http://buraritoyaruo.blog79.fc2.com/blog-entry-585.html

63 ： ◆X0w9eXOmmQ [sage] 投稿日：11/07/29(金) 16:45:02 ID:mG+pPGKs

夏休みなので日本に帰ってきました。米がンマイ！

帰国早々ですが、今夜２２時に投下します。

再読しても面白いのは、やっぱり原作が良いからだと思いますよ。上手いとか言って頂いて実に恐縮です…。
「花の歳月」はまだ読んだことがないんですが、面白そう。向こうに戻るまでに買って帰りたいですねぇ。

それでは今日も宮城谷先生に、心からのごめんなさいと感謝と愛を。

64 ：名無しのやる夫さん＠URLを貼る時は"h"抜きでttpから[sage] 投稿日：11/07/29(金) 17:21:44 ID:ZBHvdv+Z

おかえりなさい
投下楽しみにしてます

65 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:05:51 ID:SdlOGj3U

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│　　　　　　　　　>>1からのお願い　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　このスレは特定の政党・思想等を、　　　　　　.│
│　　　貶めたり、持ち上げたりする　　　　　　　　　　 │
│　　　意図のあるものではありません。　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　すべてただのネタとしてお楽しみ下さい。　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
└───── r‐､──────r＜　}──────┘
.　　　　　　　人ｲ: : : /ヽ: : : : ∧: /::::::::＼:ヽ
　　　　　　　　く::::|: : :.′　＼:./　 ,':::::::::::: /: : :.
　　　　　　　　 ∧|: : :| ＞　　｀＜ :::::::::::::/ : : : i
　　　　　　　 /: :.|ﾊこつ　r‐┐　′::::: /: : : : :.|
.　　　　　　/: : : :.:Ν＞　ゝ_'_　{:::::: イ: : : : : :.|
　　　　　　 /: : : : : : :/⌒Yハハ_厂　 |.: : : : .: :|
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　　　　　　　ー一'" 　　＼Y/　　　ー一

まとめていただいてるブログ

ぶらりとやる夫さん
ttp://buraritoyaruo.blog79.fc2.com/blog-entry-474.html

全ての原作者にこころからのごめんなさいと感謝と愛を。

66 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:06:40 ID:SdlOGj3U

　　　┏┓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┏┓
　　　┗╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋┛
　　　　 ┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃
　　　　 ┃　　　　　　　　　　ミクは周王朝をみくみくにするようです　　　　　　　　　 ┃
　　　　 ┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃
　　　┏╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋┓
　　　┗┛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┗┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　宮城谷昌光　著　「沈黙の王」より
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第三話　　妖異記

　, ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'´／　　　　　　　　　　　' ' , ,.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　(_,． '　´.￣｀－ｘ＿＿, ' ' , ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ 　　_≧ ＿-―‐==ｘ　ﾉ､.　 __／　　 ' ',', ,.,.'　,.:'　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,.´'ﾞ,.;'ｲ.ｲ´　　｀　､_／`ー､` ／＼　　 _＞'´,.イ＞'/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.'´ .< /´ .,'|　　　　　''´ ＼　　／／＼＞'´ｘ≦＞'´　
　　　　　 .,ィ＝＝ト.､　　　　　　 /'　　 / ﾊ {人＼　 _,,ノ　　 `､∧ V￣　_￣＿,,.イ , '　,.ィ´
　　　　／　　　　　　ム　　　　　　 ,' ',　　 i　ﾄ､Y. 　＼` .ﾄ､　ﾄ､ト､__￣￣フ三＿　 __,,,...イ
　　　,'.　　　　　　｀ﾑ｀ﾄ､_　　　i　 ', 　ﾄ､|.｀` ＿__　｀` .＼ﾊ‐!` i`＜__ゝ `ー―---=ﾆ二＿　　　　＿_,,,..イ
.. 　 ,　　　　　　　　　　∧V三三ﾆ=-ｘ;;,,,,,,＿　 !. Y￣ヽ　　　　`{ i! | iI.i!|　　　 ,.:イ￣|　　 i　　￣￣　　　,
. 　 i　　　 ,=､―＝三ﾆ.i Ⅷ三三三三三三二ｭ. ｊ/´　）　　..:::ﾊ¨¨ ´￣　　／　　　_i　　　i　　 ,.'.　　　／
. 　 !　　　　{　.ｊ三三三ﾆ.} }三三三三三三三三.} ﾞー ' _..::::::::/ . `ﾄ､　　／. 　＞'´　　　　i _／＿＿'´
.　　Ⅷ.　　 .`'"―＝三ﾆｊｊ三三三三三三三三ｼ. `=''´　X;;ノ　　,' _≫'´　＞'´　　　　 _ｘ＜ .γ／　.￣`ｘ､
..　　Ⅶ　　　　　　 V./三ﾆ=干‐干干¨¨￣　 ` ､　.,ｨ´i》《.〃/ ｒ/　 ,.イﾄ､＿,,,...ｘ＜　　　// 　 /　　　＼` ､
　　　マ　　　　　　　, ',.' '´　　(| |二二┴` ､　　　　 i´ V ﾄイV/ ./..／　　 {{＼　　　　　　　i i　ト===､　　　　!　i
　　　　 `＜_　　　_＞'´　　　　 `{二二　　　 `Y　　　＼V　|　　ｊｒ’　　　 `{{ヽ　　　　 !.! .'V￣≦＿_ /` |　|
.　　　　　　　￣　　　　　　　　　 {二二　　　　V.､　　　∧　＼／ i　　　　　　 {{　V　　　＞ V　 V　|ー- / 　 !　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‘┬､＿__　　 }}λ ､　　ﾄ､／　.λ　　　　 i＼}}.　.V. '´　　ヽ/＞､　　/　　,' .ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `‐◎'∧　/　!ﾊ　＼　ﾄ_｀T´　i.　　　 iﾆ彳　､∧-､　　 _/　　, ＼.'　　/ / ー､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ﾄ|.//У　/ 人. 　弋　 `､ i.　　.{}.ｌ .i　　　　 ` X=`ﾄ≪‐-'´　　＼ /./　　　_
　　　　　　　　　　　　　　　　 //∧V/'　,ｲ　　　＼　　＼ .Y二二ｨｧ､i ､　　　　　 `､`､　`　　　　_　》' _＞''´i
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' '//∧V, '　　　　　ハ　　　`|　　《//','　 ` ー　､　＿,.;｀､_,::-‐ ''´ 　 i!'´　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　 i {/ｼ　∧V　　　　　　ﾍ　　　!.　　 Y ./ -､＿　　　　　　　　　　　,　 ,'　　＿,,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　 'ﾋ'.ィ'´　∧V　　　　　　ヘ_ /　　　　/ ￣`ー＜ー､_　　　　　,　'　　/_＞'´　　 i'
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜＼､　　　　　　ﾄ　　/ ｊ__ｊ` ､ー三ﾆト､‘=ｔ＿_`ﾄ､.＿　　　フフ　

　

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67 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:07:11 ID:SdlOGj3U

┌─────────────────┐
　　　時は一気に下り、紀元前７２０年。
└─────────────────┘

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i;;ii:i;;i￣|rニユ　l　|l i:　i:二i,　.;';':;:';'::;:';'; ,. '':';;:::;:;;:爿|:::.:....;';':;:';'::;:';'; ,. '':';;:::;:;:;;::::.:....;';':;:';'::;:';'; ,. '':';;:::;:;:;;::::.:....;';':;:';'｀,,,,-‐'゛::;:';'; ,.
二.ll.| . 二￣￣|=,ｨ'⌒ﾆﾆｴﾆﾆil］1lｰ-il］|_三rーilil￣|─r‐┬||irr-､v冖v":;;;:　: ;: ;: ;:　　; ::;　: ;:; :; :　 :: :; ":;;;:　: ;: ;: ;: ;: ;: ;:　　; ::;
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韭|　　|:::..　..　 |巫|il］il］|_三‐┬ lil「l￣|i､_ｒ lil「l韭l《ｆﾆﾆll￣'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;'', ;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;~'',;'',;''ﾟ ;~,;, ‐''"~￣~`''‐ ,.､t''T叮　i￢-､
韭|　　|l::;...;;.;.;ii:i韭lllll":;;;:　: ;|韭韭|ﾆﾆｴﾆﾆｴﾆﾆｴ　: ;:;;';':;:';'::;:';'; ,. '':,.ｨ;|￣冂ilrーilil┬ li┬;:::;:;:;;::::,.‐':;ﾆ´ｨ:爿ヱ;'::;|I|：・：|I－lＴ┐┬

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　周の第１２代目の王、幽王の２年と史記に記される。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└────────────────────────┘

68 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:07:32 ID:SdlOGj3U

┌─────────────────┐
　　　その日、空は異様に赤く染まった。
└─────────────────┘

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illlllllliiiiiillllllllllliiiiiiiiiiliiiiiiiiliiii!!!;;;,,,,,;;;!!!iillllllliiiiii!!;;;,,,,,;;;!!!iillllll!!!iiiiiiiiiiii!!!lll;;;;;;;;;::::::: :::: ;;;;;;iiiiii!!!;;;;;;;;;iillllllliii

69 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:07:51 ID:SdlOGj3U

┌──────────────────────────────────┐
　　　落日の光をうけた雲が、黒々とした怪獣に見えた。
　　　その雲から、次々に黒雲が吐き出されている。天空の赤がどす黒くなった。
└──────────────────────────────────┘

ヽ　　　　　　　　 `　 _
　,）_,.v''´⌒ヽ.　　　　￣　‐-　...
　　　　　　　　)
...　　 ..:...　　　´ヽ.
:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　 :..:⌒;　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,、　　　　　　　ノ⌒ｰ'
ヽ:_:.:.:.:.:.:. :. .: .:.:.:.:..:.ﾉ　　　　　　　　　　　　　　,ｒヽ'⌒　｀＾j　　　　　　ヽ　..:.:.:.
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　　　　　　　　　　　, '⌒ー-‐､　　　　　　　ヽ,　　....... ...　....　. . .. .⌒ヽ
　　　　　　　　　　ヽ-―--‐-ヽ.っ　 r_,つ　　ヽ.:.:._:_:.:.:.:.___:::.:.:.:.:..:::.:.:ノ- .__,.-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　￣￣　￣　｀￣ｰ-

70 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:08:13 ID:SdlOGj3U

┌──────────────────────────┐
　　　書物を読む手を止め、美髯の男は外に出て天を仰いだ。
└──────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　　妖雲だな。
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi!
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼　　　…これは天変地異の兆しか。
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ
　　　　　　　　 /　　　ヽ　:i!　ヾiヽ＼/ﾉ!ii|　 i. ヽ
　　　　　　　　,′/　　　',　!　　 lii lヽ./ |lii| ､! ,　'､
　　　　　　　 !　　　　　 i:　　　ヾiiヽ　 |lii|　V　　ヽ
　　　　　　　 i　　　　　　ｰ ' ／　　l iil、|liｉ|　 !　　 i
　　　　　　 ! 　　　, ､-､-く　　　　ヾヾ洲　　 ,　　ヽ
.　　　　　　 l　　　　＼＼＼＼ _＿＿ヾ:ぐ,ｨｰi′ _　ヽ
　　　　　　　|　　　　､　＼＼＼＼─┴==イヱ-'´　　ﾞi-ｰ=ｰ-､
　　　　　｜　　ヽ　丶-＼＼＼＼-f､＾ヽ､｀`丶､　　ﾞ､__ )_ヾ＼
　　　　　 |　./　　＿,-─=＝LiLz<Σヾlii:ヽ、ヽ＼　ﾞ､　`ｰ-　ヽ、
.　　　　　　 | /　／　　／´／'´_, -ｪｪｪｪｭ､ﾞﾄ､lli、　　＼　i 丶､　ヽ　ヾ-､,_

　　　　　　　　　　　　　　【太史　伯陽（はくよう）】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（老子）

┌─────────────────────────────────────────────────┐
　　　太史は官命である。王室の史官の長のことを指し、王室の記録を行う者であるが、同時に占いにも長けていた。
　　　彼は役目柄、書物を読むことと勘を磨くことを怠らなかった。
└─────────────────────────────────────────────────┘

71 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:08:40 ID:SdlOGj3U

┌────────────────────────────┐
　　　数日後、彼を不吉に揺さぶった地異があった。大地震である。
└────────────────────────────┘

　＿　00　　　　　　　＿　00　　　　　　　＿　00　　　　　　　＿　00　　　　　　　＿　00
└‐┐ |　　　　　　　└‐┐ |　　　　　　　└‐┐ |　　　　　　　└‐┐ |　　　　　　　└‐┐ |
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　￣￣　　　　　　　　￣￣　　　　　　　　￣￣　　　　　　　　￣￣　　　　　　　　￣￣

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／.'l.　　.ﾞ'┐
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　─ｰ￢冖￢ｰ--､､- v､........,.,､､v--'''^￣　-､､- v､...　v--'''′

72 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:09:04 ID:SdlOGj3U

┌───────────────────────────────────────────┐
　　　　　　　ｺｳｹｲ　　　　　　　　　　　　　　　　ｲｽｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｹｲｽｲ　ﾗｸｽｲ
　　　首都の鎬京ばかりでなく、近くを流れる渭水はもちろん、渭水に流れこんでくる水や洛水までも、
　　　烈しく揺れた、という報告が朝廷に入ってきた。
└───────────────────────────────────────────┘

　,,.　　　　　,' i, ';;　　　 V　　　　　 ';,　　 ,.;'/　　 _,.-´ _,-"
,ﾉ　',,　　　 :,'l　|,　_,./(,.'　　　　　/,／`;"' ,/_,.-´　 ,.-"　,_,,._　　ノ
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　　　／, -"　　　,/-"　　　　 `-,._　　　　';,　　　　　',　　　　,　　　　　　　-＝―　　　　） _,,..=-
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,"　　,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=ﾆ'_　　　　　　　 ` -,_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／, -"　　　,/-"　　　　 `-,._　　　　　　_ ;,;,　"　　　　;'　　　　　　 `-.,_

73 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:09:38 ID:SdlOGj3U

┌────────────────────────┐
　　　彼の妖しくさわぐ胸のうちに、最悪の予感が生じた。
└────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　　周王朝は滅びようとしているのではないか。
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi!
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ

　　　　 ,=::;;;,
　　　　 l,ェ`l l
　　　　　←､,ｒ'ヽ、　　　　　　　 ,r―-､、　　　　　ｒ''"｀''''ー--､
　　　　　／,rﾆニ=-､　　　　／;ﾞﾟﾞﾞﾞ`> ｀''i　　　　 lr'ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞl　　｀'l
　　　　 r＝,ﾚﾞﾞﾞﾞﾞl　　 l　　　　> ェ‐ 　〉　　l　　　ﾑ　　　　l
　　　 ζ=`>`ｴヽ,r-,l　　　 < ､　　 l_r‐-, l　　　〈ｪ　`ｪ‐ 　〉
　　　　i-､　〉-､　 _ノ､　　　├､　　､ノ　　　　 K´　　　　し'´`,
　　　 ,r'-､,r'l､_,r'" /´　＼　 <、　　　 ,ｒ､　　　l<＿　　　　_,／　　　　　　なんと……！
　　／／l´　　>､_/　　　　＼__,>､,r'''"　ヽ、　　〉　　　　　 /l、
　　'llll'　l　　 l　/　　　　　／〈ｰ'　　　　　ヽ　｀`ヽｰ　　　 ,）＼
　　　　 l　　ﾉ l .l　　　　／／　　　　　　　　l,r‐';"´〉　　,r'",r''"
　　　　l,--､l　/ l　　　 ,l　　　　　/　　　　　/　〈　/'-'フ" <
＿,r=='　　ﾉ`〉　l　　　/ /　　　　/ 　　　　　l　　ヽl／"''''''''"
_,r‐'"　／　〈　 l''''''フ´ l　　　　/　　　　　ﾉ　　　l/ /
‐‐''''フ"　 ,r''l_,.ノ／　 .（　　　 ./　　　　　/　　　/　/
‐＜ﾆ--‐‐''"　／　　　/　　　/｀''ヽ､,_　ノ　　　/　/
＿r=ﾆ>-==‐'ﾌ　　　／　　,..ノ　　　　 >'　　 ,-ﾑ、'
／;'／｀>=｀ヽ'　 ,r'" ＞-'"　 _,..r―-'´｀ヽ　/　 /
l､／lｃ'｀‐'｀l__,.r'",r'"　 ,rーl",　､　　　　　ヽ'ー''

