さぁ、始まるザマスよー

というわけで、第7幕　「内憂外患」をお送りします。


【解説】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-､
　　　　　　　　　　,λ￣゛`ー‐--.|　 ヽ-‐─--.､_
　　　　　　　　　 //　　　　　 　 .;|　　 . :ｉ::.　　　　｀ヽ、
　 　 　 　 　 　 //　　　ﾉ　　/　.:|　　 : .:|:: :､　　　 ､. ｀ヽ、
　　　　　　　 ／´　　::/　 :.:/　:;ﾒ{　　 : .:|.:|､ ＼　　:.ヽ､} ﾊ
　　　　　　 /　 ／　::/　: :/　:./| ∨　 .: :|.:| ∨ .|　　 :.:｀ヽ.|　　　　みなさん、こんばんは
　 　 　 　 /　/　: : :/　: :/ ,ィ⌒|　∨　: .:|:|　 V⌒ヽ : :. ､ ﾍ、
　　　　　/　/| : : : /　: : ｊ ::/ 　 |　 ∨ｉ　.:|ｊ 　 ヽﾄ､ 　:.: : |:　ﾍ　　　さて、アメリカで勃発した独立戦争への参加を決意したフランス。
　　　　 〈　:| | : : ::|　: : :/|/　___ ! 　 ﾘヽ､.:|　___ 　 〉　: :.: ﾄ､:　〉
　　　　　ヽ,| |: : : :|　 : :;ﾊ　,.ｨ'≠ﾐ　 }冖{ `,.ｨ≠ﾐ､ } : : :. / ｉ ﾚ'　　　当初は資金的な援助にとどまりましたが、アメリカ側優勢の情勢を見て
　 　 　 　 　 |: : : :ヽ､::{:.:ﾊ.　　　 　 ﾉ ,　､　　　　 ｊ: : : :/:　|
　　　　　　　 | : :{ヽ､::|': ::.::j｀ ‐-‐ ´　＿_ ｀‐-‐ ´,|: : :/ｉ:　 |　　　　戦争そのものへの参加を表明します。
　　　　　　　 ｀ヽ|　 |｀: |:::::|｀l.､　　　 V_,ﾉ　 　 ／ｊ;／　|　 ｉ|
　　　　　　　　　 　 | ｊ: |: :::} .|､:｀＞‐ｧ--t‐＜´ｊ::|: : :　 |　 |:|　　　　その後の様子はどうでしょうか。すこし、宮廷を見てみましょう。
　　　　　　　　　 　 ﾘ : |::;ﾉ ,ﾆュ､　|´　　 `}　｀|::|: : :　ﾉ.　 λ


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |　　　うーん、本当にこれでよかったのかお。
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　収入の半分以上が借金の返済に消えるなんて
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／　　　　どう考えても、異常だお


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.　 -――-　.._
　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿　　　　　　　ｒ''´_,. -=ミ､__　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　,. -'"´　　　　　　｀¨ー ､　_／´￣＿ .Y- 　｀ヾ､　 　　ﾍ
　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　 _y' r-'´￣::::::::｀ヽ､　 >ﾄ　＼　　 ﾊ
　　　　 ,,.-'"　　 　　　　　　　,,.-'"｀　Y／::::;:::'::::::::::::::::::::::::`ヾ､　　　}､　　ヽ
　　　/　　　 　 　　､＿_,,.-='"　　　　/:::::;::':::::::_,..イ´l:ﾄ､::::::::';::::＼ -Kﾍl　　 ＼　　　どうしたんですぅ、陛下。
　　　i へ＿__, j　　　" γ⌒ヽ 　　 /::::::,ｒ''"´'　　　 ﾘ　ﾍ:::::::'､:::::::ﾍ　　 |　　　 ヾ
　　 ./　γ⌒ヽ　　　　 弋__　ﾉ　　 i:::::/_￣ヽ　　　 '′　 |:::::::i::::::::::|　　 !　　　／　　　不細工な顔をさらにゆがめて。
　　/　　弋__ ﾉ　　　　　　　ヽ////,|:::;' ' ヾ　　　 '-､　　　!:::::::}::::::::::| 　 /　 ,ｲ
　 //////.，　　人　　　　 ノ　　　 ヽ{ ""　　　　 __ ＼　ﾘ::::/::::::./_,／ヽ／::ヽ　　　　　
　,'　　　　 '､,_,,ノ　 `─-‐'ヽ　　　　　ﾍ　′　　 ´ `ヾ　ｿ:::/::::.／人:::::::::::::::::::::}
　i　　　　　　｀､　 _y──‐{　　　　　　ヽ　ｒ ､_　　"",／イ:::／'"´:::::::ヽ::::::::::::::::＼　　　不細工は余計だお、マリー
　 ' ,　　　　　　ｉ_/　 / ＿ 人　　　　　　 ＼`´ 　_にﾍ_ｒ‐＜_:::::_:::::::::::::::＼:::::::::::::::ﾍ
　　 ＼　　　　　　￣￣　　　　　　　　　　　 ンに/´￣: : : ´ヽ7<:::::::::::::::::::‘､::::::::::::ﾊ
　　　　’､　　　　　　　　　　　　　　 　 　 r"j~´: : : : : : : : : : : ﾄ､ゝ::::::::::::::::::::::j:::::::::::::i

　　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　　 　 ＼
.　　 　／　　　　　　　＼
.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼　　　実は独立戦争に参戦したせいで、財政がとんでもないことになってるお。
　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|
.　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　 ／　　　どうしたものかと思ってたところだお。
.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ


　　 　　 ／ .,※,...-―:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::ｰ-.､　 ＼
　　 　／　 /,.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:＼※ヽ
　　　 ＼ ／:.:.:.::/:.:.:.::.:.:.:.:.:.:!:.!:.:.:.:.:.＼::.:.:.:..:ヽ　',
　　　　 /:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:../.;ｲ.:ﾄ､.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:ヽ
　　　　,':.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.,:ｲ:/ ;:/　ヽ.:..:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.'※.
　　　　!:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:／.// //　　 ＼:.:.:.:.|:.:.:.:..:.:i
　　 　 |:.!:.:.:.:.:.|;∠..－'" 〃゛` ―--＼:.!:.:..:.:.::,' }　　　ふーん、難しいことはわからないですぅ。
　　　　!ﾊ:.:.:.:.:.!　　 _,,　 /　　 ､_　　　 /:.:.:./:/∧
　　　　i! ＼:.:.:＼`＝''"　　 　`ー＝''ｲ/:.ｨ／/:.:.　　　　でも、細かい金勘定はネッケルに任せておけばいいし
　　　　 　　}ヾ､_＼　　　'　　　　　 ／／´　/:.:.:.
　　　　　　 ﾄ､※,.＞-―…―--＜7´※　/:.:.:.:.　　　　お金がなければ、税金を増やせば解決ですぅ。
　　　　　　 !:.r(´.._'' ¨´￣￣｀¨r-┴ ､　 /ユｭ_:.:.
　　　　 　 /:.{ 〉ーｭ__...::::::::::.r―_`ヽ〈　/／　{ｊ:.:.　　　それより、プチトリアノンにいってくるですよ。
.　　　　　/:.:/{Y´,.-<:::::::::::::::`ー､`　ﾉｭ!_ｊ⌒ｰﾘ:.:.
　　　　 /:.:.:!　>｀ ー'､..＿＿＞-､_.ﾉｽ　 ,'　　|:.:.
　　 　 /:.:.:.|　{~`＾ｰｾ┘!｝{} !㍉x-イ　} ,'　　｜:.

※プチトリアノン…後ほど解説しますが、マリーアントワネット専用の別荘みたいなもんです。

　　 　 　　 ＿＿＿_
　　　　　／　　　　　＼
　　　 ／　　─　 　 ─＼
　　／ 　　 （●）　（●）　＼　　　　（それが出来れば苦労はしないけど
　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　　＼　　　　 　　　|＼ 　／ ／|　　　いっても無駄だから、黙ってるお）
　　／　　　　　/⌒ﾉ　 ＼／ （ ）
　　|　　　　 　/　/ |　　 　　　　|　　　あぁ、いってらっしゃい

【解説】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-､
　　　　　　　　　　　　 　 /'´￣`ー-/　 ｀ヽ-‐─-.､__
　　　　　　　 　 　 　 ,ノ´　　　　　,/　　　　ｉ:　　 　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　／　　　　 　 / :| 　 　 　 |:: 　 ､　　 ､　 ﾍ
　　　　　　　　 ／　　　::　　　/　 ;|､　　 :　 |:|､ 　|::　　 ヽ､. ﾍ
　　 　 　 　 ／　　　 : :　 　 /　 / |∨　: :　|:| ∨.|:::　　　 ｀ヽ.ﾊ
　 　 　 　 /　／　 : : :;　　　| ,ィ⌒ | ∨ : : |:|　⌒|ヽ　 　 ､　 ﾊ.}
　　　　　/　,ｲ　/ : ::/　 　 ,|　/ __､|　∨ : :|ｊ　,_ﾚ'ヽ、　　 |:　　||　　　名門ハプスブルグ家に生まれ、何不自由なく育ったマリーは
　　　　 〈　/ | :ｊ: : ::ｉ　 　 / |/,ｨﾁ心､　ヽ､::| ,ｨﾁ心､∨　　|::　 }|
　　　　　ヽ|　| :|: : ::| 　 ∧ ,ｲ ﾄ-':;;:}｀ }冖{`　ﾄ-':;;:}ヽ∨　 }::: ,/|　　　民衆が王家や貴族の生活を支えることは当然と思い
　　　　 　 　 ヽ| : :::ヽ､ {:::ﾊ.`､V:t;;ﾘ ,ﾉ　　､　V:t;;ﾘ ,,'∧　/ｊ;ノ |
　　　　　 　 　 ∨: ::|::|::`::.:::j｀ ｰ-‐'"　__'__ ｀ｰ-‐"´ {::::ｊ,/::|:　 |　　　そこに何の疑問も抱いてはいませんでした。
　　　　　　　　　｀ヽ:|| |:::::::|｀l:.､　　　 V　 ,ﾉ　　　 ,.ｲ|:::´::: |:::　|
　　　　　　　　　 　 |ｊ: |: ::,:ｊ .|:::_;;＞‐-,｀ﾆ´ｒ-‐＜´::|:|::: : : |:::　|　　　彼女はその生涯において、ついに民衆というものを
　　　　　　　　　 　 ﾘ: |::::;ﾉ ,ﾆュ､　 | ´ 　 ` }　　 ヽ|ｊ:: :　 ｊ::　 |
　　　　　　　　　　 ,ﾉ:,ィ´{　 -‐y 〕　|,-─‐-ｊ　　　 ﾉ:: 　 /::::　{　　　　理解できなかったのかもしれません。
　　　　　　　　　 / ::ｆ　｀ｒヽ､_＿_,ｊ;＞､　　 /　 ／/´:　 /}::::　 |
　　　　 　 　 　 / ::::| 　 },ミ三三三彡}.　 / ／／ｊ; 　 /　|::::　 |


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾞ ￣￣ ｀ヽ|: : :＼ー-　､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : '´ : : : : : /: :ｌ : : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ : : : : : ／: :/: :/: : : : : :/|: : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ : : : : : : /: : _/:_:/ !: : : : /　|: | : : : : : : : : ',
　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : : /: :'´/|: /　|: : : : |　 l:丁`ヽ: : :ヽ: : :i
　　　　　　　　　　　　 /: ／/: : : : ,': : : / .|/　 :ｌ: : : : |　 ヽ|: : : : : : :.∨ |　　　ちなみにプチトリアノンというのは、ルイ16世から
　 　 　 　 　 　 　 　 /／　,' : : : : ｉ: : :/ ,ｨ≠k　',: : : :.|　z=kVヽ: : : : : ∨
　　　　　　　 　 　 　 　 　 | : : : : :|: ://代 ﾉﾊ　 ヽ:..:::| f..う㍉ハ: : : : : :l　　　　マリーアントワネットに贈られた別荘です。
　　　　　　　 　 |￣￣￣￣￣￣￣|小 {i ::::::j}　}　∨:| {i:::::::ﾊヾ|: : :|:: :│
　　　　　　　 　 |　 ━━━━━　 l{ﾊ　V廴ｿ　f==fヾ Vﾋ　ｿ　j: :.∧:: :|　　　　　彼女はそこを自分好みに飾り立て、お気に入りの
　　　　　　　 　 | 　　Wikipedia.　　|ﾍ}、 _ ＿ ノ '　ヽ、　｀¨　ノ| :/小: :|
.　　　　 　 　 ／＾) ～～∴～～　 |: :ゝ _ ::.:.　　こﾌ　 ￣.:.:::/ :|/: : | ∨　　　　貴族たちだけを出入りさせました。
　　　　　　　{／ ス　　　　　　　 　 |: :.|: :.|＞　,　 __　 　 ＜/: : :|: :.│
　　　　　 　 {／ _ノ　　　　 　 　 　 |: :.|少' 　 r|　　 Ⅳ＼ /: : : :ｌ: :.│　　　　　　除け者にされた貴族たちは王妃への反感を
　　　　　 　 ヽ'´_ﾌ 　 　 　 　 　 　 |: :.|　　　 |＿ 　 |　　ノ: : : :/ : :│
　　　　　　　　V|　 　 　 　 　 　 　 |: :.|　 　　|　　｀７　/: : : : /: : : : l　　　　　　募らせていきます。
　　 　 　 　 　 ﾄ|　 　 　 　 　 　 　 |: :ﾍ.　 　 |　　,/　/: : : : / ＼: : : l
　　 　 　 　 　 {.Ｌ.rー‐､(こ'ー-､__.｣: : :}ヽ 　 |　 /　 ｛ : : : /　／｝: : :ヽ

　　　　　　　　　＿＿／∠ィT丁￣￣トミ､ゝ、ヽ⊥__ヽ、
　　　　　　　　 ﾉ-ヲ/:.:/:.:.:ハ:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ヽヽｉ:.:.:F{⌒￣{
　　　　　　　　 ン ./:.:.i:.:.:.:!:.:.i:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:ヽ:.!:.:.:l. ＼＞′
　 　 　 　 　 ,i个.､{:.:.:.!:.:i:.:!:.:.ﾄ､:.:ﾄ､:.:.:.:.:.:.!:.:.ﾉ:.i:.:.:.:l　　>ゝ、
　 　 　 　 ／ ///:.!:.:.i:.:.:!{:ト_ト､!:ｌ　ヽ:.:.:.イ!｣:/!:.:.:├斥、ﾊ!
　　　　　　￣V/:.くl:.:.:i:.:.ﾚ彳Tヽ｀ヽ　 ｀xi斥 トｌ:.:.:.:ﾚ:.:ヽヽ　　　ま、財政の一時的な悪化は想定の範囲内でしょ。
　　　　　　　　}:.:.:.:.l:.:.:ヽ:ﾄ､ゝン　　　　　ゝン ,l:.:.:.:.!:.:.:.:.V!
　　　　　　　　l:.!:.:.:.':;:.:.:.:.＼　　　　 ,　　　　 /:.:.:.:.:i:.:./:.ﾊ!　　　 問題は独立戦争がどの程度まで、長引くかよね
　　　　　　　　l:ﾊ:.:.:.:.:.:;:.:.:.:.:.ヽ 　ｰ‐_－ 　／!:.:.:.:.:.,':./l/l/
　　　　　　　　ヽ ヽ:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:｀ヽ、___　ｨ!｀V/!:.:.:/:｢ / ´
　　　　　　　　　ヽ ＼ハヾヽ、:.:.:.:.ヽ、__′メ/:.,.ｲLl ´
　　　　　　　　　　 ／--i:{_　 ｀⌒ヽ{ｒ‐┐.／イ　ｉ!　l
　　 　 　 　 　 　 /__￣｀＼＼／￣/　├､_／!:.:.:!!Y

　　　　　　　　　【モールパ・ルイ16世のアドバイザー】

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　そうだお、あまり長引くと
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　こっちの財政がもたないお。
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　ただ、あまり早く終わっても困るお
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 -―――-
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ : ／ ／￣￣｀ヽ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　 　 　 / : :_/. :/´「￣￣、｀ヽ､　ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /.:／ !: :/_/ｌ: ! : : ､:ヽ : : :V ∧
　　　　　　　 　 　 　 　 i::〈_人!: :l∧＼ヽ: : :i : i : _: ﾄ､: i
.　　　　　　　　 　 　 　 l:://l/ !:::lf千 ﾐ､ヽ＼!≦´V lく: :l　　　早く終わっちゃうと、どちらが勝つにせよ
　　　　　　　　　　　　　lく/〈/´!::ｌ　ゞ-'　　　弋冫j/ｌ ｌ〉 !
　　　　　　　　　　　　　l ::!:::ヽ､!::l　　　､＿′ 　 /:∧!: :!　　　イギリス本国へのダメージは微少になるわよね
　　　　　　　 　 　 　 　 !::l:::::::::∧ﾄ､　　 ー ′／:/.:/ ﾊj
.　　　　　　　 　 　 　 　 Vヽ、:::::lヽ、丶､_　ィ/.::/.:/j/
　　　　（＼＿　　　　　　　＿>､:::!､|ヽ 　 ト､/イ／
　　　　　＞　_｀ヽ__　　　/ヽ 　 ヽ! ＼　　＿ヽ￣ ヽ＿
　　rf壬‐＿´__ノ Ｖヽ　/　∧ 　 　 　 ヽ´＿_｀ヽ 　 ト､ヽ
　　　　 　 〈＼　 ﾉ　ト､!//　丶 　　　 　 、＿_｀i 　 l　　}
　　　　　　/ヽ￣　 ノ　∨　　　 ､　　　　 ｌ　　　! 　 !/　ヽ

