＿＿＿＿＿
　　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
　 　 |::::::::ゝ　―　　―　|　　　　　　　そう言えば太子が娶る筈だった
　　　|::::::（ （ ●）　（●）|　　　　　　　秦（しん）の公女を王がご自分のものにしたってな
　 　（@　 ::::⌒（__人__）⌒)　　　　　　ひょっとして子胥の考え事ってはその絡みか？
　 　　|　　　　　｀ ⌒´ 　|
　　　 ＼ 　　　　 　　 ／
　,,.....イ.ヽヽ、___ ーノﾞ-､.
　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ
　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i
【申包胥（しん・ほうしょ）】
楚（そ）の宗族（王家に連なる家門）

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）　　　　 　 ご明察だろ
.　|　　　　 （__人__）　　　　　　つってもまあ俺の父の仕事を知ってりゃ当然か
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼
【伍子胥（ご・ししょ）】
楚の太傅（たいふ，太子の教育係） 伍奢（ご・しゃ）の次男
申包胥とは親友同士の関係

　　　 　＿＿＿＿＿
　　　／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　 　 |.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.|
　 　 |::::::::/　ノ　　 ―　|　　　　　なんでも費無忌（ひ・むき）が唆したらしいじゃないか
　　　|:::::::〉 （ ●） （●）|　　　 　 マジうざくね？サクっと斬っとく？あいつ
　 　（@　::::⌒（__人__）⌒)
　　　 |　　 　.ｍｊ |r-|　 |
　 　　＼　　<＿_ﾉ'´ ／
,,.....イ.ヽヽノ　　ノーノﾞ-､.

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）　　　　　　おう
.　|　u.　　 （__人__） 　 　 　 　 全力で行きたいところだがな…
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　 　 .父上には一喝されちまったよ
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

さらっと剣呑な会話を交わしているが
気性の激しい楚の人間にとっては割と通常の範囲内だったりする

　　　 　＿＿＿＿＿
　　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
　 　 |::::::::ゝ　─　　─　|　　　　　　じゃあしょうがないね
　　　|::::::（ （ ●）　（●）|
　 　（@　 :::: 　（__人__）　)
　　　 |　　　　　｀ ⌒´　 |
　　　/　　　　∩ノ ⊃／
　　　(　 ＼／ ＿ノ|　 |
　　　.＼　“　／＿_|　 |
　　　　 ＼／＿＿_ ／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ヽ､_ 　　.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （　（● ） .　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　まあな　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 （人__）　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　俺は無駄飯ぐらいの次男坊だし　 　 　 　 　 　 r‐-､　　 　.　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　お前は宗族のドラ息子だし　　　　　 　 　 　 　 （三））　　　.　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　ここで意気がっててもな　　　　　　　　　 　 　 　 >　ﾉ　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　/ ヽ、　.　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/ 　/ ⌒ヾ　　　.〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （＿__ゝ､ 　＼／.　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|＼　　 　,.1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|　 ＼_／...|

　　　 　＿＿＿＿＿
　　　／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　 　 |.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.|　　　　　 　 ま 弃疾（きしつ）さまは聡明な方だから
　 　 |::::::::/　⌒　　⌒　|　　　　　　　そのうち無忌も遠ざけられるだろうけどね
　　　|:::::::〉 （ ●） （●）|
　 　（@　::::⌒（__人__）⌒)
　　　 |　　　　 |r┬-|　 |
　 　　＼ 　　　`ー'´ ／
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　　　　 　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　　　　 　|　 （●）（●）　|　　　　　ちょっと待て
　　　　　 　 　 　 　 　 |　u.（__人__）　.|　　　　　なにそのお花畑
　　　　　 　 r､ 　　 　　|　　 ｀ ⌒´ 　.|
　　　　　 ,.く＼＼r､　　 ヽ　　　　　　ﾉ
　　　　　 ＼＼＼ヽ}　　　ヽ　　　 　/
　　　　　　 rヽ ` 　 ヽ　　/　　　ｧ'´ヽ
　 　 　 　 └'｀{　 . 　 ＼.|　　　/　 　i
　 　 　 　 　 　 ヽ､._　　　ヽ､_,r'　　　.|
　　　　　　　　　　　　｀ヽ､　　　／' 　|
　　　　　　　　　　　　　　 ｀'ｰ'´

　　　 　＿＿＿＿＿
　　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
　 　 |::::::::ゝ　―　　―　|　　　　　いきなりお花畑扱いっすか
　　　|::::::（ （ ●）　（●）|　　　　　それとも何か？王の能力を疑うってか？
　 　（@　 ::::⌒（__人__）⌒)
　 　　|　　　　 ｀ ⌒´　　|
　　　 ＼ 　　　　 　　 ／
　,,.....イ.ヽヽ、___ ーノﾞ-､.
　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ
　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i

　　　　　　　 　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　 　　／　 _ノ　ヽ､.＼
　　　　　　　　 　|　　（●）（●） |　　　　　　疑ってなどないだろ 王は有能な方だ
　　　　　　　　　 |　　 （__人／,〉.|　　　　　　だがそれとこれとは別問題だ
　　　　　　　　　 {　　　´フ´ ./._ }　　　　　　極端な話だが帝辛（しん）は無能だったか？
　　　　　 　　　　ヽ　 .／,二ニソ}
　　　　　　　　　　_ヽ/　 ,-― ､}ﾉ
　　　　　　　　 ／:;:{'　　 ノｰﾍJ:;:;ヽ
　　　　　 　 ／:;:;:;:;:;|　 _,イ{:;::;:;:;:;l:;:;}
　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:＼＿/:;:;:;::;:;i:;/＼
　　　　 　 {:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;〈:;:;:;:;:＼
　　　　　　ﾍ:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:＼:;／ヘ、
　 　 　 　 　 ￣￣7:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l;:;::;ゝ、`ｰj
　　 　 　 　 　 　 /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l:;:;:;:;:;:＼~
　　　　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|ヾ:;:;:;／

　 　 　 　 　 ,..-―-､
　　　　　 ／::::::::::::::::::＼　　 　 ━┓
　　　　／::::::::::::::::r' ´―＼ 　　┏┛
　　　　|:::::::r　￣ノ　　(●)＼　 ・　　　　　　　ていしん？
　　　　 ＼::ゝ　　(●) 　 ⌒）＼
　　　　 　 ＼!　　 　（__ノ￣　　|
　　　　　　　(@　 　 　 　 　 ／
　　　　,,.....イ　 ＼＿　　 　 {. -､.
　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　 　＿＿
　　　 .,／,-､　 ＼
　　／ ﾉ:/　ﾉfヽ.. ＼
　　|　/:/　/...|　|　　|　 　 　 　 お前ね…故事くらい勉強してても
　　l　ﾚ　./..ノ .,''´}　i　　　　　　罪ではないだろ エリートニート的に考えて…
　　l　　　' ´ .〃 /　|
　　ヽ.　 　 　.　〈　.ﾉ
　　　 ＼.,_　　._ﾉ /
　　　 　/　　/　 ヽ
　　　 ./　　/　　　|
　　 　i　.／　　.　 |

帝辛とは暴君の代名詞とも言える殷（いん）の紂（ちゅう）王の事である

紂王は決して無能ではなかった
むしろ並外れた能力を持っていたと伝えられる

＼　　　 ,. -‐'ﾌ　＿　　　く_　　 フ　　　　　　　　　　　　　 ／
　 ＼　　ヽ／ ,.ｲ 　 ｀ヽ　　 ￣ ､ｰｯ　_,.､　　　｀ｰ=ﾆ￣｀／
　 　 ＼　　　 ￣｀ー-'´　-､-､　 }/ / 　 ヽ _,､　　 　 ／
　　　　fｰ　“ ,ｨ　{｀ヽ　 {コ }＿j ｲﾉ/＿_/ /　 }　r‐'´
　　 　 ＼　　」ﾑ‐＝rﾆニ￣￣ニﾆﾑ:ﾊｰ-=ﾆ'　,ﾉ
　　　　　rｨｦ´: : : //'_,.=ﾆ　　 7=ﾆ j:ハ: : : : ｀トｭ
　　　　 ／: : : : : k´ ﾋ:::ぅ｀i　　　ﾋ:::ﾘぅﾘ : : : : ﾊ
　 　 ／´ﾌ : : : :.ｲ　　｀´　j　　　｀ナ´ .!: : : : ﾍ: ',
　　　　　j: ｨ: : : :ﾊ　　　　 ｀　 　 　 　 j: : :i| : ﾊ:ﾍ
　　　　 /´ j:从:ﾄ ﾊ 　 　 ‐　‐- 　 　 /: :,ィ: :/　｀'
.　　　 /　 /'　ヽﾄヽ:＼　　 ｀　　　　,/ィ´/´i/
　　 　 　 　 　 jﾉ　 ', : ＼　　　 ,.イ/　|　!　{
　　　　　　　　　　　}: ハj｀ ｰ ´＿,. -‐^ヽ　｀
　　　 　 　 　 　 　 jﾉ{￣￣｀∨　　 　 　 i_
　　　　　　　　　　　_,.}　　　　i　　　　　　　'ｰ-{｀ー-､＿
　_/´｀y´￣｀二ﾆ}´　　　　　/　　　　　　　　　 ｀ー､　　 ｀ヽ
二　　く＞'´　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　｀ー-､　｀ｰ､
　^} 　 ﾉ　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　　　/ ＼ /　ヽ
【紂王】
殷朝30代 最後の王
知力体力ともに衆に優れ 猛獣を素手で倒し
周囲の諫言も機知に富んだ弁舌で切り返したという

しかし その有能さ故に傲慢になり
賢臣を退け佞臣を側に置き 愛妾妲己（だっき）に溺れ朝政を疎かにし
遂には周に伐たれる

有能でありながら というより有能であるが故に暴君となってしまった例は
史上に散見できる

やらない夫は

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　 r-―――――――――--､
　　　_,.---――――――――--.,　　　　 ｆ´,r―――――――‐-､ヽ　　　 ￣￣￣￣￣'|　|￣￣￣￣!_ﾉ
　　　'ー‐7 /￣| .|￣￣/ /￣￣￣　　　 　 |　|　　　　　　　　　 　 　 |　|　　　f´￣ﾆ ヽ 　　|　|　　　 f｀i
　　　 　 / / 　 | .|　　/ /　　　　　　　　　　ゝ ｀ー―――――――'　ﾉ　　　.|　f´　|　| 　 .|　'ー―‐' ﾉ
　 　 　 / /　　 ゝ＼/ /　　　　　　　　　　 r､ ￣￣￣￣|　|￣￣￣￣ r､　 　 |__j 　 ゝ ｀ー'　 f二二_´＿
　 　 　 | .|　　 　 ＼　｀ー―-､　　　　　　 | .i　　　　 　 .|　| 　 　 　 　 j .|　　　　　　　 ｀ー―――――‐'
　 　 　 | .|　　　　 / /｀ー‐-､ ヽ　 　 　 　 ゝ,｀ー――‐'　 ｀ー―――' ﾉ　　　　f´ 二二二二二二二 ヽ
　 　 　 | .|　　 　 / /　　　　　| .|　　　　　　　￣￣￣￣'|　|´￣￣￣￣　　　 　 .|　L＿＿＿＿＿___」　|
　 　 　 | .| 　 　./ /　 　 　 　 | .|　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　 　 　 　 　 　 |　＿＿＿＿＿＿＿　|
　 　 　 | .|　　 / / 　 　 　 　 .| .|　　　　　　　　 　 　 　 j　j　　　　　　　　　　 　 |　L＿＿＿＿＿___」　|
　 　 　 | .|　 ./ /＿＿＿＿＿| .|＿＿　　　　　　　　　ノ ノ 　 　 　 　 　 　 　 　 |　＿＿＿＿＿＿＿　|
　 　 　 | .|⊂'＿'＿＿＿＿＿＿＿＿ﾉ　　r―――'´ ／　　　　 　 　 　 　 　 　 |　|　　　　　　 　 　 j　j
　　　　 ｀´　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　　　　　　　　 　 |__j　　　 ⊂二二二__/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なようです

　　　　　　　　　　　　【五】「費無忌は太子建を廃立したいようです」

【略年表】
前643　　 　 　 （斉）桓公死去
前628　　 　 　 （晋）文公死去
前614　　 　 　 （楚）荘王即位
前591　　 　 　 （楚）荘王死去・共（きょう）王即位
前560　　 　 　 （楚）共王死去・康（こう）王即位
前545　　 　 　 （楚）康王死去・熊員（ゆう・うん）即位
前541　　 　 　 （楚）熊囲（ゆう・い）が熊員を弑する
前540　　 　 　 （楚）熊囲即位 熊員は郟敖（こうごう）と諡される
前538　　 　 　 （楚）熊囲が諸侯を招集して会盟を行う
前535　　 　 　 （楚）熊囲が章華台（しょうかだい）を築く
前534　　 　 　 （陳）公子招（しょう）が陳（ちん）哀（あい）公を弑して 公子留を立てる
　　　　　　　　　（楚）熊囲 公子弃疾に命じて陳を攻め これを滅ぼす
前532　　　　　 （楚）熊囲 蔡（さい）の霊（れい）侯を招いてこれを酒に酔わせて殺害
　　　　　　　　　　　　公子弃疾に命じて蔡を攻めて滅ぼす 弃疾は蔡公に任ぜられる
前531　　　　　 （楚）徐（じょ）に出兵 熊囲は乾谿（かんけい）に滞在する
前530　　　　　 （楚）公子子干・子皙・弃疾が叛乱を起こし都を占領 太子禄を殺害
　　　　　　　　　　　　熊囲は側近・軍に見放され 放浪の後に自死（のちに霊王と諡）
　　　　　　　　　　　　弃疾の流した囲の報復の噂におびえた子干・子皙が自死 弃疾が王となる
　　　　　　　　　　　　王弃疾 陳と蔡を復興 蔡公を葬る
前529　　 　 　 （呉）州来を滅ぼす
前523　　 　 　 （楚）楚王弃疾 太子建の為に秦公女を娶るため 費無忌を秦に遣わす
　　　　　　　　　　 　 費無忌 秦女を弃疾に献ずる

楚の王太子建（けん）に嫁する筈だった秦の公女は 結局楚王弃疾の后となった
秦に公女を迎えに遣わされた費無忌が 秦女が絶世の美女であることに目を付け
これを弃疾に献じてしまったのである

　　 　 　 　 　 　 / ノ Ｙ ヽ
　　　　　(ヽ　 　/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ　　　/)
　　　　 (((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼ 　( i)))　　 　 　 さすが俺様ｗｗｗっていうｗｗｗｗｗ
　　　　／∠_|　,-）　　　　（-，|＿ゝ ＼
　　　 ( ＿＿　 l　 ヽ＿＿ノ　　 ,＿＿ ）　　　　目の付け所が凡人と違うっていうｗｗｗｗｗ
　　　　　　　 ＼ 　 |r┬-|　 ／´
　　　　　　　　　|　 |　|　 |　 |
　　　　　　　　　|　 |　|　 |　 |
　　　　　　　　　　 　`ー'´
　　　【費無忌】

元は太子の少傅（しょうふ，教育係の副官）であった無忌は
これにより楚王の側近となった

　　　　　　　　　　　 ∩＿
　　　　　　　　 　　　〈〈〈 ヽ
　　　　　　　　　　　〈⊃ 　}
　 　 　 /ﾆＹﾆヽ　 　.|　　 |　　　　太子の側近より王の側近っていうｗｗｗ
　　　 /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ　 !　　 !　　　　無忌の出世街道はまだ終わらないっていうｗｗｗｗｗ
　　／::::⌒｀´⌒::::＼|　　/
　 |　,-）＿＿＿（-，| ／
　　､　　|-┬-|　　／
　/　＿　`ー'´　/
　(＿＿＿）　　/