┌─────────────────────────────────────────────────┐
　　　そして彼は大胆にも、親しい者が集まった席で地震についての意見を求められると、その予感を隠さず発言した。
└─────────────────────────────────────────────────┘

74 ：名無しのやる夫さん＠URLを貼る時は"h"抜きでttpから[sage] 投稿日：11/07/29(金) 22:09:48 ID:wWDQU5fT

一気に下ったなぁw

商王朝中盤→夏王朝→周１２代目

100年単位で物語が動いてるw

75 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:10:02 ID:SdlOGj3U

┌──────────────────────────────────────┐
　　　この伯陽の予言の背景には、二年前に崩御した宣王の行った軍事の大失敗がある。
└──────────────────────────────────────┘

　ヽ　、　　　　　　　　丶＼　　　丶ヽ　　　ヽ　、　　　　　ヽ＼　　　　丶
　ヽ　　　　＼　丶　　　＼　　　＼　　　＼　　　　　　　　　＼　　ヽ
　　＼　　＼　　　　＼　　　丶　　　　　　　　＼丶　　　＼　　　＼　　∧,,∧ て
　　　　＼　　　　　　　、　　＼　＼.　　　＼　　　＼　　　　＼　　(； ´ﾟωﾟ）て
　　＼　⊂＿⊂二二（。ω。）　　　　　　　＼　∧ ∧　　　　　　　　 /　　ｏ
　　　　＼　　　　　　　∨∨　　　⊂＿⊂二二（；ω；）つ::.:　　　　　　しー-Ｊ
　　　　　　　　　　＼　　＼　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　＼　　＼
　＼　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　ﾞ　＼
＼　 ∧ ∧　　＼　　＼　　　　　（・ω・`；)ｶﾞﾊ!　　＼
　⊂（ﾟωﾟ　）二二⊃二⊃　　　＼|＼ ⊂）　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　＼　　　＼　　　　　　し--Ｊ　　＼　　＼　　　　＼　　　　　　　　　＼

┌────────────────────────────────────────────────────────────────┐
　　　幽王の父である宣王は、周王朝に敵対する異民族を圧服させるために大軍をはるばる西南の地へ進攻させたが、全滅に近い敗北を喫してしまった。
└────────────────────────────────────────────────────────────────┘

76 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:10:48 ID:SdlOGj3U

┌───────────────────────────────────────────┐
　　　慌てた宣王は黄河より北の兵をかき集めて再び南方を攻めさせたが、これまた大敗してしまった。
└───────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　 ∧∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ヽ
　　　　　　　　(；ﾟ -ﾟ)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;:　　　 |　 |
　　　　　　━( つ━Ｏ━━(((＜＞　　　　　　　　　　　;:,.　　 |＿|　━━(((＜＞
　　　　　～（,,　つ　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧∧;::　　　　 ||
　　　　　　　 (,/´　　　　　　　　　　　　　　　　　(ﾟp;ﾟ;;:)彡　∧∧つ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ━(;:つ((;:;:., (ﾟへﾟﾒ)ヽ
　　　　　　　　　 ∧∧　　　　　　　　　　　　　～（;:;　ミ;:　ヽ,) ､_ ,,）～
　　　　　　　　　(；>_<)　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;:)　;:;:;;:;:　＼ヽ,)
　　　　　　　━( つ━Ｏ━━(((＜＞　　　　　　　　　　　 "'';:;;:,..＼l　　　　　　　　　　　 ∧∧とヽ
　　　　　　～（,,　つ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´/　　　　　(ﾟ∀ﾟ*) ノ
　　　　　　　　 (,/´　　　　　 ∧∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　　　　　 (　つ＝[ニニフ
　　　　　　　　　　　　　　　　(#ﾟ皿ﾟ)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＿/　　　　　　/　 ,,/～
　　　　　　　　　　　　　　━( つ━Ｏ━━(((＜＞　　　　　　　　　　　　//　　　　　　 (,/´Ｊ
　　　　　　　　　　　　　～（,,　つ　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧ Ｏ∧∧
　　　　　　 ∧∧　　　　　 (,/´　　　　　　　　　　　　　　　　　　(ili>0<)　(iliTＯ･;:｡;:ﾟ;:
　　　　　　(；ﾟへﾟ)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ( つ━Ｏ━l:;:と:)(((＜＞
　　　　━( つ━Ｏ━━(((＜＞　　　　　　　　　　　　　　～（,,　　/ 　 /;::;:: ,,）～
　　　～（,,　つ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(,/'(,/　　 (;/'(;/
　　　　　 (,/´

┌─────────────────────────┐
　　　このために周王室の権威が急速に失墜しつつあった。
└─────────────────────────┘

77 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:11:13 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　ｉ /　　 ⌒　 ⌒ ヽ　）
　　 !ﾞ　　 (･）｀ ´( ･）ｉ/
　　 |　　　（__人_）　 |⌒ヽ／⌒＼
　　（''ヽ　　　｀ー'　／　〉　〉　,､　　）
　　/　/　　　　　　　　　(__ﾉ　└‐ｰ<
　〈＿／＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ

　　　　　　　　　　　ﾃﾞﾂ
　　　　　【幽王　　（涅）】
　　　　　　（やるぽっぽ）

┌──────────────────────────────────────────┐
　　　幽王の「幽」とはむろん死後のおくりなであり、名は涅であるが、ここでは幽王と記す。
　　　異民族の勢いの強いこの時期に王位を継いだ幽王は、まわりあわせの悪い王であると言えた。
└──────────────────────────────────────────┘

78 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:11:42 ID:SdlOGj3U

　　　　 ,=::;;;,
　　　　 l,ェ`l l
　　　　　←､,ｒ'ヽ、　　　　　　　 ,r―-､、　　　　　ｒ''"｀''''ー--､
　　　　　／,rﾆニ=-､　　　　／;ﾞﾟﾞﾞﾞ`> ｀''i　　　　 lr'ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞl　　｀'l
　　　　 r＝,ﾚﾞﾞﾞﾞﾞl　　 l　　　　> ェ‐ 　〉　　l　　　ﾑ　　　　l
　　　 ζ=`>`ｴヽ,r-,l　　　 < ､　　 l_r‐-, l　　　〈ｪ　`ｪ‐ 　〉
　　　　i-､　〉-､　 _ノ､　　　├､　　､ノ　　　　 K´　　　　し'´`,
　　　 ,r'-､,r'l､_,r'" /´　＼　 <、　　　 ,ｒ､　　　l<＿　　　　_,／　　　　　　では地震の原因は何だとお考えでありましょうや。
　　／／l´　　>､_/　　　　＼__,>､,r'''"　ヽ、　　〉　　　　　 /l、
　　'llll'　l　　 l　/　　　　　／〈ｰ'　　　　　ヽ　｀`ヽｰ　　　 ,）＼
　　　　 l　　ﾉ l .l　　　　／／　　　　　　　　l,r‐';"´〉　　,r'",r''"
　　　　l,--､l　/ l　　　 ,l　　　　　/　　　　　/　〈　/'-'フ" <
＿,r=='　　ﾉ`〉　l　　　/ /　　　　/ 　　　　　l　　ヽl／"''''''''"
_,r‐'"　／　〈　 l''''''フ´ l　　　　/　　　　　ﾉ　　　l/ /
‐‐''''フ"　 ,r''l_,.ノ／　 .（　　　 ./　　　　　/　　　/　/
‐＜ﾆ--‐‐''"　／　　　/　　　/｀''ヽ､,_　ノ　　　/　/
＿r=ﾆ>-==‐'ﾌ　　　／　　,..ノ　　　　 >'　　 ,-ﾑ、'
／;'／｀>=｀ヽ'　 ,r'" ＞-'"　 _,..r―-'´｀ヽ　/　 /
l､／lｃ'｀‐'｀l__,.r'",r'"　 ,rーl",　､　　　　　ヽ'ー''

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　　ふむ。陽の気が陰の気に塞がれているからであろう。
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi!
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼　　　もともと陽の気は陰の気の上にあるはずであるが、
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ　　世の秩序を乱す者があらわれると陽の気は下降し、ついに陰の気の下に潜ってしまう。
　　　　　　　　 /　　　ヽ　:i!　ヾiヽ＼/ﾉ!ii|　 i. ヽ　すると地震が起きる。
　　　　　　　　,′/　　　',　!　　 lii lヽ./ |lii| ､! ,　'､
　　　　　　　 !　　　　　 i:　　　ヾiiヽ　 |lii|　V　　ヽ
　　　　　　　 i　　　　　　ｰ ' ／　　l iil、|liｉ|　 !　　 i

79 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:12:10 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　　さらにそればかりか、川も水源が断たれることになる。
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi!
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼　　　水が断たれると作物が死滅してしまう。それゆえ国が滅びるのである。
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ
　　　　　　　　 /　　　ヽ　:i!　ヾiヽ＼/ﾉ!ii|　 i. ヽ　川や山をとくとごらんなされよ。昔伊水と洛水が涸れて夏王朝が滅び、黄河が涸れて商王朝が滅んだ。
　　　　　　　　,′/　　　',　!　　 lii lヽ./ |lii| ､! ,　'､
　　　　　　　 !　　　　　 i:　　　ヾiiヽ　 |lii|　V　　ヽ　　　　国の存亡は必ず山川の力によるものである。
　　　　　　　 i　　　　　　ｰ ' ／　　l iil、|liｉ|　 !　　 i
　　　　　　 ! 　　　, ､-､-く　　　　ヾヾ洲　　 ,　　ヽ
.　　　　　　 l　　　　＼＼＼＼ _＿＿ヾ:ぐ,ｨｰi′ _　ヽ
　　　　　　　|　　　　､　＼＼＼＼─┴==イヱ-'´　　ﾞi-ｰ=ｰ-､
　　　　　｜　　ヽ　丶-＼＼＼＼-f､＾ヽ､｀`丶､　　ﾞ､__ )_ヾ＼
　　　　　 |　./　　＿,-─=＝LiLz<Σヾlii:ヽ、ヽ＼　ﾞ､　`ｰ-　ヽ、
.　　　　　　 | /　／　　／´／'´_, -ｪｪｪｪｭ､ﾞﾄ､lli、　　＼　i 丶､　ヽ　ヾ-､,_

┌──────────────────────────────────────────────────────────┐
　　　史官というのは王や君主から任命されてその職に就くが、
　　　本人の意識としては神から選ばれてその聖職に就いたという自尊があるらしく、悪い予感でもためらわず発言するならいになっている。
　　　おそらく伯陽は幽王から地震について尋ねられても、同じ事を言ったであろう。
└──────────────────────────────────────────────────────────┘

80 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:12:37 ID:SdlOGj3U

　　　　 ,=::;;;,
　　　　 l,ェ`l l
　　　　　←､,ｒ'ヽ、　　　　　　　 ,r―-､、　　　　　ｒ''"｀''''ー--､
　　　　　／,rﾆニ=-､　　　　／;ﾞﾟﾞﾞﾞ`> ｀''i　　　　 lr'ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞl　　｀'l
　　　　 r＝,ﾚﾞﾞﾞﾞﾞl　　 l　　　　> ェ‐ 　〉　　l　　　ﾑ　　　　l
　　　 ζ=`>`ｴヽ,r-,l　　　 < ､　　 l_r‐-, l　　　〈ｪ　`ｪ‐ 　〉
　　　　i-､　〉-､　 _ノ､　　　├､　　､ノ　　　　 K´　　　　し'´`,
　　　 ,r'-､,r'l､_,r'" /´　＼　 <、　　　 ,ｒ､　　　l<＿　　　　_,／　　　　　伯陽どのはさすが博識でいらっしゃる。
　　／／l´　　>､_/　　　　＼__,>､,r'''"　ヽ、　　〉　　　　　 /l、
　　'llll'　l　　 l　/　　　　　／〈ｰ'　　　　　ヽ　｀`ヽｰ　　　 ,）＼　　　　…しかしなんと恐ろしい。しばらくは渭水をよく観察することにいたします。
　　　　 l　　ﾉ l .l　　　　／／　　　　　　　　l,r‐';"´〉　　,r'",r''"
　　　　l,--､l　/ l　　　 ,l　　　　　/　　　　　/　〈　/'-'フ" <
＿,r=='　　ﾉ`〉　l　　　/ /　　　　/ 　　　　　l　　ヽl／"''''''''"
_,r‐'"　／　〈　 l''''''フ´ l　　　　/　　　　　ﾉ　　　l/ /
‐‐''''フ"　 ,r''l_,.ノ／　 .（　　　 ./　　　　　/　　　/　/
‐＜ﾆ--‐‐''"　／　　　/　　　/｀''ヽ､,_　ノ　　　/　/
＿r=ﾆ>-==‐'ﾌ　　　／　　,..ノ　　　　 >'　　 ,-ﾑ、'
／;'／｀>=｀ヽ'　 ,r'" ＞-'"　 _,..r―-'´｀ヽ　/　 /
l､／lｃ'｀‐'｀l__,.r'",r'"　 ,rーl",　､　　　　　ヽ'ー''

┌──────────────────────────────────────┐
　　　史官の長としての伯陽の発言であれば、重大すぎて誰も聞き流すわけにはいかない。
　　　予言はたちまち他の官人たちも知るところとなった。
└──────────────────────────────────────┘

81 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:13:38 ID:SdlOGj3U

┌──────────────────────────────────────────────────┐
　　　はたして官人たちが見守る中、渭水の水位はみるみる下がり、ついには対岸まで歩いて渡れるという異常が生じた。
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´~"''‐- ､wi ;: ;::.;;'　　',:;;　:;: :::'': :,:;;　:;: ::　　　　　::.;;'' ;;:;: :::''
　　　　　｀ﾞ''ｰ-､,_' ;;::;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''　::.;;'' ;;:;: :::''
　-　　ﾆ　　_　 -　"'- ､::.;;'' 　;:;: :::''
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::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;'゛;;　　-￣　　＿ ―-ﾆ＿　　 ―＿　　―ニ-　　―　二

82 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:13:50 ID:SdlOGj3U

┌───────────────────────────────────────────────────┐
　　　さらに後から入ってきた報告では、周の発祥の地ともいうべき周原の北にそびえる岐山という山が崩れたのだという。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ｙ-､_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _、　　　　　　　　　　　　 ..-‐'´　　　　ｨ　 ,,';:;:;:广
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´ _ ,,、　　　　　 ;:;:;:;:;:　　　　　　　　　　t_,];:;:;:;:;:;:;:　　　　.. ｬ;j;:;:;:′　　ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／　　ﾞ〕　　　　　　l;:;:;:;:;:　　　　　　　ﾞ'、　 ;:;:;:;:;:;:~~　　_、　 ,j;:;:;:;:l′
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　ヽ　　　　　　　　　　　..-''´　　　　　;:;:;:;:;:　　　　　 ;;:;:;:′　　　、　　　'' 　 ;:;:;:;:;:;:　　　 ..ｨ' ﾞ/;:;:;:;:;:;:;:′　　　、
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　､ _ ′　　　　　　　　　　　_..ｨ;:;:;:;:;:;:!　　　　　　　　　　　　　　　　 ''''ｌ{lゞ -　　　　　　 _,jl;:;:;:;:;:
　　 `ｰ- 　　　　 ,,　　'''　　　....-';:レ´　　　;:;:;:　　　　　　　　　　ムfｮｮ广　　　　　　　_、ﾆ;:;:;:;:′
　　　　　　　　　 ''ゝ､_ __l广　　 ''ll′　　　 ;:;:、　　　　　　　　　　｀jｒ]「　　　　　　　 '''´'ｔ;:;:;:;:厂
　　　　　‐ ′　　　_;:;:;:｀　　　　　　　　　　 ;:;:;:、　　　　　　　　 .. ‐ﾞヽ、　　　　　　　_u;:;:;:;:;:l′