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　　　　＼　ｷﾘｯ
　　　　　 ／　　 ＼ ,　, ／＼
　　　　／　 　 （●）　 （●） ＼　　　　それも、理由の一つだお。
　　 　 |　　 　 　 （__人__）　　　|
　 　 　 ＼　 　 　 ` ⌒ ´　　,／　　　　ただ勝敗に関していえば、やる夫は
.　　　 　 /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
　　　 　 |　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃　　　独立軍の勝利を確信してるお。
　　　　　| 　 　 　 　 　 　｀l￣
.　　　 　 |　　　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐―-　 ―-　､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　／:.／´ 二二_｀＼｀::.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　 　 　 /:.:./.ﾔ丁:.:.:.:.:. ｀＼ﾍ:.ヽ:.:ヽ:.:.:.:.:.
　 　 　 　 　 　 　 　 /:/:/:.:{:.:.l:.:.:.:.:ヽ:.＼:.:.:l:.:..ﾏ¨}＼:.:.:.',　　　あら、いつになく自信ありげね。
　　　　　　　　　　　/７:.:l:.:∧:.ﾄ:.:.ヽ:.:.}:.:.:ﾊ_.l:.:.:.:Yヽ_/:.:.:.:!
　　　　　　　　　　 ,'ヽl :.:i:.!＼ヽ ＼∧＞jム|:.:.:.:.!=く:.:.:.:.:.l　　　　そこまで断言する根拠は何なの？
　　　　 　 　 　 　 i:.ijﾊ:.:ハﾍ処ﾐ 丶` ｲf::圷 |:.:.:.:.|｀ヽヽ:.:|
　　　　 　 　 　 　 |:.| ｌ !:.:.:ﾊ ゞ'　　　　`ｰ'　ｌ:.:.:.:.|_ノlヽ〉 :|
　　　　 　 　 　 　 |:.Ljﾍ ..:八　'_　 　 　 　 ,':.:.:.:.:l:.}_j :.:.:.:.l
　　　　 　 　 　 　 ｌ:.!ヽ:ヽ .:.: ＼ ｀　　 　 ./ .: /:/:.:.:ﾉ:l:.:.:l:l
　　　　　　　 　 　 ヾ　丶＼ヾ:.个ｰ-イ´/／/ｲ:.:.:/:.:〃:.:ﾘ
　　 　 　 　 　 　 , -‐ｧ'　ヽ_>∨ﾍ:〃^ヽ´ ノ{:.:ﾚ'/｀Ｘ／/
　　　　　　　　　/ ﾑ_{　　/l //　rく　 -／　 V　zﾆ二＼

　　　　　　　　　　　　 (ヽ三/)　））
　　　　　　　　　＿＿　 ( i)))
　　　　 　　　／⌒　　⌒＼　＼　　　　よくぞ、聞いてくれたお。
　　　　　　／（ ●） 　（●）＼ ）
　　　　.／:::::: ⌒（__人__）⌒::::＼　　　まず、第一に指揮系統。イギリスは重要な指令は
　　　　| 　 　(⌒)|r┬-|　　　　　|
　　　 ,┌､-､!.~〈`ー´/　　　 ＿/　　　本国から送ってるお。本国からの指令がアメリカに届くまで
　　　 | |　|　|　 __ヽ、　　 　/
　　　 ﾚレ'､ﾉ‐´　　￣〉　　|　　　　　　軽く見積もっても、最低1ヶ月。戦争という緊急時にこのタイムラグは致命的だお
　　　　｀ｰ---‐一'￣

　　　　　　　　/:::::::::/::/,r'´::, -''二ﾆ＞-､`.､
　　　　　　　 /::::::::/::／:/:/　/´::::::::::::::::::::｀`＼
　 　 　 　 　 !:::::::::i:/:.::/:.:i　/l:::::::::::::::::＼'.＼...:ﾍ
　　　　　　　|:!::::::::i::::.:i:::.:| /:::!:.::::::ヽ:..´ _.＼´ﾍ::::!ﾍ
　　 　 　 　 |i:::::::::l::::::l::::::|'::::::k:..-.´:ヽ:::::::::::::l::.:i::::!､!
.　 　 　 　　|:!::|::::|:::;r!::::::|::::l:::|ヽヽ､:::ヽ:::::::::::!､::l::::!ﾘ
　　　　 　 〆!:l::::／ /!::::|::::::i:::!　ﾍ:､ヽ::ヾ ､':::! i:!:::! |
　　　　　　　 i::!::ヽ〃 !::::l:::::l !:i＿__,,...　`ﾞ ｲ仆|!::ｲ　　　なるほどね、確かにそれは致命的ね。
　　　　　　　 |:|!::::l7ri |:::::l､:::! `､_,,,_　　 　 !l:ﾉ !;ｲ|
　　 　 　 　 　i! !::l:i/l l:::::::!`､! ,彳::::} 　 　　ﾞ´ '!:::!　　　　というか、イギリス頭悪すぎでしょ。
　　　　　　　　!　`!k:l |!::::::ﾍ_`ヽ弋ｿ　　　､　 ﾉ::::!
　　　　　　　　　 /!!j_ !.!::::::::`!｀i｀ ﾞ´　 　 _　 /::/l　　　　　それだけ、植民地をみくびってるのかしら　
　　　　　　　　　　_/　 f:ﾄ､::::`､ ＼　　　´ ./ !;'-､
　　　　　　　　r＜-､　　!､_‐､::::! 　 ﾍ､__,,/　i! /　>　　　　第一ということは、ほかにも理由があるの？
　　　　　　　/r- ､＼＼　　 t､k:!__　 | |　　　l i　/ `,
　　　　 　 　!'　　　＼ヽヽ.　 V‐-､_Y､.!　 　,! ! /　　'!

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　 ／　　　　 ＼
　　　　／　　 ⌒　　⌒＼
　　 ／　　 （ ⌒） 　（⌒）＼　　　もちのロンだお。
　　 i 　::::::⌒ （__人__） ⌒:: i
　　　ヽ、　　　 `ー '　　 ／　　　　第二は拠点数。ヨーロッパなら、首都を攻め落とせば
　　　 　/　　　　　┌─┐
　　　 　i　　 丶　ヽ{ .茶 }ヽ　　　　勝てるけど、アメリカにはそれがない。
　　　 　ｒ 　 　 ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___　　　ヽ　ヽ　　　　　極端な話、イギリスが勝つには13植民地の主要都市を全部、攻め落とし
　　　　 と_＿＿_＿ノ＿ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　かつ、占領状態を保持しないといけないお


　　　　 　 ／: :.::.:: : .:/イ´: :／´.. -―￣｀:.＝ミ:_..
　　　 　 /:.: .::.::.::..:／: :.: : /　ノ: : : : : : : : : ｀: .､‐ ｀ヽ、
　　　　 i: .::.::.::.::.:/ .: .::.: :/ .ｲ:: :. : : : : : : :＞.､　 ＼-‐ヘ.
　 　 　 |.::.::.::.::.:/:: :l.::.: : |/::.::.::..:..: : ヽ:イ＿ . :＼´: ヽ:.ヽ:ヽ
　 　 　 !::!::.!::.::ハ::.|::.|: :.|::.::|::.:斗-‐´: : ::.::.::.. : : :ヽ::斗: :.l: :!
　　　　j::.|::.}::.::|::.:斗v:: :.!::.イ::.::.ﾄ､::.:ﾄ､: :ヽ:_::.::.:..／ﾄ :l:: : ﾄ:|
　　　ノ‐ |:/::.:／ イ｜:. |::.::ﾊ::.::.l　＼:､＼: ＼７'ァミl::.|:: :l }}　　　　そして、そこまでの兵力や資金力は
　　 　 　 l::l::.:ヽﾑ/　|::.::.::.::.::.ﾄ:斗---｀孑｀　ーｲｫ::小::./l/′
　　 　 　 |::{::.::.::V７7!::.::.::l:: ´l ｀,≧zzミ　　　　 |ｭﾘ }:./::.|　　　　　さすがのイギリスも用意できないってわけか。
　　　　　 l:ハ:.}:.l/:.| |::.::.::.:ト､:.V/ﾄ-':...}　　　　　´　ｲ::.: :|
　　　　 　 |　｀j小:.| ﾄ::.::.:..:ヽ-ﾐ｀ Vﾕﾂ　　 　 ヽ　　ﾊ::j:ﾘ　　　　　　なるほどね、伊達にあんたもイギリスの議事録を
　　　　　　ヽ / |! ﾘ_ﾄﾍ:l::.:...:.ヽ｢ {　　　　　　 _, 　.ｲ::.ｲ/
　　　　　　　　 _ノ.. ..:..|:ト､::.::.:､＼｀ ｰ-､ 　 ´ '／:.|:/ﾌ:>､　　　　　読んでないわね
　　　　　 r‐＜::｀丶:..:ﾊﾄ､_＼::.:ヽ￣｀　 }┬‐.:: : :〃::/: : /､
　　　　 /´￣｀　ミヽ:＼ヽ:..:.｢ ＞:}-- ､ ﾉ｜:... : : l:::./: :./　 ヽ　　　そういえば、戦争の早期終結が困るほかの理由は？
　 　 　 !　　　　　 ＼＼:ヽ..:.Vーﾉ-- ､＼7:..: : : :|::/: :/ 　 　 !

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　 ／　　　　 ＼
　　　　／　　 ⌒　　⌒＼
　　 ／　　 （ ⌒） 　（⌒）＼　　　簡単なことだお。
　　 i 　::::::⌒ （__人__） ⌒:: i
　　　ヽ、　　　 `ー '　　 ／　　　　今言ったように、やる夫はアメリカの勝利を確信してるお。
　　　 　/　　　　　┌─┐
　　　 　i　　 丶　ヽ{ .茶 }ヽ　　　　アメリカにたっぷりと恩を売るためにも、ある程度は長引いてくれないと
　　　 　ｒ 　 　 ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___　　　ヽ　ヽ　　　　　困るんだお。アメリカには輸出取引のお得意さんになってもらうお
　　　　 と_＿＿_＿ノ＿ノ


　　　　 ,...‐.:ﾆ二'_`:..､
.　　　 /::／,,.-‐ーゝ:v＼
　　　/ｨ:iｲ´i:.:,ヾ､::`i:::∀::',
　　 /V:::i:ﾑ,ﾊぃ斗､ﾊ:::ﾄ〉:i　　　
　　 !/|::::| zｭ` 　-=v':::|i::::|
　　 |ﾄ;::::∧ 　_　,　 i:::::|:::i.|　　　　ふふ、顔に似合わず、なかなかしっかりと考えてるわね。
　　 .!ﾊ:::i::::＞ ＿／ｲ:/:::ﾘ
　　　　り|:_:／"／´ﾚヘﾉ　　　　　　皮算用にならないことを祈ってるわ
　　　　r/ /=ヌ　　 ／" `,
　　　,//　! /　　,イ,.ノ　,.|
　　 /,.4､,.ﾚ' ,.／ﾉ´　　/ﾉ
　／メi´　`'ーｧ'´　　 /´
.〈´　　' ､　　fj　 　 ,ｲ
　`ｰ-z.､,＞､＿ ,／┘

　 　　　　 　ﾉ Ｌ＿＿＿_
　　　　　　　⌒　＼　／ ＼
　　　　　　／　（○）　（○）＼
　　　　 ／　　　 （__人__）　　 ＼　　　顔、顔って、みんな二言目には顔をのことを言う。
　 　 　 |　 　 　　　|::::::|　　　　　|
　　　　 ＼ 　 　 　 l;;;;;;l　　 　／l!| !　　やる夫の顔って、そんなにひどいかお。
　　　 　／　　　　　`ｰ'　 　　＼ |i
　　　／　　　　　　　　　　ヽ !l　ヽi
　　 （　　 丶- 、　　　　　　 しＥ　|そ　　ドンッ！！
　　　　`ー､＿ﾉ 　 　 　 ∑　l､Ｅ ﾉ　<
　　　　　　　　　　　　　　　ﾚY^Ｖ^ヽｌ

　　　　 　 ／　｀　/　 /´-‐ｧｰ-ヽ ＼
.　　　 　 / ／下7　../／／.:.::/ .:.:ﾄ､ ヽ
　 　 　 / └ｲ_j/　.://;へ、／!.:.::/:.}ヽ　',
　　 　 ,'　 ///!l　.::j.:lｲ仔くヽ/,.イ,.ム:.',　l
　　　 , 　 '〈/f`| l ::l｀' ゞゾ　'´　ｒャjﾉ::.ｌ:. |
　　　 |　 l:l :!:{､| l ::|　　　 　 　 ﾏｿハ: |:: |　　　そうね、わかりやすくいうと
　　　 |　 l:ｌ::i个| l ::l! 　 　　＿ ′ } .:}:.ｌ:: l
　　　 |　 lﾊ:l::{::', ::::{､　　　　　　　/.:/::.l:: l　　王をはじめてみた、女王様がよくもショック死しなかったなぁって
　　　 l　!:|:::',::',::ヽ:::ヽ＼._　 　 ／.:/::::/l::;!
. 　 　 ',::{:{､:::ヽ＼:＼;ゝ ｀「:ﾌ´!::::/;:::/ 〃　　　思うほど、ひどいわね。紅顔の美少年だった先王の子孫とは思えないわ。
.　　 　 ヾﾊj＞''´ ヽ ﾄ､_..上くｲ::::{ {::{／
　　　　／⌒ヽ､＼　｀　＼-ｰ￣＼ヾ　　　　　　　私の言葉が理解できないなら、鏡の間にいくことね
　　　/ 　 　 ヽ ＼＼　 　 ＼´￣｀ヽ､

　　 　　　＿＿＿_
　　　　／:::::::::　 u＼
　 　／ﾉ└ ＼,三_ノ＼　 　,∩__
　／:::::⌒（ ●）三（●）＼ fつuu
　|::::::::::::::::⌒（__人__）⌒　| | 　 |　　　もうわかったお。
　＼:::::::::　　 ｀ ⌒´ 　 ,／_ | 　 |
　　 ヽ　　　 　 　　 　 i　　　　丿　　　　これ以後、顔のことに触れるのは禁止だお。
　 /(⌒)　　　　　 　　/￣￣´
　/　／　　　　　　　/　　　　　　　　　　新しい法律つくるお


新法　設立　【何人も国王の容姿について、触れるべからず】

　　　　　　　　　　　　　-‐....''...."....‐　,,
　　　　　　　　　_ ‐":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞ ､
　　　　　 　　‐:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:/:.:.:.:.:.,'／　 ／ヽ
　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:./:.:.:.:.:.:l　 ／ヽ:.ヽ:.:.ヽ
　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:lo,':.:.:.::.:.:|／:.l:.:.:.l:.:.:.',:.:',:ヽ
　　　 ,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／/l:l:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.:l:.:.l:.:.l
　　　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〈__l _.ll:.:.:.:.:.:.:|:.-/l,,:_:/l:.:./|:.:l:.l:.l
　　　.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//l:|:.:.:.:.:.:.:|:.://／ `ﾚl .l:/ﾚ.ﾘ
　　　.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..//l |:.l:.:.:.:.:.:.:ﾚ／ イﾃﾐ l./
　　　.l:.:..l:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:////‐l:.:.:.:.:.:.:|.　　 弋.l ヽ　　　　　　あら、そんな公私を混同したような法律を
　　　 l:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:〈/〈/ll l l:.:.:.:.:.:.:|.　　　　　　 ゝ
　　　.|:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.ヽ`.l:.:.:.:.:.:.:l　　　 r ‐‐´　　　　　高等法院が認めるかしら。見物ね
　　　l:.l:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.l:.:l`.l:.:.:.:.:.:.:l　　　 ヽ､:l
　 　 |:.|:.::l:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:',:|.　',:.:.:.:.l:.:l　　　　l:.l
　　 .l:.l.l:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　 ヽ:.:.:lヽ', ￣l:.:.l:.l
　　　l:l ヽ:.:|'.,:.:.|:.:.:ヽ:.:.:.:.:.ヽ::＼　ヽ::',_＼　.|:.:|ﾘ
　　　 |　 ヽl .l:.:l:.:.:./＼:.:.:.:.ヽ＼:',　.＼　"‐ V　　　
　　　　　　　 |/レ　== ` -::_:`､ヽl ＼　／￣ .ヽ.　 　 　

※高等法院…フランスの最高裁判所のようなもの。王令登記権を持ち、例え国王が作った法といえど
　　　　　　　　　高等法院の最終的な許可がなければ、その法律は効力をもてなかった。

　　 　　　＿＿＿_
　　　　／:::::::::　 u＼
　 　／ﾉ└ ＼,三_ノ＼　 　,∩__　　　ぐぬぬ、高等法院が認めようが認めまいが
　／:::::⌒（ ●）三（●）＼ fつuu
　|::::::::::::::::⌒（__人__）⌒　| | 　 |　　　この法律は合法だお。
　＼:::::::::　　 ｀ ⌒´ 　 ,／_ | 　 |
　　 ヽ　　　 　 　　 　 i　　　　丿　　　　なぜなら、余がそれを望むからだ
　 /(⌒)　　　　　 　　/￣￣´
　/　／　　　　　　　/　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　/:::/／／　　 ＿＿_　＼:.ヽ ヽ＼
　　　　　　　 r=＝f/ / '´￣ l:..　　 ＼:｀`ヽ::V＝≠┐
　　　　　 　 └ｧ'７: /::/〃l:　l: :..　　ヽ＼ヾ! 弋f＞､j
　　 　 　 　 /く　l::: l:::::!::l: l{:: .!:.::: . 　 |.:: }: }:::　V ＼＼
　　　　　　/,ｲ/〉|::: |::｀!::ﾄklヽ:{＼::::.....j;イ!:ﾘ::::　レスト､>　　こんな時だけ、専制君主ぶっても駄目よ。
　　　　 　 V'//::ﾊ::.:l:: :!,ｨﾃトﾐ＼ ＼くｨﾁfK|::::　|)ヽ｀|
　　　　　　　Y{::::八::iヽ{ ﾍz;;ﾉ　　　 ´{z;;:ﾉｲ:i::　|::　V!　　　　　あんたがどう思おうが、高等法院が認めなければ
　 　 　 　 　 |:!::::::{:ヾ!ハ　｀´　　 ..　　｀´ /::!:.:..l:: j::|:|
　 　 　 　 　 |:!::::::::ヽ::::.. 丶 　 ー_一 　 ｨ:::,':.:./〃! ﾘ　　　　　どうしようもないわ。
　 　 　 　 　 ヽヽ:八::ヽ:::::... ｀ト　__ ,ｨﾁV:〃::/{:/ノ"
　　　　　　　　丶ゝハ:::}ヽ=-､::ヽ､_′／乂:/lﾊ{″　　　　　　　それにしても、大貴族の連中も抜け目ないわね。
　　　　　　　　 　 /二リ､ ＼ _ヾ:Y⌒｢´/;:ｲ　|l 〉
　　　　　　　　 〃‐ ､ ＼＼/_ノ:/　　|┐ ∧　|l　　　　　　　　　先王の代に廃止された高等法院をちゃっかりと
　　　　　　　　 |′ 　 ＼｀//;;;;f　　 /∧＼ Ｖ/
　　　　　　　　 |／''　 　 //;;;;;;;;! 　' /　fﾍ､Yｰ､　　　　　　　　　先王の死と同時に復活させちゃうんだから。
　　　　　　　 rｲ, '´　　 〈/;;;;;;;;; ! 　 '　　　ﾄ/_シ

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／⌒　　⌒＼
　　　／（ ＞） 　（＜）＼
　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　それは大丈夫だお。高等法院はやる夫の味方だお
　 |　　　　/| | | | |　　　　　|
　 ＼　 (、`ー―'´,　　 　／
　　　　　 ￣￣￣

高等法院　【審議中】
　　　 ∧,,∧　 ∧,,∧
　∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧　　>ﾌｧﾝﾀｼｰｽﾀｰﾎﾟｰﾀﾌﾞﾙって、ｸｿｹﾞｰだな
(　´・ω)　Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )
｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　と ﾉ　>あ？　ｾｶﾞ様ﾃﾞｨｽってんじゃねーぞ
　ｕ-ｕ （l 　　 ) (　　　ﾉu-ｕ
　　　　 `ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'　　　　　>1に関しては同意。2は良作じゃね？


ﾏｰﾏｰ　∧,,∧　 ∧,,∧ｵﾏｴﾗﾔﾒ
　∧∧(´・ω・)(・ω・｀)∧∧
(´・ω・)　　Ｕ) (Ｕ　とﾉ(ω・｀ )ｹﾝｶｲｸﾅｲ
｜し　Ｕ∧∧　　　　∧∧と ﾉ
　ｕ-ｕ(　･ω･)＝つ);:)ω・｀）　　>ﾄﾘｹｾﾖ
　　　　(っ　≡つ＝つ⊂⊂)
　　　　( /∪ ﾊﾞﾊﾞﾊﾞ∪￣＼_)　　>ｸｿはｸｿだろ。どこまでいっても
　　　　　ｵﾗｵﾗ!!


