逃亡した伍子胥（ご・ししょ）が向かったのは 北であった

　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣三＼
　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　 ＼三/＼
　 　 　 　 　 　 　 　 三　　 （ ○） （ ○）
　 　 　 　 　 　 　 　 三　u 　　 （__人__）
.　　　　　　　 　 　 　 ≡　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　 　　　　　　二 　　　　　　　}
　　　　　 　 　 　 　 r⌒ヽ　　ｒヽ，　　}
　　　　　　　 　 　 三　　　　i／　|　ノヽ
　　　　　　　 　 　 三　 　三　　 /　　　 )≡
　　　　　　　　　　 三 　三　　／　　 ／≡
　　　　　　　　　ﾆ三　　　.／　　　／
　　　　　　　　二≡､__.／　　　 ／､⌒)
　　　　　 　 三 　　　　　　　　 ＼　￣
　　　　　　三　　　　　/＼　　　　＼
　　　　　 三　　　　 /ﾆ ヽ 三　　　三
　　　　　三　　　 /　　ﾆ_二＿＿／
　　　　 三　　.／　.
　　　≡　　／　　|
　　 ≡　／
　 三_ノ
【伍子胥】
名は員（うん）
楚（そ）の廃太子建（けん）の太傅（たいふ，教育係）伍奢（ご・しゃ）の次男

廃太子建が亡命したのが楚の北にある宋（そう）であったのが理由のひとつ

そして もうひとつの理由は地理的要因にある

　　　　　　　　　 ,r---､　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ,_　　　　　_r‐'´ヽ
　　　　　　　　　 }ー'￣'ｰ-.,＿　　　　　　　　　_,　【燕】　',_　　　 ﾉ::::::::/
　　　　　　　　　{　　　　　　　 ｀ヽ　　　 ,.-―'´　｀､○薊 _ ヽv‐'´::::::::{　 ,.-‐⌒
　　　　　　　　　}　　　　　　　　 ﾉ 　 ／_,.　　 　 　 'ｰ-r‐' ｀´::::::::::::::::r'ノ´:::::
　　　　　　　　 /　　　　　　 　 /　 i　 /_　　　　　　 ,ｨ'ﾍ:::::: 渤　海 ::::´::::::
　　　 　 　 　 /　　　　　　 　 /　　{_,､　｀ｰ--‐'｀＞' 　 'ヽ::::::::::::::: _ｨ､,___,､_:::::
　　　 _,. -―'　　　　　　　　　}　　　 /　　　 　 /　　 　 　 ＞ｰ-,ﾉ　　　,ｨ､_{:::::
　　　 'ヽ　　　　　 ＼_　　　　{　　 r'　　　　　　} 　　 ,.-‐'´○臨淄　r‐':::::
.,_sｰ-'´　　　　　　　　｀ヽ　　|【晋】} 　 【衛】,/　 　 / 【魯】､ 【斉】rﾞ:::::
　　　　　　　 -‐-､_　　　{_ 　 }_,.ﾉ´○絳　○}　 　,r'　○　　} 　 /´:::::
　　　｀ヽ.,_　【秦】　ヽ　　 ヽ_{　○新田 _,.＜_,.-‐'´ 　曲阜 ﾉ　 {:::::
,､_　　　　 ｀ー-.､○雍ゝ-―´￣￣￣■ ○【鄭】○【宋】　{　　 ゝ:::::
　 ｀^ヽ　　　　　 ￣￣　　　　　　　 洛邑 新鄭　 商丘　　 ｀Y´　 ヽ:::::
　 i　　｀}　　　,-v-‐､　　　　　　 　 　 上蔡○ ｀ｰ､_ 下蔡_,.v'　　　 し､:::::
　 {　　　｀i　 ´　　　 ヽ-‐'￣￣｀ヽ　　　　【蔡】 _,.-‐'○´　　　_,.-=＜´ﾟ:::::
　 }　　　　{　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　´￣￣　　　　　　　 /　　　,､｀ヽ:::::
. （　　　　 ヽ　　　　　　　　　　【楚】 }　　　　　　　　　　　 ／　　　く_'j○呉:::::
　 }　　　　 {　　　　 ,rー-―'￣ヽ　郢ヽ_　,.-r‐､　　　　 r'　　　【呉】_r､ｰ'´:::::
　/　　　　　!,　　_ノ　　　　　　　 ヽ○.,_ ｀ _r' 　 ＼__／　　_,._,､　　/　○´｀7､:::::
-ﾍ　　　　　ﾉ´￣ヽ_　　　 　 　 　 　 　 }／　　　　　{ {_　　　　 ｀ｰ'　会稽　{´:::::
　r'ー-‐^ｰ'　　　 　 }　　　　　_,.-‐=^='ﾉ　　　　　　/ｰﾍ　　　,　　【越】　　ﾌ:::::
s'　　　　　　　　　　{　　　　／　　　 　 {　　　　　 ﾉ　　 ｀ｰ'ｰ'　　　　　　f´:::::

楚の北方には大国晋（しん）がある
この時代は国力で言えば晋と楚が二大大国であり その次に秦（しん）と斉（せい）が挙げられる
楚の太子となった軫（しん）の母は秦の公女であり 斉は地理的にやや離れている
南の呉も楚とは長年戦い続けているが 後進の国であり国力としてはやや劣る

楚を伐つならば 晋の援助を受けるのが最も現実的なのである

そしてその途上 伍子胥はとある邑において
物陰から自分の手配書を読み上げる役人の声を聞く

　　　 ／ ￣￣＼　　´_
　　／　　　 　 ノ ヽ　､
　　|:::::: 　 　　（● ）　　（⌒）
.　　|:::::::::::　　　（__人）　　　⌒）
　　 |::::::::::::::　　　⌒ﾉ　　　　ノ
.　　 |::::::::::::::　　　　}　　（　ﾉ
.　　 ヽ:::::::::::::: 　　 }　　　　　　ﾊｧ ﾊｧ
　　　 ヽ::::::::::　　ノ
　　　　/:::::::::::: く
　　　　|:::::::::::::: 　|
　　 　 |:::::::::::::::|　|

　　∧ ∧
　（ ´・ω・）　　　　　 この伍員なる者 父・兄と共に廃太子建を唆し
　（ ⊃/￣￣/　　　　王に叛かんとする凶漢なり云々―
　 しｰ-J￣

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）　　　　　（やれやれ ここにまで手配が回って来てるか
.　|　　　　 （__人__）　 　 　 　 しばらく野宿だろ 逃亡者的に考えて…）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

　　∧ ∧
　（ ´・ω・）　　　　　 なお この者の父奢と兄尚は先日腰斬（ようざん）に処せられた―
　（ ⊃/￣￣/
　 しｰ-J￣

　　　　　　　　　 , --────-- ､
　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼
　　　 .／　　　　　　　　 ─── 　　　 ──＼
　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼
　　｜　　　　　　　　　／／　　 丶＼　　.／／　丶丶
　　.｜　　　　　　　　｜ {　　　　 |　 |　 ｜ {　　 　.|　|
　　　|　　　　　　　　　 ＼ヽ 　 ／ ／　　 ＼ヽ 　 ﾉ／
　　　.|　　　　　　　　　　　　　,／　　　　|　 　 　 ＼
　　　 |　　　　　　　　　　　　｜　　　　 ｜　　　　 ｜
　　　 |　　　　　　　　　　　　｜　　　　 ｜　　　　　|
　　　 .|　　　　　　　　　　　　 ＼＿＿／＼＿＿／
　　　　|.　　　　　　　　　　　　　ヽ　　, ─ 、　ノ　'
　　　　.|　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /
　　　　 |　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ）
　 　 　 丶　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l
　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 )
　　　　　　 .＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　 く
　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ

　　∧ ∧
　（´・ω・｀）　　　　　　あ 腰斬って胴体を切断して晒す刑で 一番重い処刑法ね（※）
　（ ⊃/￣￣/ 　 　 　 前回のAAでは首を斬られているけど その辺は生ぬるい目で(ry
　 しｰ-Ｊ￣

覚悟していたことではあったが やはり肉親が処刑されたという報せは
伍子胥の心を打ち砕いた

　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　／　::::＼:::／＼
　　　　 　 |　　 ｡< 一>::<一>｡　　　　　ち…父上…兄上っ…！
　　　　　.　| 　 .:::｡ﾟ~（__人__）ﾟ
　　　　　　 |　 　ﾟ 　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　.　 |　　　 　　　　 }
　　　　　.　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　 ／ ヽ　　　　　ノ
　　　　／　 ⌒ヽﾟ 　'"'"´(;ﾟ　｡
　　　/　,＿ ＼　＼／＼ ＼
　 　 と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.

と同時に

　　　　　　　／ ￣￣￣ ＼
　　　　 ：:／　　 　 　 　 ::::::|:：
　 　 　 ：:| 　 　 　 　 　 :::::::|:：　　　　　　…るさん…
　 　 　 ：:| 　 　 　 　 　 :::::::|:：　　　　　　許さんだろ…
　 　 　 ：:| 　 　 　 　 　 :::::::|:：
　 　 　;： | 　 　 　 　 　 :::::::| ：
　　　　　 ＼.....::::::::: 　::::, ／
　　　 　 r "　　　 　.r　　|ﾟ。
　　　　：|::|　　　　 ::::|　:::i
　　　　：|::|:　 　 　.::::|　:::|：
　　　　：`.|:　 　 　.::::|　:::|_：
　　　 　：.,':　 　 　.::（　　:::}：
　　　　 ：i　　　　　　`.-‐"

※腰斬には「受刑者の縁者も同時に処罰される」という意味も付加される
　 伍家の場合 誰が連座したかは伝わっていない

　　　　　　　　　　　　　　　　　_ _＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　, ´　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　|　　 　　 ,　　　　 　 　 ｌ
　　　　　　　　　　　　　　|　　_＿ノ　,　 ヽ､＿　　|　　　 　 　 　 　 　 /Ｖー-へノ＼ノ＼ノ＼ﾉ＼
　　　　　　　　　　　　　　l　　（ ⑪ ）　　　（⑪ ）　|　　　　　　　　ノＶ　　　　　　　　　　　　　　　＼
───────-----|　　　　　　　　　　 　 　 l ‐────く
　|　　　　|　　　　|　　　 l　　　（ _＿ 人＿__）　　 ｝　 　 　 　 ノ
　|　　　　|　　　　|　　,　 |　　　 i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i　　 .|　　　|　　ﾉ 　 ぜったいにゆるさんぞ費無忌（ひ・むき）!!!!!!
　|　　　　|　　　　| 　|　　| 　 　 l.r '⌒ ^⌒｀j　　 | 　 　 .| 　）　　そして王弃疾（きしつ）!!!!!!
　|　　　　|　　　　|　 |　|　丶　　 ヾ-======'.　 / 　.|　| |＜　　 .貴様らも同じ目に遭わせてやる!!!!!!!!
､ |　　　　|　　　　|　　|　|　ヽ　　　 ｀　⌒　´　 　 / /　|　　）
　　ヽ､　　|　　　／＾‐━,　＼_`ｰ--‐ _´..　‐''´／ ／＼ |　　└､
　　　　ヽ､ |　／ノ―､＝'､ ＼_二二`─´二二_／　　　 ＼　　　Ｖヽ
　　　　　　ヽ/´　／　 /￣｀ｉ､　　 ￣||￣　　　　　　　　／　＼　　 　ヽ／￣￣ヽノ⌒Ｖー-､／⌒Ｖ
　　　　　　ﾉ　 丿　　 l　　　| ｀ｉ---┼-----------'´
　　　　　　| 　　〈 ｌ　 　〈　〉　　|
　　　　　　ゝ　　　　　　　　　,/

伍子胥は復讐心を更に燃え上がらせることになる
そしてこの炎の強さがどれほどのものか
いずれ人々はその身をもって知ることになるのである

やらない夫は

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　 r-―――――――――--､
　　　_,.---――――――――--.,　　　　 ｆ´,r―――――――‐-､ヽ　　　 ￣￣￣￣￣'|　|￣￣￣￣!_ﾉ
　　　'ー‐7 /￣| .|￣￣/ /￣￣￣　　　 　 |　|　　　　　　　　　 　 　 |　|　　　f´￣ﾆ ヽ 　　|　|　　　 f｀i
　　　 　 / / 　 | .|　　/ /　　　　　　　　　　ゝ ｀ー―――――――'　ﾉ　　　.|　f´　|　| 　 .|　'ー―‐' ﾉ
　 　 　 / /　　 ゝ＼/ /　　　　　　　　　　 r､ ￣￣￣￣|　|￣￣￣￣ r､　 　 |__j 　 ゝ ｀ー'　 f二二_´＿
　 　 　 | .|　　 　 ＼　｀ー―-､　　　　　　 | .i　　　　 　 .|　| 　 　 　 　 j .|　　　　　　　 ｀ー―――――‐'
　 　 　 | .|　　　　 / /｀ー‐-､ ヽ　 　 　 　 ゝ,｀ー――‐'　 ｀ー―――' ﾉ　　　　f´ 二二二二二二二 ヽ
　 　 　 | .|　　 　 / /　　　　　| .|　　　　　　　￣￣￣￣'|　|´￣￣￣￣　　　 　 .|　L＿＿＿＿＿___」　|
　 　 　 | .| 　 　./ /　 　 　 　 | .|　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　 　 　 　 　 　 |　＿＿＿＿＿＿＿　|
　 　 　 | .|　　 / / 　 　 　 　 .| .|　　　　　　　　 　 　 　 j　j　　　　　　　　　　 　 |　L＿＿＿＿＿___」　|
　 　 　 | .|　 ./ /＿＿＿＿＿| .|＿＿　　　　　　　　　ノ ノ 　 　 　 　 　 　 　 　 |　＿＿＿＿＿＿＿　|
　 　 　 | .|⊂'＿'＿＿＿＿＿＿＿＿ﾉ　　r―――'´ ／　　　　 　 　 　 　 　 　 |　|　　　　　　 　 　 j　j
　　　　 ｀´　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　　　　　　　　 　 |__j　　　 ⊂二二二__/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なようです

　　　　　　　　　　　　【七】「熊建たちは援助を求めて彷徨うようです」

【略年表】
前643　　 　 　 （斉）桓公死去
前628　　 　 　 （晋）文公死去
前614　　 　 　 （楚）荘王即位
前591　　 　 　 （楚）荘王死去・共王即位
前560　　 　 　 （楚）共王死去・康王即位
前545　　 　 　 （楚）康王死去・熊員即位
前541　　 　 　 （楚）熊囲が熊員を弑する
前540　　 　 　 （楚）熊囲即位 熊員は郟敖と諡される
前538　　 　 　 （楚）熊囲が諸侯を招集して会盟を行う
前535　　 　 　 （楚）熊囲が章華台を築く
前534　　 　 　 （陳）公子招が陳の哀公を弑して公子留を立てる
　　　　　　　　　（楚）熊囲 公子弃疾に命じて陳を攻め これを滅ぼす
前532　　　　　 （楚）熊囲 蔡の霊侯を招いてこれを酒に酔わせて殺害
　　　　　　　　　　　　公子弃疾に命じて蔡を攻めて滅ぼす 弃疾は蔡公に任ぜられる
前531　　　　　 （楚）徐に出兵 熊囲は乾谿に滞在する
前530　　　　　 （楚）公子子干・子皙・弃疾が叛乱を起こし都を占領 太子禄を殺害
　　　　　　　　　　　　熊囲は側近・軍に見放され 放浪の後に自死（のちに霊王と諡）
　　　　　　　　　　　　弃疾の流した囲の報復の噂におびえた子干・子皙が自死 弃疾が王となる
　　　　　　　　　　　　王弃疾 陳と蔡を復興 蔡公を葬る
前529　　 　 　 （呉）州来を滅ぼす
前523　　 　 　 （楚）楚王弃疾 太子建の為に秦公女を娶るため 費無忌を秦に遣わす
　　　　　　　　　　 　 費無忌 秦女を弃疾に献ずる
　　　　　　　　　　 　 太子建 城父へと派遣される
前522　　 　 　 （楚）費無忌 太子建を弾劾 太子建は宋へ亡命 太傅伍奢投獄される
　　　　　　　　　　 　 伍奢・伍尚父子処刑 伍奢の次男の伍員（伍子胥）は逃亡

