|　洋酒と言えば輸入品か模造品だった大正初期の日本
|　そんな時代にあって、本物のウイスキーの作り方を学ぶ為、
|　遠くスコットランドへ渡った男がいた──
|　
|　「日本のウイスキーの父」竹鶴政孝をやる夫が演じ、
|　その奮闘を描く作品です。
|　
|　まとめ先
|　泳ぐやる夫シアター
|　http://oyoguyaruo.blog72.fc2.com/
|　嗚呼！　やる夫道
|　http://gokumonan.blog87.fc2.com/
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|　作者の管理するニッカウヰスキーデータベースwikiも併せてご覧下さい
|　http://www59.atwiki.jp/nikka/
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　|　厨房公論 　 　　　　　　　　　|　｜
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|　本日、ニッカブレンダーズバーで、河井主席ブレンダーの
|　「ブレンダーズ・ウイスキーNo.15を愉しむ会」が開催されましたが
|　仕事で行けなかったので、こちらでお祝いを述べさせて頂きます
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|　"Slainte mhor!"
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　|　厨房公論 　 　　　　　　　　　|　｜
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【主なキャスト】

竹鶴やる夫（やる夫）　　　　　　　　　　　　　　　　　　摂津酒造社員、ウイスキー製造研究のため渡英中
阿部喜兵衛（阿部高和）　　　　　　　　　　　　　　　　.摂津酒造社長、やる夫を英国に派遣した
岩井喜一郎（ダディクール）　　　　　　　　　　　　　　 摂津酒造常務、やる夫の先輩、入社の斡旋をした
竹鶴チョウ（やる夫のカーチャン）　　　　　　　　　　　やる夫の母
竹鶴敬次郎（海原雄山）　　　　　　　　　　　　　　　　 やる夫の父
フォーサイズ・ジェームズ・ウィルソン（黒井ななこ）　ロイヤル工科大学無機化学学長、やる夫の恩師
J･A･ネトルトン（ＤＩＯ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ウイスキー並びに酒精製造法」著者
J･R･グラント（ジョージ・ジョースター卿）　　　　　　　 .ロングモーン蒸溜所オーナー工場長

解説（高良みゆき）

投下は１分間隔、１時間半くらいでしょうか

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　　　　　 　／::::::::::　　　　　＼　　　　やる夫はとうとう日本に帰ってきたんだお……
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　　　　　|:::::::::::::::　　　　　　　　　|　　 あんな所にはもう二度と行きたくないんだお……
　　　 ／⌒::::::::: 　　　　　⌒ヽ／
　　；/::::::::::::　　　　　　　 　 　 ＼；
　 ；/::::::::::::::　　　　　　 　　　＼　ヽ；

　　　　　　　　　　　　　　./:::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /:::::- 　-:::::ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　（/ (● ●）ヽ）
　　　　　　　　　 　 　 　 ゝ（_人_） ノ
　　　　　　　　　　　　　　/　　　　ヽ
.　　　　　　　 　 　 　 　 （| 　　 　 |）
　　　　　　　　　　　　　　.し 　　 Ｊ



みんなが迎えに……あれ？　一人しかいないお？
あれはカーチャンだお……

　　　γ::::::::::::::::母::::::::::::ヽ、
　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　γ:::::::::人::::人::人::::人::::::::ヽ　　　──やる夫、ウイスキーの勉強は全部終わったんか
　（:::::::::／　　　― 　 ―＼:::::::）
　＼:／ 　 　 （●）　 （●）＼ﾉ
.　　 |　　　　 　 （__人__） 　 ,|
　　　＼　 　　　　｀⌒´　 ／
　　　 ／　　　　　　　　　ヽ

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　　　　 ／　　　　　＼
　　　／　　　　　　　　＼　　　　…………………………
　 ／　　　　　　　　　　　＼
　 |　　　　　　　　 　　　　　|
　 ＼ 　　 　 　　　　　 　 ／

　　　γ::::::::::::::::母::::::::::::ヽ、
　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　──いけんよ、そんなことではいけん、
　γ:::::::::人::::人::人::::人::::::::ヽ
　（:::::::::／　　　― 　 ―＼:::::::）　　やる夫はウイスキーの勉強のために洋行したんじゃなかったのかい？
　＼:／ 　 　 （●）　 （●）＼ﾉ
.　　 |　　　　 　 （__人__） 　 ,|　　　いますぐイギリスに戻りなさい
　　　＼　 　　　　｀⌒´　 ／

　　　　　　＿＿＿_
　　　　 ／　　　　　＼
　　　／　　　　　　　　＼　　　　…………………………
　 ／　　　　　　　　　　　＼
　 |　　　　　　　　 　　　　　|
　 ＼ 　　 　 　　　　　 　 ／
　　　 ／　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　／ ￣￣￣ ＼：
　 　 　 ：:／　　　　 　　　::::＼：　　帰ると言っても船は無いお……
　 　 　;： |　　　　　 　　　 :::::::| ：
　　　　　 ＼.....::::::::: 　 　::::, ／　　　それにどうしてカーチャンしかいないんだお
　　　 　 r "　　　 　.r　　／ﾟ。
　　　　：|::|　　　　 ::::|　:::i　　　　　　父ちゃんや阿部社長はどうしたんだお、
　　　　：|::|:　 　 　.::::|　:::|：
　　　　：`.|:　 　 　.::::|　:::|_：　　　　　やる夫はもう見捨てられたのかお……
　　　 　：.,':　 　 　.::（　　:::}：
　　　　 ：i　　　　　　`.-‐"

　　　　　　　　　　　　　　ガバッ ! !　 ＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:υ::─ﾆjjﾆ─ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::li|.:（ ○)三 （ ○)＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 （:::||!.:υ::::: （__人__）)::::　i|
　　　　　　　　　　　　　　　　〃　）:::::::::::. 　 |r┬-|　li::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : l＼`ー '/j: : ::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ヽ :ヽ: : : :　7ヽ　/>: : : :r:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　（￣ ⌒⌒⌒⌒￣⌒ ⌒ ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　＼

ポリッジとキッパーズが喉を通らなくなった頃、やる夫はこのような夢をよく見ていたそうです

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　　　　　　　　　　やる夫がウヰスキーを造るようです
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　　　　　　　　　　　　　　第３話：カーカンテロフ
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　　 　 　 　 　 　 　 , -‐ｧｰvー -/⌒＼＿_＿_／　＼ ｀ヽ
　　　　　 　 　 　 ／ 〃 //　　　|　　　　 　 `く　＼　 }　 ｝
　　 　 　 　 　 　 {＼｛{＞′　　│　 ヽ　　　＼∨ jイ二/
　　　　　　　　 　 ヽ／ 　 　 　_ｌ_|　　　}　--､ 　 ∨ﾍじ'´
　　　 　 　 　 　 ／'　　 　 /'´八{　 　 |＼丶　　　ヽ |　　　　　　　　ここで話はスペイサイド実習のしばらく前に遡ります
　　　　　　　　 / ｲ　　/　/　/ j厶.　 V　zﾑ{＼　　　＼
　　　　　　　　 ∨|　　{　│〃 f心ヽ　{　 ト心ヾヽヽ小 ｝　　　　　　 図書館で孤独にネトルトンの翻訳をしているある日の事です
　　　　　　　　 　 |　 八　ﾚﾍ{. ﾄｲ:::} ﾄ､＞ﾋ:::ｿ│八} |jノ
　　　　　　　　 　 {　 { 人 八j_`二´////ゝーイ　j/八
　 　 　 　 　 　 　 ＞〃　＼ ゝxく＾) _(つ__, ＜}　　＼ ＼＿_
　　　　 　　 　 ／　/ ／　/／＼/(＼|_∠厂／　　　ﾉ　 　 　 ｀ヽ
　　 　 　 　 ／/　 l{人.　〃　　/:／ 人＿∨_xくj_／　　　　＼ 　}
　　　　　　 {／{　 人　ヽ八＿/='ｧ＜__　　　{　　ヽ　　 　 }ヽ　∨
　　　　　　　　 ヽ｛　 ヽ/　/　j／ /　| ｀Ｔ ﾏrﾍ__／〉､　　ﾉ　｝　}
　　　　　　 　 　 　 　 ｛l / ／ 　/　 :| 　 l　＼ ﾍ∠ノ ／ 　 j／
　　　　　 　 　 　 　 　 V （/'⌒ ト､__j　　_j_／〉　 人（
　　　　　　　　　　　　　∨ゝr-/::::::/_ﾝ＜:::::∨
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ゞ{:::::/＿__ハ::::::}

────大正８年（１９１９年）３±１月、グラスゴー大学

　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _＿＿＿
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 　 　　＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／_ノ 　 　ヽ_　　＼　　　今日は授業も無いから図書館で本の翻訳をするおー
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　（ー）　（ー） 　　 ＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 | 　 　（__人__） 　 　　 　|　　知り合いの日本人もいない、友達もいない、正にぼっちだお
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼. 　 ｀⌒ ´ 　　 　　／
　　　　　　　　　　　　　 　 ／　!::::　　　　　　　 　ﾍ　　　挫けそうな日々だおー
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ゝ＿|::::　　　　　　 ﾍ　　ﾊ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |::::　　　 　 　 　 ＼／
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |::::　　　　　　　　|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾍ:::::　／ 　 　 　 i
　　　　 　 　 　 　ｷｭﾑ ｷｭﾑ　　＼: |　 　　　／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾍ＼＿／|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,;;---－―――――--,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　＼
　, ;　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　 c=＝ｰ＾ 　　　　　/li 　 ＜こ＿ .:; イ.:.:.:.:.::.:＼ : :　　　　＼:.:.:.::;;;;＞'"
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　　 　 　 　 　　__　-一　　　.:fr'/{ﾐ ,彡／ ,／.:.:.::::／.:.::::ﾉ＿,,,:::-一宀 ´　　　　{
　 　 c=＝ ¨¨　　　　　　 ／^{ノ ilil/／　/⌒´￣￣￣`7´ /　　 　 / 　 　 　 　 ',
　　 　 　 ｃ　に≠==ー 厶-　　il,／ 　 〃　　　　ｰ／, {　 {　　 　 i　　　 　 　 　 ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 `ーﾄ､　　 〃　　　{i　　　　　　 　 ﾍ. :丶ヽ: : :ヽ: : : : : : : : : : { :＼
　　 C °。　: . 　 　　　ﾍ にﾍ,{i　 　ヽ.i{　　 . . . . . : : : : ヽ、:＼: : : :＼: : : : : : : : ヽ. : :
　　　　 　 　 　 　 　　　 : ', ,〉ｨﾍ　 ヾミ{!. : : : : : : : : : : : : : :＼. :＼: : : 丶: : : : : : : : ＼
　　　　　　　 　 . ｨー- く {^ヽ人　　 ﾍ≧ー‐rｰ宀7⌒ヽ. : : ヽ､__. : : : : :＼. : : : : : : :
　　　　 　 　 ／ :｀　、: :ﾄこ´　 ヾ　 　　 ¨＞く__ノ ＿,人___／,　¨¨¨"￢ｒ一=,,___ : :
　　　　　　 /　,　　 　　　　　ﾍ､＿＿　　　　 　 彡彡 ´　_　ｰ
　　　　 　/　　　　　　　　　 　. : : : ´¨¨￢　　　　　, ／
　　　　 ./　　　 　　　　　　　　　　　 　 ヽ、　　　／

　　　　　　＼＼ ,-､　　　　　　　　　　　　　　　|　|｜　!|　|
＼＼　　　､,､-'　弋　　　　　　　　　　　　　　|　|｜　||　| ! 　　.／
　　＿,､-'　　　 　　（ 　　　　　　　　　　　　　! |｜　||　| | 　 ／　/￣ ~/　 　＿＿ ＿＿
　(_　　　　　　　　　 ヽ、　　　　　　　　　　　| l　!　||　| |　／　　/　　 /_＿_./　　//　　/
.＼ ¨''､　　　　　　　　　ヽ､,_　　　　　　　　　 |｜ !|　|　 //￣￣　　　　 　 /　　//　　/
　　　　ヽ、　　　 _,､―--､,__)　　　　　　　　 ! |　|| .|　 //＿＿　　　＿_　/　　//　　/
　　＼＼.ヽ　 ／　　　　　 ヽ＼＼　　　　　 |｜ || |　 /　　　 /　　 /　/ /._Ｍ//_Ｍ/
　　　 ＼　| .f　　　　　　 　 }　　　　　　　　! |　|| |　/　　　 /　　 /　/　　 /
　　　　　　し|　 _　　　　　 ﾉ　　＼＼　　　| |　 !　 !　　　　/　　 /　/　　 /
　　　　　　　.ゝ____＿,､-'´　　　　　　.＼　　!　　　!　　　 ./　　 /　/　　 /
　　　　 　 ＼＼　　　　¨¨･･，＼＼　　　　|　　　|　/　 /μM/　/　　 /　＿　＿　＿
　　　　　　　 ＼　　　＼　　　；，　　　　　　 ．　し'/　　　　　　./μM/　/　//　//　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　。　　　　　て_　　　　　　　　　./M//M//　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　て　　　　　　　　　　　　　 　 /　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～　　　　　　　　　　　　　　　/M/

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　 ：／,:' /,';;;}:　＼：　　　 ちょっ……、誰だお
　　 ；／_, ｡ｨ' li:.､ヒァ' ＼；　　日本とイギリスは日英同盟で結ばれた友邦だお
　 ／ ⌒';,ﾞi, ri:.:i .::' メ、 ＼　　（１９０２年：行くわ日英、ロシアに対抗）
　 |　　　　,:' /,';;;}:.ヾ:.　 　 |　　いきなり宣戦布告を受ける謂れは無い筈だお……
　 ＼　　　　　' {;!ﾞ'　 　 ／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　─＝､─-=ﾆL｣_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／二ﾆ=‐-=ﾆ、＼　　　　,＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ムｲ／　 .}、　 　 ヽ. ヽ　 ｧ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　 /　 　 ﾉ,ﾄ､　,ｨ　,ハ. ∨ﾄ、
　(＼　＿_　　　　　　　　　　 ∧　 ;'　　,ノｌﾉj,ｨ込ｧ｀!　,),　V　＼
. ,f＼孑=ｧ),__　　　　　　　 　 |　!　ｉ,ｧ示. ﾉ'ﾉ ゞr'ﾘ ﾘ 　 !　|　 　 ＼
〈ヾ､ム,. 》 :|| ＼　　　　　　　 |!､ﾄ､ﾄ弋ﾘ　､　 　 　 l　 ,ﾉ※　　　　　　　　　　ニッポン人間！
. `ｰ'─(,ﾑｲ'　　 ＼　　　 ,.　-'‐ ＼＼ 　　ｱ｀ヽ　_ﾑｲi　　 !
　　　　　＼　　　　 ｀　 7マ'７　 　| ヽ.≧　ゝ._ﾉ　,: ｨ´|.※ |　　　　　　　　　　ジュードーを教えるですぅ！
. 　 　　　　 ｀　 , 　　　 i ,ハ}　　　|.※ | ＞ｘ､. イ　 ! i|. 　 !
　　　　　　　　　 ｀7ぇｘl/　　,　 　 !　　i　　《 ,≫vﾍ.)､i),　 !
　　　　　　　　　 /　　/　 　 |＿　ｉ.※ i.　　《|{,／/iﾍ.∨), ∨　　 ,r- 、
　 　 　 　 　 　 /　　/　　 　 !　)`i　　 !,　　《!_／i |《ﾍ.∨), ∨　,Xﾍ. }
　　　　　　　　/　　ム.＿.　　!/　.|.※ |ﾍ.　 《　　ｉ | 《.ﾍ.∨ﾍ,.ﾏ^ヽヽﾉ
　　　　　　　 ‘ーｘ, 　 　 i　 ！　 |. 　 |　',.　《. 　! i　《. | |　 ﾒ.}i;ｘr≦
　　　　　　　　　　 ∨　　ヽ.　| 　 |.※ |　 ∨《 　Lｉ　 《 L!　:|. |　 　 |
　　　　　　　　　　　 ＼.　　∨ 　 |. 　 |　 〈　》～～～''～　|　i　 　 !
　　　　　　　　　　　　　＼／　 　.!.※ ! ,／｣Lﾆ=-　|!>X<| :|　i　 　 !
　　　　　　　　　　　　　//　 　　　¨¨¨’ >厂　　　　Ｋ　 >' :|　|、　,ﾉ

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／,:' /,';;;}:　＼
　　　／_, ｡ｨ' li:.､ヒァ' ＼　　　　　……は？
　 ／ ⌒';,ﾞi, ri:.:i .::' メ、 ＼
　 |　　　　,:' /,';;;}:.ヾ:.　 　 |
　 ＼　　　　　' {;!ﾞ'　 　 ／

／　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ＼
. 　/: /: : : : /.: : : : : : :/: : /: : : : :＼: : : : : i　 '.,
　/: /: : : : /: : : :_,: : :/: `ﾒ-――--､ヽ: : : :| 　 i
./ ;ｲ.: : : :/:／￣: : 〃: :/　　＼: :＿: :.i: : : :.!　　|／
' /｜: : : |": : : : ／/:.／　ｘ=≦云¨ﾞ》､!: : : :|　　|:ヽ　　それにしてもアンブッシュに対してこの油断！
i/　|: : : :.|ｘ=≦云/; '　　　　Kノ　} 　 .}: : : ;'　　 ヽ 　　「ベイビー・サブミッション」とはこの事ですぅ！インガオホーですぅ！
　　|: : : :.《　Kノ:::}　　　，　　`¨¨~´　/.: : :∧　　　 　　　↑赤子の手を捻る
.　八 : : : ヽ ゞ¨~　　　　 　 　 　 　 /.: :／.: :ヽ
　 　 ＼: : : ＼ 　 　 　 i￣ヽ　　　,/:／: : : : : :i　　 　　実際おめぇは本当にニッポン人間でジュードーのタツジンなんですか！？
　 ／: : ` =―-≧　　　ヽ-‐'　　　／: : : : : : : ヽ
. /_,.z=ヽ＿: : ＞ .､ _　　　　　 ,ィ: : : : : : : : : : : :＼
/:::::::::::::::ヽヽゝ＼: : :.｢　＝=＜.｜: : : : : : : : : : : : : :
:::::::::::::::::::::{ | {　　￣＼　＿ 　 .」: : : : : : : : : : : : : :
:::::::::::::::::::::{ | {　　　　zｪｪｪｭ､二､ ＼: : : : : : : : : : :
::::::::::::::::::ヾ} | }　 　 〃　　　,ｲハ¨ﾞヾｭ､￣Y´,￣ヽ

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／,:' /,';;;}:　＼
　　　／_, ｡ｨ' li:.､ヒァ' ＼　　　　いえ……達人という程の者ではないですお？
　 ／ ⌒';,ﾞi, ri:.:i .::' メ、 ＼　　　それよりあんた誰だお？
　 |　　　　,:' /,';;;}:.ヾ:.　 　 |
　 ＼　　　　　' {;!ﾞ'　 　 ／

　　　／　Ｖ´　＊_ｒー' ￣￣ ｉ :Ｔヽ、＊ ヽ　＼
　／　　::/　ノ: ￣／: : : : : : :ｉ: : :ｉ : : :ヽ、 .}　　＼
く　　　:::レ': : : :/ : : : : : : : ::/: : ::ｉ: : ヽ: ::＼}.　　　＼
　＼　::/: : : : /: : : : : : :/: /: : /: ｉ: : : :.ｉ: : : ヽ　　 ／
　　　Ｙ: : : : :`:く;; : : : :/://: //:/＾レ:'":|: : : : :レ'´
　　　|: : : : : :|＿_＞ｧ'-./／ /_ｪ‐ﾆＬ;_: |: : : :ｉ:|
　　　|: : : : ｉ レｲつ＾ﾄｖ"　／　イﾌﾞい/ﾞ| : : :ｉ:ｉ　　　　　　私の名前はイザベラ・リリアン・カウンですぅ！
　　 .∧: : : い　ﾋﾆソ　／　　　 ﾋ二ｿ ./: : :./:|
　　 ,': :(Ｖ＼:＼　　　　　 ､　　　　　／: :／}: :|　　　　　　愛称はエラですぅ、覚えておくですよニッポン人間！
　　,': : :}　ヽ. `ｒー　　　-ー-ｧ　　 "フ´　 ﾉ__::|
　 ,': : : :{ ＊　.}: ｀ｉ　､　　`''　　_. .イｉ ＊ /:::　　ヽ.　　　　おめぇはこの大学唯一の東洋人！
　,': : : : :{.　　 |: : ｉ: :ｉ _|　ー‐ .｢: ｉ:ｒ┴┐|:::::...　 　|
.,': : : : :.ｒ┤　 レー ' ヽ.　　　.ﾉ ｀＞く⌒ ﾏ:::ｲ__ク　　　　　私はこの大学唯一の女性なんですよ！
: : : :.ｒ'´.ハ{　 .|　　　 ｪ=＞くｪ.く ＼　ヽ 　Ｖ ｢ ヽ|
: : :/　/: （ ﾊ ﾌ|=＝"ﾞ　/＾Ｔヽ|　ヽ `　　　ﾉ |　　|ｉ
: :/　/　 ﾉ |ﾊ　|　　　 / |（ ／＼.　　　　/　|　　 ｌ:|

　　　　　　Izabella Lillian "Ella" Cowan

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／,:' /,';;;}:　＼
　　　／_, ｡ｨ' li:.､ヒァ' ＼　　　　はぁ……それであなたが柔道を教わりたいんですかお？
　 ／ ⌒';,ﾞi, ri:.:i .::' メ、 ＼
　 |　　　　,:' /,';;;}:.ヾ:.　 　 |
　 ＼　　　　　' {;!ﾞ'　 　 ／

　　　　/ノ´: /: : : : : : : : : : : : : :ｉ: : : ::ｉ: ::ヽ: : : : : :＼　　　＼
　　　/": : :/: : : : : : : : : : : : : : ::|: : :|: |: : : ヽ: : : : : : :ヽ　 ／
　　/: : : ::/: : : : : : : : : : : : :／:/}: : ｉ: :|: : : : :ヽ: : : : : : :Ｖ
　 /: : : : :|: : : : : : : ／: ::／:: / /: :/: / ヽ: : : : }: : : : : : :ｌ
｀.{: : : : : :|: : : : : : : : ::／./／ /:／/:/-―--:､; |: : : : : : :|
　|: : : :{: : |: : : :,斗ｧ''フ"　 ／"　 //　　　　＼ヽ|: : ｉ : : ::|　　　　バカですねぇ！
　|:ｉ: : :ｉ: : :ｌ ｒ彡"´　　　　"　　　/　　　　　　　　}: :ﾉ : : ::|　　　　この淑女の私がジュードーをやるとでも思ったですか？
　ｌ: ｉ: : { : : ｌ |　　　　 __,..　　　 /　　''ェ;_＿_,ｪ; /: : : : /∧
.　 ',ヽ: : : : ヽｌ ,ｒ＝=＝"　　　　　　　　￣￣ ./: : : :ノ/　 ｌ　　　　弟のラムゼイに教えてやってほしいんですぅ！
　　 ＼＼: : : ＼　　　　　　　　!　　　　　　 /, ｒ '´　}: : :ヽｌ　　　　分かったか！ですぅ！
　　 |: : : {　`ー　＞　　　　　　　　　　　　　　/{ ＊ }: :　 ヽｌ
　　 |:/: : {　__ ｉ/ ヽ　　　　　　Ｏ　　　　 　.／: {　　 }:_:: : : : ｌ　　　四の五の言わずに今度カーカンテロフに来るですぅ
.　 //: : : :{　 "ｉヽ { :ヽ､　　　　　　　　　／:__ : {　／　ﾉ: : : : :.'.,　　分かったですかこのニッポン人間！
　 ｌ/: : : : : :}　ｒ－┘､: ::ｒ`ｖｒ‐　-　 ´|: : : | _｣_{./　 ./: : : : : : : '.,　
　/: : : : : : : {　｀ヽ、　ヽ.Ｌ._ヽ.　　　　レ'Ｖ＿＿ ヽ/: : : : : : : : : :'.,
/: : : : : : : : ｒ ト ＊|ヽ／ ノ ヽ.'､　 ／　{ （＿__　　〕ｒ､＿: : : : : : : '.,
: : : : : : : : :∧.ｌ.｝　 }〔　´　／ ヽG＝ニ:|（　　　　./ｒ'/ｒく: : : : : : : : :',
: : : : : : : ::/　)|.ﾄ}　 }ヽ　　　 へ）|ノ＼.{ |/ｰｉ　　/`./ (　ヽ: : : : : : : : ',
: : : : : : : /　 .)|.｢.） .} ∧　　　　 ） ７ .ヽ |　　　 { フ　 |　 ヽ: : : : : : : : ',

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／,:' /,';;;}:　＼
　　　／_, ｡ｨ' li:.､ヒァ' ＼　　　　はぁ……
　 ／ ⌒';,ﾞi, ri:.:i .::' メ、 ＼
　 |　　　　,:' /,';;;}:.ヾ:.　 　 |
　 ＼　　　　　' {;!ﾞ'　 　 ／

　.　　　　　　　　＿＿＿＿
..　 　 　 　 　 ／ 　　 　 　 ＼
　　　　 　　／_ノ 　 　ヽ_ 　　＼　　　　　　……まぁ翻訳で煮詰まってる最中だし、
　　　 　 ／　（ー）　 （ー）　 　 ＼　　　　　柔道を教えるなら礼金が貰えて
　　　 　 | 　 '" （__人__） "'　 　 　|　　　　　生活費の足しにできるかもしれないお……
　　　　　＼　　　｀ー ´　　　　 ／　　　　　
　　 　 　 ／ ゝ　　 　 　 　 ィ'ヽ　　　　　　それに若い女性に誘われるのも悪い気はしないし、
　　 　 ／ 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　カーカンテロフならグラスゴーから１０ｋｍちょいだお
　　　/　　 ｨ　　　　　　　　　 r 　 ＼　　　 気分転換に行ってみるのも悪くないお
　 　 | 　 `||　　　　　 　 　　　|ヽ　　ヽ
　 　 /⌒ヾ|　　　　　　　　　　|　|,　　|
　　 ヾ___,ｿl　　　　　　　　　　│（､__,ﾉ
　　　　　　 |　　　　　　　　　　|
　　 　 　 　 l　　　 Y´　　 　 /
　　 　 　 　 ヽ,　　 （ 　 　 ,/
　　　 　 　 　 ヾ　　|　　　|
　　　　　　　　　≒;|　　　|
　　　　　　　　　(.（"＿｀ﾞ_）

　　　　　　　　/|　　　　　　　　Kirkintilloch　　　 _,,r--´
　　　 /丿 ／//　 ／　　　　　ｶｰｶﾝﾃﾛﾌ,-----┘　 ,--、
　　　　,-,/　/ |　 i i　　　　　　　 ◎ 　　　￣￣｀◎-´　　｀---、
　　 ､''~　i|_/　|_／ﾍﾍ ﾍ^ﾉ　　　◎　　　　　　　　ｴﾃﾞｨﾝﾊﾞﾗ　 ヽ
　 /丿)　,;'　 o'/　ﾉ/ヽ"ﾞ |　　ｸﾞﾗｽｺﾞｰ　　　　　　　　　　　　　　 ﾍ
　　　'-'~　　　ﾉ　|ﾍ　 ヽ　~ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ~ヽ
　　　　　　　 ﾉ　ﾉ　ﾍ_ﾉ　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|

※グーグルマップだと「カーキンティロック」

γ⌒ヽ,i＿_＿ :"；;:：､;；:｡
,i;:;:;:;:;:;,i　　　　＼:"；;:：､;；:｡　 :"；;:：､;；:｡
.I_______I　　　　 　＼_:.:.__:：､;；:｡　 :"；:'`::'::'；;:：､;,:,｡,,, ,
　　　　　　　　　　　＼　＼ロ；;:：､;；:；;:：､;；: ':'`;'`::'::',:'':'`;
＿_＿＿＿__＿_______i`､　 | :|＿:'`::_',:'_'`;___ _:'_'`:＿:'';；`;＿＿＿__ ___ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿____
=:.=.=i〔〕〔〕i=＝=＝=i＼ヽ、,:|＼　　　:／＼` ､ 　　　　___　　　　／＼` ､　　　　____　　　　 ／＼` ､
　　　|＿___|　　　　　|　 `.､ヽ、.:.＼.:.:..|i田l;|___l　　　／＼` ､ 　　|i田l;|___l　 　 ／＼` ､ 　　|i田l;|___l
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"'゜"'゜”"'""'゜"'゜”"'""'゜"'゜　　　　　　　　　　　　　　　　"'゜"　'゜ ”"' ゜""'"'
　　　　　　 　＿＿＿_
　　　　　　／　 ノ　 ヽ＼
　　　　 ／ 　（○）}liil{（○）　　　　　な、なんだこのバカでかい建物は……
　　　／　　　　　（__人__） ヽ
　　　|　　　　　　　|!!il|l| 　　|　　　　まるで病院みたいだお……
　　　＼　 　 　 　 lｪｪｪl　／
　　　　/　　　　　　　　　ヽ
　　 　しヽ　　　　　　　 ﾄ､ﾉ
　　　　　 |　　　 __　 　 |
　　　　　 !___ノ´　 ヽ__丿

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　　　　＼　
　　　　　 ／　　 _ノ 　 ヽ_ ＼　　　　　　あ、あのー、イザベラ嬢にご招待頂きました
　　　　／　 　 （●）　 （●） ＼
　　 　 |　　 　 　 （__人__）　　　|　　　　竹鶴やる夫と申す者ですお
　 　 　 ＼　 　 　　｀⌒´　　,／
.　　　 　 /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
　　　 　 |　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
　　　　　| 　 　 　 　 　 　｀l￣
.　　　 　 |　　　　　　　　　 |