審議結果【否決】
　　　　　 ∧,,∧ 　.∧,,∧
　 ∧∧(´‐ω‐｀)(´‐ω‐｀)∧∧
　(´‐ω‐).∧∧) (∧∧　(‐ω‐｀)　　満場一致で、新法を否決しますた
　｜　Ｕ (´‐ω‐｀)(´‐ω‐｀) と ﾉ
　　ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ
　　　　　　`ｕ-ｕ'　 `ｕ-u'

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　 ／　　　　 ＼
　　　　／　　一'　　｀ｰ＼
　　 ／　　 （ ○） 　（○）＼
　　 i 　　　 　 （__人__）　　 i
　　　ヽ、　　　 |r┬-|　　／　　　どうしてこうなったお
　　　 　/　　　 `ー'´　 く
　　　 　i　　 丶　ヽ　　　ヽ　　　ｶﾞｼｬ
　　　 　ｒ 　 　 ヽ、__)　(_丿　　　　　 , -っ ﾟ
　　　 　ヽ、___　　　ヽ　ヽ　　ｒ. ― ┐ ｰ ｭ '
　　　　 と_＿＿_＿ノ＿ノ 　 |　茶. |　。,　つ o
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ` ー‐┘‐- ´。

　　　　　　　　　/:::/／／　　 ＿＿_　＼:.ヽ ヽ＼
　　　　　　　 r=＝f/ / '´￣ l:..　　 ＼:｀`ヽ::V＝≠┐
　　　　　 　 └ｧ'７: /::/〃l:　l: :..　　ヽ＼ヾ! 弋f＞､j
　　 　 　 　 /く　l::: l:::::!::l: l{:: .!:.::: . 　 |.:: }: }:::　V ＼＼
　　　　　　/,ｲ/〉|::: |::｀!::ﾄklヽ:{＼::::.....j;イ!:ﾘ::::　レスト､>
　　　　 　 V'//::ﾊ::.:l:: :!,ｨﾃトﾐ＼ ＼くｨﾁfK|::::　|)ヽ｀|
　　　　　　　Y{::::八::iヽ{ ﾍz;;ﾉ　　　 ´{z;;:ﾉｲ:i::　|::　V!　　　さすがは高等法院
　 　 　 　 　 |:!::::::{:ヾ!ハ　｀´　　 ..　　｀´ /::!:.:..l:: j::|:|
　 　 　 　 　 |:!::::::::ヽ::::.. 丶 　 ー_一 　 ｨ:::,':.:./〃! ﾘ　　　期待を裏切らないわね
　 　 　 　 　 ヽヽ:八::ヽ:::::... ｀ト　__ ,ｨﾁV:〃::/{:/ノ"
　　　　　　　　丶ゝハ:::}ヽ=-､::ヽ､_′／乂:/lﾊ{″
　　　　　　　　 　 /二リ､ ＼ _ヾ:Y⌒｢´/;:ｲ　|l 〉
　　　　　　　　 〃‐ ､ ＼＼/_ノ:/　　|┐ ∧　|l
　　　　　　　　 |′ 　 ＼｀//;;;;f　　 /∧＼ Ｖ/
　　　　　　　　 |／''　 　 //;;;;;;;;! 　' /　fﾍ､Yｰ､

　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　　　　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　議事録見る限り、全然関係ない審議してるお
／ 　　‐=・=‐　‐=・= ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　あいつら、給料泥棒かお
＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／

と、国王と側近がほほえましい会話を繰り広げているその頃、プチトリアノンでは


　　/　　　　　　　　!　 　 　 　 ﾄ､; ;:i　　　　　　　＼
　 l　　　　　ｌ　　　 |　　　 ﾒ, 　 !　　|　　 ｌ　　　　　 ヽ
　 |　　|　 　 !　　　ﾄ､　　/　!　 ! 　 ｌ　　/　　　ヽ　 　!
　 ｌ　　ｌ　　　|　　　| |,.-‐ｌ'　|　 | ｀'ﾒ､ ,ｲ 　 |　　 |､ 　|
　 ヽ　 ヽ　　 ﾄ､ 　 ｌﾍ 　 !　l　/　/／　!　 /　　 ! |　 !
　　ヽ　　ヽ　　ヽ＼ ヽ,＼!　ｌ/　　　　　|　/|　　/　! /
　　　＼　　＼　 >t,≧彡　　　　 ミ三/,.ｲｌ |　 /　 /　　　はうぅ、相変わらずアントワネット様の
　　　　 ヽ　　 ｀7ｌ |ヽ〃 　　　　　　〃 } ||ﾒ／
　　　　　 } !　　{ ｌ ｌ　!　　　 ＿ ,.　　　/　 !　｀ヽ、　　　　歌声はすばらしいです
　　　　　 从__ l|ヽ　　ヽ　　｀ｰ '　_, ｲ 　 /、　　 ヽ
　　　　　　　　｀ﾄ, ＼　 ｀.!'ｰ-ｧ' ´ {´　 /-､_ヽ　　 ヽ　　お持ち帰りしたいくらいなのかな、かな
　　　　　　　　 __,. >､〉　 iヽ　ﾄ'^ヽｌ　　|--、｀｀ヽ,　 !
　　　　　　　 /-‐- 、!　　!　Y´:ヽ,.:ヽ,　ヽ,/~ヽ、 ヽ |
　　　　　　 /　　　　 |　　|　 ﾄ : : |: : :ヽ、 ヽ、　ヽ　
　　　　　　　　　　　　ポリニャック伯夫人

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ......... __
　　　　　　　　　　　　　　 ,.ィ"／,. ィ'":.:.:.:＼:.:｀丶､
　　　　　　　　　　　　　／ ／ ,:":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　 ／　./　/:.:./:.:.:.:.:.:.:.|:.:ﾄ;.:.:l:.:.:.:.:.ヽヽ
　　　　　　　　　　／　　/　/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/:.:| ',:.:ト､:.:.!:.:.ｌ:.',
　　　　　　　　　く　　　,'　 l:.:.:.:l:.:.:./:.:.://_/ .l:/ー-ヽ:.:| ',|
　　　　　　　　　　 ヽ､.」　 ｌ:.:.:.:.ｌ:.:.l_:／ﾌ '　/'　､,,,,,.ﾉ:./　′
　　　　　　 　 　 　 /:.:.{　　!:.:.:.:.Vr　　 ,,ｨ ′　 ///ｲ}　　　　　　　　　　　　　　　そんなに褒めても、何もでないですぅ。
　　　　　 　 　 　 /:.:.:.:{　　 ﾍ:.:.:.:＼=''"//　　 _　　 ﾊ!
　　　　 　 　 　 /:.:.:.:.:.{　　 ,ｲ_ヽT rr‐',　　＜ノ　 , '　}　　　　　　　　　 ,､　　　　　それより、今日は他にもゲストを招いてるですぅ。
　　　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:..{ r-,.‐-.､＞､ヽヽヽ　..＿_／ 　 }　　　　 　 　 　 //
　　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:{ </: : : : :ヽ} ヽ、　 ,ヽ,‐;.:.::{　　 }　　　　　　　　//
　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.::.:.{　{l: : : : : :.:.!{,〃ﾞYﾆ - _ュく{.　　 }　　　　　　　//
.　 　 　 , ':.:.:.:／:.:.:.:{ /:|:.: : : : : :ヾ,ヽ='ｨ､ﾆ. r.ｲYヽ　　 }　　　 　 _..rY､
　　　 , ':.:.:.／:.:.:.:.,ｲ/:.:.|:.:.',: : /: : : ＼/ !　　/　/{:ﾊ.　　}.　　 ／,_ィ_〉 〉


　　　　　 ／　　　　　　　　　　　丶､＿_. ィ
　　　　 /　　　　 /　 |　　/}.ィ　　_＿､－'′
　　　　,　　　i　　|　 ﾊ　 ,ゝ'-l ＜/ 　　＼
　　　　|　　　| ./_l_ィ　',　| ､　l　/ ｀　ー- ﾍ
　　　　| i　 VＶィ⌒ﾄ､ ヽ.|　ナ＜!　/　　､　}
　　　　l　､　l 《 {r-ﾀ　　　 ｲ才V_ノ ./　 |l .′
　　　ノ/　＼'､:::＝'　　, 　 ft' /7 ／j　 /j/　　ゲスト？誰なのかな、かな
　　　 ,　　 ,　ｌ`　 ｢￣　ｰｧ　:::ィ.ﾍ /／
.　　, ィ　 /| /ゝ､　ヽ... ／　 _ノ　 '.′
　 /　|　∧/　　 '.｀ ー ォ ´ |ﾊ　　}
　.′ |./ヽヽ`,∠＞'}三/　 //ハ　l
　}　　'、　ﾄV　 二Y　V､ヘノ　　V

　　　　　　　　　　　　　　　 __,. -――- ､、_
　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ'-'"´⌒^^⌒`丶丶、
　　　　　　　　　　　　　　〃_r冖'⌒^^⌒'ー､_｀ヾ'､
　　　　　　　　　　　　 ／{ノ　　　　　　　　 ） ヽ、ぃ
　　　　　　　　　　　 ノ　///　/ /　 ／　 /}　　i`､} ､
　　　　　　　　　　　 ＼{ l i　i,l+‐-／,ｨ/‐ﾘ-､ l |　|l　>　　　それは来てのお楽しみですぅ。
　　　　　　　　　　　　　| l |__l ィ=ミ´ノ ｨ＝ﾐ ﾉ/ , l ｲ
　　　　　　　　　　　　　从ト ﾄi､::::　 ,　　:::: ﾒ/ノ,ｲ lﾄ、　　　あ、やって来たみたいですぅ
　　　　　　　　　　　　 /　ｸ､下ゝ､ ｰ一　 彳彡ｲl l lﾄﾐ 、
　　　　　　　　　　 　 / ノ/〈｀ヽ｀`ﾆ=y=＜ノ｀l　'､ l l l ＼ヽ、
　　　　　　　　　 __／ノ / ,八､ ,'´　 /　　ヽ　入ヽヽ､l l　＼＼
　　　　　　　,　'´イン /r'´､,:'^"'-､_ {、　　_l,.,.,._　｀ﾄ､ヽ、　 ＼＼
　　　　　 ／ ／ノ ／ ゝ､ /^'t､,_　 ｀'}ー'"　　　}　 } ヽ　'ｰ､　 ＼＼


　　　／　　　　　 　,_, 　 　　　　　　　　 　 ',
　　 /　　　　　　　（ l ､　　　　　　　　　　　 ',
　　 l　　　 　　,i､/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ　 　｀ヽi　　　l
　　 l　 　 i　, ノ ﾊ( ､ ,-‐..'´｀ｿ'｀ヽ　i ﾘ　　 /
　　│　　i、l=‐':´｀"ﾞ:::::::::::::.　　: ﾉノ/､　　/
　　 | i i |/::｀ :: ::::::::,i ヽ ;::::::..　 .:: l l　 l 　 ヽ　　　お招きありがとうございます、アントワネット様
　　 l ヽゝ l:::　::: :::/ |　　｀' ､::: -'´j l' /　　　）
　　 ヽ、ヽ ｀ ､､:::/　 !､-　　　　　ゝ,l '　　　/
　　　　ﾞ''- ､ﾐ ',　　　_,　- ‐-　　　/r, ､　｀（ _
　　　　 　 _ﾉヽ＼　　　 -　　　　, '//　＼　　 ）
　　　　　　 ｀ｦ.　 ＼　　　 　 ／ // 　　　｀''‐'-,
　　　　,　=＝l ,　　l ｀　- ‐ '　　// 　　,---､ /
　 , , ' '´　　　!li　　ｌＬ. 　　, - ' 7/　　 |=000| ）
／/　　　　　　｀ﾞﾞﾞ_)|　｀' '´　　 l（　　　 ﾞｰ ' ´く
ヽ.ヽ、　　　　　　　 l　　　　　　ヽ >　　　　　　l

　　　　　　　　　　　_..........__
　　　　　　　_　-‐'´　　　　｀丶､
　　　　　 ／　　　　　　　　　　　丶､＿_. ィ
　　　　 /　　　　 /　 |　　/}.ィ　　_＿､－'′
　　　　,　　　i　　|　 ﾊ　 ,ゝ'-l ＜/ 　　＼
　　　　|　　　| ./_l_ィ　',　| ､　l　/ ｀　ー- ﾍ
　　　　| i　 VＶィ⌒ﾄ､ ヽ.|　ナ＜!　/　　､　}
　　　　l　､　l 《 {r-ﾀ　　　 ｲ才V_ノ ./　 |l .′
　　　ノ/　＼'､:::＝'　　, 　 ft' /7 ／j　 /j/　　あ、フェルセン伯
　　　 ,　　 ,　ｌ`　 ｢￣　ｰｧ　:::ィ.ﾍ /／
.　　, ィ　 /| /ゝ､　ヽ... ／　 _ノ　 '.′　　　　　とうとう、招待されたのかな
　 /　|　∧/　　 '.｀ ー ォ ´ |ﾊ　　}
　.′ |./ヽヽ`,∠＞'}三/　 //ハ　l
　}　　'、　ﾄV　 二Y　V､ヘノ　　V

　　　　　　　　／ 　 ,イ^ヽ ＿米ｿ＿ _　＼　 ＼
　　　 　 　 　 〈 　 ／´.:,.:. :.:..:::::::/!:!:::::.:.:.＼jkヽ　 ＼
　　　　　　　　 `y' .:.::::/::,.:::::::::::/::lﾉ::::::､::ヽ::ヽ. t､＿_j
　　　　　　　　 / .:.:::::/::/.:::::::::/::/:ﾄ､:::::｀,:::!::::|　!:ﾄ､ /
　　　　　 　 　 |.:/.:.:/､/.:.::::,イ:://ﾊ::ヽ:;;:ヽ|:::::!/::::.:ｲ
　　　　　 　 　 l/ﾄﾄ,!::::仁ﾆヽ'´　, -‐＜:::::::!::::|{::::::.:.|
　　　　　　　　　　〉V::i:|ヾﾄｯｿ　　´ﾄｯﾂ7::/::::/ !:::.:.::|　　　フェルセン伯、ここは私のプライヴェートルーム
　　　　　　 　 　 /,.ィ´ ﾄ､' ' '　､　 ' ' ' /::,::イ /:::::::.:.|
　 　 　 　 　 　 ,ｲ: :|　 |/ >､ _ ０_, .イ´7　 /: : ￣｀ヽ　　　　堅苦しい挨拶は抜きですぅ。
　　　　 　 　 _ノ: : :j　 j!　　 ＼ フ／ 　!　 |: : : : : : : :.＼
　　　　 ,r‐'´／: : :{ 米|　　　,ｨ介　　　| 米|: : : : : : : : : : ゝ､_
　　 　./ :.／: : : : :.i 　 |　　 //小　　　! 　 |: : : : : : : : : : : ＼:｀ヽ
　　　〈: .: :ー‐-: ､:i 　 | 　 // }｡j 〉　　! 　 |.: ､: : : : : : : : : : : ヽ: |
　　 　 ＼: : : :｀`ヽ| 米|　//　f｡,ﾘ」　 /,米|:.:〈ﾄ､: : : : : : : : : : : i:.|
　　　　　 ,ゝｭ_: : : j　　ﾄ､　 　 }｡j　　/　　 |こ〈::.＼: : : : : : : : ,ｲ/


　　　　　　　　__,r'"　　　　~ヽ.
　　　　　　_ノ~　　　　　　　　　＼
　　　　 ／　　　　　　　　 　 　 　 ヽ
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ!
　　　i　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾞi　　　　しかし、度が過ぎれば、悪い噂がたつかもしれません。
　　 ,i　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　 ./　　　　　　　 i　　　　　　　　 　 (　　　　どこで誰が見ているか、わかりませんから。
　,i　/　　　　ﾉ,ﾉノi i i　　　　　　　　　）
　! ,ヽ,　∧ﾆ'ﾚ'ｰ'　!､j､　､　　　　　　 i　　　　私は別に誰にどういわれようが構いませんが
　ヽ＼ソ,ﾉ''ﾐｪf､　　,__二ミ　　　　　　j
　　"Yヽ.ﾄ　　　）　　''ﾐｪｧ,;ﾞ）　'"　　 ）　　　　それがもとで、御身にまで火の粉が降りかかっては
　　　ﾘゞ.l　_　/　　　　　　~i　／/,＼
.　　　ﾞヽ!ﾄl ,＼ヽ　　　　　 j　!, (/iﾞ｀' ＼　　　しまいかと、それだけが心配なのです。
　　　__,j,ﾊL!ヽ.ﾞy‐'"￣ﾞヽ'"j j. ,r┴‐‐'ﾞ7i!
　 (~r'　!　ヽ.／__,r＝~ヽｲ｢｢｀^~　　(（　 !
　　!.l　　) ,f~　 ＿,,ｨ､＼,i !j! ,.へ　 　 ）/
　　| |　( /　　　　　 ヽ./,/／　/ﾞ^ヽ.__/
_,..-.! !　 i　　　-=＝ｰ/／j､,､)）　　 /)
　　 !ヽ　j　　　　　 　 ）ｰ'Y ("　　 //


