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　　　┌───────────────────────────────┐
.　　　　　西暦20XX年。
　　　　　人類は３度目になる世界大戦で滅亡の危機に瀕しつつも、
　　　　　どうにか踏みとどまって地球規模の平和を享受することに成功していた。
　　　└───────────────────────────────┘

.

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　: . 　 　　　.|_|しｌ｢ 、Ａ）） 　//::::::::ｌ　O〔_G_」ｌｌ〕つ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . : : ;;: ::;,.':
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　: :. . . 　 　 　 　 ￣￣＿//::::::::::::」＿　　(_ノ 　 　 　 ヽ、　　　　 　 　 　 　 　 　 . : : :;; :: : ;;,. ':: :: :: :
　: : x: : :..　　 　 　 ／::::://::::::::::∠:::::::::＼　 　 　 　 　 　 ｀-､　　. . . . . . . . .. .: : : : : : ;;;;_,.-'´:: ::: ::: :::
　. : : . .　　　 　 ／:::::::://_::::::／::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　 ｀ﾞﾞ''ｰ- ､,,_:::　: :: ;;;;__,,. -‐''´: : : : : : : : :: :
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　: : : : .. ...　　 〕ﾆ.｢|三｢| 二∧ 》:::...:...::／　　. . . : : :: : : : : : : :+ : : : : : : : : : ﾟ: : : : :: : : : : : : : : : :: : : :
　　　┌─────────────────────────────────┐
　　　　　各国は自ら軍備を解体。
　　　　　世界の平和は警察軍と称される少数の汎国家組織に一任されることになる。
　　　　　そして……
　　　└─────────────────────────────────┘
.

　　　　　　　　　彼らは、平和がもたらす

　　　　　　　　　　　　　人的、経済的、資源的、時間的な余剰リソースに驚喜し、

　　　　　　　　　　　　　　　　　持ちうる全ての競争力を宇宙というフロンティアの開拓に投資した。







.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　 /!_ 　 　 　 　 　 　　　　　 ﾄ､ ＿
　　r── ─'´_ _L＿,　-‐=＝＝＝=‐- ､L.:.:.::::::｀`ｰ-,
　　ﾄ､　　　　　,､､-‐'''"´　　 ￣ ￣￣ ｀`''ｰ- ､ .:.:.:.:.::/　
　 ∩Yィ-‐''"´　　　　　　　　　　　 ,!　 　　　. :.:.`ヽV　　
　 i| | 〉　　　`ヽ､ _,,　　　　 `ｰ=‐<7>‐=‐ '　　. :.::.:.:::〉
　 jU/　　　　　　　　　　　　　　　, ′　　 　. .:..:::::::::/､　　　　　　･＜その結果がこれだよ！
/ rｪｪｭ　　ヽ　　､　　　　　ｰ＝jk＝‐'　 .: .:.:.:.::::::::/ｪｪｭ　　　　　　･＜いつ見てもでかいッスね
! !!三三､　　　　　/ﾄ､＿ _　　　　　　＿ ,ｲ.::::::／三三!
　| |L三三ゝ-‐‐''"´.:l/:::/:://ﾆヽﾆ7 /:::/::/.:,:イ三三三|　
　 ＼ヽ ＿, イ. :.:.::::::/:::/:://三三/ /:::/::/.::::〉ヽ＿＿_,/
　　　　　　　 ﾞ､　　　｀`"´　〕.:::b7　｀"´´.::::/
　　　　　　　　', r─ ‐＝‐ !:.::抂! ‐＝┐.:/
　　　　　　　　　',　　　　 　 〕:::::/　. :.:::::!/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,..-‐''''""~´￣￣
　　　　　　　　　 ＼　　　　〔.:;;;;〕　.:.::::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-‐''"　──‐‐''",.、.:.:.
　　　　　　　　　 　 ＼　　 」｡:::!　.:::::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.‐''"''''""~´::::::::::::::::::::::＼＼
　　　　　　　　　　　　 ＼_」:::/.:.:::::／　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.‐'":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ''‐
　　　　　　　　　　　　　　　ゝ圭7´　　　　　　　　　　　　　　　 ,.‐'"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.‐'":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　ラム・バサードエンジン搭載型恒星間宇宙船

　　　　　　７番艦　『レオノーラ・クリスティーネ』

　　　 i、
　 　　 i
　　　　ﾞi
　　　　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　＿
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（◎ ） ＜なにせ、人類最大の建造物ってやつだからな
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｰ' ｰ'
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（◎ ) ＜正直、誰得だこれって感じッス
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｰ' ｰ'
　　　　│
　　　　│
　　　　│
　　　　│
　　　　│
　　　　│
　　　　│
　　　　│
　　　　│
　　　　│
　　　　│
　　　　│
　　　　│

.

　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　 ´　! ,. -　　　＼　　　　　　　　　
　　　　　　/._爪_二ヘ　　　　＼　　　　　　　誰得……と言われると難しいが、
　　　　　/ヽ ハﾆﾆ･ﾌ 　　　　　＼　　　　　　
　　　　　| / | |　＼　　　　　　　　|　　　　　　　これでも必要最低限の大きさらしいぞ
　　　　　ゝィﾆニﾆｭ　　＿＿ 　／　　　　　　
　　　　　　　｀ｌ（ ）/::::::::::::::::::ゝ:::＼　　　　　　
　　　　　　　　ｌハ|::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..:,.:-‐'´￣~´ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／／:.／＼:.:.:.:.ヽ:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:./:.:./　 　 ｀ｰ-=､ゝ:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |〃:.:.l ─ 　 ─　 ,ゞ:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾚ!小ｌ　・　　・ 　 从:|）`ﾉ　　　　最低限ねぇ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ:ﾚ|ﾍ　　─　,,＠/:ｿノ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,r‐- ､ゝ、 　 　イﾚ'ｿ//　　　　　　たかが50人ほどでしょ、乗るの
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 ヨ７ Ｔ_フ´　_.>､>､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./｀ー-‐Y´｀>Xイ　　　 ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::l　 ＹﾍＪ}::::::::::::::〈:::〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ､:::::::::::/　 /　　.|:::::::::::::::::|::::|
.

　　　　　　　　(⌒
　　　　　　　,..::'｀￣￣｀:ｰ-､
　　 　 　 ／.:.:.:.:.／＼:.:.:.:.ヽ:＼
　　　　 /: :/:.:.:./　 　 ｀ｰ-=､ゝﾍ
　　　　 |:.:.:i:.:.:.:l 　─　　 ─ ﾄ､:ﾊ　　しかも、目的地の乙女座ベータでしたっけ？
　　　　 |:.（|:.:.从　　・　　 ・　l:.i/
　　　　 ヾ:.ヾ:.:.:.!＠,,　r‐ｧ　,ｊ:|ｿ　　　ぶっちゃけた話、星としてはご近所中のご近所だっていうじゃないッスか
　　　　　 ヾ、ヾゝ、　 ￣,ノ!//
　　 　 　 (丶三 ∩{　　ﾄ､　l:′　　　　そこまでの往復に、アフリカの緑化より予算かかるとか詐欺でしょ
　　　　　 .＼> /|∥}三ｿ| ＼
　　　 　 　 /Ｖﾉヽ) ヾ-〃　∧
　 　 　 　 .l/:::::::/､＼.り_／::::i　　　　絶対、どっかにピンハネされてるッスよ
　　　 　 　 ＼::ｲ::::::|<Ｖ>|:::::::::!