　 　 　　　　　　　　　,. -ｭ,ﾆニ弌垳ト､
　　 　 　 　 　 　 ／r'^　_rﾍ-ﾍ/＾ヽr宀､
　　　　 　 　 　 /!７ト､7′ 〃　　　 ｌ ヽ ヽ
　　　、　　　　/ l//L｣| ∧ｌ |　! |l　 ｜　!　ヽ
　 　 |:l　　　 / 〃 ||丁l トH､lV| |l　 /l　 } l　|
　 　 ヾヽ　 / 〃　|l　| ｌ抔卞｀ヽ{　/-ト/ //ﾘ
　＼　 ヽ:∨　|」 /ｌ|　ｌﾄヽ￣　　 ﾚ'戎ｼ' ／ ′
⌒ヽ!ヽ._j＼＼ / 八　|ヽ　　　__ ' ∠r1=彳　　　　　いらっしゃいませ
::..::..::..::..::..｀::..::ヽ/　ﾊ ヽ‐ >､　 ,. イ|　}::..｀ヽ、
::..::..::..::. ／⌒ヽ､ヽjノヽ.∨r 芥､/:./ /::..::..::.､＼　　　お待ちしておりましたわぁ
::..::..::.::./:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ⌒Tlヽ｝l,ハ/-/ 〈::..::..::.｀ヾ＼ヽ
::..::..／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨_　||　ヽ:ﾚ':.:ヽ::..::..::.くヽ.j
::.r'´.:.:.:..::.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨_ ||ｰrﾍ.:.:、:.:.＼ヽヽ:〉
仆､ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨_l〉 ri心:.:',:.:.:.:.:ヽ｝
′　＼_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ∨_　ゞ=仆ヽ.:.:_ノ
　,　　　〉个､:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.∨_　ｌ　 }〉:.}'´
　|　　く_/^ﾄ､>:.∧:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨_ﾘ　〈|:.ハ
　|　　//:.:.:||:.:./　ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨┐r':.:{ ､ヽ
　!|　//:.:.:.:||:./　　 ｝:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨.:.:.:.| l　|

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／ ⌒　　⌒＼
　　　 ／　（○）　 （○） ＼　　　（うわー美人さんだお……）
　　／ 　 ///（__人__）/// ＼　
　　|　　 u. 　 `Y⌒y'´　　　　|　　（アンティークドールみたいだお……）
　　 ＼ 　 　 　゛ー ′　　 ,／
　 　 /　　　　 　ー‐ 　 　ィ

　　　／　Ｖ´　＊_ｒー' ￣￣ ｉ :Ｔヽ、＊ ヽ　＼
　／　　::/　ノ: ￣／: : : : : : :ｉ: : :ｉ : : :ヽ、 .}　　＼
く　　　:::レ': : : :/ : : : : : : : ::/: : ::ｉ: : ヽ: ::＼}.　　　＼
　＼　::/: : : : /: : : : : : :/: /: : /: ｉ: : : :.ｉ: : : ヽ　　 ／
　　　Ｙ: : : : :`:く;; : : : :/://: //:/＾レ:'":|: : : : :レ'´
　　　|: : : : : :|＿_＞ｧ'-./／ /_ｪ‐ﾆＬ;_: |: : : :ｉ:|
　　　|: : : : ｉ レｲつ＾ﾄｖ"　／　イﾌﾞい/ﾞ| : : :ｉ:ｉ　　　来やがったですねニッポン人間、
　　 .∧: : : い　ﾋﾆソ　／　　　 ﾋ二ｿ ./: : :./:|
　　 ,': :(Ｖ＼:＼　　　　　 ､　　　　　／: :／}: :|　　　まずは家族の紹介からするですぅ
　　,': : :}　ヽ. `ｒー　　　-ー-ｧ　　 "フ´　 ﾉ__::|
　 ,': : : :{ ＊　.}: ｀ｉ　､　　`''　　_. .イｉ ＊ /:::　　ヽ.　
　,': : : : :{.　　 |: : ｉ: :ｉ _|　ー‐ .｢: ｉ:ｒ┴┐|:::::...　 　|
.,': : : : :.ｒ┤　 レー ' ヽ.　　　.ﾉ ｀＞く⌒ ﾏ:::ｲ__ク
: : : :.ｒ'´.ハ{　 .|　　　 ｪ=＞くｪ.く ＼　ヽ 　Ｖ ｢ ヽ|
: : :/　/: （ ﾊ ﾌ|=＝"ﾞ　/＾Ｔヽ|　ヽ `　　　ﾉ |　　|ｉ
: :/　/　 ﾉ |ﾊ　|　　　 / |（ ／＼.　　　　/　|　　 ｌ:|

「こいつが母のロビーナ・マクロード・カウンですぅ」

　　　 つ:::::::::::::::::rー-'三三_　-―――‐-- ､)::::::::＼　　＿
　　　(:::::::::::::::::::::::) 三= '´／　　　　　　 ､　 (_:::::::::::::丶<::::::`ー､
　　　 `ｰ,:::::::: __ノ ／　　/ /　　　　＼　　＼ ム::::::::::: |企;:::::::::::}___
　　　　 (_:::::: ヽ／　　　/ /　　　　　　ヽ　　､ヽ(__:::::::::::|三|:::::::::::⌒Yヽ
　　　　　r’:::: /　　　　　 {　　　　|!　　| |!　　|!ﾊノ :::::::::|三|:::::::::::::::乂{
　　　　　｀ｧ: :′　/　 /　!　　　　 |!　 |! |!　　|! |｀ｰ, : :::|三|:::::::::::::::}　'.
　　　　　 ヽ.′　/　 /　 |! 　　 　 |!　 |! |!　　}! | Ｙ:::::::::|三|:::::::::::::/　 {　　　いらっしゃいませ
.　　　　　　|　|　|!　 |! 　 |!　　　　 i}　 } |!　 /_!_| ゝｧ : :|三|::::::::_;ﾉ| 　 '.
.　　　 　 　|　|　|!|　 |!､　{! |!　　 // /}//孑' /ｲ　(_ : :r'--{:::::::)　| 　 ｜　　ごゆっくりなさって下さい
.　　　 　 　{　|　| {　卞ﾄ､ハ!_　 //ノノィ≦ケテ|　(:::::〈ん)､) 〉´　| 　　|
　　　　　　 ヽﾄ､ {ﾍ､从ィ升=ﾐノ´　　　/弋じ:::}｜　〉 : ゝﾆン　　 |　　｜
　　　　　　　　 ヽ乂ﾍ!ゞ､rゝ':{｀　　　　　　宀'´ |　 ∨/／　　　　|　　｜
　　　　　　　　　 }　　|ﾍ　^¨´　　､ 　 　 　 　 　| 　 {ノ´　　　　　| 　　 |
　　　　　　　　　 川　| 丶 　　　　r‐､ 　 　 　 ノ　 } !　　 　 　 　| 　　 |
　　　　　　　 　 //}　 ! ＿≧-..､　｀´ ,∠⌒＜}/　八ﾍ　　　　　 | 　　 |
　 　 　 　 　 　// j　/':.:.:.:.　 .:.:.:/>=(:.:.:.:.:.:.　 / /＞ヽヽ　　　　 | 　　 |
　　 　　 　　 ノ ,' / /:.:.:.:.:.:....:.:__}ｲ夊)=-:.:.:　/ /:./::::::ﾍ∧　　　 | 　　｜
　　　　 　 ／／ / /＞ｧー:. :.:.:.:｀¨)´:.:.:.:.:.／-ー＝二二〕＼　　| 　　｜
　　 　 　 〈≦__,/_/ーｬ(:.:.:.:.　:.: ／＼:.:.:.:《__∠⌒ー-､::::::::::::::ヽ | 　　｜
　 　 　 ／￣ _＿_..==':::＼_:-＜: : : : :＼: :.:ノ:::二＞　_＞::::::::::::{､　 　 |
.　　 　〈__∠二=､::::::::::::::::::::}: : : : : : : : : :{´::::::::￣ﾐ＜::::::::::::::::::::::::＼　｜

　　　　　　　　　　　　　　　Robina MacLeod Cowan

「こいつが長女のジェシー・ロベルタ・カウン、愛称はリタですぅ」

　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _＿_,ｪｫ、
　　　　　　　　　　 　 　 ／ ´::::::::::ﾒ込ﾒ::.､
　　　　　　　 　 　 　 ／, ' ´￣￣｀ｰ ‐-:::::.＼
　　　　 　 　 　 　 ,　'／　 　　 　 　 　 　 ＼::.ヾ
　　　　　　　 ＿ Y〆　 ,　　 　 　 　 　 l　　 ヽ::l
　　　　 　 　 |{ﾆﾈｌ　　 l　|　l　　　｜ 　l　　　{l::ll
　　　　　　　, ヾミl　 vヽ十‐l-　,ｌ |　　 |　 ,l　{l;;ll
　　　　　　,.∠从|| l　i_'"{Tﾄ乂,ｒ'|tニTtx,l 　 iVヽ　　　　始めましてだわぁ
　　　　　<／｜ ||弋　ゝ ¨　　 　 ´i_rft //　,l∨冫
　　　　　 　　!　ｌｊ 　￣l 丶 ､_`__　 　＿／ ／}ハ/
　 　 　 　 　 !　 ＿_／ ﾉ､ヽ｀_´__ ,　ゝ__／ | l｀从
　　　　　　　 ／::／ 〃v┘＞--一l l　 l　　!_| |_!l＼
　　　　 　 ／.;／ , ハ　 ／ﾐYﾐ＼　｀i　 |ー‐-､ 　　ヽ
　　　　 ／::::::l ／i_|::::l　圦　~　介 ／　 }::::::::::∧
　 　 　 ∨:::::::´:::::Y.:::|　　 ⅤＬ/／ ／iノ:::::::::::::∧
　　　 　 ∨::::::::::::,':::::|'l,t､,t､_t_､| ／t､l::::|::::::::::::::∧
　　　 　 八:::::::::冫::::{ ､丶 l ／ ´,'　 /::::::l:::::::::::::::::::〉
　　　　 /::::::::::::/´ｌ:::::ヽ　{薔} ､　 ／::::::::/::::::::::::::／
　　 　 ﾉ::::::::::::/ 　!::::::::＞- ‐ー'´::::::::／∨:::::::::T

　　　　　　Jesse Roberta "Rita" Cowan

「こいつが３女のルーシー・カウン、ミドルネームは資料に載ってないですぅ」

　　　__,＞: : : : : ヽ: : :ヽノ : : : :_:_:_:ノｨ
　　({ : : : : : : : : :_:_）辷不辷シ､)､）⌒ヽ
　　（{: : : :__ｒ＜入ﾉ｀ヽﾉゝ-ﾍヘ.ヽ.ヽ 〔
　く（ｈィ´: :x rﾁ {　　　|　　i　ヽ ＼＼｝｀ヽ
　　 Yﾌﾌﾌ　ﾉ !　!　 !　{　　l x‐l‐ ､',　ｊヽく
　　 ﾉlイ厂 i　ヽ Ｘ´｢从　ｊﾉ八ｨ=ﾐハx彡く
.　〃 |　{　', ヽ /ヽィ=ミ｀｀´　ｒし'i 》ｊｲr‐=ﾐx
. ,′ l| 八　ヽ. i 《 ｒし'l　　 ,　ゞﾟ''ｨﾆﾆ｣二二}　　　　　はじめましてなのー！
. `ｰ=ミｰ=≧トｰ=xゞﾟ''　 ｒ ‐┐　 ハ三辷ﾗ´
　　　 ）Y´￣ゝ-=ﾗ、　　ヽ ノ　.ｲー‐‐＜
　　　辷ゝ=ﾆ三ハ=≧=‐ｒ‐ イ:_:j: : : : : : :ヽ、
　　　　 ｀ ￢くく乙( ｘ‐ｒく <⌒ヽヽ: : : :.:.:.:::.: )
　　　　　 　 　 　 〃｀小. ヽ ー' ﾉ: : :.:.:.:::ノく
　　　　　　　　　人ｰ彡∧ 〈￣: :`:ｰ:ｒ : : :ヽ: ＼
　　　　　　　　（::.:.:.///　iﾍ.丶: : : : :.i : : : : :ヽ: 〉
　 　 　 　 　 　 〉:.〈//　｜ i＼＼: : :.i : : : : : : ＼
　　　　　　　　/:.:./ｊ_j 　 |　ｉ:.: :＼.>: :ｉ : : : : : : : : ＼
　 　 　 　 　 /:.:.//　　 ｜ i: : : : : : : :i : : : : : : : : : : ＼
. 　 　 　 　 /:.:.//　i　　 |　ｉ: : : : : : : :i : : : : : : : : : : : : ＼

　　　　　　　　　　　　　Lucie Cowan

「こいつが末っ子で、長男のラムゼー・キャンベル・カウンですぅ」

　　　　 　 　 　 ∨三三三三三三三三三三ﾆ/
　　　　　 ＿_　　ｌﾆ＞‐ '´￣￣￣｀ ｰ＜三三/
　　　　 〈三三二ﾆ―‐- ､ ＿＿＿　　 　 ｀ヽ|
　　　　　∨三三三三三三三三三三三三二二ニ￢
　　　　 　 ヽ三三二ニニﾆﾆニ二二三三三三三／
　　　　　　　Ｙ´::.::.::.::.::/:l::.::.::.::.::.:＼::.:｀ヽ::＜三／
.　　　　　　 ,'::.::.::.::.::.〃∧::l::ヽ::､::.::.ヽ、::.｀、:l:T
　　　　　　｜::.::.::.フ７￢‐､ヾ､:＼>､:|-ﾍ::.::.}::!:|
　　　　　　 {::.::／代了圷ﾐヽ.　＼行‐t予l:ﾉ/::|
　　 　 　 　 !::.::.::.:|　ゞ-'′　 ＼　 辷ｼ '/:/::./　　　　まぁ、この配役は予想できたよね
　　　　　　　|::.::.::.:ゝ 　 　 　 , 　 　 　 厶ﾉ::.;′
　　　　　　　ヽ.::.::l|ヽ、　 　 r-､ 　 　 ／::.::/
　　 　 　 　 　 ＼:ﾄ､:j＞ ､　　　_,.ィ:´::;:l:: /
　　 　 　 　 　 　 ヽ ｀　,.ｲ ｀¨´ ﾄ､ﾚ'|/ |:/
　　　 　 　 　 　 __,.　'´＿＞v＜　｀ヽ、′
　　　　　　 ┌イ　　／／了,ﾊ＼＼ヽ ｀┬ｧ
　　　　 　 ／7 |　　{ く／ノ/引ヽヽノﾉ　 | }-､
.　　　 　 /:.:.:.:{ |　　｀ｰ'´//l弓| |｀ｰ′　 | } :.:l

　　　　　　　　　Ramsey Campbell Cowan

>>480
・・・やはり男役ですか。蒼さん・・・

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　　 ⌒　　 ⌒＼
　　　　　　　 　 ／　　　（ ●）　（ ●）ヽ　　　お父上はご不在ですかお？
　 　 　 　 　 　 l　 　 　 ⌒（__人__）⌒　|
　　　　　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ

　　　　　　　　　　 　 ＞'´　／　　 ∧　 　 ｜　　　　i|　ヽ.　 　 　 ＼
　　　　　　 　　　　／ 　 ／ 　 　 /::::ヽ　_,斗:.:.:.: : 　 |　　 !　　:...　　 ＼
　　　　　　 　　 　 〉 　 丨　　　　::ー‐^´¨　|:.: : !:.:..　ﾄ､　 |　　 :.:.:...　: :..｀ー-､
　 　 　 　 　 　 　 |　　　| 　ｉｌ　　::|　　 　 　 ! ::∧:. :. 　,=‐ｉ　　　:.:.:.:.:...:.:.:..:.:.／
　　 　 　 　 　 　 /　.:.:.:.:|　 i| 　 ::| 　 　　　 | / ,ｨ|,.イ´__ ∧　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　　　/ :::／イl|　 ｌ|　 ::|=､＞ｰ=､ ｉ′|:rレ弍¨ヽ ﾄ :.:.:.:.:.:.:.:.:.／
　　　　　　　　./::／　 /　　　|　　|´戈¨Ｔ |ﾄ==､||　弋__ソ‐|/.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　ﾚ'゜ 　 /　／　 iヾヽ! 辷_ソ｣|　　 ヽ=＝＝=='　ﾏヽ.:.:r-‐'´
　ｒr‐、 　 　 　 　 　 レ'　ﾚ'〉　! ヾﾆ==＝ ′〈　　　　 　 　 　 'ノ::;;;>
　ﾄ'　| 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ヾﾇ、　　　　　 ｀　　　　　　　,/‐'´
　| 　|　　　　　　　　　　　 　 　 ￣ヽ　　 　 　 ー‐　　　 　 /
..ﾉ 　l'⌒!　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　　 　 　 　 　 _, ィ´
´　ノ^ヽ '､　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀¨ﾆt-　　-‐'　ﾄ-┐
　　／｀ヽ.ヽ、　　　　　　　　　　＿　 　/´iイ　　　　　 |/　ヽ―-- ､__
　　 ‐'´｀ヽ. ｉ､　　　　　 　 　 ／i　 ゞ7″ | ′　　 　／　 　 |　　　 　｀ヽ、
＼ 　　イ-' 　ヽ　　　　 　 ／　 i　　/　,ﾍ |＿___,_／ |―､　 |　　　　/　　ヽ.
　 ヽ.　 ″　 　 ｌ　　 　 ／-‐'´ | .//／　ヽﾄ-―/ニ,ﾉ　　＼| 　 　 /　　 ＼'､
　　　＼　 　 　 l.　,.-‐' 　 　 :　ﾚ' ′　　く !　 //　　　　　　　 　 / 　 　 　 ヾ、
　 　 　 |　　　　.ﾄ''　　　　　　! .|　r―┐　 | ,//　　　　　　:. ｌ　 /　　　　　　　｀ヽ、

　　　　　　　　　　　　　　　　　Samuel Campbell Cowan
　　 　 く/',二二ヽ>　
　　　　 |l |ノﾉｲﾊ)）　　お父様はサミュエル・キャンベル・カウンと言いますが、
　 　 　 |l |ﾘﾟ -ﾟﾉｌ|　　 １９１８年６月２２日に亡くなっているですぅ
　　 　 ﾉl_|(l_介｣).|　　 つまりあんたが神戸港を出る（６月２９日）直前に亡くなっているんですよ？
　　　 ≦ノ｀ヽﾉﾍ≧　　ここんところは試験に出るので、よっく覚えておくですぅ
.　　　ミく二二二〉ﾐ
　　　　 　＿＿＿
　　　　／　　 　　＼
　　 ／　 _ノ ''　'ー　＼　　　　　　　は、はぁ……
　／　u （●）　 （●）　 ＼　　　　　これは失礼しましたお
　|　 　　　 （__人__）　 　　|
　＼ 　 　 　｀ ⌒´　　　／

http://www.dbs.eastdunbarton.gov.uk/Web%20Site/Live/community/repositorypdf.nsf/fd1c797c26dcd53d80256c940031c9b4/a752ed808318493b80256f8c004edbd3/$FILE/GD197.pdf

　　　　　 　 　 　 　 　 ,　-=ﾆニﾆ≧ ､
　　　　　　　　　 　 ／ ´+ ※　 ※ +ヽ＼
　　　　　　　　　　// +_r冖^::丁:｢:ﾄﾐヽ､＼ヽ、
　　　 　 　 　 　 〃 ／:l:::l::j::.::l|:::|::|::.:ヽ::.＼}〈
.　　　　　　　 　 ﾊ/::.::.:|::.|::l::.::l|:: ﾄ:ﾚく::.::､::.:lハ
　　　　　　　　　l {::.::.::.ｌ|::|::|:::/|l:::| l|ｘ=ｬ､|::.:l}::.ヽ
　　　　　　　　　| l::.l::､::Vｨ7厶ｌﾊ:j　ﾍ:::ﾉ!|ﾊﾉ|::.::.:＼
　　　　　　　　　｀T:ﾄ､:ヽヽれ:::〉　 ,　　"ﾘl　ﾉ:_::_::_:::ヽ、
.　　　　　 　 　 　 ヽ:::ヽ::＼ﾐ｀ﾞ　　<__} ,.仏 ﾄ{ r'´: :｀丶ﾐー--冖､
　　　　　 　 　 　 　 ｀ヽﾄ､｀丁≧┬r彡' _｣/ ヽ: : : : : : : :｀: : :八:_ヽ-ｭ　　　　 　 　 　 　 /^h
　　　　　　　　　　　　　j:::}　}:｣ rｰ≠()く⌒ヽ　 ＼: : : : : : : : :／ｲ ｌ｢　｀ ー--―rv､　 ／ //
　　　　　　　　　　　　 /:::| /: r1V／ﾉｌﾄ､＼_}＼ >r ￣､l ,‐┐ヽV | |　　　 　 　 { l|冫´-ｸノ
　　　　 　 　 　 　 　 /::.:｢//: r1ｲ /　|:ﾄ､＼ 　 ｀丶、 /|ヽ　}_:_:;:ィ! Y￢ｰ- ､　　}||廴／
　　　　　　　　　　　/::.:rく: : : >}｛//　|::Vﾍ }　　r-vﾊ￣｀ヽﾉ::.::∨ﾄ､ﾊ＼　　 ￣
　　　　　　　　　 ／::.::厶: ヽ:勹 ,'::|　 ヽ:∨乙ﾍﾉ, ｲ::.:丶､ ::.:::＼::.:|: : /〉 〉
　　　　　　 　 ／:::_r1{＞<＼/:7::::ﾄﾍr-ﾍ:＼r-'´≧ヽ､__::｀ヽ、::.｀ | :〃:/
　　　 　 　 ／r‐'´※ ハ|: : ハ{:_:_广:;ゝ二ﾆこr'′: : : :Y＞､::｀丶､V／ﾄ､
.　　　　 ／::.::;ヘ _／ 　 ヽ/: : ∨_／: : ｀ヽ｢∨: : : : : : : : ＼}＼::.::.::丶、::ヽ
　 　 ,.イ::.::／::.:rﾍ、 　 ／: ; :-'´／: : : : : : : : : :／: : : : : : : ヽ〉:｀ ｰ- ､:丶､＼

ここでイザベラ・リリアン・カウン（１９）の簡単な紹介をしましょう、１９００年３月生まれ
医者である父を意識して、１９１７年３月にグラスゴー大学医学部に入学しました
１９１９年３月までなら２年生です、この頃には解剖学の実習も行っていたようです

　 　 　 　　{:::.:::.:::＞.::´￣ヽ、　,. -一 ヽ＿
　　　　,. -┘.:::.:/:.:::.:::.:::.:::ﾉ::.Y:;＿__.:.:./.:.:.:.:.ヽ
　　　（.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:;:､;:;∠二:.ヽ｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:∟、
　　　　）:.:::.:::.:::.:::.:::.;　'´　／／〈.:.:.:.:＼ ＼.:.:.:.:.:.:.::ヽ-へ
　　ｒ''".:::.:::.:::.:::.:::／　/ /　/ ハ `ｰ‐┐＼ ヽ:.:.:.:.:.:.:ﾉ=ﾆ):＼
　　{ ::.:::.:::.:::.:::.; ′　　/ 　 　 　|　　　{_:.:.:.ヽ ヽ:.:.:.(二｀V/＾):､
　　 ￣つ.:::.::/ 　 /　,′　　　　| 　 　| ￣ヽﾊ. i.:.:.:.:.｀i!ヽ.!_/:./
　　　（:.:::.:::.::!l!　 l 　i　　　　　 |l!　　 |　　ノ:.:.| |:.:.:.:.:.:||:.ﾄ､;:ノ
　　　　｀７:.::|l| 　|　ﾊ　　　　　 ;'|　　　　 し-､| |:.:..:_ノ.|.:| |
　　　　　 ヽ|H　 |　| l__,　　　 / |　　/　 /　ノ|/:.:ん. l |:.| |　　　さ、あなたはジュードーの先生です、
　　　　　　 |ｌ!ヽ. 代「 ヽ.　 , / `ト､/!　,ｲ. く:.:/:.; -┘| L｣ !
　　　 　 　 |　 l Ｎ.--ミ ヽ/ｿ　_ﾚ'´ lメ /／ |／　 |　|　　 |　　　たくさんお召し上がり下さい
　　　 　 　 |　 ! |l,ｨ^h.､　　　 ´￣ ヽ　1　　| 　 　 |　|　　 |
　　　　　　 | ！（ { { | |　' ＿,　"""　ﾉ!| 　 |　　　 |　|　　 |　　　たくさん飲んで、たくさん食べる、
　　　　　　！.| |_＼　 ヽ、 　　 _,. ＜._| !　 |ヽ.　　 |　|　　 |
　 　 　　 　 !/〈.:.:.Y_>､　}､￣´;:;:;:;:;:;://| 　|:.:.::',　　ｌ　l 　　|　　　本当の勇士だったらそうなさらなくては
　　　　　　 ム-レく.:.:.:_}ﾉ:@;:ニ、;:;:;//;:;! ､|:.:.:.:.:L_　!　!　　|
　　 　 _,.∠=ﾆ〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ﾆ　 V;〈〈_;/|　ヽ:.:.:.:.:.:L_l　!　　|
　　　 `ｰﾆ二_‐ﾍ.:.:.:.:.:.:.:.:(ﾞこ 　/'^ﾍ V:.:＼　＼:.:.:.:.:{! |　　 !
　　　　　＜:.:.:.￣} .:.:.:.:.:.:.:｀}　ノ:.:..:.ハ V:.:_＞- ヽ.:.:.:.} |　　 i
　　　　　　|_＞'７.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y.:.:.:.:.:.:.:.::.:>'"　　／:.:r‐'´〉、　　i

.　　 //　　　,'　　　　 l｜　 　 　 　 　 　 |｜　　　　　 　 ',
　　 | ｌ　　　 | 　 　 　 | |　　　　　　　　　l .l　　　 |　| 　 ! |
　　 | !　　　 .!　| 　 　 ! !＿　　　 　 　 _/_/　 !　 ｌ　l　　! l
　　 ',|　　　　',　ｌ_.　 '"｢ ﾄ、｀　　　　 ´/' ｲ'｀丶､/ ,/　 / ,'　　　日本からはどんな船で、どこに寄ってきたのー？
　 　 ',　 ｌ　　 'r"ﾄ、　,.ヽ､_＼　　　 ／'／_／ //ヽ'　 / /
　　　 ＼ヽヽ　＼ ／_"｀ヽ`　` ｰ-'　 イ,ｨ_'｀ヾ､／ ／／
＼　　 　 ＞ `ト ｲ |-ｲJ　|　　　　　　　|-ｲJ　!ﾍイ !＼
＝`= -- K∠._!__, 弋＿ン　　　　　 　 弋＿ン ' lヘ イ|　　　　_
_-_‐‐''"　ｰ- .,＿|　　　　　 　 __'__　　　　　　 r二_ -‐'_.. -＝"-
　　　　　_.. ∠∠、　　　　　 i´ 　 ｀i　　　　　 rｰ`―ト .._
＿.. -‐'"_／''",∠ヽ､ 　　　　',　　 /　 　 　 ／＞ニ｢ 　　 ￣￣
' ヽ-‐＜<＿ ,　￣ｰ' /丶､　　`ー' 　 _.. ＜ ､__）￣ ｀`ト-　..＿_
　　　　　￣　　　　　',　 　 ｀丶--　'"　　　/　　　　　 ﾞｰ- ､..二

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　 　 　 　 　 　／　　_　－　￣｀´￣｀`ヽ　　＼
　　　　　　　 / 　 ／,.ィ: :⌒: ^V: :ﾊ/: :ヽ '､　　ﾍ
　　　　 　 ／　　/／:/: : : : : : : : : : : : : :ﾊ　'　　 ＼
　　　　　/ 　 　 {/: :/: : : : :, ｲ: : : /ヽ: : : :ﾊ ',　　 　ヽ　　　家はどんな仕事をしてるんですか？
　　　 　 ＼　　　': :_: -:‐:‐:/､ }: : /-─V: : }　!　　 ／
　　　 　 　 ＼ /: : : :/z=ミ、 /: :/ x ＝ミ、}: :}ﾄ､／　　　　 兄弟は何人いやがるんですか？
　　　　　　　 {小: :.〈{ ／心Ｙ . ' 〃ﾊ心　}〉: :}　}
　　　　　　 　l Ⅵ: :イ 乂ツ／　　 乂ツ /: :/} {
　　　 　 　 　{　{ﾊ:.:.|、　／、’　　,　　 /:/,:ｿ　Y
　　　　　　　 〉 　ヽ:}::ヘ　　 ｀¨¨´　 ／j:/　 ※ j
　 　 　 　 　 {　※　}:::::个ｭ 　 _　 ｲ::::从　　　　｀ヽ
　　　　　　　 〉　　 〈_:: zイ|　　　　トｭ::_〈　　 　 　 j

　　 ＼/　 ／:::::::::::..　, ' ´　　　　　l　　 　　＼ 　 　 ヽ
　　　　｀>'::::::::::. 　／　　　　　. .l　 |　 i 　 　　 ヽ 　 　｀ 、
　　　　/:::::::::.　／　 　 　 |　 .:::/　/、 |＼ 　, -‐ !　:..　、 !
.　　　/::::::::.　,.´:::::::.　　　 |　.::/／ _, V　 _メ､＿ ｉ 　:::　ﾊ !
　 　/:::::::..　/::::::::::::::.　 　 |ー≠‐'´__ ヾ、　-≦ｭ|　::::::ｲl ｌ|
　 　|_＿＿」::::::::::::::::::. 　 .l／＿≦==z　ヽ 　{ﾐｶ ! .::／ﾘ ′　　スコットランドへは何をしに来たんですか？
　　　　　 　|::::::::::,:::::::- ' ´ﾄ､ ＼_弋;ﾉ　　　　 ￣ |'´|
　　　　 　　∨:::::::':;::::::::::.　ヽヽ　 ￣　　　　 .ｌ　　|.　|
　　　　　　　∨::::::::':;::::::::::.　｀N　　　　ｒ-─ｧ 　 / i､|
　　　 　 　 　 ヽ::::::|::':;::::::::::..　ヽ　　 　｀　´ 　／. / `
　　　　　　　　　＼l､::､':;:::::::::.　ｉ　 　 　＿, イ::;、/
　　　　　　　　　　 ｀l/∨ヾ、:./ 　 　 l´　 　 V l/
　　　　　　　　　　 　 　　r-V _　 　　|__