逃避行の途中で父と兄の死を知った伍子胥であるが
その後も足をゆるめることなく また追手に捕捉される事もなく 無事に宋へと辿り着く

　　　　　　　　　　　 _,;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ';;､
　　　　　　　　　　,;';;　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　`､
　　　　　　　　　 ,';;;;;,,　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　;ﾞ;
　　　　　　　　　/;;;;;;;;　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　　,,,;;;;;i
　　　　　　　　　i;;;;;;;;;;;;;;;,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;　;;;;; ,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　ﾉ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;li;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　 i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／l;;;/l;ｿ;;/ |;;;;;;/| l;;lﾞヾ;;;ﾄ､;;;;;;;;;;;;;i　　　　　子胥か…よくぞ来てくれた
　　　　　　　　　　|;;､;;;;;;;;// /,'' / l/　 |/|/ 　 ﾞｌ　 ヾ､ﾞi;;;;;;::::/　　　 　 太傅と長兄どのの事は残念だった
　　　　　　　　　　/ヾ;;/ｿ　　　　 　 ,　　,　　　　　　ヽ l;;l"ﾞl
　　　　　　　　　　'､ (ヾ,,＝==;;;;;;;,,,,,_`il,iﾞ__,,,,;;;;;==＝　,/|lヽ l
　　　　　　　 　 　 ヽ､`||ヾi;'（:::::ﾞ'ﾞ:::/;;i＝i;;;ヽ:::ﾞ'ﾞ::::）ﾞi;/ |l'ﾉ/
　　　　　　　　　　　/ヽ|l､ ﾞi::;;;;／⌒⌒）.ヾ..;;;;;;;;;;..ノノ/l.,/＼
　　　　　　　　　　/;;;/::ﾐヾ､.／ ／ ／　）　　　　　'ﾞ /ﾐ"i;;;;;;;;＼_
　　　　　　 _,.-;;'";;;;;;;;r‐ ﾐ/ﾞ ,／ ／ 　/_!／`　　 /,,l;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;~＼
　　_,､-‐;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　/　/　 / 　 /.__,,,..-／ヽ　/;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;,,､_
‐'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ﾉ　/　.ﾉ　　/　,,, ／　 ﾉ/';;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ'';;;,,､_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ/ ノ　 /　　/,,,,／ 　 ／;;;;ミ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　/　　/;／　／;;;;;;ミ　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ　　　,　　　 `ﾞ　　／―''':::::::::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| 　|　　|　　　　　　ﾉ:::::::::::::::::::;;;;／i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
【熊建（ゆう・けん）】
楚の王弃疾の息子で廃太子

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）　　　　 　 痛み入ります
.　|　　　　 （__人__）　　　　　　この子胥 いかなる苦難に遭いましても
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　 　 太子さまの復帰をお手伝いいたします
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 j: :/: :＿ ,;､､;,;,＿_:!: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ r'／;;:='ﾍk￢-､__｀: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ｲ （/='゛_r斤:|｢｀ヾｧｰ-｀ニ
　　　　　　　　　　　頼もしい事だが…　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｢:|;ゞ-|:::::ｉ:::::{ﾘ::||_,ノ'″
　　　　　　　　　　　どうやらそう簡単にはいかないようだ 　 　 　 |::l欠"ｌヽｌ::::::ﾃ〃゛;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／: : :l　ゞ--‐'＾"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,､‐'´: : : : : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈 ￣｀ ｰ-￢:卜、　　　　　　　　　 ,.:':
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`丶,￣`　'＾｀ヽ　　　　　　　　,:':
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ＿　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽャ‐‐-__､、　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,〕!ニ､=-'’　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 L、

　　 　　 ＿_　　　　 ━┓
　　　 ／　～＼ 　　┏┛
　　／ ノ　　(●)＼　・　　　　　　 　 はて？
.　｜　(.／) 　 ⌒）＼　　　　　　　　 宋の国が協力を拒みますか
.　｜　　 （__ノ￣　　 ＼
　　＼　　　　　　　　　 |
　　　　＼　　　　　　　/
.　　　　　 ＼　　⊂ヽ∩
　　　　　　/´　 　 (,＿ ＼.
　　 　 　 /　　　　　　 ＼. ＼
　 　 　 ./ 　 / 　 　 　 |. ＼ソ
　　　　（ 　y'　　　　　 .|

宋の実情はそれ以前の問題であった

　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　☆
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　☆
　　　　　　　　 　 　 　ﾎﾟｶ　 　 　 　 (⌒ ⌒ヽ　　　/　　　　　
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　（´⌒　　⌒　　⌒ヾ　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　 （'⌒　;　⌒　　　::⌒　　）　　ﾎﾟｶ
　　　　　　　　　　　　　　　（´　　　ﾟДﾟ　　）　　　:::　）　／
　　　, ― ､　　　　　☆─　（´⌒;:　　　　::⌒`）　:;　　）　　　　　　　　　　ノ|,,ノ|
　　＜＜:;;:）　）　　　　　　　（⌒::　　　::　(;;::)Дﾟ:⌒　）　　　　　⊂⌒ 　(´･ω(;;;)
　　　Ｕ( (Ｕ_つ　　　 　／　（　　　　ゝ　　ヾ　丶　　ソ　─　　　　　　し'　　`Ｊ

宋の元（げん）公は信義に薄く 公子や大夫を多く殺したため
宰相の華定（かてい）・華亥（かがい）が叛乱を起こし 国内は混乱を極めていたのである

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）　　　　　　これじゃ援助を願い出るどころの話じゃないだろ
.　|　u.　　 （__人__） 　 　 　 　 常識的に考えて…
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

建と伍子胥はこの混乱を避け 隣国の鄭（てい）に逃れる

鄭公は建の境遇に同情し 礼を持って遇した

　　　　　　　　　　　 _,,. -‐‐‐‐‐‐‐- 、
　　　　　　　　　　　lヽ　ヽ ヽ ヽ　 ヽ ヽ
　　　　　　　　　　　l　}　 |　 |　 |　 |　 |
　　　　　　　　　　　l　}　 |　 |　 |　 |　 |
　　　　　　　　　　　|ﾆﾆ''"￣￣￣￣｀ﾞ|
　　　　　　　　　　 /〃'"￣￣￣￣￣｀ｰ､
　　　　　　　　　 / {.l く゛ｰ-- ､_　　　_,.ﾍ ヽ
　　　　　　　　　 { | | /　　　　　｀"''ﾞ゛　 ヽ }
　　　　　　　　　 〉| ﾚ／｀ヽ､,,_　　 _,.='ﾍ 〉j
　　　　　　　　　{ヽ|j　　'￣('7｀　　{ ｴ'ｱ } l　　　　　　この度は災難でしたな
　　　　　　　　　l 9lj　　　￣　　 　 i ￣　!' 　 　 　 　 我が国でお体を休められるがよろしい
　　　　　　　　　 ヽjl　　　　　　　 ,,.j　　 i
　　　　　　　　　　 _ll　　　 〃_____'"_, 》 !
　　　　　　　　 ／ﾛ{ﾄ､　　 ''　　　,,.　 ' /
　　　　　　　／ﾛ回|　＼　　　　　　 ／ﾄ、
　　　　　__／ヽ回ﾛl　 　 ＞---i||i'"ﾆﾝjﾛ＼
__,. -‐''"　　　　＼回＼　| {二ﾝ ﾊ 厂/ﾛﾛ.|｀ｰ､
　　　　　　　　　 ヽ回ﾛ＼ ￣| l　 l | /ﾛ回/　　 ｀ｰ- ､_
　　　　　　　　　　　ヽ回ﾛ＼ | |　 | ﾚﾛ回/　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 　 ヽ回回.| ﾄ､,.j |回,/　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　 　 ヽ回ﾛ| |回| |ﾛ/　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 ヽﾛ| |回ﾛ |/　　　　　　　　　　　　　　}
　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ| |回]| |　　　　　　　　　　　|/　　　}
　|　　　　　　　　　　　　　　 L|[回Ll　　　　　　　　　　　/　　　 l
　l　　　　　　　　　　　　　 /回回/　　　　　　　　　　　 /　　　　l
【鄭公 寧（ねい）】
鄭国16代国主 諡号は定（てい）公

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /::::::::::::/|/|／::::|／:::::/イ　　N:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |/|/{|/:::::::::::::::::/ ／　　　　　 ﾊ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〈r＿_ヽ |/L､､,,,,,,,,,,,,,,,,__　ﾉ＼::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 >r‐t.ﾊ　７/´::ヘｿ_｀ヽ＿／ﾐ:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 （.ヽ:フﾘ⌒ﾍ､:ヽ￣::::_ノ￣　 ﾐ:
　　　　　　　　　　　　　　かたじけない　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 `┬彳　　　　￣￣　　/　 ﾐ::
　　　　　　　　　　　　　　しかし 私としては　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽく.　 __〉、　　　　..:::::::::ﾐ:::
　　　　　　　　　　　　　　あまりのんびりもしていられないのです　　　　　V::::::＿ ..＿ 、 .:::::::ﾊﾐ::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∧::::::::＿ 　　　,,､ﾊN::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 」|i;;;::::;;ii,,..... ..､ﾊ||ﾄﾐ'': : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾊ从||||||||||||||ﾄNﾐ''／:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∠//"`-"ー'イ:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::|〉: : : : :「::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _／:::::::|: : : : : :|:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _／::::::::::::└: : : : :」::::::::::::::::::

　　　　　　　　 _,. -r――― ､
　　　　　　　　fr‐､ヽ　 ＿＿ ||
　　　　　　　　ゝ○i|　└─┘!|
　　　　　　　　　|二二二二二 |
　　　　　　　 ,ｨ!:::／＼::::::::::::>=､ヽ
　　　　　　　f::i|:> 　 　 ｀ｰ'´ 　 ヽi
　　　　　　　|::||´,.へ､　　　　,.へ .|
　　　　　　 fヽi|´ ﾍｴf゛}'　　ftｧ‐, | 　 　 　 太子への復帰…ですかな？
　　　 　 　 { i　= ー　 　 |ｰﾆ　i　　　　　確かにご援助出来れば良いのですが…
　　　　　　 ゝｲ|　　　　　　 j　　　|
　　 　 　 　 ∧i|　　┏――┓　 j
　　　　　　/回ヽ　 　 ￣二´ 　./
　　 　 　 /回ﾛ∧≧ ､＿＿_,. く
≦´￣￣∨ﾛ回∧´フｲ ▼ﾊヽ回ヽ_
　　　　　　∨回ﾛ∧イ|　 iﾊ｀回ﾛ/　｀≧ ､
　　 　 　 　 ∨ﾛﾛ;∧i |　 ﾊ i回:/　　　　　 ＼
　　　 　 　 　 ∨回∧.|　/ｲ|ﾛ:/ 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　 ∨ﾛ回ヽ/ /回f　　　　　　　　　 ヽ

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●　　　　　　やはり…難しいですか？
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　　　　　　　　　　　　＿,,..........,,,,＿
　　　　　　 　 　　 ,.z.!ﾞ　||　 ||　 || 　||`,
　　　　　 　 　 　 ((~|| 　||　 || 　||　 ||　|
.　 　 　　　　 　 　l　||　 || 　||　 ||　 ||　|
　　　　　　　　　　|　||　 || 　||　 ||　 ||　|
　　　　　　　　　　|　||　 ||　 ||　 ||　 ||　|
　　　　　　　　　　|'''｡'"´￣￣￣o￣￣ﾞ|
　　　　　　　　　　,''l.T:/´ ￣￣ `'"￣ ｀|
　　　　　　　 　　 l::| |/ 　　　　　　　　　|
　 　 　 　 　　 　 !::| | ／｀ヽ､,,_　　 _,.=ﾍ|　　　　　　残念ながら 我が鄭にそこまでの力はございません
　　 　　 　　　　 !ヽ!j 　 ',´('7｀ 　 .{ ｴi｀ |
　　　　　　　　　| 9.lj　　　￣　　 　l￣　.!
　　　　　　　　　!`ｰｌｌ　　　　　　　_.j　　 |
　　　　 　 　　 ,'::::::::ｌ',.　　　〃_＿__ ',　,'
　　 　　　　 　,'::::::::/ ヽ　　 ''　 　 　 './l
.　 　 　 　 　 ゞ:／ヽ 　 ＼ 　 　 　／::ﾉ
　 　 　 　 __／ヽ 　 ヽ 　　 ｀ ''iﾘi" |ヾ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 j: :/: :＿ ,;､､;,;,＿_:!: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ r'／;;:='ﾍk￢-､__｀: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ｲ （/='゛_r斤:|｢｀ヾｧｰ-｀ニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｢:|;ゞ-|:::::ｉ:::::{ﾘ::||_,ノ'″
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |::l欠"ｌヽｌ::::::ﾃ〃゛;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　子産どの…　　 　 　 　 　 ／: : :l　ゞ--‐'＾"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,､‐'´: : : : : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈 ￣｀ ｰ-￢:卜、　　　　　　　　　 ,.:':
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`丶,￣`　'＾｀ヽ　　　　　　　　,:':
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ＿　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽャ‐‐-__､、　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,〕!ニ､=-'’　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 L、

　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _＿_
　　　 　 　 　 　 　 　 　 _, -－'´ヾヽ ヽ,
　 　 　 　 　 　 　 　 　 くく_,-,　 　ヾヽ ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　.ヽ<<　　, -`_´,_,i
　　　　　　　　　　　　　　　ヽゝ`´,.,ｨ;> ,,___ヽ
　, --,､_　　　　　　　 　　　　〉´:::::||/ ´ くi!} ヽ、
/　 /,　 ）　　　　　　　r-r-､/:::::i´`|l　　´"　 ノ
l 　 l.｀ｰ'-　__ ___＿＿i　i　 i:::::::::｀`Y|l　　/-ｰi　　　　　　　　　　/i
ヽ,　ヽ　　　　 　 l;;;;;;;;;;;;;l`ｰヽ;;;;､-‐'ヽ,ヾ､､_.ノ　　　　　　　　 ／　ヽ
　|￣|￣￣￣￣l;;;;;;;;;;;;;;;l-／/　 ＼　 〉し´ヾi)　　　　　　　/'　　　 ヽ
　|　 |　　_______/;;;;;;;;;;;;;;;/／　＼　　＼´ ヾ､|l|　　　　　　/'　　　　　 i
　|　 |　　i: : : /;;;;;;;;;;;;;;;;i/　　　　　ヽ、. ＼　 ヾ}　　　　 /'　　　　　　 .i
　|　 |　　i: : : l;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　　　　　　ヾ､　　＼　ヽ,　　　,|`　 i　　　 i　 .|
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【子産（しさん）】
公孫僑（こうそん・きょう） 鄭の宰相 子産は字
中国初の成文法を制定した人物で 春秋期の名宰相のひとり
孔子も彼に私淑していたという