　　　　　 　 　 　 　 　 ,　-=ﾆニﾆ≧ ､
　　　　　　　　　 　 ／ ´+ ※　 ※ +ヽ＼
　　　　　　　　　　// +_r冖^::丁:｢:ﾄﾐヽ､＼ヽ、
　　　 　 　 　 　 〃 ／:l:::l::j::.::l|:::|::|::.:ヽ::.＼}〈　　　フェルセン伯、あなたの心遣いがうれしいですぅ。
.　　　　　　　 　 ﾊ/::.::.:|::.|::l::.::l|:: ﾄ:ﾚく::.::､::.:lハ
　　　　　　　　　l {::.::.::.ｌ|::|::|:::/|l:::| l|ｘ=ｬ､|::.:l}::.ヽ　　やっぱりあなたは、浮ついたこの国の貴族たちとは
　　　　　　　　　| l::.l::､::Vｨ7厶ｌﾊ:j　ﾍ:::ﾉ!|ﾊﾉ|::.::.:＼　
　　　　　　　　　｀T:ﾄ､:ヽヽれ:::〉　 ,　　"ﾘl　ﾉ:_::_::_:::ヽ、　一味ちがうですぅ
.　　　　　 　 　 　 ヽ:::ヽ::＼ﾐ｀ﾞ　　<__} ,.仏 ﾄ{ r'´: :｀丶ﾐー--冖､
　　　　　 　 　 　 　 ｀ヽﾄ､｀丁≧┬r彡' _｣/ ヽ: : : : : : : :｀: : :八:_ヽ-ｭ　　

　　　/　　　　　　　　　　　　　ﾄ､r、　　　　　 ヽｪｰ '"´
　　/　　　　　　　　!　 　 　 　 ﾄ､; ;:i　　　　　　　＼
　 l　　　　　ｌ　　　 |　　　 ﾒ, 　 !　　|　　 ｌ　　　　　 ヽ
　 |　　|　 　 !　　　ﾄ､　　/　!　 ! 　 ｌ　　/　　　ヽ　 　!
　 ｌ　　ｌ　　　|　　　| |,.-‐ｌ'　|　 | ｀'ﾒ､ ,ｲ 　 |　　 |､ 　|
　 ヽ　 ヽ　　 ﾄ､ 　 ｌﾍ 　 !　l　/　/／　!　 /　　 ! |　 !　　　はうぅ、騎士道あふれる精神に
　　ヽ　　ヽ　　ヽ＼ ヽ,＼!　ｌ/　　　　　|　/|　　/　! /
　　　＼　　＼　 >t,≧彡　　　　 ミ三/,.ｲｌ |　 /　 /　　　　どこか憂いを帯びた表情、素敵なのかな
　　　　 ヽ　　 ｀7ｌ |ヽ〃 　　　　　　〃 } ||ﾒ／
　　　　　 } !　　{ ｌ ｌ　!　　　 ＿ ,.　　　/　 !　｀ヽ、　　　　　　王妃が気に入るのも納得ですわ
　　　　　 从__ l|ヽ　　ヽ　　｀ｰ '　_, ｲ 　 /、　　 ヽ
　　　　　　　　｀ﾄ, ＼　 ｀.!'ｰ-ｧ' ´ {´　 /-､_ヽ　　 ヽ
　　　　　　　　 __,. >､〉　 iヽ　ﾄ'^ヽｌ　　|--、｀｀ヽ,　 !
　　　　　　　 /-‐- 、!　　!　Y´:ヽ,.:ヽ,　ヽ,/~ヽ、 ヽ |


　　　　　　　 ＿,,r―:;;;;;;;:::====- ､...__
　　　　 _,r'''"; ; ; ,r''" ／　　　　　　　 ﾞ｀`ヽ., - ―‐- ､
.　　 ,;;'´: : : : : :.:/　／　　　 .／　　　ヽ.　　 ﾞヽ　　　　ヽ
. ,／ /: ; ; : : : ;;| ../ /　　 ／　　　　　i ﾄ ヽ　 ヽ　　　　|
.く; ;;/; ; : ; ; ; : ;:|/ ./　/./　,:　／　 ./,| ji | ﾞ､　l.!　　　 ｌ
　ヽ/; ; ; ; ; ; : : :| .;'　/ /　/ /　　 ,/ //:| |　ﾞiﾞi　|　　　/
　/,!'; ; ; |; ; ; ; : :| .;' ./ /　;' /______,, !_| |　| |　||　|／
/　 ;!; ; ; |; ; ; ;; :||i.| / .;'　l .;'／...::/､.ﾞ｀/ ,r‐''!| || '
　/|; ; ; ; |; ; ; ; ;;||./|　| ;' / r''´i|!^ii-/　 ,;ﾆ.,!/ i|　　　つまらない話はこれくらいにしておくですぅ。
/ | ; ; ; |; ; ; ;;; ;;||　 | ;!.//　 ヽ.ゝﾉ　　　 iij.| ;' .|
　 |;; ; ; ;|; ; ; ;;; ;;|| ﾞi|//｀　　ﾞﾞﾞﾞ　　　　　 ﾞi | |　:|　　　　おいしいケーキを作らせたから、みんなで食べるですぅ。
　　|;; ; ; |: : : : : :|＼ ＼_　　　　　　　　　´.| |　 |
　　.|; ; ; ;|; ; ; ; : ::||ヽ ￣ 　　　　　 ー‐.　 ﾊ　 ||
　/|;; ;; ; |; ; ; ; ; ; ;|.| ﾞ ､ 　 　 　 　　 　 ／i_l｣:ﾞV,!
/　|; ; ; |; ; ;; ; ; ;|ノ　　ﾞiヽ､._　　　　 ／　i |iヽi::ﾞ､
　　| ;; ; ;|; ; ; ;; ; ;|＼　 .ﾞi;;;;;;;;;;|｀ ー', , {{〈､ｒ┘::::::::＼､
　/| ; ; ;;|; ; ;; ; ;; ;{ 　＼　 ﾞ;;;;;;|ヽ/　//　 }}/､ﾌ:::::::::ヽﾞ､
/ /| ; ; ;;|; ; ; ; ; ;!ﾌ　　 ＼､ノ;;ﾞ､/,nヽ､　　　 !V|∧:::ヽﾞ､
.､| ; ; ;;|: ; ;; ; ; ;;|ﾄ　/＼ヽ ,.ィ｀不ヽ、ﾉﾉﾉ　{{/_l｣:::::::::::ヽ.ヽ

　　　/　　　　　　　　　　　　　ﾄ､r、　　　　　 ヽｪｰ '"´
　　/　　　　　　　　!　 　 　 　 ﾄ､; ;:i　　　　　　　＼
　 l　　　　　ｌ　　　 |　　　 ﾒ, 　 !　　|　　 ｌ　　　　　 ヽ
　 |　　|　 　 !　　　ﾄ､　　/　!　 ! 　 ｌ　　/　　　ヽ　 　!
　 ｌ　　ｌ　　　|　　　| |,.-‐ｌ'　|　 | ｀'ﾒ､ ,ｲ 　 |　　 |､ 　|
　 ヽ　 ヽ　　 ﾄ､ 　 ｌﾍ 　 !　l　/　/／　!　 /　　 ! |　 !　　　ケーキですか、楽しみなのです。
　　ヽ　　ヽ　　ヽ＼ ヽ,＼!　ｌ/　　　　　|　/|　　/　! /
　　　＼　　＼　 >t,≧彡　　　　 ミ三/,.ｲｌ |　 /　 /　　　　そういえば、私も東方のOHAGIとかいう
　　　　 ヽ　　 ｀7ｌ |ヽ〃 　　　　　　〃 } ||ﾒ／
　　　　　 } !　　{ ｌ ｌ　!　　　 ＿ ,.　　　/　 !　｀ヽ、　　　　　　お菓子の作り方を知り合いから教わったから
　　　　　 从__ l|ヽ　　ヽ　　｀ｰ '　_, ｲ 　 /、　　 ヽ
　　　　　　　　｀ﾄ, ＼　 ｀.!'ｰ-ｧ' ´ {´　 /-､_ヽ　　 ヽ　　　　今度つくって、もってくるのかな
　　　　　　　　 __,. >､〉　 iヽ　ﾄ'^ヽｌ　　|--、｀｀ヽ,　 !
　　　　　　　 /-‐- 、!　　!　Y´:ヽ,.:ヽ,　ヽ,/~ヽ、 ヽ |


　　　／　　　　　 　,_, 　 　　　　　　　　 　 ',
　　 /　　　　　　　（ l ､　　　　　　　　　　　 ',
　　 l　　　 　　,i､/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ　 　｀ヽi　　　l
　　 l　 　 i　, ノ ﾊ( ､ ,-‐..'´｀ｿ'｀ヽ　i ﾘ　　 /　　　　東方ですか、アジアにはわれわれとは
　　│　　i、l=‐':´｀"ﾞ:::::::::::::.　　: ﾉノ/､　　/
　　 | i i |/::｀ :: ::::::::,i ヽ ;::::::..　 .:: l l　 l 　 ヽ　　　文化の大きく異なる国々があるという話しですからね。
　　 l ヽゝ l:::　::: :::/ |　　｀' ､::: -'´j l' /　　　）
　　 ヽ、ヽ ｀ ､､:::/　 !､-　　　　　ゝ,l '　　　/　　　　一度機会があれば、いってみたいものです。
　　　　ﾞ''- ､ﾐ ',　　　_,　- ‐-　　　/r, ､　｀（ _
　　　　 　 _ﾉヽ＼　　　 -　　　　, '//　＼　　 ）
　　　　　　 ｀ｦ.　 ＼　　　 　 ／ // 　　　｀''‐'-,
　　　　,　=＝l ,　　l ｀　- ‐ '　　// 　　,---､ /
　 , , ' '´　　　!li　　ｌＬ. 　　, - ' 7/　　 |=000| ）
／/　　　　　　｀ﾞﾞﾞ_)|　｀' '´　　 l（　　　 ﾞｰ ' ´く
ヽ.ヽ、　　　　　　　 l　　　　　　ヽ >　　　　　　l

　　　　　　　　　　　　　　／　ノ　 r'´　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　/　　ﾉ * ﾉ　 　 ／　　　,　　､　ヽ
　　　　　 　 　　 　 　 /　　 l　　l　　//　 ,　 ／,　　jl i 　',
　　　　　　　　　　　 /　 ､_ l　　 l l　l/＿/_,ｨ//　__ﾑ! l l　l
　　　　　　　　　　　 ￣|｀lヽj * 〈 l ,lｨ'_.ノ'´ﾉｨ'　,ｨﾘ　l,'　l　l
　　　　　　　　　　　　 ,l　l　l　　{ 'l下T::::T' /／ﾅ!;Tﾘ　lj　l
　　　　　　　　　　　　 l　l　 '､　 }､' ﾄ｡'ー'　´　,　'ｰｲ /ﾘリ　　　フェルセン伯はあちこちを旅してるですぅ。
　　　　　　　　　 　 　 l　l　　ヽ* '､ヽ',""　　　　"ﾂﾉノ
　　　　　　　　　　　　l　l　l　　{　 ヾ>､　　　‐_,.ィ"l´　　　　　　少しうらやましいですぅ。
　　　　　　　　　　 　 l　l　l　　入　 l^ヽミｴ二､ l *l
　　　　　　　　　　　 ,'　,' / ,イ rt, *'､, -‐ﾛ‐-ﾐt　 l　　　　　　　私はもう、このヴェルサイユを離れることはないでしょうから。
　　　　　　　　　　　,'　,' l ｲ　 　 (l　 ヽ／||ヽ. ﾊ　 l
　　　　　　　　　　 ,'　,'　K　　　　 l　　',　|l|　 (lﾍ) l
　　　　　　　　　　/ /　,ハ､、　　　l *　l, |ll|　 (l '､ l
　　　　　　　　　 / /l　/ ﾉ　　　　　l　　l |{l}|　 (lてy


　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　　ﾚ　　　　　　j　　　　 　 　 　 　　 　 i
　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　 ﾉ八　:|、　　　　　　　　 　 i
　　　　　　　　　　 /　 　/　/:ノﾉ　 ＼!ヾ丶　　　　　 　 　 }　　　王妃、あなたこそがヴェルサイユの主。
　　　　　　　　　　,'　 /　!:/彡ｲ　 　＿ゝ＼＼ゝ　　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　　 ｛　 i　l ﾘ´ﾆfｧヾ｀ ｰ=ヱｵ ゝミﾐ　　　　 /　　　　そのあなたがヴェルサイユから居なくなるなど
　　　　　　　　　　＼｛ {ゝi　　　 i　　　　　　　（　　　　 /
　　　　　　　　　　　 ゝヽ∧ 　　j__,　　　　　　ノﾉ7 　　{　　　　　　考えられません。あなたがここにいるからこそ
　　　　　　　 　 　 　 　 ） ﾍ　　__｀　　　　　ゝ､ソ　　　ﾘ
　　　　　　　　　 　 　　(（　ﾍ 　　_　￣　 ,.､_ (（　　　 ﾉ　　　　　　みなはこうして、ヴェルサイユに集まるのですよ。
　　　　　　　　　　__＿＿つハ　　　　　 //へヘ）　}イ
　　　　　　　 　　 ', 　 　　彡　i｀ー‐＜//:::::ｰ=ニソ八
　　　　　　　　　　 ',　　　　ヽ,ト、＿__//:::::「x:x:x」(　て
　　　　　　　　　　　', 　 　　　!　　　//:::::::::￣￣::::)）ノ
　　　　　 ／￣/ﾍ 　', 　 　 　ｌ 　　//:::::::::::__,,､=＝＜_＿



　　 |　　　　|　　　　ﾒ　　　　ｌ |　　　　 |　　　/　ｌ　　 ｌ　　　　　 ! /　｜
　　 |　　　　|　　　　! !　　　ﾊ |　　　　,.!　　/‐--!　　ｌ　　　　　//　　 !
　　 |　　　　|　　　　| ｌ　　　ｌ l ｌ　　　´ ｌ　 /　,.＿|　　!　　　　 //　　 /
　 　 !　　　　!,　　　 !_,ゝ 　 ｢ヽ!　　　 /／／ｨ' ｰ.!　/l　　　　/'　/　/　　　そうです、アントワネット様がここから少しでも
',　　 ヽ　　　　ヽ　　 !　,.ゝ　!._ヾ　　／　 ''´ i: : :l!|./:/　　　 /　　! /
, !　　　＼　　　 ﾄ、　∨,ｨ'ﾄ､|ヾ　＼　　　　　ヽ; : ': /　　　 /　　 |/　　　　　お離れになったら、寂しいのかな、かな
ヽヽ　　　 ＼　　ヽﾒ、ヽ!: : :ｌ!: :.!　　　　　　　ｰ-'-ｧﾞ　　 ／　　　 !
　＼＼　　　｀ﾄ､　ヾｰ'ヽゞ､; ': ﾉ　　　　　　　　 ／　　 ｲ　　　　　|
　　 ＼＼　　 ＼｀ｰゝ、　｀ "´　　　　i　　　 ／-ｰ　'´/　　　　　 |
　　　　＼｀ﾐｩ、　＼　 ＼　　　　　　　_ ＿ ,　　　　／| 　 　 　 　|
　　　　　 ＼｀、｀ ｰ ゝ　 ｀、　　　　　　　　　　　／ｌ　 ! 　 　 　 　ｌ
　　　　　　 /ﾞ｀　　　　　　　｀ ｰ-,、_　　　　　／　　!ヽ| ｌ　　　 　! !
　　　　　　/　　　　　　 ／ ,　／　　 ｀ヾ　'"　　　　ｌ　 !ﾊ　　　　ﾄ､!