　　　　/:::,! |　　 ..L.',_ﾄ. |',ﾄ　　　/ !./l/├ /￢ ￢､).:: /:.:.:.:./: ::::::::|　　　 |:
　 　 　 /:::::ﾊ.ﾄ　、　!　..l_ヽヽ＼､./ l/"´　l/_∠ |　 {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ﾉ|　　　 !:
　　　 　 ヽ|l　',ヽ ＼ !　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　ﾊr'＾,-ﾍ':::::::::}::!｜　 　.!:
.　 　 　 　 |　　　ト､ト. ＿_,､r' ,　　　｀ヾ＝＝≡| .　|/j〈ィ'>》_ノ".!::l　!　　　|:
　　　　　　|　 　 l　l.|. ',￣　　　　　　　　　　　　l　 ! .|:.ヾ ﾆﾌ　　 !::l.｜　　 |:　　あらあら、そんなに一度に尋ねては
　　　　 　 |　　　l　l|　|　　　r ' ´ ￣￣ヽ　　　｜ ｌ|　|／　 　 　 ヽ:| |l　 　 !
　 　 　 　 |　　 ./ /|　|＼　　',　　　 　　 l　　　ｌ　l ｌ　l 　　　　　　 　 |.! 　 ｜　　やる夫さんは困ってしまいますわ
.　 　　　　|　　/ /　|　|_. ＞、ヽ､ ＿ _,ノ　　　ｌ　l .ｌ　l 　　　　　 　 　 |.! 　 ｜
　　　　　 l|　 /,ｲ _..ｌ　l:.:.:.:.:.:.:丶.､_　　__,.､´::.:.,' .,'::|　| 　　　　　 　　　| !　　 !
　　 　 　 !|_ノ' r":.:.l　l:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊィｭﾍ:.:.:.:.:.:.:./ /:.:::!　!ヽ、　　　 　 　 .| l　　 |
　　　 _..'"ｨ´　 ﾄ､:.:.! .l:.:.:.:／｀`ヾ.ﾆﾝリ:.:.:.:.:./ ':.:.:.:.:|　|:.:.:/、　 　 　 　 ! !　　 !
　　＜._ <.|　　 ! ∨ ,'_:.:'-:.:.:.:.:.:.:`￢´:.:｀`:./:.:.:.:.:.:.:.!　!;/: : ＼　 　　　 ! l　　 |

　　　 　 γ⌒)　))
　 　　　 /　⊃＿＿　　　　　　　　　　　　　やる夫は質問攻めにあいましたが、
　 　〃/　/ ⌒　　⌒＼　　　　　　　　　　　微笑みを浮かべて返事を待つ姉妹を前にして
　　γ⌒)（ ⌒） 　（⌒） ＼ ∩⌒)　　　　　口もおのずと滑らかになりました、家族の事、学生時代の事、
　／ _ノ :::⌒（__人__）⌒ 〃/　ノ　　　　　　留学に来た経緯、さらにスコットランドに来てからの苦悩も……
（　 <|　 |　　　|r┬（　　　 /　/　））
( ＼　ヽ ＼ ＿`ー‐' 　／（ ⌒）
　　　　　　　　　　　　 　 /　/

　　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　　 ／　　　　　　 　 ＼　　　　 どんなに辛いことがあっても、昼はまだいいんだお（愚痴を書く程度だお）
　　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼　　　でも夜はヤバいんだお、勉強は捗らないし、
　　　 　 |　 　 　 （ー）　 （ー）　 |　　　留学に来たこと自体が間違いだったと思うこともあるお
　　　　　＼　 u. 　 （__人__）　,／　　　そう考えると、朝まで眠れない事もあるんだお……
　　　　　　ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼
　　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /

　　　　　　　　　　　　　　　_　-─ ─- ,-　､
　　　　　　　　　　　　rメ´── ､::::::::::::::｀ヽ ＼
　　　　　　　　　 　 〆　　 　 ／　 ｀ヽ;:::::::::::＼ ヽ
　　　　　　　　　　// /　/　/　　　　　 ＼::::::::::ｌ 　',
　　　　　　　　 ,イｲ　| メ、 ｌ　　　,イ 　l 　}＿::_}　　!　　……………………
　　　　　_, -ｰ' /ﾙ|　ｌ ｧ=ﾐ､! 　 // |　/! //｀ｌ|ヾ》　 i
　　　　/／￣　{|　| l ﾄ､ﾋｿ |　/二Zナ | ヾﾆｿﾍヽ 　 !
　　　　　　　　　､__}ﾊヽゝ , ｀´　 r'::ﾝヽ}／ }| |　ヾ＼ i
　　　　　　　　　｀ヽ:::| ∧　､ _　　｀´ ／　 /| | 　 ｀ヽﾆゝ
　　　　　　　　＜￣:::| 　|＼｀__　 ,ィ//　 ハ| |　　 l 　',

────こうして一日を楽しく過ごしたやる夫が一家に見送られて帰る時
　　　　　　リタがやる夫に声をかけました

　　　　　　　　　　　／;;;;r'￣´　　　　　　｀￣ゝ､;;;;;;;;;;ﾊヽ
　　　　　　　　　 ／ソ´　　　　　　　　　　　　　 (ﾍ;;;;;;;ﾊ）ﾊ
　　　　　　　　 /／´　　　　　 /　　 　 　 　 　 　 (ﾍ;;;;;;;|） ﾊ
　　 　 　 　 　 ﾚ'　　 　 　 　 /|　　　ヽヽ　ヽ　　　 （ﾍ;;;;|）　ﾊ　　　　　やる夫さん、日本のツヅミという楽器をお持ちと仰いましたね
　　　 　 　 　 /　 　 　 / 　 /│　　　 |＿＼|__|＿_　(ﾍ;|））　ﾊ
　　　 　 　 　 l　　　　/ 　l　|　|　　　r'|　　　|　ﾊ　　｀ ((!!)) 　 |　　　　いずれ、弟のジュードー稽古の後で合奏して頂けませんこと？
　　　 　 　 　 |　　 　 |　| 」-ﾄ､ﾄ､　　|　　　_x===|　　 }（（ﾄ､ヽ |
　　　 　 　 　 |　　　　レ|´|　|　| ヽ　|　 ｒテ´　　 | /　ハヽ__」〉|　　　　私はピアノでお相手させて頂きますわぁ
　　　 　 　 ＿| |　　　 | |　|_==ヾ､ ∨　　　 　 　 |/　/　{{￣￣||
　　　　　 〈l￣〉ﾊﾊ ＼＼xﾞ　　　　 , 　　　　　　 /／/ / llヾ〉　|||
　　　　　　ヾ_'-'∧. ヽ ＼＼　 　 　 _　 ノ 　 　 jﾉ ,ｲ /|　ll |ヾ_　|　　　 /
　　　　　　 /||ゞ´∧　＼_＼ゝ　　　　　　　　　 ／//　|　{{|　 |　|　 　 /;;;
　 　 　 　 /／´||　〉〉､_ ヽ￣ヽ､　　　　　　　　／ｲ‐,,/　 ﾞ|　 |　|∧／;;;;;;
　　　　　//　　 ﾞ　|_|　/＼＼＿|｀　- -､-　＜￣;;;;;/l　　 } /｀│＿;;;;;;;;;;;
　 　 　 /＼ー─-､　/　 /￣/| 　 || 　 |;;;;;;;|;;;;;;;;;;;//|　　 |＿／;;;;;;;;| ;;;;;;;
　___＿/＿__〉;;;;;;;;;;;;>'　 /　 /l l/　||　　|;;;;;∧;;;;;;;;;/_ |　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ;;;;;;;
__ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//　/|　/-ﾄ─--'￣＼/　|ヽ;;;/　 | /ﾚ';;;;;;;;';;;;;;;;;;;;| ;;;;;;
＿;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ｲ　/;;;|/;;;;;;;;;;;;;;;/》／　　　 ＼　 《 ﾚ'/;;|;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;| ;;;;;;
＞;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;|　|;;;;;;;;;十､／ヽ-へへへ／￣《/;;;/;;;;;;;/;;;;;;;;;;＜´| ;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　|;;;;;;;／|´　《ミＹ≡》）　　　 《/;;;/;;;;;∠;;;;;;;;;;;;;;;;;;〈￣￣
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／|;;;;;;;;;;;;ﾚ/;;／;;;/　　 ゞ===ﾞ´　　 　《/;;;;;ﾚ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼

　　　　　　＿＿＿＿
　　　　／　　⌒　　＾＼
　　 ／　　（ ●） 　（●）　　　　　は、はいだお（最初の挨拶から初めて喋ったお）
　／　　::::::⌒（＿人__）⌒ヽ
　|　　　　　　　|r┬-|　　　|
　＼ 　　 　 　　`ー'´　 ／

　　　　　　　　　 　 ,ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..::/.:.:.:.::::::::;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　 　 　 ／::／.:.:.:.:.::.:.:.:::/:.:/|::.:.::::ｉ:::/7:.:.:;/:.:..:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　 /,ｲ:.:.:..:.:.:.:.::/::.:;ｨ'.::/　|:.:.::::ｉ;/　|:.:.:|ｉ.:.:..:.:.:.:.:.::
　　　　　　 　 '"/:.:.:.:.:./:..:/.:.::7::_/__,ノ|.:.:.::ｉ:|　 |:.:| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　んー！やる夫の留学３ヶ月目にしてロマンスの予感！
　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:/:.:/.:.:/ |:/　　　 |:.:.::|' ｀ｰ|-|-|:.:.:.:.:.:.:.::
　　 　 　 　 　 |:.:.::／|:./7|::ﾊ 三ﾆｭ､　 |:.:::{　　 ヽ|　＼.:.:.:.:.::　　　ホームシックも解消しそうでよかったねー！
　　　 　 　 　 j::／　 |//:.:ﾘ::j　　　　 　 ヽ:|　ヾﾆ三.　/:ヽ､::.:
　　　 　 　 　 '"　　 　 |:.:.::::ﾉ　 　 ゝ-､__,　　 　 　 ・/.:.:.:.::∨
　　 　 　 　 　 　 　 　 |:.:.::∧　 　 V.__丿　　 　 　 /.:.:.:.::/ }.:
　　　　　　　　 　 　 　 |:.:..:.:::::ヽ、　　　　　 　 　 ,/.:.:.:.::./ノ.:.
　　　　　 　 　 　 　 　 |:.:.:.:.:ｉ:| 　 ｀ ｰ‐ｧ-‐τﾆ´/:.:.:.::ノ:.:.::ｉ:.:
　　　　　　　　 　 　 　 |:.:.:.:.ｉ:| 　 　 　 ｊ　 ,ィ´／:.:.:,ｨ´::.ｉ:.:.:.|:.:
　　　　　　　　 　 　 　 | :.:.:::ｉ|　 　 /｀`／ ／:.:.:／　|:.:.:.|:.:.:.|.:　　ｿｼﾃﾜﾀｼ!! ﾊﾂﾄｳｼﾞｮｳｵﾒﾃﾞﾄｳ!!
　　　　　　　　　　　 　 |:.:.:.::ｉ|.　　/　/　 /:.:.:／ ,r' ~｀ﾍ::|.::.:.|:

　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 /＾⌒７　　 ｀ー
　　　　　　　　　　　　　/　　 /　　　　　　 ｀ヽ
　　　　　 　 　 　 　 ／ 　 　｛　　 　 ｛　 　 　 '、　　　　ええ、そうなんですが……
　　　　　　　　　　 /　/ 　 ､∧{　　 ﾄ 丶 　　　ﾍ
　　 　 　 　 　 　 /　/ 　 //＼'、　 |､_メ＼　　八　　　 実はこの「カウン家との出会い」なんですが、
　　　 　 　 　 　 ｛. ｲ{ 　 ﾄf弋;;)ﾑ. ^ﾄ､弋;;)!ゝ ﾄ　ゝ
.　　　　　　 　 　 ∨い　小 二彡ﾍ_{ゝﾆ彡|　│　　　　 やる夫の自伝「ウイスキーと私」によれば、カウン家に初めて招かれたのは
　　　　　　　　　　 　｝ ＼| lU7 　,＿_　　 ｲ,イ{
　　　 　 　 　 　 　 / 　 リ 〉=ﾄ≧r―r＜ノ　八　　　　　「１９１９年６月も終わりに近づいたある日」となっています、
　　　　　　　　　　/　　ﾉ ﾊ|　　Yﾍ¨¨7／　ノ　 ヽ
　　　 　 　 　 　 /　／ 〃 |　　 |__∨/　xく 　ヽ　＼　　「ヒゲのウヰスキー誕生す」には初夏とあるので、だいたい同じ時期ですね
　 　 　 　 　 　 ｛/（　　{　│　　}7只|／ﾍ　∨ ハ　｝
　　　　　　　　　ヽハ　 j　 `┬‐' ＼i〉　　|　 ヽ 　｝（
　　　　　　　　　　∨} 人　　/`ー───|＿__｝ 人 ヽ
　　　　　　　　 　 /／　 ∨/　/　l　|　l　 | ﾉ　∨　 ＼}
　　　　　　　　　　 　 　 　 l　/　│ |　l　 |(う_ノ
　　　　　　　　＿
　　　　　　　〃⌒ヽ
　　　　　　　{{　　　　　 　 　 　 　 　 　 　
　　　　　 　 ヾ､＿＿＿／ヽ＿＿_　 　 　
　　 　 　 　 ／::.::.::.::.::.::.::.::.::|::.::.::.::.:＞　　
　　　　　　/::.::./::.::.::.::.::ｲ::.::.|::.ヽ::. ＼　 　え？
　　　　 　 |::.::/::.::.r::ﾅﾒ |::.::∧ヽ}::.:ｒ､:＼　
　　　　 　 |::. ﾚ'::.::.〃　 |::./　∨|::.:リ＼:|　なにその時間差
　　　　　　|::.::.|::.;ｲ≡≡|/ ≡≡l:.::|　　 　
.　　　　 　 〉::.:K}::ヽ'''　､__, 　 ﾟ{::ﾄ､|　　 　 スペイサイドに行ったのは４月中旬だから
　　　　 　 |::.:/::.|:.::.:ヽ　し'　,.イ::l　　 　 　
　　 　 　 /::/::.::ｊ::>‐-､ヽ7ﾌﾉ/::/　　　　　２月か３月頃の話じゃないの？
.　　　 　/::/::.:://　　　＼:/::／ 　 　 　 　
　　　　/::/::.:://　l　　 　 厂
　　 　 |::.{::. // ∨　　　　ヽ
　　 　 |::.|::.ﾚ' 　 L＿,.r┬┘
　　 　 |::.|:/　　 　 |:::::::::|

　　　　　　　　　　　 _＿,.-──／|,-‐──‐┐
　　　　　　 ,.ｨ'"￣￣　　　　　　　 |: 　 　 　 ､:{
　　　 　 ／　　　　　　　　ｉ　::　 　 |:　 ､　　　｀ヽ、
　　　　/　 ﾉ　　 　 　 , 　 |　::　 　 |::　.| ｉ　　＼.　＼
　　　 /　 /　　 　 　 /　 /|: ｉ::. 　 ｉ:|:: /|: |　:　 ∧:.　 ＼　　　　　ここで「リタとウイスキー」によれば、
　　　ｉ　ｉ/　 ,' 　 /　ｉ　 /　|: |:::.　 | |/　|: |　i:　　ﾊ::　　∧
　 　 ｊ ノ　 /　　,'　,|:‐/‐- |: |::::　 | |'-‐|-|､ |:　　 |::　､:. ∧　　　やる夫が１９１９年３月４日にグラスゴー大学に提出した、
　　 /' 　 /　　.:ｉ　/|:/__､　 |ﾉ::::　∧{,__ |,/ | |::　　|:::.　|::　ﾊ
　　/ 　 /:|　　::| / ,ｨﾁ心､　|::::: / ,ｨﾁ心､　| |::　　|::::　|ヽ､: }　　有機化学コースの登録申込書には
　　|　 /: .:|　 :::|:|,ｲ ｆ_ﾉ:::|゛　ｊ;／　"|_ﾉ:::| `∧|::　 /::::: /　 ｊ/
　　j／| : ::∨ ::|::| ､ Vｨ::| 　 }‐{.　　|ｨ::;ﾘ ,'ﾊ　　 /|:::: /　　　　　 住所が「カーカンテロフ、ミドルクロフト」と書かれています。
　　　 | ｉ: : ::ヽ､|: |　゛-‐　 ,ﾉ　 ヽ　 ‐-" ,{:::|　 /i ｊ／
　　　 | |: : :|: : : ∧｀ｰ-‐'"　 _｀　｀ｰ-‐'";::::j／: |　　　　　　　　 これはカウン家の住所そのものです
　　　 | ｊ: ::人:: :.　 ＼､　　 （_,ﾉ　　 　 ,ｨ::: : :|:: : |
　　　 j/: : : ::＼::: :　 ｀ヽ＞,r/')､._‐＜:::|:::: : |:: : |
　 　 /: : :/: : : ,ヘ、::.　　ｒ'.//,/// 　 |｀|:: :　|:::　|
　　/: : :/ : : :/　　＼::::　ｊ 　 　,/　-‐|　|::　 ,ﾄ､:∧
　 /: : :/: : : ::{'　　　　ヽ.ﾉ　　 ﾉヽ､＿|　|::　/:　}::∧
　ｊ: : : {: : : : ::|　　　 ｉ:ｊ"￣￣￣|::: }::::|　|:: / ｉ:　|:: ∧

　　　　　　 }´￣｀ｰ--/｀＼_＿＿__
　　　　　　ﾉ;　 　 　 /　 　 　 　 　 ￣｀ヽ、
　 　 　 ／´　　　　 {　　　　　;::　 　 ノｉ. 　＼　　　　つまりこの頃にはやる夫はカウン家に下宿したのではないか、早ければ１９１８年１２月には
　 　 ／　　　　/　/|　　　 　,':: 　　（_,ﾉヽ..　 ﾊ
　 ／ ,'　　　 /　 /| |　　　 /'|　ｉ　　　　 ∧.　 }　　　やる夫はカウン家のクリスマスパーティーに出席していたのではないか、というのが
../　;/ 　 u　 ｊ __ノ|' | 　 　:|　|ヽｉ.＿　　　 ∧　|
/　,ｲ　　　 　|　|　|　|　　 ::|　|　:|ヽ　　 　　 ﾊ. |　　 「リタとウイスキー」著者O.チェックランドの考えです、
| :/ |　　 .|　 |　|　!　∨　 ::| uヽ:|　∨　::　ｉ　∧|
|/　 |　　:|　/ヽ| `ｒｭ　∨ ::| 　 `ｒｭ　∨ ::　ﾄ､　〉　　 これだとやる夫がグラスゴーにやって来た直後にエラと出会っている事になります
　　 ∨　:|　|∧　 |::| 　 }ヽ:|　　 |::| 　ﾊ :::/::::∨|
　　　 ｀ヽﾄ､|::::ｊ　　~　ノ　 ヽ.　　~　,,{:::|:/::::::　 |　　 「ウイスキーと私」には、「留学して初めての冬はローゼスの収税官吏の家に下宿した」と
　　　　　 |:::::|::ヽ､-‐"　ｒ:っ　゛‐-‐";;:::::ｉ_:::::::　 |
　　　　　 |:::λ::::{::;＞‐ｒ-";r‐‐＜:;:|:: :;//__:::::ｉ {　　　書かれていますが、ローゼスからグラスゴーまでは鉄道で３００ｋｍ弱、当然通える距離ではありません
　　　　　 ｊ/::::ヽ､｀ヽ、 |_＿|　　　 {｀Ｙ /ﾉﾉｭ::| ﾊ
　　　　　/:::::::.{´ ＼　＼　 |　 　 /ゝ´ ￣ ,ｲ:::ｉ ∧　 冬休みか春休みの時期に短期研修を行ったという可能性もありますが……
　　 　 /::::::::::|　 　 〉　 〉 ,|　　./ /`ｰ-‐゛　〉:|　∧

　　　　　　　,ｒ:-::‐:::-:.､
　　　　　 　 |:/"￣｀ヽ::}
　　　　__,.:-┴::─ｨ'ヽｊ/:‐:-.､
　　,.ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ::.::.:.:.:｀ヽ、
　,/:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.::ｉ:.:.:.:.:.::|:.:.:.ヽ､:::.:.＼　　　　えーとじゃあ、やる夫は渡英してグラスゴーにやって来た直後から
../:.:.:.:.:.:.,'.:.:.:.:::ｉ::.:|;/|:.:.:.:|:.:|ｉ:.:.:.:ﾍ:::.:.::ﾍ
.ｊ.......:.:.:/:.:.:.::;-ｉ‐-　|:.:.:.:|:.:||‐-:.:ﾊ:::.:.:ハ　　 カウン家に下宿してたって事？
l: : : :.:/:.:.:.:.:.:/|:.:|.　|:.:.::ﾘｊ/| ∨:.:.:|::::∧:|
{:.:.:.::/:.:./::.:/__ｊ;/_　|:.:/　__!__|:V:..}:.:}
∨:〃::/:.:./ｵ≡≡ ｊ;/　≡≡|:.∨::/
. ∨:.:/:.::/:| 　　　　　　　　 ’|::.:|;/
　 |::/.:.:/::.:|､゛　　 ｰ'ｰ'　　 ィ|::.:|

　　　　　　　　　　　　 ／ﾊ　,　 .- ..、
　　　　　　　　,　. : :: ´: : ::ﾊ´: : : : : ﾊ
　　　　　 ,. :´: : : : : : : j: : : ﾊ: : : : : : :ヽ
　　 　 ／: :,/: : : : : : :ﾊ:.l: : :Λ: : : : : : :.＼　　　　　　　その可能性はあると思います。また、父親の
　 　 /: : :,:': : : :/:,:-:/l V,i : : ::l ヽ､、', : : : 丶
　　 ,': :i:/: : : : ｨ´: ,/ ,'　V,: : :,:l　 ﾏ:ヽ: : : : : ハ　　　　 サミュエル・カウン氏が亡くなったのも、「ヒゲと勲章」では言及無し、
. 　 l: :,/: : /:: :,l: :.ｨﾆ芹、 V:: :.:l芹ﾐ::, l: :.V : : : ﾊ
. 　 l:./: : ,': : : l: /ん::ﾊ　　 l: : jんハV: : : V::,i､: :l　　　 「ウイスキーと私」では大正９年（１９２０年）の夏、
.　 У: : :l:: : :/ﾘ　bにc　 '._}:ノ,に:c ,ﾊ.: : : l: l ﾏ:.l
. 　{: : ::ﾊl : : l:l　 弋:ソ 　 厂'. ゝ::ソ l: l: : :/:/　リ　　　 「ヒゲのウヰスキー誕生す」では始めてカウン家を訪れた
　　ﾏ: ﾚ'|:V: :l:ゝ、 '' __　ノ __' ゝ、__ iィ:／:/　　　　　　 初夏の日の一ヶ月前、つまり１９１９年晩春の頃、
　　 |ヾゝl:ﾊ、',,-, ￣　　 （:::ﾉ　　　ノ::´ｌ::ｲ
　　 |: :l: :Vﾊ::/ /､／ﾉ_　　　　 ィ´:l: : jl: :|　　　　　　　 となっています、しかし事実は１９１８年なのは公文書からしても
　　 |: :l: : V〉 ,/ ´,／ノ￣T=´: ::|:.::l: : ﾊ: |
　　 |: /: : ivヽ　　　´_う　 ゞﾆミ,|: ,': ::,':ﾊ　　　　　　　　動かしがたい所です
　　 l/: : :≦,ｨ;ヽ　　　}　　　|///,/: : :j:.::ﾊ
.　 /: : : :l　〈三三三三》－ｲ//,/: : :/ヽ: Λ
　/: : : : :|　 ﾄ三三三イ 　 ,///:: : /　 |: : ﾊ
,/: : : : : :|　 |　　　　　|ゞ_ノ/ｲ: :.::/　　,|: : : l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──┐
　　　　　　　　　　, ―-　 ＿,「` ー‐-　　_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i二ニニ二i
　　　 　 　 　 　 /: : : : : : : : :! : : : : : : : : : :｀ '.　、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（((/从从iヾ　+1ｯﾃ
　　　　　　　　 /: /: : : : : : : :!: : : : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘﾟ- ﾟ.ﾉﾘW
　　　　　　 　 ,': /: : : : : /: : | : : : i .:i : , : : : :, : i: : : ',　　　　　　やる夫は未亡人と３人のお嬢さん＋１が
.　　　　　　　 l./　　　 ./: : : | : : : |:/! : !: : : : ', :,l: : : :',
　　　　 　 　 /. . : : : :/ : ,. ｧl : : : |:| l:` l､.: : : : ﾊl. . ,　!　　　　　住む家に下宿していたというのを
.　　　 　 　 / : : /: : ,'／: /　l: : : :l:!　、:'､＼: : `' !: :!: :!
　 　 　 　 /: : : ,': : .:ｌ: : :/＿_l: : : :l|　_ヽ_lヽ、.: .: ヽ |: :|　　　　　ちょっと自伝には書きづらかったのかもしれませんね
　　　　　 ,': : : :l:i : : |: :/, 〒.､! : : :!　 ,〒 ﾐ ヽ.: : : ヽ: :!
　　 　 　 l: : : /!ｌ: .: ,L/トi':::Nヽ: : :l　 トi':::Nヽ_ヽ.: .: :',:l　　　　　 もっともカウン家は元々病院ですし、自宅ではなく、
　　　　　 ヽ: :l. ｌ|: :/ ﾑ弋二ﾉ　!`-l　弋二ﾉ l. ｌl.:〉、: l:!
　　　　　　 ヽ! ヾ {「 rｲヽ二 .ノ　, 丶､ 二（ ヾ 〉 : l: /l　　　　　 病室の１つをやる夫に貸していたとすれば
　　　　　　　　 ,'.:〉! ヽ V ,/　 　 ｏ　　 ヽヽｩ　〉: : l/ l!
　　　　　　　　,':/.:,ヽ　　　）` tz---t '' 7'"　 } `ヽ : : ',　　　　　そんなに変な話でも無いと思われますが、
　 　 　 　 　 //.:/.{￣｀ ''くl:.:.:.|　　　l,. ┴ ''' ´l / ヽ: : :',
　　　　　　 //.: :|,/ミミ､､、 ヽ:|´￣ {　 ,. ,., 彡!'　　!:ヽ :',
　　　　　 ／.: .: / `　、　``ミ!:.l. 　 ﾊ彡'　, - ' ` ､ |: :丶ヽ
　　　　 /: .: .: .: !　　　　ヽ __}ヽ!　 ,!/‐'"　　　 　 l |: : : :＼ヽ
　　　 /: : .: .: .: :|　　　　　　 lヾ.!　l |　　　　　　　{ ! : : : : : ` ',

　 ,／:::〃::::::::::/::::∠//l:::::::::l::::i::::::!:::::::
　/::／/:;:::::::::/:::::/::/!　l、::::::!:::ト､:l:::::::::
.〃 　 l/l::::::::l:::::ｲ::/ | 　 l:::::∧::lヽ＼:::::::
　　　 　 !:::::::!:::/ﾚｰ l　　 !::i　l:::i　ヾ ､:::::
　　　 　 l:::::::i::::! l-　l　　 ｌ:l　 '､| __ ヾ､::::　　　うーん、事実はやる夫のみぞ知るかー
　　　　　|::::ｲl:::ｌ .ﾄ_ｼ　 　 l 　 ｆ ､　ﾌi ∧::
　　　 　 ヽ::l||::i　　　　　　　　|　Ｊﾉ//::::!::i
　　　　　　! ||:::＼ 　_ｰ､_,　　 ｀´・//::::::∨
　　 　 　 　 ｌ|::::::i:／/ヽ、＿_ ,..-//::::::/::!::
　　 　 　 　 |ｌ:::r// / /i l ／::::::〃::::::/::::l:::
　　 　 　 　 ||:::l　　　　ﾚ:::::::::::::/:::::::,'::::::::!:::