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 r〃〃〃 f７⌒ろ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ||. ||. ||.　|| 　 f灯
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 | ||. ||. ||.　|| 　 |　|
　　我が国はそもそも 晋と楚の二大国に挟まれた国 　 　 　 |儿儿儿._」∟⊥厶
　　おいそれと楚と敵対する事は出来ませぬ 　 　 　 　 　 　 〔＿_o＿＿＿_o_≦ﾄ､
　　あなた方を匿うのが精一杯でございます　　　　　　　　 　 「⌒ヽノ　　 ヽ|l __　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |ヘ、　rノ￢､ l「r,ヽ　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l ー|　｀ー'　　||､_八　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　│　　　　　ll　 〃V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､｛｀―-ヽ ,〃　〃　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __＼ rテ ノ´　〃　　 ／　ｰ- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,ｨ(⊆≧ﾘ≦⊇)〃　　 /　　 　 rｸ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ 　 |￣r少}¨￣〃　　 /　　　　/′　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃 l　　 |　 l| | l|　〃　 　 /　　 　 /　　　 └ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　l　 |l | |ｌ/″　　 /　 　 　 !　 厂　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 く,　　Y　　 !　l」fﾚﾄ!　　　 / 　 　 　 |　/　　　　　 　 1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 丿　　|　 　| 丿}　じ’　　/　　　　　 | /　　　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　 　 l　　 | ｀¨　 　 　 /　　　　　　ﾚ′　　　　　　　 |

鄭は姫（き）姓の名家ではあるが その地理的要因から苦しい国家運営を迫られていた
子産の力量あって この時点では国政は安定してはいるが
そもそも成文法の制定自体も 国家安定のための苦肉の策であった

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）　　　　　　　（まあ 仕方のない話ではある…）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

そういえば、子産の時代か・・・

　　　　　　　　　　　　　　 r'rｉ'rｉ‐ri'‐ri‐r==､
　　　　　　　　　　　　　　 | || ||　||　||　||. ﾟl|
　　　　　　　　　　　　　　 | || ||　||　||　||　l|
　　　　　　　　 　 　 　 　 [二 ﾟ 二二二二]　　　　　ですが 晋であればあなた方に
　　　　　　　　　　　 　 　 l! ,__　　___ ､ ll　 ! 　 　 　 力を貸してくれるやも知れません
　　　　　　　　　　　 　 　 lｉ.iｹ}　´lｹ7　|lr.､| 　 　 　 もしその気がおありならば…
　　　　　　　　　　　 　 　 l.l 　!_　　　　|lソ |
　　　　　　　　　　　 　 　 ゝ､f＝=ヽ　/l　 ﾉ
　　　　　　　　　　 　 　 __/rヾ､-､_／　l＜
　　　　 　 　 　 　 　 ／　ゞ=彳~ﾞl!≧　 l ヽ､
　　　 　 　 　 　 　 /　､　 　 ll ､. l!ヽ 　 |　 ! ＼　　　　　　　　　　　　　　 ＿ ＿
　　　　　　　　 　 /　 　ヽ,　 ll　ヽl!. ヽ　!　 |　 l'}、　 　　　　 　 　 　 ,r'´'´　'´　　￣
　　　　　　 　 　 /　　　｀ヽ fﾉ　 fj 　 ヽl 　 !　 |i ヽ　　　　　　　　r'´ｒ'´　,　-‐ｰ‐ｰ
.　　　　 　 　 　 l　　　　　 ＼　　ヽ　　 l! 　|　 |'　ヽ　　　 　 　 ,rｧｧ-､／
.　　　　 　 　 　 |　　　　　　　ヽ ＿ヽ 　 　 !　.j＿_ヽ--､, -‐ ､/〃,.r彡｀ヽ
　　　　　　　 　 |　　　　　　 ￣　 　 ￣￣￣￣/　　　/　　　　l示テ　　　ﾉ 　 _, -‐'
　　　　 　 　 　 !　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　/　　　　　lﾁツ≡≡! 二 _, =＝
　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　/ｫ、__,z-ｧ､ ＼　　ノ　　　_ _r彡
　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　 /　　　/ /｀ヽｰ'ｰ'　 ヽﾉ＜ニ二テ

　 ﾉ　　　　　∧　　　　　／)　∧
　 彡　　ノW　＼从／V　　W　＼　　　ミ
　 (　　ノ　　　　　　　 |　　　　　　ノ　＼)
　　∩V　　　　　 、、　|　　　　　　 >V7
　 （ｅLＬ／￣￣＼/　 L／￣￣＼┘/3）　　　　やはり…それが最善ですかな
　　(┗（　　　　　　)⌒（　　　　　　）┛/
　　　~|　＼＿＿／ |　　＼＿＿／　|~
　　　 爻　　　　　< |　　；　　　　　爻
　　　　~爻　　　　 ＼_／　　＿,　爻~
　　　 　~爻__／⌒￣￣￣~~ヽ_ 爻~
　　　　　／　　　　ー￣￣＼_￣＼
　 ＿一‘　　　　　＜￣￣＼＼＼Ｊ
＜＼　　　　　　　ー￣￣ヽ_ヽＪ　　￣＼_
　　＼　　　　　＿ニニニヽ　）　　　　　　 ~＼
　　　＼　　_／⌒|＼ ヽ_~~ ~⌒＼_
　　＿＿／~　　　 V ＼_|　　　　　~＼＿

先述の通り 楚と並ぶ強国は晋である
晋の援助により建の復帰が叶えば 次代の楚王は親晋となることは間違いない
晋にとっても建の利用価値はあると考えられる

晋は春秋の覇者として斉（せい）桓（かん）公と並び称される文（ぶん）公のもと覇権国家となった

　　　　　　　　　　　　　_..． -‐・‐-　．_
　　　　　　　　　　, 　 ´　　　 ★　　　　｀ 　､
　　　　　　　　 ／　_　　-―――――-　 _　ヽ.
　　　　　　　 /斗"¨　‐- ､　　　　　 ,　' ´￣｀ヽﾐ､
　　 　 　 　 ,"　 ,ｨニミ.　　ヽ 　 　 / 　 ,ｨ==-.､　ヾ
　　　　　　/　 /:::::::::::::::ﾍ　　i　　 ,' 　 /::::::::::::::ﾍ　 ゝ
　　　　　 ﾊ 　‘:::::::::::::::::ﾉ　 ，　　{ 　 ‘:::::::::::::::::ﾉ　 ｲヽ
.　　　　/ i ヽ　 `ー一" 　 /　 　 ヽ.　　`ー一" γ⌒ﾞミヽ、
.　 　／　.:!　ヽ､　　　　 ／　　　　　＼　　　　　,ｲ　 　｀ヽ. ＼
　／　　 .::ｉ　　　｀ ￣ ´　　　　　　　　 ｀ ¨¨　´r‐ヽ､　 　 ヽ　ﾍ
./　　　　.::::．　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ　` 　 　 }　 l
i 　 　 　.::::::ヽ　　　　　　　,. -―- ．　　　　　　 /:ヽ、　　 ｲ　/
ヽ　　 　 .::::::::::ヽ 　 _　‐く, -―-―- ｀>､　　　, ′::::i｀　 　 !/
　ヽ　　　　.::::::::ハ´_　 　 ヽ　 　 　／　 ｀￣∠ゝ-一　　　/ﾞ
　　 ヽ､ ＿ ;／_／　｀ ‐- .._` -=彡_ .．-≦´　　　　　 　 /
　　　　　　 ぇ´ , -―ｬ",/´　 天 ´ ｀ヽ　厂¨ ‐-　. ＿ ,ノ
　　　　　　　 `"　 　 ヽ{　＜´　 ｀＞　} ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 　 ヾ、 レへ､|　才
　　　　　　　　　　　　　　ヽ｀¨Ｔ¨´/"
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ゝ |　/
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （__人__）
【晋文公】

以降 一時は秦の穆（ぼく）公や楚の荘（そう）王に破れた時期はあったものの
依然中原の強国として他を圧倒していた

　　 /:,ィ::::/:::/:::!:::/　／ ,>:､ヽ::､　ヽ、:::::::::::::::l　　　　　 　 　 ,.r ',. r ''´:::::::::::::::::::::::::::::::::., ' ‐､::｀ヽ、
.　 // /::/:::::l:::/l:/、　,.:'／｡￣,｀` 　 !::r- ､::::::!　　　 　 　 .／イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､::::::::::ヽ､｀ヽ､::ヽ、
　/'　,'::/|::::/|,'＞｡y　 ﾞ<ゝ-‐'´　　 　|::|　l }::::::l　　　　　 　 ／::::／::::::::::::::::::i:::::i::､::::::ヽ:::::::::::ヽ､:::｀ヽ::',
　　　i'´ |:/　ﾍ`／　 　 　 　 　 　　　|::| ﾉﾉ:::::::　　　　　　 /.:..../. .:/　.../.:l .:.l ..:.l:.ヽ ....:ヽ.... 　.: ヽ. .:.ヽ.l
　 　 　　i'　 ∠. _　 - 　 _,.．-､ 　 　 |::ﾚ'::::::::::!　　　　　 ./.::::ｲ:... .:l..... lﾄ:::l:::::ﾄ::::::ﾄ::ヽ､::::::',:::::::::::::::',:::::::::l
　　　　　　　　 ヽ｀rr'ﾆ´ｰ'￣´ ヽ　 　!:|::::::::::::ト 　 　 　 .|://.l:::::::::|:::::il__l::l l:::l ヽ::l ,.>r‐''':::l::ヽ:::::::::::l::::::::l
　　　　　　　　　 ヽヾ　　__‐,'ﾆ､｀〉 　/'!::::::::::::|　　 　 　 .|:/ .|::::::::::l::::il､ﾐｭ､ヽl　 -'ﾔ;ﾊ'７ヽ::l::::ヽ:::::::::l:l:::::l
　　　　　　　　　　 ﾍヽﾆ'-‐'―''´ 　/　!::::::::::::|　　 　 　 .ﾚ　.|::::::::l::l::il　｀´ i. ヽ　　｀ "　　 〉:::::::::',::::::::l l::::|
　　　　　　　　　　　 ヽ　-‐‐ 　　／　 l:::::::::::::l　　　　　　　　|::::::l::::ヽi'i.　/　　　　ヽ、 ／ ゝ''ﾆ l:::l::::::l　l::|
　　　　　　　　　　　　 〉、　　 ／　　　|:::::::::::::l　　　　　　 　 .|:::::ll:::::::.!:'､｀ヽ＿_ 　　 X　 .／li::::::ll:::l::::|　ﾚ
　　　　　　　　　　　 ,/:::;ﾍ ／ ,､ 　　　!::::::::::::j　　　　　　　　 l::::l ',:::::::::l ヽ、 ‐ ｀ .／　'／　.|i:::/::〉::::::l ｀:' ‐ ､_
　　　　　　　　　,．'´ !::::l::::::￣l/ iヽ 　,'::::;ｲ::/|　　　　　　　　　ヽl　ヽ:::::l　 ヽ　　'　 ,. '　　　.|i/／rl::::l -‐- .,,_::｀'' ‐ ､
　　　　　　　 ／ 　 /|:::::!:::::::/ 　　　 /ｲ/ |/　!　　　　　　 　 　 　 　 ヽ::l　　 ヽ-ィ　　　　　 ,.. !-l:::ﾚ-::::ヽ::｀ヽ､｀'‐-､｀ヽ、
　 　 　　　／ 　　 / l:::/!:::ﾊi　　　　　ﾉ' 　' 　 ! 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　i　　,.r ' ´ r ''' .|::::::|'‐ｭ::::｀ヽ:::｀ヽ、｀'ヽ､ ､
【秦穆公】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【楚荘王】

その晋の現在の国主は去疾（きょしつ）といった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　 .....i..　　.....:::::::::::::::::::::l::iノ　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　 i　　　　...::::::::::l::::::li::::::::::::::::::::::::::::::::::l::l `ー-- ⊥ ィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 ..:::l.....::::::::::::::::::::::::l::::_Li:::::;;＿::::::::::/:::::::l:i 　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;　　...:::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::1~::l　_ヽ:}､_;: -/::/⊥ﾘl　　　　／ i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l::::::::::::l::::::::::i::;: -i::::::::::::::l::l_〆/r::;;,￣＼ ￣l　　 lー__'''"　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:::l:::::::l:i:::::/l＼:､}ー''''''"~　　　 ﾉ;;;;i　　＼、!　　 l'　､ヽ　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::l::::::::l:i:::::l　,:',ﾆ丶　　　　　　lﾍ;;:::l　　　lゝ　　 l --　ｌ　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾄ､:::::::Y! .i　 l;;;i　　　　　　　 i;;::O!　　 lｼl　　 l　　　!:　 l
　　　　　　　まあ…　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 丶l l i l　lｲ;;:l　　　　　　　 ヽ-'__　 '"　!　　l　　/:::::. l
　　　　　　　それは大変辛い思いをなされましたね　 　 ! l !　i;;:0!　　　　　　　　〃　　　　l　　l ／:::::::: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　lゝ､`'"　　、　　　　　　 　 　 　 l　 l:::::l::::::::l:: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　l　〃　　　　_ ..,　　　　　　　 ,　ｌ　l:::l::l:::::::ﾄ:::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ＼　　　　　 `　　　　　　　／　 l i::::l::l:;::/　ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　lｰ- ＿　　　　　 _,. -'"　　　ﾘ l／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　l　　　 ∨ー-,-:イ　　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　∨＼/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【晋公 去疾】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　諡号は頃（けい）公 昭（しょう）公の子

　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　 /:::. :::::::::::::::::::::::::::::: ..::i
　　　　 j::::::::::::::::::::: : ::i....:::::::::::|　　　　　 　 まことに情けない話ではありますが
　　　 　 }::::::／以/|;i:/Yゞﾄ::::::j　　　　　　　晋公のお力添えを頂ければと…
　　　　　ｆヾ',,, ＿_'iir'＿__ ,,ﾚ〈
　　　　　＼i`{:!;:ﾞ-丐{ヽﾞ::'j/ﾚ'、
　　　　_,/::;ﾐ／／/7,.､￣'ｆﾐj::::＼
　-::''´:::::::::|/ / / /-／j/ﾐ/::::::::::::`:-.､_
::::::::::::::::::::/　' / /／／;:'ﾞ/:::::::::::::::::::::::::::｀
:::::::::::::::::::ｆi　i　　´ /''"　 ヽ:::::::::::::::::::::::::::