とはいえ 太子の傅であれば 代替わりして太子が王になれば
そのまま王の側近となるのであるが

　　　　　　　　　　　 _,;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ';;､
　　　　　　　　　　,;';;　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　`､
　　　　　　　　　 ,';;;;;,,　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　;ﾞ;
　　　　　　　　　/;;;;;;;;　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　　,,,;;;;;i
　　　　　　　　　i;;;;;;;;;;;;;;;,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;　;;;;; ,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　ﾉ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;li;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　 i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／l;;;/l;ｿ;;/ |;;;;;;/| l;;lﾞヾ;;;ﾄ､;;;;;;;;;;;;;i
　　　　　　　　　　|;;､;;;;;;;;// /,'' / l/　 |/|/ 　 ﾞｌ　 ヾ､ﾞi;;;;;;::::/　　　　　　嫌いだっつーの
　　　　　　　　　　/ヾ;;/ｿ　　　　 　 ,　　,　　　　　　ヽ l;;l"ﾞl
　　　　　　　　　　'､ (ヾ,,＝==;;;;;;;,,,,,_`il,iﾞ__,,,,;;;;;==＝　,/|lヽ l
　　　　　　　 　 　 ヽ､`||ヾi;'（:::::ﾞ'ﾞ:::/;;i＝i;;;ヽ:::ﾞ'ﾞ::::）ﾞi;/ |l'ﾉ/
　　　　　　　　　　　/ヽ|l､ ﾞi::;;;;／⌒⌒）.ヾ..;;;;;;;;;;..ノノ/l.,/＼
　　　　　　　　　　/;;;/::ﾐヾ､.／ ／ ／　）　　　　　'ﾞ /ﾐ"i;;;;;;;;＼_
　　　　　　 _,.-;;'";;;;;;;;r‐ ﾐ/ﾞ ,／ ／ 　/_!／`　　 /,,l;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;~＼
　　_,､-‐;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　/　/　 / 　 /.__,,,..-／ヽ　/;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;,,､_
‐'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ﾉ　/　.ﾉ　　/　,,, ／　 ﾉ/';;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ'';;;,,､_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ/ ノ　 /　　/,,,,／ 　 ／;;;;ミ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　/　　/;／　／;;;;;;ミ　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ　　　,　　　 `ﾞ　　／―''':::::::::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　|　　|　　　　　　ﾉ:::::::::::::::::::;;;;／i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
【太子建】

　　　　　　　　 　/ ノ Ｙ ヽヽ
　　　　　　　 oﾟ(（●))((●）)ﾟo　　　　　　　　　　　　　　　元々太子には嫌われてるっていうｗｗｗ
　　　　　　　 ／:::::::⌒｀´⌒:＼　　　　　　　　　　 　 　 　 あのままじゃ出世なんて望めないっていうｗｗｗｗｗ
　ﾐ　ﾐ　ﾐ　　.|　　,-）　　　　（-|　　　　　　ﾐ　ﾐ　ﾐ
/⌒)⌒)⌒) .| l　 　ヽ＿＿ノ　l|　 　　 /⌒)⌒)⌒)
|　/　/　/　　＼ 　 |r┬-|　 ／　(⌒)/　/ / /／　　　バ
|　::::::::::::(⌒)　　　　|　|　.|　 ＼ 　ゝ　　:::::::::::/　　　　　　ン
|　　　　　.ノ　 　 　 |　|　.|　 　 ＼/　　）　　/ 　　 バ
ヽ　　　　/　　 　 　 `ー'´　　 　 /　　　　／　 　　　ン
　|　　 　 |　　 l||l　从人 l||l 　　　 l||l 从人 l||l
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--、　　-一'''''''ー-､
　　　　　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

費無忌は太子に嫌われている上に 太傅の伍奢とも折り合いが悪かった
九分九厘以上自業自得ではあるが

　　　　　　　　　 　 / ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　/　（0)(0）ヽ　　　　　　だがでっていう
　　　 　　　　　／　　⌒｀´⌒＼
　　　　　　　　|　,-） 　 　 　 （- |
　　　　　　　　| l　 　ヽ＿＿ ノl |
　　　　　　　　 ＼　　｀ ⌒´ 　／
　　　　　　　　／　　　　　 　　ヽ
　　　　　　　/　　　　　　　　　 　ヽ
　　　　　　　|　　　　　　　　　　 |　|
　　　　　　　ヽ_|　　　　　　　　　|丿
　　　　　　　　 |　　　　　　　　　|

　　　　　　 　 　 　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　/ （0)(0）ヽ　　　　　　　次の王が太子である建であるのは変わらないっていう…
　　　 　　　　　／　⌒｀´⌒　＼　　 　 　 ぶっちゃけ 建には今まで以上に嫌われてるっていう…
　　　　　　　　|　,-）　　　　（-、.|
　　　　　　　　| l　 ヽ＿＿ ノ　l |
　　　　　　　　 ＼　｀ ⌒´ 　　／
　　　　　　　　／　　　　　 　　ヽ
　　　　　　　/　　　　　　　　　 　ヽ
　　　　　　　|　　　　　　　　　　 |　|
　　　　　　　ヽ_|　　　　　　　　　|丿
　　　　　　　　 |　　　　　　　　　|

自分のもとに来るはずの美女を父とはいえ別の男に紹介したのだから
心証が良くなるはずもない

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 j: :/: :＿ ,;､､;,;,＿_:!: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ r'／;;:='ﾍk￢-､__｀: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ｲ （/='゛_r斤:|｢｀ヾｧｰ-｀ニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｢:|;ゞ-|:::::ｉ:::::{ﾘ::||_,ノ'″
　　　　　　　　　　　あの女衒め…　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |::l欠"ｌヽｌ::::::ﾃ〃゛;
　　　　　　　　　　　いずれ思い知らせてくれよう　　　　　 　 　 ／: : :l　ゞ--‐'＾"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,､‐'´: : : : : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈 ￣｀ ｰ-￢:卜、　　　　　　　　　 ,.:':
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`丶,￣`　'＾｀ヽ　　　　　　　　,:':
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ＿　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽャ‐‐-__､、　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,〕!ニ､=-'’　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 L、

建が王になれば費無忌が粛正されるのはまず間違いない
出世と保身に特化した才能を持つ無忌がこれに感づいていない筈がない

.　　　　 　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　 / （0)(0）ヽ　　　　　　ま 話は単純っていう
　　 　 ／　￣｀´￣　＼　 　 　 建が王になれば無忌は破滅っていう
　　　 |　,-）　　　　（-、.|　　 　 ならば…
　　　 | l　＿＿＿＿　l |
　　　　＼ 　｀ ⌒´　 ／
　　 ,､-='l　＼_,ﾝ g< ＼
　/ ＼　└〆＼ i=i|＼' ＼
丿 　　i　　＼　＼=i|　/ 　i|

　　　　　　　/ﾆＹﾆヽ　 　 ／｀i
.　　　　　　/ （0)(0）ヽ　 /　　ﾘ　　　　　 　 その前に…つまり王が死ぬまでに
.　　　　 ／　￣｀´￣　ヽ|　　/　　　　　　　 建を太子の座から追い落とすだけっていう！
　　　　 |　,-）　　　　（-ﾘ　 ﾋ
　　　　 | l　＿＿＿_／/　　,｀弋ヽ
　　　＿ ＼　｀ ⌒´.′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀.ｌ
　 ／ :　　: :介〈　　`ｰ〈::....ノ　　　Ｖヽ
　 | : : : : ::〈　｢｀ヽ_ｰ ､ ｀ヾ＿/　//:|
　 | : : : : : /: |　{::::}　ﾌ-､｀ｰ┴‐- │
　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :`ー‐一′ ::|

この男お得意の権力闘争である
とはいえ相手が太子ではいかにも分が悪い

　　　　　　　　　　　　/　ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　　/ （●)(●）ヽ　　　　　　　　　　 　 だがでっていう
　　　　　　　　 　／　　　⌒｀´⌒＼　　　 　 　 　 　 　 無忌にも強みはあるっていう
　　　　　　　　／　 　　,-）　 　（-、＼　　　　　　　　　 それは王の近侍って事っていうｗｗｗ
　　　　　　　　|　 　　　 l　 ＿＿ 　l　| 　|　 ﾉ
　　　　　 　 　＼　　　　 ｀ ⌒´　　 ／ '´_　 '　　 _,
　　　　　　　　ノ　　 ヽヽ 、　 ーーく　r'´　r‐' '´
　　　　　 ／´　　　　 　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　　　　|　　　　ｌ　　 /‐''"_, -ヘ｜　　　　　　 .|
　　　　　ヽ　　　 -一/　 ´　 _,,厶ﾍ　　　 　 　 /
　　　　　　ヽ ＿＿　　　　　　 ＿,）ヽ＿＿＿ /

　　 　 　 　 　 　 /二二Yﾆヽ
　　　　　　　　　/　　　（ ゜）(゜）ヽ　　　　　　　　　　　　それを利用して王の耳に色々
.　 　 　 　 　 ／　　　::::⌒｀´⌒::::＼　　　　　　　 　 　 あることないことないことないこと吹き込んでやるっていうｗｗｗ
　 　 　 　 　 |　,-）　　　　　　　　（-|
. 　 　 　 　 ｜　i〈 ､＿＿＿＿_, 〉 /
　　　　 　 　 !　　ヽ＼+┼┼+/　/ 　 　 |　 ﾉ
　 　 　 　 　 ヽ　　　　`ー‐‐'´　/　　　'´_　 '　　 _,
.　　　　　　 　 ＼　　　　　　　人　　　r'´　r‐' '´
　　　　　 ／´　　　 `ー/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　　　　|　　　　ｌ　　 /‐''"_, -ヘ｜　　　　　　 .|
　　　　　ヽ　　　 -一/　 ´　 _,,厶ﾍ　　　 　 　 /
　　　　　　ヽ ＿＿　　　　　　 ＿,）ヽ＿＿＿ /

とはいえ無忌は周到でもあった
いきなり讒言を行ったわけではなく まずは建を都から遠ざけるよう弃疾に進言したのである

　　　　　　　　　 　 / ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　/　（0)(0）ヽ　　　　　　　とりあえず太子さまを
　　　 　　　　　／　　⌒｀´⌒＼　　　　 　 都から遠ざけた方がいいっていう
　　　　　　　　|　,-） 　 　 　 （- |
　　　　　　　　| l　 　ヽ＿＿ ノl |
　　　　　　　　 ＼　　｀ ⌒´ 　／
　　　　　　　　／　　　　　 　　ヽ
　　　　　　　/　　　　　　　　　 　ヽ
　　　　　　　|　　　　　　　　　　 |　|
　　　　　　　ヽ_|　　　　　　　　　|丿
　　　　　　　　 |　　　　　　　　　|

　　　　　　　　___|二ニｰ-､、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
　　　　　　　 /rヽ三三三三三─‐-- ､;:;:;:;:;:;:;:|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　　　　　 ',i　,-三三三三三、 　 _,.ニ､ｰ-､!;: -‐二￣彡′
　　　　　　　　',､、ヾ三三'"￣￣　　 `ー‐"　　　 ヾ-'" 　.〉′
　　　　　　　　ヽ ヽヾ三,' 　　 :::..,. -‐- ､　　　　 _,,..-‐､、,'　　　　　　なにゆえでおじゃ？
　　　　　　　　　｀ー',ミﾐ　 　 　::.弋ラ''ｰ､　　 i'"ｨ'之フ　l′
　　　　　　　　　／:l lﾐﾐ　　　　 ::::.. 二フ´　　 l　ヽ､.ノ　,'
　　　　　　,.-‐フ:::::| |,ミ　　　　　　　　　　　　 l　 　 　 /
　　　　 ／r‐'":::::::::| |ヾ　　　　　　　 ／__.　 　l　　　 /
　_,. -‐"i .|::::::::::::::::::',.',. ＼　　　　　 　 ⌒ヽ､,ノ　　 /ヽ,＿
"　　　　l ヽ:::::::::::::::::ヽヽ.　＼　　　＿,＿,.､〃　　／l　|　　｀ﾞ'ｰ-､、
　　　　 ',＼＼:::::::::::::::ヽ＼　 ＼　　､.￣⌒"￣／:::::|　|　　　　　　｀ヽ、
　　　　　＼＼＼;::::::::::::＼＼　 ｀､.__ ￣´￣／::::::::::l　|　　　　　　　　 ＼
　　　　　　 ヽ ＼｀ｰ-､::::::ヽ ヽ　　　￣フフ::::::::::::::ﾉ ./　　　　　　　　　　｀ヽ､
　　　　　　　　　 ｀ー-二'‐┴┴､＿_／‐'‐´二ｰ'".ノ
　　　　　　　　　　　　　　￣｀ー─--─‐''"￣
【楚王 弃疾】

　　 　 　/　ﾆＹﾆヽ
　　　　/ （●)(●）ヽ
　　 ／　　　⌒｀´⌒＼　 　 　 　 　 お后を見る太子さまの目
　／　 　　,-）　 　（-、＼　　　　　　ありゃ未練タラタラな目線っていう…
　|　 　　　 l　 ＿＿ 　l　|
　＼　　　　 ｀ ⌒´　　 ／
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

　 　 　 　　　　 　 　/ﾆＹﾆヽ
　 　 　 　.　　　　　/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽヘ
　 　 　 　　　　　／::::⌒｀´⌒:::: ＼＼　　　　　　このまま放っておいたら間違いを起こしかねないっていうｗｗｗ
　 　 　 　　　　/^|　,-）＿＿＿（-、|　}　　 　 　 ここは少し頭を冷やして貰った方が正解っていうｗｗｗｗｗ
　 　 　 　　　　|: | l　　 |-┬-|　　l |　|
　 　 　 　　 　　ゝ＼ 　 `ー'´ ＿／ｲ
　 　 　 　　　　　 ＼;"ヽ::...　∠ ヽ ＼
　 　 　 　　 　γ⌒:|:: .}"　 　　⌒＼ ＼
　 　 　 　　 　 |　 ;/　/　　　　,ｨﾍ.　＼ ヽ
　 　 　 　　　　|　/　/　　　　ﾉ 　 ＼___ノ
　 　 　 　　　　| "　/　 　　/
　 　 　 　　 　 ゝ__ﾉ　 　　/
　 　 　 　　 　　/. 　 　　..ｆ

　　　　　　　　 ,l､::::::::::::::::::::::::::::::::::|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
　　　　　　　　,ﾊ::｀丶､:::::::::::::::::::::::|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_,, -‐:〈
　　　　　　　　{;;;;ヽ､:::::｀丶､:::::::::::::l:;:;:;:;:;:; ィ";:;:;:;:;:;:;:}
　　　　　　　　,l;;;;;;;;;ｼ丶､:::::::｀:`:ー'‐::'':"::::::::_, ィ"´;;l
　　　　　　　fうl;;;ミミ、　 ｀`丶 ､::::::::,: - ''"´　 ﾘ;;;;;;f-､
　　　　　　　{ l l;;;;;ｯ=`　　 (三> ｀^´ (三ｼ　　ム;;;;;;ｿl}
　　　　　　　t　!;;;ﾘ　 　 _,,...,,_　　　　　_,,..,,_　 　 l;;;//
　　　　　　 　ﾞl ヾ;l 　:'ｨﾃﾍ9ﾝﾐ　　 ,: ',ｼﾋ9ﾝ､　　l;// 　 　 　 ぬう…
　　　　　　　　`ｰll!　　 ｀''==ヲ'　　l:.:^''==彡'"　,!ﾘﾉ　　　　　確かにのう
　　　　　 　 　 　 ll　　　` '' "　　　l:.:.:` '' "　　,i;;l´　　 　 　 .太子に色香に迷われては大事でおじゃ
　　　　　　　　　　li,　　　　　,r　.:　:.ヽ､　　　 ,:,り
　　　　　　　　　　 t、　　　/ ﾞｰ､　,r 'ﾞヽ　　/,K′
　　　　　　　　　　　ゝ、　,:'　　　:~:　 　 }　// /ヽ、
　　　　　　　　　　　/{lヽ ,ィ＝=ﾆﾆ=＝,ﾉ,ノ7 /:.:.:.:ヾﾆヽ
　　　　　　　　 , ィ/:.:い ヽ ｀` ー一 ''"／,/,/:.:.:.:.:.:.:.:ｿ }- ､、
　　　　　　　 /　/:.:.:.:ヽヽ `' ー‐ -- '"／／:.:.:.:.:.:.:／ /　　 ｀ 丶､
　　　　　,, - {　 ヾ:.:.:.:.ヽ丶　　　　　／／:.:.:.:.:, -'" ,／　　　　　　 ｀ 丶 ､
　 ,, - ''"　　 丶､ ｀` ーゝ､ヽ.,＿,,ｨ"ェくユ- ''"　, ｨ"

