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トラック異世界転生チートできない　第六話

185 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:43:31 ID:YFDROCQU

┌───────────────────┐
│彼は、人が何故生きるのか理解できなかった │
└───────────────────┘

　　　　　＿＿
　　　 .,／,-､　＼
　　／ﾉ:/　ﾉfヽ.. ＼
　　|　/:/　/...|　|　　|
　　l　ﾚ　./..ノ .,''´}　i
　　l　　　' ´ .〃 /　|
　　ヽ.　　　.　〈　.ﾉ
　　　＼.,_　　._ﾉ /
　　　　/　　/　ヽ
　　　 ./　　/　　　|
　　　i　.／　　.　 |

　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　/ _ノ;jijii;丶_ !　　　　　 ┌───────────────┐
　　　　　 ,ク(゜_)）ij（_゜)）!`i　　　　　 │生きていると、それだけで腹が減り │
　　　　　　　| ﾋlli（__人__）.ｿ /　　　　　 │飢えに苛まれる　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　l ＼ .,ｷ呪ｶ'/ /　　　　　　 └───────────────┘
　　　　　　　 .＼ヾ狂ﾘ |　{
　　　　　　　　/ヽ　|ｰ-ｲ!_ﾉ`､　　　　 ┌─────────────────┐
　　　　　　　/::::/i_ﾉ|_／:;l:::::::|　　　　　 │生きていると、それだけで病気にかかり │
　　　　　　　|::/:::;:/;;:::::::::;|:::::::i　　　　　 │苦しい思いをすることになる　　　　　　　 │
　　　　　　　|/:::;:/;;:::::::::::;i;;::::ﾉ　　　　　 └─────────────────┘
　　　　　　　|:::::;;:|;;:::::::::::::::r
　　　　　　　＼;;/;;::::::::::::::::!
　　　　　　　　 |:::::::::::::::::::/
　　　　　　　　 |:::::::::.::::::/
　　　　　　　　 |:::::::::::::ｲ

186 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:43:46 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿_　　　　　　　　 ┌────────────────┐
　　　　　　　　／　　　　　　　　　＼　　　　　　　 │生きていると、それだけで死にたくなる │
　　　　　 __／　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 └────────────────┘
　　　　／.　　　　　　　　　　　、　　　|
　　　　|.　　　　　　　　,(⌒(○)ヽ　　|
　　　　l　　ｌヽ　　　　　 )＞　　　　／　　　　　　 ┌──────────────────────────────┐
　　　/　　　ヽ＼　　　`(__,(○) / ／　　　　　　　 │人が生きているのは、本能的に死を恐れてしまうからであって　　　　　　 │
　　　|　　　　＼￣￣￣￣￣￣　　＼　　　　　 │この恐怖がなければ、世の中は自殺者だらけになっているに違いない　│
　　　|　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼　　　 └──────────────────────────────┘

187 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:44:04 ID:YFDROCQU

┌────┐
│もう嫌だ │
└────┘

┌──────────┐
│俺は、もうこのまま死ぬ │
└──────────┘

　　　　　　　　　　　 ――-　　　　　ゼ
　ゼ　　　　　.　´　　　　　　　丶　　　ェ
　　ェ　　 ./　　　　　　　　　　 '.　　|
　｜　　　 / 　　　　　　　　 i 　 |
　｜　　 l　、　::::::::::::::::::_　　.「ﾄ､|　　ッ
　　ッ　〈 r|　ﾄ､__,:::､:_;ｨf　　　} | ｈ､　　　　　　　　 ┌──────────────┐
.　　　 |　l　 ‐￢:”:::::「｡冫,l　　'/-　 .._　　　　　　│彼は精神的に追い込まれていた │
　　　　､ ‘　ｰﾟィ　　￣　,ﾘ　　.i 　／`　　　　　 └──────────────┘
　　　／ヽ ‘ u　　　　　 u .i　,､　!　　　　　ヽ
　　　./　　}　ヽu (_入__) 　 |　^　l　,__
　　　i rイく　　{ ＼`ﾆ⌒}{ ィ＞‐'ﾕ/´
　　 l ﾊ `　二入　`ｰrイ／　　　　ヽ
　　ﾉ } }　　　　「　　ゝ-}　／/　　ハ
　　「ﾉ　　　　 Λ　　　　| 　 /　　　　{
　　|/ 　　　〈　}　　　　ヽ　　　　　　ヽ
　 .〈　　　　　 Λ　　　　　＼　　　　　'”

188 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:44:14 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　　＼　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜（⌒）（⌒）　｜　　 ┌──────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　|　（__人__）　　|　　　│彼はあの後、ロリ痴女が持ってくる食事を尽く食べた │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　｀ ⌒´　｜　　　│美味しい、美味しいとバクバクと食べた　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.　　　　　｜　　　 └──────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　＿　__{-`ｰrr一'´ -}､＿__
　　　　　　　　　　　　　　〃-──ﾑ､___}{__, -＜`ー─ミヽ
　　　　　　　　　　　　　 /　　 _／__-う__とこヽ　ヽ　　　}>l
　　　　　　　　　　　　　,′ l 　{　( l三三三彡'}　　l 　／l l
　　　　　　　　　　　 /　　ヽ_〉　ヽ/　∥　ヽ{　　{_ /　 } }
　　　　　　　　　　　　j　　 =/ヽ___/>　∥　　＼／ヽ_　 { {
　　　　　　　　　　　 /　〃　ヽ___,ｲ　　∥　　　く__／ヽ＼ヽ
　　　　　　　　　r＝＝┐　　　　 j　＿∥　＿　 {　　　＼＼}
　　　　　　　　 │　　　|))＿＿／__|＼;;∨＼;;＼＼_＿___＼ヽ
￣￣￣￣￣＜.ゝ､＿ノ＞ x―' /＼;＼∨＿_＼;;＼｀ ‐-､￣￣￣￣
　　　　　　　　　￣￣￣　{.　‐/_____＼;;ヽー─‐ ￣　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　`ー────────‐─ '

189 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:44:29 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌────────────────────────┐
　　　　/＼＿＿_／ヽ　　　　　　　 │そして、気がつけば彼は騎士団に所属する、ほぼ全ての │
　　／''''''　　　'''''':::::::＼　　　　　　 │男性隊員とディープキスよりもヤバイ事をしていた　　　　　│
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　＋　　　　　　└────────────────────────┘
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　　　「物が食べれない？
. 　 |　　 ´ﾄｪｪｪｲ｀　 .::::::|　+　　　　　　　　　　仕方がねぇなぁ、おっちゃんに任せな！」
　　＼　　|,ｒ-ｒ-|　 .::::／　　　　　+
,,.....イ.ヽヽ、｀ﾆﾆ´ーノﾞ-､. 　　　　/＾)
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　iヽ　__ ‐┘（
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|´⌒　)二　ﾄ､

　　　　　ー=彡イ:::::::::／:::::::::::::::／/　　　　/:::/　ミ:::::::::::::::: ∧
.　　　　　　　／:::::::::::/:::::::::::::::／　/　　　 /／　　ミ::::::::::::::::::∧
.　　　　／ ::::::::::: /:::::::::::://　　 |　　 __,厶＝＝─ﾘ::::::::::::::::::::::＼
　　　　　,:'::::イ:::::::: /::::::::;ｲ//=ミ　 |　彡イこ二ニ_　/ハ::::::::::::::::∧
.　　　 /／/:／:::::ハ::: /　,厶ミヽ |　　　イ´戈之ゝ　 /::::::;--､/ヾ｀
　　　 /′// :|:::И ::: /| く代之　i　　　ヾ　｀¨¨´ミ／ｊ:::::/ /へヽ
.　　 /　 //　 |/ ｜:::::: | 　　　ﾉ.:.　　　　;;ﾞ;;;ﾞ;;"／　 "´　厶}　｝}　　　　　「べ、別にお前のためじゃ
　　/ 　/′　 | 　 Ⅵ:|:::!　ﾞ;ﾞ;;ﾞ;;;ﾞ,ヽ:._^　　　　　　　　　 У //　　　　　　　ないんだからな！」
　　　　　　　　　ヽﾘ八　　　　　　 __＿　　　　　　　　　　し'／
　　　　　　　　　　　　　　　 {_　ニ二ゝ　　　　　　 /Y7´
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　___　　　　　　　 /　|′
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　／　 :ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　／　　 .:ト=ー＜て
　　　　　　　　　　　　　 __＿＿＞.....__＿.... ∠　__＿／　　　　 !
　　　　　　. ．＜´￣￣: : : : : : : : : j:.:.:.:.:.:.:.:／￣　　　　 ─＝ニ二}

　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　／　　　　　　＼
　　　　　　　　　 / 　/　　　＼　　ヽ
.　　　　　　　　　|　　　/＼　　　　 |　　＿／^＼　　　　　　「やれやれ、そういうパターンか……
　　　　　　　　　ヽ　　/￣＼　　　/／￣/　/ _,,ﾉ,|　　　　　　　何、気にするな、その……気にされたら、なんだ」
　　　　　　　　　　＼＿　　　　/ﾍ　 / / ／　／^''-,,_
　　　　　　　　　　　　　　ヽ､ !ﾉ　 ∨　i/　､／ｒ-''　　''-,,_　　　　「私も、気になってしまうだろう？」
　　　　　　　　　　　　　　//i:::| ､　　`i　フ'''"''-,,　　　, 　　､''-,,_
　　　　　　　　　　　　　 |ﾉ　|::ｊ`'i　 ,/ ,>i |　ヽ　 `'- ｒ'､ｒ/／､　､_>　　 ┌───────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　 |　: Ｋ　l　/／　| / |　　　　ヽ ^'7　　i　 )　　 │そう、彼が食べていたのはすべて男性隊員が │
　　　　　　　　　　　　　ﾚｸ |:ヽl / |　_,,ｲ /　　　　 ,／　〈,　　l　｜　　 │噛み砕いたものだったのだ　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　 ,/　＼|/-ﾆ／ｲ/　　　／ム　　 |　 /　 |　　　 └───────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　 `ｰ-ﾆ|,l|　/　　 i　　 /／_,,ﾉ=- ､|／　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 `''}　i ､,　 |^' //／／￣￣ﾞ|､　　 i.|

193 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:45:22 ID:fFvajoxQ
穴兄弟ならぬ口兄弟か

190 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:44:51 ID:YFDROCQU

　　　　　::::::::　　::　　　　　　::　　　　　 :::::　　::　　:::
　　　　　::::::　　:: 　　　　／￣￣＼　　 :::::　　::::　　:::
　　　　 ::::::　　:::: 　　／　　:::　　　ヽ　:::　　 :::　　 ::
　　　　 ::::　　::::　　 /　　　::⌒　⌒ /::　　:::　　::
　　　　::::　　 :::　　/　　　（＿）（＿）　::　　::
　　　　:::　　　 ::　/　　　　（__人__）　:　　::::　　 ┌────────────────────────┐
　　　　 ::: 　　　 i　　　｀ ⌒´/:　 :::　　　　　　 │その事実を知った時、彼は人生に意味などないと悟った　 │
　　　　　:: 　　　ヽ　　　　　　< :　　 :::　　　　　 └────────────────────────┘
　　　　　　　　/´　　　　　　　ヽ　:::
　　　　　　　　|　　ｌ　　　　　　　＼:::
　　　　　　　　ヽ　　-‐‐‐--､　 -‐‐‐-､.
　　　　　　　　　　ヽ＿(_)(_)＿)　(_(＿)_)_))

　　　　　　　　　　　　　　 ,　- ─ - ､
　　　　　　　　　　　.,､-'´　　　　 L;;;ヽﾞヽ､
　　　　　　　　　　 /;;;;;r'　　　　　rｰ　_,ヾ;!. ＼
　　　　　　　　　 ./L;;;;i　　　 ;i ;!i ヾｰ､ﾞ! ＿___ ヽ
　　　　　　　　　/ 　 i;;i　 _} ノ;ノく;;. {;l; ,j. { *.} `! ヽ
　　　　　　　　 .!　　 i;;i,､=_‐''ヽヾ;ヽ　＼ヽ;==く;:〈　ﾞ､
　　　　　　　　 |　　 7/ {.*.} _/ﾉi;;(　　ヽ＼ヾ;;､　ﾞi,
　　　　　　　　 |　　 | L､-ﾞ=ｼ　　,|;;;:.　　ヽ　＼ヾ;､　l　　　　　　┌─────────────────┐
　　　　　　　　 |　　　｀ﾞ'i;;;:i 　　､　　　_,'､＿, );!じ' |　　　　　 │だが、彼のそんな思いとは裏腹に　　　 │
　　　　　　　　 .! ,: ;;,　　 i;;;:i　　弋＿,._ノ_,ノﾞ＼;;;:..　!　　　　　 │腹は満たされ、体には活力が漲っている │
　　　　　　　　ﾞi;;:;;;;;:;,.,.,..i;;:i,.,.,,;;/　r─‐''''"_,.ィヾｰ》;:.|　　　　　 └─────────────────┘
　　　　　　　　　ﾞ､;;;; ;;;;;;;;;ﾞi;i;;;;;;/ / ,r'i'''T´ﾞL､-ｸ:| |;;;;;|
　　　　　　　　　ヽ;i ヾ;;;::ﾞi;ﾞi;:| ,j /ヽﾞｰ^"__,.-rj;ﾂ };;;j
　　　　　　　　　　　＼;;;;;;;;;ヾ'ヽ＜ヽj´|´ﾞ! _j='　.／;;/
　　　　　　　　　　　　　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼｀ﾞ''"´_,､-'ﾞ;;;;;/
　　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ､;;;;;;;;;;;;;;;｀ﾞ"_,,､-'´／
　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒　　　ヽ　| ||　|　　|
　　　　　　　　　　　　　　:: ／￣￣ヽ :: 　　　＼ || 　　 |i
　　　　　　　　　　　　　:: （｢　　　｀rﾉ ::　　　　　　＼　　　||i　　＼
　　　　　　　　　　　　　　:: ヽ　　　ノ ::　　　　　　　＼　　　　　＼
　　　　　　　　　ガタッ！　　|　　 | r 　　　　｢＼　　＼　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 | | 　　　　　ﾉ　　＼　　＼＿＿　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿ノ　　　　 /||| l　　＼_, 　　　｀ヽ　　＼
　　　　　　　　　　　　　 || ｉ　　/　　　　　　 | ||| |　　　　(＿つ￣と_ノ)　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 || ||　 |　　　　　　　 | ||| |　　　　　　　　　　　　　　＼

191 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:45:05 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　 /;:;:;:;:;:/;:;:;:;:;:;:/
　　iヽ、　　　　　　　　　 ,　イ: : : : : : : : :＞､;:i!;:;:;:;:;:;/ー----ー,
　　i;:;:;:＼　　　　　＞''": : : : : : : :ー―- ､: : : ｀ヽ;:;:;/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
　　.!;:;:;:;:;:;＞､, イ: : : : : : : : : : : : : : : : :、: `ヽ: : : :'､;:;:;:-ー;:;:;:;:;/
　　.i;:;:-=ニ二: : ／: : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ: : ',: : : :',;:;:;:;:;:;:;:;:／
　　 ',:;:;:;:;,ｲｲ : : : : : : : : : ,､iヽ: : :',: :',: : :',, : ',: : ',: : : ',;:;:;:;:;／ヽ
　　 ,ゝ;://: /: : /: : :/: !: :i　　 ',: : !'､:',: : :!i: : !: : ',: : : !-イ : : : ヽ
　イ;:;:;://:,ｲ: i!: !: i: :i: :i',: :i　　　',: i　',:!',: ! !: i: : : ',: : :i: : : : : : : : :ヽ
　;:;:;:;:;:!!i:i;:!: :!i: :!: i: :i!: i ',: ',　　　!:i　ﾘリ i:ｿ: : : :i: : :,': : : : : : : : : :ヽ
　ヽ;:;:i!;!i;:i: :i;!: :!: i!: !',:',　',:.', 　　!,'　,, =＝ｱ!: : : :i: :/,: : :, イi!: : : : : :　　　　　　「やらない夫、やっほー」
　　　`.-ﾘ-!: i.',: ',: !',:! ',i　ヾ､　 "　"　⊂ﾆ⊃:_:_:_!,,' ＜;:;:;:;:;:;i: : : : : :
　　　　　 .',: !:.',:.',:',: ',､_,.=＝. ､　　　　　ヽ￣;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,': : : : : :
　　　　　　∧:',: ',:.',ヾ⊂ﾆ⊃　　 , -ー-　/ヽ:;:;:;:;:;:;:;:／;:;:;:;:;/: : : : : : :
　　　　　 ,': :ヾ､_ヽ', : : '､　　く　　　　!　 /',:;:;:;:／;:;:;:;:;:;:/､: : : : : : :
　　　　､-ー'''";:;:;:;i: ! : : i＞､.　ヽ＿ノ, ｲ/:.!;:,ｲ;:;:;:, イ;:;:;:;:;/,: : : : : :　　　　　　 ┌───────────────────────┐
　　　　　,'ヽ;:;:;:;:;:;:;:;!:i: : : :i;:;:;:;:;:;＞ --,'"ｲイ: !/;:;／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i.､: : : : :　　　　　 │こういう風に　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　 ,': : : :＞､;:;:i/ : : : !;:;:;:;:;:;:;:;:;／.:.::,.i;;;;;;/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i:;:;＼: : :　　　　　　 │ロリ痴女が目に映るだけで思わず屈んでしまうほどだ　 │
　　　 / : : : : : : : ＞!: : : :!;:;:;:;:､, ==＝!;:;:!;;;/;:;:;:;:;:;:;:;:;/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;＞　　　　　　 └───────────────────────┘
　　　./: : : : : : : : : : ∧: ;;;;!:;:;:;:;ｿ:::::::::::::::`!;;/､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　 / : : : : : : : : : : ,';:;:',;;;;;;!:;,ｲ=＝＝＝=i/:::::`:､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:

192 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:45:17 ID:YFDROCQU

┌────────────────────────┐
│そうやって色んな意味で力を持て余している彼であったが │
│その力は、どうにも使い道がなかった　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────┘

┌────────────────┐
│それに、メンタルも宜しい状況ではなく │
│彼は何かを起こす気力もなかった　　 │
└────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　ヽ_　　.＼
　　　　　　　　　（ ●）（ ●）　　｜
　　　　　　　　　　（__人__）　　　 |　　　　　（ペロペロしたい）
　　　　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　｜
　　　　　　　　　　　{　　　　　｜
　　　　　　　　　　　{　　　　　　 /
　　　　　　　_. -: ´Λ　　　　 _.へ｀　、
　　　　 r＜: : : : /:|: :、￣r'　　＼ :＼_
　　　　/: : :ｌ : : : : : :＼`IエL>、　　 >ﾍ::Λ
　　　　|: : : ﾄ､: : : : : : : : : : : : : `ｰ／ : : V　|
　　〈: : : :::: _ -￢-－―-､: : く:r ､: : : V ｝
　　　 /: : :_ン´: : : : ＼ ,___, ｨ）: : :`く : : : ヘ|
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ﾞ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`､: :＼＿,,,,,.......,,,,,_
　　　　　　　　＿＿＿＿＿,＞≦⌒: : : : : : : : : : : : : :＞.､
　　　　　　　　＼ : : : : : : : : : : : /￣: : : : : : : : : : : :／: ﾍ: ｀.､＿＿＿
　　　　　　　　＿_＞ッ: : : : : : :／￣: : : : :/ﾍ: : : : : : : : :: :ﾍ: : ﾍ: : : : : ヽ
　　　　　　　　　　／ : : : : : /: : : : : : : : /　 |: : : : : : : }: : : i: : : }､: : : : : i ┌────────────────────┐
　　　　　　／: : : : : : : /: : :/ : : : : /　 / : : : : : : : }: : : i: : : :}＼: : : :! │だが、空腹を満たしてくれたロリ痴女は　　　　　 │
　　　　　　　　/::／ｿ: : : : /: : :/ー‐- : !　　i:ﾉ-―ー―i: : : :!: : : },三ﾍ : i │これで力いっぱい動けるね、と言わんばかりに　 │
　　　　　　　　l:/　|: : : : / : : /l: /≧ｭ、i　　|: ,-＝=ｭ : i: : : :i: : :/三三i: i │彼に新たな目標を提示した　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　: : : /|: : / | : <´f¨丁　ﾉ　 f心丁｀＞ : : :i⌒,ﾍ三三!:i └────────────────────┘
　　　　　　　　　 /|: : /: |: /: :|/ﾘ　ﾋiﾝ　　　　ヒi:ﾝ　 / : : : /　/ﾆﾍ;三i :i
.　　　　　　　/ﾆ|: //: |/: : : : i　　　丶　　　　＿_/ : : : /／{,ﾆ,i i,三!: !
　　　　　　　　/／ソ/: :＿/: : /＼　ｖー――　＼/: : : :/ー-､!;/ :i三i: i
　　　　　　　　　　／:＜ﾆ/: : :/二ﾆ丶ー― _´　イ : : : /三ﾆ/|: : :∨ : :i　　　　「やらない夫ってさ、暫くの間はさ
　　　　　　　　／ : : : : /:;;; :/二二二ﾆ＞ ≦―./ : : : /三ﾆ// : : : : : : !　　　　この町に住むってことでいいんだよね？」
　　　　　　　／ : : : : : /;:;:;:;/-＼二＜///.-=ﾆ./ : : : :/三ﾆ</: : : : : : : :!
　　　　　　/: : : : : : :/i:;:;:;:;:;!三三＼///[･･]//:; : :;::;/三三/: : : : : : : : :i
　　　　 /: : : : : : :/　>、:;:;i三三三[二二]三|:; : :;:;:/三三/: : : : : : : : : |
.　　　　/: : : : : : :/ ／ﾆ`''//////////////,|:;:;:;:;:/三三/: : : : : : : : : /
　　　　/: : : : : : :/ /三/ﾞ //////////////`i::;:;:;/三三/:;: : : :;:;: : : :;/
　　　 /:;: : : : :;:;/ /三/　i///////////////,!:;:;:{三三/:;:;:;: : :;:; : : :/
　　 /:;: :; : ;:;:;/ /三/ 　_l===============i:;:/三三i:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i
.　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:;l /三/　　　＞―-=--ー＝－-､|三三ﾆ!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i
　 /:;:;:;;:;:;:;:;:;:;/ |三|丶　　　|////|/////}//／三三三!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!