この晋公去疾に建は援助を願い出た

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,... -―‐-　､　　 iヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　,　'" .,: : : : : : : : : : : ヽ l　）
　　　　　　　　　　　　　　, ': . . .／. . . .　　　 　 : : : : '- ､
　　　　　　　　 　 　 　 /: : : : :/: : : : : : : : : : i. 　　　　　 ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 i: : : : : :i: : : : : : : : : : /l: : : : . 　 　 i .',
　　　 　 　 　 　 　 　 ｌ l: : : : :j; i-､: : : :/´/ 丁ヽ: : : .　　 ﾄ､l
　　　　　　　 　 　 　 弋ｉ: : : :l ヽ―--' ‐'ﾆ｀ヾ､: : : : : :i. . .l: :ヽ､
　　　　　　　　　　　　 -ﾆ-r‐'/ ij　　 　 |ｲｌ　 i ヽ､: : :/: : /,..＿ ン　　　　とはいえ晋と楚の間には鄭・宋があり
　　　　　　　　　　　　 ノ__.ｉ: l,'　ｌﾉ　　　 lノ　 ﾉ､　/`‐- ': : ヽ'､　　　　　　これが緩衝地帯になっています
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l./ヽ ,　　 　 　 　 '　　,': : /‐-r‐イ´　　　　　　楚に圧力を加えるにしても限度があります
　　　　　　　　　　　　　　 l.i､' '　　　　 '　' 　 　 ,': : /　 ﾉ'"
　　　　　　　　　　　　　　 l./ヽ　 ‐　 　 　 　 　 i: :/-イ
　　　　　　　　　　　　　　 l'　　ヽ _＿＿_　　 ./ l/: :/
　　　　　　　　　　　　　　 　 ,_. ィ'" ﾄ､　　　/レ'-､'
　　　　　　　　　　　 　 ,. ‐'´.:.:.:.l.:.:.:.l,-/｀r､' l｀iヽ
　　　　　　　　　　　 ,r'.:.:ヽ､.:.:.:.:i.:.:.:r' '　　 ヽl.:.ヽ.:ヽ､
　　　　　　　　 　 　 l.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.ン.|　　　　 l､.:.:.i.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:.:.:.:i'.:ｌ.:.:.:ヽ　　　 ﾉ.:ヽ'.:.:.:.:.:/i

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 j: :/: :＿ ,;､､;,;,＿_:!: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / r'／;;:='ﾍk￢-､__｀: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _,ｲ （/='゛_r斤:|｢｀ヾｧｰ-｀ニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｢:|;ゞ-|:::::ｉ:::::{ﾘ::||_,ノ'″
　　　　　　　　　　　それは承知しておりますが… 　 　 　 　 　 　 |::l欠"ｌヽｌ::::::ﾃ〃゛;
　　　　　　　　　　　楚に影響を及ぼせる国は 　 　 　 　 　 　 　 ／: : :l　ゞ--‐'＾"´
　　　　　　　　　　　大国晋以外に考えられないのです　　　,､‐'´: : : : : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈 ￣｀ ｰ-￢:卜、　　　　　　　　　 ,.:':
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀`丶,￣`　'＾｀ヽ　　　　　　　　,:':
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | ＿　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽャ‐‐-__､、　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,〕!ニ､=-'’　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 L、

流浪の公子は出世する

>>370
桓公と文公がその代表だけど、鄭の懐公も文公についてって結局君主だもんなぁ。

だが、亡命して鳴かず飛ばずの公子の多さよ…
田氏みたいな例外もいるがｗｗ

　　　　　　 ,　'"　　　　　´￣ `丶､
　　 　 　 ／'　　　　　　　　　　　　ヽ
　　r---;'/　　　　　　　　　　　　　 ､ヽ
　　 ミ　/　　　　_|_　　　　　l　　　　 トー,ｧ
　　__二{ l　|　''"∧　 l　　￣!ヽ　　 l |_彡　　　　　　無論 それは重々承知しております
　　ヽ、 ヽヽ､､ノ　 ヽ､､､ノノヽ、　/ /＼_
　　　　γ1｜,r=＝､　　　,､､､、`ﾒ大＝'"
　　　　 ヽ､l | , , ,　　　　　￣``//　ﾉ
　　　　　 l　l, --ァ　 ..'_　 ' ' ' //7"
　　　　　 ﾄ/--二_、_ 　 _,,. ィノ./
　　　　　 ,..|　 －}/　￣ ト, 从 ＿
　　　　　/｜　 ,ﾏ ＼　/　 !￣ヽ　ヽ

　 tー--=／
　　 ＼　/　　　　　　/　　　　　　ヽ
　　　　〉　 　／　/ /　　　　　　l　 !　 l　 ヽ
　　　　l　/ ./　　i　 i:.　　　　　.::l:.　ﾄi: .:l:.　.:ヽ
　　,ﾄ、l::..l::...i:..＼l:. .:|:::..　　　..:::::|::..j　|:::l;::.::::::|
　　.　ヽ|::|:::::l:::〃＼!|::::::::. ..:::::::∧;/　／ヾ､ｰ'i
　　　　 ｀'ｰ^!ri!'ｰr'´>．w-‐‐-'　,,．<　　　　i!ﾌ
　　　　 　 ﾆ -|<i!　　 ゞ''ヽ!　 N／ゞ=''　　　i!＞　　　　　　…そこでだ
　　　　　.　　l::|'z､_　　　　　　　　　　　　　　_ｽ!
　　 　 　　 　|::!　, ,￣　 ,　　　　　ー='''
　　　　 　　　|　:.＼　　　　 　 　 　∧ ' '
　　　　　　　　l　/l ,>、　ャ,-― ´wj　　　_,z'/
　　　　　　　　ﾚ　/ 　 ｀ -ヽ、　　 /-‐ ´　 /
　　　　　　　　　　!　　　　　7｀ｰ '´＼　　 /
　　　　　　　　　　|　　　　∠ -‐7　　ヽ_∠--
　　　　　　　　　　i　　　　　　 /__,.／::ヽﾄ､::::::
　　　　　　　　　　!　` ､　 　'´　/::::::::::::|　＼
　　　　　　　　　　l　 　｀ ー､　レ'ヽ _:::|

晋公の提案は建を驚愕させた

　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;＼;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　　　　　　 l;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_;;;;;;;;j;;;_;;;;/ |;;;;;;;;;/|ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
　　　　　　　　　　　 　　 　l;;;;;;;';l;;;;;;;;/／.l;;／,/ .l/　 |／/ │ ヾヽ＼i＼;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　　　　　　　|;;-i;;;;;/i/　 　i'　　 　'　 　'　'　　　　`　　　　i;;;;;r-ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　i/_,ヾ;;l j　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 i　|;;/ - |
　　 　　　　　　　　　　 　　 i　　ヾ､　-=､,,＿＿__ ヽ, / _＿＿,,r==-　　,イ ,/　|
　 　　　　　　　　　　　　　　丶ヽ i;r､ ,,r'':::::::::::::::ヾ__,､,_ir ':::::::::::::::::ヽ_／,liri'　/　　　　　なんと…しかし…
　　　 　　　　　 　 　　 　　 　｀j､ l;l　ﾞii::::::::::::::,; -ﾒ‐､　ヽ::::::::::::::::::::ノ　 ,irﾒ /
　　 　　　　　　　　　 　　 　　/:lトヾ,, ヾ--.／ ／ ./ヽ,　`──‐‐´　,r/l_／::::＼
　　　　　 　　　　　　　　　　/:::::|iiilヾヽ,_／　, '　 /　　i　　 　　 　 　　!;i liiil::::::::::＼ _
　　 　　 　　 　 　　 　_, -/´:::::::lr'ヽjl´ 　 ,, '　 ./　　/ _,-` 　　　　 　j;ﾄjiii/:::::.:.::.:.:.:.|:ヽ_
　 　　　　　　＿, - '´.:.:.:.:|::::::::::::|　/　　,i´　 ／　　,i_''＿, _ ,-､　　,_j;;i //:::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.＼_
　　 _ , -─'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゞ::::::::::| /　　/　　/　 　/ 　　_／　,/,,,j';;／ 〃::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.::.:ヽ-､_
-‐'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::ヾ::::::／　　/　　/　 　/ 　フ´ 　 ／-'_;/ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ,,_
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::/ 　　　　　／　　,ト -／　　／;;;;;;rl, イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ 　　　　　　　　 /;／　　／;;;;; i,,-´　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.::.:.:.:

　　　　　　　　　　　, - '´　　　　　 ｀ ｰ' |
　　　　　　　　　 ／´ 　/　　　　　l　　　 ヽ---,-
　　　 　 　 ､--/　　 　 {　　　　　 !_,. -‐'　l ／
　　　　　 　 ＼!　 ｀ ｰ/j --､-r‐､'｡'-ヽ､j_ﾘ'ｰ,-　　　　　　　　それが出来ないなら楚に力は及ばせられねえ
　　　　　　　 ,ゝ- ｫ-´-‐ﾟ '　,　　　￣ ｀ ! |ィ´　　　　　　　　　お前は一生亡命生活ってことだよ！
　　　　　　　―-r1.!　　　 i,=､ﾆ1　　 　.! l　}
　　　 　 　 　 　 l |ﾊ 　 　 l　 　 ! 　 　 | l ｲ　　 ＿
　　　　　　 　 　 ｀l　l、　　|　 　 |　　　l j　ﾚ '´　　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　 lｲ ＼　 !,､,､,､l　,.ィ |//　　　　　 　 l
　　 　 　 　 　 　 　 |/ヽ,｀ ｰ┬='´-_!j1/　　　　　　　 j
　　　　　　　　　　　　f⌒ヽjィ‐ ' ´/f /!　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　__j´､ ／　l＿,∠-ﾄlﾉ　　　　　　　/ｰ-､
　　　　　　 　 　 人　/　 　 l／　 　 ハ　　　　　　/　　　!
　　　　　　 　 ／　(/　 , ‐ ´　　　／　 ＼　　 　 /　　　 ヽ、
　　　 　 　 ／　 　 !／　　 _,. - ´ 　 　 　 ｀ｰ ﾆ/　　　　/　i
　　　　 ／　 　 ／ !　, - '´　　　　 　 ,ィ　 ,.-／　　 　 /　/
　　 ／　 ｰ､／　　 ! ヽ　　　　　　 ／　ゝ､! /　　　 ／　　l
　　ヽ、　　　＼　　 l　　｀　ー‐　'´ 　 /　　ヽ _　／　　 ｲ´
　　　　＼　　　 ＼　l　＿＿＿＿ 　 〈　　 　 ヽ、　 ／ ﾉ
　　　　　　｀ ｰ　、 ｀ｲr７へ｀＝i￣ ｀ ヽ　　　　｀ ｰ‐　´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /::::::::::::/|/|／::::|／:::::/イ　　N:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |/|/{|/:::::::::::::::::/ ／　　　　　 ﾊ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 〈r＿_ヽ |/L､､,,,,,,,,,,,,,,,,__　ﾉ＼::
　　　　　　　　　　　　　　　…わかりました　　　　　　　　　　　　　 　 　　　>r‐t.ﾊ　７/´::ヘｿ_｀ヽ＿／ﾐ:
　　　　　　　　　　　　　　　私としても手段は選んではいられない　　 　 （.ヽ:フﾘ⌒ﾍ､:ヽ￣::::_ノ￣　 ﾐ:
　　　　　　　　　　　　　　　承ります　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　`┬彳　　　　￣￣　　/　 ﾐ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽく.　 __〉、　　　　..:::::::::ﾐ:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 V::::::＿ ..＿ 、 .:::::::ﾊﾐ::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∧::::::::＿ 　　　,,､ﾊN::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 」|i;;;::::;;ii,,..... ..､ﾊ||ﾄﾐ'': : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾊ从||||||||||||||ﾄNﾐ''／:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∠//"`-"ー'イ:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:::::|〉: : : : :「::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _／:::::::|: : : : : :|:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _／::::::::::::└: : : : :」::::::::::::::::::

　　　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ ヽ
　　　　 /　　　　　　/　　　　　　 l　　　　　 ヽ⊥　 -┐
　　 ﾄ ７　　　　　　_l_　　　　　＿|　　　 　 　 l　　_.フ
　　 ヽj　　　　, ィ　/ ｀　　　 ´　 j|｀ヽ、　|　　} ィ ´
　　　 {　 l　　l　 l/__|　　 l　　/!/_l　　　 ﾉ / ﾉ ┴-- j
　　､‐ﾍ　ﾄ!,､⊥Lﾚ:´ﾊー┴ｰ'/ｨ:´ﾊヽ-くノ/ｲ　　 _ フ
　　 ｀＜｀__l l ,ｲ lﾉい_|　　　　lﾉい._| ﾄ　l　 j--ｧ‐ ´
　　　　　{　| |j_{ lヽ´rj　 　 　 lヽ´r:l　}V　 l　 }　　　　　　　その決断力 さすがは建どの
　　　　　 ヽl | ^　ー '　　　　　 ー '　^1　 レ/　　　　 　 　 これであなたの未来も拓けるというものです！
　　 　 　 　 !ヽ　/ /　 丶　　　/ / 　 l　 ,' /
　　　　　　　l　ト､　　　 vーi　　　　 ,l　/ !l
　 　 　 　 　 ヽ|　 ＞､ .._ヽﾉ_ ..　イ　|/　ﾊ|
　　　　　　　　　　 ＿ヽｨﾉ　 _　　 !ｨ/ V
　　　　　　　　／　／二 Yl/_ ｀ く /｀┬―‐　、
　　　　　　　/　　l ´,　-､}lj'- ｀､　}　　!　　　　ヽ
　　　　　 　 !　　 |　 ― ､l{-　､　 l　　l　 /　 　 |
　　 　 　 　 l　　 ﾊ　 T_ 人ｧ　　 !　　l　/　　　 l
　　　　　　 j　　 ﾄ､l　　 ﾘ　{　　 |＿ノ /　　　　j
　　　　　　 |　　jr_く_　 ﾊ　ﾊ　　{ゝ-,､!　　　　 l

　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　 /:::. :::::::::::::::::::::::::::::: ..::i
　　　　 j::::::::::::::::::::: : ::i....:::::::::::|
　　　 　 }::::::／以/|;i:/Yゞﾄ::::::j　　　　　　…では 失礼いたします
　　　　　ｆヾ',,, ＿_'iir'＿__ ,,ﾚ〈
　　　　　＼i`{:!;:ﾞ-丐{ヽﾞ::'j/ﾚ'、
　　　　_,/::;ﾐ／／/7,.､￣'ｆﾐj::::＼
　-::''´:::::::::|/ / / /-／j/ﾐ/::::::::::::`:-.､_
::::::::::::::::::::/　' / /／／;:'ﾞ/:::::::::::::::::::::::::::｀
:::::::::::::::::::ｆi　i　　´ /''"　 ヽ:::::::::::::::::::::::::::

　　　　　　　　　 , ――　―‐ 、
　　　　　　　　 /　＿､ヽ　/＿ ヽ
　　　　　　　　l　ﾐ　　^丶''"　 }　l
　　　　　　　　!　l ＿、　　,＿. l　l　　　　　　　　　よろしかったのですかな？
　　　　　　　 /r ﾄ ー‐,　 ' ー=lr ､!　　　　　 　 　 あのような安請け合いをしてしまって
　　　　　__ ノ ヾヽ ／　ｌi　＼ ﾉ ノ ヽ＿
　　　　 ヽー　 ミヽ -ｰゝ'ｰ- 彡'　 - ノ
　　　　　　` ―ｰ'1ー'''ニ'ｰイlーｰ'''"
　　　　　　　　 ／l＼ーー'／ l＼
　　　 _,,　―　7:: l　rｰ天ー､ l::ヽ ` ―　_
　- ''"　　　　/　 トヽ-:Ｈー'/l　 ヽ　　　　`''-
　　　　　　　/　　 l　ミｌ l彡 .l　　 ヽ
【中行呉（ちゅうこう・ご）】
字は穆子（ぼくし） 荀（じゅん）呉とも
晋の六卿の一 中行氏の当主
昭公の代より数多くの軍歴を重ねた重臣

