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現代文学のちょっとした裏話(リメイク版) 小ネタ2「その時の太宰治」


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493 :名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2011/10/01(土) 15:18:44 ID:DObo1oQI

太宰の戦中の作品だって表面的には戦争協力と読めないこともないものが結構あるけど、
糾弾されなかったのはなんでだろうね?
あの時代に変節しなかったのは偉大だと言わざるを得ない。


 
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497 : ◆KcxXifcWsc[sage] 投稿日:2011/10/03(月) 21:35:52 ID:iNpnecPk
>>493
今日、暇を見つけていろいろと調べてみたんですが……
もともと太宰は非合法活動に参加していた人なんですね。
それが小林多喜二の虐殺の頃に転向しているわけです。


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   l::::/ lヽ!    _ _   l;/´  ! >、::l   /  プロレタリア文学に絶望した!!
  ノノlヽ、_!    r――‐┐   /_ノ:::|  /    共産党にも絶望した!!!!!
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    レ' ム-''´lヽ、  _,,./! ゙ヾ!__ヽ!    ヽ´ヽ、ヽ
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         【太宰治】

まあ、この人も家は津軽の大地主で、東大卒ですから、
典型的なマルクス主義志向のエリートってわけですが……


498 : ◆KcxXifcWsc[sage] 投稿日:2011/10/03(月) 21:36:16 ID:iNpnecPk

ただ、文壇的にはとても地位が低くて、
それこそ戦後くらいまで、全く評価がなされてなかったわけです。


                  ヽ、       
              ____  `ヽ、
         ゝ ̄ ̄ ̄::.::.::.::. ̄`ヽ、チ、    
        ,.-≧::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:ヾノ    
         フ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:i    
        /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:}    
        ̄7::.::.::.::.::.::.::.:,..::.::.::.::.:;メノ::.:j
    _〃 ∠,::.::.::.:y'-ラ'´::.;;. -t'サ/::,,/
   Yス' j   /::,ォ、/ー'¨T´    ヌ/           と、いうわけで、
   {/_,ソ   "__/レ'  ,ベ   、 ,.-゙'            ぜひとも第一回芥川賞をいただけないかと……
   ゙´     /;:;:;:;:`,.‐-'._ `ヽ_,. ソ
       ト、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ、
        /:\:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/
       /:;:;:;:;:;`:;:;:;:;:;:;:;:;/、.
      /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:O:;カ.
.     /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/
    /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/ Yぅ"
   /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ハ レ'.
  /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|:.i
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「何卒 私に与へて下さい 一点の駆引 ございませぬ
 深き敬意と  秘めに秘めたる 血族感とが 右の懇願の 言葉を 発せしむる様でございます」

「困難の一年で ございました  死なずに 生きとほして来た ことだけでも ほめて下さい」

「最近 やや貧窮、 書きにくき 手紙のみを多く したためて居ります よろめいて 居ります
 私に 希望を 与へて下さい 老母 愚妻を いちど限り 喜ばせて下さい 私に名誉を 与へて下さい」

「ちゅう心よりの 謝意と、 誠実 明朗 一点 やましからざる 堂々のお願ひ
 すべての 運を おまかせ申しあげます」
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     \i`{:!;:゙-丐{ヾ::'j/レ'、            (なんだ? こいつは……)
    _,/::;ミ///7,.、 ̄'fミj::::\
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       【川端康成】

名誉がほしかったのか、金がほしかったのか分からないのですが、
芥川賞選考委員だった川端康成に、こんな手紙を送っています。


499 : ◆KcxXifcWsc[sage] 投稿日:2011/10/03(月) 21:37:01 ID:iNpnecPk

しかし、第一回芥川賞は石川達三の「蒼茫」に決定。

 @@@@@@@@@@@@@@
@@@@  __     |
@@@     \   /
@@@  ____ ____
@@@  |      γ     |
| | | _|___  | ___ |
ゞ    |   ‘   |   ‘   |
 ゞ   |_____Λ_____|
  ゞ       |  |   |
   |  |  / |  |\ |
   |  |  |  |  |  |               まあ、普通、そうだろうな。
   |  |  |  |  |  |
   |  |   /  \ |
   \  ∈三三三三三|
     \______|

     【石川達三】








            |   /:::::::::::::::::::::::::::::::z包メ/::::::::;ノ:ヽ       l
 思 使 い    | /:::::::::::::::::::::::::::::::/   ,/:::;: ィ-=,、:!       l  取  芥
 っ  っ く     |/::::::::::::::::::::::;ィ´:::/    /;/ ̄ , ト-|  __l  る  川
 て た ら    |-‐¬:::::::::/-l:/      ´ /ニ=-, }:::!   `ヽ    の  賞
 る と 実    L._  l:::/:`ー:イ-ヘ     / ̄ヽ`//:::!    /   に  
 ん   弾    <  l:::::;:::::::::::::!  ヽ.    {.   l'.,':::;′  /       
 だ         l ̄ l//:;::::::;ハ!   ` ー-  _  ´,':::;′    ̄7     
 !         l  ,. -l/:::; /      ,.-┬‐::ァ' |:/       /
           l. / #'べ/       /   l::/   ′       /
              ∨  #  ヽ    i   '´          /


そんなこんなで、なぜか太宰は川端を逆恨みw


500 : ◆KcxXifcWsc[sage] 投稿日:2011/10/03(月) 21:37:37 ID:iNpnecPk

     ,ィ''" ̄ ̄`ヽ、
   ,ィ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`,、
  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、
 l;;;;;;;;;|`、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ハ-''
 {;;;;;;;;;|l|l|`、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ハ
 {;;;;;;;;;;|l|l|l|l|`、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i`ー`゛
. Y';;lヾ! l|l|l|l|l|`¨``メ、;;;;;;;li          書いたはいいけど……
  ヽ、t  __  ,lノ,リ `ヾ
.  ヾ;;;j`、ヾ ″イ;|∨             どこに出しゃいいんだ?
   `ソ;;;;|:`ー''´|~l;;j
    jクi   :ト,:`、
   / 「~7~ヾ‐7 `、
   /  .| `ー'' |   ヽ
 / * :| ̄ ̄~|  *
'"    :|   :|*
      |   |
*    _l,.-―'

戦時中は書いても書いても
世間に表明する場がとにかくないw

ただ、そこで書き溜めておいたものを、
戦後、文芸誌がどんどん復活していくときに、
ガシガシ発表していくわけです。

そうして戦後直後、文壇の寵児になっていくわけです、太宰は。

……もっとも、ほんの短い間だったんですが。


501 : ◆KcxXifcWsc[sage] 投稿日:2011/10/03(月) 21:38:38 ID:iNpnecPk

以上、太宰で小ネタを一発作ってみました。

ほとんど即興です。


502 :名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2011/10/03(月) 21:51:00 ID:kXATVfJI

書く暇と書いていられるだけの金があるあたりは充分羨ましいと思ってしまうww


503 :名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2011/10/04(火) 19:14:44 ID:NLubAzRY

現実の太宰ってもっと変態っぽかったんじゃないかと想像しています。
絶望先生でも変態らしさが醸されていますが School Daysの伊藤誠的な嫌らしさがあったような。







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