194 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:45:37 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　　　＿＿
-. ､　　. . -――-く_7／__
_: : :Y＿: : : : : ヽ: : : :_;､´: :≧=-
.≧/ : : ;-: : : : : : : : : ､:'; : :,`=-､
.=ｲ､: : :|: :i: : : : : : : : : :ヾ: : ヽ
´:.iﾐヽ: :!: : !_:i_l:_:!ヽi:l_l_; :i: :!: ﾄ､
: : '; : : :|: ´|从ﾊﾉ　从ﾊi.:}､:!: ;
: : :iヽ: ::|: :.|＝ミ　〃`ｲi ﾘV
: : :|　ﾏ､!: :ｉゝ　＿'　 /: i
: : ｣___ﾏ,|: :ト .　(::ノ／ |/!　　　　　「だったらさ、住むお家を探さない？」
／ニニ､|: :iテ/＞´≫､|;;|
ニニニﾆゝi!:::::::::iニニﾉ!;;!
二二二､彡!===':::マニi;;'
／ }:::::::::〃}!:::::::::::∧`〃∨
// ト:::_＞――‐/ ∧　　.∨　　　　　 ┌───────────────────┐
// i:::::::::::::::::::::::::′/∧ 　 .∨　　　　 │思い返すと、彼はこの世界にきてから　　　　 │
/,./:::::::::::::::::::::::::i ///∧　　 `　　　　 │どこかちゃんとしたところで寝るという行為を　 │
/￣｀　､::::::::::::::∧////| ` ‐　　　　 │行っていないという事に気がついた　　　　　　 │
￣7　､　＼,､／ ∧///|　　　　　　　 └───────────────────┘
: :/: :/:＼〃 ,.ヽ∧∨/ |
:/: :/: :／＼／＼:';.∨ |
': :/: :/　／:::::＼ __ヽ://
: /: : i__/､:::::::::/ i: : l:/
ｰ､: : : : |.!＼:/　.!_ノ i
　 `ー‐' i!　　　　　　l

195 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:45:53 ID:YFDROCQU

┌────────────────────────────────
{|
{|┌───────────────────┐
{|│一日中歩きまわったり、化け物退治をしたり　 │
{|│寝たとしてもあの例の店でうつ伏せに寝るか │
{|│そこらの地べたで寝たくらいである　　　　　 │
{|└───────────────────┘
{|
{|
{|　　　　　　　 ,, -─- ､._
{|　　　　　／　　　　　　ヽ
{|　　　　　 |　　　　　　 |
{|　　　　　 |　　ノ　ヽ､　 .|
{|　　　　　　|　（─）（─）　|
{|　　　　　ｌ^l^lｎ（__人__）　|
{|　　　　　ヽ　 L.｀⌒´　ﾉ　　　　　　　／￣＼
{|　　　　""'" ゝ　ﾉ.,＿,, '　⌒''ｰr─､_／　　　　＼
{|　　　　　／　 /.　　　　　｀￣|　 <　　／''＼　＼　　　　　　 "'""""
{|　　　　／　　 /　　　　　　　 <|,,,,,ﾉ　　　￣￣ ── ＿＿
{|　　　人＿＿ﾉ＼,,＿＿＿＿＿＿,,,＿＿＿＿,,＿＿＿＿　二}　　　　　　 '""""'
{|""'"　　　　　　　　　　　　　　　　""""　　　　　　　　""'"""
{|　　　　　　　　　'""""'""
{|　　　　　　　　　　　　　　　　""'"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'""""'"
└────────────────────────────────

196 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:46:03 ID:YFDROCQU

┌──────────────────────┐
│死にたい、死にたいなどと言っていても　　　　　　　　 │
│目の前に即ハボレベルのガチ好みな女性がいれば │
│それだけで気力が湧いてしまうのが男である　　　　　 │
└──────────────────────┘

　　　　　　　　　　　ヽ／　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ/
　　　　　　　　　ヽ／ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 / ＼/
　　　　　　　　　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼ /
　　　　　　　　　　　　　　　　､　　　　　　　　　　　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　 iﾊ　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　／＼ |:ﾊ　　　　　　　　　 ,斤'三三三/´
　　　　　　　　／: : : : ﾐ!: :|__ .= .-―-. = , _,:l三三三三./
　　　　　　＿＿_,／: : ／ : : : : : : : : : : : : : : : :.:.::＼圭_三三/､
.　　　　　｀ヾ=:_:_:_:_:,' : : / : : : : ,､: : : : : : : : ＼: :ヽ:ヾ三／三＼
　　　　　　　　 /: : :/ : : : : : l　';.: : : :i; : :i: : ＼ !.: :',ー三三=ゝ
.　　　　　　　　　 /i: : :/ : :ｰｘi_: :|　 ';:_／!',: :|: :ヽ　Y: :l!｀ー＜¨i
　　　　　　　 i/!: :, |:i : : /_';:｀i!. 　'ﾘ／ ∨}: : l丶!: i!; `ヽ: : :∧
.　　　　　　　 i! | /!从: :/　_＞　　　￣￣　|: ﾉ: i_: :/.　 /: : : :∧　　　「今なら、格安の官舎貸せるかもー！」
.　　　　　　　　　 l/: !: :.〉'. 〃　ｒー ´ヽ　〃 lｲ: : ! )' ＼/: : : : : ∧
　　　　　　　　　　,-＜_'八. 　　 |　/　　.',　　/: : : :l/:::::::/: : : : : : :∧
　　　　　　　　 l__|:::::::';: i>.､　　Ｖ　　　 }　 ;V.И/!:::::::∧: : : : : : : ∧
　　　　　　　　　　　ﾄ､___!`'`'i:::＞ゝ　_,∠　┤;;;;;;;;;|::::::/　∨: : : : : : :∧
　　　　　　　　　 ,' : : :|;;;;;;:i:::::!:::::::!::::_`´__::j/＼;;/::::::) 　 .∨: : : : : : :∧
　　　　　　　 ∧ : : :＼;;!`ｖ::::::::::::И,､N::::::::::::::::／　　　ヾ＼: :∧: :∧
　　　　　　　　　　l;;;;∨＼: :`|　`¨¨ﾄ-┬┬‐┬'￣::{　　　　　　ヾ;;Ｖ;;;;;V;;∧
　　　　　　　 ';;;;;;;;;;;;;;＼:!　　　|::::::l::::l:::::::l:::::::::::::`､　　　　　ヾ;;;;;;;;;;;;;;;∧
　　　　　　　　 ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;!　　　';:::::l::::l:::::::l::::::::::::::::::＼　　　　＼;;;;;;;;;;∧

┌────────────────┐
│彼はロリ痴女の提案に乗ることにした │
└────────────────┘

　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
　　　　　　　 | 　　　（___人__）　　　　　「そうですね……いつまでも宿なしというわけには
　　　　　　　　　 |.　　　` ⌒´ﾉ　　　　　　行きませんしね」
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　|
　　　　　　　　　 iヽ　　　　　　|　　　　　　　　　（ぎゅーっと抱きしめたら柔らかいだろうなぁ）
　　　　　　　　　　 }:::.`＞ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ７¨:.ヽ
　　　　　　　__／.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.::::::::::＼
　　　　,.-<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
　　　r´.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::ヽ
　　 }:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::＼
　　 f:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i: /.::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　/.:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼

197 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:46:16 ID:YFDROCQU

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-

　 ┌─────────────────────┐
::::: │住む場所を探すと言って、最初に案内されたのが │ :::::::::::::::::::::::::::::::::
::::: │この町の市役所らしきところだった　　　　　　　　　 │ :::::::::::::::::::::::::::::::::
::::: └─────────────────────┘ :::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　 │　┌┬┐　|　|_...._|_...._|　　|.　 ┌┬┐ ┌┬┐ │
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:::;;;;;;;;::::::::::;;;;::::::::::;;:::::::;;;::;;;;;;:::::;;;;;;:::::::;;;:::::::;:::::::::;;;;:::;;;::::::;;;;;;;;:::::;;:; |　.　:: ..:　:. :　..　.: :.

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198 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:46:35 ID:YFDROCQU

┌──────────────────────┐
│そこでは、何故かロックが働いていた　　　　　　　　　 │
│さらにはコミュ症も同僚らしき人物と何か話している　 │
└──────────────────────┘

　　　　_..ノ:ｲ:::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　 /::::::/ :::::: /:::ｉ:ｉ:::M〃'''''ミ::::::::::::
.　　　　　/::::::/::::::::!/ ::::||: :!　　　　　V:::::::i
.　　　　 /:::／!::!::::Ⅳ-j从:::|　　－─ .',::::::|
. 　　　　/′　 |:从:{,代:::ﾃﾍ! 　弌:::ﾃｧ.ｒ､/
　　　　　　　 iハハ　　　 i 　　　　!/
　　　　　　　 i　 !　;　　　　　　　　　/　　　　　「なるほど、とりあえず身分証明としては
　　　　　　　　　　　ヽ　　 ―　　ｲ　　　　　　　それで大丈夫です」
　　　　　　　　　　　　　　＞　._　＜ト、
　　　　　　　　　　 rくｉ　　　　 |ノ}　　　
　　　　　　　　〈ﾊ　_〉　ヽ　 r '"　/ト.､
.　　　　　　　＿〉 ∨ ヽハ　 i 　 /　} ハ≧‐- .,
.　　　 ,ｨ≦´　./.:〉⌒'vっr i＾Y＾f＾!=ｎ-‐―┐　　ｱヽ
　　　　 {　　　 /.:rｰヽ―=ﾍ　　　 V　!:::::::::::| 　./　　 ',
　　　　ハ　　 ':/ |::::::::::::::::::i 　　　 }　〉::::::::::|　/ /　　i
.　　　/　 ', 　i.:{　|::::::::::::::::∧ 　　　 /.::::::::::::!ｲ / 　　 |

199 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:46:47 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　　　＿＿＿＿_
　　　　　　　　　／-―-　: : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: : : ヽ　　＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　＿}. :´: : : : : : : : : : : : : : :.｀: ､
　　　　　　　　　／´: : : : : : : : : : : : : : : :＼ : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　／: : : ／: : : :´ : : : : : : : : : : : : :. : : : : : : ヽ
　　　　　　　　／／: : : :/ : /: : : : : : :ｉ: : : : : : : : :. : : : ‐ ― ﾍ
　　　　　　　　/: :.ｲ : /: :./ : /:. :.i:. :. :. :.|: : : : : :＼:.ﾊ : : : : ｉ : : : '
　　　　　　　 /／/: :/:.:.:.′:.ｉ : : i| : : : : |: : :ｉ: :. :. :.ヾ:|:. :.: :.:|: : : : :|
　　　　　 /　 / : :ｉ: : :.|:. .:.|:. :.ハ: : : : ﾄ､: :ヽ: ＼:. :.|:. :.: :.:|: : : :. |
　　　　　　 ′:ｲ: :. :.|:. .:.|! /＿_､: : :ﾊ_＼_:ト : ヽ |:. :.: :.:| : ｉ : ::!
　　　　　　　　 |: / |:.:.ｉ: :|:. :.:ﾊ′　　＼ ∧　ヾ　　ヽ|: : : : :! /: :i: |
　　　　　　　　 |/ . l : |: :|:. :.|ｘテ云　　＼才示卞ｱ:! : : : : /Ｙ:.l! {　ﾎﾞｿﾎﾞｿｯ……
　　　　　　　　 {'　ﾊ: |l八: :.! 弋:rﾀ　　　　弋:_r夕　| : : /ｲ　}: :|::|
　　　　　　　　　　　 }ハ: i:小　　　　,　　　　　　ｲ:.:.:/: :!イ: : : {
　　　　　　　　　　　　　|ハ: ﾊ　　　　　　　　　　　/ ｊ: :/: : :| :.ｉ: : 八　　ﾖｻﾝ……ﾈﾝﾄﾞ……
　　　　　　　　　　 l:i : :..　　　 ‐　　　　ｲ: /ｉ: ｲｿ: : : ::{　　　ｼｴﾝ……
　　　　　　　　　　　　从ｉ: :.＞.､　　　　＜ / ｲ:ﾊ{/|＼: ∧!
　　　　　　　　　　　　＼: : : : : :ｰ＜　　　 /'　＜￣:.　}/
　　　　　　　　　　　　　　ヾ:{Ｖ＼|＼}ﾊ　　／:. :. :. :. : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ}　／ :. :. :. :. :. :. :. :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:. :イ:. :. :. :. ´ ￣￣｀:. :.ヽ

　　　　　　　　　　 -／ト､　/ ハ＼
　　　　　　　　　　　 / 　　 :l//ヾｨ/∧　ヽ
　　　　　　　　 /　　　 |＿/ﾑ--ﾍ　　ﾟ，
　　　　　　　　　　 ′/　　ｉ!　　　　　！　 i!ヽ
　　　　　　　　　　ｉ　ﾘ　　　 |!＿_､　}ノ И　:i　}
　　　　　　　　　　| /　　　　il.rｧ､ }=ｉrfｱ |　 |
　　　　　　　　　　|′ |　　 |圦__ﾉ::: ﾄ-　ﾘ　 |　　　　　　　「うちの部隊も余裕があるわけじゃねぇからなぁ
　　　　　　　　　　| 　 |　　ﾘ|　　:::::_〉彳　 i|　　　　　　　　一応、隊長に聞いてみるけど、期待すんなよ？」
　　　　　　　　　　l　 /　　/､l　､＿_ ィ/|　　l|
　　　　　　　　　　l　′　/ ｌ|＼　￣´厶l　 .八
　　　　　　　　　　|/ 　 /　:l|_　≧ ≠　:|　/　l ＼
　　　　　　　　　　{ 　 /　　{　l}{￣　　ィ| .′￤「￣￣｀　…ー‐ミ
　　　　　　　　　　l　./ 　 / ＼.!斗匕　 /　　i|　V
　　　　　　　　ｨ| / 　 /|　/7ハ___ ／|/　 /　　､
　　　　　／　:l {　　′ .乂{lノ　　ﾉ　 ′　　＼
.　　．一≦　　 | | 　 |　　　∥　　ｲ　／　　　　イ
　　 /　　　　　 | ﾄ. 从　　 ∥　　 .イ　ー─＜

200 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:46:59 ID:YFDROCQU

┌──────────────────────┐
│だが、ロックと町民らしき人物の会話からは　　　　　 │
│住民登録、住所変更、などという言葉が聞こえてくる │
│間違いなく市役所などで行うそれであった　　　　　　　│
└──────────────────────┘

.　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:::.:.:.:'，
　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : ::.:.:.:....:.:.:.:.:.:.:.:'，
　　　　　　　　　　　/／: : : : : : : : : :.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.'，
　　　　　　　　　　／|::!: : : : : : :./: :./}.:rﾍ:.}￣¨''ミ:.:..:}
　　　　　　　　　　　 |八: : : :|: /|: :/ .|:|　.}:|　　　',:.:斥
　　　　　　　　　　　　　|从: :|斗抃ト､|!　/, -‐─Ⅴ　}
　　　　　　　　　 !　{Ⅵ　艾テ　 /　艾テ　 !　/　　　　　「では、こちらの書類をどうぞ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ } 　　　　 i　　　　ｒ‐'､　　　　　　　それが、この町の住民であるという証明書になるので
　　　　　　　　　　　　　／.|ﾍ　　　　」　　　/ .|　乂　　　　　　なくさないでくださいね？」
　　　　　　　　　　　イ　　｜　､　` ｰ─　　ｲ　 |　　　'　，
　　　　　　 ,　 ’　　　　　|　　＞　＿　イ/　　!　　　　　　'　，
.　　　　　 ,イ　　　　　　 |　　＼　　／　　 .　　　　　　　　　＞､
.　　　　 ,ハ　　　　　　　 !　　　 rそ厶　　　 ′ 　　　　　　 ,ハ
.　　　 /　　.　　　　　　　　　 '　／ ∨// ＼　/　　　　　　　　　 .
　　　 /　　 '.　　　　　　　　 V　　 }//{　　Ｖ　　　　　　　　　　　 ,
.　　 /　　　　.'　　　　　　　　　　　 |//|　　　　　　　　　 | ./ 　　　 '，
　　/　　　　　 '，　　　　　　　　　　 |//|　　　　　　　　　　　 i|/　　　　　 .
.　/　　　　　　 .'，　　　　　　　　　 |//|　　　　　　　　　　　 }|　　　　　　 '，

　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　／　　─　　 ─＼
　　　　　　　　　／. 　　=⊂⊃=⊂⊃=＼　　　　　「ほいほい、ありがとな、にーちゃん」
　　　　　　　　　 |　　　　（__人__）　　 |
　　　　　　　　　 /　　　　 ∩ノ ⊃　　／
　　　　　　　　　 (　＼　／＿ノ　|　 |
　　　　　　　　　　　　＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　　　　　　　　＼／＿＿＿__ノ

201 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:47:13 ID:YFDROCQU

┌─────────────────────────┐
│この事から、彼はこの世界において　　　　　　　　　　　　　 │
│騎士は行政的な事も行うのではないかという推測を立てた　 │
└─────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　 /ヽ　 i,
　　　　　　　　　　　　 i三ヽ i:',
　　　　　　　　　　　　　 !／:ヽi: !　＿＿　　　　　　 __＿＿＿
　　　　　　　、＿__ , イ: ,. -: `:´: : : : : : : ≧ ､-/´三三三/
　　　　　　　　`ー---／: :rマ: : : : : : : : : : :、: :ヽ/ 三三／
　　　　　　　　　　　,ｲ: ,: ,ｲ': /: :/:.i!: : : i: : : ヽ:.`! ',三_／
　　　　　　　　 /:／://: /i: /:,:.ﾊ: !: :i : i : : ',:.!: :!三三＼
　　　　　　　　　 //.!: /ｲミ=,､/i',:,' .!/: :i!: :!: : : ',!: :i＼三三ヽ
　　　　　　　　　 i' /!:/:,Y:ヾ.!::!:i`　/' ==ﾐ､.i:_:_/:!: /: : `ヽ三 ',
　　　　　　　　　　/:.',:/:i!:.i 弋リ　　ん::i iｱ:/:i:!/:!: : : : :i`ー-ゝ　　　　「ありゃ、先客さん？
　　　　　　　　 /: r-./:'､ヽ、　　　　ゞツ/'ｲ: :ﾘi : !: : : : :i　　　　　　かぶるなんて珍しいねー」
　　　　　　 /: : i;;;;!: : :/;;;ヽ､。＿　, イ: : / .!: :i : : : : i
　　　　　 , ィ=ニ-‐イ`ヽ__:_:::::'､. 　/_/: : :/　 i: : !: : : : :!　　　　　　　 ┌────────────────────┐
　　　　 /::イ::::::::::::::::::::::i三i ＼::ヽ　i/;`;!/、　i: : !: : : : :!　　　　　　　│このロリ痴女の物言いからして　　　　　　　　　　 │
　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::ﾉ=ｲ　　`ーi,';;i!;;/:::i､　i: : !: : : : :!　　　　　 │普段、余り人がこないところであることも伺えた │
　　　　　 i!￣￣i:.T￣!:::::::::'､-､　ヽ!::ヾ':!:::::::',　ﾏ: !: : : : i!　　　　　　 └────────────────────┘
　　　　　　 ,';;!/!/;;i:/ 　 !::::::::::::ヽ!`i! !i!::::!::!-‐i'　　ﾏ:!: : i､:!;!
　　　　　　 !;;;;;;;;;;;;;;;!　　,'::::::::::::/::::::Y:!:::::!/:::,ィフー‐､',: i;;i!;;!
　　　　　　ﾚ!;;;;;;;;;;;;!　 /::::::::::::/:::::::::/:::/∧/:/ !　　　',;;;;;;;;;;;!

202 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:47:28 ID:YFDROCQU

　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　|　「おーい、それが例の彼かい？」　 |
　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ

┌──────────────────────────────┐
│事務所らしきところの奥から、のんびりとした中年男性の声が聞こえた　 │
└──────────────────────────────┘

┌──────────────────────────┐
│奥から出てきた男性は、はっきり言ってパッとしない男だった　 │
│ドクオ、という言葉がしっくりとくる　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｎ
　　　　　　　　　　　　　　　 l^l.| | /）
　　　　　　　　　　　　　　　 | U ﾚ'/／)
　　　＿＿＿＿＿　　　　　　ﾉ　　　／
　　／　　　　　　　　＼　ｒニ　　　　|
　/ 　　　／　　＼　　ヽ　　ヽ　　　/　　　　　　「聖騎士様から連絡が来てね
　|　　　　　／ヽ　　　　|　　/ `　 /　　　　　　特例だけど、ちゃんとした戸籍くれるらしいよ」
　|　　　　／￣丶　　　.|　/　　／
　＼. 　　　　　　　　　,／　／　　　　　　　　　「で、そのための書類も用意したから
　　/⌒ヽ　　　　　　イ　　／　　　　　　　　　　　パパッと書いてくれない？」
　 / rｰ'ゝ　　　　　　　　／
　/,ﾉヾ　,>　　　　　ｲ
　|　ヽ〆　　　　　　 |

203 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:47:46 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │そう言って、ドクオは彼に書類を渡す、が　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │苦々しい顔の彼を見て、直ぐ様「しまった」と声を漏らした │
　　　　　　　　　／￣￣＼　　　　　└────────────────────────┘
　　　　　　　　／　　ヽ_　　＼
　　　　　　　　|　　　（⌒ ）（⌒）　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　「君、文字読めないんだったね……」
　　　　　　　　 |　U　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_乂_
　　　　　　　.　 |　　　　　　　 |
　　　　　　　.　ヽ　　　　　　　|
　　　　　　　　　ヽ　　__ , _ ノ
　　　　　　　 _,,,, ｢:::ｰ----ｰ"::i、___　　　　　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　_,,..r''''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::`''ｰ-､　　　　 |　「ええ、文字読めないんですよね……」
　／::::::r:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　..ヽ　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
　ﾉ ::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::／}
　l :::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r::::::/::::ハ

204 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:47:56 ID:YFDROCQU

┌──────────────────────────┐
│そう、彼は食料問題こそ解決したが　　　　　　　　　　　　　　　 │
│それ以外に、この世界で人として文化的な生活をおくるための │
│色々な知識やらが抜け落ちたままだったのだ　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　_ノ　ヽ､_　　＼
　　　　　　　　　（＝）（＝）　　｜
　　　　　　　　　　（__人__）　　U　 |
　　　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　｜
.　　　　　　　　 {　　　 U 　｜
　　　　　　　　　 {　　　　　　 /
　　　　　　　_. -: ´∧ _,＿_　 _.へ｀　、
　　　　 r＜....::::::::::ゞ::::::::::::r'　　＼ :＼_
　　　　/.::::::ｌ:::::::::::::::::::::::::::::L>、　　 >ﾍ::ヽ
　　　　| :::::::ﾄ､::::::::::「|:::::::::::::::::::`ｰ／:::::::::V::|
　　　〈:::::::::::::::::::／へ、:::::::::::::::::∧::::::::::::::V ｝
　　　 /::::::_ン´「ヽ｀ヽノ:::::::::::::::::::Λ::::::::::::::ヘ}
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

┌────────────────────────┐
│結局、彼はドクオに手取り足取り一つずつ教えられながら │
│戸籍情報を作っていくことになった　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────┘

　　　　´￣￣￣￣￣￣＼
　　　 /　　／　　　＼　　丶　　　　　 ┌──────────────────┐
　　 │　　　　／＼　　　　 .|　　　　 │そして、20分ほどで彼のこの世界における │
　　　|　　　／￣￣＼　　　 |　　　　　 │戸籍が完成した　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　＼　　　　　　　　　／　　　　　 └──────────────────┘
　　　／　　　　　　　＿＿|__＿
　　　| 　　ｌ..　　　／l　　　　　　 `l
　　　ヽ　丶-.,／　|__　　　　 _|
　　　　/`ー､＿ﾉ　／￣￣￣￣／

