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前回：やらない子の、傍迷惑な就職活動
265 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:36:20 ID:PJ6xaDGg

ヒロイン女子プロレスに所属して、３年目となるプロレスラー。
四条貴音は、同期にしてタッグパートナーでもある、我那覇響を探していた。


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四条は今日、午前は写真撮影。夜は我那覇とタッグを組んで試合というスケジュールだった。
そのため試合の打ち合わせは、午後やろうと、２人で約束していたのだ。

266 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:36:30 ID:PJ6xaDGg

けれど、ヒロ女の寮に戻っても、我那覇の姿が見えなかった。
彼女の部屋のチャイムを鳴らしても、電話を掛けても応答がない。


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いつもならこういう時、家族の帰宅を待つ犬のように、今か今かと帰りを待ってくれているはずなのに。

267 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:36:43 ID:PJ6xaDGg

寮の食堂や風呂場、ロビーを覗いても、姿が見えない
しばらく続いたコール音が留守番電話に切り替わると、四条は通話をやめ、急ぎ足で駈け出した。




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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 |　 /:::::::>　　て
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我那覇は四条の着信には、専用の音楽を設定している。
いつもならこういう時、びっくりするような早さで電話を取ってくれるのに。

268 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:36:57 ID:PJ6xaDGg

四条の目が、きゅっと細まる。胸に、ざらつく記憶が飛来していた。
四条の同期の何人かは、別れを告げる事も無く、ある日忽然といなくなった。


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夜逃げや脱走なんて言葉が、プロレス界にある。
辛い練習に耐えかねた選手は言葉も出せず、そうやって姿を消していく。

269 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:37:09 ID:PJ6xaDGg

まさか我那覇に限って。と思うものの、四条は姿を消す子が現れる度に、毎回まさかと感じてきた。
流石に四条も気づいていた。まさかは、ある。


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そして自分は鈍感で、起きてしまうその時まで、まさかに気づけぬ奴なのだ、と。

270 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:37:20 ID:PJ6xaDGg

四条はヒールで地面を叩きながら、築30年ほどのおんぼろアパート。
――ヒロ女の第二選手寮に駆け込んだ。



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新人と二年目までの選手が住まうヒロ女の第二選手寮は、
四条と我那覇が住まう第一選手寮から、5分と離れていない。

しかし四条の心臓は、激しい運動をした後かのように、濁った血流の音を耳に届けてくる。

271 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:37:30 ID:PJ6xaDGg

四条と我那覇は入団以来、同期で一番親しくしてきた仲だった。
かつ、タッグチームを組む相棒だ。

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２人とも、シングルの試合形式よりも、共闘するタッグ戦が性に合っていたらしく、
２人で組める時には必ず、熱の入った打ち合わせをしてきたのだ。

272 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:37:48 ID:PJ6xaDGg

入団した時と異なって、今の四条の夢は、いつかタッグチャンピオンのベルトを巻く事になっていた。
我那覇と、そのベルトを巻くことに変わっていた。

今日のまさかは、彼女にとって認められるものではなく、彼女は荒々しく第二選手寮の玄関をこじ開ける。

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273 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:37:59 ID:PJ6xaDGg

　玄関を入ってすぐ、ロビーに備え付けられたソファーに座る、我那覇の後ろ姿が目に入る。
頭頂部やや後ろで結わえた長い髪。プロレスラーにしては、随分と小柄な背中。見間違えるわけもない。




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　　　 　 |:::::::|:::::::.､:::l::::|:::_:::入 i;{/　 |; ' .ﾘ
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　　　 　 .:::::::::v::|:::::::| ';:!:.　 ム=､／
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四条は胸に手を当てながら瞼を閉じて、ほうっと深い息を吐き出した。
けれど、瞳を開き、もう一度我那覇の背中を見た時に、きゅっと眉を眉間に寄せる。