　　　　　 　 ＿_　 _
　 　 　 　 /　＼Ｙ/ヽ　ｷﾘｯ
　　　　　/　（ー)(ー）ヽ
　　　 ／:::::::⌒｀　 ´⌒:＼　　　　　　　　　「色香に迷われては大事でおじゃ」
　　　|　,-)　ヽ＿＿ノ（-、|
　　　| 　l　 　|r┬-||　　　|
　　　 ＼ 　　 `ー'´　　／
　　　　ノ　　　　　　　　 ＼
　 ／´　　　　 　 　 　 　 　 ヽ
　|　　　　ｌ　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､.
　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

　　　　　　　 　 　 ＿_　_
　　　　　　　　 　/ ノ Ｙ ヽヽ
　　　　　　　 oﾟ(（●))((●）)ﾟo　　　　　　　　　　　　　　　　　おｗまｗえｗがｗいｗうｗなｗっていうｗｗｗｗｗ
　　　　　　　 ／:::::::⌒｀´⌒:＼　　　　　　　　　　　　 　 　 　 息子の嫁を奪っておいてでっていうｗｗｗｗｗｗｗｗ
　ﾐ　ﾐ　ﾐ　　.|　　,-）　　　　（-|　　　　　　ﾐ　ﾐ　ﾐ
/⌒)⌒)⌒) .| l　 　ヽ＿＿ノ　l|　 　　 /⌒)⌒)⌒)
|　/　/　/　　＼ 　 |r┬-|　 ／　(⌒)/　/ / /／　　　バ
|　::::::::::::(⌒)　　　　|　|　.|　 ＼ 　ゝ　　:::::::::::/　　　　　　ン
|　　　　　.ノ　 　 　 |　|　.|　 　＼/　　）　　/ 　　 バ
ヽ　　　　/　　　　　 `ー'´ 　 　 /　　　　／　 　　　ン
　|　　 　 |　　 l||l　从人 l||l 　　　 l||l 从人 l||l
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--、　　-一'''''''ー-､
　　　　　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣○￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　． … ．　　　　　　o
　　　　　：/ノＹﾆヽ ：　　　｡
　　　　：/ （0)(0）｡ヽ ：　゜
　 　：／::::⌒｀´⌒::::＼ ：　 　 　 　 でっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
　　：|　,-）　　　　（-、.|：　　　　　　でｗっｗてｗいｗうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
　　：| l　rヽ／⌒ヽノ　| ：
　　 ：＼{／　　　／／：

　　　　　　　　　　　 i;:､;:;:;:;:_:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_:;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i,
　　　　　　 　 　 　 /三､;:;:;:;:;`;:‐-;､、l_,;:;-‐;:';:´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ｨ彡ﾆ、
　　　　　　　　　　 l三三＾'ｰ-:､、;:;:;:;:j::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:-‐イ彡三三i
　　　　　　　　　　 i'l三Ξ.　 ,.＝ﾐ`'ｰ-‐'";ニこ´　　 ｨ彡三三7,.、
　　　　　　　　　　 ',lミｼ"　　｀￣´　　　　｀¨"´　 　 `ｰﾐ三彡7-ヽ
　　　　　　　　　　　lﾐﾐ,　:.　 _,.=､、 .　　　..: _,.〟､、..:　 ヾ彡〃//　　　　　いかがしたでおじゃ？
　　　　　　　　　　　 〉l;　::.彳ヾﾟ;ﾊ、:、 ,:'　,.ｨﾍ;ﾟﾂゞ::' 　 .::彡/ノ/
　　　　　　　　 　 　 ヽli. :ヽ.｀ﾞ'''"ﾌ`.: 　l::. ヽ｀ﾞﾞ"´.:'　 .::::::彡ゝ/
　　　　　　　　　　 　 ｀li.　　｀ﾞ "　.:: 　 l:::.　｀ ﾞ "´　..::::::::彡ｰ'′
　　　　　　　　　　　＿,.ﾄ:..　　　 .:' :　　 :::::.､　　　 .::::::::::彡′
　　　　　　　　　,ｨ'´r'"::ﾍ:::.. 　 /｀'=､__,.ｨ'' ' ヽ　 ..:::::::::::;ヲ
　　　　　　　,r‐' ./:::::::::::::ヽ::::.　　　　: :　　　　 ､.:::::::::::;ﾉ ヽ､_
　　　 , -‐''"　　 ヽ::::::::::::::::＼　ー-:こ=ﾆ=一　ﾉ .::::／l:::ヽ, ﾍ｀ｰ-､
, -‐"　　　　 ヽ 　 ＼::::::::::::::､＼　｀ー‐--´　" ::／/ /::::::::i　l　　　｀ｰ-､､
　　　　　　　　 ＼　　＼::::::::::＼ヽ､＿＿＿_,.／: :/ /:::::::::::l　ｌ　　　　　　 ｀丶､、
　　　　　　　　　　＼.　 ＼::::::::::ヽ、::.　　　.: : : ／./::::::::::::ﾉ /

　　　　　 　 ＿_　 _
　 　 　 　 /　＼Ｙ/ヽ　ｷﾘｯ
　　　　　/　（ー)(ー）ヽ
　　　 ／:::::::⌒｀　 ´⌒:＼　　　　　　　　　何でもないっていうｗｗｗ
　　　|　,-)　ヽ＿＿ノ（-、|　 　 　 　 　 　 大王の仰る通りっていうｗｗｗｗｗ
　　　| 　l　 　|r┬-||　　　|
　　　 ＼ 　　 `ー'´　　／
　　　　ノ　　　　　　　　 ＼
　 ／´　　　　 　 　 　 　 　 ヽ
　|　　　　ｌ　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､.
　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

.　　 　 /ﾆＹﾆヽ
　　　 / （0)(0）ヽ　　 　 　 　 （まあしかし…今の言動を見ると
　　／　￣｀´￣　＼　 　 　 　 建を太子から外す気はやはりなさそうっていう…
　 |　,-）　　　　（-、.|　　　　　 まずここは建を王から遠ざけて 一旦待つべきっていう…）
　 | l　＿＿＿＿　l |
　　＼ 　｀ ⌒´　 ／
. ／　　　 ∩ノ ⊃　ヽ
（　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
..＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　/"'-..,;;;;;;;;;;;;;｀''-..,,_;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;..|
　　　　 　 ﾄ:::::::::｀''- ..,, ;;;;;;;;;;;;｀'' -...., . .- ''´|
　　　　　 i:::::::::::::::::::三　 ｀'' - ..,,;;;;;/;;;,,..-'イ;,
　　　　 /ﾆ､::::::::::::::::三　 　 ､;;;;;; ｀"´ ,,,,,　i;;;i
　　　　{ (　_',::::::::::/　　　　　　　　　　""　|/
　　　　', '<i ヾ:::::::i　　､､,,三、　 　 　,,.-、 i
　　　　 ',､ヾヽi:::::i　　　'-ヽソヾ　　 /,'ｯﾌ､i　　　　　　　ふむ
　　　　　ヽ__.. i::::i　　　　､ ￣ﾉ　　| ;ﾆ ノ.i　　　　 　 　 ならば城父（じょうほ）の守りに遣わすとするかの
　　　　　ﾉ,.-|　i::i　　　　　　　　　 |　　　i
.　　　　　　　i,ｨ''"',　　　　／､_　 ::::　　 /
　　　　　　 /',',',　 ',　　／　　　ヽ_ノ　 /
.　　　　　 ｲ',',',',', ', ',　( ,.---::;;;;､_,. } /
　　　　　/ '',',',',',', ', ',- ､　,.__`ｰ´ノノ
　　 ,.-イ　　''',',',.',', ',:',　　　　,ノ ／､,,、
　 (　 {´　　　 ',',',',', :',.','---─ '´ﾘ　 ', ヽ
''´´ヽ((''- ..,　　',',',',', .',.',ソ　 ./ /　　　',) }ｰ..,,,

城父とは蔡（さい）の北 鄭（てい）との国境にある城であり
当時の楚の北の前線基地となっている

　　　　　　　　　 ,r---､　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ,_　　　　　_r‐'´ヽ
　　　　　　　　　 }ー'￣'ｰ-.,＿　　　　　　　　　_,　　　 　 ',_　　　 ﾉ::::::::/
　　　　　　　　　{　　　　　　　 ｀ヽ　　　 ,.-―'´　｀､ 　 　 _ ヽv‐'´::::::::{　 ,.-‐⌒
　　　　　　　　　}　　　　　　　　 ﾉ 　 ／_,.　　 　 　 'ｰ-r‐' ｀´::::::::::::::::r'ノ´:::::
　　　　　　　　 /　　　　　　 　 /　 i　 /_　　　　　　 ,ｨ'ﾍ:::::: 渤　海 ::::´::::::
　　　 　 　 　 /　　　　　　 　 /　　{_,､　｀ｰ--‐'｀＞' 　 'ヽ::::::::::::::: _ｨ､,___,､_:::::
　　　 _,. -―'　　　　　　　　　}　　　 /　　　 　 /　　 　 　 ＞ｰ-,ﾉ　　　,ｨ､_{:::::
　　　 'ヽ　　　　　 ＼_　　　　{　　 r'　　　　　　} 　　 ,.-‐'´　 　 　 　r‐':::::
.,_sｰ-'´　　　　　　　　｀ヽ　　|　 　 } 　 　 　 ,/　 　 / 　 　 ､ 　 　 rﾞ:::::
　　　　　　　 -‐-､_　　　{_ 　 }_,.ﾉ´　 　 　　 }　 　,r'　　 　　} 　 /´:::::
　　　｀ヽ.,_　　　 　 ヽ　　 ヽ_{　 　 　 　 _,.＜_,.-‐'´ 　 　 　 ﾉ　 {:::::
,､_　　　　 ｀ー-.､○雍ゝ-―´￣￣￣￣ ○【鄭】○【宋】　{　　 ゝ:::::
　 ｀^ヽ　　　　　 ￣￣　　　　　　　 ●城父　 　 　 　 　 　 ｀Y´　 ヽ:::::
　 i　　｀}　　　,-v-‐､　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｀ｰ､_ 　 　 _,.v'　　　 し､:::::
　 {　　　｀i　 ´　　　 ヽ-‐'￣￣｀ヽ　　　　【蔡】 _,.-‐'￣´　　　_,.-=＜´ﾟ:::::
　 }　　　　{　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　´￣￣　　　　　　　 /　　　,､｀ヽ:::::
. （　　　　 ヽ　　　　　　　　　　【楚】 }　　　　　　　　　　　 ／　　　く_'j 　 ヽ:::::
　 }　　　　 {　　　　 ,rー-―'￣ヽ　郢ヽ_　,.-r‐､　　　　 r'　　　　 　 _r､ｰ'´:::::
　/　　　　　!,　　_ノ　　　　　　　 ヽ○.,_ ｀ _r' 　 ＼__／　　_,._,､　　/　　 ´｀7､:::::
-ﾍ　　　　　ﾉ´￣ヽ_　　　 　 　 　 　 　 }／　　　　　{ {_　　　　 ｀ｰ'　　 　 　{´:::::
　r'ー-‐^ｰ'　　　 　 }　　　　　_,.-‐=^='ﾉ　　　　　　/ｰﾍ　　　,　　　　　 　 ﾌ:::::
s'　　　　　　　　　　{　　　　／　　　 　 {　　　　　 ﾉ　　 ｀ｰ'ｰ'　　　　　　f´:::::

都である郢（てい）から大きく離れてはいるが 重要な拠点である

つまり 弃疾の建に対する信頼がこの時点で特に揺らいでいた訳ではなかったといえる

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:．一:;:;:;:;:;:;:;ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:;｀:;ｰ:;:r:;一:;":;:;:;:;:;:;:;:;ｘ彡彡ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 にト ､__l:;_:;_:;…"￣彡彡彡彡:1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 弋i fﾆ;　:　 こﾌ　　ﾞ`ヾ三三彡ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　__　ヽ　　＿_　　　 彡彡ｨ　}}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ゝ"ゞﾄ|　 ,ィゞシ　　　ﾞ彡”ﾂ　ﾘ
　　　　　　　　　余人には任せられぬ事でおじゃ 　 　 　 　 i､ ノ"|　　＼　　　　　彡ftイ
　　　　　　　　　しっかりと治めるのじゃぞ　　　　 　 　 　 　 :､￣ .!　　 、　　　　　彡ﾚ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　ｰ一'" ヽ　　　　　///::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 、_l!＿_ ､　　　　.ｲ//::::::::::「!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾﾆ¨ニ 　 　 ／ //:::::::::::刈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 __＞rr‐一　´　.ｲ,:'::::::::／　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .．　´ /　 {::ゝ.　　 ／::::::x≦　／

　　　　　　　　　　　 _,;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ';;､
　　　　　　　　　　,;';;　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　`､
　　　　　　　　　 ,';;;;;,,　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　;ﾞ;
　　　　　　　　　/;;;;;;;;　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　　,,,;;;;;i
　　　　　　　　　i;;;;;;;;;;;;;;;,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;　;;;;; ,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　ﾉ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;li;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　 i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／l;;;/l;ｿ;;/ |;;;;;;/| l;;lﾞヾ;;;ﾄ､;;;;;;;;;;;;;i
　　　　　　　　　　|;;､;;;;;;;;// /,'' / l/　 |/|/ 　 ﾞｌ　 ヾ､ﾞi;;;;;;::::/　　　　　かしこまりました
　　　　　　　　　　/ヾ;;/ｿ　　　　 　 ,　　,　　　　　　ヽ l;;l"ﾞl
　　　　　　　　　　'､ (ヾ,,＝==;;;;;;;,,,,,_`il,iﾞ__,,,,;;;;;==＝　,/|lヽ l
　　　　　　　 　 　 ヽ､`||ヾi;'（:::::ﾞ'ﾞ:::/;;i＝i;;;ヽ:::ﾞ'ﾞ::::）ﾞi;/ |l'ﾉ/
　　　　　　　　　　　/ヽ|l､ ﾞi::;;;;／⌒⌒）.ヾ..;;;;;;;;;;..ノノ/l.,/＼
　　　　　　　　　　/;;;/::ﾐヾ､.／ ／ ／　）　　　　　'ﾞ /ﾐ"i;;;;;;;;＼_
　　　　　　 _,.-;;'";;;;;;;;r‐ ﾐ/ﾞ ,／ ／ 　/_!／`　　 /,,l;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;~＼
　　_,､-‐;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　/　/　 / 　 /.__,,,..-／ヽ　/;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;,,､_
‐'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ﾉ　/　.ﾉ　　/　,,, ／　 ﾉ/';;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ'';;;,,､_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ/ ノ　 /　　/,,,,／ 　 ／;;;;ミ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　/　　/;／　／;;;;;;ミ　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ　　　,　　　 `ﾞ　　／―''':::::::::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　|　　|　　　　　　ﾉ:::::::::::::::::::;;;;／i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 j: :/: :＿ ,;､､;,;,＿_:!: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / r'／;;:='ﾍk￢-､__｀: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,ｲ （/='゛_r斤:|｢｀ヾｧｰ-｀ニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｢:|;ゞ-|:::::ｉ:::::{ﾘ::||_,ノ'″
　　　　　　　　　しっかりと務めねばならんな　　　　　　　　　　|::l欠"ｌヽｌ::::::ﾃ〃゛;
　　　　　　　　　父上の信頼に応えねば　　　　　　　　　　　　／: : :l　ゞ--‐'＾"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,､‐'´: : : : : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〈 ￣｀ ｰ-￢:卜、　　　　　　　　　 ,.:':
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀`丶,￣`　'＾｀ヽ　　　　　　　　,:':
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | ＿　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽャ‐‐-__､、　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,〕!ニ､=-'’　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 L、
　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　 ／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　 |　　 =⊂⊃=⊂⊃
　　　　　　　 |　　　　 （__人__）　　 　 　 　 　 左様ですな
　 　　　 　 　 |　 　　　||||||||||　　　　　　　　　及ばずながら 補佐させて頂きます
　　　　　　　　|　　　　　　 　 }
　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾍミ|
　　　　　　　　／,`　、` -`,--` ,
　　＿＿,---/;;;;;`　　`-,-/ニﾆ |
　/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,＞、 /::l,_l･　,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::＜:::::::ヽ``l::::|　　|`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::＼|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/'　 `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く　　　';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
【伍奢】
建の太傅 伍子胥の父