205 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:48:09 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　　　　 iヽ
　　　　　　　　　　　　 i三ヽ　　　　　　　　　　　　 ,、
　　　　　　　　　　　　 i三三ヽ、　　　　　　　 /::i　　　 i`v､
　　　　　　　　　　　　 i三三三ヽ　　　　　　　　/三i　　　 iヽ i i i　,、
　　　　　　　　　　　　 i三.i!三三!、　　　　　　/.三. !　　　 ! ` ､ゝ'/　 ┌───────────────────────┐
　　　　　　　　　 , イヽ三i!三./,　- ー -　、-.､.三.!　,ｲ　 ! 　 ',　i　　│戸籍に関する書類を書き終わると、即座にロリ痴女に　│
　　　　　　　 , イ三三三.ゝ, . ': : : : : : : : : : : ＞､',;;;,.イ/ ./三ヽ､ ,′　└───────────────────────┘
　　　　　 ,イ.三.三.三三, ':/i!: : : : : :, : : : : : : : : :ヽ!:,ｲ､./≧､.三.〉
　　　　∠三三三三三/: ,': :i! : : ／:,:イ: : : : : : : : :´ : : ',;;;;;;;;;;;r-'
　　　　　　　／: : : : :,': : i!: : : : /イ : : : ,: : : : : : : : ､､ヽ:.'､;;;;/
　　　　　／: : : : : : :i: : :i!: : ,イ/: /: :／:／,: :,,: : i: : ',:!:.ヽ:＼
　　　　／: : : : : : : : :',: : : ,/ｲ/: /:.／i: /: /:./ i: i:!: : ,.',: i: ',_:_:ゝ､　　　　「それじゃ、次はお家選びなんだけど
　　　／ : : : : : : : : ／ ',: / /:.ﾚ:/i/ミ,､ﾚ: /!:/　i:i!:i: : :!:i: i',: ',　　　　　　　　　候補が3個ほど見つかったよー！」
　／ : : : : : : : : ／　　ヽ',/: : / ''''　ヾi/ i:! __.ﾘ: !: :/:i:!:i. ',:i
／: : : : : : : : :／ .rー-.､ィ/: : /　　 ,へ　　 "¨ヾ/i: /: ﾘ:,'　i:!
: : : : : : : : :／　./;;;;;;;;;;;;;;',': : : !＼ /.　　￣7 , イ: i/ｲ!: /　 i!
: : : : : : :／　　,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;i､: : i＼/` ー ‐ ";;!: :i: ｲ　 i:/　　　　　　　　　 ┌──────────────────┐
: :,,: : :／　　,ｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i!;;;;;;;!　　',!　 ,'!i;;;;;;;i : i': !　　　　　　　　　　　　　　　　│と、簡単な間取りが書かれた紙を渡された │
;;;;i:_:/　　　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｿ!;;;;;;;i＿., ィー､'‐イ!､,､/i　　　　　　　　　　　　　 └──────────────────┘
;;;;;;/　　　　 /､!;;;;;;;;;;;;;ｿ　i;;;;;/.¨/　　ニゝ　 !;;;;;;;/

┌──────────────────────────┐
│間取りが書かれた紙には、4桁ほどのアラビア数字が　　　　　 │
│書かれており、彼は「こんなところだけ同じなんだな」と思った　 │
└──────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　／_,ノ　｀ヽ､_＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　( ●) （● ）　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 (___人___）　 .|
　　　　　　　　　　　　　　 | 　｀ ⌒ ´　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 ,.　-'-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　ｊ_ r＝、`.、
　　　　　　　　　　　　　　 __ jﾊ. __ 、__ﾉ__,. -､｀ {
　　　　　　　　　　 _,. -= '''' ´ ..::ヽ:::::::::::::: ﾉ,. -　　　ﾄｰ- ､ _
　　　　　　　ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i　ｬ　　　 '!,:::::::::::..＼
.　　　　　　　 / ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'ヽ_〉　　　i,::::::::::::::::::..ヽ
　　　　　　 / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::八　　／｀x--、:::::::: l
　　　　　　/ .::::::::::::::::./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉::::/:::::::::::::::＼:::: l

206 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:48:25 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__
　　　　　　　　　　　　,へ, -､,､　,　--ー‐-ー‐　､＿＿　 ∨//ヽ
　　　　　　　　　　, -ー- ､＞‐-: : : : ´ , : : : : `: : :∨//＞∧////!
　　　　　　　　,イイ: : -ー―: : : : : : : : ´￣`:､: : : : :∨/////: : :ヽ､＞,
　　　　　　〃 /イ: : , : : : : :,ｲ ,.､ : : : : ',: : : ヽ: : : : :`ー-.i!: : : : : :',-'
　　　　　　　 ,ｲ: , イ: : : : , /: /　 !: :!, : : ',: : : :ヽ: : : : :',＜i!: : : : : :.:',
　　　　　　　/: :/: : : : : : / !: /　　i : ! '､: : !､: : : :',: : : : i: : :! : : : : : : ',
　　　　　　　!: /: : : : ,: :/!__!:!　　　.!:/ 斗‐,'千￣: i: : : : !: : :ヽ: : : : : : ',
　　　　　　　!:,'i: : : :/: :i!.i: i i!.`　　/'　 ._ﾚ'＿_ゝ: /: : : : :i: : : :!ヽ: : : : : :i　　「先立つ物がないだろうから、敷金礼金なしの物件だけ選んだよ
　　　　　　　i:! ',: : ,': : i ! ',!__,, 　　　　　￣￣　!ｲ!: : : : :i,.-､:i:!: :i､: : : : :i　　　後、保証人には私がなっておいてあげるから
　　　　　 i!　',: ハ: i ',.￣　ﾉ　　　　 / / /　　!: : : : :!,ﾍ !i:i: : !:',: : : : !　　　変な使い方はしないでね？」
　　　　　　　　　 ';! ! ヽ!:!〃　　　　　＿_　　　　i: : : : :i!　./i:i : :i!: : :! : i
　　　　　　　　　　 /: :!: i　　　ィ　￣　　　',　　　i : : : / イ: :i: : : i!: : ! : i
　　　　　　　　　 /: :/!: '､　　i!　　　　　　 !　　 i: : : /: : :!: : ', : : ',: :i: : :!
　　　　　　　　　 /: :/:.! : iヽ、ヽ、　　　　/　　 i: : :/:! : : ',: : ', : : ',: !: : !　　　　 ┌──────────────────────────┐
　　　　　　　　 /: :/: :!: : !i : ヽ、` ー― '　　,　! : /ーi : : '､: :',: : : ',!: : :!　　　　　 │彼はますます、変なところは同じなんだなと感じた　　　　　　　　 │
　　　　　　　　 ,': :/: : !: : :!i: : !,:i:` ー―, '',,"イ,': /:::::::::!､: : :ヽヽ: : : !: : :',　　　　　│また、それと同時に不動産まで騎士団が管理しているのかと　 │
　　　　　　　　 !: /: :/: : :/: ',: !:'､<:::::::::::i ヽ:::::/: /::::::::::i: ヽ: : : ヾ: : :',: : : ',　　　　 │彼は騎士団に対する認識を変える必要性があるなと感じた　　 │
　　　　　　　　 !: !: /: : :/: ィ二二ヽ､:::::!　 ∨: /:::::::::::::￣￣フ::｀ヽ: ',: : : :ヽ　　　 └──────────────────────────┘
　　　　　　　　 ',: !': : :, -.<´　　 ` ミ!:／　 /: : i:::::::::::::::::::::／::::::::::::::', '､;;;;;;ヽ;ヽ、
　　　　　　　　　!, イ:::::::::::::',　　　ヽ)　　 /;;;;;;;;!::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::!;;;ヽ;;;;;;ヽ､;;`､
　　　　　　 , イ:::::::::::::::::::::::::i! 　 ,　）ﾉ.￣,';;;;;;;;;;;!::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::!;;;;ヽ;;;;;;;;ヽヾ┌────────────────────────┐
　　　　, イ:::::::::::::::::::::::::::::_ｿ￣!￣ニニﾆ!;i;;;;;;;;;;i!:::::::::!::i:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ;;;;ヽ;;;;;;;ヽ│だが、ここでロリ痴女が紹介したのは騎士団が所有する　 │
　 ,.イ:::::::::::::::::::::::::::::, イ::,'::::,'ニニニﾆﾆi!!'､;;;;;;!::::::::::',::',:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,;;;;;',-､;;',│官舎であり、彼が思っていたものとはだいぶ違ったが　　 │
　 i::::::::::::::::::::::::::::::／::::／i:::::!ニニニニニ!::::ヾ;!::::::::::::'::::ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::',;;;;;',　 └────────────────────────┘
　 !::::::::::::::::::::::::／:::／;;;;;;;!::::!ニニニニニi::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、::::::::::::::::::::::::::',ヽ;;!
　 ',:::::::::::::::::::,ｲ＞'.!;;;;;ﾊ;;;;!::::iニニﾆﾆﾆﾆﾆi::::::::::::::::::::::::::::::::::/',;;ヽ､::::::::::::::::::::::'､i;!
　　ゝ――‐ '"　　!;;;;i　';;;!::::iニニニニﾆﾆi:::::::::::::::::::::::::::::::::!､ i;;!ヾｿ:::::::::::::::::::::ｿ

207 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:48:35 ID:YFDROCQU

┌────────────────────────┐
│因みに、この官舎関係の管理はコミュ症がしており　　　　 │
│ただでさえ、前のドラゴン騒ぎで忙しいのに　　　　　　　　　 │
│彼のせいで書類を用意せねばならず　　　　　　　　　　　　 │
│彼は彼の与り知らない所でコミュ症から恨みを買っていた │
└────────────────────────┘

　　　／:. :. -‐…:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : ＼
　　　/／　　／:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : ∧ :. :. :. :.ヽ
.　　/　　　　' :. :. :. :. :. ／ : :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.（__;） . :. :. :. :.
　　　　 /:. :. :. :. :.／ :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
　　　　　 ':. :. :. : ／:. :. :. :.:.| :. |:. :. :.|:. :. :|: : . : : : |:.､:. :. :. : |:. :. :. :.ｉ
　　　　　ｉ:. :. ／ :. :. :. :. :. :{ :. |:. :. :.|:. :. :|:. :. :. :.斗‐:＜:￣ |￣:. :.:.|
　　　　　 |:／　 |:. :. :.ｉ:. :. :.' 斗:…十…:. :. :. :. :. |､:. :. :＼:.|:. :. :. :.|ヽ
　　　　 / 　　 |:. :. :.|:. :. :. ',:.|:. :. :.|―､: ､:. :. :. :.|,,..斗≠ミ､:. :. :.:j|:. :.
　　　　　　　　　 |:. :. :.|:. :. :. :.Vx≠＝＝ミ＼:. :. | う ^　ﾘ　》:. :. 从 :. ＼
　　　　　　　　　 :. : : |:. :. :. :. 从乂^ ツ　ヽ:{＼ |　ー　´　|:. :. /:. :. :|⌒ヽ
　　　　　　　　　　､:. :. ､:.ﾄ :. :. : ＼　　　　 ,　ヽ　/／Z斗:. /:. :. :. |
　　　　　　　　＼:. ＼:.＼:. Z／}／　　　　　　　　イ:|:./:／＼/　ﾎﾞｿﾎﾞｿｫ……
　　　　　　　　　　＼:.从:. :. :. :.:≧. .,,　 V⌒) 　 ≦-= |, イ＼
　　　　　　　　　　　　 , '＞-―…‐v-_-_-_-_-ヽ＿_ノ|-=/ｲ-==ニ＼　……ﾏｾﾝ……ｼｮﾙｲ……
　　　　　　　　　　　／/　 {_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-Yﾞ￣|=人-==ニニニ＼　ﾏｯﾃ……
　　　　　　　　／ﾆ/∧　＜ ⌒`´ _-_-_-_- ＼ |-= |-=}} |-===ニニニ＼
　　　　　　　　　､==: _-／　　` ＜_-_-_-_-_-_- 八_/__　―┐-========}
　　　　　　　　　　＼=∨_-_＞ _　　` ＜_-_-_- /／/ o )　-=!-=ニニニﾆ/
　　　　　　　　　　　＼＼　{ ヽ__ ＞ _　 ` ＜ //　ノ¨´ !-=ニ -=ニニ／
　　　　　　　　　　　　/:i:i:i:i |　/　ﾉへ_-＞　_/ ゝイ∧　｜､-=ニ==≠ /
　　　　　　　　　 /:i:i:i:i:i:i:-ゝ /　ノへ_-_ /-=二// ヽ_|- ＼-=ﾆ/／=＼
　　　　　　　　　　 ,:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i￣－< -イ-=二////∧-=ニ＼/＼-===＼

　　　　　　　　　　　　ィ⌒ー　､
　　　　　　　　ｆ≧≠ﾐ　　　　＼
　　　　　　　　ﾘ /ｬｧ |ｌ　　 |　　ヽ
　　　　　　　　　　　/ 人}′|l　　￤　　 |
　　　　　　　　　 l ヽ__ 　 |l　　│　　 |　　　　　　「ああ、帰るのは明日で時間には余裕あるし
　　　　　　　　　 |　 }　｀　Ⅵ　 {　　　 |　　　　　　　別にいいよ」
　　　　　　　　　 |　 l __ _ 人＼　　　.八
　　　　　　　　　 lハ　　 { 　＼＼　　ヽ
　　　　　　　　　　　 |　 rf´￣￣〕ト．　　＼
　　　　　　　　　 ′'j_l|＿＿./ :|　　厂{「￣￣￣　｀ヽ　　　　　　　 ┌───────────┐
　　　　　　　　　　　/　/ハ　　 /　ﾉ　 /　/　　／　　　＼　　　　　　 │中途半端に地位が高いと │
　　　　　　　　　／　八_ノ　／　　 .ｲ　 |　　　′　　　　　　　　　　　　│業務が増えるのである　　 │
　　　　　　　 -ｲ　　 {　l}　〃{　　／　　│　　{/　　､/　　　　　　　　　└───────────┘
　　　　　／　 .从　.ハ l}　/　:!　〃　　　 l　／　　　　＼
　　　 ./　　　/　 }/ |l　l}./ 　 |　(　　　　　|　{

208 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:48:46 ID:YFDROCQU

------------=================ニニニニニ三三三三三ニニニニニニ=================------------

　　　　　　---------==============ニニニニニ三三三ニニニニニ==============---------

　　　　　　　　　　　　　　　　-----========ニニニニ三ニニニニ========-----
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　----====ニニニ====----
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ---===---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-

┌───────────────────────┐
│そんなコミュ症の勤務状況は兎も角として　　　　　　　 │
│彼はロリ痴女に案内されて物件を見に行くこととなった │
└───────────────────────┘

┌──────────────────────┐
│そして、彼がいの一番に感じた正直な感想としては　 │
│お家賃が地味に高そう、であった　　　　　　　　　　　　│
└──────────────────────┘

　　　　　:.:.:.:.:.:...... .... .... . .. ...... ::.:.:............
　:.:.:. .:.:....　:.:.:......　...:.:.:..　　:.:.:.　 .:.:....　:.:.:......　...:.:.:..
　　　:.:.:. .:.:....
　　　　　　　,,,____＿＿_,,..._　 ___　:.:.:.:.:.:...... .... .... . .. ...... ::.:.:............
　　　　　 ,/',/',/',/',/' ,.- ､.ヽ| ｜
　　　　/~/~/~/~/~／:.:..::.:.` ､＼ :.:.:.　　:.:.:.　..... .... ............
　　　,/',/',/',/',/'／:. ＿＿＿＼ヽ　　　　　　　　　　　　 ┌────────────────────┐
　 , /'/~/~/~/／:: .:.├┼┼┤　＼＼　... . .. ...... ::.:.:.　　 │門から歩いて10分　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　'i, 'i, 'i, 'i, 'i／:.:.:::..　￣￣￣　　 :＼_,、　　　　　　　　　│鉄製の柵沿いにある建物で　　　　　　　　　　 │
　　|￣￣￣|::..:.:...:. 　 , '⌒l⌒ヽ　　.:.::|　　　　　　　　　　 │見かけは少しボロいが、その頑丈そうな普請は │
　　| l;;;;i;;;; l |:.:.田田　| :iili | iili |:.田田|　　　　　　　　　　 │良い物件であることを証明していた　　　　　　　 │
　　| l;;;;i;;;; l |:.:.田田　| :iili | iili |:.田田|　　　　　　　　　　 └────────────────────┘
　　|:.:.:　　　|:.::, :,:　::;:.| :iili | iili |:.　.,:.::.|
"''`"`"'''::;;.`"''',;,;;,;``"/'￣"'￣ヽ` "''`"`"'''::;;.`"''',;,;;,;``"'''`
　　　　　　　`"'''`　　,'　　　　　　＼　"'''`"
"'';;　:;:`"`"'''::;;.`"'"'';;　　　　　　　,.:;:`"`"'';;　:"'''::;;.`"'''::;;.`'',;,;;,;``"

209 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:48:58 ID:YFDROCQU

┌──────────────────────────────┐
│入ってすぐに、中は横が4メートル、奥行きが6メートルほどの部屋があり │
│一人で暮らすであろう彼にとって十分すぎるほどの広さがある　　　　　　 │
└──────────────────────────────┘

　　　　　　　＼
　　　l} ､:: 　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　|l　＼::　　　 |
　　　|l'-,､イ＼:　　　|
　　　|l　　´ヽ,ノ: 　　|
　　　|l　　　 | :|　　 |
　　　|l.,　　　| :|　　 |
　　　|l　　　 | :|　　 |
　　　|l　　　 | :|　　 |　　　　　　　　　　　　　　 ┌──────────────────┐
　　　|l　　　 | :|　　 |　　　　　　　　　　　　　　 │それだけではなく　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　|l　　　 | :|　　 |　　　　　　　　　　　　　　 │恐ろしいまでに値段を釣り上げるであろう　 │
　　　|l　　　 | :|　　 |　　　　　　　　　　　　　　 │条件が、一つ付いていた　　　　　　　　 │
　　　|l 　　　[]:| 　　|　　　　　　　　　　　　　 └──────────────────┘
　　　|l　　ｨ'´~ヽ　　|
　　　|l-''´ヽ,／:: 　　|
　　　|l 　／:: 　　　 |

210 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:49:21 ID:YFDROCQU

┌───────────────────┐
│掛け流しの温泉がついているのである　　　　 │
│なんでも、前の住民が町の中にある温泉から │
│引っ張ってきたものらしい　　　　　　　　　 │
└───────────────────┘

┌──────────────────────────────
{|
{||―｜―｜―｜―｜―｜―｜―｜―｜―｜―｜―｜―｜―｜―
{||＿｜＿｜＿｜＿｜＿｜＿｜＿｜＿｜＿｜＿｜＿｜＿　.:':.:.:.
{||　｜　｜　｜　｜　｜　｜　｜　｜　｜　｜　｜　 (:.:.:.:.　　　.:. :...
{||―｜―｜―　＿　 ‐　/⌒ヘ ,.　-‐‥_＝= ､<＼z=ﾐ、　.― て;.:.:.　　　　.:.:）
{||＿｜＿｜. ／,､__｀ヽ　／,r'／,,::''ﾞ´´　　. .: :｀ヽ＼ヽ　}　　　　そ:.:.:.._＿／
{||　｜　　l 〃.//>/　}　 ', ∨,:'"　　　. .: .: .: .: .: .ﾞ'ﾍｉ j!　!　　　　　　　ヽ
{||―｜ー . {Y::::）｀'～ﾉ　 |Ⅵﾞ;　　. .: :_,,ｨ‐----‐'ﾞヽ!ｉ!: . |　　　. :.:.: _＿ﾉ
{||＿｜＿ j ゝ¨- -‐'"`ｰ |. :| ﾞ;　 ,.="ﾍ　 i!ｰix､　:.　}:. .　i　（:.:.::::　___,)
{||　｜　｜　　ｌ　　｜　|. :|　ﾞ'",ｨ=ﾐ. | ｉﾘj　ﾚt　;　ﾊ:　　l　　 ..: :.:,
{||―｜―｜―｜― 　　l. :ﾙﾚﾍ夊ﾉ jﾙ' ミ=ｨ }/ /　i:　:. l　　( __)
{||＿｜＿.　　　　,､_,r=､__| : :j､八"'''　_'＿ "''' ﾞ厶i{ __l:.　:. ',_
{||　｜.ﾞ ,斗=ﾆ二ヾ ' , V : :,' ! ヾヽ.　V　ﾉ　ィ/从!　 !:　 :. 匁/＾7ｫ=-ｧｭ
{||―｜　{ 　　　　 '. ∨: :/ ,′ jﾉ :≧‐＜.: :;　' 　u. ', ',　: .＞≧ｲ_彡"　｀ヽ
{||＿｜ .A　　　}¨t￣ﾍ. : :/ /､: .　　｀ヽ. ,.ｨ'"´　. : : :,r∧ヾ=-‐＝=/　　　　/
{||　｜/　',　u. |: :' ,≧=ﾞ7 ,:'ｰ〉　u.　　　　　　　　　 /＿ヾ ) ）: :, ,′　u.／　　　　 ┌────────────────┐
{|　　 /　　A　　! 　ヾ: :（ (　 ;　　　　. :　: .　　　　 / ）) ｨ彡': :〈./　　／　　　　　 │そのうえ、水道もちゃんと通っているし │
{|　 ./　　/　!　 {: .　　 '. 〉}　乂ミ＝彡≧‥. :. :. :彡"　ゝ､ﾏ , ′ , '　　　　　　　　│トイレもなんと水洗である　　　　　　　　 │
{|　/　　/　 jミ=:})）ｰ=彡(（　　'.. :¨´. :. :. :. :ｰ-‐' .': . 　　　 / u. i'　|　　　　　　　 └────────────────┘
{|./　　/　,' {. :. :l　　　　　ノ　ﾉ. :. :. :. :. :. :. :. :ー=彡　　　 ,ﾐ辷彡;　|
{|.　　/　,': .i . :. :!　　　　　／. :、. :. :. :. :. :. :. : {　　　　　イ. :. :. :/ j |
{|　 /u./ 〃〉}.,'/　　　　 , '. :. :. :ﾞ. :. :，. :. :. :. :. :'.　　　　　〈 LLﾑ .〈 !
{|. /　,': .　〈//ｲ i_ _ 　 ,:′ :::.. :. :. :. :. :. ‐-'' . :. :'.　　　　　　　 .: .;' !
└──────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　＿_　　　　　　　　　　 ┌───────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　／　　＼　　　´　； ;　　　 │この世界に来てからトイレといえば野っ原で　　　　　　　　　 │
　　　　　　　・　　　／　　 ⌒）＼　　・　　　　 │トイレットペーパー代わりに適当な葉っぱを使っていた彼にとって │
　　　　　　　　　.　｜（__ノil|!|＼　＼　´　；　　　 │まさかの再会であった　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　` , ; ｜　　ヽ!il|!li| ヽ　＼　　　　　 └───────────────────────────┘
　　　　　　　　　　　｀ヽ、　ヽ|!il|li/　　 |　・　ﾟ
　　　　　　　　　　・；｀　ヽ､　ヽ／　　/　　　　；　　「うおおおぉぉお！？　適当な葉っぱで拭いたら
　　　　　　　　　　　　　　￣>　　　<_　　　　　　　　ケツがかゆぃぃぃぃぃ！？」
　　　　　　　　　　　　　 ,"⌒　　　　　 ⌒ヽ､
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　＼ヽ　　　 ,､
　　　　　,、　　　　 _／　　,､　　　　　　ヽ　｀￣⊃/ 〉
　　　　ゝヽ､⊂ ´￣　　ノ　＼　　　　　　〈―- ､＿,ノ
　　　　　ヽ､＿,-――‐´ 　　　　i　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　〉　　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　人　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　/　 i　　　|