274 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:38:10 ID:PJ6xaDGg

普段、元気の良い我那覇と一緒にふりふりと揺れるポニーテールが、今日はプランとぶら下がっている。

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r / - ヽ￣　＿＿＿}r´{_+_/　　＼



心内で四条が、我那覇のしっぽと呼んでいる結わえられた髪は、犬のしっぽと同じような性質を持っていて、
彼女の気分を代弁してくれる事多いのだ。

275 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:38:25 ID:PJ6xaDGg

四条は我那覇に近づくと、ゆっくりとその肩に手を置いた。


　　　　　 　／::::::::::／::::::/:::／:::ヽ-=======--、
　　⊂　 ／::::::::::／::::::／:／l:::::::::::::::;::｀ヽ＿｀ヽ、
　⊂　 /:／l:::::/:/::::::/:／、 |:l|::::::l:::/l:::::::ヽ｀￣`
　　 ／´ /::::/r/:l::::/--,_、`ﾘ|:::::/ﾚ´.|::::::::}::l　　っ
　　　　 /:::/:::ゝ lヽlヽ_l::ｿ′/／_ー、|:::::::}:/　　　つ
　　　　l:／::::::｀ｰl ｀ :::::　　 ´ ´f::ﾊ_. ,|:::::/　　　⊃
.ー＝ﾆ´_l￣゛゛゛ヽ 　 _　_ ′　.¨,／,.l:／　　っ　　　　あれ？貴音？……わ！今何時？
　　/　　ゞ　　 ＿/:..、 - ′ _,...:'ｰ´ ´
／/　　 /ヾ__　,}　 ::::::::/￣ ヽ;:::::ヽ、
゛/　 ／　　 ／　　　:::::>　　 rヽ:＼::ヽ、
/ ／　　 ／、　　　　　|、＿ｒ,}　)::ヾ￣ ｀
./´T--T-;::::::｀::....、 　 |ヽ;:::.　 /ヽ;::ヽ,
(-´--,´:::::l:::::::::::::::::｀:::┤ }::::／:::ヽヽ;::l



.　　/　　　　　 　 　 ／::::::::::::::::::＼ヽ　 !
. 　 !　　　　　　ｒ: ／:::::＞―――‐ヽ!　|
　　j 　 　 　 　 l/:::::／　　 　 　 　 　＼}
　 /　　　　　　 |:／ｊ　　　　　i　　、　　 ヽ、
. /　 　 　 　 　 !　/ 　 !　j、l !　 Nヽ＼. 　}
/　/ 　 {　　 　 l //　/| / | N＿j |ィY7ｒｰ{
　 :|　　:ヽ、　　 !/　/-l√｀　　　仞 '∧＼ヽ
/　|　　: : :ﾄ､.　 ∨ｲ ｙタ示.　 　 ﾚﾞ　{/ :::::） 〉
　 :| 　 : : :Ｋ＾ヽ　∧〈匕り　　　　 ､　}::::::/
　 :!　　: :/　｀７l　 ∧　 　　 　 　 　 /:::::　　　　２時を少し回った所です
　/ : : ／　　∧l　　∧. 　 　 ー　'／:::::
　　　>ｒ―‐〈　 l　 / ∧ｰｒ――...::::::::
　／ ｌ: ヽ.: : :ヽ､! 　 / /Ｖ　:::::::::::::::::
√￣ｌ:::: : :、: : :.|　 　/ /＼:::::::::::
. : : :.j:::: : : :＼:八　　 /　 / ヽ
: : : /:::: : :-､: :＼:＼　　 /　 /
: : 〈:::::: : : : :＼: : : : 〉

276 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:38:35 ID:PJ6xaDGg

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿
　 　 　 　 　 　 　 　 ＿ _　　 .／::::::::＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　`―´-､:::::::::::::〉‐_､
　　　　 　 　 　 　 　 　 〉ﾍ　　　_＼:::::::|:/ｨ――‐ｚ＿
　　 　 　 　 　 　 　 .; .':::::::::ゝイ::::::`!二_!! 　 　 ,ｨ-－´
　　　　 　 　 　 　 .;:':::::::/::::::, -'::￣:::::::::｀:::::`:::く
　　　　　　　 　 ., '...:::::/::::／:::::::::::::::::::,:::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　 , .':::::::::::/:::/:::::::::::::/::::::ｲ:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　,.:'::::::::::::::/:::/:::::::.::,::::::::::::::／l::::::::::::::::}:::::::::::::!
　　　　　 '::::::::::::::::::|:::/:::::/:::::/.::::／ 　 }::,:::::::::::/:,ﾊ:::::::;:!
　　 　 ,:'::::::::::::::::::::::!//!::.!i:::/l:::/彳抃./ｲ::::::／!/_/:::,ｲ:!
.　　　,':::::::::::::::::::::::::!:::::|:::i|:::| .i/　弋ツ　 i／f 圷 /l/　ﾘ　　　ごめん！探しに来てくれたの？
.　　 ,'::::::::::::::::::::::::::::乂!/.i.V　.u .""　　　　　ゞｼ/
.　　,'::::::::::::::::::::::::::::::::::>ﾊ.| !＼ 　 , -- 、 ′""/
　 .,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼!.ト..,＼{　 　 j　　 ／
　 '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :ﾊ介　｀ｰ(ヽー'_lヽ匕(
　 '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡' 　｀丶（＼｀ヽ:ヽヽﾄゝ
　 '::::::::::::::::::::::::::::::::／::::>､　　 (｀ヾ ヾ j/ /'つ_
　 .',:::::::::::::::::::::::::, へ::／: : :ヽ-‐ヽ　｀　　 { /ｰf｀ヽ