　 　　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.| ::::::::::::　　 　 ヽ、
　 　 　 　 /:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |ヽ､ ::::::::::　　 　 ∧　　　　　やる夫にしてみれば賄い付きの宿泊ができ、
　　　　　 |:::::/::::::::ﾉ::::::/:::::::: ,ｊ:::::::::　| |∨　::::::::ｉ　　 :　 ﾍ
　　 　 　 |:::/::::／:::::::::/:::::: / |:::::: 　 | |　∨　:::::|　 　 ::　 ﾍ　　　 柔道を教える事で礼金も貰え、カウン家からすれば
　　　　　|:/／:::::::::::::/::: ／|　|::ｉ:　 :: | |　 ∨　::::|　 　 |:　 λ
　　　　　ｊ/:::::::::::::,-/-─-/　 | |　 ｉ: |-|─-|-､ ::|　 　 |: 　 ﾊ　　 父親を失い、収入の無い中で、やる夫の下宿代は
　　　　 /::/::::::::::: /:／ __/_.　 | ｊ　 ｊ |._!__　 V　 ::|　 　 |:　　 |
　 　 　 |:::|:::::::::::: ﾊ ,ｨｆﾁﾃｵ､　ｊ/　/|:|ｵﾃﾐｫ､∨ ::|　 　 |: 　　|　　　貴重な収入源であったと考えられます
　　　　|:::|::::::::::　|:ﾊ　んｨ::ﾊ　ｊ_,,ノ　ﾘんｨ::ﾊ `ﾊ ｊ: 　 　|::　,/ﾘ
　　　　|/|::ヽ､:::　|::ﾊ `~-‐" 　}＝{ 　`~‐-" ,ﾊ,/ 　 ,ｨ j;／　　　　余談ですが、カウン家の自宅はその後１９２０年に
　　　　　|::::/:ｉヽ､{:ｉ`:ｊ､ _＿_,ノ　´ 丶_＿__ ,ﾉ{::::}　 / ｊﾉ
　　　　　|:/::::|:::　 | ::ヽ、　　　 ｰ-‐　　　 ノ:::::::ｊ,ノ　 |　　　　　　 市当局に売却され、その後市庁舎として使われたそうです、
　　　　　/ : ::|:: 　 |:::ｉ|:::｀＞‐-〟　,-‐＜´:i|::::::::|／:λ
　 　 　 / :::::::|::::　 |::,イ´ .＼,ｨｊ　　 {､,／ｒ'´ヽ／ｊ ::::: ﾊ　　　　　　これにより売却益を得ることができ、カウン家の家計は
　 　 ／"::::::::;|::: 　 |´ ｀ヽ、　￣￣￣　　(´￣~_,〉 :::　ﾍ
　 ／ :::::::::/´/|::　　|　　　 ゛　 ~~"´　／(＿￣　 〉 ::::　ﾍ　　　　 一気に改善される事になります
../ ::::::::::::/ ./　|:　　 |　　 　 　 　　／ﾉ　,ゝ、￣ ﾉヽ、::　 ﾍ

　　　　　　　　　　　　　　r-､
　　　　　　 　 　 rｰ―― !: : `´￣｀. .' . ､
　　　　　　　　　,!: : : : : : :!: i : i､: : : : : : : :ヽ、
　　　　　　 　 /: : : : : / /|: | : l:!ヽ : : : : ヽ : :ヽ
　　　　　　　/ : : : : : ,': ,' .! l: : !|　l: i、: : : ヽｉ : ',
　　　 　 　 / : : : ,: : ,!-!‐ !,ｌ: : l:!　!‐!- ､ : : ヽ : !　　　　　　ともあれ、この話では、３月までにやる夫はカウン家を訪れ、
.　　　　　 ,': i: : : i: : :l :l　 lﾉ!: : !!　|/　ヽ : : i: ',: |
　　　　　 l : |: : : !: : :N　 ＿! : ﾘ　' ＿　ヽ: :|: :V　　　　　　 カウン家に下宿するようになった、という説を採用します
　　 　 　 |: /!: : :|: : l. ,´＝= `r‐{.　=＝ミ!i: :ｈ: !
　　　　　 l/　!: : i、:ｉ'{ ''''　 　ﾉ ,.ヽ　　''''ﾉ,ﾊ:ｌ,ﾊ,!
　　　　　　　 ヽ: l ヽ!:`iｰ‐‐'　r‐┐`''''",!,! :i' :|:i
　　　　　　　　 ヽ! ,|: |:i`'ｰ-　`_‐',., イ: !': : !: :!:!
　　　 　 r ､ 　 　 /|: :!|: : |, '^'、　,ハl:/: : :,! : ',|
　　　　　ヽ ヽ_r_v r! :ヾ―l,　　Ｖ　　/: : : ハ: :ヽ
　　　 　 　 Y,. -{ Y!:',: :ヽ:.:.V´,ﾌ､ヽ/ : : /:.:｀i,: : :',
　　　　　　 l、/´）ﾊヽ'､ :ヽ:.ヾｲ|.!|､! : :, ':.:.:./ ! : : ヽ
　　　　　　/ `ｭ,ノ　}i 〉ヽ :ヽ:ヾ|,|,!'l: :/:/:., '　 !: : : : ヽ
　 　 　 　 ト´、　 ノ l':.:.:.:ヽ:}:.:.::.:.:.:|/:.:i／/　 l: : : : : : i
　 　 　 　 !　　`　 　 !:.:.:.:.:lﾉ:.:.i:.:.:.:.:.:.,'　/　　ｌ: : : : : : |

────ここからが前回の続きになります、ボネス蒸溜所の実習から帰ったやる夫は、
　　　　　土産話と鼓を持って、カウン家に来訪しました（下宿中なので来訪というのも変ですが）
　　　　　ラムゼイの柔道の練習が終わってから、リタとルーシーと合奏をする事になりました
　　　　　　＿__　　
　　 　 く/',二二ヽ>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊﾗﾜﾀ
　　　　 |l |ノﾉｲﾊ)）　　私は医大生で忙しいんですよ！臓物をぶちまけてやるですよ！
　 　 　 |l |ﾘﾟ ｰﾟﾉｌ|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　ｪｪｮ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／⌒　　⌒＼　　　　　　　　　　 　／,;;;＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／（ ●） 　（●）＼　　__,,,;;,=====ﾆﾆニモニﾆﾆ=====;;;;,,,,,_
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼￣~"''''──---::[;;;;]----──'''''"~￣
　　ｪｪｮ　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　|r┬-|　　　 　　|_ 　 　 _　　 　 　 |.::|　
_／,;;; '＼　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 　、　`ー'´,　　 　／_,:;=‐''"_,,〉　　　　 !.::!
,;;;;'''"　'';;;;""''''''ｰ‐--,,,,, i　　　　　_,-ー´　　￣￣￣ _,,-''"_,,;-‐''"◎ .:i}＿,,,,　　!.::!　　　合奏する曲は何にするお？
;;;'　　　 ';;;;;　　　　　　　)　　　　 /　　　　　　　　　 〈!-''"◎　　　'i''"~~F--t'l　 |.::|
'''''ﾂァ‐‐‐‐-------'i'"´l　　　　,!　　　,!　　　　　　 {|::::.:.　　　　　''"~~'l,　|_|＿_!.::!
／／　　　　　　　i,i' il　|　　l i　 |　　　|　　 　　　　　'i:::..:.　　　　　　　.::i　l;;;;;;;;;;;;;;;;]'　　　　　　|P
／　　　　　　　 i |,'i　!|　|　li,,,.i..ﾑ　　 |　　　　　　　　 'i::::. .　　　　　　 .::i　　 　 !.::!　 ＿,,,,,,,,,,.;;へ,,,,,,,,,＿
　　　　　　　　 l|i i ! i　| ,;i"　i,!　　　　!,　　　　　 　 　 'i::::::.:.　　　　 ◎.::i}＼ 　 |.::|三───────‐三＞
　　　　　　'　 ,|il !lL'-!ﾆﾆUｺ　i　.＿ノ〉　　　　　　　 　 {i;;;;;;◎;;,, -‐''ﾆ"ﾆ)⌒ヽ |.::|　 ~~"""""□~~~~~￣
　　　　　'　, ' |レ!'''￣　　"''''""~　　　|　　　　　　　　　 〈_ｯニ二--''''"てノｼﾉﾉ[;;;;;]　　　　　　 !.:!
　iニニニニニニニニニニﾆコ　　　 ,|_,,.--‐''''''二二''''''‐-.,_lニニニニニニﾆﾆ:|.::|;ニﾆｺ 　 　 !.:!
　 0}::::::...◎. .　　◎　　.:◎::::|}　　 ,::'",,-‐'''~￣　　　￣~'''‐-,,"'''◎:::..: .◎ 　 . (|.::|:::::::|}　　　　|.:|
　 .|::::::.:.:.:. .　　　　　　.:.::.:::::::|　　／／　　 　 _,.Tsudumi 　 　 "､.ヽ::.:.. 　　　　 |.::|:::::::|　 　 　 |.:|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞ｾ乞ｱト ニ　_
　　　　　　　　　　　　　　　／..::.:.ヾごソ.::.::.::.::.::.｀:..､
　　　　　　　　　　　　　／　^⌒＾⌒＾⌒⌒^丶､:::.::..＼
　　　　　　　　 　 　　 /／　 　 /　　　　　 　 　 ＼::.::.:.ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 /　/　　　′　　 〃　l　　　　|＼::.::.l_
　　　　　　　　　　　/ 　 　 |　 |　　　〃|　 |　 |　　　　／ｨ[}ぃ　　　　困ったわねぇ、やる夫さんはスコットランドの曲を知らないし、
　　 　　　　　　　　 ′　　ｌ |　｜　／　 |　 |　 |　/　 〈:{_ﾉ八ﾉﾉ
　　　 　　　　　　　|　　　 | |ヽ |　￤　　|　 |/_」/|　　 ヾｲ|:トrく l　　　私達は日本の曲を知らないし……
　　　　 　　　　　　| | |ｌ　 |⊥ミﾒ､ |　 /ﾉィ厶斗┤ 　 / | |:|　ヾ:､
　　　　　　　　　　 |lﾉ八　lヾﾍ リ ＼/　 ﾍ リ丿.′　'　 | |:|　　}::〉
　　　　　　　　　 　 |:ﾄﾍ ｀ {　￣　 　 　 　 ￣ /　／　　| |:|　く/ |
　　　　　　　　　 　 ﾚ　 |＼ヽ_ 　 ヽ　 　 　 ∠／|　 　 || ﾚ 　 　 |
　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　ト　　__　　　　　　／|　 　 |l　　　 　 | 　 　 ／
　　　 　 ､＿　　＼__ 　 | 　 |　／／ )､_　　＜＿j　　　ﾘ＼　　　｜　／厶イ{ノ廴_＿,,
　　　　　_ーｚ三≧三≧| 　 |_{　　 '´ / 〉介ト-､.′　 ∧＿＞―＜三三三三三三ご＿
　　　 　 ご三三三三三| 　 |::|　　　　/_ﾉ:| |:|｀/　　 / /.::厶-―　､＼三三三三二ニ
　　 ﾆ二三三三三三／| 　r‐ﾍ　　　jーｒﾞ| |:|/　　 / /.::.:|::.::.::.::.::.::..＼＼三三三三≧===ｧ
　　 ｰ=ニ二三三三/.::.::| ノ　　| 　 Г|ノ厶l/ 　 ,　 /.::.:: |::.::.::.::.::.::.::.::.＞｀ヾ三三三三{￣
　　　 　 ￣え三三∧::.:〈￣ト‐┴√|　ﾄ､__/　 ／｢`7.::.:::/Ｌ.　-―　__　――〉三三三三二
　　　　＝彡ベ彡ｲ⌒ヽ「＼l　　 /　　ﾉ.::|/ ／} 　 /.::.::.〈ー―::.::￣::.::.::.:.::／三三三≧一
　　　　　　　　　/　　 /＾Y⌒ト-ｲ￣厂〉 イ￣ ,　/.::.::.::.::〉::.::.::.::.::.::.::.::.:／＼￣`ヾミ⌒ヾｰ
　　 　 　 　 　 /　　 /　 ト--rヘ＿r-ｲ/ j|　 / /ﾆﾆ二/.::.::.::.＞‐[}‐く　＼　ヽ
　　　　　　　　.　　 /　 ∧　｜　|　|　/|＼＿／..::.::.::.:/ｌ::.::.::〈〈__ﾉ八_〉〉　ｌヽ　 .

　　　__,＞: : : : : ヽ: : :ヽノ : : : :_:_:_:ノｨ
　　({ : : : : : : : : :_:_）辷不辷シ､)､）⌒ヽ
　　（{: : : :__ｒ＜入ﾉ｀ヽﾉゝ-ﾍヘ.ヽ.ヽ 〔
　く（ｈィ´: :x rﾁ {　　　|　　i　ヽ ＼＼｝｀ヽ
　　 Yﾌﾌﾌ　ﾉ !　!　 !　{　　l x‐l‐ ､',　ｊヽく　　　　　　　ｵｰﾙﾄﾞ･ﾗﾝｸﾞ･ｻｲﾝ
　　 ﾉlイ厂 i　ヽ Ｘ´｢从　ｊﾉ八ｨ=ﾐハx彡く　　　　あ、『Auld Lang Syne』なら
.　〃 |　{　', ヽ /ヽィ=ミ｀｀´　ｒし'i 》ｊｲr‐=ﾐx
. ,′ l| 八　ヽ. i 《 ｒし'l　　 ,　ゞﾟ''ｨﾆﾆ｣二二}　　 やる夫さんも知ってると思うの
. `ｰ=ミｰ=≧トｰ=xゞﾟ''　 ｒ ‐┐　 ハ三辷ﾗ´
　　　 ）Y´￣ゝ-=ﾗ、　　ヽ ノ　.ｲー‐‐＜　　　　　世界で２番目に歌われてる曲ですもの
　　　辷ゝ=ﾆ三ハ=≧=‐ｒ‐ イ:_:j: : : : : : :ヽ、
　　　　 ｀ ￢くく乙( ｘ‐ｒく <⌒ヽヽ: : : :.:.:.:::.: )
　　　　　 　 　 　 〃｀小. ヽ ー' ﾉ: : :.:.:.:::ノく
　　　　　　　　　人ｰ彡∧ 〈￣: :`:ｰ:ｒ : : :ヽ: ＼
　　　　　♪
　　♪　＿＿＿　　♪
　＿　　＼　　（＿＿　　　♪
,'´r=＝ﾐ､.|＼　　　 　 ヽ　　　　『Auld Lang Syne』ね
卯,iﾘﾉ）)）|　 .＼　　　 　＼
|l〉l.ﾟ ｰﾟﾉl |　　　＼　　 　ノ　　　わかったわぁ
|! つΓ￣￣￣￣|￣￣|
y　匚＿＿＿＿ζ―r-
〓=(_) )¶　　¶　　　　¶
　　　　　　　　　　　　 　 ∩＿
　　　　　　　　　　　　　　〈〈〈　ヽ
　　　　　　＿＿＿_　　　〈⊃　　}
　　　　 ／⌒　　⌒＼　　 |　　 |　　　ああ、これは日本では『蛍の光』という有名な曲だお！
　　　／（ ●） 　（●）＼　 !　　 !
　 ／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼|　　 l　　 悲しい別れの曲だお！
　 |　　　　　|r┬-| 　 　 　 | 　／
　 ＼ 　 　　｀ ー'´ 　 　 ／／　　　　 ネカフェも閉店してしまうと思うと悲しくてたまらないお！
　　/　＿＿　 　　　　　　/
　　(＿＿＿）　　　　　　/

　　 　 　 　 　 ＿＿
　　 　 　 　 ｨｧ:::::::::::::-､_
　　　　／/::::_ｪｪｪｪｪｪ_::::ヽ　ﾈｶﾌｪ?
.　 　 /n/イT| |! |! |! j ｀ヾﾍ
　 　 {⊂i⊃j j !廾 ! i|ナT⊂ﾄ,　　　悲しい曲ですか？　いえ、美しい曲だけど、悲しくはないですよ？
　 　 i⊂j⊃┯┯｀　j┯┯て!
　　 .' /N　　じ　　 　 じ N　|　　　 懐かしい友達を偲んで、杯を手に友と語り合おうという歌だもの
　　 |!　人　　　　_　　　ｲ ! /
　　 |!　|!　|＞-　　_rf i| ! | |
　　 | '. i,　j| /::ﾗT::}j ! ! j .! !
　　 |{ N v | }::::少::|| ! !ｲ |ｲ

　　　　　　　　　,=i､
　　　_ 　 　 　 /　 ｀^､
　　/__!　rｭｩノ　　　 ､ヾ-､_, rｪｭ,､
　 ├┤ 〉　l,ィ､フ７ ｰ く〉-´　　｀ヾｫ
　　!　!_/, ｲ/lく_ lﾒ１イ　/ｨヽ　　　/
　,⊥ ﾄ/　 　 （::ﾟ） 　 ﾚ/'‐jﾅ|ヽ　/
/　 - ﾄ＞　　　　 _　　 （::ﾟ)´}ｨ|/ ヾヵ　　　さ、お喋りは終わりにして、お姉さんはピアノ、やる夫さんはツヅミ、
!　 　 jゝ 　 　 　 |　｀7　　　 /ｲ /￣
｀rヶ'ｸ'>、　　 　 l　 / 　 　 　 ﾄﾍ　　　　　私はお歌を歌うの～
ﾝ／／　ヽ　 　 ｜/　　　 ､‐ﾏ　　〉
く／　　 　 }_,.._　l/　　　,_ ﾍｧ='┬ij- ､
　｀丶､　　j/r‐-ヽャﾆ､ヽ{´　　 ll l{　ヽ!
　　　　ｰｷﾍ_!／/ﾊヽ V /　　　ll l{ヽ_ﾉ
　　　　　/　 ｰ１ハヽ=‐'＼-､　ll l{
　　　　 ,′　　l l ! | l 　 　 ＼｀ ‐'

　　　　　　　　　　　　　　　　　　ii　　 ハ　 　 　 　 /　　　　　 ｜　｜　冫＼::ヽ:|　　ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　ヾヽ__| ｜ 　 i 　 、　　　 　 　 　 　 |　 i　　　＞t＜ 二ト､
　　　　　　　　　　　　　　　 ＞＼ ト::Ⅵ | 　　| 　 l　 　 ／　　/ 　 /！｜／ﾂﾞ/不　＼ ＼〉〉
　　　　　　　　　　　　―‐≠＝::::ヽ::::::::!ﾊ 　 ﾊﾄ､ |　　く　　／　 ／／ ｜＼ﾄ､1|::|ヽ＼｀_／
　　　　　　　　　　　　 .二＞:::::::::::::::::::::L∧　ヽヽト､ヽl|　／-‐／／ /　,| 　 ｀ー|::|　ヽ　＼ヽ
　　　　　　　　　　_ -こェ个ァく:￣¨ユ、ﾄ.　＼从ｼ|/　　ヾ-‐-、ﾞ ／＜､｀ 　 i 　|::|　　ヽ　 i、＼
　　　　　　　,　´: : : : :_: :-｀:く:.: : 廴:.:.: : :ヽ 　 ヽ　 　 　 ´､l ﾄ ソ 　 　 /　　/ 　 !::!i　　 ヽ　ヽ::::::､
　　　　　　く: : : : : : : '´: : : : :.:.:〉イ ヽ_fマ:.:.:.;ゝ.ヽ 〈　　　　　　　　　　／　／　　 ヾヽ　　　ヽ　ヽ:::弋／
　　　　　　/へ{:.:.:.: : : : : :.:.:／ r～''´　　 ｀ヾ／i　ト＼ー-,　　 　　 ／　／､　　　　!ヽヽ　　　ヽ　｝／
　　　　 ／: : : :ヽ:.:.:.: :.:.:.／⌒´　　　 　 　 　 ＼　|　|::ヽ´　 　 　 ｰ― ムノ/　　　/∧ヽ〉＿_.＞／
　　　∠:_:_:_:_: : : :＼: イ　　 /　 ′ｉ　　　|　 ､　 ヽ　|::::::::｀―t‐＜:―,´＼/　　　/ー-一::::::::::::::￣＝== -
. 　 　 / ／ ハ: : : ／ |i　| ｉ|　∧　l　!　 i| ! ｜i　ﾊ .|::::::／ﾂハヽヽ:::ヽ、/　 　 /Yｰ―――‐-　　､::::::::~ﾞ｀-
　　　/ /　// ﾊ／ l　 |i　|斗十'ﾍ.　 |ｉ ,什ト｜|￤j｜〔:::/ｲゝト|::ヽヽ:::∨　 　/;ﾂ　　-―――-､､ ヽ:::::::::::::
　　 / /　//　{ {___　l　|ﾄ､{ jｌ.⊥.,_ﾍ　|i//ハｉ |！l l|V　 ―ﾂ |└,、 _::/　　／Y　　.::.:::.:::.:::.:::.:::.::ヽ＼::::::::::::
.　 /　ー-/　ィ二二｀ヽい〃　 }「｀　Ｖ f'下}ﾊｌ/ ﾊﾘﾂ ／　|::r/ '´/‐ｚ_ .／ ／ ノ:.:::..:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::＼＼::::::::
　〈rｰ…‐{_/ , ニニ、＼ヽヾｰソ　　 　 トr 'iｲﾞ /′V　 /￣｀ヽ.　 ´rイ　／:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.::::.:::.:::.ヽ ￣
　　了二二｀Y＾)二ヽヽ }_ } ｀￣　　　,　｀¨ 八厶〈::|　 /￣＼　 ＼/ /厶.:::.:::.:::.:::.:::.:::.::::.:::.:::.:::.:::.:::.l |
　　´￣k＝v' 仁二}り厶ミ}　　　r‐ ｧ　 ∠-､二ミjゞ,': : : : : : ＼　 ヽ. T´｀ー-､_＿＿　-―.:::..:::.::.::.|
　　　　｀うｿ　>=ぅﾉ:.:.:.／:⌒⌒ヽ二 イ三ミ ｝つY 　 l : : : : : : : :ヽ 　 Y.::￣:::.:::‐-.＿_／:::.:::.::.:::.:::.:::.
　　　　　　, ': : : : : :.:/: : : : : :.:.:.:.',　　　 ー'′'ソ┌┘: : : : : : : : : }　丿::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.::.:::.:::.:::.:::.:
　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　 ／⌒　　⌒＼　　　　　　　Should auld acquaintance be forgot,　　昔馴染みの忘らるべきや
　　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼
　　　　 ／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼　　　　and never brought to mind ?　　　　　　　心に思ひ起さずに
　　　 　|　 　 　　　|::::::|　　　,---、
　　　　 ＼ 　 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|　　　 Should auld acquaintance be forgot,　　昔馴染みの忘らるべきや
　　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ
　　　／　　　　　　　　　　　 ｜　|　　　 and auld lang syne ?　　　　　　　　　　　　また遠き昔のことの
　　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／
　　　　`ー､＿ﾉ

────こうしてやる夫のリア充生活がいろいろフラグを立てながら進んでいく中、
　　　　　　この頃にはホームシックはすっかり消えてしまっていたようです

　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　 ＿＿＿／＿＿＿昼＿＿＿／＿皿皿皿皿＿＿つニニニゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_＿＿＿＿＿＿,｡
　　　γ-=──=======──=-γ:━━i┳━━━━━┳━━┯━━┳━━┯━━┳━━┯━━┳━━━━━lll |
　　 　| 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |──‐|┃ 　 　 　 　 　┃ 　 　│ 　 　┃ 　 　│ 　 　┃ 　 　│ 　 　┃ 　 　 　 　 　|ll |
.　　　|　　　　　　　　　　　　　 　 |　 　　 |┃ 　 　 　 　 　┣━━┷━━╋━━┷━━╋━━┷━━┫ 　 　 　 　 　|l| |
..　　│　　　　　　　　　　　　　　 |||´￣｀||┃ 　 　 　 　 　┃ 　 　 　 　 　┃ 　 　 　 　 　┃ 　 　 　 　 　┃ 　 　 　 　 　||| |
　 　 |. 　 Λ＿Λ 　　　　　　　　|||　　....||┻━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┻━━━━━|ll .|
.　　 | 　 （・∀・　） 　 　 　 　 　 |l| 　 　 ||　　　　　　　　　　 　　／　　　Friendly　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ﾞ目|
　　│　⊆⊇⊂　）　　　　　　　 |||＿＿_||　時刻表発売中　 ／　　　　　　　　　　　　　　　／三三＝＝　　　　　　　 　 　 |
　　 lゝ二二二二二二二二二ノ ||∞＿_||　　　　　　　　　 ／ Seaｐｏｒｔ　Ｌｉｍｏｕｓｉｎｅ　／三三＝＝　　　　　　　　　 　 　 |
.　　|_＿_＿_＿_＿_＿_＿_＿_＿_|| 　 　 || ＿＿＿＿＿／ 　　　　　　　　　　　　 　　 ／三三＝＝　　　創業１８７１年　　 |
.　　|:］＿l〕 〔 仏 蘭 西 〕 〔l＿[]〕|ゝ─‐ｿ|==γ ⌒ ヽ 　 　 　　　　　　　 　　　　 　 ／三三＝γ ⌒ ヽ　　 　　 　 　 　　 　 |
.　　|＿__━━━━━━━.＿＿|ﾞ￣￣'''|￣|　 ∴ 　|　　　　　　　　　　 　　　　　／三三＝　|　 ∴ 　|　トーマス・クック　.[]
　　ｷ┴┘ゝ─[二二]─ヽ└┴‐|──､.,|＿|　 ∵ 　|＿＿＿＿＿＿＿＿＿__／三三＝＝ _|　 ∵ 　|＿＿＿＿＿＿__／
.　 　 ￣￣￣￣￣￣ゞゝ二ノ￣￣￣￣￣ゞゝ_＿_ノ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ゞゝ二ノ￣￣ゞゝ_＿_ノ

盛夏になると、蒸溜所の仕事も休みになります、やる夫はワイン造りを見学するため、
トーマス・クック社の主催する戦場観察団のツアーに参加して、ロンドン経由でフランス・ボルドーを
訪れる事にしました、グラスゴー出発は９月頃でしょうか

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　　　　 　　　 　ムi　 　ムi　 　 　 ムi　 　 ムi　　　　　　　　iⅲⅲⅲⅲill|
　　　　　　 　　 Ｉ.Ｉﾑ,＿_,Ｉ.Ｉﾑ 　 　　Ｉ.Ｉﾑ,＿_.I.I ﾑ 　 　　 　 　 | |'i'i'i'i'i'i'i'| |ll|
　 　 　　　　　　|l,|I/ i＾i |l,|I|　 　　 |l,|I/ i^i |l,|Ｉ;|　　　　 　 　 | |;|,|,|,|,|,|,| |ll|
　 　 　　　　　　|_,!__i山i.!_|l.| _ _ ＿|_,!__i山i.!_|l;|　 　 ﾑ　　 　iⅲⅲⅲⅲill|
i　　 .i　 　 i　　 | i"ﾞ∩ﾞ" i |/;;||;;||;;;| i"ﾞ∩ﾞ"i |ll|.l l.i;;:_l_l_!______| |'i'i'i'i'i'i'i'| |ll|
|ｰ―||ｰ―||ｰ―|| i__:;ｌ」;:_,!.|凸凸凸| i__;ｌ」;:_,! |;;,|)))))|;||;;;;;;;;;;;;| |;|,|,|,|,|,|,| |ll|
|=ﾍ=||=ﾍ=||=ﾍ=|Iⅲ:冊:_ⅲ|ⅲⅲⅲIⅲ:冊:_ⅲ|-]]]]]];||=∧=.ロⅢⅢⅢロ|i
| ∩ || ∩ || ∩ ||　 ｉⅢi　: | iii iii iii..|　 ｉⅢi　: | .|:|:|:|:|;||'~|;;|　| |　| |　| :| |ll|
|,.ｌ｣,,;||,.ｌ｣,,;||,.ｌ｣,,;||＿|Ⅲ|__:_| lll lll lll..|＿|Ⅲ|__:_| .|:|:|:|:|;||l_.ｌ｣;__|_|　| |　|_;| |ll|
Ｉ.[iii].,ＩＩ.[iii],ＩＩ[iii]_Iⅲ._冊_.ⅲ|ⅲⅲⅲ.Iⅲ:冊:_ⅲIIIllliiiiiii||iニニ[.二二二二]:|;.／
| Ⅱ || ∩ || Ⅱ ||　 ｉⅢi　: | iii iii iii..|　 ｉⅢi　: | |:|:ｌ:l:i_.!＿iii_ .| |　| |　| :| |／／
|_Ⅱ_||_Ⅱ_||_Ⅱ_||＿|Ⅲ|__:_| lll lll lll..|＿|Ⅲ|__:_|_|,|,ｌ,l,i_,l|　　 l￣i__| |　| ／／i|／
|_門_ｌ|_門_ｌ|_門_ｌ|__!_而___!_|ΠΠΠ|__!_而___!_|__,;:--ｰ--------- ／／i|／
￣￣￣i,i￣￣￣￣;;;￣￣￣:;￣￣￣:;￣￣:´|;;'i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／／i|／
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　.. 　　　 ;'　:.,　':ﾞ　　　　:"　.. "..:'　''.　　　　　.;,　.' 　:;..　..- 　- 、
　　ﾞﾞ　　　;:' 　. :: 　　　　: 　.. 　;::　　... .　.''' 　 　　,:':;　/ (● ●）ヽ
::::...　. .　....::　..::　　　...　;; ::　:....　,　　　　　"" 　 ,;.:; ／ゝ（_人_） ノ
　　　　 ,;:;;::::; .;.　 .''　. ;;:. :...,,:;;　.:''　　 　　 　 　;'::.／／i/　　　　ヽ
　　　　 ;:　　;:　　　　 ;:　 　;: 　 　 　 　　 　 　 ／／i|/（| 　　 　 |）
　　　　 ' 　 '　　 　　 '　　 '　　　　　 　 　　 ／／i|／　 し 　　 Ｊ　　　　　　London

ロンドン・ビッグベンを背に記念写真を撮影しています
http://www.nikka.com/world/sticking/taketsuru/history/sprit/index2.html