城父に向かう建の傍らには 当然太傅である伍奢の姿もあった

.　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　/ （0)(0）ヽ　　　　　　　さてとりあえず建も鬱陶しい伍奢も
　　 ／　⌒｀´⌒　＼　　 　 　 都から遠ざけたっていうｗｗｗｗ
　　|　,-）　　　　（-、.|
　　| l　 ヽ＿＿ ノ　l |
　　 ＼ 　｀ ⌒´ 　 ／

　　　　　 　 /ﾆＹﾆヽ
　 　(ヽ　　/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ　　　 /)
　　(((i )／ ::::⌒｀´⌒::::＼ 　( i)))　　　　　　この機に王の建に対する印象が悪くなるような
　／∠_|　,-）＿＿＿（-，|＿ゝ ＼　　 　 　 告げ口をチクチクとしてやるっていうｗｗｗｗｗ
( ＿＿＿､　　|-┬-|　　　　,＿＿ ）
　　　　|　　　　`ー'´　　 /´
　　　　|　　　　　　　　　/

　　　　　　　　　　　 ∩＿
　　　　　　　　 　　　〈〈〈 ヽ
　　　　　　　　　　　〈⊃ 　}
　 　 　 /ﾆＹﾆヽ　 　.|　　 |　　　　　　　太子は城父に派遣されたのが不満らしく
　　　 /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ　 !　　 !　　　　　　　何かと愚痴ってるらしいっていうｗｗｗ
　　／::::⌒｀´⌒::::＼|　　/
　 |　,-）＿＿＿（-，| ／
　　､　　|-┬-|　　／
　/　＿　`ー'´　/
　(＿＿＿）　　/

　　　　　　　　___|二ニｰ-､、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
　　　　　　　 /rヽ三三三三三─‐-- ､;:;:;:;:;:;:;:|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　　　　　 ',i　,-三三三三三、 　 _,.ニ､ｰ-､!;: -‐二￣彡′
　　　　　　　　',､、ヾ三三'"￣￣　　 `ー‐"　　　 ヾ-'" 　.〉′
　　　　　　　　ヽ ヽヾ三,' 　　 :::..,. -‐- ､　　　　 _,,..-‐､、,'
　　　　　　　　　｀ー',ミﾐ　 　 　::.弋ラ''ｰ､　　 i'"ｨ'之フ　l′　　　　　 何かの間違いではおじゃらぬか？
　　　　　　　　　／:l lﾐﾐ　　　　 ::::.. 二フ´　　 l　ヽ､.ノ　,'　　　　　　　城父の重要性は建も認識しておるはず…
　　　　　　,.-‐フ:::::| |,ミ　　　　　　　　　　　　 l　 　 　 /
　　　　 ／r‐'":::::::::| |ヾ　　　　　　　 ／__.　 　l　　　 /
　_,. -‐"i .|::::::::::::::::::',.',. ＼　　　　　 　 ⌒ヽ､,ノ　　 /ヽ,＿
"　　　　l ヽ:::::::::::::::::ヽヽ.　＼　　　＿,＿,.､〃　　／l　|　　｀ﾞ'ｰ-､、
　　　　 ',＼＼:::::::::::::::ヽ＼　 ＼　　､.￣⌒"￣／:::::|　|　　　　　　｀ヽ、
　　　　　＼＼＼;::::::::::::＼＼　 ｀､.__ ￣´￣／::::::::::l　|　　　　　　　　 ＼
　　　　　　 ヽ ＼｀ｰ-､::::::ヽ ヽ　　　￣フフ::::::::::::::ﾉ ./　　　　　　　　　　｀ヽ､
　　　　　　　　　 ｀ー-二'‐┴┴､＿_／‐'‐´二ｰ'".ノ
　　　　　　　　　　　　　　￣｀ー─--─‐''"￣

信頼する太子のことであるから 弃疾も最初は取り合わなかったのだが

同じような讒言を繰り返し聞かされる上に

　　　　(ヽ　(ヽ 　　( i)))　/)　/)
　　(ヽ(((i (ヽ((/ﾆＹﾆヽ　( i)))/)　　　/)
　　((i(ヽ(((i )/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ　( i)))/) i)))
(ヽ　(((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼ 　( i)))
.(((／∠_|　,-）＿＿＿（-，|＿ゝ ＼/)
　( 　 ＿＿､　　|-┬-|　　　　,＿　 ）
　((＼＼ |　　　　`ー'´　　 /´ ／／＼)
　(/ (((i )|　　　　　　　　　/　( i)))( i)))
　　　(/　　　　　　　　　　　　　＼)　＼)

それに反論すべき建や伍奢は遠く城父に居る状況では

　　　　　　　 ト､、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. -‐ '":;:;:;:;:;:;:;_,.ノﾐ'、
　　　　　　　 |:;:;:;:｀`'ー:;:;:;:''"´:;:;:;:;:;:;:_,. -‐='二三ｼﾊ
　　　　　　　 ト､＿:;:;:;;l:;:;:;:;:;__,. - '"´ 三三三三彡ﾉ!
　　　　　　　 l:::l　 二、― 'r―-,_ 　 _三三三彡彡ﾆヽ
　　　　 　 　 ヾi　 `ｰ′:.　`""´　　 ｀￣'三三彡片ヽl|
　　　　　　　　 '、 , - ､、　　 __,.. .. ,、_,　　'三彡'^> ﾉﾘ
　　　　　　　　　l ｲで>､ヽ　 ':,ｨ'で'＞'"　　 三ｼ' f ﾉ /
　　　　　　　　　l ヾ二ﾌ ,!　　ヽ二彡'´　　　}ﾂﾘ ,､_ノ
　　　　　　　　　'､　　　 l　 　 ,.、　　　　　 i 川 ├ミ'、
　　　　　　　　　 ヽ　　 ,'　　 '__)ヽ、　　　 /｀`7>、
　　　　 　 　 　 　 ヽ　/`ー'i´　　　＼ 　 /　 ///>、
　　　　　　　　　　　ヽ'､ ､_,=＝ァ=-､_,｝ / /./////ﾄ､
　　　　　　　　　　　　＼ヾ二"´_,. ‐-.:.:/ /.//////:.:ヽ
　　　　　　　　　　　,. -/ゝ､':､_:' :、_ _:/ / //////:.:.:.:.ヽ‐- 、
　　　　　　　　　 ／　/:.:.'､ ヾ"ﾞ´￣ / / /////'′:.:.:.:.:.ｿ ﾉ ）
　　　　　　,. -―{　､/:.:.:.:.:ヽ ヽ.　　/ / /////:.:.:_,. - '"　／￣｀`丶、
　_,. -‐ '"´　　　ヽ ｀丶､r―--`'-/ / /////''"´　　　／　　　　　　 ｀丶、
'´　　　　　　　　　 丶､＿｀￣￣ / / ////'′　_,. - '′　　　　　　　　　 ｀丶、

段々とその信頼も揺らいで来てしまう

こうして事は費無忌の思いどおりに動いていた

　　　　　　　　 ＿　_
　　　　　　　 / ＼Ｙﾉヽ 　ｷﾘｯ　　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　 　 　/　（0)(―）ヽ 　　　　　　　　　＿ ) (_　　　　だがこれは布石に過ぎないっていうｗｗｗ
　　　　 　／　　⌒｀´⌒　＼　　　　　 （⊂ﾆﾆ⊃)　 　 　 無忌は決定的な瞬間を待っているっていうｗｗｗｗｗ
　　　　　| ,　-）　　　　（-、 |　　 　 　 　 ｀二⊃ﾉ
　　　　　ｌ 　　ヽ＿＿ ノ　 l |　　　　　　 （( ￣
　　　　　｀r'ﾆﾆヽ_＿　 　 ／　　　　　　　;;
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く./　　 　 　 　 　 [l、
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　 　 ／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　 ）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

そしてその「決定的な瞬間」は程なく訪れる

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈::::::::::::::::::::｀丶､/＿:_:_:_:_:_:::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ミ了`ｰ- ､::::::/::::::::::::::::::::::::￣:::::`::::―‐
　　　　　　　　　　　でかしたでおじゃる！　　　　　　　　 lミミ　　　(三ｼ`‐---　　＿＿＿:::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 lミｼ　　,.　　　　 　　 ヾ三)　　　 }三三三
　　　　　　　　　　　　　　　　 　|　 /　　　　　　　　　　　　fi7　 . "　　｀、 :　　　　 _ _　　　 ヾ三ミ三
　　　　　　　　　　　　　　,＼__ノし/／　　　　　　 　 　 　 .| !　 '　､==z､ヽ|:　　, '"　　丶　　 ｀}ミミミ
　　　　　　　　　　　　　/　 ..)/⌒　　　 　 　 　 　 　 　 　 |i|　　｀ ｀二彡/　 　 ､ｰ==､、:　　　|ミミﾐ
　　　　　　　　　　　　　￣￣ 　 l⌒＼　　　　　　　　　　　lﾘ　　　　 　_/　　　　 `二ﾆ｀`　　　|ミﾐ/
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 !　　 ヽ　 .,.　''´￣￣￣｀ヾ!:、 　 　f´'′　 :^ヽ　　　　　　　 ,.lミ/
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　/／　　　　　　　　　l　｀ :r '´`^'､__,.-､ノヽ、　　　 ,.　" }ｼ
　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒ト､/. 　　　　　　_,. -‐ 'ﾞ´ヽ　｛ ､-- ､:.:＿_　　　ヽ...　 '　　 /｝＼
　　　　　　　　　　　　r-='´　　　　 ヽ　_,.　-‐ ''"´　　　　 /,ハ　ヾ｀ヾｴｴェｪｪ＞-　　　　　, 'ノ 　 ﾊ、
　　　　　　　　　 　　 |　　　　＿∠ ノ |　　　　　　　 ,. -, {{（　 ヽ　｀丶｀二ﾆ´　　　　　　／´　　　| |
　　　　　　　　　,.　'´}　⌒´　　　　 ｀V　　　　　　　 i　//ヽヽ、 ,ﾍ　　　　　　　　　　,　'´　　　　 //
　　　　　　　　'´　　　〉　　　　　　 -‐く　　　　　　　 、ヾ、 ＼＼| ヽ、 　 　 　 ,. -,:'´　　　　　／/
　　　　　　　　　　　　ヽ　　￣ 　 　　 / 　 　 　 　 ／ヽ、｀`ｰ`､_｀丶＞---_彡'"´　　　　　／／
　　　　　　　　　　　　ﾊ　　　　　　／|/　　　 　 ／　　　｀ ‐-　、｀　‐--｀ﾆ＝=----――'´／

弃疾と秦の公女との間に男児が生まれたのである

　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､-'" ￣￣￣￣ ｀`ヽ､　 |ﾚ!　____
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／,､-'´　　　　　　　 _____ ヾﾘ／　　　｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 ／／　　　　　　　　 '´　　　　ヽ　　　 　 　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 /／　　　　　　　　　　　　　, - へ、｀`ヽ､　　　　　　＼
　　　　　　　 　 　 　 ／　　／　__, --┐　　　　　 /　　　　ヽ　 　 ＼　 ＼　 　 ヽ
　　　　　　　　　 　 /　　／-‐'´//　／／ /　 　 /　 　 　 　 ヽ　　__ ＼　 ＼ ＼ ヽ
　　　　　　　　 　 /　 ／/　 ／/ ／　/　/　 　 /　　　　 |　　 ヽ　|　 ｀ヾ、 　 ＼ ヽ'､
　　　　　　　　　/　 /　/　r'r'´／　 /　/　 /　　　　　　　|　　　ヽ '､　 //＼　　 ヽ　ﾞ!
　　　　　　　　 ,'　 /　/ 　 |ﾚ'´　/ /　/　 /　　　　　　 　 |　|　　 ', ヽ　ヽ　 ヽ　　 ヽ |
　　　　　 　 　 |　/　 |__／　 / / ,ｨ'　|　　|　　　　　　　　 |　|　　　i　ヽ　ヽ　r'|　　 ヽ!
　　　　　 　 　 |/ 　 /　　　 / / / |　||　 |!　/|　　　　|　　|　|!　　　|　　ヽ/　L|　　 ヽ ',
　　　　　 　 　 |　　 |　　　 // !/　|　| |　|| / |　　　　|　|　|　||　　　|　　 〈　　 |、　　ヽ 〉
　　　　　　　　.! // |　　　//-||---| ト､! ||| | |　 　.! ||　|/|　ハ　|　 |　 |　|`Y´　ヽ　ヽY
　　　　　　　　|/ |　|　|　/||　ﾐlﾚ'T'T''ヾヽ|ﾘ|　|　　 |/! /!L|/___|　|| | !　|　 |　|　 | |､　| |
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　　　　　　　　 | |ヽ| !|ヽ|　ﾄ､ヽ　　　　　　　! 　 ヽ.|　　　┴-- '　'´ |/ /| /l/ﾚ‐く/ //
　　　　　 　 　 ヽ!　| ﾄ､ヽ ヽ ＼`　　　　　　　　i:.　!　　　 　 　 　 ／ /--､l/_|::::::::|‐く
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′　　　　　　　　　　　 /::::::::::/ヽ　＼::::＼ ｀ﾞ "´_, -‐'´:::::;:イ 　 ヽ!::::::::::|::::::::|/　　 / 　 ／￣￣ 　 /:
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　　r':::::::::::::::::::::::::::::）　　　　　　＼　V!⌒i　　 ／ , -─‐ '´　　　　　|:::::＼　　　::::::::::::::::::／'´￣
【秦公女】
秦の哀公の娘 太子建に嫁する筈が弃疾に奪われる

生まれた子は軫（しん）と名付けられる
古代中国の常ではあるが生年は不詳
ただし 前後のいきさつから紀元前523年の末から522年の初頭にかけてである

　　　　 ┏┓　 ┏━━┓　　　　　　　 　 　 /ﾆＹﾆヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 ┏┓┏┓┏┓
　　　┏┛┗┓┃┏┓┃　 　 　 　 (ヽ　　/（。 )(. ﾟ）ヽ　　　 /)　　　　　 　　　┃┃┃┃┃┃
　　　┗┓┏┛┃┗┛┃　┏━━(((i )／ ::::⌒｀´⌒::::＼ 　( i)))....━━━┓ ┃┃┃┃┃┃
　　　┏┛┗┓┃┏┓┃　┃ 　 ／∠_|　,-）ﾄｪｪｪｪｲ（-，|＿ゝ ＼ 　 　 　 ┃ ┃┃┃┃┃┃
　　　┗┓┏┛┗┛┃┃　┗　( ＿＿＿､　　|-┬-|　　　　,＿＿ ）　━━┛ ┗┛┗┛┗┛
　　　　 ┃┃ 　　 　 ┃┃　　　　 　 　 |　　 　 `ー-'´υ /´　　　　　　　　　　 ┏┓┏┓┏┓
　　　　 ┗┛　 　 　 ┗┛　　　　 　 　 |　　　　　　　　　/　　　　 　 　 　 　 　 ┗┛┗┛┗┛　っていうｗｗｗｗｗ