　　　　　　　　　　　/ /: : : : : :／: : : : /: : : : /|: : : : : ::',: ',:',: : : ﾍ
　　　　　　　　　 ／: /: : : : ::/: : : : ://: : : : :/ |: : : : : : ||: :',:',: :ヾﾐ 、
　　　　　　　　 ./: : /: : : : ::/:/: : : //: : : : :/::/: : : : : ://: ::| |: : : :',ヽ
　　　　　　　　,': : ::/: : : : / /: : :: /　二ﾆﾆ ,,, `‐‐--" '-=_|ﾉ: : : : i　',
　　　　　　　 ,': : ::/: : : : : : :/イ" ＿x==,=ｭ,,　　　　　　-‐- 、: : : ﾉ
　　　　　　　 i: : :/: : : :/: : /.、| 　 《 　 i':::ﾘi`　　　 　_,x=ｭ,, /: :/ノ　　　　　　それより、何かありましたか？
　　　　　　　 |: /: : : ::/: : / ヽ`　　　　　゛ " 　　　　　 i:::ﾘ》: : :',ヾ、
　　　　　　　 |/: : : :/: : ::/（ ( i　　　　　　　　　　　,　　`".i: /: ヽ: ヽ`: :、
　　　　　　　/: : ::／: : ::/.ヽヽ-　　　　　　　　　　　　　　 |: : : ヽヽ: : ＼: `: - 、
　　　　　 ／: :／: : : : :/: : : `"ﾍ　　　　　　 、 __　　　　 /: : : : : : : : 7: : ヽ`　、` 、_
　　　 ／: :／／: : : : : : ::/: : : : :',＼　　　　　　　　　　／: ヽ、_: :: ／: : : : : i`ﾆ"ヽﾍ: :＞-　、
　　/: : ／ /: : : : : : : ::／: : : : : : ',　へ、　　　　　 ／: : : :_　- ':": : : : : : : /ヽ ,: r"））￣￣ ヽ、
　//,x　 ./: : : : : : ／/: : : : : : : : : ',　　　 ＞　 -"　ヽ, -": : : : : : : : : : :／: :`へ` 、'　　　　　/）
./ ／　 /:i : : ::／　 / ｉ: : : : : : : : （ ヽ、 ./　　　　 /: : : : : : : : _,　イ: : /: : : :γ" ヽ:i　　　 ＜二`ヽ、
|/: ',　　| |: : /　　／| |: : : : : : : : : 〉　 ヽi　　　　 /: _, -‐‐‐ "　　/:: ノ ヽ: : : 弋＿ |!＿　　　 `￣ `）