211 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:49:33 ID:YFDROCQU

┌────────────────────┐
│このようなファンタジー世界では　　　　　　　　　　│
│これはオーバーテクノロジーなのではなかろうか │
└────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　 _ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　（⌒）（⌒ ）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　 │　　　　　「すいません、ここのお家賃って……」
　　　　　　　　　　　　 '､'ーｰ´ 　 'J　|
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　ヽ　、　　　ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　ｨヽ-ー　≦ノ7
　　　　　　　　　　_, ､- ― '´ﾍ:::::::::::::::::::::::::ﾄ、__　　　　　　 ┌────────────────────────┐
　　　　　　　　／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....　､　　　 │彼が恐る恐る、この家の家賃を聞くと　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　丿;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ヽ､　　 │ロリ痴女は、いつのまにやらかけた　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　 / ;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'､:::: !　　 │事務お仕事用のメガネをくいくいさせながら答えてくれた　 │
　　　　　 /;;;;;:::::::::::::: !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:::::: |　 └────────────────────────┘
　　　　　/ ;;;;;:::::::::::::: /;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::: |

.　　　　　　　　　　|＼　　　∧
　　　　　　　　 |二＼　/ﾆ}　　　　　　　 ∧　　∧
　　　　　　　　､ニﾆVﾆ/　　＿＿　　│ﾊ　/=‘.
　　　　　　　⌒＼　 }:＼ﾆ／￣: : : : : : : :＼|ニ∨ﾆニ〉
　　　　∠¨¨¨¨¨¨¨＞､: :´ : : : : : : : : : : : : : :∨ﾆﾆニ/⌒＼
　　／　 , ＜: :／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∨/／: : : : : :＼
　＿ ∠＿／:/: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼ : : : : : : ､_: : : : : : : : :、
.　　　　／ : / / : :/ : : : : : : : ＼ : : ＼: :＼: :＼: ハ＼: : : : : : : :.
　　　. : : : :.:/ / : :/ : : ∧: : ､: : :.:＼ : : ＼: :＼: :＼ !　＼: : : : : ::.
　　 / : :／/: ′: ′: :/　∨:.:＼: : : :＼ノ : :、: :＼ : |　　　､ : : : : :.
. 　 : :／　.' : |:＼| : :./　　 V: :.| ＼／: :＼: : :. : : : . :!　　　　V: : : : :.　　　　「家賃は大体4500ルナってところかな？
　　|/　　.′:.|: : :|＼| 　　 ∨_|／＼: : :.:.}: : :} : : } ′　　　 ‘，: : : :.　　　　　ここは柵沿いだし、町の中央から離れてて
　　　　　|: : :.|: : :|:芥ｯ､　　 Ⅵ＿ィんﾌ¨}:|: : :|⌒ /　　　　 ∨: : :.:.　　　　　あんまり人気ないんだよねー」
　　　　　|: : ∧ : |乂刈　　〈　　乂ﾂ　ﾉ:|: : :|　ﾉ′　　　　 ‘. : :i:.:.
　　　　　|: :.'　∨:[＿__]─‐[＿＿＿__]─ |: : :|彡: : ＼＿　　　∨:|: ::.
　　　　　|:.:′　V: ::.゛゛ '　　　　゛゛゛゛゛　!: : :!＼: : : : ＼￣二＞Ⅵ: : :.
　　　　　∨　　 ‘，:|＼　　( ＼　　　 ,／|: : :|二＼: : : :.:＼　　 }ﾊ: : :.
　　　　　　　　 ∨ | :＼　＿_　　イ／| : /ﾆﾆﾆ_＼ : : : :＼　 |/}//}
　　　　　　　　　 ∨: :|_「二￣_〉　/ニl| /イ二二二¨≧- _:.＼　 |//|
　　　　　　　　　　 ∨ |_|＼二「　 ′ニ}′二二二二二二ﾊ: :‘.　!//!
　　　　　　　　　 /∨=!二∨|　/二二二二二二二二二ﾆ}: : :| .|//|
　　　　　　　　　　　　{二ﾆﾆﾆﾆﾆ|　{ニニ二二二二二二二二{: : :| .|//|
　　　　　　　　　　　　∨ニ|ﾆﾆニ}⌒}二二二二二二二二ﾆﾆ∧ :ﾉ .|//|
.　　　　　　　　　　　 |ﾆﾆ|ﾆﾆニ|　 {二二二二二､二二ニニニ＼　V/!
.　　　　　　　　　　　 |ﾆﾆ|ﾆﾆﾆハ　|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_＼二二二二ニ＼Ｖ

212 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:49:46 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　 _,ノ　ヽ､_
　　　　　　　｜　　 ( ●) (●）
.　　　　　　｜　　　（___人__）
　　　　　　　　 |　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　「借ります」
　　　　　　　 .|　　　　　　　|
　　　　　　　人､　　　　　 |
　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ　　　　　　　　 ┌──────┐
　 ,. -ｰｰ -‐ ´::::::::::::::::::::::::::::::::7　　　　　　　 │即決であった │
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、　　　　　 └──────┘
.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＼､_
::::::::::.＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... ヽ　　　　　　　　　　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
:::::::::::::..ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ﾍ　　　　　　　　　 |　「じゃあ、もろもろの手続きとか
:::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::　　　　　　　　　 |　　やっておいてあげるねー」
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_乂_
:::::::::::::::::ｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::
::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l⌒＼　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　〈　　　　＼　　　　　　　　　　　 ┌──────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　/ 　__,.ノ｀ ⌒　　　　　　　　　　 │4500ルナということは、例のオーガやらを　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒ト､/　　（＞）（●）　　　　　　　　　 │2匹倒せば手に入るお釣りが出る額である │
　　　　　　　　　　　 r-='´　　　　　ヽ　　（___人__）　　　　　　　　　　 └──────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　＿∠ ノ |　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　}　⌒´　　　　｀V　　　　　　 |＞ー- 、
　　　　　　　　　　　　　　〉　　　　　　 -‐く　　　　　　|:::::::::::::::::::ヽ、　　　　 ┌───────────┐
　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　￣　　　 /｀ヽ.,___ ,__ノ７::::::::::::::::::::::|　　　　 │無茶すれば、なんとかなる │
　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　　　　　／|/:ヾｰ--ｰ"　ゞ:::::::::::::::/::::ヽ　　　　│彼はそう判断した　　　　 │
　　　　　　　　　　７ |　　　　￣　, /ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i　　　　 └───────────┘
　　　　　　　　　　 /::::ｌ|　、　　　　／ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::∧
　　　　　　　　　　 l:::::ｌト-ゝ==- '´丁::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::∧／⌒ヽ
　　　　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::／￣　_ノ⌒ヽ

213 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:50:00 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　 _,ノヽ､,__　　＼
　　　　　　　　　　　（●)（● ）　　　 |　　　　 ┌──────────────────────┐
　　　　　　　　　　（_人___）　　　　.|　　　　　│そして、彼は資金を入手すべく　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　│　　　　 │簡単な退治依頼が出ていないかをロリ痴女に聞いた │
　　　　　　　　　　　　　　、　　　　　　ｲ　　　　　 └──────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　ﾞ､＿__,.　イ i
　　　　　　　　　　　　　 ,r... __＞ｰﾒ.┴ｭ
.　　　　　　　　　　 _,. ,i´::::::::::::::::::::::_::::::＞、__
　　　　　　　　 ,.＜::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞-.､､
.　　　　　　「::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::.`、
　　　　　　 /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.}
. 　　　　 / y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
.　　　　　 /:::::.i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ/:::.:::::::::::::::::::::j
　　　　　ﾉ.::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｨ

┌────────────────┐
│彼女は待ってましたと言わんばかりに │
│笑顔で答えてくれた　　　　　　　　　　　 │
└────────────────┘

　　　　　　　 . .-‐: : : : ￣: : : : ‐-. ,＿＿＿, .イ
　＿_　　, ＜: : : : : : : : : : : : : : : ／: ―‐､__／
´: : : :ヽ/: : : _. .-‐: : : : : : : : : : : :ｰ-. .__ : ＼
, -―‐/: : ／: : ,ｨ: : : : : : : : : : : : : : : ＼|: ＼＼＿
//// l: : :.|: : : :l/: ＼、 :/|: : /|: : |: :ヽ : ＼: :＼＿二ニ=-
イ///! : : |: : : :i : : 厶}/　|: / .|: : |／:|: : }; :ヽ: :ヽ
/// ｲ: : : l: : : :｜ｲ　｀　|/　 | :厶lﾊl: : ハ: }: l､:i
´: : : '; :／!: : : : | .l!　　 i!ｰ　　ｲ　゛/: /:|: V: :| l:!
: : : : ﾊ{ t.|: : : :ﾄ| .乂__ノ　　　 i!　 i!: / : |: : }: l |l
: : : /　ヽ_|: : : :|⊂⊃　　　＿__ ゝ-' ´{: : :|／l/　i!　　　　　「あるよ！」
／￣￣￣＼: :|　　　 ∧/　　ヽ　⊂⊃: |
　　　　　　　|: :|､　　　乂　　　ノ　　ﾉ: : |
　　　　　　　|: :|　＞　　＿＿＿　. イ: : : :|
　　　　　　　|ヽ|￣ヽ　{―--､_l_ : : ﾊ: : : |､
　　　　　　　|;;;;|　 /!|　 V　　ィ/: : : : ヽ : : :＼
　　　　　　　|;;;;| ./　ヽ　}　.{　.!＼: : : :|＼ : ト＼
　　　　　　　|;;;;|/　　　l__|／＼| 　`ｰ､!　ヽ};;;;;;;;;;,,
　　　　　　　|;;;;|　　　　oヽ　　　　　 /|　　　V;;;;;;;;;;;,,
　　　　　　　|;;;;|　　　　 o　|　　　 i'　|　　　 };;;;;;;i〉;;}

214 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:50:14 ID:YFDROCQU

------------=================ニニニニニ三三三三三ニニニニニニ=================------------

　　　　　　---------==============ニニニニニ三三三ニニニニニ==============---------

　　　　　　　　　　　　　　　　-----========ニニニニ三ニニニニ========-----
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　----====ニニニ====----
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ---===---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-

┌───────────────┐
│勘違いというのは恐ろしい物である │
└───────────────┘

┌─────────────────────────┐
│そう、ロリ痴女は、彼の事を恐ろしいまでに勘違いしていた　 │
└─────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ィ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,　　≦三./
　　　　　　　　 `ヽ- 、　　　　　　　　　　　　　ィ三三三三/
　　　　　　　　　　＼:ヽ､　　　　　　＿＿　,ィ!.三三三三/
　　　　　　　　　　　　ヽ: :',　 , . .'": : :__: : :＞..､ i三三三/､ヽ　　　　　　 ┌───────────────────────┐
　　　　　　　　／:ヽi: :iイ: : : : : : : : :｀ヽ､｀ヽヽ三三ｿ三＞､　　　　　　 │だが、それも仕方がない　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　／: ,ィ:,-: : : : : ,､ : : : ヽ : ､ : ＼',: :',､三三三.＞イ　　　　　　│何故ならば、やっていることを見れば　　　　　　　　 │
　、　　　／: : /: :i/: : : !: :i:i ヽ: ',､: :',､: ', : ',ヾ､:.!:',`ー‐'": : : :',　　　　　　│彼は異世界転生チート物の如き活躍をしているからだ │
　　ヽ､-ー'" : : : /: : :!: : : : !: :!:',　 ',:',i'"｀ヽ､!',: ! : :',!: ! : : : : : : : : ',　　　　　 └───────────────────────┘
　　　　`ー―‐"/: : : i: : : : i ヽ',､, 　',iヽ__ノ i! リ: : : ',､!: : : : : : : : : :'､
　　　　　　　　 ,': i!: : i: i!: : i!´｀ヽヽ　　　　　〃', : : : ',! ヽ: : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　 !: ﾊ: : i: !'､: iゝ- '　　　　　　　　 ', : : : ',　ヽ : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　 i:,'　',: :Y'､:ヾi 〃　　　＿　　　　 ', : : : ',- ､ヽ,: ､: : : : : : ＼　　　　／|
　　　　　　　　 i! 　ヽ: !: ',: i、　　　ヽ、ヽ　　 /',: i,､ i',:::::`´:::::::|、: : : : : : ＼　／　 !、
　　　　　　　　　　　　iヾ: !ヽ:ゝ、　　　　　　　　ヽ:',;;;;;;;;;',::::::::::::::::::::`ー―‐､―'､　／/
　　　　　　　　　　 !: :',!: :ヾi: !: !￣_二フ'､　　 i:::',;;;;;;;;;',ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::）三 !　 /
　　　　　　　　　　　　 ',: : ',､ r､ﾉ!: ! ,'::::::::!::::::＼_ﾉ::,､'､;;;;;;;!:::ヽ::::::＿＿＿__/_三ｿ- '､i＼
　　　　　　　　　　　　 ',: : ',;Y;;;;;;i,.-'::::::::::i::::::::r‐'｀_〈::::ヾ;;i::::::::',´　　　　　ヾー-`,;;;;;;;;;;;;;;＼
　　　　　　　　　　　　 ',: : ',;;;i;;;;;i::::::::::::::::!::::::::ゝi_iヽﾉ::::::::::::::::::',　　　　　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
　　　　　　　　　　　　 ',: : ヾ!ヾ;!､:::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',　　　　　　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;＼
　　　　　　　　　　　　 ',: : :／:::::::｀ー､_入::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'､　　　　　　＼;;;;;;;;;;;;;;;',ヾ;',

215 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:50:32 ID:YFDROCQU

┌───────────────────────┐
│まず、異世界に来たばかりだと言うのに、　　　　　　　　 │
│ぼろぼろの剣だけを持ってオーガとゴブリンを退治した │
└───────────────────────┘

┌──────────────────┐
│食事もろくに取っていないのに　　　　　　　 │
│そのまま”鎧殺し”を退治した、らしかった　 │
└──────────────────┘

┌──────────────────┐
│そして、それによってハイドラゴンと出会い │
│そのハイドラゴンに懐かれていた　　　　　　 │
└──────────────────┘

┌───────────────────┐
│ドラゴン退治の時、その退治に参加していた　│
└───────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　 iヽ　　 ',ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　イ!
　　　　　　　　　　　　 i;:;:;:＼　',: :!　　　　　　　　 ┌────────────────────┐
　　　　　　＿　　　　　　　!;:;:;:/ヽ, i: :!　　＿＿＿　　 │彼がいくら謙虚に「俺は弱いですよ」と言おうとも │
　　　　　／　ヽ,-､　　　 !,ィ: : : :',!: :!イ: : : : : : : : ＞ │やっていることがやっていることである　　　　　　 │
　　　 /　´￣ヽ .!＿ ,. .'": : : :, -:,: : : : : : : : : : : : : ヽ:└────────────────────┘
　　　 ! 　二ﾆヽ'､: : : : : : :／:／: : : : : : ハ: : : : ',: : : ＼:ヽ',:;:;:;:;:;:;:;:;;:;::/:.',
　　　　 ',　　　ノ､!､`ー--,.' : / : : : / : //　 !: !: i: :',: : : : ヽ:!:i!;:;:;:;:;:;:;:;;ソ､ : ',
　　　　　'､　　´! i三ヽ､ ,ｲ : /: : ＼/ : //　　i: !,.イ: :',: : : : :ヽ:i!ー―イ;:;:;:;:＼',
　　　　　,ム--‐ｲ三 !:/ : ,/:/: : : /iヽ:!i　　　!:!, - ､::ﾊ: : : :!ヾ,:!;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:＞､
　　　　　ヽ三三三／,': :,ｲ:./i: : : /i´ ヽi!　　ﾉ' !、　iﾘ. i: : :/: i: :ヽ、;:;:;:;:;:;:;:;:;:＞イ
　　　　　　`‐､ー'":::::i: /:i!/: !: : / ゝ- '　　　　　￣　　i: :/: : iヽ: ! !￣￣￣: : : : ',
　　　　　　　　＼:::::::::!/:::i!: : 〉､:!〃　　/￣￣ヽ、　〃 !/: : : i .!: ! ', : : ┌───────────────────────────┐
　　　　　　　　　＼::::i!:::::!: :/i: !`　　　i　　　　 ', 　_ノ: : : : iノ: ,'　', : :│ロリ痴女は、彼がやもすればドラゴンと一人で　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　＼::::::ヽi:::',:ヽ、　　',　　　　　 ! 　 /: : : :,', イ　　ヽ │渡り合えるのではないかという、酷い、酷すぎる勘違いをしていた │
　　　　　　　　　　　　＼::::i!::::',: : ヽ、　'､　　　　ﾉ　 / : : : ,'　＿＿ｒー└───────────────────────────┘
　　　　　　　　　　　 i＼::::∧: /: i＞. ` ＿_　　イ: : : : :,'/:::::::::::::rー　ヽ: : : : : : : : : :'､
　　　　　　　　　　　　 !　｀/!: Y : :!:::::::ヽ:::ヾ、　 ,'!: :,: : !ヽ:::::::::::,ヘ　　 {､ : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　 |: : : !;Y;;ﾚ';;,'::::::::::::!::::::::＼ i;;ﾚ';i_ﾉi:::::ゝ､:::,ﾍ、　/;;;!ヽ: : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　! : : i;;i;;;;;;;;;i::::::::::::::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;;;!::::::::::::`ヽ、 /;;;∧ ヽ: : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　',: : :i;;!;;;;;;;;;!､ー':::::::::::::::::::::i;i!;;;;;;;;;!::::::::::::::::::i;;;;／:::::',　ヽ: : : : : : : : : ';ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ',: : ﾚヽ;;;;;i: :ヽ:::::::::::::::::::::::ﾘ!;;;;;;;;;!::::::::::::::::::i`´:::::::::::',　　ヽ: : : : i;;ヽ､: i;;;;ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　',: : : : :ヾ!: : : ヽ:::::::::::::::::::::ヾ;;;/::::::::::::::::::::'､:::::::::::::/ 　　ヾヽ､!;;;;;;;ヾ;;;;;;;;ヽ

216 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:50:43 ID:YFDROCQU

┌───────────────────┐
│その勘違いによって、彼にもたらされたのは　 │
│酷すぎる戦いだった　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────┘

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　ー三三＼
　　　　　　　　　　　|　　（ ○）（ ○）
　　　　　　　　　　　|　　　　（__人__）
　　　　　　　　　　　|　u　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　}
　　　　　　　　　r⌒ヽｒヽ，　　　　}
　　　　　　　　/　　i／　|　__　　ノヽ
　　　　　　　./　／　　/　　　　　　)　　　　　　 ┌───────────┐
　　　　　　 ./ ／　　／　　　　 /／　　　　　 │彼は蟻から逃げていた　　 │
　　　　　　/　　　.／　　　　　/￣､⌒)　　　　　 │だが、ただの蟻ではない　 │
　　　　　 .ヽ､__.／　　　　／ ⌒ヽ￣　　　　 └───────────┘
　　　　　　　　 r　　　／　　　　|
　　　　　　　　/　　　　　　　　　ﾉ
　　　/ ￣ヽ/　　　　　 /　　　 /
　　 /　ノ|　/　　　　／/　　／
　　￣　 |　.　　　／./　／
　　　　　ヽ＿_／ / ／
　　　　　　　　　ノ.＾/
　　　　　　　　　|_／

┌─────────────────┐
│剣を持ち、槍を持ち、強い外骨格を持ち │
│人と同じほどの体を持つ化け物蟻だ　　 │
└─────────────────┘

　　／|
.　/　.i　　　　　　ヾヾヽヽ
../　 .i　　　　　　ヾ＼＼＼
/　　i　　　＿　　　（￣￣￣＼＿_　　　　　　　　.＿_
|　　|　　　＼￣⌒＼-i~~i-.／　　＼＿__／⌒￣／
|　　|　　　　＼　　　/ i　i .（／⌒＼）　　ヽ　　.／
|　　|　　　　　（/⌒i/ 　i　i　（　●　）　　　ヽ/ヽ）
|　　|　　　　　　|　| |　　 i　i　ヽ ─　　◎　 |"＼＼
.i　　i　　　　　 |　| ＼　＼＼　　　　　　.／　　＼ノ￣）
..i　　i／⌒)　／ヽ)　（￣─.＼＼──￣）＜二（ |||| （
　i　　i　／／　 /　　　）　ヽ─-＼ヽ---（　　＼　. ||　ヽ
／￣.／三）　 /　　　/￣￣───￣￣ヽ⌒) ＼ ||／ヽ＼
ヽ--(─ヽヽ／(⌒(二（＿￣───￣ .＿）/|　　 ||　　￣
　　　ヽ彳ヽ　　ヽヽ　／／~＼＿＿／~＼＼￣＼...|
　　　　　ヽ/　　 (⌒(.／　　　　　　　　　　＼⌒)
　　　　　　　／￣＼＼~＼　　　　　　 .　　　|~~|
　　　　　　　￣／￣ヽ/~＼　　　　　　／￣ヽ-~＼
　　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　　￣￣￣￣

217 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:50:55 ID:YFDROCQU

┌─────────────┐
│それが、ぱっと見ただけで5体 │
└─────────────┘

　　　＿　　　　　　　　＿　　　　　　　　　＿
　　／r'´　　　　　　　／r'´　　　　　　　　／r'´
　./ /　ミ､　　　　　 / /　ミ､　　　　　　 / /　ミ､
　 l :|　 ∧__>r'ﾆヽ__ l :|　 ∧__>r'ﾆヽ__　 l :|　 ∧__>r'ﾆヽ__ ∧
　 l ,|　〈_,r'､､ｌ::O::l　 l ,|　〈_,r'､､ｌ::O::l　ヽ, l ,|　〈_,r'､､ｌ::O::l　ヽ,_〉__
　 l_,l､ // i､＼＼ Θ l_,l､ // i､＼＼ Θ,i l_,l､ // i､＼＼ Θ,i ヽヽ＼
　<__ﾉﾆﾉ　〉__＼＼ <__ﾉﾆﾉ　〉__＼＼〈 <__ﾉﾆﾉ　〉__＼＼〈　ﾍ__>=-
　〈ﾐu>,o=ﾄ､l三三l_ 〈ﾐu>,o=ﾄ､l三三l_-l 〈ﾐu>,o=ﾄ､l三三l_-l=o､　＼
　　　｀ｰＯ´ ￣￣｀Ｏ｀ｰＯ´ ￣￣｀Ｏｰ´ ｀ｰＯ´ ￣￣｀Ｏｰ´　　く〉
　　　　 _ﾍﾍ_ 　　　_//_　 _ﾍﾍ_ 　　　_//_　　 _ﾍﾍ_ 　　　_//_
　　　　｀ー‐´　　｀ー‐´ ｀ー‐´　　｀ー‐´　｀ー‐´　　｀ー‐´