　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　.／二ヘ　　.＼
　　　　　　　　　　 .／ ハﾆ･ﾆﾌ　　　＼　　　　ま、ご近所っていやご近所だが、
　　　　　　　　　.／　//　＼　　　　　　＼
　　　　　　　　　|　ィﾆニﾆｭ　　　　　　 　|　　　光の速さで32年かかる距離だぞ？　ちなみに１光年は9.46ペタメートル。
　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　,ﾍ´イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.　　　ペタはキロの1000倍の1000倍の1000倍の1000倍な。
　　　　　　　　 /　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　.l　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　|　 　|　＞　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

.

　　　　　　　(⌒
　　　　　　,..::'｀￣￣｀:ｰ-､
　 　 　 ／.:.:.:.:.／＼:.:.:.:.ヽ:＼
　　　 /: :/:.:.:./　 　 ｀ｰ-=､ゝﾍ
　　　 |:.:.:i:.:.:.:l 　＼　　 ／ ﾄ､:ﾊ　　ほら、もうおかしいッス
　　　 |:.（|:.:.从　　・　　 ・　l:.i/
　　　 ヾ:.ヾ:.:.:.!＠ 　r‐､　 ｊ:|ｿ　　　　加速と減速の手間を考えたら、50年でも足りないじゃないスか
　　　　 ヾ、ヾゝ、.　 ｰ',ノ!//
　.　　　　 /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ　　いくら老化抑制薬があっても、帰ってくる頃には楽勝でご臨終ッスよ！？
　　　　　 |　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃



　　　　　　　　 .　　　 　 　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　 　　　　　　　　／- ､ ! ,. .／｀i
　　　　　　　　 　　　　　　 ／ヘ二_爪_/　　ﾘヽ
　　　　　　　　 　　　　　／ ヾﾆ･ﾆハ /|　　/ﾌ ＼　　　　そこはウラシマ効果で相殺するんだ
　　　　　　　　 　　　　 .| 　　　 ／　| | |ﾘ　 ﾋ　　 |
　　　　　　　　 　　　　　＼　　　ィﾆ／/　　,｀弋ヽ　　　　　光速に近づくほど、その物体の時間経過は遅くなる
　　　　　　　　 　　　＿＿ ヽ　　- ′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀.ｌ
　　　　　　　　 　 ／ :　　: :介〈　　`ｰ〈::....ノ　　　Ｖヽ　　　つまり俺たちが50年ばかり歳を食う間、
　　　　　　　　 　 | : : : : ::〈　｢｀ヽ_ｰ ､ ｀ヾ＿/　//:|
　　　　　　　　 　 | : : : : : /: |　{::::}　ﾌ-､｀ｰ┴‐- │　　　　この船に乗る連中は10年足らずしか経たないってわけだな
　　　　　　　　 　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :`ー‐一′ ::|

.

　　　　 　　＿＿＿_
　　　　　／- ､ ! ,. -＼
　　　 ／ヘ二_爪_二ヘ＼
　　／ ヾﾆ･ﾆハ ハﾆ･ﾆﾌ ＼　　　それに、事によっちゃ連中は帰ってこない
　　| 　　　 ／　| |　＼　　　 |
　　＼ 　　　ィﾆニﾆｭ　 　／　　　　もしも目的の惑星に人が住めるようだったら、
　　,--ゝヘヽ、___ ーーノﾞ-､.　
　/　　|　';　ゝ_____ ノ. |ヽ　　i　　　　あいつらはそのままあっちに永住するんだ
　l　　 |. 　ヽ/ﾞ（__)＼/|　i. 　|
　|　 　|　 　ヽ. ハ..ノ　|　|　｜　　　　ニュースでやってるのを見たことないか？



　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　⌒)
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　,....-:―─―:-´...､∧
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.ィ∧:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:し'、
　　　　　　　　　　　　　　　 　　〃:.:.し':.!:.:.:.:.:.:U:.:.l:.:.:.:i:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,':.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:|:.:.:.:.:.:.l:.:.l:.:!:.:.:.:.:.:.',　　　いくら何でも、その程度は知ってるッスよ
　　　　　　　　　　　　　　　 　,':.:.|:.:.:l:.:.:.l／＼:.:.:.:.!:.:.!:.|:.:.:.:i:.:.:.!
　　　　　　　　　　　　　　　 　!:.:.:!:.:.:!:.:.;'　　　`ー-==、u:.:.l:.:.:|　　　25人ずつのアダムとイブだって、
　　　　　　　　　　　　　　　 　!:.:.:lu:.:.!:.i ─ 　 　 ─　 Y:.:.:.l:U|
　　　　　　　　　　　　　　　 　!:.:l;.:ヾ:.Ｎ － 　 　 －　 ,':.:.;' ）;.|　　　毎日毎日あれだけ吹いてりゃ、いくらアタシでも目にするし
　　　　　　　　　　　　　　　 　ヾ!l:.:.:.:ヾ//////////,ｲ:.:./";/ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　 　　 丶:.:.l､'t- ,. ,,＿,,./'‐l:.;/_!/
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　ヾ! `/｀　　!'／　,!/　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　,ト ､　 "　　_,.　-‐ 1
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 !　i /｀ ¨´　ヽi　 　 |
.

　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　 　 　 　 　 ´　 ｀ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿ﾉ＿＿
　　　　　　　　　　. .＜: : : : : : : : : : :＞.
　　　　　　　　 ,.:´: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　 　 　 　 /.:::::::::::::;、:.:.: : : :: : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　 /;.:.::.l.l.:::/　＼:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : :.: : : : : : ハ　　　　ただ、やっぱ考えちまうんスよね
　 　 　 //.:.:l.:l:ﾚ' 　 　 ｀ｰ-=、:.:.:ヽ: : : : : : : 　 ﾊ
　　　　 l/ i.:.:l.:ﾚ'─　　 　 ─ ｀ヽ:.:.!::::::::::::::::.:.:.:.:.:|　　　　地球中の人も金も時間も使って、
　 　 　 　 VN:! ●　　　　●　　}:.::!.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.!
　　　　 　 　 l:.l　　　　　　　 　 ,':.:/.::::::/:::/:::/:l::;′　　　　アタシたちとは時間の流れすら違う世界まで行って帰って、
　　　　 　 　 l:.ﾄ､　 　 　 　 ＠/,:ｲ.:.:.:./.:./.:./://
　　　 _r ､_　 l.:l:.:ヽ　 ─　 　 　 .,'.:.:./.／.:./://　　　　　　なんで、そこまでして宇宙に行くのかなあって
　　rく ∨ ﾉ　l.:l:.:/ ＼_ ＿　　 イ.:.:/l´.:.／l/
　 f^ヽ_}J ｛　 l.:l:/─ァｰ x┤　∠イ∧:/　 ′
　{¨ヽ)/　 } . |:/'/ /　∠.__　　　 ﾉ　 `､
　 ヽ　　　ﾊ　// /　/ー-､ ＼／　　　 ＼＿_


　　　　　　　＿＿＿_
　　　 　　／ .,- ! -., ＼
　　 　 ／＿ソ_爪_ヘ＿＼　　　　　　　ここだって宇宙だし、
　　 ／ ヾﾆ･ﾆハ ハﾆ･ﾆﾌ ＼
　　 | 　　　 ／　| |　＼　　　 |　　　　　　しかもその宇宙船の建造に関わってるエンジニアのセリフとも思えんが……
　　 ＼ 　　　 ー─一 　 　／
　　,--ゝヘヽ、___ ーーノﾞ-､. ゝ 　）　　　まぁ、おまえが思っているよりは、みんな普通の人間だと思うぞ
　/　　/|';　ゝ_____ ノ. |ヽ　　i　ゝ-'
　l　　|. |. ヽ/ﾞ（__)＼/|　i. 　|
　| 　 |. | 　ヽ. ハ..ノ　|　|　｜

.

