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　　 　 　 .＜　 　くっ！！　　＞　　　..γ　⌒｀￣￣´　　／　　　　..o　　　　　　　　＼　。
　　 　 　 .／　 　　　　　　　　＼　　　 〈　 　 、 ＿_＿／　　　　　　　　 　 　 o　 ＼　 ＼.
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　　　　　　　　　　 　　　　　｀￣ ￣

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";:;:; ;;"'`;;;y,｡"'`;;'"''”`)'' ;;"'`;;ノ___ノ___ノ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ_____ﾉ___ﾉ____ﾉ___ﾉ___
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.:::/”;;ﾉ　;;ノ::.
.ii|ｙ"ノ　 :
;.:iﾚ　;;::: .:.　　';　　　　　"　　　　　;,　　　　　　　　　　　　 　 ,ｨ7
::;ｉ|　 ::: ::.;;.:..　　　　:;　　　　　　;　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／,/
;:ii|　 :;, ::.;;., ,,.. 　丶　　　　'　　　　　　　　;,　 　 　 　 　 ./　/
:i;i|　 : ::.;;.:　　 ,,　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　/
; ii|　::;; : ,:.::: ::.. ..　　::....　　　,,::.　　 　;'　　　　　 　 　 /　/
:;iii|　.;;;;::.,;;,.､.;; .,; ,,, .;; ､,､　,,.､,,､..　. .、, .;; ､,,､..　. .、, /　/､..　. .、, .;;
;.:ii|　　　,,､､　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
; ii| .;　　　　,.､　,,､.　　　　　,,; ;.　　　　 　 　 　 .／＼　 ／　 ＼ ;.､､
; ;;i|　.,; ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　; ,,, ､,.| （●）（●） 　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /| （__人__）　　 .|　　　　くそっ！　これも捌きやがるか！？
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / ,|　｀ ⌒´ 　 U |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ィ´ /''ヽ　　　　　　ﾉ　　　　 やり辛いったらねぇぜ、畜生！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 (⌒) ｲi一‐ヽ、　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 7 .K.`ｰ--→―― ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ/ ヾ--‐―‐　　/
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　 　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　　　　 /　　＜ ザッ

.

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　 ／　　 ＼ ,　, ／＼
　　　　／　 　 （●）　 （●） ＼　　　　　　　nn　　　　　　ハァ……ハァ……
　　 　 |　U 　 　 （__人__）　　　|　　　 　　　 i i.i　　　　　　いや、そろそろ、受け流すのも限界だお……
　 　 　 ＼　 　 　 |r┬-|　　,／､-─,‐─‐/ ヽ-､
.　　　 　 /⌒, 　 　`ー'´　　　　　＿__; ＿､r ｲﾌ' 　 　 　　なかなか、腕を上げたじゃないかお。
　　　 　/　 ,)、＿, -､_ 　　　,/￣　　　　　　￣
　　　　(_＿＿＿_´ｒ' 　〉　　 l
.　　　 　 |　　　　｀￣~ 　　　|




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　／_ノ　 ｀⌒　＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _　　　 　 　 　 　| （● ) （⌒ ）　.|
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　!　　　　　　　　|　（__人___）　 　|　　　　　へへっ、手前ぇこそな。
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｜ !　　　　　　　　|　 ｀ ⌒ ´　　u |
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　!　　 ,.-,　　　　|　　　　　　　　 |　　　　　まるで、俺の動きが全部
　　　　　　　　　　　　 　 　 _,ﾉ ┴、/ ,/ 　 　 　 ヽ　　　　　　　r　　　　　 読まれちまっているみたいだったぜ。
　　　　　　　　　　　　　　　 r　`二ヽ ） i　　　　　　ヽ _ ､___, 　 ﾄ
　　　　　　　　　　　　 　 　 |　 ー、〉 /　　　　 _,,,,ﾉr　 `　　 ／i＼,,,,_
　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　r_,j　j__,,.. r''''"/::;|　＼`'／ 　 ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 | 　 ）　ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;|　 ／＼　　/::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 ﾉﾆ-､　,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
　　　　　　　　　　　　　√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;|　 "::く 　/:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
　　　　　　　 　 　 　 /..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;|　|:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }

.

　　　　　　　 　 　 　 ＿＿__
　　　　　　 　　 　 ／_ノ 　ヽ＼
　　　　　　 　 　／ （ ●）　（●）、
　　　　　　　 ／::::::::⌒（__人__）⌒＼　　　　　 そりゃ、これだけ毎日のように
　　　　　　　 |　　 　　　|r┬-|　　　 |　　　　　組み手をしてりゃ、動きぐらい読めるお。
　　　　　　　 ＼ 　 　 　 `ー'´　　／
　　　　⊂⌒ヽ　〉　　　 　　　 ＜´/⌒つ
　　　　　 ＼　ヽ　 /　　 　 　 　 ヽ　/
　　　　　　　＼_,,ノ　　　　　　|､＿ノ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_人___）　　　　|　　　　　 まっ、そりゃそうだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{　　　　　　お前が敵じゃなくてホッとするぜ、全く。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　　　　　　　　　　　　　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　　　　　　　　　　　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　　　　　　　　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|

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二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
二二二二二二二二二二二二二　rｭｨぅ斥ぅ‐┴'ミ､-.､ . 二二二二二二二二二二二二
──────────── . : : :´:ヽ_}ｧ' :―-. . ､ マてぅ、 .──────────
:::::::::::::,,|;;;;ｉ|,|:フｉ::::::::::::::::::::::::::／／二: .ヽ:/._:_: : . ヽ: :.ヽ ヽとぅ､:,..ｉ:::::::::::::::::::::::::::::::,,|;;;;ｉ|,|:フｉ
:::::::::f----イ／:::::::::::::::::::::::::.{ : {'斗,ｨミﾐ､{/彡ミ:ヽ､ : : : .＼＼とぅ:,::::::::::::::::::::::::::f----イ／
　,,.,,.　　　 　,,..　 .＿＿＿_ノ}ヽ{ :´/　　　 　 ｀ヾﾐ: :} :}: : : :.}ｭ Vとぅ:,,,,,　　　　　,,,,
　　　　　　 　 　 .{f´￣￣／. : }:∨~｀　　　　‐- ｀y.:/. : i: :frぅ ﾄ､／｀7.,
　　　　 　 　 ...　ﾉ′ 　 / . : ノ}: :}xミ､　　　　　 ｀{: {: : . ヽ:|ぅj |/ｧ　 {
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ{: : : .ヽ:{ {rﾊ　　　,x=ミ､V:.、: : :｀ミヽﾚニア
　　　　　　　　 　 　 　 　 }: : : :ノｲ Vｿ　　　 {r' ﾊ }ﾄ､ヽ : . ヽ:ヽ:}､＼=ﾆ二 ｀ヽ
　　　　　　 　 　 　 ､＿_ノ: ﾉ:(: }: |　 ､　　　　｀¨´　{: :ヽ}､: : : } }} ｝　ヽ､　　＼|　　　　　　 やる夫さーん、やらない夫さーん！
　　　　　 　 　 　 　 ｀＞ :´: : ノ.:人　 ﾏ　 ｧ　　 　 _〉､: j: } : : } {! ヽr:<´:＼　 ′
　　　　　 　 　 　 　 /ｲ/. :／. :ｲ: ｉ:.＼　　　　 .　イ:} ﾉｲ ﾉ. : ｲ{:｀ : :{之)､:. .＼　　　　　　　そろそろ朝ご飯ですよー！
　　　　　　 　 　 .,.ィゝ{{ : :{: : (:.{: :{: : :ｉ｀: :iﾁ´　 　 y. :／. :/.:.{:{: . ヽ: ｀:之) : . ｀ヽ､
　　　　 　 　 ,ｨﾁソ^＾´＼: ヽ:_｀ー ｀: :{ : r}｀ー= ´ ! /{: { :{ : : ヽ: : : .＼‘之)､: : : :
　　　　 　 　 .´　　 　 ,ｨ彡'´.:／´￣￣ ｀＾ゝ-=＝'|'　{: {ヽ}: : :ノ. : : : : : : :‘之)､: :
　　　　 　 　 ..ﾆﾆニ彡´/了7　　　 ＼　　　　　　 ヽ ヽ:ヽj: : : : : : : : : : :', : :‘之)､:
　　　　 　 　 　 ／. : : /　｛ {　　　　　 ヽ　　 ＿＿＿　 ｀ー-　: : : : : : :.:.',: : :‘之)
　　　　 　 　 .:´ {: : ／ヽ　ヽ＼　　　　　　　´　　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : :', : : :‘之

.

　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　|　　 　（ ⌒）（⌒）　　　　 おっ、待ってたぜ。
　 　 　 　 　 |　　 　　（__人__）
　　　　　　　 |　　 　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　　龍泉寺を離れている間、ロクな飯を食えなかったからな。
　 　 　 　 　 ,|　　 　　　　　 }.　　 　 　 それからというもの、毎回の飯が楽しみで楽しみで……
　　　　 　 ／ ヽ　　　　　　 }
　　　　　く 　く ヽ　　　　 ノ
　　　　 　 ＼　`' 　　　 く
　　　　　　　 ヽ、　 　 　 |
　 　 　 　 　 　 | 　 　 　 |




　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　 ＼
　　　　　　　 ／　　　　　 ― 　　‐
　　　　　　／ 　 　　　　 （ ●）　　）
　　　　　　|　 　 　 　　　　 　（__ﾉ､_）　　　　　…………。
　　　　　　＼　 　　 　　　　 　｀_⌒
　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼

.

　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:i:.:.:.:.:ﾚ≧＝=ミ､__.:.:.:.:.:.ヽ、
.　 　 , '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.}:.:.:.:.{　　　　　　　 ｀ヽ.:.:.:.'.
.　 ／.:,､:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:/.:.:.:.:ﾊ　　　　　　　　　 }:.:.:.|
／.:／ノ.:.:.:.:r┐'.:.:.:.:.,'.:.:.:.:/ム⌒　　 　 　 　 ,':.:..i:.}
.:.:.:i　 ﾚ'⌒｢ } ｈ:{:.:.:.{:.:.:ィイテ=x、　　　 ⌒_/.:.:.:.り
.:.:.:|　 ､_j ｜|/｜、:.:!:.癶代tｧﾝ　　 　 ｲテ小:.:.:.:{
:.:.∧　　､_ﾉﾉ ヽ vﾊ:.!:廴__ ,｀´　 　 　 弋ﾂｲ:.:'.:.:.:.',
:./.:∧　　 ＼　 　い:}:.:）￣　　　　 {　　 /:.:}:.:.:}:.:.:.:}
'.:.:/.:.:',　　　　　 /.:/イﾍ、. 　 tーｧ　 イ:.:.ｲ:.:/.:.:.:/　　　　　　どうなさいました、やる夫さん？
.ノ.:.:.:.:.〉、　　　ム(::じ 　 ｀ 　.._　ィ:.:{:.:.:.V:.{:.:{:.:,.く
:.:.:.:.／　}　　　ハ、｀¨´ 　　　　|_:.{:.:.!:.:.:.:.｀ヽﾚ':.:.:.:ヽ.
:.:.:/　 」二二二二}丶、　　　　　　｀ヽ、:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ⌒ 　 ⌒　 ＼　　　　　　　　……いや。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　（●）　（●）　　＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l　 　 ⌒（__人__）⌒　 　 ｌ　　　　　　 いつもの、龍泉寺の日常が
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　　 　 ｀⌒´　　 　 ／　　　　　　 帰って来たな、と思っただけだお。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 ＼

.

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ( ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 　　＿＿＼ ＼
　　　　　　　　　　　 　　　 <＿＿　＼　＼
　　　　　　　　　　　　 ／<＿＿　＼　＼　ﾍ /⌒/
　　　　　　　　 　　 .／　 └--ﾐ ヽ、＼　-　＼　|
.　　　　　　 　　　, '′　⌒ヽ,__ﾉ丶　　-　　　　　〉
　　　　　　　 　 /　　（ ● >､　 ､( ＼ 　 　　　　 !
　　　　　　　　/　　 ,　`'''"　　 _,　＼_ヽ　　　　　{　　　　　　　　　　　 ……あぁ、そうだな。
　　　　　　　./ 　 　{ 　　,　　 （ ＼）、ﾍ　　　　　 > 、
　　　　　　　| 　　　ゝ-イ 　　　`''"　./　＼ 　　∠／ヽヘ　　　　　　　朝っぱらから稽古して、皆で朝飯食って、
　　　　 ,.-／| 　　　 ゞﾆ>一′　 .／　　　 ＼(⌒)　　 ﾉ　＼　　　　　 日中は見廻りなり、餓鬼に勉強教えるなりして――
　　 ／ |　＼ヽ 　　　　　 　　 .／ 　　　　　　.ヾ、　／　　　 ＼
￣<　　 !　　`＼　　　　　　／＿＿＿　　　　＼／ ＼(　　　　　　　　 なんつーか、帰って来たって気がするぜ。
＿ ＼ 　 !　　　 > ー-- イ　 ＼_　　　￣￣＼_＼
!　￣￣　ヽ　／{　　)＼　|　　　∠　　　　　　 ノ）ヽ、
　　　　　　 ＼　/⌒＼　〉　　￣　/　　　　　　 /　>＼
　　　　　　 　 ＼　い　/　　　　 /　　　　　　 /／ノ
　　　　　　　　　 ＼　/　　　　 /　　　　　　 / ／￣




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　____ ,ｒ‐‐ー-- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｒ",ｒ-､`,ｒ　 ￣ `ヽ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,ｒ"-‐- ｆ ,ｒ"´`ヽ、　ﾞヽヽ、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,'./.'　ｒ‐-ミ/彡三ﾆヽ　　l､ゝゝ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l　　　l三ﾆ= '´　,ｒ‐- l､_l|　 爪〕
　　　　　　　　　　　　　　　　　,|ﾒ|　　ヽ,ｒ-‐　　　　‐-!-､｀ヽ `ｷｧ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〔/ﾍ　 ./ `.,ｒ‐ 　 　 　 ___＼.ヽ　 ヽ,
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,ｲ　l　　/´.　___　　　弋ノ`l |　　.lヘ、
　　　　　　　　　　　　　　　　 /,l　ﾉ　l　 ﾉ,'ｌ少` :､　　　 ‐ｲ　　 人　 丶、　　　　　　　　そうですね……
　　　　　　　　　　　 　 　 　 //　l　.|　 (ヽ､_　　,. -‐ｧ　.,!.| l .,ｲ ハ　　ﾊヘ、
　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 ヽ ヽ　ヽ`　 ._ `ー'　 ｲ| 乂ヽゝ_　ﾍ　 ハ.ハ
　　　　　　　　　　　　　　// ,'　　 ||`ヽ`　`i.|　　l` .‐´　.|'　`i |ハl､　　　　l　.|
　　　　　　　　　　　　 　 |∥′　 .|!___,,) l　|.ﾄ- (⌒{}⌒) |__nリノ` `---､　l　|
　　　　　　　　　　　　　　lﾉ　　　 //l ~´ill|､l.|、 . (_八_)　　 ⊂二　　　 ハ `ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 / 　 /　f//　　　---っ　　　　　　 ⊂二 　 　 　 l　　.ヽ
　　　　　　　　　　　　 .∥　.∥ .|ノ ﾊ　　　_∠､　　　　　　 ,≧=- 　,l　　 .|ﾍ 　 ハ

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,.:,; ' ''..　.,;.'..:⌒`;,: .　　..;;.,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀ ､　　'
　,,.;. ; :.,　　　.. .''... .. '　　 ..;,):.,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　‐―　 ○ －　‐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.: ...:::⌒`　''　　　　　　　　　 　'.':. .,.; ,..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　　　 .: .....:　　　...:.: .: ⌒` .: ..:.: .: ...　.　 .:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(.,　.: ...　: .　 .:　 .　　::: ....::..　: 　.　.:　... .. .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l 　 　 こんな毎日が、いつまでも続けばいいのに――　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ
　　　　　　　;"ヾ;　　　;"ヾ ;"　　　　　;:;:.;:ヾ　　　　　ノ ;ヾ
　　;"ヾ　 ;":;:.;:ヾノ)) " ;";　　"ヾ ;"　"　 ;ヾ "　; 　ヾ ;ヾ 　　　;;;ヾ ";;;ヾ";""
　　　　;ヾ ;ヾ ;";ヾ;"　 ;ヾ ;ヾ ;　　r""ヾ ;))ヾ ;":;:.;:ヾ ; ;ヾ 　　　　;ヾ ;;: ノ
　　;"ヾノ:;:.;: ;ヾ r:;:.;:;":;:.;:;ヾ ;ヾ ;"ヾ ;:;:.:;:))　　　　　 ";ヾ 　　":(^);r ;ヾ　 ;　　　";:""; ";
:;:.;: ; " ;;" ヾ((ヾ:;:.;:　;" 　;ノヾ" ; ;:(^)　ヾ ;";ヾ ;ヾ　 　"〃;ヾ　;ヾ":;:.;: ; ;ヾr ;;" 　..,,


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なんというフラグ……

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~''''"
　　　　　　〈ヽ　　　　　　 　　　　　　 {:::::::）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ト、
　　　　　　　´　　　　　　　　　　　　　 ﾞ'''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,／,ﾆ''ｯ‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾉ::::′ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'―ｰ''"
　　　　　　　 　 　 　 　 /ﾞ'l　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　ﾉヽ
　　　　　　　　　　　　　ヽ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽノ
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　　　　　|lIﾙﾞﾞ l|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　 　 |
　　　　　|!'''ｌ川|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　 　 |
　　　　　||モコl|　　　　　　　　　　　　　　東京魔人学園外法帖　やる夫録　　　　　　　..　 　 　 　 |　 　 |
　　　　　|lll仝 ||　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　 　 |
　　　　　|| ユ ||　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　第十一話 　 　 　 　 　 　　 　　　 　 　　　　 　 |　 　 |
　　　　　|!ｌ{什|〕　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　 　 |
　　　　　|圭)=||.　 　　　　 　　　 　　 　 　 　 　 　 　 『 決戦 』　　 　　 　 　　　　　　 　 　　 　 　 　 |　 　 |
　　　　　||)l]ll1l|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　 　 |
　　　　　||ｙi71l| 　 　 　 　 　 　 　　 　 　 　 　 　　 　　前編 　 　 　　 　　 　　　　　　　　　　　　　　|　 　 |
　　　　　|!エlｒ'||　　　　　　　　　　 　　 　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　 　 　 　　 　 　　 　 　 |　 　 |
　　　　　|l!]i广l|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　 　 |
　　　　　||'〒.|||─――――――――――――――――――――――─――――――――┘.....　|
　　　　　ﾞ'ゞlllＦ'''――――――――――――――――――――――――――――――――――┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,...　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　ノ⌒)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~''''"
　　　　　　〈ヽ　　　　　　 　　　　　　 {:::::::）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ト、
　　　　　　　´　　　　　　　　　　　　　 ﾞ'''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lノ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,／,ﾆ''ｯ‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾉ::::′ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'―ｰ''"
　　　　　　　 　 　 　 　 /ﾞ'l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　ﾉヽ
　　　　　　　　　　　　　ヽ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽノ

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.,､-------::､..　　　　　＼／ ／>
　　　　　　　　　　　　　　　　,.-'''｀ 　　　 　 　　　 ｀`:、　　　　 <／ 　 　 　　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　（　　　　　　　　　　　　　　,）　　　 ┌─┐　　　　　　l　　　　ご馳走様～♪　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　.| ﾞ-..;;＿　　　　　　 ＿,,..-'ﾞ|.　 　　└─┘ 　 　　　　ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　 l,　　　　￣￣￣￣　　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　 　 'l,　　　　　　　　　　　 　,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　 ／　　　　_,n＿　　⊆⊇、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞl'-､..,,,,,,,,,,,,..,､-'lﾞ　　　　　└l ｎ |　└‐┐ | 　[][]「l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ'-､..,,,,,,,,,,,..､-'ﾞ　　　　　　　U Ｕ　　　く／. 　　くノ

　　　　　　　　　　　　　l三三三三三三三三三三三三三|



.

　　　　　,'　 ｀　　　　　　　　r'"　　　　　｀,′　 l
.　 　 ,. -|　　　　　　　　　　 l　　　　　 ／、 　 ﾉ
.　　/　　!　　　　　　　　　　__,､＿_,. イ　　｀ r小
　　l　　i´　　　　　　　 _, ィr‐┼‐- 、　　r―| :| |
　　 ＼ ヽ、　ゝ､_,ｒ‐ィ´｜j±±ﾆ､　　 /≠ｷ!｜|
　　　　｀ ┬─"|　|　|　 |´代じﾉ , 　　 {じﾉ, ﾊ ! |
.　　　　　 | l　　|　ﾄ､.!　.||｀￣￣　　 　｀￣｜! ! |　　　　　　　お粗末さまでした。
　 　 　 　 l | 　 | ｜,ﾊ　||　　　　　　 　 ′ ﾊ| ﾚ′
　　　　 　 l | 　 !　! : ハ|ﾄ､　　 　　､‐_ｧ　/| j/　　　　　　　　 それじゃあ、後片付けしてくるわね。
　　　　　　|ﾊ　｜ | j＿ﾊ＼＞　　　　　ィ　 |/
　　　　　　| ハ｜_ﾚ----ﾍ 仁ニ｀ニ´くl＿
　　　　 　 j' r‐┴─────　　 ー＝=‐ 〉
.　　　 　 /　j　　　 ＿ ＿ 　 ―――-- ｀＿＼
　　　　 /　i´￣￣´　　　　　　　　　　　　　　　|
.　　　 /　 j　　　　　　　　＿＿＿　 -―――´!




　　　　　　　　　　　 　/: : : : : :/!: : : : : : : : : : : : : : :: ::',
　　　　　　　 　 　 　 /: : : : : :/ .!: : ',ヽ: : : : : : :! : : : : : ',
　　　　　　　　　　　/ : : : : /!:l__ ':; : :',_'x‐: :丶: !: : :l: : : :!
　　　　　　　　　　　!: : : : : ! !:!　｀.;ヽ::i　 ,>ﾆﾐ､:!',: :/: : : :!
　　　　　　　　　　　lヽ: : !: ! 〉'ﾝﾃﾐ .ヽ! ｲ {::::ﾟﾘヾ!:/: : : :,'
　　　　　　　　　　　l　':, :ヽiｲ .ﾋ::ﾟ:ﾘ　 　 ゝ`-'　' !: : : : /
　　　　　　　　　　　　　':,!､: ', `ｰ '　､　　　 ,,, 　/: : : : :':,　　　　　あっ！　私も手伝うよ、お姉ちゃん！
　　　　　　　　　　 　 　 , -､∧ ''' 　 r‐==ヽ 　 ,': : : : : : ',
　　　　　　　　　　　　,ィ/: : :ヽヽ.　　ヽ __ノ 　ｲ: : : : : :!: i
　　　　　　　　 　 　 ( /: : : : : : >i/`　_｀　 イ　!: : : :: /i,:'
　　　　　　　　　 　 　.|: : : : : : ｲ 　.ﾊ-!　 　 　 !､: :/ﾉ ﾉ
　　　　　　　　　 　 　 i: : ; イ 　 _/ハヽヽ,　　 　.`'/￣｀ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ィ/,'ﾉ ｲヽ､ヽヽヽ､　 ,'/　　 　 ':,
　　　　　　　　　　　　　　 //r'イ/　ヽ `ｰ- '　',//　　　　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 /r'_イ '7<ｰ--ヽ　 　 ':,､_ Y　　　 |
　　　　　　　　　　　　　//　r '　r‐'"｀二 ､　　　 ':,　!　　　.|

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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ガラガラ……ピシャッ＞
　　　　　　　 　 |　　　（ ●）（●）
　　　　　　　 　 |　　 　（＿人__）　　　　　　ふぅ……食った、食った。
　　　　　　　 　 | 　 　 　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　 　 | 　 　 　 　 　 i　　　　　　 さて、腹ごしらえも済んだところで、
　　　 　 　 　 　 > 　 　 　 　 ノ　　　　　　 ちょいと剣の稽古にでも行ってくるかね。
　　　　　　　　/´⌒｀￣ ￣¨ ｀ ＜
　　　　　　 　 | 　 　 　 ＿ﾞ＿.､ 　 ＼
　　　　　　　　ヽ, イ´￣ /　　ヽて 　 〉
　　　　 　 　 　 l　　 　 / 　ｒ 　 ヽ彡'
　　　　 　 　 　 ヽ 　　/　 　ヽ　　 ヽ 　 　 　 　 ｊ ⌒l
　　　　　　　　 ,ィヽ 　　　　 / Ｙ　　 ゝ-､ ──´　 │
　　　　　　r_-ィ__ﾉ_ヽ､＿＿ﾉ__「＿＿＿ﾉ__＿_＿＿」

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ‐―-　ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〃..:.:／:／.:.:／.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {{.:／ イ. : イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iす 　すﾒ. ﾉｨ.:.:.}.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,ﾉ　　 　 　 _,ﾉ.:.:ﾉ,.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　朝からあんなに動いておいて、また稽古～？.　　　　〈 ′　　　　｀ﾌイ）.:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 △　 　 u .__彡.:.:.:.:.:.:／
　　　　　相変わらず剣術馬鹿だね、やらない夫。　　 .　　　　 　 ＼_＿＿_うﾆﾆT批´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |][￣|￣|　￤ }:｛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |][　 |　_|＿j{弍｛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __八｝r匕⌒⌒＼ ＼､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／ /〃/　　　　 ／￣｝|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｝ /〃/ ○‐…y'　 　 ｝| ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾊ/〃/○ ○ 　′　　 ｝| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 〈 /〃/ ---‐…┥　　　｝| |




　　　　　　　 　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　 　　／　 _ノ　ヽ､.＼
　　　　　　　　 　|　　（●）（●） |　 　 　 　　 仕方ねぇだろ。
　　　　　　　　　 |　　 （__人／,〉.|
　　　　　　　　　 {　　　´フ´ ./._ }　　 　　　　 阿部の野郎に追いつくためにゃ、
　　　　　 　　　　ヽ　 .／,二ニソ}　　　　　　　一日だろうと無駄に出来ないからな。
　　　　　　　　　　_ヽ/　 ,-― ､}ﾉ
　　　　　　　　 ／:;:{'　　 ノｰﾍJ:;:;ヽ 　 　 　　 次に会ったときには、必ず借りを返してやる。
　　　　　 　 ／:;:;:;:;:;|　 _,イ{:;::;:;:;:;l:;:;}
　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:＼＿/:;:;:;::;:;i:;/＼
　　　　 　 {:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;〈:;:;:;:;:＼
　　　　　　ﾍ:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:＼:;／ヘ、
　 　 　 　 　 ￣￣7:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l;:;::;ゝ、`ｰj
　　 　 　 　 　 　 /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l:;:;:;:;:;:＼~
　　　　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|ヾ:;:;:;／

.

　　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　/　　　 ─　　　─　ヽ
　　　　　　　　|　　　 （●） 　（●）　| 　　　　　　…………。
　　　　　　　　＼　　∩（__人/777／
　　　　　　　　／　　（丶＿//// ＼





　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　／　　　　　＼　　　　　　　　それはいいのですが、一体どこに
　　　　　　　　　　　　　　 　　　／　⌒　　　⌒　＼　　　　　 　稽古に行くつもりなのですか？
　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ u （＝） 　（＝）　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 　|　　　 　　__´___　 　　　　|　　　　　まさか、道場破りとか言わないでしょうね。
　　　　　　　　　　　　　　　　＼ 　　 　`ー'´ 　　 　／

.

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）　　　　　　　　　 アホたれ。
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ 　 　 　 　 　 　　今さら、そこらの有象無象の道場の
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　 看板なんて頂いても、嬉しかねぇよ。
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　 　 ﾋﾞｼｯ 　 　 　　 練兵館やらの有名どころなら話は別だけどな。
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__ 　 て
　　　|　　　　＿＿＿ 三） 　（
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣　　 ´





　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,..　-‐…‐　.._
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／.:.:.:..::.:.:.:.,ｨ..:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /.:.:.:.:..::.:.:.／.:.;:'.::ｉ.:.:.:.:.ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l.:.:.:i.:.:.:.:./.:.ァﾒ､ｲ:::::/!.:.:.!
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｲ.:.:.l.:.:i.:.:| ｲ行:､ !／/ィﾉ}　　　　　　そーいう意味じゃないでしょ。
　　　　　　　　　　　　　 　 人!､|.:.:!ゞゝ｀¨ ´ 　 ィうjｲ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ:lゝ､.u　 　 '　　/ﾉ　　　　　　　で、それならどこに行くつもりなのよ？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ| ＼ ´￣ ／　＿
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 r|　　.≧i´￣/　　｀ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,r-‐= 〈　　　　 〉.:.:.:〈/　　　 〉
　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ヽ..::.:.:.:.:ヽ＿__/.:.:.:.:.:.|　　　　〈
　　　　　　　　　　　　　　∨　 丶.:.:.:.:.:∨,/.:.:.:.:.:.:/＿＿　　l
　　　　　　　　　　　　 　 〈　　 　ヽ.:.:.:.:.∨.:.:.:.:／［.:.:.:.:.:.:.:＼!
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　＿ヽフ(二)＜ 　［＿二.:.:.:.:l
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　／.:.:.:. ｀ヽﾉ　|ヾ　ヽ |　 　 |＞'
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨ / ／￣V　　＼　　||　 　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∨/　　　 |　　 　 ｀ヽ'|　　　|

.

　　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　／ _ノ　 .ヽ、＼
　　　　　　|　 （●）（●）　|
.　　　　　　|　　（__人__）　.|
　　　　　　 |　 .　'´ｎ｀'　 .ﾉ　　　　ああ、姐さんが紹介してくれた道場だよ。
　　　　　　 .ヽ　. 　| |　　}
　　　　　　　 ヽ..　ﾉ .ュノ
　　　　　　　　/　{ ..ﾆj､
　　　　　　　　|.　| "ﾂ　＼
　　　　　　　　|.　| .l　　|ヽ、二⌒)





　　　　　　　　　　　　　　　　 .／／　 ,　　　｀`　 ／-'´￣｀　､　　､ 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　 λ＝- ､_　　　,,. -=ﾆ::ｰｲ　　 l,　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　 / .i'　　/:::::::::::::::::::ヽ､,イ:::;-=::､_:::::| 　 　|　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　/　l　　 |彡 ' ￣｀｀｀`゛´´　　　　゛ﾌ　　　|　　l
　　　　　　　　　　　　　　　|　:|　　 {　　　　　　　　　　　　　 / /　　.|　　{
　　　　　　　　　　　　　　 /／l　i　 'l　　　　　　　　　　　　　ハ　　　|　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　.／　　　l　　ﾊ, - '￣　　　　　￣゛`'7　{,　 　ﾋ､　　　 ＼
　　　　　　　　　　　 ／　　　　/　　　|　_,. -、　　　　 ,--　､＼ l,　ヽ ` ＼
　　　　　　　　　　　_l　　　　／　　 ノ ´　　　　　　　　　＿ 　 人　 | ﾉ　　l
　　　　　　　　　 ／ ゝ、 .::/　　　 .ｲ　,,=＝ニ　　　　 'ﾆ＝= 、 | |　ν　 ./
　　　　　　　　／　　r-‐‐う__,∠´lﾑ_´ 　 　　　　;　　　　　　　ｿﾉイ　..／　　　　　　　先生が？
　　　　　　 ／　　　 |　T／　l　 | | ｛:`i 　　　　　'　　　　　 ゝ､ｲ::::;::／l
　　　　　　l　　　　　l　 | _ｲ　l,　|/　l;:人　　　　 ‐_ｰ　　　　／|::://´ /　　　|
　　　　　　|　　..::::::/　´ヽ:::ヽ_ゝﾄ-　|､＼ヽ. _　　　　　 ,. イ|::|::`f_'__, |:.　　　|
　　　　　　ヽ ::::::::::ﾍ　　 ヽ､　 `´::　ﾄ-ﾉ:ﾊ:::::::|＞ ､ r '´ |:::::|::ヽ::::.　　|::　　　|:..
　　　　　　　＞ ‐ ´ﾊ　　　 ｀i　　　/`ヽ､＿:ノ 　 　 　 　|_::::l::::::＼:..　ヽ..:|　　l:::
　　　　,.-‐ ´　　　　 l:　　　　l　　/　　　＼　　　　　　　　`ー‐, ､_ヽ;.　ヽ|　　 ＼
　　 ／　　　,　　 ＿λ:...　　　　人　　　　 `､‐-- ､　　　 ,,...../　　`‐i:: :　＼
　　l　　 ...:／　/´　（(ｿ:::::.　　 /　 ＼　　　　 ＼　 ｀　　´　／　　　 ﾉ:::::　　 l

.

　　!　　　　!　　　　　 !　/　　　　　　　　／ /　　ﾊ　　　　!　　!　　 !
　　|　　　　|　　　　　 ! /　　　　　　, ／　 /　 ./　 ! !　　 |　　.!　　 |
　　|　　　　|　　　　　.!/　　　_ ,, ∠, 　　 / .／　　ﾍ.|!　　.!　　.!　　 |
　　|　　　　|　　　　　.| 　' "〆 　　 ゛　 /／　' '' ト 、!.!　 !　 　!　 　!
　　|　　　　|　　　　　.| ,／=＝＝t、　 ／　　 ,ｨｪ,,_　 .! ! ! 　 /　　 .!
　　 !　　　 .!　　　　 <.K　ﾚ:.,ii,.:ﾘ 　 ／ 　 　´て ﾐc㍉、',!　 / 　　 .!
　　 !　　　　!　　　　　!゜‐ゝ‐　′　　 　　　　 ゝ ',ﾂ ／ !　/　　　 !
　　 |　　　　!　　　　　!　　　　　　　　　　　　 　　 ゜ 　/　/　 　　 !　　　　ええ、四谷の方に、私の知り合いの道場があってね。
　　 |　　　 λ　　　　 .!.　　　　　　　　　 |　　　　　　/ ./ 　 　　 !
　　 |　　　　 !　　　　　!　　　　　　　　　 ,!　　　　　/〆　 　 |　 !　　　　　そんなに大きな道場じゃないけど、腕も人格も確かよ。
　　 |　　　 !　!　　　　　!、 　　　　t――ｯ　　　　 / !　　　　 |　!
　　 |　　　 !　 !　　　 　 !　'　、　　　　　　　　 ,　"　!　　 　　 ! !　　　　　 どちらかというと、柔よく剛を制す感じの流派だし、
　　 |　　　 !　 .!　 　　　 !　　 ゛　,,　　　　,　 "　　　!　　　　 ∧!　　　　　 今のやらない夫君の修行には丁度いいと思ったの。
　　 !　　　,!　　!　　　　　!　、　　　'' -ヒ、 　 　　　!　　　 　 ! |!
　　!　　　 !　　 .!　　　　　!　 ゛ト　,,　 .|　 Ｙ　　　 / !　　　　 | |
　 .!　　　 ,!　　　!　　　　　!　　　 .∧ ∧　 !　　　.!　|　　　　 !
　/　　　　　 ／ ヽ　　　 　 !　　 /.! V　!／ヽ　　 !　!　　　　 !





　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　|　　　 （ ●）（●） 　 .　 　 前々から紹介はされていたんだが、
　　　　.　|　u.　　 （__人__）　　　　　 今までは、いまいち気乗りしなくてよ。
　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　だが、強くなるのに手段を選んでいる
　　　　.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　 余裕なんざ、俺にはありゃしねぇからな。
　　　　　　 ヽ　　　　　ノ
　　　　　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､　　　　　　せっかくだから、行ってくらぁ。
　　　　　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　　　　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
　　　　.　　　 |　　　　　　l

.

　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　　.　　　　　／　＿,ﾉ　　⌒　＼　　　　　　　 いい心がけですね。
　　　　　　 ｌ^l^lｎ　 （●） 　（●）　＼
　　　　　 　ヽ 　 L　　 ､　｀　　 　 　　|　　　　　道場剣術と実戦剣術、求めるものは違えど、
　　　　　　　 ゝ 　ﾉ　　 ￣￣　　 　／　　　　　 何かしら得るものはあるでしょうから。
　　　　　　／ 　 /　　　　　　　 　　＼
　　　　 ／　　 /　　　　　　　　　 　 　＼
　　　. /　　 　/　　　　　　　　　-一'''''''ー-､.
　　　人＿＿ﾉ　　　　　　　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))





　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　／ノ　 ヽ､_ ＼
　　　　　　　　　　　　 ／（●）　（●.）　＼
　　　　　　　　　　　／　　（__人＿,）　　　 ＼
　　　　　　　　　　　| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 　 　 |　　　　…………。
　　　　　　　　　　　＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／
　　　　　　　　　　　　　 ゝ 　ﾉ
　　　　　　　　　　　　／ 　 /

.

　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:i:.:.:.:.:ﾚ≧＝=ミ､__.:.:.:.:.:.ヽ、　　　／
.　 　 , '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.}:.:.:.:.{　　　　　　　 ｀ヽ.:.:.:.'.
.　 ／.:,､:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:/.:.:.:.:ﾊ　　　　　　　　　 }:.:.:.|　　 ──
／.:／ノ.:.:.:.:r┐'.:.:.:.:.,'.:.:.:.:/ム_ノ　　 　 　 　 ,':.:..i:.}
.:.:.:i　 ﾚ'⌒｢ } ｈ:{:.:.:.{:.:.:ィイテ=x、　　　＼ _/.:.:.:.り　　 ＼
.:.:.:|　 ､_j ｜|/｜、:.:!:.癶代tｧﾝ　　 　 ｲテ小:.:.:.:{
:.:.∧　　､_ﾉﾉ ヽ vﾊ:.!:廴__ ,｀´　 　 　 弋ﾂｲ:.:'.:.:.:.',　　　　　　　　……やる夫さん？
:./.:∧　　 ＼　 　い:}:.:）￣　　　　 {　　 /:.:}:.:.:}:.:.:.:}
'.:.:/.:.:',　　　　　 /.:/イﾍ、　　 ─　　.イ:.:.ｲ:.:/.:.:.:/　　　　　　　　さっきから何か考えことをされている
.ノ.:.:.:.:.〉、　　　ム(::じ 　 ｀ 　.._　ィ:.:{:.:.:.V:.{:.:{:.:,.く　　　　　　　　 ようですが、どうかなさいましたか？
:.:.:.:.／　}　　　ハ、｀¨´ 　　　　|_:.{:.:.!:.:.:.:.｀ヽﾚ':.:.:.:ヽ.
:.:.:/　 」二二二二}丶、　　　　　　｀ヽ、:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.





　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿__　＿___
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　 （＿＿ ゝ.
　　　　　　　　　　　　　　／ 　　　　　　　　　　（＿＿_ヽ_
　　　　　　　　　　　　 ／ 　　──　　 　　──　 （＿_ _　ヽ_
　　　　　　　　　　　／　　／´　 ｀ヽ　　　/´　 ｀ヽ　 （＿＼ 〈　　　　　　あぁ、いや……
　　　　　　　　　 ／ 　 　 `Ｔ;;;:::;;;Ｔ′ 　　`Ｔ;;;:::;;;Ｔ′　　＼ ＼
　　　　　　　　　 |　　　　 ヽﾞ''''''´"ノ　　　ヽ⌒ﾞ''''''´"　Ｕ　　|　 ）　　　　 その、阿部のことなんだけど……
　　　　　　　　　 |　　　　　　　（　　　　i　　　　）　　　　 　 |三三）
　　　　　　　　　　＼　 　 　 　｀ー ─'＾ー 一'　　　　 　 ／.:.|　 .|
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　 　 　￣￣　 　 　　　　／|.:.:.:.:|　 .|
　　　　　　　　　　　　　〉三三三》　　　　　《三三三〈　 |.:.:.:.:|　 .|

.

　　　　　　　　　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 　 　_ノ　　ヽ、　　＼
　　　　　　　　　　　　（ ●）（ ●）　　　|
　　　　　　　　　　　　（__人__） 　　　　 | ..／}
　　　　　 _　 　　　 　ヽ｀⌒ ´　　　　　| /　/ 　　　__　　　　　 ん？　あぁ、そうだな。
　　 (＾ヽ{　ヽ　　　　　 {　　　　　　　　./　/　 .　／ .ﾉ
　(￣ ヽ ヽ　i　　　　　　ヽ　　　　　　/　厶-　´ ／　　　　　　 あいつを倒すために修行を――
.(二 ヽ　i　i　|,r‐i　　　　ﾉ.　　　ヽ /　　　　 ／
　　ヽ　　 ／　 ノ　　／　　 　r一'´　ー ､　　￣￣￣）
　　 i 　 {　　 ｲ―イ　/　 　.`ー―.　､＿_　.〈￣￣
　　　ヽ.　`ｰ '/　　　/　　　　　　　　　 　/＼ ＼
　　　　　 `ー ' ￣￣!　 　　　　　　　　　|　　ヽノ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　　　　いや、そうじゃなくて。
　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　＼　 　　 ｀ ⌒´ 　　 ,／
　　　　　　　　　　　　　r､　　　 　r､／　　　　　　　　　　ヘ　　　　　　　ついさっき思い出したんだけど、阿部の奴、
　　　　　　　　　　　　　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　 　　　　ヽ 　　　　　 初めて会ったときに、妙なことを言っていたんだお。
　　　　　　　　　　　　　　＼>ヽ/ |｀ ｝　　　　　　　　　 　　|　|
　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　lノ `'ｿ 　　　　　　　 　　　　|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　　　　　　　　　　　　　　＼. ｨ 　　　　　　 　 　 　 　　|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　　　 　 　 　 　 | 　|

.

　　 　　 ＿_　　　　 ━┓
　　　 ／　～＼ 　　┏┛
　　／ ノ　　(●)＼　・
.　｜　(.／) 　 ⌒）＼
.　｜　　 （__ノ￣　　 ＼　　　　　　 ……妙なこと？
　　＼　　　　　　　　　 |
　　　　＼　　　　　　　/　　　　　　 始めて会ったときって、甲州街道で
.　　　　　 ＼　　⊂ヽ∩　　　　　　 俺たちが出逢ったときのことだよな？
　　　　　　/´　 　 (,＿ ＼.
　　 　 　 /　　　　　　 ＼. ＼
　 　 　 ./ 　 / 　 　 　 |. ＼ソ
　　　　（ 　y'　　　　　 .|




　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼
　　　　　　　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼　　　 　　 あぁ、そうだお。
　　　　　　 . 　/,'才.ﾐ).　 （__人__）　　　＼
　　　　　　 . 　|　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|　　　　 あいつ、甲州街道での別れ際に―‐
　　　　　　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／

.

::::○ﾟo:::::::｡:::ﾟ::::o○:::゜:::｡:::oﾟ:::::::o:::ﾟ:::::｡::::ﾟ::::｡○｡ o゜::::::o゜::ﾟ:::::o｡::::::::::::::::゜::::o:::::::○:::::ﾟ::::゜ o::｡:::::::o::｡ ::::::::::::::::::::
:::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ::::o:::::::::::::o::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::::o::ﾟ:::::::::::::::::o::::::::::::ﾟ::::::::::｡::::｡:::::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::o::::::::::::::


:::::::::::::::::wwiii::::::::.......　　;;ゝ　　　　　ろ::::　　:::::::　　　　　　　　WwwW'":::::::::::::::::wwiii::::::::.......　　;;ゝ
iiiiiWWWiiii;;;;;;;;::::::::;;;;;;;き´:::y　　　ろ　≦:::　:::iiiiwwiiiiiiiw;;;;;;:::::::......　　ゝiiiiiWWWiiii;;;;;;;;::::::::;;;;;;;き´:::y
:::＼＼ :iレWWW;;;;k'^:::::k　Z　　　ゝ::::::::`Ww､iiii＼`WiiiiiWWW;;;;;;;::::き:::＼＼ :iレWWW;;;;k'^:::::k　Z
＾'`'|川 :i|／ﾘﾘ-'`~;;;;:　::Z　ﾐw　　 ﾐ:;;;;: iiWwiiiiiiWwili: lノノﾘﾘﾘiiiiiWk'＾'`'|川 :i|／ﾘﾘ-'`~;;;;:　::Z　ﾐw
　　|川 :i|　wwiiiiw::::::,,ｒ''::::y'ww 　　w`'^`-|i: :iiﾚ' .|i: l川|wW-'^"`　　|川 :i|　wwiiiiw::::::,,ｒ''::::y'ww
　　|川 :i|^'w|川k'w^ii/'"´WWW　 WW　　.|i: :ii|　 |i: l川|　|:ii|　　|川 :i|^'w|川k'w^ii/'"´WWW
　　|川 :i|　　|川 　|l:i|　　 |i:| γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ 　|川 :i|　　|川 　|l:i|　　 |i:|
　　|川 :i|　　|川 　|l:i|`''^`|i:|^l　　　……あぁ、そうだ。　　　l 　|川 :i|　　|川 　|l:i|`''^`|i:|^`^''^`^`
　　|川 :i|　　|川 　|l:i|　　~^~ ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ 　|川 :i|　　|川 　|l:i|　　~^~^
　　|川 :i|　　|川　''"'''''　　　 　　　　　　　!|i: :ii|　 |i: l川|`~^~^　!|川 :i|　　|川　''"'''''
　　|川 :i|　｀~~~^.　　　　　 　　　　　.　 wiﾞ|i: :ii|　 |i: l川| |ﾚ ' .　 |川 :i|　｀~~~^.
　　|川 :i|ww　　ll　 　 　 　 ._　　　　. 　 　｀~~~^　!i: l川| .||　　　|川 :i|ww　ll　 　 　 　 ._
WWWiii||wW　ヽ!l／　 　 　　　　　　　　　　　　　 |i: ll川|ii||／WWWiii|W　ヽ!l／
　　　　　　　　　|ﾚ'　　　　　　wiiWWWiii||wW　　　　　　　|ﾚ'　　　　　　wiiWWWiii||wW
　　wwwiiiiw　　.||　　　 　 　 　 　 　 　 　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　 　　　 l　　　もうひとつだけ、忠告というか、助言をあげよう。 　　 l
　　,,,...　　　　　　　　　　　 　 　　　Wii||wW 　ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ
　　　wWll||Www
|Www


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;;.ii!;;::,,､"";;,,;;,゛:　　　|i!|il|!ll|　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　.|i||　　.|l||
il|!ll| Y ;;／,,""　　　 |liiil|!i!|";"゛ﾉ)|;;.;;;;;::,,､"";;(;;;;;::::゛""　　　　.|l||.　　||i|";"゛ﾉ)|;;.;;;;;::,,､"";;(;;;;;::::゛""
.|lii!|ノ ）`~...,,,,,,.....,,,　|!!ilill|!l;;　゛ヾ;;::il|!ll| Y ;;／　　　　　　　　　||i|;,゛　|il|;;　゛ヾ;;::il|!ll| Y ;;／
,!（(／（;;,,ヽ;;;...（_;;::,, |ll!i（!ll| ￣"＼）l.ii!!ノ ）`~.⌒;:.　　､"";;,,;;,゛|il|　　 |ilｌ ￣"＼）l.ii!!ノ ）`~.⌒;:.　　､"";;,,,;,゛
il|!ll|　　　　Yii!　　　.|!i!|il|ll|　　　　|,!（(／（;;,,ヽノ ;;／,,""　　　.|ilｌ 　　|!i|　　　　|,!（(／（;;,,ヽノ ;;／,,""
il|!ll|　　　　|!,ii　　　 |ill|il|!l） 　 　　.-─‐-　_..（~...,,,,,,.....,,,⌒)　.|!i| 　 .|ill| 　 　　|i|!ll|　　　`（~...,,,,,,.....,,,⌒)
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.|lii!|　　　　|ilｌ| 　 　（il|!llli!./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ii!　　　 .|ilｌ|　　|l|!| 　 　 .|!lｌi!i|　　　　　　　Yii!
il|!ll|　　　　|l|!|　　　|!!iill|/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,､,_,:::::ヽ　　　...|l|!|　　|l|!| 　　　|!lｌi!i|　　　　　　　|!,ii
|!!iil|,,,,.., ,vv|Mvv(/"从l.,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i 　 ﾞ"''rﾞ!　　 vv|Mv vv|Mv , , |!lｌi!i|..,,..,.　,　. ,,,,,.|ill| 　 　 v
!ｿ;ﾊj|W "" Vv,w,.vw,.v.i::::::::::::::::::::::::::, ‐､::::::::.,ﾉ　　　 | .V"ji,,Iw,,MW "" w,,Mv,w,.vw,
　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::/ハ i::r ´‐-__- ..,,|
　　　　　　　　　　　　　i::::::::::::::::::::,ｲ f.r' ﾚ′　,,て`ﾞ/
　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::／ ﾍ ヽ　　 　　 ｀　',
　　　　 　 　 　 　 　 /ｰ ''"""´　　　`i'　　　　　　　 '
　　　　　　　　　　 ∠-‐‐ ''　　　　 　 !　　　 ,,.. _rｰ ′　　　　　　『 菩薩眼 』を持つといわれる女から、
　　　　　　 _　- ''"　　　　　　　,,_　ヽ ﾍ　　 　r '　　　　 　 　 　　 目を離さないことだ。
　　　＞　"　　　　　/　　　　　　　` ‐ヾ､　　,'
＞ "　　　　　　 　 ,　　　　　　　　　　　　＞__､__　 　 　　 　 　 　 ――鬼は、その女を捜している。
　　　　,　'　 　 　 /　　 ,　　　　　　　　　￣　　　｀＞ _
　　　 /　　　 　 /　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヘ
　　　;　　　　　,'　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ
　　　　　　　　,　　 　;　　　　　　　　　　　　　　　　 　ﾞヾ　　 ﾍ
　　　　　　 　 i　　　 :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ
　　　 　 　 　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　　'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 i
',　　　　 　 　 ,　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 '､
∧　　　　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヘ
..∧　　　 　 　 ',　　､　　　　　　　　　　　　 ､　　　　　　　　　　　　 ヽ
　 ヽ,　 　 　 　 ',　　ヽ　　　　　　　　　　　　 ヾ､､　　 　 　 　 　 　 　 ヽ
.　　ヾ､　　 　 　 ',　　 ヾ､　　　　　　　　　　　∧"　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　ﾍﾞ''　　　 　 ﾍ　　　 ゞ､,,　　　　　　　　 〃 ',　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　' ,　　　　　 丶　　　　 ﾞ''-　　　　　　〃　 入　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾍ


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.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　iニーヽ　　　　／─　　─　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　iニ＿ 　￣￣／（●） 　（●）　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂ノ￣￣|　　（__人__）　　u　　　 |　　　　 ――って。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂ ヽ∩　｀ー´ 　　　＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､＿ ＼　　　　　　 ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　＼　／　／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　ヽ　／　 |




　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　人
　　　　　　　　　　　　　　 　　 ／￣￣＼　　　て
　　　　　　　　　　　　　　 　／　ノ　　＼ ＼　　〈
　　　　　　　　　　　　　　 　|　 （●）（●）　|
　　　.　　　　　　　　　　　　 |　u.（__人__）　.|　　　　　 あぁ……確かに、そんなことを
　　　　　　　　 　 r､ 　　 　　|　　 ｀ ⌒´ 　.|　　　　　 言っていたような気が――
　　　　　　　　 ,.く＼＼r､　　 ヽ　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　 ＼＼＼ヽ}　　　ヽ　　　 　/　　　　　　って、おい！　菩薩眼って確か……
　　　　　　　　　 rヽ ` 　 ヽ　　/　　　ｧ'´ヽ
　　　　 　 　 　 └'｀{　 . 　 ＼.|　　　/　 　i
　　　　 　 　 　 　 　 ヽ､._　　　ヽ､_,r'　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､　　　／' 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'ｰ'´

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ────- 、
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　 　 　　‐- ､　＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 　 　 　 （ ●）　　｀、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 { 　 　 　 　 　 　 　 （●ｌ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ゝ　U　 　 　 　 　 '　　 !　　　　　ええ……織部さんのところで聞いた、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　＼　　　　　　 ー-　, '　　　　　 九角家の歴史に出て来ましたね。
　　　　　　　　　　　_,, -‐‐‐‐'/.. lヽ　 　 　 , ____／
　　　　　　　 　 ,-‐'、　 ヽ　　Ｌ.::丶:::: ヽ--'` 、　　　　　　　　 曰く、九角家の当主であった鬼修は、
　　　　　　　　/　　 ヽ　..::l:::::::<´:::::l:::::ノ‐‐l.l　z 、　　　　　　　『 菩薩眼の女 』のために、幕府に弓引いた――と。
　　　　　　 　/　 ......　l:::::::l::::::::丶　 l‐'`t-l'l´ 　/l丶、
　　　　　 　ｒ'l...:::::::::::::::l::::::l::::　　`、　l /　.l/　/　l　.l
　　　　　　/l,ヾ:::::::::::::::l:::::l　　　　`、 .l　 ./ ./ 　 l /l
　　　　 ／:::::`..:::::::::::::/:::/...　　　　ヽ .l_./／　　 l/ .,t
　　　　/　::::::::::::::::::／／:::::::::....　　　`ｙ '　　　 ./..::::.:f
　　 ／ミ　::::::::::::イ;;;T:::::::::::　　　　　l.0　　　　/:::::::　 l
　　ト--- 、 wソ .l;;;;;l:::::::::..　　　　　.l　 　 　 l::::::　　　l
　 ｒ' 　 :::::::::::,'　　.l;;;;;l:::::::::::..　　　　.l.0　　　 ll::::::::====ヽ





　　　　　　　　　　 　 　 　 /　/　　 　 　 　 　 ﾊ: : . : :　 　 　 　 　 : : 　 　 ﾟ.
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i　/　　　　　　　　/　!: : : : :　 　 　:: 　　 : :　 : 　 i
　　　　　　　　　　　　　　│{ ,′ . :/ 　. : : / 　И: :ハ: . :　　 :|: .　. :!: . :　　|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | / . : : /　. : / /　~｀ｰ}/‐-ｉ: : : . . : |: : . : |: : : . . :!
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |{: : :／___彡'／ 　r '　___,ﾉ_,}/|: : : : : : : : : : : : . : ,
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:!: Ｋ芹ﾐ　　　　　 /i⌒　 ヾ　|: : : : }: : : : } : : : : ′
　　　　　　　 　 　 　 　 　从 {: {弋_）　 　 　 ′廴ﾉ ノ　 } : : /: : } :/: : : : ;
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 }小　　　　　　　　　 　 　 ムｲ/ｉ: :/ /: : : : /
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｊ从　　ﾉ 　 　 　 　 　 　 　 ´ ﾑ' : ': : ﾉ／　　　　　　九角家って……確か、鬼道衆と
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼ `　　　　　　　　U　　　/: : ／´　　　　　　　　何か関係がありそうなんだっけ？
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ）　= ｭ　 　 　 　 ／ 幺彡'７!
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　ﾉ　＼ｰ　 　 　 . :　 　 　 {_／ |　　　　　　　　　あたしら、一緒に行っていないから
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｉ 　}, ‐-尖 ‐r＜　,　 -‐=≦ ||　 ||　　　　　　　　　詳しくは知らないんだけど。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 }　/　/　/⌒ｊ　　{} 　 　 |　　||　 ||
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 -ﾍ　　　 ′ {　　 〔〕　　 │　 ||　 勹⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　／ 　 　ｉ　　　　　 ｉ　　 || 　 　 | 　 ／　´　　＼＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 //＾ヽ 　r|　　　　　ﾑ=‐-||--　 r=彡　　　　　 　 ＼＼
　　　　　　　　　　　 　 //　　　　| ＼______/_ﾉ}　　}}｀　　|　　　　 　 　 　 　 /＾i ｝
　　　　　　　　　　　　｛ { 　 　 　 |　 {{　　}}　 |　　{{　　　!　 　 　 　 　 　 　′ | |

.

　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　／ノ　 ヽ､_ ＼　　　　　　　関係がありそうも何も、鬼修が率いた
　　　　　　　　　　　　 ／（●）　（●.）　＼　　　　　 配下の連中が「 鬼道衆 」と呼ばれていたんだお。
　　　　　　　　　　　／　　（__人＿,）　　　 ＼
　　　　　　　　　　　| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 　 　 |　　　　当主の鬼修は、『 鬼道 』と呼ばれる呪法を操っていたらしいし。
　　　　　　　　　　　＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／
　　　　　　　　　　　　　 ゝ 　ﾉ
　　　　　　　　　　　　／ 　 /





.　　　　　 　 ／￣￣￣￣￣￣＼
.　　 　 　 ／:.　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　 /: : :　　　　　　　　　　 　 　 ＼
. 　 　 / : : : 　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ　　　　　　　　ふむ……かつて、九角家が幕府に
　　　 | : : : : 　,.r-===='　　 ヾ＝⌒　　　 l　　　　　　　 弓を引いてまで求めた『 菩薩眼の女 』。
　　　 |: : : ::;　　（　○ ）　　　（　○ ） .;::　|
　　　 |: : : : :　 　 ´"''"　 　 　 "''"´ 　 　 l　　　　　　　 そして、阿部さんの「 鬼は菩薩眼の女を探している 」
　 ,＿ ヽ___　　　　　　　　ゝ　　　　　　 ／＿_　　　　　　という、謎めいた言葉……これは、関係ありそうですね。
／::　r' |　r'￣二ﾕ　　 --､__　 　 　 ／ : :: :: :`:､＿_
: : : :::| .|　|　/ 　) ｀)　　 　　　 　 ／: :.ﾍ : :: :: :: :: :: :＼＿_
　: :　|.ﾉ. ﾉ /　　⌒ヽ＿ 　_　 ,　´　|: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ
　: :: ::＼　　　　　　　　　`ト､　　　/: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ
　: :: :: :l: ｀ー┬-､　 　 　 |ii入　／|:: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ
　 : :┐|: :: :: :: :＼）　 ７ ./iiii〈　 　 |: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
　: :イ .|__/ ,へ/⌒＼　./iiiiiiii｝ 　　| : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :!
　イノ: : / /: :: :＼＿ ￣＼iiii｝ 　　|: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :|

.

　　　　　　　　　　　　　　　,, -ｲ´ ￣ ｀`ヽ､
　　　　　　　　　　　　 ,.ｨ'´　 _　,r'´￣｀ヽ､　`ヽ、
　　　　　　　　　　　,.ｲ　 .,-―ミ ,彡ー ､ 　 ヽ、.ﾊ
　　　　　　　　 　 ./ .,ｲ."　,ｨ=-､,r‐''''''''`i 　.l　 ｉ　i
　　　　　　　　　 ,' .::: /i　i:,r'´　　　　　　l 　.l　　ｉ .l
　　　　　　　　　.i .::::i　l　ll　U　　　　＿_| .　ﾍ,　.i .l
　　　　　　　　　l ::::::| ,' .::i!　 ,,r'　　　　　l　　　ヽ,ｌ .ﾄ、
　　　　　　　　　| ::::::ｿ.::::::`i'" _ 　　　　;'´ヽ、　　.ﾞi |.iﾍ　　　　　　 　 しかし、『 菩薩眼 』とは何のことなのでしょう？
　　　　　　　　　| . ;/.::i:::::::;ｌ " .`　　　　==-‐iヽ.　 l l i. ﾍ
　　　　　　　 　 ,!.〈.:::::l::;;イ　_,ｨ彡 　 　 　 　 l'’l ,ｲ .ｉ .ｌ . ヽ　　　　　　私、恥ずかしながら、今まで全く
　　　　　　　 　 l　ヽ;::l,'.r‐,っ、　　 　 ′ 　 / / iｌ l　l! .lヽ、ヽ　　 　　聞いたことがないのですが……
　　　　　　　　 i! .::､_):ｌ l ﾉ,ｨヘ、_. 　 ` ´ ,ｲ //ﾉ` l　.ｌi　ｌ ヘ、ヽ
　　　　　　　　 l..:::::｀i:::::l　./＞i　 ﾄ'、－'／.ｌｉ/　 ｨ ! . l.ﾍ ﾍ、 ヘﾊ
　　　　　　 　 ﾉ.:::/.:::l::､＼　<!ｊ.　.|　〉‐〈　 /ﾄ ｲ ./　ﾉ‐.､＼`ヽ、ｉ.ﾊ
　　　　　　 .,ｲ.::;ｲ.::: /`ー ヽ ヽ, . | /ｌ:::l∨ｉ／ ／,.ｲ/ ` ﾍ　.ヽ　ヽ　i
　　　　　. /　::,'::|.::::ｌ　 ’i |i `i　 `i l' .l:::l ,ｲ　 ,´イ i.l　　　 l　　 i l iヽl
　　　　　.i　 :::i :::::::::l 　 .i ｌｌ...l｀`ヽ! _l:::::i'　l　i l　 ,'.l　　　 i|　　 l ｌ l　l
　　　　　..V　::l　::::::.l､　 `ｌ| .|　　o.l |:::::l､. ヽｌ.l　 ｌ l　　　,'.l　　,'　/　l
　　　　　　ﾍ　.',　::::: iﾍ　 ／!ヽ、__l_l::::::|`ヽ　i.　 ｉ.ｌ/　　i .l　 / ./　/




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　u.　　 （__人__）　　　　　いや、俺たちも詳しくは……
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　 ただ、鬼道衆どころか、幕府の連中まで
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　こぞって求めるような『 力 』らしいんだが……
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

.

　　　　　　　　　　　　 | i　　　 i /　　　　　 ／ /　/l　　　　　　　　　　　　ｌ　　　 |
　　　　　　　　　　　.　| |　　　 l/　　　　 ／　 /　/ |.|　　　　　　　　　　　 |　　　 |
　　　　　　　　　　　　| |　　　 / ー- ､／　　/ ./　 l l　　　　　　　　　　 　.|　　　 l
　　　　　　　　　　　　ｌ .!　　　i　_　／_`ヽ　/./　　 l .|i　　　i　　　　　　 　 |　　　|i
　　　　　　　　　　　.　i |l　　 .| ヽ戈ゥ,ミ ./／　'''ーl､|.i.　　 |　　　　　　　　!　　 .|l
　　　　　　　　　　　　 i l.l　　 l /　ー―'／　　　'`ヽ i iヾ､ .|　　　　　　　 .|　　　| l
　　　　　　　　　　　.　 li .i　　|/ﾊ　　／ i　　　 ´弋ｚ､ヽ＼.|　　　　　　 　 | 　　|l　i
　　　　　　　　　　　　　|　i　　　ﾊ　　　./　　　 　 ＼ﾆヾヽl　　　　　　　 l　　　l l　ｌ　　　　　　…………ふむ。
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　 ﾊ.　　　　　　　　 　　　ヾ| `　　　　　　/　　　　|　|
　　　　　　　　　　　　　　　 >i　　　＼　 ､　　　　　　　　 |　　　　　　　/　　　　 .|　|
　　　　　　　　　　　　　　/´ |　　　　 ＼　` ー--　　　　|　　　　　　 ./　　　　　 |　|
　　　　　　　　　　　　　 /　 |　i　　　　 |.＼　　　　 ,,　- |　　　　　　 /ヽ　　　　　.|　.|
　　　　　　　　　　　.　　i　　.| .|　　　　 | //|` -､''　　　 l 　　　　　 / ヽヽ、　　　　i　 i
　　　　　　　　　　　　　l　　 | |　　　　 |// |　　i´|＿,,,,-l　　　　　 /　/ ヽ､ヽ　　　 i　 i
　　　　　　　　　　　　　|　　 | |　　　　|l .i .|　／!/　　　ｌ　　　　　/　/　　　＞-､　　i　 i
　　　　　　　　　　　　　|　　 l li　　　　| .| |.／i　 i |　　l |　　　　/／ 　　／　　　` ､ i　 i
　　　　　　　　　　　　　|　　 .|| i　　　 |　i|/　i　 i　| 　l .|　　　 /´ 　　／




　　　　　　　　　　　　　　　　　l　 /
　　　　　　　　　　 ＿＿＿_　　　′／
　　　　　　　　　／　　 　 　 ＼
　　　　　　　 ／　　　　　　 ― ヽ
　　　　　　／ 　 　　　　 　（ ●） '､
　　　　　　|　 　 　 　　　　　　 （__ﾉ_）　　　　先生？
　　　　　　＼　 　　 　　　　 　 ｀_⌒
　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼

.

　　　　 i　　/　　　　　l./　　　　　.／　　l　/ !　|　　　l　　　　 　 l　　　|
　　　.　l　　i　　　　　 |!　　　　 .／　　　l. /　l　|i 　　 l　　　　　　l　 　 |
　　　　|　　|　　　　　 ||.　　　 ／ 　　　/ /　　ｌ |i＿　 |　　　　　　ｌ　　 |
　　　　|　　|　　　　　 |!　,,,-ナ''''''- 　 / /　''￣ｌ lヽ ｀`|　　　　　　l　　 |
　　　　|　| |　　　　　 | '''　/ -ー-､　/ /　　"￣ヾ'''-　.|　　　　　 |　　 l
　　　.　l　| |　　　　　 |.　/,,o-''jTヽ /./　　　"`６ヾ-､　|　　　　　.|　 　|
　　　　 l　| |　　　　　.| ＜弋-;;ソ　//　　　　 弌ﾆ乂 ＞　　　　　|　　.|
　　　　 l .| l|　　　　　|/ 　 ` 　 　.〃　　　　　　　　 ヾ､|.　　　　　|　| |
　　　.　 l | !|.　　　　　l ヽ　　　 ／　　l　　　　　　　　　|　　　　　|　 | |
　　　.　　l|　|　　　　　 ﾄ､ヽ.　　　　 　!　　　　　　　　　l　　　　　|.　 |.l　　　　　　　みんな――『 風水 』については知っているかしら？
　　　　　 |　.|　　　　　 |. ヾ､　　　　　＿＿＿　　　　　|　　　　　! 　 |!
　　　.　　　　|.　　　　　| 　 ヽ　　　　ヽ､,,,,,／　　　　ノl　　　　 /　 　 l
　　　　　　　 l.　　　　　|　　　丶　　　　　　　　　／! .l　　　　 /　　　 |
　　　　　　　/l　　　　　|　　　　　`i ､　　　　,,　´　 l .l　　　 | /　　.|　 |
　　　.　　　 i　l　　　　　l　　　.r､ーl　｀'' - "　　　 .lｺ　　　 l /　　 |i　 |
　　　　　　 |　 l　　　　　l　　 /　`-!､,,　　_ ,,　- '''　.l　　　 l/　　　 |i 　|
　　　.　　　|　　l　　　　　l. ／　　　 /ヽ-/ i　　　　 l　　　 /　　　　l .i　 |
　　　　　　|　 　 l ヽ　　　Ｋ　　　　/ l　　l　ｌ　　　 .l　　　/､,,,,,,　　　l　ｌ 　|





　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:i:.:.:.:.:ﾚ≧＝=ミ､__.:.:.:.:.:.ヽ、
.　 　 , '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.}:.:.:.:.{　　　　　　　 ｀ヽ.:.:.:.'.
.　 ／.:,､:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:/.:.:.:.:ﾊ　　　　　　　U　 }:.:.:.|
／.:／ノ.:.:.:.:r┐'.:.:.:.:.,'.:.:.:.:/ム_ノ　　 　 　 　 ,':.:..i:.}
.:.:.:i　 ﾚ'⌒｢ } ｈ:{:.:.:.{:.:.:ィイテ=x、　　　＼ _/.:.:.:.り
.:.:.:|　 ､_j ｜|/｜、:.:!:.癶代tｧﾝ　　 　 ｲテ小:.:.:.:{
:.:.∧　　､_ﾉﾉ ヽ vﾊ:.!:廴__ ,｀´　 　 　 弋ﾂｲ:.:'.:.:.:.',　　　　　 えっ……？　
:./.:∧　　 ＼　 　い:}:.:）￣　　　　 {　　 /:.:}:.:.:}:.:.:.:}
'.:.:/.:.:',　　　　　 /.:/イﾍ、　　 ─　　.イ:.:.ｲ:.:/.:.:.:/　　　　 　風水、ですか？
.ノ.:.:.:.:.〉、　　　ム(::じ 　 ｀ 　.._　ィ:.:{:.:.:.V:.{:.:{:.:,.く
:.:.:.:.／　}　　　ハ、｀¨´ 　　　　|_:.{:.:.!:.:.:.:.｀ヽﾚ':.:.:.:ヽ.
:.:.:/　 」二二二二}丶、　　　　　　｀ヽ、:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.