　　　＿
　　／r'´　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　　　┌─────────────┐
　./ /　ミ､　　　　　　　　　　／r'´　　　　　　　　　　　 │その5体から彼は逃げていた　 │
　 l :|　 ∧__>r'ﾆヽ__ ∧　　　 / /　ミ､　　　　　　　　　　 │事の経緯はこうだ　　　　　　　　 │
　 l ,|　〈_,r'､､ｌ::O::l　ヽ,_〉__　　　l :|　 ∧__>r'ﾆヽ__ ∧　　　 └─────────────┘
　 l_,l､ // i､＼＼ Θ,i ヽヽ＼　 l ,|　〈_,r'､､ｌ::O::l　ヽ,_〉__
　<__ﾉﾆﾉ　〉__＼＼〈　ﾍ__>=- l_,l､ // i､＼＼ Θ,i ヽヽ＼
　〈ﾐu>,o=ﾄ､l三三l_-l=o､　＼ <__ﾉﾆﾉ　〉__＼＼〈　ﾍ__>=-
　　　｀ｰＯ´ ￣￣｀Ｏｰ´　　く〈ﾐu>,o=ﾄ､l三三l_-l=o､　＼
　　　　 _ﾍﾍ_ 　　　_//_　　　　　　｀ｰＯ´ ￣￣｀Ｏｰ´　　く〉
　　　　｀ー‐´　　｀ー‐´　　　　　　　_ﾍﾍ_ 　　　_//_
　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー‐´　　｀ー‐´

218 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:51:09 ID:YFDROCQU

┌─────────────────────┐
│この世界においては、石は食用として用いられる　 │
└─────────────────────┘

　　25　体　し　蛋　成　18　必　蛋　た　＼
　　歳　の .か　白　長　歳　要　白　と.　　 ‘，
　　の　出　し　質　さ　の　な　質　え　　　｜
　　青　来 .そ　が　せ　少　量　ひ　ば　　 |
　　年　上 .れ　必　る　年　が　と　　　　　.|　　　　 ┌───────────────────────────┐
　　に　が　と　要　の　は　違　つ　　　　　 }　　　　 │だが、全ての石が食用として使えるわけではない　　　　　　　　 │
　　は　っ　同　だ　に　身　う　と.　　　　 /　　　　　 │魔力を含んでいたとしても、その魔力の密度や口に含んだ時に　 │
　　多　た　じ　　、充　体　ん　っ　　　　　/ハ）ヽ　　 │どれだけ魔素が溶けてくれるかで硬さや味が変わるのだ　　　　　 │
　　過　　　量　　　分　を　で　て　　　　ｲニニﾆ}　　 └───────────────────────────┘
　　ぎ　　 .は　　　な　　　す　も　　／ニニニﾆ}
　　る　　　　　　　　　　　　　。　　／ニニニﾆ／
　　　。　　　　　　　　　　　　　 . イ　　ﾉ |　　｜
＼＿＿＿＿＿＿＿＿_　__. ＜f三≧､　 ≦Zﾑ|
　　　　　　　　　　　　　|∨ﾆﾆ{　(__rｭ_）　　(rｭ_)ﾉ
　　＿＿＿＿＿＿／|_|l｛ニﾆ{丶　　　　　|　　 |　　　　　　　 ┌────────────────────────┐
／　　　　　　　　　｀＞､　　　　〕　 |　　　　　　　 │また、石に含まれるミネラルによっても風味が変わるため │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　___　　}　　　　　　　 │食用として適しているうえに　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　そ体　変　糖 .糖 .分　多　＼└‐┘ ﾉ　　　　　　　　　 │美味しい石が取れる採石場は非常に重宝される　　　　　 │
　読　し　に　わ　は　と　解　過　　‘，--イ＼　　　　　　　　 └────────────────────────┘
　者　て　蓄　る　エ　脂　さ　ぎ　　 ‘，八ﾆﾆニ
　の　　、積　が　ネ　肪 .れ　る　　　　V⌒}ニﾆﾆ
　 9　　こ　さ　　、ル .に　て　蛋　　　 }liﾘ |ニニﾆ
　割　こ　れ .脂　ギ　な　　.白　　　 }ﾉ　|ニニﾆ
　が　のる　肪　 |　る　　.質　　　 }　 l|ニニﾆ
　読　文　、は　に　。　　　は　　　　ﾉ　 l|ニニﾆ
　ま　章
　な　は
　い

219 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:51:28 ID:YFDROCQU

┌────────────────────────┐
│このヴィエリ採石場も、そういった採石場の一つであった　│
└────────────────────────┘

: ＼／´: : : :＼: : : : : : : : :.｀Y´: : : : : : :;/ : : : :＼/: :.ヽ; : : : : : : |: : : : : :/ : : :∨: : : : : /
: : /: : :-‐ : : ∠二＞､: : : : :;} : -､: : : 八: : -‐' :１: : : : ＼ー-､/: : : :;／: : : : : ;〉: :-―|
-┴‐- ､_;_;_/: : : : : ;_;_ゝ- く: : : : : :.;ｧー'-- ､: ;〈: : : -=: :{: : : :|-‐ ''"＼ : r‐ '"＼ｰ: : :|
: : : : :;/:〉: :.ヽr――|:_;;..．-┴-‐ ''":::::::::::::::::└‐'-､_;_;_;_;_;〉: ;ノ: : : : : : :〉┤: :､: :;/＼r勹
: :_; -:.V: : : /:.:.:.:.;／´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀￣＼: : : :;／: : :＼_／|_;_;｣-〈_
;_;_;_;_; ' -‐　''"7´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀ｰ┴-､_; : /: :./|: : : : : :.ヽ
: : : : ＼: : :､:.:.:{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｝': : /:.:|_;_; : : : : :｝
: : :_; : :ﾉ: := :Y´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::rｧ'､: :〈:;rｲ: : ｀ー‐く
―‐-く : : : :/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : :ヽﾉ∨: : ‐-: : :_;〉
: : : : : :.＼:《::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈: : : : : :|: : :＼: : : : :〈
: : : -､ : :|:.:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r１: : : ;ノ: : : : :/|: : :┌|
＼: : : : :/:.:.:.:;〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, イ : :＼:.:{: : : : : ∨＼ノ｛
. : ;〉-‐ ' '"∨ｰ- ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,,.. ．-‐'".:/. : : : :;|/ヽ､_;／: :-､:＼|
レ'.: : : : : :〈: : : : ､;〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r-―＜´: : : : : : ;／. : -: : ;八: : :.＼: : : : : : : 〉
ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"ﾞ"

┌────────────────────────┐
│だが、採掘していく途中で甲殻蟻の巣穴に繋がってしまい │
│あっという間に採石場は甲殻蟻の住処となってしまった　 │
└────────────────────────┘

220 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:51:39 ID:YFDROCQU

┌─────────────────────────┐
│本来ならば、騎士団によって直ぐ様　　　　　　　　　　　　　　　│
│蟻達は駆除されるはずだったのだが、そうはいかなかった　 │
└─────────────────────────┘

////////| /////// /// /三三三三三.｀ヾ//////// ./////＞－＜三三三弍///////,.イ////三
////////| ////// ///.:/.三三三三三三 ::∨/////| ///／　　　　　｀ヾ三三三Y////Y/////:|三
////////! ////∧./∧/ ´￣｀ヾ:.:.//￣￣ヾ:i/////! !//∧　　　　　　　　｀ヾ:三.弍////|/////∧三
//////// .////|　∨　　　　　｀Y:!:　　　 ∨//./　ヾ/　　　　　　　　　　　　｀ヾ:!,'∨/////!
/////// ./////!　　　　　　　　　｀　　　　｀ヾ'’　　　　　 ┌─────────────────────┐
////// ,//////　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │この採石場は40年以上稼働しており　　　　　　　　 │
////∧//////　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│穴は深く広く掘られ、そこらかしこに分岐点があり │
////.　｀ヾ///=―　-　、＿＿　＿＿＿　　　　　　　＿　　　│迷宮と言っても差し支えのない状態になっていた　 │
´｀´. : : : : :.｀´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : └─────────────────────┘
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . ┌───────────────────┐
￣￣　￣￣　三二ニ≡= ―― -　. - .､ : . : . : . : . : . : . : . : . │そのため、下手に入ったらあらゆる方向から │
￣　＿＿　――　　二　　三三　　二ニ二ニ≡x､_: . : . : . : . : │奇襲される可能性が高く、危険であった　　　 │
＿　　　―　―　￣　　＿　　　―　　＿　　―　　　　｀ﾆ:x､: . : └───────────────────┘
＿＿　　　　―　　　―　　　＿＿　　　　―　＿　　三　ﾆ弍.ｘ . : '､_ノ｀Y人_: ,，＜三三｀ヾ: . : . : .
　　　　＿＿　　―　　　＿　　　　　＿＿　-　　　＿＿　　三　＞x､｀ﾞ´ _,，≦ `ー､.x＜ :ヾj!: . : . : .
_　　―　　　　＿＿　　　　　―　　　　　　　＿　　　　＿＿　　ー　｀ヾ: . : .｀ｰ＞=＜,ノ｀丈_人: . : : .
　　　　　＿　　　　　　ー　　　　――　　＿　　　―　　　　　＿＿　　　`: .､: . : .｀`ー=―ヾ`ｰ'’: . : :
-　＿　　　　＿＿　　　　＿＿＿　　　―　　　　＿＿　　_　　　　　―　　　｀ヾ: . : . : . : . : . : . : . : : :

221 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:51:50 ID:YFDROCQU

┌────────────────────────┐
│殺すだけならば、神器持ちが出張れば採掘場ごと　　　　 │
│殺すことができるだろうが、太陽が隠れてからというもの　 │
│人々の食卓を支えているのは食用石である　　　　　　　　 │
└────────────────────────┘

　　 ./.: : : : : : : : : : :.:＼,ｨﾞﾞ?〃 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　/ : : : : : : : : : : : : : /〃//: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　 ./.:.: : : : : : : : : : : : :.:{i {{ {,′ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! : : |　採石場の保護のため、私の出動はなし……？
　/.:.: : : : : : : : : : : : : :.:レ'/}:.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:ﾄ､ : 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
./ : : : : : : : : : : : : : : 〃　 ,′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:/ :ﾄ､: : 从: : }: :ヽ: : : : : : : : : .
: : : : : : : : : : : : : : : /{　　 |:.: : : : : : : : : : : : : : : : : : ::./ / .ﾉ/: :/ /: :/ :::: ‘，: : : : : : : : '
: : : : : : : : : : : : : : / .|　　 !:.: : : : : : : : : : : : : : : ::.／/ /／/: :/ /: :人:::::::::::} : : : : : : : :.:ｌ
: : : : : : : : : : : : : /　 l　　 {:.: : : : : : : : : : : : : ::.／-7'' ¨’./: :/ /: :/ :::: ¨¨''''|: : : : : : : i: :l
: : : : : : : : : : : : /　　.ｌ　　ﾟ.: : /⌒＼: : : :.:.ｉ／:::::::/／: :/:／ /:／.:.:/ ::::::::: l: : : :!: : : :ﾄ､}
:.: : : : : : : : : : .,′ 　ｌ.　　　': :{　　　|: : :／{ .＿∠＿_,∠,,,,,}／:::::::::{_＿,,,,,ﾘ: : : :ﾄ､:.::.:} ﾘ
: : : : : : : : : :.:/　　　ﾟ｡　　　', ﾟ｡　　|: : : : :|`　.乂:;;;::癶ﾞ）` ::::::::::::::::'ｨＶﾉ /}: : : :|　} :/
: : : : : :.:r――--､　　＼　 .!ヽ＼__,!: : : :.:|｀ヾミ三三彡' ::::::::::::::::::ﾐ三彳/: : : :}　ﾚ'
: : : : : :/　　　　　＼　　　＼{.　＼: :l: : : : :|　 ------‐――― 　 ‐--,从: : :.:/＼　　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
: : : : ./ 　　　　　＼　　　　_. f'¨l: : : : :! 　　　　　　　　 i　　/}　}: : / 　 .＼　 |　ま、上の判断がそうなら別にいいの
: : : :/　　　　　　　　　　ﾏ￣￣　 {!i!',: : : :.| 　　　　　　　　 '　 /││:/　　　＼ |　……後悔しなきゃいいけどね
: : :/　　　　　　　　　　＼　　 .‘，ﾟ.: : :.:|:＼　　　　　　, -‐ｧ　　,ｲ: : !　ﾚ'　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
: :/　　　　　　　　　　＼　丶‘， :|:::.　ヽ　　　　 `--' 　〃.|: : }　　　　　　　　 }
:/　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　 `ヽ |≧x 　＞　　　　 /　　│:/　　　 !　　　　　 ./
　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘，.　　ヽミ三三三彡　ﾞ了　　 .ﾚ'､　　 .ﾉ　　　 ┌───────────────┐
　　　　　　　　　　　　}　　　　　　ﾟ.　　　　　　　 }ニﾆ{i　　! 　　　　 ‘，　　　　　　 │その採掘場を壊すのは躊躇われた │
　　　　　　　　　　　　l　　　　　　　　', 　　　　 ┘ニ└　│ 　　　　　}　　　　　 . └───────────────┘

222 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:52:08 ID:YFDROCQU

┌────────────────────┐
│だが、多数の騎士を投入し、犠牲を出してまで　 │
│奪い返すほどのものでもない　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.．─ ﾆミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿／/77≧，　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ'' ヾ ii} ./////ハ　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ -‐=ミﾞ　゛¨¨¨¨¨ミ刈　　＼＼　　　　　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉-‐=ｧミ＿　　　　　　　 V　　　ヾ　＼　　　　 |　そうは言ってもね、この状況がいつまで
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　／,' '´￣ ¨''ヽ､_　し＿{　＼ヾ　　　i　　　 |　続くかはわからないからね
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } /　/ ィﾆﾆ≦{{i　u {ﾊ､＿_＼　＼＼.　 }　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒Y　　 {弋.・ j }　　　ｒﾆﾆ≧､＼　ヽ　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 斥.|　ヾ　`ｰ彡/　　　ヽ弋’ノヽヽ人/　　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ', ツ|　　u　　 /　　　ヽ　￣-‐彡　}'心}　　　　 |　そう、とりあえず、保留しておくのが一番いいんだよ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ゝ | u /ｒ-‐ｧヽ　　　　〉､　u　 u .ﾊﾋﾉ　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　ィ/////,{　 {{{ ／:.:.:.:＼__ ／:.:.:＼　u .ﾊィ_
　　　　　　　　　　 ,ィ////////,ﾊ　ヾ `ｰ-‐=彡ヾ:.:.:.::.:.:.:.}　　ﾊ/,∧＞，_
　　　　　　　　　　　ィ　　|/////////,ﾊ u　　 `ｰ= ‐､二二ヽ从　ﾊ///∧　　＼＞，
　　　　　　　　ィ　／　.／/////////ﾊﾍ　　　　　　　　　　ノ　　ﾊ/////∧　　　＼　＞┌─────────────────┐
　　　　　／　.／　／///////////,ﾊ　＼ヽ＿　　　　　　　　ｲ |////////＞，　＼ │そういった、事情もあり　　　　　　　　　　 │
.　　　／　／　.／//////////////,ﾊ　　＞，ﾆ=‐--‐彡，＜ |////////////＞，　 │この採石場は入り口だけ爆破して封鎖し │
　　／＼／　／/////////////////ﾊ　　　　＞，_ ，＜　　 .|///////////////// │放置されていたのであった　　　　　　　　 │
　　∨//＼／///////////////////,ﾊ　　　　　////＼　　　i///////////////// └─────────────────┘
.　　 ∨/////////////////////////ﾊ＼　　./V/////＼　　.|//////////////////////}_
.　　 ///////////////////////////,ﾊ.　＼/　 V///ﾊ　ヽ/.|///////////////////////ﾊ
　　 }////////////////////////////ﾊ　　　　./////ハ　　|///////////////////////ハ

223 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:52:19 ID:YFDROCQU

┌──────────────────┐
│しかし、ここ最近というもの　　　　　　　 │
│蟻が入り口を埋めていた瓦礫や土をどかし │
│地上へと出てきたのだ　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────┘

　　＿/　　∟＿　. 　MM
／　　　　　　　　｀ヘ　　ｌ .ｌ
　　　　　　　　ﾍ「￣│　　　　　　　　　 /　　/
　　　　　　　　　ﾍ〆´⌒⌒ヘ　　　　　　　　/　　/
　　　　　　　　　　　　　ﾍ　〆⌒⌒ﾍヽ　　　 ./　　/
／⌒ヽ　　　　　　　　／ﾍﾍｌｌｌｌ●ｌｌｌｌｌｌｌｿｌ　　 ./　　/
　　　　ﾍ　　　　／　 . ﾍ　ﾍ──／ｌ〆⌒/　　/
　／⌒ヽﾍ　　　／　　　　　ﾍ . ﾍ　　＿」＼ /　　/　　　　　　 ┌────────────────────┐
／　　／　ﾍ／　　　　　　　　ﾍ　ﾍ　　 / 　　/　　　　　　　　 │今のところ、近隣の村々に被害は出ていないが │
　.. ／ノ´　　　　　　　　　　　　ﾍ　ﾍ　/　　　/　　　　　　　　 │そのうち何かしらの問題が起こるであろうことは │
.／　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　　》　　 /.＼　　　　　　　　 │火を見るよりも明らかであった　　　　　　　　　 │
´ｌ　　　　　　　　　　　　　　ﾍ/ 　　 ///´｀ｌ　　　　　　　 └────────────────────┘
...ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　丿　　 /　ｌｌ　.ｌ
　ﾍ　　　　　　　　　　　　　　丿　　 / ﾍ　ﾍﾍ . ｌ
ヘ、ﾍ　　　　　　　彡ﾆﾆﾆﾆ丿　　　／ﾍ .ﾍ　　　.ﾉ
　 . ＼ﾍ　彡〆´￣一－／　　／くﾍﾍ　ﾍ　　/
　　　　＼　ヘ　　／￣￣￣＼へヽ　　ﾍﾍ／
　　　　　　＼／´ヘ . 　　　ヘミミミミﾍ .ﾍ

224 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:52:33 ID:YFDROCQU

┌──────────────────────┐
│彼がロリ痴女に頼まれたのは斥候である　　　　　　　 │
│町から歩いて半日はかかってしまう、この採石場の　 │
│様子を見て、情報を持ち帰ってくれと頼まれたのだ　 │
└──────────────────────┘

　　　　　 , -―- ､
　　　　　　/　　　　　＼
　　　　　 /　　＼_　　　|
　　　　 (●) （●）　　 |　　　　「ただ見てくるだけで2500ルナって……
　　　　　(_人__)　　　 /　　　　　結構ありがたいだろ、常識的に考えて」
　　　　　 l｀⌒´　　　 /
　　　　　　|　　　　　　ヽ
　　　　　__!､＿___／　　＼
　　　　／､ヽ　　　　　r ､　ヽ　　　　　 ┌──────────────────┐
　　　ﾊヽ Y｀l　　　　 |　 >　 Y　　　　　 │特に、入り口の様子を見てくれと言われた │
　　　{　ヽ_ゾﾉ　　　　　|　ﾚi i i}　　　　　　└──────────────────┘
　　　｀¨´　　ヽ　　　　ハ　 `'''
　　　　　　　　>　　 /　ﾍ
　　　　　　　　/　　/ヽ　ﾍ
　　　　　　 _,/　　/　ご_ノ　　ﾓｷｭﾓｷｭ
　　　　　　（　ヽ　/
　　　　　　＼__ノ

225 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:52:44 ID:YFDROCQU

┌────────────────────┐
│彼は闇夜に紛れ、入り口を確認し　　　　　　 │
│それがしっかりと補修されていることを確認した │
└────────────────────┘

　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　 _ノ　ヽ､.＼
　　　　　　　　　|　　（●）（●） |
　　　　　　　　　 |　　（__人／,〉.|　　　　「ん？　入り口があるって場所が
　　　　　　　　　 {　　　´フ´ ./._ }　　　　　きっちり補修されてるだろ……」
　　　　　　　　　ヽ　 .／,二ニソ}
　　　　　　　　　　_ヽ/　 ,-― ､}ﾉ　　　　　「……木で補強までしてやがるだろ」
　　　　　　　　／:;:{'　　ノｰﾍJ:;:;ヽ
　　　　　　／:;:;:;:;:;|　 _,イ{:;::;:;:;:;l:;:;}
　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:＼＿/:;:;:;::;:;i:;/＼
　　　　　 {:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;〈:;:;:;:;:＼
　　　　　　ﾍ:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:＼:;／ヘ、
　　　　　￣￣7:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l;:;::;ゝ、`ｰj
　　　　　　　 /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l:;:;:;:;:;:＼~
　　　　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|ヾ:;:;:;／

226 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:53:04 ID:YFDROCQU

┌───────────────┐
│そして、いらぬものまで見てしまった │
└───────────────┘

┌─────────────────┐
│まさに、彼が闇夜に紛れ、建物の影から │
│入り口を除いている時　　　　　　　　　 │
└─────────────────┘

　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　 |　　　（ ●）（●）
　　　　　　　　 |　　　（＿人__）　　　　（あー……）
　　　　　　　　 | 　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　 | 　　　　　 i
　　　　　　　 > 　　　　ノ　　　　　　　　　　　 ┌───────────────────────┐
　　　　　　　　/´⌒｀￣￣¨ ｀＜　　　　　　　　　 │蟻に連れ去られる子供を見てしまったのだ　　　　　　　 │
　　　　　　　 | 　　　＿ﾞ＿.､　＼　　　　　　　　　 │複数ある手に服をひっかけられ、ぶら下げられている　 │
　　　　　　　　ヽ, イ´￣ /　　ヽて　〉　　　　　　　　　　 │それも一人や二人ではない、5人は捕まっている　　　 │
　　　　　　　 l　　　 / 　ｒ　ヽ彡'　　　　　　　　　　　└───────────────────────┘
　　　　　　　ヽ　　/　　ヽ　　ヽ　　　　ｊ ⌒l
　　　　　　　　 ,ィヽ　　　　 / Ｙ　　ゝ-､ ──´　 │
　　　　　　r_-ィ__ﾉ_ヽ､＿＿ﾉ__「＿＿＿ﾉ__＿_＿＿」

227 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:53:17 ID:YFDROCQU

┌──────────────────┐
│腹を見ると、呼吸をしていることがわかった │
└──────────────────┘

　　　　　 |　　｜ { ゝ- 一く⌒ヽ　l ﾄ,三X彡{ / ;　　,ハ:. /　＼
　　　　　 |　　 j　:.　　　　　ヽ　}　| ﾚ≦}三}　八　ゝﾉ　　　ヽ
　　　　　 i　　　　ゝ　　　　　 Ⅵ　!/三ｦ三ﾄ､　　ヽ　＼;ﾉ　　　　）
　　　　　　 f′　ﾄ､　　　　　Ⅵﾊ三/|三jミ}　　　＼　　　　　 /
　　　　　.j 　 ! 　　!　　　　　　ヽ .Ｖ彡｢j!|ミｊ　　　ｲ Y　 r'　ノ
　　　　 / 　ﾉ　　　|　}　　　　　 } 〈彡! i!∨　　,r一, j 　 ! （
　　　./ 　 /　　　ゝヽ　　　　.人rﾍ-一＜￣ﾊ　了1,ノ)　）
　　 /　　/　　　r'　￣ |　　　　　　j!　|　　　　　 |　ﾉ　′'1/
　　/　　.〈　 .／|　　　 !　　　　　 /　ﾉ　　　　 .斗'´　　　　′
　 ,　　　　〉く,　 !　　　.ゝ、　　　　　　　　　　 |　　＿
　 |　　　/　〈,　 |　　　　　＼　　_＿　,　＞　一＞≦///≧x
　.乂　　j 　ハ rﾍ＿__ ＞一 ≠　　　　　＞≦/////////∧