────イギリス出国はパスポートによると１０月３日となっています
　　　　　　この時パリへの車中で、同志社大学前総長原田助（たすく）氏と知り合ったそうです
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〉へ::.:/ﾇ/〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /'个ｙ´￣Lﾑ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |:.'.;|　[]　. :::.ヒ!
　　　　　　　　　　　　　　　　__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |;'.:.|　. : : : :ﾛ.::|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /:/＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |.:::;|.: :.: :.:.::.:.::.:|
　　　 　 　 　 　 　 ┌个┐| |　.:_|＿＿＿.　　 　 　 　 　 /⌒)　　 　 　 　 |_.' |.::.:..:.[]::.:.::.:|
　　　　　 　 　 　 　 | .:|...:|/:/...:.:|..: : : : : :.:｀L..r─┬i　　 | T/⌒)　　　　 .//| |.: :.: :.:.:.:.:..::|
＼　　 　 　 　 　 　 | └┴┬i::::|==========|: : ://__.　|`７'..:/´　 　 rr┴' | |.:.::.[]:.:: : : :|
:::...>、 　 　 　 　 　 |[]..::[]. 〈〈::::|::::::[]::::.:.:[]..r､]: :.[_[;;::::.. |/...::::)::７　─]:]:.: : | | :.:: ::..::.::.:::.|. ┌::､ 　 　 /〉
‐く.:〈　　　　　,、 　 |. : : : :.: :＼:|:::::::::::::::::::::/. : : : : :〉〉:: /＾7＜:〈　.:::::// : : :| | : :.::.::.:::..::.:|-┘:::L、r‐//┐　,、
.: ::L└i 　 _　.||＿　| : : : : : :、 〉〉/〉::::::;;:::〈 : : : : : ｀｀／...::|::::|/|＼ ..::｀刀.:.::|_|ﾄ､:.;:..::..::.::_|:::/Tl::::;二/ﾑ、|　 ||　＿r─
::.: :└i:|　//＼| ::::ﾄ､＿_ : : :||＿'//､п∥::.:l| : : : : ／／ト､У〕:|:....;＞.|::|..::./rへ/ﾚYL;/:>┘/ﾄ┘.//::::.｀L「|-┘/:::ﾄyｨ
工エ::「 /〈. ::〈|-､_/::::::..＼r':.|.::[,/T>.:/ﾛ〃乢.: :／／.:::::;＞|::::l/ﾍ｢　 └─匚|＿_| :| |:L:冂_| :|┐ .::::::ｉr==| |.:::.｢.:[]:}iｌ|{´
: :∠7ﾍlｺ:::|:.:..|-i_::_r√ソ＼>へ:| :|:ln| :]:|:П叮 ￣＼∧l＼|工]　　　　　　　　　 ｡ｌ;_|_|ー|＿＿!｣====ｌ|＿<>‐┴─|i|l|
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九月九日「戦場視察」
トマス・クック社の戦場見学団に加はりアラス地方の戦場視察に赴く。出発後約二時間にして四辺の光景突如一変し、
家は落ち壁破れ樹木は枯れ惨憺たる光景、既に惨鼻に堪へざらしむ。其光景は進むに連れ益々甚しきを加ふ。
最も惨状を極めたるはランス市にして全市中一個として家の形を存するものなし。強いて形容すれば大地震の後に
火災あり其後に洪水を以てするも斯くまで荒廃すべしとは思はれず、是れ独軍が退却に際し飽くまで破壊し去りたるに
違いなし。至る所独逸人捕虜が厭や々々乍ら取片附けに従事し居り、白布に包める骸骨を新棺に納めて埋葬しつつあり。
見学中未爆の弾丸の爆発する光景、爆音と共に黒煙天に注し実に物凄かりき。本日見学中特に感じたるは同地方の
住民も見物人も真面目なる態度を持たせることにて、殆ど一人として高き笑声を発したるを聞かざりき。最も憐れに
思はれしは到る処に徘徊する少年少女と黒き喪服に包まるる寡婦たちの姿なりし。
────原田助氏遺稿集より抜粋

　　　　　 　 　 　 ,、-─-─r ‐r- 、
　　　　　　　　,r'ヾ　ﾞ､!いｨｲ ,r'´,r=ﾞヽ
　 　 　 　 　 / ﾗ'"￣｀`"""´｀`ヾ; =ミ、
　　　　 　 　j彡!　　　　i　　　　　ﾄミﾐﾐ!
　　　　 　 　!,;ｦ-ｰ-､　 |　,,_, -ｰ- ﾞミミ!
　　　　　　　}j!'ﾆﾆ''ｰﾐj 　 ,ゞ-ー-ﾐ_ゞｭ!
　　　　　　 〈 !, -=・'ゞj;⌒j!ｨ'・=- ,j!　ｺl　　悲惨なものですな、街に見かけるのも、
　　　　　 　 ! L　＿ _ﾉ;!　 ヽ ＿_ノ　iソ　　
　　　　　 　 ヾ!　　　, :;;L__,､　　　　 ,ﾘ 　　少年少女と喪服姿の未亡人だけではありませんか
　　　　　　　　l　　 /　 　　　', 　 　 j′
　　 　 　 　 　 ', 　 ! ´二ﾆ'''　!　 　/
　　　 　 　 　 　ﾄ､　　　 　 　　, ィ´!
　　 　 　 　 　 /!ヽ ｀ｰ---‐ '´ /／!ヽ
　　　　 　 , ィ´ l!　 ｀`ー─''"´　　 |　 ﾄ-､,,_
　　 -‐''／ /　 |　　　 　 　 　 ＿／|　 ＼ 　 ｀`ｰ

　　　　同志社大学前総長　原田助（たすく）

　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 　／ノ　　＼　　 u. ＼　　　　やる夫も激戦の様子は新聞で知ってたけど、
　　　　／ （●） 　（●） 　　　＼
　　 　 |　 　（__人__）　 　　u. 　 |　　 首都から１００ｋｍ余りの都市が
　 　　 ＼　u.｀ ⌒´　 　　　　 ／
　　　　ノ　　　　　　　　　　　 ＼　　　これほどひどいとは……

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼　　（日本が戦場にならずに、
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　大戦景気で留学に来られたやる夫は幸運だお……）
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

「竹鶴やる夫氏」
倫敦発巴里に向ふ。車中醸造技師竹鶴やる夫氏と遇ひ、事後殆ど十日間同宿、
巴里見物を共にしたる奇縁なりと云ふべし。氏は広島県竹原市の出身、
大阪高工卒業後大阪醸造会社の技師となり蘇国に派遣せられ今日まで
グラスゴーに在りしが今般南仏の葡萄酒業視察に来れるなり。米国にて感ずる所あり
基督教を奉ずる決心を為したりと、真率なる有望の青年なり。
↑────原田助氏遺稿集より抜粋
｜
なんか適当な事言ってますね、まぁ死の直前に洗礼受けてますけど

>>508
この25年後だったら竹鶴も欧米にはいけなかっただろうし、二次と一次の規模の差が分かるなあ。

　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,ｒ===ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ㌶㌶㌶
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _,㍊㍊㍊､_
　　　 　 　 　 　 　 　 　 _.._ 　 !｀ ｰ --- ‐ ´!
　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ: : : ｀ :!　　　　　　.:.:!
　　　　　　　 　 　 　 ,': :ノ: : : : ｀ ｰ --- ‐ ´｀"''‐- ．.
　 　 　 　 　 　 　 　 j　 ! ｀"''‐- ．._: : : : : : : : : : :／i:!
　 　 　 　 　 　 　 　 i 　i: : : : : : : : : ｀"''‐- ．:_／: : :ｉl
　　　　　　　　　　　 ; 　; : : : : : : : : : : : : : : : : !: : : : :il
　　　　　　　　　　　,:.　,: i : : : : : : : : : : : : : : : l : : : : i!
　　　　　　　　　　 .′.′; : : : : : : : : : : : : : : : i : : : :.:'
　　　　　　　 　 　 ;　; : : :!: : ; : ; : : : : : : : : : : .; : : : :;′
　　　　　　　 　 　 i　|:.／: : : : : : : ' : ' : : ; : ; : .; : : : !
　　　　　　　 　 　 |　｀"''‐- ．:_: : : : : : : : : : : ' ; : ; :j
　　　　　　　　　　 ｀"''‐- ．._ 　｀"''‐- ．:_ : : : :.!; : :′
　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀"''‐- ．._　 ｀"''‐:i.;′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀"''‐- ;ｊ!

１１月上旬、一ヶ月余りのワイン研究旅行を終えたやる夫はグラスゴーに帰りました
おみやげに香水を一瓶買ったそうです

　　　　/ノ´: /: : : : : : : : : : : : : :ｉ: : : ::ｉ: ::ヽ: : : : : :＼　　　＼
　　　/": : :/: : : : : : : : : : : : : : ::|: : :|: |: : : ヽ: : : : : : :ヽ　 ／
　　/: : : ::/: : : : : : : : : : : : :／:/}: : ｉ: :|: : : : :ヽ: : : : : : :Ｖ
　 /: : : : :|: : : : : : : ／: ::／:: / /: :/: / ヽ: : : : }: : : : : : :ｌ
｀.{: : : : : :|: : : : : : : : ::／./／ /:／/:/-―--:､; |: : : : : : :|
　|: : : :{: : |: : : :,斗ｧ''フ"　 ／"　 //　　　　＼ヽ|: : ｉ : : ::|
　|:ｉ: : :ｉ: : :ｌ ｒ彡"´　　　　"　　　/　　　　　　　　}: :ﾉ : : ::|　　　　やる夫も気が利かないですねー
　ｌ: ｉ: : { : : ｌ |　　　　 __,..　　　 /　　''ェ;_＿_,ｪ; /: : : : /∧
.　 ',ヽ: : : : ヽｌ ,ｒ＝=＝"　　　　　　　　￣￣ ./: : : :ノ/　 ｌ　　　　私にしかおみやげを買ってこないなんて、
　　 ＼＼: : : ＼　　　　　　　　!　　　　　　 /, ｒ '´　}: : :ヽｌ　　　　他の３人が可愛そうすぎますぅ
　　 |: : : {　`ー　＞　　　　　　　　　　　　　　/{ ＊ }: :　 ヽｌ
　　 |:/: : {　__ ｉ/ ヽ　　　　　　Ｏ　　　　 　.／: {　　 }:_:: : : : ｌ　　
.　 //: : : :{　 "ｉヽ { :ヽ､　　　　　　　　　／:__ : {　／　ﾉ: : : : :.'.,　
　 ｌ/: : : : : :}　ｒ－┘､: ::ｒ`ｖｒ‐　-　 ´|: : : | _｣_{./　 ./: : : : : : : '.,　
　/: : : : : : : {　｀ヽ、　ヽ.Ｌ._ヽ.　　　　レ'Ｖ＿＿ ヽ/: : : : : : : : : :'.,
/: : : : : : : : ｒ ト ＊|ヽ／ ノ ヽ.'､　 ／　{ （＿__　　〕ｒ､＿: : : : : : : '.,
: : : : : : : : :∧.ｌ.｝　 }〔　´　／ ヽG＝ニ:|（　　　　./ｒ'/ｒく: : : : : : : : :',
: : : : : : : ::/　)|.ﾄ}　 }ヽ　　　 へ）|ノ＼.{ |/ｰｉ　　/`./ (　ヽ: : : : : : : : ',
: : : : : : : /　 .)|.｢.） .} ∧　　　　 ） ７ .ヽ |　　　 { フ　 |　 ヽ: : : : : : : : ',

／＞－'⌒ー'⌒ー'⌒ー'⌒ｰ-､＼
／ ｘ‐^=^=^＝＾＝＾＝^＝^=^ｰｘ　＼
〆　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ハ
　　|　 　 |　　　　 | |　　　 l　　ヽ　　、ﾊ
　　|　　|｜　　 　 | |　　　 |　　　|　　ｌ　l
　 l |　　l｜　　　 ﾉｲ　　　 |　　　|　　|　ﾄ､二丶
　 | |　　l｜　 　 　 |ｌ　　　|ｌ　　 ﾊ 　 |　| |＼｝ |
　 | 斗－┼ ､　 　 |l　　 斗－/ } |　;　 |｜ヽ＼
＼l_,x≦三メ、　　 |l　　/厶≧xj_ﾉ /　 |└‐' _丿　　　え、あの、エラにだけじゃないんじゃ……
　 代¨丁 ｌ ヽ＼　 ｊl　／イ ｌ　厂}｢ｲ 　 |`TＴ´
　｜ 　 `ｰ‐'　　 ヽ／　　`ー' 　 /　　/|　| |
＼ l　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　／　ｌ　| |
　 l＼　　　　　　　　'　 　 　 ／/´ /　, !　^
　　ｌ　ｌ、　　　　 _,..、,,..　　 　 ｲ　〃 厶　-―＜
　　 ｌ｜ ト　　　　　　　 　 イ ′〃 /.::.::.::.::.::.::.::..｀　､
::l 　 l |　|::.::.::＞　＿ ＜::.::.:|┤〃 /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.: .＼
::.:l　 l |ｰﾍ ::.::.::.::／〔_〕二 ヽ | ″/＼::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:: .＼
::.::l 　 |》　 ＼／イ ハヽ_ノ丿!　/l::.::...＼::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:.ヽ
::.::.ハ |》　　〈 〈ノ /|　｀TＴ　 | /《|::.::.::.::..＼::.::.::.::.::.::.::.::.::./.::.::.:〉
.::/.:: }ﾉ》　　　ー ｲ |　　|弋　l/　《|::.::.::.::.::.:..＼::.::.::.::.::.::./.::.::.:/
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::.::.::.::.|　　　　　　　　ｊイ仁ミ┐　　　　|::.::.::.::.::.::.::.ト-::.::.:{ { |ヽノ
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　　 　 　 　 　 　 / l: : : : __/l:／ ／/-‐冖!: : : : ',　　l:.l　　　　わかってるですよ！冗談ですよ！
　　　　　　　 　　l　l!l: : : :/示 ／／ｲモ示l: : : : l:! 　 l:.l
　　　　　　　 　　|　l'l: :l: :l'乂ﾘ　　　 辷:ﾘ '!: : : /l!※ !:.l　　　　ルーシーにはまだ早いから、私とリタで使うですよ！
　　　　　 　　 　 　 l '; :l: :l xx　'　　 xxx　/: :／ /　 /:.:l
　　　　　　　　　　/　 ヽ: :へ 　 -( 　 　 /／ 　　／: :..:l
　　 　 　　 　　／　 /: : ｀ヽ＿:｀'ｰ-‐ '´'´/　　 / : : : : l
　 　 　 　 　／ ※ /: rrﾍﾉ´,ｨ=示=´ﾐ､`/ .※ /f',-､: : :l
.　　 　 　／　　 ／: /:::〉〈 .《　/ijjヾ､　/　　 ./ﾉ 〉::::l: : :!
　　　 ／　　 ／: : /::::〈 .ﾉ　ゞ' ijij　ゞ"l　　　l〈 .ﾉ::::::l: : :l
　　／　　 ／/: : /::::::::ﾉゝ,　　 ij.ij　　 l　　　lﾉ〈:::::::::l: : :l

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　　　　　　　　　/イﾊ{≫ iﾊ.r=ミ心/// /厶斗ﾘ/ !介　　　　でも、お礼をしなければいけませんねぇ……
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　　　　 　 　 /　　:}i}　 i:八乂 , , ,　　 　 弋fﾘｲ /ｲ:i:}
. 　 　 　 　 / /　 　 　 | :八　　　　_　′'' ' 彡ｲ{:ﾘ |乂　. イ
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　　 　 ー-=ミ｀ヾﾒ.　 从i:乂　}:≧=-＜(/ /, /‐-ﾐ 八ノ. : : : : : : : : :｀ー-ミ
　　　才￣. : : : : : :ﾊ　__ハ　辷刈り.:::::jｱ.//.:.:.:.:.:.∨. : : : : : : : : : : : : : ｀ヾ
　　≧=ー. : : : : : : : /.:.:.:.:ア/八{i{.:.:.:乂 /ｲ.:.:.:.:.:.:.. ∨. : : : : : : : : : : : :｀ヾミ
　　７. : : : : : :-‐. : : }.:.:.:r弌ｘ__ 　_￣乂{{/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ: : : : : : : : : : ｀ヾー-弍
　　⌒7. : :ｨ : : :乂イ.:}:/i　　fr爻ｨ⌒}　.く.:.:.:.:.:_彡.:.:.:.:}乂: : : : : :＼: : :.乂
.　　 /才f. ; 彳( {.:.:.:/.:{　　　　⌒}　, ﾉ }.:ｰ-.:.:.:.:.:._彡'　　＼ : : : : : ＼(
　　　　　}/　 }//.:.:.:{:.:.乂　 _＿__ 　.才゛.:.:.:.xf斗く　　!　i {｀ ＼(⌒ヾハ
.　　　　　 　 ／＞'"´才ーｧｰf.:.:.:＞‐-ミ.:_//{/{iメ ' i:|　ハ
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　　 　 　 八:.∧　　 _jj {{　⌒7八　　　　､｀Y7ﾞｲ}i}./

────やる夫の元を訪れたリタは、１冊の本を差し出しました

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　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::-　　　　　　　　　￣　`-::::::::::::::ヽ　ヽ　　　この間は香水をありがとうございました
　 　　　　　　　　　　 (i::::::::／　　　　　　　　　　　　　 、　 ＼:::::::::!　l
.　　 　　　　　　　　　(l:::::/　　　　　　　l 　　　 l 　　 ヽヽ 　　i::::::::i 　|　　 心ばかりのお礼です、
.　 　　　　　　　　　 .(l:::/ 　　l l　　　　.l.l　　| l | 　 |　 l ヽ.　　!::::::l.　.|
.　　　　　　　　　　 / .l/. 　　 l lヽ 　 　 l l　　| l l 　 |　 l|　　 、l::::::l　 .l　　どうぞお受け取りになって下さい
.　　　　　　　　 　　l::l l 　 　　| l .lヽ. 　 l .l.　 l_|_| ＿|__ l|　　　i ll .llヽヽl
.　　 　　　　 　　 　|::|,!. 　　　l .l_l ィヽ　l .l　/ .V 　 l　 ll　 　 / ll .ll ll∥l
.三三三三三三ヾ. l_l 丶 　￣l ﾚ　 　ヽl .l/　ﾐ､､,,,,,ｨ.　ll　　/　 ll__ll.|||| .l　　　　　　　　　.　 〃,三三
.　 三三三三三三ゞ 　 丶　　　ﾞﾐﾐ三､　　　　　　 .|　/l　./、、￣　ﾞ ﾞ　l　　　　　　　.／三三三三.〃
　 　彳三三三三三三＼ ヽ　ヽ　　　　　　　::::::::　 |//／////.　l　l　　l　　　　＿／三三三三三.〃,
　 　ｨ三三三三三三三 ヽ| ＼ ヽ ::::: 　`_　＿　　　_// ∥∥ l　 l　l 　　l＿／三三三三三三三三〃,
　　　 ﾐ三三三三三三三 |　　ヽ!ヽ　　 ヽ、__ﾉ　／　　　　 ∥　 l＿　　 l三三三三三三三三三三.〃,
　　　　　 ﾐ三三三三三三| l i　l　　 _ ヽ　_ _　 ｲ_ -　_　 ／ l／: : : : -、 l三三三三三三三三三〃,
..　　　　　　 ﾐ三三三三三| l .i　ﾚ /: : : : : :ｲ l　(　　　-l　　l l: : : : : : : :＼ 三三三三三三三三〃,
　　 　　　　　　ﾐ三三三三| l　i　l/: : : : : : : l-.t-` --'、,-　　l: : : : : : : : : : >三三三三三三三〃,
　　　　　 =＝三三三三三!!|　 l＼ヽ: : : :/) _| iー'=`-'^―｀　l: : : : : : : : : : :ヽ三三三三三〃,
　 　　　　　　　 ＝三三三.!!|　 l: ::ヽl: : /) くー、-,=　l　l　l　 ヽ: : : : : : : : : : l三三三.三〃,
　　　＿（ヽ-――-- ヽ三 !!||　 l: : : : :/) 　__ヽ　l　lーl＝l/l　/: : : : : : : : : :/三三三三三三=ゞ
. 　 (　　l~　ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ　　l.ﾉ三;;||　 l: :/: ::l)　くー-`--'| ＝-　/　l: : : : : : : : ／::::::::::::::::)￣￣
　　 (`￣|　　　　　　　l　ﾚ三,l　　 ': : : l)　　丶l l　　 l//　_l　/ー=-ー=ｲ＿/￣￣ l
　　 _> ' ,ヽ　　　　　 /　　　 ,,l ./: : : : :l＿＿ヽ ヽ　.// /　}/: : : : : : : :/　　　 ヽ.　 l
　　ヽヽ/　!`―――'__　　_!:::::::i: : : : : : : : : :l::l {　 V　l/: : :{: : : : : : : :/　　/ lヽ l　 l

　_／＞ にﾆ, ''フ　 lニ. ７__　　にﾆ, ''フ
(　＜　 lﾆﾆ, ,ニﾆl　,-┘'┘'-、lﾆﾆ, ,ニﾆl
　｀ヽ.＞　（└‐┐ （ (7ﾉフ ﾉ`' 　 （└‐┐
　　　　　　 ￣￣　　￣　｀´　　　　￣￣
　　　　　 lニニl　　 /＾ｰ‐ﾍ、┌‐―┐　　　　　/＾ｰ‐ﾍ、
　　　　　lニ,冖ニl くノ￣ﾌ,/　二二二､ ﾛﾛ/7 くノ￣ﾌ,/
　　　　　＜_ノ　　 　辷'',ノ　└――‐┘＜ノ　　辷'',ノ

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　 ;;　　　　　　　　　 ;;;　　　　　　 ;; ヽ ,-´; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　 ﾞﾞ;;,,　　　　　　　　 ;;　　　　　　　　/; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;|￣ヽ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　　 ﾞﾞ;;,,　　　　 ,　　　　 、　　　　　/; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ヽ　 |; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　　　　ﾞ　　 　 /　　　　 ヽ　　　　 /; ; ; ; ;|＼; ; ; ;ヽヾ_ヽ_;＼ !; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
　　　　　　　　　　　　　　｀　　 /´|; ; ; ; ; ; |　｀ヽ_; ;ヽ　　＿__　ヾ; ; ; ;/￣ヾ;
　　　　　　　　 ,,,,,,;;;;;;;;;;;;;‐-､__　　 |; ; ;|ヾ; ;＼　　__ｪｮｴｴｱﾞﾞ　　　ヾ/　/二ヽ
　　　　　　;;;;;;ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ　　　　　　　｀丶､|; ;|　 ｀ ｀ ｪｮｴｱ,niioillﾞﾞﾞﾞ　　　 ｀　 |-‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼| ＿　　　 ﾞ ﾞﾞ　_,-‐´_,　　　　　 ＼ ,;
　　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ;;;;;;;,　　　　　　￣　　　　　　　 |　|
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　　　 ﾞ;;,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾞﾞ　 ,,,,,,,,) 　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　 ﾞﾞ;;,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､_´￣　＿_,-　　　　　　　|
　　　　　 ﾞﾞ;;;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;|ヾ;;　くﾆ-´　,　　　　　 _,-´
　　　　　　 ﾞ;;;　　　　　　　　　　　　　　　 ,;;;;;;;|;,,,ヾ　　__,;;;ﾞﾞ　　　 _,-´
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.;;;;;;,　/　,　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　、　　＼,ヾ　/;;
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　 ;;;;;;/ / ( i i　 |　i l　　　　|　　　　ヾ　　　ヽ　ヾヾ　ヾ　ヾ;;;

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_rｧ仁二ﾆ-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄｪ／′　 　 ｀v⌒`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 //　　　　　　　 'ヽ､　　　　　……………………
　　　……………………　　 　　　　　 {i､　　　 　 　 　 'ヽ庁=､＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゞ>　　　　 　 　 　 ｀仁ﾆ＝ニ―‐-､
　　　　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　　（//!　　　　　　　 i､　∨二ニ≒=､￣｀ヽ
　　　　 ／　　　　　＼　　　　 　　　 　 //.ﾉl　　 i　 　 ､　 i ｀ヾヽ ーヽ
　　　／　　　　　　　　＼　　　　　　　/ノ/:::ﾊ　　 i!　　l　　ﾍ＼ い)､
　 ／　　　　　　　　　　　＼　 　　　ノ'　ヽ::::ﾉ人　ﾊ　 i|　　ﾄ､｀､ﾙ
　 |　　　　　　　　 　　　　　|　 　　く　　 rｦi:::::::::j从ﾉﾊﾊﾉ）ﾉ　}ﾉ、｀
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────やる夫の元を訪れたリタは、１冊の本を差し出しました

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　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::-　　　　　　　　　￣　`-::::::::::::::ヽ　ヽ　　　間違えましたわぁ
　 　　　　　　　　　　 (i::::::::／　　　　　　　　　　　　　 、　 ＼:::::::::!　l
.　　 　　　　　　　　　(l:::::/　　　　　　　l 　　　 l 　　 ヽヽ 　　i::::::::i 　|　　 こっちですわぁ
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.　　　　　　　　　　 / .l/. 　　 l lヽ 　 　 l l　　| l l 　 |　 l|　　 、l::::::l　 .l
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.三三三三三三ヾ. l_l 丶 　￣l ﾚ　 　ヽl .l/　ﾐ､､,,,,,ｨ.　ll　　/　 ll__ll.|||| .l　　　　　　　　　.　 〃,三三
.　 三三三三三三ゞ 　 丶　　　ﾞﾐﾐ三､　　　　　　 .|　/l　./、、￣　ﾞ ﾞ　l　　　　　　　.／三三三三.〃
　 　彳三三三三三三＼ ヽ　ヽ　　　　　　　::::::::　 |//／////.　l　l　　l　　　　＿／三三三三三.〃,
　 　ｨ三三三三三三三 ヽ| ＼ ヽ ::::: 　`_　＿　　　_// ∥∥ l　 l　l 　　l＿／三三三三三三三三〃,
　　　 ﾐ三三三三三三三 |　　ヽ!ヽ　　 ヽ、__ﾉ　／　　　　 ∥　 l＿　　 l三三三三三三三三三三.〃,
　　　　　 ﾐ三三三三三三| l i　l　　 _ ヽ　_ _　 ｲ_ -　_　 ／ l／: : : : -、 l三三三三三三三三三〃,
..　　　　　　 ﾐ三三三三三| l .i　ﾚ /: : : : : :ｲ l　(　　　-l　　l l: : : : : : : :＼ 三三三三三三三三〃,
　　 　　　　　　ﾐ三三三三| l　i　l/: : : : : : : l-.t-` --'、,-　　l: : : : : : : : : : >三三三三三三三〃,
　　　　　 =＝三三三三三!!|　 l＼ヽ: : : :/) _| iー'=`-'^―｀　l: : : : : : : : : : :ヽ三三三三三〃,
　 　　　　　　　 ＝三三三.!!|　 l: ::ヽl: : /) くー、-,=　l　l　l　 ヽ: : : : : : : : : : l三三三.三〃,
　　　＿（ヽ-――-- ヽ三 !!||　 l: : : : :/) 　__ヽ　l　lーl＝l/l　/: : : : : : : : : :/三三三三三三=ゞ
. 　 (　　l~　ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ　　l.ﾉ三;;||　 l: :/: ::l)　くー-`--'| ＝-　/　l: : : : : : : : ／::::::::::::::::)￣￣
　　 (`￣|　　　　　　　l　ﾚ三,l　　 ': : : l)　　丶l l　　 l//　_l　/ー=-ー=ｲ＿/￣￣ l
　　 _> ' ,ヽ　　　　　 /　　　 ,,l ./: : : : :l＿＿ヽ ヽ　.// /　}/: : : : : : : :/　　　 ヽ.　 l
　　ヽヽ/　!`―――'__　　_!:::::::i: : : : : : : : : :l::l {　 V　l/: : :{: : : : : : : :/　　/ lヽ l　 l

　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　 ＼　　　　　あの……
　　　　　　　 ／　　　　　　 ― ヽ
　　　　　　／ 　 u 　　　 　（ ●） '､　　 　　　　　　　　　　　　　　　　ツっこんだらジャンクにするわよ？
　　　　　　|　 　 　 　u 　　　　 （__ﾉ_）
　　　　　　＼　 　　 　　　　 　 ｀_⌒　　 いえ、なんでもないです……　最近お元気ですね
　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼

　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　r´ ´＼　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
　　　 (　　　　＼　　ロバート　　　　 　 .＼
　　 　 ＼　　 　 ＼　　　　バーンズ　　 　 ＼
　　　　　 ＼ 　　 　＼　　　　 　 　詩集 　 　 ＼
　　　　　 　 ＼　 　　 ＼　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　 　 　 ＼　　　　＼　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　＼　　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　r´＝＝＝＝＝＝＝＝＝ｒ´
　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　《 三三三三三三三三三=
　　　　　　　　　　　　　 　 ヽゝ＝＝＝＝＝＝＝＝＝=ゝ

本の中には
“私の愛する詩集を日本の大切な友に捧げます。ジェシー・ロベルタ・カウン”
と書かれていました（余市蒸溜所内・竹鶴邸所蔵）

　　　　　　 　 ∠　―-　　　　＼＼
　　　　　　／　　　　　　　＼ 　 ヽ ＼
　　　 　 / 　 　 　 　 ヽ ヽ　 ＼　| 　 ヽ　　　　　　　　　　　ロバート・バーンズの詩はスコットランド人なら
　 　 　 ′　　　　　　ｌ￤　ｌ　| ∧|、　　 ,
　　 　 |　|｜{　 l　|　 | |l _ﾊ斗′ヾﾄ　　 l　　　　　　　　　　だれもが一度は愛誦したことがあるのよ？
　　　 ！ l　、＼ヽl　/イﾚ厶ｲ　 　 |ﾄヽ　|　　　　　　　　　　ｵｰﾙﾄﾞ･ﾗﾝｸﾞ･ｻｲﾝ
　 　 　 ＼　斗≧ ∨　弋ｿﾉ| l|　　|ﾚﾉ　 |　　　　　　　　　　『今は懐しその昔』も、あなたの勉強している
　　 　 　 | l ハゞ'' ､　　　"　| l| |i　|｢　　 |ノ} イ
　　　　　.| | i从 　　､-ｧ　　 j从ハﾉｋ≦圭圭圭≦　　　　　ウイスキーの陳情を行った詩も
　　　 　 ﾉ人{　 へ.　　　 ／ | ｌ |才⌒ヾ圭圭圭ミぃ
　 　 　 ,ｘ≦圭≧厶'jfﾁ〔 ￣,| | i　　 r'i　 /＾ヾ圭圭圭≧　 入ってるわぁ
　　 ｘ≦圭圭ア´／〃|ﾄヽ /ﾉ i |　　 | |r'7　 　〉圭圭ﾐ
　　 彡抂圭〈　/　/{{_儿_}},ﾍ人ゝ /ニ Y　 　/圭圭ミ
　　 '　/圭州 〈　/ l｀)兀(´　 　 |　〉ﾆ､ |　　仆圭ﾐﾒ､