.

　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　|　　　 （ ●）（●）
　　　　　.　|　u.　　 （__人__）　　　　　　名前ぐらいは聞いたことはあるが……
　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　 そういや、俺たちが龍泉寺に来たばかりのときに
　　　　　.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　風水がどうのとか言っていたような気はするな。
　　　　　　　 ヽ　　　　　ノ
　　　　　　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､ 　 　 　 　 何か、「 菩薩眼 」と関係があるのか？
　　　　　　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　　　　　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
　　　　　.　　　 |　　　　　　l





　　　|　 i　_.　-: |　　 |　 . : : : / / . :/　　 　 |: i: :　i　　　　　　　　: : : : : :|: : : : :
　　　|. ィ　　　 : :!　　 !　: : : /7' . :７￣￣　 ┤|: :　|　　　　　　　　: : : : : :|: : : :
　　　| ﾊ 　 　 : : '. 　 l　: : : j/ : ／＞､ 　 　 :l: ﾄ､　|　　　　:|　　　 : : : : : :!: : : :
　　　| | |　　　 : : '.　 |　: : / :／,≧＝ ､__　　:l: :!: : !　　　　:|　　　 : : : : : :|: : : :
　　　| | l.　　　 : : ﾍ　V: /／　　　　　 7_r`＝ｌ: :|!: l　　　　: !　　　: : : : : : !: : : :
　　　l, ! ﾍ　　　: : : :＼: :/　　　　 ｀ ーゝ≠'"ﾍ: :ｌ､|　　　. : |　　　: : : : : : j!: : : :
　　　 l,|　ﾍ 　　 : : : : : 〉'　 　　　　　　　　 　　 '. : !　　　: : |　　　: : : : : :'l: : : : :　　　　　　えぇ、まあね。
　　　　|　　ヽ. 　 : : :／　　　　　　　　　　　　　 ∨|　　　: : |　　 : : : : : :': |: : : : :
　　　　 　　 ト　　／　　　　　　　　　　　　　　 　 V　　　: : l　　. : : : : : ': :!: : : : :　　　　　　『 風水 』というのはね、清の国に
　　　　　　 i　　｀＼　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　. : :l　　. : : : : : ' : |: : : : :　　　　　　古くから伝わる地相占術のことをいうわ。
　　　　　　 l 　　　: :ヽ　　　　　　　　　　　　　　　i　　　: : :!　 . : : : : : ': : :|: : : : :
　　　　　　 |　　　: : : i､　　　　　　　　　　　　 　 ′　 . : : .' 　. : : : : :,': : : |: : : : :
　　　　　　 |　　　: : : : ｀ゝ-- ､__ ,　　　　　　　 ,′　. : : :.′ : : : : : /: : : : !: : : :
　　　　　　 |　　　: : : : : ヽ　￣￣ 　 　　　　　/　　. : : :/: . : : : : : /: : : : : |: : : :

.

━━━━━━━━━・━━━━━━…━━━━━━━━━━━━…━━━━━

　　　　地相占術っていうのはね――その土地の性質を見て、
　　　　　　　　　　　　　その地を治める国自体を、吉相に導く呪法の一種よ。

━━━・━━━━━…━━━━━━━━・━━━━━━━…━━━━━━━━━


　　　　　　　　　　 ( ;; ;: ）　 ⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　. ;.; .; :.: ⌒)　..;.;:⌒):.ノ
　　　　　　＿＿_ノ　 ノ⌒)　 .;;:.;.)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿,ノ　　　 　 ノ⌒) .;. :.:ノ、
:.｀)＿　_￣ ￣　 ＿　＿ ＿＿_丿　　　　　 　 　 　 　 　　　　 　 　 　 　 　￣　￣￣￣￣｀ヽ　 　　. .. ;: ;.:.:;;｀ヽ _:;,）
:.;....)´￣￣￣　　　　　　　　　　　　　 　　 　　　＿＿ﾉ⌒ーー'⌒ヽ　　　 　 ー-､、　_ノ　　 ⌒＼　.. . .;: .:; .:_,ノ
: .. ＝─　 －　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　￣￣ヽ . :. :;.;;;）;.;;ヾ　　　　　　 } ｌ　￣｀ヽ＿,ノ ｝ヽ￣￣´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ´`;　　　`ｰｰ⌒‐-､__｀ー､__　　　ヾ ヽ、　　 　 / .:;ｌi`ー-､
一⌒)　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　｀ﾞ´　　　　　　　　　　￣￣　　 　　 ＼.:ヽ、 .／;;;ノ⌒ー-､;`ー-､_
::.:､::.｀ヽ＿　　 　　_.ィ´　｀ヽ.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ .:V .;／　　　　 　￣￣⌒ヽ
ー'￣￣´　_,.．-'''"　　　　　`ー-､_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 　 　} .::.:/　　　 　 　 　　　 　ｒ:.
_,,.;:-－''"´.. .. .: . :. : :.. : .::　ヽ　　 ｀`‐-､　　 　 　　 　 　 　 　 　　　 　 　 　 　 　 　 　 | l ;ﾄ　　 ＿＿＿＿＿_,ノ::;.
.. . . .: .: . :. :.:.:＿＿＿ .: .: .: 　　 　　　　 ＼　　　 　 　 　 　　 　　　　　　　　　　　　　　| ,i; |　　　　￣　 ￣　て .: ;;:.
. : .: .: .: .: . :/　＼＿/＼＿.: .:　　　｀　　　　`ー-､_　　　 　 　 　 　 　 　　　 　 　 　 　 |, ;i ;l　　　－　─＝　: .. ｒ .:;
　　＿＿／|＿_:/ ..:〉－.:;／:: .: . . .　　　＼　　　　 "'''- ．._ 　　　　　　　　　 　　 　 　 l i; l; |　　　　　　　　｀￣
___/＼.:/l ＼ ..:;:＼/::＼/: .: .: .: .: .: .: . :. . . . . . . 　 　 　 　 ~""'''　‐- ．..,,__　 　　　　　|;i0;i ;|
､/、＿|/￣/＼／＿／、＿" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" ""　|l;　i ;;|" "" "" "" "" "" "
/　＼ /￣.:;＼,;:＞-<＼　.:;/＼-:.、w,　　　　 　 　　 　 　　　　　､ww,.　　　　　　　__,丿;i;;'､ ;ヾ＿ ,　　　　､w,.
-一""""""""＼,,､w,＼,,＞"""""　　　､w,　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 ｀フ／w｀ヽゞ ´　　　､iklw,


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━━━━━━…━━━━━━━━・━━━━━━…━━━━━

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　火性の土地には、木性のものと相性が良いとか、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　西の方角には大道を敷くのが良い、というようにね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━━・━━━━━━━━…━━━━━━━━━━━・━━━━━

.

━━━━━━━━━・━━━━━━…━━━━━━━━━━━━…━━━━━━━━━━━━━

　　　　それによって、城や館、寺社などを建てる場所を決める事により、
　　　　　　　　　この国の中枢は、いつの時代も確実に吉兆を得られるようにしてきたわけね。

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　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.ゝ.
　　　　　　　　　　　　　　ﾉ=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.ゝ､
　　　　　　　　　　　 ｷIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIﾔ.
　　　　　　　　　　　ノ＿二三_-=＝-＿─￣三─≡￣-三=＝_-二＝三≡-_─＿二三_-=＝ヽ､.
　　　　　　　　　 ／二＝_-三￣≡_-=＝─≡_-￣_=≡＿二三二＝_-三￣≡_-=＝─≡_-￣_=＼,,
　　　　　　,,_,,,-''''＝_-三￣≡_-=＝─≡-￣_=≡_＿二三二＝_-三≡_-=＝─≡_-￣=≡＿二三''''-,,_,,.
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ヽ @==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@　ﾔ
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　 γ;;⌒ﾉヽ;;);⌒ヽ|:::::::::::::::::| :::: :: ::::::| :: :::: :::::::||　 |＿＿||＿＿||＿＿| 　.| :: :: :: :::::| :: :: : (:;;ソ∴∵丿∴ゝ∵∴):∴::∴):
r;;ゞ(;::　丿;::　;;;;;ヾ;;),,):.＿＿|.＿＿＿|..＿＿＿||＝.＝.＝＝＝＝＝＝＝ |＿＿＿_|____`(∵(;ゝ(:::∴　ｿ)::〆:ソ":（∴;（∴;ヾ)
(:: ;;;;ソ;;　)　;::ｿゝヾ)　;;):::)==ii==ii==ii==ii==ii==|^|＿＿＿＿＿＿＿＿＿|^|==ii==ii==ii（ソ∴∵丿　∴(;ゝ(:::∴　ｿ)::〆:ソ" |;`ﾍﾞ
(:::　:（;;;;;（　 ;::).　(;ゝﾉ ::)Y...||￣￣｀ﾞr|￣￣￣/l--------------------lヽ￣￣￣|（∴ﾐ∵丿 ;`ﾍﾞ∴;（∴　∴(;ゝ(:::∴　ｿ)::〆:
((:::(::;〆;;;ゝ;::　;::))(　;::),ﾌﾞ__||_________||________/l----------------------lヽ____（∵ゝ丿;`ﾍﾞ∴;(;ゝ(:::∴　ｿ)（∴　∴::〆:ソ"ﾍ∴;
`ﾍﾞ(; ゛(;;;　(::::　ｿ)::〆:ソ|il!li!li|il!li!li|il!li!li|il!li/l------------------------|ヽ　(;ゝﾉ∵∴;（∴)::(:;;ソ∴∵丿∴ゝ∵:(:;;∴∵丿∴;
: : : : : : : : ゝ|;iｌ|!|ソ´~: : : : ; : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : ; : : :ゞ|;iｌ|!|;iｌ|!|/: : : : : ; : : : : : : : :
: : : : : : : : ﾉ;ﾊﾉﾘヽ_ : : : : ; : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : ; : :ﾉ;ﾊﾉﾘﾊﾉﾘヽ_: : : : ; : : : : : : : :
: : : : : : : :＾"''`"" ^: : : : ; : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : ⌒＾"''`"" ^ : : : : : : ; : : : : : :

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　当然、その思想と手法は極一部の権力者にしか知られていなかったわ。

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　　　　　　　　　／　　 　 　＼　　 ┏┛
　　　　　　　 ／　　＼　　 ,＿＼.　 ・
　　　　　　／ 　　 （●）゛ （●） ＼　　　　　　ん……？
　　　　　　|　 ∪　　 （__人__）　 　 |
　　　　　　/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　 火性だ、木性だってのは、以前に「 氣 」の修行のときに
　　　　　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　 聞いたけど、確かそれは、陰陽道の思想じゃ無かったかお？
　　　　　　.＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　　　　　＼ ／＿＿＿ ／




　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : i: : : 、: : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　.　/: : : : :/: : : : : /l: :l:l: : :ヽ: : : :､: : : :.ﾊ
　　　　　　　　　　　　i: : /: :/: : : : : / l: :ﾊ:l.: : :ﾊ: : : ﾊ: : : : :i
　　　　　　　　　　　. l: : i: :./: : : : :/　i: / ヽヽ: : ﾊ: : :ﾊ: : : : :l
　　　　　　　　　　　. l: : l: :i: : : : / _ // -==-､...: :i: : : :i: : : : l
　　　　　　　　　　　　l: : l :l: :,-,/'¨ 〃　　-___ヽ_i,:l: : : :l: : : :l|
　　　　　　　　　　　　＼ 〉:l:'､;l-‐- ´　　 ´　　 `l: : : : :.l: : : :l　　　　　　 あら、よく覚えていたわね。
　　　　　　　　　　　　　//ﾍﾍﾄ　　　　　　　 　　l: : : : : l: : : :l
　　　　　　　　　　　　 //: : ヽlﾍ　　 '　 __,　　　l: :l: : : :ﾊ: : : l　　　　　　 そうね、風水の考え方の基本には
　　　　　　　　　　　　i: i: : : : : :/丶､　　　　 , .ィ: l: : : /: i: : : l 　 　 　 　 陰陽五行の思想が深く関係しているわ。
　　　　　　　　　　　　l: l: : : : : :l: : :!i:`:>-i　': ; :l: l: : : /: ﾍ: : : l
　　　　　　　　　　　　l l: : : : : :lﾍ ; ＞'　/iﾍ´　l: l: : :/､:_: ﾍ: : :l
　　　　　　　　　　　　l l､: :l: : :.l'´//i | / .l l.ﾍ　l l: : / ﾉ／／ ＞ ､
　　　　　　　　　　　.　l l 〉 l: : :l　l lﾍ ' ｰﾉ+　` 'lll: :/, '/ /　 /　　 i
　　　　　　　　　　　　 ヽlﾍ l､: :l=ゝl､l_　i .l　 .i´,ll /　.i /　 /　　　 l
　　　　　　　　　　　　　 l` lﾍ〉､l /7`‐ニニﾆlr, ,＝　l l　 /　　　　.l
　　　　　　　　　　　　　 l　 V　 i i /　　　　 l l¨l　　 l l　/　　　　　l

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　　　　万物は、それぞれ「 木 」「 火 」「 土 」「 金 」「 水 」の
　　　　　　　　　　　　　　　　　　五つの性質――五行に属しているわ。

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　　　　　　　　　　::::::::::::::::::　　 |∵∴∵|::::　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　|| 　 　 　 :::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　::::::::::::::::::　　 |∵∴∵|::::　　　　　　 .／　木　＼　　　 　 　 　 ;　||:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |＝＝＝|::::　　　　　.水　＿∧＿　火 　 　 　 　 !　||===-3:::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |∵∴∵|::::　　　 　 .ﾍ　＼/　ﾍ／　/　　 　 　 　 .; ||
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　:.|∵∴∵|::::　　　　 　 ﾍ　/ × ﾍ　/　　　　 　 　 ;　||::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::|∵∴∵|::::　　　　 　 .金´＿＿｀土　　　　　 　 |　 ||.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::|∵∴∵|::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　 ||:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::|∵∴∵|:::ーーｰ ーー- -ｰｰ-ーｰ-ーー-ｰー─　||
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして、更にこの五行もまた、「 陰 」と「 陽 」のいずれかに分けられるのよ。

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　　　　　この陰陽五行の思想を用いて、地相と方位を占い、
　　　　　　　　　　　　　　　　吉凶を見極め、『 龍脈 』の流れを知る。

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　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ｨ升ｦナ'´んy';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＜弖心、　　　 　 　 　 　 .:::::::::::::::::
　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..;夕ﾌア´　　斤ﾘ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼ﾎi心. 　 .:::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::　　　...んfiУ　　 　 {!叭;:;:;:;:;:;:;:;:;:○;:;:;:;:;:;:;:▽ij∧　　　　　　 　 　 .:::::::::::::::
　　　　　　　　　::::::::::::::::::　　 　 　 从j'Y 　 　 　 ∀△;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:∨iハ　　 　 　 　 :::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　::::::::::::::::::　　　　　斤W 　 　 　 　 ＼i㌧､_;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:㌣い.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |友ｶ 　 　 　 　 　 ｀ﾟ''ミﾌゎ｡_;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:}ｿ川:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 い叭　　 　 　 　 　 　 　 ｀ﾞ'＜心､;:;:;:;:;:;:仄ガ
　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::.Ｗi从　　　　　　　　　 　 　 　 ∨;:;:;:;:;:从ﾉﾘ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::: ∀t△　　　 　 　 ●　 　 　 　 川;:;:;:∧fﾘ/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::　　.ﾞﾏじへ、　　　　　　　　　　　 仄ｶ7リiУ　　...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::　　　 　 .＼夊i㌧､_ 　 　 　 　　　　∧ｨ!刋／ 　 　 　 　 ::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 `マ才i｢≧ｪ｡。．。｡っ夭テ少'ﾟ.:::::::::::
　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　 ::::::｀ﾟ'' ミ芝玉竺壬云=‐'´ . :::::::::::::
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　　　　　　　　　　:::::::::::::::::　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::　　　　 ::::::::::::　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::　　　　 :::::::::::::::::　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それが――『 風水 』の基本理念というわけよ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━・━━━━━━━━…━━━━━━━━━━・━━━━

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 '´:::::::::::::::::::｀'''ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／::::::／:::::::::::::ヽ:ヽ::ヽ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 　 　 　 //::::::/:／:／::| :::ﾊ:::ヽ::廴）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |::|{ﾚ |／レ'ﾚィ ﾚ::::ｌ:::::!:::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |:!|:ｌ ●　　　 ● レｉ::::|、::|　　　　　ふ、ふ～ん……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ|l⊃　､_,､_,　⊂⊃:::!ﾉ:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /⌒ヽ　ヽゝ 　ゝ._）　 ム:::/⌒ｉ　　　 　　何だかすごいねー。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼〃.:＼._ヽｴｴ||ｴｴｴﾉ:::|===|
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 　 　 ＼.:.:.:.:| :::::::::||:::::::::::::/|.:.:.::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　｀ヽ...|ニニ|| 〇〇〈〈ﾟヾ::ﾉ




　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　／　　　　　＼　　　　　　　手前ぇ、コラ。
　　　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　 早々と思考放棄すんじゃねーお。
　　／ 　　‐=・=‐　‐=・= ＼
　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　大事な話なんだからちゃんと聞いてろ。
　　＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／

.

　　　　　　　　　　 　 　 　 /　/　　 　 　 　 　 ﾊ: : . : :　 　 　 　 　 : : 　 　 ﾟ.
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i　/　　　　　　　　/　!: : : : :　 　 　:: 　　 : :　 : 　 i
　　　　　　　　　　　　　　│{ ,′ . :/ 　. : : / 　И: :ハ: . :　　 :|: .　. :!: . :　　|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | / . : : /　. : / /　~｀ｰ}/‐-ｉ: : : . . : |: : . : |: : : . . :!
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |{: : :／___彡'／ 　r '　___,ﾉ_,}/|: : : : : : : : : : : : . : ,
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:!: Ｋ芹ﾐ　　　　　 /i⌒　 ヾ　|: : : : }: : : : } : : : : ′
　　　　　　　 　 　 　 　 　从 {: {弋_）　 　 　 ′廴ﾉ ノ　 } : : /: : } :/: : : : ;
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 }小　　　　　　　　　 　 　 ムｲ/ｉ: :/ /: : : : /
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｊ从　　ﾉ 　 　 　 　 　 　 　 ´ ﾑ' : ': : ﾉ／　　　 　　 だって、よく分かんないんだもん。
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼ `　　　　　　　　　U　　/: : ／´
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ）　= ｭ　 　 　 　 ／ 幺彡'７!　　　　　　　　 そもそも、『 龍脈 』って、一体何なのさ？
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　ﾉ　＼ｰ　 　 　 . :　 　 　 {_／ |
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｉ 　}, ‐-尖 ‐r＜　,　 -‐=≦ ||　 ||
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 }　/　/　/⌒ｊ　　{} 　 　 |　　||　 ||
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 -ﾍ　　　 ′ {　　 〔〕　　 │　 ||　 勹⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　／ 　 　ｉ　　　　　 ｉ　　 || 　 　 | 　 ／　´　　＼＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 //＾ヽ 　r|　　　　　ﾑ=‐-||--　 r=彡　　　　　 　 ＼＼
　　　　　　　　　　　 　 //　　　　| ＼______/_ﾉ}　　}}｀　　|　　　　 　 　 　 　 /＾i ｝
　　　　　　　　　　　　｛ { 　 　 　 |　 {{　　}}　 |　　{{　　　!　 　 　 　 　 　 　′ | |





　　　/　l　　　 |　　/　　　 ／　　 / /　| l　　　|　　　　 |　|.:.|
　　　!　 !　　　 !　 ,'　　 ／　　　 / /　 ヽ＼　 .!　　　　 |　|.:.|
　　 ｌ　 ｌ　　 　 l　/　_／-ｰ　　 / /ｰ─-弋.＼.|　　　　 |　|.:.|
　　 |　 ｌ　　　　!,.lｨ'ﾞ/　__,. -　 / /　-- ､,__ ヽ　|　　　　 !　!.:.:!
　　 l　 l　　　　 | ／二ｪ=ｰ､ /／　　ｨ＝=ミ､ ＼!　　　　ｌ　.l.:.:|
　　 |　 |　　　　 |ﾒ<ｲ r:'::ﾉ:iﾉ/　　　　 ､f:Y::ﾊ ｀>|　　 |　 |　 !.:.|　　　　　　フフッ……確かに、慣れていないと難しい話かもね。
　　 | i　!　　　　 !　 ｀￣´ 　　　,　　　　　￣´　 |　　 |　 !　 |.:.:|
　　 | |　',　　　　ﾄ,　　　　　　　 !　　　　　　　　 |　　 |　 !　 |.:.:.|　　　　　 古人曰く――天の『 氣 』は変じて星となり、
　　 | |　 ', 　 　　ﾄ、　　　　　　　　　　　　　　　l　　 l　 l　 ｲ.:.:.|　　　　　 地の『 氣 』は変じて大地となる、そうよ。
　　 | |ヽ　i　　　 ゞヽ　　　　ｰ──,.ｧ　　　　 ,ｲ　　 l　 !　　|.:.:.:!
　　 | | |　 ',　　　 |　 ＼　　　　　　　　　　 ／/　　 l　/　　 |.:.:.:|
　　 ', l l　 ヽ　　　ヽ　　 ヽ、　　　　　　／!　 !　　 / /　　　|.:.:.:.!
　　 ﾊ',|　　',　　　 ',　　　　!ヽ､ ,_,. ｨ '´　 |　 |　　 ! /　　　 |.:.:.:.|
　 /.:.:ヾ　　ヽ　　　ヽ　r=ﾆ!　　　　　　　ﾙ、l　　//　　　　 !.:.:.:|

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　　　　星々は連なり、天の文字――天文を描き、
　　　　　　　　　　　　　　大地は広がり、地の文字――地理を描く。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つまり、天にも地にも『 氣 』の流れというものが存在し、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それらが、この世の理を決めているという訳ね

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━━━━━━━━━・━━━━━━…━━━━━━━━━・━━━━━━

　　　　『 龍脈 』とは、中国の仙境――崑崙山より発し、
　　　　　　　　　　　　　この大地を流れる『 氣 』の道筋の事をいうわ。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,イ´ヾ､:　:￣`ー-、　　　　　/_　_　　　 　 　 `ー┬- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿/　|:　:　〉､　:　:　:　:＼,........,／:　:　｀ヽ　　　　　 　 |!　　＼ 　　　　 _,,..
　　　　　　 _,,.. -‐──-　　..,,_ 　 　 /|!　l　 |:　:/　: ＼　:　:　:　i: : : :|:　:　:　:　:ﾄ､　　　　　　　　　 ∧,,..-‐''":.::.::
　　　_,,..-'":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀'''ｰ┤.!　 　 i. :　:　:　:　:　:　:　: | : : :l!:　:　:　: / 　＼　　　　　　　/　iﾄ､:.:.:.:.:.:.::..:
,,.‐''":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　＼　 .l:　:　:　: / : 丶:　 : |:l : : |:　:　:　/　　　　　　　　　　　　 ヾ;;＼:.:.:.:.:.:
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:.:.:.:.:.:.:.彡ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,〈　　 　 ／ l　 　 ､ `　､:／　l:　:　|: ｎ.〃　　　　ヾ 　 　 　 ,ゝ　　 ＼　　 　 }　ヾ;;;;
:.:.:.:.:.彡三ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／/　　 ／ 　 _!.从　 　`┬‐ 、: : 　: |: l !|L　　　　 ＿ｿ　　　《　　　 　　 从　 　　 ＼
:.:.:.:.彡三三ミ.:.:.:.:.:.:.., 、:／;;;,i! 　 ,..､ 　 / .彡ミ. 　 　!| 　 从 :　:.|: l〃　＼　 , 、　 　 ,i! 　 ,､　　 　 彡ミ.
:.:.:.:.彡三三ミミ:.:.:..彡ミ´;;;;;彡ミ 彡ミ 从 .彡ミミ　 　,､　,!::::::ヾ,,,,l／ 　 　 .}.彡ミ　　彡ミ 彡ミ 从 .彡ミミ　 　,､
.:.:.彡彡三三ミミ:.:.彡::ミ;;;;;彡::ミ, 三 彡ﾐ 彡,il､ミ　彡ミ {!:::::::::l! 　 ,､　　　 .彡::ミ　 彡::ミ, 三 彡ﾐ 彡,il､ミ　彡ミ
:.:.彡彡三三ﾐミミ:.彡三ミl彡三ミ ::: 彡::ミ .彡ミ　 彡::ミ ゞ;;;;:ｿ　.彡ミ　　 彡三ミ 彡三ミ ::: 彡::ミ .彡ミ　 彡::::ミ
彡彡三三三ミミﾐ.　|li|.从从|li|W |i|..　|i|　彡三ミ. 　|i| 从 |il| 从彡::ミ.,.,,.,.W |li|.从从|li|　 |i|　 |i|　彡三ミ., 　|i|
.: .ﾐ彡:.:.|!|l|　ミ彡w､w|w,, .,, |li|., ..w,,...,|,r':":ゞ:ﾐヾ,....,,.Ww,,,...Ww..从从从 ､ w|w,, 从, |li|从从 .,|r':":ゞ:ﾐヾ,....,,..Ww
: :从从.,|! f''≡ｰ‐-、 r''ﾞゞ彡ミヾゞ ...,　ゞミヾ彡ｿ....,.,., 　 .............,,,,　 ...,.,.,.,　　 　 　 　 　 　 　 ゞミヾ彡ｿ.
ww,,,..... | 《:彡:三:ミ:Y＾彡巛ヾミミ》　　""""　　　　　　,,,,....,.,..,,,　　　　.,,,,,,,､Ww.,,　　　　www,,,.......　....,.,　　,,,,....,.,..
　　　 ノ,! ゞw､ww,,.W,,,,,,...Ww,,,.ww､ww,,.,,,,　　　　,....,,.ww,,,...w　　　　　　　＿＿＿＿＿　　　　　　　　　＿＿＿_
..,.,.,.,.,.....　　　　　www,,,.......　　　　　　　　　　＿＿＿＿_,,,...--─''''""´￣: : : : : : : : : : : : ￣￣￣￣￣: : : : : : : :
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その『 龍脈 』の流れが集まり、大地の『 氣 』が吹き出す場所は、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『 龍穴 』と呼ばれ、特に強い氣を発しているそうよ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━・━━━━━━…━━━━━━━━・━━━━━━━━━━━…━━━━━━

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　　　　『 龍脈 』の流れこそが、森羅万象の繁栄と衰退を司るといわれているわ。

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│ .l　 'i　　 |　　!　　　 ﾞi　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,i'1　 .|　　l .|　　! ；　i′ i'　.|　　　.!　　j　 ， /　 /
.lﾞ .i,!　 .!　　.|.l'　　　、 .,!"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l !　　 l　　 !　　l　　l　　　.l　　　、 |　　l　 .|　l　 /
.!　l｝　 .!　　| !　　　ｌ　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!|　　.lﾞ　　 !　 .「　 lﾞ， .．.|　　　|　.! 　 !　 ! ."　 !
　 |,!　　　　　|　　 /　l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.ｌl　　!　　 .,!　　　 ."l　 .〉　　|　.|　「 .!,," .iﾄ
　 ″　　.,　　　　 ,!　.］　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!."!　l .!　　,!　　!　　|，/│　.|　 ﾞ　　l ,!　.l l　 i
　ｒi　　　 |　 　　 ″ '|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ゝ|!　　ﾞ .； .!.、　ｌ　 　│ lﾞ　 ,!:!　　　",!　.l ."　.!
　.l!　l.　　.ｌ, .,!　 、　.r､、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　.!　 .， .｝ |│　ｌ　　 lﾞ　l　　".!　 l .、.!　 !、 .ｌ　!
　.|　 .ｌ　　,! .lﾞ.! .,!　 !　 .ﾞl、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.!､　!　 .!　 | .! .l　.!　　 　│　 　 l　.|　!.ゝ .!lﾞ.，.〉 ′
. i ′│　 ! ."" .,!　.!　　 .ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ . ｌ　｝　 !　 .ゝ,!　　　　!　/ 　 .!　!　!　 .ﾈ !　　 |
　!　　!　　!　 `　ヽ ~|　 .　　| 、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ　 ! !　ｌ.ﾞ　　　）、　　 .! .|．　　1lﾞ　 !　 .,リ　 j　!
　!　! |　　゛　 　　.ﾞl. ｣　.|　 .l;;i.ｌ、　　　　　　　　　　　　　　　　　/ﾞl　ﾈ .;;.!　i　　 .｝i、　 .! .,!|　　，!　　l　│l　 .|　!
.'i.　.".!'､　　　│　.|ﾞ!|　 |　　.!　 `-.　　　　　　　　　　　　　　　│.l　 l､ |.|　.ｌ　　 .ｌ!l　i　　 !1　/　 ､　 !　　!， lﾞ‐ !
　ｌ,　 .l　ｌ ､　　|　　! . ｌ　l.， 、　 l　　 ﾐ'-.　　　　　　　　　　　　　］ |　　 ヽ　./l　　　.ヽ|.ｌ　　 !； .!　 .|　 !　　 |　│
　 .!　 " ﾞ'│　"　　!　.| ."l　 !　　l　、 |　、　＼　　　　　　　　　　l.!.!　! 、 .ﾞt､′　　　 .! .!　 .!"| .|；　"　! ､　 !　 |i
　 .!　　　 |.ｌ　 　　 |　 .!､ .!　.! .| .ゝ !　.ｌ .l　、　ヽ　　　　　　　ｌ.,.l′.ｌ .! .； ﾞﾞﾞ.ｌ､｀'ｰ..__　　　!　 !.ﾞ" 　　" .ｌ.i　　 ,!|
　│　　i　゛|　 !　 .|_　 .!ヽ゛ ‘ .|.!　│　` 〉 .!　　!三三三三三　ｌ │.1 .".! .|　　.ｌ　i　 | ,ヽ､　!　 　　:! .、　 ".ｌ　 ./ l ､
　 .! .,　 .!　 　 |.!　　 ｌ　 ｌ.ﾞli_._,, --,,,,ﾞ,,.... -――┘三三三三三 ﾞ'''''"´ﾞ'''―‐'''''ｰ|. !.、,!.l .、ヽ.|　　　 ! .l　　　 　│. ′
l　│.!　.、　　.lﾞ,! _,.__,.ｌ._./ 　 ＝　─二　─ﾆ─――　──二　　＝　─二二　　!'ﾞ‐'.．.　l 　＆..,,,_、　.|　　 i　　.!│
゛　　.゛ ...ｌ,,　-￢"　＿＿　　-　　　ニ　　　　　――　　＿_　─二￣￣　　＿＿　　　　―　　￣￣｀'-､l、　|　　゛ |
―--'"゛　 　 ─ ￣ ＿ 　 ＿＿_￣￣ 　 二　─ 　 ＝　─二　─ﾆ─‐　￣＿　　＿＿￣＝　─二￣'､ .!''､.
三三三　二──　　＝　￣￣＿　￣￣　─二　─￣￣　──二─　　＝　─二　＿　￣　─二　─三三｀'''-,`　 .,,
三三三三―　　＿_　￣　─二　─￣　　　　―　　￣￣　 ＝　─二　─ﾆ─　＝　─二　＿　　　三三三三三三三
三三三三三三三　＝　￣￣＿　￣￣　─二　─二　─ﾆ─＿_￣＿＿￣＝　─　　─二三三三三三三三三三三


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『 龍脈 』の流れが穏やかであれば、世も穏やかであり、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　またその流れが乱れれば、世もまた乱れるとか……

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　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,. :´ ￣￣￣￣ ｀ヽ､
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　-=v´. : ´￣｀ヽ｀ヽ: : : .＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／／,.､: : /⌒｀ヽ､: :.}: :}: : : : : .ヽ
　　　　　　　.　 　 　 　 　 〃, ' / ミtV＾´''ｰz=-}: : : .＼＿: : :.:!
　　　　　　　.　 　 　 　 　 {: : : :{zﾞ｀　　 ､　　　 {: .＼ : . ヽ｀ｰti､　　 　 　 　　　　　 えっと……その。
　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ : .ヽ_ノ　　　￣￣ ヽ ､ ヽ : :}ｰ｀ｰ'
　　　　　　　.　　　　　　　 　 }ﾉ｝ }　_　 　'´了か　} }: :ﾉ. :｝: :{: ::.　　　　　　　　　　 つまり、その『 龍脈 』の流れを読み取るために
　　　　　　　.　 　 　 　 　 ／ ノ ｲ´心　　　 Vソ /ｲ /. : ｲ: : |: : :.　　　　　　　　　　必要なのが、『 風水 』ってことなんですよね。
　　　　　　　　　　　　　　｛: :{ : : ﾊ Vｿ　　　　 　 / /.:{: : |!: : ｌ : : :.
　　　　　　　.　　　　 　 　 ＼: : (圦 　 ′　　　u.{: : ､: .、l!: : :. :.､: .＼　　　　　　　 それを読んで、最も吉兆を得られそうな場所に
　　　　　　　.　　　　　　　　　 ー ､　、　 -‐　　, ヽ ,ﾉ. :},ハ : : : :l＼: .＼　　　　　　城や館を建てることで、繁栄を呼び込む……と。
　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 }: : )ﾊ}＞ ､_ ..ｨ 　ノ rイ {: : }ヽ : : !: .ヽ : .｀ヽ、
　　　　　　　.　 　 　 　 　 　__ノ. : ﾊﾉ 八ｰ=-V-=<ぅ' l　( ＼: : : :}: : : : : : : : .ヽ
　　　　　　　.　　 　 　 ／´, : : ,r‐-‐'_ア‐(⊂X⊃)- ´＿_＼ ｀ー'―,-|､　 ! : : :i
　　　　　　　....　　　／ ／/. :/　　≦-､　 (／＼)　　(＿ ｀＾´　　／　i　ヽl: : : :}
　　　　　　　...　　. ' ／　/. :/　　 　 ／､ 　 ,　-―r――｀　 　 / 　 ,ﾉ　　} : :,ｲ
　　　　　　　　　/／ 　 /. :/　　　∠ 　　　　　　　 ＼_　 　 　 '　 　 　 　 { : : |
　　　　　　　　 /'　 　 /. :/ 　,〉　＿ﾉ　　　　　　　　　 }　　}　　　　　　　∧: : |




　　　 　　 ＿_＿__　　　　　━┓
　　　　 ／　―　　 ＼ 　　 ┏┛
　　　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・
　.　｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|　　　　　　　……ん？
　.　｜　　 （__ノ￣　　　 /
　.　｜ U 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　もしかして、この江戸の街も、その
　　　＼＿　　　 ⊂ヽ∩＼　　　　　　 『 風水 』とやらに基づいて作られたのか？
　　　　　/´　　 　 (,＿ ＼.＼
　.　　 　|　　/　　　　　＼＿ﾉ

.

　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　　.　　　　　／　＿,ﾉ　　⌒　＼　　　　　 　　 そうですね。
　　　　　　 ｌ^l^lｎ　 （●） 　（●）　＼
　　　　　 　ヽ 　 L　　 ､　｀　　 　 　　| 　 　 　　 この江戸が、天海僧正によって『 四神相応 』の地
　　　　　　　 ゝ 　ﾉ　　 ￣￣　　 　／　　　　　　として造られたというのは、有名な話ですよ。
　　　　　　／ 　 /　　　　　　　 　　＼
　　　　 ／　　 /　　　　　　　　　 　 　＼
　　　. /　　 　/　　　　　　　　　-一'''''''ー-､.
　　　人＿＿ﾉ　　　　　　　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ‐―-　ミ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〃..:.:／:／.:.:／.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {{.:／ イ. : イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iす 　すﾒ. ﾉｨ.:.:.}.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,ﾉ　　 　 　 _,ﾉ.:.:ﾉ,.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈 ′　　　　｀ﾌイ）.:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　　ししん……そうおう？
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 △　　　u __彡.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼_＿＿_うﾆﾆT批´ 　 　 　　　　また、分からない言葉が出てきたなぁ。
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |][￣|￣|　￤ }:｛　　　　　　　　 それって、さっきの『 龍穴 』ってのとはまた別の話なの？
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |][　 |　_|＿j{弍｛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __八｝r匕⌒⌒＼ ＼､
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／ /〃/　　　　 ／￣｝|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｝ /〃/ ○‐…y'　 　 ｝| ｉ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾊ/〃/○ ○ 　′　　 ｝| |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 〈 /〃/ ---‐…┥　　　｝| |


.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　/ ./　,.　´　,!
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　,'／　 ,ｨ / ヽ　 　 　 　 !　　　　|.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　,ｨ,....,_ィ/'´ 　 _ヽ、-‐ 　 .!　　　　!.　
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,'　/ lィ´　 ヽ 　 　 　 ＼、　 '　　 　 ,'　
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,' ./　 l.ｨ芹ﾐ､　　　,ｨて斧ﾐ、,'　　 　 ,'　　 　 !
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /, '　　 l　弌ﾂ　　　　　匁zﾂ,'　　　 ./　　　　.!. 　 　 ええ、ちょっと違うわね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , 'ｲ 　 　 i　　　　　　　　　 　 /　　　 /　 　 　 .i
　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 　 　 .l　　　丶　 　 　 　 /　　　 /　　 　 　 !　　　　『 四神相応 』っていうのは、風水において
　　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　 ,. ∧　　 ー― '　　 ./　　　 /　 　 　 　 l 　 　 　最も吉相とされる地相の事を指すわ。
　　　　　　　　　　　　　 ,. '´　　　　　,. '´　 ｨiヽ、 　 　 　 ,.イ　　　 /　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　,.　´　　　　　,.　´ 　 .///∧＞‐r _ ´ ./　　　 / 　 　 .i 　 　 !.　 　 　そもそも『 四神 』っていうのはね、
　　　　 _ ..... _　,.　´　　　　　,. イ　　 　 /////.!::;: - ､::｀:7　　　 /　/　　 .!　 　 .i　　　　 大地の各方位を守護する四匹の聖獣のことよ。
　　　 ´　¨ ＞´　　　 　 ,.. '´　 .!　 ゝ-!i!//r‐｢l:/　　/::::/　　　 /　 !　　　.! 　 　 '.
.　　　　 ,.'´ 　 　 　 ,..＜.,＿__,　ゝ-イ刈//i:::::::i!、_./::::/　　　 /!,.ィk、　　 !.　　　 '.
　　　　/γ　　　.,.ｲ‐ー-_,..イrﾆ三=‐,..ﾆ‐'' ¨´::/:::;!:::/ 　 　 .// . . . .｀.ヽ、! ヽ　　 '.
　　 　 !./　/　 / ,.ィ;;´;;;;_;: -'' ´;:ィ_´_::::::::::::::／::::/:y′　　 //. . . ,.ィ´. ノ .!彡　 　 '.
＿＿＿!　.i　 / /;;;;;;;;;;;ﾉ!,.ィｰ､-ﾐ､イ:::＞､／::::::/// 　 　 .//. . ／. ,.ィ´ヽ. ',｀ヽ.　　 i
;;;;;;;;;;;;;八　l.　iﾆi;;;;;;;;;;;´｀;;;;;;;;;;∧::::＜::::::::::::::::::/// 　 　 ./i!　｀>ﾆ´_;;;;;;｀;,,、 ';;;;;;i　　 !
;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽl.　!八;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ'´;;;;ヾ、:::／//　　　 /ｧ　　<. . . . .｀ﾞ.'. ､;;ヽ∨l　　 l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽﾐ;;;;;ヾ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;∠∨::://　　././く　ﾑ　/､.ｰ- .,_. . . ヾ∧l|　 i. !


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　　　　北方を護るのが――『 玄武 』

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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.,．'". , .、'　"　　　　　　 ' ｀ヽ　　　　　　　　　 ,. -:‐o‐┐.:::::::::::
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::::::::::::::::::　..__,ノ ;:　　　　　;　　　　　　　 '　.　,／x`x､'''';;;::x.XxXxX;="　　　:::::::::::::::::::::::
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　　　　 　 `､'´　 ｀゛- . ,゛' ' ,　　, : '　　,．" '丶xXxXxXxXxメ'".:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　 　 `ｰ,､　　　:　　　 ':'　　 ,．'"' , ' , ', `ゝXxXxX,;'"
　　　　　　　:::.,ｆ::,`,=､ '__　__,..'_,.=;:'ﾉ,l , ' , ' , ' ,',',',',','.'.'.',!爻`,､.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　 ::::::::::::::::::.ﾉ'xxｘｉ´ヽ:;:.~::;,,,,;l',l'//W,ヽ,',',',',',',.‐:,ﾆ!-,ﾄｌヾ爻xヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::.λ',爻x!　　`ｰ---‐=ｲ,l',l'x'ﾚ:;=三=‐'''"~ 　}ﾐ ｷ爻i 　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::.(ミ爻ﾒｿ　　　　　　　},;l'ﾒ爻ｌ´　　　　　　　 Iﾐ,'ﾒ爻｝　　　...::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　 　 `ミ彡'　　 　 　 　 　Il'父爻i　　　　　　　,ﾉﾐ,'ﾒ爻/
::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　 :::::::::::::.ﾄl'爻爻｝　　　　　　 {ミﾐﾐ爻｛
:::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　:::::::::::.｛ﾐ爻爻ｿ　　　　　　　 ﾞ"''ﾞ"''ﾞ’.:::::::::::
　:::::::::::::::::　　　　　　　　 ::::::::::::::lミﾐ爻ﾒ） 　 .::::::::::::　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::
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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ミ､　　　　 l　　　　 ､　 / ｲ-，　} l､ 　ヽ' 　　 / 　/　　/.:::::::::::
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　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::.ヽ 　 ｀ヽ　ﾐ､　彡 V:::::V　　　 彡'　　　　　　　　 　 /　　ー　-
　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::　　　　.､ ＼､＿　　　　 ヽ_/ 　　　 -､_
　　　　　　　::::::::::::::::::::::　　　　 .{､　　｀ ､＿　　　､　､　　 ミ､ 　　 　 ､　　　　　　　＼＿
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　:::::::::::::::::　　　　　　　　 :::::::::::::::::/　　　　 　,/／ ,//　　 l 　　　'　　,.::::::::::::::::　　　　　　　 南方を護るのが――『 朱雀 』
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::::::::::::::::::::::::::::::　　 ::::::::::::::::::.／　 ／　　　　 ／　　/　　 / 　　　　　 　　＼:::::::::::::::.━━━━━…━━━━━━━━・━━━━━
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:::::::::::::::::::::::::　　　　　　 ／/ 　 r-─ベブ￣｀フ　V彡V＞　 __｣∠ノ ｀ﾝ' ´￣　￣｀ ￢Ｌ. rヘ＞
::::::::::::::::::　　　　 　 　 < ｨｸ　　〈/⌒>'´　　　ｲ　　 }_,ィl≧>　| ｌノ⌒>'´　　　　　　　　　　└rヘミ>
::::::::::::::::::　　 　 　 　 く7^　 　 八 /　　　　/ﾘ　　 /　 ハ>┌l/⌒ｱ　 　 ,ィ　 T　 Ｔ　 -､　　l __V l
　　　　　　 　 　 　 　 .|　　　く厂 {　　　∠７　　　〉‐ ﾄ､.> |rヘ／￣` く　jン┴‐┴ く　 ヽ　 l　ﾄ､〉
　　　　　　　　　　:::::::::.ヽ-'＾　_,ノﾉ〉　ィ--ｲ　　　 |　 l-KVl　 /　　　　　ﾏ′　　　　　 Y´ l　　l个l
　　　　　　　::::::::::::::::::::::　　　.｀Tフ／/　　|　　　　〉-ﾍ V⌒7l　　　　　　 ＼　 　 　 　 l-‐l　 /イl
　　 ::::::::::::::::::::::::::::　　　　 　 　 ｰ'　　7ﾞ￣|　　 ,二ﾆ=---─┴‐─ｧ　 　 　 ﾚーrヘ、/　/　///
:::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　::::::::　　　..ｌ＿人　 〈辷二ニ＝テ7　／　　　　　 |　　Vヘ}‐-l　 l l/
::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　 :::::::::::::　 　 |　 , 个 ､_　　　　／／ ｲヘ/|　　　　 l|　　.|　 l　 |　 l l>
　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::　 .V　　|　 　 `Tア　 ∠ニl／/ﾄ､ 　 　 八　 l|　 ｌ -ﾍ　 VZ　 ﾄ､
::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　 r仁二>､＿,ｨ入＿ヽ　　／　∠二ニﾆイ/　}_＿_/＿ﾝ 人　＼_入　V廴_〉 ≧===ｧ
:::::::::::::::::::::::::::　　　　　 　 T^{　ﾄﾐ二二厂￣ミ ＜　　　　　　　　 l/l　　 　 {rvイV　〉　　｀ヽミニ＝7ニテ'´
　:::::::::::::::::　　　　　　　　 ::∨∨　　　/　,ｲ　 rベﾐヽ､ ＿＿＿_／/　　　　 VVV厂　　　　 　 　 　 }／
::::::::::::::::::::::　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::.|　爪　〈　　 ＼＿ 三ニ -'´.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::　　 :::::::::::::::::::::::::::::::: . ∨　 ＼〉.::::::::::::::::::　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::
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　　　　　　　　　　　東方を護るのが――『 青龍 』

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:::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　::::::::　　　　　　　 :::::::　　　　　　　　　　　　　　　 西方を護るのが――『 白虎 』
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.　' , . ,:'｀´,::'_,ｲ':.,　　 ';　,.:' ,;'　　:;　 　ψ　　 　 ':　 ﾞ.:.ﾞ　 ,:' i　　ゝ-'
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メﾞヽ､＼￣"""￣--‐　　 ､ ＼　　／ゝ､＼　　　.; ,'::::::::::::::::::::;'　, ' ,'　 　 　 ,..'::::::::::::::::::: ﾄ　　　／｀ヽ.::
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￣く<<く >, ﾞ､／＜三三二＼￣＼ゝゝゝゝゝゝﾞ''ヽ､.::::::::::::::;' ,'　,'　　　 ,..'::::::::::::::::::::::::::::::| ﾚ'　／　　　_＿j|＿
＜<<<〈__入 ﾞ､く彡三三三二ヽくゝ＼メメメゝ､＿ゝ､＼:::::;' ,' , '　　 ,..':::::::::::::::::::::::::::::::／　　く　 　 　 ￣/｢￣　　　　　　　　ォ　　ｫ　　．
くく<<<<<< ﾞ､ ﾞ､ミ三三二ニ─ゝゝゝゝゝ,,,,,,,､ '（ ﾞ''ヽ､ヽ､' ,' ,'　　 ,.'::::::::::::::::::::::::::::::／／1 .へ.＼　　　 / l|　　＿j__　　才
くくくくくく彡‐ヽ ﾞ､ﾐ三三二ニ'''くくゝゝ＿ゝゝ､＼＼＿,>」ﾉ,.;'　　 ,.':::::::::::::::::::::::::::::::::`　　 | | 　 ＼＼　 　 　 　 ／|
く く く く く 彡ﾞ､ﾞ､三三二ニ‐くゝ､／ ,,,,,,,,メメゝヽ''''"ゝゝﾞ丶､..'::::::::::::::::::::::::::::;　'　　　　 | |　　　 ＼＼
二─二二彡彡､ﾞ､三三二==くメゝ／　　 ﾞ'ヽ､メゝゝゝゝゝゝゝﾞ''ヽ-､,,,,,,＿...'　　　　　　 |_|　　　　　＼＼
‐'''"￣ ＼彡彡ﾐ､ﾞ､三二=''"く<メ/::　　　　　　＼''-､メメゝゝゝ＿ゝ ､ ,,､ヽヽ　　　　　,....':::::;　'　　　　 ＼ヾ
､　　,,,,-　ﾞ彡／/ヽﾞ､三二＝ くゝ/:::....　　　　　　＼>∠ﾚ-,-‐ニ二メヽ''ヽ ﾉ　 　 .,...':::::; '　　　　　　,...::
　ﾞヽ､,,,-‐//_//／,,､ﾞ､三二=　　ﾞ､　""'''　　　　　　ヽ＞／／ﾚﾚヽ,,＿__　 /　,...':::;　'　　　　 ,....::'::::::::; '
-,,,,,,-‐'''"""/////,,ヽ ﾞ､三二─　ﾞヽ.　　　　　　　　 ／／-ﾍﾍ,､ ﾚレレﾚノ..',::　'　　　　,.....':::::::::::::::::::::;
''"　　　　　　,ｌ|"////ﾉ,､＼彡'''''‐-ニ,､　::::::::::,,,,,,,,／／　　　　ﾞヽﾌ/|/| ﾚ' '　　　　,　',　' ',:::;::::::::, '
　　　　　　／ゝ､/ヽ|ヽﾚ,,ﾞヽ､ﾞ''ヽ､,,,,,,＿ヽ''ニ＝'',,-'"､─-,,,,,＿　　￣"'ﾉ　 　 　 .,' '　　　　　' '
　　　　　/メ / ﾚ／,''"へへべ''─----￣-メヽ"ゝゝﾞゝヽ､　　＞---''"
　　　　/ﾍﾍ､|／／ヘヘヘﾍﾍﾍﾍﾍ,,-イ￣　|￣"'''-ニニニ二-''"　　　　　 　 　 .,
　　　/ﾍﾍ∧/./ﾌヘﾍﾍﾍﾍﾍﾍ,／ｲ　 /　　/　　　/　　　　ﾞﾉ＼､＼ 　 　 　 .,....;' '
　　 /ゝゝ| / /メﾍﾍﾍﾍヘﾍ／'" |　 /　.━━━━━・━━━━━━━━━━…━━━━━━━━・━━━━━━
　 /ゝ /|‐/ /ﾌヘへﾍﾍﾍ/∧　 /-'"-
　//|_|　/./へへへﾍﾍ､//　|／　　　　　　　　　そして、その四神が護る中央に
'"/ヽ"／'"へへﾍﾍﾍﾍ//　 ﾉ　　　　　　　　　 　　　　　　 『 黄龍 』という黄金の龍が眠ると信じられているわ。
.ﾉ　／／へへﾍﾍﾍﾍ//ヽ ./
／-"へへﾍﾍﾍﾍﾍ//　 |‐"　　　　　　 .━━━━━━━…━━━━━・━━━━━━…━━━━━━━━━━━
へへへへﾍﾍﾍﾍ//ヽ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ,　　　　　　　　　| |


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━━━━━━…━━━━━━━━・━━━━━━━…━━━━━━━

　　　　この四神は、それぞれ具体的な地相を象徴としているの。

━━━━━・━━━━━━…━━━━━━━━━━━━・━━━━━

,; イ!ﾒ∨,: 'ﾉ!:,;/ﾉ戈メ,; 'ソ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,，イ__ノ＿＿ノ＿＿_＿ノ＿＿ノ
: .,，';’ﾘ,; 'ﾉ,:'ﾒ戈メ, .:'`ヾ,＿　　＿＿　　＿＿＿　_　_　_　_　_ ノ　　_＿ヽ　　　ヽ　　 ヾ＿
, ;:'’、'ソ/,イソ戈, .:'’＞､;弍￣｀Y´￣｀Y´￣｀Y´;｀YYYYYY;, ;,，￣ ヽ ヽ￣ ヽ￣ ヽ￣ ヽ ヽ￣ ヽ
ヾ戈. //戈, .:',，;メ`ヾ_ ソ　)￣￣｀戈￣｀戈￣｀戈ｊ:;:i:;:i:;:i:;i!:∧＿,，イ´￣ ヽ￣￣ ヽ￣ ヽ￣ ヽ￣ヽ
　,ﾞ:∨/｀ー==イ｀ヾソ ,，イ￣戈,，イ￣戈,，イ￣Yﾟi.:i:i:,:i:i:i;i!。 ヽ.＿＿,，イ´ ￣｀Y´ ｀Y´ ￣｀Y´
　..://`ー=イ｀ヾ,，rイ￣ソ ￣ソ ￣ソ ￣戈＿ノ人! :i: :!: :!:! : ..:/.　＿ ノ´ ｀Y´ ￣｀Y´ ｀Y´￣｀Y../
　//＿ノー―r=―=ーr=ーr=ー=ーr==ー ,，､ メ;.ﾟ! :i: :!: :!:! ﾟ :ノ￣ヽ´ ｀Y´ ￣｀Y´ ｀Y´ ￣｀Y　./
.//｀、￣｀ヽ￣￣｀ヽ￣｀ヽ￣ ｀ヽ￣￣,，;'’; ,; ;ヾ、i:;:i:;:i:;:i:;ii。 :ヽ,，イ￣｀Y´ ￣｀Y´ ￣｀Y　.,，イ; ; ;
./、　｀ヽ,，イ ￣戈人＿人＿＿人＿そ, ,;'; ,，'’ﾒ:ﾟ! :i: :!: :!:! ﾟ : ...!´￣｀ヽ´ ￣｀Y´ ￣｀Y ／; ; ; ; ; ;
　 ∨　.ノ　￣｀Y .Y ￣戈´￣｀戈´￣｀戈,.:', ,.:',,ｿ ﾟj:.:i:i:,:i:i:i;i。 :_ノ￣戈´ ￣｀Y´ ￣｀　／ ; ; ; ; ; ; ; ;
　　.＼｀ .、 . ／__人Y´.:｀Y´:.｀Y´￣ y'’´｀ヾ 戈,，ﾟ! :!.!:i i; :!｡ﾟ : .ヽ´￣ヽ、　ノ　 _,，イ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　　 　 ＼ `: .、＿_ 人＿人＿人＿./_.:∨｀ヽ, イ !ﾟj ;i;i ;i :i:iiﾟ。 : ..:ノ ￣￣｀ヽ／ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　 　 　_,._.＼　｀: .,/ ＿ ./_人＿＿/＿ /、　ﾉ く :!:ﾟ! :i: :!: :!:! ﾟ :￣｀ヽ　_,，＜ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
,，イ:'’;';ソ｀ゞこ,　./.＿/.＿./＿＞,，イ_ _.Y ￣ ｀!ﾟ:i:;:i:;:i:;:i:;ii。 : ..:　 ／ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
, .:'ﾒ, .:';, ,,;'`ヾシ'’　｀ ＜｀` ＜＿＿ , ,＿ノ＿＿戈i:i:i:i:i:i:i:i:i ﾟ _,，イ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;,，=y,，=y,，=y
｀/メﾘ, ,;'ヌ, ,;'ヾ、 　　 　 `: .、＿＿ / 　 　 Y ￣｀ﾟj:i:i:i:i:i:i:i;i／ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ,，イ,; l’,; l’,; ’,;l’,lY!
　｀ヾ, ,;'ソ´｀ヾヌ)　　　　　　 `: .、　　｀ヽ、 .i＿＿ l;l;l;:!.i／ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;:い;’ﾘ,; 'ﾉ,:'ﾒ戈:メ:;!Y
　　　　!∨,;'ﾘ .∨:Y＞.､,，-.､　　 .`: .、＿,./､＿,，イ´У ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;: ゝい';’ﾘ,; 'ﾉ,:'ﾒ戈メ,
　　　　!人　､　 ∨＼_人＿ﾉ､_,，イ＞.､_ﾉ-＜./￣／ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;: .,，';’ﾘ,; 'ﾉ,:'ﾒ戈メ, .
;,､＿ .人_ﾉ｀ヽ!　 〉_.人＿ﾉ`ー＜ ￣｀ヽﾉ＼_.人_人＿_ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;,，イ｀ヽ ; ヾ戈. ヾ戈. //, .:',，;
, ;，'’ゝ, ∨￣｀ヾ!＞ ､ノ、: , :　, : , : :／｀Y´＿ノ＿く_.ノ ; ; ; ; ; ; ,，イ　 ノ　 ∧｀ヽ ＿,，- ､i/ ; ; ; ; ;
; ;,，イ!;くY´￣｀ヽー＜＞― .、＿ ノ＿ .人＿ ｀ヽ＿/　 ; ;　 ;／　 人　｀ヽノ　＼　＼　　／＞､ ; ;
. ≧イ, ,;'〉｀Y ￣＜三＞―＜＿ 　｀ヽ　＿＞―＜＿＼ ,，イ　　ノ　 ＞－　　＜　　 ＞―　　 ＞、
､, .:'メ, ,人￣｀ヾ、＿ ￣｀ヽ＿ノ　￣｀ヽノ￣｀ヽノ￣＼ノ　 人 /｀ヽ /　　　 ＼　 ＼　　　/　　/　:∧


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　玄武は丘陵、青龍は流水、朱雀は湖沼、白虎は大道という風にね。

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　　　　この四つの地相に囲まれた地こそが、『 四神相応 』と呼ばれる地。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ㍗_＿＿＿＿_㍉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾊiti!i!i!i!i!ゝi!i!i!i!iti!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /ゞ≠＝''⌒⌒ヾ=㍍孑
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 匕ｲ' |　匸匸公匸{　 ﾚ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　v､⊥-‐￢イィ仝`ヽ冖ヽ､____,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. f戒オ＾ハ^^^^^^^^^^^^^ﾊ^T７′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jﾐｰェァ〆仝＼LL____Lレ'ｨ仝､ヽ､_ｬ_,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌi 〃`!宀宀宀宀宀宀宀宀宀宀十イ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _,、ｆtー‐‐‐f_　　　　t|ﾊヽt廴山＿Lゝ' ,二二.`ｰ､__山__!.い､__,、　ゞ;'
　　　　　　　　　　　　 ,_イr'冫Ｔ宀宀宀7　　　rjﾚｸゝ～～～￢'´幵幵幵!`iｰ～～～i‐／,.､ゞﾈ,
　　　　　　　　　　　〆√￣;ゞﾐ;ゞ;ﾐゞﾐ;｢ﾑ__　_厶tiヽＬ山___山_|!_!_!_!_!_!_!_!_!!山___山_,L ,.ゞぃｿゞ;
　　　　　　　　 _　,,. ﾊゞ;ﾐ爻ゞ;ﾐ父爻;ゞゞﾚ' _／ミY^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^ゞ;ﾐゞ;斗ゞミゞ
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孑フ∠.ヽィ,_,_,_,_,. -‐宀冖Tフ´_,_,._　-‐宀冖!　　_,_,_レ'´＾ヽゝ.　 !ゞ;ﾐゞ;ゞ父ゞ;ﾐゞ;爻ゞ;ミﾐゞ;ゞミ
_片7丁__￣　_　　 nn|__|　丁＾_山,､-t宀冖iT丁叩|　|!|{{{{!{{{!|,.､,.xゞﾐゞ;ゞ;ミﾐ;ゞ父爻ゞ;爻ゞ;ﾐゞ;ゞ
ゞ;7___!‐┘　　　_,､_,ゝ;､_-丁￣ ｎn　ｍ Ｌ..!! 　 　 _二.L‐-,ィゞ爻ﾐヾ;ﾐミゞ父ゞ;父ゞ;ミﾐゞ;ゞ;;ﾐヾミ
ﾐゞf‐tヵュォたゞ爻;ﾐゞ;父ゞミゞﾐﾈ､ｨ-ヵャヤセ乏光[子㍗ゞ;ﾐ爻ゞ;爻父ゞ;ミゞ;爻ゞ;ﾐゞ;ゞヾﾐ;ゞﾐ;
爻沙予疋ゞ爻ゞ;ﾐ爻ゞ;ゞﾐ爻ﾐゞ;ミﾐ片予;ゞ;ﾐゞ;疋市[子ゞﾐ爻ゞ;ﾐゞ;爻ゞ;ﾐ父;ヾ;ﾐゞ;父ゞ;;ミゞ;ミﾐゞ
ゞﾐ;,ゞﾐゞ;ﾐゞ斗ゞ戈ゞ;豕;ﾐゞ;爻ゞ;父ゞミﾐ;ゞ戈ゞﾐ;ゞ杉ゞ父ゞミ爻ゞ;ヾ爻ゞ;ﾐゞ;父ミ;ゞ;ゞﾐ爻;;ゞ;ミﾐ
爻ゞミゞ父ゞ;;ミゞ父ゞ爻ゞ;;彡ゞ;ﾐゞ爻;;ゞ爻父ゞミゞ爻ゞゞ;;ミﾐ;ゞ父ヾ;ゞ父;ゞ;ゞ;ミゞ;爻ゞ;ﾐ爻ゞ;ﾐゞ

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『 四神 』に護られた『 黄龍 』が、龍脈の力を蓄える、富貴に満ちた地よ。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　_________
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 　 　　 'r r.r.r.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　 | | | | |
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　u　 .ﾉ.ﾉ.ﾉﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ_ノ　 ヽ､__　 /　　　/ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　/ (●）（● )　.(　　 　l ヽー―ー-､　　　　　　　 ……やる夫、三行にまとめてくれ。
　　　　　　　　　　　　　　　/　 .（__人___）　 ﾑ　　 ｲ　 　　r　　　　ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 ./　　 / ヽ`⌒´　　 |　　 .l　 　 /　　　 　､ l　　　　　 俺もそろそろ、付いて行けなくなってきた。
　　　　　　　　　　　　　/ 　　 / 　八_ ､__ ／l　　　| 　 ,'　　　　　 l 　l
　　　　　　　　　 　.　 /　　　,'　　　　　　　ヽ|　　　|　ﾉ　　　 　 ﾊ　　 l
　　　　　　　　 　 　 /　　　 .l　　　∧　　　　|　　 　ﾚ'　　　　 ノ　 　　 l
　　　　　　　　 　　/　　　　 l　　ノ　　ヽ 　　|　　 　 |　　 　 ﾉ 　　 　　 }
　　　　　　　　 　∧　　 　 / ,〆　　　　 ﾍ　 l　　　　　　　, '　　　 　　　l
　　　　　　　　　　 ヽ､＿,ﾉ'´　　　　　 　　ﾍ .l　　　　　　/　　　　　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　', |　　　　 /　　　　　　　　 ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ﾄ､　　 ノ　　 　　　　　　　ﾉ




　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 　／　─　 　 ─　＼　　　　　　　　・ 龍脈とは、この大地を流れる『 氣 』の流れ。
　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　　　　 ・ 風水とは、その『 龍脈 』の流れや地形を見て吉兆を占う術。
　　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ　　　 　 　 　 ・ この江戸の街も、その風水に基づいて造られた土地である。
　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|　　　　　　　 これでおｋ？
　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|　　　　　　　　　　　 　 　　 　 　 　 　　 ／￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 　 　 　 　|　　 　おｋ。　　　＞
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＿＿／

.