::　　　　　　　　　　 ::ｌｌ::　　　　::　　　　 _,,　　　:　 l
::　　　　　　　　　　 ::l l::　　　::　　_,,.-''"　　　 :l:　/
::　　　　　　　　　　 ::!　l:: ,　 _,.-''"ヽ　　　　 ::/! /
::l::　　　　　　::ｉ::　 ::l　　∨Ｘ::　　　_,,ヽ -''"lイl/l__._- Ｔ￣
:: !::　　　　　 ::l: :/l/ -ﾆ~　　``'''''"　　ll　　i:　　l ､ ヽl
__j⊥- ､---‐''_,^‐''ﾄ::{・}:）　　 　 　 　 l ７ ｌ:　　l ノ　l! 　 　 　 成功したらこっちの総取り
／　　　＼lー' "　　`＝'"　　　　　　 /.＞l::　　l　　/l　　　　　失敗しても懐は痛まねえ
::　　　　　　　　::.　　　　　　　　　　／ゝ l::　　.l　／l　　 　 　 .美味しい話じゃねえか
:::　　　　　　　　:::::..　　　　　　　／彡　 l::　　l／::　!
:::　　　　　　　 　　:::::::::::..―　￣　　　　l::　　l::　::　l
::::　　　　　　　　　　　　:::::::::::::　　　　 l::　　 !::　::　l
:::　　，　　　　　　　　　　:::::　　　　　/::　　 l::　 ;:　!
::::　＿＿_,,. へ　　　　　:::　　　　 ／::　　 カ_: ∧: l
:::: l､＿＿_,､／!　　　　:::　　　／;;　l::　　/._j::￣＼!
:::: ヽ、　　　,.:ｲ　　:::　　　-'''";;;;;;;;;;l::　 / 互::　::　 ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　 /ililililil|||ililililililililiilililililililililililil
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ,,il　,i| ,ﾉ;;i|i,ilili/||il|l|ililililililililililililililiililill
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /llili||/ｿ"/"　||i/　||　 |ilililil|i,､lilililililililililiil
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　lilil|　　'　　 |''　　|　　 |iili||:　|ililiilililililiillil
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾉ"|　　　　　　　　　　　|i'::::::::|/ilililililililllili
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　,　,,　　　　　 ::::::::::::|l||ilililiilililil
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ｊ　　l　|´"　　　　　　　 :::::::::::::::|ilililililililil ゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　・　・　・　　　　　 　 　 　 （ 　 ` ､〈____＿　　　　　　:::::::::::::::|ilililililililililil ゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､__ノ､__, ´￣'''''=､ー,,,,_:::::::::::::::|ilililililil|,-― ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 /　.ヽ　　　 　 ）_;;;; -===＝＝＝/ ,-‐ ､ |ili
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　/　.::::::::`ー--''"'''''':"::::::::::::::::|ilililili| く⌒)　 |il
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V　::::::::::::::.　　　　.::::::::::::::::::::::::||ilililii|　l　（　 /;l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 く　　´､:::::::::::.　　 .::::::::::::::::::::::::::||ilililil| / ／ /lll||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ー"__::::::::::::::..:::::::::::::::::::::::::::::|ilililili||　 l　/l,ililil:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ＝===_､:::::::::::::::::::::::::::::ノilililil||「'''''''"/;; tlllll
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　-:::::::::::::::::::::::::::::,,,yﾐilililili|i|il_ |　／,tlllll||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚｲ州il､;;;;;_;;;､;;､;_;jYillilililililililililiﾐ／ ,t|lllllll||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノili|l||||l|lil|ilililililililililililililili;llil;ililｊヲ::::::,t|||||||||||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノﾐjｊ||l|ljl7j|'i|i|i|i|i|ﾐﾐ"ｊlili'''"::::::::::::::;_;t||||||||||||||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　　＼　 ＼:::::゛､::::;;;;;;;;;;,,ノ|:||||||||||||||||

　 　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）　　　　　　建さま いかがなされました？
.　|　　　　 （__人__） 　 　 　 　 晋公は何と？
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　ｍm
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ
　　　|　　　　|￣￣￣

春秋時代のよく分からないところなんだけど、
亡命先がついこないだまでの敵国って例が多い気がする。

晋と楚なんて百年くらい天下を二分して争ってたはずなんだよな。

>>377
敵国だから手駒として自分を売り込めるわけだ。
機密とか持ってたりするわけだし

ヨーロッパでもオイゲンなんかフランス生まれで、オーストリアに亡命だしな。

　　　　　　　　　　　 _,;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ';;､
　　　　　　　　　　,;';;　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　`､
　　　　　　　　　 ,';;;;;,,　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　;ﾞ;
　　　　　　　　　/;;;;;;;;　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　　,,,;;;;;i
　　　　　　　　　i;;;;;;;;;;;;;;;,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;　;;;;; ,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　ﾉ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;li;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　 i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／l;;;/l;ｿ;;/ |;;;;;;/| l;;lﾞヾ;;;ﾄ､;;;;;;;;;;;;;i
　　　　　　　　　　|;;､;;;;;;;;// /,'' / l/　 |/|/ 　 ﾞｌ　 ヾ､ﾞi;;;;;;::::/
　　　　　　　　　　/ヾ;;/ｿ　　　　 　 ,　　,　　　　　　ヽ l;;l"ﾞl
　　　　　　　　　　'､ (ヾ,,＝==;;;;;;;,,,,,_`il,iﾞ__,,,,;;;;;==＝　,/|lヽ l　　　　 　 晋が鄭を攻めるときに
　　　　　　　 　 　 ヽ､`||ヾi;'（:::::ﾞ'ﾞ:::/;;i＝i;;;ヽ:::ﾞ'ﾞ::::）ﾞi;/ |l'ﾉ/ 　 　 　 　 内応しろと提案された
　　　　　　　　　　　/ヽ|l､ ﾞi::;;;;／⌒⌒）.ヾ..;;;;;;;;;;..ノノ/l.,/＼　　　　　　さすれば鄭に封じると…
　　　　　　　　　　/;;;/::ﾐヾ､.／ ／ ／　）　　　　　'ﾞ /ﾐ"i;;;;;;;;＼_
　　　　　　 _,.-;;'";;;;;;;;r‐ ﾐ/ﾞ ,／ ／ 　/_!／`　　 /,,l;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;~＼
　　_,､-‐;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　/　/　 / 　 /.__,,,..-／ヽ　/;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;,,､_
‐'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ﾉ　/　.ﾉ　　/　,,, ／　 ﾉ/';;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ'';;;,,､_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ/ ノ　 /　　/,,,,／ 　 ／;;;;ミ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　/　　/;／　／;;;;;;ミ　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ　　　,　　　 `ﾞ　　／―''':::::::::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| 　|　　|　　　　　　ﾉ:::::::::::::::::::;;;;／i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

　　　　　　　　　　　 　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　　　　 　|　 （●）（●）　|　 　 　 　 なんですと？
.　　　　　　　　　　　　 |　u.（__人__）　.|　 　 　 　 あれほど篤く遇してくださった鄭公を裏切れと仰せですか
　　　　　 　 r､ 　　 　　|　　 ｀ ⌒´ 　.|　　　　　　無論 拒否されたのでしょうね？
　　　　　 ,.く＼＼r､　　 ヽ　　　　　　ﾉ
　　　　　 ＼＼＼ヽ}　　　ヽ　　　 　/
　　　　　　 rヽ ` 　 ヽ　　/　　　ｧ'´ヽ
　 　 　 　 └'｀{　 . 　 ＼.|　　　/　 　i
　 　 　 　 　 　 ヽ､._　　　ヽ､_,r'　　　.|
　　　　　　　　　　　　｀ヽ､　　　／' 　|
　　　　　　　　　　　　　　 ｀'ｰ'´

　 ﾉ　　　　　∧　　　　　／)　∧
　 彡　　ノW　＼从／V　　W　＼　　　ミ
　 (　　ノ　　　　　　　 |　　　　　　ノ　＼)
　　∩V　　　　　 、、　|　　　　　　 >V7
　 （ｅLＬ／￣￣＼/　 L／￣￣＼┘/3）　　　　　　いや…話を受けた
　　(┗（　　　　　　)⌒（　　　　　　）┛/
　　　~|　＼＿＿／ |　　＼＿＿／　|~
　　　 爻　　　　　< |　　；　　　　　爻
　　　　~爻　　　　 ＼_／　　＿,　爻~
　　　 　~爻__／⌒￣￣￣~~ヽ_ 爻~
　　　　　／　　　　ー￣￣＼_￣＼
　 ＿一‘　　　　　＜￣￣＼＼＼Ｊ
＜＼　　　　　　　ー￣￣ヽ_ヽＪ　　￣＼_
　　＼　　　　　＿ニニニヽ　）　　　　　　 ~＼
　　　＼　　_／⌒|＼ ヽ_~~ ~⌒＼_
　　＿＿／~　　　 V ＼_|　　　　　~＼＿

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ○）（○）　　　　　　そ…そんな！
.　|　　U　 （__人__）　　　 　 　 おやめください 建さま！
　 |　　　　　|r┬-|　　 　 　 　 もし失敗すれば命取り…
.　 |　ι　 　`ー'´}
.　 ヽ　　　　　u 　}
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く
　　　|　　　　 ＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)

　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／　　　 _ノ　＼
　　　　|　　 　（ ●）（●）　　　　 　 もし万一成功したとしても
　　　 ｜　　　　 （__人__）　　　　 　 晋の傀儡となり裏切り者として諸侯の嘲笑を浴びるのは明らか！
　　 　 |　　　　 　|r┬| .}　　　　　　 お考え直しください！！
　 　　 | 　 　　　 |　| | }
　　 ,..-'ヽ　　 　　｀ﾆﾆ }
　 ./::"::::`ヽ､.,＿＿ __ノ ﾞ
　/::i::::::::::::"'弋'!ｰ',イ>|'_ノ´｀ｰ -,,＿ _
. }:::ﾞ|::::::::::::::::::::~ﾞ:_戈;f"　 、　　　 ｲ/ `i
/:::::::!;:::::::::::::::::::/',r.ﾃ　　　 ＼xｰ.ｫ､__ノ
::::::::::::ヾ!:::::::::::::l .l r'　　 `　､_冫y"
:::::::::::::::::＼o:::::l .ﾄ、　 ヽ,＿ﾉ"ｰ'
:::::::::::::::::{::::{＼代 l>ｰ､,_ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::/|/|／::::|／:::::/イ　　N:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |/|/{|/:::::::::::::::::/ ／　　　　　 ﾊ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈r＿_ヽ |/L､､,,,,,,,,,,,,,,,,__　ﾉ＼::
　　　　　　　　子胥よ…　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>r‐t.ﾊ　７/´::ヘｿ_｀ヽ＿／ﾐ:
　　　　　　　　もし鄭の主となれば 晋と結び　　　　　　　　　　　 　 　　 （.ヽ:フﾘ⌒ﾍ､:ヽ￣::::_ノ￣　 ﾐ:
　　　　　　　　更に楚へと攻め入ることが可能だ　　　　 　 　 　 　 　 　 `┬彳　　　　￣￣　　/　 ﾐ::
　　　　　　　　私はこのまま亡命公子として終わるつもりはない！　　　　ヽく.　 __〉、　　　　..:::::::::ﾐ:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 V::::::＿ ..＿ 、 .:::::::ﾊﾐ::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∧::::::::＿ 　　　,,､ﾊN::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 」|i;;;::::;;ii,,..... ..､ﾊ||ﾄﾐ'': : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾊ从||||||||||||||ﾄNﾐ''／:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∠//"`-"ー'イ:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:::::|〉: : : : :「::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _／:::::::|: : : : : :|:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _／::::::::::::└: : : : :」::::::::::::::::::

やらない夫は、多分、この時代最強の軍師だぞ。
健ちゃんは言うこと聞いといたほうがいいぞ。

　.ｌ　　　　　　　　　　..ﾉｲ.....:::::::::::..　　　　　....::::::::::::::::: 　　　　　　　　V
　.|　　　　　　　　　　　　　　 　 , :::..　　　　i::　 　 　　　.|　　　　　/
　 |i 　 ＿___`　　　　i 　/　　／　 :::　　　　ｊ`:、､ 　 　 i l　　　__,,/,、　／　　,
　 ,イ´＿__　`'´￣￣｀　　マ､,__　_,_i　　　/　.:＼ ゝ´￣ i￣｀　マヽ二ﾆﾏ ,'ｲ
　 ´:.:.:.: . ".　.　.　　　　　 . .:.`ヾ仁ﾉ}　　ヽ-イ／ヽ .　.　　　.　. . .:.:.:､／//
ヽ＿___:. . . . . .　　　　　　　. .: :.:l:L丿,ﾆ､ゞ.:.:.f:.:.:. . . .　.　　　.　.　. .:.:.L＿_,／　　　お前とて父兄の仇を討ちたかろう
｀ー―_!｣:.:.: . .　.　　.　　.　. . .:.:iｲ二ﾆﾆﾆﾆ二!:.:.:. . .　.　.　　　.　　. .:.:r‐--ィ'1　　 .その為の手段を選んでいられようか
　　　-弋;.:.: . .　.　　　.　.　. .:./ヘ ,' i　　 il!　ゝ,:.:. . .　.　.　　　. . 丶/ｲ　　　 i
　　／,　,ﾍ;';.. . .　.　.　. . .:.:／＼､/,ｲ　　 iﾊ、／ヽ､'.:. . .　.　. _._:.:／ヘ、　　 |
　　　　　/ ｀,'ー‐i--!┼ ヘ` 、 ノ/　　　 |ilili､　　/ ≧/-i-┼‐ ' ` ､　　　　 l
ヽ,　　/　　　　i　　／　.:::::...｀` ‐┴----_以ヘ‐-､ 　 　　　.i　　　　　　 , ィ,{
　 ,＼´｀ヽ、　　 ,ｲ　 .:::::::::::::::::::::::::::::::::;/ｲ　´..:::::::::.ヽ、　　　　　　　 /／/,ｲ!
　 .|ヾヽ　　｀＞'´ ....::::::::i;_;:_:::;_:::;, ィ'¨´::::::i:::;ｿ　　:::::::..＼　　　　　　　　　ﾙi{
　　|　 _, ィ'´ ......::::::::;ｨ,r'-‐‐::'::::::::::::::::::::::::;ｙ'　　 .::::...　　 ｀¨`' ､.　　　　 从ﾘ{
　　`y′ .:::::::::::::;::::;／　　:::::::::::::::::::::::;:／　　..::::::::::::::￣｀ヾ､_ 　　｀'ｰ-ｭ,仆林
＿／　　..i::::::;;;ン;ｲ　 ...:::::::::::::::::::;ィ'´　　 ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::...`丶、　.＼_`マ{
／　　.:::::／／,ｲ　.:::::::;:__;斗＞'´　 ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾ、
　...::::::／,イr'´ .::::::::;メ,≧´　.....::::::::::::::::::::::::_;;;､ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゝ,__,ｲ／　 |　:::::::::j-ｲ!　　i:::::::::::::::::::::;ィ¨´:_:_:i'::::::｀ゝ ‐---ｭ､;::::::::::::::::::::::::::::::::

　　　　＿＿
　　 ／ノ　ヽ＼
　／.（○）（○）＼
　|. u.　（__人__）　|　 　 　 　 しかし…我々は理に反したことに逆らい動いております
.　|　　　　　　　　|　　　　　　その我々が理に反しては…
　 |　　　　　　 　|
.　 ヽ　　　　　　ﾉ
　　 ヽ　　　 　/
　　　/　　　　ヽ
　　　|　　　　　|
　 　 |　 　 . 　 |