────ここでリタのご紹介です

　　　　　　　　　　　　　　　_　-─ ─- ,-　､
　　　　　　　　　　　　rメ´── ､::::::::::::::｀ヽ ＼
　　　　　　　　　 　 〆　　 　 ／　 ｀ヽ;:::::::::::＼ ヽ
　　　　　　　　　　// /　/　/　　　　　 ＼::::::::::ｌ 　',
　　　　　　　　 ,イｲ　| メ、 ｌ　　　,イ 　l 　}＿::_}　　!
　　　　　_, -ｰ' /ﾙ|　ｌ ｧ=ﾐ､! 　 // |　/! //｀ｌ|ヾ》　 i
　　　　/／￣　{|　| l ﾄ､ﾋｿ |　/二Zナ | ヾﾆｿﾍヽ 　 !
　　　　　　　　　､__}ﾊヽゝ , ｀´　 r'::ﾝヽ}／ }| |　ヾ＼ i
　　　　　　　　　｀ヽ:::| ∧　､ _　　｀´ ／　 /| | 　 ｀ヽﾆゝ
　　　　　　　　＜￣:::| 　|＼｀__　 ,ィ//　 ハ| |　　 l 　',
　　　　　　　-=ﾆ´::::::| 　ｌ^｀}ノ}ハﾞ7/　 /!_ﾉ}/l__ ,ィヽ ヽ
　　　　　　　　／ｨ／:ｌ　 |::/､/ｌ|　∨　/￣｀ヽ::::::∠ __＼＼
　　　　　　　　　/::::::::ｌ　 !{／ .ト=/　/::::::::::::::::l:::::::::::＜__ヽ ヽ
　　　　　　　　　ヽ:::::::|　ハｰr'ﾞY/／:::::::::::::::::::}:::::::::::::::::＜ !　＼
　　　　　　　　　ノ 〉:::| /::::￣｀／:::::／:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::＼　 ヽ
　　　　　　　　/　/::::::{ﾊ::::::::::/::::／::::::::/::::::::{::::::::::: ト､:::::､ｰ-ゝ　 ',
　　　　 　 　 /　/:::::::::::∧:::::::ヽ/_/:::／::::::::::::〉､::ﾄ､! | ＼::〉　　　　ｌ
　　　　　　 /　r'::::-::､:/　{:::::::/´::::｀ヽ:／￣:｢､ ﾚ'　　!　 ハ　!　 　 !
　　　　　　,'＿ﾉ_::::__::/　ノ:／::::::::::／::::::::::::::| }/|　　,'　/　ｌ　|　　　ｌ
　　　　　　ｌゞ/／＼〈／／:::､__:／:::::::::::::::::::ﾉ　 |　 /! /　 l　ﾊ　　/

ジェシー・ロベルタ・カウン（２１）、１８９６年１２月４日生まれ。１９０５年から１９１３年まで
レンジー・アカデミーに在学、１９１３年から１９１６年までグラスゴー学院（ｱｾﾆｳﾑ）。
英文学とフランス語の過程を修了しています。生まれつき体が弱く、１５歳の頃は学校に通えず、
家庭教師を受けていた程です、１８歳で健康を取り戻しアセニウム入学、卒業後本人は
就職を希望していましたが、両親に反対されており、卒業後は家事手伝いをしていました、
当時の女性にしては珍しく運転免許を所持しており、父親の往診の送り迎えをする事もありました

────それからしばらく後

　　　　　　　　　　　　　　　,,,_
　　　　　　　　　　　　∠てYフ大>､_
　　　　　　　　　　／／イ⌒⌒　　　｀丶
　　　　　　　　 ｒくL/∠. /　　　　　 ヽ　 丶
　　　　　　　　 ゝ..水､ｊ} i　|　　 ヽ　　i　 ､ ヽ
　　　　　　　　　}71|¨´｜ l、 i　i i　　i, |ｌ l　ﾄ
　　　　　　　　 ,ｊ:| |:|丶. ﾄ､|へﾄ. l l　 从ﾘ,i i !　　　　フランス旅行の印象はどうでした？
　　　　　　　　/|:| |:| . ヽ|弋ｊ下ヽﾘ}ィテ}/.}ﾙ
　 　 　 　 　 /　` "ﾍ＼＼　　　　 ,　 彡ﾙ |
　　　　　　 /　　　/∧　ﾄ_､　 ー__‐'／ .{ ｜
　　　 ､＿/{　 {　/ムﾊ　ｌ　　＞ｚ＜ﾑ}　レ
　_＞￣　 ￣￣／: : : ﾍ Vく/7水{ソ ｊ　l､: :ヽ
　 ＞　　　　　/: : : : : : :ヽﾍ ´ |:|Vﾍ/// ∨: :ヽ
＜＿／　　　.{: : : : : : : : : ヽY ｊ」厂レﾊ　{/!/: :ヽ
　 ∠.. イ ィ／ゝ: : : : : :ノ: : : ＼ 〈Yﾌi}: }ｒ／/}: : /
　　　　 ﾚ1′ | | ﾍ: : : :'､: : : : : :＼､V ﾉﾉ: :'ｒ':／
　　　　　 l | ､ ﾄｌ､ﾄﾍ: : : :＼:__: ィ-‐＜ ﾍ__ノ´

　 　　　　　＿＿＿_　　　　　　　ボルドーの葡萄酒工場は大変印象的でしたお、アメリカの大量生産方式に比べて、
　　　　　／⌒　　⌒＼　　　　　 フランスのは原始的と言ってもいい設備で作ってるんですお
　　　 ／（ ●） 　（●）＼　　　　ところが米国産はボルドーの足元にも及びません、昔、日本酒を造っていた父は
　　／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　　　酒は人間の心が造るもの、心が乗り移って出来上がるものだと言っていました
　　|　　　　　|r┬-|　　　　 |　　 機械では本当の酒は造れません、ウイスキーも同じことではありませんかお？
　　＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／

　　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　　 ／　　　　　　 　 ＼　　　　（そうだお、酒は人間の手、心、自然、そして時間が造るんだお
　　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼
　　　 　 |　 　 　 （ー）　 （ー）　 |　　　　そのためには書物の勉強だけではまだまだ足りないお）
　　　　　＼　 　 　 （__人__）　,／
　　　　　　ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼
　　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l
　　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /

　　　　　　　／￣￣￣ ＼
　　　　 　／　　─　 　 ─＼　　　……もしかしたら、
　　　　／ 　　 （ー）　 （ー） ＼
　　　　|　 　 　　 （__人__）　　　|　　また実習に出かけるかもしれませんお
　　　　＼　　　 　 ｀ ⌒´　　 ／

　 　 　 　 ,'´r=＝ﾐ､
　 　 　 　 卯,iﾘﾉ）)）〉　　　　……どちらにいらっしゃるの？
　　　 ／`-|l〉l.ﾟ ｰﾟﾉlノ＼

　　　　　　　　　　　　 　 ∩＿
　　　　　　　　　　　　　　〈〈〈　ヽ
　　　　　　＿＿＿_　　　〈⊃　　}
　　　　 ／⌒　　⌒＼　　 |　　 |　　　　キンタイア半島のキャンベルタウンですお
　　　／（ ●） 　（●）＼　 !　　 !
　 ／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼|　　 l　　　 実はとうとうウィルソン教授が実習許可を取ってきてくれたんですお！
　 |　　　　　|r┬-| 　 　 　 | 　／
　 ＼ 　 　　｀ ー'´ 　 　 ／／　　　　　 今度は長期実習ですお！
　　/　＿＿　 　　　　　　/
　　(＿＿＿）　　　　　　/

　　　　　　　　　　　_　　　　,r''ヽ
　　　 　 　 　 　 ／　｀ ヽ:ｧ′　 ヽｰ- 、
　　　　　　　 ／　　　　　′ ,、　 　 、　｀　､
　　　 　 　 ,:'　 　 　 / ,r:､ /:::V　　　V 　 ヽ`:、
　　　　　 / 　 　 　 ,' /ﾞﾞ｀`"＾! V ﾞ、　Ｖ　　 ﾞ:､ﾞ:,
.　 　 　 / /　 ,　　 L∟、　　 i　V.i;:.‐-i､　　　', '.
　　 　 / ｲ　 /　／| l.　　　 　 !　V|':;:.　l:｀　　i ', i　　　　イネス博士言うて、うちが大変尊敬している先生やー
　　　 ,'/ l 　 i　　.:;{ !　　 　 　 |　 ij. V　!i,　　 i. ',l　　　　どこに行ってしまったのか判らなくて探してたんやけど
　 　 〃 .l　　| 　.::;'l.|ﾆ二、　　　　ｻ-―-V　　|　{　　　　キャンベルタウンのヘーゼルバーン蒸溜所におるさかい
　　　!'　 !　　}　.::i"ｲ―-ﾐ　 　 　 "'"´Ｖ|｀V　 jヽﾞ、　　　この紹介状を持っていけば、あんじょうよろしくして下さるはずやー
. 　 　 　 l.　 ﾊ　 }　 !　　　　_'＿__　 　 ﾘ　 }　 iYヾ:、
　　 　 　 l.　j ﾞ、:!!　　　　「　 　 `' i　　　　,!:i　ﾚ'.l!　　　 あとなんか、麹に興味があるらしいから、日本から取り寄せておきやー
　 　 　 　 V|　ﾞ､ｉ !、　　　l　　　　 j 　 　 ,ｲ:ﾊ !
　　　 　 　 ﾞ{.　 ﾞ!.|,,丶,、　 ヽ､__,ノ　　,.∠;l l, ﾘ
　　 　 　 　 　 ,r;!j;;;;;;;;;;;;;`;;;,i､ _ ,,　匕;;;;;;;;j.!;;;;;;,、
　　　 　 　　/;;;;;;;i.l;;;;;;;;;;;/ ヽ!　　 ,／ ヾ;;;',';;;;;;;;;;;;;,
　　　　　　 ヾ;;;;;;_;j.!:::::イ　,rﾞ!　/,､　 　 ,'/＜::;;;;;ｼ
　　　　　　　 ／　 ﾞ:、 ｣ ハ'"｀ヾ.へ　//　　　,.｀:､
　　　　　　 /　 ! -‐ヾ '"　{　　/　　 ｀　丶、/　　｀:.
　　　　　／　　 !,　　　 　 /"Ｙ　　　　　　 /　　　　ﾞ、

　　　 /丿 ／//　 ／　　　　　　　　 　 　,-----┘　 ,--、
　　　　,-,/　/ |　 i i　　　　　　　　　　　　￣￣｀◎-´　　｀---、
　　 ､''~　i|_/　|_／ﾍﾍ ﾍ^ﾉ　　　◎　　　　　　 　　ｴﾃﾞｨﾝﾊﾞﾗ　 ヽ
　 /丿)　,;'　 o'/　ﾉ/ヽ"ﾞ |　　ｸﾞﾗｽｺﾞｰ　　　　　　　　　　　　　　 ﾍ
　　　'-'~　　　ﾉ　|ﾍ　 ヽ　~ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ~ヽ
アイラ 　　　 ﾉ　ﾉ　ﾍ_ﾉ　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　|_,,,ﾉ　　　　　ﾉ　　　　　　　ロ ー ラ ン ド　　　　　　　　　|
　　　キャンベル　　　 ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　タウン　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　 |~＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 ヽ ヽ~ﾍ 　（＼_　　r-~~~ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 ヽ,ヽ　ヽ,_,）　~~~　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　 ／　　　 ,　　/　　　　　// |　　　　j､　 　 /!　　　　 ／ /´　|:::!:::＼ 　 /::/
　 　 　 　 　 　 /　　/　 /　.i│　　　　//　 j　　 　/i !　　/ |　　　／:: /i 　　l::::!ヽ::::＼::::∧
　　　　　　 　 /　 // 　 i　　l l 　　　 //　 /l 　 　/_j_|＿/　|　　く:::::: く_l_　　|::::!､ ＼::_:ノ　 i
　　　　 　 　 /　 i /　 　| 　 l l　　　,／　 / j_,. ィ´//　／　 l　　 　｀ーr-.::` -:::j:::!　＼!ヽ　　＼
　　 　 　 　 i　　,l l　　　l　　ヽ! _ ／ 　 ./ ./ 　/_/,ﾚ''＝/ /i　 　　 　ﾉ　　 ` ｰｲ:::|　　 ヾ＼＼　＼
　　　　　 　 l　 /l l　　　i､　 /`jｨ　　 ／　/　, イ jr }_,.　,/ /　　　　/　　 　　　|::::|　　　 ヽ::!　　　 ＼　　　　そうなの……
　　　　　　　l　 |ヾi 　 　|ヽ.イ´ _ゝ_ j　　/ ／　ｰ` ´ ´,ノ /　　　　/! 　 　 　 　|::::| 　 　 　i::|　　　　　＼
　 　 　 　 　 ! │ ヾ. 　 l!　ヽ!イ,iriヽ' 　 ´　　　　　 　 　/ 　　／,j. |　 　 　 　 |:::::ト 　　 　i::|　　　　　 　ヽ　遠くに行ってしまわれますのね……
　　　　 　 　 ヽ,l 　 ＼　{!　V　ゝ '､ 　 　 　 　 　 　 　 /　 ／,／│!　　　　　/|:::::| ＼　 　i:::|
　　　　　　　 　 `　　 　>_＼ ゝ　　 ヽ 　　 　　　　　／_／　　　　|/　　　　 ∧|:::::|　　＼　ヾﾉ
　　　　　　 　 　 　 　 /::::,へ.　＼　　　r= -　　　／' ´　　　　　 ,/　　　 　/　 L_::!　　　 ＼
　　　　　　　　　　　 /::::/ 　| ` ーゝ　　　　　　　 　　　　　 　／,,j　　　　/　　 　＼　　　　 ＼
　　　　　　 　 　 　 /::::/　　|　　 　＼. 　　　　　 　　　　　.／　//　　　人　　　　　 ＼　　　 　＼
　　　　　　　　 　 /:::::/ 　 /!　　　　|!へ.　　　　　_ . -‐' 　 　 // 　 　/　 ＼
　　　　　　　　 　 `─' 　/ノ|　　　　|!　　` ー--r‐､ー.､,, ==//　　 ィ_. 　　　＼
　　　　　　　　　　　 　 /'　│　　　|ﾘ　 　　／r{_::::::}f｀＼::＼/　 ／三.`l　　　　＼
　　　　　　　　　　　 ヾ,,_　　ヽ　　　| 　_,／:／/:::/ |:::! 三`／　ィ_ 三三 ヾ　　　　 ヽ
　　　　　　　 　　　／ ＼;;`メ､＼　 |　!:::f'´　/:::/ . |:::|=.／ヘ´ヽ:::ﾉ三三　ヽ　　　　　　　　, -
　 ー=＝＝＝;;＝'─--ゝ､;;;;;;＼;;ヽ!､ ヽ::＼/::/ 　 |::::|三三三三三三三三 ＼　　　　　／

　　　　　 　　　＿＿＿_
　　 　 　 　 ／　　　　　＼
　　　　 　／　　u　　 ノ　　＼　　　……………………？
　　　　／ 　　　　 u （●）　　＼
　　　　|　 　　　　　　　（__人__）|
　 　　 ＼　　　　u　　　.｀ ⌒／
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　 _ ＿,.. ----- .､. _!!;;`'-ゞj _._
　　　　　　　　‐_ .., - 　　　　　　　　((i!;;;;;;;;;;;＼ii - ､
.　 　 　 ／　´／　　　　　　,,　　 　　((i!;;;;;;;;;;;;;ヾｿ　 ＼
　　　／　　／　／／ 　 ／ 　 /　　 　((i!;;;;;;;;;;;;;;;;!)) 　 ヽ
　　　　　 /　　/ / 　 ／ 　 　//　/　/　ゞi!;;;;;;;;;;;;;;;;!)).　　＼　　　　　……こんな事を申し上げるつもりではなかったのですが、
　　　　　!　〆! /　／ 　 _ .,ノ/ ／ 　/　/`j!;;;;;;;;;;;;;;;;;;!))　　　ヽ.
　　　 　 ﾚ｡ j/!　/∠_∠-'-/-/､.,／ ,ｨ 　 ((!;;;;;;;;;;;;;;;;;!)) 　　　｀　　　　実は私には婚約者がおりましたの
　 　 　 　 　 .! !/ソ",,-, r-∠＜ ﾒ／/　　 _ゞj;;-;;;;;ﾉU. 　 　 !　 |
.　 　 　 　 ,.. 　 '　 　,/;/_.　"´ ´　 / 　 r ';;r-'' ／r!;fヾ ､　　|　│　　その人は大戦に出征し、遠い遠いシリアで戦死してしまいましたわぁ
　　　　　　i　　　　　 ￣ ‐　　　 ／　　 ヾヽ /;;/　!;;|　ヾ;;､ 　| 　|
　　　　　　.　　　　　　　　　　／ 　　 ／ハ;;'_;/. 　!;;|､__ノ;;! .　 　|
　　　　　　 ト､　　　　_, -‐ ´＿, 　イ..::/　 ` !;|　　!;;ゞ-－' 　＼. |
　　　　　　 !　　　　　 　￣　　　　 /" !　　 /;i! 　 !;;|　　　　　　ヽ
　　　　　　 |　　　　　　　 　　 　　/　/　 //;!i.　　 !;;|　　　　　　 　＼　　　　_ ,..-─
.　　　　　　 j　　　　　　_＿　　イ/　/　 / j;;;|| 　 　!;;|　　　　　　　　, ＞-‐ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　 ` ＜ _´　　　　　//　/ 　 /　,!;;;|| 　 　!;;|　　　　 j ..-';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　 `　-.　　 /　/　／　/!;;;;||　　 　ゞj,,〆／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　 　 　 ∧　/　/　 　 ∧ `ヽ|　　//∠';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　／ r-/〆　　／;;;;;;ヽ,　|　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　 ／　 /／´　 ／;;;;;;;;;;＞ー‐<,, ;;;;;;;;;;;;／!,,,.／ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　／ _ イ　 　 ／;;;;; ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼／iiiiiiii∠,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　∠ -　／　 ‐ ´j!;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼iiiiiii∠ ＿＿＿;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　 　 　 　 ∠ - 　 _,,((/;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii／＿＿;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　 f/ ((/;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii／;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　 / ((;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii／;;;;;;;;;;;;;;;;;;

　　　　　 　　　＿＿＿_
　　 　 　 　 ／　　　　　＼
　　　　 　／　　u　　 ノ　　＼　　　……………………
　　　　／ 　　　　 u （ー）　　＼
　　　　|　 　　　　　　　（__人__）|
　 　　 ＼　　　　u　　　.｀ ⌒／
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼

　　　 　 /　　　　/ 　 |　　 |　　　　　　　　|　｜ | |　　 |　| | 〈:::〈　　　　|::::|
.　　 　 /　　　　/　　｜ 　 |　l　　　　　 　 |　 |　| |　　 |　| |　l＼＼____丿 ﾉ
　　 　/　　　　 ′　　|　　 |　|　　　　　 　 |　 |　| |　　 l　ｌ｜ |　 ヽニニイ
.　 　 ′ｌ　　　　　　　|　｜|　|　 　 　 　 / |　ﾉ 厶|－/　十| ┼-　、//　|
　　　l　l|　 　 l　　 　 |　 |｜｜　　　　 /　.|イ´　/　/ ― トL｜　　//　 l|
　 　 | ｌ |　　ｌ |　　 　 |　 |｜｜　　　 l ′ ﾉ/　 /／＿＿_l/l　|　　l:::| 　 ｌ|　　　……ごめんなさい、つらない事を話してしまったわ
　 　 | | |　　| |　　 　 |　 |｜ ＞、　　| | ／　 　 彡＝＝＝キ≦　|:::|　 '｜
　 　 | | |　　| |　　 　 |　 |／　へ＼　| l　　　　　　　　　 　 |ｌ｜　 |:::| /　|　　　そうそう、ロバート・バーンズの詩集、お気に召しまして？
　 　 | l∧　 |｜　 |　 |､/| l／ 　 ＿_　　　　　　　　　　　　 ||｜　 ＼〉　 |
　　　ヽ　 ＼|｜　 |　 | ヽ〈 　 彡'"￣　　　　　　　　　　　　ｌ|｜　　/| 　 |
　　　|::::|＼|::l├ﾍ、 、ｌ　 ＼ 〃　　　　　　　　　　　　　 　 ｜|　　'　|
　　　|::::|　 レ＼ | ＼＼ 　 ∧　　　　　ヽ　　　　　　　 　 　 ｌ | 　 |　|　/
　　　|::::|　　　|　|l ｜ ｀ ＼ トﾍ　　　　　　　　　　_,. ‐　 　 ノ八　 |　|./
　　　|::::|　　　|　| ｌ｜ 　 ｜ｌ|　＼　　　　　 －　´　　　　　　　　ヽ|　|′
　　 └┘　　 |　|∧l　　 ｜||　 　 ト　　　　　　　　　　 　 　 　 　 二|
　　　　 　 　 八 |　ヽ　　｜|ｌ　 　 |　　|＞　　.　　　　 _　 ´ ／／..::.:|
　　　　　　　 　 ＼　 ＼ ｜ﾘ　 　 |　　|　　　　　｀Ｔ爪＿／／..::.::.::.:|
　　　　　　　　　　 　 　 ＼　　　　|　　|　　　　　　|＞〔]‐＜ ::.::.::.::.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ　　| 　 　 　 ／イ/＾ｌ ト､＼::.::./

　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　 ／　　 _ノ　 ヽへ＼　　　　　　実はスコットランドの方言が入っているせいか、
　 　 ／　　　（ ―）　（―） ヽ
　　 .l　 .u 　 ⌒（__人__）⌒　|　　　　　まだお勧めの詩が読めないんですお
　 　 ＼　　　　　｀ ⌒r'.二ヽ<　　　　　　　Auld Lang Syne
　 　 ／　　　　 　 　ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、　　　「今は懐かしきその昔」は、何とか読めましたお
　　/　　　,　　　　　ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
　　{　　　{　　 　 　 　 ＼｀7ｰ┘!

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿r=ｧ=､ィfZｧ､,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　 ´fフ:´-=_:三ｰ_ｰ^ヘ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　_r/／'_ｧ'='^ー'｀´｀ ^ｰ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　/r＝､ｿィｰ'7´　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ L／ｲ| ヽヽ　　　　　　　　　ヽ　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　,　ｿ/ l ﾊﾚ´イ{ {　　 |{.　 　｜　 |　 ﾊ　　　それはあなたがまるでウイスキーと同じように、
　　　　　　　　　　　　　　　 //:/　ﾉj ｀´i |｀ヽト ､ |:ヽ. 　 }　, ﾘ　｜!
　　　　　　　　　　　　　　　ハ:{／ｲ: {　 小7ﾃﾐﾄ､ {ヽ!:　/ / / 　 l l　　　厳密に研究しようとするからだわぁ
　　　　 　 ヽ.＿ヽｰ ､　　 /　/／ |:.　ヽ. {　'赳ハ＼ }:/_ｵメﾘ　 ｲ/
　　　　　　　 ￣二ﾆヽヽ/　-ﾍ､:.. l:...　 lト＼｀　　　 /ｨ亙ﾌ'´／/′　　　心のままに読めばいいんですわ
　ヽ､＿　_-ｧ.:´__::.::.::.:ヽ::＼　 j:〉..:.l:...　 l!　　　　　 ,!　　７´ |　 　/
　　_,._-ﾆ-ｧ‐´ィ二;:-- ､::.::..｀ヽ､..:∧:..　lﾄ_､　　｀ ｰ　 イ.:　j|　 /{ ﾉ′
‐ ´/´　／´￣´／::.::.::.::.::..‐.-_､::＼:.ヽ:.. l::.::＞ー＜l!:..:.|:.　ﾘ‐／/ﾚ
　　　 /′　 ／-‐ｧ::´::, ｧ::／.::.:￣:.｀ヽﾄ､.V／::}:ﾊ:{ﾄヽ/!:.　!:/‐'::/
　　　　　 ／´ ／::.:／ノ／..::..::.::.::.::.::.:..:ヽヽヽ=l:| ト='ｲ-!: /::;∠ イ_

　　　　　 　 　 　 　 l|　　 l　-─‐|- ___　 |　　　　　 　 　 /　　　/　/　　　　　 |　　　　　　　　Scotland, my auld, respected mither!
　　　　　　　　　 　 l l　 　 ',l＼　 |＼ 　 ‐|-　　　　　 ＿/＿＿///　　 /　　　l|　　　　　　　　Tho' whiles ye moistify your leather,
　　　　　　 　 　 　 l　l　　 　 l_ヽ_|__ ＼　 | ヽ.　　 　´／/ __,／//￣／ 　 　 l l　　　　　　　　Till, whare ye sit on craps o' heather,
　　　　　　　　 　 /ｌ　ヽ　　 　l｀ヽi､＿_,＼!　＼　 ／／'_　　　/_,／./　　 　 ｌ l　　　　　　　　 Ye tine your dam;
　　　　　　　　　l´ l　　 ＼　　＼　￣￣｀　　　　　｀' /i_｀ー＝-´　/／　　 / .l　　　　　　　　 Freedom an' whisky gang thegither!
　　　　　　　 　 ヽ |　　 　 ＼_ 　＼　　 　 ,、　　　l_,.!ｬ',　　　　 ,ノ　　　 ／　l　　　　　　　　　Take aff your dram!
　　　　　 　 　 　 ｀l　　　　　　|｀､‐｀　　　'､.ヽ-‐ '´,ノi__',_　_,-'´　 　 .／　　.l
　　　 　 　 　 　 　 l.　l.　　　　|　 ＼　 　_,-｀‐｀‐´ｫ　l-‐ﾍ´　/＾i　,／　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｽｺｯﾄﾗﾝﾄﾞ
　　　　　　 　 　 　 ',　l　 　 　 ﾄ､,/　｀ｙ´　／l￣l´/　l 〉　}⊃　/'´　　　　/__　　　　　　　　　 我が敬いし母なる国、蘇格蘭
　　　　　　　　　　　 ', l',　　　　l ヽ ／　 / ∠l　∨　 l′/‐'　/　　　　　/　　ヽ
　　　　　　　　　　　　',.l ',　　 　｀ｙ´　　　　　/　　　　　 　 ／　　 ／／　　　　',　　　　　　　　汝が時に肌を湿らそうとも
　　　　　　　　　 ,ｒ‐‐-',ｌ ',　＿／　　　 　　/　　　　　　／　　 ,／／　 　 _　　　ヽ　　　　　　 　ﾋｰｽ
　　　　　　　　／　　　　　/l／　　　　 /　/　　　　 　 /　　 ,／〃--‐‐ ´　 ヽ、　 ヽ　　　　　 御楊擬の茂みまで乾ききっている
　 　 　 　 　 /　 　 　 　 / l_　　　　　/　l 　 　 　 , -'‐､　／￣´　　　　　　 　 ｀ヽ　ヽ
　　　 　 　 /　　　　 　 /　i ｀i　　／　 _,.l　　,.-､_ﾉi　　 l´　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ　ヽ　　　自由とウイスキーは共に進む
　　　　　 /　,,.-‐ '"＾>'l 　 l　|　　　lT´,) ',／ 　 ヽ l　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 ）　　 　　　　　　　ﾄﾞﾗﾑ
　　　　　 ／　　　 く　 l 　 ｌ. lヽ、 / l'´/ノ、　　　 ',|　___L_　　_,.-‐ '"´｀ヽ、　　 　 　 ／　　　 諸君、一息に杯を空けよ！

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／ ⌒　　⌒＼
　　　　　 ／　（○）　 （○）＼
　　　　／ 　 ///（__人__）///＼　　　（美しい人だお……）
　　 　 |　　 u. 　 `Y⌒y'´　　　 |
　 　 　 ＼ 　 　 　 ﾞー ′　　,／
　　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　 　 　 / rｰ'ゝ　　　　　　　〆ヽ
　　　　/,ﾉヾ　,>　　　　　　ヾ_ノ,|

　　　 　＿＿＿_　　　　━┓
　　　／　　 　 　＼　　 ┏┛
　 ／　　　_ノ　ヽ､_＼.　 ・
／ 　　 （●）゛ （●） ＼　　　　　（しかしなんでやる夫に婚約者の事を……？）
|　 ∪　　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼　　　　（まさかやる夫の事を……いやいや、まさかやる夫がプロポーズなんかして、
／ U　　_ノ 　　 ヽ_ 　＼
|　 　　 （一）|lil|（ー）　 |　　　　断られたらもう二度と顔を合わせられないお）
/　　　　 ∩ノ ⊃_）　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼　　　（それに結婚したって、やる夫は日本に帰らないといけないんだお
／ 　　　　　　　　　　＼
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |　　　リタを日本に連れて帰るなんて狂気の沙汰だお）
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

さて、その年のクリスマス、やる夫はカウン家のクリスマスパーティーに招かれました
スコットランドではクリスマスにプディングケーキを作る習慣があります
スコットランドではケーキとは固いビスケットの事で、プディングケーキはプリンとは異なり、
ドライフルーツやナッツを生地に混ぜてオーブンで焼き、冷所で一ヶ月程熟成させて完成させるものです

http://ja.wikipedia.org/wiki/クリスマスプディング

　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　(　ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　　__{　　_,ノ　　}＿
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／イヽ　　　　ノ ｿ)) ､
　　　　　　　 　 　 　 　 /ｲ(( ヾ ~＾~＾~＾ -‐=彡 )
　　　　　　 　 　 　 　 〃 { ｀ヾミ=-　 -―=ﾆ彡 '))
　　　　　　　　　　　　 } {ヾミﾆ=―‐-　 　 ‐=ニ彡')
　　　 　 　 　 　 　 ／{　ミﾆﾆ=―- 　 ―=ﾆﾆニ彡')ヽ
　　　　　　　　 　 /　 ( ヾミﾆ=―-　 　 ｰ=ﾆニ彡'ｲ}､ i
　　 　 　 　 　 　 i　 (( ＼ヾミ=――- ｰﾆニ二三彡'} !
　　　　　 　 　 　 i　　Yヾﾐｔ､ヾミﾆ―- -＝ﾆ三彡'／/
　　　　　　　　　　ヽ　 ゞ､ﾐﾆ＝-｀ミニニニﾆ彡／／
　　 　 　 　 　 　 　 ｀ｰ=z.｀ー＝======＝‐ '.=‐'
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀￣￣￣￣￣￣´