　　　 　 　 　 　 /　 ,′ ,′ /　　　　 j 　　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 ,' 　 ｉ 　 ｌ 　/　 　 　 ,ｲ　　　l
　　　　　　　　 ｉ　l　|　 ￤ ,′ / 　 / j　 ｌ　 |　l　i
　　　　　　　　 |　l　l　 /l　! l /　/厶从-ﾊ　j　j　|　　　　　……なんか、すごいな。
　　　　　　　　 |　l　| ｲ斗┼ﾚ彡ｲ 　 z=ミ, ｲ1ﾉ　j
　　　　　　　　 |　l　乂　,z=､　　 　 〈 ｔ.ソﾉ リ, /ﾉ　　　　　普段は何気なく暮らしていたけど、この江戸の街って、
　 　 　 　 　 　 V乂 （ 〈 じﾊ　　 　 　 　 　 ﾘ／　　　　　　そんな風に、しっかり考えられて造られた街なんだね。
　　　　　　 　 　 ＼(`ﾍ、 　　　　　　　　u /′
　　 　 　 　 　 　 　 ﾞ＼(＼　　 ,_ ' ' _,. 　,ｲ〉〉　　　　　　　 でもさ、それと「 菩薩眼 」ってのには、何の関係があるの？
　　　　　　　　　　　　　　｀_＞ ､ ￣　.イ:イ: ｈ 、
　　　　　　　　　　 　 　 　 ]ト-:r-孑「:.:|:.:.|:ノﾉ　＼_
　　　　　　　 　 　 　 　 ／　＞i､._|| |: :j／＜,　＼　｀＞．
　　　 　 　 　 　 __,.　イ　 ／: : :〉 {{-彳: : : : :｀丶､ ./　　＼
　　　　　　　　　l r-- r＜.: .: .:/　 》　j.: : : : : : : : :./＼ ＼　＼
　　　　　　　 　 j |.: : :j.: .: .: .:/　 /　/: : ○: : : : : ｉ: : : :＼ ＼　＼
　　　　　　　　 /∧: :/――/　 /　/○――――l: : : : :ハ 　＼　＼
　　　 　 　 　 //.:.:.:/ 　　 /　 /　/　　　○　　　｜: : : : : :.＼ 　＼　＼




　　! 　　　 .!　　　　　 !　./　　　　　　　　　/ ,! 　 /　 　　!　　!　　 !
　　!　　　　!　　　　　 !　/　　　　　　　　／ /　　ﾊ　　　　!　　!　　 !
　　|　　　　|　　　　　 ! /　　　　　　, ／　 /　 ./　 ! !　　 |　　.!　　 |
　　|　　　　|　　　　　.!/　　　_ ,, ∠, 　　 / .／　　ﾍ.|!　　.!　　.!　　 |
　　|　　　　|　　　　　.| 　' "〆 　　 ゛　 /／　' '' ト 、!.!　 !　 　!　 　!
　　|　　　　|　　　　　.| ,／=＝＝t、　 ／　　 ,ｨｪ,,_　 .! ! ! 　 /　　 .!
　　 !　　　 .!　　　　 <.K　ﾚ:.,ii,.:ﾘ 　 ／ 　 　´て ﾐc㍉、',!　 / 　　 .!
　　 !　　　　!　　　　　!゜‐ゝ‐　′　　 　　　　 ゝ ',ﾂ ／ !　/　　　 !
　　 |　　　　!　　　　　!　　　　　　　　　　　　 　　 ゜ 　/　/　 　　 !
　　 |　　　 λ　　　　 .!.　　　　　　　　　 |　　　　　　/ ./ 　 　　 !　　　　焦らないの、今から話すから。
　　 |　　　　 !　　　　　!　　　　　　　　　 ,!　　　　　/〆　 　 |　 !
　　 |　　　 !　!　　　　　!、 　　　　t――ｯ　　　　 / !　　　　 |　!　 　 　 さっき、「 この江戸は、天海僧正がよって造られた 」
　　 |　　　 !　 !　　　 　 !　'　、　　　　　　　　 ,　"　!　　 　　 ! !.　 　　　って、できる夫君が言ったけど……
　　 |　　　 !　 .!　 　　　 !　　 ゛　,,　　　　,　 "　　　!　　　　 ∧!
　　 !　　　,!　　!　　　　　!　、　　　'' -ヒ、 　 　　　!　　　 　 ! |!　　　　　皆、天海僧正のことは知ってるわよね？
　　!　　　 !　　 .!　　　　　!　 ゛ト　,,　 .|　 Ｙ　　　 / !　　　　 | |
　 .!　　　 ,!　　　!　　　　　!　　　 .∧ ∧　 !　　　.!　|　　　　 !
　/　　　　　 ／ ヽ　　　 　 !　　 /.! V　!／ヽ　　 !　!　　　　 !

.

　　　　　　　　　　,, -ｲ´ ￣ ｀`ヽ､
　　　　　　　 ,.ｨ'´　 _　,r'´￣｀ヽ､　`ヽ、
　　　　　　,.ｲ　 .,-―ミ ,彡ー ､ 　 ヽ、.ﾊ
　　　 　 ./ .,ｲ."　,ｨ=-､,r‐''''''''`i 　.l　 ｉ　i
　　　　 ,' .::: /i　i:,r'´　　　　U　l 　.l　　ｉ .l
　　　　.i .::::i　l　ll　　　　　　＿_| .　ﾍ,　.i .l
　　　　l ::::::| ,' .::i!　 ,,r'　　　　　l　　　ヽ,ｌ .ﾄ、
　　　　| ::::::ｿ.::::::`i'" _ 　　　　;'´ヽ、　　.ﾞi |.iﾍ　　　　　　　　　えっと……すみません。
　　　　| . ;/.::i:::::::;ｌ " .`　　　　==-‐iヽ.　 l l i. ﾍ
　　 　 ,!.〈.:::::l::;;イ　_,ｨ彡 　 　 　 　 l'’l ,ｲ .ｉ .ｌ . ヽ　　　　　　 徳川幕府の成立の際に、崇伝様と共に、
　　 　 l　ヽ;::l,'.r‐,っ、　　 　 ′ 　 / / iｌ l　l! .lヽ、ヽ　　　　　家康公を手助けしたお坊様ということぐらいしか……
　　　 i! .::､_):ｌ l ﾉ,ｨヘ、_. 　 ` ´ ,ｲ //ﾉ` l　.ｌi　ｌ ヘ、ヽ
　　　 l..:::::｀i:::::l　./＞i　 ﾄ'、－'／.ｌｉ/　 ｨ ! . l.ﾍ ﾍ、 ヘﾊ
　 　 ﾉ.:::/.:::l::､＼　<!ｊ.　.|　〉‐〈　 /ﾄ ｲ ./　ﾉ‐.､＼`ヽ、ｉ.ﾊ
　 .,ｲ.::;ｲ.::: /`ー ヽ ヽ, . | /ｌ:::l∨ｉ／ ／,.ｲ/ ` ﾍ　.ヽ　ヽ　i
. /　::,'::|.::::ｌ　 ’i |i `i　 `i l' .l:::l ,ｲ　 ,´イ i.l　　　 l　　 i l iヽl
.i　 :::i :::::::::l 　 .i ｌｌ...l｀`ヽ! _l:::::i'　l　i l　 ,'.l　　　 i|　　 l ｌ l　l
..V　::l　::::::.l､　 `ｌ| .|　　o.l |:::::l､. ヽｌ.l　 ｌ l　　　,'.l　　,'　/　l





　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　　　 　／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　　　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　 　　　　 まぁ、普通の方はそのぐらいの認識でしょうね。
　　　　　　　　　　　　|　　　　　___'___　　 　　 |
　　　　　　　　　　　　 ＼　 　　`ー'´　　　 ,／　　　　　 　南光坊天海様は、家康公だけではなく、家光公の重用も受け、
　　　　　　　　　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ　　　　　　　 徳川三代に渡って仕えた、天台宗の密教僧です。
　　　　　　　　　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　　　　　　　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　　　　　　　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

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　　　　　徳川家の為にその手腕を惜しみなく振るい、
　　　　　　　　　　　幕府――ひいてはこの江戸の、盤石の基礎を築いた人物です。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 , ､
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / "＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 !　.!　..ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l　 .|　　ｌ,
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:::::;　　;:, ;:;';:::::::::::::::::::;'　　　　,:::::::::::.|　　　l　　　 !.,..'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;　'
::::::,　　';' ;:, ';::::::::::::::;'　　　　,'::::::::::::.!　_..-''"ﾞﾞﾞ''ｰ l:、.:::::::::::::::::::::::::::::::::;　'　　 　 ,　 '
:::::::',　　, ';'　;::::::::::;'　　　　 ,:::::::::::::::!ぐ ._.. -―-..,| |､:::::::::::::::::::::::;　'　　　　 ,　'　　 ,....
';:::::::',　　, ;　 ,::::::::;　　　　　;::::::::::::./"|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l .|:ヽ.:::::::::;　'　　　　　 , '　 ,....'::::;　'
　;:::::::,　　' ,　 ,::::::;　　　　　 ,::::::::./ｌ　.|;:;:;::;:;:;:;:;:;:;:;! .!;;.ヽ . '　　　　　　　' ,...'::::;　'
　 ';::::;'　　　,　,::::::;　　　　　 ,':::::./ |　 !'､;:;:;:;:;:;:;:;:;｝　!;;; .ヽ 　 　 　 . ,....':::::;　'
　　',:::',　　　'　,:::::;　　　　 ,':::; '/ノl　 .!.,ゝ:;:;:;:;:;:;ﾉ|　 !;;;;.-,ヽ　　 ,...':::::; '　　　　　　,...::
　　 ',:::,　　　　 ,::::;　　　　 ,:' ,/"　! .| |..!;;;;;ﾞ''‐''";:l│.!;;;/´｀'ヽ.':::;　'　　　　 ,....::'::::::::; '
',　　 ' ;'　　　　 ;:::;　　　　　./ 　 │ ! | .!;;;;;;;;;;/ ､| .! .| ′　　ヽ 　 　 .,.....':::::::::::::::::::::;
:::'.,　　　　 　 　 ,:::,　　 　 ./　　　l　.|｜ ｌ.;;;;;;/ / ! .!　l．　　　　ｌ.,　',　' ',:::;::::::::, '
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　';::',　　 　 　 　 ;::,　　　,.ｌ　　　 !　 | .!　　ｙ / 　!　!　.）　　　　　!
　　' ',　　　　　　 ;:;　　.../　　　 ｀'''； .|　 / /　　!　ソﾞi　　　　　　ｌ
;:'..,　　'　　　　　　 ;　　./　　　 .／/ｰ"./ ./ 　　{-'";;/- 、　　　　 ｌ
　' '.,　　　　　　　　;　 / 　　.／　 .`t'" ／ , ......;;;;;;;;;.,/　.｀､.　　　　 ｌ
　　　' ,　　　　　　　,./ 　 .／　 .／　!./ 　 　 　./'''"　｀;;､　ヽ.　　　 ﾞｌ,....', '
　　　　 ' ,　　　 　 / 　 ,./ 　／;;ﾞ'┐ .ヽ　　 ..／　...!'"　 .＼ .ヽ.　　　 ｌ.'::::::'::;:::' , '
　　　　　　 　 　 / 　.,r" ,,イ‐ ｀ . ,.ｌ,　 .`ｯ／　　/ 　　　　 .＼ .ヽ　　 .ヽ...'
　　　　　 　 　 / 　　゛.／　　　　 .!;;ﾞl　././ 　　i′ 　 　 　 　 ヽ. ＼　　.ヽ;'::,_,
　　　　　 　 .ノ ／ 　/ 　　　　　.'ﾞ;;;;;.ｌ,.i"|,._,..-个-　　　　　／　 ＼ `　　 ＼
　　　 　 _,,-＿__,,,./ 　　　　　 ."　_.. 　lゝ;;;;;;;;ｼ′ .＼ _,,,./ 　　　　.,ﾌ-､＿___,ﾞ;;;;､
　　　 　 .´　　　　 .￣￣￣￣￣゛　 .｀ﾞﾞ´　 　 　 　 　 　 ￣￣"''"

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　江戸幕府成立の枢機、江戸の街割りの決定などに深く関わり、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　また、上野に寛永寺を創建したことでも有名ですね。

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　　　|　 i　_.　-: |　　 |　 . : : : / / . :/　　 　 |: i: :　i　　　　　　　　: : : : : :|: : : : :
　　　|. ィ　　　 : :!　　 !　: : : /7' . :７￣￣　 ┤|: :　|　　　　　　　　: : : : : :|: : : :
　　　| ﾊ 　 　 : : '. 　 l　: : : j/ : ／＞､ 　 　 :l: ﾄ､　|　　　　:|　　　 : : : : : :!: : : :
　　　| | |　　　 : : '.　 |　: : / :／,≧＝ ､__　　:l: :!: : !　　　　:|　　　 : : : : : :|: : : :
　　　| | l.　　　 : : ﾍ　V: /／　　　　　 7_r`＝ｌ: :|!: l　　　　: !　　　: : : : : : !: : : :
　　　l, ! ﾍ　　　: : : :＼: :/　　　　 ｀ ーゝ≠'"ﾍ: :ｌ､|　　　. : |　　　: : : : : : j!: : : :　　　　　　そうね……できる夫君の言う通りよ。
　　　 l,|　ﾍ 　　 : : : : : 〉'　 　　　　　　　　 　　 '. : !　　　: : |　　　: : : : : :'l: : : : :
　　　　|　　ヽ. 　 : : :／　　　　　　　　　　　　　 ∨|　　　: : |　　 : : : : : :': |: : : : :　　　　　 ただ、天海僧正は、単に江戸の街の
　　　　 　　 ト　　／　　　　　　　　　　　　　　 　 V　　　: : l　　. : : : : : ': :!: : : : :　　 　 　 成り立ちに関わったというわけではないわ。
　　　　　　 i　　｀＼　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　. : :l　　. : : : : : ' : |: : : : :
　　　　　　 l 　　　: :ヽ　　　　　　　　　　　　　　　i　　　: : :!　 . : : : : : ': : :|: : : : :
　　　　　　 |　　　: : : i､　　　　　　　　　　　　 　 ′　 . : : .' 　. : : : : :,': : : |: : : : :
　　　　　　 |　　　: : : : ｀ゝ-- ､__ ,　　　　　　　 ,′　. : : :.′ : : : : : /: : : : !: : : :
　　　　　　 |　　　: : : : : ヽ　￣￣ 　 　　　　　/　　. : : :/: . : : : : : /: : : : : |: : : :


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　　　　寛永寺をはじめ、寺社を造り、位置をずらし、
　　　　　　　　　時には、その名を別の物に変えていったりもした。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,
　　　　　　　　　　　　　　　 　 _〕ﾖ三二ニ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ニ二三E〔_
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∧''　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ''∧
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾍ
　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　i※i　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　_,,.　イ　　　　　　　　　　　　　　,.　_≦二二≧_　、　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｀' ー‐.,,_──────
　.,,..,,_ 　-‐ ''' "´　　　　　　　　　　　　　　　,. 匕'´ ,. - ､　　 ,. - ､｀㌧　.,　　　　　　　　　　　　　　　　　｀" ''' ‐-　_,,..,,.
　 ｀ヽ、｀~~¨ﾞ"Tニニニニニニニニﾆ'孑匕少´彡'ﾞ　　　 ￣　　　 夊 个ｰ-下ﾆニニニニニニニニニ"Tニ"¨~´‐''"´
＿＿＿｀''__‐-_!imm┼mm┼mm┼mmﾞｰ‐'壬ｪ三三ｪ三三三ｪ三三ｪ㌧─''ﾞmm┼mm┼.mm┼mmni|三三干三‐干‐
互互互互互EI!lIIIIII⊥IIIIII⊥IIIIII⊥IIIIII⊥IIIIII| |.三三三三三三三.| |IIIIII⊥IIIIIIl⊥IIIIII⊥IIIIIIl⊥IIIIIIIIll,,,,,,,,,,,⊥,,,,,,,,⊥,,,
＿_|＿＿|＿＿!|::::ll;;;||:::::ll;;;;||:::::lｌ;;;||:::::ll;;;;||::::::ｌ | |:::::::ｌ|圭圭圭圭|l::::::| |::l l;;;;||:::::ｌl;;;;||:::::ｌｌ;;;||:::::ｌｌ;;;;||::::::ll;;;;l|::::::ll;;;;||:::::ll;;;;||::::
:ｌ l;;|::::l l;;;|:::::l l;;!|::::ll;;;||:::::ll;;;;||:::::,ｌ仝､:::ll;;;;||::::::ｌ | |:::::::ｌ|圭圭圭圭|l::::::| |::l l;;;;||:::::ｌl;;;,ｌ仝､ｌ;;;||:::::ｌｌ;;;;||::::::ll;;;;l|::::::ll;;;;||:::::ll;;;;||::::
:ｌエｌエｌエｌエｌエ!|≫≪!≫≪||≫]:o:[≫≪||≫<:| |:::::::ｌ|圭圭圭圭|l::::::| |≫≪|:≫≪]:o:[≪||:≫≪||ﾞ≫≪l|ﾞ≫≪|l:≫≪!!≫
＝＝＝＝＝＝三三三三三三ﾞTTﾞ三三三三:! !____ｌ|圭圭圭圭|l___:| |;;三三三三ﾞTTﾞ三三三三三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｰ-‐'　 '＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝｀　　 ｰ-‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//ﾆニ;　￣:＿_',.',
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /,/ニニ;;;;;;;;;;;:''''''''', ',

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そうして、この江戸に、荘厳な曼陀羅ともいえる
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『 結界 』を敷いていったのよ。

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　　　/ 　　 　 /　／　　　　　 ,　ﾊ　 ヽ. ! 　 　 　 　　',
　　 ,'　　　　 ,'　/　　　　　　,ｲ /　',　　`i　　　　　　　 !
.　　ll　 　 　 i ./ /　　　　／/ /　　ヽ.　 l　l　　　　　　l
　　lll 　 　　 !/ / 　 　／　/ / 　 　　ヽ､!　!　 　 　 　 l
　　lll 　 　 　!.7￣ﾆ≠-､ //_ -__――_-l　l　　　l　　 .l
　　lll　　 l　 l i　''又辷ｧ 〃　 ´'¨弋辷ァl　l 　 　l.　　 l　　　　　　それで、ここからが本題。
　　lll　　 !　 l ! ./　 ￣ / 　 　　　`ー－1 .l　 　 !　　 l
　　lll 　　l 　 !ｌ ハ　　　　l 　 　 　 　　　l　l 　　l 　 　l　　　　　　 これは、正式な記録には無い話なのだけど……
　　lｌl　　 l　　l/　l ', 　 　 !　　　　　　　 ｌ　l.　　ｌ　　 ,'
　　lｌl　　 .l 　 l　 l l_ヽ、　 ` ､＿__　　 　l　l　　l　　 ,'　　　　　　　天海僧正が、江戸の街を造り上げるときにね、
　　ll !　　 l　　l／ 　｀`ヽ 、 　￣ 　 　, ｲ .l　　!　 .∧　　　　　　　ある女性の手助けがあったといわれているわ。
.　　ll l　　,, -''´　, ￣ l　l l lヽ､　　 ／　.l　l　 .l　 ,':::::ヽ、
　　_.! -''´　　　 /-‐ ｨl　l l l｀l　｀T´`ー:1　!　 !　,'::::::::::::
￣:/　　　　　 ノ　　''´し'ﾉﾉ /):::/O｀ヽ ::l　l　 l　,'::::::::::::::
:::::{　　　　　　　_,, - '' :::::｀Y:::::::i: : : : :}:::l　l　 ! ,'::::::::::::::::





　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　／　　 　 　＼
　　　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
　　／ 　　 （●） 　（●） ＼
　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　ある女性……？
　　/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
　　.＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　＼ ／＿＿＿ ／

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　　　　その女性は、まるで目に見えるかのように
　　　　　　　　　　龍脈の流れを詠み、土地の性質を見抜いたというわ、

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━━━━━・━━━━━━…━━━━━━━━━━━・━━━━

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それどころか、時に『 龍脈 』の流れそのものを変え、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　別な場所に『 氣 』を導いたりもしたらしいわ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━・━━━━━…━━━━━━━━━━・━━━━…━━━━━

.

　　　　　　　　　　　　　　　 人
　　　　　　　 ／￣￣＼　　　　て
　　　　　　／　　 _ノ　　＼　　　〈
　　　　　　|　　　 （ ○）（○）
　　　　　.　|　　U　 （__人__）　　　　　　　はぁっ！？　ちょ、ちょっと待てよ！
　　　　　　 |　　　　　|r┬-|
　　　　　.　 |　ι　 　`ー'´}　　 　　　　　『 龍脈 』の流れを変えるって……
　　　　　.　 ヽ　　　　　u 　}　　　 　　　　そんなことできるのかよ！？
　　　　　　　 ヽ　　　　　ノ
　　　　　　　　/　　　 く　　＼
　　　　　　　　|　　　　 ＼ 　 ＼
　　　　　　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)､




　　　　　　　　　　　　　　　 　　　／￣￣￣＼　　　　 　 　　　 そんなことができれば、吉凶を占うどころか、
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ノ　 　 ＼　＼　　　　　　　　自ら吉兆を生み出すことができますよ！？
　　　　　　　　　　　　　　　 ／u　（●） 　（●）　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　__´__　　u　　 |　 　 　 　　自分の都合の良いように、『 龍脈 』を操り、
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 　　.L:::::ﾉ　　　 ／　　　　　.　 その恩恵を受けることができるということでしょう！？
　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　u　　　　　　 　 ＼

.

　　　　　　　　　　　　 rｭｨぅ斥ぅ‐┴'ミ､-.､
　　　　　　　　　　 . : : :´:ヽ_}ｧ' :―-. . ､ マてぅ、
　　　　　　　　 ／／二: .ヽ:/._:_: : . ヽ: :.ヽ ヽとぅ､:,
.　　　 　 　 　 { : {'斗,ｨミﾐ､{/彡ミ:ヽ､ : : : .＼＼とぅ:,
　　 ＿＿＿_ノ}ヽ{ :´/　　　 　 ｀ヾﾐ: :} :}: : : :.}ｭ Vとぅ:,
.　　{f´￣￣／. : }:∨,ノ　　 　 ヽ、｀y.:/. : i: :frぅ ﾄ､／｀7
...　ﾉ′ 　 / . : ノ}: :}xミ､　　　　　 ｀{: {: : . ヽ:|ぅj |/ｧ　 {{
.　　　　　 ヽ{: : : .ヽ:{ {rﾊ　　　,x=ミ､V:.、: : :｀ミヽﾚニア
　　　　　 　 }: : : :ノｲ Vｿ　　　 {r' ﾊ }ﾄ､ヽ : . ヽ:ヽ:}､＼=ﾆ二 ｀ヽ
　　　 ､＿_ノ: ﾉ:(: }: |　 ､　　　　｀¨´　{: :ヽ}､: : : } }} ｝　ヽ､　　＼|
　　 　 ｀＞ :´: : ノ.:人　　r ､ 　 　 u ._〉､: j: } : : } {! ヽr:<´:＼　 ′　　　　　　まさか、それが……！？
　　 　 /ｲ/. :／. :ｲ: ｉ:.＼ ｀´　　　...イ:} ﾉｲ ﾉ. : ｲ{:｀ : :{之)､:. .＼
.　　,.ィゝ{{ : :{: : (:.{: :{: : :ｉ｀: :iﾁ´　 　 y. :／. :/.:.{:{: . ヽ: ｀:之) : . ｀ヽ､
,ｨﾁソ^＾´＼: ヽ:_｀ー ｀: :{ : r}｀ー= ´ ! /{: { :{ : : ヽ: : : .＼‘之)､: : : :
.´　　 　 ,ｨ彡'´.:／´￣￣ ｀＾ゝ-=＝'|'　{: {ヽ}: : :ノ. : : : : : : :‘之)､: :
..ﾆﾆニ彡´/了7　　　 ＼　　　　　　 ヽ ヽ:ヽj: : : : : : : : : : :', : :‘之)､:
　 ／. : : /　｛ {　　　　　 ヽ　　 ＿＿＿　 ｀ー-　: : : : : : :.:.',: : :‘之)





　　　　　　　　　　/　l　　　 |　　/　　　 ／　　 / /　| l　　　|　　　　 |　|.:.|
　　　　　　　　　　!　 !　　　 !　 ,'　　 ／　　　 / /　 ヽ＼　 .!　　　　 |　|.:.|
　　　　　　　　　 ｌ　 ｌ　　 　 l　/　_／-ｰ　　 / /ｰ─-弋.＼.|　　　　 |　|.:.|
　　　　　　　　　 |　 ｌ　　　　!,.lｨ'ﾞ/　__,. -　 / /　-- ､,__ ヽ　|　　　　 !　!.:.:!
　　　　　　　　　 l　 l　　　　 | ／二ｪ=ｰ､ /／　　ｨ＝=ミ､ ＼!　　　　ｌ　.l.:.:|
　　　　　　　　　 |　 |　　　　 |ﾒ<ｲ r:'::ﾉ:iﾉ/　　　　 ､f:Y::ﾊ ｀>|　　 |　 |　 !.:.|　　　　 ええ――その女性は、天海僧正や
　　　　　　　　　 | i　!　　　　 !　 ｀￣´ 　　　,　　　　　￣´　 |　　 |　 !　 |.:.:|　　　　周りの幕府関係者から、こう呼ばれていたわ。
　　　　　　　　　 | |　',　　　　ﾄ,　　　　　　　 !　　　　　　　　 |　　 |　 !　 |.:.:.|
　　　　　　　　　 | |　 ', 　 　　ﾄ、　　　　　　　　　　　　　　　l　　 l　 l　 ｲ.:.:.|
　　　　　　　　　 | |ヽ　i　　　 ゞヽ　　　　ｰ──,.ｧ　　　　 ,ｲ　　 l　 !　　|.:.:.:!
　　　　　　　　　 | | |　 ',　　　 |　 ＼　　　　　　　　　　 ／/　　 l　/　　 |.:.:.:|
　　　　　　　　　 ', l l　 ヽ　　　ヽ　　 ヽ、　　　　　　／!　 !　　 / /　　　|.:.:.:.!
　　　　　　　　　 ﾊ',|　　',　　　 ',　　　　!ヽ､ ,_,. ｨ '´　 |　 |　　 ! /　　　 |.:.:.:.|
　　　　　　　　 /.:.:ヾ　　ヽ　　　ヽ　r=ﾆ!　　　　　　　ﾙ、l　　//　　　　 !.:.:.:|

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ　　　／｀ヽ
　　　::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　::::::::::::::::::::::　　　 :::::::::::::::::::::::::::　　　 ::::::::::::::::::::::: | i　／　／
　　　　　::::::::::::::　　　　　　　　　:::::::::::::::　　　　　　:::::::::::::::::::::::　　　 :::::::::::::: 　 . | ﾚ'　／　　　_＿j|＿
　　　　　::::::::::::::　　　　　　　　　　::::::::::::　　　　　　 :::::::::::::::::::::　　　　:::::::::::　 ／　　く　 　 　 ￣/｢￣　　　　　　　　ォ　　ｫ　　．
:::::::　　　:::::::　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::　　　　　　::::::::::::::::::::　　　　　 ::::: .／／1 .へ.＼　　　 / l|　　＿j__　　才
::::::::::::　　::::::::　　　　　　　　　　　::::::::::::　　　　　　　　:::::::::::　　 　 　 　 　 `　　 | | 　 ＼＼　 　 　 　 ／|
:::::::::::::::　　　 　 　 　 　 　 　 ―――――　―　　 　 　 　 　 ―　　　　 　 .::::::::| |　　　 ＼＼
:::::::::::::::::::::::　　 　 　 　 :::i|三三三三二≧土一-,,,.　　　　　 　 　 　 ﾞ ヽ.:::::::: 　 |_|　　　　　＼＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::.r'洲＼仆三三ﾆ＝￣￣￣ ''¨¨＝三≡辷　　　　　　　 ＼ 　 :::::::::::::　　　　..＼ヾ
:::::::::::::::::::::::::∧州洲州¨丶: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　¨¨气辷廴 r'／　　 ヽ:::::::::::::::
:::::::::::::::::::::.＼∧i|州i¨|: : : :　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀气辷.:::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::..,〃洲州Ⅳ¨: : :　　　　　　　 　 　 　 ,　 ―　　　　　　　　　　　气＼　　 :::::::::::::::
:::::.∠彡洲孑: : : :　　　　　　 　 　 　 　 ／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; : ｀ヽ　　　　　　 ヾ　＼ヽ:::::::::::::
::::::::::::.＿ヾ爪: : : :　　　 　 　 　 　 　 〃;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ; ;丶　 　 　 　 ∨::::::::::::::::::::::
　　　...⌒ ヾ弋: : : :　　　　　　　 　 /;:;::;:;:;:／/////ﾊ＼.;:;:;:;:;:;　　　　　　　!.::::::::::::::::::::　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　 　 　 .ヾ弋: : :　　　　 　 　 　 .:;:;:;:;.//////○/ﾉ　ﾍ..;:;:;:; ',　　　　　　 　 　 　 　　　　 l　 　 　菩薩眼の女――とね。 　 　　l
　　 　 　 　 ⌒ 气　　　　　　　 　 {;:;:;:;　!////,ｒ - "　　 i . :;:;:;:}　　　　　　　:::::::::::::::::::: 　　 ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ
　　 ::::::::::::::::::.⌒ ヽヾ　　　　 　 　 .',　　 V///ｉ　○ 　 . ﾘ 　 .//　　　　　 ;;;;;;;:::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::　　｀ヽ　　　　　 　 ',　　 .｀マ_ゝ ＿_ . ｲ　　 　 　 　 　 イ.::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::　 　 　 　 　 ,　　　　 　 ＼　　　　　　　　 ／／　　　イ　　::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　:.⌒ ヽ　　　　　 ヽ　 ＿ 　 ,　 ´　 、＜　 　 ::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　 ::::::::::::::::::　　::.ー ―――― 　`　　　 　 ::::::::::::::::::::::::;;
:::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　:::::::::::::::::　　 　 .￣ ￣￣　　　　　　　　::::::::::::::::::::::;;;
　:::::::::::::::::　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::　　　　 ::::::::::::　　　　　　 :::::.::::::::::::::;;;;;;::::
::::::::::::::::::::::　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::　　　　 :::::::::::::::::　　　　　　 ;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　 ::::::::::::::::::　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　:::::::::::::

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　＿＿＿_　　　　　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　＼　　　　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　ヽ、　 　_ノ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 （●） 　（●） 　 ＼　ｎ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 U 　 （__人__）　　　　l^l.| | /）
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　|i||||||i|　　　／| U ﾚ'/／)　　　　な――っ！？
　　　　　　　　　　　　　　　　γ⌒　　 　｀ ー'´　　　　ﾉ　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　j　　　　　 　　　ｒニ 　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ l 　　　　　　　　　 !ヽ､_,__／




　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ○) (○）
　　　　　　　　　　　｜ U　　（___人__）　　　　　　　　 ……そういうことか。
　　　　　　　　　　　 .|　　　　　　　__ﾉ__
　　　　　　　　　　　　|　　　　 _／ ___＼ヽ_　　　　　　ようやく、話が繋がったぜ。
　 　 　 　　 　　 　　 人､ 　　'-／____ ヽ　 |
　 　 　　 　 　　 _,／(　ヽ､　 __'-〈 、 ヽ　　|
　　　_, ､ -― ''" :l : :.＼　 ヽ,､.ﾞ,/ヽﾉ}　　　ﾄ､
　　/. : : : : : : : : : :|＿: :.ヽ､ ∧:::〈ヽﾄ{　　　〈j)、
　丿: : : : : : : : : : : : ／: : :.∨ |:::::', |: ゞニﾆ彡〉,
. i : : : : : : : : |: : : : : ＼ : : : `､|::::::|,|:〈: : : : : : : ∧
/. : : : : : : : : !: : : : : : : ＼ : : :.'､:::::| : 〈: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : : |: : : : : : : : : ＼: : :'.,:::|: ;∧: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : 丿: : : : : : : : : : :.＼: :V:./-∧: : : : : : : : v
: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : ﾚ : : : ∧: : : : : : : :}

.

　　　　　　　　　 /　./ ／　　　　　 , '　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ
　　　　　　　　　i　 //　　　 , - ／ ,イ　　l　　　　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　　l　//　　／ ／ ／ //　　i　　　　　　|　　　　　　　 i
　　　　　　　　　 i〃 ﾆZ ／ - '　 //　　 /　　　　　: :l　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　Vｲﾌ／' ´`丶　i,ｲ　　/　　　　 . : : i　　　　　　　 l
　　　　　　　　　 /〉 `　　　-ﾐヽ`ﾄl.l　　/　　　　 . : : :i　　　　　　　 l
　　　　　　 　　/ r '´　　　 ､じ,､.l llヽ /　　　　. : : : :/　　　　　　　 l
　　　　　　　 /　 l　　　　　　ヾ ,ゝ､l./　　:　　. : : : :/　　　　　　　　i
　　　　　　　/ 　 lヽ、　　　　　　 l ｿ　 . : 　. : : : : ｲ　　　　　　　 　!　　　　 ……伝えられている話では、『 菩薩眼 』とは
　　　　　　/　/ : :l　 `　　　　　　/　. : : : . : : : : :/l　　　　　　　　/　　　　　万物の『 氣 』の流れを詠み、導く力といわれているわ。
　　　　　　'　ｲ : : :l　　　　　　　/　. : : : . : : : : :/: l　　　　　　　l/
　　　　　.,'　/l : : : :丶 ､ 　　　/　. : : : : : : : : :/: : :l　　　　　:l　 l　　　　　　 人間や動植物はもちろん、大地の『 氣 』さえもね……
　　　　　.l / l : : : : : :/: :7 ＞/ . : : : : : : : : : /: : : :l:　　　　　l　 l
　　　　　l / .l : : : : : /: :/〃/ . : : : : :/: : :／.: : : : :i:　　　　　l:　 l
　　　　　l/　 l: : : : :./: /〃/ . : : : : :/: :.∠ﾍ: : : : : l: .　 l　　:ﾄ; 　l
　　　　　l　　 l: : : :〃/ 〃/: : : : :／: ∠.......ﾍ.: : : : l: .　l　　 l l:　 l
　　　　　l　　　l: :.//ノ /,=i: : : :／: ／-－-ﾆﾍ.: : : :l: . .l　　 :l l:　 l
　　　　　　　　 l /i/　／ l: : :／: ／　　　　　　ﾍ: : : l: . l　. : :l l: 　l





　　　　　　 　.::::::::::::::::::/:::::/::::､::::､:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　 /:::::::::::::::::/::::::;:::::::::::＼＼!:::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::ヽ
　 　 　 　 /:::::::::::/:::/::::::::ｉ:::::::|:::::::::>::＼::::::ｉ:::::::::|::::::::::::::::::::ハ
　　　　　/:::::::::::/::;ｲ:::::::!::|::::::::l:::::/::;ﾍ:::::＼:|::::::::|:::::::::::::::::::::::::i
　　　 　,;:::::::::::;::::::ｉ:|:::::::|::::!::::::::!::;::::ｉ　ﾄ:;::::::::!:::::::|::::::::::::':::::::::::::|
　　　 　l:::::::::::l:::::::|l!::::::|!::::ﾘ;::::::i､::::|　 　＼,:::::::::|:::::::::/:::::':::::::::l
　　　　 |:::::::::::|:::::,!ｨ';::::ｉ!::/　＼:! ヾ|　　 　 ＼::::!::::::/:::::/::::::::::l
　　　　 ﾘ;:::::::::|::::ｉ::::ヾ;ﾙ'　　　　　,　 -‐=ﾐ 　 ヽ!:::/:::::/::::::::::,;|
　　　　 l;;;:::;;:::ｉ:::|Y⌒'ﾘ　 　 　 　 ィｆﾁﾃＸ､　　　Ⅵ::::/::::::::::/ﾘ
　　　　 ':;:;:;:;;∧:l:!　　　　　　　　　!:::っ! ,j〉　　　　∨:::::::::/::ハ
　　　　 ∧';;;l::::ヾゝ-'　　　 　 　 　 ｰ ''　　　　　 -=ﾍ::／:::/　ﾉ
　　　／　 ＼ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｨこＹ:::::／
　 /「　　　　 ＼　　　:.　　U　　　　　　　　　　　 ｰ厶イ
　 　 ＼　　　　 ＼　 :::..　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　万物の『 氣 』って……
　　　　 ＼　　　　 ＼ :::::..　　　　　　　　　 ...::'　 ｲ
　　　　　　＼ 　　　　＼::::＼　　　　　 ‐　ｧ　／　　　　　　　　それって、とんでもない『 力 』なんじゃ……！？
　　　　　　　 ＼　　　　 ＼:::::＼　　　　　. イ
　　　　　　　　　＼ 　　　　＼__:≧ー　´
　　　　　　　　　　 ＼　　　　　 ／

.

　　　/　　　　　　 ./ /　　　　　　　 /　　　　 ヽ　　　　　ヽ　　 ヽ
　　 /　　　　　　 .i ./　　　　　　　／|　 i　l　　ヽ　　　　　ヽ　　 ヽ
　　/　 /　　　　 .i /　　　　　　.／　l　.ﾊ　|.　　ヽ　　　　　 i.　　　i
　 i　　/　　　　　l./　　　　　.／　　l　/ !　|　　　l　　　　 　 l　　　|
.　l　　i　　　　　 |!　　　　 .／　　　l. /　l　|i 　　 l　　　　　　l　 　 |
　|　　|　　　　　 ||.　　　 ／ 　　　/ /　　ｌ |i＿　 |　　　　　　ｌ　　 |
　|　　|　　　　　 |!　,,,-ナ''''''- 　 / /　''￣ｌ lヽ ｀`|　　　　　　l　　 |
　|　| |　　　　　 | '''　/ -ー-､　/ /　　"￣ヾ'''-　.|　　　　　 |　　 l
.　l　| |　　　　　 |.　/,,o-''jTヽ /./　　　"`６ヾ-､　|　　　　　.|　 　|
　 l　| |　　　　　.| ＜弋-;;ソ　//　　　　 弌ﾆ乂 ＞　　　　　|　　.|
　 l .| l|　　　　　|/ 　 ` 　 　.〃　　　　　　　　 ヾ､|.　　　　　|　| |
.　 l | !|.　　　　　l ヽ　　　 ／　　l　　　　　　　　　|　　　　　|　 | |　　　　　 そうね……前にも言った通り、「 氣 」とは、
.　　l|　|　　　　　 ﾄ､ヽ.　　　　 　!　　　　　　　　　l　　　　　|.　 |.l　 　 　 　 万物の「 生命力 」そのものとも言えるわ。
　　 |　.|　　　　　 |. ヾ､　　　　　＿＿＿　　　　　|　　　　　! 　 |!
.　　　　|.　　　　　| 　 ヽ　　　　ヽ､,,,,,／　　　　ノl　　　　 /　 　 l
　　　　 l.　　　　　|　　　丶　　　　　　　　　／! .l　　　　 /　　　 |
　　　　/l　　　　　|　　　　　`i ､　　　　,,　´　 l .l　　　 | /　　.|　 |
.　　　 i　l　　　　　l　　　.r､ーl　｀'' - "　　　 .lｺ　　　 l /　　 |i　 |
　　　 |　 l　　　　　l　　 /　`-!､,,　　_ ,,　- '''　.l　　　 l/　　　 |i 　|
.　　　|　　l　　　　　l. ／　　　 /ヽ-/ i　　　　 l　　　 /　　　　l .i　 |
　　　|　 　 l ヽ　　　Ｋ　　　　/ l　　l　ｌ　　　 .l　　　/､,,,,,,　　　l　ｌ 　|

.

:::::;　 ';:, ';:::::::::::::::::::::::::;　　　　,'::::::::::::::::::::;' ,'　,'　　　 ,..'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;　'
:::::;　　;:, ;:;';:::::::::::::::::::;'　　　　,::::::::::::::::::::;' ,' , '　　 ,..'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;　'
::::::,　　';' ;:, ';::::::::::::::;'　　　　,':::::::::::::::::::;' ,' ,'　　 ,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;　'　　 　 ,　 '
:::::::',　　, ';'　;::::::::::;'　　　　 ,:::::::::::::::::::::',':;'　　 ,.':::::::::::::::::::::::::::::::::;　'　　　　 ,　'　　 ,....
';:::::::',　　, ;　 ,::::::::;　　　　　;::::::::::::::::::::::;'　 ,..'::::::::::::::::::::::::::::;　'　　　　　 , '　 ,....'::::;　'
　;:::::::,　　' ,　 ,::::::.／ヽ　　　i⌒yヽ、::;'　,..':::::::::::::::::::::::::;　'　　　　　　　' ,...'::::;　'
　 ';::::;'　　　,　,::::::.ヽ　　ゝ_ノ　　i　/.:::::',.'::::::::::::::::::::::::; '　━━━━━━━━━・━━━━━━…━━━━━━━━━・━━━━
　　',:::',　　　'　,:::::;　ヽ　　　　　　　ヽ、::::::::::::::::::::; '
　　 ',:::,　　 　 ｒ-‐‐ｆ／　　　　　　　　 ヽ.::::::::::::;'　　　　　　　　　それを操れるってことは、万物の生き死にまで
',　　 ' ;'　　　 .ｉ　　 iｌ　　　　　　　　　　　i　__／ `y　　　　　　　　　　　　　　　　　支配できるといっても、過言ではないかもね。
:::'.,　　　 　 　 ｉ　　 il　　　　　　ｉ⌒ー⌒￣　　　乃
';::::', 　 　 　 ｉ　　　iｌ　　　　 　iｌ／　　　　　___〈__)　ヽ'　 .━━━━━━…━━━━━━━━・━━━━━━━━…━━━━━
　';::',　 　 　 iｌ　　　ヽ　　 　　 /　　　　　 il　　　,.／ヽ
　　' ',　　　 .iｌ　　　　 ＞ ー y/　　(二ヽ　iｌＹ'"´　 メ__　　　　.,
,ィ⌒ヽ　　　ｉｌ　　　　　 　ﾉﾉ 　〉　　　　ヽヽil　　＜　　　｀ヽ.;' '
',　　　 ':,　 iｌ　 　i　　　〃__／　　　　　　ヽヽ、　　ヽ｀ヽ（(_)）
':, 　 　 ':,　il　　Ｖ　　//　　ヽ、　　　　　　〃ヽヽ　　ヽ '　　　　　　, ,......', '
　i':.　　　 iil　　　ヽy〃　　　　i｀ヽ　　　　〃　　ヽヽ　　ヽ　 .,....::'::::::::::::'::::::'::;:::' , '
　:i::::.　　 .{　　　, -- ､ 　 　　　　,ィ二ﾆヽ　 , -- ､　　　, -､.:::::::::::::;::::;　'　'
　::':,:::　 　': 　/:::::｀ヽ',　　 　 　//::::::::::/ 　 /,'⌒:::! 　./ .::::,' . '　'　,':::;':::;':::;'::,_,
　　',::.　　　>':::::::::::. '/　　　　/:::ヽ::::::/　　,' :::::::::::!　/　.:::::i
　　i:::　　/:::::::::::::　 /　　 　 / ::::::::::::/　　,' :::::::::::::!　i　 ::::::',
　　ヽ;:. /::::::::::::　,イ､_　 　 /::::::::::::::/　 　! :::::::::::::i　 !　 :::::::i
　　　　ヽ:::::::::::　/ヽ　 ｀ｰ/ :::::::::::::/、　　! :::::::::::::!,ｨ　　::::::,ｲ
　　 　 /::::::::::.　/　 !　 ,ィ ::::::::::::::/ .￣￣! ::::::::::::|　 ..:::::／
　　　〈:::::::::::::../::...::::::::/..:::::::::::::::/｀ヽ'´　 ...:::::::::::!:::::::／
　　　　｀ ー--ﾊ:::::::::::ヽ::::::::::::::::::. /...::::::::::::::::,:／::::;ｲ
　　　　　　　　/ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,イ::::::::,:ｲ

.

　　　　.　 i /　　　 /./　　　　　　／i　.ｌ　　　　　　　　　　　 i　　 　 l
　　　　　 | i　　　 i /　　　　　 ／ /　/l　　　　　　　　　　　　ｌ　　　 |
　　　　.　| |　　　 l/　　　　 ／　 /　/ |.|　　　　　　　　　　　 |　　　 |
　　　　　| |　　　 / ー- ､／　　/ ./　 l l　　　　　　　　　　 　.|　　　 l
　　　　　ｌ .!　　　i　_　／_`ヽ　/./　　 l .|i　　　i　　　　　　 　 |　　　|i
　　　　.　i |l　　 .| ヽ戈ゥ,ミ ./／　'''ーl､|.i.　　 |　　　　　　　　!　　 .|l
　　　　　 i l.l　　 l /　ー―'／　　　'`ヽ i iヾ､ .|　　　　　　　 .|　　　| l　　　　　　そうね……自分の住む土地に『 氣 』を集め、
　　　　.　 li .i　　|/ﾊ　　／ i　　　 ´弋ｚ､ヽ＼.|　　　　　　 　 | 　　|l　i　　　　　　富貴を呼び込んだりもできるでしょう。
　　　　　　|　i　　　ﾊ　　　./　　　 　 ＼ﾆヾヽl　　　　　　　 l　　　l l　ｌ
　　　　　　　 ヽ　　 ﾊ.　　　　　　　　 　　　ヾ| `　　　　　　/　　　　|　|　　　　　 逆に、、敵対する者の土地から『 氣 』を奪えば、
　　　　　　　　 >i　　　＼　 ､　　　　　　　　 |　　　　　　　/　　　　 .|　|. 　 　　　植物が枯れ果てる、不毛の土地に変えられるわ。
　　　　　　　/´ |　　　　 ＼　` ー--　　　　|　　　　　　 ./　　　　　 |　|
　　　　　　 /　 |　i　　　　 |.＼　　　　 ,,　- |　　　　　　 /ヽ　　　　　.|　.| 　　　　あるいは、己の『 氣 』を操作してもらうことに
　　　　.　　i　　.| .|　　　　 | //|` -､''　　　 l 　　　　　 / ヽヽ、　　　　i　 i　　　　よって、寿命を長らえさせることなんかもできるかもね。
　　　　　　l　　 | |　　　　 |// |　　i´|＿,,,,-l　　　　　 /　/ ヽ､ヽ　　　 i　 i
　　　　　　|　　 | |　　　　|l .i .|　／!/　　　ｌ　　　　　/　/　　　＞-､　　i　 i
　　　　　　|　　 l li　　　　| .| |.／i　 i |　　l |　　　　/／ 　　／　　　` ､ i　 i
　　　　　　|　　 .|| i　　　 |　i|/　i　 i　| 　l .|　　　 /´ 　　／





'´￣￣: ヽ: : / . : : : : . ＼
: :／:⌒:＼:Y:, ;.-＝ミ:､: : .＼
/三ﾆゞ＾ヾ}v{/＾vｧﾆ三ヽ: : . ヽ
{´　　　　　　　　　　　 ｀}: : : : :}:.､
:!　　　　　　　　　　 　 /. : : : : }: :i
ﾊ<´￣ ｀　　　´ ￣｀y . : : : : : |: :|
: }､ヽ　　　　　　　　/. : : : : : : :|: :}
/-}:.}‐t　　　　　i―{-､: : : : : : {ｭ.;
　 j/　　　　　　　　 ｀ヽ : : : : {:ﾒy｝
､＿__,､　　　 　 ､＿__,, } : : : . ＼{､ 　 ´ヽ
´｀¨＾``　　　　 ´｀¨＾``}: :i : : : ｰ‐t:､＿ノ 　 　 　 . .-――-
:⌒＼　　　i　　　　 U ∧ }: : : : : :}: :}:｀: . ､＿＿ノ :／´ ￣ ｀　　　　　…………。
ヽ⌒i:.}　　_ _　　 　 . ｲ‐'}ﾉ. : : : :/ :/.: : : : : : : : :／
: : ) j/. 　 　 　 . ィﾁ: :; : ' : : : : /イ. : : : ー--‐ '´￣ ｀ヽ､
: :{:r'､_.｡＞-＜_ {: r､/.:_:_:_:_:,:イ: . ヾ: . ＼: : : : : : : : : : : . ＼
: :{　( (｀＼／´) )｀ヽ{/{:{―-ヽ{: : : . ＼: : . ヽ: : : ⌒＼: : : : ﾊ
ヽﾆ=' .>=＋=<'　 r‐'-､｀´,. . . .＼: : : : :｀ : .､ : ＼ : : : : ､ : : : }
/‐､　　｀7＾ヾ´　　＼. . ../. . . . ....ヽ: :―- ､: : : : : :ヽ､: : }: : :ノ

.

　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　 ／ノ　ヽ＼
　　　　　　　　　／.（○）（○）＼
　　　　　　　　　|. u.　（__人__）　|　　　　 ……なるほどな。
　　　　　　　　.　|　　　　　　　　|　　　　 想像するだけで、おっそろしい『 力 』だ。
　　　　　　　　　 |　　　　　　 　|
　　　　　　　　.　 ヽ　　　　　　ﾉ　　　　　世の権力者どもが、こぞって求める訳だぜ。
　　　　　　　　　　 ヽ　　　 　/
　　　　　　　　　　　/　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　|　　　　　|
　　　　　　　　　 　 |　 　 . 　 |




　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　／　　　　 ＼
　　　　 ／　　_丿;;;;ヽ_　＼
　　　／　　（○） ;; （○）　 ＼　　　　　徳川幕府は、その『 力 』を利用して、
　　　| 　　　　（__人__）　　u　.|　　　　　ここまで栄えたって訳かお……
　　　＼ 　　　　|i!|i!||　　　 ／
　　　／(<<<)　.｀⌒´（>>>）＼

.

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　 　 　 　 　 　 　 ／.:.:.::.:.:::::::::::::.:.:.::.:.::.:.:::.::.:.::.:::.:.:＼
　　　　　　　　 ／.:.:.:::.:::.::::.::.:.:.:!:.:!:.:.!.::.|::.::.:.:.:ﾄ,:.:!::::.:: ’.
　 　 　　 　　 .′.:.:.:.:.:.:.:::.:.:.:.::.:|:. !:. !::.:|:::.:.::.::| !_!:::_j::.::.|
　　　　　　　｜..:.:.:.:.:.:.::: !:.:.::.:.:.|:..j_::j-┴_-‐┘　- ､Y::ﾊ
　　　　　　　｜::::::::::::::.:. !::.:.::.:.:ﾚ'　´ ,.二_｀　 　,.ニ､|/
　　　　　　　 i:::::::.:.:.::.:.:.::|:::::::::: ! 　'イぅ少ﾞ 　　 'ぅｸ |
　　　　　　　 !:::.:.::.:.:.::.:::::!::::::.:.:.|　 　 ー 　 　　　、　!
　　　　 　 　 |:.::.:.:.:.:.:.::::∧:.:.:.::.:!　　　　　 　 　　　　!　　　　　　その姫は、徳川家が数多の兵を挙げて
　　　　 　 　 |:.:.:.::::.:.::::∧_!:.:.:::::!　 　 　　 　 　_　　 .　　　　　　探し出した、絶世の美女だったといいますが……
　　　 　　 　 |.:.:.::.:.:.:::/::::::|::.:.:.::| 　　　 　 　´ 　　 /
　　　　　　　 !:::.:.::::::/:.:.:::::!:::.:.::.!　`　 .　　 　 　／!　　　　　　　……その扱いは寵愛というよりも、
　　　　 　 　 !::::::.::.:.::::::::::::!:::::.:.:! 　 　 　 rーィ:::.:::|　　　　　　　むしろ幽閉に近かったとか。
　 　 　 　 　 !::::::.:.::.::::::::::::|::::::.: !、 　　 ∧::::: !:::::::|
　 　　　　　！:::::::::::::::::::::人:::::. ﾄ､` .　 ﾄ､:::::: |:::::: !
　　　　　　　|::::::.:.:.:::::::::/^ヽ!::::::ﾄ ＼＼ﾄ，!＼!:::::::|
　　　　　　　!:::::. :.::.:.:::/　　!!:::: ﾊ ＼＼＼!　 !:::::::|
　　　　 　 　!:::: /:.::.:./　　〃:::::::: !　　　 ! !　 !:::::::|
　　　　 　 　!:::/:::::::/　　/　!::::::::::ﾄ､ 　 ！!　 !:::::::|ヽ
　　　　　　　　　　　 ( ヽ、
━━━／.:.￣￣＿＿＼ ＼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　／: : : 　 　<＿＿　＼　＼
　 ／: : : ＿　 <＿＿　＼　＼　ﾍ /⌒/
／: : : : ´　 , ｀└--ﾐ ヽ、＼　-　＼　|
: : : : :／´ ｀ヽ　　　 丶　　-　　　　　〉　　　　　　　　……これで、織部神社で聞いた話も納得です。
: : : :.（　ー‐　l 　　　( ＼ 　 　　　　 !
: : : : ヽ_ ｀ _ノ 　 　 　＼_ヽ　　　　　{　　　　　　　　　静姫と呼ばれた女性も、菩薩眼の女だったゆえに、
: : : : : : ´"''"　　 '　　　"''ﾍ　　　　　 > 、　　　　　　 幕府に、幽閉という形で利用されていたのですね。
: : : : : : . .　　　　`　　　　　＼ 　　∠／ヽヘ
＼: : : : : : :.　⊂ﾆニつ　　　　＼(⌒)　　 ﾉ　＼
／ヽ: : : : : : : : : : : 　　　　　　 　ヾ、　／　　　 ＼
　　　／: : : :｀`ｰ- -‐'"´　　　　 ＼／ ＼(
,'⌒　ゝ　ﾊｧ
ヽ＿ノ

.

　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　 　 　 /　　　/　　　　　　　,、　　　　　　　　 、
　　 　 　 　 /　　　/　　　　　　 ／ !　　　　　　　 　 !
.　　　 　 　/　　　/　 /　　　 ／　/ ∧　 l　 |　　　　}
　　　　　　|　　　/　 /　　 ／ 　 / /　!:.　|:　|　　　　|　　　./ﾞ｀〉ｰ- ､
　　　　　　|　　　|:　/ｰ フﾞ｀ 　 /／ ｰト- |､ :|　 |　　,'　　 /　/　　　　 ￣ ｰ-- ､　　　　　　天海僧正はその『 菩薩眼 』の力を
　　　　　　|　　　|: / ィ夭示 ／　 ﾁ示ミヾ;.:.:|　 |　 /　　./　/　　　　　　　　　 　 ＼　　　　『 結界 』を造り上げるのに利用したわけね、
　　　　　　|　　　|　メ ゞ- '　　　　　ゞ-'ﾞ ｀ﾄ ':　 ｌ　 ｌ　　/　/　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　|　　　∨　　　　　 i　　　　　 　 !:.:.　 !　 ! 　/　/　　　　　　　 　 　 　 　/.　 　　 『 龍脈 』の活力を江戸の街に溜め込み、
　　　　　　|　　 .:.:|ヽ　　　　　　　　　　　　|.:.:　 ｌ　 !　/　/　　　　　　　　　　　 ／ 〉　　　　 呪術的に封じて、江戸に繁栄をもたらした。
　　　　　　ｌ　　 .:.:|.:.:.＼　 　｀　_フ　 　 ／ｌ.:.:　 |　 | /　/　　　　　　　　　　　< ／〉
　　　　　　 〉　 .:.:.|.:.:.:.:.:.ヽ　　　　　, イ.:.:.:.|.:.:　 |　 ﾚ　/　　　　　　　　　　　 ／／
　　　　　　∧　 .:.:|.:.:.:.:.:.:._个ｰ　 '´　ト､.:.:.:!.:.:　 !　/　/　　　　　　　　　　　 〆__〉
　　　　　 /　',　 .:.|.:.:.:.:.:/　｀ヽ　 rｰ'　 {.:.:.:|.:.:　 ｌ /　/　　　　　　　　　　　 (二ノ
　　　 　 /　　ｌ　.:.:|.:.:.:./　　 / ｢ !ﾍ　　 ヽ;.|.:.:. //　/　　　　　　　　　　　　 ∧
.　　　　/　 　 ! ｌ :.| ／ヽ　　| ｜|　',　　 /,'.:.. ハﾞ｀ゝ､　　　　　　　　　　　/　.!
　　　 /_　-─从 .:!　 　 ＼/　| .!　 ヽ／/.: /　/ソヾ´｀}｀ ｰ-　,_　　　　 /　　|
ィ´￣　　　　　　ヽ|＼ 　 　 　 { .! 　 　 /／ ／/　　|　 !　　　　　 ￣￣ 　 　 !


.

,x幺主圭歪≫''¨”´ ,ｘｉｆ斧lll圭圭才''"´　 　 　 刈圭狄ｱ㌢　　 　 　 　 　 　 '守|会ｭ　　　 '守圭圭圭圭
丞圭亥7才´　　,.x幺lllll圭才"´　　　　　　　　,炸Ｉ圭jⅣ´　　　　　　　　　　 　 ｀Ⅵ|丞　　　 ｀Ⅵ圭圭圭|
圭歪ｊ㌢´　　,x幺llll圭才´　　　　　　　　 　 　焔圭:Ⅳ　　　　　　　　　　　　　 　 Ⅵ|伐　　　 　Ⅵ圭圭||
圭ｊア　　　,ｨ劣圭才´　　 　 　 　 　 　 　 　 .以圭Ⅳ　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ|伐　 　 　 Ⅵ圭圭
j炒′　 ,ｨ劣l才´　　　　　　　　 　 　 　 　 　 込i:圭{　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵｉ伐　 　 　 Ⅵ圭ll
Ⅳ 　　/{}{ア´　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ7:刈　　...,l ゞ:〃 　 　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿　 圭
/　　 /㌢´　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾞ'廷ｉ代 　 ,l ゞ:〃 :::::::::::::::::::::::::::::::r"　|∥∥∥∥∥　 .||圭
ﾟﾞ'ｰ､,,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,l ゞ:〃　　　 　　 　,,,r'" l|　 |∥∥∥∥∥ 　 ||洲
ﾟﾞ'ｰ､,, ﾞﾞ｀ｰ､, 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,l ゞ:〃:::::::::::::::::::::;rﾞﾞ|::::::::::l|　 ￣￣￣￣￣￣　Ⅶll
　　 ﾞﾞﾞﾞ',ｰ､,. ﾞﾞ'ｰ､_　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,l ゞ,.〃 　　 　 ,r''|::::::|;;;;;;;;;;l|　　..'為ｿ　　　　　　　Ⅶ
　　　 .ll　　.ﾞﾞ''ｰ,,,　''ｰ､,_　＿　　　　 　　　　　　　　　,lﾞゞ;〃:::::::::::;;rl|::::::|;;;;;;|::::r''''l|￣￣￣￣￣￣￣　　 ﾍ
　　　 ll 　 　 　 　~~ﾞlｰ､､:i┿l|　　　　　　　　　 　 　 l:ゞ〃 .　,,,r'"　l|;;;;;;|::r''|;;;;;;;;;;l|　 .〃
　　　 ll　　 　 　 　　lﾐﾐl*li　 l|ヽi:ｰ,、　　　　　　　 彡~〃彡'"''',,r''' l|::r''|;;;;;;|::::::::::l|　..7
　　　 .l:──--､､､...lﾐﾐl*il　 l|__liﾞﾟ態N､､ , 　 　 　 l l㌍'''"､__r''__,､､l|;;;;;;|::::::|;;;;;;;;;;l|　:::::::::::::::::::::::::::::::
, l l l llll|ミミミミミミミlﾐﾐl*ll 　l|~~トlｰ-iﾞl~~冫　 　 　━━━━━━━・━━━━━━…━━━━━━━━━━・━━━━
　 lj,,',,',,',,',,',,',,',,',,',,',,',lﾐﾐl*ll　 l|　llヽﾞヾiｰ ﾟlﾞ~i:!』,,
　 l|　　l　　　.l　　　 lﾐﾐl*ll　 l|　ll .l il!ヮ ';li,''ll l㌍lﾞli.　　　　　こうして、龍の『 氣 』の力で護られてきた
　 l|　　l　　　.l＿＿..lﾐﾐl*ll冖l|　ll　l.ill￣~~~''ﾞ｀ﾞ'''｀　　　　　　　　　　　この街に、邪気の侵入する隙間は無い――
f,/l|　　l---i .l _,,,,,wil"~l*ll!l!l!l'ﾞﾞ“ﾞ~77
/ .l|　 ,,l,,､､-''~　　　 　""" 　 　 　 　 　 　 　　.　　━━━━━…━━━━━━━━・━━━━━━━━…━━━━━
圭llﾞ｀　　　.:　..　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　.　.　 　. 　 ヽ､　 l|::::::|;;;;;;|::::::::::l|　:::::::::::::::::::::::::::::::::
圭i:洲{　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 以Ⅳ　　　　　　ヽ､|~ヾl::::::|;;;;;;;;;;l|.,炸,圭l圭l圭l丞
圭i:刈　　　　　　　　　　　　　　　　　[　　　　 　 Ⅵ7　　　　　 　 　 ヽ､,l~ヾl::::::::::l|　:::::::::::::::::::::::::::::::::::
圭lil代　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /k　　 　 　 　7　 　.λ　　　　　 　 ヽ､ l~ヾ;;;ll＿＿＿＿＿＿＿＿
圭圭淤t、　　　　　　　　　　　　　　!垈　　　　　　　　　 代　　　　　 　 　 .ヽ､ l~l|　　┌───┐
圭圭:歪会ｭ｡　　　　　　　 　 　 　 .為llll}　　　　　　Ｌ　　',{Ｉ≧ｭ｡.　 　 　 　 　 ヽ､l　　│∥∥∥│
圭圭淤冰ik会ｭ｡　　　　 　 　 　 .ｨ圭洲;　　　　　　[代 　 `''寺ｌ圭≧ｭ｡.　 　 　 ...￣￣￣￣￣￣￣￣
ll圭圭圭淤冰ik会ｭ｡　　 　 　 ,ｨ劣圭:㌢　　　　　　Ⅵ心　　　`''寺圭斧≧ｭ｡._　 `''寺圭圭丞
圭圭圭圭圭圭圭ik会ｭ｡　 ,ｨ劣lll斧ｱ　　 　　　　　　Ⅵ会ｭ｡　　 .ﾞ㍉丞圭圭会ｭ｡_　｀'守圭ik会ｭ｡

.

　　　|　 i　_.　-: |　　 |　 . : : : / / . :/　　 　 |: i: :　i　　　　　　　　: : : : : :|: : : : :
　　　|. ィ　　　 : :!　　 !　: : : /7' . :７￣￣　 ┤|: :　|　　　　　　　　: : : : : :|: : : :
　　　| ﾊ 　 　 : : '. 　 l　: : : j/ : ／＞､ 　 　 :l: ﾄ､　|　　　　:|　　　 : : : : : :!: : : :
　　　| | |　　　 : : '.　 |　: : / :／,≧＝ ､__　　:l: :!: : !　　　　:|　　　 : : : : : :|: : : :
　　　| | l.　　　 : : ﾍ　V: /／　　　　　 7_r`＝ｌ: :|!: l　　　　: !　　　: : : : : : !: : : :
　　　l, ! ﾍ　　　: : : :＼: :/　　　　 ｀ ーゝ≠'"ﾍ: :ｌ､|　　　. : |　　　: : : : : : j!: : : :
　　　 l,|　ﾍ 　　 : : : : : 〉'　 　　　　　　　　 　　 '. : !　　　: : |　　　: : : : : :'l: : : : :
　　　　|　　ヽ. 　 : : :／　　　　　　　　　　　　　 ∨|　　　: : |　　 : : : : : :': |: : : : :　　　　　　　――はずだった。
　　　　 　　 ト　　／　　　　　　　　　　　　　　 　 V　　　: : l　　. : : : : : ': :!: : : : :
　　　　　　 i　　｀＼　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　. : :l　　. : : : : : ' : |: : : : :
　　　　　　 l 　　　: :ヽ　　　　　　　　　　　　　　　i　　　: : :!　 . : : : : : ': : :|: : : : :
　　　　　　 |　　　: : : i､　　　　　　　　　　　　 　 ′　 . : : .' 　. : : : : :,': : : |: : : : :
　　　　　　 |　　　: : : : ｀ゝ-- ､__ ,　　　　　　　 ,′　. : : :.′ : : : : : /: : : : !: : : :
　　　　　　 |　　　: : : : : ヽ　￣￣ 　 　　　　　/　　. : : :/: . : : : : : /: : : : : |: : : :





　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／_ノ　 ヽ、＼
　　　／（ ●） 　（●）.＼
　 ／　　　（__人__）　　u. ＼　　　　　　　……はずだった？
　 |ｎi 7　　 ｀ ⌒´　　　　.　|ｎ
l^l | | ｌ ,/)　　　　　　U 　l^l.| | /）　　　　 と、いうことは……
', U ! ﾚ' /　　　　　　.　.　| U ﾚ'/／)
{　　　 〈　　　　　　　　　ﾉ　　　 ／
..i,　　 　."⊃　　　　ｒニ 　　　 /
　."'""⌒´　　　　　　　`''""''''

.