　　　　 　 　 ／　､,ｒ'" ‐ iｊ ‐__,ｒ=＝=＝=＝= ､__ - i -ﾍ.＼
.　　 　 　 ／　　 /　　,ｒ;＝':／　　　　　 }　 ヽ⌒`= ､　 ',　 ＼
　　 　 ／　　　 / ,ｒｧ''´ .:／　　　　 .　.: ,::　　 }　 ..　 ヽ､ﾍ　　 ＼
　　　 ＼　　　 .{彡'　. .:/::　　　 .: .::./: /::　/ /:　 ヽ..　 ヽ{　　　　ヽ
　　　　　丶､　/　　.: ::/::　　　.:: .:::/::,/:::::,/:.ﾊ::::..　:ヽ:.　　ヽ　　／
　　　　　　　 7 .::　::.:::i丶､　.:::::::;ｨ:: ｨ:::::イ::/　ヽ､-‐:::i:::.　 : ',／
　　　　　　　 ' .:::　:::::::!:::...:::＞くノ'´/／/:/-‐'´ヽ＼:::}::::.　::｜
.　　　　　 　 i :::::..:::､:::|「 辷オミ､ノ'´ ,.', ' 彳辷ｵTハ}:::::. .::｜　　　二人とも、ありがとうですぅ。
　　　　　　　ハ:::::::::::､:､ 弋‐' ﾉ　　／´　　弋ー'ﾉ　/::::::::::/ｲ
　　　　　 　 } 八:::､:::::::､､｀￣　　 　 　 　 　 ｀￣　/::::::::ィ/｜　　　　そうです、ヴェルサイユの主がここを離れるわけにはいかないですぅ。
　　　　　　 // i{＼i＼::::ヽ　　　　 　 }　　　 　　∠ - '´ ｊ}.　|
　　　　　　//　i{　 ` _ 「｀`、　　　ゝ.二.ア　　　 ィ　i　 ｊ「　｜　　　　　さぁ、ケーキも届いたし、みんなでたべるですぅ。
　　　　　 //　 .}i ‐ i ､ |:::::ii:｀丶､　　　　　　ィ::::ｊ{　水 ｊi::::　 |
　　　 　 //　 .::ヽ　　　|:::::ii:::::ii::」｀ ー‐ ´Ｌ_::|::ｒ┴ュ_ ｊ}:::::　 ､　　　　フェルセン伯も遠慮はなしですよ
　 　 　 //　 .:::;ｒ;ﾍ　　 |-一''"´ゝ.　　　 ﾉ'　｀ゝ＜　 ヽァＺﾕ　、
.　　　 //　 .／／ゝ､　､|　　 _ -‐‐＼∠....ｒ'´ヽ 　 ヽ　ヽ一'＼ 、
.　 　 //　./　/　「　ﾊ ﾆ|- '´_ - 'フ:水く_「ヽ　 ヽ 　　　}ｧ|　　 ',､
　　 //　./　/　　〉 i八 '|- '´　／::/ｒ'ﾞ|::トi　　　　　　 ノ}｜　　 i丶


　　　　／　　　 　 　 　 　 λ λ
　 　／　　　　　　　　 丿　/l　 l',　|',
　　i　,;　　 　 　 　 　 /,' ./ .|　 | ',　'＼
.　 l //　　　　　　　 /.'　/　|　ﾉ　 ' , ', ~-,, ヽ
　　},l|　　　　　　 ／　|.,'　 .|　|　,,, ,,,'-',　　"''＼　 ',
　　　| 　　　　i　/-'"'-'|- ,, i　|,',''" ,,,,,, -;ニ二,,,,;,,　',
　　　 ',　　　　',,〈 Y''(";;;- ,,';';　| -''' <￣(;;;ﾉ 　ﾉ　", |　　　　　　　　　　　せっかくの王妃のすすめ
　　　　＼　　　'i,,＼''--,,,-' | ＼"',　　"' --- '"　　 y
　　　　　 );　　　| ' ,','" 　　i　　 ', |　　　　 "" 　 ／　　　　　　　　　　　　　遠慮などしては、かえって無礼というもの。
　　　　 ./ﾉ　　　|　　,|　　 /　　　',|　　　　　　　/
　　　　　/　　　 '|　　　　,'""'　　 " 　　　　　　.i　　　　　　　　　　　　　　　ありがたく頂きますよ。
　　　　　＼　　　',　　　　 ,,　___　　　　　　　　 ヽ,　　　　　　　　　|
　　　　　 　＼　　',. 　　　　"'　　　　　　　 i,,--'''　　,, 　　　 ﾉ　 /　　　　　（王妃の私に対する好意は本当にありがたい。
　　　　　　　　 y　＼.　　　 ー--―'''　　　　"---;;"　　　　/,,,／
　 　 　 　 　 ''''-ﾉ.　 ＼　　　 ===　　　　　　　''Y",　　　,／　　　　　　　　　　だが、このままだと、本当に根も葉もない噂が
　　　　　　　　''"―--''＼　　　　　　　　　,, - ''"　"''''",,|)ヽ
　　　　　　　　　　 ,-' "　"- ＿＿,､ -‐'"　　､､ - ‐ ﾞﾞ　 　　|　　　　　　　　　　この人を窮地に追い込むかもしれない。少し距離を置いたほうが…）
　　　　 　 　 　　　|"'- ,,,,,,,,,|,,,,,,,,, ､､　-‐ 　ﾞﾞﾞ　　|彡|　　　 |
　　 　 　 　 　 　　|　　　　　|||　　　　　　　　　　|彡|　　　 |　　　　　　　　　　　　

と、まぁ、一方が戦争に頭を悩ませ、他方は気ままな生活を謳歌していた。
そんな中、さらにルイ16世を悩ませる問題が勃発する。それは…

【1778年1月　オーストリア・ウィーン】

　　　　 　 　　__,､-''"¨´￣￣｀¨ﾞﾋー-:､,,_
　　　　　　 ,r''"　 ,,　　　　　　　,,ﾆ､　　　 `ヽ、
　 　 　 　 /;i',,〃"　　　　　 　 （　 ﾞi　　　　　ﾞi,　　　バイエルン選帝侯カール3世フィリップが亡くなったというのは本当か
　　　　　,/ 〃　　　　丿　　　　ﾞl, ,/　　　　　　ﾞi,　　
　　　　 〃　　　　　彡　　7ﾞ　ﾘ　|'　.　　 i　　　ﾞヽ、　　　　　　　　　　　　　　　_,,;::--v--:､_
　　　／ ,　　　ﾞi,　f r'　　〃　　 ﾉ!､| i　　l　　　ﾐ､ l　　　　 　　　　　　　 　 ,,r'"ー:､,r'ー-ﾐ `ヽ,
　　,i',f";i'　|　　 }　い　,／　 ,／ﾞi（､い　| !､　ごﾞ　{　　　　　　　　　　　　　i ,r"￣｀ﾞ''⌒`'ヾヽ　i
　　l_|　i ,, _彡'"ノﾋ人（ f ,／　_,,ニゝヾﾐ､ミーヽ　 |　　　　　　　　　　　　　|i,l　　　　　　　　い、ﾞi
　　　ゝ| i l　｢"´┬ｦ=,（(　'''"r┬ﾃ;ｧ　Jf`:､ミ:､l　ﾘ　　　　　　　　　　　　　!,ﾉ　　　　　 　 　 ﾞN　 |
　　　　`'ゝﾐｰﾄ　￣　　,}`　　　￣　　=彳! ﾄ　　ソ　　　　　　　　　　　　　|,/| ー-､　 ,,ｨ-ー　| ゝ |　　　は、事実にございます。
　　　　　　 )ハ　　　　/　　　　　　 　 i',ﾉ,ｲ川:ﾘ）　　　　　　　　　　　　　ヾY', ´ﾟ￣ｉ　￣ﾟ￣　ﾚ1　|
　　　　　　　{; ﾞi　　　 ﾞャ ;:.　　　　　　, ;"　　／　　　　　　　　　　　　　　 ﾞぃ!　　 ,|　　　　,,　 /　|　　　 フィリップ様には嫡男がおらず
　　　　　　　＼ﾞi　　　__ﾆ ,,,,_　　　　 /〃　.f"　　　　　　　　　　　　　　　　 |`i　　`ｰ'"　　' /-'　ﾘ
　　　　　　　　 ﾐヽ、　 `ニ'"　　　 ／ ),､　､ド　　　　　　　　　　　　　 　 　 `i !､ ''''ニ''ｰ　 / 　 ﾂ　　　　次期選帝侯は遠縁の者が継承する様子でございます。
　　　　　　　　　,)介､　　　　　_,／ /´｢ﾉ　,ｿ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 iﾘﾞﾄ､　　　 ／ )ﾉﾘ
　　　　　　　　　 ,>l,,_`;､__,,,,;:'"ﾆ-ｰ''"~_> ｢　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄミ＝┬''"=''"ｦ
　　＿　　　　. 　`T''=:,,`Y''二-ｰ＜_.￣,r}ﾉ　　　　　　_,,,,,,＿＿＿＿＿　　　 ,ｼ'rぅﾞl | !ｎ〕とｲi､,,,＿
　　　 ￣ﾞl__, ､__,r儿'~ﾞi.| | :| f⌒ﾞし|（_ノﾉ|ﾞi､__　　_　 ,i'`ー---===,,,,,＿二ニニ''ー-z=ﾐﾆ,ｰﾆ'"`''ｰ-
　　=''ﾆ"~//''''''l,ヽ二ノ,!.| :| ﾞ､＿_,,＞''"-'^ー`'''ﾅﾄ:┤　　　　　　　　　　　　　　　 ｢　　`i'ﾆ-=" _,,-
　　､_　　lﾞ l　　 ﾞi Tｰｧ' ⊥.!`ｰｧ　,r'"　　　 ,,ｨ／,,ーｹ┬┬-,ﾆ,,＿＿　　　　　　　 |,,,,ｨ-f　 ,,_r'ﾆ-''"

　　　オーストリア皇帝　ヨーゼフ2世とその家臣


　　＞　　　 　 ／ｨ'"　＿,,､､ｧ=ﾃ､_ｪﾆ-‐'ﾞ /ｲﾊ い,ﾞ!、 　ﾉ ｌﾄ,ヾ!'; ';';';';';　i
　/ﾞ/　〃　 ／／,､-''"｣｢ iﾞ iﾞ ;'ﾞ　　￣｀`''-､_ﾞ!､ヾ､`ー''",ノﾉ ﾞ!ｌl ';';'i, ;';':　`:､
. l/ﾞ/; '　　　 /／,;､-^､ ､ヽ_ﾄ､!　　　'"~`T''ｧｯ'ﾐ=､ﾆヽｉ｢´,´　,ｨ ﾘ 　 ヾ, ﾞi､｢i`ｰ'
　!/ l l　　,　; /rｨ"iﾞ ⌒､ﾞ､ﾞ'tｰゝ　　　　 　 `''ｰﾞ-`　｀i｢ ﾘノｨﾉ'ﾞﾚ｢　!、　ヽ,ｉl ;!|　　　　これはチャンスだ。
　Y l 　 　i fﾞff ;';| ﾘ´,ﾊ ﾞ! ヾ;　　　　　　　 　 `　 　 -'"彳ﾃミ,_ﾄﾐ,_ヽ ﾞいﾘﾊ!
　 ヾ 　 　i ! || !.!| ヽ（. 　! ;lﾞi,　　　　 　 　 　 　 　 　 　 | ｀`ﾞｰ　ﾉ,:ﾝﾗ | l'′　　　　　　新しい選帝侯と取引して、バイエルン地方を手に入れるぞ
`ｰ'ﾞ,､　　,　　ﾞ!ﾞ!ﾞ!＼`ヾ､| ,ﾊj　　　　　　　　　　　　　 　 i　　ｰﾃﾞ-彡ｨ'ﾞﾘ
＞'ﾞ ,r',,r'ﾞ　　　ﾞ　 〃:､ﾞﾘ/ ｿ　　　　　　　　　　　　 　 　 i,　　,｢" '"´ 'ﾞ
, ｨr'ﾞｨ'ﾞ　, //　 | ,〃　 ﾌf　　　　　　　　　　　　 　 'ﾞ￢,r'"　 /ﾄ=‐'
ﾀﾞｨ'ﾞ , ///　,;! ;l ﾊ|　　 lﾞ､　　　　　　　　　 ,､＜`ｰ-ﾆ､　　 /ﾘﾉ
fﾞ/////　 ,;'ﾀ,ハ!ﾞ:!　　 ! ＼　　　　　　　　!､_　￣｀¨`/　 /ノ'′
/!　,r' ,､-'ノｨﾞ`''-､_　　 i　　＼　　　　　　　　￣｀¨`''′ /
`L/!／-‐''"`'-､_　`'-､!i　　　 ＼　　　　　　　　　　　 ,:'
　ﾐ＼　　　　　　_`'-､_　`'-､_　　 `'-､_　　　　　　　／
　　`､＼　　　　'"￣`ヾ`-､_ `'-､ 　 　`'-､__　　 ／

【解説】

　　　　　　　　　　　　　　r-､
　　　　　　 　 　 rｰ―― !: : `´￣｀. .' . ､
　　　　　　　　　,!: : : : : : :!: i : i､: : : : : : : :ヽ、
　　　　　　 　 /: : : : : / /|: | : l:!ヽ : : : : ヽ : :ヽ
　　　　　　　/ : : : : : ,': ,' .! l: : !|　l: i、: : : ヽｉ : ',　　　　上記のとおり、選帝侯の一人であったカール3世フィリップが1777年12月に死去し
　　　 　 　 / : : : ,: : ,!-!‐ !,ｌ: : l:!　!‐!- ､ : : ヽ : !
.　　　　　 ,': i: : : i: : :l :l　 lﾉ!: : !!　|/　ヽ : : i: ',: |　　　　その跡を遠縁のカール・テオドールが継ぐこととなりました。
　　　　　 l : |: : : !: : :N　 ＿! : ﾘ　' ＿　ヽ: :|: :V
　　 　 　 |: /!: : :|: : l. ,´＝= `r‐{.　=＝ミ!i: :ｈ: !　　　　　かねてから、領土の拡張を狙っていた皇帝はすぐさま新選帝侯に領土の交換をもちかけ
　　　　　 l/　!: : i、:ｉ'{ ''''　 　ﾉ ,.ヽ　　''''ﾉ,ﾊ:ｌ,ﾊ,!
　　　　　　　 ヽ: l ヽ!:`iｰ‐‐'　r‐┐`''''",!,! :i' :|:i　　　　　自分たちに有利な領土交換の約束を取り付けました。
　　　　　　　　 ヽ! ,|: |:i`'ｰ-　`_‐',., イ: !': : !: :!:!
　　　 　 r ､ 　 　 /|: :!|: : |, '^'、　,ハl:/: : :,! : ',|　　　　　しかし、それらの動きは当然諸外国の警戒を呼び起こします。
　　　　　ヽ ヽ_r_v r! :ヾ―l,　　Ｖ　　/: : : ハ: :ヽ
　　　 　 　 Y,. -{ Y!:',: :ヽ:.:.V´,ﾌ､ヽ/ : : /:.:｀i,: : :',
　　　　　　 l、/´）ﾊヽ'､ :ヽ:.ヾｲ|.!|､! : :, ':.:.:./ ! : : ヽ


【フランス・ルイ16世】

　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　 ,,.-´　　　｀｀ヽ
　　　　　　　　　 .／ 　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　 .|　　 .'⌒`　　'⌒丶　　.|　　　　　バイエルンの半分とネーデルラントを交換？
　　　　　　　／ | 　 （ ●）　　（● ）　 .|＼
　　　　　 ／　　 ＼　　（__人__）　　 ／　　＼　　　新しい選帝侯とやらも、なんでこんな不平等な領土交換に応じたお。
　　　　／　　　　/　`ー─ /￣￣￣￣￣￣/＼
　　　　,＼　　　.l　|　　∧ /　　　　　　　 　/　／　　そもそも、こんなことしたら、あのおっかないフリードリヒ2世が黙ってるわけないお。
　　　／　.＼　 i　l　　.|　/　　 　　　　　⊂)／丶
　　./　　　　.＼|　|　./　/　　　　　　　⊆) 　　　＼　　義兄も、もう少し自重してほしいお
　　　　　　　　　　　　　 ￣￣￣￣￣￣

　 　 　 ;':;'::::／rｸ-/:::::::::/ｨ_:/　 l:::ﾄ:::::ﾄ::::::::::::::l:::l::::::}:::';::!::::::',
　　　　l::l:／.:'::/ ./:::::::::::;' |:/｀ヽ､';:l.ヽ::',ヽ::::::::::|l_Lィ,!:::|::|::::::ﾊ
. 　 　 l::l〈 /::/　/|::::::::::::| ,.|!ﾃｭヽ､ヾ.､ヾ:. ＼;:ィﾙ|:::/::::l:::|:::i::::|
.　　　|::|::｀::/　 ,{｣:::::::::::ﾄヽ' { f'^! ﾊ ｀　 ｀　,ｨ5ﾆﾄl:;ﾀ:;.ｨ::::!:::|::::|
　　　|::|::::::|ヽ /:::|:::::::::::|　　 ヒﾆｿ　　　　　 bり/rｹ<.ｿ::/::|:|ｌ:::|　　　そうね、フリードリヒ2世の目の黒いうちは
　 　 |::l::::::|::::｀:::::|:::::::::::|　　　　　　　　　、　¨´〃ﾍ_/:;ｲ:::l::| ｌ:|
　 　 |.ﾊ:::::|::::::::::::';:::::::::::ﾄ　　　　　　 __　'　　 〃　,'-1 |:::;'::l. ﾘ　　　領土拡張なんてしようものなら
　　　|l |::::::';::::::::::::';:::::::::::', ヽ､　　　 ﾆ´ _,r'｀7^!、,' 　 ,!:/:::;! ,l
.　　 ｜|::|::::ヽ::::::::::ヽ::::::ﾄ:', 　 ｀ ,､... - 'ｽ　/　,! Y　 ノ/l::/ .,'　　　　絶対にプロイセンが介入してくるでしょうね
　　　　 |::ﾄ.:::::〉.::::::::::ヽ:::| ヾ、　′ ヽ / .}/　/　.l　rﾚ'/:/ ./
　　　　　l:|,ゝ'　ヽ:ﾄ:::::::|ヾ、 ヽ､　　 r'　/　 /　 ﾊﾉ ヾノ. /

【プロイセン・フリードリヒ2世】

　　　　　　　　　 　 　 　 ,:'　,:':::::::::::::/::/::::::／:,:=､l::::::::::l,:=:､:::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　/　 /:::/:::::::/::/:::::::::::,ｲ'ミﾐl:::::::::l彡ミヽ､::::::::::::ヽ:
　　　　　　　　　 　 　 /　 /:://:::::/:::/::::/::,r'""~ﾞﾞ'i::::::::l'""ﾞﾞ`丶､;::::::丶',
　 　 　 　 　 　 　　　,'/　/:i/　//::::/::::/／　　　　l::　::l　　 .:.:.:.:.｀ヽ:::::',',
　 　 　 　 　 　 　 　 i′,':::l l　,'' .:/ｲ/::/　　　　　 l:　 :l 　 .:.:.:.:.:.:.:.:.:',::::::　　　　　ハハハハハ、愚かな、愚かだぞ、マリアテレジア。
　 　 　 　 　 　 　 　 |　 i:::l.:l　l　/ /.::/　　　　　　 l:. .:l　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',:::::
　 　 　 　 　 　 　 　 |　 |:::l:l　　/ /.::/　　　　　　　',::::l　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',:::　　　　　我輩がみすみす、このような領土拡張を
　 　 　 　 　 　 　 　 |　 l:::::lｌ　　/ /:'-―‐‐- ､、　 ',:::l　　,, -‐.:''"´￣',::
　 　 　 　 　 　 　 　 l　 ,!:::|l　 l l //　　 　 _　｀`　　',:l　 .'´:　__,, .:.:.:.:.:.',:　　　　見逃すとでも思ったか。
　　　　　　　　　　　 l　/l::::|ll .::ll::::,' _,, =＝=ﾐミヽ　　',:! ,':.:.:,彡=＝≡ミ、
　　　　　　　　　　　/ /| l::::|||::::ll::,' '´　　　　 ｀｀　　 ,ﾘ l;, .:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　すぐさま、国境に兵を集めろ。
　　　　　　　　　　 /イﾉ! ',:::l|l:::::l:,'　　　　　　　　　 /　 |;, :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　／´,ノ/!　',::|::::::,' 　 　 　 　 　 　 　 　 |;;, :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　力ずくでも、阻止するのだ
　　　　　　　　　　　　/ l　,l::::::::::l、　　　　　 　 　 　 　 |;;;;, :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　_,ﾉ_/}',::::::::lヽ　　 　 　 　 　 　 　 |;;;;;; :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　|_／l八::::::ト'ゝ、　　　　　　　　　ﾉ '" :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　 ﾘ ノ　 ',::::lWﾊヽ、　 ､＿　　　　 .:.:.:.:.:.:.:.:＿, .:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　　　　 l::::l▽／｀>、 丶'´￣￣￣￣￣｀ン´.:イ^'
　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::|イ　 〈::l ＼　｀丶 ＿＿＿ ,. '´／/!:〉:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::|　　　ヾ　　丶､ 　 ､,,＿,, 　 ／.:./:l/:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　／{｀＞　　　丶、　　 丶､＿＿／.:.:.:/:.:/.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フリードリヒ2世