277 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:38:45 ID:PJ6xaDGg

　　　　　　　　　　 {　　 ＼　 ／::::::::::ヽ::-､／　 }
　　　　　　　　　 　 ＼　　 ∨:::::::::::::::::::::／　　/
　　　　　　　　　　　　 ＼＿イ￣｀ヽ､::::,.:=- ､/
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　　　　　　　　　　　 　 ,'.:::´::::::::::::::::::｀´:::::::＼:{
　　　　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　,.:'::::/i:::::::::::::::,::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 　 　 /:::::/　{:::::::::::/{::::::::::::;:::ﾊ:::::::::::::::::::.　　　て
　 　 　 　 　 　 /:::::::{ oﾉ/::::/´ l｀:::::::::l:/´､｀:::l::::::::::::..　　 （
　　　　　　　　/,ｲ::::::::::::/l:::/　　{:::l::::::::{　 _Ⅵﾄ,:::::::::ﾄ､
　　　　　　　 /　{::::::::::ｲ /´￣丶ヾ!､:::::l／　｀ヽ',:::::::}
　　　　　　　　　 ∨:::l::{ {､ 　 {:i:!　　 ｀　{:i:!　　} l:::/:::.　　　　え……
　　　　　　　　　 /Ⅵ{ﾘ　　 　ｰ‐　 　 　 ｰ‐　　/ｲ /:::::.
　　　　 　 　 　 /::::::人_ﾊ 　　　　　´　　　　　 __,ノ:::i､::::.
.　　　 　 　 　 /::::::::::::::::::ﾑ　　　　　,､ 　　　　八:::::::::.,＼:.
　　　　 　 　 /:::;:::::::::,... ― ＞　　 （　）　　＜｀ヽ､:::::::::.　＼
　　　　　　 /::,ｲ::::／/∧　　 ∧　＞-＜ /　 　///＼::::.
　 　 　 　 /イ/::::{　 {//{　 　　 ｀　　　　'　　 ///{　　ヽ:}
　　　　　　　/::/￣＼l//＼　　　　　　　　 ／///L - ´￣｀ヽ


どうしてわかったのかという驚きが、我那覇の顔にありありと浮いていて、
四条は安心と自嘲で、思わずフと笑ってしまう。


　 　 　 　 　 　 .　 -――-
　　　　　 　 ／:: : : : : : : : : : ＞-､
　 　 ＿＿/＞――――-＜!: : : i^＼
.　　 |: : :／＞-―――‐-<　|: : : |: : : ＼
　 　 ! :/／: : : : : : :、: : : : :ヽ!: : : l: : : : : :＼
　 　 ﾚ: : : : /: :!: l: : :＼:､: : : :ヽ: : '; : : : : : : ｀ー───
.　　 { : : : ;ｲ: : ﾄ､!､: : : ヽ＼ﾚ､:_〉: :'; : : : : : : : : : : : : : : :
.　　 ∨: : !_Vニ､　Vｰ'≠＝ｚ､ｌ: : : :ヽ : : : : : : : : : : ／￣
. 　 　 Yv〈 Y企r､　　　ｲ荘fY !:l: : : : :＼＿: : : : :／ : : :
　　 　 l: i ﾊ ｀¨ﾞ 　 　 　 ｀¨´,,,j_:V_: : : : : : : ＞ｒ'ﾞ : : : : :
　　 　 |: l/ハ"" 　 '　 　 　 　 ,ｨ 〉: ￣７:／　ノ: ;.ﾍ: : :/
　　 　 l: j///:>､　　ｰ ' 　 　 〈:{ {: : /￣　　 ｀￣＿|: : ｀
　　　 /:///＞ ´￣｀ヽ ィ＿／］￣´ 　 　 　 　 人: : :／
.　　 〈_:{ /´　　,.へ ／ヽ::::::::::/　 　 ＿＿ノヽ_/　 l／::.
.　　 　 V ＹＴ´: : :./:::::::/＼ｒ'ﾞ　＿ｒ'ン　 ⌒ヽ　　 ´￣￣
　　 　 ∧ l/: ! : : :〉:__/　　ス/　<　　　　 　 l
　　 　 ｌﾉ|ﾉ┬l＿_］/　　 /＿_＼ ヽ　　　　　|　　　　 ／
　　　 　 <´ 　 　 < 　 _// Ｏ |　＼} 　 　 　 !　＿_／{::.:
　　　 　　∨ﾚ个ヘ〉Ｙ／　.／　　　＼　 　 下､::.::.::.::.:＼