　　　/ 　　 　 /　／　　　　　 ,　ﾊ　 ヽ. ! 　 　 　 　　',
　　 ,'　　　　 ,'　/　　　　　　,ｲ /　',　　`i　　　　　　　 !
.　　ll　 　 　 i ./ /　　　　／/ /　　ヽ.　 l　l　　　　　　l
　　lll 　 　　 !/ / 　 　／　/ / 　 　　ヽ､!　!　 　 　 　 l
　　lll 　 　 　!.7￣ﾆ≠-､ //_ -__――_-l　l　　　l　　 .l
　　lll　　 l　 l i　''又辷ｧ 〃　 ´'¨弋辷ァl　l 　 　l.　　 l
　　lll　　 !　 l ! ./　 ￣ / 　 　　　`ー－1 .l　 　 !　　 l
　　lll 　　l 　 !ｌ ハ　　　　l 　 　 　 　　　l　l 　　l 　 　l　　　　　　 いかに強固な結界といえども、
　　lｌl　　 l　　l/　l ', 　 　 !　　　　　　　 ｌ　l.　　ｌ　　 ,'　 　 　 　　 内側から壊すことは可能だということよ。
　　lｌl　　 .l 　 l　 l l_ヽ、　 ` ､＿__　　 　l　l　　l　　 ,'
　　ll !　　 l　　l／ 　｀`ヽ 、 　￣ 　 　, ｲ .l　　!　 .∧
.　　ll l　　,, -''´　, ￣ l　l l lヽ､　　 ／　.l　l　 .l　 ,':::::ヽ、
　　_.! -''´　　　 /-‐ ｨl　l l l｀l　｀T´`ー:1　!　 !　,'::::::::::::
￣:/　　　　　 ノ　　''´し'ﾉﾉ /):::/O｀ヽ ::l　l　 l　,'::::::::::::::
:::::{　　　　　　　_,, - '' :::::｀Y:::::::i: : : : :}:::l　l　 ! ,'::::::::::::::::





　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,..　-‐…‐　.._
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／.:.:.:..::.:.:.:.,ｨ..:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /.:.:.:.:..::.:.:.／.:.;:'.::ｉ.:.:.:.:.ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l.:.:.:i.:.:.:.:./.:.ァﾒ､ｲ:::::/!.:.:.!
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｲ.:.:.l.:.:i.:.:| ｲ行:､ !／/ィﾉ}
　　　　　　　　　　　　　 　 人!､|.:.:!ゞゝ｀¨ ´ 　 ィうjｲ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ:lゝ､.u　 　 '　　/ﾉ　　　　　　……どういうこと？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ| ＼ ´￣ ／　＿
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 r|　　.≧i´￣/　　｀ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,r-‐= 〈　　　　 〉.:.:.:〈/　　　 〉
　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ヽ..::.:.:.:.:ヽ＿__/.:.:.:.:.:.|　　　　〈
　　　　　　　　　　　　　　∨　 丶.:.:.:.:.:∨,/.:.:.:.:.:.:/＿＿　　l
　　　　　　　　　　　　 　 〈　　 　ヽ.:.:.:.:.∨.:.:.:.:／［.:.:.:.:.:.:.:＼!
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　＿ヽフ(二)＜ 　［＿二.:.:.:.:l
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　／.:.:.:. ｀ヽﾉ　|ヾ　ヽ |　 　 |＞'
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨ / ／￣V　　＼　　||　 　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∨/　　　 |　　 　 ｀ヽ'|　　　|

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━━━━━━━━・━━━━━…━━━━━━━━・━━━━━…━━━━━━━

　　　　この江戸は、ぴったりと密封された壷の様なものなの。
　　　　　　　　　外氣を寄せつけない代わりに、内氣も外に洩れる事はないわ。

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　　　　　　　　ﾞr:''",r'"..:.:.:.:.:.:lｺ:lｺ:lｺ:lｺ.:.:.:.:.:..｀';;,､` ‐!、.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　ゞｪｪtｴﾞ┼┬i┬┬┬┬rﾊ┬┬┬┬i┬┼┬t'ｪｪﾌﾞ
　　　　 ﾞ,~~i~~~~~~~~~~~~~~~~~{n}~~~~~~~~~~~~~~~~~i~~ﾞ;┐::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　 :::::::.「;､.|　 .冂 冂　　冂l:''"..へ｀' .l,冂　　冂 冂　 .|.. .|Ti　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゝ,､,,,,､､!‐''"┬┬┬┬;､‐'":'"::: ヘ:::`:.､`‐､┬┬┬┬┬`ｰf-､､ｨ,.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ｿ;ﾞ､ﾆ┴┴┴┴┴ァ'"ｒ:'´｡ ......::..　.:....... ｡'‐､`'t┴┴┴┴┴＝ﾞ7　　　::::::::::::::::::::::::::::::::
ヽゞz､:|;ﾍ「］「］,ｒ'"ｒ'´､z､r､､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. ｀': ､`'-.「］「］　.|＿,'､
Y;;ゝヾi彡〉''"ｒ''";ヾ;ゞ::::ゞヾヽ］「ﾊﾞﾍ,'z］「:］:.:.:.:.:.:...｀''‐｀､':-.､,|l l l.ﾞi
ｿ ヽ;; i;;ゝｿ ヽ;;ゝ彡ｿ ヽ;;ゝゞヽi;ゞ::::ゞヾ;ﾍ――――,rz､;ﾍz､｀''ｰ-､;;ｿゞﾍ
ヽ;;;;ゝヾiヽ;;;;ゝヾゝヾ;ゞ::::ゞヾ;iゝヾ;ゞ::::ゞヾﾍｿ;ミ＾ゝヾ;ゞ:::ゞヾミﾍtz彡ヾ;ゞ;ゞ::::::
ヽ;;;;ゝヾ;ヽ;;;;ゝヾ;ゞ::::ゞヾヽ;;;;ゝヾ;ヽ;;;;ゝヾ;ゞ::::ゞヾヽ;;;;ゝヾ;ヽ;;;;ゝヾ;ゞ::::ゞヾ.:::::::::::::::::::::
ゞヾ;;;ゝヽヾ　;;;;ゝヾ;;ゝヾ　ヽゞヾ;;;ゝヽヾ　;;;;ゝヾ;;ｿヾ　ヽゞヾ;;;ゝヽヾｿ;;;;ゝヾ::::::::::::::::::::::
ヾ　;;;;ゝヾ;;ゝヾ　ｿゞヾ;;;ゝヽヾ　;;;;ゝヾ;;ゝヾ　ヽゞヾ;;;ゝヽヾｿ;;;;ゝヾ;;ゝヾ　ヽゞ　　:::::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━━━…━━━━━━━━・━━━━━━━━━━…━━━━━

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それは、内に溜まった、陰の『 氣 』の逃げ場さえも奪って、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この江戸に闇を作り上げる原因にさえなっているわ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━・━━━━━━━━━…━━━━━━━━・━━━━━…━━━━━

.

　　　　　　　 i　　/　　　　　l./　　　　　.／　　l　/ !　|　　　l　　　　 　 l　　　|
　　　　　　.　l　　i　　　　　 |!　　　　 .／　　　l. /　l　|i 　　 l　　　　　　l　 　 |
　　　　　　　|　　|　　　　　 ||.　　　 ／ 　　　/ /　　ｌ |i＿　 |　　　　　　ｌ　　 |
　　　　　　　|　　|　　　　　 |!　,,,-ナ''''''- 　 / /　''￣ｌ lヽ ｀`|　　　　　　l　　 |
　　　　　　　|　| |　　　　　 | '''　/ -ー-､　/ /　　"￣ヾ'''-　.|　　　　　 |　　 l
　　　　　　.　l　| |　　　　　 |.　/,,o-''jTヽ /./　　　"`６ヾ-､　|　　　　　.|　 　|
　　　　　　　 l　| |　　　　　.| ＜弋-;;ソ　//　　　　 弌ﾆ乂 ＞　　　　　|　　.|
　　　　　　　 l .| l|　　　　　|/ 　 ` 　 　.〃　　　　　　　　 ヾ､|.　　　　　|　| |
　　　　　　.　 l | !|.　　　　　l ヽ　　　 ／　　l　　　　　　　　　|　　　　　|　 | |　　　　　　 ――つまり、江戸に住む人の心が、
　　　　　　.　　l|　|　　　　　 ﾄ､ヽ.　　　　 　!　　　　　　　　　l　　　　　|.　 |.l　 　 　　 　 闇を作り上げているという訳よ。
　　　　　　　　 |　.|　　　　　 |. ヾ､　　　　　＿＿＿　　　　　|　　　　　! 　 |!
　　　　　　.　　　　|.　　　　　| 　 ヽ　　　　ヽ､,,,,,／　　　　ノl　　　　 /　 　 l
　　　　　　　　　　 l.　　　　　|　　　丶　　　　　　　　　／! .l　　　　 /　　　 |
　　　　　　　　　　/l　　　　　|　　　　　`i ､　　　　,,　´　 l .l　　　 | /　　.|　 |
　　　　　　.　　　 i　l　　　　　l　　　.r､ーl　｀'' - "　　　 .lｺ　　　 l /　　 |i　 |
　　　　　　　　　 |　 l　　　　　l　　 /　`-!､,,　　_ ,,　- '''　.l　　　 l/　　　 |i 　|
　　　　　　.　　　|　　l　　　　　l. ／　　　 /ヽ-/ i　　　　 l　　　 /　　　　l .i　 |





　　　　　　　　　　,, -ｲ´ ￣ ｀`ヽ､
　　　　　　　 ,.ｨ'´　 _　,r'´￣｀ヽ､　`ヽ、
　　　　　　,.ｲ　 .,-―ミ ,彡ー ､ 　 ヽ、.ﾊ
　　　 　 ./ .,ｲ."　,ｨ=-､,r‐''''''''`i 　.l　 ｉ　i
　　　　 ,' .::: /i　i:,r'´　　　　U　l 　.l　　ｉ .l
　　　　.i .::::i　l　ll　　　　　　＿_| .　ﾍ,　.i .l
　　　　l ::::::| ,' .::i!　 ,,r'　　　　　l　　　ヽ,ｌ .ﾄ、
　　　　| ::::::ｿ.::::::`i'" _ 　　　　;'´ヽ、　　.ﾞi |.iﾍ
　　　　| . ;/.::i:::::::;ｌ " .`　　　　==-‐iヽ.　 l l i. ﾍ
　　 　 ,!.〈.:::::l::;;イ　_,ｨ彡 　 　 　 　 l'’l ,ｲ .ｉ .ｌ . ヽ
　　 　 l　ヽ;::l,'.r‐,っ、　　 　 ′ 　 / / iｌ l　l! .lヽ、ヽ　　　　　人の心が、闇を……
　　　 i! .::､_):ｌ l ﾉ,ｨヘ、_. 　 ` ´ ,ｲ //ﾉ` l　.ｌi　ｌ ヘ、ヽ
　　　 l..:::::｀i:::::l　./＞i　 ﾄ'、－'／.ｌｉ/　 ｨ ! . l.ﾍ ﾍ、 ヘﾊ
　 　 ﾉ.:::/.:::l::､＼　<!ｊ.　.|　〉‐〈　 /ﾄ ｲ ./　ﾉ‐.､＼`ヽ、ｉ.ﾊ
　 .,ｲ.::;ｲ.::: /`ー ヽ ヽ, . | /ｌ:::l∨ｉ／ ／,.ｲ/ ` ﾍ　.ヽ　ヽ　i
. /　::,'::|.::::ｌ　 ’i |i `i　 `i l' .l:::l ,ｲ　 ,´イ i.l　　　 l　　 i l iヽl
.i　 :::i :::::::::l 　 .i ｌｌ...l｀`ヽ! _l:::::i'　l　i l　 ,'.l　　　 i|　　 l ｌ l　l

.

　　　　　 　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　／ 　 　 　 ＼
　　　　　 　　／　　_,ﾉ　 　ー ＼
　　　　　　／ 　　（●） 　（●）　ヽ
　　　　　　|　　u.　　　　'　　　　　 |　　　　　先生、それはもしかして――
　　　　　　＼ 　 　 　 - ―　 　 ／
　　　　　　 ／　　　　 　 　 　 　＼





　　　　　　　　　/　l　　　 |　　/　　　 ／　　 / /　| l　　　|　　　　 |　|.:.|
　　　　　　　　　!　 !　　　 !　 ,'　　 ／　　　 / /　 ヽ＼　 .!　　　　 |　|.:.|
　　　　　　　　 ｌ　 ｌ　　 　 l　/　_／-ｰ　　 / /ｰ─-弋.＼.|　　　　 |　|.:.|
　　　　　　　　 |　 ｌ　　　　!,.lｨ'ﾞ/　__,. -　 / /　-- ､,__ ヽ　|　　　　 !　!.:.:!
　　　　　　　　 l　 l　　　　 | ／二ｪ=ｰ､ /／　　ｨ＝=ミ､ ＼!　　　　ｌ　.l.:.:|
　　　　　　　　 |　 |　　　　 |ﾒ<ｲ r:'::ﾉ:iﾉ/　　　　 ､f:Y::ﾊ ｀>|　　 |　 |　 !.:.|
　　　　　　　　 | i　!　　　　 !　 ｀￣´ 　　　,　　　　　￣´　 |　　 |　 !　 |.:.:|.　　　 　 　ええ、そうよ。
　　　　　　　　 | |　',　　　　ﾄ,　　　　　　　 !　　　　　　　　 |　　 |　 !　 |.:.:.|
　　　　　　　　 | |　 ', 　 　　ﾄ、　　　　　　　　　　　　　　　l　　 l　 l　 ｲ.:.:.|　 　 　 　 民衆の抱く、恐れや恨み、憤り、怒り――
　　　　　　　　 | |ヽ　i　　　 ゞヽ　　　　ｰ──,.ｧ　　　　 ,ｲ　　 l　 !　　|.:.:.:!.　　 　 　 人心の乱れは、『 龍脈 』の乱れとも繋がるわ。
　　　　　　　　 | | |　 ',　　　 |　 ＼　　　　　　　　　　 ／/　　 l　/　　 |.:.:.:|
　　　　　　　　 ', l l　 ヽ　　　ヽ　　 ヽ、　　　　　　／!　 !　　 / /　　　|.:.:.:.!
　　　　　　　　 ﾊ',|　　',　　　 ',　　　　!ヽ､ ,_,. ｨ '´　 |　 |　　 ! /　　　 |.:.:.:.|
　　　　　　　 /.:.:ヾ　　ヽ　　　ヽ　r=ﾆ!　　　　　　　ﾙ、l　　//　　　　 !.:.:.:|

.

圭圭7　　　　　 　 ,佳圭圭圭圭圭＞ '"　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.｡x≦圭圭圭圭＞''"´　　　　　　 　 　 　 　 ｉ
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圭圭l!　　　　　　　ィ佳圭圭圭圭圭圭7　　　　　　　 イ紗'"..／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
圭圭ll　　　　　 　 |圭圭圭圭圭圭圭7　　　　　　,.x'紗'"　　 |　　　鬼道衆たちの目的はおそらく、　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　　|
圭ﾆ从　　　　　　 |圭圭圭圭圭圭刃’　 　 　 ,.x'紗'"　　 　 .|　　　　　　それに乗じて、この地の護りを破ることでしょうね。　　 　 |
圭圭ハ　 　 　 　 |圭圭圭圭圭ま刃　　 　 　'"　 　 　 　 　 .＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
圭圭圭}　　　　　 |圭圭圭圭l圭lヲ′　　　　　 　 　 _,.｡x"　　 ,:ｌ紗'　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 寸x　　　`㍉x｡.,,_,.ｨ升才"´ﾑ
圭圭圭|　　 　 　 .Ⅷ圭圭圭圭ﾀ　　　　　　　　　 .イllア　　 ,ｲ紗ﾞ　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽli、　　　 `守圭才　,.ｨ佳lli,
守圭ｻム.　　　　　Ⅷ圭圭l圭ﾀ　　　　　　　_,,..ィ升ア.　　 .ｲｱ　　 　 　 　 　 :‐:ｭ｡.,_　 　 　 　 　 　 　 ｀㍉　 　 　 　_,,.ィ佳ll佳沁
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.

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　　　　　　　　　　　人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼　　　　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ＼　 　 ＼　　　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .（●）（● ） 　u.　|　　　　　　　　　　はぁっ！？　ちょっと待てよ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人__） 　u　 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.(｀⌒ ´　　　　　|　　　　　　　　　　 どうして、そういうことになるんだ！？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 　 　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ 　 　　　u.　/　　　　　　　　　　　確かに、奴らの目的はいまいち
　　　　　　　　.　　 　 　 　 　 　　＿＿＼　　　　 /ﾘ 厂`'‐- .._　　　　　 分かりにくいところが多かったけどよ――
　　　　　　　　　　　　　　　　　／ :　　: :介ｰz＜__｣// |: : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 | : : : : ::〈　｢｀乂/ 　/ 丿: : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　| : : : : : /: |　{::::}　/ `7: : : : : : : :│
　　　　　　　　.　　　　 　 　 　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |





　　　　 　　　 　 　 　 　 　　l　 /
　　　　　　　　 ／￣￣￣＼　 ′／
　　　　　　　／　　　　　　　 ＼
　　　　　　/　　　 ─　　　─　ヽ
　　　　　　| U　　（●） 　（●）　| 　　　　……あぁ、そういうことかお。
　　　　　　＼　　∩（__人/777／
　　　　　　／　　（丶＿//// ＼

.

　　　　　　　　　　　/: :/　/　: :／／: :／: : : : : : : :/ / : : /: /: :l: ﾘ
　　　　　　　　　　 /: :/　/: :／／: :／: : : : : ／ : / / : ／: /: :　!: l
　　　　　　　　　　,': :/　/／／: :／: : : : : ／: ,イ/ /:／ l: / : : /:l: :l
　　　　　　　　　　! i ! イ 　＼ /／/＿／/／／/:／　 /: l/ : /　!: :l
　　　　　　　　　　l l : : !　rfｧz､　　　　 .､斗-‐―　 　,ｿ: : : :/ : :l : !
　　　　　　　　　　| l !: :l　l {i:;;rﾘ　　　　　z ォｧ､　　　/:／;/ : :∥/
　　　　　　　　　　l l l: : l　ヽﾆ '　　　　　/ {i:;;rﾘﾒ 　 /:, ィ' : : :/:/
　　　　　　　　　　 l !l: : l　　　　　　　 　 ｀ ﾆ=‐' 　 ｲ/ｧ/ : : /l/
　　　　　　　　　　　ヽヾ !　　　ﾉ　　　　　　　　　　 r‐ｲ: ﾘ: /
　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　｀　　　　　　　U　ｧー' : : ／　　　　　　　　　　や、やる夫！　分かったの！？
　　　　　　　　　　　　　／ ＼ 　ｒ‐- ､　 　　　 イ: : 从／ヽ、
　　　　　　　　　　　 ／　　　 ＼　ｰ 　 　_ -‐´ 　 l/　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　／　　　　　　 ｀ｰ‐t　　　　 　 l　　　　　 }ヽ
　　　　　　　　　/　　　　　;　　, -‐‐┤ 　　　 　 ヽ　　　　/　 !
　　　　　　　　./　　　　　 i ／∥　　 j　　　　　　　ヽ、　/　　il
　　　　　　　　ヾ　　　　　l/　 li　　　　　　　　　　　　ji／　　 il





　　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　　 　 ＼
.　　 　／　　　　　　　＼　　　　　　 いや、前にも話題に出たことがあったけど、
.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼　　　　　鬼道衆の目的って、今いち分かりにくかったんだお。
　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|
.　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　 ／　　　　 何というか、遠回りというか……
.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ

.

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　/ 　　 　 /　／　　　　　 ,　ﾊ　 ヽ. ! 　 　 　 　　',
　　 ,'　　　　 ,'　/　　　　　　,ｲ /　',　　`i　　　　　　　 !
.　　ll　 　 　 i ./ /　　　　／/ /　　ヽ.　 l　l　　　　　　l
　　lll 　 　　 !/ / 　 　／　/ / 　 　　ヽ､!　!　 　 　 　 l
　　lll 　 　 　!.7￣ﾆ≠-､ //_ -__――_-l　l　　　l　　 .l
　　lll　　 l　 l i　''又辷ｧ 〃　 ´'¨弋辷ァl　l 　 　l.　　 l　　　　　 幕府への復讐――それが本質的な目的なのは
　　lll　　 !　 l ! ./　 ￣ / 　 　　　`ー－1 .l　 　 !　　 l 　 　 　　 間違いないと、私も思うわ。
　　lll 　　l 　 !ｌ ハ　　　　l 　 　 　 　　　l　l 　　l 　 　l
　　lｌl　　 l　　l/　l ', 　 　 !　　　　　　　 ｌ　l.　　ｌ　　 ,'　　　　　　でも、ただ幕府を倒したい、というだけならば、
　　lｌl　　 .l 　 l　 l l_ヽ、　 ` ､＿__　　 　l　l　　l　　 ,'　.　 　 　　 やり方がまどろっこしいとは思わない？
　　ll !　　 l　　l／ 　｀`ヽ 、 　￣ 　 　, ｲ .l　　!　 .∧
.　　ll l　　,, -''´　, ￣ l　l l lヽ､　　 ／　.l　l　 .l　 ,':::::ヽ、
　　_.! -''´　　　 /-‐ ｨl　l l l｀l　｀T´`ー:1　!　 !　,'::::::::::::
￣:/　　　　　 ノ　　''´し'ﾉﾉ /):::/O｀ヽ ::l　l　 l　,'::::::::::::::
:::::{　　　　　　　_,, - '' :::::｀Y:::::::i: : : : , ────- 、::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 　 　　‐- ､　＼
━━━━━━━━━━━━ /　 　 　 　 （ ●）　　｀、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 　 　 　 　 　 　 　 （●ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ　　U 　 　 　 　 '　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　 ー-　, '　　　　　　吉原で幽霊騒ぎを起こしたり、
　　　　　　　　　　　　　_,, -‐‐‐‐'/.. lヽ　 　 　 , ____／　　　　　　 小石川で奇病を撒き散らしたり――ですね。
　　　　　　　　　　　,-‐'、　 ヽ　　Ｌ.::丶:::: ヽ--'` 、
　　　　　　　　　　/　　 ヽ　..::l:::::::<´:::::l:::::ノ‐‐l.l　z 、　　　　　　　どれも、幕府に打撃を与えるというには、
　　　　　　　　　 /　 ......　l:::::::l::::::::丶　 l‐'`t-l'l´ 　/l丶、　　　　　少々、物足りないものばかりです。
　　　　　　　　 ｒ'l...:::::::::::::::l::::::l::::　　`、　l /　.l/　/　l　.l
　　　　　　　　/l,ヾ:::::::::::::::l:::::l　　　　`、 .l　 ./ ./ 　 l /l
　　　　　　 ／:::::`..:::::::::::::/:::/...　　　　ヽ .l_./／　　 l/ .,t
　　　　　　/　::::::::::::::::::／／:::::::::....　　　`ｙ '　　　 ./..::::.:f
　　　　 ／ミ　::::::::::::イ;;;T:::::::::::　　　　　l.0　　　　/:::::::　 l
　　　　ト--- 、 wソ .l;;;;;l:::::::::..　　　　　.l　 　 　 l::::::　　　l
　　　 ｒ' 　 :::::::::::,'　　.l;;;;;l:::::::::::..　　　　.l.0　　　 ll::::::::====ヽ
　　　,'　　..:::::::::/　 　 l;;;;;l::::::::::::::...　　 .l　　　　 l ヾ:::::::／二二ヽ

.

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ ヽ､,__　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （●)（● ）　　　 |　　　　　　　……そういうことか。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （_人___） 　 U　 |
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　│　　　　　　 奴らの目的は、奇怪な事件を起こすことによって、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 <二ニヽ　　　　　　　 |. 　 　 　　　 人心に不安を与え、『 龍脈 』を乱すことか。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／-‐ 　 ｀i ､ ＿__,.　イ i
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/´､　　 　 ',┐__＞ｰﾒ ┴ｭ　 　　　　　幕臣暗殺などは、あくまでついで、と……
　　　　　　　　　　　　　　　　 しrヽ　　　　V:::Λ　 ／ : : :＞、_
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　　　　 　 　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　　　　 　 　 　 　 　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j
　　　　　　　　　　　　　ﾉ. : : :| : : : : : : :.∧ : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : : :ｨ




　　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　　 ／　　　　　　 　 ＼
　　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼　　　　 それによって、江戸の街を護る結界を破り、
　　　 　 |　 　 　 （ー）　 （ー）　 |　　　　 幕府を滅ぼそうとしているわけかお。
　　　　　＼　 u. 　 （__人__）　,／
　　　　　　ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼　　　　　……これで、ようやく納得がいったお。
　　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /

.

　　　 /.../　　 　 .:　./　　.: /:　./　　　 /ミﾐﾐ､l| ﾉ-､ﾊ
　　.,/__/_._____ .::/ ./.　 .:: / / .′　　 /三ﾐﾐﾐi|/___.......|
..,〔二､__,､___　￣｀ー‐‐‐ｦノ　.:　　 　.l　 　 `.l彡テ;／
／￣7　　 .`7ヽ,-＞,r'"´ 　 ::　.:　　 .|　　　 .|::::;／
.　　/　　 .:::/　,ｲ ,ｒ" :.　　　.::: .:: ..._,ｘ´-､_ 　 l:::lﾊ
　.:/　 .:::;ｆ´／ｌ|.::ｌ::　:::,.　　 l:::;::r"　　｀`‐ `-ﾉ:i:lハ
:::/　.::,ｒ" / . |.|:::::l::..::ﾉ: .: :.,':::|::l　 ヽ、 　.／_ノノノ
/ .:::,ｒ".〃　 .|.|::::::l::/.: .: i./.::;;|:|　 　 `′ﾄ､l ￣´
.::／..:〃　 .:::|.|:::://.: .::.:∥.'´ .`‐　 　 　 |:::|
´ .:::〃 .:::ｒ‐‐!|ﾁｲ.::　l::::l'.,ﾍ　　 　 __ _.,　':::ﾄ-ｧ　　　　　…………。
.::://.ｒ‐ｘ.|　　|ノ.|,ｒ'`,|l::|/　`i .、　, '´:::;::::)::|~
://.:::`i .ﾉ　 _ !‐′ /ｌ|､lヽ、ｊL;:::`i::::／／.ｌ:|
'/.::::,ｘ'　　　｀`ヽ、ト､,..=,､_ i´.|1l||::/´　　ﾘ
:l::,ｒ".　 　 　 　 　ヽ.~　/‐｀ヽ ﾄ!!.|:l
|:l:::::::::::::. 　　　　　 /　/　 　 l~l､`i
l::l;::::::::::::::　 　 　 /　 Ｌ__　　ﾞi 　 |
|::.∨:::::::: 　　　 .λ　 　 ノ　l`i|　 l
:l::/.::::::::　　　../　ヽ　／　.λ　 /




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-─-
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从 /´[/`　　　 ´[/`　ﾉｲ　
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼＼ └┘　　　　 , ‐=彡 ′　　　　　……ナナリー？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ 　 　 　 イ-‐= ~
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　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｛ | []　　|　 {　 {　｛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 人l li　　 |　 ,　＜⌒＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 ﾉ ｧｒ=≦　　　　 `　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　/　// /　　　　　　　　　⌒ヽ

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　　　　 　 　 　 ,l　 .;'.　　'　　　, -=- ､　　　 , -‐== 、　　`　　.i.　 l
　　　　　　　　 ,ｆ'L..:;l　　　　　/三二ﾆﾆ`ヽ〃ﾆﾆニ三i　　　　　ト､rヽ
　　　　　　　 .l,　,ｲ/! .ｉ　　　 i´　　　 　 　 　 　 　 　 ,'　 　 .ｌ　 ｌ!ヽ.`.|
　　　　　　　 ﾉ,l　/ ｌ　ｉ 　 　 .',　U　　　　　　　　 　 ,'　 ,　　l.　 iヽ_ﾉ!'i
　　　　　　 〃,／...,' .:;ｌ　　　　.i　　　　　　　　 　 　 ｉ　 ::　　ヽ:.　ヽヽiﾊ
　　　　　,.ｲ/.'　　 '..::/　　　:　 l＿＿,, -'　　 '-,,＿__ヽ. ヽ:.　　ヽ:.　 ヽ`,ﾍ
.　 　 ,.イ ,ｲ,' .:　 .:::,ｲ.　　 .:　 /'´ ￣ｌ｀　　　　 '´l￣｀ ヽ ヽ:.　　　,:: 　 ｉ i
　,.イ　／, ｲi　:　:::/　,　 .::;　, '　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∨';:.　 　 ;:.　 l l
'´　　 .;.イ:::ハ::. ::,'　 ｉ　.::;',ｲーﾓ元テ-　　　　　 -ﾓ元テ- 〉ｉ::: .　　l::　,',i!　　　　　 ……鬼道衆は、そのために、そんなことのために、
　 .,.イ..::,.ｲ .,':iヽ;::i　 l　:::i ハ. ｀｀￣´　 　 　 　 　 ｀￣´´ .,',.i.l:::　　 ｉ: /iｲi　　　　　 多くの人を苦しめ、傷つけてきたというのですか……
.'´..:;.イ　 :/:,'　 i:.', .i:i. ::.'i ｉ::ﾍ.　 　 　 　 　 ,.　　　 　 　 ./.:ﾉ,'::　.:l ,': i lハ
,.イ 　 ..:;ｲ:/.　.,'::::i: lﾊ.:::::`ミ==‐'.　　 　 　 ｌ:　　　　 ､_,=彡':::: ..:,'ｲ::: ',＿ノ　　　　　 そんなのって……酷すぎます。
　,.イ::,ｲ:::/ _ノ::::/..;'::::l::::::. i. ',　li`　、　　.‐ ‐　　　,.イ ｉ:i::,' ,: i.:::i::i:::::.∧
,ｲ.:;:ｲ::::;ｲ ￣フｲ::;i:::::,'::i::::: ｌｉ:ｉ...i.l〈＼＞. _　　_ ＜l／〉l.:ｌ,'::i!: l::;::ｌ:';::::::ﾊl
.;:ｲ:::::;ｲi!.　 ´:::::!/ｉ::i:,'::;!:::::.i::ｌl ,' l　ヽ `ヽ、`´,ィ'´　./ .l:::l!:i.l:: ∨ ヽ､__,.
'::::::,ｲ!l l! 　 ::::::.l|::ｌ:ｌl::::i::i::,':::.i ／)　,l､ （⌒)}{(⌒） /, .(＼'i!.ヽ、i!`ー'´





　　　　　　　　　　　/. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .:.
　　　　　　　　　　 :. . . . . . . . . ..ｉ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . :.
　　　　　　　　　　:. . . . . . . . . ./| . ｉ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .:
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　　　　　　　　　￤. . . .　./} ---一| /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . :
　　　　　　　　　八 . | . ./ 　 }斗┰ｬi . . ,ﾊ/. . . . . . . . . . . . . . . . . . .:
　　　　　　　　　　 ＼VΛ　 　 ソ’　| . /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .,
　　　　　　　　　 　 　 ′｝ 　 　 　 　 /} . . . . ./|. . . . . . . . . . . . . ./
　　　　　　　　　　　　　/　　　　 　 　 ﾉ／）／　｝/. . . . ./ . . . .//
　　　　　　　　　　　　　 、　　 　 　 　 　 　 　 ／|. . ./ /. ./. .//
　　　　　　　　　　 　 　 　｝　　　　　　U　　　　　｝／}/. ./. ./ﾍ、　　　　　　 ナナリー……
　　　　　　　　　　　　　　 ｀Tｰ`　　　　　／　　　　　/. ./.／ { . 〉
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｝　　　 ,.ィi{　　_＿＿,厶_／. . .｛. .〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=≦i｢￣￣}|{. . . . . .}i{ . . . . ｛. . .〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｆＪ　 ｝. . . ..:}|{. . . . . .}|{. . . . .｛／{_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 L忖”｝. . . ..:}|{_,,.　''"⌒＼ 　,.　-‐r…ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　／}ｉト---=≦i爪 . . . . : : : Υ　　　|　　 |

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　　　　　　　.　 i /　　　 /./　　　　　　／i　.ｌ　　　　　　　　　　　 i　　 　 l
　　　　　　　　 | i　　　 i /　　　　　 ／ /　/l　　　　　　　　　　　　ｌ　　　 |
　　　　　　　.　| |　　　 l/　　　　 ／　 /　/ |.|　　　　　　　　　　　 |　　　 |
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　　　　　　　　ｌ .!　　　i　_　／_`ヽ　/./　　 l .|i　　　i　　　　　　 　 |　　　|i
　　　　　　　.　i |l　　 .| ヽ戈ゥ,ミ ./／　'''ーl､|.i.　　 |　　　　　　　　!　　 .|l
　　　　　　　　 i l.l　　 l /　ー―'／　　　'`ヽ i iヾ､ .|　　　　　　　 .|　　　| l
　　　　　　　.　 li .i　　|/ﾊ　　／ i　　　 ´弋ｚ､ヽ＼.|　　　　　　 　 | 　　|l　i
　　　　　　　　　|　i　　　ﾊ　　　./　　　 　 ＼ﾆヾヽl　　　　　　　 l　　　l l　ｌ
　　　　　　　　　　 ヽ　　 ﾊ.　　　　　　　　 　　　ヾ| `　　　　　　/　　　　|　|　　　　　……だけど、彼らもきっと焦っているでしょうね。
　　　　　　　　　　　 >i　　　＼　 ､　　　　　　　　 |　　　　　　　/　　　　 .|　|
　　　　　　　　　　/´ |　　　　 ＼　` ー--　　　　|　　　　　　 ./　　　　　 |　|
　　　　　　　　　 /　 |　i　　　　 |.＼　　　　 ,,　- |　　　　　　 /ヽ　　　　　.|　.|
　　　　　　　.　　i　　.| .|　　　　 | //|` -､''　　　 l 　　　　　 / ヽヽ、　　　　i　 i
　　　　　　　　　l　　 | |　　　　 |// |　　i´|＿,,,,-l　　　　　 /　/ ヽ､ヽ　　　 i　 i
　　　　　　　　　|　　 | |　　　　|l .i .|　／!/　　　ｌ　　　　　/　/　　　＞-､　　i　 i
　　　　　　　　　|　　 l li　　　　| .| |.／i　 i |　　l |　　　　/／ 　　／　　　` ､ i　 i
　　　　　　　　　|　　 .|| i　　　 |　i|/　i　 i　| 　l .|　　　 /´ 　　／




　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_　　 '_
　　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●） 　　、
　　　　　　　　　　　｜ U　　（___人__）
　　　　　　　　　　　 .|　　　　　　　__ﾉ__
　　　　　　　　　　　　|　　　　 _／ ___＼ヽ_　　　　　……というと？
　 　 　 　　 　　 　　 人､ 　　'-／____ ヽ　 |
　 　 　　 　 　　 _,／(　ヽ､　 __'-〈 、 ヽ　　|
　　　_, ､ -― ''" :l : :.＼　 ヽ,､.ﾞ,/ヽﾉ}　　　ﾄ､
　　/. : : : : : : : : : :|＿: :.ヽ､ ∧:::〈ヽﾄ{　　　〈j)、
　丿: : : : : : : : : : : : ／: : :.∨ |:::::', |: ゞニﾆ彡〉,
. i : : : : : : : : |: : : : : ＼ : : : `､|::::::|,|:〈: : : : : : : ∧
/. : : : : : : : : !: : : : : : : ＼ : : :.'､:::::| : 〈: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : : |: : : : : : : : : ＼: : :'.,:::|: ;∧: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : 丿: : : : : : : : : : :.＼: :V:./-∧: : : : : : : : v
: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : ﾚ : : : ∧: : : : : : : :}

.

　　　　　/　 /　　　　 .i /　　　　　　.／　l　.ﾊ　|.　　ヽ　　　　　 i.　　　i
　　　　 i　　/　　　　　l./　　　　　.／　　l　/ !　|　　　l　　　　 　 l　　　|
　　　.　l　　i　　　　　 |!　　　　 .／　　　l. /　l　|i 　　 l　　　　　　l　 　 |
　　　　|　　|　　　　　 ||.　　　 ／ 　　　/ /　　ｌ |i＿　 |　　　　　　ｌ　　 |
　　　　|　　|　　　　　 |!　,,,-ナ''''''- 　 / /　''￣ｌ lヽ ｀`|　　　　　　l　　 |
　　　　|　| |　　　　　 | '''　/ -ー-､　/ /　　"￣ヾ'''-　.|　　　　　 |　　 l
　　　.　l　| |　　　　　 |.　/,,o-''jTヽ /./　　　"`６ヾ-､　|　　　　　.|　 　|
　　　　 l　| |　　　　　.| ＜弋-;;ソ　//　　　　 弌ﾆ乂 ＞　　　　　|　　.|
　　　　 l .| l|　　　　　|/ 　 ` 　 　.〃　　　　　　　　 ヾ､|.　　　　　|　| |　　　　　 これだけ、様々な騒ぎを起こしても、
　　　.　 l | !|.　　　　　l ヽ　　　 ／　　l　　　　　　　　　|　　　　　|　 | |　　　　　 一向に『 結界 』は壊れる気配がないわ。
　　　.　　l|　|　　　　　 ﾄ､ヽ.　　　　 　!　　　　　　　　　l　　　　　|.　 |.l
　　　　　 |　.|　　　　　 |. ヾ､　　　　　＿＿＿　　　　　|　　　　　! 　 |!　　　　　　しかも、龍閃組という邪魔な連中も、
　　　.　　　　|.　　　　　| 　 ヽ　　　　ヽ､,,,,,／　　　　ノl　　　　 /　 　 l　　　　　　自分たちの計画を妨害してきているんだもの。
　　　　　　　 l.　　　　　|　　　丶　　　　　　　　　／! .l　　　　 /　　　 |
　　　　　　　/l　　　　　|　　　　　`i ､　　　　,,　´　 l .l　　　 | /　　.|　 |
　　　.　　　 i　l　　　　　l　　　.r､ーl　｀'' - "　　　 .lｺ　　　 l /　　 |i　 |
　　　　　　 |　 l　　　　　l　　 /　`-!､,,　　_ ,,　- '''　.l　　　 l/　　　 |i 　|
　　　.　　　|　　l　　　　　l. ／　　　 /ヽ-/ i　　　　 l　　　 /　　　　l .i　 |




　　　　　　 　 　 〟――- 、
　　　 　 　 　 ／　　　　　　 ＼
　　 　 　 　 / 　 　 　 _,ﾉ　　ーヽ
　　 　 　 　 !　 　 　 　（●） （●）
　　 　 　 　 !.　　 　 　 　 　 '　 　}
　　　　　　　 ! 　 U 　 　 ─_-　ﾉ
::::::::::::::::::::::::xヘ.ヽ.　　　 　 　／　　　　　 しかし……結局はそれも、時間の問題なのでは？
::::::::::::::::::／､　　＼ `'ｰ─‐,, '
::::::::::::／ ／＼　　 ＼ ｀Yh＼
.　 ／ ／ 　 　 ＼　　 ＼ﾊ辷」
∠ィ⌒ヽ. 　 　 　 ＼　 /万]＞、
′　　 　 ＼ 　 　 　 ∨ゞﾐ｜,ﾊ}
...:::::::::::ﾄ､ 　 ヽ　　　　 　 ﾉ |/V
　 . ::::::い　　 |　　　　　 {.　|/｛
　　　:::::ヽ.　　| ﾄ､　　　　}　|/ﾊ
. 　 ' 　 :::::＼ | 川 　 　 {　 |く〈

.

　　　　　　 /　　　　　　　　/　　　 ／　　　,,　'' /　　,ｲ 　 　 　 　ﾊ
.　　　　　 /　　　　　　　　/　　 ／　　,,　''　　 /　 ／ !　　l　　　　ﾊ
　　　　　 i　　 l　 　 　 　 l/ .≠＝≠=-　　　/ .／　　l　　 l　l　　　l
.　　　　　l　　 l　　　　 　 ! / _.∠二、　 　／／　 ｀ヽ､',　　l　l　　　l
.　　　　　!　　 l　　　　　 .l／ﾌつ:ﾊ　　 ／／　　 r‐-､ ヽ、 l　!　　　l
　　　　　l　　　!　 l.　　　 l　ゞ＝'ノ　／'' ´　 　 　ﾌ｀>､ヽ ', !./　　　 !　　　　　いえ、そこのところは安心していいと思うわ。
　　　　　l　　　',　 l　　　 l..　　　　　　　　　　i　 弋´ﾊ}`i　.}//　　　 l
　　　　　l　　　 ',　.l__　　 ﾄ､　　　　　　 　 　 l　　　` '　　/ィ′　　　!　　　　　天海僧正が造り上げた結界は、そう簡単に
　　　　　ll.　,'　　V´　＼　l ヽ　　　　　　 　 /　　　　　　/　! 　 　 　!.　　　　　破られるような代物ではないもの。
　　　　　l! /　　/　 ／｀ヽ l 　',　　　＿__　 　 　 　 　　/　 l.　　　　,'
　　　　　l/　　/　 /　　､ _ヽ 　', 　　｀ｰ- ｀＞　　　　 /__　l　　　　,'　　　　　　陰氣が多少乱れたぐらいで、どうこうなっていたら、
　　　　〃,ｲ　{　　′ .／　｀ヽ.　!　　　　　　　　　　／/　}」 - ､.　,'　　　　　　 この江戸は、とうの昔に滅びているはずよ。
　　　 // /　 ',　　 ／　　, -‐､ﾄ !　 　 　 　　 , ィ ´ 〃r ´, -､　Ｖ
　　 .// /　　∧　　　　 '　　　 ! l`ヽ､　　, ィ　/ / / | l／ __　ヽ. ',
`ヽ.//　! 　 /　',　　　　　 く´ソ`lｰ ､ ｀ ´ /／ / /// l ／　 ヽ ',｜
　　 `ヽl　 /　 .∧　　　　　 Y |　!　ハ_ ..' `ヽ./ 〃/ヽ{ r ‐- ､ ` .l





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　iニーヽ　　　　／─　　─　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　iニ＿ 　￣￣／（●） 　（●）　　　＼　　　　　確かに……
　　　　　　　　　　　　　　　⊂ノ￣￣|　　（__人__）　　u　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂ ヽ∩　｀ー´ 　　　＿／　　　　　今までだって、戦はもちろん、大火事や大地震、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､＿ ＼　　　　　　 ）　　 　 　 　 飢饉なんかも無数に起きてきたわけだし……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　＼　／　／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　ヽ　／　 |

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼ -、_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （＝）（＝ ）／　´／ /)
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （__人＿） {　 　 , ' ´,/　　　　　　 まぁな。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　〈´／::::Λ　　　　　　　 それで今、こうして江戸の街が無事で
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 | 　 　 　 ﾔ::::::::::::::Λ　 　 　 　　 あることが、何よりの証拠だってことか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
　　　　　　　　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
　　　　　　　　　　　　　　　　i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
　　　　　　　　　　 　 　　 　 ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | :::| ::::::::', :i::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/





　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:i:.:.:.:.:ﾚ≧＝=ミ､__.:.:.:.:.:.ヽ、
.　 　 , '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.}:.:.:.:.{　　　　　　　 ｀ヽ.:.:.:.'.
.　 ／.:,､:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:/.:.:.:.:ﾊ　　　　　　　　　 }:.:.:.|
／.:／ノ.:.:.:.:r┐'.:.:.:.:.,'.:.:.:.:/ム_ノ　　 　 　 　 ,':.:..i:.}
.:.:.:i　 ﾚ'⌒｢ } ｈ:{:.:.:.{:.:.:ィイテ=x、　　　＼ _/.:.:.:.り
.:.:.:|　 ､_j ｜|/｜、:.:!:.癶代tｧﾝ　　 　 ｲテ小:.:.:.:{　　　　　　 しかし、本当に大丈夫なんですか？
:.:.∧　　､_ﾉﾉ ヽ vﾊ:.!:廴__ ,｀´　 　 　 弋ﾂｲ:.:'.:.:.:.',
:./.:∧　　 ＼　 　い:}:.:）￣　　　　 {　　 /:.:}:.:.:}:.:.:.:}　　　　　 何か、『 結界 』を壊す方法があったりは……
'.:.:/.:.:',　　　　　 /.:/イﾍ、　　 ─　　.イ:.:.ｲ:.:/.:.:.:/
.ノ.:.:.:.:.〉、　　　ム(::じ 　 ｀ 　.._　ィ:.:{:.:.:.V:.{:.:{:.:,.く
:.:.:.:.／　}　　　ハ、｀¨´ 　　　　|_:.{:.:.!:.:.:.:.｀ヽﾚ':.:.:.:ヽ.
:.:.:/　 」二二二二}丶、　　　　　　｀ヽ、:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.

.

　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　／　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　/　 .／／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 /　./ ／　　　　　 , '　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　　　i　 //　　　 , - ／ ,イ　　l　　　　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　l　//　　／ ／ ／ //　　i　　　　　　|　　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　 i〃 ﾆZ ／ - '　 //　　 /　　　　　: :l　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　Vｲﾌ／' ´`丶　i,ｲ　　/　　　　 . : : i　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　 /〉 `　　　-ﾐヽ`ﾄl.l　　/　　　　 . : : :i　　　　　　　 l
　　　　　　　　　 　　/ r '´　　　 ､じ,､.l llヽ /　　　　. : : : :/　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　 /　 l　　　　　　ヾ ,ゝ､l./　　:　　. : : : :/　　　　　　　　i
　　　　　　　　　　/ 　 lヽ、　　　　　　 l ｿ　 . : 　. : : : : ｲ　　　　　　　 　!
　　　　　　　　　/　/ : :l　 `　　　　　　/　. : : : . : : : : :/l　　　　　　　　/　　　　　　　――あるわよ。
　　　　　　　　　'　ｲ : : :l　　　　　　　/　. : : : . : : : : :/: l　　　　　　　l/
　　　　　　　　.,'　/l : : : :丶 ､ 　　　/　. : : : : : : : : :/: : :l　　　　　:l　 l
　　　　　　　　.l / l : : : : : :/: :7 ＞/ . : : : : : : : : : /: : : :l:　　　　　l　 l
　　　　　　　　l / .l : : : : : /: :/〃/ . : : : : :/: : :／.: : : : :i:　　　　　l:　 l
　　　　　　　　l/　 l: : : : :./: /〃/ . : : : : :/: :.∠ﾍ: : : : : l: .　 l　　:ﾄ; 　l
　　　　　　　　l　　 l: : : :〃/ 〃/: : : : :／: ∠.......ﾍ.: : : : l: .　l　　 l l:　 l
　　　　　　　　l　　　l: :.//ノ /,=i: : : :／: ／-－-ﾆﾍ.: : : :l: . .l　　 :l l:　 l
　　　　　　　　　　　 l /i/　／ l: : :／: ／　　　　　　ﾍ: : : l: . l　. : :l l: 　l


.

　　　　　　　　　　　　　　　　 人
　　　　　　　　　＿＿＿　　　　　て
　　　　　　　 ／　.u　　　＼　　　 〈
　　　　　　／(（○）) (（○）)＼
/⌒)⌒)⌒).::::　 （__人__）　l_j :::＼　　 　 /⌒)⌒)⌒)　　　　――へっ！？
|　/　/　/　　　　 |r┬-|　　　　　|　(⌒)/　/ / /／
|　:::::::::::(⌒)　U　.|　|　 |　　　 ／ 　 ゝ　　:::::::::::/
|　　　　　ノ　　 　|　|　 |　　 　＼　　/　　）　　/
ヽ　　　　/　　　 └ー.┘　　　　ヽ /　　　　／





　　　　　　　 　 　 　 , ｎ　／￣￣＼ .ｎ
　　　　　 　　　　 .　/ / ｊ.´_ノ　 ヽ、u'l lヽ、
　　　　　 　　　　　/,ｲ /　（○）（○） .ｌ i i i
　　　　　 　 　 　 〈 .ｒ　{u　（__人__）　.i. } } 〉　　　　 おっ！　おいおい！！
　　　　　　　　　　', ｉ. 　',　 　｀ ⌒´　/ 　 /
　　　　　　　　　　 .i　 　l.　　　　　　,'　 ./ 　　 　 　 姐さん！　それは本当かよ！？
　　　　　　　　　.　 ヽ､_.ｲ、.　　　　人　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 　〈_ノ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　.／
　 　 　　　　　　　　　　　|　 　 . 　 |

.

　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　 　 　 /　　　/　　　　　　　,、　　　　　　　　 、
　　 　 　 　 /　　　/　　　　　　 ／ !　　　　　　　 　 !
.　　　 　 　/　　　/　 /　　　 ／　/ ∧　 l　 |　　　　}
　　　　　　|　　　/　 /　　 ／ 　 / /　!:.　|:　|　　　　|　　　./ﾞ｀〉ｰ- ､
　　　　　　|　　　|:　/ｰ フﾞ｀ 　 /／ ｰト- |､ :|　 |　　,'　　 /　/　　　　 ￣ ｰ-- ､
　　　　　　|　　　|: / ィ夭示 ／　 ﾁ示ミヾ;.:.:|　 |　 /　　./　/　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　　　|　　　|　メ ゞ- '　　　　　ゞ-'ﾞ ｀ﾄ ':　 ｌ　 ｌ　　/　/　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　|　　　∨　　　　　 i　　　　　 　 !:.:.　 !　 ! 　/　/　　　　　　　 　 　 　 　/
　　　　　　|　　 .:.:|ヽ　　　　　　　　　　　　|.:.:　 ｌ　 !　/　/　　　　　　　　　　　 ／ 〉　　 　　……何のために、私が長々と
　　　　　　ｌ　　 .:.:|.:.:.＼　 　｀　_フ　 　 ／ｌ.:.:　 |　 | /　/　　　　　　　　　　　< ／〉　　　 　 風水や、菩薩眼の話をしたと思ってるの？
　　　　　　 〉　 .:.:.|.:.:.:.:.:.ヽ　　　　　, イ.:.:.:.|.:.:　 |　 ﾚ　/　　　　　　　　　　　 ／／
　　　　　　∧　 .:.:|.:.:.:.:.:.:._个ｰ　 '´　ト､.:.:.:!.:.:　 !　/　/　　　　　　　　　　　 〆__〉
　　　　　 /　',　 .:.|.:.:.:.:.:/　｀ヽ　 rｰ'　 {.:.:.:|.:.:　 ｌ /　/　　　　　　　　　　　 (二ノ
　　　 　 /　　ｌ　.:.:|.:.:.:./　　 / ｢ !ﾍ　　 ヽ;.|.:.:. //　/　　　　　　　　　　　　 ∧
.　　　　/　 　 ! ｌ :.| ／ヽ　　| ｜|　',　　 /,'.:.. ハﾞ｀ゝ､　　　　　　　　　　　/　.!
　　　 /_　-─从 .:!　 　 ＼/　| .!　 ヽ／/.: /　/ソヾ´｀}｀ ｰ-　,_　　　　 /　　|
ィ´￣　　　　　　ヽ|＼ 　 　 　 { .! 　 　 /／ ／/　　|　 !　　　　　 ￣￣ 　 　 !





　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　／　　 　 　＼
　　　 ／　　─　 　 ─＼
　　／ 　　 （●） 　（●） ＼
　　|　 U　 　 （__人__）　 　 |　　　　 ……えっ？
　　＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <
　　　 |　 |　 '､＿ ＼　／　 )
　　　 |　 |＿＿＼　 “　 ／
　　　　＼ ＿＿＿＼_／

.

　　|　 i　_.　-: |　　 |　 . : : : / / . :/　　 　 |: i: :　i　　　　　　　　: : : : : :|: :
　　|. ィ　　　 : :!　　 !　: : : /7' . :７￣￣　 ┤|: :　|　　　　　　　　: : : : : :|:
　　| ﾊ 　 　 : : '. 　 l　: : : j/ : ／＞､ 　 　 :l: ﾄ､　|　　　　:|　　　 : : : : : :!:
　　| | |　　　 : : '.　 |　: : / :／,≧＝ ､__　　:l: :!: : !　　　　:|　　　 : : : : : :|:
　　| | l.　　　 : : ﾍ　V: /／　　　　　 7_r`＝ｌ: :|!: l　　　　: !　　　: : : : : : !:
　　l, ! ﾍ　　　: : : :＼: :/　　　　 ｀ ーゝ≠'"ﾍ: :ｌ､|　　　. : |　　　: : : : : : j!:
　　 l,|　ﾍ 　　 : : : : : 〉'　 　　　　　　　　 　　 '. : !　　　: : |　　　: : : : : :'l: :　　　　　……『 菩薩眼 』の力によって造られた結界ならば、
　　　|　　ヽ. 　 : : :／　　　　　　　　　　　　　 ∨|　　　: : |　　 : : : : : :': |: :　　　　　同じく、『 菩薩眼 』の力ならば壊せる――
　　　 　　 ト　　／　　　　　　　　　　　　　　 　 V　　　: : l　　. : : : : : ': :!: :
　　　　　 i　　｀＼　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　. : :l　　. : : : : : ' : |: : 　　　　 ――そうは、思わない？
　　　　　 l 　　　: :ヽ　　　　　　　　　　　　　　　i　　　: : :!　 . : : : : : ': : :|: :
　　　　　 |　　　: : : i､　　　　　　　　　　　　 　 ′　 . : : .' 　. : : : : :,': : : |: :
　　　　　 |　　　: : : : ｀ゝ-- ､__ ,　　　　　　　 ,′　. : : :.′ : : : : : /: : : : !:
　　　　　 |　　　: : : : : ヽ　￣￣ 　 　　　　　/　　. : : :/: . : : : : : /: : : : : |:






　　　　 ／.:￣￣￣￣￣＼　　　　人
　 　 ／: : :　　 　 　 　 　 　＼　　　　 て
　 ／: : : 　 　　　　　　 　 　　 ＼　　　 〈
／: : : :　-一'　　 　 　 ﾞー- 　 　 ＼
: : : : :／´ ｀ヽ 　 　 　 r´　｀ヽ 　 　 ヽ
: : : :（ 　f;;;;j　l,　　　　ｌ　f;;;;j　 }　 　　l　　　　　　――あっ！？
: : : : ヽ_ ｀ _ノ　　　　 ヽ_ ´_ ノ;;:: 　　 |
: : : : : : ´"''"　　 '　　　"''"´　　　　　l　　　　　　あ、あぁっ！！
: : : : : : . .　　　＿＿　　　　　　 U ／
＼: : : : : : :.　V_＿＿ヽ 　 　 　 ／
／ヽ: : : : : : : : : : 　　　　　　 イ＼
: : : : : : : : : :　　　 　 　 　 　 　 　 ＼

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r 、　　　　　　　　 ／　　　 丶
　　　　そ、そういうことか……っ！　 　 　 　　 　 　 　 　 　 　 　 }　}　　　　　　　 _,ノ　ヽ､,__　　`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ､」　{　 _　　　　　 (○）（○.）　 　｜
　　　　だから、阿部の野郎は、　　　　　　　　　　　 　　　 　 ,-く ヽ { / .〉　　　　　(_人＿）　　U　|
　　　　「 鬼は菩薩眼の女を探している 」って――　 　　 r´ ヽ ヽ､｀〈, {　　　　　　|｝r┬‐|　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　r、 ヽ 〉イﾘ　　　　　　'､｀⌒ ´　　　, ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 } 　 し√' ／ 　 　 　 　 ｜ ､ 　　 　,ｲ//｀ｰ‐‐‐‐‐-、＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　_,,-イ　 　 　 　 　 　 `ｫﾆﾆ二´／ｨ : : : : : : : : : : : : : >、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠ヽ＿_,,-''7 　 　　　　　　 _/ /＼　 ／ : : : : : : : : : : : :／.: : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ : : : : : : : |　　　　　　　／/|ｲ:::::/∨ : : l : : : : : : : :| :/ : : : : :',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : : : : :ヽ　　　　　 r''/ : | ./｀Y / : : : 」 : : : : : : : :./ : : : :.//ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : : : : : :|　　　　　ノ/.: : | ｉ::::::|/ : :／ : : : : : : : : :/ : : :／/ : : :|、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : : : : : :|　　　　/|./: : : :|/:::::/ : : : : : : : : : : : : : | ／ : : : : : : : :|.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : : : : : :|　　 __/ /.: : : : :|::::/ : : : : : : : : : : : : : : : ､ : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : : : : : :ヽ／ : : :| : : : : : |:/ : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : : : : : : :|＼ : : :| : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : : / ＼ : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : : : : : : :〉〉.: : : :| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.〈　　 ＼=二 : : : : :





-／...;;イ::::　　　 / 　. 　 　　`,　　　　　　　　`!|::|:　 ｌ　|
〔,ｒ'≦../.:::　.:　/　.:: 　 ,　..:　 /　　　　　　_,, 　,,,|::| 　 l, |
:::.....　/.::: .:: ／ .::　 ./ 〃 .／　 _,,,,r-‐"´　 ./,∧:|　　.ｌ|
テ‐ﾌ/.::.::: /　 :: / / 〃／=ニ三`　　　 　 .iｒ‐|∧ﾊ　 ∧
' ／/.::::／　 .:::/ / ./ /　彡-‐、__ 　 　 　 lｃ」'::::ﾍ;:ﾍ　..ﾍ
´:::::::::::/ 　　 ::/　l　iｌ　-,ｒ","c、,ｌ　 　 　 　 l::::|:::::::l::ﾍﾍ　 ﾊ
::::::::::::i　　　 ::l: : .ｌ .lｌ ‐,"　|:::::::::::|　　　　　　i;;ﾉ;::::::l::::ﾊ::l 　 |
:::::::::::ｌ 　 　 :l:.:　l .i! ｝| 　 !::::::::::l　　　 　 　 ヽ、ノ.::::::::lﾉ...ノ
:::::::::::l. 　 　 :l:::. .ｉ l、 `　、乂；ﾉ　　　　　　　　ヽ::::::,r",ｒ"
:::::::::::.i:.　　、ヽ;:. ヽヽ　　 `´~　　　　　　 　 　 /:／／
:::::::::::.ヽ、.　ヽ,ヽ、. ` ヽ　 U 　 　　　　　,ｘ--/./ /
:::::::::::::::::ヽ、.　ﾞ、ヽ、:.　` 、　　　　 　 ,ｒ"　 / i!../　　　　　　　 つ、つまり、鬼道衆は『 菩薩眼の女 』を見つけて、
`ヽ、::::::::::..ヽ、.`、　`、.　|!`、　　　　 ヽ___/ l.ll...l　　　　　　　　その『 力 』で、江戸の結界を壊そうと――！？
:::::::フヽ、::::::::｀、l!::. 　`,、l-ﾘ_＿＿＿＿_/λ.lll、l
-‐”　　 `、::::::::〉!|i:::　 ﾉﾚ’　 /　　　　　 ./ノ`ー`ー
　　　　　ﾉ::::::::/　ヽ、/　　　/　 　 　 　 （

.

