――ちなみに、これまでにいろいろとアメコミヒーローが映像化されましたが、小島監督のもっとも好きなアメコミヒーローは誰になるのでしょう?
小島考えてみると、スパイダーマンがいちばん好きかもしれないですね。悩めるヒーローであるところが、日本のヒーローに近くて。基本的に僕は、仮面ライダーとかタイガーマスクとか、陰のある日本の覆面ヒーローが好きなんですよ。スパイダーマンはもともとふつうの人ですし、事故でヒーローになったところは仮面ライダーと似た部分はあるでしょう? だからいいんです。そういう視点でみると、ヴェノムはウルトラマンの図式に近いんですけれど(笑)。
スパイダーマンは日本のヒーローとの共通点が多い
――ところで、小島監督はアメコミ自体には興味があったのでしょうか?
小島マンガとしてのアメコミというのは僕からすると少し読みにくいので、あまり読んでいないのですが僕くらいのオジサンは小さいころ、テレビでモノクロの『スーパーマン』が放送されていた世代なんですよ。
――アメリカで作られていたドラマ版ですね。
小島そうそう。『スパイダーマン』や『チキチキマシン猛レース』、『大魔王シャザーン』のようなアニメ作品もあって。要は、アメリカのテレビやアニメの吹き替えを放送していることがごく当たり前だった世代なんです。放送されていたものに関しては『ウルトラマン』と同じくらいの感覚で観ていましたから、ヒーローたちの知識もそれなりにありましたし、いわゆるアメコミ作品の映像化には抵抗がなかったですね。もちろん、映画も初代『スーパーマン』からアメコミ原作の作品はほとんど観ていますし。
――では、最近のアメコミ映画作品の流れもしっかり追われていたのでしょうか。
小島そうですね。ティム・バートンの『バットマン』シリーズも流行りましたけど、アメコミ映画がここまでメジャーになる転機になったのは2000年に公開された『X-MEN』じゃないでしょうか。この作品の登場以降、アメコミ映画が大人も観られるスタイリッシュなものになっていったように思います。サム・ライミ版の『スパイダーマン』は少し年齢層を落として青春ファンタジー的な作品になっていましたけれどね。これは否定的な意味ではなくて、僕はサム・ライミ版の『スパイダーマン』がすごく好きなんです。とくに『スパイダーマン2』で主人公のピーター・パーカーがどこにでもいそうな少年だとわかったシーンでは号泣してしまいました。そういった数々の作品でアメコミ映画が世間に浸透していって、1回目のピークが『ダークナイト』シリーズで終わるんです。暗い作品ですけれど、社会性があって。
外部リンク
Spider- Man: Into the Spider-Verse was great masterpiece! Live action, full CGI, Japanimation, puppet anime, tokusatsu, manga, American comic, graffiti, it carries all the DNA and MEME SCENE, SENSE to make the next gen entertainment art. Good story too! The theme is like TPP+DSuD83DuDC4D pic.twitter.com/dYTKH1SkPM
— HIDEO_KOJIMA (@HIDEO_KOJIMA_EN) March 3, 2019