　　　　　　　　　 ＿＿＿＿
　　　　　　　　／ ､ ! ,. -　　＼
　　　　　　　ヘ二_爪_二ヘ　　＼　　　どうしても不思議だったら、直接聞いてみればいいさ
　　　　　　/.ヾﾆ･ハ ハﾆ･ﾆﾌ　　＼
　　　　　　|　　／　| |　＼　 　　　 |　　おまえが寿命で死ぬより前には、向こうの星に着くはずだからな
　　　　　 　＼　ィﾆニﾆｭ　＿＿ ／
　　　　　　 　/:::ヽ（ ）/:::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　/:::::::.|ハ|:::::::::::::::::::::::::｀



　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒)
　　　　　　　　　　　　-‐ '´￣￣´ヽ､
　　　　　　　　 　 ／:.:.:,／＼:::::.ヽ ::. ＼
　　　　　　　　　/:::/.::/ 　　 ｀ｰ-=､ヽ､:ヽ　　でも、あっちから返事がくるのにも32年かかるんスよね
　　　　　　　　 〃:/ﾄ/　 　 　 　 　 ゞヽ:|
　　　　　　　　 ﾚ!小ｌノ　　　 ｀ヽ　从|::l:i|　　　やっぱ広すぎッスよ、宇宙。
.　　　　 　 　 　 ﾚ|l:!{　・　　　・　　i::`ﾒ:ﾉ
　　　　　　　　 　 |ﾍ;ゝ ､_,､_,　 ＠ /:ｿ:/　　　せっかく平和になったんだし、火星くらいでちょろちょろしてりゃ
　　　　　　　　　　ﾚ'./⌒ｌ,､ __,　,イァﾚ′
.　　　　 　 　 　 　 /　 /::|三/::/／　 ヽ　　　　それでも十分楽しいんじゃないかなあ
　　　　 　 　 　 　 |　　l ヾ∨:::/ ヒ::::彡,

.

　　　　　　 　　＿＿＿_
　　　　　　　／- ､ ! ,. -＼
　　　　　 ／ヘ二_爪_二ヘ＼
　　　　／ ヾﾆ･ﾆハ ハﾆ･ﾆﾌ ＼　　　その辺は人それぞれとしか言いようがないな
　　　　| 　　　 ／　| |　＼　　　 |
　　　　＼ 　　　ィﾆニﾆｭ　 　／　　　　さて、そろそろ仕事にかかるか
　　　　＿＞､-―, _ ､ ― ＜＿
　　　,::'ー'/:fｼ:ヽ‐'7:ｨ‐/:ｷ::l:_‐`､
　　 ,':::::l::::－／::ヽl::::ｌ/:::ヽ┘:l::::l
　　,l:::::::|:::=t,`:::､、'::/::::／三l:l::::l
　　 ヽ::::!::::::ﾟ::::::::::`::'／l三王l:l:ノ
　　 　 ｀!:::::::::::::::::::::|o::::＋O::::!
　　　　 l::::::::::::::::::::::|o:::::::::::::::::|


　　　　　　　　　　　　　　　(⌒
　 　 　 　　　　　　　　　　,..::'｀￣￣｀:ｰ-､
　　　　　　 　 　 　 　 ／.:.:.:.:.／＼:.:.:.:.ヽ:＼
　　　　　　　　　　　 /: :/:.:.:./　 　 ｀ｰ-=､ゝﾍ　　　　　　　おっけーッス
　　　　　　　　　　　 |:.:.:i:.:.:.:l 　⌒　　 ⌒ ﾄ､:ﾊ
　　　　　　　　　　　 |:.（|:.:.从　　・　　 ・　l:.i/∩／ﾉ　　　　　今日はバサードモジュールの最終チェックですよね
　　　　　　　　　　　 ヾ:.ヾ:.:.:.!＠,,　ｌ ﾏ　.,ｊ:|ｿ .ゝ｀,ｨ
　　　　　　　　　　　　 ヾ、ヾゝ、　 ｀ .,ノ!//　/　/
　　　　　　　　　　　　　　／ ヽ{　　ﾄ､ヽ l:'､ /　/
　　　　　　　　　　　　∧＼　 ﾏ三ｿ|　ヽ　'　/

.

　　　 i、
　 　　 i
　　　　ﾞi
　　　　 i　　　　 　　　＿
　　　　│　　　　　　（◎ ） ＜これが終わったら、残りは黄道面の連中に任せて３日の休暇だ
　　　　│　　　　　 ｰ' ｰ'
　　　　│　　　　　　　　　　　　＿
　　　　│　　　　　　　　　　　（◎ ) ＜気合入るッス！
　　　　│　　　　　　　　　　 ｰ' ｰ'
　　　　│
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　　　　　　　　 .／　.| |.:'" ､
　　　　　　　　,レ'"^! ﾞ!ﾞ　 ﾉ
　　　　　　　_lメ..,,,./ . |｀ﾞ゛!
　　　　　　.;'/..．/゛|.'"..ｌ ､.|､ｨ-､
　　　　　　 |-.|　.ｌ　.ｌ　,..ｌ　 | 　ｌ＼
　　　　　　 |.l../ '"''"゛゛`"'"'ヽ ‐､/i
　　　　　　 {.i|._．''"''v．...　_....ゝ ゝ.!､
　　　　　　　!.ｌ.i゛　　 ゛ﾍ｀-　、"　　l│
　　　　　　　! .ｌ|　　　　　. ヽ`　　　.ﾚ'
　　　　　　　ヽ{_ヽ　　　　 　"　 　;:│
　　　　　　　 /ﾞ .ﾞ,＼,　　 .、 : .i .,./ !
　　　　　　　 !　　;..i　ﾞ'ｉ.ｒ'"ﾞﾞ|´/ /./
　　　　　　 .iﾘ　 : /　　　　 //!.//
　　　　　　/ ゝ-'/　　/ . .. / ,i./
　　'"'"' " "'''.'''　"'''.''"'"''"'"'"''"'"' "'':';:;.