　　　/ 　　 　 /　／　　　　　 ,　ﾊ　 ヽ. ! 　 　 　 　　',
　　 ,'　　　　 ,'　/　　　　　　,ｲ /　',　　`i　　　　　　　 !
.　　ll　 　 　 i ./ /　　　　／/ /　　ヽ.　 l　l　　　　　　l
　　lll 　 　　 !/ / 　 　／　/ / 　 　　ヽ､!　!　 　 　 　 l
　　lll 　 　 　!.7￣ﾆ≠-､ //_ -__――_-l　l　　　l　　 .l
　　lll　　 l　 l i　''又辷ｧ 〃　 ´'¨弋辷ァl　l 　 　l.　　 l
　　lll　　 !　 l ! ./　 ￣ / 　 　　　`ー－1 .l　 　 !　　 l　　　　　　　……おそらくね。
　　lll 　　l 　 !ｌ ハ　　　　l 　 　 　 　　　l　l 　　l 　 　l
　　lｌl　　 l　　l/　l ', 　 　 !　　　　　　　 ｌ　l.　　ｌ　　 ,'　　　　　　　 前から、可能性のひとつとして考えていたけど、
　　lｌl　　 .l 　 l　 l l_ヽ、　 ` ､＿__　　 　l　l　　l　　 ,'　　　　　　　　さっきのやる夫君の話を聞いて、ピンと来たわ。
　　ll !　　 l　　l／ 　｀`ヽ 、 　￣ 　 　, ｲ .l　　!　 .∧
.　　ll l　　,, -''´　, ￣ l　l l lヽ､　　 ／　.l　l　 .l　 ,':::::ヽ、
　　_.! -''´　　　 /-‐ ｨl　l l l｀l　｀T´`ー:1　!　 !　,'::::::::::::
￣:/　　　　　 ノ　　''´し'ﾉﾉ /):::/O｀ヽ ::l　l　 l　,'::::::::::::::
:::::{　　　　　　　_,, - '' :::::｀Y:::::::i: : : : :}:::l　l　 ! ,'::::::::::::::::





　　　　　 　 　 　 　 ,ｨ".::::::::::/.:::,:'.:::/.::::／.:::::::::::::/.:::/.:/:ﾊ::::::::'.,
　　　　　　　　　　,.:':'.:::::::::::::;'::::/ .:/:;:イ.::::::::::::::::/.:::/.:/:/　l:::::i:::::..
　　　 　 　 　 　 /.::::::::::::i:::::ｉ!::/:::/´　ｊ:::::::/.::::::/.:::/.:/:/　　!:;ｲ:::::::l
　　　　　　　　 /ｲ.::::::::::::l:::::ﾙ'.::/-―≦イ） イ:::::/.:/厶-‐ ﾅ j::::l::::ｌ
　　　 　 　 　 〃l:::::::::::i:::l::::lル'__,ｨ示ミ:､＿.厶イ　__ ,ｨ示ミ:､」/!:::::ｌ
　 　 　 　 　 /'　l:::::l:::::l::::';:／|「ｲ !::::::::l　Y￣lY--「ｲl:::::::l￣ムｲl:::::l
　 　 　 　 　 l! 　l:::::ヽ:::ヽ::{／ゝ _ゞ-ｬ′___ノﾉ'￣ ､._ゞｬ′´_.ノﾉィ:l　　　　　 で、でも変じゃない！？
　　　　　　　　　 l::::::::::｀ ｰ::､､　 　￣￣￣ ´　　　　 ￣￣￣7.:::/::l.
　　　　　　　　　 ヽ!::l:::::::＼　　,,　　　　　　　　｀ ´　　　　　厶ｲ:::/　　　　　 その、阿部って人が鬼道衆なら、どうしてわざわざ、
　　　　　　　　　　 ヽ|:::l::::::::｀T´　U　　　　　　　＿　　　　　/::／　　　　　　 やる夫たちに、自分たちの目的を話したりするのさ！？
　　　　　　　　　　　 丶!::::､::厶　　　　　　　/´　　　ｌ　　　 /''′
　　　　　　　　　　　　　ヾ､:＼::＼　　　_,. r:≧f ￣「￣[]｀Y､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _,.≧ｆ´: : |: : : |: : :.| 　 ||　|: |:.､　　_.
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 <: :|: : | : : :|: : : |: : :.| 　 ||　|: |:├ '´: :
　　　　　　　　　　　　r‐r――=≧:､ l : : :|: : : |: : :.|＿_||._｣: l:ｲ: : : : :
　　　　　　　　　　　　| ||　|: : : : : : : :ヽ｀ ﾞ　‐- ､: : ＼　＼＼: : : : : :

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　 ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （__人＿）　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 '､｀⌒ ´　 　U　| 　　　　　そ、そりゃあ……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽr｀ｰ- -=´　i､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑ-　、､___,／ヽ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:Λ | : :､ : ＞、
　　　　　　　　　　　　　　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ :.∧__|::∨＼､: : : : :.｀,
　　　　　　　　　　　　　　　i : : : : : : : :| : : : : : :＼／￣ ∨ 　 /;;ヽ : : : :,i
　　　　　　　　　　 　 　 　 i : : : : : : : :! : : : : : : :/　´￣ヽ_V /;;/;;;;;ヽ : i∧
　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : :| : : : : : :/　　 ´￣V /;;/;(￣＼ :|: ﾊ
　　　　　　　　　　　　　,' : : : : : : : : :丿 : : : : /　　　　´￣y;/;;;(￣＼ V: :ﾊ




　　　　　　　　　＿＿＿
　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼　　　　　　　　……あのときはまだ、やる夫たちは
　　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼　　　　　　 龍閃組のことは、名前すら知らなかったお。
　 . 　/,'才.ﾐ).　 （__人__）　　　＼
　 . 　|　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|　　 　　 だからじゃないかお？
　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／

.

　　　　　　　　　　/ ／´　｀　　　／´　　　　　　　　＼　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　〆　　...-－v´/　　　　　　　　　　　　＼　　　　　｀
　　　　　　　 ..´　　　　　　　　iﾞ　ｒ－´｀ヽ..　　　　　　　　｀..　　 　　ﾞ}
　　　　　　　|　　　　　../｀－...　i　　　　__}　　　　　　　　　|__...,　　　i
　　　　　　　i　　　　　{_____......_γ--－　　i　　　＼　　　　丶　　｀´--´｀〉
　　　　　　　|　　　　::i　｀..　　　　　　　　　　ゝ＼　＼　　　 i:::::::::λ_ζ´
　　　　　　 〈　　　;:::::{　＼　　　　　　　　　　｀-...≧　 ｀..　　　　｀－´　｀..
　　　　　　　丶:::::::::::/　　}　　　　　､... －- - -…...,ヽ;:::ヽ　　｀ﾍ　　　　　i
　　　　　　　　y::::／　　　j_...-´｀..　　　　 ´i￣｀｀ 　　}:::::｝　　　　｀ﾞ...;.;.:　ヽ　　　　　　　……というか、むしろ幕府の軍から
　　　　　　　 /:::/　　　 ィ　_...ィ　　　　　　 ｀ ...____..,　,i:::::i　　　::::〉:::;　　　｀..　　　　　　 追われる立場でしたしね。
　　　　　　　/　|　::::: /ヽ　　　 ｀　　　　　　｀＝＝=″}::::|　::::::／j:::::;;　　　 ヽ
　　　　　　 {　;::i:::::《　へ｀ i __.=≠´　　　　　　　　　ﾉ:::::/::::::::／:|::::::|::::. 　　 ＼　　　　　幕府側の人間だとは、思ってなかったのでしょう。
　　　　　　 i ::::::〉...　ｋ┤　ﾞ...　　　　　i　　　　　　∠:::κ::::{::::ﾐi::::::::::i:::.:.:　　　 ヽ
　　　　　　　＼/　i〆｀￣｀つ, 　　　　!　　　　　　　/::::::i::::::::{　ヽ::::入:::::::.:::　　　｀
　　　　　　　　/＼___/｀￣´i__＼..　　　 _-っ　　　／λ::ｌ::::|:::《　 Ψ　 i::::::::::::::.　　　＼
　　　　　　　 { （｀ヽ_｀ﾞ―-(...__　　へ..._　¨　　..／　|::::::::|:::{´｀ヾ　 ＼　＼:::::::::::::;　　　＼
　　　　　　　/　ゝ...　ヾ＝-...　｀ﾞヽ...__＼　─´/´　|::::::::ヽ《　　　　　￣￣｀-..:::::::::;..　　　＼
　　　　　　/　//ヽ..｀ﾟ-...__　　　　　　　 ＼〉　　　　i::::::::::ヽ::::｀　　　　　　　　｀:::::::::::;　　　　＼




　　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　　 　 ＼
.　　 　／　　　ノ ' 　ヽ＼
.　　／　／）（ー）　（ー）u＼
　　|　／ .ｲ　　　　' 　 　 　 |　　　　　しかし……例えそうだとしても、わざわざ
.　　 /,'才.ﾐ).　　⊂つ　　／　　　　　 目的を仄めかすのは不自然なような……
.　　 |　≧ｼ'　　 　　 　　＼
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ

.

　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）　　 　 　　　　……鬼道衆に勧誘するつもりだったとか？
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　| 　 　 　 　　　 ナナリーの言うとおり、あのときの俺は
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|　　　　 　　 　 幕府への敵愾心を隠してもいなかったからな。
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　 ヽ､_ ＼　　　　　　　 ……それで、情報をあえて漏らすことで、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／（●）　（●.）　＼　　　　　　自分たちに興味を持つかどうかを判断する、と。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　（__人＿,）　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 　 　 |　　　　ついでに、菩薩眼についての情報も
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／　　　　 得られれば、一石二鳥だお。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ 　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 /

.

　　　　　　　 | i　　　 i /　　　　　 ／ /　/l　　　　　　　　　　　　ｌ　　　 |
　　　　　　.　| |　　　 l/　　　　 ／　 /　/ |.|　　　　　　　　　　　 |　　　 |
　　　　　　　| |　　　 / ー- ､／　　/ ./　 l l　　　　　　　　　　 　.|　　　 l
　　　　　　　ｌ .!　　　i　_　／_`ヽ　/./　　 l .|i　　　i　　　　　　 　 |　　　|i
　　　　　　.　i |l　　 .| ヽ戈ゥ,ミ ./／　'''ーl､|.i.　　 |　　　　　　　　!　　 .|l
　　　　　　　 i l.l　　 l /　ー―'／　　　'`ヽ i iヾ､ .|　　　　　　　 .|　　　| l
　　　　　　.　 li .i　　|/ﾊ　　／ i　　　 ´弋ｚ､ヽ＼.|　　　　　　 　 | 　　|l　i
　　　　　　　　|　i　　　ﾊ　　　./　　　 　 ＼ﾆヾヽl　　　　　　　 l　　　l l　ｌ　　　 　　……あり得ない話ではないわね。
　　　　　　　　　 ヽ　　 ﾊ.　　　　　　　　 　　　ヾ| `　　　　　　/　　　　|　|
　　　　　　　　　　 >i　　　＼　 ､　　　　　　　　 |　　　　　　　/　　　　 .|　|　　　　　ただ、その真意を今さら知るのは難しいでしょう。
　　　　　　　　　/´ |　　　　 ＼　` ー--　　　　|　　　　　　 ./　　　　　 |　|
　　　　　　　　 /　 |　i　　　　 |.＼　　　　 ,,　- |　　　　　　 /ヽ　　　　　.|　.|
　　　　　　.　　i　　.| .|　　　　 | //|` -､''　　　 l 　　　　　 / ヽヽ、　　　　i　 i
　　　　　　　　l　　 | |　　　　 |// |　　i´|＿,,,,-l　　　　　 /　/ ヽ､ヽ　　　 i　 i
　　　　　　　　|　　 | |　　　　|l .i .|　／!/　　　ｌ　　　　　/　/　　　＞-､　　i　 i
　　　　　　　　|　　 l li　　　　| .| |.／i　 i |　　l |　　　　/／ 　　／　　　` ､ i　 i
　　　　　　　　|　　 .|| i　　　 |　i|/　i　 i　| 　l .|　　　 /´ 　　／





.　　　　　 　 ／￣￣￣￣￣￣＼
.　　 　 　 ／:.　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　 /: : :　　　　　　　　　　 　 　 ＼
. 　 　 / : : : 　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ　　　　　　　 ……とにかく、鬼道衆の目的は
　　　 | : : : : 　,.r-===='　　 ヾ＝⌒　　　 l　　　　　　　江戸の『 結界 』の破壊である、と。
　　　 |: : : ::;　　（　○ ）　　　（　○ ） .;::　|
　　　 |: : : : :　 　 ´"''"　 　 　 "''"´ 　 　 l　　　　　　　そのために、『 菩薩眼の女 』の行方を
　 ,＿ ヽ___　　　　　　　　ゝ　　　　　U ／＿_　　　　　 求めている可能性が高い、ということですね。
／::　r' |　r'￣二ﾕ　　 --､__　 　 　 ／ : :: :: :`:､＿_
: : : :::| .|　|　/ 　) ｀)　　 　　　 　 ／: :.ﾍ : :: :: :: :: :: :＼＿_
　: :　|.ﾉ. ﾉ /　　⌒ヽ＿ 　_　 ,　´　|: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ
　: :: ::＼　　　　　　　　　`ト､　　　/: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ
　: :: :: :l: ｀ー┬-､　 　 　 |ii入　／|:: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ
　 : :┐|: :: :: :: :＼）　 ７ ./iiii〈　 　 |: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
　: :イ .|__/ ,へ/⌒＼　./iiiiiiii｝ 　　| : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :!
　イノ: : / /: :: :＼＿ ￣＼iiii｝ 　　|: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :|

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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　＿＿
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　　　　　　　　　　　　　　　　 _.:'::::::::::-‐=:;.:::-‐:::::￣:::::::-=ﾆ￣｀ヽ
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　　　　　　　　　　　　 /ｉ::/:::::l／.:∠. イ::::／:::;:ｲ_..:イ.::::/.:::::/.:::::/.::|
　　　　　　　　　　　 　 ﾙi:::::,'ｨ≠ﾐ:､　ﾉイ￣厂｀ﾒ､.ﾉ.:::/ .:::/.::::::'::::::
　　　　　　　　　　　　　　|::/!:{l::u:ｌ　 　 ,ｚ≠ミ:､ イｧイ.:::::/.::／..::::/　　　　　でも、その『 菩薩眼の女 』って、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾘl｀¨ﾉ　　 " {:::u:ﾉゞ∠イハ/／..:::::::;.'　　　　　 一体どこにいるのさ……？
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 く　　　　　｀¨´　ｰ= r'⌒j:::::::／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　U　/　 ノ_,.:'::／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 `tー っ　 　　　ｲ｀T´ムイ＿＿　　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }＿_　　.　イ＿_ ｲイ:／￣￣￣/￣￣｀Yrﾆ =―――――=ﾆ､￣￣ ＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r＝ﾆ二三,≧´　　　　　　　　　　　　　　　　　_, イ´　_,.　-=ﾆ ´　　 >､
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 `幺　　／/　　　　　　　　 . : : : : : : : : ＿_,.∠. -=ﾆ´　　_,.　-=ﾆ´　　 〉
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀Y　　∨. : : : : : : : : : : : : : : : : :／ ＿　　_,.　-=ﾆ´　　 　　 ＿ ,／





　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　|　　　 （ ●）（●）
　　　　　.　|　u.　　 （__人__）　　　　 阿呆。
　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　.　 |　　　　　　 　 }　　　　　それが分かったら苦労しねぇよ。
　　　　　.　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　 ヽ　　　　　ノ
　　　　　　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　　　　　　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　　　　　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
　　　　　.　　　 |　　　　　　l

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　 -‐-　 ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　´　　　　　　　｀ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　,. -‐'ｆﾌﾌ 　 　 　 　 　 ７　　 　　　　　　　　　　 　 ｀､
　　 　 / 　 ｒ‐´ ｒ‐､ 　 　 　 　 / 　 　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　ﾉ　 _/＿ 」　 .l　　　　　　|　　　ー‐-‐'　　 `ー‐-─ 　 　 !
　　 i　　 _ ＿　.） ,'　　　　　　 |　　　（ ー‐）　'"　（ ー‐ ）　　　!　　　　　　……その、静姫という『 菩薩眼の女 』が生んだ、
　　 !　　　　　｀{ ﾉ　　　　　 　 ヽ　　 　 ,　 　 !　　　　　 　 U /　　　　　　 九角家の遺児は、いまだ行方不明らしいお。
　　 |　　ｰ ― ､}´;￣￣;｀ ｰ‐-/;:;＼　　ヽ＿人＿_,ノ｀ 　　／,.,.,.
　　 l　　 ,.-ｒ　/;:ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/:;/:;:;:;ヽ＿ ｀　ー 　 　 __, ｲ:;ヽ:;:;:;　　　　　　鷹野先生、その静姫の子供たちが『 菩薩眼 』を
　／i!　　　 〕〈:;:;:;:;:i:;:;:;:;:;:;:;:;:;/:;/:;:;:;:;:;!　　＼ _ｰ‐_,.／　　i:;::;:ヽ:;:;　　　　　　受け継いでいる可能性はあるのかお？
´:;:;:!ヽ ＿∠);;',|:;:;:;!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/:;:;:;:;:;:;ﾄ､　／!;;;;;;;;;;〉、　,,.ｲ:;:;:;:;:;:ヽ
:;:;:;:;:ゝ､_　 /;;;;ﾉヽ:;:;!:;:;:;:;:;:;:;:;:|:;:;:;:;:;:;:;ト.｀'　 ヾ--〈　 Ｖ　 !:;:;:;:;:;:;:;
:;:;:;:;:;O /｀:;´/;:;;:;:|:;:;l:;:;:;:;:;:;/└-､:;_:;」　　　　!;;;;;;;!　 　　 |ヾ､:;.-‐
:;:;:;:;O:;':;:;:;:;/:;:;:;:;:;l:;:;:!:;:;:;:;/:;:;:;,.-‐´:;:;:|　　　 |;;;;;;;;|　　 　 !:;:;＼_:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/ ､:;_:;_:;:;:;:;:;:;:;/:;:;;:;:ヾ:;:;:;:;:;:;:!　　　!;;;;;;;;;!　　　/:;:;:;:;:;:;:;7





　　　　　　/　 /　　　　 .i /　　　　　　.／　l　.ﾊ　|.　　ヽ　　　　　 i.　　　i
　　　　　 i　　/　　　　　l./　　　　　.／　　l　/ !　|　　　l　　　　 　 l　　　|
　　　　.　l　　i　　　　　 |!　　　　 .／　　　l. /　l　|i 　　 l　　　　　　l　 　 |
　　　　　|　　|　　　　　 ||.　　　 ／ 　　　/ /　　ｌ |i＿　 |　　　　　　ｌ　　 |
　　　　　|　　|　　　　　 |!　,,,-ナ''''''- 　 / /　''￣ｌ lヽ ｀`|　　　　　　l　　 |
　　　　　|　| |　　　　　 | '''　/ -ー-､　/ /　　"￣ヾ'''-　.|　　　　　 |　　 l
　　　　.　l　| |　　　　　 |.　/,,o-''jTヽ /./　　　"`６ヾ-､　|　　　　　.|　 　|
　　　　　 l　| |　　　　　.| ＜弋-;;ソ　//　　　　 弌ﾆ乂 ＞　　　　　|　　.|
　　　　　 l .| l|　　　　　|/ 　 ` 　 　.〃　　　　　　　　 ヾ､|.　　　　　|　| |　　　　　 ……そうね、あるかもしれないわね。
　　　　.　 l | !|.　　　　　l ヽ　　　 ／　　l　　　　　　　　　|　　　　　|　 | |
　　　　.　　l|　|　　　　　 ﾄ､ヽ.　　　　 　!　　　　　　　　　l　　　　　|.　 |.l　　　　　 前にも話したことがあるけども、『 力 』っていうのは、
　　　　　　 |　.|　　　　　 |. ヾ､　　　　　＿＿＿　　　　　|　　　　　! 　 |!　　　　　 血筋によって受け継がれることが多いものだし。
　　　　.　　　　|.　　　　　| 　 ヽ　　　　ヽ､,,,,,／　　　　ノl　　　　 /　 　 l
　　　　　　　　 l.　　　　　|　　　丶　　　　　　　　　／! .l　　　　 /　　　 |
　　　　　　　　/l　　　　　|　　　　　`i ､　　　　,,　´　 l .l　　　 | /　　.|　 |
　　　　.　　　 i　l　　　　　l　　　.r､ーl　｀'' - "　　　 .lｺ　　　 l /　　 |i　 |
　　　　　　　 |　 l　　　　　l　　 /　`-!､,,　　_ ,,　- '''　.l　　　 l/　　　 |i 　|
　　　　.　　　|　　l　　　　　l. ／　　　 /ヽ-/ i　　　　 l　　　 /　　　　l .i　 |
　　　　　　　|　 　 l ヽ　　　Ｋ　　　　/ l　　l　ｌ　　　 .l　　　/

.

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : :ヽ: : : : 丶: : : : : : '.
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,': : : : : : : : : : : : :ﾊ: : : : :.i: : : : : : : i
　　　　　　　　　　　　　|: : |: : : |: : :| :l: : :|│ : : : |: : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　| l: |:l: :｣L: ┴'ー┴|: : : : :|: : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　|_L Tﾆヽ　　'´戈乏: : : : :|: : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　| ∧^乏　　　　 ´|: : : : :l: : : : : : : |　　　　　　幕府は静姫の忘れ形見である、
　　　　　　　　　　　　　　|: l : .　;　　　　　 |: : : : :l: : : : : : : |　　　　　　二人の子供を、執拗に探していたそうです。
　　　　　　　　　　　　　　|: l 八　 　__　 　 |: : : : :|: : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　|: l: : : 丶、　 　 /:/|: : : !: : : : : : : |　　　 　　 それこそ、20年経った今になっても……
　　　　　　　　　　　　　　|: l : : : : :ｉ : :ー/:厶|: : : |: : : : : : :│
　　　　　　　　　　　　　　|: l : : : : :|: : : /:/　 !: : : !: : : : : : :.:|
　　　　　　　　　　　　　　|: l : : : : :|; : /:/／│: : :|: : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　|: l : : : : :|:∨/´　　|: : :│: : : : : : │
　　　　　　　　　　　　　　|: l : : : : :|:// 　　＿＿＿＿＿.: : : !
　　　　　　　　　　　　　　|: l : : : : :ﾚ' 　.／　　 　 　 　 　 ＼ |
　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 　 　 ／　　　　　　　　 　 　 ＼
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　　　　　　　　　　 . 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　 　 ￣｀丶　　　 　 ' ´ ￣　　　 　 |　　　　　……なるほど。
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 　 ‐ｭ::::ｪ‐　　　 　 ‐ｪ::::ｪ‐　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　これで、幕府が未だ九角家の遺児を
　　　　　　　　　　 . 　 　 　 ＼　U 　 　 　 　 　 ´ 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　 追い求めている理由も分かりましたね。
　　　　　　　　　　 . 　 　 　 　 ＼　　　　　　- ――- 　　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ヽ　　　　　　　　　　　　　　イ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼

.

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,. :´ ￣￣￣￣ ｀ヽ､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　-=v´. : ´￣｀ヽ｀ヽ: : : .＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 ／／,.､: : /⌒｀ヽ､: :.}: :}: : : : : .ヽ
　　　　　.　 　 　 　 　 〃, ' / ミtV＾´''ｰz=-}: : : .＼＿: : :.:!
　　　　　.　 　 　 　 　 {: : : :{zﾞ｀　　 ､　　　 {: .＼ : . ヽ｀ｰti､
　　　　　　　　　　　 　 ヽ : .ヽ_ノ　　　￣￣ ヽ ､ ヽ : :}ｰ｀ｰ'
　　　　　.　　　　　　　 　 }ﾉ｝ }　_　 　'´了か　} }: :ﾉ. :｝: :{: ::.
　　　　　.　 　 　 　 　 ／ ノ ｲ´心　　　 Vソ /ｲ /. : ｲ: : |: : :.　　　　　　ただ、幕府の方も、その行方が
　　　　　　　　　　　　｛: :{ : : ﾊ Vｿ　　　　 　 / /.:{: : |!: : ｌ : : :.　　　　　 未だ分かっていないとなると……
　　　　　.　　　　 　 　 ＼: : (圦 　 ′　 　 u {: : ､: .、l!: : :. :.､: .＼
　　　　　.　　　　　　　　　 ー ､　、　 -‐　　, ヽ ,ﾉ. :},ハ : : : :l＼: .＼
　　　　　　　　 　 　 　 　　 }: : )ﾊ}＞ ､_ ..ｨ 　ノ rイ {: : }ヽ : : !: .ヽ : .｀ヽ、
　　　　　.　 　 　 　 　 　__ノ. : ﾊﾉ 八ｰ=-V-=<ぅ' l　( ＼: : : :}: : : : : : : : .ヽ
　　　　　.　　 　 　 ／´, : : ,r‐-‐'_ア‐(⊂X⊃)- ´＿_＼ ｀ー'―,-|､　 ! : : :i
　　　　　....　　　／ ／/. :/　　≦-､　 (／＼)　　(＿ ｀＾´　　／　i　ヽl: : : :}
　　　　　...　　. ' ／　/. :/　　 　 ／､ 　 ,　-―r――｀　 　 / 　 ,ﾉ　　} : :,ｲ
　　　　　　　/／ 　 /. :/　　　∠ 　　　　　　　 ＼_　 　 　 '　 　 　 　 { : : |





　　　|　 i　_.　-: |　　 |　 . : : : / / . :/　　 　 |: i: :　i　　　　　　　　: : : : : :|: : : : :
　　　|. ィ　　　 : :!　　 !　: : : /7' . :７￣￣　 ┤|: :　|　　　　　　　　: : : : : :|: : : :
　　　| ﾊ 　 　 : : '. 　 l　: : : j/ : ／＞､ 　 　 :l: ﾄ､　|　　　　:|　　　 : : : : : :!: : : :
　　　| | |　　　 : : '.　 |　: : / :／,≧＝ ､__　　:l: :!: : !　　　　:|　　　 : : : : : :|: : : :
　　　| | l.　　　 : : ﾍ　V: /／　　　　　 7_r`＝ｌ: :|!: l　　　　: !　　　: : : : : : !: : : :
　　　l, ! ﾍ　　　: : : :＼: :/　　　　 ｀ ーゝ≠'"ﾍ: :ｌ､|　　　. : |　　　: : : : : : j!: : : :　　　　　 ええ。
　　　 l,|　ﾍ 　　 : : : : : 〉'　 　　　　　　　　 　　 '. : !　　　: : |　　　: : : : : :'l: : : : :
　　　　|　　ヽ. 　 : : :／　　　　　　　　　　　　　 ∨|　　　: : |　　 : : : : : :': |: : : : :　　　　　 鬼道衆も、その居場所を簡単に
　　　　 　　 ト　　／　　　　　　　　　　　　　　 　 V　　　: : l　　. : : : : : ': :!: : : : :　　　　　突き止められるとも思えないわね。
　　　　　　 i　　｀＼　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　. : :l　　. : : : : : ' : |: : : : :
　　　　　　 l 　　　: :ヽ　　　　　　　　　　　　　　　i　　　: : :!　 . : : : : : ': : :|: : : : :　　　　　今もおそらく、必死に探しているはずよ。
　　　　　　 |　　　: : : i､　　　　　　　　　　　　 　 ′　 . : : .' 　. : : : : :,': : : |: : : : :
　　　　　　 |　　　: : : : ｀ゝ-- ､__ ,　　　　　　　 ,′　. : : :.′ : : : : : /: : : : !: : : :
　　　　　　 |　　　: : : : : ヽ　￣￣ 　 　　　　　/　　. : : :/: . : : : : : /: : : : : |: : : :

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|
　　　　　　　　　　　 r;r‐r/　| 　 |　　（__人__）　 |　　　　　 ……だとすると、俺たちが先に『 菩薩眼の女 』を
　　　　　　　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ　　.　 　 見つけて、保護する必要があるってことか。
　　　　　　　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ




　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　 ／　　 　 　＼
　 　　 ／　⌒　　⌒　 　＼
　　 ／　 （ー）　（ー） ／^ヽ　　　　　 もしくは、それより先に鬼道衆を
　　|　　　（__人__）（　/　　 〉|　　　　　ぶっ潰す、って手もあるお。
　　＼　　 ｀ ⌒´　　〈 ／ ⌒^ヽ
―――――――― ＼ _ _ ＿ ）

.

　　　　　　　 　 　 　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　 　 　 　 　　／　　　　　＼
　　　　　　 　 　 　 　 ／　＼　　　／　＼　　　　　　　 何にせよ、今後の方針が固まりましたね。
　　　　　　 　 　 　 ／ 　（●）　　（●）　 ＼
　　　　　　　　　　 |　　 　 　 　 ´　　　　 　 |　　　　　　『 菩薩眼の女 』を、鬼道衆に渡さないこと。
　　　　　　　　　　 ＼ 　　　　　⌒　　　　／ 　 　 　 　 できれば、こちらで先に保護したいとこですが……
　　　　　　　　　／￣￣ヽ　　　 　　 　 　 ＼
　　　　　　　　（｢　　　 ｀rﾉ　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　ヽ　　　ノ　　　　　　　　　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　|　　 | 　　　 　　　 　 　 ｢＼　　 ＼





　　　　　/　l　　　 |　　/　　　 ／　　 / /　| l　　　|　　　　 |　|.:.|
　　　　　!　 !　　　 !　 ,'　　 ／　　　 / /　 ヽ＼　 .!　　　　 |　|.:.|
　　　　 ｌ　 ｌ　　 　 l　/　_／-ｰ　　 / /ｰ─-弋.＼.|　　　　 |　|.:.|
　　　　 |　 ｌ　　　　!,.lｨ'ﾞ/　__,. -　 / /　-- ､,__ ヽ　|　　　　 !　!.:.:!
　　　　 l　 l　　　　 | ／二ｪ=ｰ､ /／　　ｨ＝=ミ､ ＼!　　　　ｌ　.l.:.:|. 　 　 　 ちょうど今日、定例報告のために、江戸城に
　　　　 |　 |　　　　 |ﾒ<ｲ r:'::ﾉ:iﾉ/　　　　 ､f:Y::ﾊ ｀>|　　 |　 |　 !.:.|　　　　　行くことになっているから、探りを入れてみるわ。
　　　　 | i　!　　　　 !　 ｀￣´ 　　　,　　　　　￣´　 |　　 |　 !　 |.:.:|
　　　　 | |　',　　　　ﾄ,　　　　　　　 !　　　　　　　　 |　　 |　 !　 |.:.:.|　　　　 幕府の方で、何か情報を得ているかもしれないしね。
　　　　 | |　 ', 　 　　ﾄ、　　　　　　　　　　　　　　　l　　 l　 l　 ｲ.:.:.|
　　　　 | |ヽ　i　　　 ゞヽ　　　　ｰ──,.ｧ　　　　 ,ｲ　　 l　 !　　|.:.:.:!　　　　 できる夫君、同行してくれるかしら？
　　　　 | | |　 ',　　　 |　 ＼　　　　　　　　　　 ／/　　 l　/　　 |.:.:.:|
　　　　 ', l l　 ヽ　　　ヽ　　 ヽ、　　　　　　／!　 !　　 / /　　　|.:.:.:.!
　　　　 ﾊ',|　　',　　　 ',　　　　!ヽ､ ,_,. ｨ '´　 |　 |　　 ! /　　　 |.:.:.:.|
　　　 /.:.:ヾ　　ヽ　　　ヽ　r=ﾆ!　　　　　　　ﾙ、l　　//　　　　 !.:.:.:|

.

　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　 　 　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　 　　　／　　　　　　　　＼　　　　　　 はっ……！
　　　　　　　　　　　　 　 ／　　＼　　　　／　　＼
　　　　　　　　　　　　　 | 　 　（●） 　　（●） 　　|　　　　　それは構わないのですが、今日はこれから、
　　　　　　　　　　　　　 ＼ 　　　　　´　　　u　／　　　　　 フレデリカさんたちに読み書きを教えることに……
　　　　　　　　　　　　　　／　　 　　⌒　　　　　＼




　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　／　　 　 　＼
　　　 ／　　─　 　 ─＼
　　／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　それなら、やる夫が代わってやるお。
　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　　＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <　　　　　どうせ、今日は予定が空いているし。
　　　 |　 |　 '､＿ ＼　／　 )
　　　 |　 |＿＿＼　 “　 ／
　　　　＼ ＿＿＿＼_／

.

　　　　　　　　　　　　　　　 / .i'　　/:::::::::::::::::::ヽ､,イ:::;-=::､_:::::| 　 　|　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　/　l　　 |彡 ' ￣｀｀｀`゛´´　　　　゛ﾌ　　　|　　l
　　　　　　　　　　　　　　　|　:|　　 {　　　　　　　　　　　　　 / /　　.|　　{
　　　　　　　　　　　　　　 /／l　i　 'l　　　　　　　　　　　　　ハ　　　|　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　.／　　　l　　ﾊ, - '￣　　　　　￣゛`'7　{,　 　ﾋ､　　　 ＼
　　　　　　　　　　　 ／　　　　/　　　|　_,. -、　　　　 ,--　､＼ l,　ヽ ` ＼
　　　　　　　　　　　_l　　　　／　　 ノ ´　　　　　　　　　＿ 　 人　 | ﾉ　　l
　　　　　　　　　 ／ ゝ、 .::/　　　 .ｲ　,,=＝ニ　　　　 'ﾆ＝= 、 | |　ν　 ./
　　　　　　　　／　　r-‐‐う__,∠´lﾑ_´ 　 　　　　;　　　　　　　ｿﾉイ　..／　　　　　　　あ、私もお手伝いしますよ。
　　　　　　 ／　　　 |　T／　l　 | | ｛:`i 　　　　　'　　　　　 ゝ､ｲ::::;::／l
　　　　　　l　　　　　l　 | _ｲ　l,　|/　l;:人　　　　 ‐_ｰ　　　　／|::://´ /　　　|　　　　　私も、今日は小石川の方はお休みですので。
　　　　　　|　　..::::::/　´ヽ:::ヽ_ゝﾄ-　|､＼ヽ. _　　　　　 ,. イ|::|::`f_'__, |:.　　　|
　　　　　　ヽ ::::::::::ﾍ　　 ヽ､　 `´::　ﾄ-ﾉ:ﾊ:::::::|＞ ､ r '´ |:::::|::ヽ::::.　　|::　　　|:..
　　　　　　　＞ ‐ ´ﾊ　　　 ｀i　　　/`ヽ､＿:ノ 　 　 　 　|_::::l::::::＼:..　ヽ..:|　　l:::
　　　　,.-‐ ´　　　　 l:　　　　l　　/　　　＼　　　　　　　　`ー‐, ､_ヽ;.　ヽ|　　 ＼
　　 ／　　　,　　 ＿λ:...　　　　人　　　　 `､‐-- ､　　　 ,,...../　　`‐i:: :　＼
　　l　　 ...:／　/´　（(ｿ:::::.　　 /　 ＼　　　　 ＼　 ｀　　´　／　　　 ﾉ:::::　　 l




　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　 ／　　　　 ＼
　　　　　／　　⌒ 　　⌒＼　　　　　　 ああ、ありがとうございます。
　　 　／　　 （ ＝） 　（＝）＼
　　 　|　　u　　　 ___´___　　　|　　　　　それでは、申し訳ありませんがお願いします。
　　　　ヽ、　　　　`ー '´　 ／　　　　　 こちらが済み次第、急いで戻って来ますので。
　　 　　ノ　　　　　　 　　　＼

.

　　　　　　　　　　　　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　_ノ　　ヽ、　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　（ ●）（ ●）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　（__人__） 　　　　 | ..／}　　　　　　　　　　俺は、さっき言った通り、四谷の
　　　　　　　　 _　 　　　 　ヽ｀⌒ ´　　　　　| /　/ 　　　__　　　　　　道場に稽古に行ってくるよ。
　　　　　 (＾ヽ{　ヽ　　　　　 {　　　　　　　　./　/　 .　／ .ﾉ
　　　　(￣ ヽ ヽ　i　　　　　　ヽ　　　　　　/　厶-　´ ／　　　　　　　日が暮れる前には帰ってくらぁ。
　　　.(二 ヽ　i　i　|,r‐i　　　　ﾉ.　　　ヽ /　　　　 ／
　　　　　ヽ　　 ／　 ノ　　／　　 　r一'´　ー ､　　￣￣￣）
　　　　　 i 　 {　　 ｲ―イ　/　 　.`ー―.　､＿_　.〈￣￣
　　　　　　ヽ.　`ｰ '/　　　/　　　　　　　　　 　/＼ ＼
　　　　　　　　 `ー ' ￣￣!　 　　　　　　　　　|　　ヽノ





　　　　　　　　　 .′　　　　　　.:::　.::　 .::　.:::::::.:::／!:::::..::: .:/ |::::: ::: :::::::'.
　　　　　　　　　,　　　.: 　:　　.::::: .::: .:::::..::::::::::／　ﾉ::::::::::::/　j/ｆﾊ::: :::::::::,
　　　　　　　 　 i　 　 ::　.::　 :::::::: :::::::/::::::::／　／::／j:／　 / _||_|:::::::::::::|
　　　　　　　 　 |　: 　:::　:::.　::::::::::::::/::::://ｰ／ィ､　／　　 /´　ﾘ !::::::::::: ′
　　　　　　　 　 ’ ::.　:::::. ::::: ::::::::::::/ |ノ_､_j_,ｨ　　　　　 :'　 x='=ﾐ !::::::::: ′
　　　　　　　　　 ，:::. :::::::::::::::::::::::::|　-;灯¨うヾ　　　 　 i　/rﾟ | ﾁｨ::::::::/
　　　　　　　　 　 ; ::::::::::::::::::::::::::::::|　 弋ゝ.,ソ 〉　 　 　 |　 ゝ’´　!:://
　 　 　 　 　 　 　 ヽ::::::::::::::::::ﾄ::::::ﾊ　　´　　　　　　　　 :,　　　　彡'/
　　　　　　　　　　　 ＼::::::::::::ﾊ＼:::ﾍ　　　　　　　　　 .....:､　 　 /
　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::::ﾍ　＼`　　　　　　　　　　　 　　/
　　　　　　　　　　　　 　 〉＼:ﾄ､ 　 ､　　　　　　　r‐―┐　 ／　　　　　　　あたしは、今日は砕蜂さんと一緒に
　　　　 　 　 　 　 　 　 〈: .|: .`ﾄ　 　 ＼　　　　　 ゝ__,ノ　 ´　　　　　　　　 見廻り当番になってるし、聞き込みしてみるよ。
　　　　　　　　　　　　　　ｌiヽ.: .! 　 　 　 ｀ 　 ..　　　 　 ｲ､
　　　　　　　　　　　　　　||　 ＼　　　　　　　　｀　ｧ‐ ´:.|: ぃ　　　　　　　　 ハルさんとか、何か知ってればいいんだけど……
　　　　　　　　　　　　　_,.|l: . | 　ｉ＞　.,_　　　　　/　|: . :|://
　　　　　　　　　　　 ／: ＼: .|: . |　　 |　 丁＞ ､′.,!: .｢ l/ゝ、
　　　　　　　　 　 ／:　::::　 ｨ ､: .|　　 |　　|　 　 l 　 ;ヽ| ;′ : 丶.,
　　　　　 　 　 ／:　.　: ／　　 ｨヽ:. 　|　　|　 　 | 　 }. .! |. : . : . : .｢＞.､__
　　 　 　 　 ／:　.　: ／　　／ 　.　`　!.,　 !　 　 !　 ﾉ　!/ : .　:　. :|:　. ﾄ､ ‘:,

.

　 　　 　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／ ノ　　＼＼
　　　　　 ／　（●） 　(●）＼　　　　　　　　　　　ほどほどに濁しつつ、聞き込みして下さいね。
　　　　／　u　　　___'__　 　　＼
　　　　|　　 　　　 `ー'´ 　　　 |　　　　　　　　　　『 菩薩眼 』のことは、あまり世間に
　　　　 ＼　/⌒)⌒)⌒)　　 ／/⌒)⌒)⌒) 　　　 広めていいような話でもありませんし……
　　　　ノ　　|　/　/　/　　　(⌒) /　/ / /
　　　/　　　 |　:::::::::::(⌒)　　ゝ　　:::::::::::/
　　　|　　ｌ　 |　　　　　ノ　　/　　）　　/
　　　ヽ　 ヽ_ヽ　　　 /' 　　/　　　 ／
　　　　ヽ ＿＿　 ／　 　 /　　 ／




　　　　　　　　　　/: :/　/　: :／／: :／: : : : : : : :/ / : : /: /: :l: ﾘ
　　　　　　　　　 /: :/　/: :／／: :／: : : : : ／ : / / : ／: /: :　!: l
　　　　　　　　　,': :/　/／／: :／: : : : : ／: ,イ/ /:／ l: / : : /:l: :l
　　　　　　　　　! i ! イ ⌒ヽ /／/＿／/／　/:／　 /: l/ : /　!: :l
　　　　　　　　　l l : : !　rfｧz､　　　　-――-､　　　,ｿ: : : :/ : :l : !
　　　　　　　　　| l !: :l　l {i:;;rﾘ　　　　　z ォｧ､　　　/:／;/ : :∥/
　　　　　　　　　l l l: : l　ヽﾆ '　　　　　/ {i:;;rﾘﾒ 　 /:, ィ' : : :/:/
　　　　　　　　　 l !l: : l　　　　　　　 　 ｀ ﾆ=‐' 　 ｲ/ｧ/ : : /l/
　　　　　　　　　　ヽヾ !　　　ﾉ　　　　　　　　　　 r‐ｲ: ﾘ: /
　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　｀　　　　　　　　　ｧー' : : ／　　　　　　 だーいじょうぶ！　任せて！！
　　　　　　　　　　　　／ ＼ ｀ﾏー‐ ｧ'　　　 イ: : 从／ヽ、
　　　　　　　　　　 ／　　　 ＼　ｰ　　_ -‐´ 　 l/　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　-　－、
　　　　　　　　　／　　　　　　 ｀ｰ‐t　　　　 　 l　　　　　 }ヽ　　　　　　　　　　 .● ●） ヽ
　　　　　　　　/　　　　　;　　, -‐‐┤ 　　　 　 ヽ　　　　/　 !　　　　　　　 . 　 （人__） uノ.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　./　　　　　 i ／∥　　 j　　　　　　　ヽ、　/　　il　　　　　　　　　　　 | 　 　 ……すっげぇ不安なんだけど。 　　＞
　　　　　　　ヾ　　　　　l/　 li　　　　　　　　　　　　ji／　　 il　　 　 　 　 　 　　　 ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　/ ./　,.　´　,!
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　,'／　 ,ｨ / ヽ　 　 　 　 !　　　　|.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　,ｨ,....,_ィ/'´ 　 _ヽ、-‐ 　 .!　　　　!.　
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,'　/ lィ´　 ヽ 　 　 　 ＼、　 '　　 　 ,'　
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,' ./　 l.ｨ芹ﾐ､　　　,ｨて斧ﾐ、,'　　 　 ,'　　 　 !
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /, '　　 l　弌ﾂ　　　　　匁zﾂ,'　　　 ./　　　　.!.　 　 　 はいはい、それじゃあ、とりあえずは
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , 'ｲ 　 　 i　　　　　　　　　 　 /　　　 /　 　 　 .i　　　　　そんな感じで動いていきましょうか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 　 　 .l　　　丶　 　 　 　 /　　　 /　　 　 　 !
　　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　 ,. ∧　　 ー― '　　 ./　　　 /　 　 　 　 l　　　　　 もちろん、鬼道衆の動きにも気を付けないと。
　　　　　　　　　　　　　 ,. '´　　　　　,. '´　 ｨiヽ、 　 　 　 ,.イ　　　 /　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　,.　´　　　　　,.　´ 　 .///∧＞‐r _ ´ ./　　　 / 　 　 .i 　 　 !　　　　　 これから忙しくなるわ。
　　　　 _ ..... _　,.　´　　　　　,. イ　　 　 /////.!::;: - ､::｀:7　　　 /　/　　 .!　 　 .i　　　　　 皆、協力して頑張りましょう
　　　 ´　¨ ＞´　　　 　 ,.. '´　 .!　 ゝ-!i!//r‐｢l:/　　/::::/　　　 /　 !　　　.! 　 　 '.
.　　　　 ,.'´ 　 　 　 ,..＜.,＿__,　ゝ-イ刈//i:::::::i!、_./::::/　　　 /!,.ィk、　　 !.　　　 '.
　　　　/γ　　　.,.ｲ‐ー-_,..イrﾆ三=‐,..ﾆ‐'' ¨´::/:::;!:::/ 　 　 .// . . . .｀.ヽ、! ヽ　　 '.
　　 　 !./　/　 / ,.ィ;;´;;;;_;: -'' ´;:ィ_´_::::::::::::::／::::/:y′　　 //. . . ,.ィ´. ノ .!彡　 　 '.
＿＿＿!　.i　 / /;;;;;;;;;;;ﾉ!,.ィｰ､-ﾐ､イ:::＞､／::::::/// 　 　 .//. . ／. ,.ィ´ヽ. ',｀ヽ.　　 i
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ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆゝ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆゝ
田　田　田 |　|　日　日日　日日　日　 ﾉlヾﾛﾛﾛ　ﾛﾛﾛ　ﾛﾛﾛ　|
二二二二二ヽ二二二二二二二二二ﾉ廾卅ゝニニニニニニニｺ
￣|￣~|￣￣|:| 田 田 |====|　| ∴ |田ﾉｙ'卅-'--'--'+'+--'-+-'--ゝ
冊|_ｌ_ｌ_|冊冊|:|iiｉiｉiiiiiiiiii|　 　 |iｉｉ|＿__|iiiiiii｛{ ,[[[[[[[[[[[[|_|ｺ　　|]]]]]]


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　　　　　　　　　　　　／て )　　　 　／　　 _ノ　　＼ 　　　"´i￣
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　　　　　　　　　　　　ゝ、 〈　　　　　|　　　　（__人__）
　　　　　　　　　　　 / ハ　ヽ.　　 　 |　　　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　　　フンフンフ～ン♪
　　　　　　　　　 　 /〃　ﾍ　 ＼ . 　 | 　 　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　 ｉ ！　　 ＼　 ｀ ーヽ　　　　　　 }　　　　　　　鳥も通はぬ～八丈が島へ～
　　　　　　　　　　 丶丶　　　_ ＞　　　ヽ　　　　ノ､　　　　　　　通うわが身は～厭はねど～……ってな。
　　　　　　　　　　　　 　 ゝ'´- ､_ 　y-､　　　　　　　＼
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　　　　　　　　　　　　　　　 　 , . ＜　　 ﾊ　厂iヽ　　 }∧ }
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　　　　　　　　　　　　　 r ´　　　　　　　　　　 ｀∨::::::}/　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　V　　　　　　 　 　　〉:::〈　　　　　　｀,
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　.ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__　 ﾄ==ｲ　__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ__ノ_
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＿|;＿|;＿|;＿|; ..ｲ:::::',　　　　_,. ｨ_ｨ"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ...| | | | | | | | | | | | | | | |
][ 二 二 二;;] /:::::::::::',　 ,.イ´. .ｲ:::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ. .|_| |_| |_| |_| |_| |_| |_|
　 　 　 　 　 /:::::::::::::::ゝ"　　 /:::::::::::::::::::::::::::://::::::::::::,:::::::::::从:::::::::::::::::::::ヽ:', ,,＿,＿＿ ,,,＿＿___
　　 　 　 　 ,':::::::::::／　　　 ,':::::::::::::::::::::::::::::://::::::::::::/:::::::::::,':,:::::::l::l::::::::',::::::',ﾞ:,
　 　 　 　 . ,::::::::／　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::l,'::::::::::::::,':,'::::::::,':,':::::::从:::::::i:',::::::lﾄ:l
　　　 　 　 ,::::::l" ヽ､　　./l::::::::::::::::::::::::::::::::':ll:::::::::::::,::l:::::::://:::::::,_'l:::::::::|:j::::::l| |
　　　　　　,::::::::ﾔ ./ ヽ../　',::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ゝ‐､'ﾞlヽ-''/:::＿ノﾉ|:::::||iｌ::::::ｉ'/
　　　　　..,'::::::::::ヽ':::,'　　　 ',::::::::::::::::::::::::::::::::{'///ヽ.,':::::,' ￣ｧー`/￣｀''"~ﾞ'
　　 　 　 ,::::::::::::::::::::ﾄ､_　　 l､::::::::::::::::::::::::::::::}ヽ.､l ﾅ,:::::::' 　 ﾞ､,ﾀ i
　　　 　 ,':::::::::::::::::::::::::::｀l　 |ヽ.::::::::::::::::::::::::::ﾞ　 ヽ､､'::::::ｌ　　　｀　ヽ.
　　　　 ,'::::::::::::::::::::::::::::::::ヽｲ::::ﾄ､:::::::::::::::::::::,'　　　`,:::::::|　　　　　　 ゝ
　　　　,':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',　ヽ.::::::::::::,"　　 　 ':::::::|　　　　__ ,´　　　　　　…………。
　　 　 '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　ﾄ.::::"'　　 　 　 ':::::::| 　 　 ´_´
　　　..'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　 .〉"　 　 　 　 ｌ:::::::l　　　 /
　　　,':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l ,.-ｨ,　　　　 　 　.|:::::::|‐---ｲ
　　..,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｲ'ヽ.ヽ.　　 　　 　 |::::::::| |::::::::',
　　.,':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ｲ　　 ヽ.ヽ. 　 　 　 |:::::::::ﾄ.,:::::::::',
　../:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ｨ"ヽ.　　　　ヽ.ヽ.　　　 |::::::::::| ﾞ､::::::::',
　/:/::::::::::::::::::::::::::::. ｨ ´　　　 ヽ.　　　　 ヽ.ヽ.　.ｲ|:::::::::::,　ﾞ,:::::::::',､
../:/::::::::::::::::::::. ｨ ´　　　　　　　ヽ.　　　　 ヽ. >"/|::::::::::|　/',:::::::::', ｀ヽ.
"/':::::::::::::::::/´　　　　　　　　　　 ヽ.　　　　 ヾ./　|,:::::::::',/　 ヾ.:::::',　　 `ヽ.
/,':::::::::::::::/　　　　　　　　　　　　　ヽ.　　　　,:'　　||::::::::::l　　　 ~ヽ:,　　　　ヽ.
..l::::::::::::::/　　　　　　　　　　　　　　 ｀､　　 /　　　'.ﾄ-､:::l　　　　　',:|　　　　 ,ヽ

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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ ヽ､,__　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （●)（● ）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （_人___） 　 U　 |　　　　　 んげ……面倒な奴に会っちまったぜ。
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　 <二ニヽ　　　　　　　 |　　　　　 気付かれない内に、退散するか。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／-‐ 　 ｀i ､ ＿__,.　イ i
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/´､　　 　 ',┐__＞ｰﾒ ┴ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　 しrヽ　　　　V:::Λ　 ／ : : :＞、_
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　　　　 　 　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　　　　 　 　 　 　 　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j
　　　　　　　　　　　　　ﾉ. : : :| : : : : : : :.∧ : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : : :ｨ



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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::| ./::::::::::::::::::::::::::y'
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::/　　　　 ｀)　｀)
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈::::::〈二二二＼:::::／〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼/::/::/::/::∧ ＼:::::::〉　　　　　　/Z -,
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　〈::::::::∨::/::/::/::∧　∨￣＼　　　　 V７./ /7｢l_
　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　`─‐∨ /::/:::/ /＼　　 　 〉　　　　 // // .レ' ﾛﾛ/7
　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　.:.;::;.:;.; ..;:`ー─--- ───′ 　 　　 ¨　¨　　　　 ,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　...:;.:;.:;;:.;:::;;;;;;;:: :;;;...:;;..;;;...:;;...:;;
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　　　　　　　　　　　　　　　 i::(　:.:.ﾉ:.:.:.:.ﾉ:::::::,:::::,::::::::::::::::::::::::::::｀丶
　　　　　　　　　　　　　　　i::::!-i:.ﾉ:::::::/:ﾉ:.:.:.i.:.:.i.:.:.:.:,.:.::::::::::::::.,_.:.:.:｀.,　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　 i:::::::::ゝiミ:::/::i::::::::i;;::::i:::::::!:::::ヽ:.:.:.,.:.:.:'';;;;;::｀.
　　　　　　　　　　　　　　 i::::::/ {::::::::iハ;::::::::i !::::i:::::::ヾ:::::ヽ::ヽ:::::::;;;;;;i !　　　 ──
　　　　　　　　　　　　　　i::::/　 {::r=丶:iﾚ-!_,.!-ﾙ!ヽ:::::ヾ::::ヽ:::::ヽ:i:::r'
　　　　　　　　　　　　　　i::/　 ﾊ::i =!:i:::i　ｨｒ;;-ヽ''' ヽ-'_,.!:::::i:::::∧!ﾚ　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　i:ir-.,_ハヽ-i:::i　丶::::-　　　ｲ;;>7Yﾙ'´
　　　　　　　　　　　　　　i;し´'ヽ, ｀''ﾌi::::i　　　　　　　'''　/
　　　　　　　　　　　　　　!:::rー-｀-ュヽ:::i u　　　　i,　　,'
　　　　　　　　　　　　　　 iﾉ.:::::__　　｀ヽ:::ヽ　　 -_-　／ヽ
　　　　　　　　　　　　　/￣　　　｀ー_　ヾ::::｀'_.,_,..:.:::´::::::::｀''-:..,_　
　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:. .　　　｀＼｀＼|ヽ:｀,_::::ヽヽ｀-.,_::::::ヽ
　　　　　　　　　　 ／::::::::::'' ' '　　　　　　＼ ﾙ ヽ_:!:!::::::ヽヽ.,__,.｀ヽ
　　　　　　　　　 /:::'' '　　　　　　　　　　＼!_ ﾘ　 |:::!:!:::::::ヽヽ- ''
　　　　　　　　　/:'　　　　　　　　　 _,.-ー--ヽl　　|:::!!::::::::::::::::::::::::



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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 人
　　　　　　　　　　　　　　 ─- 、　　 て
　　　　　　　　　　　　　/　　　　ヽ　　〈　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 |　　　　　　　　　　　　 )　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　　　　　　　　　|　U　　　 |　　　　　　　 　 　　 ＜ 　 ちょっと、お待ちなさい！　＞
　　　　　　　　　　　　　|　　　ｭﾆﾆヽ､　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　　 ヽ/ : : : : ＼:＼　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　　 　 　　 i : : : : : : : ﾍ :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ', : : : : : : : : ', : :'.,
　　　　　げっ……！　　　', : : : :.＼ : i : : :.'.,　　　r─┐＿_ {}{}
　　　　　　　　.　　　　　 　 i:', : : : : : ヽﾄ､ : : :',　　 ｀ｱ 勹 r┘
　　　　　　　　.　　　　　　　iﾊ : : : : : : |: ', : : :.',　　 .ゝ ﾆン　　 ,勹
　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ.:i: : : : : : :! : : : : : ﾄ､　　　　　 　 .く く
　　　　　　　　　　　　　 　 i : !: : : : : : :|: : : : : : i:.',　　　　 　 　 ＼）　 ._＿
　　　　　　　　　　 　 　 　 i : :i: : : : : : :|: : : : : : | :.',　　　　　　　　 　 └‐ｔﾉ　.r.､
　　　　　　　　　　 　 　 　 i : :r : : : : :丿 : : : : : | : :',　　　　　　 　 　 　 　 　 .∨
　　　　　　　　　　　 　 　 ,' :.7 : : : : : / : : : : : : |: : :i　　　　　 　 　 　 　 　 　 O
　　　　　　　　　 　 　 　 / :/ : : : : : / : : : : : : : i : : i

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　|　 （●）（●）　|　　　　　 ……んだよ、誰かと思えば
　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　 |　u.（__人__）　.|　　　　　 臥龍館の女剣士さんじゃねぇか。
　　　　　　　　　　　　　 　 r､ 　　 　　|　　 ｀ ⌒´ 　.|
　　　　　　　　　　　　　 ,.く＼＼r､　　 ヽ　　　　　　ﾉ　　　　　　こんなところで会うたぁ、奇遇だな。
　　　　　　　　　　　　　 ＼＼＼ヽ}　　　ヽ　　　 　/
　　　　　　　　　　　　　　 rヽ ` 　 ヽ　　/　　　ｧ'´ヽ　　　 ‐-､
　　　　　　　　　 　 　 　 └'｀{　 . 　 ＼.|　　　/　 　i　 ＿＿,ナ‐､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ､._　　　ヽ､_,r'　　　.|　　　 __＿,ノ　ｸﾙｯ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､　　　／' 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'ｰ'´




　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ヽ≧ｘ＿　　　 ＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　{,.イ´ ＿　　j￣｀ヾ＜‘，
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　 ／　　￣｀¨⌒ヽ ＼冫
　　　　　　　　　　　　　　r―''7　 /　 / ,ｲ　　　　　　＼{
　　　　　　　　　　 　 　 ノ彡 {　 ,'　 ﾉ / |!　 !　 ヽ　　　}
　　　　　　　　　　　 　 {　　　{ﾐ j､ {',刀ヽ{＼{､{　|､　}　 ﾏ
　　　　　　　　 　 　 　 冫　/Y　| { 廷列　　 ",.尖}ﾉ　ﾉ}ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 ヽ_/｀´}､j :ﾄ､　　 　 　 廷' ｲイノ<
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　| :|、u 　 　 ’　 　/{ |ﾏ／　　　　　　白々しい……今、私の顔を見て
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 :| :| ﾄ､　　´‐｀ 　 ´:! ﾄ､　　　　　　　 逃げようとしていたでしょう。
　　　　　　　　　　　　　　 ,'　 　j! |_|　丶　 ≦､　　| {　＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 i 　／ ! |＼　　　 // ＼_j l!＿　＼
　　　　　　　　　　　　 _ -'＜ ＼| :j、 ＼　,//　 　}j　!　 ｀ヽ ヽ __
　　　　　 　 　 　 　 /　　　　、　} 八.　ヽ//　 　 /|　!　　 i　∨_j}
.　　　　 　 　 　 　 /　　　ヽ、{　 Ⅵ小 　 }'　　　}　Ⅵ{! i　}　/ﾐ/
　　　　　 　 　 　 / ﾉ　　　 ヾ }　　ヾ}＼ /　 　 / 　小{! , -y'ﾐ/ヽ
　　　　　　　　　〈´ }/⌒ーミヾﾉ　　　　/　　　/　 　,y<´< /ﾐ/)∧
　　 　 　 　 　 　 ∨／ rﾆ 　ミ!　 　 ／　 　 /　 　 ﾉ　 { j/ﾐ/っ　スｰy
　　　　　　　　　 ノ　／＞''´￣｀ ー'―----'―ｬ爪 　 ﾉ〈'ﾐ/　　-　´ |
　　　　　　　　　 〉' {,/　　　　　　　　　　　　　　} } } }　 ﾉ二∠　｀ー　ヽ

.

　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）　　　　　　　はっ、何のことやら分かりませんな。
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|　　　　　　　 んで、どうした？　俺に何か用か？
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,へ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　ヽ＿ ｧ‐‐==＝､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 厶-‐v‐─- ､`ｰ､　　　　:》
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::`::.::＼　　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 .　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::＼ｲ}
　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::l::::::::l: l:::il :l::: ::l　ｌ:::::::::::ﾊ彡ﾄ､j
　　　　　　　　　　　　　　 　 /::::|:::::::::!:|::::iｌ::ｌ!::::|::::::l:::::::::ﾏﾊ:::ﾊ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚﾍj::::::斗ﾍ､ﾊ;:x‐L_/+､:::::::ﾔ」:::::}ﾍ:、》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　.`≧i}yrfﾄ　 　 ィfミvj::::ﾚ1彡人　Y　　　　 えっ？　あ、いえ……
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　ﾊ ﾋ,ﾘ　　　 ｌｰ':ﾘ l|:::f)ル'′}　 }}
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　从￣　 '　　￣｀ |::::ﾚ’::L__レ'′　　　　　その、別に用があるわけでは……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i::::ﾄ.、 ⊂⊃ 　u ｲ|::::|::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:::::|! ＞r-　 ＜ .|j::::ﾊ:::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::ﾉ ,ィ{{ 　　,ｲ7¨|::::ﾄ、:::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,ｲ: : |ﾄ､.／:: ｲ .|::::| 》、::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　'" |: : j／: : :,ｲ' .,ﾊ::j".　＼::!

.

　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼　　　'_
　　|　　　 （ 一）（●） 　 、
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ　　　　　　…………。
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
''"::l:::::::/　　　 __人〉
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|




　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｲ::::::::/.::::::;::::::::::::::::::::::､:::､::::',　 /
　　　　　　　　　　　　　　　 ,:::〃:.:.:/:.:.〃.:::/i::::.:.:.i:.::.:.ヽ:.ヽ:.', ,}
　　　　　　　　　　　　　　 ,〃:..:..:.:/.:..:/.:.;::/ i::::.: :.|::: .:.::.}:.. .:.〈｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ｲ::::::::::;'.::::/;:::/i:!　|:i:::::.:ﾄ､::.:::::l::::::i:::}､　＼
　　　　　　　　　　　　 　 ′:::::j!::!‐-'-:::イ!　 !､i_:::|__ﾘi!:::l::::::|:ﾉ　ヽ　ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　￢' ﾍ! 行ﾃヽ`　　' ,ィ=ﾐ､ ﾚi,}:::::i､ヽ　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ（|:i ､匕_ﾉ　　　 ' r:' |ﾞゝｲ､:∧　.＼,-くノ
　　　　　　　　　　　　　　　　〈　|ﾍ　　　　 ,　 　 ﾟ ‐' /::|ﾉ､　∨　 ｀)　　　　　　 すみません……その、私は……
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀|::ヽ.　　 r-‐､　∪ ,::;|:::|:::∨ﾍ,ゝ‐"
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,::::ﾄ' ＼　ー‐'　 .イ´ |:::|::::::::.:.i
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ;:::::! 　 ,.|　ｰ＜ 　 |,､ |:::|::::::::::.:i
　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨﾞ!::::ﾄ／ ｲ　　　 ／／`|:::|::＞､:.:i
　　　　　　　　　　　　　 　 ノ　 :::::!　　| !　 ／／　＞|:::|´　　､:i
　　　　　　　　　　　　　 イ　　 i::::l　　 ! l／／　／　 |:::|"´　　＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ::::l　　 l／´　／ ,.:::::. }:::!　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 :. !'ﾍ .／ 　 ／　'"´　　|/　　　　　　 ヽ

.

　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　 .／ 　　　 _ノ ⊂_ ‐-' ＜
　　　　　 |　 　　　（ ―）　 λ　　 ヽ　　　　　　　　……どうかしたか？
　　　 ,ﾍ__|　　　 　　（__人）　　ヽ　　',
　 __,/　　　｀ ＜　 　　⌒ﾉ　　. ｒ'-‐￢　　　　　　　前に、俺に食いかかってきたときとは
／---‐――--.､ゝ＼　 ノ　　　」-‐＞ヽ.　 　 　　 まるで別人のようにしおらしいじゃねぇか。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／⌒ヽ. ´_ノ　　　/　 ´　　 l
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　／´ ｀ヽ　　　　 ヽ.　　,　, .!　　　　　今日は、取り巻きの連中も見当たらねぇようだしよ。
.:.:.:.:.:.:.:.:／　／　　　　 ヽ　　　　 l｀ / / /!
:.:.:.:.:.／　 ./　　　　＿ __ヽ-､　　 !/. ,'　l　!
.:.:.:.:.:l　＿十''''''''""　　　　　＼ ＜　　　'　l




　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::､::::::ヽ:::::ﾞ!;ハ
　　　　　　　　　　 .,:'/::::::::;:::;::::::/::;ｲ:|:::::､::::::::ヽ::::::::ヾ::ﾞ!ド､
　　　　　　　　　　/ｲ:;':::::/::ｲ::::/ｲ| |:!|:::::ﾞ!:::::::::::ヽ､::::::ﾞ!::!:. .ヽ
　　　　　　　　　　　i::!::::;'::::|!:::;'|! |! |l !:::::ﾞﾄ､:::::::::､::､::::;ｿ!｀ヽ ./
　　　　　　　　　　　ﾞ!|:!::|!::::L::! i! ! ヾ ヾ_;:ヾヽ:::::::ヾ!;ﾝ/!:.. .、ヽ、
　　　　　　　　　　　　｀` ヾﾞ!'´|ﾟ:;!　　　イ!ﾟ;:;iヽヾr''､'ﾞ:::::!:.　:.:.　 ﾞ!　　　　　　　わ、私は別に……！
　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾞ!ﾞ ‐''　　　　 ｰ''　,'::|6 !:::;.'::::l .　,.-'ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　 |:!　　' 　 　　　U |:::!,ノ,:''::.:,ｨ- '::､::ヽ:ヽ　　　　　　好きで食いかかったわけでは……
　　　　　　　　　　　　　　　 |::ヽ、 ー　　　　,ｲ:::|'" !r''"::::ﾞ､::::ﾞ､::::ヾ:＼
　　　　　　　　　　　　　　　 !:::|_ ヽ､、_,,..-　 !|::::|_　!::::ﾞ､:::､::､::::ﾞ､::ヽ::ヾ ､
　　　　　　　　　　　　　　 r,!::/!｀i　 _,!　 ,.-''|i|::::|:.｀ヾ、:::::::ヾ::;､:::::::::ﾞ!'::::;'
　　　　　　　　　　　　　 r' .i:;'ﾆﾞ､|‐'' ,!／　　! ﾞi::|__;.:i ヽ､::::::::ヽ､::::::､::ﾞ!/
　　　　　　　　　　　　　,.!　|:!.r ハ ／　　.::. .,.-l:|::. ..ヽ　｀ヽ､::::::､::::::ﾞ､!'
　　　　　　　　　　　　/.∧ |i ﾞY　.i 　 　 .;.. '　 :|i　　　 ＼　 ﾞヽ:::ﾞ::::ﾞ!::ヽ
　　　　　　　　　　　./ ,'　〉.|!　　/　　 ／　　　/'　　　　　ヽ　 ﾞ!::|!::::::iﾞ､ﾞ!
　　　　　　　　　　_,.}　!_/　　　/　 ／　　　　　!:.　 ,!　　　:. i　 |::i:::::::!' ﾞ|i

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_人___）　　　　|　　　　　 ……ふぅん。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │　　　　　まぁ、別にどうでもいいけどよ。
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、 　　 　 それよりあんた、これから何か用事あるのか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　　　　　　　　　　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　　　　　　　　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　　　　　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
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　　　　ヽ.　 ./:::ｲ｀|:::::|　､ﾄｪｲl｀ 　 　 "ﾄｪｲ,｀ :|´.lヽ.　|
　　　　　 l /　l:ﾄ､ |:::::|.　｀￣´　　　　 ｀￣" ,::|,/ ｲ｀~
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　　　　 ｀ｰ､　 ,':::::|:::::|ヽ. U　　　＿ 　 　　ｲ|::::',"　　　　　 え？　
　　 　 　 　 ゝ,:::::::|:::::|::::::i ､ 　 ´― ｀　.ｲ....::|:::::.
　　　　 　 　 ,'::::::::|:::::|::::::|　｀ 　 ､.. ィl:::::::::::::|::::|i　　　　　　あ、いえ……特には……
　　　　　　　,':::::::::|::::::|::+'､　　　　 　 ﾄ,､::::::::|::::||
　　 　 　 　 '::::::::::|:::::::ﾚ　ヾ.､　　　　 /,' ﾞ,::::,':::::||
　　　　 　 .,'::::::::::,|:::::::|.　　 ヾ.､　　.// 　 ﾄ,'::::::,'|
　　　　　　|::::::イ |:::::::|ヽ.　 　 ヾ､.,'./　　　,':::::::l､l

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　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）　　　　　　　　　　　　　　　　　 　それならよ。
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐　　 　俺ぁ、今から四谷のとある道場に行って稽古を
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７　 　　付けてもらうとこなんだが、一緒に来ねぇか？
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,へ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　ヽ＿ ｧ‐‐==＝､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 厶-‐v‐─- ､`ｰ､　　　　:》
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::`::.::＼　　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::＼ｲ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::l::::::::l: l:::il :l::: ::l　ｌ:::::::::::ﾊ彡ﾄ､j
　　　　　　　　　　　　　　　 　 /::::|:::::::::!:|::::iｌ::ｌ!::::|::::::l:::::::::ﾏﾊ:::ﾊ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚﾍj::::::斗ﾍ､ﾊ;:x‐L_/+､:::::::ﾔ」:::::}ﾍ:、》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.`≧i}yrfﾄ　 　 ィfミvj::::ﾚ1彡人　Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　ﾊ ﾋ,ﾘ　　　 ｌｰ':ﾘ l|:::f)ル'′}　 }}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　从￣　 '　　￣｀ |::::ﾚ’::L__レ'′ 　　　　　へ？　あの、その……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i::::ﾄ.、 ⊂⊃ 　u ｲ|::::|::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:::::|! ＞r-　 ＜ .|j::::ﾊ:::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::ﾉ ,ィ{{ 　　,ｲ7¨|::::ﾄ、:::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,ｲ: : |ﾄ､.／:: ｲ .|::::| 》、::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　'" |: : j／: : :,ｲ' .,ﾊ::j".　＼::!