　　 　 　 　 　 　 / ノ Ｙ ヽ
　　　　　(ヽ　 　/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ　　　/)
　　　　 (((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼ 　( i)))　 　 　 　 これを待っていたっていうｗｗｗ
　　　　／∠_|　,-）　　　　（-，|＿ゝ ＼　　　　　これで勝つるっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
　　　 ( ＿＿　 l　 ヽ＿＿ノ　　 ,＿＿ ）
　　　　　　　 ＼ 　 |r┬-|　 ／´
　　　　　　　　　|　 |　|　 |　 |
　　　　　　　　　|　 |　|　 |　 |
　　　　　　　　　　 　`ー'´

　　 ／￣|　　　　　/ﾆＹﾆヽ
　　｜ 　｜　　　 /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ 　 　 　 　 これでもう王の頭の中には
　　｜ 　｜　　／::::⌒｀´⌒::::＼　　　　　軫さまを太子に据えることしかないっていうｗｗｗｗｗ
,―　　　　＼ |　,-）＿＿＿（-，|
| ＿＿_） 　 ｜､　　 |-┬-|　 ／
| ＿＿_） 　 ｜　　　 `ー'´　/
| ＿＿_） 　 ｜　　　　　　 /
ヽ＿＿）＿／

まさにその通りであった
弃疾は愛する秦女の子である軫を太子に立てようと考え始めたのである

　　,彡ニ三三三三三三三ﾆ=ヾ;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:i'
　 ,彡ニ三三三三ニ三三ニﾆ;〃ヾ､;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/
　,彡彡,'',ﾆ=ﾐﾐミ三三三三ニﾆ彡　 ｀ﾞﾞ''ｰ-､;:;:;:;/;:;/
　',彡'/ r' ﾉヽヾミ三三三三三彡'　　　_,,,,,,､ヽ;:;ｨ''|
　 彡'|.|（‐'''"　'iﾐﾆニ三彡"´￣　　　　 ｀ﾞﾞｰ'　　;;;:|
.　 彡i､ヾ　('　 ヾミﾆ三'　 　 　 　 　 __,,､　....ﾉ 　 /
　　彡ゝ ｀'' "　 |ミﾐﾐ' 　　　　　　‐'"ひi,;'´　 ,ｨ;;ｧ'　　　　　その為には…建を廃するしかないでおじゃ
　　 '彳｀ー‐i　 |ﾐﾐﾐ'　 　 　 　 　 ｀ﾞｰｼ'　　 |､ﾆ'　 　 　 　 しかしのう…
　--､/ 　 　i　 |ミﾐ 　 　 　　　　.,,r‐''"　　　| ﾉ
　く'ﾉ　　 　:i 　ミﾐ 　 　 　　　　´　　.,　'　　 |'
　､＼ 　 　 .l　 ヾ 　 　 　 　 　　　.ﾉ（_,,､. 　 |
　:＼ヽ,　　 ヽ　　　　　　　　　 ／　　 ｀t‐一'
　::::ヽ ヽ　　　｀::.　　 　 　 ,; ' 　　　　　.:i
　:::::::ﾍ ヽ　　　 ｀::. 　 　 　 　''"⌒ﾞ''一ﾉ
　::::::::::ﾍ.ヽ　　　　ヽ､ 　 　 　 ｀ ー'ｰﾉ
　::::::::::::::ヽﾍ　　　　　｀ｰ┬‐一;;''""´
　＼､:::::::::ヽヽ　　　　　 /::ﾍ ）　｀ﾞ'ｰ､_
　〃｀ﾞｰ､;;;;＼＼　　　/i:::::::丿　' , ' , '｀ﾞヽ､

全く後ろ盾がないに等しい状態から太子に立てられるだけあって 建はなかなかの人物であり
しかもこれまで弃疾との関係は良好であった
今回派遣された城父でも特に失策は見られない

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　Ｙ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::..　　　＼　　　　さてそこでっていう
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::::::::.　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |::::::::::::::::::　　　　|　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,.-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::::::::::: 　 　／　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _,.､／:∠＿
　　＿＿_, - ､　　　　　　　　　　　　 __,. -――＜二二二＞≦――-,､　　　　　　　　　　　,. ‐'´::::ヽ:.:.:.:.:二ﾆヽ
　ﾞーｧ:.:.:|::::::::｀` ―- ､、　　　　_r:'Ti::､:::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::::::::::::::::::::/:ﾊ、　　　　　　　,. ‐'´:::::::::::::::::|‐--―一'
　／:_,:.:.,|::::::::::::::::::::::::::::｀`ｰ-‐'´:::::::ヾ', '、::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::://:ｨ::｀＞―‐-- ‐'´::::::::::::::::::,. - '
　'-´一'´`ー- ､、:::::::::::::::::::::::::::::::｀丶:ヾ}｝:::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::/:'ｼ':／::::::::::::::::::::::::::::::::,. ‐ '´
　　　　　　　　　 ｀` ‐- ､_::::::::::_,. -‐`｀^ヾ::::::::::::::::::::〈:::::::::::::::::::::::::fr‐'＜-_::::::::::::::::::::_,. ‐'´
　　　　　　　　　　　　　　 ｀￣　　 　 　 /:::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::〈　　　　 `'-一''"´

　　　　　　,ィｰ- ､　　 　 　/ﾆＹﾆヽ
　　　　　　|:::;リﾘﾉ　　　 /;（ 。)( 。）ヽ
　　　　　 」::::」´ ｀ー､.／;;;;;⌒｀´⌒::::＼
　　　　／::::　,ｒ‐'⌒´.|;;;,-）＿＿＿（-、|
　　　,ｲ;;￣7′　　　..|;l;;;;;;;;;|-┬-|　　l |
　　/;;;;;;;;/′　　 __＿＼;;;;;;;;`ー'´ 　 ／
　 :.;;;;;;;;;;l　＿,ｨ'´;;:::|　,,｀＞''´「;;;/　/=ｭ　　　　　　この無忌と王とに共通の目的が出来上がるっていうｗｗｗｗｗ
　 .;;;;;;;;;;;|'´;;;;:::::::;;;::|　｀''´＞;/;;/__,ｲ、;;|ヽ
　　;;;;;;;;;;!;;;;;;;;;::::::;;/、ｏ ヾ､/;;::::／;;| ヾ;!　!_
　　;;;;;;;ﾑ--一''´i　;;｀ーｧ i';;;／;;;;;;;|:::::｀:::　|
　　一′　　　　 l ;;;;;;;ｒ'' ,ｨ´;;:￣￣::::;;;;::::　|
　　　　　　　　　ﾉ.;;;;;;;|　i |;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;;;:::: {
　　　　　　　　i´.;;;;;;;;;|　| |;;;;;;;;;;;;;;;::::」;;;;:::::; |
　　　　　　　 ム;;;;;;;;/　| .!;;;;;ｒ=＝‐'i;;;;;::::::;:.|
　　　　　　　　/｀フ　_/　Ｌ_」i　　　 |;;;::::::;: ｊ
　　　　 　 　 /;;;;´￣;;;ヽ 「￣　　　　|;;;::;ｨ|′
　　　　　　　i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ!　　　　　　Ｙ::　|
　　　　　　　!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　　　　 |:::　|
　　 　 　 　_|;;;;;;;;;;;;;;;;;;i　　　　　　　　 !:::　|
　　　　　　」ｴｴ[二]ｴﾕ　　　　　　　 」;;:::._|
　　　　__,「 :::;;;;;;;;;;;;;;:::::｀ヽ、　　　　　ヽ:::;;;;ヽ
　　￣;;｀ヽ;;;｀ｰ;;;;;;;;;;-'´;;;;;;;｀ｰ-､　　　 ヽ::::;;;;＼
　　;;;;;;;;;;;:::::::＿,==、_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ｰ-､　　＼::::;;;ヽ
　　;;;;_, -‐'´　　　　　｀ー- 、;;;;;;;;;;;;;;;;｀ｰ-､ ヽ:::;;;;;ヽ、
　　'´　　　　　　　　　　　　　｀ー- 、;;;;;;;;;;;;｀ヾ､_／ ￣i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀r=-;;;;;;;　| i^i ::ｨ ｊ

共通の目的
すなわち「太子建の廃立」である

こうなると無忌の讒言が受け入れられる可能性はかなり高い
むしろそれを口実として廃立に動けるのであるから
弃疾としてはそれを待ち構えている状態ですらある

ここでとどめとばかりに無忌は太子の叛意を訴え出たのである

　　　　　　　　　　　 ∩＿
　　　　　　　　 　　　〈〈〈 ヽ
　　　　　　　　　　　〈⊃ 　}
　 　 　 /ﾆＹﾆヽ　 　.|　　 |　　　　　　一大事っていうｗｗｗ
　　　 /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ　 !　　 !　　　　　　太子が城父で叛乱を企てているっていうｗｗｗｗｗ
　　／::::⌒｀´⌒::::＼|　　/
　 |　,-）＿＿＿（-，| ／
　　､　　|-┬-|　　／
　/　＿　`ー'´　/
　(＿＿＿）　　/

　　　　　　　　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ|
　　　　　　　　 |丶､ ;;; __;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,,: ィ";;_|
　　　　　　　　 ﾄ､;;;;;;;;;;;;;;;｀ ` '' ー -- ‐ '' ";;;;;;;;;,:ィ;:;!
　　　　　　　　,';:｀`' ‐ｮ ､ ,_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; , - '"l;:;:;:;:l
　　　　　　　　l;:;:;:;:;:;:;ﾐ　　 ｀ ` '' ｰ -‐ '"　　　 ,ﾘ;:;:;:l
　　　　　　　　l;:;:;:;:;:;:;:ゝ　　 く三)　　　(三ｼ　　｀ヾ;:t、
　　　　　　　fﾐ{;:;:;:;:f'´　 , -－-_,, _,ｨ ､_,,ｨ,.-－､　 };f }　　　 　 なんと
　　　　　　　l ﾄl;:;:;:;:l　　､,ィ或tｭ､ﾞ:ミ　{,'ィt或ｱﾁ　l:l,/　　　　　にわかには信じがたいことでおじゃるが…
　　　　　　　ﾞi,tヾ:;:;:!　　｀ヽ 二ノ　　　ﾄ ` ‐''"´　 l:l:f　　　　　 しかと相違ないでおじゃるか！？
　　　　　　　 ヽ`ｰ};:l　　　　　　 ,r'､ 　 ヽ 　 　　　ﾘ_）
　　　　　　　　 ｀"^l:l　　　　　 ,/ﾞｰ､　 ,r'ヽ　　　　l
　　　　　　　　　　　ﾞi　　　　,ノ　 　 `'"　 丶.　　 ,'
　　　　　　　 　 　 　ﾞl､　　 ′ ,, ｨrｪェzｭ､,_ 〉 } /
　　　　　　　　　　　　',ヽ　　ヘヾ'zｪｪｪッ',ｼ'　//ヽ
　　　　　　　　　　　　 }　丶、　` ｰ--‐ '"'´,/ノ:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　/l　　 丶、　　　 　 ,.ｲ:.:.:.:.:.:.:.:丶､、
　　　　　　　　　 ,r'"^l　!　　　　` ー‐;オ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.,ノ　 ,}、
　　　　　,. -ｧ＝く（:.:.:.l　 l　　　　　 ／/:.:.:.:.:.:., - '"　 ,／　ヽ、
　 , - '"´ ／　,／｀＞'t､_」＿＿_,ｨ'ﾞ,ィ,.: -‐ '"　,. -‐ '"　　　　＼
／　　　　ヽ-（　　/　/ f　　 }li,　　　　 ,. -‐ '"　　　　　　　　　　＼

　　　　(ヽ　(ヽ 　　( i)))　/)　/)
　　(ヽ(((i (ヽ((/ﾆＹﾆヽ　( i)))/)　　　/)　　　　太子は城父に飛ばされたことを恨みに感じていたっていうｗｗｗ
　　((i(ヽ(((i )/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ　( i)))/) i)))　　　　 .そこにこのたびの慶事っていうｗｗｗ
(ヽ　(((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼ 　( i)))
.(((／∠_|　,-）＿＿＿（-，|＿ゝ ＼/)　 　 　 .太子は自分の地位が脅かされると思ったようだっていうｗｗｗ
　( 　 ＿＿､　　|-┬-|　　　　,＿　 ） 　 　 　 .太傅と共に謀議を重ねているっていうｗｗｗｗｗｗ
　((＼＼ |　　　　`ー'´　　 /´ ／／＼)
　(/ (((i )|　　　　　　　　　/　( i)))( i)))
　　　(/　　　　　　　　　　　　　＼)　＼)

　　　　　　　　 ,l､::::::::::::::::::::::::::::::::::|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
　　　　　　　　,ﾊ::｀丶､:::::::::::::::::::::::|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_,, -‐:〈
　　　　　　　　{;;;;ヽ､:::::｀丶､:::::::::::::l:;:;:;:;:;:; ィ";:;:;:;:;:;:;:}
　　　　　　　　,l;;;;;;;;;ｼ丶､:::::::｀:`:ー'‐::'':"::::::::_, ィ"´;;l
　　　　　　　fうl;;;ミミ、　 ｀`丶 ､::::::::,: - ''"´　 ﾘ;;;;;;f-､
　　　　　　　{ l l;;;;;ｯ=`　　 (三> ｀^´ (三ｼ　　ム;;;;;;ｿl}
　　　　　　　t　!;;;ﾘ　 　 _,,...,,_　　　　　_,,..,,_　 　 l;;;//
　　　　　　 　ﾞl ヾ;l 　:'ｨﾃﾍ9ﾝﾐ　　 ,: ',ｼﾋ9ﾝ､　　l;// 　 　 　 捨て置けぬ話でおじゃ…
　　　　　　　　`ｰll!　　 ｀''==ヲ'　　l:.:^''==彡'"　,!ﾘﾉ　　　　　太傅を召し出すのでおじゃる！
　　　　　 　 　 　 ll　　　` '' "　　　l:.:.:` '' "　　,i;;l´　　 　 　 .麻呂自ら問うてくれよう
　　　　　　　　　　li,　　　　　,r　.:　:.ヽ､　　　 ,:,り
　　　　　　　　　　 t、　　　/ ﾞｰ､　,r 'ﾞヽ　　/,K′
　　　　　　　　　　　ゝ、　,:'　　　:~:　 　 }　// /ヽ、
　　　　　　　　　　　/{lヽ ,ィ＝=ﾆﾆ=＝,ﾉ,ノ7 /:.:.:.:ヾﾆヽ
　　　　　　　　 , ィ/:.:い ヽ ｀` ー一 ''"／,/,/:.:.:.:.:.:.:.:ｿ }- ､、
　　　　　　　 /　/:.:.:.:ヽヽ `' ー‐ -- '"／／:.:.:.:.:.:.:／ /　　 ｀ 丶､
　　　　　,, - {　 ヾ:.:.:.:.ヽ丶　　　　　／／:.:.:.:.:, -'" ,／　　　　　　 ｀ 丶 ､
　 ,, - ''"　　 丶､ ｀` ーゝ､ヽ.,＿,,ｨ"ェくユ- ''"　, ｨ"

そもそも軫が生まれたから太子である建が邪魔になったのであって
無忌の讒言は恣意的に順番を入れ替えたものである
それを受け入れてしまうあたりもはや出来レースのような流れである