「ほら、あそこ。ちょうど『神の手』を離れて、上へと昇っていく。あれじゃない？」
「ああ。たぶん俺たちの船だ」

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::::::::::::::*:::::::::::::::::::::::::::O___,i i|iiiii=. /ｺ　 「○/iiii_ |`|l０;　 .　ｌ;;;o;;;!i|::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　（⌒;γ⌒)　　（⌒;γ⌒　ヾノ⌒;;)（t⌒;;;⌒ii;;;|::: ::::::::（⌒;γ⌒)　　（⌒;ノ⌒　ヾノ⌒;;)⌒;;;）
.⌒;:.　　､"";;,,,,゛）.⌒;:.　 ;;,,,､"";;,,,,゛）（;; 日日目ヾ"(⌒　从...,,,⌒) _..,,,,,,).....,,,⌒) __iｖ,(Y（;;,,ヽ;;ヽ
（,,";"ヽﾉ";/"";"）,";"ヽﾉ";/"";"） 人（"(⌒(;ヾ（;;,,; 　ﾉ";/"）ヽ/"）,"ヽﾉ";"） 人（"(⌒(;ヾ（;;,,）;;）
　（~...,,,,,,.....,,,⌒) _..,,,,,,).....,,,⌒) __iｖ,(Y（;;,,ヽ;.（_;;::,ﾉ　（⌒)　ﾉ..,,,,,丿（.....,,,⌒) _..,,,,,,).....,,,⌒) ;;;;;）;;;
／（;;,,ヽ;;;...（_;;::,ﾉ （;;,,）;;ヽ;;;...（_;;::,ﾉ 　　　Yii!／　: ;; :　Yii!／　 ヽiiy ; ;　;/;..)('i|　...;;;;;;.. |ii //..;;
―――Yii! ; ;　;/;..)('i||;　　Yii!;;　;/;..)　　|ii!l　（;;;;）;;;;）; !ii（;;;;（;;;;） i| ;　;/;..) |!,ii　γ⌒ |li|ヾγヾ
⌒γヾ|!,ii　Ｙ γ⌒ |li|ヾ .|!,ii　Ｙ γ⌒ヾ　,　（;;,,ヽ;;;..）|ill（;;,,ヽ;; i i|（;;,,ヽ;;;..）ii|　（;;;;::...:|ili|（;;,,ヽ;;;.）
;;:从;;;ｖ.|ill|ヾ||（;;,,ヽ;;;从;;;ｖ.|ill|ヾ||（;;,,ヽ;;;..）‘ (Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ:ﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　　.ノ　、 .、
　　　　　　　　　　　　　　　,'´r=＝ﾐ､　 　 　● ●） l　＜　　でも、地球で過ごす最後の夜に
　　＾^＾　　　　　　　　　 　卯,iﾘﾉ）)）〉　　　 （人__） .|　　　　　　わざわざ見つける事もないだろ、常識的に考えて
　　　　　　　　　　　 　　　-|l〉l.ﾟ ｰﾟﾉl 　　　ヽ　 　 ノ　 　
　　　　　　　　　　,―──''|!/'i)卯iつゝ─＼⊂　 )‐､ 　
　　　　　　　　　　ヽ￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣＼￣￣ﾉ 　　
　　　　　　　　　 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 　
　　　　　　　　＾^＾ 　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　仕方ないじゃなぁい。わかっちゃったんだもの

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､_ 　　＼
　 　 　 　 　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （●）（● ）　 　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 |　　　　　　　　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　 |
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｧﾆニ＜／／〉、＿_　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,./ /＼　 ／ : : : : : : ＞ : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／ /|ｲ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／. : : : :| ./｀Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　,´ : :/: : : :| ｉ::::::|/ : :／: : : ／: : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　レオノーラ・クリスティーネ号　護衛官
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やらない夫・レイモント


　 　 　　　　　　　　　,. -ｭ,ﾆニ弌垳ト､
　　 　 　 　 　 　 ／r'^　_rﾍ-ﾍ/＾ヽr宀､
　　　　 　 　 　 /!７ト､7′ 〃　　　 ｌ ヽ ヽ
　　　、　　　　/ l//L｣| ∧ｌ |　! |l　 ｜　!　ヽ
　 　 |:l　　　 / 〃 ||丁l トH､lV| |l　 /l　 } l　|
　 　 ヾヽ　 / 〃　|l　| ｌ抔卞｀ヽ{　/-ト/ //ﾘ
　＼　 ヽ:∨　|」 /ｌ|　ｌﾄヽ￣　　 ﾚ'戎ｼ' ／ ′　　　　　どうしたのぉ？
⌒ヽ!ヽ._j＼＼ / 八　|ヽ　　　__ ' ∠r1=彳
::..::..::..::..::..｀::..::ヽ/　ﾊ ヽ‐ >､　 ,. イ|　}::..｀ヽ、
::..::..::..::. ／⌒ヽ､ヽjノヽ.∨r 芥､/:./ /::..::..::.､＼
::..::..::.::./:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ⌒Tlヽ｝l,ハ/-/ 〈::..::..::.｀ヾ＼ヽ
::..::..／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨_　||　ヽ:ﾚ':.:ヽ::..::..::.くヽ.j
::.r'´.:.:.:..::.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨_ ||ｰrﾍ.:.:、:.:.＼ヽヽ:〉
仆､ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨_l〉 ri心:.:',:.:.:.:.:ヽ｝
レオノーラ・クリスティーネ号　副長
　　　　　　　　　　　　　　水銀燈・リンドグレン

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､_ 　　＼
　 　 　 　 　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （●）（● ）　 　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 |　　　いや、正直な話、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　.|　　　　　なんで今日を俺なんかと過ごしているのかな、と
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜　　　　　　 {
　　　　　　.　　 　　　　　　　　　　.　　 　 　 　 　 　　＿＿＼　　　　 /ﾘ 厂`'‐- .._
　　　　 　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　／ :　　: :介ｰz＜__｣// |: : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | : : : : ::〈　｢｀乂/ 　/ 丿: : : : : : : |
　 　 　 　　　　　.　　　　 　 　 　　　　　　　　　　| : : : : : /: |　{::::}　/ `7: : : : : : : :│
　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |


　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　,　 　 ´ -―r〈匀}Yｰ　_
　　　　　　　　　　　　　 ／　／:::::::::,.　ﾍ≧ラ:::::::::::::＿,
　　　　　　　 　 　 　 ／　／:::::,. :::´:::;.　,-―ベ"￣　　 ｀
　　　　　　　　　　　/　 /::::::／:::;　イ　 |　　　　＼　＼　　　＼　　　　　　　　　　　普通なら、最愛の家族と一緒だろ……って？
　 　 　 　 　 　 　 /　 /:::／:::／ / 　 　|　　　　　 ヽ　 ヽ 　 　 ヽ
　　　　　　　　　 /　　|:/::::／　 :′|　　| 　 　 　　　ﾍ　　　　 　 ﾊ　　〃　　　　　　　　大好きだからこそ、逃げたくなる時もあるわぁ
　　　　　　　　イ二 ＞r＜　　　i　 |　　　　　　　　　　,　　ｉ　　｜廴/:/　 ／
　　　　　　< </　／ 不ヽ ヾ＼ |　 !ヽ　 ヽ　　＼ 　 　l 　 |　　｜Ⅳ:ｲ ／∠
　　 　 　 　 ＼__'／ /|::|　イ／｜　＼＼　 ＼ 　 ヽ　 | ィﾊ　　ﾊ｜::::/:::::＝≠――
　　 　 　 　 /／　 /　|::|ー'　　 |、ヽ　＼＼　 ＼　|ｌ /,.イ/ / /::jﾉ:::::::::::::::::::::＜二
　　　　　　／/　 / 　 |::|　i 　 　', ＞＼"＼二 　ヽ|ﾚゞ'ｲ／ ｲ|、:::::::::::::::::::::::::::二二ニ
　　　 　 /::::/　 /　 　ｉ!::!　ヽ　　 ヽ　＞イ l!ﾉ,.｀　 　 　 7　 / |::>:::::::::::::::::::::::::≧=--
　 ＼.__/::::/　 /　 　 /::/　　 ＼　 ＼　｀ ´ 　 　 　 　〉/ ／:::::::::::::::::::::::::::::::＜二
　　　＼ヾ{　 /　 　 /::/ｉ　　　 |ｲ＼　＼　　　　_,. ィ ／イ i＼::::::::::::::::::::ヾミ￣￣
　 　 /　＼＜...＿∠ ｲ∧　　　Ｖヘ.｀ ｰ一 　 ￣ ´/:::|　|　ﾄ　＼￣ヽ＼::＼
ー==＝ ￣:::::::::::::::::ー―ﾍ　　　∨７`;―::＞r―‐:'::.:::|　|　|:::＞ ｀　 、　＼
‐'"~:::::::::,. 　 -―――ベYﾍ. 　　∨ /:::.://バ:ヾ＼::.::|　|　ｌ:::.:::.:＼＿＼