　／／ /　　　　　/　　　　　　　　　ヾ
　-ﾅ　/　　　／ /　/ 　 /　! 　 　 ,　 `
　/　/　　　 / 　i' ,ｲ　/　 ,ﾉ　 /} /
　.//　　/　/ ,ｨ l /l　　/ /!　/ /,ｲ
　/ｲ　 /ヶ/.ﾑ,i/l/｜/　/　 /__瓜!,＿　　　それはいいけど、オーストリアとドンパチしたら
　' l 　 / / / i'　!'ヾ! // /´/　/　|
　 ,! 　 ,/-たアな､/　/ﾉ_;ｧィｽェﾒ　 /　　　フランスまで、首を突っ込んでくるんじゃないの？
　 | / /V/｀､辷以　　　　　{ｒち'ﾀゝ　 /
　 l　/l　.!　　　　　　　　　　 ￣ /,ｲ /　　　そうしたら、下手したらヨーロッパ全土を巻き込んだ
　 !/　! i. !　　　　　　　　　　　// !/
　.!'　 ｌ ,'/ヽ　　　　｀　　　　　/'　/ ,'　 /　大戦争に発展しかねないよ
　　　 !/ //ｌ＼　　 ､ .＿　　 　 ,ィ´/ /
　　　　 ｼ'　,! ./＼ 　 -　　　／i'//ｲ/
　　　　　　/,/ //,个ー　' ´　　l／/
　　　　　　　　 シ' |　　　　　　 |､_
　　　　　　　　　　,.|　　　　　　 !,／i
　　　　　　　　／　l　　　　　 ／　　ゝ-ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　jN∧ＷL　　/
　　　　　　　　　　名もなき家来

　ｼ'!:...::|　　　 　 ヾ:. :::. :. :. :.. ',
　　 ',:::::!　　　　　,.ゞ:.　:. 　 : :.i
　　　':,::',　　　 ／　ヽ:.　　　　:|　　　　　　　　　それなら、心配は無用だ。
　　 　 ',:',　 ／ ,.ィ, ==、　　　.:|、
　`ー､ ヾ!　　,:'／!{itfij}i:.　:.　 :|',　　　　　　　　　いま、フランスはイギリスと争っている。
　 ,.ニ､:, l! 　　'　 ゞ==彳:. .::....:| ',
　'{frﾐ'!ﾞ!ﾉ 　 　 　 　 　 ',::..::..::::l　!l| ﾘl>、　　　　そのうえ、我々と戦うような二正面作戦を取る余裕はないはず。
　 ゞ= ' i　　　　　　　　　',::::::::::l　l|!/ ﾘ
　　 　 ﾉ　　　　　　　　　 !::::::::,!　l|　 ' ､_　　　　　まぁ、念には念をだ。ヴェルサイユに密使を送れ。
　'、　 ヽ　　　　　　 　 　_l:::::::,'　ﾉ　,'　!l/
　　、 　 ｀　　 　 _,. -z彡'ﾞ!::::,'　　 /　 ﾘ　　　　　フランスが我々とオーストリアの関係に干渉しないなら
　ﾄ､ヽ 　 ,. -_,ﾆ´-‐l卞､:ヽ!:::,' 　 /
　:', ﾄ､ヽ ｀`´― '"´|::!ﾐ}::::}|::,! ／　　　　　　　　　我々も、英仏間の抗争には中立を維持するとな。
　､:ヾjﾄ､ヽ　 　 ‐==|::ﾚ':::/.!::l'.:　　　　.:
　!lﾄ､:',　ヽゝ、　　 └,彡'´|::|.:.　　　 .:.:／　　　　これで、フランスは動くまいよ
　ﾘ　ヾ}　▽　l>--‐彳:::::ヾ7７　　　:／
　　　▽　ﾘ　　　／ /ヾ::::/Y　　 ／　　／

　　　　　　　　　＿,,,、　　＿__
　　　　　　　 , .---='` Ｙ_=＝、　ヽ、
　　　　　 ／_'⌒　　 ' ⌒ ヽ、　　　 .ヽ
　　　　 /／　　　　　　　　　＼::､　＼ ｀､
　　　 ./　　　　　　　　　　　　 .`,::ヽ　`,　、
　　　i　　 i i　　　　 ! l !　l i　.i　 !::::`.,、!　i
　　　! ,　 ｌ! l　l.!l　　l ! l、 !l　.｜ }メ!rｸ､ヽ,i
　　 { .!　　! l　|l l　 .! ! .!,i l_!_,,　! !三彡 !､ヽ,
　　 l .l ｰ-!-!/､|.l|　l斗_',ｷ=!,.!、l.l:::!こ;i !i !,ヽ　　　ほんっと、こういう時の顔ほど輝いてるわね。
　　 .! l　 ィて＾ﾄ　 !､ 〈 .辷;t.ｲ　.! !:l､　},!l ! !
　　　! l ./!` 冖′　　　　　 　.!　},!l_''_ﾉ !ｼ　　　　　『反マキャヴェリ論』が泣いてるわよ。
　　　ﾚ!　l ｀　　　　 　 　 　 u　i,/.l /ﾝ./'
　　　　ヽ!Y^ 、 　｀＿_　　　　　ｙ .|;;ｼ/
　　　　　　　　＼.や__ﾝ　 　 ／ 　l'″
　　 　 　 　 　 　 ＼こ,,. イ　　　　! ,、
　　　　　　　　　　　　　,,,.}__,,,-‐''￣_,l 、

　　　　　 ,ｲ/ /::'､｀ヽ._／:::::::::':、ヾ丶
　　　 　 ,'ｲ' /:::::::::::r:Y::::､::::::::::::＼ ヾヽ、
.　　 　 // 丿::::::::,､|::f::::彡>、::::::::::＼ヾヽ、
　　　 //／::::::::／｀l::l`'´　　 >､::::::::::::ヽ!'､'、
.　　 /ｨ〈:.:.:::::::/-､、!::',　　／ ∠､:::::.:.:.|',',ヾ`
　　/ｲi　!:.:.:::/＞;､`ヾ::、/,ｨ,ｲz､ヽ',:.:.:.:|、', ',　　　理想で腹は膨れんからな
　'´ ,ﾊ! ,|:.:.:.; '、（{ijﾝ､ヾ'､　' ゞ‐'ノ ﾄ.:.:|ヽﾄ､!
　　/ | /|:.:::lﾄ､`' ― '´ iヾ:､｀￣　 /l',:::ﾄ、| l|　　　それより、さっさとヴェルサイユにいってこい
　　　,|{ ,!:::::|'tゝ、　　　|　 ｀`　,) /l |l:::| ', !
　　　▽ﾊ::::ﾄ､!ﾂﾄ.丶､-`'-‐ッ'´ｲ|｀ﾒ'l:::! ▽
　　　 ' 　 ､:!/l::|　',丶､｀三´／/ ,!:::::l:ﾉ｀ﾒ､、
　　　　,.ィ▽、::| '､＞-ﾐ=＜,-く ﾉ|:::▽::::::::::

【オーストリア　マリア＝テレジア】


　　　　　)　　　ヽイ : : :::::|/__ 　 　 ﾉ　　　　　 　　　　　　　 　　＼::::::::.　　　　　 (´
　　　　（　　ヽ. 　│.::::::::::|　　　（´　 '　 ,　 ′ i! 　 　 　 　 　 　 　＼::::::::::.　 　　 ｀7
　　　　　 )　 　＼.|.::::::::::::|　　　　7 /　/ /　　 i!　　 　 　　 　、　　 　ヽ::::::. 　 　　）
　　　　　' 　 　 　 |:::::::::::::|　 （⌒' /　 ' / 　 　 i!　　 　 　 　　 ＼ 　　 　V::::..　　 ﾉ
　　　　（ _　　　　 |:::::::::::│　　) / i 　i !　　 　 i!　!　　　　　　　　　､ 　　 i:::::::...ノ　　　ヨーゼフ、なんという愚かなことを。
　　　　 ｲ::｢ ) 　　 V.::　　|　 「 .'　 i 　i !/i 　 　ヾ | 　 　　 　 　　 　 !ヽ　 |::::::..ﾉ
　　／　 !::|(__　　　 ヽ::.. r‐v7/ 　∧　!|ト!､|　|│ ＼! 　 !　　 ! 　　 ′i　 |::::::::）　　　　　プロイセンに絶好の干渉の機会を与えるようなものなのだわ。
　.' 　 　 !::|ゝ==) 　　　 rfぅjV　 ハ)/7从 ､|ヽ! |　/:||＼ i 　 ｲ　　/　 .′ !::::＼
　 　丶　!::| ＼　ゝ-.．　ゝ少ﾉ ,'　 |　rzぇ::zrゝ 乂::ﾉ /　'ヽ / 　 .'　 /　 ,人::::ゞ＼　　　　急ぎメルシー伯に連絡をとって、今回の件が私の本意ではないことを説明し
〈 　 　 ＼:|　　ヽ　ヽ ` ｰﾍ　 / 　│ 夊f_少' 　 ／ﾚ')／ゝ/)　ｲ　 /　 ｲ:|　|:|⌒)::::）
　ヽ　　　ヾ: 、　 〉、 ＼　　V　　　|　　 　　　　　　　 ィzテ7/　!　.′/ ! | __ﾉ　'／　　　　　万一に備えて、フランスの協力が仰げるように根回しさせるのです。
　　 ＼ 　　|:|＼ !:::|　　 ヾ　|　　 ハ 　　　　 　 　　 　v夕 /ﾚ' ﾚｲイ　 | 「! (:／
　　　　ヽ.　|:| 　 |:::|　r.. ―┤ 　| 　'.　　　　　 　　. j　　 ∧i| 　 　 |:　 |/ !
　　　 　 　 |:| 　 |:::ﾄ<:. 　　│ 　ト　i!　　　　 - ､　　　 ｲ ヾ | 　 　 |:　 ∧＼
　 　　 　　 |:| 　 |:::|　＼　 人 　 ＼:ﾄ､ 　 　 　 　. ＜__j! 　 ＼　　 |　/ 　'.　＼
　　 　 　　 |:| 　 |:::| 　　 Y'　 ＼　　＼ ＞ -＜´:::::::::::: i!ー-,　＼　! .'　 　!　）::）
　 　 　 　　ﾚ′Y::/ 　 　 | ヽ. 　＼　　＼tfうj} :::::::::::; / 　 / 　 　 / 　 　 | /::/
　 　　 　 　　　│! 　　　ム-‐─‐-ゝ　　 ):少 :::::::::; / 　 /ヽ. 　, '　 ）　　'/::/


　　　　　　　ゝ 　　　　_ _...L　　　　　　　　　　　 ヽ　　 ヽ　　　　　　 　）
　　　　　　（　 __　 　´　　　 `　　）　　　　　　　　　|　　　|　　　 　 　_ｲ:ヽ
　　　　　　 「　 　 / 　 　 　 　 「　 __ 　　 　　　　　|　　　|　　　　　(::､::. 　＼
　　　　　 　 ゝ _ /　　 /　　　　 V´___)　　　　　 　 |　　　|　　　　　　）ヾ＼ 　ヽ
　　　　　　　 　 '/　　.′　　　　 |　（　　_　　　　　 |　　　|　　　 　イヾ::: ヽ:.ヽ |
　　　 　 　 　 //　　 !　　　　　　|　 「.:.:.:..:)ヽ.._　　_j　　　レ' 　　 （　ハ:　 |: :| |　　　それと、プロイセンにも使者を送り
　　　　　　　　ｲ 　 　!　　　　 　 .　　..:.:.:.（ __ 　 　 ,| ＿　|　､＿__ .） |::|::.　|: :| |
　　　 　　 　∥| 　 　|:　　|　 　 /　/. ィ :/　 ) 　､γ, －､Y 　 _.)　　 |::|::.　|: :| |　　　フリードリヒ2世との間で、和解交渉を進めて。
　 　 　 　 　 i! | 　 　|: 　│　 ,ィ 升j/_j/ |　|ゝし { { fひj j √.:.: 　 　|::| |　|: :| |
　 　 　 　 　 i! N.　|　 ､ 从ヾ/ j/勿fぅ/　|　| 　 |ゝゝr_少':.: .:.:.:..::　　|::| |　|: :| |　　　
　　　　　　　　　 ヽﾄ　..._ ゝﾄ-ゝ　　ゝ'　　|　| 　 |:.:./　 /:.:／::.:.,　 　人| |　 ~~ |
　　　　　　 　 　　　 　　 　 . 　 　 　　 　 |　| 　 | /　 /／　 ／　 . ' 　 │ 　 　!　　　あぁ、こんなことで、私が築き上げたヨーロッパの均衡を
　　　　　　　　　　　　　　 /　 　 　 　　 　, ｲ 　 |'　 /-‐ｧィ' 　／ 　 　 │ 　 　!
　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 　　 　 /　| 　 |　/　　 　,'イ_＿_ 　 　 |　　　 i　　　崩させるわけにはいかないのだわ
　 　 　 　 　　　 　　 　　 / ＼ ､っ　　 / 　 | 　 |,/　 - ‐　¨ 　　/ 　 　 |　　　 i!
　　　　　　　　　　　 　 　'/　| :＼ 　　 i!＿_.| 　 |´　　　　_..　ー > 　 　 |　　　 i!
　　　　　 　　 　　 　　 　i|　 |:::::::|＞‐┤　　| 　 |＼　. ´ 　 　 　 ＼　　 | 　　　i!
　　　 　 　 　　 　　　　　i|＿|::／　　　|　　│　 !　 ＼　　　　　　 　 .　 | 　　　i!

【フランス・ルイ16世】

　　　　　　　　　 　　　　＿＿
　　　　　　　　 　　 ,,.-´　　　 ｀｀ヽ
　　　　　　　　　 ／ 　　　　　　　　＼　　　　プロイセンからの書状か、どれどれ
　　　　　　　 　/　　　　　　　　　　　.ヽ
　　　　　　　　 | 　　　　'⌒　　　 '⌒ ..|　　　ふむ、やっぱり、あちらさんはやる気満々だお。
　　　　　　　／.| 　　　 （　●）　.（ ●）|＼
　　　　 　／　　..＼、　/￣￣￣ 丶／　 ..＼　　英仏間の抗争には中立を保持してやるか。
　　　　／　　　　 　　./　　　　　　　＼ .　　　l
　　　　＼　　　　, --'､ 　 　 　 　 　 　 /￣￣￣￣￣￣〉　　さすがに、的確にこちらの情勢を把握してるお
　　　　／＼　 /　⌒ ）　　　　　　　　/　　　　　　　　 ./
　　　 /　　　 ,′　　ﾉ　　　 　 　　　/　　 　 　　　　 ./


.　　　　 /:::::::::::r'´　/::::::::://::;rﾍ:::|::::::|::::::::::::::';:::::::::';:ヽ';:::::ﾍ
　 　 　 ;':;'::::／rｸ-/:::::::::/ｨ_:/　 l:::ﾄ:::::ﾄ::::::::::::::l:::l::::::}:::';::!::::::',
　　　　l::l:／.:'::/ ./:::::::::::;' |:/｀ヽ､';:l.ヽ::',ヽ::::::::::|l_Lィ,!:::|::|::::::ﾊ　　　さすがはフリードリヒ2世といったところかしら。
. 　 　 l::l〈 /::/　/|::::::::::::| ,.|!ﾃｭヽ､ヾ.､ヾ:. ＼;:ィﾙ|:::/::::l:::|:::i::::|
.　　　|::|::｀::/　 ,{｣:::::::::::ﾄヽ' { f'^! ﾊ ｀　 ｀　,ｨ5ﾆﾄl:;ﾀ:;.ｨ::::!:::|::::|　　　　それはそうと、メルシー伯が接見を求めてるけど
　　　|::|::::::|ヽ /:::|:::::::::::|　　 ヒﾆｿ　　　　　 bり/rｹ<.ｿ::/::|:|ｌ:::|
　 　 |::l::::::|::::｀:::::|:::::::::::|　　　　　　　　　、　¨´〃ﾍ_/:;ｲ:::l::| ｌ:|　　　　どうするの？
　 　 |.ﾊ:::::|::::::::::::';:::::::::::ﾄ　　　　　　 __　'　　 〃　,'-1 |:::;'::l. ﾘ
　　　|l |::::::';::::::::::::';:::::::::::', ヽ､　　　 ﾆ´ _,r'｀7^!、,' 　 ,!:/:::;! ,l
.　　 ｜|::|::::ヽ::::::::::ヽ::::::ﾄ:', 　 ｀ ,､... - 'ｽ　/　,! Y　 ノ/l::/ .,'
　　　　 |::ﾄ.:::::〉.::::::::::ヽ:::| ヾ、　′ ヽ / .}/　/　.l　rﾚ'/:/ ./
　　　　　l:|,ゝ'　ヽ:ﾄ:::::::|ヾ、 ヽ､　　 r'　/　 /　 ﾊﾉ ヾノ. /
　　　　,∠ -　.._　1 ':;::l　ヽ　 　 -'7　 ´　　　/ /ノ//　ﾞl
.　　　/-‐…‐､ ｀ヽ､ V'　　ヽ／　,l　　　　　　 /-‐'/ 　 ヽ
　　 / _.. --　､　＼ ＼　　　 ヽ 'l´| 　 　 　 ／一´　　　　＼