こうして伍奢が郢に召還される事態に発展する

　　　　　　　　　　　 _,;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ';;､
　　　　　　　　　　,;';;　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　`､
　　　　　　　　　 ,';;;;;,,　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　;ﾞ;
　　　　　　　　　/;;;;;;;;　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　　,,,;;;;;i
　　　　　　　　　i;;;;;;;;;;;;;;;,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;　;;;;; ,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　ﾉ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;li;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| 　 　 　 太傅 どういう事だ…？
　　　　　　　　　 i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／l;;;/l;ｿ;;/ |;;;;;;/| l;;lﾞヾ;;;ﾄ､;;;;;;;;;;;;;i
　　　　　　　　　　|;;､;;;;;;;;// /,'' / l/　 |/|/ 　 ﾞｌ　 ヾ､ﾞi;;;;;;::::/
　　　　　　　　　　/ヾ;;/ｿ　　　　 　 ,　　,　　　　　　ヽ l;;l"ﾞl
　　　　　　　　　　'､ (ヾ,,＝==;;;;;;;,,,,,_`il,iﾞ__,,,,;;;;;==＝　,/|lヽ l
　　　　　　　 　 　 ヽ､`||ヾi;'（:::::ﾞ'ﾞ:::/;;i＝i;;;ヽ:::ﾞ'ﾞ::::）ﾞi;/ |l'ﾉ/
　　　　　　　　　　　/ヽ|l､ ﾞi::;;;;／⌒⌒）.ヾ..;;;;;;;;;;..ノノ/l.,/＼
　　　　　　　　　　/;;;/::ﾐヾ､.／ ／ ／　）　　　　　'ﾞ /ﾐ"i;;;;;;;;＼_
　　　　　　 _,.-;;'";;;;;;;;r‐ ﾐ/ﾞ ,／ ／ 　/_!／`　　 /,,l;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;~＼
　　_,､-‐;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　/　/　 / 　 /.__,,,..-／ヽ　/;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;,,､_
‐'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ﾉ　/　.ﾉ　　/　,,, ／　 ﾉ/';;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ'';;;,,､_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ/ ノ　 /　　/,,,,／ 　 ／;;;;ミ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　/　　/;／　／;;;;;;ミ　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ　　　,　　　 `ﾞ　　／―''':::::::::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　|　　|　　　　　　ﾉ:::::::::::::::::::;;;;／i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　 =⊂⊃=⊂⊃
.　|　　u　 （__人__)　　　　　　いや 私にもさっぱり…
　 |　　　　　||||||||||　 　 　 　 なにやら「問いただしたい事がある」とのことで…
　 |　　　　　 |　| |}
.　 ヽ　　　　　｀ﾆ}
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く
　　　|　　　　 ＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _ノ　　ヽ、　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　しかしわざわざの召還とは　　　 　 　 　 　 　 ⊂⊃=⊂⊃=　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　穏やかな話ではないやも知れません…　　　（__人__）　 　u　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ||||||||||　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　もしかするとまた費無忌の讒言やも…　　　 　 ｛　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 lヽ、　　,ｨ'.) ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 j　.}ﾝ／／　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾉ　'"´ ￣〉　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　 勹..　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ　､＿_,,ﾉ　.　|

　.ｌ　　　　　　　　　　..ﾉｲ.....:::::::::::..　　　　　....::::::::::::::::: 　　　　　　　　V
　.|　　　　　　　　　　　　　　 　 , :::..　　　　i::　 　 　　　.|　　　　　/
　 |i 　 ＿___`　　　　i 　/　　／　 :::　　　　ｊ`:、､ 　 　 i l　　　__,,/,、　／　　,
　 ,イ´＿__　`'´￣￣｀　　マ､,__　_,_i　　　/　.:＼ ゝ´￣ i￣｀　マヽ二ﾆﾏ ,'ｲ
　 ´:.:.:.: . ".　.　.　　　　　 . .:.`ヾ仁ﾉ}　　ヽ-イ／ヽ .　.　　　.　. . .:.:.:､／//
ヽ＿___:. . . . . .　　　　　　　. .: :.:l:L丿,ﾆ､ゞ.:.:.f:.:.:. . . .　.　　　.　.　. .:.:.L＿_,／ 　 　 　 　 また奴か…
｀ー―_!｣:.:.: . .　.　　.　　.　. . .:.:iｲ二ﾆﾆﾆﾆ二!:.:.:. . .　.　.　　　.　　. .:.:r‐--ィ'1　　　　　　いずれ思い知らせてやらねば
　　　-弋;.:.: . .　.　　　.　.　. .:./ヘ ,' i　　 il!　ゝ,:.:. . .　.　.　　　. . 丶/ｲ　　　 i
　　／,　,ﾍ;';.. . .　.　.　. . .:.:／＼､/,ｲ　　 iﾊ、／ヽ､'.:. . .　.　. _._:.:／ヘ、　　 |
　　　　　/ ｀,'ー‐i--!┼ ヘ` 、 ノ/　　　 |ilili､　　/ ≧/-i-┼‐ ' ` ､　　　　 l
ヽ,　　/　　　　i　　／　.:::::...｀` ‐┴----_以ヘ‐-､ 　 　　　.i　　　　　　 , ィ,{
　 ,＼´｀ヽ、　　 ,ｲ　 .:::::::::::::::::::::::::::::::::;/ｲ　´..:::::::::.ヽ、　　　　　　　 /／/,ｲ!
　 .|ヾヽ　　｀＞'´ ....::::::::i;_;:_:::;_:::;, ィ'¨´::::::i:::;ｿ　　:::::::..＼　　　　　　　　　ﾙi{
　　|　 _, ィ'´ ......::::::::;ｨ,r'-‐‐::'::::::::::::::::::::::::;ｙ'　　 .::::...　　 ｀¨`' ､.　　　　 从ﾘ{
　　`y′ .:::::::::::::;::::;／　　:::::::::::::::::::::::;:／　　..::::::::::::::￣｀ヾ､_ 　　｀'ｰ-ｭ,仆林
＿／　　..i::::::;;;ン;ｲ　 ...:::::::::::::::::::;ィ'´　　 ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::...`丶、　.＼_`マ{
／　　.:::::／／,ｲ　.:::::::;:__;斗＞'´　 ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾ、
　...::::::／,イr'´ .::::::::;メ,≧´　.....::::::::::::::::::::::::_;;;､ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゝ,__,ｲ／　 |　:::::::::j-ｲ!　　i:::::::::::::::::::::;ィ¨´:_:_:i'::::::｀ゝ ‐---ｭ､;::::::::::::::::::::::::::::::::

このあたり、暢気すぎるよなあこの主従

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　 =⊂⊃=⊂⊃　　　　　　まったくもって…
.　|　u.　　 （__人__） 　 　 　 　 もし無忌がよからぬ噂を立てているようなら
　 |　　　　　||||||||||　　　 　 　 .きつくお灸を据えて来ますよ
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::/|/|／::::|／:::::/イ　　N:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　|/|/{|/:::::::::::::::::/ ／　　　　　 ﾊ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈r＿_ヽ |/L､､,,,,,,,,,,,,,,,,__　ﾉ＼::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　>r‐t.ﾊ　７/´::ヘｿ_｀ヽ＿／ﾐ:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 （.ヽ:フﾘ⌒ﾍ､:ヽ￣::::_ノ￣　 ﾐ:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ああ…頼むとしよう 　 　 `┬彳　　　　￣￣　　/　 ﾐ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽく.　 __〉、　　　　..:::::::::ﾐ:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　V::::::＿ ..＿ 、 .:::::::ﾊﾐ::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　∧::::::::＿ 　　　,,､ﾊN::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 」|i;;;::::;;ii,,..... ..､ﾊ||ﾄﾐ'': : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ从||||||||||||||ﾄNﾐ''／:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠//"`-"ー'イ:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::|〉: : : : :「::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　_／:::::::|: : : : : :|:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／::::::::::::└: : : : :」::::::::::::::::::

恐らく 建もその周辺も費無忌に対してさほど警戒はしていなかった
事態を甘く見ていたとしか言いようがない

そして郢に向かった伍奢は

　　 　 　 　 , -―- ､
　　　　　　/　　　　　＼
　　　　　 /　　＼_　　　|
　　　 　 ⊂⊃=⊂⊃=　|
　　　 　　(_人__)　　　 /
　　　　　 ||||||||||　　　/
　　　　　　|　　　　　　ヽ
　 　　　　__!､＿___／　　＼
　　　　／､ ヽ　　　　　r ､　ヽ
　　 　ﾊ ヽ Y｀l　　　　 |　 >　 Y
　　　{　ヽ_ゾﾉ　　　　　|　ﾚi i i}
　　　｀¨´　　ヽ　　　　ハ　 `'''
　　　　　　　 　>　　 /　ﾍ
　　　　　　　　/　　/ヽ　 ﾍ
　　　 　　　 _,/　　/　ご_ノ
　　　　　　（　ヽ　/
　　　　　　 ＼__ノ

　　　　　　　|::　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　|::　　　　 ／　　ヽ_　　.＼
　　　　　　　|::　　　 ⊂⊃=⊂⊃=u　｜　　　えっ
　　　　　　　|::　　　　（__人__）　u　　 |
　　　　　　　|::.　　　 　 ||||||||||　u　　｜
　　　　　　　|:::　　　　　{　　 　 　 　 ｜
　　　　　　　|:::　　　　　{　　　　　　 /
　　　　　　　|::::　　　╋ヽ　　　　　ノ　　╋
　　　　　　　|/⌒￣╋￣　　　　　￣￣╋￣￣⌒ヽ
　　　　　　　|＿ﾉ￣ ╋￣|　　　　 　|￣╋￣￣ヽ＿）

到着するなり捕縛され 獄につながれてしまう

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　=⊂⊃=⊂⊃　　　　　　お…王よ
.　|　　U　 （__人__）　　　　　 　 これはどういう事ですか？
　 |　　　　　||||||||||
.　 |　ι　 　`ー'´}
.　 ヽ　　　　　u 　}
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く
　　　|　　　　 ＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)

その後に待っていたのは 弃疾による厳しい詰問であった

　　　　　　　　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ|
　　　　　　　　 |丶､ ;;; __;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,,: ィ";;_|
　　　　　　　　 ﾄ､;;;;;;;;;;;;;;;｀ ` '' ー -- ‐ '' ";;;;;;;;;,:ィ;:;!
　　　　　　　　,';:｀`' ‐ｮ ､ ,_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; , - '"l;:;:;:;:l
　　　　　　　　l;:;:;:;:;:;:;ﾐ　　 ｀ ` '' ｰ -‐ '"　　　 ,ﾘ;:;:;:l
　　　　　　　　l;:;:;:;:;:;:;:ゝ　　 く三)　　　(三ｼ　　｀ヾ;:t、 　 　 　 だまりゃ！
　　　　　　　fﾐ{;:;:;:;:f'´　 , -－-_,, _,ｨ ､_,,ｨ,.-－､　 };f }　　 　 　 何を白々しい
　　　　　　　l ﾄl;:;:;:;:l　　､,ィ或tｭ､ﾞ:ミ　{,'ィt或ｱﾁ　l:l,/　　　　　 その方らの動き 麻呂が知らぬと思うてか！
　　　　　　　ﾞi,tヾ:;:;:!　　｀ヽ 二ノ　　　ﾄ ` ‐''"´　 l:l:f
　　　　　　　 ヽ`ｰ};:l　　　　　　 ,r'､ 　 ヽ 　 　　　ﾘ_）
　　　　　　　　 ｀"^l:l　　　　　 ,/ﾞｰ､　 ,r'ヽ　　　　l
　　　　　　　　　　　ﾞi　　　　,ノ　 　 `'"　 丶.　　 ,'
　　　　　　　 　 　 　ﾞl､　　 ′ ,, ｨrｪェzｭ､,_ 〉 } /
　　　　　　　　　　　　',ヽ　　ヘヾ'zｪｪｪッ',ｼ'　//ヽ　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　　　 }　丶、　` ｰ--‐ '"'´,/ノ:.:.:ヽ　　　　 　 　 　 　 (ヽ　　/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ　　　 /)　　っていうｗｗｗ
　　　　　　　　　　　　/l　　 丶、　　　 　 ,.ｲ:.:.:.:.:.:.:.:丶､、　　 　 　 　 (((i )／ ::::⌒｀´⌒::::＼ 　( i)))
　　　　　　　　　 ,r'"^l　!　　　　` ー‐;オ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.,ノ　 ,}、 　 　 　 ／∠_|　,-）＿＿＿（-，|＿ゝ ＼
　　　　　,. -ｧ＝く（:.:.:.l　 l　　　　　 ／/:.:.:.:.:.:., - '"　 ,／　ヽ、　　( ＿＿＿､　　|-┬-|　　　　,＿＿ ）
　 , - '"´ ／　,／｀＞'t､_」＿＿_,ｨ'ﾞ,ィ,.: -‐ '"　,. -‐ '"　　　　＼　　　　　|　　　　`ー'´　　 /´
／　　　　ヽ-（　　/　/ f　　 }li,　　　　 ,. -‐ '"　　　　　　　　　　＼ 　 　 |　　　　　　　　　/

詰問と言うよりむしろ 建らの謀反を決定づけるための確認作業
そう表現した方が良いのかも知れない

　　　／￣￣＼
　 ／ _ノ　 ヽ､_ ＼　そ
.　| =⊂⊃=⊂⊃=.|　て　　　　　　　（む…費無忌
.　|　　（__人__） 　│ r" 　 　 　 　 　 やはり奴の差し金か…）
　 | 　　|||||||||| 　 .|
.　 | 　 　 　 　 　 |
.　 ヽ　　 　　　　/
　　 ヽ　 　　　 /
　　　>　 　　 <
　　　|　　 　　 |
　 　 |　　　 　 |

　 　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　 =⊂⊃=⊂⊃　　　　　　王よ 恐れながら申し上げます
.　|　　　　 （__人__） 　 　 　 　 恐らくそこな佞臣が王に良からぬ事を吹き込んだと推察いたしますが…
　 | 　 　 　 ||||||||||
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　ｍm
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ
　　　|　　　　|￣￣￣

　　　 　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:．一:;:;:;:;:;:;:;ヽ
　　　 　 |:;｀:;ｰ:;:r:;一:;":;:;:;:;:;:;:;:;ｘ彡彡ﾊ
　　　　 にト ､__l:;_:;_:;…"￣彡彡彡彡:1
　　　　 弋i fﾆ;　:　 こﾌ　　ﾞ`ヾ三三彡ﾍ
　　　　 　 |　__　ヽ　　＿_　　　 彡彡ｨ　}}
　　　　　　ゝ"ゞﾄ|　 ,ィゞシ　　　ﾞ彡”ﾂ　ﾘ　　　　　　　む？
　　　 　 　 i､ ノ"|　　＼　　　　　彡ftイ
　　　　　　 :､￣ .!　　 、　　　　　彡ﾚ＼
　　　　　　　ヽ　ｰ一'" ヽ　　　　　///::::ヽ
　　　　 　 　 　 、_l!＿_ ､　　　　.ｲ//::::::::::「!
　　　　　　　 　 ヾﾆ¨ニ 　 　 ／ //:::::::::::刈
　　　　 　 　 　 __＞rr‐一　´　.ｲ,:'::::::::／　 ヽ
　　　　　 .．　´ /　 {::ゝ.　　 ／::::::x≦　／

.　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　 . ／　ノ　　＼ ＼／｀i　　　　 　 何ゆえ讒賊（ざんぞく）の小臣の妄言をもって
　　　　　|.=⊂⊃=⊂⊃/　　ﾘ　　　　　　血肉を分けた家族を疎んじられますか！
　　　　.　|　　（__人__）..|　　/
　　　　　 |　　 ｀ ⌒´　ﾘ　 ﾋ
　　　　.　 ヽ　　　　 ／/　　,｀弋ヽ
　　　＿＿ ヽ　　- ′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀.ｌ
　 ／ :　　: :介〈　　`ｰ〈::....ノ　　　Ｖヽ
　 | : : : : ::〈　｢｀ヽ_ｰ ､ ｀ヾ＿/　//:|
　 | : : : : : /: |　{::::}　ﾌ-､｀ｰ┴‐- │
　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :`ー‐一′ ::|