　　 ｛ilililililillilil/ﾉ　/　　 /　　　　　 ヽ ＼
　　 ｛Ⅶilililili/ﾉ　 il　　 i　　　　ヽ　　 ﾊ　',
　　　｛Ⅶil≦ｲ　　il　　.il　 ﾄ､　　 i　　　 V
　_,彡ｲ 水￣ﾐヾ=.il　　.il　 ハ　　 ﾍ　　i .il
ｲｲ　 //ハヽ　　//　　 il　 i　ﾄ　　 ﾊ　 il il　　　　　お父様もお母様も、私の進路に反対したりはしなかった。
ヾ　.//　　Ⅶ_／　il　 .升　|　ﾘﾊ　il ﾘ ｲ 丿
　.Y /　　　 iliｲ.　 iﾄ　 ﾊﾄ>K彡' ｝/ ｲ.／/　　　　　　今回の植民船への参加を決めた時だって、応援すらしてくれたわぁ。
　//　　　　川　　.il ヽK' ／ ｨ= /　i､ il
.//　　　　 ﾊi.l　　人｝　ィ匕r:j　　　 ｀ー,　　　　　　でも、寂しがってるのはわかるの。
Ⅵ　　　　 i　i.l　 .ハﾘ　　￣￣　　　　　/
illi｝　　　　il　il　 il　il　　　　　　　　_ _ｲ　　　　　　　お互いに相手が大事で、大好きだからなおさらねぇ
ilil｝　　　　il　Ⅵ/　ﾉ　　　　　　 - ' ﾉilﾘ
人　　　　　ヾ≧　'　　　　　　　　 / /
ilililゝ,　- -　､ ＼＼　r､＿＿＿ /i./　　　　　　　　　　　……あなたは、ご家族はいないんでしょう？
ィ三三三三三ミ､ヽⅦﾐ=､_
三三三三三三三ﾐ､ ＼iミﾐ､


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 i 　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l　 、__,ィ、　　　　　 ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 V　 ﾍ _ノ-､　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ゝ 、___ノ　　　　}　　　＞、＿　　　__
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､丿_ ,.　　 　 /}　 ／/ : :/. : 二ﾆ{　｀ﾏ:ヽ　,.- ､　　　　ああ、天涯孤独の身の上だろ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀ヽ 、　　/;:' ,.ｲ / : : :i : : : :.｛¨V　 ＼:Y　 /
　　　　　　__　　　　　　　　　　 　 　 　　　 `-ｭ＜ｨ＜／ ,ｨ'"´ : : : : ∧　＼　 ∧　{
　　　　　 (　｀､　　　　　　　　　　　　　　 _／イr;;;;;/У: :｀ヽ､ : : : :i {　' ､　　ヽ　 ｀ﾄ､
　 r-、　　ヽ ∧､　　　　　　　　　　　　　{ : :ﾉ/〉-{／ : :／ : : : : : :i :〉、　ヽ　　　　',ﾊ
　 } r-、　　〉、　ヽ　　　　　　　　　　　　｀､| :i,';;;;/ : : :/ : : : : : : : ｨ:(　＼　_ヽノ　　}:ﾊ
　 } }　 {_／　{　　 {、　　　　　　　　　　　}λ:|;;;;/ : : /. : : : : : : : : : : ﾍ　 . : : : :　　r）､:
　 } }　 {r-､　,'⌒　　',　　　　　　　　　　/:'〈:'|;/ :.／ : : : : : : : : : : :V: :.｀ヽ : : : : ._// : :
　 ヽ}､ .i　 { r-､　　 人ｭ､　　　　　　　 /:λ',:r :./ : : : : : : : : : : : : : :'､: : : : 〉二ﾆ／ : : :
　　　⌒}､└i　'ト ィ　ﾉﾉ:.｀ヽ､　　　　 /. :} : :i : ,' : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : :{-´ : : : : : :
　　 　 　 ⌒--へ　 // : : : : ＼　　 r'´｀.i : : Y : : : : : : : : : : : : : : : : : : :V : V : : : : : : :
　　　　　　　　 ',ヽﾆノ : : : : : : : :ヽ人ミヾ', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :V : } : : : : : : :

　　　　　　　　　　　　 ,. -ｰ' 二二二 ｰ- ､
　　　　　　　　　 　 ／／:￣__::::::::::::::::￣｀:::ヽ
.　　　　　　　　　／〃'::::::/´ﾉ〉):_ノ_ﾉ::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 //´::::::__,ｨ:ゝ-':__,:::-──- ､::::::::::ヽ
　　　　　　 　 /ﾞ::::::::::／￣￣＼　ヽ＼　 ヽ ＼::::::::ﾊ__
　　　　　　 　 !:::::::／ヽ　　　 　 ヽ　',　ヽ 　＼ ヽ>,仁》　　　　　　もし目的の星が居住可能なら……
　　　　　　＿ |::::ハ　　', 　　　 　 ｌ　} 　 !　!　 ',<ノ||＼
　　　　　 《ﾆﾊ_ゞ、 ＼　＼　　　　!　||　 |　|__ ||　l | ＼>　　　　　　　その時はあなたも、向こうで家族を作ることになるわぁ
　　　　　　 ｿ|| ＼＼　＼　＼　　 | .从,ｨ匕Lィ||　| |　〈´
.　　　　　　　 | ',　＼＼,.＞一ゝ,　|/ /,ｨﾁzノﾉ |　| ｌ 　|ヾ　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　 ハ ＼　＼ｨﾁ乏ﾗﾐヾ'　　　｀￣　/ // 　 ｌ ',）　　　　,　-　　　　　　不可能だとしても、往復で十年以上の生活は、
￣:::｀ヽ、 　〈/|:} ヽ,＼　＼￣　　 、　　　　　/ // /　 ｌ　ヽ　 ／::::／:::￣
／:::;:ｨ:::::＼　//|　 |＼＼　｀ゝ　 　 -= '　 ／!// / 　　! 　 ∨:::::::::':──-:::､　　　　人生の大きな比重を占めるでしょうねぇ
:::／:::::ハ::::∨ﾑ'〉　｢｀::ゝ,＼_个 ｰtヽ_　／─ﾍ,ィ' l　　 |l 　/::::__::::＼:::￣｀ヽ
:::::::／／__;／:::::|　 |::::::::::ﾍ 　 !:::::｜ |::::ﾊ;:::::_::_:::ヽｌ　　 ｌ| 〈::::::::::＼:::::＼::::ヽ
:／;::/／/::::::::::: !　/ :::::::::::::}　|:::::::l!　!/ 　∨ } /::::/ /　ﾊ｀ゞ ､::::＼＼:::::ヾ
　 ∨／!:::::::::::::::| /:::::::::::::::::|　|::::ノ|　ト-ｰく 〈_｣:::/ /　/::::ヽ:::ヽ＼:::ヽ ＼
　 ／／|:::::::::::::::ﾚ ::::::::::::::::::|　|::_〉 }　 ─ｰ､ヾ才／}　/:::::::::::＼:＼＼〉＼
／／／ﾍ::::::::::::::::::::::::::::::::::::! /:::〉ﾍ! 　￣＼ヽ)=::､/ /::::::::::::::::::::::::::＼
／／／ 人::::::::::::::::::::::::::::::::|/::{ ｀入_　　ゝ}_ソ/｀´}/::::::::::::::::::::::::::::::::::}
／／ ／　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::（＼__　￣Z_r､_｢|　ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣ ＼
　　 　 　　 　 　　　　　　　　 　 　　 　 　　　　 　　　　　　　　　　 ⌒　｀'⌒　　＼
　　　　　　　　　　 　 　　　 　　　　　　　　　 　 　　 　 　 　 　 　 |(●.) (⌒ )　　 |
　 　 　　 　 　　　　　　　　 　 　　 　 　　　　　 　　　　　　　　　　|（__人___）　 　 | 　　　　　　軍の男所帯が長かったんで、
　 　 　　 　 　　 　 　　 　　 　 　　 　 　　 　 　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　 |
　　　　　　　　　 　 　　 　　　　　　　　　　 　 　　 　 　 　 　 　 　 i　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　鈍感なのは勘弁して欲しいんだが……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ 　、 　　　. {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -≦'ﾄ､ｰｰ-　´　ハ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : √ヽ、∠´／／. :ゝ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/i : : : : /「::::/＼ ／. : : : : : : :.＞、　　　　　それは口説かれてると思っていいのかな？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iV: : : :/ /:::/　 ／. : : : : : : : : : : : .＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ.| : : ,' /:::::,'　.:´. : : : : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　それとも口説くことを期待されている？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉi: : : i/::::::::i /. : : : : : : : : : : : :／ : : : : :',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;.: : : r::::::::γ: : : : : : : : : : : :./ : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i : : : i::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : :ﾉ : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i : : : i:::::/ : : : : : : : : : : : : :.l : : / : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ' : : : i:/: : : : : : : : : : : : : : :ﾊ :/. : : : : : :i