┌────────────────┐
│生きている、彼はそのことを理解した　│
│知ってしまったのだ　　　　　　　　 │
└────────────────┘

228 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:53:32 ID:YFDROCQU

┌──────────────┐
│さて、この瞬間、彼はこう思った　 │
└──────────────┘

　　／￣￣＼
　／　　　__ノ　ヽ
　|　　　　（ ●）　）
　.|　　　　（__人）
　 | 　　　　　　 rつ　　　　　　（可愛そうだけど、俺じゃあ
　 .| 　　　　　　(（三）　　　　　　　あの蟻5匹を倒すのは無理だし
　ヽ　　　　　　　(　<　　　　　　　俺が助ける義理もないよな）
　　ヽ　　　　／∧　∨
　　 ∠ 　　　/⌒ ∧　ヽ
　　( 　＼／　　/ __＿)
　　|＼　 '' 　／|
　　|　＼_／　|

┌─────────────────┐
│彼は自分が屑であることを自覚していた │
└─────────────────┘

.　　　　／￣￣＼
.　　　／　　　　＼　　　　　　　 ┌─────────────────────────┐
.　　 |　　_ノ　ヽ､.　.|　　　　　　　 │この一瞬で彼は二つの言い訳をした　　　　　　　　　　　　　 │
.　　　!.　（一）（ー）｜　　　　　　　 │蟻の力量もわからないのに、倒すのは無理だと断言したこと │
　　　, っ（__人__）　 |　　　　　　　 │他人だから、助ける義理はないというものだ　　　　　　　　　 │
.　　/　ミ）｀⌒´　　/　　　　　　 └─────────────────────────┘
.　 /　ノゝ　　　　　/
　 i　ﾚ'´　　　　　ヽ　　　　　　　　　 ┌───────────────┐
　 |　|／|　　　　 |　|　　　　　　　　 │そう、自分の心に言い訳をしたのだ │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └───────────────┘

　　　　　　　　＿＿＿＿_
　　　　　　／　　　　.r┐ヽ「|
　　　　　／　　r-､　　| .|　./ l　lﾞl
　　 .　／　.__,ノヽﾞ､_,ﾉ　'-'　.|,,/ |　　　　　 ┌─────────────────┐
　　　｜　　（●）ヽ　　　　　ﾉ ´/　　　　　　 │そして、もう一つ　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　|　　　　　　　〉　　　　　〈_,,.-､　　　　　 │「俺の仕事は、情報を持ち帰ることだろ」 │
　　　.|　　　（__人{　　　　　　 .r''´　　　　　│とも、彼は自分に言い聞かせた　　　　　 │
　　　 .| 　　　´ ⌒|　　　　_,.-i'´　　　　　　　 └─────────────────┘
　　 .　.{　　　　　　l-‐'''''''ｰl　}
　　　　｛　　 .　　　|´￣￣｀`l }
　　　　 {　　　　　.|　　　　　|.}

229 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:53:45 ID:YFDROCQU

┌───────────────┐
│彼はもう一度、子供たちの姿を見た │
│闇夜と言っても、月が非常に明るく　│
│子供たちの顔がはっきりと見えた　 │
└───────────────┘

　　　　　　　_ ,,....,, _　　　　　　　　　　　　/｀ヽへ／｀'‐'ヽﾍ　　　　　　　　　　 /｀' ､-‐-.／￣）
　　　　,.　'´　　　　　｀丶、　　　　　 _,へ-',ー-..,_, へ､,. '´｀ヽ '-,/>ﾍ.　　　　　　,ゝ:.:.:.:.〉０〈:.:.:.:.:{ヽ、
　　.／_,,.......,_,へ.,_,.へ　　｀>i　　　　i　｀i:/／　　i'　　　　、　 !￣/´　',　　　　／:::〉ー'´:|:::|:.｀'-i´::::::ヽ
｀'Y,./´　/　/　　､　　＼´::::ゝ　　 /　／,　　 i　|i 　　i|.　','iヽヽ//!　ヽ、　 .,'::::::/ヾ､___,!::::!ー‐!::::::::::::',
::::::/ / .,'　 { |　　|　 ',　ヾヽ┤　 /i　∥i　 .i_/! |'!i.　 ,'|!　,| | |　i/ヽ　　i ｀　,':::::://::::!:::!:::;:::::::|:|::|::::::::::::::i
.／/,i　i　{┼!、 /|┼ },. i　≫!、. ´| ∥,'|　 ,| !'７'''!ヽ/!'￣￣!,! | !|　ヽ　|　　i::::/::::;‐ーーーーー‐'i:::::::::::',
　} ! !　| ー―∨ ー―!/i./!∥ヽ､|/!|'!,入/'i'!￣￣　￣￣∥ ,! }　 i.|i/＞´i:::,':::::::i￣￣　　￣￣|:::::::::::::
ノﾐミ!ゝ､_ ﾞ　　　　　ﾞ/!二ゝ´ノノi　|＞/　｀ﾉ|、ﾞ　＿＿_　ﾞｲ´./ /|　.||／　｀i:::,'::::::::!、ﾞ┌─‐┐ ﾞ ,|::::::::::::::
ヾ､｀i'三｀i､_┌ー┐,/'三ﾉ_,-三i´　 ./|　,ｲ ,{ 'ゝ, !＿＿!,.ノ ./ /|/∥!!. 　　,'::,':::::::::::｀ヽ ., ＿ ,　'´|:::::::::::::::
｀ﾐ/ミ=＝!ﾐ/'ー―={二/ヾ彡｀{ .／　',/ 'i/,.>ー!:::::::':::::::::!/‐〈 !/　　　 ,':::i::::::::::::;--'~~丶/~~ゝ!::::;へ:::::
＼,_'/┬'::!´:::::｀´::::::｀|´i:i´｀ヽ- '´　　　ゞi´::::::::::::::,.へ:::::::::::::::/>､　　　 ,'::::i:::/|::::::|　　 ,. 介､　.,':::::| /ヽ::
　／､|:|　{:::::::i'´|:::::::::} |:|/　ヽ　　　　/´7|::::::::::／/i,ヾ:::::::::::/ノヽ　　 ,':::::i／ |::::::|　 <,∥:|iヽ,,'::::::|/　ヽ
'´　　 |:| <::::::::!　!＿､ﾉ,':;!　　　ヽ　／　ヾヽ::::<　　! i 'i::::::ノﾉ　　ヽ、.i::,/´　　|::::::|ヽ､/,':.:.|:|´|:::::::|´　／
　　　 |:|,／／　ヾ、/:/　　　　ﾉー',　　　｀ヽ-､/ーi｀'‐´!ノi´　　　,　）|::ヽ　　　 ';:::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:::::::| ／:.:.:.
＼　ノ',／　　　　ヾノー‐ 　ヽ　　ゝ＼　 |　　　　!　　　 | 　／／ |::::::＼　　';::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:::::::|::.:.:.:／

┌───────────────────┐
│子供たちの顔は、傷だらけで、無表情だった │
│泣き疲れて、助からないと悟り　　　　　　　　 │
│泣く元気もなくした、そんな顔だった　　　　　 │
└───────────────────┘

　　　　　　　　　､-'""""''''＝='､,_　　　　　　　　　 , ｒ''''""'ヽ､､,,,_
　　　　　　　　／　　　　　　　　　｀'‐ ､　　　　　 i' ﾍ i⌒､____　､＼ _,,,､　,､-
　　　　　　 r'　　　　　　　　　　ﾐ''- ､_ ヽ､　　 ,,i'´i　, |i　　　　＼'　`i,　｀!r'''(
　　　　､=''´　　　　　　　　　　　ヾ､ヾ '､＜r-'~ヾ, i　'! "'　　 r‐'_""`yヾ!ヽヾ,r
　　　／　　　　　　　､､=_‐''''ミヾ｀　　ミミ`＼ヽヽ. ＼|　　／i'´ ￣ヽ〉 '"; } i
　　　, '　　　　　　　　ヽ； '7　, ;,､､　　ﾐ丶' ､ヽヽヽ､'､_. 〈. 人;,　　　＼　ﾉ |
.　　　ｲ　　　　　　　　　ﾐ　!　{ {,'! ,ヽ　　　　　｀ヾヽ　/ rヽ;‐｀;;＼　　　 Yﾚヘ
　　　 |　　　　　　　　ﾐミ､丶''　　　　, 　 'i ､　　} Ｘ´　;;;;;''　ノノ}　　　 i'''7´
　　ノ　　　　　　｀ヾﾐミ　　　 , 　゛ '　　｀　　 /´,, ＼　　／ノ'ぅ |　　　;.,'πヽ
　;;;;'　　　　　　　　　　＼､､　r'!, t,,!` , 　 ,,,,;　/;;,,ｰ''"~ﾌ''"フ'''f‐-;|　　 ;,'-=､,
　 ┐　　　　　　　　　 `ヽ､　{:丶ヾ　' ___:;;;;／;;;''''　'´,　 7　r'　　 |　　 ;;,'
　 -='_　　　　　　　　　　　ミﾐヽ_,,,､‐''";=＝ｰ‐‐'''''‐-'､,,,,,i､､{;;;;;;;;;;i　　.;,'
　　￣っ､-‐､_　　　　　　　　　　　と´　　　　　　　　　　　　　　 |　　;,'￣｀｀｀
"""""""""""`"゛'''''''''''''''''''''''''''''''´-‐‐‐‐''''''''''''''''''''''''''''''''''''','r'~´　　,'''''''''''''''''

230 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:53:59 ID:YFDROCQU

┌───────────────────┐
│ふと、5匹いる蟻のうちの一匹の荷物が　　　 │
│子供ではなく、別のものであることに気付いた │
└───────────────────┘

　　　　ﾄ　　　　　　　　　　　　　人/
　　　ﾍ　＼　　　　　　く /　ﾌソﾌ
　　　　　ﾍ　　＼　　　　　　/く//ヘ / /
　　　　　　ﾍ＿ノ⌒へ＿ ../　　＼//フ　　〆フ
　　　　　　《　　　　　／ ./　　　 /　⌒∠´ 　/　　　　　　　　┌──────────────────────┐
　　　　　　＼　　　／　/ 　　　 /　　　　＼／ﾍ　　　　　　　　│それは、運びやすいようにバラバラにされた人だった │
　　　/ヽ／／＼／　/　　　　/ヽ　　　　　　／　　　　　　　 │大きさからして、大人の男であることがわかる　　　　 │
　　 //ｌ　彡「　ﾍ　/　　　　 /　　＼　　　／ヽ　　　　　　　 └──────────────────────┘
＿///　　/´／ .∨ 　　　/　　　　ヽ⌒）　＼へ
（　く/　　/／　/　　　　人一一一一／　　）　ﾍ
　ヽｌｌ（　　）ミ《　　　　/一一一三》─＞ｌ（　　）ｌ
　　」⊥ヽ /く￣＼＿／＼＿＿＿∠＝┐/　￣ｌ ┐
　　ﾍ/　　＼＼　　ｌ　　ｌ　　　　　）　ｌ//ヽ　ｌσコ
　　　　　∠＿）─っ｀─´￣￣￣´　　　　　ｌ　ｌ
　　　ｌ´　　　　　　＞ｌ . ｌ　　　　　　　　／￣─＞￣＼
　　　　｀───＜／￣￣￣＼　　　（＿＿＿＿＿／
　　　　　　　　　（´　　　　　　／

　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　|　　　（ ●）（●）
　　　　　.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　 ┌─────────────────┐
　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　 │彼は、なるほどと思った　　　　　　　　　　 │
　　　　　.ｌ^l^lｎ　　　　　　 }　　　　　　　 │抵抗する力が強い大人は殺して運び　　 │
　　　　　.ヽ　 L　　　　　 }　　　　　　　　　 │小さい子供は生きたまま連れ帰ることで │
　　　　　　ゝ　ﾉ　　　　ノ　　　　　　　 │腐らないようにするのだと　　　　　　　 │
　　　　　／　 /　　　　　＼　　　　　　　　 └─────────────────┘
　　　／　　 /　　　　　　　＼
　　. /　　　/　　　　　　　　-一'''''''ー-､.
　　人＿＿ﾉ　　　　　　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

231 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:54:15 ID:YFDROCQU

┌─────────────────┐
│恐らくは、あの蟻達が穴に入った瞬間　 │
│子供たちの死は確実なものとなるだろう │
└─────────────────┘

┌───────────────────┐
│彼は、自分が蟻と戦った時のことを想定した　│
└───────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣　ヽ　　　　　　 ┌─────────────────────┐
　　　　　　　　　　　/　　　　　　ヽ　　　　　 │あいつらの殻は硬そうだ、この先端が丸い剣じゃ　 │
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　|　　　　 │貫けないだろう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　 ,ﾍ_　　 j　　　　　u.　　/　　　　 └─────────────────────┘
　　　　　　　　 __,/　　　｀＜　 i　　　　 /
　　　　　　／---‐――--.､ゝ＼　　 ./　　　　　　 ┌────────────────┐
　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／⌒ヽ. ´_ ノ　　　　　　　 │あいつらは5匹いる、数で負けてるし　 │
　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.´.:｀ヽ　　　　　　　　 │囲まれたら死ぬ　　　　　　　　　　 │
　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　 └────────────────┘
　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:＿ __ヽ-､
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:＿十''''''''"".:.:.:.:.:.:.:.:.:＼

　　　　}ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／}
　　　　.;　∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　/
　　　　ｊ　　∧__　　　ﾄ､_,ィ　,ｨ　　　　　　　　　　　　　　　　／　 /
　,　　'´　￣￣　＞､{ .|| ｉY} {　　　　　　　　　　　　　　／　　　/
.′　　　　　　　　　　ヽ┴ }!/　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　/
　　　　　　　　　　　　､　｀ｉ　　__　　　　　　　　　　　 /　　　　/
　　　　　　　　　　　　　 Y´　　　　　｀ヽ、　　　　　 / 　　.　/　　　　 ┌───────────────────┐
　___　　　　　　　　　　　ト､　　,ｨ===- ､＼　　　　　/　　　　/　　　　 │あいつらの武器は、恐らく鉄製のものだろう　 │
'´ﾆﾆ厶　　　　　　　ハ　`くﾆ○ﾆﾆﾆﾆ､}　　　　/　　　　/　　　　　 │どこで手に入れたのかは知らないが　　　　　 │
ﾆﾆﾆﾆﾆﾑ　　　　　　／　　∨ ∧-=ﾆﾆﾆﾆ .ｉ／￣./　　　　/　　　　　　 │あれで切られたら俺は死ぬ　　　　　　　　　　　 │
ﾆ／￣ﾏム　　　／　　　 ∨ ∧ ｀　---┘、　/　　　　/ `　　　　　 └───────────────────┘
／　　　}ﾆﾑ、_ ／　　　　　 ∨ ∧　　　　　.`./　　　 /　　}
　　　／_／　　　　　　　　　 ∨ ∧　　／￣/　　　 /　　/　　　　 ┌───────────────────┐
.. 　／￣　　　　　　　　　　　　　 ∨ ∧　{ {:::::/　　　　/、／　　　　　　 │ここは巣穴の入り口だ　　　　　　　　　　 │
..／　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ ∧　､`/　　　　/　}　　　　　　　　│少しでも長引けば、蟻達の仲間が来るだろう │
　{　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ ∧ ./　　　　/ 　 }　　　　　　　　└───────────────────┘
　∨　　　　　　　　　　　　　　　　　　.∨　/ 　　　./　　ｉ
. 　∨　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨.　　　　/ 　　/
＞､＼　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　 /　　　/
　　＞、__　　-‐　´　￣￣￣￣￣ ./ 　　　 /￣　／
　　　　　　＞、＿＿＿＿＿＿＿＿./ 　　　 ∧‐／
　　　　　　　　＼　　　　　　　　 ./　　　　　/ニ {

232 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:54:32 ID:YFDROCQU

　　　／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　-=・=- -=・　　　　　　　　 ┌───────────────────┐
　.　|　　　　（__人__）　　　　　　 │もしも、あの子供たちを助けたいならば　　　　 │
　　 |　　　　　｀ ⌒´ノ　　　　　　　 │騒ぎを聞きつけた蟻達の増援が来るより早く │
　.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　 │あの5匹の蟻を殺し　　　　　　　　　　　　　　　 │
　.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　 └───────────────────┘
　　　ヽ　　　　　ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒´ ヽ､,＿　＼
　　　　　　　　　　　　　 (● ) (● )　　_,-|、
　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　r' l　|.lヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 '､｀⌒ ´　　 l　i　| l} }　　　　　　　 ┌─────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　 l　l, |. l ﾉ__　_　　　　　 │そのうえで、走って逃げなければならないのだが　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　/　　　/ｨ::::::::.. ヽ　　　 │彼は子どもたちの様子を再度、見た　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　 _,,ィ'´:::ヽ__､_r'´　　　／:/:::::/::::::::. ヽ　　 └─────────────────────┘
　　　　　 __　　　 __ ,. ''´..::::::::::::::::「:::::人＿＿..ry:::::::::::::::::::::::::. ',
　　　,.- v　ヽ r´ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈::::::::::::::ム:::::::::::::::::::::::::: l
　　rｰ、ヽヽ　}＿::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ｨ::::::::::::::::::::ﾊ:::ﾉ::::::::::::::::: l
　r　ヽ｀､_」イ_]　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::: i
　i　>､_〉-".|　,,,,,, |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V::::::::::::::::::::ﾊ:「 ::::::::::::::: !
　ヽ　） |　|　,,;;'' |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::ﾊ::::::::::::::::::: |

233 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:54:46 ID:YFDROCQU

　　　　　　ヾ..､　　　　　　　　　　　 ,.　'´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ!//////ﾊ
　　　　　　　〉/｀ヽ＝=､''': :,｀ ┌──────────────────────┐ ､
　　　　　　 / :∨.//////｀ヽ､ │よほど傷めつけられたのであろう、目は虚ろで　　　　 │ : : Y
.　　　　　 /: : : ∨.////////. │口を閉じる気力もないのか、口から涎を垂らしている │ : ∧
　　　　　/: : : : : ∨/////// └──────────────────────┘ : : : ﾊ
　　　　　!: : : : : : .＼//////: : : : /:./ : : : : : : : .l : : l　　　　　!: : :|: : : : :!: : : : :|: : : :.ﾊ//.＼: : : : : :ﾊ
　　　　 /: : : : : : : : : ｀>ー,': : : : / /.: : : : : : : : /: : /　　　　　|: : .|!: : : :,|: : : : : !: : : : :ﾊ////`丶ｨ: : :l
　　　　l: : : : : : : : .／.///!: : : :/: :!: : : / : : : : ,|: : /　　　　　 |: : ,'!: : : : ﾊ: : : :.,: : : : : : .!///,ィ.'´: : : :l
　　　　l: : : : : : : //////.l/: : :l: : l: : : :!: : : : : /!: :,　　 ,　　ヽ!- ,=!=＝,=l.､___/ : : : : : : !､Y./ﾊ: : : : : :!
　　　　|: : : : : : /////_ ｨ.l.: : : !: : !: : : !: : : : ,　! .,_ｨノ　　　　 l: :,　l: : ./　!: : /l｀`丶: :/ l./ﾍ///l : : : : !
　　　　l: : : : : /, ィ ´: .l//l.: : : !: ::! : : /: : ,..ｨ='ﾞ!´l　　　　　　 l./　 !: /　 .! :/ .!: : : : :/: :,.///｀＞: : : : :l
　　　　| : : : : ´: : : : : //,/: : ./l: :ll: : /,.lｨ´ / 　 ! l　　　　　　/'　　ﾗｲ'" ´｀ﾞヾミ､: : /: :ｲ-‐''" : : l: : : : .l
　　　　| : : : : /: : : : : ! ｨ : : /: l: :!! / / l: :/ ,,.ｨt＝Yく　　　　　　 /ﾘ!{　　　　.}|ヾ}>'ｲ'-､: : : l : : : l: : : : |
　　　　|: : : : l: : : : : : ゝ/／イ∧l从/　∧ｲ,!　　　　', ヽ　　　　　　　'　　　ﾉ ! / /l　,.､∨: !: : : : !: : : :l
　　　　|: : : : !: : : : : : : '´ l: : : :|.ヽ.∧　 /./ ',　　　　l l　　　　　　　ヽ｀ ''' " , .!'､　lｲy l l: :.!: : : : l: : : :.l
　　　　|: : : : l: : : : : : : : : .l.: : : ! ./_.∧ ヾｯ､ .ゞ. , . ｨﾉ　　　　,　　　　￣　ゝ-'　 ,)　!ｲ,': :l : : : : !.: : : l
　　　　|: : : : l: : : : : : : : : ∧: : l/l　,ミ_',　　　t.つ - ´　　　　　　　　　　　　　 ,／／ : : l : : : : l.: : : .!
　　　　|: : : : l: : : : : : : : : : ∧: : .ﾊ .', ﾊl'.,　　　　　　　　　　 __ ,..__　　　　　　　,／: : : : :.l.: : : : : !.: : : !
　　　　|: : : : l: : : : : : : : : : : : ヽ: : 〉ゝ _｀' ,　　　　　　　　／ﾞ"_´__,｀, 　　　　　, ': : : : : : ./.: : : : : .!.: : : l
　　　　|: : : : ヽ: : : : : : : : : : : : :ヽ.!"ｨヽ､ _｀'.,　　　　　　ゝ.y'"´　　　　　　／!: : : : : : : /: : : : : : .l: : : :|
　　　　|: :人: : ',: : : : : : : : : : : : : :＼, -- ､ _｀ﾞヽ　　　　｀ll´　　　　　　　／ /: : : : : : : /: : : : : : : :l: : : :l
　　　　|: : : :ヽ: :'.,: : : : : : : : : : : : : : :ヽ　　｀ヽ、. ＞　.　　j!　　　　　　／､｀ﾊヽ､: : : : ./: : : : : : : : :!: : : :!
　　　　|: : : : : .ヽヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼　　　｀ヽ、__r'-｀,ﾞ '_- .=　ィ ,lゝy＼.!　ﾊ= = '= ､: : : : : : : |: : : :l
　　　　|: : : : : : : ＼ヽ: : : : : : : : : : : : : : : ＼　　　　 Y　　　　｀'''Yv,´　　∨　!.　ヽ7　　ﾊ : : : : : :!: : : :!
　　　 / : : : : : : : : : ｀ヽ､: : : : : : : : : : : : : : : ヽ　　　 .〉　　　　　 j,.'=ゝ､　　Y_|　　/　　　 .人 : : : : ! : : : !
.　　 / : : : : : : : : : : : /　｀ヽ、 : : : : : : : : : : : : : ┌───────────────────┐l
　　/: : : : : : : : : : : : (　/　　｀　､.: : : : : : : : : :│走ることはおろか、歩くことさえも無理だろう　 │ .!
　 / : : : : : : : : : : : : : ｀l　　　　　　　｀　､.: : : │彼は、そう判断せざるをえなかった　　　　　　 │ l
. / : : : : : : : : : : : : : : : !　　　　　　　　　　　｀ヽ. └───────────────────┘ l