一方的な詰問を受けながら なお主君を諫止する
流石に硬骨の家 伍家の当主である

　　,彡ニ三三三三三三三ﾆ=ヾ;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:i'
　 ,彡ニ三三三三ニ三三ニﾆ;〃ヾ､;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/
　,彡彡,'',ﾆ=ﾐﾐミ三三三三ニﾆ彡　 ｀ﾞﾞ''ｰ-､;:;:;:;/;:;/
　',彡'/ r' ﾉヽヾミ三三三三三彡'　　　_,,,,,,､ヽ;:;ｨ''|
　 彡'|.|（‐'''"　'iﾐﾆニ三彡"´￣　　　　 ｀ﾞﾞｰ'　　;;;:|
.　 彡i､ヾ　('　 ヾミﾆ三'　 　 　 　 　 __,,､　....ﾉ 　 /
　　彡ゝ ｀'' "　 |ミﾐﾐ' 　　　　　　‐'"ひi,;'´　 ,ｨ;;ｧ'
　　 '彳｀ー‐i　 |ﾐﾐﾐ'　 　 　 　 　 ｀ﾞｰｼ'　　 |､ﾆ'
　--､/ 　 　i　 |ミﾐ 　 　 　　　　.,,r‐''"　　　| ﾉ　　　　　い…いや麻呂は…
　く'ﾉ　　 　:i 　ミﾐ 　 　 　　　　´　　.,　'　　 |'
　､＼ 　 　 .l　 ヾ 　 　 　 　 　　　.ﾉ（_,,､. 　 |
　:＼ヽ,　　 ヽ　　　　　　　　　 ／　　 ｀t‐一'
　::::ヽ ヽ　　　｀::.　　 　 　 ,; ' 　　　　　.:i
　:::::::ﾍ ヽ　　　 ｀::. 　 　 　 　''"⌒ﾞ''一ﾉ
　::::::::::ﾍ.ヽ　　　　ヽ､ 　 　 　 ｀ ー'ｰﾉ
　::::::::::::::ヽﾍ　　　　　｀ｰ┬‐一;;''""´
　＼､:::::::::ヽヽ　　　　　 /::ﾍ ）　｀ﾞ'ｰ､_
　〃｀ﾞｰ､;;;;＼＼　　　/i:::::::丿　' , ' , '｀ﾞヽ､

この伍奢の剣幕に さしもの弃疾も気圧される形になる

これに慌てたのは費無忌である

.　　　 　/ﾆＹﾆヽ
　　　　/（。)(. ﾟ）ヽ　　　　 　 （ま…まずいっていう…
　 　／::::⌒｀´⌒::::＼　　　　　このまま伍奢に押し通されては
　　|　,-）ﾄｪｪｪｪｲ（-、|　 　 　 .逆に無忌の立場が危うくなるっていう！）
　　| l　　.|-┬-|　　l |
　　 ＼ 　`ー-'´υ／

　 　　　　 　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　　 /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ
　　　　　／::::⌒｀´⌒::::＼ 　 　 　 　 この謀反人がでっていう！
　　　　 |　,-）＿＿＿（-、|　　　　　　シラを切るばかりか人を小臣呼ばわりとか
　　　 　| l　　 |-┬-|　　l |　　　　　　居直るにも程度があるっていう！！
　　　 　 ＼ 　 `ー'´ 　 ／l!| !
　　　 　／　　　　　 　　＼ |i
　　　／　　　　　　　ヽ !l　ヽi
　　 （　　 丶- 、　　　 しＥ　|そ
　　　　`ー､＿ﾉ 　 ∑　l､Ｅ ﾉ

　 　 　 　 ＿　_
　　　 　 /＼Ｙ/ヽ
　　　　/ （ 0) (0）ヽ　　　　　　　　大王さま 躊躇ってはならないっていう！
.　　／::::⌒｀　 ´⌒＼　　　　　 　 ここで謀反人たちに時間を与えれば 奴らは目的を達し
　　|::::::::::-） ＿＿ （-|　　 　 　 　 大王さまもお后も軫さまも囚われの身となってしまうっていう！！
　　l:::::::　 ヽ|!!il|i|!l|. l |
.　　＼::　　 lｪｪｪｪ| ／
.　 　/⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
　 　|　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
　　 | 　 　 　 　 　 　｀l￣
　 　|　　　　　　　　　 |

　　 　　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::|
　　 　 　 |＿＿＿＿＿＿＿_|_|
　　 　 　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;|
　　　　/-‐ﾆ三三三　 ､っ　　 rﾐ
　　　 /三ミﾐ三三彡　　ﾆ ､　　ﾆ､
　　　,'三ミﾐ三彡ｼ　 ::ｨ でi､　 .rｯl　　　　　き…后が…軫が…危ういでおじゃると？
　　　{ﾐ{.r-､ヾﾐﾐｼ　　 ::｀＝＾:　 ﾄ {
　　　｀ﾐヾ ヽヾﾐ゛　　　　　　r､ _) .}
　　　　ヾ二 　ﾐ　 ::/ ／　 ＿ﾆ_ /
　　　　　 ﾄﾐ 　　 ::' /　 ／-'-'ｱ/
　　　　　/　.: ::::.:.: i :　::ヾｪｪｼ:./
　　　　 /7　 ::'　.　,-、ヾ｀一 /
　r-一∧＼:::　　:::::::｀ー-､‐<,-､.
.f ヾ　 :::::ゝ ＼＿＿＿／/::::::ﾉ ﾉー､

后や軫の身の危険を示唆された弃疾は

　　　　　|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|
　　　 　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
　　　　　|三三ﾆ￣￣｀ﾞﾞﾞ'''''''ｰ‐'-一''''''""´´￣￣ﾌ三三ヽ
　　　 　 |ﾐ三三､、　 ｨ三ヲ 　 :　　 (三ﾆ;　　　 ノ三彡彡ﾍ
　　　　　|ミミﾐﾂ″　　　 　 　 .:　 .　　　　　　　 ﾞヾ彡彡彡l
　　　　　rミﾐｿ　　,.　＿,,-‐　､ __ :, -‐‐_,,,..,_ ､　　　ヾ彡彡l,_
.　　　　 { ミﾐ 　　.,ｨ"で;)ヽ､　)　 (:　,ｨ"で;)`ゝ.　　　 彡彡r､i　　　　　　許さぬ！許さぬでおじゃ！！
　　　 　 ! lﾐﾐ 　 :: . ｀￣"´＾　: 　ｌ::.､ ｀..￣"´. :: 　 　 彡'ﾘi　i}　　　　 　 この叛徒ばらめ
　　　　　',ヾﾐ,　 　 　 　 　 　 :　 l:::.　 　　　　　　　 ..彡ﾂ ）/ 　 　 　 　 皆殺しにしてやるでおじゃ！！
　　　　　 i ､ﾐ ::..　　　　　, .　:　　: ヽ.　　　　　　　.::::彡i.ノ/
　　　　　 !､_ﾐ: :::.. 　 　 /ヽ =､__,.ｨ= ﾉ::.　　　　　..::::::彡i　ﾉ
　　　　　　　ﾐ : : ::..　 /　　 　 : :　　　　ヽ.　　..::: : : :彡‐´
　　　　　　　ヾ,: : : : :.　　,ｨﾆﾆ=ﾆﾆ=､_　　',　. : :: : :〃ゞ
　　　　　　　　ヽ: : : : :. /､^'＾＾T＾＾｀`ｰ､　 i : :; : ://、
　　　　　　　 　 ヽ: : : : | ﾄ､_ 　.!　 _,,ｨiｦ′,': :,' : /ﾄ:||ヽ､
　　　　　　　　　 ヽ: : :　ヾTｴｪｪｪｴｴﾝ′ ,' :/: /　〉′i::＼
　　　　　　　　　　 ゝ: :　 ｀ｰ-----‐´　ノ　/:/ 　/　 /::::::::ヽ-､
　　　　　　　　 ｨ‐':| |.＼　　　　　　　　　 ／´　/　／:::::::::::::::ヽヽ、
　　　　　　 ／　/:::| |　 ｀ ､,,＿＿＿,,..／　　／ ／::::::::::::::::::::ﾉ 　ﾄ、
　 ,. -‐''"´/　 /:::::ヽヽ　　　　　　　　　　 ／ ／::::::::::::::::::::／　　ﾉ　｀ｰ､

もはや伍奢の言葉にも聞く耳を持たず怒り狂う

　　　　　　　　,ト--ミ､、_:::::::::::::::::｀:"'':―┼――――l
　　　　　　　 /ミミ三三ﾐ'ー‐-- ､、＿:::::::|:::::::::::::::::::::::j
　　　　　　　 {ミミミ三三、　　 　 ､ｰ=､`'┴―――fミ',
　　　　　　,..､ﾐﾐミミミ三ｼ　　. . . . `―' l ii l　(ヲ　　lミil
　　　　　 //う{ﾐﾐミミf'"　　　_,,.,,_:.:.:.:..　 _j_　.:.:.:.　　lﾐﾘ
　　　　　 l V　}ﾐﾐミミ　　　 ',ｨでiﾝﾐ、:.:.､__, -,ｨも=､',l:l′
　　　　　 'i l ,ﾉヾミミ'　　　 ´￣｀ﾞ`ラ .:. 三 f"´￣｀' lj　　　　　奮揚（ふん・よう）を呼ぶのでおじゃ！
　　　　　 ヽヽへ}ミﾐ　　　　 ｀二ﾆノ ,、 jl　',` ―''" ,l!
　　　　　　 ヽ二ﾉミ'　　　　　　　 ,ィ'" 　 　 ﾄ、　　 ,!
　　　　　　 , -fｿ!'ミ　　　 　 　 ／ `^ヽ,＿ノi　　　 ,'
　　　　　 ,/（/　{i,ﾐ'　　　　　／　 _,,...,＿,,..,、l　　 /
　　　　　/　ヽ　 lN,　　　 ／　 ,ィiTTTTTト, ,}　 ,/
　 , -―/　　 ヽ ', ヽ　 　 {　 ,/⌒'ｰ'‐'‐'‐',ﾘ l　 /
　/　　/ 　　　 ヽ'、 ヽ 　 l　 {,ゝ､‐r‐'ﾝ-i/ ,/ ,ｲ丶､、
"i　　 {、　　　　 ヽヽ丶　丶 ヾ<Zェｪｪｼ'　ﾉ ,i'lヽ、　｀ヾー-- ､
　l,　　 ＼　　　　 ヽヽ 丶、 ｀ ｀ ‐ -- ‐'"/ノ ,l　 ＼　　＼　　ヽ

そしてこの時 伍奢と共に召還されていた城父の守備隊長 奮揚を呼び

　　　　　　　　　　　」:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
　　　　　　　　　　　|丶､:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: -t、
　　　　　　　　　　　|　 :.:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. - ;:'´:;ｨ彡!
　　　　　　　　　　　｀ト､、_:;:;`:;――――‐:;':´:;:;:;:;:; イ三ミ!
　　　　　　　　　　　 |ミミﾞ`iｰ ､＿＿＿＿,.∠三ｦ´:.:.lミミﾐ!　 　 　 　 お主 すぐに城父に戻り
　　　　　　　　　　　 |ミミミ'、　'-‐ '′:、　 ,:'"　,.:　:.:'､ミミl　　　　　　建を討って参れ！
　　　　　　　　　　　 lﾐミミf^　　 ,. .. .、　　　 ,:'´ 　 :.､:ヾﾐﾐ!　 　 　 　 あの不孝者の首を持て参るのでおじゃ！！
　　　　　　　　　　　f'､ミミ!　　.:' ＿ :.丶 　 ,'　,ｨ6ミ'､.:.:.|,={
　　　　　　　　　　　 ',ヾミ;} 　 ､'´f9:)）.: :.. 〈　^､ﾞ‐'彳.:.:l{:.:.|
　　　　　　　　　　　　', ヾj　 　 ｀三´ﾉ　:　 i:.　　-‐' .:.:.'.:.:,'
　　　　　　　　　　　　 ',　l　　　 ― '　　　　'、:.　　 .:.:.:.l:./￣｀`ー-- 、
　　　　　　　　　　　,. -ﾍ_j、　　　.:　　, -､　 ',:.ヽ、.:.:.:.:.lﾍ、　　　　　　｀` 丶、
　　　　　　　　,.- '´　 //,ハ　　　 　 ,'`^ ｰ;‐':.:.:.:丶:.:.:/ヽヽ　　　　　　　　　 i丶、
　　　　　,. ‐'´　　　　,l | i:.:.:.ヽ. 　 　 :　　 ＿,...、:.:.:.:.:/:.:.:.', ',　　　　　　　　　|三lト､
　　　　　　　　　　 ,.ｲ| | l:.:.:.:.:lゝ、　 　,.';´-‐ 'ヾ〉:.:.:/:.:.:.:.:.! l　　　 　 　 　 　 |三l　ヽ
　　　　　　　　　　// l, l '、:.:.:.','､ヽ　　｀ヾ:三ｼ/:.:.:/}:.:.:.:.:/:/　　　　　　　　　 |三l　 ヽ
　　　　　　　　　 ,','　 '､'､ヽ:.:.:.ヽヽ丶　　丶ﾆノ:.:.//:.:.:.:./:/　　　　　　　 　 　 |三l　　'、
　　　　　　　　　,','　　 ヽヽ丶:.:.:ヽヽ丶、＿＿.:ノ/:._,. 彡'　　　　　　　　　　　 |三l　　 丶、

　 　 　 　 　 　 　 　 ＿
　　　　　　　　　　／　 　 ￣｀ヽﾚ!__
　　　　　　 _,．-'´　　　　　　　　　　 ＼
　　　 　／　-―'　　　　_／￣｀ ヽ　　　＼
　　　　ｌ　/　　　 r― '´　　　　　　 ＼ 　　 ヽ
.　　　 ｣/　　/　/ｌ７　 　 　 　 ヽ 　 　 ＼　　 i
　　／/　　/ ｉ　ﾚ^|｜ ｉ　､　 　 　＼ 　 　ヽ　｜
　/　〃 　 |　l　|　| ﾊ　ｌ　 ＼ ＼ 　 ヽ　 　 ＼ ｌ
　| /ｉ　/　 |. ﾊ ｌ　 !{　ｌ ト ､　 ヽ　＼　ﾄ､ ﾊ　Ｙ |　　　　　　…かしこまりました
　l'　ﾚ'! ｉ　 !ﾑﾚL､_ヽ 丶>､_ﾆ≧＞､ V　| ハ　! ｌ
. 　 　 | ﾄ､ |　ィ弋Ｔヽ　 ヽ く でﾘヾ ＼ヽｆご∨ﾚ
.　　 　V ヾ{`､ ￣ 　 | 　 　 　￣´ 　　W い }
　　 　 　 　 い　　　ﾉ　　　　　　　 　　ぐ_,イL__,. 　-―- ､
　　　　 　 　 ` ｉ　　ヽ -　　　　　　　 r- '1ヽｒ-―　　'二 _ ヾ
　　　　 　 　 　 ヽ　 ー‐―一'´　　 /　 /　ハ、　 -､ -､ 　＼
　　　　　　 　 　/ ﾍ　　　　 　 　 ／ ／ ／　　＼＼ ヽ ヽヽ　ゝ
　　　　　　　 イ 　/ ｉ、　 ＿,．イ ／ ／　　　　 /｀丶ヾ＼ 　＼ヽ
　　　,．-'´　　|　 { 　ヾ二 -‐ '¨´ ／　 　 　 　/　　　 ｀'ｰ- ､　 ヾ
　／　　　　　 |　　ヽ　　 　 　 　/　 　 　 　　/　　　　　　　　 ＼ ゝ
　　　　 　 　　|　　　|　　　　　　ｌ 　 　 　　／　　　　　　　　　 　 ｀'ｰ-､
【奮揚】
城父の司馬（軍事を司る官 守備隊長と考えて良い）