　　　　　 　 　 　 　 ,. ,,,,,-;;{@};;;;-,,､
　　　　　　　　　　 ／;;;,'''- ― -　､;ヽ丶
　　 　 　 　 　 　 /,.ri ! ﾄ l　ヾ,.ヽ　lヽ ヽ
　　　　　　　　　 ｉ| !ﾄ､ヽl､| '´!ﾚ;=ﾐ | lY,‐!
　　　　　　　　　 |l l ﾚｲ,=ﾐ､　´ ゞｲl　! !.:i　　　軍隊では、相手の目的が不明瞭な時、どう対処することになってるのぉ？
　　　　　　　　　 ヾヽｌゝゞ'　 ､ __　|l　l rj|
　　　　　　　　 　 　 !lヽ　　 <　 j　l　|ｲ|,|
　　　　　　　　　 　　|　i ヽ、__｀´　,iｨ !_j | 　　　　　　,＿,＿__
　　　　　　　　　　　 |　| ｉ!ゝ>,.二=ﾚ'　 >‐-,. =､-- ‐'":::::::;;ノ＿＿＿
　　　　　　　　　　 　|＿ii ＞-- ､　　　/::フﾆ--､j ::::::::::::::::::::::::::::::::::〆
　　_,　-― ､　　　　_|,.- ｨ薔7/.: .＼_/.＼_/／!r'⌒丶rﾆ ､__。 :::＞"￣ ~
　ｧ:::::::::::::::::丶r' '7.::..::|　_j/::. .:::::::::::::::.:.: |ｼj{_　 - ┴､--‐'´
　 ´イ:::, -ｬ／:::::|.::::. :「l.::::.　 :..::::::::､::/ヽl//7´　　ヽ､ ｀ｰァ
　　　ﾚ　 / ＼:::::ヾ:::..ヽヽ::::..　　.:::::::.l ::. ::ヽ |　　ヽ._　 l￣
　　　 　　´しｲ:::::::ゝ=oゝ>:::.-- ' :::::::| !:i::.:::::jヽ､_ __ ,　j
　　　　 　ｨ'::::::::::::::j.:／/:..　.::::::::::::. :::.!j.::::／ ! l l l ! l l |
　　　　／- ､::::::::／/ハl::::::... .:. :.:::::::.. ／　　ヽj ! !l j | |
　　 　 「￣二!〈ｨ:::://　!l:::::::::::::.:.___:/　　　　　 丶'ヽ! ´


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒ 　⌒　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　（●）（⌒ ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （__人＿）　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　'､`-ｰ-′ 　 　 | 　 　 　 . -,　　　まずは威力偵察だな
　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　``　　 　 　 |　　　　/　/
　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　 ｨ { r 、　/　/　　　　　こちらの手札を小出しにして、
　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 `ｭ`ｰ─ｰ ´_ノﾄ}　}／,`〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ ,. - ／ :./ﾘ ,/ ／ヽ{　　　　　　相手の対応から不確定要素を削っていくだろ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,. -:::／:/:::ﾊ　／ : :/ :.ﾉ　)(_／ ヽヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/ : ／ : /:::l　y : : : / : : }　　 >-<　} : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j : : : : :> :./:::::l ./ : : : :i : : :Λ　/　　 / : :∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i : r : : 〈 : i::::::::ﾚ : : : : : : : : : :〉､_　　 〈ﾘV. :Λ
　　　　　　　　　 　 　 　　　　　　　　　　 　 　 　 ｉ : | : : : :', :i::::::/ : : : : : : : : : :.乂｀ﾆﾆ彡´:.V. : ',
　　　 　 　 　 　 　 　 　　　　 　 　 　 　 　 　 　 | : | : : : : ', :i::/ : : : : : : : : : : : Λ : : : : : : : :V. :.i
.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -　￣　　､
　 　　 　　 　 　　 　 　　 　 　　 　 　 　 ／　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　 ﾊ
　　.　　.　　　　.　　　.　　　　.　　　　　 i　　　　　　　　　　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l　　　 　 　 　 　 　 ｿ､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| .｀､ ＿__,　　　 　 　 |ヽ＼__　　　 　 　 　 ＿_　　　　　　というわけで、
　　 　　 　 　　 　 　　 　 　　 　 　 　 ヽl　f ● ）　　　r　　//∧　|￣二二二ﾌ´　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j　　￣､ 　 　 |｀i　/// /} |　　　　　/ 　 　 ｀ヽ ＼　　　これからディナーに付き合ってくれるなら
　 　　 　　 　 　　 　 　　 　 　　 　 　 　（人＿ノ､　　 ﾉ　l/// //　.|　　　　./　　　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀,こ￣　　／>‐<// //　　!.　　 　/　　　　　　　i 　 i　　　　　非常に嬉しいんだが……どうかな
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ヽ-＜l∨､__∧/./ 丶. 　､　　　|　＼ 　 　 　 l　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. ' 　 　 　/ 　 | | /:::| |l∨　　 .て 　　　|　　 〉 ＼ 　 ∧　ヽ
　 　　　　　　 　　　　 　　　 　　　　 〈　 |　　　/　r‐┬ｒ--,､|ｌ |　　　 　 ､　 　l＼L 　 /　　　∧　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V l|　　 ７´　￣二ﾌ/　＞ 、　 　/　＿　/　　 /　__　　 ∧ i
　　.　　.　　　　.　　　.　　　　.　　　　 i　| 　 　｀　　 〈:::〈／r‐　　 ＼∠￣　 　:　 　/　　　,ﾉ　　 .!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　7 !　 　 　 i　　ヽ（_／ r　　　 |ﾆ｢lヘ.＿_.＼ 　 　 ／　.＿ !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼|　　　　丶　　 ､ヽ-‐ｔ＿_ノlﾆ!ﾍ　 ＼￣＞､／/-─-､　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　 ＼　 λ　|　/ 丶ﾉｼ　ﾉ＼ ＼　　　＼-､─ ヽ!