取り越し苦労もいいとこだ。これ以上なく解りやすい彼女が、
誰かに気付かれずまさか、を成せるなど、ありえないに決まっている。

278 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:39:04 ID:PJ6xaDGg

　　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : /: :/: : : : :｀ヽ}: : : : : : : ヽ: : ＼
　　　 　 　 　 　 /:/: :.|:! |:!: : : : {: :/|: :|: : : : : :|: : : : : : : : ﾊ: : : :ヽ
　　　　　　　　　{:〃: :从从､: : :.Ⅳ={: :ﾄ､: : : :/: : : : : : : /: }: : : : :}
　　　　　　　　　′ー{,=ミ　　 　r‐　`ｰ ｰ ､:/: : : : : : : /／: : : : :/
　　　　　　　　　　　|: 仆ﾘ　　　 ィ´/{心〉‐/: : : : : : : ／: : : : : :/
　　　　　　　　　　 /: / r'　 　 　 、込ン. : : : : : : : イ: : : : : : :./
　　　　　 　 　 　 /: :{　 　 　 　 　 　 ／ : : : : : : /ﾊ}: : : : : : /　　　　知ってますか響？
　　　　　　　　　/: : . ´〉 __ ＿,　　／: : : : : : : : / 'ノ: : : : : : {.　　　　 私は相談にのるのが趣味なのです
　　 　 　 　 　 /: : :/ ∧　　 　 ／: : : : : : : : : :/‐く: : : : : : : ::＼
　　　　　　　　{: :/ !　{: :.　　／: : : : : : : : : : : :i: : : :＼: : : : : : : :.　　　なにかお困りの事があるのなら、
　　　　　　　　∨: :|　|: : :ｰ/: : : : : : : : : : : : : :{: : : : : :＼: : : : : : :　　 是非教えて頂きたいのですが
　　　　 　 　 {¨¨ヽ:}_ |: : : :{: : : : : : : : : : : : : ー=ミ : : : : :＼: : : : :
　　　　　　_r┴ -　　 }: : : 乂 : : : : : : : : : : : : : : : : :､: : : : : ＼: : :
　　　　　 {　､_　　　　| : : : :{　＞:．. : : : /: : : : : : : :ハ: : : : : : : : :
　 　 　 　 }_人}　　　 |: : :r＜/:::::/　｀ヽ/: : : : : : : :/: :}｀:ー ､: : : :


　　　　　　　　　　　　 　 ]＼　　　　　_＿＿_
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　 　 、　／::／::／＼
　　　　　　　　　　 　 　 八　＼ ＼___彡　--一 ｧ:..、
　　　　　　　　　　　　 　 .....:::::::::::::⌒ー＜＿彡′:::＼
　　　　 　 　 　 　 　 ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::‘，
.　　　　　　　 _..斗::::::::::::::::|:::::::::::::ト､::::::::::::::::::＼::::::::::::::::'.
.　　　　 　 　 ｀¨¨7::::::::::: Λ:::::::::::|⌒ヽ:::::::::::::::: ﾊ:::::::::::::::::.
.　　　　　　　 　 /|:::::::::: /⌒ヾ l:: |斗恣ﾐK:::::::小:〉:::::::::::::::::.
　 　 　 　 　 　 ｛ |::::::::::ｌ抓心Ν:::{　Vじ　|::::i::::|: 〉:::::::::::::::::::.
　　　　　　　　 　 |:､::::::八 Vﾉ , ヽj　　 ″|::Λﾉ/::::::::::::::::::::::::.　　　　　初めて聞いたぞそんな趣味！
　　　　　　　　 　 |/＼l　″　　 　 __　 　 ﾚ^ソ:::::::::::::::::::::::＼:〉
　　　　　　　　　 　 　 抓　　 V´￣　） 　 厂ｈ:::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　 　 　 　 　 ﾚ价 、　　　　　 ／|::::U:::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 `　.　_　　 　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀]　 　　！:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　 ___彡ｚ个　　　 ≫一'^ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::.
　　 　 　 　 　 　 　 ／ / ／／　　　 ｘ≪　　　　 ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::.
　　　　　　　 　 　 / 　 Ｋ／　　　ｘ≪　　　/　　　 ｛::::::::::::::::::::::::::::::::::::.