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　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　,l:::::::::l　l
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　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l::::::::::::::::::l　|　／ 　 ,.ィｽ゛＿＿ 米 ｀¨''ｪ,-､＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |::::::::::::::::::|　| / ,　/´__r‐'´/.:.:.:.:.｀¨¨''ー-ﾆ､ヽ ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |;:::;:::::::::::::|　|/ / /, //.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:,,).:./.:.:.:.:.:.:ヾヽ ',
　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::|__l.ｲ ｲk//.:.:.:/.:.:.:.:.:.／/.:/:/.:..:.:.:.:.|:ヽ| ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣||ｰ'＜,￣ｰ;'´ '.:i:-‐/＼;:＜.;.ｲ.:/.;ハ;／ .:.|.:.:i! /
　　　　　　　　　　　 　 　 　 （　 ￣｀¨.〉/ ,'.:.jｨ,|.:.|__/_,∠__／ ,)ｲ,ｲ二ヽ___｀!!:.:|,)
　　　　　　　　　　　　　　　　{｀ー---'V､ |,ｲﾎ !.:.!｀Yひバヽ　／/ ｨアﾊY´||.:.:||　　いよいよプディング占いの時間ですよー！
　　　　　　　.　　　　　　　　 ∧｀¨'''ー'ﾊj j.:{　 |.:.:!| ﾞ又_ツ　　　,　 又ツ゛｀ﾘ/.:!!
　　　　　　　.　　　　　　　　 ヽ,{_¨''‐,zｸ'N.:.:j_L|.:.:.:ヽ　　　 　 ＿_　 　 　 //.:./|
　　　　　　　　　　　　　　　　r'-〈￣ 人,) Vヾﾄ{:.:.:ヽ ＼　　 /￣｀|　､__／´.ィi.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　｀Yﾞ 　　 ,) |:　）ﾍ、ヽ.:__＼.ﾐ、 ヽ.　ノ　 ｀ｱ,イ　 |.:.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　ヽ　 j:ヽ::＼ ＼￣｀ヾヽ___,．＜,)'､__! 　|.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ゝ、　　,'::.::ﾄ､::.:}　 ヽ.　　￣｀V´　｀ヾ-{米 !.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　／::.::.ヽ__/:.::.::!.::i.::ヽ 米l　 　 ／ﾊ＼　　Y　　|;,)
　　　　　　　　　　　　　　　 ／ .::.::.::.::.::/.::.::.::|.::.ヽ::|　　l　　〈_/|{}iヽ_〉　 | 　 {:|
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.::.::.::.::.::.:〈::.::.::.::.!.::.::.:ヾ　　!　　 　 !{}|　　　 !米 |:!
　　　　　　　.　　　　　　　　　ヽ ::.::.::.::.:i::.::.::./､＿,ノ| 米!　　 　 !{}|　　　 ! 　 ﾄヽ、.
　　　　　　　　　　　　　　　 ／|.::.::.::.::.::ヽ ::/ /ヽ:::::::! 　 ',　　　 |{}|　　　 | 米|::.｀7　　　 ___ 　 ,∠'つ
　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:＼__.::.::.::.:V.:/.:.:.:.＼:|　 　i 　 　 |{}|　　　 ',　 {::.:/|-‐‐''¨　-｀Y_,ｲ .仁ヽ
　　　　　　　　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ー'´.:/.:.:.:.:.::く｀} 米 |ﾆ}=}ｿ乂＼ｽﾇｲ　 |ノ,ｲ＼ ヽ　　　 ||￣{,仁,)

また、材料に６ペンス銀貨と裁縫用の指貫を埋め込んでおき、
ケーキを切って食べる際、６ペンス銀貨が入っていれば金持ちに、指貫を当てた女の子は
いいお嫁さんになれるという「プディング占い」という習慣があります

　〃///ヾ　　　 i　ll　　i !　l　　 i　　　l　|　 l　　ヽ 　ヽ
. i:|//i::i　 》　　/|　li　　!ﾒ　l　　 l　　　!　i　 |　　　', 　 ',
　〆i !:Ｌ〃　　i　', | !　 | l　ﾄ, 　 !　　/　 l 　!　i　　} 　　!
// / |:|'" i　　斗弋Ｔ､‐- ', | ヽ　!　 /i　/! /!　!　　l.　 } |
/　i　|:l　　',　 i弋ゝ‐-Ｙ=､丶｀ ',.|　/_.!ﾑ､/_l /　　/　 ﾊ !
.　 |　!:l 　 ∧. !　 ﾋ_q ）＿ヽ　　 ﾚ' 　ﾚ' 7　ﾒ　　.ｲ　/　l !　　　あら、指貫が当たったわぁ
.　 l　|:|.　 　,ﾍﾍ 　 　 　 　 　 　 　 ,r‐‐tｧ/　／|　,/ 　 ﾚ
.　 l　l｣　　 i　 ヽゝ:::::::::::..　　　　　　ゞﾟノ/／ﾉ　|,ｲ
　　!　　　　ﾄ､　　　　　　　　　　 !　.:::::..´ソ" 　 l:｣　　　,-'´
　　i　　　　|. 丶　　　　　 ､_ ,､_ ´　 　 ／',　 ,　 　　／／
.　　',　　　 ﾄ､　 ゝ .　　　　 ‐/ ﾌ_,, ｨ ´　　!,〃 ,..-'´:∠＿
.　　 ',　　　|::::｀:‐-.､｀＞ . _ / /l´　ﾞ!i　　　lｲ/:::::::::::::-= 二､_
､_＿_ﾍ　　 !::::::;ｨ;=＝,‐､ ;_/ /　!　　!| 　 　|::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::ｆf《ﾍ　 i::≪::::::〃!,ｨ´｀‐-ヾ､l_／_il　 　 l､::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::ゞ》 ﾍ. ﾄ､::::ﾞ彳/ゞ/r‐---､i／´::::|　　/:::＼:::::::::::::::::::::::::::

　　　　　　　　 　　 ,ィ
　　　　 　 　 　 　 / |
　　　　　　　　　 / /|　　　　　　　　　 .　/uiu､
　　　　 　 　 　 / //　 　.＿＿＿_　 　　|　　 |
　　　　　　　　/ //　　／⌒　　⌒＼. 　 ヽ　/
　　 　 　 　　/ //　／（ ●） 　（●） ＼ .　| |　　やる夫は銀貨が当たったお！
　　　　　　　| //.／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼.| |
　　　　 　　 ﾍ〈_.|　　　　　|r┬-|　　　　.　|⌒)
　 　 　 　 　 〈_ィ.＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／ ／
　　　　 　　　　＼　　　　　　　　　　　　.／
　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　./
　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　i

そして、女性に指貫、男性に銀貨が入っていれば、二人は将来結ばれるといいます

　　　　　　　　わー！結婚！結婚！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おしあわせになのー！
　　　　　　　　　　　 _＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -――‐-v冖v-―――- ､
　　　 　 　 　 ┌＜二三三三三≧　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 く: : : :r＞―^ｰﾍノ）=＝ﾐ : : : :|
　　　　　 　 　 ∨三三三三三三７　　　　　　　　　　　　　　　　　　rｸﾍ:／　 ,　　　 ,　 ﾋr┬- ､: :/
　　　　　　　　　∨‐' ´￣￣二二ﾕ＿　　　　　　　　　　.　　　　　 rｸ : :/　　 /　　 l　|　 厶:ヾ､:_:》 :＼
.　 　 　 　r=＝ﾆ二ニ三三三三三二≧　　　　　　　　 　　　　　 K_:_:/　 / ,′　　l　|l　 | 厶 : : : : ／
　　　　 　 ｀ヽ三斗‐〒::￣｀::.:‐＜三／　　　　　　　　　　　　　　 　 /|　l/| レ1　 / lﾒ､_/l　 l|ヽ､／ヽ、
　　　　　　　 /:: /::　| !|ﾞ＼::.､ ＼:. :.ﾍ　　　　　　　　　　.　　　　 　 /　l　|イ ⌒|　/ /⌒ ｀7　ﾘ=ミ＿＿〉
　　　　　　　 |::. i::.::.: l ⌒　 ヽヽ｀ヽﾄ､ﾊ　　　　　　　　　.　　　　　厶イ＞l | ●　　′● /| /ヽ、｀二}
.　　　　 　 　 !::.:|:.:.从 ● 　　　●ｌ小N　　　　　　　　　　　　　 　 く// ,小⊃ ､_,､_,,　⊂⊃=＜|　 ＼
.　　　　 　 　 |:.（|:. ⊂⊃ ､_,､_,　⊂l: i/　　　　　　　　　 　　　　　　 {_{_fて(ﾍ　　ゝ._）　　ｨ　/⌒i } 匸´
　　　　　　 　 ﾞi⌒ヽ j　　（_.ノ 　　ｊ:|ｿ_／⌒)　　　　　　 　　　　　　　/⌒ヽ__＞,､ __,　イァ/　 / ｀￣
　　 　 　 　 　 ヽ 　ヽx＞､ __,　イ !// ヽ ／　　　　　　 　　　　　　　＼ // : : :_:_∨_:__: :ﾍ__∧
　　　　 　 　 　 人.∧l||l:{ <,!ﾄゝ ｀ｌ}::::l||l:从　　　　　　　 　　　　　 　.从 l||l : : { {:r介､: :}l||l人.∧
　　　　 　 　 　 ヽ( ⌒ ){ｌ / !　　 ｌ}::::::( ⌒ )　　　　　　　　　　　　　　( ⌒ ): : / |:|　|:|: : ( ⌒ )rﾍ

　 　　　　 ＿＿＿_
　　　　 ／_ノ 　 ヽ_＼
　 　 ／（ ●）　（ ●）＼
　 ／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼
　 |　　　　　　 ￣　　　　　 |
　 ＼ 　 　 　 　　 　　 　 ／

ルーシーやラムゼイが冷やかす中、やる夫はそっとリタの表情を盗み見しました。

　　　　　　 　 　 　 　 　 r〈沙夊ｧ
　　　　　　　　　　　　,x)水.ゞﾑｲ´Xx,｀ 　 ､
　　　　　　　　　　,xXXXxｘｘxXXXXXXx,.　`　、
　　　　　 　 　 ／ｧ''^"´,　　　｀^''xXXXXX,.　　ヽ.
　　　　　　　 / ´　　　 !　　 　 　 l ｀xXXXX, 　　 ),
.　　　　　　 /　　　　　ｌ　　　　　　l 　 ｀xXXX,.　 　),
　　　 　 　 ′　　　　 l.　　　　　l　l　　　｀xXX{.　 　|
.　　　 　 　! 　/ /　　ｉ|　i　　　! l / ! ,仆、 `XxL　　|
　　　　　　l　/,/ |　_|小､!　　 |/)'　|/,斗∨ |XXﾏｋ !
　　　　　　!　〉l　∨ |≧ｔ圦　 ﾘ_＞ﾁ〒ｧ､}　! };;ﾄ､　}}　　　もう！冷やかすんじゃありません！
.　　　　　 l l 从.　ﾄ､ﾄ弋ﾘゝ＼{　ｲ弋ﾘﾉ' ﾉ ﾉ/l;;|,ﾘノ'|
　　　　 　 | ∥ ',　ﾏヽ`ー'　　　　　　_,ノ /　/|;!　||. i
　　　　　　ｌ　|　 ',　'込 ""　 ､　 "" _,ノ,/　/ ｌ!　ﾉ'　|
　　　　　　 !十!l´',　ﾏ价ｘ、　ｰ -'　, ｲ/　/｀l!ｰ'く、 i
.　　　 　 ,´ヽ!　!l　',　∨从 ＞　.ィ /../　/　l!.:.:.:.:.:ヽi
.　 　 　 i.:.:.:.:.:.:.:.:!l ）ﾍ,.∨》,. ≫‐≪ // /《 l!.:.:.:.:.:.:.:;.i
　 　 　 l.:.:.:.:.:.:.:.:.:."》 ヘ{　《.　∧　《/}/　 》.:.:.:.:.:.:.:.:l.|
　 　 　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:》　 　 　《 》'　'《. 》　　《.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.',
　　 　 /.:.:.:.:.:.::.l`y'′　　　 》|| 　 ||《　　　》.:.:.:.:.:.:.:.:.ｽ ,
　　　 !.:.:.:.:.:.:.:.:,! 〉　　　　　　||　　||　　 　 )、.:.:.:.:.:.:.:ﾊ ,
　　　 ヽ.:.:.:.:.:.:.;'（`7^>　　　　!／　||　 　　 !,ﾍ.:.:.:.:.::./ｌ !
　 　 　 !:.:.:.:.:.:.l　　 ﾚ'＼rﾉヽ j 　 __　 rﾍ,＿j,ﾊ.:.:.:.:.ﾉ !;
　　　 　!:.:.:.:.:.:.:!　　　　　　 `!_,ノ（`ｰﾅ 　　 　,!.:.:.:.:.rl |,
　　　　 !:.:.:.::.:.:.:',、 　 　 　 ,ﾑ薔ﾏ､　　　　　, '.:.:.:.:./ ,'

頬を赤らめるリタの顔を見た瞬間、心に期するものが生まれたやる夫は、その夜リタの元を訪れました

　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　＼　　　　　あなたにその意思が無ければはっきり仰って下さいお
　　　　　　　 ／　＼　 　 ／　＼　　　　
　　　　　　／ 　fてﾊ`　 ｨて刀 ::＼　　 もしあなたがやる夫と結婚するつもりがあるのなら、
　　　　　　|　 　 　 （__人__）　:::::::::::|　　
　　　　　　＼　 　　 　`^´　　:::::::／　　やる夫はこの国に留まり、職を探してもいいと考えていますお
　　　　　　／　　　　　ー‐　　　　＼

　 　 　 　 　　／:::;:zｭzｭzｭzｭzx:::＼
　 　 　 　 　 /::zﾀ´　 　 　 　　´ﾇｬ:l
　 　 　 　 　 l_] l　 |　 ﾄ､　 |　l　 ｒ‐|ー､
　 　 　 　 く小| |',　!'､ |　＼!,　! └丈オ
　 　 　 　 厶! 乂f;iヽ　l 　f;ｉ ヽ| l.../ |ﾔｌ 　 　 　 _,　---- ｲ　　それはつまり、就職してニートをやめるって事？
　 　　　　　八　| |:l｜　 　l:j　ｌ|/.....　 | |　 　 ／:::::::::::::::ｆイ
_,　-― ､　父,|　l ´　､　 　 　 ｲ|....l.... ﾍ 　 ／::::::::::::＿::ゝ　 ﾜｰﾔﾙｵｯﾎﾟｸﾅｰｲ
ｧ:::::::::::::::::丶　! ...ﾄ ､ 　ｎ‐' 　イ|....ｌ.l..|.. ＼/::::::::::::::::､:::＞
´イ:::, -ｬ::::::::/　....ﾊ..l...j |::X::::::::!....|￣'､......＼:l::::::ヽ::j
　 ﾚ　 /ノ::::/　..|..l:::|../ へ:ﾄJV|...l.l:::::::::ヽ....､..＼ｰ-ゝ
　 　 　´し/ ......l|..|:::!.|_,､_丿 　 l...l.|:::::::::::ｽ.......... l
　 　 　_／.. ｲ...l:|..l/'/_,､_〉zｭz外.|丶::／l...|....l... |
　 　　￣´　　!..|ﾊ.!/､_　 ｦ::::::::::::::!::::::l..| ﾚ´l...|∨
　 　 　 　 　　V:／　 　Ｙ:::::::::::::l::::::::::|ﾉ　　レ
　 　　　　　　〈:::!　 　／::::::::::::::;|:::::::::{

　　　 　　　　＿＿＿
　　　 　　 ／_ノ　　ヽ＼
　　　 　／ （○）　（○） ＼
　　　／ u 　 （__人__）　　　＼　　　　違うおー！
　　　|　　　　　|i!i!i!i!|　　 u　　|
　　　＼　 u　　|;;;;;;;;;|　　　 ／　　　　真面目な話だおー！
　　　 ／ 　　　｀⌒´　　　　＼
　　　(<<<)　　　　　　　　（>>>）　　（てゆうか現段階でニートはあんただおー）
　　　 |、　i、　　　　　　　,i　　/
　　　　ヽ＿/　　　　　　　ヽ__/
　　　　 |　　　　　　　　　　|

　　　　　　 　 　 　　 　 　 _　＿
　　　　　　　　　　　 _,ｨ升Y⌒:::⌒::ｰｭ､ｰ､
　　　　　　　　 　 ／::::{{匆ﾘ::::::::::::::::::::::ヾ､ﾞ ､　　　　　　　　冗談よぉ
　　　　　　　 　 /::_:x～～＾`～～､:::::::::::::))__＼
　　　　　　　　,仟厂i　 　 /　!　　　^Y～>|廴__))､　　　　　──いいえ、それはいけませんわ、あなたは日本でウイスキーを
　　　　　　　 /　|!　 |　　/　 | |　　!　| (/_}ﾄ､＼ヾ､　　　　　造るためにこちらにいらしてらっしゃるんでしょ？　
　　　　　　　/　 |!　 {　 /　　}/　 /　|i 气ｸ＼ヽ＼>＼　　　だったら私達はスコットランドに留まるべきではないわ
　　　　 　 　i |　|ﾊ　 ﾄノ |! //|_,ｨ升/|　 /　　| ヽ　　　＼
　 　 　 　 　| |　ﾄ､ヽﾑﾍ/ﾚ'/ ｫr'i::ｿ''/　/　　 |＼〉　　　　＼　 ／{
　　　　　　　V､/ﾞ小弋iｿ　　　 ´　｀/／|　 　/ ＼＼　　　 　>':::::ｲ
　　　　　　　 ヽ入 ＼　　丶　　　 ノ　Ⅳ　 /　 　 ＼＼,ｨ'／::::::彡'ｨ＿＿＿,
　　　 　 ＿__〈/　 |｀ｰﾄ､　 ‐_‐ 　 .ｨ＿|i 　/＼　　　／::::::::::::／:::::::::::::::::::／＿_,
　　 　＿≧=､:＼Ⅵ 　 |ﾉ｀7ｰｪイ／:.:.:/ , ′　＼／:::::_:_:_／:::::::::::::::::::::::::::::::／
ﾆ二二:::::::::::::::::::::ヽl 　 |､,/_/久}:.:.:.:.:/ 人＿__／‐'´:.:.:.:.:.:.＼::::::::::::::::::::::::::::::二ﾆ=‐
__...ン:::::::::::::::::::::::::::丶　|::::://八|:.:.:.:/ツ-'' 勹:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::｀ｰ ､
::::::::::::::::::::::::::::／⌒ーV|又/ｹ_r|ﾄﾐ=､　　 ,勹:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:::::::::::::::::::::::::::::::＜｀
／:::::::::::::::::／:.:.:.:.:.}:.:.从_ノ薔}! ||/⌒/⌒勹:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼::r､:::::::::::::::::＼:::＼
::／:::rー‐':.:.:.:.:.:.:./:.:,ﾀ 〈/ゞ=''　ﾘ ､　 　,勹:ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ∧｀ｰ ､-､::::::::＼:::＼
':::;ｲ::{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:,ﾀ　ノ　　 |　　　} r､勹ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ /＼ト､＼＼{`ｰﾐ､｀ ＼
ノ/:八:.:.:.:.:.:.:.:.ノ:.:,ﾀ　/!　　　}　　 r'^´:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/!/　　 ＼＼}｀＼
〃´ﾄ､＼:.:.:.:〃:.:.:.ﾏ､{ |　　 ノｨ～':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ'/
　　ヽﾄ､ ＼:.{:.:.:.:.:.:.:.マ{～´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ﾉ｀ｰ､:.:.:.:.:.:.:.:-<

　 　 　 　 　 　 ／ ￣＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　 　 　 , -､ 　 ＼
　　　　 　 　 　 ,.(⌒ ●│　　|　　　　　　　え？
　　　　　　　　　）ﾝ‐ 二　 　　|
　 　 　 　 　 　 '（__､ ●│　　|
　　　　　　　　　　　 `ｰ'　　／
　　　　　　 　 　 　 　 　 ／
　 　 　 　 　 　 ＼ ＿／

　　　　　　　　　　　　　　　∠こ二ﾌヽ二フr＜::.::.::.::.::.::.::.:く)｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　 ／ｰ'′　　　　　　 ｀￢ﾍヽ、::.::.::.::.::く）_＼
　　　　　　　　　　　 ,　´　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ーヘ、::.::.:::＼｝ ヽ
　　　　　　　　　　／　　　　　 , ′　　　　　　　　　 　 Ｌ入::.::.:::__ＹZ ｀､
　　　　 　 　 　 , ′,　 ,　 ,　 /　　 　 ;　　 |　 l　　i　l　 　 ＞'´ｨ介､｀ヽﾊ
.　　　　　　 　 //　′/　/　,′　 　 / 　 ,ｲ　,′　ｌ ,′／::::／ 川ﾄ､ ヽ::＼
　　　　　　　 /,'　,′.′.′/,' 　 　 / 　 / l　′　//　 ＼:く　 //!ｈ::ヽ ﾉ:::ﾉ
　 　 　 　 　 l ′i　 ｌ　 i　 l |　　　/　 ,ｲ / /　　/,′　,′ヽ∨/ !| lヽ::r‐' !　　　私はあなたと日本に行きたいわぁ
　　　　　　　八　l　 |　 |　ﾊ{　　 / ／ ﾉ/_/＿_/＿　 /　 　 7′l:|｜!::|　｜
　　　　　 　 　 ヽﾄ､　、 ﾄ二ヽ　/ﾚ'　 ￣二ﾆ∠｣_ﾉ　/　　　,′ / ! ハ:::、 |　　　私もあなたの夢を共に生きて、
　　　　　　　　　 ｀ ｀７ヽ弋なＹ　 　 　 '＾ぃf{ﾉ} 彳 /　　/ /　 /:/　!　l ::Ⅵ
　　　　　　　　　 　 ,' ﾉ ハ ゞ ' ,　　　　 　 ￣´　／ 　 ｲ ,′ /:::l　ハ |::::∨　　　あなたの夢のお手伝いを
　　　　　　　　　　/{ {　′ゝ　〈　　　 　 　 　 _彡　／ //　 └く!｜ | |::.::｣|
　　　　 、　　 　 /ハ ヽ、 ＼　 　_ __　　　 ｰ― '´7　//　　 i　　 |　ｌ ｀了　　　　させて下さいませんこと？
　　　　　ヾミ≧ｘ　＼/　/ﾝｰヘ、｀ ﾆ｀　　　　 　 '′//　　　l　　 ﾊ　 /// /
　　　　　　　　 ｀ヾミﾆ∨ '　　　 ｀> ､ ＿　 -‐ _ _ イ/:l 　 　 !　 ,′∨厶∠
　　　　　　 ｰ＝=≠二7,′　　　/＼ ﾚ'了｣斤く:::ノ/::::l　 　 ,′/　ノ三彡'′
　　　　 　 ＿ 二..:.::::.:..;′　　　/ミ／／/７| l:ヽ＼::.::.:j　　 /　/彡仁三三
　　　 ｀￣　 ＿.:::　　 .::. 　 　 /ヽ{ く/ / //! |::::ｌ　|::.:/　　,'　厶-―v'⌒￣
ー==＝ﾆ三ミヽ､.:::.:.:.::i　 　 ! |::..:::ヽ､/ /∧L二´ノ::/　　/ /::.::.::.::.: :: :. : . .
　　　　 ｀￣｀〒ミゝ二| ｉ 　 |/::.:::／⊥｣ l　Ｌ::;仆-ｸ　 ,　,.:'::.::.::.::.::.: :: :. .. . .
　　　　　　 　 l∠ニ三! !　 ﾘ::.:::/｝　 　ｌ_|　ﾞｰ┘ /　, '／::.::.::.::.::.::.: ::: :: :. : .

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／_ノ　 ヽ、＼
　　　／（ ●） 　（●）.＼　　　　　　　　し、しかし、日本は遠い国だお、
　 ／　　　（__人__）　　u. ＼
　 |ｎi 7　　 ｀ ⌒´　　　　.　|ｎ　　　　　 スコットランドとはあらゆる点で「文化がちが～～～う」お
l^l | | ｌ ,/)　　　　　　U 　l^l.| | /）
', U ! ﾚ' /　　　　　　.　.　| U ﾚ'/／)　　それはとても大変な事だお
{　　　 〈　　　　　　　　　ﾉ　　　 ／
..i,　　 　."⊃　　　　ｒニ 　　　 /
　."'""⌒´　　　　　　　`''""''''

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -ｰ' 二二二 ｰ- ､
　　　　　　　　　　　　　　 　 ／／:￣__::::::::::::::::￣｀:::ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 ／〃'::::::/´ﾉ〉):_ノ_ﾉ::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　 //´::::::__,ｨ:ゝ-':__,:::-──- ､::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　 　 /ﾞ::::::::::／￣￣＼　ヽ＼　 ヽ ＼::::::::ﾊ__
　　　　　　　　　　　 　 !:::::::／　ｉ　　　　　ヽ　',　ヽ 　＼ ヽ>,仁》　　　　　私は日本の国とではなく、やる夫と結婚するのよ？
　　　　　　　　　　　＿ |::::ハ　　', 　　　　　ｉ　｝ 　!　!　 ',<ノ||＼
　　　　　　　　　　 《ﾆﾊ_ゞ、 ＼　＼　　　　!　||　 |　|__ ||　l | ＼>　　　　 本当に愛してさえくれていれば、何も言わないわぁ
　　　　　　　　　　　 ｿ|| ＼＼　＼　＼　　 | .从,ｨ匕Lィ||　| |　〈´
　　 　 　 　 　 　 　 　 | '､　＼＼,＞≧ゝ,　|/ /,ｨﾇﾆﾐ、|i　| ｌ 　|
　　　 　 　 　 　 　 　 ハ ＼　 `卞代ﾂﾐ ヾ′　　　'''　/ // 　 ﾄ､　　　　 ,　--─.::´
　　　　　 　 .｀ヽ、 　〈/|:} ヽ,＼　 ＼`¨´　　、　　 　 / // /　 ｌ　ヽ　 ／::::／:::￣
　　　　　／:::;:ｨ:::::＼　//|　 |＼＼, __＞　 　-　´　 ｲ!// / 　　! 　 ∨:::::::::':──-:::､
　　　 . .. ::／::::ハ::::∨ﾑ'〉　｢｀:::ゝ,＼_ ≧ｭ,fヽ_ .ィ─ﾍ,ィ　l　　 |l 　/::::__::::＼:::￣｀ヽ
　 　 . .. .:. ::::／／__;／:::::|　 |::::::::::ﾍ 　 !:::::::l　|::::ﾊ;:::::_:::::ヽｌ　　 ｌ| 〈::::::::::＼:::::＼::::ヽ
　　　　. ::／;::/／/::::::::::: !　/ :::::::::::::}　|::::::::l　!/ 　∨ ｝/::::/ /　ﾊ｀ゞ ､::::＼＼:::::ヾ
　　　　　　 ∨／!:::::::::::::::| /:::::::::::::::::|　|::::ノ|　ト-ｰく /_｣:::/ /　/::::ヽ:::ヽ＼:::ヽ ＼
　　　　　　 ／／|:::::::::::::::ﾚ ::::::::::::::::::|　|::_〉 }　 ─ｰ､ヾ才／}　/:::::::::::＼:＼＼〉＼
　　　　 ,／／ ／ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::! /:::〉ﾍ! 　￣＼ヽ)=::､/ /::::::::::::::::::::::::::＼ 　 `
　　　 ./／ ／／ 人::::::::::::::::::::::::::::::::|/::{ ｀入_　　ゝ}_ソ/｀´}/::::::::::::::::::::::::::::::::::}
　　　/´／／ ／ /｜::::::::::::::::::::::::::::::::::（＼__　￣Z_r､_｢|　ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､
　　　 /／ ／ 　// ヽ;__::::::::::／:::::::::::::::〔　ゝ,＞､　 _,ィ'７´}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ゝ､
　　　.{′ /　　//　 / | | ￣｀斗､:::::::::::::::＼r ､　 Y　　厶ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ 　 ）

　　　　 　 　　　＿＿＿_
　　　　 　　　／_ノ　 ヽ、＼
　　　　　　／（●） 　（● ）.＼　　　　で、でも家族の許しが得られるとは、とても思えないお
　　　　 ／　　 （__人__）　　u　＼
　　　 ｎ|i 7　 　 ｀ ⌒´　　　 　 ｎ|　　　ｺｯﾁﾓｿｯﾁﾓ
　　l^l | | ｌ ,/)　　　　　　U 　l^l.| | /）
　　', U ! ﾚ' /　　 ー‐　　　　| U ﾚ'/／)
　　{　　　 〈　　　　　　　　　ﾉ　　　 ／
　　..i,　　 　."⊃　　　　ｒニ 　　　 /
　　　."'""⌒´　　　　　　　`''""''''

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　　　　　／　 _ノ 　ヽ､_　 ＼　　　　
　　　 ／　　（ー）　（ー）　　 ＼　　 今度は「ボスケテ」じゃ済まないお
　　　 |　　　　 （__人__）　　　　|　　
　　　 ＼　　 　 ｀ ⌒´ 　 　 ／　　　ﾊｲｹｲ ﾊﾊｳｴｻﾏ　っと……
　　　／´　 　　　　　　　　 ｀＼
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　　＼,　´-'ヽ ￣|　　.＿＿
　　 （（ヾ＿ノ））_|　　|　　　|
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　 　　￣￣￣￣　　 ￣￣
やる夫はその夜、両親と阿部社長宛てに２通の長い手紙をしたためました
当時は手紙ですら、届くのに２ヶ月かかります

この手紙の返事は次回を待つ事になります

────結婚を決意したリタは家族に相談しましたが
　　　　　　案の定、リタの母も、後見人の叔父も、大反対でした

　　　　　　　　　　　　　,．- ‐── ‐- ､
　　　　　 　 　 　 　 ,r'´ 　 　 　 　 　 　`ヽ
　　　　 　 　 　 　 ,ｲ　　　　　　　 　 　 　 jﾄ､
　　　　　　　　　 /:.:!　　　　　　 j　　　　　i.::::ﾞ,
　　 　 　 　 　 　i:.:.:| 　 　＿,, 　 　,､--､　 !:;;;;|　　　ワシはゲイシャ・ガールの事を本で読んだ事がある！
　　　　　 　 　　 |;;;;j　,r''"二ヽ　　 r'⌒ヽ　 !;;;!
　　　　　　　　　,ﾍ;;i!　,,_r ･,ﾝ.:!　　{〈･_,>､,, jﾍi!　　　あんな国に姪を行かせるなど、不幸を背負わせるようなものだ！
　　　　　　　　 〈 j>j､ 　 "´, ｲ　　　`ヽ　　,':::〉!
　　　　　　　　　 `ゝ.｀, 　 　 ﾉ､__,入　　　j::rソ
　　　　　 　 　 　　 ｀ﾞi　　 / ,r===ｭ, ｀,　 '.:〔_
　　　　　　 　 　 　 　 }!　 !　i.:::::::::::.:! ;!　 .!::::j::｀` ー----─r- ､
　　　　　 　 　 　　 , ｲ.:ﾄ､ 　 ﾞ===='′　,ｲ!:::::!::.:.:.:.　　 　 　 ﾞ,　　`ヽ
　　　　　　　　　_ノ /j.:::!:ﾄヽ､ ´￣｀ ,ノ´　,ﾘ::::.:!:::.:..　　　　　　i.　　　 ＼
　　　　　 　,.r'´　 /.::!:::::::| ｀ヽ`"""´　/ノ.:.:.:.:.::!:.:.　　 　 　 　 |　　　　　!
　　　　　／　 　 　 .:|.:.:.:::ﾄ､　ﾘ　　　／　　　　 !:.　　　　 　 　 !　　　　　|
　　　 ／　　　　　　 l　 , へ＼!　　/'7ヽ　　　　|:　　　　　　　 j　　 　 　 |
　　 /　　 　 　 　 　 l／^ヾ:::ﾄ､!　 j! l　　〉､　　 |　　　　　　　 |　.　 　 　 |
　 ,/　　 　 　 i　　　　　　　.::| i|　 j! |　/　　`ｰ'′　　　　　　 !　j! 　 　 　!
　 j!　　 .:.:.:i:.:.:|　　　 　 　 　 ヽ|　/,ﾉイ　　　　　　　　　/　　ljﾚｲ 　　　　 |
　/ﾄ､ .:.:.::::::l:.::|　　 　 　　 　　 `y'/　　　　　　r─---ｲ=='ﾞ ﾘrﾞ'/　　　　 ,j!