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　　　　　　　　,＿_＿____＿＿____＿__＿,
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆゝ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆゝ
田　田　田 |　|　日　日日　日日　日　 ﾉlヾﾛﾛﾛ　ﾛﾛﾛ　ﾛﾛﾛ　|
二二二二二ヽ二二二二二二二二二ﾉ廾卅ゝニニニニニニニｺ
￣|￣~|￣￣|:| 田 田 |====|　| ∴ |田ﾉｙ'卅-'--'--'+'+--'-+-'--ゝ
冊|_ｌ_ｌ_|冊冊|:|iiｉiｉiiiiiiiiii|　 　 |iｉｉ|＿__|iiiiiii｛{ ,[[[[[[[[[[[[|_|ｺ　　|]]]]]]

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 , -─-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　　,'　　　　　　　　 別に用事があるわけじゃねぇんだろ？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ_______　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.ィ':::::::::::::::::`ー─‐ ､　　　　　ほら、つべこべ言わず付いて来な。
　　　　　　　　　　　.　　　　 r､　　　-‐'´..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀
　　　　　　　　　　　　　　　 .} } /´...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: }
　　　　　　　　　　　.　 　 √} }/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::ｲ
　　　　　　　　　　　　　　{　　,ゝ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::y:::::::::::/:::}
　　　　　　　　　　　　　　i＿ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.::::::::::::: /
　　　　　　　　　　　　　 「／.::::::ﾄヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::/.::::::::::::: /
　　　　　　　　　　　　　ﾉ.:::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::: /
　　　　　　　　　　　　/.::::::::::::::::／　 | ::::::::::::::::::::::y ::::::::::.. /|　　　　　 _ 　 _
　　　　　　　　　　　　i::::::::::::::::/　　　| :::::::::::::::::::::{ ::::::::::::: ｉ::|　　 　　　　｀)　｀)
　　　　　　　　　　　　｀ヽ-─´　　　 | ::::::::::::.:.::.::.入:::::::::::: ｉ:|　　　 --‐''´-‐''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ::::::::::::::::::::::::∧.::::::::.　':,
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 | ::::::::::::|::::::::::::::::::::.:.:/.Y´丿　　　 　 ¨　 ¨　 　 　 ,／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　￣ |.::::::::.:.:.{::::::....　　::::∨'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |.:::::::::.:.: l::::::::.:.:.:.:.:.:/
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　　　　　　　　　　 /:::::::::::',　 ,.イ´. .ｲ:::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ.
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　　　 　 　 　 　 ,':::::::::::／　　　 ,':::::::::::::::::::::::::::::://::::::::::::/:::::::::::,':,:::::::l::l::::::::',::::::',ﾞ:,　　　　l＿
　　　　　　　　　,::::::::／　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::l,'::::::::::::::,':,'::::::::,':,':::::::从:::::::i:',::::::lﾄ:l　　　　 ／
　　　　 　 　 　 ,::::::l" ヽ､　　./l::::::::::::::::::::::::::::::::':ll:::::::::::::,::l:::::::://:::::::,_'l:::::::::|:j::::::l| |　　　　＞
　　　　　　　　 ,::::::::ﾔ ./ ヽ../　',::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ゝ‐､'ﾞlヽ-''/::::::/_'|:::::::::||iｌ::::::ｉ'/　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　ザッザッザ＞
　　　　　　　　,'::::::::::ヽ':::,'　　　 ',::::::::::::::::::::::::::::::::{'///ヽ.,':::::,' 　 ｧ"ｨ`/￣｀''"~ﾞ'
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　　　　　 　 ,'::::::::::::::::::::::::::::::::ヽｲ::::ﾄ､:::::::::::::::::::::,'　　　`,:::::::|　　　　　　 ゝ
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　 ┃. 　 江戸城 　 .┃
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l｀''ll‐-ll.,_ll. ll. !!:::ll:::l: |.ll l lﾞ!ii;-ｫ:､丶、 'ﾄ､l--───>¨'¨<───--l,.ｨr'ﾞ ||. ,. :o;:.イ.＞'" !::!:!
| .,,lｌ..,_ll　ll｀liﾞ'ｌト{ll:::l: |.ll l.+l.!ll;l:|IIi;ﾞ丶､::!二二二二二二二二二二二二!,. ｡'´:イィf"　　　..|::ｌ:|
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|''‐ll‐-ll-.lｌ..lｌ,,ｌl　ll;;;l: |.ll l.+l.!ll;l:|IIllil;||li;;;lト.l'ii-.,,iニニニニニニﾆi.i,彳イ ll.　||　　 |i|　 　 　 |::ｌ:|
l___ll___lｌ__ll._ll._ｌl__ll;;;l: |.ll l.+l.!ll;l:|IIllil;||li;;;ll;ｉ;l.ll.ll.l.l.ii;;,＝＝＝＝,,;;fl.l.l !　! .ｌ!　||　　 |i|　 　 　 |::ｌ:|
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l"~lｌ.　ll　ll_,lｌ..ｌl;;:: 斗 !''"´,＞' , . :'´: : : : : : : : : : : : :`: .、　　..ﾞ＼lﾞﾄｌ、|...ｌ!　||　　 |i|　 　 　 |::ｌ:|
|_,,.lｌ-::'''"´''"´:_;.＞l: l"´　 .／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　.ﾞ＼ヽ|ヽl . ||　　 |i|　 　 　 |::ｌ:|
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孑''"　　　　　 　 .|;l: |. ./: : : : :/: : : : : /l: :l:l: : :ヽ: : : :､: : : :.ﾊ　　　　..'＼.＼ﾞ' ｀,:|i|丶＞ ., |::ｌ:|
　　　　　　 　 　 ,.|;l: |ﾞ.i: : /: :/: : : : : / l: :ﾊ:l.: : :ﾊ: : : ﾊ: : : : :i　　　　 　 '＼. ＼ﾞ|i-､　｀' .､|::ｌ:ﾄ.、
　　　　　　　,.イﾞ;;;|;l: |.l: : i: :./: : : : :/　i: / ヽヽ: : ﾊ: : :ﾊ: : : : :l　 　 　 　 　 '＼ヽ＼　ヽ、 .|::ｌ:ﾄ､.｀　､
　　　　 ,.イﾞ;;;;才ﾞ |;l: |.l: : l: :i: : : : / _ // -==-､...: :i: : : :i: : : : l
　　,.イﾞ;;;;;才ﾞ　　,ィ;;;;;;;.l: : l :l: :,-,/'¨ 〃　　-___ヽ_i,:l: : : :l: : : :l|
イﾞ;;;;;;才ﾞ　　,ィ;;;;;;;;;／;.＼ 〉:l:'､;l-‐- ´　　 ´　　 `l: : : : :.l: : : :l　　　　　 じゃあ、私は九角家と菩薩眼について、
　　　　　　　　　　　　　 //ﾍﾍﾄ　　　　　　　 　　l: : : : : l: : : :l　　　　　 お偉いさんにそれとなく尋ねてみるわ。
　　　　　　　　　　　 　 //: : ヽlﾍ　　 '　 __,　　　l: :l: : : :ﾊ: : : l
　　　　　　　　　　　　 i: i: : : : : :/丶､　　　　 , .ィ: l: : : /: i: : : l　　　　　できる夫君は、定例報告をお願いね。
　　　　　　　　　　　　 l: l: : : : : :l: : :!i:`:>-i　': ; :l: l: : : /: ﾍ: : : l
　　　　　　　　　　　　 l l: : : : : :lﾍ ; ＞'　/iﾍ´　l: l: : :/､:_: ﾍ: : :l
　　　　　　　　　　　　 l l､: :l: : :.l'´//i | / .l l.ﾍ　l l: : / ﾉ／／ ＞ ､
　　　　　 　 　 　 　 　 l l 〉 l: : :l　l lﾍ ' ｰﾉ+　` 'lll: :/, '/ /　 /　　 i
　　　　　　　　　　　 　 ヽlﾍ l､: :l=ゝl､l_　i .l　 .i´,ll /　.i /　 /　　　 l
　　　　　　　　　　　　 　 l` lﾍ〉､l /7`‐ニニﾆlr, ,＝　l l　 /　　　　.l
　　　　　　　　　　　　 　 l　 V　 i i /　　　　 l l¨l　　 l l　/　　　　　l

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　　 　 　 　　　　　＿＿＿_
　　 　 　 　 　　／　　　　　＼
　 　 　 　 　 ／　＼　　　／　＼
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　　　　　 |　　 　 　 　 ´　　　 　　 |　　　　はっ！　お任せ下さい。
　　　　　 ＼ 　　　　　⌒　　　　／
　　　　／￣￣ヽ　　　 　　 　 　 ＼
　　　（｢　　　 ｀rﾉ　　　　　　　　　　＼
　　　　ヽ　　　ノ　　　　　　　　　 　 　 ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.　'´　￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ,. -　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ／　　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　.　　 　 　 / ∠-─￢'￣{　 i　 i　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　 i￣｀　　　-┼-､　| 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/ |斤ﾊ　　　　 ＼　/　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/ |└ ',　　　下ﾊ V　/,i　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/,ﾊ　 ､　　　└ ' / // |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |　ヽ　｀ー　　　/ / |　|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |　| |`ー┬ーイ ,.ｉ　|　|　|　　　　　　　じゃ、またね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚﾍ | |　／￣＼ﾚ'｜ |　|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| |　|　|　|　　　　　　　もしもそちらが先に終わったら、
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /ﾌ/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.| |　|　|　|　　　　　　　私を待たないで、龍泉寺に戻っていいから。
　　　　　　　　　　　　　　 /⌒ヽﾑイ:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:. l:.| |　|　|　|
　　　　　　　　　　　　　　 !＿_,ｲ_.ノ:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:V　,|　|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　〈　 ヽ:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.V |　レ'
　　　　　　　　　　　　　　　 /∧　 i:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:. ∨V
　　　　　　　　　　　　.　　 //　 ヽ |:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:. l:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　//　 　 ! |:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.|

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　　　　　　　　　　　　 ' ,　　　　　　　', 　!
　　　　　　　　　　　　　 ' ,　　　　　,､ .',. i
　　　　　　　　　　　　　 　ヽ 　_　　i　ヽ',i、
　　　　　　　　　　　　　　　 _>､',ヽ,j　　 '.,}/=-,　　　　　　　 -_-. ､
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ヽi 、　　　ヽr'ﾌ　　　　　　　　　`i　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､`ヽ　　　ヽ! 　__　　　　　　_ ,ノ　)　）
　　　　　　　　　　　　　 ＿,､,､イ} ヽ=ヽ 　 　 '(　 ｲ　　　　- --－´, ´
　　 　 　 　 　 　,r '"´<＜ ヾ" r 〉 ィrー､　　　ヽ{rっ-－=＝''''' "´
　　　　 　 　 　 {ヽ､、 　 　ヽ< y' ',/しー-',　,r='''イ､ヽ、
　　　　　　　　　ヽ,、 ""　 ン",. -_,.==-｛ ､ ヽ　／／ヽ ',
　　　　　　　　　　 `｀-...''ー"‐"´　 　`''}=ヽ｀r_, .i　　　}_!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j介､ヽ-'"　　／ j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/r/　h､ 　 ,､_／
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　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 //,'r='"'"つ､, ｵ　　　　　　　　　 └i_n┌'　 [][]「l　　Ｏ　Ｏ　Ｏ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､＿_,,,　ィ.　"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー''"

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　　　　　　　 　　 ＿＿＿_
　　　　..　 　　 ／　　 　 　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ザッザッザ＞
　　　　　 　 ／　　─　 　 ─＼
　　　　　 ／ 　　 （●） 　（●） ＼
　　　　　 |　　　　　　 　 ' 　　　　 |　　　　……さて、僕も行きますか。
　　　　　 ＼　　　　　　⌒　　　／
　　　　. 　/⌒ヽ　 　　　 　 　ｨヽ
　　　　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　　./　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　 l l　　　 　 t　,　　　　　　　　　r'´) /´
　　　l　　　　……おや？　　　l　　　　　 ヽl　　　　　　　　　　　　　　　 ／ /　　　　──
　　　ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ　　　　　　　|　　　　＿＿__　　　　　　,_ ノ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,＿＿ ,, -'.!　　　　　　　 ｀　　　　 /|､　　　　　　　＼
　　　　　　　　_,. -‐─---─'''~￣　　 ／:::::::::rl　　　　 ｀　 　 　 　 ／ ﾚi::::｀ヽ､
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　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::/　','､'-､, ＿＿＿_／,.-'´/　|:::::::::::::::ヽ:::::::::｀'ｰ-､_
　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::l',　 ヽ,　｀'''i　　rｰ' ´　／　　l::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::｀ ‐-
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　 /
　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_　　　′／
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼　　　　 　　　 　 　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　‐　　 ─ 　　　　＼　　 　 　　　　　l　　　　――そこの君！　　　 l
　　　　　　　　　　　 　（　　（ ●）　　　　　＼　　　　　　　 ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ
　　　　　　　　 　 　 　 l　'　　　 　 　 　 　 　 |
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　　　　　　　　　　　　　｀ｌ　　　　　　　　　 ＼
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　　　　　　　　　　　　 .′　　　　　　　　 .／ ／ﾚ′ ＼　 ヽ
　　　　　　　　　　　　.′　　　　　　　, ｨムイ 　 　 　 　ヽ　|
　　　　　　　　　　　　}　　　 {　＞　´　　　　　　　　 　　 |　{、
　　　　　　　　　　　　ﾟ。　 　 V　　　　　　　 　　 　 　　 .'　/!
　　　　　　　　 　 　 　 ﾟ。r.ミ }　　..＿　　　 　 ､__.ｨ二ヽ}.イ
　　　　　　　　　　　　　 `!　 }|‐- y'￣￣｀Yzzz{　fTヽ H .j
　　　　　　　　　　　　　　.}　　　　ゝ..＿__ノ　　|ゝ--- '/./
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　.,、　　　　　　 _ .〉　　　 ﾚ′　　　　　誰かと思えば、龍閃組の者ではないか。
　　　　　　　　　　　　　　　 ｀Tﾊ　　　　　　　　　　　./
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ|ヽ　　 ｀¨¨二¨” 　 /　　　　　　　　……確か、醍醐できる夫君といったかな？
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　ﾟ　　　　　　　　 /!
　　　　　　　　　　　　　　　　 r┤　ヽ　　　　　　ノ .ト､
　　　　　　　　　　　　　　 .　-ﾍ ￣　 三三¨T二 --ｲ＼
　　　　　　　　　　　_　ィ´:::::::::::|ー-- .＿__,オL_. - ｲ|:::::ヽー-ミ、
　　　　　_.　-‐:::￣::::::/::::::::::::::::ﾏー----／ ,|　 ＼　.|:::::::::＼:::::::::＞　._
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　／￣￣￣＼　　　　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ノ　 　 ＼　＼　　　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／u　（●） 　（●）　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　__´__　　u　　 |　　　　ま、松平容保様！？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 　　.L:::::ﾉ　　　 ／
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　　　　　　　　　　 i :　 :.i:　　　　　　　 ｀`'‐､:.:.:.:.:.: i'
　　　　　　　　　　 ｀'ﾍ ':i　　　　　 _,.-‐''- _,.Lr‐;.:./
　　　　　　　　　　　　 '‐<＞- ､,_r'"ﾟ´~｀iﾟ　 i' f /:.i　　　　　　久しぶりだな。
　　　　　　　　　　　　　 i,_　　_,i　'‐--‐'゜　　　/.:丿
　　　　　　　　　　　　.　 ヽ￣　L､　　　　　 i 〈-'´　　　　　　 京都の祇園で会った以来かね？
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.　　__,,...-‐'　　/　i,‐z,
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　- 　　　 /　_,.‐'´｀>､_
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.　 __,.. - '-‐'_,.､‐'´:::::.:.:ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　┌'｀]'"´~__,,.‐'´::::::::::::::::::::::::::..｀`'''‐‐-
　　　　　　　　　　　　　_,,..､-‐'~'‐t-‐彡:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....:.:
　　　　　　　　　　　,r'´ ｨ'´　　 　 i／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::





　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　 　 　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　 　　　／　　　　　　　　＼ 　 　　 　 　 その、ご無沙汰しております……
　　　　　　　　　　　　 　 ／　　＼　　　　／　　＼　　　　　　挨拶も無く、大変失礼いたしました。
　　　　　　　　　　　　　 | 　 　（●） 　　（●） 　　|
　　　　　　　　　　　　　 ＼ 　　　　　´　　　u　／　　　　　　 その、松平様は、なにゆえ江戸城に……？
　　　　　　　　　　　　　　／　　 　　⌒　　　　　＼

.

　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::;;ィ"ッ/ノﾉﾉ　ﾞi:::::::::l
　　　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::／::;ィ:／~　⌒ノ ﾉノ　　 l:::::::::l
　　　　　　　　 /ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::／'´　 ｀´　　　　　　　　　 i':::::::::ji
　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::/　-‐-_,,,,___　　　　　　　 　 i:::::i::ﾉ
　　　　　　　 　 {;;;;;;;;;;;;;_;;;;;;;::i_,,-‐l￣　　　`'t-__' ,,,___-‐- i:::ﾉ'´
　　　　　　　　　l;;;;;;;;;/　ヽ;;:i　　　i　　　　　ﾉ　　{　 　￣ﾞl
　　　　　　　　　ヽ;;;;;;l　i ) V　　　 `'‐--─"　　 l､__　　,ﾉ､
　　　　　　　　　　＼ヽ ゝゝ　　　　　　　　　　,　 〉　￣ }ﾉ
　　　　　　　　　　　 ヽ＼　　　　　,　　　　　　　　　　/ﾉ
　　　　　　　　　　　　 ＼ﾄ-i　　　　 `''‐- ､,,,_　　　 /‐'　　　　　　 いや、なに、軍備の問題でちょっとな。
　　　　　　　　　　　　　　l　ヽ　　　　　　　＿ ￣　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 lﾞ　　ﾞi　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　 それより、君こそどうしたのかね？
　　　　　　　　　　　　 _,l　　　 ヽ　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　 ,r'´ .l　,r‐- ､,_`'‐-─-- ,,_,,ｨl` >
　　　　　　＿　　　＼　l/r'　　　　￣｀`'''─--─'´ﾉ-､
　 _,,-‐''"´　_,,二ニﾆ=-､＿＿＿＿＿＿,,,,,--‐ｯ‐'　　｀`‐､,,＿




　　　　　　 　 　 〟――- 、
　　　 　 　 　 ／　　　　　　 ＼
　　 　 　 　 / 　 　 　 _,ﾉ　　ーヽ
　　 　 　 　 !　 　 　 　（●） （●）
　　 　 　 　 !.　U 　 　 　 　 '　 　}
　　　　　　　 ! 　 　 　 　 ─_-　ﾉ
::::::::::::::::::::::::xヘ.ヽ.　　　 　 　／　　　　　　その、私は定例報告のために……
::::::::::::::::::／､　　＼ `'ｰ─‐,, '
::::::::::::／ ／＼　　 ＼ ｀Yh＼
.　 ／ ／ 　 　 ＼　　 ＼ﾊ辷」
∠ィ⌒ヽ. 　 　 　 ＼　 /万]＞、
′　　 　 ＼ 　 　 　 ∨ゞﾐ｜,ﾊ}
...:::::::::::ﾄ､ 　 ヽ　　　　 　 ﾉ |/V
　 . ::::::い　　 |　　　　　 {.　|/｛
　　　:::::ヽ.　　| ﾄ､　　　　}　|/ﾊ

.

　　　 /　　　 　 　 　 |　　　　}／ ﾞ =z､　　　　　　　　　　/　／}/.
　　　 V　　　　　　　 ,!　　　　　　　　　ﾞ　=z､ ´￣＼　　/イ　 /
､／ヾ_＞ミ､_,＿,__／ ヽ　　　　　　　　　　　 ﾞ＜太　ﾊ ﾉ
:ヽ　 ＼　　　　　　　　　 ｰi　　　　　　　　　 　 Ｖ/ﾞ７./'
::::丶 　 ＼　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　 ｀　//
::::::∧　　　＼　　 　 　 　 l　　　　　　　　　　　　　｀｛
::::::::∧　　　　＼　　 　 　 l　　　　　　　　　　　　　　l
::::::::::∧､　 　 　 ＼　　 　 l　　　　　　　　 ､　　　r～
::::::::::: ∧＼.　　　 丶　　　　　　　　　　　　ヾﾐz '　　　　　　　　 あぁ、なるほど。
:::::::::::::::∧　＼　 ､　 ヽ　　 _,、　　　　　　　 _)
:::::::::::::::::∧　　＼ﾊ　　 }7´　 丶　　　　　　.′　　　　　　　　　 ……それで、成果の方はどうなのだね？
:::::::::::::::::::∧ー-ミ_ｵーく　　　　 `　　.＿_ノ
:::::::::::::::::::::∧　　　.,}　丶＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大川の一件では、失態を見せたようだが、
ー---ｧ::::::::∧　　/|　　 丶 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　鬼道衆とかいう者共の尻尾は掴めそうなのか？
::::::::／::::::::::::∧　/ :! 　 　 丶　ヽ
::／::::::::::::::::::::::∨ 　 　 　 　丶　 ﾟ。
"::::::::::::::::::::::::::::l　　　　　　 　 ﾟ。　ﾟ。
::::::::::::::::::::::::::::::l　　　　 　 　 　 l. 　 ﾟ。
`:::::､::::::::::::::::::::l　　　　　　　　　ｌ　 　 ﾟ。
:::::::::::`::-::､::::::l　　　　　　　　　 l.　　　 ﾟ





　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　.　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　 　 　 ＼
　　　　　　　.　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　 ……申し訳ありません。
　　　　　　　. 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ 　 　 　 　 松平様におかれましては、我々の至らなさに
　　　　　　　　　　 　 |　　 　 　 ￣｀丶　　　 　 ' ´ ￣　　　 　 |　　　　　　 さぞ不甲斐なく思われているかと……
　　　　　　　　　　 　 |　　　 　 ‐ｭ::::ｪ‐　　　 　 ‐ｪ::::ｪ‐　 　 　 |
　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　 ただ、ようやく、奴らの目的も分かりまして、
　　　　　　　. 　 　 　 ＼　U 　 　 　 　 　 ´ 　 　 　 　 　 　 ／　 　 　 　　 解決の兆しが見えてきたところであります。
　　　　　　　. 　 　 　 　 ＼　　　　　　- ――- 　　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　 　 ／ヽ　　　　　　　　　　　　　　イ＼
　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼

.

　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : :｀ヽ､
　　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : ;.ｲﾉ＼ : ',
　　　　　　　　　i: : : : : : : : : : ;. - '´ ′　│: }
　　　　　　　　　|: : : : : : :/／_＿　　 　 　 l /
　　　　　　　　　|: : : : : : :L -‐{〒ぇ>‐rfデ1
　　　　　　　　　ヽ: : ｆ ヽ;|　　　 ￣　　ト -〈　　　　　　……鬼道衆の目的？
　　　　　　　　　　＼:! ぃ　　　　 　 　 ′ ./
　　　　　　　　　　　 `!ヽ.、　　　r_:三ヨ　/　　　　　　 奴らの目的は、幕府打倒ではないのか？
　　　　　　　　　　　　L:_| ヽ　　　　 ‐　 /
　　　　　　　　　　　　　│　＼　 　 　 亅
　　　　　　　　　　　　　│ ＿_二二ニヱ‐ ､＿
　　　　　　 　 　 　 　 r弋/　_　 -‐　フ´　　　 |￣　 ‐-　.._　 　 ＿_
　　　　　　　　 ,.　‐ '"´ ￣＼=ﾆラ'´　 　 　 　 !　　　　　 　 ￣　　　 ＼
　　　　　　_ ／　　 ／　/　　|／　　　＿＿＿_」　　　　　 /　　　　　　　 ヽ
　 　 　 ／/　　　　　　/.　　 |　　　　 ＼　　　　 　 　 　 /　　　 　 　 　 　 ',
　　　 /　〈ヽ 　 　 　 /　　　 | 　 　 　 　 ＞　　　 　 　 /　　　　 　 　 　 　 i
　 　 /　　 ＼＼　　 L. _　　│＿,　-‐ ´　　　　 　 　 /　　 　 　 　 　 　 　 |





　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　 　 　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 　　　／　＿,ﾉ　　⌒　＼
　　　　　　　　　　.　　　　 ／ 　 （一） 　（ー） 　 ＼　　　　　あっ……と。
　　　　　　　　　　.　 　 　 | 　 　 　　　´　　 　ij　　|
　　　　　　　　　　　　　　　＼ 　　 　⊂つ　 　 　／　　　　　それは……その……
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　 ＼

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　 -─ - ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 , -'´　　 　 l､　 　｀ ､
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　 ﾉ　ヽ　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　冫　　ノ彡,ｨ／ 　　 ヽ.　　 l
　　　　　　　　　　　　　　 7　　l　　　　　　　_,. l!　　 l
　　　　　　　　　　　　　　 ﾚ'､r l＝-､;__,r-＝､_ l,_　 ﾉ　　　　　　……何か、隠れた目的があるというのだな。
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽlー─'l　 ー‐'　｀lﾉ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　｀　　　　 /,ノ　　　　　　　良ければ、教えてくれないかね？
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　 -─-　　ﾉi'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　lヽ､＿＿ ／ _l､
　　　　　　　　　　　　　　 ＿,r 'ﾞ|ﾆ= ､ , 一' ´　,ﾄ ､ ＿
　　　　　　　　　　-‐'.´￣／;;;;;;;;|＞／ヽ二二´ﾉ;;;;;;;;;;;;ヽ｀'';;;;
　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;;<;;;;;;;;／／l　　::　ヽ　/;;;;;;;;;;;_ - ';;;;;;;;
　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;／;;;<　/　/　　　::.　ヾ;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;




　 　　　　　＿＿＿_
　　　　　／ 　 　 　 ＼
　 　　／　　_,ﾉ　 　ー ＼
　　／ 　　（●） 　（●）　ヽ
　　|　　u.　　　　'　　　　　 |　　　　しかし……
　　＼ 　 　 　 - ―　 　 ／
　　 ／　　　　 　 　 　 　＼

.

　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　／| 　 　 　 　 l
　　 　 ,'　　　　　　　　　　　　　　／ 　 ',　 　 　 　 |
　　 　 l　　　　　　　　　　 _,,..-''"　　　　ヽ　　　　 .l
　　　　',　　　　　 ,..-‐''"´　　　　　　　　　ヽ　　　,'
　 　 　 ∨　　 　/　　　　　　　　　　　　　　 l　　/　　　　　　　 　 　 　 　なに、軽々しく口外しないことは誓おう。
_,,..-――ヽl⌒ヽl　―‐-..,,_　　 　 _,,...-―‐　|/⌒l―--..,,＿_
::::::::::::::::::::::::∨　.|-r'"￣￣ヽ＿_r'"￣￣ヽ　| 　 /､:::::::::::::::::::　　　　　　　ただ、私も京都守護職という立場上、東国に
::::::::::::::::::::::/::ヽ、l ヽ ＿＿ ﾉ　　ヽ ＿＿ ﾉ　l　ノ:::∧::::::::::::::::　　　　　　　憂いを残している状態はあまり歓迎できないのだ。
:::::::::::::::::::/:::::::::::｀i　　 　 　 　 l　　　　　　　.i´:::::::::::∧:::::::::::::
::::::::::::::::/::::::::::::::::|.',　 　 　 　 .| 　 　 　 　 ./|::::::::::::::::∧::::::::::　　　　 　 　こちらの状況も、できるだけ把握しておきたいのだよ。
:::::::::::::/:::::::::::::::::::| .',　_,,..-''" ￣"''‐-..､　 //|::::::::::::::::::∧::::::::
::::::::::/::::::::::::::::::::::＞'"r''"´￣￣｀"''-.､_jヽ<./:::::::::::::::::::::∧:::::
:::::::/:::::::::::::::::,,-'´　　 ｀"''"´￣￣｀"''-､　　｀''-..,,:::::::::::::::∧:::
::::::::＼::::::::／　　　　　r‐''"´￣￣￣"''"　　　 　 .｀ヽ、::／:::::
::::::::::::::>''´　　　　　　 ヽ-―＜￣＞'　　　 　 　 　 　 ＼:::::::::
::::::::／　　　　 　 　 　 -,‐‐-...,,_｀ヽ､,,..､-　　　　　　　　 ヽ::::::
:::::/　　　　　　　　　 ／　 r'",.-''ヽ_j　　ヽ、　　　　　　　　ヽ::





　　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　　 　 ＼
.　　 　／　　　ノ ' 　ヽ＼
.　　／　／）（ー）　（ー）u＼　　　　　 ……分かりました。
　　|　／ .ｲ　　　　' 　 　 　 |
.　　 /,'才.ﾐ).　　⊂つ　　／　　　　　　それでは、その……少々、突飛の無い話に
.　　 |　≧ｼ'　　 　　 　　＼　　　 　　　思われるかもしれませんが……
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ

.

　┌──────────────────────────────────────┐
　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
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　┌───────────────────┐
　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　└───────────────────┘
　┌──────┐
　└──────┘
　┌──┐
　└──┘
　 □




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l￣｀ヽ:::::::::::::＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::,=､::::::::::::_,, -‐ｿノ　　　 ヽ:::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 /::::::::::::::::/ ,r､'-ｧ――――-Y｀ヽ 　',:::::::::､l/
　　　　　　　　　　　　　　 l::::::::::::::::::{　{ i' ヽl　　　　　　　l　　ヽ　',::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　 l::::::::::::::::::ﾊ　｀　　　　　　　　　 ＼　 }　l:::::::::}
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',:::::::::::::::::::::〉'i　　　　　　　　　　　 ｀´ ヽ:::/ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　',:::::,,..=ｰl/'　l　　　　　　　　 　 　 　 ,_ .',:/
　　　　 　 　 　 ＿,,...-t―-<ｰ‐- ,_　　　ヽ　　　　　　　　r-､　　 r'´
　　　　　　　"´　　　　ヽ:::::::::＼　 ＞ ､　　＼　　　　　　 ｀ヽヽ /
　　　　　　　　　　　　　　＼::::::::＼　　 ＞= ,,_ ＼ 　 　 　 ｀ ｰ/　　　　　　　……『 菩薩眼 』？
　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::ﾏ:::::::::＼ 　 　 　 ￣｀iｰ 、　　　.,'
　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾏ::::::::::::＼＿　　 　 |　　ヽ　 ノ
　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾏ:::::::::::::::＼｀ヽ 　 |,r―＜´
　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ー―- ､::＼ ｀ｰ-=、＿ 〉
　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t―=＝'::::::::＼/´＞､　￣｀ヽ
　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::＼ 　 ＞､ 　 ﾊ

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ────- 、
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　 　 　　‐- ､　＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 　 　 　 （ ●）　　｀、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 { 　 　 　 　 　 　 　 （●ｌ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ゝ　U　 　 　 　 　 '　　 !
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　＼　　　　　　 －-　, '　　　　　 はい……奴ら、鬼道衆の目的は、『 菩薩眼の娘 』を
　　　　　　　　　　　　　_,, -‐‐‐‐'/.. lヽ　 　 　 , ____／　　　　　　 手に入れ、幕府を壊滅させることかと……
　　　　　　　　　 　 ,-‐'、　 ヽ　　Ｌ.::丶:::: ヽ--'` 、
　　　　　　　　　　/　　 ヽ　..::l:::::::<´:::::l:::::ノ‐‐l.l　z 、
　　　　　　　　 　/　 ......　l:::::::l::::::::丶　 l‐'`t-l'l´ 　/l丶、
　　　　　　　 　ｒ'l...:::::::::::::::l::::::l::::　　`、　l /　.l/　/　l　.l
　　　　　　　　/l,ヾ:::::::::::::::l:::::l　　　　`、 .l　 ./ ./ 　 l /l
　　　　　　 ／:::::`..:::::::::::::/:::/...　　　　ヽ .l_./／　　 l/ .,t
　　　　　　/　::::::::::::::::::／／:::::::::....　　　`ｙ '　　　 ./..::::.:f





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　 -─ - ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -'´　　 　 l､　 　｀ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　 ﾉ　ヽ　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　冫　　ノ彡,ｨ／ 　　 ヽ.　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　 7　　l　　　　　　　_,. l!　　 l　　　　　　……にわかには信じられんな。
　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚ'､r l＝-､;__,r-＝､_ l,_　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽlー─'l　 ー‐'　｀lﾉ /　　　　　　　『 菩薩眼 』のことは、私も聞いたことがあるが、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　｀　　　　 /,ノ　　 　 　 　　 正直、眉唾ものだと思っていたのだが……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　 -─-　　ﾉi'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lヽ､＿＿ ／ _l､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,r 'ﾞ|ﾆ= ､ , 一' ´　,ﾄ ､ ＿
　　　　　　　　　　　　-‐'.´￣／;;;;;;;;|＞／ヽ二二´ﾉ;;;;;;;;;;;;ヽ｀'';;;;
　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;;<;;;;;;;;／／l　　::　ヽ　/;;;;;;;;;;;_ - ';;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;／;;;<　/　/　　　::.　ヾ;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;

.

　　　　　　 　　 ＿＿＿_
　　　..　 　　 ／　　 　 　＼
　　　　 　 ／　　─　 　 ─＼　　.　 　 　 真実はどうあれ、奴らがその『 菩薩眼 』を
　　　　 ／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　 求めているのは、おそらく間違いありません。
　　　　 |　U　　　　 　 ' 　　　　 |
　　　　 ＼　　　　　　⌒　　　／　　　　　 それで今日、私と一緒に、鷹野先生が
　　　. 　/⌒ヽ　 　　　 　 　ｨヽ　　　　　　 幕府が持っている情報を調べるために……
　　　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　./　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,,..-‐‐‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ´ｨ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l i'´ ゞ､:.:.:.:.:.:.:.:.::::`,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽn＿___v'´'i::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉﾘ　　　 ﾘﾉ::::::::ｩ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `l__　　　rゝ:::::ｿ　　　　　　……ふむ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　l　　　/:　:　:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ=ﾆニ--‐‐ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,-d三二彡".::::`'‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´／　l,.ｨ'´:.:.:.:.:　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,r´　　l:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ ト､,　　l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `'ｨ'´`'-‐':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::l

.

　　　　　　　　　　　　 .′　　　　　　　　 .／ ／ﾚ′ ＼　 ヽ
　　　　　　　　　　　　.′　　　　　　　, ｨムイ 　 　 　 　ヽ　|
　　　　　　　　　　　　}　　　 {　＞　´　　　　　　　　 　　 |　{、
　　　　　　　　　　　　ﾟ。　 　 V　　　　　　　 　　 　 　　 .'　/!
　　　　　　　　 　 　 　 ﾟ。r.ミ }　　..＿　　　 　 ､__.ｨ二ヽ}.イ
　　　　　　　　　　　　　 `!　 }|‐- y'￣￣｀Yzzz{　fTヽ H .j　　　 　 　 参考になるか分からないが……
　　　　　　　　　　　　　　.}　　　　ゝ..＿__ノ　　|ゝ--- '/./
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　.,、　　　　　　 _ .〉　　　 ﾚ′.　　 　 　 　私は、その『 菩薩眼 』とやらのことは知らないが、
　　　　　　　　　　　　　　　 ｀Tﾊ　　　　　　　　　　　./　　　　　　　　　家慶公の側室だった、静姫のことは聞いたことがある。
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ|ヽ　　 ｀¨¨二¨” 　 /
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　ﾟ　　　　　　　　 /!　　　　　　　　　　確かに、君の言うとおり、何やら不思議な力を
　　　　　　　　　　　　　　　　 r┤　ヽ　　　　　　ノ .ト､　　　　　　　　　持っていたとかという話があったようだが……
　　　　　　　　　　　　　　 .　-ﾍ ￣　 三三¨T二 --ｲ＼
　　　　　　　　　　　_　ィ´:::::::::::|ー-- .＿__,オL_. - ｲ|:::::ヽー-ミ、
　　　　　_.　-‐:::￣::::::/::::::::::::::::ﾏー----／ ,|　 ＼　.|:::::::::＼:::::::::＞　._
ー- 　 ´::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::＼　 .／　　{　　　ヽ{::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::｀ー-----ミ、
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::ヽ/　　　.ﾊ　　　　＼:::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::/　　　〈　|　　 　 　 ヽ:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ





　　　　　　　　　 　＿＿＿_　　　　　　　l＿
　　 　 　 　　　 ／＼　　／＼　　　　　　 ／
　　　　　　　 ／（ ○） 　（○）＼　　　　 ＞
　　　　　　／　　　 　 __'__　　　 ＼　　 　＼
　　　 　 　|　　u　 　/___/　　　　　|
　　　　　　 ＼　　　　 ,. -'"´´￣｀ヽ 　　　　　ほ、本当ですかっ！？
　　　　 　　 ／ 　　　（＿＿＿　　　|
　　　 　　／　　　　　　　　　　　　　 |
　　　（￣　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　 ￣￣￣|　　　　　　 　 　 　 　 |

.

　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : :｀ヽ､
　　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : ;.ｲﾉ＼ : ',
　　　　　　　　　i: : : : : : : : : : ;. - '´ ′　│: }
　　　　　　　　　|: : : : : : :/／_＿　　 　 　 l /
　　　　　　　　　|: : : : : : :L -‐{〒ぇ>‐rfデ1
　　　　　　　　　ヽ: : ｆ ヽ;|　　　 ￣　　ト -〈
　　　　　　　　　　＼:! ぃ　　　　 　 　 ′ ./　　　 　　ただ、私が聞いた、その『 力 』というのが、
　　　　　　　　　　　 `!ヽ.、　　　r_:三ヨ　/　　　　　　君の話と、ちょっと食い違っていてな……
　　　　　　　　　　　　L:_| ヽ　　　　 ‐　 /
　　　　　　　　　　　　　│　＼　 　 　 亅
　　　　　　　　　　　　　│ ＿_二二ニヱ‐ ､＿
　　　　　　 　 　 　 　 r弋/　_　 -‐　フ´　　　 |￣　 ‐-　.._　 　 ＿_
　　　　　　　　 ,.　‐ '"´ ￣＼=ﾆラ'´　 　 　 　 !　　　　　 　 ￣　　　 ＼
　　　　　　_ ／　　 ／　/　　|／　　　＿＿＿_」　　　　　 /　　　　　　　 ヽ
　 　 　 ／/　　　　　　/.　　 |　　　　 ＼　　　　 　 　 　 /　　　 　 　 　 　 ',





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ＼　　／　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　（●）　 （●）　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　|　　 　　　__´__ 　　　　 |　　　　　……と、いいますと？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ 　 　　'‐‐一` 　 　／
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　 　 　 　 　　　 ＼

.

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: : : : :／}=!/: ／ : : : ／: : : : : : !::|': :／ 　 ＼ ＼ ヾ: ::ヽ＼＼!: ::|　　　　　　　　　 ＋
: : ／　 ( /: /: : : :: :// : : : : ／:|/／|　　　　 ＼: ＼: : : ／ヽ/: :/　　　　　　 　 　 　 .｡
: / 　 　/: /: :ヾ＼: / : : : ／ : :／　 |　　 /!　 / ＼: ＼( 　 /／,＼
/　　　 ! / !＼: : r‐|: : ／: : ／＝=　ヽ　 |::! ≠=　}＼: :＼ '　　 ) : )
　　　 .,| {　i: : :ヾ{.ｿ|: / : :／__　 __　　 　 i/_　 _　/　 ｀､: ::.. 　 /／
　　　/ ヾ､ ＼: : :ゝ|/ : :/　´"￣ `　　 　 　￣｀ /i　　　|: : |　 '´　　　 　 　 　 ., : ' ﾟ ﾟ ﾟ ' : ,
　　 /　　 ＼　＼: / : :/!ﾌ　　　　　　　　 　 　 /: |　 　 |: : |　　　　　　 　 　 .,:ﾟ　　　　　　 ﾟ:,
　 ./　　　/　　/. / : :/::|　　　　　　　　 ､　 　..: i :!　 　 ! : :!　　　　　　　　　 ;　　　　　　　　;
　〈　　　/　　/. / : :/: ::ﾄ､　　　　　､ーy　 ／: ::| |　　　|: : |　　　 　 　 　 　 .:,　 　 　 　 　 ,:
　 .＼__/　/ 　 ,': : / i : |　＼　　　　｀ 　／|: :|: :| |　　　|: : |　　　　 ﾟ ﾟ ﾟ':,　　　' : ., 　　 ,. : '
―-.､ 〈__/ 　　i : / : !::::|--､ ＞ - 　 イ{　 |: :| : : !　 　 |: : | 　 .: 　 　 　.;　　 °　 ﾟ ﾟ ﾟ　　+
.:.:.:.:.:.:￣´‐-＜|: i : : | : !＿.　 ー‐- r‐_､　 !: :!: : :|_　　 |: :/ . ,:'""':,　　 ,: 　 ｡ ｡
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.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ{: : : : :|　　| | | | /ノ　| /／ヽ}_: :!.:.:.:.:.X　 +　 ﾟ ﾟ　　　;　　＋ 　 　 ﾟ;
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＞ ､ ＿_.:.:.＼/｀!: : : : :!＼:.:.／　　　　　,、　　 　 　 　 　 ヽ　'　　　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　/ ヽ、　　　　　　　　',
━━━━━━━━━.∠　　　　　//　 　.ヽﾄ､　　　　　　　i　.━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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　　　　　　　　　　　　/ｲ　 l ./ﾚﾚ'　　　　 ／-.､-''"ﾚl ( .i 　.,'
　　　　　 　 　 　 　 　 .ﾚl,､|/　　　　　　r'::'で::ﾉ　　　 l）,'　 {
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ.,.-‐,-tj⌒ヽ-''"　　　　ヽ/ 　 ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 〈::::_,,-''ヽ　　　　　 　 　 lヽﾄ､__l　　　　　　……静姫が持っていたのは『 癒しの力 』だったそうだ。
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀',　 　 i　 ,　　　,　 　 ,'　　　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ　　`　_,,.-'"　　 ./　　　_,,.-―..､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　/ ,.-''":::::::::::::::::::＼＿
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　　,,.-''／:::::::::::::::::_,,.-''"´::::::::｀''――
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＞''"―-､＿＿,..-'"::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,..-''":::::::::::::::::::::::::::::::::｀''ー‐::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::￣"''‐.､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',::::::::::
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,':::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::

.

　　　　 ／.:￣￣￣￣￣＼　　 　　人
　 　 ／: : :　　 　 　 　 　 　＼　　　　 て
　 ／: : : 　 　　　　　　 　 　　 ＼　　　 〈
／: : : :　-一'　　 　 　 ﾞー- 　 　 ＼
: : : : :／´ ｀ヽ 　 　 　 r´　｀ヽ 　 　 ヽ
: : : :（ 　f;;;;j　l,　　　　ｌ　f;;;;j　 }　 　　l
: : : : ヽ_ ｀ _ノ　　　　 ヽ_ ´_ ノ;;:: 　　 |
: : : : : : ´"''"　　 '　　　"''"´　　　　　l 　　　　　え――っ！？
: : : : : : . .　　　＿＿　　　　　　 U ／
＼: : : : : : :.　V_＿＿ヽ 　 　 　 ／
／ヽ: : : : : : : : : : 　　　　　　 イ＼
: : : : : : : : : :　　　 　 　 　 　 　 　 ＼





/　　　　　　　　_r～-'　　　| |
　　　　r～ミz孟zzzz≧x　 |ﾉ
。　　　|　　 }!　　　　 H! .L」
..ヽ　　 ﾟ。　　　　　　 ｀¨´ 〈
　 }　　　>-┐　　　　　　'T′　　　　 怪我をしたり、病に冒された者に、静姫が手をかざすと、
　 ゝr　´　　ﾟ。　　　 ⌒ :f　　　　　　 たちまちにその苦しみが癒されたとか……
　 r┴　...＿　ヽ　　　　　|
／＞ミ､＿　｀¨　＝r---'　　　　　　　これも、よくある与太話の一つだと思っていたのだが……
::::::::::::::::::｀丶¨ー- .」ｱ
､:::::::::::::::::::::::::＼　　厂二ミ　、
: ＼:::::::::::::::::::::::::｀¨{ ､　　＼　＼
::::::::＼:::::::::/::::::::::::::|. ヽ.　　 ＼　＼
::::::::::::::＼::::￣ ﾌ:::: |　　､　　　 ＼　＼
::::::::::::::::::::ヽ:／::::::: |　　 ＼.　　 　＼　ヽ
:::::::::::::::::::: : ＼ミx__|　　　　＼　　　 ＼ﾉ
::::::::::::::::::::::::::::::＼:: |　　　　　 ＼　／´

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　 　 　 　 　 .／　/´　　　　J　ヽ｀ヽｔ　　　　　　i　　　　　　　/　l　　／　 ＼　＼　＼
　　 ...:: : : ::......／　／　　　　　｀-┘i　i　＼　　 　､‐‐-,　　　 　ムイ　　l　　i　　ヽ　ヽ 　ヽ
　 .:: : 　 　 :./　　/　　　　　　 /７　ll //::::::::丶、　 ￣　　 　∠､_∠　　i_,　 ヽ　　l　　l　　　ヽ　＊　 * ﾟ
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￣｀ヽー- ､ __ ／了|´　　　　　　　／ノ　 　 ヽゝ .|　　　　　　　（ 癒しの、力……？
.ヽ:..:..:..丶:..:..:..}:..:..::|　|　　　 　　　/　　　　　　　{　|
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ｰ..､｀ヽ:..::..::/..:::.::.::.:.l　　 ヽ ＞≦--.､ヽ　 　 　 /
二:..ヽ:{:..:.::.:＞ー::´::|　／ｸ′:..:..:..::.::.＼ヽ　 ／
::.::.::.:ｰヽ::.::|::.::.::.::.::.::.|^>':..:..:..:..:..:..::.::.::.::.:ヽV
::.::.::.::.::.:{::.::.:l::.::.::.::.::／:..:..:..:..:..:..::.::.::.::.::.::.::.ヽ〉

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　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　丿,.:.:.:.:.:',:.:r'i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,:.:.:.ｨ ,i'　　'i,i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i :　 :.i:　　　　　　　 ｀`'‐､:.:.:.:.:.: i'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'ﾍ ':i　　　　　 _,.-‐''- _,.Lr‐;.:./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '‐<＞- ､,_r'"ﾟ´~｀iﾟ　 i' f /:.i　　　　　　 ……まぁ、私の知っているのはそれくらいだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i,_　　_,i　'‐--‐'゜　　　/.:丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 ヽ￣　L､　　　　　 i 〈-'´　　　　　　　少しでも、参考になったのであれば嬉しいよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.　　__,,...-‐'　　/　i,‐z,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　- 　　　 /　_,.‐'´｀>､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.　 __,.. - '-‐'_,.､‐'´:::::.:.:ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌'｀]'"´~__,,.‐'´::::::::::::::::::::::::::..｀`'''‐‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,..､-‐'~'‐t-‐彡:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'´ ｨ'´　　 　 i／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::




　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 　／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　 はっ、はい……その、有難うございました。
　　　　　　　　　　|　　　　　___'___　　 　U |
　　　　　　　　　　 ＼　 　　`ー'´　　　 ,／　　　　　 松平様のお心づかいに、深く感謝いたします。
　　　　　　　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　　　　　　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　　　　　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　　　　　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

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|｀''i:､:::ﾞ丶､;;;;丶、 .!l::| ､＼　ﾞi;;三三三三三三三三三三三三三三三三三三三;i 　 ／,ィ!::!:!. 　 　 ,. ;'´;;;;
|、.ll　ﾞiﾄ､::::ﾞ丶､;;;丶, !　＼＼!ヽ---───────────────:---ｲ!／／　 !::!:!.　,. ;'´;;;;;;::イ
l　ﾞll' ､ll、ll｀ii､::::ﾞ丶､0丶、 ＼i:ﾄ., ヾ≦≦≦≦≦≦≦;;;≧≧≧≧≧≧≧彳　,.:|ii／　　　|,. ;;'´;;;;;;:.イ´＞'"
|'　l|,　ll　ll-ll､|ﾄ｀'i-i:::!::.､:丶.,li;:! ､.､|r‐､────────────;ｯ''ｫl／'''.!:!.　　,. ;;'0;;;;:.イﾞ＞'"
|.　ll　ﾞll'-lｌ､ll,_!!:::ii:::l: ﾄiﾄ､ﾞ丶､'o､. ﾞ'ｌﾄ､ l二二二二二 r‐ｭ 二二二二二l ,.ｨ:!'ﾞ　 .|i|,. :'´;:.イr''!'!'"
l｀''ll‐-ll.,_ll. ll. !!:::ll:::l: |.ll l lﾞ!ii;-ｫ:､丶、 'ﾄ､l--───>¨'¨<───--l,.ｨr'ﾞ ||. ,. :o;:.イ.＞'" !::!:!
| .,,lｌ..,_ll　ll｀liﾞ'ｌト{ll:::l: |.ll l.+l.!ll;l:|IIi;ﾞ丶､::!二二二二二二二二二二二二!,. ｡'´:イィf"　　　..|::ｌ:|
|.　lｌ.　ll~ﾞll"lｌ''ｌ|::ﾞll;;;l: |.ll l.+l.!ll;l:|IIllil;||li;;'if::ヤ'f'i'if;三三向三三ｦ牙Ｔｦ不＞if"　 .|i|　 　 　 |::ｌ:|
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|--l--ll.‐ll‐ll‐!!:::ll;;;l: |.ll l.+l.!ll;l:|IIllil;||li;;;ll;ｉ;l,ll孑'!ｌll::|ll;!l,,,l三ｌ!|lllIIIl'l'l ! ＜　　　　　　　　龍閃組の方はおられるか！？　　　　＞
|.　ll___ll,, ll-ll-!!:::ll;;;l: |.ll l.+l.!'''l:|匕~|l孑ll;ｉ;ｌ l,.lィ!ｌll／　　 　 ＼ｌｌｌl.l.l !　!.＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
l"~lｌ.　ll　ll_,lｌ..ｌl;;:: 斗 !''"´,＞'1|´　 !!　,ll;ｉ;ｌ'1,ｌ.l／'　　　 　 　 ﾞ＼lﾞﾄｌ、|...ｌ!Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY
|_,,.lｌ-::'''"´''"´:_;.＞l: l"´　 　 l:|　,..:|l才ll;i;l／ｲ'　　　　　　　　　 ﾞ＼ヽ|ヽl . ||　　 |i|　 　 　 |::ｌ:|
;;;:::::::::_;＞ ''"´　　|;l: |　　　 ,.:l:|'ﾞ.イ|l　 ／,ｲ'　　　　　　　　　　　　 '＼ヽ! ''|ﾄ.､　.|iﾄ..,　　　.|::ｌ:|
孑''"　　　　　 　 .|;l: |. ,.ィ";.イ:!　　|ﾚ'ﾞ;.ｲ'　　　　　　　　　　　　　　　 '＼.＼ﾞ' ｀,:|i|丶＞ ., |::ｌ:|
　　　　　　 　 　 ,.|;l: |ﾞ;才ﾞ　,ォ! ／::／'　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 '＼. ＼ﾞ|i-､　｀' .､|::ｌ:ﾄ.、
　　　　　　　,.イﾞ;;;|;l: |ﾞ　,.イ;;;;ｨ'ﾞ:::／'　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 '＼ヽ＼　ヽ、 .|::ｌ:ﾄ､.｀　､
　　　　 ,.イﾞ;;;;才ﾞ |;l: |イ;;;;／ :l／'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 '＼＼＼ ｀' |::ｌ:|.　ﾞ'　、｀　､
　　,.イﾞ;;;;;才ﾞ　　,ィ;;;;;;;／　 ／　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 '＼.＼.＼｀ｰ:､　　　ﾞ'　、｀
イﾞ;;;;;;才ﾞ　　,ィ;;;;;;;;;／;;::::／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼,' ¨ ＼　｀　、　　 ｀

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　　　　　　　　　　　　　　　　　人
　　　　　　 　　　＿＿＿_　　　　 て
　　　　　　　　／　　　　　＼　　　 〈
　　　　　 　／　　u　　 ⌒　 ＼
　　　　　／ 　　　　 u （●）　　＼　　　　　　 あぁっ！　申し訳ありません！
　　　　　|　 　　　　　　　　　__´_ |
　　 　　 ＼　　　　u　　　.｀`ー／　　　　　　　役人の方をお待たせしてしまっていたようです！！
　　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼





　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::;;ィ"ッ/ノﾉﾉ　ﾞi:::::::::l
　　　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::／::;ィ:／~　⌒ノ ﾉノ　　 l:::::::::l
　　　　　　　　 /ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::／'´　 ｀´　　　　　　　　　 i':::::::::ji
　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::/　-‐-_,,,,___　　　　　　　 　 i:::::i::ﾉ
　　　　　　　 　 {;;;;;;;;;;;;;_;;;;;;;::i_,,-‐l￣　　　`'t-__' ,,,___-‐- i:::ﾉ'´
　　　　　　　　　l;;;;;;;;;/　ヽ;;:i　　　i　　　　　ﾉ　　{　 　￣ﾞl
　　　　　　　　　ヽ;;;;;;l　i ) V　　　 `'‐--─"　　 l､__　　,ﾉ､
　　　　　　　　　　＼ヽ ゝゝ　　　　　　　　　　,　 〉　￣ }ﾉ
　　　　　　　　　　　 ヽ＼　　　　　,　　　　　　　　　　/ﾉ　　　　　　　ああ、そうだったのか。
　　　　　　　　　　　　 ＼ﾄ-i　　　　 `''‐- ､,,,_　　　 /‐'　　　　　　　 忙しいところ、呼びとめて済まなかったな。
　　　　　　　　　　　　　　l　ヽ　　　　　　　＿ ￣　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 lﾞ　　ﾞi　　　　　　　　　　 /　　 　 　 　　 　　……また今度、機会があれば改めて話をしよう。
　　　　　　　　　　　　 _,l　　　 ヽ　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　 お互い、この幕府の未来を憂える者同士なのだからな。
　　　　　　　　　　 ,r'´ .l　,r‐- ､,_`'‐-─-- ,,_,,ｨl` >
　　　　　　＿　　　＼　l/r'　　　　￣｀`'''─--─'´ﾉ-､
　 _,,-‐''"´　_,,二ニﾆ=-､＿＿＿＿＿＿,,,,,--‐ｯ‐'　　｀`‐､,,＿

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　　 　 　 　　　　　＿＿＿_
　　 　 　 　 　　／　　　　　＼
　 　 　 　 　 ／　　＼　　　／＼
　 　 　 　 ／ 　　（●）　　（●） ＼
　　　　　 | 　 　　　　　　´　　　　　|　　　　はっ！　それでは、私はこれで――
　　　　　 ＼ 　　　　　　⌒　　　 ／
　　　　／￣￣ヽ　　　 　　 　 　 ＼
　　　（｢　　　 ｀rﾉ　　　　　　　　　　＼
　　　　ヽ　　　ノ　　　　　　　　　 　 　 ＼
　　　　　|　　 | 　　　 　　　 　 　 ｢＼　　 ＼



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　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　`─‐∨ /::/:::/ /＼　　 　 〉　　　　　V７./ /7｢l_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　...:;.:;.:;;:.;:::;;;;;;;:: :;;;...:;;..;;;...:;;...:;; 　 　 　 　 　　¨　 ¨　　 　 ,／
　　　　 　 　　　 　 ...:;:;:;.:.;:.:;.:;.:;.:;.:;:.;.:;.;. :;;;;;;;:::; ;;;;;;:: ;......:;;
　　　　 　 　　　...:;:.;:.;:;..:.;:;.:.;::.;:;.;:.;:.:;.;:.:; :;;;;;;;: : :;;;...:;;...:

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　　　 /　　　 　 　 　 |　　　　}／ ﾞ =z､　　　　　　　　　　/　／}/.
　　　 V　　　　　　　 ,!　　　　　　　　　ﾞ　=z､ ´￣＼　　/イ　 /
､／ヾ_＞ミ､_,＿,__／ ヽ　　　　　　　　　　　 ﾞ＜太　ﾊ ﾉ
:ヽ　 ＼　　　　　　　　　 ｰi　　　　　　　　　 　 Ｖ/ﾞ７./'
::::丶 　 ＼　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　 ｀　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ザッザッザ＞
::::::∧　　　＼　　 　 　 　 l　　　　　　　　　　　　　｀｛
::::::::∧　　　　＼　　 　 　 l　　　　　　　　　　　　　　l
::::::::::∧､　 　 　 ＼　　 　 l　　　　　　　　 ､　　　r～
::::::::::: ∧＼.　　　 丶　　　　　　　　　　　　ヾﾐz '
:::::::::::::::∧　＼　 ､　 ヽ　　 _,、　　　　　　　 _)
:::::::::::::::::∧　　＼ﾊ　　 }7´　 丶　　　　　　.′　　　　　　 　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
:::::::::::::::::::∧ー-ミ_ｵーく　　　　 `　　.＿_ノ　　　　　　　　　　 l　　　　…………。　　　 l
:::::::::::::::::::::∧　　　.,}　丶＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ
ー---ｧ::::::::∧　　/|　　 丶 ＼
::::::::／::::::::::::∧　/ :! 　 　 丶　ヽ
::／::::::::::::::::::::::∨ 　 　 　 　丶　 ﾟ。
"::::::::::::::::::::::::::::l　　　　　　 　 ﾟ。　ﾟ。
::::::::::::::::::::::::::::::l　　　　 　 　 　 l. 　 ﾟ。
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イ:::::::::::::::::::::l　　　　　　　　　　|　　 ／

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　　　　　　　　　　　　 .′　　　　　　　　 .／ ／ﾚ′ ＼　 ヽ
　　　　　　　　　　　　.′　　　　　　　, ｨムイ 　 　 　 　ヽ　|
　　　　　　　　　　　　}　　　 {　＞　´　　　　　　　　 　　 |　{、
　　　　　　　　　　　　ﾟ。　 　 V　　　　　　　 　　 　 　　 .'　/!
　　　　　　　　 　 　 　 ﾟ。r.ミ }　　..＿　　　 　 ､__.ｨ二ヽ}.イ
　　　　　　　　　　　　　 `!　 }|‐- y'￣￣｀Yzzz{　fTヽ H .j
　　　　　　　　　　　　　　.}　　　　ゝ..＿__ノ　　|ゝ--- '/./
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　.,、　　　　　　 _ .〉　　　 ﾚ′　　　　　……フン、役に立たぬ飼い犬どもが。
　　　　　　　　　　　　　　　 ｀Tﾊ　　　　　　　　　　　./
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ|ヽ　　 ｀¨¨二¨” 　 /　　　　　　　　もうすぐだ――もうすぐ、お前たちなど
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　ﾟ　　　　　　　　 /!　　　　　 　 　 必要がなくなるほどの、強大な兵士が……
　　　　　　　　　　　　　　　　 r┤　ヽ　　　　　　ノ .ト､
　　　　　　　　　　　　　　 .　-ﾍ ￣　 三三¨T二 --ｲ＼
　　　　　　　　　　　_　ィ´:::::::::::|ー-- .＿__,オL_. - ｲ|:::::ヽー-ミ、
　　　　　_.　-‐:::￣::::::/::::::::::::::::ﾏー----／ ,|　 ＼　.|:::::::::＼:::::::::＞　._
ー- 　 ´::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::＼　 .／　　{　　　ヽ{::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::｀ー-----ミ、
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::ヽ/　　　.ﾊ　　　　＼:::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::/　　　〈　|　　 　 　 ヽ:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ


.