83 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:14:21 ID:SdlOGj3U

┌────────────────────────────────────────────────────────┐
　　　官人たちが騒ぐ中、ひそかに伯陽自身も予言が的中したことに慄然とした。
　　　彼は十年以内に周が滅びるとも予言していたのだ。
　　　十とは数の紀、糸の端と同じで、そこが物事の終わりであると同時に始まりとなる。悪い兆しも十年のうちに実現するに違いない。
└────────────────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　　この王朝の滅亡を記すのが、わたしの天命か…。
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi!
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ
　　　　　　　　 /　　　ヽ　:i!　ヾiヽ＼/ﾉ!ii|　 i. ヽ
　　　　　　　　,′/　　　',　!　　 lii lヽ./ |lii| ､! ,　'､
　　　　　　　 !　　　　　 i:　　　ヾiiヽ　 |lii|　V　　ヽ
　　　　　　　 i　　　　　　ｰ ' ／　　l iil、|liｉ|　 !　　 i

┌─────────────────────────────────┐
　　　伯陽はそんな暗い言葉を口のなかでくりかえしつつ、毎日書庫へ行った。
└─────────────────────────────────┘

84 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:14:54 ID:SdlOGj3U

┌────────────────────────────────────────────┐
　　　地震のせいで王宮の損傷は酷く、万巻の書物が納められていた書庫は壁が崩れ、倒壊寸前である。
└────────────────────────────────────────────┘

　　　 | |　　　|　　　　　　　　　　　　ヽW／＼,,,,,,,,.......／ゞ人
　　　 | |　　　|　　　　　　　　　ゞ/／##　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾゝ／
　　　 | |　　　|　　　　　　　　　／$:::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<ゞ
　　　 | |　　　|　　　　　　＼/从##　　　ゞ　　　　　　　　l　　　#〉
　　　 | |　　　|　　　　　　　／##　　　　　　　　　　　　　・ﾊﾟﾗ##＼
　　　 | |　　　|　　　　　／＼〉##　　　i　　　　　　　　　　　　　　##/
　　　 | |　　　|　　　　　　　人##　　　・　ﾊﾟﾗ　　　　　　　　　　###＼　(　｀)⌒;;,,.⌒）
(⌒;;;;,,.⌒）:::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: (;;　｀)⌒;;,,.⌒）
（⌒;;;;;⌒;ソ⌒;;):::::::::::::-:::::::-:::;;;;;;;;;;;;;;;::::---::::::::::::::-::::::::;:::::---::::::::(⌒;;⌒ヽ;;　｀)⌒;;,,.⌒
;;;; )(⌒;;ヽ;;｀)⌒;;,,.⌒）:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::(⌒;;;ソ⌒)(⌒;;ヽ;;｀)⌒;;,,."）
⌒;ソ⌒;;;;'''）ヽ）;;;;;;;,,,,,,）ソ''⌒;;）⌒;ソ⌒;;;;!"'''）ヽ）;;;;;ｿ;;,,,,,,）ソ''"'''）ヽ）;;;;;ｿ;;,,,,,,）ソ''⌒
⌒;;;;!"'''）ヽ）;;;;;ｿ;;,,,,,,）ソ;ソ⌒)(⌒;;ヽ;;;;;'''）ヽ）;;;;;;;,,,,,,）ソ'';｀)⌒;;;;'''）ヽ）;;;;;;;

┌──────────────────────────────────┐
　　　中の書物は落下して散乱していた。木簡の紐の切れたものも多いので、
　　　連日配下の史官とともにそれらの書物を雨露のあたらない室に移していた。
　　　それが終われば修復である。
└──────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　〃´/ 　 7ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　 // /　　/ .//}
　　　　　　　　　　　　　 // /　　/ .// /'￣ヵ'￣ヵ'￣ヵ'￣,ヵ'￣ヵ'￣ヵ'￣,ヵ'￣ヵ'￣ヵ'￣,ヵ'￣ヵ'￣ヵ'￣'7
　　　　　　　　　　　　　　　// /　　/ .// / 　//　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //
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　　　　　　　　　　　　　 // /　　/ .// / 　// 　//　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //
　　　　　　　　　　 // /　　/ .// / 　// 　//　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //
　　　　　　　　　　　　// /　　/ .// / 　//　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //
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　　　　　　　　　 //_/＿_/_.// / 　//　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //
　　　　　　　　　〃ｨ7三ミヾ//./ 　//　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //
　　　　　　　　　{l「（{{句j刈}｝./ 　//　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //　 //
　　　　　　　　　ヾ弋沁少ｨjﾘ＿,ヵ'＿ヵ'＿,ヵ'＿ヵ'＿ヵ'＿,ヵ'＿ヵ'＿ヵ'＿,ヵ'＿ヵ'＿ヵ'＿,ヵ'___//
　　　　　　　　　　ヾ＝一"'ｰｰ' 'ｰｰ' 'ｰｰ'. 'ｰｰ' 'ｰｰ' 'ｰｰ'. 'ｰｰ' 'ｰｰ' 'ｰｰ'. 'ｰｰ' 'ｰｰ' 'ｰｰ'. 'ｰｰ'ｰ'′

85 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:15:18 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　　書庫が新しく建ち、書物の修復が終わるには、一、二年はかかるであろうな…
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi!
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ
　　　　　　　　 /　　　ヽ　:i!　ヾiヽ＼/ﾉ!ii|　 i. ヽ
　　　　　　　　,′/　　　',　!　　 lii lヽ./ |lii| ､! ,　'､
　　　　　　　 !　　　　　 i:　　　ヾiiヽ　 |lii|　V　　ヽ
　　　　　　　 i　　　　　　ｰ ' ／　　l iil、|liｉ|　 !　　 i

┌───────────────────────────────────────┐
　　　書物のあまりに多さに伯陽は呆然とした。彼でもまだ読んだことのない書物が多くあった。
└───────────────────────────────────────┘

86 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:15:52 ID:SdlOGj3U

┌───────────────────────────────────────┐
　　　この時期、幽王は父の喪に服していた。喪に服す期間は三年である。
　　　その間政務を大臣が行うのが古代からのさだめであるが、災害の大きさを知った幽王は
　　　服喪の小屋を出て城壁や宮室の破損状況を見てまわることがあった。
└───────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　　　　　　　　　　　　　　ｉ /　　 ⌒　 ⌒ ヽ　）
　　　　　　　　　　　　　　　 !ﾞ　　 (･）｀ ´( ･）ｉ/　　　　すごい地震だったよね！ちょっと見てきた方がいいかな。
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　（__人_）　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　｀ー'＿／
　　　　　　　　　　　　　＿＿ / 　　~つ／(＿＿＿＿　　　ﾑｸｯ
　　　　　　　　　　　　／　　　（　　　　(＿＿＿_／／
　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

┌─────────────────────────────────────────────┐
　　　この王は好悪の感情をあからさまにすることがあり、自分好みの物や人だけで身辺を固めようとした。
　　　いわば偏失の代表者である。
　　　また小知があるだけに凡庸な王より始末がわるいといえた。
└─────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　　　γ⌒) ))　　　　ヽ,
　　　　　 /⊃ﾉ ""⌒⌒＼　　）
　　　〃/　／　 ⌒　 ⌒ ヽ　）
　　　　/　/　　 (･）｀ ´( ･）ｉ/∩⌒)　　　友☆愛　しちゃうぞ！
　　　　|　 |　　　（__人_）　 |/　ﾉ
　　　　|　　　　　　|r┬-|　　/　/
　　(( 　＼ヽ＿　`ー-´ ／／））

89 ：名無しのやる夫さん＠URLを貼る時は"h"抜きでttpから[sage] 投稿日：11/07/29(金) 22:17:03 ID:QNIfOemw

うん、この王なら心おきなく洛水に流していいなｗ

87 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:16:20 ID:SdlOGj3U

┌─────────────────────────────────────────────────┐
　　　幽王がかたむいた服喪の小屋で追悼の情にひたりきっていれば、案外周王朝は余命を伸ばしえたかもしれない。
└─────────────────────────────────────────────────┘

　　　　　＿圭＿＿ノ＿_
　　　／／／／／／／.ヘ.
　　／／／／／／／／ `lへ.
　　￣||ﾆlﾆ厂|ﾆlﾆ｢l~｢ ∩ l￣
　　　 |`┴ﾉ　l`┴' |｜ | | |
　　　ﾚ'l´l^'i'^l｀lヽ |｜ | | |
　　　Ｌ.ＬＬ.Ｌ.ＬＬ.LＬl -''"~

┌────────────────────────────────────────┐
　　　が、おそらく一生のぞくはずのない後宮の奥まで彼が検分の足を踏み入れたことによって、
　　　この王朝と彼自身の死は決定づけられたといえなくもないだろう。
└────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,.. ．-‐　''' "´]
　　　　　　＿＿ .　　　　　　　　　[_ _,,.. ．-‐　'''"　~|
　　　　　　|　|　 |　　　　　　　　 |｀`|.　　　　　 |
: : : : : : : : :l__,l､._|　　　　　　　　 |　 |　　　　　　　 |
`'ｰ-､_: : : :`‐-､_|: : : : : : ...　　　　　|　 |　　　　　　　 |
　　ｰ､ `'ｰ-､_: : : : : : : : : : : : : : : : :i|　 |　　　　　　　 |
　　　￣ヽ___　`'ｰ-､_: : : : : : : : : : : l|　 |　　　　　　　 |: : : . ....
　　ー‐ 　丶＿_ 　､_ `'ｰ-､_: : : : : :||　 |　　　　　　　 |: : : : : : : : : .:.. ....
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　　　　　　　　　ヽ　　､　　　　　　 `'ｰ-､｀ﾞ'ｰ-､_ 　 .|: : : : : : : : : : : : : ....:....::...:::....::::::::
　　　ー‐‐‐‐　￣　　￣　｀ー　ヽ__＿, 　｀`'ｰ-､ﾞ'ｰ,|: : : : : : : : : : : .....::.:....:.::..::...:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`'ｰ　-､_: : : : : : .....::..:...:..::..::....::::::::::::

88 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:16:43 ID:SdlOGj3U

　　　　|┃　　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　|┃三　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　　|┃.　　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　ｶﾞﾗｯ.|┃三　　ヾｉ /　　 ⌒　 ⌒ ヽ　）
　　　　|┃ 　　　　!ﾞ　　 (･）｀ ´( ･）ｉ/
　　　　|┃　　　　　|　　　（__人_）　|　　　　崩れたところはないかな！？
　　　　|┃ヨ　　　　＼　　　|┬|　　/
　　　　|┃ヽ､｀ー～　　　　`ー' 　〈
　　　　|┃　　｀"´　ﾌ　　　　　　　　ﾊ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　　　 ,　'´,..-─‐‐｀ｰ..､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,...-──‐-<^>'´::::::::::::｀;ﾊ / ／:::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:;､::::::::::::::::::::::ヽ: ;､: :. :::::ヽﾉ｀/::::::;vwｗwwvv::::::: ::::ヽ
　　　　　　　　　　 ,.o, -──- ､ /:::/　|i|＼::≠::::::::::V ヽﾄ､ﾊ ::｀´ｉ ::::/彡　　ミ､ヽ : :　:. :i
　　　　　　　　　　　/ｧ'/;ﾊ;ﾊ::ﾄ､::Ｏ!:::/‐　!| -‐､≠::ｌ::::::::i　　ﾃｫ|: .:::::!::::ｉｲｆ:i　　 f:ヽヽヽ:.:: .::::l
　　　　　　　　　 //ﾚﾚ'　レﾍl ヽ:ヾ::}ﾓﾗ　そﾗ l: .:|､:: ::l､　ﾞｰ' |::l）:::|ヽ}└',.　 └' '^ ∧_ﾉﾉ |　　　！！！！
　　　　　　　　　〃　 }ヒ　ヒﾗ　ﾚ､｀{　､　　　 | .::ﾚ:: :::ｌｰ _, ィ|::|:::::ｌ/ii{ 　 ,、　　　 /:::仆:::::|
　　　　　　　　ノ'　　 {⊃　 ⊂⊃　ﾉノヽ､ｰ　 ,.ｲ:::::|､::::::仁-r‐'ｌ/:::::/::::::＼｀　 , ィ::::::::!:l::::::|
　　　　　　　　　　　ヽ､｀　　　ｽ´　　　｀ﾆ´〉|:::::ﾚﾍ:::::ヽ.∧/'^ヽi:::::::::::::::｀T´__/::::;:::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　 /´ｸ７ｰ‐'　ヽ､　／: ヾｰ|:::::|彡'｀:ｰ-.､ i　ノ V:::ﾉ､ノく,ハ_,!／:::::::::::;ノ
　　　　　　　　　　　 /　i::::/ 人　/´/ ,ﾊ: : : : 冂ｲﾉ : : : ; :‐:､ヽ´ ﾉ　〉:Y::ヽ.:.:l l.:.∧:::イ´:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　/ 　 |::::｀丶､/:::/ｒ': :ヽｌ: : l　l: ′:i:／: : : ; : l'´　 j〉人ノ.:.//人ノ::;ﾉ:.:.:./´:.i
　　　　　　　　／　　 !:::::::::::::::::::l/: :ヽ :|: :l　ｌ: : : :〉: : :／ : : l　/∧Y::::〉//(:::y::ィ:.:.:／:.:.:.:.|

90 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:17:21 ID:SdlOGj3U

┌─────────────────────────────────────────────────┐
　　　後宮の掃除や簡単な手直しをおこなっていた女たちは、王の突然の来訪におどろいた。
　　　彼女たちの大多数は、一生王の尊顔を拝すはずのない者たちであり、そうした処遇を当然のことと自覚していた。
　　　それだけに、王が間近にあらわれたことに感激した。
└─────────────────────────────────────────────────┘

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　　　　　　　　　　（　ｆ⌒}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　 , .:::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　 l　　r ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |／.:::::::::::::::::::::::::
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　　　　　　　　　　 r '´　　|　　　　　　　　　　　　　　　 , - ､r―‐- ､　 ;::::::::/l:::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　 -―‐-　､|　　　｜　　　　　　　　　　　　　／.:::::::::､ｖi::::::::::.､｀{:::/ﾘ　∨ヽ:::::::ト､:
　　　　　　／.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　ト､ __ 　　　　　　　 /.::::::;:ｲ:/　 l:::::::::::.ヽVl //////}::::::|　}
　　　　　　/.:.:.:{.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.::|　／｀　＼￣｀＜￣ヽ　　　/イ::/‐{/　 ‐ﾍﾄ:::::::::::! | ,. -‐┐ |::::::lノ::
　　　　　 ,:.:.:.;ｨﾍ:.:.:.ト､--:.:.:| .〈:.、.. ..　、＼　　＼:|　　　 /:/― L/ ―- ＼ﾄ､}:{〈　　 |　|::::::l:::::　　　キ、キャアーーーｯ！
　　　　 {.:´:lﾘ　'; .:| rｧく､:.|/:ﾍ:.＼:::::..＼:.＼:..:..:..:.i|　　ｲ::/-　'´ ﾞｰ-　-‐' |:::::::ヽ＼.　|　|::::::l:::::
　　　　　 l/ｌ:.代:）ヽ! ｀ｰ'　ﾄ{:::::/＼|｀ｰ＿|::::::ﾄ､::::}:|ｌ　　　ﾚ{　　 ,､　　　　 |:::::::::::＞r┴､!:::::::::::
　　　　　 V:. 　＿　　 l:.ﾘl::|‐-r┐'´　 lｧ::::|　V.::!:!.　　 |:＼　ｌ__〉　　　　｣::::::;､:::} |:::::{/〉::::::::::　　　
　　　　　 }.:ヽ　ヽ）　ノ./ |L..ノr‐〒―'|:::::::l_ノ::::l::＼　　ﾘ|::/＞――ｧ　´ ﾍ::/＞、|::::::/ヽ:::::::::
　＿_ 　､__ノ:.}:}:.:|＞r '/:ノ.:.:l::ﾄ､　ｌ　ｌ　　 |::::::::l::::／￣ヽ＞_｣ノﾍ　ｊr‐'´ 〉、　／.:／　|::::,′ }ﾍ:::::
./ （_,ﾍ　　 7ノ/＞ｧ'7 (:(　ノ.:::::::トl__ｊ_ . イ:::::::::} l　　　　）/　　　∨　　　　`/.::::/　　 |:::′　l　l::::
{　　ﾉ　／ｆ(ｲ　,' /　ﾉﾉ（:::::::::;:ｲ,.ｨ::｢　lノ::::::／｜　　ノr{,　　　 '　　　　 /.::::/, 　　l::{　　,′l::::
.ヽ　 {　（rﾍrｧ!　{,ﾉ ,（:{ 　＞:ﾉ| { {:::l　〈::::::く　r┴‐-〔／　　 /　　　　 {::::::l/ 　　.|::l　 ,′ ｌ::::
　l　｣┐　 /　　 |／　｀　（:＜　l lｲ::::!　|＞:ノ｣_　　　/　　　 ,′　　　　 l::::::l　　　　|:::!　! 　 |::::