　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　 ,,.-´　　　｀｀ヽ
　　　　　　　　　 .／ _＿ノ　　 ⌒` ＼
　　　　　　　　　/　 （ ー）　　（一 ）. .ヽ　　　　んー、メルシー伯ねぇ
　　　　　　　　 .|　　 ::::::（__人__）:::::　 　.|
　　　　　　　／ | 　　　　 　　　　 　　　.|＼　　　どうせ、用件は目に見えてるし、面倒だお
　　　　　 ／　　 ＼　　　　　　　　　／　　 ＼
　　　　／　　　　/　`ー───ー′　　　　　＼　だけど、そうも言ってられないか、通してくれお
　　　　,＼　　　.l　|　　∧　　　.∧　　　|　　　.／
　　　／　.＼　 i　l　　.|　.i　　 .ｌ ..|　　/　　.／丶
　　./　　　　.＼|　|　./　　ヽ　/　 |　/　.／　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　 ＼　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 .（●）（● ） 　u.　|
　　　　　　　　　　　　（__人__） 　u　 　|　　　国王陛下、此度の件についてはまことに申し訳なく思っております。
　　　　　　　　　　　　.(｀⌒ ´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　 { 　 　　　　　　|　　　　ただ、ヨーゼフ様の独断でありまして、マリア＝テレジア様は反対の意を表しております。
　　　　　　　　　　　　　{ 　 　　　u.　/
.　　 　 　 　 　 　　＿＿＼　　　　 /ﾘ 厂`'‐- .._　　　つきましては、万一プロイセンと交戦となった場合には
　　　　　　　　　／ :　　: :介ｰz＜__｣// |: : : : : : :ヽ
　　　　　　　 　 | : : : : ::〈　｢｀乂/ 　/ 丿: : : : : : : |　御国の助力を賜りたく…
　　　　　　　　　| : : : : : /: |　{::::}　/ `7: : : : : : : :│
.　　　　 　 　 　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |


　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　 ,,.-´　　　｀｀ヽ
　　　　　　　　　 .／ _＿ノ　　'⌒丶＼
　　　　　　　　　/　 （ ●）　　（ー ）. .ヽ　　　　ふむ、やる夫も義母があんな無茶な振舞いをするとは思っていないお。
　　　　　　　　 .|　　　　（__人__）　 　 　.|
　　　　　　　／ | 　　　〃　　　　 　　　.|＼　　　　だけど、義兄が皇帝として即位している以上、諸外国は
　　　　　 ／　　 ＼　　　　　　　　　／　　 ＼
　　　　／　　　　/　`ー───ー′　　　　　＼　　義兄の言動こそ、ハプスブルグ家の総意と受け取るはずだお。
　　　　,＼　　　.l　|　　∧　　　.∧　　　|　　　.／
　　　／　.＼　 i　l　　.|　.i　　 .ｌ ..|　　/　　.／丶　　それが困るなら、義母もしっかりと義兄の手綱を締めておくべきだお。
　　./　　　　.＼|　|　./　　ヽ　/　 |　/　.／　　　＼


　　　　　　　　　 　　　　＿＿
　　　　　　　　 　　 ,,.-´　　　 ｀｀ヽ
　　　　　　　　　 ／ 　　　　　　　　＼
　　　　　　　 　/　　　　　　'⌒　　 '⌒ヽ
　　　　　　　　 | 　　　　　（　●）　（ ●）　　　　　　　　メルシー伯、回りくどいのは好きじゃないから
　　　　　　　／.| 　　　　　　　（__人__）／´二二⊃
　　　　 　／　　..＼　　　　　　　　 ／　 '‐､＼　　　　　単刀直入に言うお。今回の件に関して
　　　　／　　　　/　`ー───ーｌ　　　　 .ヽ〉
　　　　＼　　　　l　|　　∧　　　∧　　 __人_/　　　　　　フランスは中立でいるお。
　　　　／＼　　 i　l　 .|　.i　　/´　　`ｰ'〉　　ヽ
　　　 /　　　＼ | . |　/　 |　/　　　　　/　　　ﾊ　　　　　オーストリア、プロイセン、どちらにも与しないお

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ○）（○）
.　|　　U　 （__人__）　　　そ、そんな
　 |　　　　　|r┬-|
.　 |　ι　 　`ー'´}　　　　それでは、フランスとオーストリアの同盟関係は
.　 ヽ　　　　　u 　}
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　どうなるのですか？
　　　/　　　 く　　＼
　　　|　　　　 ＼ 　 ＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)､

　　　　　　　　 　　　　＿＿
　　　　　　　 　　 ,,.-´　　　 ｀｀ヽ
　　　　　　　　 ／ 　　　　　　　　＼
　　　　　　 　/　　　　　　　　　　　.ヽ　　　　　　　　　　　どうもならんお。現状維持だお。
　　　　　　　 | 　　　　_＿ノ　　`ー ..|
　　　　　　／.| 　　　（　●）　 （ ー）|＼　　　　　　　　　　ただ、メルシー伯は少し勘違いをしているお
　　　 　／　／￣'‐、　　（__人__）／　 ..＼
　　　／　　/　　　　.7───ー′ヽ　　 ..＼　　　　　　　我々の同盟関係はあくまで、外敵からの攻撃に対してのものだお。
　　　＼　∧　　 __ノ　∧　　　.∧　　|　　 .／
　　　　 ./´　　`ｰ'〉　　　i　　 .ｌ ..|　 /　 ／丶　　　　　　　しかして、今回の戦闘のそもそもの原因は誰にあるかお。
　　　　/　　　　 /　　　　ヽ　/　 | / .／　　　＼


　　 　 ＿＿
..:...::.／:..:..:..::＼.::..:..:..::::..:..::.:..:...::..::..:..:..::::...:.....
.::.／.:..:.._ノ::::..:..＼.:..:...::.:..:..::::....:::..:..::::..:.:..:....
:..|:::.... 　（ ○）（○）.::..:..:..:..::::..:..::.:..:...::...::::..:.:..:....　　　（まったく反論できない。
.: |:::....　u　（__人__）.::..:..:..:………。..:.::..:.:..:....
::. |::u:.　　　(.::..:..:..::::..:...:..::::::::..:..::.:...:..::::..:..::.::..:....　　　　こうなったら、アントーニア様経由で攻めるしかないだろ）
.::. |:::.....u　　｀ ⌒´ﾉ.::..:...:..::::..:..::.:...:..::::..:...:....
::..:.ヽ:::.....　　　　 }.::..:..:..:..::::..:..::..::::..:..::.:..:...::..:....　　　　へ、陛下のお考えはわかりました。
.::..:...ヽ::.....　　　ノ　　　　　　 　 ＼
::..:..:..:/::.. 　 く　　＼　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　テレジア様にはそのように伝えます。
.::..:..: |::...　　　＼　　＼　　　　　　　　＼
::..:..:..:|:::.....　　|ヽ、二⌒)､　　 　 　 　 　 ＼

【マリーアントワネット】

　　　　　　　　　　　　　　　　　,　 --=ﾆﾆ､ヽ､
.　　　　　　　　　　　　　　　∠ -―‐--- ､ ＼＼
　　　　　　　　　　　　 　 ／　/ ／　 ,　　　｀ヽ ヽ＼
　　　　　　　　　　　　 　// , / /　 ／/ /,ｲ　　 Vﾊ　ヽ
　　　　　　　　　　　 　 // // / //　/ //｜｜l　ｌ！　 ＼
　　　　　　　　　　　 　{ﾉl ｌ| ｢Ｚﾒ/l// /ム⊥｜|　| |　　／　　　大事な話とはなんですか、メルシー伯
　　　　　　　　　　　　　l l |l 〈f沁 {/ / ｨ汽く l| j ,ﾘ } rく
　 　　　　　　　　　　　Ｎ八〉｀ﾞ′,　　 ｛ﾞりﾉ//〃/ｲ　 |
　　　　　　　　　　　　　　 jﾍ、　 _　　　" 彡'／/　|l　 |　　　　　私は忙しいですぅ
　　　　　　　　　　　　　　 / / 丶、｀　　, ィ7´ rク　l 　 |
　　　　　　　　　　　　　 厶ｲ __｣二兀／/-|-/厂ヽ、　｜
　　　　　　　　　　　　　/　/ ｌ { ´´rｸ〈 ｜　/´　　　〉　｜
　　　 　 　 　 　 　 　 /　/ /八　　｝| ∨　ﾉ! 　 　 /!　　､
　　　　　　　　　　　 /　/イ {几こﾌｌ｣__j 　 ）｝　　 ハ　　 ヽ
　　　　　　　　　　／ﾚ ﾉ //　　　r1ｰ┤　l|_｝　　 　 ヽ　 　 ＼


　　　 　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　|　　　 （ ●）（●
.　　　　　　　　　|　　　 　 （__人__）　　　真面目に聞いてください、アントーニア様。
　　　　　 　 　　 |,　 　　 　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　 　　 │ 　　　　 　　 ｝　　　　あなたの祖国に危機が迫っているのですよ。
　　　　　 　　　　 ヽ､　　　 　　ｿ
　　　　　　　 　 ｲ斗┴r┐｀ .;　　　　　　今回の騒動に関して、フランスがオーストリアに協力するよう
　　　　／￣`ーゞ､　 /　|__ 〈ー─r､
　　　/　　　　　＼ ∨＼ 　|,ベ._ /　|　　アントーニア様から、フランス国王に働きかけてください。
　　 ｛　　　 . : : : . ヽ＞ｰ＼[￣{ 〉＼|､_


　　 　　 ／ .,※,...-―:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::ｰ-.､　 ＼
　　 　／　 /,.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:＼※ヽ
　　　 ＼ ／:.:.:.::/:.:.:.::.:.:.:.:.:.:!:.!:.:.:.:.:.＼::.:.:.:..:ヽ　',
　　　　 /:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:../.;ｲ.:ﾄ､.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:ヽ
　　　　,':.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.,:ｲ:/ ;:/　ヽ.:..:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.'※.
　　　　!:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:／.// //　　 ＼:.:.:.:.|:.:.:.:..:.:i　　　　なんだ、そんなことですか。
　　 　 |:.!:.:.:.:.:.|;∠..－'" 〃゛` ―--＼:.!:.:..:.:.::,' }
　　　　!ﾊ:.:.:.:.:.!　　 _,,　 /　　 ､_　　　 /:.:.:./:/∧　　　　　お安い御用ですぅ。
　　　　i! ＼:.:.:＼`＝''"　　 　`ー＝''ｲ/:.ｨ／/:.:.
　　　　 　　}ヾ､_＼　　　'　　　　　 ／／´　/:.:.:.
　　　　　　 ﾄ､※,.＞-―…―--＜7´※　/:.:.:.:.
　　　　　　 !:.r(´.._'' ¨´￣￣｀¨r-┴ ､　 /ユｭ_:.:.
　　　　 　 /:.{ 〉ーｭ__...::::::::::.r―_`ヽ〈　/／　{ｊ:.:.
.　　　　　/:.:/{Y´,.-<:::::::::::::::`ー､`　ﾉｭ!_ｊ⌒ｰﾘ:.:.
　　　　 /:.:.:!　>｀ ー'､..＿＿＞-､_.ﾉｽ　 ,'　　|:.:.

ところが、ぎっちょん

　　　　　　　　　　　　 　　　　＿＿
　　　　　　　　　　 　　　 ,,.-´　　　 ｀｀ヽ
　　　　　　　　　　 　 ／ 　　　　　　 　　＼
　　　　　　　　　　　/　　　 _＿ノ　　'⌒　 ヽ
　　　　　　　　　 　 | 　　　（ ● ）　 （● ） .|
　　　　　　　／,〉／.| 　　　　　（__人__）　　|＼　　　マリーには悪いけど、その話は受け入れられないお
　　　　　 ／　/　　　.＼　　　　　　　　　／　 .＼
　　　 .／,二ニヽ　　　/　`ー───ー′ヽ　　 .＼
　　_ /　 ,-― ､}l　 　.l　|　　∧　　　.∧　 　|　 　.／
　/　|　　 ノｰﾍJ　　 i　l　　.|　.i　　 .ｌ ..| 　 /　.／丶
./　　|_,イ　　{　　＼ | . |　/　　ヽ＿/　.|　/ ／　　 ﾊ
　　　 ＼＿/　　　　 |　| /　　　/::::亅　|/／　　　/　|


　　　　　　　　　　　 ,　‐ ' "´￣￣￣ 丶､
　　　　　　　　, 　'´ _r─'´￣`ー-､_　 　　ヽ
　　　　　　r‐ ''"　 ノ´　※　　　　※ 　 ヽ　　 丶
　　　　　|　..::::-┴´￣`￣`￣`ー､_　　 ｀ヽ　　ヽ
　　　 　　Y'´　　　:　:　:　:　:　:　:　:　ヽ　※ ヽ　　'､
　　　　　∧　/　　 /　　　　:　:　:　: l :　:ゝ､　　l. 　　',
　　 　　/:　:　/:　　　／　:/　:　l　:　:　ヽ ※ヽ　　',
　　　　l:　:　/:　:　／:　: /: /:　ﾊ :　　:　:ヽ　 { 　 　'､
　　　　{: l!:　:⊥､／:　:　／.:/. ／|:　:　.l　　　ヽｿ 　　　ﾊ　　　ど、どうしてですぅ
　　　 .l: |l:　:l :トﾘ_`ー':＾／: {､　 ヽ: : : |　:　:　|_,..ィ'´￣
　　　　　人:弋　じぇ､"´ 　 ､ ｀丶､_ヽ.:l: /:　: l|:.　|　　　　　　私がこうして、頭を下げて頼んでるですぅ。
　　　　 　ム `ﾄ　｀"'ﾞ 　　 　 '＾ぅﾃｫ-ﾃ/./: /: /l.:..:.|
　　　　　 ∧ 八　　　 　,　　 　ヾジ　/.ｲ: :/. /: .l : |
　　　　/　こ}※ ＼__　トー‐､　　__ ノ_ .イ／/_:_:_l..|
　　 　ﾉ　 匸l／⌒ ､ ）ヽ___ノ _ .. イ￣※　ノ厂兀l.|
　 　/　　て/　 ´　 ヽ｀三/ ┴､ /　　　 ノし　 }: : l|

　　　　　　　　　　　　 　　　　＿＿
　　　　　　　　　　 　　　 ,,.-´　　　 ｀｀ヽ
　　　　　　　　　　 　 ／ 　　　　　　 　　＼　　　　　　　　　　　いいかお、マリーの言葉に従うということは
　　　　　　　　　　　/　　　 _＿ノ　　'⌒　 ヽ
　　　　　　　　　 　 | 　　　（ ● ）　 （● ） .|　　　　　　　　　　すなわち、ハプスブルグ家の意向にやる夫が
　　　　　　　／,〉／.| 　　　　　（__人__）　　|＼
　　　　　 ／　/　　　.＼　　　　　　　　　／　 .＼　　　　　　　　従うということになるお。
　　　 .／,二ニヽ　　　/　`ー───ー′ヽ　　 .＼
　　_ /　 ,-― ､}l　 　.l　|　　∧　　　.∧　 　|　 　.／　　　　　　やる夫にはフランス国王としての責務がある。
　/　|　　 ノｰﾍJ　　 i　l　　.|　.i　　 .ｌ ..| 　 /　.／丶
./　　|_,イ　　{　　＼ | . |　/　　ヽ＿/　.|　/ ／　　 ﾊ　　　　　　それを放棄して、あなたの言いなりになることは出来ない。
　　　 ＼＿/　　　　 |　| /　　　/::::亅　|/／　　　/　|

　 　 　　　　　　　　　　　　 ／　　　rｸ 　 　　 , --＝===＝ﾐ ＼
　 　 　　　　　　　　　 　 ／ 　　 ｨ7 　 　　≠″ 　 　　　　　`￢＼
　　　　　　　　　　　 ,.　' 　 　　〃 　　／ 　　／ 　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　 ,.　　　　　　　rｸ　　／　　　 / 　 　 　 　 　 　　ハ　　ヽ
　 　 　　　　　＼　　 ＼　　 jｊ　　/ 　 　 　/／ 　 　 ／ 　/　/　 |　　　゛
　　　　　　　　　 ＼｀　､ヽ　{{ 　 .′　　　/　　　　／　 ／ ／ 　 ′ 　　 ﾊ
　　　　　　　　　　　＼/　 V{{　 | 　　－/―--＜. 　／ イ　/　/ 　 　 　 ｜
　 　 　 　 　 　　　　 /　　∧{　 | 　 　　|子＝ﾐ＜￣　／　/　ｲ　|　　　　｜　　　私より、国王としての役割のほうが
　　　　　　　　　　　/　 ／　}}　ｉ| 　 　　|├び ﾊ｀　／　／／ﾄ　｜　 | |.//
　 　 　　　　　　　, ′　　　　}}.　＼　 　|｀ ー ′　　 ／ ｧえﾒ､｀｜　 | |'/　　　　　大事って事ですか？
　　　　　　　　 ／ 　 　　　　 {{ 　 rｆ＼ ヽ　　　　　　　　lじﾝ〃ﾍ/　　| |′
　　　　　　　／　　　　　　　/バ　 {{＼　　　　　　 　′　_｀ /　/　　/ /
　　　　　 ／　　　　　　　／／ {{　 }} | ＼　　　　‘｀　　/ }- 二　 イ//
　　　　／　 　 　　　　／／　 　什ｊト′　｀　　 ＿,　rｖ' ./ |}}　／/￣　７
　　 ／　　　　 r―‐､i⌒ヽー　　∨|　＿,ﾆヽ__　 / ' ./_.-ーｯ / _ 　 /
　／ 　 　　　　|＿し-.＼〔_r┐　∧∨＿／介ｰ､.　|ｲ　　　'ﾆI]_//, ､∨
'　　　　　　　／ /　＿仁＼〔__　|　　ヽ　/ 乃ヘ　/　　　　　‐､} ｢ ,.､ヾ,
　　　　　 ／|　　　 ヽーミ ｀ヽ〔_ ヾ　　∨　| | )ﾊ | 　 　 　 ,.r,. 〉'¨二　}
　 　 　／　｜　　　 /￣＞　、　`ｰ-　⊥　| |（ 　|　　　 rヘ}‐'{./ .-　ﾉ