　　　　　　　　＿ ,／ ￣ `ヽ、
　　　　　 ／´　　ﾄｰﾁ＜｀ヽ､ ｀`'' ‐､,_
　　　　 /　/　／ l　　　 　 　 ＼_ヽ ､ i
　 　 ／　/　　／　 　 　 　 　 　 ｀＼ヾi､
　　 l　　/　 /　 / i　ﾘ　　 i、　 　 　 ヽ､l
　　i　　ﾉ ／　 /　 l ∧　　 l＼　ヽ　　i, ＼
　 ﾉ　/ /　／//　i ヽ　i;　　|i ' ,i　 l　　|i､ l、
　 ヽ//　/　/iﾉ| !_|ヽ!i;　i;　 l!　 'i　|i　　|li　i;
　　ﾉ ﾚヽ! | |l|_;;:コ|ﾆl| i;　i; l|_∠| /!;i　 /!|ﾊl　　 　 （…とは言ったものの…
ヽ、ヾ|〈ｼヽ ﾄ|!ゞ'='ﾞ-ﾂﾄ;i; ﾄi lｬﾗく;l! /! / |!/ !　　　　 太子に謀反を企んでいる様子はなかった
　,ゞ､_ゝヽ!ヽ|　　 "´　 ＼|ヽ!｀"゛/ ﾉﾘ'　/　　　　 　 .どう考えても費無忌が唆した無実の罪だ）
´_＞ > ｀;┐　　　　 　 　 :i ',　　 ｸ゛/
´ ／／// ',　　　　　 　 ｨﾒ>'　 /　,.､,_ ,..._
／イ /_/　 ゝ, 　 一 ＝＝r‐ｧ‐''"／ _／　＞-‐ 、
,/ '／ /　　　 ＼　　゛￣ (ﾞ＼`マ -‐ﾄ-.r '`';ーく__＼
, '/　 '、　　　 　 ＾'x ; ,, ,､ｨヽ ＼＼　,）/　ノ　／　 ﾉ
/　　　 ｀' ｰｧ､　　;;:／　 /￣iヽ ｀々゛　　 、　　 ／
　　　　　　 |　ヽ　　;ﾉ　〈　 ',ヽ `、　　:i　 ﾉ　 　 |
　　　　　　 l　　＼　　　 ヽ /, ＼l 　　 ! /　　　｜
　　　　　　 ヽ ,､ -〉　 , --〉/⌒i'ﾊ　 　 ;　 　 　 ト､
　　　;　　　　 |ヽ　＼ 　／_ﾉi＼l ',＼　 ヽ,　　　 !　＼
　　　 i　　 　 l＼＼　ヾ' ´ //　＼'､ ヽ　　　　　 ＼
　　 　 i　　　/ 　 ＼>-‐‐く/　 　 ヽ:、 ＼　　　　　 ＼
　　　　| 　 /　　 　 ヽ　　 /　　' , 　 ヽ　　＼
　　　　| ／　 　 　 　 ', __/ 　 　 l　　　　　 /＼
　　　　´　　　　　　 　 !　i 　 　 ﾉ　　 　 　 |

　　　　　／ 　 　 　 　 　 ／^´´"|　　 |　　|　ヽ
　　　　/ 　 　　　／　 ∠　　　　 |　　 |　　ﾄ､..　 ＼
　　　 /::.. 　 　∠.イ:::/￣￣｀＝=|　　 |::::::ﾊ:::::＼＼＼
　　　〈:::::r‐-､　 .::/|/＜￣（:_ﾘ"ヽ}/|::::||/＝}:::::::ヽN＼|
　　　〈:::{ r＞ l.:::/　l 　 　 　 　　/　|::/1t:ﾊﾉ::::::::ﾊ| |　|　　　（一年に満たないとはいえ共に城父を守った方を
　　　 |::ﾊ ヽ　|:/　　　　 　　　　　　l∧　｀ |::::/l/　|　 　 　 　 冤罪で斬るというのはどうにも寝覚めが悪いな）
　　　 |:::::`ー::::r 　 　 　 　　　　　　－／ /／/
　　　」::::::::::::::/ﾄ 　 　　　　　＿＿＿_　 /
　　 ∧:::::::／　ｷ､ 　 　　　　　 ￣￣` /
─‐Ｎ V|/　　　:::´X、　　　　　　　　ｲ
::::::::::::〉/ 　 　　 :::::::::::"'-x...,,,_,_,_,_,_/`
:::::::::zへ　　　　|　:::::::::::::::::::／￣´
:::／　　 ＼　　 |　 :::::::ノ:::<

王命に盲従することに不安を感じた奮揚は
自分に先行させて建に使者を送る

　　　　　　 ,ﾊiヽﾐ　　　　　　　　　　　　　　　∧,,∧　　でんれーい！
　　　 　 　/"･,,　ミﾐ　　　　　　　　　　　　　(・ω・；)っ_/)　　　≡ ＝
　　　　　 (｡／ ) 　 ミi┬―┬‐'⌒ヾﾐミミミ彡と,,＿＿,,つ
　　　　　　　　ﾉ　 　 |_|_____.|　"　 　 ）　　　　　　　　　　　　　　　≡ ＝　=　-
　　　　　　　,(　、　 ,,）_.||＿彡(　 ,,ノ　　　＝　―
　 　 　 　　 /／（ ﾉ."　　　　,ﾉ.ノ, (　　　　　　≡ ==
　　　　　　// 　　＼Ｙﾌ 　, '／　 い　　　　　　　　三 ≡ ＝ ―
　　　　　 くﾉ 　　　　" 　くﾉ 　　 //"三
　　 ,.,,, ,.,,,　　　　　　,,,　　　　　くﾉ　　　,,,

　　　　　　　　　　　 _,;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ';;､
　　　　　　　　　　,;';;　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　`､
　　　　　　　　　 ,';;;;;,,　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　;ﾞ;
　　　　　　　　　/;;;;;;;;　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　　,,,;;;;;i
　　　　　　　　　i;;;;;;;;;;;;;;;,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;　;;;;; ,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　ﾉ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;li;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　 i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／l;;;/l;ｿ;;/ |;;;;;;/| l;;lﾞヾ;;;ﾄ､;;;;;;;;;;;;;i
　　　　　　　　　　|;;､;;;;;;;;// /,'' / l/　 |/|/ 　 ﾞｌ　 ヾ､ﾞi;;;;;;::::/
　　　　　　　　　　/ヾ;;/ｿ　　　　 　 ,　　,　　　　　　ヽ l;;l"ﾞl
　　　　　　　　　　'､ (ヾ,,＝==;;;;;;;,,,,,_`il,iﾞ__,,,,;;;;;==＝　,/|lヽ l　　　　　何事だ
　　　　　　　 　 　 ヽ､`||ヾi;'（:::::ﾞ'ﾞ:::/;;i＝i;;;ヽ:::ﾞ'ﾞ::::）ﾞi;/ |l'ﾉ/
　　　　　　　　　　　/ヽ|l､ ﾞi::;;;;／⌒⌒）.ヾ..;;;;;;;;;;..ノノ/l.,/＼
　　　　　　　　　　/;;;/::ﾐヾ､.／ ／ ／　）　　　　　'ﾞ /ﾐ"i;;;;;;;;＼_
　　　　　　 _,.-;;'";;;;;;;;r‐ ﾐ/ﾞ ,／ ／ 　/_!／`　　 /,,l;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;~＼
　　_,､-‐;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　/　/　 / 　 /.__,,,..-／ヽ　/;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;,,､_
‐'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ﾉ　/　.ﾉ　　/　,,, ／　 ﾉ/';;;;ﾐ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ'';;;,,､_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ/ ノ　 /　　/,,,,／ 　 ／;;;;ミ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　/　　/;／　／;;;;;;ミ　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ　　　,　　　 `ﾞ　　／―''':::::::::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　|　　|　　　　　　ﾉ:::::::::::::::::::;;;;／i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

　　ｽﾞｻｱｱｱ!!

　　　　　　一大事です！
　　　　　　太子さまに謀反の嫌疑がかかっています！！

　　　　∧ ∧ 　 　） 　　　）　　　　　　(´⌒(´
　　⊂（・ω・⊂⌒｀つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
　　　　　　 ￣￣　 (´⌒(´⌒;;

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::/|/|／::::|／:::::/イ　　N:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　|/|/{|/:::::::::::::::::/ ／　　　　　 ﾊ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈r＿_ヽ |/L､､,,,,,,,,,,,,,,,,__　ﾉ＼::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　>r‐t.ﾊ　７/´::ヘｿ_｀ヽ＿／ﾐ:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 （.ヽ:フﾘ⌒ﾍ､:ヽ￣::::_ノ￣　 ﾐ:
　　　　　　何を愚かな　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`┬彳　　　　￣￣　　/　 ﾐ::
　　　　　　どうせ費無忌の讒言であろう　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽく.　 __〉、　　　　..:::::::::ﾐ:::
　　　　　　太傅が郢に行っているはずだ　　　　　　　　　　 　　　　　V::::::＿ ..＿ 、 .:::::::ﾊﾐ::::
　　　　　　誤解があったとしても解いてくれるだろう　　　 　 　 　 　 ∧::::::::＿ 　　　,,､ﾊN::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 」|i;;;::::;;ii,,..... ..､ﾊ||ﾄﾐ'': : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ从||||||||||||||ﾄNﾐ''／:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠//"`-"ー'イ:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::|〉: : : : :「::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　_／:::::::|: : : : : :|:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／::::::::::::└: : : : :」::::::::::::::::::

　　　∧ ∧
　　（;｀・ω・） 　 　 　 　 太傅は投獄されました！
　　/　 oo　　　　　　　　太子さまを斬れとの命令も奮揚さまに既に出されています！
　　しｰ-J　　　 　 　 　 .奮揚さまは太子さまを斬りたくないと私を使わされたのです！！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 j: :/: :＿ ,;､､;,;,＿_:!: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ r'／;;:='ﾍk￢-､__｀: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ｲ （/='゛_r斤:|｢｀ヾｧｰ-｀ニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｢:|;ゞ-|:::::ｉ:::::{ﾘ::||_,ノ'″
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |::l欠"ｌヽｌ::::::ﾃ〃゛;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　な…馬鹿な…　　　　　　　　　／: : :l　ゞ--‐'＾"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,､‐'´: : : : : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈 ￣｀ ｰ-￢:卜、　　　　　　　　　 ,.:':
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`丶,￣`　'＾｀ヽ　　　　　　　　,:':
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ＿　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽャ‐‐-__､、　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,〕!ニ､=-'’　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 L、

　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 │ /　／
　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼│/／
　　　　　　　　　　　　　　――　・ ――
　　　　　　　　　　　　　　 　／/ | ヽ
　　 　　　　　　　　　　　 ／　/　|　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　/ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　i|
　　　　/ヽ　　/ヽ　　 　 　 　 |
　　　 / 　 ヽ/ 　 ヽ　　 　.ii　　i　ﾄﾞｶｯ!!
　　 / 　 　 　 　 : ;: ヽ　 !　| | !
　　 |　　　　　 　 : : ;: |く^⌒!|｜　　　　　いいから早く逃げてください！！
　　 |　　　　 　 　 : : ::|/　::;:| !　|
　　 ＼　　 　 　 : ::;:／⌒ ノ||!
　/　/　　　　　　　: : ::;:／!!
　(_/　　　 　: : ::;:/''￣

奮揚の先行させた使者により危機を知った建は宋（そう）へと亡命する

　　　　　　　　 ,l､::::::::::::::::::::::::::::::::::|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
　　　　　　　　,ﾊ::｀丶､:::::::::::::::::::::::|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_,, -‐:〈
　　　　　　　　{;;;;ヽ､:::::｀丶､:::::::::::::l:;:;:;:;:;:; ィ";:;:;:;:;:;:;:}
　　　　　　　　,l;;;;;;;;;ｼ丶､:::::::｀:`:ー'‐::'':"::::::::_, ィ"´;;l
　　　　　　　fうl;;;ミミ、　 ｀`丶 ､::::::::,: - ''"´　 ﾘ;;;;;;f-､
　　　　　　　{ l l;;;;;ｯ=`　　 (三> ｀^´ (三ｼ　　ム;;;;;;ｿl}
　　　　　　　t　!;;;ﾘ　 　 _,,...,,_　　　　　_,,..,,_　 　 l;;;//　　 　 　 うぬぅ…建め…
　　　　　　 　ﾞl ヾ;l 　:'ｨﾃﾍ9ﾝﾐ　　 ,: ',ｼﾋ9ﾝ､　　l;//　　　　　　逃げ足の速いことでおじゃ
　　　　　　　　`ｰll!　　 ｀''==ヲ'　　l:.:^''==彡'"　,!ﾘﾉ
　　　　　 　 　 　 ll　　　` '' "　　　l:.:.:` '' "　　,i;;l´
　　　　　　　　　　li,　　　　　,r　.:　:.ヽ､　　　 ,:,り
　　　　　　　　　　 t、　　　/ ﾞｰ､　,r 'ﾞヽ　　/,K′
　　　　　　　　　　　ゝ、　,:'　　　:~:　 　 }　// /ヽ、
　　　　　　　　　　　/{lヽ ,ィ＝=ﾆﾆ=＝,ﾉ,ノ7 /:.:.:.:ヾﾆヽ
　　　　　　　　 , ィ/:.:い ヽ ｀` ー一 ''"／,/,/:.:.:.:.:.:.:.:ｿ }- ､、
　　　　　　　 /　/:.:.:.:ヽヽ `' ー‐ -- '"／／:.:.:.:.:.:.:／ /　　 ｀ 丶､
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　 ,, - ''"　　 丶､ ｀` ーゝ､ヽ.,＿,,ｨ"ェくユ- ''"　, ｨ"

だが 無忌と弃疾の目的はこれでほぼ達せられたと言える

　　　　　　　　　 　 / ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　/　（0)(0）ヽ　 　 　 　 （ま これはこれでいいっていうｗｗｗ
　　　 　　　　　／　　⌒｀´⌒＼　　　　　 これで建の廃立は何の問題もなく進むっていうｗｗｗ）
　　　　　　　　|　,-） 　 　 　 （- |
　　　　　　　　| l　 　ヽ＿＿ ノl |
　　　　　　　　 ＼　　｀ ⌒´ 　／
　　　　　　　　／　　　　　 　　ヽ
　　　　　　　/　　　　　　　　　 　ヽ
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　　　　　　　ヽ_|　　　　　　　　　|丿
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建が国外へ逃げたと言うことは 建の廃立と軫の立太子に何の障害もなくなったという事だからだ

　　　　　　 　 　 　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　/ （0)(0）ヽ
　　　 　　　　　／　⌒｀´⌒　＼　　　 　 （それはそれとして…仕上げはしておかないとっていう…）
　　　　　　　　|　,-）　　　　（-、.|
　　　　　　　　| l　 ヽ＿＿ ノ　l |
　　　　　　　　 ＼　｀ ⌒´ 　　／
　　　　　　　　／　　　　　 　　ヽ
　　　　　　　/　　　　　　　　　 　ヽ
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　　　　　　　ヽ_|　　　　　　　　　|丿
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だが 無忌はここで手を止めようとはしなかったのである

本日は以上です

【本日の登場人物とAA出典】
申包胥（しん・ほうしょ）：見学会いく夫（2ちゃんねる）
伍子胥（ご・ししょ）：VIPでやらない夫（2ちゃんねる）
紂王（ちゅうおう）：紂王（封神演義）
費無忌（ひ・むき）：でっていう（スーパーマリオワールド/2ちゃんねる）
楚太子 熊建（ゆう・けん）：碇ゲンドウ（新世紀ヱヴァンゲリヲン）
熊弃疾（ゆう・きしつ）/楚平王（へいおう）：一条三位（水戸黄門）
伍奢（ご・しゃ）：やらない明夫（やる大矢スレ）
秦公女：綾波レイ（新世紀ヱヴァンゲリヲン）
奮揚（ふん・よう）：加持リョウジ（新世紀ヱヴァンゲリヲン）

乙でした。
費無忌の知力が別の方向に向いてたら佞臣ではなく名臣になってたと思う。
まあ、その別方向に向いてなかったから佞臣って言われてるんだがｗｗ

乙。有能かつ悪党ってのが両立してるでっていうが良いねぇ。
こんな人間は絶対好きになれないけど、悪役として魅力的だ