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　　　　　..::::;i:::::::::::::::;;:;:;::::::i　 ,i::;:;:::::::::::;:;:;::::i
　　　　　　　　　.:::　 .　ﾄ,;:::::::::;:::-::::::::i 　 i;;::::::::::;::::=::::::i　　　　　 ＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　.:;::　 i:::::::::::;;::::..;::;::::i 　 ,i`:::::::::::;;;;-:: :i　　　　　　 )　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　　　　　　.::　　i;;::::::::::;;:.::::::::;-i 　 i;::::::::;;;;::::::::: ;:l　　　　　＜　　　　松平様――！！　　　　＞
　　　　　　　　　　 .::　 |`:::::::::::::::.,,,::::: :i　,;i::y-ー:::::::-:;;:i　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　 :i::::::::::;::::::::::::::::::i. , i:/:::-ー:::-ー､ヾ　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　　　　 ;i::;::;::;::::::::::::::::::::i, ::i,/ :｀゛';;;;;;;;'"´ヾ,i
　　　　　　　　　　.:::　 i;;::::::::　......-:::::;〈,　`i　　　　 　. 　 i
　　　　　　　　　　　　 i:::::::;;;;;;　:::~:::-:::i　　'ｰ-:::::;-- ー"::
　　　　　　　　　　　　/::r-ー::::::::;;:-､:::i　 　　 ;;;;;..:::::::::::::::::　　　　　　　_ｎ_ｎ_00
　　　　　　　　　　　　ﾚ,,::;;..-ｰ::::'´ｰ､,;〈,;;::::　:::::::::;;;;;;;:;::::::::...　　　　　 └i_n┌'　[][]「l　 Ｏ　Ｏ　Ｏ
　　　　　　　　　　　,,;:〈,/　　 　　　　 ヽ,;;;;:::　;;;;;;;;;:::::::::::::::::....　　　　　　 く丿　　 くノ
　　　　　　　　　　,,;;;;;;;;';､_ 　 　　::　 ,/';;;;;;;;;;:　;;;;;:::::::::::::::::::;;;;;;...
　　　　　　　　　,,;;;;;;;;;;;;;;;`ー　--::ー';;;;;;;;;;;;;;;; ;::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::,,

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　　　　　　　　　　 ／　　 / l　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　／
　　　　　　　　　,r'　　　 /　 ヽﾞ,､　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ,
　　　　　　　.　/　　　ｲ/　　　 ` ` ､　　　　　　　　　　　　　　}　　　──
　　　　　　　　{ i　　 | ﾞ　　　　　　､,,`' ､ ,　　　　　　　　　　　j
　　　　　　　　ﾚ'､,　 |　　　　　 ,:r'"''‐　`'ﾞ、　 ,､‐‐､ 　　　　 l　　　 ＼
　　　　　　　　　　ゝ」､ ､ , ,､‐''ﾞﾞ､ﾞ'､-――t'''/ ／　l　　　　 |
　　　　　　　　　　　,ゝ‐､_,',.　 ' ,O 〉　　 　 V .( ﾞ,　j　　　 　i
　　　　　　　　　　　',.ヽｿ.　'､,,､ -'"　　　　　　 /　/　　　　 j
　　　　　　　　　　 　'‐ﾚﾞ　　　　　　　　　　　　 .,r'　　　　ノ　　　　　　　おや……？
　　　　　　　　　　　　 l` `　　　　　 ､　　　　 i'"　ﾞヽ､,／
　　　　　　　.　　　　　 ﾞ､　　,,､ -‐'" 　　　　 ﾉ　　　　ヽｧ､
　　　　　　　　　　　　　 ﾞ､'´ ..　　　　　　　,rﾞ　　　　　ノ　ヾ＾ﾞヽ、
　　　　　　　.　　　　　　　ﾞ,　　　　　　　 ./　　　　,､ｒ'　　／　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　!、　　　　　／　　,､ｒ'"　　 ／　　　　　 /`'ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　`'''"入￣ ,､r ''"　　 ,､／　　　　 　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　く 　.Y'"　　 .,､r'"／　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　/" ` ､',　,､r''"　／__＿＿＿／
　　　　　　　　　　　　,､ - ''"´￣￣｀ﾞi zz,,,／　＼
　　　　　　　　　 ,､ '"　　,､ ''"　　　　|　／　　　　＼

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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 . ィ´　￣　　、
　　　　　　　　　　　 　 　 .／　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 ./　　　　　　　　　　ヾ .
　　　　　　　　　　　　　/ｰ-　.　　　　　　　.ｨ　∧
　　　　　　　　　　　 　 ﾄ､_　　　　￣　 ＞/ ﾐ　 /　　　　　　　　　　 こんな所におられたのですか？
　　　　　　　　　　　 　 |　　７　ｰ=　　 ((_)　　}/ミ
　　　　　　　　　 　 　 人　//　　　//　７　／||: : :}: .｀ヽ.　　　　　　 その、例の『 兵士 』の準備が整いましたが……
　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　＿//彡'__/　 ﾉ|: : 〃: : : .＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ‐-　　/／　／: : : /: : : : : : : .＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=彡: : : : : : : ／. : : -=ﾆニミ: :ヽ.
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〈ﾄ､ : : : : ／. : /´.　-─ - .　ヾﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉: .ｰ=彡.: : :/ /　　　　　　＼　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ : : : : : : : | {{　　　　　　　　}入
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } : : : : : : | ∧　　　　　　　ﾉ/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼: : : : : :/　　　　　　　 〃: : : }




　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. . -‐--　､_　 _,, ,,_
　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : "`::::::::ヾ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : ::::::::::ヾ彡
　　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : ::::::::::::::ﾐ
　　　　　　　　　　　　|: : : : : : : : : : : : : : : : :, ﾄ､:::::::::|-─''''､'"￣￣~`ヽ､_,;､
　　　　　　　　　　 　 _|,: : : : : : : : :／: : : : /|/ |:::::ﾚ|`:::::::::::: ヽ: : : : : : : : : :
　　　　　　　　_, - ' ￣/: :n／=＜_'─'／_＞ヽ|::/､::::::::::::::: : : :ヽ: : : : : : : : : :
　 　　　_,　- ': : : : : : / ﾄﾚﾄ ヽ{:エェ:}-,{:ｪエ:}ｨ//::ヽ::::::::::: : : : : :ヽ: : : : : : : :
　　　／: : : : : : : : : :/: : `ヽ,　 ﾞ ￣"　| ﾞ￣ "ﾚ:::::::::ヽ::::: : : : : : : : i: : : : : : : :
　　 /: : : : : : : ヽ : /: : : : : | |　　　　` '　 　 /|: : : : :／ : : : : : : : : !: : : : : : :
　　{: : : : : : : : : ヽ /＿＿: :| ヽ　ヽニﾆ=' 　/ | : : ＜ _: : : : : : : : : :i: : : : : : :　　　　　　おお、そうか！
　　}: : : : : : : : : : :ヽ　／: : :ヽ `_　　 '　　 /　|: : : : : :/: : : : : : : : : :|＿＿,,,
　　{: : : : : : : : : : : :}::|: : : : : :＼ ￣￣r￣=-ｲ- ,,＿/: : : : : : : : : ::::|"　　　　　　　　　　それでは、早速見てみるとしよう！
　　|: : : : : : : : : : : |::::＼: : : : : :＼r'~`､　ヽ　　　　 ￣`＞,○: : : : ::|
　 ,|: : : : : : , -‐---===＞ｪ__/~ヽ|　 ﾉヽ､　　ヽ　　　/　 |: : : : : : ::/
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　L: : : : : : : : : : : : : : / !_ ィ　　　 ＞,,＿,／　　　　／: : : : : : :::/
　 ＼: : : : : : : : : : : __|　ﾉ　＞-‐': : ヽ　　　　　 ／: : : : : : : ::／
　　　`‐- ,, __O Oヽ::::`'~フ"○: : : : :ヽ　　 ／: : : : : : : 0: : ::ゝ､

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　　　 　 　 　 　 /
　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　 　 　 |　　　　　　　　　　　　 　 |
　　　　　　　　ﾉ, -=ﾆ二￣￣￣￣二ﾆ=-.
　　　　　　 　 ﾄ. // 　 　 / /　　　//　　 |
　　　　　　 　 |　ヾ　　　/ /　　　//　　 ﾉ|　　　　　　　……その、本当に「 あれ 」を使うのですか？
　　　　　　　　Ⅵ　 ｰ- -───- -=彡.ﾉ
　　　　 　 　 　 ヾ.. }u　　 _｀_´_　　　|／　　　　　　　　「 あれ 」は、あまりにも……
　　　　　　　　　　　ﾄ､　 ´￣￣｀　／}｀: __＿
　　　　　　　　　　_/: :＼__＿＿／／／}: :／⌒ヽ
　　　　　__＿／: : | : : _＿＿＿／／: :/:/　/⌒　＼
　　　　/　/. : : : : :Ⅵ: : : : : : : : : : : : /:/　/ 　 　 　 }
　　_／　/: : : : : : : :Ⅵ:_:_:_:_:_:_:_:_:_／:/　/　　　 　 八
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　　　　　　　　.　　l　/l　　　l/l　　　　　　　　　　　 　 `''-ゝ / 　ヽ　　　l
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　　　　　　　　　　　 　 ∨　l:::.ヽ、 ､　r'　,.-'"―‐-､_,,.-'"l/ /ヽ　/　 　 |
　　　　　　　　.　　 　 　 ヽ,､ヽ,.-―-､　 l: : : : : : : : l　 　 　 Y　 /　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　〈: : : : : :}⌒ヽ: : : : : :_ﾉ　　　 　 ` /　　 　/
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 `ｰ‐一'l　 　 ￣￣ 　 　 　 　 |‐'､　 　 /　　　　　　　　　 ……何か、不満でもあるのかね？
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧:::::〈::...､_　　 　 　 　 '` 　 l　 ∨　/　　　　　_,,.ｨ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∧::::::<-一''"´　　　　　 /　 　 ＼:::::::::::|　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ::::::::::::::::／　　　　 /:l　　　　 ＼::::/ 　 /-､
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　　　　　　　　　　 | ヽ:.:.　　 `ー‐-----　　 /　　　　　　　　　――幕府には、「 強さ 」が必要なのだよ。
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　　　　　 　 　 　 　 　 i!//i!/／//ﾊ////ヾ..､ﾊ/!////　l. 　 　 反抗するものは、容赦なく徹底的に 　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　l
　　　　　　 　 　 　 　 .i!/　!ﾊ:《////i!ゞ-彡'ﾆ=ヾ!////　l　　　 　 　 　 　叩き潰せるような――圧倒的な「 強さ 」がな。　　　　l
　　 　 　 　 　 　 　 　 '　,ｨ/ハヾ///i!彡'//////i!}`＜/ ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ
　　　 　 　 　 　 　 _.ｨ≦ﾆ=-.,_ヾ/へ,////ｨ=-ミｼ'/_,,.ｨ≦三ﾆ==-.､ 《///У////i!:ﾘ
　　　　　　 　 　 ,ｨ三三ﾊ////7/////:Y////_,ｨ≦=-≦三三三ﾆﾘ　ヾﾊ!///i!//У
　　　 　 　 　 　 i!三三i{/////i!ﾊ/////L,.ｨ≦-ﾆ三三三三三ﾆｼ′　 ヾ!///!//ﾊ
　　　 　 　 　 　 i!ﾆ三ﾆﾊ////!{/≧,､/,..ｨ≦-三三三=======ｼ′　　　ﾉ//ｼﾞ///ﾊ
　　 　 　 　 　 _,.i!ﾆ三三ﾊｒ‐_､////,.ｨ三三ニﾆ=≦三三三シニ=-､　,.ｨ///i!/////ﾊ

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　　　　　　　　　 　 , -､　 , -､　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
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　　 /　　　　　　　　　 <´;;;;;;;;;;ヽ 　 |. 　ヒニシ }￣ i' i 、| /
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　/　　　　　　　　　　/;;;;;;/　 /;;;l　 　 　 　 　 　 　 　 i //　　　　　　　 「 あれ 」は、その始まりに過ぎない。
.″　　　 　 　 　 　 /ヽ;;;;l　 /;;;;;l　"　　　　　　　　　　/ﾘ
　　　　 　 　 　 　 / 　 ヽ｀¨;;;;;;;;　 　＿＿_　 ､　　.ｨ-〃　　　　　　　　　私の手によって、徳川幕府は、強く、尊く、
　　　　　　　,.．-'". 　 　 i;;;;;;;;ー=＝ ┴ ´ 　 ′ / |'′　　　　　　　　　 さらに偉大なものへと生まれ変わるのだ――
　　　　　／.　 　 　 　 　 ﾄ;;;;;　 　￣　　　　　　/　 | 、
　　　　 /　 　 　 　 　 ／| ヽ　　　　　　 　 　 / 　 .|.ﾉ!
.　　　;;;l　　　　　　　　|￣￣ヽ-┬‐―ｧ‐-- 'ー‐ '´ ├-　.._
　　　,;;l　　 　 ＿,.． '´!＿　　　〈 !　/ 」　　　　＿,.．┤　　　　 ‐-　 .._
　　,;;;;l.　￣￣／　　　|　　 ＝=‐ゝ-∠　-‐ 二　　　 |　　　　　　　＼　￣
　 ,;;;;;l　　　／　　　　 ト,.． '´／ 　 i　｀ヽ＿＿___,.. ｧ′　　　 　 　 　 ＼
　　　　　 /　　 　 　 ／　 ／　　 　 }　　 ｀ヽ　　　/　　　　 　 　 　 　 _ノ]





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　　　 ／　　　　　　 ｰ-　. ＼: : : : : : : : /: ∧_
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　 ./　/　　　　　　　　　　　ハ 　 : : : : : : : : : |　 ヽ
　/　/　　　　　　　　　　　　　}　 ∧: : : : : : : :|　　|＼

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圭圭|　　　　　　　佳圭圭圭＞''"　　 /　　　　/　／　　,,..-―‐|‐-　　　　　　　　　　 ヽ
圭圭|　　　　　 　 炸圭紗'"　 　 　 ../　.､/|/|/／::::,.-'"::::::::::::::::',　| l
圭圭|　　　　　 　 |圭ア　　　　　 ,...,'　　/ヽ::::::::::::＿,,..ﾆﾆ,,._:::::::::ヽ从
圭圭|　　 　 　 　 |ア´　　,.｡x≦圭 i r‐,.-_､,.-‐-､|<＿(・) __|>,,_:::::::::::'.,
圭圭|　 　 　 　 　 　 ,.ィ升圭圭 . ｲ |__l__ﾂ|/:::::::::|＿＿＿__|:::::::｀"''-.,,',
圭圭l!　　　　　　　ィ佳圭圭圭圭..ヽ从|:::r'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',"''-,.-､
圭圭ll　　　　　 　 |圭圭圭圭圭圭圭7.l　ヽ ヽ　　　　　 　 　 　 ､　　　 i ./_ノヽ'.,
圭ﾆ从　　　　　　 |圭圭圭圭圭圭刃’.|.　 　 _,,..-　　 　 ＿＿,.イ　 　 //ヽ　./　〉
圭圭ハ　 　 　 　 |圭圭圭圭圭ま刃 . l　,ﾆﾆ-''"￣￣￣＿＾＾ヽl　　 /'´¨´／／　　　　/
圭圭圭}　　　　　 |圭圭圭圭l圭lヲ′ ∧ ∨'"´￣￣￣:::::::::::ヽ/　　　 二´-'′　　 　 /　　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
圭圭圭|　　 　 　 .Ⅷ圭圭圭圭ﾀ 　 　 ∧. ∨::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　 /:::::: |　 |l 　 从ﾘ　　　 　 l　　　　クク……クククッ……！　　　l
守圭ｻム.　　　　　Ⅷ圭圭l圭ﾀ 　 　 　 . ',　∨::::::::::::::::::::::::__/　　　 /:::::　 |i　|| |リ　　　　　　　ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ
　 マ圭掛､ 　 　 　 Ⅶ圭圭タ　　　　　,,.ｨ .',　|::::::, -‐-r'"´ /　　　 /::::: 　 从从ﾘ|
心、 マ∨ﾑ　　　　　Ⅵ圭ぐ　　　　　 佳　.i　l∠-―‐_''ﾆ‐'　　 .／::::　　 　 _,,..-''"´|
圭㍉　 寸掛､　 　 　 Ⅵll掛,　　　　.,佳圭 |.　｀￣￣　_,,..-‐''"´:::::　 _,,..-''"　　　　 |
圭圭l!　　寸掛､　　 　 寸l圭l 　 　 ,佳圭...ヽ.＿__ 二､::::::::::::::::_,,..-''"　　　 　 　 　 |-､
Ⅶ圭|!ﾄ､ 　 寸掛,　　 　 ﾏ圭ﾑ　　佳圭圭圭圭〈　┌∨::::::／',　　　　　　 　 　 　 |: : :＼
.∨圭ll,ﾏﾑ.　　寸ム　　　 寸圭ﾑ　Ⅷ圭圭圭圭 .／|　|　./‐-､|　　　　　　　　　 _/: : : : |:＼
　 寸从Ⅷﾍ　 　`守ﾄ､　 　 寸圭ﾑ Ⅶ圭l　 _,..-'´: /|　| /　　　　　　＿,,.. -‐''"´/: : : : : |: : :
　　 マムⅥ爪　　 `守ﾐ､ ＿＿＿＿_,,...-‐'"/: : : /＼ .| |　_,,..-‐''"´ 　 _,,..- 　 /: : : : : : |: : :
　　　　寸Ⅶ代x.　　　..,.ｲ: : : : : : : : : : : : ／: : : /,,.-‐≧≦､-''"´￣￣　 ......__/: : : : : : : |: : :
　 　 　 　 Ⅷ圭心、　 ./: : : : : : : : : : :.／: : : ／／// ヽ｀ヽ ＼'´￣￣￣￣../: : : : : : : : |: : :


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　 |: : _/＿,/7￣´､{｀ヾヽ,'/ .,'/ }
ﾆ7: : /￣7ゞ¨テミxｬ　 　｀,ｧｭ､ |
./: : /!　/ {　 {ﾟｉ:::::}　　　 〃::7｀}
　／| | ﾊ :| :. 乂ソ　　.:.　{:::/ﾘ/　　　　　　　　あれ～……？
11ﾙ| |/ ﾞ,.|　 ｀¨　　..::::､ ¨´ﾊ〈
＿ノ ﾉ.　 ﾘ　　 　 　 　 ｨ〈`ー　､　　　　　　　 合ってると思ったんだけどなぁ。
＞ｰヾ.＞ .　　　～～　／￣ヽ　＼
　　 ', '＝ﾆ≧ｭ｡.__,. イ＿, /i ￣ ヾ ヽ
＜::::j　　　　　{!ヽ:≧､＞〈_　　　.ゝ　!
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　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　 　/｀ヽ　/ ≠⌒､ヽ.｀¨¨　 　 .
　　　　　　　　　　　　　　　∠ 　 ｨ　 .卞、 　　尓Zz､ヽ.ヽ、} ﾄ､　}　　　　　 　　 おいおい……算盤もまともにできないのか？
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 厶ｨ/代ﾘ 　 　 ｖ.い// ＞─ｖ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 [ |　 ′　　　¨´厶ｨ　[][] |　｢∨ｎ　　　　　　リン、お前、将来は砕蜂姉ちゃんの店を
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {{人　 ﾏニﾌ 　 　 人　 .ﾛ｣｢ ｖ V |　　　　　　継ぎたいとか行ってたけど、大丈夫かよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 こﾌ＞ ｀_　.　イ /　 /￣ ri 　　| ｈ
　 　 　 　 ￢ r───…ｧ ⌒｀＜⌒｢丁く /　　. ⊥ﾄ､._｛　r=　 　 ニ コ
　　　　　　　| |　　　　　/　 ィ　　〃 |ｌ　 　｀ｘ ´　 　 ｀ヽ. 　|　　　 ┌┐!
　 　 　 　 ＞┴─‐┬/　/　} 　/ 　 |ｌ　／　　 ＿＿__　＞.|　　　　|　| |
　　　　　　　　　　　└… ､厶ｨ　　 こｦ ￣￣　l　/　　 ヽ、｝　　　｜ |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　/ /　　 　 　 |/　　　／ 〉|　　　 |　| ′

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　 レン……お前こそ、さっきから
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　　　書き取り間違ってるじゃねぇかお。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ　　　　　　 ほら、またやり直し。10枚書くまで休むなよ。
　　　　　　　　　　　　　　　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|





≦⌒>" 　 ／　　　　　　　 ,′ 　 ｀ ＜⌒　　　人
二７　　∠ _＿__／　　 　 //　 　 ﾄ　　 ＼　　　　 て
-‐爪　　　　 ／　　　　　// 　 　 ル ヽ 　 ＼　　　 〈
　ﾊ　＼　　// /　　　　〃　　 ／　}　 }}
. k ｀ ｰ-ヽ/ ' 　 　 　 , ′/ ／--‐1ﾞ ∧┌‐-　ヽ
　　＼　 /　{　|　　∠-‐厶≠トミ ｜/,斗{
八 -=≦=-‐Ⅵ　　/ﾙ《　　　fi} 　 j/ﾞf}ハ
　 　 　 Y⌒ヽ‘､ // 　 ﾞ　 　 ﾘ 　 　 ﾘﾄ､{
. 　 ＼ ！Y＾く　∨／/／/｀¨ﾞ　 ／/ ､{　`
　　　　y〉､｀¨　　　　　　　　　　　 　 ノ}
　　　ノ/　 ｀¨T　　　 U　　　　　　　　/　　　　　　　んげ……っ！
　 　_,厶イヽ、{　　　　　　　　,．-‐
　　　　 _＿　厂　　　 ¨ ｧ‐-　　 _/
　　　_ノ::::::::｀丶　　　　/‐-
　／≠＝==ミ :::＼　 ∧:::::::::i l:〕
〃´‐- ￣￣丶.＼::＼__ :.:::::::l |:|｀ヽ
　　　　　｀ヽ　　＼＼::＼　ヽ:l |:|　　＼

.

　　　　　　　　　　　　 　 /: : :/: :i: : : : : : lヽ; : : : : : :':,: : ',: : : : :!
　　　　　　　　　　 　 　 ,': : : i: :/i: :l: : : : .l　ヽ; : : : : : ',: : !: : : : !
　　　　　　　　　　 　 　.|: : : :i: ,' _',ｨヽ: :`Tﾆ,,ｰ--､: : : :!: :i: : : : l
　　　　　　　　　　　　　 !: : : ! i ,r=ヽ: ヽ/ ｲ!7ﾃoﾐ､ヽ; :!:/: : : :/
　　　　　　　　　　　　　 ':;!',: i,ﾊｲ {::ﾟﾘ　 　 　ゞ_;;ﾂ　　>､!: : : :':,
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ',　i ゞ-'. . : : .:　　　`` /: : : : : : : !
　　　　　　　　　　　　　　　 　 /:! ''　ヽ　　 　 　 　 ,'/: : : : : l､:!　　　　　　えっと……これで大丈夫ですか？
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'::!ヽ.　 　 ､　　　　 ,ィi: : : : : /l ';
　　　　　　　　　　　　　　　　i: /!: : :`l ､　 　 , イ　 ':, : : : //　l
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ':! ',: : :/!:/ !｀彡　　 ,ィ/￣ ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:/ l/ .l/　 ヽ／ /　　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　.i 　 　 　 　.}
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,′　ヽ　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　 ヽ　　　　 ',




　　　　　　　　　　　　　　/ /　/ 　　/ .,ィ三三ミ=､. `´　_,,,,,,,,,,__　,　 　 .ﾍ
　　　　　　　　　　　　　 ,' .i'　/:　　 ,iィ彡=-――‐ミ､,ｲ彡三三ミﾐﾊ　　　iﾍ
　　　　　　　　　　　　　i　l　,':::　　i;;〃　　　　　　　　　　　　￣｀ヽﾐl　　　 ｌ i
　　　　　　　　　　　　 l. ,'.!.i:::::l　　|'　　　　　　　　　　　　　　　　　`ｌ　　　 ｌ .l
　　　　　　　　　　　　 l ｉ .|,'.::/ .:: . l　　　 ＿＿　　　　　 　 　 　 　 ｉ　　　: l　l
　　　　　　　　　　　　ｌ/ .:ｌ::/　.:::　ﾊ'''´￣　　　　　　　　'`ー-､_ 　,l　:. 　 ::.l.　l
　　　　　　　　　　　 ,'/.:::ﾉ'/ ./:::: ｌ ::l　 ＿_　　　　　　　　　　　 ｀`l.　::　.ｌ :.ヽ、l　　　　　　 どれどれ……はい、正解です。
　　　　　　　　　　 ,//::;ｲ/　/ :::::/ :::l-‐ﾃ-ﾄ_　　　　　　　,ｨ‐-.　　ｌ　 ::.　.i　:::::`i
　　　　　　　　　／/ ,r'./ ,.ｲ .::::/ .::/ﾄイ::_!:|ヽ 　 　 　　,イテ‐-ミ_l 　 :::.　l::.　::::l　　　　　　マリーさん、最近頑張ってますね。
　　　　　　　／.,イ./　i // .::::/ .::/　ゝ-‐‐' 　　　　　　　ﾄｲ_:!:´:;ハ　　:::: ﾍ::::::::::l
　　　　　 ／ .:/ . ,'ｌ　.l,':i　:::::i .:::,'i　　　　　　 　　　　　　｀ ‐--'　 λ 　 :::. ﾊ､::::::l　　　　　 このままだったら、早めに
　　　　, '　.:;r'　 .::::l、 l!:l　 ::::l, ::ﾍ i.　　　　　　 　 l　　　　　　　　 / .〉;::..ヽ、　ﾊ .l　　　　　次の段階に進めそうですよ。
　　　 /. .::／　 .::::::/ヽ,ﾍヽ　::::ﾍ;ヽミ､__ノ 　 　 　 ′　　　 　 　 ./イ　 ﾊ　 ヽ　 ｌ::l、
　　 i　〃 　..::::::,ｲ. .::/`ヽ､`ヽ、:::ヽ、´、　　　 ｀ _ ― 　 　　　,.ｲ::ｌ::ｌ::::/:::ｉ::::　l /:::ハ
　　.l ./　.:::::::／　.:::/.::::::::l:::｀ヽノ　ﾉl:::: __i ､　　　　　　 　 , ィ::::::::乂'´::::::l:::　ﾉｉ:::::::.. ﾍ
　　l/ .:::::／ 　 .::,ｲ::::::::::i::ｌ::::::,'　 ｌｌ;':::::/ .|、 `..､　 　 , ィ,i´ /　l::l:i' /r '";ﾉ ,.ｲﾉ,ヘ、:::.ハ

.

〃xXxXｘXｘXｘX／XxXxXxXヾxXxXx}
XxXxXxXｘ_彡イ⌒丶xXxXxXxXxXx/
xXxX彡'／／⌒^丶　＼xXxXx}}X／
XｘX:// ／　　 　 　 ＼、＼XxXﾚ
xXx/// U　 　 　 　 　 ヽ ヽxXx|
Xx///　　　　 　 　 　 　 　 ixXx}
ｘX//―-　 .＿j　i__.　 =ﾆ| :|Xｘ/
Ｘ i/＜爪_厂`　　´爪_ｊ冫川xX
X/|i |,,,｀¨´　 　 　 ｀¨´'''厶ｲX｛　　　　　 グググ……あたしだって！
ｘ{:.|l |　　　　 　 ′　　／{{ {Xx
X｝|l |＼ 　-‐　　⌒／| i: }ｉ:|ｘX}　　　　　 海原のじっちゃんにも、算盤ぐらい
x/:|l |　:≧=―. ＜i l川 乂{八x{　　　　　 早く覚えろって言われてるし……
｛从i八 　 　 /　 :jj |:.l:|､　:|ﾊ:＼ヽ
｛/从　＼　____:彡'八:ﾘx}　|ｉ |XxX}
xヽ{: ヽ￣　　　i　}　/{ｘ/ /:| |XxXヽ
Xx}// ＼　 /　}丿/:X/ /X|/xXxXx



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　　　　　　　　　 ,　, , -‐==- ．_
　 　 　 　 　 　 /.//ｲイ≦三≡=‐=‐-.._
　　　　　　　　 ｉ .川/〃イ三≧三三二≧､
　　　　　　　, -ゝｌｌｌｌｌﾍヘヘへミﾐミミﾐ､ミﾐ､､ミ
　　　　　　ｲイﾌｼﾞﾞﾞ''　ﾍ. ＼＼｀ヽﾞﾞﾞ三ミﾐヾヾミ
　　　　　　´ｲ// 　 /　,イ´ヽ　｀　　ヾ　､｀ヾミﾐﾐ
　　　　　　　llﾚ__｀ {　´ _,,イ二ヽ　ヾミﾐ､　ヽヾミﾐ
　　　　　　　 {三≧　=≦竺o=''　 三ミﾐ､ミﾐ､ミﾐﾐ.　 　　 　 　 ウチで働く以上、読み書き算盤ぐらいは
　　　　 　 　 .〉ｰ ﾟ'　　　､　　ノ 　 三ミ､ミﾐ､ミﾐ､ﾐ　　　　　　　当たり前にできてもらわなくては困るわ！
　　　　　 　 .( ｀_/..　　　 ｀¨　　　 三三F lミヾミミ
　　　　　　　 l (　 ＿__)ヽ　､　　　三-､　.ﾘヽヾヾヾ､　　　　　　すべて、商いの基本となるものだからな！！
　　　　 　 　 l/ ￣＿_ _　｀ｰ､　　.三　'　/川川ﾊﾊヾ
　　　　 　 　 l　´ ＿ 　 ｀　 　l　　　ゝ-ｲ川 川川ハﾊ　　　　　べ、別に、将来のれん分けをさせようと、今から
　　　　　　　 ｌ　　 ¨　　　　　　 ___ ノﾉノﾉﾉ川 l || l i ハ　　　　 経営的なことを教えようとしてるわけじゃないんだから！！
　　　　　　　 ゝ．_　　　　 __　 ､二ンノｲノﾉﾉ川 川 l川
　　　　　　　　　 　 Т ￣　 ／／　｀ｰｲノﾉﾉﾉﾊﾉﾉﾊﾉﾉ
　　　　　　ｒ‐‐- - -┴────-=＝─ｲイノﾉハﾉﾊ
　　　　 　 jl｀ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　 ﾉj 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

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＝＝| l l||＝＝＝||＝＝＝||＝＝＝||＝＝＝| | |
　 　 | l l||　 　 　 ||　 　 　 ||　 　 　 ||　 　 　 | | |
＝＝| l l||＝＝＝||＝＝＝||＝＝＝||＝＝＝| | |
　 　 | l l||　 　 　 ||　 　 　 ||　 　 　 ||　 　 　 三二ﾆ=-
＝＝| l l||＝＝＝||＝＝＝||＝＝＝||＝＝＝| | |　　　　　　　　　　　　　 γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　 　 | l l||　 　 　 ||　 　 　 ||　 　 　 ||　 　 　 三二ﾆ=-　　　　　　　　　　 l　 　 ――ただいま戻りました。 　 　l
＝＝| l l||＝＝＝||＝＝＝||＝＝＝||＝＝＝| | |　　　　　　　　　　　　　 ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ
　 　 | l l||　 　 　 ||　 　 　 ||　 　 　 ||　 　 　-三二ﾆ=-
＝＝| l l||＝＝＝||＝＝＝||＝＝＝||＝＝＝| | |　　　　
　 　 | l l||　 　 　 ||　 　 　 ||　 　 　 ||　 　 　 三二ﾆ=-
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　 　 | l l||　 　 　 ||　 　 　 ||　 　 　 ||　 　 　 | | |
二二| l |||二二二二二二二二二二二二二:|| | |　　 {ー―一ヽ
.:.:.:..: | l |||.i:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.:.:.|| | |　　 ｀ ￣ / /　 　 　 　 _
.:.:.:..: | l |||.i:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.:.:.|| | |　　　　　/メ　､　ゞ　ヾ　）}
.:.:.:..: | l |||.i:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.:.:.|| | |　　　 ／　　＼〉　 ＿ ノ '
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二二|_l_||ｌ二二二二二二二二二二二二二二|/===================


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　　　　　,'　 ｀　　　　　　　　r'"　　　　　｀,′　 l
.　 　 ,. -|　　　　　　　　　　 l　　　　　 ／、 　 ﾉ
.　　/　　!　　　　　　　　　　__,､＿_,. イ　　｀ r小
　　l　　i´　　　　　　　 _, ィr‐┼‐- 、　　r―| :| |
　　 ＼ ヽ、　ゝ､_,ｒ‐ィ´｜j±±ﾆ､　　 /≠ｷ!｜|
　　　　｀ ┬─"|　|　|　 |´代じﾉ , 　　 {じﾉ, ﾊ ! |
.　　　　　 | l　　|　ﾄ､.!　.||｀￣￣　　 　｀￣｜! ! |
　 　 　 　 l | 　 | ｜,ﾊ　||　　　　　　 　 ′ ﾊ| ﾚ′　　　　あ、できる夫。おかえりなさーい。
　　　　 　 l | 　 !　! : ハ|ﾄ､　　 　　､‐_ｧ　/| j/
　　　　　　|ﾊ　｜ | j＿ﾊ＼＞　　　　　ィ　 |/
　　　　　　| ハ｜_ﾚ----ﾍ 仁ニ｀ニ´くl＿
　　　　 　 j' r‐┴─────　　 ー＝=‐ 〉
.　　　 　 /　j　　　 ＿ ＿ 　 ―――-- ｀＿＼
　　　　 /　i´￣￣´　　　　　　　　　　　　　　　|
.　　　 /　 j　　　　　　　　＿＿＿　 -―――´!




　　 　 　　 , ' ￣￣￣￣ ｀ヽ
　 　 　　 /　　　 　 　 　 　 　＼
　　　　 /　　　　　　　　 　 　　　ヽ
.　　　 /　 '´￣`　　 "￣`　　　　　ヽ
　　　 | 　 ( ⌒)　 　 ( ⌒)　 　 　 　 |　　　　　　 やる夫さん、ナナリーさん、お手数お掛けしました。
　　　 i　　´""　　　　 ""゛　　 U 　 j
　　　 ゝ 　 　 　 '　　　　 　 　 　 ／　　　　　　　あとは僕が引き継ぎますよ。
.　　　　 ＼ 　 ' 二 ￣　　　　__, "　　　　　　　　 お二人は、ゆっくりしていて下さい。
　　　　　　 ` 　_ _ 　　, 　'　´　 /::＼
　　　　　　　 /:/ /:::::入 　 　 ./::::::::::|""＼
　　　　　　／:/ /:::::::::::∧　　/::::::::::::|::::::::::::" - ､
　　　　／/:::::|V∧::::::/　 ＼/::::::::::::::|::::::::::::::::::::::
　　 ／:::/:::::::|　 /:=:::i　 　 /::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::
　 /:::::::::|::::::::|　/::/::::|　　/:::::::::::::::::/::::/:::::::::::::::::

.

　　　　　　　 　 　 　 ＿＿__
　　　　　　 　 　 　／　　 　 ＼
　　　　　.　　 　／　　　　　　　＼
　　　　　.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼　　　　　 あー、それじゃ後は頼むお。
　　　　　　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|
　　　　　.　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　 ／　　　　　こいつら、元気あり過ぎてしんどいお。
　　　　　.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　 ＼
　　　　　　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　 .／／　 ,　　　｀`　 ／-'´￣｀　､　　､ 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　 λ＝- ､_　　　,,. -=ﾆ::ｰｲ　　 l,　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　 / .i'　　/:::::::::::::::::::ヽ､,イ:::;-=::､_:::::| 　 　|　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　/　l　　 |彡 ' ￣｀｀｀`゛´´　　　　゛ﾌ　　　|　　l
　　　　　　　　　　　　　　　|　:|　　 {　　　　　　　　　　　　　 / /　　.|　　{
　　　　　　　　　　　　　　 /／l　i　 'l　　　　　　　　　　　　　ハ　　　|　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　.／　　　l　　ﾊ, - '￣　　　　　￣゛`'7　{,　 　ﾋ､　　　 ＼
　　　　　　　　　　　 ／　　　　/　　　|　_,. -、　　　　 ,--　､＼ l,　ヽ ` ＼
　　　　　　　　　　　_l　　　　／　　 ノ ´　　　　　　　　　＿ 　 人　 | ﾉ　　l
　　　　　　　　　 ／ ゝ、 .::/　　　 .ｲ　,,=＝ニ　　　　 'ﾆ＝= 、 | |　ν　 ./　　　　　　 クスクス……そう言っている割には、
　　　　　　　　／　　r-‐‐う__,∠´lﾑ_´ 　 　　　　;　　　　　　　ｿﾉイ　..／　　　　　　　 最近、先生役が板について来ましたよね。
　　　　　　 ／　　　 |　T／　l　 | | ｛:`i 　　　　　'　　　　　 ゝ､ｲ::::;::／l
　　　　　　l　　　　　l　 | _ｲ　l,　|/　l;:人　　　　 ‐_ｰ　　　　／|::://´ /　　　|　　　　　 やる夫さん、教え方も上手ですし。
　　　　　　|　　..::::::/　´ヽ:::ヽ_ゝﾄ-　|､＼ヽ. _　　　　　 ,. イ|::|::`f_'__, |:.　　　|
　　　　　　ヽ ::::::::::ﾍ　　 ヽ､　 `´::　ﾄ-ﾉ:ﾊ:::::::|＞ ､ r '´ |:::::|::ヽ::::.　　|::　　　|:..
　　　　　　　＞ ‐ ´ﾊ　　　 ｀i　　　/`ヽ､＿:ノ 　 　 　 　|_::::l::::::＼:..　ヽ..:|　　l:::
　　　　,.-‐ ´　　　　 l:　　　　l　　/　　　＼　　　　　　　　`ー‐, ､_ヽ;.　ヽ|　　 ＼
　　 ／　　　,　　 ＿λ:...　　　　人　　　　 `､‐-- ､　　　 ,,...../　　`‐i:: :　＼
　　l　　 ...:／　/´　（(ｿ:::::.　　 /　 ＼　　　　 ＼　 ｀　　´　／　　　 ﾉ:::::　　 l

.

　 　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　／￣￣￣￣￣￣ ＼
　 　　　　　　　　　　　 　　　 　　　/　　　　　　　　　　　　 ＼
　 　　　　　　　　　　　 　　　 　　/　　　　　　　"￣￣`　　　 ＼
　 　　　　　　　　　　　 　　　 　 l　 '´￣`　　　（ 　●）;;:::　　　　ヽ　　　　　 確かに、意外に向いているかもしれませんね。
　 　　　　　　　　　　　 　　　 　l ;::（　●）　　　　"''"´　　　　　　　l
　 　　　　　　　　　　　 　　　 　|　　´"',　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　鬼道衆の一件が片付いて、平和になりましたら、
　 　　　　　　　　　　　 　　　 　l　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　 寺子屋の先生でもやってみてはどうです？
　 　　　　　　　　　　　　 　　 　 ＼　　　､__,＿_,　　　　　　　　　丿
　 　　　　　　　　　　　　 　　 　　　＼　　　　　　　　　　　　　／
　 　　　r- ､　　　　　　　 ,-‐　‐- ､＿,,i-'"i`i､　 ‐ 　／_,,|　ﾍ､　　　　＿ . -‐ ､
　 　　　ヽ､　＼_＿ 　　/:::::::::::::::::::::::::／::;;;;| ﾍ､ ー',, ／　i;;;;;ヽ｀'￣:::::::::::::::::::::　ﾍ　　　 　　__
　 {ヽ､!ﾞ`､.ゝr､　　l｀Y＼:::::::::::::::::::::／:::::::::;i　 rゝ"､　　　 !;;::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::i　 ,.､r-ｨ'ヽ　}ｨヽ
　 .|　 |　 ll　 Y´　l　 !　 ヽ-､　 ::::::＼:::_／! , '!::::::::入 　 /::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::,., ｨ´f 　i　 l　 i´ i　l
　 .ヽ､ﾞ､　ﾞi　 ﾍ　 |　 i　　　　 ヽ::::r-‐'´:::::|/ l };:::::/　k. /i:､:::::::::_r':::::::::::::::, -‐ f　|　}　 }´ l 　! ,!　i
　 　　｀ﾞ､. ﾍ 　 `"ﾍ　`l_　 　 　 !､_r ､::::::::l　 Y:::::::l 　 V/　､／::::::::::::::::r´ 　　 !　!　! 　| ｿ　 .|'　/
　 　　　　 `ー'‐―､_　　!　　　 　 //´:` ､i　/:::::::::|　　/:::::::｀` ､::::::::::rr|::::.....r'ﾞ　 |'´　 /´　／／





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（―） 　（― ） 　 ＼　　　　 ……勘弁してくれお。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.　　（_人＿）　　　u　|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／　　　 　それで、『 菩薩眼 』のことはどうなったんだお？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　l　　　,/　 /　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　(＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／　　　___ ,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　!､＿__!､＿_＿＿_つ

.

　　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　　　ノ ' 　ヽ＼　　　　　　　……ひとまずは、先生の報告待ちですね。
.　　／　／）（ー）　（ー） ＼
　　|　／ .ｲ　　　　' 　 　 　 |　　　　　僕は、一足先に帰って来たもので。
　　∨,'才.ﾐ).　　-‐‐-　　／
.　　 |　≧ｼ'　　 　　 　　＼
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　 ヽ､_ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ／（●）　（●.）　＼　　　　　　 そうかお。
　　　　　　　　　　　　　　／　　（__人＿,）　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 　 　 |　　　　 まぁ、そう簡単に情報が入るわけもないかお。
　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／　　　　　幕府にとっても、秘中の秘だったんだろうし。
　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ 　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 /

.

　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　.　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　 　 　 ＼
　　　　　　　.　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　. 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　 　 |　　 　 　 ￣｀丶　　　 　 ' ´ ￣　　　 　 |
　　　　　　　　　　 　 |　　　 　 ‐ｭ::::ｪ‐　　　 　 ‐ｪ::::ｪ‐　 　 　 |
　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　…………。
　　　　　　　. 　 　 　 ＼　　 　 　 　 　 　 ´ 　 　 　 　 　 U ／
　　　　　　　. 　 　 　 　 ＼　　　　　　- ――- 　　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　 　 ／ヽ　　　　　　　　　　　　　　イ＼
　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼





　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:i:.:.:.:.:ﾚ≧＝=ミ､__.:.:.:.:.:.ヽ、
.　 　 , '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.}:.:.:.:.{　　　　　　　 ｀ヽ.:.:.:.'.　　 ／
.　 ／.:,､:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:/.:.:.:.:ﾊ　　　　　　　　　 }:.:.:.|
／.:／ノ.:.:.:.:r┐'.:.:.:.:.,'.:.:.:.:/ム_ノ　　 　 　 　 ,':.:..i:.}　　 ──
.:.:.:i　 ﾚ'⌒｢ } ｈ:{:.:.:.{:.:.:ィイテ=x、　　　＼ _/.:.:.:.り
.:.:.:|　 ､_j ｜|/｜、:.:!:.癶代tｧﾝ　　 　 ｲテ小:.:.:.:{　　　＼
:.:.∧　　､_ﾉﾉ ヽ vﾊ:.!:廴__ ,｀´　 　 　 弋ﾂｲ:.:'.:.:.:.',
:./.:∧　　 ＼　 　い:}:.:）￣　　　　 {　　 /:.:}:.:.:}:.:.:.:}
'.:.:/.:.:',　　　　　 /.:/イﾍ、　　 ─　　.イ:.:.ｲ:.:/.:.:.:/　　　　　　　…………？
.ノ.:.:.:.:.〉、　　　ム(::じ 　 ｀ 　.._　ィ:.:{:.:.:.V:.{:.:{:.:,.く
:.:.:.:.／　}　　　ハ、｀¨´ 　　　　|_:.{:.:.!:.:.:.:.｀ヽﾚ':.:.:.:ヽ.　　　　　　どうかしましたか？
:.:.:/　 」二二二二}丶、　　　　　　｀ヽ、:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.

.

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　　 　 　 　 　 　 ／ 　 　 l |./´　 　 　 ＿ヽﾄl　/ヽ　　.l
　　　　　　　　　/ｲ　 l ./ﾚﾚ'　　　　 ／-.､-''"ﾚl ( .i 　.,'
　　 　 　 　 　 　 .ﾚl,､|/　　　　　　r'::'で::ﾉ　　　 l）,'　 {
　　　　　　 　 　 　 　 ヽ.,.-‐,-tj⌒ヽ-''"　　　　ヽ/ 　 ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 〈::::_,,-''ヽ　　　　　 　 　 lヽﾄ､__l　　　　　　　 　……静姫が持っていたのは
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀',　 　 i　 ,　　　,　 　 ,'　　　 ＼　　　　　　　『 癒しの力 』だったそうだ。
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ　　`　_,,.-'"　　 ./　　　_,,.-―..､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　/ ,.-''":::::::::::::::::::＼＿
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　　,,.-''／:::::::::::::::::_,,.-''"´::::::::｀''――
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＞''"―-､＿＿,..-'"::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,..-''":::::::::::::::::::::::::::::::::｀''ー‐::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::￣"''‐.､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',::::::::::
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::
　　　　　　　　 　 　 　 　 ,':::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::
.　　　　　 　 ／￣￣￣￣￣￣＼
━━━.　／:.　　 　 　 　 　 　 　 ＼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　 /: : :　　　　　　　　　　 　 　 ＼
. 　 　 / : : : 　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ
　　　 | : : : : 　,.r-===='　　 ヾ＝⌒　　　 l
　　　 |: : : ::;　　（　○ ）　　　（　○ ） .;::　|　　　　　　　　 いえ……何でもありません。
　　　 |: : : : :　 　 ´"''"　 　 　 "''"´ 　 　 l
　 ,＿ ヽ___　　　　　　　　ゝ　　　　　U ／＿_　　　　　　　（ まさか、ね…… ）
／::　r' |　r'￣二ﾕ　　 --､__　 　 　 ／ : :: :: :`:､＿_
: : : :::| .|　|　/ 　) ｀)　　 　　　 　 ／: :.ﾍ : :: :: :: :: :: :＼＿_
　: :　|.ﾉ. ﾉ /　　⌒ヽ＿ 　_　 ,　´　|: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ
　: :: ::＼　　　　　　　　　`ト､　　　/: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ
　: :: :: :l: ｀ー┬-､　 　 　 |ii入　／|:: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ
　 : :┐|: :: :: :: :＼）　 ７ ./iiii〈　 　 |: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
　: :イ .|__/ ,へ/⌒＼　./iiiiiiii｝ 　　| : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :!
　イノ: : / /: :: :＼＿ ￣＼iiii｝ 　　|: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :|

.

　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　／　　 　 　＼
　　　 ／　　─　　　─＼.　　 　 　 できる夫も帰って来たことだし、
　　／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　 やる夫たちも聞き込みに行ってくるかお？
　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　　/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　どうせ、やることもなくて暇だし。
　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
　　.＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　＼ ／＿＿＿ ／




　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,. :´ ￣￣￣￣ ｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　-=v´. : ´￣｀ヽ｀ヽ: : : .＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／／,.､: : /⌒｀ヽ､: :.}: :}: : : : : .ヽ
　　　　　　　　　.　 　 　 　 　 〃, ' / ミtV＾´''ｰz=-}: : : .＼＿: : :.:!
　　　　　　　　　.　 　 　 　 　 {: : : :{zﾞ｀　　 ､　　　 {: .＼ : . ヽ｀ｰti､
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ : .ヽ_ノ　　　￣￣ ヽ ､ ヽ : :}ｰ｀ｰ'　　　　 　 　 　 そうですね……
　　　　　　　　　.　　　　　　　 　 }ﾉ｝ }　_　 　'´了か　} }: :ﾉ. :｝: :{: ::.
　　　　　　　　　.　 　 　 　 　 ／ ノ ｲ´心　　　 Vソ /ｲ /. : ｲ: : |: : :.　　　　　　　　しかし、どこに行けばいいのでしょう？
　　　　　　　　　　　　　　　　｛: :{ : : ﾊ Vｿ　　　　 　 / /.:{: : |!: : ｌ : : :.
　　　　　　　　　.　　　　 　 　 ＼: : (圦 　 ′　　　u.{: : ､: .、l!: : :. :.､: .＼　 　 　 　 ことがことですから、闇雲に歩いても
　　　　　　　　　.　　　　　　　　　 ー ､　、　 -‐　　, ヽ ,ﾉ. :},ハ : : : :l＼: .＼　　　　 情報を得られるとは思えませんし……
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 }: : )ﾊ}＞ ､_ ..ｨ 　ノ rイ {: : }ヽ : : !: .ヽ : .｀ヽ、
　　　　　　　　　.　 　 　 　 　 　__ノ. : ﾊﾉ 八ｰ=-V-=<ぅ' l　( ＼: : : :}: : : : : : : : .ヽ
　　　　　　　　　.　　 　 　 ／´, : : ,r‐-‐'_ア‐(⊂X⊃)- ´＿_＼ ｀ー'―,-|､　 ! : : :i
　　　　　　　　　....　　　／ ／/. :/　　≦-､　 (／＼)　　(＿ ｀＾´　　／　i　ヽl: : : :}
　　　　　　　　　...　　. ' ／　/. :/　　 　 ／､ 　 ,　-―r――｀　 　 / 　 ,ﾉ　　} : :,ｲ
　　　　　　　　　　　/／ 　 /. :/　　　∠ 　　　　　　　 ＼_　 　 　 '　 　 　 　 { : : |
　　　　　　　　　　 /'　 　 /. :/ 　,〉　＿ﾉ　　　　　　　　　 }　　}　　　　　　　∧: : |.

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　　　　　　　　 　　　／）／＼　　／＼　　　　　　　 ああ、そういうことなら良い情報があります。
　　　　　　　　 　 ／ .ｲ ' （●） 　（●）＼
　　　　　　　 　 /,'才.ﾐ).　　　､_',__,　　　 ＼　　　　　幕府の役人の方に、九角家について
　　　　　　　 　 |　≧ｼ'　　　　　　　　　　　|　 　　　それとなく尋ねてみたのですが……
　　　　　　　 　 ＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／

　　　　　　　　　　　　　。

　　　　　　　　　　　０

　　　　　　　　　　　　　　〇

::::○ﾟo:::::::｡:::ﾟ::::o○:::゜:::｡:::oﾟ:::::::o:::ﾟ:::::｡::::ﾟ::::｡○｡ o゜::::::o゜::ﾟ:::::o｡::::::::::::::::゜::::o:::::::○:::::ﾟ::::゜ o::｡:::::::o::｡ :::::::::::::::::::: :::::::::::o::ﾟ::::::::::::::::
:::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ::::o:::::::::::::o::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::::o::ﾟ:::::::::::::::::o::::::::::::ﾟ::::::::::｡::::｡:::::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::o:::::::::::::｡○｡ o゜::::::o゜::ﾟ::


　　　　　　　　 (　　　　　＞'　　　　　 ` - ､_　　　｀`'ｰ-,-　　　､-`､
　　　　　　　　ヾ`　　,. '´　　 _, '　　､ .,､　　 ｀`-､二"´　 　 　 　 !
　　　　　　　　〃　 /　　,. - '/,ｲ　　|､ ',`'- _　　 ＼｀`z　　　　 __｀-､
　　　　　　　　!　　 !　,イ　　,',' ',　　.! ｀ '､　 ｀`''‐､　!　i　　　　 ヽ"´
　　　　　　　　`'‐､ 'i'´ .|　　l'　　ヽ　'､　/　',　　　 `'　､'　　　　 .i`
　　　　　　　　　　),､　l !,.-_､,,__＼ ｀'‐>"　 _!,__,,...,_　　r'　 /,　 /
　　　　　　　　　　' !`-!l,l. -‐r=i`　　 ! -‐ﾆ_! lﾆ二`　 l　 /､!', .,'
　　　　　　　　　　　　 ', !　　￣´　,　　　‐-,! l　　　　 |　/) /,'/
　　　　　　　　　　　　　',.',.　 　 　 l　,'::　 i"r'ヾ､.　　 ,'　l" ノ !　　　　　　　 ……九角家？　ずいぶん懐かしい名だな。
　　　　　　　　　　　　　 `'l　 　 　 !　:::::　,','　　',', 　 !　,'i'"　r'
　　　　　　　　　　　　　　 ,',　　 　ヽ　　 "　　　l ! ,i'` ,.' ',!/"ヽ,　　　　　　　あんな、すでに取り潰しにあった
　　　　　　　　　　　　 _,. -'ヽ　　 _,,...,,＿＿,,　　l,l,!,､/'　/_,.-''/ヽ　　　　　　家のことなど、どうして知りたいんだ？
　　　　　　　　　　　r'" 　 　 'ヽ　　 ,,,,,,,　　　　|`',,'-‐='‐"　/　　!
　　　　　　　　　　 ,.!',　　　　　l'､　　　　　　／　.//´'7　 ./　　　',
　　　　　　　　 ,. /　ヾ;,　　　　 ', `ー―‐ '　　　//ゝ >　/ 　 　 　',ｰ ､
　　　　　　,. ;.'-'´　 　 ヾ､　　 ,' ',､　　　　　　 .// 7/,. '´　　　　　 ヽ　｀' ､_
　　　　　　'´　　　　　 ,.-`i､　 ! '､ヽ　　　　　 // ,'ﾞ.'´　　　　　　　　 ＼　　｀''ｰ ､,,_

.

　 　　 　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／ ノ　　＼＼
　　　　　 ／　（●） 　(●）＼　　　　　　　　　　　　 いえ、大したことではないのですが……
　　　　／　u　　　___'__　 　　＼
　　　　|　　 　　　 `ー'´ 　　　 |　 　 　 　 　 　 　 　以前にたまたま、かつて九角家に
　　　　 ＼　/⌒)⌒)⌒)　　 ／/⌒)⌒)⌒)　　　　　お仕えしていたという人にお会いしたもので。
　　　　ノ　　|　/　/　/　　　(⌒) /　/ / /
　　　/　　　 |　:::::::::::(⌒)　　ゝ　　:::::::::::/　　　　　　ちょっと、気になっていたのですよ。
　　　|　　ｌ　 |　　　　　ノ　　/　　）　　/
　　　ヽ　 ヽ_ヽ　　　 /' 　　/　　　 ／
　　　　ヽ ＿＿　 ／　 　 /　　 ／




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ-ィ---j7､__,
　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　,ｨ／/イ_.::;;;;;;::::;__:::入_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､{ V ,:::::::::::／::::/.:::::::::rﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ`::ゝ,ィ:::＜;-イ::::::/⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　,､　､_＞,,,_つ':::::/:}⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨jz､≦>気=　T::::}ヽ}`　　　　　　　ふむ……そうは言ってもなぁ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y'7 　　lヽ　 j ::::|ｿ{　　　　　　　　私もまだ、下っ端のころの話だし……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽｌ、　 '　ゝ_>.:::j:::7、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ-一 　ミj-ﾆ-''ﾍ　　　　　　　家名が断絶された家のことなど、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ＿／／　　　 ﾍ　　　　　　わざわざ話題に出すことも無いからな。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,..／{ ／　　 , _ ニ-く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／二 -ァ',ィ／l　, ,＝'´ 　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /- ニ_/ｦ´　ｌ/,／'´ヽ　　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ ﾍ７　　/　　　rl/ ／ 　 _　--- 、ﾍ

.

　　　　　 　 　 　 ＿＿__
　　　　 　 　 　／　　 　 ＼
　　　.　　 　／　　　ノ ' 　ヽ＼
　　　.　　／　／）（ー）　（ー）u＼
　　　　　|　／ .ｲ　　　　' 　 　 　 |　　　　　そうですか……
　　　.　　 /,'才.ﾐ).　　⊂つ　　／
　　　.　　 |　≧ｼ'　　 　　 　　＼
　　　　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ,,...__
　　　　　　　　　　　　　　　　 , ,ィイ,ﾆ'´ィ::__`－ｚ_
　　　　　　　　　　 　 　 　 ､ /l:/. {//∠'´ﾆ-ィ. ..:::ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　',`-ゝ.::`::::::::､:::､ﾆ=､::..::ﾄl　　　　　　　　 　　 　 力になれずにすまんな。
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ-ァ::;ｨ:トトヾﾞ`　ゝ::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　ヾT_´ ｀`　　_, =丶l'ﾍ 　 　 　 　 　 　 　 　　 ちなみに、その九角家に仕えていた者とは、
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ',‐ｔｪ‐,`'´ゞ'` 〈::ﾄ l`ヽ､_　　　　　　　 　　　一体、どこで出会ったんだい？
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞｒﾍ　　i　　　　〈::Y7　　　｀丶､
　　　　　　　　　　　　　　　 , ‐i　`'､　_ .. _,,,､ ｊｿｊ/　　　　　　　｀丶､　　　　もしかして、等々力の方かな？
　　　　　　　　　　　　　　／　/　　 ヽ､ー　　//　/　　　　　　　　　 ｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　 ／　　 L＿__ｌ ト`_‐ィ__ ゝ'　￣丶､　　　　　 ／ ｀ｿ
　　　　　 　 　 　 　 ,ﾍ　　　　 ,　'´__‐ゝ∠ﾕ__/　　　　　 ｀ヽ　　, '　　　ｊ
　　　　　　　　　　　{　ヽ.　　 /　 ,{__ｒ;‐': : : : :|`ii　　　　　　ﾊ　/　　　 _{_
　　　　　　　　　　　ヽ　 ヽ　 {　　}‐ｒ''"二コ: :! ｊ!　　　　　　 ∨　　　, ‐‐ｿ
　　　　　 　 　 　 _　__ｺ　　＼',　丶て二...ィ: :|ｼ __　 -ｭ　　　　　　く_ ゝ⊥......._
　　　　　　　　　 { ｀ ‐--　 、 ｀ヽ {ヽヽｒ;;ﾆ-ｒ　 {- _ニ-}　 ､/　　,.-''"´　　　　/

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　　＼　　　　　　　　 えっ？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ノ　　　＼　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（●）　（●）　　u　＼　　　　　 えっと……それは……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　u　 __´__　　　U　　　 |　　　　　なにぶん、だいぶ前のことなので……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿ `ー'´　　　　＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂ ヽ∩　/　　　　 　　　＼　　　　　　　しかし、どうして等々力なのですか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､＿　＼|　　　　　 　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　＼　　／　　／




　 　 　 　 　 　 　 　 　　＿　　_,,ノ｀ヽ、.　ﾄ､___　i|
　　　　　　　 　 　　　 ´ﾞ7　`"´＿ ､＿_`ｰ| ヽ.｀ﾌｌ
　　　　　　　　　　　'ヾｰ"､`ｰ,　｀`ｰ､`　｀ヽ　レ'　ﾄ, ,r
.　　　　 　 　 　 　 ､_,}`` -‐=＝ﾆ`‐-ﾄ､　 :i! |ﾞ ..:ｿ ﾘ.|
　　　　　　　　 　 _,r'´ ｀`､､　;:､=ﾆ二-‐`　　:. :;/_,ﾑ=''"´
　　　　　　　 　 r',,;;;;;;;;;　ｰ=,ｼﾞ　ｰ''"""ｰ‐'ヾ:;三ﾞ‐''":;|
　　　　　　　 　 i!⌒l;;;;;;,,　 ｿ　-=ｯ､_　　　　ﾚﾞlﾍ;:::::;ｆ′
　　 　 　 　 　 　 　 ﾞy'＾jﾐ"　　;t;ｧヽ`ｰ!　,＿　＾i::::::ﾞ､_　　　　　　 ……もしかして、知らないのかい？
　　　　　　　　　　　､い;ミ,　 　 　 ｀ 　　ﾑ-,､`,ｯ;;≦´
　　　　　　　　／`ｰ-ﾐﾘ辷i　　　　　　　l　｀` ./'"　　　　　　　　　 九角家終焉の地が、他ならぬ等々力なのさ。
　　　 _,,..､-‐'´ ＿_　｀ヽ,ヾ{{ｉ　 ,. 　 　 ,ｒ　　,;ｲ
,r=＝ﾆ''"´￣: :｀ヽ;:._　 ﾞ､｀''ｰi ￣`'‐､,.　/'´ 　 _,,,,,,,_　　　　　　　　幕府に追い込まれた九角鬼修は、等々力に
.　　　 `ｰ､_: : ::,r'ｌ::::::｀''ｰ､ヽ,ｌﾞ　　｀ﾞ ,r;;'´￣￣:::::::::,rヽ、　　　　　　兵を集めて、最後まで抵抗したそうだよ。
￣￣二ニｰﾆ";:::::::::::::::::::::ﾞl`ﾄ.､,,,,,,,/;;;;;;;;;;'''''::::;フ:::/.:::::.＼
''"´　 _,　　　　ヽ;;::::::::::::::::::|::|、 r'´;;;;;,''::::::::;r'´:::ノ.:::::::::::::.ﾞi,
　,.r'´　　　　／　 ｀`'''ｰ-'ﾞ　::〉ﾑ;;;;;;;;;;;;;／.:::,∠;,;,_:::::::::::::::ﾘ

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ────- 、
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　 　 　　‐- ､　＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 　 　 　 （ ●）　　｀、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 { 　 　 　 　 　 　 　 （●ｌ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ゝ　U　 　 　 　 　 '　　 !　　 　　　そう……だったのですか。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　＼　　　　　　 －-　, '
　　　　　　　　　　　　　_,, -‐‐‐‐'/.. lヽ　 　 　 , ____／　　　　　　　等々力が、九角家終焉の地……
　　　　　　　　　 　 ,-‐'、　 ヽ　　Ｌ.::丶:::: ヽ--'` 、
　　　　　　　　　　/　　 ヽ　..::l:::::::<´:::::l:::::ノ‐‐l.l　z 、
　　　　　　　　 　/　 ......　l:::::::l::::::::丶　 l‐'`t-l'l´ 　/l丶、
　　　　　　　 　ｒ'l...:::::::::::::::l::::::l::::　　`、　l /　.l/　/　l　.l
　　　　　　　　/l,ヾ:::::::::::::::l:::::l　　　　`、 .l　 ./ ./ 　 l /l
　　　　　　 ／:::::`..:::::::::::::/:::/...　　　　ヽ .l_./／　　 l/ .,t
　　　　　　/　::::::::::::::::::／／:::::::::....　　　`ｙ '　　　 ./..::::.:f




　　　　　　　　　　　　 _,ィ´/イ／´／　　　　　　　_,.-ーく_
　　　　　　　　　　　,､{ /　　 ´ ,∠＿　"´￣￣￣　　　　 ｀ゞ
　　　　　　　　　　　l ヾ{　　　　　＿_｀ﾆ=‐　　　,. -＜_⌒　ヽ
　　　　　　　　　　　ゝ　　　　　　､ ＿ｚー‐ ｚ"´　　　　｀ヽ　',
　　　　　　　　　　　l　/　l　　、､ ヾ,ヽ　　　,ゝ　　ｒｒ､_　　　　ゝ
　　　　　　　　　　　lイ　 ,',　　l'､｀＞ｪ-､　　ｆ　／5ヾ､ヽ　 /｀
　　　　　　　　　　　　ヽ/､ﾄﾄ､ 'ｒ'_',´_,.　　　 ﾞ{ l /　　 ﾞ, }　{　　　　　　 だから、等々力の方まで行けば、もしかしたら
　　　　　　　　　　　　　 ヽｒｊ　ヾ　ヾ´　　　　 l ',ヽ､ ｒ;ﾉ/　ヽ　　　　　　九角家の縁の者が、生き残っているかもしれんな
　　　　　　　　 　 　 　 　 l/ ::::::.. ,:' ﾞ;,　　　　,ｊ　'ー/ｵ′ﾄ,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　/ ::::::::: '′ ﾞ'､　　 _ｆ_,.=ﾆﾊ_ｊ　 {　　　　　　　 まぁ、とはいえ、幕府に逆らった者と、知己だった
　　　　　　　　　　　　　　｀ ‐;_　　 ,.　　ﾞｒ=''ｱ';´ｆ'" 〃ﾍｆュ.　　　　 　　なんてこと、なかなか言い出せないだろうが。
　　　　　　　　　　　　　　　　T_￣　　　 'ｒ'"ｒ'　　 〃'"´ 〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　 ｒ'ジ__,.-'´〃　　_ノ｀1
　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー;ｒｒ='‐ ''´　　 〃_,.-''　　　_>､
　　　　　　　　　　　　　　　　_,,.-‐ｧｆ',　　　　　_〃　　　 _-;'-''´＼
　　　　　　　　　　　 _,. -‐''´ _,,..〃 ゞ!　　 ,. '´/　　　,.‐<´　　　　 ヽ
　　　　　　　　　ｒ‐'´　_,.-''"´ ゞｒシl| /ラ´く_7<_　,. '／　 ＼
　　　　　　　　/1　/´_,. -=＝''　　 ｊ〃　　 〃-', '／　　　　 ＼

:::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ::::o:::::::::::::o::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::::o::ﾟ:::::::::::::::::o::::::::::::ﾟ::::::::::｡::::｡:::::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::o::::::::::::::::::::::::o::ﾟ::::::::::::::::
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.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〇
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　０
　　　　　　　 　 　 　 ＿＿＿_　　　　。
　　　　　　　 　 　 ／　　　　　＼
　　　　　　　 　 ／　 - 　　　　- ＼
　　　　　　　 ／ 　 （●） 　（一） 　＼
　　　　　　　|　　　　　 __´___　　　　　|　　　　――とのことでした。
　　　　　　　＼ 　　 　 `ー'´ 　　　 ／
　　　　　　　/　　　　 ∩ノ ⊃ 　 ／
　　　　　　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
　　　　　　.　＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　　　　　　＼ ／＿＿＿ ／




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　iニーヽ　　　　／─　　─　　 ＼　　　　　　 等々力……かお？
　　　　　　　　　　　　　iニ＿ 　￣￣／（●） 　（●）　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　⊂ノ￣￣|　　（__人__）　　u　　　 |　　　　　しかし、九角家の屋敷は、織部神社の
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂ ヽ∩　｀ー´ 　　　＿／　　　　　 辺りに建っていたんじゃ……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､＿ ＼　　　　　　 ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　＼　／　／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　ヽ　／　 |

.