　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　ｉ /　　＼　／ヽ　）∩
　　 !ﾞ　　 (- ）｀ ´( -）ｉ/ ( "）　　　日頃がんばってる君たちだから、今日は特別にぼくの顔を見てもいいよ。
　　 |　　　（__人_）　 |ノ　/
　　　＼　　　｀ー'　／／
　　　　/ 　　　　　　　／
　　　　|　 |　　　　　　|
　　　　ヽ__）　　　　　 |
　　　　　|　　　　　　/
　　　　　|　　|￣|　 |

┌──────────────────────────────────────┐
　　　この日の幽王は機嫌が良かった。
　　　出来る限り女たちにねぎらいの言葉をかけ、女たちが自分を仰視する無礼を許した。
└──────────────────────────────────────┘

91 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:18:05 ID:SdlOGj3U

　　　　　　ノ´⌒｀ヽ
　　　 γ⌒´　　　　＼
　　／／ ""´ ⌒＼　　）
　　.i /　　　ヽ､_　　ｉ　）
　　 i　 (･）｀ ´(･）　i,/　　　　（ふんふん、以外とみんなかわいいじゃないか……おっ？）
　　ｌ .::⌒（_人_）⌒:: |
　　＼ｌ^l^lｎー'´　　/
　　　　ヽ　 L　　／
　　　　　ゝ　ﾉ
　　　／　 /

　　　　 , . |////,}／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼////,ﾊ: : : : : : : : : : :｀: . .
. 　　／: : :|///У : : : : : : : i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ////!: : : : : : : : : : : : : :｀: .、
　　 /: : : : :|/// : : : : : : : : : |: : .: : : : : : :.| : : : : : : : : : : ∨//| : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
. 　 /: : : : : :|// : : : : : : : : : : |.: : :.: :. :.l.: :.:ﾄ､: : : : : : : : : : :∨/|: : :. : : : : : : :.: : : : : : : : :.＼
　 /: : : : : : :|/: : :/: .: :.: : :./: :|: :.: : :.: :.|: : :|{ ヽ: : : :.: : : .: : :.}/ |: : : : : : : : : .: : : : : : : : : : : :.＼
. /: : : : : : : :′: :′: : : : :厶:-ﾄ､: : : : : |: : 八‐- : : : : : : : : :.|/厂￣￣｀　　: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,.: : : : : : : : :i:|: : |: : : : ´:/　 Ν 　: : : : |: /　　　ﾟ｡:.: .: : : : :.:|/　　　　　｀　､ : : : : : : : : : : : : ﾟ｡
: : : : : : : : :.从 : }: : : : : ' ,ｘ=≠ミ＼: :.И ,ｘ≠=ﾐ ': : : : : : :.:′　　　　　　　　　＼: : : : : : : : : : : : ',
: : : : : : : : : : : )ハ : : : :〃トｚ/ﾊ　　 )ノ　トz/ﾊ刈:.:.|: i : :|{　　　　　　　　　　　　ヽ: : : : : : : : : : : i
: : : : : : : : :/ 厶イヽ:.: :.|　乂/ツ　　　　　乂/ツ ,: : :人{: :.八　　　　　　　　　 ', : : : : : : : : : :.|
: : : : : : : : ′　　|//,＼{　＾´, , ,　　　,　　 , , ,｀＾厶イ//,＼{　　　　　　　　　　　　　　 } : : : : : : : : : :.|
: : : : : : : :ｉ　　　 ∨//,∧　　　　　　 __　　　　八////　ヽ　　　　　　　　　　　人: : : : : : : : : :ｌ|
: : : : : : : :|　　　　∨/// ヽ.　　　 ´こﾟ　　　　.ｲ/////　　　　　　　　　　　／: : :.: : : : : : : : :.ﾘ
: : : : : : : :|{　　　　｀¨¨¨¨´个　　　　　　ィ: :八¨¨¨´　　　　　　　　　／ : : : : : : : : : : : : :/
: : : : : : : 八　　　　　　　　ﾉ　,.=| ≧=≦　{从_f⌒　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : :／
.: : : : : : : : :.＼　　　　　　　　 {::::|　　　　　|::У:}　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : :／
: : : : : : : : : : : :＼　　　　　 |:::::＼　　／:::::::.､　　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : :/
.: : : :.: : : :.: : .: : : :＼　　　r‐:':::::::::::::ﾟ｡　/:::::::::::::::xヘ.　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : :.′
＼: : : : :. : : : : : : : :,　 rf::::ヽ:::::::::::::::: ∨::::::::::::::/:::::{ {｀　　　.　　　　　′: : : : : : : : : : : : : :.i
.　丶.: : : : : : :.　　　　{ {:::::::::＼::::::::/⌒ヽ:::::: /::::::::{ {　　　　ヽ.　　 i : : : : : : : : : : : : : : : |
　　　＼: : : : i　　　 { { ::::::::::: ヽ:/廴＿,ハ/:::::::::::{ {　　　　　i 　　 |: : :.: : .: : : : : : : : :. : |
　　　　　ー　|　　　 { {:::::::::::::::::::::::{　　}:::::::::::::::::: { {　　　　 l　　 |:. : : : :. : : : :. : : : : : :|

┌───────────────────────────────────────────────────┐
　　　幽王の目が一人の女にとまった。そこには妖しいほど美しい目が幽王をとらえていた。
　　　ほのかな光がその女だけに集まってゆくようで、見れば見るほど女の白い皮膚は光沢を増し、他の女は翳に沈んだ。
└───────────────────────────────────────────────────┘

92 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:18:33 ID:SdlOGj3U

┌────────────────────────────┐
　　　幽王の目から陽気が消えた。
　　　女の妖婉な容姿をなぶる様に見たあと、振り返り侍従に尋ねた。
└────────────────────────────┘

　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　ｉ /:::::::::⌒　 ⌒ ヽ　）
　　 !:::::::::::(○）｀ ´(○）
　　 |:::::::::::::::（__人_）　 |
　　　＼:::::::::::::｀ー'　／
　　　　/::::::::::::　　　　＼
　　┌∪┐::::::　　　|､＿）
　　└┬┘::::::　　　|
　　　　ヽ::::::::::::　　ﾉ
　　　　　∪￣￣∪

　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　ｉ /:::::::::⌒　 ⌒ ヽ　）
　　 !ﾞ:::::::-━-｀ ´-━-　　　おい、あの女の名はなんと言うのだ。
　　 |:::::::::::::::（__人_）　 |
　　　＼::::::::::　｀U　／
　　／:::::::::::::: 　　　＼

93 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:19:00 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　 ..--‐‐‐‐‐‐‐‐---..,
　　　　　　（;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::＼
　　　　　　 //　　　　　　　　ヽ::::::::::|
　　　　　.　// .....　　　 ........　/::::::::::::|
　　　　　　||　　 .)　 (　　　　＼::::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾎｳ
　　　　　　.|.-=・‐.　 ‐=・=-　　|;;/⌒i　　　　あのむすめですか…、ええと、褒国から後宮に入りました、
　　　　　　.| 'ー .ﾉ　　'ｰ-‐'　　　　）.|　　　　　　　ｼﾞ
　　　　　　|　　ﾉ(､_,､_)＼　　　　　ノ　　　　姓は姒でございますな。
　　　　　　|.　　＿＿_ 　＼　　　　|_
　　　　　　.|　　くｪｪｭｭゝ　　　　　/|:＼＿
　　　　　　ヽ　　ー--‐ 　　　／/:::::::::::::
　　　　　　　/＼＿＿＿　　／　/:::::::::::::::
　　　　　.／::::::::|＼　　　／　　/:::::::::::::::::

　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　ｉ /:::::::::⌒　 ⌒ ヽ　）
　　 !:::::::::::(○）｀ ´(○）　　　　そうか、分かった。帰るぞ。
　　 |:::::::::::::::（__人_）　 |
　　　＼:::::::::::::｀ー'　／
　　　　/::::::::::::　　　　＼

95 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:19:19 ID:SdlOGj3U

　　　　　＿圭＿＿ノ＿_
　　　／／／／／／／.ヘ.
　　／／／／／／／／ `lへ.
　　￣||ﾆlﾆ厂|ﾆlﾆ｢l~｢ ∩ l￣
　　　 |`┴ﾉ　l`┴' |｜ | | |
　　　ﾚ'l´l^'i'^l｀lヽ |｜ | | |
　　　Ｌ.ＬＬ.Ｌ.ＬＬ.LＬl -''"~

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　　　　　　　　　　　　　　ｉ /　　 ⌒　 ⌒ ヽ　）
　　　　　　　　　　　　　　　 !ﾞ　　 (○）｀ ´(○）/　　　　褒姒か…
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　（__人_）　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　｀ー'＿／　　　　　一年後には枕席にはべらしてやるぞ。ｸﾞﾌﾌﾌ……
　　　　　　　　　　　　　＿＿ / 　　~つ／(＿＿＿＿　
　　　　　　　　　　　　／　　　（　　　　(＿＿＿_／／
　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

94 ：名無しのやる夫さん＠URLを貼る時は"h"抜きでttpから[sage] 投稿日：11/07/29(金) 22:19:06 ID:wWDQU5fT

てめぇは晏嬰を見習ってちゃんと服喪しやがれwww（時代が違います）

96 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:20:02 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　　　　　　　,----、.＿＿
　　　　　　　　　　　　　./ 　　／　　　ヽ--、
　　　　　　　　　　　　　l　　 / 　　　　　　　ヽ、_
　　　　　　　　　　　／`'ｰ/＿＿＿＿＿＿＿_／
　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　Zzzz.............

　　　　　　---------==============ニニニニニ三三三ニニニニニ==============---------

　　　　　　　　　　　　　　　　-----========ニニニニ三ニニニニ========-----
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　----====ニニニ====----
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ---===---
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-

97 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:20:19 ID:SdlOGj3U

　　　　　, -‐「l|-､ ,　´:.:.:.:.:.:.:.:.:＞､　　ｲl|
　　　　 /:.:.:.:.|ll|:.:.:.＞ ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ´:.}}ヽ
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　　　　l:.:.:.:.:.:.l/:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.ヽ:.:.:l
　　　　!:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.:./:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:ﾊ:.l
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.　　　 !:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.ｲ/jﾉ jハj:.:.:.:.:.ｲl:.:ﾊ:.:.:.:}:l
　　　 l:.:.:.:.:.:Y:l:.:.:.:l斥示ｧ　l:.:.／ﾘjﾊｲ:.ﾊj:.l
　　　 l:.:.:.:.:.:.L:l:.:.:.ﾊ之ｿ　 j／斥ﾃｧ:.:.ｲノ:.:l
　　　 l:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ:.:.:.:ゝ　　　丶ー'/イ:.ﾊj:.:.:l
　　　 l:.:.:.:.:.:.:.:,ﾉヽ:个.､　` ‐　イ:.:.ﾊﾉ:.:.:.:.:.l　　　　　　　　_＿_
　　　 l:.:, '´⌒　　_＿_ ｀r ≦ヾjノjﾉY:.:..:.:.:.:l　　　　　　 /´:::::::::::｀ヽ
　　　 l:.{　　　　　　　｀　､,　　ヽr､.}:.:.:.:.:.:.:l　　　_＿ /::::::ヽ::::::::::::::::ヽ
　　　 l:.l　　　　　　　　　　　　　〃:ヽ:.:.:.:.:.l ,.＜´:::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　 l:.i　　　i'　　　　　‐- ､　　ji::::::::::ヽ:.:.:./:::::::::::::::::::::::}:‐-､::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　 l:.l　　　l　　　rvrvrvrvｲ示､::::::::::ﾙ:./::::､:::::::::::::::::::i:::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　 Kl　　 rl-=´'/:::::::::::::::::::辷ｼ::::::::ﾉ:.:/::::::｀}::::ヽ::::::::::',:::::::::::::iヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　 |-l-='´'l､　/::::::::::::::::::::::ノ::::::::::::::У:::::::::::i::::::::::::::::::::,:::::::::::::l　｀　､:::::::::::::::::::::::::＼
　　　 l:.:ﾄ-=-'l:ﾊj:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::l:::::::::::::::::::::,:::::::::::::i　　　　`　､::::::::::::::::::::ヽ
　　　 l:.l‐--‐ｲ:.lヽ:ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::,::::::::::::::::::',::::::::::::::::::::,::::::::::::::!　　　　　　｀　､:::::::::::::::::＼
　　　 l:.i:::::::::::l:.:.i　ヽヽ::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::,::::::::::::::::::::l:::::::::::ｲl〉　　　　　　　　 `　､::::::::::::::ヽ
.　　　j,'::::::::::::i:.:.:l　　ヽ::::::::::::::::::::〃l::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::l=＝':.:.:lヽ　　　　　　　　　　｀､:::::::::::::＼
.　　ﾉ:{::::::::::::l:.:.:.l　　　ヾ::::::::::::::::fﾊ:lゝ､_＿＿_ム::::::::::::::::::l:.:.:vvノlﾊヽ　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::ヽ
￣￣:.l:::::::::::,':.:.:.:.}　　　　V::::::::j/::::::〉:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',::::::::::::::::l=-ﾋj　.ﾙl{'´　　　　　　　　　　　　ヽ:::､:::::::::ヽ
:.:.:.:.:.:.l::::::::::/:.:.:.::ﾉ　　　　ヽj:::ハ:::ｲ` ､_＿＿_vvム::::::::::::::l　 ||　ﾉゞﾊ　　　　　　　　　　　　　 .ヾ:､:::::::::::ヽ
.￣￣l::::::::/'´￣　　　　　　 }::ヽ::r'´{　　　　　ﾋj　 .',:::::::::::::l　.jjノ　　{:ﾉ　　　　　　　　　　　　　　 V::::::::::::::＼
´｀ヽ.i:::::::/　　　　　　　　　 l::::::ゝヽ }　　　　　 ll　　 ',::::::::::::lイ´ ヾ　〉}　　　　　　　　　　　　　　　ゝ､::::::::::::::::＼
::::::r'{::::::/　　　　　　　　　　{::::＼:::} 〉　　　　　jj　　　}:::::::::::',ヾ　｀ﾉ:::〉　　　　　　　　　　　　　　　　 `ヽ:::::::::::::::ヽ
`,:::::::::_/　　　　　　　　　　廴:::::个〉ヽ､　　　ﾉ　　／ !::::::::::::ヽ　〃:::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::::::::::ヽ
`‐-‐'´　　　　　　　　　　　　　＼:ゝヽ､ﾊーイ‐‐ '　ヽ〈::::::::::::::ヽ.ム〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼::::::,-‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::::} jrvrvrvrvrvrﾊ::::::::::::::::X'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ-=＝=､ノ､_,-='´ l:::::::::::::::::ヽ
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ:::::::::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀─‐--'

┌───────────────────────────┐
　　　服喪の小屋に戻った幽王は、連夜の夢に褒姒を見た。
└───────────────────────────┘

98 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:20:47 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　　　　　ノ´⌒ヽ
　　　　　　　　　γ⌒´　　　　＼
　　　　　　　　.／／ "´ ⌒＼　　）
　　　　　　　　i./　⌒　　⌒ 　.ｉ　）
　　　　　　　　i　(⌒）｀ ´(⌒） i,/ 　　ｸﾞﾌﾌﾌ……
　　　　　　　　| :::::　(_人_)　::::: |
　　　　　　　　(^ヽ__ ｀ー' ＿/＾)、
　　　　　　　 |__ﾉ　￣￣,　 |、）|
　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 o
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｏ

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:::::::::::::::::::u　　　　　　　　　　　｜
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::::::::::::::::: 　　　　　　 /７: : :´￣｀´￣｀⌒ヽ.　/７　へi_
:::::::::::::　　　　　　,､// : : : : : : : : : : : : : : : :// : : : :: : ヽ
::::::::::::　　　　　 .／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :/_|: :ヽ: : : : : : ' ,
::::::::: 　､　　　／: : : :./ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : li : : : : : : :',
__　､　　ヽ､ /: : : : : /　　l: : :ﾄ人､:: : : : : : : : : : : l:l: : : : : : : :.',
　｀ヽ｀ヽ、 ,': : : : : :/_- '´!: : :l 　ヽ : : : : : : : : : : l::l : : : : : : : :',
　　　ヽ　 l: : : : : /x､ __, ｌ : :l.｀ﾄ､ > : : : : : : : : :l:::l.: : : : : : : :.',
‐- ニ_ ､ヽ l: : : : /　　　 ,　ヽ:l z､_　｀ヽ:: : : : : : : l::::l l: : : : : : : : ',
　　　｀丶l: : : ﾊ　　 '　　　　　｀^'.F-V : : : : : :l::::::l:!: : : : : : : : ',
.　　　　　 l : :/ ﾍ　　ゝ､ _　　　　｀　.ﾊ : : : : : :l:::::::l !: : : : : : : : :;
　　 ;　へ　ヽ/ 　｀ヽ. {f'´　ヽ　　　 ´ ,.l:',: : : : :l::::/ l: : : : : : : : : i
　　 l　　　　 _ヽ　　/ ｀ヾ､-ノ　　　_,.　' ,,': :',: : :.ﾊ:/　.l!: : : : : : : : .l
　　 l __r f｀l　ヽﾚ､　　　　　｀ヽﾆ´,. -‐' ,'l : :: :/:::/　　l: : : : : : : : ::.l
　＼ ! ′　　　 Y .l 　　　　, - ヽ､　　l : ::/ﾚ＿_　 .l :: : : : : : : : l
　　,. -',　　　　　　 }　　　　／.　　/　,ﾍ.　ヽ/＼　ヽ　l :: : : : : : : : l
　'　 /　ヽ　　　 _.f__　　 /　　　/　/　ﾍ. : : : : :〉　 i　l :: : : : : : : : l
　　/　l　 ,)‐ ' ´:::::::::::|　 /　　　/　/　　ﾍ : : : /　　 l　.l : : : : : : : ::.l
　　　 l　|:::::::::::::::::::::::::!.　　　／／　　　ﾍ: : /　　　l　 |:: : : : : : : : l
⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ

┌──────────────────────────────────────────┐
　　　そして日のあるうちは空想の中で褒姒の衣装を剥ぎ、どこまでもつややかな肢体と戯れた。
└──────────────────────────────────────────┘

99 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:21:07 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 □

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└──────┘

　　　　　　┌────────────┐
　　　　　　│そして一年が過ぎた。　　　　.│
　　　　　　└────────────┘

100 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:21:40 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ x.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ二二二..ﾊ　　 _　 -―-――＜´￣ Vﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.....、
　　　　　　　　　　　　　　 Vﾊ'"´￣｀V〉 ´ 　　 ‐　｀　　　-‐　､ Vﾊ-――-　　....__　　　　　　 i　　＼
　　　　　　　　　　　　　　, 'Vﾊ　　／　　／　　　　　　､　　 `く´＼　　　　　｀　　　､　　　ヽ、　ヽ丶、
　　　　　　　　　　　　 /　 Vﾊ― /　　　　　　　　　 　　　ヽ　ヽ　　　　　　　　　｀　　　､ヽ　　丶 `　、
　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　￣　′　 /、､　　　 /|　　　∧　　ノノ∨∧　　　　　　　　　　　　｀丶､　＼　',
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　ｉ | 　 /　丶｀ﾆﾆ /　| ﾆﾆ .′゛-‐ ´ 　 V ∧､　　　　　　　　　　　　　　　丶、＼〉
　　　　　　　　　　　　　　 | 　　　l｜　′　　　　 /`　 | 　 /　⌒',　　　｜　ト､　　　　　　　　　　　　　　　　丶.゛、
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　ｌ |　 |　　　　 /=｡、 |　./　xﾃヽ! 　,′ ｜　 |!:::丶、　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　､　|ｲ　　/ ｨ ::::ﾟ } `! /　 l::::: !ﾘ　/　　.!　　|l:::::::::::lﾆ=-　...__　　　　　　　　　　　　　　. :i
　　　　　　　　　　　　　 |　　　ｌ丶 ::| ,／´ |`ー'′/'′　｀"´/ /　　//|　_,ﾉ|::::／　　　　　　￣¨¨ 　―--　　....＿　 : :ﾉ
　　　　　　　　　　　　 |　　　　∧ V|ﾊ　　 |、　　　　　 '　　/'" /| /　, ´　} ﾚ'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣¨ヽ
　　　　　　　　　　　 ′ 　　./　 |｜丶　ﾞ.｀::....　　 ´　イ　/ﾊｌ′/　 //′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : :}
　　_.. -―-　..._ 　　　 /　　　　 ′　|｜　 |＼　､ ---≧ ´　 l| /' l:::ト ′ //: : : . . . 　　　　　　　　　　　　　 . . . : : : :ノ
, '"　　　　　　｀丶､_／　　　 |　　｜|　-.ｌ::ヾ＼　　　　　　 l'/ /::::|　｀丶、-　...＿:.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :._　-≦´_
|　　　　　⊆ﾆ=-‐=彡/　　　 .ﾉハ、｜|　　∨:::ヾミ_- ....＿..／／::_ノ　　　　｀　＜=三二／）_. ﾆ=-‐r――=＝ニ三三三三
|ﾐ、　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:|::｀ﾉ.ﾉ　　　＼_:::::::::::＞'"¨` ‐￣≧-__　_ 　　　＞ ´　　 -=rｫ二'７三三三二二ニ＝￣
ヽ、　　　　　　　　　　　　 ......:.:.:ﾉ.:.:／_,ﾉ＞ ..._　　￣　　　　　　　　￣¨¨　‐ ´　　　　ｎ.l .|.ｦ /ﾆ-‐‐､
三≧-　＿ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.: -≦三三三ﾆ＞ ..._　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │l! ,!.ノ‐=≦´
　　　　―二三ﾆ=‐---‐=≦三三三二二二二三三=≧====――――‐----------‐ ≦--'‐'´

┌────────────────────────────────┐
　　　目もくらむほどの美体とは、褒姒のことを言うのであろう。
　　　服喪を終えて玉座についた幽王は、さっそく褒姒を寝所に召した。
　　　褒姒の妖姿は、幽王の見た夢や空想を超えた美しさであった。
└────────────────────────────────┘

101 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:22:08 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　ｉ /　　 ⌒　 ⌒ ヽ　）
　　 !ﾞ　　 (･）｀ ´( ･）ｉ/　　　そなたは体内に日か月でも宿しているのではないか。
　　 |　　　（__人_）　 |
　　　＼　　　｀ー'　／
　　／　　　　　　　.＼

┌──────────────────────────────────────────┐
　　　幽王にそう言わせるほど、褒姒の皮膚は輝いている。奇蹟のような明るさであった。
　　　事実、褒姒は万人に一人の美女だったのだろう。幽王が彼女に惑溺したのも無理はない。
└──────────────────────────────────────────┘

102 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:22:37 ID:SdlOGj3U

┌───────────────────────────────────────────────┐
　　　ところで幽王には正妃が居るのである。
　　　彼女は幽王が太子のときに、南方の申国から王室に嫁入してきた。彼女は申后と呼ばれ、男子を出産した。
└───────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　／──────＼＼
　　　　　　　　　／／三三三三三＼　　＼＼///
　　　　　　　　／／／　_＞≧≧≧＼＼从　＜
　　　　　　　///／＞'´　　　　　　　　　　ＶＶ＜
　　　　　　　|// ／　　　　　　　　　　　　　＼＼
　　　　　　　ﾚ／　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ
　　　　　　　>＼　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ
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　　　　　　ﾉ⊥(∩ゝ　／≦三￣｀ヽ　　　　　ミ＼
　　　　　／　三彡　　ハ∠===、　｀ヽ　　　ミ＼＼
　　　　/ 　　　/　　ノ　　ミヾ∩>>　　　　　　＼＼
　　　　'　　 r'｀　　入}　　ヾ三三彡　　　　　＞　＼
　　　 {　　ゝ彡ゝ__,）　　　　　　　　　　,. ＜三三＼＼　V/
　　　｝　,∠,　　￣　',　　　　　　　　／　　　　三三＞　　/
　　　 '　 VTtｭニ、ﾐ　ゝ　　　　.／彡　　　　　　／　⌒､/
　　｛　　｛ヽ⊥ｴ　≧'ミ､､､　ノ　　　　　　　　　／　）ﾉ
　　　ヽ/ ヽ＿彡'｀〃　　　　　　彡　　　　　_∠　＞'
　　　　|　　　　　　　　　　　　　ﾐ　　　　　8 8〉彡
　　　　ヽ　　　　　人　　　　　ノ　　　　　　ﾟ・ﾟ
　　　　　｀　==三　　ミ三
　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　|＼
　　　　　　　　　　　　　　ｼﾝ
　　　　　　　　　　　　　　【申后】
　　　　　　　　　　（ヒラリー・クリントン）

103 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:23:03 ID:SdlOGj3U

┌─────────────────────────────────────┐
　　　男子の名は宜臼といい、幽王が即位すると同時に太子と認定された。
　　　ということは、彼女にほどほどの情愛がそそがれた時期があったということである。
└─────────────────────────────────────┘

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　　　 ,;;.''' ‐- ; : ; : ; : ; : ; : ;.ヽ,
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　　 !.;〉　 ,,,,,　　　　　 ,,,,,　i.;.;.;.}
　　彡'　 """"'''　　 '''"""ﾞﾞヽ;.;.ｊ
.　（ヽｉ　 -=･ﾆ= 　　=ﾆ･=-　　!ｨ）
　　} ;| 　｀'‐ ‐''ﾉ　｀' ‐‐''　　 !;.{
　　ヽ| 　　　 /（｡　｡）ヽ　丿|.ﾉ
　　 {　　　ト--＝--イ　　　}
　　ヽ　　ヽ. ⌒⌒　ﾉ　　 /
　　　　ヽ.　ヽ、｀＝＝.' ／　/
.　　　　　ヽ　｀ ‐--‐ '　／
　　　　　｀ ‐----‐ '

　　　　　　　　　ｷﾞｷｭｳ
　　　　　【太子　宜臼】
　　　　　　（鳩山邦夫）

┌────────────────────────────────┐
　　　しかし褒姒を寵愛し始めた幽王は、申后に見向きもしなくなった。
└────────────────────────────────┘

104 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:23:34 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　　　　　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　　　　　　　　ｉ /　　 ⌒　 ⌒ ヽ　）　　　え？なんで急に冷たくなったのかって？
　　　　　　　　　 !ﾞ　　 (･）｀ ´( ･）ｉ/
　　　　　　　　　 |　　　（__人_）　 |　　　　そんなの王室をないがしろにする申侯の娘なんか、最初っから気に入らないに決まってるよ。
　　　　　　　　　　＼　　　｀ー'　／
　　　＿＿__/⌒｀`ヽ　,,ー‐,,　　　"⌒ヽ＿＿__　　　　どうせ政略結婚だからね。
　　　|＿＿__し'⌒/ ．　　．　/"⌒し′＿_|::|
　　　|＿＿＿＿（　　　　　 ./_＿＿＿＿__|::|
　　 |＿＿＿_/⌒ ヽ、　　 ./＿＿＿＿＿_|::|
　　 |＿＿＿_しｲ"i　ﾞ`　 .,,/.＿＿＿＿＿__|::|
l二二二二二二 l　|二二二二二二二二l＿＿:|
　| |::|　　　| |::|　し′　　　　　　　　| |::|　　| |::|
　|_|;;|　　　|_|;;|　　　　　　　　　　　　|_|;;|　　|_|;;|

┌────────────────────────────────────────────────────────┐
　　　申后の父を申侯といい、今の南陽市を中心に威勢を張っていた羌族の君主である。
　　　宣王のとき王室と反目して、ついに王室が武力を向けてきたので、彼は羌族を糾合してみごとに反撃し、王軍に大打撃を与えた。
└────────────────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/////7　　　　　　　 ∨//!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |i　　 /　　　　　　　　 ∨jﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |il　 ∧　　　　　　　　　　　 Vハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |i|:　 li| 　　　　 rfr ｡ぅx 　∨ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l|i　 li| __ィ赱ぇ　 `￢=彳　　|!||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l|l　 li|　￣　　i　　　　　　 |i|l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l|li|il|ﾊ　　　 j　　 ',　　 /　川
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从!|lﾙ∧　　　〈_　_r‐　　 ! ,刈ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘj　　 ',　　　r‐v─-､　　ｈ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､.　辷＿,.７/　/　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八＼　　　　　 /　　 Vﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -‐　Ｔ　　　`x__,.斗ｲ, 　　 |　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　 '　　　　 |　　　／三三く.　　　 |　　　　｀　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ　　　　　 |　 ,ィ三三三=/＼　　|　　　　　　　　､
　　　＿＿r───-　.._　　　　　　　／　　　　　　　　　l／　>三三ﾆ/　　ヽ_」　　　　　　　　　　＼
　　〈＿＿_）≧三三三三｀ヽ　　　 /　　　　　　　　　　 _ ィ三三＞r'　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　/7⌒　ｰ.､三三斗＜三三三ヽ_厶　_　_ _＿＿_ _ ィ三三ﾆ／|三|_　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ
.　 |　＞─-く三三∧　＼三三三三三三三三三三三_ -.. ´　 |三|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '.
.　 |〈＿＿＿)三三∧　　ヽ三三三三三三三_　-　´:::.　　　　 |三|　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　/|三(＿＿)三三三∧　　 /`ー───一　´　.::::　　　　　　　|三|　　　　　　　　　　　　　　　　 |
.〈 ∧三三7三三三三∧　 /　　　＼　　.:::::::::::　　　　　　　　　　|三|_　　　　　　　　　　　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【申侯】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（マリリン・マンソン）

105 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:24:16 ID:SdlOGj3U

┌──────────────────────────────────┐
　　　しかし王室と申との溝がひろがりすぎたことを双方が懸念したせいであろう。
　　　和睦のあかしとして、申侯は自分の娘を王室に差し出した。
　　　その娘を宣王が太子の正妃としたことで、その和睦は成立したのである。
└──────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　　　　　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　　　　　　　　ｉ /　　 ⌒　 ⌒ ヽ　）　　　だから子供も作らないとまずいでしょ。
　　　　　　　　　 !ﾞ　　-━-｀ ´-━ ｉ/　　　申后を最初から蔑ろにしてたらまた申侯が面倒なこと言ってきそうだし。
　　　　　　　　　 |　　　（__人_）　 |
　　　　　　　　　　＼　　　｀ー'　／　　　　でも子供を生ませて、太子にしたんだから役目は終わりだよね。
　　　＿＿__/⌒｀`ヽ　,,ー‐,,　　　"⌒ヽ＿＿__
　　　|＿＿__し'⌒/ ．　　．　/"⌒し′＿_|::|　　　　　もう先代の道具じゃないんだから、何人の嬪妾を愛そうと、ぼくの勝手でしょ？
　　　|＿＿＿＿（　　　　　 ./_＿＿＿＿__|::|
　　 |＿＿＿_/⌒ ヽ、　　 ./＿＿＿＿＿_|::|
　　 |＿＿＿_しｲ"i　ﾞ`　 .,,/.＿＿＿＿＿__|::|
l二二二二二二 l　|二二二二二二二二l＿＿:|
　| |::|　　　| |::|　し′　　　　　　　　| |::|　　| |::|
　|_|;;|　　　|_|;;|　　　　　　　　　　　　|_|;;|　　|_|;;|

　　　　　　　 ..--‐‐‐‐‐‐‐‐---..,
　　　　　　（;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::＼
　　　　　　 //　　　　　　　　ヽ::::::::::|
　　　　　.　// .....　　　 ........　/::::::::::::|
　　　　　　||　　 .)　 (　　　　＼::::::::|
　　　　　　.|.-=・‐.　 ‐=・=-　　|;;/⌒i　　　　は、はぁ……
　　　　　　.| 'ー .ﾉ　　'ｰ-‐'　　　　）.|
　　　　　　|　　ﾉ(､_,､_)＼　　u 　　ノ　　　　（もう、この人ったらホントにわがままなんだからっ！）
　　　　　　|.　　＿＿_ 　＼　　u　|_
　　　　　　.|　　くｪｪｭｭゝ　　　　　/|:＼＿
　　　　　　ヽ　　ー--‐ 　　　／/:::::::::::::
　　　　　　　/＼＿＿＿　　／　/:::::::::::::::
　　　　　.／::::::::|＼　　　／　　/:::::::::::::::::

