20180401相手に近づく一言


























東京新聞・中日新聞
2018年4 月1日(日)
障害者は四つ葉のクローバー 
相手に近づく一言


初対面の人に会うことが多いこの時季、私は自己紹介に頭を悩ませます。まわりにとってはまだまだなじみのない「障害者」。「大変そう」というイメージを持たれ、「何か失礼なことを言ってしまわないか」と過剰に気にされ、距離を置かれがちなのです。

私から相手にさりげなく声を掛けるようにしていますが、自分から積極的に話しかけるのは面倒なこともあります。頭も使うし、気も遣うし、疲れるもの!でも声を掛けられるために相手と目が合うのを待っていても、車椅子に乗った私の高さは1メートル。子どもとは目が合っても、大人と目が合うことはなかなかないのです。だから自分から声を掛けるのはポイントです。

「ここに来るのは初めてですか?」「この帽子、素敵ですね」「お子さんのカバン、使いやすそうですね。」などなど。車椅子の私に話しかけられ、びっくりしたり、戸惑ったりする人もいますが、なるべく気にしないようにします。そして少し会話がはずむと「私は骨が弱いので車椅子に乗っているんですけど、子どもたちも一緒に乗るんですよ」「お出掛けはいつもヘルパーさんとします。一日10時間、ヘルパーさんが来てくれます」と私の生活のスタイルも伝えます。

少しの会話で、お互いの距離が一気に縮まります。時には「車椅子って便利なんですね」「ヘルパーさんがいて、たくさんの人が関わっていてすてきですね」と言ってくれる人もいて、私も嬉しいです。

 私はできないことも多いですが、工夫をし、助けてもらいながら、みんなと同じように生活しています。そして私も、私の得意なことを生かし相手の力になりたい、と願っています。

 障害のある人と出会ったら、ちょっとの会話を楽しんでみませんか?きっと発見がありますよ!


写真:子ども食堂でママ友家族と。子どもたちは大喜び、ママも楽ちんです。