　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　　.　　　　　／　＿,ﾉ　　⌒　＼　　 　 　 　　 まぁ、仮にも幕府に逆らっておいて、
　　　　　　 ｌ^l^lｎ　 （●） 　（●）　＼　　　　　　ずっと同じ所に住む訳もありませんからね。
　　　　　 　ヽ 　 L　　 ､　｀　　 　 　　|
　　　　　　　 ゝ 　ﾉ　　 ￣￣　　 　／　　　　　　あちこち、兵を動かしながら戦って、最終的に
　　　　　　／ 　 /　　　　　　　 　　＼　　　　　　追い詰められたのが、等々力の地ということでしょう。
　　　　 ／　　 /　　　　　　　　　 　 　＼
　　　. /　　 　/　　　　　　　　　-一'''''''ー-､.
　　　人＿＿ﾉ　　　　　　　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))





　　　　　　　　　　　　 /. : .:/ヽvｧ'ｱ´=＼: .｀: : : : : :.:r-..､／:.:.}
　 　 　 　 　 　 　 　 ,. : : :/＾｀｀ 　 ´´￣｀ヽ: : : : : :.:.:}:.;-'=ミv'
　　　　　　 　 　 　 / . : /{　　　　　 　　　　}: : : : :.V´,_:_:}:} }:}ヽ
.　　　　　　　 　 　 { : :!: :'Ｔ　　　 ´｀ヽ、　　}: : : : : :{/:/⌒メ=ｲ }
.　　　　　　　 　 　 ヽ}ﾉ. :/-　　　 - ､　　　/. : : : :.::{{:.{: :/{: :ﾞYｨ!
.　　　　 　 　 　 　 ／. :/　　　　　　　　　/ . : : : : :.:}ゞゝヾゝ-'{.{
　　 　 　 　 　 　 / . :/ﾊ __, 　 　 〉 　 　 {: : : : : : .:/!:.:.: : : : : .ヾ､　　　　　　　等々力なら、私、ちょっとだけ土地勘がありますよ。
　　　　　　　　　 {: : .:i{{´}¨´　　 '^ｧ==-　ヽ: : : : .:〈)ヽ:.:.:.: : : : : : }＼
　　　　　　 　 　 ヽ: : .ヽ{　　、　　　　　 　 }: : .:i : . Y: .＼: : : : : :{: : .ヽ　　　　 そう遠くありませんし、今から行ってみましょうか？
　　　 　 　 　 　 　 ＼i: .＼　r :┐　　ー=彡} : :{ : : }､{ : . ＼: : : : : : : :}　
　　　　　　　　　 　 　 j : :} ヽ｀ ´　 .　　 ＜ﾉ : : )_,ノ: :､: : : . ｀: : : : . Ｖ
　　　　　　　　　 　 ／. ://. : ｀ｧチ}　　 ／ . :／. : : : : .ヽ: : : : : : : : . ヽ
.　　 　 　 　 　 　 / :／ {'. :＿｢lｨミl　　( : : r'. : {: :__: : : : : :{:.＼ヽ : : : : }
　　　 　 　 　 　 / :/ . : ヽ{:r=|:|{ '　 　 x≧{_,.ｨtｭ'=i:}ヽ:. : : : .ヽ:ヽj:. :. : :}
.　　　　 　 　 　 {: :{_.ノ＞´ﾞ7〈/ﾆﾆﾆ彡' {:r彡//｀7´ヽ: . ＼ : . ＼: : : :/
.　　　 　 　 　 ／ヽ{／　 〃　 ////　 　 ￣//　'　 　 V : . ＼ : . ＼/
.　　　　　 　 / . :／ 　 〃 　 ////　 　 　 //　　 　 　 !:. : : : .ヽ: : : .＼
.　　 　 　 　 {: :/　　 //＿__{_{_{_{＿＿＿//　　　　　　|＼: : : : : : : : : . ＼

.

　　　　　　　　　　　　 　　_.. ‐'''''''''''' ‐ ､
　　　　　　　　　　　　　,ｒ'　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　 / ⌒　　　　　　　　 ヽ,
　　　　　　　　　　　　（ ●） 　　　⌒ 　　　　..i
　　　　　　　　　　　　i.　　　　　（　●）　　　 .|　　　　　本当かお？
　　　　　　　　　　　.　＼（_入＿ﾉ　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＿＿_／　　　　　　なら、ちょっくら行ってみるかお。
　　　　　　　　　　　　　 ./ゝ／ﾉ:::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　 　|ﾉ/／::::::::::ヽ,::::::::::|
　　　　　　　　　　　 　　|^::::::::::::::::::::::|:::::::::|
　　　　　　　　　　　　 　|^::::::::::::::::::::::|:::::::::|




　　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　　　　＼
.　　 　／　　　ノ ' 　ヽ＼
.　　／　／）（ー）　（ー） ＼　　　　　……そうですね、お願いします。
　　|　／ .ｲ　　　　' 　 　 　 |　 　 　 やる夫さんがいれば、滅多なことは無いでしょう。
　　∨,'才.ﾐ).　　-‐‐-　　／
.　　 |　≧ｼ'　　 　　 　　＼　　 　 　 今は、ちょっとでも情報が欲しいところですしね。
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ

.

　　　　　　　　 　 　 　 ＼　: : : : : .　 Y　　 　 ﾉ‐く
　　　　　　　.　 ､_＿＿___ ＞ｧ ´ 　 　 X　￣｀`丶､ 、　′
　　　　　　　　　 ＼　 　 　 /　　　　　 ハ: : : .　　　`く
　　　　　　　　　　　＼: : : :′　　　　:/}}　>、: : : .　 　 ＼
　　　　　　　.　　 　 　 ＼/　　　.. :／ /　　 ≫ｘ: : : .　　　＼
　　　　　　　　　　 　 　 /　 . :　xく ／　　 /ﾄじﾘ〕トr┬t‐―一
　　　　　　　.　　 　 　 /. :　.ｨf ﾄじﾊ　　　　 Vrツ リ :|: |
　　　　　　　　　　 　 厶イ ﾍ圦Vrツ　 ､　　　 ' ' ﾊ{__|_｣　　　　　　えー！　やる兄、出掛けちゃうのかよー！？
　　　　　　　　　 　 　 　 .＼firﾍ ' '　　 r=‐ ､ 　厶、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀¨込　　　`ニ´　 仁ニ､　　　　　　　 せっかく、武術を教えてもらおうと思ったのに！
　　　　　　　　　　　　　　　　_　 -=≧=r-　 ´　}ｉﾆﾆﾆ＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 f⌒ﾏﾍﾆﾆ（:::..　　　 ﾘﾆﾆﾆﾆﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 | ＼ﾏﾍﾆﾆ斗‐‐-ミ/ﾆﾆﾆﾆア,二ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　} ﾏﾍﾆﾆﾆ_ 　 /ﾆﾆﾆア／　　 ＼




　 　　 　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／ ノ　　＼＼
　　　　　 ／　（●） 　(●）＼
　　　　／　∪　 （__人__）　　＼　　　　　　　　　　すまん、すまん。
　　　　|　　 　　　｀ ⌒´　　　　|　　　　　　　　　　また今度、教えてやるお。
　　　　 ＼　/⌒)⌒)⌒)　　 ／/⌒)⌒)⌒)
　　　　ノ　　|　/　/　/　　　(⌒) ./　/　/　　　　　だから今日は、できる夫の言うことを聞いて
　 ／´　　　 |　:::::::::::(⌒)　　ゝ　　::::::::::/　　　　　 大人しく勉強してるんだお？
　|　　　　ｌ　 |　　　　　ノ　　/　　）　　/
　ヽ　　　 ヽ_ヽ　　　 /' 　　/　　　 ／
　　ヽ ＿＿　　 　 ／　　 /　　 ／

.

　　　　　/　////＞￣　　　　 ＿ 　 ＼
　　　 　 {　 {/／　 　 ｡ ﾟ⌒"厂　ミ ､ 　ヽ
　　　　　ゝ　　　　／　 ／⌒´＾ヽ　 ﾟ､
　　　　　i　　　　% 　／ ＿　　 =-ヾ　 。　i
　　　 　 i　　 　 ﾟ　　x≦zx　 　ィf豺V }　 |
　　　 　 { 　 　 %　 ｨﾁ笊か　 　 い　} .;　 |　　　　　　 できる夫ー！
　　　　　　　 　l 　 〈!　じｿ　　　 `¨　{ j　/
　 　　　　＼　 |　 |　　`¨　　　　` 　人 λ　　　　　　　ちょっと、これ見てくれないー？
　　 　　　　 个i　 |ゝ　　 　　ο　／ﾐ V　 ＼
　　　　　　　 | j/ﾘi　 へー - ´.ィ　 　 j　　　 ＼
　　　　 　 　 У　　　 ,伶 　 　 ﾉ　　　　　 　 ⌒ヽ
　　　　　　　/　　　　,代呉叫ヲ　　　 八 ／　　　}
　　　　　 ／　　　　,#####／ 　　　 /　 　 　 　 /
　　　　／　　　　／i####/ ／　　〃　 　 　 　 λ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／ノ　　＼　　 u. ＼　　　　　　 あっ、はい！　今行きまーす！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ （●） 　（●） 　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　　__´___　 　　u. 　　 |　　　　 それじゃ、お二人とも、お願いしますね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ＼　u. `ー'´ 　 　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ　　　　　　　　　　　＼

.

┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ ||　 |
┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ ||　 |
┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ ||　 |
┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ ||　 |
┴―┘ | └―┴―┴―┴―.rｭｨぅ斥ぅ‐┴'ミ､-.､.┴―┘ | └―┴―┴―┴―┘ ||　 |
──┐ | ┌――──── : : :´:ヽ_}ｧ' :―-. . ､ マてぅ、　 .| ┌――─────┐ ||　 |
＿＿,｣　|　l＿＿＿＿　.／／二: .ヽ:/._:_: : . ヽ: :.ヽ ヽとぅ､:, .|　l＿＿＿＿＿＿＿__,|　||　 |
＿＿＿_|＿＿＿＿＿ .{ : {'斗,ｨミﾐ､{/彡ミ:ヽ､ : : : .＼＼とぅ:,＿＿＿＿＿＿＿＿＿__||　 |
￣￣￣￣￣.＿＿＿_ノ}ヽ{ :´/　　　 　 ｀ヾﾐ: :} :}: : : :.}ｭ Vとぅ:,￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　 　 　 {f´￣￣／. : }:∨~｀　　　　‐- ｀y.:/. : i: :frぅ ﾄ､／｀7
. 　 　 　 ...　ﾉ′ 　 / . : ノ}: :}xミ､　　　　　 ｀{: {: : . ヽ:|ぅj |/ｧ　 {
　　　　　　 　 　 　 ヽ{: : : .ヽ:{ {rﾊ　　　,x=ミ､V:.、: : :｀ミヽﾚニア
　　　　　　　　　　　　}: : : :ノｲ Vｿ　　　 {r' ﾊ }ﾄ､ヽ : . ヽ:ヽ:}､＼=ﾆ二 ｀ヽ
　　 　 　 　 　 .､＿_ノ: ﾉ:(: }: |　 ､　　　　｀¨´　{: :ヽ}､: : : } }} ｝　ヽ､　　＼|　　　　　 はい――夕御飯までには帰りますね。
　　　　　　　　　｀＞ :´: : ノ.:人　 ﾏ　 ｧ　　 　 _〉､: j: } : : } {! ヽr:<´:＼　 ′
　　　　　　　　　/ｲ/. :／. :ｲ: ｉ:.＼　　　　 .　イ:} ﾉｲ ﾉ. : ｲ{:｀ : :{之)､:. .＼　　　　　　それでは、行って参ります。
　　　　 　 　 ,.ィゝ{{ : :{: : (:.{: :{: : :ｉ｀: :iﾁ´　 　 y. :／. :/.:.{:{: . ヽ: ｀:之) : . ｀ヽ､
. 　 　 　 ,ｨﾁソ^＾´＼: ヽ:_｀ー ｀: :{ : r}｀ー= ´ ! /{: { :{ : : ヽ: : : .＼‘之)､: : : :
. 　 　 　 .´　　 　 ,ｨ彡'´.:／´￣￣ ｀＾ゝ-=＝'|'　{: {ヽ}: : :ノ. : : : : : : :‘之)､: :
. 　 　 　 ..ﾆﾆニ彡´/了7　　　 ＼　　　　　　 ヽ ヽ:ヽj: : : : : : : : : : :', : :‘之)､:
　 　 　 　 . ／. : : /　｛ {　　　　　 ヽ　　 ＿＿＿　 ｀ー-　: : : : : : :.:.',: : :‘之)
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　 ┃ 　 四谷　　 ┃
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.:.｡:;；.:'､;ヽ；.＼;::　　｡;:;:､;；.:;；`.:..'､;､;",:,,;:;:';　γ 　;,.,.,.;:;...,、､:'､;;: ;；.``ｰ=ー=＝-=ｰ=ー=＝-=ぃ
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__;:;:l__;:;:l_,ー‐i;:;｡:`';:;;；.:'`';:;､;；.;::`';:;`';:;｡；.::;；.:'､`';:;`,.,';:；.,,;二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､
　　　　　i, 酒 | .;::｡；.::ヽ　＼;,_i''　;／`;；.:'､;；.;::｡； .::;';:;`';:;二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､;;
　　　　　'i,　　 |-ー=＝;；.:'､　　γ.;；.`';　:;`';:;`';: ;;::｡；;；,二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､,二､;;:;
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　　　　　　　　　　　　ヽ,、 ""　 ン",. -_,.==-｛ ､ ヽ　／／ヽ ',
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j介､ヽ-'"　　／ j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/r/　h､ 　 ,､_／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､＿_,,,　ィ.　"　　　　 　 　 　 く丿.　　くノ　　 く丿.　　くノ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,へ、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 厶-‐v‐─- ､`ｰ､　　　　》
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　　　　　　　　　　　　　ﾚﾍj::::::斗ﾍ､ﾊ;:x‐L_/+､:::::::ﾔ」:::::}ﾍ:、》
　　　　　　　　　　　　　　　.`≧i}yrfﾄ 　 　ィfミv::::ﾚ1彡人:::Y
　　　　　　　　　　　　　　 　　ﾊ ﾋ,ﾘ　　　 ｌｰ':ﾘ l|:::f)ル'′}::::}}
　　　　　　　　　　　　　　 　　从￣　 '　　￣｀ |::::ﾚ’::L__レ'′　　　　…………。
　　　　　　　　　　　　　　　　 i::::ﾄ.、 ‐-　　U　ｲ|::::|::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　 !:::::|! ＞r-　 ＜ .|j::::ﾊ:::::::::::!
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　　　　　　i::/　 ﾊ::i =!:i:::i　ｨｒ;;-ヽ''' ヽ-'_,.!:::::i:::::∧!ﾚ
　　　　　　i:ir-.,_ハヽ-i:::i　丶::::-　　　ｲ;;>7Yﾙ'´
　　　　　　i;し´'ヽ, ｀''ﾌi::::i　　　　　　　'''　/
　　　　　　!:::rー-｀-ュヽ::i u　 　 　 i,　　,'
　　　　　　 iﾉ.:::::__　　｀ヽ:::ヽ　　 -_-　／ヽ
　　　　　/￣　　　｀ー_　ヾ::::｀'_.,_,..:.:::´::::::::｀''-:..,_　　　　　　　あ、あの……！
　　　　／:.:.:.:.:.:. .　　　｀＼｀＼|ヽ:｀,_::::ヽヽ｀-.,_::::::ヽ.
　　 ／::::::::::'' ' '　　　　　　＼ ﾙ ヽ_:!:!::::::ヽヽ.,__,.｀ヽ:i_,.-'
　 /:::'' '　　　　　　　　　　＼!_ ﾘ　 |:::!:!:::::::ヽヽ- '' ´!!_,
　/:'　　　　　　　　　 _,.-ー--ヽl　　|:::!!::::::::::::::::::::::::
　!:　　　　　　　　　／　　..:.:::::::｜ λ:::::::::::::::::::::::::
　i　　￣ー- ＿_／　..:.::::::::::::::::::|_ｲ |::::::::::::::::::::::




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　 l　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／￣￣￣＼　　′／
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾉ　 ヽ､_　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　（ ●）（ ●）　　 　 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 | {　.!　　)　 　 　 　 |.
　　　　　　　　　　　　　　　　 |. ¨´ ｀¨´　　　　　 l.　　　　　ん？　どうした？
　　　　　　　　　　　　　　　.　 |　　　　　　　　　 /.
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　 　 /　　　　　　 もうちょっとで着くぜ？
　　　　　　　　　　　　　　　　 　＼__　　　 　 （
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _）_ =＝＝＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　/　　　　　　　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　,　　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　 |　　　　　 　 l.|
　　　　　　　　　　　　　　　　 　|　　 　 l　　 　 　 　 | |
　　　　　　　　　　　　　　　　 　|　　 　 |.　　　 　 　 |. l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　|　　　　　　 |.│

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ヽ≧ｘ＿　　　 ＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　{,.イ´ ＿　　j￣｀ヾ＜‘，
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　 ／　　￣｀¨⌒ヽ ＼冫
　　　　　　　　　　　　　　r―''7　 /　 / ,ｲ　　　　　　＼{
　　　　　　　　　　 　 　 ノ彡 {　 ,'　 ﾉ / |!　 !　 ヽ　　　}
　　　　　　　　　　　 　 {　　　{ﾐ j､ {',刀ヽ{＼{､{　|､　}　 ﾏ
　　　　　　　　 　 　 　 冫　/Y　| { 廷列　　 ",.尖}ﾉ　ﾉ}ﾉ　　　　 その……どうして私を誘ったのですか？
　　　　　　　　　　　 　 ヽ_/｀´}､j :ﾄ､　　 　 　 廷' ｲイノ<
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　| :|、 u 　 　’　 　/{ |ﾏ／　　　　 貴方は、私を嫌っていたのでは……？
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 :| :| ﾄ､　　´‐｀ 　 ´:! ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　 ,'　 　j! |_|　丶　 ≦､　　| {　＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 i 　／ ! |＼　　　 // ＼_j l!＿　＼
　　　　　　　　　　　　 _ -'＜ ＼| :j、 ＼　,//　 　}j　!　 ｀ヽ ヽ __
　　　　　 　 　 　 　 /　　　　、　} 八.　ヽ//　 　 /|　!　　 i　∨_j}
.　　　　 　 　 　 　 /　　　ヽ、{　 Ⅵ小 　 }'　　　}　Ⅵ{! i　}　/ﾐ/
　　　　　 　 　 　 / ﾉ　　　 ヾ }　　ヾ}＼ /　 　 / 　小{! , -y'ﾐ/ヽ
　　　　　　　　　〈´ }/⌒ーミヾﾉ　　　　/　　　/　 　,y<´< /ﾐ/)∧
　　 　 　 　 　 　 ∨／ rﾆ 　ミ!　 　 ／　 　 /　 　 ﾉ　 { j/ﾐ/っ　スｰy
　　　　　　　　　 ノ　／＞''´￣｀ ー'―----'―ｬ爪 　 ﾉ〈'ﾐ/　　-　´ |




　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼　　　　　へ？　いや、別に嫌っちゃいねぇぞ。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　!　　（__人__）　 |　　　　　前にやり合ったのだって、あんたが俺たちに
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　　　喧嘩を売ってきたのが切っ掛けだろ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 　./　ノゝ　　　　　/　　　　　　俺ぁむしろ、嫌っているのはあんたの方だと
　　　　　　　　　　　　　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ 　 　 　　　思ってたが、よく付いて来たもんだな。
　　　　　　　　　　　　　　　 　　|　|／|　　　　 |　|

.

　　　　　　　　　　　　　　_,.. -‐ ､､,.-― ::..､、T ￣ﾞi
　　　　　　　　　　　 ,.-''"::::::::::;;;:'';:;;ヽ::::::::::::､:｀ヽ..'' {
　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::､::::::ヽ:::::ﾞ!;ハ
　　　　　　　　 .,:'/::::::::;:::;::::::/::;ｲ:|:::::､::::::::ヽ::::::::ヾ::ﾞ!ド､
　　　　　　　　/ｲ:;':::::/::ｲ::::/ｲ| |:!|:::::ﾞ!:::::::::::ヽ､::::::ﾞ!::!:. .ヽ、
　　　　　　　　　i::!::::;'::::|!:::;'|! |! |l !:::::ﾞﾄ､:::::::::､::､::::;ｿ!｀ヽ ./
　　　　　　　　　ﾞ!|:!::|!::::L::! iノ ヾ ヾー‐;:ヾヽ:::::::ヾ!;ﾝ/!:.. .、ヽ、 　 　 　　 いえ、その……
　　　　　　　　　　｀` ヾﾞ!'´|ﾟ:;!　　　　!ﾟ;:;iヽヾr''､'ﾞ:::::!:.　:.:.　 ﾞ!.
　　　　　　　　　　 　 　 ﾞ!ﾞ ‐''　　　　 ｰ''　,'::|6 !:::;.'::::l .　,.-'ﾞ､　　　　　　　……あの時は、申し訳ありませんでした。
　　　　　　　　　　　　　 |:!　　' 　 　 　　　|:::!,ノ,:''::.:,ｨ- '::､::ヽ:ヽ
　　　　　　　　　　　　　 |::ヽ、 っ　　u　 .ｲ:::|'" !r''"::::ﾞ､::::ﾞ､::::ヾ:＼
　　　　　　　　　　　　　 !:::|_ ヽ､、_,,..-　 !|::::|_　!::::ﾞ､:::､::､::::ﾞ､::ヽ::ヾ ､
　　　　　　　　　　　　 r,!::/!｀i　 _,!　 ,.-''|i|::::|:.｀ヾ、:::::::ヾ::;､:::::::::ﾞ!'::::;'
　　　　　　　　　　　 r' .i:;'ﾆﾞ､|‐'' ,!／　　! ﾞi::|__;.:i ヽ､::::::::ヽ､::::::､::ﾞ!/
　　　　　　　　　　　,.!　|:!.r ハ ／　　.::. .,.-l:|::. ..ヽ　｀ヽ､::::::､::::::ﾞ､!'
　　　　　　　　　　/.∧ |i ﾞY　.i 　 　 .;.. '　 :|i　　　 ＼　 ﾞヽ:::ﾞ::::ﾞ!::ヽ
　　　　　　　　　./ ,'　〉.|!　　/　　 ／　　　/'　　　　　ヽ　 ﾞ!::|!::::::iﾞ､ﾞ!
　　　　　　　　_,.}　!_/　　　/　 ／　　　　　!:.　 ,!　　　:. i　 |::i:::::::!' ﾞ|i




　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ( ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 　　＿＿＼ ＼
　　　　　　　　　　　 　　　 <＿＿　＼　＼
　　　　　　　　　　　　 ／<＿＿　＼　＼　ﾍ /⌒/
　　　　　　　　 　　 .／　 └--ﾐ ヽ、＼　-　＼　|
.　　　　　　 　　　, '′　⌒ヽ,__ﾉ丶　　-　　　　　〉
　　　　　　　 　 /　　（ ● >､　 ､( ＼ 　 　　　　 !　　　　　　　　　　　 ハッ、別に気にしちゃいねぇよ。
　　　　　　　　/　　 ,　`'''"　　 _,　＼_ヽ　　　　　{
　　　　　　　./ 　 　{ 　　,　　 （ ＼）、ﾍ　　　　　 > 、　　　　　　　　　 俺とあんたは正々堂々、真正面から
　　　　　　　| 　　　ゝ-イ 　　　`''"　./　＼ 　　∠／ヽヘ　　　　　　　 立ち会って、きちんと決着がついてんだ。
　　　　 ,.-／| 　　　 ゞﾆ>一′　 .／　　　 ＼(⌒)　　 ﾉ　＼
　　 ／ |　＼ヽ 　　　　　 　　 .／ 　　　　　　.ヾ、　／　　　 ＼　　　　 剣士が、一度終わった勝負に
￣<　　 !　　`＼　　　　　　／＿＿＿　　　　＼／ ＼( 　 　 　 　 　　 余計な禍根を残して、どうなるんだよ。
＿ ＼ 　 !　　　 > ー-- イ　 ＼_　　　￣￣＼_＼
!　￣￣　ヽ　／{　　)＼　|　　　∠　　　　　　 ノ）ヽ、
　　　　　　 ＼　/⌒＼　〉　　￣　/　　　　　　 /　>＼
　　　　　　 　 ＼　い　/　　　　 /　　　　　　 /／ノ
　　　　　　　　　 ＼　/　　　　 /　　　　　　 / ／￣

.

　　　　　　　 |　,ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.
　　　　　　　 ´/::::::::::::::::::::::,::: : l:､､::､::､:､: ::､: ヽ.:ヽ.
　　　　　　　ｲ:::::/:.:.:.:./::: ::,':: : |:::l.ﾞl:.:l､:l.::l,.:::',::::::',::::,
　　　　　　/ |:::::l:::::::::,':::::::,'::::::::,ﾞl|l::|l::|ﾞ:|l::|l::::::l'::::::',､:l
　　　　　/　 |::::::::::|::::|::::._l__ノ ,' / |.|::|,'-|:||:::::l.l::::::,ﾄ|'
　 　 　 /　　 ﾄ::::::::|::::| ,.ィ＝ﾐ､ 　'　~ ,,ｨ＝ゝ｀l:::"|　ヽ.
　　　　ヽ.　 ./:::ｲ｀|:::::|　､ﾄｪｲl｀ 　 　 "ﾄｪｲ,｀ :|´.lヽ.　|
　　　　　 l /　l:ﾄ､ |:::::|.　｀￣´　　　　 ｀￣" ,::|,/ ｲ｀~
　　　 　 /~　 ｀lヽ.|:::::|　　　　　　　,　 　 　 ,':::', ,_ﾉ
　　　　 ｀ｰ､　 ,':::::|:::::|ヽ. U　　　＿ 　 　　ｲ|::::',"
　　 　 　 　 ゝ,:::::::|:::::|::::::i ､ 　 ´― ｀　.ｲ....::|:::::.　　　　　 ……そう、ですね……
　　　　 　 　 ,'::::::::|:::::|::::::|　｀ 　 ､.. ィl:::::::::::::|::::|i
　　　　　　　,':::::::::|::::::|::+'､　　　　 　 ﾄ,､::::::::|::::||
　　 　 　 　 '::::::::::|:::::::ﾚ　ヾ.､　　　　 /,' ﾞ,::::,':::::||
　　　　 　 .,'::::::::::,|:::::::|.　　 ヾ.､　　.// 　 ﾄ,'::::::,'|
　　　　　　|::::::イ |:::::::|ヽ.　 　 ヾ､.,'./　　　,':::::::l､l
　　　　　　|ｨ"　　ﾞ,::::::|　ヽ.　 　 `>' 　 　 '|:::::::,'　 ヽ.




　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ヽ､_　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　. （　（● ）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　. （人__）　　　　　 |　　　　　……何かあったのか？
　　　　　　　　　　　　　　　r-ヽ　　　　　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　 （三） |　　　 　　　 |　　　　　さっきも言ったが、いつもの元気が無ぇぜ？
　　　　　　　　　　　　　　　>　ノ　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　/ 　/ ヽ　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　/ 　/　へ>　　　 <
　　　　　　　　　　　　　|＿__ヽ　　＼／　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　|＼　　　／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 ＼_／　|

.

　　　　　　　　　　　　 ,.ｲ::::::::/.::::::;::::::::::::::::::::::､:::､::::',　 /
　　　　　　　　　　　 ,:::〃:.:.:/:.:.〃.:::/i::::.:.:.i:.::.:.ヽ:.ヽ:.', ,}
　　　　　　　　　　 ,〃:..:..:.:/.:..:/.:.;::/ i::::.: :.|::: .:.::.}:.. .:.〈｀ヽ
　　　　　　　　　　 ｲ::::::::::;'.::::/;:::/i:!　|:i:::::.:ﾄ､::.:::::l::::::i:::}､　＼
　　　　　　　　 　 ′:::::j!::!‐-'-:::イ!　 !､i_:::|__ﾘi!:::l::::::|:ﾉ　ヽ　ヽ.
　　　　　　　　　　　￢' ﾍ! 行ﾃヽ`　　' ,ィ=ﾐ､ ﾚi,}:::::i､ヽ　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　　　ヽ（|:i ､匕_ﾉ　　　 ' r:' |ﾞゝｲ､:∧　.＼,-くノ
　　　　　　　　　　　　〈　|ﾍ　　　　 ,　 　 ﾟ ‐' /::|ﾉ､　∨　 ｀)
　　　　　　　　　　　　　｀|::ヽ u　　＿　　 　 ,:;|:::|:::∨ﾍ,ゝ‐" 　　　　　　　　…………。
　　　　　　　　　　　　　 ,::::ﾄ' ＼ 　　 ｀　 イ´ |:::|::::::::.:.i
　　　　　　　 　 　 　 　 ;:::::! 　 ,.|　ｰ＜ 　 |,､ |:::|::::::::::.:i
　　　　　　　　　　　　,ｨﾞ!::::ﾄ／ ｲ　　　 ／／`|:::|::＞､:.:i
　　　　　　　　　 　 ノ　 :::::!　　| !　 ／／　＞|:::|´　　､:i
　　　　　　　　　 イ　　 i::::l　　 ! l／／　／　 |:::|"´　　＼　
　　　　　　　　　　　　　ｌ::::l　　 l／´　／ ,.:::::. }:::!　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 :. !'ﾍ .／ 　 ／　'"´　　|/　　　　　　 ヽ




　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　|　　　 （ ー）（ー）
　　　　.　|　　　　 （__人__）
　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　……ま、無理に聞くつもりはねぇけどよ。
　　　　.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
　　　　.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　　　　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　　　　　/　　　　　ヽ　＼

.

,.:'' ,:;.'';*:',.　,.''::;.,゛､　　ヾ┐===============================ヾﾟдﾟｿ
*,.:;''　:',.*..､.:'';:. ,'':.;,　　_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ─ヽ
､ヽ､　/´ ,ヾ,.:*,;::'　　ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ　∈∋ ヽ
ヾ､ﾊ´〃´-'´'''ﾞ　_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ_ノ　　　　　　 　ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　…………。　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ


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　　　　　　　　　　　 .,:'/::::::::;:::;::::::/::;ｲ:|:::::､::::::::ヽ::::::::ヾ::ﾞ!ド､
　　　　　　　　　　　/ｲ:;':::::/::ｲ::::/ｲ| |:!|:::::ﾞ!:::::::::::ヽ､::::::ﾞ!::!:. .ヽ、
　　　　　　　　　　　　i::!::::;'::::|!:::;'|! |! |l !:::::ﾞﾄ､:::::::::､::､::::;ｿ!｀ヽ ./
　　　　　　　　　　　　ﾞ!|:!::|!::::L::! iノ ヾ ヾー‐;:ヾヽ:::::::ヾ!;ﾝ/!:.. .、ヽ、
　　　　　　　　　　　　　｀` ヾﾞ!'´|ﾟ:;!　　　　!ﾟ;:;iヽヾr''､'ﾞ:::::!:.　:.:.　 ﾞ!.　　　　　　　　 その……最近、考えるんです。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾞ!ﾞ ‐''　　　　 ｰ''　,'::|6 !:::;.'::::l .　,.-'ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 |:!　　' 　 　 　　　|:::!,ノ,:''::.:,ｨ- '::､::ヽ:ヽ　　　　　　　このまま剣の道を歩いていくことに、
　　　　　　　　　　　　　　　　 |::ヽ、 －- 　　　ｲ:::|'" !r''"::::ﾞ､::::ﾞ､::::ヾ:＼　　　　　 果たして、どれだけの意味があるのか……
　　　　　　　　　　　　　　　　 !:::|_ ヽ､、_,,..-　 !|::::|_　!::::ﾞ､:::､::､::::ﾞ､::ヽ::ヾ ､
　　　　　　　　　　　　　　　 r,!::/!｀i　 _,!　 ,.-''|i|::::|:.｀ヾ、:::::::ヾ::;､:::::::::ﾞ!'::::;'
　　　　　　　　　　　　　　 r' .i:;'ﾆﾞ､|‐'' ,!／　　! ﾞi::|__;.:i ヽ､::::::::ヽ､::::::､::ﾞ!/
　　　　　　　　　　　　　　,.!　|:!.r ハ ／　　.::. .,.-l:|::. ..ヽ　｀ヽ､::::::､::::::ﾞ､!'
　　　　　　　　　　　　　/.∧ |i ﾞY　.i 　 　 .;.. '　 :|i　　　 ＼　 ﾞヽ:::ﾞ::::ﾞ!::ヽ
　　　　　　　　　　　　./ ,'　〉.|!　　/　　 ／　　　/'　　　　　ヽ　 ﾞ!::|!::::::iﾞ､ﾞ!
　　　　　　　　　　　_,.}　!_/　　　/　 ／　　　　　!:.　 ,!　　　:. i　 |::i:::::::!' ﾞ|i



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γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
l　　　 ならば、いっそ剣など捨ててしまえば……　　　 l
ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　――
　　　　　　　　　　.　　　　 　 Y´￣´ 　 　 　 　 　 ￣`　、
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 -　､　〃 　 　 　 、
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ー‐ Y　　 　 Y､ 　 　 　 　 　 ､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／|i...::::: 　_ｌ:::｀ヽ　　　 彡 　 ',
　　　　　　　　　　.　　　　　　 　 ／　｜￣　　 :|　　 ｀　､ノ　　　　,
　　　　　　　　　　.　　　　　　Y´ 　 　 { ,,,,...　　　　　／　|　　 　 　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　 { 　　　ィ､ 　　　　 |ｰく　　 　　　　　　',
　　　　　　　　　　. 　 　 　 　 ｀,ｰ ´　 ﾊ　　　　　　　　　 ヽ ノ　　 　ヽ
　　　　　　　　　　. 　 　 　 　 /　　　ﾉ　} 　 　 　 ∨ ヽ　／　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　 　 　 　 〈 　　, '　　　　　　　　ヽノ´　 　 　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｰ‐' ヽ　　 l　　　　　　 ｀ヽ　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼,ノ　　　　　　　　　　　　　 　 /
　　　　　　　　　　.　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　そんな風に、考えてしまうんです。 　 　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ

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　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　u.　　 （__人__）　　　 　 ……そりゃあ、あれか？
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　 　　鬼道衆との戦いで、滅多くそに
.　 ヽ　　　　　 　 }　 　 　 　 やられたことを気にしているのか？
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

.

ヽ　　　　　　　　 `　 _
　,）_,.v''´⌒ヽ.　　　 　￣　‐-　...　　　　　　　　　　　　　ー┼ ¨　　‐匕_ 　　　‐匕_　　　　‐匕_
　　　　　　　　)　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　 　 （乂 ）　　　（乂 ）　　　（乂 ）　　‐匕_
...　　 ..:...　　　´ヽ.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 （乂 ）
:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　 :..:⌒;　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,、　　　　　　 　 ノ⌒ｰ'
ヽ:_:.:.:.:.:.:. :. .: .:.:.:.:..:..ノ｀丶､　　　　　 ,へ、　　 ,ｒ ヽ'⌒　 ｀＾j　　　　　　ヽ　..:.:.:.
　　￣ `ー ‐-‐一/　 ヾ　 ＼.--,.--'.‐‐┴-､　 　 　 　 　 .｀ｰ'⌒ヽ　　　 ｀ｰ ､:.
　　　　　　　　　r'　　｀ゝ´〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀`ヽ､_... ...　....　. . .. .⌒ヽ
　　　　　　　　 ｛　_,. /.:.:/;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ミヽ､.__:::.:.:.:.:..:::.:.:ノ- .__,.-
　　　　..._　-‐´￣　/.:.:/.;':.,':.:i..l:.ﾊ.:..i:.:..｀､.:.､..ヽ:.:.::.ヾ::.:..:.:.ヽ＿＿＿＿_..￣ｰ-
　　 　 / 　 , - ' ´.. l.:.:,':.:l :i:.:.l::l.:| .l.::ﾄ､:.:.:.:ヽ.:.:.:.:ヾ.:.:.:.:.:.:..:.」　 　r'´─'´
　　　/　／〕　　／ l.:.;' :.i:.:l:.:.l:.l､ﾋ弋_ノヽ:.:､:､＼::｀,:.ヽ:.:.:.:.:.j 　　ﾉ
　　　ﾚ´ ﾊ 　／／,'l::.!:.:.i:._l:.:.ﾄl ｲﾞ匕jヽ｀ヽ､:._-ヽﾐ.:.:､.:_:ﾙ'｀⌒'´
　　　　　'⌒>'´　/.ﾍ:.!.:/r l:.:.l　　´￣　 　 　 fｽﾊ.Nﾚ'ー-､
.　　　　　　〈___ノ｀〉　〉ヽ! | .:.l､　　　　　丶 　 ｀ﾞ./_ﾒ':._:_:_: ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ……そうですね。
　　　　　　/:./　/:|_/:.:.:.ヽ|:.:.:.|｀ｰ　 　 _＿　 　,ム: :'":: : : ﾞヾヽ　　　　　　_,..　-‐―― - .､
　　　　　 /.:/　,';.i:.:.:.:.:.:.:.:.|l .:.:ﾄ､　 　 　 - ｀　,.'二i; ;: : : : :; : : : :〉ー―　'´ :∠´￣￣￣￣ヽ）　　　　それもありますが……
　　　　　,'::.:!.　l:.ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.ｌ　ヽ､ 　　 ,...::´:.:.:..::.￣￣｀ヽ､,／　＼:.:.:.:.:.:..￣.:￣￣￣￣｀く
　　　　　i::::l　 ｌ:ｌ. l:.<￣￣｀ヽ: :!ヽ 、.｀T´:.:.:.:..:..:.:..:.:.:..:.:.:.:.:..:丶　　　 ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:｀ヽ
　　　 　 ｌ.:.:!　 l:ｌ. |.:.:.）　 ＿__|:.:.!_＼＼jヽ_:.:.:.::.:.:..::.:.:..:.:.:.:. .:..:.丶　 　 　＼:.:.:.:.:.:.:.:.＜´￣ﾘ￣ヽ.l
　　　 　 !:.::l 　ヾ､lﾉ￣￣　 　.i:.::ヽ ｀＼| | ,｀ｰ-､__ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶　 　 　 ヽ:.:.:.:.:.:.:.＿｀丶　　 }ﾘ
　　　　　ゝ:.ﾞ､ .／　　　　　　　＼:.:｀､ .ヽｌ ヽ ｀、 　￣i:.r-､:.:.:.:.:rﾍ　　 　 　丶:.:.j´　　 ￣｀　 ノ
　　　　　　ヾ:/　　　　 　 　 　 　 ヽ.:.ｉ　 | 　丶 ',　 　 ｌ.:! 　 ｀i: :|jハ　　　　 　 くヽ
　 　 　 　 . / 　 　 ＿ 　 i.　　　　　i:.l＼| 　　｀, ﾞ､:. 　l:j　　　l:.:j´ ﾊ＼__　　　　ヽ.＼
　　　　　　/::'´￣　　｀丶 l:.　　　 　!:i　 l　　　 ｉ .丶:.. ﾘ; 　　/:/ /:/｀ｰ､｀ー-､ 　｝｀ヽヽ
　　　　 　 l:.::　　 ｀、　 　＼:.　　　ﾉﾉ　/　　　/　　｀,: ,'　　//／ ,<＼､ ｀ｰ--､｀ー､　| |
　　　　　　|.:　　　 　':,　　　ｉ:..　 ／　 /　　　/ 　 　 ;:　　ノ'´. ／ロ／　丶　　￣丶∨ |
　　　　　　l::　 　　　　:.:..　　i::... 　 　/　　　/ 　　　,': 　 :."／ロ.／ ｀、　　丶　　　＼丿
　　　　_＿|:　　:. 　 　 :.:.:.　 ',r--―‐'――--　_　,':.　. :／ロ.／ |　　｀、　　　丶　　　＼
　　｢￣　　|.　　:.:.　　　｀､: :.:.ヽ 　 　 　 　 　 　 ｀Yヽ／ロ.／ 　 l 　 　 '、　　 　丶 　 　｀丶
　　|　　　 .|:　　:.: ::.　　　｀ ､: :.|--―――-　.._ 　ﾄﾞ:.＼／　　　 |　　 　 丶　　　　丶　　　　＼
　　l　　 　 |:.　　:.:.:.:.:..　　　ヽ: :i--―――-　..__ヽｌ,ベ_斗　　　　ｉ　　　　 丶　　　　　丶　　　 丶
　　}　　 　 |:..　　 :. :..: : .　　 　｀i　　　　　　　　　｀}ヽ、　 　 　 　 i　　 　 　 丶　　　　　丶　　　 丶
　 〈　　　　|:.:. 　 　 　 　 　 . . .: :.｀ヽ　　　　　　　 |　 ＼　　 　 　 !　　　　　　丶　　　　　丶
　　 〉　　/ |::.:.:..　　　　　　　　　　　 ＼--――‐-l､　　 ｀ー-　、 .l 　　　　　　　丶
　 　 ＼/　 l::.:.:.:.:...　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　｀､｀､＼　　　　　　｀ヽ　　　　　　　　 丶
　　　　/　　l:.:.::.:.:.:.:...　　　　　　　　　　　　丶 　 　 　 ＼　　　　　　｀、

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　　　　……ご存知かもしれませんが、私の父は
　　　　　　　　　　　　　幕府から剣術指南を頼まれるほどの腕です。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (二二二ﾆ/二二ﾆ/二｜二二ヽ二ヽ二ニニ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/| |ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//＿/__//＿/__//＿/_| |__ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/__| |＿ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽ
　　　二二二ﾆ/二二ﾆ/二二二//＿/__//＿/__//＿/＿| |＿_ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
　　 //＿/__//＿/__//＿/__///＿/＿//＿/__//＿/＿ | |＿_＿ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　//＿/__//＿/__//＿/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　 //＿/__//＿/__//＿/__//＿|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|＿＿|＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　○====○====○====○===.|　　　|││││││││││││││││||　　||===○===○===○===○===○
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　当然、父の道場である臥龍館も、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　江戸ではちょっとした有名な道場です。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━━━・━━━━━━…━━━━━・━━━━━━━━━

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━━━━━━━━━・━━━━━━…━━━━━━━━━…━━━━━

　　　　私は、その道場の一人娘として生まれ、
　　　　　　　　父の名に恥じないよう、剣術に打ち込んで来ました。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿　　　_ ,.ｨ'::ヽ､　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾍ: _ヽイ_;:/:::／,.イ´　 ｀i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.. -'´￣::;;:;｀'´￣｀`ヾ､ .::. ..　 ト､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:. ....::::/
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,.:':::::::::／::::::/:::;ｨ:::::､::::::::.:. .､ .: .ﾞ､:. ..く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /:::::;.':::/.:../. .:| !､　ヽ .. ヽ..::ヽ:::::ﾞ､ヽ<､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':... .. /.. /:..;ｲ;:..:..| |!i:::::::ヾ::::::ﾞ､::::ﾞ!:::::i、:. 　｀　､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !;ｲ::::;':::::!i::::;!i:ﾄ;::::ﾞ! !ﾞL:::;;_ﾞ!|::::::ﾞ!:::::!::::!ヽ::..　　,. ->
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !|i:::::|!:::::|!::;:!-! ヾ;::ゝ'´,.=ミﾘ|!|:::|;;｣::::;!:. :.ヽ／ヽ!´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |!L;::!|!::::!´,ｲ!iヽ　　　 ' i'ﾞ;:;!`,ｲ::|´ﾞ!::ハ:.. ､:..ーヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ﾞ|i!ﾞ! ､ゞ''　　　　｀￣ / !:::!iﾉ/::.. V｀L.__／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'┐ |! |i、""　 ,　　　""　,ｲ:::|イ:!:::::._〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 L___ |!ヽ、　　ｰ ﾌ 　　 .!:|i:::!:::::｀´!:::::ﾞ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　 iﾞﾄ､　`:..､　｀ 　 ,..:' !:!ﾞ!::|::::::::::|:::::::ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　/ﾊ ﾞ!　!ノ !｀` ´::::. .|:ｉ ﾞ!::!;;_::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ノ　　　　　,!　|-' ,!:.　　　　|:!_,.|::ﾞ､|::::::!|:::::::､::＼
　　　　　　　　　　　　　　,.. ＿,,..／　　　　 ,／| 　!::../::.. . ,　,..-!|''´!:::::!i::::::i!::::::::ヾ::ﾞiヽ、
　　　　　　　　　　　__,／- ／ｲ´　　　.....／|:::::!　,!:::::,...,r i／,／|! ,ｲ::://｀ヽ!:::::::::::ﾞ､:ﾞi ヾ､
　　　　　　　　　 r'´　,.イ´　/　　 .::::::／　 |i::::| ,ﾊ _/　'　|,. -､　! /イ/　　 ヾ;::::::::ﾞ!ヾ| 　ﾞi
　　　　　　　　　,! ,.　´　　...!:..　.::::,ィ |　　 !ヾ:rﾍ'´ 　　　 i　r',..-／'´　　　 　 ﾞ､::::::! |:i
　　　　　 　 　 / ｲ　　.. ..::.:ﾞ､::..／ !i,/　　 |／ﾞ!　　　　　　Y:.. ...　　　　.:,;.　　 .:ﾞ!:::::| |:!
　　　　　　　 ,.'　　　.:::::::.. :....ヾ　 / !　 ／ ..:　:|　　　　　 /::::: .:.. .／　.:..,! .:..　i:::|:::::i |i
　　　　　　　 !　..... .:::::::::::. ::::::::ﾞ!/ ,ｲ!./ 　 　　 ! 　 　　 /::. :. .　,.' ..,..:....,' ::. ..　!:::i::::| |!
　　　　　　　 ﾞ、::::::::::::::::::::::::::::./ ,.' ﾞ!::!:::.:. .:... .,.|　　　　ﾞ!　　　/.::::/:::: ,' .::: ...　|:::ﾞ!:;'

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そのお陰で、そこらの殿方には負けないぐらいになり、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　世間では剣術小町と持て囃されたりもしました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　　　　　 　 |
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　　　　　　　　　　　　 　 ′　　 　 　 　 　　 {
　　　　　　 　 　 　 　 　 :|　　　　　　　　　　 |:
　　　　 　 　 　 　 　 　 :/　　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　//　　　　　l　　　でも……強くなったからといって、どうだというのです。　　 l
　　　　 　 　 　 　 　// 　 　 　 　ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ﾉ
　　　　　　　　　　　:/　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |i　　　　
　　　　 　 　 　 　 ｉ,'　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ||　 　 　
　　　　 　 　 　 　 l|:　　　　　　　　　　　　 　 　 |:　　.　　
　　　　 　 　 　 　 :|:　　　　　,::.. 　 　 　 　 　 　 |:
　　　　 　 　 　 　 :|:　　　／::.:.:.　　　 　 　 　 　 |i
　　　　 　 　 　 　 i|:　　 /￣｀ヽ::.　　　　　 　 　 ||　　 　 　 　ｒ‐‐00
　　　　 　 　 　 　 :|:　 　| 　 .::ノ:::.　　　　　　 　 |:　　　　　　く,勹｜　　[][]「l　　Ｏ　Ｏ　Ｏ
　　　　 　 　 　 　 :|:　 　| :／　＼ 　　 /:　 /:　//: 　　　　　　く_ノ. 　　　くノ
　　　　 　 　 　 　 :ヽ＿人.＿＿＿__／:. ／_／´
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　￣￣￣￣

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　　　　　　　　　　　　 ,.ｲ::::::::/.::::::;::::::::::::::::::::::､:::､::::',　 /
　　　　　　　　　　　 ,:::〃:.:.:/:.:.〃.:::/i::::.:.:.i:.::.:.ヽ:.ヽ:.', ,}
　　　　　　　　　　 ,〃:..:..:.:/.:..:/.:.;::/ i::::.: :.|::: .:.::.}:.. .:.〈｀ヽ
　　　　　　　　　　 ｲ::::::::::;'.::::/;:::/i:!　|:i:::::.:ﾄ､::.:::::l::::::i:::}､　＼
　　　　　　　　 　 ′:::::j!::!‐-'-:::イ!　 !､i_:::|__ﾘi!:::l::::::|:ﾉ　ヽ　ヽ.
　　　　　　　　　　　￢' ﾍ! 行ﾃヽ`　　' ,ィ=ﾐ､ ﾚi,}:::::i､ヽ　　　 ﾊ　 　 　 私が男であれば、幕府にお仕えするなどして、
　　　　　　　　　　　　ヽ（|:i ､匕_ﾉ　　　 ' r:' |ﾞゝｲ､:∧　.＼,-くノ　　　　 剣術で身を立てることもできるでしょう。
　　　　　　　　　　　　〈　|ﾍ　　　　 ,　 　 ﾟ ‐' /::|ﾉ､　∨　 ｀)
　　　　　　　　　　　　　｀|::ヽ u　　＿　　 　 ,:;|:::|:::∨ﾍ,ゝ‐" 　　　　　　剣術修行の旅に出て、各地の達人を相手に、
　　　　　　　　　　　　　 ,::::ﾄ' ＼ 　　 ｀　 イ´ |:::|::::::::.:.i 　 　 　 　 　 　 思う存分、己の力を試すこともできるでしょう。
　　　　　　　 　 　 　 　 ;:::::! 　 ,.|　ｰ＜ 　 |,､ |:::|::::::::::.:i
　　　　　　　　　　　　,ｨﾞ!::::ﾄ／ ｲ　　　 ／／`|:::|::＞､:.:i　　　　　　　　　ですが……私の立場では、それも敵いません。
　　　　　　　　　 　 ノ　 :::::!　　| !　 ／／　＞|:::|´　　､:i
　　　　　　　　　 イ　　 i::::l　　 ! l／／　／　 |:::|"´　　＼　
　　　　　　　　　　　　　ｌ::::l　　 l／´　／ ,.:::::. }:::!　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 :. !'ﾍ .／ 　 ／　'"´　　|/　　　　　　 ヽ

.

　　　　　　　　　　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　 /　ヽ､_ 　　.＼
　　　　　　　　　　　　　　. （　（● ） .　　　|　　　　　……まぁ、俺がそんな感じだったな。
　　　　　　　　　　　　　　. （人__）　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　r‐-､　　 　.　　　|　　　　　江戸に来るまでは、右に左に
　　　　　　　　　　　　　 （三））　　　.　　　|　　　　　行く当てもない漂泊の身だったからよ。
　　　　　　　　　　　　　　>　ﾉ　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　/ 　/ ヽ、　.　　 /
　　　　　　　　　　　 　/ 　/ ⌒ヾ　　　.〈
　　　　　　　　　　 　 （＿__ゝ､ 　＼／.　）
　　　　　　　　　　　　　　　.　|＼　　 　,.1
　　　　　　　　　　　　　　　.　|　 ＼_／...|





　　　　　　　　　　　　　　,r'ニー=丶,_　 ,.., ,_
　　　　　　　　　　　　　/:/'　__￣_,.--,-'- '' '''ー-''::,..
　　　　　　　　　　　　 /<__,.:.:._,-':::::ﾉ':::::::::::::::::::::::ヽ::::ヽ,,_
　　　　　　　　　　　　 i::(　:.:.ﾉ:.:.:.:.ﾉ:::::::,:::::,::::::::::::::::::::::::::::｀丶
　　　　　　　　　　　　i::::!-i:.ﾉ:::::::/:ﾉ:.:.:.i.:.:.i.:.:.:.:,.:.::::::::::::::.,_.:.:.:｀.,
　　　　　　　　　　　 i:::::::::ゝiミ:::/::i::::::::i;;::::i:::::::!:::::ヽ:.:.:.,.:.:.:'';;;;;::｀.
　　　　　　　　　　　 i::::::/ {::::::::iハ;::::::::i !::::i:::::::ヾ:::::ヽ::ヽ:::::::;;;;;;i !
　　　　　　　　　　　i::::/　 {::r=丶:iﾚ-!_,.!-ﾙ!ヽ:::::ヾ::::ヽ:::::ヽ:i:::r'
　　　　　　　　　　　i::/　 ﾊ::i =!:i:::i　ｨｒ;;-ヽ''' ヽ-'_,.!:::::i:::::∧!ﾚ
　　　　　　　　　　　i:ir-.,_ハヽ-i:::i　丶::::-　　　ｲ;;>7Yﾙ'´
　　　　　　　　　　　i;し´'ヽ, ｀''ﾌi::::i　　　　　　　'''　/　　　　　　　　　　 ……正直、羨ましいです。
　　　　　　　　　　　!:::rー-｀-ュヽ:::i u　　　　i,　　,'
　　　　　　　　　　　 iﾉ.:::::__　　｀ヽ:::ヽ　　 -_-　／ヽ　　　　　　　　　　 そうですね……他にも、私の父のように
　　　　　　　　　　/￣　　　｀ー_　ヾ::::｀'_.,_,..:.:::´::::::::｀''-:..,_　　　　　　　道場を開き、後進を育てるという道もあるでしょう。
　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:. .　　　｀＼｀＼|ヽ:｀,_::::ヽヽ｀-.,_::::::ヽ
　　　　　　　 ／::::::::::'' ' '　　　　　　＼ ﾙ ヽ_:!:!::::::ヽヽ.,__,.｀ヽ
　　　　　　 /:::'' '　　　　　　　　　　＼!_ ﾘ　 |:::!:!:::::::ヽヽ- ''
　　　　　　/:'　　　　　　　　　 _,.-ー--ヽl　　|:::!!::::::::::::::::::::::::

.

━━━━━━━━・━━━━━━…━━━━━━━━━━━━・━━

　　　　ただ……女の私では、道場の跡取りにはなれません。

━━━━━…━━━━━━━━・━━━━━━━━━━…━━━━━

　　 　 　 　 　 　 　 　 l　　　　　l　　||　　心　無　武　無　　ll
　 　 　 ..::／||　　　　　l　　　　　l　　ii==================ii
　　...:::／|　 ||　　　　　l　　　　　ｌ　　　　　l　　　　　l　　　　　l
...: :／|　 |／||　　　　　l　　　　　ｌ　　　　┌─────────┐
／|　 |／|　 ||　　　　　l　　　　　ｌ　　　　│［］ ［］［］［］　［］［］ 　 　│
　 |／|　 |／||　　　　　l　　　　　ｌ　　　　└─────────┘
／|　 |／|　 ||　　　　　l　　　　　ｌ　　　　　l　　　　　l　　　　　l
　 |／|　 |／||　　　　　l　　　　　ｌ　　　　　l　　　　　l　　　　　l
／|　 |／|　 ||　　　　　l　　　　　ｌ　　　　　l　　　　　l　　　　　l
　 |／|　 |／||　　　　　l　　　　　ｌ　　　　　l　　　　　l　　　　　l
／|　 |／|　 ||　　　　　l　　　　　ｌ　　　　　l　　　　　l　　　　　l
　 |／|　 |／||　　　　　l　　　　　ｌ　　　　　l　　　　　l　　　　　l
／|　 |／ ..:::||___________l___________ｌ___________l___________l___________l_______
　 |／...::::::／　　　　　／　　　　　／　　　　　／　　　　　／
／.....:::::／　　　　　／　　　　　／　　　　　／　　　　　／
...:::::::／　　　　　／　　　　　／　　　　　／　　　　　／
..:::／　　　　　／　　　　　／　　　　　／　　　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━━━━・━━━━━━…━━━━━━━━…━━━

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いずれ、誰か腕の立つ男性を婿に取り、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 道場を存続させていくことになるのでしょう。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━・━━━━━━━…━━━━━━━・━━━━━━━

.

　　　　　　　　　　 .,:'/::::::::;:::;::::::/::;ｲ:|:::::､::::::::ヽ::::::::ヾ::ﾞ!ド､
　　　　　　　　　　/ｲ:;':::::/::ｲ::::/ｲ| |:!|:::::ﾞ!:::::::::::ヽ､::::::ﾞ!::!:. .ヽ、
　　　　　　　　　　　i::!::::;'::::|!:::;'|! |! |l !:::::ﾞﾄ､:::::::::､::､::::;ｿ!｀ヽ ./
　　　　　　　　　　　ﾞ!|:!::|!::::L::! iノ ヾ ヾー‐;:ヾヽ:::::::ヾ!;ﾝ/!:.. .、ヽ、　 　 　 　 　 　 それを考えたとき……私の剣が、ひどく
　　　　　　　　　　　　｀` ヾﾞ!'´|ﾟ:;!　　　　!ﾟ;:;iヽヾr''､'ﾞ:::::!:.　:.:.　 ﾞ!. 　 　 　 　　　　　無価値なものに思えてしまったんです。
　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾞ!ﾞ ‐''　　　　 ｰ''　,'::|6 !:::;.'::::l .　,.-'ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　 |:!　　' 　 　 　　　|:::!,ノ,:''::.:,ｨ- '::､::ヽ:ヽ 　 　 　 　 　　 私が強くなることに、何の意味があるのか。
　　　　　　　　　　　　　　　 |::ヽ、 －- 　　　ｲ:::|'" !r''"::::ﾞ､::::ﾞ､::::ヾ:＼
　　　　　　　　　　　　　　　 !:::|_ ヽ､、_,,..-　 !|::::|_　!::::ﾞ､:::､::､::::ﾞ､::ヽ::ヾ ､　　　　　　誰も望んでおらず、誰の役にも立たない、
　　　　　　　　　　　　　　 r,!::/!｀i　 _,!　 ,.-''|i|::::|:.｀ヾ、:::::::ヾ::;､:::::::::ﾞ!'::::;'　　　　　　ただの自己満足に過ぎないのではないか、と。
　　　　　　　　　　　　　 r' .i:;'ﾆﾞ､|‐'' ,!／　　! ﾞi::|__;.:i ヽ､::::::::ヽ､::::::､::ﾞ!/
　　　　　　　　　　　　　,.!　|:!.r ハ ／　　.::. .,.-l:|::. ..ヽ　｀ヽ､::::::､::::::ﾞ､!'
　　　　　　　　　　　　/.∧ |i ﾞY　.i 　 　 .;.. '　 :|i　　　 ＼　 ﾞヽ:::ﾞ::::ﾞ!::ヽ
　　　　　　　　　　　./ ,'　〉.|!　　/　　 ／　　　/'　　　　　ヽ　 ﾞ!::|!::::::iﾞ､ﾞ!
　　　　　　　　　　_,.}　!_/　　　/　 ／　　　　　!:.　 ,!　　　:. i　 |::i:::::::!' ﾞ|i




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　…………。
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　,.へ､
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:::::＼ミゝ= ､　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {ヾ.イ´;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀;;;;´¨;;＜彡'⌒!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ';;;;;;;;;;;;;;――;;､＿ ,;;-;;､;;;;＼:::::{_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;∨（
　　　　　　　　　　 　 　 r―彡ｲ;;;;;/;;;;;;;;;;;/;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ}'´
　　　　　　　　　　　　　 ソ'´:::,';;;;;/;;;;;;;;;,.ｲ;;;;ノ!;;;;;|!;;;;;;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ
　　　　 　 　 　 　 　 r'´:::::::::::|;;;;;i;;;;;;;;;/＿リ |!Ⅵ!Ⅵ;;;;;;;}、;;;;;;;;;;;;;;;}
.　　　　　 　 　 　 　 ヽ:::::::::::八;ソ-r､{!ｨｫｯ ﾐノﾉ! Ⅵj＼ﾑ;;;;;;;;};;;;};;|!
　　　　　　　　　　 　 ノ:::::::/::::/ 'l;;;;!　弋rリ.}　　 　 ,.ｨｫｯ､,j;;;;,ﾉ /} }、　　 　　ましてや、貴方がたと出会い、鬼道衆と何度か
　　　　　　　 　 　 　 ＼:::/ヾ'∧ l;;;;l､　｀¨¨　　　　 弋rリ ゛ｲｲﾉ//ノ　　　　　 戦ったことで、自分の限界も思い知らされました。
　　　　　　　　　　 　 　 ヾ　 j;;;;｀l;;;;| ｀ー　 　 　 ! 　 ｀ ¨´/;;;;l:::::::::::〉
　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;|;;;;ﾄ､ u　 　　　'　　　　,_|;;;;ﾄ､::::　　　　　　　 自己満足すら敵わないのであれば、なおさら
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /;;;;;;;;;;|;;;;|;;;| 、　 ´ ￣ 　 　,;;;;;!;;;;!､∨　　　　　　　 私が剣を続ける意味は、どこにあるのでしょう……
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;l;;;|　丶　＿　 r;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;|;;;＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 i;;;;;;;;;;;;;/l;;;;lヾ、　　　 　　|)}!＼;;;;;;|;;;;|;;;;;;;;;＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 |;;;;;;;／ :|;;;;l ヽ＼　　　　//　　ヾ┤;;j- ミ､;;;;;＼
　　　　 　 　 　 　 　 , -┴'　 ＼}|;;;;;l 　＼＼　／/　　　　}!;;;;|　　　＼;;;;＼
　　　　　　　　　　／　　 　 {.　 ｀|;;小､　　＼У,/ 　 　 ,/ |;;小、 　 　 ＼;;;;＼




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼ -、_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （＝）（＝ ）／　´／ /)
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （__人＿） {　 　 , ' ´,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´　　　　　…………。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,へ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　ヽ＿ ｧ‐‐==＝､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 厶-‐v‐─- ､`ｰ､　　　　:》
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::`::.::＼　　 ﾉ　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::＼ｲ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::l::::::::l: l:::il :l::: ::l　ｌ:::::::::::ﾊ彡ﾄ､j　　　　 ──
　　　　　　　　　　　　　　　 　 /::::|:::::::::!:|::::iｌ::ｌ!::::|::::::l:::::::::ﾏﾊ:::ﾊ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚﾍj::::::斗ﾍ､ﾊ;:x‐L_/+､:::::::ﾔ」:::::}ﾍ:、》　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.`≧i}yrfﾄ　 　 ィfミvj::::ﾚ1彡人　Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　ﾊ ﾋ,ﾘ　　　 ｌｰ':ﾘ l|:::f)ル'′}　 }}　　　 　　 あ……その、すみません。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　从￣　 '　　￣｀ |::::ﾚ’::L__レ'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i::::ﾄ.、 ⊂⊃ 　u ｲ|::::|::::::::::::|　　　　　　　　貴方に、こんな話をしても仕方ないのに……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:::::|! ＞r-　 ＜ .|j::::ﾊ:::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::ﾉ ,ィ{{ 　　,ｲ7¨|::::ﾄ、:::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,ｲ: : |ﾄ､.／:: ｲ .|::::| 》、::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　'" |: : j／: : :,ｲ' .,ﾊ::j".　＼::!




　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　……いや、構わねぇよ。
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７　　　　人間、たまには誰かに愚痴を
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /　　　　　吐きだしたくなるときもあらぁな。
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
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　　　　　　　　　 　 ノ　 :::::!　　| !　 ／／　＞|:::|´　　､:i
　　　　　　　　　 イ　　 i::::l　　 ! l／／　／　 |:::|"´　　＼　
　　　　　　　　　　　　　ｌ::::l　　 l／´　／ ,.:::::. }:::!　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 :. !'ﾍ .／ 　 ／　'"´　　|/　　　　　　 ヽ




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　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ 〉 ´　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／ ／'　 __ ノ 　 ゝ.__　ヽ　　　　　 ……そうだな。
　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ　　　 　　俺ぁ、そんなご立派な人間じゃねえし、
　　　　　　　　　.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ　.　 　 　 あんたに掛けてやれる言葉なんざ無ぇ。
　　　　　　　　　.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !
　　　　　　　　　.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /　　　　　　だけど、一つだけ言えるとすりゃあ――
　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_
　　　　　　　　　　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
　　　　　　　　　.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
　　　　　　　　　. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
　　　　　　　　　.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
　　　　　　　　　.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　　　　　　　　　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !

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