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-―‐ｆ〈{殳ﾐ- 、 ､
　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　 〆..::.::.::.::.::.::弋三シ.::..＼＼
　　　　　 　 　 　 　 　 ,　　 〆..:_r‐＜入_入_入_入＞､:..＼ヽ
　　　　　　　　　　 　 /　 ｆ7.:∠ノ￣　　　　　　　　　　 ＼:::.い
　　　　　　　　　　　 ′ ｆ7:/｣　　　　　　　　　　　　　　　 Ｌ:|｜
　　　　　　　　　　　| l　/:/」　　　　　　　　　　　　　　　　　{|｜
　　　　　　　　　 　 | l　|/　　　　 ハ　　l｜　　　　/ //　'　{| |
　　　　　　 　 　 　 | ｌ　|　| 　 |　｜ |l　 |∥l　　　/ 〃 ｲ　　| |
　　　 　 　 　 　 　 | l/ |　| 　 | |l |￣l ト|ハ|　　/／／/　　 | |　　　　ふふっ
　　 |ｌ　　　　　　　 | l/小 l　　|斗==ミ、 　 ヽ ／ ￣ /ィ/　 | |
/ｌ　 | l　　　　　　　|//|:| l l　 八　_ノバヽ　　　ィ　卞ﾐ./　/ ﾄ､　　　　喜んでご招待にあずかるわぁ
　l　 |　l　　　　 　 // l|:| |　ｌ　|　￣´　　　　 　 ヾ=′/／　 |:ﾄヽ
､　l　|　 ｌ　　　　 // l l|:| |　|　|　　　　 　 　 　 　 　 -＜ヽ　|:| |:l
　＼｜　 l　　　 {::{ |　l|:| |　|　ﾄ　　　　　　　'　　 /　Ｙ　|/l　|:| |:|／{　／{
､　　＼ 　 l　}＼ヾﾆニィ｜ |　|_|＼　　 丶_‐　 　レ⌒　ｊ/　ｌ|:| |:| /／　/
　＼＼ ＼ ヽ ＼＼|　|::|｜ |　|::..＼＼　　　 ／ 　 　 ／｜ ||:ﾚ:/　 　 /
　＼　　　 ＼ ＼＼|　ﾚ　|　|/.|::.::.::. ＞｀ Ｔ/　　　 ／l／ |　|ー'　/　/
ニ 二　＿　　ヽ ＞|　|‐┬くｌ:.:|:.::／ィ::７/厶-―fﾞ　 / 　 |　ｌ／ / ∠、
ー―‐　　／ ／...:: |　|::.::|}〉 ｌ｜〈〈::.: // }―－-|＜　　 人 ゝ　　＜
￣＞　／ ／...::.::.:: |　|::.::.ｌ}〉 l |　｀ヾイ＿|　　　├‐'⌒７Tー-､＼{　＼
／　イ　 / .::.::.::.::.:: l　l::.::.::ｌ}〉 l|　 　 〔＿ﾉ＞　〔￣ト-ｲ　|::.::.::.:..＼
　/　 / / .::.::.::.::.::.:: l.｜::.::.::ｌ}〉　　　　＼　ト--ｲ　 |　 |　|::.::.::.::.::.::..＼
./　 / / .::.::.::.::.::.::.::.:ｌ |::.::.::.::ｌ}〉　　　　　 }｜　｜　 　 |　ト､::.::.::.::.::.::.:.ヽ

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　／_ノ　 ｀⌒　＼
　　　　　 　　　　　　 　　　　　 　 　 　 　 _　　　 　 　 　 　| （● ) （⌒ ）　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　!　　　　　　　　|　（__人___）　 　|　　　　　ただ、俺の知ってる店は
　　　　 　　　　　　　 　　　　 　 　 　 　 ｜ !　　　　　　　　|　 ｀ ⌒ ´　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　!　　 ,.-,　　　　|　　　　　　　　 |　　　　　水銀燈の基準からすると、だいぶ下品で
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,ﾉ ┴、/ ,/ 　 　 　 ヽ　　　　　　　r
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r　`二ヽ ） i　　　　　　ヽ _ ､___, 　 ﾄ　　　　　　みすぼらしいと思うぞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　 ー、〉 /　　　　 _,,,,ﾉr　 `　　 ／i＼,,,,_
　　　 　 　　　　 　 　　　 　　 　 　 　 |　　r_,j　j__,,.. r''''"/::;|　＼`'／ 　 ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
　　　 　 　　　　 　 　　　 　 　　 　 　 | 　 ）　ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;|　 ／＼　　/::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾉﾆ-､　,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;|　 "::く 　/:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
　 　 　 　　　 　 　 　　 　 　 　　 /..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;|　|:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _ 　 -―ﾍ入辷ﾗ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,　　´ ..::::::　-　￣￣￣　‐　_
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　／::::::／ 　 　 /　　　 　 　 ｀
　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　／::::::／ /　　　 ′　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::／　 ｜　 |　 |l　|　＼　 ヽ　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　/ 　 ィＴｆく　　　｜　 |　 |ﾍ {＼　ヽ　 '.　ヽ　　　 ヽ
　　　　　　　 　 　 　 　 / ／ //|:|＾い|　　ﾍ　 |＼{ 二≧＼ |、｜ ｜l　　 ﾄい
　　　　　　 　 　 　 　 ./ 〈〈_///|:レ ﾉ|　 　 ヽ l　斗r千ミヽ ハ｜　|｜　| | | l
　　　　　　　 　 　 　 / 　 ーｆイ＾トｒ'　| 　 　 ヽ＼ 八ｒヒハ　　| |_メ|｜　| | | |
　　　　　　　　　　　 ′　　// |　|::|　 |　　　 |い　 　 ¨¨ 　 　 |ィ㍉lｲ　 ﾉﾘ リ　　あら。
　　　　　　　　　　 / 　 　 ::;′|　|::|　 |　 　 ｜｜　　　 　 　 　 ﾋﾉ7ﾉ／l/／
　　 　 　 　 　 　 /　/ 　 ｌ::|　 |　|::|　｜　|　ハ |　/////　　　 冫|l |、　　　　　　だったら、あなた以外が目に入らないような
　　　　　　　　　/　/ /　 |::|　 |　|:::〉　|　 |/　 l |　 　 　 ､＿ 　 　 川ぃ
　　 　 　 　 　 /　/ /　　ヾ{　 |　ﾚ′　い｛ 　 り　　　　　　 ´ 　 ｲ　｜l　　　　　　エスコートをお願いねぇ
　 　 　 　 　 ./／　′　　 　 /| 　 　 　 ヽ ＼ ＼　　　　　　　イハ　 |｜
　　 　 　 　 /　 /　　　　 　 '　| ＿＿　　　＼　　　　　 　 ／　|　 |　ﾘ '
　　　　　　/　 /　　　　　/　／-―‐-､＼　　 ＼ イ丁丁´　｜|　 |ｌ// 〉 / 〉
　　　　　　　 /　　　　　/　//.::::::::::::::::..＼＼ ＼ ＼ 川｜ 　 |｜ ﾉ / / / //!
　　　　　　　　　　　　 /　//.:::::::::::::::::::::::.. ＼＼ ＼ ＼| | 　 ｜|　 / 〈_/ / ｊ｜
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　　　　　　　　　 　 /　 } } :::::::::::::: ∠二二二二二、ヽ ヽ|ｌ　　ｌ|　 　 　 　 ／
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.⌒;:.　　､"";;,,,,゛）.⌒;:.　 ;;,,,､"";;,,,,゛）（;; 日日目ヾ"(⌒　从...,,,⌒) _..,,,,,,).....,,,⌒) __iｖ,(Y（;;,,ヽ;;ヽ
（,,";"ヽﾉ";/"";"）,";"ヽﾉ";/"";"） 人（"(⌒(;ヾ（;;,,; 　ﾉ";/"）ヽ/"）,"ヽﾉ";"） 人（"(⌒(;ヾ（;;,,）;;）
　（~...,,,,,,.....,,,⌒) _..,,,,,,).....,,,⌒) __iｖ,(Y（;;,,ヽ;.（_;;::,ﾉ　（⌒)　ﾉ..,,,,,丿（.....,,,⌒) _..,,,,,,).....,,,⌒) ;;;;;）;;;
／（;;,,ヽ;;;...（_;;::,ﾉ （;;,,）;;ヽ;;;...（_;;::,ﾉ 　　　Yii!／　: ;; :　Yii!／　 ヽiiy ; ;　;/;..)('i|　...;;;;;;.. |ii //..;;
―――Yii! ; ;　;/;..)('i||;　　Yii!;;　;/;..)　　|ii!l　（;;;;）;;;;）; !ii（;;;;（;;;;） i| ;　;/;..) |!,ii　γ⌒ |li|ヾγヾ
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　「小さいが個室があって、いいワインの揃ってる店があるよ」
　「じゃ、せっかくだから酔わせていただくわぁ」

