:'::::::`:::,,,, !:::::ノ ・ :::':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ー''''`'`''''''''" . 316 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:23:28 ID:zTwirki2 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼  ̄,>'´_,r'ニ:{、__,,ノ::‐-.、_ . :,.ィ´: : : ::'´: ::/;i: :i:::`ヽ: : : :`ヽ、 「…ほら、これで、あつくないでしょ…」 ./: : :/:; : : :|: : :|;^|: :|、::. : : : : : : : :\ ; ; /: : : : :|;/: : /|::.:/| |: :| ヽ::. :i:: : :`ヽ、::ヘ なにしているんだよ母さん! j: : : : : :|:: ;_,ノ'|::/ | |: :|ヽ、__::|:: : : : : ハヘ:} …母さんの血で、母さんの血なんかで |: :: :i: : :|:/|:/_,|/u | ヽ:|__ \:|:: : :; : : :| リ このひどいアツさがなくなるわけないじゃないか! ; |:.|: :|: : :|ィチ弐 °オ弐z、 |:: : :|:: : :| : |::|::(|: : :|:::::...。 , ...:::u::|::.: :|:: : :| : ほら、母さんの血は、まだこんなにあたたかい… レ|: :|::.: :|:::::: r:‐-、 ::::::;|::.: :|::..: :| ; |: :|: : ::jヽ、 V ,ノ u ,..ィ:::|:: :.;|:::∧| なんで、なんでこんなバカなことをしたんだ母さん… |:/|: ::/::::::::;>:ァ--r:<´:/|::::|:.:/|:/ なんで、なんで、そんなに俺なんかのために… '´ |:/ヘ::/ rj {:ア \|:/j;/ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ./: : :/:; : : :|: : :|;^|: :|、::. : : : : : : : :\ ; ; /: : : : :|;/: : /|::.:/| |: :| ヽ::. :i:: : :`ヽ、::ヘ 「だい…じょう…ぶ…? やら…ない…おっ…」 j: : : : : :|:: ;_,ノ'|::/ | |: :|ヽ、__::|:: : : : : ハヘ:} |: :: :i: : :|:/|:/_,|/u | ヽ:|__ \:|:: : :; : : :| リ …あれ、ふしぎだ。 ; |:.|: :|: : :|ィチ弐 °オ弐z、 |:: : :|:: : :| なんかだんだんあつさをかんじなくなってきた… : |::|::(|: : :|:::::...。 , ...:::u::|::.: :|:: : :| : レ|: :|::.: :|:::::: r:‐-、 ::::::;|::.: :|::..: :| ; …かあさんの、おかげかな? |: :|: : ::jヽ、 V ,ノ u ,..ィ:::|:: :.;|:::∧| かあさん、ありがとう。ほんとうに、ありがとう。 |:/|: ::/::::::::;>:ァ--r:<´:/|::::|:.:/|:/ おれ、かあさんのことが―― '´ |:/ヘ::/ rj {:ア \|:/j;/ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ 317 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:23:43 ID:zTwirki2 __ /|: : :.:::| l | : : : :| | |: : :. .:| | |: : : :.:| iv'ヘ | |:|l==| | ;`;| | |:|》: ::::| i'1 | ;'l:| i'`'i 、 /| |:|\ : | . |;'| ,、 !:`l'| ζ\ |;`;| ∥ 〕 .| |:| || | ./\ _.|;'| /.:〉 -、_|_.;l:| \';、\ :|':i;;| . i'1 ||/> r┘.:| |:| ||::| | ∥‐┘ .:|';|──へ./.:/_r‐ ー|_}:;| \';、.\|;';;;| ./〉 |;|_r// /| ̄\:| |:|  ̄ .:〃../>.::|;'|:::::::::::::::/.:/::::::::::: -|_|`|_r:‐:‐:‐:‐\';、\;| r‐//┐_|:|::::::::;⊥、r/.::| .:::::::|/\/\ 《// ..:::|;'|:::::[]::::/.:/]:::::::[]:: ー|_};|::::::::::: : :: : {二l\;i`!、::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::::<\/ 〈:::.:... \ 》 ' .::::::::/|\_n:::::::::::::::::::: -|_| ̄/\:::::::/`|_{┬| |;、\::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::::|::\\ _____:::::.:..〉″へ:::::/ .