　　　　　　　　 ,.:::''::´::￣::`:::.、
　　　　　 　 ／:;: '´Ｔ 丁l `ヽ::}
　 　 　 　 /{:::/ ｌ |ｌ ﾄ､ ｌ Nﾄｌ iﾊ
　　　　　 lｄｂ|　ｌ k_ィヽﾚ仁ﾘｌ│
　　 　 　 | ∧l 　lK◯ 　 ○ｿｲ　　　叔父さんどんな本読んだのー？
　　　　　,ｌ 　（ｌ 　ぃ　 ,-┐,从|
　　　　　l　　　ヽ ﾄゝ､ニ イﾄ､ﾄ､
　　　 　 |/≪T ,バ､:文:｀Yラ､ゝ
　　　　　Ｎ≠{〈:::::::〉:;i:::}:::〉≧
　　　　　ヾ≦ﾊＺi::ﾍ;:::〈ｌ:::|j≧
　　　　　　／:::::::ﾊ:::KＸl:_:ﾄ､
　　　　 ∠::::::::::::{ﾐk::〉Xl,ｿ::::＞
　　　　　　|:::::::::::｀^^ＫＸヽノ

────とりわけエラの反対は強硬でした

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..　-　.._
　　　　　　　 　　 　 　 　 　 _.. - ,ﾆ-冖 ⌒ 冖-ﾆ - _
　　　　　　　　　　　　 　 ／　ノ´,. .‐.: : :￣: :､:‐. ､｀ヽ ＼
　　　　　　　　　　　　／ 　 /／: :.／: : : : : : :l: : : :.＼ヽ　＼
　　　　 　 　 　 　 ＜　　ヽ/: : : :/: : : : : : /: :.l: : :､: : :ヽ/ 　 ＞
　　　　　　　 　 　 　 丶､/: : : ::/: : : : ::::〃:/:.|:: : :.l: : : :.', ／
　　　　　　　　　　　　　 ｌ:l: :-:､l.: ::::::::／/://:∧:::._;l:-!: l:.|!　　　　　　駄目ですぅ！
　　　　　　　　　　　　　,ｌ:l: : : ::|＞＜__/ ' / '_,. へ:.|: l: :|::!l
　　　　　　　　　　　　 l:.|:|: : : ::lz＝ｭ　　 ′　z＝ｭ.リ:://: l　　　　　 駄目ですぅ！
　　　　　　　　　　　　l: :Nヽ: : :ヽ　　　　 ' 　 　 　 /:://: : :.l
　　　　　　　　 　 　 l: : ／il ヽ､ヽヽ 　 /二ヽ　 ／ '//￣｀ヽ!　　　　 友達のやる夫とリタ姉さんが結婚するなんて
　　　　　　 　 　 　 l: / 　 il　　lｉ､｀`　 |　　　|　　／' li:.　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 　 l:/　 　 il 　 li　｀丶､ヽ-- ,' ィ .il　　li::.　　　 ヽ　　 絶対反対ですぅ！
　　　 　 　 　 　 ,/　　 　 il.※.li　 　 ,.ィ｀不ヽ、　il.※.li::::::..　　　ヽ
.　　　　　 　 ／/　　 　 .:il　　li 　 //　//'{l:l　ヾ､il　　li＼::::::...　　 l､
　　　　　 ／ ｌ/　　　 ..::::il　　li　 ヽヽ//l>ｨlｌ:l__,ノｲ 　 li:::::::丶､:::::::...l ＼
　　 　 　 |:　 l:::.　 ..:::::::::iｌ.※.li　　　｀ｲｌ:l.　{.ｌ:｢´　il.※.li:＼:::::::. ｀`　┘　＼
　　　　　 l::　 l::::::_:::-:':´il　　li　　　　{ｌ:l,><{ ｌ:l 　 il　　li＼_l＼::::.　　　　 .::/
　　　　／,l:::. ￣　　 ::::::iｌ　　li､,.､,､,､{.ｌ:ト､イ.ｌ:l､,､,il　　lｉ::::::::l:::::ヽ::.　　 .::::/｀ 丶､
　 ,.　'"´,.-l::::::::::::::::::::::/il.※.li､,､,､,､,､ｌ:l::::::::{_ｌ:l,､,､il.※.li､:::::::l:::::::..........:::::/ﾆ､ヽ､

　　　　　　　　 ,.:::''::´::￣::`:::.、
　　　　　 　 ／:;: '´Ｔ 丁l `ヽ::}
　 　 　 　 /{:::/ ｌ |ｌ ﾄ､ ｌ Nﾄｌ iﾊ
　　　　　 lｄｂ|　ｌ k_ィヽﾚ仁ﾘｌ│　　そんなぁー
　　 　 　 | ∧l 　lK◯ 　 ○ｿｲ
　　　　　,ｌ 　（ｌ 　ぃU　,- U,从|　　　あんたやる夫の自伝じゃ賛成って言ってたじゃなーい
　　　　　l　　　ヽ ﾄu　ニ イﾄ､ﾄ､
　　　 　 |/≪T ,バ､:文:｀Yラ､ゝ
　　　　　Ｎ≠{〈:::::::〉:;i:::}:::〉≧
　　　　　ヾ≦ﾊＺi::ﾍ;:::〈ｌ:::|j≧
　　　　　　／:::::::ﾊ:::KＸl:_:ﾄ､
　　　　 ∠::::::::::::{ﾐk::〉Xl,ｿ::::＞

────弟のラムゼイも反対する中

　　　　 　 　 　 ∨三三三三三三三三三三ﾆ/
　　　　　 ＿_　　ｌﾆ＞‐ '´￣￣￣｀ ｰ＜三三/
　　　　 〈三三二ﾆ―‐- ､ ＿＿＿　　 　 ｀ヽ|
　　　　　∨三三三三三三三三三三三三二二ニ￢
　　　　 　 ヽ三三二ニニﾆﾆニ二二三三三三三／
　　　　　　　Ｙ´::.::.::.::.::/:l::.::.::.::.::.:＼::.:｀ヽ::＜三／
.　　　　　　 ,'::.::.::.::.::.〃∧::l::ヽ::､::.::.ヽ、::.｀、:l:T
　　　　　　｜::.::.::.フ７￢‐､ヾ､:＼>､:|-ﾍ::.::.}::!:|　　やる夫はジュードーの先生だけど、それはそれ、これはこれさ
　　　　　　 {::.::／代了圷ﾐヽ.　＼行‐t予l:ﾉ/::|
　　 　 　 　 !::.::.::.:|　ゞ-'′　 ＼　 辷ｼ '/:/::./　　姉さんと離れ離れになるなんて……
　　　　　　　|::.::.::.:ゝ 　 　 　 , 　 　 　 厶ﾉ::.;′
　　　　　　　ヽ.::.::l|ヽ、　 　 r-､ 　 　 ／::.::/
　　 　 　 　 　 ＼:ﾄ､:j＞ ､　　　_,.ィ:´::;:l:: /
　　 　 　 　 　 　 ヽ ｀　,.ｲ ｀¨´ ﾄ､ﾚ'|/ |:/
　　　 　 　 　 　 __,.　'´＿＞v＜　｀ヽ、′
　　　　　　 ┌イ　　／／了,ﾊ＼＼ヽ ｀┬ｧ
　　　　 　 ／7 |　　{ く／ノ/引ヽヽノﾉ　 | }-､
.　　　 　 /:.:.:.:{ |　　｀ｰ'´//l弓| |｀ｰ′　 | } :.:l
　　　　 /:.:.:.:.:.{ |　　 　 // ]弓ﾄ､ヽ 　 　 |「 :.:.|

　　　　　　　： ,.:::''::´::￣::`:::.、：
　　　　 　： ／:;: '´Ｔ 丁l `ヽ::}：
　　　 　 ：/{:::/ ｌ |ｌ ﾄ､ ｌ Nﾄｌ iﾊ
　　　　： lｄｂ|　ｌ k_ィヽﾚ仁ﾘｌ│：　　クリスマスの時は冷やかしてたのにー
　 　 　： | ∧l 　lK◯ 　 ○ｿｲ：
　　　　：,ｌ 　（ｌ 　ぃ || ,-┐||从|：
　　　　：l　　　ヽ ﾄゝ､ニ イﾄ､ﾄ､：
　　 　 ：|/ 　T ,バ､:文:｀Yラ､ゝ：
　　　　：Ｎ≠{〈:::::::〉:;i:::}:::〉　：
　　　　：ヾ　　ﾊＺi::ﾍ;:::〈ｌ:::|j　：
　　　　　：／:::::::ﾊ:::KＸl:_:ﾄ､：
　　　 ：∠::::::::::::{ﾐk::〉Xl,ｿ::::＞：
　　　　　：|:::::::::::｀^^ＫＸヽノ：

────ルーシーだけがリタとやる夫の味方になってくれました

　 　.rf´￣￣if'⌒ヽ)_
　　 ｛|.　　　 |ﾖ　 　＼)_
　　 E〉　　 　}｝　　　　ヽ｝　rァ-─‐_=- ､
　　 t/　 　 ,ｲ　　＼　 　 i-く,.ｲ≠￣　 　 ￣ﾌ
rv､f｣＿＿_|｢,.　-─｀∠ヽ!-ﾉ-┐　　　　　 /
￣　　 , イｱ　　　　　　　 ￣｀ ＜こ）　　　/
>､__∠ﾌ　　　 　 　 　 /　 　 　 　 ｀丶、 .|
　　 / /　　/　　/ 　 /　 　 　　 　　　　ヽl
　　 | | 　 ｜　 /l 　/.| /　　　　　 |　　　　＼
　 .,ｲ |!　　|　　| |　|　| |　　 　 　 /　 i　　　 ヽ
　/ハj　　 |, -┼ゝiﾄ､l∧　　　　/　//　　　　 ',ゝ　　　素敵なのー！
V|f　ゝ＞.｣ ＼｣ ＿　 　 ヽ　 ／ ／/　　　 l　| |
-亠＜_ ／ ,.ｨ=＝ミ､　 　 |／ﾌフV　／　 / /|/
＝==ﾐ､｀ヽ、　　　　　　　 　 _ 〃ハﾉ　／／ノ
＼∠_≧＞'　　　 _　 　 , 　　 ｀ヾ∠ｨＺ／ヽ
　 ＼ ｀ヽ!　　 　｛　｀ 　 ｧ　　　　 /-亠‐┐ ＼
　　　　　 l＼　　 丶__ ノ　　　　 /r‐┬-ァ -‐'＼
　 　 　 　 !＞─ ､　　　　 _,. ∠_f二ニﾆ],. -‐'了ゝ
　　　　　　|　i⌒ヽャァ=ﾆ─‐､　 Ｚ≦＿＿__／
　　　　　　|　|　　 >LK´￣ ｀ヽ＼ゝ ヽ 　　ゝ
　 　 　 　 ヽ ヽ／/八＼　 　 / /　　　＼ 　 〉
　　-‐'´　　 ｀ー〃!　!lヽ＼.ノ／　　　　 /　ノ

　　　　　　　　　　　 　 　 　 _ ＿
　　　　　　　 　 　 　 ,....'´::::::::{＠}::ｰ､
　　　　　　　　　　 イ:::／ ´　~￣~ ｀ ＼
　　　　　　　　　 //::〃 i　,ハ　　 /ヽ､ ﾍ
.　　　 　 　 　 　 |∞:i ｌ ｌﾚノ　ヽノ ｀ヽ} !｀ｌｺ　　　　　ルーシー！
.　　　　　　　　　〔人 }　ぃ● 　　　●小iVヽ
　　　　　　　　　 |! 　i⊂⊃|| ､_,､_, ||⊂lｉ|ノ
　　　　　　　　＿| i⌒ヽ j　　（_.ノ 　　ﾉi|__／⌒)
　　　　　　 ／:: ;;| ヽｒｒiヽx＞､ __,　イｌ　|::::ヾ'／
. 　 　 　 　 ⌒⌒|　∧ﾆ,ﾍ}:: { 薔 }:: :ｌ|　|',:::::ﾊ
　　　　　　　　　 | 〈:: :: :ッﾘ :::∨:: :: ::|i/:: :/'´

　　　　　　 -―--{薔}
　　 <ヽ´ﾆ-――- ､　｀ヽ　　　　　　　母も叔父も結婚を認めて下さらないわぁ
　　,<_7,/ /! l　ノ　　 ｀ヽ ヽ
.,／ /　i / ﾄ iヽ.ﾊ　　八_ ヾ-､　　　　 こうなったら仕方ないわ、スコットランドでは普通、
.///i　 Kl o混ﾄ　ゝノ/／i ,ヽｒヽ　　　 　　　　　　　　　　　ﾚｷﾞｭﾗｰﾏﾘｯｼﾞ
./〃ﾄ　l. u ｀~´　　 /乱}ﾉｲハ　　　　　家族に見守られて「教会結婚」を挙げるのだけど
　i!/{ ヽu　＿　　　 ｀u´ ﾉｨ .ﾊ　　　　 ｲﾚｷﾞｭﾗｰ･ﾏﾘｯｼﾞ
　i!',>､__/´￣｀ﾞヽ、　u　/ ,ｨﾉi!　　　　 「登記所結婚」という方法なら、２人の立会人だけいれば、
　ﾄ!／ ,つ｀ヽ、_　｀) ∠ｨ '| ′
　ハ._ｒ'　｀lｭ-､ｉ ~Y＿,ノ/ |　　　　　　 立派に結婚できるのよ！
.ﾉﾞl/ /7 F｀ヽｙ′ﾉ_/ /l　 !
｀L｀ヽﾉ[__｀~´~L__「,/彡ミﾐ≧
　 ゝ´　!　｀ゝ-/,ノ彡彡≧

　　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　　 ／　　　　　　 　 ＼　　　　　年が明けたら早速キャンベルタウンで実習だお
　　　　　／　 　 　＼ ,　, ／　 ＼
　　　 　 |　 　 　 （ー）　 （ー）　 |　　　　そしたら数ヶ月はグラスゴーに戻ってはこれないお
　　　　　＼　 u. 　 （__人__）　,／
　　　　　　ノ　　　　 ｀ ⌒´　　＼　　　　反対する家族の中にリタを置いて行くわけにはいかないお
　　　 ／´　　　 　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　　 |　　　　ｌ　 （ l　/　/　/　l　　　　　いずれわかって貰える日が来るお、もう後には引けないお！
　　 　 l　　　　l 　ヽ 　　　　　 /

　　　　　　　　　　　　_　 -　――　、
　　　　　　　　　　 イ.:::::::　　-――-＼
　　　　　　　　／ /.::::／　　　　　　ヽ　 ＼
　　　　　　　/ __〈::::ノ　 { 　 { ヽ.　　 } |　:lハ
　　　　　　 /<_ 小、>　| ＼ｰヽ ＼ ﾉｌﾉィﾉ　|
　　　　 　 / <／|_｣　　 | ｆ＝ミヽ　　 ィ７|　/
　　 　 　 / 　 　 　| ヽ　 、　 ||　　 　 ||　ﾚ'ィカ 　 ＿＿＿
　　　 　 /　 　 　 人　＼_＞　 r‐　￢ィ''〔　ﾉノ ／ ー 　ー＼　　　　　　 ηノﾉ
　　 　 /　　 ≧==≧＼　 ＼　| 　／{　7　く__つ　（ ●）　（ ●）　　 　 　 ﾉ, ∃
　　　./　 ∠三三三三＞ー一'´:.:.:.:..＼＞┤　　　　　（__人__） ヽ　　 .／　./´
　　./ 　 /　≧三三了.:.:.:.:.:.:.:.:.:._,,､＜＼|　||　　　　　　｀i 　i´　　| .／　 ／
　 / 　 /　/三三三∧:.:.:.:.:.:.:>ﾍ {薔}:ｌ:.:.:.〉ﾉ.＼ ＿　　　 `⌒　　／ 　.／
　;　　/　厶ィ⌒ヾ三ﾆ＞=イ:.:.:.:.ヽ　|:|:.:.{　　 ／　　 　 　 ⌒　　　 ／
　|　/　　/　　　　}彡ﾍシ}:.:.:.:.:.:.:.:.∨.:ﾄ､:.:.＼'　　　　　　　 　 　 ／
　| l |　 / ＿,,.∠斗―／-―:.:.:.:.:.:.:.:〈　＼:.:.:}＼|　　　　　　　　|
　ヽ |／..:.:.:.:.:.:.:_　-‐'´.:.:／..:.:.:.:.:.:.:.∧ﾍ　ト-'_rく.＼　　　　　　 |
　／..:.:.:.:.:.:.:.／..:.:.:.:.:.:.:.〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/><ｌ:.l　ヽく_r勹　ヽ 　 　 　 ﾉ

こうして１９２０年１月８日、グラスゴーのカルトン登記所で、やる夫とリタは夫と妻になった事を宣誓しました
この結婚の証書には、署名として牧師ではなく、特例結婚を認めるラナークシャー州長官代理の名前があります
立会人書名欄は妹のルーシー・カウンと、その友達のジェシー・アンダーソン、最後に登記官の
ジェームス・ムーアが署名しています。この書類は現在もグラスゴーに保管されています

　　　　　　　 ＿　 　_,
　　　　　＿__,＞ Ｙ´'ー-､
　　　　＿>ｚ二_　＿__`ー≧＿_
　　　　＞┴'´￣｀ ‐-､￣ ７ ＜　　　　
　　 ／　　　　　　　 ヽ ｀Ｙ′之＞
.　 /　 ,　　l、　、 ,　､ |　 ヽ　}<　　　　…………手続きは以上です、ご結婚おめでとうございます
　 ｌ ,ｨ {７Tハ　T寸寸 |　　}ノ　|
　 |ハ |（●）　（●）　/ / ,/ﾚ′　　　　ｼﾞｪｰﾑｽ･ﾑｰｱ､ｯﾄ
　　　 `| 　　ヽ 　　　「)'/|/
　　　　ヽ､_ 　― 　_,.ィT/
　　　　　　l 7Eニ::ィ1│
　　　　　　'ｲ:::／ヽ::｀::ヽ
　 　 　 　 /:.:.}￣￣､:.:ii.:|　ｶﾘｶﾘ
　　 　 　 {:.:.:⌒ｽ　　ｨ⌒} ))
　　|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　　 _ノ 　　ヽ_＼
　　　　　　　 　 ／　ｕ　（ ●）　（ ●）ヽ　　　 （またどっかで見た事があるお……）
　 　 　 　 　 　 l　 　 　 ⌒（__人__）⌒　|
　　　　　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ

────やる夫とリタ、妹と友人は、お祝いにホテルで食事を摂りました

　　　　　 f_乂: : : /: : : : : : : : : : :八_乂 : : : : : : : :_: ノ
　　　　　　｀ヾ: : :气rvxvxvxvxv匕√辷_､: : : : : : : i:｀ヽ
　　　　　　　　}: : : : : : : :匕f⌒ー-弌__廴辷=-ミ : :}: : : ＼
.　　　　　 　 f.{:_:_:_: : 厂{り　　　　　 　　　⌒ー弌彳: : : : : ＼
　　　　　　 ノ {斧孑く⌒'　　/,　　 i　 :　　　　　　爿: : : :_:_:_:仗
　　 r-－ ' 　 /, |　! .′! 　 ′　　:|. /　/　　　　 以: : /　ハ ._
. 　八　 /.　 // :i　:厶斗-ﾐ　i 　 :!　′.′'　:i ,　 辷}_ｲ i∧_ノ {｀ーｧ　　リタお姉さん、やる夫さん、おめでとうなのー
　　 f=彡 rｖ′ i:|　!　i:｜:i:|　! 　 i/　-‐-ﾐ　 /　　 　 :i八 {_ノ　〉 （
.　　从{⌒i:ｆ⌒v人.乂{ﾊ! 从ハ　 ′/　　i:|:ヽi　/ 　 , :!　 ＼f´(　　 ヽ
　　 }ｰ-.八廴_ {　( !{ ｨ≠ミ　 乂ハ(__乂从.从.'　　/ノ｀ー-{八))
　　 廴_j: ハｰ-弐)从"〃 '　　　 　 ≠ミx　′八ｰ-ﾐ　　 _彡.厶
　　　（(乂ｰ=ミ .ｲ彡:ﾊ　　　 ´　 　 ´"'〃 _{:/ 　 ＼_j ￣　7-=ミｧ
　　　　 （彳辷}乂 ノ j.ﾍ　　(　 ｀ヽ　　　辷＝彡 /(｛_乂__ {　　〈
　　　　　 ))弌. ' :)ハ(: :{ .＼　　 ´　 　 .ィーく　 {_(ノくｰ-=ア
　　　　　　／. : : : : : : ∧ ∧＞-=≦ /.〈-=ﾐ才⌒)ゝ: :.⌒{

　　　　　　　　　　　　　 　,．　- ─‐- ､､
　　　　　　　 　 　 　 ,．'´.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ
　　　　 　 　 　 　 ／.:.:.:.::::::.`､:.＼:.＼:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　 　 　 　 　 /.:.:.:.:.:::::::::::::.:`､.:.:.＼:.ヽ.:,rr‐- い
　　　　　　　　 /.:.:.:::::::::::::::.::／入:.:.:.:.:＼{〈 ⌒ヽ Lｴｭ､
　　　　　 　 　 !.:.:.::::/:::::::／,.ｲ　　`ヾ .:.:.:{〈　　 ﾉ介⌒)}　　やる夫さん、リタさん、お幸せにかしら
　　　　　 　 　 !.:./:/:.:.:.:.:.／ 　　　　 ｀ヾﾐ无彡化ｿ ノﾉ
　　　　　　　　 V.:/:.;.ｨ／　　　　　　　　　`に__ﾉノﾐY´
　　　　　　　 　 V.:.:.7 　 _ ＿ノ　　　 ヽ __　　爪V´
　　　　　　　　　 V⌒　　　 　 　 　 　 　 　　/.:.:.ﾉ
　　　　　　　　　 ム._ﾉ_　ｨ＝=ﾐ､　　 r＝ﾐ､/^!´
　　　　　　　 ／￣｀7/ )///// 　 ,　///ノﾉ!く
　　　　　　 ,∧: : : : ﾊ　`ｰ-､　t--ｧ 　 ノ//: : 〉
　　　　　　/　 Vﾆ二入　 　 ヽ 二　イ　 ∧ V｀`ヽ
　 　 　　 /　 　 ＼:_:_:__＼　_ ノ介(^~^ｴ´_」　　　　ヽ

　　　　　　　　Jessie Anderson（ルーシーの友人）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -─＝ﾆ_ー- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　ヽ　ヽ. 　 _≧､マ>_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　l ! l !　}ヽ （(._ｨ个､_)）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / /　　 j l j L.j　 !　　 i |　ヽ ヽ　　　　……………………
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/i　!　　 /ィ´ |/,.ｨ |　　〃|　l ヽ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / | い　 / ﾉ,ィ(ぅﾉ　!　 / ヽ! j　 }　 ﾞ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i | l　ﾄト､i{　　 ｰ'′/　,1　　 /　/　　.ﾞ, ／.;.;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l ﾊ ヽく,.ｨr,､　 　 ∠ '´ j　　/　ｲ　i　､　ﾞ, .;.;/.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;--──‐‐‐z...　二ﾆ ｰ-　､_
　　さ、リタ、行くお　　　　　　　　　　　　　 ＼ヽヽヽヾ ` _ 　/ .-‐-、/　/ |　l　 ,.;.;.;.;.;／.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ニ＿二ニ==---｀ヽ
　　　　 ＿＿＿_　　　　　　　　　　 ,. -‐‐‐--‐‐''"ﾒ T ＞ _／/..:::::::::..＼ ｉ　|　l　ｌ　／.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;＼_
　　　／　　 　 　 ＼　　 　　　　 ／,. -‐‐‐---‐‐'''" _,.＜_,. ｲ.:::::::::::::::::::..＼ l　|　l.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;＿,.=- ニー- ､_
　 ／　　　　　　 ― ヽ　　　　　/／　　　　　　,. -＜_＞ ´薔y::::::::::::::::::::::::..`,l　|　l.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;＿,..ニ二._ｰ-=.z─-=ニ￣｀`ｰ　　￣￣
／ 　 　　　　 　（ ●） '､.　　　/　　　　　　 ／,.＞´　　／..::/:::::::::::::::::::::::::::::::｝　|　ll─弋´　＼`ヽ
|　 　 　 　　　　　　 （__ﾉ_　　　　　　　　　/／　　 　 /.::::::{:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉi　 |　l　　　＼　　＼i
＼　 　　 　　　　 　 ｀_⌒　　　　　　　　 /　 　 　 　 !::::::::::＜:::へヽ:::::ノ::ィi　l　 |　 i　　　　＼　　'
／　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　 l 　 　 　 　 ∨:::::::::::::ｦ::::::::::::7:::::{ i　i　 |　 i　　　　　｝

────こうしてジェシー・ロベルタ・カウンは竹鶴リタとなり、生家を離れたのでした

　 　 　　　＿＿　　 　　　 , -‐-､
　 　 　／　　　　＼　　　./　　　8<.　,
　　／　 　　,,,,-‐'''''‐-､_/　　　　ヽ_,,-‐'''''‐-､
　　|　　.　 ｼ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ il　,i､　 ｨヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ
　　＼ 　 ｼ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_/　,' /ﾊヽ　､ ',､_;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ
　　／　〃ミ-‐'''''"´}:{,,ｿ,'丿iヽ＼ヽ,j:j.｀"`'''''‐-ミヾ
　/　　　 　　　 　　　ヽ:ヽ>＜/:::/ :::ﾉ
　＼　|　　　　　　　　 | |::::ヽ／:::i￣
　　　｀|　　　　　　　　_ゝ:::::::::::::く_
　　　　|　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::＼
　　　 /　　　　　.／::::::/:::::::::::|:::::::::::::＼:＼
　　　/　　　 /| /:::::::::/:::::::::::/＼::::::::::::::＼:＼
　 　/　　　 / |/:::::::::ｲ::::::::::/　　 ＼:::::::::::::〉:::ヽ
　／　　　／　|:::::::::::;|:::::::/,,ｿヽ､,,え,＼:::::/:::::::ヽ
　＼　　　ヽ,. |::::::／ |::::/、___ ﾉ、___ ﾉ|:::/ ＼:::::〉
　 　＼__／〈 .|／ 　 |/　ｌ::::::l~ 　ｌ::::::l~|/　　.ヽ/
　　　　　　　｀ﾞ‐-‐'"　.　亡',}　　亡',}

　　　　　(⌒
　　　 :'´￣::｀ヽ　　　　／￣￣￣￣￣
　　　i:::::/l/ﾘヽﾊ　　 　|
　　　|:iｲ・_,_,・.ﾘ|　　 ＜　　　つ　づ　く
　　　|:l:l(つく!つ　　　 .|
　　 人:く/_|l〉人　　 　 ＼＿＿＿＿＿
　　　　｀'し'ﾉ"

マジっすか？！情熱的だな

立会人て未成年でもいいのか・・・って未成年の定義も違うのか

プディング占いはフランスのガレット・デ・ロワと同系統の風習かな

乙
当時のこの手の恋愛大変だったんだろうなぁ