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　　　　　　　　　そして

　　　　　　　　　　　やらない夫を含む男性25人と、水銀燈たち25人の女性は、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　バサード・ラム宇宙船『レオノーラ・クリスティーネ』号に搭乗。


　　　　　　　　　　　　　太陽から32光年の距離にある、乙女座ベータ星系第三惑星への旅を開始する。








　　　　　　　　　　彼らに宇宙の悪意が牙をむいたのは船内時間で３年目。

　　　　　　　　　　　　　　　地球をはじめとする外部の星々にとってみれば、10年目が近づいてきた時のことだった。






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　 　 　 　 |　　二二二二 三 二二二二　 　 ｉ　　
　　　 　　| 　 ― ― ― ＝＝ ― ― ― ‐　 |　　　　正直に、事実だけを言え。水銀燈っ
　　　　　 l　　 _＿＿ ノ　　 　 ^ー―－　 　 |　　
　　　　　. ! 　 / 　 　 ヾ≧=≦Ｙ　　　ヽ　 　 !　　　　　いったいこの船に、何があったっていうんだ！？
　　　　　　!　 |　{:::::::}　| }llllllll{ |　{::::::}　|　　 l　　
　　　　　　l. 　ヽ　,　　彡!!!!!!ゞﾐ､　 　 /　　 '　　　
　　　　　　 ',　　 /　　　　|　　　 ヽ　　　　/　　　
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　　　　　　　　ヽ　　 ｀ ー―― ´　　 　∧__
　　　　　　　　　＼　　　　　 　 　 　 ／ / 〉::｀丶、
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　　　　イ|　　 j |　　 /　 /　　　/　｀ト､　〈::::::::｛　　　|:::::|＼::::::＼{
　 　 　 | |　　/ |___ /　 /　　／.u　 :|　 　 ＼::::::＼ 　|:::::|　 ＼::::::ヽ
　　 　 / |　 / 厶イ三/≧∠ _　 　 ｊ|　　　　 ＼::::::＼l:::::|　｜ `ーく
　 　 :/　|　/彡'´￣ / ∠￣`￢ミメ廴　　 　 　 ＼::::::＼|　　ｌ 　 ＼＼　　　　　　……ガス雲よ。
　　 /　｜/　　　　〃 ￣ ヽ　 　 ｀刈　/　　　 　 / 丁Т　 　 l 　 　 ヽヽ
　　l　 　|/　ミミ＿弋　リ 丿 　 イⅥ / 　 　 　 /　 |:::::|　　 　 |　 　 　 |:l　　　　　周囲よりもほんの少しだけ濃い星間物質の塊が、
＼｜　　　　　´三三`ー≦彡　//　/　　　 　 / 　 :|:::::|　 　 　 |　　 　 |:|
　　　 　ij　 　　 　 　 　u￣`　//　/　　　 　 /　 　 |:::::| 　 　 　 ヽ　　 :|::|　　　　　　ラムジェットのスクープフィールドに激突して……
　　　　　　　　　　　　　　　　//　/　　　 　 / 　 　 :|:::::|　　　　　　 ＼ :|:::|
u　、　　 　 　 　 　 　 　 　 〃　/　　 　 ／　　 　 |:|:::::|、　　　　 　 　 :|::::|
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 /　　　／　　 　 　 :|:|:::::| ＼　　　　　　 :|:::::〉　　　　　　　　その、反作用で減速モジュールが……
　 　 　 　 　 　 　 u　　 　 　 /　　.／|　　　　　　/|:|:::::|　　＼　　　 　 :|／ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　 .／./:/　　 　 　 / /:|:::::|　　　 ＼　　　　 ノ〉 　＼／::
-_ー　､　　　　　　　　 ／　 ,／.／:/　　　　　 / / |:|::::::〉　　　　 ＼　／／　　／:::∠
ごﾟ　　　　　　　　　 ／￣￣ .／　/　　 　 　 / / /|:|／ 　 /:|　　　／／ ＿／::::::::::::::
⌒　　　　　　　　　ij 　 　 ／　　/　　　　　 / / / :|　　 ／::/　 ／／ ／::::::::::／￣＿
　　　　　　　　　　　　　イ　　　/　　　　　 / / /　 | _／:::／ ／∠ ／::::::::::／ ／:::::::::
　　　　U　　　　 　 イ　｜　　/　　　　　 / / /　 ／:::::／ ／::::::::::::::::::::::∠ ／:::::::::::::::
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　　　　　　　　　　　この船は、二度と止まれなくなったの……！





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　　　　　　　やらない夫たちは宇宙の果てまで翔ぶようです


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　原作「タウ・ゼロ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　著／ポール・アンダースン


　　　　　　　　　６月９日（土）より、やらない夫板Ⅱにて開始

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　※ちょっとオリジナル要素多めかも
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　※ねらう夫とやってられっか代は本編に出ません


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