106 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:24:46 ID:SdlOGj3U

┌──────────────────────────────────────────────────┐
　　　幽王は後宮ではもちろん、朝廷の出入りにも褒姒を常に伴うようになっていた。
　　　その溺愛ぶりを臣下の目にさらし続けたのは、今まで頭の上がらなかった申后への鬱憤を晴らすかのようであった。
└──────────────────────────────────────────────────┘

　　　　 ,=::;;;,　　　　　ﾋｿﾋｿ
　　　　 l,ェ`l l　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋｿﾋｿ
　　　　　←､,ｒ'ヽ、　　　　　　　 ,r―-､、　　　　　ｒ''"｀''''ー--､
　　　　　／,rﾆニ=-､　　　　／;ﾞﾟﾞﾞﾞ`> ｀''i　　　　 lr'ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞl　　｀'l
　　　　 r＝,ﾚﾞﾞﾞﾞﾞl　　 l　　　　> ェ‐ 　〉　　l　　　ﾑ　　　　l
　　　 ζ=`>`ｴヽ,r-,l　　　 < ､　　 l_r‐-, l　　　〈ｪ　`ｪ‐ 　〉
　　　　i-､　〉-､　 _ノ､　　　├､　　､ノ　　　　 K´　　　　し'´`,
　　　 ,r'-､,r'l､_,r'" /´　＼　 <、　　　 ,ｒ､　　　l<＿　　　　_,／　　　　　お美しい…実にお美しい、が…
　　／／l´　　>､_/　　　　＼__,>､,r'''"　ヽ、　　〉　　　　　 /l、
　　'llll'　l　　 l　/　　　　　／〈ｰ'　　　　　ヽ　｀`ヽｰ　　　 ,）＼　　　　天から降ったのか、地から湧いたのか、
　　　　 l　　ﾉ l .l　　　　／／　　　　　　　　l,r‐';"´〉　　,r'",r''"　　　　　あの方はいったいどこからあらわれたのだ。
　　　　l,--､l　/ l　　　 ,l　　　　　/　　　　　/　〈　/'-'フ" <
＿,r=='　　ﾉ`〉　l　　　/ /　　　　/ 　　　　　l　　ヽl／"''''''''"　　　　　　あれほどお美しかったら、どれだけ後宮の奥に居ても噂になっているはずだが…
_,r‐'"　／　〈　 l''''''フ´ l　　　　/　　　　　ﾉ　　　l/ /
‐‐''''フ"　 ,r''l_,.ノ／　 .（　　　 ./　　　　　/　　　/　/　　　　　　　　　　　しかし全く噂など聞かなかったぞ…
‐＜ﾆ--‐‐''"　／　　　/　　　/｀''ヽ､,_　ノ　　　/　/
＿r=ﾆ>-==‐'ﾌ　　　／　　,..ノ　　　　 >'　　 ,-ﾑ、'　　　　　　　　　　　だがまるで正后のようなふるまい。申后様は一体どうされたのか…
／;'／｀>=｀ヽ'　 ,r'" ＞-'"　 _,..r―-'´｀ヽ　/　 /
l､／lｃ'｀‐'｀l__,.r'",r'"　 ,rーl",　､　　　　　ヽ'ー''

┌──────────────────────────────┐
　　　しかし唐突な褒姒の出現に、臣下はとまどうばかりであった。
└──────────────────────────────┘

107 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:25:16 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　ｉ /　　＼　／ヽ　）∩　　　　ほらごらん褒姒、
　　 !ﾞ　　 (- ）｀ ´( -）ｉ/ ( "）
　　 |　　　（__人_）　 |ノ　/　　　　これがぼくの国の大臣たちだよ。
　　　＼　　　｀ー'　／／
　　　　/ 　　　　　　　／
　　　　|　 |　　　　　　|
　　　　ヽ__）　　　　　 |
　　　　　|　　　　　　/
　　　　　|　　|￣|　 |

　{三ﾆ≧ｭ､: : : : : :ｉ: : : : : :ｉ: :寸
　|ミ/⌒寸}}: : : : :.:ﾄ､: : : :.:ﾄ､: :ヽ
　|,/: : : ///: : :ｉ: :/　‘，:.:/zxi: /:}
. /: : : //∧ : : |:/ｘf斧j:./ ﾋﾘj/:八
/: : : :,{三ﾐ∧:.:.|{弋::ﾘ /　　､ i/: i
: : : : :トミ三心:.ゝ　　　　　_ /.:.:.:|
: : : : :|　｀¨¨¨Y__≧　　　_, ′ : |　　　　………
: : : : :|　　　　/: : : : ｀:く : : : : : :.:|
: : : : :| 　　 /=≠:'⌒＞- ､:.: : :.:|
: : : : :|　　f´: : : : : :/　　　Ｙ: : :|
: : : : :|　　{! : : : : : { 　　　 |: : :.|
: : : : :|　　|{ : : : : :.‘､ヽ　　 |: : :.|
: : : : :|　　|ﾄ､: : : : : : :ヽ‘，クﾍ : |
: : : : :|　　|/∧: : : : : : :.:∨//∧:|
: : : : :|　　|//∧: : : : : : : ∨//,∧

108 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:25:42 ID:SdlOGj3U

┌───────────────────────────────────────────┐
　　　当然申后としては面白いはずがない。彼女の顔に、淋しさと険しさとが交互に表れるようになった。
└───────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　／──────＼＼
　　　　　　　　　／／三三三三三＼　　＼＼///
　　　　　　　　／／／　_＞≧≧≧＼＼从　＜
　　　　　　　///／＞'´　　　　　　　　　　ＶＶ＜
　　　　　　　|// ／　　　　　　　　　　　　　＼＼
　　　　　　　ﾚ／　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ
　　　　　　　>＼　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ
　　　　　　　==_≧　　　＿＿＿　　　　　　　　　V
　　　　　　ﾉ⊥(∩ゝ　／≦三￣｀ヽ　　　　　ミ＼
　　　　　／　三彡　　ハ∠===、　｀ヽ　　　ミ＼＼
　　　　/ 　　　/　　ノ　　ミヾ∩>>　　　　　　＼＼
　　　　'　　 r'｀　　入}　　ヾ三三彡　　　　　＞　＼
　　　 {　　ゝ彡ゝ__,）　　　　　　　　　　,. ＜三三＼＼　V/
　　　｝　,∠,　　￣　',　　　　　　　　／　　　　三三＞　　/
　　　 '　 VTtｭニ、ﾐ　ゝ　　　　.／彡　　　　　　／　⌒､/　　　　　あんなにお優しかった王なのに、一体どうしたことでしょう…
　　｛　　｛ヽ⊥ｴ　≧'ミ､､､　ノ　　　　　　　　　／　）ﾉ
　　　ヽ/ ヽ＿彡'｀〃　　　　　　彡　　　　　_∠　＞'
　　　　|　　　　　　　　　　　　　ﾐ　　　　　8 8〉彡
　　　　ヽ　　　　　人　　　　　ノ　　　　　　ﾟ・ﾟ
　　　　　｀　==三　　ミ三
　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　|＼

　　　　　　　　 ,,,,,,,,
　　　　 ,.ィ ""; : ; : ; ﾞﾞﾞﾞ ‐ ,,
　　　 ,;;.''' ‐- ; : ; : ; : ; : ; : ;.ヽ,
　　 /;;;　　　　　　｀' '''' ‐-; : :;.ヽ,
　　 i:;;i　　　　　　　　　　　｀i ; : .i
　　 !.;〉　 ,,,,,　　　　　 ,,,,,　i.;.;.;.}
　　彡'　 """"'''　　 '''"""ﾞﾞヽ;.;.ｊ
.　（ヽｉ　 -=･ﾆ= 　　=ﾆ･=-　　!ｨ）
　　} ;| 　｀'‐ ‐''ﾉ　｀' ‐‐''　　 !;.{
　　ヽ| 　　　 /（｡　｡）ヽ　丿|.ﾉ　　　　きっと新しいおもちゃを手に入れて、はしゃいでいるだけでしょう。
　　 {　　　ト--＝--イ　　　}
　　ヽ　　ヽ. ⌒⌒　ﾉ　　 /　　　　　男ならままあることです。母上は正后なのですから、どーんと構えていたら宜しいのです。
　　　　ヽ.　ヽ、｀＝＝.' ／　/
.　　　　　ヽ　｀ ‐--‐ '　／
　　　　　｀ ‐----‐ '

109 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:26:06 ID:SdlOGj3U

┌──────────────┐
　　　伯陽も褒姒を見た。
└──────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　　（陰気な美妾だな…）
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi!
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ
　　　　　　　　 /　　　ヽ　:i!　ヾiヽ＼/ﾉ!ii|　 i. ヽ
　　　　　　　　,′/　　　',　!　　 lii lヽ./ |lii| ､! ,　'､
　　　　　　　 !　　　　　 i:　　　ヾiiヽ　 |lii|　V　　ヽ
　　　　　　　 i　　　　　　ｰ ' ／　　l iil、|liｉ|　 !　　 i

┌────────────────────────────────────┐
　　　それが始めて彼女を見た時の感想だった。
　　　伯陽のような官職にある者の場合、人を観る場合、その人の気をさぐろうとする。
└────────────────────────────────────┘

110 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:26:28 ID:SdlOGj3U

┌────────────────────────────────────────────┐
　　　彼らに言わせれば、陰陽のいずれかであってもまず、美しさとは妖気である。
　　　なぜなら女のあでやかさを見ても、人の心が正しくなるということはない。あでやかさは人の心を乱す。
　　　ただしそうした魅力は神にも有効であり、神を降ろすには美貌の巫女の方がよい。
└────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　_ｘ≦三三三≧ｭ､
　　　　　　　　　　　　 , ィ {三三三ｼ´￣｀寸心、
　　　　　　　　　　__,.ィ´ r' f三三ミ/　　　　　｀寸ﾐi
　　　　　　　,.ィ彡'ﾐ}: !　 !_j三三タ′　　　　　　∨}_
　　　　　　,.ｲ〃三ミ}　､く寸彡ミ} ､　　.:　-=　　∨ﾐi
　　　　 /三三三三ゝ_,>≦､ヽ{ 寸}　}.::´　　⌒ヽ　｀¨ ヽ
.　　　 /三三三斗匕三三ﾐ心、}ゞ ‐:‐: :‐. .､　__　　、 :.
　　　　{ﾐ三三f三三三三三三jイ: : : : : : :ｘ≦三三}　　　}
　　　　｀寸三}{ﾐ三三三三三/: : : : : r≦三彡':￣ヾ、　:ｉ |
　　　　　　　　ゞ＝＝＝≠=/: : : : : :/彡':´/: : : : : : : :｀ヽ､〉　　＿_
　,，. .―‐:‐:‐:‐:‐:‐:‐: :´: :.:/: : : : : :.fﾀ: : :.厶:‐: : :‐-:ミ: : : :ト.､ /}三}}､
:´: : : : : : : : : : : :__:_:_:.: : :/: : :.ｉ : : :/: :.／: : : : : : : : : : : : :.ﾉ:、:ヾ}三}}:
: : : : : : : ;，　 ´ 　　｀ /:.: : :.:|: : :,.:／: : : : : : :/ : : : : : : : : : :ヽ:.}三}}:
:（ : : : : {　　　　　／: : : _ノ|: : /: : : ヽ:/: : /: : : : : : : : : : : : :ヾ三}}:
: :｀: ｰ: :ゝ　_ __,ｘｪf‐r‐ 　 ´　 ,: :,': : : /: /:ヽ.,′: : : : : : : : : : : : : :}三}:
: : : : : : :,.ィ升三三ﾍヽ　　 /: :,: :.:.Yﾁﾐｘ、 ,: : : : : : : : : / : : : : : }三}
: : :.,.ィ升三三三三}}　},，‐:/: :.:i: : /代:::ｿj} ｉ: : : : : : : : /: : : ｉ: : : ｉ¨´:
r≦三三三三ミr≠'￣: : :/:.:..: :|.:.;'从ヽ　″|: : : : : : ;.ｲ､:.: : !|: : : |ヽ :
{ﾐ三三三三三三≧＝=ｭ､.:.:.:ノ|: i:. 　　　 |.:.: ;ｘｪく　,: :ヽ:.八: : !|: :.ヽ
｀寸三三三三三三三三三/: ;ﾉ≧ｭ、　 ,　 }ノ弋:ソj}′: :/: : : :.八: : :
　｀寸ミ三三三三三三三{:.:.{三彡'　＼　　　｀　/:.:.:／:/: : :/　ヽ: :
　　　｀寸ミ三三三三三三乂{タ´　／　ヽ==≦7厶イ:.:./: : :/: :ヽ
　　　 ,＞≠ミ三三三三三/　 ,.イ　　　　ヾ彡'{: : : :!:.:′:./: : : : :ヽ
,.ｘ≦三三三三ﾐ寸三三三/　 //∧　　　　ヽ　ヽ: : : ヽ: ヽ: : : : : : ヽ
ｪｪｭ､｀寸三三三ﾐ寸三ツ　 ,ｲ三ﾐ∧　　　　,: / 　）: : : : :ノ : : : : : : :
￣￣ヽ　｀寸三三三彡'　,.イ三彡'　ﾉ ,ｨ / / /　｀ー‐ : ´ : : : : : : : : :
,、　　＼　寸三三ii{_＿__＿＿＿_ゝくゝ'‐'‐'　　／ : : : : : : : : : : : : :/
´___ 　 _, ｨ≧ｘ｀ヾミ三三三三三三j/- ― : : : ´: : : : : : : : :_:_:_:＿;ノ
/三三三三三ミｘ　｀寸三三三三タ: : ;，　　　　 ´ ￣￣

┌─────────────────────────────────┐
　　　伯陽の考える真に美しい女とは、みずからの美しさにひそむ妖気を悟り、
　　　淑徳によってその妖気を消せる女である。
　　　だがそんなすぐれた女は、億万人に一人しかいないだろう。
└─────────────────────────────────┘

111 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:27:05 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　　（まぁ天子は神の子といってよいから、美しさに惑われたのをとやかくは言えぬが…）
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi!
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ
　　　　　　　　 /　　　ヽ　:i!　ヾiヽ＼/ﾉ!ii|　 i. ヽ
　　　　　　　　,′/　　　',　!　　 lii lヽ./ |lii| ､! ,　'､
　　　　　　　 !　　　　　 i:　　　ヾiiヽ　 |lii|　V　　ヽ
　　　　　　　 i　　　　　　ｰ ' ／　　l iil、|liｉ|　 !　　 i

┌────────────────────────────────┐
　　　そう思う伯陽は実は褒姒の事よりも、書物の修復に苦心していた。
└────────────────────────────────┘

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::（ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ）:::::::::;;;;
::::::::::::::::::::::::::::::::::ε(@ )３))__))__))__))__))__))__))__))３ :::o;:::::｡::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/A ﾍ∧ ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ:::;:::::::::::::;;:::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::く`７７/''λ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ::::::;:::
::::::::::;:::::::::::::::::::く７７７/⌒λﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ:::::
::::::::::::::::::::::::::ぐ７７７/⌒ﾞλﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ'
::::::::::::::::::::／`７７７/⌒`λﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ:;
;;;;（乂_／`７７７,,γ⌒ヽ∧ﾞ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ/乂_ノ
;;;;;乂んんんんん乂(0)んゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ_(,,ﾉ;
:;;;;;:;;;;;:ﾛ/ ﾛ/ ﾛ/ ﾛ/─|"|""|-ヾﾛ-ヾﾛ-ヾﾛ-ヾﾛ-ヾﾛ-ヾﾛ-ヾﾛ''''':;;:
:;;::;;:;;:;;;::|"||r────|. | 　|￣￣||￣￣￣|￣￣￣||￣| 　| : :::;:;;::
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::::::::::::::::|. ||　|l_l_l_l_l_|　|. | 　|　　 ||「「「「「「|「「「「「「||　 |　 | ..::::::::::
::::::::C=============○===Ω　||「「「「「「|「「「「「「||　 |Ω==○ :
::::::::|}|::::|. ||,,＿＿＿＿|}{| 　| | i|　||￣￣￣|￣￣￣|| 　|| i||::::|}{| :
:::::『[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[【】]]]]]]]]]]]]￣|￣￣￣￣￣￣￣|]]]]]]]]]]
: : : | | ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|. | 　|;;;;;;;;; |　　￣|￣￣￣￣￣￣￣|;|　| :
　 . | | 二二二二二二|. | 　|二二| 　　: ￣|￣￣￣￣￣￣￣|| .