234 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:54:59 ID:YFDROCQU

┌───────────────────────┐
│子供は小さい、恐らく一人当たり20キロくらいであると　 │
│彼は当たりをつけた　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　 -　‐
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　｀．
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　 .
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　 .'　　　　　 ,- ヽ-/
　　　　　　　　　　 ,'　　　 ,　　､●.ｿ　　　　　　 ┌─────────────────┐
　　　　　　　　　　　ﾉ､　　　! 　γ 　 /　　　　　　 │100㎏の荷物を抱えて蟻から逃げるのは │
.　　　　　　　　　／:::::ヽ､　ﾍ.　ゝ__.ﾉ　　　　　　　　 │どう考えても不可能である　　　　　　　　　│
　　　　　　　／::::::::::::::::ヾ ´､ｰ-'　　　　　　　　　 └─────────────────┘
　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::7j
.　　　　　　 /γ⌒::｀ヾ:::::::::::::::::::::∧
.　　　　　 ;/:::::::::::::::::,＼::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::::::ﾘ::::::::::::::::::::ﾊ
.　　　　　 |::::::::::::::::::::::::::{::::::::::::::::::::::ﾊ

　　　　　　　　　　　／￣￣＼ -、_
　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　（＝）（＝）／　´／ /)
　　　　　　　　（__人＿） {　　 , ' ´,/　　　　　　　　 ┌────────────────┐
　　　　　　　　　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´　　　　　　　　　 │つまり、子どもたちを助けたいならば　 │
　　　　　　　　　　　 |　　　　　〈´／::::Λ　　　　　　　　　　 └────────────────┘
　　　　　　　　　　　 | 　　　ﾔ::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ　　　　　　　 ┌──────────────────┐
　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、　　　　　　　　 │・一瞬で蟻達を倒せる戦闘力　　　　　　　　 │
　　　　　　　 _,. -／:/===/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ　　　　　　　 │・100キロの荷物を持って、走り続ける体力 │
　　　　　　　／/.／.::::{　　 | :::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}　　　　　　　 │この2つが必要、ということである　　　　　　 │
　　　　　　 j ::::::::>.:::::::l　　|::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;　　　　　　　 └──────────────────┘
　　　　　　i :::r :〈 ::::::::i　　|::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
　　　　　ｉ :::| :::::'., ::::i 　　{:::::::::::::::::::::`::-==::イ
　　　　 | :::| ::::::::',::::i　　 ',:::::::::::::::::::::::::::::::::::/

235 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:55:13 ID:YFDROCQU

┌──────────────┐
│彼は自分の実力を鑑みて　　　　 │
│子どもたちを助けることを諦めた │
└──────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　｜　　 ( ○）（●）
　　　　　　　　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　 ┌─────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　 |　　　　　　　 │そして、彼は自信の内に滾る感情に対し │
　　　　　　　　　　　　　　　人　　　　　 |　　　　　　　　 │酷い嫌悪感を感じていた　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　 _,,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノゝ　　　　　　 └─────────────────┘
　　　　　　　　　　_, -'":::l:::::::＼,､ー―‐ヽﾉ:::::'
　　　　　　　　　 /:::::::::::::::|::::::::::ヽ､　　　　ヽ:::',.､_
　　　　　　　　｛ :::::::::::.:::::|::.:::／:::`､　　　　.{ヽ|:....｀ヽ
　　　　　　　　　 | :::::::::::.:::::|／:.::::::::::`､　　　 .i.::ﾘ:::::::::ヽ
　　　　　　　 | ::::::::::::::::::::::::::::i_.::::::|　　　　 i::::::::::ヽ::ゝ
　　　　　　　　　ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ.:::::::|　　　　 i::::::::::::!::::.ヽ
　　　　　　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ.:::::::|　　　　i::::::::::::|:_,rｰ'､
　　　　　　　　　　}:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､.::::|　　　　 i:.＞＜￣＼.＼
　　　　　　　　　 .}:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム::ヽ
　　　　　　　　　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::ヽ}
　　　　　　　　　　 {::::::＼,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／"￣:::::::::::::::::::::ﾉ

236 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:55:34 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　|　_ノ　　ヽ､　 |　　　　　 ┌───────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　|　（ー）（ー）　|　　　　　 │その感情は、死にゆく子どもたちを憐れむものではなく │
　　　　　　　　　　　　　| 　（__人__）　 |　　　　　 │もっと別の、彼の性格をよく表すものであった　　　　　　 │
.　　　　　　　　　　　　　l　　｀⌒ ´　　 }　　　　　 └───────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　./
　　　　　　　　　　　　／:ヽ　　　　.ノ,'ヽ､--､
　　　　　　　　 ,.-‐,ｨ‐"/ゝ.ヽ.＿__ノゝ::::::::ヽ､:::ヽ.
　　　　　　 /／::_,､/,';;;;;;;ﾞ;;;;;;;;;;;;;";;;;;|:ﾞ､::::_::ゝ､ヽ.　　　　　　　 ┌──────────────────┐
　　　　　　　ﾉ:::i￣／/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l::::/::::::::::::l:::ﾞi　　　　　　 │何はともあれ、彼はこの時　　　　　　　 │
　　　　　　/:::: /::::｀ヽ,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|／:::::::::::::::l:::ﾞ,　　　　　　　 │子どもたちを助ける気を完全になくしていた │
　　　　　　|:::::|::/::,ｨ '";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ､::::::::::::::::/::::､　　　　　　 └──────────────────┘
　　　　　　l:::::;/:/:　 :|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::::::l::::::ﾞ,
　　　　　　i::::/,':　:　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lﾞ,::::::::::::::::ﾄ::::::}

┌────────────────────────┐
│だが、彼が助けることを諦めたとしても　　　　　　　　 │
│子供の一人は、未だ助かることを諦めていなかったのだ　│
└────────────────────────┘

:::､ー――--､　　　､　　　　　　　　　　　　　､
:::::＼///////＼　　 :､　　　　　　　　　_　　　　　　ヽ
:::::::::::＼///////＼　　　　　　　　　 (-ミ､　　　／
:::::::::::::::::＼///////＼　 :::..　　　　　　｀ー｀　 ,..:'´
:::::::::::::::::::::::＼//////∧ _,..-､.　　　　　イ
ﾊ､:::::::::::::::::::::::＼/////∧::.､　｀ヽ､　　／
//＼:::::::::::::::::::::::ヽ/////}ﾊ:::ヽ　　｀ ´
////＼::::::::::::::::::::::∨///|/ﾑ::::}

237 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:55:45 ID:YFDROCQU

┌──────────────────────┐
│子供の一人が、体を揺らし、最後の力を振り絞って　 │
│最後尾にいる蟻の腕から逃げ出した　　　　　　　　 │
└──────────────────────┘

　　　　　 │　　ﾍ
..　　　　　ｌ　　ﾍ
　　　　　. .ｌ　　　　ﾍ
　　　　　　. ｌ　　　　ﾍ
　　　　　　ｌ　　　　ﾍ　　　　　　　　　　彡∠一一ヘ
　　　／´ 　ｌ　　　　　　　ﾍ∧ミ　　　　／　　　　　｀へ
　／　　　　ｌ　　　　　　　ﾉ ⌒ﾍ　ヘ　／　　　　＞三三三ﾐヘ
/　　　　　ｌﾄ　　　　　ノ　　　ｌ .ヘ　ﾍ　　　／ｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌﾐミﾘﾍ
　　　　　　＼＿＿＿／　　　　ｌ　　ﾍﾍ　 /./ｌｌｌｌﾌ⌒ﾍｌｌｌｌｌｌｌｌｌ川 .ｌ／⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　ｌ　ﾍ∨ ｌｌｌｌｌl(　●　)ｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌ　ｌ　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　ｌ　　ｌ　　ﾍ　ｌｌｌｌｌｌｌ乂＿ノｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌ　/　　＼
　￣＼　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　ﾉ　ノﾍﾍﾍｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌﾉﾉﾉ　＼　　＼
　　　　＼　　　　　　　　　　　/　　/　彡　　＼ミｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌ彡／　　　＼
　　　　　　＼　　　　　　　　／　／　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　　＼

┌─────────────────┐
│だが、すでに傷めつけられていた子供は │
│少しだけ歩いたかと思うと、　　　　　　　　 │
└─────────────────┘

　　　　　.j 　 ! 　　!　　　　　　ヽ .Ｖ彡｢j!|ミｊ　　　ｲ Y　 r'　ノ
　　　　 / 　ﾉ　　　|　}　　　　　 } 〈彡! i!∨　　,r一, j 　 ! （
　　　./ 　 /　　　ゝヽ　　　　.人rﾍ-一＜￣ﾊ　了1,ノ)　）
　　 /　　/　　　r'　￣ |　　　　　　j!　|　　　　　 |　ﾉ　′'1/
　　/　　.〈　 .／|　　　 !　　　　　 /　ﾉ　　　　 .斗'´　　　　′
　 ,　　　　〉く,　 !　　　.ゝ、　　　　　　　　　　 |　　＿
　 |　　　/　〈,　 |　　　　　＼　　_＿　,　＞　一＞≦///≧x
　.乂　　j 　ハ rﾍ＿__ ＞一 ≠　　　　　＞≦/////////∧
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　　 ( /　　　　,r'了￣　 /////////ﾑ/////≧xﾍ/////////∧　　く／＼＼　　　　７/,ニ,　　 /厶__
　　 ./　　　　/　｣　　　//ﾑ斗＜////////////∧/////////∧　　　　　　`┘　　〈/r三ｭ　 └'^ｰ┘
　　/　　　　/　 |　 x＜/////////////////////}∨////////∧
　./　　　　/ ┌x<///////////////////////／/∨////////ハ
../　　　　ム＜///////////////////////／//// ∨ ┌───────────────────────┐
　　　, ＜///////////////////////＞＜///ﾑ,′ .　 │直ぐ様、座り込んでしまった　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　<//////////////////////＞'´　　　　￣ノ　　　 │悔しそうに足を弱々しく叩くが、立ち上がる気配はない　│
／///////////////////＞へ´　　　　　　／　　　　　 └───────────────────────┘

238 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:56:01 ID:YFDROCQU

　　　　ﾄ　　　　　　　　　　　　　人/
　　　ﾍ　＼　　　　　　く /　ﾌソﾌ
　　　　　ﾍ　　＼　　　　　　/く//ヘ / /
　　　　　　ﾍ＿ノ⌒へ＿ ../　　＼//フ　　〆フ
　　　　　　《　　　　　／ ./　　　 /　⌒∠´ 　/
　　　　　　＼　　　／　/ 　　　 /　　　　＼／ﾍ
　　　/ヽ／／＼／　/　　　　/ヽ　　　　　　／
　　 //ｌ　彡「　ﾍ　/　　　　 /　　＼　　　／ヽ　　　　　　 ┌──────────────────┐
＿///　　/´／ .∨ 　　　/　　　　ヽ⌒）　＼へ　　　　　　　│最早動くことのできない子供を　　　　　　　 │
（　く/　　/／　/　　　　人一一一一／　　）　ﾍ　　　　　　 │蟻がまたその刺々しい腕でつかもうとした　 │
　ヽｌｌ（　　）ミ《　　　　/一一一三》─＞ｌ（　　）ｌ　　　　 └──────────────────┘
　　」⊥ヽ /く￣＼＿／＼＿＿＿∠＝┐/　￣ｌ ┐
　　ﾍ/　　＼＼　　ｌ　　ｌ　　　　　）　ｌ//ヽ　ｌσコ
　　　　　∠＿）─っ｀─´￣￣￣´　　　　　ｌ　ｌ
　　　ｌ´　　　　　　＞ｌ . ｌ　　　　　　　　／￣─＞￣＼
　　　　｀───＜／￣￣￣＼　　　（＿＿＿＿＿／
　　　　　　　　　（´　　　　　　／
　　　　　　　　　　￣￣￣￣

＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　 .へ
.:.:.:＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 {_. イ:i: ＼/　　ヾ:
.:.:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　　　　　　 /^{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼　　 vﾍ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:., 　　　　　　　　　／.i:i:i:i:i:i:i:i:i:､:i:i:i:i:i＼　 V:ﾍ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　　　　　　 {　／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼:i:ヽ:∧｀∨∧　　 ┌────────────────────────┐
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　　　　　 /{/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: ／^ヾ＼ﾊ^ヾ　V:ハ　 │そう、蟻は落ちた子供を拾うべく、彼の後ろを向いていた │
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≫..,_ _,.≠.:.:.:. .:. : i i:i:i:i:i:i:i／　　　　　　　　　＼:{　 └────────────────────────┘
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. .:. : . i: :i:i:i:i:i:ii／
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. .:. . : .:i:i:i ／;
'"^＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: . .:. :.i／　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌──────────────────┐
　　　｀ ≪.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . '′ . |＼　　　　　　　　　　　　　　　 │それを見た彼は、反射的に駆け出していた │
＼　　　　｀ ≪.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.彡....　　| ./　　　　　　　　　　　　　　　 └──────────────────┘
.:. : .ー- ..,_＿　｀ー-＝=≠　　　　　 |/＼
.:.:.:. .:. . : .≦ _　　　　　　　　　　　　　　　＼∧
ー-=.:.:.:.:-=ﾆ三_　　　　　　　　　　　　 /　∨V７　　　　　　　　　　　　　　 i
　￣　－-＝=≦　　　　　　　　　　 |＼/　／l/l/　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀７／　　　　　　　　　　 `.､　　　　　　　 .i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /′　　 />.　　　　　　＼、　　　　 i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　./′/>.　　　　　　　＼､　　　　 .|i|
　　-----------------------------------../′..ﾞ-----------...＼､　　 .|i|
──　──‐‐‐─　‐　‐‐──　　　────. ＼＿_／＼...────..　＼､ ,ﾉし　’‐　‐‐
──　　　────‐‐───　　────　　｀￣￣￣ﾞ‐　─‐‐ﾞ＿＿＿） ≦⌒──‐‐─
──　　────　　‐　─‐‐──　───　──‐‐‐─　‐...￣￣￣￣￣⌒ ＾..──　　───‐‐
─────　　‐‐‐‐─　‐　‐‐──　　　──────　──‐‐‐─　‐　‐‐──

239 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:56:12 ID:YFDROCQU

　　＼＼　　　　　　　　　 |　| |　　　　　　 /　　　　　　　／
.　　＼＼＼　　　　　　　 .|　| |　　　　 /　　　　　　／
　　　＼＼　　　　　　　　 |　|　　　　　 /'!　　　　／
　　　　＼＼..　　　　　　 |　|　　　　 ./　!　　／／　　　　　　　┌─────────────────┐
　　　　　　＼　　　　 |＼　　 |　　　　 //| |＿＿＿　　　　　　　　 │彼は剣先がスコップのようになった剣で　│
　　　　　　　　＼　　 |　＼　|　　　 .// .l＿　　／　　　　　　　　 │蟻の後頭部を強く打ち付けた　　　　　　　│
　　　　　　　＿＿＿＿|　|＼＼／＼//　　／／　　　　　　　　　 └─────────────────┘
　　　　　　＼　　＿＿__|　＼／＼/　／／　＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　＼＼　　　　　　／　　￣￣　＿＿　　　　　／
　　　　　　　　　　＼＼　　__lV ､＿　￣￣￣￣￣―　""　　／　 ┌──────────────────────┐
　　　　　　　　　　 /　 /　,　>　へ´　　｀､￣￣　　　　／　― │剣が曲がり、ますますその原型を留めぬ形となった　 │
　　　　　　　 /　 /／/　 Y　l＼　　　　＼　　　　　く　―― └──────────────────────┘
　　　　　　　　　/　　／./　　　　!　＼　 |￣　　　　　　　　＼
　　　　　　 /　／ //　　／! .! l＼　＼l　　 !￣￣￣￣￣￣　　 ┌───────────────────────┐
　　　　　　　 /／　..//　／　...! l l　　＼　　 | 　　　＼　　　　 │最早ただの鈍器としてしか役に立たぬそれであったが │
　　　　　 /　　　//／／ |　.l l ｌ　　　＼　 | 　　　　＼　　　 │少しの間、蟻をひるませることはできた　　　　　　　　　　│
　　　　 /　/　　　/　／　　ｌ　∥ｌ　　　　　＼ | 　　　　＼＼　　 └───────────────────────┘
　　　 ./　/　　 /／　　　　 l　　.i　　　　　　｀　　　　　　　　＼＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j≧､　／!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈三三Y三{
　　　　　　　 , ﾍ　　　　,　一　　　ｰ- ゝ三彡ヲ⌒ヽ
　　　　　 /三} -ー'　　　　　　　　ヽ　＼三≧､　丶
　　　　　〈三/　　 r ､ハ　　　　　　　　　ヽ三7
　　　　 ,ｨ三ﾐｿ　　 |　　　|｜　| ト、　　V　　Ｖ′ 　　|
　　　＜三三|　　　 |　　十ｧ　++　!　　｜　　|:::|　　 |
　　　　ヾ三!　　ﾄ,|　j　 .ﾚ1ﾊﾙｨf花芋ト、　|:::|　　 |
　　　　　 f仁|　　｜ﾚ′ぇ　　　" 込ｨっ j　ﾚ､,!:::!
　　　　　 |　∧　　|′ｨf示ﾐ　　　　::::: ﾙ'　ｨﾊ;.: |　　　|　　　　　　　　　 ┌─────────────────┐
　　　　　 | .:|　}从ハﾊとﾂ　、　　　　　　r ノ　 ! 　　|　　　　　　　　　 │その居をつき、彼は地面にしゃがみ込み │
　　　　　 |　|　ゞヽ!ﾍ　::::　　r っ　　　 f彡ﾍ ; |　　　|　　　　　　　　　 │ぷるぷる震えている子供を抱きかかえた │
　　　　　 |　|　　ヽ＼＞ｰ-､　　　　／ト､　ヾ;|　　　ﾄ､　　　　　　　　　└─────────────────┘
　　　　　 |　ｌ　　　　　｀ー-　〉ー≠　　｣┐＼}:|　　　　ヽ
　　　　　 |　乂　　　　　　　　ヾ､　ﾊ|　ﾊ　ト}　｀| 　 |:.　　 l
　　　　　 |　　个、ｰ- ≠ -　　∨トﾐi | レ{ﾘ　ﾉj　　ﾄ;:.　ﾒ､
　　　　　 |　　｜ { ゝ- 一く⌒ヽ　l ﾄ,三X彡{ / ;　　,ハ:. /　＼
　　　　　 |　　 j　:.　　　　　ヽ　}　| ﾚ≦}三}　八　ゝﾉ　　　ヽ
　　　　　 i　　　　ゝ　　　　　 Ⅵ　!/三ｦ三ﾄ､　　ヽ　＼;ﾉ　　　　）
　　　　　　 f′　ﾄ､　　　　　Ⅵﾊ三/|三jミ}　　　＼　　　　　 /
　　　　　.j 　 ! 　　!　　　　　　ヽ .Ｖ彡｢j!|ミｊ　　　ｲ Y　 r'　ノ
　　　　 / 　ﾉ　　　|　}　　　　　 } 〈彡! i!∨　　,r一, j 　 ! （

240 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:56:22 ID:YFDROCQU

　　　　＿
　　　 /　　｀
　　　! 　_＿i _＿
　rヘｰ之ミ´､　　,｀≧z､　　　　　　　　　　　　 ┌──────────────────┐
　}/,i/7,＞=ﾆ三ﾆイﾍ<//＞x　　　　　　　 │剣は荷物になるので、そのまま捨てておき │
　＼/////＞У///∠≦､///>　　　　　　 └──────────────────┘
　　 }/／／//{/////////７７/＞､
　　////////へ/////////／三ﾍ　　　　 ┌──────────┐
　 //////////∧＼//＞ﾞ´ `ー-＜i　　　　 │彼は全力で駆け出した │
　′///', 1　／≧＝＝{　　　　　　　　　　　 └──────────┘
　iγ三/　ヽИ≠/, :､/∧
　ヾ三/　　　V/≧=ミj//.;!
　　＼i　　　　V////{ゞ≦
　　　　　　 V///∧//
　　　　　　ﾄ､///∧′
　　　　　　　　　Y,V// ∧
　　　　　　　 j ∧///∧

241 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:56:35 ID:YFDROCQU

┌───────────────┐
│ここ最近、運動ばかりしているので │
│体はある程度柔らかくなっている　　 │
└───────────────┘

　　　　　　　　 _　-‐=ﾆ ¨ ￣´￣ヽ＞､
　　　　　　 --f_////////.′　　　 i////ﾍ
　　　　／i'//////i////i/i　　　　　!/////i
　　　 '////,､V//∧V//∧ rｔ:Jﾚ:ﾃ'/!///ﾘ
　　　|///,ｲーヽV//ノj∧V,(__人_ﾅ/ﾞv//ﾍ
　　　|//,ﾘN'////ヽ､≧=､i|::ｿ,厶イ　!v///|
　　　|//i､_＼'///≧=ﾆ､≦三三{/ /ヽｰ'/,i　　　　　　 ┌───────────────────────┐
　　 i|⌒ i　У⌒.'/≧＜ｒ,i＜∧V,.､ﾉ////./　　　　　 │また、太陽が出る時間が極端に短いため　　　　　　　　 │
　　 il |　il!　'///////// ///V{　il!　.il--ｲ　　　　　　　│気温もあまり高くなく、暑さで体力が奪われることもない │
　　　il! il!　i///////､j／////|.iﾞ　.:il!!　　　　　　　　 └───────────────────────┘
　　　　　　 V//////!///////il' ili lil
　　　　　　 |//////|///////′il!
　　γ⌒､　 !//////|//////,′　　　　　　　　　　　 ┌─────────────┐
　　 |/´＝≦Y/////,|/////,l′　　　　　　　　　　　　　　│後は、蟻がどれだけ早いかだ　│
　　 |:､i//////////f∧V///!　　　　　　　　　　　　　 └─────────────┘
　　 '/,￣≧=-､∠,ｲ/∧V//
　　　V///i　　/γ'////／
　　　ヽ､/j　　i i:| V＞ﾞ
　　　　　　　　ヽーﾍ
　　　　　　　　　 }: 　ﾍ
　　　　　　　　　､　　:i
　　　　　　　　　　ヽ､_.ﾉ

242 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:56:46 ID:YFDROCQU

------------=================ニニニニニ三三三三三ニニニニニニ=================------------

　　　　　　---------==============ニニニニニ三三三ニニニニニ==============---------

　　　　　　　　　　　　　　　　-----========ニニニニ三ニニニニ========-----
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　----====ニニニ====----
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ---===---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-

┌────────────────────┐
│結論から言えば、蟻はそれほど早くはなかった │
└────────────────────┘

　　　　　　　　　　　 ――-　　　　　ゼ
　ゼ　　　　　.　´　　　　　　　丶　　　ェ　　　　 ┌──────────────────────┐
　　ェ　　 ./　　　　　　　　　　 '.　　|　　　　　 │彼が5キロくらいほぼ全力疾走したところで　　　　　 │
　｜　　　 / 　　　　　　　　 i 　 |　　　　　 │後ろから何も追いかけてこないことを彼は確認した　 │
　｜　　 l　、　::::::::::::::::::_　　.「ﾄ､|　　ッ　　　 └──────────────────────┘
　　ッ　〈 r|　ﾄ､__,:::､:_;ｨf　　　} | ｈ､
.　　　 |　l　 ‐￢:”:::::「｡冫,l　　'/-　 .._
　　　　､ ‘　ｰﾟィ　　￣　,ﾘ　　.i 　／`　　　　　　　　　　 ┌──────────────────┐
　　　／ヽ ‘ u　　　　　 u .i　,､　!　　　　　ヽ　　　　　　　 │20キロの荷物を持って、5キロの全力疾走 │
　　　./　　}　ヽu (_入__) 　 |　^　l　,__　　　　　　　　　　　　 │彼の心臓は凄まじい勢いで脈動していた　 │
　　　i rイく　　{ ＼`ﾆ⌒}{ ィ＞‐'ﾕ/´　　　　　　　　　　　 └──────────────────┘
　　 l ﾊ `　二入　`ｰrイ／　　　　ヽ
　　ﾉ } }　　　　「　　ゝ-}　／/　　ハ
　　「ﾉ　　　　 Λ　　　　| 　 /　　　　{
　　|/ 　　　〈　}　　　　ヽ　　　　　　ヽ
　 .〈　　　　　 Λ　　　　　＼　　　　　'”