　　　　　　　　　　　 _,;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ';;､
　　　　　　　　　　,;';;　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　`､
　　　　　　　　　 ,';;;;;,,　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　;ﾞ;
　　　　　　　　　/;;;;;;;;　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　　,,,;;;;;i
　　　　　　　　　i;;;;;;;;;;;;;;;,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;　;;;;; ,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　ﾉ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;li;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　 i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／l;;;/l;ｿ;;/ |;;;;;;/| l;;lﾞヾ;;;ﾄ､;;;;;;;;;;;;;i　　　　　　…もう良い 私は決めたのだ
　　　　　　　　　　|;;､;;;;;;;;// /,'' / l/　 |/|/ 　 ﾞｌ　 ヾ､ﾞi;;;;;;::::/　　　　 　 尻込みするような臆病者は要らぬ
　　　　　　　　　　/ヾ;;/ｿ　　　　 　 ,　　,　　　　　　ヽ l;;l"ﾞl
　　　　　　　　　　'､ (ヾ,,＝==;;;;;;;,,,,,_`il,iﾞ__,,,,;;;;;==＝　,/|lヽ l
　　　　　　　 　 　 ヽ､`||ヾi;'（:::::ﾞ'ﾞ:::/;;i＝i;;;ヽ:::ﾞ'ﾞ::::）ﾞi;/ |l'ﾉ/
　　　　　　　　　　　/ヽ|l､ ﾞi::;;;;／⌒⌒）.ヾ..;;;;;;;;;;..ノノ/l.,/＼
　　　　　　　　　　/;;;/::ﾐヾ､.／ ／ ／　）　　　　　'ﾞ /ﾐ"i;;;;;;;;＼_
　　　　　　 _,.-;;'";;;;;;;;r‐ ﾐ/ﾞ ,／ ／ 　/_!／`　　 /,,l;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;~＼
　　_,､-‐;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　/　/　 / 　 /.__,,,..-／ヽ　/;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;,,､_
‐'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ﾉ　/　.ﾉ　　/　,,, ／　 ﾉ/';;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ'';;;,,､_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ/ ノ　 /　　/,,,,／ 　 ／;;;;ミ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　/　　/;／　／;;;;;;ミ　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ　　　,　　　 `ﾞ　　／―''':::::::::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| 　|　　|　　　　　　ﾉ:::::::::::::::::::;;;;／i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

　　 ／￣三＼
　／;;;;　_ノ 三 ＼
　|;;;;;;;　　（ ○）（○）
.　|;;;;;　　　 （__人__）　　　　　…わかりました これ以上お止めはいたしません
　 |;;;　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　 ですが くれぐれも細心の注意を払われますよう
.　 |;;;;　　　　　 　 }
.　 ヽ;;;　　　　 　 }
　　 ヽ;;;l　　　　ノ
　　　/　　　 く
　　　|　　　　 ＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)

こうして 建は悪魔の囁きに身を委ね

何食わぬ顔をして鄭へと帰る

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::/|/|／::::|／:::::/イ　　N:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　|/|/{|/:::::::::::::::::/ ／　　　　　 ﾊ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈r＿_ヽ |/L､､,,,,,,,,,,,,,,,,__　ﾉ＼::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　>r‐t.ﾊ　７/´::ヘｿ_｀ヽ＿／ﾐ:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 （.ヽ:フﾘ⌒ﾍ､:ヽ￣::::_ノ￣　 ﾐ:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　`┬彳　　　　￣￣　　/　 ﾐ::
　　　　　残念ながら不首尾に終わりました　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽく.　 __〉、　　　　..:::::::::ﾐ:::
　　　　　国家の大事を軽々しく決めるわけにはいかぬと…　 　　　　　V::::::＿ ..＿ 、 .:::::::ﾊﾐ::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　∧::::::::＿ 　　　,,､ﾊN::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 」|i;;;::::;;ii,,..... ..､ﾊ||ﾄﾐ'': : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ从||||||||||||||ﾄNﾐ''／:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠//"`-"ー'イ:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::|〉: : : : :「::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　_／:::::::|: : : : : :|:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／::::::::::::└: : : : :」::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　 _,,. -‐‐‐‐‐‐‐- 、
　　　　　　　　　　　lヽ　ヽ ヽ ヽ　 ヽ ヽ
　　　　　　　　　　　l　}　 |　 |　 |　 |　 |
　　　　　　　　　　　l　}　 |　 |　 |　 |　 |
　　　　　　　　　　　|ﾆﾆ''"￣￣￣￣｀ﾞ|
　　　　　　　　　　 /〃'"￣￣￣￣￣｀ｰ､
　　　　　　　　　 / {.l く゛ｰ-- ､_　　　_,.ﾍ ヽ
　　　　　　　　　 { | | /　　　　　｀"''ﾞ゛　 ヽ }
　　　　　　　　　 〉| ﾚ／｀ヽ､,,_　　 _,.='ﾍ 〉j　　 　 ふむ それは残念至極
　　　　　　　　　{ヽ|j　　'￣('7｀　　{ ｴ'ｱ } l　　　　ひとまずは我が国で次善の策を練られるがよろしかろう
　　　　　　　　　l 9lj　　　￣　　 　 i ￣　!'
　　　　　　　　　 ヽjl　　　　　　　 ,,.j　　 i
　　　　　　　　　　 _ll　　　 〃_____'"_, 》 !
　　　　　　　　 ／ﾛ{ﾄ､　　 ''　　　,,.　 ' /
　　　　　　　／ﾛ回|　＼　　　　　　 ／ﾄ、
　　　　　__／ヽ回ﾛl　 　 ＞---i||i'"ﾆﾝjﾛ＼
__,. -‐''"　　　　＼回＼　| {二ﾝ ﾊ 厂/ﾛﾛ.|｀ｰ､
　　　　　　　　　 ヽ回ﾛ＼ ￣| l　 l | /ﾛ回/　　 ｀ｰ- ､_
　　　　　　　　　　　ヽ回ﾛ＼ | |　 | ﾚﾛ回/　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 　 ヽ回回.| ﾄ､,.j |回,/　　　　　　　　　　＼

鄭公も疑いなく建を迎え 再び礼遇した

しかし 計画はあっさりと発覚する
きっかけは 建が些細なことから従者を殺そうとしたことだった

　　／;;;~Ｖ;;;;;;;;;;;;;／!;;;;'／/／/;;;／ヘ ::､;;;;;;;;;;;＼
　 ',>;;;;;;;;;;;;;;;;;;／　 ｿ´ 　 　 /／　　　:.ヽリ､;;;;;;;;;;;＼
　/;;;;;;;;;;;;;;/!′　　　　　　　　　　　　 : : : : :ヽ;;;;;;;;;;;ﾄ
　ﾞj;;;;;;;;;;;i' !　 ､＿　　 　 i　　　!　　　　ﾞ : ,､:! !;;;;;;;;;;;|
　.〕;;;;;;;;;;!' <ｧ-‥ﾞ￣¨ ､ rｿ　// ¨´ ￣ ｀ヽ__　!;;;;;;;;!、
　l/!;;;;;;;;|.ｒ=〔　　　　 　 ﾞy'⌒.（　　　　　　 ）ｲ.|;;;;;;;i
　　"!;;;Vｊ　　｀ ー - ‐"´ | 　 |　｀ ー ― ´　 iij;;;;;;j、　　　　　この…無礼者！！
　　 ヾ;;;丶　　　　　　/(　: : : : :)､: : : : : : : : : /;;;;/
　　　 ﾝ;;;》､　　 　 ／:; ｀　: : : . . ＼: : : : : :.//;;;く
　 　 i/:::'ﾍi ヽ　　' .::　／´二｀ ＼: : : : : : ://r'(　|
　　　! :' ;:ﾍi　　　 ;:'／~ ´　　｀ ~ ヽ: : : : : /;/^　 !
　　　 ヽ　 i;;;i　　 .! |/ ⌒ ー ⌒ヽ.!:! : : :./;/"::／
　　　　 ﾞーy;;!　　 ゝﾞｰ¨´￣｀¨ｰ ' ﾉ : : :/;/_／
　　　　　 　 !;;;i　　　 　 ´ ￣ ｀ : : : : : :/;/
　　　　　　　ゞ;;;ヽ＿ 　 ／¨＼_:_:_:_／;;;/
　　　　 　 　 |ヘ､;;;;;｀ｰ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,.ｲ
　　　　　　　 |　 ':. ＼;;_;;_;;_;;_;;_;;_;;;／: :.!
.　 　 　 　 　 |　　::　　　　　 : : : : :/: : :!

　　 ∧,,∧
　 （;´・ω・）　　　えっ
　 ⊂　⊂ ）　　　.すすすみませ～ん！
　　 しｰ-J

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,...　 --‐‐―‐-｀ヽ/_＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　 ／/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　 ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／|::::::／| ハ::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　 ｽﾍ:::::::::::, 1　/!/|／' 　レ'　　 　 ＼!i .人:::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　ゝ::::::::::／　ﾚ'　　　　　　　　　　　　　|ﾉ　|:::::::::::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 ＼:::::::|　　,　　　 　　 l　　i　　　　　　l ﾉ:::::::::/
　　　　　　 　 　 　 　 　 　,ヽ:::|　/＿___＿__　ヾ　ﾉ　＿＿_＿ヽ1_=/
　　　　　　　　　　　　　 　{ ヾヽ. '　., -‐rｯ‐-｀ヽ!　ゞ=-‐ｔｯ=- ､｀|f,ﾄ 〉　　 　 　 謝って済む問題ではない
　　　　　　__ .,-u--、　 　l （＼lー（　｀ｰ--‐´ ﾞｒ―.〈 ｀ﾞー-- ' ﾉ7/| l　　　　　　死ね
　　　　　 / |｀ー／ ヽ　　 ＼ヾ｜　ゝ.、＿__ ノ　　　ヽ _＿_ ／ｌ:!h /
　　　　／ _¨｀ヽヾ ／ヽ　　　 ヽ_ﾄ　　　　　　　　　　　　　　　 |:| /
　　　　! .´　ヾll | | |　　|　　　 　 |ﾄ　　　　　/、　　ヽ　　　 / .l::|´
　　 　 |.ゝ　ノ /|/ .L／|　　 　　 |i ヽ　　　'　 ｀ー´　｀　　/　//
　　　　ヽ ー ´/ ｆ　l ゞfi-, = ､ へヾ.　　　　 -―――-　 　 /:/
　　　 ＿|　 　|　! |」__　/　　　ヽ　｀ﾞ＼　　　 　―　 　 　／:/ヽ
　 　/　 .ゝ___ﾉ_ﾉ/__　| ゝ___ ,ｨ/　　　　¨ﾞ｀ヾ_／｀´^ヾ／ ／ |　/
　 ./　 /　　|　　||､ｌ_｜　!ﾞ¨~/　＼　　　　　　＼:::::::::::／　￣ く ヽ、
　/　 /ヽ.　 ! 　 |!　ヽ! 　|ゝ 〉　　　ヽ＿　　　　　/-ｰ' : : : : : : /　　|
｜ 　l　　＼|　　|!__ノ, - 、 /　　ヾ__　　＼　　 /: : : : : : : : : : ヽ　　＼
｜　/}ヽ..　 L＿|_／　 　ﾉ|'　　　　　丶　　＼/_ : : : : : : : : : : : | 　 　 ＼
/　/ ｛　 ＼　　　 　　／ !ｌ 　 　 　 　　 　 　 //＼＿:: : : : : : : >1　 　　＼_
|　 ヽ |　　　ヽ-ー ￣　 ﾉ.|　　　　　　　　　 //　　　 /: : : : ／／ !　　　 　　＼
|　　ヾ|　-､　　 　 　_ ／>|　　　　　　　 　 //　　　 / : : : : ＼＼｜　　 　　　　＼
＼　　＼　｀ﾞ ー‐ ´　 ／/　　　　　　 　　//　　　 / : : : : : : : ＼ .|　　　　　　　　丶
　ヽ　　| |｀ﾞ―---―' //　　　　　　　　　//　　　 /: : : : : : : : : : :ヽ!

　　　　　　　　::∧,,∧::　ぁゎゎ
　　　　　　 ::(（'ﾟω'ﾟ゛｀))￣ヽ::
　　 　 　 　 　 ::∪∪しー-Ｊ::

大事を前にしてか それとも亡命生活に心が荒んだか
この時の建は自制心を失っていたようにも見える

殺されそうになった従者は必死で逃げ出し

　　　　　　Λ,,Λ　ﾟ ｡　≡＝－
　　　　　（・ω・｀；)っ　　 ≡＝－
　　　　　　ｏ　　　'　　　　　≡＝－
　　　　　　 (⌒　　）　　　 ≡＝－
　　　　　　　 ｀Ｊ ｏ　　　≡＝－

自らの身の安全の為に役所へ駆け込み
建と晋との間の謀議を洗いざらい話したのである

これを知った鄭公は無論激怒した

　　　　　 /￣￣￣ヽヽヽ
　　　　　 | fｧj＿＿＿＿|＿＿＿
　　　　 ／//:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　／:://::／￣｀ヽ､::::::::／＼::::',
　　,'::::://:く　　,.=ヽ､_, ￣　　_,.、}::|　　　　　おのれ 儂をたばかるとは忘恩の輩め！
　　|::::::||::/ ／ ＿≧ﾉ　　 r≦＿ |:|
　 /｀ヽ|/　　ｲ　　fj |::::::::: /　fj　 ||
　 |　ヽ|!　　　ゝ＝-　　　 |`ー=　!}
　 |　 {!|　 u　　　　　　　　',　　　;'
　 ヽ_,.　　　　　　 _,　 ＿ ´、　　,'
　　 /　|　　　┃r'"　　　　7┃ /
　 ,/　　ヽ　　┃|　　＿　 ,' ┃,'
／＼　ﾐ　＼　　 ￣　- `'　　/
:小ヾヽ 　 　 ＼　　　　　　 /
|//|::ヾヽ　　　　ヾi川川ツ’
///:::::ヾヽ　　　　　 ｀ヾﾘ＼

子産もこれに対しては厳しい態度で臨むように助言する

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,r'7'7'フヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / / / / ,r-､i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _/_/_/_/ /　　ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 __/_ｏ＿_ｏ__ ￣｀`i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {,､r‐'"´<||: : : : :￣:ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　これは断じて建を斬るべきです　　　　　　　 ,'　,,r―ヾ||:: : : : : : : :',
　　　　　　　　　　　　　　謀反を企てた者を野放しにしては　 　 　 　 { ｲけﾌ　 .||ｆ^l: : : : : : :',
　　　　　　　　　　　　　　侮られるだけです　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　 ￣　　 ||_リ: : : : : : : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈､　　　　　 ｌl |:: : : : : : : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |―‐ヽ　〃 l: : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l　 　 〃=.､ヽ､_:__:__:ノ
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　　　　　　　　 _,. -r――― ､
　　　　　　　　fr‐､ヽ　 ＿＿ ||
　　　　　　　　ゝ○i|　└─┘!|
　　　　　　　　　|二二二二二 |
　　　　　　　 ,ｨ!:::／＼::::::::::::>=､ヽ
　　　　　　　f::i|:> 　 　 ｀ｰ'´ 　 ヽi
　　　　　　　|::||´,.へ､　　　　,.へ .|
　　　　　　 fヽi|´ ﾍｴf゛}'　　ftｧ‐, |　 　 　 　 むむむ
　　　 　 　 { i　= ー　 　 |ｰﾆ　i　　　　　　仕方あるまい 儂の厚意を無にしおって…
　　　　　　 ゝｲ|　　　　　　 j　　　|
　　 　 　 　 ∧i|　　┏――┓　 j
　　　　　　/回ヽ　 　 ￣二´ 　./
　　 　 　 /回ﾛ∧≧ ､＿＿_,. く
≦´￣￣∨ﾛ回∧´フｲ ▼ﾊヽ回ヽ_
　　　　　　∨回ﾛ∧イ|　 iﾊ｀回ﾛ/　｀≧ ､
　　 　 　 　 ∨ﾛﾛ;∧i |　 ﾊ i回:/　　　　　 ＼
　　　 　 　 　 ∨回∧.|　/ｲ|ﾛ:/ 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　 ∨ﾛ回ヽ/ /回f　　　　　　　　　 ヽ