┌────────────────────────────────────────────────────────────┐
　　　新しい書庫は完成しているのだが、木簡が割れたり、腐りかけているものから、文字を新しい木簡に書き写す作業をしている。
　　　木簡が逸脱している書物があると大変であった。
　　　原文の木簡を手分けして探すのに相当な日時がかかり、それでも見つからなければ配下を他国の公室へやって、同じ物がないか探させた。
　　　伯陽の見るところ、すべての作業がおわるのにさらに一年はかかりそうだった。
└────────────────────────────────────────────────────────────┘

112 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:27:24 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└──────┘

113 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:27:51 ID:SdlOGj3U

┌───────────────────┐
　　　この年、幽王はひとつの失策を行った。
└───────────────────┘

　　　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　　　γ⌒) ))　　　　ヽ,
　　　　　 /⊃ﾉ ""⌒⌒＼　　）　　　　　やっと政治を行えるようになったよ！
　　　〃/　／　 ⌒　 ⌒ ヽ　）
　　　　/　/　　 (･）｀ ´( ･）ｉ/∩⌒)　　　手始めに異民族を討伐してきてよ！先王の失敗をすすぐんだ！
　　　　|　 |　　　（__人_）　 |/　ﾉ
　　　　|　　　　　　|r┬-|　　/　/　　　　　将軍は、そうだなぁ。伯士でいいんじゃない？
　　(( 　＼ヽ＿　`ー-´ ／／））

　　　　　　 _.,,,,,,.....,,,
　　　　／::::::::::::::::::::::"ﾍヽ
　　　 /:::::::::::::::::::::::::ノ　ヽヽ
　　 /::::::;;;;...-‐'""´´　　　|;;|
　　 |::::::::|　　　　　。　　　.|;ﾉ
　　 |::::::/　　,,,.....　　 ...,,,,, ||
　　 ,ヘ;;|　　　-・‐, 　‐・=.|
　　（〔y　　　　-ｰ''　 | ''ｰ .|　　　　わたくしですか。
　　ヽ,,,,　　　　ﾉ(,､_,.)ヽ　|
　　　ヾ.| 　　　/,----、 ./
　　　　　|＼　　￣二´ /
　　_ ／:|＼　　 ....,,,,.／＼___
　''":/::::::::|　＼__／　|::::::::::ヽ:＼
　:::/:::::::::::|　／i;;;;;j＼|::::::::::::|:::::::::|

114 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:28:14 ID:SdlOGj3U

┌───────────────────────────────────────┐
　　　ﾘｸｾｲ　ｼﾞｭｳ
　　　六済の戎　と呼ばれる異民族の討伐命令を下したが、王軍は壊滅し、伯士は戦死した。
└───────────────────────────────────────┘

　　　　　/＿＿.＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ
　　　　＼　|　　　　　　　　。　　　｜＿_ノ
　　　　　　　 |:　　　　,,,.....　　 ...,,,,,　|
　　　　　　　 ,ヘ;　　　 ,,-・‐,　 ‐・= .|
　　　　　　　（〔y　　　　-ｰ'_　| ''ｰ　|
　　　　　　　ヽ,,,,　　　／(,､_,.)ヽ　.|　　　　無念です。
　　　　　　　　ヾ.| 　　ヽ-----ﾉ　/
　　　　　　　　　　＼　　￣二´　/
　　　ﾁﾘﾝ♪ 　　　人　　 ....,,,,.／ヽ､
　　　　　　　,...-'"■|:|彡''"　／'■　ヽ､
　　　　,...-'"　　■　|.○ヽ／'　■　　　ヽ､

┌────────────────────────────────────────────┐
　　　六済の戎とは、おそらく黄河からわかれて東海へ流れてゆく、済水近くに住む諸民族のことであろう。
└────────────────────────────────────────────┘

115 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:28:35 ID:SdlOGj3U

┌────┐
│周の宮廷│
└────┘
　　　　　　　　　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　ﾊﾚ' _＞　　　　　　　　　　　　　　　＜_ `Jﾊ
　　　　　　　 {＿＞　　　　　　　　　　　　　　　　　＜＿}
　　　　　　 ∧才三三三三三三三三三三三三三三下∧
　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　ﾄ- '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ｰｲ
　　｀マu＝u＝u＝u＝u＝u＝u＝u=u＝u＝u＝u＝u＝u＝u才´
　　　　＼|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|／
　　　　　 |　　　　　　　[][][][][][][][][][][][][][][]　　　　　 |
　　　　／|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_____|＼
　　＜＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_＞
　　　　 |　|　 |　|　 |　|　　|ミ|　|从|　|ミ|　　|　|　 |　|　 |　|
　　　　 {工二二二二二二二二二二二二二二二二二二工}
　　　　 |　|一|　|一|　|＼＿＿＿＿＿＿／|　|一|　|一|　|
　　　　 |　|一|　|一|　|　 |　　　　　　　　|　 |　|一|　|一|　|
天天天天|　|二|　|二|　|　 |　　　　　　　　|　 |　|二|　|二|　|天天天天
￣￣￣￣|　|￣|　|￣|　|　 |　　　　　　　　|　 |　|￣|　|￣|　|￣￣￣￣
　　　　 |　|　 |　|　 |　|　 |　　　　　　　　|　 |　|　 |　|　 |　|
区区区区|._.|＿|._.|＿|._.|／　　　　　　＼|._.|＿|._.|＿|._.|区区区区

116 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:28:59 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　　ノ´⌒｀ヽ
　　　　　　γ⌒´　　　　＼
　　　　　.／／ ""´ ⌒＼　　）
　　　　　.i /　＼　　／　ｉ　）
　　　　 i　　 (･）｀ ´( ･） i,/ 　　＿ー￣ ⌒ﾆつ',　　　　ほんとに伯士は使えないやつだな！
　　　　　ｌ　　　（__人_）　 |　　--＿?＝ｲｿ⊃
　　　　　＼　　　｀ー' 　/　'￣　＝＿-＿?⌒ﾆつ',　　　ぼくの朝廷には軍略にすぐれた者はいないのか！？
.　　　　 /^ .?"￣,￣_~"-- ＿-　￣＝＿ｲｿ⊃
　　　　 |　＿_＿ﾞ＿__､＿?　＿＝　`))
　　　　　| 　　　　　｀l￣ ?＝＿)￣＝⌒ﾆつ
　　　　　|　　　　　　　 |　￣- )＝＿rヾｲｿ⊃　　ﾐ

　　　　　 rfﾆ､ヽ
　　　　　 l｡｡ f9i
　　　　　 t≦_ﾉゝ､　　　　　　　　　　　　,,....,,,,__　　　　　　　　,rrテ≡＝=-､
　　　　　　｀フﾞ´,,:: -- ::､　　　　　　　,r''"''''''ヽ:::｀ヽ.　　　　　（〃彡三ミミ::｀ヽ
　　　　　 ,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ　　　　　f´,,..、　r"::::::::::i　　　　 /"~´　　　i三ﾐ::::i,
　　　　　/,,,　Y.. -‐ ヾ::::::::l 　　　ノﾞ f･=　 7:::::::::::l.　　　　f:､　‐-:、　(ミﾐ:::::::l
　　　　ﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ`　ﾞ'"):::l　　　　ヽ''　　　　ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ　　　　ﾉﾟｦ　''・=　　ﾘ::r-､ﾘ
　　　　　l=,,;;:. l=､　 ..::" ,)ヽ、　　　j⌒　　　ﾄ'"fノ　　　　 l (-､ヽ'"　　ﾞ'´ﾉ),）
　　　／`ゝ-''^ヽ''"　 ,/: : : :＼　　ヽ、: : : '" ノ^i,　　　　　lｨｰ-､　　　　ﾉ-ｲ
　　 /rf´ i′　 ,f^ヽノ:,. - - 、ヽ,,. -ﾃ）　,／　　｀ヽ、　　 t_ﾞﾞ　 _,,.. :: "　 l、
　　　ﾞ'ﾞ　 l　　　l: : j :f´: : : : : ヽ,/　　 '''"´　　,,.: -　ヽ　　｀ﾕﾞ"　　　　,ノ::ゝ､
　　　　　 !　　 /: :ﾉ l: : : : : : : ノ,　　　　　　,:'"　　　ﾞヽ i,.r‐(´::::〉　　 ,.ｨ":::::/::::::
　　　　 /-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ /　　　　　/　　　　　　,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::::ノ:::::::::
. _,,..::-,テ　　 /`7: :（: : : : : /ヽ/　　　　〃　　　　　ﾘ:::,'::::::ゝ!r7/ｰ一'":::::::::::::　　　　…………
｀_,:ｨ''"　 _,r''"　f: : :ト---ヲ　/　　　 fﾉ　　　　　　 /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
-‐-‐'''フ"　　,.ﾉ,:::::」､,:r'"　 ,i　　　　　/　　　　　　 /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
､..､く´＿,,∠"ｨ''"´ ／　　　,>　　　　 /＼、　　　,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
´　 ,ﾍr:､-､=---／　　　 ,:ｲ　　　　,ﾉ　　｀ﾞヽ､／:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
ｰフ´ > ヽ`ｰ､／　　　／く _,,..ィ''"ﾞ'　　＿,,:ｨf-:､::::::!::/｀ﾞﾞフﾞ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／／　,,ゝヽ,　）　 ,.／　ｨ'"　　　r-‐ ''",.,　　　　ヾ:l:/　f"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

117 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:29:24 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　ノ´⌒｀ヽ
　　　　　 .γ⌒´　　　　＼
　　　　 .／／ ""´ ⌒＼　　）
　　　　 i /::　　_ノ　ヽ､_　ｉ　）
　　　　ｌ :::. (- ）｀ ´( -） i,/　　　ハァ…使えないやつばかりだな。
　　　　＼::.　 (__人_)　ノ
　　　　 /´ 　｀｀⌒´　ヽ

.　　/::/::/　　　　＼＼＼´. : .:.:.:::::::::::::::::.:.:.:.:. : . 　ミ＜⌒ヽ.　//
　 /::/::/ /⌒｀￣｀ヾ:＼＼＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:　　　ヽ　}//
. /::/::/ /.　　 /|　 ::::､::＼丶 >::::::::::::::::::::::::::::::/: :　.:.　　　　X/
〈::〈::〈　' .:　.: ,': :|　 :::::|:::::/／.:.:.:::::i::::/: .;. : .:.:/: ::..;: .: :,} 　 :.　 :.
. ＼＼Y i: : : i : :|.....:::::|::〃::::ｉ: ::. : :ﾚ': : ,': : .:/: ::.:∧l∨j
　　＼| l: : : ｌ.: .:|::::::::::|/::.:.: :|: ::. : :|: : / : : /::.:.::/　∨/l　 ;　.:　}
　　　 | l: : .:ｌ: : :|:::::::: |:::::.:.: :|: ::. : :|: / : : /:::::.:/　　∨,!　}　.: ,′
　　　 | : : : ｌ : : |::::: . ﾄ、::.:.:.|: ::. : :|/ : : /.: :≠―-ﾐ　Ⅵ/　〃 !
.　　　 l ｉ : : ｌ: : i |:::::　ﾄ､:::::Ⅵ : : : :|: : ;.: :／_ ＿　　　ﾚ'.:　/,′l
. 　　 | l : : l: : l :|::: 　ト:＼Ⅵ: :i: : :|／≠=ﾆ二=ミ　 /.: ∠ｧ　::　　　　ｶｸ
　　　｜l: : :l: : l .:| : 　|::f⌒ヾ!: :i:.: :|／ゝ辷彡 ,　／.: 人ﾉ!　　:i　　　　虢公がいらっしゃいますわ。
　　　 |　: : ｌ: : l : |.:.　:|::{ い j|: :ｉ:.: :|　　　｀¨¨｀／-‐ ´　〉}　　:|
.　　　l　i: .:j: : l : :|　　ﾄゝ,.ヾi|: :! : :|　　　　　　　　　　　　/ 　 ::|
　　　　l : i: : i::　i! 　 |　` ミ八: :. :卜、　　　　　　　 _,,.. ｲ　　: |
　　　|　l ::i: : ｉ::　ｌ| 　 |　　　}　ヽ刈　　　　　　　 '´¨, '.　::　　i |
　　 | : l::i: : i:: 　!| 　 | 　 ,-j　　ヾ　＞．. 　　　/　:　i:　　i |
　　 | : l:i: : i::　ｉ.| 　 |　/ ￣二ﾆ=‐-　.,_ト、 i:　｀¨　　:　l:　　l |

118 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:29:57 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　ｉ /　　＼　／（＼）
　　 !ﾞ　　 (･）｀ ´( ･）＼＼　　　えっ
　　 |　U 　（__人_）　 |／／
　　　＼　　　｀ー'　／ /
　　　　/　　　　　　　　/
　　　 ∪　　　　　　　 |

　　　　　 rfﾆ､ヽ
　　　　　 l｡｡ f9i
　　　　　 t≦_ﾉゝ､　　　　　　　　　　　　,,....,,,,__　　　　　　　　,rrテ≡＝=-､
　　　　　　｀フﾞ´,,:: -- ::､　　　　　　　,r''"''''''ヽ:::｀ヽ.　　　　　（〃彡三ミミ::｀ヽ
　　　　　 ,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ　　　　　f´,,..、　r"::::::::::i　　　　 /"~´　　　i三ﾐ::::i,
　　　　　/,,,　Y.. -‐ ヾ::::::::l 　　　ノﾞ f･=　 7:::::::::::l.　　　　f:､　‐-:、　(ミﾐ:::::::l
　　　　ﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ`　ﾞ'"):::l　　　　ヽ''　　　　ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ　　　　ﾉﾟｦ　''・=　　ﾘ::r-､ﾘ
　　　　　l=,,;;:. l=､　 ..::" ,)ヽ、　　　j⌒　　　ﾄ'"fノ　　　　 l (-､ヽ'"　　ﾞ'´ﾉ),）
　　　／`ゝ-''^ヽ''"　 ,/: : : :＼　　ヽ、: : : '" ノ^i,　　　　　lｨｰ-､　　　　ﾉ-ｲ
　　 /rf´ i′　 ,f^ヽノ:,. - - 、ヽ,,. -ﾃ）　,／　　｀ヽ、　　 t_ﾞﾞ　 _,,.. :: "　 l、
　　　ﾞ'ﾞ　 l　　　l: : j :f´: : : : : ヽ,/　　 '''"´　　,,.: -　ヽ　　｀ﾕﾞ"　　　　,ノ::ゝ､
　　　　　 !　　 /: :ﾉ l: : : : : : : ノ,　　　　　　,:'"　　　ﾞヽ i,.r‐(´::::〉　　 ,.ｨ":::::/::::::
　　　　 /-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ /　　　　　/　　　　　　,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::::ノ:::::::::
. _,,..::-,テ　　 /`7: :（: : : : : /ヽ/　　　　〃　　　　　ﾘ:::,'::::::ゝ!r7/ｰ一'":::::::::::::　　　　えっ
｀_,:ｨ''"　 _,r''"　f: : :ト---ヲ　/　　　 fﾉ　　　　　　 /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
-‐-‐'''フ"　　,.ﾉ,:::::」､,:r'"　 ,i　　　　　/　　　　　　 /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
､..､く´＿,,∠"ｨ''"´ ／　　　,>　　　　 /＼、　　　,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
´　 ,ﾍr:､-､=---／　　　 ,:ｲ　　　　,ﾉ　　｀ﾞヽ､／:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
ｰフ´ > ヽ`ｰ､／　　　／く _,,..ィ''"ﾞ'　　＿,,:ｨf-:､::::::!::/｀ﾞﾞフﾞ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／／　,,ゝヽ,　）　 ,.／　ｨ'"　　　r-‐ ''",.,　　　　ヾ:l:/　f"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､　　ノし
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、　　て
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!　　　 (
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　　えっ
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi!
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ
　　　　　　　　 /　　　ヽ　:i!　ヾiヽ＼/ﾉ!ii|　 i. ヽ
　　　　　　　　,′/　　　',　!　　 lii lヽ./ |lii| ､! ,　'､
　　　　　　　 !　　　　　 i:　　　ヾiiヽ　 |lii|　V　　ヽ
　　　　　　　 i　　　　　　ｰ ' ／　　l iil、|liｉ|　 !　　 i