　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　 〈<三三三三三三三>〉
　　　　　　　 　 ||　　　＿＿＿　　　||
　　　　　　　 　 ||　 ／ 　 　 　 ＼　.||
　　　　　　　 　 ||／　―　　 ―　.＼||
　　　　　　　　／ 　 （●）　 （●）　 ＼　　　そのとおり。やる夫にとって、確かにマリーは
　　　　　　　　|　　　　 （__人__） 　 　　|
　　　　　　　　＼　　　　｀⌒ ´ 　 　　ｲ　　　大事な人だお。
　　　　　　　 ／´￣　　(⌒)　　　　.ｨヽ|
　　　　　　 〈 　 ,┌､-､!.~〈　　　　 　　i　　　だけど、国王としての大儀より妻への愛情を
　　　　　　 .:｀ ｰ| |　|　|　 __ヽ、　　 |　l
　 　 　 　 　 　 ||ﾚレ'､ﾉ‐´　　￣〉.. |　l　　　とるなんて、そんなバカげたことは出来ないお
　　　　　　＿_/´ ｀ｰ---‐一'￣⌒::|　＼_
　 　 　 　 ||三l　　　 |ノ-‐-‐-|　　 |｀ー´||
　　　　　　￣|.ヽ　　_,l- ､￣￣|　　.|''|''''|"
　　　　　　　 |　|ヽl´　　 |　　　〉　 〈..|　|
　　　　　　　 |　|　 `-‐´ 　　 ヽ_＿ｿ |　|
　　　　　　　 ￣　　　　　　　　　　　 .￣

／＾｀､
( ,,.---]_
　l　　 〈ヾ。
/-^]r　　＾ ヽ　　　　　　　　　　『フランス国王　ふっとばされた！』
　　l　／＾ヽ 7
　　lr゜　　　"　　　　　 ミ＼　　　　 /|　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　 　 　 　 　　｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 ミ　 ＼∧/　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ,;.-ｰｰｰｰｰ----ｯ
　　　　　　　　　　　　　＿＼　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-'"　,|______､　　 ヽ /
　　　　　　　　　　　　 ミ＿　 　　 　　/　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 　 　　　 ,/-イ"´　,ﾞl　　ヽヽ､　ﾞ〈
　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　 / 　　,.､_　　　　　_　　　　　　　　　 　 　 　 ,/　,/　　 ,　l,lヽﾞ ／ﾞl　ﾞ､　|　　　　　陛下のバカーー
　　　　　　　　　　　　　 ￣￣/／∨　　　　ヾ｀ヽ'"ﾞ'ｰ'"ヾ｀ヽ,'"ヽ､ ,.､　　　　　　,〉, /　　　ﾉ ﾉﾞ-イ､_｀ﾞ'T'´ﾞl　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､　　　　 ヽ　ヾ　ヽヽ ﾞヽ,,,,,_　　 l ,l 'ﾞ''''ｰｨ' 'ノ　ノ 　 ,'´ |　　lヽl　　　　　 lヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞヽ　　　　ﾐ　　ﾐ　ﾐ　ヽ　ヾﾞヽ､_l l,　-'ノ　ﾞ'７　　｀Y　 ,ﾉ l　ﾉ　 l､ヽ､　　　〉 ,） __,....,,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､　　 ﾐ　　ﾐ　ﾐ　　ﾞ　ヾ　ﾐ ﾞヾ- ､l´｀Y′ _,..-‐v､　ﾉノ,　　 lﾞ'､ﾞヽ､'"（'"ｲ　　　　｀丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞヾ､　ﾞ　　 ﾐ　ﾐ　　　ヾ　 ﾐ　ヾ　｀ヽ　ｲ;'　　　　 ﾞィノ,:--'´lﾞ､,-ﾞｰn'､ヽ',l､　　　　 ィﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾﾞ､　　　　 ﾞ　　ﾐ　ﾞ　　 ﾐ　 ﾐ　　ﾐ､_ﾞl　　　　　_l-' ,.:-,/　l/ィ'/, ﾞ､V' ｲ 　 ,／'（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ''''ヾ､　　　　 ﾐ　　　　ﾐ　 ﾐ　　ﾐ　ﾞl'-ｰ'''ﾆ"r'　)´__｀l ノ' l　ｌ Y''"ィ |　/'　ｲ´,ィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞゞ､　　　　　 　 ﾐ　 ﾉ　　ﾐ,,,ﾉ　　ﾞ'>, ｀´ﾞ´ ('"y/ l ,l　l　l,.)" l /　// '　ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ﾞﾞゞ,,,_　　　 ﾐ　　　ﾐ" ﾉ　__／　ﾞ''''ｰ､　(（,(　Y　l ,し'　/　 ｲ/'　//;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ'''ｰ､　ﾉ　 人 / '",(　　　　　 ﾞ,..Lィ,､ヽﾞ'''"　　/,　 /l　 / /ﾞl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ彡'"　　'ソ´　　 ,　　　' r'ｿ,ﾞ-==､,　　　　ﾞY'　l / /　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,／___　´／lﾞ　　　ﾞ､ ´　　　　　　　　　　)/l　 /Yl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:'"´::::::::｀'､,_ L_　　　　ヽ.　　　　　　　　　　 l//,ｲヽ')
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（:::::::絶対領域::´:::｀ヽ、,　,ノ　　　　　　　　　　　　　ゝ'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::''"´ﾞヽ


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　　　　　　　　　　○
　　　　　　　　　　　○
　　　　　　　　　　　　○

　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　 /　ヽ､_　　　＼
　　　　　. （　（● ）　　　　|
　　　　　. （人__）　　　　　 |　　　というわけで、フランス国王への説得は失敗しました。
　　　　　r-ヽ　　　　　 　　 |
　　　　 （三） |　　　 　　　 |　　　申し訳ありません、テレジア様
　　　　　>　ノ　　　　　　 /
　　　　/ 　/ ヽ　　　　 /
　　　/ 　/　へ>　　　 <
　　　|＿__ヽ　　＼／　 )
　　　　　　　|＼　　　／|
　　　　　　　|　 ＼_／　|

　　　　 　 , ′　　　　　　 .:: /::.　 　 /　/　　/　　l　　 ｀、　｀､
.　　　 　 /　 　 , '　　　　.:: /::.　 　 /　/　　,'ｌ:.::　 ﾄ､　　 l　　ハ
　　　　 /　 　 /　 　 　 .:: /:.:.　 ,.::〃 ｌ| 　 / |:. .: ｜ｌ::　　|　/　ハ
.　　　 /　　..:/　　　　 .:: /:.:. 　 |:.:∟｣_|:ｌ　|　|:.:..　j ｌ|::.:　 |:. 　 　 l
　　　/　　..:/　　　　..:.; /::.:.. 　 |/l | }　l≧ｘ ｣:..　/　|::.:.　ハ　　､ |
.　　/　　..:/ 　 　 . : ://::.::.　　｜斗与=ミ｀ヽ|:: /　 ,':.: /ﾘ::.:ｌ:..　l| |
　 /, 　 ..:/　　　 . .:://7::.:.　 l　l ヽ {斥ぅ癶　l|/　 /::.:// }:: |::.　l| |
. //　 .:; ′　　.: ..:/人!:.:..　 l| ｜　｀ヾﾝ′　　　 厶メヽ ﾊ::.j::.:/ﾘ l
´/　／　　..: .::.:.／/ヽl::..　 ハ　l　　 　 　 　 　 　 ｆi仇ｲ/ﾘ:　/ ,' /　　　そう、わかったのだわ
　／　　. .: .:.:／　,'::.::}|:.:..　|　|　|　　　　 　 　 　 〉V /N厶イ 彡′
　　.: .:.:.:.:::／ .:／ ::;ｲ|:.:.　 l|　|　|　　　　　_ __　´　 ,小　　　　　　　　　ヨーゼフの見立てでは、彼は他人の言いなりになる
. ..:.:.::.::.:／ ::／　.:.::川:.:.　 |　｜ |　　　　　｀_┘　 / ,' |
_: _: .:; ′, '´ .:.::／_/_|:.:　 l 　 ヽ ＼　　　　　 , ィ　/l| |　　　　　　　　　気弱な国王という感じだったけど、評価を改める必要がありそうね
..:.::.::.::／ .:.:.::∠_//:.:.:|:.　 ト､ 　 ﾊ　ヽ　　,　'´/ ｌ /　! |
.:.:.;イ二ニ≦_／ ＾ヽ､|:..　|::.:.:｀ヽ､|　 l￣ 　 ,ｲ //　｜|
／/: .: .::.:.::.:.:.:｀ヾﾐﾄ､::|:.　{::.::.:.:.:. ∧　!　 ／} ｌ　l　　 | ﾄ､
／: .:.::.::.:;': :.:.:.:.::.::.::V!:|:.　|::.::.:.:.r衣}　厂 ／/|　|　　 | l |
: : ::.::.:::./: .:.:.:.:.::.:::.::.:}ﾍ!:.. |: .:.:.:.:ﾞ＝'＾仁彡'´｜ |　　 |川



　　 　　　 ／￣￣＼
　　　 　／　 ヽ､_　　＼
　　　 （●）（● ）　　　|　　　　　そうですね、私生活の面では割とアントーニア様の
　　　 （__人__）　　　　 |　
　 　　（　　　　　 　 　 |　　　　　　わがままを許されている様なのですが、こと政治のことになると
.　　　　{　　　 　 　 　 |
　　　 ⊂ ヽ∩　　 　 く　　　　　　まったく口出しをさせないような感じですね。
　　 　 | '､＿ ＼　／　 )
　 　 　|　 |_＼　 “　.／　　　　　　意外と頑固な一面もありますし、易々とは操れない男ですね。
　　 　 ヽ､ ＿_＼_／

　　　　　ｼ:::､' .／　　　/　　　　　　　　､　 ､　 　 /:､:_:1::ﾄ　　＼
　　　　 /:/ｿ /　 ′　,'　　 　 i　　　　 ｌ |　 l, 　 /:/ 　.|:::| ＼.　 ﾞ ,
.　　　 /:// ／, ,'　 ,'/　 　 　 j ,ｲ 　 〃 ! | !ｉ　 ':::'　　 |:::| 　 !　 /
　　　/://ｨl /l　!　' ｉ　l　! 　 //,j　 /,_ﾉナj,' l ､!:::|　　 ,!::;!　 ′ ′
　　　ﾞリ/　! ,、 ﾚl l i　l　!　/ﾚ i ／ｲ=j=､ '//! l〉::!　 /!:::i　/　 /　　　こちらも、引き続きプロイセンと和解交渉を行います。
　　 　 V､ lﾒ､ヽj､ｨf' ,=ゞﾄ '　　'"　 辷ソ // |　|リ　,' ヾ:::ｿ　 /
　　 　 /　/〉.l　,〉^i 弋_ﾘ　 　 　 　 　 ／/　.!　!'／　　 7　 /　　　　　　そちらも、根気よくルイ16世の説得をお願いするのだわ。
.　 　 /　//::ｿ /　|ﾍ　　 　 ､　　 　 ,　／　,/!　! 　 　 /　 /
　　 /　,.ﾚ ´ , ′′ ＼　　　 ヽﾆ' / /　／ / /　　　/　 /
.　 / ／　 ／ ﾈｰ:､_,.‐ァ｀　､　　 / /,／__,/ ∧　　 /　 /
　 ＼ﾍ ､´　/:!l:::::::::::ﾝ'::::／:,:::: ｰl/ﾌ :::::::/ /::::::＼/　 /
　 　 ヾ､｀ /::::!l:::::／:::／:::::′:::::":::::::::::/ /::::::::::::/　 /


　　　 　　　　 ／￣￣＼
　　 　　 　 ／　_ノ　ヽ_　＼
　　　　　　 | 　（●） （●） |
　　 　 　　 |　　（__人__） 　|
　　　 　 　 |　 　 ｀⌒´　　|　　　　了解しました。
　　　　　　 |　　 　　　　　}
　　　　　 　ヽ　　　　　 　.}　　　　　では、パリに戻ります。
　　　　 　__,_,,.ヽ＿　　　ノｰ- ､
　　　　 ハ　　/ 　Ｖ又ｲ ::::〉::::::i:
　　　　 }　ヽ 〈　　 l |;;|ﾉ　/::::::::::i 　-,,_
　 r iY'ﾉ.;;　 }::ヽ　　l|;;|　/::::i::::::::}‐　|　||
　.|| | ﾉ:::: 　 }:::::::＼|;;;ﾚ'ｰ'' ⌒.:::: ヽ |　||
　.|| | {,,;;;; .:::: ヽｰ---ｹﾄ､, へ､:::: 　 |　||
―──.::::::::::::ノ.:::/　/　　　彡}――─────
　　　　 "￣｀ﾞﾞ ''ｰ-､'ー----'

【解説】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-､
　　　　　　　　　　　　 　 /'´￣`ー-/　 ｀ヽ-‐─-.､__
　　　　　　　 　 　 　 ,ノ´　　　　　,/　　　　ｉ:　　 　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　／　　　　 　 / :| 　 　 　 |:: 　 ､　　 ､　 ﾍ
　　　　　　　　 ／　　　::　　　/　 ;|､　　 :　 |:|､ 　|::　　 ヽ､. ﾍ
　　 　 　 　 ／　　　 : :　 　 /　 / |∨　: :　|:| ∨.|:::　　　 ｀ヽ.ﾊ
　 　 　 　 /　／　 : : :;　　　| ,ィ⌒ | ∨ : : |:|　⌒|ヽ　 　 ､　 ﾊ.}
　　　　　/　,ｲ　/ : ::/　 　 ,|　/ __､|　∨ : :|ｊ　,_ﾚ'ヽ、　　 |:　　||
　　　　 〈　/ | :ｊ: : ::ｉ　 　 / |/,ｨﾁ心､　ヽ､::| ,ｨﾁ心､∨　　|::　 }|　　　こうして、おのおのの思惑を秘めたまま
　　　　　ヽ|　| :|: : ::| 　 ∧ ,ｲ ﾄ-':;;:}｀ }冖{`　ﾄ-':;;:}ヽ∨　 }::: ,/|
　　　　 　 　 ヽ| : :::ヽ､ {:::ﾊ.`､V:t;;ﾘ ,ﾉ　　､　V:t;;ﾘ ,,'∧　/ｊ;ノ |　　　しかし、事態は一向に改善されることなく
　　　　　 　 　 ∨: ::|::|::`::.:::j｀ ｰ-‐'"　__'__ ｀ｰ-‐"´ {::::ｊ,/::|:　 |
　　　　　　　　　｀ヽ:|| |:::::::|｀l:.､　　　 V　 ,ﾉ　　　 ,.ｲ|:::´::: |:::　|　　　いたずらに時間だけが過ぎていきました。そして…
　　　　　　　　　 　 |ｊ: |: ::,:ｊ .|:::_;;＞‐-,｀ﾆ´ｒ-‐＜´::|:|::: : : |:::　|
　　　　　　　　　 　 ﾘ: |::::;ﾉ ,ﾆュ､　 | ´ 　 ` }　　 ヽ|ｊ:: :　 ｊ::　 |
　　　　　　　　　　 ,ﾉ:,ィ´{　 -‐y 〕　|,-─‐-ｊ　　　 ﾉ:: 　 /::::　{
　　　　　　　　　 / ::ｆ　｀ｒヽ､_＿_,ｊ;＞､　　 /　 ／/´:　 /}::::　 |

【1778年　7月】

::::::::::::,'"´ヽ::::::::.:　::::.:　　 丶　　 ｀丶、　　　　 ｀ヽﾐﾐ
:.:.:.:.:.:l　　　＼:::::..　:　:　　　ヽ､、　　　丶、　　　　 ヽ
.:.: :.: l',　　　　＼::.:　　　　.:.:.. '､ヽ､　　 　｀':ヽ、
:　　 :l:',　　　　　＼::..　　　 .::::::ヽ､｀ ､、　　丶丶、
:.　　::l::',　 　 　 　 ｀>､::.　　.:.:::::::ヽ丶､丶、　 ＼丶、
::.:.　.::l:::',　　　　　 /　＼::..　 .:::::::::ヽ、｀丶丶、　＼丶、
::::::.:.:::l:.:.',　　　　 /:　 ,r ,.ゝ､:::::::::::::::::'､　 ｀ﾐ､丶、 ヽヽ、
ﾞ':,::::::::l:.:丶　　　〈::'､ / /ヾﾟ'}ﾄ､:::::::::::::::ヽ､　ヾミﾐヽ、
　ヽ::::::l 　 ＼　　｀`' Vli、 `'il! ＼:::::::::::::丶丶 ｀ト､丶､　　　オーストリアよ、最後通牒だ。
　　ﾞ､::::',.:..:....丶　 　　 丶　 ll!　　＼:::::::::::ヽ、＼｀ `
　　　',::::ﾄ､::::::.:::',　　　　　｀ ″　　　＼::::::::::丶. ＼　　　　　今月のうちに領土を戻さねば、プロイセンはオーストリア領に侵攻を開始する
　　　 ',:::', ＼::::::l　　　　　　　　　　　　｀丶:::::::ヽ、
　　　　',:::',　 ヽ::l　　　　　　　　　　　　　　｀丶::::ヽ、
　　　　 ',:::!　　｀l　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨト､::ヽ
　　　　　',:l　　 ,!　　　　　　　　　　　　　 　,ｲ/　 ヾ::ﾞ:、
　　　　　 '!　　,'　　　　　　　　　　 　 　 ,イﾝ′　　 <´|
　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　 , ィトﾝ′　　　　 ｀'
　　　　　　　 `ー――┐　　　, ィ'トl_> '′　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　LィZくlヽl＞'´　,.::::　　　　 /::
　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ'´　　／:::　　　　／::::
　　　　　　　　　　　　　　　　 丶-＜::::　 　　 ／⌒丶
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　 　＼　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｰ '′

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【続く】

といったところで、今回投下分はおしまいです。
突っ込まれる前に先に言っておくと、相変わらず
時間軸が前後してます。
今回の話は前スレのラスト、皇女の出産の少し前の話です。


ちなみに、プロイセンとオーストリアの騒動は
歴史的には大した問題ではないんですが
ルイ16世の政治的なスタンスというか、マリーアントワネットに
振り回されてたというイメージを払拭したくて書きました。

では、また次幕でお会いしましょう

乙でした
やる夫意外とちゃんと国王やってるなあｗｗ