こうして亡命公子建は捕らえられ 斬られた
亡命から2年後の事であった

　 __,冖__　,､　 __冖__　　 /　／/
　`,-.　-､'ヽ' └ｧ --'､　〔／　/
　ヽ_'_ﾉ)_ﾉ　 　 `r＝_ﾉ　　　 /　　　　　　　／;;;~Ｖ;;;;;;;;;;;;;／!;;;;'／/／/;;;／ヘ ::､;;;;;;;;;;;＼
　 __,冖__　,､　　　,へ　　　 /　 ,ｨ 　 　 　 ',>;;;;;;;;;;;;;;;;;;／　 ｿ´ 　 　 /／　　　:.ヽリ､;;;;;;;;;;;＼
　`,-.　-､'ヽ' 　 く <´　　　7_／/　 　 　 ./;;;;;;;;;;;;;;/!′　　　　　　　　　　　　 : : : : :ヽ;;;;;;;;;;;ﾄ
　ヽ_'_ﾉ)_ﾉ　　　　＼>　　 　　/ . 　 　 　 ﾞj;;;;;;;;;;;i' !　 ､＿　　 　 i　　　!　　　　ﾞ : ,､:! !;;;;;;;;;;;|
　　　n　　　　　「 |　　　　 　/　　　 　 　 〕;;;;;;;;;;!' <ｧ-‥ﾞ￣¨ ､ rｿ　// ¨´ ￣ ｀ヽ__　!;;;;;;;;!、
　　　ｌｌ　　　　　|｜ .,ﾍ 　　/　　　　　 　 l/!;;;;;;;;|.ｒ=〔　　　　 　 ﾞy'⌒.（　　　　　　 ）ｲ.|;;;;;;;i
　　　ｌl　　　　　ヽ二ノ__　 ｛　　 　 　 　 　 "!;;;Vｊ　　｀ ー - ‐"´ | 　 |　｀ ー ― ´　 iij;;;;;;j、
　　　ｌ|　　　　　　 　 _| ﾞっ　￣フ　　　　 　 ヾ;;;丶　　　　　　/(　: : : : :)､: : : : : : : : : /;;;;/
　　　|l　　　　　　　 (,･_,ﾞ> 　／　　　 　 　 　 ﾝ;;;》､　　 　 ／:; ｀　: : : . . ＼: : : : : :.//;;;く
　　　ｌl　　　　　__,冖__　,､　 >　　　　　　 　 .i/:::'ﾍi ヽ　　' .::　／´二｀ ＼: : : : : : ://r'(　|
　　　ｌ|　　　 　`,-.　-､'ヽ' 　＼　 　 　 　 　 .! :' ;:ﾍi　　　 ;:'／~ ´　　｀ ~ ヽ: : : : : /;/^　 !
　　　|ｌ　　　　 ヽ_'_ﾉ)_ﾉ 　　ﾄー 　 　 　 　 　 ヽ　 i;;;i　　 .! |/ ⌒ ー ⌒ヽ.!:! : : :./;/"::／
　　　ｌl　　　　　__,冖__　,､　|.　　　　 　 　 　 　 ﾞーy;;!　　 ゝﾞｰ¨´￣｀¨ｰ ' ﾉ : : :/;/_／
　　　ｌｌ　　　 　`,-.　-､'ヽ' iヾ,　　　　　　 　 　 　 　 !;;;i　　　 　 ´ ￣ ｀ : : : : : :/;/
　　　|ｌ　　　　 ヽ_'_ﾉ)_ﾉ　 {　　　　　　　　　　　　 　 ゞ;;;ヽ＿ 　 ／¨＼_:_:_:_／;;;/
.　ｎ.　ｎ.　ｎ　　　　　　　　l　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |ヘ､;;;;;｀ｰ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,.ｲ
　 |!　 |! 　|!　　　　　　　　 l　　　　　　 　 　 　 　 　 |　 ':. ＼;;_;;_;;_;;_;;_;;_;;;／: :.!
　 o　 o 　o　　　　　　,へ　l 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　::　　　　　 : : : : :/: : :!

無能な人間ではなかったのだろうが どうにも色々と詰めの甘かった印象がある

「貧すれば鈍する」というのかね
まあ悪魔の誘惑に逆らえるのは難しいね

伍子胥はというと 陰謀が発覚したと見るや逃げた

　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　ー三三＼
　　　　　　　　　　　|　　 （ ○） （ ○）
　　　　　　　　　　　|　　　　 （__人__）　　　　　　また逃亡かっ！
　　　　　　　　　　　|　u　 　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　}
　　　　　　　　　r⌒ヽｒヽ，　　　　}
　　　　　　　　/　　i／　|　__　　ノヽ
　　　　　　　./　 ／　　/　　　　　　)
　　　　　　 ./ ／　　／　　　　 /／
　　　　　　/　　　.／　　　　　/￣､⌒)
　　　　　 .ヽ､__.／　　　　 ／ ⌒ヽ￣
　　　　 　　　　 r　　　 ／　 　　　|
　　　　　　　　/　　 　　　　　　　ﾉ
　　　/ ￣ ヽ/　　　　　 /　　　 /
　　 /　ノ|　/　　　　／/　　 ／
　　 ￣　 |　.　　　／./　 ／
　　　　　 ヽ＿_／ / ／
　　　　　　　　　ノ.＾/
　　　　　　　　　|_／

しかも今度の逃避行はひとりではなかった

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||／￣￣＼||
　|:::::::::::::::||　＼,　 ,／＼
　|:::::::::::::::||（ ●）　（●）|　　 　　 　 勝さま！一大事です
　|:::::::::::::::||　 （__人__）　 |　　　　　　お父上が鄭に囚われました！
　|:::::::::::::::||　　｀ ⌒´　　| 　 　 　 　 一刻も早く逃げなければ！！
　|:::::::::::::::||　　　　　　　}
　|:::::::::::::::||　　　　　 　 }
　|:::::::::::::::||ヽ＿__　　ノ
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||　　　　　 ||
　　 ＼ ::::||￣￣￣￣
　　　　＼||

　 　 　　　 _ イ::..／l／|／..:::N＼lヽ.::＼
　 　 　　　 フ::::::::::::::/:::::::ﾊ::::::::::::::::::::::::::',
　 　 　　　 イ:::::::/l/ |// 　|/∨＼:::::::::::::〉　　　　　　　　父上が！？
　　　　　　　ｲ:::l/ ≧‐ﾍ　 vz-―‐∨l:::::/
　　　　　　　　∧'´（.）` 　 　"（.）`ｧ　〉y
　　　　　　　　ヽ}　 　　　i〉　　　　　/ノ‐┬､
　 　 　　　　　　∧ 　　r-―､　　　.仆　　|　|
　 　 　 　 　_イ/|　＼　l＿___ｊ　／:::| 　 　|　|
　　　　　／　　 |　　 |＼__ 　イ/　　| 　　/　|
　　　 ／ヽ 　 　|　　 |__- ＿__//⌒)}　／　 .|
　　 /　　　　　 |／⌒>､三--/　>＼|/ 　 　 |
　　/　　　|＼|　　　　＼＼_/／ 　　/ 　　　 |
　 /　　　 |　/／ﾉ　　　　ヽl 　　＿/＿／|
【公子勝（しょう）】
建の息子 恐らく斉の公女との間の子
まだ2-3歳の筈ですがｷﾆｼﾅｰｲ

ああ、法治主義の子産と賞罰が公平だった孔明というのは上手い配役だなｗｗ

この勝を連れて鄭から逃げ出したのである
足手まといになりかねない幼い勝を連れたのは伍子胥の

　　　　　　 　.　＿＿
　　　　　　　.／::::::.　＼
　　　　　　 /::::::ヽ;;:　　 ＼
　　　　　. （:::::（::::冫 　　　|　　　　　　（この復讐を私恨に終わらせてはならないだろ…
　　　　　. （:人;;;） .　　　　|　　 　 　 　 何としても公的な名分を持たなくては…！）
　　　　　r‐-;::::::. .　 　　　|
　　　　 （三））:::::..　.　　　|
　　　　　>::::ﾉ:::::::::.　　　 /
　　　　/::: / ヽ;::::::::: 　 /
　　 　/::::/ ⌒ヾ:::::::::::.〈
　 　 （;;;;__ゝ:;;:::::＼／:::::）
　　　　　　.　|＼::::::::::::;;:1
　　　　　　.　|:::::＼;;／:::|

という思いからの事であろう

　　　　　　　　　　　　 _,.. -‐―-―-、_
　　　　　　　　　　,.. '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`:::...、
　　　　　　　　 , ':::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::::::::::::`..、
　　　　　 _,,,... ':::::::::::::::::::::::,::::::ハ:::;::::::::::::::::::::::::::`、
　　　　　　,ﾌ゛::::::::::::::::/:::/;:::::l　　 l;ﾊ;;;;;;',:::::::::::::::::::.,
　　　　　 ,.;::::::::::::::/l::/ l/ l人!　　l;　l::N l:l::::;:::::::::::::;_
　　　　　 / l:::::::::::l. v　..__,.....,　　　-...,,,,_' j/ l:::::::::::l
　　　　　　 .l/l:::::r　-'~_,,..._　 ;.　　　 ,-　、‐-l:::::::,''
　　　　　　　 　 j::,　 ,;' .f:::i 　 ﾞ　　　 .f:::i ヽ　 /:}'
　　　　　　　　 lヽヽ　　'`　　　　　　 　'"　　 /~.l　　　　　　　でも…どこへ？
　　　　　　　　 `、(ゞ.　　　　　 ;:　　　　　　/) ,.'
　　　　　　　　　 `　、　　　　　　　　　　　/／
　　　　　　　　　　　　ヽ、　　- -- 　　,. '~
　　　　　　　　　　　　　 .i. 、　　 　 .,　i′
　　　　　　　　　　　　 __,j　` 　_ ,.. '　 l._
　　　　　　　　　　　r'　,. l　　　　　　 l 、~ヽ
　　　　　　　　　　　l　.ゝt　　　　　　 lkl　　l
　　　　　　　　_,. -'/　　l　　　　　　　　/　 ヽﾞ';,
　　　　　 _,..-"　 /　　 _ l‐--、　.,-―/　　 ヽ、ﾞ'':.,
　　　 ,.-"　　　 /　　r~ l l　　　　'　　f .r～,　 l　　 ﾞ'':.,

　　　　　　　 　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　 　　／　 _ノ　ヽ､.＼
　　　　　　　　 　|　　（●）（●） |　　　　　　もはやこうなればひとつしか選択枝はありません
　　　　　　　　　 |　　 （__人／,〉.|　　　　　　呉へ向かうのです！
　　　　　　　　　 {　　　´フ´ ./._ }
　　　　　 　　　　ヽ　 .／,二ニソ}
　　　　　　　　　　_ヽ/　 ,-― ､}ﾉ
　　　　　　　　 ／:;:{'　　 ノｰﾍJ:;:;ヽ
　　　　　 　 ／:;:;:;:;:;|　 _,イ{:;::;:;:;:;l:;:;}
　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:＼＿/:;:;:;::;:;i:;/＼
　　　　 　 {:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;〈:;:;:;:;:＼
　　　　　　ﾍ:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:＼:;／ヘ、
　 　 　 　 　 ￣￣7:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l;:;::;ゝ、`ｰj
　　 　 　 　 　 　 /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l:;:;:;:;:;:＼~
　　　　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|ヾ:;:;:;／

呉は中原から外れた楚よりも更に南西
長江河口域に存在した国である

　　　　　　　　　 ,r---､　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ,_　　　　　_r‐'´ヽ
　　　　　　　　　 }ー'￣'ｰ-.,＿　　　　　　　　　_,　【燕】　',_　　　 ﾉ::::::::/
　　　　　　　　　{　　　　　　　 ｀ヽ　　　 ,.-―'´　｀､○薊 _ ヽv‐'´::::::::{　 ,.-‐⌒
　　　　　　　　　}　　　　　　　　 ﾉ 　 ／_,.　　 　 　 'ｰ-r‐' ｀´::::::::::::::::r'ノ´:::::
　　　　　　　　 /　　　　　　 　 /　 i　 /_　　　　　　 ,ｨ'ﾍ:::::: 渤　海 ::::´::::::
　　　 　 　 　 /　　　　　　 　 /　　{_,､　｀ｰ--‐'｀＞' 　 'ヽ::::::::::::::: _ｨ､,___,､_:::::
　　　 _,. -―'　　　　　　　　　}　　　 /　　　 　 /　　 　 　 ＞ｰ-,ﾉ　　　,ｨ､_{:::::
　　　 'ヽ　　　　　 ＼_　　　　{　　 r'　　　　　　} 　　 ,.-‐'´○臨淄　r‐':::::
.,_sｰ-'´　　　　　　　　｀ヽ　　|【晋】} 　 【衛】,/　 　 / 【魯】､ 【斉】rﾞ:::::
　　　　　　　 -‐-､_　　　{_ 　 }_,.ﾉ´○絳　○}　 　,r'　○　　} 　 /´:::::
　　　｀ヽ.,_　【秦】　ヽ　　 ヽ_{　○新田 _,.＜_,.-‐'´ 　曲阜 ﾉ　 {:::::
,､_　　　　 ｀ー-.､○雍ゝ-―´￣￣￣■ ○【鄭】○【宋】　{　　 ゝ:::::
　 ｀^ヽ　　　　　 ￣￣　　　　　　　 洛邑 新鄭　 商丘　　 ｀Y´　 ヽ:::::
　 i　　｀}　　　,-v-‐､　　　　　　 　 　 上蔡○ ｀ｰ､_ 下蔡_,.v'　　　 し､:::::
　 {　　　｀i　 ´　　　 ヽ-‐'￣￣｀ヽ　　　　【蔡】 _,.-‐'○´　　　_,.-=＜´ﾟ:::::
　 }　　　　{　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　´￣￣　　　　　　　 /　　　,､｀ヽ:::::
. （　　　　 ヽ　　　　　　　　　　【楚】 }　　　　　　　　　　　 ／　　　く_'j○呉:::::
　 }　　　　 {　　　　 ,rー-―'￣ヽ　郢ヽ_　,.-r‐､　　　　 r'　　　【呉】_r､ｰ'´:::::
　/　　　　　!,　　_ノ　　　　　　　 ヽ○.,_ ｀ _r' 　 ＼__／　　_,._,､　　/　○´｀7､:::::
-ﾍ　　　　　ﾉ´￣ヽ_　　　 　 　 　 　 　 }／　　　　　{ {_　　　　 ｀ｰ'　会稽　{´:::::
　r'ー-‐^ｰ'　　　 　 }　　　　　_,.-‐=^='ﾉ　　　　　　/ｰﾍ　　　,　　【越】　　ﾌ:::::
s'　　　　　　　　　　{　　　　／　　　 　 {　　　　　 ﾉ　　 ｀ｰ'ｰ'　　　　　　f´:::::