┌─────────────────────────────────┐
　　　朝廷の静けさを破ったのが女の声だったので、みな一斉に驚きを示した。
└─────────────────────────────────┘

119 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:30:31 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　　（初めて声を聞いたな。案外声は陰気ではない。）
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi!
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ

┌──────────────────────────┐
　　　人の吐く息は気そのものであり、気の鳴る音とも言える。
　　　褒姒の声は柔らかく華やかで、とりとめがない。
└──────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　。
　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　　（まてよ…。ほとんど口を利かないこの方を見ていると、神秘的な美しさこそあるものの、
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi!　　　　　陰燐が燃えるような、陰気な妖しさしか感じられぬ。）
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ

120 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:30:57 ID:SdlOGj3U

: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : V/i}: : :.ﾍ
|: : : : |: : : : : : : : : : : : : : :..:Ⅶ}: : : : :.
|: : : : |: : : : : : : : : : : : : : : : Ⅷ!: : : : :.
|: : : : ﾄ､: : : : : : : : : : : : : : :..Ⅷ : : : :..:.
|: : : : |　ヽ: : : : : : : : :i: : : : : :Y : : : : : :.
|: : : : |- ―＼: : : : : : l: : : : : :| : : : : : : :
:､.: : : :　　　　｀ヽ、: : :ｌ.: : : : :.| : : : : : : :i
: ヽ : : i　　　　　　ヽ: :.l: : : : : |: : : : : : : |
､ : ヽ从 _,.斗≠≦≠-:!: : : :..:|: : : : : : : :.
､:ヽ: :ヽ　'"弋::’:ツノ　ヽ: :..: :.|: : : :ｉ: : : :ﾍ
　ヽ:＼:ﾍ　´￣￣｀　　 jﾊ: : :i : : : | : : : : ヽ　　　　　　　　　『（だがどうしたことだ、彼女の声は間違いなく陽気…
　　　＼　　　　　　　/∧}: :.l: : : :.|: : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 ∧//: : l.: :..: :|: : : : : : : :ﾊ　　　　　　　　　陽の気が陰の気に塞がれているのか？
､　　　　　　　　　　 /¨¨´:i : ;′: : :| : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　ｲ: : : :/: / : : : : |: : : : : : : : : :　　　　　　　　だとすると、地震が起きるのと同じ異変がこの方に起きるのか？）』
-　― ´　　　／　!: : :/: /: : : : : :.|: : : : : : : : :..i
　　　　　イ　　ｌ: :./ :/: : : : : : :.| : : : : : : :..: :|
　　　　＜　 |　　.: :/: :′: : : :..: :..|: : : : : : : : :..|
｀¨¨´　　　　 |､__/:..:′: : : : : : : : :..|: : : : : : : : : :
　　　　　／::::::} : : : : : : : : : : :..: :.|: : : : : : : :..: :.
r‐‐‐ ､r::'´::::::::::::l : : : : : : : : : : : : :.|: : : : : : : : : : :
:..: :.: :ﾉ|::::::::::::::::/ヽ: : : : : : : : : : :..八: : : : : : : : : :.i

　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､　　　ｿﾞｸｯ
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　　（恐ろしいことになるやもしれぬ…）
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ

121 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:31:33 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　　　γ⌒´　　　　＼
　　　　　.／／ ""´ ⌒＼　　）
　　　　　.i /　＼　　／　ｉ　）　　　　なるほど、さすがぼくちんの褒姒！
　　　　 i　　 (･）｀ ´( ･） i,/
　　　　　ｌ　　　（__人_）　 |　　　　　　確かに虢が軍事でしくじったという話は聞いたことがないな。
　　　　　＼　　　｀ー' 　/
　　　　　/^ .～"￣,￣￣〆⌒ﾆつ　　あいつは今制にいたよね。急いで呼び戻すんだ！
　　　　　|　＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
　　　　　| 　　　　　｀l￣

　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　（制か…。黄河と済水の分岐点に近い要所だったな。
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi!
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼　　　今回のように済水で騒乱がある場合、
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ　　戦火の蔓延を防ぐ重要な要所になるが、そこを守る？公を抜くとは…
　　　　　　　　 /　　　ヽ　:i!　ヾiヽ＼/ﾉ!ii|　 i. ヽ
　　　　　　　　,′/　　　',　!　　 lii lヽ./ |lii| ､! ,　'､　　　この判断、ちと性急すぎやせぬか。
　　　　　　　 !　　　　　 i:　　　ヾiiヽ　 |lii|　V　　ヽ
　　　　　　　 i　　　　　　ｰ ' ／　　l iil、|liｉ|　 !　　 i　　そして朝廷に呼んだあと、彼をどういう位階に置くというのだ…？）

122 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:32:00 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　γ⌒´　　　　ヽ,
　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　ｉ /　　＼　／ヽ　）∩　　　　それじゃあ、今日はこれにて終了！
　　 !ﾞ　　 (- ）｀ ´( -）ｉ/ ( "）
　　 |　　　（__人_）　 |ノ　/　　ｷﾘｯ
　　　＼　　　｀ー'　／／
　　　　/ 　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『（先が思いやられるわい。それに…）』
　　　　|　 |　　　　　　|

　　　　 ,=::;;;,　　　　　ﾋｿﾋｿ
　　　　 l,ェ`l l　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋｿﾋｿ
　　　　　←､,ｒ'ヽ、　　　　　　　 ,r―-､、　　　　　ｒ''"｀''''ー--､
　　　　　／,rﾆニ=-､　　　　／;ﾞﾟﾞﾞﾞ`> ｀''i　　　　 lr'ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞl　　｀'l
　　　　 r＝,ﾚﾞﾞﾞﾞﾞl　　 l　　　　> ェ‐ 　〉　　l　　　ﾑ　　　　l
　　　 ζ=`>`ｴヽ,r-,l　　　 < ､　　 l_r‐-, l　　　〈ｪ　`ｪ‐ 　〉
　　　　i-､　〉-､　 _ノ､　　　├､　　､ノ　　　　 K´　　　　し'´`,
　　　 ,r'-､,r'l､_,r'" /´　＼　 <、　　　 ,ｒ､　　　l<＿　　　　_,／　　　　　今日も申后様はお見えにならなかったな。
　　／／l´　　>､_/　　　　＼__,>､,r'''"　ヽ、　　〉　　　　　 /l、
　　'llll'　l　　 l　/　　　　　／〈ｰ'　　　　　ヽ　｀`ヽｰ　　　 ,）＼　　　　　ああ……
　　　　 l　　ﾉ l .l　　　　／／　　　　　　　　l,r‐';"´〉　　,r'",r''"
　　　　l,--､l　/ l　　　 ,l　　　　　/　　　　　/　〈　/'-'フ" <
＿,r=='　　ﾉ`〉　l　　　/ /　　　　/ 　　　　　l　　ヽl／"''''''''"
_,r‐'"　／　〈　 l''''''フ´ l　　　　/　　　　　ﾉ　　　l/ /
‐‐''''フ"　 ,r''l_,.ノ／　 .（　　　 ./　　　　　/　　　/　/
‐＜ﾆ--‐‐''"　／　　　/　　　/｀''ヽ､,_　ノ　　　/　/
＿r=ﾆ>-==‐'ﾌ　　　／　　,..ノ　　　　 >'　　 ,-ﾑ、'　　　　　　　　　　　　　　　　　『（ここしばらく、申后様のお姿が全く見えぬ。一体どうしたことか…）』
／;'／｀>=｀ヽ'　 ,r'" ＞-'"　 _,..r―-'´｀ヽ　/　 /
l､／lｃ'｀‐'｀l__,.r'",r'"　 ,rーl",　､　　　　　ヽ'ー''

123 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:32:41 ID:SdlOGj3U

┌───────────────────────────────────┐
　　　そしてしばらくすると、申后に続き褒姒も臣下の前に姿を見せなくなった。
└───────────────────────────────────┘

　　　　 ,=::;;;,　　　　　ﾋｿﾋｿ
　　　　 l,ェ`l l　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋｿﾋｿ
　　　　　←､,ｒ'ヽ、　　　　　　　 ,r―-､、　　　　　ｒ''"｀''''ー--､
　　　　　／,rﾆニ=-､　　　　／;ﾞﾟﾞﾞﾞ`> ｀''i　　　　 lr'ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞl　　｀'l
　　　　 r＝,ﾚﾞﾞﾞﾞﾞl　　 l　　　　> ェ‐ 　〉　　l　　　ﾑ　　　　l
　　　 ζ=`>`ｴヽ,r-,l　　　 < ､　　 l_r‐-, l　　　〈ｪ　`ｪ‐ 　〉
　　　　i-､　〉-､　 _ノ､　　　├､　　､ノ　　　　 K´　　　　し'´`,
　　　 ,r'-､,r'l､_,r'" /´　＼　 <、　　　 ,ｒ､　　　l<＿　　　　_,／　　　　　おい聞いたか、褒姒様の事。
　　／／l´　　>､_/　　　　＼__,>､,r'''"　ヽ、　　〉　　　　　 /l、
　　'llll'　l　　 l　/　　　　　／〈ｰ'　　　　　ヽ　｀`ヽｰ　　　 ,）＼　　　　　聞いたさ。ご懐妊だってな。
　　　　 l　　ﾉ l .l　　　　／／　　　　　　　　l,r‐';"´〉　　,r'",r''"
　　　　l,--､l　/ l　　　 ,l　　　　　/　　　　　/　〈　/'-'フ" <
＿,r=='　　ﾉ`〉　l　　　/ /　　　　/ 　　　　　l　　ヽl／"''''''''"　　　　　　　ハァ……。妙なことにならないといいが。
_,r‐'"　／　〈　 l''''''フ´ l　　　　/　　　　　ﾉ　　　l/ /
‐‐''''フ"　 ,r''l_,.ノ／　 .（　　　 ./　　　　　/　　　/　/
‐＜ﾆ--‐‐''"　／　　　/　　　/｀''ヽ､,_　ノ　　　/　/
＿r=ﾆ>-==‐'ﾌ　　　／　　,..ノ　　　　 >'　　 ,-ﾑ、'
／;'／｀>=｀ヽ'　 ,r'" ＞-'"　 _,..r―-'´｀ヽ　/　 /
l､／lｃ'｀‐'｀l__,.r'",r'"　 ,rーl",　､　　　　　ヽ'ー''

　　　　　　　　　　　　　　　／　＿｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　/ﾄ､　,-＿_, ｰ_ i、
　　　　　　　　　　　 lｲﾐF fr'三ﾃ　fヨ!
　　　　　　　　　　　　　ﾊﾏl} 丶 .ィｰ;_ﾁ_!
　　　　　　　　　　　　　jﾘﾍ._ﾄ､　 //ﾞ,ﾆ､`i}　　　　　…ますます後宮の中も険悪になりそうだな……
　　　　　　　　　　　　 jﾉLｲﾑjﾄ､ {!_,rﾇﾐヽi!
　　　　　　　　　　　／ / ヾiヽlﾘ｀｢|i |! li |＼
　　　　　　　　　／　､　　ヾiヽ`､ヾ!i |ﾘ!　.ヽ
　　　　　　　　 /　　　ヽ　:i!　ヾiヽ＼/ﾉ!ii|　 i. ヽ
　　　　　　　　,′/　　　',　!　　 lii lヽ./ |lii| ､! ,　'､
　　　　　　　 !　　　　　 i:　　　ヾiiヽ　 |lii|　V　　ヽ
　　　　　　　 i　　　　　　ｰ ' ／　　l iil、|liｉ|　 !　　 i

124 ：名無しのやる夫さん＠URLを貼る時は"h"抜きでttpから[sage] 投稿日：11/07/29(金) 22:32:58 ID:wWDQU5fT

老子の存在感がでかいなw

125 ： ◆X0w9eXOmmQ [] 投稿日：11/07/29(金) 22:33:37 ID:SdlOGj3U

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まったくだな……＞

,:　'　/　'　/　/　,:'/,　　:'/　　/'　/　/　,:'/,:　'　/　'　/　/　,:'/,　　:'/　　/'　/　/　,:'/,:　'　/　'　/　/　,:'/,
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,:'/,　　:'/　　/'　/　/　,'/,　'　/　'　/　_;;;;;;ヽ/　,:'　,:'/,　　:'/　　∧_∧　/　/　,:'/,:　'　/　'　/　/　,:'
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从 MwM 从 MwMmwMwM　从WＹWﾉM　MWＹMWﾉWＹWﾉMﾉMＹWWＹWﾉM　MWＹMWﾉWＹWﾉMﾉMＹW

126 ： ◆X0w9eXOmmQ [sage] 投稿日：11/07/29(金) 22:35:37 ID:SdlOGj3U

とりあえずここまで。お疲れ様でした。

人名はすべて敬称略とさせていただきました。

褒姒（& #23088;）、
虢（& #34402;）公
でした。

127 ： ◆X0w9eXOmmQ [sage] 投稿日：11/07/29(金) 22:38:03 ID:SdlOGj3U

今気付いた。
janeのプレビューでは全部jisコードで正常に表示されたのに、画面では全部？になってる…orz

128 ：名無しのやる夫さん＠URLを貼る時は"h"抜きでttpから[sage] 投稿日：11/07/29(金) 22:39:56 ID:wWDQU5fT

乙ー。

確かに全部？になってますねw
原作知ってる人はいいけどw

129 ：名無しのやる夫さん＠URLを貼る時は"h"抜きでttpから[sage] 投稿日：11/07/29(金) 22:42:21 ID:QNIfOemw
>>127
やる夫板は16進数で書かないと化けるんですよｗ
前に一度ご迷惑をおかけしました

褒&＃x59D2;(褒姒)
&＃x8662;公(虢公)

しかし、ミクが意外と似合うｗ

※やる夫板2ndは１０進数非対応

131 ： ◆X0w9eXOmmQ [sage] 投稿日：11/07/29(金) 22:47:51 ID:SdlOGj3U
>>129
そうなのか！すごい！ありがとうございます！

130 ：名無しのやる夫さん＠URLを貼る時は"h"抜きでttpから[sage] 投稿日：11/07/29(金) 22:47:41 ID:HH0pK0BK

乙でした～

なるほど16進じゃないといけないんだ…ｗ

132 ：名無しのやる夫さん＠URLを貼る時は"h"抜きでttpから[sage] 投稿日：11/07/29(金) 22:58:56 ID:wWDQU5fT

制って後の成皋であり、虎牢関だというと場所のイメージがわかりやすいかもw

知名度的にw

133 ：名無しのやる夫さん＠URLを貼る時は"h"抜きでttpから[sage] 投稿日：11/07/29(金) 23:09:54 ID:wWDQU5fT

wikiに西周時代の地図があったので貼っておく

ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:China_map0420.gif

地図の管のあたりに制があったはず・・・

134 ： ◆X0w9eXOmmQ [sage] 投稿日：11/07/29(金) 23:34:51 ID:SdlOGj3U

ほんとだ、分かりやすいね！
サンクスです。

こうやって見ると、中国はほんとうにでっかく育ったもんだなぁ…

135 ：名無しのやる夫さん＠URLを貼る時は"h"抜きでttpから[sage] 投稿日：11/07/30(土) 07:15:39 ID:YZqp7w91

寝てるあいだに投下されてた。
おつかれさま。

幽王を少しかばうとすれば、失政を繰り返すのも伯陽の周が滅びるという言葉を意識したせいだろう。
なんとかしなければ、という焦燥から色々新奇なことに手を出すが、すべて裏目。
結局それが周の滅亡に導くことになるのだから、皮肉なことだ。

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