| |: : : |:|::::::::l`!へ、 ー|_}::/ 、';';〉.:/ /{_|┴lニニニニニl.r┴、_|_|_|:>:::::___|」__:l;_;_//..::. `〈 :| |: : : |:|::::::::| |: : : -|_;l'_;_;_∠;/_/___l_,,:;;}┬┴┬┴┬┴┐::| .:::|_rェ┘__;!___;!__;|_;_;:::.:/ : :| |: : : |:|::::::::| | : : ~゛'' ┘⊥ 」_ | |{_|┴┬┴┬┴┬┴┤ .:|_;!__;!__:l__;!__;|<___;_/\_;_;_;|;|-∠|_|;_;_; ~゛'''' ┴'::⊥Λ二\.:| .:|ー:|__;!__;!__;!__:l__;l:::...\/<>::. ∠二 ` , ' . ` ∨_,,,;;;;/. ~゛`┴ -'⊥ .」_;!__;!__;!__;!_;ト、 r─‐-、 ...:.:.:.::.: , ~゛ ┴ ⊥. .,_..:::| ::/ ̄. ̄'"ヽ┴-、_;_;_;_;_;_;_ ,, ` ~゛'' ‐-|\___ト--/.. ...:::::::./| ` ., ` ,. ' \|__;_;_;_;_;!─l二二二l/ . . 318 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:23:56 ID:zTwirki2 「…この辺りは、特に酷いな」 「おい、生きてる奴がいたら返事をしてくれ――」 「なっ!? こ、これは…」 「どうした?」 「これは…親子か? …女性が、少年らしき死体に覆いかぶさったまま…」 「…きっと、最期まで守ろうとしたんだな」 「…クソッ!」 「…悲しんでいる暇は無い。せめて、後で手厚く葬って――」 . 319 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:24:18 ID:zTwirki2 + ゚ . + . . .゚ .゚。゚ 。 ,゚.。゚. ゚.。 .。 . . ゚ . o ゚ 。 . , . .o 。 * .゚ + 。☆ ゚。。. . 『なあ、母さん。今度はあんな事するなよ』。 *。, + 。. o ゚, 。*, o 。. ゚ o . 。 . . , . , o 。゚. ,゚ 。 + 。 。,゚.。 ゚ , , 。 . + ゚ 。 。゚ . ゚。, ☆ * 。゚. o.゚ 。 . 。 。 . .。 o .. 。 ゚ ゚ , 。. o 。* 。 . o. 。 . . 。 . 。 . .゚o 。 *. 。 .. ☆ . +. . . 。 . . . . . 。 ゚。, ☆ ゚. + 。 ゚ ,。 . 。 , .。 ゚ 。 ゚ . +。 ゚ * 。. , 。゚ +. 。*。 ゚. . . . . 。 . . 。 。゚. 。* 。, ´。. ☆。。. ゚。+ 。 .。 . 。 . . 。 ゚ ゚。 。, .。o ☆ + ,゚。 *。. 。 。 . 。 . ゚ .゚ ゚ 。゚ + 。. +。 * 。゚。゚., ,+ 。゚. 。 . . , , . ゚。゚+゚`, o。。.゚*。゚ 。.゚ 。 ☆+。。゚. ° 。 . , ゚ ゚ 。, .゚。 + ☆。,゚. o。 。+ 。゚., . ゚ , 。 。 . . ゚. o * 。゚。゚.。゚。+゚ 。 。 ゚。 ゚ 。 ゚ ゚` .゚ .゚. ゚. . ゚ . ゚ . , . . . 。 ゚ . . . . , 。 . . , . 。 『ご、ごめ~ん! でも、でもぉ~』. 。 , . . , . . . 320 名前: ◆fDS1VP5bSI[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:25:13 ID:zTwirki2 これで投下完了です。 昔読んだ戦争童話が原作で、 それを自分なりにアレンジ・再構成してみました。 皆様、よろしくお願い致します。 321 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:26:01 ID:MO5s9c8Y 乙 (ノωT)カーチャン 322 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:26:16 ID:MUgEDtLE 乙。元ネタは「凧になったお母さん」か 323 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:28:11 ID:0o4nc/pw 最後のコマで色々考えるなぁ、乙 >>322 よく絵本の元ネタとかわかるな……w 324 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:30:39 ID:MUgEDtLE 「戦争童話集」だけど、自分が読んだのは絵本じゃなくて小説だったよ 作者は野坂昭如 325 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 03:31:26 ID:0o4nc/pw あぁそうか、童話であって絵本とは書いてねぇやw 326 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/09/21(月) 04:07:59 ID:BYv5PB/. ほのぼの系だと思ったらやられた… ちょっと今から母ちゃん孝行してくる!
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