243 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:56:57 ID:YFDROCQU

┌────────────────┐
│だが、もしかすると見えないだけで　　 │
│まだ追いかけてきているかもしれない │
└────────────────┘

　　　　　　　　　　　 ――-　　　　　ゼ
　ゼ　　　　　.　´　　　　　　　丶　　　ェ　　　　　 ┌────────────────────┐
　　ェ　　 ./　　　　　　　　　　 '.　　|　　　　　　　 │その疑念を捨てきれなかった彼は　　　　　　　　 │
　｜　　　 / 　　　　　　　　 i 　 |　　　　　　　 │抱えている子供をいったん下ろすと、こう言った │
　｜　　 l　、　::::::::::::::::::_　　.「ﾄ､|　　ッ　　　　 └────────────────────┘
　　ッ　〈 r|　ﾄ､__,:::､:_;ｨf　　　} | ｈ､
.　　　 |　l　 ‐￢:”:::::「｡冫,l　　'/-　 .._
　　　　､ ‘　ｰﾟィ　　￣　,ﾘ　　.i 　／`　　　　　　　「き……ごふっ！　ハァハァ……
　　　／ヽ ‘ u　　　　　 u .i　,､　!　　　　　ヽ　　　　　　悪いんだけど……ぜぇ……ぜぇ……
　　　./　　}　ヽu (_入__) 　 |　^　l　,__　　　　　　　　　　　君、ゆっくりとでいいから……走れる？」
　　　i rイく　　{ ＼`ﾆ⌒}{ ィ＞‐'ﾕ/´
　　 l ﾊ `　二入　`ｰrイ／　　　　ヽ
　　ﾉ } }　　　　「　　ゝ-}　／/　　ハ
　　「ﾉ　　　　 Λ　　　　| 　 /　　　　{
　　|/ 　　　〈　}　　　　ヽ　　　　　　ヽ
　 .〈　　　　　 Λ　　　　　＼　　　　　'”

　　　　　　　 |＼　　　　,...:::::::￣｀ヽ´:::::::::::::::｀ヽ､　 /i:i:i:i|
　　　　　／::|i:i:i:＼_ ／::::::::::::::::::::::::::,.:::::::::::::::､:::::＼!i:i:i:i:i:}_
　　　 ,..::::::::{:i:i:i:i:i:i/:::::::/::::::::::::::::ﾊ/;ﾊ ::::::::::: |:::::::|::ヽi:i:/:::｀ヽ
　　　 /:::::::::::::＼:i:i/:::::::/::::::::::::|::::|　　　|::::|:::::::|:::::::|::::::Ⅵ:::::::: |
　　　;':::::::::::::::/}i:i/::::: /::::;::::::::::|::::}　　　|::::|:::::::}:::::::}::::::::}{i:､::::::|
　　　|:::::::::::::/i:i:i:i!:::::/::::: |::::::::/::/_,　｀ lｰ !- /--/､_::/::}i:i:i､:::!
　　　|::::::::::/イi:i:i|:::::|::::::/|::_,,/-'!　　　 }/ |::/ l::/|:::::/:::/!i:i:i}:::|
　　　|:::::::/:::::::{i:i:}:::::|:::/::/!::/　___　　　　　,ｲ￣ﾊヽ/l::/-'::::::::::|
　　　|::::::,:::::::::::-/ｲ::{/:::/ {/ｲ´　ト　　　　乂__,ﾉl/ {/ﾊ::::::::::: !
　　　|::::::{::::::::::::::::|:::/:::ﾑ　{ 弋__,ﾉ　　 .::　　｀ ¨´　　;' } } :::::::: |　　　 ┌──────────────┐
　　　|::::::|::::::::::::::::Ⅵ::{｀,ﾑ　｀ ¨´　　｀　　　　　　;_ン:::::::::::::|　　　 │子供の顔が全てを物語っていた　│
　　　|::::::|:::::::::::::::::::ﾏ:::.ヽ,ﾑ　　　　r ‐ つ　　 /|::::::::::::::::: |　　　 └──────────────┘
　　　|:::::::ﾏ::::::::::::::::::∨｀ｰ∧　　　　 ||￣　　／ /::::::::::::::::: |
　　　|::::::::::ﾏ::::::::::::::::::＼//＞､＞　...._ij　　 ,ｨ:/ﾊ､'::::::::::::::::::: |
　　　|:::::::::::::＼:::::::::::::::::::＼///ヽ /｀ー￣´ハ!///｀77r､ ::::: |
　　　|:::::::::::::/ ｀ヽ､:::::::::::::::::＼//∧　　　/-- ､＼//////}::::: |
　　　|::::::::::::{/////＞､:::::::::::::::＼/∧　 /ﾆ{三!ﾆ､|//////ｨ}:::|
　　　|::::::::::::{/////////＞､::::::::ヽ// /三Ⅵ/三＼/// //ﾊ:|
　　　|::::::::::::|////////////｀ヽ::::::∨ {三三!{三三///,ｲ///}|
　　　|::::::::::::|//////////////∧::::|/∧三ﾆ!|三三!／//// ||

244 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:57:09 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　／￣￣ヽ
　　　　　　　　 /　　_ノ:::::::ヽ＼
　　　　　　　　l 　（ ○）（○）l　　　　「ぜぇ、ぜぇ……じゃあさ……
　　　　　　 l　li|il::（__人__）::i　　　　　　せめて、俺、おんぶするから……」
　　　　　　 l　:::::u / 　 /:::::i
　　　　　　　 i 　　｀⌒´ 　 }　　　　「背中にしがみついてくれない？」
　　　　　／⌒ヽ　　　　　ノ
　　　　／　　　＼ー‐　/ ｀i
　　　　／　　　　, ⌒ヽヽ　/　/
　　　ｒ´　　　／　　　　＼ヽ /
　　 {　　　　< ：　　　　 (__ﾉﾉ
　 .；i 　/＼　ヽ；　　　　 | |
　；/　/；　＼　i ：.　　　　| |　←木の棒
　 (＿ )　　　(＿ヽ.　　　 | |

　　　　　　　 |＼　　　　,...:::::::￣｀ヽ´:::::::::::::::｀ヽ､　 /i:i:i:i|
　　　　　／::|i:i:i:＼_ ／::::::::::::::::::::::::::,.:::::::::::::::､:::::＼!i:i:i:i:i:}_
　　　 ,..::::::::{:i:i:i:i:i:i/:::::::/::::::::::::::::ﾊ/;ﾊ ::::::::::: |:::::::|::ヽi:i:/:::｀ヽ
　　　 /:::::::::::::＼:i:i/:::::::/::::::::::::|::::|　　　|::::|:::::::|:::::::|::::::Ⅵ:::::::: |
　　　;':::::::::::::::/}i:i/::::: /::::;::::::::::|::::}　　　|::::|:::::::}:::::::}::::::::}{i:､::::::|
　　　|:::::::::::::/i:i:i:i!:::::/::::: |::::::::/::/_,　｀ lｰ !- /--/､_::/::}i:i:i､:::!
　　　|::::::::::/イi:i:i|:::::|::::::/|::_,,/-'!　　　 }/ |::/ l::/|:::::/:::/!i:i:i}:::|
　　　|:::::::/:::::::{i:i:}:::::|:::/::/!::/　___　　　　　,ｲ￣ﾊヽ/l::/-'::::::::::|　　 ┌──────────────────────┐
　　　|::::::,:::::::::::-/ｲ::{/:::/ {/ｲ´　ト　　　　乂__,ﾉl/ {/ﾊ::::::::::: !　　│この問に対しては、子供はなんとか頷き返してくれた │
　　　|::::::{::::::::::::::::|:::/:::ﾑ　{ 弋__,ﾉ　　 .::　　｀ ¨´　　;' } } :::::::: |　　 └──────────────────────┘
　　　|::::::|::::::::::::::::Ⅵ::{｀,ﾑ　｀ ¨´　　｀　　　　　　;_ン:::::::::::::|
　　　|::::::|:::::::::::::::::::ﾏ:::.ヽ,ﾑ　　　　r ‐ つ　　 /|::::::::::::::::: |　ｺｸﾘｯ
　　　|:::::::ﾏ::::::::::::::::::∨｀ｰ∧　　　　 ||￣　　／ /::::::::::::::::: |
　　　|::::::::::ﾏ::::::::::::::::::＼//＞､＞　...._ij　　 ,ｨ:/ﾊ､'::::::::::::::::::: |
　　　|:::::::::::::＼:::::::::::::::::::＼///ヽ /｀ー￣´ハ!///｀77r､ ::::: |
　　　|:::::::::::::/ ｀ヽ､:::::::::::::::::＼//∧　　　/-- ､＼//////}::::: |
　　　|::::::::::::{/////＞､:::::::::::::::＼/∧　 /ﾆ{三!ﾆ､|//////ｨ}:::|
　　　|::::::::::::{/////////＞､::::::::ヽ// /三Ⅵ/三＼/// //ﾊ:|
　　　|::::::::::::|////////////｀ヽ::::::∨ {三三!{三三///,ｲ///}|
　　　|::::::::::::|//////////////∧::::|/∧三ﾆ!|三三!／//// ||

245 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:57:24 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　 , - '´　　u ` ､_
　　　　　　　　　　　　　　 / 　､＿.//,　　 ` 、
　　　　　　　　　　 ,' ‐- ､_　///`ｰ-～'　'.
　　　　　　　　　　　　　　|　　・ `´　ー---　　i
　　　　　　　　　　　　　| 三三ｧ　　､_・　　　 .|
　　　　　　　　　　　　l、l　　　　　ヽミ=､　|　　　　　 ┌──────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　|　`ｰr‐'^.､　　　l　　　 l　　　　　　　 │そして、彼は背中に20キロの荷物を背負った状態で │
　　　　　　　　 _　　　 !U　 l////`ー '′Ｕ　,!　　　　　 │遅くではあるが、また走り始めた　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　fハ)　　　ヽ、 l/////l　　　　　/　　　　　　　 └──────────────────────┘
　　　　　　　 l　l　　 _,.; ´ ｌﾑ＿__ .l　　し _,′
　　　　　　　 l　ヽ'´　　　 `―-　＿`′　　｀-～´￣ヽ
　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　,イ　l
　　　　　　　　　ヽ_＿__ｵ　　　　　　　　　　　　ｊ～´ L,.ﾉ　　　　（ここまで歩いてくるのに、6時間くらいかかったか？
　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　　　　　　　イ　　　　　　　　　　きっちり飯を食って体力があった状態だから
　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　ｊ　　　　　　　　多分、徒歩で時速5キロくらいと考えて……）
　　　　　　　　　　　 }　　　　r―‐-､_　ｌ
　　　　　　　　　　　　　 i　　　　 |　　　　ｊ
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 l　　　i　,ノ
　　　　　　　　　　　　　　 |　　ｲー-ヽ　 l'´

246 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:57:39 ID:YFDROCQU

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 .　|　（ ○）（○ ）　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 .　|　　（__人__）　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　　｀⌒ ´　　|　　　　　（荷物を抱えた状態で30キロ走るのは流石に辛いだろ
　　　　　　　　　　　 .　　　　 .　 | 　u　　　　 |　　　　　（ある程度走って、十分距離を取ったら歩くか）
　　　　　　　　　　　　　　　　.　ヽ　　　　u　/
　　　　　　　　　　　.　　　　　　　ヽ　　　　/ _,,_ii
　　　　　　　　　　　　　　　 ,,i-=''"|ﾍ. ┴-/::|::::ヽ:::"''=- i,
　　　　　　　　　　　　　　／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、
　　　　　　　　　　　.　　i／ﾍ"　ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/　　　ﾞヾノヽ
　　　　　　　　　　　　 /（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ,,.::''"ヽi、　　をノ
　　　　　　　　　　　　（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
　　　　　　　　　　　　　^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::）
　　　　　　　　　　　　　　　（::::ヽへ、: : : i　　　 i/　ﾞ''ヽ,/
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ" 　|　ﾞ''' -ｒ|　　　 |　　　 !ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　"''ヾ!| 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 i|　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　/|　, il　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|,ﾚ'"~ﾞ'ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヽ:.......:|（"::::::::y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i::::::::::| i:::::::;r'
　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　i:::::::::| ﾞ''=i'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::::::::|
　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　i::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ=-〈iiiii i i , , ,
　　　　　　　　　　　　　　　　i i iiilll|||（ __,ノ|||||lllllliiiiiii i i i , , ,

247 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:57:51 ID:YFDROCQU

------------=================ニニニニニ三三三三三ニニニニニニ=================------------

　　　　　　---------==============ニニニニニ三三三ニニニニニ==============---------

　　　　　　　　　　　　　　　　-----========ニニニニ三ニニニニ========-----
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　----====ニニニ====----
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ---===---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-

┌──────────┐
│彼は二時間ほど走った │
└──────────┘

┌───────────────────────┐
│彼は足がガクガクになり、コレ以上は体を壊すと　　　 │
│判断すると、背中の子供に歩けるかどうかを確認した　 │
└───────────────────────┘

　　　　　　　　　／￣￣ヽ
　　　　　　　　 /　　_ノ:::::::ヽ＼
　　　　　　　　l 　（ ○）（○）l
　　　　　　 l　li|il::（__人__）::i
　　　　　　 l　:::::u / 　 /:::::i　　　「君、歩くくらいならできる？」
　　　　　　　 i 　　｀⌒´ 　 }
　　　　　／⌒ヽ　　　　　ノ
　　　　／　　　＼ー‐　/ ｀i
　　　　／　　　　, ⌒ヽヽ　/　/
　　　ｒ´　　　／　　　　＼ヽ /
　　 {　　　　< ：　　　　 (__ﾉﾉ
　 .；i 　/＼　ヽ；　　　　 | |
　；/　/；　＼　i ：.　　　　| |
　 (＿ )　　　(＿ヽ.　　　 | |

248 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:58:02 ID:YFDROCQU

　　　　　　　/　　　　　}／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`'く　　　∧
　　　　　／|　　　　 /: : : : : : : : : : : :∧ : : : : : : : : : : ∨／＼'
.　　　　 / :: |,　　　 /: : : : : : : : : :∧/:::ﾊ: : : : : : : : : : : 〈　　　丶
　　　　/::::::人　　 / : / : : : : : : :/^ﾞ´｀＾^l: : : : :|: : : : : : : 　　　　ﾊ　　　　　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
.　　　,:::::::/::／⌒７: : : : : : : : : : : 　　　 |: |.: : :|: : : : : : : i＿_,／:::'.　　　　　 |　「嗚呼、うん、無理っぽいね……」
　　　:::::::::::/　　　' : : :ｉ: : : |: : : :│ノ'　　｀|ー: :‐|-: /: : : : |: : : : : :::::　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_乂_
　　　|:::::::〈__＿__,|:.:i : |: : : ｉ: : /ｉ｢:　　　　|/|: :_厶ｨ:| : : :.:人: : : : :::::|
　　　|::::::: : : :く__ﾘ: j : l: :/イ_厶斗ト　　　　 |爪::::::トﾐ: : :'::::::::.: : : :::::|
　　　|::::::: : : : : 厶ｲ:: :| 八ﾙ仟 :::::i　　　　乂__ﾉｌ〃i:/ヽ:: : : : :::::|
　　　|::::::: : : : : : ::::::::::仏. 《　乂__ﾉ　　 ..::::　　　一　　〈　ﾘ::: : : :::::|
　　　|::::::: : : : : : : ::::Ⅵ　｀ヽ　　 -‐　　　'　　　　　　　厶イ::: : : : :::::|
　　　|::::: ｉ : : : : : : : :::い,〈_ハu　　　　 , -‐ ､　　　 /:::::::ｉ:::: : : : :::::|
　　　|::::: | : : : : : : : : :∨ゝ _人　　　　　u一'´　　　ｲ::::::::::::::: : : : :::::|
　　　|::::八.: : : : : : : : : :〈⌒'ｰ会: ._　　　　　　　イﾍ|::::::: ﾘ ::: : : : :::::|
　　　l /::::::丶 : : : : : : : : ＼　　∨/ ≧=- 　´Ⅳ＼`ー‐=ミ: : : : :::::|　　　　 ┌────────────────────────┐
　　 ;::::::::::::::: ＼ : : : : : : : : ＼　《　　　　/Ｙﾍ＼_｝　　　　ヽ: : :::::|　　　　 │子供に無茶をさせるわけにもいかない　　　　　　　　　　 │
　　,':::::::::::::::::: /｀彡ミ : : : : : : ＼ノﾍ　／〈⌒^}＼ﾉ＼　　　 _〉: : :::|　　　　 │彼はしぶしぶ背中に子供を載せつつ町まで歩いて帰った │
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249 名前： ◆YLd69HC/To[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 22:59:28 ID:YFDROCQU
投下終了

来週は土日もお仕事なので投下なしになると思います

平日に頑張ってちょこちょこ書き溜めるしかねぇ……！

250 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 23:05:38 ID:ne/3HJ/k
乙
ハードな状況のはずだが凛のアヘ顔で笑うｗ

251 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 23:19:13 ID:3KQObVLM
乙でしたー

一人とはいえよく助けた。ない夫はクズなんかじゃないな。

252 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 23:24:38 ID:pvJM3eGU
乙
実にヘビィな状況ですね（物理的にも）

253 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 23:26:15 ID:CIA8V1N6
乙

>>適当な葉っぱで拭いたらケツがかゆぃぃぃぃぃ！？
それですんで幸運だったな。世の中には誤って毒草でケツを拭いてしまいあまりの苦しみに自殺したという話がある

254 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 23:28:54 ID:F7TzxwIs
乙
無駄死にするだけと割り切れる判断力があり、可能かもと見るやいなや咄嗟に助ける決断力もある
これはロリ痴女にさらに過大評価されるで

255 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 23:33:52 ID:fFvajoxQ
4人は助からないが正直な所どうしようもないわなあ
そもそもこれ多分もう3桁レベルで被害いってんじゃねえの

256 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/26(日) 23:59:42 ID:8RGQwhqA
乙乙
シリアスなのに笑ってしまうｗ

257 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/27(月) 00:18:48 ID:/bG1jFn6
お疲れ様です
一人だけ助けるって残酷だけど合理的だよね

258 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/27(月) 00:46:02 ID:gfSBpfIE
蟻がどの程度の数いるか分からないが、村の１つや２つ滅びててもおかしくないな

259 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/27(月) 09:14:56 ID:dRerai7g
チートできないと言うが充分にチートレベルの活動な気がするｗ

260 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/27(月) 11:33:00 ID:o2TRNib2
6時間も子供背負って走り続けたら俺は多分死ぬと思う。駅伝とか無理無理無理

261 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/27(月) 15:04:22 ID:FnsW./Vs
乙でした。
「助けられないよ…」　→　子供の目を見てしまう　→　からだが勝手に動いてしまった！
結局何故か助かる黄金パターンｗこれはｗｗｗいいテンプレｗ
お次は　助けた子どもが貴族のおてんば娘だったんだよ！当たりかな。

262 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/27(月) 17:46:19 ID:f.tmM4Pc
助けた子供が孤児でも食べ物を舐めて吐いてもらう仕事を与えられるね

263 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/27(月) 17:50:17 ID:E.qF.Qfs
やってることは完全にかけだし勇者だね
ロリ凛はやらない夫専属コックかな（ゲス顔

264 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/27(月) 21:04:23 ID:n6zQevqw
>>260
つっても理由が理由だから意外と限界だと思ってるところを超えられるかもしれない

ただし一週間は寝込む

269 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/27(月) 22:17:46 ID:gfSBpfIE
生存者救出って、情報入手という本来の任務から考えても最上の成果だよな

273 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/28(火) 00:15:19 ID:hS4RIqso
まぁやらない夫の体力とかは既に今まででも十分に"おかしい"事しでかしてるしな
特に鎧殺し退治の時とか、あの空腹+疲労状態で更にあんな長時間重労働なんて普通に不可能だしｗ

275 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/28(火) 10:02:30 ID:h/glHBqs
でも助けられなかった子供もいるから自慢もできないし後悔にまみれそうだわ

276 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/28(火) 10:25:54 ID:.QoXUMKY
乙
かっこいいなやらない夫

277 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/28(火) 14:40:14 ID:wB5i5p8g
陸自の徒歩行軍基準が時速４ｋｍだったような記憶が

278 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/28(火) 16:46:16 ID:6At.zM1I
筋肉の力だよ、何もおかしい事は無い

280 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/28(火) 20:14:13 ID:FdeCERFY
ない夫的には幼女を抱きかかえられて満足なはず

281 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[] 投稿日：2014/10/28(火) 20:56:12 ID:6syNmPIA
それにしてもやらない夫ムチャクチャ体力あるなぁ。
20kgの子供を背負って5kmも走るなんて、ちょっと尋常じゃないぞ。

282 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/28(火) 21:08:47 ID:.KaZnPgE
死に直面すればムチャでもクチャでもやらんとあかんですからな

285 名前：小さな名無しさん＠この板は300レスまで[sage] 投稿日：2014/10/29(水) 02:11:43 ID:a5ug6oIE
火事場の馬鹿力やな

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No title

３人は死ぬ、だが１人は助かるんだ
「できるか出来ないかじゃねぇ、やるんだよ！」みたいな、いわゆる主人公タイプよりも好感持てる主人公だわ

2014-11-07 07:34 |
　
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No title

助かることを諦めずあがき続けたロ凛だけが助かったか

2014-11-07 07:41 |
名無しさん
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No title

しかし便利なのは判るがロ凛のあの顔はどうにかならんかったのかｗ
乙女の尊厳がｗ

2014-11-07 15:47 |
名無しのやる夫好
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No title

20kgの荷物持って5km全力疾走って・・・ありえねーよ
自衛隊員でも無理だろ
なんらかの影響をやらない夫が受けていると考えたほうがいいかな？

2014-11-10 22:12 |
名無しのやる夫好
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No title

本スレで>>1自身から「やらない夫の体力は異常」って明言があったよ
どうも「職場では無能だった」と言う触れ込みの元の職業が関係してるっぽい…？

2014-11-11 10:51 |
　
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No title

フル装備で３日で雪山の道のない所を２００km歩く雪合戦のレジャー業とかじゃないかな

攫われたときの情報も判るとか、情報収集としてはクリティカルだな

2014-11-24 00:18 |
　
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No title

やらない夫の前職ってS川だったんじゃないかな…

2014-11-24 08:27 |
名無しのやる夫好
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No title

S川の集配センターで働いていた可能性が・・・！？
俺はS川じゃなかったけど、元自衛隊員の社員に聞いたら自衛隊の方が楽だったって言われた

2014-11-24 23:08 |
名無しのやる夫好
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