楚ですら蛮夷の扱いを受けていたこの時代
中原の民にとってはもはや意識の外であった

>>397
ちょwww呉、遠すぎだろ、常識的に考えて・・・
もう復讐は諦めてたんじゃないかと思ってしまう

>>399
や、楚がでかいだけｗｗ
楚と呉は隣国ではあるｗｗ

しかし この数十年にわたり楚とは国境を挟んで幾度となく戦いを繰り返し
一進一退の攻防を繰り広げてきた剽悍の民の国でもある

　　　　 　 　 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ 7: :/: : : : : : : :/: : : : : : : : : }: :}: : : : },: : : : :}: :｀ト､:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.ﾊ
　　　　 　 　 :.:.:.:.:.:.:.:.:., ｨ ´{: : {: :/: : : : :〃: /: /: : :: : : : : ﾘ:ｲ: : : : ﾘ: : : }: :}: : :};;;;;ヽ､:.:.:.:.:.:.:ヽ'
　　　　　　　 :.:.:.:.:, r:´: {: : ｨ: : ':/: :/: : 〃:イ: /: : : /: : : : : /}: : : :〃: : ﾘ: :}: : : };;;;;;;;;;;｀ヽ::.:.:.:ﾊ
　　　　　　　:., ｨ:´: : : :{: : :/{: : /: :/: : 〃/ﾑ:/: : :/: : : :ﾘ: / ﾘ: : : ｲ: ,': 7: : !: : : ﾄ､;;;;;;;:.:.:.:.ヽ､: :}
　　　　　　 :´: {: : ＿_」: : :{ { i:/{: {: : 〃/ {: 〃: /: : : :〃/　}: : : :ｲ:/: /: : i: : : :ﾘ: ヽ;;;;:.:.:.:.:.:.:.:ヽ}
　　　　　　　: :{: ￣￣{: i: {｀{ !:{7 {: :ｲﾄ/　{:〃: :/: : :/ﾘﾉ　 /: : //:ｲ: ﾘ: : /: : : /: : ﾊ;;;;:.:.:.:.:.:.:.:.:.}
　　　　　　 　 !: : : : : ﾄ !: | ﾊi:{ {: !:/{ へ,｀〃: ﾘ: : ///　　/: :/ //}: /: : /: : :/,: : : :ﾊ;:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾉ
　　　 　 　 　 |: : : : : |从ﾘ　ﾊ' |: i:{ }/　 /: :／: :/ 〃　　/:／,/:ﾆ:ｲﾄ､:/: : /,ｨﾍ: : : :ﾊ:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　 ｲ: : :ｰﾔｰ-ニﾆ七{/ｰトｰ' ' ﾉ／仆/　　　 /' ,r〃´{' /: 〃,ｲ/: : :ﾊ: : : :ﾊ:.:.:.,r'
　　 　 　 　 /:|: : ::´ﾍﾊ:::' : : : : : 三＝＜　　 　 　 　 ／/ｰ≦ヽﾔ: ／从: : : : : ﾍ: : : : r´　　わっちも絡む話でありんす
　　　　　　　: |: : : : 7ヽ､::.: : : :ｃ'::ノ　,' 　 　 　 　 　 ' , r: :::ﾘ //: :ｲ"r: : : : : : : : ﾊ: : : :}
　　　　 　 　 ｲ: : : : :|　 ｀ ｰ､-_´ ､ '　　　　　　　　　/: : c､' /: : : ,r:ﾍ: : : : : : : : : ﾊ: : :ﾊ
　　　　　 　 /:{: : : : :|　　　　　' ｀　 　 　 　 　 　 　 {｀￣｀ r: : : : {: {:.:ヽ: : : : : : : : :}: : : ﾊ
　 　 　 　 　 : {: : : : :|　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､　 　 i: : : : ,': {:.:.:./ヽ: : : : : : : }: : : ﾙ
　　　　　　　 : :{: : : : |　　　　　　　　　　　　　　　　　'､　 ﾉ: : : : :!:r:.:/　　ヽ､: : : : : }: : :ﾄﾊ
　　　 　 　 　 : :{ : : : |　　　 ,'､　　　　　　　　　　　 ,／／: : : : : { |/　　　　ﾍヽ: : }: :}:ﾄ:ﾊ!ﾙ
　　　　　　 　 : ﾊ: : : :|　　　(レ' ｰ ､　　　　　　　　´, r: : : : : : : :!/　　　　　 ﾊ ﾄ: :i: ,:ﾘ: }ヽ
　　　　 　 　 :.:.ｰ:.:.:､:ﾊ　　　　 ｀　ー｀ ＝=‐-',　r　´: ﾘ: : :i: : : : :{　　　　　　　}ハ}　/ }/
　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ ' ｰ ､　　　　 ´ , r ´: : : : : : }: : : :}: : : : iヽ　 　 　 　 /　 ﾊﾉ　'
　　　　　　 　 :.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:...､ ≦´: : : : : : : : :/: : : : }: : : : |:.:.ヽ
　　　　　【夏姫（かき）】
　　　　　鄭穆（ぼく）公の娘 人外レベルの傾城

　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／　　　 _ノ　＼
　　　　|　　 　（ ●）（●）　　　　　楚を敵に回すならば もはや呉しかないのです！
　　　 ｜　　　　 （__人__）
　　 　 |　　　　 　|r┬| .}
　 　　 | 　 　　　 |　| | }
　　 ,..-'ヽ　　 　　｀ﾆﾆ }
　 ./::"::::`ヽ､.,＿＿ __ノ ﾞ
　/::i::::::::::::"'弋'!ｰ',イ>|'_ノ´｀ｰ -,,＿ _
. }:::ﾞ|::::::::::::::::::::~ﾞ:_戈;f"　 、　　　 ｲ/ `i
/:::::::!;:::::::::::::::::::/',r.ﾃ　　　 ＼xｰ.ｫ､__ノ
::::::::::::ヾ!:::::::::::::l .l r'　　 `　､_冫y"
:::::::::::::::::＼o:::::l .ﾄ、　 ヽ,＿ﾉ"ｰ'
:::::::::::::::::{::::{＼代 l>ｰ､,_ノ

こうしてふたりは呉を目指すのであるが―――

鄭と呉との間には広大な楚が横たわる
これを縦断せねばならない

そして楚にもこの変事と伍子胥の逃亡は伝わっていた

　　　　　　　　,ト--ミ､、_:::::::::::::::::｀:"'':―┼――――l
　　　　　　　 /ミミ三三ﾐ'ー‐-- ､、＿:::::::|:::::::::::::::::::::::j
　　　　　　　 {ミミミ三三、　　 　 ､ｰ=､`'┴―――fミ',
　　　　　　,..､ﾐﾐミミミ三ｼ　　. . . . `―' l ii l　(ヲ　　lミil
　　　　　 //う{ﾐﾐミミf'"　　　_,,.,,_:.:.:.:..　 _j_　.:.:.:.　　lﾐﾘ
　　　　　 l V　}ﾐﾐミミ　　　 ',ｨでiﾝﾐ、:.:.､__, -,ｨも=､',l:l′
　　　　　 'i l ,ﾉヾミミ'　　　 ´￣｀ﾞ`ラ .:. 三 f"´￣｀' lj　　　　　　あの謀反人の息子がこちらに逃げてくるとな！？
　　　　　 ヽヽへ}ミﾐ　　　　 ｀二ﾆノ ,、 jl　',` ―''" ,l!　　　　　　良い機会でおじゃ 捕まえて父や兄と同様
　　　　　　 ヽ二ﾉミ'　　　　　　　 ,ィ'" 　 　 ﾄ、　　 ,!　　　　　　 腰斬にしてくれるでおじゃる！！
　　　　　　 , -fｿ!'ミ　　　 　 　 ／ `^ヽ,＿ノi　　　 ,'
　　　　　 ,/（/　{i,ﾐ'　　　　　／　 _,,...,＿,,..,、l　　 /
　　　　　/　ヽ　 lN,　　　 ／　 ,ィiTTTTTト, ,}　 ,/
　 , -―/　　 ヽ ', ヽ　 　 {　 ,/⌒'ｰ'‐'‐'‐',ﾘ l　 /
　/　　/ 　　　 ヽ'、 ヽ 　 l　 {,ゝ､‐r‐'ﾝ-i/ ,/ ,ｲ丶､、
"i　　 {、　　　　 ヽヽ丶　丶 ヾ<Zェｪｪｼ'　ﾉ ,i'lヽ、　｀ヾー-- ､
　l,　　 ＼　　　　 ヽヽ 丶、 ｀ ｀ ‐ -- ‐'"/ノ ,l　 ＼　　＼　　ヽ
【楚王 弃疾】

　　　 　 /＼Ｙ/ヽ
　　　　/ （ 0) (0）ヽ　　　　　　　伍子胥を捕まえた者には
.　　／::::⌒｀　 ´⌒＼　　　　 　 粟（ぞく）五万石と執珪（しっけい）の爵位を与えるっていう！
　　|::::::::::-） ＿＿ （-|
　　l:::::::　 ヽ|!!il|i|!l|. l |
.　　＼::　　 lｪｪｪｪ| ／
.　 　/⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
　 　|　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
　　 | 　 　 　 　 　 　｀l￣
　 　|　　　　　　　　　 |
【費無忌】

伍奢の予言に不気味なものを感じていた楚王と費無忌は
この機に憂いを解消すべく伍子胥の首に多大な懸賞をかけた

※執珪の爵位：珪（封土を持つことを表す装飾品）を執る＝領地持ちの爵位

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　|　　　 （ ―）（―）　　　　 …で まあこうして何とか楚を抜け
　　　　　　　　　　|　　　　 （__人__）　　　　　あなた方のご厚意にも助けられて
　 　 　 　 　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ 　 　 　 ここ呉へと辿り着いた訳です
　 　 　 　 　 　　　 |　　　　　　 　 }
　 　 　 　 　　　 　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　 ヽ､.,＿＿ __ノ
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::

　　　　/ 　./／//／/／i　ヽ　l　l　　 l:.
　　 　 !　 / `'ﾒ//　ｼﾞ　　l　,ヽl　l 　 i.|; :.
　　　 l.　/| >ｆﾒ/　/ `ヽ､　l　､l　l 　 i |: ; :
　　　 !　i.:| ､{.ｿｊ　 　 ｨ-:､` l / / 　/ l:　 ; :　　　　　それはそれは…大変な事でしたね
　　　l　 !:.l　　/ 　　　（てﾁ / /　 / /. 　 ':
　　　ｌ　l: :l　く　　　 　 ｀ﾆ`/ /　/　lﾞl:.
　　　 ! .l .:ヽ　t 、　 　 　 / /　/　/ｲ; .
　　　 l　l: : .ヽ ｀ﾞ　 　　 / /.／　 /: : ' ; .
　　　　! l : : : ｉヽ.. ､ -／／　　／i: : : 　': ,
　　　　 l l : / ´l:ｼﾞ／／　　.／ ノヽ; : .
　　　　　l l.{.._/／ '´　　 ／'' ´ 　　|: ; : .
　 　　 r:ｼ´ '´　　 _,. - ´　　　　 　 l　 :': : ,

　　　　　　/ ,' 　　l　　　 l'　 ／　　／　　　　　/,､ ヽヽl　 ',
.　　　　　/　l　 　.l　　　 ｌ.／　, ／ , ィ´ ィ　／ｨﾊ ヽヽ.! 　 ',
　　 　 　 !　,l. 　　! 　 　 !　／/ ／／／/　／〃 ',　ヽl　　 .!
　　　　　 V .l 　 　 　 　 ﾚ'´/／￣'`´ ./／　 /＿ ', ヽl. 　　l
　　　　　/　 l　　　　　　l _..=＝=xヽ ／　　／__　 `', ,'　　　l
.　　 　 /　/ ,! 　 　　　 .K{_ノ　}　`´ 　 　 ' ´z＝=x_li　 　　ﾊ 　 　 　 とりあえず今夜はこちらでお休みください
　　　 〈　/./ l　　　　　 l"`ー-'-　　　　　　 トｲ .} ﾈ,l. 　　,'　',　　　　 狭い家ではありますけど
　　　　`／ /.l 　 　　　.l　　　　　　　　　　　`ー'- /ｲ　　,'　　',　　 　 追手が来る心配だけはありませんわ
　　　／　, '　,l　　　　　l　　　　　 　　　 　 　 　　/ノｌ　　!.　　 ',
.　　 {_ ／　 /.l　　　　　l 　　　　、　 　 ′ 　　 ./　 .!　 .l　　　 ヽ、
　　 ／　　.／ l　　　　　lヽ.　　　 ｀ニ ‐ 　　, ィ´ 　 .l　 .l　　　　　 `
. 　〈. 　 ／ 　　', 　　　　',　ヽ、　 　 　 , ィ´i. 　 　　 !　 l
　　 `／　　　　 ',　　　　 ',　　 `ｰ-ィ ´　 l　l 　　　　ｌ　 l
　 ／ 　 　 　　 ハ.　 　　 ',　　　　 ﾄ､　　ｌ　l 　　　　ｌ　 !
　　　　　　　_ノ　 ',　　　　 i　　　　lヽ ヽ、　l 　 　 　l　 !
　　　 ,, - ''ヽ、　　',　　　　 !　　　 ' `ヽ　`ヽ!. 　 　　!　l

　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　 ／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　 |　　　 （⌒ ）（⌒）
　　　　　　　 |　　　　 （__人__）　　　　　　　　重ね重ね助かります
　 　　　 　 　 |　 　　　｀ ⌒´ﾉ　　 　 　 　 　 こうして安心して横になれるのは何日ぶりになるでしょうか
　　　　　　　　|　　　　　　 　 }
　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾍミ|
　　　　　　　　／,`　、` -`,--` ,
　　＿＿,---/;;;;;`　　`-,-/ニﾆ |
　/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,＞、 /::l,_l･　,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::＜:::::::ヽ``l::::|　　|`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::＼|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/'　 `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く　　　';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/

本日は以上です
おつきあいありがとうございました

【本日の登場人物】
伍子胥（ご・ししょ）：VIPでやらない夫（2ちゃんねる）
熊建（ゆう・けん）：碇ゲンドウ（新世紀ヱヴァンゲリヲン）
鄭公寧（ねい）：劉備（横山三国志）
子産（しさん）：諸葛亮（横山三国志）
晋文（ぶん）公：ケロロ軍曹（ケロロ軍曹）
秦穆（ぼく）公：伊藤開司（賭博黙示録カイジほか）
楚荘（そう）王：緋村剣心（るろうに剣心）
晋公去疾（きょしつ）：西澤桃華（ケロロ軍曹）
中行呉（ちゅうこう・ご）：ポール森山（ケロロ軍曹）
熊勝（ゆう・しょう）：碇シンジ（新世紀ヱヴァンゲリヲン）
夏姫（かき）：ホロ（狼と香辛料）
楚王弃疾（きしつ）：一条三位（水戸黄門）
費無忌（ひ・むき）：でっていう（スーパーマリオワールド/2ちゃんねる）
漁師兼渡し守①：アリシア・フローレンス（ARIA）

問題は今から作って明後日までに出来上がるかという(ry

乙でした、よいお年…え？紅白どころじゃねえな。

乙でしたーｗｗ

夏姫が呉にってあの話かｗｗ