四条の、殊更おどけた口調に撫でられて、響のしっぽがピョコリと跳ねる。

279 名前： ◆oLG9iWoh0E　[sage]　投稿日：2015/05/20(水) 22:39:17 ID:PJ6xaDGg

少しだけ躊躇うと、我那覇は甘えるようにして、詰まった不安を吐き出した。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　-─-､トく:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ＞'⌒＜￣｀ーァ
　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ_ノ:.l
　　　　　　　　 　 　 　 　 /:.:/:.:.:./:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:!
　　　　　　　　　　　　　 /:.:.,':.:.:./:.:/:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:l:.:.}
　　　　　 　 　 　 　 　 /イ:.l:.:.:/:./｀:l:.:.:.:.:/:/ｌ:.:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:ｌ:.:}:.:l
　　　　　　　　　　　 　 　 Vl:./|/F:ﾊl:.:.:./l/_.ｌ:.:.:.l:.:.:.:l:.:.:.:/:.:,':.:.!
　　　　　　　　　 　 　 　 　 |ﾊｌ _ﾋ_ｸ|:.:/ ´F:::｀ﾊl:.:.:/:.:.:/:.:/:.:.:.l　　　　……新人、来たんだ
　　　　　　　　　　　　　　／,（l"" ,　l/　　ﾑﾃ夕|:./,.イ:.:./:.:.:.:.:l
　　　　　　　　　　　 , ィ´二ヽﾊ　 _　　　　￣. 　l/)　/イ:.:.:.:.:.:.l
　　　　　 　 　 　 ／　　 -‐/＜ヽ　｀　　""", rｧ__.ノ:.l:.:ｌ:.:.:.:.:.:.:l
　　　　　　　　O'´ 　　__｀V　　 ヽ>r‐一　' /〃}}:.:.:.:.:ｌ:.:ｌ:.:.:.:.:.:.:l
　　　　　　　/　Oo一'ーr'-一ﾆﾆV　　_＿/:{{.ﾉﾉ:.:.:.:.:.l:.:l:.:.:.:.:.:.:l
　　　　　{三ヲ'´￣　　　|:o／ _,.　-ｧ':/　　￣￣｀ヽ:.:.:l:.:l:.:.:.:.:.:.:l
　　　　　/ /　　　　　＿{oo'´　 ／:::/　　　　　　　 }:.:.:!:.:!:.:.:.:.:.:.l
　　　　./　{　 　　　(／ 　￣￣￣￣￣｀ヽ　　　　/:.:.:.:ｌ:.:l:.:.:.:.:.:.:l


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　　¨　　　　　　　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 。o≦三≧o、　-＜｀、
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 , ´ /爻≧≦≧≦爻i　　　:　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　/／⌒ 　　　 ￣ ヽｌi　 　l　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | /　　i|　　　 l|　　 li　l　　 l　　 l　　　　……なるほど
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |, 　　 l|　　　 l|　　 ｌｉ　l　　 ,　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ{　 　 i|　l 　 从乂_ｌ＼ｌ　　 ,　　 '、
　　　　　　　　　　＿＿＿　　／ .l| l 」l冖「 ￣　　 ィf丐乍 　 V　　 ＼
　　　　　　　 , ´　-=　.　＿　 ィ::ｌ |:从-《丈ｯ｀　　 　 ¨´　',　　 l:.　 :.　＼ﾟ　。
　　　　　　　 {´　　　　　　　 ／:ﾉ八:::ハ　　 　 ､　　　　　从:::人＼::::.　 ＼　　　、
　　　　　,　-=＼--　=,　⌒ヽ::::(　　 ＼ノ)　　　_　 ，　　.::::〉´ 　 )ﾊ)::::.　　 ＼　 。＼
　　　　 { r　-=　) )- ｲ.::rヽ　｀＜) 　 　 )ﾆス　　　　 ／{／　　／::::::＼:::...　　｀,　｀　 }
　(γ￣ !i＞-=´イ　 l::::l ∠＼ _＿__ イﾆﾌ￣ 〕 p　´　 {　　／＞ 、:::::::l:::::}＼　 ,　 }ﾉ
　　ヽ ＿」　　　　　 J::/　　｀厂::::::γ ￣》》 ／.」　　　 /Y ／ 　 彡}::::::}::::::l )::ヽ}／
　　 ( r- ｲ　　　,　 フ/　　　/ィ⌒/r≠=《《＼　　　／∧_{　 ／⌒ヽ:::::/::::／::::::ﾉl
　　　＼　l ヽ∠ ／.:〈__　　/::::::::///+)=>/ ＼｀＜／/<=人(　　　　 ∨／(::::／(::l
　　／ ￣l　　＼::／,'　 ｀Y:::::::ノ∧∨　 /　／ >, ¨７　　// ヽ＼ 　 　l::::::::｀( ＼｀＼


四条は笑みを崩さぬようにしながらも、我那覇の心に巻き付く不安と同じ不安に、
囚われてしまったのを感じていた。